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特表2023-521595植物において真菌病を防除するための組成物及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-25
(54)【発明の名称】植物において真菌病を防除するための組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
   A01N 43/56 20060101AFI20230518BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20230518BHJP
   A01N 63/22 20200101ALI20230518BHJP
   A01N 25/00 20060101ALI20230518BHJP
   A01N 25/04 20060101ALI20230518BHJP
   A01N 25/14 20060101ALI20230518BHJP
   A01N 25/16 20060101ALI20230518BHJP
【FI】
A01N43/56 C
A01P3/00
A01N63/22
A01N25/00 102
A01N25/04 102
A01N25/04 101
A01N25/14
A01N25/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022559524
(86)(22)【出願日】2021-03-31
(85)【翻訳文提出日】2022-11-18
(86)【国際出願番号】 US2021025242
(87)【国際公開番号】W WO2021202789
(87)【国際公開日】2021-10-07
(31)【優先権主張番号】63/004,233
(32)【優先日】2020-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391022452
【氏名又は名称】エフ エム シー コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】FMC CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】ヴェネッサ・クリスティーナ・フレア
(72)【発明者】
【氏名】エドゥアルド・ダ・クルス・マドゥロ・ピチェリ
(72)【発明者】
【氏名】ルイス・アルフレド・ラウアー・デマント
【テーマコード(参考)】
4H011
【Fターム(参考)】
4H011AA01
4H011BA06
4H011BB09
4H011BB21
4H011DA14
4H011DA15
4H011DA16
4H011DA18
4H011DD03
4H011DF04
(57)【要約】
バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、特にバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)FCC1256及びコハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤、特にフルインダピルを含む殺真菌剤の組合せで植物病原性真菌を防除するための方法が提供される。バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)及びコハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤の組合せを含む殺真菌組成物がさらに提供される。方法及び組成物は、ファコプソラ・パキリジ(Phakopsora pachyrhizi)及びファコプソラ・メイボミア(Phakopsora meibomiae)並びにプッチニア・トリチシナ(Puccinia triticina)の防除のための特定の有用性を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物病原性真菌を防除するための方法であって、植物、植物繁殖材料及び/又は関連する土壌を、有効量の、
(1)バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)FCC1256の集団を含むバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)殺真菌剤成分;及び
(2)フルインダピル及びその塩から選択される少なくとも1種の殺真菌剤を含む第2の殺真菌剤成分
を含む殺有害生物組成物で処理することを含む方法。
【請求項2】
前記殺有害生物組成物は、葉面処理として施用される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記植物病原性真菌は、ファコプソラ・パキリジ(Phakopsora pachyrhizi)及びファコプソラ・メイボミア(Phakopsora meibomiae)からなる群から選択される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記植物は、ダイズである、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記植物病原性真菌は、プッチニア属(Puccinia)の種、例えばプッチニア・トリチシナ(Puccinia triticina)から選択される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
前記植物は、穀類である、請求項1若しくは2又は5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)FCC1256の前記集団及びフルインダピルは、1グラムのフルインダピル当たり約1×10CFUのバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)FCC1256~1グラムのフルインダピル当たり約1×1015CFUのバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)FCC1256の比で存在する、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)FCC1256及びフルインダピルは、相乗的有効量で存在する、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
殺有害生物組成物であって、
1)バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)FCC1256の集団を含むバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)殺真菌剤成分、及び
2)フルインダピル及びその塩から選択される少なくとも1種の殺真菌剤を含む第2の殺真菌剤成分
を含む殺有害生物組成物。
【請求項10】
バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)FCC1256の前記集団及びフルインダピルは、1グラムのフルインダピル当たり約1×10CFUのバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)FCC1256~1グラムのフルインダピル当たり約1×1015CFUのバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)FCC1256の比で存在する、請求項9に記載の殺有害生物組成物。
【請求項11】
少なくとも1種の農業的に許容される補助剤をさらに含む、請求項9又は10に記載の殺有害生物組成物。
【請求項12】
懸濁液、懸濁液濃縮物、油分散物、エマルション、水分散性顆粒又は泡の形態である、請求項9~11のいずれか一項に記載の殺有害生物組成物。
【請求項13】
固体であり、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)FCC1256の前記集団は、約1×10CFU/グラム~約1×1012CFU/グラム、約1×10CFU/グラム~1×1011CFU/グラム又は約1×10CFU/グラム~約1×1010CFU/グラムの濃度で存在する、請求項9~12のいずれか一項に記載の殺有害生物組成物。
【請求項14】
液体、懸濁液、分散物又はエマルションであり、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)FCC1256の前記集団は、約1×10CFU/mL~約1×1012CFU/mL、約1×10CFU/mL~約1×1011CFU/mL又は約1×10CFU/mL~約1×1010CFU/mLの濃度で存在する、請求項9~12のいずれか一項に記載の殺有害生物組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
先行出願の参照 本出願は、参照により本明細書にその全体が組み込まれる、2020年4月2日に出願された仮特許出願第63/004,233号明細書に対する優先権を主張する。
【0002】
本開示の分野は、概して、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)及び化学的殺真菌剤を含む殺有害生物組成物並びに植物病原菌を防除するためのその使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
限定されないが、ファコプソラ属(Phakopsora)の種を含む真菌植物病原菌(植物病原体)は、農業及び園芸産業において重大な経済的損失をもたらし得る植物有害生物の1つのタイプである。化学薬剤を使用して真菌植物病原体を防除することができるが、問題として、化学薬剤の使用は、高い費用、有効性の欠如、真菌の耐性菌株の出現及び望ましくない環境影響を含む不都合を被る。さらに、このような化学的処理は、無差別である傾向があり、処理が標的とする植物病原菌に加えて、有益な細菌、真菌及び節足動物に悪影響を与え得る。
【0004】
微生物殺真菌剤、例えばバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)の特定の菌株も、真菌植物病原体を防除するために使用することができる。問題として、特定の条件下のバイオ殺有害生物剤は、不都合、例えば高い特異性;遅い作用速度;様々な生物要因及び非生物要因の影響による変わりやすい有効性;並びに耐性の発生を有し得る。
【0005】
問題として、植物病原体の防除において個々の活性成分を反復施用すること及び専ら施用することは、対象の活性成分に対して自然耐性又は適応耐性を発生する様々な真菌株又は有害生物分離株をもたらし得る。対象の活性成分によるこのような植物病原体の有効な防除は、もはや可能でない。
【0006】
特許文献1は、特定のバチルス属(Bacillus)菌株の1つ及び殺有害生物剤を含む殺有害生物混合物並びにその農業使用について開示している。
【0007】
特許文献2は、バチルス・アミロリケファシエンス亜種プランタルム(Bacillus amyloliquefaciens ssp.plantarum)菌株TJ1000及び殺有害生物剤を含む殺有害生物混合物並びにその農業使用について開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2015/177021号パンフレット
【特許文献2】欧州特許出願公開第2962568A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特定の生物学的殺有害生物剤及び化学的殺有害生物剤の利用が可能であるにも関わらず、標的病害及びそれらのそれぞれの原因となる病原体に対する特異性を改善させることが当技術分野で必要とされている。さらに、様々な生物要因及び非生物要因によって影響を受け得る生物学的殺有害生物剤の有効性及び効力を改善させることが必要とされている。またさらに、有効な有害生物の防除を実現する一方、好ましくない環境効果又は毒性学的効果を最小化するために殺有害生物剤の投与量を低減させることが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
いくつかの態様において、植物病原性真菌を防除する、例えばファコプソラ・パキリジ(Phakopsora pachyrhizi)、ファコプソラ・メイボミア(Phakopsora meibomiae)及び/又はプッチニア属(Puccinia)の種、例えばプッチニア・トリチシナ(Puccinia triticina)を防除するための方法が提供される。この方法は、植物、植物繁殖材料及び/又は関連する土壌を、有効量の、(1)バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)FCC1256の集団を含むバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)殺真菌剤成分;及び(2)フルインダピル及びその塩から選択される少なくとも1種の殺真菌剤を含む第2の殺真菌剤成分を含む殺有害生物組成物で処理することを含む。
【0011】
いくつかの態様において、殺有害生物組成物が提供される。殺有害生物組成物は、(1)バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)FCC1256の集団を含むバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)殺真菌剤成分、及び(2)フルインダピル及びその塩から選択される少なくとも1種の殺真菌剤を含む第2の殺真菌剤成分を含む。殺有害生物組成物において、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)FCC1256の集団及びフルインダピルは、典型的には、1グラムのフルインダピル当たり約1×10CFUのバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)FCC1256~1グラムのフルインダピル当たり約1×1015CFUのバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)FCC1256の比で存在する。
【0012】
いくつかの態様において、植物病原性真菌を防除するための方法が提供される。この方法は、植物、植物繁殖材料及び/又は関連する土壌を、有効量の、(1)バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)の少なくとも1つの菌株の集団を含むバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)殺真菌剤成分;及び(2)コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤からなる群から選択される少なくとも1種の殺真菌剤、例えばフルインダピルを含む第2の殺真菌剤成分を含む殺有害生物組成物で処理することを含む。バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)殺真菌剤成分及び第2の殺真菌剤成分は、相乗的有効量で存在し;バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)殺真菌剤成分中に含有されるバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)の集団及び第2の殺真菌剤成分は、1グラムのコハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤活性成分当たり約1×10CFUのバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)~1グラムのコハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤活性成分当たり約1×1015CFUのバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)の比で存在し;植物病原性真菌は、ファコプソラ・パキリジ(Phakopsora pachyrhizi)及びファコプソラ・メイボミア(Phakopsora meibomiae)からなる群から選択される。
【0013】
いくつかの態様において、殺有害生物組成物が提供される。この組成物は、(1)バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)の少なくとも1つの菌株の集団を含むバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)殺真菌剤成分、及び(2)コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤からなる群から選択される少なくとも1種の殺真菌剤を含む第2の殺真菌剤成分を含む。バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)殺真菌剤成分中に含有されるバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)の集団及び第2の殺真菌剤成分は、1グラムのコハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤活性成分当たり約1×10CFUのバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)~1グラムのコハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤活性成分当たり約1×1015CFUのバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)の比で存在する。
【0014】
いくつかの態様において、植物病原性真菌を防除するための方法が提供される。この方法は、植物、植物繁殖材料及び/又は土壌を、有効量の、(1)バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)の少なくとも1つの菌株の集団を含むバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)殺真菌剤成分、及び(2)コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤からなる群から選択される少なくとも1種の殺真菌剤を含む第2の殺真菌剤成分を含む殺有害生物組成物で処理することを含む。バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)殺真菌剤成分中に含有されるバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)の集団及び第2の殺真菌剤成分は、1グラムのコハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤活性成分当たり約1×10CFUのバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)~1グラムのコハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤活性成分当たり約1×1015CFUのバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)の比で存在する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】P.パキリジ(P.pachyrhizi)を接種した未処理のダイズ葉対照;2×1011CFU/haのB.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)種FCC1256を含む配合物(配合物2)で処理し、それに続いて1日後、P.パキリジ(P.pachyrhizi)を接種したダイズ葉;80g a.i./haのフルインダピル及び1000g a.i./haのクロロタロニルを含む配合物(配合物7)で処理し、それに続いて1日後、P.パキリジ(P.pachyrhizi)を接種したダイズ葉並びに2×1011CFU/haのB.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)、80g a.i./haのフルインダピル及び1000g a.i./haのクロロタロニルを含む配合物(配合物10)で処理し、それに続いて1日後、P.パキリジ(P.pachyrhizi)を接種したダイズ葉についての結果を示す。それぞれの示された葉は、P.パキリジ(P.pachyrhizi)を接種した12日後を示す。
図2】P.パキリジ(P.pachyrhizi)を接種した未処理のダイズ葉対照;2×1011CFU/haのB.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)種FCC1256を含む配合物(配合物2)で処理し、それに続いて1日後、P.パキリジ(P.pachyrhizi)を接種したダイズ葉;80g a.i./haのフルインダピルを含む配合物(配合物17)で処理し、それに続いて1日後、P.パキリジ(P.pachyrhizi)を接種したダイズ葉;2×1011CFU/haのB.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)及び80g a.i./haのフルインダピルを含む配合物(配合物16)で処理し、それに続いて1日後、P.パキリジ(P.pachyrhizi)を接種したダイズ葉;及びマンコゼブ対照で処理し、それに続いて1日後、P.パキリジ(P.pachyrhizi)を接種したダイズ葉についての結果を示す。それぞれの示された葉は、P.パキリジ(P.pachyrhizi)を接種した12日後を示す。
図3】実施例2においてさらに記載するような、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)FCC1256及びフルインダピルの組合せについての結果を示す。
図4】実施例3においてさらに記載するような、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)FCC1256及び特定の合成殺真菌剤の組合せについての結果を示す。
図5】実施例3においてさらに記載するような、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)FCC1256及び特定の合成殺真菌剤の組合せについての結果を示す。
図6】実施例3においてさらに記載するような、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)FCC1256及び特定の合成殺真菌剤の組合せについての結果を示す。
図7】実施例3においてさらに記載するような、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)FCC1256及び特定の合成殺真菌剤の組合せについての結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示は、一般に、(1)バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)の少なくとも1つの菌株の集団を含むバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)殺真菌剤成分、及び(2)コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤からなる群から選択される少なくとも1種の殺真菌剤を含む第2の殺真菌剤成分を含む組成物を対象とする。組成物は、植物病原性真菌を防除するための特定の有用性を有する。
【0017】
本開示の組成物及び方法は、改善された真菌植物毒性を実現する一方、低減された施用割合での植物上の植物病原性真菌の防除の改善を実現することが発見されている。いくつかの態様において、殺真菌剤の組合せの植物病原性真菌の防除の能力は、個々に施用されるB.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)殺真菌剤及びコハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤と比較して相乗的である。
【0018】
さらに、本開示による組成物は、さらなる驚くべき有利な特性も有し得る。記述し得るこのような有利な特性の例は、より有利な分解性、改善された毒物学的及び/若しくは生態毒物学的挙動並びに/又は有用な植物の改善された特徴である。このような改善された特徴は、出芽、収穫量、植物の健康、より発達した根系、分げつの増加、植物の高さの増加、より大きい葉身、より少ない死んだ根出葉、より強い分げつ、より緑色の葉の色、より少ない肥料を必要とすること、より少ない種子を必要とすること、より多くの有効分げつ、より早期の開花、早期の穀物成熟、より少ない植物バース(倒伏)、シュート成長の増加、改善された植物の勢い及び/又は早期の発芽を含む。
【0019】
定義
本明細書において使用する場合、用語「バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)」は、その菌株に関連して、B.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)菌株の本質的に生物学的に純粋な培養物を指す。B.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)菌株の非限定的例は、FCC1256(ATCC番号PTA-122162として寄託されている、国際公開第2020/069297号パンフレットにおいて開示されている、手短に言えば、「FCC1256」と称される))、AP-136、AP-188、AP-218、AP-219、AP-295、QST713、FZB24、FZB42、F727、MB1600、D747、RTI301、RTI472及びTJ100(菌株1BEとも称される;欧州特許第2962568号明細書から公知である)を含む。FCC1256は、特に興味深い菌株である。特に興味深いB.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)菌株は、リポペプチドであるフェンギシン及びイツリン、特にフェンギシン、イツリン及びサーファクチンを生成することができるものである。一部の実施形態では、B.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)菌株は、0.8:1.0~5.0:1.0、例えば1.0:1.0~4.0:1.0、例えば1.3:1.0~3.0:1.0の相対的な重量比でイツリン及びフェンギシンを生成する。本明細書において報告する実験は、殺真菌剤、例えばフルインダピルと組み合わせて施用したとき、また他のバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)菌株と比較したとき、FCC1256菌株が顕著な相乗効果を示すことを示す。以前に記述した比でイツリン及びフェンギシンを発現するFCC1256の特定の能力(国際公開第2020/069297号パンフレットにおいて報告されたように)により、このような顕著な相乗効果の説明ができると推測される。したがって、同じ内因性の特色を共有する他のバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)菌株は、同じレベルで相乗効果を示し得ることがさらに推測し得る。
【0020】
本明細書に記載されている方法、組成物などにおいて、菌株は、1つの形態又は形態の組合せにおいて、細菌株の単離された胞子として、細菌株の胞子を含む発酵ブロスとして、細菌株の胞子を含む加工された発酵生成物として、細菌株の単離された栄養細胞として、細菌株の栄養細胞を含む発酵ブロスとして且つ細菌株の栄養細胞を含む加工された発酵生成物として存在し得る。
【0021】
本明細書において使用する場合、用語「生物学的に純粋な培養物」は、生物の単一の菌株(種)、すなわち本開示において実質的に専らB.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)を含有する実験室又は発酵培養物を指す。これは、純粋な培養物の発酵ブロスに関与している任意の他の微生物が汚染と見なされることを意味し、これらは、無視できる量でのみ存在し、且つブロスの物理組成及び化学組成に対する測定可能な変化をもたらさない。
【0022】
本明細書において使用する場合、用語「加工された発酵生成物」は、これらに限定されないが、発酵ブロスの濃縮物、濾過された発酵ブロスの固体、再構成された発酵ブロス濃縮物及び乾燥した発酵ブロス(例えば、凍結乾燥又は噴霧乾燥した)を含む、それらの下流の加工された形態を指す。
【0023】
本明細書において使用する場合、用語「植物繁殖材料」は、これらに限定されないが、種子、根、果物、塊茎、球根、根茎、植物の部分並びに発芽後又は土壌からの出現後に移植される出芽した植物及び若い植物を含む、植物の生殖部分の全てを指す。
【0024】
本明細書において使用する場合、用語「植物病原菌」及び「植物病原性」は、真菌、細菌、ウイルス、ウイロイド、ウイルス様生物、卵菌、フィトプラズマ、原生動物、線虫及び寄生植物を含む、植物において感染症をもたらす生物を指す。いくつかの態様において、植物病原菌は、真菌及び細菌から選択される。一態様において、植物病原菌は、真菌植物病原菌から選択される。
【0025】
本明細書において使用する場合、用語「植物の健康」は、単独又は互いに組み合わせたいくつかの指標、例えば収率(例えば、バイオマスの増加及び/又は有用な成分の含量の増加)、植物の勢い(例えば、植物成長の改善及び/又はより緑色の葉(「緑化効果」))、質(例えば、特定の成分の改善された内容又は組成)並びに非生物的及び/又は生物的ストレスに対する耐性によって決定される植物及び/又はその生成物の状態を指す。植物の健康状態についての上記の同定された指標は、相互依存的であり得るか又は互いに起因し得る。
【0026】
本明細書において使用する場合、用語「農業的に許容される」は、(すなわちさらなる活性成分の意図的な包含を伴わずに)農業組成物が施用されることを意図する1つ又は複数の植物上へのかなりの有害な効果を有さない配合物媒体を指す。したがって、農業的に許容される配合物媒体は、その中にB.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)を、目的の植物の部分に施用される有効量の輸送を促進するために入れることができ、且つ農業使用に他に適している、任意のこのような配合物媒体を含み得る。
【0027】
本明細書において使用する場合、用語「水性担体」は、5重量%までの非水構成物を含む主に水をベースとするものを指す。
【0028】
本明細書において使用する場合、用語「有効量」は、病原体による傷害から植物を保護するために、植物、植物がそれから成長する種子又は植物の生息地(例えば、成長培地)に施用されるとき、少なくとも1つの植物病原菌を防除するのに十分な組成物の量を指す。
【0029】
本明細書において使用する場合、用語「防除する」及び「防除すること」は、複数の植物に寄生しているこのような病原体の植物病原菌を死滅させること又は植物病原菌を阻害すること(死亡及び/又は生殖撹乱を含む)を指す。「防除する」及び「防除すること」は、複数の植物における病原体の寄生を防止することも指し得る。本開示の方法及び組成物に関連して、防除は、方法又は組成物が利用されない対応する条件と比較して、植物病原菌の成長の少なくとも10%の低減を意味することを意図する(例えば、一部の実施形態では、少なくとも30%の低減、若しくは少なくとも50%の低減、若しくは少なくとも70%の低減、若しくは少なくとも80%の低減、若しくは少なくとも90%の低減又は本質的に成長の消失)。後者の場合において、成長の消失は、植物病原菌の目視による消失をもたらし得る。本開示のいくつかの態様において、防除は相乗的である。
【0030】
本明細書において使用する場合、用語「植物の地上部分に施用すること」などは、植物の茎、葉、花及び/又は果物を対象とすることによる植物への組成物の施用を指す。他の態様において、施用は、植物又は植物の部分が成長するか又は植えられる生息地、例えば植物の根系若しくは植物の根系の周りの土壌又は植物(若しくは植物の部分)が植えられる土壌を対象とし;これは、「植物の周りの土壌に施用すること」と集団的に称される。
【0031】
本明細書において使用する場合、用語「これらの組合せ」及び「これらの混合物」は、本明細書において使用するように、この用語に先行する列挙した項目の全ての並べ替え及び組合せを指す。例えば、「A、B、C又はこれらの組合せ」は、A、B、C、AB、AC、BC又はABC、順序が特定の文脈において重要である場合、またBA、CA、CB、CBA、BCA、ACB、BAC又はCABの少なくとも1つを含むことを意図する。この例を続けると、明確に含まれるのは、1つ若しくは複数の項目又は用語の反復を含有する組合せ、例えばBB、AAA、AB、BBC、AAABCCCC、CBBAAA、CABABBなどである。典型的には、文脈から他に明白でない限り、任意の組合せでの項目又は用語の数に対して制限が存在しないことを当業者は理解する。
【0032】
本明細書において使用する場合、用語「乳化性濃縮物」(EC)は、水への希釈後にエマルションとして施用される液体の均質な配合物を指す。EC配合物は噴霧タンクにおいて水でさらに希釈して、自発的エマルションを形成することができる。
【0033】
本明細書において使用する場合、用語「分散性濃縮物」(DC)は、水による希釈後に固体分散物として施用される液体の均質な配合物を指す。DC配合物は噴霧タンクにおいて水で希釈して、懸濁液濃縮物(SC)を形成することができる。
【0034】
本明細書において使用する場合、用語「油分散性」(OD)配合物は、油に分散した固体活性成分を含む配合物を指す。
【0035】
本明細書において使用する場合、用語「サスポエマルション」(SE)は、非常に異なる物理的特性を有する2つの活性成分を1つの配合物に合わせる配合物を指す。
【0036】
本明細書において使用する場合、用語「タンクミックス」は、市販の形態の少なくとも1種の殺有害生物成分と補助剤及び任意選択で多少の水とをタンクにおいて使用者によって施用の直前に混合することによって調製される組成物を指す。
【0037】
本明細書において使用する場合、用語「プレミックス」は、市販の形態の少なくとも1種の殺有害生物成分と補助剤及び任意選択で多少の水とを混合することによって調製される組成物を指す。本明細書に開示されているようなプレミックスは、2種以上の生物活性のある薬剤(殺有害生物剤)の混合物として定義される。一態様において、プレミックスは、1つのパッケージで販売し得る。一態様において、プレミックスは、もう1つの補助剤、例えば本明細書において他で記載したような界面活性剤、乳化剤、石油をベースとする作物油、作物由来の種油、pH調整剤、増粘剤、スプレッダーステッカー及び/又は消泡剤をさらに含み得る。
【0038】
本明細書において使用する場合、用語「相乗」、「相乗作用」及び「相乗効果」は、活性成分の組合せの作用が個々の成分の作用の合計より大きいことを指す。所与の活性成分の組合せについてEを予測される作用は、いわゆる、COLBY式に従い、下記のように計算することができる(Colby, S.R.“Calculating synergistic and antagonistic responses of herbicide combination”,Weeds,Vol.15,pages 20-22;1967)。
E=X+Y-(X)(Y)/100
式中、Xは、所与の施用割合での第1の活性成分の観測される有効性であり;Yは、施用割合での第2の活性成分の観測される有効性であり;Eは、それぞれの施用割合でのX及びYの同時施用の予測される有効性である。同じ施用割合でのX及びYの同時施用の観測される有効性(O)がEより大きい場合、相乗効果が示される。O及びEが等しい場合、相加効果が示される。OがE未満である場合、拮抗効果が示される。
【0039】
本明細書において使用する場合、用語「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その」は、特許請求の範囲を含めて本出願において使用されるとき、「1つ又は複数」を指す。このように、例えば、「植物」への言及は、文脈が明らかにそれとは反対でない限り、複数の植物を含む。
【0040】
本明細書において使用する場合、用語「含む」、「を含む」及び「含むこと」は、文脈が他に必要とする場合以外は、非排他的な意味で使用される。
【0041】
本明細書において使用する場合、用語「含む」及びその文法的な変形は、リストにおける項目の列挙が、置換することができるか、又は列挙した項目に加えることができる他の同様の項目が除外するものではないように非限定的であることを意図する。
【0042】
本明細書において使用する場合、用語「約」は、1つ若しくは複数の数又は数値域に関連して使用されるとき、範囲内の全ての数を含む全てのこのような数を指すと理解すべきであり、記載した数値の上及び下の境界を拡張することによってその範囲を変更する。エンドポイントによる数値域の列挙は、その範囲内に包含される全ての数、例えばその分数を含む全整数(例えば、1~5の列挙は、1、2、3、4及び5並びにその分数、例えば1.5、2.25、3.75、4.1などを含む)及びその範囲内の任意の範囲を含む。
【0043】
植物病原性真菌
本開示の範囲内の植物病原性真菌は、ファコプソラ科(Phakopsoraceae)及びプッチニア属(Puccinia)を含む。ファコプソラ科(Phakopsoraceae)の非限定的例は、P.パキリジ(P.pachyrhizi)及びP.メイボミア(P.meibomiae)を含む。ファコプソラ科(Phakopsoraceae)の種と関連する植物病原性真菌病の非限定的例は、アジアダイズさび病(ASR)である。プッチニア属(Puccinia)の非限定的例は、P.トリチシナ(P.triticina)を含む。プッチニア属(Puccinia)の種と関連する植物病原性真菌病の非限定的例は、コムギ赤さび病である。
【0044】
ファコプソラ科(Phakopsoraceae)の種及びプッチニア属(Puccinia)の種の防除におけるバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)FCC1256及びフルインダピルの組合せについての本明細書において報告する有望な結果を考慮して、この組合せは、他の植物病原性真菌、例えば担子菌綱(Basidiomycetes)、子嚢菌綱(Ascomycetes)、不完全菌綱(Deuteromycetes)又は不完全真菌、卵菌綱(Oomycetes):ウスチラゴ属(Ustilago)の種、ティレティア属(Tilletia)の種、ウロマイセス属(Uromyces)の種、リゾクトニア属(Rhizoctonia)の種、エリシフェ属(Erysiphe)の種、スファエロテカ属(Sphaerotheca)の種、ポドスファエラ属(Podosphaera)の種、ウンシヌラ属(Uncinula)の種、ヘルミントスポリウム属(Helminthosporium)の種、リンコスポリウム属(Rhynchosporium)の種、ピレノホラ属(Pyrenophora)の種、モニリニア属(Monilinia)の種、スクレロティニア属(Sclerotinia)の種、セプトリア属(Septoria)の種(ミコスフェレラ属(Mycosphaerella)の種)、ベンチュリア属(Venturia)の種、ボトリチス属(Botrytis)の種、アルテルナリア属(Alternaria)の種、フザリウム属(Fusarium)の種、セルコスポラ属(Cercospora)の種、セルコスポレラ・ヘルポトリコイデス(Cercosporella herpotrichoides)、コレトトリクム属(Colletotrichum)の種、ピリクラリア・オリザ(Pyricularia oryzae)、スクレロチウム属(Sclerotium)の種、フィトフトラ属(Phytophtora)の種、フィチウム属(Pythium)の種、プラスモパラ・ビチコラ(Plasmopara viticola)、ペロノスポラ属(Peronospora)の種、プソイドペロノスポラ・キュベンシス(Pseudoperonospora cubensis)及びブレミア・ラクツカ(Bremia lactucae)から選択される1つ又は複数の防除のためにも適用可能であり得ることが推測される。
【0045】
組成物
殺真菌剤
いくつかの態様において、本開示は、(1)B.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)の少なくとも1つの菌株の集団を含むB.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)殺真菌剤成分、及び(2)コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤からなる群から選択される少なくとも1種の殺真菌剤(b7)を含む第2の殺真菌剤成分の組合せを対象とする。
【0046】
本明細書において使用する場合、「コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤(SDHI)殺真菌剤(b7)」(FRACコード7)は、コハク酸デヒドロゲナーゼと称されるクレブス回路(TCAサイクル)における重要な酵素を撹乱することにより、複合体II真菌呼吸を阻害する作用機序を有する殺真菌剤を指す。SDHI塩は、本開示の範囲内である。呼吸を阻害することにより、真菌がATPを産生することを防止し、このように成長及び繁殖を阻害する。SDHI殺真菌剤は、
フェニルベンズアミド、フェニルオキソエチルチオフェンアミド、ピリジニルエチルベンズアミド、フランカルボキサミド、オキサチインカルボキサミド、チアゾールカルボキサミド、ピラゾール-4-カルボキサミド、N-シクロプロピル-N-ベンジル-ピラゾールカルボキサミド、N-メトキシ-(フェニルエチル)-ピラゾールカルボキサミド、ピリジンカルボキサミド及びピラジンカルボキサミド殺真菌剤を含む。フェニルベンズアミドは、ベンダニル、フルトラニル及びメプロニルを含む。フェニルオキソエチルチオフェンアミドは、イソフェタミドを含む。ピリジニルエチルベンズアミドは、フルオピラムを含む。フランカルボキサミドは、フェンフラムを含む。オキサチインカルボキサミドは、カルボキシン及びオキシカルボキシンを含む。チアゾールカルボキサミドは、チフルザミドを含む。ピラゾール-4-カルボキサミドは、ベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、フルベネテラム(暫定的な一般名、登録番号1676101-39-5)、フルインダピル、フルキサピロキサド、フラメトピル、インピルフルキサム、イソピラザム、ペンフルフェン、ペンチオピラド、ピラプロポイン(暫定的な一般名、登録番号1803108-03-3)、セダキサン及びN-[2-(2,4-ジクロロフェニル)-2-メトキシ-1-メチルエチル]-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドを含む。N-シクロプロピル-N-ベンジル-ピラゾールカルボキサミドは、イソフルシプラムを含む。N-メトキシ-(フェニルエチル)-ピラゾールカルボキサミドは、ピジフルメトフェンを含む。ピリジンカルボキサミドは、ボスカリドを含む。ピラジンカルボキサミドは、ピラジフルミドを含む。いくつかの態様において、SDHI殺真菌剤は、ピラゾール-4-カルボキサミドである。いくつかの態様において、SDHI殺真菌剤は、ベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、フルインダピル、フルキサピロキサド、インピルフルキサム及びこれらの組合せから選択される。いくつかの好ましい態様において、SDHI殺真菌剤は、フルインダピルである。
【0047】
殺真菌剤、すなわちバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)殺真菌剤成分(特にバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)FCC1256)及び第2の殺真菌剤成分、すなわち特にフルインダピル(例えば、唯一のコハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤として又は他と組み合わせた)を含むコハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤からなる群から選択される少なくとも1種の殺真菌剤(b7)の主要な組合せに加えて、本開示の殺真菌剤成分は、下記から選択される少なくとも1種のさらなる殺真菌剤を任意選択で含み得る:(b1)メチルベンゾイミダゾールカルバメート(MBC)殺真菌剤;(b2)ジカルボキシミド殺真菌剤;(b3)脱メチル化阻害剤(DMI)殺真菌剤;(b4)フェニルアミド(PA)殺真菌剤;(b5)アミン/モルホリン殺真菌剤;(b6)リン脂質生合成阻害剤殺真菌剤;(b8)ヒドロキシ(2-アミノ-)ピリミジン殺真菌剤;(b9)アニリノピリミジン(AP)殺真菌剤;(b10)N-カルバミン酸フェニル殺真菌剤;(b11)キノン外部阻害剤(QoI)殺真菌剤;(b12)フェニルピロール(PP)殺真菌剤;(b13)アザナフタレン殺真菌剤;(b14)細胞過酸化阻害剤殺真菌剤;(b15)メラニン生合成阻害剤-レダクターゼ(MBI-R)殺真菌剤;(b16a)メラニン生合成阻害剤-デヒドラターゼ(MBI-D)殺真菌剤;(b16b)メラニン生合成阻害剤-ポリケチドシンターゼ(MBI-P)殺真菌剤;(b17)ケトレダクターゼ阻害剤(KRI)殺真菌剤;(b18)スクアレン-エポキシダーゼ阻害剤殺真菌剤;(b19)ポリオキシン殺真菌剤;(b20)フェニル尿素殺真菌剤;(b21)キノン内部阻害剤(QiI)殺真菌剤;(b22)ベンズアミド及びチアゾールカルボキサミド殺真菌剤;(b23)エノピラヌロン酸抗生物質殺真菌剤;(b24)ヘキソピラノシル抗生物質殺真菌剤;(b25)グルコピラノシル抗生物質:タンパク質合成殺真菌剤;(b26)グルコピラノシル抗生物質殺真菌剤;(b27)シアノアセトアミドオキシム殺真菌剤;(b28)カルバメート殺真菌剤;(b29)酸化的リン酸化脱共役殺真菌剤;(b30)有機スズ殺真菌剤;(b31)カルボン酸殺真菌剤;(b32)ヘテロ芳香族殺真菌剤;(b33)ホスホネート殺真菌剤;(b34)フタラミン酸殺真菌剤;(b35)ベンゾトリアジン殺真菌剤;(b36)ベンゼン-スルホンアミド殺真菌剤;(b37)ピリダジノン殺真菌剤;(b38)チオフェン-カルボキサミド殺真菌剤;(b39)複合体I NADHオキシドレダクターゼ阻害剤殺真菌剤;(b40)カルボン酸アミド(CAA)殺真菌剤;(b41)テトラサイクリン系抗生物質殺真菌剤;(b42)チオカルバメート殺真菌剤;(b43)ベンズアミド殺真菌剤;(b44)微生物殺真菌剤;(b45)キノン外部阻害剤、スティグマテリン結合(QoSI)殺真菌剤;(b46)植物抽出物殺真菌剤;(b47)シアノアクリレート殺真菌剤;(b48)ポリエン殺真菌剤;(b49)オキシステロール結合タンパク質阻害剤(OSBPI)殺真菌剤;(b50)アリールフェニルケトン殺真菌剤;(b51)宿主植物防御誘発殺真菌剤;(b52)多部位活性殺真菌剤;(b53)複数の作用機序を有する生物学的製剤;(b54)成分(a)及び成分(b1)~(b53)の殺真菌剤以外の殺真菌剤;並びに(b1)~(b54)の化合物の塩。
【0048】
本明細書において使用する場合、「メチルベンゾイミダゾールカルバメート(MBC)殺真菌剤(b1)」(FRACコード1)は、微小管重合中にβ-チューブリンへの結合によって有糸分裂を阻害する作用機序を有する殺真菌剤を指す。微小管重合の阻害は、細胞分裂、細胞及び細胞構造内の輸送を撹乱することができる。メチルベンゾイミダゾールカルバメート殺真菌剤は、ベンゾイミダゾール及びチオファネート殺真菌剤を含む。ベンゾイミダゾールは、ベノミル、カルベンダジム、フベリダゾール及びチアベンダゾールを含む。チオファネートは、チオファネート及びチオファネート-メチルを含む。
【0049】
本明細書において使用する場合、「ジカルボキシミド殺真菌剤(b2)」(FRACコード2)は、浸透圧シグナル伝達におけるマイトジェン活性化タンパク質(MAP)/ヒスチジンキナーゼを阻害する作用機序を有する殺真菌剤を指す。例は、クロゾリネート、ジメタクロン、イプロジオン、プロシミドン及びビンクロゾリンを含む。
【0050】
本明細書において使用する場合、「脱メチル化阻害剤(DMI)殺真菌剤(b3)」(FRACコード3)(ステロール生合成阻害剤(SBI):クラスI)は、ステロール産生において役割を果たすC14-デメチラーゼを阻害する作用機序を有する殺真菌剤を指す。ステロール、例えばエルゴステロールは、膜構造及び機能のために必要とされ、機能性細胞壁の発達のために必須なものである。したがって、これらの殺真菌剤への曝露は、感受性真菌の異常な成長及び最終的に死をもたらす。DMI殺真菌剤は、いくつかの化学クラスに分類される:ピペラジン、ピリジン、ピリミジン、イミダゾール、トリアゾール及びトリアゾリンチオン。ピペラジンは、トリフォリンを含む。ピリジンは、ブチオベート、ピリフェノックス、ピリソオキサゾール及び(αS)-[3-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-イソオキサゾリル]-3-ピリジンメタノールを含む。ピリミジンは、フェナリモル、ヌアリモール及びトリアリモールを含む。イミダゾールは、エコナゾール、イマザリル、オキスポコナゾール、ペフラゾエート、プロクロラズ及びトリフルミゾールを含む。トリアゾールは、アザコナゾール、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール(ジニコナゾール-Mを含む)、エポキシコナゾール、エタコナゾール、フェンブコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、イプコナゾール、イプフェントリフルコナゾール、メフェントリフルコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、キンコナゾール、シメコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリチコナゾール、ウニコナゾール、ウニコナゾール-P、α-(1-クロロシクロプロピル)-α-[2-(2,2-ジクロロシクロプロピル)エチル]-1H-1,2,4-トリアゾール-1-エタノール、rel-1-[[(2R,3S)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-オキシラニル]メチル]-1H-1,2,4-トリアゾール、rel-2-[[(2R,3S)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-オキシラニル]メチル]-1,2-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン及びrel-1-[[(2R,3S)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-オキシラニル]メチル]-5-(2-プロペン-1-イルチオ)-1H-1,2,4-トリアゾールを含む。トリアゾリンチオンは、プロチオコナゾールを含む。生化学的調査は、K.H.Kuck et al.、Modern Selective Fungicides-Properties,Applications and Mechanisms of Action,H.Lyr(Ed.),Gustav Fischer Verlag:New York,1995,205-258によって記載されているように、上述の殺真菌剤の全てがDMI殺真菌剤であることを示してきた。
【0051】
本明細書において使用する場合、「フェニルアミド(PA)殺真菌剤(b4)」(FRACコード4)は、卵菌真菌においてRNAポリメラーゼの特定の阻害剤を阻害する作用機序を有する殺真菌剤を指す。これらの殺真菌剤に曝露された感受性真菌は、ウリジンをrRNA中に組み込む能力の低減を示す。感受性真菌における成長及び発達は、このクラスの殺真菌剤への曝露によって防止される。フェニルアミド殺真菌剤は、アシルアラニン、オキサゾリジノン及びブチロラクトン殺真菌剤を含む。アシルアラニンは、ベナラキシル、ベナラキシル-M(キララキシルとしても公知である)、フララキシル、メタラキシル及びメタラキシル-M(メフェノキサムとしても公知である)を含む。オキサゾリジノンは、オキサジキシルを含む。ブチロラクトンは、オフレースを含む。
【0052】
本明細書において使用する場合、「アミン/モルホリン殺真菌剤(b5)」(FRACコード5)(SBI:クラスII)は、ステロール生合成経路内の2つの標的部位である△→△イソメラーゼ及び△14レダクターゼを阻害する作用機序を有する殺真菌剤を指す。ステロール、例えばエルゴステロールは、膜構造及び機能のために必要であり、機能性細胞壁の発達のために必須なものである。したがって、これらの殺真菌剤への曝露は、感受性真菌の異常な成長及び最終的に死をもたらす。アミン/モルホリン殺真菌剤(非DMIステロール生合成阻害剤としても公知である)は、モルホリン、ピペリジン及びスピロケタールアミン殺真菌剤を含む。モルホリンは、アルジモルフ、ドデモルフ、フェンプロピモルフ、トリデモルフ及びトリモルファミドを含む。ピペリジンは、フェンプロピディン及びピペラリンを含む。スピロケタールアミンは、スピロキサミンを含む。
【0053】
本明細書において使用する場合、「リン脂質生合成阻害剤殺真菌剤(b6)」(FRACコード6)は、リン脂質生合成に影響を与えることによって真菌の成長を阻害する作用機序を有する殺真菌剤を指す。リン脂質生合成殺真菌剤は、ホスホロチオエート及びジチオラン殺真菌剤を含む。ホスホロチオエートは、エディフェンホス、イプロベンホス及びピラゾホスを含む。ジチオランは、イソプロチオランを含む。
【0054】
本明細書において使用する場合、「ヒドロキシ-(2-アミノ-)ピリミジン殺真菌剤(b8)」(FRACコード8)は、アデノシンデアミナーゼを妨げることによって核酸合成を阻害する作用機序を有する殺真菌剤を指す。例は、ブピリメート、ジメチリモール及びエチリモールを含む。
【0055】
本明細書において使用する場合、「アニリノピリミジン(AP)殺真菌剤(b9)」(FRACコード9)は、アミノ酸であるメチオニンの生合成を阻害し、感染中に植物細胞を溶解する加水分解酵素の分泌を撹乱する作用機序を有することが提唱される。例は、シプロジニル、メパニピリム及びピリメタニルを含む。
【0056】
本明細書において使用する場合、「N-カルバミン酸フェニル殺真菌剤(b10)」(FRACコード10)は、β-チューブリンに結合し、微小管重合を撹乱することによって有糸分裂を阻害する作用機序を有する殺真菌剤を指す。微小管重合の阻害は、細胞分裂、細胞及び細胞構造内の輸送を撹乱することができる。例は、ジエトフェンカルブを含む。
【0057】
本明細書において使用する場合、「キノン外部阻害剤(QoI)殺真菌剤(b11)」(FRACコード11)は、ユビキノールオキシダーゼに影響を与えることによって真菌における複合体IIIミトコンドリア呼吸を阻害する作用機序を有する殺真菌剤を指す。ユビキノールの酸化は、真菌の内側ミトコンドリア膜に位置しているチトクロムbc複合体の「キノン外部」(Qo)部位においてブロックされる。ミトコンドリア呼吸を阻害することは、正常な真菌成長及び発生を防止する。キノン外部阻害剤殺真菌剤は、メトキシアクリレート、メトキシアセトアミド、メトキシカルバメート、オキシイミノアセテート、オキシイミノアセトアミド及びジヒドロジオキサジン殺真菌剤(集合的にストロビルリン殺真菌剤としても公知である)並びにオキサゾリジンジオン、イミダゾリノン及びベンジルカルバメート殺真菌剤を含む。メトキシアクリレートは、アゾキシストロビン、クモキシストロビン、エノキサストロビン(エネストロブリンとしても公知である)、フルフェノキシストロビン、ピコキシストロビン及びピラオキシストロビンを含む。メトキシアセトアミドは、マンデストロビンを含む。メトキシカルバメートは、ピラクロストロビン、ピラメトストロビン及びトリクロピリカルブを含む。オキシイミノアセテートは、クレソキシムメチル及びトリフロキシストロビンを含む。オキシイミノアセトアミドは、ジモキシストロビン、フェナミンストロビン、メトミノストロビン及びオリサストロビンを含む。ジヒドロジオキサジンは、フルオキサストロビンを含む。オキサゾリジンジオンは、ファモキサドンを含む。イミダゾリノンは、フェナミドンを含む。ベンジルカルバメートは、ピリベンカルブを含む。
【0058】
本明細書において使用する場合、「フェニルピロール(PP)殺真菌剤(b12)」(FRACコード12)は、真菌における浸透圧シグナル伝達と関連するMAP/ヒスチジンキナーゼを阻害する作用機序を有する殺真菌剤を指す。フェンピクロニル及びフルジオキソニルは、この殺真菌剤クラスの例である。
【0059】
本明細書において使用する場合、「アザナフタレン殺真菌剤(b13)」(FRACコード13)は、依然として未知である機構によってシグナル伝達を阻害する作用機序を有すると提唱される。これらはウドンコ病病害をもたらす真菌における発芽及び/又は付着器形成を妨げることが示されてきた。アザナフタレン殺真菌剤は、アリールオキシキノリン及びキナゾリノンを含む。アリールオキシキノリンは、キノキシフェンを含む。キナゾリノンは、プロキナジドを含む。
【0060】
本明細書において使用する場合、「細胞過酸化阻害剤殺真菌剤(b14)」(FRACコード14)は、真菌における膜合成に影響を与える脂質過酸化を阻害する作用機序を有すると提唱される。このクラスのメンバー、例えばエトリジアゾールは、他の生物学的過程、例えば呼吸及びメラニン生合成にも影響を与え得る。細胞過酸化殺真菌剤は、芳香族炭化水素及び1,2,4-チアジアゾール殺真菌剤を含む。芳香族炭化水素殺真菌剤は、ビフェニル、クロロネブ、ジクロラン、キントゼン、テクナゼン及びトルクロホスメチルを含む。1,2,4-チアジアゾールは、エトリジアゾールを含む。
【0061】
本明細書において使用する場合、「メラニン生合成阻害剤-レダクターゼ(MBI-R)殺真菌剤(b15)」(FRACコード16.1)は、メラニン生合成におけるナフタル還元ステップを阻害する作用機序を有する殺真菌剤を指す。メラニンは、いくつかの真菌による宿主植物感染のために必要とされる。メラニン生合成阻害剤-レダクターゼ殺真菌剤は、イソベンゾフラノン、ピロロキノリノン及びトリアゾロベンゾチアゾール殺真菌剤を含む。イソベンゾフラノンは、フサライドを含む。ピロロキノリノンは、ピロキロンを含む。トリアゾロベンゾチアゾールは、トリシクラゾールを含む。
【0062】
本明細書において使用する場合、「メラニン生合成阻害剤-デヒドラターゼ(MBI-D)殺真菌剤(b16a)」(FRACコード16.2)は、メラニン生合成におけるシタロンデヒドラターゼを阻害する作用機序を有する殺真菌剤を指す。メラニンは、いくつかの真菌による宿主植物感染のために必要とされる。メラニン生合成阻害剤-デヒドラターゼ殺真菌剤は、シクロプロパンカルボキサミド、カルボキサミド及びプロピオンアミド殺真菌剤を含む。シクロプロパンカルボキサミドは、カルプロパミドを含む。カルボキサミドは、ジクロシメットを含む。プロピオンアミドは、フェノキサニルを含む。
【0063】
本明細書において使用する場合、「メラニン生合成阻害剤-ポリケチドシンターゼ(MBI-P)殺真菌剤(b16b)」(FRACコード16.3)は、メラニン生合成におけるポリケチドシンターゼを阻害する作用機序を有する殺真菌剤を指す。メラニンは、いくつかの真菌による宿主植物感染のために必要とされる。メラニン生合成阻害剤-ポリケチドシンターゼ殺真菌剤は、トリフルオロエチルカルバメート殺真菌剤を含む。トリフルオロエチルカルバメートは、トルプロカルブを含む。
【0064】
本明細書において使用する場合、「ケトレダクターゼ阻害剤(KRI)殺真菌剤(b17)」(FRACコード17)は、ステロール産生におけるC4-脱メチル化中に3-ケトレダクターゼを阻害する作用機序を有する殺真菌剤を指す。ケトレダクターゼ阻害剤殺真菌剤(ステロール生合成阻害剤(SBI):クラスIIIとしても公知である)は、ヒドロキシアニリド及びアミノ-ピラゾリノンを含む。ヒドロキシアニリドは、フェンヘキサミドを含む。アミノ-ピラゾリノンは、フェンピラザミンを含む。キノフメリン(暫定的な一般名、登録番号861647-84-9)及びイプフルフェノキン(暫定的な一般名、登録番号1314008-27-9)は、ケトレダクターゼ阻害剤殺真菌剤でもあると考えられる。
【0065】
本明細書において使用する場合、「スクアレン-エポキシダーゼ阻害剤殺真菌剤(b18)」(FRACコード18)(SBI:クラスIV)は、ステロール生合成経路におけるスクアレン-エポキシダーゼを阻害する作用機序を有する殺真菌剤を指す。ステロール、例えばエルゴステロールは、膜構造及び機能のために必要とされ、機能性細胞壁の発達のために必須なものである。したがって、これらの殺真菌剤への曝露は、感受性真菌の異常な成長及び最終的に死をもたらす。スクアレン-エポキシダーゼ阻害剤殺真菌剤は、チオカルバメート及びアリルアミン殺真菌剤を含む。チオカルバメートは、ピリブチカルブを含む。アリルアミンは、ナフチフィン及びテルビナフィンを含む。
【0066】
本明細書において使用する場合、「ポリオキシン殺真菌剤(b19)」(FRACコード19)は、キチンシンターゼを阻害する作用機序を有する殺真菌剤を指す。例は、ポリオキシンを含む。
【0067】
本明細書において使用する場合、「フェニル尿素殺真菌剤(b20)」(FRACコード20)は、細胞分裂に影響を与える作用機序を有すると提唱される。例は、ペンシクロンを含む。
【0068】
本明細書において使用する場合、「キノン内部阻害剤(QiI)殺真菌剤(b21)」(FRACコード21)は、ユビキノンレダクターゼに影響を与えることによって真菌における複合体IIIミトコンドリア呼吸を阻害する作用機序を有する殺真菌剤を指す。ユビキノンの産生は、真菌の内側ミトコンドリア膜に位置しているチトクロムbc複合体の「キノン内部」(Qi)部位においてブロックされる。ミトコンドリア呼吸を阻害することは、正常な真菌成長及び発達を防止する。キノン内部阻害剤殺真菌剤は、シアノイミダゾール、スルファモイルトリアゾール及びピコリンアミド殺真菌剤を含む。シアノイミダゾールは、シアゾファミドを含む。スルファモイルトリアゾールは、アミスルブロムを含む。ピコリンアミドは、フェンピコキサミド(登録番号517875-34-2)を含む。
【0069】
本明細書において使用する場合、「ベンズアミド及びチアゾールカルボキサミド殺真菌剤(b22)」(FRACコード22)は、β-チューブリンに結合し、微小管重合を撹乱することによって有糸分裂を阻害する作用機序を有する殺真菌剤を指す。微小管重合の阻害は、細胞分裂、細胞及び細胞構造内の輸送を撹乱することができる。ベンズアミドは、トルアミド、例えばゾキサミドを含む。チアゾールカルボキサミドは、エチルアミノチアゾールカルボキサミド、例えばエタボキサムを含む。
【0070】
本明細書において使用する場合、「エノピラヌロン酸抗生物質殺真菌剤(b23)」(FRACコード23)は、タンパク質生合成に影響を与えることによって真菌の成長を阻害する作用機序を有する殺真菌剤を指す。例は、ブラストサイジン-Sを含む。
【0071】
本明細書において使用する場合、「ヘキソピラノシル抗生物質殺真菌剤(b24)」(FRACコード24)は、タンパク質生合成に影響を与えることによって真菌の成長を阻害する作用機序を有する殺真菌剤を指す。例は、カスガマイシンを含む。
【0072】
本明細書において使用する場合、「グルコピラノシル抗生物質:タンパク質合成殺真菌剤(b25)」(FRACコード25)は、タンパク質生合成に影響を与えることによって真菌の成長を阻害する作用機序を有する殺真菌剤を指す。例は、ストレプトマイシンを含む。
【0073】
本明細書において使用する場合、「グルコピラノシル抗生物質殺真菌剤(b26)」(FRACコードU18、以前にはFRACコード26、U18に再分類)は、トレハラーゼ及びイノシトール生合成を阻害する作用機序を有すると提唱される。例は、バリダマイシンを含む。
【0074】
本明細書において使用する場合、「シアノアセトアミドオキシム殺真菌剤(b27)」(FRACコード27)は、シモキサニルを含む。
【0075】
本明細書において使用する場合、「カルバメート殺真菌剤(b28)」(FRACコード28)は、真菌成長の多部位阻害剤であると考えられる。これらは、細胞膜における脂肪酸の合成を妨げ、次いで、細胞膜透過性を撹乱する作用機序を有すると提唱される。アイオドカルブ、プロパモカルブ及びプロチオカルブは、この殺真菌剤クラスの例である。
【0076】
本明細書において使用する場合、「酸化的リン酸化脱共役殺真菌剤(b29)」(FRACコード29)は、酸化的リン酸化を脱共役することによって真菌呼吸を阻害する作用機序を有する殺真菌剤を指す。呼吸を阻害することは、正常な真菌成長及び発達を防止する。このクラスは、クロトン酸ジニトロフェニル、例えばビナプアクリル、メプチルジノカップ及びジノカップ及び2,6-ジニトロアニリン、例えばフルアジナムを含む。
【0077】
本明細書において使用する場合、「有機スズ殺真菌剤(b30)」(FRACコード30)は、酸化的リン酸化経路におけるアデノシン三リン酸(ATP)シンターゼを阻害する作用機序を有する殺真菌剤を指す。例は、フェンチンアセタート、フェンチンクロライド及びフェンチンヒドロキシドを含む。
【0078】
本明細書において使用する場合、「カルボン酸殺真菌剤(b31)」(FRACコード31)は、デオキシリボ核酸(DNA)トポイソメラーゼII型(ジャイレース)に影響を与えることによって真菌の成長を阻害する作用機序を有する殺真菌剤を指す。例は、オキソリン酸を含む。
【0079】
本明細書において使用する場合、「ヘテロ芳香族殺真菌剤(b32)」(FRACコード32)は、DNA/リボ核酸(RNA)合成に影響を与える作用機序を有すると提唱される。ヘテロ芳香族殺真菌剤は、イソオキサゾール及びイソチアゾロンを含む。イソオキサゾールは、ヒメキサゾールを含み、イソチアゾロンは、オクチリノンを含む。
【0080】
本明細書において使用する場合、「ホスホネート殺真菌剤(b33)」(FRACコードP07、以前にはFRACコード33、P07に再分類)は、ホセチル-アルミニウムを含む亜リン酸及びその様々な塩を含む。
【0081】
本明細書において使用する場合、「フタラミン酸殺真菌剤(b34)」(FRACコード34)は、テクロフタラムを含む。
【0082】
本明細書において使用する場合、「ベンゾトリアジン殺真菌剤(b35)」(FRACコード35)は、トリアゾキシドを含む。
【0083】
本明細書において使用する場合、「ベンゼン-スルホンアミド殺真菌剤(b36)」(FRACコード36)は、フルスルファミドを含む。
【0084】
本明細書において使用する場合、「ピリダジノン殺真菌剤(b37)」(FRACコード37)は、ジクロメジンを含む。
【0085】
本明細書において使用する場合、「チオフェン-カルボキサミド殺真菌剤(b38)」(FRACコード38)は、ATP生成に影響を与える作用機序を有すると提唱される。例は、シルチオファムを含む。
【0086】
本明細書において使用する場合、「複合体I NADHオキシドレダクターゼ阻害剤殺真菌剤(b39)」(FRACコード39)は、ミトコンドリアにおける電子輸送を阻害する作用機序を有する殺真菌剤を指し、ピリミジンアミン、例えばジフルメトリム、ピラゾール-5-カルボキサミド、例えばトルフェンピラド及びキナゾリン、例えばフェナザキンを含む。
【0087】
本明細書において使用する場合、「カルボン酸アミド(CAA)殺真菌剤(b40)」(FRACコード40)は、標的真菌の成長を防止し、且つ死をもたらすセルロースシンターゼを阻害する作用機序を有する殺真菌剤を指す。カルボン酸アミド殺真菌剤は、ケイ皮酸アミド、バリンアミドカルバメート及びマンデル酸アミド殺真菌剤を含む。ケイ皮酸アミドは、ジメトモルフ、フルモルフ及びピリモルフを含む。バリンアミドカルバメートは、ベンチアバリカルブ、ベンチアバリカルブ-イソプロピル、イプロバリカルブ、トルプロカルブ及びバリフェナレート(バリフェナールとしても公知である)を含む。マンデル酸アミドは、マンジプロパミド、N-[2-[4-[[3-(4-クロロフェニル)-2-プロピン-1-イル]オキシ]-3-メトキシフェニル]エチル]-3-メチル-2-[(メチルスルホニル)アミノ]ブタンアミド及びN-[2-[4-[[3-(4-クロロフェニル)-2-プロピン-1-イル]オキシ]-3-メトキシフェニル]エチル]-3-メチル-2-[(エチルスルホニル)アミノ]ブタンアミドを含む。
【0088】
本明細書において使用する場合、「テトラサイクリン系抗生物質殺真菌剤(b41)」(FRACコード41)は、タンパク質合成に影響を与えることによって真菌の成長を阻害する作用機序を有する殺真菌剤を指す。例は、オキシテトラサイクリンを含む。
【0089】
本明細書において使用する場合、「チオカルバメート殺真菌剤(b42)」(FRACコードM12、以前にはFRACコード42、M12に再分類)は、メタスルホカルブを含む。
【0090】
本明細書において使用する場合、「ベンズアミド殺真菌剤(b43)」(FRACコード43)は、スペクトリン様タンパク質の非局在化によって真菌の成長を阻害する作用機序を有する殺真菌剤を指す。例は、ピリジニルメチルベンズアミド、例えばフルオピコリド及びフルオピモミドを含む。
【0091】
本明細書において使用する場合、「微生物殺真菌剤(b44)」、(FRACコードBM02、以前にはFRACコード44、BM02に再分類)は、真菌病原体細胞膜を撹乱する作用機序を有する。微生物殺真菌剤は、バチルス属(Bacillus)の種及びトリコデルマ属(Trichoderma)の種を含む。
【0092】
本明細書において使用する場合、「キノン外部阻害剤、スティグマテリン結合(QoSI)殺真菌剤(b45)」(FRACコード45)は、チトクロムbc複合体の「キノン外部」(Qo)部位、スティグマテリン結合サブサイトにおいてユビキノンレダクターゼに影響を与えることによって真菌における複合体IIIミトコンドリア呼吸を阻害する作用機序を有する殺真菌剤を指す。ミトコンドリア呼吸を阻害することは、正常な真菌成長及び発生を防止する。QoSI殺真菌剤は、トリアゾロピリミジルアミン、例えばアメトクトラジンを含む。
【0093】
本明細書において使用する場合、「植物抽出物殺真菌剤(b46)」(FRACコード46)は、細胞膜の撹乱をもたらす作用機序を有する殺真菌剤を指す。植物抽出物殺真菌剤は、テルペン系炭化水素、テルペンアルコール及びテルペンフェノール、例えばメラロイカ・アルテルニホリア(Melaleuca alternifolia)(ティートゥリー)からの抽出物及び植物油(混合物)、例えばユージノール、ゲラニオール及びチモールを含む。
【0094】
本明細書において使用する場合、「シアノアクリレート殺真菌剤(b47)」(FRACコード47)は、ミオシン運動ドメインに結合し、運動活性及びアクチンアセンブリーをもたらす作用機序を有する殺真菌剤を指す。シアノアクリレートは、殺真菌剤、例えばフェナマクリルを含む。
【0095】
本明細書において使用する場合、「ポリエン殺真菌剤(b48)」(FRACコード48)は、膜における主要なステロールであるエルゴステロールに結合することによって真菌細胞膜の撹乱をもたらす作用機序を有する殺真菌剤を指す。例は、ナタマイシン(ピマリシン)を含む。
【0096】
本明細書において使用する場合、「オキシステロール結合タンパク質阻害剤(OSBPI)殺真菌剤(b49)」(FRACコード49)は、遊走子放出、遊走子運動性及び胞子嚢発芽の阻害をもたらす卵菌におけるオキシステロール-結合タンパク質に結合する作用機序を有する殺真菌剤を指す。オキシステロール結合殺真菌剤は、ピペリジニルチアゾールイソオキサゾリン、例えばオキサチアピプロリン及びフルオキサピプロリンを含む。
【0097】
本明細書において使用する場合、「アリールフェニルケトン殺真菌剤(b50)」(FRACコード50、以前にはFRACコードU8、50に再分類)は、真菌における菌糸体の成長を阻害する作用機序を有する殺真菌剤を指す。アリールフェニルケトン殺真菌剤は、ベンゾフェノン、例えばメトラフェノン及びベンゾイルピリジン、例えばピリオフェノンを含む。
【0098】
本明細書において使用する場合、「宿主植物防御誘発殺真菌剤(b51)」は、宿主植物防御機構を誘発する。宿主植物防御誘発殺真菌剤は、ベンゾチアジアゾール(FRACコードP01)、ベンゾイソチアゾール(FRACコードP02)、チアジアゾールカルボキサミド(FRACコードP03)、多糖(FRACコードP04)、植物抽出物(FRACコードP05)、微生物(FRACコードP06)及びホスホネート殺真菌剤(FRACコードP07、上記の(b33)を参照されたい)を含む。ベンゾチアジアゾールは、アシベンゾラル-S-メチルを含む。ベンゾイソチアゾールは、プロベナゾールを含む。チアジアゾールカルボキサミドは、チアジニル及びイソチアニルを含む。多糖は、ラミナリンを含む。植物抽出物は、レイノウトリア・サカリネンシス(Reynoutria sachalinensis)(オオイタドリ)からの抽出物を含む。微生物は、バチルス・ミコイデス(Bacillus mycoides)単離株J及びサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)菌株LAS117の細胞壁を含む。
【0099】
本明細書において使用する場合、「多部位活性殺真菌剤(b52)」は、作用の複数の部位を通して真菌成長を阻害し、且つ接触/予防活性を有する作用機序を有する殺真菌剤を指す。多部位活性殺真菌剤は、銅殺真菌剤(FRACコードM01)、硫黄殺真菌剤(FRACコードM02)、ジチオカルバメート殺真菌剤(FRACコードM03)、フタルイミド殺真菌剤(FRACコードM04)、クロロニトリル殺真菌剤(FRACコードM05)、スルファミド殺真菌剤(FRACコードM06)、多部位接触グアニジン殺真菌剤(FRACコードM07)、トリアジン殺真菌剤(FRACコードM08)、キノン殺真菌剤(FRACコードM09)、キノキサリン殺真菌剤(FRACコードM10)、マレイミド殺真菌剤(FRACコードM11)及びチオカルバメート(FRACコードM12、上記の(b42)を参照されたい)殺真菌剤を含む。銅殺真菌剤は、典型的には銅(II)酸化状態である銅を含有する無機化合物である;例は、組成物、例えばボルドー液(三塩基性硫酸銅)を含む、オキシ塩化銅、硫酸銅及び水酸化銅を含む。硫黄殺真菌剤は、硫黄原子の環又は鎖を含有する無機化学物質である;例は、元素の硫黄を含む。ジチオカルバメート殺真菌剤は、ジチオカルバメート分子部分を含有する;例は、ファーバム、マンコゼブ、マネブ、メチラム、プロビネブ、チラム、亜鉛チアゾール、ジネブ及びジラムを含む。フタルイミド殺真菌剤は、フタルイミド分子部分を含有する;例は、ホルペット、キャプタン及びカプタホールを含む。クロロニトリル殺真菌剤は、クロロ及びシアノで置換されている芳香族環を含有する;例は、クロロタロニルを含む。スルファミド殺真菌剤は、ジクロフルアニド及びトリフルアニドを含む。多部位接触グアニジン殺真菌剤は、グアザチン、イミノクタジンアルベシル酸塩及びイミノクタジン三酢酸塩を含む。トリアジン殺真菌剤は、アリラジンを含む。キノン殺真菌剤は、ジチアノンを含む。キノキサリン殺真菌剤は、キノメチオネート(キノメチオネートとしても公知である)を含む。マレイミド殺真菌剤は、フルオロイミドを含む。
【0100】
本明細書において使用する場合、「複数の作用機序を有する生物学的製剤(b53)」は、優勢な作用機序の証拠を伴わない複数の作用機構を示す生物起源からの薬剤を含む。このクラスの殺真菌剤は、ポリペプチド(レクチン)、フェノール、セスキテルペン、トリテルペノイド及びクマリン殺真菌剤(FRACコードBM01)、例えばルピナス小植物の子葉からの抽出物を含む。このクラスは、微生物殺真菌剤(FRACコードBM02、上記の(b44)を参照されたい)も含む。
【0101】
本明細書において使用する場合、「殺真菌剤(b1)~(b53)以外の殺真菌剤;(b54)」は、その作用機序が未知であり得る特定の殺真菌剤を含む。これらは、(b54.1)「フェニル-アセトアミド殺真菌剤」(FRACコードU06)、(b54.2)「グアニジン殺真菌剤」(FRACコードU12)、(b54.3)「チアゾリジン殺真菌剤」(FRACコードU13)、(b54.4)「ピリミジノン-ヒドラゾン殺真菌剤」(FRACコードU14)、(b54.5)「4-キノリルアセテート殺真菌剤」(FRACコードU16)、(54.6)「テトラゾリルオキシム殺真菌剤」(FRACコードU17)及び「グルコピラノシル抗生物質殺真菌剤」(FRACコードU18、上記の(b26)を参照されたい)を含む。フェニル-アセトアミドは、シフルフェナミドを含む。グアニジンは、ドジンを含む。チアゾリジンは、フルチアニルを含む。ピリミジノンヒドラゾンは、フェリムゾンを含む。4-キノリルアセテートは、テブフロキンを含む。テトラゾリルオキシムは、ピカルブトラゾクスを含む。
【0102】
(b54)クラスは、ベトキサジン、ジクロベンチアゾクス(暫定的な一般名、登録番号957144-77-3)、ジピメチトロン(暫定的な一般名、登録番号16114-35-5)、フロメトキン、ネオアソジン(メタンアルソン酸鉄)、ピロールニトリン、トルニファニド(登録番号304911-98-6)、N’-[4-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2,5-ジメチルフェニル]-N-エチル-N-メチルメタンイミドアミド、5-フルオロ-2-[(4-フルオロフェニル)メトキシ]-4-ピリミジンアミン及び4-フルオロフェニルN-[1-[[[1-(4-シアノフェニル)エチル]スルホニル]メチル]プロピル]カルバメートも含む。
【0103】
その作用機序が未知であり得るか又は依然として分類されていないさらなる「クラス(1)~(54)の殺真菌剤以外の殺真菌剤」は、下記で示すような成分(b54.7)~(b54.11)から選択される殺真菌化合物を含む。
【0104】
成分(54.7)は、真菌において複合体IIIミトコンドリア呼吸を阻害するキノン内部阻害剤(QiI)殺真菌剤(FRACコード21)であると考えられる、(1S)-2,2-ビス(4-フルオロフェニル)-1-メチルエチルN-[[3-(アセチルオキシ)-4-メトキシ-2-ピリジニル]カルボニル]-L-アラニネート(暫定的な一般名フロリルピコキサミド、登録番号1961312-55-9)に関する。
【0105】
成分(54.8)は、真菌において複合体IIIミトコンドリア呼吸を阻害するキノン外部阻害剤(QoI)殺真菌剤(FRACコード45)であると考えられ、且つQoI耐性菌株に対して有効である、1-[2-[[[1-(4-クロロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]オキシ]メチル]-3-メチルフェニル]-1,4-ジヒドロ-4-メチル-5H-テトラゾール-5-オン(暫定的な一般名メチルテトラプロール、登録番号1472649-01-6)に関する。
【0106】
成分(54.9)は、子嚢菌門及び担子菌門に属する真菌種に対して抗真菌活性をもたらすチューブリン重合の促進剤であると考えられる3-クロロ-4-(2,6-ジフルオロフェニル)-6-メチル-5-フェニルピリダジン(暫定的な一般名ピリダクロメチル、登録番号1358061-55-8)に関する。
【0107】
成分(54.10)は、アカパンカビ(Neurospora crassa)におけるグリコシルホスファチジルイノシトール-アンカー生合成においてGWT-1タンパク質を阻害すると考えられる(4-フェノキシフェニル)メチル2-アミノ-6-メチル-ピリジン-3-カルボキシレート(暫定的な一般名アミノピリフェン、登録番号1531626-08-0)に関する。
【0108】
(b1)~(b54)のいずれかの塩は、本開示の範囲内に含まれる。
【0109】
任意選択の殺有害生物剤
一部の実施形態では、農業組成物は、さらなる殺有害生物剤、例えば微生物殺虫剤、化学的殺虫剤、殺線虫剤、殺菌剤、植物成長調節剤及び植物成長促進剤の1つ又は組合せをさらに含み得る。
【0110】
任意選択の殺虫剤は、A0)下記を含む様々な殺虫剤;アグリガタ、リン化アルミニウム、ムチカブリダニ属(amblyseius)、アフェリヌス、アフィジウス、アフィドレテス、アルチミシニン、アウトグラファ・カリホルニカ(autographa californica)NPV、アゾシクロチン、枯草菌(Bacillus subtilis)、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)種アイザワイ(aizawai)、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)種クルスターキ(kurstaki)、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)、白きょう病菌(Beauveria bassiana)、ベータ-シフルトリン、ビスルタプ、ブロフルトリネート、ブロモホス-e、ブロモプロピレート、カプサイシン、カルタップ、ツルウメモドキ抽出物、クロルベンズロン、クロルエトキシホス、クロルフルアズロン、クニジアジン、氷晶石、シアノホス、シハロトリン、シヘキサチン、シペルメトリン、ダクヌサ、DCIP、ジクロロプロペン、ジコホール、ジグリフス、ジグリフス+ダクヌサ、ジメタカルブ、エマメクチン、エンカルシア、EPN、エレトモセルス、二臭化エチレン、ユーカリプトール、フェナザキン、フェノブカルブ(BPMC)、フェンピロキシメート、フルブロシトリネート、フルフェンジン、ホルメタネート、ホルモチオン、フラチオカルブ、ガンマ-シハロトリン、ニンニク汁、顆粒病ウイルス、ハルモニア、ヘリオチス・アルミゲラ(heliothis armigera)NPV、インドール-3-イル酪酸、ヨードメタン、鉄、イソカルボホス、イソフェンホス、イソフェンホス-m、イソプロカルブ、イソチオエート、リンデン、リウヤンマイシン、マトリン、メホスホラン、メタアルデヒド、メタリジウム・アニソプリア(metarhizium-anisopliae)、メタミドホス、メトルカルブ(MTMC)、マイレックス、イソチオシアネート、モノスルタプ、クワ暗斑病菌(myrothecium verrucaria)、ナレド、ネオクリソカリス・ホルモサ(neochrysocharis formosa)、ニコチン、ニコチノイド、オメトエート、ヒメハナカメムシ属(orius)、オキシマトリン、ペシロマイセス属(paecilomyces)、パラチオン-e、パスツリア、フェロモン、リン含有酸、フォトラブダス、ホキシム、フィトセイウルス、ピリミホス-e、コナガ(Plutella xylostella)GV、多核体病ウイルス、ポリフェノール抽出物、オレイン酸カリウム、プロフェノホス、プロスレル、プロチオホス、ピラクロホス、ピレトリン、ピリダフェンチオン、ピリミジフェン、ピリプロキシフェン、キラヤ抽出物、キノメチオネート、ロテノン、サポニン、サポノジット、フルオロケイ酸ナトリウム、スルフルアミド、イオウ、テブピリミホス、テフトリン、テメホス、テトラジホン、チオファノックス、チオメトン、トランスジェニック(例えば、Cry3Bb1)、トリアザメエート、トリコデルマ、タマゴヤドリバチ、トリフルムロン、ベルチシリウム、ベルトリン、カッパ-ビフェントリン、カッパ-テフルトリン、ジクロロメゾチアズ及びブロフラニリド;A1)下記を含むカルバメートのクラス;アルジカルブ、アラニカルブ、ベンフラカルブ、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、メチオカルブ、メソミル、オキサミル、ピリミカーブ、プロポキスル及びチオジカルブ;A2)下記を含む有機ホスフェートのクラス;アセフェート、アジンホスエチル、アジンホスメチル、クロルフェンビンホス、クロルピリホス、クロルピリホスメチル、デメトン-S-メチル、ダイアジノン、ジクロルボス/DDVP、ジクロトホス、ジメトエート、ジスルホトン、エチオン、フェニトロチオン、フェンチオン、イソオキサチオン、マラチオン、メタミドホス、メチダチオン、メビンホス、モノクロトホス、オキシメトエート、オキシデメトン-メチル、パラチオン、パラチオンメチル、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスメト、ホスファミドン、ピリミホスメチル、キナルホス、テルブホス、テトラクロルビンホス、トリアゾホス及びトリクロルホン;A3)シクロジエン有機塩素化合物のクラス、例えばエンドスルファ;A4)下記を含むフィプロールのクラス;エチプロール、フィプロニル、ピラフルプロール及びピリプロール;A5)下記を含むネオニコチノイドのクラス;アセタミプリド、クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、ニテンピラム、チアクロプリド及びチアメトキサム;A6)スピノシンのクラス、例えばスピノサド及びスピネトラム;A7)下記を含むメクチンのクラスからのクロライドチャネル活性化剤;アバメクチン、安息香酸エマメクチン、イベルメクチン、レピメクチン及びミルベメクチン;A8)幼若ホルモン模倣物、例えばヒドロプレン、キノプレン、メトプレン、フェノキシカルブ及びピリプロキシフェン;A9)選択的同翅類摂食遮断剤、例えばピメトロジン、フロニカミド及びピリフルキナゾン;A10)ダニ成長抑制剤、例えばクロフェンテジン、ヘキシチアゾックス及びエトキサゾール;A11)ミトコンドリアATPシンターゼの阻害剤、例えばジアフェンチウロン、フェンブタチンオキシド及びプロパルギット;酸化的リン酸化の脱共役剤、例えばクロルフェナピル;A12)ニコチン性アセチルコリン受容体チャネル遮断薬、例えばベンスルタップ、カルタップ塩酸塩、チオシクラム及びチオスルタップナトリウム;A13)下記を含むベンゾイル尿素クラスからのキチン生合成タイプ0の阻害剤;ビストリフルロン、ジフルベンズロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン及びテフルベンズロン;A14)キチン生合成タイプ1の阻害剤、例えばブプロフェジン;A15)脱皮撹乱剤、例えばシロマジン;A16)エクジソン受容体アゴニスト、例えばメトキシフェノジド、テブフェノジド、ハロフェノジド及びクロマフェノジド;A17)オクトパミン受容体アゴニスト、例えばアミトラズ;A18)ミトコンドリア複合体電子伝達阻害剤であるピリダベン、テブフェンピラド、トルフェンピラド、フルフェネリム、シエノピラフェン、シフルメトフェン、ハイドラメチルノン、アセキノシル又はフルアクリピリム;A19)電圧依存性ナトリウムチャネル遮断薬、例えばインドキサカルブ及びメタフルミゾン;A20)脂質合成の阻害剤、例えばスピロジクロフェン、スピロメシフェン及びスピロテトラマト;A21)下記を含むジアミドのクラスからのリアノジン受容体モジュレーター;フルベンジアミド、フタルアミド化合物(R)-3-クロル-N1-{2-メチル-4-[1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}N2-(1-メチル-2-メチルスルホニルエチル)フタルアミド及び(S)-3-クロル-N1-{2-メチル-4-[1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}-N2-(1-メチル-2-メチルスルホニルエチル)フタルアミド、クロラントラニリプロール及びシアントラニリプロール;A22)未知又は不確定な作用機序の化合物、例えばアザジラクチン、アミドフルメト、ビフェナゼート、フルエンスルホン、ピペロニルブトキシド、ピリダリル、スルホキサフロル;又はA23)下記を含むピレスロイドのクラスからのナトリウムチャネルモジュレーター;アクリナトリン、アレトリン、ビフェントリン、シフルトリン、ラムダ-シハロトリン、シペルメトリン、アルファシペルメトリン、ベータ-シペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、デルタメトリン、エスフェンバレレ-ト、エトフェンプロックス、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フルシトリネート、タウ-フルバリネート、ペルメトリン、シラフルオフェン及びトラロメトリンを含む。その塩は、本開示の範囲内に含まれる。
【0111】
任意選択の殺線虫剤は、C1)ベノミル、クロエトカルブ、アルドキシカルブ、チルペート、ジアミダホス、フェナミホス、カズサホス、ジクロフェンチオン、エトプロホス、フェンスルホチオン、ホスチアゼート、ヘテロホス、イサミドホス、イサザホス、ホスホカルブ、チオナジン、イミシアホス、メカルホン、アセトプロール、ベンクロチアズ、クロロピクリン、ダゾメット、フルエンスルホン、1,3-ジクロロプロペン(telone)、二硫化ジメチル、メタムナトリウム、メタムカリウム、メタム塩(全てMITC発生剤)、臭化メチル、生物学的土壌改良剤(例えば、カラシナ種子、カラシナ種子抽出物)、イソチオシアン酸アリル(AITC)、硫酸ジメチル、フルフラール(アルデヒド)を含む。その塩は、本開示の範囲内に含まれる。
【0112】
任意選択の植物成長調節剤は、D1)抗オーキシン、例えばクロフィブル酸及び2,3,5-トリ-ヨード安息香酸;D2)オーキシン、例えば4-CPA、2,4-D、2,4-DB、2,4-DEP、ジクロプロップ、フェノプロップ、IAA、IBA、ナフタレンアセトアミド、ct-ナフタレン酢酸、1-ナフトール、ナフトキシ酢酸、ナフテン酸カリウム、ナフテン酸ナトリウム及び2,4,5-T;D3)サイトカイニン、例えば2iP、ベンジルアデニン、4-ヒドロキシフェネチルアルコール、キネチン及びゼアチン;D4)落葉剤、例えばカルシウムシアナミド、ジメチピン、エンドタール、エテホン、メルホス、メトキシウロン、ペンタクロロフェノール、チアジアズロン及びトリブホス;D5)エチレン阻害剤、例えばアビグリシン及び1-メチルシクロプロペン;D6)エチレン放出剤、例えばACC、エタセラシル、エテホン及びグリオキシム;D7)殺配偶子剤、例えばフェンリダゾン及びマレイン酸ヒドラジド;D8)ジベレリン、例えばジベレリン及びジベレリン酸;D9)成長抑制剤、例えばアブシジン酸、アンシミドール、ブトラリン、カルバリル、クロルホニウム、クロルプロファム、ジケグラック、フルメトラリン、フルオリドアミド、ホサミン、グリホシン、イソピリモール、ジャスモン酸、マレイン酸ヒドラジド、メピコート、ピプロクタニル、プロヒドロジャスモン、プロファム、チアオジエアン及び2,3,5-トリ-ヨード安息香酸;D10)モルファクチン、例えばクロルフルレン、クロルフルレノール、ジクロルフルレノール及びフルレノール;D11)成長遅延剤、例えばクロンネクアット、ダミノジド、フルルプリミドール、メフルイジド、パクロブトラゾール、テトシクラシス及びウニコナゾール;D12)成長刺激剤、例えばブラシノライド、ブラシノライド-エチル、DCPTA、ホルクロルフェニュロン、ヒメキサゾール、プロスレル及びトリアコンタノール;D13)未分類の植物成長調節剤、例えばバクメデシュ、ベンゾフルオル、ブミナホス、カルボン、塩化コリン、シオブチド、クロフェンセト、シアナミド、シクラニリド、シクロヘキシミド、シプロスルファミド、エポコレオン、エチクロゼート、エチレン、フフェンチオ尿素、フララン、ヘプトパルギル、ホロスルフ、イナベンフィド、カレタザン、ヒ酸鉛、メタスルホカルブ、プロヘキサジオン、ピダノン、シントフェン、トリアペンテノール及びトリネキサパックを含む。その塩は、本開示の範囲内に含まれる。
【0113】
補助剤
本開示の組成物は、液体又は固体担体並びに表面活性剤、油、保存剤、保湿剤、乾燥剤、消泡剤、不凍剤、分散剤、結合剤、乳化剤、染料、紫外線光保護剤、ドリフト制御剤、スプレー堆積助剤、フリーフロー剤、緩衝液及び増粘剤並びにこれらの組合せから選択される1種又は複数のさらなる成分を含む。
【0114】
液体担体の非限定的例には、水、動物油及び誘導体、鉱油及び誘導体、植物性油及び誘導体、溶媒、アルコール、ポリオール、トリグリセリド、天然及び合成のポリマー並びにこれらの組合せが含まれる。
【0115】
固体担体の非限定的例には、鉱物、粘土、シリカ、無機及び有機の塩、糖、デンプン、ワックス、粉砕した動物の外殻並びに繊維、外皮、殻及び小麦粉を含む植物材料が含まれる。
【0116】
表面活性剤の非限定的例には、非イオン性、カチオン性、アニオン性及び両性の界面活性剤、例えばホルムアルデヒドとナフタレンスルホネートとの縮合生成物、アルキルアリールスルホネート(例えば、ドデシルベンジルスルホネートタイプ)、リグニンスルホネート(リグニンスルホン酸ナトリウム)、脂肪アルキルスルフェート、エトキシ化アルキルフェノール、エトキシ化脂肪アルコール(例えば、5~40のエトキシ化の程度を有するエトキシ化C12~22脂肪アルコール)、C8~22脂肪酸のアルキルエステル、例えばC12~18脂肪酸のメチル誘導体(例えば、ラウリン酸、パルミチン酸及びオレイン酸のメチルエステル)並びにシリコーン界面活性剤(例えば、ポリアルキルオキシド修飾ヘプタメチルトリシロキサン)が含まれる。存在するとき、表面活性剤の濃度は、適切には、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約10重量%、約15重量%、約20重量%、約25重量%又は約30重量%及びそれから構成される任意の範囲、例えば約1重量%~約30重量%、約1重量%~約20重量%、約5重量%~約20重量%又は約1重量%~約5重量%であり得る。
【0117】
油の非限定的例には、野菜若しくは動物起源の油、鉱油、このような油のアルキルエステル又はこのような油及び油誘導体の混合物が含まれる。いくつかの態様において、油は、野菜起源のもの、例えばナタネ油、オリーブ油又はヒマワリ油、乳化された植物性油であり得る。いくつかの態様において、油は、動物起源のもの、例えば魚油又は牛脂であり得る。野菜起源及び/又は動物起源の油のアルキルエステル、例えばメチル誘導体、例えばメチル化ナタネ油及びメチル化魚油も本開示の範囲内である。脂肪酸のアルキルエステル、例えばC8~22脂肪酸、例えばC12~18脂肪酸のメチル誘導体、例えばラウリン酸、パルミチン酸及びオレイン酸のメチルエステルも本開示の範囲内である。
【0118】
溶媒の非限定的例には、芳香族溶媒(例えば、芳香族化合物(例えば、Solvesso(登録商標))、パラフィン(例えば、鉱物画分)、アルコール(例えば、メタノール、ブタノール、ペンタノール又はベンジルアルコール)、ケトン(例えば、シクロヘキサノン又はガンマ-ブチロラクトン)、ピロリドン(例えば、N-メチルピロリドン又はN-オクチル-2-ピロリドン)、DMSO及びアセテート(例えば、二酢酸グリコール)が含まれる。
【0119】
配合物
本開示の組成物は、任意の通常の形態、例えば乾燥種子処理のための粉末(DS)、種子処理のためのエマルション(ES)、種子処理のためのフロアブル濃縮物(FS)、種子処理のための溶液(LS)、水和剤(WP)、種子処理のための水分散性粉末(WS)、散布用粉末(DP)、種子処理のためのカプセル懸濁液(CF)、種子処理のためのゲル(GF)、エマルション濃縮物(EC)、懸濁液濃縮物(SC)、サスポエマルション(SE)、カプセル懸濁液(CS)、水分散性顆粒(WG)、水分散性顆粒(WT)、乳化性顆粒(EG)、エマルション、油中水型(EO)、エマルション、水中油型(EW)、ペースト(PA)、マイクロエマルション(ME)、油分散物(OD)、油混和性フロアブル(OF)、油混和性液体(OL)、可溶性濃縮物(SL)、極微量懸濁液(SU)、極微量液体(UL)、技術的濃縮物(TK)、分散性濃縮物(DC)、水和剤(WP)、可溶性顆粒(SG)又は農業的に許容される補助剤と組み合わせた任意の技術的に可能な配合物の形態で用いられ得る。
【0120】
いくつかの態様において、組成物は、懸濁液、懸濁液濃縮物(SC)、油分散物(OD)、泡、散布用粉末(DP)、水分散性顆粒(WG)及び水和剤(WP)から選択される配合物の形態であり得る。
【0121】
いくつかの態様において、組成物は、懸濁液、懸濁液濃縮物(SC)、油分散物(OD)及び泡から選択される液体配合物の形態であり得る。
【0122】
いくつかの態様において、組成物は、タンクミックス又はプレミックスの形態であり得る。
【0123】
いくつかの態様において、組成物は、固体形態であり得る。固体形態は、散布用粉末(DP)、水分散性顆粒(WG)及び水和剤(WP)を含む。
【0124】
本開示の様々な態様のいずれかにおいて、B.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)、例えばB.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)FCC1256とSDHI、例えばフルインダピルとの比は、適切には、約1×10CFU/g a.i.、約5×10CFU/g a.i.、約1×10CFU/g a.i.、約2.5×10CFU/g a.i.、約5×10CFU/g a.i.、約7.5×10CFU/g a.i.、約1×10CFU/g a.i.、約2.5×10CFU/g a.i.、約5×10CFU/g a.i.、約7.5×10CFU/g a.i.、約1×1010CFU/g a.i.、約5×1010CFU/g a.i.、約1×1010CFU/g a.i.、約5×1010CFU/g a.i.、約1×1011CFU/g a.i.、約5×1011CFU/g a.i.、約1×1012CFU/g a.i.、約5×1012CFU/g a.i.、約1×1013CFU/g a.i.、約5×1013CFU/g a.i.、約1×1014CFU/g a.i.、約5×1014CFU/g a.i.、約1×1015CFU/g a.i.又は約5×1015CFU/g a.i.及びそれから構成される任意の範囲、例えば約1×10CFU/g a.i.~約5×1015CFU/g a.i.、約1×10CFU/g a.i.~約1×1014CFU/g a.i.、約1×10CFU/g a.i.~約1×1013CFU/g a.i.、約1×10CFU/g a.i.~約1×1012CFU/g a.i.、約5×10CFU/g a.i.~約5×1011CFU/g a.i.、約1×10CFU/g a.i.~約1×1011CFU/g a.i.、約5×10CFU/g a.i.~約5×1010CFU/g a.i.又は約1×10CFU/g a.i.~約1×1010CFU/g a.i.である。
【0125】
本開示の固体形態の態様において、B.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)、例えばB.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)FCC1256は、約1×10CFU/g、約5×10CFU/g、約1×10CFU/g、約5×10CFU/g、約1×10CFU/g、約5×10CFU/g、約1×10CFU/g、約5×10CFU/g、約1×1010CFU/g、約5×1010CFU/g、約1×1011CFU/g、約5×1011CFU/g又は約1.0×1012CFU/g及びそれから構成される任意の範囲、例えば約1×10CFU/g~約1×1012CFU/g、約1×10CFU/g~約1×1011CFU/g又は約1×10CFU/g~約1×1010CFU/gの濃度で存在し得る。
【0126】
本開示の液体形態の態様において、B.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)、例えばB.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)FCC1256は、約1×10CFU/mL、約5×10CFU/mL、約1×10CFU/mL、約5×10CFU/mL、約1×10CFU/mL、約5×10CFU/mL、約1×10CFU/mL、約5×10CFU/mL、約1×1010CFU/mL、約5×1010CFU/mL、約1×1011CFU/mL、約5×1011CFU/mL又は約1.0×1012CFU/mL及びそれから構成される任意の範囲、例えば約1×10CFU/mL~約1×1012CFU/mL、約1×10CFU/mL~約1×1011CFU/mL又は約1×10CFU/mL~約1×1010CFU/mLの濃度で存在し得る。
【0127】
いくつかの態様において、B.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)は適切には、本開示の配合物中にその胞子の形態で又は栄養細胞の形態で含み得る。例えば、配合物は、B.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)の胞子を含む一定分量の発酵ブロス又はB.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)の胞子を含む加工された発酵生成物、例えば発酵ブロスの濃縮物又は噴霧乾燥した発酵ブロスを含み得る。
【0128】
植物
本開示のいくつかの態様において、植物は、ササハギ属(Alysicarpus)(アリシカルプス・グルマコイス(Alysicarpus glumaceus)、アリシカルプス・ヌンムラリホリウス(Alysicarpus nummularifolius)、アリシカルプス・ルゴスス(Alysicarpus rugosus)、アリシカルプス・バギナリス(Alysicarpus vaginalis))、例えばマルバダケハギ;カジャヌス・カジャン(Cajanus cajan)、例えばリュウキュウマメ、キマメ;ナタマメ(Canavalia gladiate)、すなわちナタマメ;セントロセマ・プベセンス(Centrosema pubescens)、例えばチョウマメ;クリトリア・テルマテア(Clitoria termatea)、例えばチョウマメ、バタフライピー、クリトリア;コロニリア・バリア(Coronilia varia)、例えばオオゴンハギ;クロタラリア属(Crotalaria)(クロタラリア・アナギロイデス(Crotalaria anagyroides)、クロタラリア・サルチアナ(Crotalaria・saltiana))、例えばタヌキマメ;デロニキス・レギア(Delonix regia)、例えばホウオウボク、ロイヤルポインシアナ;デスモジウム・トリフロルム(Desmodium triflorum)、例えばヌスビトハギ;グリシン属(Glycine)(グリシン・カネセンス(Glycine canescens)、グリシン・クランデスチン(Glycine clandestine)、グリシン・クランデスチン(Glycine clandestine)、グリシン・ファルカダタ(Glycine falcadata)、ダイズ(Glycine max)、グリシン・ソヤ(Glycine soja)、グリシン・タバシナ(Glycine tabacina))、ダイズ及びダイズ近縁種;ラブラブ・プルプロイス(Lablab purpureus)、例えばフジマメ、センゴクマメ;ハギ属(Lespedeza)(レスペデザ・ビコロル(Lespedeza bicolor)、レスペデザ・ストリアタ(Lespedeza striata)、レスペデザ・スチプラセア(Lespedeza stipulaceae))、ルピナス属(Lupinus)(ルピナス・アルブス(Lupinus albus)、ルピナス・アングスチホリウス(Lupinus angustifolius)、ルピナス・ヒルスツス(Lupinus hirsutus)、ルピナス・ルトイス(Lupinus luteus))、ルピナス、シロバナルピナス、アオバナルピナス、ブルールピナス、イエロールピナス;マクロプチリウム・アトロプルプレム(Macroptilium atropurpurem)、例えばクロバナツルアズキ、黒花蔓小豆;マクロチルオマ・アキシラル(Macrotyloma axilare);メディカゴ属(Medicago)(メディカゴ・アルボレア(Medicago arborea)、メディカゴ・ルプリナ(Medicago lupulina))ウマゴヤシ、コメツブウマゴヤシ;メリロツス・オフィシナリス(Melilotus officinalis)、メリロット;ムクナ属(Mucuna)(ムクナ・コキンキネシス(Mucuna cochinchinesis))、ハッショウマメ、ハッショウマメ近縁種;ネオノトニア(Neonotonia)(グリシン)ウリグチイ(wrightii);クズイモ属(Pachyrhizus)(パキリズス・アヒパ(Pachyrhizus ahipa)、パキリズス・エロスス(Pachyrhizus erosus))、例えばヤムビーン、クズイモ、チャプスイビーン;ファセオラス属(Phaseolus)(ライマメ(Phaseolus lunatus)、インゲンマメ(Phaseolus vulgaris))、例えばアオイマメ、ライマメ、インゲンマメ、グリーンビーンズ;エンドウ(Pisum sativum)、エンドウマメ(グリーンピース);プソホカルプス・テトラゴノロブス(Psophocarpus tetragonolobus)、シカクマメ又はトウサイ;センナ属(Senna)(センナ・オブツシホリア(Senna obtusifolia)、センナ・オッシデンタリス(Senna occidentalis))、例えばエビスグサ、ハブソウ;セスバニア属(セスバニア・エキサルタダ(Sesbania exaltada)、セスバニア・マクロカルプ(Sesbania macrocarp)、セスバニア・ベスカリア(Sesbania vescaria))、例えばアメリカツノクサネム、ヘンプセスバニア、コーヒー豆、ムレスズメ;トリフォリウム属(トリフォリウム・レペンス(Trifolium repens)、トリフォリウム・インカルナツム(Trifolium incarnatum)、例えばシロツメクサ、クリムゾンクローバー;トリゴネラ属(Trigonella)(トリゴネラ・ホエヌム-グライクム(Trigonella foenum-graicum)、トリゴネラ・ホエヌム-グラセクム(Trigonella foenum-gracecum))、例えばコロハ;ビキア属(Vicia)(ビキア・アングスチホリア(Vicia angustifolia)、ビキア・ダシカルパ(Vicia dasycarpa)、ソラマメ(Vicia faba)、ビキア・ナルボネンシス(Vicia narbonensis)、ビキア・ビロサ(Vicia villosa))、例えばヤハズエンドウ、ナヨクサフジ、ソラマメ、空豆、ナルボンマメ、ヘアリーベッチ;ササゲ属(Vigna)(ビグナ・ムンゴ(Vigna mungo)、ビグナ・ラジアート(Vigna radiate)、ビグナ・ウングイクラタ(Vigna unguiculata))、例えばブラックグラム、ケツルアズキ、マングビーン、ササゲ、クロメマメ、カウピー;並びにボアンゼイア・スブテラネアン(Voandzeia subterranean)、バンバラマメの1つ又は複数から選択される。いくつかの態様において、植物は、グリシン属(Glycine)のものである。いくつかの態様において、植物は、ダイズ(Glycine max)(ダイズ)である。植物がグリシン属(Glycine)のものであるとき、1つの関連性のある植物病原性真菌は、ファコプソラ属(Phakopsora)のものである。いくつかの他の態様において、植物は、穀類、例えばコムギ、オオムギ、ライムギ、カラスムギ、ライコムギ、ソルガム、コメ又はコーン(トウモロコシ)である。植物が穀類であるとき、1つの関連性のある植物病原性真菌は、プッチニア属(Puccinia)のものである。
【0129】
方法
本方法の少なくとも1つの態様において、組成物は、植物、植物の部分及び/又は植物若しくは植物の部分が成長するか若しくは植えられる生息地、例えば植物の葉、植物の樹皮、植物の果物、植物の花、植物の種子、植物の根、植物の切り枝、植物の接ぎ木、植物の周りの土壌若しくは成長培地;植物の種子を土壌若しくは成長培地に植えつける前の土壌若しくは成長培地;又は植物、植物切り枝若しくは植物接ぎ木を土壌若しくは成長培地に植える前の土壌若しくは成長培地に施用される。
【0130】
一態様において、本開示は、植物上の真菌植物病原菌及び/又は細菌性植物病原菌を防除する方法に関し、この方法は、本開示の組成物を植物の地上部分に施用することを含む。
【0131】
本開示の組成物を植物の部分及び/又は植物若しくは植物部分が成長するか若しくは植えられる生息地に施用することは、任意の通常の手段、例えば噴霧施用、滴下、粉末散布(粉末施用)、泡の施用(泡施用)などによって達成され得る。
【0132】
植物の周りの土壌への施用のために、噴霧施用、滴下による施用、粉末施用及び泡施用が興味深い場合がある。一態様において、植物の周りの土壌への施用は、滴下によるインファロー施用又は種子植え付けと関連する泡施用による。
【0133】
いくつかの態様において、組成物は、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、例えばB.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)FCC1256の割合が、4.0×10CFU/ha~4.0×1017CFU/ha、例えば4.0×1010CFU/ha~4.0×1016CFU/haの範囲であるように施用される。いくつかの態様において、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)は、栄養細胞よりむしろその胞子の形態で施用し得る。
【0134】
農業配合物は、本明細書の他の場所において記載されているような適切な液体担体、例えば水性担体による濃縮物の適正な希釈によって得ることができる。典型的には、希釈は、1:10~1:5000、例えば1:20~1:1000の濃縮物対担体重量比である。
【0135】
特定の態様において、ファコプソラ・パキリジ(Phakopsora pachyrhizi)及びファコプソラ・メイボミア(Phakopsora meibomiae)からなる群から選択される植物病原性真菌を防除するための方法が提供され、ここで、この方法は、植物、植物繁殖材料及び/又は関連する土壌を、有効量の、(1)バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)の少なくとも1つの菌株の集団を含むバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)殺真菌剤成分;及び(2)コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤からなる群から選択される少なくとも1種の殺真菌剤を含む第2の殺真菌剤成分を含む殺有害生物組成物で処理することを含む。バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)殺真菌剤成分中に含有されるバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)の集団及び第2の殺真菌剤成分は、好ましくは、1グラムのコハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤活性成分当たり約1×10CFUのバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)~1グラムのコハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤活性成分当たり約1×1015CFUのバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)の比で存在する。このいくつかの興味深い変形において、第2の殺真菌剤成分は、ベンダニル、フルトラニル、メプロニル、イソフェタミド、フルオピラム、フェンフラム、カルボキシン、オキシカルボキシン、チフルザミド、ベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、フルインダピル、フルキサピロキサド、フラメトピル、インピルフルキサム、イソピラザム、ペンフルフェン、ペンチオピラド、セダキサン、イソフルシプラム、ピジフルメトフェン、ボスカリド、ピラジフルミド、その塩及びこれらの組合せからなる群、例えばベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、フルインダピル、フルキサピロキサド、フラメトピル、インピルフルキサム、イソピラザム、ペンフルフェン、ペンチオピラド、セダキサン、その塩及びこれらの組合せからなる群から選択される。この他の興味深い変形において、第2の殺真菌剤成分は、フェニルベンズアミド、フェニルオキソ-エチルチオフェンアミド、ピリジニルエチルベンズアミド、フランカルボキサミド、オキサチインカルボキサミド、チアゾールカルボキサミド、ピラゾール-4-カルボキサミド、N-シクロプロピル-N-ベンジル-ピラゾールカルボキサミド、ピリジンカルボキサミド及びピラジンカルボキサミド並びにその塩、例えばピラゾール-4-カルボキサミド又はその塩から選択される。さらなる興味深い変形形態において、第2の殺真菌剤成分は、フルインダピル又はその塩である。
【0136】
この一部の実施形態では、B.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)菌株、例えばB.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)FCC1256は、0.8:1.0~5.0:1.0、例えば1.0:1.0~4.0:1.0、例えば1.3:1.0~3.0:1.0の相対的な重量比でイツリン及びフェンギシンを生成する。
【0137】
代わりの実施形態において且つ本明細書において報告した結果に基づいて、選択した他の殺真菌剤、例えばクロロタロニル、フルキサピロキサド、アゾキシストロビン、ピコキシストロビン及びオキシ塩化銅は、SDHIに代わるものとして(必要な変更を加えて)又はSDHIに加えて、B.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)FCC1256と組み合わせて、SDHI(例えば、フルインダピル)について記載したように利用し得ることが推測される。
【実施例
【0138】
方法
重症度は、Godoy at al.,“Diagrammatic Scale for Assessment of Soybean Rust Severity”,Fitopatol.Bras.31(1),jan-fev 2006,pp.63-68によって記載された方法によってさび病を有する葉表面の百分率として評価した。他に記述しない限り、結果を分散分析(Anova)に供し、95%信頼度でScott-Knott法を使用して統計解析を行った。
【0139】
有効性(防除%)は、式:
防除%=100(1-%重症度(処理済)/%重症度(未処理))
を使用して計算した。
【0140】
実施例1 - アジアダイズさび病に対するB.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)FCC1256(ATCC番号PTA-122162として寄託されている)及びフルインダピル間並びにB.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)FCC1256及びクロロタロニル間の相乗作用を評価した。
【0141】
治験において、V1ステージ(BBCH)における15日齢ダイズ小植物を温室において生じさせ、選択し、頂端シュートを刈込み、生成物噴霧のために標識した。表1の殺真菌配合物を、植物から30cmに配置された可搬性の中空円錐噴霧ノズルを有するスプレーキャビンを使用して選択したダイズ小植物に200L/haの割合で噴霧することによって施用した。噴霧後、植物を室温において2時間保持し、その後、Conviron Growthチャンバーに移し、その後、日中では25±2℃で及び夜間では20±2℃で交互に;RH80±10%;及び12h/12hの明/暗の光周期の条件で保持した。成長チャンバー中で1日後、植物にアジアダイズさび病(P.パキリジ(P.pachyrhizi))胞子(約100,000個の胞子/mL)を接種し、次いで、成長チャンバー中に14日間保持した。14日後、植物を、作物応答(=植物毒性)及び有効性について評価した。
【0142】
下記の表1における配合物を調製し、上記の方法によってP.パキリジ(P.pachyrhizi)に対して評価した。
【0143】
【表1】
【0144】
ダイズ植物上のP.パキリジ(P.pachyrhizi)防除を評価したが、結果を下記の表2において報告する。配合物18はマンコゼブ(Unizeb(商標)Gold)であり、1125g a.i./haの割合で施用した。
【0145】
【表2】
【0146】
B.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)及びフルインダピルの混合物(配合物16)は、フルインダピルの非存在下でのB.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)についての31.8の防除%(配合物2)及びB.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)の非存在下でのフルインダピルについての31.2の防除%(配合物17)についてColby等式によって計算したような53の予測される防除%に対して76.5の防除%で高い相乗効果を示した。
【0147】
未処理の対照、配合物2(2×1011CFU/haのB.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens))、配合物7(80g a.i./haのフルインダピル及び1000g a.i./haのクロロタロニル)及び配合物10(2×1011CFU/haのB.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)、80g a.i./haのフルインダピル及び1000g a.i./haのクロロタロニル)についての結果を図1に示す。
【0148】
未処理の対照、配合物2(2×1011CFU/haのB.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens))、配合物17(80g a.i./haのフルインダピル)、配合物16(2×1011CFU/haのB.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)及び80g a.i./haのフルインダピル)及びマンコゼブ対照についての結果を図2に示す。
【0149】
実施例2 - アジアダイズさび病に対するバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)FCC1256(F4028-B)及びフルインダピル(F9944-A)間の相乗作用を一連の2回の連続的な成長チャンバー実験において評価した。
【0150】
2回の実験室実験を行って、アジアダイズさび病に対する単独での及びB.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)FCC1256と組み合わせたフルインダピルの効果を決定した。フルインダピルを、モデルEC配合物(F9944-A、480gのフルインダピル/L)内で評価し、B.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)FCC1256菌株を、モデル配合物(F4028-B、補助剤を含有しない、1×10CFU/mLの濃度)内で試験した。これらの治験において、VCステージの50日齢ダイズ実生(BMX Potencia RR品種)を温室において生じさせ、選択し、頂端シュートを刈込み、生成物噴霧のために標識した。表3において示すように単独又は組み合わせて試験した殺真菌剤配合物を、実験室スプレーキャビネットを使用して200L/haの容量で噴霧することによって小植物上に施用した。各配合物は6つの複製によって表された(1つの複製は1つのダイズ実生に対応する)。噴霧後、実生を室温において2時間保持した。その後、全ての実生を移し、成長チャンバーにおいて日中では25±2℃において、夜間では20±2℃において保持した;RH75±10%;及び12h/12hの明/暗の光周期。成長チャンバー中で1日後、植物にファコプソラ・パキリジ(Phakopsora pachyrhizi)胞子(約50,000個の胞子/mL)を接種し、次いで、成長チャンバーにおいて14日間保持した。14日後、植物を、有効性について評価した。
【0151】
【表3】
【0152】
F4028-B及びF9944-Aの組合せは、実生を生成物施用の1日後に接種したとき、試験した異なる割合について相乗効果を示した(表4;及び図3)。
【0153】
【表4】
【0154】
実施例3 - アジアダイズさび病防除のための化学的殺真菌剤及びF4028-Bの合わせた施用の相乗効果
1回の実験室実験を行って、アジアダイズさび病に対して、単独で及びB.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)FCC1256と組み合わせて、化学的殺真菌剤の効果を決定した。化学的殺真菌剤は、市販の生成物/配合物として評価し、B.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)FCC1256菌株は、モデル配合物(補助剤を含有しないF4028-B、1.0×10CFU/mLの濃度)内で試験した。表5において示すように単独で又は組み合わせて試験した配合物を、実施例2において記載するように試験し、植物を有効性について評価した。
【0155】
【表5】
【0156】
表6において提示した結果によると、B.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)FCC1256とFMF-フルキサピロキサド6%EC、Priori、Oranis及びDifereとの組合せ(組合せ7~10、表6)は、相乗効果を示した。
【0157】
【表6】
【0158】
F4028-B及び殺真菌剤の組合せは、F4028-B単独及び殺真菌剤単独と比較したとき、評価した全ての組合せについてのアジアダイズさび病防除の有効性を増加させた(表6)。未処理の対照、配合物2(2000mL/haでのF4028-B)、殺真菌剤単独を有する配合物(配合物3~6、表6)、F4028-Bと合わせた配合物(組合せ7~10、表6)についての結果を図4、5、6及び7において示す。このデータは、異なる作用機序を有する化学的殺真菌剤(SDHI:フルキサピロキサド;QoI:アゾキシストロビン及びピコキシストロビン;及び多部位:オキシ塩化銅)と組み合わせたとき、F4028-Bが相乗効果を有する証拠を示した。
【0159】
実施例4 - アジアダイズさび病防除のためのフルインダピル及びバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)菌株の合わせた施用の相乗効果
1回の実験室実験を行って、アジアダイズさび病に対する、単独での及び3つのB.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)菌株と組み合わせたフルインダピルの効果を決定した。バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)MB1660及びD747菌株を、市販の生成物/配合物である、それぞれDuravel及びEco-shotとして評価した。バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)FCC1256菌株を、モデル配合物(F4028-B、補助剤を含有しない)内で試験した。表7において示すように単独で又は組み合わせて試験した配合物を、実施例2において記載したように試験し、植物を有効性について評価した。
【0160】
【表7】
【0161】
1000及び2000mL/haで使用したF4028-1(菌株:FCC1256)は、167mL/haでフルインダピルとの相乗効果を示した(組合せ5及び6)。反対に、1000及び2000g/haでのDuravel(菌株:MB1660)も、1000及び4000g/haでのECO-Shot(菌株:D747)も、167mL/haでのフルインダピルとの相乗効果を示さなかった。
【0162】
【表8】
【0163】
実施例5 - プッチニア・トリチシナ(Puccinia triticina)(コムギ赤さび病)に対するB.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)FCC1256及びフルインダピル間の相乗作用を一連の2回の連続した成長チャンバー実験において評価した。
【0164】
1週齢の実生(アパシェ種)を、それらの最初の葉が完全に発生するまで成長チャンバーにおいて28℃で生じさせた。次いで、これらを生成物噴霧のために標識した。それぞれの試験した様相について6つの複製を調製した(1つの複製は1ポットに対応する、それ自体は概ね30個の種子を含有する)。表9において提示する殺真菌剤配合物を、植物から40cmに配置された1つのノズルブームを使用して実験室噴霧キャビネット内で240L/haの容量でこれらに噴霧することによってコムギ実生上に施用した。噴霧後、実生を室温において1時間にわたって保持し、その後、下記の条件:20℃、RH80%及び16h/8hの明/暗の光周期に設定した成長チャンバー中に移した。成長チャンバー中で1日後、植物に50,000個の胞子/mLの濃度でP.トリチシナ(P.triticina)胞子の懸濁液を接種した。次いで、実生を露室において20℃で(24時間の暗闇)24時間維持し、その後、成長チャンバー(20℃、RH80%及び16h/8hの明/暗の光周期)中に再び移した。
【0165】
病害重症度は、総葉表面と比較して、いぼ状突起及び関連する白化で覆われている相対的葉表面を推定することにより、接種の10~15日後にポット毎に5枚の葉上でアセスメントした。
【0166】
試験した配合物を表9において示す。フルインダピルを、モデルEC配合物(F9944-C)(100gのフルインダピル/L)内で評価し、50~60%の防除を実現する亜致死性割合として使用した。FCC1256菌株を、モデル配合物(F4028-D、補助剤を含有しない、1.15×1010CFU/mLの濃度)内で試験し、3つの割合、0.5L/ha、1L/ha及び2L/haで使用した。両方の殺真菌剤は、単独で及びタンク混合物中で試験した。1L/haでのAmistar(アゾキシストロビン、250g/L、SC)及び1.5L/haの割合でのF9944-Aを標準として含めた。
【0167】
【表9】
【0168】
コムギ実生上のP.トリチシナ(P.triticina)防除(2つの試験の平均)を下記の表10において提示する。95%信頼度でANOVA及びテューキー検定を使用して統計解析を行った。
【0169】
【表10】
【0170】
B.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)FCC1256及びフルインダピルの混合物は、試験した異なるFCC1256の割合について相乗効果を示した。
【0171】
本明細書は、最良の態様を含む本発明を開示し、また、当業者が、任意の装置又はシステムを作製及び使用すること並びに任意の組み込まれた方法を行うことを含めて、本発明を実施することを可能とするために実施例を使用する。本発明の特許性のある範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者に想到される他の実施例を含み得る。このような他の例は、それらが、特許請求の範囲の文字どおりの言語と異ならない構造要素を有する場合又はそれらが、特許請求の範囲の文字どおりの言語と僅かな差異を有する均等な構造要素を含む場合、特許請求の範囲内であることが意図される。
【0172】
下記は、本発明の実施形態を表す。
【0173】
実施形態1。植物病原性真菌を防除するための方法であって、植物、植物繁殖材料及び/又は関連する土壌を、有効量の、
(1)バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)の少なくとも1つの菌株の集団を含むバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)殺真菌剤成分;及び
(2)コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤からなる群から選択される少なくとも1種の殺真菌剤を含む第2の殺真菌剤成分
を含む殺有害生物組成物で処理することを含み、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)殺真菌剤成分中に含有されるバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)の集団及び第2の殺真菌剤成分は、1グラムのコハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤活性成分当たり約1×10CFUのバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)~1グラムのコハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤活性成分当たり約1×1015CFUのバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)の比で存在し;
植物病原性真菌は、ファコプソラ・パキリジ(Phakopsora pachyrhizi)及びファコプソラ・メイボミア(Phakopsora meibomiae)からなる群から選択される、方法。
【0174】
実施形態2。バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)の少なくとも1つの菌株は、FCC1256、AP-136、AP-188、AP-218、AP-219、AP-295、QST713、FZB24、FZB42、F727、MB1600、D747、RTI301、RTI472及びTJ100からなる群から選択される、実施形態1に記載の方法。
【0175】
実施形態3。バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)の少なくとも1つの菌株は、FCC1256、AP-136、AAP-218、AP-219、AP-295、QST713、FZB24、FZB42、F727、MB1600、D747、RTI301、RTI472及びTJ100からなる群から選択される、実施形態2に記載の方法。
【0176】
実施形態4。バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)の少なくとも1つの菌株は、FCC1256である、実施形態3に記載の方法。
【0177】
実施形態5。第2の殺真菌剤成分は、ベンダニル、フルトラニル、メプロニル、イソフェタミド、フルオピラム、フェンフラム、カルボキシン、オキシカルボキシン、チフルザミド、ベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、フルインダピル、フルキサピロキサド、フラメトピル、インピルフルキサム、イソピラザム、ペンフルフェン、ペンチオピラド、セダキサン、イソフルシプラム、ピジフルメトフェン、ボスカリド、ピラジフルミド、その塩及びこれらの組合せからなる群から選択される、実施形態1~4のいずれか1つに記載の方法。
【0178】
実施形態6。第2の殺真菌剤成分は、ベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、フルインダピル、フルキサピロキサド、フラメトピル、インピルフルキサム、イソピラザム、ペンフルフェン、ペンチオピラド、セダキサン、その塩及びこれらの組合せからなる群から選択される、実施形態5に記載の方法。
【0179】
実施形態7。第2の殺真菌剤成分は、フェニル-ベンズアミド、フェニル-オキソ-エチルチオフェンアミド、ピリジニル-エチルベンズアミド、フランカルボキサミド、オキサチインカルボキサミド、チアゾールカルボキサミド、ピラゾール-4-カルボキサミド、N-シクロプロピル-N-ベンジル-ピラゾールカルボキサミド、ピリジンカルボキサミド及びピラジンカルボキサミド並びにその塩から選択される、実施形態1~4のいずれか1つに記載の方法。
【0180】
実施形態8。第2の殺真菌剤成分は、ピラゾール-4-カルボキサミド又はその塩である、実施形態7に記載の方法。
【0181】
実施形態9。第2の殺真菌剤成分は、フルインダピル又はその塩である、実施形態1~8のいずれか1つに記載の方法。
【0182】
実施形態10。バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)殺真菌剤成分中に含有されるバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)の集団及び第2の殺真菌剤成分は、約1×10CFU/g a.i.~約1×1014CFU/g a.i.、約1×10CFU/g a.i.~約1×1013CFU/g a.i.、約1×10CFU/g a.i.~約1×1012CFU/g a.i.、約5×10CFU/g a.i.~約5×1011CFU/g a.i.、約1×10CFU/g a.i.~約1×1011CFU/g a.i.、約5×10CFU/g a.i.~約5×1010CFU/g a.i.又は約1×10CFU/g a.i.~約1×1010CFU/g a.i.の比で存在する、実施形態1~9のいずれか1つに記載の方法。
【0183】
実施形態11。殺有害生物組成物は、葉面処理として施用される、実施形態1~10のいずれか1つに記載の方法。
【0184】
実施形態12。殺有害生物組成物は、土壌処理として施用される、実施形態1~10のいずれか1つに記載の方法。
【0185】
実施形態13。殺有害生物組成物は、種子処理として施用される、実施形態1~10のいずれか1つに記載の方法。
【0186】
実施形態14。植物は、グリシン属(Glycine)のものである、実施形態1~13のいずれか1つに記載の方法。
【0187】
実施形態15。植物は、ダイズである、実施形態14に記載の方法。
【0188】
実施形態16。バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)殺真菌剤成分及び第2の殺真菌剤成分は、相乗的有効量で存在する、実施形態1~15のいずれか1つに記載の方法。
【0189】
実施形態17。殺有害生物組成物であって、
1)バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)の少なくとも1つの菌株の集団を含むバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)殺真菌剤成分、及び
2)コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤からなる群から選択される少なくとも1種の殺真菌剤を含む第2の殺真菌剤成分
を含み、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)殺真菌剤成分中に含有されるバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)の集団及び第2の殺真菌剤成分は、1グラムのコハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤活性成分当たり約1×10CFUのバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)~1グラムのコハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤活性成分当たり約1×1015CFUのバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)の比で存在する、殺有害生物組成物。
【0190】
実施形態18。バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)の少なくとも1つの菌株は、FCC1256、AP-136、AP-188、AP-218、AP-219、AP-295、QST713、FZB24、FZB42、F727、MB1600、D747、RTI301、RTI472及びTJ100からなる群から選択される、実施形態17に記載の殺有害生物組成物。
【0191】
実施形態19。バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)の少なくとも1つの菌株は、FCC1256、AP-136、AAP-218、AP-219、AP-295、QST713、FZB24、FZB42、F727、MB1600、D747、RTI301、RTI472及びTJ100からなる群から選択される、実施形態18に記載の殺有害生物組成物。
【0192】
実施形態20。バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)の少なくとも1つの菌株は、FCC1256である、実施形態19に記載の殺有害生物組成物。
【0193】
実施形態21。第2の殺真菌剤成分は、ベンダニル、フルトラニル、メプロニル、イソフェタミド、フルオピラム、フェンフラム、カルボキシン、オキシカルボキシン、チフルザミド、ベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、フルインダピル、フルキサピロキサド、フラメトピル、インピルフルキサム、イソピラザム、ペンフルフェン、ペンチオピラド、セダキサン、イソフルシプラム、ピジフルメトフェン、ボスカリド、ピラジフルミド、その塩及びこれらの組合せからなる群から選択される、実施形態17~20のいずれか1つに記載の殺有害生物組成物。
【0194】
実施形態22。第2の殺真菌剤成分は、ベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、フルインダピル、フルキサピロキサド、フラメトピル、インピルフルキサム、イソピラザム、ペンフルフェン、ペンチオピラド、セダキサン、その塩及びこれらの組合せからなる群から選択される、実施形態21に記載の殺有害生物組成物。
【0195】
実施形態23。第2の殺真菌剤成分は、フェニル-ベンズアミド、フェニル-オキソ-エチルチオフェンアミド、ピリジニル-エチルベンズアミド、フランカルボキサミド、オキサチインカルボキサミド、チアゾールカルボキサミド、ピラゾール-4-カルボキサミド、N-シクロプロピル-N-ベンジル-ピラゾールカルボキサミド、ピリジンカルボキサミド及びピラジンカルボキサミド並びにその塩から選択される、実施形態17~20のいずれか1つに記載の殺有害生物組成物。
【0196】
実施形態24。第2の殺真菌剤成分は、ピラゾール-4-カルボキサミド又はその塩である、実施形態23に記載の殺有害生物組成物。
【0197】
実施形態25。第2の殺真菌剤成分は、フルインダピル又はその塩である、実施形態17~24のいずれか1つに記載の殺有害生物組成物。
【0198】
実施形態26。バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)殺真菌剤成分中に含有されるバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)の集団及び第2の殺真菌剤成分は、約1×10CFU/g a.i.~約1×1014CFU/g a.i.、約1×10CFU/g a.i.~約1×1013CFU/g a.i.、約1×10CFU/g a.i.~約1×1012CFU/g a.i.、約5×10CFU/g a.i.~約5×1011CFU/g a.i.、約1×10CFU/g a.i.~約1×1011CFU/g a.i.、約5×10CFU/g a.i.~約5×1010CFU/g a.i.又は約1×10CFU/g a.i.~約1×1010CFU/g a.i.の比で存在する、実施形態17~25のいずれか1つに記載の殺有害生物組成物。
【0199】
実施形態27。少なくとも1種の農業的に許容される補助剤をさらに含む、実施形態17~26のいずれか1つに記載の殺有害生物組成物。
【0200】
実施形態28。懸濁液、懸濁液濃縮物、油分散物、エマルション、水分散性顆粒又は泡の形態である、実施形態17~27のいずれか1つに記載の殺有害生物組成物。
【0201】
実施形態29。固体であり、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)の集団は、約1×10CFU/グラム~約1×1012CFU/グラム、約1×10CFU/グラム~1×1011CFU/グラム又は約1×10CFU/グラム~約1×1010CFU/グラムの濃度で存在する、実施形態17~28のいずれか1つに記載の殺有害生物組成物。
【0202】
実施形態30。液体、懸濁液、分散物又はエマルションであり、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)の集団は、約1×10CFU/mL~約1×1012CFU/mL、約1×10CFU/mL~約1×1011CFU/mL又は約1×10CFU/mL~約1×1010CFU/mLの濃度で存在する、実施形態17~28のいずれか1つに記載の殺有害生物組成物。
【0203】
実施形態31。プレミックスである、実施形態30に記載の殺有害生物組成物。
【0204】
実施形態32。タンクミックスである、実施形態30に記載の殺有害生物組成物。
【0205】
実施形態33。バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)殺真菌剤成分及び第2の殺真菌剤成分は、相乗的有効量で存在する、実施形態17~32のいずれか1つに記載の殺有害生物組成物。
【0206】
実施形態34。バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)殺真菌剤成分及び第2の殺真菌剤成分は、ファコプソラ・パキリジ(Phakopsora pachyrhizi)又はファコプソラ・メイボミア(Phakopsora meibomiae)の防除のために相乗的有効量で存在する、実施形態33に記載の殺有害生物組成物。
【0207】
実施形態35。植物病原性真菌を防除するための方法であって、植物、植物繁殖材料及び/又は土壌を、有効量の、実施形態17~34のいずれか1つに記載の殺有害生物組成物で処理することを含む方法。
【0208】
実施形態36。植物病原性真菌は、ファコプソラ・パキリジ(Phakopsora pachyrhizi)及びファコプソラ・メイボミア(Phakopsora meibomiae)から選択される、実施形態35に記載の方法。
【0209】
実施形態37。植物は、グリシン属(Glycine)のものである、実施形態35又は実施形態36に記載の方法。
【0210】
実施形態38。植物は、ダイズである、実施形態37に記載の方法。
【0211】
実施形態39。殺有害生物組成物は、葉面処理として施用される、実施形態35~38のいずれか1つに記載の方法。
【0212】
実施形態40。殺有害生物組成物は、土壌処理として施用される、実施形態35~38のいずれか1つに記載の方法。
【0213】
実施形態41。殺有害生物組成物は、種子処理として施用される、実施形態35~38のいずれか1つに記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】