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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-25
(54)【発明の名称】リコール部を有する研削/研磨装置
(51)【国際特許分類】
   B24B 37/005 20120101AFI20230518BHJP
   B24B 55/02 20060101ALI20230518BHJP
   B24B 37/10 20120101ALI20230518BHJP
   B24B 57/02 20060101ALI20230518BHJP
   B23Q 15/013 20060101ALI20230518BHJP
【FI】
B24B37/005 Z
B24B37/005 A
B24B55/02 B
B24B37/10
B24B57/02
B23Q15/013
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022559725
(86)(22)【出願日】2021-03-23
(85)【翻訳文提出日】2022-11-08
(86)【国際出願番号】 US2021023671
(87)【国際公開番号】W WO2021202169
(87)【国際公開日】2021-10-07
(31)【優先権主張番号】63/002,923
(32)【優先日】2020-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/208,490
(32)【優先日】2021-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】マイケル イー.キーブル
【テーマコード(参考)】
3C001
3C047
3C158
【Fターム(参考)】
3C001KB07
3C001TA02
3C001TA06
3C001TB06
3C047FF04
3C047FF08
3C047GG01
3C158AA04
3C158AA07
3C158AC02
3C158AC04
3C158BA04
3C158BA06
3C158BA09
3C158BB02
3C158BC01
3C158BC02
3C158BC03
3C158CB03
3C158CB05
3C158DA15
3C158EA11
3C158EB01
3C158EB02
3C158EB09
(57)【要約】
研削機/研磨機が、試料ホルダーと、プラテンと、試料ホルダー及びプラテンのうちの少なくとも一方を移動させるように構成されるアクチュエーターと、入力装置と、機械可読記憶装置と、コントローラーとを備える。入力装置は、複数のクイックリコール入力部を含み、研削/研磨パラメーターを表す研削/研磨パラメーター入力を受信するように構成される。研削/研磨パラメーターは、サイクル時間、プラテン速度、試料速度、プラテン方向、試料方向、及び印加される負荷のうちの少なくとも2つを含む。クイックリコール入力部は、ユーザーパラメーター入力部と同じインターフェース上で選択可能である。コントローラーは、入力装置によって受信された入力に基づいて、ユーザーが選択した複数の研削/研磨パラメーターを機械可読記憶装置に保存し、パラメーターをクイックリコール入力部のうちの1つに関連付け、クイックリコール入力部の選択に応答して、パラメーターを構成し、パラメーターに応じて動作を実行するように構成される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料を固定するように構成される試料ホルダーと、
プラテンと、
前記試料ホルダー及び前記プラテンのうちの少なくとも一方を移動させるように構成されるアクチュエーターと、
複数のクイックリコール入力部を含み、研削/研磨パラメーターを表す研削/研磨パラメーター入力を受信するように構成される入力装置であって、前記研削/研磨パラメーターは、サイクル時間、プラテン速度、試料速度、プラテン方向、試料方向、及び印加される負荷のうちの少なくとも2つを含み、前記クイックリコール入力部は、前記ユーザーパラメーター入力部と同じインターフェース上で選択可能である、入力装置と、
機械可読記憶装置と、
コントローラーであって、
前記入力装置によって受信された前記研削/研磨パラメーター入力に基づいて、ユーザーが選択した複数の研削/研磨パラメーターを前記機械可読記憶装置に保存し、
前記ユーザーが選択した複数の研削/研磨パラメーターを前記クイックリコール入力部のうちの1つに関連付け、
前記クイックリコール入力部のうちの1つの選択に応答して、該クイックリコール入力部のうちの該選択された1つと関連して前記機械可読記憶装置に記憶された前記研削/研磨パラメーターに基づいて、前記研削/研磨パラメーターを構成し、
前記構成された研削/研磨パラメーターに従って研削/研磨動作を実行するように前記アクチュエーターを制御する、
ように構成される、コントローラーと、
を備える、研削機/研磨機。
【請求項2】
前記試料に冷却水を提供するように構成される水ディスペンサーを更に備え、前記研削機/研磨機パラメーターは、水のオン/オフを更に含み、前記コントローラーは、選択されたサイクル時間及び水のオン/オフに従って前記水ディスペンサーを制御するように更に構成される、請求項1に記載の研削機/研磨機。
【請求項3】
前記アクチュエーターは、モーター及びドライバーアクチュエーターを含み、前記コントローラーは、(i)選択された研削/研磨パラメーターに従って前記試料ホルダー及び前記プラテンのうちの少なくとも一方を回転させるように前記モーターを制御し、(ii)選択された印加される負荷に従って、前記試料又は前記プラテンを該試料及び該プラテンのうちの他方に押し込むように前記駆動アクチュエーターを制御するように更に構成される、請求項2に記載の研削機/研磨機。
【請求項4】
前記試料に流体を提供するように構成される流体ディスペンサーを更に備え、前記研削機/研磨機パラメーターは、流体のオン/オフ及び流体供給速度を更に含み、前記コントローラーは、選択されたサイクル時間、流体のオン/オフ、及び流体供給流量に従って前記流体ディスペンサーを制御するように更に構成される、請求項1に記載の研削機/研磨機。
【請求項5】
前記入力装置は、前記クイックリコール入力部及び前記複数の研削機/研磨機パラメーターを表示するように構成されるタッチスクリーンディスプレイを含む、請求項1に記載の研削機/研磨機。
【請求項6】
前記タッチスクリーンは、ホームスクリーンを含み、前記複数のクイックリコール入力部のうちの少なくとも1つは、前記ホームスクリーン上に表示され、該ホームスクリーンから選択可能である、請求項5に記載の研削機/研磨機。
【請求項7】
前記コントローラーは、ユーザーが前記複数のクイックリコール入力部のうちの1つを選択したままにすると、前記ユーザーが選択した複数の研削機/研磨機パラメーターを前記機械可読記憶装置に保存するように構成される、請求項5に記載の研削機/研磨機。
【請求項8】
前記複数のクイックリコール入力部のうちの少なくとも1つは、前記入力装置のメニューにアクセスすることなくアクセス可能である、請求項1に記載の研削機/研磨機。
【請求項9】
前記複数のクイックリコール入力部のうちの少なくとも1つは、ユーザーが即座にアクセス可能である、請求項1に記載の研削機/研磨機。
【請求項10】
前記研削/研磨パラメーターは、サイクル時間、プラテン速度及び試料速度のうちの少なくとも一方、プラテン方向及び試料方向のうちの少なくとも一方、並びに印加される負荷を含む、請求項1に記載の研削機/研磨機。
【請求項11】
非一時的な機械可読記憶装置であって、
実行されると、コントローラーに、
入力装置によって受信された研削/研磨パラメーター入力に基づいて、ユーザーが選択した複数の研削/研磨パラメーターを該機械可読記憶装置に保存することであって、前記研削/研磨パラメーターは、サイクル時間、プラテン速度、試料速度、プラテン方向、試料方向、及び印加される負荷のうちの少なくとも2つを含むことと、
前記ユーザーが選択した複数の研削/研磨パラメーターを入力装置の複数のクイックリコール入力部のうちの1つに関連付けることと、
前記ユーザーインターフェース入力装置の前記クイックリコール入力部のうちの1つの選択に応答して、該クイックリコール入力部のうちの該選択された1つと関連して該機械可読記憶装置に記憶された前記研削/研磨パラメーターに基づいて、前記研削/研磨パラメーターを構成することと、
前記構成された研削/研磨パラメーターに従って研削/研磨動作を実行するように研削機/研磨機の試料ホルダー及びプラテンのうちの少なくとも一方を移動させるように構成される前記研削機/研磨機のアクチュエーターを制御することと、
を行わせる機械可読な命令を含む、非一時的な機械可読記憶装置。
【請求項12】
前記研削機/研磨機パラメーターは、水のオン/オフのうちの少なくとも一方を更に含み、前記命令は、実行されると、前記コントローラーに、選択されたサイクル時間及び水のオン/オフに従って前記水ディスペンサーを制御することを行わせる、請求項11に記載の非一時的な機械可読記憶装置。
【請求項13】
前記アクチュエーターは、モーター及びドライバーアクチュエーターを含み、前記命令は、実行されると、前記コントローラーに、(i)選択された研削/研磨パラメーターに従って前記試料ホルダー及び前記プラテンのうちの少なくとも一方を回転させるように前記モーターを制御し、(ii)選択された印加される負荷に従って、前記試料又は前記プラテンを該試料及び該プラテンのうちの他方に押し込むように前記駆動アクチュエーターを制御することを行わせる、請求項12に記載の非一時的な機械可読記憶装置。
【請求項14】
前記研削機/研磨機は、前記試料に流体を提供するように構成される流体ディスペンサーを更に備え、前記研削機/研磨機パラメーターは、流体のオン/オフ及び流体供給速度を更に含み、前記命令は、実行されると、前記コントローラーに、選択されたサイクル時間、流体のオン/オフ、及び流体供給流量に従って前記流体ディスペンサーを制御することを行わせる、請求項11に記載の非一時的な機械可読記憶装置。
【請求項15】
前記入力装置は、タッチスクリーンディスプレイを含み、前記命令は、実行されると、前記コントローラーに、前記クイックリコール入力部及び前記複数の研削機/研磨機パラメーターを前記タッチスクリーン上に表示することを行わせる、請求項11に記載の非一時的な機械可読記憶装置。
【請求項16】
前記命令は、実行されると、前記コントローラーに、ホームスクリーンを前記タッチスクリーンディスプレイ上に表示することを行わせ、前記複数のクイックリコール入力部のうちの少なくとも1つは、前記ホームスクリーン上に表示され、該ホームスクリーンから選択可能である、請求項15に記載の非一時的な機械可読記憶装置。
【請求項17】
前記命令は、実行されると、前記コントローラーに、ユーザーが前記複数のクイックリコール入力部のうちの1つを選択したままにすると、前記ユーザーが選択した複数の研削機/研磨機パラメーターを前記機械可読記憶装置に保存することを行わせる、請求項15に記載の非一時的な機械可読記憶装置。
【請求項18】
前記複数のクイックリコール入力部のうちの少なくとも1つは、前記ユーザーインターフェース入力装置のメニューにアクセスすることなくアクセス可能である、請求項11に記載の非一時的な機械可読記憶装置。
【請求項19】
前記複数のクイックリコール入力部のうちの少なくとも1つは、ユーザーが即座にアクセス可能である、請求項13に記載の非一時的な機械可読記憶装置。
【請求項20】
前記研削/研磨パラメーターは、サイクル時間、プラテン速度及び試料速度のうちの少なくとも一方、プラテン方向及び試料方向のうちの少なくとも一方、並びに印加される負荷を含む、請求項13に記載の非一時的な機械可読記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、「GRINDING/POLISHING DEVICES WITH RECALL」と題する2021年3月22日に出願された米国特許出願第17/208,490号及び「GRINDING/POLISHING DEVICES WITH RECALL」と題する2020年3月31日に出願された米国仮特許出願第63/002,923号の利益を主張する。米国特許出願第17/208,490号及び米国仮特許出願第63/002,923号の全体は、引用することにより明確に本明細書の一部をなす。
【0002】
本開示は、包括的には、研削/研磨システムに関し、より詳細には、リコール部を有する研削/研磨装置に関する。
【背景技術】
【0003】
研削動作及び研磨動作が、多数の目的のため、多種多様な分野及び産業にわたって試料に行われる。幾つかの用途において、研削/研磨動作による試料の表面調整が、顕微鏡検査等の試料試験に対する前提条件であり、例えば、製造分野において材料及び構成要素を試験する際の拠り所となるものである。研削/研磨装置は、研削動作及び研磨動作の両方を行い、特定の用途に合わせて必要な仕上げを施すように試料を加工することが可能である。
【0004】
予想され得るように、用途が必要とする公差に収まる所望の仕様まで試料を加工する研削/研磨装置及び方法の必要性が残っている。しかし、研削/研磨装置は、ユーザー制御が限定されていることが多い。多くの場合、研削/研磨装置は、セットアップ及び制御が困難であり、ユーザーはセットアップに多大な時間を必要とし得る。そのような非効率性等は、ユーザーに負担をかけ、時間の損失及び稼働コストの増大に繋がるおそれがある。改善された研削/研磨装置及び方法を提供することが有利である。
【発明の概要】
【0005】
実施の形態において、研削機/研磨機は、試料を固定するように構成される試料ホルダーと、プラテンと、前記試料ホルダー及び前記プラテンのうちの少なくとも一方を移動させるように構成されるアクチュエーターと、複数のクイックリコール入力部を含み、研削/研磨パラメーターを表す研削/研磨パラメーター入力を受信するように構成される入力装置であって、前記研削/研磨パラメーターは、サイクル時間、プラテン速度、試料速度、プラテン方向、試料方向、及び印加される負荷のうちの少なくとも2つを含む、入力装置とを備える。前記クイックリコール入力部は、前記ユーザーパラメーター入力部と同じインターフェース上で選択可能である。実施の形態において、機械可読記憶装置とコントローラーとがある。前記コントローラーは、前記入力装置によって受信された前記研削/研磨パラメーター入力に基づいて、ユーザーが選択した複数の研削/研磨パラメーターを前記機械可読記憶装置に保存し、前記ユーザーが選択した複数の研削/研磨パラメーターを前記クイックリコール入力部のうちの1つに関連付けるように構成される。前記コントローラーは、前記クイックリコール入力部のうちの1つの選択に応答して、該クイックリコール入力部のうちの該選択された1つと関連して前記機械可読記憶装置に記憶された前記研削/研磨パラメーターに基づいて、前記研削/研磨パラメーターを構成するとともに、前記構成された研削/研磨パラメーターに従って研削/研磨動作を実行するように前記アクチュエーターを制御するように更に構成することができる。
【0006】
前記研削機/研磨機は、前記試料に冷却水を提供するように構成される水ディスペンサーを更に備えることができ、前記研削機/研磨機パラメーターは水のオン/オフを更に含む。そのような実施の形態において、前記コントローラーは、選択されたサイクル時間及び水のオン/オフに従って前記水ディスペンサーを制御するように更に構成される。他の実施の形態において、前記アクチュエーターは、モーター及びドライバーアクチュエーターを含み、前記コントローラーは、選択された研削/研磨パラメーターに従って前記試料ホルダー及び前記プラテンのうちの少なくとも一方を回転させるように前記モーターを制御するように構成される。例における前記コントローラーは、選択された印加される負荷に従って、前記試料又は前記プラテンを該試料及び該プラテンのうちの他方に押し込むようにアクチュエーターを駆動するようにも構成される。
【0007】
更に他の実施の形態において、前記研削機/研磨機は、前記試料に流体を提供するように構成される流体ディスペンサーを備え、前記研削機/研磨機パラメーターは流体のオン/オフ及び流体供給速度を更に含む。前記コントローラーは、選択されたサイクル時間、流体のオン/オフ、及び流体供給流量に従って前記流体ディスペンサーを制御するように更に構成することができる。実施の形態における前記入力装置は、前記クイックリコール入力部及び前記複数の研削機/研磨機パラメーターを表示するように構成されるタッチスクリーンディスプレイであり、ホームスクリーンを含むことができる。
【0008】
前記コントローラーは、ユーザーが前記複数のクイックリコール入力部のうちの1つを選択したままにすると、前記ユーザーが選択した複数の研削機/研磨機パラメーターを前記機械可読記憶装置に保存するように構成することもできる。実施の形態における前記複数のクイックリコール入力部のうちの少なくとも1つは、前記入力装置のメニューにアクセスすることなくアクセス可能であり、また、実施の形態において、前記ユーザーが即座にアクセス可能である。前記研削/研磨パラメーターは、サイクル時間、プラテン速度及び試料速度のうちの少なくとも一方、プラテン方向及び試料方向のうちの少なくとも一方、並びに印加される負荷を含むこともできる。
【0009】
実施の形態において、非一時的な機械可読記憶装置は、実行されると、コントローラーに、入力装置によって受信された研削/研磨パラメーター入力に基づいて、ユーザーが選択した複数の研削/研磨パラメーターを該機械可読記憶装置に保存することと、前記ユーザーが選択した複数の研削/研磨パラメーターを入力装置の複数のクイックリコール入力部のうちの1つに関連付けることと、前記ユーザーインターフェース入力装置の前記クイックリコール入力部のうちの1つの選択に応答して、該クイックリコール入力部のうちの該選択された1つと関連して該機械可読記憶装置に記憶された前記研削/研磨パラメーターに基づいて、前記研削/研磨パラメーターを構成することと、前記構成された研削/研磨パラメーターに従って研削/研磨動作を実行するように研削機/研磨機の試料ホルダー及びプラテンのうちの少なくとも一方を移動させるように構成される前記研削機/研磨機のアクチュエーターを制御することとを行わせる機械可読な命令を含む。そのような実施の形態において、前記研削/研磨パラメーターは、サイクル時間、プラテン速度、試料速度、プラテン方向、試料方向、及び印加される負荷のうちの少なくとも2つを含むことができる。
【0010】
前記研削機/研磨機パラメーターは水のオン/オフのうちの少なくとも一方を更に含むことができ、前記命令は、実行されると、前記コントローラーに、選択されたサイクル時間及び水のオン/オフに従って前記水ディスペンサーを制御することを行わせる。実施の形態において、前記アクチュエーターは、モーター及びドライバーアクチュエーターを含み、前記命令は、実行されると、前記コントローラーに、選択された研削/研磨パラメーターに従って前記試料ホルダー及び前記プラテンのうちの少なくとも一方を回転させるように前記モーターを制御し、選択された印加される負荷に従って、前記試料又は前記プラテンを該試料及び該プラテンのうちの他方に押し込むように前記駆動アクチュエーターを制御することを行わせる。他の実施の形態において、前記研削機/研磨機は、前記試料に流体を提供するように構成される流体ディスペンサーを更に備え、前記研削機/研磨機パラメーターは流体のオン/オフ及び流体供給速度を更に含み、前記命令は、実行されると、前記コントローラーに、選択されたサイクル時間、流体のオン/オフ、及び流体供給流量に従って前記流体ディスペンサーを制御することを行わせる。
【0011】
非一時的な機械可読記憶装置の更なる実施の形態において、前記入力装置は、タッチスクリーンディスプレイを含み、前記命令は、実行されると、前記コントローラーに、前記クイックリコール入力部及び前記複数の研削機/研磨機パラメーターを前記タッチスクリーン上に表示することを行わせる。更に他の実施の形態において、前記命令は、実行されると、前記コントローラーに、ホームスクリーンを前記タッチスクリーンディスプレイ上に表示することを行わせ、前記複数のクイックリコール入力部のうちの少なくとも1つは、前記ホームスクリーン上に表示され、該ホームスクリーンから選択可能である。別の態様において、前記命令は、実行されると、前記コントローラーに、ユーザーが前記複数のクイックリコール入力部のうちの1つを選択したままにすると、前記ユーザーが選択した複数の研削機/研磨機パラメーターを前記機械可読記憶装置に保存することを行わせることができる。実施の形態における前記複数のクイックリコール入力部は、前記ユーザーインターフェース入力装置のメニューにアクセスすることなくアクセス可能であり、また、実施の形態において、ユーザーが即座にアクセス可能である。実施の形態における前記研削/研磨パラメーターは、サイクル時間、プラテン速度及び試料速度のうちの少なくとも一方、プラテン方向及び試料方向のうちの少なくとも一方、並びに印加される負荷を含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一例示の研削/研磨装置を示す図である。
図2図1の研削/研磨装置の構成要素のブロック図である。
図3図1の研削/研磨装置の一例示の入力装置を示す図である。
図4】研削/研磨装置を使用する方法のフローチャートを示す図である。
図5】研削/研磨装置を使用する方法のフローチャートを示す図である。
【0013】
図面は必ずしも縮尺どおりではない。適宜、同様又は同一の要素を指示するために同様又は同一の参照符号を使用する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示は、包括的には、研削/研磨装置のシステム、方法、及び装置に関する。好ましい実施形態を、添付の図面の図を参照して記載する。下記の記載では、既知の機能又は構成については詳細に説明しないが、これは不必要に詳細なこのような記載によって、本開示が曖昧になると考えられるためである。
【0015】
特許請求される技術の原理の理解を促すとともに、現在理解されている最良の動作モードを提示する目的で、これより図面で示される実施形態に言及し、これを説明するために、具体的な言い回しを用いることになる。しかし、このことは特許請求される技術範囲の限定を意図するものではなく、示されるデバイスにおけるこのような変更及び更なる修正、またそこで示された特許請求される技術の原理のこのような更なる適用が、特許請求される技術に関連する技術分野の当業者にとって通例、想到されるものであると考えられると理解されたい。
【0016】
本明細書で使用される場合、「例示的な」という語は、「例、実例、又は例証としての役割を果たす」ことを意味する。本明細書に記載の実施形態は、限定するものではなく、単に例示するものである。記載の実施形態は必ずしも他の実施形態に対して好ましい又は有益であると解釈されるものではないことを理解されたい。さらに、「実施形態」という用語は、全ての開示する実施形態が、論述する特徴、利点、又は動作モードを含むことを必要とはしない。
【0017】
本明細書において使用される場合、「回路」及び「回路部」という用語は、物理的な電子構成要素(すなわち、ハードウェア)と、ハードウェアを構成することができ、ハードウェアが実行することができ、及び/又は他の方法でハードウェアに関連付けることができる、任意のソフトウェア及び/又はファームウェア(「コード」)とを指す。本明細書で使用される場合、例えば特定のプロセッサ及びメモリは、コードの1つ以上のラインの第1のセットを実行しているとき、第1の「回路」を含むことができ、コードの1つ以上のラインの第2のセットを実行しているとき、第2の「回路」を含むことができる。本明細書において使用される場合、「及び/又は」は、「及び/又は」によって連結されるリストにおける項目のうちの任意の1つ以上の項目を意味する。一例として、「x及び/又はy」は、3つの要素の組{(x),(y),(x,y)}のうちの任意の要素を意味する。言い換えれば、「x及び/又はy」は、「x及びyのうちの一方又は両方」を意味する。別の例として、「x、y及び/又はz」は、7つの要素の組{(x),(y),(z),(x,y),(x,z),(y,z),(x,y,z)}のうちの任意の要素を意味する。言い換えれば、「x、y及び/又はz」は、「x、y及びzのうちの1つ以上」を意味する。本明細書において使用される場合、「例示的な」という用語は、非限定的な例、事例又は例証としての役割を果たすことを意味する。本明細書において使用される場合、「例えば」という用語は、1つ以上の非限定的な例、事例又は例証のリストを開始する。本明細書で使用される場合、回路部は、或る機能を実施するために必要なハードウェア及びコード(いずれかが必要である場合)を含む場合はいつでも、その機能の実施が(例えば、ユーザーが構成可能な設定、工場トリム等により)無効にされる又は有効にされていないか否かに関わりなく、回路部はその機能を実行するように「動作可能」である。
【0018】
ワーク又は試料に研削動作及び研磨動作を行う研削/研磨装置の一例を図1図3に示す。図1を参照すると、研削/研磨装置100は、試料116(1つを示す)を有する試料ホルダー112を備えるパワーヘッドアセンブリ102と、ボウル106を備えるキャビネット又は基部104と、コントローラー190(図2)と、入力装置又はユニット制御パネル122とを備える。
【0019】
引き続き図1を参照すると、ボウル106は、図示の実施形態における基部104内に開口を形成する。ボウル106は、取り外し可能なボウルライナー(図示せず)、例えば透明なプラスチック製ボウルライナーを備え、ボウル内のデブリ、汚染物質、及び残滓の蓄積を防止する。スプラッシュガード109をボウル106の周りに更に位置決めして、流体をボウル内に抑え、スプレーしぶきを最小限にするとともに、物品が意図せずボウルに進入すること、又はプラテン108若しくは試料ホルダー112等の研削研磨装置の可動構成要素に接触することを防止することができる。
【0020】
プラテン108はボウル106内に設置される。パッド110がプラテン108の頂部に固定され、研削/研磨サイクル中に試料116に接触するように構成される。多くのタイプのパッド110を研削/研磨動作において使用することができる。例えば、パッド110は、研削ディスク、例えば、炭化ケイ素研削ディスク又はダイアモンド研削ディスクとすることができる。他の実施形態において、パッド110は研磨パッドとしてもよい。プラテン108は、アクチュエーター117(図2)に動作可能に接続される。一例として、プラテンの下側は、プラテンをアクチュエーターに固定するために、アクチュエーターの駆動プレートの頂部上に駆動ピンを受ける開口を有することができるが、他の多くの機構を使用してプラテンをアクチュエーターに固定してもよい。
【0021】
アクチュエーター117は、研削/研磨動作中に試料116を加工するために、コントローラー190によって、プラテン108を回転、振動、又は別様に移動させるように制御される。実施形態におけるアクチュエーター117は、プラテン108を選択された速度でいずれかの方向に回転させるように構成される両方向モーターである。他の実施形態において、アクチュエーターは、試料を加工するためにプラテンを振動又は別様に移動させるように動作可能なモーターを含む。幾つかの実施形態において、アクチュエーターは、プラテンと試料との間に印加される負荷又は力を調整するために、プラテンを試料に向かって又は試料から離れるように移動させるように更に構成することができる(例えば、試料に向かって及び試料から離れるように移動又は駆動させるように制御されるリニアタイプアクチュエーター)。研削/研磨動作を容易にするために多くのタイプのアクチュエーターを使用してもよい。
【0022】
パワーヘッドアセンブリ102は、基部104に固定され、試料ホルダー112をプラテン108に対して位置決めする。図示の実施形態において、試料ホルダー112は、本装置100による研削/研磨動作に供される試料116(1つを示す)を保持する、複数の試料受けスロット114を有する。試料ホルダー112は、パワーヘッドアセンブリ102のアクチュエーター118(図2)に動作可能に接続される。図示の実施形態において、試料ホルダー112は、チャック115を介してアクチュエーター118に取り外し可能に固定される。アクチュエーター118は、研削/研磨動作中に試料116を加工するために、コントローラー190によって、試料ホルダー112(及び試料116)をプラテン108(及びパッド110)に対して回転、振動、又は別様に移動させるように制御される。図示の実施形態におけるアクチュエーター118は、試料ホルダー112を選択された速度でいずれかの方向に回転させるように構成される両方向モーターを含み、試料とプラテンとの間に印加される負荷又は力を調整するために、試料ホルダー112(試料116を有する)をプラテン108に向かって又はプラテン108から離れるように押すように構成されるリニアタイプアクチュエーターを更に含む。他の実施形態において、アクチュエーターは、動作中に試料ホルダー112をプラテンに対して振動又は移動させるように構成される。任意の所望のアクチュエーターを使用してもよい。
【0023】
流体ディスペンサー120は、基部104上に位置し、水を供給するように位置決めされ、図示のような実施形態において、他のタイプの流体をプラテン108に供給してもよい。プラテン108に供給される流体は、ボウル106内に収集し、必要に応じて排液することができる。ディスペンサーは、供給流量を制御するように動作することができる弁を備える。実施形態において、コントローラー190は、ディスペンサーをオン及びオフにして流量を調整するようにディスペンサーを動作させる。図示の実施形態において、手動制御ノブ121も基部106上に位置し、ディスペンサー120によって送達される流量の体積を制御するように動作可能である。
【0024】
供給され得る流体としては、例えば、水、ダイアモンド懸濁液及び他の懸濁液を含む懸濁液、研磨懸濁液、潤滑剤並びに他の流体を挙げることができる。或る特定の実施形態において、1つ以上のディスペンサーによって1つ以上の流体を供給してもよい。水及び別のタイプの流体等、複数の流体を供給する実施形態において、水及び他の流体(複数の場合もある)は、それぞれの供給ライン(図示せず)、例えば、水サービスライン及び流体供給ラインによって提供される。実施形態において、水及び他の流体は、本装置上に位置する又は遠隔に位置するリザーバー又はキャニスタータンクから供給される。コントローラーは、ユーザーが制御パネルで選択することができる流体の自動制御ももたらすことができる。実施形態において、コントローラー190は、ディスペンサーをオン及びオフにして流量を調整するようにディスペンサーを動作させる。
【0025】
図示の実施形態において、ディスペンサーは、1つのノズルから水を供給し、図示する第2のノズルから別のタイプの流体を供給することができるが、他の実施形態において、第2のノズルは、スタンドアローンユニットであり基部104とは別個の第2のディスペンサーの一部としてもよい。そのような実施形態において、流体の流れは、スタンドアローンユニットによって、例えば、ノブによって手動で、又はスタンドアローンディスペンサーユニットのコントローラーによって制御することができる。第2のノズルは、本装置100の隣に位置決め可能とすることができ、実施形態において、基部104に固定することができる。
【0026】
ユニット制御パネル122は、とりわけ、研削/研磨装置データ及び情報を表示し、ユーザーからの入力を受信する。実施形態において、ユニット制御パネルは、情報を表示し、ユーザーからの入力を受信するために、様々なボタン、ノブ、スイッチ、スライダー、ディスプレイ、タッチスクリーン、タッチパッド、ライト、表示等を含むことができる。ユニット制御パネルは、他の構成要素、例えば、周辺装置、音声回路及びスピーカー、マイクロフォン、通信装置(有線又は無線)、及び認識される他の構成要素を更に含むことができる。図示の実施形態において、ユニット制御パネル122は、タッチ感応式ディスプレイ124を有する。
【0027】
図2を参照すると、制御回路部又はコントローラー190は、アクチュエーター117、118、ディスペンサー120、及びユニット制御パネル122からのデータを処理するように動作可能な回路部(例えば、マイクロコントローラー、及び非一時的な機械可読記憶装置191等のメモリ)を含む。例えば、コントローラー190は、研削/研磨装置の動作を制御するプロセッサ(複数の場合もある)及び/又は他の論理回路部を含むことができる。例示のプロセッサ(複数の場合もある)としては、1つ以上のマイクロプロセッサ、例えば、1つ以上の「汎用」マイクロプロセッサ、1つ以上の専用マイクロプロセッサ及び/又はASIC、1つ以上のマイクロコントローラー、及び/又は他の任意のタイプの処理及び/又は論理装置を挙げることができる。例えば、コントローラー190は、1つ以上のデジタル信号プロセッサ(DSP)を含むことができる。コントローラー190は、ユニット制御パネル122からのユーザー入力信号を受信し、これに応答して、研削/研磨装置の構成要素、例えばアクチュエーター、ディスペンサー、それらの構成要素、及び本装置の他の要素を制御するように動作可能である。
【0028】
図3を参照すると、図示の実施形態におけるユニット制御パネル122は、オペレーターに対するグラフィカルユーザーインターフェース126を有するタッチスクリーンディスプレイ124を含む。実施形態におけるグラフィカルユーザーインターフェース126は、様々な研削/研磨パラメーターを含む、研削/研磨装置の情報及び制御を表示する様々なスクリーンを提供する。グラフィカルユーザーインターフェース126は、情報を閲覧し、入力を提供するようにユーザーが選択可能である複数の異なるスクリーン、メニュー、ディスプレイフォーマット等を有することができる。
【0029】
グラフィカルユーザーインターフェース126が、ホームスクリーン128を更に含むことができ、ホームスクリーン128は、実施形態において、例えば起動されると制御パネル122によって表示されるデフォルトスクリーンである。ホームスクリーン128は、ユーザーに情報を提供し、ユーザーが即座にアクセス可能である、例えば、他のスクリーンへのナビゲーション、メニューを通じたナビゲーション等を必要とすることがないユーザー入力を可能にする。実施形態において、ホームスクリーン128は、本装置の起動時にデフォルトで表示される。他の実施形態において、図3の例示のホームスクリーン128のコンテンツは、インターフェース126上の1つ以上のナビゲーションアクションを通じてアクセス可能な1つ以上のスクリーン上で提供される。
【0030】
ホームスクリーン128は、様々な研削/研磨パラメーターと関連する、複数の研削/研磨パラメーター入力部、例えば図示の研削/研磨パラメーター入力部130~142を含むことができる。研削/研磨パラメーター入力部により、ユーザーは、研削/研磨動作の様々な研削/研磨パラメーターを調整することが可能になる。例示の研削/研磨パラメーターとしては、装置サイクルのオン/オフ及びサイクル時間、プラテン速度(例えば、回転又は振動するプラテンの1分ごとの回転又は振動)、プラテンの回転方向、試料ホルダー速度(例えば、回転又は振動する試料ホルダーの1分ごとの回転又は振動)、試料ホルダーの回転方向、流体ディスペンサー(複数の場合もある)のオン/オフ(例えば、水ディスペンサー及び/又は水以外の流体のディスペンサーをオンにするかオフにするか)、流体ディスペンサー(複数の場合もある)の流量、印加される負荷(例として、例えば、プラテン又は試料ホルダーをプラテン又は試料ホルダーのうちの他方に押し込むようにアクチュエーターを動作させることによって、プラテンと試料との間に印加される力)等が挙げられる。
【0031】
研削/研磨パラメーターは、パラメーター入力部130~142を用いて様々な方法で調整することができる。例えば、パラメーターは、タッチスクリーン上の入力部を押すことによってオン及びオフを切り替えることができる。入力部130~142は、例えば、オン/オフが切り替わると、色又は明るさを変更すること、表示の変化、又は入力部が切り替わったと示す任意の他の変化等によって、見た目を変更することができる。実施形態において、ユーザーが変更を意図する特定の研削/研磨パラメーターと関連するパラメーター入力部130~142をディスプレイ124上で選択し、所望の値に達するまで調整入力部152又は154をそれぞれ選択することによりパラメーターに関連する値を上方又は下方調整することによって、パラメーターを調整することができる。図3に示す実施形態において、調整入力部152及び154は、上方(例えば、値の増加)及び下方(例えば、値の減少)の調整を示す矢印の形態の表示を有する。任意の所望の表示を利用して、入力の機能を伝えることができる。
【0032】
図示の実施形態におけるパラメーター入力部130~142は、パラメーターに関連する研削/研磨パラメーター情報160~172も表示する。実施形態におけるパラメーター情報160~172は、パラメーターが例えばユーザーによって切り替えられる(例えば、オン/オフ)か又は調整されると、更新される。パラメーター情報160~172は、入力部に関連する特定の研削/研磨パラメーターに応じて、オン/オフ、選択されるサイクル時間(例えば、「10分」、「0:10」等)、選択される回転又は振動速度(例えば、「50rpm」、「80rpm」等)、オン/オフ、回転方向(例えば、矢印で示す)、印加される負荷(例えば、「8lbs」、「35.5N」等)等を含むことができる。
【0033】
図3の特定の実施形態において、研削/研磨パラメーターは、各パラメーター入力部130~142に割り当てられる。パラメーター入力部130は、サイクル時間入力部であり、サイクルを動作させるように研削/研磨装置をコントローラー190が制御する時間を設定するように調整可能である。サイクル時間入力部130は、図3に示すような時計ロゴ等の表示、又は、文章、数字、文字、図形等の他の表示を含み、入力部がサイクル時間に関連することをユーザーに伝えることができる。サイクル時間入力部130のパラメーター情報160は、サイクルの現在の時間設定(例えば、10分、12分等)を表示する。サイクル時間を調整するために、ユーザーは、サイクル時間入力部130を選択し、その後、調整入力部152又は154を押して時間を上方又は下方調整することができる。パラメーター情報160は、ユーザーが調整入力部152、154を用いてサイクル時間を調整すると変化する。1つの例において、調整入力部152、154を一回押すと、時間が10秒増分で調整される。他の例において、時間は、1秒、30秒、1分の増分、又は他の任意の所望の増分で調整してもよい。或る特定の実施形態において、時間は、例えば、スクリーン上の数字パッド入力部又はキーボードを用いて、手動で入力してもよい。
【0034】
パラメーター入力部132は、プラテン回転速度入力部であり、サイクル中にプラテンを回転させるようにアクチュエーター117をコントローラー190が動作させる速度を設定するように調整可能である。プラテン回転速度入力部132は、プラテン速度を示すグラフィカル表示を含むが、他の任意の表示を利用してもよい。プラテン回転速度入力部132のパラメーター情報162は、サイクルの現在の速度設定(例えば、50rpm、80rpm、0rpm/オフ等)を表示する。プラテン回転速度入力部132を選択し、調整入力部152、154、又は数字パッド若しくはキーボード等の別の入力部を用いて速度を調整することができる。
【0035】
パラメーター入力部134は、試料ホルダー回転速度入力部であり、サイクル中に試料ホルダーを回転させるようにアクチュエーター118をコントローラー190が動作させる速度を設定するように調整可能である。試料ホルダー回転速度入力部134は、試料ホルダー速度を示すグラフィカル表示を含むが、他の任意の表示を利用してもよい。試料ホルダー回転速度入力部134のパラメーター情報164は、サイクルの現在の速度設定(例えば、50rpm、80rpm、0rpm/オフ等)を含むことができる。同様に、試料ホルダー回転速度入力部134を選択し、調整入力部152、154、又は数字パッド若しくはキーボード等の別の入力部を用いて速度を調整することができる。
【0036】
パラメーター入力部136は、回転方向入力部であり、サイクル中にプラテン及び/又は試料ホルダーを回転させるようにアクチュエーター117及び/又は118をコントローラー190が動作させる回転方向を設定するように調整可能である。回転方向入力部136は、入力部を切り替えることによって、例えば、タッチスクリーン上の回転方向入力部136を押すことによって、調整することができる。実施形態において、方向入力部136は、入力部を選択し、調整入力部152、154を調整することによって、調整することができる。プラテン及び/又は試料ホルダーの回転方向は、パラメーター情報166に表示される。実施形態において、パラメーター情報166は、方向を示す矢印を含むが、プラテン及び/又は試料ホルダーの回転方向を示す任意の表示が望ましいものであり得る。
【0037】
この実施形態におけるパラメーター入力部138は、負荷入力部であり、コントローラー190に、サイクル中にプラテン又は試料ホルダーをプラテン又は試料ホルダーのうちの他方に押し込むようにアクチュエーター117及び/又は118を動作させることによって、プラテンと試料との間の力又は負荷を設定するように調整可能である。負荷入力部138は、図3に示す力表示等の表示、又は、望ましい他の表示を含み、入力部が負荷設定に関連することをユーザーに伝えることができる。負荷入力部130のパラメーター情報168は、印加される力又は負荷(例えば、8lbs、35N等)を表示する。負荷を調整するために、ユーザーは、負荷入力部138を選択し、その後、調整入力部152又は154を押して力又は負荷を上方又は下方調整することができる。パラメーター情報168は、ユーザーが調整入力部152、154を用いて負荷を調整すると変化する。1つの例において、調整入力部152、154を一回押すと、負荷が1lb増分で調整される。他の例において、負荷は、0.5lbs、2lbs等の増分で調整してもよい。或る特定の実施形態において、負荷は、例えば、スクリーン上の数字パッド入力部又はキーボードを用いて、手動で入力してもよい。
【0038】
図示の実施形態におけるパラメーター入力部140、142は、流体ディスペンサー入力部であり、一方は水用であり、他方は別のタイプの流体用である。それぞれの入力部は、コントローラー190に、サイクル中に水及び/又は他の流体を供給するようにディスペンサー120を動作させるように選択可能である。流量、オン/オフのステータス、又はディスペンサーに関連する他の情報は、パラメーター情報170、172に表示することができる。流量及びオン/オフは、例えば、所望の入力部140、142を選択し、調整入力部152、154を用いて調整することによって、調整可能である。
【0039】
グラフィカルユーザーインターフェース126は、複数の他の入力部、メニュー、設定等を更に含む。例えば、図示の実施形態において、ホームスクリーン128は、様々なメニュー、設定及び他のデータスクリーンにアクセスするための入力部143を含む。ホームスクリーンは、開始サイクル入力部144を更に含み、開始サイクル入力部144は、全ての所望のパラメーター入力部130~142を望むように選択及び/又は調整した後に選択して、研削/研磨サイクルを始動することができる。研削/研磨サイクルが始動すると、コントローラー190は、研削/研磨パラメーターに従って、1つ以上の試料116に研削/研磨サイクルを行うようにアクチュエーター117、118、及び適用可能な場合にはディスペンサー120を動作させる。サイクルは、他のパラメーターに従って実行することもでき、他のパラメーターは、デフォルトで設定、プログラミングしてもよく、又はユーザーによって調整可能としなくてもよい。サイクルは、サイクル時間入力部130を用いて選択された持続時間にわたって、又はユーザーが例えば停止サイクル入力部146を用いてサイクルを手動で停止するまで、実行される。実施形態において、サイクルを始動又は停止するために、他の入力部をグラフィカルユーザーインターフェース内で及び/又はグラフィカルユーザーインターフェースの外側で利用してもよい。例えば、図1を参照すると、本装置は、グラフィカルユーザーインターフェース上の開始/停止入力部に加えて又はそれに代わって、サイクルを開始するための開始ボタン148及びサイクルを停止するための停止ボタン150を含むことができる。
【0040】
図3を参照すると、図示のグラフィカルユーザーインターフェース126のホームスクリーン128は、複数のクイックリコール入力部180~188も含む。クイックリコール入力部180~188は、表示、例えば、ロゴ、数字、文字、図形等を含むことができる。ユーザーは、ユーザーインターフェースを操作して、コントローラーに、現在の研削/研磨パラメーターをメモリに保存し、パラメーターをクイックリコール入力部180~188のうちの1つに割り当てることを行わせる。保存したパラメーターは、所望のパラメーターに関連するクイックリコール入力部を選択することによって、ホームスクリーンから直接、素早く呼び出すことができる。
【0041】
より具体的には、実施形態において、ユーザーは、様々なパラメーター入力部130~142を選択し又は切り替え、例えば、特定の研削/研磨サイクルにとって望ましくなり得るように、調整入力部152、154を用いてパラメーター値を調整することによって、1つ以上の研削/研磨パラメーター、例えば、様々なパラメーター入力部130~142に関連するパラメーターを調整することができる。ユーザーは、その後、ユニット制御パネル122を操作して、選択したパラメーターをメモリに保存し、選択したパラメーターを特定のクイックリコール入力部に割り当てることができる。実施形態において、コントローラー190は、パラメーターをメモリ又は記憶装置191(図2)に保存し、ユーザーがクイックリコール入力部を或る期間(例えば、1秒又は別の選択した時間)にわたって押したままにすると、クイックリコール入力部180~188にパラメーターを割り当てる。
【0042】
グラフィカルユーザーインターフェース126は、パラメーターをメモリに保存し、クイックリコール入力部に割り当てたことを、例えば、クイックリコール入力部上の変化、ダイアログ等によってユーザーに示すことができる。クイックリコール入力部180~188のそれぞれは、クイックリコール入力部を所望の複数の研削/研磨パラメーターに関連付けるために同様の方法でプログラミングすることができる。
【0043】
図3には5つのクイックリコール入力部を示すが、任意の数のクイックリコール入力部を利用してもよい。実施形態において、クイックリコール入力部は、グラフィカルユーザーインターフェースのホームスクリーン上にあるため、例えば、ユーザーインターフェースのメニューシステムを通じたナビゲーションを必要とすることなく、ユーザーが素早く即座にアクセス可能となる。実施形態において、クイックリコール入力部は、ホームスクリーン上に現れ、本装置がオンになるとデフォルトで現れる。他の実施形態において、クイックリコール入力部は、加えて又は代替的に、様々なユーザーが望み得るように、他のスクリーン上に及び他のメニュー内にあってもよい。
【0044】
ユーザーは、望むように、様々なクイックリコール入力部を順番に操作することによって研削/研磨プログラムを行うことができ、各クイックリコール入力部に関連するサイクルは、プログラム内のステップを表す。例えば、オペレーターは、まずクイックリコール入力部180~188をプログラミングし、その後、入力部180~188を順番に押して、各入力部に関連するサイクルを行うことができる。一実施形態において、ユーザーは、先のサイクルが完了するのを待ち、その後、次のクイックリコール入力部を押してサイクル内の次のステップを始め、完了するまで以下同様である。実施形態において、複数のステップを含み、各ステップが単一のクイックリコール入力部に関連するプログラムは、ユーザーが各ステップを選択すると、コントローラーによって自動で実行することができる。さらに、ユーザーは研削/研磨サイクルを行うことを可能にするために、任意の数のクイックリコール入力部を例えば製造業者によって事前にプログラミングすることができる。パラメーター入力部のいずれかは、ユニット制御パッドを用いて選択可能であるプログラミング済の値も有することができる。多くの制御及び動作方法は、パラメーター入力部及びクイックリコール入力部を用いて利用することができる。
【0045】
研削/研磨装置を動作させる方法200を図4に示す。方法200は、コントローラーにステップ202~208を行わせる機械可読な命令を実行することを含む。ステップ202は、入力装置によって受信された研削/研磨パラメーター入力に基づいて、ユーザーが選択した複数の研削/研磨パラメーターを機械可読記憶装置に保存することを含み、研削/研磨パラメーターは、サイクル時間、プラテン速度、試料速度、プラテン方向、試料方向、及び印加される負荷のうちの少なくとも2つを含む。ステップ204は、ユーザーが選択した複数の研削/研磨パラメーターを入力装置の複数のクイックリコール入力部のうちの1つに関連付けることを含む。ステップ206は、ユーザーインターフェース入力装置のクイックリコール入力部のうちの1つの選択に応答して、クイックリコール入力部のうちの選択された1つと関連して機械可読記憶装置に記憶された研削/研磨パラメーターに基づいて、研削/研磨パラメーターを構成することを含む。ステップ208は、研削機/研磨機の試料ホルダー及びプラテンのうちの少なくとも一方を移動させて、構成された研削/研磨パラメーターに従って研削/研磨動作を実行するように構成される研削機/研磨機のアクチュエーターを制御することを含む。
【0046】
図5は、研削機/研磨機を動作させる方法300を表す。研磨機/研磨機は、(i)試料を固定するように構成される試料ホルダー、(i)プラテン、(ii)試料ホルダー及びプラテンのうちの少なくとも一方を移動させるように構成されるアクチュエーター、(iii)複数のクイックリコール入力部を含み、研削/研磨パラメーターを表す研削/研磨パラメーター入力を受信するように構成される入力装置であって、研削/研磨パラメーターは、サイクル時間、プラテン速度、試料速度、プラテン方向、試料方向、及び印加される負荷のうちの少なくとも2つを含み、クイックリコール入力部は、ユーザーパラメーター入力部と同じインターフェース上で選択可能である、入力装置と、(iv)機械可読記憶装置と、(v)コントローラーとを備える。
【0047】
方法300によれば、ステップ302は、入力装置によって受信された研削/研磨パラメーター入力に基づいて、ユーザーが選択した複数の研削/研磨パラメーターを機械可読記憶装置に保存することを含む。ステップ304は、ユーザーが選択した複数の研削/研磨パラメーターをクイックリコール入力部のうちの1つに関連付けることを含む。ステップ306は、クイックリコール入力部のうちの1つを選択することを含む。ステップ308は、クイックリコール入力部のうちの選択された1つと関連して機械可読記憶装置に記憶された研削/研磨パラメーターに基づいて、研削/研磨パラメーターを構成することを含む。ステップ310は、構成された研削/研磨パラメーターに従って研削/研磨動作を実行するようにアクチュエーターを制御することを含む。
【0048】
ステップ306及びステップ308は、実施形態において、複数のクイックリコール入力部をプログラミングするために繰り返され、ステップ310は、複数の研削/研磨動作を例えば順番に行うためにクイックリコール入力部ごとに繰り返され、各動作はプログラム内のステップを表す。クイックリコール入力部ごとにステップ310を繰り返すことによって、プログラム全体を実行することができる。
【0049】
記載した方法及びシステムは、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせで実現することができる。本方法及び/又はシステムは、少なくとも1つのコンピューティングシステムにおいて集中的に、又はいくつかの相互接続されたコンピューティングシステムにわたって異なる要素が分散される分散的に、実現することができる。本明細書に記載した方法を実行するように適合された任意の種類のコンピューティングシステム又は他の装置が適している。ハードウェア及びソフトウェアの典型的な組み合わせは、汎用コンピューティングシステムを、ロードされ実行されるとコンピューティングシステムを本明細書に記載した方法を実行するように制御するプログラム又は他のコードとともに、含むことができる。別の典型的な実施態様は、特定用途向け集積回路又はチップを含むことができる。いくつかの実施態様は、非一時的な機械可読(例えば、コンピューター可読)媒体(例えば、フラッシュドライブ、光ディスク、磁気記憶ディスク等)を含むことができ、そうした非一時的な機械可読媒体は、機械によって実行可能なコードの1つ以上のラインを記憶し、それにより、機械に、本明細書に記載したようなプロセスを実施させる。
【0050】
上記の説明及び添付の図面は、原理、好ましい実施形態、及び動作モードを示す。ただし、本開示は、上述した特定の実施形態に限定されるものと解釈すべきではない。上述した実施形態の追加の変形は、当業者によって理解されるであろう。
【0051】
本方法及び/又はシステムを、或る特定の実施態様を参照して記載してきたが、当業者であれば、本方法及び/又はシステムの範囲から逸脱することなく、種々の変更を行うことができること及び均等物に置き換えることができることを理解するであろう。加えて、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示の教示に対して特定の状況又は材料を適合させるように多くの改変を行うことができる。例えば、開示した例のブロック及び/又は構成要素を、組み合わせ、分割し、再配置し、及び/又は他の方法で変更することができる。したがって、本方法及び/又はシステムは、開示されている特定の実施態様に限定されない。代わりに、本方法及び/又はシステムは、字義どおりにでも均等論のもとにおいても、添付の特許請求の範囲内に入る全ての実施態様を含む。コントローラー及び方法を研削/研磨装置と連動して使用するものとして説明しているが、本教示は、研削/研磨動作を決定又は制御することが望ましい場合、他の装置にも同様に適用することができる。
【0052】
刊行された学術論文若しくは妙録、公開された若しくは対応する米国特許出願若しくは外国特許出願、発行された特許若しくは外国特許、又は任意の他の文献を含む本明細書で言及された文献は全て、言及される文献内に提示された全てのデータ、表、図面、及びテキストを含め、それぞれその全体が引用することにより本明細書の一部をなす。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】