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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-25
(54)【発明の名称】メタ表面コーティング
(51)【国際特許分類】
   G02B 1/10 20150101AFI20230518BHJP
   G02B 3/00 20060101ALI20230518BHJP
   G02B 1/118 20150101ALI20230518BHJP
   G02B 1/18 20150101ALI20230518BHJP
   G02B 5/18 20060101ALI20230518BHJP
【FI】
G02B1/10
G02B3/00 Z
G02B1/118
G02B1/18
G02B5/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022560066
(86)(22)【出願日】2021-01-19
(85)【翻訳文提出日】2022-11-16
(86)【国際出願番号】 EP2021051029
(87)【国際公開番号】W WO2021197677
(87)【国際公開日】2021-10-07
(31)【優先権主張番号】63/004,056
(32)【優先日】2020-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522359833
【氏名又は名称】ニル・テクノロジー・アンパルトセルスカブ
【氏名又は名称原語表記】NIL TECHNOLOGY APS
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クアーデ,ウルリヒ
(72)【発明者】
【氏名】ヨハンセン,ビラーズ・エジド
【テーマコード(参考)】
2H249
2K009
【Fターム(参考)】
2H249AA03
2H249AA13
2H249AA40
2H249AA43
2H249AA50
2H249AA64
2K009AA01
2K009CC21
2K009DD11
2K009EE05
(57)【要約】
方法は、基板(204)の第1の表面(202)上および基板の第1の表面上のメタ表面(200)上にコーティング(208)を設けることと、コーティングの表面が所定の特性を有するようにコーティングをインプリントすることとを含む。デバイスは、基板と、基板の第1の表面上のメタ表面と、メタ表面上および基板の第1の表面上のコーティングであって、コーティングの表面が機能構造を画定する、コーティングとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の第1の表面上および前記基板の前記第1の表面上のメタ表面上にコーティングを設けることと、
前記コーティングの表面が所定の特性を有するように前記コーティングをインプリントすることと
を含む、方法。
【請求項2】
前記コーティングをインプリントすることは、
スタンプの面を前記コーティングの前記表面に押し込むことを含み、前記面は、前記コーティングの前記表面に前記所定の特性を付与する構造を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記所定の特性は、所定の最大ラフネス未満のラフネスを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記所定の特性は、前記コーティングの前記表面によって画定される光学構造を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記光学構造は回折光学構造を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記光学構造はレンズを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記光学構造は反射防止構造を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記光学構造は、10nm~100nmの寸法を有する特徴部を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記所定の特性は疎水性または親水性を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記コーティングをインプリントすることは、前記コーティングに所定の厚さを有させる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記コーティングをインプリントすることは、
スタンプの面を前記コーティングの前記表面に押し込むことを含み、前記面はスペーサを含み、前記スペーサの端部が前記基板の前記第1の表面に接触するまで前記面は前記コーティングの前記表面に押し込まれ、
前記スペーサの高さは前記所定の厚さに等しい、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記コーティングをインプリントすることは、
スタンプの面を前記コーティングの前記表面に押し込むことを含み、スペーサが前記基板の前記第1の表面上にあり、前記スペーサの端部が前記スタンプの前記面に接触するまで前記面は前記コーティングの前記表面に押し込まれ、
前記スペーサの高さは前記所定の厚さに等しい、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記コーティングはポリマーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記メタ表面は、光波の振幅または位相の少なくとも一方を変化させるように前記光波と相互作用するように動作可能なナノ構造を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記コーティングをインプリントすることは、前記コーティングの前記表面を前記基板の前記第1の表面と平行にする、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記基板の第2の表面上に第2のコーティングを設けることであって、前記基板の前記第2の表面は、前記基板の前記第1の表面とは反対側にある、設けることと、
前記第2のコーティングの表面が第2の所定の特性を有するように、前記第2のコーティングをインプリントすることと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
基板と、
前記基板の第1の表面上のメタ表面と、
前記メタ表面上および前記基板の前記第1の表面上のコーティングであって、前記コーティングの表面が機能構造を画定する、コーティングと
を備えるデバイス。
【請求項18】
前記コーティングの前記表面は光学機能構造を画定する、請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
前記光学機能構造は回折光学構造を含む、請求項18に記載のデバイス。
【請求項20】
前記光学機能構造は光学レンズを含む、請求項18に記載のデバイス。
【請求項21】
前記光学機能構造は反射防止構造を含む、請求項18に記載のデバイス。
【請求項22】
前記機能構造は疎水性構造または親水性構造を含む、請求項17に記載のデバイス。
【請求項23】
前記機能構造は、10nm~100nmの寸法を有する特徴部を含む、請求項17に記載のデバイス。
【請求項24】
前記コーティングはポリマーを含む、請求項17に記載のデバイス。
【請求項25】
前記メタ表面は、光波の振幅または位相の少なくとも一方を変化させるように前記光波と相互作用するように動作可能なナノ構造を含む、請求項17に記載のデバイス。
【請求項26】
前記コーティングの前記表面は、所定の最大ラフネス未満のラフネスを有する、請求項17に記載のデバイス。
【請求項27】
前記デバイスは、前記基板の第2の表面上に第2のコーティングを備え、前記基板の前記第2の表面は、前記基板の前記第1の表面とは反対側にあり、
前記第2のコーティングの表面は第2の機能構造を画定する、請求項17に記載のデバイス。
【請求項28】
前記コーティングは、10ミクロンよりも大きい厚さを有する、請求項17に記載のデバイス。
【請求項29】
コーティング堆積装置と、
スタンプアライナと、
前記スタンプアライナおよび前記コーティング堆積装置と通信可能に結合されたコントローラと
を備えるシステムであって、
前記システムは、
基板の第1の表面上および前記基板の前記第1の表面上のメタ表面上にコーティングを設けることと、
前記コーティングの表面が所定の特性を有するように前記コーティングをインプリントすることと
を含む動作を実行するように構成される、システム。
【請求項30】
発光デバイスと、
メタ表面デバイスと
を備えるモジュールであって、
前記メタ表面デバイスは、
基板と、
前記基板の第1の表面上のメタ表面と、
前記メタ表面上および前記基板の前記第1の表面上のコーティングであって、前記コーティングの表面は機能構造を画定する、コーティングと
を備え、
前記メタ表面デバイスは、前記発光デバイスによって生成された光と相互作用するように構成される、モジュール。
【請求項31】
光検知デバイスと、
メタ表面デバイスと
を備えるモジュールであって、
前記メタ表面デバイスは、
基板と、
前記基板の第1の表面上のメタ表面と、
前記メタ表面上および前記基板の前記第1の表面上のコーティングであって、前記コーティングの表面は機能構造を画定する、コーティングと
を備え、
前記メタ表面デバイスは、前記モジュールに入射する光と相互作用し、修飾された光を前記光検知デバイスに伝達するように構成される、モジュール。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
メタ表面は、特定の方法で光と相互作用するように配置することができる分散ナノ構造を有する表面である。場合によっては、メタ表面はコーティングで覆われる。特定の特性を有するコーティングは、有益な効果を提供し得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
一態様では、本開示は、基板の第1の表面上および基板の第1の表面上のメタ表面上にコーティングを設けることと、コーティングの表面が所定の特性を有するようにコーティングをインプリントすることとを含む、方法を記載する。
【0003】
本方法の実施態様は、以下のうちの1つまたは複数を含むことができる。コーティングをインプリントすることは、スタンプの面をコーティングの表面に押し込むことを含み、面は、コーティングの表面に所定の特性を付与する構造を含む。所定の特性は、所定の最大ラフネス未満のラフネスを含む。
【0004】
いくつかの実施態様では、所定の特性は、コーティングの表面によって画定される光学構造を含む。光学構造は回折光学構造を含む。光学構造はレンズを含む。光学構造は反射防止構造を含む。光学構造は、10nm~100nmの寸法を有する特徴部を含む。所定の特性は疎水性または親水性を含む。コーティングをインプリントすることは、コーティングに所定の厚さを有させる。
【0005】
いくつかの実施態様では、コーティングをインプリントすることは、スタンプの面をコーティングの表面に押し込むことを含み、面はスペーサを含み、スペーサの端部が基板の第1の表面に接触するまで面はコーティングの表面に押し込まれ、スペーサの高さは所定の厚さに等しい。コーティングをインプリントすることは、スタンプの面をコーティングの表面に押し込むことを含み、スペーサが基板の第1の表面上にあり、スペーサの端部がスタンプの面に接触するまで面はコーティングの表面に押し込まれ、スペーサの高さは前記所定の厚さに等しい。
【0006】
いくつかの実施態様では、コーティングはポリマーを含む。メタ表面は、光波の振幅または位相の少なくとも一方を変化させるように光波と相互作用するように動作可能なナノ構造を含む。コーティングをインプリントすることは、コーティングの表面を基板の第1の表面と平行にする。本方法は、基板の第2の表面上に第2のコーティングを設けることであって、基板の第2の表面は、基板の第1の表面とは反対側にある、設けることと、第2のコーティングの表面が第2の所定の特性を有するように、第2のコーティングをインプリントすることとを含む。
【0007】
本開示はまた、基板と、基板の第1の表面上のメタ表面と、メタ表面上および基板の第1の表面上のコーティングであって、コーティングの表面が機能構造を画定する、コーティングとを備えるデバイスを記載する。
【0008】
いくつかの実施態様では、コーティングの表面は光学機能構造を画定する。光学機能構造は回折光学構造を含む。光学機能構造は光学レンズを含む。光学機能構造は反射防止構造を含む。機能構造は疎水性構造または親水性構造を含む。機能構造は、10nm~100nmの寸法を有する特徴部を含む。コーティングはポリマーを含む。
【0009】
いくつかの実施態様では、メタ表面は、光波の振幅または位相の少なくとも一方を変化させるように光波と相互作用するように動作可能なナノ構造を含む。コーティングの表面は、所定の最大ラフネス未満のラフネスを有する。デバイスは、基板の第2の表面上に第2のコーティングを含み、基板の第2の表面は、基板の第1の表面とは反対側にあり、第2のコーティングの表面は第2の機能構造を画定する。コーティングは、10ミクロンよりも大きい厚さを有する。
【0010】
本開示はまた、コーティング堆積装置と、スタンプアライナと、スタンプアライナおよびコーティング堆積装置と通信可能に結合されたコントローラとを備えるシステムを記載し、システムは、基板の第1の表面上および基板の第1の表面上のメタ表面上にコーティングを設けることと、コーティングの表面が所定の特性を有するようにコーティングをインプリントすることとを含む動作を実行するように構成される。
【0011】
本開示はまた、モジュールを記載する。例えば、モジュールは、発光デバイスと、メタ表面デバイスとを含むことができ、メタ表面デバイスは、基板と、基板の第1の表面上のメタ表面と、メタ表面上および基板の第1の表面上のコーティングであって、コーティングの表面は機能構造を画定する、コーティングとを備え、メタ表面デバイスは、発光デバイスによって生成された光と相互作用するように構成される。
【0012】
本開示は、光検知デバイスと、メタ表面デバイスとを備えるモジュールをさらに記載し、メタ表面デバイスは、基板と、基板の第1の表面上のメタ表面と、メタ表面上および基板の第1の表面上のコーティングであって、コーティングの表面は機能構造を画定する、コーティングとを備え、メタ表面デバイスは、モジュールに入射する光と相互作用し、修飾された光を光検知デバイスに伝達するように構成される。
【0013】
本開示に記載された主題の特定の実施態様は、1つまたは複数の利点を実現するために実施することができる。例えば、いくつかの実施態様では、コーティングは、メタ表面の下にあるナノ構造を機械的損傷から保護することができる。いくつかの実施態様では、コーティングは、費用対効果の高い材料で構成されてもよい。いくつかの実施態様では、コーティングをインプリントすることは、代替の製造方法よりも費用対効果の高い表面改質手段である。いくつかの実施態様では、コーティングは、メタ表面を化学反応から保護することができる。いくつかの実施態様では、コーティングの表面は、光学機能、非光学機能、または光学機能と非光学機能の両方を組み込むことができる。いくつかの実施態様では、より均一なコーティング厚を基板表面にわたって維持することができる。いくつかの実施態様では、コーティング表面は、より低いラフネスおよび/またはより高い平坦度を有するようにすることができる。いくつかの実施態様では、複数のコーティングがメタ表面上に設けられている場合、コーティング表面に特定の特性を持たせることができる。いくつかの実施態様では、コーティングは、基板の複数の表面に設けられてもよい。
【0014】
1つまたは複数の実施態様の詳細は、添付の図面および以下の説明に記載されている。他の態様、特徴および利点は、説明および図面、ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1A】コーティングへのインプリントプロセスの例を示す概略図である。
図1B】コーティングへのインプリントプロセスの例を示す概略図である。
図1C】コーティングへのインプリントプロセスの例を示す概略図である。
図1D】コーティングへのインプリントプロセスの例を示す概略図である。
図2A】コーティングへのインプリントプロセスの別の例を示す概略図である。
図2B】コーティングへのインプリントプロセスの別の例を示す概略図である。
図3A】2つのコーティングへのインプリントプロセスの例を示す概略図である。
図3B】2つのコーティングへのインプリントプロセスの例を示す概略図である。
図4】メタ表面上の2つのコーティングの例を示す概略図である。
図5A】スペーサを用いたインプリントプロセスの例を示す概略図である。
図5B】スペーサを用いたインプリントプロセスの例を示す概略図である。
図6A】スペーサを用いたインプリントプロセスの別の例を示す概略図である。
図6B】スペーサを用いたインプリントプロセスの別の例を示す概略図である。
図7】インプリントプロセスを実行するシステムの例のブロック図である。
図8】モジュールの例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示は、メタ表面上に形成されたコーティングに関する。特定の実施態様では、本開示は、コーティングの表面が所定の特性を有するようにするためにメタ表面上に形成されたコーティングをインプリントすることを記載する。
【0017】
メタ表面は、ナノ構造の分散アレイを有する表面である。ナノ構造は、個別にまたは集合的に、光波と相互作用することができる。例えば、ナノ構造は、入射光波の局所振幅、局所位相、またはその両方を変化させることができる。
【0018】
ナノ構造が特定のパターンで配置される場合、メタ表面は、レンズ、レンズアレイ、ビームスプリッタ、ディフューザ、偏光子、または他の光学素子などの光学素子として作用することができる。場合によっては、メタ表面は、屈折および/または回折光学素子によって従来実行されていた光学機能を実行することができる。しかしながら、メタ表面はまた、偏光制御、負の屈折率透過、ビーム偏向、渦生成、偏光変換、光フィルタリング、およびプラズモン光学機能を含む他の機能を実行することもできる。
【0019】
ナノ構造は、機械的に繊細であり得る。例えば、基板の表面上のナノ構造は、機械的応力(例えば、表面に沿ったスクレープ、または基板に向かってナノ構造に加えられる圧力)によって基板から剥離する可能性がある。場合によっては、ナノ構造はまた、化学的に不安定であり得るため、ナノ構造は、それらの周囲環境と望ましくない方法で反応する(例えば、水または大気酸素と接触すると酸化する)。
【0020】
さらに、ナノ構造上の汚染物質は、機械的および/または化学的にナノ構造を損傷する可能性があり、またはナノ構造の適切な光学機能を損なう可能性がある。動作不能なナノ構造は、非動作デバイスにつながることに加えて、安全性を損なう可能性がある。例えば、レーザビームは、メタ表面上の水滴によってユーザの眼の中に偏向され得る。別の例として、湿潤メタ表面は、メタ表面を取り囲む変化した屈折率を有し、変化した屈折率は、メタ表面の光学特性を変化させ、メタ表面を通過してユーザの眼に入るコリメート光をもたらす。
【0021】
したがって、場合によっては、メタ表面に保護コーティングを適用し、さらにコーティングに所定の特性を付与するためにコーティングに処理ステップを実行することが有益であり得る。
【0022】
図1Aに示すように、いくつかの実施態様は、基板104の表面102上にメタ表面100を含む。メタ表面100は、複数の個々のナノ構造106を含む。
【0023】
各ナノ構造106は、例えば、突出したポストまたは所定の形状を有する他の構造であってもよい。いくつかの実施態様では、ナノ構造106は、L字形、V字形、および/またはU字形である。いくつかの実施態様では、ナノ構造106は、基板表面102上に2次元(2D)アレイで配置される。いくつかの実施態様では、ナノ構造106は、基板表面102上に1次元(1D)アレイ状に配置されたストリップである。いくつかの実施態様では、ナノ構造106は、他のパターン、例えば同心リングで配置される。場合によっては、各ナノ構造106は、例えばアンテナとして機能することができる。
【0024】
各ナノ構造106は、例えば、数十ナノメートル(nm)または数百nmの寸法を有することができる。いくつかの実施態様では、各ナノ構造106は、10nm~100nmの寸法を有する。いくつかの実施態様では、各ナノ構造106は、100nm~500nmの寸法を有する。いくつかの実施態様では、各ナノ構造106は、1μm未満の寸法を有する。いくつかの実施態様では、各ナノ構造106は、10μm未満の寸法を有する。ナノ構造の寸法は、他の実施態様では異なり得る。
【0025】
メタ表面100は、例えば、付加リソグラフィ、サブトラクティブリソグラフィ、またはその両方を使用して製造することができる。メタ表面100は、例えば、プラズモン材料(例えば、アルミニウムドープ酸化亜鉛)、半導体(例えば、シリコン)、および誘電体(例えば、酸化ケイ素)のうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0026】
基板104は、例えば、シリコンウェハなどの半導体基板であってもよい。いくつかの実施態様では、基板104は可撓性基板、例えばプラスチックである。
【0027】
いくつかの実施態様では、基板104は、図1Aに示されていない他の特徴部および構造を含む。例えば、基板104は、メタ表面100と相互作用する光を生成するレーザを含むことができる。別の例として、基板104は、光をメタ表面100に向けるオンチップ導波路を含むことができる。
【0028】
図1Bに示すように、コーティング108は、基板表面102の上およびメタ表面100の上に設けられる。
【0029】
いくつかの実施態様では、コーティング108は、スピンコーティングによって堆積されたポリマーである。いくつかの実施態様では、コーティング108は、スプレー堆積、浸漬コーティング、印刷、または蒸着プロセス(例えば、化学蒸着または物理蒸着)を使用して堆積される。コーティング108は、例えば、ポリマー、スピンオンガラス、溶媒中に分散されたナノ粒子、別のスピンコーティング可能な材料、またはスピンコーティング以外の手段によって堆積された材料のうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0030】
ポリマー以外の材料もコーティング108に使用することができる。コーティング108がインプリントされる場合、材料は、柔らかく堆積され、その後強固になる(または強固になり得る)材料であってもよい。コーティング108がインプリントを使用して処理されない場合、コーティング108は、以下に説明するように、十分に物理的および化学的に耐性があり、メタ表面100の適切な動作を妨げない光学特性を有し、機能化され得る表面を有する任意の材料であってもよい。
【0031】
コーティング108は、特定の特性を有する材料で構成されてもよい。例えば、コーティング108は、特定の機能(例えば、下にあるメタ表面100が光学的に動作可能である光学バンドにおいて透明である)に適した広帯域または狭帯域のいずれかで光学的に透明であってもよい。コーティング108は、下にあるメタ表面100を保護するために、化学的および/または物理的に耐性があり、耐久性があり得る。周囲化学物質(例えば、大気酸素)がコーティング108に浸透してメタ表面100と化学的に相互作用するのを防ぐために、コーティング108は比較的化学的に不透過性であってもよい。コーティング108は、電気的に絶縁性であってもよい。コーティング108は、断熱性または熱伝導性(例えば、コーティング108が熱伝導性である場合、コーティングは、デバイスの冷却を向上させることができる)であってもよい。
【0032】
コーティング108を設けた後、コーティング108は、1つまたは複数のパラメータによって特徴付けることができる。例えば、コーティングの表面110は、コーティング表面110にわたる典型的なラフネスを表すラフネス(例えば、二乗平均平方根ラフネス)によって特徴付けることができる。表面ラフネスは、製造プロセスのこの時点では大部分が不可避であり、例えば、使用されるコーティング堆積方法またはコーティング材料の選択に固有であり得る。ラフネスが高すぎるコーティング表面110は、望ましくない光学効果、例えば偏向または反射を引き起こす可能性がある。コーティング表面110は、例えば、所望の最大ラフネスを超えるラフネスを有してもよい。
【0033】
コーティング108を設けた後、コーティング108はまた、1つまたは複数の厚さ112によって特徴付けることができる。コーティング108は、コーティング108にわたって実質的に同じ厚さ112を有してもよく、または厚さ112は変化してもよい。例えば、コーティング108がスピンコーティングによって堆積される実施態様では、厚さ112は、スピンの半径に沿って変化してもよい。いくつかの実施態様では、堆積されたままのコーティング108は、正確に制御することが困難な均一な厚さ112を有することができる。望ましくない厚さ112を有する、または不均一な厚さ112を有するコーティング108は、望ましくない光学効果、例えば反射を引き起こす可能性がある。
【0034】
コーティング108の下にある構造により、コーティング108は、様々な厚さ112および/または高いラフネスを有することができる。例えば、コーティング108が蒸着を使用して堆積される場合、コーティング108は、コーティング108自体が粗いまたは不均一な厚さを有するように、コーティング108の下の粗いまたは不均一な表面をコンフォーマルにコーティングすることができる。
【0035】
いくつかの実施態様では、少なくともコーティング108のラフネスおよび/または厚さを制御するために、図1Cに示すように、コーティング108はスタンプ114を使用してインプリントされる。スタンプ114の面116は、コーティング表面110と接触し、スタンプ114は、基板表面102に向かって押圧される。インプリントは、コーティング表面110に所定のまたは指定された特性を付与することができる。
【0036】
いくつかの実施態様では、スタンプ114は、所定の圧力でまたは所定の空間的範囲まで基板表面102に向かって押圧される。いくつかの実施態様では、スタンプ114は、スタンプ114がインプリント中に高温になるように、インプリント前またはインプリント中に加熱される。これにより、コーティング108が軟化し、スタンプ114によってより容易に成形され得る。いくつかの実施態様では、コーティング108は、インプリント中に高温である。いくつかの実施態様では、スタンプは、所定の時間量にわたってコーティング108に押し付けられる。いくつかの実施態様では、例えば、熱インプリントの代替として紫外線(UV)インプリントを使用することができる。UVインプリントは、一般に、コーティングが変形可能な状態にある間にスタンプをコーティング108に押し込んだ後、UV放射線を適用してコーティングを硬化させることを含む。
【0037】
図1Dに示されるように、インプリント後にスタンプ114が除去されると、コーティング108は、比較的平滑なコーティング表面111を有する。平滑なコーティング表面111は、スタンプ114の対応する平滑面116によって付与される、すなわち、面116の構造は、コーティング108に対応する構造を付与する。インプリント後、コーティング表面111は、インプリント後のコーティング表面111が、例えば、所望の指定された最大ラフネス未満のラフネスを有するように十分に平滑であってもよい。いくつかの実施態様では、ラフネスは、例えば望ましくない光の散乱によってデバイスの所望の光学機能を低下させないように十分に小さい。いくつかの実施態様では、粗さは、50Å RMS未満、20Å RMS未満、10Å RMS未満、5Å RMS未満、1Å RMS未満、または0.1Å RMS未満である。
【0038】
ラフネスは、図2A図2Bに関連して以下に説明するように、コーティングの表面によって意図的に画定された構造を含まないコーティング表面111の部分で特徴付けられ得る。
【0039】
いくつかの実施態様では、インプリントは光学的に平坦な表面を付与する。例えば、λがメタ表面が相互作用するように構成されている光の波長である場合、コーティング表面111は、λ未満、λ/2未満、λ/4未満、λ/20未満、またはλ/100未満の平坦度を有することができる。
【0040】
インプリント後、コーティング108はまた、例えば、スタンプ114が基板表面102に向かって押圧された距離に対応する規定の厚さ113を有することができる。いくつかの実施態様では、規定の厚さ113は、インプリント中に、スタンプ114の面116と基板表面102との間の最小距離に対応する。
【0041】
いくつかの実施態様では、厚さ113は1ミクロンより大きい。例えば、いくつかの実施態様では、コーティング108は、1ミクロン~10ミクロンの厚さ113を有する。いくつかの実施態様では、厚さ113は10ミクロンより大きい。例えば、いくつかの実施態様では、厚さ113は、10ミクロン~50ミクロンである。いくつかの実施態様では、厚さ113は50ミクロンより大きい。いくつかの実施態様では、厚さ113は、光学的に厚く、例えば、メタ表面100と相互作用する光のいくつかの波長よりも厚い。
【0042】
いくつかの実施態様では、コーティング108は1ミクロン未満である。いくつかの実施態様では、コーティング108は、反射防止コーティング、例えば、1/4波長反射防止コーティングである。
【0043】
いくつかの実施態様では、コーティング108は、メタ表面100の光学機能を変更することができる光学効果を提供する。例えば、コーティング108は、光とメタ表面100との間の相互作用を変化させる屈折率を有することができる。メタ表面100は、コーティング108によって引き起こされる光学効果を考慮に入れるように設計されてもよい。
【0044】
いくつかの実施態様では、インプリント後、コーティング表面111は基板表面102と実質的に平行である。これにより、コーティング表面111に入射する光は、コーティング表面111が基板表面102に対して非平行である場合よりも、メタ表面100に対してあまり偏向されない可能性がある。
【0045】
いくつかの実施態様では、コーティング108は、インプリント前、インプリント後、またはインプリントの前後の両方で硬化または他の方法で強固にされる。硬化は、例えば、熱硬化または光学硬化(例えば、紫外線(UV)硬化)を含むことができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、ポリマーコーティングの堆積およびポリマーコーティングのインプリントは、代替の材料および/または製造技術よりも速く、および/またはより費用効率的であり得る。例えば、ポリマーコーティングは、ウェハ全体に堆積されてもよく、スタンプは、単一のインプリントステップでウェハ全体にわたってコーティングをインプリントして、ウェハスケールで均一なコーティング厚さを生成してもよい。次いで、ウェハを個々のデバイスにダイシングすることができる。対照的に、いくつかの他の製造技術(例えば、ポリマーコーティング上で行われるフォトリソグラフィ、または非ポリマーコーティング上で行われるフォトリソグラフィ)は、より遅く、および/またはより高価であり得る。本開示に記載されるインプリントプロセスと組み合わせて、ポリマーコーティングは、少なくとも、ポリマーコーティングがインプリントを助長する可鍛性(例えば、柔らかい)状態で堆積され得るので、特に有利であり得る。
【0047】
いくつかの実施態様では、コーティング108は、基板104の一部のみに設けられる。いくつかの実施態様では、コーティング108の一部は、基板104の一部から除去される。
【0048】
図2A図2Bは、メタ表面上に機能化コーティングを設けるためのプロセスを示す。図2Aにおいて、メタ表面200は、基板204の基板表面202上にある。コーティング208は、メタ表面200および基板表面202上にあり、例えば、コーティング108について上述した方法を使用して設けられていてもよい。
【0049】
スタンプ214は、図2Bに示すデバイスを製造するためにコーティング208をインプリントするために使用される。スタンプの面216は、特徴部218を組み込んだ構造を有し、インプリントは、図2Bに示すコーティング表面222に対応する特徴部220を付与させる。スタンプの面216によって画定される各特徴部218は、数十nmまたは数百nmの寸法(例えば、深さまたは横幅)を有することができる。いくつかの実施態様では、各特徴部218は、10nm~100nmの寸法を有する。いくつかの実施態様では、各特徴部218は、100nm~500nmの寸法を有する。いくつかの実施態様では、各特徴部218は、1μm未満の寸法を有する。いくつかの実施態様では、各特徴部218は、10μm未満の寸法を有する。前述の寸法は、他の実施態様では異なり得る。
【0050】
特徴部220は、1つ以上の機能を有するパターン化構造224を画定する。いくつかの実施態様では、機能は光学機能である。例えば、パターン化構造224は、回折光学素子を含むことができる。パターン化構造224は、ビームスプリッタ、回折レンズ、マイクロレンズ、光ディフューザ、または別の光学デバイスのうちの1つまたは複数を含む(または、等価的に、それらのうちの1つまたは複数の機能を実行する)ことができる。例えば、回折レンズの場合、パターン化構造224は、収差を最小限に抑えかつ/または光を直接集束するように構成された様々な高さおよび幅を有する特徴部220の同心リングを含むことができる。
【0051】
パターン化構造224自体がメタ表面であってもよい。例えば、各特徴部220はナノ構造であってもよく、特徴部220は、個別にまたは集合的に光波と相互作用してもよい。場合によっては、特徴部220は、入射光波の局所振幅、局所位相、またはその両方を変化させることができる。各特徴部220は、数十nmまたは数百nmの寸法を有することができる。いくつかの実施態様では、各特徴部220は、10nm~100nmの寸法を有する。いくつかの実施態様では、各特徴部220は、100nm~500nmの寸法を有する。いくつかの実施態様では、各特徴部220は、1μm未満の寸法を有する。いくつかの実施態様では、各特徴部220は、10μm未満の寸法を有する。前述の寸法は、いくつかの他の実施態様では異なり得る。
【0052】
さらに、場合によっては、各特徴部220は、メタ表面200と相互作用する光の波長よりも小さい寸法を有することができる。さらに、場合によっては、各特徴部220は、メタ表面200のナノ構造206の寸法と同様の寸法を有することができる。
【0053】
パターン化構造224の機能は、回折および反射防止を含むことができる。例えば、パターン化構造224は、回折格子を含むことができる。パターン化構造224は、反射防止特性をもたらす表面テクスチャ加工を含むことができる。例えば、各特徴部220はピラミッドであってもよく、その結果、コーティング208は、インプリント後に、光を反射するピラミッドに基づく反射防止コーティングである。
【0054】
いくつかの実施態様では、コーティング208は、コーティング208の光学機能を提供するように構成された従来の光学系よりも薄い。例えば、パターン化構造224はレンズを含むことができ、コーティング208は、パターン化構造224のレンズと同じ光学効果を有する個別のレンズよりも薄くすることができる。コーティング208を含むデバイスの必要な高さを減少させることによって、コーティング208は、省スペースの利点を提供することができる。
【0055】
いくつかの実施態様では、パターン化構造224は非光学機能を有する。例えば、パターン化構造224は、疎水性(例えば、コーティング表面222上の液体の接触面積を減少させるポストのアレイを含む)であってもよい。パターン化構造224は親水性であってもよい。パターン化構造224は、自己洗浄(例えば、疎水性表面を形成するためのナノ構造を含む)であってもよい。
【0056】
インプリント後のコーティング208は、パターン化構造224を含むことに加えて、図1A図1Dを参照して説明したように、インプリントプロセスによって画定される設定厚さ213を有してもよい。
【0057】
図2Bは、コーティング表面222によって画定された同一の特徴部220を示しているが、いくつかの実施態様では、コーティング表面によって画定された様々な異なる特徴部があり、特徴部は、個別にまたは集合的に複数の機能を実行する。
【0058】
本開示で使用される「インプリント」は、図1Dおよび図2Bに示すように、メタ表面上のコーティングの表面および基板表面を所定の特性を有するようにすることができる他のプロセスを含むと理解されるべきである。例えば、「インプリント」は、エンボス加工、デボス加工、およびナノインプリントのうちの1つまたは複数を含むことができる。本開示は、基板に向かって移動するスタンプの例を示しているが、いくつかの実施態様では、基板がスタンプに向かって移動する。
【0059】
さらに、図1D図2B、および本開示全体に示されるデバイスは、インプリントプロセスを使用して製造されるものとして説明されているが、デバイス自体が本開示の主題である。基板と、基板の表面上のメタ表面と、メタ表面上および基板の表面上のコーティングとを含むデバイスは、デバイスの製造方法にかかわらず、利点を提供し、本開示の他の箇所に記載されている特徴を有することができる。例えば、コーティングの表面は、本開示の他の箇所に記載されているように、機能構造を画定することができる。コーティングは、本開示に記載されたデバイスの範囲内にありながら、非インプリント方法を使用して製造することができる。
【0060】
いくつかの実施態様では、スタンプ214はシリコンおよび/またはガラスからなる。いくつかの実施態様では、スタンプ214は、マスタスタンプによって確立された構造を有する作業スタンプ(例えば、ニッケルシム)である。
【0061】
いくつかの実施態様では、デバイスは、基板の対向する両側の各々にそれぞれのコーティングを含む。図3Aの例に示すように、メタ表面300は、基板304の第1の基板表面302上にある。第1のコーティング308は、メタ表面300および第1の基板表面302上にあり、第2のコーティング326は、第2の反対側の基板表面328上にある。コーティング308および326は、例えば、コーティング108について上述した方法を使用して堆積されていてもよい。いくつかの実施態様では、コーティング308および326は、例えば浸漬コーティング法を使用して同時に堆積される。
【0062】
上述したように、それぞれのスタンプ面316、334を有するスタンプ314、315は、コーティング308および326をインプリントするために使用される。いくつかの実施態様では、スタンプ314、315は同じスタンプを使用して実装され、それぞれの基板表面302、328のインプリントは連続的に実行される。いくつかの実施態様では、スタンプ314、315は異なるスタンプである。いくつかの実施態様では、それぞれの基板表面302、328のインプリントは同時に実行される。
【0063】
図3Bは、両方の基板表面302、328上にコーティング308および326を含むデバイスを示し、コーティング308、326はそれぞれのコーティング表面322、330を有し、各々がそれぞれの所定の特性を有する。コーティング表面322、330は、それぞれのパターン化構造324、332を画定する。パターン化構造324、332は、それぞれ特徴部325、333を含む。いくつかの実施態様では、スタンプ面316、334は互いに実質的に同じであるため、特徴部325,333およびパターン化構造324、332が互いに実質的に同じであり、互いに実質的に同じ機能を有する。いくつかの実施態様では、図3A図3Bに示すように、スタンプ面316、334は異なり、結果として得られるパターン化構造324、332は異なる特徴部を含む。
【0064】
各パターン化構造324、332は、図2Bを参照して上述したように、機能を有することができる。それぞれの機能は、互いに同じであっても異なっていてもよい。
【0065】
いくつかの実施態様では、コーティング308、326は、互いに同じであっても異なっていてもよいそれぞれの規定の厚さ313、317を有する。
【0066】
コーティングが所定の特性を有する表面を有するように両方の基板表面にコーティングを設けることにより、デバイスの機能を改善することができる。メタ表面300上のコーティングの潜在的な利点は、上述されている。第2の基板表面328上の第2のコーティング326も利益をもたらし得る。例えば、コーティング表面は、反射防止機能を含むことができる。コーティング表面は、疎水性機能を含むことができ、および/または第2のコーティング326は、基板304、ひいてはメタ表面300を保護するために、化学的および/または物理的に耐性があり得る。コーティング表面は、上述のように、他の光学機能を有してもよい。
【0067】
図3A図3Bは、第1の基板表面302上のみのメタ表面を示しているが、いくつかの実施態様では、メタ表面は両方の基板表面302、328上にあってもよい。
【0068】
いくつかの実施態様では、図4に示すように、デバイスは基板表面上に複数のコーティングを含む。メタ表面400は、基板404の基板表面402上にある。第1のコーティング408は、メタ表面400上および基板表面402上にあり、第2の異なるコーティング436は、第1のコーティング408上にある。
【0069】
いくつかの実施態様では、各コーティング408、436は、上述のように設けられ、処理される。例えば、第1のコーティング408をスピンコーティングしてからインプリントし、次いで第2のコーティング436をスピンコーティングしてからインプリントしてもよい。コーティング408、436のいずれかまたは両方は、所定の特性を有する表面を有してもよい。
【0070】
しかしながら、いくつかの実施態様では、コーティング408、436は、異なる方法で設けられ、および/または処理される。例えば、いくつかの実施態様では、第1のコーティング408は薄い反射防止コーティングである。例えば、第1のコーティング408は、酸化ケイ素または窒化ケイ素を含み、例えば1/4波長反射防止コーティングであってもよい。いくつかの実施態様では、第1のコーティング408は複数の層を含む。
【0071】
いくつかの実施態様では、コーティング408、436は、互いに異なる材料から構成される。いくつかの実施態様では、コーティング408、436は同様の屈折率を有する。いくつかの実施態様では、コーティング408、436は、異なる屈折率を有し、例えば、ともに多層反射防止コーティングを形成することができる。いくつかの実施態様では、コーティング408、436は、バンドパス光学フィルタ、高もしくは低光学フィルタ、ノッチ光学フィルタ、またはライン光学フィルタをともに形成する。
【0072】
いくつかの実施態様では、第1のコーティング408は、蒸着技術、例えば化学蒸着または原子層蒸着によって堆積される。少なくとも蒸着は、下にある構造を基準にしてほぼ一定の厚さを有するコンフォーマル膜をもたらし得るので、第1のコーティング408の表面410は、比較的粗くてもよく、例えば、所望の最大ラフネスを超える粗さを有してもよく、または厚さの変動を有してもよい。上述したように、これは、デバイスの操作性および/または安全性を損なう可能性がある。第1のコーティング408は、第1のコーティング408が蒸着技術によって堆積されない場合であっても、比較的高いラフネスまたは厚さ変動を有し得る。
【0073】
第2のコーティング436(例えば、ポリマー)は、例えば第2のコーティング436をインプリントすることによって、所定の特性を有する表面を有するように設けられ、作られてもよい。所定の特性は、上述したように、所望の最大ラフネス未満のラフネス、光学機能を有する構造、非光学機能を有する構造、および特定の特徴部サイズを有する構造のうちの1つまたは複数であってもよい。したがって、場合によっては、第1のコーティング408の可能な厚さ変動およびラフネスにかかわらず、第2のコーティング436はデバイスの光学機能を改善することができる。
【0074】
いくつかの実施態様では、複数のコーティングが、複数の表面上に少なくとも1つのコーティングを有する基板の1つまたは複数の表面上にあってもよく、および/または3つ以上のコーティングが基板表面上にあってもよい。例えば、1つ以上の追加のコーティングが、図3Bのコーティング308および326上にあってもよい。
【0075】
いくつかの実施態様では、コーティング厚さを規定するためにスペーサが設けられる。図5A図5Bに示すように、メタ表面500は、基板504の基板表面502上にある。コーティング508は、メタ表面500上および基板表面502上にある。スタンプ540は、高さ544を有するスペーサ542を含む。
【0076】
いくつかの実施態様では、スペーサ542は、スタンプ540の残りの部分と同じ材料から構成される。いくつかの実施態様では、スペーサ542は異なる材料から構成される。スペーサ542は、インプリント中にスペーサが受ける可能性がある圧力下で変形または破壊しないように設計され得る。
【0077】
スタンプ540を使用してコーティング508をインプリントするとき、スペーサ542の遠位端546は基板表面502と接触する。したがって、インプリント後、コーティング508は、スペーサ542の高さ544に実質的に等しい厚さ513を有する。1つまたは複数のスペーサの使用は、基板504にわたるコーティング厚さの均一性を高めるのに役立ち得る。
【0078】
いくつかの実施態様では、スペーサ542と接触する基板表面502の部分548は、インプリント後に、コーティング508がほとんどまたは全くない状態で残される。この特徴部は、部分548の異なる側にあるメタ表面500の部分を光学的に分離することができる。
【0079】
いくつかの実施態様では、スタンプ540は、例えば、スタンプ540を横切って間隔を置いて配置された複数のスペーサ542を含む。複数のスペーサ542の存在は、例えば、大きな基板上のコーティングがインプリントされることを可能にし、基板にわたって共通のコーティング厚さが達成される。いくつかの実施態様では、図5A図5Bに示すように、スタンプ540は、スペーサ542が接触する基板表面502の部分548がメタ表面500を有さないように基板504と位置合わせされる。
【0080】
いくつかの実施態様では、部分548は、別個のデバイス間のラインを画定し、例えば、ナノ構造550は第1のデバイスの一部であってもよく、ナノ構造552は第2のデバイスの一部であってもよい。いくつかの実施態様では、部分548はダイシングトラックと位置合わせされてもよい。
【0081】
いくつかの実施態様では、スタンプ540は、スペーサ542の近くにトレンチを含む。インプリント中、トレンチは、過剰なコーティング材料が誘導され得る空間を提供し得る。トレンチはデバイス間に(例えば、部分548に)配置され得るので、トレンチにおけるコーティング材料の蓄積は、デバイスの機能を損なうことはない。
【0082】
いくつかの実施態様では、図6A図6Bに示すように、スペーサ654が基板604上に設けられる。メタ表面600が基板表面602上にあり、コーティング608がメタ表面600上および基板表面602上にある。スペーサ654は、メタ表面600も形成する製造プロセスの一部として形成されてもよい。いくつかの実施態様では、スペーサ654は、メタ表面600とは別個のプロセス中に形成される。
【0083】
スタンプ656は、スペーサ654の遠位端658がスタンプ656の面660と接触するようにコーティング608をインプリントするために使用される。インプリント後、コーティング608は、スペーサ654の高さに実質的に等しい厚さ613を有する。1つまたは複数のスペーサの使用は、基板604にわたるコーティング厚さの均一性を高めるのに役立ち得る。
【0084】
いくつかの実施態様では、基板604は、例えば、基板604を横切って間隔を置いて配置された複数のスペーサ654を含む。いくつかの実施態様では、スペーサ654は、別個のデバイス間のラインを画定し、例えば、ナノ構造662は第1のデバイスの一部であってもよく、ナノ構造664は第2のデバイスの一部であってもよい。いくつかの実施態様では、スペーサ654はダイシングトラックと位置合わせされてもよい。
【0085】
いくつかの実施態様では、スタンプ656は、スペーサ654の近くに配置されるように構成されたトレンチを含む。インプリント中、トレンチは、過剰なコーティング材料が誘導され得る空間を提供し得る。トレンチはデバイス間に配置され得るので、トレンチにおけるコーティング材料の蓄積は、デバイスの機能を損なうことはない。
【0086】
スペーサを含む図5A図6Bに示す方法およびデバイスは、前述の方法およびデバイスと組み合わせることができる。例えば、スペーサによるインプリントは、コーティング表面を特定のラフネスにすることができる。スペーサを用いたインプリントは、その表面の少なくとも1つにメタ表面を有する基板の2つのそれぞれの対向する表面上の2つのコーティングのいずれかまたは両方で実行されてもよい。基板の2つの対向する表面の一方または両方は、1つまたは複数のそれぞれのスペーサを含むことができる。スペーサを用いたインプリントは、マルチコーティングスタック内の1つ以上のコーティングに対して実行されてもよい。
【0087】
本開示に記載された方法およびデバイスは、システムに実装されてもよい。図7は、基板704の基板表面702上にメタ表面700を含むシステム701の一例を示す。コーティング堆積装置766は、基板上にコーティングを堆積させるように動作可能である。スタンプアライナ768は、スタンプを基板704と位置合わせし、コーティングにインプリントを実行するように動作可能である。コーティング堆積装置766およびスタンプアライナ768は、少なくとも上述の方法を実行するように構成される。コントローラ770は、コーティング堆積装置766およびスタンプアライナ768の一方または両方と通信し、堆積および/またはインプリントプロセスを実行するための命令772を送信するように動作可能である。
【0088】
いくつかの実施態様では、位置合わせは、メタ表面700を基準にして実行される。いくつかの実施態様では、位置合わせは、基板上のスペーサ(図7には示されていない)を基準にして実行される。いくつかの実施態様では、位置合わせは、例えばフォトリソグラフィによって形成され得る基板上の他の特徴部を基準にして実行される。いくつかの実施態様では、位置合わせおよび/またはインプリントは自動化されている(例えば、スタンプアライナ768によって実行される)。コントローラ770は、プロセスパラメータ、例えば、コーティング上でスピンするために使用されるスピン周波数、またはインプリントプロセス中に加える圧力を用いてプログラムすることができる。いくつかの実施態様では、1つまたは複数のステップが手動で実行される。
【0089】
いくつかの実施態様では、第1のウェハ表面上にメタ表面を有するシリコンウェハが、組立ラインに沿って移動される。ウェハは、液体ポリマーを含む液槽に浸漬され、第1のウェハ表面および第2の反対側のウェハ表面の各々にコーティングが生じる。ウェハは所定の位置に保持され、その間、スタンプアライナは第1のウェハ表面を位置合わせ特徴部について走査し、位置合わせ特徴部に基づいて熱い第1のスタンプを位置合わせし、第1のスタンプを所定の圧力で第1のウェハ表面に向かって下降させる。第1のスタンプ上のスペーサは、第1のウェハ表面上のコーティングの最終高さを設定し、第1のスタンプの面上の特徴部は、第1のウェハ表面上のコーティングの表面に、入射光の反射を減少させるテクスチャ付きピラミッドを含ませる。
【0090】
例示的なプロセスでは、ウェハはその後(例えば、ロボットアームによって)回転され、スタンプアライナ、または異なるスタンプアライナは、第2のウェハ表面上のコーティングに対して第2のインプリントプロセスを実行する。第2のインプリントプロセスの第2のスタンプおよびパラメータは、第1のプリントプロセスの第1のスタンプおよびパラメータと同じであっても異なっていてもよい。
【0091】
例示的なプロセスでは、2つのインプリントプロセスが完了した後、ウェハはUVチャンバを通過して2つのコーティングを硬化させる。下にあるメタ表面は、コーティングによって保護され、さらに、コーティングは追加の機能を提供する。次いで、ウェハを個々のデバイスにダイシングすることができる。
【0092】
いくつかの実施態様では、上述したように、1つまたは複数のメタ表面およびメタ表面上の1つまたは複数のコーティングを組み込んだデバイスをモジュールに統合することができる。図8に示すように、モジュール874は、基板876と、基板876に結合されたまたは一体化された発光部品878とを含む。発光部品878は、例えば、レーザ(例えば、垂直キャビティ面発光レーザ)または発光ダイオードを含むことができる。
【0093】
発光部品878によって生成された光880は、ハウジングを通過し、次いで被覆メタ表面デバイス884に伝達される。被覆メタ表面デバイス884は、上述したように、修飾された光886がモジュール874から送出されるように、光880を修飾するように動作可能である。例えば、モジュール874は、被覆メタ表面デバイス884を使用して、構造化光、拡散光、およびパターン化光のうちの1つまたは複数を生成することができる。ハウジングは、例えば、被覆メタ表面デバイスから発光部品878および/または基板876を分離するスペーサ882を含むことができる。
【0094】
モジュール874に組み込まれると、被覆メタ表面デバイス884は、被覆メタ表面のないデバイスを超える利点を提供することができる。例えば、メタ表面上のコーティングは、デバイス884の表面上の汚染物質の影響を低減することによって眼の安全性を高めることができる。コーティングは、反射防止機能を有することによってモジュール874をより効率的にし、生成された光880が反射されにくく、修飾された光886として透過されやすくすることができる。コーティングは、不利な環境でデバイス884を保護することによってモジュール874をより安定させることができる。コーティングは、光880を修飾して修飾された光886を生成するように作用する光学機能を有してもよい。コーティングは、個別の光学部品がコーティングに取って代わる場合よりもデバイス884を薄くすることを可能にし、モジュール874内のスペースを節約し、および/またはモジュール874の必要な全体サイズを減少させることができる。
【0095】
いくつかの実施態様では、図8のモジュール874は光検知モジュール(例えば、周囲光センサ)であり、部品878は光検知部品(例えば、フォトダイオード、画素、または画像センサ)であり、光886はモジュール874に入射する光であり、光880は被覆メタ表面デバイス884によって修飾された光である。例えば、被覆メタ表面デバイス884は、パターン化光を光検知部品878上に集束させることができる。上述したように、被覆メタ表面デバイス884上のコーティングは、従来の光学系と比較してモジュール874のサイズを縮小することができ、不利な環境でデバイス884を保護することができ、反射光の量を減少させることによってモジュール874の検出効率を高めることができる。
【0096】
いくつかの実施態様では、モジュール874は、発光部品と光検知部品の両方を含むことができる。例えば、モジュール874は、モジュール874の環境と相互作用し、次いでモジュール874によって再び受光される光を発することができ、モジュール874が、例えば近接センサまたは3次元マッピングデバイスとして機能することを可能にする。そのようなモジュールに組み込まれると、被覆メタ表面デバイスは、上記のモジュールについて説明した利点を提供することができる。
【0097】
上述のモジュールは、例えば、飛行時間型カメラおよびアクティブステレオカメラの一部であってもよい。モジュールは、システム、例えば、携帯電話、ラップトップ、ウェアラブルデバイス、および自動車に統合されてもよい。
【0098】
本開示の実施態様によれば、メタ表面上にコーティングを堆積させ、コーティングの表面に所定の特性を持たせるためにコーティングをインプリントするための改善された方法およびデバイスが記載される。
【0099】
本明細書に記載された主題および機能動作の様々な態様は、本明細書に開示された構造およびそれらの構造的均等物を含むデジタル電子回路、またはコンピュータソフトウェア、ファームウェア、もしくはハードウェア、またはそれらの1つもしくは複数の組合せで実施することができる。したがって、本明細書で説明される主題の態様は、1つまたは複数のコンピュータプログラム製品、すなわち、データ処理装置による実行のために、またはデータ処理装置の動作を制御するためにコンピュータ可読媒体上に符号化されたコンピュータプログラム命令の1つまたは複数のモジュールとして実装することができる。コンピュータ可読媒体は、機械可読記憶デバイス、機械可読記憶基板、メモリデバイス、機械可読伝播信号をもたらす物質の組成物、またはそれらの1つもしくは複数の組合せであり得る。装置は、ハードウェアに加えて、問題のコンピュータプログラムの実行環境を作成するコード、例えば、プロセッサファームウェアを構成するコードを含むことができる。
【0100】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト、またはコードとしても知られている)は、コンパイル言語またはインタプリタ言語を含む任意の形式のプログラミング言語で記述することができ、スタンドアロンプログラムとして、またはモジュール、コンポーネント、サブルーチン、もしくはコンピューティング環境での使用に適した他のユニットとして含む任意の形式で展開することができる。コンピュータプログラムは、必ずしもファイルシステムにおけるファイルに対応しているとは限らない。プログラムは、他のプログラムまたはデータ(例えば、マークアップ言語文書に格納された1つまたは複数のスクリプト)を保持するファイルの一部、問題のプログラム専用の単一のファイル、または複数の協調ファイル(例えば、1つまたは複数のモジュール、サブプログラム、またはコードの一部を格納するファイル)に格納することができる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で、または1つのサイトに配置された、または複数のサイトに分散され、通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように展開することができる。
【0101】
本明細書で説明されるプロセスおよび論理フローは、入力データを操作して出力を生成することによって機能を実行するために1つまたは複数のコンピュータプログラムを実行する1つまたは複数のプログラマブルプロセッサによって実行することができる。プロセスおよび論理フローはまた、例えばFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路)などの専用論理回路によって実行することもでき、装置はまた、専用論理回路として実装することもできる。
【0102】
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサは、例として、汎用および専用マイクロプロセッサの両方、ならびに任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つまたは複数のプロセッサを含む。一般に、プロセッサは、読み出し専用メモリまたはランダムアクセスメモリまたはその両方から命令およびデータを受信する。コンピュータの必須要素は、命令を実行するためのプロセッサ、ならびに命令およびデータを格納するための1つまたは複数のメモリデバイスである。コンピュータプログラム命令およびデータを記憶するのに適したコンピュータ可読媒体は、例としてEPROM、EEPROM、およびフラッシュメモリデバイスなどの半導体メモリデバイス、磁気ディスク、例えば内蔵ハードディスクまたはリムーバブルディスク、光磁気ディスク、およびCD-ROMおよびDVD-ROMディスクを含む、すべての形態の不揮発性メモリ、媒体、およびメモリデバイスを含む。プロセッサおよびメモリは、専用論理回路によって補完され得るか、または専用論理回路に組み込まれ得る。
【0103】
特定の実施態様を詳細に説明したが、様々な変更を行うことができる。一例として、図に示されているプロセスは、望ましい結果を達成するために、示されている特定の順序、または連続する順序を必ずしも必要としない。特定の実施態様では、マルチタスク処理および並列処理が有利であり得る。したがって、他の実施態様も特許請求の範囲内である。
図1A-1D】
図2A-2B】
図3A-3B】
図4
図5A-5B】
図6A-6B】
図7
図8
【国際調査報告】