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  • 特表-界面活性剤コーティングセパレータ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-25
(54)【発明の名称】界面活性剤コーティングセパレータ
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/411 20210101AFI20230518BHJP
   H01M 50/449 20210101ALI20230518BHJP
   H01M 50/417 20210101ALI20230518BHJP
   H01M 10/12 20060101ALI20230518BHJP
   H01M 50/46 20210101ALI20230518BHJP
   H01M 10/06 20060101ALI20230518BHJP
   H01M 50/414 20210101ALI20230518BHJP
   H01M 4/73 20060101ALI20230518BHJP
【FI】
H01M50/411
H01M50/449
H01M50/417
H01M10/12 K
H01M50/46
H01M10/06 Z
H01M50/414
H01M4/73 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022560363
(86)(22)【出願日】2021-04-05
(85)【翻訳文提出日】2022-11-30
(86)【国際出願番号】 US2021025796
(87)【国際公開番号】W WO2021207083
(87)【国際公開日】2021-10-14
(31)【優先権主張番号】63/005,842
(32)【優先日】2020-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505458359
【氏名又は名称】ダラミック エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100115679
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 勇毅
(74)【代理人】
【識別番号】100114177
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】ミラー,エリック エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】ロバーツ,マーガレット アール.
(72)【発明者】
【氏名】三宅 直人
(72)【発明者】
【氏名】ゴロヴィン,エム.ニール
【テーマコード(参考)】
5H017
5H021
5H028
【Fターム(参考)】
5H017AA01
5H017CC05
5H017EE02
5H021BB12
5H021BB20
5H021CC04
5H021EE01
5H021EE02
5H021EE04
5H021EE15
5H021EE20
5H021EE34
5H021HH06
5H028AA05
5H028EE06
5H028EE09
5H028HH00
5H028HH03
(57)【要約】
【課題】本発明は、界面活性剤コーティングセパレータを提供する。
【解決手段】少なくとも片面に界面活性剤コーティングを備える多孔質膜を含む電池用セパレータを開示する。界面活性剤コーティングは、少量の非イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤とイオン性界面活性剤とのブレンドを含んでいてもよく、次の化学式の構造を有するイオン性界面活性剤のみを含んでいてよく、次の式中、nは0~10の整数であり、mは0~10の整数であり、nとmは同一または異なるものであり、qは0~10の整数であり、rは0~10の整数であり、sは0~10の整数であり、並びにq、rおよびsは同一または異なるものであり、R1は、H、C1~C10の直鎖もしくは分枝の飽和もしくは不飽和のアルキル基、C1~C10の脂肪族アルコール、C1~C10のアルコール、または芳香族基であり、R2は、H、C1~C10の直鎖もしくは分枝の飽和もしくは不飽和のアルキル基、C1~C10の直鎖もしくは分枝の飽和もしくは不飽和の脂肪族アルコール、C1~C10の直鎖もしくは分枝の飽和もしくは不飽和のアルコール、または芳香族基であり、nとmは同一または異なるものであり、R1とR2は同一または異なるものであり、R3は、水素またはメチル基またはC1~C5のアルキル基であり、R4は、水素またはメチル基またはC1~C5のアルキル基であり、R3とR4は同一または異なるものであり、並びにXは、SO 、COO、PO -2、およびこれに類する負帯電基であり、または正帯電対イオンでもある。
【化1】
電池は、低減された格子腐食、より低い黒色残留物率、より長い放電寿命、より低い水損失、改善された充電受入性、より長い寿命のような改良された特性を示す。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔質膜と、
前記多孔質膜の少なくとも片面上の界面活性剤と、
を含む電池用セパレータであって、
前記界面活性剤が少なくとも1つのイオン性界面活性剤と少なくとも1つの非イオン性界面活性剤との混合物を含む、電池用セパレータ。
【請求項2】
前記少なくとも1つの非イオン性界面活性剤が、脂肪族アルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ペンタエチレングリコールモノドデシルエーテル、ポリオキシプロピレングリコールアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリコール、オクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル、オクタエチレングリコールモノドデシルエーテル、ポリエチレングリコールアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステル、オレイルアルコール、ポリエチレングリコールブロックコポリマー、ポリプロピレングリコールブロックコポリマー、グルコシドアルキルエーテル、デシルグルコシド、ラウリルグルコシド、オクチルグルコシド、ノノキシノール-9、グリセロールアルキルエステル、ポリソルベート、ソルビタンアルキルエステル、ラウリン酸グリセリル、コカミド、コステアリルアルコール、メタリルキャップされた非イオン性界面活性剤、ポリオール脂肪酸エステル、ポリエトキシレートエステル、ポリエトキシレート脂肪族アルコール、アルキル多糖、アルキルポリグルコシド、アミンエトキシレート、ソルビタン脂肪酸エステルエトキシレート、オルガノシリコーン系界面活性剤、エチレンビニルアセテートターポリマー、エトキシレートアルキルアリールリン酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエトキシレートアルコール、ポリエチレンオキシド、酸溶解性糖、ショ糖脂肪酸エステル、有機脂肪酸、ヒドロキシル酸、非イオン性界面活性剤、オクチルフェノールエトキシレート界面活性剤、オクチルフェノールエトキシレート非イオン性界面活性剤、およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つである、請求項1に記載の電池用セパレータ。
【請求項3】
前記非イオン性界面活性剤が、15℃より大きい、20℃より大きい、または25℃より大きい曇点を有する、請求項1に記載の電池用セパレータ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの非イオン性界面活性剤が次の化学式の構造を有する分子を含む電池用セパレータであって、
次の式中、nは5~20または9~17の整数であり、mは1~15又は6~10の整数であり、およびpは0~10または0~7の整数である、請求項1に記載の電池用セパレータ。
【化1】
【請求項5】
前記少なくとも1つのイオン性界面活性剤がアニオン性界面活性剤である、請求項1に記載の電池用セパレータ。
【請求項6】
前記イオン性界面活性剤がカチオン性界面活性剤であって、アルコキシ化アンモニウム塩類から選ばれる、請求項1に記載の電池用セパレータ。
【請求項7】
前記少なくとも1つのイオン性界面活性剤が両性界面活性剤であって、アルコキシ化アミノ酸類から選ばれる、請求項1に記載の電池用セパレータ。
【請求項8】
前記イオン性界面活性剤が、硫酸塩、アルキル硫酸塩、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキルエーテル硫酸塩、ラウレス硫酸ナトリウム、スルホン酸塩、ドキュセート、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸、リン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、カルボン酸塩、アルキルカルボン酸塩、脂肪酸塩、ステアリン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、アルキルトリメチルアンモニウム、セチルピリジニウム、ポリエトキシ化タロウアミン、ベンザルコニウム、ベンゼトニウム、ジメチルジオクタデシルアンモニウム、アルキルスルホン酸のジオクタデシルジメチルアンモニウム塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルフェノール-アルキレンオキシド付加生成物、せっけん、アルキル-ナフタレン-スルホン酸塩、アニオン性スルホコハク酸塩などの1つまたは複数のスルホコハク酸塩、スルホコハク酸塩のジアルキルエステル、アミン化合物(第一級、第二級、第三級アミン、または第四級アミン)、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブロックコポリマー、種々のポリエチレンオキシド、モノおよびジアルキルリン酸エステル塩、およびこれらの混合物から選択される少なくとも1つである、請求項1に記載の電池用セパレータ。
【請求項9】
前記イオン性界面活性剤が以下のいずれかの化学式の構造を有する電池用セパレータであって、
次の式中、nは0~10の整数であり、mは0~10の整数であり、nとmは同一または異なるものであり、qは0~10の整数であり、rは0~10の整数であり、sは0~10の整数であり、並びにq、rおよびsは同一または異なるものであり、R1は、H、C1~C10の直鎖もしくは分枝の飽和もしくは不飽和のアルキル基、C1~C10の脂肪族アルコール、C1~C10のアルコール、または芳香族基であり、並びにR2は、H、C1~C10の直鎖もしくは分枝の飽和もしくは不飽和のアルキル基、C1~C10の直鎖もしくは分枝の飽和もしくは不飽和の脂肪族アルコール、C1~C10の直鎖もしくは分枝の飽和もしくは不飽和のアルコール、または芳香族基であり、nとmは同一または異なるものであり、R1とR2は同一または異なるものであり、R3は、水素またはメチル基またはC1~C5のアルキル基であり、R4は水素またはメチル基またはC1~C5のアルキル基であり、R3とR4は同一または異なるものであり、並びにXは、SO 、COO、PO -2、およびこれに類する負帯電基であり、または正帯電対イオンでもある、請求項1に記載の電池用セパレータ。
【化2】
【請求項10】
前記イオン性界面活性剤が正帯電対イオンを備える次の化学式の構造を有し、前記対イオンが選択的にはNaである、請求項1に記載の電池用セパレータ。
【化3】
【請求項11】
前記イオン性界面活性剤が0.5~5.0wt%添加された、請求項1に記載の電池用セパレータ。
【請求項12】
前記イオン性界面活性剤が1.0~3.0wt%添加された、請求項11に記載の電池用セパレータ。
【請求項13】
前記非イオン性界面活性剤の坪量が10g/m未満である、請求項1に記載の電池用セパレータ。
【請求項14】
前記非イオン性界面活性剤の坪量が7g/m未満である、請求項13に記載の電池用セパレータ。
【請求項15】
前記非イオン性界面活性剤の坪量が1g/m~5g/m、1g/m~4g/m、または2.5g/m~4g/mである、請求項13に記載の電池用セパレータ。
【請求項16】
前記多孔質膜がポリエチレンを含む多孔質膜である、請求項1に記載の電池用セパレータ。
【請求項17】
前記電池用セパレータが、perox80の値がperox80試験実施前の初期値に対して、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%であること、およびERBOIL値が60未満であることの少なくとも1つを示す、請求項1に記載の電池用セパレータ。
【請求項18】
請求項1に記載の電池用セパレータと、
鉛または鉛合金を含む少なくとも1つの格子と、
を含む鉛蓄電池であって、
前記格子が非イオン性界面活性剤を含むがイオン性界面活性剤を含まないコーティングを含む前記セパレータを有する同一の電池と比較して低減された格子腐食を示す、鉛蓄電池。
【請求項19】
前記電池が3未満の黒色残留物率を有する、請求項1に記載の電池用セパレータを含む鉛蓄電池。
【請求項20】
前記黒色残留物率が2未満である、請求項19に記載の鉛蓄電池。
【請求項21】
前記電池が、PSOC(部分充電状態)サイクル寿命が、10000サイクル超、20000サイクル超、30000サイクル超、40000サイクル超、または45000サイクル超を示す、請求項1に記載の電池用セパレータを含む鉛蓄電池。
【請求項22】
多孔質膜と、
前記多孔質膜の少なくとも片面に非イオン性界面活性剤を含む界面活性剤と、
を含む電池用セパレータであって、
前記非イオン性界面活性剤の坪量が1g/m~5g/mである、電池用セパレータ。
【請求項23】
前記非イオン性界面活性剤の坪量が2g/m~4g/mである、請求項22に記載の電池用セパレータ。
【請求項24】
前記非イオン性界面活性剤の坪量が3g/m~4g/mである、請求項23に記載の電池用セパレータ。
【請求項25】
前記電池が、高濃度の非イオン性界面活性剤を備えるセパレータと比較して、より長い放電寿命、少ない水損失、改善された充電受入性、より長い部分充電状態サイクル寿命、およびより長い寿命の少なくとも1つを示す、請求項22に記載の電池用セパレータを含む鉛蓄電池。
【請求項26】
多孔質膜と、
界面活性剤と、
を含み、
前記界面活性剤が次のいずれかの化学式の構造を有する化合物からなる前記界面活性剤であって、
次の式中、nは0~10の整数であり、mは0~10の整数であり、nとmは同一または異なるものであり、qは0~10の整数であり、rは0~10の整数であり、sは0~10の整数であり、並びにq、rおよびsは同一または異なるものであり、R1は、H、C1~C10の直鎖もしくは分枝の飽和もしくは不飽和のアルキル基、C1~C10の脂肪族アルコール、C1~C10のアルコール、または芳香族基であり、R2は、H、C1~C10の直鎖もしくは分枝の飽和もしくは不飽和のアルキル基、C1~C10の直鎖もしくは分枝の飽和もしくは不飽和の脂肪族アルコール、C1~C10の直鎖もしくは分枝の飽和もしくは不飽和のアルコール、または芳香族基であり、nとmは同一または異なるものであり、R1とR2は同一または異なるものであり、R3は、水素またはメチル基またはC1~C5のアルキル基であり、R4は、水素またはメチル基またはC1~C5のアルキル基であり、R3とR4は同一または異なるものであり、並びにXは、SO 、COO、PO -2、およびこれに類する負帯電基であり、または正帯電対イオンでもある、電池用セパレータ。
【化4】
【請求項27】
R3とR4は同一であり、かつどちらの構造においても水素であるか、R3とR4は同一であり、かつどちらの構造においてもメチル基であるか、XはSO であるか、XはPO -2であるか、mとnはどちらも1~5の整数であるか、mとnはどちらも6~10の整数であるか、mは1~5の整数であるか、nは1~5の整数であるか、mは6~10の整数であるか、nは6~10の整数であるか、q、rおよびsはそれぞれ1~5の整数であるか、q、rおよびsはそれぞれ6~10の整数であるか、qは1~5の整数であるか、rは1~5の整数であるか、sは1~5の整数であるか、qは6~10の整数であるか、rは6~10の整数であるか、またはsは6~10の整数である、請求項26に記載の電池用セパレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、改良された界面活性剤コーティングセパレータに関する。特定の種類、量およびブレンドの界面活性剤が、改良された界面活性剤コーティングセパレータを作成するために使用される。
【背景技術】
【0002】
前世紀に自動車技術は飛躍的に向上し、このことは、非常に厳しい新たなガイドラインの下で発展し、動作することを電池に要求するようになった。これらの新たなガイドラインは、強化浸水型電池(EFB)とアイドル・ストップ・スタート(ISS)電池を含む多くの進歩をもたらした。しかし、これら新しい種類の電池の両方への動きは、電解液の体積損失、または業界で一般的に呼ばれている「水損失」に関する新たな問題を引き起こした。鉛蓄電池では、様々な要因で水分が失われることがある。ひとつは、過充電による水の電気分解である。また、負極に炭素を使用すると、水損失の影響がさらに増幅されることがある。炭素は、充電受入性とサルフェーションを制御するための電池業界では一般的な構成部品である。
【0003】
これらの水損失の問題に対処するために、ある種の非イオン性界面活性剤が電池セパレータに使用されてきた。例えば、ダラミック社に譲渡され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる特許文献1(国際公開第2016/138369号)の開示を参照されたい。これらの非イオン性界面活性剤は、水の電気分解が通常発生する過電圧を増加させることによって、水損失を低下させるように作用すると考えられている。しかしながら、これらの非イオン性界面活性剤の使用には、いくつかの欠点がある。1つの欠点は、非イオン性界面活性剤を使用した場合、動的充電受入性の低下が認められることである。いずれの特定の理論によっても拘束されることを望まないが、これは、界面活性剤が負極にバリアを形成し、充電受入性を妨げるためと考えられる。別の欠点は、これらの非イオン性界面活性剤を利用する電池において、暗色の残留物の形成が増加することが認められることである。この残留物は、ステアリン酸塩および/またはパルミチン酸塩で構成されていると考えられている。最後に、これらの非イオン性界面活性剤は、電池の酸にさらされると発泡を引き起こし得ると考えられている。発泡は、電池会社、特に電池の形成に2段階プロセスを用いる会社にとって問題である。酸の発泡は、泡がにじみ出ることがあるため安全上の問題を引き起こし、視認性もまた低下させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2016/138369号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、水損失を低下させるために非イオン性界面活性剤を使用しても、それらの欠点のいくつかを最小化するまたは排除することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書では、非イオン性界面活性剤の使用に伴う欠点を最小化または排除しながら、水損失を効果的に低下させる界面活性剤ブレンドが記載されている。本明細書の界面活性剤ブレンドは非イオン性界面活性剤とイオン性界面活性剤とを含み、電池に挿入される電池セパレータに適用すると、結果として得られる電池は低減した水損失および向上した耐酸化性を示し、とりわけ非イオン性界面活性剤によって典型的に引き起こされる充電受入性の低下を低減または排除する。
【0007】
ある態様では、電池セパレータが記載され、1)多孔質膜と、および2)非イオン性界面活性剤およびイオン性界面活性剤を含む界面活性剤コーティングとを含む。いくつかの好ましい実施形態において、多孔質膜上の非イオン性界面活性剤の坪量は、10g/m以下、または7g/m以下である。いくつかの好ましい実施形態では、非イオン性界面活性剤の坪量は、1g/m~5g/m、1g/m~4g/m、または2.5g/m~4g/mである。イオン性界面活性剤は、セパレータの重量を基準として、0.5wt%~5.0wt%または1.0wt%~3.0wt%の量で多孔質膜上に存在し得る。
【0008】
いくつかの好ましい実施形態では、多孔質膜は、ポリエチレンからなる多孔質膜であってよい。多孔質膜は、微多孔質であってよい。多孔質膜は、多孔質膜、織物、不織布、または前述の組み合わせであってもよい。
【0009】
非イオン性界面活性剤は、さほど限定されず、脂肪族アルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ペンタエチレングリコールモノドデシルエーテル、ポリオキシプロピレングリコールアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリコール、オクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル、オクタエチレングリコールモノドデシルエーテル、ポリオキシエチレングリコールアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステル、オレイルアルコール、ポリエチレングリコールブロックコポリマー、ポリプロピレングリコールブロックコポリマー、グルコシドアルキルエーテル、デシルグルコシド、ラウリルグルコシド、オクチルグルコシド、ノノキシノール-9、グリセロールアルキルエステル、ポリソルベート、ソルビタンアルキルエステル、ラウリン酸グリセリル、コカミド、コステアリルアルコール、メタリルキャップされた非イオン性界面活性剤、ポリオール脂肪酸エステル、ポリエトキシレートエステル、ポリエトキシレート脂肪族アルコール、アルキル多糖、アルキルポリグルコシド、アミンエトキシレート、ソルビタン脂肪酸エステルエトキシレート、オルガノシリコーン系界面活性剤、エチレンビニルアセテートターポリマー、エトキシレートアルキルアリールリン酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエトキシレートアルコール、ポリエチレンオキシド、酸溶解性糖、ショ糖脂肪酸エステル、有機脂肪酸、ヒドロキシル酸、非イオン性界面活性剤、オクチルフェノールエトキシレート界面活性剤、オクチルフェノールエトキシレート非イオン性界面活性剤、およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つであってよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、上記非イオン性界面活性剤が、約15℃より高い、約20℃より高い、または約25℃より高い曇点を有する非イオン性界面活性剤である。
【0011】
いくつかの実施形態では、非イオン性界面活性剤は、以下の化学式の構造を有し得る。
【0012】
【化1】
【0013】
前記構造において、nは5~20または9~17の整数であってよく、mは1~15または6~10の整数であってよく、pは0~10または0~7の整数であってよい。
【0014】
イオン性界面活性剤は、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、または両性界面活性剤であってもよい。
【0015】
いくつかの実施形態において、イオン性界面活性剤は、硫酸塩、アルキル硫酸塩、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキルエーテル硫酸塩、ラウレス硫酸ナトリウム、スルホン酸塩、ドキュセート、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸、リン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、カルボン酸塩、アルキルカルボン酸塩、脂肪酸塩、ステアリン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、アルキルトリメチルアンモニウム、セチルピリジニウム、ポリエトキシ化タロウアミン、ベンザルコニウム、ベンゼトニウム、ジメチルジオクタデシルアンモニウム、アルキルスルホン酸のジオクタデシルジメチルアンモニウム塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルフェノール-アルキレンオキシド付加生成物、せっけん、アルキル-ナフタレン-スルホン酸塩、アニオン性スルホコハク酸塩などの1つまたは複数のスルホコハク酸塩、スルホコハク酸塩のジアルキルエステル、アミン化合物(第一級、第二級、第三級アミン、または第四級アミン)、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブロックコポリマー、種々のポリエチレンオキシド、モノおよびジアルキルリン酸エステル塩、およびこれらの混合物から選択される少なくとも1つであってよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、イオン性界面活性剤は次の化学式の構造を有するアニオン性界面活性剤であり得る。
【0017】
【化2】
【0018】
上記化学式中、nは0~10の整数であり、mは0~10の整数であり、nとmは同一または異なるものであり、qは0~10の整数であり、rは0~10の整数であり、sは0~10の整数であり、並びにq、rおよびsは同一または異なるものであり、R1は、H、C1~C10の直鎖もしくは分枝の飽和もしくは不飽和アルキル基、C1~C10の脂肪族アルコール、C1~C10のアルコール、または芳香族基であり、およびR2は、H、C1~C10の直鎖もしくは分枝の飽和もしくは不飽和アルキル基、C1~C10の直鎖もしくは分枝の飽和もしくは不飽和の脂肪族アルコール、C1~C10の直鎖もしくは分枝の飽和もしくは不飽和のアルコール、または芳香族基であり、nとmは同一または異なるものであり、R1とR2は同一または異なるものであり、R3は水素またはメチル基であり、R4は水素またはメチル基であり、R3とR4は同一または異なるものであり、並びにXは、SO 、COO、PO -2、およびこれに類する負帯電基である。アニオン性界面活性剤に対する正帯電対イオンも存在しており、Na、K、Li、NH 、Ca2+、Mg2+、およびこれに類するものの少なくとも1つであってよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、イオン性界面活性剤は、次の化学式の構造を有するアニオン性界面活性剤であり得る。
【0020】
【化3】
【0021】
別の態様では、本明細書に記載された電池用セパレータは、perox80の値がperox80試験実施前の初期値に対して、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%であること、およびERBOILの値が60未満であることの少なくとも1つを示し得る。
【0022】
別の態様では、1)本明細書において上述した電池用セパレータと、2)鉛または鉛合金を含む少なくとも1つの格子とを含む鉛蓄電池であって、その格子が、本明細書で開示されていない、すなわち電池用セパレータの表面に本明細書に記載された界面活性剤ブレンドを塗布していない電池用セパレータを備える電池と比較して低減された格子腐食を示す鉛蓄電池が記載されている。ERBOIL試験では、セパレータは、10分間沸騰した水にさらされ、その後20分間硫酸に浸される。この後、電気抵抗(ER)を測定する。
【0023】
別の態様では、鉛蓄電池は、鉛蓄電池が本明細書に記載された電池用セパレータを含み、この電池が3未満または2未満の黒色残留物率を有することが記載されている。
【0024】
別の態様では、鉛蓄電池は、鉛蓄電池が本明細書に記載された電池用セパレータを含み、この電池が改善された部分充電状態(PSOC)サイクル寿命試験結果を示すことが記載されている。PSOCサイクル寿命試験結果は、本明細書に記載される界面活性剤ブレンドを含まないセパレータを備える電池と比較される。
【0025】
別の態様では、多孔質膜と、多孔質膜の少なくとも片面に非イオン性界面活性剤を含む界面活性剤を含む界面活性剤コーティングとを含む電池用セパレータであって、非イオン性界面活性剤コーティングの坪量が1g/m~5g/mである、電池用セパレータが本明細書に記載されている。非イオン性界面活性剤コーティングの坪量は、2g/m~4g/m、または3g/m~4g/mであってもよい。この電池用セパレータは、高濃度の非イオン性界面活性剤を備えるセパレータと比較して、より長い放電寿命、少ない水損失、改善された充電受入性、およびより長い寿命の少なくとも1つを示し得る。
【0026】
別の態様では、多孔質膜と界面活性剤コーティングを含む電池用セパレータが記載されている。この実施形態では、界面活性剤コーティングの界面活性剤は、次の化学式の構造を有する化合物からなる。
【0027】
【化4】
【0028】
上記化学式中、nは0~10の整数であり、mは0~10の整数であり、nとmは同一または異なるものであり、R1は、H、C1~C10の直鎖もしくは分枝の飽和もしくは不飽和のアルキル基、C1~C10の脂肪族アルコール、C1~C10のアルコール、または芳香族基であり、R2は、H、C1~C10の直鎖もしくは分枝の飽和もしくは不飽和のアルキル基、C1~C10の直鎖または分枝の飽和または不飽和の脂肪族アルコール、C1~C10の直鎖もしくは分枝の飽和もしくは不飽和のアルコール、または芳香族基であり、nとmは同一または異なるものであり、R1とR2は同一または異なるものであり、R3は、水素またはメチル基またはC1~C5のアルキル基であり、R4は、水素またはメチル基またはC1~C5のアルキル基であり、R3とR4は同一または異なるものであり、およびXは、SO 、COO、PO -2、およびこれに類する負帯電基であり、または正帯電対イオンでもある。いくつかの実施形態では、R3およびR4は同一であり、両方とも水素である。いくつかの実施形態では、R3およびR4は同一であり、両方ともメチル基である。いくつかの実施形態では、XはSO である。いくつかの実施形態では、XはCOOである。いくつかの実施形態では、XはPO -2である。いくつかの実施形態では、mおよびnは、それぞれ1~5の整数または6~10の整数である。いくつかの実施形態では、nは、1~5の整数または6~10の整数である。いくつかの実施形態では、mは、1~5の整数または6~10の整数である。いくつかの実施形態では、qは、1~10、1~5または6~10の整数である。いくつかの実施形態では、rは、1~10、1~5または6~10の整数である。いくつかの実施形態では、sは、1~10、1~5または6~10の整数である。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、次の化学式の構造を有する。
【0029】
【化5】
【発明の効果】
【0030】
本明細書に記載されているのは、非イオン性界面活性剤の使用に伴う欠点を最小化または解消しながら、水損失を効果的に低下させる界面活性剤ブレンドである。本明細書の界面活性剤ブレンドは非イオン性界面活性剤およびイオン性界面活性剤を含み、電池に挿入される電池セパレータに適用した場合、結果として得られる電池は低減された水損失および改善された耐酸化性を示し、なかでも典型的に非イオン性界面活性剤によって引き起こされる充電受入性低下を低減または排除する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1は、本明細書に記載された実施形態における黒色残留物率を比較するグラフである。
図2図2は、本明細書に記載されたいくつかの実施形態における格子腐食を示す画像である。
図3図3は、本明細書に記載された実施形態における特定期間経過後の格子質量の減少を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
電池用セパレータ1
ある態様では、電池用セパレータは記載され、1)多孔質膜と、2)非イオン性界面活性剤とイオン性界面活性剤とを含む界面活性剤コーティングとを含む。いくつかの好ましい実施形態では、多孔質膜上の非イオン性界面活性剤の坪量は、10g/m以下または7g/m以下である。いくつかの好ましい実施形態では、非イオン性界面活性剤の坪量は、1g/m~5g/m、1g/m~4g/m、または2.5g/m~4g/mである。イオン性界面活性剤は、セパレータの重量を基準として、0.5wt%~5.0wt%または1.0wt%~3.0wt%の量で多孔質膜上に存在し得る。
【0033】
多孔質膜
いくつかの好ましい実施形態では、多孔質膜は、微多孔質、マクロポーラス、メソポーラス、またはナノポーラスであってもよい。いくつかの好ましい実施形態では、多孔質膜の平均細孔径は1ミクロン以下である。
【0034】
多孔質膜の組成はさほど限定されず、ポリマーを含んでもよく、または含まなくてもよい。
【0035】
多孔質膜がポリマーである場合、ポリマー、熱可塑性ポリマー、ポリ塩化ビニル(PVC)、フェノール樹脂、天然または合成ゴム、合成木材パルプ、リグニン、ガラス繊維、合成繊維、セルロース系繊維、および/またはそれらの組み合わせの少なくとも1つを含む組成を有し得る。天然または合成ゴムは、ゴム、ラテックス、天然ゴム、合成ゴム、架橋または未架橋の天然または合成ゴム、硬化または未硬化ゴム、クラムまたは粉末ゴム、ポリイソプレン、メチルゴム、ポリブタジエン、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ブロモブチルゴム、ポリウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、ポリスルフィドゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、ポリノルボルネンゴム、アクリル酸ゴム、およびスチレン/ブタジエンゴム、アクリロニトリル/ブタジエンゴム、エチレン/プロピレンゴム(EPMおよびEPDM)およびエチレン/酢酸ビニルゴムなどのフッ素系ゴムおよびシリコーンゴムおよびコポリマーゴム、並びに/またはそれらの組合せの1つまたは複数を含み得る。
【0036】
本発明のいくつかの態様では、多孔質膜の組成物は、さらに充填剤を有していてもよい。いくつかの実施形態では、その充填剤は、シリカ、乾燥微粉シリカ、沈降シリカ、非晶質シリカ、極めて脆いシリカ、アルミナ、タルク、魚粉、魚骨粉、硫酸バリウム(BaSO)、炭素、導電性炭素、黒鉛、人工黒鉛、活性炭、カーボンペーパー、アセチレンブラック、カーボンブラック、高表面積カーボンブラック、グラフェン、高表面積グラフェン、ケッチェンブラック、カーボンファイバー、カーボンフィラメント、カーボンナノチューブ、オープンセルカーボンフォーム、カーボンマット、カーボンフェルト、カーボンバックミンスターフラーレン(「バッキーボール(Bucky Balls)」)、水性炭素懸濁液、フレーク状黒鉛、酸化炭素、および/またはそれらの組合せの少なくとも1つである。
【0037】
いくつかの実施形態において、多孔質膜の組成物は、基材製造から残存するプロセスオイルをさらに含み得る。本明細書に記載された電池セパレータの1つの利点は、基材中のプロセスオイル含有量を、20%以下、15%以下、10%以下、または5%以下に低減する能力である。例えば、プロセスオイル含有量は低くとも、1%以下、2%以下、3%以下、4%以下、5%以下、6%以下、7%以下、8%以下、9%以下、10%以下、11%以下、12%以下、13%以下、14%以下、15%以下、16%以下、17%以下、18%以下、19%以下、または20%以下に低減され得る。従来は、とりわけ耐酸化性を向上させるために、プロセスオイルを多く残していた。しかし、本明細書に記載された電池用セパレータ内のポリマー基材の少なくとも片面に材料層を設けることにより、基材の耐酸化性の懸念が小さくなり、基材に残るプロセスオイルの量が低減され得る。プロセスオイルの量を減らすことは、基材のイオン伝導度を増加させ、および/または基材全体の電気抵抗を低下させる好ましい効果を有し得る。したがって、基材中の残存するプロセスオイルの量をより少なくさせる能力は、重要かつ改善されたセパレータ性能につながり得る。基材のプロセスオイル含有量を低くする能力は、本明細書に記載の改善された電池用セパレータの構造によって可能となる利点であるが、基材が20%を超えるプロセスオイルを含有する電池用セパレータの実施形態も動作可能であり、かつ他の利点を有する。
【0038】
いくつかの好ましい実施形態では、多孔質膜は、ポリエチレンを含む多孔質膜であってもよい。多孔質膜は、微多孔質膜であってよい。多孔質膜は、多孔質ポリオレフィン膜、充填されたポリオレフィン多孔質膜、吸収性ガラスマット(AGM)、織物、不織布、または前述の組み合わせであってよい。ひとつの可能な組み合わせは、AGMと、例えばシリカ充填などの、充填されたポリオレフィン多孔質膜の組み合わせである。
【0039】
いくつかの好ましい実施形態では、多孔質膜は、例えば、典型的にはDaramic LLCから販売されているシリカ充填されたポリエチレン製品のような、充填されたポリオレフィン多孔質膜である。いくつかの好ましい実施形態では、多孔質膜は、吸収性ガラスマット(AGM)であってよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、多孔質膜の1つまたは複数の表面または面は、リブ、突起、またはリブと突起の両方を有してもよい。リブが存在する実施形態では、リブはいずれの特定の構造も有さないが、連続リブ、不連続リブ、縦方向に延びるリブ、横方向に延びるリブ、斜めに延びるリブ、一体リブ、非一体リブ、ミニリブ、およびこれらの組み合わせの少なくとも1つであってよい。例えば、リブは、不連続かつ斜め方向に延びるリブであってもよい。突起はリブではない。突起の1つの例は、ディンプルを含み得るが、それに限定されない。リブ、突起、またはリブおよび突起が基材の両面に形成されるとき、基材のそれぞれの面または表面に形成されたリブ、突起、またはリブおよび突起の形状は、同一または異なるものでもよい。例えば、横方向に延びるリブが基材の1つの面または表面に形成されてもよく、かつ縦方向に延びるリブがもう片方の面または表面に形成されてもよい。いくつかの好ましい実施形態では、横方向に延びるリブは多孔質膜の正極面に形成されてもよく、かつ縦方向に延びるリブは負極面に形成されてもよい(すなわち、負極側交差リブ)。
【0041】
リブ、突起、またはリブおよび突起が基板の表面に形成されるいくつかの実施形態では、基材の1つまたは複数のエッジ領域は、リブ、突起、またはリブおよび突起を含まなくてもよく、1つまたは複数のエッジ領域は、ミニリブ、ミニ突起、またはミニリブおよび突起のみを含んでもよい。ミニリブまたはミニ突起は、基材面からリブまたは突起の最高点まで高くとも100~250ミクロンの最大高さを有し得る。いくつかの実施形態では、最大高さは、最大75ミクロン、最大50ミクロン、最大25ミクロン、最大125ミクロン、最大150ミクロン、最大175ミクロン、最大200ミクロン、または最大225ミクロンであってよい。このタイプの構造は、電池用セパレータの最終構造が、基板材料のエッジを溶接して形成することを要するパウチまたはスリーブである場合に有用であり得る。リブまたは突起を有しない(またはミニリブもしくは突起のみを有する)領域が形成されるこのような実施形態では、これらの領域にも材料層が形成されないことが好ましい。
【0042】
いくつかの実施形態では、基材の厚さは、50~500ミクロン、75~500ミクロン、100~500ミクロン、125~500ミクロン、150~500ミクロン、175~500ミクロン、200~500ミクロン、225~500ミクロン、250~500ミクロン、300~500ミクロン、325~500ミクロン、350~500ミクロン、375~500ミクロン、400~500ミクロン、425~500ミクロン、450~500ミクロン、または475~500ミクロンの範囲であってよい。
【0043】
界面活性剤コーティング
界面活性剤コーティングは、非イオン性界面活性剤およびイオン性界面活性剤を含む。いくつかの好ましい実施形態において、多孔質膜上の非イオン性界面活性剤の坪量は、10g/m以下、9g/m以下、8g/m以下、7g/m以下、6g/m以下、5g/m以下、4g/m以下、3g/m以下、2g/m以下、または1g/m以下である。いくつかの好ましい実施形態では、非イオン性界面活性剤の坪量は、1g/m~5g/m、1g/m~4g/m、1g/m~3g/m、2g/m~4g/m、2.5g/m~4g/m、または3g/m~4g/mである。イオン性界面活性剤は、セパレータの重量を基準として、0.5wt%~5.0wt%、0.5wt.%~4.0wt%、0.5wt%~3.0wt%、1.0wt%~4.0wt%、1.0wt%~3.0wt%、または1.0wt%~2.0wt%の量で多孔質膜上に存在し得る。
【0044】
非イオン性界面活性剤は、さほど限定されない。脂肪族アルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ペンタエチレングリコールモノドデシルエーテル、ポリオキシプロピレングリコールアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリコール、オクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル、オクタエチレングリコールモノドデシルエーテル、ポリオキシエチレングリコールアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステル、オレイルアルコール、ポリエチレングリコールブロックコポリマー、ポリプロピレングリコールブロックコポリマー、グルコシドアルキルエーテル、デシルグルコシド、ラウリルグルコシド、オクチルグルコシド、ノノキシノール-9、グリセロールアルキルエステル、ポリソルベート、ソルビタンアルキルエステル、ラウリン酸グリセリル、コカミド、コステアリルアルコール、メタリルキャップされた非イオン性界面活性剤、ポリオール脂肪酸エステル、ポリエトキシレートエステル、ポリエトキシレート脂肪族アルコール、アルキル多糖、アルキルポリグルコシド、アミンエトキシレート、ソルビタン脂肪酸エステルエトキシレート、オルガノシリコーン系界面活性剤、エチレンビニルアセテートターポリマー、エトキシレートアルキルアリールリン酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエトキシレートアルコール、ポリエチレンオキシド、酸溶解性糖、ショ糖脂肪酸エステル、有機脂肪酸、ヒドロキシル酸、非イオン性界面活性剤、オクチルフェノールエトキシレート界面活性剤、オクチルフェノールエトキシレート非イオン性界面活性剤、およびそれらの組み合わせから選ばれる少なくとも1つであり得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、非イオン性界面活性剤が、約15℃より大きい、約20℃より大きい、または約25℃より大きい曇点を有する非イオン性界面活性剤である。
【0046】
いくつかの実施形態では、非イオン性界面活性剤は、次の化学式の構造を有し得る。
【0047】
【化6】
【0048】
前述の構造において、nは、5~20、6~20、7~20、8~20、9~20、10~20、11~20、12~20、13~20、14~20、15~20、16~20、17~20、18~20、19~20、または、9~17の整数であってよく、mは、1~15、2~15、3~15、4~15、5~15、6~15、7~15、8~15、9~15、10~15、11~15、12~15、13~15、14~15、または6~10の整数であってよく、およびpは、0~10、0~9、0~8、0~7、0~6、0~5、0~4、0~3、0~2、0~1、または0~7の整数であってよい。
【0049】
イオン性界面活性剤は、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、または両性界面活性剤であってよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、イオン性界面活性剤は、硫酸塩、アルキル硫酸塩、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキルエーテル硫酸塩、ラウレス硫酸ナトリウム、スルホン酸塩、ドキュセート、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸、リン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、カルボン酸塩、アルキルカルボン酸塩、脂肪酸塩、ステアリン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、アルキルトリメチルアンモニウム、セチルピリジニウム、ポリエトキシ化タロウアミン、ベンザルコニウム、ベンゼトニウム、ジメチルジオクタデシルアンモニウム、アルキルスルホン酸のジオクタデシルジメチルアンモニウム塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルフェノール-アルキレンオキシド付加生成物、せっけん、アルキル-ナフタレン-スルホン酸塩、アニオン性スルホコハク酸塩などの1つまたは複数のスルホコハク酸塩、スルホコハク酸塩のジアルキルエステル、アミン化合物(第一級、第二級、第三級アミン、または第四級アミン)、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブロックコポリマー、種々のポリエチレンオキシド、モノおよびジアルキルリン酸エステル塩、およびこれらの混合物から選択される少なくとも1つであってよい。
【0051】
いくつかの実施形態では、イオン性界面活性剤は、次の化学式の構造を有するアニオン性界面活性剤であってよい。
【0052】
【化7】
【0053】
上記式中、nは、0~10、0~9、0~8、0~7、0~6、0~5、0~4、0~3、0~2、または0~1の整数であり、mは、0~10、0~9、0~8、0~7、0~6、0~5、0~4、0~3、0~2、または0~1の整数であり、R1は、H、C1~C10、C1~C9、C1~C8、C1~C7、C1~C6、C1~C5、C1~C4、C1~C3、もしくはC1~C2の直鎖もしくは分枝の飽和もしくは不飽和のアルキル基、C1~C10、C1~C9、C1~C8、C1~C7、C1~C6、C1~C5、C1~C4、C1~C3、もしくはC1~C2の脂肪族アルコール、C1~C10、C1~C9、C1~C8、C1~C7、C1~C6、C1~C5、C1~C4、C1~C3、もしくはC1~C2のアルコール、または芳香族基であり、およびR2は、H、C1~C10、C1~C9、C1~C8、C1~C7、C1~C6、C1~C5、C1~C4、C1~C3、もしくはC1~C2の直鎖もしくは分枝の飽和もしくは不飽和のアルキル基、C1~C10、C1~C9、C1~C8、C1~C7、C1~C6、C1~C5、C1~C4、C1~C3、もしくはC1~C2の直鎖もしくは分枝の飽和もしくは不飽和の脂肪族アルコール、C1~C10、C1~C9、C1~C8、C1~C7、C1~C6、C1~C5、C1~C4、C1~C3、もしくはC1~C2の直鎖もしくは分枝の飽和もしくは不飽和のアルコール、または芳香族基であり、nとmは同一または異なるものであり、R1とR2は同一または異なるものであり、R3は水素またはメチル基であり、R4は水素またはメチル基であり、R3とR4は同一または異なるものであり、Xは、SO 、COO、PO -2、およびこれに類する負帯電基である。アニオン性界面活性剤に対する正帯電対イオンも存在しており、Na、K、Li、NH 、Ca2+、Mg2+、およびこれに類するものの少なくとも1つであってよい。
【0054】
いくつかの実施形態では、イオン性界面活性剤は、次の化学式の構造を有するアニオン性界面活性剤であってよい。
【0055】
【化8】
【0056】
別の態様では、本明細書に記載された電池用セパレータは、perox80の値がperox80試験実施前の初期値に対して、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%であること、およびERBOILの値が、60未満、50未満、40未満、30未満、20未満、10未満、または5未満、1未満であることの少なくとも1つを示し得る。
【0057】
鉛蓄電池
別の態様では、1)本明細書において上述した電池用セパレータと、鉛または鉛合金を含む少なくとも1つの格子とを含む鉛蓄電池であって、その格子が、本明細書で開示されていない、すなわち電池用セパレータの表面に本明細書に記載された界面活性剤ブレンドを塗布していない電池用セパレータを備える電池と比較して格子腐食の減少を示す鉛蓄電池が記載されている。ERBOIL試験では、セパレータは、10分間沸騰した水にさらされ、その後20分間硫酸に浸される。この後、電気抵抗(ER)を測定する。
【0058】
別の態様では、鉛蓄電池は、鉛蓄電池が本明細書に記載された電池用セパレータを含み、この電池が、3未満、2未満または1未満の黒色残留物率を有することが記載されている。
【0059】
別の態様では、鉛蓄電池は、鉛蓄電池が本明細書に記載された電池用セパレータを含み、この電池が改善された部分充電状態(PSOC)サイクル寿命試験結果を示すことが記載されている。PSOCサイクル寿命試験結果は、本明細書に記載された界面活性剤ブレンドを含まないセパレータを備える電池と比較される。
【0060】
電池用セパレータ2
別の態様では、多孔質膜と、多孔質膜の少なくとも片面に非イオン性界面活性剤を含む界面活性剤を含む界面活性剤コーティングとを含む電池用セパレータであって、非イオン性界面活性剤コーティングの坪量が1g/m~5g/mである、電池用セパレータが本明細書に記載されている。非イオン性界面活性剤コーティングの坪量は、2g/m~4g/m、または3g/m~4g/mであってもよい。界面活性剤コーティングは、本明細書において上述したイオン性界面活性剤もまた含み得る。この電池用セパレータを含む電池は、高濃度の非イオン性界面活性剤コーティングを備えるセパレータを含む電池と比べて、より長い放電寿命、少ない水損失、改善された充電受入性、および、より長い寿命の少なくとも1つを示し得る。
【0061】
電池用セパレータ3
別の態様では、多孔質膜と界面活性剤コーティングを含む電池用セパレータが記載されている。この実施形態では、界面活性剤コーティングの界面活性剤は、次の化学式の構造を有する化合物を含み、これからなり、または実質的にこれからなる。
【0062】
【化9】
【0063】
上記化学式中、nは、0~10、0~9、0~8、0~7、0~6、0~5、0~4、0~3、0~2、または0~1の整数であり、mは、0~10、0~9、0~8、0~7、0~6、0~5、0~4、0~3、0~2、または0~1の整数であり、nとmは同一または異なるものであり、R1は、H、C1~C10、C1~C9、C1~C8、C1~C7、C1~C6、C1~C5、C1~C4、C1~C3、もしくはC1~C2の直鎖もしくは分枝の飽和もしくは不飽和のアルキル基、C1~C10、C1~C9、C1~C8、C1~C7、C1~C6、C1~C5、C1~C4、C1~C3、もしくはC1~C2の脂肪族アルコール、C1~C10、C1~C9、C1~C8、C1~C7、C1~C6、C1~C5、C1~C4、C1~C3、もしくはC1~C2のアルコール、または芳香族基であり、R2は、H、C1~C10、C1~C9、C1~C8、C1~C7、C1~C6、C1~C5、C1~C4、C1~C3、もしくはC1~C2の直鎖もしくは分枝の飽和もしくは不飽和のアルキル基、C1~C10、C1~C9、C1~C8、C1~C7、C1~C6、C1~C5、C1~C4、C1~C3、もしくはC1~C2の直鎖または分枝の飽和または不飽和の脂肪族アルコール、C1~C10、C1~C9、C1~C8、C1~C7、C1~C6、C1~C5、C1~C4、C1~C3、もしくはC1~C2の直鎖もしくは分枝の飽和もしくは不飽和のアルコール、または芳香族基であり、nとmは同一または異なるものであり、R1とR2は同一または異なるものであり、R3は、水素またはメチル基またはC1~C5、C1~C4、C1~C3、もしくはC1~C2のアルキル基であり、R4は、水素またはメチル基またはC1~C5、C1~C4、C1~C3、もしくはC1~C2のアルキル基であり、R3とR4は同一または異なるものであり、およびXは、SO 、COO、PO 、およびこれに類する負帯電基であり、または正帯電対イオンでもある。いくつかの実施形態では、R3およびR4は同一であり、両方とも水素である。いくつかの実施形態では、R3およびR4は同一であり、両方ともメチル基である。いくつかの実施形態では、XはSO である。いくつかの実施形態では、XはCOOである。いくつかの実施形態では、XはPO -2である。いくつかの実施形態では、mおよびnは、それぞれ1~5、1~4、1~3、もしくは1~2の整数または6~10、6~9、6~8、もしくは6~7の整数である。いくつかの実施形態では、nは、1~5、1~4、1~3、もしくは1~2の整数または6~10、6~9、6~8、もしくは6~7の整数である。いくつかの実施形態では、mは、1~5、1~4、1~3、もしくは1~2の整数または6~10、6~9、6~8、もしくは6~7の整数である。いくつかの実施形態では、qは、1~10、1~9、1~8、1~7、1~6、1~5、1~4、1~3、もしくは1~2の整数または6~10、6~9、6~8、もしくは6~7の整数である。いくつかの実施形態では、rは、1~10、1~9、1~8、1~7、1~6、1~5、1~4、1~3、もしくは1~2の整数または6~10、6~9、6~8、もしくは6~7の整数である。いくつかの実施形態では、sは、1~10、1~9、1~8、1~7、1~6、1~5、1~4、1~3、もしくは1~2の整数または6~10、6~9、6~8、もしくは6~7の整数である。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、次の化学式の構造を有する。
【0064】
【化10】
【0065】
実施例について、次のいずれかの化学式のようなPPOおよびPEOブロックを有する非イオン性界面活性剤を用いて調整した。
【0066】
【化11】
【0067】
上記式中、nは12~15の整数であってよく、mは1~15または6~10の整数であってよく、pは0~10または0~7の整数であってよい。低、中、高の界面活性剤量を同一タイプのDaramic(登録商標)セパレータに塗布した。これらの実施例を評価した。同一タイプのDaramic(登録商標)セパレータを使用したが、非イオン性界面活性剤を使用しなかった比較例についても評価した。評価結果を以下の表1に示す。
【0068】
【表1】
【0069】
したがって、本発明者らは、非イオン性界面活性剤の低量での使用または添加が、比較例、ならびに中量および高量の界面活性剤による実施例の電池特性と比較して、予想外に改善された電池特性を生じさせることを見出した。非イオン性界面活性剤の低量は、5g/mより小さく、かつ1g/mより大きいと考えられるが、2g/m~4g/mまたは3g/m~4g/mであってもよい。これらの改善された特性は、より高い部分充電状態サイクル、改善された充電受入性、および、より低い水損失を含む。
【0070】
実施例については、非イオン性界面活性剤と次の化学式の構造を有するアニオン性界面活性剤のブレンドを使用して調整した。
【0071】
【化12】
【0072】
比較例については、非イオン性界面活性剤のみを使用して調整した。それぞれの例において、界面活性剤または界面活性剤ブレンドを同一のDaramic(登録商標)セパレータ上にコーティングした。これらの例を表2に示す。
【0073】
【表2】
【0074】
非イオン性界面活性剤へのアニオン性界面活性剤の添加は、図1に示したように黒色残留物率を減少させることが見出された。黒色残留物の低減は、電池を適切に維持する能力の向上により電池の安全性を向上させ得るため、重要である。電池内で黒色残留物が過剰に増大すると、この残留物が「魔法の目(magic eye)」を塞ぐことがあり、これはメンテナンスが必要な時にオペレーターに通知する電池の一部分である、。少なくとも約1%のアニオン性界面活性剤の添加が、上述の良い結果を得るために必要であることを見出した。
【0075】
アニオン性界面活性剤の添加は、格子腐食においても役に立つ。このことは、図2の画像に示されており、左の格子は、比較例Bのようなセパレータを備える電池内にあったものであり、右の格子は、実施例4または5のようなセパレータを備える電池内にあったものである。
【0076】
図3のグラフに示すように、実施例4または5のようなセパレータを備えた電池に使用されたプレートでは、寿命末期(@12週間 J280)における格子重量の減少が13.5%低減された。
【0077】
実施例6および7を、Daramic(登録商標)セパレータ上の界面活性剤コーティングを含めて形成される。それぞれの界面活性剤コーティングにおいて、界面活性剤は次の化学式の構造のいずれかを有する1つの界面活性剤からなるか、またはそれぞれ次の化学式の構造のいずれかを有する2以上の界面活性剤からなる。
【0078】
【化13】
【0079】
上記化学式中、nは0~10の整数であり、mは0~10の整数であり、nとmは同一または異なるものであり、R1は、H、C1~C10の直鎖もしくは分枝の飽和もしくは不飽和のアルキル基、C1~C10の脂肪族アルコール、C1~C10のアルコール、または芳香族基であり、R2は、H、C1~C10の直鎖もしくは分枝の飽和もしくは不飽和のアルキル基、C1~C10の直鎖または分枝の飽和または不飽和の脂肪族アルコール、C1~C10の直鎖もしくは分枝の飽和もしくは不飽和のアルコール、または芳香族基であり、nとmは同一または異なるものであり、R1とR2は同一または異なるものであり、R3は、水素またはメチル基またはC1~C5のアルキル基であり、R4は、水素またはメチル基またはC1~C5のアルキル基であり、R3とR4は同一または異なるものであり、およびXは、SO 、COO、PO -2、およびこれに類する負帯電基であり、または正帯電対イオンでもある。いくつかの実施形態では、R3およびR4は同一であり、両方とも水素である。いくつかの実施形態では、R3およびR4は同一であり、両方ともメチル基である。いくつかの実施形態では、XはSO である。いくつかの実施形態では、XはCOOである。いくつかの実施形態では、XはPO -2である。いくつかの実施形態では、mとnは、それぞれ1~5の整数、またはそれぞれ6~10の整数である。いくつかの実施形態では、nは、1~5の整数または6~10の整数である。いくつかの実施形態では、mは、1~5の整数または6~10の整数である。いくつかの実施形態では、qは1~10、1~5または6~10の整数であり、rは1~10、1~5または6~10の整数である。いくつかの実施形態では、sは1~10、1~5または6~10の整数である。
図1
図2
図3
【国際調査報告】