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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-25
(54)【発明の名称】高保持ドレナージデバイス
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/90 20130101AFI20230518BHJP
【FI】
A61F2/90
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022560952
(86)(22)【出願日】2021-04-05
(85)【翻訳文提出日】2022-11-29
(86)【国際出願番号】 US2021025802
(87)【国際公開番号】W WO2021207088
(87)【国際公開日】2021-10-14
(31)【優先権主張番号】63/005,936
(32)【優先日】2020-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】グプタ、サウラブ ブイ.
(72)【発明者】
【氏名】バルテ、マルク エイ.
(72)【発明者】
【氏名】ゴンザレス、ジャン-ミッシェル
(72)【発明者】
【氏名】ハーゲマイヤー、キャムロン
(72)【発明者】
【氏名】カラン、ダレン
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA44
4C267AA54
4C267BB02
4C267BB04
4C267BB11
4C267BB12
4C267BB26
4C267BB40
4C267CC07
4C267CC08
4C267EE03
(57)【要約】
本開示は一般に医療デバイスの分野に関する。特に、本開示は、隣接する体管腔内及び/又はその間の流体及び物質の流れを促進するための医療デバイス、例えば、体管腔間の開いた流路を維持するステントに関する。一例では、ステントは、第1の拘束構成と第2の非拘束構成との間に拡張可能であるように構成される長尺本体を備え得る。非拘束構成では、本体は、第1の保持部材と、第2の保持部材と、それらの間に長手方向の軸線に沿って延在する管腔を規定する円筒形のサドル領域と、を有し得る。第1の保持部材又は第2の保持部材、又はその両方は、軸方向内側壁及び軸方向外側壁を有する二重壁フランジを備えてよく、内側壁の一部分は長手方向の軸線に沿ってサドル領域の垂直中心面に向かって屈曲する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の拘束構成と第2の非拘束構成との間において拡張可能であるように構成される長尺本体を備え、
前記第2の非拘束構成における前記長尺本体は、第1の保持部材と、第2の保持部材と、それらの間の長手方向の軸線に沿って延在する管腔を規定する円筒形のサドル領域と、を含み、
前記第1の保持部材又は前記第2の保持部材、又はその両方は、軸方向内側壁と、軸方向外側壁と、それらの間に延在する半径方向最外縁部と、を有する二重壁フランジを備え、
前記内側壁の少なくとも一部分は、前記長手方向の軸線に沿って前記円筒形のサドル領域の垂直中心面に向かって屈曲する、ステント。
【請求項2】
前記第1の保持部材、又は前記第2の保持部材、又はその両方の前記内側壁及び前記外側壁は、非平行面を備える、請求項1に記載のステント。
【請求項3】
前記外側壁の少なくとも一部分は、前記長手方向の軸線に沿って前記円筒形のサドル領域の前記垂直中心面から離れるように屈曲する、請求項1及び請求項2のいずれか一項に記載のステント。
【請求項4】
前記外側壁は、前記長手方向の軸線に沿って前記円筒形のサドル領域の前記垂直中心面から離れるように屈曲する凹部を備える、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のステント。
【請求項5】
前記内側壁又は前記外側壁、又はその両方は、直線状縁部を備える、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のステント。
【請求項6】
前記内側壁は、前記長手方向の軸線に沿って前記円筒形のサドル領域の前記垂直中心面から離れるように屈曲する凸部を備える、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のステント。
【請求項7】
前記外側壁は、前記長手方向の軸線に沿って前記円筒形のサドル領域の前記垂直中心面に向かって屈曲する凸部を備える、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のステント。
【請求項8】
前記第1の保持部材の軸方向最外縁部又は前記第2の保持部材の軸方向最外縁部、又はその両方は、前記円筒形のサドル領域の前記垂直中心面から離れるように、前記二重壁フランジの管腔を規定するリップまで延在し、フランジ管腔は前記円筒形のサドル領域管腔に隣接する、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のステント。
【請求項9】
前記リップは、前記円筒形のサドル領域管腔の内径以上の大きさである前記フランジ管腔の内径を備える、請求項8に記載のステント。
【請求項10】
前記半径方向最外縁部は、前記円筒形のサドル領域の直径よりも大きい直径を備える、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のステント。
【請求項11】
前記半径方向最外縁部は、前記長手方向の軸線に平行な円筒形部分を備える、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のステント。
【請求項12】
前記内側壁と前記半径方向最外縁部との間の内側曲率半径は、前記半径方向最外縁部と前記外側壁との間の内側曲率半径よりも大きい、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載のステント。
【請求項13】
前記半径方向最外縁部は、前記内側壁の始点と前記外側壁の終点との間において前記長手方向の軸線に沿って垂直面からオフセットされる、請求項1から請求項12のいずれか一項に記載のステント。
【請求項14】
前記長尺本体は、一つ以上のワイヤの編組を備える、請求項1から請求項13のいずれか一項に記載のステント。
【請求項15】
前記長尺本体の長さに沿って完全に又は部分的に延在する円周被覆をさらに備える、請求項1から請求項14のいずれか一項に記載のステント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に医療デバイスの分野に関する。特に、本開示は、隣接する体管腔間の流体及び物質の流れを促進するための医療デバイス、例えば、体管腔間又は体管腔内に開いた流路を維持するステントに関する。
【背景技術】
【0002】
解剖学的領域(例えば、体管腔、通路、血管、管等)内に自己拡張型ステント(例えば、自己拡張型金属ステントすなわちSEMS)を配置することは、任意の領域から別の領域への連通を可能にし得る。例えば、ステントは、任意の体管腔から別の体管腔への物質の流れを可能にし得る。
【0003】
しかし、利用可能なステントには様々な欠点があり得る。例えば、ステントは、患者の動きによって生成される力に応答する等により、所望の配置から外れ又は移動する可能性が高いことがあり、又は、所与の使用に対して十分な保持力を提供できない又は過剰に提供することがある。
【0004】
従って、様々な有利な医療結果が、本開示のデバイス及び/又は方法により実現され得る。
【発明の概要】
【0005】
一態様では、ステントは、第1の拘束構成と第2の非拘束構成との間において拡張可能であるように構成される長尺本体を備え得る。前記非拘束構成における前記長尺本体は、第1の保持部材と、第2の保持部材と、それらの間の長手方向の軸線に沿って延在する円筒形のサドル領域と、を含み得る。前記円筒形のサドル領域は、前記長手方向の軸線に沿って延在する管腔を規定し得る。前記第1の保持部材又は前記第2の保持部材、又はその両方は、軸方向内側壁と、軸方向外側壁と、それらの間に延在する半径方向最外縁部と、を有する二重壁フランジを備え得る。前記内側壁の少なくとも一部分は、前記長手方向の軸線に沿って前記円筒形のサドル領域の垂直中心面に向かって屈曲し得る。
【0006】
本開示の記載される態様及び他の態様では、前記第1の保持部材又は前記第2の保持部材、又はその両方の前記内側壁及び前記外側壁は、非平行面を備え得る。前記外側壁の少なくとも一部分は、前記長手方向の軸線に沿って前記円筒形のサドル領域の前記垂直中心面から離れるように屈曲し得る。前記外側壁は、前記長手方向の軸線に沿って前記円筒形のサドル領域の前記垂直中心面から離れるように屈曲する凹部を備え得る。前記内側壁又は前記外側壁、又はその両方は、直線状縁部を備え得る。前記内側壁は、前記長手方向の軸線に沿って前記円筒形のサドル領域の前記垂直中心面から離れるように屈曲する凸部を備え得る。前記外側壁は、前記長手方向の軸線に沿って前記円筒形のサドル領域の前記垂直中心面に向かって屈曲する凸部を備え得る。前記第1の保持部材の軸方向最外縁部又は前記第2の保持部材の軸方向最外縁部、又はその両方は、前記円筒形のサドル領域の前記垂直中心面から離れてリップまで延在し得る。前記リップは、前記二重壁フランジの管腔を規定し得る。前記フランジ管腔は、前記円筒形のサドル領域の管腔に隣接し得る。前記リップは、前記筒形のサドル領域管腔の内径以上の大きさである前記フランジ管腔の内径を備え得る。前記半径方向最外縁部は前記円筒形のサドル領域の直径より大きい直径を備え得る。前記半径方向最外縁部は前記長手方向の軸線に平行な円筒形部分を備え得る。前記内側壁と前記半径方向最外縁部との間の内側曲率半径は、前記半径方向最外縁部と前記外側壁との間の内側曲率半径より大きい、それに等しい、又はそれより小さくてもよい。前記半径方向最外縁部は、前記内側壁の始点と前記外側壁の終点との間において前記長手方向の軸線に沿って垂直面からオフセットされ得る。前記長尺本体は、一つ以上のワイヤの編組を備え得る。前記ステントは、前記長尺本体の長さに沿って完全に又は部分的に延在する円周被覆を備え得る。
【0007】
一態様では、ステントは、拘束構成及び拡張構成を有する管状構造を備え得る。前記拡張構成における前記管状構造は、第1の二重壁フランジに拡張された前記管状構造の第1端と、第2の二重壁フランジに拡張された前記管状構造の第2端と、それらの間に長手方向の軸線に沿って延在する中央領域と、を含み得る。前記中心領域は、前記長手方向の軸線に沿って延在する管腔を規定し得る。前記第1の二重壁フランジ又は前記第2の二重壁フランジ、又はその両方は、軸方向内側壁及び軸方向外側壁を備え得る。前記内側壁の少なくとも一部分は、前記長手方向の軸線に沿って前記中心領域の垂直中心面に向かって屈曲し得る。前記長手方向の軸線に平行な平面に沿った、前記第1の二重壁フランジ又は前記第2の二重壁フランジ、又はその両方の断面プロファイルは、非対称であり得る。
【0008】
本開示の記載される態様及び他の態様では、前記第1の保持部材又は前記第2の保持部材、又はその両方の前記内側壁及び前記外側壁は、非平行面を備え得る。前記内側壁は前記長手方向の軸線に沿って前記中心領域の前記垂直中心面に向かって屈曲する第1の曲面部を備えてもよく、前記内側壁は前記長手方向の軸線に沿って前記中心領域の前記垂直中心面から離れて屈曲する第2の曲面部を備えてもよく、又は前記内側壁は前記第1の曲面部及び第2の曲面部の両方を備え得る。前記内側壁又は前記外側壁、又はその両方は、直線状縁部を備え得る。
【0009】
一態様では、ステントは拘束構成及び拡張構成を有する円筒形の本体を備え得る。前記拡張構成では、前記円筒形の本体は、第1の保持部材と、第2の保持部材と、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材との間で長手方向の軸線に沿って延在するサドル領域と、を備え得る。前記サドル領域は、前記長手方向の軸線に沿って延在する管腔を規定し得る。前記第1の保持部材又は前記第2の保持部材、又はその両方は、軸方向内側壁及び軸方向外側壁を含む二重壁フランジを備え得る。前記内側壁の少なくとも一部分は、前記長手方向の軸線に沿って前記サドル領域の垂直中心面に向かって屈曲し得る。前記第1の保持部材又は前記第2の保持部材、又はその両方の前記内側壁及び前記外側壁は、非平行面を備え得る。
【0010】
本開示の記載される態様及び他の態様では、前記内側壁は前記長手方向の軸線に沿って前記サドル領域の前記垂直中心面に向かって屈曲する第1の曲面部を備えてもよく、前記内側壁は前記長手方向の軸線に沿って前記サドル領域の前記垂直中心面から離れて屈曲する第2の曲面部を備えてもよく、又は前記内側壁は前記第1の曲面部及び第2の曲面部の両方を備え得る。本開示の上記態様及び他の態様では、同じ又は異なる内側壁及び外側壁の特徴が、前記第1の保持部材、前記第2の保持部材、又はその両方の二重壁フランジに適用され得る。すなわち、本開示の態様によるステントは、前記第1の及び第2の保持部材のいずれか又は両方に二重壁フランジを有してもよく、フランジの軸方向内側壁及び外側壁は、両方の保持部材に対して生じるときに、同様に又は異なって構成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本開示の非限定的な例は、添付の図面を参照して記載され、添付の図面は概略的であり、縮尺通りに示されることを意図していない。図において、それぞれ示された同一又はほとんど同一の構成要素は、一般的には単一の数字によって示される。明確にする目的で、当業者に本開示を理解させるために図が必要ではない場合、全ての構成要素が全ての図面においてラベル付けされるわけではなく、本開示の各実施形態における全ての構成要素が示されるわけでもない。
【0012】
図1】本明細書に記載される一つ以上の実施形態による、医療デバイスの側面図を示す。
図2】本明細書に記載される一つ以上の実施形態による、医療デバイスの断面図を示す。
図3A】本明細書に記載される様々な実施形態による、代替の保持部材の構成を示す。
図3B】本明細書に記載される様々な実施形態による、代替の保持部材の構成を示す。
図3C】本明細書に記載される様々な実施形態による、代替の保持部材の構成を示す。
図3D】本明細書に記載される様々な実施形態による、代替の保持部材の構成を示す。
図3E】本明細書に記載される様々な実施形態による、代替の保持部材の構成を示す。
図3F】本明細書に記載される様々な実施形態による、代替の保持部材の構成を示す。
図4】本明細書に記載される一つ以上の実施形態による、医療デバイスの送達の態様を示す。
図5】本明細書に記載される一つ以上の実施形態による、組織内に配置される医療デバイスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示は、記載される特定の実施形態に限定されない。本明細書に使用される専門用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、添付の特許請求の範囲の有効範囲を超えて限定することを意図するものではない。他に定義されない限り、本明細書に使用される全ての技術用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
【0014】
本開示の実施形態は、胆嚢、仮性嚢胞及び/又は胃空腸吻合等の排液のための医療デバイス(例えば、ステント等)及びシステムを具体的に参照して記載されるが、このような医療デバイスは、様々な身体器官、内腔、管、血管、瘻孔、嚢胞及び空間(例えば、真皮、胃、十二指腸、空腸、小腸、胆嚢、腎臓、膵臓、胆管/膵臓ツリー、膀胱、尿管、膿瘍、被包化膵臓壊死(WOPN)、胆管等)からの又はその間の一時的又は永久に開いた流路又は排液通路を確立及び/又は維持するために、様々な医療手術(例えば、外部胆管排液変換、小腸小腸吻合、胃十二指腸吻合及び胃回腸吻合等)に使用され得ることが理解されるべきである。本デバイスは異なるアクセスポイント及びアプローチを介して、例えば、経皮的に、内視鏡的に、腹腔鏡的に又はそれらのいくつかの組み合わせを介して挿入され得る。本明細書に開示される医療デバイスは自己拡張型であるが、他の実施形態では、医療デバイスは、例えば、バルーンカテーテルを含む他の手段によって拡張可能であり得る。さらに、このような医療デバイスは、排液に限定されないが、他の目的、例えば、流体又は固体を任意の位置から別の位置へ迂回させる又は回り道をさせるための通路を作製すること、閉塞物を除去すること、及び/又は器官内の組織の非侵襲性又は最小侵襲性の操作及び/又は開いた流路を介して薬剤を導入することを含む治療を送達すること、のために、器官、血管又は体管腔へのアクセスを容易にし得る。
【0015】
本明細書で使用されるように、単数形「一つの(a)」、「一つの(an)」、及び「その(the)」は、内容が他のことを明確に示さない限り、複数形も同様に含むことが意図される。用語「含む(comprises)」及び/又は「含んでいる(comprising)」又は「含む(includes)」及び/又は「含んでいる(including)」は、本明細書に使用されるとき、述べられた特徴、領域、工程、要素、及び/又は構成要素の存在を示すが、一つ以上の他の特徴、領域、整数、工程、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらのグループの存在又は追加を除外しないことがさらに理解されるであろう。
【0016】
本明細書に使用されるように、用語「遠位(distal)」は、デバイスを患者に導入するときに医療専門家から最も遠い端部を指し、用語「近位(proximal)」は、デバイスを患者に導入するときに医療専門家に最も近い端部を指す。
【0017】
実施形態では、本開示は第1の体管腔と第2の体管腔との間に延在し、各体管腔のそれぞれの層(例えば、筋層)の並置又は並置の維持を補助し、それらの間に一時的に、長期間、又は永久に開いた流路又はアクセス通路を確立するように構成される、医療デバイス(例えば、自己拡張型金属ステント及び/又は十二指腸排除デバイス等)に関する。本明細書に記載されるように、フランジのような、ステントの対向する端部における第1の及び第2の保持部材の一方又は両方は、二重壁であってもよく、フランジの軸方向内側壁及び軸方向外側壁の一つ以上の非垂直表面を含んでもよく、壁はフランジ間の長手方向の軸線に沿って延在する円筒形のサドル領域に対して配向される。非垂直表面のこのような構成は、例えば、垂直表面のみを有する対応する保持部材と比較したとき、第1の体管腔と第2の体管腔との間の組織(複数)に対する医療デバイスの移動を低減し得る。加えて、又は代わりに、一つ以上の非垂直表面を有する二重壁フランジのような保持部材は一度配置されると計画された位置から引き抜かれるデバイスの抵抗に対してより多くの制御を提供するように構成されてもよく、例えば、垂直表面を有する対応する保持部材と比較すると、より高い引き抜き力をもたらす。例えば、非垂直表面を有する二重壁フランジは、4N、4.5N、5N、5.25N、5.5N、5.75N、又は6Nより大きな引き抜き力(例えば、4.1N、4.2N、4.3N、4.4N、4.5N、4.6N、4.7N、4.8N、4.9N、5.0N、5.1N、5.2N、5.3N、5.4N、5.5N、5.6N、5.7N、5.75N、5.8N、5.9N、6.0N、6.1N、6.2N、6.3N、6.4N、6.5N、6.6N、6.7N、6.8N、6.9N、7.0N、7.1N、7.2N、7.3N、7.4N、7.5N、7.6N、7.7N、7.8N、7.9N、8.0N、8.1N、8.2N、8.3N、8.4N、8.5N、8.6N、8.7N、8.8N、8.9N、又は9.0Nの引き抜き力)を有し得る。様々な実施形態では、一つ以上の非垂直表面はまた、例えば、プロング、バーブ、フック、又は他の類似の設計のような少なくとも一つの組織係合要素を有する垂直表面又は別の表面と比較すると、第1の及び第2の体管腔の内の少なくとも一つの組織壁にほとんど外傷を与えず相互作用するように構成され得る(例えば、表面積の小さい組織接触点を有する内側を構成する)。
【0018】
二重壁フランジの軸方向内側壁及び外側壁を備える保持部材を有するステントのような医療デバイスの非垂直表面は一つ以上の曲面部分、直線部分、角部分、又はそれらの任意の組み合わせを備えてもよく、各部分は別の部分に対して同一又は異なる長さ、角度、内側曲率半径、方向性、内側角度又は他の特徴を備え得る。第1の保持部材及び第2の保持部材の表面は、同じであってもよく異なっていてもよい。例えば、医療デバイスの各端部は、医療デバイスの強度(例えば、引き抜きに対する抵抗又は保持強度、又は半径方向の圧縮に対する抵抗又は半径方向強度)を向上させ、組織平面にわたって配置されたときに所望の量の線形並置力を提供するように設計され得る。フランジ形状は、例えば、二重壁フランジ構造を作製するために一つ以上のロール及び/又は構造的折り畳みを備え得る。様々な実施形態では、フランジ形状は、複数の屈曲点を備えてもよく、屈曲点は屈曲の方向に変化が生じる曲率の点であり得る。
【0019】
ステントのような医療デバイスは、一つ以上のフィラメント及び/又は表面から形成され得る。様々な実施形態では、一つ以上の金属ワイヤ、一つ以上のワイヤの編組、ポリマーフィラメント、シート、又はそれらの組み合わせは、医療デバイスを形成し得る。例えば、一つ以上のワイヤの編組の長さは、医療デバイスを形成し得る。医療デバイスは、ストラット、フープ、メッシュ、モザイク式セル、又は他のユニットのような構造要素を一つ以上含み得る。多くの実施形態では、医療デバイスは、メッシュ、ウィーブ、及び/又はニット表面を備え得る。医療デバイスは、様々な実施形態において、ニチノールのような形状記憶材料から形成され得る。
【0020】
本明細書に記載される医療デバイスの様々な実施形態は、デバイスの内部上、デバイスの外部上、構造要素間に延在する、又はそれらの任意の組み合わせの完全な又は部分的な被覆、コーティング又は他の膜を含み得る。例えば、被覆、コーティング、又は他の膜は、シリコーン、ポリマー、又はそれらの組み合わせを備え得る。例えば、被覆は、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、延伸ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、芳香族ポリカーボネートベースの熱可塑性ウレタン、及び/又は他の同様の材料を備え得る。被覆は、ディップコーティング、ロールコーティング、塗装、噴霧、他の既知の処理方法、又はそれらの組み合わせによって適用され得る。被覆、コーティング、又は他の膜は、組織の成長を阻害し、及び/又は医療デバイスの内部及び/又は外部からの流体漏出を最小限にし得る。
【0021】
被覆、コーティング、又は他の膜は、医療デバイス上に完全に又は部分的に延在し得る。例えば、第1の保持部材、第2の保持部材、第1の保持部材と第2の保持部材との間に延在するサドル領域、又はそれらの組み合わせは、固体被覆、多孔被覆、又は被覆の他の構成を備え得る。ステントが円筒形のサドル領域及び第1の及び第2の保持部材のような二重壁フランジを有するようないくつかの実施形態では、円周の被覆又はコーティングがステントの全長又はステントの一部分の長さを覆うように適用され得る。例えば、部分的なコーティングは、サドル領域の全長を覆い得るが、フランジは覆わない。実施形態は本明細書に限定されない。
【0022】
本明細書に記載される様々な実施形態は、少なくとも一つの組織層に係合するように設計された一つ以上の付加的特徴を備え得る。例えば、実施形態は、第1の保持部材、第2の保持部材、又はそれらの任意の組み合わせに沿って一つ以上のテクスチャ表面、プロング、又は他の組織係合要素を含み得る。
【0023】
図1を参照すると、一実施形態では、本開示のステントは、管腔を形成し、第1の部分、第2の部分、長さ及び直径を備える長尺本体又は管状構造110を含み得る。長尺本体110は被覆されてもよく、被覆されなくてもよく、又はそれらの組み合わせでもよい。長尺本体110は、拘束構成(例えば、非拡張又は送達構成、図示無し)、及び拡張又は非拘束構成(例えば、図1に示すように短縮又は配置された構成)を含み得る。長尺本体は、拘束構成と非拘束構成との間で拡張可能であるように構成され得る。非拘束構成では、長尺本体の第1の部分112は、第1の保持部材114内へ半径方向に拡張可能であり、長尺本体の遠位部分122は、第2の保持部材124内へ半径方向に拡張可能である。いくつかの実施形態では、拘束構成における長尺本体110は、2mm以上6mm以内、又は3mm以上5mm以内の範囲の直径を備え得る。例えば、ステントは拘束構成において10Fr(3.3mm)又は3.5mmの直径を有し得る。いくつかの実施形態では、拘束構成における長尺本体110は、40mm以上150mm以内の範囲の長さを有し得る。例えば、拘束構成におけるステントは、40mm以上100mm以内の範囲の長さを有し得る。いくつかの実施形態では、拘束構成におけるステントは、40mm以上80mm以内の範囲の長さを有し得る。
【0024】
中央領域は、ステントの長手方向の軸線に沿って保持部材間に延在し得る。例えば、図1に示すように、中央領域は第1の保持部材114と第2の保持部材124との間にステントの長手方向の軸線に沿って延在する円筒形のサドル領域128を備え得る。円筒形のサドル領域128は、長手方向の軸線に沿ってそこを通って延在する管腔又は類似の構造を規定する、又は備える管状構造又は円筒形構造を備え得る。円筒形のサドル領域128は長さ及び直径を備え得る。第1の及び第2の保持部材が軸方向内側壁及び軸方向外側壁を備え、内側壁の一部分がステントの垂直中心面に向かって屈曲するような二重壁フランジをステントが有するような実施形態では、円筒形のサドル領域の長さは、(i)フランジの各々の内側壁の始点間の長尺本体に沿った長さ、又は(ii)ステントが拡張されたとき、内側壁に沿った任意の点におけるフランジ間の最短距離である本体に沿った長さ、又は(iii)ステントが拡張され組織に配置されたとき、内側壁に沿った任意の点におけるフランジ間の最短距離である本体に沿った長さのように測定され得る。多くの実施形態では、上記の条件(i)から(iii)を含む円筒形のサドル領域は、拡張構成において5mm以上150mm以内の範囲の長さを有し得るが、いくつかの例では、(図1及び図2の領域128のような)円筒形のサドル領域は、拡張構成において5mm以上35mm以内の範囲の長さを有し得る。拡張構成における胃腸ステント留置又はドレナージのためのデバイスの円筒形のサドル領域の例示的な長さは、10mm以上30mm以内、15mm以上20mm以内、10mm以上20mm以内、10mm以上15mm以内、又は5mm以上10mm以内の範囲の長さを含み得る。
【0025】
多くの実施形態では、拡張構成における円筒形のサドル領域の直径は、拘束構成における長尺本体の直径より大きくてもよい。例えば、拡張構成における(図1及び図2の領域128のような)円筒形のサドル領域の直径は、3mm以上40mm以内の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、拡張構成における円筒形のサドル領域128の直径は、5mm以上25mm以内、5mm以上20mm以内、5mm以上15mm以内、又は10mm以上20mm以内(例えば、5mm、10mm、15mm、又は20mm)の包括的な範囲であり得る。様々な実施形態では、拡張構成における円筒形のサドル領域128の直径は、拘束構成におけるステントの対応する直径よりも3倍から5倍大きくてもよいが、いくつかの実施形態では、拡張構成における円筒形のサドル領域128の直径は、拘束構成におけるステントの対応する直径よりも3倍から10倍大きくてもよい。
【0026】
再び図1及び図2を参照すると、それぞれの内側壁面114a、外側壁面114b、内側壁面124a、及び外側壁面124bを有する二重壁フランジを規定するように、第1の及び第2の保持部材114、124は、拡張構成において、長尺本体110の外周から半径方向外向きに延在し得る。例えば、内側壁面114aは第1のフランジの軸方向内側壁であってもよく、外側壁面114bは第1のフランジの軸方向外側壁であってもよく、内側壁面124aは、第2のフランジの軸方向内側壁であってもよく、外側壁面124bは、第2のフランジの軸方向外側壁であってもよい。半径方向最外縁部114cは内側壁面114aと外側壁面114bとの間に延在し、連結し得る。半径方向最外縁部124cは内側壁面124aと外側壁面124bとの間に延在し、連結し得る。半径方向最外縁部は保持部材の内側壁面の始点と外側壁面の終点との間に延在する長手方向の軸線に沿った垂直面からオフセットされてもよく、又は円筒形のサドル領域と一番端の突出部すなわちリップとの間に延在する距離の中心点からオフセットされてもよい。半径方向最外縁部は円筒形のサドル領域の直径より大きい直径を備え得る。様々な実施形態では、半径方向最外縁部は、それぞれの保持部材の直径を規定し得る。
【0027】
実施形態では、(図1及び図2の部材114、124のような)第1の保持部材及び/又は第2の保持部材の直径は、5mm以上40mm以内の範囲であり得る。他の例示的な保持部材の直径は、15mm以上40mm以内又は15mm以上35mm以内の範囲であり得る。多くの実施形態では、保持部材の直径は、拡張構成における円筒形のサドル領域の直径から特定のオフセットを有するように設定され得る。例えば、ステントは、拡張構成において、円筒形のサドル領域の直径と第1の保持部材及び/又は第2の保持部材の直径との間に3mm以上20mm以内の差を含むように構成され得る。他の例では、第1の保持部材及び/又は第2の保持部材は拡張構成において円筒形のサドル領域の直径よりも1倍から5倍大きい直径を有するように構成され得る。例えば、拡張構成において10mmの直径を有する円筒形のサドル領域を有するデバイスでは、第1の保持部材及び/又は第2の保持部材は、13mm以上30mm以内、15mm以上25mm以内、又は16mm以上20mm以内の包括的な範囲の直径を有し得る。別の例では、拡張構成において20mmの直径を有する円筒形のサドル領域を有するステントは、23mm以上40mm以内の包含的な範囲の直径を有する一つ以上の保持部材を有し得る。いくつかの実施形態が、円筒形のサドル領域の直径と第1の保持部材及び/又は第2の保持部材のより大きな直径との間により大きな又はより小さなオフセットを含み得ることは理解されるであろう。
【0028】
再び図1及び図2を参照すると、第1の保持部材114は、第2の保持部材124と同じ又は異なる軸方向幅を有してもよく、保持部材の軸方向幅は、半径方向最外縁部を含むそれぞれの保持部材の内側壁と外側壁との間の長手方向の軸線に沿った距離として測定され得る。いくつかの実施形態では、拡張構成における第1の保持部材114及び/又は第2の保持部材124の幅は、0.5mm以上10.0mm以内の包含的な範囲であり得る。他の実施形態は、0.5mm以上6mm以内、2mm以上6mm以内、又は3mm以上7mm以内の包括的な範囲のような、第1の保持部材及び/又は第2の保持部材のより小さな及び/又はより大きな幅を含み得る。いくつかの実施形態では、保持部材は一定の幅を有し得る。他の実施形態では、保持部材の幅は垂直面に沿って変わり得る。
【0029】
図1及び図2に示すように、第1の保持部材114の外側壁面114bは、長尺本体110の第1の保持部材114の軸方向最外縁部において、実質的に長手方向の軸線に沿って、円筒形のサドル領域128の垂直中心面から離れるように、突出部116すなわちリップ内まで延在し得る。第2の保持部材124の外側壁面124bは、長尺本体110の第1の保持部材114の軸方向最外縁部において、実質的に長手方向の軸線に沿って、円筒形のサドル領域128の垂直中心面から離れるように、突出部126すなわちリップ内まで延在し得る。いくつかの実施形態では、突出部116及び/又は突出部126は、拡張構成において0mm以上3mm以内の範囲(例えば、0.5mm以上2.5mm以内又は1.0mm以上1.5mm以内の包括的な範囲)の長さを有し得る。突出部116及び/又は突出部126は、円筒形のサドル領域128によって規定される管腔又はサドル管腔の直径以上の直径を有する、円筒形のサドル領域に隣接するフランジ管腔のような管腔を規定し得る。様々な実施形態では、リップ、又は突出部は、拡張構成において、例えば、3mm以上40mm以内の範囲のサドル直径に対して、3.5mm以上42mm以内の範囲の直径を有するように、拡張構成における対応する円筒形のサドル領域128の直径よりも少なくとも0.5mmから2.0mmまで大きいフランジ管腔直径を備え得る。さらなる例示的な包含的な範囲として、拡張構成において10mmの対応する円筒形のサドル領域直径では、リップは11mm以上14mm以内の直径を有し得る。拡張構成において15mmの対応する円筒形のサドル領域直径では、リップは16mm以上19mm以内の直径を有し得る。別の例では、拡張構成において20mmの円筒形のサドル領域直径は、21mm以上24mm以内のリップ直径に対応し得る。突出部116及び/又は突出部126は、保持部材114、124及びサドル管腔128に隣接して形成され得る。突出部116及び/又は突出部126は、円筒形のサドル領域の長手方向の軸線に対して平行であり得る。代わりに又は加えて、突出部116及び/又は突出部126は、長手方向の軸線に対して非平行であり得る。例えば、突出部116及び/又は突出部126は、長手方向の軸線に沿って半径方向外向き又は内向きに延在し得る。突出部116及び/又は突出部126の半径方向外向きの延在は、例えば、管腔内への漏斗として作用することにより、その管腔を通る流れを促し得る。突出部116及び/又は突出部126の半径方向内向きの延在は、例えば、そのより小さい入口を規定することにより、その管腔を通る流れを妨げ得る。
【0030】
様々な実施形態は、拡張構成における5mm以上60mm以内の範囲の総ステント長を含み得る。例えば、例示的な配置されたステントは、10mm以上50mm以内又は10mm以上35mm以内の長さを有し得る。
【0031】
様々な実施形態では、長尺本体の円周及び長手方向の軸線に対する保持部材の角度を、様々な角度とみなしてもよく、又は保持部材の軸方向内側壁及び/又は外側壁に沿って、(垂直壁を有する保持部材と比較して)配向の度合いを変化させてもよく、保持部材の壁に屈曲点を生成する。例えば、図2のステントの断面図に示すように、外側壁面114b及び/又は外側壁面124bは、円筒形のサドル領域128の長手方向の軸線の垂直中心面202又は中心線から離れて延在又は屈曲する軸方向外側壁の少なくとも一部分を備え得る。加えて、又は代わりに、外側壁面114b及び/又は外側壁面124bは、垂直中心面202に向かって延在又は屈曲する軸方向外側壁の少なくとも一部分を備え得る。同様に、内側壁面114a及び/又は内側壁面124aは、円筒形のサドル領域128の長手方向の軸線の垂直中心面202から離れて延在又は屈曲する軸方向内側壁の少なくとも一部分を備え得る。加えて、又は代わりに、内側壁面114a及び/又は内側壁面124aは、垂直中心面202に向かって延在又は屈曲する軸方向内側壁の少なくとも一部分を備え得る。様々な実施形態では、保持部材114の内側壁面114a及び外側壁面114bは、互いに対して非平行であってもよく、及び/又は、保持部材124の内側壁面124a及び外側壁面124bは、互いに対して非平行な面を備えてもよい。
【0032】
管腔204は、円筒形のサドル領域128の長手方向の長さ全体にわたって延在し得る。サドル領域の管腔204は、例えば上述のように、各種の目的に適した寸法を含み得る。
【0033】
図2に関して示される一つ以上の構成要素は、図1に関して示され及び/又は記載されるそれぞれの構造と同様の態様を一つ以上備え得る。例えば、図2のステントの長尺本体は図1に関して記載される長尺本体110と類似又は同一であり得る。
【0034】
図1及び図2は、二重壁フランジ構造を含む第1の保持部材及び第2の保持部材の両方を備えるステントを示すが、ステントが第1の又は第2の保持部材の一方のみを備え得ることは理解されるであろう。加えて、又は代わりに、ステントは、フレア形状、漏斗、閉塞構成要素、拡幅構造、又はステントを通る流れを促すための別の構成のような代替構成を含む、第1の保持部材及び/又は第2の保持部材を備え得る。
【0035】
拡張構成における突出部116は、管腔204の直径と少なくとも同じ大きさの直径を有し得る、第1の突出部管腔206を規定し得る。拡張構成における突出部126は、管腔204の直径と少なくとも同じ大きさの直径を有し得る、第2の突出部管腔208を規定し得る。第1の突出部管腔206の直径は、第2の突出部管腔208の直径と同じであってもよく又は異なってもよい。例えば、第1の突出部管腔206の例示的な直径は、図1に関して記載されるように第1の突出部116の例示的な直径により規定されてもよく、第2の突出部管腔208の例示的な直径は、図1に関して記載されるように第2の突出部126の例示的な直径により規定されてもよく、又はその両方であってもよい。図1のステントに関連して上述された様々な寸法、例えば、拘束構成の長さ及び直径、拡張構成の全ステント長、サドル領域の長さ及び直径、保持部材の幅及び直径、及び突出部の長さは図2のステントに適用可能でもよく、図3Aから図3Fに関して以下に記載するような保持部材構成を有する任意のステントに適用可能でもよい。
【0036】
図3Aから図3Fは、拡張構成における第2の保持部材124としての二重壁フランジ構造の断面プロファイルの代替構成を示す。図3Aから図3Fの各々について、円筒形のサドル領域128は、図の左側から保持部材124まで延在するように示される。保持部材124は、図の右側において、突出部126まで延在するように示される。
【0037】
図3Aから図3Fに関して記載されるようなフランジ構造の構成は、本明細書に記載の実施形態のいずれにも適用され得る。例えば、図1に関して記載されるような第1の保持部材114、図1に関して記載されるような第2の保持部材124、又はその両方は、図3Aから図3Fに関して記載されるような構成を有し得る。従って、実施形態は、同一の又は異なる構成を有する複数の保持部材を備え得る。例えば、第1の保持部材114は、図3Aに示されるような構成を備えてもよく、第2の保持部材124は、図3Cに示されるような構成を備えてもよい。記載された構成の任意の組み合わせは、本開示の範囲内である。
【0038】
代わりに、又は加えて、様々な実施形態は、第1の保持部材114又は第2の保持部材124の内の一つと、対向端における代替構成と、を備え得る。例えば、様々な実施形態は、代替構成として、それぞれの円筒形のサドル領域128に対して垂直の壁を有するフランジ、フレア状保持部材、球根状保持部材、傾斜保持部材、カール状保持部材、折り畳み保持部材、又は別の構成(図示無し)を含み得る。いくつかの実施形態は、そこを通る物質の流れを管理するための一つ以上の構成要素を含み得る。例えば、様々な実施形態は、弁、障壁部材、漏斗、管、又はそこを通る流れを管理するために有用な他の構造を含み得る。
【0039】
医療デバイスの様々な実施形態では、少なくとも一部分の保持部材の内側壁面、保持部材の外側壁面、又はその両方は、少なくとも一つの湾曲表面、連続した表面、角、内側半径方向の円周、外側半径方向の円周、医療デバイスの円筒形のサドル領域又は中心領域の垂直中心面に向かって延在又は屈曲する表面、医療デバイスのサドル又は中心領域の垂直中心面から離れるように延在又は屈曲する表面、円筒形のサドル領域の長手方向の軸線に垂直な表面、円筒形のサドル領域の長手方向の軸線に平行な表面、又はそれらの任意の組み合わせを備え得る。
【0040】
保持部材の内側壁面及び外側壁面は、図3Aから図3Fの例によって示されるように非平行面を備え得る。様々な実施形態において、保持部材は非対称の内側壁面及び外側壁面を備え得る。例えば、第1の保持部材114又は第2の保持部材124、又はその両方の断面プロファイルは、円筒形のサドル領域128の長手方向の軸線に沿って非対称であり得る。いくつかの実施形態では、非対称壁面はそれぞれ、適切な形状及び/又は機械的特性/相互作用の組織との相互作用にそれぞれ適応し得る、保持強度のような形状及び/又は強度を有し得る。
【0041】
最大外径を有する保持部材の一部分は、保持部材の内側壁面と外側壁面との間に接続、連結、及び/又は延在し得る、半径方向最外縁部を備え得る。例えば、半径方向最外縁部(例えば、図1から図3Fの124c)は、図3Bのように、内側壁面124a及び外側壁面124bの湾曲した合流部に沿った稜線を備えてもよく、又は半径方向最外縁部は、図3A図3C図3D、及び図3Eのように、円筒形のサドル領域128の長手方向の軸線に平行な部分を一つ以上備えてもよい。半径方向最外縁部124cは、保持部材の内側壁面の始点と外側壁面の終点との間の長手方向の軸線に沿った長さの上に中心を置かれてもよく又は無くてもよい。
【0042】
様々な実施形態において、保持部材の少なくとも一部分は、図3Aに示される外側壁面124bのような凹面を備え得る。いくつかの実施形態では、保持部材の凹面又は凹部は、長手方向の軸線(例えば、図2の垂直中心面202)に沿って円筒形のサドル領域の垂直中心面から離れて屈曲し得る。様々な実施形態において、保持部材の少なくとも一部分は、凸面、例えば、図3Aに示されるような内側壁面124aを備え得る。いくつかの実施形態では、保持部材の凸面又は凸部は、長手方向の軸線に沿って円筒形のサドル領域の垂直中心面(例えば、図2の垂直中心面202)に向かって屈曲し得る。円筒形のサドル領域に対して非垂直な部分を含む構成を有する状態で、それぞれ第1の及び第2の保持部材の内側壁面及び/又は外側壁面は、それらの任意の組み合わせにおいて、変形に対するそれぞれの保持部材の抵抗を増加させてよく、それにより円筒形のサドル領域の長手方向の軸線に対して垂直な表面のみを備えるフランジに対して、保持部材の引き抜き強度を増加させる。加えて、又は代わりに、内側壁面は、円筒形のサドル領域に対して垂直なそれぞれの表面よりも、組織壁への外傷が少なく、運動に対する抵抗が大きい状態で、組織壁と係合し、組織壁の並置を維持し得る。従って、本開示の実施形態による保持部材を有するステントは、円筒形のサドル領域に対して垂直なそれぞれの表面と比べると、ほとんど移動しないことが可能である。
【0043】
例えば、図3Aに示すように、長尺本体は、円筒形のサドル領域128から保持部材まで延在し得る。図3Aは、第2の保持部材124を二重壁フランジ構造として示すが、第1の保持部材114が図3Aに示す構成を備え得ることは認識されるであろう。例えば、第1の保持部材114は、対応する二重壁フランジ構造を備え得る。加えて、又は代わりに、第1の保持部材114又は第2の保持部材124のいずれかは、代替構成を備え得る。
【0044】
図3Aに関して、円筒形のサドル領域128は、この例では三つの部分、部分302a、部分302b、及び部分302cを備える内側壁面124aまで延在し得る。円筒形のサドル領域128は、部分302bまで延在し得る、部分302aの凹面まで延在し得る。部分302bは、円筒形のサドル領域(図示無し)の垂直中心面に向かって90度未満の角度で延在する直線状縁部を備える。いくつかの実施形態では、内側壁面は、円筒形のサドル領域の長手方向の軸線に沿ってその垂直中心面に向かって0.0mm以上5.0mm以内の距離だけ延在し得る。例えば、部分302bは、円筒形のサドル領域128の垂直中心面に向かって0.5mmから1.5mmだけ延在し得る。しかし、本開示に沿った他の実施形態では、内側壁面は、円筒形のサドル領域の長手方向の軸線に沿ってその垂直中心面に向かってより長い距離を延在し得る。部分302cは、部分302bと半径方向最外縁部124cとの間に延在する凸曲面を備える。半径方向最外縁部124cは、円筒形のサドル領域128の表面に平行な部分を備え得る。半径方向最外縁部124cは、図3Aの例では部分304a及び部分304bを備え得る外側壁面124bまで延在し得る。部分304aは、凸面を備え得る。様々な実施形態では、内側壁面と半径方向最外縁部との間の内側曲率半径は、半径方向最外縁部と外側壁との間の内側曲率半径よりも大きくてもよい。例えば、図3Aに示すように、部分302bは部分304aよりも大きな内周半径を有し得る。しかし、代替的な実施形態が、部分間の円周の変化する相対半径を含み得ることは認識されるであろう。部分304aは、凹面を備え得る部分304bまで延在し得る。部分304bは、本明細書の他の部分で記載されるように、突出部126まで延在し得る。一つ以上の凸面及び/又は凹面は、同一又は様々な完成した湾曲の角度、円周の半径、長さ、他の特徴、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0045】
図3Bに示す例示的な実施形態に関して、保持部材は、図3Aに関して記載されたものと類似の部分302a、302b、及び302cを備え得る。しかし、図3Bに示すような部分304aは、図3Aに示すものよりも大きな曲率半径を備え得る。図3Bでは部分304aはその長さに沿って変化する曲率半径を備え得る。いくつかの実施形態では、部分304a又は他の部分は、不均一な及び/又は他に起伏のある曲面を備え得る。部分304bは、図3Bに示すように、凹部を備え得る。
【0046】
図3Cは、保持部材が、図3A及び/又は図3Bに関して記載するのと類似の部分302a、302b、及び302cを備え得る別の例示的な実施形態を示す。しかし、図3Cに示すような部分304aは、図3Aに示すものよりも大きな曲率半径を備え得る。図3Cでは、部分304bは、半径方向最外縁部124c及び部分304aから円筒形のサドル領域128に向かって戻るように延在する直線状縁部を備え得る。部分304bは、図3Cに凹部を備えるものとして示される部分304cまで延在し得る。部分304cは、突出部126まで延在し得る。多くの実施形態では、第2の保持部材124の外部に向けられ、部分304b及び突出部126によって規定される角度、又は部分304cの角度は90度未満であり得る。
【0047】
追加の例示的な実施形態が図3Dに示される。図3Dにおいて、部分302aは、部分302bの直線状縁部まで延在する凹状曲面を備え得る。部分302bは、部分302cの凸曲面まで延在することが可能であり、次に、半径方向最外縁部124cまで延在し得る。半径方向最外縁部124cは、凸状曲面を備え得る部分304aまで延在し得る。部分304aは、部分304bの直線状縁部まで延在することが可能であり、次に、凹状区分を備え得る部分304cまで延在し得る。部分304cは、突出部126まで延在し得る。しかし、一つ以上の部分302a、302c、304a、及び/又は304cは、例えば、図3Cにおける凹曲面部分304cと比較して、図3Dにおける凹曲面部分304cに関して示すように、より小さい曲率半径を備え得る。いくつかの実施形態では、少なくとも一つの部分の凹曲面又は凸曲面は、折り目又は他の折り目を備えるために十分に小さい曲率半径を備え得る。
【0048】
図3Eは、部分302a、302b、302c、304a、及び/又は304bが、図3Aから図3Dの内の少なくとも一つに関して記載された対応する部分と一つ以上の類似点を備え得る別の例示的な実施形態を示す。しかし、図3Eでは、部分304a及び部分304bの曲面部分は、図3Aにおける部分304a及び部分304bの曲面部分に対して示すものよりも小さい曲率半径を備える。
【0049】
図3Fは、図3Aから図3Eの内の少なくとも一つに関して記載するように、保持部材が、類似部分302a、302b、及び302cを備え得る別の例示的な実施形態を示す。部分302aは、図3Fに示すように、図3Aに示すものよりも大きな曲率半径を備え得る。例えば、図3Fに示される部分302aのような部分は、1mm以上3mm以内の曲率半径を備え得る。いくつかの実施形態では、部分302a及び/又は302cは1.5mm以上2.1mm以内の曲率半径を備え得る。図3Fでは、部分302aはその長さに沿って変化する曲率半径を備え得る。図3Fに示されるように、部分302aは、それぞれの円筒形のサドル領域128よりも小さい半径まで延在又は沈み得る。部分302dは円筒形のサドル領域128と部分302aとの間で延在してもよく、又は部分302dは部分302aの始点及び内側壁面124aの始点に導く円筒形のサドル領域の延長部と考えられ得る。いくつかの実施形態では、部分302a又は他の部分は、不均一な及び/又は他に起伏のある曲面を備え得る。部分304bは、図3Fに示すように、円筒形のサドル領域128の長手方向の軸線に垂直な直線部分を備え得る。部分304cは、突出部126まで延在する凹面を備え得る。部分は、直角又は比較的直角を構成するように十分に小さい曲率半径を備え得る。例えば、図3Fに示される部分304cのような部分は、0.0mm以上0.5mm以内の曲率半径、例えば、0.1mm以上0.3mm以内の曲率半径を備え得る。
【0050】
図3Aから図3Fに関して様々な部分が記載されるが、様々な実施形態が、示された例との一つ以上の類似点及び/又は相違点を備え得ることは理解されるであろう。例えば、内側壁面114a、外側壁面114b、内側壁面124a、及び/又は外側壁面124bは、より多くの又はより少ない部分を含んでもよく、その任意の部分は、少なくとも一つの凹部、凸部、直線状縁部、又はそれらの任意の組み合わせを備え得る。部分は、デバイスの第1端又は第2端に向かって、円筒形のサドル領域の表面に垂直に、円筒形のサドル領域の表面に平行に、円筒形のサドル領域の表面に対して別の角度で、又はそれらの任意の組み合わせのように延在し得る。さらに、図3Aから図3Fに関して記載される部分のいずれかの寸法及び/又は配向は、代替として又は組み合わせて、それらとともに又は本開示の範囲内と異なる部分及び/又は保持部材プロフィールとともに記載される他の部分に適用され得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、部分における曲率半径をより小さくすれば、対応する保持部材の保持強度をより高くし得る。例えば、図3Eに示す構成は、第2の保持部材124の変形に対して、図3Aのそれぞれの構成よりも大きな抵抗を備え得る。従って、実施形態は、少なくとも一つの特定の手技、組織、又は他の考慮事項によって必要とされるような様々な保持部材強度要件に従って構成され得る。
【0052】
図4は、例として、本明細書に記載されるような医療デバイスのための送達方法の態様を示す。
【0053】
医療デバイスは、組織貫通要素の内側部材402と外側シース404との間の拘束構成に配置され得る。例えば、拘束構成では、第1の保持部材114、第2の保持部材124、又は円筒形のサドル領域128の内の一つ以上は、拡張又は非拘束構成におけるそれらの特徴と比較して、図1から図3に関して記載されるように、より小さい外径に制限され得る。組織貫通要素の鋭利端416は、第1の体管腔412から組織層410を通って進むように含まれ得る。組織貫通要素の鋭利端416は、組織層406を通って第2の体管腔408の中へ進められ得る。加えて、又は代わりに、組織貫通要素は、組織層410及び/又は組織層406を通って進めるための導電性先端を備え得る。様々な実施形態では、隙間空間414は、医療デバイス(例えば、ステント)を配置する前に、組織層410と組織層406との間に存在し得る。
【0054】
組織貫通要素の端部が組織層406を通って進行する状態で、外側シース404は内側部材402に対して近位に引き込まれてもよく、又は内側部材402は外側シース404に対して遠位に延長させられてもよく、それらによって医療デバイスの遠位端を、拘束構成から非拘束構成に移動させる。特に、医療デバイスの遠位端は、第2の保持部材124内に拡張し得る。
【0055】
医療デバイスは、第2の保持部材124の内側壁面124aの一部分が組織層406に接触するように配置され得る。組織貫通要素は、第2の保持部材124が第2の体管腔408内に留まるように、組織層406を通って近位に引き込まれ得る。組織貫通要素は、組織層410を通って近位に引き込まれ得る(図示無し)。
【0056】
第2の保持部材を配置した後、医療デバイスは内側部材及び外側シースのアセンブリ全体とともに、ある距離(例えば、デバイス上の(例えば、着色バンドのような)視覚的及び/又は(例えば、X線不透過性バンドのような)画像形成マーカ(複数)によって示され得る所定の距離)だけ近位に引き込まれることが可能であり、それにより、第1の保持部材が二つの間で拘束されたままで、(例えば、隙間空間414において)早まって配置されることはない。アセンブリ全体を近位に引き込む動作はまた、第2の(又はこの例では遠位の)保持部材124が配置されると、組織層410、406を互いに並置させる又はさらに並置させるように引き寄せる作用があり得る。デバイスが組織層410を明確にするのに十分な距離だけ引き込まれるとき、外側シース404は内側部材402に対して近位に引き込まれてもよく、又は内側部材402は外側シース404に対して遠位に延長させられてもよく、それらによって医療デバイスの近位端を、拘束構成から非拘束構成に移動させることが可能である。特に、医療デバイスの近位端は、第1の保持部材114まで拡張し得る。
【0057】
図5は本開示の送達を完了したステントの断面図を示す。例えば、図5のステントは、図1から図4に関して記載するようなステントであり得る。ステントの様々な構成要素は、上述した構成要素と類似し得る。ステントは第1の保持部材114の内側壁面114aが組織壁506と接触し、第2の保持部材124の外側壁面124aが組織壁508と接触し、円筒形のサドル領域128がそれらの間に延在するように患者内に配置され得る。並置組織層は、同一又は異なる組織の壁であり得る。例えば、図4に関して記載したように、組織壁506は組織層410に対応してもよく、組織壁508は組織層406に対応してもよい。いくつかの実施形態では、第1の保持部材114及び第2の保持部材124は、第1の組織の組織壁506及び第2の組織の組織壁508に接触することが可能であり、それにより第1の組織及び第2の組織は組織の接触面において相互作用する。いくつかの実施形態では、第1の保持部材114及び第2の保持部材124は、組織壁506及び組織壁508と相互作用して、それらの間の空間の幅を閉鎖及び/又は短縮するように、接触面においてそれぞれの組織壁の相互作用を引き起こし得る。例えば、図4に関して記載するような隙間空間414の幅は、減少及び又は除去され得る。いくつかの実施形態では、少なくとも一つの追加の組織(図示無し)が、第1の組織壁506の組織と第2の組織壁508の組織との間に配置され得る。従って、第1の保持部材114、第2の保持部材124、及び円筒形のサドル領域128を通って延在する管腔は、第1の体管腔502と第2の体管腔504との間に開放内部通路を提供し得る。ステントは、例えば、第2の体管腔から第1の体管腔へ排出される流体が、ステントの保持部材及び/又はサドル領域を通って組織壁間の隙間空間内に漏出することを防止するために、部分的又は完全に被覆され得る。
【0058】
図5に関して例として記載されるように、ステントは、組織貫通要素の内側部材と外側シースとの間の拘束構成において配置され得る。例えば、拘束構成では、第1の保持部材114、第2の保持部材124、又は円筒形のサドル領域128の内の一つ以上は、より小さい外径に拘束され得る。組織貫通要素の鋭利端は、組織壁を通って、第2の体管腔504の中へ進行させられ得る。加えて、又は代わりに、組織貫通要素は、組織壁を通って進行させるための導電性先端を備え得る。次に、第2の保持部材124が第2の体管腔504内に配置され、内側壁面124aが組織壁508に接触して配置されるように、ステントの遠位端516は、組織貫通要素の管腔を超えて遠位に進行され得る。次に、ステントの近位部が組織壁506の近位側に配置されるように、組織貫通要素は拘束されたステントの近位端と共に近位に引き込まれ得る。次に、内側壁面114aが組織壁506に接触する状態で、第1の保持部材114がシースから拘束されず、第1の体管腔502内に拡張されるように、ステントの近位部518は第1の体管腔502に配置され得る。
【0059】
代わりに、上述の方法では、鋭利端を有する別の器具は、上記の通路に沿って第2の体管腔504、408に進行され、通路を形成し、ガイドワイヤを配置し、別の器具をガイドワイヤ上で引き抜き、上述の様々な実施形態に従ったステントをガイドワイヤ上で挿入される送達カテーテルに搭載し、次に、ステントを上記で概説した工程に従って配置し得る。
【0060】
本明細書で開示及び主張されている全てのデバイス及び/又は方法は、本開示を踏まえて過度の実験を行うことなく作製及び実行され得る。本発明のデバイス及び方法は、望ましい実施形態の観点から記載されているが、本発明の概念、趣旨及び範囲から逸脱することなく、デバイス及び/又は方法、及び本明細書に記載の方法の工程又は工程の順序に変化が適用され得ることは、当業者にとって明らかであり得る。全てのそのような類似の置換及び変更が、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の趣旨、範囲及び概念内と見なされることは当業者にとって明らかである。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図4
図5
【国際調査報告】