(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-25
(54)【発明の名称】セルラネットワーク容量スライシングシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
H04W 24/04 20090101AFI20230518BHJP
H04W 88/18 20090101ALI20230518BHJP
H04W 48/08 20090101ALI20230518BHJP
【FI】
H04W24/04
H04W88/18
H04W48/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022561391
(86)(22)【出願日】2021-04-09
(85)【翻訳文提出日】2022-11-18
(86)【国際出願番号】 US2021026555
(87)【国際公開番号】W WO2021207586
(87)【国際公開日】2021-10-14
(32)【優先日】2020-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521478407
【氏名又は名称】ディッシュ ワイヤレス エル.エル.シー.
【氏名又は名称原語表記】DISH WIRELESS L.L.C.
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】バイ ステファン
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067DD57
5K067EE16
(57)【要約】
セルラネットワークスライシングを管理するための様々な配置が詳述される。セルラネットワーク管理システムは、経時的にセルラネットワークの複数のセルラネットワークコンポーネントから性能データを取得することができる。セルラネットワーク管理システムは、経時的にセルラネットワークの離散部分の性能を示すセルラネットワークモデルを作成するために、複数のセルラネットワークコンポーネントからの性能データを解析することができる。外部エンティティから、サービス品質(QoS)パラメータを定義するサービス要求を受信することができる。外部エンティティがセルラネットワークを利用するのに適格となる1つまたは複数の条件を定義するセルラネットワークアクセス条件パッケージを作成することができる。次に、セルラネットワークコンポーネントは、外部エンティティのユーザ機器(UE)によるセルラネットワークへのアクセスを許可するように構成することができ、データサービスをUEに提供することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルラネットワークスライシングを管理するための方法であって、前記方法は、
セルラネットワーク管理システムによって、経時的にセルラネットワークの複数のセルラネットワークコンポーネントから性能データを取得することであって、
前記複数のセルラネットワークコンポーネントは、無線アクセスネットワーク(RAN)コンポーネントと、コアセルラネットワークのセルラネットワークデータセンタとを含むことと、
前記セルラネットワーク管理システムによって、経時的に前記セルラネットワークの離散部分の性能を示すセルラネットワークモデルを作成するために、前記複数のセルラネットワークコンポーネントからの前記性能データを解析することと、
前記セルラネットワーク管理システムによって、前記セルラネットワークおよび前記セルラネットワーク管理システムを動作させているエンティティと別個の外部エンティティからサービス要求を受信することであって、
前記サービス要求は、前記外部エンティティによって要求された複数のサービス品質(QoS)パラメータを定義することと、
前記セルラネットワーク管理システムによって、前記セルラネットワークが、前記サービス要求の前記複数のQoSパラメータを満たす十分な利用可能リソースを有すると判断するために、前記セルラネットワークモデルを解析することと、
前記セルラネットワーク管理システムによって、セルラネットワークアクセス条件パッケージを作成することであって、前記セルラネットワークアクセス条件パッケージは、前記外部エンティティが前記セルラネットワークを利用するのに適格となる1つまたは複数の条件を定義することと、
前記セルラネットワーク管理システムによって、前記セルラネットワークアクセス条件パッケージを前記外部エンティティに送信することと、
前記セルラネットワーク管理システムによって、前記外部エンティティから前記セルラネットワークアクセス条件パッケージの受理を受信することと、
前記セルラネットワーク管理システムによって、前記セルラネットワークアクセス条件パッケージに従って前記外部エンティティのユーザ機器(UE)による前記セルラネットワークへのアクセスを許可するために、前記複数のセルラネットワークコンポーネントのうちの少なくともいくつかを構成することと、
前記セルラネットワークによって、前記セルラネットワークアクセス条件パッケージに従って、前記外部エンティティの前記UEにデータサービスを提供することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記複数のQoSパラメータは、前記QoSパラメータが満たされることになるロケーションのインジケーションを含む、請求項1に記載のセルラネットワークスライシングを管理するための方法。
【請求項3】
前記セルラネットワークの前記複数のセルラネットワークコンポーネントから取得した前記性能データは、前記QoSパラメータが満たされることになる前記ロケーションの無線輻輳データを含む、請求項2に記載のセルラネットワークスライシングを管理するための方法。
【請求項4】
前記セルラネットワークアクセス条件パッケージは、前記サービス要求の前記QoSパラメータに厳密にマッチするマッチングQoSパラメータを含む、請求項1に記載のセルラネットワークスライシングを管理するための方法。
【請求項5】
前記サービス要求の前記QoSパラメータは、前記QoSパラメータが実現されることが要求されるときを定義する期間を含む、請求項1に記載のセルラネットワークスライシングを管理するための方法。
【請求項6】
前記セルラネットワークアクセス条件パッケージは、前記サービス要求の前記QoSパラメータと異なる変更されたQoSパラメータの第1のセットを含む、請求項5に記載のセルラネットワークスライシングを管理するための方法。
【請求項7】
前記セルラネットワークアクセス条件パッケージは、前記サービス要求の前記QoSパラメータにマッチするQoSパラメータの第2のセットを更に含む、請求項6に記載のセルラネットワークスライシングを管理するための方法。
【請求項8】
前記セルラネットワークアクセス条件パッケージは、前記QoSパラメータの第1のセットにマッピングされた第1の価格と、前記QoSパラメータの第2のセットにマッピングされた第2の価格とを更に含む、請求項7に記載のセルラネットワークスライシングを管理するための方法。
【請求項9】
前記セルラネットワークアクセス条件パッケージは価格を示す、請求項1に記載のセルラネットワークスライシングを管理するための方法。
【請求項10】
セルラネットワーク管理システムであって、
セルラネットワークの複数のセルラネットワーク構成要素と通信する通信インタフェースと、
前記通信インタフェースと通信する1つまたは複数のプロセッサと、
命令を記憶するメモリであって、前記命令は、前記プロセッサによって実行されると、
前記通信インタフェースを介して経時的に前記セルラネットワークの前記複数のセルラネットワークコンポーネントから性能データを取得し、
経時的に前記セルラネットワークの離散部分の性能を示すセルラネットワークモデルを作成するために、前記複数のセルラネットワークコンポーネントからの前記性能データを解析し、
前記セルラネットワークおよびセルラネットワーク管理システムを動作させているエンティティと別個の外部エンティティからサービス要求を受信し、
前記サービス要求は、前記外部エンティティによって要求された複数のサービス品質(QoS)パラメータを定義し、
前記セルラネットワークが、前記サービス要求の前記複数のQoSパラメータを満たす十分な利用可能リソースを有すると判断するために、前記セルラネットワークモデルを解析し、
セルラネットワークアクセス条件パッケージを作成し、前記セルラネットワークアクセス条件パッケージは、前記外部エンティティが前記セルラネットワークを利用するのに適格となる1つまたは複数の条件を定義し、
前記セルラネットワークアクセス条件パッケージを前記外部エンティティに送信し、
前記外部エンティティから前記セルラネットワークアクセス条件パッケージの受理を受信し、
前記セルラネットワークアクセス条件パッケージに従って前記外部エンティティのユーザ機器(UE)による前記セルラネットワークへのアクセスを許可するために、前記複数のセルラネットワークコンポーネントのうちの少なくともいくつかを構成する、
ように装置を構成する、メモリと、
を備える、セルラネットワーク管理システム。
【請求項11】
前記複数のQoSパラメータは、前記QoSパラメータが満たされることになるロケーションのインジケーションを含む、請求項10に記載のセルラネットワーク管理システム。
【請求項12】
前記セルラネットワークの前記複数のセルラネットワークコンポーネントから取得した前記性能データは、前記QoSパラメータが満たされることになる前記ロケーションの無線輻輳データを含む、請求項11に記載のセルラネットワーク管理システム。
【請求項13】
前記セルラネットワークアクセス条件パッケージは、前記サービス要求の前記QoSパラメータに厳密にマッチするマッチングQoSパラメータを含む、請求項10に記載のセルラネットワーク管理システム。
【請求項14】
前記サービス要求の前記QoSパラメータは、前記QoSパラメータが実現されることが要求されるときを定義する期間を含む、請求項10に記載のセルラネットワーク管理システム。
【請求項15】
前記セルラネットワークアクセス条件パッケージは、前記サービス要求の前記QoSパラメータと異なる変更されたQoSパラメータの第1のセットを含む、請求項14に記載のセルラネットワーク管理システム。
【請求項16】
前記セルラネットワークアクセス条件パッケージは、前記サービス要求の前記QoSパラメータにマッチするQoSパラメータの第2のセットを更に含む、請求項15に記載のセルラネットワーク管理システム。
【請求項17】
前記セルラネットワークアクセス条件パッケージは、前記QoSパラメータの第1のセットにマッピングされた第1の価格と、前記QoSパラメータの第2のセットにマッピングされた第2の価格とを更に含む、請求項16に記載のセルラネットワーク管理システム。
【請求項18】
前記セルラネットワークアクセス条件パッケージは価格を示す、請求項10に記載のセルラネットワーク管理システム。
【請求項19】
非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体であって、前記コンピュータ可読ストレージ媒体は命令を含み、前記命令は、コンピュータによって実行されると、前記コンピュータに、
経時的にセルラネットワークの複数のセルラネットワークコンポーネントから性能データを取得させ、
前記複数のセルラネットワークコンポーネントは、無線アクセスネットワーク(RAN)コンポーネントと、コアセルラネットワークのセルラネットワークデータセンタとを含み、
経時的に前記セルラネットワークの離散部分の性能を示すセルラネットワークモデルを作成するために、前記複数のセルラネットワークコンポーネントからの前記性能データを解析させ、
前記セルラネットワークおよびセルラネットワーク管理システムを動作させているエンティティと別個の外部エンティティからサービス要求を受信させ、
前記サービス要求は、前記外部エンティティによって要求された複数のサービス品質(QoS)パラメータを定義し、
前記セルラネットワークが、前記サービス要求の前記複数のQoSパラメータを満たす十分な利用可能リソースを有すると判断するために、前記セルラネットワークモデルを解析させ、
セルラネットワークアクセス条件パッケージを作成し、前記セルラネットワークアクセス条件パッケージは、前記外部エンティティが前記セルラネットワークを利用するのに適格となる1つまたは複数の条件を定義し、
前記セルラネットワークアクセス条件パッケージを前記外部エンティティに送信させ、
前記外部エンティティから前記セルラネットワークアクセス条件パッケージの受理を受信させ、
前記セルラネットワークアクセス条件パッケージに従って前記外部エンティティのユーザ機器(UE)による前記セルラネットワークへのアクセスを許可するために、前記複数のセルラネットワークコンポーネントのうちの少なくともいくつかを構成させる、非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項20】
前記複数のQoSパラメータは、前記QoSパラメータが満たされることになるロケーションのインジケーションを含み、
前記セルラネットワークの前記複数のセルラネットワークコンポーネントから取得した前記性能データは、前記QoSパラメータが満たされることになる前記ロケーションの無線輻輳データを含む、請求項19に記載のコンピュータ可読ストレージ媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願へのクロスリファレンス
本出願は、2020年4月9日に出願された「CELLULAR NETWORK CAPACITY SLICING SYSTEMS AND METHODS」という名称の米国特許出願第16/844,337号の利益および優先権を主張するものであり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
セルラネットワークのアーキテクチャは複雑であり得る。同様に、セルラネットワークにおけるユーザの需要は、需要が時間およびロケーションに伴って大幅に変動するという点で複雑であり得る。セルラネットワークへの無線アクセスを望む外部エンティティは、アクセスを得るためにネットワーク管理者に接触することができる。通常、アクセス条件を定義する標準的な項目のセットがクライアントに提供される。そのような構成は、クライアントによって用いられることが予期されるロケーションおよび時刻においてセルラネットワークが受けているネットワーク負荷を考慮に入れないため、最適でない場合がある。本明細書に詳述される構成は、クライアントの要件およびセルラネットワークの容量に基づいて、セルラネットワークにおける容量をどのように効率的に分配するかに焦点を当てている。
【発明の概要】
【0003】
セルラネットワークスライシングを管理するための方法に関する様々な実施形態が説明される。いくつかの実施形態では、セルラネットワークスライシングを管理するための方法が説明される。方法は、セルラネットワーク管理システムによって、経時的にセルラネットワークの複数のセルラネットワークコンポーネントから性能データを取得することを含むことができる。複数のセルラネットワークコンポーネントは、無線アクセスネットワーク(RAN)コンポーネントと、コアセルラネットワークのセルラネットワークデータセンタとを含むことができる。方法は、セルラネットワーク管理システムによって、経時的にセルラネットワークの離散部分の性能を示すセルラネットワークモデルを作成するために、複数のセルラネットワークコンポーネントからの性能データを解析することを含むことができる。方法は、セルラネットワーク管理システムによって、セルラネットワークおよびセルラネットワーク管理システムを動作させているエンティティと別個の外部エンティティからサービス要求を受信することを含むことができる。サービス要求は、外部エンティティによって要求された複数のサービス品質(QoS)パラメータを定義することができる。方法は、セルラネットワーク管理システムによって、セルラネットワークが、サービス要求の複数のQoSパラメータを満たす十分な利用可能リソースを有すると判断するために、セルラネットワークモデルを解析することを含むことができる。方法は、セルラネットワーク管理システムによって、セルラネットワークアクセス条件パッケージを作成することを含むことができる。セルラネットワークアクセス条件パッケージは、外部エンティティがセルラネットワークを利用するのに適格となる1つまたは複数の条件を定義することができる。方法は、セルラネットワーク管理システムによって、セルラネットワークアクセス条件パッケージを外部エンティティに送信することを含むことができる。方法は、セルラネットワーク管理システムによって、外部エンティティからセルラネットワークアクセス条件パッケージの受理を受信することを含むことができる。方法は、セルラネットワーク管理システムによって、セルラネットワークアクセス条件パッケージに従って外部エンティティのユーザ機器(UE)によるセルラネットワークへのアクセスを許可するために、複数のセルラネットワークコンポーネントのうちの少なくともいくつかを構成することを含むことができる。方法は、セルラネットワークによって、セルラネットワークアクセス条件パッケージに従って、外部エンティティのUEにデータサービスを提供することを含むことができる。
【0004】
そのような方法の実施形態は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含むことができる:複数のQoSパラメータは、QoSパラメータが満たされることになるロケーションのインジケーションを含むことができる。セルラネットワークの複数のセルラネットワークコンポーネントから取得した性能データは、QoSパラメータが満たされることになるロケーションの無線輻輳データを含むことができる。セルラネットワークアクセス条件パッケージは、サービス要求のQoSパラメータに厳密にマッチすることができるマッチングQoSパラメータを含むことができる。サービス要求のQoSパラメータは、QoSパラメータが実現されることが要求されるときを定義する期間を含むことができる。セルラネットワークアクセス条件パッケージは、サービス要求のQoSパラメータと異なる変更されたQoSパラメータの第1のセットを含むことができる。セルラネットワークアクセス条件パッケージは、サービス要求のQoSパラメータにマッチすることができるQoSパラメータの第2のセットを更に含むことができる。セルラネットワークアクセス条件パッケージは、QoSパラメータの第1のセットにマッピングされた第1の価格と、QoSパラメータの第2のセットにマッピングされた第2の価格とを更に含むことができる。セルラネットワークアクセス条件パッケージは価格を示すことができる。
【0005】
いくつかの実施形態では、セルラネットワーク管理システムが説明される。システムは、セルラネットワークの複数のセルラネットワークコンポーネントと通信する通信インタフェースを備えることができる。システムは、通信インタフェースと通信する1つまたは複数のプロセッサを備えることができる。システムは、命令を記憶するメモリを備えることができ、命令は、プロセッサによって実行されると、通信インタフェースを介して経時的にセルラネットワークの複数のセルラネットワークコンポーネントから性能データを取得するように装置を構成する。装置は、経時的にセルラネットワークの離散部分の性能を示すセルラネットワークモデルを作成するために、複数のセルラネットワークコンポーネントからの性能データを解析することができる。装置は、セルラネットワークおよびセルラネットワーク管理システムを動作させているエンティティと別個の外部エンティティからサービス要求を受信することができる。サービス要求は、外部エンティティによって要求された複数のサービス品質(QoS)パラメータを定義することができる。装置は、セルラネットワークが、サービス要求の複数のQoSパラメータを満たす十分な利用可能リソースを有すると判断するために、セルラネットワークモデルを解析することができる。装置は、セルラネットワークアクセス条件パッケージを作成することができる。セルラネットワークアクセス条件パッケージは、外部エンティティがセルラネットワークを利用するのに適格となることができる1つまたは複数の条件を定義することができる。装置は、セルラネットワークアクセス条件パッケージを外部エンティティに送信することができる。装置は、外部エンティティからセルラネットワークアクセス条件パッケージの受理を受信することができる。装置は、セルラネットワークアクセス条件パッケージに従って外部エンティティのユーザ機器(UE)によるセルラネットワークへのアクセスを許可するために、複数のセルラネットワークコンポーネントのうちの少なくともいくつかを構成することができる。
【0006】
そのようなシステムの実施形態は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含むことができる:複数のQoSパラメータは、QoSパラメータが満たされることになるロケーションのインジケーションを含むことができる。セルラネットワークの複数のセルラネットワークコンポーネントから取得した性能データは、QoSパラメータが満たされることになるロケーションの無線輻輳データを含むことができる。セルラネットワークアクセス条件パッケージは、サービス要求のQoSパラメータに厳密にマッチすることができるマッチングQoSパラメータを含むことができる。サービス要求のQoSパラメータは、QoSパラメータが実現されることが要求されるときを定義する期間を含むことができる。セルラネットワークアクセス条件パッケージは、サービス要求のQoSパラメータと異なる変更されたQoSパラメータの第1のセットを含むことができる。セルラネットワークアクセス条件パッケージは、サービス要求のQoSパラメータにマッチするQoSパラメータの第2のセットを更に含むことができる。セルラネットワークアクセス条件パッケージは、QoSパラメータの第1のセットにマッピングされた第1の価格と、QoSパラメータの第2のセットにマッピングされた第2の価格とを更に含むことができる。セルラネットワークアクセス条件パッケージは価格を示すことができる。
【0007】
いくつかの実施形態では、非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体が説明される。媒体は、コンピュータによって実行されると、コンピュータに、経時的にセルラネットワークの複数のセルラネットワークコンポーネントから性能データを取得させる命令を含むことができる。複数のセルラネットワークコンポーネントは、無線アクセスネットワーク(RAN)コンポーネントと、コアセルラネットワークのセルラネットワークデータセンタとを含むことができる。媒体は、経時的にセルラネットワークの離散部分の性能を示すセルラネットワークモデルを作成するために、複数のセルラネットワークコンポーネントからの性能データを解析することができる。媒体は、セルラネットワークおよびセルラネットワーク管理システムを動作させているエンティティと別個の外部エンティティからサービス要求を受信することができる。サービス要求は、外部エンティティによって要求された複数のサービス品質(QoS)パラメータを定義することができる。媒体は、セルラネットワークが、サービス要求の複数のQoSパラメータを満たす十分な利用可能リソースを有すると判断するために、セルラネットワークモデルを解析することができる。媒体は、セルラネットワークアクセス条件パッケージを作成することができる。セルラネットワークアクセス条件パッケージは、外部エンティティがセルラネットワークを利用するのに適格となる1つまたは複数の条件を定義することができる。媒体は、セルラネットワークアクセス条件パッケージを外部エンティティに送信することができる。媒体は、外部エンティティからセルラネットワークアクセス条件パッケージの受理を受信することができる。媒体は、セルラネットワークアクセス条件パッケージに従って外部エンティティのユーザ機器(UE)によるセルラネットワークへのアクセスを許可するために、複数のセルラネットワークコンポーネントのうちの少なくともいくつかを構成することができる。
【0008】
そのような媒体の実施形態は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含むことができる:複数のQoSパラメータは、QoSパラメータが満たされることになるロケーションのインジケーションを含むことができる。セルラネットワークの複数のセルラネットワークコンポーネントから取得した性能データは、QoSパラメータが満たされることになるロケーションの無線輻輳データを含むことができる。
【0009】
以下の図を参照することによって、様々な実施形態の性質および利点の更なる理解を実現することができる。添付の図では、同様のコンポーネントまたは機構は同じ参照ラベルを有する場合がある。更に、同じタイプの様々なコンポーネントは、参照ラベルに続いてダッシュと、同様のコンポーネント間を区別する第2のラベルとを付すことによって区別される場合がある。明細書において第1の参照ラベルのみが使用されている場合、説明は、第2の参照ラベルに関係なく、同じ第1の参照ラベルを有する同様のコンポーネントのうちの任意のものに適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】階層型セルラネットワークの実施形態である。
【
図2】より複雑な階層型セルラネットワークの実施形態である。
【
図3】セルラネットワークのコアネットワーク内で動作するコアネットワーク管理システムの実施形態である。
【
図4】コアネットワーク管理システムの実施形態である。
【
図5】セルラネットワークスライシングを管理するための方法の実施形態である。
【
図6】セルラネットワーク容量を予約するためのオプションを用いてセルラネットワークスライシングを管理するための方法の実施形態である。
【
図7】セルラネットワーク容量を予約するクライアント側の管理のための方法の実施形態である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
クライアントがセルラネットワークに加わることを許可されるべき条件の決定は複雑である可能性がある。クライアントは、インターネットに全体的にアクセスするために、または特定のリモートサーバシステムもしくはクラウドサービスプロバイダにアクセスするために、電話サービスのための特定のセルラネットワークを用いることを望む場合がある。クライアントはセルラネットワークにアクセスすることになる或る数のユーザ機器(UE)(例えば、数十、数百、数千等)を有する場合がある。更にまたは代替的に、クライアントは、様々なリモートサーバシステムと通信するために必要とされるネットワーク帯域幅、最小受容可能パケット損失ならびに/または最大許容可能レイテンシおよびジッタ(パケットを転送する際の遅延変動である)に関し(as far as)特定の需要を有する場合があり、これは時間およびロケーションの関数となり得る。例えば、セルラネットワークを用いてビデオをストリーミングすることを意図するビデオプロバイダは、様々なサービス品質(QoS)パラメータが満たされることを必要とする場合があり、これらの要件は、サービスパラメータ、時間およびロケーションの関数となり得る。
【0012】
従来、セルラネットワークオペレータは、セルラネットワークが大きな地理的領域にわたって満たすことを予期され得るQoSパラメータを定義することができる。しかしながら、そのようなQoSパラメータは、セルラネットワークが特定の目立たないロケーションにおいて何を実現することができるかに関して正確でない場合がある。セルラネットワークの能力は、セルラネットワークの展開されるリソースに依拠して、地理的ロケーションによって大きく変動する場合がある。セルラネットワークが、クライアントによって要求されるQoSパラメータをサポートすることができるか否かの要因は、セルラネットワークがアクセスされるロケーション、そのようなアクセスの時間帯、およびそのようなアクセスの曜日に依拠して大きく変動する場合がある。例えば、セルラネットワークは、日中と比較して夜間に、大幅に多くの帯域幅が利用可能である場合がある。この例において、セルラネットワークは、特定のロケーションにおいて夜間に特定のQoSパラメータを満たすことができる場合があるが、日中は、他のコミットメントおよびネットワーク制約に起因して満たすことができない場合がある。
【0013】
本明細書において詳述する実施形態は、クライアントが自身のUEにセルラネットワークにアクセスさせる条件を定義するセルラアクセスネットワーク条件パッケージをクライアントに提供することに焦点を当てる。セルラアクセスネットワーク条件パッケージは、UE数、UEのロケーション、特定のロケーションにおいて望ましい帯域幅の量、特定のロケーションにおいて許可されるレイテンシの量、QoSパラメータが満たされなくてはならない曜日、そのQoSパラメータが満たされなくてはならない時間帯等の要因を考慮に入れることができる。セルラアクセスネットワーク条件パッケージは、セルラネットワークのセルラコアネットワークおよび無線アクセスネットワーク(RAN)の過去の性能、現在の性能および予測性能を考慮に入れて構築することができる。例えば、特定のクライアントに専用とすることができる所与のロケーションにおける無線リソースの量を決定することができる。クライアントは、セルラアクセスネットワーク条件パッケージにアクセスすることを選択することができ、結果として、セルラネットワークが、クライアントのUEがセルラネットワークへのアクセスを有するために構成されることとなる。代替的に、これに応答して、クライアントは、セルラアクセスネットワーク条件パッケージを拒否することを選択するか、または変更された要件で新たな要求を提供してもよい。
【0014】
そのような実施形態および他の実施形態に関する更なる詳細が図面に関連して提供される。
図1は、階層型セルラネットワークシステム100(「システム100」)の実施形態である。セルラネットワークは、無線アクセスネットワーク(RAN)およびコアセルラネットワークを含むことができる。UE110は、様々なタイプの基地局またはアクセスポイントを用いてセルラネットワークと接続することができる。UEは以下のもの:携帯電話、スマートフォン、ビデオカメラ、オーディオストリーミングデバイス、ビデオストリーミングデバイス、モデム、センサデバイス、またはセルラネットワークと通信する任意の他の形態の無線デバイス、を含むことができる。UE110は、異なる地理的ロケーションにあってもよく、したがって、セルラネットワークのRANの異なるコンポーネントを用いてセルラネットワークと通信することができる。
【0015】
UE110-1およびUE110-2は、位置している場所に基づいて、RANコンポーネント120-1の一部または全てと通信することができる。RANコンポーネント120-1は、ローカルAP121-1と、小型BS122-1と、大型BS123-1(例えば、5G新無線(NR)セルラネットワークにおけるgNodeB)を含むことができる。ローカルAPは、住宅または建物内等の比較的小さな地理的領域にカバレッジを提供することができる。小型BS122-1は、中規模の地理的領域にわたるセルラネットワークアクセスを提供することができ、他の基地局よりも少ないUEのインスタンスを扱う容量を有することができる。例えば、小型BS122-1は、近隣環境内のアクセスを提供するために、都市環境に設置することができる。大型BS123-1は、高速道路沿い等の比較的大きな地理的領域に対し、または大きな近隣環境をカバーするために、セルラネットワークカバレッジを提供することができる。大型BS123-1は、小型BSよりも多くの数のUEのインスタンスを扱う容量を有することができる。
【0016】
特定のクライアントに関連付けられたUEは、予約された量の無線帯域幅を有することができる。したがって、階層型セルラネットワークシステム100の特定のセルでは、UEと基地局(および/またはアクセスポイント)との間に大量の無線トラフィックが存在しない場合であっても、特定のクライアントのための事前に合意されたQoSメトリックを満たすために、RANのワイヤレス無線リソースが予約される必要がある場合がある。
【0017】
ローカルAP121-1、小型BS122-1および大型BS123-1は、1つまたは複数の無線アクセス技術(RAT)に従って動作するセルラネットワークの一部とすることができる。例えば、セルラネットワークは、5G NR、4G LTE、3G、またはGSMベースのセルラネットワークとすることができる。セルラネットワークは、複数のRATに従って動作することができる。例えば、セルラネットワークは、ハイブリッド4Gおよび5Gネットワークとすることができる。
【0018】
ローカルAP121-1、小型BS122-1および大型BS123-1の各々は、エッジデータセンタ(EDC)と通信することができる。いくつかの実施形態では、RANの各コンポーネントまたはコンポーネントの各タイプについて専用EDCを用いることができる。例えば、EDC131-3は、大型BS123-1に専用とすることができる。他の実施形態において、EDC131-3は、地理的領域における複数の基地局をサービングすることができる。EDC131-2は、小型BS122-1に専用とすることができるか、または複数の基地局(例えば、僅かな数の基地局のみまたは異なるサイズの基地局の混合)をサービングすることができる。同様に、EDC13-1は、ローカルAP121-1またはローカルAPのグループに専用とすることができる。
【0019】
EDC130-1のグループは、セルラコアネットワークのインタフェースとしての役割を果たすことができ、RANのコンポーネントと通信することができる。EDC131-1、131-2および131-3は、セルラコアネットワーク内のデータのルーティングを行うことができる。例えば、大型BS123-1と通信するUEを対象としたEDC131-2によって受信されるデータは、EDC131-3に直接ルーティングすることができる。しかしながら、全てのEDC131が互いに直接通信するわけではない。例えば、EDC131-4は、EDC131-2と直接通信しない場合がある。したがって、EDC131-2がEDC131-3と通信するUEにデータをルーティングしている場合、データは、地域データセンタ(RDC)140-1を通じて等、セルラコアネットワークの別のデータセンタを介してルーティングされる必要がある場合がある。この例において、RDC140-1は、EDC131-2とEDC131-4との間でデータをルーティングする中間ノードとしての役割を果たす。
【0020】
RDC140-1等の各RDCは、主に、異なるデータセンタ間でデータをルーティングする役割を果たすことができる。RDC140-1は複数のEDCと通信することができる。データがRDC140-1と直接通信するEDC間でルーティングされる場合、セルラコアネットワークの階層の上位のコンポーネントは、データのルーティングに関与する必要がない場合がある。しかしながら、データがRDC140-1と直接通信していないEDCにルーティングされている場合、ルーティングを完了するためにセルラコアネットワークの階層の上位のコンポーネントが用いられる必要がある場合がある。
【0021】
国内データセンタ(NDC)150は、システム100のセルラネットワーク階層における最上位を表すことができる。NDC150は、セルラコアネットワークの全てのRDC140と通信することができる。そして、全てのRDC140がセルラネットワークのEDC131と通信することができる。そのような階層は、セルラネットワーク内の任意の場所のデータが他のデバイスにルーティングされることを可能にすることができる。EDC、RDCおよびNDCは、集合的に、コアセルラネットワークのノードと呼ぶことができる。
【0022】
図1に見てとることができるように、RANコンポーネント120-1の構成およびEDC130-1のグループは、他の地理的領域において複製することができる:UE110-3および110-4は、RANコンポーネント120-2(ローカルAP121-2、小型BS122-2、大型BS123-2)と通信し、RANコンポーネント120-2は、EDC130-2のグループと通信し;UE110-4および110-5はRANコンポーネント120-3(ローカルAP121-3、小型BS122-3、大型BS123-3)と通信し、RANコンポーネント120-3はEDC130-3のグループと通信し;UE110-7および110-8はRANコンポーネント120-4(ローカルAP121-4、小型BS122-4、大型BS123-4)と通信し、RANコンポーネント120-4はEDC130-4のグループと通信する。EDC130-2のグループ(EDC131-4、131-5および131-6を含む)はRDC140-1と通信する。EDC130-3のグループ(EDC131-7、131-8および131-9を含む)およびEDC130-4のグループ(EDC131-10、131-11および131-12を含む)はRDC140-2と通信する。RDC140-2はNDC150と通信する。
【0023】
システム100の例において、僅かな数のコンポーネントのみが示されている。例えば、UE110-3およびUE110-4が、RANコンポーネント120-2と通信しているものとして示されている。実際には、はるかに多くの数のUEがRANコンポーネント120-2を用いてセルラネットワークと通信することができる。同様に、RANコンポーネント120の各グループは、はるかに多くのローカルAP121、小型BS122および/または大型BS123を含むことができる。より少ないかまたはより多い数のEDC131が存在してもよい。コアセルラネットワークの階層内により少ないかまたはより多い数のレベルが存在する。例えば、セルラネットワークにおいて、より多くの数のEDCが存在する場合、NDCの下の階層において1つまたは複数の追加のレベルが存在する場合がある。
【0024】
システム100において、階層は、RANコンポーネント120の各グルーピングがローカルAP、小型BSおよび大型BSを含むという点で対称である。RANコンポーネントの各々はEDCと通信し、EDCの各グループはRDCと通信し、RDCはNDCと通信する。そのような構成は、所与のエリアにおけるUEの密度の変動、所与のエリアにおけるUEによるアップリンクおよびダウンリンクトラフィックの量の変動、地理的変動、時間的使用傾向、UEが集まる傾向にある場所、クラウドサービスプロバイダとの接続、および帯域幅の利用可能性に起因して、現実世界において実施される可能性が低い。
図2は、存在する場合がある現実世界のセルラネットワーク階層をより表す、より複雑な階層型セルラネットワークの実施形態である。
【0025】
システム200において、セルラネットワーク内のコンポーネントの変動が存在する場合がある。システム100に関して説明したように、UE110-1およびUE110-2は、RANコンポーネント120-1と通信することができる。しかしながら、システム200において、2つのEDCのみがEDC130-1のグループ内に存在する場合があり、グループEDC130-1の各EDCは、互いに直接通信することができない場合がある。EDC130-1のグループの各EDCは、RDC140-1と通信することができる。
【0026】
RDC140-1およびNDC150等の様々なコンポーネントは、クラウドサービスプロバイダ(CSP)240と通信することができる。CSPは、様々なエンティティによって用いることができるストレージおよび処理機能を提供する第三者サービスプロバイダを表すことができる。例えば、システム200上で多岐にわたるUEを動作させることができるクライアントは、クラウドサービスプロバイダ240-1またはCSP240-2のどちらかによってホスティングされるストレージおよび処理機能を有することができる。更にまたは代替的に、エンティティは、エンティティに専用のストレージおよび処理機能を有するプライベートサーバシステム250等のプライベートサーバシステムを動作させることができる。CSP240およびプライベートサーバシステム250は、セルラコアネットワークの特定のコンポーネントとの専用帯域幅のみを有することができる。例えば、クラウドサービスプロバイダ240-1は、RDC140-1との専用帯域幅を有する。したがって、例えば、UE210-6がCSP240-1からのデータを要求する場合、要求は、場合によっては、RDC140-2、NDC150およびRDC140-1、またはRDC140-2およびRDC140-1を通じてルーティングされる。
【0027】
システム200において、全ての無線通信が地上波ではない場合がある。むしろ、UE210-1は、低地球軌道(LEO)、中地球軌道(MEO)または地球同期地球軌道(GEO)衛星215を介して通信する衛星モデムまたは衛星電話である場合がある。衛星215は、UE210-1および衛星ゲートウェイ217との間の通信を中継することができる。衛星ゲートウェイ217は、EDC231-1を含むか、またはEDC231-1と通信することができる。システム100の階層からの可能性のある逸脱として、EDC231-1がRDCと通信するのではなく、EDC231-1がNDC150と直接通信する場合がある。したがって、例えば、データがUE210-1によってUE110-1にルーティングされる場合、EDC231-1は、データを、NDC150を通じてRDC140-1に、そしてEDC131-2にルーティングすることができる。
【0028】
システム200において、RANコンポーネントの全てのグループが同じ機器を含むわけではない。例えば、RANコンポーネント220-1のグループは、全てEDC231-1によってサービス提供される、3つの大型BS223-1、223-2および223-3を含む。
図2の例において、RANコンポーネント220-2のグループと通信する大量のUE(UE210-4、UE210-5、UE210-6、およびUE210-7によって表される)が存在する。2つの小型基地局222-1および222-3ならびに単一の大型BS123-4を含むRANコンポーネント220-2は、EDC230-1のグループの2つのEDC231-3および231-4によってサービス提供される。EDC230-1のグループは、CSP240-2と通信する専用帯域幅を有する。したがって、EDCと通信するRANコンポーネントの数およびタイプが変動する場合があることが理解されるべきである。更に、EDCが通信するセルラコアネットワークのコンポーネントも変動する可能性がある。
【0029】
セルラコアネットワークのコンポーネント間で利用可能な帯域幅の量は、或る特定の性能メトリックを実現することができるように調整することができる。例えば、UE210-2および210-3は、或る特定の最小サービス品質(QoS)メトリック(例えば、レイテンシ、ジッタ、パケット損失、帯域幅等)が、プライベートサーバシステム250等の何らかのリモートシステムとの通信について満たされることを要求する場合がある。QoSメトリックを満たすために、EDC231-2とRDC140-2との間で追加の専用帯域幅244を確立することができ、RDC140-2とNDC150との間で専用帯域幅241を確立することができる。
【0030】
セルラコアネットワークの階層内の専用帯域幅は、特定のQoSメトリックを実現するのに役立つように、コンポーネント間で確立することができる。例えば、RDC140-1およびRDC140-2は、EDC231-1およびEDC231-3がCSP240-1にアクセスするための帯域幅の増大ならびにレイテンシの低減等のために、それらの間に直接専用帯域幅を有することができる。
【0031】
システム200は、スマートルーティングに対応可能である場合があり、これを用いて利用可能でない接続を補償することができる。例えば、RDC140-2は、通常、CSP240-2への専用帯域幅242を有することができるが、専用帯域幅242は、実行されている問題またはメンテナンスに起因して利用可能でない場合がある。RDC140-2とCSP240-2との間で直接ルーティングされるデータは、代わりに、NDC150を介してルーティングすることができる。
【0032】
システム200において、RANコンポーネント120とUE110との間の帯域幅の量は、様々なクライアントの帯域幅QoSパラメータに基づいて割り当てることができる。したがって、所与のロケーションにおいて、特定のクライアントが利用可能な無線リソースブロックの予約された「スライス」を有するこができる。クライアントのUEが自身の予約した帯域幅を用いていない場合、この帯域幅を用いて他のクライアントのUEにサービス提供することができる。また、全てのクライアントが同時に帯域幅の最大許容量を要求するわけではないことを前提に、帯域幅をオーバーブッキングすることも可能である場合がある。所与のロケーションにおいて予約されていない無線帯域幅の量を、任意の新たなエンティティにサービスを提供するか否か、およびどの条件下で提供するかの考慮に入れることができる。
【0033】
UE、BS、EDC、RDC、NDC、CSP、およびシステム200のプライベートサーバシステムの数および配置は例にすぎない。更に、そのようなコンポーネント間の接続は、そのようなネットワークをどのように配置することができるかの例にすぎない。大きな地理的領域にわたって展開された現実世界のセルラネットワークは、大幅に複雑であり、より多くの数のコンポーネントを含むこととなる。
【0034】
図3は、セルラネットワークシステム300のコアネットワーク内で動作するセルラネットワーク管理システムの実施形態である。セルラネットワークシステム300は、セルラネットワーク管理システム(CNMS)301を加えたシステム200の実施形態を表すことができる。
【0035】
CNMS301は、セルラコアネットワークの様々なコンポーネントから性能データを取得するサーバシステムを用いて実施することができる。CNMS301は、セルラコアネットワークの全てのEDC、RDCおよびNDCにステータスデータ(タイムスタンプを付すことができる)を要求することができるかまたはそこから自動的に受信することができる。より多くの数のコンポーネント層がセルラネットワークのコアネットワーク内に存在する場合、CNMS301は、そのようなコンポーネントからもステータスデータを受信する。CNMS301によって受信されるステータスデータは、サービス提供されているUEの数、用いられる帯域幅の量、利用可能な帯域幅の量、パケット損失、レイテンシ、コアネットワークのコンポーネント間のジッタ、およびコアネットワーク内で利用可能な接続を含むことができる。EDCからのCNMS301は、RANコンポーネントに関する性能データを受信することができる。例えば、CNMS301は、EDCから、利用可能な無線リソース、無線帯域幅、無線性能メトリック、およびBSまたはローカルAPとアクティブに通信しているUEの数を示すステータスデータを受信することができる。
【0036】
CNMS301は、複数の目的でそのようなステータスデータを収集することができる。第1に、ステータスデータを用いて、セルラコアネットワークおよびRANの現在のエンドツーエンド性能、ならびにセルラコアネットワークおよびRANの能力のモデルを作成することができる。第2に、ステータスデータを用いて、経時的なセルラネットワークの使用モデルを作成することができる。例えば、セルラコアネットワークおよびRANの様々な部分が、或る特定の時間帯、または或る特定のイベント(例えば、結果として多数のUEがスタジアム等のロケーションに存在することになるスポーツイベント)中に高度に利用される場合がある。
【0037】
いくつかの実施形態では、セルラネットワークの各コンポーネントは、周期的にまたは時折ステータスデータをCNMS301に送信する。他の実施形態において、CNMS301は、セルラネットワークの各コンポーネントにクエリを送信し、それに応じてステータスデータを受信する。更に他の実施形態において、クエリと、周期的または間欠的報告との混合が用いられる。更にまたは代替的に、RANコンポーネント120は、使用量データをCNMS301に送信することができる。RANコンポーネント120は、UEと、データを送信しているRANコンポーネントとの間で用いられているおよび/または利用可能な無線リソースを示すデータを送信することができる。したがって、例えば、大型BS223-1は、無線リソースの使用量を示す性能データを性能データ302としてCNMS301に送信することができる。例えば、そのような性能データは、RANにおける利用可能なリソースブロック(リソースブロックは複数のOFDM信号を送信することができるサブキャリア周波数上の定義されたタイムスロットである)の数またはパーセンテージを示すことができる。実施形態に依拠して、RANコンポーネントは、EDC231-2を介する等、セルラネットワークシステム300を介してCMMS301にそのような性能データを中継することができる。他の実施形態において、大型BS223-1のgNodeB等のRANコンポーネントは、CNMS301に性能データを直接送信することができる。
【0038】
クライアントシステム310は、クライアントが、インターネット315等のネットワークを介してCNMS301にサービス要求を送信することを可能にする1つまたは複数のサーバシステムを含むことができる。CNMS301は、セルラネットワークアクセス条件パッケージを用いてクライアントシステム310に応答することができる。多くのクライアントシステムがインターネット315および/または他のネットワークを介してCNMS301と通信することができることを理解されたい。
【0039】
図4は、セルラネットワーク管理システム400(「CNMS400」)の実施形態である。CNMS400は、
図3のCNMS301の実施形態を表すことができる。CNMS400は、セルラネットワークデータ収集インタフェース405(「インタフェース405」)、セルラネットワークモデル作成器410(「モデル作成器410」)、ネットワークイベントリDB412、ネットワーク使用ポリシDB414、セルラネットワークモデル415、サービス要求処理エンジン420、アクセス条件DB422、外部クライアント(またはエンティティ)インタフェース425、およびセルラネットワークプロビジョニングインタフェース430を含むことができる。CNMS400は、1つまたは複数の非一時的プロセッサ可読媒体および1つまたは複数のプロセッサを含む1つまたは複数のコンピュータサーバシステムを用いて実施することができる。CNMS400の様々なコンポーネントを、専用または汎用プロセッサを用いて実施することができる。そのような専用プロセッサは、本明細書において詳述した機能を実行するように特に設計されたプロセッサを含むことができる。そのような専用プロセッサは、本明細書に詳述する機能を実行するように物理的および電気的に構成された汎用コンポーネントであるASICまたはFPGAとすることができる。そのような汎用プロセッサは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ(HDD)、またはソリッドステートドライブ(SSD)等の1つまたは複数の非一時的プロセッサ可読媒体を用いて記憶された専用ソフトウェアを実行することができる。
【0040】
インタフェース405は、セルラコアネットワークの各コンポーネントはおよびセルラネットワークのRANコンポーネントからステータスデータを受信することができる。インタフェース405は、そのようなデータのためのセルラコアネットワークコンポーネントにクエリすることができるか、またはそのようなデータを周期的にもしくは間欠的に受信することができる。ステータスデータ(性能データを含むことができる)を受信すると、これをセルラネットワークモデル作成器410に渡すことができる。インタフェース405は、このデータをモデル作成器410に渡すことができ、モデル作成器は、或る期間(例えば、数秒、数分、数時間等)にわたってステータス/性能データを収集することができ、用いられる利用可能な容量、パケット損失、レイテンシ、ノード間のジッタ、用いられる利用可能な帯域幅、BSおよびAPあたりの用いられる利用可能な無線リソース(例えば、リソースブロック)等を含む、セルラネットワークの現在の特性を表すデータセットを作成することができる。経時的に、セルラネットワークモデル作成器410は、様々な時間帯、曜日、月等にわたるセルラネットワークの性能を表すセルラネットワークモデル415を作成することができる。
【0041】
セルラネットワークモデル作成器410は、ネットワークイベントリデータベース412と通信することができる。ネットワークイベントリデータベース412は、RANおよびセルラコアネットワークのコンポーネントのタイプを示すデータを記憶することができる。ネットワークイベントリデータベース412は、コアセルラネットワークのいずれのノードが互いに直接通信することができるかのマップも含むことができる。ネットワークイベントリデータベース412は、コアセルラネットワークの特定のノード間で利用可能な最大帯域幅、および特定のRANコンポーネントにおいて利用可能な無線リソース合計も示すことができる。
【0042】
ネットワーク使用ポリシDB414は、セルラネットワーク(またはセルラネットワークの様々な部分)がどのように利用を許可されるかを定義することができる。例えば、無線リソースは、或るパーセンテージオーバーブッキングされることを許可される場合がある。無線リソースのオーバーブッキングは、セルラネットワークが送達可能であるよりも多くの帯域幅の合計量を、セルラネットワークの異なる期間において所与の領域におけるクライアントに割り当てることを含むことができる。この配置は、全てのクライアントが任意の所与の時点にクライアントの帯域幅の最大量を利用している可能性が低いという原則に基づいている。利用可能な帯域幅の量をオーバーブッキングすることによって、そのロケーションおよび時点におけるセルラネットワークの帯域幅の合計量を、より効率的に用いることができる。オーバーブッキングのパーセンテージが高くなるほど、オーバーブッキングの結果としてクライアントが帯域幅の最大量を実現することができなくなる可能性が高くなる。ネットワーク使用ポリシDB414は、セルラネットワークの様々な部分が定員超えが許容される最大パーセンテージ(存在する場合)を定義することができる。
【0043】
セルラネットワークモデル作成器410は、セルラネットワークデータ収集インタフェース405、ネットワークイベントリデータベース412、およびネットワーク使用ポリシDB414から受信したデータを用いてセルラネットワークモデル415を作成することができる。セルラネットワークモデル415は、過去データに基づいた、未来に様々なロケーションにおいてセルラネットワークがどのように利用されるかの予測と共に、無線リソースのものを含むセルラネットワークの全ての部分の現在の性能および使用量の正確なスナップショットを提示することができる。例えば、セルラネットワークモデル415を用いて、未来の平日、平日の夜、週末の夜、週末、特別なイベント(例えば、スポーツイベント)等についてセルラネットワークの様々な部分の可能性の高い使用量を推定することができる。
【0044】
セルラネットワークモデル作成器410は、予測をセルラネットワークモデル415に組み込むこともできる。例えば、過去の情報は、到来する特定の日の特定のロケーションが、セルラネットワークの特定の部分において大量のトラフィックを有することを示さない場合があるが、管理者によって入力されるかまたはシステムによって決定される予測データ等の予測データを用いてセルラネットワークモデル415を調整することができる。この例として、近く予定されたフェスティバル(そのロケーションにおける過去の類似のイベントがない)、スポーツイベントスケジュール、または他の形態の特殊イベントが、特定のロケーションにおけるセルラネットワーク使用量における大幅な増大を引き起こすことが予想される場合がある。いくつかの実施形態では、セルラネットワークモデル作成器410は、スポーツチームスケジュール、地域の市民イベント、休日、フェスティバル等に関する情報へのアクセスを有することができる。
【0045】
セルラネットワークモデル415は、(ネットワークイベントリDB412からの)実際のセルラネットワークイベントリのインジケーションと組み合わせてロケーションにわたる過去のおよび現在のセルラネットワーク性能を用いるため、セルラネットワークモデル415を用いて、ほぼ最大容量の、最大容量未満の、最大容量の、または最大容量を超えたセルラネットワークの部分を決定することができる。最大容量を上回るか、下回るか、または最大容量のセルラネットワークの部分は、ロケーション、時間および日付によって大きく変動する場合がある。
【0046】
理想的には、セルラネットワークのオペレータは、セルラネットワークの全体使用量を増大させ、最大容量の、または最大容量を超えたセルラネットワークの部分の使用量を低減することを望む場合がある。したがって、クライアントがセルラネットワークにUEを加えることを望む場合、セルラネットワークのオペレータは、セルラネットワークが大きな利用可能な容量を有するロケーションおよび/または時点においてセルラネットワークを用いることをクライアントに奨励するように試行することができる。セルラネットワークオペレータは、クライアントの要求のロケーション、時間および/または日付について利用可能なネットワーク容量の量に基づいてクライアントに提案される価格を調整することによってそのような奨励を行うことができる。
【0047】
外部クライアントインタフェース425は、クライアントから、1つまたは複数のUEを用いてセルラネットワークにアクセスする要求を受信する役割を果たすことができる。クライアントは、インターネットを介して等、サービス要求を外部クライアントインタフェース425に提出することができる。サービス要求は、セルラネットワークが満たすことを要求される様々なパラメータ、およびUEに関する情報を含むことができる。パラメータは、UEの数、UEのロケーション、(特定のサーバシステムに対し)ロケーションによって要求される(UEあたりのまたは合計の)最大帯域幅、(特定のサーバシステムに対する)ロケーションによる(UEあたりのまたは平均の)最大レイテンシ、帯域幅、パケット損失、レイテンシおよびジッタのQoSパラメータが満たされなくてはならない日付および時刻、サービスが有効になる日付および/または時刻(またはサービスが有効になる日付/時刻の範囲)を含むことができる。
【0048】
外部クライアントインタフェースは、受信したパラメータをサービス要求処理エンジン420に渡すことができる。サービス要求処理エンジン420は、以下のこと、1)ネットワークがクライアントによって提出されるQoSパラメータを満たすことが可能であるか否か、および、2)いずれの条件下でセルラネットワークへのアクセスが許可されるべきか、を決定することができる。サービス要求処理エンジン420は、セルラネットワークモデル415にアクセスし、現在のセルラネットワークリソースがサービス要求を満たすのに十分であるか否かを判断することができる。現在のセルラネットワークリソースが十分でない場合、サービスがいつ有効になるかに依拠して、サービス要求処理エンジン420は、(例えば、帯域幅、ノード間の接続等を加えることによって)サービスが有効になる前にセルラネットワークを変更することが可能であるか否かを判断することができる。
【0049】
サービス要求処理エンジン420は、ネットワーク使用ポリシDB414にアクセスして、セルラネットワークに対しどのような変更または修正を、どの程度迅速に行うことができるかを決定することができる。例えば、セルラコアネットワークのノード間で更なる帯域幅を購入するかまたは他の形で取得する等のいくつかの変更はほぼ瞬時に行うことが可能であり得る。UEの数、またはBSとUEとの間の帯域幅の量の増大等の他の変更は、RANに対する物理的なアップグレードを必要とする場合があり、実施に数日、数週間、または更には数カ月かかる場合がある。更に、いくつかの状況において、アップグレードは可能でない場合がある。ネットワーク使用ポリシDB414は、いずれの接続およびコンポーネントがアップグレードされるのに有効であるかのインジケーション、およびそのようなアップグレードを行うのに必要な時間を記憶することができる。サービス要求処理エンジン420によってサービス要求を解析する際、ネットワーク使用ポリシDB414からのそのようなデータを用いて、サービス要求を満たすことができるか否か、および/またはサービス要求に応答してクライアントに提供されるアクセス条件を決定することができる。
【0050】
サービス要求処理エンジン420は、アクセス条件DB422と更に通信することができる。アクセス条件DB422は、サービス要求処理エンジン420が外部クライアントインタフェース425を介して受信したサービス要求にどのように応答することになるかを決定するのに用いられる規則およびポリシを含むことができる。アクセス条件DB422を用いて、サービス要求に応答してクライアントに提供されることになる価格を決定することができる。サービス要求処理エンジン420は、セルラネットワークモデル415およびネットワーク使用ポリシDB414を解析することによって、以下のこと、1)セルラネットワークが、サービス要求を扱うための現在の容量を有しているか否か、またはセルラネットワークへの変更が必要であるか否か、および、2)サービス要求が、低需要、中需要または高需要のセルラネットワークリソースの使用を要求しているか否か、を決定することができる。規則およびポリシならびにアクセス条件DB422を、サービス要求処理エンジン420によって行われる決定と組み合わせて用いて、サービス要求を満たすための提示価格を決定することができる。提示価格は、限定ではないが、需要、既存のおよび予測されるネットワーク状態、ロケーション、時間、機会コスト、限界コスト、平均コスト、および各サービス要求における投資に対する予期されるリターンの関数である。
【0051】
サービス要求処理エンジン420は、セルラネットワークアクセス条件パッケージと呼ばれるサービス要求への応答を送信することができる。セルラネットワークアクセス条件パッケージは、セルラネットワークシステムがサービス要求を満たすことができるか否かを示すことができる。セルラネットワークアクセス条件パッケージは、サービス要求が満たされるための、セルラネットワークオペレータに起因するコストを更に含むことができる。セルラネットワークアクセス条件パッケージは、サービスプロバイダに、セルラネットワークアクセス条件パッケージを受理または拒否する選択肢を提供することができる。受理された場合、サービス要求処理エンジン420は、セルラネットワークアクセス条件パッケージに対するクライアントの同意を示す応答を受信することができる。この肯定応答は、サービス要求処理エンジン420がサービス要求を満たすためにセルラネットワークを構成することをトリガすることができる。セルラネットワークを構成するためにセルラネットワークプロビジョニングインタフェース430を用いることができる。これは、クライアントのUEの識別子を、セルラネットワークの関連コンポーネントに提供することを含むことができる。セルラネットワークプロビジョニングインタフェース430を用いて、サービス要求を満たすためにセルラネットワークに対し行われる必要があるアップグレードまたは変更を通信することもできる。いくつかの実施形態では、ノード間の追加の帯域幅の取得等のセルラネットワークに対する変更を、セルラネットワークプロビジョニングインタフェース430によって直接行うことができる。更にまたは代替的に、サービス要求を満たすために実行される必要があるセルラネットワークに対する手動アップグレードを示すメッセージを管理者に送信することができる。
【0052】
サービス要求処理エンジン420が、価格についてサービス要求を満たすことができることを示す、サービス要求に対する応答を提供することに加えて、またはその代わりに、サービス要求に対し様々な変更を示すことができる。そのような変更は、サービス要求が満たされることを可能にすることができるか、またはサービス要求が他の場合と異なる(例えば、より低い)価格で満たされることを可能にすることができる。したがって、セルラネットワークアクセス条件パッケージは、クライアントによって選択することができる様々な選択肢を含むことができる。例として、サービス要求において、クライアントは、特定のQoSパラメータが午後1時~午後5時の間に満たされることを要求した場合がある。応答において提供されるセルラネットワークアクセス条件パッケージは、特定のQoSパラメータを含む、サービス要求を満たすための第1の価格を示すことができる。セルラネットワークアクセス条件パッケージは、サービス要求を満たすが、QoSパラメータが午後3時~午後7時(例えば、セルラネットワークトラフィックがより少ないとき)に満たされることを示す、場合によってはより低い第2の価格も含むことができる。クライアントによってセルラネットワークアクセス条件パッケージに提供される応答に依拠して、サービス要求処理エンジン420は、セルラネットワークプロビジョニングインタフェース430を介して、セルラネットワークを適切に構成することができる。
【0053】
クライアントが選択する1つまたは複数の選択肢を含むセルラネットワークアクセス条件パッケージを提供することに加えて、またはその代わりに、1つまたは複数のオプションを含めることができる。オプションは、クライアントによって取得される場合、クライアントが、最大で未来の或る特定の時間にわたって、定められた固定の価格でセルラサービスを取得する(セルラネットワークアクセス条件パッケージの一部として応答において提供されるサービス要求またはサービス要求の変更されたバージョンによって指定される)ことを可能にすることができる。したがって、クライアントが、セルラネットワークアクセスが未来の或る時点においてクライアントによって必要とされるか否か確実でない場合、クライアントは、サービス要求のオプションを購入することを決定することができる。未来の或る特定の時点まで、クライアントは、関連付けられた固定の価格のオプションを行使することができるか、またはオプションを失効させることができる。クライアントがオプションを行使することを決めるか、またはオプションを失効させるかにかかわらず、サービス要求処理エンジン420を介してセルラサービスプロバイダからオプションを取得するためには、料金が支払われる必要がある場合がある。サービス要求処理エンジン420は、サービス要求、セルラネットワークモデル415、ネットワーク使用ポリシDB414、およびアクセス条件DB422からのデータを用いて、オプションがどのように価格設定されるべきかを決定することができる。オプションを行使することができる異なる期間を有する、オプションの複数のバージョンが提示されてもよい。
【0054】
図1~
図4に関連して詳述したセルラネットワークシステムおよびCNMSの様々な実施形態を用いて様々な方法を実行することができる。
図5は、セルラネットワークスライシングを管理するための方法500の実施形態である。方法500は、
図1および
図2に関連して詳述したようなシステム(ただし、その階層における変動を有する可能性が高い)、ならびに
図3および
図4に関連して詳述したようなCNMSを用いて実行することができる。CNMSは、セルラネットワークシステムの一部として機能することができるか、またはセルラネットワークと通信することができる(例えば、CNMSは、セルラネットワークの外側で機能することができるが、セルラネットワークに関するデータを受信する場合がある)。
【0055】
ブロック510において、いくつかまたは全てのコアセルラネットワークノードおよびRANコンポーネントから性能データを取得することができる。性能データは、セルラネットワークの全体を監視するCNMSによって受信することができる。性能データは、特定のセルラネットワークコンポーネントが現在どのように実行されているかを示すことができる。性能データは、セルラネットワークの他のノードに対し現在受けているレイテンシおよびジッタ、現在接続されているUEの数、パケット損失、利用されている総帯域幅の量またはパーセンテージ、総利用可能帯域幅、用いられている無線リソースブロックの数または割合等のデータを示すことができる。
【0056】
ブロック520において、受信した性能データに基づいてセルラネットワークモデルを作成または更新することができる。セルラネットワークモデルは、経時的なセルラネットワークの負荷および容量を反映することができる。ブロック510において経時的に受信した過去の性能データに基づいて、個々のセルラネットワークコンポーネントの性能を経時的にモデル化することができる。したがって、特定の時間帯、曜日等について、個々のネットワークコンポーネントの性能をモデル化することができる。ブロック520において作成されたモデルを用いて、異なる時点にセルラネットワークの様々な部分に存在する負荷、およびいずれのリソースが利用可能である見込みがあるかまたは用いられるかを予測することができる。
【0057】
ブロック530において、サービス要求をCNMSによってクライアントから受信することができる。クライアントは、いくつかの数のUEについてセルラネットワークへのアクセスの取得を望む、セルラネットワークのオペレータと別個のエンティティとすることができる。サービス要求は、サービスが所望されているUEのインジケーション、サービスがUEに提供されるロケーション、満たされることが必要とされている1つまたは複数のQoSパラメータ、QoSパラメータが満たされた状態でサービスが要求される1つまたは複数の期間、サービスが開始するとき等のデータを含むことができる。表1は、クライアントによって送信することができるサービス要求の例を表す。
【表1】
【0058】
ブロック540において、ブロック530において受信したサービス要求を、ブロック520において作成したセルラネットワークモデルと組み合わせて解析することができる。更にまたは代替的に、サービス要求は、様々なネットワーク使用ポリシおよびアクセス条件と組み合わせて解析することができる。ネットワーク使用ポリシは、許可されるオーバーサブスクリプションの量等、サービスを満たすためにネットワークをどのように利用することができるかを指定することができる。アクセス条件は、以下のこと、1)セルラネットワークがサービス要求を満たすことができるか否か、および、2)セルラネットワークモデルから取得したデータに少なくとも部分的に基づいて、どのようにサービス要求が価格設定されるべきか、を決定するのに用いられる様々な規則およびポリシを含むことができる。したがって、価格設定は、サービス要求を満たすために用いられるセルラネットワークの部分の実行および利用に少なくとも部分的に依拠する。
【0059】
ブロック550において、セルラネットワークアクセス条件パッケージを作成することができる。セルラネットワークアクセス条件パッケージは、サービス要求を満たすことができるか否かを示すことができ、ブロック530において受信した元のサービス要求からの逸脱を含む、クライアントが評価するための1つまたは複数の選択肢を含むことができる。セルラネットワークアクセス条件パッケージは、サービス要求をそのまま満たすことができるか否かのインジケーションおよび価格を含むことができる。表2は、1つの代替形態を含むセルラネットワークアクセス条件パッケージの例を提供する。
【表2】
【0060】
表2の例は、複数の変更されたQoSパラメータを有する1つのみの代替形態を示すが、より少ない数の変更されたQoSパラメータを有する更なるまたは異なる代替形態が提示されてもよいことを理解すべきである。
【0061】
ブロック570において、セルラネットワークアクセス条件パッケージを受理する応答が受信されたか否かの判断を行うことができる。セルラネットワークアクセス条件パッケージにおいて複数の選択肢が提供された場合、ブロック570において受信および解析される応答は、クライアントが受理した選択肢を示すことができる。ブロック570は、クライアントによって特定のアカウントまたは他のロケーションに提出される支払いを含むことができる。代替的に、ブロック570において、セルラネットワークアクセス条件パッケージにおいて提示される全ての選択肢を拒否する応答が受信される場合、ブロック595においてアクションは行われない場合がある。したがって、クライアントのUEは、セルラネットワークアクセス条件パッケージにおいて提示される代替形態のうちの任意のものに従ってセルラネットワークにアクセスすることが可能でない場合がある。
【0062】
ブロック570において受理が受信された場合、方法500は、受理されたセルラネットワークアクセス条件パッケージに従ってアクセスを許可するためにセルラネットワークの1つまたは複数のコンポーネントが構成されるブロック580に進むことができる。ブロック580は、セルラネットワークアクセス条件パッケージに従ってクライアントのUEがセルラネットワークにアクセスすることを可能にするプロビジョニングプロセスまたは何らかの他の形態の構成を実行することを含むことができる。したがって、クライアントによって受理されたセルラネットワークアクセス条件パッケージが、クライアントによって提供される初期サービス要求にマッチする場合、クライアントのUEは、元のサービス要求の項目に従ってセルラネットワークへのアクセスを受信することができる。ブロック590において、受理されたセルラネットワークアクセス条件パッケージに従って、データサービス等のセルラネットワークサービスをクライアントのUEに提供することができる。
【0063】
図6は、セルラネットワーク容量を予約するためのオプションを用いてセルラネットワークスライシングを管理するための方法600の実施形態である。方法600は、
図1および
図2に関連して詳述したようなシステム(ただし、その階層における変動を有する可能性が高い)、ならびに
図3および
図4に関連して詳述したようなCNMSを用いて実行することができる。CNMSは、セルラネットワークシステムの一部として機能することができるか、またはセルラネットワークと通信することができる(例えば、CNMSは、セルラネットワークの外側で機能する場合があるが、セルラネットワークに関するデータを受信する場合がある)。方法600は、方法500または類似の方法の一部として実行することができる。
【0064】
ブロック550において作成されたセルラネットワークアクセス条件パッケージの一部としてまたはこれと別個に、ブロック650において1つまたは複数のオプションを作成することができる。オプションは、サービス要求の一部としてクライアントによって特に要求される場合にのみ作成することができる。オプションは、セルラネットワークモデルからのデータと組み合わせてアクセス条件DBからの1つまたは複数の規則またはポリシを用いてサービス要求処理エンジンによって作成することができる。いくつかの実施形態では、サービス要求の一部として、クライアントは、クライアントがオプションの見積もりを所望する期間を示すことができる。サービスプロバイダによって提示されるオプションは、少なくとも部分的に、サービス要求の一部として示される持続時間に基づくことができる。オプションの例として、表3は、選択肢ごとに2つのオプションを含む表2のセルラネットワークアクセス条件パッケージを示す。
【表3】
【0065】
ブロック660において、セルラネットワークアクセス条件パッケージ(利用可能な1つまたは複数のオプションを含む)をクライアントに提供することができる。
【0066】
ブロック670において、セルラネットワークアクセス条件パッケージに含まれるオプションのうちの1つが受理されたか否かを判断するために解析することができる応答を受信することができる。「はい」の場合、セルラネットワークアクセス条件パッケージにおいて示されるサービスを実現するのに必要なネットワーク容量の全てまたは或る割合をブロック692において予約することができる。ネットワーク容量の予約は、セルラネットワークアクセス条件パッケージがアクティブであると定義されるときに十分なネットワーク容量が利用可能であることを確実にすることを含むことができる。他のクライアントまたは同じクライアントに提供される他のセルラネットワークアクセス条件パッケージは、これらのネットワーク容量が予約されたことを考慮に入れることができる。したがって、ブロック692において実行されるネットワーク容量の予約に起因して、他のサービス要求が拒否される必要がある場合があるか、またはより高い価格においてのみ利用可能である場合がある。
【0067】
ブロック695において、オプションによって指定された期間内で、オプションが行使されていることを示す応答を受信することができる。これは、クライアントが、セルラネットワークサービスプロバイダによって提示されるセルラネットワークアクセス条件パッケージの一部として以前に提供された価格を支払うことに合意することを含むことができる。次に、方法600はブロック680に進むことができる。応答がオプションによって指定される期間内に受信されない場合、オプションは失効することができ、以前に予約されたネットワーク容量は、もはや予約されず、他のクライアントに利用可能となることができる。
【0068】
ブロック670が受理されているオプションを含まない場合、方法600はブロック675に進むことができる。ブロック675において、セルラネットワークアクセス条件パッケージを受理する応答が受信されたか否かの判断を行うことができる。セルラネットワークアクセス条件パッケージにおいて複数の代替形態が提供された場合、ブロック670において受信および解析される応答は、クライアントが受理した選択肢を示すことができる。ブロック675は、クライアントによって特定のアカウントまたは他のロケーションに提出される支払いを含むことができる。代替的に、ブロック675において、セルラネットワークアクセス条件パッケージにおいて提示される選択肢の全てを拒否する応答が受信される場合、ブロック697においてアクションは行われない場合がある。したがって、クライアントのUEは、セルラネットワークアクセス条件パッケージにおいて提示される代替形態のうちの任意のものに従ってセルラネットワークにアクセスすることが可能でない場合がある。
【0069】
ブロック670において受理が受信される場合、方法600は、受理されたセルラネットワークアクセス条件パッケージに従ってアクセスを許可するためにセルラネットワークの1つまたは複数のコンポーネントが構成されるブロック680に進むことができる。ブロック680は、セルラネットワークアクセス条件パッケージに従ってクライアントのUEがセルラネットワークにアクセスすることを可能にするプロビジョニングプロセスまたは何らかの他の形態の構成を実行することを含むことができる。したがって、クライアントによって受理されたセルラネットワークアクセス条件パッケージが、クライアントによって提供される初期サービス要求にマッチする場合、クライアントのUEは、元のサービス要求の項目に従ってセルラネットワークへのアクセスを受信することができる。ブロック690において、受理されたセルラネットワークアクセス条件パッケージに従って、データサービス等のセルラネットワークサービスをクライアントのUEに提供することができる。
【0070】
図7は、セルラネットワーク容量を予約するクライアント側の管理のための方法の実施形態である。方法700は、
図1および
図2に関連して詳述したようなシステム(ただし、その階層における変動を有する可能性が高い)、ならびに
図3および
図4に関連して詳述したようなCNMSを用いて実行することができる。方法700は、更に、CNMSの外部クライアントインタフェースと通信しているクライアントのシステムによって少なくとも部分的に実行することができる。例えば、方法700のブロックはクライアントシステム310を用いて実行することができる。CNMSは、セルラネットワークシステムの一部として機能することができるか、またはセルラネットワークと通信することができる(例えば、CNMSは、セルラネットワークの外側で機能する場合があるが、セルラネットワークに関するデータを受信する場合がある)。方法700は、方法500または類似の方法の一部として実行することができる。
【0071】
ブロック710において、クライアントシステムを用いてサービス要求を作成することができる。サービス要求は、クライアントの管理者によって以前に作成された規則およびポリシに基づいてクライアントシステムによって作成することができる。したがって、サービス要求は、管理者の介入なしで作成することができる。例えば、クライアントシステムが、追加の無線機能が必要とされていると判断するとき、以前に確立された規則およびポリシに基づいてサービス要求を自動的に作成することができる。ブロック710において作成されるサービス要求は、表1の例示的なサービス要求に類似することができる。ブロック710の一部として、サービス要求は、評価のためにセルラネットワークサービスプロバイダに送信することもできる。
【0072】
送信されたサービス要求に応答して、ブロック720におけるセルラネットワークサービスプロバイダからの応答においてセルラネットワークアクセス条件パッケージを受信することができる。セルラネットワークアクセス条件パッケージは、方法500に従って、CNMSを用いて作成することができる。セルラネットワークアクセス条件パッケージに応答して、サービス要求の要件を変更することができる。例えば、セルラネットワークアクセス条件パッケージのクライアントシステムによる評価時に、セルラネットワークアクセス条件パッケージの1つまたは複数のパラメータが受容不可能であるという判断を行うことができる。例えば、QoSパラメータに対する要求された変更は、クライアントにとって受容不可能である場合がある。別の例として、セルラネットワークアクセス条件パッケージにおいて示される価格は過度に高い場合がある。ブロック730において、サービス要求は、QoSパラメータが実現される必要がある期間、QoSパラメータの詳細、UEがセルラネットワークと接続することになるロケーション、および/またはセルラネットワークを介してサービスを受信するUEの数を変更するように改定することができる。代替的に、サービス要求は、ブロック720において受信されたセルラネットワークアクセス条件パッケージの条件に合うように変更することができる。例えば、特定のQoSパラメータが満たされるために初期サービス要求が呼び出されている間、クライアントのシステムの機能を、変更されたQoSパラメータに適応するように調整することができる。(例えば、クライアント側で、ストリーミングビデオの分解能を、セルラサービスプロバイダが元のサービス要求において要求された帯域幅を実現することができないことに適応するように低減させることができる。)
【0073】
ブロック740において、セルラネットワークアクセス条件パッケージに従って改定されたサービス要求を選択することができるか、または改定されたサービス要求をCNMSに提出することができる。改定されたサービス要求がCNMSに提出される場合、方法700はブロック710に戻ることができる。サービス要求が、ブロック720において受信されたセルラネットワークアクセス条件パッケージにマッチするように改定された場合、セルラネットワークアクセス条件パッケージを選択することができ、方法700はブロック750に進むことができる。ブロック750において、セルラネットワークアクセス条件パッケージの受理をCNMSに送信することができる。ブロック760において、クライアントのUEは、受理されたセルラネットワークアクセス条件パッケージに従ってセルラネットワークを用いることができる。
【0074】
上記で論考した方法、システムおよびデバイスは例示である。様々な構成は、様々な手順またはコンポーネントを適宜省略、置換または追加してもよい。例えば、代替的な構成において、方法は、説明したのと異なる順序で実行されてもよく、かつ/または様々なステージは追加、省略および/または組み合わされてもよい。また、或る特定の構成に関して説明した特徴は、様々な他の構成において組み合わされてもよい。構成の異なる態様および要素が同様に組み合わされてもよい。また、技術は進化するものであり、したがって要素の多くは例であり、本開示の範囲または特許請求の範囲を限定しない。
【0075】
例示の構成(実装を含む)の十分な理解を実現するために、本明細書において具体的な詳細が示されている。しかしながら、構成は、それらの具体的な詳細なしで実践されてもよい。例えば、よく知られている回路、プロセス、アルゴリズム、構造、および技法は、構成を不明瞭とすることを避けるために、不要な詳細なく示されている。本明細書は、例示の構成のみを提供しており、特許請求の範囲、適用可能性、または構成を限定しない。むしろ、構成の上記説明は、当業者に、上述した技法を実施するための実現説明を提供する。本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく、要素の機能および構成に対して様々な変更がなされてもよい。
【0076】
また、構成は、フロー図またはブロック図として図示されるプロセスとして説明されてもよい。それぞれは、順次プロセスとして動作を説明する場合があるが、動作の多くは並列または同時に実行可能である。加えて、動作の順序は並び替えられてもよい。プロセスは、図に含まれていない追加ステップを有してもよい。更に、方法の実施例は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、またはこの組み合わせによって実施されてもよい。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、またはマイクロコードにおいて実施された場合、必要なタスクを実行するプログラムコードまたはコードセグメントは、ストレージ媒体などの非一時的コンピュータ可読媒体に記憶されてもよい。プロセッサが上述のタスクを実行してもよい。
【0077】
いくつかの例示の構成について説明したが、本開示の趣旨から逸脱することなく、様々な修正、代替の構造、および同等物が使用されてもよい。例えば、上述した要素は、より大きなシステムの構成要素であってもよく、ここで他の規則は、本発明の適用よりも優先されてもよく、または本発明の適用を別様に修正してもよい。また、上述した要素が考慮される前、間、後に、多くのステップが実行されてもよい。
【国際調査報告】