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特表2023-521798半導体側面放射レーザー用の密閉表面実装パッケージ、及びその形成方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-25
(54)【発明の名称】半導体側面放射レーザー用の密閉表面実装パッケージ、及びその形成方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/02 20060101AFI20230518BHJP
   H01S 5/02208 20210101ALI20230518BHJP
【FI】
H01L23/02 F
H01L23/02 J
H01S5/02208
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022562011
(86)(22)【出願日】2021-04-15
(85)【翻訳文提出日】2022-11-25
(86)【国際出願番号】 US2021027378
(87)【国際公開番号】W WO2021211778
(87)【国際公開日】2021-10-21
(31)【優先権主張番号】63/010,460
(32)【優先日】2020-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512086149
【氏名又は名称】エクセリタス カナダ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ジュ,ジン ハン
(72)【発明者】
【氏名】シャルルボワ,ガブリエル
【テーマコード(参考)】
5F173
【Fターム(参考)】
5F173MD59
5F173MD65
5F173ME02
5F173ME22
(57)【要約】
密閉側面視レーザー表面実装デバイス(SMD)パッケージを製造する方法は、ガラスキャップを形成することを含む。第1のガラスウェハーにポケットのアレイを形成する。第2のガラスウェハーを第1のガラスウェハーに接合することによって、ポケットのアレイを封止する。ポケットの封止アレイを個片化することによって、ガラスキャップを外す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
密閉側面視レーザー表面実装デバイス(SMD)パッケージを製造する方法であって、
ガラスキャップを形成するステップであって、
第1の平面と前記第1の平面と実質的に平行な第2の平面とを含む第1のガラスウェハーを設けるステップであって、前記第2の平面を、前記第1の平面と実質的に垂直な方向に前記第1の平面から距離Dを置いて配設するステップと、
前記第1のガラスウェハーの第1の面に複数のポケットを含むポケットのアレイを形成するステップと、
第1の平面と前記第1の平面と実質的に平行な第2の平面とを含む第2のガラスウェハーを設けるステップと、
前記第2のガラスウェハーの第1の面を前記第1のガラスウェハーの第1の面に接合することによって、前記ポケットのアレイを封止するステップであって、前記複数のポケットの各々を、前記第1のガラスウェハー及び前記第2のガラスウェハーによって収容するステップと、
前記封止されたポケットのアレイにおいて、前記第1のガラスウェハーの第1の平面と垂直な第3の平面を画定するステップであって、前記第3の平面は、前記ポケットのアレイの列を実質的に二等分するステップと、
前記封止されたポケットのアレイにおいて、前記第1のガラスウェハーの第1の平面及び前記第3の平面と垂直な第4の平面を画定するステップであって、前記第4の平面は、前記ポケットのアレイの前記列で第1のポケットと第2のポケットとの間に配設され、前記第1のポケット及び前記第2のポケットの両方と交差しないステップと、
前記第3の平面及び前記第4の平面で前記封止されたポケットのアレイを個片化するステップと
を含むステップを含み、
前記第1のガラスウェハーの第1の面に対する前記第1のガラスウェハーへの前記ポケットのアレイの各ポケットの最大深さは、前記距離D未満である、
方法。
【請求項2】
前記第2のガラスウェハーは、前記距離D未満の厚さを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2のガラスウェハーの第1の面及び第2の面のうち少なくとも1つに反射防止膜を付けるステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2のガラスウェハーの第1の面及び第2の面は各々、1ミクロン以下の平坦度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
構成要素実装面とパッケージ実装面とを含む基板を形成するステップと、
前記基板の前記構成要素実装面に熱及び/又は電気伝導性ダイ取り付けパッドを形成するステップと、
前記伝導性ダイ取り付けパッドに側面視レーザーダイを取り付けるステップと、
前記側面視レーザーダイにわたって前記基板に前記ガラスキャップを密封するステップと
を更に含み、
前記側面視レーザーダイを、前記ガラスキャップと前記基板との間に形成される空洞内に封止する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記基板のパッケージ実装面に複数の金属化パッドを形成するステップと、
前記伝導性ダイ取り付けパッドと前記複数の金属化パッドのうち少なくとも1つとの間に電気及び/又は熱伝導性を与えるように構成されるスルービアを形成するステップと
を更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記側面視レーザーダイは、前記第2のガラスウェハーから形成される前記ガラスキャップの一部を通るレーザービームを放射するように配置される、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
構成要素実装面とパッケージ実装面とを含む基板を形成するステップと、
前記基板の前記構成要素実装面に電気及び/又は熱伝導性金属レーザーアレイ台を形成するステップと、
前記金属レーザーアレイ台に熱及び/又は電気伝導性ダイ取り付けパッドを形成するステップと、
前記伝導性ダイ取り付けパッドに側面視レーザーダイを取り付けるステップと、
前記側面視レーザーダイにわたって前記基板に前記ガラスキャップを密封するステップと
を更に含み、
前記側面視レーザーダイを、前記ガラスキャップと前記基板との間に形成される空洞内に封止する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記基板のパッケージ実装面に複数の金属化パッドを形成するステップと、
前記伝導性ダイ取り付けパッドと前記複数の金属化パッドのうち少なくとも1つとの間に電気及び/又は熱伝導性を与えるように構成されるスルービアを形成するステップと
を更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記側面視レーザーダイは、前記第2のガラスウェハーから形成される前記ガラスキャップの一部を通るレーザービームを放射するように配置される、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
キャリアサブマウントであって、
実質的に長方形の構成要素実装面と、前記構成要素実装面の反対側に配設されているパッケージ実装面とを含む半導体基板と、
前記構成要素実装面に配設されている電気伝導性構成要素実装パッドと、
前記構成要素実装パッドと電気的に連通している前記パッケージ実装面に配設されている電気伝導性パッケージ実装パッドと、
前記構成要素実装パッドに実装され、前記構成要素実装パッドと電気的に連通している側面視レーザーダイであって、前記構成要素実装面の第1のエッジの方へ前記構成要素実装面と実質的に平行な経路にレーザービームを放射するように配置されている側面視レーザーダイと
を含むキャリアサブマウントと、
前記レーザーダイにわたってレーザーサブマウントに実装されているガラスキャップであって、
ガラスキャップ実装面空洞を囲む実装面と、
前記構成要素実装面の第1のエッジに隣接して実装されている出口窓と
を含むガラスキャップと
を含み、
前記側面視レーザーダイが前記ガラスキャップ空洞内に配設され、前記レーザービーム経路が前記出口窓を通るように、前記ガラスキャップは、前記レーザーサブマウントに配置されている、
側面視レーザー表面実装デバイス(SMD)パッケージ。
【請求項12】
前記基板のパッケージ実装面に配設されている複数の金属化パッドと、
伝導性ダイ取り付けパッドと前記複数の金属化パッドのうち少なくとも1つとの間に電気及び/又は熱伝導性を与えるように構成されている前記基板を通って配設されているスルービアと
を更に含む、請求項11に記載のパッケージ。
【請求項13】
前記取り付けガラスキャップは、前記レーザーダイの密閉シールを形成する、請求項11に記載のパッケージ。
【請求項14】
前記半導体基板に対して前記レーザーダイを上昇させるように構成されている前記側面視レーザーダイと前記半導体基板との間に配設されている電気及び/又は熱伝導性台部分を更に含む、請求項11に記載のパッケージ。
【請求項15】
前記取り付けガラスキャップは、前記レーザーダイの密閉シールを形成する、請求項14に記載のパッケージ。
【請求項16】
前記出口窓は、前記ガラスキャップ実装面空洞の一部に境界をつける内面と、前記内面と反対側の外面とを含み、前記内面及び前記外面は各々、1ミクロン以下の平坦度を有する、請求項11に記載のパッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、「半導体側面放射レーザー(Side Emitting Laser)用の密閉表面実装パッケージ、及びその形成方法」と称する2020年4月15日に出願の米国仮特許出願第63/010,460号(その内容全体を参照により本明細書に引用したものとする)の利益を主張する。
【0002】
発明の分野
本発明は、電子回路に関し、より詳細には、半導体放射体用の表面実装パッケージングに関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
表面実装技術(SMT)は、印刷回路基板(PCB)の表面の真上の電気構成要素の実装を意味する。このように実装された電気構成要素は、表面実装デバイス(SMD)と呼ばれる。主に、SMTが製造自動化の向上を可能にするという理由で、SMDは、構成要素をPCBに実装するためのスルーホール技術構成と対比されることがある。現在の側面放射レーザー用のSMDパッケージは密封されていない。その結果、レーザーチップの寿命及びパッケージ性能に大きな影響を与える。
【0004】
現在、レーザーダイオード用の密閉パッケージは、側面放射レーザー用のSMDパッケージでなく、上面視(top-looking)レーザー用のスルーホールパッケージ(例えば、図1Aに示す金属缶パッケージ160)である。これらのスルーホールパッケージ160は、高い材料及び製造コスト、高インダクタンス、及び高熱抵抗を有し、幾つかの用途に不適である。
【0005】
現在、側面放射レーザー用のリードレスチップキャリア(LCC)パッケージは、密閉パッケージでない。例えば、図1Bに示すように、基板120に実装され、透明樹脂150(例えば、エポキシ)でカプセル化された4つの側面放射半導体レーザー140のチップアレイを有する現在のSMDパッケージ100を示す。しかし、カプセル化150は、例えば、水分及び/又は汚染物質によって透過性であることがあり、従って、SMDパッケージ100は、時間と共に確実に動作しないことがある。更に、現在のSMDパッケージ100は、高いインダクタンス及び熱抵抗を有することがある。従って、業界で、この分野の欠陥を克服する必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態は、半導体側面放射レーザー用の密閉表面実装パッケージ、及びその形成方法を提供する。簡単に説明すると、本発明は、密閉側面視(side looking)レーザー表面実装デバイス(SMD)パッケージを製造する方法を目的としている。ガラスキャップを、第1のガラスウェハー及び第2のガラスウェハーから形成する。ポケットのアレイを第1のガラスウェハーに形成し、第2のガラスウェハーを第1のガラスウェハーに接合することによって、ポケットのアレイを封止する。ポケットの封止アレイを個片化することによって、ガラスキャップを外す。
【0007】
本発明の他のシステム、方法及び特徴は、下記の図面及び詳細な説明を検討すれば、当業者に明らかである、又は明らかになる。全てのこのような追加のシステム、方法及び特徴は、この明細書に含まれ、本発明の範囲内にあり、添付の特許請求の範囲によって保護されるように意図されている。
【0008】
添付図面は、本発明の更なる理解を与えるために含まれ、この明細書の一部に組み込まれ、この明細書の一部を構成する。図面は、本発明の実施形態を例示し、明細書と一緒に、本発明の主要部を説明することに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A】先行技術の密封上面視レーザーダイオードスルーホールパッケージの概略図である。
図1B】先行技術のカプセル化側面視レーザー表面実装パッケージの概略図である。
図2】密封側面放射レーザー表面実装設計パッケージの第1の実施形態の概略斜視図である。
図3A図2のパッケージの上面図を示す。
図3B図2のパッケージの側面図を示す。
図3C図2のパッケージの正面(放射側)図を示す。
図3D図2のパッケージの底面(PCB側)図を示す。
図4A図2のパッケージの側面からの概略断面図である。
図4B図4Aのパッケージの代替の実施形態の概略断面図である。
図5図2のパッケージのキャップ部分の概略斜視図である。
図6】SMDレーザーパッケージを製造する方法の実施形態の例のフローチャートである。
図7A図6の方法による製造の第1の段階におけるSMDレーザーパッケージ用のガラスキャップの概略図である。
図7B図6の方法による製造の第2の段階におけるSMDレーザーパッケージ用のガラスキャップの概略図である。
図7C】2つの個片化平面を示す図7Bのガラスキャップの概略図である。
図8A】個片化の後の図2のパッケージのガラスキャップの概略図である。
図8B】任意選択的な金属化層を示す図8Aのガラスキャップの概略図である。
図9】16個のレーザーを有するSMDレーザーパッケージの代替の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
詳細な説明
下記の定義は、本明細書に開示の実施形態の特徴に適用される用語を解釈するために使用され、開示内の要素を定義するように単に意図されている。
【0011】
この開示内で使用されるように、「実質的に(substantially)」は、「非常に近い(very nearly)」又は正常な製造公差の範囲内を意味する。例えば、実質的に平行な面は、許容公差の範囲内と同等であってもよく、又は、実質的に平坦な面は、平坦度の指定の尺度の範囲内まで平坦である。同様に、実質的に乱されないレーザービームは、許容動作公差を超えて大幅に又は著しく変更(歪曲又は進路変更)されないレーザービームを意味する。
【0012】
この開示内で使用されるように、「ポケット(pocket)」は、固体内に形成された凹部、例えば、ガラス基板内に形成された凹部を意味する。特に、凹部を固体の第1の平面内に形成してもよく、その結果、ポケットは、固体の第1の平面に単一の連続開口部を有する一方、固体の他の面を通って延在しない。
【0013】
この開示内で使用されるように、「ウェハー(wafer)」は、単一材料の基板(例えば、ガラスウェハー)を一般的に意味する基板を意味する。
【0014】
さて、本発明の実施形態、添付図面に示す例について、詳細に説明する。可能な限り、同一又は同様の部分を意味するために、同じ参照符号を図面及び明細書で使用する。
【0015】
本発明の例示的な実施形態は、1つ又は複数の側面放射レーザー用の密閉SMDパッケージを製造するデバイス及び方法を含む。このような実施形態は、限定されない例(1000時間、85℃及び85%の相対湿度のオーダー)として高温高湿度での動作などの高信頼性要件に適している。図2は、パッケージ基板220の実装面と実質的に平行な方向にレーザービームを放射する側面開口242を各々有する4つの側面放射体レーザーダイオードを有するレーザーアレイダイ240を有する密閉SMDパッケージ200の例示的な第1の実施形態の斜視図を示す。基板220は、レーザーダイ240用のキャリア、及びレーザーアレイダイ240に関連して用いる関連回路(例えば、制御回路、及びレーザーアレイダイの動作に十分な電力を供給する回路)としての機能を果たす。基板220を、密閉材料、例えば、ガラス又はセラミック(例えば、170~250W/m-Kの範囲の熱伝導率を有するAlN(窒化アルミニウム))(但し、これらに限定されない)から形成してもよい。レーザーダイ240を、基板220に配設された伝導性ダイ取り付けパッド241で基板220に取り付けてもよい。
【0016】
パッケージ200は、基板220に取り付けられたレーザーダイアレイ240によって放射された光を通すキャップ250(例えば、ガラスキャップ)を含む。キャップ250は、キャップ250及び基板220によって境界がつけられた密封室内にレーザーアレイダイ240及び関連回路を収容するように配置されている空洞270を含む。基板220の構成要素実装面の周囲に空洞270を囲むキャップ250のベース部分で、キャップ250を基板220に取り付けて封止してもよい。例えば、フリットガラスを用いて、又はレーザー溶接によって、キャップ250を、基板220に直接取り付けてもよい。任意選択的に、金属化層260を、空洞270を囲むキャップ250のベース部分に追加してもよく、従って、金属化層260を金属化基板220にはんだ付けすることによって、金属化層260を基板220に取り付けてもよい。例えば、金属化層260を、スパッタリング法によってキャップ250に付けてもよい。
【0017】
レーザーダイ240に関連する追加回路(例えば、基板220に取り付けられた複数のワイヤーボンドパッド246、及びレーザーアレイダイ240をワイヤーボンドパッド246に電気的に接続する複数のボンドワイヤー244)を、空洞270内で基板220に設置してもよい。代替の実施形態、例えば、図9に示すような16個のレーザーチップを有する代替の実施形態において、SMDパッケージ900は、空洞270内に実装された他の回路構成要素、例えば、コンデンサー948、ドライバー回路949(例えば、トランジスタ)などを含んでもよい。
【0018】
図3A図3Dは、第1の実施形態のパッケージ200の異なる図を示す。図3Aは、パッケージ200の上面図を示す。図3Bは、パッケージ200の側面図を示す。図3Cは、パッケージ200の正面(放射側)図を示す。図3Dは、パッケージ200の底面(実装側)図を示す。
【0019】
図3Dに示すように、パッケージ200の底面は、基板220の底(PCB実装)面に実装された複数の金属パッド280a~280eを有する。金属パッド280a~280eは、例えば、基板220を通る封止スルービア(図示せず)によって、レーザーアレイダイ240の底面(ワイヤーボンド接続部の反対側)及びワイヤーボンドパッド246と電気的及び/又は熱的に連通している。金属パッド280a~280eは、パッケージ200との外部電気的及び熱的接続性を与える。
【0020】
図4Aに示すように、レーザーアレイダイ240の側面放射レーザーダイオードは、キャップ250における平坦窓256(図3B)を通るレーザービーム440を放射するように方向付けられる。平坦窓256を、レーザーアレイダイ240によって放射されるレーザービーム440の経路440(図4A)と実質的に垂直な平面に方向付ける。レーザービーム440(図4A)を実質的に妨げないように、例えば、レーザービーム440(図4A)を、有害に歪曲、回折及び/又は進路変更しないように、平坦窓256は、キャップ250の内側上の第1の面251(受光面251)及びキャップ250の外側上の第2の面252(発光面252)の両方に対して光学的に平坦である。平坦窓256の第1の面251及び/又は第2の面252を、高い光透過率のために反射防止(AR)膜(例えば、二酸化ケイ素)で処理してもよい。
【0021】
図4Bに示す代替の実施形態において、パッケージ1200は、図4Aのパッケージ200と実質的に同様であり、電気及び/又は熱伝導性金属レーザーアレイ台225の追加物を、基板220とレーザーアレイダイ240との間に配設する。レーザーアレイ台225は、例えば、厚さが100ミクロンのオーダーであってもよく、例えば、レーザー光ビーム440の下部がガラスキャップ250のエッジ又は基板220のエッジによって切り取られるのを回避する又は最小化するために、100ミクロンだけ基板220の残りの部分の上にレーザーアレイダイ240を位置決めしてもよい。電気及び/又は熱伝導性ダイ取り付けパッド241を、レーザーアレイダイ240と金属レーザーアレイ台225との間に配設してもよい。他の台、例えば、ワイヤーボンド台226を、同様に含んでもよい。台225、226を、金属化スルービア285によって金属パッド280に電気的に接続してもよい。
【0022】
パッケージ200、1200の代替の実施形態は、レーザーダイオードアレイダイ240の代わりに、単一の側面放射レーザーダイオードを有してもよく、又は図9に示すように、異なる数のレーザーダイオード(例えば、2個、8個又は16個、又はそれ以上のレーザーダイオード)を有するアレイダイ240を有してもよい。
【0023】
密封パッケージ200、1200によって与えられる保護は、レーザーダイアレイ240の耐用年数及び/又はレーザー性能を大幅に延ばすことができる。これは、例えば、自動車用ライダー(光検出及び測距)(LIDAR (Light Detection and Ranging))の用途に対する側面放射レーザーパッケージングの性能及び信頼性レベルを向上させるために、様々な用途で望ましい。
【0024】
図5に示すように、一緒に接合される2つ以上のガラス片、例えば、第1の部分550、及び実質的に平坦な窓256を形成する第2の部分で、ガラスキャップ250を形成してもよい。空洞270を形成するために、例えば、エッチング又は機械加工によって、第1の部分550を、少なくとも部分的にくりぬく。図5に示すように、少なくとも2つの辺上のキャップ250の第1の部分550のガラスによって境界がつけられた空洞270のエッジを丸くしてもよい。更に、レーザー光400(図4A)をキャップ250の第1の部分550の任意の面に向けないので、キャップ250の第1の部分550内の空洞270の壁の平面は、実質的に平坦な窓256と同じ程度平坦である必要がない(実際に、そうなる可能性が低い)。
【0025】
第1の例示的な実施形態の下で、ガラスキャップは、3.5mmのオーダーの長さ、2.5mmのオーダーの幅、及び1mmのオーダーの高さを有してもよい。平坦窓256は、0.5mmのオーダーの厚さを有してもよい。空洞270は、2.5mmのオーダーの長さ、1.4mmのオーダーの幅、及び0.6mmのオーダーの深さを有してもよい。勿論、パッケージにおけるレーザーダイの数及び当面のパッケージの用途に応じて、パッケージや空洞のサイズを、拡大縮小及び/又は割合変更してもよい。
【0026】
図6は、密閉側面視レーザーSMDパッケージ用のガラスキャップを製造する第1の例示的な方法の実施形態用のフローチャート600である。フローチャートにおける任意の工程の説明又はブロックは、工程で特定の論理機能を実施する1つ又は複数の命令を含むモジュール、セグメント、コードの一部、又はステップを表すとして理解されるべきであり、本発明の当業者が分かるように、関連する機能に応じて、実質的に同時又は逆の順序を含む、図示又は記載の順序から順序が違って機能を実行することができる本発明の範囲内に代替の実装形態を含むことに留意すべきである。方法について、図7A図7Cを参照して説明する。
【0027】
ブロック610に従って、第1のガラスウェハー710を設ける。第1のガラスウェハーは、第1の平面711と、第1の平面と実質的に平行な第2の平面712とを有する。第2の平面712を、第1の平面711と実質的に垂直な方向に第1の平面711から距離Dを置いて配設する。ブロック620に示すように、複数のポケット770を有するアレイを、第1のガラスウェハーの第1の面711に形成する。ポケット770を、第1のガラスウェハーの第1の面711に切り込む。しかし、ポケット770は、第1のウェハーの第2の面712まで延在するのに十分な深さがない。各ポケット770の断面は、実質的に長方形であってもよい。図7Aに示すように、各ポケット770のエッジ及び隅部を丸くしてもよい。しかし、代替の実施形態において、エッジを鋭く画定してもよい。ポケット770は、第1のガラスウェハーの第1の平面711以外の第1のガラスウェハー710の任意の面を通って延在しない。
【0028】
ブロック630に示すように、第1の平面251と、第1の平面と実質的に平行な第2の平面252とを有する第2のガラスウェハー720(図7B)を設ける。ブロック640に示すように、第2のガラスウェハー720を第1のガラスウェハー710に接合することによって、ポケット770のアレイを封止し、封止ポケット790のアレイを形成する。後述のように、封止ポケット790のアレイを個片化することによって、複数のガラスキャップ250(図8A)を形成してもよい。
【0029】
図7Cに示すように、封止ポケット790のアレイにおいて、ブロック650に示すように、第1の平面と垂直な第3の平面703を画定し、第3の平面703は、封止ポケット790(図7B)のアレイの列780(図7B)を二等分する。ブロック660に示すように、第1のポケット771と第2のポケット772との間に、第1の平面711(図7A)及び第3の平面703と垂直な第4の平面704(図7C)を画定する。ブロック670に示すように、封止ポケット790のアレイを、第3の平面703及び第4の平面704に沿って個片化し、ガラスキャップ250(図8A)を、封止ポケット790のアレイから外す。
【0030】
図8Aは、図6に従った個片化の後のパッケージ200のガラスキャップ250の概略図である。図8Aを第1の実施形態200(図2)に関連させると、図8Aは、個片化の後のガラスキャップ250を示す。個片化の後、第2のガラスウェハー720(図7B)の個片化部分は、ガラスキャップ250の平坦窓256を形成し、第1のガラスウェハー710(図7A)の個片化部分は、ガラスキャップ250の残りの部分を形成する。ポケットの封止アレイの二等分ポケット770は、ガラスキャップ250の空洞270を形成する。図8Bは、任意選択的な金属化層260を示すガラスキャップ250の概略図である。
【0031】
第2のガラスウェハー720を第1のガラスウェハー710に接合する前に、反射防止膜を、第2のガラスウェハー720の第1の面251及び第2の面252のうち少なくとも1つに付ける。実際に、実質的に平坦な窓256の各面251、252は、有利なことに、第1の部分550の任意のエッチング部分よりも平坦であり、従って、例えば、第1の部分550の任意のエッチング面を通って伝えられる光ビームよりも、実質的に平坦な窓256を通って伝えられる光ビームで光学的アーチファクトを与える可能性が低いことに留意されたい。例えば、第2のガラスウェハーをエッチングしないので、第2のガラスウェハーの第1の面251及び第2の面252は各々、1ミクロン以下の平坦度を有することができるのに対して、ガラスキャップのエッチング面は、エッチング処理の結果として1ミクロンを大幅に超える平坦度を有する。個片化の後、上述のように、ガラスキャップ250を基板220(図2)に取り付けてもよい。
【0032】
図7Cに戻る。封止ポケット790のアレイを更に個片化することによって、追加のガラスキャップ250(図8A)を封止ポケット790のアレイから外すことができることに留意すべきである。例えば、第2のポケット772と第3のポケット773との間に位置する第4の平面704と平行な第5の平面(図示せず)に沿って更に個片化することによって、ガラスキャップ250(図8A)を第2の封止ポケット772から外すことができる。同様に、第3の平面703と平行な平面及び/又は第4の平面704と平行な平面に沿って更に個片化することによって、更なる追加のガラスキャップ250(図8A)を封止ポケット790のアレイから外すことができる。
【0033】
上述の実施形態は、側面放射デバイス用のパッケージを目的としているけれども、代替の実施形態において、パッケージは、電磁放射線を放射する代わりに、及び/又は電磁放射線を放射するのに加えて、電磁放射線を受信するように構成されている側面対向パッケージ用に適合されていてもよい。
【0034】
要するに、本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、本発明の構造に様々な修正及び変更を加えることができることが当業者に分かるであろう。上述を考慮して、これらの修正及び変更が下記の特許請求の範囲及び特許請求の範囲の均等物の範囲に含まれるという条件で、本発明はこの発明の修正及び変更を含むように意図されている。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図9
【国際調査報告】