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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-25
(54)【発明の名称】光周期操作
(51)【国際特許分類】
   A01G 7/00 20060101AFI20230518BHJP
   H05B 45/10 20200101ALI20230518BHJP
   H05B 47/16 20200101ALI20230518BHJP
   H05B 47/105 20200101ALI20230518BHJP
【FI】
A01G7/00 601A
H05B45/10
H05B47/16
H05B47/105
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022562603
(86)(22)【出願日】2021-03-25
(85)【翻訳文提出日】2022-12-12
(86)【国際出願番号】 US2021024147
(87)【国際公開番号】W WO2021211276
(87)【国際公開日】2021-10-21
(31)【優先権主張番号】63/009,520
(32)【優先日】2020-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519433481
【氏名又は名称】フルエンス・バイオエンジニアリング・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】FLUENCE BIOENGINEERING,INC.
【住所又は居所原語表記】4129 Commercial Center Drive, Austin, Texas 78744 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ヒギンボサム マシュー トラヴィス
(72)【発明者】
【氏名】クナウアー ティモシー
【テーマコード(参考)】
2B022
3K273
【Fターム(参考)】
2B022DA02
3K273PA09
3K273QA16
3K273TA03
3K273TA04
3K273TA05
3K273TA15
3K273TA22
3K273TA27
3K273TA54
3K273UA13
3K273UA17
3K273UA22
(57)【要約】
本明細書で開示されるシステム及び方法は、ユーザ入力を受けるように構成されるユーザインターフェースと、ユーザ入力に基づいて1つ以上の植物の光周期スケジュールを算出する、及び、光周期スケジュールを実施するために少なくとも1つの照明器具の光出力を調整する制御信号を生成するように構成される光周期コントローラとを含む装置を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ入力を受けるように構成されるユーザインターフェースと、
前記ユーザ入力に基づいて1つ以上の植物の光周期スケジュールを算出する、及び
前記光周期スケジュールを実施するために少なくとも1つの照明器具の光出力を調整する制御信号を生成する、
ように構成される光周期コントローラと、
を含む、装置。
【請求項2】
前記ユーザ入力は、前記1つ以上の植物の属、種、品種、及び栽培品種のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記光周期コントローラは、ユーザ及びセンサの少なくとも一方からのさらなる入力に基づいて前記光周期スケジュールを調整するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記光周期コントローラは、前記さらなる入力に基づいて前記光周期スケジュールの実施中に前記光周期スケジュールを動的に調整するように構成される、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記光周期スケジュールは、複数の期間と、前記複数の期間の各々に関連付けられる光周期時間とを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記複数の期間の各々は、前記1つ以上の植物の成長段階に関連付けられる、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記光周期スケジュールは、前記複数の期間の各々についてのPPFD(光合成光量子束密度)値を含む、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記光周期コントローラは、
前記ユーザ入力をサーバに送信する、及び
前記サーバから前記光周期スケジュールを受信する、
ように構成され、
前記サーバが前記光周期スケジュールを算出する、請求項5に記載の装置。
【請求項9】
方法は、
コントローラのユーザインターフェースを介して、1つ以上の植物の光周期スケジュールを生成するためのユーザ入力を受けることと、
前記ユーザ入力に基づいて前記光周期スケジュールを算出することと、
前記光周期スケジュールを実施するために少なくとも1つの照明器具の光出力を調整する制御信号を生成することと、
を含む、方法。
【請求項10】
前記ユーザ入力は、前記1つ以上の植物の属、種、品種、及び栽培品種のうちの少なくとも1つを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
当該方法は、
ユーザ及びセンサの少なくとも一方からのさらなる入力に基づいて前記光周期スケジュールを調整すること、
を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記光周期スケジュールを調整することは、前記さらなる入力に基づいて前記光周期スケジュールの実施中に前記光周期スケジュールを動的に調整することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記光周期スケジュールは、複数の期間と、前記複数の期間の各々に関連付けられる光周期時間とを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記複数の期間の各々は、前記1つ以上の植物の成長段階に関連付けられる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記光周期スケジュールは、前記複数の期間の各々についてのPPFD(光合成光量子束密度)値を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
当該方法は、
前記制御信号を前記少なくとも1つの照明器具に送信することと、
前記少なくとも1つの照明器具によって、前記光周期スケジュールに従って前記少なくとも1つの照明器具の光出力を調整することと、
を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
前記コントローラは、前記ユーザ入力をサーバに送信する、
前記サーバは、前記光周期スケジュールを算出する、及び、前記光周期スケジュールを前記コントローラに送信する、及び
前記コントローラは、前記光周期スケジュールに基づいて前記制御信号を生成する、請求項9に記載の方法。
【請求項18】
光周期スケジュールに基づいて制御信号を生成するように構成される光周期コントローラと、
前記光周期コントローラへのユーザ入力を受けるように構成されるユーザインターフェースであって、前記光周期スケジュールは前記ユーザ入力に基づく、ユーザインターフェースと、
複数の異なる選択可能な光出力のレベルで植物の光合成に適した光を発するように構成される複数の照明器具と、
前記制御信号が前記複数の照明器具に提供される通信ネットワークであって、前記照明器具は前記制御信号に応答して前記光出力を調整する、通信ネットワークと、
を含む、システム。
【請求項19】
前記光周期コントローラは、ユーザ及びセンサの少なくとも一方からのさらなる入力に基づいて前記光周期スケジュールを調整するように構成される、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
当該システムは、前記通信ネットワークを介して前記光周期コントローラに通信可能に結合されるサーバを含み、
前記コントローラは、前記ユーザ入力を前記サーバに送信する、及び、前記サーバから前記光周期スケジュールを受信するように構成され、
前記サーバは、前記ユーザ入力に基づいて前記光周期スケジュールを算出するように構成される、請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
前記サーバは、ユーザ及びセンサの少なくとも一方からのさらなる入力に基づいて前記光周期スケジュールを調整するように構成される、請求項20に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[001] 本願は、2020年4月14日に出願され、「Photoperiod Manipulation」と題された米国特許出願第63/009,520号の国際出願であり、その優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[002] 本開示の主題は、一般的に、照明に関し、とりわけ、園芸用の照明システムに関する。
【背景技術】
【0003】
[003] 植物の光合成に適した光を発する照明器具及び人工光源が知られている。これらは「育成ライト(grow light)」と呼ばれることもあるが、必ずしも太陽のもののような特徴的なスペクトルを有する光を生成する必要はない。育成ライトは、白熱、蛍光、及びLED(発光ダイオード)を含むが、これらに限定されない、様々な技術に基づいてもよい。典型的な実施形態は、生成された光への植物の日々の暴露の時間数を制御するために毎日設定された時間に育成ライトを自動的にオン及びオフにするタイマを含んでもよい。
【0004】
[004] 光周期(photoperiod)は、生物が光を受ける又は光を受けない毎日の期間を指す。光周性(photoperiodism)は、昼の持続時間(明期)と夜の持続時間(暗期)との組み合わせに対する植物の反応である。この現象は、発育(development)、生殖(開花)(reproduction (flowering))、栄養成長(vegetative growth)、休眠(dormancy)の段階等、さまざまな植物の反応に影響を与える。この発見は、日長の持続時間に対する植物の反応による、植物の光周期クラスの作成につながった。光周期クラスには、短日植物、長日植物、日長中性植物(day length neutral plant)、中間日長植物(intermediate day length plant)、及びデュアル誘起植物(dual induction plant)が含まれる。これらのクラスは最も研究され、商業的に生産されている。
【0005】
[005] 植物の光周期反応は、時季(自然な日長)だけでなく、その成長段階にも依存する。例えば、長日植物(長日が先行して短日がある場合に開花を始める植物)は、長日(16~18時間の日長と6~8時間の暗さ)のもとで成長を続ける(stay vegetative)。これは、18/6又は16/8と表記されることもある。長日植物が開花生産段階(flowering stage of production)に移行する場合、明期、又はむしろ暗期は12時間に変わり、明期も12時間となる。斯くして、この植物は、特定の期間「長日」を受けて、その後、特定の期間「短日」が与えられる。この経時的な照明持続時間の組み合わせは、長日植物において開花及び生殖を植物に開始させる。ほとんどの植物のタイプは光周期依存性である。光周期依存性植物(photoperiod-dependent plant)では、非常に特定の周期の光タイミングへの暴露が、さまざまな植物がライフサイクルフェーズに入るトリガとなる。植物品種(plant cultivar)は、一般に、特定の季節生産ウインドウ(specific seasonal production window)中に豊かな収穫を得るために非常に特定の光周期持続時間を必要とするように改良されている。植物には、非常に若い(幼若(juvenile))段階にある場合、この段階において植物は日長を適切に知覚する能力をまだ有さないため、光周期に反応しないものがある。このような植物は、光暴露ではなく、単に年齢に基づいて花をつけ、これらは、中日植物(day-neutral plant)と呼ばれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
[006] 各植物がその光周期クラスに基づいて十分な照明に曝されるが、過剰な照明に曝されないことが重要である。例えば、長日植物は、生殖を防ぐためにその限界日長(critical day length)より長い日々を必要とする。短日植物は、長日(短い暗期)が先行する場合に短日長(長い暗期)で花を咲かせるようになる。屋内農業環境では、自然の昼/夜サイクルがないため、植物の光周期が再現される必要がある。斯くして、光周期は人工的である。一般的に、これを手作業で行われている。しかしながら、これは、各植物がその光周期クラス及び成長段階に基づいて1日あたり十分な昼光(day light)を受けるようにするために育成者による多くの労力を必要とする。斯くして、生産を効率的に最大化するために屋内農業環境において光周期を適用及び操作するより効率的な方法が当技術分野で必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[007] 本文献で述べられるすべての例、態様及び特徴は、任意の技術的に可能なやり方で組み合わされることができる。本明細書で述べられる様々な実施形態には、[TBD]が含まれる。
【0008】
[008] これら及び他の特徴は、本明細書で述べられる図と共に、以下の詳細な説明を読むことによってより良く理解されるであろう。添付の図は、縮尺通りに描かれることを意図していない。様々な図に示されている各同じ又はほぼ同じ構成要素は、同様の数字によって表される可能性がある。明確さのために、すべての図にすべての構成要素がラベリングされていない可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】[009] 図1は、様々な実施形態による光周期操作のための照明システムのブロック図である。
図2】[0010] 図2は、様々な実施形態による光周期スケジュールを示す。
図3】[0011] 図3は、様々な実施形態による光周期操作のためのプロセスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0012] 本実施形態のこれら及び他の特徴は、本明細書で述べられる図と共に、以下の詳細な説明を読むことによってより良く理解されるであろう。添付の図は、縮尺通りに描かれることを意図していない。明確さのために、すべての図にすべての構成要素がラベリングされていない可能性がある。
【0011】
[0013] 図1は、様々な実施形態による光周期操作(photoperiod manipulation)のための照明システムのブロック図である。照明システムは、光周期コントローラ100、ユーザインターフェース102、通信ゲートウェイ104、トランシーバ106~106、照明器具108~108、及び1つ以上のセンサ118を含んでもよい。光周期コントローラ100は、プロセッサ、揮発性メモリ、及び不揮発性ストレージを備えた多種多様なコンピューティングデバイスのいずれかを含んでもよい。一部の実施形態において、光周期コントローラ100は、耐久性があり、水気、湿気のある環境での使用に適合されたPLC(プログラマブルロジックコントローラ)を含む。ユーザインターフェース102は、光周期コントローラ100上で実行される光周期制御プログラムとインターフェースするためのタッチスクリーン、キーボード、マウス、及びディスプレイのうちの1つ以上を含んでもよい。光周期コントローラに接続される、通信ゲートウェイ104は、スイッチ、ルータ、無線アクセスポイントを含むが、これらに限定されない、多種多様なネットワークデバイスを含んでもよい。トランシーバ106~106は、スイッチ、ルータ、WLAN(無線ローカルエリアネットワーク)インターフェースカード及びデバイスを含むが、これらに限定されない、多種多様なネットワークデバイスを含んでもよい。通信ゲートウェイ及びトランシーバは、通信ネットワークの一部であってもよい。無線又は有線通信リンクは、通信ゲートウェイ104とトランシーバ106~106の間で維持される。各々対応するトランシーバに接続される、照明器具108~108は、植物の光合成に適した光を発する。照明器具は、光周期コントローラ100からの信号に応答して複数の異なる選択可能な光出力レベル(例えば、光強度、光波長、放射照度)で光を発するように構成可能である。
【0012】
[0014] ユーザインターフェース102を介して提供されるユーザ入力114に応答して、光周期コントローラ100は、植物112の光周期スケジュールを算出及び実施してもよい。光周期スケジュールは、例えば、植物112の複数の期間(例えば、週)及び/又は成長段階にわたる植物112の毎日の照明持続時間(daily illumination duration)であってもよい。また、光周期スケジュールは、各期間の光出力レベルのスケジュール(例えば、光強度、光波長、放射照度)を含んでもよい。例えば、光周期スケジュールは、図2に関してさらに述べられるように、複数の期間(例えば、週)及び/又は成長段階と、各期間/成長段階の光周期持続時間(photoperiod duration)(例えば、12時間照明/日)とを含んでもよい。ユーザ入力114は、育成される植物の属(genus)、種(species)、品種(variety)、及び栽培品種(cultivar)のうちの1つ以上を示す作物ID(identification)116を含んでもよい。光周期スケジュールは、植物に固有のものであってもよく、したがって、作物ID(crop ID)を選択することによって、光周期コントローラ100は、適切な光周期スケジュールと、選択された作物IDに関連付けられる植物112とをリンクしてもよい。一部の実施形態において、作物IDは、ユーザインターフェース102上に提示されるメニューから選択される。また、ユーザ入力114は、気候パラメータ、成長段階の持続時間(duration)、光周期サイクルの持続時間(photoperiod cycle)、及び対応する放射照度デルタ(irradiance delta)を有する1つ以上の期間を含んでもよい。光周期コントローラ100は、作物ID116に基づいて植物112の光周期スケジュールを算出し、(もしあれば)他のユーザ入力に基づいて光周期スケジュールを調整する。その後、光周期コントローラ100は、光周期スケジュールを実施するように照明器具108~108の光出力110を調整するために通信ゲートウェイ104及びトランシーバ106~106を介して制御信号を送信することによって、期間、例えば、日又は週にわたって照明器具108~108の光出力を制御する。
【0013】
[0015] また、光周期コントローラ100は、1つ以上のセンサ118からの入力を受けてもよい。センサ118は、例えば、湿度センサ、周囲光センサ、太陽放射(solar radiation)センサ、温度センサ、圧力センサ、水質センサ(例えば、pHセンサ)、画像又は光学センサ、レーザスキャナ、分光(spectroscopy)センサ、近赤外線センサ、飛行時間センサ、デプス範囲(depth ranging)センサ、空気品質センサ、音響センサ、空気組成(air composition)センサ、土壌又はミネラル(soil or mineral)センサ及び任意の他のタイプの環境センサを含んでもよい。光周期コントローラ100は、センサ入力に基づいて光周期スケジュールを調整してもよい。これは、光周期スケジュールを最初に算出する場合に行われることができ、また、光周期スケジュールに対するリアルタイムの、動的な調整があるように、光周期スケジュールが実施されている間に行われることもできる。例えば、光センサは、屋内農業環境の窓から入り、植物を照射する太陽放射(solar radiation)を検出してもよい。光周期コントローラ100は、植物が元々の光周期スケジュールと一致して照射されるように、太陽放射を考慮して照明器具の光出力を調整してもよい。また、光周期コントローラ100は、光周期スケジュールの実施中に受けるユーザ入力に基づいて光周期スケジュールを調整することもできる。
【0014】
[0016] 一部の実施形態において、光周期コントローラ100は、通信ゲートウェイ104を介してサーバ120と通信してもよい。例えば、サーバ120は、ワイドエリアネットワーク(例えば、インターネット)又はローカルエリアネットワークを介して光周期コントローラ100に接続するクラウドサーバであってもよい。一部の実施形態において、光周期コントローラ100は、ユーザ及びセンサ入力をサーバ120に送信し、サーバ120が、光周期スケジュールを算出及び調整してもよい。その後、サーバ120は、光周期スケジュールを光周期コントローラ100に送り返し、光周期コントローラ100は、光周期スケジュールを実施するための制御信号を生成し、制御信号を照明器具108に送信してもよい。
【0015】
[0017] 図2は、様々な実施形態による光周期スケジュール200を示している。図示の光周期スケジュールは、人間が読める形態(human-readable form)である。光周期スケジュールの対応するコンピュータ可読形態は、任意の適切なデータ構造で作成されてもよい。作物サイクル(crop cycle)は、クローニング(cloning)、発育(vegetative)、ブルーミングへの馴化(acclimation to bloom)、及び花の成熟(flowers maturing)等の成長段階202を含む。また、光周期スケジュールは、図2の例では週である、複数の期間206を含む。各週は、成長段階202に関連付けられる。例えば、図2に示されるように、クローニング段階(cloning stage)は週1~2に関連付けられ、発育段階(vegetative stage)は週3~5に関連付けられ、ブルーミングへの馴化段階(acclimation to bloom stage)は週6~11に関連付けられ、開花段階(flowering stage)は週12~14に関連付けられる。
【0016】
[0018] また、各期間206は、毎日の光周期時間(daily photoperiod time)204に関連付けられる。例えば、週1~5(すなわち、クローニング及び発育段階)は、18時間/日の光周期に関連付けられ、週6~14(すなわち、ブルーミングへの馴化(acclimation to blooming)及び開花段階)は、12時間/日の光周期に関連付けられる。斯くして、光周期スケジュール200は、特定の作物について、その成長段階を通じて、毎日の光周期持続時間を指定する。
【0017】
[0019] また、光周期スケジュール200は、同様に各期間206の放射照度を指定してもよい。一部の実施形態において、光周期スケジュール200は、植物が新しい放射照度ターゲットに順化することを可能にするために期間206にわたって放射照度を変更する、光順化スケジュール(photoacclimation schedule)と組み合わされてもよい。植物に対する光エネルギ又は放射照度は、PAR(光合成有効放射(photosynthetic active radiation))として測定されてもよく、植物の表面に降り注ぐ光は、μmol/m/sの単位でPPFD(光合成光量子束密度(photosynthetic photon flux density))として測定されてもよい。
【0018】
[0020] 再び図1を参照すると、各照明器具108~108は、光周期コントローラ100によって個別に制御可能であってもよい。例えば、照明器具108は、チャネル1(Ch.1)に関連付けられてもよく、照明器具106は、独立して制御されるチャネル2(Ch.2)に関連付けられてもよい。一部の実施形態において、異なるチャネルは、異なるタイプの植物、例えば、異なる作物IDを有する植物に対して異なる光周期スケジュールを実施するために使用される。一部の実施形態では、異なるチャネルは、同じ作物IDを有するが、作物サイクルの異なる段階における植物に対して同じ光周期スケジュールを実施するために使用される。例えば、チャネル1は栄養成長段階(vegetative growth stage)においてもよく、チャネル2は開花段階においてもよい。
【0019】
[0021] 図3は、様々な実施形態による光周期操作のためのプロセスを示している。一部の又はすべてのステップは、光周期コントローラ、及び/又は光周期コントローラに接続されるサーバで実行される光周期プログラムによって部分的又は全体的に実施されてもよい。ステップ300は、ユーザ入力として作物IDを受けることを含む。作物IDは、育成されるべき植物の属、種、品種、及び栽培品種のうちの1つ以上を示す。ステップ302は、作物IDに基づいて光周期スケジュールを算出することを含む。ステップ304は、ユーザ入力及び/又はセンサ入力を受けることを含む。入力は、センサデータ、気候パラメータ、成長段階の持続時間(duration of growth stage)、作物サイクルの持続時間(duration of crop cycle)、及び対応する放射照度デルタを有する1つ以上の期間(time period)を含んでもよい。ステップ306は、受けたユーザ及び/又はセンサ入力に基づいて光周期スケジュールを調整することを含む。一部の実施形態において、追加のユーザ又はセンサ入力はなくてもよく、ゆえに、ステップ304及び306はスキップされてもよい。
【0020】
[0022] ステップ308は、光周期スケジュールに従ったレベルで光出力を発するように照明器具を制御することによって光周期スケジュールを実施することを含む。例えば、光周期コントローラは、通信ゲートウェイを介して照明器具に制御信号を送信してもよく、照明器具は、光周期スケジュールに従ってそれぞれの光出力レベルを調整してもよい。その後、方法は、ステップ304に戻ってもよく、光周期コントローラは、光周期スケジュールの実施中にユーザ及び/又はセンサ入力を受けてもよい。光周期コントローラは、ユーザ及び/又はセンサ入力に基づいて光周期スケジュールを調整し、調整された光周期スケジュールを実施してもよい。これは、リアルタイムイベント(例えば、育成環境の変化、ユーザの介入)に基づいて動的に調整する光周期システムを可能にする。
【0021】
[0023] 本明細書で述べられる方法及びシステムは、特定のハードウェア又はソフトウェア構成に限定されず、多くのコンピューティング又は処理環境において適用性を見出すことができる。方法及びシステムは、ハードウェア又はソフトウェア、又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせで実施されてもよい。方法及びシステムは、1つ以上のコンピュータプログラムに実装されてもよく、コンピュータプログラムは、1つ以上のプロセッサ実行可能命令を含むと理解されてもよい。コンピュータプログラムは、1つ以上のプログラム可能なプロセッサ上で実行されてもよく、プロセッサによって読み取り可能な1つ以上の記憶媒体(揮発性及び不揮発性メモリ並びに/又はストレージ要素を含む)、1つ以上の入力デバイス、及び/又は1つ以上の出力デバイスに記憶されてもよい。斯くして、プロセッサは、入力データを得るために1つ以上の入力デバイスにアクセスしてもよく、出力データを通信するために1つ以上の出力デバイスにアクセスしてもよい。入力デバイス及び/又は出力デバイスは、以下のうちの1つ以上を含んでもよい。SSD(solid state drive)、HDD(hard disk drive)、RAM(Random Access Memory)、RAID(Redundant Array of Independent Disks)、フロッピー(登録商標)ドライブ、CD(compact disk)、DVD(digital video disk)、磁気ディスク、内蔵ハードドライブ、外付けハードドライブ、メモリスティック、又は本明細書で提供されるようなプロセッサによってアクセス可能な他のストレージデバイス。なお、前述の例は網羅的ではなく、限定ではなく例示のためのものである。
【0022】
[0024] コンピュータプログラムは、コンピュータシステムと通信するために、1つ以上の高水準手続き型又はオブジェクト指向プログラミング言語を使用して実装されてもよい。しかしながら、プログラムは、必要に応じて、アセンブリ言語又は機械語で実装されてもよい。言語はコンパイル又はインタープリットされてもよい。
【0023】
[0025] 本明細書で提供されるように、プロセッサは、斯くして、ネットワーク環境において独立して又は一緒に動作されてもよい1つ以上のデバイスに埋め込まれてもよく、ネットワークは、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)を含んでもよく、及び/又はイントラネット及び/又はインターネット及び/又は別のネットワークを含んでもよい。ネットワークは、有線、無線、又はこれらの組み合わせであってもよく、異なるプロセッサ間の通信を容易にするために1つ以上の通信プロトコルを使用してもよい。プロセッサは、分散処理用に構成されてもよく、一部の実施形態では、必要に応じてクライアント-サーバモデルを利用してもよい。したがって、方法及びシステムは、複数のプロセッサ及び/又はプロセッサデバイスを利用してもよく、プロセッサ命令は、このような単一又は複数のプロセッサ/デバイスに分割されてもよい。
【0024】
[0026] プロセッサと一体化するデバイス又はコンピュータシステムは、例えば、パーソナルコンピュータ、ワークステーション(例えば、Sun、HP)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA:personal digital assistant)、携帯電話又はスマートフォン等のハンドヘルドデバイス、ラップトップ、ハンドヘルドコンピュータ、又はプロセッサと一体化されて本明細書で提供されるように動作可能な他のデバイスを含んでもよい。したがって、本明細書で提供されるデバイスは網羅的ではなく、限定ではなく例示のために提供される。
【0025】
[0027] 「マイクロプロセッサ」及び「プロセッサ」への言及は、スタンドアロン及び/又は分散環境で通信してもよく、斯くして、他のプロセッサと有線又は無線通信を介して通信するように構成されてもよい1つ以上のマイクロプロセッサを含むと理解されてもよく、このような1つ以上のプロセッサは、同様の又は異なるデバイスであってもよい1つ以上のプロセッサ制御デバイス上で動作するように構成されてもよい。斯くして、このような「マイクロプロセッサ」又は「プロセッサ」との用語の使用は、中央処理ユニット、算術論理ユニット、特定用途向け集積回路(IC)、及び/又はタスクエンジンを含むと理解されてもよい。なお、このような例は、限定ではなく例示のために提供される。
【0026】
[0028] さらに、メモリへの言及は、別段の定めがない限り、プロセッサ制御デバイスの内部にあってもよい、プロセッサ制御デバイスの外部にあってもよい、及び/又は様々な通信プロトコルを使用して有線又は無線ネットワークを介してアクセスされてもよい1つ以上のプロセッサ可読及びアクセス可能メモリ要素及び/又はコンポーネントを含んでもよく、別段の定めがない限り、外部及び内部メモリデバイスの組み合わせを含むように構成されてもよく、このようなメモリは、アプリケーションに基づいて連続的及び/又はパーティション分割されてもよい。したがって、データベースへの言及は、1つ以上のメモリ関連付け(memory association)を含むと理解されてもよく、このような言及は、商業的に入手可能なデータベース製品(例えば、SQL、Informix、Oracle)及びプロプライエタリデータベースを含んでもよく、リンク、キュー、グラフ、ツリー等のメモリを関連付けるための他の構造を含んでもよい。なお、このような構造は、限定ではなく例示のために提供される。
【0027】
[0029] ネットワークへの言及は、別段の提供がない限り、1つ以上のイントラネット及び/又はインターネットを含んでもよい。マイクロプロセッサ命令又はマイクロプロセッサ実行可能命令への本明細書での言及は、上記にしたがって、プログラマブルハードウェアを含むと理解されてもよい。
【0028】
[0030] 別段の言及がない限り、用語「実質的に」の使用は、当業者には理解されるように、正確な関係、条件、配置、配向、及び/又は他の特徴、並びにそれらの偏差を含むと解釈されてもよい。このような偏差は、開示された方法及びシステムに著しくに(materially)影響しない程度である。
【0029】
[0031] 本開示の全体を通して、名詞を修飾するための冠詞「1つの」(「a」及び/又は「an」及び/又は「the」)の使用は、便宜上使用され、特記がない限り、修飾された名詞の1つ又は2つ以上を含むと理解されてもよい。「含む」、「備える」及び「有する」という用語は包括的(inclusive)であり、列挙された要素以外の追加の要素が存在してもよいことを意味する。
【0030】
[0032] 他のものと通信する、他のものと関連付けられる、及び/又は他のものに基づくように図面を通じて記載され、及び/又は別の方法で描写される要素、コンポーネント、モジュール、及び/又はこれらの部品は、別段の規定がない限り、直接的及び/又は間接的に通信する、関連付けられる、又は基づくものと理解されてもよい。
【0031】
[0033] 本明細書で述べられる一部の態様、特徴及び実施形態は、コンピュータ等のマシン、電子部品、光学部品、及びコンピュータ実施ステップ等のプロセスを含んでよい。コンピュータ実施ステップは非一時的コンピュータ可読媒体にコンピュータ実行可能命令として記憶されてよいことが当業者に明らかであろう。さらに、コンピュータ実行可能命令は様々な有形プロセッサデバイスで実行されてよいことが当業者によって理解されるであろう。説明の容易さのために、コンピュータ又はデータストレージシステムの一部であり得るあらゆるステップ、デバイス又はコンポーネントが本明細書で述べられているわけではない。当業者は、本開示の教示及び当業者に一般的に利用可能な知識の観点からこのようなステップ、デバイス及びコンポーネントを認識するであろう。それゆえ、対応するマシン及びプロセスは、使用可能であり、本開示の範囲内にある。
【0032】
[0034] いくつかの特徴、態様、実施形態、及び実装形態が述べられた。それにもかかわらず、本願明細書で述べられる発明概念の範囲から逸脱することなく、広範で多様な修正及び組み合わせがなされ得ることを理解されたい。したがって、これらの修正及び組み合わせは、以下の特許請求の範囲の範囲内にある。
図1
図2
図3
【国際調査報告】