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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-26
(54)【発明の名称】独立したスペーサ及び方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 63/00 20060101AFI20230519BHJP
   B01D 63/10 20060101ALI20230519BHJP
【FI】
B01D63/00 510
B01D63/00 500
B01D63/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022561528
(86)(22)【出願日】2021-04-06
(85)【翻訳文提出日】2022-11-21
(86)【国際出願番号】 US2021026030
(87)【国際公開番号】W WO2021207256
(87)【国際公開日】2021-10-14
(31)【優先権主張番号】63/006,638
(32)【優先日】2020-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/056,135
(32)【優先日】2020-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519350775
【氏名又は名称】アクア メンブレインズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ヘリントン,ロドニー,イー
(72)【発明者】
【氏名】ベックマン,クレイグ
(72)【発明者】
【氏名】ウェインガート,ジェイ,コリン
(72)【発明者】
【氏名】ウェインガート,ジェイ,ケンダル
(72)【発明者】
【氏名】ロデリック,ケヴィン
【テーマコード(参考)】
4D006
【Fターム(参考)】
4D006GA02
4D006HA61
4D006JA04A
4D006JA04Z
4D006JA19A
4D006JB04
4D006JB09
4D006MA03
4D006MC02
4D006MC22
4D006MC23
4D006MC27
4D006MC48
4D006MC49
4D006MC62
4D006PA01
(57)【要約】
供給スペーサ又は排除スペーサ、又は中間スペーサ、又は折り目保護ストリップ、又は端支持ストリップを直接膜シートに、又は後で膜シートに適用される基板材料に適用することを含む、流体又はガス濾過用の膜要素を作製する方法であり、これにより、直接印刷された接着剤、インク、若しくはポリマーによる汚染、又は膜シートの表面にスペーサ若しくはパターンを直接適用する際の膜シートへの熱又は放射線損傷による損傷を回避し、それによって従来の供給スペーサメッシュ材料の使用を回避する。シートの画定された領域に適用されたスペーサを有する膜シート及び渦巻状濾過要素、いくつかの実施形態では、下にある膜とは異なる材料特性、例えば、剛性を有する基板上に装着されたスペーサを有する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体処理のための膜要素の製造方法であって、
(a)複数のスペーシング特徴部が配設された第1の基板シートを備えるスペーサシートを形成することと、
(b)前記スペーサシートを膜シートに接着することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記スペーシング特徴部が前記膜シートに接着しない前記スペーサシートの側にあるように、前記スペーサシートが、前記膜シートに接着される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基板シートが、前記膜シートよりも高い剛性を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記スペーシング特徴部が前記膜シートに接着されるように、前記スペーサシートが、前記膜シートに接着される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記スペーシング特徴部が前記膜シートに接着された後に、前記スペーシング特徴部から前記第1の基板シートを分離することと、前記膜シートに接着された前記第1の基板シートではなく前記スペーシング特徴部を残すことと、を更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
各スペーシング特徴部が、前記第1の基板シートと前記スペーシング特徴部の上部との間に開放チャネルを画定する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ステップ(a)が、
(a)第2の基板シートを第1の特徴部シートにその第1の表面で接合することと、
(b)前記第1の特徴部シートの第2の表面からパターンを前記第1の特徴部シートに切り込むことであって、前記第2の表面が、前記第1の表面の反対側にあり、前記切り込みが、前記第1の特徴部シートを完全には貫通しない、切り込むことと、
(c)第1の基板シートの第1の表面が、前記第1の特徴部シートの前記第2の表面に隣接するように、前記第1の基板を前記第1の特徴部シートに接合することと、
(d)前記第1の特徴部シート及び前記第1の基板の前記切り込みパターン部分が前記スペーサシートを形成するように、前記第1の基板シート及び前記第1の特徴部シートの切り込みパターン部分を前記第2の基板シートから分離することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ステップ(a)が、
(a1)第2の基板シートを第1の特徴部シートにその第1の表面で接合することと、
(a2)前記第1の特徴部シートの第2の表面から前記第1の特徴部シートの中にパターンを切り込むことであって、前記第2の表面が、前記第1の表面の反対側にあり、前記切り込みが、前記第1の特徴部シートを完全には貫通しない、切り込むことと、
(a3)前記第1の基板シートの第1の表面が、前記第1の特徴部シートの前記第2の表面に隣接するように、前記第1の基板を、前記第1の特徴部シートに接合することと、
(a4)前記第1の特徴部シート及び前記第1の基板の前記切り込みパターン部分が前記スペーサシートを形成するように、前記第1の基板シート及び前記第1の特徴部シートの切り込みパターン部分を前記第2の基板シートから分離することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ステップ(a)、ステップ(c)、又は両方で接着剤が使用される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記特徴部シートが、少なくとも0.003インチの厚さであり、0.060インチ以下の厚さである、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
ステップ(a)が、前記スペーサシートの表面上にスペーシング特徴部を直接堆積させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
ステップ(a)が、第2の基板シートの表面上にスペーシング特徴部を直接堆積させることと、前記第1の基板シートを、前記第2の基板シートへの前記スペーシング特徴部の結合よりも強い結合で前記スペーシング特徴部に接着することと、次いで前記第2の基板シートを前記スペーシング特徴部から分離することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記スペーサ要素が、不要な間隙材料の除去を容易にする特徴部を1つ以上の端に有するように成形される、請求項7~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記スペーサ要素が、前記第1の基板のエッジに対してゼロ度よりも大きく90度よりも小さい角度で、実質的に直線セグメントである部分を有するように成形される、請求項7~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記膜要素を渦巻状に巻いて渦巻状膜要素を形成することを更に含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記膜要素をプレート及びフレームタイプの膜システムに配置することを更に含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
濾過要素における使用のためのリーフであって、
基板と、
前記基板の第1の面上に配設された活性表面と、
前記活性表面、前記基板の第2の面、又は両方に配設された複数のスペーシング要素であって、前記スペーシング要素が、第1の材料を含み、前記活性面、前記基板の第2の面、又は両方に、前記第1の材料とは異なる接着剤を使用して、装着される、複数のスペーシング要素と、を備える、リーフ。
【請求項18】
前記スペーサが、線セグメント又は曲線を備え、前記基板の第1のエッジ及び前記基板の第2のエッジの近くで、前記基板の半分のみに配設される、請求項1に記載のリーフ。
【請求項19】
前記スペーサが、前記基板よりも高い剛性を有する材料を含むシートを備え、前記シートの表面に複数の突起が配設されている、請求項1に記載のリーフ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本主題発明は、流体成分の分離のために利用される膜システム、特に渦巻状膜要素に関する。
【背景技術】
【0002】
渦巻状膜濾過要素は、当技術分野で周知であり、典型的には、膜を通過して中央管に至る流体を中央管の軸に対して、長手方向に、除去のための経路を形成する多孔質透過キャリアに、又はその周りに、密封された膜シートを備える積層構造を備え、この積層構造は、中央管の周りに渦巻状に巻き付けられ、多孔質供給スペーサでそれ自体から離間されて、要素を通る流体の軸方向の流れを可能にする。従来、メッシュ供給スペーサを使用して、供給水の流れを可能とし、供給水の流れの一部が膜を通過し、渦巻状要素の中に流入し、排除水が、中央管に平行な方向、及び要素構築の軸に、要素を出るのを可能にする。
【0003】
渦巻状要素の設計に対する改良は、Bargerらの米国特許第6,632,357号、Bradfordらの米国特許第7,311,831号に開示され、及び豪州(2014223490)及び日本(6499089)における、Herringtonらの「Improved Spiral Wound Element Construction」と題する特許に開示されており、これらは、従来の供給スペーサを、膜の内側又は外側表面に直接堆積又はエンボス加工された島又は突起に置き換えている。「Integral Spacers」と題する、Herringtonらの米国仮出願第62797357号は、供給スペーサ構成要素をポリマー層の下の実際の膜シートに一体化し、透過キャリアとしても機能するのに十分な厚さの、厚い不織ポリエステル支持体を一体化することもできる膜シートを作製する方法を説明している。「Entrance Features」と題する、Beckmanらの米国仮出願第62849952号は、渦巻状要素の供給及び排除領域におけるよどみ点を低減させることによって流体抵抗を最小化する特徴部を説明している。「Variable Velocity Patterns」と題する、Herringtonらの米国仮出願第62855166号は、渦巻状要素の供給端から排除端までの流路に沿って流体の速度を一定に維持する供給空間における特徴部について説明している。「UV Enhanced」と題する、Herringtonらの米国仮出願第62885453号は、渦巻状要素におけるポリアミド膜の流束及び排除特性を修正する方法を説明している。「Bridge Support and Reduced Feed Spacers」と題する、HerringtonらのPCT出願第US2018/55671号は、ローリング時に膜エンベロープの端を支持し、渦巻状要素の供給スペーサ特徴部パターンを低減させるスペーサ特徴部を説明している。「Graded Spacers」と題する、RoderickらのPCT出願第US2018/016318号は、供給流路において、一定の速度を維持し、かつ流動抵抗を低減させるために、長手方向の流れの渦巻状要素における中央管に近づくにつれて高さが減少する供給スペーサ特徴部を説明している。「Permeate Flow Patterns」と題する、RoderickらのPCT出願第US2017/52116号は、最初の起動中の渦巻状要素の加圧時に膜シートについてのエンボスポイントとして機能する透過キャリア上の供給スペーサパターンを印刷することを含む、渦巻状要素の透過空間における流路について説明している。「Interference Patterns」と題する、Roderickらの大韓民国特許第10-2033982号は、構成中に渦巻状要素をローリング時に供給スペーサ特徴部のネスティングを排除する供給スペーサ特徴部を説明している。「Non Nesting Patterns」と題する、RoderickらのPCT出願第US2018/27367号は、渦巻状要素のローリング及び動作中の供給スペーサパターンのネスティングを回避する印刷されたスペーサパターンを説明している。「Mixing Promoting Spacers」と題する、HerringtonらのPCT出願第US2018/28453号は、濃度分極及びその他の有害な影響を低減するために、渦巻状要素の供給空間チャネルにおける供給スペーサ特徴部を説明している。「Preferred Flow Paths」と題する、WeingardtらのPCT出願第US2019/45222号は、渦巻状要素の供給空間における流路を説明している。「Flow Separators for RO Elements」と題する、RoderickらのPCT出願第US2019/58652号は、渦巻状膜要素の供給空間における様々な流路スキームを説明している。この段落で引用された参考文献の各々は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0004】
典型的には、流体供給流は渦巻状要素の中央管に対して垂直である。製造において、要素を渦巻構成に巻いた後、膜シートエンベロープは接着後に切断され、膜エンベロープの供給エッジは、供給溶液の流れに対して平坦な表面を呈する。「Flow Directing Devices for Spiral Sound Elements」と題する、HerringtonらのPCT出願第US17/62425号は、供給ストリームにおける粒子の妨害を、膜エンベロープの端での衝突から回避するのを補助するように、渦巻状要素の供給端を流体の流れに掃引させる回転羽根を組み込んだ伸縮防止デバイスを説明している。「Independent Spacers」と題する、HerringtonらのPCT出願第US63/006638号は、別個に製造され、膜シートの表面に適用されるスペーシング特徴部を説明している。この段落で引用された参考文献の各々は、参照により本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【0005】
本発明の理解は、Bargerらの米国特許第6,632,357号、Bradfordらの米国特許第7,311,831号の文脈によって、及び豪州(2014223490)及び日本(6499089)における「Improved Spiral Wound Element Construction」と題する、Herringtonらによる特許の文脈によって、容易に理解することができ,これらの各々は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0006】
本発明の実施形態は、供給入口スペーサ、排除出口支持スペーサを提供し、いくつかの実施形態では、膜表面に直接印刷されず又はエンボス加工されず、透過キャリアと一体ではない、内部支持スペーサを提供する。支持スペーサは、渦巻状要素にローリングする前に膜表面に取り付けられるか、又は電気透析若しくはプレート及びフレームシステムでの関連タイプの用途に適用するために平板構成で適用される。スペーサは、リーフの上表面に適用することも、リーフの底リーフ表面に適用することも、両表面に適用することもできる。取り付けは、支持スペーサ若しくは支持スペーサの一部に接着剤を適用することによって達成することができるか、又は、支持スペーサの全体若しくは一部を、透過キャリアエンベロープを密封するために使用されるのと同様の接着剤を使用して膜表面に接着することができ、又は、エポキシ、ウレタン接着剤、若しくは透過キャリアエンベロープを密封するために使用される接着剤と同様若しくは同じ他の接着剤などの他の接着剤で接着することができる。スペーサストリップは、エンボス加工されてもよく、組み立て前に射出成形されてもよく、ステンシルカットされてもよく、及び短い又は長いセグメントにされてもよい。支持スペーサは、ドット、線、線分、曲線、又は渦巻状要素のローリング中に透過キャリア内の接着ラインに支持を提供する他の特徴部とすることができ、任意選択的に、渦巻状要素の中央を支持して、膜シートを分離した状態に保ち、流路に乱流を提供するか、又はそれらの組み合わせを任意選択で渦巻状膜要素の内部に配置する。
【0007】
当該技術分野で現在実施されている膜シートを製造する1つの方法では、膜の完全なシートが印刷され、エンボス加工され、又は他の方法でパターンが適用され、典型的には、例えば幅1メートル×長さ2メートル、又は他の適切な寸法その他の完全な膜シートに適用される。このプロセスは、印刷されていない膜シートの中央にかなりの空き空間を残すが、印刷システムの空間を占有し、例えば、膜の供給端又は排除端の近くにない膜シートの領域のような、空き領域における膜表面に重要な材料を適用することなく、膜シートを処理する時間を利用する。
【0008】
本発明の実施形態は、入口及び出口の供給及び排除スペーサが、大判フォトポリマー若しくはオフセット、又はスクリーンプリンタ、又は材料を平坦又は湾曲した材料に適用するための他のそのようなシステム上の密なパターンでストリップ上に印刷されることを可能にする。プリンタ、スクリーン、オフセット、グラビア、又は基板にスペーサを適用するための他のデバイス又は方法を最大限に活用するために、供給、排除、又は中間のスペーサが適用されたストリップを堆積プロセスで互いに近接して位置合わせすることができる。次に、基板上のスペーサをストリップに切断することができる。次いで、膜シート表面全体を印刷する必要なく、接着剤又は結合プロセスによって、スペーサのストリップを膜の表面に適用することができる。ローリング時にスペーサストリップに接着剤を適用することにより、接着剤は依然として粘性であることができ、ローリング中にスペーサストリップが膜シートの結合を引き起こさないように、ローリング中に膜シートの表面に対してスペーサストリップを滑らせることができる。代替的に、スペーサストリップは、渦巻状要素モジュールの適用及びローリング、又はプレート及びフレーム構成での適用の前に、スペーサ基板の底に接着剤を適用及び乾燥させることができる。更に、スペーサが印刷される基板は、各基板セグメントに単一又は複数のスペーサ特徴部を備えた短いセグメントに切断できる。スペーサ特徴部のパターンを有する独立したストリップのみにスペーサ特徴部を印刷することの重要な利点は、プロセスが膜シートの性能に悪影響を与える可能性がある、印刷プロセスによって膜シートがいかなる方法でも接触しないことである。本発明の実施形態は、膜シートの性能にそのような悪影響を及ぼさない多くの従来の取り付け方法のいくつかによって、スペーサ特徴部の膜シートへの取り付けを容易にする、分離基板材料上に形成されたスペーシング特徴部を利用することによって、膜への熱若しくは波長のエネルギーの付加、又は膜シート上の揮発性物質を回避する。
【0009】
本発明は、独立したスペーサを作製するための様々な方法を企図する。一例として、ビニールシートなどの材料は、ビニールに結合された接着剤を介して第1の基板にすでに取り付けられた状態で取得することができる。第1の基板をビニール材料から除去されるとき、接着剤は、基板に残らないが、ビニールには残る。次に、ビニール材料を表面に適用して、ビニールを表面に付着させことができる。これらの技術は、車両の側面に広告を接着するために広く使用されている。更に、ビニールを切り取る機械を使用して、第1の基板を損傷することなく、ビニールから文字又はロゴなどの形状を切り取ることができるが、第1の基板を切り取るのに十分な切断深さを有さない。望ましくないビニール材料、例えば、文字とロゴとの間の望ましくないビニールは、パターンから取り除かれ、第1の基板に文字又はロゴだけが残る。次いで、接着剤付きの第2の基板、すなわち第2の基板をビニールの上に適用することができる。この第2の基板は、ビニールの上部により強く付着する接着剤を表面に持つことができる。次いで、第1の基板をビニールから除去し、ビニールを第2の基板に付着させたままにすることができる。次いで、第2の基板を有するビニールを、車両又は窓の側面などの表面に適用することができる。ビニールの底面の接着剤は、ビニールへの第2の基板よりも目的の表面への接着力が強くなっている。次いで、第2の基板をビニールから除去し、ビニールを所望の表面、例えば車両又はガラス表面に付着させたままにすることができる。同様に、特定の形状のビニールパターンを流体分離に使用される膜などの膜表面に適用することもでき、この場合、ビニールパターンは、供給スペーサ材料、又はプレート及びフレーム構成として渦巻状要素のスペーサ材料として使用される。PCV、CPVC、アクリル、ABS、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリエステル、金属材料、及び渦巻状技術又はプレート及びフレーム技術の分野で使用される他の材料などを含む、ビニール以外の他の材料も含むことができることに留意されたい。
【0010】
別の例示的な実施形態では、薄い接着剤コーティングを有する第1の基板を基板として使用して、ビニール、フォトポリマーコーティング、ウレタンコーティング、ホットメルト、又は他の材料を第1の基板の接着剤でコーティングされた表面に直接印刷又は適用することができる。スクリーン印刷、グラビア印刷、インクジェット、レーザージェット、及びその他の技術を使用して、第1の基板の接着剤がコーティングされた表面にスペーサ材料を適用することもできる。次いで、第1の基板の表面に適用された材料の上に第2の接着材料を適用することができる。次に、スペーサ材料と接着剤がスペーサ材料の上部に適用された第1の基板を、膜シートなどの別の表面に適用することができる。次いで、接着剤コーティングを有する第1の基板を除去して、膜表面に結合したスペーサ材料を残すことができる。ここで、スペーサ材料を膜表面に接着剤で適用することができ、スペーサ材料の上部には接着剤がなくなる。スペーサが適用された膜シートは、渦巻状膜要素に巻くことができ、又はプレート及びフレームのタイプの膜の適用若しくは膜シートが互いに離間される他のタイプの膜分離プロセスで使用することができ、液体若しくはガスが膜の表面に到達できる。
【0011】
高速自動化をサポートし、不要なビニールのウィーディングプロセスを高速化するために、すべての「ネガティブ」空間を単一片として除去することができるように、パターンを設計することができる。これを行うには、ウィーディング後に残されたスペーサ片が個々の要素であり、取り除かれた部分が完全に相互接続されるように、そのパターンを設計することができる。
【0012】
本発明に関連する開発及び試験中に、ウィーディング後に残す部分のヘッドにスペーサのより大きな部分がある場合、スペーサステッカーは、はるかに容易にウィーディングできることが判明した。このより大きなセクションは、スペーサとバッキングとの間の結合強度を増加させ、ネガティブ空間が取り除かれるにつれて、スペーサがネガティブ空間とともに除去される可能性を低くする。
【0013】
バッキングペーパへの接着強度を増加させるためにスペーサ特徴部のヘッドをより大きくすることに加えて、ヘッドは丸みを帯びたエッジ、又は端の点に向かって先細りになり、またヘッドの反対側のスペーサバーの幅までに先細りになる両頭矢印のような形状を有することもできる。このテーパ形状は、ウィーディング時に引っ張る力が適用される領域を低減し、バッキングからスペーサ特徴部を除去することなく、ネガティブ空間を除去することをより容易にする。
【0014】
ウィーディング能力を増加させるためにヘッドを大きく設計する場合、ヘッドを可能な限り大きくすることが所望されるが、ウィーディング処理中に材料が引っ張られたときに材料が壊れないように、ヘッド間の空間を十分に広くする必要があることも見出された。スペーサヘッド間のネガティブ空間の幅は、少なくとも0.015インチにすることができ、材料の厚さが増加するにつれて空間を増加させることができる。
【0015】
スペーサのウィーディング回数を低減して生産性を増加させるために、スペーサの長さを標準のスペーサの長さの2~3倍にし、ウィーディング後にストリップの幅にカットすることができる。ウィーディングで最も時間のかかる部分はプロセスを開始するときであるため、これにより労力が低減される。ウィーディングを開始する必要がある回数を低減することで、スペーサストリップ当たりの全体的な作業時間が低減され、生産性が増加する。
【0016】
望ましくない材料を取り除く場合、スペーサ特徴部の方向に垂直に取り除くと有利な場合がある。スペーサセグメント方向の通常の配向から90度の方向でウィーディングを容易にするために、例えば、渦巻状要素への供給の流れの方向から90度でウィーディングするか、又はプレート及びフレームの用途の流体経路でウィーディングすれば、スペーサの方向を、流れに対して垂直ではない角度、すなわち渦巻状要素の中央管の中心線に対して垂直ではない角度に配向することが有利であり得る。このようにして、所望されない材料のリード部分が最初にスペーサから除去され、続いてスペーサ要素の長さに沿って望ましくない材料が除去される。
【0017】
ウィーディングプロセスを自動化する場合、スプール又は巻き取りリールを使用して、ウィーディングプロセスからの不要な材料を蓄積することができる。この巻き取りリールは、スペーサストリップのラインからオフセットした角度に配向することができる。これにより、スペーサストリップに対して垂直又は平行にウィーディング材料を除去しようとするのではなく、スペーサストリップからのウィーディング材料の除去を容易にする角度で、ウィーディング材料をスペーサから持ち出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】ローリング前の従来の渦巻状膜要素の図である。
図2】渦巻状膜要素の端面図である。
図3】従来のメッシュタイプの膜要素の断面図である。
図4】供給スペーサ付き渦巻状膜要素のエントランス又は排除端の3つの図である。
図5】不要な間隙材料の除去を容易にする特徴部を有する基板上のスペーサの図である。
図6】不要な間隙材料の除去を容易にする特徴部を備え、基板の方向に対してある角度で配向された、基板上のスペーサの図である。
図7】不要な間隙材料の除去を容易にする特徴部を備え、基板の方向に対して90度以外の角度で配向された基板上のスペーサの図である。
図8】基板上に堆積された個々のスペーサ特徴部を有する基板シートの図である。
図9】基板上に堆積された連続的なスペーサ特徴部を有する基板シートの図である。
図10】基板上に堆積され、様々な長さのスペーサセグメントに切断された連続的なスペーサ特徴部を有する基板シートの図である。
図11】膜シートの入口及び出口供給部分に適用されたスペーサ特徴部の図である。
図12】膜シートの入口及び出口供給ポートに適用されたスペーサ特徴部、並びに膜シートの非エッジ領域に適用されたスペーサ特徴部の図である。
図13】膜シートの供給端及びエントランス端にあるストリップに供給スペーサが取り付けられた膜シートの断面図である。
図14】膜シートの供給端及びエントランス端並びに膜シートの内部領域にあるストリップに取り付けられた供給スペーサを有する膜シートの断面図である。
図15】ストリップの上部に連続した底表面及び特徴部を有するスペーサストリップの図である。
図16】連続した底表面のないストリップに一体化された特徴部を有するスペーサストリップの図である。
図17】複数のセグメントで作製されるスペーサストリップの図である。
図18】基板上の特徴部をステンシルで切断する手順の図である。
図19】ステンシルカットしてスペーサ特徴部を膜に適用するための装置及び方法の図である。
図20】基板上にスペーサ特徴部を印刷又は堆積し、スペーサ特徴部に接着剤を適用し、それらのスペーサ特徴部を膜に適用する方法の図である。
図21】基板上にスペーサ特徴部をスクリーン印刷又はグラビア印刷し、スペーサ特徴部に接着剤を適用し、それらのスペーサ特徴部を膜に適用するための装置及び方法の図である。
【0019】
発明を実施するための形態と産業上の利用可能性
図1は、従来の渦巻状膜要素100の重要な要素を図示している。透過収集管12は、透過流体が透過供給スペーサ22から収集されるところの穴14をその中に有する。製造において、膜シート24及び28は、中心線30で折り畳まれる1枚のシートを備える。膜シート24及び28は、典型的には、多孔性不織ポリエステル層、例えばポリスルホンなどの多孔性支持層、及び支持層に接着又はキャストされた活性ポリマー膜層から構成される。活性ポリマー膜表面24は供給スペーサメッシュ26に隣接し、非活性支持層28は透過キャリア22に隣接する。供給溶液16は、活性ポリマー膜表面24の間に入り、供給スペーサメッシュ26における開放空間を通って流れる。供給溶液16が供給スペーサメッシュ26を通って流れると、全溶解固形(TDS)イオンは活性ポリマー膜表面24で排除され、透過流体の分子、例えば水分子は活性ポリマー膜表面24を通過し、多孔質透過キャリア22に入る。供給溶液16が活性ポリマー膜表面24に沿って通過するにつれて、TDSイオンの濃度は、バルク供給溶液16中の透過流体の損失により増加し、それによって供給溶液が活性ポリマー膜シート24の排除端を排除溶液18として出る。透過キャリア22における透過流体は、透過キャリア22の遠位端34から中央管12の方向に流れ、そこで透過流体は中央管エントランスホール14を通って中央管12に入り、透過溶液20として中央管12を出る。供給溶液16による透過流体の汚染を回避するために、活性ポリマー膜表面24は、透過キャリア22を通る接着剤ライン32に沿って接着剤で密封され、それによって、透過溶液20の唯一の出口経路が中央管12を通る密封された膜エンベロープを作り出す。
【0020】
図2に示されるように組み立てられた渦巻状膜要素200は、膜シートの間に配設され、適切な接着剤でエッジに沿って密封された透過キャリアで一端が折り畳まれた膜シートの膜エンベロープ102を備える。膜要素200の従来の設計では、供給スペーサメッシュ26がエンベロープ102に隣接して配置され、供給流体16の流れが膜エンベロープ102の供給空間内を流れ、膜シートの活性ポリマー表面のすべてを供給流体16に露出できるようにする。透過又は生成流体は、膜エンベロープ102の内側の透過キャリアに収集され、生成又は透過流体が収集される中央管12まで螺旋状に更に下降する。
【0021】
そのような要素の一部の断面図である図3を参照すると、膜エンベロープは、第1の膜シート24、透過キャリア22の層、及び第2の膜シート28のエッジを接着剤104によってともに密封することによって生成される。渦巻状要素の製造プロセスでは、個々の膜リーフ24及び28が半分に折り畳まれ、透過キャリア22が各折り畳まれたシートの間に配置され、接着剤が透過キャリアの上に適用され、要素が巻かれて、層化された螺旋構成が製造される。ローリングプロセス中、接着剤104は、膜シート24及び28を一緒に適切に密封して図2のような膜エンベロープ102を作製するために、透過キャリア22を貫通しなければならない。再び図3を参照すると、膜要素200(図2)の最終構造を完成させるために、切断線44に沿って接着剤材料104を通して端がトリミングされる。多くの流体供給用途では、供給流体16は、エンベロープ102の平らな端エッジ134に衝突する可能性のある粒子又は不純物を含み、粒子がエンベロープ102の端面に集まることを可能にし、その結果、エンベロープ102のリーフ間の供給空間への流体の流れを制限する可能性がある。更に、供給スペーサメッシュ26は、典型的には、プラスチックウェビングタイプのメッシュを備えることができ、メッシュの切断端は、エンベロープ102間の供給空間のエントランス領域に粒子を蓄積するようにも機能する。供給スペーサメッシュ26は、接触点140で一緒に結合された上部ストランド136及び下部ストランド138を備える。既存のメッシュ型スペーサ膜要素の別の望ましくない特徴は、供給流体16がストランド136及び138の上及び下を流れなければならず、メッシュスペーサに圧力損失が生じることである。これらの圧力損失は、膜システムの動作のエネルギーコストを増加させる。圧力損失を減少させることができる場合、システム全体のエネルギー要件を低減させることができる。従来の膜要素200の典型的な構造において、膜シート24及び28は、透過の中央収集管12(図2)への流れを可能とする膜シートのエッジまで延在する透過キャリア22を取り囲む。
【0022】
流体力学の観点から、膜エンベロープ102の平らな端面134に衝突する供給流体16は最適ではなく、流体がバルクフローから供給チャネルに移行するにつれて、流体の流れに対する追加の抵抗を生み出す。渦巻状膜システムの代替的な実施形態では、供給スペーサメッシュ26を、膜シート24に直接適用された個々のスペーサ特徴部と置き換えることができ、それによって供給スペーサメッシュ26の必要性を排除する。これらの個々のスペーサ要素は、膜シート24に直接適用することができ、又は後から後膜シート24に転写することができる基板材料に直接適用することができる。
【0023】
基板に取り付けられたスペーシング特徴部の代替的な実施形態は、参照により本明細書に組み込まれる、「Independent Spacers」と題する、Herringtonらによる米国仮特許出願第63006638号で参照される。
【0024】
図4Aに示される膜要素の例示的な実施形態では、スペーシング特徴部206は、膜エンベロープ102に個別に取り付けられるか、又はスペーシング特徴部206を膜表面24に直接適用することによって、又は代替的に膜表面28に交互に適用することによって、又は両方の膜表面24及び28に適用することによって、膜エンベロープ102を作製する前に取り付けられる。この実施形態では、スペーシング特徴部206は、スペーシング特徴部206の取り付け面に、あるいは膜表面24又は28に直接、又は代替的に膜エンベロープ102に適用することができる任意の適切な接着剤230によって膜表面に取り付けられる。
【0025】
図4Bを参照すると、膜エンベロープ102は、接着剤104を追加することによって作製され、透過キャリア22を膜表面24及び28に密封し、膜エンベロープ102を作製する。印刷されたスペーサ206を使用するいくつかの例では、膜表面24及び28の支持が不十分になり、渦巻状要素のローリングプロセス中に接着剤104が膜表面24及び28を膨らませる可能性がある。これにより、供給溶液16(図2)が供給空間232に入るのが部分的に遮断される。図4Cを参照すると、この問題を緩和するのを助けるために、基板204に適用される接着剤裏打ち又は印刷されたスペーサ206は、膜シート24又は28よりも剛性が高い材料から作られ、したがって入口供給空間232をはみ出したり遮断したりする接着剤104に対するサポートを提供できる。これにより、渦巻状要素の供給空間の供給領域と出口領域にわたる流体の圧力損失が少なくなり、したがって、全体的な動作エネルギーコストが低減される。
【0026】
図5は、基板40に適用されたスペーサ特徴部46を備えるアセンブリ500を示し、スペーサ特徴部46は、基板40からの不要なスペーサ材料の除去を容易にするウィーディングヘッド48を、組み込む必要はないが、組み込むことができる。例示的な実施形態の1つのプロセスでは、ビニール又は他の材料が基板40の表面全体を覆い、切断機は、ビニール材料を切り取ってスペーサ46の輪郭を切り取るが、基板40には切り込まないようにプログラムされる。スペーサ46はビニール材料から構成されることに留意されたい。例示的な実施形態では、不要な材料47が基板40から除去され、スペーサ46のみが残る。個々のスペーサ46を乱すことなく、基板40から不要な材料47を除去するのを容易にするために、ウィーディングヘッド48などの特別な特徴部をスペーサ特徴部46の切り取りパターンに組み込むことができる。いくつかの例示的な実施形態では、基板40の上にある材料は、PVC、CPVC、ポリエステル、ポリカーボネート、ABS、又は任意の数の他のプラスチック、ポリマー、更には金属又は合金を含む任意のタイプの適切な材料であり得る。
【0027】
図6を参照すると、スペーサ46の位置合わせは、基板40の方向に対する法線に対してゼロでない角度「V」に配向することができる。角度Vは、図6及び7に示すように、正又は負にすることができる。図7はまた、ウィーディングヘッド48がスペーサ46の図6に示されたものとは反対側の端に配向されている実施形態を示している。渦巻状要素200(図2)の組み立て中、ウィーディングヘッド48は、要素200の最初の巻き付けの後、エンベロープ102(図2)の供給端と排除端の両方の切断線44(図3)で切り取ることができる。このプロセスは、スペーサ46のみを膜表面24の活性表面上に残し、代替的に膜28(図1)の活性表面上にも残す。組み立てプロセス中にウィーディングヘッド48を除去することにより、供給流体16が渦巻状要素の供給空間に入るのを妨げる抵抗が少なくなる。
【0028】
先行技術では、スペーサは別の方法で膜シート24の表面に印刷されるか、又は直接適用される。渦巻状要素構成のための膜シート上のスペーサ46の最適な設計のために、スペーサ46は、接着剤ラインを支持するか、又は渦巻状構成でローリングされた後に膜シート24の適切な間隔を確保するために、様々な位置で膜シート上に配置される。膜シートでの直接印刷又は適用は、必然的に、膜シート24上にかなりの空き空間を作り出すのを必要とする。図8に示されるように、スペーサ46の印刷又は堆積は、フィルム70上のスペーサ46の最大限の利用を可能にする高密度パターンで達成することができる。このプロセスは、フィルム70上の利用可能な空間の最大利用を保証し、またフィルム70上への材料の堆積の最大速度を保証し、それによってスペーサ46の生産速度を増加させる。スペーサ46は、フィルム70上に任意の長さXで製造することができ、又はXの値は、フィルム70の同じシート上であるスペーサ長さから別のスペーサ長さに変えることができる。スペーサ46は、任意選択的に、ウィーディングヘッド48をスペーサ46の設計に組み込む。ウィーディングヘッド48は、図8に示すようにスペーサパターンが基板に切り込まれる用途に特に適している。
【0029】
図9に示されるように、スペーサ46は、フィルム70の全長/全幅に作製することができる。ウィーディングヘッド48を任意選択的に利用することができる。先に示したように、ウィーディングヘッド48は、図9に示すようにスペーサパターンを基板に切り込む用途に特に適している。フィルム70の全長にわたってスペーサ46を作製することにより、製造プロセスにおいて材料を最大限に利用することができる。続いて、図10に示されるように、スペーサ46は、膜シートを渦巻状要素構成にローリングする前に、膜シート24上のスペーサ46に利用されるパターンの設計を最適化するために、所望されるように、任意の数の長さY及びZ、又はランダムな長さに切断することができる。
【0030】
図11は、膜シート24に適用されたスペーサ46を示す。先行技術は、膜シート上の適切な位置にスペーサを利用するプロセスを考察している。完全な膜シートは、例えば、幅1メートル、長さ2メートルにすることができる。膜シートの半分には、例えば、膜シート領域28のように、スペーサが適用されていない場合がある。スペーサ46は、膜シート領域24にのみ適用され得る。膜シートの半分のみにスペーサ46を適用し、膜シートを折り線208で折り畳むことにより、膜シートが渦巻状構成102(図2)に丸められるときのスペーサ46の干渉が回避され得る。先行技術において考察される代替的な実施形態では、供給端及び出口端のスペーサを膜シートの全長に沿って適用することができる。
【0031】
図12は、スペーサ206が膜シート24の供給端及び排除端に適用された膜シート24、並びに膜シート24の中間領域に間隔支持を提供するために膜シート24の中間空間に適用された中間スペーサ210を示す。スペーサ210の任意の数の列を膜シート24に適用することができる。
【0032】
図13を参照すると、基板204に取り付けられたスペーサ206は、適切な接着剤234(図4C)を使用して、膜表面24に、又はいくつかの構成では、膜表面28に、又は膜表面24及び28の両方に取り付けることができる。基板から独立したスペーサは、当技術分野で知られている任意の数又は製造方法で、ステンシルカット又は別の方法で成形することができる。基板204が膜表面24又は28に自己接着するように、基板204の底表面に接着剤234を適用することができる。ローリングプロセスの前に、膜シート24及び28を折り線208で互いに折り重ねることができる。渦巻状要素200のローリング中に、基板204に対する膜表面24又は28の巻き半径の差により、膜表面24又は28と基板204との間に機械的干渉が生じる可能性がある。これにより、基板204に対して膜表面24と膜表面28の間に隙間が生じ、それによって2つの面の間に応力と不連続性が生じ、膜表面24、28、又は両方に応力が生じ、膜表面に損傷を与え、膜表面からのイオンの排除を低減する。基板204の接着の別の選択肢は、ウレタン接着剤などのチキソトロピック接着剤の適用であるが、この接着剤は、急速には乾燥しないが、ローリングプロセス中に膜表面24又は28に対して基板204を滑らせることを可能にする。これは、渦巻状要素のローリングプロセス中に膜シート24及び膜シート28を透過キャリア22と一緒に結合するために使用されるプロセスと同じである。
【0033】
図14を参照すると、より長い要素、例えば12インチ以上の渦巻状要素は、渦巻状要素の供給端と排除端との間の空き供給空間を維持するために、渦巻状要素における供給空間の供給端と排除端との間に追加の支持を必要とする場合がある。この追加の支持を達成し、膜シート24及び膜シート28の特性を損なう可能性のある熱又は放射線プロセスによって膜24及び膜28を処理する必要性を軽減するために、スペーサストリップ210(図12)は、膜シート24、28に、又は両方に、取り付けることができ、膜表面を横切る1つ以上の位置に配置して、中間支持を提供する。スペーサストリップ210上のパターンは、ドット、破線、直線、曲線、又は局所的な渦度を維持し、膜表面での浸透圧を局所的に増加させる膜表面でのイオンの蓄積である、濃度分極を最小限に抑えるのに役立つ他の特別な形状を備えることができる。
【0034】
供給又は排除支持基板204は、図15に示されるように、任意の数の方法によって製造することができる。これには、一体型固体スペーサ206を有する射出成形基板、圧縮成形された基板、又は三次元材料を製造するために使用される任意の他の方法が含まれる。図16は、いくつかの用途において供給スペーサ206を通る流体の流れを助けることができる開放チャネル220を有する基板204に一体化されたスペーサ206を示す。これらの基板204は、射出成形、キャスティング、圧縮成形、エンボス加工、又は他のそのような技術を含む、この性質の材料を製造する既知の方法のいずれかによって製造することができる。
【0035】
図17は、例えば長さ0.25インチから長さ40インチまでのセグメントに分割されたスペーサ206基板204を更に説明する。セグメントは、線間切断から最大0.25インチ以上の幅までの任意の幅であり得る破断線222で分離される。基板204で破断線222を組み込むことにより、渦巻状要素のローリングプロセス中に膜シート24、28の間の基板204に蓄積する応力を少なくすることができ、それによって、流束又は排除特性の点で膜シートへの損傷を制限することができる。
【0036】
図18は、ビニール(又は他の材料)が基板から切り出されて、膜表面に適用できるスペーサ材料を作製する実施形態例に含まれるステップを示す。第1のステップでは、切断機が、使用されて、上にある材料にパターンを正確に切り込むものであり、下にある基板には切り込まずに、材料にスペーサを作製する。上にある材料は、基板上の上にある材料を保持する接着剤を組み込むが、基板が上にある材料から除去されるとき、上にある基板上の接着剤は基板に転写されない。図18の第2のステップでは、不要な上にある材料を上にある材料から除去又は取り除き、下にある基板に付着したままの所望のスペーサのみを残す。第3のステップでは、接着剤付きフィルムがスペーサの上部に取り付けられる。フィルム上の接着剤は、フィルムがスペーサから最終的に除去されるときに、スペーサに転写されないようにフィルムに取り付けられる。図18のステップ4では、下にある基板がスペーサの底から除去され、接着剤がスペーサの底に結合したままになる。ステップ5では、スペーサの上に接着フィルムが取り付けられたスペーサが、膜表面の適切な位置に適用される。底に接着剤を組み込んだスペーサは、スペーサを膜表面に接着し得る。図18の第6の最終ステップでは、フィルム及びフィルムに付着した接着剤がスペーサの上部から除去され、それによってスペーサが膜表面に結合したままになる。
【0037】
図19に示される本発明の例示的な実施形態では、スペーサ46は、自動化又は半自動化されたプロセスで膜24に適用される。このプロセスは、材料80のロール78が基板40に取り付けられ、リールから軽い接着剤が剥がれることから始まる。材料は、ローラ84と、カッティングダイ76を備えるダイカッター74との間に入る。ダイカットされた材料は、ローラ84の周りに続く。フィルム70はフィルムリール72から外れる。エンボスローラ86は、中強度の接着剤を組み込んだフィルム70を、ダイカット材料80のスペーサ46に選択的に押し付ける。フィルム70上の強力な接着剤は、スペーサ46をダイカット材料80から分離する。フィルム70に取り付けられたスペーサ46は、ローラ90の周りを進み、そこでローラ90がスペーサ46を膜24に結合する。スペーサ46上の接着剤は、フィルム70上の接着剤よりも強力であり、それによってスペーサは膜24に結合する。膜24は、ローラ90の回転速度に一致するように横方向に移動する真空テーブル96上に装着される。真空テーブル96はまた、次のサイクルを開始するために、スペーサ46が取り付けられた膜24の遊離を可能にする上下特徴部を組み込むことができる。各サイクルの最初と最後に、次のサイクルを開始するために、ピックアンドプレース又はロボットデバイス、又は他の手段によって、膜24を真空テーブル96上に配置/除去することができる。材料47が取り除かれた基板40は、廃棄ビン94に進む。フィルム70は、ローラ88の上を、廃棄ビン95に進む。フィルム分離器92は、ローラ88からフィルム70を確実に分離するために利用される。
【0038】
図20は、フォトポリマー、ホットメルト、又は他の技術を利用して、スペーサ46を膜24に適用する前にフィルム70にスペーサ46を適用する本発明の例示的な実施形態を示す。任意選択的に接着剤コーティングを含むフィルム70は、フィルム70のロール72から分配され、支持プラットフォーム98に進み、分配機構120を介して材料122がフィルム70上に堆積される。材料122は、例えば、続いてエネルギー源によって照射され硬化される液体フォトポリマー材料を含むことができる。エネルギー源は、材料に適した、可視光、紫外光(UV)、又は他のエネルギー周波数を含むエネルギーの任意の波長スペクトルを含むことができる。本発明の例示的な実施形態では、材料122は、フィルム70上に堆積されるホットメルト材料を含むことができる。支持プラットフォーム98は、ホットメルト材料が所望の厚さなどの正しい寸法特性を呈するように、ホットメルト材料を適切に冷却するための冷却特徴部を組み込むことができる。材料122がエネルギー源によって硬化されるか、支持プラットフォーム98から冷却されるか、又は通常の乾燥又は硬化方法によって硬化されて所望の形状が形成されると、形状はスペーサ46を形成する形状に構成される。ここで、スペーサ46が取り付けられたフィルム70は、スペーサ46の表面に接着剤126を適用させることに進む。接着剤126は、接着剤ディスペンサー124から分配される。フィルム70に取り付けられたスペーサ46は、膜シート24に取り付けられるように1つ以上のローラ90を介して進む。接着剤126は、フィルム70とスペーサ46との間の接着剤接触よりも高い結合強度を有する。したがって、フィルム70は、スペーサ46が膜シート24に結合されると、ローラ90でスペーサ46の背面から除去される。膜24は、ローラ90の回転速度に一致するように横方向に移動する真空テーブル96上に装着することができる。真空テーブル96はまた、次のサイクルを開始するために、スペーサ46が取り付けられた膜24の遊離を可能にする上下特徴部を組み込むことができる。各サイクルの開始時と終了時に、次のサイクルを開始するために、ピックアンドプレース又はロボットデバイス、又は他の手段によって膜24が真空テーブル96上に配置/除去される。フィルム70は、ローラ88の上を、廃棄ビン94まで進む。フィルム分離器92は、ローラ88からフィルム70を確実に分離するために利用される。フィルム70は、必要に応じてリサイクル又は廃棄することができる。
【0039】
図21に示される本発明の例示的な実施形態では、スペーサ46は、スクリーン印刷又はステンシル印刷プロセスを利用してフィルム70に適用される。スクリーン152をフィルム70上に配置し、スクリード154を介してスクリーン152上に接着剤を広げて、スペーサ46の所望の形状を形成するスクリーン152内の空間を充填する。フィルム70の表面からスクリーン152を除去する前に、エネルギー源158及び/又は156を利用して、接着剤を所望の硬度まで硬化させる。支持テーブル150は、スクリーニングプロセス中にフィルム70を支持するために利用される。支持テーブル70は、エネルギー源158からのエネルギーがスクリーン152の空間内の接着剤に到達することを可能にするように、透明にすることができる。フィルム70の表面からのスクリーン152の除去を可能にするために、エネルギー源158を使用して、スクリーン152の空間内の接着剤を予備硬化させることができる。その後、エネルギー源156を利用した後硬化プロセスを使用して、接着剤の粘着性を回避するために適切な強度まで接着剤を完全に硬化させることができる。スペーサ46が取り付けられたフィルム70は、ローラ90の上を進む。同時又は後続のプロセスでは、接着剤適用デバイス/ローラ160を介してスペーサ46の表面に接着剤が適用される。スペーサ46が取り付けられ、表面に接着剤が適用されたフィルム70は、ローラ90を介して進み、膜シート24の表面に適用される。膜24は、ローラ90の回転速度に一致するように横方向に移動する真空テーブル96上に装着することができる。真空テーブル96はまた、次のサイクルを開始するために、スペーサ46が取り付けられた膜24の遊離を可能にする上下特徴部を組み込むことができる。各サイクルの開始時と終了時に、次のサイクルを開始するために、ピックアンドプレース又はロボットデバイス、又は他の手段によって膜24が真空テーブル96上に配置/除去される。フィルム70は、ローラ88の上を、廃棄ビン94まで進む。フィルム分離器92は、ローラ88からフィルム70を確実に分離するために利用される。
【0040】
本発明は、様々な例示的な実施形態に関連して説明されてきた。上記の説明は、本発明の原理の適用を単に例示するものであり、その範囲は、明細書に照らして見た特許請求の範囲によって決定されるべきであることが理解されるであろう。本発明の他の変形及び修正は、当業者には明らかであろう。
図1
図2
図3
図4A-4C】
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
【国際調査報告】