(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-26
(54)【発明の名称】自立ブリスターパック
(51)【国際特許分類】
A45D 34/00 20060101AFI20230519BHJP
B65D 75/36 20060101ALI20230519BHJP
【FI】
A45D34/00 510Z
B65D75/36
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022561578
(86)(22)【出願日】2021-04-16
(85)【翻訳文提出日】2022-12-06
(86)【国際出願番号】 US2021027622
(87)【国際公開番号】W WO2021211932
(87)【国際公開日】2021-10-21
(32)【優先日】2020-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522010646
【氏名又は名称】エーケーアイ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・クライダー
(72)【発明者】
【氏名】サラ・アン・イソラ
(72)【発明者】
【氏名】サヴィ・ミナ・アン
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・ウィメット
(72)【発明者】
【氏名】ジャニーヌ・リヴェラ
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067AA03
3E067AB81
3E067AB99
3E067AC05
3E067BA02A
3E067BB14A
3E067CA04
3E067EB03
3E067EE40
3E067EE59
3E067FB02
3E067FC01
3E067GD02
(57)【要約】
成型プラスチック材料、フィルムまたはシートを加熱して固定空間の容器部位が作り出された自立ブリスターパックであって、その空間に、化粧品、フレグランスまたはホームケア製品などの製品を保管し、密封機能をもたせるように容器部位のフランジにカバーシートが取り付けられた自立ブリスターパック。このブリスターパッケージは、ミシン目および切れ目を切り取った後、ブリスターを直立姿勢で保持する支持構造を有しており、組立て後に製品が自立姿勢を保つことを可能にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品試供用の自立ブリスターパックであって、
製品が収められた主ブリスターキャビティと、前記主ブリスターキャビティから少なくとも部分的に外側に延び、側縁および底縁を有する第1の平坦な表面と、前記底縁から実質的に内側に延びる第1のスロットとを具備する主パネル、および
前記第1の平坦な表面の前記側縁に切離し式に連結された第2の平坦な表面と、前記第2の平坦な表面の縁から実質的に内側に延びる第2のスロットとを具備する補助パネル
を備える自立ブリスターパックにおいて、
前記主パネルおよび前記補助パネルは、前記補助パネルが前記主パネルから切り離されて直立構造を形成するとき、前記第1のスロットおよび前記第2のスロットでお互いが相互係止するように構成されていることを特徴とする、製品試供用の自立ブリスターパック。
【請求項2】
前記製品がフレグランス製品であることを特徴とする、請求項1に記載の製品試供用の自立ブリスターパック。
【請求項3】
前記補助パネルがフレグランス製品とあわせて使用するための1つまたは複数のディフューザーロッドを含む補助ブリスターキャビティをさらに備えていることを特徴とする、請求項2に記載の製品試供用の自立ブリスターパック。
【請求項4】
前記主ブリスターキャビティおよび前記補助ブリスターキャビティがスナップ開封式プレカット開口部を有していることを特徴とする、請求項3に記載の製品試供用の自立ブリスターパック。
【請求項5】
前記フレグランス製品が香水、化粧品、エッセンシャルオイル、アロマセラピーオイルまたはホームフレグランスであることを特徴とする、請求項2に記載の製品試供用の自立ブリスターパック。
【請求項6】
前記直立構造が略T字形であることを特徴とする、請求項1に記載の製品試供用の自立ブリスターパック。
【請求項7】
製品試供用の自立ブリスターパックの製造方法であって、
第1のシート材料を主ブリスターキャビティおよび前記主ブリスターキャビティから延びるフランジ部位に成型してベース層を形成するステップと、
前記主ブリスターキャビティ内に製品を収めるステップと、
第2のシート材料を前記ベース層に被せてカバー層を形成するステップと、
前記カバー層を前記ベース層に溶着させて前記主ブリスターキャビティを包み込むステップと、
前記主ブリスターキャビティに隣接するベース層およびカバー層にミシン目を付けて、前記主ブリスターキャビティを含む主パネルと切離し式に取外し可能な補助パネルとを形成するステップと、
前記ベース層および前記カバー層を切断して前記自立ブリスターパックの外周を形成するステップと、
前記主パネルに第1のスロットを、前記補助パネルに第2のスロットをそれぞれ切り込むステップであって、いずれのスロットも前記自立ブリスターパックの外周から内側に延びる、切り込むステップと
を含み、
直立構造を形成するために前記補助パネルが前記主パネルから切り離されたとき、前記主パネルおよび前記補助パネルが前記第1のスロットおよび前記第2のスロットで互いに相互係止するように構成されていることを特徴とする、製品試供用の自立ブリスターパックの製造方法。
【請求項8】
前記製品がフレグランス製品であることを特徴とする、請求項7に記載の製品試供用の自立ブリスターパックの製造方法。
【請求項9】
前記シート材料を補助ブリスターキャビティに成型するステップと、
前記補助ブリスターキャビティ内に1つまたは複数のディフューザーロッドを収めるステップとをさらに含み、
切離し式に取外し可能な前記補助パネルが前記補助ブリスターキャビティを含むように、前記ベース層および前記カバー層に、前記主ブリスターキャビティと前記補助ブリスターキャビティとの間でミシン目が入れられていることを特徴とする、請求項8に記載の製品試供用の自立ブリスターパックの製造方法。
【請求項10】
前記主ブリスターキャビティおよび前記補助ブリスターキャビティにスナップ開封式開口部を設けるステップをさらに含むことを特徴とする、請求項9に記載の製品試供用の自立ブリスターパックの製造方法。
【請求項11】
前記フレグランス製品が香水、化粧品、エッセンシャルオイル、アロマセラピーオイルまたはホームフレグランスであることを特徴とする、請求項8に記載の製品試供用の自立ブリスターパックの製造方法。
【請求項12】
前記直立構造が略T字形であることを特徴とする、請求項7に記載の製品試供用の自立ブリスターパックの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照により本明細書にその内容全体が組み込まれている、2020年4月16日出願の米国仮出願第63/010,730号の優先権を主張するものである。
【0002】
開示される主題は一般に自立ブリスターパックに関し、より詳細にはホームケアおよびその他のフレグランス製品のための自立サンプラーに関する。
【背景技術】
【0003】
ブリスターパックは、電池から化粧品、医薬品その他に至るまで幅広い消費財をパッケージングするのに一般的に使われている。ブリスターパックには数多くの利点がある。たとえば、透明なブリスターパックは、品物の確実なパッケージを提供しながら、消費者にはその購入前または購入後に中の製品が見えるようにする。製造者の立場からは、ブリスターパックは製造が比較的容易である。
【0004】
ホームフレグランスは楽しみを与えるもので、人気があり、成長分野となっている。ホームフレグランスによって、消費者は自分の好みのフレグランスで家庭をカスタマイズすることができる。そのため、パッケージには、たとえ開封後でも、ホームフレグランスのユーザーがフレグランス製品を部屋から部屋へ容易に移動することができ、なおかつ美的な満足感を与える装飾的外観が保たれることが望まれる。
【0005】
幾つかの既知のブリスターパックは直立できるように設計されている。こうした直立型ブリスターパックは、小売業者が、パッケージを開けることなく、中の製品を目立つようにディスプレイすることを可能にする。直立型ブリスターパックの例としては、パッケージの底部を水平に折り曲げて支持台を作ることによって形成されるMorganの米国特許出願公開第2008/0283435号(特許文献1)がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2008/0283435号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
直立姿勢で立つことができる既知のブリスターパックはあるが、中に収められたフレグランスを拡散させながら容易に移動できる自立ブリスターパックに対するニーズはなお存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
開示される主題の目的および利点については以下の説明の中で述べるが、この説明に基づいて当業者の実務および知識によってさらに追加的な利点が得られることもあろう。
【0009】
開示される主題は、幾つかの実施形態に基づき、フレグランス製品の試供のための新しい自立ブリスターパックを提供するものである。幾つかの実施形態では、自立ブリスターパックは、ユーザーが中にあるフレグランスおよびディフューザーロッドにアクセスすることができるスナップ開封式開口部を有するフレグランス用ブリスターキャビティおよびディフューザーロッド用ブリスターキャビティを備える。ディフューザーロッド用ブリスターキャビティの周囲のフランジ部位はフレグランス用の主ブリスターキャビティ部位から切離し式に取外し可能であり、その一方または両方の部位には、相互に係止させて自立ブリスターパックの支持台を形成することができるようにあらかじめスロットが切られており、それによってユーザーはフレグランスサンプラーをある場所から別の場所に容易に、便利に移動させることができる。
【0010】
開示される主題のその他の実施形態には、自立ブリスターパックの製造方法であって、シート材料をフレグランス用ブリスターキャビティおよびディフューザー用ブリスターキャビティに成型するステップと、フレグランス製品をフレグランス用ブリスターキャビティ内に、ディフューザーロッドをディフューザー用ブリスターキャビティ内にそれぞれ定置するステップと、カバー層を被せ、融着させることによってキャビティを封じ込めるステップと、ブリスターパックにミシン目を入れて、フレグランス用ブリスターキャビティを含む主パネルと、ディフューザー用ブリスターキャビティを含む切離し式に取外し可能な補助パネルとを形成するステップと、一方または両方のパネルのスロットを含め、ブリスターパックの外周を切って、主パネルと補助パネルを切り離したときに両者が相互係止可能となって自立ブリスターパックの支持台が形成されるようにするステップとを含む製造方法が含まれる。
【0011】
以上の概要および以下の詳細説明は、開示される主題について説明することを意図した典型例であり、開示される主題については添付の図面によってさらに図示し、説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】開示される主題に基づいて組み立てられる前の典型的な自立ブリスターパックの図である。
【
図2】開示される主題による自立ブリスターパックの典型的な組立て段階を示した図である。
【
図3】開示される主題による自立ブリスターパックの典型的な製造工程の側面図(A)および上面図(B)である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここに紹介する自立ブリスターパックは、ユーザーがフレグランス製品を試し、そのサンプラーをある場所から別の場所に容易に、便利に移動させることを可能にする。開示される主題は、エッセンシャルオイル、アロマセラピーオイル、およびその他のホームケアフレグランスなどのフレグランスでの利用に特に適している。
【0014】
ここで実施形態を示し、概略を説明して開示される主題によれば、自立ブリスターパックは、フレグランスおよびディフューザーロッドにアクセスするためのスナップ開封式開口部を有するフレグランス用ブリスターキャビティとディフューザーロッド用ブリスターキャビティとを備える。ディフューザーロッド用ブリスターキャビティの周囲のブリスターパックのセクションはフレグランス用の主ブリスターキャビティのセクションから切離し式に取外し可能であり、その一方または両方のセクションには、相互係止させることで自立ブリスターパックの支持台を形成できるようにあらかじめ切り取られたスロットがある。
【0015】
ここからは、開示される主題の様々な典型的実施形態について細かく見ていく。添付の図面にはそれぞれの実施形態が示されている。開示される主題の構造およびそれに対応する操作方法についても、この詳細説明とあわせて説明する。
【0016】
添付の図面では、別々の図であっても同様の符号は同一または機能的に類似した要素を表しており、これらの図面を用いて、開示される主題に基づいて様々な実施形態を示し、様々な原理および利点についてさらに説明する。
図1から
図3には、開示される主題による自立ブリスターパックの典型的な実施形態を、限定的でない説明および例証を目的として示す。
【0017】
限定的でない例証を目的として、まず自立ブリスターパックの1つの実施形態を示した
図1を参照する。この実施形態では、自立ブリスターパックはまだ自立モードで組み立てられていない。この実施形態は、たとえば消費者がパッケージ(およびその中の製品)を小売業者から購入するときの形がどのようなものであるかを示している。
【0018】
図1に示すように、この実施形態の自立ブリスターパックは略正方形であるが、長方形、楕円形などのように、それ以外の適当な形状を開示される主題に基づいて使用することができる。この実施形態では、自立ブリスターパックはフレグランス用キャビティ3とディフューザー用キャビティ8の2つのブリスターキャビティを有しており、そのいずれも、ブリスターパックの形状の残りの部分を構成する略平坦なフランジ部位によって囲われている。開示される主題に応じて1つのキャビティまたは複数のキャビティを用いることができる。実施形態では、フレグランス用キャビティ3には揮発性または化粧用の製品(たとえば、フレグランス/香水、エッセンシャルオイル、アロマセラピーオイル、ファンデーション等々)を収め、ディフューザー用キャビティ8には少なくとも1つのディフューザーロッドまたはアプリケーターを収めることができる。実施形態では、ユーザーはフレグランスの拡散を助長するためにディフューザーロッドを使用することができる。(「フレグランス」という用語は、本出願を通して、そうした何らかの揮発性、化粧用、ホームケア用などの製品等をいうものとして使用する。)
【0019】
この実施形態では、自立ブリスターパックは4つの四分円状のセクション、すなわち、左上部セクション1、左下部セクション4、右上部セクション7および右下部セクション9からなる2つの側方パネルに分かれている。
図1に示すように、セクション1、4、7および9はプレカット線2およびミシン目6によって作り出されている。実施形態では、ミシン目6は自立ブリスターパックを垂直に縦断して両キャビティ3、8の間に延びており、プレカット線2は自立ブリスターパックと両キャビティ3、8とを横断する形で水平に延びている。プレカット線2は両キャビティ3、8の頂部付近に(たとえば、切込みを入れるなどして)スナップ開口部を作り出す。
【0020】
左下部セクション4は、セクション4の底縁から略垂直にフレグランス用キャビティ3に向かって延び、それより手前で終わる受けスロット5をさらに備える。同様に、右下部セクション9は、セクション9の側方(この実施形態では右側方)縁から略水平にセクション9の反対側の側方(この実施形態では左側方)縁に向かって延び、それよりも前で終わる挿入スロット10をさらに備える。
【0021】
図1の実施形態では、両スロット5、10は、自立ブリスターパックの組立て時にスロット5および10を相互に係止することによって下部セクション4、9どうしを連結できるように構成されている。たとえば、実施形態では、両スロット5、10の長さの合計は、右下部セクション9の幅とほぼ同じ(たとえば、両スロット5、10の長さは右下部セクション9の幅のほぼ半分)で、下部セクション4、9がスロット5、10の相互係止によって連結されているときには、
図2(c)に示すように、下部セクション4、9の底縁(すなわち、支持面に近い縁)はいずれも支持面(たとえばテーブル)と面一になる。
【0022】
幾つかの実施形態では、1つのセクション(好ましくは左下部セクション4)だけがスロットをもつ。左下部セクション4は複数の切離し可能セクションを受けるための複数のスロットをもつことができる。当業者には、開示される主題の範囲から外れることなく、切離し可能セクションを相互に係止し、または係着するためのそれ以外の構成も明らかとなろう。
【0023】
自立ブリスターパック(具体的には
図1の実施形態)の典型的な組立て方法について、
図2を参照しながら、まず
図2(a)を手始めに説明する。操作では、自立ブリスターパックの組立て準備が整ったならば、ユーザーはミシン目6に沿って左セクション1、4を右セクション7、9から(たとえば、ブリスターパックをミシン目6に沿って折り曲げるなどして)分離する。これにより、左セクション1、4は右セクション7、9から切り離され、それによってキャビティ3、8およびブリスターパックのそれぞれのセクションは分離される。この方法の典型的な結果が
図2(a)に示されており、ブリスターパックがミシン目6に沿って水平方向に切り分けられた様子を見て取ることができる。
【0024】
次に、
図2(b)の実施形態に見ると、操作では、キャビティ3、8の内容物を使用する用意が整った段階で、ユーザーはプレカット線2に沿ってキャビティ3、8をパリッと(たとえば、ブリスターパックをプレカット線2に沿って折り曲げるなどして)開ける。これにより、上部セクション1、7が下部セクション4、9から切り離され、それによってユーザーには両キャビティ3、8およびそれぞれの内容物へのアクセスが与えられる。この方法の典型的な結果が
図2(b)に示されており、ブリスターパックがプレカット線2に沿って垂直方向に切り分けられているのがわかる。
図2(b)では、
図2(a)に示された方法の実施形態ですでに分離されていた左上部セクション1と右上部セクション7が互いにさらに分離されている様子が示されているが、別の実施形態では、
図2(b)に示された方法を先に実施することもでき、したがって2つの上部セクションは互いに結合したままで、あとから任意に分離される。
【0025】
図2(c)に示すように、右下部セクション9がブリスターパックから切り離され(それが、
図2(a)に示すとおりであれ、それ以外であれ、また右上部セクション7と一緒であると、別々であるとにかかわらず)た後、自立ブリスターは、スロット5、10を継ぎ合わせて組み立てられることで基台構造11を形成する。
図2(c)に示されるとおり、この実施形態では、基台構造11は略T字形をなすが、当業者には(上述の択一的なスロット構成を含め)開示される主題に沿ったそれ以外の構成も明らかとなろう。
【0026】
この典型的な組立て方法で、
図2(a)では、左上部セクション1および右上部セクション7はそれぞれの下部セクション4、9に対してつながったままの状態にあり、そのために両キャビティ3、8は密封されたままであることが示されている。このことは、組立て中にこぼれ出る可能性のある揮発性の液体がフレグランス用キャビティ3に含まれる場合などには特に好ましいと考えられる。そのような場合、ユーザーは、フレグランス用キャビティ3を開けるのは組立て後にしようと考えるであろう。たとえば、
図2の進行を見ると、基台構造11の組立て(
図2(c))前にプレカット線2(
図2(b))に沿ってスナップ式シールが開けられている様子が示されているが、これらのステップの順番を逆転させて、キャビティ3、8を開封する前に基台構造11の組立てを行い、それによって漏れリスクを低減させることができる。実際、基台構造11の組立て前に右下部セクション9を切り離すこと以外は、ブリスターパックの組立てに関する前述のステップはどのような順序で行われてもよい。
【0027】
自立ブリスターパックがいったん組み立てられれば、ユーザーは、フレグランスに何を望むかに応じてブリスターパックを容易にあちこち移動することができる。ユーザーはまた、ディフューザー用キャビティ8からディフューザーロッドを取り出して、1つまたは複数をフレグランス用キャビティ3の中に入れることによって部屋内へのフレグランスの拡散を促進することもできる。
【0028】
ここからは、自立ブリスターパック(具体的には
図1の実施形態)の典型的な製造方法について、
図3を参照しながら説明する。プラスチック材料21の平面シートを生産設備内に通して成形ステーション22まで送り、そこで材料を成型することにより、キャビティ3および8と、キャビティから延びたフランジ部位23とが形成され、ベース層が作り出される。この実施形態では、キャビティの形成にプラスチックが使用されているが、適切などのような材料を用いてもよい。
【0029】
ベース層が所要の形状に成型されると、フレグランス製品(エッセンシャルオイル、アロマワックス、フレグランスパウダー、その他)24が
図3の設備の充填ユニット25に装入される。この実施形態では、次いでフレグランス製品24がブリスターパックのフレグランス用キャビティ3に入れられる。続いて、1つまたは複数のディフューザーロッドをディフューザー用キャビティ8に装入することができる。
【0030】
その後、カバーシート26がベース層に被せられて溶着ステーション12に通され、そこで、成型済み材料のフランジにカバーシートを溶着するなどして、カバーシートがベース層に溶着される。
【0031】
続いて、溶着後のユニットはミシン目付けステーション13に移動し、そこで溶着後のユニットに切れ目を入れる刃物の刃でミシン目6が付けられる。この実施形態の最後の生産ステップは金型切断ステーション14である。このステーションでは、刃物の刃を使用して、プレカット線2、スロット5および10が作り出されるほか、
図1に示す丸めた角などの最終形状がブリスターパッケージ29に形成される。
【0032】
この実施形態では、形成されたプラスチック材料のキャビティから延びるフランジはカバーシートと同一の広がりをもつ。しかし、別の実施形態では、フランジ部位はシートを被せる前に切り詰められ、それによって材料が節約される、重量が軽減される等々が得られる。別の実施形態では、ベース層とカバーシートの双方が切り詰められて、紙や厚紙などの他のパッケージに収められ、その上でミシン目が入れられて前述のように切り詰められることができる。
【0033】
例を含め、典型的な実施形態に関する上の記述は、開示される主題のコンセプトの大筋について記述し、説明し、例証するためにのみ示したものであって、本開示の範囲を限定することを意図したものでも、そのようなものと解釈されるべきものでもない。当業者であれば、その範囲を逸脱することなく、様々な変更や改良を加えることができよう。そのため、開示される主題には、以下の請求項およびその等価物の範囲に含まれるすべての変更および改良が含まれる。
【符号の説明】
【0034】
1 左上部セクション
2 プレカット線
3 フレグランス用キャビティ
4 左下部セクション
5 スロット
6 ミシン目
7 右上部セクション
8 ディフューザー用キャビティ
9 右下部セクション
10 スロット
11 基台構造
12 溶着ステーション
13 ミシン目付けステーション
14 金型切断ステーション
24 フレグランス製品
25 充填ユニット
26 カバーシート
29 ブリスターパッケージ
【国際調査報告】