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特表2023-521994加溶媒分解共生成物の流れのケミカルリサイクル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-26
(54)【発明の名称】加溶媒分解共生成物の流れのケミカルリサイクル
(51)【国際特許分類】
   C08J 11/12 20060101AFI20230519BHJP
   C08J 11/18 20060101ALI20230519BHJP
【FI】
C08J11/12
C08J11/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022562269
(86)(22)【出願日】2021-04-13
(85)【翻訳文提出日】2022-12-09
(86)【国際出願番号】 US2021026992
(87)【国際公開番号】W WO2021211520
(87)【国際公開日】2021-10-21
(31)【優先権主張番号】63/008,904
(32)【優先日】2020-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】594055158
【氏名又は名称】イーストマン ケミカル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100129311
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 規之
(72)【発明者】
【氏名】デブルイン,ブルース・ロジャー
(72)【発明者】
【氏名】エカート,マイケル・ポール
(72)【発明者】
【氏名】トラップ,ウィリアム・ルイス
【テーマコード(参考)】
4F401
【Fターム(参考)】
4F401AA08
4F401AA22
4F401BA06
4F401CA51
4F401CA52
4F401CA70
4F401CA75
4F401EA51
(57)【要約】
混合した廃棄プラスチックを処理するためのケミカルリサイクル施設が本明細書に提供される。このような施設は、混合プラスチック廃棄物の流れを処理する能力を有し、様々なリサイクル施設、例えば、加溶媒分解施設、熱分解施設、クラッカー施設、部分的酸化ガス化施設、エネルギー回収施設、および固化施設を利用する。これらの個々の施設の1つまたは複数からの流れは、その他の施設の1つまたは複数への供給物として使用することができ、これによって、価値のある化学成分の回収を最大限にし、使用に適さない廃棄物の流れを最小限に抑えることができる。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄プラスチックを処理するための方法であって、
加溶媒分解施設からの軽質有機物共生成物の流れの少なくとも一部分を、以下の下流の化学的処理施設の少なくとも1つ:(i)部分的酸化(POX)ガス化施設;(ii)熱分解施設;(iii)エネルギー回収施設;または(iv)クラッカー施設に導入するステップ
を含む、方法。
【請求項2】
前記導入するステップの前に、前記軽質有機物の共生成物の流れの少なくとも一部分を、別の流れと組み合わせて、組み合わせた流れを形成し、前記組み合わせた流れを、前記下流の化学的処理施設(i)~(iv)の少なくとも1つに導入するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記別の流れが前記加溶媒分解施設から離脱した別の加溶媒分解共生成物の流れを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記別の流れが廃棄プラスチックを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記別の流れが、流れの総重量を基準にして、10~95重量パーセントの範囲の量でポリオレフィン(PO)を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記別の流れが液化プラスチックを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記別の流れが熱分解油を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記軽質有機物の共生成物の流れの少なくとも一部分を前記POXガス化施設に導入するステップをさらに含み、前記POXガス化施設が固体ガス化装置を含む、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
少なくとも一部分の前記導入するステップの前に、廃棄プラスチックを含む供給流を、前記加溶媒分解施設内の加溶媒分解に供して、主要なグリコール生成物流、主要なテレフタリル生成物流、および前記軽質有機物の共生成物の流れを生成するステップをさらに含む、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記軽質有機物の共生成物の流れが、前記主要なグリコールの沸点より低い平均沸点を有する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記供給流が、供給流の総重量を基準にして、0.1~25重量パーセントの範囲の量で織物をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記供給流が、供給流の総重量を基準にして、0.1~25重量パーセントの範囲の量でカーペットをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記軽質有機物の共生成物の流れが、前記主要な溶媒と、少なくとも1種のアセトアルデヒドと、パラ-ジオキサン(p-ジオキサン)と、ならびにテトラヒドロフラン(THF)、酢酸メチル、シラン、2,5-メチルジオキソラン、1,4-シクロヘキサンジメタノール、2-エチル-1-ヘキサノール、2,2,4,4,-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール、2,2,4-トリメチル-3-ペンテナール、2,2,4-トリメチル-3-ペンテノール、2,2,4-トリメチルペンタン、2,4-ジメチル-3-ペンタノン(DIPK)、イソ酪酸イソブチル、ギ酸メチル、n-ブタノール、酢酸、ジブチルエーテル、ヘプタン、テレフタル酸ジブチル、フタル酸ジメチル、ジメチル1,4-シクロヘキサンジカルボキシレート、2-メトキシエタノール、2-メチル-1,3-ジオキソラン、1,1-ジメトキシ-2-ブテン、1,1-ジメトキシエタン、1,3-プロパンジオール、2,5-ジメチル-1,3,5-ヘキサジエン、2,5-ジメチル-2,4-ヘキサジエン、アルファ-メチルスチレン、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールホルマール、ジメトキシジメチルシラン、ジメチルエーテル、ジイソプロピルケトン、EGベンゾエート、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、メトキシトリメチルシラン、メチル4-エチルベンゾエート、メチルカプロン酸、メチルグリコレート、乳酸メチル、ラウリン酸メチル、メチルメトキシエチルテレフタル酸、ノナン酸メチル、オレイン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、オクタメチルシクロテトラシロキサン、スチレン、トリメチルシラノール、1,1-ジメトキシ-2-ブテン、4-メチルモルホリン、1,3,3-トリメトキシプロパン、ミリスチン酸メチル、アジピン酸ジメチル、N-メチル-カプロラクタム、アゼライン酸ジメチル、ネオペンチルグリコール、およびこれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1種の追加の成分とを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記軽質有機物の流れが、水との、前記主要なグリコールとの、および/または前記主要な溶媒との少なくとも1種の共沸混合物を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記加溶媒分解施設からの第2の加溶媒分解共生成物の流れを、前記POXガス化施設、前記熱分解施設、前記エネルギー回収施設、および前記クラッカー施設の少なくとも1つに導入するステップをさらに含む、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記軽質有機物の共生成物の流れおよび前記第2の加溶媒分解共生成物の流れが、前記POXガス化施設、前記熱分解施設、前記エネルギー回収施設、および前記クラッカー施設の異なる施設に導入される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記加溶媒分解施設からの前記第2の加溶媒分解共生成物の流れを、廃棄プラスチックの流れと共にポリマー溶融タンクへと導入して、溶融タンク蒸気流および溶融プラスチック流を形成するステップ、ならびに前記溶融タンク蒸気流および前記溶融プラスチック流のうちの少なくとも1つの少なくとも一部分を、前記下流の化学的処理施設の1つまたは複数へと導入するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記軽質有機物の共生成物の流れの少なくとも一部分を、以下の下流の化学的処理施設の少なくとも2つ:(i)部分的酸化(POX)ガス化施設;(ii)熱分解施設;(iii)エネルギー回収施設;または(iv)クラッカー施設に導入するステップをさらに含む、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
加溶媒分解施設がメタノリシス施設である、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
廃棄プラスチックを処理するための方法であって、
(a)液化タンク内で、加溶媒分解施設から離脱した少なくとも1つの加溶媒分解共生成物の流れを、廃棄プラスチックの流れと組み合わせるステップ、
(b)少なくとも蒸気流および液化流を、前記液化タンクから離脱させるステップ、ならびに
(c)前記蒸気流の少なくとも一部分および/または前記液化流の少なくとも一部分を、以下のうちの少なくとも1つ:(i)部分的酸化(POX)ガス化施設;(ii)熱分解施設;(iii)エネルギー回収施設;または(iv)クラッカー施設に導入するステップ
を含む、方法。
【請求項21】
廃棄プラスチックの前記流れが、流れの総重量を基準にして、少なくとも50重量パーセントのポリオレフィン(PO)を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
ステップ(c)の導入するステップの前に、前記蒸気流の少なくとも一部分をスクラバーに通して、1種または複数の成分の少なくとも一部分を除去するステップおよびスクラバーから離脱したスクラブした蒸気流を、下流の化学的処理施設の1つまたは複数に導入するステップをさらに含む、請求項20または21に記載の方法。
【請求項23】
ステップ(c)が、前記蒸気流の少なくとも一部分を、前記部分的酸化(POX)ガス化施設、前記エネルギー回収施設、および前記クラッカー施設の少なくとも1つに導入するステップ、ならびに前記液化流の少なくとも一部分を、前記POXガス化施設、前記熱分解施設、および前記エネルギー回収施設の少なくとも1つに導入するステップを含む、請求項20または21のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
廃棄プラスチックを処理するための方法であって、
(a)少なくとも1つのリサイクル成分溶媒流を、廃棄プラスチック流と組み合わせて、組み合わせた流れを形成するステップ、
(b)前記組み合わせた流れを分離して、少なくとも蒸気流および液化流を得るステップ、ならびに
(c)前記蒸気流の少なくとも一部分および/または前記液化流の少なくとも一部分を、以下のうちの少なくとも1つ:(i)部分的酸化(POX)ガス化施設;(ii)熱分解施設;(iii)エネルギー回収施設;または(v)クラッカー施設に導入するステップ
を含む、方法。
【請求項25】
前記組み合わせるステップの少なくとも一部分が、液化タンク内で行われる、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記リサイクル成分溶媒流が、流れの総重量を基準にして、少なくとも1重量パーセントのリサイクル成分を含む、請求項24または25に記載の方法。
【請求項27】
前記リサイクル成分溶媒流が加溶媒分解共生成物の流れを含む、請求項24または25のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
前記リサイクル成分溶媒流が熱分解油の流れを含む、請求項24または25のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
前記廃棄プラスチック流が、流れの総重量を基準にして、少なくとも50重量パーセントのポリオレフィンを含む、請求項24または25のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
ポリエステルテレフタレート含有廃棄プラスチックを処理するための加溶媒分解施設内で、溶媒を使用して、主要なグリコール生成物および主要なテレフタリル生成物を形成するために形成される軽質有機加溶媒分解共生成物組成物であって、
前記主要な溶媒;
アセトアルデヒド;
パラ-ジオキサン(p-ジオキサン);ならびに
シラン、2,5-メチルジオキソラン、2-エチル-1-ヘキサノール、2,2,4,4,-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール、2,2,4-トリメチル-3-ペンテナール、2,2,4-トリメチル-3-ペンテノール、2,2,4-トリメチルペンタン、2,4-ジメチル-3-ペンタノン(DIPK)、イソ酪酸イソブチル、ギ酸メチル、n-ブタノール、ジブチルエーテル、ヘプタン、テレフタル酸ジブチル、ジメチル1,4-シクロヘキサンジカルボキシレート、1,1-ジメトキシ-2-ブテン、1,3-プロパンジオール、2,5-ジメチル-1,3,5-ヘキサジエン、2,5-ジメチル-2,4-ヘキサジエン、アルファ-メチルスチレン、ジエチレングリコールホルマール、ジメトキシジメチルシラン、ジメチルエーテル、ジイソプロピルケトン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、メトキシトリメチルシラン、メチル4-エチルベンゾエート、メチルカプロン酸、乳酸メチル、ラウリン酸メチル、メチルメトキシエチルテレフタル酸、ノナン酸メチル、オレイン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、オクタメチルシクロテトラシロキサン、スチレン、トリメチルシラノール、1,1-ジメトキシ-2-ブテン、4-メチルモルホリン、1,3,3-トリメトキシプロパン、ミリスチン酸メチル、アジピン酸ジメチル、N-メチル-カプロラクタム、アゼライン酸ジメチル、ネオペンチルグリコール、およびこれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1種の追加の成分
を含む、組成物。
【請求項31】
前記少なくとも1種の追加の成分が、2,2,4,4,-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール、2,2,4-トリメチル-3-ペンテナール、2,2,4-トリメチル-3-ペンテノール、2,2,4-トリメチルペンタン、2,4-ジメチル-3-ペンタノン(DIPK)、イソ酪酸イソブチル、ジメトキシジメチルシラン、メトキシトリメチルシラン、ノナン酸メチル、オレイン酸メチル、ステアリン酸メチル、およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
前記少なくとも1種の追加の成分が、1,1-ジメトキシ-2-ブテン、4-メチルモルホリン、1,3,3-トリメトキシプロパン、ミリスチン酸メチル、アジピン酸ジメチル、N-メチル-カプロラクタム、アゼライン酸ジメチル、ネオペンチルグリコール、およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項30に記載の組成物。
【請求項33】
前記溶媒が、流れの総重量を基準にして、前記軽質有機物の共生成物の流れの中に2~90重量パーセントの範囲の量で存在する、請求項30から32のいずれかに記載の組成物。
【請求項34】
水、前記主要な溶媒、および/または前記主要なグリコールとの少なくとも1種の共沸混合物をさらに含む、請求項30から32のいずれかに記載の組成物。
【請求項35】
前記軽質有機物の共生成物の流れが、少なくとも2重量パーセントの量で水をさらに含み、前記主要なグリコールが少なくとも2重量パーセントの量で存在し、前記p-ジオキサンが1ppm~50重量パーセントの量で存在し、前記アセトアルデヒドが1ppm~50重量パーセントの量で存在し、すべてのパーセンテージが流れの総重量を基準にしており、前記溶媒がメタノールを含み、前記グリコールがエチレングリコールを含み、前記テレフタリルがテレフタル酸ジメチルを含む、請求項30から32のいずれかに記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
一態様では、本発明の技術は、廃棄プラスチックを処理するための方法であって、加溶媒分解施設からの軽質有機物共生成物の流れの少なくとも一部分を、以下の下流の化学的処理施設の少なくとも1つ:(i)部分的酸化(POX)ガス化施設;(ii)熱分解施設;(iii)エネルギー回収施設;または(iv)クラッカー施設に導入するステップを含む、方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0001]廃棄材、特に非生分解性廃棄材は、単回使用後、埋立てに廃棄処分された場合、環境に負の影響を与える可能性がある。よって、環境の立場から、できるだけ多量の廃棄材をリサイクルすることが望ましい。しかし、従来のリサイクル技術でリサイクルすることがほぼ不可能なまたは経済的に実現不可能な価値の低い廃棄物の流れが依然として存在する。加えて、いくつかの従来のリサイクルプロセスは、それ自体回収またはリサイクルすることが経済的に実現不可能な廃棄物の流れを生成し、廃棄処分または別の方法で取り扱わなければならない追加の廃棄物の流れをもたらす。
【0003】
[0002]加溶媒分解法(例えば、メタノリシス)を使用して、プラスチック(例えば、ポリエチレンテレフタレート)をこれらの成分モノマーへと分解することができる。加溶媒分解法は有用なリサイクル成分生成物流(例えば、リサイクル成分エチレングリコールおよびリサイクル成分テレフタル酸ジメチル)を生成することができる一方で、加溶媒分解法は通常、価値のある有機化合物と除去が困難な副生成物との混合物を含み得る1種または複数の共生成物の流れを生成する。これら加溶媒分解共生成物の流れの様々な成分の回収、リサイクルおよび/または処分は困難で、多額の費用がかかり得る。具体的には、加溶媒分解施設からの軽質有機物の共生成物の流れに対する経済的および環境に優しい使用を発見することは多くの問題が伴うことが判明している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0003]一態様では、本発明の技術は、廃棄プラスチックを処理するための方法であって、加溶媒分解施設からの軽質有機物共生成物の流れの少なくとも一部分を、以下の下流の化学的処理施設の少なくとも1つ:(i)部分的酸化(POX)ガス化施設;(ii)熱分解施設;(iii)エネルギー回収施設;または(iv)クラッカー施設に導入するステップを含む、方法に関する。
【0005】
[0004]一態様では、本発明の技術は、廃棄プラスチックを処理するための方法であって、(a)液化タンク内で、加溶媒分解施設から離脱した少なくとも1つの加溶媒分解共生成物の流れを、廃棄プラスチックの流れと組み合わせるステップ;(b)少なくとも蒸気流および液化流を液化タンクから離脱させるステップ;ならびに(c)蒸気流の少なくとも一部分および/または液化流の少なくとも一部分を、以下のうちの少なくとも1つ:(i)部分的酸化(POX)ガス化施設;(ii)熱分解施設;(iii)エネルギー回収施設;または(iv)クラッカー施設に導入するステップを含む方法に関する。
【0006】
[0005]一態様では、本発明の技術は、廃棄プラスチックを処理するための方法であって、(a)少なくとも1つのリサイクル成分溶媒流を、廃棄プラスチック流と組み合わせて、組み合わせた流れを形成するステップ;(b)組み合わせた流れを分離して、少なくとも蒸気流および液化流を得るステップ;ならびに(c)蒸気流の少なくとも一部分および/または液化流の少なくとも一部分を、以下のうちの少なくとも1つ:(i)部分的酸化(POX)ガス化施設;(ii)熱分解施設;(iii)エネルギー回収施設;または(v)クラッカー施設に導入するステップを含む方法に関する。
【0007】
[0006]一態様では、本発明の技術は、ポリエステルテレフタレート含有廃棄プラスチックを処理して、溶媒を使用して、主要なグリコール生成物および主要なテレフタリル生成物を形成するための、加溶媒分解施設内で形成される軽質有機加溶媒分解共生成物組成物であって、主要な溶媒;アセトアルデヒド;パラ-ジオキサン(p-ジオキサン);ならびにシラン、2,5-メチルジオキソラン、2-エチル-1-ヘキサノール、2,2,4,4,-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール、2,2,4-トリメチル-3-ペンテナール、2,2,4-トリメチル-3-ペンテノール、2,2,4-トリメチルペンタン、2,4-ジメチル-3-ペンタノン(DIPK)、イソ酪酸イソブチル、ギ酸メチル、n-ブタノール、ジブチルエーテル、ヘプタン、テレフタル酸ジブチル、ジメチル1,4-シクロヘキサンジカルボキシレート、1,1-ジメトキシ-2-ブテン、1,3-プロパンジオール、2,5-ジメチル-1,3,5-ヘキサジエン、2,5-ジメチル-2,4-ヘキサジエン、アルファ-メチルスチレン、ジエチレングリコールホルマール、ジメトキシジメチルシラン、ジメチルエーテル、ジイソプロピルケトン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、メトキシトリメチルシラン、メチル4-エチルベンゾエート、メチルカプロン酸、乳酸メチル、ラウリン酸メチル、メチルメトキシエチルテレフタル酸、ノナン酸メチル、オレイン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、オクタメチルシクロテトラシロキサン、スチレン、トリメチルシラノール、1,1-ジメトキシ(dimethyoxy)-2-ブテン、4-メチルモルホリン、1,3,3-トリメトキシプロパン、ミリスチン酸メチル、アジピン酸ジメチル、N-メチル-カプロラクタム、アゼライン酸ジメチル、ネオペンチルグリコール、およびこれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1種の追加の成分を含む組成物に関する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】[0007]図1aは、本発明の技術の実施形態に従い廃棄プラスチックを化学的にリサイクルするためのプロセスおよび施設の主要ステップを例示するブロックフロー図である。
図1B】[0008]図1bは、廃棄プラスチックを化学的にリサイクルするためのプロセスおよび施設の主要ステップを例示する、特に図1aに示されているようなプロセス/施設の追加の態様を例示するブロックフロー図である。
図2】[0009]図2は、本発明の技術の実施形態に従い、混合プラスチック廃棄物を分離するための分離プロセスおよびゾーンを例示するブロックフロー図である。
図3】[0010]図3は、本発明の技術の実施形態に従い、PET加溶媒分解のためのプロセスおよび施設の主要ステップを例示するブロックフロー図である。
図4】[0011]図4は、図3に示されているPET加溶媒分解施設からの軽質有機物の流れの分離を例示するブロックフロー図である。
図5】[0012]図5は、図1aに示されているケミカルリサイクル施設の一部分を、特に本発明の技術の実施形態による液化ゾーンならびにその他の施設およびプロセスとのその関係を強調して例示するブロックフロー図である。
図6】[0013]図6は、本発明の技術の実施形態による図5の例示的液化ゾーンを例示するブロックフロー図である。
図7】[0014]図7は、本発明の技術の実施形態に従い、廃棄プラスチックを熱分解された生成物流へと変換するための熱分解プロセスおよび施設の主要ステップを例示するブロックフロー図である。
図8A】[0015]図8Aは、本発明の技術の実施形態に従い、統合された熱分解プロセスおよび施設ならびにクラッキングプロセスおよび施設の主要ステップを例示するブロックフロー図である。
図8B】[0016]図8Bは、本発明の技術の実施形態によるクラッキング炉の概略図である。
図9】[0017]図9は、本発明の技術の実施形態によるPOx反応器の概略図である。
図10】[0018]図10は、本明細書で使用される場合「分離効率」という用語の様々な定義を例示する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0019]発明者らは、経済的でもあり、リサイクル効率も最大にする、共生成物の流れを処理する方法を発見した。より具体的には、発明者らは、加溶媒分解施設からの軽質有機物の共生成物の流れが、さらに作業効率およびコスト効率が高く、価値のある有機化合物のリサイクルおよび再利用を最大にするような方式でその他の施設に統合され得ることを発見した。
【0010】
[0020]数値的配列が示された場合、各数は、数値的配列または文の最初の数または最後の数と同一に修飾され、例えば、各数は「少なくとも」または「まで」または場合によって「~以下」であり、各数は「または」の関係にあることを理解されたい。例えば、「少なくとも10、20、30、40、50、75重量%…」は、「少なくとも10重量%、または少なくとも20重量%、または少なくとも30重量%、または少なくとも40重量%、または少なくとも50重量%、または少なくとも75重量%」などと同じ意味を有し、「90、85、70、60…重量%以下」は「90重量%以下、または85重量%以下、または70重量%以下…」などと同じ意味を有し、「少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%または10重量%…」は、「少なくとも1重量%、または少なくとも2重量%、または少なくとも3重量%…」などと同じ意味を有し、「少なくとも5、10、15、20および/または99、95、90重量パーセント以下」は、「少なくとも5重量%、もしくは少なくとも10重量%、もしくは少なくとも15重量%もしくは少なくとも20重量%および/または99重量%以下、もしくは95重量%以下、もしくは90重量パーセント以下…」などと同じ意味を有する。
【0011】
[0021]すべての濃度または量は特に述べられていない限り重量による。
【0012】
全体的なケミカルリサイクル施設
[0022]ここで図1aを参照すると、廃棄プラスチックを化学的にリサイクルするためのプロセスおよび施設の主要ステップが示されている。図1bは、図1aに示されているようなケミカルリサイクル施設のさらなる特定の実施形態を提供する。図1aおよび1bは、本発明の技術の単一の例示的な実施形態を表すことを理解されたい。図1aおよび1bに示されているある特定の特徴が取り除かれてもよいし、および/または本明細書中の他の箇所で記載されている追加の特徴が図1aおよび1bに示されているシステムに加えられてもよい。
【0013】
[0023]図1aおよび1bに示されている通り、これらのステップは前処理ステップ/施設20、ならびに加溶媒分解ステップ/施設30、部分的酸化(POX)ガス化ステップ/施設50、熱分解ステップ/施設60、クラッキングステップ/施設70、およびエネルギー回収ステップ/施設80のうちの少なくとも1つ(または少なくとも2つまたはそれよりも多く)を一般的に含む。任意選択で、一実施形態においてまたは本明細書中に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、これらのステップはまた、1つまたは複数のその他のステップ、例えば、直接的販売または使用、埋立て、分離(図1bに示されている通り)、および固化、すなわち、図1aにおいてブロック90で表されているうちの1つまたは複数を含むこともできる。これらのステップまたは施設のすべてを含めて示されているが、本発明の技術の一実施形態に従いまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、ケミカルリサイクルプロセスおよび施設は、これらの施設の少なくとも2、3、4、5つ、またはすべてを、プラスチック廃棄物、特に混合プラスチック廃棄物のケミカルリサイクルのための様々な組合せで含むことができることを理解されたい。本明細書に記載されているようなケミカルリサイクルプロセスおよび施設を使用して、廃棄プラスチックを、様々な最終用途材料を形成するのに使用されるリサイクル成分の生成物または化学的中間体に変換することができる。ケミカルリサイクル施設/プロセスに供給する廃棄プラスチックは、混合プラスチック廃棄物(MPW)、予め選別した廃棄プラスチック、および/または前処理した廃棄プラスチックであることができる。
【0014】
[0024]本明細書で使用される場合、「ケミカルリサイクル」という用語は、廃棄プラスチックポリマーを、それら自体有用であり、および/または別の化学的生産プロセス(複数可)への供給原料として有用な、より低い分子量のポリマー、オリゴマー、モノマー、および/または非ポリマー性分子(例えば、水素および一酸化炭素)へと化学的に変換するステップを含む廃棄プラスチックリサイクルプロセスを指す。「ケミカルリサイクル施設」とは、廃棄プラスチックのケミカルリサイクルを介してリサイクル成分の生成物を生成するための施設である。本明細書で使用される場合、「リサイクル成分」および「r-成分」という用語は、廃棄プラスチックから直接的および/または間接的に誘導された組成物であり、またはそれを含むことを意味する。
【0015】
[0025]本明細書で使用される場合、「直接誘導される」という用語は、廃棄プラスチックから発生する少なくとも1つの物理的成分を有することを意味し、その一方で「間接的に誘導される」とは、i)廃棄プラスチックに起因するが、ii)廃棄プラスチックから発生する物理的成分を有することに基づかない、指定されたリサイクル成分を有することを意味する。
【0016】
[0026]ケミカルリサイクル施設は機械的リサイクル施設ではない。本明細書で使用される場合、「機械的リサイクル」および「物理的リサイクル」という用語は、廃棄プラスチックを溶融し、溶融したプラスチックを新規中間体生成物(例えば、ペレットまたはシート)および/または新規最終生成物(例えば、ビン)へと形成するステップを含むリサイクルプロセスを指す。一般的に、機械的リサイクルは、リサイクルされるプラスチックの化学構造を実質的に変えない。一実施形態においてまたは記述されている実施形態のいずれかと組み合わせて、本明細書に記載されているケミカルリサイクル施設は、機械的リサイクル施設からの、および/または機械的リサイクル施設では通常加工可能ではない、廃棄物の流れを受け取り、処理するように設計することができる。
【0017】
[0027]単一のケミカルリサイクル施設の一部であると本明細書に記載されているが、前処理施設20、加溶媒分解施設30、熱分解施設60、クラッキング施設70、部分的酸化(POX)ガス化施設50、およびエネルギー回収施設80、またはその他の施設90、例えば、固化または分離のいずれかのうちの1つまたは複数は、異なる地理的場所に位置し、および/または異なる商業的事業体により運用されていてもよいことを理解されたい。前処理施設20、加溶媒分解施設30、熱分解施設60、クラッキング施設70、部分的酸化(POX)ガス化施設50、エネルギー回収施設80、または任意のその他の施設90のそれぞれは、同じ事業体により運用されていてもよく、その一方で、その他の事例では、前処理施設20、加溶媒分解施設30、熱分解施設60、クラッキング施設70、部分的酸化(POX)ガス化施設50、固化施設、エネルギー回収施設80、および1つまたは複数のその他の施設90、例えば、分離または固化のうちの1つまたは複数は、異なる商業的事業体により運用されていてもよい。
【0018】
[0028]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、ケミカルリサイクル施設10は、著しい量の混合プラスチック廃棄物を処理することが可能な工業規模の施設であってよい。本明細書で使用される場合、「工業規模施設」という用語は、1年にわたり平均して、少なくとも毎時226.8キロ(500ポンド)の平均年間供給量を有する施設を指す。ケミカルリサイクル施設(または前処理施設20、加溶媒分解施設30、熱分解施設60、クラッキング施設70、POXガス化施設50、エネルギー回収施設80、および任意のその他の施設90のうちのいずれか1つ)への平均供給量は、毎時少なくとも340.19キロ(750ポンド)、少なくとも453.59キロ(1,000ポンド)、少なくとも680.39キロ(1,500ポンド)、少なくとも907.18キロ(2,000ポンド)、少なくとも1,133.98キロ(2,500ポンド)、少なくとも1,360.78キロ(3,000ポンド)、少なくとも1,587.57キロ(3,500ポンド)、少なくとも1,814.37キロ(4,000ポンド)、少なくとも2,041.17キロ(4,500ポンド)、少なくとも2,267.96キロ(5,000ポンド)、少なくとも2,494.76キロ(5,500ポンド)、少なくとも2,721.55キロ(6,000ポンド)、少なくとも2,948.35キロ(6,500ポンド)、少なくとも3,401.94キロ(7,500ポンド)、少なくとも4,535.92キロ(10,000ポンド)、少なくとも5,669.9キロ(12,500ポンド)、少なくとも6,803.89キロ(15,000ポンド)、少なくとも7,937.87キロ(17,500ポンド)、少なくとも9,071.85キロ(20,000ポンド)、少なくとも10,205.83キロ(22,500ポンド)、少なくとも11,339.81キロ(25,000ポンド)、少なくとも12,473.79キロ(27,500ポンド)、少なくとも13,607.77キロ(30,000ポンド)、もしくは少なくとも14,741.75キロ(32,500ポンド)および/または毎時453,592.37キロ(1,000,000ポンド)以下、340,194.28キロ(750,000ポンド)以下、226,796.18キロ(500,000ポンド)以下、204,116.57キロ(450,000ポンド)以下、181,436.95キロ(400,000ポンド)以下、158,757.33キロ(350,000ポンド)以下、136,077.71キロ(300,000ポンド)以下、113,398.09キロ(250,000ポンド)以下、90,718.47キロ(200,000ポンド)以下、68,038.86キロ(150,000ポンド)以下、45,359.24キロ(100,000ポンド)以下、34,019.43キロ(75,000ポンド)以下、22,679.62キロ(50,000ポンド)以下、もしくは18,143.69キロ(40,000ポンド)以下であることができる。施設が2つまたはそれよりも多くの供給流を含む場合、平均年間供給量は供給流を合わせた重量に基づき決定される。
【0019】
[0029]さらに、前処理施設20、加溶媒分解施設30、熱分解施設60、クラッキング施設70、POXガス化施設50、エネルギー回収施設80、および任意のその他の施設90のそれぞれは、直列にまたは並行して作動する複数のユニットを含んでもよいことを理解されたい。例えば、熱分解施設60は、並行して作動し、それぞれが廃棄プラスチックを含む供給物を受け取る複数の熱分解反応器/ユニットを含んでもよい。施設が複数の個々のユニットで作られている場合、施設への平均年間供給量は、その施設内の共通する種類のユニットのすべての設備への平均年間供給量の合計として計算される。
【0020】
[0030]さらに、一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、ケミカルリサイクル施設10(または前処理施設20、加溶媒分解施設30、熱分解施設60、クラッキング施設70、POXガス化施設50、エネルギー回収施設80、および任意のその他の施設90のうちのいずれか1つ)は連続的方式で作動していてもよい。さらに、または代替法では、ケミカルリサイクル施設10(または前処理施設20、加溶媒分解施設30、熱分解施設60、クラッキング施設70、POXガス化施設50、エネルギー回収施設80、および任意のその他の施設90のいずれか)のうちの少なくとも一部分は、バッチまたは半バッチ方式で作動していてもよい。場合によっては、施設は、インベントリーに対処し、各施設またはその一部分への一貫した流速を確実にするよう、単一施設の一部分と他の一部分との間に、または2つもしくはそれよりも多くの異なる施設の間に複数のタンクを含むことができる。
【0021】
[0031]加えて、図1aおよび1bに示されている施設の2つまたはそれよりも多くはまた、互いに共同設置されていてもよい。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、施設の少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、またはすべてが共同設置されていてもよい。本明細書で使用される場合、「共同設置された」という用語は、プロセス流および/または支援装置またはサービスの少なくとも一部分が2つの施設の間で共有されている施設を指す。図1aおよび1bに示されている施設の2つまたはそれよりも多くが共同設置されている場合、施設は以下の基準(i)~(v)のうちの少なくとも1つを満たすことができる:(i)施設は少なくとも1種の非住宅用ユーティリティーサービスを共有する;(ii)施設は少なくとも1種のサービスグループを共有する;(iii)施設は少なくとも1つの敷地境界を共有する当事者により所有および/または運用されている;(iv)施設は、1つの施設から別の施設へと少なくとも1種のプロセス材料(例えば、施設において供給される、使用される、または生成される固体、液体および/または気体)を運ぶように設計された少なくとも1つの導管により連結されている;ならびに(v)施設は、これらの地理的中心から測定して、互いに64.37km(40マイル)以内、56.33km(35マイル)以内、48.28km(30マイル)以内、32.19km(20マイル)以内、24.14km(15マイル)以内、19.31km(12マイル)以内、16.09km(10マイル)以内、12.87km(8マイル)以内、8.05km(5マイル)以内、3.22km(2マイル)以内、または1.61km(1マイル)以内にある。上記記述(i)~(v)のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、またはすべてが当てはまってもよい。
【0022】
[0032](i)に関して、適切なユーティリティーサービスの例として、これらに限定されないが、水蒸気システム(コジェネレーションおよび分配システム)、冷却水システム、熱伝導流体システム、工場または装置用空気冷却装置、窒素システム、水素システム、8000Vより上の配電を含む非住宅用発電および配電、非住宅用汚水/下水管システム、貯蔵施設、輸送系統、フレアシステム、およびこれらの組合せが挙げられる。
【0023】
[0033](ii)に関して、サービスグループおよび施設の例として、これらに限定されないが、救急サービス職員(火災および/または医療)、第三者販売元、州または地方自治体監視グループ、およびこれらの組合せが挙げられる。政府監視グループとして、例えば、規制機関または環境保全機関、ならびに都市、群、および州レベルでの都市の機関および税務関連機関を挙げることができる。
【0024】
[0034](iii)に関して、境界は、例えば、フェンスライン、敷地境界線、ゲート、または第三者が所有する土地または施設の少なくとも1つの境界との共通の境界であってよい。
【0025】
[0035](iv)に関して、導管は、気体、液体、固体/液体混合物(例えば、スラリー)、固体/気体混合物(例えば、空圧式搬送)、固体/液体/気体混合物、または固体を運ぶ流体管(例えば、ベルトコンベアー)であってよい。ある場合には、2つのユニットは、上記リストから選択される1つまたは複数の導管を共有することができる。流体管を使用して、2つのユニット間のプロセス流またはユーティリティーを輸送することができる。例えば、1つの施設(例えば、加溶媒分解施設30)の出口は、別の施設(例えば、POXガス化施設50)の入口と導管を介して流体連結されていてもよい。ある場合には、1つの施設の出口と別の施設の入口との間の導管内で輸送される材料に対する中間貯蔵システムが提供されてもよい。中間貯蔵システムは、例えば、導管により運ばれる材料を保存するように設計された1つまたは複数のタンク、容器(開かれたまたは密閉した)、建築物、または容器を含み得る。ある場合には、1つの施設の出口と別の施設の入口との間での中間貯蔵は、90日以下、75日以下、60日以下、40日以下、30日以下、25日以下、20日以下、15日以下、10日以下、5日以下、2日以下または1日以下であることができる。
【0026】
[0036]図1aおよび1bを再度参照すると、廃棄プラスチックの流れ100は、混合プラスチック廃棄物(MPW)であることができ、これはケミカルリサイクル施設10へと導入することができる。本明細書で使用される場合、「廃棄プラスチック」および「プラスチック廃棄物」という用語は、使用済みの、スクラップ、および/または廃棄したプラスチック材料、例えば、通常埋立てに送られるプラスチック材料を指す。廃棄プラスチック(またはプラスチック廃棄物)のその他の例として、通常焼却器に送られる使用済みの、スクラップ、および/または廃棄したプラスチック材料が挙げられる。ケミカルリサイクル施設10に供給される廃棄プラスチック流100は、未処理または部分的に処理した廃棄プラスチックを含み得る。本明細書で使用される場合、「未処理の廃棄プラスチック」という用語は、いかなる自動化または機械化された選別、洗浄、または微粉砕に供されていない廃棄プラスチックを意味する。未処理の廃棄プラスチックの例として、道路脇の家庭プラスチックリサイクビンまたは地域社会共有のプラスチックリサイクル容器から収集された廃棄プラスチックが挙げられる。本明細書で使用される場合、「部分的に処理した廃棄プラスチック」という用語は、少なくとも1つの自動化または機械化された選別、洗浄、または微粉砕ステップまたはプロセスに供された廃棄プラスチックを意味する。部分的に処理した廃棄プラスチックは、例えば、都市のリサイクル施設(MRF)またはリクレーマーから生じ得る。部分的に処理した廃棄プラスチックがケミカルリサイクル施設10に提供される場合、1つまたは複数の前処理ステップが省略されてもよい。廃棄プラスチックは、工業的に使用後の(または消費者前の)プラスチックおよび/または消費者後のプラスチックのうちの少なくとも1種を含んでもよい。
【0027】
[0037]本明細書で使用される場合、「混合プラスチック廃棄物」および「MPW」という用語は、これらに限定されないが、以下のプラスチックの種類を含む、少なくとも2種類の廃棄プラスチックの混合物を指す:ポリエチレンテレフタレート(PET)、1種または複数のポリオレフィン(PO)、およびポリ塩化ビニル(PVC)。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、MPWは、少なくとも2つの異なる種類のプラスチックを含み、各種類のプラスチックは、MPW中のプラスチックの総重量を基準にして、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、または少なくとも20重量パーセントの量で存在する。
【0028】
[0038]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、MPWは、MPW中のプラスチックの総重量を基準にして、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、もしくは少なくとも99重量パーセントのPETおよび/または少なくとも1、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、または少なくとも20重量パーセントのPOを含む。一実施形態においてまたはそれよりも多く実施形態において、MPWはまた、MPW中のプラスチックの総重量を基準にして、全部で50重量パーセント未満、45重量パーセント未満、40重量パーセント未満、35重量パーセント未満、30重量パーセント未満、25重量パーセント未満、20重量パーセント未満、15重量パーセント未満、10重量パーセント未満、5重量パーセント未満、2重量パーセント未満、または1重量パーセント未満である、PETおよびPO(および任意選択でPVC)以外の微量の1種または複数の種類のプラスチック成分を含んでもよい。
【0029】
[0039]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、MPWは、流れの総重量を基準にして、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントのPETを含む。代わりに、または加えて、MPWは、流れの総重量を基準にして、99.9重量パーセント以下、99重量パーセント以下、97重量パーセント以下、92重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、または5重量パーセント以下のPETを含む。
【0030】
[0040]MPW流は、流れの総重量を基準にして、少なくとも0.1、少なくとも0.5、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも7、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、もしくは少なくとも35重量パーセントおよび/または80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下もしくは7重量パーセント以下の量の非PET成分を含むことができる。非PET成分は、流れの総重量を基準にして、0.1~50重量パーセント、1~20重量パーセント、または2~10重量パーセントの間の量で存在し得る。このような非PET成分の例として、これらに限定されないが、鉄および非鉄金属、不活性物質(例えば、岩、ガラス、砂など)、プラスチック不活性物質(例えば、二酸化チタン、二酸化ケイ素など)、オレフィン、接着剤、相溶化剤、生物汚泥、セルロース系材料(例えば、厚紙、紙など)、ならびにこれらの組合せを挙げることができる。
【0031】
[0041]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、MPWのすべてまたは一部分は、都市の供給源が起源である、または都市の廃棄物を含むことができる。MPWの都市の廃棄物部分は、例えば、PETを、都市の廃棄物の流れ(または流れの一部)の総重量を基準として、45~95重量パーセント、50~90重量パーセント、または55~85重量パーセントの量で含むことができる。
【0032】
[0042]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、MPWのすべてまたは一部分は、都市のリサイクル施設(MRF)が起源であることができ、例えば、PETを、流れの総重量を基準にして、65~99.9重量パーセント、70~99重量パーセント、または80~97重量パーセントの量で含んでもよい。このような流れの中の非PET成分は、例えば、その他のプラスチックを、流れの総重量を基準にして、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも7、もしくは少なくとも10重量パーセントおよび/または25重量パーセント以下、22重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、12重量パーセント以下もしくは10重量パーセント以下の量で含んでもよく、あるいはこのようなプラスチックは、流れの総重量を基準にして、1~22重量パーセント、2~15重量パーセント、または5~12重量パーセントの範囲の量で存在してもよい。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、特に例えば、MPWが着色された選別したプラスチックを含む場合、非PET成分は、その他のプラスチックを、流れの総重量を基準にして、2~35重量パーセント、5~30重量パーセント、または10~25重量パーセントの範囲の量で含むことができる。
【0033】
[0043]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、MPWのすべてまたは一部分は、リクレーマー施設が起源であることができ、例えば、PETを、流れの総重量を基準にして、85~99.9重量パーセント、90~99.9重量パーセント、または95~99重量パーセントの量で含んでもよい。このような流れの中の非PET成分は、例えば、その他のプラスチックを、流れの総重量を基準にして、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも7、もしくは少なくとも10重量パーセントおよび/または25重量パーセント以下、22重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、12重量パーセント以下もしくは10重量パーセント以下の量で含んでもよく、あるいはこのような非PET成分は、流れの総重量を基準にして、1~22重量パーセント、2~15重量パーセント、または5~12重量パーセントの範囲の量で存在してもよい。
【0034】
[0044]本明細書で使用される場合、「プラスチック」という用語は、25℃および1大気圧で固体である任意の有機合成ポリマーを含み得る。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、ポリマーは、少なくとも75、または少なくとも100、または少なくとも125、または少なくとも150、または少なくとも300、または少なくとも500、または少なくとも1000、または少なくとも5,000、または少なくとも10,000、または少なくとも20,000、または少なくとも30,000、または少なくとも50,000または少なくとも70,000または少なくとも90,000または少なくとも100,000または少なくとも130,000ダルトンの数平均分子量(Mn)を有することができる。ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、少なくとも300、または少なくとも500、または少なくとも1000、または少なくとも5,000、または少なくとも10,000、または少なくとも20,000、または少なくとも30,000または少なくとも50,000、または少なくとも70,000、または少なくとも90,000、または少なくとも100,000、または少なくとも130,000、または少なくとも150,000、または少なくとも300,000ダルトンであることができる。
【0035】
[0045]適切なプラスチックの例として、これらに限定されないが、芳香族および脂肪族ポリエステル、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(acrylobutadienestyrene)(ABS)、セルロース系、エポキシド、ポリアミド、フェノール系樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンベースのアロイ、ポリ(メタクリル酸メチル)、スチレン含有ポリマー、ポリウレタン、ビニルベースポリマー、スチレンアクリロニトリル、タイヤ以外の熱可塑性エラストマーおよびウレア含有ポリマーおよびメラミンを挙げることができる。
【0036】
[0046]ポリエステルの例として、反復する芳香族または環式単位を有するポリエステル、例えば、反復するテレフタレート、イソフタレート、またはナフタレート単位を含有するもの、例えば、PET、修飾PET、およびPEN、または反復するフラネート(furanate)反復単位を含有するものを挙げることができる。ポリエチレンテレフタレート(PET)はまた適切なポリエステルの例である。本明細書で使用される場合、「PET」または「ポリエチレンテレフタレート」は、ポリエチレンテレフタレートのホモポリマー、または1種もしくは複数の酸および/もしくはグリコール修飾因子で修飾された、ならびに/またはエチレングリコールおよびテレフタル酸以外の残基もしくは部分、例えば、イソフタル酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、ジエチレングリコール、2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール(TMCD)、シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、プロピレングリコール、イソソルビド、1,4-ブタンジオール、1,3-プロパンジオール、および/またはネオペンチルグリコール(NPG)を含有するポリエチレンテレフタレートを指す。
【0037】
[0047]同様に「PET」および「ポリエチレンテレフタレート」という用語の定義内に含まれるのは、反復するテレフタレート単位(これらが反復するエチレングリコールベース単位を含有するかどうかに拘わらず)ならびに例えば、TMCD、CHDM、プロピレングリコール、もしくはNPG、イソソルビド、1,4-ブタンジオール、1,3-プロパンジオール、および/もしくはジエチレングリコール、またはこれらの組合せを含むグリコールの1つもしくは複数の残基または部分を有するポリエステルである。繰り返しテレフタレート単位を有するポリマーの例として、これらに限定されないが、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、およびそのコポリエステルを挙げることができる。脂肪族ポリエステルの例として、これらに限定されないが、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、およびポリエチレンアジペートを挙げることができる。ポリマーは、例えば、混合したテレフタレート/アジペートを含めた、混合した脂肪族-芳香族コポリエステルを含むことができる。
【0038】
[0048]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、廃棄プラスチックは、繰り返しテレフタレート単位を有する少なくとも1種類のプラスチックを含むことができ、このようなプラスチックは、流れの総重量を基準にして、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、もしくは少なくとも30および/または45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下もしくは2重量パーセント以下の量で存在し、あるいはこのようなプラスチックは、流れの総重量を基準にして、1~45重量パーセント、2~40重量パーセント、または5~40重量パーセントの範囲で存在することができる。複数のシクロヘキサンジメタノール部分、2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール部分、またはこれらの組合せを有する類似の量のコポリエステルもまた存在し得る。
【0039】
[0049]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、廃棄プラスチックは、繰り返しテレフタレート単位を有する少なくとも1種類のプラスチックを含むことができ、このようなプラスチックは、流れの総重量を基準にして、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、もしくは少なくとも90重量パーセントおよび/または99.9重量パーセント以下、99重量パーセント以下、97重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下もしくは85重量(weigh)パーセント以下の量で存在し、あるいはこのようなプラスチックは、流れの総重量を基準にして、30~99.9重量パーセント、50~99.9重量パーセント、または75~99重量パーセントの範囲で存在することができる。
【0040】
[0050]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、廃棄プラスチックは、テレフタレート繰り返し単位を、廃棄プラスチック流中のプラスチックの総重量を基準にして、少なくとも1、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、もしくは少なくとも45重量パーセントおよび/または75重量パーセント以下、72重量パーセント以下、70重量パーセント以下、60重量パーセント以下もしくは65重量パーセント以下の量で含むことができ、あるいは廃棄プラスチックは、テレフタレート繰り返し単位を、流れの総重量を基準にして、1~75重量パーセント、5~70重量パーセント、または25~75重量パーセントの範囲の量で含むことができる。
【0041】
[0051]特定のポリオレフィンの例は、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、アタクチックポリプロピレン、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、架橋ポリエチレン、非晶質ポリオレフィン、および上述のポリオレフィンのいずれか1種のコポリマーを含むことができる。廃棄プラスチックは、直鎖の低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリメチルペンテン、ポリブテン-1、およびそのコポリマーを含むポリマーを含むことができる。廃棄プラスチックはフラッシュスパン高密度ポリエチレンを含むことができる。
【0042】
[0052]廃棄プラスチックは、熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、またはこれらの組合せを含むことができる。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、廃棄プラスチックは、流れの総重量を基準にして、少なくとも0.1、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、もしくは少なくとも30重量パーセントおよび/または45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下もしくは2重量パーセント以下の1種もしくは複数の熱硬化性ポリマーを含むことができ、あるいは熱硬化性ポリマーは、流れの総重量を基準にして、0.1~45重量パーセント、1~40重量パーセント、2~35重量パーセント、または2~20重量パーセントの量で存在することができる。
【0043】
[0053]代わりに、または加えて、廃棄プラスチックは、流れの総重量を基準にして、少なくとも0.1、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、もしくは少なくとも30重量パーセントおよび/または45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下もしくは2重量パーセント以下のセルロース材料を含むことができ、あるいはセルロース材料は、流れの総重量を基準にして、0.1~45重量パーセント、1~40重量パーセント、または2~15重量パーセントの範囲の量で存在することができる。セルロース材料の例として、酢酸セルロース、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、酢酸セルロースプロピオネート、酢酸酪酸セルロース、ならびに再生セルロース、例えば、ビスコースを挙げることができる。さらに、セルロース材料は、3未満、2.9以下、2.8以下、2.7以下もしくは2.6以下および/または少なくとも1.7、少なくとも1.8、もしくは少なくとも1.9、もしくは1.8~2.8、もしくは1.7~2.9、もしくは1.9~2.9のアシル置換度を有するセルロース誘導体を含むことができる。
【0044】
[0054]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、廃棄プラスチックはSTYROFOAM(登録商標)または発泡スチロールを含むことができる。
【0045】
[0055]廃棄プラスチックは、いくつかの供給源のうちの1種または複数が起源であってもよい。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、廃棄プラスチックは、プラスチックビン、おむつ、眼鏡フレーム、フィルム、パッケージ材料、カーペット(住宅用、商業用、および/または自動車)、織物(衣類およびその他の生地)およびこれらの組合せが起源であってもよい。
【0046】
[0056]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、ケミカルリサイクル施設に供給される廃棄プラスチック(例えば、MPW)は、SPIで確立されたチェイシングアロートライアングルと共に番号1~7の樹脂IDコードを有するプラスチックを有するまたはこれらから得た1種または複数のプラスチックを含み得る。廃棄プラスチックは、一般的に機械的にリサイクルされない1種または複数のプラスチックを含んでもよい。このようなプラスチックとして、これらに限定されないが、樹脂IDコード3(ポリ塩化ビニル)、樹脂IDコード5(ポリプロピレン)、樹脂IDコード6(ポリスチレン)、および/または樹脂IDコード7(その他)を有するプラスチックを挙げることができる。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、樹脂IDコード3~7、または3、5、6、7、もしくはこれらの組合せのうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、または少なくとも5つを有するプラスチックが、すべてのプラスチックの総重量を基準にして、廃棄プラスチック内に、少なくとも0.1、少なくとも0.5、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも5、少なくとも7、少なくとも10、少なくとも12、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、もしくは少なくとも40重量パーセントおよび/または90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下もしくは35重量パーセント以下の量で存在してもよく、あるいはこれは、プラスチックの総重量を基準にして、0.1~90重量パーセント、1~75重量パーセント、または2~50重量パーセントの量であってもよい。
【0047】
[0057]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、ケミカルリサイクル施設に供給される廃棄プラスチック中の全プラスチック成分の少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、もしくは少なくとも35重量パーセントおよび/または60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下もしくは5重量パーセント以下は、樹脂IDコード3、5、6、および/または7を有さないプラスチックを含んでもよい(例えば、プラスチックが分類されていない場合)。ケミカルリサイクル施設10に供給される廃棄プラスチック中の全プラスチック成分の少なくとも0.1、少なくとも0.5、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、もしくは少なくとも35重量パーセントおよび/または60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下もしくは5重量パーセント以下は樹脂IDコード4~7を有さないプラスチックを含んでもよく、あるいはそれは、プラスチック成分の総重量を基準にして、0.1~60重量パーセント、1~55重量パーセント、または2~45重量パーセントの範囲であることができる。
【0048】
[0058]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、ケミカルリサイクル施設に供給される廃棄プラスチック(例えば、MPW)は、樹脂IDコード3~7またはIDコード3、5、6、もしくは7として分類されないプラスチックを含んでもよい。廃棄プラスチック中の樹脂IDコード3~7またはIDコード3、5、6、もしくは7プラスチックとして分類されないプラスチックの総量は、廃棄プラスチック流中のプラスチックの総重量を基準にして、少なくとも0.1、少なくとも0.5、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、もしくは少なくとも75重量パーセントおよび/または95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下もしくは35重量パーセント以下であることができ、あるいはそれは、廃棄プラスチック流中のプラスチックの総重量を基準にして、0.1~95重量パーセント、0.5~90重量パーセント、または1~80重量パーセントの範囲であることができる。
【0049】
[0059]一実施形態においてまたは記述されている実施形態のいずれかと組み合わせて、MPWは、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、または少なくとも99重量パーセントの少なくとも1種、少なくとも2種、少なくとも3種、または少なくとも4種の異なる種類の樹脂IDコードを有するプラスチックを有するまたはこれらから得たプラスチックを含む。
【0050】
[0060]一実施形態においてまたは記述されている実施形態のいずれかと組み合わせて、MPWは多成分ポリマーを含む。本明細書で使用される場合、「多成分ポリマー」という用語は、少なくとも1種のその他のポリマーおよび/または非ポリマー固体と組み合わさった、これらに結合した、またはそうでなければこれらに物理的および/もしくは化学的に付随する少なくとも1種の合成または天然ポリマーを含む物品および/または粒子を指す。ポリマーは、合成ポリマーまたはプラスチック、例えば、PET、オレフィン、および/またはナイロンであることができる。非ポリマー固体は、金属、例えば、アルミニウム、または本明細書に記載されているようなその他の非プラスチック固体であることができる。多成分ポリマーは金属化プラスチックを含むことができる。
【0051】
[0061]一実施形態においてまたは記述されている実施形態のいずれかと組み合わせて、MPWは多層ポリマーの形態の多成分プラスチックを含む。本明細書で使用される場合、「多層ポリマー」という用語は、2つまたはそれよりも多くの物理的に異なる層に、PETおよび少なくとも1種のその他のポリマー、ならびに/または物理的および/もしくは化学的に一緒に付随する非ポリマー固体を含む多成分ポリマーを指す。ポリマーまたはプラスチックは、2つの層の間に転移ゾーンが存在したとしても、例えば、接着剤で接着された層または共押出しされた層の中に転移ゾーンが存在したとしても、多層化したポリマーと考えられる。2つの層の間の接着剤は層とみなされない。多層ポリマーは、PETおよび1つまたは複数の追加の層を含む層を含んでもよく、これら追加の層の少なくとも1つは、PETとは異なる合成もしくは天然ポリマーであり、またはエチレンテレフタレート反復単位を有さないポリマー、またはアルキレンテレフタレート反復単位を有さないポリマー(「非PETポリマー層」)、またはその他の非ポリマー固体である。
【0052】
[0062]非PETポリマー層の例として、ナイロン、ポリ乳酸、ポリオレフィン、ポリカーボネート、エチレンビニルアルコール、ポリビニルアルコール、ならびに/あるいはその他のプラスチックまたはPET含有物品および/もしくは粒子に付随するプラスチックフィルム、ならびに天然ポリマー、例えば、ホエータンパク質が挙げられる。多層ポリマーは金属層、例えば、アルミニウムを含むことができるが、ただし、少なくとも1つのPET層以外の追加のポリマー層が存在することを条件とする。層は、接着剤結合またはその他の手段で接着されていても、物理的に隣接していても(すなわち、フィルムに対して圧縮された物品)、粘着付与されていても(すなわち、プラスチックを加熱し、一緒にくっつけた)、共押出しされたプラスチックフィルムであっても、またはさもなければPET含有物品に結合していてもよい。多層ポリマーは、同じまたは類似の方式で、その他のプラスチックを含有する物品に付随するPETフィルムを含んでもよい。MPWは、PETおよび少なくとも1つのその他のプラスチックの形態の多成分ポリマー、例えば、単一の物理的相と組み合わせた、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン)および/またはその他の合成または天然ポリマーを含んでもよい。例えば、MPWは、相溶化剤、PET、および少なくとも1種のその他の合成または天然ポリマープラスチック(例えば、非PETプラスチック)を含む不均一の混合物を、単一の物理的相内に組み合わせて含む。本明細書で使用される場合、「相溶化剤」という用語は、少なくとも2種の、その他の点では不混和性のポリマーを一緒に、物理的混合物(すなわち、ブレンド)中で組み合わせることが可能な薬剤を指す。
【0053】
[0063]一実施形態においてまたは記述されている実施形態のいずれかと組み合わせて、MPWは、乾燥プラスチックを基準にして、20重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、または0.1重量パーセント以下のナイロンを含む。一実施形態においてまたは記述されている実施形態のいずれかと組み合わせて、MPWは、乾燥プラスチックを基準にして、0.01~20重量パーセント、0.05~10重量パーセント、0.1~5重量パーセント、または1~2重量パーセントのナイロンを含む。
【0054】
[0064]一実施形態においてまたは記述されている実施形態のいずれかと組み合わせて、MPWは、乾燥プラスチックを基準にして、40重量パーセント以下、20重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下または1重量パーセント以下の多成分プラスチックを含む。一実施形態においてまたは記述されている実施形態のいずれかと組み合わせて、MPWは、乾燥プラスチックを基準にして、0.1~40重量パーセント、1~20重量パーセント、または2~10重量パーセントの多成分プラスチックを含む。一実施形態においてまたは記述されている実施形態のいずれかと組み合わせて、MPWは、乾燥プラスチックを基準にして、40重量パーセント以下、20重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下または1重量パーセント以下の多層プラスチックを含む。一実施形態においてまたは記述されている実施形態のいずれかと組み合わせて、MPWは、乾燥プラスチックを基準にして、0.1~40、1~20、または2~10重量パーセントの多層プラスチックを含む。
【0055】
[0065]一実施形態においてまたは記述されている実施形態のいずれかと組み合わせて、流れ100中のケミカルリサイクル施設10へのMPW供給原料は、乾燥基準で、MPW供給原料の総重量を100重量パーセントとして、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、12重量パーセント以下、10重量パーセント以下、8重量パーセント以下、6重量パーセント以下、5重量パーセント以下、4重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下または1重量パーセント以下の生物系廃棄物材料を含む。MPW供給原料は、乾燥基準で、MPW供給原料の総重量を100重量パーセントとして、0.01~20、0.1~10、0.2~5、または0.5~1重量パーセントの生物系廃棄物材料を含む。本明細書で使用される場合、「生物系廃棄物」という用語は、生命体または有機起源由来の材料を指す。例示的な生物系廃棄物材料として、これらに限定されないが、コットン、木材、ノコギリダスト、食物スクラップ、動物および動物の部分、植物および植物の部分、ならびに肥料が挙げられる。
【0056】
[0066]一実施形態においてまたは記述されている実施形態のいずれかと組み合わせて、MPW供給原料は、乾燥基準で、MPW供給原料の総重量を100重量パーセントとして、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、12重量パーセント以下、10重量パーセント以下、8重量パーセント以下、6重量パーセント以下、5重量パーセント以下、4重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下または1重量パーセント以下の製造されたセルロース製品を含む。MPW供給原料は、乾燥基準で、MPW供給原料の総重量を100重量パーセントとして、0.01~20、0.1~10、0.2~5、または0.5~1重量パーセントの製造されたセルロース製品を含む。本明細書で使用される場合、「製造されたセルロース製品」という用語は、セルロース系繊維を含む非天然の(すなわち、人工または機器で作製された)物品、およびそのスクラップを指す。例示的な製造されたセルロース製品として、これらに限定されないが、紙および厚紙が挙げられる。
【0057】
[0067]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、ケミカルリサイクル施設に供給される廃棄プラスチック(例えば、MPW)は、廃棄プラスチック供給物中のプラスチックの総重量を基準にして、少なくとも0.001、少なくとも0.01、少なくとも0.05、少なくとも0.1、もしくは少なくとも0.25重量パーセントおよび/または10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、4重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.75重量パーセント以下もしくは0.5重量パーセント以下のポリ塩化ビニル(PVC)を含むことができる。
【0058】
[0068]さらに、または代替法では、ケミカルリサイクル施設に供給される廃棄プラスチック(例えば、MPW)は、少なくとも0.1、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも4、もしくは少なくとも6重量パーセントおよび/または25重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下もしくは2.5重量パーセント以下の非プラスチック固体を含むことができる。非プラスチック固体は、不活性物質充填剤材料(例えば、炭酸カルシウム、水和ケイ酸アルミニウム、アルミナ三水和物、硫酸カルシウム)、岩、ガラス、ならびに/または添加剤(例えば、チキソトロープ、顔料および着色剤、難燃剤、抑制剤、UV阻害剤および安定剤、導電性金属または炭素、剥離剤、例えば、ステアリン酸亜鉛、ワックス、およびシリコーン)を含むことができる。
【0059】
[0069]一実施形態においてまたは記述されている実施形態のいずれかと組み合わせて、MPWは、MPW流または組成物の総重量を基準にして、少なくとも0.01、少なくとも0.1、少なくとも0.5、もしくは少なくとも1重量パーセントおよび/または25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、25重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下もしくは2.5重量パーセント以下の液体を含むことができる。MPW中の液体の量は、MPW流100の総重量を基準にして、0.01~25重量パーセント、0.5~10重量パーセント、または1~5重量パーセントの範囲であることができる。
【0060】
[0070]一実施形態においてまたは記述されている実施形態のいずれかと組み合わせて、MPWは、廃棄プラスチックの総重量を基準にして、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、もしくは少なくとも55重量パーセントおよび/または65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下もしくは35重量パーセント以下の液体を含むことができる。廃棄プラスチック中の液体は、廃棄プラスチックの総重量を基準にして、35~65重量パーセント、40~60重量パーセント、または45~55重量パーセントの範囲であることができる。
【0061】
[0071]一実施形態においてまたは記述されている実施形態のいずれかと組み合わせて、ラインのMPW流100中の織物(織物繊維を含む)の量は、MPWの重量を基準にして、少なくとも0.1重量パーセント、または少なくとも0.5重量パーセント、または少なくとも1重量パーセント、または少なくとも2重量パーセント、または少なくとも5重量パーセント、または少なくとも8重量パーセント、または少なくとも10重量パーセント、または少なくとも15重量パーセント、または少なくとも20重量パーセントの織物または織物繊維から得た材料であることができる。流れ100中のMPWの織物(織物繊維を含む)の量は、MPW流100の重量を基準にして、50重量パーセント以下、40重量パーセント以下、30重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、8重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.5重量パーセント以下、0.1重量パーセント以下、0.05重量パーセント以下、0.01重量パーセント以下または0.001重量パーセント以下である。MPW流100中の織物の量は、MPW流100の総重量を基準にして、0.1~50重量パーセント、5~40重量パーセント、または10~30重量パーセントの範囲であることができる。
【0062】
[0072]ケミカルリサイクル施設10に導入されるMPWはリサイクル織物を含有してもよい。織物は、天然および/または合成繊維、ロービング、糸、不織布ウェブ、布、生地および上述の項目のいずれかから作製されたまたはこれを含有する製品を含有してもよい。織物は、織る、編む、結ぶ、縫い合わせる、房を付けることができ、圧縮した繊維、例えば、フェルトに成形された、刺しゅうを施した、レース飾りの付いた、かぎ針で編んだ、ひもで編んだものを含んでもよく、または不織布ウェブおよび材料を含んでもよい。織物は、生地、および織物から分離された繊維、あるいは繊維、スクラップまたは規格外の繊維もしくは糸もしくは生地を含有するその他の製品、あるいは緩み繊維および糸のその他の任意の供給源を含むことができる。織物はまた、短繊維、連続繊維、糸、トウバンド、撚糸および/または紡績糸、糸から作製された生機、生機を湿式処理することにより生成された完成品生地、ならびに完成品生地または任意のその他の生地から作製された衣類を含むことができる。織物は、衣服、インテリア家具、および工業用タイプの織物を含む。織物は、工業的に使用後の織物(消費者前)または消費者後の織物または両方を含むことができる。
【0063】
[0073]一実施形態においてまたは記述されている実施形態のいずれかと組み合わせて、織物は衣服を含むことができ、衣服とはヒトが着用し、または身体のために作製されたものと一般的に定義されることができる。このような織物は、スポーツ用コート、スーツ、ズボンおよびカジュアルパンツまたは作業用ズボン、シャツ、ソックス、スポーツウエア、ドレス、下着、アウターウェア、例えば、レインジャケット、防寒用ジャケットおよびコート、セーター、防護服、ユニフォーム、およびアクセサリー、例えば、スカーフ、帽子、および手袋を含むことができる。インテリア家具カテゴリーにおける織物の例として、家具の張り布およびスリップカバー、カーペットおよびじゅうたん、カーテン、寝具類、例えば、シーツ、枕カバー、羽根布団、布団、マットレスカバー;リネン、テーブルクロス、タオル、洗面用タオル、およびブランケットが挙げられる。工業用織物の例として、輸送用(自動車、飛行機、列車、バス)シート、床マット、トランクライナー、および天井;アウトドア用家具およびクッション、テント、バックパック、旅行カバン、ロープ、コンベヤーベルト、カレンダーロールフェルト、磨き布、ぼろ切れ、土壌浸食防止生地およびジオテキスタイル、農業用マットおよびスクリーン、個人用防護具、防弾チョッキ、医療用包帯、縫合糸、テープなどが挙げられる。
【0064】
[0074]織物として分類される不織布ウェブは、湿式不織布ウェブおよびそれから作製される物品のカテゴリーを含まない。同じ機能を有する様々な物品が乾式または湿式プロセスで作製され得るが、乾式不織布ウェブから作製される物品は織物と分類される。本明細書に記載されているような乾式不織布ウェブから形成することができる適切な物品の例として、パーソナル用、消費者用、工業用、食物サービス用、医療用、およびその他の最終用途のための物品を挙げることができる。具体例として、これらに限定されないが、新生児用ふき取り繊維、水に流せるふき取り繊維、使い捨ておむつ、トレーニングパンツ、女性用衛生製品、例えば、サニタリーナプキンおよびタンポン、成人用失禁パッド、下着、またはブリーフ、およびペット用トレーニングパッドを挙げることができる。その他の例として、消費者用(例えば、パーソナルケアまたは家庭用)および工業用(例えば、食物サービス、ヘルスケア、または専門)に使用するためのものを含めて、様々な異なる乾式または湿式ふき取り繊維が挙げられる。不織布ウェブはまた、枕用パッド、マットレス、および張り布、およびキルトおよび布団の詰め物として使用することもできる。医療用および工業用分野では、本発明の不織布ウェブは消費者用、医療用、および工業用のフェイスマスク、防護服、キャップ、およびシューカバー、使い捨てシート、手術衣、ドレープ、包帯、および医療用包帯に使用することができる。
【0065】
[0075]さらに、本明細書に記載されている不織布ウェブは、環境用生地、例えば、ジオテキスタイルおよびタープ、油および化学吸収性パッド、ならびに建築材料、例えば、防音材または断熱材、テント、材木および土壌カバーおよびシートに使用することができる。不織布ウェブはまた、その他の消費者向け最終用途、例えば、カーペットの裏当て、消費者用、工業用、および農業用物品、断熱材または防音材用の、ならびに様々なタイプの衣服におけるパッケージに使用することもできる。
【0066】
[0076]本明細書に記載されている乾式不織布ウェブはまた、輸送(例えば、自動車または航空)、商業用、住宅用、工業用、またはその他の専門用途を含めた、様々な濾過用途に使用することもできる。例として、精密濾過に使用されるナノ繊維ウェブ、ならびにティーバッグ、コーヒーフィルター、および乾燥器シートなどの最終用途を含めた、消費者用もしくは工業用エアフィルターまたは液体フィルター(例えば、ガソリン、油、水)のためのフィルターエレメントを挙げることができる。さらに、本明細書に記載されている不織布ウェブは、これらに限定されないが、ブレーキパッド、トランクライナー、カーペットタフティング、およびアンダーパッディングを含めた、自動車に使用するための様々な部品を形成するために使用することができる。
【0067】
[0077]織物として、シングルタイプもしくはマルチプルタイプの天然繊維および/またはシングルタイプもしくはマルチプルタイプの合成繊維を挙げることができる。織物繊維の組合せの例として、すべての天然、すべての合成、2種またはそれよりも多くの天然繊維、2種またはそれよりも多くの合成繊維、1種の天然繊維と1種の合成繊維、1種の天然繊維と2種またはそれよりも多くの合成繊維、2種またはそれよりも多くの天然繊維と1種の合成繊維、ならびに2種またはそれよりも多くの天然繊維と2種またはそれよりも多くの合成繊維が挙げられる。
【0068】
[0078]天然繊維として、植物由来または動物由来のものが挙げられる。天然繊維はセルロース系、ヘミセルロース系、およびリグニンであることができる。植物由来の天然繊維の例として、広葉樹パルプ、針葉樹パルプ、および木材粉;ならびに小麦わら、米わら、アバカ、コイア、コットン、アマ、大麻、ジュート、バガス、カポック、パピルス、ラミー、ラタン、つる植物、ケナフ、アバカ、ヘネッケン、サイザル麻、ダイズ、穀物わら、竹材、リード、エスパルトグラス、バガス、サバイグラス、ミルクウィード綿の繊維、パイナップル葉の繊維、スイッチグラス、リグニン含有植物における植物繊維を含むその他の植物繊維などが挙げられる。動物由来の繊維の例として、ウール、絹、モヘア、カシミヤ、ヤギの毛、ウマの毛、トリの繊維、ラクダの毛、アンゴラウール、およびアルパカウールが挙げられる。
【0069】
[0079]合成繊維とは、化学反応を介して少なくとも部分的に、合成もしくは誘導体化された、または再生された繊維であり、これらに限定されないが、レーヨン、ビスコース、マーセル化繊維またはその他の種類の再生セルロース(天然セルロースの溶解性セルロース系誘導体への変換およびその後の再生)、例えば、リヨセル(TENCEL(商標)としても公知)、Cupro、Modal、アセテート、例えば、ポリ酢酸ビニル、ナイロンを含むポリアミド、ポリエステル、例えば、PET、オレフィンポリマー、例えば、ポリプロピレンおよびポリエチレン、ポリカーボネート、ポリスルフェート、ポリスルホン、ポリエーテル、例えば、Spandexまたはエラスタンとして公知のポリエーテル-ウレア、ポリアクリレート、アクリロニトリルコポリマー、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、スルホポリエステル繊維、およびこれらの組合せが挙げられる。
【0070】
[0080]ケミカルリサイクル施設に入る前、織物は、切り刻み、細断、ハローイング、粉末化、粉状化、または切断を介してサイズを減少させて、サイズを減少させた織物を生成することができる。織物はまた、ケミカルリサイクル施設に入る前に、高密度化する(例えば、ペレット化する)ことができる。高密度化プロセスの例として、押出し(例えば、ペレットにする)、成型(例えば、ブリケットにする)、および凝集(例えば、外部から適用される熱、摩擦力により生じる熱を介して、またはそれら自体非バージンポリマーであることができる1種もしくは複数の接着性物質を添加することによる)が挙げられる。代わりに、または加えて、織物は、本明細書に記述されている形態のいずれかであることができ、図1aおよび1bに示されているケミカルリサイクル施設10の残りの施設において処理される前の、前処理施設20における以前に記述されているステップのうちの1つまたは複数に曝露することができる。
【0071】
[0081]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、ポリエチレンテレフタレート(PET)および1つまたは複数のポリオレフィン(PO)は、組み合わせて、図1aおよび1bの流れ100のケミカルリサイクル施設に供給される廃棄プラスチック(例えば、MPW)の少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、または少なくとも99重量パーセントを構成する。ポリ塩化ビニル(PVC)は、ケミカルリサイクル施設10に導入される廃棄プラスチック中のプラスチックの総重量を基準にして、廃棄プラスチックの少なくとも0.001、少なくとも0.01、少なくとも0.05、少なくとも0.1、少なくとも0.25、もしくは少なくとも0.5重量パーセントおよび/または10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、4重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.75重量パーセント以下もしくは0.5重量パーセント以下を構成することができる。
【0072】
[0082]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、廃棄プラスチックは、ケミカルリサイクル施設10に導入される廃棄プラスチック中のプラスチックの総重量を基準にして、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントのPETを含むことができる。
【0073】
[0083]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、廃棄プラスチックは、廃棄プラスチック中のプラスチックの総重量を基準にして、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40重量パーセントおよび/または95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下もしくは35重量パーセント以下のPOを含むことができ、またはPOは、ケミカルリサイクル施設10に導入される廃棄プラスチック中のプラスチックの総重量を基準にして、5~75重量パーセント、10~60重量パーセント、もしくは20~35重量パーセントの範囲の量で存在することができる。
【0074】
[0084]ケミカルリサイクル施設に導入された廃棄プラスチック(例えば、MPW)は、これらに限定されないが、都市のリサイクル施設(MRF)またはリクレーマー施設またはその他の機械的もしくは化学的選別もしくは分離施設、製造業者もしくは加工工場もしくは商業生産施設、または工業的に使用後のおよび消費者前のリサイクル可能なものを所持している小売り業者もしくは販売業者もしくは卸売販売業者から、家庭/企業(すなわち、未処理のリサイクル可能なもの)、埋立て、収集センター、コンビニエンスセンターから直接、または港もしくは船舶で、もしくはその上の倉庫などを含む様々な供給源から提供され得る。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、廃棄プラスチック(例えばMPW)の供給源は、消費者が特定のリサイクル可能物品(例えば、プラスチック容器、ビンなど)をデポジットして州から返金を受けることができる、州のデポジット返還施設を含まない。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、廃棄プラスチック(例えば、MPW)の供給源は、消費者が特定のリサイクル可能な物品(例えば、プラスチック容器、ビンなど)をデポジットして、州から返金を受けることができる州のデポジット返還施設を実際に含む。このような返還施設は一般的に、例えば、食料品店に見出される。
【0075】
[0085]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、廃棄プラスチックは、別の処理施設、例えば、都市のリサイクル施設(MRF)またはリクレーマー施設からの廃棄物の流れとして、または消費者により選別されて、道路脇に、もしくは主要なコンビニエンスステーションに収集用に置かれている廃棄プラスチックを含むプラスチック含有混合物として提供され得る。このような実施形態の1つまたは複数では、廃棄プラスチックは、1種もしくは複数のMRF生成物もしくは共生成物、リクレーマーの共生成物、選別したプラスチック含有混合物、および/またはプラスチック物品製造施設からのPET含有廃棄プラスチックを含み、これらは、乾燥プラスチックを基準にして、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、もしくは少なくとも90重量パーセントのPETおよび/または99.9重量パーセント以下、99重量パーセント以下、98重量パーセント以下、97重量パーセント以下、96重量パーセント以下もしくは95重量パーセント以下のPETを含み、あるいはそれは、乾燥プラスチックを基準にして、10~99.9重量パーセント、20~99重量パーセント、30~95重量パーセント、または40~90重量パーセントの範囲のPETであることができる。
【0076】
[0086]このような実施形態の1つまたは複数では、廃棄プラスチックは、乾燥プラスチックを基準にして、少なくとも1、少なくとも10、少なくとも30、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、もしくは少なくとも90重量パーセントおよび/または99.9重量パーセント以下、99重量パーセント以下もしくは90重量パーセント以下のPETを含む、ある量のPET含有リクレーマーの共生成物またはプラスチック含有混合物を含み、あるいはそれは、乾燥プラスチックを基準にして、1~99.9重量パーセント、1~99重量パーセント、または10~90重量パーセントの範囲のPETであることができる。リクレーマー施設はまた、高い純度のPET(少なくとも99または少なくとも99.9重量パーセント)リクレーマー共生成物ではあるが、機械的リサイクル施設に対して望ましくない形態で生成するプロセスを含み得る。本明細書で使用される場合、「リクレーマーの共生成物」という用語は、透明なrPET生成物として回収されない、リクレーマー施設により分離または回収される、着色されたrPETを含む任意の材料を指す。上および下に記載されているリクレーマーの共生成物は、廃棄生成物であると一般的に考えられ、埋立てに送ることができる。
【0077】
[0087]1つまたは複数のこのような実施形態では、廃棄プラスチックは、乾燥プラスチックを基準にして、少なくとも20、少なくとも40、少なくとも60、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも95、もしくは少なくとも99重量パーセントおよび/または99.9重量パーセント以下のPETを含む、ある量のリクレーマーの湿った細粒を含む。1つまたは複数のこのような実施形態では、廃棄プラスチックは、乾燥プラスチックを基準にして、少なくとも1、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも40、少なくとも60、少なくとも80、もしくは少なくとも90重量パーセントおよび/または99.9重量パーセント以下もしくは99重量パーセント以下のPETを含む、ある量の着色プラスチック含有混合物を含む。1つまたは複数のこのような実施形態では、廃棄プラスチックは、金属と、乾燥プラスチックを基準にして、少なくとも0.1、少なくとも1、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも40、少なくとも60、もしくは少なくとも80重量パーセントおよび/または99.9重量パーセント以下、99重量パーセント以下、もしくは98重量パーセント以下のPETとを含む、ある量の渦流廃棄物の流れを含む。1つまたは複数のこのような実施形態では、廃棄プラスチックは、乾燥プラスチックを基準にして、少なくとも0.1、少なくとも1、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも40、少なくとも60、もしくは少なくとも80重量パーセントおよび/または99.9重量パーセント以下、99重量パーセント以下、または98重量パーセント以下のPETを含む、ある量のリクレーマーフレーク拒絶物を含み、あるいはその量は乾燥プラスチックを基準にして、0.1~99.9重量パーセント、1~99重量パーセント、または10~98重量パーセントのPETの範囲であってもよい。1つまたは複数のこのような実施形態では、廃棄プラスチックは、乾燥プラスチックを基準にして、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも95、少なくとも99、少なくとも99.9重量パーセントのPETを含む、ある量の乾燥細粒を含む。
【0078】
[0088]ケミカルリサイクル施設10はまた、例えば、列車、トラック、および/または船舶を含む任意の適切な種類の輸送手段による廃棄プラスチックの送達を促進するため、本明細書に記載されているような廃棄プラスチック(例えば、MPW)を受け取るためのインフラストラクチャーを含むこともできる。このようなインフラストラクチャーは、輸送手段から廃棄プラスチックの積荷をおろすのを援助する施設、ならびに貯蔵所施設および積荷おろしゾーンから下流の処理ゾーンへと廃棄プラスチックを輸送するための1種または複数の搬送システムを含むことができる。このような搬送システムとして、例えば、空圧式コンベヤー、ベルトコンベヤー、バケットコンベヤー、振動式コンベヤー、スクリューコンベヤー、カートオントラックコンベヤー、トウコンベヤー、トロリーコンベヤー、フロントエンドローダー、トラック、およびチェーンコンベヤーを挙げることができる。
【0079】
[0089]ケミカルリサイクル施設10に導入される廃棄物(例えば、MPW)は、これらに限定されないが、物品全体、粒子(例えば、微粉砕された、ペレット化された、繊維プラスチック粒子)、束ねたベール(例えば、圧縮されたおよびひもで結ばれた物品全体)、束ねられていない物品(すなわち、ベールまたはパッケージに入っていない)、容器(例えば、ボックス、サック、トレーラー、貨車、ローダーバケット)、パイル(例えば、建築物内のコンクリート平板上)、固体/液体スラリー(例えば、水中で、ポンプで送り込まれるプラスチックのスラリー)、および/または物理的に搬送された遊離した材料(例えば、コンベヤーベルト上の粒子)もしくは空気圧によって搬送された遊離した材料(例えば、搬送パイプ内で大気および/または不活性ガスと混合された粒子)を含むいくつかの形態であってよい。
【0080】
[0090]本明細書で使用される場合、「廃棄プラスチック粒子」という用語は、2.54cm(1インチ)未満のD90を有する廃棄プラスチックを指す。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、廃棄プラスチック粒子はMPW粒子であることができる。廃棄プラスチックまたはMPW粒子は、例えば、細断され、もしくは切り刻まれた、微粉砕されたプラスチック粒子、またはプラスチックペレットを含むことができる。物品全体またはほぼ物品全体がケミカルリサイクル施設10(または前処理施設20)に導入された場合、1つまたは複数の微粉砕またはペレット化するステップをその中で使用して、廃棄プラスチック粒子(例えば、MPW粒子)を形成することができる。代わりに、または加えて、ケミカルリサイクル施設10(または前処理施設20)に導入される少なくとも一部分の廃棄プラスチックはすでに粒子の形態であってもよい。
【0081】
[0091]図1aおよび1bに示されているケミカルリサイクル施設内に存在し得る施設のそれぞれの全般的な構成および作業はこれより以下に、前処理施設から開始してさらに詳細に記載される。任意選択で、図1aおよび1bには示されていないが、ケミカルリサイクル施設からの流れの少なくとも1つが、工業用埋立てまたはその他の同様の種類の処理または廃棄処分施設に送られてもよい。
【0082】
前処理
[0092]図1aおよび1bに示されている通り、未処理および/または部分的に処理した廃棄プラスチックの流れ、例えば、混合プラスチック廃棄物(MPW)の流れは、流れ100を介して前処理施設20へと最初に導入されてもよい。前処理施設20において、流れは1つまたは複数の処理ステップを経ることによって、ケミカルリサイクルへ送られる準備が整う。本明細書で使用される場合、「前処理」という用語は、以下のステップのうちの1つまたは複数を使用してケミカルリサイクルに対して廃棄プラスチックを準備することを指す:(i)微粉砕する;(ii)粒子化する;(iii)洗浄する;(iv)乾燥させる;および/または(v)分離する。本明細書で使用される場合、「前処理施設」という用語は、廃棄プラスチックの前処理を行うために必要なすべての装置、ライン、および制御を含む施設を指す。本明細書に記載されているような前処理施設は、上記ステップのうちの1つまたは複数を使用して、ケミカルリサイクルに対する廃棄プラスチックの準備を実行するための任意の適切な方法を利用することができ、これらは以下にさらに詳細に記載されている。
【0083】
微粉砕および粒子化
[0093]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、廃棄プラスチック(例えば、MPW)は、非選別または事前に選別したプラスチックがベールの形態で、またはその他の大きな、凝集した形態で提供されてもよい。ベールまたは凝集したプラスチックは、最初のプロセスを経て、バラバラになる。プラスチックベールは、例えば、ベールをバラバラにする、ある場合には、ベールを構成するプラスチックを細かく刻むように設計された歯またはブレードを備えた、1つまたは複数の回転シャフトを含むディベーラー機器に送られてもよい。1つまたは複数のその他の実施形態において、ベールまたは凝集したプラスチックは、ギロチン断裁機器に送ることができ、そこでこれらはより小さなサイズのプラスチック小片へと切り刻まれる。ディベーリングされたおよび/またはギロチン断裁されたプラスチック固体は、次いで選別プロセスに供することができ、ここでは様々な非プラスチック、重質材料、例えば、ガラス、金属、および岩が除去される。この選別プロセスは手作業でまたは機器により実施することができる。選別機器は、光学センサー、磁石、渦流、抵抗係数に基づき分離する空圧式リフトもしくはコンベヤー、またはふるいに依存して、重質材料を特定および除去することができる。
【0084】
[0094]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、廃棄プラスチック供給原料は、2.54cm(1インチ)より大きい、1.91cm(0.75インチ)より大きい、または1.27cm(0.5インチ)より大きいD90を有するプラスチック固体、例えば、使用済み容器を含む。代わりに、または加えて、廃棄プラスチック供給原料はまた、ある時点では、2.54cm(1インチ)より大きい少なくとも1つの寸法を有した複数のプラスチック固体を含んでもよいが、固体は押し固められ、圧縮され、またはそうでなければより大きな単位、例えば、ベールへと凝集されていてもよい。少なくとも一部分、またはすべてのプラスチック固体が2.54cm(1インチ)より大きい、1.91cm(0.75インチ)より大きい、または1.27cm(0.5インチ)より大きい少なくとも1つの寸法を有するこのような実施形態において、供給原料は、機械的にサイズを減少させる作業、例えば、粉砕/造粒、細断、ギロチン断裁、切り刻み、またはその他の微粉砕プロセスに供して、より小さいサイズを有するMPW粒子を得ることができる。このような機械的にサイズを減少させる作業は、圧砕、押し固め、またはプラスチックによるベールの形成以外のサイズを減少させるステップを含むことができる。
【0085】
[0095]1つまたは複数のその他の実施形態において、廃棄プラスチックは、いくつかの初期の分離および/または微細化プロセスをすでに経ている。特に、廃棄プラスチックは粒子またはフレークの形態であってよく、いくらかの種類の容器、例えば、サックまたはボックスで提供されてもよい。これらプラスチック固体の組成およびこれらが供され得る前処理の種類に応じて、プラスチック供給原料はディベーラー、ギロチン断裁、および/または重質除去ステーションを迂回することができ、さらなるサイズの減少のため造粒装置へと直接進行することができる。
【0086】
[0096]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、ディベーリングされたまたはバラバラになったプラスチック固体は、微粉砕または造粒装置に送られてもよく、ここでプラスチック固体は粉砕され、細断され、またはそうでなければサイズを減少させる。プラスチック材料は、2.54cm(1インチ)未満、1.91cm(3/4インチ)未満、または1.27cm(1/2インチ)未満のD90粒径を有する粒子にすることができる。1つまたは複数のその他の実施形態において、造粒装置を脱出するプラスチック材料のD90粒径は0.16cm(1/16インチ)~2.54cm(1インチ)、0.32cm(1/8インチ)~1.91cm(3/4インチ)、0.64cm(1/4インチ)~1.59cm(5/8インチ)、または0.95cm(3/8インチ)~1.27cm(1/2インチ)である。
【0087】
洗浄および乾燥
[0097]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、ケミカルリサイクル施設に提供される未処理または部分的に処理した廃棄プラスチックは、廃棄プラスチックの以前の使用に付随し得る様々な有機混入物または残渣を含み得る。例えば、廃棄プラスチックは、特にプラスチック材料が食物または飲料パッケージに使用された場合、食物または飲料の汚れを含み得る。したがって、廃棄プラスチックはまた微生物混入物および/または微生物により生成される化合物を含有し得る。廃棄プラスチックを構成しているプラスチック固体の表面上に存在し得る例示的微生物として、大腸菌、サルモネラ、C.ディフィシレ、黄色ブドウ球菌、L.モノサイトゲネス、表皮ブドウ球菌、緑膿菌、およびP.フルオレッセンスが挙げられる。
【0088】
[0098]様々な微生物が悪臭を引き起こす化合物を生成することができる。例示的な臭気を引き起こす化合物として、硫化水素、硫化ジメチル、メタンチオール、プトレシン、カダベリン、トリメチルアミン、アンモニア、アセトアルデヒド、酢酸、プロパン酸、および/または酪酸が挙げられる。よって、廃棄プラスチックは臭気による危害の懸念を提示し得ることを認識することができる。したがって、廃棄プラスチックは、さらなる処理が可能となるまで、密閉空間内、例えば、出荷容器、封入された軌道車、または封入されたトレーラー内に貯蔵することができる。ある特定の実施形態において、未処理または部分的に処理した廃棄プラスチックは、廃棄プラスチックの処理(例えば、微粉砕、洗浄、および選別)が行われることになるサイトに一度到達すれば、密閉空間内に1週間以内、5日間以内、3日間以内、2日間以内、または1日以内貯蔵することができる。
【0089】
[0099]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、前処理施設20はまた、抗菌剤の特徴を保有する化学組成で廃棄プラスチックを処理するための装置または処理するステップを含み、これによって、処理された粒子プラスチック固体を形成することができる。一部の実施形態において、これは廃棄プラスチックを水酸化ナトリウム、高いpHの塩溶液(例えば、炭酸カリウム)、またはその他の抗菌剤組成物で処理することを含み得る。
【0090】
[0100]さらに、一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、廃棄プラスチック(例えば、MPW)は、任意選択で洗浄して、無機の、非プラスチック固体、例えば、汚れ、ガラス、充填剤およびその他の非プラスチック固形物を除去すること、および/または生物学的要素、例えば、細菌および/または食物を除去することができる。生成した洗浄した廃棄プラスチックはまた、廃棄プラスチックの総重量を基準にして、5重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.5重量パーセント以下または0.25重量パーセント以下の水(または液体)の含水量まで乾燥させることもできる。乾燥は、熱および/または気流の添加、機械的乾燥(例えば、遠心性)を含む任意の適切な方式、または特定された時間にわたり液体を蒸発させることにより、行うことができる。
【0091】
分離
[0101]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、前処理施設20またはケミカルリサイクルプロセスまたは施設10のステップは、少なくとも1つの分離ステップまたはゾーンを含んでもよい。分離ステップまたはゾーンは、廃棄プラスチック流を、ある特定の種類のプラスチックを豊富に含む2つまたはそれよりも多くの流れへと分離するように設計することもできる。このような分離は、前処理施設20に供給される廃棄プラスチックがMPWである場合、特に有利である。
【0092】
[0102]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、前処理施設20の分離ゾーン22(図2を参照されたい)は、図2に示されている通り、廃棄プラスチック(例えば、MPW)を、PETを豊富に含む流れ112およびPETが枯渇した流れ114へと分離してもよい。本明細書で使用される場合、「豊富に含む」という用語は、基準の材料または流れの中のその成分の濃度より大きい特定の成分の濃度(無希釈の乾燥重量を基準にして)を有することを意味する。本明細書で使用される場合、「枯渇した」という用語は、基準の材料または流れの中のその成分の濃度より低い特定の成分の濃度(無希釈の乾燥重量を基準にして)を有することを意味する。本明細書で使用される場合、すべての重量パーセンテージは、別途明示されていない限り、無希釈の乾燥重量を基準にして付与されている。
【0093】
[0103]豊富に含むまたは枯渇した成分が固体の場合、濃度は無希釈の乾燥固体重量を基準にしている;豊富に含むまたは枯渇した成分が液体の場合、濃度は無希釈の乾燥液体重量を基準にしている;および豊富に含むまたは枯渇した成分が気体の場合、濃度は無希釈の乾燥気体重量を基準にしている。加えて、豊富に含むおよび枯渇したとは、濃度としての言い回しよりもむしろ質量バランスによる言い回しとして表現することができる。よって、特定の成分を豊富に含む流れは、基準の流れ(例えば、供給流またはその他の生成物流)の中の成分の質量より大きい成分の質量を有することができ、その一方で特定の成分が枯渇した流れは、基準の流れ(例えば、供給流またはその他の生成物流)の中の成分の質量より低い成分の質量を有することができる。
【0094】
[0104]図2を参照すると、前処理施設20(または分離ゾーン22)から離脱した廃棄プラスチックのPETを豊富に含む流れ112は、前処理施設20(または分離ゾーン22)に導入される廃棄プラスチック供給流100中のPETの濃度または質量より高いPETの濃度または質量を有することができる。同様に、前処理施設20(または分離ゾーン22)から離脱したPETが枯渇した流れ114はPETが枯渇し、前処理施設20(または分離ゾーン22)に導入される廃棄プラスチック中のPETの濃度または質量より低いPETの濃度または質量を有し得る。PETが枯渇した流れ114はまた、POを豊富に含み、前処理施設20(または分離ゾーン22)に導入される廃棄プラスチック(例えば、MPW)流中のPOの濃度または質量より高い濃度または質量のPOを有し得る。
【0095】
[0105]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、MPW流100が、前処理施設20(または分離ゾーン22)に供給される場合、PETを豊富に含む流れは、希釈しない固体乾燥重量基準で、MPW流またはPETが枯渇した流れ、または両方の中のPETの濃度または質量と比べて、PETの濃度または質量において富化されていてもよい。例えば、分離後、PETを豊富に含む流れが液体またはその他の固体で希釈された場合、富化は無希釈のPETを豊富に含む流れ、および乾燥基準での濃度に基づく。一実施形態においてまたは記述されている実施形態のいずれかと組み合わせて、PETを豊富に含む流れ112は、MPW供給流(供給物を基準にしたPET富化%)、PETが枯渇した生成物流114(生成物を基準にしたPET富化%)、または両方に対して、式:
【0096】
【数1】
【0097】
(式中、PETeは、無希釈の乾燥重量基準でのPETを豊富に含む生成物流112中のPETの濃度であり、
PETmは、乾燥重量基準でのMPW供給流100中のPETの濃度であり、
PETdは、乾燥重量基準でのPETが枯渇した生成物流114中のPETの濃度である)
【0098】
により決定した場合、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも80、少なくとも100、少なくとも125、少なくとも150、少なくとも175、少なくとも200、少なくとも225、少なくとも250、少なくとも300、少なくとも350、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも600、少なくとも700、少なくとも800、少なくとも900、または少なくとも1000%である、PET富化パーセントを有する。
【0099】
[0106]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、MPW100を含む流れが前処理施設20(または分離ゾーン22)に供給される場合、PETを豊富に含む流れはまた、MPW供給流100、またはPETが枯渇した生成物流114、または両方の中のハロゲンの濃度または質量に対して、ハロゲン、例えば、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、およびアスタチン(At)、ならびに/またはハロゲン含有化合物、例えば、PVCを豊富に含む。一実施形態においてまたは記述されている実施形態のいずれかと組み合わせて、PETを豊富に含む流れ112は、MPW供給流100(供給物ベースのPVC富化%)、PETが枯渇した生成物流(生成物ベースのPVC富化%)、または両方に対して、式:
【0100】
【数2】
【0101】
(式中、PVCeは、無希釈の乾燥重量基準でのPETを豊富に含む生成物流112中のPVCの濃度であり、
PVCmは、無希釈の乾燥重量基準でのMPW供給流100中のPVCの濃度であり、
PVCdは、無希釈の乾燥重量基準でのPETが枯渇した生成物流114中のPVCの濃度である)
【0102】
により決定した場合、少なくとも1、少なくとも3、少なくとも5、少なくとも7、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも80、少なくとも100、少なくとも125、少なくとも150、少なくとも175、少なくとも200、少なくとも225、少なくとも250、少なくとも300、少なくとも350、少なくとも400、または少なくとも500%である、PVC富化パーセントを有する。
【0103】
[0107]一実施形態においてまたは記述されている実施形態のいずれかと組み合わせて、MPW流100が前処理施設20(または分離ゾーン22)に供給される場合、PETが枯渇した流れ114は、MPW供給流100、PETを豊富に含む生成物流112、または両方の中のポリオレフィンの濃度または質量に対して、無希釈の固体乾燥基準でポリオレフィンを豊富に含む。一実施形態においてまたは記述されている実施形態のいずれかと組み合わせて、PETが枯渇した流れ114は、MPW供給流100(供給物ベースのPO富化%)、またはPETを豊富に含む生成物流112(生成物ベースのPO富化%)、または両方に対して、式:
【0104】
【数3】
【0105】
(式中、POdは、無希釈の乾燥重量基準でのPETが枯渇した生成物流114中のポリオレフィンの濃度であり、
POmは、乾燥重量基準でのMPW供給流100中のPOの濃度であり、
POeは、乾燥重量基準でのPETを豊富に含む生成物流112中のPOの濃度である)
【0106】
により決定した場合、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも80、少なくとも100、少なくとも125、少なくとも150、少なくとも175、少なくとも200、少なくとも225、少なくとも250、少なくとも300、少なくとも350、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも600、少なくとも700、少なくとも800、少なくとも900、または少なくとも1000%である、ポリオレフィン富化パーセントを有する。
【0107】
[0108]一実施形態においてまたは任意のその他の実施形態と組み合わせて、MPW流100が前処理施設20(または分離ゾーン22)に供給される場合、PETが枯渇した流れ114はまた、MPW流100、PETを豊富に含む流れ112、または両方の中のハロゲンの濃度または質量に対して、ハロゲン、例えば、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、およびアスタチン(At)、ならびに/またはハロゲン含有化合物、例えば、PVCが枯渇している。一実施形態においてまたは記述されている実施形態のいずれかと組み合わせて、PETが枯渇した流れ114は、MPW供給流100(供給物ベースのPVC枯渇化%)またはPETを豊富に含む生成物流112(生成物ベースのPVC枯渇化%)に対して、式:
【0108】
【数4】
【0109】
(式中、PVCmは、無希釈の乾燥重量基準でのMPW供給流100中のPVCの濃度であり、
PVCdは、無希釈の乾燥重量基準でのPETが枯渇した生成物流114中のPVCの濃度であり、
PVCeは、無希釈の乾燥重量基準でのPETを豊富に含む生成物流112中のPVCの濃度である)
【0110】
により決定した場合、少なくとも1、少なくとも3、少なくとも5、少なくとも7、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、または少なくとも90%である、PVC枯渇化パーセントを有する。
【0111】
[0109]PETが枯渇した流れ114は、MPW流100、PETを豊富に含む流れ112、または両方の中のPETの濃度または質量に対して、PETが枯渇している。一実施形態においてまたは記述されている実施形態のいずれかと組み合わせて、PETが枯渇した流れ114は、MPW供給流100(供給物ベースのPET枯渇化%)またはPETを豊富に含む生成物流112(生成物ベースのPET枯渇化%)に対して、式:
【0112】
【数5】
【0113】
(式中、PETmは、無希釈の乾燥重量基準でのMPW供給流100中のPETの濃度であり、
PETdは、無希釈の乾燥重量基準でのPETが枯渇した生成物流114中のPETの濃度であり、
PETeは、無希釈の乾燥重量基準でのPETを豊富に含む生成物流112中のPETの濃度である)
【0114】
により決定した場合、少なくとも1、少なくとも3、少なくとも5、少なくとも7、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、または少なくとも90%である、PET枯渇化パーセントを有する。
【0115】
[0110]上記実施形態のいずれかでの富化または枯渇化パーセンテージは、1週にわたる、または3日にわたる、または1日にわたる平均であることができ、測定は、プロセスの出口で採取した試料と、MPWバルクとを合理的に相関させるために行うことができ、このMPWバルクからのMPWの試料は入口から出口へとMPWが流動する滞留時間を考慮に入れる。例えば、MPWの平均滞留時間が2分間である場合、出口試料は、試料が互いに相関するように、試料のインプットから2分間後に採取される。
【0116】
[0111]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、分離ゾーン22または前処理施設20を脱出するPETを豊富に含む流れは、PETを豊富に含む流れ112中のプラスチックの総重量を基準にして、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、少なくとも97、少なくとも99、少なくとも99.5、または少なくとも99.9重量パーセントのPETを含み得る。PETを豊富に含む流れ112はまたPVCを豊富に含んでもよく、PETを豊富に含む流れ中のプラスチックの総重量を基準にして、例えば、少なくとも0.1、少なくとも0.5、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも5重量パーセントおよび/または10重量パーセント以下、8重量パーセント以下、6重量パーセント以下、5重量パーセント以下、3重量パーセント以下の、PVCを含めたハロゲンを含むことができ、またはハロゲンは、PETを豊富に含む流れ中のプラスチックの総重量を基準にして、0.1~10重量パーセント、0.5~8重量パーセント、または1~5重量パーセントの範囲であることができる。PETを豊富に含む流れは、前処理施設20(または分離ゾーン22)へ導入されるPETの総量の少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、少なくとも99、または少なくとも99.5重量パーセントを含んでもよい。
【0117】
[0112]PETを豊富に含む流れ112はまた、POおよび/またはより重いプラスチック、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアミド(PA12、PA46、PA66)、ポリアクリルアミド(PARA)、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、ポリカーボネートポリブチレンテレフタレートブレンド(PC/PBT)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリイミド(PI)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PESU)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリスルホン(PSU)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリグリコライド(ポリ(グリコール酸)、PGA)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、熱可塑性スチレン系エラストマー(TPS)、非晶質熱可塑性ポリイミド(TPI)、液晶ポリマー(LCP)、ガラス繊維補強PET、塩素化ポリ塩化ビニル(CPVC)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリモノクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、およびパーフルオロアルコキシ(PFA)が枯渇していてもよく、これらのうちのいずれかは炭素、ガラス、および/またはミネラル充填剤を含んでもよく、PETおよびPVCより高い密度を有する。
【0118】
[0113]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、PETを豊富に含む流れ112は、PETを豊富に含む流れ112中のプラスチックの総重量を基準にして、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.5重量パーセント以下のPOを含み得る。PETを豊富に含む流れ112は、前処理施設20(または分離ゾーン22)に導入されるPOの総量の10重量パーセント以下、8重量パーセント以下、5重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下または1重量パーセント以下を含み得る。PETを豊富に含む流れ112は、PETを豊富に含む流れ112の総重量を基準にして、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下のPET以外の成分を含み得る。
【0119】
[0114]さらに、または代替法において、PETを豊富に含む流れ112は、乾燥基準で、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.5重量パーセント以下または0.1重量パーセント以下の接着剤を含むことができる。典型的な接着剤はカーペット接着剤、ラテックス、スチレンブタジエンゴムなどを含む。さらに、PETを豊富に含む流れ112は、乾燥基準で、4重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.5重量パーセント以下または0.1重量パーセント以下のプラスチック充填剤および固体添加剤を含むことができる。例示的な充填剤および添加剤として、二酸化ケイ素、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、ガラス、ガラスビーズ、アルミナ、およびその他の固体不活性物質が挙げられ、これらは、本明細書に記載されている方法においてプラスチックまたはその他の成分と化学的に反応しない。
【0120】
[0115]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、分離ゾーン22または前処理施設20を脱出する、PETが枯渇した(またはPOを豊富に含む)流れ114は、PETが枯渇した(またはPOを豊富に含む)流れ114中のプラスチックの総重量を基準にして、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、少なくとも97、少なくとも99、または少なくとも99.5重量パーセントのPOを含み得る。PETが枯渇した(またはPOを豊富に含む)流れは、PVCが枯渇していてもよく、PETが枯渇した(またはPOを豊富に含む)流れ中のプラスチックの総重量を基準にして、例えば、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.5重量パーセント以下、0.1重量パーセント以下、0.05重量パーセント以下または0.01重量パーセント以下の、PVC中塩素(chorine)を含めたハロゲンを含むことができる。PETが枯渇したまたはPOを豊富に含む流れは、前処理施設20または分離施設22に導入されるPOの総量の少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、少なくとも99、または少なくとも99.9重量パーセントを含み得る。
【0121】
[0116]POを豊富に含む流れ114はまた、PETおよび/またはPVCを含むその他のプラスチックが枯渇していてもよい。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、PETが枯渇した(またはPOを豊富に含む流れ)は、PETが枯渇したまたはPOを豊富に含む流れ中のプラスチックの総重量を基準にして、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.5重量パーセント以下のPETを含み得る。POを豊富に含む(またはPETが枯渇した)流れ114は、前処理施設に導入されるPETの総量の、10重量パーセント以下、8重量パーセント以下、5重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下または1重量パーセント以下を含んでもよい。
【0122】
[0117]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、PETが枯渇したまたはPOを豊富に含む流れ114はまた、PETが枯渇したまたはPOを豊富に含む流れ114の総重量を基準にして、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下のPO以外の成分を含んでもよい。PETが枯渇したまたはPOを豊富に含む流れ114は、流れの総重量を基準にして、4重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.5重量パーセント以下または0.1重量パーセント以下の接着剤を含む。
【0123】
[0118]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、PETが枯渇したまたはPOを豊富に含む流れ114は、剪断速度10rad/秒および温度350℃で、V80-40羽根スピンドルを備えたBrookfield R/Sレオメーターを使用して測定した、少なくとも1、少なくとも5、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも600、少なくとも700、少なくとも800、少なくとも900、少なくとも1000、少なくとも1500、少なくとも2000、少なくとも2500、少なくとも3000、少なくとも3500、少なくとも4000、少なくとも4500、少なくとも5000、少なくとも5500、少なくとも6000、少なくとも6500、少なくとも7000、少なくとも7500、少なくとも8000、少なくとも8500、少なくとも9000、少なくとも9500、または少なくとも10,000ポイズの溶融粘度を有することができる。代わりに、または加えて、PETが枯渇したまたはPOを豊富に含む流れは、25,000ポイズ以下、24,000ポイズ以下、23,000ポイズ以下、22,000ポイズ以下、21,000ポイズ以下、20,000ポイズ以下、19,000ポイズ以下、18,000ポイズ以下または17,000ポイズ以下の溶融粘度(10rad/秒および350℃で測定)を有することができる。または流れは、1~25,000ポイズ、500~22,000ポイズ、または1000~17,000ポイズの範囲の溶融粘度(10rad/秒および350℃で測定)を有することができる。
【0124】
[0119]任意の適切な種類の分離デバイス、システム、または施設を利用して、廃棄プラスチックを、ある特定の種類のプラスチックを豊富に含む2つまたはそれよりも多くの流れ、例えば、PETを豊富に含む流れ112およびPOを豊富に含む流れ114へと分離することができる。適切な種類の分離の例として、機械的分離および密度分離が挙げられ、密度分離には、浮沈分離および/または遠心性密度分離が含まれる。本明細書で使用される場合、「浮沈法による分離」という用語は、材料の分離が選択された液体媒体中の流動または沈降により主に引き起こされる密度分離プロセスを指し、その一方で「遠心性密度分離」という用語は、材料の分離が遠心力で主に引き起こされる密度分離プロセスを指す。一般的に、「密度分離法」という用語は、少なくとも部分的に材料のそれぞれの密度に基づき、材料を、少なくともより高い密度の産出物およびより低い密度の産出物へと分離するための方法を指し、浮沈分離と遠心性密度分離との両方を含む。
【0125】
[0120]浮沈分離が使用された場合、液体媒体は水を含むことができる。塩、糖類、および/またはその他の添加剤は、液体媒体に加えて、例えば、液体媒体の密度を増加させ、浮沈分離段階の標的分離密度を調節することができる。液体媒体は濃縮された塩溶液を含むことができる。1つまたは複数のこのような実施形態において、塩は塩化ナトリウムである。しかし、1つまたは複数のその他の実施形態において、塩は非ハロゲン化塩、例えば、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、リン酸塩、および/または硫酸塩である。液体媒体は、臭化ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、硝酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、酢酸カリウム、臭化カリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、ヨウ化カリウム、塩化カルシウム、塩化セシウム、塩化鉄、塩化ストロンチウム、塩化亜鉛、硫酸マンガン、硫酸マグネシウム、硫酸亜鉛、および/または硝酸銀を含む濃縮塩溶液を含むことができる。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、塩は苛性成分である。塩は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、および/または炭酸カリウムを含み得る。濃縮塩溶液は、7より大きい、8より大きい、9より大きい、または10より大きいpHを有してもよい。
【0126】
[0121]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、液体媒体は、糖類、例えば、スクロースを含むことができる。液体媒体は、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロベンゼン、硫酸ジメチル、および/またはトリクロロエチレンを含むことができる。液体媒体の特定の成分および濃度は、分離段階の所望の標的分離密度に応じて選択することができる。遠心性密度分離法はまた、上に記載されているような液体媒体を利用して、標的分離密度における分離効率を改善することができる。
【0127】
[0122]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、廃棄プラスチック分離方法は、少なくとも2つの密度分離段階を含む。ある特定のこのような実施形態において、本方法は廃棄プラスチック粒子を、第1の密度分離段階に導入し、第1の密度分離段階からの産出物を第2の密度分離段階へと供給することを一般的に含む。密度分離段階は、本明細書で定義されたように密度分離方法を実施する任意のシステムまたは単位作業であることができる。密度分離段階の少なくとも1つは遠心力分離段階または浮沈分離段階を含む。第1のおよび第2の密度分離段階のそれぞれは遠心力分離段階および/または浮沈分離段階を含む。
【0128】
[0123]PETを豊富に含む材料の流れを生成するため、密度分離段階のうちの1つは低密度分離段階を含んでもよく、その他は一般的に高密度分離段階を含む。本明細書で定義されたように、低密度分離段階は、高密度分離段階の標的分離密度より低い標的分離密度を有する。低密度分離段階は、PETの密度より低い標的分離密度を有し、高密度分離段階はPETの密度より高い標的分離密度を有する。
【0129】
[0124]本明細書で使用される場合、「標的分離密度」という用語は、その密度より上では、密度分離方法に供される材料がより高密度の産出物へと優先的に分離され、その密度より下では、材料がより低密度の産出物へと分離される密度を指す。標的分離密度は密度値を特定するもので、この値より高い密度を有するすべてのプラスチックおよびその他の固形物はより高い密度の産出物へと分離され、この値より低い密度を有するすべてのプラスチックおよびその他の固形物は、より低い密度産出物へと分離されることが意図されている。しかし、密度分離法における材料の実際の分離効率は、滞留時間および特定の材料の標的密度分離値への密度の相対的な近さ、ならびに粒子の形態に関係した要因、例えば、領域対質量の比、球形度の程度、および多孔性を含む様々な要因に依存し得る。
【0130】
[0125]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、低密度分離段階は、1.35g/cc未満、1.34g/cc未満、1.33g/cc未満、1.32g/cc未満、1.31g/cc未満、もしくは1.30g/cc未満および/または少なくとも1.25、少なくとも1.26、少なくとも1.27、少なくとも1.28、もしくは少なくとも1.29g/ccである標的分離密度を有する。高密度分離段階は、低密度分離段階の標的分離密度よりも少なくとも0.01、少なくとも0.025、少なくとも0.05、少なくとも0.075、少なくとも0.1、少なくとも0.15、または少なくとも0.2g/cc大きい標的分離密度を有する。高密度分離段階の標的分離密度は、少なくとも1.31、少なくとも1.32、少なくとも1.33、少なくとも1.34、少なくとも1.35、少なくとも1.36、少なくとも1.37、少なくとも1.38、少なくとも1.39、もしくは少なくとも1.40g/ccおよび/または1.45g/cc以下、1.44g/cc以下、1.43g/cc以下、1.42g/cc以下もしくは1.41g/cc以下である。低密度分離段階の標的分離密度は、1.25~1.35g/ccの範囲であり、前記高密度分離段階の標的分離密度は、1.35~1.45g/ccの範囲である。
【0131】
[0126]再度図1aおよび1bを参照すると、PETを豊富に含む流れ112とPOを豊富に含む流れ114との両方がケミカルリサイクル施設10内の1つまたは複数の下流の処理施設に導入され得る(または1つもしくは複数の下流の処理ステップを経る)。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、PETを豊富に含む流れ112の少なくとも一部分は加溶媒分解施設30に導入されてもよく、その一方でPOを豊富に含む流れ114の少なくとも一部分は熱分解施設60、クラッキング施設70、部分的酸化(POX)ガス化施設50、エネルギー回収施設80、またはその他の施設90、例えば、固化または分離施設のうちの1つまたは複数に直接または間接的に導入されてもよい。本発明の技術の一実施形態に従いまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、施設の各ステップおよび種類の追加の詳細、ならびにこれらのステップまたは施設のそれぞれと、その他のステップまたは施設の1つまたは複数との全般的統合が以下にさらに詳細に論じられている。
【0132】
加溶媒分解
[0127]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、前処理施設20からのPETを豊富に含む流れ112の少なくとも一部分は加溶媒分解施設30へ導入されてもよい。本明細書で使用される場合、「加溶媒分解」または「エステル加溶媒分解」という用語は、エステル含有供給物が溶媒の存在下で化学的に分解されて、主要なカルボキシル生成物および主要なグリコール生成物を形成する反応を指す。「加溶媒分解施設」とは、廃棄プラスチックおよび廃棄プラスチック由来の供給原料の加溶媒分解を行うのに必要なすべての装置、ライン、および制御を含む施設である。
【0133】
[0128]加溶媒分解に供されるエステルがPETを含む場合、加溶媒分解施設で実施される加溶媒分解はPET加溶媒分解であってよい。本明細書で使用される場合、「PET加溶媒分解」という用語は、ポリエチレンテレフタレート含有供給物が溶媒の存在下で化学的に分解されて、主要なテレフタリル生成物および主要なグリコール生成物を形成する反応を指す。本明細書で使用される場合、「主要なテレフタリル」という用語は、加溶媒分解施設から回収される主要または重要なテレフタリル生成物を指す。本明細書で使用される場合、「主要なグリコール」という用語は、加溶媒分解施設から回収される主要なグリコール生成物を指す。本明細書で使用される場合、「グリコール」という用語は、分子1個当たり2個またはそれよりも多くの-OH官能基を含む成分を指す。本明細書で使用される場合、「テレフタリル」という用語は、以下の基:
【0134】
【化1】
【0135】
を含む分子を指す。
[0129]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、主要なテレフタリル生成物は、テレフタリル、例えば、テレフタル酸またはテレフタル酸ジメチル(またはそのオリゴマー)を含み、主要なグリコールは、グリコール、例えば、エチレングリコールおよび/またはジエチレングリコールを含む。本発明の技術の一実施形態に従いまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、PET加溶媒分解施設30の主要ステップが図3に全般的に示されている。
【0136】
[0130]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、加溶媒分解に使用される主要な溶媒は、少なくとも1つの-OH基を有する化学化合物を含む。適切な溶媒の例は、これらに限定されないが、(i)水(この場合、加溶媒分解は「加水分解」と呼ぶことができる)、(ii)アルコール(この場合、加溶媒分解は「アルコーリシス」と呼ぶことができる)、例えば、メタノール(この場合、加溶媒分解は「メタノリシス」と呼ぶことができる)またはエタノール(この場合、加溶媒分解は「エタノリシス」と呼ぶことができる)、(iii)グリコール、例えば、エチレングリコールまたはジエチレングリコール(この場合、加溶媒分解は「グリコリシス」と呼ぶことができる)、または(iv)アンモニア(この場合、加溶媒分解は「アンモノリシス」と呼ぶことができる)を含むことができる。
【0137】
[0131]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、加溶媒分解溶媒は、溶媒流の総重量を基準にして、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、少なくともまたは少なくとも99重量パーセントの主要な溶媒を含むことができる。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、溶媒は、溶媒流の総重量を基準にして、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下または1重量パーセント以下のその他の溶媒または成分を含み得る。
【0138】
[0132]加溶媒分解施設30がグリコール、例えば、エチレングリコールを主要な溶媒として利用する場合、施設はグリコリシス施設と呼ぶことができる。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、図1aおよび1bのケミカルリサイクル施設はグリコリシス施設を含み得る。グリコリシス施設では、PETは、化学的に分解されて、主要なグリコールとしてエチレングリコール(EG)および主要なテレフタリルとしてテレフタル酸ジメチル(DMT)を形成することができる。PETが廃棄プラスチックを含む場合、加溶媒分解施設で形成されるEGとDMTとの両方はリサイクル成分エチレングリコール(r-EG)およびリサイクル成分テレフタル酸ジメチル(r-DMT)を含み得る。グリコリシスにより形成される場合、EGおよびDMTは単一の生成物流中に存在することができる。
【0139】
[0133]加溶媒分解施設が主要な溶媒としてメタノールを利用する場合、施設はメタノリシス施設と呼ぶことができる。図1aおよび1bのケミカルリサイクル施設はメタノリシス施設を含み得る。その一例が図3に概略的に示されているメタノリシス施設では、PETは、化学的に分解されて、主要なグリコールとしてエチレングリコール(EG)および主要なテレフタリルとしてテレフタル酸ジメチル(DMT)を形成することができる。PETが廃棄プラスチックを含む場合、加溶媒分解施設で形成されるEGとDMTとの両方は、リサイクル成分エチレングリコール(r-EG)およびリサイクル成分テレフタル酸ジメチル(r-DMT)を含み得る。
【0140】
[0134]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、加溶媒分解施設30から離脱したリサイクル成分グリコール(r-グリコール)の流れ154は、加溶媒分解施設内で形成される主要なグリコールの少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントを含み得る。この流れはまた、流れの総重量を基準にして、99.9重量パーセント以下、99重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下もしくは75重量パーセント以下の主要なグリコール(例えば、EG)を含んでもよく、および/または少なくとも0.5、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも7、少なくとも10、少なくとも12、少なくとも15、少なくとも20、もしくは少なくとも25重量パーセントおよび/または45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下もしくは15重量パーセント以下の主要なグリコール以外の成分を含んでもよく、あるいはこれらは、流れの総重量を基準にして、0.5~45重量パーセント、1~40重量パーセント、または2~15重量パーセントの範囲の量で存在してもよい。r-グリコールは、流れ154の総重量を基準にして、45~99.9重量パーセント、55~99.9重量パーセント、または80~99.9重量パーセントの範囲の量で流れ154中に存在してもよい。
【0141】
[0135]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、加溶媒分解施設から離脱したリサイクル成分の主要なテレフタリル(r-テレフタリル)の流れ158は、加溶媒分解施設30内で形成される主要なテレフタリル(例えば、DMTなど)の少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントを含み得る。この流れはまた、流れの総重量を基準にして、99重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下または75重量パーセント以下の主要なテレフタリルを含んでもよく、あるいは主要なテレフタリルは、45~99重量パーセント、50~90重量パーセント、または55~90重量パーセントの量で存在してもよい。さらに、または代替法において、流れは、流れの総重量を基準にして、少なくとも0.5、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも7、少なくとも10、少なくとも12、少なくとも15、少なくとも20、もしくは少なくとも25重量パーセントおよび/または45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下もしくは15重量パーセント以下の主要なテレフタリル以外の成分を含むことができる。r-テレフタリル(またはテレフタリル)は、流れ154の総重量を基準にして、45~99.9重量パーセント、55~99.9重量パーセント、または80~99.9重量パーセントの範囲の量で流れ154中に存在してもよい。
【0142】
[0136]リサイクル成分の主要なグリコールの流れ、リサイクル成分の主要なテレフタリルの流れを提供することに加えて、加溶媒分解施設は、図1aおよび1bにおいて流れ110として示されている1つまたは複数の加溶媒分解共生成物の流れも提供することができ、この流れはまた加溶媒分解施設内の1つまたは複数の場所から離脱することができる。本明細書で使用される場合、「共生成物」または「加溶媒分解共生成物」という用語は、加溶媒分解施設の主要なカルボキシル(テレフタリル)生成物でも、加溶媒分解施設の主要なグリコール生成物でも、または加溶媒分解施設に供給される主要な溶媒でもない、加溶媒分解施設からの任意の化合物を指す。加溶媒分解共生成物の流れは、流れの総重量を基準にして、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、または少なくとも99重量パーセントの1種または複数の加溶媒分解共生成物を含むことができる。
【0143】
[0137]加溶媒分解共生成物は、重質有機加溶媒分解共生成物の流れまたは軽質有機加溶媒分解共生成物の流れを含むことができる。本明細書で使用される場合、「重質有機加溶媒分解共生成物」という用語は、加溶媒分解施設の主要なテレフタリル生成物の沸点より高い沸点を有する加溶媒分解共生成物を指し、「軽質有機物の加溶媒分解共生成物」という用語は、加溶媒分解施設の主要なテレフタリル生成物の沸点より低い沸点を有する加溶媒分解共生成物を指す。
【0144】
[0138]加溶媒分解施設がメタノリシス施設である場合、1種または複数のメタノリシス共生成物が施設から離脱し得る。本明細書で使用される場合、「メタノリシス共生成物」という用語は、DMT、EG、またはメタノールではない、メタノリシス施設からの任意の化合物を指す。メタノリシス共生成物の流れは、流れの総重量を基準にして、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、または少なくとも99重量パーセントの1種または複数のメタノリシス共生成物を含むことができる。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、メタノリシス共生成物の流れは、重質有機メタノリシス共生成物または軽質有機メタノリシス共生成物を含むことができる。本明細書で使用される場合、「重質有機メタノリシス共生成物」という用語は、DMTより高い沸点を有するメタノリシス共生成物を指し、「軽質メタノリシス共生成物」という用語は、DMTより低い沸点を有するメタノリシス共生成物を指す。
【0145】
[0139]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、加溶媒分解施設は少なくとも1つの重質有機加溶媒分解共生成物の流れを生成し得る。重質有機加溶媒分解共生成物の流れは、流れの中の有機物の総重量を基準にして(DMTは除外する)、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントの、加溶媒分解施設30から生成される主要なテレフタリル(例えばDMT)の沸点より高い沸点を有する有機化合物を含んでもよい。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、重質有機加溶媒分解共生成物の流れは、流れの総重量を基準にして、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、5重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下の軽質有機成分(DMTは除外する)またはDMTを含むことができる。
【0146】
[0140]さらに、または代替法において、加溶媒分解施設は、少なくとも1つの軽質有機物の加溶媒分解共生成物の流れを生成することができる。軽質有機物の加溶媒分解共生成物の流れは、流れの中の有機物の総重量(DMTを除く)を基準にして、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントの加溶媒分解施設30から生成される主要なテレフタリル(例えば、DMT)の沸点より低い沸点を有する有機化合物を含み得る。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、軽質有機加溶媒分解共生成物の流れは、流れの総重量を基準にして、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、5重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下の軽質有機成分(DMTは除外する)またはDMTを含む。
【0147】
[0141]再度図3を参照すると、作動中、加溶媒分解施設に導入される(別々にまたはブレンドゾーン206で一緒に)混合プラスチック廃棄物および溶媒の流れは最初に、任意選択の非PET分離ゾーン208を通過することができ、ここでPET以外の成分の総重量の少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントが流れから分離される。非PET成分は、PETより低い沸点を有してもよく、ゾーン208から蒸気として除去されてもよい。代わりに、または加えて、非PET成分の少なくとも一部分は、PETよりわずかに高いまたはより低い密度を有してもよく、2相(または多相)の液体流を形成することで分離され、次いで1つまたは両方の非PET相が除去されてもよい。最後に、一部の実施形態において、非PET成分は、PET含有液相から固体として分離されてもよい。
【0148】
[0142]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、PET含有流から分離される非PET成分の少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95パーセントは、ポリオレフィン、例えば、ポリエチレンおよび/またはポリプロピレンを含む。図3において全般的に破線で示されている通り、非PET分離ゾーン208のすべてまたは一部は、反応ゾーン210の上流であってよく、その一方で非PET分離ゾーン208のすべてまたは一部は、反応ゾーン210の下流であってよい。分離技術、例えば、抽出、固体/液体分離、デカント、サイクロンまたは遠心分離、手作業による除去、磁気除去、渦流除去、化学分解、蒸発および脱気、蒸留、ならびにこれらの組合せを使用して、非PET分離ゾーン208中のPET含有流から非PET成分を分離することができる。
【0149】
[0143]図3に示されている通り、非PET分離ゾーン208を脱出するPET含有流138は、PET含有流の総重量を基準にして、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下または0.5重量パーセント以下のPET(またはそのオリゴマー性およびモノマー性分解生成物)および溶媒以外の成分を含み得る。非PET分離ゾーン208を脱出するPET含有流138は、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下または1重量パーセント以下のその他の種類のプラスチック(例えば、ポリオレフィン)を含み得る。非PET分離ゾーン208を脱出するPET含有流138は、非PET分離ゾーン208へ導入される非PET成分の総量の45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下または2重量パーセント以下を含み得る。
【0150】
[0144]非PET成分は、図3に全般的に示されているように、ポリオレフィン含有共生成物の流れ140として加溶媒分解(またはメタノリシス)施設30から除去されてもよい。ポリオレフィン含有共生成物の流れ(またはデカンターオレフィン共生成物の流れ)140は、共生成物の流れ140の総重量を基準にして、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも92、少なくとも95、少なくとも97、少なくとも99、または少なくとも99.5重量パーセントのポリオレフィンを含み得る。
【0151】
[0145]ポリオレフィン含有共生成物の流れ中に存在するポリオレフィンは、主にポリエチレン、主にポリプロピレン、またはポリエチレンおよびポリプロピレンの組合せを含み得る。ポリオレフィン含有共生成物の流れ中のポリオレフィンは、ポリオレフィン含有共生成物の流れ140中のポリオレフィンの総重量を基準にして、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも92、少なくとも94、少なくとも95、少なくとも97、少なくとも98、または少なくとも99重量パーセントのポリエチレンを含む。代わりに、ポリオレフィン含有共生成物の流れの中のポリオレフィンは、ポリオレフィン含有共生成物の流れ140中のポリオレフィンの総重量を基準にして、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも92、少なくとも94、少なくとも95、少なくとも97、少なくとも98、または少なくとも99重量パーセントのポリプロピレンを含む。
【0152】
[0146]ポリオレフィン含有共生成物の流れは、ポリオレフィン含有共生成物の流れ140の総重量を基準にして、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.75重量パーセント以下、0.50重量パーセント以下、0.25重量パーセント以下、0.10重量パーセント以下または0.05重量パーセント以下のPETを含む。さらに、ポリオレフィン含有共生成物の流れは、ポリオレフィン含有共生成物の流れ140の総重量を基準にして、少なくとも0.01、少なくとも0.05、少なくとも0.10、少なくとも0.50、少なくとも1、もしくは少なくとも1.5重量パーセントおよび/または40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下もしくは2重量パーセント以下のポリオレフィン以外の成分を含む。
【0153】
[0147]全体的には、ポリオレフィン含有共生成物の流れ140は、ポリオレフィン含有共生成物の流れ140の総重量を基準にして、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、または少なくとも99重量パーセントの有機化合物を含む。ポリオレフィン含有共生成物の流れ140は、ポリオレフィン含有共生成物の流れ140の総重量を基準にして、少なくとも0.5、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも5、少なくとも10、もしくは少なくとも15重量パーセントおよび/または40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下もしくは1重量パーセント以下の無機成分を含むことができる。
【0154】
[0148]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、ポリオレフィン含有共生成物の流れは、剪断速度10rad/秒および温度250℃で、V80-40羽根スピンドルを備えたBrookfield R/Sレオメーターを使用して測定した、少なくとも1、少なくとも10、少なくとも25、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも125、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも300、少なくとも350、少なくとも400、少なくとも450、少なくとも500、少なくとも550、少なくとも600、少なくとも650、少なくとも700、少なくとも750、少なくとも800、少なくとも850、少なくとも900、もしくは少なくとも950ポイズおよび/または25,000ポイズ以下、24,000ポイズ以下、23,000ポイズ以下、22,000ポイズ以下、21,000ポイズ以下、20,000ポイズ以下、19,000ポイズ以下、18,000ポイズ以下、17,000ポイズ以下、16,000ポイズ以下、15,000ポイズ以下、14,000ポイズ以下、13,000ポイズ以下、12,000ポイズ以下、11,000ポイズ以下、10,000ポイズ以下、9000ポイズ以下、8000ポイズ以下、7000ポイズ以下、6000ポイズ以下、5000ポイズ以下、4500ポイズ以下、4000ポイズ以下、3500ポイズ以下、3000ポイズ以下、2500ポイズ以下、2000ポイズ以下、1750ポイズ以下、1500ポイズ以下、1250ポイズ以下、1200ポイズ以下、1150ポイズ以下、1100ポイズ以下、1050ポイズ以下、1000ポイズ以下、950ポイズ以下、900ポイズ以下、800ポイズ以下、750ポイズ以下の粘度を有することができる。ポリオレフィン含有共生成物の流れは、10rad/秒および250℃で測定した、1~25,000ポイズ、100~10,000ポイズ、または1000~5000ポイズの範囲の粘度を有することができる。
【0155】
[0149]ポリオレフィン含有共生成物の流れは、ポリオレフィン含有共生成物の流れ140の総重量を基準にして、少なくとも0.1、少なくとも0.5、少なくとも1、少なくとも1.5、少なくとも2、少なくとも2.5、少なくとも3、少なくとも3.5、少なくとも4、少なくとも4.5、少なくとも5、少なくとも8、少なくとも10、少なくとも12、少なくとも15、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも22、もしくは少なくとも25重量パーセントおよび/または50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下もしくは2重量パーセント以下の1種または複数の非反応性固体を含むことができる。非反応性固体とは、PETと化学的に反応しない固体成分を指す。非反応性固体の例として、これらに限定されないが、砂、汚れ、ガラス、プラスチック充填剤、およびこれらの組合せが挙げられる。
【0156】
[0150]ポリオレフィン含有共生成物の流れ140は、ポリオレフィン共生成物の流れ140の総重量を基準にして、少なくとも100、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも750、少なくとも1000、少なくとも1500、少なくとも2000、少なくとも2500、少なくとも5000、少なくとも7500重量ppmまたは少なくとも1、少なくとも1.5、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、もしくは少なくとも25重量パーセント)および/または50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下もしくは1重量パーセント以下の1種または複数の充填剤を含む。ポリオレフィン含有共生成物の流れ140は、充填剤を100ppm~50重量パーセント、500ppm~10重量パーセント、または1000ppm~5重量パーセントの量で含むことができる。
【0157】
[0151]充填剤の例として、これらに限定されないが、チキソトロピック剤、例えば、ヒュームドシリカ(fumes silica)および粘土(カオリン)、顔料、着色剤、難燃剤、例えば、アルミナ三水和物、臭素、塩素、ボレート、およびリン、抑制剤、例えば、ワックスベースの材料、UV阻害剤または安定剤、導電性添加剤、例えば、金属粒子、炭素粒子、または導電性繊維、剥離剤、例えば、ステアリン酸亜鉛、ワックス、およびシリコーン、炭酸カルシウム、および硫酸カルシウムを挙げることができる。
【0158】
[0152]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、ポリオレフィン含有共生成物の流れ140は、温度25℃で測定された、少なくとも0.75、少なくとも0.80、少なくとも0.85、少なくとも0.90、少なくとも0.95、少なくとも0.99g/cmおよび/または1.5g/cm以下、1.4g/cm以下、1.3g/cm以下、1.2g/cm以下、1.1g/cm以下、1.05g/cm以下もしくは1.01g/cm以下の密度を有することができる。密度は0.80~1.4、0.90~1.2、または0.95~1.1g/cmであることができる。非PET分離ゾーン208から除去される場合、ポリオレフィン含有共生成物の流れ140は、少なくとも200、少なくとも205、少なくとも210、少なくとも215、少なくとも220、少なくとも225、少なくとも230、もしくは少なくとも235℃および/または350℃以下、340℃以下、335℃以下、330℃以下、325℃以下、320℃以下、315℃以下、310℃以下、305℃以下もしくは300℃以下の温度を有し得る。ポリオレフィン含有共生成物の流れ140は、流れの総重量を基準にして、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントの、主要なテレフタリルまたはDMTより高い沸点の成分を含むことができる。
【0159】
[0153]本明細書でさらに詳細に論じられているように、ポリオレフィン含有共生成物の流れのすべてまたは一部分は、図1aおよび1bに全般的に示されているように、1つまたは複数の下流のケミカルリサイクル施設に単独であるいは1つもしくは複数のその他の共生成物の流れ、その他の下流のケミカルリサイクル施設の1つもしくは複数から生成した流れ、ならびに/または未処理の、部分的に処理した、および/もしくは処理した混合プラスチック廃棄物を含む廃棄プラスチックの流れと組み合わせて導入されてもよい。
【0160】
[0154]再度図3を参照すると、非PET分離ゾーン208(反応ゾーン210の上流)を脱出するPET含有流138(溶解したPETならびにその分解生成物を含む)は、次いで反応ゾーン210に移されてもよく、ここで反応ゾーンに導入されたPETの分解の少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95パーセントが生じる。一部の実施形態において、反応ゾーン210内の反応媒体はかき混ぜまたは撹拌してもよく、1種または複数の温度制御装置(例えば、熱交換器)を利用して、標的反応温度を維持することができる。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、反応ゾーン210内の標的反応物温度は、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、もしくは少なくとも85℃および/または350℃以下、345℃以下、340℃以下、335℃以下、330℃以下、325℃以下、320℃以下、315℃以下、310℃以下、300℃以下もしくは295℃以下であることができる。
【0161】
[0155]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、加溶媒分解法は、低圧の加溶媒分解法であることができ、加溶媒分解反応器(または反応ゾーン)210内の圧力は、大気の5psi以内、10psi以内、15psi以内、20psi以内、25psi以内、30psi以内、35psi以内、40psi以内、45psi以内、もしくは50psi以内であることができ、または圧力は、大気の55psi以内、75psi以内、90psi以内、100psi以内、125psi以内、150psi以内、200psi以内、もしくは250psi以内であってもよい。加溶媒分解反応器(または反応ゾーン)210内の圧力は、大気の0.35バールゲージ(バール)以内、0.70バール以内、1バール以内、1.4バール以内、1.75バール以内、2バール以内、2.5バール以内、2.75バール以内、3バール以内、3.5バール以内、3.75バール以内、5バール以内もしくは6.25バール以内および/または6.9バール以下、8.6バール以下もしくは10.35バール以下であることができる。加溶媒分解反応器(または反応ゾーン)210内の圧力は、少なくとも100psig(6.7barg)、少なくとも150psig(10.3barg)、少なくとも200psig(13.8barg)、少なくとも250psig(17.2barg)、少なくとも300psig(20.7barg)、少なくとも350psig(24.1barg)、少なくとも400psig(27.5barg)および/または725psig(50barg)以下、650psig(44.7barg)以下、600psig(41.3barg)以下、550psig(37.8barg)以下、500psig(34.5barg)以下、450psig(31barg)以下、400psig(27.6barg)以下もしくは350psig(24.1barg)以下であることができる。
【0162】
[0156]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、反応ゾーン210または施設30で行われる加溶媒分解法は、高圧の加溶媒分解法であることができ、加溶媒分解反応器内の圧力は、少なくとも50barg(725psig)、少なくとも70barg(1015psig)、少なくとも75barg(1088psig)、少なくとも80barg(1161psig)、少なくとも85barg(1233psig)、少なくとも90barg(1307psig)、少なくとも95barg(1378psig)、少なくとも100barg(1451psig)、少なくとも110barg(1596psig)、少なくとも120barg(1741psig)、もしくは少なくとも125barg(1814psig)および/または150barg(2177barg)以下、145barg(2104psig)以下、140barg(2032psig)以下、135barg(1959psig)以下、130barg(1886psig)以下もしくは125barg(1814psig)以下であることができる。
【0163】
[0157]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、反応ゾーン210内の反応媒体の平均滞留時間は、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、もしくは少なくとも15分間および/または12時間以下、11時間以下、10時間以下、9時間以下、8時間以下、7時間以下、6時間以下、5時間以下もしくは4時間以下であることができる。加溶媒分解またはメタノリシス施設30に導入されるPETの総重量の少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、または少なくとも99パーセントは、反応ゾーン210を離れる際に、反応器流出流144内で分解され得る。
【0164】
[0158]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、反応器パージ流れ142は、反応ゾーン210から除去されてもよく、少なくとも一部分は、反応器パージ共生成物の流れ142として、ケミカルリサイクル施設10内の1つまたは複数の下流の施設に回されてもよい。反応器パージ共生成物の流れ142は、加溶媒分解施設30から生成された主要なテレフタリル(またはメタノリシスの場合にはDMT)の沸点より高い沸点を有し得る。
【0165】
[0159]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、反応器パージ共生成物の流れ142は、流れ142の総重量を基準にして、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、または少なくとも99重量パーセントの主要なテレフタリルを含む。加溶媒分解施設がメタノリシス施設である場合、反応器パージ共生成物の流れ142は、流れ142の総重量を基準にして、少なくとも1、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、または少なくとも99重量パーセントのDMTを含み得る。
【0166】
[0160]加えて、反応器パージ共生成物の流れ142は、流れ142の総重量を基準にして、少なくとも100ppmおよび25重量パーセント以下の1種または複数の非テレフタリル固体を含んでもよい。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、反応器パージ共生成物の流れ142中の非テレフタリル固体の総量は、流れの総重量を基準にして、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも300、少なくとも350、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも600、少なくとも700、少なくとも800、少なくとも900、少なくとも1000、少なくとも1500、少なくとも2000、少なくとも2500、少なくとも3000、少なくとも3500、少なくとも4000、少なくとも4500、少なくとも5000、少なくとも5500、少なくとも6000、少なくとも7000、少なくとも8000、少なくとも9000、少なくとも10,000、もしくは少なくとも12,500ppmおよび/または25重量パーセント以下、22重量パーセント以下、20重量パーセント以下、18重量パーセント以下、15重量パーセント以下、12重量パーセント以下、10重量パーセント以下、8重量パーセント以下、5重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下もしくは1重量パーセント以下であることができる。
【0167】
[0161]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、反応器パージ共生成物の流れ142は、流れの総重量を基準にして、少なくとも100、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも750、少なくとも1000、少なくとも1500、少なくとも2000、少なくとも2500、少なくとも3000、少なくとも3500、少なくとも4000、少なくとも4500、少なくとも5000、少なくとも5500、少なくとも6000、少なくとも6500、少なくとも7000、少なくとも7500、少なくとも8000、少なくとも8500、少なくとも9000、少なくとも9500重量ppmまたは少なくとも1、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも8、少なくとも10、もしくは少なくとも12重量パーセントおよび/または25重量パーセント以下、22重量パーセント以下、20重量パーセント以下、17重量パーセント以下、15重量パーセント以下、12重量パーセント以下、10重量パーセント以下、8重量パーセント以下、6重量パーセント以下、5重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下もしくは1重量パーセント以下、あるいは7500重量ppm以下、5000重量ppm以下または2500重量ppm以下の全固形成分含有量を有する。
【0168】
[0162]固体の例として、これらに限定されないが、非揮発性触媒化合物を挙げることができる。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、反応器パージ共生成物の流れは、少なくとも100、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも750、少なくとも1000、少なくとも1500、少なくとも2000、少なくとも2500、少なくとも3000、少なくとも3500、少なくとも4000、少なくとも4500、少なくとも5000、少なくとも7500、少なくとも10,000、もしくは少なくとも12,500ppmおよび/または60,000ppm以下、50,000ppm以下、40,000ppm以下、35,000ppm以下、30,000ppm以下、25,000ppm以下、20,000ppm以下、15,000ppm以下もしくは10,000ppm以下の非揮発性触媒金属を含むことができる。
【0169】
[0163]適切な非揮発性触媒金属の例として、これらに限定されないが、チタニウム、亜鉛、マンガン、リチウム、マグネシウム、ナトリウム、メトキシド、アルカリ金属、アルカリ土類金属、スズ、残留するエステル化またはエステル交換触媒、残留する重縮合触媒、アルミニウム、解重合触媒、およびこれらの組合せを挙げることができる。本明細書でさらに詳細に論じられているように、反応器パージ共生成物の流れ142のすべてまたは一部分は、1つまたは複数の下流のケミカルリサイクル施設に、単独であるいは1つもしくは複数のその他の共生成物の流れ、1つもしくは複数のその他の下流のケミカルリサイクル施設から生成された流れ、および/または未処理の、部分的に処理した、および/または処理した混合プラスチック廃棄物を含む廃棄プラスチックの流れと組み合わせて、導入されてもよい。
【0170】
[0164]反応器パージ共生成物の流れ142は、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、または1重量パーセント以下の、DMT(またはその他のテレフタリル)の沸点より高い沸点を有する成分を含むことができる。さらに、または代替法において、反応器パージ共生成物の流れ142は、反応器の温度より少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、もしくは少なくとも25℃低い、および/または50℃以下、45℃以下、40℃以下、35℃以下、30℃以下、25℃以下、20℃以下、もしくは15℃以下低い溶融温度を有することができ、あるいは共生成物の流れ142の溶融温度は、5~50℃、10~45℃、または10~40℃の範囲の量だけ反応器の温度より低くてもよい。
【0171】
[0165]反応ゾーンから離脱する時点、および/または1つもしくは複数の下流の施設へと導入される時点での反応器パージ共生成物の流れ142の温度は、少なくとも130、少なくとも135、少なくとも140、少なくとも145、少なくとも150、少なくとも155、少なくとも160、少なくとも165、少なくとも170、少なくとも175、少なくとも180、少なくとも185、少なくとも190、少なくとも195、少なくとも200、少なくとも205、少なくとも210、少なくとも215、少なくとも220、少なくとも225、少なくとも230、少なくとも245、少なくとも250、少なくとも255、少なくとも260、少なくとも265、少なくとも270、少なくとも275、少なくとも280、少なくとも285、少なくとも290、少なくとも295、少なくとも300、少なくとも325、または少なくとも350℃であることができる。
【0172】
[0166]さらに、または代替法において、反応ゾーンから離脱する時点、および/または下流の施設の1つもしくは複数に導入される時点での反応器パージ共生成物の流れ142の温度は、400℃以下、375℃以下、350℃以下、345℃以下、340℃以下、335℃以下、330℃以下、325℃以下、320℃以下、315℃以下、310℃以下、305℃以下、300℃以下、295℃以下、290℃以下、285℃以下、280℃以下、275℃以下、270℃以下、265℃以下、260℃以下、255℃以下、または250℃以下であることができる。反応器がパージされる場合、それは連続的または断続的であってよく、生成した反応器パージの共生成物の流れは、連続的または断続的方式で下流の施設の1つに導入されてもよい。
【0173】
[0167]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、図3に全般的に示されているように、加溶媒分解施設30内の反応ゾーン210からの流出流144は、以前に論じたように、反応器の下流に位置する非PET分離ゾーン208を介して任意選択で送られてもよい。反応器からの生成した流出流144または、存在する場合、非PET分離ゾーン208は、生成物分離ゾーン220を通過してもよく、重質有機物質の少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、または少なくとも99重量パーセントは、供給流144から分離して、主に軽質有機物質の流れ146および重質有機物質の流れ148を形成する。このような流れを分離する任意の適切な方法を使用することができ、任意の適切な方法は、例えば、蒸留、抽出、デカント、結晶化、膜分離、固体/液体分離、例えば、濾過(例えば、ベルトフィルター)、およびこれらの組合せを含み得る。生成した重質有機物流および軽質有機物流は望ましい最終生成物および共生成物のさらなる精製および/または回収のために下流の分離ゾーンに送られてもよい。
【0174】
[0168]図3に示されている通り、生成物分離ゾーン220から離脱した重質有機物質の流れ148は、流れの総重量を基準にして、例えば、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、または少なくとも99重量パーセントの重質有機成分を含んでもよく、これらは重質有機物分離ゾーン240へと導入され得る。重質有機物分離ゾーン240では、主要なテレフタリル生成物流158がテレフタリル底部または「スラッジ」共生成物の流れ160から分離されてもよい。このような分離は、例えば、蒸留、抽出、デカンテーション、膜分離、溶融結晶化、ゾーンリファイニング、およびこれらの組合せにより達成することができる。結果として、流れの総重量を基準にして、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、または少なくとも99重量パーセントの主要なテレフタリル(またはDMT)を含む流れ158が得られる。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、主要なテレフタリルの少なくとも一部分またはすべては、リサイクル成分テレフタリル(r-テレフタリル)、例えば、リサイクル成分DMT(r-DMT)を含むことができる。
【0175】
[0169]また重質有機物分離ゾーン240から離脱するのは、テレフタリル底部共生成物の流れ(「テレフタリル塔底部共生成物の流れ」または「テレフタリルスラッジ共生成物の流れ」または「テレフタリルドレッグ共生成物の流れ」ともまた呼ばれる)であり、共生成物の流れ160もまた重質有機物分離ゾーン240から除去され得る。加溶媒分解施設がメタノリシス施設の場合、流れは、DMT底部共生成物の流れ、DMT塔底部共生成物の流れ、DMTスラッジ共生成物の流れ、またはDMTドレッグ流れと呼ぶことができる。
【0176】
[0170]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、この共生成物の流れは、組成物の総重量を基準にして、例えば、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも92、少なくとも95、少なくとも97、少なくとも98、少なくとも99、または少なくとも99.5重量パーセントの、加溶媒分解を受けるポリエステルの部分を含むオリゴマー、例えば、PETオリゴマーを含むことができる。本明細書で使用される場合、「ポリエステル部分」または「ポリエステルの部分」という用語は、ポリエステルの部分もしくは残基、またはポリエステルの部分もしくは残基の反応生成物を指す。これらのオリゴマーは、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、もしくは少なくとも8種のモノマー単位(酸およびグリコール)および/または30種以下、27種以下、25種以下、22種以下、20種以下、17種以下、15種以下、12種以下もしくは10種以下のモノマー単位(酸およびグリコール)の数平均鎖長を有することができ、処理されたポリエステルの部分を含んでもよい(例えば、PET)。
【0177】
[0171]テレフタリル塔底部共生成物の流れ160は、流れの総重量を基準にして、少なくとも0.01、少なくとも0.05、少なくとも0.10、少なくとも0.50、少なくとも1、もしくは少なくとも1.5重量パーセントおよび/または40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、もしくは2重量パーセント以下のオリゴマー以外の成分を含むことができる。このような成分は、流れの総重量を基準にして、0.01~40重量パーセント、0.05~35重量パーセント、または1.5~10重量パーセントの範囲の量で存在することができる。
【0178】
[0172]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、オリゴマーは、テレフタル酸ジメチル以外の少なくとも1種のエステル、テレフタル酸もしくはDMT以外の少なくとも1種のカルボン酸、および/またはエチレングリコール以外の少なくとも1種のグリコールの部分をさらに含む。例えば、オリゴマーは、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4-シクロヘキサン-ジメタノール、プロパン-1,3-ジオール、ブタン-1,4-ジオール、ペンタン-1,5-ジオール、ヘキサン-1,6-ジオール、ネオペンチルグリコール、3-メチルペンタンジオール-(2,4)、2-メチルペンタンジオール-(1,4)、2,2,4-トリメチルペンタン-ジオール-(1,3)、2-エチルヘキサンジオール-(1,3)、2,2-ジエチルプロパン-ジオール-(1,3)、ヘキサンジオール-(1,3)、1,4-ジ-(ヒドロキシエトキシ)-ベンゼン、2,2-ビス-(4-ヒドロキシシクロヘキシル)-プロパン、2,4-ジヒドロキシ-1,1,3,3-テトラメチル-シクロブタン、2,2,4,4テトラメチルシクロブタンジオール、2,2-ビス-(3-ヒドロキシエトキシフェニル)-プロパン、2,2-ビス-(4-ヒドロキシプロポキシフェニル)-プロパン、イソソルビド、ヒドロキノン、BDS-(2,2-(スルホニルビス)4,1-フェニレンオキシ))ビス(エタノール)、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサン二酢酸、ジフェニル-4,4’-ジカルボン酸、ジフェニル-3,4’-ジカルボン酸、ネオペンチルグリコール、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、およびこれらの組合せの1つまたは複数の部分をさらに含んでもよい。テレフタリル底部共生成物の流れはまた、主要なテレフタリル、またはメタノリシスの場合には、DMTを、共生成物の流れの総重量を基準にして、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、もしくは少なくとも95重量パーセントの量で、および/または99重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、もしくは40重量パーセント以下を含んでもよい。起こり得る主要なグリコール(処理されるPETまたはその他ポリマーに応じて)のその他の例として、これらに限定されないが、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、および2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールを挙げることができる。
【0179】
[0173]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、テレフタリル塔底部(またはDMT塔底部)の共生成物の流れ160は、オリゴマーおよび少なくとも1つの置換されているテレフタリル成分を含み得る。本明細書で使用される場合、「置換されているテレフタリル」という用語は、少なくとも1個の置換されている原子または基を有するテレフタリル成分を指す。テレフタリル塔底部共生成物の流れ160は、テレフタリル塔底部共生成物の流れ160の総重量を基準にして、少なくとも1、少なくとも100、少なくとも500重量ppb、または少なくとも1、少なくとも50、少なくとも1000、少なくとも2500、少なくとも5000、少なくとも7500、もしくは少なくとも10,000重量ppm、または少なくとも1、少なくとも2、もしくは少なくとも5重量パーセントおよび/または25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.5重量パーセント以下、0.1重量パーセント以下、0.05重量パーセント以下もしくは0.01重量パーセント以下の置換されているテレフタリル成分を含むことができる。
【0180】
[0174]本明細書でさらに詳細に論じられているように、テレフタリル塔底部共生成物の流れ160のすべてまたは一部分は、1つもしくは複数の下流のケミカルリサイクル施設に、単独で、あるいは1つもしくは複数のその他の共生成物の流れ、1つもしくは複数のその他の下流のケミカルリサイクル施設から生成される流れ、ならびに/または未処理の、部分的に処理した、および/もしくは処理した混合プラスチック廃棄物を含む廃棄プラスチックの流れと組み合わせて導入されてもよい。
【0181】
[0175]再度図3を参照すると、生成物分離ゾーン220からの主に軽質有機物の流れ146は、軽質有機物分離ゾーン230に導入されてもよい。軽質有機物分離ゾーン230では、流れ146は、分離されて、主要な溶媒(例えば、メタノリシスにおけるメタノール)が除去され、主要なグリコールより軽いおよびより重い有機共生成物(または共生成物)から主要なグリコール(例えば、メタノリシスにおけるエチレングリコール)が分離され得る。
【0182】
[0176]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、軽質有機物分離ゾーン230から離脱した溶媒流150は、流れ150の総重量を基準にして、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、または少なくとも99重量パーセントの主要な溶媒を含むことができる。加溶媒分解施設30がメタノリシス施設である場合、この流れ150は、流れの総重量を基準にして、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、または少なくとも99重量パーセントのメタノールを含み得る。流れのすべてまたは一部分は、さらなる使用のため、加溶媒分解施設内の1つまたは複数の場所にリサイクルされ得る。
【0183】
[0177]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、少なくとも1つの軽質有機物の加溶媒分解共生成物の流れ152(「軽質有機物」の流れとも呼ばれる)はまた、軽質有機物分離ゾーン230から離脱することができ、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントの、主要なグリコール(またはエチレングリコール)でも主要な溶媒(またはメタノール)でもない主要なテレフタリル(またはDMT)の沸点より低い沸点を有する成分を含むことができる。さらに、または代替法において、共生成物の流れは、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下の、DMTの沸点より高い沸点を有する成分を含むことができ、流れ152それ自体は、主要なテレフタリル(またはDMT)の沸点より低い沸点を有することができる。
【0184】
[0178]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、軽質有機物の共生成物の流れは、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、または少なくとも90重量パーセントの、主要なグリコールの沸点より低い沸点(または、PETのメタノリシスの場合には、エチレングリコールより低い)を有する成分を含むことができる。
【0185】
[0179]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、軽質有機物の加溶媒分解共生成物の流れ152は、主要な溶媒(例えば、メタノール)を含む加溶媒分解施設内で生成され得る。例えば、軽質有機物の共生成物の流れ152は、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、もしくは少なくとも55重量パーセントおよび/または90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下もしくは30重量パーセント以下の主要な溶媒を含むことができる。
【0186】
[0180]加えて、この共生成物の流れ152はまた、共生成物の流れの総重量を基準にして、アセトアルデヒドを少なくとも1、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも750、もしくは少なくとも1000ppmおよび/または90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.5重量パーセント以下、0.1重量パーセント以下もしくは0.05重量パーセント以下の量で含んでよく、あるいはアセトアルデヒドは、共生成物の流れの総重量を基準にして、1ppm~50重量パーセント、50ppm~0.5重量パーセント、または100ppm~0.05重量パーセントの量で存在することができる。
【0187】
[0181]さらに、軽質有機物の共生成物の流れ152はまた、共生成物の流れの総重量を基準にして、パラ-ジオキサン(またはp-ジオキサン)を少なくとも1、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも750、もしくは少なくとも1000ppmおよび/または60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.5重量パーセント以下、0.1重量パーセント以下もしくは0.05重量パーセント以下の量で含んでもよく、あるいはp-ジオキサンは、共生成物の流れの総重量を基準にして、1ppm~50重量パーセント、50ppm~0.5重量パーセント、または100ppm~0.05重量パーセントの量で存在することができる。
【0188】
[0182]この軽質有機物の共生成物の流れ152は、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸メチル、シリケート、2,5-メチルジオキソラン、1,4-シクロヘキサンジメタノール、2-エチル-1-ヘキサノール、2,2,4,4,-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール、2,2,4-トリメチル-3-ペンテナール、2,2,4-トリメチル-3-ペンテノール、2,2,4-トリメチルペンタン、2,4-ジメチル-3-ペンタノン(DIPK)、イソ酪酸イソブチル、ギ酸メチル、n-ブタノール、酢酸、ジブチルエーテル、ヘプタン、テレフタル酸ジブチル、フタル酸ジメチル、ジメチル1,4-シクロヘキサンジカルボキシレート、2-メトキシエタノール、2-メチル-1,3-ジオキソラン、1,1-ジメトキシ-2-ブテン、1,1-ジメトキシエタン、1,3-プロパンジオール、2,5-ジメチル-1,3,5-ヘキサジエン、2,5-ジメチル-2,4-ヘキサジエン、アルファ-メチルスチレン、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールホルマール、ジメトキシジメチルシラン、ジメチルエーテル、ジイソプロピルケトン、EGベンゾエート、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、メトキシトリメチルシラン、メチル4-エチルベンゾエート、カプリル酸メチル、グリコール酸メチル、乳酸メチル、ラウリン酸メチル、メチルメトキシエチルテレフタル酸、ノナン酸メチル、オレイン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、メチル-4-アセチルベンゾエート、オクタメチルシクロテトラシロキサン、スチレン、トリメチルシラノール、1,1-ジメトキシ(dimethyoxy)-2-ブテン、4-メチルモルホリン、1,3,3-トリメトキシプロパン、ミリスチン酸メチル、アジピン酸ジメチル、N-メチル-カプロラクタム、アゼライン酸ジメチル、ネオペンチルグリコール、およびこれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1種の追加成分をさらに含んでもよい。
【0189】
[0183]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、追加の成分は、シラン、2,5-メチルジオキソラン、2-エチル-1-ヘキサノール、2,2,4,4,-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール、2,2,4-トリメチル-3-ペンテナール、2,2,4-トリメチル-3-ペンテノール、2,2,4-トリメチルペンタン、2,4-ジメチル-3-ペンタノン(DIPK)、イソ酪酸イソブチル、ギ酸メチル、n-ブタノール、ジブチルエーテル、ヘプタン、テレフタル酸ジブチル、ジメチル1,4-シクロヘキサンジカルボキシレート、1,1-ジメトキシ-2-ブテン、1,3-プロパンジオール、2,5-ジメチル-1,3,5-ヘキサジエン、2,5-ジメチル-2,4-ヘキサジエン、アルファ-メチルスチレン、ジエチレングリコールホルマール、ジメトキシジメチルシラン、ジメチルエーテル、ジイソプロピルケトン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、メトキシトリメチルシラン、メチル4-エチルベンゾエート、メチルカプロン酸、乳酸メチル、ラウリン酸メチル、メチルメトキシエチルテレフタル酸、ノナン酸メチル、オレイン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、オクタメチルシクロテトラシロキサン、スチレン、トリメチルシラノール、1,1-ジメトキシ-2-ブテン、4-メチルモルホリン、1,3,3-トリメトキシプロパン、ミリスチン酸メチル、アジピン酸ジメチル、N-メチル-カプロラクタム、アゼライン酸ジメチル、ネオペンチルグリコール、およびこれらの組合せからなる群から選択することができる。
【0190】
[0184]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、追加の成分は、2,2,4,4,-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール、2,2,4-トリメチル-3-ペンテナール、2,2,4-トリメチル-3-ペンテノール、2,2,4-トリメチルペンタン、2,4-ジメチル-3-ペンタノン(DIPK)、イソ酪酸イソブチル、ジメトキシジメチルシラン、メトキシトリメチルシラン、ノナン酸メチル、オレイン酸メチル、ステアリン酸メチル、およびこれらの組合せからなる群から選択することができる。
【0191】
[0185]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、追加の成分は、1,1-ジメトキシ-2-ブテン、4-メチルモルホリン、1,3,3-トリメトキシプロパン、ミリスチン酸メチル、アジピン酸ジメチル、N-メチル-カプロラクタム、アゼライン酸ジメチル、ネオペンチルグリコール、およびこれらの組合せからなる群から選択することができる。
【0192】
[0186]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、軽質有機物の共生成物の流れ152は、主要な溶媒(例えば、加溶媒分解施設がメタノリシス施設の場合には、メタノール)の沸点より低い平均沸点を有する。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、軽質有機物の共生成物の流れ152は、主要なグリコール(例えば、PETの加溶媒分解に対するエチレングリコール)の沸点より低い平均沸点を有することができる。
【0193】
[0187]ここで図4を参照すると、図3に示されている軽質有機物分離ゾーン230から離脱するいくつかの流れの概略図表示が示されている。特に、図4に示されている通り、少なくとも1つの溶媒流150と、少なくとも1つの水流155と、少なくとも1つのグリコール流154と;ならびに低沸点流190、溶媒共沸混合物または中間沸点流192、水共沸混合物または中間沸点流194、およびグリコール共沸混合物または中間沸点流196からなる群から選択される1つまたは複数の共生成物の流れとは軽質有機物分離ゾーン230から離脱し得る。さらに、グリコール塔底部共生成物の流れ156もまた、詳細に以前に論じたように、軽質有機物分離ゾーン230から離脱し得る。上記流れのそれぞれは、主要な量で存在する成分に応じて命名されていることを理解されたい。すなわち、上記に使用されている流れの名称は、その流れの総重量を基準にして、その流れ中に少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、または少なくとも85重量パーセントの量で存在する主成分を反映する。
【0194】
[0188]図4に示されている通り、流れの中の有機成分(DMTは除外する)の総重量を基準にして、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、または少なくとも90重量パーセントの、主要なテレフタリル(またはDMT)の沸点より高い沸点を有する有機成分を含むことができる供給流146が、軽質有機物分離ゾーン230に導入されてもよい。図3に示されている通り、この流れ146は、加溶媒分解(またはメタノリシス)施設の生成物分離ゾーンおよび/または反応ゾーンが起源であってよい。図4に全般的に示されている軽質有機物分離ゾーン230は、例えば、蒸留、抽出、デカント、およびこれらの組合せを含めた任意の適切な種類の分離技術を利用することができる。2種またはそれよりも多くの異なる種類の分離技術を直列または並行に使用して、図4に示されている生成物および共生成物の流れを提供することができる。
【0195】
[0189]図4に示されている通り、軽質有機物回収ゾーン230へ導入される供給流146は、例えば、低沸点流190、溶媒共沸混合物または中間沸点流192、溶媒流150、水共沸混合物または中間沸点流194、水流155、グリコール共沸混合物または中間沸点流196、グリコール流154、およびグリコール塔底部流156を含めた1つまたは複数の追加の流れへと分離され得る。図3に示されている軽質有機物回収ゾーンから離脱する軽質有機物の共生成物の流れ152は、これらの流れの1つまたは複数を、それらに沿ってまたはそれらを組み合わせて含むことができる。例えば、図4に全般的に示されているように、少なくとも2つ、または3つまたはそれよりも多くの流れを組み合わせて、軽質有機物の共生成物の流れ152を形成することができる。このような組合せは、例えば、軽質有機物の共生成物ミックスゾーン232内で実施することもできるし、または1つもしくは複数の流れを単にタンクまたはその他デバイス(示されていない)内で組み合わせてもよい。ある場合には、図4に示されている流れの少なくとも3つ、少なくとも4つ、またはさらに少なくとも5つを組み合わせて、軽質有機物の共生成物の流れ152を形成することもできる。これらの流れのすべて、または一部分は、単独でまたは組み合わせて、本明細書に記載されているような1つまたは複数の下流の処理またはリサイクル施設に送ることができる。
【0196】
[0190]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、軽質有機物の共生成物の流れ152は少なくとも1つの共沸混合物を含み得る。本明細書で使用される場合、「共沸混合物」という用語は、混合物が沸騰気化する場合、2種またはそれよりも多く成分の混合物が一定の沸点を有することを指す。軽質有機物の共生成物の流れ152は、主要な溶媒(例えば、メタノール)と共沸混合物を形成する成分、水と共沸混合物を形成する成分、および/または主要なグリコール(例えば、エチレングリコール)と共沸混合物を形成する成分を含み得る。形成された場合、共沸混合物または共沸混合物を含有する流れの2つまたはそれよりも多くが組み合わさって、軽質有機物の共生成物の流れ152の少なくとも一部分を形成してもよいし、または共沸混合物の1種もしくは複数が別々に、図1aおよび1bに示されている1つまたは複数の下流の化学的処理施設への経路を取ってもよい。
【0197】
[0191]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、軽質有機共生成物の流れ152は、前記軽質有機共生成物の流れの総重量を基準にして、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、もしくは少なくとも85重量パーセントおよび/または99重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、もしくは60重量パーセント以下の主要な溶媒共沸混合物を含む。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、軽質有機共生成物の流れ152は、前記軽質有機共生成物の流れ152の総重量を基準にして、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、もしくは少なくとも85重量パーセントおよび/または99重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、もしくは60重量パーセント以下のメタノール(またはその他の主要な溶媒)共沸混合物を含む。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、軽質有機共生成物の流れ152は、主要な溶媒(またはメタノール)との共沸混合物でなくてもよいし、もしくは主要な溶媒(またはメタノール)との共沸混合物を含まなくてもよく、または流れ152の総重量を基準にして、このような共沸混合物を10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、もしくは0.5重量パーセント以下の量で含んでもよい。
【0198】
[0192]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、軽質有機共生成物の流れ152は、低沸点溶剤の沸点と主要な溶媒の沸点との間に沸点を有する中間沸点流を含み得る。この流れは、流れの総重量を基準にして、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、または少なくとも90重量パーセントの、低沸点溶剤の沸点と主要な溶媒の沸点との間に沸点を有する成分を含み得る。この流れは、溶媒の中間沸点流と呼ぶことができ、溶媒(またはメタノール)共沸混合物を含まなくてもよいし、もしくは溶媒(またはメタノール)共沸混合物でなくてもよく、またはこの流れは、流れの総重量を基準にして、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、または1重量パーセント以下のこのような成分を含むことができる。
【0199】
[0193]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、軽質有機共生成物の流れは、前記軽質有機共生成物の流れ152の総重量を基準にして、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、もしくは少なくとも85重量パーセントおよび/または99重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、もしくは60重量パーセント以下の水共沸混合物を含む。
【0200】
[0194]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、軽質有機共生成物の流れ152は、主要な溶媒(またはメタノール)の沸点と水の沸点との間に沸点を有する中間沸点流を含み得る。この流れは、水中間沸点流と呼ぶことができ、水共沸混合物を含まなくてもよく、または流れの総重量を基準にして、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、または0.5重量パーセント以下の水共沸混合物を含んでもよい。
【0201】
[0195]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、軽質有機物の共生成物の流れ152は、前記軽質有機物の共生成物の流れ152の総重量を基準にして、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、もしくは少なくとも85重量パーセントおよび/または99重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、もしくは60重量パーセント以下の主要なグリコール(またはエチレングリコール)共沸混合物を含み、あるいはこの主要なグリコール(またはエチレングリコール)共沸混合物は、流れの総重量を基準にして、5~99重量パーセント、10~95重量パーセント、または15~85重量パーセントの範囲の量で存在することができる。
【0202】
[0196]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、軽質有機共生成物の流れは、前記軽質有機物の共生成物の流れの総重量を基準にして、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、もしくは少なくとも85重量パーセントおよび/または99重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、もしくは60重量パーセント以下のエチレングリコール(または別の主要なグリコール)の共沸混合物を含み、あるいはこのエチレングリコール(または別の主要なグリコール)の共沸混合物は、流れの総重量を基準にして、5~99重量パーセント、10~95重量パーセント、または15~85重量パーセントの範囲の量で存在することができる。
【0203】
[0197]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、軽質有機物の共生成物の流れ152は、水の沸点と主要なグリコール(またはエチレングリコール)の沸点との間に沸点を有する中間沸点流を含み得る。この流れはグリコール中間沸点流と呼ぶことができ、グリコール(またはエチレングリコール)共沸混合物を含まなくてもよいし、もしくはグリコール(またはエチレングリコール)共沸混合物でなくてもよく、または流れの総重量を基準にして、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、もしくは0.5重量パーセント以下のグリコール共沸混合物を含んでもよい。
【0204】
[0198]さらに、一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、加溶媒分解(またはメタノリシス)施設から離脱した軽質有機物の共生成物の流れ152は、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、もしくは少なくとも55重量パーセントおよび/または90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、もしくは30重量パーセント以下の主要な溶媒(またはメタノール)を含んでもよく、あるいはこの主要な溶媒(またはメタノール)は、流れ152の総重量を基準にして、2~90重量パーセント、5~85重量パーセント、または10~70重量パーセントの範囲の量で存在することができる。
【0205】
[0199]同様に、一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、加溶媒分解(またはメタノリシス)施設から離脱した軽質有機物の共生成物の流れ152は、流れの総重量を基準にして、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、もしくは少なくとも55重量パーセントおよび/または90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、もしくは30重量パーセント以下の主要なグリコール(またはエチレングリコール)を含んでもよく、あるいはこの主要なグリコール(またはエチレングリコール)は、2~90重量パーセント、5~85重量パーセント、または10~70重量パーセントの範囲の量で存在することができる。軽質有機物の共生成物の流れ152は、流れの総重量を基準にして、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、もしくは少なくとも30重量パーセントおよび/または50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、もしくは10重量パーセント以下の水を含んでもよく、あるいはこの水は、流れ152の総重量を基準にして、2~50重量パーセント、5~45重量パーセント、または5~65重量パーセントの範囲の量で存在することができる。
【0206】
[0200]さらに詳細に本明細書で論じられているように、軽質有機物の共生成物の流れ152(または軽質有機物の共生成物の流れ152を構成している1つもしくは複数の流れ)のすべてまたは一部分は、1つまたは複数の下流のケミカルリサイクル施設へと、単独でまたは1つもしくは複数のその他の共生成物の流れ、その他の下流のケミカルリサイクル施設の1つもしくは複数から生成した流れ、および/または混合プラスチック廃棄物(未処理の、部分的に処理した、または処理した)を含む廃棄プラスチックの流れと組み合わせて導入されてもよい。
【0207】
[0201]再度図4を参照すると、軽質有機物回収ゾーン230から除去された低沸点流190は、存在する場合、主要な溶媒(またはメタノール)の沸点より低い、および/または任意の低沸点の溶媒共沸混合物の沸点より低い沸点を有する成分を主に含んでもよい。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、低沸点流190は、低沸点流190の総重量を基準にして、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントの、主要な溶媒より低い沸点を有する成分を含み得る。
【0208】
[0202]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、溶媒流150はまた、軽質有機物分離ゾーン230から離脱することもでき、流れ150の総重量を基準にして、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも25、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、または少なくとも99重量パーセントの主要な溶媒を含むことができる。加溶媒分解施設がメタノリシス施設である場合、この流れは、流れの総重量を基準にして、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、または少なくとも99重量パーセントのメタノールを含み得る。流れのすべてまたは一部分は、さらなる使用のために加溶媒分解施設の入口に戻されてリサイクルされてもよい。
【0209】
[0203]再度図4を参照すると、一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、水流155はまた、加溶媒分解施設の軽質有機物回収ゾーン230から除去されてもよい。水流155は、流れ155の総重量を基準にして、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントの水を含み得る。水流155中の有機成分の含有量に応じて、水流155は、さらなる廃棄処分および/または使用の前に、下流の水処理施設に任意選択で送られてもよい。
【0210】
[0204]さらに、図3および4に示されている通り、主要なグリコールを主に含む流れ154はまた、軽質有機物分離ゾーン230から離脱してもよい。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、主要なグリコール(例えば、エチレングリコール)の流れ154は、流れ154の総重量を基準にして、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、または少なくとも99重量パーセントの主要なグリコールを含むことができる。主要なグリコールの流れ154はまた、主要なグリコール生成物流154が、流れの総重量を基準にして、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントのリサイクル成分を有するように、リサイクル成分を含むことができる。主要なグリコール(またはエチレングリコール)はr-グリコール(またはr-エチレングリコール)を含むことができる。
【0211】
[0205]図3に示されている通り、グリコール含有共生成物の流れ156はまた軽質有機物分離ゾーン230から離脱することもできる。「グリコール底部」または「グリコール塔底部」または「グリコールスラッジ」(または、PETのメタノリシスでは「EG底部」、「EG塔底部」または「EGスラッジ」)という用語は、主要なグリコール(またはEG)の沸点より高いが、主要なテレフタリル(またはDMT)より低い沸点(または
共沸点)を有する成分を指す。
【0212】
[0206]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、グリコール塔底部共生成物の流れ156は、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントの、主要なグリコール(例えば、エチレングリコール)の沸点より高い沸点および主要なテレフタリルの沸点より低い沸点を有する成分を含むことができる。グリコール塔底部共生成物の流れ156は、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下の、主要なグリコール(例えば、エチレングリコール)の沸点より低い沸点を有する成分を含むことができる。グリコール塔底部共生成物の流れ156は、主要なグリコール(または、EG)の沸点より高い沸点および主要なテレフタリル(または、DMT)の沸点より低い沸点を有することができる。
【0213】
[0207]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、グリコール底部共生成物の流れ156は、主要なグリコールおよび少なくとも1種のその他のグリコールを含むことができる。例えば、グリコール塔底部共生成物の流れ156は、共生成物の流れ156の総重量を基準にして、少なくとも0.5、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも5、もしくは少なくとも8重量パーセントおよび/または30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、12重量パーセント以下もしくは10重量パーセント以下の主要なグリコール(またはエチレングリコール)を含むことができる。主要なグリコール(またはエチレングリコール)は、それ自体で(遊離の状態)または別の化合物の一部分として存在し得る。
【0214】
[0208]起こり得る主要なグリコール(処理されるPETまたはその他ポリマーに応じて)のその他の例として、これらに限定されないが、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4-シクロヘキサン-ジメタノール、プロパン-1,3-ジオール、ブタン-1,4-ジオール、ペンタン-1,5-ジオール、ヘキサン-1,6-ジオール、ネオペンチルグリコール、3-メチルペンタンジオール-(2,4)、2-メチルペンタンジオール-(1,4)、2,2,4-トリメチルペンタン-ジオール-(1,3)、2-エチルヘキサンジオール-(1,3)、2,2-ジエチルプロパン-ジオール-(1,3)、ヘキサンジオール-(1,3)、1,4-ジ-(ヒドロキシエトキシ)-ベンゼン、2,2-ビス-(4-ヒドロキシシクロヘキシル)-プロパン、2,4-ジヒドロキシ-1,1,3,3-テトラメチル-シクロブタン、2,2,4,4テトラメチルシクロブタンジオール、2,2-ビス-(3-ヒドロキシエトキシフェニル)-プロパン、2,2-ビス-(4-ヒドロキシプロポキシフェニル)-プロパン、イソソルビド、ヒドロキノン、BDS-(2,2-(スルホニルビス)4,1-フェニレンオキシ))ビス(エタノール)、およびこれらの組合せを挙げることができる。その他のグリコールはエチレングリコールでなくてもエチレングリコールを含まなくてもよい。これらのグリコールの部分はまた、このまたはその他の共生成物の流れの中のポリエステルの任意のオリゴマー内に存在し得る。さらに、その他の非テレフタリルおよび/または非グリコール成分もまたこれらの流れの中に存在し得る。このような成分の例として、主要なテレフタリルより沸点が高いイソフタレートおよびその他の酸残基が挙げられる。
【0215】
[0209]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、主要なグリコール(またはメタノリシスの場合にはエチレングリコール)以外のグリコールは、グリコール塔底部共生成物の流れ156中に、グリコール塔底部共生成物の流れ156中のグリコールの総重量を基準にして、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、もしくは少なくとも75重量パーセントおよび/または99重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下もしくは35重量パーセント以下の量で存在することができる。
【0216】
[0210]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、グリコール塔底部共生成物の流れ156中の主要なグリコール以外の少なくとも1種のグリコールの、主要なグリコールに対する重量比は、少なくとも0.5:1、少なくとも0.55:1、少なくとも0.65:1、少なくとも0.70:1、少なくとも0.75:1、少なくとも0.80:1、少なくとも0.85:1、少なくとも0.90:1、少なくとも0.95:1、少なくとも0.97:1、少なくとも0.99:1、少なくとも1:1、少なくとも1.05:1、少なくとも1.1:1、少なくとも1.15:1、少なくとも1.2:1、少なくともまたは少なくとも1.25:1である。さらに、または代替法において、グリコール塔底部共生成物の流れ156中の主要なグリコール以外の少なくとも1種のグリコールの、主要なグリコールに対する重量比は、5:1以下、4.5:1以下、4:1以下、3.5:1以下、3:1以下、2.5:1以下、2:1以下、1.5:1以下、1.25:1以下もしくは1:1以下、または0.5:1~5:1、0.70:1~3:1、もしくは0.80:1~2.5:1の範囲である。
【0217】
[0211]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、加溶媒分解施設30は、2種またはそれよりも多くの共生成物の流れを生成することができ、この流れは、2種またはそれよりも多くの重質有機共生成物の流れ、2種またはそれよりも多くの軽質有機共生成物の流れ、または軽質および重質有機共生成物の流れの組合せを含むことができる。1つもしくは複数の加溶媒分解共生成物の流れ(複数可)(図1aおよび1bの流れ110に示されている)のすべてまたは一部分は、例えば、熱分解施設60、クラッキング施設70、POXガス化施設50、エネルギー回収施設80、および以前に記述されているその他の任意選択の施設のうちのいずれかを含む、少なくとも1種の下流の処理施設に導入されてもよい。
【0218】
[0212]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、2つまたはそれよりも多くの(または2つもしくはそれよりも多くの一部)加溶媒分解共生成物の流れは同じ下流の処理施設に導入されてもよいが、その他の場合、2つまたはそれよりも多くの(または2つもしくはそれよりも多くの一部)加溶媒分解共生成物の流れは異なる下流の処理施設に導入されてもよい。一部の実施形態において、単一の共生成物の流れの少なくとも90、少なくとも95、少なくとも97、少なくとも99重量パーセント、またはすべてが1つの下流の施設に導入されてもよく、その他の実施形態において、単一の共生成物の流れの60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下または30重量パーセント以下が下流の処理施設の1つに導入されてもよいように、流れは2つまたはそれよりも多くの下流の施設へと分割されてもよい。
【0219】
[0213]再度図1aおよび1bを参照すると、一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、少なくとも1種の加溶媒分解共生成物の流れ110の少なくとも一部分は、図1aおよび1bに示されている通り、前処理施設20から離脱した、POを豊富に含むプラスチック流114の少なくとも一部分と組み合わせてもよい。POを豊富に含むプラスチックを有する組み合わせた流れ中の、単一の共生成物の流れ110(または2つまたはそれよりも多くを組み合わせた場合、すべての共生成物の流れ)の量は変動してもよく、組み合わせた流れの総重量を基準にして、例えば、少なくとも1、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、もしくは少なくとも50重量パーセントおよび/または90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下もしくは40重量パーセント以下であることができる。図1aおよび1bに示されている通り、組み合わせた流れは、図1bに示されている通り、次いで、例えば、POXガス化施設50、熱分解施設60、クラッカー施設70、および/もしくはエネルギー生成施設80を含めた、ケミカルリサイクル施設または下流の処理施設の1つまたは複数の場所、ならびに分離施設、ならびに/またはさらなる販売および/または使用へと導入され得る。
【0220】
液化/脱ハロゲン
[0214]図1aおよび1bに示されるように、POを豊富に含む廃棄プラスチック流114は(加溶媒分解共生成物流110と合わせられるかまたは合わせられないで)場合により1つまたは複数の下流の処理施設に導入される前に液化ゾーンまたはステップに導入されてもよい。本明細書で使用されるとき、用語「液化」ゾーンまたはステップとは、入ってくるプラスチックの少なくとも一部分が液化される化学的処理ゾーンまたはステップをいう。プラスチックを液化するステップは化学的液化、物理的液化、またはこれらの組合せを含むことができる。液化ゾーンに導入されるポリマーを液化する例示的な方法は(i)加熱する/溶融させる;(ii)溶媒に溶解させる;(iii)解重合する;(iv)可塑化する、およびこれらの組合せを含むことができる。その上、1つまたは複数の選択肢(i)~(iv)はまたポリマー材料の液化(粘度の低下)の促進を助けるために配合剤または液化剤の添加に伴われてもよい。このように、様々なレオロジー改良剤(例えば、溶媒、解重合剤、可塑剤、および配合剤)が使用されて液化された廃棄プラスチックの流れおよび/または分散性を高めることができる。
【0221】
[0215]液化ゾーン40に加えられると、プラスチック(通常廃棄プラスチック)の少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、または少なくとも99重量パーセントが粘度の低下を受ける。場合によって、粘度の低下は加熱する(例えば、プラスチックと直接または間接的に接触するスチームの添加)ことにより促進することができるが、他の場合は、プラスチックを溶解することができる溶媒と合わせることにより促進することができる。適切な溶媒の例としては、限定されることはないが、メタノールまたはエタノールのようなアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコールのようなグリコール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、熱分解油、モーター油、および水を挙げることができる。図1aに示されるように、溶媒流141は直接液化ゾーン40に加えられることができ、または液化ゾーン40に供給される1つまたは複数の流れ(図1には示されてない)と合わせられることができる。
【0222】
[0216]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、溶媒は、流れの総重量を基準にして、例えば、少なくとも1、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントのリサイクル成分材料を有するリサイクル成分溶媒を含むことができる。代わりに、または加えて、ラインの溶媒141中のリサイクル成分は、流れの総重量を基準にして、99.9重量パーセント以下、99重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、または1重量パーセント以下であることができる。またはこのリサイクル成分は、流れの総重量を基準にして、1~99重量パーセント、5~90重量パーセント、または10~75重量パーセントの範囲であることができる。
【0223】
[0217]リサイクル成分は、ケミカルリサイクル施設10内の1つまたは複数の流れ、例えば、加溶媒分解共生成物の流れ(例えば、PETを含む廃棄プラスチック流の1つの流れの加溶媒分解から形成される)および/または熱分解油の流れ(例えば、ポリオレフィンおよび/または廃棄物PETの加溶媒分解からの副生成物を含む廃棄プラスチック流の熱分解から形成される)を起源とすることができる。溶媒141として液化ゾーン40に導入され得る流れのいくつかの例が図1aおよび1bに示されている。これらの流れのそれぞれのすべてまたは一部分を溶媒として使用することができる。溶媒流141は、溶媒と廃棄プラスチックの組合せが液化タンク内で行われるように、液化ゾーン40の液化タンク(図1aおよび1bには示されていない)へと、廃棄プラスチック流から別々に直接導入されてもよいし、および/または溶媒は、組み合わせた流れが液化ゾーン40の液化タンクへと導入されるよう、液化ゾーン40に導入される1つもしくは複数の流れと組み合わせることができる。
【0224】
[0218]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、溶媒はケミカルリサイクル施設内の1つまたは複数の他の施設から引き出された流れを含むことができる。例えば、溶媒は加溶媒分解施設30、熱分解施設60、およびクラッキング施設70の少なくとも1つから引き出された流れを含むことができる。溶媒は本明細書に記載される加溶媒分解共生成物の少なくとも1つであるかもしくはそれを含むことができ、または熱分解油であるかもしくはそれを含むことができる。
【0225】
[0219]場合によって、プラスチックは、例えば、解重合剤との接触によりプラスチックの数平均鎖長が低減されるように解重合されることができる。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、前にリストされた溶媒の少なくとも1つが解重合剤として使用され得るが、1つまたは複数の他の実施形態においては、解重合剤として有機酸(例えば、酢酸、クエン酸、酪酸、ギ酸、乳酸、オレイン酸、シュウ酸、ステアリン酸、酒石酸、および/または尿酸)または硫酸(ポリオレフィン用)のような無機酸を挙げることができる。解重合剤はポリマーの数平均鎖長を低減することによりその融点および/または粘度を低下させ得る。
【0226】
[0220]あるいは、または加えて、可塑剤が液化ゾーンで使用されてプラスチックの粘度を低減することができる。ポリエチレン用の可塑剤には、例えば、フタル酸ジオクチル、テレフタル酸ジオクチル、三安息香酸グリセリル、8,000ダルトン以下の分子量を有するポリエチレングリコール、ヒマワリ油、400~1,000ダルトンの分子量を有するパラフィンワックス、パラフィン系オイル、鉱油、グリセリン、EPDM、およびEVAがある。ポリプロピレン用の可塑剤には、例えば、セバシン酸ジオクチル、パラフィン系オイル、イソオクチルタレート(isooctyl tallate)、可塑化用オイル(Drakeol 34)、ナフテン系および芳香族加工油、ならびにグリセリンがある。ポリエステル用の可塑剤には、例えば、400~1500ダルトンの範囲の分子量を有するポリアルキレンエーテル(例えば、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコールまたはこれらの混合物)、モノステアリン酸グリセリン、オクチルエポキシソイエート(octyl epoxy soyate)、エポキシ化ダイズ油、エポキシタレート(epoxy tallate)、エポキシ化アマニ油、ポリヒドロキシアルカノエート、グリコール(例えば、エチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、等)、フタレート、テレフタレート、トリメリテート、およびポリエチレングリコールジ-(2-エチルヘキソエート)がある。使用されるとき、可塑剤は流れの総重量に対して少なくとも0.1、少なくとも0.5、少なくとも1、少なくとも2、または少なくとも5重量パーセントおよび/または10以下、8以下、5以下、3以下、2以下、または1重量パーセント以下の量で存在し得るか、または流れの総重量に対して0.1~10重量パーセント、0.5~8重量パーセント、または1~5重量パーセントの範囲であることができる。
【0227】
[0221]さらに、廃棄プラスチック流を液化する1つまたは複数の方法はまた液化プロセスの前、間、または後に少なくとも1つの配合剤をプラスチックに加えることも含むことができる。かかる配合剤は例えば、乳化剤および/または界面活性剤を包含し得、特に混合されるプラスチック流のプラスチック成分間の密度の差が多数の液体相または半液体相を生ずるとき、液化されたプラスチックを単一の相に十分にブレンドする役に立ち得る。使用されるとき、配合剤は流れの総重量に対して少なくとも0.1、少なくとも0.5、少なくとも1、少なくとも2、または少なくとも5重量パーセントおよび/または10以下、8以下、5以下、3以下、2以下、または1重量パーセント以下の量で存在し得るか、または流れの総重量に対して0.1~10重量パーセント、0.5~8重量パーセント、または1~5重量パーセントの範囲であることができる。
【0228】
[0222]図1aに一般的に示されるようにPOを豊富に含むプラスチック流114と合わせられるとき、加溶媒分解共生成物流110(これは本明細書に記載される1つまたは複数の加溶媒分解共生成物を含むことができる)はPOを豊富に含む廃棄プラスチック流114の液化ゾーン40への導入の前に加えてもよいし(ライン113により示される)および/または液化されたプラスチック流の液化ゾーン40からの取り出し後(ライン115により示される)に加えてもよい。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、1つまたは複数の共生成物流の少なくとも一部分または全ても図1bに示されるように直接液化ゾーンに導入されてもよい。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、POを豊富に含む廃棄プラスチック流114の少なくとも一部分はライン117で液化ゾーン40を完全に迂回することができ、場合により同様に図1bに示されるように少なくとも1つの加溶媒分解共生成物流110と合わせられてもよい。
【0229】
[0223]加えて、図1aおよび1bに示されるように、熱分解施設60から引き出された熱分解油流143の一部分はPOを豊富に含むプラスチック流114と合わせられて液化されたプラスチックを形成することができる。液化ゾーン40に直接導入されるように示されているが、熱分解油流143の全てまたは一部分はPOを豊富に含むプラスチック流114と液化ゾーン40への導入の前に合わせられてもよいし、またはPOを豊富に含むプラスチック流114が液化ゾーン40を出た後に合わせられてもよい。使用されるとき、熱分解油は本明細書に記載される1つまたは複数の位置で単独でまたは1つまたは複数の他の溶媒流と組み合わせて加えられることができる。
【0230】
[0224]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、液化ゾーン40から下流のケミカルリサイクル施設の1つまたは複数への供給流は下流の1つまたは複数の処理施設に導入される供給流の総重量に対して少なくとも1、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントの1つまたは複数の加溶媒分解共生成物流を含むことができる。
【0231】
[0225]例えば、ケミカルリサイクル施設10のPOX施設50、熱分解施設60、クラッキング施設70、エネルギー回収施設80、および/またはその他の施設90の各々への供給流116、118、120、および122はPOを豊富に含む廃棄プラスチックおよびある量の本明細書に記載される1つまたは複数の加溶媒分解共生成物を含み得る。流れ116、118、120、および122の1つまたは複数は、流れ116、118、120、および/または122の総重量を基準にして、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、または1重量パーセント以下の1つまたは複数の加溶媒分解共生成物の流れを含むことができる。これらの量は、単一の流れまたはこれらの流れの2つもしくはそれよりも多くに対して組み合わせて適用することができる。
【0232】
[0226]加えて、またはあるいは、熱分解施設60、POX施設50、クラッキング施設70、エネルギー回収施設80、および/またはその他の施設90への供給流は下流の1つまたは複数の処理施設に導入される供給流の総重量に対して95以下、90以下、85以下、80以下、75以下、70以下、65以下、60以下、55以下、50以下、45以下、40以下、35以下、30以下、25以下、20以下、15以下、10以下、5以下、2以下、または1重量パーセント以下の1つまたは複数の加溶媒分解共生成物流を含むことができる。
【0233】
[0227]あるいは、または加えて、液化ゾーン40から引き出される液化された(または低下した粘度の)プラスチック流は流れの総重量に対して少なくとも1、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントおよび/または95以下、90以下、85以下、80以下、75以下、70以下、65以下、60以下、55以下、50以下、45以下、40以下、35以下、30以下、25以下、20以下、15以下、10以下、5以下、2以下、または1重量パーセント以下のPOを含むことができ、またはPOの量は流れの総重量に対して1~95重量パーセント、5~90重量パーセント、または10~85重量パーセントの範囲であることができる。
【0234】
[0228]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、液化プラスチック流は、溶融プラスチック流であってもよいし、または液体溶媒中の溶解したプラスチックを含んでもよい。
【0235】
[0229]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、液化ゾーン40を出る液化されたプラスチック流は10rad/sの剪断速度および350℃の温度で作動するV80-40ベーンスピンドルをもつBrookfield R/Sレオメーターを用いて測定されて3,000未満、2,500未満、2,000未満、1,500未満、1,000未満、800未満、750未満、700未満、650未満、600未満、550未満、500未満、450未満、400未満、350未満、300未満、250未満、150未満、100未満、75未満、50未満、25未満、10未満、5未満、または1ポアズ未満の粘度を有することができる。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、液化ゾーンを出る液化されたプラスチック流の粘度(350℃および10rad/sで測定され、ポアズで表される)は液化ゾーン40に導入されたPOを豊富に含む流れの粘度の95以下、90以下、75以下、50以下、25以下、10以下、5以下、または1パーセント以下である。
【0236】
[0230]ここで図5を参照すると、例示的液化ゾーン40の概略図が、特に様々な供給物および生成物流を例示して、ならびにこのような生成物流が図1aおよび1bに示されているケミカルリサイクル施設内で経路を取るのに有力な場所を例示して示されている。図5は、液化ゾーンの1つの例示的な実施形態を表すもので、図5に示されているある特定の特徴は省略されてもよいし、および/または本明細書中の他の箇所で記載されている追加の特徴が図5に示されているシステムに加えられてもよいことを理解されたい。
【0237】
[0231]図5に示されている通り、少なくとも1つの加溶媒分解共生成物の流れ110および非PET廃棄プラスチック流(例えば、POを豊富に含む流れ)114は液化ゾーン40に供給されてもよい。液化ゾーン40に導入される加溶媒分解共生成物の流れ110は、以前に論じたような、ポリオレフィン含有共生成物の流れ、反応器パージ共生成物の流れ、軽質有機共生成物の流れ、テレフタリルスラッジ共生成物の流れ、および加溶媒分解(またはメタノリシス)施設から発生するグリコールスラッジ共生成物の流れの1つまたは複数を含むことができる。液化ゾーン40に導入される加溶媒分解共生成物の流れ110は、液化ゾーン40の前または液化ゾーン40内で組み合わせたこれらの流れの少なくとも一部分の少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、またはすべてを含んでもよい。液化ゾーン40への供給物(単一の流れであるか組み合わせた流れであるかどうかに拘わらず)は、供給流(複数可)の総重量を基準にして、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、もしくは少なくとも75重量パーセントおよび/または99重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、もしくは50重量パーセント以下の少なくとも1つの加溶媒分解共生成物の流れを含むことができる。
【0238】
[0232]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、液化ゾーン40への供給物は、供給流(複数可)の総重量を基準にして、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、もしくは少なくとも75重量パーセントおよび/または99重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、もしくは50重量パーセント以下の非PETプラスチック、例えば、廃棄プラスチックを含み得る。廃棄プラスチックは、主にポリオレフィン、例えば、図1aおよび1bに示されているように、前処理施設から離脱したポリエチレンおよび/またはポリプロピレンを含むことができる。このような流れは、流れ(複数可)の総重量を基準にして、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントのポリオレフィンを含むことができる。またはこのような流れは、流れ(複数可)の総重量を基準にして、99重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、または15重量パーセント以下のポリオレフィンを含むことができる。
【0239】
[0233]非PET廃棄プラスチックは、流れ(複数可)の総重量を基準にして、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、もしくは少なくとも40重量パーセントおよび/または50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、7重量パーセント以下、もしくは5重量パーセント以下のPETをさらに含んでもよいし、またはPETは、流れ(複数可)の総重量を基準にして、1~40重量パーセント、2~20重量パーセント、もしくは5~10重量パーセントの範囲の量で存在することができる。
【0240】
[0234]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、廃棄プラスチックの、加溶媒分解共生成物の流れに対する重量比は、組み合わせた場合、少なくとも0.75:1、少なくとも0.90:1、少なくとも1:1、少なくとも1.5:1、少なくとも2:1、少なくとも3:1、少なくとも4:1、少なくとも5:1、少なくとも6:1、少なくとも7:1、少なくとも8:1、少なくとも9:1、少なくとも10:1、少なくとも11:1、少なくとも12:1、少なくとも13:1、少なくとも14:1、少なくとも15:1、少なくとも16:1、少なくとも17:1、少なくとも18:1、少なくとも19:1、もしくは少なくとも20:1および/または100:1以下、75:1以下、70:1以下、65:1以下、60:1以下、50:1以下、45:1以下、40:1以下、35:1以下、30:1以下、25:1以下、20:1以下、もしくは15:1以下であり、あるいは重量比は、0.75:1~100:1、1:1~50:1、または1.5:1~20:1の範囲であることができる。
【0241】
[0235]図5に示されている通り、少なくとも1つの主に蒸気である流れ164および少なくとも1つの主に液体である流れ161は液化ゾーン40から離脱してもよい。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、蒸気164の少なくとも一部分は任意選択でスクラバー440、例えば、苛性スクラバーまたはアミンスクラバーに送られてもよく、ここで、スクラビング流体を利用して、望ましくない成分、例えば、塩素およびその他のハロゲン、ならびに硫黄、二酸化炭素、アルデヒド、およびこれらの組合せのすべてまたは一部を除去することができる。スクラバー440は、スクラバー440に導入される望ましくない成分の総量を基準にして、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントの、スクラバーに導入される1つまたは複数の望ましくない成分を除去することができる。
【0242】
[0236]次いで、生成した蒸気流164は、エネルギー回収施設、POXガス化施設、およびクラッカー施設の1つまたは複数に導入されてもよい。任意選択で、POXガス化施設および/またはクラッカー施設に導入される流れの少なくとも一部分は、熱分解油(または熱分解ガス、示されていない)の流れと組み合わせてもよいし、組み合わせた流れは下流の施設に導入されてもよい。一部の実施形態では、組み合わせた流れは、流れの総重量を基準にして、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、もしくは少なくとも50重量パーセントおよび/または99重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、もしくは60重量パーセント以下の液化蒸気を含むことができる。代わりにまたは加えて、組み合わせた流れは、流れの総重量を基準にして、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、もしくは少なくとも40重量パーセントおよび/または80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、もしくは50重量パーセント以下の熱分解油を含むことができる。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、蒸気流の少なくとも一部分は、下流の処理施設の1つまたは複数への導入前に、冷却および/または圧縮されてもよい(図1bに示されているようなコンプレッサー450を介して)。
【0243】
[0237]さらに、図5に示されている通り、液化ゾーン40から離脱した主に液体である流れ161は、(i)POXガス化施設;(ii)エネルギー回収施設;および(iii)熱分解施設の少なくとも1つへと導入され得る。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、主に液体である流れは、3つの施設の少なくとも1つ、少なくとも2つ、またはすべてへと、単独でまたは本明細書で詳細に記載されているようなその他の流れの1つもしくは複数と組み合わせて導入されてもよい。
【0244】
[0238]図6は、図1aおよび1bに例示されているケミカルリサイクル施設内の液化ゾーン40として使用することができる液化システム内の基礎的構成要素を示している。図6は液化システムの例示的な実施形態を示すと理解されたい。図6に示されたいくつかの特徴は省略されてもよく、および/または本明細書中どこかに記載される追加の特徴が図6に描かれたシステムに加えられてもよい。
【0245】
[0239]図6に示されるように、POを豊富に含む廃棄プラスチック流114のような廃棄プラスチック供給物は本明細書に述べられる前処理施設20のような廃棄プラスチック源に由来し得る。POを豊富に含む廃棄プラスチック流114のような廃棄プラスチック供給物は、少なくとも1つの溶融タンク310、少なくとも1つの循環ループポンプ312、少なくとも1つの外部熱交換器340、少なくとも1つのストリッピングカラム330、および少なくとも1つの解放容器320を含有するとして図6が描く液化ゾーン40に導入され得る。液化ゾーン40におけるこれらの様々な例示的な構成要素およびそれらの機能性は以下でより詳細に論じられる。
【0246】
[0240]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、そして図6に示されるように、液化ゾーン40は溶融タンク310およびヒーターを含む。溶融タンク310がPOを豊富に含む廃棄プラスチック流114のような廃棄プラスチック供給物を受け取り、ヒーターが廃棄プラスチックを加熱する。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、溶融タンク310は1つまたは複数の連続的に撹拌されるタンクを含むことができる。1つまたは複数のレオロジー改良剤(例えば、溶媒、解重合剤、可塑剤、および配合剤)が液化ゾーンで使用されるとき、かかるレオロジー改良剤は溶融タンク310内で、またはその前にPOを豊富に含むプラスチックに加えられ、および/またはそれと混合されることができる。
【0247】
[0241]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態(図6に示されていない)と組み合わせた実施形態において、液化ゾーン40のヒーターは溶融タンク310内に位置付けられた内部熱交換コイル、溶融タンク310の外側の外被、溶融タンク310の外側のヒートトレース、および/または溶融タンク310の外側の電気加熱素子の形態をとることができる。あるいは、図6に示されるように、液化ゾーン40のヒーターは、液化されたプラスチック171の流れを溶融タンク310から受け取り、それを加熱し、その液化され加熱されたプラスチック流173の少なくとも一部分を溶融タンク310に戻す外部熱交換器340を含むことができる。
【0248】
[0242]図6に示されるように、外部熱交換器340が使用されて液化ゾーン40のための熱を提供するとき、POを豊富に含む材料に連続的に熱を加えるために循環ループが使用されることができる。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、循環ループは溶融タンク310、外部熱交換器340、溶融タンクと外部熱交換器を連結するライン171として示される導管、および液化された廃棄プラスチックを循環ループ内に循環させるためのポンプ151を含む。循環ループが使用されるとき、生産される液化されたPOを豊富に含む材料は循環するPOを豊富に含む流れの一部として図6に示される導管161を介して液化ゾーン40から連続的に引き出されることができる。
【0249】
[0243]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、液化ゾーン40は場合によりPOを豊富に含む材料からハロゲンを除去するための機器を含有してもよい。POを豊富に含む材料が液化ゾーン40で加熱されるとき、ハロゲンを豊富に含むガスが発生する可能性がある。放出されたハロゲンを豊富に含むガスを液化されたPOを豊富に含む材料から解放することにより、POを豊富に含む材料中のハロゲンの濃度は低下されることができる。
【0250】
[0244]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、脱ハロゲンは溶融タンク310内または循環ループ中の別の位置のいずれかで液化されたPOを豊富に含む材料中にストリッピングガス(例えば、スチーム)を散布することにより促進されることができる。図6に示されるように、ストリッパー330および解放容器320は外部熱交換器340の下流および溶融タンク310の上流の循環ループ内に備えられることができる。図6に示されるように、ストリッパー330は液化され加熱されたプラスチック流173を外部熱交換器340から受け取り、液化されたプラスチック中へのストリッピングガス153の散布を提供することができる。液化されたプラスチックへのストリッピングガス153の散布はストリッパー330内に二相媒体を作り出すことができる。
【0251】
[0245]流れ175を介して解放容器320に導入されるこの二相媒体は次いで(例えば、重力により)解放容器320を通って流動されることができ、解放容器ではハロゲンを豊富に含む気体相が、ハロゲンが枯渇した液体相から解放され、解放容器320から流れ162を介して取り出される。代わりに、図6に示されている通り、外部熱交換器340からの加熱した液化性プラスチック173の一部分は、ストリッパー330を迂回し、遊離容器320に直接導入されてもよい。
【0252】
[0246]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、解放容器の出口から排出されるハロゲンが枯渇した液体相の第1の部分はライン159で溶融タンク310に戻されることができ、一方ハロゲンが枯渇した液体相の第2の部分はPOを豊富に含み液化され脱ハロゲンされた生成物流161として液化ゾーンから排出されることができる。解放容器162からおよび溶融タンク310から解放されたハロゲンを豊富に含む気体流はライン164でさらなる処理および/または廃棄処分のために液化ゾーン40から取り出されることができる。
【0253】
[0247]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、液化ゾーン40を出る液化され脱ハロゲンされた廃棄プラスチック流161は500未満、400未満、300未満、200未満、100未満、50未満、10未満、5未満、2未満、1未満、0.5未満、または0.1ppmw未満のハロゲン含有量を有することができる。液化ゾーン40を出る液化されたプラスチック流161のハロゲン含有量は液化ゾーンに導入されるPOを豊富に含む流れのハロゲン含有量の95以下、90以下、75以下、50以下、25以下、10以下、または5重量パーセント以下である。
【0254】
[0248]図6に示されるように、液化され脱ハロゲンされた廃棄プラスチック流161の少なくとも一部分は下流のPOXガス化施設50のPOXガス化装置に導入されて合成ガス組成物を生産し得、および/または下流の熱分解施設60の熱分解反応装置に導入されて熱分解蒸気(すなわち、熱分解ガスおよび熱分解油)および熱分解残渣を生産し得る。あるいは、または加えて、液化され脱ハロゲンされた廃棄プラスチック流161の少なくとも一部分は、例えば分離または固化施設のような、エネルギー回収施設80および/または1つまたは複数の他の施設90に導入され得る。
【0255】
[0249]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、ケミカルリサイクル施設10は液化ゾーン40を含まなくてもよい。あるいは、ケミカルリサイクル施設は液化ゾーン40を含み得るが、いかなる種類の脱ハロゲンゾーンまたは機器も含まなくてもよい。
【0256】
[0250]再び図1aおよび1bを参照して、前処理施設20および/または液化ゾーン40からのPOを豊富に含むプラスチック流114の少なくとも一部分は(単独で、または1もしくはそれ以上の加溶媒分解共生成物流110と合わせて)、例えば、熱分解施設60、クラッキング施設70、POXガス化施設50、エネルギー回収施設80、および以下で詳細に論じられる他の任意的な施設90のいずれかを含めて1つまたは複数の下流の処理施設に導入され得る。
【0257】
熱分解
[0251]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、図1aおよび1bに全体が示されるケミカルリサイクル施設10は熱分解施設を含み得る。本明細書で使用される用語「熱分解」は不活性な(すなわち、実質的に酸素を含まない)雰囲気における昇温での1つまたは複数の有機材料の熱的な分解を指す。「熱分解施設」は、廃棄プラスチックおよびそれに由来する供給原料の熱分解を実施するのに必要な全ての機器、ライン、および制御装置を含む施設である。
【0258】
[0252]図7は、液化ゾーンからの液化された廃棄プラスチックのような廃棄プラスチック流116を熱分解ガス、熱分解油、および熱分解残渣に変換するための例示的な熱分解施設60を示す。図7は本技術の1つの例示的な実施形態を示すと理解されるべきである。したがって、図7に示されたいくつかの特徴が省略されてもよいし、および/または本明細書中のどこかに記載される追加の特徴が図7に示されたシステムに加えられてもよい。
【0259】
[0253]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解施設60への供給流116は(i)前に記載された少なくとも1つの加溶媒分解共生成物流、および(ii)廃棄プラスチックのPOを豊富に含む流れの少なくとも1つを含み得る。1もしくはそれ以上のこれらの流れは熱分解施設60に連続的に導入されてもよいし、または1もしくはそれ以上のこれらの流れは間欠的に導入されてもよい。多数の種類の供給流が存在するとき、各々が別々に導入されてもよいし、または流れの全てもしくは一部分が合わせられてこの合わせられた流れが熱分解施設60に導入されてもよい。組合せは、行われるとき、連続的またはバッチ式で行い得る。熱分解施設60に導入される供給物は液化されたプラスチック(例えば、液化された、溶融された、可塑化された、解重合された、またはこれらの組合せ)、プラスチックペレットもしくは微粒子、またはそのスラリーの形態であることができる。
【0260】
[0254]一般に、図5に描かれるように、熱分解施設60は熱分解反応装置510および生成物流を反応装置から分離するための分離装置520を含む。図5には描かれないが、熱分解施設60の分離装置520は、限定されないがフィルターシステム、多段式分離装置、凝縮器、および/または急冷塔を含めて様々なタイプの機器を含むことができる。
【0261】
[0255]熱分解反応装置510において、供給物の少なくとも一部分は、熱分解油、熱分解ガス、および熱分解残渣を含む熱分解流出物を生成する熱分解反応に供され得る。本明細書で使用されるとき、用語「熱分解ガス」は、熱分解から得られる、25℃、1atmで気体である組成物を指す。本明細書で使用されるとき、用語「熱分解油」または「パイオイル」は、熱分解から得られる、25℃、1atmで液体である組成物を指す。本明細書で使用されるとき、用語「熱分解残渣」は、熱分解から得られる、熱分解ガスでも熱分解油でもなく、主に熱分解チャー(pyrolysis char)および熱分解重質ワックス(pyrolysis heavy wax)を含む組成物を指す。本明細書で使用されるとき、用語「熱分解チャー」は、熱分解から得られる、200℃、1atmで固体である炭素を含有する組成物を指す。本明細書で使用されるとき、用語「熱分解重質ワックス」は、熱分解から得られる、熱分解チャーでも熱分解ガスでもまたは熱分解油でもないC20+炭化水素を指す。熱分解ガスおよび熱分解油は熱分解蒸気流170として熱分解反応装置500から出ることができる。
【0262】
[0256]熱分解は導入された供給物の化学的および熱的な分解を含むプロセスである。全ての熱分解プロセスは一般的に実質的に酸素を含まない反応環境により特徴付けられ得るが、熱分解プロセスはさらに、例えば反応装置内の熱分解反応温度、熱分解反応装置内の滞留時間、反応装置の種類、熱分解反応装置内の圧力、および熱分解触媒の有無により定義され得る。
【0263】
[0257]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解反応装置510は、例えば、膜反応器、スクリュー押出機、管型反応装置、タンク、撹拌槽型反応器、ライザー反応器、固定床反応器、流動床反応器、回転炉、真空反応装置、マイクロ波反応装置、またはオートクレーブであることができる。熱分解反応装置510は流下膜式反応器または上向流膜反応器のような膜反応器を含む。
【0264】
[0258]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解反応は実質的に酸素を含まない雰囲気中または周囲の空気と比べてより少ない酸素を含有する雰囲気中で供給原料を加熱し変換することを含むことができる。例えば、熱分解反応装置510内の雰囲気は反応装置510の内容積に対して5以下、4以下、3以下、2以下、1以下、または0.5パーセント以下の酸素ガスを含み得る。
【0265】
[0259]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、リフトガスおよび/または供給ガスが使用されて供給原料を熱分解反応装置510中に導入し得、および/または熱分解反応装置510内の様々な反応を促進し得る。例えば、リフトガスおよび/または供給ガスは窒素、二酸化炭素、および/またはスチームを含み得るか、それらから本質的になり得るか、またはそれらからなり得る。リフトガスおよび/または供給ガスは熱分解反応装置510への導入に先立って廃棄プラスチック流116と共に加えられてもよいし、および/または直接熱分解反応装置510に加えられてもよい。リフトガスおよび/または供給ガスはスチームおよび/または水素、一酸化炭素、およびこれらの組合せのような還元ガスを含むことができる。
【0266】
[0260]さらに、熱分解反応装置510内の温度はある種の最終生成物の生成を促進するように調整されることができる。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解反応装置510内の熱分解温度は少なくとも325℃、少なくとも350℃、少なくとも375℃、少なくとも400℃、少なくとも425℃、少なくとも450℃、少なくとも475℃、少なくとも500℃、少なくとも525℃、少なくとも550℃、少なくとも575℃、少なくとも600℃、少なくとも625℃、少なくとも650℃、少なくとも675℃、少なくとも700℃、少なくとも725℃、少なくとも750℃、少なくとも775℃、または少なくとも800℃であることができる。
【0267】
[0261]加えてまたはあるいは、熱分解反応装置の熱分解温度は1,100℃以下、1050℃以下、1000℃以下、950℃以下、900℃以下、850℃以下、800℃以下、750℃以下、700℃以下、650℃以下、600℃以下、550℃以下、525℃以下、500℃以下、475℃以下、450℃以下、425℃以下、または400℃以下であることができる。より特定的には、熱分解反応装置内の熱分解温度は325~1,100℃、350~900℃、350~700℃、350~550℃、350~475℃、425~1,100℃、425~800℃、500~1,100℃、500~800℃、600~1,100℃、600~800℃、650~1,000℃、または650~800℃の範囲であることができる。
【0268】
[0262]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解反応装置内の供給原料の滞留時間は少なくとも0.1、少なくとも0.2、少なくとも0.3、少なくとも0.5、少なくとも1、少なくとも1.2、少なくとも1.3、少なくとも2、少なくとも3、または少なくとも4秒であることができる。あるいは、熱分解反応装置内の供給原料の滞留時間は少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも45、少なくとも60、少なくとも75、または少なくとも90分であることができる。加えて、またはあるいは、熱分解反応装置内の供給原料の滞留時間は6未満、5未満、4未満、3未満、2未満、1未満、または0.5時間未満であることができる。また、熱分解反応装置内の供給原料の滞留時間は100未満、90未満、80未満、70未満、60未満、50未満、40未満、30未満、20未満、10未満、9未満、8未満、7未満、6未満、5未満、4未満、3未満、2未満、または1秒未満であることができる。より特定的には、熱分解反応装置内の供給原料の滞留時間は0.1~10秒、0.5~10秒、30分~4時間、または30分~3時間、または1時間~3時間、または1時間~2時間の範囲であることができる。
【0269】
[0263]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解反応装置内の圧力は少なくとも0.1、少なくとも0.2、または少なくとも0.3バールおよび/または60以下、50以下、40以下、30以下、20以下、10以下、8以下、5以下、2以下、1.5以下、または1.1バール以下の圧力に維持されることができる。熱分解反応装置内の圧力は大気圧または0.1~100バール、もしくは0.1~60バール、もしくは0.1~30バール、もしくは0.1~10バール、もしくは1.5バール、0.2~1.5バール、もしくは0.3~1.1バールの範囲内に維持されることができる。熱分解反応装置内の圧力は少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、または少なくとも70バールおよび/または100以下、95以下、90以下、85以下、80以下、75以下、70以下、65以下、または60バール以下であることができる。本明細書で使用されるとき、用語「バール」は他に断らない限りゲージ圧を指す。
【0270】
[0264]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解触媒は熱分解反応装置510中への導入に先立って供給流116中に導入され得、および/または直接熱分解反応装置510中に導入され得る。触媒は均一系または不均一系であることができ、例えば、ある種のタイプのゼオライトおよび他のメソ構造の触媒を含み得る。いくつかの実施形態において、熱分解反応は触媒されない(例えば、熱分解触媒の非存在下で行われる)ことがあるが、熱伝達を容易にするために砂のような非触媒性で保温性の不活性な添加剤を反応装置510内に含み得る。かかる触媒のない熱分解プロセスは「熱的熱分解(thermal pyrolysis)」といえる。
【0271】
[0265]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解流出物または熱分解蒸気は少なくとも1、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、または少なくとも75重量パーセントの熱分解油を含み得、これは加熱された反応装置を出る際熱分解流出物中で蒸気の形態であり得るが、しかし、これらの蒸気はその後凝縮されて熱分解油が得られ得る。加えて、またはあるいは、熱分解流出物または熱分解蒸気は99以下、95以下、90以下、85以下、80以下、75以下、70以下、65以下、60以下、55以下、50以下、45以下、40以下、35以下、30以下、または25重量パーセント以下の熱分解油を含み得、これは加熱された反応装置を出る際熱分解流出物中で蒸気の形態であり得る。熱分解流出物または熱分解蒸気は熱分解流出物または熱分解蒸気の総重量に対して20~99重量パーセント、25~80重量パーセント、30~85重量パーセント、30~80重量パーセント、30~75重量パーセント、30~70重量パーセント、または30~65重量パーセントの範囲で熱分解油を含み得る。
【0272】
[0266]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解流出物または熱分解蒸気は少なくとも1、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、または少なくとも80重量パーセントの熱分解ガスを含み得る。加えて、またはあるいは、熱分解流出物または熱分解蒸気は99以下、95以下、90以下、85以下、80以下、75以下、70以下、65以下、60以下、55以下、50以下、または45重量パーセント以下の熱分解ガスを含み得る。熱分解流出物は流れの総重量に対して1~90重量パーセント、10~85重量パーセント、15~85重量パーセント、20~80重量パーセント、25~80重量パーセント、30~75重量パーセント、または35~75重量パーセントの熱分解ガスを含み得る。
【0273】
[0267]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解流出物または熱分解蒸気は少なくとも0.5、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、または少なくとも10重量パーセントの熱分解残渣を含み得る。加えて、またはあるいは、熱分解流出物は60以下、50以下、40以下、30以下、25以下、20以下、15以下、10以下、9以下、8以下、7以下、6以下、または5重量パーセント以下の熱分解残渣を含み得る。熱分解流出物は流れの総重量に対して0.1~25重量パーセント、1~15重量パーセント、1~8重量パーセント、または1~5重量パーセントの範囲の熱分解残渣を含み得る。
【0274】
[0268]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解流出物または熱分解蒸気は15以下、14以下、13以下、12以下、11以下、10以下、9以下、8以下、7以下、6以下、5以下、4以下、3以下、2以下、1以下、または0.5重量パーセント以下の自由水を含み得る。本明細書で使用されるとき、「自由水」は熱分解装置に(液体またはスチームとして)前に加えられた水および熱分解装置内で生成された水を指す。
【0275】
[0269]本明細書に記載される熱分解システムは熱分解流出物を生成し得、これは熱分解油流174、熱分解ガス流172、および熱分解残渣流176に分離されることができ、その各々がそれらの組成に基づいて様々な下流の用途に直接使用され得る。熱分解油、熱分解ガス、および熱分解残渣の様々な特徴および特性は以下に記載される。以下の特徴および特性は全て別々に述べられ得るが、熱分解ガス、熱分解油、および/または熱分解残渣の以下の特徴および/または特性は各々が互いに排他的ではなく、いかなる組合せで組み合わせられ存在してもよいと考えられることに留意されたい。
【0276】
[0270]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解油は主として分子当たり4~30個の炭素原子を有する炭化水素(例えば、C4~C30炭化水素)を含み得る。本明細書で使用されるとき、用語「Cx」または「Cx炭化水素」は分子当たり「x」個の全炭素を含む炭化水素化合物を意味し、その数の炭素原子を有する全てのオレフィン、パラフィン、芳香族化合物、複素環式化合物、および異性体を包含する。例えば、ノルマル、iso、およびtert-ブタンおよびブテンおよびブタジエン分子は各々一般記載「C4」で表される。熱分解油は熱分解油流174の総重量に対して少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントのC4~C30炭化水素含有量を有し得る。
【0277】
[0271]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解油は主としてC5~C25炭化水素、C5~C22炭化水素、またはC5~C20炭化水素を含むことができる。例えば、熱分解油は熱分解油の総重量に対して少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントのC5~C25炭化水素、C5~C22炭化水素、またはC5~C20炭化水素を含み得る。熱分解油は熱分解油の総重量に対して少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、または少なくとも55重量パーセントのC5~C12炭化水素含有量を有し得る。加えて、またはあるいは、熱分解油は95以下、90以下、85以下、80以下、75以下、70以下、65以下、60以下、55以下、または50重量パーセント以下のC5~C12炭化水素含有量を有し得る。熱分解油は流れの総重量に対して10~95重量パーセント、20~80重量パーセント、または35~80重量パーセントの範囲のC5~C12炭化水素含有量を有し得る。
【0278】
[0272]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解油はまた反応装置条件および触媒が使用されるか否かに応じて様々な量のオレフィンおよび芳香族化合物も含み得る。熱分解油は熱分解油の総重量に対して少なくとも1、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、または少なくとも40重量パーセントのオレフィンおよび/または芳香族化合物を含む。加えて、またはあるいは、熱分解油は90以下、80以下、70以下、60以下、50以下、45以下、40以下、35以下、30以下、25以下、20以下、15以下、10以下、5以下、または1重量パーセント以下のオレフィンおよび/または芳香族化合物を含み得る。本明細書で使用されるとき、用語「芳香族化合物」はベンゼン、トルエン、キシレン、およびスチレンのような芳香族部分を含有するあらゆる化合物の総量(重量で)を指す。
【0279】
[0273]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解油は熱分解油の総重量に対して少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、または少なくとも65重量パーセントのパラフィン(例えば、直鎖または分岐のアルカン)含有量を有し得る。加えて、またはあるいは、熱分解油は99以下、97以下、95以下、93以下、90以下、85以下、80以下、75以下、70以下、65以下、60以下、55以下、50以下、45以下、40以下、35以下、または30重量パーセント以下のパラフィン含有量を有し得る。熱分解油は25~90重量パーセント、35~90重量パーセント、または50~80重量パーセントの範囲のパラフィン含有量を有し得る。
【0280】
[0274]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解油はASTM D-5399に従って測定されて少なくとも75℃、少なくとも80℃、少なくとも85℃、少なくとも90℃、少なくとも95℃、少なくとも100℃、少なくとも105℃、少なくとも110℃、または少なくとも115℃および/または250℃以下、245℃以下、240℃以下、235℃以下、230℃以下、225℃以下、220℃以下、215℃以下、210℃以下、205℃以下、200℃以下、195℃以下、190℃以下、185℃以下、180℃以下、175℃以下、170℃以下、165℃以下、160℃以下、155℃以下、150℃以下、145℃以下、140℃以下、135℃以下、130℃以下、125℃以下、または120℃以下の中央沸点を有し得る。熱分解油は75~250℃、90~225℃、または115~190℃の範囲の中央沸点を有し得る。本明細書で使用されるとき、「中央沸点」は熱分解油のメジアンの沸点温度をいい、その中央沸点より高い温度で熱分解油の50体積パーセントが沸騰し、50体積パーセントが中央沸点より低い温度で沸騰する。
【0281】
[0275]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解油の沸点範囲は、熱分解油の少なくとも90パーセントがASTM D-5399に従って測定されて250℃、280℃、290℃、300℃、または310℃の温度で沸騰除去されるようなものであり得る。
【0282】
[0276]次に熱分解ガスについて、熱分解ガスは熱分解ガスの総重量に対して少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、または少なくとも15および/または50以下、45以下、40以下、35以下、30以下、25以下、または20重量パーセント以下のメタン含有量を有することができる。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解ガスは1~50重量パーセント、5~50重量パーセント、または15~45重量パーセントの範囲のメタン含有量を有することができる。
【0283】
[0277]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解ガスは熱分解ガスの総重量に対して少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、または少なくとも60および/または99以下、95以下、90以下、85以下、80以下、75以下、70以下、または65重量パーセント以下のC3および/またはC4炭化水素含有量(分子当たり3または4個の炭素原子を有する全ての炭化水素を含む)を有することができる。熱分解ガスは10~90重量パーセント、25~90重量パーセント、または25~80重量パーセントの範囲のC3炭化水素含有量、C4炭化水素含有量、または合わせたC3およびC4炭化水素含有量を有することができる。
【0284】
[0278]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解ガスは熱分解反応装置からの全流出物の少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、または少なくとも50重量パーセントを構成することができ、熱分解ガスは熱分解ガスの総重量の少なくとも25、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、または少なくとも75パーセントの合わせたエチレンおよびプロピレン含有量を有することができる。
【0285】
[0279]次に熱分解残渣について、1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解残渣は熱分解残渣の総重量に対して少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、または少なくとも85重量パーセントのC20+炭化水素を含む。本明細書で使用されるとき、「C20+炭化水素」は分子当たり少なくとも20個の全炭素を含有する炭化水素化合物を意味し、その数の炭素原子を有する全てのオレフィン、パラフィンおよび異性体を包含する。
【0286】
[0280]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解残渣は熱分解残渣の総重量に対して少なくとも1、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、または少なくとも99重量パーセントの炭素含有固体を含む。加えて、またはあるいは、熱分解残渣は99以下、90以下、80以下、70以下、60以下、50以下、40以下、30以下、20以下、10以下、9以下、8以下、7以下、6以下、5以下、または4重量パーセント以下の炭素含有固体を含む。本明細書で使用されるとき、「炭素含有固体」は熱分解に由来し、25℃、1atmで固体である炭素を含有する組成物を指す。炭素含有固体は炭素含有固体の総重量に対して少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、または少なくとも90重量パーセントの炭素を含む。
【0287】
[0281]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解ガス、熱分解油、および熱分解残渣の少なくとも一部分は、例えば、既に述べられたエネルギー回収施設80、部分的酸化施設50、1つまたは複数の他の施設90、およびクラッキング施設70を含めて1つまたは複数の他の化学的処理施設に送られてもよい。いくつかの実施形態において、熱分解ガス流172の少なくとも一部分および/または熱分解油(パイオイル)流174の少なくとも一部分はエネルギー回収施設80、クラッキング施設70、POXガス化施設50、およびこれらの組合せに導入されることができるが、熱分解残渣流176はPOXガス化施設50および/またはエネルギー回収施設80に導入されてもよい。いくつかの実施形態において、熱分解ガス流172、熱分解油流174、および/または熱分解残渣流176の少なくとも一部分は1つまたは複数の分離施設(図1には示されてない)に送られることにより、熱分解ガス、熱分解油、および/または熱分解残渣のより精製された流れを形成し得、これは次いでエネルギー回収施設80、クラッキング施設70、および/またはPOXガス化施設50に送られ得る。加えて、またはあるいは、熱分解油流176の全てまたは一部分はPOを豊富に含む廃棄プラスチック流114と合わせられて、本明細書で論じられる1つまたは複数の下流の施設に供給される液化されたプラスチック流を提供することができる。
【0288】
クラッキング
[0282]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解施設60から、または図1aおよび1bに示される他の施設の1もしくはそれ以上からの1つまたは複数の流れの少なくとも一部分はクラッキング施設70に導入され得る。本明細書で使用されるとき、用語「クラッキング」は炭素-炭素結合の破壊により複雑な有機分子をより単純な分子に分解することを指す。「クラッキング施設」は、廃棄プラスチックに由来する供給原料のクラッキングを実施するのに必要な全ての機器、ラインおよび制御装置を含む施設である。クラッキング施設は1つまたは複数のクラッカー炉、ならびにクラッカー炉の流出物を処理するのに使用される機器を含む下流の分離ゾーンを含むことができる。本明細書で使用されるとき、用語「クラッカー」および「クラッキング」は互換的に使用される。
【0289】
[0283]ここで図8aを参照すると、本発明の技術の一実施形態に従いまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて設計されたクラッキング施設70が示されている。一般に、クラッカー施設70はクラッカー炉720およびクラッカー炉720の下流の、炉流出物をリサイクル成分オレフィン(r-オレフィン)流130のような様々な最終生成物に分離するための分離ゾーン740を含む。図8aに示されている通り、熱分解施設60からの熱分解ガス流172および/または熱分解油の流れ174の少なくとも一部分は、クラッカー供給流119を介してクラッキング施設70に送ることができる。熱分解油流174はクラッカー炉720の入口に導入され得、一方熱分解ガス流172は炉720の上流または下流の位置に導入されることができる。図8aにも示されるように、パラフィン132(例えば、エタンおよび/またはプロパン)の流れは分離ゾーンから引き出され得、リサイクル成分パラフィン(r-パラフィン)を含み得る。パラフィンの全てまたは一部分は図8aにも示されるように流れ134を介してクラッカー炉720の入口にリサイクルされ得る。使用されるとき、熱分解油流、熱分解ガス流172、およびリサイクルされるパラフィン流174は場合によりクラッカー供給物の流れ136と合わせられてクラッキング施設720への供給流119を形成してもよい。
【0290】
[0284]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、クラッキング施設70への供給流119は(i)前に記載された1つまたは複数の加溶媒分解共生成物流110、(ii)廃棄プラスチックのPOを豊富に含む流れ114、および(iii)熱分解流(例えば、熱分解ガス172および/または熱分解油174)の少なくとも1つを含み得る。これらの流れの1つまたは複数がクラッキング施設70に連続的に導入されてもよく、またはこれらの流れの1もしくはそれ以上が間欠的に導入されてもよい。多数の種類の供給流が存在するとき、各々が別々に導入されてもよく、または流れの全てもしくは一部分が合わせられて合わせられた流れがクラッキング施設70に導入されてもよい。組合せが行われるとき、その組合せは連続的またはバッチ式に起こり得る。クラッキング施設70に導入される供給流または複数の流れは主としてガスの流れ、主として液体の流れ、またはこれらの組合せの形態であることができる。
【0291】
[0285]図8aに示されるように、熱分解ガスの流れ172および/または熱分解油174はクラッカー供給流136に沿って、または供給流136としてクラッカー施設70に導入され得る。いくつかの実施形態において、クラッカー供給流119は流れ119の総重量に対して少なくとも1、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントの熱分解ガス、熱分解油、または熱分解ガスと熱分解油の組合せを含むことができる。あるいは、または加えて、クラッカー供給流119は流れ119の総重量に対して95以下、90以下、85以下、80以下、75以下、70以下、65以下、60以下、55以下、50以下、45以下、40以下、35以下、30以下、25以下、または20重量パーセント以下の熱分解ガス、熱分解油、または熱分解ガスと熱分解油の組合せを含むことができ、またはこれらの成分を流れ119の総重量に対して1~95重量パーセント、5~90重量パーセント、または10~85パーセントの範囲の量で含むことができる。
【0292】
[0286]いくつかの実施形態において、クラッカー供給流119はクラッカー供給流119の総重量に対して少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントおよび/または95以下、90以下、85以下、80以下、75以下、70以下、65以下、60以下、55以下、50以下、45以下、40以下、35以下、30以下、25以下、または20重量パーセント以下の熱分解ガスおよび熱分解油以外の炭化水素供給物を含むことができ、または熱分解ガスおよび熱分解油以外の炭化水素供給物をクラッカー供給流119の総重量に対して5~95重量パーセント、10~90重量パーセント、または15~85重量パーセントの量で含むことができる。
【0293】
[0287]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、クラッカー供給流119は主としてC2~C4炭化水素を含有する組成物を含み得る。本明細書で使用されるとき、用語「主としてC2~C4炭化水素」は少なくとも50重量パーセントのC2~C4炭化水素成分を含有する流れまたは組成物を指す。具体的な種類のC2~C4炭化水素流または組成物の例にはプロパン、エタン、ブタン、およびLPGがある。クラッカー供給流119は各々の場合に供給物の総重量に対して少なくとも50、または少なくとも55、または少なくとも60、または少なくとも65、または少なくとも70、または少なくとも75、または少なくとも80、または少なくとも85、または少なくとも90、または少なくとも95wt.%、および/または各々の場合に供給物の総重量に対して100以下、または99以下、または95以下、または92以下、または90以下、または85以下、または80以下、または75以下、または70以下、または65以下、または60重量パーセント以下のC2~C4炭化水素または線状のアルカンを含み得る。クラッカー供給流119は主としてプロパン、主としてエタン、主としてブタン、またはこれらの成分の2種以上の組合せを含むことができる。
【0294】
[0288]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、クラッカー供給流119は主としてC5~C22炭化水素を含有する組成物を含み得る。本明細書で使用されるとき、「主としてC5~C22炭化水素」は少なくとも50重量パーセントのC5~C22炭化水素成分を含む流れまたは組成物を指す。例にはガソリン、ナフサ、中間留分、ディーゼル、ケロシンがある。
【0295】
[0289]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、クラッカー供給流119は流れの総重量に対して各々の場合に少なくとも20、または少なくとも25、または少なくとも30、または少なくとも35、または少なくとも40、または少なくとも45、または少なくとも50、または少なくとも55、または少なくとも60、または少なくとも65、または少なくとも70、または少なくとも75、または少なくとも80、または少なくとも85、または少なくとも90、または少なくとも95wt.%および/または各々の場合に100以下、または99以下、または95以下、または92以下、または90以下、または85以下、または80以下、または75以下、または70以下、または65以下、または60重量パーセント以下のC5~C22、またはC5~C20炭化水素を含み得、または、C5~C22を流れの総重量に対して20~100重量パーセント、25~95重量パーセント、または30~85重量パーセントの範囲の量で含むことができる。
【0296】
[0290]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、クラッカー供給流119は供給物の総重量に対して各々の場合に少なくとも0.5、または少なくとも1、または少なくとも2、または少なくとも5重量パーセントおよび/または各々の場合に40以下、または35以下、または30以下、または25以下、または20以下、または18以下、または15以下、または12以下、または10以下、または5以下、または3重量パーセント以下のC15およびより重質の(C15+)含有量を有し得、または流れの総重量に対して0.5~40重量パーセント、1~35重量パーセント、または2~30重量パーセントの範囲であることができる。
【0297】
[0291]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、クラッカー炉への供給物は真空軽油(VGO)、水素化真空軽油(HVGO)、または常圧軽油(AGO)を含むことができる。クラッカー供給流119は流れの総重量に対して少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、または少なくとも90および/または99以下、95以下、90以下、85以下、80以下、75以下、70以下、65以下、60以下、55以下、または50重量パーセント以下の少なくとも1種の軽油を含むことができ、または流れ119の総重量に対して5~99重量パーセント、10~90重量パーセント、または15~85重量パーセント、または5~50重量パーセントの範囲の量で存在することができる。
【0298】
[0292]ケミカルリサイクル施設からの2つまたはそれよりも多くの流れが別の流れと組み合わさって、クラッカー供給流を形成する場合、このような組合せはクラッキング炉の上流、またはクラッキング炉内で生じることができる。代わりに、異なる供給流が炉に別々に導入され、同じ炉(例えば、分割炉)内で別個の管へと供給されることにより互いに単離されながら、炉の一部分、またはすべてを同時に通り抜けることもできる。代わりに、ケミカルリサイクル施設からの流れ(複数可)の少なくとも一部分は、クラッカー炉の下流の場所ではあるが、分離施設内の1つまたは複数の装置の上流の場所でクラッカー施設へと導入されてもよい。
【0299】
[0293]図8aに示されるように、クラッカー供給流119はクラッカー炉720に導入される。ここで図8bを参照すると、本明細書に記載されるケミカルリサイクル施設および/またはクラッカー施設に使用するのに適したクラッカー炉720の模式図が示される。図8bに示されるように、クラッキング炉720は伝達部746、輻射部748、および伝達746および輻射部748間に配置された交差部750を含むことができる。伝達部746は、熱い煙道ガスから熱を受け取る炉の一部分であり、クラッカー流が通過する管またはコイルのバンク752を含む。伝達部746において、クラッカー流はそこを通り抜ける熱い煙道ガスからの伝達により加熱される。図8bには水平に配向された伝達部管752aおよび垂直に配向された輻射部管752を含んで示されるが、管はあらゆる適切な構造で構成されることができると理解されたい。例えば、伝達部管752aが垂直であってもよい。輻射部管752bが水平であってもよい。加えて、単一の管として示されるが、クラッカー炉720は少なくとも1つの分割、屈曲、U字、エルボ、またはこれらの組合せを含み得る1つまたは複数の管またはコイルを含んでいてもよい。多数の管またはコイルが存在するとき、それらは平行および/または直列に配置され得る。
【0300】
[0294]輻射部748は、炉720の、主として高温のガスからの輻射により熱が加熱管に移される部分である。輻射部748はまた、炉720の下部に熱を導入するための複数のバーナー756も含む。炉720は輻射部748内で管752bを取り囲み、収容する火室754を含み、その中にバーナー756が配向される。交差部750は伝達746および輻射748部を接続するための配管を含み、炉720の1つの部分から炉内部または外部の他の部分に加熱されたクラッカー流を移し得る。
【0301】
[0295]熱い燃焼ガスが炉のスタックを通って上方へ上昇するにつれて、ガスは伝達部746を通過し得、そこで廃熱の少なくとも一部分が回収され、伝達部746を通過するクラッカー流を加熱するのに使用され得る。クラッキング炉720は単一の伝達(予熱)部および単一の輻射部を有し得るが、他の実施形態において炉は共通の伝達部を共有する2つ以上の輻射部を含んでいてもよい。スタックの近くの少なくとも1つ誘引通風(I.D.)ファン760が熱い煙道ガスの流れおよび炉720内の加熱プロフィールを制御し得、1つまたは複数の熱交換器761が炉の流出物を冷却するのに使用され得る。クラッキングされたオレフィンを含有する流出物125を冷却するために図6bに示された炉の出口の交換器761(例えば、移送ライン熱交換器またはTLE)に加えて、またはその代わりに液体クエンチ(示されていない)が使用され得る。
【0302】
[0296]1つまたは複数の実施形態では、熱分解ガスは、クラッカー炉の入口に導入されてもよく、または熱分解ガスのすべてもしくは一部分は、クラッカー施設の分離ゾーンの上流または分離ゾーン内の場所において、炉出口の下流に導入されてもよい。分離ゾーン内またはその上流に導入される場合、熱分解ガスは、圧縮の最後の段階の上流、または分離ゾーンの分留セクション内の少なくとも1つの分留カラムの入口の前で導入することができる。
【0303】
[0297]クラッカー施設70に入る前、1つまたは複数の実施形態では、熱分解施設からの未処理の熱分解ガスの流れ172は、1つまたは複数の分離ステップに供されることによって、流れから1つまたは複数の成分が除去され得る。このような成分の例として、これらに限定されないが、ハロゲン、アルデヒド、酸素化化合物、窒素含有化合物、硫黄含有化合物、二酸化炭素、水、気化金属、およびこれらの組合せを挙げることができる。1つまたは複数の実施形態では、クラッカー施設70に導入された熱分解ガス流172は、熱分解ガス流172の総重量に基づき、少なくとも0.1、少なくとも0.5、少なくとも1、少なくとも1.5、少なくとも2、少なくとも2.5、少なくとも3、少なくとも3.5、少なくとも4、少なくとも4.5、もしくは少なくとも5重量パーセントおよび/または30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、もしくは1重量パーセント以下の1つまたは複数のアルデヒド成分を含む。
【0304】
[0298]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、クラッカー施設70は単一のクラッキング炉を含んでもよく、または並行して作動される少なくとも2、または少なくとも3、または少なくとも4、少なくとも5、または少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8またはそれより多くのクラッキング炉を有することができる。いずれか1つまたは各々の炉は気体クラッカー、または液体クラッカー、または分割炉であり得る。炉は、炉を介して、または炉内の少なくとも1つのコイルを介して、または炉内の少なくとも1つの管を介して炉への全てのクラッカー供給原料の重量に対して少なくとも50wt.%、または少なくとも75wt.%、または少なくとも85wt.%、または少なくとも90wt.%のエタン、プロパン、LPG、またはこれらの組合せを含有するクラッカー供給流を受け取る気体クラッカーであることができる。
【0305】
[0299]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、クラッキング炉720は少なくとも50wt.%、または少なくとも75wt.%、または少なくとも85wt.%の、C5-C22の炭素数を有する液体(25℃、1atmで測定されたとき)の炭化水素を含有するクラッカー供給流を受け取る液体またはナフサクラッカーであることができる。
【0306】
[0300]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、クラッカー供給流119はガス炉でクラッキングされることができる。ガス炉は、伝達ゾーンの入口にあるコイルの入口で、主として蒸気相の供給物(供給物の重量の50%より多くが蒸気である)を受け取る(または受け取るように作動されるかまたは受け取るように構成される)少なくとも1つのコイル(「ガスコイル」)を有する炉である。ガスコイルは伝達部のコイルの入口に対して主としてC2~C4の供給原料、または主としてC2~C3の供給原料を受け取ることができ、またはあるいは、コイルへのクラッカー供給物の重量に対して、またはあるいは伝達ゾーンへのクラッカー供給物の重量に対して50wt.%より多くのエタンおよび/または50%より多くのプロパンおよび/または50%より多くのLPG、またはこれらの場合のいずれか1つにおいて少なくとも60wt.%、または少なくとも70wt.%、または少なくとも80wt.%を受け取る少なくとも1つのコイルを有する。
【0307】
[0301]ガス炉は1つより多くのガスコイルを有し得る。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、炉の伝達ゾーンまたは伝達箱内の少なくとも25%のコイル、または少なくとも50%のコイル、または少なくとも60%のコイル、または全てのコイルはガスコイルである。ガスコイルは伝達ゾーンの入口にあるコイルの入口で、供給物の少なくとも60wt.%、または少なくとも70wt.%、または少なくとも80wt.%、または少なくとも90wt.%、または少なくとも95wt.%、または少なくとも97wt.%、または少なくとも98wt.%、または少なくとも99wt.%、または少なくとも99.5wt.%、または少なくとも99.9wt.%が蒸気である蒸気相の供給物を受け取る。
【0308】
[0302]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、供給流は分割炉でクラッキングされることができる。分割炉はある種類のガス炉である。分割炉は同一の炉内、または同一の伝達ゾーン内、または同一の伝達箱内に少なくとも1つのガスコイルおよび少なくとも1つの液体コイルを含有する。液体コイルは、伝達ゾーンへの入口におけるコイルの入口で主として液体相の供給物(供給物の重量の50%より多くが液体である)を受け取るコイル(「液体コイル」)である。
【0309】
[0303]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、クラッカー供給流119は熱的気体クラッカーでクラッキングされることができる。
【0310】
[0304]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、クラッカー供給流119はスチームの存在下熱的スチーム気体クラッカーでクラッキングされることができる。スチームクラッキングはスチームの存在下における炭化水素の高温クラッキング(分解)を指す。存在するとき、スチームは図8bに示されるライン121を介して導入され得る。
【0311】
[0305]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、図1に示されるケミカルリサイクル施設10からの2つ以上の流れが施設10からの別の流れと組み合わせられてクラッカー供給流119を形成するとき、かかる組合せはクラッキング炉720の上流で起きても、またはクラッキング炉内で起きてもよい。あるいは、異なる供給流は別々に炉720内に導入され得、炉720の一部分、または全部を同時に通過し得、一方で同一の炉720(例えば、分割炉)内の別々の管に供給することによりお互いに単離され得る。あるいは、ケミカルリサイクル施設からの1つまたは複数の流れの少なくとも一部分はクラッカー炉の下流であるが、分離施設の機器の1つまたは複数の部分の上流の位置でクラッカー施設に導入され得る。
【0312】
[0306]加熱されたクラッカー流119は次いでクラッキング炉720を通過し、そこで炭化水素成分は熱的にクラッキングされてオレフィン、例えばエチレン、プロピレン、および/またはブタジエンを含むより軽質の炭化水素を形成する。クラッカー流の炉720内滞留時間は各々の場合に秒で少なくとも0.15、または少なくとも0.2、または少なくとも0.25、または少なくとも0.3、または少なくとも0.35、または少なくとも0.4、または少なくとも0.45、および/または各々の場合に秒で2以下、または1.75以下、または1.5以下、または1.25以下、または1以下、または0.9以下、または0.8以下、または0.75以下、または0.7以下、または0.65以下、または0.6以下、または0.5以下であることができ、または0.15~2秒、0.20~1.75秒、または0.25~1.5秒の範囲であることができる。
【0313】
[0307]炉の出口から引き出されるクラッキングされたオレフィンを含有する流出物125の温度は各々の場合に℃で少なくとも640、または少なくとも650、または少なくとも660、または少なくとも670、または少なくとも680、または少なくとも690、または少なくとも700、または少なくとも720、または少なくとも730、または少なくとも740、または少なくとも750、または少なくとも760、または少なくとも770、または少なくとも780、または少なくとも790、または少なくとも800、または少なくとも810、または少なくとも820、および/または各々の場合に℃で1000以下、または990以下、または980以下、または970以下、または960以下、または950以下、または940以下、または930以下、または920以下、または910以下、または900以下、または890以下、または880以下、または875以下、または870以下、または860以下、または850以下、または840以下、または830以下、730~900℃、750~875℃、または750~850℃の範囲であることができる。
【0314】
[0308]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、オレフィン、例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン、またはこれらの組合せの収率は各々の場合にパーセントで少なくとも15、または少なくとも20、または少なくとも25、または少なくとも30、または少なくとも35、または少なくとも40、または少なくとも45、または少なくとも50、または少なくとも55、または少なくとも60、または少なくとも65、または少なくとも70、または少なくとも75、または少なくとも80であることができる。本明細書で使用されるとき、用語「収率」は供給原料の質量から生成される生成物の質量/供給原料の質量×100%を指す。オレフィンを含有する流出物流は各々の場合に重量パーセントで流出物流の総重量に対して少なくとも30、または少なくとも40、または少なくとも50、または少なくとも60、または少なくとも70、または少なくとも75、または少なくとも80、または少なくとも85、または少なくとも90、または少なくとも95、または少なくとも97、または少なくとも99のエチレン、プロピレン、または、エチレンおよびプロピレンを含む。
【0315】
[0309]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、オレフィンを含有する流出物流125は少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、または少なくとも90重量パーセントのC2~C4オレフィンを含むことができる。流れ125はオレフィンを含有する流出物流125の総重量に対して主としてエチレン、主としてプロピレン、または主としてエチレンおよびプロピレンを含み得る。オレフィンを含有する流出物流125中のエチレン対プロピレンの重量比は少なくとも0.2:1、少なくとも0.3:1、少なくとも0.4:1、少なくとも0.5:1、少なくとも0.6:1、少なくとも0.7:1、少なくとも0.8:1、少なくとも0.9:1、少なくとも1:1、少なくとも1.1:1、少なくとも1.2:1、少なくとも1.3:1、少なくとも1.4:1、少なくとも1.5:1、少なくとも1.6:1、少なくとも1.7:1、少なくとも1.8:1、少なくとも1.9:1、または少なくとも2:1および/または3:1以下、2.9:1以下、2.8:1以下、2.7:1以下、2.5:1以下、2.3:1以下、2.2:1以下、2.1:1以下、2:1以下、1.7:1以下、1.5:1以下、または1.25:1以下であることができる。
【0316】
[0310]再び図6aを参照して、1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、クラッカー施設70に導入されるとき、熱分解ガス172はクラッカー炉720の入口に導入されてもよいし、または熱分解ガスの全てもしくは一部分はクラッカー施設70の分離ゾーン740内もしくはその上流の位置で炉出口の下流に導入されてもよい。分離ゾーン740内またはその上流に導入されるとき、熱分解ガスは圧縮の最終段階の上流に、または分離ゾーン740の精留部の少なくとも1つの精留塔の入口の前に導入されることができる。
【0317】
[0311]クラッカー施設70に入る前に、1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解施設からの未処理の熱分解ガスの流れは1つまたは複数の分離ステップを通って1つまたは複数の成分を流れから除去し得る。かかる成分の例としては、限定されることはないが、ハロゲン、アルデヒド、酸素化された化合物、窒素含有化合物、硫黄含有化合物、二酸化炭素、水、蒸発金属、およびこれらの組合せを挙げることができる。クラッカー施設70に導入される熱分解ガス流172は熱分解ガス流172の総重量に対して少なくとも0.1、少なくとも0.5、少なくとも1、少なくとも1.5、少なくとも2、少なくとも2.5、少なくとも3、少なくとも3.5、少なくとも4、少なくとも4.5、または少なくとも5および/または30以下、25以下、20以下、15以下、10以下、5以下、3以下、2以下、または1重量パーセント以下の1つまたは複数のアルデヒド成分を含む。
【0318】
[0312]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解ガス流172の総エチレン含有量は流れ172の総重量に対して少なくとも1、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも7、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、または少なくとも30重量パーセントおよび/または60以下、55以下、50以下、45以下、40以下、または35重量パーセント以下であることができる。あるいは、または加えて、熱分解ガス流172の総プロピレン含有量は流れ172の総重量に対して少なくとも1、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも7、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、または少なくとも30重量パーセントおよび/または60以下、55以下、50以下、45以下、40以下、または35重量パーセント以下であることができる。熱分解ガス流172中のエチレンとプロピレンの合わせた量は流れの総重量に対して少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、または少なくとも45重量パーセントおよび/または85以下、80以下、75以下、70以下、65以下、60以下、55以下、50以下、または45重量パーセント以下であることができる。
【0319】
[0313]クラッカー炉の出口を出る際、オレフィンを含有する流出物流125は、大量の望ましくない副生成物の生成を防ぎ下流の機器を汚すのを最小にするために急速に冷却され(例えば、クエンチされ)得る。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、炉から出るオレフィンを含有する流出物の温度はクエンチまたは冷却ステップ中500~760℃の温度まで35~485℃、35~375℃、または90~550℃ずつ低下されることができる。
【0320】
[0314]得られる冷却された流出物流は次いで蒸気-液体分離装置で分離されることができ、蒸気は例えば任意の段階間の冷却および液体除去を伴う1~5の圧縮段階を有するガス圧縮機で圧縮されることができる。第1の組の圧縮段階の出口におけるガス流の圧力は7~20ゲージバール(barg)、8.5~18barg、または9.5~14bargの範囲である。得られる圧縮された流れは次いでハロゲン、CO、CO、およびHSを含む酸性ガスの除去のために酸性ガス除去剤との接触により処理される。酸性ガス除去剤の例としては、限定されることはないが、苛性の様々な種類のアミンを挙げることができる。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、単一の接触器が使用され得るが、他の実施形態において、二重カラム吸収機-ストリッパー構成が使用されてもよい。
【0321】
[0315]圧縮され処理されたオレフィンを含有する流れは次いで、場合により段階間の冷却および液体分離を含むことがある別の圧縮機でさらに圧縮されてもよい。得られる圧縮された流れは20~50barg、25~45barg、または30~40bargの範囲の圧力を有する。例えば、分子篩またはその他の同様なプロセスを含めてあらゆる適切な水分除去方法が使用されることができる。得られる流れは次いで精留部へ送られ得、そこでオレフィンおよび他の成分が様々な高純度の生成物または中間流に分離され得る。いくつかの実施形態において、熱分解ガスの全部または一部は第2の圧縮機の1つまたは複数の段階の前および/または後に導入され得る。同様に、熱分解ガスの圧力は合わせられる流れの圧力の20以内、50以内、100以内、または150psi以内である。
【0322】
[0316]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、クエンチ部からの供給流は分離ゾーンの精留部内の少なくとも1つのカラムに導入され得る。本明細書で使用されるとき、用語「分画」は異なる沸点を有する2種以上の物質を分離する一般的なプロセスを指す。分画を利用する機器およびプロセスの例には、限定されることはないが、蒸留、精留、ストリッピング、および蒸気-液体分離(単一の段階)がある。
【0323】
[0317]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、クラッカー施設の精留部は脱メタン塔、脱エタン塔、脱プロパン塔、エチレンスプリッター、プロピレンスプリッター、脱ブタン塔、およびこれらの組合せの1つまたは複数を含み得る。本明細書で使用されるとき、用語「脱メタン塔」は低沸限界成分がメタンである塔を指す。同様に、「脱エタン塔」および「脱プロパン塔」はそれぞれエタンおよびプロパンが低沸限界成分である塔を指す。
【0324】
[0318]精留部が少なくとも1つのオレフィン生成物流および少なくとも1つのパラフィン流を提供するように塔の適切な配置が使用され得る。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、精留部は少なくとも2つのオレフィン流、例えばエチレンおよびプロピレン、ならびに少なくとも2つのパラフィン流、例えばエタンおよびプロパン、ならびに追加の流れ、例えば、メタンおよびより軽質の成分ならびにブタンおよびより重質の成分を提供することができる。
【0325】
[0319]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、精留部から引き出されるオレフィン流はオレフィン流の総重量に対して少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントおよび/または100以下、99以下、97以下、95以下、90以下、85以下、または80重量パーセント以下のオレフィンを含むことができる。オレフィンは主としてエチレンまたは主としてプロピレンであることができる。オレフィン流はオレフィン流中のオレフィンの総重量に対して少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントおよび/または99以下、97以下、95以下、90以下、85以下、80以下、75以下、70以下、または65重量パーセント以下のエチレンを含むことができる。オレフィン流はオレフィン流の総重量に対して少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、または少なくとも60重量パーセントおよび/または80以下、75以下、70以下、65以下、60以下、55以下、50以下、または45重量パーセント以下のエチレンを含み得るか、またはそれはオレフィン流の総重量に対して20~80重量パーセント、25~75重量パーセント、または30~70重量パーセントの範囲の量で存在することができる。
【0326】
[0320]あるいは、または加えて、オレフィン流はオレフィン流中のオレフィンの総重量に対して少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントおよび/または99以下、97以下、95以下、90以下、85以下、80以下、75以下、70以下、または65重量パーセント以下のプロピレンを含むことができる。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、オレフィン流はオレフィン流の総重量に対して少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、または少なくとも60重量パーセントおよび/または80以下、75以下、70以下、65以下、60以下、55以下、50以下、または45重量パーセント以下のプロピレンを含み得、または、オレフィン流の総重量に対して20~80重量パーセント、25~75重量パーセント、または30~70重量パーセントの範囲の量で存在することができる。
【0327】
[0321]圧縮された流れは精留部を通る際、脱メタン塔を通って通過し、そこでメタンおよびより軽質の(CO、CO、H)成分はエタンおよびより重質の成分から分離される。脱メタン塔は各々の場合に℃で少なくとも-145、または少なくとも-142、または少なくとも-140、または少なくとも-135、および/または-120以下、-125以下、-130以下、-135℃以下の温度で作動されることができる。脱メタン塔からの塔底流は各々の場合にエタンおよびより重質の成分の総量のパーセントで少なくとも50、または少なくとも55、または少なくとも60、または少なくとも65、または少なくとも70、または少なくとも75、または少なくとも80、または少なくとも85、または少なくとも90、または少なくとも95、または少なくとも99を含む。
【0328】
[0322]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、精留部に導入される流れの全てまたは一部分は脱エタン塔に導入されることができ、そこでC2およびそれより軽質の成分は分留によりC3およびそれより重質の成分から分離される。脱エタン塔は各々の場合に℃で少なくとも-35、または少なくとも-30、または少なくとも-25、または少なくとも-20、および/または-5以下、-10以下、-15以下、-20℃以下のオーバーヘッド温度、ならびに各々の場合にbargで少なくとも3、または少なくとも5、または少なくとも7、または少なくとも8、または少なくとも10、および/または各々の場合にbargで20以下、または18以下、または17以下、または15以下、または14以下、または13以下のオーバーヘッド圧力で作動されることができる。脱エタン塔は各々の場合にオーバーヘッド流中の塔に導入されたC2およびそれより軽質の成分の総量の少なくとも60、または少なくとも65、または少なくとも70、または少なくとも75、または少なくとも80、または少なくとも85、または少なくとも90、または少なくとも95、または少なくとも97、または少なくとも99パーセントを回収する。脱エタン塔から取り出されるオーバーヘッド流はオーバーヘッド流の総重量に対して各々の場合に少なくとも50、または少なくとも55、または少なくとも60、または少なくとも65、または少なくとも70、または少なくとも75、または少なくとも80、または少なくとも85、または少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントのエタンおよびエチレンを含む。
【0329】
[0323]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、脱エタン塔からのC2およびそれより軽質のオーバーヘッド流はさらにエタン-エチレン分留塔(エチレン分留機またはエチレンスプリッター)で分離されることができる。エタン-エチレン分留塔において、エチレンおよびそれより軽質の成分流は塔のオーバーヘッドから、または塔の上半分からの側流として引き出されることができ、一方エタンおよび残りのあらゆるより重質の成分は塔底流として取り出される。エチレン分留機は各々の場合に℃で少なくとも-45、または少なくとも-40、または少なくとも-35、または少なくとも-30、または少なくとも-25、または少なくとも-20、および/または各々の場合に℃で-15以下、または-20以下、または-25以下のオーバーヘッド温度、ならびに各々の場合にbargで少なくとも10、または少なくとも12、または少なくとも15、および/または25以下、22以下、20barg以下のオーバーヘッド圧力で作動され得る。エチレンを豊富に含む可能性があるオーバーヘッド流は流れの総重量に対して各々の場合に重量パーセントで少なくとも70、または少なくとも75、または少なくとも80、または少なくとも85、または少なくとも90、または少なくとも95、または少なくとも97、または少なくとも98、または少なくとも99のエチレンを含むことができ、さらなる処理、貯蔵、または販売のために下流の処理装置に送られ得る。
【0330】
[0324]エタン-エチレン分留機からの塔底流は各々の場合に塔底流の総重量に対して重量パーセントで少なくとも40、または少なくとも45、または少なくとも50、または少なくとも55、または少なくとも60、または少なくとも65、または少なくとも70、または少なくとも75、または少なくとも80、または少なくとも85、または少なくとも90、または少なくとも95、または少なくとも98のエタンを含み得る。回収されたエタンの全てまたは一部分は単独で、または前に論じられた熱分解油および/または熱分解ガスと組み合わせて、追加の供給原料としてクラッカー炉の入口にリサイクルされ得る。
【0331】
[0325]いくつかの実施形態において、圧縮された流れの少なくとも一部分は脱プロパン塔で分離され得、C3およびそれより軽質の成分がオーバーヘッド蒸気流として除去され、一方C4およびそれより重質の成分は液体の底部として塔を出る。脱プロパン塔は各々の場合に℃で少なくとも20、または少なくとも35、または少なくとも40、および/または70、65、60、55℃以下のオーバーヘッド温度、ならびに各々の場合にbargで少なくとも10、または少なくとも12、または少なくとも15、および/または各々の場合にbargで20以下、または17以下、または15以下のオーバーヘッド圧力で作動されることができる。脱プロパン塔は各々の場合に塔に導入されるC3およびそれより軽質の成分の総量の少なくとも60、または少なくとも65、または少なくとも70、または少なくとも75、または少なくとも80、または少なくとも85、または少なくとも90、または少なくとも95、または少なくとも97、または少なくとも99パーセントをオーバーヘッド流中に回収する。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、脱プロパン塔から取り出されるオーバーヘッド流は各々の場合にオーバーヘッド流の総重量に対して少なくともまたは少なくとも50、または少なくとも55、または少なくとも60、または少なくとも65、または少なくとも70、または少なくとも75、または少なくとも80、または少なくとも85、または少なくとも90、または少なくとも95、または少なくとも98重量パーセントのプロパンおよびプロピレンを含む。
【0332】
[0326]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、脱プロパン塔からのオーバーヘッド流はプロパン-プロピレン分留機(プロピレン分留機またはプロピレンスプリッター)に導入され得、そこでプロピレンおよびそれより軽質のあらゆる成分はオーバーヘッド流中に取り出され、プロパンおよびそれより重質のあらゆる成分は塔底流として塔を出る。プロピレン分留機は各々の場合に℃で少なくとも20、または少なくとも25、または少なくとも30、または少なくとも35、および/または55以下、50以下、45以下、40℃以下のオーバーヘッド温度、ならびに各々の場合にbargで少なくとも12、または少なくとも15、または少なくとも17、または少なくとも20、および/または各々の場合にbargで20以下、または17以下、または15以下、または12以下のオーバーヘッド圧力で作動され得る。プロピレンを豊富に含むオーバーヘッド流は各々の場合に流れの総重量に対して少なくとも70、または少なくとも75、または少なくとも80、または少なくとも85、または少なくとも90、または少なくとも95、または少なくとも97、または少なくとも98、または少なくとも99重量パーセントのプロピレンを含むことができ、さらなる処理、貯蔵、または販売のために下流の処理装置に送られ得る。
【0333】
[0327]プロパン-プロピレン分留機からの塔底流は各々の場合に塔底流の総重量に対して少なくとも40、または少なくとも45、または少なくとも50、または少なくとも55、または少なくとも60、または少なくとも65、または少なくとも70、または少なくとも75、または少なくとも80、または少なくとも85、または少なくとも90、または少なくとも95、または少なくとも98重量パーセントのプロパンを含み得る。回収されたプロパンの全てまたは一部分は単独で、または前に論じられた熱分解油および/または熱分解ガスと組み合わせて追加の供給原料としてクラッカー炉にリサイクルされ得る。
【0334】
[0328]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、圧縮された流れの少なくとも一部分はブテン、ブタンおよびブタジエンを含むC4およびそれより軽質の成分をC5およびそれより重質の(C5+)成分から分離する脱ブタン塔に送られ得る。脱ブタン塔は各々の場合に℃で少なくとも20、または少なくとも25、または少なくとも30、または少なくとも35、または少なくとも40、および/または各々の場合に℃で60以下、または65以下、または60以下、または55以下、または50以下のオーバーヘッド温度ならびに各々の場合にbargで少なくとも2、または少なくとも3、または少なくとも4、または少なくとも5、および/または各々の場合にbargで8以下、または6以下、または4以下、または2以下のオーバーヘッド圧力で作動されることができる。脱ブタン塔は各々の場合に塔に導入されたC4およびそれより軽質の成分の総量の少なくとも60、または少なくとも65、または少なくとも70、または少なくとも75、または少なくとも80、または少なくとも85、または少なくとも90、または少なくとも95、または少なくとも97、または少なくとも99パーセントをオーバーヘッド流中に回収する。
【0335】
[0329]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、脱ブタン塔から取り出されるオーバーヘッド流は各々の場合にオーバーヘッド流の総重量に対して少なくとも30、または少なくとも35、または少なくとも40、または少なくとも45、または少なくとも50、または少なくとも55、または少なくとも60、または少なくとも65、または少なくとも70、または少なくとも75、または少なくとも80、または少なくとも85、または少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントのブタジエンを含む。脱ブタン塔からの塔底流は主としてC5およびそれより重質の成分を流れの総重量に対して少なくとも50、または少なくとも60、または少なくとも70、または少なくとも80、または少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントの量で含む。脱ブタン塔の塔底流はさらなる分離、処理、貯蔵、販売または使用のために送られ得る。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、脱ブタン塔からのオーバーヘッド流、すなわちC4はより濃縮されたブタジエンの流れを回収するためにいずれかの慣用の分離方法、例えば抽出または蒸留プロセスに供されることができる。
【0336】
[0330]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、上記流れの1つまたは複数の少なくとも一部分は図1aおよび1bに示される施設の1つまたは複数に導入され得るが、他の実施形態において、クラッキング施設の分離ゾーンから引き出された流れの全部または一部分がさらなる分離および/または貯蔵、輸送、販売、および/または使用に送られてもよい。
【0337】
部分的酸化(POX)ガス化
[0331]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、ケミカルリサイクル施設はまた部分的酸化(POX)ガス化施設も含み得る。本明細書で使用されるとき、用語「部分的酸化」は炭素を含有する供給物の合成ガス(一酸化炭素、水素、および二酸化炭素)への高温変換を意味し、ここで変換は準化学量論的な量の酸素の存在下で行われる。変換は炭化水素を含有する供給物の変換であることができ、供給物の完全な酸化、すなわち、全ての炭素が二酸化炭素に酸化され全ての水素が水に酸化されるのに必要とされる化学量論量の酸素より少ない量の酸素を用いて行われることができる。部分的酸化(POX)ガス化装置内で起こる反応は炭素を含有する供給物の合成ガスへの変換を含み、その具体的な例には、限定されることはないが部分的酸化、水性ガスシフト、水性ガス-一次反応、Boudouard、酸化、メタネーション、水素改質、水蒸気改質、および二酸化炭素改質がある。POXガス化への供給物は固体、液体、および/または気体を含むことができる。「部分的酸化施設」または「POXガス化施設」は、廃棄プラスチックおよびそれに由来する供給原料のPOXガス化を実施するのに必要な全ての機器、ライン、および制御装置を含む施設である。
【0338】
[0332]POXガス化施設において、供給流は準化学量論的な量の酸素の存在下で合成ガスに変換され得る。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、POXガス化施設への供給流はPOを豊富に含む廃棄プラスチック、少なくとも1つの加溶媒分解共生成物流、熱分解流(熱分解ガス、熱分解油、および/または熱分解残渣を含む)、ならびにクラッキング施設からの少なくとも1つの流れの1つまたは複数を含み得る。これらの流れの1つまたは複数が連続的にPOXガス化施設に導入されてもよいし、またはこれらの流れの1つまたは複数が間欠的に導入されてもよい。多数の種類の供給流が存在するとき、各々が別々に導入されてもよいし、または全てもしくは一部の流れが合わせられて合わせられた流れがPOXガス化施設に導入されてもよい。合わせるとき、それは連続的またはバッチ式に起こり得る。供給流はガス、液体もしくは液化されたプラスチック、固体(通常細かく砕かれる)、またはスラリーの形態であることができる。
【0339】
[0333]POXガス化施設は少なくとも1つのPOXガス化反応装置を含む。例示的なPOXガス化反応装置52は図7に示される。POXガス化装置はガス供給、液体供給、または固体供給反応装置(またはガス化装置)を含み得る。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、POXガス化施設は液体供給POXガス化を行い得る。本明細書で使用されるとき、「液体供給POXガス化」は、プロセスへの供給物が主として(重量で)25℃および1atmで液体である成分を含むPOXガス化プロセスを指す。加えて、またはあるいは、POXガス化装置はガス供給POXガス化を行い得る。本明細書で使用されるとき、「ガス供給POXガス化」は、プロセスへの供給物が主として(重量で)25℃および1atmで気体である成分を含むPOXガス化プロセスを指す。
【0340】
[0334]加えて、またはあるいは、POXガス化装置は固体供給POXガス化を実施し得る。本明細書で使用されるとき、「固体供給POXガス化」は、プロセスへの供給物が主として(重量で)25℃および1atmで固体である成分を含むPOXガス化プロセスを指す。
【0341】
[0335]ガス供給、液体供給、および固体供給POXガス化プロセスは25℃および1atmで異なる相を有するより少ない量の他の成分が共に供給されることができる。このように、ガス供給POXガス化装置は液体および/または固体が共に供給されることができるが、それは気相POXガス化装置に供給されるガスの量より少ない(重量で)量のみであり;液体供給POXガス化装置はガスおよび/または固体が共に供給されることができるが、それは液体供給POXガス化装置に供給される液体の量未満の(重量で)量のみであり;固体供給POXガス化装置はガスおよび/または液体が共に供給されることができるが、それは固体供給POXガス化装置に供給される固体の量未満の(重量で)量である。
【0342】
[0336]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、ガス供給POXガス化装置への合計の供給物は少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントの25℃および1atmで気体である成分を含むことができ;液体供給POXガス化装置への合計の供給物は少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントの、25℃および1atmで液体である成分を含むことができ;固体供給POXガス化装置への合計の供給物は少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントの、25℃および1atmで固体である成分を含むことができる。
【0343】
[0337]図7に一般的に示されるように、ガス化供給物流116は酸化剤流180と共にガス化反応装置に導入され得る。供給原料流116および酸化剤流180は注入器アセンブリを介して例えば、通例少なくとも500、少なくとも600、少なくとも800、または少なくとも1,000psig(または少なくとも35、少なくとも40、少なくとも55、または少なくとも70barg)の圧力を有する加圧されたガス化ゾーンに噴霧され得る。
【0344】
[0338]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、流れ180中の酸化剤は空気、酸素富化空気、または分子状酸素(O2)を含むことができる酸化性のガスを含む。酸化剤はガス化反応装置52の反応(燃焼)ゾーンに注入される酸化剤流180中の全ての成分の合計モルに対して少なくとも25、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも95、少なくとも97、少なくとも99、または少なくとも99.5モルパーセントの分子状酸素を含むことができる。反応ゾーンに供給される酸素の個々の量は、供給流に対する量、および仕込まれた供給物の量、プロセス条件ならびに反応装置デザインを考慮して、供給流116中の成分と比べてガス化反応で得られる一酸化炭素および水素の最高またはその付近の収率を得るのに充分であることができる。
【0345】
[0339]酸化剤は、空気、酸素を豊富に含む空気、および分子状酸素に加えて、またはその代わりに他の酸化性のガスまたは液体を含むことができる。酸化剤として使用するのに適したかかる酸化性の液体の例は水(これは液体またはスチームとして加えられることができる)およびアンモニアを含む。酸化剤として使用するのに適したかかる酸化性のガスの例は一酸化炭素、二酸化炭素、および二酸化硫黄を含む。
【0346】
[0340]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、霧化増強性流体が供給原料および酸化剤と共にガス化ゾーンに供給される。本明細書で使用されるとき、用語「霧化増強性流体」は粘度を低減して分散エネルギーを低下させるか、または分散を補助するのに利用可能なエネルギーを増大するように作用可能な液体または気体を指す。霧化増強性流体は供給原料がガス化ゾーンに供給される前にプラスチックを含有する供給原料と混合されてもよいし、または別途ガス化ゾーン、例えばガス化反応装置と合体した注入アセンブリに加えられてもよい。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、霧化増強性流体は水および/またはスチームである。しかしながら、1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、スチームおよび/または水はガス化ゾーンに供給されない。
【0347】
[0341]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、二酸化炭素または窒素を豊富に含むガス流(例えば、空気中に見られるモル量より多い、または少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、または少なくとも40モルパーセント)がガス化装置に仕込まれる。これらのガスは供給原料をガス化ゾーンに推進するキャリヤーガスとして役に立ち得る。ガス化ゾーン内の圧力のために、これらのキャリヤーガスは圧縮されてガス化ゾーンに導入するための原動力を提供し得る。このガス流は組成的に霧化増強性流体と同一でも異なってもよい。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、この気体流はまた微粒化を促進する流体としても機能する。
【0348】
[0342]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、水素(H2)を豊富に含むガス流(例えば、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、または少なくとも90モルパーセント)がガス化装置に仕込まれる。水素は、得られる合成ガスの組成を制御するように部分的酸化反応に作用するために加えられ得る。
【0349】
[0343]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、0.01より多くまたは0.02モルパーセントより多くの二酸化炭素を含有するガス流はガス化装置またはガス化ゾーンに仕込まれない。あるいは、77より多く、70より多く、50より多く、30より多く、10より多く、5より多く、または3モルパーセントより多くの窒素を含有するガス流はガス化装置またはガス化ゾーンに仕込まれない。また、0.1より多い、0.5より多い、1より多い、または5モルパーセントより多い水素の気体の水素流はガス化装置またはガス化ゾーンに仕込まれない。さらに、0.1より多く、0.5より多く、1より多く、または5モルパーセントより多くのメタンを含有するメタンガスの流れはガス化装置またはガス化ゾーンに仕込まれない。一定の実施形態において、ガス化ゾーンに導入される唯一の気体流は酸化剤である。
【0350】
[0344]ガス化プロセスは前に記載された部分的酸化(POX)ガス化反応であることができる。一般に、水素および一酸化炭素の生成を増強するために、酸化プロセスはガス化供給原料の完全ではなく部分的な酸化を含み、したがって、炭素および水素の結合の100パーセントを完全に酸化するのに必要とされる量に対して酸素に乏しい雰囲気で作動され得る。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、ガス化装置に対する全酸素必要条件はガス化供給原料の炭素含有量を一酸化炭素に変換するのに理論的に必要とされる量より少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、または少なくとも20パーセント過剰であり得る。一般に、満足な作動は理論的な必要条件より10~80パーセント過剰の全酸素供給で得られ得る。例えば、炭素1ポンド当たりの酸素の適切な量の例は炭素1ポンド(453.592g)当たり0.4~3.0、0.6~2.5、0.9~2.5、または1.2~2.5ポンドの遊離酸素の範囲であり得る。
【0351】
[0345]供給原料流と酸化剤の混合はそれらが反応ゾーン内で相互に作用するように供給原料および酸化剤の別々の流れを導入することによりもっぱら反応ゾーン内で達成され得る。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、酸化剤流は火炎伝播の速度を超えると共に供給原料流との混合を改善するように高速度でガス化装置の反応ゾーンに導入される。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、酸化剤は25~500、50~400、または100~400フィート(30.48cm)/秒の範囲でガス化ゾーンに注入され得る。これらの値は注入器-ガス化ゾーン界面における気体の酸化剤流の速度、または注入器先端速度であろう。供給原料流と酸化剤の混合はまた反応ゾーンの外でも達成され得る。例えば、1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、供給原料、酸化剤、および/または霧化増強性流体はガス化ゾーンの上流の導管内またはガス化反応装置と合体した注入アセンブリ内で合わせられることができる。
【0352】
[0346]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、ガス化供給原料流、酸化剤、および/または霧化増強性流体は場合により少なくとも200℃、少なくとも300℃、または少なくとも400℃の温度に予熱されることができる。しかしながら、使用されるガス化プロセスは供給原料を効率よくガス化するために供給原料流を予熱する必要はなく、予熱処理ステップはプロセスのエネルギー効率を低下させ得る。
【0353】
[0347]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、使用されるガス化技術のタイプは合成ガスを生成する部分的酸化同伴流動ガス化装置であり得る。この技術は固定床(あるいは移動床と呼ばれる)ガス化装置および流動床ガス化装置とは異なる。使用され得る例示的なガス化装置は米国特許第3,544,291号に示されており、その開示全体は参照により本開示と矛盾しない程度に本明細書に取り込まれる。しかしながら、1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、他のタイプのガス化反応装置も本技術の範囲内で使用され得る。
【0354】
[0348]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、ガス化装置/ガス化反応装置は非触媒性であることができ、これはそのガス化装置/ガス化反応装置が触媒床を含有しないで、ガス化プロセスが非触媒性であることを意味し、すなわち触媒が別個の非結合触媒としてガス化ゾーンに導入されないことを意味する。また、1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、ガス化プロセスはスラッギングガス化プロセスではない;すなわち、ガス化ゾーンで溶融スラグが形成され、耐火壁に沿って流れ落ちるようなスラッギング条件(灰分の溶融温度を有に上回る)下で作動される。
【0355】
[0349]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、ガス化装置/ガス化反応装置内のガス化ゾーン、および場合により全ての反応ゾーンは少なくとも1000℃、少なくとも1100℃、少なくとも1200℃、少なくとも1250℃、または少なくとも1300℃および/または2500℃以下、2000℃以下、1800℃以下、または1600℃以下の温度で作動され得る。反応温度は自己生成的であり得る。有利なことに、定常状態モードで作動するガス化装置は自己生成温度であり得、ガス化ゾーンを加熱するために外部のエネルギー源の適用を必要としない。
【0356】
[0350]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、ガス化装置は主としてガス供給のガス化装置である。
[0351]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、ガス化装置は非スラッギングガス化装置であるか、またはスラグを形成しない条件下で作動される。
【0357】
[0352]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、ガス化装置は作動中負圧ではないが、作動中正圧下であることができる。
【0358】
[0353]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、ガス化装置は少なくとも200psig(1.38MPa)、300psig(2.06MPa)、350psig(2.41MPa)、400psig(2.76MPa)、420psig(2.89MPa)、450psig(3.10MPa)、475psig(3.27MPa)、500psig(3.44MPa)、550psig(3.79MPa)、600psig(4.13MPa)、650psig(4.48MPa)、700psig(4.82MPa)、750psig(5.17MPa)、800psig(5.51MPa)、900psig(6.2MPa)、1000psig(6.89MPa)、1100psig(7.58MPa)、または1200psig(8.2MPa)のガス化ゾーン(または燃焼室)内圧力で作動され得る。加えてまたはあるいは、ガス化装置は1300psig(8.96MPa)以下、1250psig(8.61MPa)、1200psig(8.27MPa)、1150psig(7.92MPa)、1100psig(7.58MPa)、1050psig(7.23MPa)、1000psig(6.89MPa)、900psig(6.2MPa)、800psig(5.51MPa)、または750psig(5.17MPa)のガス化ゾーン(または燃焼室)内圧力で作動され得る。
【0359】
[0354]適切な圧力範囲の例は300~1000psig(2.06~6.89MPa)、300~750psig(2.06~5.17MPa)、350~1000psig(2.41~6.89MPa)、350~750psig(2.06~5.17MPa)、400~1000psig(2.67~6.89MPa)、420~900psig(2.89~6.2MPa)、450~900psig(3.10~6.2MPa)、475~900psig(3.27~6.2MPa)、500~900psig(3.44~6.2MPa)、550~900psig(3.79~6.2MPa)、600~900psig(4.13~6.2MPa)、650~900psig(4.48~6.2MPa)、400~800psig(2.67~5.51MPa)、420~800psig(2.89~5.51MPa)、450~800psig(3.10~5.51MPa)、475~800psig(3.27~5.51MPa)、500~800psig(3.44~5.51MPa)、550~800psig(3.79~5.51MPa)、600~800psig(4.13~5.51MPa)、650~800psig(4.48~5.51MPa)、400~750psig(2.67~5.17MPa)、420~750psig(2.89~5.17MPa)、450~750psig(3.10~5.17MPa)、475~750psig(3.27~5.17MPa)、500~750psig(3.44~5.17MPa)、または550~750psig(3.79~5.17MPa)を含む。
【0360】
[0355]一般に、ガス化装置反応装置内のガスの平均滞留時間はスループットを増大するために非常に短いことができる。ガス化装置は高い温度および圧力で作動され得るので、供給原料のガスへの実質的に完全な変換が非常に短い時間で起こることができる。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、ガス化装置内のガスの平均滞留時間は30以下、25以下、20以下、15以下、10以下、または7秒以下であることができる。
【0361】
[0356]ガス化装置の下流の機器、および間の配管の汚れを回避するために、得られる未処理の合成ガス流127は低いまたはゼロのタール含有量を有し得る。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、ガス化装置から排出される合成ガス流は合成ガス流中の全ての凝縮できる固体の重量に対して4以下、3以下、2以下、1以下、0.5以下、0.2以下、0.1以下、または0.01重量パーセント以下のタールを含み得る。測定のために、凝縮できる固体は15℃の温度および1atmで凝縮する化合物および元素である。タール生成物の例はナフタレン、クレゾール、キシレノール、アントラセン、フェナントレン、フェノール、ベンゼン、トルエン、ピリジン、カテコール、ビフェニル、ベンゾフラン、ベンズアルデヒド、アセナフチレン、フルオレン、ナフトフラン、ベンズアントラセン、ピレン、アセフェナントリレン、ベンゾピレンおよび他の高分子量芳香族多核化合物を含む。タール含有量はGC-MSDにより決定されることができる。
【0362】
[0357]一般に、ガス化容器から排出される未処理の合成ガス流127は水素、一酸化炭素、および二酸化炭素のようなガスを含み、燃料源および反応条件に応じてメタン、硫化水素、および窒素のような他のガスを含むことができる。
【0363】
[0358]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、未処理の合成ガス流127(ガス化装置から排出される流れで、スクラビング、シフト、または酸性ガス除去によるさらなる処理の前)は乾燥基準で未処理の合成ガス流127中の全てのガス(25℃および1atmで気体状態の元素または化合物)のモルに対するモルパーセントで以下の組成を有することができる:
・乾燥体積基準で、32~50パーセント、または少なくとも33、少なくとも34、または少なくとも35および/または50以下、45以下、41以下、40以下、または39パーセント以下の範囲、または33~50パーセント、34~45パーセント、または35~41パーセントの範囲であることができる水素含有量;
・乾燥基準で、流れの総重量に対して少なくとも40、少なくとも41、少なくとも42、または少なくとも43および/または55以下、54以下、53以下、または52重量パーセント以下、または流れの総重量に対して40~55重量パーセント、41~54重量パーセント、または42~53重量パーセントの範囲の一酸化炭素含有量;
・乾燥基準で、少なくとも1%、少なくとも1.5%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、または少なくとも7体積%および/または25%以下、20%以下、15%以下、12%以下、11%以下、10%以下、9%以下、8%以下、または7体積%以下の二酸化炭素含有量;
・乾燥基準で5000以下、2500以下、2000以下、または1000体積ppm以下のメタンのメタン含有量;
・1000以下、100以下、10以下、または1重量ppm(ppmw)以下の硫黄含有量;
・少なくとも1000、または少なくとも5000ppmおよび/または50,000以下、20,000以下、または15,000ppmw以下のすす含有量;
・1000以下、500以下、200以下、100以下、または50ppmw以下のハロゲン化物含有量;
・0.01以下、0.005以下、または0.001ppmw以下の水銀含有量;
・0.1ppm以下、0.05以下、または0.01ppmw以下のアルシン含有量;
・10,000以下、3000以下、1000以下、または100ppmw以下の窒素の窒素含有量;
・少なくとも10ppmw、少なくとも20ppmw、少なくとも30ppmw、少なくとも40ppmw、または少なくとも50ppmw、および/または200ppmw以下、180ppmw以下、160ppmw以下、150ppmw以下、または130ppmw以下のアンチモン含有量;および/または
・少なくとも10ppmw、少なくとも25ppmw、少なくとも50ppmw、少なくとも100ppmw、少なくとも250ppmw、少なくとも500ppmw、または少なくとも1000ppmw、および/または40,000ppmw以下、30,000ppmw以下、20,000ppmw以下、15,000ppmw以下、10,000ppmw以下、7500ppmw以下、または5000ppmw以下のチタン含有量。
【0364】
[0359]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、合成ガスは0.7~2、0.7~1.5、0.8~1.2、0.85~1.1、または0.9~1.05の水素/一酸化炭素モル比を含む。
【0365】
[0360]ガス成分はフレームイオン化検出器ガスクロマトグラフィー(FID-GC)および熱伝導度検出器ガスクロマトグラフィー(TCD-GC)またはその他ガス流の成分の分析用に認められたいずれかの方法により決定されることができる。
【0366】
[0361]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、リサイクル成分合成ガスは合成ガス流の総重量に対して少なくとも1、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、または少なくとも99重量パーセントのリサイクル成分を有することができる。
【0367】
エネルギー回収
[0362]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、ケミカルリサイクル施設はまたエネルギー回収施設も含み得る。本明細書で使用されるとき、「エネルギー回収施設」は、供給原料の化学的変換(例えば、燃焼)によって供給原料からエネルギー(すなわち、熱エネルギー)を生成する施設である。燃焼から生成される全エネルギーの少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、または少なくとも35パーセントが回収され、1つまたは複数の他のプロセスおよび/または施設で使用されることができる。
【0368】
[0363]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、エネルギー回収施設80(図1)に導入される供給流はPOを豊富に含む廃棄プラスチックの少なくとも一部分、少なくとも1つの加溶媒分解共生成物流、熱分解ガス、熱分解油、および熱分解残渣の1つまたは複数の少なくとも一部分、および/またはケミカルリサイクル施設内からの1つまたは複数の他の流れの1つまたは複数を含み得る。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、これらの流れの1つまたは複数が連続的にエネルギー回収施設に導入されてもよいし、またはこれらの流れの1つまたは複数が間欠的に導入されてもよい。多数の種類の供給流が存在するとき、各々が別々に導入されてもよいし、または流れの全部または一部分が合わせられて合わせられた流れがエネルギー回収施設に導入されてもよい。合わせるとき、組合せは連続またはバッチ式に起こり得る。供給流は固体、溶融物、主として液体の流れ、スラリー、主として気体の流れ、またはこれらの組合せを含み得る。
【0369】
[0364]あらゆるタイプのエネルギー回収施設が使用され得る。いくつかの実施形態において、エネルギー回収施設は少なくとも1つの炉または焼却炉を含み得る。焼却炉はガス供給、液体供給、または固体供給であり得るか、またはガス、液体、または固体を容認するように構成され得る。焼却炉または炉は供給流中の炭化水素成分の少なくとも一部分を酸化剤で熱的に燃焼させるように構成され得る。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、酸化剤は酸化剤の合計モルに対して少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、または少なくとも25および/または95以下、90以下、80以下、70以下、65以下、60以下、55以下、50以下、45以下、40以下、35以下、30以下、または25モルパーセント以下の酸素を含む。酸化剤の他の成分は、例えば、窒素、または二酸化炭素を含むことができる。他の実施形態において、酸化剤は空気を含む。
【0370】
[0365]エネルギー回収施設において、そこに導入された供給物の少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントは燃焼させられてエネルギーおよび燃焼ガス、例えば水、一酸化炭素、二酸化炭素、およびこれらの組合せを形成することができる。いくつかの実施形態において、供給物の少なくとも一部分は、硫黄および/または窒素含有化合物のような化合物を除去し、燃焼ガス中の窒素および硫黄の酸化物の量を最小にするように処理され得る。
【0371】
[0366]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、生成されたエネルギーの少なくとも一部分は直接または間接的にプロセス流を加熱するために使用され得る。例えば、エネルギーの少なくとも一部分は水を加熱してスチームを形成するか、またはスチームを加熱し過熱されたスチームを形成するために使用され得る。生成されたエネルギーの少なくとも一部分は、温められたとき1つまたは複数のプロセス流に熱を伝達するために使用され得る(例えば、THERMINOL(登録商標)のような)熱伝達媒体の流れを加熱するために使用され得る。エネルギーの少なくとも一部分はプロセス流を直接加熱するために使用され得る。
【0372】
[0367]いくつかの実施形態において、エネルギー回収施設からのエネルギーの少なくとも一部分で加熱されるプロセス流は、例えば、加溶媒分解施設、熱分解施設、クラッカー施設、POXガス化施設、固化施設の少なくとも1つを含む本明細書で述べられた施設の1つまたは複数からのプロセス流であり得る。エネルギー回収施設80は別の地理的地域またはその自身の別の施設にあり得るが、1つまたは複数の他の実施形態において、エネルギー回収施設80の少なくとも一部分が他の施設の1つの中またはその近くに位置付けられてもよい。例えば、図1aおよび1bに示されるケミカルリサイクル施設10内のエネルギー回収施設80は加溶媒分解施設内のエネルギー回収炉およびPOXガス化施設内の別のエネルギー回収炉を含み得る。
他の処理施設
[0368]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、全体が図1aおよび1bに示される化学的処理施設10は少なくとも1つの他の種類の下流のケミカルリサイクル施設および/またはケミカルリサイクル生成物または共生成物流の1つまたは複数を処理するための1つまたは複数の他のシステムまたは施設を含み得る。適切な種類の他の施設の例は、限定されることはないが、固化施設および生成物分離施設を含むことができる。加えて、1つまたは複数の流れの少なくとも一部分はエンドユーザーまたは顧客に輸送または販売され得るか、および/または1つまたは複数の流れの少なくとも一部分は埋立地またはその他の産業廃棄物処分場に送られ得る。
【0373】
固化施設
[0369]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、ケミカルリサイクル施設10はまた固化施設も含み得る。本明細書で使用されるとき、用語「固化」は物理的手段(例えば、冷却)および/または化学的手段(例えば、沈殿)によって非固体材料を固体材料にすることを意味する。「固化施設」は、廃棄プラスチックに由来する供給原料の固化を実施するのに必要な全ての機器、ライン、および制御装置を含む施設である。
【0374】
[0370]固化施設に導入される供給流はケミカルリサイクル施設10内の1つまたは複数の位置に由来し得る。例えば、固化施設への供給流は1つまたは複数の加溶媒分解共生成物流、熱分解油(パイオイル)および/または熱分解残渣を含む熱分解施設からの流れ、1つまたは複数の施設からの主として液体の流れ、およびこれらの組合せの少なくとも1つを含み得る。熱分解油および熱分解残渣の定義は本明細書に提供される。これらの流れの1つまたは複数が固化施設に連続的に導入されてもよいし、またはこれらの流れの1もしくはそれ以上が間欠的に導入されてもよい。多数の種類の供給流が存在するとき、各々が別々に導入されてもよいし、または流れの全てもしくは一部分が合わせられて合わせられた流れが固化施設に導入されてもよい。合わせるとき、組合せは連続的またはバッチ式に起き得る。
【0375】
[0371]固化施設は供給流を冷却し少なくとも部分的に固化するための冷却ゾーンを、続いて任意的なサイズ減少ゾーンを含み得る。冷却ゾーンを去る際、流れの全てまたは一部分は固化された材料であり得る。場合によって、固化された材料はシート、ブロック、もしくは大きい塊の形態であることができるか、またはフレーク、タブレット、トローチ、粒子、ペレット、マイクロペレット、もしくは粉末の形態であり得る。供給流が一部のみ固化されるとき、冷却ゾーンから引き出される流れは固体および液体相の両方を含み得る。固体相の少なくとも一部分は除去され得、液体相の全てもしくは一部分は固化施設から引き出され、場合によりケミカルリサイクル施設内の(例えば、加溶媒分解施設のような)別の施設に導入され得る。
【0376】
[0372]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、固化施設はまた固体材料のサイズを減少させ複数の粒子を形成するためのサイズ減少ゾーンも含み得る。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、サイズ減少は固化された材料のより大きい破片または大きい塊を細かく砕き、破砕し、破壊し、または粉砕/造粒して粒子を形成することを含み得る。他の実施形態において、固化施設への供給流の少なくとも一部分は慣用のペレット化デバイスによりペレット化される前に少なくとも部分的に冷却されてもよい。粒子がどのように形成されるかに関わりなく、得られる固体は少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも250、少なくとも350、少なくとも450、少なくとも500、少なくとも750ミクロン、または少なくとも0.5、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも5、または少なくとも10mmおよび/または50以下、45以下、40以下、30以下、35以下、30以下、25以下、20以下、15以下、10以下、5以下、2以下、1mm以下または750以下、500以下、250以下、または200ミクロン以下のD90粒径を有することができる。固体は粉末を含み得る。固体は任意の形状のペレットを含み得る。固体は固体の総重量に対して少なくとも1、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントのリサイクル成分を有することができる。
【0377】
[0373]固化施設から引き出された固体は熱分解施設、エネルギー回収施設、および/またはPOXガス化施設の1つまたは複数(または2若しくはそれ以上)に送られ得る。固体は固体の形態であることができ、または輸送の前もしくは輸送中に溶融もしくはその他少なくとも部分的に液化されてもよい。いくつかの実施形態において、固体は液体と合わせられてスラリーを形成してもよく、スラリーは本明細書に記載される1つまたは複数のケミカルリサイクル施設に導入され得る。適切な液体の例は、限定されることはないが、水、アルコール、およびこれらの組合せを含むことができる。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、固体の少なくとも一部分は加熱されて固体を少なくとも部分的に溶融または液化することができ、得られる溶融物は上に記載された施設の1つまたは複数に導入されることができる。場合により、固体の少なくとも一部分は産業廃棄物埋立地(示されていない)に送られてもよい。
【0378】
生成物分離施設
[0374]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、図1に示されるケミカルリサイクル施設10内の流れの少なくとも一部分は生成物分離施設(図1に数字90で示される)で分離されてさらなる販売および/または使用に適した生成物流を形成し得る。例えば、1つまたは複数の加溶媒分解共生成物流の少なくとも一部分は分離ゾーンでさらに処理されて1つまたは複数の精製されたまたは洗練された生成物流を形成し得る。分離ゾーンで使用される適切なプロセスの例は、限定されることはないが、蒸留、抽出、デカンテーション、ストリッピング、精留、およびこれらの組合せを含むことができる。生成物分離ゾーンの洗練された流れは洗練された生成物流の総重量に対して少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントの所望の1以上の成分を含むことができる。所望の成分の例はある種のアルコールまたはグリコール(例えば、エチレングリコール、メタノール)、アルカン(例えば、エタン、プロパン、およびブタンならびにより高級のもの)、およびオレフィン(例えば、プロピレン、エチレン、および組合せ)を含むことができる。
【0379】
[0375]図1bに示されている通り、1つまたは複数の実施形態では、加溶媒分解施設からの軽質有機共生成物の流れの少なくとも一部分は、流れを2つまたはそれよりも多くの成分へと分離するための分離施設への経路を取ることもできる。例えば、一部の実施形態では、流れは軽質グリコール流と重質グリコール流とに分離されてもよく、軽質グリコール流は主要な溶媒または主要なグリコールの沸点より低い沸点を有し、重質グリコール流は、主要な溶媒または主要なグリコールの沸点より大きい沸点を有する。
【0380】
[0376]1つまたは複数の実施形態では、重質グリコール流はまた、ケミカルリサイクル施設に供給される廃棄プラスチック内にもともと存在する1種または複数の修飾用グリコールを含むこともできる。例として、これらに限定されないが、ジエチレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール、およびこれらの組合せを含めた以前に記述されているグリコールのいずれかが挙げられる。一部の実施形態では、軽質および/または重質グリコール流はまた、これらに限定されないが、イソフタル酸および/または1,4-シクロヘキサンジカルボン酸を含めた、1種または複数の修飾用カルボキシル化合物を含むことができる。
【0381】
[0377]MPWについて表された重量百分率は、第1段階の分離に供給され、塩または苛性溶液のような希釈剤/溶液の添加前のMPWの重量である。
[0378]数値的配列が示された場合、各数は最初の数または最後の数として同じように修飾され、「または」の関係にある、すなわち各数は場合によって「少なくとも」または「まで」または「以下」であることを理解されたい。例えば、「少なくとも10重量%、20、30、40、50、75…」とは、「少なくとも10重量%、または少なくとも20重量%、または少なくとも30重量%、または少なくとも40重量%、または少なくとも50重量%、または少なくとも75重量%などと同じことを意味する。
【0382】
[0379]すべての濃度または量は、特に述べられていない限り重量による。
【0383】
定義
[0380]以下は定義された用語の独占的なリストであることを意図するわけではないことを理解されたい。例えば、文脈で定義された用語の使用に付随する場合など、その他の定義が前述の説明において提供されることもある。
【0384】
[0381]本明細書で使用される場合、「a」、「an」および「the」という用語は1つまたは複数を意味する。
[0382]本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、2つまたはそれよりも多く項目のリストで使用された場合、列挙された項目のいずれか1つは、それ自体で利用されてもよいし、または列挙された項目の2つまたはそれよりも多くの任意の組合せが利用されてもよいことを意味する。例えば、組成物が成分A、B、および/またはCを含有すると記載されている場合、組成物は、Aを単独で;Bを単独で;Cを単独で;AとBを組み合わせて;AとCを組み合わせて、BとCを組み合わせて;またはAと、Bと、Cとを組み合わせて含有することができる。
【0385】
[0383]本明細書で使用される場合、「少なくとも一部分」という句は、全部の量または期間の少なくとも一部分、および全部の量または期間まで、および全部の量または期間を含むことを含む。
【0386】
[0384]本明細書で使用される場合、用語「苛性剤」とは、病原菌を死滅させるため、および/または臭気を減少させるために、技術において洗浄剤として使用することができる任意の塩基性溶液(例えば、強塩基、濃縮した弱塩基など)を指す。
【0387】
[0385]本明細書で使用される場合、「遠心性密度分離」という用語は、材料の分離が遠心力により主に引き起こされる密度分離方法を指す。
[0386]本明細書で使用される場合、「ケミカルリサイクル」という用語は、廃棄プラスチックポリマーを、それら自体有用であり、および/または別の化学的生産プロセス(複数可)への供給原料として有用である、より低い分子量ポリマー、オリゴマー、モノマー、および/または非ポリマー性分子(例えば、水素、一酸化炭素、メタン、エタン、プロパン、エチレン、およびプロピレン)へと化学的に変換するステップを含む廃棄プラスチックリサイクルプロセスを指す。
【0388】
[0387]本明細書で使用される場合、「ケミカルリサイクル施設」という用語は、廃棄プラスチックのケミカルリサイクルを介してリサイクル成分生成物を生成するための施設を指す。ケミカルリサイクル施設は以下のステップのうちの1つまたは複数を利用することができる:(i)前処理、(ii)加溶媒分解、(iii)熱分解、(iv)クラッキング、および/または(v)POXガス化。
【0389】
[0388]本明細書で使用される場合、「共同設置された」という用語は、少なくとも2つの物体が共通の物理的サイト、および/または互いに1.61km(1マイル)以内に位置するという特徴を指す。
【0390】
[0389]本明細書で使用される場合、「含んでいる(comprising)」、「含む(comprises)」および「含む(comprise)」という用語は、用語の前に列挙された対象から、用語の後に列挙された1つまたは複数のエレメントへと転移するために使用されるオープンエンドの移行用語であり、移行用語後に列挙されたエレメント(複数可)は必ずしも対象を構成する唯一のエレメントではない。
【0391】
[0390]本明細書で使用される場合、「導く」という用語は、バッチ方式および/または連続的方式で材料を輸送することを指す。
[0391]本明細書で使用される場合、「クラッキング」という用語は、炭素-炭素結合の破壊により、複雑な有機分子をより単純な分子へと分解することを指す。
【0392】
[0392]本明細書で使用される場合、「D90」という用語は、90パーセントの粒子の分布が特定された直径より小さな直径を有し、10パーセントが特定された直径より大きな直径を有するように特定された直径を指す。代表的なD90値を確実に得るため、粒子の試料サイズは、少なくとも0.45キロ(1ポンド)であるべきである。連続工程で粒子に対するD90を決定するため、試験は、等しい時間間隔で、少なくとも24時間にわたり採取された少なくとも5つの試料に対して実施すべきである。D90に対する試験は、高速写真および粒径分布を生成するためのコンピュータアルゴリズムを使用して実施する。D90値を判定するための1つの適切な粒径分析器は、Mentor、OhioのW.S Tyler製のModel CPA4-1 Computerized Particle Analyzerである。
【0393】
[0393]本明細書で使用される場合、「直径」という用語は、粒子の最大弦長(すなわち、その最も大きな寸法)を意味する。
[0394]本明細書で使用される場合、「密度分離方法」という用語は、少なくとも部分的に材料のそれぞれの密度に基づいて材料を分離するための方法を指す。さらに、「低密度分離段階」および「高密度分離段階」という用語は相対的な密度分離方法を指し、低密度分離は、高密度分離段階の標的分離密度より低い標的分離密度を有する。
【0394】
[0395]本明細書で使用される場合、「枯渇した」という用語は、基準の材料または流れの中の成分の濃度より低い特定の成分の濃度(乾燥重量基準で)を有することを指す。
[0396]本明細書で使用される場合、「直接由来する」という用語は、廃棄プラスチックから発生する少なくとも1種の物理的成分を有することを指す。
【0395】
[0397]本明細書で使用される場合、「豊富に含む」という用語は、基準の材料または流れ中の成分の濃度より高い特定の成分の濃度(乾燥重量基準で)を有することを指す。
[0398]本明細書で使用される場合、「ハロゲン化物」という用語は、負電荷を保持するハロゲン原子(すなわち、ハロゲン化物イオン)を含む組成物を指す。
【0396】
[0399]本明細書で使用される場合、「ハロゲン(ハロゲン系)」という用語は、少なくとも1個のハロゲン原子を含む有機もしくは無機化合物、イオン性、または元素の種を指す。
【0397】
[0400]本明細書で使用される場合、「有している(having)」、「有する(has)」および「有する(have)」という用語は、上記に提供されている「含んでいる(comprising)」、「含む(comprises)」および「含む(comprise)」と同じオープンエンドの意味を有する。
【0398】
[0401]本明細書で使用される場合、「重質有機メタノリシス共生成物」という用語は、DMTより高い沸点を有するメタノリシス共生成物を指す。
[0402]本明細書で使用される場合、「重質有機加溶媒分解共生成物」という用語は、加溶媒分解施設の主要なテレフタリル生成物より高い沸点を有する加溶媒分解共生成物を指す。
【0399】
[0403]本明細書で使用される場合、「含んでいる(including)」、「含む(include)」、および「含んだ(included)」という用語は、上記で提供されている「含む(comprising)」、「含む(comprises)」および「含む(comprise)」と同じオープンエンドの意味を有する。
【0400】
[0404]本明細書で使用される場合、「間接的に由来する」という用語は、i)廃棄プラスチックに起因するが、しかしii)廃棄プラスチックから発生する物理的成分を有することに基づかない、指定されたリサイクル成分を有することを指す。
【0401】
[0405]本明細書で使用される場合、「単離した」という用語は、それ自体またはそれら自体で存在し、その他の材料から分離されているという、動いているまたは固定した物体(複数可)の特徴を指す。
【0402】
[0406]本明細書で使用される場合、「軽質有機メタノリシス共生成物」という用語は、DMTより低い沸点を有するメタノリシス共生成物を指す。
[0407]本明細書で使用される場合、「軽質有機物の加溶媒分解共生成物」という用語は、加溶媒分解施設の主要なテレフタリル生成物より低い沸点を有する加溶媒分解共生成物を指す。
【0403】
[0408]本明細書で使用される場合、「メタノリシス共生成物」という用語は、メタノリシス施設から離脱した任意の化合物であって、テレフタル酸ジメチル(DMT)、エチレングリコール(EG)、またはメタノールではない化合物を指す。
【0404】
[0409]本明細書で使用される場合、「混合プラスチック廃棄物」および「MPW」という用語は、これらに限定されないが、以下のプラスチックの種類を含む少なくとも2種類の廃棄プラスチックの混合物を指す:ポリエチレンテレフタレート(PET)、1種または複数のポリオレフィン(PO)、およびポリ塩化ビニル(PVC)。
【0405】
[0410]本明細書で使用される場合、「部分的酸化(POX)」または「POX」という用語は、炭素含有供給物の、合成ガス(一酸化炭素、水素、および二酸化炭素)への高温変換であって、変換が化学量論的量未満の酸素の存在下で行われる高温変換を指す。POXガス化への供給物は、固体、液体、および/または気体を含むことができる。
【0406】
[0411]本明細書で使用される場合、「部分的酸化(POX)反応」という用語は、炭素含有供給物の合成ガスへの変換において、部分的酸化(POX)ガス化装置内で生じるすべての反応を指し、これらに限定されないが、部分的酸化、水気体シフト、水気体-主反応、ブードワ、酸化、メタン生成、水素改質、水蒸気改質、および二酸化炭素改質が含まれる。
【0407】
[0412]本明細書で使用される場合、「PET」とは、ポリエチレンテレフタレートのホモポリマー、あるいは修飾因子で修飾された、またはエチレングリコールおよびテレフタル酸以外の残基もしくは部分、例えば、イソフタル酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、ジエチレングリコール、TMCD(2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール)、CHDM(シクロヘキサンジメタノール)、プロピレングリコール、イソソルビド、1,4-ブタンジオール、1,3-プロパンジオール、および/もしくはNPG(ネオペンチルグリコール)、または反復テレフタレート単位を有するポリエステル(および反復するエチレングリコールベース単位を含有するかどうかに拘わらず)およびTMCD(2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール)の1つまたは複数の残基または部分、CHDM(シクロヘキサンジメタノール)、プロピレングリコール、またはNPG(ネオペンチルグリコール)、イソソルビド、イソフタル酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-ブタンジオール、1,3-プロパンジオール、および/またはジエチレングリコール、あるいはこれらの組合せを含有するポリエチレンテレフタレートを意味する。
【0408】
[0413]本明細書で使用される場合、「オーバーヘッド」という用語は、封入された構造内の多数の粒子プラスチック固体の最上昇位置より上にある構造の物理的な場所を指す。
[0414]本明細書で使用される場合、「部分的酸化(POX)ガス化施設」または「POX施設」という用語は、廃棄プラスチックおよびそれから誘導される供給原料のPOXガス化を行うために必要なすべての装置、ライン、および制御を含む施設を指す。
【0409】
[0415]本明細書で使用される場合、「部分的に処理した廃棄プラスチック」という用語は、少なくとも自動化もしくは機械化された選別、洗浄、または微粉砕されるステップまたは方法に供される廃棄プラスチックを意味する。部分的に処理した廃棄プラスチックは、例えば、都市のリサイクル施設(MRF)またはリクレーマーを起源とすることができる。部分的に処理した廃棄プラスチックがケミカルリサイクル施設に提供される場合、1つまたは複数の前処理ステップは省略されてもよい。
【0410】
[0416]本明細書で使用される場合、「PET加溶媒分解」という用語は、ポリエステルテレフタレート含有プラスチック供給物が、溶媒の存在下で化学的に分解されて、主要なテレフタリル生成物および/または主要なグリコール生成物を形成する反応を指す。
【0411】
[0417]本明細書で使用される場合、「物理的リサイクル」(「機械的リサイクル」としても公知)という用語は、廃棄プラスチックを溶融するステップおよび溶融したプラスチックを新規中間体生成物(例えば、ペレットまたはシート)および/または新規最終生成物(例えば、ビン)へと形成するステップを含む廃棄プラスチックリサイクルプロセスを指す。全般的に、いくつかの分解が起こり得るにもかかわらず、物理的リサイクルは、プラスチックの化学構造を実質的に変えることはない。
【0412】
[0418]本明細書で使用される場合、「主に」という用語は、50重量パーセントより多いことを意味する。例えば、主にプロパンである流れ、組成物、供給原料、または生成物は、50重量パーセントを超えるプロパンを含有する流れ、組成物、供給原料、または生成物である。
【0413】
[0419]本明細書で使用される場合、「前処理」という用語は、以下のステップの1つまたは複数を使用してケミカルリサイクル用の廃棄プラスチックを調製することを指す:(i)微粉砕する、(ii)粒子化する、(iii)洗浄する、(iv)乾燥する、および/または(v)分離する。
【0414】
[0420]本明細書で使用される場合、「熱分解」という用語は、高温で、不活性(すなわち、実質的に酸素を含まない)大気中での1種または複数の有機物質の熱的分解を指す。
[0421]本明細書で使用される場合、「熱分解チャー」という用語は、200℃および1atmで固体である、熱分解から得た炭素含有組成物を指す。
【0415】
[0422]本明細書で使用される場合、「熱分解ガス」という用語は、25℃で気体である、熱分解から得た組成物を指す。
[0423]本明細書で使用される場合、「熱分解重質ワックス」という用語は、熱分解チャー、熱分解ガス、または熱分解油ではない、熱分解から得たC20+炭化水素を指す。
【0416】
[0424]本明細書で使用される場合、「熱分解油」または「パイオイル」という用語は、25℃および1atmで液体である、熱分解から得た組成物を指す。
[0425]本明細書で使用される場合、「熱分解残渣」という用語は、熱分解ガスまたは熱分解油ではなく、主に熱分解チャーおよび熱分解重質ワックスを含む、熱分解から得た組成物を指す。
【0417】
[0426]本明細書で使用される場合、「リサイクル成分」および「r-成分」という用語は、廃棄プラスチックから直接および/または間接的に誘導された組成物であるまたは組成物を含むことを指す。
【0418】
[0427]本明細書で使用される場合、「樹脂IDコード」という用語は、製品が作製されるプラスチック樹脂を特定する、プラスチック製品上に出現する記号および付随する数(1~7)のセットを指し、これはもともと1988年に米国で開発されたが、2008年からASTM Internationalにより施行されている。
【0419】
[0428]本明細書で使用される場合、「樹脂IDコード1」という用語は、ポリエチレンテレフタレート(PET)から作製されたプラスチック製品を指す。このようなプラスチック製品として、ソフトドリンクのビン、ミネラル水のビン、ジュースの容器、および調理油の容器を挙げることができる。
【0420】
[0429]本明細書で使用される場合、「樹脂IDコード2」という用語は、高密度ポリエチレン(HDPE)から作製されたプラスチック製品を指す。このようなプラスチック製品として、ミルクジャグ、洗浄剤および洗濯洗剤の容器、シャンプービン、および石鹸容器を挙げることができる。
【0421】
[0430]本明細書で使用される場合、「樹脂IDコード3」という用語は、ポリ塩化ビニル(PVC)から作製されたプラスチック製品を指す。このようなプラスチック生成物として、フルーツおよびスウィーツ用トレイ、プラスチック充填材料(バブルホイル)、および食物用ラップを挙げることができる。
【0422】
[0431]本明細書で使用される場合、「樹脂IDコード4」という用語は、低密度ポリエチレン(LDPE)から作製されたプラスチック製品を指す。このようなプラスチック製品として、ショッピングバッグ、軽量ビン、およびサックを挙げることができる。
【0423】
[0432]本明細書で使用される場合、「樹脂IDコード5」という用語は、ポリプロピレン(PP)から作製されたプラスチック製品を指す。このようなプラスチック製品として、家具、自動車部品、工業用繊維、旅行カバン、およびおもちゃを挙げることができる。
【0424】
[0433]本明細書で使用される場合、「樹脂IDコード6」という用語は、ポリスチレン(PS)から作製されたプラスチック製品を指す。このようなプラスチック製品として、おもちゃ、硬質な充填材料、冷蔵庫トレイ、化粧品用バッグ、模造宝石類、CDケース、自動販売機用カップ、およびクラムシェル容器を挙げることができる。
【0425】
[0434]本明細書で使用される場合、「樹脂IDコード7」という用語は、樹脂IDコード1~6と定義されたもの以外のプラスチックから作製されたプラスチック製品を指し、これらに限定されないが、アクリル、ポリカーボネート、ポリ乳酸繊維、ナイロン、および繊維ガラスが挙げられる。このようなプラスチック製品は、ビン、ヘッドライトレンズ、および安全ガラスを挙げることができる。
【0426】
[0435]本明細書で使用される場合、「分離効率」という用語は、図8に定義されているような2つまたはそれよりも多くの相または成分の間の分離の程度を指す。
[0436]本明細書で使用される場合、「浮沈法密度分離」という用語は、材料の分離が選択された液体媒体中の流動または沈降により主に引き起こされる密度分離方法を指す。
【0427】
[0437]本明細書で使用される場合、「加溶媒分解」または「エステル加溶媒分解」という用語は、エステル含有供給物が溶媒の存在下で化学的に分解して、主要なカルボキシル生成物および/または主要なグリコール生成物を形成する反応を指す。加溶媒分解の例として、加水分解、アルコーリシス、およびアンモノリシスが挙げられる。
【0428】
[0438]本明細書で使用される場合、「加溶媒分解共生成物」という用語は、加溶媒分解施設の主要なカルボキシル(テレフタリル)生成物でも、加溶媒分解施設の主要なグリコール生成物でも、加溶媒分解施設に供給される主要な溶媒でもない、加溶媒分解施設から離脱した任意の化合物を指す。
【0429】
[0439]本明細書で使用される場合、「テレフタリル」という用語は、以下の基:
【0430】
【化2】
【0431】
を含む分子を指す。
[0440]本明細書で使用される場合、「主要なテレフタリル」という用語は、加溶媒分解施設により回収される主要または重要なテレフタリル生成物を指す。
【0432】
[0441]本明細書で使用される場合、「グリコール」という用語は、分子1個当たり2個またはそれよりも多くの-OH官能基を含む成分を指す。
[0442]本明細書で使用される場合、「主要なグリコール」という用語は、加溶媒分解施設から回収される主要なグリコール生成物を指す。
【0433】
[0443]本明細書で使用される場合、「標的分離密度」という用語は、その密度より上では、密度分離方法に供される材料がより高密度の産出物へと優先的に分離され、その密度より下では、材料がより低密度の産出物へと分離される密度を指す。
【0434】
[0444]本明細書で使用される場合、「廃棄プラスチック」および「プラスチック廃棄物」という用語は、使用済みの、スクラップ、および/または廃棄したプラスチック材料を指す。ケミカルリサイクル施設に供給される廃棄プラスチックは未処理または部分的に処理されていてもよい。
【0435】
[0445]本明細書で使用される場合、「未処理の廃棄プラスチック」という用語は、任意の自動化されたまたは機械化された選別、洗浄、または微粉砕にまだ供されていない廃棄プラスチックを意味する。未処理の廃棄プラスチックの例として、家庭道路脇のプラスチックリサイクルビンまたは地域社会共有のプラスチックリサイクル容器から収集した廃棄プラスチックが挙げられる。
【0436】
[0446]本明細書で使用される場合、「少なくとも一部分」という句は、全部の量または期間の少なくとも一部分、および全部の量または期間まで、および全部の量または期間を含むことを含む。
【0437】
[0447]本明細書で使用される場合、「廃棄プラスチック粒子」という用語は、1インチ未満のD90を有する廃棄プラスチックを指す。
[0448]本明細書で使用される場合、「主に」という用語は、その総重量を基準にして、あるものの少なくとも50重量パーセントを意味する。例えば、「主に」成分Aを含む組成物は、組成物の総重量を基準にして、少なくとも50重量パーセントの成分Aを含む。
【0438】
[0449]本明細書で使用される場合、「下流」とは、以下の標的ユニット:
a.任意選択で1つもしくは複数の中間ユニットの作動、容器、もしくは装置を介して、クラッカー炉の放射部から、出口流と流体(液体または気体)連通している、もしくは配管を介して連通している標的ユニットの作動、容器、または装置を、または
b.任意選択で1つもしくは複数の中間ユニットの作動、容器、もしくは装置を介して、クラッカー炉の放射部から、出口流と流体(液体または気体)連通していた、もしくは配管を介して連通していた標的ユニットの作動、容器、または装置を意味する。ただし、標的ユニットの作動、容器、または装置は、クラッカー施設のバッテリー境界内に留まるものとする(炉およびすべての付随する下流の分離装置を含む)。
特許請求の範囲は開示された実施形態に限定されない
[0450]上記に記載されている本発明の好ましい形態は、ただの例示として使用されるものとし、本発明の範囲を限定した意味で解釈するために使用されるべきではない。上に記載された例示的な実施形態に対する変化形は、本発明の趣旨から逸脱することなく当業者により容易に作製することができる。
【0439】
[0451]発明者らは、以下の特許請求の範囲において示されているような文字どおりの範囲を大きく逸脱することはないが範囲外にある任意の装置に関連する本発明の適度に公正な範囲を決定および評価するため均等論に依存するという意図をここに述べる。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2022-12-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[0001]廃棄材、特に非生分解性廃棄材は、単回使用後、埋立てに廃棄処分された場合、環境に負の影響を与える可能性がある。よって、環境の立場から、できるだけ多量の廃棄材をリサイクルすることが望ましい。しかし、従来のリサイクル技術でリサイクルすることがほぼ不可能なまたは経済的に実現不可能な価値の低い廃棄物の流れが依然として存在する。加えて、いくつかの従来のリサイクルプロセスは、それ自体回収またはリサイクルすることが経済的に実現不可能な廃棄物の流れを生成し、廃棄処分または別の方法で取り扱わなければならない追加の廃棄物の流れをもたらす。
【0002】
[0002]加溶媒分解法(例えば、メタノリシス)を使用して、プラスチック(例えば、ポリエチレンテレフタレート)をこれらの成分モノマーへと分解することができる。加溶媒分解法は有用なリサイクル成分生成物流(例えば、リサイクル成分エチレングリコールおよびリサイクル成分テレフタル酸ジメチル)を生成することができる一方で、加溶媒分解法は通常、価値のある有機化合物と除去が困難な副生成物との混合物を含み得る1種または複数の共生成物の流れを生成する。これら加溶媒分解共生成物の流れの様々な成分の回収、リサイクルおよび/または処分は困難で、多額の費用がかかり得る。具体的には、加溶媒分解施設からの軽質有機物の共生成物の流れに対する経済的および環境に優しい使用を発見することは多くの問題が伴うことが判明している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
[0003]一態様では、本発明の技術は、廃棄プラスチックを処理するための方法であって、加溶媒分解施設からの軽質有機物共生成物の流れの少なくとも一部分を、以下の下流の化学的処理施設の少なくとも1つ:(i)部分的酸化(POX)ガス化施設;(ii)熱分解施設;(iii)エネルギー回収施設;または(iv)クラッカー施設に導入するステップを含む、方法に関する。
【0004】
[0004]一態様では、本発明の技術は、廃棄プラスチックを処理するための方法であって、(a)液化タンク内で、加溶媒分解施設から離脱した少なくとも1つの加溶媒分解共生成物の流れを、廃棄プラスチックの流れと組み合わせるステップ;(b)少なくとも蒸気流および液化流を液化タンクから離脱させるステップ;ならびに(c)蒸気流の少なくとも一部分および/または液化流の少なくとも一部分を、以下のうちの少なくとも1つ:(i)部分的酸化(POX)ガス化施設;(ii)熱分解施設;(iii)エネルギー回収施設;または(iv)クラッカー施設に導入するステップを含む方法に関する。
【0005】
[0005]一態様では、本発明の技術は、廃棄プラスチックを処理するための方法であって、(a)少なくとも1つのリサイクル成分溶媒流を、廃棄プラスチック流と組み合わせて、組み合わせた流れを形成するステップ;(b)組み合わせた流れを分離して、少なくとも蒸気流および液化流を得るステップ;ならびに(c)蒸気流の少なくとも一部分および/または液化流の少なくとも一部分を、以下のうちの少なくとも1つ:(i)部分的酸化(POX)ガス化施設;(ii)熱分解施設;(iii)エネルギー回収施設;または(v)クラッカー施設に導入するステップを含む方法に関する。
【0006】
[0006]一態様では、本発明の技術は、ポリエステルテレフタレート含有廃棄プラスチックを処理して、溶媒を使用して、主要なグリコール生成物および主要なテレフタリル生成物を形成するための、加溶媒分解施設内で形成される軽質有機加溶媒分解共生成物組成物であって、主要な溶媒;アセトアルデヒド;パラ-ジオキサン(p-ジオキサン);なら
びにシラン、2,5-メチルジオキソラン、2-エチル-1-ヘキサノール、2,2,4,4,-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール、2,2,4-トリメチル-3-ペンテナール、2,2,4-トリメチル-3-ペンテノール、2,2,4-トリメチルペンタン、2,4-ジメチル-3-ペンタノン(DIPK)、イソ酪酸イソブチル、ギ酸メチル、n-ブタノール、ジブチルエーテル、ヘプタン、テレフタル酸ジブチル、ジメチル1,4-シクロヘキサンジカルボキシレート、1,1-ジメトキシ-2-ブテン、1,3-プロパンジオール、2,5-ジメチル-1,3,5-ヘキサジエン、2,5-ジメチル-2,4-ヘキサジエン、アルファ-メチルスチレン、ジエチレングリコールホルマール、ジメトキシジメチルシラン、ジメチルエーテル、ジイソプロピルケトン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、メトキシトリメチルシラン、メチル4-エチルベンゾエート、メチルカプロン酸、乳酸メチル、ラウリン酸メチル、メチルメトキシエチルテレフタル酸、ノナン酸メチル、オレイン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、オクタメチルシクロテトラシロキサン、スチレン、トリメチルシラノール、1,1-ジメトキシ(dimethyoxy)-2-ブテン、4-メチルモルホリン、1,3,3-トリメトキシプロパン、ミリスチン酸メチル、アジピン酸ジメチル、N-メチル-カプロラクタム、アゼライン酸ジメチル、ネオペンチルグリコール、およびこれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1種の追加の成分を含む組成物に関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A】[0007]図1aは、本発明の技術の実施形態に従い廃棄プラスチックを化学的にリサイクルするためのプロセスおよび施設の主要ステップを例示するブロックフロー図である。
図1B】[0008]図1bは、廃棄プラスチックを化学的にリサイクルするためのプロセスおよび施設の主要ステップを例示する、特に図1aに示されているようなプロセス/施設の追加の態様を例示するブロックフロー図である。
図2】[0009]図2は、本発明の技術の実施形態に従い、混合プラスチック廃棄物を分離するための分離プロセスおよびゾーンを例示するブロックフロー図である。
図3】[0010]図3は、本発明の技術の実施形態に従い、PET加溶媒分解のためのプロセスおよび施設の主要ステップを例示するブロックフロー図である。
図4】[0011]図4は、図3に示されているPET加溶媒分解施設からの軽質有機物の流れの分離を例示するブロックフロー図である。
図5】[0012]図5は、図1aに示されているケミカルリサイクル施設の一部分を、特に本発明の技術の実施形態による液化ゾーンならびにその他の施設およびプロセスとのその関係を強調して例示するブロックフロー図である。
図6】[0013]図6は、本発明の技術の実施形態による図5の例示的液化ゾーンを例示するブロックフロー図である。
図7】[0014]図7は、本発明の技術の実施形態に従い、廃棄プラスチックを熱分解された生成物流へと変換するための熱分解プロセスおよび施設の主要ステップを例示するブロックフロー図である。
図8A】[0015]図8Aは、本発明の技術の実施形態に従い、統合された熱分解プロセスおよび施設ならびにクラッキングプロセスおよび施設の主要ステップを例示するブロックフロー図である。
図8B】[0016]図8Bは、本発明の技術の実施形態によるクラッキング炉の概略図である。
図9】[0017]図9は、本発明の技術の実施形態によるPOx反応器の概略図である。
図10】[0018]図10は、本明細書で使用される場合「分離効率」という用語の様々な定義を例示する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0019]発明者らは、経済的でもあり、リサイクル効率も最大にする、共生成物の流れを処理する方法を発見した。より具体的には、発明者らは、加溶媒分解施設からの軽質有機物の共生成物の流れが、さらに作業効率およびコスト効率が高く、価値のある有機化合物のリサイクルおよび再利用を最大にするような方式でその他の施設に統合され得ることを発見した。
【0009】
[0020]数値的配列が示された場合、各数は、数値的配列または文の最初の数または最後の数と同一に修飾され、例えば、各数は「少なくとも」または「まで」または場合によって「~以下」であり、各数は「または」の関係にあることを理解されたい。例えば、「少なくとも10、20、30、40、50、75重量%…」は、「少なくとも10重量%、または少なくとも20重量%、または少なくとも30重量%、または少なくとも40重量%、または少なくとも50重量%、または少なくとも75重量%」などと同じ意味を有し、「90、85、70、60…重量%以下」は「90重量%以下、または85重量%以下、または70重量%以下…」などと同じ意味を有し、「少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%または10重量%…」は、「少なくとも1重量%、または少なくとも2重量%、または少なくとも3重量%…」などと同じ意味を有し、「少なくとも5、10、15、20および/または99、95、90重量パーセント以下」は、「少なくとも5重量%、もしくは少なくとも10重量%、もしくは少なくとも15重量%もしくは少なくとも20重量%および/または99重量%以下、もしくは95重量%以下、もしくは90重量パーセント以下…」などと同じ意味を有する。
【0010】
[0021]すべての濃度または量は特に述べられていない限り重量による。
【0011】
全体的なケミカルリサイクル施設
[0022]ここで図1aを参照すると、廃棄プラスチックを化学的にリサイクルするためのプロセスおよび施設の主要ステップが示されている。図1bは、図1aに示されているようなケミカルリサイクル施設のさらなる特定の実施形態を提供する。図1aおよび1bは、本発明の技術の単一の例示的な実施形態を表すことを理解されたい。図1aおよび1bに示されているある特定の特徴が取り除かれてもよいし、および/または本明細書中の他の箇所で記載されている追加の特徴が図1aおよび1bに示されているシステムに加えられてもよい。
【0012】
[0023]図1aおよび1bに示されている通り、これらのステップは前処理ステップ/施設20、ならびに加溶媒分解ステップ/施設30、部分的酸化(POX)ガス化ステップ/施設50、熱分解ステップ/施設60、クラッキングステップ/施設70、およびエネルギー回収ステップ/施設80のうちの少なくとも1つ(または少なくとも2つまたはそれよりも多く)を一般的に含む。任意選択で、一実施形態においてまたは本明細書中に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、これらのステップはまた、1つまたは複数のその他のステップ、例えば、直接的販売または使用、埋立て、分離(図1bに示されている通り)、および固化、すなわち、図1aにおいてブロック90で表されているうちの1つまたは複数を含むこともできる。これらのステップまたは施設のすべてを含めて示されているが、本発明の技術の一実施形態に従いまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、ケミカルリサイクルプロセスおよび施設は、これらの施設の少なくとも2、3、4、5つ、またはすべてを、プラスチック廃棄物、特に混合プラスチック廃棄物のケミカルリサイクルのための様々な組合せで含むことができることを理解されたい。本明細書に記載されているようなケミカルリサイクルプロセスおよび施設を使用して、廃棄プラスチックを、様々な最終用途材料を形成するのに使用されるリサイクル成分の生成物または化学的中間体に変換することができる。ケミカルリサイクル施設/プロセスに供給する廃棄プラスチックは、混合プラスチック廃棄物(MPW)、予め選別した廃棄
プラスチック、および/または前処理した廃棄プラスチックであることができる。
【0013】
[0024]本明細書で使用される場合、「ケミカルリサイクル」という用語は、廃棄プラスチックポリマーを、それら自体有用であり、および/または別の化学的生産プロセス(複数可)への供給原料として有用な、より低い分子量のポリマー、オリゴマー、モノマー、および/または非ポリマー性分子(例えば、水素および一酸化炭素)へと化学的に変換するステップを含む廃棄プラスチックリサイクルプロセスを指す。「ケミカルリサイクル施設」とは、廃棄プラスチックのケミカルリサイクルを介してリサイクル成分の生成物を生成するための施設である。本明細書で使用される場合、「リサイクル成分」および「r-成分」という用語は、廃棄プラスチックから直接的および/または間接的に誘導された組成物であり、またはそれを含むことを意味する。
【0014】
[0025]本明細書で使用される場合、「直接誘導される」という用語は、廃棄プラスチックから発生する少なくとも1つの物理的成分を有することを意味し、その一方で「間接的に誘導される」とは、i)廃棄プラスチックに起因するが、ii)廃棄プラスチックから発生する物理的成分を有することに基づかない、指定されたリサイクル成分を有することを意味する。
【0015】
[0026]ケミカルリサイクル施設は機械的リサイクル施設ではない。本明細書で使用される場合、「機械的リサイクル」および「物理的リサイクル」という用語は、廃棄プラスチックを溶融し、溶融したプラスチックを新規中間体生成物(例えば、ペレットまたはシート)および/または新規最終生成物(例えば、ビン)へと形成するステップを含むリサイクルプロセスを指す。一般的に、機械的リサイクルは、リサイクルされるプラスチックの化学構造を実質的に変えない。一実施形態においてまたは記述されている実施形態のいずれかと組み合わせて、本明細書に記載されているケミカルリサイクル施設は、機械的リサイクル施設からの、および/または機械的リサイクル施設では通常加工可能ではない、廃棄物の流れを受け取り、処理するように設計することができる。
【0016】
[0027]単一のケミカルリサイクル施設の一部であると本明細書に記載されているが、前処理施設20、加溶媒分解施設30、熱分解施設60、クラッキング施設70、部分的酸化(POX)ガス化施設50、およびエネルギー回収施設80、またはその他の施設90、例えば、固化または分離のいずれかのうちの1つまたは複数は、異なる地理的場所に位置し、および/または異なる商業的事業体により運用されていてもよいことを理解されたい。前処理施設20、加溶媒分解施設30、熱分解施設60、クラッキング施設70、部分的酸化(POX)ガス化施設50、エネルギー回収施設80、または任意のその他の施設90のそれぞれは、同じ事業体により運用されていてもよく、その一方で、その他の事例では、前処理施設20、加溶媒分解施設30、熱分解施設60、クラッキング施設70、部分的酸化(POX)ガス化施設50、固化施設、エネルギー回収施設80、および1つまたは複数のその他の施設90、例えば、分離または固化のうちの1つまたは複数は、異なる商業的事業体により運用されていてもよい。
【0017】
[0028]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、ケミカルリサイクル施設10は、著しい量の混合プラスチック廃棄物を処理することが可能な工業規模の施設であってよい。本明細書で使用される場合、「工業規模施設」という用語は、1年にわたり平均して、少なくとも毎時226.8キロ(500ポンド)の平均年間供給量を有する施設を指す。ケミカルリサイクル施設(または前処理施設20、加溶媒分解施設30、熱分解施設60、クラッキング施設70、POXガス化施設50、エネルギー回収施設80、および任意のその他の施設90のうちのいずれか1つ)への平均供給量は、毎時少なくとも340.19キロ(750ポンド)、少なくとも453.59キロ(1,000ポンド)、少なくとも680.39キロ(1,500ポンド)、少
なくとも907.18キロ(2,000ポンド)、少なくとも1,133.98キロ(2,500ポンド)、少なくとも1,360.78キロ(3,000ポンド)、少なくとも1,587.57キロ(3,500ポンド)、少なくとも1,814.37キロ(4,000ポンド)、少なくとも2,041.17キロ(4,500ポンド)、少なくとも2,267.96キロ(5,000ポンド)、少なくとも2,494.76キロ(5,500ポンド)、少なくとも2,721.55キロ(6,000ポンド)、少なくとも2,948.35キロ(6,500ポンド)、少なくとも3,401.94キロ(7,500ポンド)、少なくとも4,535.92キロ(10,000ポンド)、少なくとも5,669.9キロ(12,500ポンド)、少なくとも6,803.89キロ(15,000ポンド)、少なくとも7,937.87キロ(17,500ポンド)、少なくとも9,071.85キロ(20,000ポンド)、少なくとも10,205.83キロ(22,500ポンド)、少なくとも11,339.81キロ(25,000ポンド)、少なくとも12,473.79キロ(27,500ポンド)、少なくとも13,607.77キロ(30,000ポンド)、もしくは少なくとも14,741.75キロ(32,500ポンド)および/または毎時453,592.37キロ(1,000,000ポンド)以下、340,194.28キロ(750,000ポンド)以下、226,796.18キロ(500,000ポンド)以下、204,116.57キロ(450,000ポンド)以下、181,436.95キロ(400,000ポンド)以下、158,757.33キロ(350,000ポンド)以下、136,077.71キロ(300,000ポンド)以下、113,398.09キロ(250,000ポンド)以下、90,718.47キロ(200,000ポンド)以下、68,038.86キロ(150,000ポンド)以下、45,359.24キロ(100,000ポンド)以下、34,019.43キロ(75,000ポンド)以下、22,679.62キロ(50,000ポンド)以下、もしくは18,143.69キロ(40,000ポンド)以下であることができる。施設が2つまたはそれよりも多くの供給流を含む場合、平均年間供給量は供給流を合わせた重量に基づき決定される。
【0018】
[0029]さらに、前処理施設20、加溶媒分解施設30、熱分解施設60、クラッキング施設70、POXガス化施設50、エネルギー回収施設80、および任意のその他の施設90のそれぞれは、直列にまたは並行して作動する複数のユニットを含んでもよいことを理解されたい。例えば、熱分解施設60は、並行して作動し、それぞれが廃棄プラスチックを含む供給物を受け取る複数の熱分解反応器/ユニットを含んでもよい。施設が複数の個々のユニットで作られている場合、施設への平均年間供給量は、その施設内の共通する種類のユニットのすべての設備への平均年間供給量の合計として計算される。
【0019】
[0030]さらに、一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、ケミカルリサイクル施設10(または前処理施設20、加溶媒分解施設30、熱分解施設60、クラッキング施設70、POXガス化施設50、エネルギー回収施設80、および任意のその他の施設90のうちのいずれか1つ)は連続的方式で作動していてもよい。さらに、または代替法では、ケミカルリサイクル施設10(または前処理施設20、加溶媒分解施設30、熱分解施設60、クラッキング施設70、POXガス化施設50、エネルギー回収施設80、および任意のその他の施設90のいずれか)のうちの少なくとも一部分は、バッチまたは半バッチ方式で作動していてもよい。場合によっては、施設は、インベントリーに対処し、各施設またはその一部分への一貫した流速を確実にするよう、単一施設の一部分と他の一部分との間に、または2つもしくはそれよりも多くの異なる施設の間に複数のタンクを含むことができる。
【0020】
[0031]加えて、図1aおよび1bに示されている施設の2つまたはそれよりも多くはまた、互いに共同設置されていてもよい。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、施設の少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくと
も4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、またはすべてが共同設置されていてもよい。本明細書で使用される場合、「共同設置された」という用語は、プロセス流および/または支援装置またはサービスの少なくとも一部分が2つの施設の間で共有されている施設を指す。図1aおよび1bに示されている施設の2つまたはそれよりも多くが共同設置されている場合、施設は以下の基準(i)~(v)のうちの少なくとも1つを満たすことができる:(i)施設は少なくとも1種の非住宅用ユーティリティーサービスを共有する;(ii)施設は少なくとも1種のサービスグループを共有する;(iii)施設は少なくとも1つの敷地境界を共有する当事者により所有および/または運用されている;(iv)施設は、1つの施設から別の施設へと少なくとも1種のプロセス材料(例えば、施設において供給される、使用される、または生成される固体、液体および/または気体)を運ぶように設計された少なくとも1つの導管により連結されている;ならびに(v)施設は、これらの地理的中心から測定して、互いに64.37km(40マイル)以内、56.33km(35マイル)以内、48.28km(30マイル)以内、32.19km(20マイル)以内、24.14km(15マイル)以内、19.31km(12マイル)以内、16.09km(10マイル)以内、12.87km(8マイル)以内、8.05km(5マイル)以内、3.22km(2マイル)以内、または1.61km(1マイル)以内にある。上記記述(i)~(v)のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、またはすべてが当てはまってもよい。
【0021】
[0032](i)に関して、適切なユーティリティーサービスの例として、これらに限定されないが、水蒸気システム(コジェネレーションおよび分配システム)、冷却水システム、熱伝導流体システム、工場または装置用空気冷却装置、窒素システム、水素システム、8000Vより上の配電を含む非住宅用発電および配電、非住宅用汚水/下水管システム、貯蔵施設、輸送系統、フレアシステム、およびこれらの組合せが挙げられる。
【0022】
[0033](ii)に関して、サービスグループおよび施設の例として、これらに限定されないが、救急サービス職員(火災および/または医療)、第三者販売元、州または地方自治体監視グループ、およびこれらの組合せが挙げられる。政府監視グループとして、例えば、規制機関または環境保全機関、ならびに都市、群、および州レベルでの都市の機関および税務関連機関を挙げることができる。
【0023】
[0034](iii)に関して、境界は、例えば、フェンスライン、敷地境界線、ゲート、または第三者が所有する土地または施設の少なくとも1つの境界との共通の境界であってよい。
【0024】
[0035](iv)に関して、導管は、気体、液体、固体/液体混合物(例えば、スラリー)、固体/気体混合物(例えば、空圧式搬送)、固体/液体/気体混合物、または固体を運ぶ流体管(例えば、ベルトコンベアー)であってよい。ある場合には、2つのユニットは、上記リストから選択される1つまたは複数の導管を共有することができる。流体管を使用して、2つのユニット間のプロセス流またはユーティリティーを輸送することができる。例えば、1つの施設(例えば、加溶媒分解施設30)の出口は、別の施設(例えば、POXガス化施設50)の入口と導管を介して流体連結されていてもよい。ある場合には、1つの施設の出口と別の施設の入口との間の導管内で輸送される材料に対する中間貯蔵システムが提供されてもよい。中間貯蔵システムは、例えば、導管により運ばれる材料を保存するように設計された1つまたは複数のタンク、容器(開かれたまたは密閉した)、建築物、または容器を含み得る。ある場合には、1つの施設の出口と別の施設の入口との間での中間貯蔵は、90日以下、75日以下、60日以下、40日以下、30日以下、25日以下、20日以下、15日以下、10日以下、5日以下、2日以下または1日以下であることができる。
【0025】
[0036]図1aおよび1bを再度参照すると、廃棄プラスチックの流れ100は、混合プラスチック廃棄物(MPW)であることができ、これはケミカルリサイクル施設10へと導入することができる。本明細書で使用される場合、「廃棄プラスチック」および「プラスチック廃棄物」という用語は、使用済みの、スクラップ、および/または廃棄したプラスチック材料、例えば、通常埋立てに送られるプラスチック材料を指す。廃棄プラスチック(またはプラスチック廃棄物)のその他の例として、通常焼却器に送られる使用済みの、スクラップ、および/または廃棄したプラスチック材料が挙げられる。ケミカルリサイクル施設10に供給される廃棄プラスチック流100は、未処理または部分的に処理した廃棄プラスチックを含み得る。本明細書で使用される場合、「未処理の廃棄プラスチック」という用語は、いかなる自動化または機械化された選別、洗浄、または微粉砕に供されていない廃棄プラスチックを意味する。未処理の廃棄プラスチックの例として、道路脇の家庭プラスチックリサイクビンまたは地域社会共有のプラスチックリサイクル容器から収集された廃棄プラスチックが挙げられる。本明細書で使用される場合、「部分的に処理した廃棄プラスチック」という用語は、少なくとも1つの自動化または機械化された選別、洗浄、または微粉砕ステップまたはプロセスに供された廃棄プラスチックを意味する。部分的に処理した廃棄プラスチックは、例えば、都市のリサイクル施設(MRF)またはリクレーマーから生じ得る。部分的に処理した廃棄プラスチックがケミカルリサイクル施設10に提供される場合、1つまたは複数の前処理ステップが省略されてもよい。廃棄プラスチックは、工業的に使用後の(または消費者前の)プラスチックおよび/または消費者後のプラスチックのうちの少なくとも1種を含んでもよい。
【0026】
[0037]本明細書で使用される場合、「混合プラスチック廃棄物」および「MPW」という用語は、これらに限定されないが、以下のプラスチックの種類を含む、少なくとも2種類の廃棄プラスチックの混合物を指す:ポリエチレンテレフタレート(PET)、1種または複数のポリオレフィン(PO)、およびポリ塩化ビニル(PVC)。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、MPWは、少なくとも2つの異なる種類のプラスチックを含み、各種類のプラスチックは、MPW中のプラスチックの総重量を基準にして、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、または少なくとも20重量パーセントの量で存在する。
【0027】
[0038]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、MPWは、MPW中のプラスチックの総重量を基準にして、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、もしくは少なくとも99重量パーセントのPETおよび/または少なくとも1、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、または少なくとも20重量パーセントのPOを含む。一実施形態においてまたはそれよりも多く実施形態において、MPWはまた、MPW中のプラスチックの総重量を基準にして、全部で50重量パーセント未満、45重量パーセント未満、40重量パーセント未満、35重量パーセント未満、30重量パーセント未満、25重量パーセント未満、20重量パーセント未満、15重量パーセント未満、10重量パーセント未満、5重量パーセント未満、2重量パーセント未満、または1重量パーセント未満である、PETおよびPO(および任意選択でPVC)以外の微量の1種または複数の種類のプラスチック成分を含んでもよい。
【0028】
[0039]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、MPWは、流れの総重量を基準にして、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なく
とも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントのPETを含む。代わりに、または加えて、MPWは、流れの総重量を基準にして、99.9重量パーセント以下、99重量パーセント以下、97重量パーセント以下、92重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、または5重量パーセント以下のPETを含む。
【0029】
[0040]MPW流は、流れの総重量を基準にして、少なくとも0.1、少なくとも0.5、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも7、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、もしくは少なくとも35重量パーセントおよび/または80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下もしくは7重量パーセント以下の量の非PET成分を含むことができる。非PET成分は、流れの総重量を基準にして、0.1~50重量パーセント、1~20重量パーセント、または2~10重量パーセントの間の量で存在し得る。このような非PET成分の例として、これらに限定されないが、鉄および非鉄金属、不活性物質(例えば、岩、ガラス、砂など)、プラスチック不活性物質(例えば、二酸化チタン、二酸化ケイ素など)、オレフィン、接着剤、相溶化剤、生物汚泥、セルロース系材料(例えば、厚紙、紙など)、ならびにこれらの組合せを挙げることができる。
【0030】
[0041]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、MPWのすべてまたは一部分は、都市の供給源が起源である、または都市の廃棄物を含むことができる。MPWの都市の廃棄物部分は、例えば、PETを、都市の廃棄物の流れ(または流れの一部)の総重量を基準として、45~95重量パーセント、50~90重量パーセント、または55~85重量パーセントの量で含むことができる。
【0031】
[0042]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、MPWのすべてまたは一部分は、都市のリサイクル施設(MRF)が起源であることができ、例えば、PETを、流れの総重量を基準にして、65~99.9重量パーセント、70~99重量パーセント、または80~97重量パーセントの量で含んでもよい。このような流れの中の非PET成分は、例えば、その他のプラスチックを、流れの総重量を基準にして、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも7、もしくは少なくとも10重量パーセントおよび/または25重量パーセント以下、22重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、12重量パーセント以下もしくは10重量パーセント以下の量で含んでもよく、あるいはこのようなプラスチックは、流れの総重量を基準にして、1~22重量パーセント、2~15重量パーセント、または5~12重量パーセントの範囲の量で存在してもよい。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、特に例えば、MPWが着色された選別したプラスチックを含む場合、非PET成分は、その他のプラスチックを、流れの総重量を基準にして、2~35重量パーセント、5~30重量パーセント、または10~25重量パーセントの範囲の量で含むことができる。
【0032】
[0043]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、MPWのすべてまたは一部分は、リクレーマー施設が起源であることができ、例え
ば、PETを、流れの総重量を基準にして、85~99.9重量パーセント、90~99.9重量パーセント、または95~99重量パーセントの量で含んでもよい。このような流れの中の非PET成分は、例えば、その他のプラスチックを、流れの総重量を基準にして、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも7、もしくは少なくとも10重量パーセントおよび/または25重量パーセント以下、22重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、12重量パーセント以下もしくは10重量パーセント以下の量で含んでもよく、あるいはこのような非PET成分は、流れの総重量を基準にして、1~22重量パーセント、2~15重量パーセント、または5~12重量パーセントの範囲の量で存在してもよい。
【0033】
[0044]本明細書で使用される場合、「プラスチック」という用語は、25℃および1大気圧で固体である任意の有機合成ポリマーを含み得る。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、ポリマーは、少なくとも75、または少なくとも100、または少なくとも125、または少なくとも150、または少なくとも300、または少なくとも500、または少なくとも1000、または少なくとも5,000、または少なくとも10,000、または少なくとも20,000、または少なくとも30,000、または少なくとも50,000または少なくとも70,000または少なくとも90,000または少なくとも100,000または少なくとも130,000ダルトンの数平均分子量(Mn)を有することができる。ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、少なくとも300、または少なくとも500、または少なくとも1000、または少なくとも5,000、または少なくとも10,000、または少なくとも20,000、または少なくとも30,000または少なくとも50,000、または少なくとも70,000、または少なくとも90,000、または少なくとも100,000、または少なくとも130,000、または少なくとも150,000、または少なくとも300,000ダルトンであることができる。
【0034】
[0045]適切なプラスチックの例として、これらに限定されないが、芳香族および脂肪族ポリエステル、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(acrylobutadienestyrene)(ABS)、セルロース系、エポキシド、ポリアミド、フェノール系樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンベースのアロイ、ポリ(メタクリル酸メチル)、スチレン含有ポリマー、ポリウレタン、ビニルベースポリマー、スチレンアクリロニトリル、タイヤ以外の熱可塑性エラストマーおよびウレア含有ポリマーおよびメラミンを挙げることができる。
【0035】
[0046]ポリエステルの例として、反復する芳香族または環式単位を有するポリエステル、例えば、反復するテレフタレート、イソフタレート、またはナフタレート単位を含有するもの、例えば、PET、修飾PET、およびPEN、または反復するフラネート(furanate)反復単位を含有するものを挙げることができる。ポリエチレンテレフタレート(PET)はまた適切なポリエステルの例である。本明細書で使用される場合、「PET」または「ポリエチレンテレフタレート」は、ポリエチレンテレフタレートのホモポリマー、または1種もしくは複数の酸および/もしくはグリコール修飾因子で修飾された、ならびに/またはエチレングリコールおよびテレフタル酸以外の残基もしくは部分、例えば、イソフタル酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、ジエチレングリコール、2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール(TMCD)、シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、プロピレングリコール、イソソルビド、1,4-ブタンジオール、1,3-プロパンジオール、および/またはネオペンチルグリコール(NPG)を含有するポリエチレンテレフタレートを指す。
【0036】
[0047]同様に「PET」および「ポリエチレンテレフタレート」という用語の定義内に
含まれるのは、反復するテレフタレート単位(これらが反復するエチレングリコールベース単位を含有するかどうかに拘わらず)ならびに例えば、TMCD、CHDM、プロピレングリコール、もしくはNPG、イソソルビド、1,4-ブタンジオール、1,3-プロパンジオール、および/もしくはジエチレングリコール、またはこれらの組合せを含むグリコールの1つもしくは複数の残基または部分を有するポリエステルである。繰り返しテレフタレート単位を有するポリマーの例として、これらに限定されないが、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、およびそのコポリエステルを挙げることができる。脂肪族ポリエステルの例として、これらに限定されないが、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、およびポリエチレンアジペートを挙げることができる。ポリマーは、例えば、混合したテレフタレート/アジペートを含めた、混合した脂肪族-芳香族コポリエステルを含むことができる。
【0037】
[0048]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、廃棄プラスチックは、繰り返しテレフタレート単位を有する少なくとも1種類のプラスチックを含むことができ、このようなプラスチックは、流れの総重量を基準にして、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、もしくは少なくとも30および/または45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下もしくは2重量パーセント以下の量で存在し、あるいはこのようなプラスチックは、流れの総重量を基準にして、1~45重量パーセント、2~40重量パーセント、または5~40重量パーセントの範囲で存在することができる。複数のシクロヘキサンジメタノール部分、2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール部分、またはこれらの組合せを有する類似の量のコポリエステルもまた存在し得る。
【0038】
[0049]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、廃棄プラスチックは、繰り返しテレフタレート単位を有する少なくとも1種類のプラスチックを含むことができ、このようなプラスチックは、流れの総重量を基準にして、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、もしくは少なくとも90重量パーセントおよび/または99.9重量パーセント以下、99重量パーセント以下、97重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下もしくは85重量(weigh)パーセント以下の量で存在し、あるいはこのようなプラスチックは、流れの総重量を基準にして、30~99.9重量パーセント、50~99.9重量パーセント、または75~99重量パーセントの範囲で存在することができる。
【0039】
[0050]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、廃棄プラスチックは、テレフタレート繰り返し単位を、廃棄プラスチック流中のプラスチックの総重量を基準にして、少なくとも1、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、もしくは少なくとも45重量パーセントおよび/または75重量パーセント以下、72重量パーセント以下、70重量パーセント以下、60重量パーセント以下もしくは65重量パーセント以下の量で含むことができ、あるいは廃棄プラスチックは、テレフタレート繰り返し単位を、流れの総重量を基準にして、1~75重量パーセント、5~70重量パーセント、または25~75重量パーセントの範囲の量で含むことができる。
【0040】
[0051]特定のポリオレフィンの例は、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、アタクチックポリプロピレン、アイソタクチックポリプロピレン、
シンジオタクチックポリプロピレン、架橋ポリエチレン、非晶質ポリオレフィン、および上述のポリオレフィンのいずれか1種のコポリマーを含むことができる。廃棄プラスチックは、直鎖の低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリメチルペンテン、ポリブテン-1、およびそのコポリマーを含むポリマーを含むことができる。廃棄プラスチックはフラッシュスパン高密度ポリエチレンを含むことができる。
【0041】
[0052]廃棄プラスチックは、熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、またはこれらの組合せを含むことができる。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、廃棄プラスチックは、流れの総重量を基準にして、少なくとも0.1、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、もしくは少なくとも30重量パーセントおよび/または45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下もしくは2重量パーセント以下の1種もしくは複数の熱硬化性ポリマーを含むことができ、あるいは熱硬化性ポリマーは、流れの総重量を基準にして、0.1~45重量パーセント、1~40重量パーセント、2~35重量パーセント、または2~20重量パーセントの量で存在することができる。
【0042】
[0053]代わりに、または加えて、廃棄プラスチックは、流れの総重量を基準にして、少なくとも0.1、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、もしくは少なくとも30重量パーセントおよび/または45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下もしくは2重量パーセント以下のセルロース材料を含むことができ、あるいはセルロース材料は、流れの総重量を基準にして、0.1~45重量パーセント、1~40重量パーセント、または2~15重量パーセントの範囲の量で存在することができる。セルロース材料の例として、酢酸セルロース、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、酢酸セルロースプロピオネート、酢酸酪酸セルロース、ならびに再生セルロース、例えば、ビスコースを挙げることができる。さらに、セルロース材料は、3未満、2.9以下、2.8以下、2.7以下もしくは2.6以下および/または少なくとも1.7、少なくとも1.8、もしくは少なくとも1.9、もしくは1.8~2.8、もしくは1.7~2.9、もしくは1.9~2.9のアシル置換度を有するセルロース誘導体を含むことができる。
【0043】
[0054]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、廃棄プラスチックはSTYROFOAM(登録商標)または発泡スチロールを含むことができる。
【0044】
[0055]廃棄プラスチックは、いくつかの供給源のうちの1種または複数が起源であってもよい。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、廃棄プラスチックは、プラスチックビン、おむつ、眼鏡フレーム、フィルム、パッケージ材料、カーペット(住宅用、商業用、および/または自動車)、織物(衣類およびその他の生地)およびこれらの組合せが起源であってもよい。
【0045】
[0056]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、ケミカルリサイクル施設に供給される廃棄プラスチック(例えば、MPW)は、SPIで確立されたチェイシングアロートライアングルと共に番号1~7の樹脂IDコードを有するプラスチックを有するまたはこれらから得た1種または複数のプラスチックを含み得る。廃棄プラスチックは、一般的に機械的にリサイクルされない1種または複数のプ
ラスチックを含んでもよい。このようなプラスチックとして、これらに限定されないが、樹脂IDコード3(ポリ塩化ビニル)、樹脂IDコード5(ポリプロピレン)、樹脂IDコード6(ポリスチレン)、および/または樹脂IDコード7(その他)を有するプラスチックを挙げることができる。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、樹脂IDコード3~7、または3、5、6、7、もしくはこれらの組合せのうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、または少なくとも5つを有するプラスチックが、すべてのプラスチックの総重量を基準にして、廃棄プラスチック内に、少なくとも0.1、少なくとも0.5、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも5、少なくとも7、少なくとも10、少なくとも12、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、もしくは少なくとも40重量パーセントおよび/または90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下もしくは35重量パーセント以下の量で存在してもよく、あるいはこれは、プラスチックの総重量を基準にして、0.1~90重量パーセント、1~75重量パーセント、または2~50重量パーセントの量であってもよい。
【0046】
[0057]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、ケミカルリサイクル施設に供給される廃棄プラスチック中の全プラスチック成分の少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、もしくは少なくとも35重量パーセントおよび/または60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下もしくは5重量パーセント以下は、樹脂IDコード3、5、6、および/または7を有さないプラスチックを含んでもよい(例えば、プラスチックが分類されていない場合)。ケミカルリサイクル施設10に供給される廃棄プラスチック中の全プラスチック成分の少なくとも0.1、少なくとも0.5、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、もしくは少なくとも35重量パーセントおよび/または60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下もしくは5重量パーセント以下は樹脂IDコード4~7を有さないプラスチックを含んでもよく、あるいはそれは、プラスチック成分の総重量を基準にして、0.1~60重量パーセント、1~55重量パーセント、または2~45重量パーセントの範囲であることができる。
【0047】
[0058]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、ケミカルリサイクル施設に供給される廃棄プラスチック(例えば、MPW)は、樹脂IDコード3~7またはIDコード3、5、6、もしくは7として分類されないプラスチックを含んでもよい。廃棄プラスチック中の樹脂IDコード3~7またはIDコード3、5、6、もしくは7プラスチックとして分類されないプラスチックの総量は、廃棄プラスチック流中のプラスチックの総重量を基準にして、少なくとも0.1、少なくとも0.5、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、もしくは少なくとも75重量パーセントおよび/または95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以
下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下もしくは35重量パーセント以下であることができ、あるいはそれは、廃棄プラスチック流中のプラスチックの総重量を基準にして、0.1~95重量パーセント、0.5~90重量パーセント、または1~80重量パーセントの範囲であることができる。
【0048】
[0059]一実施形態においてまたは記述されている実施形態のいずれかと組み合わせて、MPWは、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、または少なくとも99重量パーセントの少なくとも1種、少なくとも2種、少なくとも3種、または少なくとも4種の異なる種類の樹脂IDコードを有するプラスチックを有するまたはこれらから得たプラスチックを含む。
【0049】
[0060]一実施形態においてまたは記述されている実施形態のいずれかと組み合わせて、MPWは多成分ポリマーを含む。本明細書で使用される場合、「多成分ポリマー」という用語は、少なくとも1種のその他のポリマーおよび/または非ポリマー固体と組み合わさった、これらに結合した、またはそうでなければこれらに物理的および/もしくは化学的に付随する少なくとも1種の合成または天然ポリマーを含む物品および/または粒子を指す。ポリマーは、合成ポリマーまたはプラスチック、例えば、PET、オレフィン、および/またはナイロンであることができる。非ポリマー固体は、金属、例えば、アルミニウム、または本明細書に記載されているようなその他の非プラスチック固体であることができる。多成分ポリマーは金属化プラスチックを含むことができる。
【0050】
[0061]一実施形態においてまたは記述されている実施形態のいずれかと組み合わせて、MPWは多層ポリマーの形態の多成分プラスチックを含む。本明細書で使用される場合、「多層ポリマー」という用語は、2つまたはそれよりも多くの物理的に異なる層に、PETおよび少なくとも1種のその他のポリマー、ならびに/または物理的および/もしくは化学的に一緒に付随する非ポリマー固体を含む多成分ポリマーを指す。ポリマーまたはプラスチックは、2つの層の間に転移ゾーンが存在したとしても、例えば、接着剤で接着された層または共押出しされた層の中に転移ゾーンが存在したとしても、多層化したポリマーと考えられる。2つの層の間の接着剤は層とみなされない。多層ポリマーは、PETおよび1つまたは複数の追加の層を含む層を含んでもよく、これら追加の層の少なくとも1つは、PETとは異なる合成もしくは天然ポリマーであり、またはエチレンテレフタレート反復単位を有さないポリマー、またはアルキレンテレフタレート反復単位を有さないポリマー(「非PETポリマー層」)、またはその他の非ポリマー固体である。
【0051】
[0062]非PETポリマー層の例として、ナイロン、ポリ乳酸、ポリオレフィン、ポリカーボネート、エチレンビニルアルコール、ポリビニルアルコール、ならびに/あるいはその他のプラスチックまたはPET含有物品および/もしくは粒子に付随するプラスチックフィルム、ならびに天然ポリマー、例えば、ホエータンパク質が挙げられる。多層ポリマーは金属層、例えば、アルミニウムを含むことができるが、ただし、少なくとも1つのPET層以外の追加のポリマー層が存在することを条件とする。層は、接着剤結合またはその他の手段で接着されていても、物理的に隣接していても(すなわち、フィルムに対して圧縮された物品)、粘着付与されていても(すなわち、プラスチックを加熱し、一緒にくっつけた)、共押出しされたプラスチックフィルムであっても、またはさもなければPET含有物品に結合していてもよい。多層ポリマーは、同じまたは類似の方式で、その他のプラスチックを含有する物品に付随するPETフィルムを含んでもよい。MPWは、PETおよび少なくとも1つのその他のプラスチックの形態の多成分ポリマー、例えば、単一
の物理的相と組み合わせた、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン)および/またはその他の合成または天然ポリマーを含んでもよい。例えば、MPWは、相溶化剤、PET、および少なくとも1種のその他の合成または天然ポリマープラスチック(例えば、非PETプラスチック)を含む不均一の混合物を、単一の物理的相内に組み合わせて含む。本明細書で使用される場合、「相溶化剤」という用語は、少なくとも2種の、その他の点では不混和性のポリマーを一緒に、物理的混合物(すなわち、ブレンド)中で組み合わせることが可能な薬剤を指す。
【0052】
[0063]一実施形態においてまたは記述されている実施形態のいずれかと組み合わせて、MPWは、乾燥プラスチックを基準にして、20重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、または0.1重量パーセント以下のナイロンを含む。一実施形態においてまたは記述されている実施形態のいずれかと組み合わせて、MPWは、乾燥プラスチックを基準にして、0.01~20重量パーセント、0.05~10重量パーセント、0.1~5重量パーセント、または1~2重量パーセントのナイロンを含む。
【0053】
[0064]一実施形態においてまたは記述されている実施形態のいずれかと組み合わせて、MPWは、乾燥プラスチックを基準にして、40重量パーセント以下、20重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下または1重量パーセント以下の多成分プラスチックを含む。一実施形態においてまたは記述されている実施形態のいずれかと組み合わせて、MPWは、乾燥プラスチックを基準にして、0.1~40重量パーセント、1~20重量パーセント、または2~10重量パーセントの多成分プラスチックを含む。一実施形態においてまたは記述されている実施形態のいずれかと組み合わせて、MPWは、乾燥プラスチックを基準にして、40重量パーセント以下、20重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下または1重量パーセント以下の多層プラスチックを含む。一実施形態においてまたは記述されている実施形態のいずれかと組み合わせて、MPWは、乾燥プラスチックを基準にして、0.1~40、1~20、または2~10重量パーセントの多層プラスチックを含む。
【0054】
[0065]一実施形態においてまたは記述されている実施形態のいずれかと組み合わせて、流れ100中のケミカルリサイクル施設10へのMPW供給原料は、乾燥基準で、MPW供給原料の総重量を100重量パーセントとして、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、12重量パーセント以下、10重量パーセント以下、8重量パーセント以下、6重量パーセント以下、5重量パーセント以下、4重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下または1重量パーセント以下の生物系廃棄物材料を含む。MPW供給原料は、乾燥基準で、MPW供給原料の総重量を100重量パーセントとして、0.01~20、0.1~10、0.2~5、または0.5~1重量パーセントの生物系廃棄物材料を含む。本明細書で使用される場合、「生物系廃棄物」という用語は、生命体または有機起源由来の材料を指す。例示的な生物系廃棄物材料として、これらに限定されないが、コットン、木材、ノコギリダスト、食物スクラップ、動物および動物の部分、植物および植物の部分、ならびに肥料が挙げられる。
【0055】
[0066]一実施形態においてまたは記述されている実施形態のいずれかと組み合わせて、MPW供給原料は、乾燥基準で、MPW供給原料の総重量を100重量パーセントとして、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、12重量パーセント以下、10重量パーセント以下、8重量パーセント以下、6重量パーセント以下、5重量パーセント以下、4重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下または1重量パーセント以下の製造されたセルロース製品を含む。MPW供給原料は、乾燥基準で、MPW供給原料の総重量を100重量パーセントとして、0.01~20、0.1~10、
0.2~5、または0.5~1重量パーセントの製造されたセルロース製品を含む。本明細書で使用される場合、「製造されたセルロース製品」という用語は、セルロース系繊維を含む非天然の(すなわち、人工または機器で作製された)物品、およびそのスクラップを指す。例示的な製造されたセルロース製品として、これらに限定されないが、紙および厚紙が挙げられる。
【0056】
[0067]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、ケミカルリサイクル施設に供給される廃棄プラスチック(例えば、MPW)は、廃棄プラスチック供給物中のプラスチックの総重量を基準にして、少なくとも0.001、少なくとも0.01、少なくとも0.05、少なくとも0.1、もしくは少なくとも0.25重量パーセントおよび/または10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、4重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.75重量パーセント以下もしくは0.5重量パーセント以下のポリ塩化ビニル(PVC)を含むことができる。
【0057】
[0068]さらに、または代替法では、ケミカルリサイクル施設に供給される廃棄プラスチック(例えば、MPW)は、少なくとも0.1、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも4、もしくは少なくとも6重量パーセントおよび/または25重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下もしくは2.5重量パーセント以下の非プラスチック固体を含むことができる。非プラスチック固体は、不活性物質充填剤材料(例えば、炭酸カルシウム、水和ケイ酸アルミニウム、アルミナ三水和物、硫酸カルシウム)、岩、ガラス、ならびに/または添加剤(例えば、チキソトロープ、顔料および着色剤、難燃剤、抑制剤、UV阻害剤および安定剤、導電性金属または炭素、剥離剤、例えば、ステアリン酸亜鉛、ワックス、およびシリコーン)を含むことができる。
【0058】
[0069]一実施形態においてまたは記述されている実施形態のいずれかと組み合わせて、MPWは、MPW流または組成物の総重量を基準にして、少なくとも0.01、少なくとも0.1、少なくとも0.5、もしくは少なくとも1重量パーセントおよび/または25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、25重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下もしくは2.5重量パーセント以下の液体を含むことができる。MPW中の液体の量は、MPW流100の総重量を基準にして、0.01~25重量パーセント、0.5~10重量パーセント、または1~5重量パーセントの範囲であることができる。
【0059】
[0070]一実施形態においてまたは記述されている実施形態のいずれかと組み合わせて、MPWは、廃棄プラスチックの総重量を基準にして、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、もしくは少なくとも55重量パーセントおよび/または65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下もしくは35重量パーセント以下の液体を含むことができる。廃棄プラスチック中の液体は、廃棄プラスチックの総重量を基準にして、35~65重量パーセント、40~60重量パーセント、または45~55重量パーセントの範囲であることができる。
【0060】
[0071]一実施形態においてまたは記述されている実施形態のいずれかと組み合わせて、ラインのMPW流100中の織物(織物繊維を含む)の量は、MPWの重量を基準にして、少なくとも0.1重量パーセント、または少なくとも0.5重量パーセント、または少なくとも1重量パーセント、または少なくとも2重量パーセント、または少なくとも5重量パーセント、または少なくとも8重量パーセント、または少なくとも10重量パーセント、または少なくとも15重量パーセント、または少なくとも20重量パーセントの織物
または織物繊維から得た材料であることができる。流れ100中のMPWの織物(織物繊維を含む)の量は、MPW流100の重量を基準にして、50重量パーセント以下、40重量パーセント以下、30重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、8重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.5重量パーセント以下、0.1重量パーセント以下、0.05重量パーセント以下、0.01重量パーセント以下または0.001重量パーセント以下である。MPW流100中の織物の量は、MPW流100の総重量を基準にして、0.1~50重量パーセント、5~40重量パーセント、または10~30重量パーセントの範囲であることができる。
【0061】
[0072]ケミカルリサイクル施設10に導入されるMPWはリサイクル織物を含有してもよい。織物は、天然および/または合成繊維、ロービング、糸、不織布ウェブ、布、生地および上述の項目のいずれかから作製されたまたはこれを含有する製品を含有してもよい。織物は、織る、編む、結ぶ、縫い合わせる、房を付けることができ、圧縮した繊維、例えば、フェルトに成形された、刺しゅうを施した、レース飾りの付いた、かぎ針で編んだ、ひもで編んだものを含んでもよく、または不織布ウェブおよび材料を含んでもよい。織物は、生地、および織物から分離された繊維、あるいは繊維、スクラップまたは規格外の繊維もしくは糸もしくは生地を含有するその他の製品、あるいは緩み繊維および糸のその他の任意の供給源を含むことができる。織物はまた、短繊維、連続繊維、糸、トウバンド、撚糸および/または紡績糸、糸から作製された生機、生機を湿式処理することにより生成された完成品生地、ならびに完成品生地または任意のその他の生地から作製された衣類を含むことができる。織物は、衣服、インテリア家具、および工業用タイプの織物を含む。織物は、工業的に使用後の織物(消費者前)または消費者後の織物または両方を含むことができる。
【0062】
[0073]一実施形態においてまたは記述されている実施形態のいずれかと組み合わせて、織物は衣服を含むことができ、衣服とはヒトが着用し、または身体のために作製されたものと一般的に定義されることができる。このような織物は、スポーツ用コート、スーツ、ズボンおよびカジュアルパンツまたは作業用ズボン、シャツ、ソックス、スポーツウエア、ドレス、下着、アウターウェア、例えば、レインジャケット、防寒用ジャケットおよびコート、セーター、防護服、ユニフォーム、およびアクセサリー、例えば、スカーフ、帽子、および手袋を含むことができる。インテリア家具カテゴリーにおける織物の例として、家具の張り布およびスリップカバー、カーペットおよびじゅうたん、カーテン、寝具類、例えば、シーツ、枕カバー、羽根布団、布団、マットレスカバー;リネン、テーブルクロス、タオル、洗面用タオル、およびブランケットが挙げられる。工業用織物の例として、輸送用(自動車、飛行機、列車、バス)シート、床マット、トランクライナー、および天井;アウトドア用家具およびクッション、テント、バックパック、旅行カバン、ロープ、コンベヤーベルト、カレンダーロールフェルト、磨き布、ぼろ切れ、土壌浸食防止生地およびジオテキスタイル、農業用マットおよびスクリーン、個人用防護具、防弾チョッキ、医療用包帯、縫合糸、テープなどが挙げられる。
【0063】
[0074]織物として分類される不織布ウェブは、湿式不織布ウェブおよびそれから作製される物品のカテゴリーを含まない。同じ機能を有する様々な物品が乾式または湿式プロセスで作製され得るが、乾式不織布ウェブから作製される物品は織物と分類される。本明細書に記載されているような乾式不織布ウェブから形成することができる適切な物品の例として、パーソナル用、消費者用、工業用、食物サービス用、医療用、およびその他の最終用途のための物品を挙げることができる。具体例として、これらに限定されないが、新生児用ふき取り繊維、水に流せるふき取り繊維、使い捨ておむつ、トレーニングパンツ、女性用衛生製品、例えば、サニタリーナプキンおよびタンポン、成人用失禁パッド、下着、またはブリーフ、およびペット用トレーニングパッドを挙げることができる。その他の例
として、消費者用(例えば、パーソナルケアまたは家庭用)および工業用(例えば、食物サービス、ヘルスケア、または専門)に使用するためのものを含めて、様々な異なる乾式または湿式ふき取り繊維が挙げられる。不織布ウェブはまた、枕用パッド、マットレス、および張り布、およびキルトおよび布団の詰め物として使用することもできる。医療用および工業用分野では、本発明の不織布ウェブは消費者用、医療用、および工業用のフェイスマスク、防護服、キャップ、およびシューカバー、使い捨てシート、手術衣、ドレープ、包帯、および医療用包帯に使用することができる。
【0064】
[0075]さらに、本明細書に記載されている不織布ウェブは、環境用生地、例えば、ジオテキスタイルおよびタープ、油および化学吸収性パッド、ならびに建築材料、例えば、防音材または断熱材、テント、材木および土壌カバーおよびシートに使用することができる。不織布ウェブはまた、その他の消費者向け最終用途、例えば、カーペットの裏当て、消費者用、工業用、および農業用物品、断熱材または防音材用の、ならびに様々なタイプの衣服におけるパッケージに使用することもできる。
【0065】
[0076]本明細書に記載されている乾式不織布ウェブはまた、輸送(例えば、自動車または航空)、商業用、住宅用、工業用、またはその他の専門用途を含めた、様々な濾過用途に使用することもできる。例として、精密濾過に使用されるナノ繊維ウェブ、ならびにティーバッグ、コーヒーフィルター、および乾燥器シートなどの最終用途を含めた、消費者用もしくは工業用エアフィルターまたは液体フィルター(例えば、ガソリン、油、水)のためのフィルターエレメントを挙げることができる。さらに、本明細書に記載されている不織布ウェブは、これらに限定されないが、ブレーキパッド、トランクライナー、カーペットタフティング、およびアンダーパッディングを含めた、自動車に使用するための様々な部品を形成するために使用することができる。
【0066】
[0077]織物として、シングルタイプもしくはマルチプルタイプの天然繊維および/またはシングルタイプもしくはマルチプルタイプの合成繊維を挙げることができる。織物繊維の組合せの例として、すべての天然、すべての合成、2種またはそれよりも多くの天然繊維、2種またはそれよりも多くの合成繊維、1種の天然繊維と1種の合成繊維、1種の天然繊維と2種またはそれよりも多くの合成繊維、2種またはそれよりも多くの天然繊維と1種の合成繊維、ならびに2種またはそれよりも多くの天然繊維と2種またはそれよりも多くの合成繊維が挙げられる。
【0067】
[0078]天然繊維として、植物由来または動物由来のものが挙げられる。天然繊維はセルロース系、ヘミセルロース系、およびリグニンであることができる。植物由来の天然繊維の例として、広葉樹パルプ、針葉樹パルプ、および木材粉;ならびに小麦わら、米わら、アバカ、コイア、コットン、アマ、大麻、ジュート、バガス、カポック、パピルス、ラミー、ラタン、つる植物、ケナフ、アバカ、ヘネッケン、サイザル麻、ダイズ、穀物わら、竹材、リード、エスパルトグラス、バガス、サバイグラス、ミルクウィード綿の繊維、パイナップル葉の繊維、スイッチグラス、リグニン含有植物における植物繊維を含むその他の植物繊維などが挙げられる。動物由来の繊維の例として、ウール、絹、モヘア、カシミヤ、ヤギの毛、ウマの毛、トリの繊維、ラクダの毛、アンゴラウール、およびアルパカウールが挙げられる。
【0068】
[0079]合成繊維とは、化学反応を介して少なくとも部分的に、合成もしくは誘導体化された、または再生された繊維であり、これらに限定されないが、レーヨン、ビスコース、マーセル化繊維またはその他の種類の再生セルロース(天然セルロースの溶解性セルロース系誘導体への変換およびその後の再生)、例えば、リヨセル(TENCEL(商標)としても公知)、Cupro、Modal、アセテート、例えば、ポリ酢酸ビニル、ナイロンを含むポリアミド、ポリエステル、例えば、PET、オレフィンポリマー、例えば、ポ
リプロピレンおよびポリエチレン、ポリカーボネート、ポリスルフェート、ポリスルホン、ポリエーテル、例えば、Spandexまたはエラスタンとして公知のポリエーテル-ウレア、ポリアクリレート、アクリロニトリルコポリマー、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、スルホポリエステル繊維、およびこれらの組合せが挙げられる。
【0069】
[0080]ケミカルリサイクル施設に入る前、織物は、切り刻み、細断、ハローイング、粉末化、粉状化、または切断を介してサイズを減少させて、サイズを減少させた織物を生成することができる。織物はまた、ケミカルリサイクル施設に入る前に、高密度化する(例えば、ペレット化する)ことができる。高密度化プロセスの例として、押出し(例えば、ペレットにする)、成型(例えば、ブリケットにする)、および凝集(例えば、外部から適用される熱、摩擦力により生じる熱を介して、またはそれら自体非バージンポリマーであることができる1種もしくは複数の接着性物質を添加することによる)が挙げられる。代わりに、または加えて、織物は、本明細書に記述されている形態のいずれかであることができ、図1aおよび1bに示されているケミカルリサイクル施設10の残りの施設において処理される前の、前処理施設20における以前に記述されているステップのうちの1つまたは複数に曝露することができる。
【0070】
[0081]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、ポリエチレンテレフタレート(PET)および1つまたは複数のポリオレフィン(PO)は、組み合わせて、図1aおよび1bの流れ100のケミカルリサイクル施設に供給される廃棄プラスチック(例えば、MPW)の少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、または少なくとも99重量パーセントを構成する。ポリ塩化ビニル(PVC)は、ケミカルリサイクル施設10に導入される廃棄プラスチック中のプラスチックの総重量を基準にして、廃棄プラスチックの少なくとも0.001、少なくとも0.01、少なくとも0.05、少なくとも0.1、少なくとも0.25、もしくは少なくとも0.5重量パーセントおよび/または10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、4重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.75重量パーセント以下もしくは0.5重量パーセント以下を構成することができる。
【0071】
[0082]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、廃棄プラスチックは、ケミカルリサイクル施設10に導入される廃棄プラスチック中のプラスチックの総重量を基準にして、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントのPETを含むことができる。
【0072】
[0083]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、廃棄プラスチックは、廃棄プラスチック中のプラスチックの総重量を基準にして、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40重量パーセントおよび/または95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下もしくは35重量パーセント以下のPOを含むことができ、またはPOは、ケミカルリサイクル施設10に導入される廃棄プラスチック中のプラスチックの総重量を基準にして、5~75重量パーセント、10~60重量パー
セント、もしくは20~35重量パーセントの範囲の量で存在することができる。
【0073】
[0084]ケミカルリサイクル施設に導入された廃棄プラスチック(例えば、MPW)は、これらに限定されないが、都市のリサイクル施設(MRF)またはリクレーマー施設またはその他の機械的もしくは化学的選別もしくは分離施設、製造業者もしくは加工工場もしくは商業生産施設、または工業的に使用後のおよび消費者前のリサイクル可能なものを所持している小売り業者もしくは販売業者もしくは卸売販売業者から、家庭/企業(すなわち、未処理のリサイクル可能なもの)、埋立て、収集センター、コンビニエンスセンターから直接、または港もしくは船舶で、もしくはその上の倉庫などを含む様々な供給源から提供され得る。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、廃棄プラスチック(例えばMPW)の供給源は、消費者が特定のリサイクル可能物品(例えば、プラスチック容器、ビンなど)をデポジットして州から返金を受けることができる、州のデポジット返還施設を含まない。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、廃棄プラスチック(例えば、MPW)の供給源は、消費者が特定のリサイクル可能な物品(例えば、プラスチック容器、ビンなど)をデポジットして、州から返金を受けることができる州のデポジット返還施設を実際に含む。このような返還施設は一般的に、例えば、食料品店に見出される。
【0074】
[0085]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、廃棄プラスチックは、別の処理施設、例えば、都市のリサイクル施設(MRF)またはリクレーマー施設からの廃棄物の流れとして、または消費者により選別されて、道路脇に、もしくは主要なコンビニエンスステーションに収集用に置かれている廃棄プラスチックを含むプラスチック含有混合物として提供され得る。このような実施形態の1つまたは複数では、廃棄プラスチックは、1種もしくは複数のMRF生成物もしくは共生成物、リクレーマーの共生成物、選別したプラスチック含有混合物、および/またはプラスチック物品製造施設からのPET含有廃棄プラスチックを含み、これらは、乾燥プラスチックを基準にして、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、もしくは少なくとも90重量パーセントのPETおよび/または99.9重量パーセント以下、99重量パーセント以下、98重量パーセント以下、97重量パーセント以下、96重量パーセント以下もしくは95重量パーセント以下のPETを含み、あるいはそれは、乾燥プラスチックを基準にして、10~99.9重量パーセント、20~99重量パーセント、30~95重量パーセント、または40~90重量パーセントの範囲のPETであることができる。
【0075】
[0086]このような実施形態の1つまたは複数では、廃棄プラスチックは、乾燥プラスチックを基準にして、少なくとも1、少なくとも10、少なくとも30、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、もしくは少なくとも90重量パーセントおよび/または99.9重量パーセント以下、99重量パーセント以下もしくは90重量パーセント以下のPETを含む、ある量のPET含有リクレーマーの共生成物またはプラスチック含有混合物を含み、あるいはそれは、乾燥プラスチックを基準にして、1~99.9重量パーセント、1~99重量パーセント、または10~90重量パーセントの範囲のPETであることができる。リクレーマー施設はまた、高い純度のPET(少なくとも99または少なくとも99.9重量パーセント)リクレーマー共生成物ではあるが、機械的リサイクル施設に対して望ましくない形態で生成するプロセスを含み得る。本明細書で使用される場合、「リクレーマーの共生成物」という用語は、透明なrPET生成物として回収されない、リクレーマー施設により分離または回収される、着色されたrPETを含む任意の材料を指す。上および下に記載されているリクレーマーの共生成物は、廃棄生成物であると一般的に考えられ、埋立てに送ることができる。
【0076】
[0087]1つまたは複数のこのような実施形態では、廃棄プラスチックは、乾燥プラスチ
ックを基準にして、少なくとも20、少なくとも40、少なくとも60、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも95、もしくは少なくとも99重量パーセントおよび/または99.9重量パーセント以下のPETを含む、ある量のリクレーマーの湿った細粒を含む。1つまたは複数のこのような実施形態では、廃棄プラスチックは、乾燥プラスチックを基準にして、少なくとも1、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも40、少なくとも60、少なくとも80、もしくは少なくとも90重量パーセントおよび/または99.9重量パーセント以下もしくは99重量パーセント以下のPETを含む、ある量の着色プラスチック含有混合物を含む。1つまたは複数のこのような実施形態では、廃棄プラスチックは、金属と、乾燥プラスチックを基準にして、少なくとも0.1、少なくとも1、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも40、少なくとも60、もしくは少なくとも80重量パーセントおよび/または99.9重量パーセント以下、99重量パーセント以下、もしくは98重量パーセント以下のPETとを含む、ある量の渦流廃棄物の流れを含む。1つまたは複数のこのような実施形態では、廃棄プラスチックは、乾燥プラスチックを基準にして、少なくとも0.1、少なくとも1、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも40、少なくとも60、もしくは少なくとも80重量パーセントおよび/または99.9重量パーセント以下、99重量パーセント以下、または98重量パーセント以下のPETを含む、ある量のリクレーマーフレーク拒絶物を含み、あるいはその量は乾燥プラスチックを基準にして、0.1~99.9重量パーセント、1~99重量パーセント、または10~98重量パーセントのPETの範囲であってもよい。1つまたは複数のこのような実施形態では、廃棄プラスチックは、乾燥プラスチックを基準にして、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも95、少なくとも99、少なくとも99.9重量パーセントのPETを含む、ある量の乾燥細粒を含む。
【0077】
[0088]ケミカルリサイクル施設10はまた、例えば、列車、トラック、および/または船舶を含む任意の適切な種類の輸送手段による廃棄プラスチックの送達を促進するため、本明細書に記載されているような廃棄プラスチック(例えば、MPW)を受け取るためのインフラストラクチャーを含むこともできる。このようなインフラストラクチャーは、輸送手段から廃棄プラスチックの積荷をおろすのを援助する施設、ならびに貯蔵所施設および積荷おろしゾーンから下流の処理ゾーンへと廃棄プラスチックを輸送するための1種または複数の搬送システムを含むことができる。このような搬送システムとして、例えば、空圧式コンベヤー、ベルトコンベヤー、バケットコンベヤー、振動式コンベヤー、スクリューコンベヤー、カートオントラックコンベヤー、トウコンベヤー、トロリーコンベヤー、フロントエンドローダー、トラック、およびチェーンコンベヤーを挙げることができる。
【0078】
[0089]ケミカルリサイクル施設10に導入される廃棄物(例えば、MPW)は、これらに限定されないが、物品全体、粒子(例えば、微粉砕された、ペレット化された、繊維プラスチック粒子)、束ねたベール(例えば、圧縮されたおよびひもで結ばれた物品全体)、束ねられていない物品(すなわち、ベールまたはパッケージに入っていない)、容器(例えば、ボックス、サック、トレーラー、貨車、ローダーバケット)、パイル(例えば、建築物内のコンクリート平板上)、固体/液体スラリー(例えば、水中で、ポンプで送り込まれるプラスチックのスラリー)、および/または物理的に搬送された遊離した材料(例えば、コンベヤーベルト上の粒子)もしくは空気圧によって搬送された遊離した材料(例えば、搬送パイプ内で大気および/または不活性ガスと混合された粒子)を含むいくつかの形態であってよい。
【0079】
[0090]本明細書で使用される場合、「廃棄プラスチック粒子」という用語は、2.54cm(1インチ)未満のD90を有する廃棄プラスチックを指す。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、廃棄プラスチック粒子は
MPW粒子であることができる。廃棄プラスチックまたはMPW粒子は、例えば、細断され、もしくは切り刻まれた、微粉砕されたプラスチック粒子、またはプラスチックペレットを含むことができる。物品全体またはほぼ物品全体がケミカルリサイクル施設10(または前処理施設20)に導入された場合、1つまたは複数の微粉砕またはペレット化するステップをその中で使用して、廃棄プラスチック粒子(例えば、MPW粒子)を形成することができる。代わりに、または加えて、ケミカルリサイクル施設10(または前処理施設20)に導入される少なくとも一部分の廃棄プラスチックはすでに粒子の形態であってもよい。
【0080】
[0091]図1aおよび1bに示されているケミカルリサイクル施設内に存在し得る施設のそれぞれの全般的な構成および作業はこれより以下に、前処理施設から開始してさらに詳細に記載される。任意選択で、図1aおよび1bには示されていないが、ケミカルリサイクル施設からの流れの少なくとも1つが、工業用埋立てまたはその他の同様の種類の処理または廃棄処分施設に送られてもよい。
【0081】
前処理
[0092]図1aおよび1bに示されている通り、未処理および/または部分的に処理した廃棄プラスチックの流れ、例えば、混合プラスチック廃棄物(MPW)の流れは、流れ100を介して前処理施設20へと最初に導入されてもよい。前処理施設20において、流れは1つまたは複数の処理ステップを経ることによって、ケミカルリサイクルへ送られる準備が整う。本明細書で使用される場合、「前処理」という用語は、以下のステップのうちの1つまたは複数を使用してケミカルリサイクルに対して廃棄プラスチックを準備することを指す:(i)微粉砕する;(ii)粒子化する;(iii)洗浄する;(iv)乾燥させる;および/または(v)分離する。本明細書で使用される場合、「前処理施設」という用語は、廃棄プラスチックの前処理を行うために必要なすべての装置、ライン、および制御を含む施設を指す。本明細書に記載されているような前処理施設は、上記ステップのうちの1つまたは複数を使用して、ケミカルリサイクルに対する廃棄プラスチックの準備を実行するための任意の適切な方法を利用することができ、これらは以下にさらに詳細に記載されている。
【0082】
微粉砕および粒子化
[0093]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、廃棄プラスチック(例えば、MPW)は、非選別または事前に選別したプラスチックがベールの形態で、またはその他の大きな、凝集した形態で提供されてもよい。ベールまたは凝集したプラスチックは、最初のプロセスを経て、バラバラになる。プラスチックベールは、例えば、ベールをバラバラにする、ある場合には、ベールを構成するプラスチックを細かく刻むように設計された歯またはブレードを備えた、1つまたは複数の回転シャフトを含むディベーラー機器に送られてもよい。1つまたは複数のその他の実施形態において、ベールまたは凝集したプラスチックは、ギロチン断裁機器に送ることができ、そこでこれらはより小さなサイズのプラスチック小片へと切り刻まれる。ディベーリングされたおよび/またはギロチン断裁されたプラスチック固体は、次いで選別プロセスに供することができ、ここでは様々な非プラスチック、重質材料、例えば、ガラス、金属、および岩が除去される。この選別プロセスは手作業でまたは機器により実施することができる。選別機器は、光学センサー、磁石、渦流、抵抗係数に基づき分離する空圧式リフトもしくはコンベヤー、またはふるいに依存して、重質材料を特定および除去することができる。
【0083】
[0094]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、廃棄プラスチック供給原料は、2.54cm(1インチ)より大きい、1.91cm(0.75インチ)より大きい、または1.27cm(0.5インチ)より大きいD9
0を有するプラスチック固体、例えば、使用済み容器を含む。代わりに、または加えて、廃棄プラスチック供給原料はまた、ある時点では、2.54cm(1インチ)より大きい少なくとも1つの寸法を有した複数のプラスチック固体を含んでもよいが、固体は押し固められ、圧縮され、またはそうでなければより大きな単位、例えば、ベールへと凝集されていてもよい。少なくとも一部分、またはすべてのプラスチック固体が2.54cm(1インチ)より大きい、1.91cm(0.75インチ)より大きい、または1.27cm(0.5インチ)より大きい少なくとも1つの寸法を有するこのような実施形態において、供給原料は、機械的にサイズを減少させる作業、例えば、粉砕/造粒、細断、ギロチン断裁、切り刻み、またはその他の微粉砕プロセスに供して、より小さいサイズを有するMPW粒子を得ることができる。このような機械的にサイズを減少させる作業は、圧砕、押し固め、またはプラスチックによるベールの形成以外のサイズを減少させるステップを含むことができる。
【0084】
[0095]1つまたは複数のその他の実施形態において、廃棄プラスチックは、いくつかの初期の分離および/または微細化プロセスをすでに経ている。特に、廃棄プラスチックは粒子またはフレークの形態であってよく、いくらかの種類の容器、例えば、サックまたはボックスで提供されてもよい。これらプラスチック固体の組成およびこれらが供され得る前処理の種類に応じて、プラスチック供給原料はディベーラー、ギロチン断裁、および/または重質除去ステーションを迂回することができ、さらなるサイズの減少のため造粒装置へと直接進行することができる。
【0085】
[0096]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、ディベーリングされたまたはバラバラになったプラスチック固体は、微粉砕または造粒装置に送られてもよく、ここでプラスチック固体は粉砕され、細断され、またはそうでなければサイズを減少させる。プラスチック材料は、2.54cm(1インチ)未満、1.91cm(3/4インチ)未満、または1.27cm(1/2インチ)未満のD90粒径を有する粒子にすることができる。1つまたは複数のその他の実施形態において、造粒装置を脱出するプラスチック材料のD90粒径は0.16cm(1/16インチ)~2.54cm(1インチ)、0.32cm(1/8インチ)~1.91cm(3/4インチ)、0.64cm(1/4インチ)~1.59cm(5/8インチ)、または0.95cm(3/8インチ)~1.27cm(1/2インチ)である。
【0086】
洗浄および乾燥
[0097]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、ケミカルリサイクル施設に提供される未処理または部分的に処理した廃棄プラスチックは、廃棄プラスチックの以前の使用に付随し得る様々な有機混入物または残渣を含み得る。例えば、廃棄プラスチックは、特にプラスチック材料が食物または飲料パッケージに使用された場合、食物または飲料の汚れを含み得る。したがって、廃棄プラスチックはまた微生物混入物および/または微生物により生成される化合物を含有し得る。廃棄プラスチックを構成しているプラスチック固体の表面上に存在し得る例示的微生物として、大腸菌、サルモネラ、C.ディフィシレ、黄色ブドウ球菌、L.モノサイトゲネス、表皮ブドウ球菌、緑膿菌、およびP.フルオレッセンスが挙げられる。
【0087】
[0098]様々な微生物が悪臭を引き起こす化合物を生成することができる。例示的な臭気を引き起こす化合物として、硫化水素、硫化ジメチル、メタンチオール、プトレシン、カダベリン、トリメチルアミン、アンモニア、アセトアルデヒド、酢酸、プロパン酸、および/または酪酸が挙げられる。よって、廃棄プラスチックは臭気による危害の懸念を提示し得ることを認識することができる。したがって、廃棄プラスチックは、さらなる処理が可能となるまで、密閉空間内、例えば、出荷容器、封入された軌道車、または封入されたトレーラー内に貯蔵することができる。ある特定の実施形態において、未処理または部分
的に処理した廃棄プラスチックは、廃棄プラスチックの処理(例えば、微粉砕、洗浄、および選別)が行われることになるサイトに一度到達すれば、密閉空間内に1週間以内、5日間以内、3日間以内、2日間以内、または1日以内貯蔵することができる。
【0088】
[0099]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、前処理施設20はまた、抗菌剤の特徴を保有する化学組成で廃棄プラスチックを処理するための装置または処理するステップを含み、これによって、処理された粒子プラスチック固体を形成することができる。一部の実施形態において、これは廃棄プラスチックを水酸化ナトリウム、高いpHの塩溶液(例えば、炭酸カリウム)、またはその他の抗菌剤組成物で処理することを含み得る。
【0089】
[0100]さらに、一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、廃棄プラスチック(例えば、MPW)は、任意選択で洗浄して、無機の、非プラスチック固体、例えば、汚れ、ガラス、充填剤およびその他の非プラスチック固形物を除去すること、および/または生物学的要素、例えば、細菌および/または食物を除去することができる。生成した洗浄した廃棄プラスチックはまた、廃棄プラスチックの総重量を基準にして、5重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.5重量パーセント以下または0.25重量パーセント以下の水(または液体)の含水量まで乾燥させることもできる。乾燥は、熱および/または気流の添加、機械的乾燥(例えば、遠心性)を含む任意の適切な方式、または特定された時間にわたり液体を蒸発させることにより、行うことができる。
【0090】
分離
[0101]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、前処理施設20またはケミカルリサイクルプロセスまたは施設10のステップは、少なくとも1つの分離ステップまたはゾーンを含んでもよい。分離ステップまたはゾーンは、廃棄プラスチック流を、ある特定の種類のプラスチックを豊富に含む2つまたはそれよりも多くの流れへと分離するように設計することもできる。このような分離は、前処理施設20に供給される廃棄プラスチックがMPWである場合、特に有利である。
【0091】
[0102]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、前処理施設20の分離ゾーン22(図2を参照されたい)は、図2に示されている通り、廃棄プラスチック(例えば、MPW)を、PETを豊富に含む流れ112およびPETが枯渇した流れ114へと分離してもよい。本明細書で使用される場合、「豊富に含む」という用語は、基準の材料または流れの中のその成分の濃度より大きい特定の成分の濃度(無希釈の乾燥重量を基準にして)を有することを意味する。本明細書で使用される場合、「枯渇した」という用語は、基準の材料または流れの中のその成分の濃度より低い特定の成分の濃度(無希釈の乾燥重量を基準にして)を有することを意味する。本明細書で使用される場合、すべての重量パーセンテージは、別途明示されていない限り、無希釈の乾燥重量を基準にして付与されている。
【0092】
[0103]豊富に含むまたは枯渇した成分が固体の場合、濃度は無希釈の乾燥固体重量を基準にしている;豊富に含むまたは枯渇した成分が液体の場合、濃度は無希釈の乾燥液体重量を基準にしている;および豊富に含むまたは枯渇した成分が気体の場合、濃度は無希釈の乾燥気体重量を基準にしている。加えて、豊富に含むおよび枯渇したとは、濃度としての言い回しよりもむしろ質量バランスによる言い回しとして表現することができる。よって、特定の成分を豊富に含む流れは、基準の流れ(例えば、供給流またはその他の生成物流)の中の成分の質量より大きい成分の質量を有することができ、その一方で特定の成分が枯渇した流れは、基準の流れ(例えば、供給流またはその他の生成物流)の中の成分の質量より低い成分の質量を有することができる。
【0093】
[0104]図2を参照すると、前処理施設20(または分離ゾーン22)から離脱した廃棄プラスチックのPETを豊富に含む流れ112は、前処理施設20(または分離ゾーン22)に導入される廃棄プラスチック供給流100中のPETの濃度または質量より高いPETの濃度または質量を有することができる。同様に、前処理施設20(または分離ゾーン22)から離脱したPETが枯渇した流れ114はPETが枯渇し、前処理施設20(または分離ゾーン22)に導入される廃棄プラスチック中のPETの濃度または質量より低いPETの濃度または質量を有し得る。PETが枯渇した流れ114はまた、POを豊富に含み、前処理施設20(または分離ゾーン22)に導入される廃棄プラスチック(例えば、MPW)流中のPOの濃度または質量より高い濃度または質量のPOを有し得る。
【0094】
[0105]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、MPW流100が、前処理施設20(または分離ゾーン22)に供給される場合、PETを豊富に含む流れは、希釈しない固体乾燥重量基準で、MPW流またはPETが枯渇した流れ、または両方の中のPETの濃度または質量と比べて、PETの濃度または質量において富化されていてもよい。例えば、分離後、PETを豊富に含む流れが液体またはその他の固体で希釈された場合、富化は無希釈のPETを豊富に含む流れ、および乾燥基準での濃度に基づく。一実施形態においてまたは記述されている実施形態のいずれかと組み合わせて、PETを豊富に含む流れ112は、MPW供給流(供給物を基準にしたPET富化%)、PETが枯渇した生成物流114(生成物を基準にしたPET富化%)、または両方に対して、式:
【0095】
【数1】
【0096】
(式中、PETeは、無希釈の乾燥重量基準でのPETを豊富に含む生成物流112中のPETの濃度であり、
PETmは、乾燥重量基準でのMPW供給流100中のPETの濃度であり、
PETdは、乾燥重量基準でのPETが枯渇した生成物流114中のPETの濃度である)
【0097】
により決定した場合、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも80、少なくとも100、少なくとも125、少なくとも150、少なくとも175、少なくとも200、少なくとも225、少なくとも250、少なくとも300、少なくとも350、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも600、少なくとも700、少なくとも800、少なくとも900、または少なくとも1000%である、PET富化パーセントを有する。
【0098】
[0106]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、MPW100を含む流れが前処理施設20(または分離ゾーン22)に供給される場合、PETを豊富に含む流れはまた、MPW供給流100、またはPETが枯渇した生成物流114、または両方の中のハロゲンの濃度または質量に対して、ハロゲン、例えば、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、およびアスタチン(At)、ならびに/またはハロゲン含有化合物、例えば、PVCを豊富に含む。一実施形態に
おいてまたは記述されている実施形態のいずれかと組み合わせて、PETを豊富に含む流れ112は、MPW供給流100(供給物ベースのPVC富化%)、PETが枯渇した生成物流(生成物ベースのPVC富化%)、または両方に対して、式:
【0099】
【数2】
【0100】
(式中、PVCeは、無希釈の乾燥重量基準でのPETを豊富に含む生成物流112中のPVCの濃度であり、
PVCmは、無希釈の乾燥重量基準でのMPW供給流100中のPVCの濃度であり、
PVCdは、無希釈の乾燥重量基準でのPETが枯渇した生成物流114中のPVCの濃度である)
【0101】
により決定した場合、少なくとも1、少なくとも3、少なくとも5、少なくとも7、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも80、少なくとも100、少なくとも125、少なくとも150、少なくとも175、少なくとも200、少なくとも225、少なくとも250、少なくとも300、少なくとも350、少なくとも400、または少なくとも500%である、PVC富化パーセントを有する。
【0102】
[0107]一実施形態においてまたは記述されている実施形態のいずれかと組み合わせて、MPW流100が前処理施設20(または分離ゾーン22)に供給される場合、PETが枯渇した流れ114は、MPW供給流100、PETを豊富に含む生成物流112、または両方の中のポリオレフィンの濃度または質量に対して、無希釈の固体乾燥基準でポリオレフィンを豊富に含む。一実施形態においてまたは記述されている実施形態のいずれかと組み合わせて、PETが枯渇した流れ114は、MPW供給流100(供給物ベースのPO富化%)、またはPETを豊富に含む生成物流112(生成物ベースのPO富化%)、または両方に対して、式:
【0103】
【数3】
【0104】
(式中、POdは、無希釈の乾燥重量基準でのPETが枯渇した生成物流114中のポリオレフィンの濃度であり、
POmは、乾燥重量基準でのMPW供給流100中のPOの濃度であり、
POeは、乾燥重量基準でのPETを豊富に含む生成物流112中のPOの濃度である)
【0105】
により決定した場合、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも40、少なくとも5
0、少なくとも60、少なくとも80、少なくとも100、少なくとも125、少なくとも150、少なくとも175、少なくとも200、少なくとも225、少なくとも250、少なくとも300、少なくとも350、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも600、少なくとも700、少なくとも800、少なくとも900、または少なくとも1000%である、ポリオレフィン富化パーセントを有する。
【0106】
[0108]一実施形態においてまたは任意のその他の実施形態と組み合わせて、MPW流100が前処理施設20(または分離ゾーン22)に供給される場合、PETが枯渇した流れ114はまた、MPW流100、PETを豊富に含む流れ112、または両方の中のハロゲンの濃度または質量に対して、ハロゲン、例えば、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、およびアスタチン(At)、ならびに/またはハロゲン含有化合物、例えば、PVCが枯渇している。一実施形態においてまたは記述されている実施形態のいずれかと組み合わせて、PETが枯渇した流れ114は、MPW供給流100(供給物ベースのPVC枯渇化%)またはPETを豊富に含む生成物流112(生成物ベースのPVC枯渇化%)に対して、式:
【0107】
【数4】
【0108】
(式中、PVCmは、無希釈の乾燥重量基準でのMPW供給流100中のPVCの濃度であり、
PVCdは、無希釈の乾燥重量基準でのPETが枯渇した生成物流114中のPVCの濃度であり、
PVCeは、無希釈の乾燥重量基準でのPETを豊富に含む生成物流112中のPVCの濃度である)
【0109】
により決定した場合、少なくとも1、少なくとも3、少なくとも5、少なくとも7、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、または少なくとも90%である、PVC枯渇化パーセントを有する。
【0110】
[0109]PETが枯渇した流れ114は、MPW流100、PETを豊富に含む流れ112、または両方の中のPETの濃度または質量に対して、PETが枯渇している。一実施形態においてまたは記述されている実施形態のいずれかと組み合わせて、PETが枯渇した流れ114は、MPW供給流100(供給物ベースのPET枯渇化%)またはPETを豊富に含む生成物流112(生成物ベースのPET枯渇化%)に対して、式:
【0111】
【数5】
【0112】
(式中、PETmは、無希釈の乾燥重量基準でのMPW供給流100中のPETの濃度であり、
PETdは、無希釈の乾燥重量基準でのPETが枯渇した生成物流114中のPETの濃度であり、
PETeは、無希釈の乾燥重量基準でのPETを豊富に含む生成物流112中のPETの濃度である)
【0113】
により決定した場合、少なくとも1、少なくとも3、少なくとも5、少なくとも7、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、または少なくとも90%である、PET枯渇化パーセントを有する。
【0114】
[0110]上記実施形態のいずれかでの富化または枯渇化パーセンテージは、1週にわたる、または3日にわたる、または1日にわたる平均であることができ、測定は、プロセスの出口で採取した試料と、MPWバルクとを合理的に相関させるために行うことができ、このMPWバルクからのMPWの試料は入口から出口へとMPWが流動する滞留時間を考慮に入れる。例えば、MPWの平均滞留時間が2分間である場合、出口試料は、試料が互いに相関するように、試料のインプットから2分間後に採取される。
【0115】
[0111]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、分離ゾーン22または前処理施設20を脱出するPETを豊富に含む流れは、PETを豊富に含む流れ112中のプラスチックの総重量を基準にして、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、少なくとも97、少なくとも99、少なくとも99.5、または少なくとも99.9重量パーセントのPETを含み得る。PETを豊富に含む流れ112はまたPVCを豊富に含んでもよく、PETを豊富に含む流れ中のプラスチックの総重量を基準にして、例えば、少なくとも0.1、少なくとも0.5、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも5重量パーセントおよび/または10重量パーセント以下、8重量パーセント以下、6重量パーセント以下、5重量パーセント以下、3重量パーセント以下の、PVCを含めたハロゲンを含むことができ、またはハロゲンは、PETを豊富に含む流れ中のプラスチックの総重量を基準にして、0.1~10重量パーセント、0.5~8重量パーセント、または1~5重量パーセントの範囲であることができる。PETを豊富に含む流れは、前処理施設20(または分離ゾーン22)へ導入されるPETの総量の少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、少なくとも99、または少なくとも99.5重量パーセントを含んでもよい。
【0116】
[0112]PETを豊富に含む流れ112はまた、POおよび/またはより重いプラスチッ
ク、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアミド(PA12、PA46、PA66)、ポリアクリルアミド(PARA)、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、ポリカーボネートポリブチレンテレフタレートブレンド(PC/PBT)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリイミド(PI)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PESU)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリスルホン(PSU)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリグリコライド(ポリ(グリコール酸)、PGA)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、熱可塑性スチレン系エラストマー(TPS)、非晶質熱可塑性ポリイミド(TPI)、液晶ポリマー(LCP)、ガラス繊維補強PET、塩素化ポリ塩化ビニル(CPVC)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリモノクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、およびパーフルオロアルコキシ(PFA)が枯渇していてもよく、これらのうちのいずれかは炭素、ガラス、および/またはミネラル充填剤を含んでもよく、PETおよびPVCより高い密度を有する。
【0117】
[0113]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、PETを豊富に含む流れ112は、PETを豊富に含む流れ112中のプラスチックの総重量を基準にして、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.5重量パーセント以下のPOを含み得る。PETを豊富に含む流れ112は、前処理施設20(または分離ゾーン22)に導入されるPOの総量の10重量パーセント以下、8重量パーセント以下、5重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下または1重量パーセント以下を含み得る。PETを豊富に含む流れ112は、PETを豊富に含む流れ112の総重量を基準にして、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下のPET以外の成分を含み得る。
【0118】
[0114]さらに、または代替法において、PETを豊富に含む流れ112は、乾燥基準で、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.5重量パーセント以下または0.1重量パーセント以下の接着剤を含むことができる。典型的な接着剤はカーペット接着剤、ラテックス、スチレンブタジエンゴムなどを含む。さらに、PETを豊富に含む流れ112は、乾燥基準で、4重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.5重量パーセント以下または0.1重量パーセント以下のプラスチック充填剤および固体添加剤を含むことができる。例示的な充填剤および添加剤として、二酸化ケイ素、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、ガラス、ガラスビーズ、アルミナ、およびその他の固体不活性物質が挙げられ、これらは、本明細書に記載されている方法においてプラスチックまたはその他の成分と化学的に反応しない。
【0119】
[0115]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、分離ゾーン22または前処理施設20を脱出する、PETが枯渇した(またはPOを豊富に含む)流れ114は、PETが枯渇した(またはPOを豊富に含む)流れ114中のプラスチックの総重量を基準にして、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、少なくとも97、少なくとも99、または少なくとも99.5重量パーセントのPOを含み得る。PETが枯渇した(またはPOを豊富に含む)流れは、PVCが枯渇していてもよく、PETが枯渇した(またはPOを豊富に
含む)流れ中のプラスチックの総重量を基準にして、例えば、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.5重量パーセント以下、0.1重量パーセント以下、0.05重量パーセント以下または0.01重量パーセント以下の、PVC中塩素(chorine)を含めたハロゲンを含むことができる。PETが枯渇したまたはPOを豊富に含む流れは、前処理施設20または分離施設22に導入されるPOの総量の少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、少なくとも99、または少なくとも99.9重量パーセントを含み得る。
【0120】
[0116]POを豊富に含む流れ114はまた、PETおよび/またはPVCを含むその他のプラスチックが枯渇していてもよい。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、PETが枯渇した(またはPOを豊富に含む流れ)は、PETが枯渇したまたはPOを豊富に含む流れ中のプラスチックの総重量を基準にして、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.5重量パーセント以下のPETを含み得る。POを豊富に含む(またはPETが枯渇した)流れ114は、前処理施設に導入されるPETの総量の、10重量パーセント以下、8重量パーセント以下、5重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下または1重量パーセント以下を含んでもよい。
【0121】
[0117]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、PETが枯渇したまたはPOを豊富に含む流れ114はまた、PETが枯渇したまたはPOを豊富に含む流れ114の総重量を基準にして、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下のPO以外の成分を含んでもよい。PETが枯渇したまたはPOを豊富に含む流れ114は、流れの総重量を基準にして、4重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.5重量パーセント以下または0.1重量パーセント以下の接着剤を含む。
【0122】
[0118]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、PETが枯渇したまたはPOを豊富に含む流れ114は、剪断速度10rad/秒および温度350℃で、V80-40羽根スピンドルを備えたBrookfield R/Sレオメーターを使用して測定した、少なくとも1、少なくとも5、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも600、少なくとも700、少なくとも800、少なくとも900、少なくとも1000、少なくとも1500、少なくとも2000、少なくとも2500、少なくとも3000、少なくとも3500、少なくとも4000、少なくとも4500、少なくとも5000、少なくとも5500、少なくとも6000、少なくとも6500、少なくとも7000、少なくとも7500、少なくとも8000、少なくとも8500、少なくとも9000、少なくとも9500、または少なくとも10,000ポイズの溶融粘度を有することができる。代わりに、または加えて、PETが枯渇したまたはPOを豊富に含む流れは、25,000ポイズ以下、24,000ポイズ以下、23,000ポイズ以下、22,000ポイズ以下、21,000ポイズ以下、20,000ポイズ以下、19,000ポイズ以下、18,000ポイズ以下または17,000ポイズ以下の溶融粘度(10rad/秒および350℃で測定)を有することができる。または流れは、1~25,000ポイズ、500~22,000ポイズ、または1000~17,000ポイズの範囲の溶融粘度(10rad/秒および350℃で測定)を有することができる。
【0123】
[0119]任意の適切な種類の分離デバイス、システム、または施設を利用して、廃棄プラスチックを、ある特定の種類のプラスチックを豊富に含む2つまたはそれよりも多くの流れ、例えば、PETを豊富に含む流れ112およびPOを豊富に含む流れ114へと分離することができる。適切な種類の分離の例として、機械的分離および密度分離が挙げられ、密度分離には、浮沈分離および/または遠心性密度分離が含まれる。本明細書で使用される場合、「浮沈法による分離」という用語は、材料の分離が選択された液体媒体中の流動または沈降により主に引き起こされる密度分離プロセスを指し、その一方で「遠心性密度分離」という用語は、材料の分離が遠心力で主に引き起こされる密度分離プロセスを指す。一般的に、「密度分離法」という用語は、少なくとも部分的に材料のそれぞれの密度に基づき、材料を、少なくともより高い密度の産出物およびより低い密度の産出物へと分離するための方法を指し、浮沈分離と遠心性密度分離との両方を含む。
【0124】
[0120]浮沈分離が使用された場合、液体媒体は水を含むことができる。塩、糖類、および/またはその他の添加剤は、液体媒体に加えて、例えば、液体媒体の密度を増加させ、浮沈分離段階の標的分離密度を調節することができる。液体媒体は濃縮された塩溶液を含むことができる。1つまたは複数のこのような実施形態において、塩は塩化ナトリウムである。しかし、1つまたは複数のその他の実施形態において、塩は非ハロゲン化塩、例えば、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、リン酸塩、および/または硫酸塩である。液体媒体は、臭化ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、硝酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、酢酸カリウム、臭化カリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、ヨウ化カリウム、塩化カルシウム、塩化セシウム、塩化鉄、塩化ストロンチウム、塩化亜鉛、硫酸マンガン、硫酸マグネシウム、硫酸亜鉛、および/または硝酸銀を含む濃縮塩溶液を含むことができる。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、塩は苛性成分である。塩は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、および/または炭酸カリウムを含み得る。濃縮塩溶液は、7より大きい、8より大きい、9より大きい、または10より大きいpHを有してもよい。
【0125】
[0121]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、液体媒体は、糖類、例えば、スクロースを含むことができる。液体媒体は、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロベンゼン、硫酸ジメチル、および/またはトリクロロエチレンを含むことができる。液体媒体の特定の成分および濃度は、分離段階の所望の標的分離密度に応じて選択することができる。遠心性密度分離法はまた、上に記載されているような液体媒体を利用して、標的分離密度における分離効率を改善することができる。
【0126】
[0122]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、廃棄プラスチック分離方法は、少なくとも2つの密度分離段階を含む。ある特定のこのような実施形態において、本方法は廃棄プラスチック粒子を、第1の密度分離段階に導入し、第1の密度分離段階からの産出物を第2の密度分離段階へと供給することを一般的に含む。密度分離段階は、本明細書で定義されたように密度分離方法を実施する任意のシステムまたは単位作業であることができる。密度分離段階の少なくとも1つは遠心力分離段階または浮沈分離段階を含む。第1のおよび第2の密度分離段階のそれぞれは遠心力分離段階および/または浮沈分離段階を含む。
【0127】
[0123]PETを豊富に含む材料の流れを生成するため、密度分離段階のうちの1つは低密度分離段階を含んでもよく、その他は一般的に高密度分離段階を含む。本明細書で定義されたように、低密度分離段階は、高密度分離段階の標的分離密度より低い標的分離密度を有する。低密度分離段階は、PETの密度より低い標的分離密度を有し、高密度分離段階はPETの密度より高い標的分離密度を有する。
【0128】
[0124]本明細書で使用される場合、「標的分離密度」という用語は、その密度より上では、密度分離方法に供される材料がより高密度の産出物へと優先的に分離され、その密度より下では、材料がより低密度の産出物へと分離される密度を指す。標的分離密度は密度値を特定するもので、この値より高い密度を有するすべてのプラスチックおよびその他の固形物はより高い密度の産出物へと分離され、この値より低い密度を有するすべてのプラスチックおよびその他の固形物は、より低い密度産出物へと分離されることが意図されている。しかし、密度分離法における材料の実際の分離効率は、滞留時間および特定の材料の標的密度分離値への密度の相対的な近さ、ならびに粒子の形態に関係した要因、例えば、領域対質量の比、球形度の程度、および多孔性を含む様々な要因に依存し得る。
【0129】
[0125]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、低密度分離段階は、1.35g/cc未満、1.34g/cc未満、1.33g/cc未満、1.32g/cc未満、1.31g/cc未満、もしくは1.30g/cc未満および/または少なくとも1.25、少なくとも1.26、少なくとも1.27、少なくとも1.28、もしくは少なくとも1.29g/ccである標的分離密度を有する。高密度分離段階は、低密度分離段階の標的分離密度よりも少なくとも0.01、少なくとも0.025、少なくとも0.05、少なくとも0.075、少なくとも0.1、少なくとも0.15、または少なくとも0.2g/cc大きい標的分離密度を有する。高密度分離段階の標的分離密度は、少なくとも1.31、少なくとも1.32、少なくとも1.33、少なくとも1.34、少なくとも1.35、少なくとも1.36、少なくとも1.37、少なくとも1.38、少なくとも1.39、もしくは少なくとも1.40g/ccおよび/または1.45g/cc以下、1.44g/cc以下、1.43g/cc以下、1.42g/cc以下もしくは1.41g/cc以下である。低密度分離段階の標的分離密度は、1.25~1.35g/ccの範囲であり、前記高密度分離段階の標的分離密度は、1.35~1.45g/ccの範囲である。
【0130】
[0126]再度図1aおよび1bを参照すると、PETを豊富に含む流れ112とPOを豊富に含む流れ114との両方がケミカルリサイクル施設10内の1つまたは複数の下流の処理施設に導入され得る(または1つもしくは複数の下流の処理ステップを経る)。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、PETを豊富に含む流れ112の少なくとも一部分は加溶媒分解施設30に導入されてもよく、その一方でPOを豊富に含む流れ114の少なくとも一部分は熱分解施設60、クラッキング施設70、部分的酸化(POX)ガス化施設50、エネルギー回収施設80、またはその他の施設90、例えば、固化または分離施設のうちの1つまたは複数に直接または間接的に導入されてもよい。本発明の技術の一実施形態に従いまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、施設の各ステップおよび種類の追加の詳細、ならびにこれらのステップまたは施設のそれぞれと、その他のステップまたは施設の1つまたは複数との全般的統合が以下にさらに詳細に論じられている。
【0131】
加溶媒分解
[0127]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、前処理施設20からのPETを豊富に含む流れ112の少なくとも一部分は加溶媒分解施設30へ導入されてもよい。本明細書で使用される場合、「加溶媒分解」または「エステル加溶媒分解」という用語は、エステル含有供給物が溶媒の存在下で化学的に分解されて、主要なカルボキシル生成物および主要なグリコール生成物を形成する反応を指す。「加溶媒分解施設」とは、廃棄プラスチックおよび廃棄プラスチック由来の供給原料の加溶媒分解を行うのに必要なすべての装置、ライン、および制御を含む施設である。
【0132】
[0128]加溶媒分解に供されるエステルがPETを含む場合、加溶媒分解施設で実施され
る加溶媒分解はPET加溶媒分解であってよい。本明細書で使用される場合、「PET加溶媒分解」という用語は、ポリエチレンテレフタレート含有供給物が溶媒の存在下で化学的に分解されて、主要なテレフタリル生成物および主要なグリコール生成物を形成する反応を指す。本明細書で使用される場合、「主要なテレフタリル」という用語は、加溶媒分解施設から回収される主要または重要なテレフタリル生成物を指す。本明細書で使用される場合、「主要なグリコール」という用語は、加溶媒分解施設から回収される主要なグリコール生成物を指す。本明細書で使用される場合、「グリコール」という用語は、分子1個当たり2個またはそれよりも多くの-OH官能基を含む成分を指す。本明細書で使用される場合、「テレフタリル」という用語は、以下の基:
【0133】
【化1】
【0134】
を含む分子を指す。
[0129]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、主要なテレフタリル生成物は、テレフタリル、例えば、テレフタル酸またはテレフタル酸ジメチル(またはそのオリゴマー)を含み、主要なグリコールは、グリコール、例えば、エチレングリコールおよび/またはジエチレングリコールを含む。本発明の技術の一実施形態に従いまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、PET加溶媒分解施設30の主要ステップが図3に全般的に示されている。
【0135】
[0130]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、加溶媒分解に使用される主要な溶媒は、少なくとも1つの-OH基を有する化学化合物を含む。適切な溶媒の例は、これらに限定されないが、(i)水(この場合、加溶媒分解は「加水分解」と呼ぶことができる)、(ii)アルコール(この場合、加溶媒分解は「アルコーリシス」と呼ぶことができる)、例えば、メタノール(この場合、加溶媒分解は「メタノリシス」と呼ぶことができる)またはエタノール(この場合、加溶媒分解は「エタノリシス」と呼ぶことができる)、(iii)グリコール、例えば、エチレングリコールまたはジエチレングリコール(この場合、加溶媒分解は「グリコリシス」と呼ぶことができる)、または(iv)アンモニア(この場合、加溶媒分解は「アンモノリシス」と呼ぶことができる)を含むことができる。
【0136】
[0131]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、加溶媒分解溶媒は、溶媒流の総重量を基準にして、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、少なくともまたは少なくとも99重量パーセントの主要な溶媒を含むことができる。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、溶媒は、溶媒流の総重量を基準にして、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下または1重量パーセント以下のその他の溶媒または成分を含み得る。
【0137】
[0132]加溶媒分解施設30がグリコール、例えば、エチレングリコールを主要な溶媒として利用する場合、施設はグリコリシス施設と呼ぶことができる。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、図1aおよび1bのケミ
カルリサイクル施設はグリコリシス施設を含み得る。グリコリシス施設では、PETは、化学的に分解されて、主要なグリコールとしてエチレングリコール(EG)および主要なテレフタリルとしてテレフタル酸ジメチル(DMT)を形成することができる。PETが廃棄プラスチックを含む場合、加溶媒分解施設で形成されるEGとDMTとの両方はリサイクル成分エチレングリコール(r-EG)およびリサイクル成分テレフタル酸ジメチル(r-DMT)を含み得る。グリコリシスにより形成される場合、EGおよびDMTは単一の生成物流中に存在することができる。
【0138】
[0133]加溶媒分解施設が主要な溶媒としてメタノールを利用する場合、施設はメタノリシス施設と呼ぶことができる。図1aおよび1bのケミカルリサイクル施設はメタノリシス施設を含み得る。その一例が図3に概略的に示されているメタノリシス施設では、PETは、化学的に分解されて、主要なグリコールとしてエチレングリコール(EG)および主要なテレフタリルとしてテレフタル酸ジメチル(DMT)を形成することができる。PETが廃棄プラスチックを含む場合、加溶媒分解施設で形成されるEGとDMTとの両方は、リサイクル成分エチレングリコール(r-EG)およびリサイクル成分テレフタル酸ジメチル(r-DMT)を含み得る。
【0139】
[0134]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、加溶媒分解施設30から離脱したリサイクル成分グリコール(r-グリコール)の流れ154は、加溶媒分解施設内で形成される主要なグリコールの少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントを含み得る。この流れはまた、流れの総重量を基準にして、99.9重量パーセント以下、99重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下もしくは75重量パーセント以下の主要なグリコール(例えば、EG)を含んでもよく、および/または少なくとも0.5、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも7、少なくとも10、少なくとも12、少なくとも15、少なくとも20、もしくは少なくとも25重量パーセントおよび/または45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下もしくは15重量パーセント以下の主要なグリコール以外の成分を含んでもよく、あるいはこれらは、流れの総重量を基準にして、0.5~45重量パーセント、1~40重量パーセント、または2~15重量パーセントの範囲の量で存在してもよい。r-グリコールは、流れ154の総重量を基準にして、45~99.9重量パーセント、55~99.9重量パーセント、または80~99.9重量パーセントの範囲の量で流れ154中に存在してもよい。
【0140】
[0135]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、加溶媒分解施設から離脱したリサイクル成分の主要なテレフタリル(r-テレフタリル)の流れ158は、加溶媒分解施設30内で形成される主要なテレフタリル(例えば、DMTなど)の少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントを含み得る。この流れはまた、流れの総重量を基準にして、99重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下または75重量パーセント以下の主要なテレフタリルを含んでもよく、あるいは主要なテレフタリルは、45~99重量パーセント、50~90重量パーセント、または55~90重量パーセントの量で存在してもよい。さらに、または代替法において、流れは、流れの総重量を基準にして、少なくとも0.5、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも7、少なくとも10、少なくとも12、少なくとも15、少なくとも20、もしくは少なくとも
25重量パーセントおよび/または45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下もしくは15重量パーセント以下の主要なテレフタリル以外の成分を含むことができる。r-テレフタリル(またはテレフタリル)は、流れ154の総重量を基準にして、45~99.9重量パーセント、55~99.9重量パーセント、または80~99.9重量パーセントの範囲の量で流れ154中に存在してもよい。
【0141】
[0136]リサイクル成分の主要なグリコールの流れ、リサイクル成分の主要なテレフタリルの流れを提供することに加えて、加溶媒分解施設は、図1aおよび1bにおいて流れ110として示されている1つまたは複数の加溶媒分解共生成物の流れも提供することができ、この流れはまた加溶媒分解施設内の1つまたは複数の場所から離脱することができる。本明細書で使用される場合、「共生成物」または「加溶媒分解共生成物」という用語は、加溶媒分解施設の主要なカルボキシル(テレフタリル)生成物でも、加溶媒分解施設の主要なグリコール生成物でも、または加溶媒分解施設に供給される主要な溶媒でもない、加溶媒分解施設からの任意の化合物を指す。加溶媒分解共生成物の流れは、流れの総重量を基準にして、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、または少なくとも99重量パーセントの1種または複数の加溶媒分解共生成物を含むことができる。
【0142】
[0137]加溶媒分解共生成物は、重質有機加溶媒分解共生成物の流れまたは軽質有機加溶媒分解共生成物の流れを含むことができる。本明細書で使用される場合、「重質有機加溶媒分解共生成物」という用語は、加溶媒分解施設の主要なテレフタリル生成物の沸点より高い沸点を有する加溶媒分解共生成物を指し、「軽質有機物の加溶媒分解共生成物」という用語は、加溶媒分解施設の主要なテレフタリル生成物の沸点より低い沸点を有する加溶媒分解共生成物を指す。
【0143】
[0138]加溶媒分解施設がメタノリシス施設である場合、1種または複数のメタノリシス共生成物が施設から離脱し得る。本明細書で使用される場合、「メタノリシス共生成物」という用語は、DMT、EG、またはメタノールではない、メタノリシス施設からの任意の化合物を指す。メタノリシス共生成物の流れは、流れの総重量を基準にして、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、または少なくとも99重量パーセントの1種または複数のメタノリシス共生成物を含むことができる。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、メタノリシス共生成物の流れは、重質有機メタノリシス共生成物または軽質有機メタノリシス共生成物を含むことができる。本明細書で使用される場合、「重質有機メタノリシス共生成物」という用語は、DMTより高い沸点を有するメタノリシス共生成物を指し、「軽質メタノリシス共生成物」という用語は、DMTより低い沸点を有するメタノリシス共生成物を指す。
【0144】
[0139]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、加溶媒分解施設は少なくとも1つの重質有機加溶媒分解共生成物の流れを生成し得る。重質有機加溶媒分解共生成物の流れは、流れの中の有機物の総重量を基準にして(DMTは除外する)、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントの、加溶媒分解施設30から生成される主要なテレフタリル(例えばDMT)の沸点より高い沸点を有する有機化合物を含んでもよい。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、重質有機加溶媒分解共生成物の流れは、流れの総重量を基
準にして、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、5重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下の軽質有機成分(DMTは除外する)またはDMTを含むことができる。
【0145】
[0140]さらに、または代替法において、加溶媒分解施設は、少なくとも1つの軽質有機物の加溶媒分解共生成物の流れを生成することができる。軽質有機物の加溶媒分解共生成物の流れは、流れの中の有機物の総重量(DMTを除く)を基準にして、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントの加溶媒分解施設30から生成される主要なテレフタリル(例えば、DMT)の沸点より低い沸点を有する有機化合物を含み得る。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、軽質有機加溶媒分解共生成物の流れは、流れの総重量を基準にして、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、5重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下の軽質有機成分(DMTは除外する)またはDMTを含む。
【0146】
[0141]再度図3を参照すると、作動中、加溶媒分解施設に導入される(別々にまたはブレンドゾーン206で一緒に)混合プラスチック廃棄物および溶媒の流れは最初に、任意選択の非PET分離ゾーン208を通過することができ、ここでPET以外の成分の総重量の少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントが流れから分離される。非PET成分は、PETより低い沸点を有してもよく、ゾーン208から蒸気として除去されてもよい。代わりに、または加えて、非PET成分の少なくとも一部分は、PETよりわずかに高いまたはより低い密度を有してもよく、2相(または多相)の液体流を形成することで分離され、次いで1つまたは両方の非PET相が除去されてもよい。最後に、一部の実施形態において、非PET成分は、PET含有液相から固体として分離されてもよい。
【0147】
[0142]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、PET含有流から分離される非PET成分の少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95パーセントは、ポリオレフィン、例えば、ポリエチレンおよび/またはポリプロピレンを含む。図3において全般的に破線で示されている通り、非PET分離ゾーン208のすべてまたは一部は、反応ゾーン210の上流であってよく、その一方で非PET分離ゾーン208のすべてまたは一部は、反応ゾーン210の下流であってよい。分離技術、例えば、抽出、固体/液体分離、デカント、サイクロンまたは遠心分離、手作業による除去、磁気除去、渦流除去、化学分解、蒸発および脱気、蒸留、ならびにこれらの組合せを使用して、非PET分離ゾーン208中のPET含有流から非PET成分を分離することができる。
【0148】
[0143]図3に示されている通り、非PET分離ゾーン208を脱出するPET含有流138は、PET含有流の総重量を基準にして、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下または0.5重量パーセント以下のPET(またはそのオリゴマー性およびモノマー性分解生成物)および溶媒以外の成分を含み得る。非PET分離ゾーン208を脱出するPET含有流138は、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重
量パーセント以下、2重量パーセント以下または1重量パーセント以下のその他の種類のプラスチック(例えば、ポリオレフィン)を含み得る。非PET分離ゾーン208を脱出するPET含有流138は、非PET分離ゾーン208へ導入される非PET成分の総量の45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下または2重量パーセント以下を含み得る。
【0149】
[0144]非PET成分は、図3に全般的に示されているように、ポリオレフィン含有共生成物の流れ140として加溶媒分解(またはメタノリシス)施設30から除去されてもよい。ポリオレフィン含有共生成物の流れ(またはデカンターオレフィン共生成物の流れ)140は、共生成物の流れ140の総重量を基準にして、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも92、少なくとも95、少なくとも97、少なくとも99、または少なくとも99.5重量パーセントのポリオレフィンを含み得る。
【0150】
[0145]ポリオレフィン含有共生成物の流れ中に存在するポリオレフィンは、主にポリエチレン、主にポリプロピレン、またはポリエチレンおよびポリプロピレンの組合せを含み得る。ポリオレフィン含有共生成物の流れ中のポリオレフィンは、ポリオレフィン含有共生成物の流れ140中のポリオレフィンの総重量を基準にして、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも92、少なくとも94、少なくとも95、少なくとも97、少なくとも98、または少なくとも99重量パーセントのポリエチレンを含む。代わりに、ポリオレフィン含有共生成物の流れの中のポリオレフィンは、ポリオレフィン含有共生成物の流れ140中のポリオレフィンの総重量を基準にして、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも92、少なくとも94、少なくとも95、少なくとも97、少なくとも98、または少なくとも99重量パーセントのポリプロピレンを含む。
【0151】
[0146]ポリオレフィン含有共生成物の流れは、ポリオレフィン含有共生成物の流れ140の総重量を基準にして、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.75重量パーセント以下、0.50重量パーセント以下、0.25重量パーセント以下、0.10重量パーセント以下または0.05重量パーセント以下のPETを含む。さらに、ポリオレフィン含有共生成物の流れは、ポリオレフィン含有共生成物の流れ140の総重量を基準にして、少なくとも0.01、少なくとも0.05、少なくとも0.10、少なくとも0.50、少なくとも1、もしくは少なくとも1.5重量パーセントおよび/または40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下もしくは2重量パーセント以下のポリオレフィン以外の成分を含む。
【0152】
[0147]全体的には、ポリオレフィン含有共生成物の流れ140は、ポリオレフィン含有共生成物の流れ140の総重量を基準にして、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、または少なくとも99重量パーセントの有機化合物を含む。ポリオレフィン含有共生成物の流れ140は、ポリオレフィン含有共生成物の流れ140の総重量を基準にして、少なくとも0.5、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも5、少なくとも10、もしくは少なくとも15重量パーセントおよび/または40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、
2重量パーセント以下もしくは1重量パーセント以下の無機成分を含むことができる。
【0153】
[0148]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、ポリオレフィン含有共生成物の流れは、剪断速度10rad/秒および温度250℃で、V80-40羽根スピンドルを備えたBrookfield R/Sレオメーターを使用して測定した、少なくとも1、少なくとも10、少なくとも25、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも125、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも300、少なくとも350、少なくとも400、少なくとも450、少なくとも500、少なくとも550、少なくとも600、少なくとも650、少なくとも700、少なくとも750、少なくとも800、少なくとも850、少なくとも900、もしくは少なくとも950ポイズおよび/または25,000ポイズ以下、24,000ポイズ以下、23,000ポイズ以下、22,000ポイズ以下、21,000ポイズ以下、20,000ポイズ以下、19,000ポイズ以下、18,000ポイズ以下、17,000ポイズ以下、16,000ポイズ以下、15,000ポイズ以下、14,000ポイズ以下、13,000ポイズ以下、12,000ポイズ以下、11,000ポイズ以下、10,000ポイズ以下、9000ポイズ以下、8000ポイズ以下、7000ポイズ以下、6000ポイズ以下、5000ポイズ以下、4500ポイズ以下、4000ポイズ以下、3500ポイズ以下、3000ポイズ以下、2500ポイズ以下、2000ポイズ以下、1750ポイズ以下、1500ポイズ以下、1250ポイズ以下、1200ポイズ以下、1150ポイズ以下、1100ポイズ以下、1050ポイズ以下、1000ポイズ以下、950ポイズ以下、900ポイズ以下、800ポイズ以下、750ポイズ以下の粘度を有することができる。ポリオレフィン含有共生成物の流れは、10rad/秒および250℃で測定した、1~25,000ポイズ、100~10,000ポイズ、または1000~5000ポイズの範囲の粘度を有することができる。
【0154】
[0149]ポリオレフィン含有共生成物の流れは、ポリオレフィン含有共生成物の流れ140の総重量を基準にして、少なくとも0.1、少なくとも0.5、少なくとも1、少なくとも1.5、少なくとも2、少なくとも2.5、少なくとも3、少なくとも3.5、少なくとも4、少なくとも4.5、少なくとも5、少なくとも8、少なくとも10、少なくとも12、少なくとも15、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも22、もしくは少なくとも25重量パーセントおよび/または50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下もしくは2重量パーセント以下の1種または複数の非反応性固体を含むことができる。非反応性固体とは、PETと化学的に反応しない固体成分を指す。非反応性固体の例として、これらに限定されないが、砂、汚れ、ガラス、プラスチック充填剤、およびこれらの組合せが挙げられる。
【0155】
[0150]ポリオレフィン含有共生成物の流れ140は、ポリオレフィン共生成物の流れ140の総重量を基準にして、少なくとも100、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも750、少なくとも1000、少なくとも1500、少なくとも2000、少なくとも2500、少なくとも5000、少なくとも7500重量ppmまたは少なくとも1、少なくとも1.5、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、もしくは少なくとも25重量パーセント)および/または50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下もしくは1重量パーセント以下の1種または複数の充填剤を含む。ポリオレフィン含有共生成物の流れ140は、充填剤を100ppm~50重量パーセント、500
ppm~10重量パーセント、または1000ppm~5重量パーセントの量で含むことができる。
【0156】
[0151]充填剤の例として、これらに限定されないが、チキソトロピック剤、例えば、ヒュームドシリカ(fumes silica)および粘土(カオリン)、顔料、着色剤、難燃剤、例えば、アルミナ三水和物、臭素、塩素、ボレート、およびリン、抑制剤、例えば、ワックスベースの材料、UV阻害剤または安定剤、導電性添加剤、例えば、金属粒子、炭素粒子、または導電性繊維、剥離剤、例えば、ステアリン酸亜鉛、ワックス、およびシリコーン、炭酸カルシウム、および硫酸カルシウムを挙げることができる。
【0157】
[0152]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、ポリオレフィン含有共生成物の流れ140は、温度25℃で測定された、少なくとも0.75、少なくとも0.80、少なくとも0.85、少なくとも0.90、少なくとも0.95、少なくとも0.99g/cmおよび/または1.5g/cm以下、1.4g/cm以下、1.3g/cm以下、1.2g/cm以下、1.1g/cm以下、1.05g/cm以下もしくは1.01g/cm以下の密度を有することができる。密度は0.80~1.4、0.90~1.2、または0.95~1.1g/cmであることができる。非PET分離ゾーン208から除去される場合、ポリオレフィン含有共生成物の流れ140は、少なくとも200、少なくとも205、少なくとも210、少なくとも215、少なくとも220、少なくとも225、少なくとも230、もしくは少なくとも235℃および/または350℃以下、340℃以下、335℃以下、330℃以下、325℃以下、320℃以下、315℃以下、310℃以下、305℃以下もしくは300℃以下の温度を有し得る。ポリオレフィン含有共生成物の流れ140は、流れの総重量を基準にして、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントの、主要なテレフタリルまたはDMTより高い沸点の成分を含むことができる。
【0158】
[0153]本明細書でさらに詳細に論じられているように、ポリオレフィン含有共生成物の流れのすべてまたは一部分は、図1aおよび1bに全般的に示されているように、1つまたは複数の下流のケミカルリサイクル施設に単独であるいは1つもしくは複数のその他の共生成物の流れ、その他の下流のケミカルリサイクル施設の1つもしくは複数から生成した流れ、ならびに/または未処理の、部分的に処理した、および/もしくは処理した混合プラスチック廃棄物を含む廃棄プラスチックの流れと組み合わせて導入されてもよい。
【0159】
[0154]再度図3を参照すると、非PET分離ゾーン208(反応ゾーン210の上流)を脱出するPET含有流138(溶解したPETならびにその分解生成物を含む)は、次いで反応ゾーン210に移されてもよく、ここで反応ゾーンに導入されたPETの分解の少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95パーセントが生じる。一部の実施形態において、反応ゾーン210内の反応媒体はかき混ぜまたは撹拌してもよく、1種または複数の温度制御装置(例えば、熱交換器)を利用して、標的反応温度を維持することができる。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、反応ゾーン210内の標的反応物温度は、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、もしくは少なくとも85℃および/または350℃以下、345℃以下、340℃以下、335℃以下、330℃以下、325℃以下、320℃以下、315℃以下、310℃以下、300℃以下もしくは295℃以下であることができる。
【0160】
[0155]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、加溶媒分解法は、低圧の加溶媒分解法であることができ、加溶媒分解反応器(または反応ゾーン)210内の圧力は、大気の5psi以内、10psi以内、15psi以内、20psi以内、25psi以内、30psi以内、35psi以内、40psi以内、45psi以内、もしくは50psi以内であることができ、または圧力は、大気の55psi以内、75psi以内、90psi以内、100psi以内、125psi以内、150psi以内、200psi以内、もしくは250psi以内であってもよい。加溶媒分解反応器(または反応ゾーン)210内の圧力は、大気の0.35バールゲージ(バール)以内、0.70バール以内、1バール以内、1.4バール以内、1.75バール以内、2バール以内、2.5バール以内、2.75バール以内、3バール以内、3.5バール以内、3.75バール以内、5バール以内もしくは6.25バール以内および/または6.9バール以下、8.6バール以下もしくは10.35バール以下であることができる。加溶媒分解反応器(または反応ゾーン)210内の圧力は、少なくとも100psig(6.7barg)、少なくとも150psig(10.3barg)、少なくとも200psig(13.8barg)、少なくとも250psig(17.2barg)、少なくとも300psig(20.7barg)、少なくとも350psig(24.1barg)、少なくとも400psig(27.5barg)および/または725psig(50barg)以下、650psig(44.7barg)以下、600psig(41.3barg)以下、550psig(37.8barg)以下、500psig(34.5barg)以下、450psig(31barg)以下、400psig(27.6barg)以下もしくは350psig(24.1barg)以下であることができる。
【0161】
[0156]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、反応ゾーン210または施設30で行われる加溶媒分解法は、高圧の加溶媒分解法であることができ、加溶媒分解反応器内の圧力は、少なくとも50barg(725psig)、少なくとも70barg(1015psig)、少なくとも75barg(1088psig)、少なくとも80barg(1161psig)、少なくとも85barg(1233psig)、少なくとも90barg(1307psig)、少なくとも95barg(1378psig)、少なくとも100barg(1451psig)、少なくとも110barg(1596psig)、少なくとも120barg(1741psig)、もしくは少なくとも125barg(1814psig)および/または150barg(2177barg)以下、145barg(2104psig)以下、140barg(2032psig)以下、135barg(1959psig)以下、130barg(1886psig)以下もしくは125barg(1814psig)以下であることができる。
【0162】
[0157]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、反応ゾーン210内の反応媒体の平均滞留時間は、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、もしくは少なくとも15分間および/または12時間以下、11時間以下、10時間以下、9時間以下、8時間以下、7時間以下、6時間以下、5時間以下もしくは4時間以下であることができる。加溶媒分解またはメタノリシス施設30に導入されるPETの総重量の少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、または少なくとも99パーセントは、反応ゾーン210を離れる際に、反応器流出流144内で分解され得る。
【0163】
[0158]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、反応器パージ流れ142は、反応ゾーン210から除去されてもよく、少なくとも一部分は、反応器パージ共生成物の流れ142として、ケミカルリサイクル施設10内の
1つまたは複数の下流の施設に回されてもよい。反応器パージ共生成物の流れ142は、加溶媒分解施設30から生成された主要なテレフタリル(またはメタノリシスの場合にはDMT)の沸点より高い沸点を有し得る。
【0164】
[0159]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、反応器パージ共生成物の流れ142は、流れ142の総重量を基準にして、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、または少なくとも99重量パーセントの主要なテレフタリルを含む。加溶媒分解施設がメタノリシス施設である場合、反応器パージ共生成物の流れ142は、流れ142の総重量を基準にして、少なくとも1、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、または少なくとも99重量パーセントのDMTを含み得る。
【0165】
[0160]加えて、反応器パージ共生成物の流れ142は、流れ142の総重量を基準にして、少なくとも100ppmおよび25重量パーセント以下の1種または複数の非テレフタリル固体を含んでもよい。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、反応器パージ共生成物の流れ142中の非テレフタリル固体の総量は、流れの総重量を基準にして、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも300、少なくとも350、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも600、少なくとも700、少なくとも800、少なくとも900、少なくとも1000、少なくとも1500、少なくとも2000、少なくとも2500、少なくとも3000、少なくとも3500、少なくとも4000、少なくとも4500、少なくとも5000、少なくとも5500、少なくとも6000、少なくとも7000、少なくとも8000、少なくとも9000、少なくとも10,000、もしくは少なくとも12,500ppmおよび/または25重量パーセント以下、22重量パーセント以下、20重量パーセント以下、18重量パーセント以下、15重量パーセント以下、12重量パーセント以下、10重量パーセント以下、8重量パーセント以下、5重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下もしくは1重量パーセント以下であることができる。
【0166】
[0161]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、反応器パージ共生成物の流れ142は、流れの総重量を基準にして、少なくとも100、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも750、少なくとも1000、少なくとも1500、少なくとも2000、少なくとも2500、少なくとも3000、少なくとも3500、少なくとも4000、少なくとも4500、少なくとも5000、少なくとも5500、少なくとも6000、少なくとも6500、少なくとも7000、少なくとも7500、少なくとも8000、少なくとも8500、少なくとも9000、少なくとも9500重量ppmまたは少なくとも1、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも8、少なくとも10、もしくは少なくとも12重量パーセントおよび/または25重量パーセント以下、22重量パーセント以下、20重量パーセント以下、17重量パーセント以下、15重量パーセント以下、12重量パーセント以下、10重量パーセント以下、8重量パーセント以下、6重量パーセント以下、5重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下もしくは1重量パーセント以下、あるいは7500重量ppm以下、5000重量ppm以下または2500重量ppm以下の全固形成分含有量を有する。
【0167】
[0162]固体の例として、これらに限定されないが、非揮発性触媒化合物を挙げることができる。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、反応器パージ共生成物の流れは、少なくとも100、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも750、少なくとも1000、少なくとも1500、少なくとも2000、少なくとも2500、少なくとも3000、少なくとも3500、少なくとも4000、少なくとも4500、少なくとも5000、少なくとも7500、少なくとも10,000、もしくは少なくとも12,500ppmおよび/または60,000ppm以下、50,000ppm以下、40,000ppm以下、35,000ppm以下、30,000ppm以下、25,000ppm以下、20,000ppm以下、15,000ppm以下もしくは10,000ppm以下の非揮発性触媒金属を含むことができる。
【0168】
[0163]適切な非揮発性触媒金属の例として、これらに限定されないが、チタニウム、亜鉛、マンガン、リチウム、マグネシウム、ナトリウム、メトキシド、アルカリ金属、アルカリ土類金属、スズ、残留するエステル化またはエステル交換触媒、残留する重縮合触媒、アルミニウム、解重合触媒、およびこれらの組合せを挙げることができる。本明細書でさらに詳細に論じられているように、反応器パージ共生成物の流れ142のすべてまたは一部分は、1つまたは複数の下流のケミカルリサイクル施設に、単独であるいは1つもしくは複数のその他の共生成物の流れ、1つもしくは複数のその他の下流のケミカルリサイクル施設から生成された流れ、および/または未処理の、部分的に処理した、および/または処理した混合プラスチック廃棄物を含む廃棄プラスチックの流れと組み合わせて、導入されてもよい。
【0169】
[0164]反応器パージ共生成物の流れ142は、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、または1重量パーセント以下の、DMT(またはその他のテレフタリル)の沸点より高い沸点を有する成分を含むことができる。さらに、または代替法において、反応器パージ共生成物の流れ142は、反応器の温度より少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、もしくは少なくとも25℃低い、および/または50℃以下、45℃以下、40℃以下、35℃以下、30℃以下、25℃以下、20℃以下、もしくは15℃以下低い溶融温度を有することができ、あるいは共生成物の流れ142の溶融温度は、5~50℃、10~45℃、または10~40℃の範囲の量だけ反応器の温度より低くてもよい。
【0170】
[0165]反応ゾーンから離脱する時点、および/または1つもしくは複数の下流の施設へと導入される時点での反応器パージ共生成物の流れ142の温度は、少なくとも130、少なくとも135、少なくとも140、少なくとも145、少なくとも150、少なくとも155、少なくとも160、少なくとも165、少なくとも170、少なくとも175、少なくとも180、少なくとも185、少なくとも190、少なくとも195、少なくとも200、少なくとも205、少なくとも210、少なくとも215、少なくとも220、少なくとも225、少なくとも230、少なくとも245、少なくとも250、少なくとも255、少なくとも260、少なくとも265、少なくとも270、少なくとも275、少なくとも280、少なくとも285、少なくとも290、少なくとも295、少なくとも300、少なくとも325、または少なくとも350℃であることができる。
【0171】
[0166]さらに、または代替法において、反応ゾーンから離脱する時点、および/または下流の施設の1つもしくは複数に導入される時点での反応器パージ共生成物の流れ142の温度は、400℃以下、375℃以下、350℃以下、345℃以下、340℃以下、335℃以下、330℃以下、325℃以下、320℃以下、315℃以下、310℃以下、305℃以下、300℃以下、295℃以下、290℃以下、285℃以下、280℃以下、275℃以下、270℃以下、265℃以下、260℃以下、255℃以下、ま
たは250℃以下であることができる。反応器がパージされる場合、それは連続的または断続的であってよく、生成した反応器パージの共生成物の流れは、連続的または断続的方式で下流の施設の1つに導入されてもよい。
【0172】
[0167]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、図3に全般的に示されているように、加溶媒分解施設30内の反応ゾーン210からの流出流144は、以前に論じたように、反応器の下流に位置する非PET分離ゾーン208を介して任意選択で送られてもよい。反応器からの生成した流出流144または、存在する場合、非PET分離ゾーン208は、生成物分離ゾーン220を通過してもよく、重質有機物質の少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、または少なくとも99重量パーセントは、供給流144から分離して、主に軽質有機物質の流れ146および重質有機物質の流れ148を形成する。このような流れを分離する任意の適切な方法を使用することができ、任意の適切な方法は、例えば、蒸留、抽出、デカント、結晶化、膜分離、固体/液体分離、例えば、濾過(例えば、ベルトフィルター)、およびこれらの組合せを含み得る。生成した重質有機物流および軽質有機物流は望ましい最終生成物および共生成物のさらなる精製および/または回収のために下流の分離ゾーンに送られてもよい。
【0173】
[0168]図3に示されている通り、生成物分離ゾーン220から離脱した重質有機物質の流れ148は、流れの総重量を基準にして、例えば、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、または少なくとも99重量パーセントの重質有機成分を含んでもよく、これらは重質有機物分離ゾーン240へと導入され得る。重質有機物分離ゾーン240では、主要なテレフタリル生成物流158がテレフタリル底部または「スラッジ」共生成物の流れ160から分離されてもよい。このような分離は、例えば、蒸留、抽出、デカンテーション、膜分離、溶融結晶化、ゾーンリファイニング、およびこれらの組合せにより達成することができる。結果として、流れの総重量を基準にして、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、または少なくとも99重量パーセントの主要なテレフタリル(またはDMT)を含む流れ158が得られる。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、主要なテレフタリルの少なくとも一部分またはすべては、リサイクル成分テレフタリル(r-テレフタリル)、例えば、リサイクル成分DMT(r-DMT)を含むことができる。
【0174】
[0169]また重質有機物分離ゾーン240から離脱するのは、テレフタリル底部共生成物の流れ(「テレフタリル塔底部共生成物の流れ」または「テレフタリルスラッジ共生成物の流れ」または「テレフタリルドレッグ共生成物の流れ」ともまた呼ばれる)であり、共生成物の流れ160もまた重質有機物分離ゾーン240から除去され得る。加溶媒分解施設がメタノリシス施設の場合、流れは、DMT底部共生成物の流れ、DMT塔底部共生成物の流れ、DMTスラッジ共生成物の流れ、またはDMTドレッグ流れと呼ぶことができる。
【0175】
[0170]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、この共生成物の流れは、組成物の総重量を基準にして、例えば、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも92、少なくとも95、少なくとも97、少なくとも98、少なくとも99、または少なくとも99.5重量パーセントの、加溶媒分解を受けるポリエステルの部分を含むオリゴマー、例えば、PETオリゴマーを含むことができる。本明
細書で使用される場合、「ポリエステル部分」または「ポリエステルの部分」という用語は、ポリエステルの部分もしくは残基、またはポリエステルの部分もしくは残基の反応生成物を指す。これらのオリゴマーは、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、もしくは少なくとも8種のモノマー単位(酸およびグリコール)および/または30種以下、27種以下、25種以下、22種以下、20種以下、17種以下、15種以下、12種以下もしくは10種以下のモノマー単位(酸およびグリコール)の数平均鎖長を有することができ、処理されたポリエステルの部分を含んでもよい(例えば、PET)。
【0176】
[0171]テレフタリル塔底部共生成物の流れ160は、流れの総重量を基準にして、少なくとも0.01、少なくとも0.05、少なくとも0.10、少なくとも0.50、少なくとも1、もしくは少なくとも1.5重量パーセントおよび/または40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、もしくは2重量パーセント以下のオリゴマー以外の成分を含むことができる。このような成分は、流れの総重量を基準にして、0.01~40重量パーセント、0.05~35重量パーセント、または1.5~10重量パーセントの範囲の量で存在することができる。
【0177】
[0172]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、オリゴマーは、テレフタル酸ジメチル以外の少なくとも1種のエステル、テレフタル酸もしくはDMT以外の少なくとも1種のカルボン酸、および/またはエチレングリコール以外の少なくとも1種のグリコールの部分をさらに含む。例えば、オリゴマーは、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4-シクロヘキサン-ジメタノール、プロパン-1,3-ジオール、ブタン-1,4-ジオール、ペンタン-1,5-ジオール、ヘキサン-1,6-ジオール、ネオペンチルグリコール、3-メチルペンタンジオール-(2,4)、2-メチルペンタンジオール-(1,4)、2,2,4-トリメチルペンタン-ジオール-(1,3)、2-エチルヘキサンジオール-(1,3)、2,2-ジエチルプロパン-ジオール-(1,3)、ヘキサンジオール-(1,3)、1,4-ジ-(ヒドロキシエトキシ)-ベンゼン、2,2-ビス-(4-ヒドロキシシクロヘキシル)-プロパン、2,4-ジヒドロキシ-1,1,3,3-テトラメチル-シクロブタン、2,2,4,4テトラメチルシクロブタンジオール、2,2-ビス-(3-ヒドロキシエトキシフェニル)-プロパン、2,2-ビス-(4-ヒドロキシプロポキシフェニル)-プロパン、イソソルビド、ヒドロキノン、BDS-(2,2-(スルホニルビス)4,1-フェニレンオキシ))ビス(エタノール)、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサン二酢酸、ジフェニル-4,4’-ジカルボン酸、ジフェニル-3,4’-ジカルボン酸、ネオペンチルグリコール、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、およびこれらの組合せの1つまたは複数の部分をさらに含んでもよい。テレフタリル底部共生成物の流れはまた、主要なテレフタリル、またはメタノリシスの場合には、DMTを、共生成物の流れの総重量を基準にして、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、もしくは少なくとも95重量パーセントの量で、および/または99重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、もしくは40重量パーセント以下を含んでもよい。起こり得る主要なグリコール(処理されるPETまたはその他ポリマーに応じて)のその他の例として、これらに限定されないが、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコ
ール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、および2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールを挙げることができる。
【0178】
[0173]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、テレフタリル塔底部(またはDMT塔底部)の共生成物の流れ160は、オリゴマーおよび少なくとも1つの置換されているテレフタリル成分を含み得る。本明細書で使用される場合、「置換されているテレフタリル」という用語は、少なくとも1個の置換されている原子または基を有するテレフタリル成分を指す。テレフタリル塔底部共生成物の流れ160は、テレフタリル塔底部共生成物の流れ160の総重量を基準にして、少なくとも1、少なくとも100、少なくとも500重量ppb、または少なくとも1、少なくとも50、少なくとも1000、少なくとも2500、少なくとも5000、少なくとも7500、もしくは少なくとも10,000重量ppm、または少なくとも1、少なくとも2、もしくは少なくとも5重量パーセントおよび/または25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.5重量パーセント以下、0.1重量パーセント以下、0.05重量パーセント以下もしくは0.01重量パーセント以下の置換されているテレフタリル成分を含むことができる。
【0179】
[0174]本明細書でさらに詳細に論じられているように、テレフタリル塔底部共生成物の流れ160のすべてまたは一部分は、1つもしくは複数の下流のケミカルリサイクル施設に、単独で、あるいは1つもしくは複数のその他の共生成物の流れ、1つもしくは複数のその他の下流のケミカルリサイクル施設から生成される流れ、ならびに/または未処理の、部分的に処理した、および/もしくは処理した混合プラスチック廃棄物を含む廃棄プラスチックの流れと組み合わせて導入されてもよい。
【0180】
[0175]再度図3を参照すると、生成物分離ゾーン220からの主に軽質有機物の流れ146は、軽質有機物分離ゾーン230に導入されてもよい。軽質有機物分離ゾーン230では、流れ146は、分離されて、主要な溶媒(例えば、メタノリシスにおけるメタノール)が除去され、主要なグリコールより軽いおよびより重い有機共生成物(または共生成物)から主要なグリコール(例えば、メタノリシスにおけるエチレングリコール)が分離され得る。
【0181】
[0176]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、軽質有機物分離ゾーン230から離脱した溶媒流150は、流れ150の総重量を基準にして、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、または少なくとも99重量パーセントの主要な溶媒を含むことができる。加溶媒分解施設30がメタノリシス施設である場合、この流れ150は、流れの総重量を基準にして、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、または少なくとも99重量パーセントのメタノールを含み得る。流れのすべてまたは一部分は、さらなる使用のため、加溶媒分解施設内の1つまたは複数の場所にリサイクルされ得る。
【0182】
[0177]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、少なくとも1つの軽質有機物の加溶媒分解共生成物の流れ152(「軽質有機物」の流れとも呼ばれる)はまた、軽質有機物分離ゾーン230から離脱することができ、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントの、主要なグリコール(またはエチ
レングリコール)でも主要な溶媒(またはメタノール)でもない主要なテレフタリル(またはDMT)の沸点より低い沸点を有する成分を含むことができる。さらに、または代替法において、共生成物の流れは、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下の、DMTの沸点より高い沸点を有する成分を含むことができ、流れ152それ自体は、主要なテレフタリル(またはDMT)の沸点より低い沸点を有することができる。
【0183】
[0178]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、軽質有機物の共生成物の流れは、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、または少なくとも90重量パーセントの、主要なグリコールの沸点より低い沸点(または、PETのメタノリシスの場合には、エチレングリコールより低い)を有する成分を含むことができる。
【0184】
[0179]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、軽質有機物の加溶媒分解共生成物の流れ152は、主要な溶媒(例えば、メタノール)を含む加溶媒分解施設内で生成され得る。例えば、軽質有機物の共生成物の流れ152は、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、もしくは少なくとも55重量パーセントおよび/または90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下もしくは30重量パーセント以下の主要な溶媒を含むことができる。
【0185】
[0180]加えて、この共生成物の流れ152はまた、共生成物の流れの総重量を基準にして、アセトアルデヒドを少なくとも1、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも750、もしくは少なくとも1000ppmおよび/または90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.5重量パーセント以下、0.1重量パーセント以下もしくは0.05重量パーセント以下の量で含んでよく、あるいはアセトアルデヒドは、共生成物の流れの総重量を基準にして、1ppm~50重量パーセント、50ppm~0.5重量パーセント、または100ppm~0.05重量パーセントの量で存在することができる。
【0186】
[0181]さらに、軽質有機物の共生成物の流れ152はまた、共生成物の流れの総重量を基準にして、パラ-ジオキサン(またはp-ジオキサン)を少なくとも1、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも750、もしくは少なくとも1000ppmおよび/または60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセン
ト以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.5重量パーセント以下、0.1重量パーセント以下もしくは0.05重量パーセント以下の量で含んでもよく、あるいはp-ジオキサンは、共生成物の流れの総重量を基準にして、1ppm~50重量パーセント、50ppm~0.5重量パーセント、または100ppm~0.05重量パーセントの量で存在することができる。
【0187】
[0182]この軽質有機物の共生成物の流れ152は、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸メチル、シリケート、2,5-メチルジオキソラン、1,4-シクロヘキサンジメタノール、2-エチル-1-ヘキサノール、2,2,4,4,-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール、2,2,4-トリメチル-3-ペンテナール、2,2,4-トリメチル-3-ペンテノール、2,2,4-トリメチルペンタン、2,4-ジメチル-3-ペンタノン(DIPK)、イソ酪酸イソブチル、ギ酸メチル、n-ブタノール、酢酸、ジブチルエーテル、ヘプタン、テレフタル酸ジブチル、フタル酸ジメチル、ジメチル1,4-シクロヘキサンジカルボキシレート、2-メトキシエタノール、2-メチル-1,3-ジオキソラン、1,1-ジメトキシ-2-ブテン、1,1-ジメトキシエタン、1,3-プロパンジオール、2,5-ジメチル-1,3,5-ヘキサジエン、2,5-ジメチル-2,4-ヘキサジエン、アルファ-メチルスチレン、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールホルマール、ジメトキシジメチルシラン、ジメチルエーテル、ジイソプロピルケトン、EGベンゾエート、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、メトキシトリメチルシラン、メチル4-エチルベンゾエート、カプリル酸メチル、グリコール酸メチル、乳酸メチル、ラウリン酸メチル、メチルメトキシエチルテレフタル酸、ノナン酸メチル、オレイン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、メチル-4-アセチルベンゾエート、オクタメチルシクロテトラシロキサン、スチレン、トリメチルシラノール、1,1-ジメトキシ(dimethyoxy)-2-ブテン、4-メチルモルホリン、1,3,3-トリメトキシプロパン、ミリスチン酸メチル、アジピン酸ジメチル、N-メチル-カプロラクタム、アゼライン酸ジメチル、ネオペンチルグリコール、およびこれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1種の追加成分をさらに含んでもよい。
【0188】
[0183]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、追加の成分は、シラン、2,5-メチルジオキソラン、2-エチル-1-ヘキサノール、2,2,4,4,-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール、2,2,4-トリメチル-3-ペンテナール、2,2,4-トリメチル-3-ペンテノール、2,2,4-トリメチルペンタン、2,4-ジメチル-3-ペンタノン(DIPK)、イソ酪酸イソブチル、ギ酸メチル、n-ブタノール、ジブチルエーテル、ヘプタン、テレフタル酸ジブチル、ジメチル1,4-シクロヘキサンジカルボキシレート、1,1-ジメトキシ-2-ブテン、1,3-プロパンジオール、2,5-ジメチル-1,3,5-ヘキサジエン、2,5-ジメチル-2,4-ヘキサジエン、アルファ-メチルスチレン、ジエチレングリコールホルマール、ジメトキシジメチルシラン、ジメチルエーテル、ジイソプロピルケトン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、メトキシトリメチルシラン、メチル4-エチルベンゾエート、メチルカプロン酸、乳酸メチル、ラウリン酸メチル、メチルメトキシエチルテレフタル酸、ノナン酸メチル、オレイン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、オクタメチルシクロテトラシロキサン、スチレン、トリメチルシラノール、1,1-ジメトキシ-2-ブテン、4-メチルモルホリン、1,3,3-トリメトキシプロパン、ミリスチン酸メチル、アジピン酸ジメチル、N-メチル-カプロラクタム、アゼライン酸ジメチル、ネオペンチルグリコール、およびこれらの組合せからなる群から選択することができる。
【0189】
[0184]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、追加の成分は、2,2,4,4,-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール、2,2,4-トリメチル-3-ペンテナール、2,2,4-トリメチル-3-ペンテノール、2,2,4-トリメチルペンタン、2,4-ジメチル-3-ペンタノン(DIPK)、イソ酪酸イソブチル、ジメトキシジメチルシラン、メトキシトリメチルシラン、ノナン酸メチル、オレイン酸メチル、ステアリン酸メチル、およびこれらの組合せからなる群から選択することができる。
【0190】
[0185]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、追加の成分は、1,1-ジメトキシ-2-ブテン、4-メチルモルホリン、1,3,3-トリメトキシプロパン、ミリスチン酸メチル、アジピン酸ジメチル、N-メチル-カプロラクタム、アゼライン酸ジメチル、ネオペンチルグリコール、およびこれらの組合せからなる群から選択することができる。
【0191】
[0186]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、軽質有機物の共生成物の流れ152は、主要な溶媒(例えば、加溶媒分解施設がメタノリシス施設の場合には、メタノール)の沸点より低い平均沸点を有する。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、軽質有機物の共生成物の流れ152は、主要なグリコール(例えば、PETの加溶媒分解に対するエチレングリコール)の沸点より低い平均沸点を有することができる。
【0192】
[0187]ここで図4を参照すると、図3に示されている軽質有機物分離ゾーン230から離脱するいくつかの流れの概略図表示が示されている。特に、図4に示されている通り、少なくとも1つの溶媒流150と、少なくとも1つの水流155と、少なくとも1つのグリコール流154と;ならびに低沸点流190、溶媒共沸混合物または中間沸点流192、水共沸混合物または中間沸点流194、およびグリコール共沸混合物または中間沸点流196からなる群から選択される1つまたは複数の共生成物の流れとは軽質有機物分離ゾーン230から離脱し得る。さらに、グリコール塔底部共生成物の流れ156もまた、詳細に以前に論じたように、軽質有機物分離ゾーン230から離脱し得る。上記流れのそれぞれは、主要な量で存在する成分に応じて命名されていることを理解されたい。すなわち、上記に使用されている流れの名称は、その流れの総重量を基準にして、その流れ中に少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、または少なくとも85重量パーセントの量で存在する主成分を反映する。
【0193】
[0188]図4に示されている通り、流れの中の有機成分(DMTは除外する)の総重量を基準にして、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、または少なくとも90重量パーセントの、主要なテレフタリル(またはDMT)の沸点より高い沸点を有する有機成分を含むことができる供給流146が、軽質有機物分離ゾーン230に導入されてもよい。図3に示されている通り、この流れ146は、加溶媒分解(またはメタノリシス)施設の生成物分離ゾーンおよび/または反応ゾーンが起源であってよい。図4に全般的に示されている軽質有機物分離ゾーン230は、例えば、蒸留、抽出、デカント、およびこれらの組合せを含めた任意の適切な種類の分離技術を利用することができる。2種またはそれよりも多くの異なる種類の分離技術を直列または並行に使用して、図4に示されている生成物および共生成物の流れを提供することができる。
【0194】
[0189]図4に示されている通り、軽質有機物回収ゾーン230へ導入される供給流146は、例えば、低沸点流190、溶媒共沸混合物または中間沸点流192、溶媒流150
、水共沸混合物または中間沸点流194、水流155、グリコール共沸混合物または中間沸点流196、グリコール流154、およびグリコール塔底部流156を含めた1つまたは複数の追加の流れへと分離され得る。図3に示されている軽質有機物回収ゾーンから離脱する軽質有機物の共生成物の流れ152は、これらの流れの1つまたは複数を、それらに沿ってまたはそれらを組み合わせて含むことができる。例えば、図4に全般的に示されているように、少なくとも2つ、または3つまたはそれよりも多くの流れを組み合わせて、軽質有機物の共生成物の流れ152を形成することができる。このような組合せは、例えば、軽質有機物の共生成物ミックスゾーン232内で実施することもできるし、または1つもしくは複数の流れを単にタンクまたはその他デバイス(示されていない)内で組み合わせてもよい。ある場合には、図4に示されている流れの少なくとも3つ、少なくとも4つ、またはさらに少なくとも5つを組み合わせて、軽質有機物の共生成物の流れ152を形成することもできる。これらの流れのすべて、または一部分は、単独でまたは組み合わせて、本明細書に記載されているような1つまたは複数の下流の処理またはリサイクル施設に送ることができる。
【0195】
[0190]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、軽質有機物の共生成物の流れ152は少なくとも1つの共沸混合物を含み得る。本明細書で使用される場合、「共沸混合物」という用語は、混合物が沸騰気化する場合、2種またはそれよりも多く成分の混合物が一定の沸点を有することを指す。軽質有機物の共生成物の流れ152は、主要な溶媒(例えば、メタノール)と共沸混合物を形成する成分、水と共沸混合物を形成する成分、および/または主要なグリコール(例えば、エチレングリコール)と共沸混合物を形成する成分を含み得る。形成された場合、共沸混合物または共沸混合物を含有する流れの2つまたはそれよりも多くが組み合わさって、軽質有機物の共生成物の流れ152の少なくとも一部分を形成してもよいし、または共沸混合物の1種もしくは複数が別々に、図1aおよび1bに示されている1つまたは複数の下流の化学的処理施設への経路を取ってもよい。
【0196】
[0191]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、軽質有機共生成物の流れ152は、前記軽質有機共生成物の流れの総重量を基準にして、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、もしくは少なくとも85重量パーセントおよび/または99重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、もしくは60重量パーセント以下の主要な溶媒共沸混合物を含む。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、軽質有機共生成物の流れ152は、前記軽質有機共生成物の流れ152の総重量を基準にして、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、もしくは少なくとも85重量パーセントおよび/または99重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、もしくは60重量パーセント以下のメタノール(またはその他の主要な溶媒)共沸混合物を含む。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、軽質有機共生成物の流れ152は、主要な溶媒(またはメタノール)との共沸混合物でなくてもよいし、もしくは主要な溶媒(またはメタノール)との共沸混合物を含まなくてもよく、または流れ152の総重量を基準にして、このような共沸混合物を10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、3重量パーセント以下
、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、もしくは0.5重量パーセント以下の量で含んでもよい。
【0197】
[0192]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、軽質有機共生成物の流れ152は、低沸点溶剤の沸点と主要な溶媒の沸点との間に沸点を有する中間沸点流を含み得る。この流れは、流れの総重量を基準にして、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、または少なくとも90重量パーセントの、低沸点溶剤の沸点と主要な溶媒の沸点との間に沸点を有する成分を含み得る。この流れは、溶媒の中間沸点流と呼ぶことができ、溶媒(またはメタノール)共沸混合物を含まなくてもよいし、もしくは溶媒(またはメタノール)共沸混合物でなくてもよく、またはこの流れは、流れの総重量を基準にして、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、または1重量パーセント以下のこのような成分を含むことができる。
【0198】
[0193]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、軽質有機共生成物の流れは、前記軽質有機共生成物の流れ152の総重量を基準にして、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、もしくは少なくとも85重量パーセントおよび/または99重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、もしくは60重量パーセント以下の水共沸混合物を含む。
【0199】
[0194]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、軽質有機共生成物の流れ152は、主要な溶媒(またはメタノール)の沸点と水の沸点との間に沸点を有する中間沸点流を含み得る。この流れは、水中間沸点流と呼ぶことができ、水共沸混合物を含まなくてもよく、または流れの総重量を基準にして、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、または0.5重量パーセント以下の水共沸混合物を含んでもよい。
【0200】
[0195]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、軽質有機物の共生成物の流れ152は、前記軽質有機物の共生成物の流れ152の総重量を基準にして、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、もしくは少なくとも85重量パーセントおよび/または99重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、もしくは60重量パーセント以下の主要なグリコール(またはエチレングリコール)共沸混合物を含み、あるいはこの主要なグリコール(またはエチレングリコール)共沸混合物は、流れの総重量を基準にして、5~99重量パーセント、10~95重量パーセント、または15~85重量パーセントの範囲の量で存在することができる。
【0201】
[0196]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、軽質有機共生成物の流れは、前記軽質有機物の共生成物の流れの総重量を基準にして、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25
、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、もしくは少なくとも85重量パーセントおよび/または99重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、もしくは60重量パーセント以下のエチレングリコール(または別の主要なグリコール)の共沸混合物を含み、あるいはこのエチレングリコール(または別の主要なグリコール)の共沸混合物は、流れの総重量を基準にして、5~99重量パーセント、10~95重量パーセント、または15~85重量パーセントの範囲の量で存在することができる。
【0202】
[0197]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、軽質有機物の共生成物の流れ152は、水の沸点と主要なグリコール(またはエチレングリコール)の沸点との間に沸点を有する中間沸点流を含み得る。この流れはグリコール中間沸点流と呼ぶことができ、グリコール(またはエチレングリコール)共沸混合物を含まなくてもよいし、もしくはグリコール(またはエチレングリコール)共沸混合物でなくてもよく、または流れの総重量を基準にして、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、もしくは0.5重量パーセント以下のグリコール共沸混合物を含んでもよい。
【0203】
[0198]さらに、一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、加溶媒分解(またはメタノリシス)施設から離脱した軽質有機物の共生成物の流れ152は、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、もしくは少なくとも55重量パーセントおよび/または90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、もしくは30重量パーセント以下の主要な溶媒(またはメタノール)を含んでもよく、あるいはこの主要な溶媒(またはメタノール)は、流れ152の総重量を基準にして、2~90重量パーセント、5~85重量パーセント、または10~70重量パーセントの範囲の量で存在することができる。
【0204】
[0199]同様に、一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、加溶媒分解(またはメタノリシス)施設から離脱した軽質有機物の共生成物の流れ152は、流れの総重量を基準にして、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、もしくは少なくとも55重量パーセントおよび/または90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、もしくは30重量パーセント以下の主要なグリコール(またはエチレングリコール)を含んでもよく、あるいはこの主要なグリコール(またはエチレングリコール)は、2~90重量パーセント、5~85重量パーセント、または10~70重量パーセントの範囲の量で存在することができる。軽質有機物の共生成物の流れ152は、流れの総重量を基準にして、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、もしくは少なくとも30重量パーセントおよび/または50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、3
0重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、もしくは10重量パーセント以下の水を含んでもよく、あるいはこの水は、流れ152の総重量を基準にして、2~50重量パーセント、5~45重量パーセント、または5~65重量パーセントの範囲の量で存在することができる。
【0205】
[0200]さらに詳細に本明細書で論じられているように、軽質有機物の共生成物の流れ152(または軽質有機物の共生成物の流れ152を構成している1つもしくは複数の流れ)のすべてまたは一部分は、1つまたは複数の下流のケミカルリサイクル施設へと、単独でまたは1つもしくは複数のその他の共生成物の流れ、その他の下流のケミカルリサイクル施設の1つもしくは複数から生成した流れ、および/または混合プラスチック廃棄物(未処理の、部分的に処理した、または処理した)を含む廃棄プラスチックの流れと組み合わせて導入されてもよい。
【0206】
[0201]再度図4を参照すると、軽質有機物回収ゾーン230から除去された低沸点流190は、存在する場合、主要な溶媒(またはメタノール)の沸点より低い、および/または任意の低沸点の溶媒共沸混合物の沸点より低い沸点を有する成分を主に含んでもよい。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、低沸点流190は、低沸点流190の総重量を基準にして、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントの、主要な溶媒より低い沸点を有する成分を含み得る。
【0207】
[0202]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、溶媒流150はまた、軽質有機物分離ゾーン230から離脱することもでき、流れ150の総重量を基準にして、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも25、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、または少なくとも99重量パーセントの主要な溶媒を含むことができる。加溶媒分解施設がメタノリシス施設である場合、この流れは、流れの総重量を基準にして、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、または少なくとも99重量パーセントのメタノールを含み得る。流れのすべてまたは一部分は、さらなる使用のために加溶媒分解施設の入口に戻されてリサイクルされてもよい。
【0208】
[0203]再度図4を参照すると、一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、水流155はまた、加溶媒分解施設の軽質有機物回収ゾーン230から除去されてもよい。水流155は、流れ155の総重量を基準にして、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントの水を含み得る。水流155中の有機成分の含有量に応じて、水流155は、さらなる廃棄処分および/または使用の前に、下流の水処理施設に任意選択で送られてもよい。
【0209】
[0204]さらに、図3および4に示されている通り、主要なグリコールを主に含む流れ154はまた、軽質有機物分離ゾーン230から離脱してもよい。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、主要なグリコール(例えば、エチレングリコール)の流れ154は、流れ154の総重量を基準にして、少なくとも
55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、または少なくとも99重量パーセントの主要なグリコールを含むことができる。主要なグリコールの流れ154はまた、主要なグリコール生成物流154が、流れの総重量を基準にして、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントのリサイクル成分を有するように、リサイクル成分を含むことができる。主要なグリコール(またはエチレングリコール)はr-グリコール(またはr-エチレングリコール)を含むことができる。
【0210】
[0205]図3に示されている通り、グリコール含有共生成物の流れ156はまた軽質有機物分離ゾーン230から離脱することもできる。「グリコール底部」または「グリコール塔底部」または「グリコールスラッジ」(または、PETのメタノリシスでは「EG底部」、「EG塔底部」または「EGスラッジ」)という用語は、主要なグリコール(またはEG)の沸点より高いが、主要なテレフタリル(またはDMT)より低い沸点(または
共沸点)を有する成分を指す。
【0211】
[0206]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、グリコール塔底部共生成物の流れ156は、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントの、主要なグリコール(例えば、エチレングリコール)の沸点より高い沸点および主要なテレフタリルの沸点より低い沸点を有する成分を含むことができる。グリコール塔底部共生成物の流れ156は、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下の、主要なグリコール(例えば、エチレングリコール)の沸点より低い沸点を有する成分を含むことができる。グリコール塔底部共生成物の流れ156は、主要なグリコール(または、EG)の沸点より高い沸点および主要なテレフタリル(または、DMT)の沸点より低い沸点を有することができる。
【0212】
[0207]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、グリコール底部共生成物の流れ156は、主要なグリコールおよび少なくとも1種のその他のグリコールを含むことができる。例えば、グリコール塔底部共生成物の流れ156は、共生成物の流れ156の総重量を基準にして、少なくとも0.5、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも5、もしくは少なくとも8重量パーセントおよび/または30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、12重量パーセント以下もしくは10重量パーセント以下の主要なグリコール(またはエチレングリコール)を含むことができる。主要なグリコール(またはエチレングリコール)は、それ自体で(遊離の状態)または別の化合物の一部分として存在し得る。
【0213】
[0208]起こり得る主要なグリコール(処理されるPETまたはその他ポリマーに応じて)のその他の例として、これらに限定されないが、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4-シクロヘキサン-ジメタノール、プロパン-1,3-ジオール、ブタン-1,4-ジオール、ペンタン-1,5-ジオール、ヘキサン-1,6-ジオール、ネオペンチルグリコール、3-メチルペンタンジオール-(2,4)、2-メチルペンタンジオール-(1,4)、2,2,4-トリメチルペンタン-ジオール-(1,3)、2-エチルヘキサンジオール-(1,3)、2,2-ジエチルプロパン-ジオール-(1,
3)、ヘキサンジオール-(1,3)、1,4-ジ-(ヒドロキシエトキシ)-ベンゼン、2,2-ビス-(4-ヒドロキシシクロヘキシル)-プロパン、2,4-ジヒドロキシ-1,1,3,3-テトラメチル-シクロブタン、2,2,4,4テトラメチルシクロブタンジオール、2,2-ビス-(3-ヒドロキシエトキシフェニル)-プロパン、2,2-ビス-(4-ヒドロキシプロポキシフェニル)-プロパン、イソソルビド、ヒドロキノン、BDS-(2,2-(スルホニルビス)4,1-フェニレンオキシ))ビス(エタノール)、およびこれらの組合せを挙げることができる。その他のグリコールはエチレングリコールでなくてもエチレングリコールを含まなくてもよい。これらのグリコールの部分はまた、このまたはその他の共生成物の流れの中のポリエステルの任意のオリゴマー内に存在し得る。さらに、その他の非テレフタリルおよび/または非グリコール成分もまたこれらの流れの中に存在し得る。このような成分の例として、主要なテレフタリルより沸点が高いイソフタレートおよびその他の酸残基が挙げられる。
【0214】
[0209]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、主要なグリコール(またはメタノリシスの場合にはエチレングリコール)以外のグリコールは、グリコール塔底部共生成物の流れ156中に、グリコール塔底部共生成物の流れ156中のグリコールの総重量を基準にして、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、もしくは少なくとも75重量パーセントおよび/または99重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下もしくは35重量パーセント以下の量で存在することができる。
【0215】
[0210]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、グリコール塔底部共生成物の流れ156中の主要なグリコール以外の少なくとも1種のグリコールの、主要なグリコールに対する重量比は、少なくとも0.5:1、少なくとも0.55:1、少なくとも0.65:1、少なくとも0.70:1、少なくとも0.75:1、少なくとも0.80:1、少なくとも0.85:1、少なくとも0.90:1、少なくとも0.95:1、少なくとも0.97:1、少なくとも0.99:1、少なくとも1:1、少なくとも1.05:1、少なくとも1.1:1、少なくとも1.15:1、少なくとも1.2:1、少なくともまたは少なくとも1.25:1である。さらに、または代替法において、グリコール塔底部共生成物の流れ156中の主要なグリコール以外の少なくとも1種のグリコールの、主要なグリコールに対する重量比は、5:1以下、4.5:1以下、4:1以下、3.5:1以下、3:1以下、2.5:1以下、2:1以下、1.5:1以下、1.25:1以下もしくは1:1以下、または0.5:1~5:1、0.70:1~3:1、もしくは0.80:1~2.5:1の範囲である。
【0216】
[0211]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、加溶媒分解施設30は、2種またはそれよりも多くの共生成物の流れを生成することができ、この流れは、2種またはそれよりも多くの重質有機共生成物の流れ、2種またはそれよりも多くの軽質有機共生成物の流れ、または軽質および重質有機共生成物の流れの組合せを含むことができる。1つもしくは複数の加溶媒分解共生成物の流れ(複数可)(図1aおよび1bの流れ110に示されている)のすべてまたは一部分は、例えば、熱分解施設60、クラッキング施設70、POXガス化施設50、エネルギー回収施設80、および以前に記述されているその他の任意選択の施設のうちのいずれかを含む、少なくとも1種の下流の処理施設に導入されてもよい。
【0217】
[0212]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、2つまたはそれよりも多くの(または2つもしくはそれよりも多くの一部)加溶媒分解共生成物の流れは同じ下流の処理施設に導入されてもよいが、その他の場合、2つまたはそれよりも多くの(または2つもしくはそれよりも多くの一部)加溶媒分解共生成物の流れは異なる下流の処理施設に導入されてもよい。一部の実施形態において、単一の共生成物の流れの少なくとも90、少なくとも95、少なくとも97、少なくとも99重量パーセント、またはすべてが1つの下流の施設に導入されてもよく、その他の実施形態において、単一の共生成物の流れの60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下または30重量パーセント以下が下流の処理施設の1つに導入されてもよいように、流れは2つまたはそれよりも多くの下流の施設へと分割されてもよい。
【0218】
[0213]再度図1aおよび1bを参照すると、一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、少なくとも1種の加溶媒分解共生成物の流れ110の少なくとも一部分は、図1aおよび1bに示されている通り、前処理施設20から離脱した、POを豊富に含むプラスチック流114の少なくとも一部分と組み合わせてもよい。POを豊富に含むプラスチックを有する組み合わせた流れ中の、単一の共生成物の流れ110(または2つまたはそれよりも多くを組み合わせた場合、すべての共生成物の流れ)の量は変動してもよく、組み合わせた流れの総重量を基準にして、例えば、少なくとも1、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、もしくは少なくとも50重量パーセントおよび/または90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下もしくは40重量パーセント以下であることができる。図1aおよび1bに示されている通り、組み合わせた流れは、図1bに示されている通り、次いで、例えば、POXガス化施設50、熱分解施設60、クラッカー施設70、および/もしくはエネルギー生成施設80を含めた、ケミカルリサイクル施設または下流の処理施設の1つまたは複数の場所、ならびに分離施設、ならびに/またはさらなる販売および/または使用へと導入され得る。
【0219】
液化/脱ハロゲン
[0214]図1aおよび1bに示されるように、POを豊富に含む廃棄プラスチック流114は(加溶媒分解共生成物流110と合わせられるかまたは合わせられないで)場合により1つまたは複数の下流の処理施設に導入される前に液化ゾーンまたはステップに導入されてもよい。本明細書で使用されるとき、用語「液化」ゾーンまたはステップとは、入ってくるプラスチックの少なくとも一部分が液化される化学的処理ゾーンまたはステップをいう。プラスチックを液化するステップは化学的液化、物理的液化、またはこれらの組合せを含むことができる。液化ゾーンに導入されるポリマーを液化する例示的な方法は(i)加熱する/溶融させる;(ii)溶媒に溶解させる;(iii)解重合する;(iv)可塑化する、およびこれらの組合せを含むことができる。その上、1つまたは複数の選択肢(i)~(iv)はまたポリマー材料の液化(粘度の低下)の促進を助けるために配合剤または液化剤の添加に伴われてもよい。このように、様々なレオロジー改良剤(例えば、溶媒、解重合剤、可塑剤、および配合剤)が使用されて液化された廃棄プラスチックの流れおよび/または分散性を高めることができる。
【0220】
[0215]液化ゾーン40に加えられると、プラスチック(通常廃棄プラスチック)の少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、または少なくとも99重量パーセントが粘度の低下を受ける。場合によって、粘度の低下は加
熱する(例えば、プラスチックと直接または間接的に接触するスチームの添加)ことにより促進することができるが、他の場合は、プラスチックを溶解することができる溶媒と合わせることにより促進することができる。適切な溶媒の例としては、限定されることはないが、メタノールまたはエタノールのようなアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコールのようなグリコール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、熱分解油、モーター油、および水を挙げることができる。図1aに示されるように、溶媒流141は直接液化ゾーン40に加えられることができ、または液化ゾーン40に供給される1つまたは複数の流れ(図1には示されてない)と合わせられることができる。
【0221】
[0216]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、溶媒は、流れの総重量を基準にして、例えば、少なくとも1、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントのリサイクル成分材料を有するリサイクル成分溶媒を含むことができる。代わりに、または加えて、ラインの溶媒141中のリサイクル成分は、流れの総重量を基準にして、99.9重量パーセント以下、99重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、または1重量パーセント以下であることができる。またはこのリサイクル成分は、流れの総重量を基準にして、1~99重量パーセント、5~90重量パーセント、または10~75重量パーセントの範囲であることができる。
【0222】
[0217]リサイクル成分は、ケミカルリサイクル施設10内の1つまたは複数の流れ、例えば、加溶媒分解共生成物の流れ(例えば、PETを含む廃棄プラスチック流の1つの流れの加溶媒分解から形成される)および/または熱分解油の流れ(例えば、ポリオレフィンおよび/または廃棄物PETの加溶媒分解からの副生成物を含む廃棄プラスチック流の熱分解から形成される)を起源とすることができる。溶媒141として液化ゾーン40に導入され得る流れのいくつかの例が図1aおよび1bに示されている。これらの流れのそれぞれのすべてまたは一部分を溶媒として使用することができる。溶媒流141は、溶媒と廃棄プラスチックの組合せが液化タンク内で行われるように、液化ゾーン40の液化タンク(図1aおよび1bには示されていない)へと、廃棄プラスチック流から別々に直接導入されてもよいし、および/または溶媒は、組み合わせた流れが液化ゾーン40の液化タンクへと導入されるよう、液化ゾーン40に導入される1つもしくは複数の流れと組み合わせることができる。
【0223】
[0218]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、溶媒はケミカルリサイクル施設内の1つまたは複数の他の施設から引き出された流れを含むことができる。例えば、溶媒は加溶媒分解施設30、熱分解施設60、およびクラッキング施設70の少なくとも1つから引き出された流れを含むことができる。溶媒は本明細書に記載される加溶媒分解共生成物の少なくとも1つであるかもしくはそれを含むことができ、または熱分解油であるかもしくはそれを含むことができる。
【0224】
[0219]場合によって、プラスチックは、例えば、解重合剤との接触によりプラスチックの数平均鎖長が低減されるように解重合されることができる。1つの実施形態または本明
細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、前にリストされた溶媒の少なくとも1つが解重合剤として使用され得るが、1つまたは複数の他の実施形態においては、解重合剤として有機酸(例えば、酢酸、クエン酸、酪酸、ギ酸、乳酸、オレイン酸、シュウ酸、ステアリン酸、酒石酸、および/または尿酸)または硫酸(ポリオレフィン用)のような無機酸を挙げることができる。解重合剤はポリマーの数平均鎖長を低減することによりその融点および/または粘度を低下させ得る。
【0225】
[0220]あるいは、または加えて、可塑剤が液化ゾーンで使用されてプラスチックの粘度を低減することができる。ポリエチレン用の可塑剤には、例えば、フタル酸ジオクチル、テレフタル酸ジオクチル、三安息香酸グリセリル、8,000ダルトン以下の分子量を有するポリエチレングリコール、ヒマワリ油、400~1,000ダルトンの分子量を有するパラフィンワックス、パラフィン系オイル、鉱油、グリセリン、EPDM、およびEVAがある。ポリプロピレン用の可塑剤には、例えば、セバシン酸ジオクチル、パラフィン系オイル、イソオクチルタレート(isooctyl tallate)、可塑化用オイル(Drakeol 34)、ナフテン系および芳香族加工油、ならびにグリセリンがある。ポリエステル用の可塑剤には、例えば、400~1500ダルトンの範囲の分子量を有するポリアルキレンエーテル(例えば、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコールまたはこれらの混合物)、モノステアリン酸グリセリン、オクチルエポキシソイエート(octyl epoxy soyate)、エポキシ化ダイズ油、エポキシタレート(epoxy tallate)、エポキシ化アマニ油、ポリヒドロキシアルカノエート、グリコール(例えば、エチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、等)、フタレート、テレフタレート、トリメリテート、およびポリエチレングリコールジ-(2-エチルヘキソエート)がある。使用されるとき、可塑剤は流れの総重量に対して少なくとも0.1、少なくとも0.5、少なくとも1、少なくとも2、または少なくとも5重量パーセントおよび/または10以下、8以下、5以下、3以下、2以下、または1重量パーセント以下の量で存在し得るか、または流れの総重量に対して0.1~10重量パーセント、0.5~8重量パーセント、または1~5重量パーセントの範囲であることができる。
【0226】
[0221]さらに、廃棄プラスチック流を液化する1つまたは複数の方法はまた液化プロセスの前、間、または後に少なくとも1つの配合剤をプラスチックに加えることも含むことができる。かかる配合剤は例えば、乳化剤および/または界面活性剤を包含し得、特に混合されるプラスチック流のプラスチック成分間の密度の差が多数の液体相または半液体相を生ずるとき、液化されたプラスチックを単一の相に十分にブレンドする役に立ち得る。使用されるとき、配合剤は流れの総重量に対して少なくとも0.1、少なくとも0.5、少なくとも1、少なくとも2、または少なくとも5重量パーセントおよび/または10以下、8以下、5以下、3以下、2以下、または1重量パーセント以下の量で存在し得るか、または流れの総重量に対して0.1~10重量パーセント、0.5~8重量パーセント、または1~5重量パーセントの範囲であることができる。
【0227】
[0222]図1aに一般的に示されるようにPOを豊富に含むプラスチック流114と合わせられるとき、加溶媒分解共生成物流110(これは本明細書に記載される1つまたは複数の加溶媒分解共生成物を含むことができる)はPOを豊富に含む廃棄プラスチック流114の液化ゾーン40への導入の前に加えてもよいし(ライン113により示される)および/または液化されたプラスチック流の液化ゾーン40からの取り出し後(ライン115により示される)に加えてもよい。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、1つまたは複数の共生成物流の少なくとも一部分または全ても図1bに示されるように直接液化ゾーンに導入されてもよい。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、POを豊富に含む廃棄プラスチック流114の少なくとも一部分はライン117で
液化ゾーン40を完全に迂回することができ、場合により同様に図1bに示されるように少なくとも1つの加溶媒分解共生成物流110と合わせられてもよい。
【0228】
[0223]加えて、図1aおよび1bに示されるように、熱分解施設60から引き出された熱分解油流143の一部分はPOを豊富に含むプラスチック流114と合わせられて液化されたプラスチックを形成することができる。液化ゾーン40に直接導入されるように示されているが、熱分解油流143の全てまたは一部分はPOを豊富に含むプラスチック流114と液化ゾーン40への導入の前に合わせられてもよいし、またはPOを豊富に含むプラスチック流114が液化ゾーン40を出た後に合わせられてもよい。使用されるとき、熱分解油は本明細書に記載される1つまたは複数の位置で単独でまたは1つまたは複数の他の溶媒流と組み合わせて加えられることができる。
【0229】
[0224]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、液化ゾーン40から下流のケミカルリサイクル施設の1つまたは複数への供給流は下流の1つまたは複数の処理施設に導入される供給流の総重量に対して少なくとも1、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントの1つまたは複数の加溶媒分解共生成物流を含むことができる。
【0230】
[0225]例えば、ケミカルリサイクル施設10のPOX施設50、熱分解施設60、クラッキング施設70、エネルギー回収施設80、および/またはその他の施設90の各々への供給流116、118、120、および122はPOを豊富に含む廃棄プラスチックおよびある量の本明細書に記載される1つまたは複数の加溶媒分解共生成物を含み得る。流れ116、118、120、および122の1つまたは複数は、流れ116、118、120、および/または122の総重量を基準にして、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、または1重量パーセント以下の1つまたは複数の加溶媒分解共生成物の流れを含むことができる。これらの量は、単一の流れまたはこれらの流れの2つもしくはそれよりも多くに対して組み合わせて適用することができる。
【0231】
[0226]加えて、またはあるいは、熱分解施設60、POX施設50、クラッキング施設70、エネルギー回収施設80、および/またはその他の施設90への供給流は下流の1つまたは複数の処理施設に導入される供給流の総重量に対して95以下、90以下、85以下、80以下、75以下、70以下、65以下、60以下、55以下、50以下、45以下、40以下、35以下、30以下、25以下、20以下、15以下、10以下、5以下、2以下、または1重量パーセント以下の1つまたは複数の加溶媒分解共生成物流を含むことができる。
【0232】
[0227]あるいは、または加えて、液化ゾーン40から引き出される液化された(または低下した粘度の)プラスチック流は流れの総重量に対して少なくとも1、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、
少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントおよび/または95以下、90以下、85以下、80以下、75以下、70以下、65以下、60以下、55以下、50以下、45以下、40以下、35以下、30以下、25以下、20以下、15以下、10以下、5以下、2以下、または1重量パーセント以下のPOを含むことができ、またはPOの量は流れの総重量に対して1~95重量パーセント、5~90重量パーセント、または10~85重量パーセントの範囲であることができる。
【0233】
[0228]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、液化プラスチック流は、溶融プラスチック流であってもよいし、または液体溶媒中の溶解したプラスチックを含んでもよい。
【0234】
[0229]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、液化ゾーン40を出る液化されたプラスチック流は10rad/sの剪断速度および350℃の温度で作動するV80-40ベーンスピンドルをもつBrookfield R/Sレオメーターを用いて測定されて3,000未満、2,500未満、2,000未満、1,500未満、1,000未満、800未満、750未満、700未満、650未満、600未満、550未満、500未満、450未満、400未満、350未満、300未満、250未満、150未満、100未満、75未満、50未満、25未満、10未満、5未満、または1ポアズ未満の粘度を有することができる。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、液化ゾーンを出る液化されたプラスチック流の粘度(350℃および10rad/sで測定され、ポアズで表される)は液化ゾーン40に導入されたPOを豊富に含む流れの粘度の95以下、90以下、75以下、50以下、25以下、10以下、5以下、または1パーセント以下である。
【0235】
[0230]ここで図5を参照すると、例示的液化ゾーン40の概略図が、特に様々な供給物および生成物流を例示して、ならびにこのような生成物流が図1aおよび1bに示されているケミカルリサイクル施設内で経路を取るのに有力な場所を例示して示されている。図5は、液化ゾーンの1つの例示的な実施形態を表すもので、図5に示されているある特定の特徴は省略されてもよいし、および/または本明細書中の他の箇所で記載されている追加の特徴が図5に示されているシステムに加えられてもよいことを理解されたい。
【0236】
[0231]図5に示されている通り、少なくとも1つの加溶媒分解共生成物の流れ110および非PET廃棄プラスチック流(例えば、POを豊富に含む流れ)114は液化ゾーン40に供給されてもよい。液化ゾーン40に導入される加溶媒分解共生成物の流れ110は、以前に論じたような、ポリオレフィン含有共生成物の流れ、反応器パージ共生成物の流れ、軽質有機共生成物の流れ、テレフタリルスラッジ共生成物の流れ、および加溶媒分解(またはメタノリシス)施設から発生するグリコールスラッジ共生成物の流れの1つまたは複数を含むことができる。液化ゾーン40に導入される加溶媒分解共生成物の流れ110は、液化ゾーン40の前または液化ゾーン40内で組み合わせたこれらの流れの少なくとも一部分の少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、またはすべてを含んでもよい。液化ゾーン40への供給物(単一の流れであるか組み合わせた流れであるかどうかに拘わらず)は、供給流(複数可)の総重量を基準にして、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、もしくは少なくとも75重量パーセントおよび/または99重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、もしくは50重量パーセント以下の少なくとも1つの加溶媒
分解共生成物の流れを含むことができる。
【0237】
[0232]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、液化ゾーン40への供給物は、供給流(複数可)の総重量を基準にして、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、もしくは少なくとも75重量パーセントおよび/または99重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、もしくは50重量パーセント以下の非PETプラスチック、例えば、廃棄プラスチックを含み得る。廃棄プラスチックは、主にポリオレフィン、例えば、図1aおよび1bに示されているように、前処理施設から離脱したポリエチレンおよび/またはポリプロピレンを含むことができる。このような流れは、流れ(複数可)の総重量を基準にして、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントのポリオレフィンを含むことができる。またはこのような流れは、流れ(複数可)の総重量を基準にして、99重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、または15重量パーセント以下のポリオレフィンを含むことができる。
【0238】
[0233]非PET廃棄プラスチックは、流れ(複数可)の総重量を基準にして、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、もしくは少なくとも40重量パーセントおよび/または50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、7重量パーセント以下、もしくは5重量パーセント以下のPETをさらに含んでもよいし、またはPETは、流れ(複数可)の総重量を基準にして、1~40重量パーセント、2~20重量パーセント、もしくは5~10重量パーセントの範囲の量で存在することができる。
【0239】
[0234]一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、廃棄プラスチックの、加溶媒分解共生成物の流れに対する重量比は、組み合わせた場合、少なくとも0.75:1、少なくとも0.90:1、少なくとも1:1、少なくとも1.5:1、少なくとも2:1、少なくとも3:1、少なくとも4:1、少なくとも5:1、少なくとも6:1、少なくとも7:1、少なくとも8:1、少なくとも9:1、少なくとも10:1、少なくとも11:1、少なくとも12:1、少なくとも13:1、少なくとも14:1、少なくとも15:1、少なくとも16:1、少なくとも17:1、少なくとも18:1、少なくとも19:1、もしくは少なくとも20:1および/または100:1以下、75:1以下、70:1以下、65:1以下、60:1以下、50:1以下、45:1以下、40:1以下、35:1以下、30:1以下、25:1以下、20:1以下、もしくは15:1以下であり、あるいは重量比は、0.75:1~100:1、1:1~50:1、または1.5:1~20:1の範囲であることができる。
【0240】
[0235]図5に示されている通り、少なくとも1つの主に蒸気である流れ164および少なくとも1つの主に液体である流れ161は液化ゾーン40から離脱してもよい。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、蒸気164の少なくとも一部分は任意選択でスクラバー440、例えば、苛性スクラバーまたはアミンスクラバーに送られてもよく、ここで、スクラビング流体を利用して、望ましくない成分、例えば、塩素およびその他のハロゲン、ならびに硫黄、二酸化炭素、アルデヒド、およびこれらの組合せのすべてまたは一部を除去することができる。スクラバー440は、スクラバー440に導入される望ましくない成分の総量を基準にして、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントの、スクラバーに導入される1つまたは複数の望ましくない成分を除去することができる。
【0241】
[0236]次いで、生成した蒸気流164は、エネルギー回収施設、POXガス化施設、およびクラッカー施設の1つまたは複数に導入されてもよい。任意選択で、POXガス化施設および/またはクラッカー施設に導入される流れの少なくとも一部分は、熱分解油(または熱分解ガス、示されていない)の流れと組み合わせてもよいし、組み合わせた流れは下流の施設に導入されてもよい。一部の実施形態では、組み合わせた流れは、流れの総重量を基準にして、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、もしくは少なくとも50重量パーセントおよび/または99重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、もしくは60重量パーセント以下の液化蒸気を含むことができる。代わりにまたは加えて、組み合わせた流れは、流れの総重量を基準にして、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、もしくは少なくとも40重量パーセントおよび/または80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、もしくは50重量パーセント以下の熱分解油を含むことができる。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、蒸気流の少なくとも一部分は、下流の処理施設の1つまたは複数への導入前に、冷却および/または圧縮されてもよい(図1bに示されているようなコンプレッサー450を介して)。
【0242】
[0237]さらに、図5に示されている通り、液化ゾーン40から離脱した主に液体である流れ161は、(i)POXガス化施設;(ii)エネルギー回収施設;および(iii)熱分解施設の少なくとも1つへと導入され得る。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、主に液体である流れは、3つの施設の少なくとも1つ、少なくとも2つ、またはすべてへと、単独でまたは本明細書で詳細に記載されているようなその他の流れの1つもしくは複数と組み合わせて導入されてもよい。
【0243】
[0238]図6は、図1aおよび1bに例示されているケミカルリサイクル施設内の液化ゾーン40として使用することができる液化システム内の基礎的構成要素を示している。図6は液化システムの例示的な実施形態を示すと理解されたい。図6に示されたいくつかの特徴は省略されてもよく、および/または本明細書中どこかに記載される追加の特徴が図6に描かれたシステムに加えられてもよい。
【0244】
[0239]図6に示されるように、POを豊富に含む廃棄プラスチック流114のような廃棄プラスチック供給物は本明細書に述べられる前処理施設20のような廃棄プラスチック源に由来し得る。POを豊富に含む廃棄プラスチック流114のような廃棄プラスチック
供給物は、少なくとも1つの溶融タンク310、少なくとも1つの循環ループポンプ312、少なくとも1つの外部熱交換器340、少なくとも1つのストリッピングカラム330、および少なくとも1つの解放容器320を含有するとして図6が描く液化ゾーン40に導入され得る。液化ゾーン40におけるこれらの様々な例示的な構成要素およびそれらの機能性は以下でより詳細に論じられる。
【0245】
[0240]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、そして図6に示されるように、液化ゾーン40は溶融タンク310およびヒーターを含む。溶融タンク310がPOを豊富に含む廃棄プラスチック流114のような廃棄プラスチック供給物を受け取り、ヒーターが廃棄プラスチックを加熱する。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、溶融タンク310は1つまたは複数の連続的に撹拌されるタンクを含むことができる。1つまたは複数のレオロジー改良剤(例えば、溶媒、解重合剤、可塑剤、および配合剤)が液化ゾーンで使用されるとき、かかるレオロジー改良剤は溶融タンク310内で、またはその前にPOを豊富に含むプラスチックに加えられ、および/またはそれと混合されることができる。
【0246】
[0241]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態(図6に示されていない)と組み合わせた実施形態において、液化ゾーン40のヒーターは溶融タンク310内に位置付けられた内部熱交換コイル、溶融タンク310の外側の外被、溶融タンク310の外側のヒートトレース、および/または溶融タンク310の外側の電気加熱素子の形態をとることができる。あるいは、図6に示されるように、液化ゾーン40のヒーターは、液化されたプラスチック171の流れを溶融タンク310から受け取り、それを加熱し、その液化され加熱されたプラスチック流173の少なくとも一部分を溶融タンク310に戻す外部熱交換器340を含むことができる。
【0247】
[0242]図6に示されるように、外部熱交換器340が使用されて液化ゾーン40のための熱を提供するとき、POを豊富に含む材料に連続的に熱を加えるために循環ループが使用されることができる。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、循環ループは溶融タンク310、外部熱交換器340、溶融タンクと外部熱交換器を連結するライン171として示される導管、および液化された廃棄プラスチックを循環ループ内に循環させるためのポンプ151を含む。循環ループが使用されるとき、生産される液化されたPOを豊富に含む材料は循環するPOを豊富に含む流れの一部として図6に示される導管161を介して液化ゾーン40から連続的に引き出されることができる。
【0248】
[0243]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、液化ゾーン40は場合によりPOを豊富に含む材料からハロゲンを除去するための機器を含有してもよい。POを豊富に含む材料が液化ゾーン40で加熱されるとき、ハロゲンを豊富に含むガスが発生する可能性がある。放出されたハロゲンを豊富に含むガスを液化されたPOを豊富に含む材料から解放することにより、POを豊富に含む材料中のハロゲンの濃度は低下されることができる。
【0249】
[0244]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、脱ハロゲンは溶融タンク310内または循環ループ中の別の位置のいずれかで液化されたPOを豊富に含む材料中にストリッピングガス(例えば、スチーム)を散布することにより促進されることができる。図6に示されるように、ストリッパー330および解放容器320は外部熱交換器340の下流および溶融タンク310の上流の循環ループ内に備えられることができる。図6に示されるように、ストリッパー330は液化され加熱されたプラスチック流173を外部熱交換器340から受け取り、液化され
たプラスチック中へのストリッピングガス153の散布を提供することができる。液化されたプラスチックへのストリッピングガス153の散布はストリッパー330内に二相媒体を作り出すことができる。
【0250】
[0245]流れ175を介して解放容器320に導入されるこの二相媒体は次いで(例えば、重力により)解放容器320を通って流動されることができ、解放容器ではハロゲンを豊富に含む気体相が、ハロゲンが枯渇した液体相から解放され、解放容器320から流れ162を介して取り出される。代わりに、図6に示されている通り、外部熱交換器340からの加熱した液化性プラスチック173の一部分は、ストリッパー330を迂回し、遊離容器320に直接導入されてもよい。
【0251】
[0246]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、解放容器の出口から排出されるハロゲンが枯渇した液体相の第1の部分はライン159で溶融タンク310に戻されることができ、一方ハロゲンが枯渇した液体相の第2の部分はPOを豊富に含み液化され脱ハロゲンされた生成物流161として液化ゾーンから排出されることができる。解放容器162からおよび溶融タンク310から解放されたハロゲンを豊富に含む気体流はライン164でさらなる処理および/または廃棄処分のために液化ゾーン40から取り出されることができる。
【0252】
[0247]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、液化ゾーン40を出る液化され脱ハロゲンされた廃棄プラスチック流161は500未満、400未満、300未満、200未満、100未満、50未満、10未満、5未満、2未満、1未満、0.5未満、または0.1ppmw未満のハロゲン含有量を有することができる。液化ゾーン40を出る液化されたプラスチック流161のハロゲン含有量は液化ゾーンに導入されるPOを豊富に含む流れのハロゲン含有量の95以下、90以下、75以下、50以下、25以下、10以下、または5重量パーセント以下である。
【0253】
[0248]図6に示されるように、液化され脱ハロゲンされた廃棄プラスチック流161の少なくとも一部分は下流のPOXガス化施設50のPOXガス化装置に導入されて合成ガス組成物を生産し得、および/または下流の熱分解施設60の熱分解反応装置に導入されて熱分解蒸気(すなわち、熱分解ガスおよび熱分解油)および熱分解残渣を生産し得る。あるいは、または加えて、液化され脱ハロゲンされた廃棄プラスチック流161の少なくとも一部分は、例えば分離または固化施設のような、エネルギー回収施設80および/または1つまたは複数の他の施設90に導入され得る。
【0254】
[0249]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、ケミカルリサイクル施設10は液化ゾーン40を含まなくてもよい。あるいは、ケミカルリサイクル施設は液化ゾーン40を含み得るが、いかなる種類の脱ハロゲンゾーンまたは機器も含まなくてもよい。
【0255】
[0250]再び図1aおよび1bを参照して、前処理施設20および/または液化ゾーン40からのPOを豊富に含むプラスチック流114の少なくとも一部分は(単独で、または1もしくはそれ以上の加溶媒分解共生成物流110と合わせて)、例えば、熱分解施設60、クラッキング施設70、POXガス化施設50、エネルギー回収施設80、および以下で詳細に論じられる他の任意的な施設90のいずれかを含めて1つまたは複数の下流の処理施設に導入され得る。
【0256】
熱分解
[0251]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた
実施形態において、図1aおよび1bに全体が示されるケミカルリサイクル施設10は熱分解施設を含み得る。本明細書で使用される用語「熱分解」は不活性な(すなわち、実質的に酸素を含まない)雰囲気における昇温での1つまたは複数の有機材料の熱的な分解を指す。「熱分解施設」は、廃棄プラスチックおよびそれに由来する供給原料の熱分解を実施するのに必要な全ての機器、ライン、および制御装置を含む施設である。
【0257】
[0252]図7は、液化ゾーンからの液化された廃棄プラスチックのような廃棄プラスチック流116を熱分解ガス、熱分解油、および熱分解残渣に変換するための例示的な熱分解施設60を示す。図7は本技術の1つの例示的な実施形態を示すと理解されるべきである。したがって、図7に示されたいくつかの特徴が省略されてもよいし、および/または本明細書中のどこかに記載される追加の特徴が図7に示されたシステムに加えられてもよい。
【0258】
[0253]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解施設60への供給流116は(i)前に記載された少なくとも1つの加溶媒分解共生成物流、および(ii)廃棄プラスチックのPOを豊富に含む流れの少なくとも1つを含み得る。1もしくはそれ以上のこれらの流れは熱分解施設60に連続的に導入されてもよいし、または1もしくはそれ以上のこれらの流れは間欠的に導入されてもよい。多数の種類の供給流が存在するとき、各々が別々に導入されてもよいし、または流れの全てもしくは一部分が合わせられてこの合わせられた流れが熱分解施設60に導入されてもよい。組合せは、行われるとき、連続的またはバッチ式で行い得る。熱分解施設60に導入される供給物は液化されたプラスチック(例えば、液化された、溶融された、可塑化された、解重合された、またはこれらの組合せ)、プラスチックペレットもしくは微粒子、またはそのスラリーの形態であることができる。
【0259】
[0254]一般に、図5に描かれるように、熱分解施設60は熱分解反応装置510および生成物流を反応装置から分離するための分離装置520を含む。図5には描かれないが、熱分解施設60の分離装置520は、限定されないがフィルターシステム、多段式分離装置、凝縮器、および/または急冷塔を含めて様々なタイプの機器を含むことができる。
【0260】
[0255]熱分解反応装置510において、供給物の少なくとも一部分は、熱分解油、熱分解ガス、および熱分解残渣を含む熱分解流出物を生成する熱分解反応に供され得る。本明細書で使用されるとき、用語「熱分解ガス」は、熱分解から得られる、25℃、1atmで気体である組成物を指す。本明細書で使用されるとき、用語「熱分解油」または「パイオイル」は、熱分解から得られる、25℃、1atmで液体である組成物を指す。本明細書で使用されるとき、用語「熱分解残渣」は、熱分解から得られる、熱分解ガスでも熱分解油でもなく、主に熱分解チャー(pyrolysis char)および熱分解重質ワックス(pyrolysis heavy wax)を含む組成物を指す。本明細書で使用されるとき、用語「熱分解チャー」は、熱分解から得られる、200℃、1atmで固体である炭素を含有する組成物を指す。本明細書で使用されるとき、用語「熱分解重質ワックス」は、熱分解から得られる、熱分解チャーでも熱分解ガスでもまたは熱分解油でもないC20+炭化水素を指す。熱分解ガスおよび熱分解油は熱分解蒸気流170として熱分解反応装置500から出ることができる。
【0261】
[0256]熱分解は導入された供給物の化学的および熱的な分解を含むプロセスである。全ての熱分解プロセスは一般的に実質的に酸素を含まない反応環境により特徴付けられ得るが、熱分解プロセスはさらに、例えば反応装置内の熱分解反応温度、熱分解反応装置内の滞留時間、反応装置の種類、熱分解反応装置内の圧力、および熱分解触媒の有無により定義され得る。
【0262】
[0257]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解反応装置510は、例えば、膜反応器、スクリュー押出機、管型反応装置、タンク、撹拌槽型反応器、ライザー反応器、固定床反応器、流動床反応器、回転炉、真空反応装置、マイクロ波反応装置、またはオートクレーブであることができる。熱分解反応装置510は流下膜式反応器または上向流膜反応器のような膜反応器を含む。
【0263】
[0258]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解反応は実質的に酸素を含まない雰囲気中または周囲の空気と比べてより少ない酸素を含有する雰囲気中で供給原料を加熱し変換することを含むことができる。例えば、熱分解反応装置510内の雰囲気は反応装置510の内容積に対して5以下、4以下、3以下、2以下、1以下、または0.5パーセント以下の酸素ガスを含み得る。
【0264】
[0259]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、リフトガスおよび/または供給ガスが使用されて供給原料を熱分解反応装置510中に導入し得、および/または熱分解反応装置510内の様々な反応を促進し得る。例えば、リフトガスおよび/または供給ガスは窒素、二酸化炭素、および/またはスチームを含み得るか、それらから本質的になり得るか、またはそれらからなり得る。リフトガスおよび/または供給ガスは熱分解反応装置510への導入に先立って廃棄プラスチック流116と共に加えられてもよいし、および/または直接熱分解反応装置510に加えられてもよい。リフトガスおよび/または供給ガスはスチームおよび/または水素、一酸化炭素、およびこれらの組合せのような還元ガスを含むことができる。
【0265】
[0260]さらに、熱分解反応装置510内の温度はある種の最終生成物の生成を促進するように調整されることができる。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解反応装置510内の熱分解温度は少なくとも325℃、少なくとも350℃、少なくとも375℃、少なくとも400℃、少なくとも425℃、少なくとも450℃、少なくとも475℃、少なくとも500℃、少なくとも525℃、少なくとも550℃、少なくとも575℃、少なくとも600℃、少なくとも625℃、少なくとも650℃、少なくとも675℃、少なくとも700℃、少なくとも725℃、少なくとも750℃、少なくとも775℃、または少なくとも800℃であることができる。
【0266】
[0261]加えてまたはあるいは、熱分解反応装置の熱分解温度は1,100℃以下、1050℃以下、1000℃以下、950℃以下、900℃以下、850℃以下、800℃以下、750℃以下、700℃以下、650℃以下、600℃以下、550℃以下、525℃以下、500℃以下、475℃以下、450℃以下、425℃以下、または400℃以下であることができる。より特定的には、熱分解反応装置内の熱分解温度は325~1,100℃、350~900℃、350~700℃、350~550℃、350~475℃、425~1,100℃、425~800℃、500~1,100℃、500~800℃、600~1,100℃、600~800℃、650~1,000℃、または650~800℃の範囲であることができる。
【0267】
[0262]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解反応装置内の供給原料の滞留時間は少なくとも0.1、少なくとも0.2、少なくとも0.3、少なくとも0.5、少なくとも1、少なくとも1.2、少なくとも1.3、少なくとも2、少なくとも3、または少なくとも4秒であることができる。あるいは、熱分解反応装置内の供給原料の滞留時間は少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくと
も8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも45、少なくとも60、少なくとも75、または少なくとも90分であることができる。加えて、またはあるいは、熱分解反応装置内の供給原料の滞留時間は6未満、5未満、4未満、3未満、2未満、1未満、または0.5時間未満であることができる。また、熱分解反応装置内の供給原料の滞留時間は100未満、90未満、80未満、70未満、60未満、50未満、40未満、30未満、20未満、10未満、9未満、8未満、7未満、6未満、5未満、4未満、3未満、2未満、または1秒未満であることができる。より特定的には、熱分解反応装置内の供給原料の滞留時間は0.1~10秒、0.5~10秒、30分~4時間、または30分~3時間、または1時間~3時間、または1時間~2時間の範囲であることができる。
【0268】
[0263]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解反応装置内の圧力は少なくとも0.1、少なくとも0.2、または少なくとも0.3バールおよび/または60以下、50以下、40以下、30以下、20以下、10以下、8以下、5以下、2以下、1.5以下、または1.1バール以下の圧力に維持されることができる。熱分解反応装置内の圧力は大気圧または0.1~100バール、もしくは0.1~60バール、もしくは0.1~30バール、もしくは0.1~10バール、もしくは1.5バール、0.2~1.5バール、もしくは0.3~1.1バールの範囲内に維持されることができる。熱分解反応装置内の圧力は少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、または少なくとも70バールおよび/または100以下、95以下、90以下、85以下、80以下、75以下、70以下、65以下、または60バール以下であることができる。本明細書で使用されるとき、用語「バール」は他に断らない限りゲージ圧を指す。
【0269】
[0264]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解触媒は熱分解反応装置510中への導入に先立って供給流116中に導入され得、および/または直接熱分解反応装置510中に導入され得る。触媒は均一系または不均一系であることができ、例えば、ある種のタイプのゼオライトおよび他のメソ構造の触媒を含み得る。いくつかの実施形態において、熱分解反応は触媒されない(例えば、熱分解触媒の非存在下で行われる)ことがあるが、熱伝達を容易にするために砂のような非触媒性で保温性の不活性な添加剤を反応装置510内に含み得る。かかる触媒のない熱分解プロセスは「熱的熱分解(thermal pyrolysis)」といえる。
【0270】
[0265]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解流出物または熱分解蒸気は少なくとも1、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、または少なくとも75重量パーセントの熱分解油を含み得、これは加熱された反応装置を出る際熱分解流出物中で蒸気の形態であり得るが、しかし、これらの蒸気はその後凝縮されて熱分解油が得られ得る。加えて、またはあるいは、熱分解流出物または熱分解蒸気は99以下、95以下、90以下、85以下、80以下、75以下、70以下、65以下、60以下、55以下、50以下、45以下、40以下、35以下、30以下、または25重量パーセント以下の熱分解油を含み得、これは加熱された反応装置を出る際熱分解流出物中で蒸気の形態であり得る。熱分解流出物または熱分解蒸気は熱分解流出物または熱分解蒸気の総重量に対して20~99重量パーセント、25~80重量パーセント、30~85重量パーセント、30~80重量パーセント、30~75重量パーセント、30~70重量パーセント、または30~65重量パーセントの範囲で熱分解油を含み得る。
【0271】
[0266]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解流出物または熱分解蒸気は少なくとも1、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、または少なくとも80重量パーセントの熱分解ガスを含み得る。加えて、またはあるいは、熱分解流出物または熱分解蒸気は99以下、95以下、90以下、85以下、80以下、75以下、70以下、65以下、60以下、55以下、50以下、または45重量パーセント以下の熱分解ガスを含み得る。熱分解流出物は流れの総重量に対して1~90重量パーセント、10~85重量パーセント、15~85重量パーセント、20~80重量パーセント、25~80重量パーセント、30~75重量パーセント、または35~75重量パーセントの熱分解ガスを含み得る。
【0272】
[0267]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解流出物または熱分解蒸気は少なくとも0.5、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、または少なくとも10重量パーセントの熱分解残渣を含み得る。加えて、またはあるいは、熱分解流出物は60以下、50以下、40以下、30以下、25以下、20以下、15以下、10以下、9以下、8以下、7以下、6以下、または5重量パーセント以下の熱分解残渣を含み得る。熱分解流出物は流れの総重量に対して0.1~25重量パーセント、1~15重量パーセント、1~8重量パーセント、または1~5重量パーセントの範囲の熱分解残渣を含み得る。
【0273】
[0268]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解流出物または熱分解蒸気は15以下、14以下、13以下、12以下、11以下、10以下、9以下、8以下、7以下、6以下、5以下、4以下、3以下、2以下、1以下、または0.5重量パーセント以下の自由水を含み得る。本明細書で使用されるとき、「自由水」は熱分解装置に(液体またはスチームとして)前に加えられた水および熱分解装置内で生成された水を指す。
【0274】
[0269]本明細書に記載される熱分解システムは熱分解流出物を生成し得、これは熱分解油流174、熱分解ガス流172、および熱分解残渣流176に分離されることができ、その各々がそれらの組成に基づいて様々な下流の用途に直接使用され得る。熱分解油、熱分解ガス、および熱分解残渣の様々な特徴および特性は以下に記載される。以下の特徴および特性は全て別々に述べられ得るが、熱分解ガス、熱分解油、および/または熱分解残渣の以下の特徴および/または特性は各々が互いに排他的ではなく、いかなる組合せで組み合わせられ存在してもよいと考えられることに留意されたい。
【0275】
[0270]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解油は主として分子当たり4~30個の炭素原子を有する炭化水素(例えば、C4~C30炭化水素)を含み得る。本明細書で使用されるとき、用語「Cx」または「Cx炭化水素」は分子当たり「x」個の全炭素を含む炭化水素化合物を意味し、その数の炭素原子を有する全てのオレフィン、パラフィン、芳香族化合物、複素環式化合物、および異性体を包含する。例えば、ノルマル、iso、およびtert-ブタンおよびブテンおよびブタジエン分子は各々一般記載「C4」で表される。熱分解油は熱分解油流174の総重量に対して少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントのC4~C30炭化水素含有量を有し得る。
【0276】
[0271]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた
実施形態において、熱分解油は主としてC5~C25炭化水素、C5~C22炭化水素、またはC5~C20炭化水素を含むことができる。例えば、熱分解油は熱分解油の総重量に対して少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントのC5~C25炭化水素、C5~C22炭化水素、またはC5~C20炭化水素を含み得る。熱分解油は熱分解油の総重量に対して少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、または少なくとも55重量パーセントのC5~C12炭化水素含有量を有し得る。加えて、またはあるいは、熱分解油は95以下、90以下、85以下、80以下、75以下、70以下、65以下、60以下、55以下、または50重量パーセント以下のC5~C12炭化水素含有量を有し得る。熱分解油は流れの総重量に対して10~95重量パーセント、20~80重量パーセント、または35~80重量パーセントの範囲のC5~C12炭化水素含有量を有し得る。
【0277】
[0272]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解油はまた反応装置条件および触媒が使用されるか否かに応じて様々な量のオレフィンおよび芳香族化合物も含み得る。熱分解油は熱分解油の総重量に対して少なくとも1、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、または少なくとも40重量パーセントのオレフィンおよび/または芳香族化合物を含む。加えて、またはあるいは、熱分解油は90以下、80以下、70以下、60以下、50以下、45以下、40以下、35以下、30以下、25以下、20以下、15以下、10以下、5以下、または1重量パーセント以下のオレフィンおよび/または芳香族化合物を含み得る。本明細書で使用されるとき、用語「芳香族化合物」はベンゼン、トルエン、キシレン、およびスチレンのような芳香族部分を含有するあらゆる化合物の総量(重量で)を指す。
【0278】
[0273]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解油は熱分解油の総重量に対して少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、または少なくとも65重量パーセントのパラフィン(例えば、直鎖または分岐のアルカン)含有量を有し得る。加えて、またはあるいは、熱分解油は99以下、97以下、95以下、93以下、90以下、85以下、80以下、75以下、70以下、65以下、60以下、55以下、50以下、45以下、40以下、35以下、または30重量パーセント以下のパラフィン含有量を有し得る。熱分解油は25~90重量パーセント、35~90重量パーセント、または50~80重量パーセントの範囲のパラフィン含有量を有し得る。
【0279】
[0274]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解油はASTM D-5399に従って測定されて少なくとも75℃、少なくとも80℃、少なくとも85℃、少なくとも90℃、少なくとも95℃、少なくとも100℃、少なくとも105℃、少なくとも110℃、または少なくとも115℃および/または250℃以下、245℃以下、240℃以下、235℃以下、230℃以下、225℃以下、220℃以下、215℃以下、210℃以下、205℃以下、200℃以下、195℃以下、190℃以下、185℃以下、180℃以下、175℃以下、170℃以下、165℃以下、160℃以下、155℃以下、150℃以下、145℃以下、140℃以下、135℃以下、130℃以下、125℃以下、または120℃以下の中央沸点を有し得る。熱分解油は75~250℃、90~225℃、または115~190℃の範囲の中央沸点を有し得る。本明細書で使用されるとき、「中央沸点」は熱分解油のメジアンの沸点温度をいい、その中央沸点より高い温度で熱分解油の50体積パーセン
トが沸騰し、50体積パーセントが中央沸点より低い温度で沸騰する。
【0280】
[0275]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解油の沸点範囲は、熱分解油の少なくとも90パーセントがASTM D-5399に従って測定されて250℃、280℃、290℃、300℃、または310℃の温度で沸騰除去されるようなものであり得る。
【0281】
[0276]次に熱分解ガスについて、熱分解ガスは熱分解ガスの総重量に対して少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、または少なくとも15および/または50以下、45以下、40以下、35以下、30以下、25以下、または20重量パーセント以下のメタン含有量を有することができる。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解ガスは1~50重量パーセント、5~50重量パーセント、または15~45重量パーセントの範囲のメタン含有量を有することができる。
【0282】
[0277]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解ガスは熱分解ガスの総重量に対して少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、または少なくとも60および/または99以下、95以下、90以下、85以下、80以下、75以下、70以下、または65重量パーセント以下のC3および/またはC4炭化水素含有量(分子当たり3または4個の炭素原子を有する全ての炭化水素を含む)を有することができる。熱分解ガスは10~90重量パーセント、25~90重量パーセント、または25~80重量パーセントの範囲のC3炭化水素含有量、C4炭化水素含有量、または合わせたC3およびC4炭化水素含有量を有することができる。
【0283】
[0278]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解ガスは熱分解反応装置からの全流出物の少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、または少なくとも50重量パーセントを構成することができ、熱分解ガスは熱分解ガスの総重量の少なくとも25、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、または少なくとも75パーセントの合わせたエチレンおよびプロピレン含有量を有することができる。
【0284】
[0279]次に熱分解残渣について、1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解残渣は熱分解残渣の総重量に対して少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、または少なくとも85重量パーセントのC20+炭化水素を含む。本明細書で使用されるとき、「C20+炭化水素」は分子当たり少なくとも20個の全炭素を含有する炭化水素化合物を意味し、その数の炭素原子を有する全てのオレフィン、パラフィンおよび異性体を包含する。
【0285】
[0280]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解残渣は熱分解残渣の総重量に対して少なくとも1、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、または少なくと
も99重量パーセントの炭素含有固体を含む。加えて、またはあるいは、熱分解残渣は99以下、90以下、80以下、70以下、60以下、50以下、40以下、30以下、20以下、10以下、9以下、8以下、7以下、6以下、5以下、または4重量パーセント以下の炭素含有固体を含む。本明細書で使用されるとき、「炭素含有固体」は熱分解に由来し、25℃、1atmで固体である炭素を含有する組成物を指す。炭素含有固体は炭素含有固体の総重量に対して少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、または少なくとも90重量パーセントの炭素を含む。
【0286】
[0281]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解ガス、熱分解油、および熱分解残渣の少なくとも一部分は、例えば、既に述べられたエネルギー回収施設80、部分的酸化施設50、1つまたは複数の他の施設90、およびクラッキング施設70を含めて1つまたは複数の他の化学的処理施設に送られてもよい。いくつかの実施形態において、熱分解ガス流172の少なくとも一部分および/または熱分解油(パイオイル)流174の少なくとも一部分はエネルギー回収施設80、クラッキング施設70、POXガス化施設50、およびこれらの組合せに導入されることができるが、熱分解残渣流176はPOXガス化施設50および/またはエネルギー回収施設80に導入されてもよい。いくつかの実施形態において、熱分解ガス流172、熱分解油流174、および/または熱分解残渣流176の少なくとも一部分は1つまたは複数の分離施設(図1には示されてない)に送られることにより、熱分解ガス、熱分解油、および/または熱分解残渣のより精製された流れを形成し得、これは次いでエネルギー回収施設80、クラッキング施設70、および/またはPOXガス化施設50に送られ得る。加えて、またはあるいは、熱分解油流176の全てまたは一部分はPOを豊富に含む廃棄プラスチック流114と合わせられて、本明細書で論じられる1つまたは複数の下流の施設に供給される液化されたプラスチック流を提供することができる。
【0287】
クラッキング
[0282]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解施設60から、または図1aおよび1bに示される他の施設の1もしくはそれ以上からの1つまたは複数の流れの少なくとも一部分はクラッキング施設70に導入され得る。本明細書で使用されるとき、用語「クラッキング」は炭素-炭素結合の破壊により複雑な有機分子をより単純な分子に分解することを指す。「クラッキング施設」は、廃棄プラスチックに由来する供給原料のクラッキングを実施するのに必要な全ての機器、ラインおよび制御装置を含む施設である。クラッキング施設は1つまたは複数のクラッカー炉、ならびにクラッカー炉の流出物を処理するのに使用される機器を含む下流の分離ゾーンを含むことができる。本明細書で使用されるとき、用語「クラッカー」および「クラッキング」は互換的に使用される。
【0288】
[0283]ここで図8aを参照すると、本発明の技術の一実施形態に従いまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて設計されたクラッキング施設70が示されている。一般に、クラッカー施設70はクラッカー炉720およびクラッカー炉720の下流の、炉流出物をリサイクル成分オレフィン(r-オレフィン)流130のような様々な最終生成物に分離するための分離ゾーン740を含む。図8aに示されている通り、熱分解施設60からの熱分解ガス流172および/または熱分解油の流れ174の少なくとも一部分は、クラッカー供給流119を介してクラッキング施設70に送ることができる。熱分解油流174はクラッカー炉720の入口に導入され得、一方熱分解ガス流172は炉720の上流または下流の位置に導入されることができる。図8aにも示されるように、パラフィン132(例えば、エタンおよび/またはプロパン)の流れは分離ゾーンから引き出され得、リサイクル成分パラフィン(r-パラフィン)を含み得る。パラフィンの全てまたは一部分は図8aにも示されるように流れ134を介してクラッカー炉720
の入口にリサイクルされ得る。使用されるとき、熱分解油流、熱分解ガス流172、およびリサイクルされるパラフィン流174は場合によりクラッカー供給物の流れ136と合わせられてクラッキング施設720への供給流119を形成してもよい。
【0289】
[0284]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、クラッキング施設70への供給流119は(i)前に記載された1つまたは複数の加溶媒分解共生成物流110、(ii)廃棄プラスチックのPOを豊富に含む流れ114、および(iii)熱分解流(例えば、熱分解ガス172および/または熱分解油174)の少なくとも1つを含み得る。これらの流れの1つまたは複数がクラッキング施設70に連続的に導入されてもよく、またはこれらの流れの1もしくはそれ以上が間欠的に導入されてもよい。多数の種類の供給流が存在するとき、各々が別々に導入されてもよく、または流れの全てもしくは一部分が合わせられて合わせられた流れがクラッキング施設70に導入されてもよい。組合せが行われるとき、その組合せは連続的またはバッチ式に起こり得る。クラッキング施設70に導入される供給流または複数の流れは主としてガスの流れ、主として液体の流れ、またはこれらの組合せの形態であることができる。
【0290】
[0285]図8aに示されるように、熱分解ガスの流れ172および/または熱分解油174はクラッカー供給流136に沿って、または供給流136としてクラッカー施設70に導入され得る。いくつかの実施形態において、クラッカー供給流119は流れ119の総重量に対して少なくとも1、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントの熱分解ガス、熱分解油、または熱分解ガスと熱分解油の組合せを含むことができる。あるいは、または加えて、クラッカー供給流119は流れ119の総重量に対して95以下、90以下、85以下、80以下、75以下、70以下、65以下、60以下、55以下、50以下、45以下、40以下、35以下、30以下、25以下、または20重量パーセント以下の熱分解ガス、熱分解油、または熱分解ガスと熱分解油の組合せを含むことができ、またはこれらの成分を流れ119の総重量に対して1~95重量パーセント、5~90重量パーセント、または10~85パーセントの範囲の量で含むことができる。
【0291】
[0286]いくつかの実施形態において、クラッカー供給流119はクラッカー供給流119の総重量に対して少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントおよび/または95以下、90以下、85以下、80以下、75以下、70以下、65以下、60以下、55以下、50以下、45以下、40以下、35以下、30以下、25以下、または20重量パーセント以下の熱分解ガスおよび熱分解油以外の炭化水素供給物を含むことができ、または熱分解ガスおよび熱分解油以外の炭化水素供給物をクラッカー供給流119の総重量に対して5~95重量パーセント、10~90重量パーセント、または15~85重量パーセントの量で含むことができる。
【0292】
[0287]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、クラッカー供給流119は主としてC2~C4炭化水素を含有する組成物を含み得る。本明細書で使用されるとき、用語「主としてC2~C4炭化水素」は少なくとも50重量パーセントのC2~C4炭化水素成分を含有する流れまたは組成物を指す。具体的な種類のC2~C4炭化水素流または組成物の例にはプロパン、エタン、ブタ
ン、およびLPGがある。クラッカー供給流119は各々の場合に供給物の総重量に対して少なくとも50、または少なくとも55、または少なくとも60、または少なくとも65、または少なくとも70、または少なくとも75、または少なくとも80、または少なくとも85、または少なくとも90、または少なくとも95wt.%、および/または各々の場合に供給物の総重量に対して100以下、または99以下、または95以下、または92以下、または90以下、または85以下、または80以下、または75以下、または70以下、または65以下、または60重量パーセント以下のC2~C4炭化水素または線状のアルカンを含み得る。クラッカー供給流119は主としてプロパン、主としてエタン、主としてブタン、またはこれらの成分の2種以上の組合せを含むことができる。
【0293】
[0288]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、クラッカー供給流119は主としてC5~C22炭化水素を含有する組成物を含み得る。本明細書で使用されるとき、「主としてC5~C22炭化水素」は少なくとも50重量パーセントのC5~C22炭化水素成分を含む流れまたは組成物を指す。例にはガソリン、ナフサ、中間留分、ディーゼル、ケロシンがある。
【0294】
[0289]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、クラッカー供給流119は流れの総重量に対して各々の場合に少なくとも20、または少なくとも25、または少なくとも30、または少なくとも35、または少なくとも40、または少なくとも45、または少なくとも50、または少なくとも55、または少なくとも60、または少なくとも65、または少なくとも70、または少なくとも75、または少なくとも80、または少なくとも85、または少なくとも90、または少なくとも95wt.%および/または各々の場合に100以下、または99以下、または95以下、または92以下、または90以下、または85以下、または80以下、または75以下、または70以下、または65以下、または60重量パーセント以下のC5~C22、またはC5~C20炭化水素を含み得、または、C5~C22を流れの総重量に対して20~100重量パーセント、25~95重量パーセント、または30~85重量パーセントの範囲の量で含むことができる。
【0295】
[0290]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、クラッカー供給流119は供給物の総重量に対して各々の場合に少なくとも0.5、または少なくとも1、または少なくとも2、または少なくとも5重量パーセントおよび/または各々の場合に40以下、または35以下、または30以下、または25以下、または20以下、または18以下、または15以下、または12以下、または10以下、または5以下、または3重量パーセント以下のC15およびより重質の(C15+)含有量を有し得、または流れの総重量に対して0.5~40重量パーセント、1~35重量パーセント、または2~30重量パーセントの範囲であることができる。
【0296】
[0291]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、クラッカー炉への供給物は真空軽油(VGO)、水素化真空軽油(HVGO)、または常圧軽油(AGO)を含むことができる。クラッカー供給流119は流れの総重量に対して少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、または少なくとも90および/または99以下、95以下、90以下、85以下、80以下、75以下、70以下、65以下、60以下、55以下、または50重量パーセント以下の少なくとも1種の軽油を含むことができ、または流れ119の総重量に対して5~99重量パーセント、10~90重量パーセント、または15~85重量パーセント、または5~50重量パーセントの範囲の量で存在することができる。
【0297】
[0292]ケミカルリサイクル施設からの2つまたはそれよりも多くの流れが別の流れと組み合わさって、クラッカー供給流を形成する場合、このような組合せはクラッキング炉の上流、またはクラッキング炉内で生じることができる。代わりに、異なる供給流が炉に別々に導入され、同じ炉(例えば、分割炉)内で別個の管へと供給されることにより互いに単離されながら、炉の一部分、またはすべてを同時に通り抜けることもできる。代わりに、ケミカルリサイクル施設からの流れ(複数可)の少なくとも一部分は、クラッカー炉の下流の場所ではあるが、分離施設内の1つまたは複数の装置の上流の場所でクラッカー施設へと導入されてもよい。
【0298】
[0293]図8aに示されるように、クラッカー供給流119はクラッカー炉720に導入される。ここで図8bを参照すると、本明細書に記載されるケミカルリサイクル施設および/またはクラッカー施設に使用するのに適したクラッカー炉720の模式図が示される。図8bに示されるように、クラッキング炉720は伝達部746、輻射部748、および伝達746および輻射部748間に配置された交差部750を含むことができる。伝達部746は、熱い煙道ガスから熱を受け取る炉の一部分であり、クラッカー流が通過する管またはコイルのバンク752を含む。伝達部746において、クラッカー流はそこを通り抜ける熱い煙道ガスからの伝達により加熱される。図8bには水平に配向された伝達部管752aおよび垂直に配向された輻射部管752を含んで示されるが、管はあらゆる適切な構造で構成されることができると理解されたい。例えば、伝達部管752aが垂直であってもよい。輻射部管752bが水平であってもよい。加えて、単一の管として示されるが、クラッカー炉720は少なくとも1つの分割、屈曲、U字、エルボ、またはこれらの組合せを含み得る1つまたは複数の管またはコイルを含んでいてもよい。多数の管またはコイルが存在するとき、それらは平行および/または直列に配置され得る。
【0299】
[0294]輻射部748は、炉720の、主として高温のガスからの輻射により熱が加熱管に移される部分である。輻射部748はまた、炉720の下部に熱を導入するための複数のバーナー756も含む。炉720は輻射部748内で管752bを取り囲み、収容する火室754を含み、その中にバーナー756が配向される。交差部750は伝達746および輻射748部を接続するための配管を含み、炉720の1つの部分から炉内部または外部の他の部分に加熱されたクラッカー流を移し得る。
【0300】
[0295]熱い燃焼ガスが炉のスタックを通って上方へ上昇するにつれて、ガスは伝達部746を通過し得、そこで廃熱の少なくとも一部分が回収され、伝達部746を通過するクラッカー流を加熱するのに使用され得る。クラッキング炉720は単一の伝達(予熱)部および単一の輻射部を有し得るが、他の実施形態において炉は共通の伝達部を共有する2つ以上の輻射部を含んでいてもよい。スタックの近くの少なくとも1つ誘引通風(I.D.)ファン760が熱い煙道ガスの流れおよび炉720内の加熱プロフィールを制御し得、1つまたは複数の熱交換器761が炉の流出物を冷却するのに使用され得る。クラッキングされたオレフィンを含有する流出物125を冷却するために図6bに示された炉の出口の交換器761(例えば、移送ライン熱交換器またはTLE)に加えて、またはその代わりに液体クエンチ(示されていない)が使用され得る。
【0301】
[0296]1つまたは複数の実施形態では、熱分解ガスは、クラッカー炉の入口に導入されてもよく、または熱分解ガスのすべてもしくは一部分は、クラッカー施設の分離ゾーンの上流または分離ゾーン内の場所において、炉出口の下流に導入されてもよい。分離ゾーン内またはその上流に導入される場合、熱分解ガスは、圧縮の最後の段階の上流、または分離ゾーンの分留セクション内の少なくとも1つの分留カラムの入口の前で導入することができる。
【0302】
[0297]クラッカー施設70に入る前、1つまたは複数の実施形態では、熱分解施設からの未処理の熱分解ガスの流れ172は、1つまたは複数の分離ステップに供されることによって、流れから1つまたは複数の成分が除去され得る。このような成分の例として、これらに限定されないが、ハロゲン、アルデヒド、酸素化化合物、窒素含有化合物、硫黄含有化合物、二酸化炭素、水、気化金属、およびこれらの組合せを挙げることができる。1つまたは複数の実施形態では、クラッカー施設70に導入された熱分解ガス流172は、熱分解ガス流172の総重量に基づき、少なくとも0.1、少なくとも0.5、少なくとも1、少なくとも1.5、少なくとも2、少なくとも2.5、少なくとも3、少なくとも3.5、少なくとも4、少なくとも4.5、もしくは少なくとも5重量パーセントおよび/または30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、もしくは1重量パーセント以下の1つまたは複数のアルデヒド成分を含む。
【0303】
[0298]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、クラッカー施設70は単一のクラッキング炉を含んでもよく、または並行して作動される少なくとも2、または少なくとも3、または少なくとも4、少なくとも5、または少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8またはそれより多くのクラッキング炉を有することができる。いずれか1つまたは各々の炉は気体クラッカー、または液体クラッカー、または分割炉であり得る。炉は、炉を介して、または炉内の少なくとも1つのコイルを介して、または炉内の少なくとも1つの管を介して炉への全てのクラッカー供給原料の重量に対して少なくとも50wt.%、または少なくとも75wt.%、または少なくとも85wt.%、または少なくとも90wt.%のエタン、プロパン、LPG、またはこれらの組合せを含有するクラッカー供給流を受け取る気体クラッカーであることができる。
【0304】
[0299]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、クラッキング炉720は少なくとも50wt.%、または少なくとも75wt.%、または少なくとも85wt.%の、C5-C22の炭素数を有する液体(25℃、1atmで測定されたとき)の炭化水素を含有するクラッカー供給流を受け取る液体またはナフサクラッカーであることができる。
【0305】
[0300]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、クラッカー供給流119はガス炉でクラッキングされることができる。ガス炉は、伝達ゾーンの入口にあるコイルの入口で、主として蒸気相の供給物(供給物の重量の50%より多くが蒸気である)を受け取る(または受け取るように作動されるかまたは受け取るように構成される)少なくとも1つのコイル(「ガスコイル」)を有する炉である。ガスコイルは伝達部のコイルの入口に対して主としてC2~C4の供給原料、または主としてC2~C3の供給原料を受け取ることができ、またはあるいは、コイルへのクラッカー供給物の重量に対して、またはあるいは伝達ゾーンへのクラッカー供給物の重量に対して50wt.%より多くのエタンおよび/または50%より多くのプロパンおよび/または50%より多くのLPG、またはこれらの場合のいずれか1つにおいて少なくとも60wt.%、または少なくとも70wt.%、または少なくとも80wt.%を受け取る少なくとも1つのコイルを有する。
【0306】
[0301]ガス炉は1つより多くのガスコイルを有し得る。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、炉の伝達ゾーンまたは伝達箱内の少なくとも25%のコイル、または少なくとも50%のコイル、または少なくとも60%のコイル、または全てのコイルはガスコイルである。ガスコイルは伝達ゾーンの入口にあるコイルの入口で、供給物の少なくとも60wt.%、または少なくとも7
0wt.%、または少なくとも80wt.%、または少なくとも90wt.%、または少なくとも95wt.%、または少なくとも97wt.%、または少なくとも98wt.%、または少なくとも99wt.%、または少なくとも99.5wt.%、または少なくとも99.9wt.%が蒸気である蒸気相の供給物を受け取る。
【0307】
[0302]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、供給流は分割炉でクラッキングされることができる。分割炉はある種類のガス炉である。分割炉は同一の炉内、または同一の伝達ゾーン内、または同一の伝達箱内に少なくとも1つのガスコイルおよび少なくとも1つの液体コイルを含有する。液体コイルは、伝達ゾーンへの入口におけるコイルの入口で主として液体相の供給物(供給物の重量の50%より多くが液体である)を受け取るコイル(「液体コイル」)である。
【0308】
[0303]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、クラッカー供給流119は熱的気体クラッカーでクラッキングされることができる。
【0309】
[0304]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、クラッカー供給流119はスチームの存在下熱的スチーム気体クラッカーでクラッキングされることができる。スチームクラッキングはスチームの存在下における炭化水素の高温クラッキング(分解)を指す。存在するとき、スチームは図8bに示されるライン121を介して導入され得る。
【0310】
[0305]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、図1に示されるケミカルリサイクル施設10からの2つ以上の流れが施設10からの別の流れと組み合わせられてクラッカー供給流119を形成するとき、かかる組合せはクラッキング炉720の上流で起きても、またはクラッキング炉内で起きてもよい。あるいは、異なる供給流は別々に炉720内に導入され得、炉720の一部分、または全部を同時に通過し得、一方で同一の炉720(例えば、分割炉)内の別々の管に供給することによりお互いに単離され得る。あるいは、ケミカルリサイクル施設からの1つまたは複数の流れの少なくとも一部分はクラッカー炉の下流であるが、分離施設の機器の1つまたは複数の部分の上流の位置でクラッカー施設に導入され得る。
【0311】
[0306]加熱されたクラッカー流119は次いでクラッキング炉720を通過し、そこで炭化水素成分は熱的にクラッキングされてオレフィン、例えばエチレン、プロピレン、および/またはブタジエンを含むより軽質の炭化水素を形成する。クラッカー流の炉720内滞留時間は各々の場合に秒で少なくとも0.15、または少なくとも0.2、または少なくとも0.25、または少なくとも0.3、または少なくとも0.35、または少なくとも0.4、または少なくとも0.45、および/または各々の場合に秒で2以下、または1.75以下、または1.5以下、または1.25以下、または1以下、または0.9以下、または0.8以下、または0.75以下、または0.7以下、または0.65以下、または0.6以下、または0.5以下であることができ、または0.15~2秒、0.20~1.75秒、または0.25~1.5秒の範囲であることができる。
【0312】
[0307]炉の出口から引き出されるクラッキングされたオレフィンを含有する流出物125の温度は各々の場合に℃で少なくとも640、または少なくとも650、または少なくとも660、または少なくとも670、または少なくとも680、または少なくとも690、または少なくとも700、または少なくとも720、または少なくとも730、または少なくとも740、または少なくとも750、または少なくとも760、または少なくとも770、または少なくとも780、または少なくとも790、または少なくとも800、または少なくとも810、または少なくとも820、および/または各々の場合に℃
で1000以下、または990以下、または980以下、または970以下、または960以下、または950以下、または940以下、または930以下、または920以下、または910以下、または900以下、または890以下、または880以下、または875以下、または870以下、または860以下、または850以下、または840以下、または830以下、730~900℃、750~875℃、または750~850℃の範囲であることができる。
【0313】
[0308]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、オレフィン、例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン、またはこれらの組合せの収率は各々の場合にパーセントで少なくとも15、または少なくとも20、または少なくとも25、または少なくとも30、または少なくとも35、または少なくとも40、または少なくとも45、または少なくとも50、または少なくとも55、または少なくとも60、または少なくとも65、または少なくとも70、または少なくとも75、または少なくとも80であることができる。本明細書で使用されるとき、用語「収率」は供給原料の質量から生成される生成物の質量/供給原料の質量×100%を指す。オレフィンを含有する流出物流は各々の場合に重量パーセントで流出物流の総重量に対して少なくとも30、または少なくとも40、または少なくとも50、または少なくとも60、または少なくとも70、または少なくとも75、または少なくとも80、または少なくとも85、または少なくとも90、または少なくとも95、または少なくとも97、または少なくとも99のエチレン、プロピレン、または、エチレンおよびプロピレンを含む。
【0314】
[0309]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、オレフィンを含有する流出物流125は少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、または少なくとも90重量パーセントのC2~C4オレフィンを含むことができる。流れ125はオレフィンを含有する流出物流125の総重量に対して主としてエチレン、主としてプロピレン、または主としてエチレンおよびプロピレンを含み得る。オレフィンを含有する流出物流125中のエチレン対プロピレンの重量比は少なくとも0.2:1、少なくとも0.3:1、少なくとも0.4:1、少なくとも0.5:1、少なくとも0.6:1、少なくとも0.7:1、少なくとも0.8:1、少なくとも0.9:1、少なくとも1:1、少なくとも1.1:1、少なくとも1.2:1、少なくとも1.3:1、少なくとも1.4:1、少なくとも1.5:1、少なくとも1.6:1、少なくとも1.7:1、少なくとも1.8:1、少なくとも1.9:1、または少なくとも2:1および/または3:1以下、2.9:1以下、2.8:1以下、2.7:1以下、2.5:1以下、2.3:1以下、2.2:1以下、2.1:1以下、2:1以下、1.7:1以下、1.5:1以下、または1.25:1以下であることができる。
【0315】
[0310]再び図6aを参照して、1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、クラッカー施設70に導入されるとき、熱分解ガス172はクラッカー炉720の入口に導入されてもよいし、または熱分解ガスの全てもしくは一部分はクラッカー施設70の分離ゾーン740内もしくはその上流の位置で炉出口の下流に導入されてもよい。分離ゾーン740内またはその上流に導入されるとき、熱分解ガスは圧縮の最終段階の上流に、または分離ゾーン740の精留部の少なくとも1つの精留塔の入口の前に導入されることができる。
【0316】
[0311]クラッカー施設70に入る前に、1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解施設からの未処理の熱分解ガスの流れは1つまたは複数の分離ステップを通って1つまたは複数の成分を流れから除去
し得る。かかる成分の例としては、限定されることはないが、ハロゲン、アルデヒド、酸素化された化合物、窒素含有化合物、硫黄含有化合物、二酸化炭素、水、蒸発金属、およびこれらの組合せを挙げることができる。クラッカー施設70に導入される熱分解ガス流172は熱分解ガス流172の総重量に対して少なくとも0.1、少なくとも0.5、少なくとも1、少なくとも1.5、少なくとも2、少なくとも2.5、少なくとも3、少なくとも3.5、少なくとも4、少なくとも4.5、または少なくとも5および/または30以下、25以下、20以下、15以下、10以下、5以下、3以下、2以下、または1重量パーセント以下の1つまたは複数のアルデヒド成分を含む。
【0317】
[0312]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、熱分解ガス流172の総エチレン含有量は流れ172の総重量に対して少なくとも1、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも7、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、または少なくとも30重量パーセントおよび/または60以下、55以下、50以下、45以下、40以下、または35重量パーセント以下であることができる。あるいは、または加えて、熱分解ガス流172の総プロピレン含有量は流れ172の総重量に対して少なくとも1、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも7、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、または少なくとも30重量パーセントおよび/または60以下、55以下、50以下、45以下、40以下、または35重量パーセント以下であることができる。熱分解ガス流172中のエチレンとプロピレンの合わせた量は流れの総重量に対して少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、または少なくとも45重量パーセントおよび/または85以下、80以下、75以下、70以下、65以下、60以下、55以下、50以下、または45重量パーセント以下であることができる。
【0318】
[0313]クラッカー炉の出口を出る際、オレフィンを含有する流出物流125は、大量の望ましくない副生成物の生成を防ぎ下流の機器を汚すのを最小にするために急速に冷却され(例えば、クエンチされ)得る。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、炉から出るオレフィンを含有する流出物の温度はクエンチまたは冷却ステップ中500~760℃の温度まで35~485℃、35~375℃、または90~550℃ずつ低下されることができる。
【0319】
[0314]得られる冷却された流出物流は次いで蒸気-液体分離装置で分離されることができ、蒸気は例えば任意の段階間の冷却および液体除去を伴う1~5の圧縮段階を有するガス圧縮機で圧縮されることができる。第1の組の圧縮段階の出口におけるガス流の圧力は7~20ゲージバール(barg)、8.5~18barg、または9.5~14bargの範囲である。得られる圧縮された流れは次いでハロゲン、CO、CO、およびHSを含む酸性ガスの除去のために酸性ガス除去剤との接触により処理される。酸性ガス除去剤の例としては、限定されることはないが、苛性の様々な種類のアミンを挙げることができる。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、単一の接触器が使用され得るが、他の実施形態において、二重カラム吸収機-ストリッパー構成が使用されてもよい。
【0320】
[0315]圧縮され処理されたオレフィンを含有する流れは次いで、場合により段階間の冷却および液体分離を含むことがある別の圧縮機でさらに圧縮されてもよい。得られる圧縮された流れは20~50barg、25~45barg、または30~40bargの範囲の圧力を有する。例えば、分子篩またはその他の同様なプロセスを含めてあらゆる適切な水分除去方法が使用されることができる。得られる流れは次いで精留部へ送られ得、そこでオレフィンおよび他の成分が様々な高純度の生成物または中間流に分離され得る。いくつかの実施形態において、熱分解ガスの全部または一部は第2の圧縮機の1つまたは複
数の段階の前および/または後に導入され得る。同様に、熱分解ガスの圧力は合わせられる流れの圧力の20以内、50以内、100以内、または150psi以内である。
【0321】
[0316]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、クエンチ部からの供給流は分離ゾーンの精留部内の少なくとも1つのカラムに導入され得る。本明細書で使用されるとき、用語「分画」は異なる沸点を有する2種以上の物質を分離する一般的なプロセスを指す。分画を利用する機器およびプロセスの例には、限定されることはないが、蒸留、精留、ストリッピング、および蒸気-液体分離(単一の段階)がある。
【0322】
[0317]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、クラッカー施設の精留部は脱メタン塔、脱エタン塔、脱プロパン塔、エチレンスプリッター、プロピレンスプリッター、脱ブタン塔、およびこれらの組合せの1つまたは複数を含み得る。本明細書で使用されるとき、用語「脱メタン塔」は低沸限界成分がメタンである塔を指す。同様に、「脱エタン塔」および「脱プロパン塔」はそれぞれエタンおよびプロパンが低沸限界成分である塔を指す。
【0323】
[0318]精留部が少なくとも1つのオレフィン生成物流および少なくとも1つのパラフィン流を提供するように塔の適切な配置が使用され得る。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、精留部は少なくとも2つのオレフィン流、例えばエチレンおよびプロピレン、ならびに少なくとも2つのパラフィン流、例えばエタンおよびプロパン、ならびに追加の流れ、例えば、メタンおよびより軽質の成分ならびにブタンおよびより重質の成分を提供することができる。
【0324】
[0319]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、精留部から引き出されるオレフィン流はオレフィン流の総重量に対して少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントおよび/または100以下、99以下、97以下、95以下、90以下、85以下、または80重量パーセント以下のオレフィンを含むことができる。オレフィンは主としてエチレンまたは主としてプロピレンであることができる。オレフィン流はオレフィン流中のオレフィンの総重量に対して少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントおよび/または99以下、97以下、95以下、90以下、85以下、80以下、75以下、70以下、または65重量パーセント以下のエチレンを含むことができる。オレフィン流はオレフィン流の総重量に対して少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、または少なくとも60重量パーセントおよび/または80以下、75以下、70以下、65以下、60以下、55以下、50以下、または45重量パーセント以下のエチレンを含み得るか、またはそれはオレフィン流の総重量に対して20~80重量パーセント、25~75重量パーセント、または30~70重量パーセントの範囲の量で存在することができる。
【0325】
[0320]あるいは、または加えて、オレフィン流はオレフィン流中のオレフィンの総重量に対して少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントおよび/または99以下、97以下、95以下、90以下、85以下、80以下、75以下、70以下、または65重量パーセント以下のプロピレンを含むことができる。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、オレフィン流はオレフィン流の総重量に対して少なくと
も20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、または少なくとも60重量パーセントおよび/または80以下、75以下、70以下、65以下、60以下、55以下、50以下、または45重量パーセント以下のプロピレンを含み得、または、オレフィン流の総重量に対して20~80重量パーセント、25~75重量パーセント、または30~70重量パーセントの範囲の量で存在することができる。
【0326】
[0321]圧縮された流れは精留部を通る際、脱メタン塔を通って通過し、そこでメタンおよびより軽質の(CO、CO、H)成分はエタンおよびより重質の成分から分離される。脱メタン塔は各々の場合に℃で少なくとも-145、または少なくとも-142、または少なくとも-140、または少なくとも-135、および/または-120以下、-125以下、-130以下、-135℃以下の温度で作動されることができる。脱メタン塔からの塔底流は各々の場合にエタンおよびより重質の成分の総量のパーセントで少なくとも50、または少なくとも55、または少なくとも60、または少なくとも65、または少なくとも70、または少なくとも75、または少なくとも80、または少なくとも85、または少なくとも90、または少なくとも95、または少なくとも99を含む。
【0327】
[0322]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、精留部に導入される流れの全てまたは一部分は脱エタン塔に導入されることができ、そこでC2およびそれより軽質の成分は分留によりC3およびそれより重質の成分から分離される。脱エタン塔は各々の場合に℃で少なくとも-35、または少なくとも-30、または少なくとも-25、または少なくとも-20、および/または-5以下、-10以下、-15以下、-20℃以下のオーバーヘッド温度、ならびに各々の場合にbargで少なくとも3、または少なくとも5、または少なくとも7、または少なくとも8、または少なくとも10、および/または各々の場合にbargで20以下、または18以下、または17以下、または15以下、または14以下、または13以下のオーバーヘッド圧力で作動されることができる。脱エタン塔は各々の場合にオーバーヘッド流中の塔に導入されたC2およびそれより軽質の成分の総量の少なくとも60、または少なくとも65、または少なくとも70、または少なくとも75、または少なくとも80、または少なくとも85、または少なくとも90、または少なくとも95、または少なくとも97、または少なくとも99パーセントを回収する。脱エタン塔から取り出されるオーバーヘッド流はオーバーヘッド流の総重量に対して各々の場合に少なくとも50、または少なくとも55、または少なくとも60、または少なくとも65、または少なくとも70、または少なくとも75、または少なくとも80、または少なくとも85、または少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントのエタンおよびエチレンを含む。
【0328】
[0323]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、脱エタン塔からのC2およびそれより軽質のオーバーヘッド流はさらにエタン-エチレン分留塔(エチレン分留機またはエチレンスプリッター)で分離されることができる。エタン-エチレン分留塔において、エチレンおよびそれより軽質の成分流は塔のオーバーヘッドから、または塔の上半分からの側流として引き出されることができ、一方エタンおよび残りのあらゆるより重質の成分は塔底流として取り出される。エチレン分留機は各々の場合に℃で少なくとも-45、または少なくとも-40、または少なくとも-35、または少なくとも-30、または少なくとも-25、または少なくとも-20、および/または各々の場合に℃で-15以下、または-20以下、または-25以下のオーバーヘッド温度、ならびに各々の場合にbargで少なくとも10、または少なくとも12、または少なくとも15、および/または25以下、22以下、20barg以下のオーバーヘッド圧力で作動され得る。エチレンを豊富に含む可能性があるオーバーヘッド流は流れの総重量に対して各々の場合に重量パーセントで少なくとも70、または少なくとも75、または少なくとも80、または少なくとも85、または少なくとも90、
または少なくとも95、または少なくとも97、または少なくとも98、または少なくとも99のエチレンを含むことができ、さらなる処理、貯蔵、または販売のために下流の処理装置に送られ得る。
【0329】
[0324]エタン-エチレン分留機からの塔底流は各々の場合に塔底流の総重量に対して重量パーセントで少なくとも40、または少なくとも45、または少なくとも50、または少なくとも55、または少なくとも60、または少なくとも65、または少なくとも70、または少なくとも75、または少なくとも80、または少なくとも85、または少なくとも90、または少なくとも95、または少なくとも98のエタンを含み得る。回収されたエタンの全てまたは一部分は単独で、または前に論じられた熱分解油および/または熱分解ガスと組み合わせて、追加の供給原料としてクラッカー炉の入口にリサイクルされ得る。
【0330】
[0325]いくつかの実施形態において、圧縮された流れの少なくとも一部分は脱プロパン塔で分離され得、C3およびそれより軽質の成分がオーバーヘッド蒸気流として除去され、一方C4およびそれより重質の成分は液体の底部として塔を出る。脱プロパン塔は各々の場合に℃で少なくとも20、または少なくとも35、または少なくとも40、および/または70、65、60、55℃以下のオーバーヘッド温度、ならびに各々の場合にbargで少なくとも10、または少なくとも12、または少なくとも15、および/または各々の場合にbargで20以下、または17以下、または15以下のオーバーヘッド圧力で作動されることができる。脱プロパン塔は各々の場合に塔に導入されるC3およびそれより軽質の成分の総量の少なくとも60、または少なくとも65、または少なくとも70、または少なくとも75、または少なくとも80、または少なくとも85、または少なくとも90、または少なくとも95、または少なくとも97、または少なくとも99パーセントをオーバーヘッド流中に回収する。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、脱プロパン塔から取り出されるオーバーヘッド流は各々の場合にオーバーヘッド流の総重量に対して少なくともまたは少なくとも50、または少なくとも55、または少なくとも60、または少なくとも65、または少なくとも70、または少なくとも75、または少なくとも80、または少なくとも85、または少なくとも90、または少なくとも95、または少なくとも98重量パーセントのプロパンおよびプロピレンを含む。
【0331】
[0326]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、脱プロパン塔からのオーバーヘッド流はプロパン-プロピレン分留機(プロピレン分留機またはプロピレンスプリッター)に導入され得、そこでプロピレンおよびそれより軽質のあらゆる成分はオーバーヘッド流中に取り出され、プロパンおよびそれより重質のあらゆる成分は塔底流として塔を出る。プロピレン分留機は各々の場合に℃で少なくとも20、または少なくとも25、または少なくとも30、または少なくとも35、および/または55以下、50以下、45以下、40℃以下のオーバーヘッド温度、ならびに各々の場合にbargで少なくとも12、または少なくとも15、または少なくとも17、または少なくとも20、および/または各々の場合にbargで20以下、または17以下、または15以下、または12以下のオーバーヘッド圧力で作動され得る。プロピレンを豊富に含むオーバーヘッド流は各々の場合に流れの総重量に対して少なくとも70、または少なくとも75、または少なくとも80、または少なくとも85、または少なくとも90、または少なくとも95、または少なくとも97、または少なくとも98、または少なくとも99重量パーセントのプロピレンを含むことができ、さらなる処理、貯蔵、または販売のために下流の処理装置に送られ得る。
【0332】
[0327]プロパン-プロピレン分留機からの塔底流は各々の場合に塔底流の総重量に対して少なくとも40、または少なくとも45、または少なくとも50、または少なくとも5
5、または少なくとも60、または少なくとも65、または少なくとも70、または少なくとも75、または少なくとも80、または少なくとも85、または少なくとも90、または少なくとも95、または少なくとも98重量パーセントのプロパンを含み得る。回収されたプロパンの全てまたは一部分は単独で、または前に論じられた熱分解油および/または熱分解ガスと組み合わせて追加の供給原料としてクラッカー炉にリサイクルされ得る。
【0333】
[0328]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、圧縮された流れの少なくとも一部分はブテン、ブタンおよびブタジエンを含むC4およびそれより軽質の成分をC5およびそれより重質の(C5+)成分から分離する脱ブタン塔に送られ得る。脱ブタン塔は各々の場合に℃で少なくとも20、または少なくとも25、または少なくとも30、または少なくとも35、または少なくとも40、および/または各々の場合に℃で60以下、または65以下、または60以下、または55以下、または50以下のオーバーヘッド温度ならびに各々の場合にbargで少なくとも2、または少なくとも3、または少なくとも4、または少なくとも5、および/または各々の場合にbargで8以下、または6以下、または4以下、または2以下のオーバーヘッド圧力で作動されることができる。脱ブタン塔は各々の場合に塔に導入されたC4およびそれより軽質の成分の総量の少なくとも60、または少なくとも65、または少なくとも70、または少なくとも75、または少なくとも80、または少なくとも85、または少なくとも90、または少なくとも95、または少なくとも97、または少なくとも99パーセントをオーバーヘッド流中に回収する。
【0334】
[0329]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、脱ブタン塔から取り出されるオーバーヘッド流は各々の場合にオーバーヘッド流の総重量に対して少なくとも30、または少なくとも35、または少なくとも40、または少なくとも45、または少なくとも50、または少なくとも55、または少なくとも60、または少なくとも65、または少なくとも70、または少なくとも75、または少なくとも80、または少なくとも85、または少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントのブタジエンを含む。脱ブタン塔からの塔底流は主としてC5およびそれより重質の成分を流れの総重量に対して少なくとも50、または少なくとも60、または少なくとも70、または少なくとも80、または少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントの量で含む。脱ブタン塔の塔底流はさらなる分離、処理、貯蔵、販売または使用のために送られ得る。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、脱ブタン塔からのオーバーヘッド流、すなわちC4はより濃縮されたブタジエンの流れを回収するためにいずれかの慣用の分離方法、例えば抽出または蒸留プロセスに供されることができる。
【0335】
[0330]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、上記流れの1つまたは複数の少なくとも一部分は図1aおよび1bに示される施設の1つまたは複数に導入され得るが、他の実施形態において、クラッキング施設の分離ゾーンから引き出された流れの全部または一部分がさらなる分離および/または貯蔵、輸送、販売、および/または使用に送られてもよい。
【0336】
部分的酸化(POX)ガス化
[0331]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、ケミカルリサイクル施設はまた部分的酸化(POX)ガス化施設も含み得る。本明細書で使用されるとき、用語「部分的酸化」は炭素を含有する供給物の合成ガス(一酸化炭素、水素、および二酸化炭素)への高温変換を意味し、ここで変換は準化学量論的な量の酸素の存在下で行われる。変換は炭化水素を含有する供給物の変換であることができ、供給物の完全な酸化、すなわち、全ての炭素が二酸化炭素に酸化され全ての
水素が水に酸化されるのに必要とされる化学量論量の酸素より少ない量の酸素を用いて行われることができる。部分的酸化(POX)ガス化装置内で起こる反応は炭素を含有する供給物の合成ガスへの変換を含み、その具体的な例には、限定されることはないが部分的酸化、水性ガスシフト、水性ガス-一次反応、Boudouard、酸化、メタネーション、水素改質、水蒸気改質、および二酸化炭素改質がある。POXガス化への供給物は固体、液体、および/または気体を含むことができる。「部分的酸化施設」または「POXガス化施設」は、廃棄プラスチックおよびそれに由来する供給原料のPOXガス化を実施するのに必要な全ての機器、ライン、および制御装置を含む施設である。
【0337】
[0332]POXガス化施設において、供給流は準化学量論的な量の酸素の存在下で合成ガスに変換され得る。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、POXガス化施設への供給流はPOを豊富に含む廃棄プラスチック、少なくとも1つの加溶媒分解共生成物流、熱分解流(熱分解ガス、熱分解油、および/または熱分解残渣を含む)、ならびにクラッキング施設からの少なくとも1つの流れの1つまたは複数を含み得る。これらの流れの1つまたは複数が連続的にPOXガス化施設に導入されてもよいし、またはこれらの流れの1つまたは複数が間欠的に導入されてもよい。多数の種類の供給流が存在するとき、各々が別々に導入されてもよいし、または全てもしくは一部の流れが合わせられて合わせられた流れがPOXガス化施設に導入されてもよい。合わせるとき、それは連続的またはバッチ式に起こり得る。供給流はガス、液体もしくは液化されたプラスチック、固体(通常細かく砕かれる)、またはスラリーの形態であることができる。
【0338】
[0333]POXガス化施設は少なくとも1つのPOXガス化反応装置を含む。例示的なPOXガス化反応装置52は図7に示される。POXガス化装置はガス供給、液体供給、または固体供給反応装置(またはガス化装置)を含み得る。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、POXガス化施設は液体供給POXガス化を行い得る。本明細書で使用されるとき、「液体供給POXガス化」は、プロセスへの供給物が主として(重量で)25℃および1atmで液体である成分を含むPOXガス化プロセスを指す。加えて、またはあるいは、POXガス化装置はガス供給POXガス化を行い得る。本明細書で使用されるとき、「ガス供給POXガス化」は、プロセスへの供給物が主として(重量で)25℃および1atmで気体である成分を含むPOXガス化プロセスを指す。
【0339】
[0334]加えて、またはあるいは、POXガス化装置は固体供給POXガス化を実施し得る。本明細書で使用されるとき、「固体供給POXガス化」は、プロセスへの供給物が主として(重量で)25℃および1atmで固体である成分を含むPOXガス化プロセスを指す。
【0340】
[0335]ガス供給、液体供給、および固体供給POXガス化プロセスは25℃および1atmで異なる相を有するより少ない量の他の成分が共に供給されることができる。このように、ガス供給POXガス化装置は液体および/または固体が共に供給されることができるが、それは気相POXガス化装置に供給されるガスの量より少ない(重量で)量のみであり;液体供給POXガス化装置はガスおよび/または固体が共に供給されることができるが、それは液体供給POXガス化装置に供給される液体の量未満の(重量で)量のみであり;固体供給POXガス化装置はガスおよび/または液体が共に供給されることができるが、それは固体供給POXガス化装置に供給される固体の量未満の(重量で)量である。
【0341】
[0336]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、ガス供給POXガス化装置への合計の供給物は少なくとも60、少な
くとも70、少なくとも80、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントの25℃および1atmで気体である成分を含むことができ;液体供給POXガス化装置への合計の供給物は少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントの、25℃および1atmで液体である成分を含むことができ;固体供給POXガス化装置への合計の供給物は少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントの、25℃および1atmで固体である成分を含むことができる。
【0342】
[0337]図7に一般的に示されるように、ガス化供給物流116は酸化剤流180と共にガス化反応装置に導入され得る。供給原料流116および酸化剤流180は注入器アセンブリを介して例えば、通例少なくとも500、少なくとも600、少なくとも800、または少なくとも1,000psig(または少なくとも35、少なくとも40、少なくとも55、または少なくとも70barg)の圧力を有する加圧されたガス化ゾーンに噴霧され得る。
【0343】
[0338]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、流れ180中の酸化剤は空気、酸素富化空気、または分子状酸素(O2)を含むことができる酸化性のガスを含む。酸化剤はガス化反応装置52の反応(燃焼)ゾーンに注入される酸化剤流180中の全ての成分の合計モルに対して少なくとも25、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも95、少なくとも97、少なくとも99、または少なくとも99.5モルパーセントの分子状酸素を含むことができる。反応ゾーンに供給される酸素の個々の量は、供給流に対する量、および仕込まれた供給物の量、プロセス条件ならびに反応装置デザインを考慮して、供給流116中の成分と比べてガス化反応で得られる一酸化炭素および水素の最高またはその付近の収率を得るのに充分であることができる。
【0344】
[0339]酸化剤は、空気、酸素を豊富に含む空気、および分子状酸素に加えて、またはその代わりに他の酸化性のガスまたは液体を含むことができる。酸化剤として使用するのに適したかかる酸化性の液体の例は水(これは液体またはスチームとして加えられることができる)およびアンモニアを含む。酸化剤として使用するのに適したかかる酸化性のガスの例は一酸化炭素、二酸化炭素、および二酸化硫黄を含む。
【0345】
[0340]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、霧化増強性流体が供給原料および酸化剤と共にガス化ゾーンに供給される。本明細書で使用されるとき、用語「霧化増強性流体」は粘度を低減して分散エネルギーを低下させるか、または分散を補助するのに利用可能なエネルギーを増大するように作用可能な液体または気体を指す。霧化増強性流体は供給原料がガス化ゾーンに供給される前にプラスチックを含有する供給原料と混合されてもよいし、または別途ガス化ゾーン、例えばガス化反応装置と合体した注入アセンブリに加えられてもよい。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、霧化増強性流体は水および/またはスチームである。しかしながら、1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、スチームおよび/または水はガス化ゾーンに供給されない。
【0346】
[0341]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、二酸化炭素または窒素を豊富に含むガス流(例えば、空気中に見られるモル量より多い、または少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、または少なくとも40モルパーセント)がガス化装置に仕込まれる。これらのガスは供給原料をガス化ゾーンに推進するキャリヤーガスとして役に立ち得る。ガス化ゾーン内の圧力のために、
これらのキャリヤーガスは圧縮されてガス化ゾーンに導入するための原動力を提供し得る。このガス流は組成的に霧化増強性流体と同一でも異なってもよい。一実施形態においてまたは本明細書に記述されている任意の実施形態と組み合わせて、この気体流はまた微粒化を促進する流体としても機能する。
【0347】
[0342]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、水素(H2)を豊富に含むガス流(例えば、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、または少なくとも90モルパーセント)がガス化装置に仕込まれる。水素は、得られる合成ガスの組成を制御するように部分的酸化反応に作用するために加えられ得る。
【0348】
[0343]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、0.01より多くまたは0.02モルパーセントより多くの二酸化炭素を含有するガス流はガス化装置またはガス化ゾーンに仕込まれない。あるいは、77より多く、70より多く、50より多く、30より多く、10より多く、5より多く、または3モルパーセントより多くの窒素を含有するガス流はガス化装置またはガス化ゾーンに仕込まれない。また、0.1より多い、0.5より多い、1より多い、または5モルパーセントより多い水素の気体の水素流はガス化装置またはガス化ゾーンに仕込まれない。さらに、0.1より多く、0.5より多く、1より多く、または5モルパーセントより多くのメタンを含有するメタンガスの流れはガス化装置またはガス化ゾーンに仕込まれない。一定の実施形態において、ガス化ゾーンに導入される唯一の気体流は酸化剤である。
【0349】
[0344]ガス化プロセスは前に記載された部分的酸化(POX)ガス化反応であることができる。一般に、水素および一酸化炭素の生成を増強するために、酸化プロセスはガス化供給原料の完全ではなく部分的な酸化を含み、したがって、炭素および水素の結合の100パーセントを完全に酸化するのに必要とされる量に対して酸素に乏しい雰囲気で作動され得る。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、ガス化装置に対する全酸素必要条件はガス化供給原料の炭素含有量を一酸化炭素に変換するのに理論的に必要とされる量より少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、または少なくとも20パーセント過剰であり得る。一般に、満足な作動は理論的な必要条件より10~80パーセント過剰の全酸素供給で得られ得る。例えば、炭素1ポンド当たりの酸素の適切な量の例は炭素1ポンド(453.592g)当たり0.4~3.0、0.6~2.5、0.9~2.5、または1.2~2.5ポンドの遊離酸素の範囲であり得る。
【0350】
[0345]供給原料流と酸化剤の混合はそれらが反応ゾーン内で相互に作用するように供給原料および酸化剤の別々の流れを導入することによりもっぱら反応ゾーン内で達成され得る。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、酸化剤流は火炎伝播の速度を超えると共に供給原料流との混合を改善するように高速度でガス化装置の反応ゾーンに導入される。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、酸化剤は25~500、50~400、または100~400フィート(30.48cm)/秒の範囲でガス化ゾーンに注入され得る。これらの値は注入器-ガス化ゾーン界面における気体の酸化剤流の速度、または注入器先端速度であろう。供給原料流と酸化剤の混合はまた反応ゾーンの外でも達成され得る。例えば、1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、供給原料、酸化剤、および/または霧化増強性流体はガス化ゾーンの上流の導管内またはガス化反応装置と合体した注入アセンブリ内で合わせられることができる。
【0351】
[0346]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、ガス化供給原料流、酸化剤、および/または霧化増強性流体は場合により少なくとも200℃、少なくとも300℃、または少なくとも400℃の温度に予熱されることができる。しかしながら、使用されるガス化プロセスは供給原料を効率よくガス化するために供給原料流を予熱する必要はなく、予熱処理ステップはプロセスのエネルギー効率を低下させ得る。
【0352】
[0347]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、使用されるガス化技術のタイプは合成ガスを生成する部分的酸化同伴流動ガス化装置であり得る。この技術は固定床(あるいは移動床と呼ばれる)ガス化装置および流動床ガス化装置とは異なる。使用され得る例示的なガス化装置は米国特許第3,544,291号に示されており、その開示全体は参照により本開示と矛盾しない程度に本明細書に取り込まれる。しかしながら、1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、他のタイプのガス化反応装置も本技術の範囲内で使用され得る。
【0353】
[0348]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、ガス化装置/ガス化反応装置は非触媒性であることができ、これはそのガス化装置/ガス化反応装置が触媒床を含有しないで、ガス化プロセスが非触媒性であることを意味し、すなわち触媒が別個の非結合触媒としてガス化ゾーンに導入されないことを意味する。また、1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、ガス化プロセスはスラッギングガス化プロセスではない;すなわち、ガス化ゾーンで溶融スラグが形成され、耐火壁に沿って流れ落ちるようなスラッギング条件(灰分の溶融温度を有に上回る)下で作動される。
【0354】
[0349]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、ガス化装置/ガス化反応装置内のガス化ゾーン、および場合により全ての反応ゾーンは少なくとも1000℃、少なくとも1100℃、少なくとも1200℃、少なくとも1250℃、または少なくとも1300℃および/または2500℃以下、2000℃以下、1800℃以下、または1600℃以下の温度で作動され得る。反応温度は自己生成的であり得る。有利なことに、定常状態モードで作動するガス化装置は自己生成温度であり得、ガス化ゾーンを加熱するために外部のエネルギー源の適用を必要としない。
【0355】
[0350]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、ガス化装置は主としてガス供給のガス化装置である。
[0351]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、ガス化装置は非スラッギングガス化装置であるか、またはスラグを形成しない条件下で作動される。
【0356】
[0352]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、ガス化装置は作動中負圧ではないが、作動中正圧下であることができる。
【0357】
[0353]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、ガス化装置は少なくとも200psig(1.38MPa)、300psig(2.06MPa)、350psig(2.41MPa)、400psig(2.76MPa)、420psig(2.89MPa)、450psig(3.10MPa)、475psig(3.27MPa)、500psig(3.44MPa)、550psig(3.79MPa)、600psig(4.13MPa)、650psig(4.
48MPa)、700psig(4.82MPa)、750psig(5.17MPa)、800psig(5.51MPa)、900psig(6.2MPa)、1000psig(6.89MPa)、1100psig(7.58MPa)、または1200psig(8.2MPa)のガス化ゾーン(または燃焼室)内圧力で作動され得る。加えてまたはあるいは、ガス化装置は1300psig(8.96MPa)以下、1250psig(8.61MPa)、1200psig(8.27MPa)、1150psig(7.92MPa)、1100psig(7.58MPa)、1050psig(7.23MPa)、1000psig(6.89MPa)、900psig(6.2MPa)、800psig(5.51MPa)、または750psig(5.17MPa)のガス化ゾーン(または燃焼室)内圧力で作動され得る。
【0358】
[0354]適切な圧力範囲の例は300~1000psig(2.06~6.89MPa)、300~750psig(2.06~5.17MPa)、350~1000psig(2.41~6.89MPa)、350~750psig(2.06~5.17MPa)、400~1000psig(2.67~6.89MPa)、420~900psig(2.89~6.2MPa)、450~900psig(3.10~6.2MPa)、475~900psig(3.27~6.2MPa)、500~900psig(3.44~6.2MPa)、550~900psig(3.79~6.2MPa)、600~900psig(4.13~6.2MPa)、650~900psig(4.48~6.2MPa)、400~800psig(2.67~5.51MPa)、420~800psig(2.89~5.51MPa)、450~800psig(3.10~5.51MPa)、475~800psig(3.27~5.51MPa)、500~800psig(3.44~5.51MPa)、550~800psig(3.79~5.51MPa)、600~800psig(4.13~5.51MPa)、650~800psig(4.48~5.51MPa)、400~750psig(2.67~5.17MPa)、420~750psig(2.89~5.17MPa)、450~750psig(3.10~5.17MPa)、475~750psig(3.27~5.17MPa)、500~750psig(3.44~5.17MPa)、または550~750psig(3.79~5.17MPa)を含む。
【0359】
[0355]一般に、ガス化装置反応装置内のガスの平均滞留時間はスループットを増大するために非常に短いことができる。ガス化装置は高い温度および圧力で作動され得るので、供給原料のガスへの実質的に完全な変換が非常に短い時間で起こることができる。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、ガス化装置内のガスの平均滞留時間は30以下、25以下、20以下、15以下、10以下、または7秒以下であることができる。
【0360】
[0356]ガス化装置の下流の機器、および間の配管の汚れを回避するために、得られる未処理の合成ガス流127は低いまたはゼロのタール含有量を有し得る。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、ガス化装置から排出される合成ガス流は合成ガス流中の全ての凝縮できる固体の重量に対して4以下、3以下、2以下、1以下、0.5以下、0.2以下、0.1以下、または0.01重量パーセント以下のタールを含み得る。測定のために、凝縮できる固体は15℃の温度および1atmで凝縮する化合物および元素である。タール生成物の例はナフタレン、クレゾール、キシレノール、アントラセン、フェナントレン、フェノール、ベンゼン、トルエン、ピリジン、カテコール、ビフェニル、ベンゾフラン、ベンズアルデヒド、アセナフチレン、フルオレン、ナフトフラン、ベンズアントラセン、ピレン、アセフェナントリレン、ベンゾピレンおよび他の高分子量芳香族多核化合物を含む。タール含有量はGC-MSDにより決定されることができる。
【0361】
[0357]一般に、ガス化容器から排出される未処理の合成ガス流127は水素、一酸化炭素、および二酸化炭素のようなガスを含み、燃料源および反応条件に応じてメタン、硫化水素、および窒素のような他のガスを含むことができる。
【0362】
[0358]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、未処理の合成ガス流127(ガス化装置から排出される流れで、スクラビング、シフト、または酸性ガス除去によるさらなる処理の前)は乾燥基準で未処理の合成ガス流127中の全てのガス(25℃および1atmで気体状態の元素または化合物)のモルに対するモルパーセントで以下の組成を有することができる:
・乾燥体積基準で、32~50パーセント、または少なくとも33、少なくとも34、または少なくとも35および/または50以下、45以下、41以下、40以下、または39パーセント以下の範囲、または33~50パーセント、34~45パーセント、または35~41パーセントの範囲であることができる水素含有量;
・乾燥基準で、流れの総重量に対して少なくとも40、少なくとも41、少なくとも42、または少なくとも43および/または55以下、54以下、53以下、または52重量パーセント以下、または流れの総重量に対して40~55重量パーセント、41~54重量パーセント、または42~53重量パーセントの範囲の一酸化炭素含有量;
・乾燥基準で、少なくとも1%、少なくとも1.5%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、または少なくとも7体積%および/または25%以下、20%以下、15%以下、12%以下、11%以下、10%以下、9%以下、8%以下、または7体積%以下の二酸化炭素含有量;
・乾燥基準で5000以下、2500以下、2000以下、または1000体積ppm以下のメタンのメタン含有量;
・1000以下、100以下、10以下、または1重量ppm(ppmw)以下の硫黄含有量;
・少なくとも1000、または少なくとも5000ppmおよび/または50,000以下、20,000以下、または15,000ppmw以下のすす含有量;
・1000以下、500以下、200以下、100以下、または50ppmw以下のハロゲン化物含有量;
・0.01以下、0.005以下、または0.001ppmw以下の水銀含有量;
・0.1ppm以下、0.05以下、または0.01ppmw以下のアルシン含有量;
・10,000以下、3000以下、1000以下、または100ppmw以下の窒素の窒素含有量;
・少なくとも10ppmw、少なくとも20ppmw、少なくとも30ppmw、少なくとも40ppmw、または少なくとも50ppmw、および/または200ppmw以下、180ppmw以下、160ppmw以下、150ppmw以下、または130ppmw以下のアンチモン含有量;および/または
・少なくとも10ppmw、少なくとも25ppmw、少なくとも50ppmw、少なくとも100ppmw、少なくとも250ppmw、少なくとも500ppmw、または少なくとも1000ppmw、および/または40,000ppmw以下、30,000ppmw以下、20,000ppmw以下、15,000ppmw以下、10,000ppmw以下、7500ppmw以下、または5000ppmw以下のチタン含有量。
【0363】
[0359]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、合成ガスは0.7~2、0.7~1.5、0.8~1.2、0.85~1.1、または0.9~1.05の水素/一酸化炭素モル比を含む。
【0364】
[0360]ガス成分はフレームイオン化検出器ガスクロマトグラフィー(FID-GC)および熱伝導度検出器ガスクロマトグラフィー(TCD-GC)またはその他ガス流の成分の分析用に認められたいずれかの方法により決定されることができる。
【0365】
[0361]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、リサイクル成分合成ガスは合成ガス流の総重量に対して少なくとも1、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、または少なくとも99重量パーセントのリサイクル成分を有することができる。
【0366】
エネルギー回収
[0362]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、ケミカルリサイクル施設はまたエネルギー回収施設も含み得る。本明細書で使用されるとき、「エネルギー回収施設」は、供給原料の化学的変換(例えば、燃焼)によって供給原料からエネルギー(すなわち、熱エネルギー)を生成する施設である。燃焼から生成される全エネルギーの少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、または少なくとも35パーセントが回収され、1つまたは複数の他のプロセスおよび/または施設で使用されることができる。
【0367】
[0363]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、エネルギー回収施設80(図1)に導入される供給流はPOを豊富に含む廃棄プラスチックの少なくとも一部分、少なくとも1つの加溶媒分解共生成物流、熱分解ガス、熱分解油、および熱分解残渣の1つまたは複数の少なくとも一部分、および/またはケミカルリサイクル施設内からの1つまたは複数の他の流れの1つまたは複数を含み得る。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、これらの流れの1つまたは複数が連続的にエネルギー回収施設に導入されてもよいし、またはこれらの流れの1つまたは複数が間欠的に導入されてもよい。多数の種類の供給流が存在するとき、各々が別々に導入されてもよいし、または流れの全部または一部分が合わせられて合わせられた流れがエネルギー回収施設に導入されてもよい。合わせるとき、組合せは連続またはバッチ式に起こり得る。供給流は固体、溶融物、主として液体の流れ、スラリー、主として気体の流れ、またはこれらの組合せを含み得る。
【0368】
[0364]あらゆるタイプのエネルギー回収施設が使用され得る。いくつかの実施形態において、エネルギー回収施設は少なくとも1つの炉または焼却炉を含み得る。焼却炉はガス供給、液体供給、または固体供給であり得るか、またはガス、液体、または固体を容認するように構成され得る。焼却炉または炉は供給流中の炭化水素成分の少なくとも一部分を酸化剤で熱的に燃焼させるように構成され得る。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、酸化剤は酸化剤の合計モルに対して少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、または少なくとも25および/または95以下、90以下、80以下、70以下、65以下、60以下、55以下、50以下、45以下、40以下、35以下、30以下、または25モルパーセント以下の酸素を含む。酸化剤の他の成分は、例えば、窒素、または二酸化炭素を含むことができる。他の実施形態において、酸化剤は空気を含む。
【0369】
[0365]エネルギー回収施設において、そこに導入された供給物の少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントは燃焼させられてエネルギーおよび燃焼ガス、例えば水、一酸化炭素、二酸化炭素、およびこれらの組合せを形成することができる。いくつかの実施形態において、供給物の少なくとも一部分は、硫黄および/または窒素含有化合物のような化合物を除去し、燃焼ガス中の窒素および硫黄の酸化物の量を最小にするように処理され得る。
【0370】
[0366]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、生成されたエネルギーの少なくとも一部分は直接または間接的にプロセス流を加熱するために使用され得る。例えば、エネルギーの少なくとも一部分は水を加熱してスチームを形成するか、またはスチームを加熱し過熱されたスチームを形成するために使用され得る。生成されたエネルギーの少なくとも一部分は、温められたとき1つまたは複数のプロセス流に熱を伝達するために使用され得る(例えば、THERMINOL(登録商標)のような)熱伝達媒体の流れを加熱するために使用され得る。エネルギーの少なくとも一部分はプロセス流を直接加熱するために使用され得る。
【0371】
[0367]いくつかの実施形態において、エネルギー回収施設からのエネルギーの少なくとも一部分で加熱されるプロセス流は、例えば、加溶媒分解施設、熱分解施設、クラッカー施設、POXガス化施設、固化施設の少なくとも1つを含む本明細書で述べられた施設の1つまたは複数からのプロセス流であり得る。エネルギー回収施設80は別の地理的地域またはその自身の別の施設にあり得るが、1つまたは複数の他の実施形態において、エネルギー回収施設80の少なくとも一部分が他の施設の1つの中またはその近くに位置付けられてもよい。例えば、図1aおよび1bに示されるケミカルリサイクル施設10内のエネルギー回収施設80は加溶媒分解施設内のエネルギー回収炉およびPOXガス化施設内の別のエネルギー回収炉を含み得る。
他の処理施設
[0368]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、全体が図1aおよび1bに示される化学的処理施設10は少なくとも1つの他の種類の下流のケミカルリサイクル施設および/またはケミカルリサイクル生成物または共生成物流の1つまたは複数を処理するための1つまたは複数の他のシステムまたは施設を含み得る。適切な種類の他の施設の例は、限定されることはないが、固化施設および生成物分離施設を含むことができる。加えて、1つまたは複数の流れの少なくとも一部分はエンドユーザーまたは顧客に輸送または販売され得るか、および/または1つまたは複数の流れの少なくとも一部分は埋立地またはその他の産業廃棄物処分場に送られ得る。
【0372】
固化施設
[0369]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、ケミカルリサイクル施設10はまた固化施設も含み得る。本明細書で使用されるとき、用語「固化」は物理的手段(例えば、冷却)および/または化学的手段(例えば、沈殿)によって非固体材料を固体材料にすることを意味する。「固化施設」は、廃棄プラスチックに由来する供給原料の固化を実施するのに必要な全ての機器、ライン、および制御装置を含む施設である。
【0373】
[0370]固化施設に導入される供給流はケミカルリサイクル施設10内の1つまたは複数の位置に由来し得る。例えば、固化施設への供給流は1つまたは複数の加溶媒分解共生成物流、熱分解油(パイオイル)および/または熱分解残渣を含む熱分解施設からの流れ、1つまたは複数の施設からの主として液体の流れ、およびこれらの組合せの少なくとも1つを含み得る。熱分解油および熱分解残渣の定義は本明細書に提供される。これらの流れの1つまたは複数が固化施設に連続的に導入されてもよいし、またはこれらの流れの1もしくはそれ以上が間欠的に導入されてもよい。多数の種類の供給流が存在するとき、各々が別々に導入されてもよいし、または流れの全てもしくは一部分が合わせられて合わせられた流れが固化施設に導入されてもよい。合わせるとき、組合せは連続的またはバッチ式に起き得る。
【0374】
[0371]固化施設は供給流を冷却し少なくとも部分的に固化するための冷却ゾーンを、続
いて任意的なサイズ減少ゾーンを含み得る。冷却ゾーンを去る際、流れの全てまたは一部分は固化された材料であり得る。場合によって、固化された材料はシート、ブロック、もしくは大きい塊の形態であることができるか、またはフレーク、タブレット、トローチ、粒子、ペレット、マイクロペレット、もしくは粉末の形態であり得る。供給流が一部のみ固化されるとき、冷却ゾーンから引き出される流れは固体および液体相の両方を含み得る。固体相の少なくとも一部分は除去され得、液体相の全てもしくは一部分は固化施設から引き出され、場合によりケミカルリサイクル施設内の(例えば、加溶媒分解施設のような)別の施設に導入され得る。
【0375】
[0372]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、固化施設はまた固体材料のサイズを減少させ複数の粒子を形成するためのサイズ減少ゾーンも含み得る。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、サイズ減少は固化された材料のより大きい破片または大きい塊を細かく砕き、破砕し、破壊し、または粉砕/造粒して粒子を形成することを含み得る。他の実施形態において、固化施設への供給流の少なくとも一部分は慣用のペレット化デバイスによりペレット化される前に少なくとも部分的に冷却されてもよい。粒子がどのように形成されるかに関わりなく、得られる固体は少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも250、少なくとも350、少なくとも450、少なくとも500、少なくとも750ミクロン、または少なくとも0.5、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも5、または少なくとも10mmおよび/または50以下、45以下、40以下、30以下、35以下、30以下、25以下、20以下、15以下、10以下、5以下、2以下、1mm以下または750以下、500以下、250以下、または200ミクロン以下のD90粒径を有することができる。固体は粉末を含み得る。固体は任意の形状のペレットを含み得る。固体は固体の総重量に対して少なくとも1、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントのリサイクル成分を有することができる。
【0376】
[0373]固化施設から引き出された固体は熱分解施設、エネルギー回収施設、および/またはPOXガス化施設の1つまたは複数(または2若しくはそれ以上)に送られ得る。固体は固体の形態であることができ、または輸送の前もしくは輸送中に溶融もしくはその他少なくとも部分的に液化されてもよい。いくつかの実施形態において、固体は液体と合わせられてスラリーを形成してもよく、スラリーは本明細書に記載される1つまたは複数のケミカルリサイクル施設に導入され得る。適切な液体の例は、限定されることはないが、水、アルコール、およびこれらの組合せを含むことができる。1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、固体の少なくとも一部分は加熱されて固体を少なくとも部分的に溶融または液化することができ、得られる溶融物は上に記載された施設の1つまたは複数に導入されることができる。場合により、固体の少なくとも一部分は産業廃棄物埋立地(示されていない)に送られてもよい。
【0377】
生成物分離施設
[0374]1つの実施形態または本明細書に述べられるいずれかの実施形態と組み合わせた実施形態において、図1に示されるケミカルリサイクル施設10内の流れの少なくとも一部分は生成物分離施設(図1に数字90で示される)で分離されてさらなる販売および/または使用に適した生成物流を形成し得る。例えば、1つまたは複数の加溶媒分解共生成物流の少なくとも一部分は分離ゾーンでさらに処理されて1つまたは複数の精製されたまたは洗練された生成物流を形成し得る。分離ゾーンで使用される適切なプロセスの例は、限定されることはないが、蒸留、抽出、デカンテーション、ストリッピング、精留、およ
びこれらの組合せを含むことができる。生成物分離ゾーンの洗練された流れは洗練された生成物流の総重量に対して少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、または少なくとも95重量パーセントの所望の1以上の成分を含むことができる。所望の成分の例はある種のアルコールまたはグリコール(例えば、エチレングリコール、メタノール)、アルカン(例えば、エタン、プロパン、およびブタンならびにより高級のもの)、およびオレフィン(例えば、プロピレン、エチレン、および組合せ)を含むことができる。
【0378】
[0375]図1bに示されている通り、1つまたは複数の実施形態では、加溶媒分解施設からの軽質有機共生成物の流れの少なくとも一部分は、流れを2つまたはそれよりも多くの成分へと分離するための分離施設への経路を取ることもできる。例えば、一部の実施形態では、流れは軽質グリコール流と重質グリコール流とに分離されてもよく、軽質グリコール流は主要な溶媒または主要なグリコールの沸点より低い沸点を有し、重質グリコール流は、主要な溶媒または主要なグリコールの沸点より大きい沸点を有する。
【0379】
[0376]1つまたは複数の実施形態では、重質グリコール流はまた、ケミカルリサイクル施設に供給される廃棄プラスチック内にもともと存在する1種または複数の修飾用グリコールを含むこともできる。例として、これらに限定されないが、ジエチレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール、およびこれらの組合せを含めた以前に記述されているグリコールのいずれかが挙げられる。一部の実施形態では、軽質および/または重質グリコール流はまた、これらに限定されないが、イソフタル酸および/または1,4-シクロヘキサンジカルボン酸を含めた、1種または複数の修飾用カルボキシル化合物を含むことができる。
【0380】
[0377]MPWについて表された重量百分率は、第1段階の分離に供給され、塩または苛性溶液のような希釈剤/溶液の添加前のMPWの重量である。
[0378]数値的配列が示された場合、各数は最初の数または最後の数として同じように修飾され、「または」の関係にある、すなわち各数は場合によって「少なくとも」または「まで」または「以下」であることを理解されたい。例えば、「少なくとも10重量%、20、30、40、50、75…」とは、「少なくとも10重量%、または少なくとも20重量%、または少なくとも30重量%、または少なくとも40重量%、または少なくとも50重量%、または少なくとも75重量%などと同じことを意味する。
【0381】
[0379]すべての濃度または量は、特に述べられていない限り重量による。
【0382】
定義
[0380]以下は定義された用語の独占的なリストであることを意図するわけではないことを理解されたい。例えば、文脈で定義された用語の使用に付随する場合など、その他の定義が前述の説明において提供されることもある。
【0383】
[0381]本明細書で使用される場合、「a」、「an」および「the」という用語は1つまたは複数を意味する。
[0382]本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、2つまたはそれよりも多く項目のリストで使用された場合、列挙された項目のいずれか1つは、それ自体で利用されてもよいし、または列挙された項目の2つまたはそれよりも多くの任意の組合せが利用されてもよいことを意味する。例えば、組成物が成分A、B、および/またはCを含有すると記載されている場合、組成物は、Aを単独で;Bを単独で;Cを単独で;AとBを組み合わせて;AとCを組み合わせて、BとCを組み合わせて;またはAと、Bと、Cとを組み合わせて含有することができる。
【0384】
[0383]本明細書で使用される場合、「少なくとも一部分」という句は、全部の量または期間の少なくとも一部分、および全部の量または期間まで、および全部の量または期間を含むことを含む。
【0385】
[0384]本明細書で使用される場合、用語「苛性剤」とは、病原菌を死滅させるため、および/または臭気を減少させるために、技術において洗浄剤として使用することができる任意の塩基性溶液(例えば、強塩基、濃縮した弱塩基など)を指す。
【0386】
[0385]本明細書で使用される場合、「遠心性密度分離」という用語は、材料の分離が遠心力により主に引き起こされる密度分離方法を指す。
[0386]本明細書で使用される場合、「ケミカルリサイクル」という用語は、廃棄プラスチックポリマーを、それら自体有用であり、および/または別の化学的生産プロセス(複数可)への供給原料として有用である、より低い分子量ポリマー、オリゴマー、モノマー、および/または非ポリマー性分子(例えば、水素、一酸化炭素、メタン、エタン、プロパン、エチレン、およびプロピレン)へと化学的に変換するステップを含む廃棄プラスチックリサイクルプロセスを指す。
【0387】
[0387]本明細書で使用される場合、「ケミカルリサイクル施設」という用語は、廃棄プラスチックのケミカルリサイクルを介してリサイクル成分生成物を生成するための施設を指す。ケミカルリサイクル施設は以下のステップのうちの1つまたは複数を利用することができる:(i)前処理、(ii)加溶媒分解、(iii)熱分解、(iv)クラッキング、および/または(v)POXガス化。
【0388】
[0388]本明細書で使用される場合、「共同設置された」という用語は、少なくとも2つの物体が共通の物理的サイト、および/または互いに1.61km(1マイル)以内に位置するという特徴を指す。
【0389】
[0389]本明細書で使用される場合、「含んでいる(comprising)」、「含む(comprises)」および「含む(comprise)」という用語は、用語の前に列挙された対象から、用語の後に列挙された1つまたは複数のエレメントへと転移するために使用されるオープンエンドの移行用語であり、移行用語後に列挙されたエレメント(複数可)は必ずしも対象を構成する唯一のエレメントではない。
【0390】
[0390]本明細書で使用される場合、「導く」という用語は、バッチ方式および/または連続的方式で材料を輸送することを指す。
[0391]本明細書で使用される場合、「クラッキング」という用語は、炭素-炭素結合の破壊により、複雑な有機分子をより単純な分子へと分解することを指す。
【0391】
[0392]本明細書で使用される場合、「D90」という用語は、90パーセントの粒子の分布が特定された直径より小さな直径を有し、10パーセントが特定された直径より大きな直径を有するように特定された直径を指す。代表的なD90値を確実に得るため、粒子の試料サイズは、少なくとも0.45キロ(1ポンド)であるべきである。連続工程で粒子に対するD90を決定するため、試験は、等しい時間間隔で、少なくとも24時間にわたり採取された少なくとも5つの試料に対して実施すべきである。D90に対する試験は、高速写真および粒径分布を生成するためのコンピュータアルゴリズムを使用して実施する。D90値を判定するための1つの適切な粒径分析器は、Mentor、OhioのW.S Tyler製のModel CPA4-1 Computerized Particle Analyzerである。
【0392】
[0393]本明細書で使用される場合、「直径」という用語は、粒子の最大弦長(すなわち、その最も大きな寸法)を意味する。
[0394]本明細書で使用される場合、「密度分離方法」という用語は、少なくとも部分的に材料のそれぞれの密度に基づいて材料を分離するための方法を指す。さらに、「低密度分離段階」および「高密度分離段階」という用語は相対的な密度分離方法を指し、低密度分離は、高密度分離段階の標的分離密度より低い標的分離密度を有する。
【0393】
[0395]本明細書で使用される場合、「枯渇した」という用語は、基準の材料または流れの中の成分の濃度より低い特定の成分の濃度(乾燥重量基準で)を有することを指す。
[0396]本明細書で使用される場合、「直接由来する」という用語は、廃棄プラスチックから発生する少なくとも1種の物理的成分を有することを指す。
【0394】
[0397]本明細書で使用される場合、「豊富に含む」という用語は、基準の材料または流れ中の成分の濃度より高い特定の成分の濃度(乾燥重量基準で)を有することを指す。
[0398]本明細書で使用される場合、「ハロゲン化物」という用語は、負電荷を保持するハロゲン原子(すなわち、ハロゲン化物イオン)を含む組成物を指す。
【0395】
[0399]本明細書で使用される場合、「ハロゲン(ハロゲン系)」という用語は、少なくとも1個のハロゲン原子を含む有機もしくは無機化合物、イオン性、または元素の種を指す。
【0396】
[0400]本明細書で使用される場合、「有している(having)」、「有する(has)」および「有する(have)」という用語は、上記に提供されている「含んでいる(comprising)」、「含む(comprises)」および「含む(comprise)」と同じオープンエンドの意味を有する。
【0397】
[0401]本明細書で使用される場合、「重質有機メタノリシス共生成物」という用語は、DMTより高い沸点を有するメタノリシス共生成物を指す。
[0402]本明細書で使用される場合、「重質有機加溶媒分解共生成物」という用語は、加溶媒分解施設の主要なテレフタリル生成物より高い沸点を有する加溶媒分解共生成物を指す。
【0398】
[0403]本明細書で使用される場合、「含んでいる(including)」、「含む(include)」、および「含んだ(included)」という用語は、上記で提供されている「含む(comprising)」、「含む(comprises)」および「含む(comprise)」と同じオープンエンドの意味を有する。
【0399】
[0404]本明細書で使用される場合、「間接的に由来する」という用語は、i)廃棄プラスチックに起因するが、しかしii)廃棄プラスチックから発生する物理的成分を有することに基づかない、指定されたリサイクル成分を有することを指す。
【0400】
[0405]本明細書で使用される場合、「単離した」という用語は、それ自体またはそれら自体で存在し、その他の材料から分離されているという、動いているまたは固定した物体(複数可)の特徴を指す。
【0401】
[0406]本明細書で使用される場合、「軽質有機メタノリシス共生成物」という用語は、DMTより低い沸点を有するメタノリシス共生成物を指す。
[0407]本明細書で使用される場合、「軽質有機物の加溶媒分解共生成物」という用語は、加溶媒分解施設の主要なテレフタリル生成物より低い沸点を有する加溶媒分解共生成物を指す。
【0402】
[0408]本明細書で使用される場合、「メタノリシス共生成物」という用語は、メタノリシス施設から離脱した任意の化合物であって、テレフタル酸ジメチル(DMT)、エチレングリコール(EG)、またはメタノールではない化合物を指す。
【0403】
[0409]本明細書で使用される場合、「混合プラスチック廃棄物」および「MPW」という用語は、これらに限定されないが、以下のプラスチックの種類を含む少なくとも2種類の廃棄プラスチックの混合物を指す:ポリエチレンテレフタレート(PET)、1種または複数のポリオレフィン(PO)、およびポリ塩化ビニル(PVC)。
【0404】
[0410]本明細書で使用される場合、「部分的酸化(POX)」または「POX」という用語は、炭素含有供給物の、合成ガス(一酸化炭素、水素、および二酸化炭素)への高温変換であって、変換が化学量論的量未満の酸素の存在下で行われる高温変換を指す。POXガス化への供給物は、固体、液体、および/または気体を含むことができる。
【0405】
[0411]本明細書で使用される場合、「部分的酸化(POX)反応」という用語は、炭素含有供給物の合成ガスへの変換において、部分的酸化(POX)ガス化装置内で生じるすべての反応を指し、これらに限定されないが、部分的酸化、水気体シフト、水気体-主反応、ブードワ、酸化、メタン生成、水素改質、水蒸気改質、および二酸化炭素改質が含まれる。
【0406】
[0412]本明細書で使用される場合、「PET」とは、ポリエチレンテレフタレートのホモポリマー、あるいは修飾因子で修飾された、またはエチレングリコールおよびテレフタル酸以外の残基もしくは部分、例えば、イソフタル酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、ジエチレングリコール、TMCD(2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール)、CHDM(シクロヘキサンジメタノール)、プロピレングリコール、イソソルビド、1,4-ブタンジオール、1,3-プロパンジオール、および/もしくはNPG(ネオペンチルグリコール)、または反復テレフタレート単位を有するポリエステル(および反復するエチレングリコールベース単位を含有するかどうかに拘わらず)およびTMCD(2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール)の1つまたは複数の残基または部分、CHDM(シクロヘキサンジメタノール)、プロピレングリコール、またはNPG(ネオペンチルグリコール)、イソソルビド、イソフタル酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-ブタンジオール、1,3-プロパンジオール、および/またはジエチレングリコール、あるいはこれらの組合せを含有するポリエチレンテレフタレートを意味する。
【0407】
[0413]本明細書で使用される場合、「オーバーヘッド」という用語は、封入された構造内の多数の粒子プラスチック固体の最上昇位置より上にある構造の物理的な場所を指す。
[0414]本明細書で使用される場合、「部分的酸化(POX)ガス化施設」または「POX施設」という用語は、廃棄プラスチックおよびそれから誘導される供給原料のPOXガス化を行うために必要なすべての装置、ライン、および制御を含む施設を指す。
【0408】
[0415]本明細書で使用される場合、「部分的に処理した廃棄プラスチック」という用語は、少なくとも自動化もしくは機械化された選別、洗浄、または微粉砕されるステップまたは方法に供される廃棄プラスチックを意味する。部分的に処理した廃棄プラスチックは、例えば、都市のリサイクル施設(MRF)またはリクレーマーを起源とすることができる。部分的に処理した廃棄プラスチックがケミカルリサイクル施設に提供される場合、1つまたは複数の前処理ステップは省略されてもよい。
【0409】
[0416]本明細書で使用される場合、「PET加溶媒分解」という用語は、ポリエステル
テレフタレート含有プラスチック供給物が、溶媒の存在下で化学的に分解されて、主要なテレフタリル生成物および/または主要なグリコール生成物を形成する反応を指す。
【0410】
[0417]本明細書で使用される場合、「物理的リサイクル」(「機械的リサイクル」としても公知)という用語は、廃棄プラスチックを溶融するステップおよび溶融したプラスチックを新規中間体生成物(例えば、ペレットまたはシート)および/または新規最終生成物(例えば、ビン)へと形成するステップを含む廃棄プラスチックリサイクルプロセスを指す。全般的に、いくつかの分解が起こり得るにもかかわらず、物理的リサイクルは、プラスチックの化学構造を実質的に変えることはない。
【0411】
[0418]本明細書で使用される場合、「主に」という用語は、50重量パーセントより多いことを意味する。例えば、主にプロパンである流れ、組成物、供給原料、または生成物は、50重量パーセントを超えるプロパンを含有する流れ、組成物、供給原料、または生成物である。
【0412】
[0419]本明細書で使用される場合、「前処理」という用語は、以下のステップの1つまたは複数を使用してケミカルリサイクル用の廃棄プラスチックを調製することを指す:(i)微粉砕する、(ii)粒子化する、(iii)洗浄する、(iv)乾燥する、および/または(v)分離する。
【0413】
[0420]本明細書で使用される場合、「熱分解」という用語は、高温で、不活性(すなわち、実質的に酸素を含まない)大気中での1種または複数の有機物質の熱的分解を指す。
[0421]本明細書で使用される場合、「熱分解チャー」という用語は、200℃および1atmで固体である、熱分解から得た炭素含有組成物を指す。
【0414】
[0422]本明細書で使用される場合、「熱分解ガス」という用語は、25℃で気体である、熱分解から得た組成物を指す。
[0423]本明細書で使用される場合、「熱分解重質ワックス」という用語は、熱分解チャー、熱分解ガス、または熱分解油ではない、熱分解から得たC20+炭化水素を指す。
【0415】
[0424]本明細書で使用される場合、「熱分解油」または「パイオイル」という用語は、25℃および1atmで液体である、熱分解から得た組成物を指す。
[0425]本明細書で使用される場合、「熱分解残渣」という用語は、熱分解ガスまたは熱分解油ではなく、主に熱分解チャーおよび熱分解重質ワックスを含む、熱分解から得た組成物を指す。
【0416】
[0426]本明細書で使用される場合、「リサイクル成分」および「r-成分」という用語は、廃棄プラスチックから直接および/または間接的に誘導された組成物であるまたは組成物を含むことを指す。
【0417】
[0427]本明細書で使用される場合、「樹脂IDコード」という用語は、製品が作製されるプラスチック樹脂を特定する、プラスチック製品上に出現する記号および付随する数(1~7)のセットを指し、これはもともと1988年に米国で開発されたが、2008年からASTM Internationalにより施行されている。
【0418】
[0428]本明細書で使用される場合、「樹脂IDコード1」という用語は、ポリエチレンテレフタレート(PET)から作製されたプラスチック製品を指す。このようなプラスチック製品として、ソフトドリンクのビン、ミネラル水のビン、ジュースの容器、および調理油の容器を挙げることができる。
【0419】
[0429]本明細書で使用される場合、「樹脂IDコード2」という用語は、高密度ポリエチレン(HDPE)から作製されたプラスチック製品を指す。このようなプラスチック製品として、ミルクジャグ、洗浄剤および洗濯洗剤の容器、シャンプービン、および石鹸容器を挙げることができる。
【0420】
[0430]本明細書で使用される場合、「樹脂IDコード3」という用語は、ポリ塩化ビニル(PVC)から作製されたプラスチック製品を指す。このようなプラスチック生成物として、フルーツおよびスウィーツ用トレイ、プラスチック充填材料(バブルホイル)、および食物用ラップを挙げることができる。
【0421】
[0431]本明細書で使用される場合、「樹脂IDコード4」という用語は、低密度ポリエチレン(LDPE)から作製されたプラスチック製品を指す。このようなプラスチック製品として、ショッピングバッグ、軽量ビン、およびサックを挙げることができる。
【0422】
[0432]本明細書で使用される場合、「樹脂IDコード5」という用語は、ポリプロピレン(PP)から作製されたプラスチック製品を指す。このようなプラスチック製品として、家具、自動車部品、工業用繊維、旅行カバン、およびおもちゃを挙げることができる。
【0423】
[0433]本明細書で使用される場合、「樹脂IDコード6」という用語は、ポリスチレン(PS)から作製されたプラスチック製品を指す。このようなプラスチック製品として、おもちゃ、硬質な充填材料、冷蔵庫トレイ、化粧品用バッグ、模造宝石類、CDケース、自動販売機用カップ、およびクラムシェル容器を挙げることができる。
【0424】
[0434]本明細書で使用される場合、「樹脂IDコード7」という用語は、樹脂IDコード1~6と定義されたもの以外のプラスチックから作製されたプラスチック製品を指し、これらに限定されないが、アクリル、ポリカーボネート、ポリ乳酸繊維、ナイロン、および繊維ガラスが挙げられる。このようなプラスチック製品は、ビン、ヘッドライトレンズ、および安全ガラスを挙げることができる。
【0425】
[0435]本明細書で使用される場合、「分離効率」という用語は、図8に定義されているような2つまたはそれよりも多くの相または成分の間の分離の程度を指す。
[0436]本明細書で使用される場合、「浮沈法密度分離」という用語は、材料の分離が選択された液体媒体中の流動または沈降により主に引き起こされる密度分離方法を指す。
【0426】
[0437]本明細書で使用される場合、「加溶媒分解」または「エステル加溶媒分解」という用語は、エステル含有供給物が溶媒の存在下で化学的に分解して、主要なカルボキシル生成物および/または主要なグリコール生成物を形成する反応を指す。加溶媒分解の例として、加水分解、アルコーリシス、およびアンモノリシスが挙げられる。
【0427】
[0438]本明細書で使用される場合、「加溶媒分解共生成物」という用語は、加溶媒分解施設の主要なカルボキシル(テレフタリル)生成物でも、加溶媒分解施設の主要なグリコール生成物でも、加溶媒分解施設に供給される主要な溶媒でもない、加溶媒分解施設から離脱した任意の化合物を指す。
【0428】
[0439]本明細書で使用される場合、「テレフタリル」という用語は、以下の基:
【0429】
【化2】
【0430】
を含む分子を指す。
[0440]本明細書で使用される場合、「主要なテレフタリル」という用語は、加溶媒分解施設により回収される主要または重要なテレフタリル生成物を指す。
【0431】
[0441]本明細書で使用される場合、「グリコール」という用語は、分子1個当たり2個またはそれよりも多くの-OH官能基を含む成分を指す。
[0442]本明細書で使用される場合、「主要なグリコール」という用語は、加溶媒分解施設から回収される主要なグリコール生成物を指す。
【0432】
[0443]本明細書で使用される場合、「標的分離密度」という用語は、その密度より上では、密度分離方法に供される材料がより高密度の産出物へと優先的に分離され、その密度より下では、材料がより低密度の産出物へと分離される密度を指す。
【0433】
[0444]本明細書で使用される場合、「廃棄プラスチック」および「プラスチック廃棄物」という用語は、使用済みの、スクラップ、および/または廃棄したプラスチック材料を指す。ケミカルリサイクル施設に供給される廃棄プラスチックは未処理または部分的に処理されていてもよい。
【0434】
[0445]本明細書で使用される場合、「未処理の廃棄プラスチック」という用語は、任意の自動化されたまたは機械化された選別、洗浄、または微粉砕にまだ供されていない廃棄プラスチックを意味する。未処理の廃棄プラスチックの例として、家庭道路脇のプラスチックリサイクルビンまたは地域社会共有のプラスチックリサイクル容器から収集した廃棄プラスチックが挙げられる。
【0435】
[0446]本明細書で使用される場合、「少なくとも一部分」という句は、全部の量または期間の少なくとも一部分、および全部の量または期間まで、および全部の量または期間を含むことを含む。
【0436】
[0447]本明細書で使用される場合、「廃棄プラスチック粒子」という用語は、1インチ未満のD90を有する廃棄プラスチックを指す。
[0448]本明細書で使用される場合、「主に」という用語は、その総重量を基準にして、あるものの少なくとも50重量パーセントを意味する。例えば、「主に」成分Aを含む組成物は、組成物の総重量を基準にして、少なくとも50重量パーセントの成分Aを含む。
【0437】
[0449]本明細書で使用される場合、「下流」とは、以下の標的ユニット:
a.任意選択で1つもしくは複数の中間ユニットの作動、容器、もしくは装置を介して、クラッカー炉の放射部から、出口流と流体(液体または気体)連通している、もしくは配管を介して連通している標的ユニットの作動、容器、または装置を、または
b.任意選択で1つもしくは複数の中間ユニットの作動、容器、もしくは装置を介して、クラッカー炉の放射部から、出口流と流体(液体または気体)連通していた、もしくは配管を介して連通していた標的ユニットの作動、容器、または装置を意味する。ただし、標的ユニットの作動、容器、または装置は、クラッカー施設のバッテリー境界内に留まるものとする(炉およびすべての付随する下流の分離装置を含む)。
特許請求の範囲は開示された実施形態に限定されない
[0450]上記に記載されている本発明の好ましい形態は、ただの例示として使用されるものとし、本発明の範囲を限定した意味で解釈するために使用されるべきではない。上に記載された例示的な実施形態に対する変化形は、本発明の趣旨から逸脱することなく当業者により容易に作製することができる。
【0438】
[0451]発明者らは、以下の特許請求の範囲において示されているような文字どおりの範囲を大きく逸脱することはないが範囲外にある任意の装置に関連する本発明の適度に公正な範囲を決定および評価するため均等論に依存するという意図をここに述べる。
【国際調査報告】