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特表2023-522062代謝異常を治療するためのベンズイミダゾール化合物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-26
(54)【発明の名称】代謝異常を治療するためのベンズイミダゾール化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 235/26 20060101AFI20230519BHJP
   A61K 31/4184 20060101ALI20230519BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20230519BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20230519BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20230519BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230519BHJP
【FI】
C07D235/26 A CSP
A61K31/4184
A61P1/16
A61P3/10
A61P3/04
A61P43/00 111
A61P43/00 123
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022562996
(86)(22)【出願日】2021-04-15
(85)【翻訳文提出日】2022-12-14
(86)【国際出願番号】 BR2021050158
(87)【国際公開番号】W WO2021207816
(87)【国際公開日】2021-10-21
(31)【優先権主張番号】63/010,128
(32)【優先日】2020-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522404133
【氏名又は名称】アッシェ ラボラトーリオス ファルマセウチコズ エスィ. ア.
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】ジ アゼヴィエッド, アチィラス フェリィピ ザネェチ
(72)【発明者】
【氏名】フェヘイラ ジュニオル, マルコズ ゥントニオ
(72)【発明者】
【氏名】セグレエッチ, ナタナエル ドゥィンチ
(72)【発明者】
【氏名】マスカレェッロ, アレッスンドゥラ
(72)【発明者】
【氏名】ギマルィンス, クリスチュアノ フーキ ヴェルネッキ
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC39
4C086GA14
4C086MA02
4C086MA05
4C086NA14
4C086NA15
4C086ZA70
4C086ZA75
4C086ZC35
4C086ZC41
(57)【要約】
本発明は、肥満、糖尿病、非アルコール性脂肪肝疾患及び非アルコール性脂肪性肝炎を治療するための式Iのベンズイミダゾール化合物、又はその薬学的に許容される塩、結晶、水和物、プロドラッグ、代謝物若しくは溶媒和物に関する。
【化1】

【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iのベンズイミダゾール化合物、又はその薬学的に許容される塩、結晶、水和物、溶媒和物、プロドラッグ若しくは代謝物。
【化1】
【請求項2】
肥満、糖尿病、非アルコール性脂肪肝疾患及び非アルコール性脂肪性肝炎を治療するための式Iのベンズイミダゾール化合物、又はその薬学的に許容される塩、結晶、水和物、溶媒和物、プロドラッグ若しくは代謝物。
【化2】
【請求項3】
肥満、糖尿病、非アルコール性脂肪肝疾患及び非アルコール性脂肪性肝炎を治療するための医薬組成物であって、
式Iのベンズイミダゾール化合物又はその薬学的に許容される塩、結晶、水和物、溶媒和物、プロドラッグ若しくは代謝物と、薬学的に許容される賦形剤とを含む、医薬組成物。
【化3】
【請求項4】
0.01-5000mgの式Iのベンズイミダゾール化合物を含む、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩を含む無機付加塩;酢酸塩、プロピオン酸塩、ヘキサン酸塩、ヘプタン酸塩、グリコール酸塩、ピルビン酸塩、乳酸塩、マロン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、メシル酸塩、アシスト酸塩、ベシル酸塩、トシル酸塩、キシナホ酸塩、安息香酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、桂皮酸塩、p-クロロベンゼンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、カンフルスルホン酸塩、酢酸トリメチル、酢酸t-ブチル、硫酸ラウリル、グルコン酸塩、グルタル酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、ムコン酸塩、マンデル酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸を含む有機付加塩;ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ビスマスを含む金属のアルカリ付加塩;ブロマイド;第一級、第二級又は第三級アミンの有機塩基との薬学的に許容される塩;アルギニン、リジン、ヒスチジンを含むアミノ酸との塩;カフェイン、プロカイン、ヒドロバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、テオブロミン、プリン、モルホリンとの塩から選択される、請求項1に記載の式Iのベンズイミダゾール化合物の薬学的に許容される塩。
【請求項6】
肥満、糖尿病、非アルコール性脂肪肝疾患及び非アルコール性脂肪性肝炎の治療方法であって、
式Iのベンズイミダゾール化合物、
【化4】
又はその薬学的に許容される塩、結晶、水和物、溶媒和物、プロドラッグ若しくは代謝物を用いる、方法。
【請求項7】
0.01-5000mgの式Iのベンズイミダゾール化合物を必要な患者に投与する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
肥満、糖尿病、非アルコール性脂肪肝疾患及び非アルコール性脂肪性肝炎を治療するための医薬組成物の製造における式Iのベンズイミダゾール化合物、その薬学的に許容される塩、結晶、水和物、溶媒和物、プロドラッグ若しくは代謝物の使用。
【化5】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肥満、糖尿病、非アルコール性脂肪肝疾患及び非アルコール性脂肪性肝炎を治療するためのベンズイミダゾール化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
肥満、糖尿病及び非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)は、世界中で主要な公衆衛生上の問題となっており、これらの流行の規模は毎年拡大し続けている。肥満は、糖尿病やNAFLDなどのいくつかの併存疾患の発症の主要な危険因子を表す慢性疾患である(Wang C and Liao JK (2013). A Mouse Model of Diet-Induced Obesity and Insulin Resistance. Methods Mol Biol. 821: 421-433)。世界保健機関(WHO)の推定によると、2016年には世界中で19億人以上の太りすぎの成人がおり、そのうち6億5000万人が肥満であった。世界でNAFLDの有病率は、世界人口の25%と推定されている。しかし、糖尿病患者では、さらに高い有病率(42%-70%)が観察された。さらに、成人の11人に1人が糖尿病を患うと予測されている。
【0003】
NAFLDは、その重症度に応じて、非アルコール性脂肪肝(NAFL)と非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)に分類できる複雑な疾患である。NAFLは、重大な肝細胞損傷を伴わない脂肪肝で構成される一方、NASHは、線維症を伴う及び伴わない脂肪症、肝細胞損傷及び炎症の組み合わせによって特徴付けられる。NAFLDは、肝硬変、肝細胞癌、及び肝移植が唯一の治療選択肢である他の合併症にさらに進行する可能性がある。現在、NAFLDの治療薬として承認された薬は市場にない。この分野で満たされていない高いレベルの臨床的ニーズがあることを考えると、肥満、糖尿病、NAFLD及びNASHを治療するための新しい治療法の開発には大きな関心が寄せられている。
【0004】
メラトニン(N-アセチル-5-メトキシトリプタミン)は、グルコース及びインスリンレベルの概日調節に影響を与える天然ホルモンであり、代謝を毎日の摂食及び絶食サイクルと同期させる(Cipolla-Neto J et al. (2014). Melatonin, energy metabolism, and obesity: a review. J Pineal Res. 56(4):371-81)。メラトニン受容体の遺伝子変異とメラトニンシグナル伝達の変化は、空腹時血糖値の上昇、インスリン分泌の障害及び2型糖尿病のリスクの上昇に関連している(Bouatia-Naji N et al. (2009). A variant near MTNR1B is associated with increased fasting plasma glucose levels and type 2 diabetes risk. Nat Genet. 41(1):89-94; Tuomi T et al. (2016). Increased Melatonin Signaling Is a Risk Factor for Type 2 Diabetes. Cell Metab. 23(6):1067-1077)。MT1(MT1-/-)及びMT2(MT2-/-)を遺伝的に除去したマウスでの研究では、グルコース及びインスリン代謝に対するこれらの受容体の様々な効果が示されている。MT1-/- マウスは、より高い累積体重増加、高血糖、及び顕著なインスリン抵抗性を伴う、堅牢な代謝表現型を示す。これに対し、MT2-/-マウスでは、肝臓のインスリン感受性が低下したが、インスリン放出は増加した(Owino S et al. (2018). Nocturnal activation of melatonin receptor type 1 signaling modulates diurnal insulin sensitivity via regulation of PI3K activity. J Pineal Res. 64(3); Tuomi T et al. (2016). Increased Melatonin Signaling Is a Risk Factor for Type 2 Diabetes. Cell Metab. 23(6):1067-1077)。さらに、MT1とMT2の調節は、メラトニン刺激時に重要な違いがある。MT2の活性化はcAMP応答を鈍感にする一方、MT1の活性化はその後の休薬期間にcAMPの過剰感作を引き起す(Witt-Enderby PA et al. (1998). Physiological exposure to melatonin supersensitizes the cyclic adenosine 3',5'-monophosphate-dependent signal transduction cascade in Chinese hamster ovary cells expressing the human mt1 melatonin receptor. Endocrinology.139(7):3064-71; Karamitri A et al. (2019). Melatonin in type 2 diabetes mellitus and obesity. Nat Rev Endocrinol. 15(2):105-125)。これらの発見は、MT1/MT2受容体を調節する薬が肥満、糖尿病、肝臓代謝疾患の治療にプラスの影響を与える可能性があることを示唆しているが、末梢組織の特定のメラトニン受容体(MT1及びMT2)を標的とする薬物はまだ開発されていない。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、肥満、糖尿病、非アルコール性脂肪肝疾患及び非アルコール性脂肪性肝炎を治療するための式Iのベンズイミダゾール化合物、又はその薬学的に許容される塩、結晶、水和物、プロドラッグ、代謝物若しくは溶媒和物に関する。
【化1】
【0006】
本発明のベンズイミダゾール誘導体化合物の意味には、化合物の活性を有意に与える限り、それらの薬学的に許容される塩、結晶、水和物及び溶媒和物も含まれる。本発明のベンズイミダゾール誘導体化合物の意味には、そのプロドラッグ及び代謝物並びに少し修飾された遊離塩基分子(例えば、置換基の包含)も含まれる。この修飾された遊離塩基分子は、当業者に知られているように、同等の化合物をもたらし、肥満、糖尿病、非アルコール性脂肪肝疾患及び非アルコール性脂肪性肝炎の治療に向けて分子のファーマコフォアを大幅に変更しない。
【0007】
本発明の別の態様は、式Iの化合物の薬学的に許容される酸付加塩、例えば、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩などの無機付加塩;式Iの化合物の薬学的に許容される有機付加塩、例えば、酢酸塩、プロピオン酸塩、ヘキサン酸塩、ヘプタン酸塩、グリコール酸塩、ピルビン酸塩、乳酸塩、マロン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、メシル酸塩、アシスト酸塩、ベシル酸塩、トシル酸塩、キシナホ酸塩、安息香酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、桂皮酸塩、p-クロロベンゼンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、カンフルスルホン酸塩、酢酸トリメチル、酢酸t-ブチル、硫酸ラウリル、グルコン酸塩、グルタル酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、ムコン酸塩、マンデル酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸;ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ビスマスを含む金属のアルカリ付加塩;ブロマイド;第一級、第二級又は第三級アミンの有機塩基との薬学的に許容される塩;アルギニン、リジン、ヒスチジンを含むアミノ酸との塩;カフェイン、プロカイン、ヒドロバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、テオブロミン、プリン、モルホリンとの塩である。
【0008】
本発明は、肥満、糖尿病、非アルコール性脂肪肝疾患及び非アルコール性脂肪性肝炎を治療するための式Iの化合物及び薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物にも関する。
【0009】
使用する賦形剤の選択及び医薬組成物の調製は、一般に、投与経路のタイプ、賦形剤と有効成分の物理的及び化学的適合性、医薬品形態(剤形)の作成方法とその有効性への影響を考慮して行われる。これらの賦形剤は当技術分野で知られており、文献に記載されており(例えば、Handbook of Pharmaceutical Manufacturing Formulations-Vol. 1 a 6-2004-Sarfaraz K. Niazi-CRC Press and Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing)、この分野の技術専門家によって広く使用されている。
【0010】
治療用途及び投与のために、本発明のベンズイミダゾール化合物は、従来技術及び適切な賦形剤を使用して、経口、非経口、経鼻、直腸、経粘膜及び経皮投与に適した組成物に製剤化することができる。
【0011】
本発明のベンズイミダゾール化合物を含む剤形に関して特定の制限はない。例えば、経口投与用の固体として、適切な剤形は、錠剤、丸薬、糖衣錠、カプセル、顆粒、粉末、ペレット、凍結乾燥製剤及び類似の形態であり得る。経口投与用の液体として、適切な剤形は、溶液、分散液、懸濁液、乳液、油、シロップなどであり得る。液体剤形は、静脈内、筋肉内、皮下、皮内などの注射に使用できる。
【0012】
剤形の他の例には、リポソーム及びナノ粒子、及び当業者に知られている他の任意の投与態様が含まれる。剤形は、本発明のベンズイミダゾール化合物の即時放出、制御放出及び遅延放出を提供することができる。
【0013】
他の実施形態において、本発明は、肥満、糖尿病、非アルコール性脂肪肝疾患及び非アルコール性脂肪性肝炎を治療するための医薬組成物の製造における式Iの化合物の使用に関する。
【0014】
本発明の別の態様は、例えば、本発明のベンズイミダゾール化合物を0.01-5000mg含み、治療中に1日1回以上投与することができる上記の剤形である。
【0015】
特定の実施例において、ベンズイミダゾール化合物以外に、肥満、糖尿病、非アルコール性脂肪肝疾患及び非アルコール性脂肪性肝炎の治療に使用される少なくとも別の有効成分を含んでもよい。この別の有効成分は、例えば、メトホルミン、インスリン及びその誘導体、スルホニル尿素、SGLT-2阻害剤、DPP4阻害剤、GLP-1アゴニスト、メグリチニド、チアゾリジンジオン、α-グルコシダーゼ阻害剤、FXRアゴニスト、PPARアゴニスト、ASK1阻害剤、CCR2及びCCR5アンタゴニスト、カスパーゼ阻害剤、インスリン増感剤、コール酸-アラキジン酸複合体から選択される。
【0016】
別の態様において、本発明は、式Iのベンズイミダゾール化合物、又はその薬学的に許容される塩、結晶、水和物、溶媒和物、プロドラッグ若しくは代謝物を用いて肥満、糖尿病、非アルコール性脂肪肝疾患及び非アルコール性脂肪性肝炎を治療する方法に関する。
【化2】
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1A~Dは、HFDで維持された雄SDラットの体重(BW)及び摂餌量(FI)に対する式Iの化合物の影響を示す。式Iのベンズイミダゾール化合物、式IIの比較化合物、及びダパグリフロジンを、HFDを与えられた動物に投与した。通常の飼料(normal chow)及びHFDを与えられた動物にビヒクルを投与した。データは、n=9-10動物(BW及びBW増加)及びn=5ケージ(FI及び1日平均FI)の群あたりの調整済み平均値-SEMとして示される。データは、共変量として1日目のBW(A及びC)及びベースライン期間中の平均FI(B及びD)を使用してANCOVAによって分析され、飼料(chow)ビヒクル群は除外された。治療群は、別個のウィリアムズ検定(化合物I及びII)及び多重t検定(ダパグリフロジン)によってHFDビヒクルと比較され、p<0.05の場合、統計的に有意であると見なされた。それぞれダパグリフロジン、10mg/kgの化合物II、30mg/kgの化合物II、10mg/kgの化合物I及び30mg/kgの化合物Iで治療されたHFD群に対して、統計的有意性は、「a」、「b」、「c」、「d」及び「e」として示される。#(p=0.051)及び&(p=0.098)は、HFDビヒクルとの比較における有意性への傾向を意味する。
【0018】
図2図2A~Cは、HFDで維持された雄SDラットの血漿グルコース(A)、インスリン(B)及びHOMA-IR(C)に対する式Iの化合物の影響を示す。化合物I、化合物II、ダパグリフロジンを、HFDを与えた動物に投与した。通常の飼料及びHFDを与えられた動物にビヒクルを投与した。51日目にパラメータを評価した。データは、調整済み平均値±SEM(n=9-10)として表示される。統計分析は、治療を因子とし、1日目の出血順序及びBW(飼料ビヒクル群との比較を除く)を共変量として、一般線形モデル(グルコース及びHOMA-IR)及び対数変換されたデータ(インスリン)のロバスト回帰(インスリン)により行われた。治療群は、別個のウィリアムズ検定(化合物II及び化合物I)及び多重t検定(ダパグリフロジン)によってHFDビヒクルと比較され、統計的有意差は**p<0.01及び***p<0.001で示される。飼料ビヒクルとの比較は、多重t検定(HFDビヒクル及びダパグリフロジン群)及びダネット検定(化合物I及び化合物II)によって実行され、統計的に有意な差は、†(p<0.05)及び††(p<0.01)で示される。
【0019】
図3図3A~Hは、HFDで維持された雄SDラットの肝臓トリグリセリド(A~B)、グリコーゲン(C~D)及び組織病理学(E~H)に対する式Iの化合物の影響を示す。パラメータは、HFDを受けている動物に10及び30mg/kgの化合物I、5mg/kgのダパグリフロジン、及びビヒクルを用いた長期経口治療後に評価された。ビヒクルは、通常の飼料を与えられた動物にも投与された。肝臓トリグリセリドは、Cobas C111臨床分析装置TRIGL 04657594 190を用いて定量化された。市販のキット(Thermo BioVision, Glycogen Assay Kit, K646-100)を用いて肝臓サンプルのグリコーゲン定量を実施した。データは、平均±SEM(A~D)及び平均±SEM(E~H)、n=9-10を含む生データとして示される。肝臓トリグリセリド(A-B)及びグリコーゲン(C-D)の統計分析は、治療とコーホートを因子とし、1日目の終了順序及びBWを共変量として、対数変換データ(トリグリセリドのみ)の一般線形モデルによって実行された。治療群は、別個のウィリアムズ検定(化合物I)及び多重t検定(ダパグリフロジン)によってHFDビヒクルと比較され、統計的有意差は*(p<0.05)、**(p<0.01)及び***(p<0.001)で示される。飼料ビヒクルとの比較は、多重t検定(HFDビヒクル及びダパグリフロジン群)及びダネット検定(化合物I)によって実行され、統計的有意差は、†(p<0.05)、††(p<0.01)及び†††(p<0.001)で示される。肝臓組織病理学データ(E-H)の分析は、正確なウィルコクソン順位和検定によって行われた。統計的有意差は、HFDビヒクルする場合*(p<0.05)で示され、飼料ビヒクルと比較する場合†(p<0.05)、††(p<0.01)及び†††(p<0.001)で示される。
【発明を実施するための形態】
【0020】
研究調査により、式Iで表される特定のベンズイミダゾール(N-[2-(5-クロロ-2,6-ジメトキシ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-エチル]-アセトアミドとも呼ばれる)誘導体、又はその薬学的に許容される塩、結晶、水和物、プロドラッグ、代謝物若しくは溶媒和物が発見された。
【化3】
【0021】
1 H NMR (400 MHz CDCl 3) δ 1.91 (s, 3H), 3.52 - 3.57(m, 2H), 3.91 (s, 3H), 4.10 - 4.14( m, 5H), 5.62 (br s, 1H), 6.80 (s, 1H), 7.52 (s, 1H). 13 C NMR (125 MHz, CDCl3) δ ppm 23.16; 39.00; 41.16; 56.94; 57.21; 93.02; 116.73; 119.08; 133.20; 133.68; 150.85; 157.61; 170.81. MS (ESI) m/z calculated C 13H 16ClN 3O 3: 297.0880; found [M+H] + 298.0977.
【0022】
この化合物は、i)MT2受容体よりもMT1でより高い効力を持つメラトニン作動性アゴニストとして作用し(表1)、ii)中央曝露よりも高い末梢曝露、すなわち低い脳対血漿比を示す(表2)ことで末梢組織に優先的に作用するように発明された。本発明に係る式Iのベンズイミダゾール誘導体は、強力で末梢に好ましいメラトニン受容体アゴニストであり、MT1受容体に対する中程度の選択性を持ち、体重増加とインスリン抵抗性、肝臓トリグリセリドレベル、及び組織学的に決定された脂肪症を調節する。したがって、本発明に係る式Iのベンズイミダゾール誘導体は、肥満、糖尿病及びNAFLD/NASHの治療に顕著な価値を付加する。
【0023】
したがって、本発明は、肥満、糖尿病、非アルコール性脂肪肝疾患及び非アルコール性脂肪性肝炎を治療するための式Iのベンズイミダゾール化合物、又はその薬学的に許容される塩、結晶、水和物、プロドラッグ、代謝物若しくは溶媒和物に関する。
【化4】
【0024】
本発明のベンズイミダゾール誘導体化合物の意味には、化合物の活性を有意に与える限り、それらの薬学的に許容される塩、結晶、水和物及び溶媒和物も含まれる。本発明のベンズイミダゾール誘導体化合物の意味には、そのプロドラッグ及び代謝物並びに少し修飾された遊離塩基分子(例えば、置換基の包含)も含まれる。この修飾された遊離塩基分子は、当業者に知られているように、同等の化合物をもたらし、肥満、糖尿病、非アルコール性脂肪肝疾患及び非アルコール性脂肪性肝炎の治療に向けて分子のファーマコフォアを大幅に変更しない。
【0025】
他の選択肢を排除することなく、本発明のベンズイミダゾール化合物の適切な塩は、その薬学的に許容される酸付加塩、例えば、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩などの無機付加塩;薬学的に許容される有機付加塩、例えば、酢酸塩、プロピオン酸塩、ヘキサン酸塩、ヘプタン酸塩、グリコール酸塩、ピルビン酸塩、乳酸塩、マロン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、メシル酸塩、アシスト酸塩、ベシル酸塩、トシル酸塩、キシナホ酸塩、安息香酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、桂皮酸塩、p-クロロベンゼンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、カンフルスルホン酸塩、酢酸トリメチル、酢酸t-ブチル、硫酸ラウリル、グルコン酸塩、グルタル酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、ムコン酸塩、マンデル酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸;ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ビスマスを含む金属のアルカリ付加塩;ブロマイド;第一級、第二級又は第三級アミンの有機塩基との薬学的に許容される塩;アルギニン、リジン、ヒスチジンを含むアミノ酸との塩;カフェイン、プロカイン、ヒドロバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、テオブロミン、プリン、モルホリンとの塩である。
【0026】
本発明は、肥満、糖尿病、非アルコール性脂肪肝疾患及び非アルコール性脂肪性肝炎を治療するための式Iの化合物及び薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物にも関する。
【0027】
使用する賦形剤の選択及び医薬組成物の調製は、一般に、投与経路のタイプ、賦形剤と有効成分の物理的及び化学的適合性、医薬品形態(剤形)の作成方法とその有効性への影響を考慮して行われる。これらの賦形剤は当技術分野で知られており、文献に記載されており(例えば、Handbook of Pharmaceutical Manufacturing Formulations-Vol. 1 a 6-2004-Sarfaraz K. Niazi-CRC Press and Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing)、この分野の技術専門家によって広く使用されている。
【0028】
医薬品賦形剤は通常、医薬品組成物及び/及び製造技術で果たす機能に基づいて分類及び下位分類される。それらは、希釈剤、結合剤、分解剤及び凝集防止剤、潤滑剤、懸濁剤、増粘剤、溶剤、界面活性剤、スリップ剤、抗凝集剤及び流動剤、コーティング剤、可塑剤、甘味料、等張化剤、着色料、保存剤、酸化防止剤、pH制御及び調整剤、フレーバーをマスキングし、溶解性を改善し、製剤の安定性を促進し、バイオアベイラビリティを調節するために使用される錯化剤、並びにキレート剤、芳香剤及び香料添加剤と呼ばれ得る。
【0029】
希釈剤は、錠剤、カプセル、丸薬、ペレット、粉末、及び顆粒などの固形剤形に含まれる医薬品賦形剤であり、製剤の体積及び重量を増加させるためのものである。それらはまた、同じ目的のために液体及び半固体の薬学的形態で使用されてもよい。本発明の医薬組成物の調製に適した希釈剤の例には、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、微結晶セルロース、粉末セルロース、デキストリン、ブドウ糖、果糖、カオリン、無水及び/及び一水和乳糖、麦芽糖、ソルビトール、各種の澱粉(トウモロコシ、小麦、ジャガイモ、タピオカ)、アルファ化デンプン、サッカロース、砂糖が含まれるが、これらに限定されない。
【0030】
結合剤は、造粒液として水を使用するか、ヒドロアルコール混合物及び他の溶媒を使用する混合(及び造粒)段階で粉末を顆粒に容易に凝集させるために製剤に含まれる医薬品賦形剤である。結合剤はまた、液体を必要としない乾式混合プロセスで使用することもできる。本発明の医薬組成物の調製に適した結合剤の例には、アカシアガム、アルギン酸、メタクリル酸アンモニウムコポリマー、カルボマーコポリマー及びホモポリマー及びインターポリマー、デンプン(トウモロコシ、小麦、ジャガイモ、タピオカ)、微結晶セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デキストリン、マルトデキストリン、マルトース、サッカロース、ゼラチン、ブドウ糖、グアーガム、ポビドンが含まれるが、これらに限定されない。
【0031】
分解剤及び凝集防止剤は、生体液と接触したときに製剤の分解及び溶解を加速できる医薬品賦形剤である。本発明の医薬組成物の調製に適した分解剤及び抗凝集剤の例には、アルギン酸、デンプン、アルギン酸ナトリウム、クロスカラメロースナトリウム、グリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、微結晶セルロース、クロスポビドンが含まれるが、これらに限定されない。
【0032】
潤滑剤は、製剤中の粒子間の摩擦を減らし、粒子とそれらを調製するために使用される装置の壁との間の摩擦も減らす賦形剤である。本発明の医薬組成物の調製に適した潤滑剤の例には、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ミネラルオイル、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム、デンプン、ステアリン酸、タルク、I型硬化植物油が含まれるが、これらに限定されない。
【0033】
懸濁剤及び増粘剤は、粒子の沈降速度を低下させたり、液体製剤の流動性を低下させたりするために、分散系(懸濁液やエマルジョンなど)の安定性を確保するために製剤に使用される賦形剤である。本発明の医薬組成物の調製に適した懸濁剤及び増粘剤の例には、アカシアガム、寒天、アルギン酸、モノステアリン酸アルミニウム、ベントナイト、カルボマー、コポリマーカルボマー、ホモポリマーカルボマー、インターポリマーカルボマー、カルボキシメチルセルロースのカルシウム及びナトリウム、カラギーナン、微結晶セルロース、デキストリン、グアーガム、ジェランガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ペクチン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポビドン、アルギン酸プロピレングリコール、アルギン酸ナトリウム、二酸化ケイ素、コロイド状二酸化ケイ素、デンプン(トウモロコシ、小麦、ジャガイモ、タピオカ)、トラガントガム、キサンタンガムが含まれるが、これらに限定されない。
【0034】
溶媒は、液体、半固体、及び固体組成物を調製する際に、他の物質を溶解するために使用される賦形剤であり、後者に使用される場合では、より容易な混合を確保し、及び/及び医薬品有効成分若しくは他の賦形剤の均一な濃度の混合を提供するために使用される。本発明の医薬組成物の調製に適した溶媒の例には、水、エタノール、イソプロパノール、植物油(トウモロコシ、綿、ごま、大豆)、ミネラルオイル、グリセリン、ソルビトール、オレイン酸が含まれるが、これらに限定されない。
【0035】
界面活性剤は表面張力調節剤としても知られており、様々な機能を備えた賦形剤であり、乳化剤、保湿剤、及び/及び可溶化剤として使用されている。本発明の医薬組成物の調製に適した界面活性剤の例には、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、ノノキシノール9、オクトキシノール9、ステアリン酸ポリオキシル50、ポリオキシル10オレイルエーテル、ポリオキシル20セトステアリルエーテル、ポリオキサレート35リシン油、水添ポリオキサレート40リシン油、ポリオキシル40ステアレート、ポリオキシルラウリルエーテル、ポリオキシルステアリルエーテル、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、セトエステアリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、モノラウリン酸ソルビタン、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノプラミテート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、セチルアルコール、オレイルアルコール、ポロキサマー、モノステアリン酸プロピレングリコール、カルボマーコポリマー及びインターポリマー、コレステロール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ステアリン酸ジエチレングリコール、ドクセートナトリウム、ステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸グリセリル、モノリノール酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ラノリンアルコール、レシチン、モノ及びジグリセリド、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸、乳化ワックスが含まれるが、これらに限定されない。
【0036】
流動剤、凝集防止剤及びスリップ剤は、流動を促進し、粉体流動及び処理中の固体伝導漏斗での凝集を減らすために製剤に使用される賦形剤である。本発明の医薬組成物の調製に適した流動剤、凝集防止剤及びスリップ剤の例には、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、コロイド状二酸化ケイ素、タルクが含まれるが、これらに限定されない。
【0037】
コーティング剤は、不快な味や臭いのマスキング、薬物放出速度の制御、外観の向上、、飲み込みやすくすること、及び 消化管での薬物の放出の制御(腸溶性コーティングなど)などの様々な機能で使用できる賦形剤である。本発明の医薬組成物の調製に適したコーティング剤の例には、メタクリル酸アンモニウムコポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、酢酸フタル酸セルロース、酢酸セルロース、コポビドン、エチルセルロース及びその水性分散液、ゼラチン、医薬品ワニス、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、マルトデキストリン、メタクリル酸共重合体及びその分散液、メチルセルロース、ポリエチレングリコール、フタル酸酢酸ビニル、セラック、加工α化デンプン、サッカロース、二酸化チタン、カルナバワックス、マイクロクリスタルワックスが含まれるが、これらに限定されない。
【0038】
可塑剤は、可塑性と弾力(弾性)を高めるために他の薬剤に添加される賦形剤である。これらは、ポリマー系に必要な物性を付与するための重要な成分である。本発明の医薬組成物の調製に適した可塑剤の例には、クエン酸アセチルトリブチル、アセチルクエン酸トリエチル、リシン油、ジアセチル化モノグリセリド、セバシン酸ジブチル、ソルビトール、デキストリン、フタル酸ジエチル、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール、安息香酸ベンジル、トリアセチン、クエン酸トリブチル、クエン酸トリエチル、クロロブタノールが含まれるが、これらに限定されない。
【0039】
非経口投与の場合、一般的に、溶血を避け、痛みや投与の不快感を軽減するために、等張液、つまり接触する組織と同様の浸透圧を持つ溶液を使用している。本発明の医薬組成物の等張性を確保するために頻繁に使用される等張化剤の例には、デキストロース、グリセリン、マンニトール、塩化ナトリウム、塩化カリウムが含まれるが、これらに限定されない。
【0040】
甘味料は、不快な風味をマスクし、経口製剤を甘くするために使用される薬剤である。本発明の医薬組成物の調製に適した甘味料の例には、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、アセスルファムアスパルテーム塩、ブドウ糖、デキストロース、フルクトース、ガラクトース、マルチトール、マルトースマンニトール、サッカリン、サッカリンカルシウム、サッカリンナトリウム、ソルビトール、スクラロース、サッカリン、砂糖、タガトースが含まれるが、これらに限定されない。
【0041】
本発明が対象とする組成物の範囲には、各医薬品に明確な外観を与え、類似した物理的性質を持つ製剤の中で特定の製剤を簡単に区別できるようにするために、剤形に含まれる薬学的着色剤も含まれる。本発明の組成物に適用する医薬品着色剤の例には、赤色三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、混合酸化第二鉄、カラメル、二酸化チタン、FD&C着色剤、D&C着色剤が含まれる。
【0042】
投与経路並びに本発明に係る化合物に固有の物理的及び化学的特性に応じて、これらの化合物で調製された医薬組成物に、その成分を安定化、保存でき、早期分解を防止及び/及び回避できる物質を添加することができる。これらの追加の賦形剤は、抗酸化剤、防腐剤、pH調節剤及び調整剤として作用することができる。本発明に係る医薬組成物の調製に適したこれらの特性で使用される賦形剤の例には、アスコルビン酸、ソルビン酸、メタ重亜硫酸ナトリウム、α-トコフェロール、メチルパラベン、プロピルパラベンブチルパラベン、亜硫酸ナトリウム、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、フェノール、ベンジルアルコール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、安息香酸、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、ホウ酸及びpH調整剤が含まれるが、これらに限定されない。後者は、有機酸及び無機酸、基剤及び緩衝剤を含み、通常、薬学的組成物に使用される。
【0043】
本発明に係る化合物を含む医薬組成物は、(a)フレーバーをマスキングし、溶解性を改善し、製剤の溶解性を促進し、及び/及びバイオアベイラビリティを調節するための錯化剤;(b)不快な臭いや風味を修正及びマスキングするため、及び心地よい臭いや風味を与えるために使用される芳香剤及び香味剤を含むか、及びそれらを用いて調製することができる。いくつかの物質及び調剤がそのような用途のために市場で入手可能であり、それらの使用は承認された薬剤、及び組成物中の成分と適合する正式に承認された薬剤に限定されている。治療用途及び投与のために、本発明のベンズイミダゾール化合物は、従来技術及び適切な賦形剤を使用して、経口、非経口、経鼻、直腸、経粘膜及び経皮投与に適した組成物に製剤化することができる。
【0044】
本発明のベンズイミダゾール化合物を含む剤形に関して特定の制限はない。例えば、経口投与用の固体として、適切な剤形は、錠剤、丸薬、糖衣錠、カプセル、顆粒、粉末、ペレット、凍結乾燥製剤及び類似の形態であり得る。経口投与用の液体として、適切な剤形は、溶液、分散液、懸濁液、乳液、油、シロップなどであり得る。液体剤形は、静脈内、筋肉内、皮下、皮内などの注射に使用できる。
【0045】
剤形の他の例には、リポソーム及びナノ粒子、及び当業者に知られている他の任意の投与態様が含まれる。剤形は、本発明のベンズイミダゾール化合物の即時放出、制御放出及び遅延放出を提供することができる。
【0046】
本発明の別の態様は、例えば、本発明のベンズイミダゾール化合物を0.01-5000mg含み、治療中に1日1回以上投与することができる上記の剤形である。
【0047】
特定の実施例において、ベンズイミダゾール化合物以外に、肥満、糖尿病、非アルコール性脂肪肝疾患及び非アルコール性脂肪性肝炎の治療に使用される少なくとも別の有効成分を含んでもよい。この別の有効成分は、例えば、メトホルミン、インスリン及びその誘導体、スルホニル尿素、SGLT-2阻害剤、DPP4阻害剤、GLP-1アゴニスト、メグリチニド、チアゾリジンジオン、α-グルコシダーゼ阻害剤、FXRアゴニスト、PPARアゴニスト、ASK1阻害剤、CCR2及びCCR5アンタゴニスト、カスパーゼ阻害剤、インスリン増感剤、コール酸-アラキジン酸複合体から選択される。
【0048】
他の実施形態において、本発明は、i)医薬組成物の製造又はii)肥満、糖尿病、非アルコール性脂肪肝疾患及び非アルコール性脂肪性肝炎の治療における式Iの化合物の使用に関する。
【0049】
別の態様において、本発明は、式Iのベンズイミダゾール化合物、又はその薬学的に許容される塩、結晶、水和物、溶媒和物、プロドラッグ若しくは代謝物を用いて肥満、糖尿病、非アルコール性脂肪肝疾患及び非アルコール性脂肪性肝炎を治療する方法に関する。
【化5】
【0050】
本発明の式Iのベンズイミダゾール誘導体の効果を示す非網羅的な例を以下に示す。
実施例
【0051】
実施例1:式Iのベンズイミダゾール誘導体の効果
【0052】
式Iのベンゾイミダゾール誘導体の効果は、インスリン抵抗性や肝臓でのトリグリセリド蓄積など、ヒトの肥満、糖尿病、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)と同様の変化を示す食事誘発性肥満(DIO)モデルを表す、高脂肪食(HFD)で維持されたSprague Dawley(SD)ラットで評価された(van Herck MA et al. (2017). Animal Models of Nonalcoholic Fatty Liver Disease-A Starter's Guide. Nutrients. 9(10). pii: E1072; Wang C and Liao JK (2013). A Mouse Model of Diet-Induced Obesity and Insulin Resistance. Methods Mol Biol. 821: 421-433)。式Iのベンズイミダゾール誘導体(MT2よりもMT1でより強力なアゴニスト)の効果を、N-[3-(5-クロロ-2-エトキシ-6-メトキシ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-プロピル]-アセトアミド(下式IIで表される構造;MT1受容体よりもMT2でより高い効力を持つメラトニン作動性アゴニスト;即ち、本発明に係る式Iのベンズイミダゾール誘導体の反対)、及びダパグリフロジン(血糖値を正常化し、DIOモデルの体重を減少させるSGLT2阻害剤)の効果と比較した(Millar P et al. (2017). Metabolic and neuroprotective effects of dapagliflozin and liraglutide in diabetic mice. J Endocrinol. 234(3):255-267; Devenny JJ et al. (2012). Weight loss induced by chronic dapagliflozin treatment is attenuated by compensatory hyperphagia in diet-induced obese (DIO) rats. Obesity. 20: 1645-1652.)。
【化6】
【0053】
1 H NMR (400 MHz, CDCl 3) δ 1.48 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 1.94 - 2.01( m, 5H), 3.24 (q, J = 4.80 Hz, 2H), 3.92 (s, 3H), 3.99 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 4.57 (q, J = 6.8 Hz, 2H), 5.58 (br s, 1H), 6.71 (s, 1H), 7.52 (s, 1H). 13 C NMR (125 MHz, CDCl 3) δ ppm 14.74; 23.28; 28.73; 36.91; 39.70; 57.11; 66.48; 93.25; 116.79; 119.10; 132.35; 134.10; 150.67; 157.06; 170.22. MS (ESI) m/z calculated C 15H 20ClN 3O 3: 325.1193; found [M + H]+ 326.1292
【0054】
HFDモデルでは、治療開始前に顕著な体重(BW)増加を誘導するために、最初に4週間HFDで動物を維持した。次いで、10及び30mg/kgの式Iの化合物、10及び30mg/kgの式IIの化合物、及び5mg/kgのダパグリフロジンを1日1回で経口投与することによりHFDの動物を処理した。通常の飼料(飼料ビヒクル)及びHFD(HFDビヒクル)を与えられた2つのビヒクル処理対照群も含まれた。
【0055】
研究中にBWと食物摂取量(FI)を評価し、結果を図1に示す。HFDビヒクルの動物の体重は、1日目の初期平均459.9gから57日目の612.4gまで着実に増加した。興味深いことに、HFDと比較して、式Iの化合物(10及び30mg/kg p.o.)による処理は、13日目から32日目(p<0.05)まで体重(BW)を顕著に減少させ(p<0.05)、ダパグリフロジン(5mg/kg p.o.)による処理は2日目から48日目、50日目から54日目、及び56日目まで体重を有意に減少させた(p<0.05)(図1A)。また、HFDビヒクルと比較して、1日目から57日目までのBW増加の減少傾向(図1C)は、10及び30mg/kg p.o.の化合物I(p=0.098)及び5mg/kg p.o.のダパグリフロジン(p=0.051)で処理された動物で観察された。これに対し、式IIの化合物(10及び30mg/kg)による処理は、毎日のBW増加に顕著な影響を及ぼさなかった。化合物I及び化合物IIは、後者で観察された単独の変化を除いて、HFDビヒクル群と比較して毎日の食物摂取量に影響を与えなかった(図1B及び1D)。これに対し、ダパグリフロジンは、8日目から56日目までの毎日のFIを顕著に増加させ(p<0.05)、HFDビヒクルと比較して毎日の平均FI(p<0.001)を増加させた。
【0056】
インスリン抵抗性及び耐糖能障害の程度は、インスリン抵抗性に対する恒常性モデル評価(HOMA-IR)方法により評価された(van Dijk TH et al. (2013). A novel approach to monitor glucose metabolism using stable isotopically labelled glucose in longitudinal studies in mice. Lab Anim. 47(2):79-88.)。HOMA-IRは、51日目の4時間絶食後の血漿インスリン及びグルコース濃度に基づいて計算された。HFDビヒクル動物では、飼料ビヒクル群と比較して、血漿グルコース(+17.6%、p<0.01)、インスリン(+56.4%、p<0.05)及びHOMA-IR(+79.3%、p<0.01)が顕著に増加した(図2)。予想どおり、ダパグリフロジンは、HFDビヒクルと比較して、血漿グルコース(-21.6% p<0.001)、血漿インスリン(-56.7%、p<0.001)及び血漿HOMA-IR(-66.7%、p<0.001)を顕著に減少させた。特に、式Iの化合物はまた、10mg/kgの経口用量で血漿グルコースを有意に減少させた(-16.4%、p<0.01)。最大用量(30mg/kg p.o.)で、本発明に係る化合物Iは、HFDビヒクルと比較して、血漿グルコース(-17%、p<0.01)及びHOMA-IR(-36%、p<0.01)の両方を有意に減少させた(図2A及び2C)。これに対し、比較化合物(化合物II)は、HFDビヒクルと比較して、血漿グルコース、インスリン及びHOMA-IRを変化させなかった。
【0057】
研究終了後(65/66日目)、体組成及び選択した組織(褐色脂肪褥、精巣上体脂肪褥、肝臓及び腓腹筋)の重量に対する影響を評価した。組織の重量は、下記の2つの方法で分析された。i)1日目のBW(体重)は、研究開始時のBWの違いを補正するための共変量として使用され、又はii)最終BW(65/66日目)は、減量による変化を補正するための共変量として使用された(表3)。ダパグリフロジンは、データが最終BWで補正された場合、HFDビヒクルと比較して肝臓重量の有意な増加をもたらした(+10.8%、p<0.01)。これに対し、初期BWによって補正された分析において、式Iのベンズイミダゾール誘導体で処理された動物の両方の群では、肝臓重量減少の傾向が見られた(p=0.12)。これらの変化とは別に、補正に関係なく、選択した組織の重量に対する有意な影響は、HFDビヒクル群との比較では観察されなかった。体組成は、FoodScan TM近赤外線アナライザー分析を使用して決定され、水分、タンパク質、脂肪含有量及び枝肉(carcass)の最終重量が評価された(表4)。本発明に係る式Iのベンズイミダゾール誘導体及び比較化合物IIの効果は、HFDビヒクル対照との比較では評価されたパラメータのいずれにも見られなかった。ダパグリフロジンは、HFDビヒクルと比較して最終枝肉重量を顕著に減少させたが(p<0.05)、体組成は変化しなかった。
【0058】
本発明による式Iのベンズイミダゾール誘導体のみがHFDモデルにおけるBW増加、肝臓重量、血漿グルコースレベル及びHOMA-IRに影響を与え、比較ベンズイミダゾール化合物IIは影響しなかったので、動物の肝臓における化合物Iの特異的効果を、ダパグリフロジン及び対照群と比較して評価した。HFDビヒクル動物は、飼料ビヒクル対照と比較して、肝臓トリグリセリドの含有量と濃度が顕著に増加した(それぞれ+473%及び+409%)(図3A及び3B)。興味深いことに、HFDビヒクルと比較して、式Iの化合物(10及び30mg/kg p.o.)による処理は、肝臓トリグリセリド含有量を顕著に減少させ(それぞれ-41.3%及び-55.1%、p<0.05)、30mg/kg p.o.の化合物Iは、肝臓トリグリセリド濃度を51.6%(p<0.01)顕著に低下させた。これに対し、ダパグリフロジン処理は、HFDビヒクル対照と比較して肝臓のトリグリセリド含有量も、濃度も顕著に低下させなかった。飼料ビヒクルとHFDビヒクル動物の両方では、肝臓グリコーゲンの含有量及び濃度は類似した(図3C及び3D)。式Iの化合物(10及び30mg/kg p.o.)は、HFDビヒクルと比較して、肝臓グリコーゲン含有量(それぞれ36.6%及び36.6%)及び濃度(それぞれ42.8%及び40.8%)を顕著に(p<0.05)減少させた。HFDビヒクル対照と比較して、肝臓のグリコーゲン含有量及び濃度に対するダパグリフロジンの影響は観察されなかった。
【0059】
肝臓について、組織病理学的分析によりNAFLDを評価した(図3E-H)。上記方法に従って、サンプルを切片化し、染色し、スコアリングした(Kleiner DE et al. (2005). Design and validation of a histological scoring system for nonalcoholic fatty liver disease. Hepatology. 41(6):1313-21; Nishida T et al. (2013). Spontaneous onset of nonalcoholic steatohepatitis and hepatocellular carcinoma in a mouse model of metabolic syndrome. Lab Invest. 93(2):230-41)。分析されたパラメータは、脂肪症(0~3)、小葉内炎症(0~3)、及び肝細胞のバルーニング(0~2)であった。総「NAFLD活動スコア」(NAS)スコアは、すべてのパラメータ(0~8)の総として計算された。飼料ビヒクル動物の肝臓には、脂肪症、小葉内炎症、肝細胞バルーニングの病理スコア(ゼロ)がなく、総NASスコアがなかった。HFDビヒクル群では、脂肪症、小葉内炎症及び及び総NASの病理スコアは、顕著に(p<0.05)増加したが、肝細胞のバルーニングは顕著な影響を受けなかった。注目すべきことに、本発明に係る式Iのベンズイミダゾール誘導体(30mg/kg p.o.)は、HFD群と比較して、脂肪症を顕著に(p<0.05)~57%減少させた(図3F)。小葉内炎症もまた、本発明に係る式Iのベンズイミダゾール誘導体を30mg/kgの用量で処理した動物において減少し、飼料ビヒクル対照ともはや顕著に異ならなくなった(図3G)。この群とHFDビヒクル動物の間の総NAS値についても、有意性に向かう傾向が観察された(図3E、p=0.126)。これに対し、HFDビヒクル群と比較して、ダパグリフロジンで治療したラットでは、評価されたパラメータへの影響は観察されなかった。
【表1】
【0060】
細胞機能アッセイは、アゴニストモードで実行された。EC50:最大有効濃度の半分。I.A.:固有活性。
【表2】
【0061】
各時点での2~3匹の動物の平均データ。化合物をWistar(100mg/kg)及びSprague Dawley(SD)ラット(10及び30mg/kg)に経口投与し、サンプル(血漿及び脳)を選択した時点で収集した。ND:脳内濃度が定量下限(5ng/g)を下回っているため、確定できなかった。
【表3】
【0062】
データは平均±SEM(n=9-10)として示される。1日目及び65/66日目(研究終了)に治療群間のBW差に応じて平均値を調整した。SEMは、統計モデルの残差から計算された。式Iの化合物、式IIの化合物、ダパグリフロジン及びビヒクルを、通常の飼料及びHFDを与えた動物に投与し、終了後にパラメータを評価した。データは、処理及びコーホートを因子として、1日目のBW及び最終枝肉重量を共変量としてANCOVAによって分析した(それぞれ1日目及び65/66日目のBWのデータ調整に使用)。治療群は、個別のウィリアムズ検定(化合物I及び化合物II)及び多重t検定(ダパグリフロジン)によってHFDビヒクルと比較され、統計的有意差は**(p<0.01)で示される。#(p=0.12)は、HFDビヒクルと比較して有意な傾向があることを意味する。
【表4】
【0063】
データは、調整済み平均±SEM(n=9-10)として示される。SEMは、統計モデルの残差から計算された。分析は、治療を因子とし、1日目のBWを共変量とするデータのロバスト回帰により実行された。別個のウィリアムズ検定(化合物I及び化合物II)及び多重t検定(ダパグリフロジン)によって、治療群をHFDビヒクルと比較し、統計的有意差は*(p<0.05)で示される。飼料ビヒクルとの比較は、多重t検定(HFDビヒクル及びダパグリフロジン群)及びダネット検定(化合物I及び化合物II)によって行われ、統計的有意差は†(p<0.05)及び††(p<0.01)で示される。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2022-12-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
肥満、糖尿病、非アルコール性脂肪肝疾患及び非アルコール性脂肪性肝炎を治療するための式Iのベンズイミダゾール化合物、又はその薬学的に許容される塩、結晶、水和物、溶媒和物、プロドラッグ若しくは代謝物。
【化1】
【請求項2】
肥満、糖尿病、非アルコール性脂肪肝疾患及び非アルコール性脂肪性肝炎を治療するための医薬組成物であって、
式Iのベンズイミダゾール化合物又はその薬学的に許容される塩、結晶、水和物、溶媒和物、プロドラッグ若しくは代謝物と、薬学的に許容される賦形剤とを含む、医薬組成物。
【化2】
【請求項3】
0.01-5000mgの式Iのベンズイミダゾール化合物を含む、請求項に記載の医薬組成物。
【請求項4】
式Iのベンズイミダゾール化合物の薬学的に許容される塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩を含む無機付加塩;酢酸塩、プロピオン酸塩、ヘキサン酸塩、ヘプタン酸塩、グリコール酸塩、ピルビン酸塩、乳酸塩、マロン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、メシル酸塩、アシスト酸塩、ベシル酸塩、トシル酸塩、キシナホ酸塩、安息香酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、桂皮酸塩、p-クロロベンゼンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、カンフルスルホン酸塩、酢酸トリメチル、酢酸t-ブチル、硫酸ラウリル、グルコン酸塩、グルタル酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、ムコン酸塩、マンデル酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸を含む有機付加塩;ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ビスマスを含む金属のアルカリ付加塩;ブロマイド;第一級、第二級又は第三級アミンの有機塩基との薬学的に許容される塩;アルギニン、リジン、ヒスチジンを含むアミノ酸との塩;カフェイン、プロカイン、ヒドロバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、テオブロミン、プリン、モルホリンとの塩から選択される、請求項2に記載の医薬組成物
【請求項5】
肥満、糖尿病、非アルコール性脂肪肝疾患及び非アルコール性脂肪性肝炎の治療方法であって、
式Iのベンズイミダゾール化合物、
【化3】
又はその薬学的に許容される塩、結晶、水和物、溶媒和物、プロドラッグ若しくは代謝物を用いる、方法。
【請求項6】
0.01-5000mgの式Iのベンズイミダゾール化合物を必要な患者に投与する、請求項に記載の方法。
【請求項7】
肥満、糖尿病、非アルコール性脂肪肝疾患及び非アルコール性脂肪性肝炎を治療するための医薬組成物の製造における式Iのベンズイミダゾール化合物、その薬学的に許容される塩、結晶、水和物、溶媒和物、プロドラッグ若しくは代謝物の使用。
【化4】
【国際調査報告】