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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-26
(54)【発明の名称】医薬組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/498 20060101AFI20230519BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20230519BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20230519BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20230519BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20230519BHJP
   A61P 17/04 20060101ALI20230519BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20230519BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20230519BHJP
   A61K 9/107 20060101ALI20230519BHJP
   A61K 47/06 20060101ALI20230519BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20230519BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20230519BHJP
   A61K 47/14 20170101ALI20230519BHJP
   A61K 47/24 20060101ALI20230519BHJP
【FI】
A61K31/498
A61P17/00
A61P29/00
A61P37/02
A61P17/06
A61P17/04
A61P37/08
A61K9/06
A61K9/107
A61K47/06
A61K47/10
A61K47/12
A61K47/14
A61K47/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022563012
(86)(22)【出願日】2021-04-16
(85)【翻訳文提出日】2022-12-19
(86)【国際出願番号】 CN2021087690
(87)【国際公開番号】W WO2021209025
(87)【国際公開日】2021-10-21
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2020/085241
(32)【優先日】2020-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521329442
【氏名又は名称】シェンチェン・ファーマシン・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100122644
【弁理士】
【氏名又は名称】寺地 拓己
(74)【代理人】
【識別番号】100220098
【弁理士】
【氏名又は名称】宮脇 薫
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ゼレン
(72)【発明者】
【氏名】シュ,ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ファリーナ,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】チェン,シュン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA06
4C076AA09
4C076AA17
4C076BB31
4C076CC07
4C076CC18
4C076DD09Q
4C076DD09R
4C076DD15N
4C076DD34E
4C076DD37E
4C076DD37Q
4C076DD37R
4C076DD39E
4C076DD41E
4C076DD41Q
4C076DD41R
4C076DD45Q
4C076DD45R
4C076DD68N
4C076EE23N
4C076FF15
4C076FF34
4C076FF36
4C076FF39
4C076FF63
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC51
4C086MA02
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA28
4C086MA63
4C086NA02
4C086NA03
4C086NA05
4C086NA11
4C086NA14
4C086ZA89
4C086ZB07
4C086ZB11
4C086ZB13
(57)【要約】
約4.0以上のオクタノール-水中におけるlogP計算値を有する活性医薬成分、少なくとも1つの可溶化剤、および任意選択で、少なくとも1つの角質層浸透促進剤を含む医薬組成物であって、局所投与用に製剤化することができる、医薬組成物が提供される。場合によっては、活性医薬成分はクロファジミンである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
局所医薬組成物であって、
(a)組成物の総重量の最大約2%の量で存在する化合物またはその薬学的に許容される塩であって、化合物は、式(I):
【化1】
(式中、
、RおよびRのそれぞれは、独立して、フェニル、クロロフェニル、低級アルキルフェニルおよび低級アルコキシフェニルからなる群から選択されるアリールラジカル;C~C12アルキル;C~Cシクロアルキル;またはC~C11ヘテロアルキルであり、アリール、アルキル、シクロアルキル、およびヘテロアルキルのそれぞれは、置換または非置換であり;
は、水素原子またはハロゲン原子を表し;
は、水素原子またはハロゲン原子を表す)
の構造を有する、化合物またはその薬学的に許容される塩;
ならびに
(b)少なくとも1つの可溶化剤
を含み、局所投与用に製剤化される、医薬組成物。
【請求項2】
化合物またはその薬学的に許容される塩が、少なくとも1つの可溶化剤に溶解している、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
局所医薬組成物であって、
(a)組成物の総重量の最大約10.0%の量で存在する化合物またはその薬学的に許容される塩であって、化合物は、式(I):
【化2】
(式中、
、RおよびRのそれぞれは、独立して、フェニル、クロロフェニル、低級アルキルフェニルおよび低級アルコキシフェニルからなる群から選択されるアリールラジカル;C~C12アルキル;C~Cシクロアルキル;またはC~C11ヘテロアルキルであり、アリール、アルキル、シクロアルキル、およびヘテロアルキルのそれぞれは、置換または非置換であり;
は、水素原子またはハロゲン原子を表し;
は、水素原子またはハロゲン原子を表す)
の構造を有する、化合物またはその薬学的に許容される塩;
ならびに
(b)少なくとも1つの可溶化剤
を含み、化合物またはその薬学的に許容される塩は、少なくとも1つの可溶化剤に溶解しており、医薬組成物は局所投与用に製剤化される、医薬組成物。
【請求項4】
製剤が、40℃および75%RHで6か月間保存された後、化合物またはその薬学的に許容される塩の初期量の約90~約110%w/wを保持する、請求項1から3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
製剤中の総不純物量が、40℃および75%RHで6か月間保存された後、化合物またはその薬学的に許容される塩の初期量に基づいて2%w/w以下である、請求項1から4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
が、フェニル、クロロフェニル、低級アルキルフェニル、または低級アルコキシフェニルである、請求項1から5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
が、フェニル、クロロフェニル、低級アルキルフェニル、または低級アルコキシフェニルである、請求項1から6のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
が、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、デシル、シクロヘキシル、またはシクロヘプチルラジカルである、請求項1から7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
が、エチル、n-プロピル、1-メチルエチル(i-プロピル)、n-ブチル、ヘプチル、1,3-ジメチルブチル、sec-ブチル、1,1-ジメチルエチル(t-ブチル)、3,5,5-トリメチルペンチル、n-ドデシル、n-デシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4-メチルシクロヘキシル、3,5-ジメチルシクロヘキシル、またはシクロヘプチルラジカルである、請求項1から7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
およびRのそれぞれが水素である、請求項1から9のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
化合物が、クロファジミン、2-(p-クロル-アニリノ)-3-シクロヘキシルイミノ-5-(p-クロロフェニル)-3,5-ジヒドロ-フェナジン、2-アニリノ-3-シクロヘキシルイミノ-5-フェニル-3,5-ジヒドロフェナジンである、請求項1から10のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
化合物またはその薬学的に許容される塩が、クロファジミンである、請求項1から11のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項13】
化合物またはその薬学的に許容される塩が、組成物の総重量の最大約1.5%の量で存在する、請求項1から12のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項14】
化合物またはその薬学的に許容される塩が、医薬組成物の総重量の最大約1%の量で存在する、請求項1から12のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項15】
化合物またはその薬学的に許容される塩が、医薬組成物の総重量の約0.005%から0.5%までの量で存在する、請求項1から12のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項16】
化合物またはその薬学的に許容される塩が、医薬組成物の総重量の約0.01%から約0.1%までの量で存在する、請求項1から12のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項17】
非水性である、請求項1から16のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項18】
局所医薬組成物であって、
(a)組成物の総重量の最大約10.0%の量で存在する活性医薬成分(API)またはその薬学的に許容される塩であって、活性医薬成分が、約4.0以上のオクタノール-水中におけるlogP計算値を有する、APIまたはその薬学的に許容される塩;および
(b)少なくとも1つの可溶化剤
を含み、APIまたはその薬学的に許容される塩は、少なくとも1つの可溶化剤に溶解しており、医薬組成物は局所投与用に製剤化される、医薬組成物。
【請求項19】
APIまたはその薬学的に許容される塩が、組成物の総重量の最大約1.5%の量で存在する、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項20】
APIまたはその薬学的に許容される塩が、医薬組成物の総重量の最大約1%の量で存在する、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項21】
APIまたはその薬学的に許容される塩が、医薬組成物の総重量の約0.005%から0.5%までの量で存在する、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項22】
APIまたはその薬学的に許容される塩が、医薬組成物の総重量の0.01%から0.1%までの量で存在する、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項23】
APIが、ヘスペレチン、ロルメタゼパム、ナリンゲニン、シンコニジン、アルプレノロール、プロプラノロール、ケトプロフェン、クロフィブル酸、ナプロキセン、ワルファリン、アピゲニン、ジアゼパム、キニーネ、クエチアピン、ロシグリタゾン、クロチアゼパム、トラマドール、フェンブフェン、クロルフェナミン、ピリラミン、ベンラファキシン、ブロムフェニラミン、ジフェンヒドラミン、クリシン、バルサルタン、ペンブトロール、ジルチアゼム、イブプロフェン、ブピバカイン、フルルビプロフェン、プロゲステロン、クロルジアゼポキシド、トラゾドン、ハロペリドール、グリメピリド、アビラテロン、インドメタシン、クロピドグレル、フルラゼパム、デュロキセチン、ノルトリプチリン、セレコキシブ、ニロチニブ、アトルバスタチン、マプロチリン、フルオキセチン、ジクロフェナク、アミトリプチリン、イミプラミン、ロラタジン、シプロヘプタジン、クロルプロマジン、セルトラリン、フルフェナム酸、ミコナゾールまたはリモナバンである、請求項18から22のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項24】
APIが、約4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、または7.5以上のオクタノール-水中におけるlogP計算値を有する、請求項18から22のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項25】
APIが、約4.0、4.5、5.0、5.5または6から約7、8、9もしくは10までの範囲内のオクタノール-水中におけるlogP計算値を有する、請求項18から22のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項26】
非水性である、請求項18から25のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項27】
少なくとも1つの可溶化剤が、以下:(i)飽和炭化水素またはそれらの混合物、(ii)少なくとも9個の炭素を有する脂肪アルコール、(iii)少なくとも9個の炭素を有する脂肪酸のうちの1つまたは複数を含む、請求項1から17のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項28】
少なくとも1つの可溶化剤が、以下:(i)石油ゼリー、(ii)少なくとも9個の炭素をそれぞれ独立して有する1つまたは複数のアルカン、(iii)少なくとも9個の炭素を有する脂肪アルコール、および(iv)少なくとも9個の炭素を有する脂肪酸のうちの1つまたは複数を含む、請求項1から17のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項29】
少なくとも1つの可溶化剤が、(i)石油ゼリー、(ii)少なくとも9個の炭素をそれぞれ独立して有する1つまたは複数のアルカン、または両方を含む、請求項1から17のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項30】
少なくとも1つの可溶化剤が、(i)石油ゼリー、(ii)少なくとも9個の炭素をそれぞれ独立して有する1つまたは複数のアルカン、および(iii)少なくとも9個の炭素を有する脂肪アルコールを含む、請求項1から17のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項31】
可溶化剤が、医薬組成物の総重量の約50%から約99.9%までの量で存在する、請求項1から30のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項32】
可溶化剤が、医薬組成物の総重量の約80%から約99.9%までの量で存在する、請求項1から30のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項33】
少なくとも1つの可溶化剤が石油ゼリーを含む、請求項1から30のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項34】
石油ゼリーが、医薬組成物の総重量の約20%から約99.9%までの量で存在する、請求項33に記載の医薬組成物。
【請求項35】
石油ゼリーが、医薬組成物の総重量の約70%から約95%までの量で存在する、請求項33に記載の医薬組成物。
【請求項36】
石油ゼリーが、医薬組成物の総重量の約80%から約90%までの量で存在する、請求項33に記載の医薬組成物。
【請求項37】
石油ゼリーが、医薬組成物の総重量の約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または約99.9%の量で存在する、請求項33に記載の医薬組成物。
【請求項38】
少なくとも1つの可溶化剤が、少なくとも9個の炭素をそれぞれ独立して有する1つまたは複数のアルカンを含む、請求項1から37のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項39】
1つまたは複数のアルカンが、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、イコサン、ヘンイコサン、ドコサン、トリコサン、テトラコサン、またはこれらの組合せを含み、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、イコサン、ヘンイコサン、ドコサン、トリコサン、およびテトラコサンのそれぞれは、独立して直鎖状または分岐鎖状である、請求項38に記載の医薬組成物。
【請求項40】
1つまたは複数のアルカンが、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、またはこれらの組合せを含み、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、およびヘキサデカンのそれぞれは、独立して直鎖状または分岐鎖状である、請求項38に記載の医薬組成物。
【請求項41】
1つまたは複数のアルカンが液体パラフィンである、請求項38に記載の医薬組成物。
【請求項42】
1つまたは複数のアルカンが、医薬組成物の総重量の約0.5%から約30%までの量で存在する、請求項38から41のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項43】
1つまたは複数のアルカンが、医薬組成物の総重量の約2%から約15%までの量で存在する、請求項38から41のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項44】
1つまたは複数のアルカンが、医薬組成物の総重量の約5%から約10%までの量で存在する、請求項38から41のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項45】
1つまたは複数のアルカンが、医薬組成物の総重量の約5%、約5.5%、約6%、約6.5%、約7%、約7.5%、約8%、約8.5%、約9%、約9.5%、または約10%の量で存在する、請求項38から41のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項46】
1つまたは複数のアルカンが、医薬組成物の総重量の約8%、約8.1%、約8.2%、約8.3%、約8.4%、約8.5%、約8.6%、約8.7%、約8.8%、約8.9%、または約9%の量で存在する、請求項38から41のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項47】
少なくとも1つの可溶化剤が、少なくとも9個の炭素を有する脂肪アルコールを含む、請求項1から46のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項48】
脂肪アルコールが、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、または34個の炭素を有するアルコールを含む、請求項47に記載の医薬組成物。
【請求項49】
脂肪アルコールが、12~24個の炭素を有するアルコールを含む、請求項47に記載の医薬組成物。
【請求項50】
脂肪アルコールが、完全飽和または部分飽和である、請求項47に記載の医薬組成物。
【請求項51】
脂肪アルコールが、ステアリルアルコールである、請求項47に記載の医薬組成物。
【請求項52】
脂肪アルコールが、医薬組成物の総重量の約0.1%から約15%までの量で存在する、請求項47から51のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項53】
脂肪アルコールが、医薬組成物の総重量の約1%から約10%までの量で存在する、請求項47から51のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項54】
脂肪アルコールが、医薬組成物の総重量の約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%、約5.5%、約6%、約6.5%、約7%、約7.5%、または約8%の量で存在する、請求項47から51のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項55】
少なくとも1つの可溶化剤が、少なくとも9個の炭素を有する脂肪酸を含む、請求項1から46のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項56】
脂肪酸が、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、または34個の炭素を含む、請求項55に記載の医薬組成物。
【請求項57】
少なくとも1つの可溶化剤が、医薬組成物の総重量の約20%から約99.9%までの量の石油ゼリーである、請求項1から30のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項58】
少なくとも1つの可溶化剤が、医薬組成物の総重量の約90%から約99.9%までの量の石油ゼリーを含む、請求項1から30のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項59】
少なくとも1つの可溶化剤が、
(i)医薬組成物の総重量の約20%から約99%までの量の石油ゼリー、
(ii)医薬組成物の総重量の約0.5%から約30%までの量の液体パラフィン、および
(iii)任意選択で、医薬組成物の総重量の約0.1%から約15%までの量のステアリルアルコール
を含む、請求項1から30のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項60】
化合物がクロファジミンであり、少なくとも1つの可溶化剤が、
(i)医薬組成物の総重量の約70%から約99%までの量の石油ゼリー、および
(ii)医薬組成物の総重量の約0.5%から約30%までの量の液体パラフィン
を含む、請求項1から17のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項61】
a.医薬組成物の総重量の約0.01%~0.1%の量のクロファジミン;
b.医薬組成物の総重量の約75%~85%の量のワセリン;
c.医薬組成物の総重量の約15%~25%の量の液体パラフィン
からなる、請求項1から17のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項62】
a.医薬組成物の総重量の約0.01%~0.1%の量のクロファジミン;
b.医薬組成物の総重量の約79%~80%の量のワセリン;および
c.医薬組成物の総重量の約20%の量の液体パラフィン、
からなる、請求項1から17のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項63】
角質層浸透促進剤を含む、請求項1から60のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項64】
角質層浸透促進剤が、ポリエトキシレート化ソルビタンモノオレエート、ラウロカプラム、リン脂質、エタノール、PEG化脂肪酸グリセリド、またはそれらの組合せである、請求項63に記載の医薬組成物。
【請求項65】
角質層浸透促進剤がレシチンである、請求項63に記載の医薬組成物。
【請求項66】
角質層浸透促進剤が、医薬組成物の総重量の約1%から約20%までの量で存在する、請求項63から65のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項67】
(a)活性医薬成分(API)またはその薬学的に許容される塩であって、活性医薬成分が、約4.0以上のオクタノール-水中におけるlogP計算値を有する、APIまたはその薬学的に許容される塩;および
(b)少なくとも1つの可溶化剤;および
(c)少なくとも1つの角質層浸透促進剤
を含む、医薬組成物。
【請求項68】
APIが、組成物の総重量の約0.01%~約10.0%を構成する、請求項67に記載の医薬組成物。
【請求項69】
APIのlogPが、約4.0から約10.0までである、請求項67または68に記載の医薬組成物。
【請求項70】
APIのlogPが、約7.0から約8.0までである、請求項67または68に記載の医薬組成物。
【請求項71】
APIが、ヘスペレチン、ロルメタゼパム、ナリンゲニン、シンコニジン、アルプレノロール、プロプラノロール、ケトプロフェン、クロフィブル酸、ナプロキセン、ワルファリン、アピゲニン、ジアゼパム、キニーネ、クエチアピン、ロシグリト ラウロカプラム(RosiglitLaurocapram)、クロチアゼパム、トラマドール、フェンブフェン、クロルフェナミン、ピリラミン、ベンラファキシン、ブロムフェニラミン、ジフェンヒドラミン、クリシン、バルサルタン、ペンブトロール、ジルチアゼム、イブプロフェン、ブピバカイン、フルルビプロフェン、プロゲステロン、クロルジアゼポキシド、トラゾドン、ハロペリドール、グリメピリド、アビラテロン、インドメタシン、クロピドグレル、フルラゼパム、デュロキセチン、ノルトリプチリン、セレコキシブ、ニロチニブ、アトルバスタチン、マプロチリン、フルオキセチン、ジクロフェナク、アミトリプチリン、イミプラミン、ロラタジン、シプロヘプタジン、クロルプロマジン、セルトラリン、フルフェナム酸、ミコナゾールまたはリモナバンである、請求項67または68に記載の医薬組成物。
【請求項72】
可溶化剤が、PEG400、アルコール、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリエーテル、エーテル、グリコールエーテル、オクチル/デシルモノおよびジグリセリド、PEG化脂肪酸グリセリド、脂肪酸、脂肪酸エステル、またはそれらの任意の組合せである、請求項67から71のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項73】
可溶化剤が、グリコールエーテル、任意選択で2-(2-エトキシエトキシ)エタノールである、請求項72に記載の医薬組成物。
【請求項74】
角質層浸透促進剤が、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ラウロカプラム、リン脂質、エタノール、PEG化脂肪酸グリセリド、またはそれらの組合せである、請求項67から73のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項75】
角質層浸透促進剤がリン脂質である、請求項74に記載の医薬組成物。
【請求項76】
リン脂質がレシチンの成分である、請求項75に記載の医薬組成物。
【請求項77】
レシチンが卵黄から単離される、請求項76に記載の医薬組成物。
【請求項78】
(a)クロファジミン、またはその薬学的に許容される塩;
(b)少なくとも1つの可溶化剤;および
(c)少なくとも1つの角質層浸透促進剤
を含む、医薬組成物。
【請求項79】
クロファジミンまたはその薬学的に許容される塩が、組成物の総重量の最大約5.0%を構成する、請求項78に記載の医薬組成物。
【請求項80】
クロファジミンまたはその薬学的に許容される塩が、組成物の総重量の約0.01%~約5.0%を構成する、請求項78に記載の医薬組成物。
【請求項81】
可溶化剤が、組成物の総重量の約1%~約60%を構成する、請求項78から80のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項82】
可溶化剤が、組成物の総重量の約15%~約25%を構成する、請求項78から80のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項83】
可溶化剤が、PEG400、アルコール、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリエーテル、エーテル、グリコールエーテル、オクチル/デシルモノおよびジグリセリド、PEG化脂肪酸グリセリド、脂肪酸、脂肪酸エステル、またはそれらの任意の組合せである、請求項78から82のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項84】
可溶化剤が、グリコールエーテルである、請求項83に記載の医薬組成物。
【請求項85】
グリコールエーテルが、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、2-プロポキシエタノール、2-イソプロポキシエタノール、2-ブトキシエタノール、2-フェノキシエタノール、2-ベンジルオキシエタノール、1-メトキシ-2-プロパノール、2-(2-メトキシエトキシ)エタノール、2-(2-エトキシエトキシ)エタノール、2-(2-プロポキシエトキシ)エタノール、2-(2-ブトキシエトキシ)エタノール、(2-メトキシエトキシ)メタノール、(2-エトキシエトキシ)メタノール、(2-プロポキシエトキシ)メタノール、または(2-ブトキシエトキシ)メタノールである、請求項84に記載の医薬組成物。
【請求項86】
グリコールエーテルが、2-(2-メトキシエトキシ)エタノール、2-(2-エトキシエトキシ)エタノール、2-(2-プロポキシエトキシ)エタノール、または2-(2-ブトキシエトキシ)エタノールである、請求項85に記載の医薬組成物。
【請求項87】
グリコールエーテルが2-(2-エトキシエトキシ)エタノールである、請求項86に記載の医薬組成物。
【請求項88】
グリコールエーテルが、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ジプロポキシエタン、またはジブトキシエタンである、請求項84に記載の医薬組成物。
【請求項89】
グリコールエーテルが、2-メトキシエチルアセテート、2-エトキシエチルアセテート、2-ブトキシエチルアセテート、または1-メトキシ-2-プロパノールアセテートである、請求項84に記載の医薬組成物。
【請求項90】
角質層浸透促進剤が、組成物の総重量の約1%~約30%を構成する、請求項78から89のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項91】
角質層浸透促進剤が、組成物の総重量の約2%~約8%を構成する、請求項78から89のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項92】
角質層浸透促進剤が、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ラウロカプラム、リン脂質、エタノール、PEG化脂肪酸グリセリド、またはそれらの組合せである、請求項78から91のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項93】
角質層浸透促進剤がリン脂質である、請求項92に記載の医薬組成物。
【請求項94】
リン脂質が、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン、プラズマローゲン、スフィンゴミエリン、レシチンまたはホスファチジン酸である、請求項93に記載の医薬組成物。
【請求項95】
リン脂質がレシチンの成分である、請求項94に記載の医薬組成物。
【請求項96】
レシチンが卵黄から単離される、請求項95に記載の医薬組成物。
【請求項97】
a)0.01~2重量%のクロファジミン、またはその薬学的に許容される塩;
b)5~50重量%の可溶化剤;および
c)1~20重量%の角質層経皮浸透促進剤
を含む、請求項78に記載の医薬組成物。
【請求項98】
a)クロファジミン、またはその薬学的に許容される塩は、組成物の総重量の約0.01%から約2.0%までの量で存在し;
b)可溶化剤は、2-(2-エトキシエトキシ)エタノールであり、組成物の総重量の約10%から約30%までの量で存在し;
c)角質層浸透促進剤は、レシチンであり、組成物の総重量の約2%から約19%までの量で存在する、請求項78に記載の医薬組成物。
【請求項99】
a)クロファジミン、またはその薬学的に許容される塩は、組成物の総重量の約0.1%から約0.5%までの量で存在し;
b)可溶化剤は、2-(2-エトキシエトキシ)エタノールであり、組成物の総重量の約15%から約25%までの量で存在し;
c)角質層浸透促進剤は、レシチンであり、組成物の総重量の約4%から約6%までの量で存在する、請求項78に記載の医薬組成物。
【請求項100】
a)クロファジミン、またはその薬学的に許容される塩は、組成物の総重量の約0.1%からの量で存在し;
b)可溶化剤は、2-(2-エトキシエトキシ)エタノールであり、組成物の総重量の約20%からの量で存在し;
c)角質層浸透促進剤は、レシチンであり、組成物の総重量の約5%からの量で存在する、請求項78に記載の医薬組成物。
【請求項101】
保存剤をさらに含む、請求項78から100のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項102】
保存剤が、安息香酸カルシウム、クロロブタノール、ニパギン(nipalgin)またはソルベートである、請求項101に記載の医薬組成物。
【請求項103】
局所投与用に製剤化された、請求項67から100のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項104】
製剤が、ゲルとして製剤化されている、請求項1から103のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項105】
製剤が、クリームとして製剤化されている、請求項1から103のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項106】
製剤が、軟膏として製剤化されている、請求項1から103のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項107】
約40℃および75%RHで6か月保存された場合、製剤のアッセイ値が、初期API量に基づいて、90%~110%w/wである、請求項1から106のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項108】
約25℃および60%RHで9か月保存された場合、製剤のアッセイ値が、初期API量に基づいて、90%~110%w/wである、請求項1から106のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項109】
約40℃および75%RHで6か月間保存された場合、製剤の総不純物量が、初期API量に基づいて、約2%w/w以下である、請求項1から108のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項110】
約25℃および60%RHで9か月間保存された場合、製剤の総不純物量が、初期API量に基づいて、約2%w/w以下である、請求項1から108のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項111】
請求項1から110のいずれか一項に記載の医薬組成物を投与するステップを含む、皮膚疾患を処置する方法。
【請求項112】
皮膚疾患が免疫炎症によって引き起こされる、請求項111に記載の方法。
【請求項113】
皮膚疾患が、乾癬、白斑、エリテマトーデス、慢性湿疹、アトピー性皮膚炎、皮膚炎または接触皮膚炎である、請求項112に記載の方法。
【請求項114】
皮膚疾患がアトピー性皮膚炎である、請求項112に記載の方法。
【請求項115】
皮膚疾患が尋常性乾癬である、請求項112に記載の方法。
【請求項116】
皮膚疾患を処置するための医薬の調製における、請求項1から110のいずれか一項に記載の医薬組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2020年4月17日出願のPCT出願番号PCT/CN2020/085241の利益を主張し、その全体がこれにより参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
[0002]クロファジミンなどの親油性活性医薬成分は、水性条件での溶解度が制限されている。したがって、親油性成分の吸着および生物学的利用能は、その溶解によって制限される可能性がある。親油性活性医薬成分の例としては、ヘスペレチン、ロルメタゼパム、ナリンゲニン、シンコニジン、アルプレノロール、プロプラノロール、ケトプロフェン、クロフィブル酸、クロファジミン、ナプロキセン、ワルファリン、アピゲニン、ジアゼパム、キニーネ、クエチアピン、ロシグリタゾン、クロチアゼパム、トラマドール、フェンブフェン、クロルフェナミン、ピリラミン、ベンラファキシン、ブロムフェニラミン、ジフェンヒドラミン、クリシン、バルサルタン、ペンブトロール、ジルチアゼム、イブプロフェン、ブピバカイン、フルルビプロフェン、プロゲステロン、クロルジアゼポキシド、トラゾドン、ハロペリドール、グリメピリド、アビラテロン、インドメタシン、クロピドグレル、フルラゼパム、デュロキセチン、ノルトリプチリン、セレコキシブ、ニロチニブ、アトルバスタチン、マプロチリン、フルオキセチン、ジクロフェナク、アミトリプチリン、イミプラミン、ロラタジン、シプロヘプタジン、クロルプロマジン、セルトラリン、フルフェナム酸、ミコナゾール、およびリモナバンが挙げられる。
【0003】
[0003]例示的な親油性成分のうちの1つは、クロファジミン、化学名N,5-ビス(4-クロロフェニル)-3-プロパン-2-イルイミノフェナジン-2-アミンである。クロファジミンは、脂溶性の赤レンガ色のフェナジン色素である。これは、抗マイコバクテリア活性を有する抗感染因子である。
2722Cl
分子量=473.40
pKa=8.37
LogP=7.48
水溶解度=0.225mg/L
(事実上不溶性である)
クロファジミン
経口投与されるクロファジミンは、(リファンピシンおよびダプソンと組み合わせて)ハンセン病の治療の第一選択であり、1~3年の処置後に高確率で最終的治癒をもたらす。クロファジミンは、1986年に米国での使用が承認され、2016年に撤回され、現在は国立ハンセン病プログラム(the National Hansen’s Disease Program)の後援の下でのみ入手可能である。Lampreneという商標名で市販されているクロファジミンは、50mgのソフトカプセルとして入手可能であり、これには、蜜蝋、ブチル化ヒドロキシトルエン、クエン酸、エチルバニリン、ゼラチン、グリセリン、酸化鉄、レシチン、p-メトキシアセトフェノン、パラベン、植物油、プロピレングリコールも含まれており、クロファジミンがミクロンサイズの粒子として分散している。FDAラベル情報によると、クロファジミンの吸収率は45~62%の範囲で変動する。経口投与後の食物の影響を観察すると、絶食状態と比較して摂食条件下では、ピーク血漿濃度(Tmax)に達するまでの時間が12時間から8時間に短縮された。処方指示によれば、Lampreneを食事と一緒に服用するということである。
【0004】
[0004]クロファジミンが作用する正確な機序は不明である。しかし、マイコバクテリアDNAに優先的に結合するため、DNA複製および細胞増殖が阻害される。また、細菌のホスホリパーゼA2の活性を高め、これにより有毒で細菌の増殖を阻害するリゾリン脂質の放出および蓄積が引き起こされる。
【0005】
[0005]クロファジミンの主な副作用には、皮膚の変色および疼痛を伴う胃腸障害、悪心ならびに下痢が含まれる。皮膚の変色は、クロファジミンの赤みがかったオレンジ色によるものであり、1か月を超えて処置を受けた患者の大部分において、皮膚および体液がピンクがかった茶色に変色する。薬物の使用を中止すると変色は消えていくが、数か月または数年続くことがある。クロファジミンの胃腸の副作用は重度であり、用量の変更または中止が必要になる場合がある。症状は、腸粘膜下組織におけるクロファジミン分子の結晶化によるものであるように見え;これらの結晶は、肝臓、リンパ節、脾臓にも見出される可能性がある。クロファジミン療法による肝障害の考えられる原因は不明であり、肝臓のマクロファージにおける薬物結晶の形成に関連している場合がある。クロファジミンの結晶は、長期治療を受けている患者の肝臓および脾臓に見出される可能性があるが、明らかな肝障害とは関連していないように見える。
【0006】
[0006]クロファジミンは、免疫抑制および抗炎症活性も示す。クロファジミンは、Kv1.3遮断剤である。KCNA3遺伝子は、Tリンパ球およびBリンパ球で発現するカリウム電位依存性チャネルKv1.3(またはKCNA3)タンパク質をコードし、Tリンパ球エフェクターメモリー(TEM)細胞の活性化および増殖に重要な役割を果たす。Kv1.3特異的遮断剤によるエフェクターメモリーT細胞の選択的抑制は、防御免疫応答を損なうことなく、多くの自己免疫疾患(例えば、多発性硬化症、関節リウマチ、1型糖尿病)に対処することができる。概念実証研究では、Kv1.3遮断剤によって、多発性硬化症、1型糖尿病、関節リウマチ、接触皮膚炎、および遅延型過敏症のラットモデルにおいて疾患を予防し、処置した。ヒト臨床研究では、クロファジミンによる慢性円板状エリテマトーデスの処置において、大多数の患者が寛解を示した。他の臨床研究では、乾癬、ミーシャ型肉芽腫性口唇炎などの他の自己免疫疾患の処置において、クロファジミンが有望であることが示されている。
【0007】
[0007]皮膚疾患の処置には、多くの場合、局所製剤が好まれる。しかし、人体の天然の保護層である皮膚の外層(角質層)は、薬物の浸透を著しく妨げる。上記のクロファジミンの治療上の成功にもかかわらず、局所製剤は利用可能ではない。クロファジミンは著しく疎水性であり、臨床使用のための局所製剤としての開発に課題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
[0008]したがって、局所投与用に製剤化されたクロファジミンを含む医薬組成物が必要とされている。より一般的には、例えば局所投与のための、親油性の高い活性医薬成分の改善された製剤が必要とされている。乾癬を含む皮膚疾患の処置、予防、重症度の軽減、発生率の低下、発症の遅延、または病因の軽減のための治療法を提供するアンメットニーズがある。
参照による組み込み
[0009]本明細書において言及されたすべての刊行物および特許出願は、各個々の刊行物または特許出願が、参照により組み込まれると具体的かつ個別に示されている場合と同様に、参照により本明細書に組み込まれる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
[0010]一態様では、親油性活性医薬成分、例えば表1のAPIを含む安定な局所製剤が本明細書に記載される。本明細書に記載の局所医薬製剤がAPIの化学的および物理的安定性を改善することが、本開示の発明者によって発見された。
【0010】
[0011]本明細書で提供されるのは、医薬組成物、および疾患の処置のために前記組成物を使用する方法である。一態様では、本明細書で提供されるのは、局所医薬組成物であって、(a)組成物の総重量の最大約2%の量で存在する活性医薬成分(API)またはその薬学的に許容される塩であって、活性医薬成分が、約4.0以上のオクタノール-水中におけるlogP計算値を有する、APIまたはその薬学的に許容される塩;および(b)少なくとも1つの可溶化剤を含み、局所投与用に製剤化される、医薬組成物である。一部の実施形態では、APIまたはその薬学的に許容される塩は、少なくとも1つの可溶化剤に溶解している。一態様では、本明細書で提供されるのは、局所医薬組成物であって、(a)組成物の総重量の最大約10.0%の量で存在する活性医薬成分(API)またはその薬学的に許容される塩であって、活性医薬成分が、約4.0以上のオクタノール-水中におけるlogP計算値を有する、APIまたはその薬学的に許容される塩;および(b)少なくとも1つの可溶化剤を含み、APIまたはその薬学的に許容される塩は、少なくとも1つの可溶化剤に溶解しており、局所投与用に製剤化される、医薬組成物である。一部の実施形態では、APIまたはその薬学的に許容される塩は、組成物の総重量の最大約5%または2%の量で存在する。一部の実施形態では、APIまたはその薬学的に許容される塩は、組成物の総重量の最大約1.5%の量で存在する。一部の実施形態では、APIまたはその薬学的に許容される塩は、組成物の総重量の最大約1%の量で存在する。一部の実施形態では、APIまたはその薬学的に許容される塩は、医薬組成物の総重量の約0.001%から約1%までの量で存在する。一部の実施形態では、APIまたはその薬学的に許容される塩は、医薬組成物の総重量の約0.01%から約0.1%までの量で存在する。一部の実施形態では、APIまたはその薬学的に許容される塩は、医薬組成物の総重量の約0.01%から約1%までの量で存在する。一部の実施形態では、APIまたはその薬学的に許容される塩は、医薬組成物の総重量の約0.005%から約0.5%までの量で存在する。一部の実施形態では、APIまたはその薬学的に許容される塩は、医薬組成物の総重量の約0.05%から約0.5%までの量で存在する。一部の実施形態では、APIまたはその薬学的に許容される塩は、医薬組成物の総重量の約0.1%から約0.2%までの量で存在する。一部の実施形態では、APIまたはその薬学的に許容される塩は、医薬組成物の総重量の約0.1%から約0.5%までの量で存在する。一部の実施形態では、APIは、ヘスペレチン、ロルメタゼパム、ナリンゲニン、シンコニジン、アルプレノロール、プロプラノロール、ケトプロフェン、クロフィブル酸、ナプロキセン、ワルファリン、アピゲニン、ジアゼパム、キニーネ、クエチアピン、ロシグリタゾン、クロチアゼパム、トラマドール、フェンブフェン、クロルフェナミン、ピリラミン、ベンラファキシン、ブロムフェニラミン、ジフェンヒドラミン、クリシン、バルサルタン、ペンブトロール、ジルチアゼム、イブプロフェン、ブピバカイン、フルルビプロフェン、プロゲステロン、クロルジアゼポキシド、トラゾドン、ハロペリドール、グリメピリド、アビラテロン、インドメタシン、クロピドグレル、フルラゼパム、デュロキセチン、ノルトリプチリン、セレコキシブ、ニロチニブ、アトルバスタチン、マプロチリン、フルオキセチン、ジクロフェナク、アミトリプチリン、イミプラミン、ロラタジン、シプロヘプタジン、クロルプロマジン、セルトラリン、フルフェナム酸、ミコナゾールまたはリモナバンである。一部の実施形態では、APIは、約4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、または7.5以上のオクタノール-水中におけるlogP計算値を有する。一部の実施形態では、APIは、約4.0、4.5、5.0、5.5または6から約7、8、9もしくは10までの範囲内のオクタノール-水中におけるlogP計算値を有する。一部の実施形態では、医薬組成物は、非水性である。一態様では、本明細書で提供されるのは、局所医薬組成物であって、(a)組成物の総重量の最大約2%の量で存在する化合物またはその薬学的に許容される塩であって、化合物は、式(I):
【0011】
【化1】
【0012】
(式中、
、RおよびRのそれぞれは、独立して、フェニル、クロロフェニル、低級アルキルフェニルおよび低級アルコキシフェニルからなる群から選択されるアリールラジカル;C~C12アルキル;C~Cシクロアルキル;またはC~C11ヘテロアルキルであり、アリール、アルキル、シクロアルキル、およびヘテロアルキルのそれぞれは、置換または非置換であり;
は、水素原子またはハロゲン原子を表し;
は、水素原子またはハロゲン原子を表す)
の構造を有する、化合物またはその薬学的に許容される塩;
ならびに
(b)少なくとも1つの可溶化剤
を含み、局所投与用に製剤化される、医薬組成物である。
【0013】
一部の実施形態では、化合物またはその薬学的に許容される塩は、少なくとも1つの可溶化剤に溶解している。一態様では、本明細書で提供されるのは、局所医薬組成物であって、(a)組成物の総重量の最大約10.0%の量で存在する化合物またはその薬学的に許容される塩であって、化合物は、式(I):
【0014】
【化2】
【0015】
(式中、
、RおよびRのそれぞれは、独立して、フェニル、クロロフェニル、低級アルキルフェニルおよび低級アルコキシフェニルからなる群から選択されるアリールラジカル;C~C12アルキル;C~Cシクロアルキル;またはC~C11ヘテロアルキルであり、アリール、アルキル、シクロアルキル、およびヘテロアルキルのそれぞれは、置換または非置換であり;
は、水素原子またはハロゲン原子を表し;
は、水素原子またはハロゲン原子を表す)
の構造を有する、化合物またはその薬学的に許容される塩;
ならびに
(b)少なくとも1つの可溶化剤
を含み、化合物またはその薬学的に許容される塩は、少なくとも1つの可溶化剤に溶解しており、医薬組成物は局所投与用に製剤化される、医薬組成物である。一部の実施形態では、Rは、フェニル、クロロフェニル、低級アルキルフェニル、または低級アルコキシフェニルである。一部の実施形態では、Rは、フェニル、クロロフェニル、低級アルキルフェニル、または低級アルコキシフェニルである。一部の実施形態では、Rは、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、デシル、シクロヘキシル、またはシクロヘプチルラジカルである。一部の実施形態では、Rは、エチル、n-プロピル、1-メチルエチル(i-プロピル)、n-ブチル、ヘプチル、1,3-ジメチルブチル、sec-ブチル、1,1-ジメチルエチル(t-ブチル)、3,5,5-トリメチルペンチル、n-ドデシル、n-デシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4-メチルシクロヘキシル、3,5-ジメチルシクロヘキシル、またはシクロヘプチルラジカルである。一部の実施形態では、RおよびRのそれぞれは、水素である。一部の実施形態では、化合物は、クロファジミン、2-(p-クロル-アニリノ)-3-シクロヘキシルイミノ-5-(p-クロロフェニル)-3,5-ジヒドロ-フェナジン、2-アニリノ-3-シクロヘキシルイミノ-5-フェニル-3,5-ジヒドロフェナジンである。一部の実施形態では、化合物またはその薬学的に許容される塩は、クロファジミンである。一部の実施形態では、化合物またはその薬学的に許容される塩は、組成物の総重量の最大約1.5%の量で存在する。一部の実施形態では、化合物またはその薬学的に許容される塩は、組成物の総重量の最大約1%の量で存在する。一部の実施形態では、化合物またはその薬学的に許容される塩は、医薬組成物の総重量の約0.001%から約1%までの量で存在する。一部の実施形態では、化合物またはその薬学的に許容される塩は、医薬組成物の総重量の約0.01%から約1%までの量で存在する。一部の実施形態では、化合物またはその薬学的に許容される塩は、医薬組成物の総重量の約0.01%から約0.1%までの量で存在する。一部の実施形態では、化合物またはその薬学的に許容される塩は、医薬組成物の総重量の約0.1%から約0.5%までの量で存在する。一部の実施形態では、医薬組成物は、非水性である。一部の実施形態では、少なくとも1つの可溶化剤が、以下:(i)飽和炭化水素またはそれらの混合物、(ii)少なくとも9個の炭素を有する脂肪アルコール、(iii)少なくとも9個の炭素を有する脂肪酸のうちの1つまたは複数を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの可溶化剤は、飽和炭化水素またはそれらの混合物を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの可溶化剤は、以下:(i)石油ゼリー、(ii)少なくとも9個の炭素をそれぞれ独立して有する1つまたは複数のアルカン、(iii)少なくとも9個の炭素を有する脂肪アルコール、および(iv)少なくとも9個の炭素を有する脂肪酸のうちの1つまたは複数を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの可溶化剤は、(i)石油ゼリー、(ii)少なくとも9個の炭素をそれぞれ独立して有する1つまたは複数のアルカン、および(iii)少なくとも9個の炭素を有する脂肪アルコールを含む。一部の実施形態では、可溶化剤は、医薬組成物の総重量の約50%から約99%までの量で存在する。一部の実施形態では、可溶化剤は、医薬組成物の総重量の約80%から約99%までの量で存在する。一部の実施形態では、可溶化剤は、医薬組成物の総重量の約80%から約99.9%までの量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの可溶化剤は、石油ゼリーを含む。一部の実施形態では、石油ゼリーは、医薬組成物の総重量の約20%から約99%までの量で存在する。一部の実施形態では、石油ゼリーは、医薬組成物の総重量の約20%から約99.9%までの量で存在する。一部の実施形態では、石油ゼリーは、医薬組成物の総重量の約70%から約95%までの量で存在する。一部の実施形態では、石油ゼリーは、医薬組成物の総重量の約80%から約90%までの量で存在する。一部の実施形態では、石油ゼリーは、医薬組成物の総重量の約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または約99.9%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの可溶化剤は、少なくとも9個の炭素をそれぞれ独立して有する1つまたは複数のアルカンを含む。一部の実施形態では、1つまたは複数のアルカンは、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、イコサン、ヘンイコサン、ドコサン、トリコサン、テトラコサン、またはこれらの組合せを含み、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、イコサン、ヘンイコサン、ドコサン、トリコサン、およびテトラコサンのそれぞれは、独立して直鎖状または分岐鎖状である。一部の実施形態では、1つまたは複数のアルカンは、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、またはこれらの組合せを含み、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、およびヘキサデカンのそれぞれは、独立して直鎖状または分岐鎖状である。一部の実施形態では、1つまたは複数のアルカンは、液体パラフィンである。一部の実施形態では、1つまたは複数のアルカンは、医薬組成物の総重量の約0.5%から約30%までの量で存在する。一部の実施形態では、1つまたは複数のアルカンは、医薬組成物の総重量の約2%から約15%までの量で存在する。一部の実施形態では、1つまたは複数のアルカンは、医薬組成物の総重量の約5%から約10%までの量で存在する。一部の実施形態では、1つまたは複数のアルカンは、医薬組成物の総重量の約5%、約5.5%、約6%、約6.5%、約7%、約7.5%、約8%、約8.5%、約9%、約9.5%、または約10%の量で存在する。一部の実施形態では、1つまたは複数のアルカンは、医薬組成物の総重量の約8%、約8.1%、約8.2%、約8.3%、約8.4%、約8.5%、約8.6%、約8.7%、約8.8%、約8.9%、または約9%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの可溶化剤は、少なくとも9個の炭素を有する脂肪アルコールを含む。一部の実施形態では、脂肪アルコールは、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、または34個の炭素を有するアルコールを含む。一部の実施形態では、脂肪アルコールは、12~24個の炭素を有するアルコールを含む。一部の実施形態では、脂肪アルコールは、完全飽和または部分飽和である。一部の実施形態では、脂肪アルコールは、ステアリルアルコールである。一部の実施形態では、脂肪アルコールは、医薬組成物の総重量の約0.1%から約15%までの量で存在する。一部の実施形態では、脂肪アルコールは、医薬組成物の総重量の約1%から約10%までの量で存在する。一部の実施形態では、脂肪アルコールは、医薬組成物の総重量の約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%、約5.5%、約6%、約6.5%、約7%、約7.5%、または約8%の量で存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの可溶化剤は、少なくとも9個の炭素を有する脂肪酸を含む。一部の実施形態では、脂肪酸は、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、または34個の炭素を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの可溶化剤は、(i)医薬組成物の総重量の約20%から約99%までの量の石油ゼリー、(ii)医薬組成物の総重量の約0.5%から約30%までの量の液体パラフィン、および(iii)任意選択で、医薬組成物の総重量の約0.1%から約15%までの量のステアリルアルコールを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの可溶化剤は、医薬組成物の総重量の約20%から約99.9%までの量の石油ゼリーを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの可溶化剤は、医薬組成物の総重量の約20%から約99.9%までの量の石油ゼリーを含む。一部の実施形態では、化合物は、クロファジミンであり、少なくとも1つの可溶化剤は、(i)医薬組成物の総重量の約70%から約99%までの量の石油ゼリー、および(ii)医薬組成物の総重量の約0.5%から約30%までの量の液体パラフィンを含む。一部の実施形態では、化合物は、クロファジミンであり、少なくとも1つの可溶化剤は、(i)医薬組成物の総重量の約70%から約99.9%までの量の石油ゼリー、および(ii)任意選択で、記医薬組成物の総重量の約0.5%から約30%までの量の液体パラフィンを含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、角質層浸透促進剤を含む。一部の実施形態では、角質層浸透促進剤は、ポリエトキシレート化ソルビタンモノオレエート、ラウロカプラム、リン脂質、エタノール、PEG化脂肪酸グリセリド、またはそれらの組合せである。一部の実施形態では、角質層浸透促進剤は、レシチンである。一部の実施形態では、角質層浸透促進剤は、医薬組成物の総重量の約1%から約20%までの量で存在する。一部の実施形態では、医薬組成物は、クリームとして製剤化されている。一部の実施形態では、医薬組成物はゲルとして製剤化されている。一部の実施形態では、本明細書に記載の製剤は、安定な製剤である。一部の実施形態では、製剤は、40℃および75%RHで6か月間保存された後、化合物またはその薬学的に許容される塩の初期量の約90~約110%w/wを保持する。一部の実施形態では、製剤は、25℃および60%RHで9か月間保存された後、化合物またはその薬学的に許容される塩の初期量の約90~約110%w/wを保持する。一部の実施形態では、製剤は、25℃または40℃で1か月、2か月、3か月、6か月、9か月、12か月、18か月、または24か月間間保存された後、化合物またはその薬学的に許容される塩の初期量の約90~約110%w/wを保持する。一部の実施形態では、製剤は、25℃または40℃で1か月、2か月、3か月、6か月、9か月、12か月、18か月、または24か月間間保存された後、化合物またはその薬学的に許容される塩の初期量の約95~約105%w/wを保持する。
【0016】
[0012]一部の実施形態では、本明細書で提供される医薬組成物は、ゲルである。一部の実施形態では、本明細書で提供される医薬組成物は、クリームである。一部の実施形態では、本明細書で提供される医薬組成物は、局所投与用である。
【0017】
[0013]本明細書でさらに提供されるのは、活性医薬成分(API)またはその薬学的に許容される塩であって、活性医薬成分が、約4.0以上のオクタノール-水中におけるlogP計算値を有する、APIまたはその薬学的に許容される塩;少なくとも1つの可溶化剤;および任意選択で、少なくとも1つの角質層浸透促進剤を含み、局所投与用に製剤化することができる、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIが、組成物の総重量の最大約10.0%を構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIが、組成物の総重量の最大約5.0%を構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIが、組成物の総重量の最大約1.0%を構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIが、組成物の総重量の最大約0.75%を構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIが、組成物の総重量の最大約0.5%を構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIが、組成物の総重量の最大約0.25%を構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIが、組成物の総重量の最大約0.1%を構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIが、組成物の総重量の約0.001%から約10.0%までを構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIが、組成物の総重量の約0.01%から約5.0%までを構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIが、組成物の総重量の約0.01%から約2.5%までを構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIが、組成物の総重量の約0.01%から約1.0%までを構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIが、組成物の総重量の約0.01%から約0.1%までを構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIが、組成物の総重量の約0.05%から約1.0%までを構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIが、組成物の総重量の約0.1%から約0.5%までを構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIのlogPが、約3.0超である、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIのlogPが、約3.5超である、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIのlogPが、約4.0超である、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIのlogPが、約4.5超である、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIのlogPが、約5.5超である、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIのlogPが、約6.0超である、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIのlogPが、約6.5超である、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIのlogPが、約7.0超である、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIのlogPが、約7.5超である、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIのlogPが、約4.0から約10.0までである、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIのlogPが、約5.0から約9.0までである、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIのlogPが、約6.0から約8.5までである、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIのlogPが、約6.5から約8.0までである、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIのlogPが、約7.0から約8.0までである、医薬組成物である。一部の実施形態では、APIは、ヘスペレチン、ロルメタゼパム、ナリンゲニン、シンコニジン、アルプレノロール、プロプラノロール、ケトプロフェン、クロフィブル酸、ナプロキセン、ワルファリン、アピゲニン、ジアゼパム、キニーネ、クエチアピン、ロシグリタゾン、クロチアゼパム、トラマドール、フェンブフェン、クロルフェナミン、ピリラミン、ベンラファキシン、ブロムフェニラミン、ジフェンヒドラミン、クリシン、バルサルタン、ペンブトロール、ジルチアゼム、イブプロフェン、ブピバカイン、フルルビプロフェン、プロゲステロン、クロルジアゼポキシド、トラゾドン、ハロペリドール、グリメピリド、アビラテロン、インドメタシン、クロピドグレル、フルラゼパム、デュロキセチン、ノルトリプチリン、セレコキシブ、ニロチニブ、アトルバスタチン、マプロチリン、フルオキセチン、ジクロフェナク、アミトリプチリン、イミプラミン、ロラタジン、シプロヘプタジン、クロルプロマジン、セルトラリン、フルフェナム酸、ミコナゾールまたはリモナバンである。本明細書でさらに提供されるのは、可溶化剤が、PEG400、アルコール、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリエーテル、エーテル、グリコールエーテル、オクチル/デシルモノおよびジグリセリド、PEG化脂肪酸グリセリド、脂肪酸、脂肪酸エステル、またはそれらの任意の組合せである、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、可溶化剤が、1つまたは複数のグリコールエーテルである、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、可溶化剤が、グリコールエーテルである、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、可溶化剤が、2-(2-エトキシエトキシ)エタノールである、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、可溶化剤が、Transcutolである、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、レシチン、エタノール、オクタノール、オレイン酸、SDS、DMSO、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(例えば、Tween(登録商標)の商標で販売)、例としてポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエートおよびポリオキシエチレン(80)ソルビタンモノオレエート、ラウロカプラム、リン脂質、ペグ化脂肪酸グリセリド、またはそれらの組合せである、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、角質層浸透促進剤がリン脂質である、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、角質層浸透促進剤がレシチンである、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、角質層浸透促進剤が、卵黄から単離されたレシチンである、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、角質層浸透促進剤が、大豆から単離されたレシチンである、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、角質層浸透促進剤がホスファチジルコリンを含む、医薬組成物である。
【0018】
[0014]本明細書でさらに提供されるのは、クロファジミン、またはその薬学的に許容される塩;少なくとも1つの可溶化剤;および任意選択で、少なくとも1つの角質層浸透促進剤を含み、局所投与用に製剤化することができる、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、クロファジミンまたはその薬学的に許容される塩が、組成物の総重量の最大約5.0%を構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、クロファジミンまたはその薬学的に許容される塩が、組成物の総重量の最大約1.0%を構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、クロファジミンまたはその薬学的に許容される塩が、組成物の総重量の最大約0.75%を構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、クロファジミンまたはその薬学的に許容される塩が、組成物の総重量の最大約0.5%を構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、クロファジミンまたはその薬学的に許容される塩が、組成物の総重量の最大約0.25%を構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、クロファジミンまたはその薬学的に許容される塩が、組成物の総重量の最大約0.1%を構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、クロファジミンまたはその薬学的に許容される塩が、組成物の総重量の約0.01%~約5.0%を構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、クロファジミンまたはその薬学的に許容される塩が、組成物の総重量の約0.01%~約2.5%を構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、クロファジミンまたはその薬学的に許容される塩が、組成物の総重量の約0.01%~約0.1%を構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、クロファジミンまたはその薬学的に許容される塩が、組成物の総重量の約0.01%~約1.0%を構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、クロファジミンまたはその薬学的に許容される塩が、組成物の総重量の約0.05%~約1.0%を構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、クロファジミンまたはその薬学的に許容される塩が、組成物の総重量の約0.1%~約0.5%を構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、可溶化剤が組成物の総重量の最大約60%を構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、可溶化剤が組成物の総重量の最大約50%を構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、可溶化剤が組成物の総重量の最大約40%を構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、可溶化剤が組成物の総重量の最大約35%を構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、可溶化剤が組成物の総重量の最大約30%を構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、可溶化剤が組成物の総重量の最大約25%を構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、可溶化剤が組成物の総重量の最大約20%を構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、可溶化剤が組成物の総重量の約1%から約60%までを構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、可溶化剤が組成物の総重量の約5%から約50%までを構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、可溶化剤が組成物の総重量の約5%から約35%までを構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、可溶化剤が組成物の総重量の約10%から約40%までを構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、可溶化剤が組成物の総重量の約10%から約30%までを構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、可溶化剤が組成物の総重量の約15%から約25%までを構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、可溶化剤が、PEG400、アルコール、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、エーテル、ポリエーテル、グリコールエーテル、オクチルモノジグリセリド、デシルモノジグリセリド、オクチル/デシルジグリセリド、ペグ化脂肪酸グリセリド、脂肪酸、脂肪酸エステル、またはそれらの任意の組合せである、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、可溶化剤が、グリコールエーテルである、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、可溶化剤が、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、2-プロポキシエタノール、2-イソプロポキシエタノール、2-ブトキシエタノール、2-フェノキシエタノール、2-ベンジルオキシエタノール、1-メトキシ-2-プロパノール、2-(2-メトキシエトキシ)エタノール、2-(2-エトキシエトキシ)エタノール、2-(2-プロポキシエトキシ)エタノール、2-(2-ブトキシエトキシ)エタノール、(2-メトキシエトキシ)メタノール、(2-エトキシエトキシ)メタノール、(2-プロポキシエトキシ)メタノール、または(2-ブトキシエトキシ)メタノールである、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、可溶化剤が、2-(2-メトキシエトキシ)エタノール、2-(2-エトキシエトキシ)エタノール、2-(2-プロポキシエトキシ)エタノール、または2-(2-ブトキシエトキシ)エタノールである、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、可溶化剤が、2-(2-メトキシエトキシ)エタノールである、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、可溶化剤が、2-(2-エトキシエトキシ)エタノールである、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、可溶化剤が、2-(2-プロポキシエトキシ)エタノールである、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、可溶化剤が、2-(2-ブトキシエトキシ)エタノールである、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、可溶化剤が、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ジプロポキシエタン、またはジブトキシエタンである、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、可溶化剤が、2-メトキシエチルアセテート、2-エトキシエチルアセテート、2-ブトキシエチルアセテート、または1-メトキシ-2-プロパノールアセテートである、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、角質層浸透促進剤が組成物の総重量の最大約30%を構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、角質層浸透促進剤が組成物の総重量の最大約20%を構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、角質層浸透促進剤が組成物の総重量の最大約15%を構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、角質層浸透促進剤が組成物の総重量の最大約10%を構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、角質層浸透促進剤が組成物の総重量の最大約5%を構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、角質層浸透促進剤が組成物の総重量の最大約4%を構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、角質層浸透促進剤が組成物の総重量の最大約3%を構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、角質層浸透促進剤が組成物の総重量の最大約2%を構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、角質層浸透促進剤が組成物の総重量の最大約1%を構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、角質層浸透促進剤が組成物の総重量の約1%から約30%までを構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、角質層浸透促進剤が組成物の総重量の約1%から約20%までを構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、角質層浸透促進剤が組成物の総重量の約2%から約19%までを構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、角質層浸透促進剤が組成物の総重量の約1%から約15%までを構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、角質層浸透促進剤が組成物の総重量の約1%から約10%までを構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、角質層浸透促進剤が組成物の総重量の約2%から約8%までを構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、角質層浸透促進剤が組成物の総重量の約3%から約7%までを構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、角質層浸透促進剤が組成物の総重量の約4%から約6%までを構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(例えば、Tween(登録商標)の商標で販売されている)、ラウロカプラム、リン脂質、エタノール、ペグ化脂肪酸グリセリド、またはそれらの組合せである、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、角質層浸透促進剤がリン脂質である、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、角質層浸透促進剤が、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン、プラズマローゲン、スフィンゴミエリン、レシチンまたはホスファチジン酸である、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、角質層浸透促進剤がレシチンである、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、角質層浸透促進剤が、卵黄から単離されたレシチンである、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、角質層浸透促進剤が、大豆から単離されたレシチンである、医薬組成物である。
【0019】
[0015]本明細書でさらに提供されるのは、約0.001重量%から約2重量%までのクロファジミン、またはその薬学的に許容される塩;約5から約50重量%までの可溶化剤;および約1から約20重量%までの角質層浸透促進剤を含む医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、約0.01重量%から約2重量%までのクロファジミン、またはその薬学的に許容される塩;約5重量%から約50重量%までの可溶化剤;および約1重量%から約20重量%までの角質層浸透促進剤を含む医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、組成物の総重量の約0.01%から約2.0%までの量で存在するクロファジミン、またはその薬学的に許容される塩;組成物の総重量の約10%から約30%までの量で存在する2-(2-エトキシエトキシ)エタノール;および組成物の総重量の約2%から約19%までの量で存在するレシチンを含む医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、組成物の総重量の約0.1%から約0.5%までの量で存在するクロファジミン、またはその薬学的に許容される塩;組成物の総重量の約15%から約25%までの量で存在する2-(2-エトキシエトキシ)エタノール;および組成物の総重量の約4%から約6%までの量で存在するレシチンを含む医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、組成物の総重量の約0.1%の量で存在するクロファジミン、またはその薬学的に許容される塩;組成物の総重量の約20%の量で存在する2-(2-エトキシエトキシ)エタノール;および組成物の総重量の約5%の量で存在するレシチンを含む医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、活性医薬成分またはその薬学的に許容される塩であって、活性医薬成分が、4.0以上のオクタノール-水中におけるlogP計算値を有する、活性医薬成分またはその薬学的に許容される塩;2-(2-エトキシエトキシ)エタノール;およびレシチンを含み、局所投与用に製剤化することができる、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIが、組成物の総重量の最大約10.0%を構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIが、組成物の総重量の最大約5.0%を構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIが、組成物の総重量の最大約1.0%を構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIが、組成物の総重量の最大約0.75%を構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIが、組成物の総重量の最大約0.5%を構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIが、組成物の総重量の最大約0.25%を構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIが、組成物の総重量の最大約0.1%を構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIが、組成物の総重量の約0.01%から約10.0%までを構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIが、組成物の総重量の約0.01%から約5.0%までを構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIが、組成物の総重量の約0.01%から約2.5%までを構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIが、組成物の総重量の約0.01%から約1.0%までを構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIが、組成物の総重量の約0.05%から約1.0%までを構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIが、組成物の総重量の約0.1%から約0.5%までを構成する、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIのlogPが、約2.5超である、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIのlogPが、約3.0超である、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIのlogPが、約3.5超である、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIのlogPが、約4.0超である、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIのlogPが、約4.5超である、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIのlogPが、約5.5超である、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIのlogPが、約6.0超である、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIのlogPが、約6.5超である、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIのlogPが、約7.0超である、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIのlogPが、約7.5超である、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIのlogPが、約4.0から約10.0までである、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIのlogPが、約5.0から約9.0までである、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIのlogPが、約6.0から約8.5までである、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIのlogPが、約6.5から約8.0までである、医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、APIのlogPが、約7.0から約8.0までである、医薬組成物である。
【0020】
[0016]本明細書でさらに提供されるのは、組成物の総重量の約0.01%から約2.0%までの量で存在するAPI、またはその薬学的に許容される塩;組成物の総重量の約5%から約50%までの量で存在する可溶化剤;および組成物の総重量の約1%から約20%までの量で存在する角質層浸透促進剤を含む医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、組成物の総重量の約0.01%から約2.0%までの量で存在するAPI、またはその薬学的に許容される塩;組成物の総重量の約10%から約30%までの量で存在する2-(2-エトキシエトキシ)エタノール;および組成物の総重量の約2%から約19%までの量で存在するレシチンを含む医薬組成物である。本明細書でさらに提供されるのは、組成物の総重量の約0.1%から約0.5%までの量で存在するAPI、またはその薬学的に許容される塩;組成物の総重量の約15%から約25%までの量で存在する2-(2-エトキシエトキシ)エタノール;および組成物の総重量の約4%から約6%までの量で存在するレシチンを含む医薬組成物である。
【0021】
[0017]一部の実施形態では、本明細書に記載の製剤は、安定な製剤である。一部の実施形態では、製剤は、40℃および75%RHで6か月間保存された後、化合物またはその薬学的に許容される塩の初期量の約90~約110%w/wを保持する。一部の実施形態では、製剤中の総不純物量は、40℃および75%RHで6か月間保存された後、化合物またはその薬学的に許容される塩の初期量に基づいて2%w/w以下である。一部の実施形態では、約40℃および75%RHで6か月保存された場合、製剤のアッセイ値は、初期API量に基づいて、90%~110%w/wである。一部の実施形態では、約25℃および60%RHで9か月保存された場合、製剤のアッセイ値は、初期API量に基づいて、90%~110%w/wである。一部の実施形態では、約40℃および75%RHで6か月間保存された場合、製剤の総不純物量は、初期API量に基づいて、約2%w/w以下である。一部の実施形態では、約25℃および60%RHで9か月間保存された場合、製剤の総不純物量は、初期API量に基づいて、約2%w/w以下である。一部の実施形態では、本明細書に記載の製剤の組成物は、60℃で3日間保持された場合、2%未満ほど分解する。一部の実施形態では、本明細書に記載の製剤の組成物は、60℃で3日間保持された場合、1%未満ほど分解する。一部の実施形態では、本明細書に記載の製剤の組成物は、60℃で3日間保持された場合、0.5%未満ほど分解する。一部の実施形態では、本明細書に記載の製剤の組成物は、23℃で9か月間保持された場合、1%未満ほど分解する。一部の実施形態では、本明細書に記載の製剤の組成物は、23℃で9か月間保持された場合、0.5%未満ほど分解する。一部の実施形態では、本明細書に記載の製剤の組成物は、23℃で9か月間保持された場合、0.2%未満ほど分解する。
【0022】
[0018]本明細書でさらに提供されるのは、保存剤をさらに含む、医薬組成物である。一部の実施形態では、保存剤は、安息香酸カルシウム、クロロブタノール、ニパギン(nipalgin)またはソルベートである。一部の実施形態では、保存剤は、安息香酸カルシウムである。一部の実施形態では、保存剤は、クロロブタノールである。一部の実施形態では、保存剤は、ニパギン(nipalgin)である。一部の実施形態では、保存剤は、ソルベートである。
【0023】
[0019]本明細書においてさらに提供されるのは、皮膚疾患を処置するための方法である。本明細書においてさらに提供されるのは、本明細書に記載の医薬組成物を投与するステップを含む、皮膚疾患を処置するための方法である。本明細書においてさらに提供されるのは、皮膚疾患を処置するための医薬の調製における、記載の医薬組成物の使用である。一部の実施形態では、皮膚疾患は炎症によって引き起こされる。一部の実施形態では、皮膚疾患は免疫炎症によって引き起こされる。一部の実施形態では、皮膚疾患は、乾癬、白斑、エリテマトーデス、慢性湿疹、皮膚炎または接触皮膚炎である。一部の実施形態では、皮膚疾患は乾癬である。一部の実施形態では、皮膚疾患は白斑である。一部の実施形態では、皮膚疾患は狼瘡である。一部の実施形態では、皮膚疾患はエリテマトーデスである。一部の実施形態では、皮膚疾患は湿疹または慢性湿疹である。一部の実施形態では、皮膚疾患は皮膚炎または接触皮膚炎である。
【0024】
[0020]本開示の新規な特徴は添付の特許請求の範囲に特に明記される。本開示の特徴および利点のより良好な理解は、本開示の原理が利用される例示の実施形態を記載する以下の詳細な説明、および添付の図面を参照することにより得られる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】[0021]図1は、クロファジミンの経皮浸透に対する様々な溶媒(PEG 400、Transcutol(Transcutol)、Tween(Tween)20、Tween80、ラウロカプラム(Laurocapram)、オレイン酸、エタノールおよびKHS-15)の効果を示す棒グラフである。X軸は溶媒の種類を示し、Y軸はクロファジミン含量をμg/cmで示す。
図2】[0022]図2は、クロファジミンの皮膚浸透に対する様々な溶媒(PEG 400、Transcutol、Tween80およびlabrasol)の効果を示す棒グラフである。X軸は溶媒の種類を示し、Y軸はクロファジミン含量をμg/cmで示す。
図3】[0023]図3は、ゲルおよび溶液マトリックス中のクロファジミンの皮膚浸透に対する様々な溶媒(PEG 400、Transcutol、Tween80およびlabrasol)の効果を示す棒グラフである。X軸は溶媒の種類を示し、Y軸はクロファジミン含量をμg/cmで示す。
図4】[0024]図4は、クロファジミンの皮膚浸透に対する様々な浸透促進剤の効果を示す棒グラフである。X軸は浸透促進剤の種類を示し、Y軸はクロファジミン含量をμg/cmで示す。
図5】[0025]図5は、クロファジミンの皮膚浸透に対するレシチン濃度の効果を示す棒グラフである。X軸はレシチン濃度パーセントを示し、Y軸はクロファジミン含量をμg/cmで示す。
図6】[0026]図6は、ゲル調製物中のクロファジミンの皮膚浸透に対するpHの効果を示す棒グラフである。X軸はpHを示し、Y軸はクロファジミン含量をμg/cmで示す。
図7】[0027]図7は、クロファジミンの皮膚浸透に対するクロファジミン濃度の効果を示す棒グラフである。X軸はクロファジミン濃度パーセントを示し、Y軸はクロファジミン含量をμg/cmで示す。
図8】[0028]図8は、クロファジミンの皮膚浸透に対するゲル化剤(カルボマーcarbomer 940)濃度の効果を示す棒グラフである。X軸はカルボマー940濃度パーセントを示し、Y軸はクロファジミン含量をμg/cmで示す。
図9】[0029]図9は、実施例4に記載される様々なクロファジミン調製物の皮膚透過性を決定するのに使用される装置の漫画表示である。
図10】[0030]図10は、角質層を貫通するクロファジミンの浸透が、クロファジミンが製剤に完全に溶解している限り、局所クリーム中のクロファジミン濃度と共に増大することを示す棒グラフである。X軸は試験された製剤を示し、Y軸は内皮中のクロファジミン含量をμg/cmで示す。
図11】[0031]図11は、実施例22に記載されるクロファジミンで処理された活性化されたJurkat細胞のIL-2分泌の阻害を比較する試験の結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[0032]本開示は、一般に、本明細書にさらに記載されるように、治療を必要とする対象における1つまたは複数の状態を緩和、軽減または排除する治療薬として有用な医薬活性剤を含む組成物を対象とする。特に、医薬組成物、それらの調製および使用が本明細書に記載されており、ここで、医薬組成物は、親油性API、少なくとも1つの可溶化剤、および少なくとも1つの角質層浸透促進剤を組み合わせて含み、したがってAPIは、API単独と比較して生物学的利用能が改善する。
【0027】
定義
[0033]具体的に述べられていないか、または文脈から明らかでない限り、本明細書で使用される場合、数または数の範囲に関する「約」という用語は、記載された1つまたは複数の数の+/-10%、すなわち、範囲に列挙されている値について、列挙されている下限より10%小さく、列挙されている上限より10%大きい。
【0028】
[0034]単数形「a」、「an」および「the」は、文脈上別段の明確な指示がない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「界面活性剤」への言及は、1つまたは複数の特定の界面活性剤への言及を含み、「抗酸化剤」への言及は、1つまたは複数のそのような添加剤への言及を含む。
【0029】
[0035]本明細書で使用される「対象」という用語は、哺乳動物(例えば、ヒト、マウス、ラット、モルモット、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、またはサル、チンパンジー、もしくはヒヒなどの非ヒト霊長類)を指す。
【0030】
[0036]「有効量」および「十分な量」は互換的に使用することができ、意図した目的または目標を達成するのに十分な物質の量を指す。
【0031】
[0037]本明細書に記載の医薬組成物に関連して使用される場合の「治療有効量」は、治療を必要とする対象において治療結果をもたらすのに十分な1つまたは複数の医薬活性剤の量である。
【0032】
[0038]本明細書に記載の医薬組成物に関連して使用される場合の「治療上同等の」とは、医薬活性剤の遊離塩基またはアルコールの治療有効量と同等である、医薬活性剤の薬学的に許容される塩またはエステルの量または分量を指す。
【0033】
[0039]本明細書に記載の定義は、問題の用語が単独で現れるか組み合わせて現れるかに関係なく適用される。本明細書に記載の定義を追加して、化学的に関連する組合せ、例として「ヘテロシクロアルキルアリール」、「ハロアルキルヘテロアリール」、「アリールアルキルヘテロシクロアルキル」、または「アルコキシアルキル」を形成することができると考えられる。組合せの最後のメンバーは、分子の残部に結合しているラジカルである。組合せの他のメンバーは、文字配列に関して、反対の順序で結合ラジカルに結合しており、例えば、アリールアルキルヘテロシクロアルキルの組合せとは、アリールにより置換されているアルキルにより置換されているヘテロシクロアルキル-ラジカルを指す。
【0034】
[0040]「置換された」、「置換基」などの用語は、別段の指示がない限り、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロシクリル、チオール、アルキルチオ、オキソ、チオキシ、アリールチオ、アルキルチオアルキル、アリールチオアルキル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アリールスルホニルアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ハロアルキル、アミノ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルキルアミノアルキル、アリールアミノアルキル、アミノアルキルアミノ、ヒドロキシ、アルコキシアルキル、カルボキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アミノカルボニルアルキル、アシル、アラルコキシカルボニル、カルボン酸、スルホン酸、スルホニル、ホスホン酸、アリール、ヘテロアリール、複素環、および脂肪族基を含むがこれらに限定されない、特定の置換基のラジカルによる、所与の構造中の1つまたは複数の水素ラジカルの置き換えを指す場合がある。置換基はさらに置換されていてもよいことが理解される。
【0035】
[0041]「非置換」という用語は、指定された基が置換基を有していないことを意味する。「任意選択で置換される」という用語は、指定された基が非置換であるか、または可能な置換基の群から独立して選択される1つもしくは複数の置換基によって置換されていることを意味する。置換基の数を示す場合、「1つまたは複数」という用語は、1つの置換基から可能な限り多くの置換まで、すなわち置換基による1個の水素の置き換えからすべての水素の置き換えまでを意味する。
【0036】
[0042]「アルカン」という用語は、式C2n+2の炭化水素を指し、nは1以上の整数である。アルカンは直鎖状または分岐鎖状である。アルカンの異性体は、「アルカン」という用語に包含されることを理解すべきである。本明細書で使用される場合、C~C(またはC1~x)は、C~C、C~C...C~Cを含む。単なる例として、「C~C」と指定される基は、その部分に1~4個の炭素原子があること、すなわち、1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子または4個の炭素原子を含有する基であることを示す。したがって、単なる例として、「C~Cアルキル」は、アルキル基に1~4個の炭素原子がある、すなわち、アルキル基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、およびt-ブチル中から選択されることを示す。
【0037】
[0043]「アリール」という用語は、環を形成する原子のそれぞれが炭素原子である芳香環を指す。アリール基は、任意選択で置換することができる。アリール基の例としては、フェニルおよびナフチルが挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、アリールは、フェニルである。構造に応じて、アリール基はモノラジカルまたはジラジカル(すなわち、アリーレン基)であり得る。本明細書で特に明記しない限り、「アリール」または接頭辞「ar-」(「アラルキル」など)という用語は、任意選択で置換されるアリール基を含むことを意味する。一部の実施形態では、アリール基は部分的に還元されて、本明細書で定義されるシクロアルキル基を形成する。一部の実施形態では、アリール基は完全に還元されて、本明細書で定義されるシクロアルキル基を形成する。
【0038】
[0044]「アルキル」という用語は、1から20個までの炭素原子を有し、単結合によって分子の残部に結合している、直鎖または分岐鎖炭化水素鎖ラジカルを指す。最大10個の炭素原子を含むアルキルはC~C10アルキルと呼ばれ、同様に、例えば、最大6個の炭素原子を含むアルキルは、C~Cアルキルまたは低級アルキルである。他の数の炭素原子を含むアルキル(および本明細書で定義される他の部分)も同様に表される。アルキル基としては、C~C10アルキル、C~Cアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルキル、およびC~Cアルキルが挙げられるが、これらに限定されない。代表的なアルキル基としては、メチル、エチル、n-プロピル、1-メチルエチル(i-プロピル)、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルエチル(t-ブチル)、3-メチルヘキシル、2-メチルヘキシル、1-エチル-プロピルなどが挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、アルキルは、メチルまたはエチルである。一部の実施形態では、アルキルは、-CH(CHまたは-C(CHである。本明細書で特に明記しない限り、アルキル基は、以下に記載するように任意選択で置換されていてもよい。「アルキレン」または「アルキレン鎖」は、分子の残部をラジカル基に連結する直鎖状または分岐鎖状の二価炭化水素鎖を指す。一部の実施形態では、アルキレンは、-CH-、-CHCH-、または-CHCHCH-である。一部の実施形態では、アルキレンは、-CH-である。一部の実施形態では、アルキレンは、-CHCH-である。一部の実施形態では、アルキレンは、-CHCHCH-である。
【0039】
[0045]「アルコキシ」という用語は、式-ORのラジカルを指し、式中、Rは定義されたアルキルラジカルである。本明細書で特に明記しない限り、アルコキシ基は、以下に記載するように任意選択で置換されていてもよい。代表的なアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシが挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、アルコキシはメトキシである。一部の実施形態では、アルコキシはエトキシである。
【0040】
[0046]「シクロアルキル」という用語は、単環式または多環式の非芳香族ラジカルを指し、環を形成する原子(すなわち、骨格原子)のそれぞれは炭素原子である。一部の実施形態では、シクロアルキルは、飽和または部分不飽和である。一部の実施形態では、シクロアルキルは、スピロ環または架橋化合物である。一部の実施形態では、シクロアルキルは芳香環と縮合している(この場合、シクロアルキルは非芳香環炭素原子を介して結合している)。シクロアルキル基には、3から10個までの環原子を有する基が含まれる。代表的なシクロアルキルとしては、3から10個までの炭素原子、3から8個までの炭素原子、3から6個までの炭素原子、または3から5個までの炭素原子を有するシクロアルキルが挙げられるが、これらに限定されない。単環式シクロアルキルラジカルとしては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルが挙げられる。一部の実施形態では、単環式シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルである。一部の実施形態では、単環式シクロアルキル(cycloalkyl)は、シクロペンテニルまたはシクロヘキセニルである。一部の実施形態では、単環式シクロアルキル(cycloalkyl)は、シクロペンテニルである。@多環式ラジカルとしては、例えば、アダマンチル、1,2-ジヒドロナフタレニル、1,4-ジヒドロナフタレニル、テトライニル、デカリニル、3,4-ジヒドロナフタレニル-1(2H)-オン、スピロ[2.2]ペンチル、ノルボルニルおよびビシクロ[1.1.1]ペンチルが挙げられる。本明細書で特に明記しない限り、シクロアルキル基を任意選択で置換してもよい。
【0041】
[0047]「ハロアルキル」という用語は、アルキル基の水素原子の少なくとも1つが同じまたは異なるハロゲン原子、特にフルオロ原子で置換されているアルキル基を意味する。ハロアルキルの例としては、モノフルオロ-、ジフルオロ-またはトリフルオロ-メチル、-エチルまたは-プロピル、例えば、3,3,3-トリフルオロプロピル、2-フルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、フルオロメチル、またはトリフルオロメチルが挙げられる。「ペルハロアルキル」という用語は、アルキル基のすべての水素原子が同じかまたは異なるハロゲン原子で置き換えられているアルキル基を意味する。
活性医薬成分(API)
[0048]本明細書に記載される種々の実施形態は、有効量の活性医薬剤(API)を含む組成物を対象とする。「活性医薬剤」、「API」、「薬物」、「医薬活性剤」、「生物活性剤」、「治療剤」、および「活性剤」などは、互換的に使用することができ、有効量を投与すると、疾患または障害の処置における治療効果など、身体に測定可能な有益な生理学的効果をもたらす化合物または複合体などの物質を指す。さらに、これらの用語が使用される場合、または特定の活性剤が名称またはカテゴリーによって具体的に識別される場合、そのような記述は、活性剤自体、ならびにその薬学的に許容される薬理学的に活性な誘導体、またはそれに有意に関連する化合物、例として、限定されないが、塩、薬学的に許容される塩、N-オキシド、エステル、プロドラッグ、活性代謝物、異性体、断片、類似体、溶媒和物、水和物、放射性同位元素などを含むことを意図していることが理解される。
【0042】
[0049]本明細書で参照される分配係数(P)は、平衡状態にある2つの不混和性溶媒相の間の化合物の濃度の比である。最も一般的には、溶媒の一方は水であり、もう一方は疎水性、通常は1-オクタノールである。比の対数は、以下に示すようにlogPである(通常、親油相が分子であり、親水相が分母である)。
【0043】
【数1】
【0044】
[0050]logPは、親油性または疎水性の尺度である。疎水性は、薬物の吸収、生物学的利用能、疎水性薬物-受容体相互作用、分子の代謝、および毒性に影響を与える。親水性化合物は、水に可溶性(「水を好む」)および極性溶媒に可溶性である。親油性化合物は、水にはあまり溶解しない(「水を恐れる」または疎水性)および極性溶媒にはあまり溶解しないが、有機溶媒にはより可溶性である。したがって:
低親水性=高親油性=高logP=吸収不良
高親水性=低親油性=低logP=吸収良好
[0051]当業者は、化合物が十分に吸収される妥当な可能性を有するために、それらのlogPが5.0未満でなければならないことを示唆するリピンスキーのルールオブファイブ(Lapinsky’s rule of five)に精通している。
【0045】
[0052]分配係数は、実験的に測定するか、または計算によって推定することができる。logPを計算(または予測)するための種々の方法が開発されており、通常は、logP計算値を、ほとんどが薬物様の数千の分子の訓練セットについて実験的に測定されたlogP値に適合させることによる。logP計算は非常に堅牢で、多くの有機分子を正確に処理すると考えられている。例えば、logPの分子の50%超は0.25未満の誤差で予測され、80%超は0.5未満の誤差で予測される。1.0を超える誤差で予測される構造は3.5%未満である。logP測定値と区別するために、logP計算値をclogPと表記することがある。
【0046】
[0053]一部の実施形態では、APIは、親油性である。一部の実施形態では、APIは、極性溶媒に不溶性である。一部の実施形態では、APIは、水性媒体に不溶性である。一部の実施形態では、APIは、水に不溶性である。
【0047】
[0054]一部の実施形態では、APIは、少なくとも2.5のlogP計算値を有する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも2.6のlogP計算値を有する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも2.7のlogP計算値を有する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも2.8のlogP計算値を有する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも2.9のlogP計算値を有する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも3.0のlogP計算値を有する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも3.1のlogP計算値を有する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも3.2のlogP計算値を有する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも3.3のlogP計算値を有する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも3.4のlogP計算値を有する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも3.5のlogP計算値を有する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも3.6のlogP計算値を有する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも3.7のlogP計算値を有する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも3.8のlogP計算値を有する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも3.9のlogP計算値を有する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも4.0のlogP計算値を有する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも4.1のlogP計算値を有する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも4.2のlogP計算値を有する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも4.3のlogP計算値を有する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも4.4のlogP計算値を有する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも4.5のlogP計算値を有する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも4.6のlogP計算値を有する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも4.7のlogP計算値を有する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも4.8のlogP計算値を有する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも4.9のlogP計算値を有する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも5.0のlogP計算値を有する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも5.1のlogP計算値を有する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも5.2のlogP計算値を有する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも5.3のlogP計算値を有する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも5.4のlogP計算値を有する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも5.5のlogP計算値を有する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも5.6のlogP計算値を有する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも5.7のlogP計算値を有する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも5.8のlogP計算値を有する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも5.9のlogP計算値を有する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも6.0のlogP計算値を有する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも6.1のlogP計算値を有する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも6.2のlogP計算値を有する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも6.3のlogP計算値を有する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも6.4のlogP計算値を有する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも6.5のlogP計算値を有する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも6.6のlogP計算値を有する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも6.7のlogP計算値を有する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも6.8のlogP計算値を有する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも6.9のlogP計算値を有する。一部の実施形態では、APIは、少なくとも7.0のlogP計算値を有する。logP計算値が2.0を超える例示的な小分子APIには、表1に列挙されているものが含まれるが、これらに限定されない。
【0048】
【表1-1】
【0049】
【表1-2】
【0050】
[0055]酸解離定数、すなわちKa(または酸性度定数)は、溶液、通常は水中の酸の強度の尺度である。これは、酸の化学解離の平衡定数である。水溶液では、酸解離の平衡は以下のように表記される:
【0051】
【数2】
【0052】
式中、HAはA(酸の共役塩基)および水素イオン(水分子と結合してヒドロニウムイオン、すなわちHを作出する)に解離する酸である。解離定数は、HOを除去して表記することもできる:
【0053】
【数3】
【0054】
[0056]Kの対数値であるpKは、酸の強さ/弱さを表すためにより多くの場合に使用される:
pK=-log10 (K
pKの値がより大きな正であるほど、解離の程度が小さく、酸が弱いことを示す。一般に:
pK=-2~12 →弱酸(水中ではほとんどまたは部分的にしか解離しない)
pKa<-2 →強酸(水中で完全またはほとんど解離している)
[0057]一部の実施形態では、本明細書に記載のAPIは、弱塩基である。一部の実施形態では、APIは、弱塩基官能基を含む。一部の実施形態では、APIは、3.0以上のpKaを有する。一部の実施形態では、APIは、3.5以上のpKaを有する。一部の実施形態では、APIは、4.0以上のpKaを有する。一部の実施形態では、APIは、4.5以上のpKaを有する。一部の実施形態では、APIは、5.0以上のpKaを有する。一部の実施形態では、APIは、5.5以上のpKaを有する。一部の実施形態では、APIは、6.0以上のpKaを有する。一部の実施形態では、APIは、6.5以上のpKaを有する。一部の実施形態では、APIは、7.0以上のpKaを有する。一部の実施形態では、APIは、7.5以上のpKaを有する。一部の実施形態では、APIは、8.0以上のpKaを有する。
【0055】
[0058]一部の実施形態では、本明細書に記載のAPIは、遊離塩基の形態で存在する。一部の実施形態では、APIは、薬学的に許容される塩の形態で存在する。薬学的に許容される塩としては、金属塩、例としてナトリウム塩、カリウム塩、およびリチウム塩;アルカリ土類金属、例としてカルシウム塩、マグネシウム塩など;有機アミン塩、例としてトリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、エタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン塩など;無機酸塩、例として塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩など;有機酸塩、例としてギ酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩など;スルホン酸塩、例としてメタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩など;およびアミノ酸塩、例としてアルギン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩などが挙げられるが、これらに限定されない。薬学的に許容される塩としては、重酒石酸塩、重酒石酸塩水和物、塩酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、リン酸塩、硫酸塩、トリフルオロ酢酸塩、重酒石酸塩ヘミ五水和物、ペンタフルオロプロピオン酸塩、臭化水素酸塩、ムチン酸塩、オレイン酸塩、二塩基性リン酸塩、一塩基性リン酸塩、酢酸塩三水和物、ビス(ヘプタフルオロブチレート)、ビス(ペンタフルオロプロピオネート)、ビス(ピリジンカルボキシレート)、ビス(トリフルオロアセテート)、塩酸塩、および硫酸塩五水和物がさらに挙げられる。他の代表的な薬学的に許容される塩としては、例えば、水溶性および水不溶性塩、例として酢酸塩、アムソネート(amsonate)(4,4-ジアミノスチルベン-2,2-ジスルホネート)、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、エデト酸カルシウム、カンファースルホン酸塩、カンシル酸塩、炭酸塩、クエン酸塩、クラブラン酸塩(clavulariate)、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート(estolate)、エシル酸、フィウナレート(fiunarate)、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、六フッ化リン酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物塩、イソチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル臭化物塩、メチル硝酸塩、メチル硫酸塩、ムチン酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、N-メチルグルカミンアンモニウム塩、3-ヒドロキシ-2-ナフトエート、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモエート(1,1-メテン(methene)-ビス-2-ヒドロキシ-3-ナフトエート、エンボネート(einbonate))、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ピクリン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、プロピオン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、亜酢酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、スルホサリチル酸塩、スラメート(suramate)、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩、トリエチオジド、および吉草酸塩が挙げられる。水和物は、薬学的に許容される塩の別の例である。一部の実施形態では、APIは、クロファジミン、またはその薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、APIは、表1に列挙されるもの、またはその薬学的に許容される塩である。
【0056】
[0059]一部の実施形態では、本明細書に記載のAPIは、本明細書に記載の医薬組成物の総重量の約0.0001%から約50%までを構成する。一部の実施形態では、APIは、本明細書に記載の医薬組成物の総重量の約0.001%から約10%までを構成する。一部の実施形態では、APIは、本明細書に記載の医薬組成物の総重量の約0.001%、0.005%、0.01%、0.05%、または0.1%から約0.2%、0.5%、1%、2%、または5%までを構成する。一部の実施形態では、APIは、本明細書に記載の医薬組成物の総重量の約0.001%から約2.5%までを構成する。一部の実施形態では、APIは、本明細書に記載の医薬組成物の総重量の約0.005%から約1%までを構成する。一部の実施形態では、APIは、本明細書に記載の医薬組成物の総重量の約0.05%から約1%までを構成する。一部の実施形態では、APIは、本明細書に記載の医薬組成物の総重量の約0.01%から約1%までを構成する。一部の実施形態では、APIは、本明細書に記載の医薬組成物の総重量の約0.01%から約0.5%までを構成する。一部の実施形態では、APIは、本明細書に記載の医薬組成物の総重量の約0.01%から約2%までを構成する。一部の実施形態では、APIは、本明細書に記載の医薬組成物の総重量の約0.01%から約0.05%までを構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約0.01%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約0.02%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約0.025%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約0.03%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約0.04%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約0.05%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約0.06%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約0.07%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約0.075%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約0.08%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約0.09%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約0.1%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約0.11%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約0.12%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約0.125%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約0.13%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約0.14%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約0.15%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約0.16%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約0.17%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約0.175%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約0.18%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約0.19%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約0.20%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約0.25%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約0.3%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約0.35%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約0.4%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約0.45%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約0.5%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約0.6%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約0.7%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約0.8%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約0.9%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約1%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約1.1%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約1.2%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約1.3%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約1.4%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約1.5%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約1.6%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約1.7%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約1.8%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約1.9%を構成する。一部の実施形態では、APIは、組成物の総重量の約2%を構成する。一部の実施形態では、APIは、クロファジミン、またはその薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、APIは、表1に列挙されるもの、またはその薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、APIは、クロファジミン、またはその薬学的に許容される塩である。
【0057】
[0060]一部の実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、親油性API、可溶化剤、および任意選択で浸透促進剤を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、clogPが4を超える親油性API、clogPが4を超えるAPIの溶解度を有する可溶化剤、および任意選択で浸透促進剤を含む。一部の実施形態では、可溶化剤中のAPIの溶解度は、少なくとも0.1mg/mLである。一部の実施形態では、可溶化剤中のAPIの溶解度は、少なくとも0.5mg/mLである。一部の実施形態では、可溶化剤中のAPIの溶解度は、少なくとも3mg/mLである。一部の実施形態では、可溶化剤中のAPIの溶解度は、少なくとも4mg/mLである。一部の実施形態では、可溶化剤中のAPIの溶解度は、少なくとも5mg/mLである。一部の実施形態では、可溶化剤中のAPIの溶解度は、少なくとも6mg/mLである。一部の実施形態では、可溶化剤中のAPIの溶解度は、少なくとも7mg/mLである。一部の実施形態では、可溶化剤中のAPIの溶解度は、少なくとも8mg/mLである。一部の実施形態では、可溶化剤中のAPIの溶解度は、少なくとも9mg/mLである。一部の実施形態では、可溶化剤中のAPIの溶解度は、少なくとも10mg/mLである。一部の実施形態では、可溶化剤中のAPIの溶解度は、少なくとも11mg/mLである。一部の実施形態では、可溶化剤中のAPIの溶解度は、少なくとも12mg/mLである。一部の実施形態では、可溶化剤中のAPIの溶解度は、少なくとも13mg/mLである。一部の実施形態では、可溶化剤中のAPIの溶解度は、少なくとも14mg/mLである。一部の実施形態では、可溶化剤中のAPIの溶解度は、少なくとも15mg/mLである。一部の実施形態では、可溶化剤中のAPIの溶解度は、少なくとも20mg/mLである。一部の実施形態では、可溶化剤中のAPIの溶解度は、少なくとも25mg/mLである。一部の実施形態では、可溶化剤中のAPIの溶解度は、少なくとも50mg/mLである。一部の実施形態では、APIは、クロファジミン、またはその薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、APIは、表1に列挙されるもの、またはその薬学的に許容される塩である。
【0058】
[0061]一部の実施形態では、本明細書に記載されるのは、活性医薬成分(API)またはその薬学的に許容される塩、および少なくとも1つの可溶化剤を含む医薬組成物であって、化合物は、式(I):
【0059】
【化3】
【0060】
(式中、
、RおよびRのそれぞれは、独立して、フェニル、クロロフェニル、低級アルキルフェニルおよび低級アルコキシフェニルからなる群から選択されるアリールラジカル;C~C12アルキル;C~Cシクロアルキル;またはC~C11ヘテロアルキルであり、アリール、アルキル、シクロアルキル、およびヘテロアルキルのそれぞれは、置換または非置換であり;
は、水素原子またはハロゲン原子を表し;
は、水素原子またはハロゲン原子を表す)
の構造を有する、医薬組成物である。
【0061】
一部の実施形態では、化合物またはその薬学的に許容される塩は、少なくとも1つの可溶化剤に溶解している。一部の実施形態では、医薬組成物は、局所投与用に製剤化される。一部の実施形態では、Rは、フェニル、クロロフェニル、低級アルキルフェニル、または低級アルコキシフェニルである。一部の実施形態では、Rは、フェニル、クロロフェニル、低級アルキルフェニル、または低級アルコキシフェニルである。一部の実施形態では、RおよびRの両方は、フェニル、クロロフェニル、低級アルキルフェニル、および低級アルコキシフェニルから選択され、フェニル、クロロフェニル、低級アルキルフェニル、および低級アルコキシフェニルは、置換または非置換である。一部の実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立して、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、デシル、シクロヘキシル、またはシクロヘプチルラジカルである。一部の実施形態では、Rは、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、デシル、シクロヘキシル、またはシクロヘプチルラジカルである。一部の実施形態では、Rは、エチル、n-プロピル、1-メチルエチル(i-プロピル)、n-ブチル、ヘプチル、1,3-ジメチルブチル、sec-ブチル、1,1-ジメチルエチル(t-ブチル)、3,5,5-トリメチルペンチル、n-ドデシル、n-デシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4-メチルシクロヘキシル、3,5-ジメチルシクロヘキシル、またはシクロヘプチルラジカルである。一部の実施形態では、RおよびRのそれぞれは、水素である。一部の実施形態では、化合物は、クロファジミン、2-(p-クロル-アニリノ)-3-シクロヘキシルイミノ-5-(p-クロロフェニル)-3,5-ジヒドロ-フェナジン、2-アニリノ-3-シクロヘキシルイミノ-5-フェニル-3,5-ジヒドロフェナジンである。一部の実施形態では、化合物は、クロファジミンである。
溶解剤/可溶化剤/溶媒
[0062]一部の実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、親油性API、可溶化剤、および任意選択で浸透促進剤を含む。溶解剤、または可溶化剤または溶媒、あるいは当業者に知られている他の同様の用語は、本明細書に記載のように、APIを可溶化または部分的に可溶化する薬剤または薬剤の組合せを指す。一部の実施形態では、医薬組成物は、clogPが4を超える親油性API、clogPが4を超えるAPIの溶解度を有する溶媒、および浸透促進剤を含む。
【0062】
[0063]一態様では、本明細書に記載されているのは、活性医薬成分(API)(クロファジミンなど)またはその薬学的に許容される塩および少なくとも1つの可溶化剤を含む局所医薬組成物である。一部の実施形態では、本明細書に記載されているのは、組成物の総重量の約0.001%から約10%までの量で存在するAPIまたはその薬学的に許容される塩であって、活性医薬成分が、約4.0以上のオクタノール-水中におけるlogP計算値を有する、APIまたはその薬学的に許容される塩;および組成物の総重量の約20%から約99.999%までの量で存在する少なくとも1つの可溶化剤を含む局所医薬組成物である。一部の実施形態では、医薬組成物は、非水性組成物である。一部の実施形態では、APIまたはその薬学的に許容される塩は、少なくとも1つの可溶化剤に溶解している。一部の実施形態では、偏光顕微鏡を使用して、APIが少なくとも1つの可溶化剤に溶解しているかどうかを決定することができる。一部の実施形態では、APIは、約4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、または7.5以上のオクタノール-水中におけるlogP計算値を有する。一部の実施形態では、APIは、約4.0、4.5、5.0、5.5または6から約7、8、9もしくは10までの範囲内のオクタノール-水中におけるlogP計算値を有する。一部の実施形態では、APIまたはその薬学的に許容される塩は、医薬組成物の総重量の約0.01%から約5%までの量で存在する。一部の実施形態では、APIまたはその薬学的に許容される塩は、医薬組成物の総重量の約0.001%から約10%までの量で存在する。一部の実施形態では、APIまたはその薬学的に許容される塩は、医薬組成物の総重量の約0.01%から約0.1%までの量で存在する。一部の実施形態では、APIまたはその薬学的に許容される塩は、医薬組成物の総重量の約0.01%から約2%までの量で存在する。一部の実施形態では、APIまたはその薬学的に許容される塩は、医薬組成物の総重量の約0.01%から約1%までの量で存在する。一部の実施形態では、APIまたはその薬学的に許容される塩は、医薬組成物の総重量の約0.1%から約0.5%までの量で存在する。
【0063】
[0064]一部の実施形態では、本明細書に記載されているのは、組成物の総重量の約0.001%から約10%までの量で存在するクロファジミン、またはその薬学的に許容される塩;および組成物の総重量の約20%から約99.999%までの量で存在する少なくとも1つの可溶化剤を含む局所医薬組成物である。一部の実施形態では、医薬組成物は、非水性組成物である。一部の実施形態では、クロファジミンまたはその薬学的に許容される塩は、少なくとも1つの可溶化剤に溶解している。一部の実施形態では、クロファジミンまたはその薬学的に許容される塩は、クロファジミンである。一部の実施形態では、クロファジミンまたはその薬学的に許容される塩は、医薬組成物の総重量の約0.01%から約5%までの量で存在する。一部の実施形態では、クロファジミンまたはその薬学的に許容される塩は、医薬組成物の総重量の約0.01%から約2%までの量で存在する。一部の実施形態では、クロファジミンまたはその薬学的に許容される塩は、医薬組成物の総重量の約0.01%から約1%までの量で存在する。一部の実施形態では、クロファジミンまたはその薬学的に許容される塩は、医薬組成物の総重量の約0.1%から約0.5%までの量で存在する。一部の実施形態では、クロファジミンまたはその薬学的に許容される塩は、医薬組成物の総重量の約0.01%から約0.1%までの量で存在する。一部の実施形態では、クロファジミンまたはその薬学的に許容される塩は、医薬組成物の総重量の約0.01%から約0.2%までの量で存在する。一部の実施形態では、クロファジミンまたはその薬学的に許容される塩は、医薬組成物の総重量の約0.5%の量で存在する。
【0064】
[0065]一部の実施形態では、可溶化剤は、アミド、エステル、アルコール、例としてエタノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、ポリオール、ポリビニルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブタンジオール、プロピレングリコールエーテル、グリセロール、グリセリド、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸グリセリド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、植物油、オレイン酸、ヒマシ油、ジエチレングリコールエーテル、PEG化グリセリド、2-(2-エトキシエトキシ)エタノール(Transcutol)、PEG400、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(例えば、Tween(登録商標)の商標で販売されているもの)、KHS-15、ラウロカプラム(すなわち、N-ドデシルカプロラクタムまたは1-ドデシルアゼパン-2-オン)、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ジメチルイソソルビド、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび他のセルロース誘導体、マルトデキストリン、シクロデキストリン、シクロデキストリン誘導体、それらの異性体またはそれらの組合せである。
【0065】
[0066]一部の実施形態では、可溶化剤は、脂肪酸、グリセリド、植物油、オレイン酸、PEG化グリセリド、2-(2-エトキシエトキシ)エタノール(Transcutol)、PEG400、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート(例えば、Tween-20(登録商標)の商標で販売されている)、ポリオキシエチレン(80)ソルビタンモノオレエート(Tween-80(登録商標)の商標で販売されている)、エタノール、KHS-15、ラウロカプラム(すなわち、N-ドデシルカプロラクタムまたは1-ドデシルアゼパン-2-オン)(例えば、Azone(登録商標)の商標で販売されている)、またはそれらの組合せである。一部の実施形態では、可溶化剤は、ラウロカプラムを含む。一部の実施形態では、可溶化剤は、エタノールを含む。一部の実施形態では、可溶化剤は、Transcutolを含む。一部の実施形態では、可溶化剤は、2-(2-エトキシエトキシ)エタノールを含む。一部の実施形態では、APIは、クロファジミン、またはその薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、APIは、表1に列挙されるもの、またはその薬学的に許容される塩である。
【0066】
[0067]一部の実施形態では、可溶化剤は、組成物の約1%~約50%の重量パーセントを構成する。一部の実施形態では、可溶化剤は、組成物の約1%~約3%、約1%~約5%、約1%~約10%、約1%~約15%、約1%~約20%、約1%~約25%、約1%~約30%、約1%~約35%、約1%~約40%、約1%~約45%、約1%~約50%、約3%~約5%、約3%~約10%、約3%~約15%、約3%~約20%、約3%~約25%、約3%~約30%、約3%~約35%、約3%~約40%、約3%~約45%、約3%~約50%、約5%~約10%、約5%~約15%、約5%~約20%、約5%~約25%、約5%~約30%、約5%~約35%、約5%~約40%、約5%~約45%、約5%~約50%、約10%~約15%、約10%~約20%、約10%~約25%、約10%~約30%、約10%~約35%、約10%~約40%、約10%~約45%、約10%~約50%、約15%~約20%、約15%~約25%、約15%~約30%、約15%~約35%、約15%~約40%、約15%~約45%、約15%~約50%、約20%~約25%、約20%~約30%、約20%~約35%、約20%~約40%、約20%~約45%、約20%~約50%、約25%~約30%、約25%~約35%、約25%~約40%、約25%~約45%、約25%~約50%、約30%~約35%、約30%~約40%、約30%~約45%、約30%~約50%、約35%~約40%、約35%~約45%、約35%~約50%、約40~約45%、約40%~約50%、または約45%~約50%の重量パーセントを構成する。一部の実施形態では、可溶化剤は、組成物の約1%、約3%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、または約50%の重量パーセントを構成する。一部の実施形態では、可溶化剤は、組成物の少なくとも約1%、約3%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、または約45%の重量パーセントを構成する。一部の実施形態では、可溶化剤は、組成物の最大約3%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、または約50%の重量パーセントを構成する。
【0067】
[0068]一部の実施形態では、Transcutolは、組成物の約1%~約50%の重量パーセントを構成する。一部の実施形態では、Transcutolは、組成物の約1%~約3%、約1%~約5%、約1%~約10%、約1%~約15%、約1%~約20%、約1%~約25%、約1%~約30%、約1%~約35%、約1%~約40%、約1%~約45%、約1%~約50%、約3%~約5%、約3%~約10%、約3%~約15%、約3%~約20%、約3%~約25%、約3%~約30%、約3%~約35%、約3%~約40%、約3%~約45%、約3%~約50%、約5%~約10%、約5%~約15%、約5%~約20%、約5%~約25%、約5%~約30%、約5%~約35%、約5%~約40%、約5%~約45%、約5%~約50%、約10%~約15%、約10%~約20%、約10%~約25%、約10%~約30%、約10%~約35%、約10%~約40%、約10%~約45%、約10%~約50%、約15%~約20%、約15%~約25%、約15%~約30%、約15%~約35%、約15%~約40%、約15%~約45%、約15%~約50%、約20%~約25%、約20%~約30%、約20%~約35%、約20%~約40%、約20%~約45%、約20%~約50%、約25%~約30%、約25%~約35%、約25%~約40%、約25%~約45%、約25%~約50%、約30%~約35%、約30%~約40%、約30%~約45%、約30%~約50%、約35%~約40%、約35%~約45%、約35%~約50%、約40~約45%、約40%~約50%、または約45%~約50%の重量パーセントを構成する。一部の実施形態では、Transcutolは、組成物の約1%、約3%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、または約50%の重量パーセントを構成する。一部の実施形態では、Transcutolは、組成物の少なくとも約1%、約3%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、または約45%の重量パーセントを構成する。一部の実施形態では、Transcutolは、組成物の最大約3%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、または約50%の重量パーセントを構成する。
【0068】
[0069]一部の実施形態では、本明細書に記載の医薬製剤は、1つまたは複数の脂肪酸またはその誘導体を含む。例示的な脂肪酸には、炭化水素鎖および末端カルボキシ(-COOH)基からなるカルボン酸が含まれる。炭化水素鎖は、飽和(炭素-炭素二重結合を含有しない)または不飽和、例えば一価不飽和(1つの炭素-炭素二重結合を含有する)または多価不飽和(複数の炭素-炭素二重結合を含有する)であり得る。脂肪酸は、直鎖(または非分岐)炭素鎖である炭素鎖を含有することができ、または分岐炭素鎖を含有することができる。一部の実施形態では、1つまたは複数の脂肪酸は、C~C20脂肪酸、C~C12脂肪酸、C~C15脂肪酸、C~C18脂肪酸、C12~C18脂肪酸、またはC~C32脂肪酸を含む。
【0069】
[0070]一部の実施形態では、本明細書に記載の医薬製剤は、1つまたは複数の長鎖脂肪酸、またはそれらの組合せを含む。一部の実施形態では、長鎖脂肪酸は、少なくとも12個の炭素原子を含むカルボン酸である。一部の実施形態では、長鎖脂肪酸は、少なくとも11個の炭素原子を含む。一部の実施形態では、長鎖脂肪酸は、少なくとも12個の炭素原子を含む。一部の実施形態では、長鎖脂肪酸は、少なくとも13個の炭素原子を含む。一部の実施形態では、長鎖脂肪酸は、少なくとも14個の炭素原子を含む。一部の実施形態では、長鎖脂肪酸は、少なくとも15個の炭素原子を含む。一部の実施形態では、長鎖脂肪酸は、少なくとも16個の炭素原子を含む。一部の実施形態では、長鎖脂肪酸は、少なくとも17個の炭素原子を含む。一部の実施形態では、長鎖脂肪酸は、少なくとも18個の炭素原子を含む。一部の実施形態では、長鎖脂肪酸は、少なくとも19個の炭素原子を含む。一部の実施形態では、長鎖脂肪酸は、少なくとも20個の炭素原子を含む。直鎖飽和脂肪酸の例としては、表2に列挙されたものが挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、本明細書に記載の医薬製剤は、表2および表3の1つまたは複数の脂肪酸を含む。
【0070】
【表2】
【0071】
[0071]直鎖不飽和脂肪酸の例としては、表3に列挙されたものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0072】
【表3】
【0073】
[0072]一部の実施形態では、可溶化剤は、グリセリドを含む。グリセリドは、グリセロールの脂肪酸エステルである。
【0074】
【化4】
【0075】
グリセリドは、モノグリセリド、ジグリセリド、およびトリグリセリドであってもよく、グリセロールは、1つ、2つ、または3つの脂肪酸でエステル化されている。トリグリセリドに関する当技術分野の他の用語には、TG’s、トリアシルグリセロール、TAG’s、トリアシルグリセリド、脂肪などが含まれ、本明細書では互換的に使用される。グリセリドは、炭化水素鎖の1つまたは複数における置換によってさらに修飾することができる。
【0076】
【化5】
【0077】
[0073]モノグリセリドおよびジグリセリドの例としては、モノパルミトレイン、モノエライジン、モノカプロイン、モノカプリリン、モノカプリン、モノラウリン、グリセリルモノミリステート、グリセリルモノオレエート、グリセリルモノオレエート、グリセロールモノオレエート/リノレート、グリセロールモノリノレート、グリセリルリシノレエート、グリセリルモノラウレート、グリセロールモノパルミテート、グリセロールモノステアレート、グリセリルモノジオレート、パルミチン酸/ステアリン酸グリセリル、グリセリルアセテート、グリセリルラウレート、グリセリルシトレート/ラクテート/オレエート/リノレート、グリセリルカプリレート、グリセリルカプリレート/カプレート、カプリル酸モノ、ジグリセリド、カプリル酸/カプリン酸グリセリド、モノ-およびジアセチル化モノグリセリド、グリセリルモノステアレート、モノ、ジグリセリドの乳酸エステル、ジカプロイン、ジカプリン、ジオクタノイン、ジミリスチン、ジパルミチン、ジステアリン、グリセリルジラウレート、グリセリルジオレエート、脂肪酸のグリセロールエステル、1,2および1,3-ジオレイン、ジエライジン、ジリノレイン、およびそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。他の脂肪酸としては、ステアリルアルコール、カプリン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸(arachnidoic acid)、ベヘン酸、およびそれらの対応する薬学的に許容される塩が含まれる。好ましい脂肪酸および脂肪アルコール誘導体としては、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、アミドエステル(例えば、ラウリン酸ジエタノールアミド、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルカルニチン、パルミトイルカルニチンおよびミリストイルカルニチン)、ヒドロキシ酸とのエステル(例えば、ステアロイル乳酸ナトリウム)、糖エステル[例えば、乳酸ラウリル、グルコースモノカプリレート、ジグルコースモノカプリレート、スクロースラウレート、ソルビタンモノラウレート(Arlacel(登録商標)20)、ソルビタンモノパルミテート(Span-40)、ソルビタンモノオレエート(Span-80)、ソルビタンモノステアレートおよびソルビタントリステアレート、低級アルコール脂肪酸エステル[例えば、オレイン酸エチル(Crodamol EO)、イソプロピルミリステート(Crodamol IPM)、イソプロピルパルミテート(Crodamol IPP)]、プロピレングリコールとのエステル[例えば、プロピレングリコールモノラウレート(Lauroglycol FCC)]、プロピレングリコールリシノレエート(Propymuls)、プロピレングリコールモノオレエート(Myverol(登録商標)P-06)、プロピレングリコールモノカプリレート(Capryol(登録商標)90)、プロピレングリコールジカプリレート/ジカプレート(Captex(登録商標)200)およびプロピレングリコールジオクタノエート(Captex 800)]、グリセロールとのエステル[例えば、グリセリルモノオレエート(Peceol)、グリセリルリシノレエート、グリセリルラウレート、グリセリルジラウレート(Capmul(登録商標)GDL)、グリセリルジオレエート(Capmul GDO)、グリセロールモノリノレート(Maisine(登録商標))、グリセリルモノ-/ジオレエート(Capmul GMO-K)、グリセリルカプリレート/カプレート(Capmul MCM)、カプリル酸モノ/ジグリセリド(Imwitor(登録商標)988)、モノおよびジアセチル化モノグリセリド(Myvacet(登録商標)9-45)]、トリグリセリド[例えば、コーン油、アーモンド油、大豆油、ココナッツ油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、硬化ココナッツ油、Pureco 100、Hydrokote AP5、Captex 300、350、Miglyol 812、Miglyol 818、Gelucire 33/01)]、プロピレングリコールエステルとグリセロールエステルの混合物[例えば、プロピレングリコールとグリセロールのオレイン酸エステルの混合物(アーラセル186)]、およびポリグリセリル化脂肪酸、例としてポリグリセリルオレエート(Plurol(登録商標)Oleique)、ポリグリセリル-2ジオレエート(Nikkol DGDO)、ポリグリセリル-10トリオレエート、ポリグリセリル-10ラウレート(Nikkol Decaglyn 1-L)、ポリグリセリル-10オレエート(Nikkol Decaglyn 1-O)、およびポリグリセリル-10モノ、ジオレエート(Caprol(登録商標)PEG 860)が挙げられる。
【0078】
[0074]追加の脂肪酸誘導体としては、ポリエトキシル化脂肪酸(例えば、PEG-8ラウレート、PEG-8オレエート、PEG-8ステアレート、PEG-9オレエート、PEG-10ラウレート、PEG-10オレエート、PEG-12ラウレート、PEG-12オレエート、PEG-15オレエート、PEG-20ラウレートおよびPEG-20オレエート)、PEG-脂肪酸ジエステル(例えば、PEG-20ジラウレート、PEG-20ジオレエート、PEG-20ジステアレート、PEG-32ジラウレートおよびPEG-32ジオレエート)、PEG-脂肪酸モノおよびジエステル混合物、ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル(例えば、PEG化グリセロール12アシルオキシステアレート、PEG-20グリセリルラウレート、PEG-30グリセリルラウレート、PEG-40グリセリルラウレート、PEG-20グリセリルオレエートおよびPEG-30グリセリルオレエート)およびアルコール-油エステル交換生成物[例えば、ポリオキシル40ヒマシ油(Cremophor(登録商標)RH40)、ポリオキシル35ヒマシ油(CremophorELまたはIncrocas35)、PEG-25トリオレート(TAGAT(登録商標)TO)、PEG-60コーングリセリド(Crovol M70)、PEG-60アーモンド油(Crovol A70)、PEG40パーム核油(Crovol PK70)、PEG-50ヒマシ油(Emalex C-50)、PEG-50硬化ヒマシ油(Emalex HC-50)、PEG-60硬化ヒマシ油(Cremophor RH60)、PEG-8カプリル酸/カプリン酸グリセリド(Labrasol(登録商標))、ラウロイルマクロゴール32グリセリド(Gelucire(登録商標)44/14)、リノレオイルマクロゴグリセリド(Labrafil(登録商標))、ステアロイルマクロゴール-32グリセリド(Gelucire 50/13)、およびPEG-6カプリル酸/カプリン酸グリセリド(Softigen(登録商標)767)]が挙げられる。
【0079】
[0075]胆汁酸およびステロール誘導体としては、これらに限定されないが、コレート、ウルソデオキシコレート、ケノデオキシコレート、タウロケノデオキシコレート、タウロウルソデオキシコレート、グリコケノデオキシコレート、グリコウルソデオキシコレート、ステロール、および、ステロールエステルまたはエーテル、例としてPEG-24コレステロールエーテルが挙げられる。
【0080】
[0076]トコール誘導体としては、トコール構造[2-メチル-2-(4,8,12-トリメチルトリデシル)クロマン-6-オール]、または、トコトリエノール構造[2-メチル-2-(4,8,12-トリメチルトリデカ-3,7,11-トリエニル)クロマン-6-オール]を有する物質の誘導体が挙げられる。特に、一般的にトコフェロールとして知られているモノ-、ジ-、トリメチルトコール、および、それらの有機酸エステル、例として酢酸エステル、ニコチン酸エステル、コハク酸エステルおよびポリエチレングリコールコハク酸エステルが挙げられる。例えば、酢酸α-トコフェロール、ニコチン酸α-トコフェロール、コハク酸α-トコフェロール、α-トコフェロールポリエチレングリコールサクシネート(200~8000Mw)、α-トコフェロールポリエチレングリコール400サクシネート、dl-α-トコフェロールポリエチレングリコール1000サクシネート、および、d-α-トコフェロールポリエチレングリコール1000サクシネート(ビタミンE TPGS、Eastman Chemical Co.)が挙げられる。本開示の実施のために、混合型のラセミ体(例えば、あらゆるラセミ体またはdl-)、ならびに純粋なエナンチオマー(例えば、d-、l-またはRRR-)が好適である。好ましいトコール誘導体としては、α-トコフェロールエステル、および、ポリエトキシ化α-トコフェロールエステルが挙げられる。より具体的に好ましいトコール誘導体としては、α-トコフェロール、酢酸α-トコフェロール、ニコチン酸(nicotinoate)α-トコフェロール、コハク酸α-トコフェロール、α-トコフェロールポリエチレングリコールサクシネート、α-トコフェロールポリエチレングリコール(200~8000Mw)サクシネート、α-トコフェロールポリエチレングリコール400サクシネート、α-トコフェロールポリエチレングリコール1000サクシネート、dl-α-トコフェロールポリエチレングリコール1000サクシネート、または、d-α-トコフェロールポリエチレングリコール1000サクシネートが挙げられる。
【0081】
[0077]本明細書で使用される場合、「長鎖脂質溶媒」という用語は、12個以上の炭素原子を含む薬学的に許容される脂質溶媒を指す。一部の実施形態では、長鎖脂質溶媒は、治療量のAPIを溶解することができる。長鎖脂質溶媒の例としては、脂肪アルコール、脂肪酸、グリセリド、植物油、水添植物油、動物油、ペグ化グリセリド、ビタミンE誘導体、およびそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、長鎖脂質溶媒は、少なくとも12個の炭素原子を含む。
【0082】
[0078]一態様では、本明細書に記載の医薬組成物は、API(クロファジミンなど)またはその薬学的に許容される塩および少なくとも1つの可溶化剤を含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、表1から選択されるAPIおよび以下:(i)石油ゼリー、(ii)少なくとも9個の炭素をそれぞれ独立して有する1つまたは複数のアルカン、(iii)少なくとも9個の炭素を有する脂肪アルコール、および(iv)少なくとも9個の炭素を有する脂肪酸のうちの1つまたは複数を含む少なくとも1つの可溶化剤を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの可溶化剤は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、またはそれ以上の異なる可溶化剤を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの可溶化剤は、以下:(i)石油ゼリー(すなわち、ワセリン)、(ii)少なくとも9個の炭素をそれぞれ独立して有する1つまたは複数のアルカン、(iii)少なくとも9個の炭素を有する脂肪アルコール;(iv)少なくとも9個の炭素を有する脂肪酸、(v)プロピルグリコールなどのジオール、(vi)グリセリンなどのポリオール、(vii)ポリエトキシル化グリセリド、例としてポリエトキシル化モノグリセリド、ポリエトキシル化ジグリセリドおよび/またはポリエトキシル化トリグリセリド(例えば、商標名Kolliphor(登録商標)RH40で販売されているポリエトキシル化硬化ヒマシ油)、(viii)ポリエチレングリコール、(ix)部分飽和炭化水素、またはそれらの組合せのうちの1つまたは複数を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの可溶化剤は、本明細書の他の場所に記載されている可溶化剤を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの可溶化剤は、以下:(i)石油ゼリー、(ii)少なくとも9個の炭素をそれぞれ独立して有する1つまたは複数のアルカン、(iii)少なくとも9個の炭素を有する脂肪アルコール、および(iv)少なくとも9個の炭素を有する脂肪酸のうちの1つまたは複数を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの可溶化剤は、以下:(i)石油ゼリー、(ii)少なくとも9個の炭素を各々独立して有する1つまたは複数のアルカンのうちの1つまたは複数、または両方を含む。
【0083】
[0079]一部の実施形態では、API(クロファジミンなど)またはその薬学的に許容される塩の、本明細書に記載の可溶化剤に対する質量比は、医薬組成物中において約1:10から約10,000までである。一部の実施形態では、API(クロファジミンなど)またはその薬学的に許容される塩の、本明細書に記載の可溶化剤に対する質量比は、医薬組成物中において約1:40、1:50、1:60、1:70、1:80、1:90、または1:100から約1:200、1:300、1:400、1:500、1:750、1:1000、1:2000、1:3000、1:4000、または1:5000までの範囲内である。一部の実施形態では、API(クロファジミンなど)またはその薬学的に許容される塩の、本明細書に記載の可溶化剤に対する質量比は、約1:50、1:70、1:100、1:400、1:1000、1:2500、または1:3000である。
【0084】
[0080]一部の実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、少なくとも1つの可溶化剤を含み、少なくとも1つの可溶化剤は、石油ゼリー(すなわち、ワセリン)を含む。一部の実施形態では、API(クロファジミンなど)またはその薬学的に許容される塩の、石油ゼリーに対する質量比は、医薬組成物中において約1:50から約1:1000までである。一部の実施形態では、API(クロファジミンなど)またはその薬学的に許容される塩の、石油ゼリーに対する質量比は、医薬組成物中において約1:100から約1:250までである。一部の実施形態では、石油ゼリーは、医薬組成物の総重量の約20%から約99%までの量で存在する。一部の実施形態では、石油ゼリーは、医薬組成物の総重量の約50%から約95%までの量で存在する。一部の実施形態では、石油ゼリーは、医薬組成物の総重量の約70%から約95%までの量で存在する。一部の実施形態では、石油ゼリーは、医薬組成物の総重量の約70%から約80%までの量で存在する。一部の実施形態では、石油ゼリーは、医薬組成物の総重量の約80%から約90%までの量で存在する。一部の実施形態では、石油ゼリーは、医薬組成物の総重量の約90%から約95%までの量で存在する。一部の実施形態では、石油ゼリーは、医薬組成物の総重量の約90%の量で存在する。一部の実施形態では、石油ゼリーは、医薬組成物の総重量の約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または約99.9%の量で存在する。
【0085】
[0081]一部の実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、少なくとも1つの可溶化剤を含み、少なくとも1つの可溶化剤は、1つまたは複数のアルカンを含む。一部の実施形態では、1つまたは複数のアルカンのそれぞれは、少なくとも9個の炭素を独立して有する。一部の実施形態では、1つまたは複数のアルカンは、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、イコサン、ヘンイコサン、ドコサン、トリコサン、テトラコサン、またはこれらの組合せを含み、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、イコサン、ヘンイコサン、ドコサン、トリコサン、およびテトラコサンのそれぞれは、独立して直鎖状または分岐鎖状である。一部の実施形態では、1つまたは複数のアルカンは、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、またはこれらの組合せを含み、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、およびヘキサデカンのそれぞれは、独立して直鎖状または分岐鎖状である。一部の実施形態では、1つまたは複数のアルカンは、25℃で液体状態である。一部の実施形態では、1つまたは複数のアルカンは、50℃で液体状態である。一部の実施形態では、1つまたは複数のアルカンは、80℃で液体状態である。一部の実施形態では、1つまたは複数のアルカンは、液体パラフィンである。一部の実施形態では、1つまたは複数のアルカン(液体パラフィンなど)は、医薬組成物の総重量の約0.5%から約30%までの量で存在する。一部の実施形態では、1つまたは複数のアルカンは、医薬組成物の総重量の約2%から約15%までの量で存在する。一部の実施形態では、1つまたは複数のアルカンは、医薬組成物の総重量の約1%、2%、3%、4%または5%から約6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%または20%までの量で存在する。一部の実施形態では、1つまたは複数のアルカンは、医薬組成物の総重量の約5%から約15%までの量で存在する。一部の実施形態では、1つまたは複数のアルカンは、医薬組成物の総重量の約5%から約25%までの量で存在する。一部の実施形態では、1つまたは複数のアルカンは、医薬組成物の総重量の約7.5%から約12.5%までの量で存在する。一部の実施形態では、1つまたは複数のアルカンは、医薬組成物の総重量の約2.5%から約10%までの量で存在する。一部の実施形態では、1つまたは複数のアルカンは、医薬組成物の総重量の約5%から約10%までの量で存在する。一部の実施形態では、1つまたは複数のアルカンは、医薬組成物の総重量の約5%、約5.5%、約6%、約6.5%、約7%、約7.5%、約8%、約8.5%、約9%、約9.5%、または約10%の量で存在する。一部の実施形態では、1つまたは複数のアルカンは、医薬組成物の総重量の約8%、約8.1%、約8.2%、約8.3%、約8.4%、約8.5%、約8.6%、約8.7%、約8.8%、約8.9%、または約9%の量で存在する。一部の実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、約5重量%から約15重量%の液体パラフィンを含む。
【0086】
[0082]一部の実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、少なくとも1つの可溶化剤を含み、少なくとも1つの可溶化剤は、脂肪アルコールを含む。一部の実施形態では、脂肪アルコールは、少なくとも9個の炭素の脂肪アルコールである。一部の実施形態では、医薬組成物は、1つまたは複数の脂肪アルコールを含む。一部の実施形態では、脂肪アルコールは、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、または34個の炭素を有するアルコールを含む。一部の実施形態では、脂肪アルコールは、12~24個の炭素を有するアルコールを含む。一部の実施形態では、脂肪アルコールは、9~32、8~24、9~18、12~24、または15~24個の炭素のアルコールを含む。一部の実施形態では、脂肪アルコールは、完全飽和または部分飽和である。一部の実施形態では、脂肪アルコールは、直鎖構造を有する。一部の実施形態では、脂肪アルコールは、分岐鎖である。一部の実施形態では、脂肪アルコールは、ステアリルアルコールである。一部の実施形態では、脂肪アルコールは、医薬組成物の総重量の約0.1%から約15%までの量で存在する。一部の実施形態では、脂肪アルコール(ステアリルアルコールなど)は、医薬組成物の総重量の約1%から約10%までの量で存在する。一部の実施形態では、脂肪アルコールは、医薬組成物の総重量の約1%から約10%まで、約2%から約8%まで、約3%から約6%まで、または約4%から約5%までの量で存在する。一部の実施形態では、脂肪アルコールは、医薬組成物の総重量の約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%、約5.5%、約6%、約6.5%、約7%、約7.5%、または約8%の量で存在する。
【0087】
[0083]一部の実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、少なくとも1つの可溶化剤を含み、少なくとも1つの可溶化剤は、脂肪酸を含む。一部の実施形態では、脂肪酸は、少なくとも9個の炭素の脂肪酸である。一部の実施形態では、医薬組成物は、1つまたは複数の脂肪酸を含む。一部の実施形態では、脂肪酸は、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、または34個の炭素を含む。一部の実施形態では、脂肪酸は、9~32、8~24、9~18、12~24、または15~24個の炭素の酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、少なくとも1つの可溶化剤を含み、少なくとも1つの可溶化剤は、少なくとも9個の炭素をそれぞれ独立して有する1つまたは複数の部分飽和炭化水素を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、少なくとも1つの可溶化剤を含み、少なくとも1つの可溶化剤は、プロピルグリコールなどのジオールを含む。一部の実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、少なくとも1つの可溶化剤を含み、少なくとも1つの可溶化剤は、少なくとも1つの可溶化剤は、グリセリンなどのポリオールを含む。一部の実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、少なくとも1つの可溶化剤を含み、少なくとも1つの可溶化剤は、1つまたは複数のポリエトキシル化グリセリド、例としてポリエトキシル化モノグリセリド、ポリエトキシル化ジグリセリドおよび/またはポリエトキシル化トリグリセリド(例えば、商標名Kolliphor(登録商標)RH40で販売されているポリエトキシル化硬化ヒマシ油)を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、少なくとも1つの可溶化剤を含み、少なくとも1つの可溶化剤は、ポリエチレングリコールを含む。一部の実施形態では、ポリエチレングリコールは、約500Da、約1000Da、約1500Da、約2000Da、または約3000Daから、約3500Da、約4000Da、約5000Da、約10000Da、または約50000Daまでの範囲内の重量平均分子量を有する。一部の実施形態では、ポリエチレングリコールは、約3000Daから約4000Daまでの重量平均分子量を有する。一部の実施形態では、ポリエチレングリコールは、約2000Daから約6000Daまでの重量平均分子量を有する。一部の実施形態では、ポリエチレングリコールは、約2000Daから約8000Daまでの重量平均分子量を有する。一部の実施形態では、ポリエチレングリコールは、PEG3500である。一部の実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、少なくとも1つの可溶化剤を含み、少なくとも1つの可溶化剤は、含む。
【0088】
[0084]一部の実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、少なくとも1つの可溶化剤を含み、少なくとも1つの可溶化剤は、(i)医薬組成物の総重量の約20%から約99.9%までの量の石油ゼリー、(ii)医薬組成物の総重量の約0%から約30%までの量の液体パラフィン、および(iii)任意選択で、医薬組成物の総重量の約0.1%から約15%までの量のステアリルアルコールを含む。一部の実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、API(クロファジミンなど)またはその薬学的に許容される塩および少なくとも1つの可溶化剤からなり、少なくとも1つの可溶化剤は、(i)医薬組成物の総重量の約20%から約99.9%までの量の石油ゼリー、および(ii)医薬組成物の総重量の約0%から約30%までの量の液体パラフィンを含む。一部の実施形態では、液体パラフィンは、医薬組成物の総重量の約0.5%から約30%までの量で存在する。
【0089】
[0085]当業者は、可溶化剤または得られる製剤の特性または性能を高めるために、他の賦形剤または成分を可溶化剤に添加または混合することができることを理解するであろう。そのような賦形剤の例としては、界面活性剤、乳化剤、増粘剤、着色剤などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0090】
[0086]一部の実施形態では、APIは、クロファジミン、またはその薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、APIは、表1に列挙されるもの、またはその薬学的に許容される塩である。
【0091】
浸透促進剤
[0087]一部の実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、親油性API、可溶化剤、および浸透促進剤を含む。
【0092】
[0088]角質層は表皮の最外層であり、セラミド、コレステロール、および脂肪酸の脂質マトリックスに埋め込まれた、核またはオルガネラを含まない15~20層の死細胞(角質細胞)からなる。落屑は、角質層の表面から細胞が脱落するプロセスであり;細胞は、表皮を通って表面に向かって14日間にわたって移動する。角質層は10~40μmの厚さであり、体の内部構造を外的損傷から保護し、下にある組織を感染、脱水、化学物質、および機械的ストレスから保護するバリアとして機能する。角質層の細胞には、水分の蒸発を防ぐことで肌の潤いを保つ野を助けるケラチンの密なネットワークが含まれている。加えて、この層は皮膚の「弾力」または伸縮性を担っている。表皮成分の調節不全により皮膚バリア機能が正常に維持できなくなると、皮膚障害につながる可能性がある。皮膚は、薬物投与(局所投与と呼ばれることもある)の魅力的な標的である。初回通過代謝のない容易にアクセスできる経路を提供し、患者の高いコンプライアンスを伴い、適用部位を介して局所的に薬物送達を行うことができる。しかし、経皮薬物送達を成功させるには、角質層の透過性の低さを克服する必要がある。この問題を克服するための1つのアプローチは、浸透促進剤を使用することである。
【0093】
[0089]浸透促進剤は、角質層に分配され、角質層の成分と相互作用して、皮膚透過性を一時的で可逆的に増加させる薬剤である。したがって、浸透促進剤は、薬物浸透に対する角質層のバリア特性を可逆的に低下させ、浸透促進剤によって、薬物は、生きた皮膚組織に、場合によっては体循環にも、より容易に浸透できるようになる。物理的促進剤(イオン浸透療法、超音波導入法、電気穿孔法など)に対する化学的促進剤の利点は、設計の柔軟性、適用の容易さ、自己投与の可能性、パッチによる長期の薬物送達、患者のコンプライアンス、および安価で単純な製剤への組み込みである。表4は、本明細書に記載の医薬組成物で使用するための浸透促進剤の種々の化学的クラスおよびクラスの例示的なメンバーのリストを提供する。一部の実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、表1のAPIおよび表4の浸透促進剤を含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、(a)表1から選択されるAPI、(b)以下:(i)石油ゼリー、(ii)少なくとも9個の炭素をそれぞれ独立して有する1つまたは複数のアルカン、(iii)少なくとも9個の炭素を有する脂肪アルコール、および(iv)少なくとも9個の炭素を有する脂肪酸のうちの1つまたは複数を含む少なくとも1つの可溶化剤、ならびに任意選択で表4の浸透促進剤を含む。
【0094】
【表4-1】
【0095】
【表4-2】
【0096】
[0090]一部の実施形態では、浸透促進剤は、疎水性基(通常は炭化水素鎖)および親水性基を含む化合物または化合物の混合物である。それらは、浸透促進剤、溶解性促進剤、生物学的利用能促進剤、安定性促進剤、抗酸化剤およびエマルジファイヤーを含む1つまたは複数の役割を果たし得る。浸透促進剤の当技術分野における他の用語には、エマルジファイヤー、乳化剤、界面活性剤、湿潤剤、懸濁化剤などが含まれる。浸透促進剤の例としては、リン脂質、スクロース脂肪酸エステル、ポリオキシルステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノラウレート、ポリソルベート、グリセリルモノステアレート、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ラウロマクロゴール Arlasolve、ポロキサマー、Labrafil、Labrasol、Tween80などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0097】
[0091]一部の実施形態では、浸透促進剤は、SDS、エタノール、DMSO、ポリオキシエチレン(80)ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート、オクタノール、オレイン酸またはレシチンである。一部の実施形態では、浸透促進剤はオクタノールである。一部の実施形態では、浸透促進剤はレシチンである。一部の実施形態では、APIは、クロファジミン、またはその薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、APIは、表1に列挙されるもの、またはその薬学的に許容される塩である。
【0098】
[0092]一部の実施形態では、脂質は、水および極性溶媒に不溶性であるが、非極性または有機溶媒に可溶性である脂肪酸およびその誘導体である。脂質のカテゴリーとしては、脂肪酸、リン脂質、スフィンゴ脂質、糖脂質、ポリケチド、ステロール脂質、プレノール脂質などが挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、リン脂質は、リン酸基が結合したグリセロールおよび2つの脂肪酸から構成される。リン脂質の当技術分野における他の用語には、グリセロリン脂質、ホスホグリセリド、ジアシルグリセリドなどが含まれる。リン酸基は、非修飾である(すなわち、以下の構造でR=H)か、またはコリン、エタノールアミン、またはセリンなどであるがこれらに限定されない単純な有機分子への結合によって修飾されている(すなわち、以下の構造でR≠H)可能性がある。リン脂質は、炭化水素鎖の1つまたは複数における置換によってさらに修飾することができる。
【0099】
【化6】
【0100】
[0093]一部の実施形態では、リン脂質は、グリセロリン脂質、スフィンゴ脂質、および/またはリン脂質誘導体から選択される。一部の実施形態では、グリセロリン脂質としては、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ジホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。本開示によるリン脂質誘導体としては、ジオレオイルホスファチジルコリン、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジペンタデアノイルホスファチジルコリン、ジラウロイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジアラキドニルホスファチジルコリン(diarachidonyiphosphatidylcholine)(DAPC)、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)、およびジステアロイルホスファチジルエタノールアミン(DSPE)、ジステアロイルホスファチジルグリセロール(DSPG)、ホスファチジルイノシトール、ジパルミトイルホスファチジン酸(DPPA)、ジステアロイルホスファチジン酸(DSPA)など、およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0101】
[0094]一部の実施形態では、ホスファチジルコリンは、コリン基(Me-CH-CH-O-)がリン酸基に結合しているリン脂質である。
【0102】
【化7】
【0103】
ホスファチジルコリンの非限定的な例は、以下に示すように、1-オレオイル-2-パルミトイル-ホスファチジルコリンである。
【0104】
【化8】
【0105】
[0095]一部の実施形態では、レシチンは、リン脂質の混合物である。レシチンは、卵、大豆、牛乳、海洋源、菜種、綿実、およびヒマワリを含むがこれらに限定されない種々の源から単離することができる.
[0096]一部の実施形態では、浸透促進剤はリン脂質である。一部の実施形態では、リン脂質は、ホスファチジルコリンである。一部の実施形態では、リン脂質は、ホスファチジルコリンを含む混合物である。一部の実施形態では、浸透促進剤はレシチンである。一部の実施形態では、ホスファチジルコリンは、レシチンである。一部の実施形態では、レシチンは、25%を超えるホスファチジルコリンを含有する。一部の実施形態では、レシチンは、80%を超えるホスファチジルコリンを含有する。一部の実施形態では、ホスファチジルコリンは、卵由来である。一部の実施形態では、ホスファチジルコリンは、大豆由来である。一部の実施形態では、APIは、クロファジミン、またはその薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、APIは、表1に列挙されるもの、またはその薬学的に許容される塩である。
【0106】
[0097]一態様では、本明細書に記載の医薬組成物は、API(クロファジミンなど)またはその薬学的に許容される塩、少なくとも1つの可溶化剤、および角質層浸透促進剤を含む。一部の実施形態では、角質層浸透促進剤は、ポリエトキシレート化ソルビタンモノオレエート、ラウロカプラム、リン脂質、エタノール、PEG化脂肪酸グリセリド、またはそれらの組合せである。一部の実施形態では、角質層浸透促進剤は、表4から選択される。一部の実施形態では、角質層浸透促進剤は、レシチンである。一部の実施形態では、角質層浸透促進剤は、医薬組成物の総重量の約1%から約20%までの量で存在する。
【0107】
[0098]一部の実施形態では、浸透促進剤は、本明細書に記載の医薬組成物の総重量の約1%~約20%を構成する。一部の実施形態では、浸透促進剤は、本明細書に記載の医薬組成物の総重量の約1%~約5%、約5%~約10%、約10%~約15%、約15%~約20%、約2%~約12%、または約7.5%~約12.5%。を構成する。一部の実施形態では、浸透促進剤は、本明細書に記載の医薬組成物の総重量の約1%を構成する。一部の実施形態では、浸透促進剤は、組成物の総重量の約1%を構成する。一部の実施形態では、浸透促進剤は、組成物の総重量の約2%を構成する。一部の実施形態では、浸透促進剤は、組成物の総重量の約3%を構成する。一部の実施形態では、浸透促進剤は、組成物の総重量の約4%を構成する。一部の実施形態では、浸透促進剤は、組成物の総重量の約5%を構成する。一部の実施形態では、浸透促進剤は、組成物の総重量の約6%を構成する。一部の実施形態では、浸透促進剤は、組成物の総重量の約7%を構成する。一部の実施形態では、浸透促進剤は、組成物の総重量の約8%を構成する。一部の実施形態では、浸透促進剤は、組成物の総重量の約9%を構成する。一部の実施形態では、浸透促進剤は、組成物の総重量の約10%を構成する。一部の実施形態では、浸透促進剤は、組成物の総重量の約11%を構成する。一部の実施形態では、浸透促進剤は、組成物の総重量の約12%を構成する。一部の実施形態では、浸透促進剤は、組成物の総重量の約13%を構成する。一部の実施形態では、浸透促進剤は、組成物の総重量の約14%を構成する。一部の実施形態では、浸透促進剤は、組成物の総重量の約15%を構成する。一部の実施形態では、浸透促進剤は、組成物の総重量の約16%を構成する。一部の実施形態では、浸透促進剤は、組成物の総重量の約17%を構成する。一部の実施形態では、浸透促進剤は、組成物の総重量の約18%を構成する。一部の実施形態では、浸透促進剤は、組成物の総重量の約19%を構成する。一部の実施形態では、浸透促進剤は、組成物の総重量の約20%を構成する。一部の実施形態では、浸透促進剤は、組成物の総重量の約25%を構成する。一部の実施形態では、浸透促進剤は、組成物の総重量の約30%を構成する。一部の実施形態では、APIは、クロファジミン、またはその薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、APIは、表1に列挙されるもの、またはその薬学的に許容される塩である。
【0108】
[0099]一部の実施形態では、医薬組成物は、親油性API、可溶化剤、および浸透促進剤を含む。一部の実施形態では、APIの(可溶化剤+浸透促進剤)に対する重量比は、約1:25から1:2500までである。一部の実施形態では、APIの(可溶化剤+浸透促進剤)に対する重量比は、約1:50から1:2000まである。一部の実施形態では、APIの(可溶化剤+浸透促進剤)に対する重量比は、約1:100から1:1000までである。一部の実施形態では、APIの(可溶化剤+浸透促進剤)に対する重量比は、約1:100から1:500までである。一部の実施形態では、APIの(可溶化剤+浸透促進剤)に対する重量比は、約1:250である。一部の実施形態では、浸透促進剤の可溶化剤に対する重量比は、約1:1から1:50までである。一部の実施形態では、浸透促進剤の可溶化剤に対する重量比は、約1:2から1:20までである。一部の実施形態では、浸透促進剤の可溶化剤に対する重量比は、約1:2から1:10までである。一部の実施形態では、浸透促進剤の可溶化剤に対する重量比は、約1:3から1:5までである。一部の実施形態では、浸透促進剤の可溶化剤に対する重量比は、約1:4である。一部の実施形態では、APIは、クロファジミン、またはその薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、APIは、表1に列挙されるもの、またはその薬学的に許容される塩である。
ゲル化剤
[00100]一部の実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は脂溶性のAPI(例えばクロファジミン)、少なくとも1種の可溶化剤および任意選択で浸透促進剤を含む。一部の実施形態では、医薬組成物は任意選択で1つまたは複数のゲル化剤を含んでもよい。
【0109】
[00101]ゲルは透明または半透明で、半固体の高度に架橋されたポリマー性マトリックスである。これらは比較的大量の液体に分散した小量の固体ゲル化剤を含み;その内容物のほとんどは液体であるが、より固体の様な性質を示す。適当な溶媒に分散したとき、ゲル化剤は統合するかまたは絡み合って、溶媒分子の捕捉および不動化によって流体の流れを制限する三次元の網目構造を形成する。ゲル化剤の粒子が化学的な結合または物理的な相互作用(例えば水素結合)によって架橋してほとんど液体ではあるが固体のように振る舞う三次元の網目になるとゲルが形成される。
【0110】
[00102]クリーム、軟膏、ゲル、ペーストなどが局所投与形態として使用されている。局所ゲル製剤は薬物送達系として以下のような利点を提供し得る:すなわち、クリームまたは軟膏より脂っぽくない;より良好な適用特性を保有する;余分なゲルは皮膚から容易に除去される;通例クリームおよび軟膏より安定である。
【0111】
[00103]限定されないが以下を含めて様々な種類のゲルが存在する:
ヒドロゲル-高い水含量からなり、超吸収性である。
オルガノゲル-三次元的に架橋された網目にトラップされた液体有機相から構成される非晶質の非ガラス質熱可塑性固体物質。
キセロゲル-プロセスで縮まないゲルから形成され、一般に高度の多孔性を保持する固体。その例にはゴムおよびゼラチンがある。
エアロゲル-ゲルの液体成分が気体(例えば窒素、空気)により置き換えられたとき作り出される低密度物質。
その他には無機、有機、バイオポリマー、モノマーゲル、エマルゲル(emulgel)、in situゲル、マイクロエマルションゲルなどがある。
【0112】
[00104]ポリアクリル酸(PAAまたはカルボマーまたはカーボポール)はアクリル酸の合成高分子量ポリマーである。化学名称はポリ(1-カルボキシエチレン)である。
【0113】
【化9】
【0114】
[00105]カルボマーは水溶性であり、水を吸収し保持することができ、その最初の体積の1000倍まで膨潤することができ、したがってゲル化剤として使用され得る。カルボマーは、ポリマーの分子量および組成を反映する(例えば、940、934、940、941、934Pなどのような)符号に伴われることが多い。
【0115】
[00106]中性pHの水溶液中で、カルボマーはアニオン性のポリマーであり、すなわち酸側鎖の多くがそのプロトンを喪失し、負の電荷を獲得する。カルボマーはアルカリ金属またはアンモニウム塩、例えばポリアクリル酸ナトリウムとして使用され得る。乾燥粉末形態において、正に帯電したナトリウムイオンはポリアクリレートに結合している。水溶液中で、ナトリウムイオンは、正に帯電した水素イオンにより置き換えられるので自由に動く。組織されたポリマー鎖の代わりに、これは高体積の水を吸収することができる膨潤したゲルにつながる。
【0116】
[00107]ゲル化は二段階プロセスで行なわれ得る。最初に、カルボマーが水和され、水性媒体全体に分散させられる。次に溶液は塩基の添加により中和される。中和剤には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウムまたは有機アミン、例えばトリエタノールアミン(TEA)が含まれる。1gのカルボマーをpH7に中和するには約0.01当量の塩基が必要である。
【0117】
[00108]一部の実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物はゲルである。一部の実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は脂溶性API、可溶化剤、浸透促進剤およびゲル化剤を含む。
【0118】
[00109]一部の実施形態では、ゲル化剤はカルボマー、ポリアクリル酸、ヒアルロン酸、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル(hydroxyporplymethyl)セルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ナトリウムCMC、ヒプロメロース、カーボポール、ポリビニルアルコール、ポリビニルメタクリル酸、ポロキサマー(polaxamer)、アデノシルコバラミン、ジェランガム、ペクチン、高メトキシルペクチン(HMP)、低メトキシルペクチン(LMP)、トラガカント、アカシア、またはこれらの組合せである。
【0119】
[00110]一部の実施形態では、ゲル化剤はカルボマー、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒプロメロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒアルロン酸またはこれらの組合せである。一部の実施形態では、ゲル化剤はカルボマーである。一部の実施形態では、ゲル化剤はカルボマー940である。一部の実施形態では、APIはクロファジミン、またはその薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、APIは表1に列挙されるもの、またはその薬学的に許容される塩である。
【0120】
[00111]一部の実施形態では、ゲル化剤は組成物の総重量の約0.1%~5%を構成する。一部の実施形態では、ゲル化剤は組成物の総重量の約0.1%~約0.5%、約0.1%~約1%、約0.2%~約1%、約0.5%~約2.5%、約0.5%~約5%、約1%~約2%、約1%~約5%、または約0.5%~約3%を構成する。一部の実施形態では、ゲル化剤は組成物の総重量の約0.1%を構成する。一部の実施形態では、ゲル化剤は組成物の総重量の約0.2%を構成する。一部の実施形態では、ゲル化剤は組成物の総重量の約0.3%を構成する。一部の実施形態では、ゲル化剤は組成物の総重量の約0.4%を構成する。一部の実施形態では、ゲル化剤は組成物の総重量の約0.5%を構成する。一部の実施形態では、ゲル化剤は組成物の総重量の約0.6%を構成する。一部の実施形態では、ゲル化剤は組成物の総重量の約0.7%を構成する。一部の実施形態では、ゲル化剤は組成物の総重量の約0.75%を構成する。一部の実施形態では、ゲル化剤は組成物の総重量の約0.8%を構成する。一部の実施形態では、ゲル化剤は組成物の総重量の約0.9%を構成する。一部の実施形態では、ゲル化剤は組成物の総重量の約1.0%を構成する。一部の実施形態では、ゲル化剤は組成物の総重量の約1.2%を構成する。一部の実施形態では、ゲル化剤は組成物の総重量の約1.3%を構成する。一部の実施形態では、ゲル化剤は組成物の総重量の約1.4%を構成する。一部の実施形態では、ゲル化剤は組成物の総重量の約1.5%を構成する。一部の実施形態では、ゲル化剤は組成物の総重量の約1.6%を構成する。一部の実施形態では、ゲル化剤は組成物の総重量の約1.7%を構成する。一部の実施形態では、ゲル化剤は組成物の総重量の約1.8%を構成する。一部の実施形態では、ゲル化剤は組成物の総重量の約1.9%を構成する。一部の実施形態では、ゲル化剤は組成物の総重量の約2.0%を構成する。一部の実施形態では、ゲル化剤は組成物の総重量の2.0%未満を構成する。一部の実施形態では、ゲル化剤は組成物の総重量の1.5%未満を構成する。一部の実施形態では、ゲル化剤は組成物の総重量の1%未満を構成する。一部の実施形態では、ゲル化剤は組成物の総重量の0.75%未満を構成する。一部の実施形態では、APIはクロファジミン、またはその薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、APIは表1に列挙されるもの、またはその薬学的に許容される塩である。
【0121】
[00112]一部の実施形態では、ゲル化剤と(API+可溶化剤+浸透促進剤)との重量比は約1:5である。一部の実施形態では、ゲル化剤と(API+可溶化剤+浸透促進剤)との重量比は約1:10である。一部の実施形態では、ゲル化剤と(API+可溶化剤+浸透促進剤)との重量比は約1:50である。一部の実施形態では、ゲル化剤と(API+可溶化剤+浸透促進剤)との重量比は約1:250である。一部の実施形態では、ゲル化剤と(API+可溶化剤+浸透促進剤)との重量比は約1:500である。一部の実施形態では、APIはクロファジミン、またはその薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、APIは表1に列挙されるもの、またはその薬学的に許容される塩である。
【0122】
中和剤(NEUTRAIZING AGENT)
[00113]一部の実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は脂溶性のAPI、少なくとも1種の可溶化剤および任意選択で浸透促進剤を含む。一部の実施形態では、医薬組成物のpHは9.5以下である。一部の実施形態では、pHは9.0以下である。一部の実施形態では、pHは8.5以下である。一部の実施形態では、pHは8.0以下である。一部の実施形態では、pHは7.5以下である。一部の実施形態では、pHは約6-8である。一部の実施形態では、pHは約6-7である。一部の実施形態では、pHは約5-7である。一部の実施形態では、pHは約5-6である。一部の実施形態では、pHは約4-9である。一部の実施形態では、pHは約6.5~7.5である。一部の実施形態では、pHは4または5より低い。一部の実施形態では、pHは6、7、8、または9より高い。一部の実施形態では、pHは約7である。一部の実施形態では、医薬組成物のpHは中和剤(またはpH調整剤)の添加により所望のpHに調整される。一部の実施形態では、中和剤はトリエタノールアミン、エチレンジアミン、クエン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、リン酸水素ナトリウムまたはこれらの組合せである。一部の実施形態では、中和剤はトリエタノールアミンである。一部の実施形態では、APIはクロファジミン、またはその薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、APIは表1に列挙されるもの、またはその薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は脂溶性のAPI、可溶化剤、浸透促進剤、ゲル化剤および中和剤を含む。

[00114]一部の実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は脂溶性のAPI、可溶化剤、任意選択で浸透促進剤、および任意選択で水を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は脂溶性のAPI、可溶化剤、任意選択で浸透促進剤、任意選択でゲル化剤、任意選択で中和剤および任意選択で水を含む。一部の実施形態では、医薬組成物は約30%~約95%の水を含む。一部の実施形態では、医薬組成物は重量で約40%~約90%の水を含む。一部の実施形態では、医薬組成物は重量で約50%~約90%の水を含む。一部の実施形態では、医薬組成物は重量で約60%~約80%の水を含む。一部の実施形態では、医薬組成物は重量で約70%~約80%の水を含む。一部の実施形態では、医薬組成物は重量で約75%~約80%の水を含む。一部の実施形態では、医薬組成物は重量で約75%の水を含む。一部の実施形態では、医薬組成物は重量で10%未満、5%未満、2%未満、1%未満、0.5%未満または0.1%未満の水を含む。一部の実施形態では、医薬組成物は水を含まない。一部の実施形態では、APIはクロファジミン、またはその薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、APIは表1に列挙されるもの、またはその薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は水を含まない。
【0123】
その他の添加剤
[00115]一部の実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は脂溶性のAPI、少なくとも1種の可溶化剤、任意選択で浸透促進剤、および任意選択で1つまたは複数の添加剤を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は脂溶性のAPI、可溶化剤、浸透促進剤、ゲル化剤、中和剤、任意選択で水および、任意選択で、1つまたは複数の添加剤を含む。一部の実施形態では、医薬組成物はさらに保湿剤を含む。一部の実施形態では、保湿剤はグリセリン、尿素、アラントインまたはこれらの組合せである。一部の実施形態では、APIはクロファジミン、またはその薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、APIは表1に列挙されるもの、またはその薬学的に許容される塩である。
【0124】
[00116]一部の実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物はさらに保存剤を含む。一部の実施形態では、保存剤は安息香酸ナトリウム、クロロブタノール、パラベンまたはソルビン酸である。一部の実施形態では、APIはクロファジミン、またはその薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、APIは表1に列挙されるもの、またはその薬学的に許容される塩である。
【0125】
[00117]本明細書に記載される組成物は任意選択で酸化防止剤を含んでもよい。一部の実施形態では、酸化防止剤は、組成物中のAPIおよび賦形剤の酸化または分解を低減するために使用される。一部の実施形態では、酸化防止剤はアスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、クエン酸、システイン、没食子酸、グアヤク脂、メチオニン、リン酸、メタ重亜硫酸カリウム、没食子酸プロピル、セサモール、sodium edate、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、テルブテリルヒドロキノン、酒石酸、三級ブチルヒドロキノン、ビタミンE(トコフェロール)、チオグリセロール、チオグリコール酸、またはこれらの組合せから選択される。一部の実施形態では、酸化防止剤はビタミンE、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、またはこれらの組合せである。一部の実施形態では、酸化防止剤はビタミンE、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、パルミチン酸アスコルビル、tert-ブチルヒドロキノンまたはこれらの組合せである。
【0126】
[00118]一部の実施形態では、1つまたは複数の添加剤は本明細書に記載される医薬組成物の総重量の2.0%未満の量で存在する。一部の実施形態では、1つまたは複数の添加剤は組成物の総重量の1.75%未満の量で存在する。一部の実施形態では、1つまたは複数の添加剤は組成物の総重量の1.5%未満の量で存在する。一部の実施形態では、1つまたは複数の添加剤は組成物の総重量の1.25%未満の量で存在する。一部の実施形態では、1つまたは複数の添加剤は組成物の総重量の1.0%未満の量で存在する。一部の実施形態では、1つまたは複数の添加剤は組成物の総重量の約0.1%を構成する。一部の実施形態では、1つまたは複数の添加剤は組成物の総重量の約0.2%を構成する。一部の実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は脂溶性API、長鎖脂肪酸または長鎖脂肪酸グリセリド、リン脂質および、任意選択で、1つまたは複数の添加剤を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の添加剤は組成物の総重量の約0.3%を構成する。一部の実施形態では、1つまたは複数の添加剤は組成物の総重量の約0.4%を構成する。一部の実施形態では、1つまたは複数の添加剤は組成物の総重量の約0.5%を構成する。一部の実施形態では、1つまたは複数の添加剤は組成物の総重量の約0.6%を構成する。一部の実施形態では、1つまたは複数の添加剤は組成物の総重量の約0.7%を構成する。一部の実施形態では、1つまたは複数の添加剤は組成物の総重量の約0.8%を構成する。一部の実施形態では、1つまたは複数の添加剤は組成物の総重量の約0.9%を構成する。一部の実施形態では、1つまたは複数の添加剤は組成物の総重量の約1.0%を構成する。一部の実施形態では、1つまたは複数の添加剤は組成物の総重量の約1.1%を構成する。一部の実施形態では、1つまたは複数の添加剤は組成物の総重量の約1.2%を構成する。一部の実施形態では、1つまたは複数の添加剤は組成物の総重量の約1.25%を構成する。一部の実施形態では、1つまたは複数の添加剤は組成物の総重量の約0.01%~約2%の量で存在する。一部の実施形態では、1つまたは複数の添加剤は組成物の総重量の約0.1%~約1.75%の量で存在する。一部の実施形態では、1つまたは複数の添加剤は組成物の総重量の約0.2%~約1.5%の量で存在する。一部の実施形態では、1つまたは複数の添加剤は組成物の総重量の約0.3%~約1.25%の量で存在する。一部の実施形態では、1つまたは複数の添加剤は組成物の総重量の約0.4%~約1.1%の量で存在する。
【0127】
[00119]一部の実施形態では、従来医薬組成物に慣用される他の添加剤が含まれてもよく、これらの添加剤は当技術分野で周知である。かかる添加剤には、限定されないが、接着防止剤(固着防止剤、滑剤、流動促進剤、潤滑剤)(例えば、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ヒュームドシリカ(Carbosil、Aerosil)、微粒子化したシリカ(Syloid No. FP 244、Grace U.S.A.)、ポリエチレングリコール、界面活性剤、ワックス、ステアリン酸、ステアリン酸塩、ステアリン酸誘導体、デンプン、水添植物油、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、ロイシン、PEG-4000およびラウリル硫酸マグネシウム)抗凝固剤(例えば、アセチル化されたモノグリセリド)、消泡剤(例えば、長鎖アルコールおよびシリコーン誘導体)、酸化防止剤(例えば、BHT、BHA、没食子酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、4ヒドロキシメチル-2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、トコフェロール等)、バインダー(接着剤)、すなわち、粉末化された材料に粒子-粒子結合によって凝集性を付与する作用物質(例えば、マトリックスバインダー(乾燥デンプン、乾燥砂糖)、フィルムバインダー(PVP、デンプンペースト、セルロース、ベントナイト、スクロース))、化学的バインダー(例えば、ポリマー性セルロース誘導体、例えばカルボキシメチルセルロース、HPC、HPMC等、シュガーシロップ、コーンシロップ、水溶性多糖(例えば、アカシア、トラガカント、グアー、アルギン酸塩等)、ゼラチン、ゼラチン加水分解物、寒天、スクロース、デキストロース、非セルロースバインダー(例えば、PVP、PEG、ビニルピロリドンコポリマー、アルファ化デンプン、ソルビトール、グルコース等)、緩衝剤(bufferant)(酸が薬学的に許容される酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、ホウ酸、リン酸、酢酸、アクリル酸、アジピン酸、アルギン酸、アルカンスルホン酸、アミノ酸、アスコルビン酸、安息香酸、ホウ酸、酪酸、炭酸、クエン酸、脂肪酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、ヒドロキノンスルホン酸(hydroquinosulfonic acid)、イソアスコルビン酸、乳酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、パラ-ブロモフェニルスルホン酸、プロピオン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、タンニン酸、酒石酸、チオグリコール酸、トルエンスルホン酸、尿酸等)であり、塩基が薬学的に許容される塩基(例えば、アミノ酸、アミノ酸エステル、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、合成ハイドロタルサイト、水酸化アルミニウムマグネシウム、ジイソプロピルエチルアミン、エタノールアミン、エチレンジアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリイソプロパノールアミン、または酢酸、アクリル酸、アジピン酸、アルギン酸、アルカンスルホン酸、アミノ酸、アスコルビン酸、安息香酸、ホウ酸、酪酸、炭酸、クエン酸、脂肪酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、ヒドロキノンスルホン酸、イソアスコルビン酸、乳酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、パラ-ブロモフェニルスルホン酸、プロピオン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、タンニン酸、酒石酸、チオグリコール酸、トルエンスルホン酸、および尿酸の薬学的に許容される塩である)、キレート剤(例えば、EDTAおよびEDTA塩)、凝固剤(例えば、アルギン酸塩) 着色剤または不透明化剤(例えば、二酸化チタン、食用色素、レーキ、天然の野菜着色剤、酸化鉄、ケイ酸塩、硫酸塩、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム)、冷却剤(例えばハロゲン化炭化水素(例えば、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、ジクロロメタン、フルオロトリクロロメタン)、ジエチルエーテルおよび液体窒素) 抗凍結剤(例えば、トレハロース(trehelose)、リン酸塩(phosphate)、クエン酸、酒石酸、ゼラチン、デキストラン、マンニトール等)、希釈剤または充填剤(例えば、ラクトース、マンニトール、タルク、ステアリン酸マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、クエン酸、噴霧乾燥ラクトース、加水分解デンプン、直接圧縮可能なデンプン、微結晶質セルロース、セルロース誘導体、ソルビトール、スクロース、スクロースベースの物質、硫酸カルシウム、第二リン酸カルシウムおよびデキストロース崩壊剤または超崩壊剤(super disintegrant)(例えば、クロスカルメロースナトリウム、デンプン、デンプン誘導体、粘土、ゴム、セルロース、セルロース誘導体、アルギン酸塩、架橋ポリビニルピロリドン、デンプングリコール酸ナトリウムおよび微結晶質セルロース)、水素結合剤(例えば、酸化マグネシウム)、香味剤または減感剤(例えば、噴霧乾燥香味料、エッセンシャルオイルおよびエチルバニリン)、イオン交換樹脂(例えば、スチレン/ジビニルベンゼンコポリマー、および四級アンモニウム化合物)、可塑剤(例えば、ポリエチレングリコール、クエン酸エステル(例えば、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル)、アセチル化モノグリセリド、グリセリン、トリアセチン、プロピレングリコール、フタル酸エステル(例えば、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル)、ヒマシ油、ソルビトールおよびジブチルセケート(dibutyl seccate))、保存剤(例えば、アスコルビン酸)、ホウ酸、ソルビン酸、安息香酸、およびこれらの塩、パラベン、フェノール類、ベンジルアルコール、および四級アンモニウム化合物)、溶媒(例えば、アルコール、ケトン、エステル、塩素化炭化水素および水) 甘味料、例えば天然甘味料(例えば、マルトース、スクロース、グルコース、ソルビトール、グリセリンおよびデキストリン)、および人工甘味料(例えば、アスパルテーム、サッカリンおよびサッカリン塩)および増粘剤(粘度調整剤、増粘剤)(例えば、砂糖、ポリビニルピロリドン、セルロース誘導体、ポリマーおよびアルギン酸塩)が含まれる。
【0128】
[00120]添加剤はまたタンパク質(例えば、コラーゲン、ゼラチン、ゼイン、グルテン、イガイタンパク質、リポタンパク質)、炭水化物(例えば、アルギン酸塩、カラギーナン、セルロース誘導体、ペクチン、デンプン、キトサン)、ゴム(例えば、キサンタンゴム、アラビアゴム)、鯨ろう、天然または合成ワックス、カルナウバ(carnuaba)ろう、脂肪酸(例えば、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸)、脂肪アルコール、砂糖、シェラック、例えば砂糖をベースとするもの(例えば、ラクトース、スクロース、デキストロース)またはデンプン、多糖をベースとするポリマー(例えば、マルトデキストリンおよびマルトデキストリン誘導体、デキストレート、シクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体)、セルロースをベースとするポリマー(例えば、微結晶質セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸セルロース、トリメリテート(trimellitate)、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート)、無機化合物(例えば、第二リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト(hydroxyapitite)、リン酸三カルシウム、タルクおよびチタニア)、ポリオール(例えば、マンニトール、キシリトールおよびソルビトールポリエチレングリコールエステル)およびポリマー(例えば、アルギン酸塩、ポリ(ラクチドコグリコリド)、ゼラチン、架橋ゼラチンおよび寒天-寒天)のような物質でもあり得る。
【0129】
[00121]所与の成分は実際に実行する人によって異なって分類されることが多いか、または通常いくつかの異なる機能のいずれかに使用されるか、または組成物中のレベルに応じて異なる機能を有し得るので、一般的に上記リストの成分間にはかなりの重複があることが了解されよう。したがって、上記リストの成分は本開示の組成物に含まれることができる成分の種類の単なる代表例であって、限定するものではない。
【0130】
[00122]医薬組成物に含ませるのに適した他の作用物質には、保湿剤、例えばプロピレングリコール、グリセリン、ブチレングリコール、ソルビトール、トリアセチン、およびこれらの混合物;香料、例えばラベンダー油、バラ油、レモン油、アーモンドオイル、その他のFDAに認可された香料、およびこれらの混合物;冷却剤、例えばメントール、例えば、l-メントールおよびdl-メントール;カンフル、例えば、d-カンフルおよびdl-カンフル;ボルネオール、例えば、d-ボルネオールおよびdl-ボルネオール;ならびにこれらの混合物が含まれる。
【0131】
安定剤
[00123]一部の実施形態では、本明細書に開示される組成物は安定剤を含む。一部の実施形態では、可溶化剤、浸透促進剤、ゲル化剤、または添加剤のいずれかが安定剤の追加の機能を果たす。一部の実施形態では、安定剤は組成物中の活性医薬成分、例えば表1のAPIの分解を減らす。
【0132】
[00124]一部の実施形態では、本明細書に開示される組成物はクロファジミンを含む。クロファジミンは酸化および加水分解により劣化し、保存のために安定化を必要とする。一部の実施形態では、安定剤はlabrasol、Transcutol、プロピルグリコール、オレイン酸、グリセリン、PEG 3350、Polyoxyl 40硬化ヒマシ油(RH 40)、ステアリルアルコール、ワセリン、および液体パラフィンから選択される。一部の実施形態では、安定剤はプロピルグリコール、グリセリン、PEG 3350、Polyoxyl 40硬化ヒマシ油(RH 40)、ステアリルアルコール、ワセリン、および液体パラフィンから選択される。一部の実施形態では、安定剤はステアリルアルコール、ワセリン、および液体パラフィンから選択される。
【0133】
安定性
[00125]本明細書に記載される局所製剤は様々な保存条件で長期間化学的かつ物理的に安定である。用語「安定な」は、本明細書で使用される場合、所与の保存期間後その外観(例えば、着色、均一性、凝集なし)を維持する製剤を意味することができる。また用語「安定な」は、本明細書で使用される場合、所与の保存期間後API含量、例えば、初期API量の約90%~約110%または初期API量の約95%~約105%を維持する製剤を意味することもできる。また用語「安定な」は、本明細書で使用される場合、所与の保存期間後初期API量の重量に基づいて2%w/w以下の総不純物または1%w/w未満の単一の不純物を保持する製剤も意味することができる。用語「安定な」はまた、本明細書で使用される場合、所与の保存期間後規定の限界より低い微生物レベルを保持する製剤も意味することができる。一部の実施形態では、その期間または保存期間は少なくとも7日、少なくとも14日、少なくとも15日、少なくとも1月、少なくとも2月、少なくとも3月、少なくとも6月、少なくとも9月、少なくとも12月、少なくとも15月、少なくとも18月、または少なくとも24月である。一部の実施形態では、本明細書に記載される製剤は少なくとも6月安定である。一部の実施形態では、本明細書に記載される製剤は少なくとも12月安定である。一部の実施形態では、本明細書に記載される製剤は少なくとも18月安定である。一部の実施形態では、本明細書に記載される製剤は少なくとも24月安定である。一部の実施形態では、保存条件は約4℃のような冷蔵温度である。一部の実施形態では、保存条件は約40℃である。一部の実施形態では、保存条件は約25℃である。一部の実施形態では、保存条件は約40℃および約75%RHの促進条件である。一部の実施形態では、保存条件は約25℃および約60%RHである。
【0134】
[00126]一部の実施形態では、本明細書に記載される製剤はAPI(例えば、クロファジミンまたは表1のAPI)の標識された量の90%以上かつ110%以下のアッセイ値を有する。一部の実施形態では、アッセイ値はHPLC法を用いて測定することができる。一部の実施形態では、本明細書に記載される製剤は標識されたAPI(例えば、クロファジミン)の所与の保存期間後約85%~約115%、約90%~約110%、約95%~約105%、約98%~約102%、または99%~約101%のアッセイ値を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載される製剤は40℃で保存されるとき標識されたAPI(例えば、クロファジミン)の所与の保存期間後約90%~約110%のアッセイ値を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載される製剤は25℃で保存されるとき標識されたAPIの所与の保存期間後約90%~約110%のアッセイ値を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載される安定な製剤中のAPIは所与の保存期間後少なくとも約85%w/w、少なくとも約86%w/w、少なくとも約87%w/w、少なくとも約88%w/w、少なくとも約89%w/w、少なくとも約90%w/w、少なくとも約91%w/w、少なくとも約92%w/w、少なくとも約93%w/w、少なくとも約94%w/w、少なくとも約95%w/w、少なくとも約96%w/w、少なくとも約97%w/w、少なくとも約98%w/w、少なくとも約99%w/w、または少なくとも約100%w/wの初期API量を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載される製剤は所与の保存期間後初期API量の約90%~約110%w/wを保持する。一部の実施形態では、本明細書に記載される製剤は所与の保存期間後初期API量の約95%~約105%w/wを保持する。一部の実施形態では、本明細書に記載される製剤は所与の保存期間後初期API量の少なくとも約85%w/w、少なくとも約86%w/w、少なくとも約87%w/w、少なくとも約88%w/w、少なくとも約89%w/w、少なくとも約90%w/w、少なくとも約91%w/w、少なくとも約92%w/w、少なくとも約93%w/w、少なくとも約94%w/w、少なくとも約95%w/w、少なくとも約96%w/w、少なくとも約97%w/w、少なくとも約98%w/w、少なくとも約99%w/w、または少なくとも約100%w/wを保持する。一部の実施形態では、本明細書に記載される安定な製剤中のAPIは所与の保存期間後初期API量の最大で約115%w/w、最大で約110%w/w、最大で約109%w/w、最大で約108%w/w、最大で約107%w/w、最大で約106%w/w、最大で約105%w/w、最大で約104%w/w、最大で約103%w/w、最大で約102%w/w、最大で約101%w/w、または最大で約100%w/wを有する。一部の実施形態では、本明細書に記載される安定な製剤中のAPIは所与の保存期間後初期API量の約100±15%w/w、約100±10%w/w、約100±9%w/w、約100±8%w/w、約100±7%w/w、約100±6%w/w、約100±5%w/w、約100±4%w/w、約100±3%w/w、約100±2.5%w/w、約100±2.0%w/w、約100±1.5%w/w、約100±1.0%w/w、または約100±0.5%w/wの範囲内である。一部の実施形態では、本明細書に記載される製剤は25℃で保存されるとき所与の保存期間後初期API量の約90%~約110%のアッセイ値を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載される製剤は40℃で保存されるとき所与の保存期間後初期API量の約90%~約110%のアッセイ値を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載される製剤は25℃および/または40℃で保存されるとき所与の保存期間後初期API量の約95%~約105%のアッセイ値を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載される製剤は25℃および/または40℃で保存されるとき所与の保存期間後初期API量の約98%~約102%のアッセイ値を有する。一部の実施形態では、API量は高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)のような液体クロマトグラフィーで決定される。一部の実施形態では、本明細書に記載される安定な製剤中の総不純物は所与の保存期間後APIの初期量の重量に基づいて約0.1%w/w、約0.2%w/w、約0.3%w/w、約0.4%w/w、約0.5%w/w、約0.6%w/w、約0.7%w/w、約0.8%w/w、約0.9%w/w、約1.0%w/w、約1.1%w/w、約1.2%w/w、約1.3%w/w、約1.4%w/w、約1.5%w/w、約1.6%w/w、約1.7%w/w、約1.8%w/w、約1.9%w/w、約2.0%w/w、約2.1%w/w、約2.2%w/w、約2.3%w/w、約2.4w/w、または約2.5%w/w以下である。一部の実施形態では、本明細書に記載される安定な製剤中の総不純物は所与の保存期間後製剤の重量に基づいて約0.5%w/w、約1.0%w/w、約1.5%w/w、約2.0%w/w、約2.5%w/w、約3.0%w/w、約3.5%w/w、約4.0%w/w、約4.5%w/w、約5.0%w/w、または約10%w/w以下である。一部の実施形態では、保存期間は少なくとも6月、少なくとも9月、少なくとも12月または中間の任意の期間である。一部の実施形態では、保存期間は少なくとも6月である。一部の実施形態では、保存期間は少なくとも9月である。一部の実施形態では、保存条件は約60%の相対湿度を有する。一部の実施形態では、保存条件は約75%の相対湿度を有する。一部の実施形態では、保存条件は約40℃の温度を有する。一部の実施形態では、保存条件は約25℃の温度を有する。一部の実施形態では、APIはクロファジミンである。一部の実施形態では、APIは表1のAPIである。
【0135】
[00127]一部の実施形態では、本明細書に開示される組成物はクロファジミンおよび少なくとも1種の安定剤を含む。一部の実施形態では、組成物は60℃で3日安定である。一部の実施形態では、組成物は室温および様々な湿度レベル(例えば60%および75%)で1、2、3、4、5、6、7、8、9、またはそれ以上の月安定である。一部の実施形態では、組成物は昇温および高湿(例えば75%)で1、2、3、4、5、6、7、8、9、またはそれ以上の月安定である。一部の実施形態では、分解の結果の総不純物の量は所与の保存期間後初期API量の重量または製剤の重量に基づいて約0.01%、0.05%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1.0%、2.0%、3.0%または5.0%以下である。一部の実施形態では、分解の結果の不純物の量は約0.01%~約5%である。一部の実施形態では、分解の結果の不純物の量は所与の保存期間後初期API量の重量または製剤の重量に基づいて約0.01%~約0.05%、約0.01%~約0.1%、約0.01%~約0.25%、約0.01%~約0.5%、約0.01%~約0.75%、約0.01%~約1%、約0.01%~約2%、約0.01%~約3%、約0.01%~約5%、約0.1%~約0.25%、約0.1%~約0.5%、約0.1%~約0.75%、約0.1%~約1%、約0.1%~約2%、約0.1%~約3%、または約0.1%~約5%である。一部の実施形態では、分解の結果の総不純物の量は9月にわたって初期API量の重量に基づいて約0.2%未満である。一部の実施形態では、分解の結果の総不純物の量は9月にわたって約0.15%未満である。一部の実施形態では、分解の結果の総不純物の量は所与の保存期間後初期API量の重量に基づいて約2%以下である。一部の実施形態では、分解の結果の総不純物の量は所与の保存期間後初期API量の重量に基づいて約1%以下である。一部の実施形態では、分解の結果の単一の不純物の量は所与の保存期間後初期API量の重量に基づいて約1%以下である。一部の実施形態では、分解の結果の単一の不純物の量は所与の保存期間後初期API量の重量に基づいて約0.5%以下である。一部の実施形態では、総不純物は高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)のような液体クロマトグラフィーで決定される。一部の実施形態では、保存期間は少なくとも6月、少なくとも9月、少なくとも12月または間の任意の期間である。一部の実施形態では、保存期間は少なくとも6月である。一部の実施形態では、保存期間は少なくとも9月である。一部の実施形態では、保存条件は約60%の相対湿度を有する。一部の実施形態では、保存条件は約75%の相対湿度を有する。一部の実施形態では、保存条件は約40℃の温度を有する。一部の実施形態では、保存条件は約25℃の温度を有する。一部の実施形態では、APIはクロファジミンである。一部の実施形態では、APIは表1のAPIである。
【0136】
[00128]一部の実施形態では、本明細書に記載される製剤はある保存期間にわたって物理的に安定である。一部の実施形態では、製剤のAPIは少なくとも1月、6月、9月、12月、または12月の保存期間にわたって視覚的に観察される結晶形成を伴うことなく溶解したままである。一部の実施形態では、製剤のAPIは少なくとも1月、6月、9月、12月、または12月の保存期間にわたって偏光顕微鏡により観察される結晶形成を伴うことなく溶解したままである。一部の実施形態では、保存期間は少なくとも6月である。一部の実施形態では、保存期間は少なくとも9月である。一部の実施形態では、保存条件は約40℃の温度を有する。一部の実施形態では、保存条件は約25℃の温度を有する。一部の実施形態では、APIはクロファジミンである。一部の実施形態では、APIは表1のAPIである。
【0137】
投与の方法
[00129]一部の実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は局所投与用である。一部の実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は経皮投与用である。一部の実施形態では、APIはクロファジミン、またはその薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、APIは表1に列挙されるもの、またはその薬学的に許容される塩である。したがって、本明細書には、必要とする対象において疾患または状態を処置する方法が記載され、この方法は本明細書に記載される局所製剤をその対象に適用するステップを含む。さらに、本発明により、本明細書に記載される局所製剤を投与することにより、本明細書に記載されるAPI(例えばクロファジミンまたはその薬学的に許容される塩)を対象の皮膚、例えば皮膚の表皮層および/または真皮層に送達する方法が提供される。
【0138】
[00130]局所または経皮投与は、皮膚または粘膜組織中への通過および貫通によるAPIの送達を意味する。したがって、用語「経皮」および「経粘膜」は特に断らない限り同義で使用される。同様に、用語「皮膚」、「真皮」、「表皮」、「粘膜」なども特に断らない限り同義で使用される。局所用医薬組成物は身体上または身体内の特定の場所に適用される。ほとんどの場合、局所投与は皮膚または粘膜のような身体表面への適用性に関する。局所投薬は皮膚表面に関し得、直接皮膚に適用されることを意味する。ある場合には、製剤は、バッキング部材等のような構造体を使用することなくAPIの経皮送達を奏するのに充分な自由形態で直接皮膚に適用されてもよい。ある場合には、製剤は、バッキング部材、包帯またはカバー、例えばマトリックスパッチのような構造体の助けによって皮膚に適用されてもよい。
【0139】
[00131]局所用医薬組成物にはいくつかの種類がある。一部の実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物はゲル、ローション、クリーム、軟膏、局所用溶液、点滴剤、ゼリー、香膏(balm)、泡、ムース、パッチ、ペースト、エアロゾル、スプレー、粉末、分散性粉末、顆粒、エマルション、スポンジ、テープ、チンキ剤または固体である。
【0140】
[00132]一部の実施形態では、医薬組成物はゲル、クリームまたは軟膏である。一部の実施形態では、医薬組成物はゲルである。一部の実施形態では、医薬組成物はクリームである。一部の実施形態では、医薬組成物は軟膏である。一部の実施形態では、APIはクロファジミン、またはその薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、APIは表1に列挙されるもの、またはその薬学的に許容される塩である。
【0141】
[00133]一部の実施形態では、医薬組成物が適用される場所は投与に先立って洗浄される。一部の実施形態では、医薬組成物が適用される場所は投与に先立って洗浄され乾燥される。一部の実施形態では、医薬組成物が適用される場所は投与に先立って洗浄され、乾燥され、剥離される。
【0142】
[00134]一部の実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は1日一回投与される。一部の実施形態では、医薬組成物は1日二回投与される。一部の実施形態では、医薬組成物は1日三回投与される。一部の実施形態では、医薬組成物は1日四回投与される。一部の実施形態では、医薬組成物は1日四回より多く投与される。一部の実施形態では、医薬組成物は1日一回以下投与される。一部の実施形態では、医薬組成物は少なくとも1日一回投与される。一部の実施形態では、医薬組成物は少なくとも1日二回投与される。一部の実施形態では、医薬組成物は1日1回以上、少なくとも1日、3日、7日、14日、21日、28日、1月、2月、3月、6月、12月、2年、または間の任意の回数もしくは範囲、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、または28日、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12月投与される。一部の実施形態では、医薬組成物は少なくとも1週、少なくとも1月、少なくとも3月、少なくとも6月、または少なくとも1年投与される。一部の実施形態では、医薬組成物は最大1月、最大3月、最大6月、最大1年、または最大10年投与される。一部の実施形態では、医薬組成物の日々の適用性の数は処理される疾患または障害の重症度に依存する。一部の実施形態では、医薬組成物は必要に応じて、すなわち疾患または障害の症状を緩和するために投与される。
【0143】
[00135]一部の実施形態では、組成物の局所領域への投与後、組成物および領域は保護布、包帯、ガーゼ、ラップなどで覆われ得る。保護布、包帯、ガーゼまたはラップは組成物の、例えば衣類、家具、寝具類、第三者などへの移行を防ぐことができる。保護布、包帯、ガーゼまたはラップはその領域を、例えばほこり病原菌細菌などから保護することができる。
【0144】
組合せ
[00136]一部の実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物はさらに第2のAPIを含み得る。一部の実施形態では、第2のAPIは抗炎症剤、局所麻酔剤またはこれらの組合せである。典型的な局所麻酔剤には、限定されないが、リドカイン、キシロカイン、ブプレノルフィンおよびフェンタニルが含まれる。適切な外用副腎皮質ホルモン剤は抗炎症薬として使用することができる。適した代表的な副腎皮質ホルモン剤にはコルチゾール(ヒドロコルチゾン);テトラヒドロコルチゾール;プレドニゾン(コルチゾン);プレドニゾロン(コルチゾール);6α-メチルプレドニゾロン;フルドロコルチゾン(9α-フルオロコルチゾール);11-デオキシコルチゾール;コルチゾン(11-デヒドロコルチゾール);コルチコステロン;トリアムシノロン(9α-フルオロ-16α-ヒドロキシプレドニゾロン);パラメタゾン(6α-フルオロ-16α-メチルプレドニゾロン);ベタメタゾン(9α-フルオロ-16β-メチルプレドニゾロン);デキサメタゾン(9α-フルオロ-16α-メチルプレドニゾロン);酢酸デスオキシコルチコステロン(doca acetate、percorten acetate);デスオキシコルチコステロンピバル酸エステル(percorten pivalate);酢酸フルドロコルチゾン(florine acetate);コルチゾール(ヒドロコルチゾン)(cortef、hydrocortone);酢酸コルチソル(cortef acetate、hydrocortone acetate);コルチゾールシピオネート(cortef);リン酸コルチゾールナトリウム塩(hydrocortone phosphate);コハク酸コルチゾールナトリウム塩(solu-cortef);ベクロメタゾン二プロピオン酸エステル(vanceril);ベタメタゾン(celestone);ベタメタゾンナトリウムリン酸塩および酢酸塩(celestone soluspan);ベタメタゾン二プロピオン酸エステル(diprosone);ベタメタゾン吉草酸エステル(valisone);安息香酸ベタメタゾン(benisone、flurodate);酢酸コルチゾン(cortone acetate);デキサメタゾン(decadron、gammacorten);デキサメタゾンナトリウムリン酸塩(decadron phosphate、hexadrol phosphate);酢酸デキサメタゾン(decadron-L.A.);fuprednisolone(alphadrol);メプレドニゾン(betapar);メチルプレドニゾロン(medrol);酢酸メチルプレドニゾロン(depo-medrol、medrol acetate);メチルプレドニゾロンナトリウムコハク酸塩(solu-medrol);酢酸パラメタゾン(haldrone);プレドニゾロン(delta-cortef);酢酸プレドニゾロン(meticortelone acetate);プレドニゾロンナトリウムリン酸塩(hydeltrasol);プレドニゾロンナトリウムコハク酸塩(meticortelone soluble);プレドニゾロンテブタート(hydelta-T.B.A.);プレドニゾン(deltasone、paracort);トリアムシノロン(aristocort、kenacort);トリアムシノロンアセトニド(aristoderm、kenalog);二酢酸トリアムシノロン(aristocort diacetate、kienacort diacetate);トリアムシノロンhexacotonide(aristospan);デソニド(tridesilon);デスオキシメタゾン(topicort);フルメタゾンピバル酸エステル(locorten);フルオシノロンアセトニド(fluonid、synalar);フルオシノニド(lidex、topsyn);フルオロメトロン(oxylone);フルランデノリド(cordran);ハルシノニド(halog);およびメドリゾン(HMS liquifilm, medrocort)が含まれる。
【0145】
[00137]一部の実施形態では、第2のAPIはかゆみ止め薬である。かゆみ止め薬には、限定されないが、プラモキシン、ジフェンヒドラミン、ベンゾカイン、リドカイン、ブピバカイン、クロロプロカイン、ジブカイン、エチドカイン、メピバカイン、テトラカイン、ジクロニン、ヘキシルカイン、リグノカイン、フェナカイン、プロカイン、ケタミン、フェノール、ブタムベン、butambenpicrate、コカイン、ジメチソキン、ジペロドン、ジクロニン、メタピリレン(methapyriline)、オキシプロカイン、p-ブチルアミノ安息香酸2-(ジエチルアミノ(die-ethylamino))エチルエステル、ピペロカイン、プリロカイン、トリペレナミン、ジクロニン、レゾルシノール、シンコカイン、デキシバカイン、ジアモカイン、レボブピバカイン、オキセサゼイン、プロパラカイン、プロポキシカイン、ピロカイン、リソカイン、ロドカイン、ロピバカイン、プラモカイン、プロキサゾカイン、4-(3-(p-ブトキシフェノキシ)プロピル)モルホリン、ガンマ-モルホリノプロピル4-n-ブトキシフェニルエーテル、p-ブトキシフェニルガンマ-モルホリノプロピルエーテル、4-[3-(4-ブトキシフェノキシ)-プロピル]モルホリン、メントール、カンフル、アントラニル酸メンチル、およびこれらの薬学的に許容される塩、誘導体、ならびにこれらの混合物が含まれる。
【0146】
[00138]一部の実施形態では、第2のAPIは抗菌剤である。抗菌剤の例にはペニシリンおよび関連薬、カルバペネム、セファロスポリンおよび関連薬、エリスロマイシン、アミノグリコシド、バシトラシン、グラミシジン、ムピロシン、クロラムフェニコール、チアンフェニコール、フシジン酸ナトリウム、リンコマイシン、クリンダマイシン、マクロライド、ノボビオシン、ポリミキシン、リファマイシン、スペクチノマイシン、テトラサイクリン、バンコマイシン(vanomycin)、テイコプラニン、ストレプトグラミン、抗葉酸剤、例えばスルホンアミド、トリメトプリムおよびその組合せおよびピリメタミン、合成抗菌剤、例えばニトロフラン、マンデル酸メテナミンおよびヒプル酸メテナミン、ニトロイミダゾール、キノロン、フルオロキノロン、イソニアジド、エタンブトール、ピラジンアミド、パラ-アミノサリチル酸(PAS)、サイクロセリン、カプレオマイシン、エチオナミド、プロチオンアミド、チアセタゾン、バイオマイシン、エベミノマイシン、グリコペプチド、glyclyclycline、ケトライド、オキサゾリジノン;イミペネム、アミカシン、ネチルマイシン、ホスホマイシン、ゲンタマイシン、セフトリアキソン、Ziracin、リネゾリド、Synercid、アズトレオナム、およびメトロニダゾール、Epiroprim、サンフェトリネムナトリウム、ビアペネム、ジネミシン、セフルプレナム、セフォセリス、サンフェトリネムシレキセチル、セフピロム、メルサシジン、リファラジル、Kosan、レナペネム、Veneprim、スロペネム、ritipenam acoxyl、Cyclothialidine、ミカコシジンA、カルモナム、セフォゾプランおよびセフェタメトピボキシルが含まれる。
【0147】
[00139]一部の実施形態では、第2のAPIは抗ニキビ剤である。局所用抗ニキビ剤の例にはアダパレン、アゼライン酸、過酸化ベンゾイル、クリンダマイシンおよびクリンダマイシンリン酸エステル、ドキシサイクリン、エリスロマイシン、角質溶解薬、例えばサリチル酸およびレチノイン酸(Retin-A)、ノルゲスチマート、有機過酸化物、レチノイド、例えばイソトレイチノインおよびトレイチノイン、スルファセタミドナトリウム、およびタザロテンが含まれる。特定の抗ニキビ剤にはアダパレン、アゼライン酸、過酸化ベンゾイル、クリンダマイシン(例えば、クリンダマイシンリン酸エステル)、ドキシサイクリン(例えば、ドキシサイクリン一水和物)、エリスロマイシン、イソトレイチノイン、ノルゲスチマート、スルファセタミドナトリウム、タザロテン、エトレチナートおよびアシトレチンが含まれる。
【0148】
[00140]一部の実施形態では、第2のAPIは抗ヒスタミン剤である。抗ヒスタミン剤の例にはジフェンヒドラミン塩酸塩、ジフェンヒドラミンサリチル酸塩、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン塩酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩 イソチペンジル塩酸塩、トリペレナミン塩酸塩、プロメタジン塩酸塩、メトジラジン塩酸塩などが含まれる。局所麻酔剤の例にはジブカイン塩酸塩、ジブカイン、リドカイン塩酸塩、リドカイン、ベンゾカイン、p-ブチルアミノ安息香酸2-(ジエチルアミノ)エチルエステル塩酸塩、プロカイン塩酸塩、テトラカイン、テトラカイン塩酸塩、クロロプロカイン塩酸塩、オキシプロカイン塩酸塩、メピバカイン、コカイン塩酸塩、ピペロカイン塩酸塩、ジクロニンおよびジクロニン塩酸塩が含まれる。
【0149】
[00141]一部の実施形態では、第2のAPIは消毒剤である。消毒剤の例にはアルコール、四級アンモニウム化合物、ホウ酸、クロルヘキシジンおよびクロルヘキシジン誘導体、ヨウ素、フェノール、テルペン、殺菌剤(bactericide)、殺菌剤(disinfectant)、例えばチメロサール、フェノール、チモール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、クロルヘキシジン、ポビドンヨード、塩化セチルピリジニウム、オイゲノールおよびトリメチルアンモニウムブロミドが含まれる。
【0150】
[00142]一部の実施形態では、第2のAPIは鎮痛剤である。鎮痛剤の例にはアルフェンタニル、ベンゾカイン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、ブタムベン、カプサイシン、クロニジン、コデイン、ジブカイン、エンケファリン、フェンタニル、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、インドメタシン、リドカイン、レボルファノール、メペリジン、メサドン、モルヒネ、ニコモルヒネ、アヘン、オキシブプロカイン、オキシコドン、オキシモルホン、ペンタゾシン、プラモキシン、プロパラカイン、プロポキシフェン、プロキシメタカイン、スフェンタニル、テトラカインおよびトラマドールが含まれる。
【0151】
[00143]一部の実施形態では、第2のAPIは麻酔薬である。麻酔剤の例にはアルコール、例えばフェノール;安息香酸ベンジル;カラミン;クロロキシレノール;ジクロニン;ケタミン;メントール;プラモキシン;レゾルシノール;トリクロサン(troclosan);プロカイン薬、例えばベンゾカイン、ブピバカイン、クロロプロカイン;シンコカイン;コカイン;デキシバカイン;ジアモカイン;ジブカイン;エチドカイン;ヘキシルカイン;レボブピバカイン;リドカイン;メピバカイン;オキセサゼイン;プリロカイン;プロカイン;プロパラカイン;プロポキシカイン;ピロカイン;リソカイン;ロドカイン;ロピバカイン;テトラカイン;および誘導体、例えば薬学的に許容される塩およびエステル、例えばブピバカインHCl、クロロプロカインHCl、シクラミン酸ジアモカイン、ジブカインHCl、ジクロニンHCl、エチドカインHCl、レボブピバカインHCl、リドカインHCl、メピバカインHCl、プラモキシンHCl、プリロカインHCl、プロカインHCl、プロパラカインHCl、プロポキシカインHCl、ロピバカインHCl、およびテトラカインHClが含まれる。
【0152】
[00144]一部の実施形態では、第2のAPIは止血剤である。止血剤の例にはトロンビン、フィトナジオン、プロタミン硫酸塩、アミノカプロン酸、トラネキサム酸、カルバゾクロム、カルバゾクロムスルホン酸ナトリウム(carbaxochrome sodium sulfanate)、ルチンおよびヘスペリジンが含まれる。
【0153】
[00145]組成物中に存在することができる適切な第2のAPIの量は組成物の約0.1wt%~約99.9wt%である。通例、第2のAPIの量は組成物に使用される具体的な作用物質に依存する。一部の実施形態では、APIは組成物の最大約10wt%、最大約5wt%、最大約2wt%、最大約1wt%または最大約0.1wt%であり得る。
【0154】
用量
[00146]投薬は、数日~数か月続く処置の経過とともに、または治癒が奏されるかもしくは疾患状態の減少もしくは疾患症状の縮小が達成されるまで、処理される疾患または状態の重症度および反応性に依存することができる。最適な投薬スケジュールは患者の身体中の薬物蓄積の測定値から計算することができる。医学分野の熟練者は最適な投薬量、投薬方法および繰返し速度を決定することができる。投与毎に体重1kg当たり約1ug/kg~約100mg/kgの程度の用量レベルが疾患の処置に有用である。一部の実施形態では、投薬量は約0.001mg/kg~約1,000mg/kgである。一部の実施形態では、投薬量は約0.001mg/kg~約0.01mg/kg、約0.001mg/kg~約0.1mg/kg、約0.001mg/kg~約0.25mg/kg、約0.001mg/kg~約0.5mg/kg、約0.001mg/kg~約0.75mg/kg、約0.001mg/kg~約1mg/kg、約0.001mg/kg~約5mg/kg、約0.001mg/kg~約10mg/kg、約0.001mg/kg~約50mg/kg、約0.001mg/kg~約100mg/kg、約0.001mg/kg~約1,000mg/kg、約0.01mg/kg~約0.1mg/kg、約0.01mg/kg~約0.25mg/kg、約0.01mg/kg~約0.5mg/kg、約0.01mg/kg~約0.75mg/kg、約0.01mg/kg~約1mg/kg、約0.01mg/kg~約5mg/kg、約0.01mg/kg~約10mg/kg、約0.01mg/kg~約50mg/kg、約0.01mg/kg~約100mg/kg、約0.01mg/kg~約1,000mg/kg、約0.1mg/kg~約0.25mg/kg、約0.1mg/kg~約0.5mg/kg、約0.1mg/kg~約0.75mg/kg、約0.1mg/kg~約1mg/kg、約0.1mg/kg~約5mg/kg、約0.1mg/kg~約10mg/kg、約0.1mg/kg~約50mg/kg、約0.1mg/kg~約100mg/kg、約0.1mg/kg~約1,000mg/kg、約0.25mg/kg~約0.5mg/kg、約0.25mg/kg~約0.75mg/kg、約0.25mg/kg~約1mg/kg、約0.25mg/kg~約5mg/kg、約0.25mg/kg~約10mg/kg、約0.25mg/kg~約50mg/kg、約0.25mg/kg~約100mg/kg、約0.25mg/kg~約1,000mg/kg、約0.5mg/kg~約0.75mg/kg、約0.5mg/kg~約1mg/kg、約0.5mg/kg~約5mg/kg、約0.5mg/kg~約10mg/kg、約0.5mg/kg~約50mg/kg、約0.5mg/kg~約100mg/kg、約0.5mg/kg~約1,000mg/kg、約0.75mg/kg~約1mg/kg、約0.75mg/kg~約5mg/kg、約0.75mg/kg~約10mg/kg、約0.75mg/kg~約50mg/kg、約0.75mg/kg~約100mg/kg、約0.75mg/kg~約1,000mg/kg、約1mg/kg~約5mg/kg、約1mg/kg~約10mg/kg、約1mg/kg~約50mg/kg、約1mg/kg~約100mg/kg、約1mg/kg~約1,000mg/kg、約5mg/kg~約10mg/kg、約5mg/kg~約50mg/kg、約5mg/kg~約100mg/kg、約5mg/kg~約1,000mg/kg、約10mg/kg~約50mg/kg、約10mg/kg~約100mg/kg、約10mg/kg~約1,000mg/kg、約50mg/kg~約100mg/kg、約50mg/kg~約1,000mg/kg、または約100mg/kg~約1,000mg/kgである。一部の実施形態では、投薬量は約0.001mg/kg、約0.01mg/kg、約0.1mg/kg、約0.25mg/kg、約0.5mg/kg、約0.75mg/kg、約1mg/kg、約5mg/kg、約10mg/kg、約50mg/kg、約100mg/kg、または約1,000mg/kgである。一部の実施形態では、投薬量は少なくとも約0.001mg/kg、約0.01mg/kg、約0.1mg/kg、約0.25mg/kg、約0.5mg/kg、約0.75mg/kg、約1mg/kg、約5mg/kg、約10mg/kg、約50mg/kg、または約100mg/kgである。一部の実施形態では、投薬量は最大で約0.01mg/kg、約0.1mg/kg、約0.25mg/kg、約0.5mg/kg、約0.75mg/kg、約1mg/kg、約5mg/kg、約10mg/kg、約50mg/kg、約100mg/kg、または約1,000mg/kgである。一部の実施形態では、投薬量は対象の重量に対するAPIまたはその薬学的に許容される塩(例えばクロファジミン)の量に基づく。一部の実施形態では、投薬量は対象の重量に対する本明細書に記載される医薬組成物に基づく。
【0155】
[00147]いくつかの要因、例えば、限定されないが、対象の疾患または障害の重症度、先の処置、全般的健康および/または年齢、ならびに存在する他の疾患が対象を効果的に処置するのに必要とされる投薬量に影響を及ぼし得る。処置の有効な投薬量は個々の処置のうちに増大したり減少したりし得る。投薬量の変化が起こり得、診断検査の結果から明らかになる。例えば、対象は組成物を投与した後モニターされ得る。モニタリングからの情報に基づいて、増大または減少した量の組成物を投与することができる。
【0156】
状態
[00148]一部の実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は疾患または障害を処置するのに使用される。一部の実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物はヒトの疾患または障害を処置するのに使用される。一部の実施形態では、疾患は炎症性の疾患または障害である。一部の実施形態では、疾患は炎症に媒介される疾患または障害である。一部の実施形態では、疾患または障害は皮膚疾患または障害である。一部の実施形態では、疾患または障害は炎症性の皮膚疾患または障害である。一部の実施形態では、疾患または障害は皮膚科の疾患または障害である。一部の実施形態では、疾患または障害は炎症性の皮膚科疾患または障害である。一部の実施形態では、疾患または障害は、例えば、乳および肺がん、黒色腫、または慢性リンパ球性白血病のようなKv1.3チャネルの過剰発現に関連する。一部の実施形態では、疾患または障害はIL-2の過剰分泌に関連する。したがって、1つの態様において、本明細書には、本明細書に記載される局所製剤を用いて、がんのようなKv1.3チャネルの過剰発現に関連した疾患または状態を処置する方法が記載される。1つの態様において、本明細書に記載される局所製剤を投与することによりKv1.3チャネルを阻害する方法が本明細書に記載される。1つの態様において、本明細書に記載される局所製剤を投与することによりIL-2の分泌または過剰分泌を阻害する方法が本明細書に記載される。
【0157】
[00149]一部の実施形態では、皮膚科疾患または皮膚障害は酒さ、湿疹(すなわち、アトピー性皮膚炎)、にきび、汗腺膿瘍、掌蹠膿疱症、乾癬、膿疱性乾癬、汎発性膿疱性乾癬、壊疽性膿皮症、頭皮のびらん性膿疱性皮膚症、Sweet症候群、Bowel関連皮膚症-関節炎症候群、急性全身性発疹性膿疱症、膿漏性角皮症、Sneddon-Wilkinson病、IgA天疱瘡、皮膚襞に生じる膿疱性病変再発、乳児先端膿疱症、一過性新生児膿疱症、好中球漏出分泌汗腺炎、リウマチ好中球皮膚炎、好中球じんましん、疱疹状皮膚炎、線状IgA症(LAD)、炎症性後天性表皮水疱症、円形脱毛症、自己免疫血管性浮腫、自己免疫性プロゲステロン皮膚炎、自己免疫じんましん、水疱性類天疱瘡、瘢痕性類天疱瘡、疱疹状皮膚炎、後天性表皮水疱症、結節性紅斑、妊娠類天疱瘡、扁平苔癬、硬化性苔癬、限局性強皮症、尋常性天疱瘡、急性痘瘡状苔癬状粃糠疹、急性痘瘡状苔癬状粃糠疹、白斑、または足背の好中球性皮膚症、基底細胞癌腫、ボーエン病、先天性赤芽球性ポルフィリン症、接触皮膚炎、Darier病、播種性表在性光線性汗孔角化症、栄養障害性表皮水疱症、湿疹、単純型表皮水疱症、乳房外ページェット病、骨髄性プロトポルフィリアおよびX連鎖優性プロトポルフィリン症、真菌感染症、Hailey-Hailey病、単純ヘルペス、汗腺膿瘍、多毛症、多汗症、魚鱗癬、膿痂疹、ケロイド、毛孔性角化症、扁平苔癬、硬化性苔癬、黒色腫、黒皮症、粘膜類天疱瘡、類天疱瘡、尋常性天疱瘡、苔癬状粃糠疹、毛孔性紅色粃糠疹、足底疣贅(いぼ)、多形日光疹、壊疽性膿皮症、疥癬、帯状疱疹(herpes zoster)、扁平上皮癌、Sweet症候群、じんましんおよび血管性浮腫またはこれらの任意の組合せである。
【0158】
[00150]一部の実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は乾癬、角化症、湿疹、酒さ、尋常性ざ瘡、皮膚炎、掻痒、脂漏症、皮膚がん、炎症、その他のアシトレチンまたはエトレチナートに反応する皮膚障害、およびこれらの組合せを処置するのに使用される。一部の実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は乾癬、白斑、エリテマトーデス、湿疹、慢性湿疹、皮膚炎および接触皮膚炎を処置するのに使用される。
【0159】
[00151]一部の実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は乾癬を処置するのに使用される。一部の実施形態では、乾癬は尋常性乾癬、滴状乾癬、インバース乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症、またはこれらの任意の組合せである。一部の実施形態では、乾癬は軽度である。一部の実施形態では、乾癬は中程度である。一部の実施形態では、乾癬は重度である。皮膚障害は症状および重症度が大きく変わり、一時的または永続的であり得、無痛であったり痛みを伴ったりし得る。いくつかは状況的要因があるが、他は遺伝性であったりする。いくつかの皮膚状態は深刻でないが、他は命を脅かす可能性がある。
【0160】
[00152]1つの態様において、本明細書には、処置を必要とする対象において疾患または障害を処置する方法が記載される。一部の実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は対象の皮膚、例えば、頭皮、顔、肘、膝、腕、脚、背中、例えば腰等に投与される。一部の実施形態では、対象は哺乳動物、例えばペット(例えばイヌ、ネコ、ブタ)またはヒトである。一部の実施形態では、対象はヒトである。一部の実施形態では、ヒトは10歳以下である。一部の実施形態では、ヒトは21歳以下である。一部の実施形態では、ヒトは21歳以上である。一部の実施形態では、ヒトは30歳以上である。一部の実施形態では、ヒトは40歳以上である。一部の実施形態では、ヒトは50歳以上である。一部の実施形態では、対象は体表面積の約2-10%の皮膚病変部位を有する。一部の実施形態では、対象は体表面積の約1-20%の皮膚病変部位を有する。一部の実施形態では、対象は体表面積の約1-40%、5-20%、5-30%、10-20%、2-15%、2-10%または1-20%の皮膚病変部位を有する。一部の実施形態では、対象は体表面積の少なくとも約1%、2%、5%、10%、15%、20%、25%、または30%の皮膚病変部位を有する。一部の実施形態では、対象は体表面積の最大で約5%、7.5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、または80%の皮膚病変部位を有する。
【実施例
【0161】
[00153]以下の実施例は本開示を例示するのに使用され、本開示の範囲を限定すると考えてはならない。用語Transcutol、2-(2-エトキシエトキシ)エタノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテルは当技術分野で認識されており、式:EtOCHCHOCHCHOHの化合物を表すために本明細書では互換的に使用される。
【0162】
実施例1:水性媒体に対するクロファジミンの溶解性
[00154]クロファジミンを25℃で撹拌しながら10mLのガラスバイアル中の様々なpH値(2-5mL)の様々な水性媒体に加えた。さらなる溶解が観察できなくなったとき、懸濁液をさらに24時間25℃で撹拌した。APIがまだ溶けるように見えたら、懸濁液をさらに24時間25℃で撹拌した。このサイクルは、さらなる溶解が観察できなくなるまで繰り返した。懸濁液を次いで遠心分離し、上清を精密ろ過によりろ過した。ろ液を希釈し、HPLCでクロファジミン含量を決定し、溶解性を記録し、表5に示した。
【0163】
【表5】
【0164】
実施例2:脂肪酸に対するクロファジミンの溶解性
[00155]クロファジミンを25℃で脂肪酸に溶かし、溶解性を記録し、表6に示した。
【0165】
【表6】
【0166】
実施例3:様々な溶媒に対するクロファジミンの溶解性
[00156]クロファジミンを25℃で撹拌しながら10mLのガラスバイアル中の様々な溶媒(2-5mL)に加えた。さらなる溶解が観察できなくなったとき、懸濁液をさらに24時間25℃で撹拌した。APIがまだ溶けるように見えたら、懸濁液をさらに24時間25℃で撹拌した。このサイクルは、さらなる溶解が観察できなくなるまで繰り返した。懸濁液を次いで遠心分離し、上清を精密ろ過によりろ過した。ろ液を希釈し、クロファジミン含量をHPLCで決定し、溶解性を記録し、表7に示した。
【0167】
【表7】
【0168】
実施例4:クロファジミン調製物の皮膚透過性
[00157]実施例5-14に記載されるクロファジミン調製物のマウス皮膚における透過性を評価した。
【0169】
[00158]実験は独立した垂直のフランツ撹拌セルにおいて32℃±0.5℃、回転速度100rpmで行なった。受容器区画体積は7mLで、拡散面積は3.14cmであった。受容器区画を生理食塩水溶液で満たした。NU/NUヌードマウスの皮膚を、皮膚の内面が生理食塩水拡散溶液に面し(空気の泡がないように確保した)、角質層が大気に曝露されるようにマウントした。クロファジミン試験調製物(0.5g)を皮膚に塗布し、4時間曝露し、その後皮膚をデバイスから外し、エタノールで拭うことにより清浄した。内皮層を単離し、角質層を捨てた。その後内皮層を小片にカットし、100mLの容量フラスコに移し、アセトニトリルに24時間浸すことにより抽出した。アセトニトリル抽出物中のクロファジミン含量をHPLCにより決定し、表皮の単位面積当たりのクロファジミン含量を計算した。図9はこの手順に使用した装置の漫画表示を示す。この手順を使用して実施例5-14に記載されるクロファジミン調製物の皮膚透過性を評価した。
【0170】
実施例5:クロファジミン溶液の皮膚透過性
[00159]マウス皮膚におけるクロファジミン溶液の透過性を評価した。クロファジミン(100mg)を8つの異なる有機溶媒(99.9g);すなわち、PEG 400、Transcutol、Tween20、Tween80、ラウロカプラム(N-ドデシルカプロラクタム)、オレイン酸、エタノール、およびポリオキシエチレン15ヒドロキシステアリン酸(KHS-15)に溶かした。実施例4に記載したようにして、様々なクロファジミン溶液の皮膚透過性をNU/NUヌードマウスモデルで検査した。結果は表8および図1のグラフに示す。
【0171】
【表8】
【0172】
実施例6:クロファジミンゲル調製物の皮膚透過性
[00160]マウスの皮膚におけるクロファジミンゲル調製物の透過性を評価した。クロファジミン(100mg;0.1%、wt)を様々な異なる有機溶媒(9.9g):Transcutol、PEG 400、Labrasol(またはPEG-8カプリル/カプリン酸グリセリド)、およびTween80に溶かした。水中にカルボマー940(0.5g;0.5wt%)を含有するゲルを調製し、トリエタノールアミン(TEA)の添加によりpHを7.0に調整した。クロファジミン溶液をカルボマーゲルに加えたが、その間均一な分散が得られるまで撹拌した;量については表9参照(プロピレングリコールおよびラウロカプラムも評価したが、クロファジミンが沈殿し、それぞれ分離した層を形成した)。
【0173】
【表9】
【0174】
[00161]実施例4に記載したように、様々なクロファジミンゲル調製物の皮膚透過性をNU/NUヌードマウスモデルで検査した。結果を表10および図2のグラフに示す。
【0175】
【表10】
【0176】
実施例7:クロファジミン溶液対ゲル調製物の皮膚透過性の比較
[00162]実施例5(溶液)または6(ゲル調製物)に記載し、表11に示す様々なクロファジミン製剤のマウス皮膚透過性を比較した。
【0177】
【表11】
【0178】
[00163]実施例4に記載したようにしてクロファジミン溶液およびゲルの皮膚透過性をNU/NUヌードマウスモデルで検査した。結果を表12および図3のグラフに示す。
【0179】
【表12】
【0180】
実施例8:クロファジミンゲル調製物の皮膚透過性に対する浸透促進剤の効果
[00164]クロファジミン(100mg)をTranscutol(9.9g)に溶かした。この溶液をカルボマー(0.5g)の水溶液に加えた。次いで浸透促進剤(4g)を加え、トリエタノールアミンの添加によりpHを7.0に調整した。混合物を、均一な分散のためゲルが形成されるまで撹拌した。検査した浸透促進剤は:0.05%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、エタノール、DMSO、Tween80、Tween20、n-オクタノール、オレイン酸、およびレシチン(20-30%のホスファチジルコリンを含有する)、および水(対照として)であった。ゲル製剤を表13に要約して示す。
【0181】
【表13】
【0182】
[00165]実施例4に記載したようにして、様々なクロファジミンゲル調製物の皮膚透過性をNU/NUヌードマウスモデルで検査した。結果を表14および図4のグラフに示す。
【0183】
【表14】
【0184】
実施例9:クロファジミンゲル調製物の皮膚透過性に対するレシチン濃度の効果
[00166]クロファジミン(100mg)をTranscutol(20g)に溶かした。この溶液をカルボマー(0.5)の水溶液に加えた。次いで様々な量のレシチン(20-30%のホスファチジルコリンを含有する)を加え、トリエタノールアミンの添加によりpHを7.0に調整した。混合物を均一な分散のためゲルが形成されるまで撹拌した。ゲル製剤を表15に要約して示す。
【0185】
【表15】
【0186】
[00167]実施例4に記載したようにして、様々なクロファジミン溶液の皮膚透過性をNU/NUヌードマウスモデルで検査した。結果を表16および図5のグラフに示す。
【0187】
【表16】
【0188】
実施例10:クロファジミンヒドロゲル調製物の皮膚透過性に対するpHの効果
[00168]クロファジミン(100mg)をTranscutol(20g)に溶かし、カルボマー(0.5g)の水溶液に加えた。レシチン(20-30%ホスファチジルコリンを含有する;5g)を加え、トリエタノールアミンの添加によりpHを6.0、7.0、8.0、9.0または9.5に調整した。混合物を均一な分散のためゲルが形成されるまで撹拌した。ゲル製剤を表17に要約して示す。
【0189】
【表17】
【0190】
[00169]実施例4に記載したようにして、様々なクロファジミン溶液の皮膚透過性をNU/NUヌードマウスモデルで検査した。結果を表18および図6のグラフに示す。
【0191】
【表18】
【0192】
実施例11:クロファジミンゲル調製物の透過性に対するクロファジミン濃度の効果
[00170]様々な量のクロファジミンをTranscutol(20g)に溶かし、カルボマー(0.5g)の水溶液に加えた。レシチン(20-30%ホスファチジルコリンを含有する;5g)を加え、トリエタノールアミンの添加によりpHを6.0、7.0、8.0、9.0または9.5に調整した。混合物を均一な分散のためゲルが形成されるまで撹拌した。ゲル製剤を表19に要約して示す。
【0193】
【表19】
【0194】
[00171]実施例4に記載したようにして、様々なクロファジミン溶液の皮膚透過性をNU/NUヌードマウスモデルで検査した。結果を表20および図7のグラフに示す。
【0195】
【表20】
【0196】
実施例12:クロファジミンゲル調製物の透過性に対するカルボマー濃度の効果
[00172]クロファジミン(100mg)をTranscutol(20g)に溶かし、様々な量のカルボマー(0.5、0.8および1.0%)の水溶液に加えた。レシチン(20-30%ホスファチジルコリンを含有する;5g)を加え、トリエタノールアミンの添加によりpHを7.0に調整した。混合物を均一な分散のためゲルが形成されるまで撹拌した。ゲル製剤を表21に要約して示す。
【0197】
【表21】
【0198】
[00173]実施例4に記載したようにして、様々なクロファジミン溶液の皮膚透過性をNU/NUヌードマウスモデルで検査した。結果を表22および図8のグラフに示す。
【0199】
【表22】
【0200】
実施例13:クロファジミンゲル調製物
[00174]保湿剤(限定されないがプロピルパラベンおよびメチルパラベンのような保存剤として)および酸化防止剤(酸化を防ぐため、例えば、限定されないがブチル化ヒドロキシトルエン)を含有する3つのクロファジミンゲル。
【0201】
[00175]クロファジミンをTranscutolに溶かし、Tween80、プロピレングリコール、グリセリン、アラントイン、メチルパラベン、プロピルパラベンおよびブチル化ヒドロキシトルエンの混合物に加え、これを全分散のために均一に撹拌した。トリエタノールアミンの添加によりpHを6-7に調整して、暗赤色の透明なヒドロゲルを形成した。表23に各調製物に対する量を示す。
【0202】
【表23】
【0203】
実施例14:クロファジミンクリーム調製物
[00176]3つのクロファジミンクリームを調製した。
【0204】
[00177]クロファジミンおよびレシチンをTranscutolに溶かし、80℃に加熱した。ペトロラタム、液体パラフィンおよびモノステアリン酸グリセリンの混合物を加え、完全に溶けるまで撹拌した。適当な量の水中のラウリル硫酸ナトリウムの溶液を完全な溶解まで85℃に加熱した。メチルパラベン、プロピルパラベンおよびBHT(量)をプロピレングリコールに溶かし、次いでラウリル硫酸ナトリウム溶液に加え、完全な溶解まで撹拌した。次いでこの混合物を撹拌しながらクロファジミン溶液に加え、その間温度を85℃に維持した。均一に撹拌した後、温度を次第に室温に下げて所望のクリームを得る。表24に各調製物の量を示す。
【0205】
【表24】
【0206】
実施例15:クロファジミンおよび賦形剤の相溶性
[00178]クロファジミンをいろいろな賦形剤にいろいろな質量比で溶かし、次いで混合物を60℃の条件に3日間置いた。全分解不純物をHPLCにより測定し、下記表25にまとめて示す。賦形剤はその結果により以下のように分類した。
【0207】
【表25】
【0208】
[00179]クロファジミンは容易に加水分解され、酸化される。クロファジミンの安定なゲル、軟膏、またはエマルションを調製するのに使用されるのに適した賦形剤にはlabrasol、Transcutol、プロピルグリコール、およびグリセリンが含まれる。PEG 3350、ステアリルアルコール、ワセリン、および液体パラフィンのような脂質賦形剤はクロファジミンの改良された化学的安定性をもたらすことができるということが判明した。
【0209】
実施例16:クロファジミン製剤
[00180]表26の局所製剤を以下により調製した。クロファジミンをステアリルアルコール、液体パラフィンおよびワセリンの混合物に80℃の温度で溶かし、次いで得られた混合物を撹拌し、室温に冷却した。製剤ベースを同じ方法で調製した。クロファジミン結晶は偏光顕微鏡により3つの製剤で観察されなかった。これはクロファジミンがベースに溶解したことを意味する。
【0210】
【表26】
【0211】
実施例17:イミキモド誘発乾癬様マウスモデルに対するクロファジミンの処置
[00181]50匹のC57BL/6Jマウスを5つの群、ナイーブ群、モデル群、製剤1-3群にランダムに分割した。すべてのマウスの背中の毛をそった。ナイーブ群は陰性群であり、ブランク対照とした。他の4つの群には5%イミキモドクリーム(商品名Aldara(登録商標)で販売)を1日一回で1週間局所塗布した。同時に、各群に製剤ベースまたは製剤1-3の1つをそれぞれ1日一回7日間連続して投与した。最後の3日、皮膚病変の変化を観察し、PASI法により評価した。
【0212】
[00182]PASI法:皮膚病変における紅斑、スケールおよび浸潤濃化のスコアをそれぞれ採点し、3つのスコアの合計を総スコアとした。
【0213】
[00183]PASI採点基準:0、なし;1、軽度;2、中程度;3、重度;4、極めて重度。
【0214】
[00184]結果は下記表27に示す。クロファジミンのイミキモド誘発乾癬様マウスモデルに対する処置効果が確認された。
【0215】
【表27】
【0216】
実施例18:クロファジミン製剤
[00185]表28の局所製剤を以下により調製した。クロファジミンをステアリルアルコール、液体パラフィンおよびワセリンの混合物に80℃の温度で溶かし、次いで得られた混合物を撹拌し、室温に冷却した。偏光顕微鏡により2つの製剤(製剤4および5)でクロファジミン結晶が観察された。これはクロファジミンがベースに完全には溶解しなかったことを意味する。
【0217】
【表28】
【0218】
実施例19:いろいろな局所製剤の角質層浸透効果
[00140]この実験はヌードマウス皮膚に対するいろいろな局所製剤の角質層浸透効果を例証する。
【0219】
[00186]実験は独立した垂直のフランツ撹拌セルにおいて32℃±0.5℃、回転速度100rpmで行なった。受容器区画体積は7mLで、拡散面積は3.14cm2であった。受容器区画を生理食塩水溶液で満たした。NU/NUヌードマウスの皮膚をマウントし、皮膚の内面が生理食塩水拡散溶液に面し(空気の泡がないように確保した)、角質層が大気に曝露するようにした。クロファジミン試験調製物(0.5g)を皮膚に塗布し、4時間曝露し、その後皮膚をデバイスから外し、エタノールで拭うことにより清浄した。内皮層を単離し、角質層を捨てた。その後内皮層を小片にカットし、100mLの容量フラスコに移し、アセトニトリルに24時間浸すことにより抽出した。アセトニトリル抽出物中のクロファジミン含量はHPLCにより決定し、表皮の単位面積当たりのクロファジミン含量を計算した。
【0220】
[00187]図10に例示されているように、結果は、ベース中のクロファジミン含量の増大はその角質層内の含量を増大させるが、製剤3(ベースに完全に溶解したクロファジミン)によりピークに達し、製剤4および5(ベースに不完全に溶解したクロファジミン)によりさらに増大されることがないことを示した。この結果は、溶解したクロファジミンだけが角質層に浸透することができるということを示した。
【0221】
実施例20:クロファジミン製剤
[00188]表29の局所製剤を以下により調製した。クロファジミンを液体パラフィンおよびワセリンの混合物に80℃の温度で溶かし、次いで得られた混合物を撹拌し、室温に冷却した。API結晶は3つの製剤で偏光顕微鏡により観察されなかった。これはAPIがベースに溶解したことを意味する。
【0222】
【表29】
【0223】
[00189]製剤6-9のin vivo PKプロファイルがクロファジミン局所製剤をミニブタ皮膚に塗布することにより調べられる。
【0224】
実施例21:ヒトJurkat E6-1細胞内でのKv1.3チャネルの阻害
[00190]Kv1.3タイプの電位依存性カリウムチャネルは正常およびがんの両方の多くの種類の細胞で広く発現される。Kv1.3チャネルの活性は静止膜電位、細胞増殖、アポトーシスおよび量調節をセットする際に重要な役割を果たす。Kv1.3チャネルの変化した発現は乳、結腸、膵臓、平滑筋、骨格筋、肺、腎臓および前立腺がんのようないくつかのがん疾患で見出されている。Kv1.3チャネルの阻害剤は、例えば乳および肺がん、黒色腫、または慢性リンパ球性白血病のようなKv1.3チャネルの過剰発現により特徴付けられるいくつかのがん障害の治療における臨床的応用を証拠立てる。
【0225】
[00191]チャネルの活性に対するクロファジミンの影響を、電位ランププロトコール(voltage ramp protocol)をヒトJurkat E6-1細胞系に適用することにより研究した。細胞系を10%FBSを含むRPMI 1640培地で培養し、継代した。-100mVから100mVまでの細胞膜を脱分極する電位ランプを2s毎に適用し;ランプ継続時間は50ms、保持電位は-70mVであった。電位ランププロトコールの適用の際、Jurkat E6-1細胞内のKv1.3電流が安定した後、試験製剤を加え、検出した。DMSO中0.3μM、1μM、3μM、10μM、および20μMのクロファジミンの製剤を下記表30に示す。クロファジミンはJurkat E6-1細胞内でKv1.3電流を阻害することが見出され、適したIC50値は3.3μM±657.0nMであった。
【0226】
【表30】
【0227】
実施例22:活性化されたJurkat細胞のIL-2分泌の阻害
[00192]Jurkat細胞を5つの群:陰性(処置なし)、陽性対照(PMA+PHA)、ならびにDMSO中1μM、3μM、および10μMのクロファジミンの製剤に分割した。各群で、Jurkat細胞を対応する製剤と共にインキュベートした。24h後、IL-2の分泌をELISAにより検出した。陽性対照群におけるIL-2の分泌は顕著に増大し;クロファジミン製剤により顕著に阻害された(図11)。
【0228】
実施例23:マウスにおいて乾癬を処置するためのクロファジミン製剤
【0229】
【表31】
【0230】
[00193]イミキモド誘発乾癬様マウスにおけるベンビチモドクリーム(1%)(Zhonghao Pharma、China)、カルシポトリオール軟膏(15g:75mg)(Daivonex, LEO Pharma A/S、Denmark)、製剤10(クロファジミン0.01%)、製剤11(クロファジミン0.03%)および製剤12(クロファジミン0.1%)の1日一回局所処置の効果を比較する研究を行なった。乾癬様皮膚炎症マウスモデルは、イミキモドクリーム(5%)(Aldara, INOVA Pharmaceuticals、Singapore)をマウスの背中に連続9日毎日局所適用することにより発生させた。
【0231】
[00194]ベンビチモドクリーム(1%)は皮膚病変を顕著に低減することが見出された。カルシポトリオール軟膏(15g:75mg)は皮膚紅斑を改善したが、皮膚の損傷を起こし、皮膚の損傷のため皮が剥げ肥厚し、結果としてスケールおよび皮膚肥厚の点で改良に至らなかった。製剤10-12(クロファジミン0.01%、0.03%および0.1%)は濃度依存的に皮膚病変を顕著に低減した。製剤12(0.1%)の有効性は皮膚炎症の低減に関してベンビチモドクリーム(0.1%)より優れていた。
【0232】
[00195]ベンビチモドクリーム(1%)、カルシポトリオール軟膏(15g:75mg)および製剤10-12(クロファジミン0.01%、0.03%および0.1%)は各々甘皮内の微小膿瘍を低減し、甘皮の肥厚を減らし、真皮内への炎症性の浸潤を低減した。ベンビチモドクリームはこれらの点でカルシポトリオールクリームより多少優れていた。製剤10および11(クロファジミン0.01%および0.03%)の効果はカルシポトリオール軟膏に匹敵し、製剤12(0.1%)の効果はベンビチモドクリームに匹敵していた。
【0233】
実施例24:ミニブタにおけるクロファジミン血中濃度
[00196]Bamaミニブタにおいて製剤10-12(クロファジミン0.01%、0.03%および0.1%)の局所適用後の血中濃度-時間曲線を評価する研究を行なった。24匹のBamaミニブタ(12匹の雄および12匹の雌)をランダムに4つの群(n=6)に分割し、3つの群が製剤10-12(クロファジミン0.01%、0.03%および0.1%)の単一の局所適用を受けた。4つ目の群には製剤11(クロファジミン0.03%、bid、12h間隔、合計で9の適用)の局所適用を繰り返した。上の4つの群には、製剤10-12をBamaミニブタの5%の体表面積に、すなわち、1.5mgの軟膏/cm(それぞれ0.15、0.45、1.5μgのAPI/cmに対応する)を塗布した。単一用量の群について、薬物適用後ベースライン、0.167、0.5、1、2、4、6、8、12、24、48および72時間で血液試料を集めた。繰返し投与群における血液試料は5th~8thの局所適用前、薬物適用の0.167、0.5、1、2、4、6、8、12、24、48および72時間後に集めた。検証済みのLC-MS/MS法を使用して血漿中のクロファジミンの濃度を決定し、薬物動態パラメーターを計算した(クロファジミンの標準曲線範囲は0.0100~10.0ng/mLである)。
【0234】
[00197]単一用量群については、0.01%および0.1%群の少数の試料が非常に低いレベルのクロファジミン(機器の検出限界に近い)を示した。試料の大半でクロファジミンは検出できなかった。繰返し投与群では、非常に低いレベルのクロファジミンを血漿で検出することができた。クロファジミン吸収に有意な性別による差は観察されなかった。
【0235】
実施例25:ミニブタにおけるクロファジミン組織分布
[00198]Bamaミニブタにおいて製剤11(クロファジミン0.03%)の単一用量局所適用後薬物動態および組織分布を評価する研究を実行した。24匹のBamaミニブタを6つの群(n=4)に分割し、各群のミニブタが1.5mg軟膏/cmの用量で製剤11(0.03%)の単一の局所適用を受けた。血液試料、表皮、真皮、皮下組織および皮下筋肉を薬物適用後0.5、4、24、48、72および96時間(1つの群について1つの時点)で収集した。検証済みのLC-MS/MS法を使用して血漿、表皮、真皮、皮下組織および皮下筋肉中のクロファジミンの濃度を決定し、薬物動態パラメーターを計算した(クロファジミンの標準曲線範囲は0.0100~10.0ng/mLである)。
【0236】
[00199]各々の時点で、クロファジミンの分布傾向は:表皮>真皮>皮下組織≒皮下筋肉>血漿の通りであった。ピークの表皮および皮下筋肉濃度に達するまでのメジアン時間は約0.5hであったが、ピークの真皮および皮下組織濃度に達するまでのメジアン時間は約4hであった。表皮および真皮のクロファジミンの濃度は皮下組織および筋肉よりずっと高かったが、これはクロファジミンが主に表皮および真皮に分布し、血液に吸収されなかったことを示している。研究の結果を下記表31に示す。
【0237】
【表32】
【0238】
実施例26:ウサギにおける真皮刺激
[00200]製剤11および12によるJapanese White Rabbitの局所処置の28日後の真皮刺激を評価するために研究を行なった。24匹のウサギ(12匹の雄および12匹の雌)を、3つの傷のない皮膚群および3つの傷んだ皮膚群を含む6つの群(n=4)に分割した。普通の(Plain)軟膏、製剤11(0.03%)および製剤12(0.1%)を、0.4g/ウサギの用量で、傷んだ皮膚および傷のない皮膚の右の毛をそった部分に1日二回塗布した。同様な量のただの生理食塩水を対照として左脇に連続28日塗布した。すべての群の全身状態は良好であり、投与部位に皮膚の刺激は観察されなかった。
【0239】
実施例27:モルモット背中皮膚における皮膚光毒性
[00201]モルモットにおける製剤11および12の皮膚光毒性を評価するために研究を行なった。40匹のHartleyモルモット(20匹の雄および20匹の雌)を5つの群(n=8)に分割した。背中皮膚の5×5cm/部位の2つの部分の毛をそった。ただの生理食塩水(陰性対照、0.18mL/脇)、0.1%の8-MOP(陽性対照、0.2mL/脇)、普通の軟膏(0.18g/脇)、製剤11(0.03%、0.18g/脇)および製剤12(0.1%、0.18g/脇)を、毛をそった皮膚に塗布した。30min後薬物を洗い流し、右脇は10J/cmで18minUV照射し、左脇は一枚のアルミホイルで覆った(非照射部分)。刺激後1、24、48、および72hの皮膚反応を評価した。毒性反応または光毒性は観察されなかった。
【0240】
実施例28:モルモット頂部皮膚における皮膚光毒性
[00202]モルモットにおいて製剤11および12の皮膚光毒性を評価するために研究を行なった。50匹のHartleyモルモット(25匹の雄および25匹の雌)を5つの群(n=10)に分割した。各対象の頂部の皮膚(4×4cm)の毛をそった。ただの生理食塩水(陰性対照、0.18mL)、1%TCSA(陽性対照、0.2mL)、普通の軟膏(0.18g)、製剤11(0.03%、0.18g)および製剤12(0.1%、0.18g)を毛をそった皮膚に5日間(1回/d)塗布した。最後の感作後、2週間モルモットはチャレンジされた(challenged)。NS(0.18mL/脇)、0.5%TCSA(0.03mL/脇)、普通の軟膏(0.18g/脇)、製剤11(0.03%、0.18g/脇)および製剤12(0.1%、0.18g/脇)を毛をそった背中の皮膚の各々の脇に塗布した。30min後薬物を洗い流し、右脇に10J/cmで19minUV照射し、左脇は一枚のアルミホイルで覆った。チャレンジ後1、24、48、および72hでの皮膚反応を評価した。フォト過敏性反応は観察されなかった。
【0241】
実施例29:モルモットにおけるアナフィラキシー
[00203]モルモットにおいて製剤11および12の能動的皮膚アナフィラキシーを評価するために研究を行なった。50匹のHartleyモルモット(25匹の雄および25匹の雌)を5つの群(n=10)に分割した。各モルモットについて背中皮膚の左脇の毛をそった。ただの生理食塩水(陰性対照、0.18mL)、1%DNCB(陽性対照、0.2mL)、普通の軟膏(0.18g)、製剤11(0.03%、0.18g)および製剤12(0.1%、0.18g)を1、8および15日目に毛をそった皮膚に塗布した。最後の感作の14日後、モルモットはチャレンジされた。NS(0.18mL)、0.5%DNCB(0.2mL)、普通の軟膏(0.18g)、0.03%製剤11(0.18g)および0.1%製剤12(0.18g)を毛をそった背中皮膚の右脇に塗布した。各群の投与部位を密閉および固定のために約6時間ガーゼおよびセロファンで覆い、次いでガーゼおよびセロファンを除き、その後1、24、48、および72hの皮膚反応を評価した。能動的皮膚アナフィラキシーの結果は陰性であった。
【0242】
実施例30:製剤10-12の安定性
[00204]製剤10、製剤11、および製剤12に対して促進および長期安定性実験を行なった。アッセイ手順はUSP 40クロファジミンカプセル法に従い、その詳細を下記表32に示す。
【0243】
【表33】
【0244】
[00205]不純物をHPLCにより測定した。HPLCのパラメーターおよび手順は以下、および表33に示す。フェニルシラン結合シリカゲルを充填剤(Agilent、ZORBAX SB Phenyl 250mm 4.6mm、5μmまたは等価なカラム)として使用した。移動相A、アセトニトリルおよびメタノールを、pH3.0の緩衝塩溶液(4.5gドデシル硫酸ナトリウム、1.7g硫酸水素テトラブチルアンモニウムおよび1.8gリン酸水素二ナトリウム十二水和物を900mLの水に溶かし、8.5%リン酸でpH値を3.0に調整し、次いで水で1Lに希釈した)と共に移動相Cとして使用した。流速は1.0mL/minであった。検出波長は280nmであった。勾配溶離を下記表33に示すようにカラム温度30で行なった。
【0245】
【表34】
【0246】
[00206]実験の結果を下記表34-39に示す。促進安定性実験は40℃および75%RHで行なった。長期安定性実験は25℃および60%RHで行なった。略語「NT」は、試料がその時点で試験されなかったことを意味する。
【0247】
【表35】
【0248】
【表36】
【0249】
【表37】
【0250】
【表38】
【0251】
【表39】
【0252】
【表40】
【0253】
実施例31:本明細書に記載される局所用クロファジミン製剤の患者への投与
[00207]この研究は尋常性乾癬の処置におけるクロファジミン軟膏の有効性および安全性の単一施設、二重盲検、無作為化、プラシーボ対照臨床試験である。研究は約32人の対象を登録する。対象は8人ずつ1:1:1:1の比で4つの群にランダムに割り当てた。
【0254】
[00208]この研究の試験対象患者基準は以下の1つまたは複数を含むことができる:
1.臨床研究に参加する意思があり、研究を十分に理解し、知らされ、インフォームドコンセントに署名し、すべての試験手順に自発的に従い完了することができる;
2.性別制限なし、インフォームドコンセント署名時年齢18~65歳;
3.女性患者は妊娠していてはならず、試験中妊娠するつもりがなく、試験中効果的な避妊手段を知らなければならない;
4.男性患者は試験中性交を控えるかまたは避妊法を使用することに同意しなければならない;
5.少なくとも6月間臨床的に尋常性乾癬と診断されている;
6.総皮膚病変部位:体表面積の2-10%;
7.治験責任医師の総括評価(PGA)≧2;
8.標的部位の皮膚病変直径≧3cmが観察され、外用薬処置に適合する;
9.心臓疾患、肝臓、腎臓、消化管、神経系、精神疾患および代謝異常のような既往症。
【0255】
[00209]この研究の除外基準は以下の1つまたは複数を含むことができる:
1.標的疾患に基づく除外
(a).現在尋常ではない乾癬(例えば紅皮症、膿疱性、および関節症性乾癬)、および進行した尋常性乾癬と診断されている;
(b).薬物(例えば、リチウム剤、ベータブロッカー、抗マラリア薬、アンジオテンシン変換阻害剤(ACEI)等)を原因とする乾癬;
(c).体表面積の10%を超える乾癬病変;
(D).手掌足底乾癬(Palm-plantar psoriasis);
(e).その患者の状態の評価に干渉し得る他の皮膚疾患の患者;
(f).病変部位に重度の皮膚破損および感染症がある患者;
2.病歴および付随する疾患に基づく除外
(a)重度の臓器および全身性の疾患、例えば、心臓血管(例えば、心不全、不安定狭心症)、肝臓(例えば肝臓の肝硬変)、腎臓(例えば腎不全)、肺(例えば慢性閉塞性肺疾患)、内分泌腺(例えばCushing症候群、糖尿病、肥満(BMI>25))、変形性関節症、消化管、神経系および血液系疾患等、ならびに他の自己免疫疾患、悪性腫瘍を有するか、または研究者がこの研究において他の疾患に参加するのにふさわしくないと考える;
(b).以下の異常のいずれかがスクリーニング中の臨床試験で見出される:末梢血白血球数<3.0×109/Lまたは>15×109/L;ヘモグロビン<90g/L;血小板<100×109/L;ALTおよびASTの上限>正常値が1.5倍である;血清クレアチニンおよびBUNが正常の上限より高い。
(c).患者の順守に影響し得る状態、例えば長期の事業または休暇、精神疾患;
3.以前および現在の処置に基づく除外
(a).スクリーニング前2週以内に局所乾癬薬物(例えばグルココルチコイド、ビタミンD3誘導体、レチノアート、ジアントラセン、コールタール、サリチル酸、カルシニューレン阻害剤および局所用免疫変調成分)を受けた;
(b).スクリーニング前4週以内に光線療法(UVA、UVB)を受けた;
(c).スクリーニング前4週以内に全身薬(レチノイド、MTX、シクロスポリン、グルココルチコイド、中国特許医薬(Chinese patent medicine)等)を受けた;
(d).スクリーニング前の規定の期間内に(上市されていようといまいと)乾癬に作用することが知られている全身性生物製剤を受けた:ウステキヌマブ、最初の処置の前32週;セクキヌマブ、最初の投与前22週;エファリズマブ、最初の投与前18週;アレファセプト、インフリキシマブ、アダリムマブ、最初の処置前8週;エタネルセプト、最初の投与前4週;他の薬物については、最初の投与前4週/5半減期(いずれか長い方);
(e).他の臨床研究に参加しているか、または先の臨床研究における薬物処置の終了後3月未満でこの研究における処置を始めることになる;
(f).植物薬または鎮静剤、睡眠薬、精神安定剤および他の常習性薬物の常用;
4.参加者が研究薬物の有効成分または賦形剤に対するアレルギーの病歴を有する;
5.妊婦、授乳中の女性、参入時または研究薬物の投与前に妊娠検査に陽性の女性;
6.研究者の判断により、参加者が参入に適さないその他の条件を有する。
【0256】
[00210]局所用クロファジミン製剤は3つの用量(たとえば、製剤10、11および12)で投与される。プラシーボ(ブランクマトリックス)も投与される。
【0257】
[00211]治療介入:外部皮膚用には、冒された領域を洗浄し、皮膚が乾燥した後、正常な皮膚との接触を避けて、適当な量のこの製品を冒された領域に1日一回朝夕むらなく塗布する。各塗布の少なくとも1時間後、拭き取るかまたは清浄することができ、皮膚病変の塗布は新しい乾癬皮膚病変の処置を含む。すべての最初の冒された領域については、病変が消失した後でも研究の終了まで投与を続けなければならない。この研究の目的から、この薬物は顔、腋窩、外陰部およびその他の部分には適用できない。
【0258】
[00212]研究過程:この研究は3つの段階に分割される:
・スクリーニング期;
・処置期(1、4、8週、容認できない毒性が生じるか、参加者もしくは医師が処置を止める決心をするか、またはプロトコールにより規定されたその他の理由の、いずれかが最初に起きるまで);
・薬物の使用中止後再受診期(2、4週)
[00213]評価項目:主要評価項目はPASI75およびPGAであり、二次評価項目はPASI50およびPASI90であり、安全性評価項目はADRおよびその出現を含む。
【0259】
[00214]データ統計学は統計ソフトウエアを用いて生物統計学者により行なわれる。すべての仮説検定は両側であり、P<0.05は統計上有意であると考えられる。
【0260】
[00215]プロセス図。代表的なプロセス図を下記スキーム1に示す:
【0261】
【表41】
【0262】
[00216]
【0263】
【化10】
【0264】
[00217]この研究の目的から、すべての参加者は研究関連の検査を行なう前にインフォームドコンセントフォームに署名し、出産可能な年齢の女性は陰性結果の尿妊娠検査を受け、研究期間中効果的な避妊法を供与される。日常の血液検査、例えば、ヘモグロビン、赤血球数、白血球数、および血小板数が含まれることができる。血液生化学検査、例えば、アラニンアミノトランスフェラーゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、尿素窒素、クレアチニン、トリグリセリド、および総コレステロールが含まれることができる。
【0265】
[00218]代表的な全訪問の段取り:参加者の訪問はベースライン時、投薬の1、4、および8週、ならびに薬物使用中止後2、4週であり得る。2つの訪問間に疾患が進行したら、参加者は随時治験責任医師に接触し、適時に病院を訪問することができる。患者が再発していると治験責任医師が判断したら、薬物を再び投与する。
【0266】
実施例32:表1のAPIの製剤
[00219]製剤は製剤1-12中のクロファジミンを表1中の(クロファジミン以外の)APIと置き換えて作製される。調製手順はそれぞれの実施例に掲げた製剤1-12の調製手順と同じである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】