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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-26
(54)【発明の名称】別体式子宮腔レゼクトスコープ
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/08 20060101AFI20230519BHJP
   A61B 17/94 20060101ALI20230519BHJP
【FI】
A61B18/08
A61B17/94
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022563183
(86)(22)【出願日】2020-12-09
(85)【翻訳文提出日】2022-10-18
(86)【国際出願番号】 CN2020134858
(87)【国際公開番号】W WO2021212863
(87)【国際公開日】2021-10-28
(31)【優先権主張番号】202020627002.4
(32)【優先日】2020-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010642586.7
(32)【優先日】2020-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202021302233.4
(32)【優先日】2020-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522223028
【氏名又は名称】▲張▼ 重医
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 重医
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK47
4C160MM54
(57)【要約】
本発明は別体式子宮腔レゼクトスコープに係り、固定ロッド(1-5)、牽引ワイヤ(1-4)、切断電極、引張ワイヤ(1-6)及びハンドルを含み、ハンドルの開閉により牽引ワイヤ(1-4)を固定ロッド(1-5)上のガイドスライドスリーブ(2)に沿って移動させ、それにより牽引ワイヤ(1-4)に接続された支持体(3)を制御し、かつ引張ワイヤ(1-6)の引き戻し拘束で、切断電極が開き、絞り及び開き角度の変更を完了するように駆動される。子宮腔に出入りする時に、ハンドルの操作で切断電極を絞ることができ、電気切断装置が子宮腔に出入りしやすく、切断電極を破損しにくい。治療中に切断電極の角度は広い範囲内で柔軟で、正確に調整することができ、治療効果がより高く、操作過程がより安全である。該別体式子宮腔レゼクトスコープは治療費用及び時間を低減することができるだけでなく、治療の苦痛の程度を軽減することができ、外来で対応する手術操作を完了するために便利な条件を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
別体式子宮腔レゼクトスコープであって、
固定ロッド(1-5)、牽引ワイヤ(1-4)、切断電極及び操作ハンドルを含み、前記固定ロッド(1-5)にガイドスライドスリーブ(2)及び固定ロッド(1-5)の任意の端に揺動可能な支持体(3)が設置され、操作ハンドルが固定ロッド(1-5)の一端に設置され、牽引ワイヤ(1-4)がガイドスライドスリーブ(2)により固定ロッド(1-5)の他端に形成された折り返し通路に沿ってそれぞれ延伸しかつ操作ハンドル及び支持体(3)に接続され、固定ロッド(1-5)内に外向きに延伸しかつ支持体(3)に接続された引張ワイヤ(1-6)が設置され、切断電極が支持体(3)に設置され、切断電極が固定ロッド(1-5)に沿って延伸するケーブル(5)に接続されることを特徴とする別体式子宮腔レゼクトスコープ。
【請求項2】
前記ガイドスライドスリーブ(2)は相互に接続された屈曲管体及びストレート管体を含み、屈曲管体の内凹側は固定ロッド(1-5)の一端に覆われ、ストレート管体は固定ロッド(1-5)の操作ハンドルが設置される他端に延伸することを特徴とする請求項1に記載の別体式子宮腔レゼクトスコープ。
【請求項3】
前記支持体(3)は円弧面ハウジング状であり、支持体(3)の一端は固定ロッド(1-5)にピン接続され、支持体(3)の他端は切断電極に接続されることを特徴とする請求項1に記載の別体式子宮腔レゼクトスコープ。
【請求項4】
前記切断電極は環状電極(4)を採用し、ケーブル(5)の一端は固定ロッド(1-5)の内部又は外表に設置された引き出し電極(6)に接続され、ケーブル(5)の本体は固定ロッド(1-5)の内部に設置され、ケーブル(5)の他端は環状電極(4)と支持体(3)との接続位置まで延伸することを特徴とする請求項3に記載の別体式子宮腔レゼクトスコープ。
【請求項5】
前記支持体(3)は中空円柱状であり、支持体(3)の一端は固定ロッド(1-5)にピン接続され、支持体(3)の他端は切断電極に接続されることを特徴とする請求項1に記載の別体式子宮腔レゼクトスコープ。
【請求項6】
前記切断電極は針状電極(7)を採用し、ケーブル(5)の一端は固定ロッド(1-5)の内部又は外表に設置された引き出し電極(6)に接続され、ケーブル(5)の本体は固定ロッド(1-5)の内部に設置され、ケーブル(5)の他端は支持体(5)に延伸することを特徴とする請求項5に記載の別体式子宮腔レゼクトスコープ。
【請求項7】
前記操作ハンドルは互いにヒンジ接続された一対のハンドル本体を含み、引張ワイヤ(1-6)はそのうちの固定ロッド(1-5)の対応する端に係合されたハンドル本体に接続され、他のハンドル本体は牽引ワイヤ(1-4)に接続されることを特徴とする請求項1に記載の別体式子宮腔レゼクトスコープ。
【請求項8】
前記固定ロッド(1-5)の断面寸法は固定ロッド(1-5)の操作ハンドルが設置された一端から他端に向かって徐々に減少することを特徴とする請求項1に記載の別体式子宮腔レゼクトスコープ。
【請求項9】
前記支持体(3)の揺動角度は30-120度であることを特徴とする請求項1に記載の別体式子宮腔レゼクトスコープ。
【請求項10】
前記切断電極の直径は0.5-1.5mmであることを特徴とする請求項1に記載の別体式子宮腔レゼクトスコープ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は子宮鏡手術治療システムの電気切断器具に関し、具体的には子宮鏡と分離可能な別体式子宮腔電気切断リング、電気切断針に関する。
【背景技術】
【0002】
電気切断鏡において、電気切断リング、電気切断針などの電気的切断器具は一般的に内視鏡と一体に包まれ、かつ電気切断リング、電気切断針の切断電極と操作ロッドは互いに垂直に固定され、子宮腔の治療過程において、切断電極などの一部の損傷を回避するために(例えば、子宮頸部の外口、ネックチューブ及び内口に出入りする時)、電気切断リング、電気切断針を電気切断鏡の内部に後退させる必要がある。したがって、電気切断鏡自体が太く、使用する時に子宮を8-11mmまで拡張する必要があり、子宮の拡張が大きいほど、子宮頸部への損傷が大きく、手術後に子宮頸部の機能不全を引き起こす可能性が大きい。同時に、電気切断鏡の構造が精細であり、価格が高く、操作中に破損しやすいことにより、外来で子宮鏡手術の展開が多くの制限要素に直面する。
【0003】
電気切断鏡における電気切断リング、電気切断針は操作ロッドに固定されるため、電気切断治療において角度を単独で調整することができず、子宮鏡検査過程において子宮腔内にポリープ、子宮腔癒着、粘膜下筋腫瘍が存在することを発見する時、電気的切断操作が複雑であるだけでなく、必要な電気的切断時間も病巣(例えば、大きい粘膜下筋腫瘍)の増大に伴って増加し、同時に低ナトリウム血症、水中毒の確率を明らかに増大させ、外来で子宮鏡手術を展開する難しさを増加させる。
【0004】
中国特許第208426206U号は折り畳み式電極電気切断鏡を開示し、ここで、電気切断器具はバネを利用して切断電極と金属スリーブを接続することにより、切断電極を一定の角度で回転させることができ、かつプッシュプルにより切断を完了し、腎嚢胞アンルーフ減圧術(unroofing of cyst of kidney)の手術効率を向上させる。しかし、その電気切断器具と内視鏡は依然として一体構造であり、電気切断鏡のサイズが大きく、同時に、ばね部分は導電体に属し、切断電極と一体に接続され、切断作用を有し、したがって、該電極電気切断鏡は子宮内手術に用いられる場合、大きな子宮拡張サイズを必要とし、かつ操作中に病変の傍の正常組織を誤って傷つけやすく、合併症のリスクを増加させる。
【0005】
現在の中国国内及び国外には独立した子宮鏡と組み合わせて使用するための別体式子宮腔レゼクトスコープの報告が見られない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】中国特許第208426206U号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は別体式子宮腔レゼクトスコープを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明は以下の技術的解決手段を採用する。
該レゼクトスコープは固定ロッド、牽引ワイヤ、切断電極及び操作ハンドルを含み、前記固定ロッドにガイドスライドスリーブ及び固定ロッドの任意の端(例えば、前後端)に揺動可能な支持体が設置され、操作ハンドルが固定ロッドの一端(例えば、後端)に設置され、牽引ワイヤの両端がガイドスライドスリーブにより固定ロッドの他端(例えば、前端)の外側に形成された折り返し通路に沿ってそれぞれ延伸しかつ操作ハンドル及び支持体に接続され、固定ロッド内に一端が外向きに延伸しかつ支持体に接続された引張ワイヤが設置され、切断電極が支持体に設置され、切断電極が固定ロッドに沿って延伸するケーブルに接続される。
【0009】
好ましくは、前記ガイドスライドスリーブは相互に接続された屈曲管体及びストレート管体を含み、屈曲管体の内凹側は固定ロッドの一端(例えば、前端)に覆われ、ストレート管体は固定ロッドの操作ハンドルが設置される他端(例えば、後端)に延伸する。
【0010】
好ましくは、前記支持体は円弧面ハウジング状であり、支持体の一端は固定ロッドにピン接続され、支持体の他端は環状電極に接続され、ケーブルの一端は固定ロッドの内部又は外表に設置された引き出し電極に接続され、ケーブルの本体は固定ロッドの内部に設置され、ケーブルの他端は環状電極と支持体との接続位置まで延伸する。
【0011】
好ましくは、前記支持体は中空円柱状であり、支持体の一端は固定ロッドにピン接続され、支持体の他端は針状電極に接続され、ケーブルの一端は固定ロッドの内部又は外表に設置された引き出し電極に接続され、ケーブルの本体は固定ロッドの内部に設置され、ケーブルの他端は支持体に延伸する。
【0012】
好ましくは、前記操作ハンドルは互いにヒンジ接続された一対のハンドル本体を含み、引張ワイヤはそのうちの固定ロッドの対応する端(例えば、後端)に係合されたハンドル本体に接続され、他のハンドル本体は牽引ワイヤに接続される。
【0013】
好ましくは、前記固定ロッドの断面寸法は固定ロッドの操作ハンドルが設置された一端(例えば、後端)から他端(例えば、前端)に向かう方向に沿って徐々に減少する。
【0014】
好ましくは、前記支持体の揺動角度は30-120度である。
【0015】
好ましくは、前記切断電極の直径は0.5-1.5mmである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。
本発明の前記レゼクトスコープは操作ハンドルを開閉することにより、牽引ワイヤを固定ロッドのガイドスライドスリーブに沿って移動させ、それにより牽引ワイヤに接続された支持体を制御し、かつ引張ワイヤの引き戻し又は牽引拘束で、切断電極(例えば、針状電極、環状電極)が開き、絞り及び開き角度の変更を完了するように駆動される。子宮腔に出入りする時に切断電極を絞ることができ、子宮を拡張する必要がないか又は子宮拡張のサイズが減少する場合に、レゼクトスコープが子宮腔に出入りしやすく、かつ切断電極が破損しにくい。子宮鏡治療において、それぞれ子宮腔検査鏡及び本発明の前記レゼクトスコープを保持することができ、かつ互いに協働して操作を完了し、医者が一定の視野内の異なる角度及び深さ位置(操作範囲がより大きく、柔軟性がより強い)の病巣(子宮内に存在するポリープ、子宮腔癒着、粘膜下筋腫瘍)への切除手術操作を連続的に完了することにより、治療過程の操作が簡単であるだけでなく、より良好な治療効果を達成し、かつ操作過程がより安全である。同時に、本発明の応用の普及はさらに器具のコストを低減することができる(従来の一体式電気切断鏡の価格が別体式レゼクトスコープの価格よりはるかに大きい)、治療費用及び時間を低減し、苦痛の程度を軽減し、外来で対応する手術操作を完了することができる。
【0017】
さらに、本発明は子宮鏡膣内視鏡技術に応用する場合、病巣の大きさに応じて、支持体の揺動角度を操作することにより異なる切断電極の開き角度(例えば、45-120度)を形成し、子宮内のポリープ、子宮腔癒着、粘膜下筋腫瘍などを電気切断治療することができるだけでなく、子宮内の小血管の出血に対して、効果的な電気凝固止血を与えることができる。
【0018】
さらに、本発明は直径が大きい切断電極を採用することにより、切断組織の最大化を実現し、それにより手術時間を短縮し、水中毒等合併症が発生するリスクを低減することができる。
【0019】
さらに、本発明において、電気切断機の操作ハンドルは固定ロッドの太い後端に位置し、固定ロッドはその前端の方向に向かって徐々に細くなり、治療中にレゼクトスコープの前端は(例えば、子宮腔検査鏡スコープに沿って)子宮内の狭い部位(例えば、子宮頸部の内口)に入り且つ通過することはより容易になり、手術の操作効率を向上させる。
【0020】
さらに、本発明において採用された円弧面ハウジング状又は中空円柱状の支持体は、柔軟な角度調整に合わせて、非切断電極の組織への電気切断を効果的に減少させ、電気切断における誤操作による正常組織への破壊及び損傷を回避する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】実施例1における別体式電気切断リングの正面図(環状電極を絞る時、30度である)である。
図2】実施例1における支持体と環状電極の接続概略図(固定ロッド側面視角)である。
図3】実施例1におけるケーブル接続概略図である。
図4】実施例1における別体式電気切断リングの正面図(環状電極が90度に開かれる時)である。
図5】実施例1における支持体と環状電極の接続概略図(固定ロッド端面視角)である。
図6a】実施例1における別体式電気切断リングの正面図(環状電極が120度に開かれる時)であり、ここで固定ロッド内の引張ワイヤ部分が表示されない。
図6b】実施例1における別体式電気切断リングの正面図(環状電極が120度に開かれる時)であり、ここで固定ロッド内の引張ワイヤ部分が表示される。
図7】実施例2における別体式電気切断針の正面図(針状電極を絞る時、30度である)である。
図8】実施例2における別体式電気切断針の正面図(針状電極が90度に開かれる時)である。
図9】実施例2における支持体と針状電極の接続概略図の一つである。
図10】実施例2における支持体と針状電極の接続概略図である。
図11】実施例2におけるケーブル接続概略図である。
図12】実施例2における別体式電気切断針の正面図(針状電極が120度に開かれる時)である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に図面及び実施例を参照しながら本発明をさらに詳細に説明する。
【0023】
現在使用された子宮腔電気切断鏡はいずれも円柱形であり、直径が8mm以上であり、それは男性前立腺電気切断鏡から発展するが、男性の尿道システムと女性の膣、子宮生殖システムとの構造に大きな差異がある。本発明は女性自身の生理的構造をよく利用するために、電気切断鏡の子宮腔検査システムと電気切断システムを分離し、かつ電気切断システムの構造を改善し、それにより別体式電気切断システムを形成し、その切断電極は子宮腔に出入りする時に組織との摩擦を効果的に回避することができ、同時に検査鏡の配合で、より広い範囲で治療作用を発揮することができ、それにより女性自身の生理的構造をよりよく利用して治療を行い、治療の難しさ及びコストを低減することができ、患者の苦痛の程度を軽減する。
【0024】
[実施例1]
図1図3及び図6bに示すとおり、本実施例が提供する別体式電気切断リングは、ハンドル、固定ロッド1-5、複数段の一定の強度を有し、自由に曲げることができる可撓性線材(例えば、ナイロン等の合成繊維、PE等の高分子ポリマー、チタン鋼等の金属合金材料)及び一つの電子回路システムを含む。前記ハンドルはハンドル接続部1-3により接続された(ヒンジ接続された)第一ハンドル本体1-1及び第二ハンドル本体1-2を含み、第一ハンドル本体1-1は固定ロッド1-5の後端と係合して固定され、第二ハンドル本体1-2に一段の前記可撓性ワイヤロッドが接続されかつ牽引ワイヤ1-4とし、牽引ワイヤ1-4は全体が固定ロッド1-5の上部に位置するガイドスライドスリーブ2内に貫通し、牽引ワイヤ1-4は第二ハンドル本体1-2から水平に引き出されかつ固定ロッド1-5の前端に向かって延伸し、牽引ワイヤ1-4の前端は固定ロッド1-5の前端の外側に密着したガイドスライドスリーブ2の湾曲部(一段の屈曲管体)を貫通し、それにより湾曲(屈曲管体に沿って)により固定ロッド1-5の後端方向に一定の距離を折り返し、かつ最終的に固定ロッド1-5の前端近傍に接続された可動な支持体3(円弧面ハウジング状)に接続される。もう一段の前記可撓性線材は固定ロッド1-5の前端に向かう方向に沿って固定ロッド1-5の内部から伸び出し、かつ支持体3に接続され、具体的な接続位置は牽引ワイヤ1-4と支持体3の接続位置の裏側に選択することができ、該段の可撓性ワイヤは固定ロッド1-5の一端に貫通し、固定ロッド1-5の内部に沿って固定ロッド1-5の後端に到達することができ、かつ固定ロッド1-5の内部に予め設置されたばねに接続され、それにより引き戻し引張ワイヤ1-6を形成する。予め設置されたばねがなければ、固定ロッド1-5又は第一ハンドル本体1-1に配置されたワイヤ巻取り機構(例えば、固定可能なノブ)を利用して可撓性線材を巻き取る/繰り出すことができ、それにより引き取り引張ワイヤを形成する。前記電子回路システムは支持体3(円弧面ハウジング状)に取り付けられた環状電極4、本体が固定ロッド1-5の内部に埋め込まれたケーブル5及び正、負引出電極6を含み、引出電極6は固定ロッド1-5上の配線孔により外部制御回路に接続され、ケーブル5の一端はそれぞれ正、負引出電極6に接続され、他端は固定ロッド1-5から引き出して環状電極4の両端に接続される。
【0025】
図1図2及び図5に示すとおり、前記支持体3は円錐台の側面から切り取られた円弧面ハウジングで加工され、該円弧面ハウジングの上部で両側に位置する部分のみが残され、該部分はそれぞれピンを介して固定ロッド1-5に接続され、固定ロッド1-5は前端から後端に向かう方向に沿って径方向断面が徐々に広くなり、円弧面ハウジングの内凹側にピンを軸(可動接続点3-1)として固定ロッド1-5を転向する時、環状電極4を収束させることができる。収束状態で、支持体3(円弧面ハウジング状)の内凹面は固定ロッド1-5に密着することにより、電気切断リング(特に前端が子宮腔に挿入する必要がある部分)の径方向寸法が最小に達し、子宮頸部の外口及び子宮内口を通過しやすく、電気切断リングが子宮頸管及び頸管内口を通過する時に破損しやすいという問題を解決する。前記円弧面ハウジングの下部に取付孔(固定接続点3-2)を有し、ネジで環状電極4の端部を締め付けることができ、異なる寸法の環状電極4を取り付けやすくなり(子宮腔癒着を電気切断する時に細かい環状電極を採用し、筋腫瘍を電気切断する時に太い環状電極を採用する)、環状電極4が切断により消耗した後に便利な交換を行うことができる。ケーブル5は可動接続点3-1(例えば、ピン内部)から固定ロッド1-5を貫通することができる。
【0026】
図4及び図6aに示すとおり、ハンドルの開きに伴い、第二ハンドル本体1-2は牽引ワイヤ1-4を引き、支持体3(円弧面ハウジング状)は環状電極4を固定ロッド1-5の前端に向かって回転するように駆動し、同時に引き戻し引張ワイヤ1-6が引き離され、ハンドルが完全に開く時、この時に環状電極4の回転角度(固定ロッドに対して)は120度である。以上の回転過程において、ハンドルが開き動作を停止すると、支持体3(円弧面ハウジング状)は環状電極4と共に牽引ワイヤ1-4及び引き戻し引張ワイヤ1-6からの逆方向牽引の作用を受けて位置を固定し、子宮内の治療対象の違いに基づいて、90度を採用することができるだけでなく、他の異なる角度(例えば、45-120度の間の任意の角度)を選択して治療することができる。ハンドルの閉じに伴い、引き戻し引張ワイヤ1-6は支持体3が環状電極4を固定ロッド1-5の後端に向かって回転するように駆動し、支持体3が固定ロッド1-5に密着するまで停止する。径方向寸法を徐変させる固定ロッド1-5を採用したので、引き戻し引張ワイヤ1-6を傾斜して取り付けることができ、それにより引き戻し引張ワイヤ1-6の突出長さを効果的に減少させ、かつ突出部分の折れ角をできるだけ減少させ、それにより操作への干渉を減少させる。
【0027】
前記別体式電気切断リングの使用方法は以下のとおりである。
独立したレゼクトスコープとして、まず子宮鏡を使用して検査することができる。電気切断治療を行う必要がある時に、一つの方法は膣鏡を用いるであり、子宮口の緊張度に基づいて適切な子宮拡張を行い、一般的に子宮口が6mm程度であることを要求し、子宮鏡検査による子宮の位置に基づいて、まず別体式電気切断リングを子宮腔に送り込み、次に片手で別体式電気切断リングを固定し、別の手で子宮鏡を持ち、別体式電気切断リングの一側から子宮腔に入る。もう一つの方法は膣鏡を使用せず、膣内視鏡技術で、まず子宮鏡を使用して検査し、電気切断治療を行う必要がある時、片手で子宮鏡を操作し、別の手で別体式電気切断リングを持ち、かつ子宮鏡に沿って別体式電気切断リングを先に頸管の子宮腔内口に近い位置に送り込み、子宮鏡を頸管内に戻し、子宮鏡の直視で、別体式電気切断リングを子宮腔に送り込み、さらに子宮鏡を一側から子宮腔に送り込む。子宮口が緩いであれば、別体式電気切断リングを子宮鏡に沿って子宮内に直接送り込むこともできる。
【0028】
子宮腔ポリープ、子宮腔癒着、粘膜下筋腫瘍などの電気切断を必要とする病巣を検査する時、子宮鏡下で別体式電気切断リングを操作して治療する。ハンドルを握り、環状電極4を開き、必要な切開部位及び深さに応じてハンドルの異なる開き角度を選択し、通電治療を行う必要がある時に、足で電極板を踏み、電流を引き出し電極6、ケーブル5を介して環状電極4に通し、別体式電気切断リング(引き戻し引張ワイヤ1-6を使用する)に対して、固定ロッド1-5を利用して引き戻し又は前押しを行うことができる以外に、ハンドルの開き又は収束により環状電極4の角度を調節することができ、すなわち環状電極4の回転によりポリープ、筋腫瘍などの病巣を切除することは、「根源を徹底的に断つ」原理にさらに合致し、それにより病巣を徹底的にきれいに除去し、より良好な治療効果を達成し、切除中に必要に応じてさらに通電された環状電極4を利用して血液凝固を行うことができる。
【0029】
[実施例2]
図7及び図11に示すとおり、本実施例が提供する別体式電気切断針は、ハンドル、一つの固定ロッド1-5、複数段の一定の強度を有し、自由に曲げることができる可撓性線材(例えば、ナイロン等の合成繊維、PE等の高分子ポリマー、チタン鋼等の金属合金材料)及び一つの電子回路システムを含む。実施例1と異なり、前記電子回路システムは針状電極7を切断電極として採用し、針状電極7を取り付けるための支持体3は筒状台座形式であり、針状電極7を取り付けやすいだけでなく、固定ロッド1-5から引き出されたケーブル5に接続しやすい。ハンドルが閉じられる時、支持体3(筒状台座形式)及び針状電極7は固定ロッド1-5の直上にあり、支持体3(筒状台座形式)及び針状電極7は固定ロッド1-5に対してより小さい径方向寸法を有し、したがって、電気切断針(ハンドルを除く)全体の径方向寸法が最小に達し、子宮頸部の外口及び子宮内口を通過しやすく、針状電極7の接触破損を回避することができる。
【0030】
図9及び図10に示すとおり、前記支持体3(筒状台座形式)は固定ロッド1-5とピン接続を採用し、実施例1と異なり、支持体3(筒状台座形式)は雌ねじ付きの円筒を含み、円筒下部はねじにより針状電極7の尾端に接続固定され、円筒頂部(一つの引き出し電極に接続されたケーブルが、円筒の頂部に接続され、他の引き出し電極に接続されたケーブルが、円筒の側壁に接続される)に二つの逆L字型ピンが取り付けられる。円筒がピンを軸(可動接続点3-1)として固定ロッド1-5に回転する時、針状電極7を収束させることができる。
【0031】
図8及び図12に示すとおり、ハンドルの開き又は閉じに伴い、牽引ワイヤ1-4が移動し、かつ引き戻し張力ワイヤ1-6の作用力により拘束され、針状電極7の固定ロッド1-5に対する角度がそれに伴って調整される。子宮腔癒着の程度及び粘膜下筋腫瘍の子宮腔へ凸になる大きさに基づいて、60-120度の間に異なる角度を選択して電気切断治療を行うことができる。
【0032】
前記別体式電気切断針の使用方法は実施例1における別体式電気切断リングと基本的に同じであり、即ちハンドルの開き又は閉じにより針状電極7の角度を調節し、通電状態で針状電極7を利用して子宮腔癒着、粘膜下筋腫瘍などの病巣に電気切断治療を行い、浅いから深くなるという電気切断治療原理にさらに合致し、それにより、より良好な治療効果を達成し、切除に必要に応じてさらに通電された針状電極7を利用して血液凝固を行うことができる。
【0033】
以上の実施例における電気切断装置(電気切断リング又は電気切断針)は、子宮腔検査鏡と組み合わせて治療する時に、子宮口が楕円形に引っ張られる。直径が5mmの検査鏡の断面積は6.25πであり、さらに直径が4mmであり、断面積が4πである電気切断器を加え、二つの器具を合わせた断面積は10.25πであり、直径が6mmである子宮口の断面積は9πであり、直径が7mmである子宮口の断面積は12.25πであり、大部分の患者に対して、その子宮口は6mm程度であり、したがって基本的に子宮を拡張する必要がなく、子宮の拡張が小さい乃至子宮を拡張しないほど、患者の子宮頸部への損傷を最小に低減することができる。かつ、子宮腔検査鏡及び以上の実施例におけるレゼクトスコープは膣鏡及び円柱形金属被覆からの制限がない状況で操作を完了し、視野がより広く、可動範囲がより大きい。
【0034】
本発明の提供する別体式電気切断リング、電気切断針の特徴は以下のとおりである。
1)本発明の別体式電気切断リング、電気切断針は、人体子宮腔の生理的構造に合致し、子宮鏡(検査鏡)と組合わせて治療する時に、別体式電気切断リング、電気切断針は収束する時に前端が小さく、直径が4mm程度であり、単独で送り込むことができる。したがって、子宮拡張のサイズが減少し、子宮頸部への損傷がより小さく、引き起こされた合併症がより少ない。
2)本発明の別体式電気切断リング、電気切断針は子宮内で治療する可動範囲がより大きく、かつ切断電極(例えばより太い直径)を交換することにより、電気切断効果を向上させ、それに対応して手術プロセスを加速し、合併症のリスクを低下させる。
3)本発明の別体式電気切断リング、電気切断針の切断電極の角度がより広い範囲内で調整することができ、従来の子宮腔の電気切断鏡操作において子宮位置、内口の大きさ及び膣鏡に制限された問題を解決し、必要に応じて毎回電気切断する組織を随時に増加させることができ、それにより電気切断手術時間を顕著に短縮し、手術合併症を低下させる。
4)本発明の別体式電気切断リング、電気切断針は、基本的に子宮を拡張する必要がなく、損傷が小さいため、外来手術室で治療過程を完了することができ、治療コストを低下させるだけでなく、良好な治療効果を達成することができる。
【符号の説明】
【0035】
1-1 第一ハンドル本体、1-2 第二ハンドル本体、1-3 ハンドル接続部、1-4 牽引ワイヤ、1-5 固定ロッド、1-6 引張ワイヤ、2 ガイドスライドスリーブ、3 支持体、3-1 可動接続点、3-2 固定接続点、4 環状電極、5 ケーブル、6 引き出し電極、7 針状電極
図1
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【国際調査報告】