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特表2023-522081長時間作用型ペプチドチロシンチロシン(PYY)類似体及び使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-26
(54)【発明の名称】長時間作用型ペプチドチロシンチロシン(PYY)類似体及び使用方法
(51)【国際特許分類】
   C07K 14/435 20060101AFI20230519BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230519BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20230519BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20230519BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20230519BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20230519BHJP
   A61K 38/16 20060101ALI20230519BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20230519BHJP
【FI】
C07K14/435 ZNA
A61P43/00 121
A61P3/04
A61P3/10
A61P3/06
A61P1/16
A61K38/16
A61K45/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022563207
(86)(22)【出願日】2021-04-16
(85)【翻訳文提出日】2022-12-16
(86)【国際出願番号】 US2021027759
(87)【国際公開番号】W WO2021212023
(87)【国際公開日】2021-10-21
(31)【優先権主張番号】63/011,649
(32)【優先日】2020-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/076,459
(32)【優先日】2020-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】522406160
【氏名又は名称】アイツーオー・セラピューティクス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム・ブラックウェル
(72)【発明者】
【氏名】ヴェド・ピー・スリヴァスタヴァ
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ・エム・ウェイ
【テーマコード(参考)】
4C084
4H045
【Fターム(参考)】
4C084AA01
4C084AA02
4C084AA07
4C084AA19
4C084BA01
4C084BA08
4C084BA19
4C084BA23
4C084CA59
4C084MA02
4C084MA13
4C084MA16
4C084MA17
4C084MA21
4C084MA28
4C084MA35
4C084MA37
4C084MA41
4C084MA43
4C084MA44
4C084MA52
4C084MA55
4C084MA56
4C084MA60
4C084MA63
4C084MA66
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZA701
4C084ZA702
4C084ZA751
4C084ZA752
4C084ZC331
4C084ZC332
4C084ZC351
4C084ZC352
4C084ZC412
4C084ZC751
4H045AA10
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045CA40
4H045EA20
4H045FA34
(57)【要約】
本発明は、ヒトPYYの長時間作用型類似体である単離ポリペプチドに関する。開示されたPYY類似体ポリペプチドは、内因性PYY及び既知の合成PYY類似体ポリペプチドと比較して、より長い(すなわち、「長時間作用する」)消失半減期(t1/2)、ならびに改善された溶解度及び熱安定性などの有益な物理化学的特性を有する。本発明はまた、現在開示されているPYY類似体ポリペプチドを様々な治療適応症において使用する方法、及びそれを製造する方法にも関する。開示されたPYY類似体ポリペプチドは、2型糖尿病などの代謝性疾患または障害を治療する方法、肥満を治療する方法、及び減量を行う方法において、ならびに非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)及び/または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を治療する方法において特に有用である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号90のアミノ酸配列:
PXPXPX10SPX13141516RX181920DX2223HX252627WLTRX32RX34-(OH/NH)(配列番号90)を含む、単離ポリペプチド、またはその薬学的に許容される塩
(式中、
は、不存在であるかまたはKであり;
は、Kであり;
は、EまたはKであり;
は、AまたはKであり;
は、GまたはKであり;
は、E、K、またはkであり;
は、DまたはKであり;
10は、AまたはKであり;
13は、EまたはKであり;
14は、EまたはKであり;
15は、LまたはWであり;
16は、D、E、K、N、Q、S、T、α-メチルセリン、またはホモセリンであり;
18は、KまたはYであり;
19は、KまたはYであり;
20は、A、D、E、K、k、またはDapであり;
22は、A、D、K、またはLであり;
23は、KまたはRであり;
25は、KまたはYであり;
26は、E、K、またはLであり;
27は、KまたはNであり;
32は、KまたはQであり;
34は、F、y、3-ピリジニルアラニン、4-ピリジニルアラニン、4-カルボキシフェニルアラニン、4-フルオロフェニルアラニン、4-メチルフェニルアラニン、N-メチルフェニルアラニン、ホモフェニルアラニン、β-ホモチロシン、ホモチロシン、またはN-メチルチロシンであり;
ここで、X、X、X、X、X、X、X13、X20、X23、X25、X27、またはX32がKである場合、前記リジン残基は、任意選択でスペーサーを介して、親油性置換基に任意選択で共有結合しており、
ここで、XまたはX20がkである場合、前記D-リジン残基は、任意選択でスペーサーを介して、親油性置換基に任意選択で共有結合しており、
ただし、前記ポリペプチドは、任意選択でスペーサーを介して、親油性置換基に共有結合した少なくとも1つの残基を含むことを条件とし;
前記ポリペプチドは、リジン側鎖とアスパラギン酸側鎖との間、またはリジン側鎖とグルタミン酸側鎖との間のアミド結合を介して形成されたラクタム架橋を任意選択でさらに含み、前記ラクタム架橋を形成する前記残基は、X及びX13位またはX16及びX20位またはX22及びX26位に位置する)。
【請求項2】
配列番号91のアミノ酸配列:
PKPEXPXDASPX13EX1516RYYX20DX22RHYLNWLTRQRX34-(OH/NH)(配列番号91)を含む、請求項1に記載の単離ポリペプチド、またはその薬学的に許容される塩
(式中、
は、AまたはKであり;
は、GまたはKであり;
は、E、K、またはkであり;
13は、EまたはKであり;
15は、LまたはWであり;
16は、D、E、K、N、S、α-メチルセリン、またはホモセリンであり;
20は、A、D、E、K、またはkであり;
22は、AまたはLであり;
34は、F、3-ピリジニルアラニン、4-ピリジニルアラニン、4-カルボキシフェニルアラニン、4-フルオロフェニルアラニン、4-メチルフェニルアラニン、N-メチルフェニルアラニン、ホモフェニルアラニン、β-ホモチロシン、ホモチロシン、またはN-メチルチロシンであり;
ここで、X、X、X、X13、またはX20がKである場合、前記リジン残基は、任意選択でスペーサーを介して、親油性置換基に任意選択で共有結合しており、
ここで、XまたはX20がkである場合、前記D-リジン残基は、任意選択でスペーサーを介して、親油性置換基に任意選択で共有結合しており、
ただし、前記ポリペプチドは、任意選択でスペーサーを介して、親油性置換基に共有結合した少なくとも1つの残基を含むことを条件とし;
前記ポリペプチドは、リジン側鎖とアスパラギン酸側鎖との間、またはリジン側鎖とグルタミン酸側鎖との間のアミド結合を介して形成されたラクタム架橋を任意選択でさらに含み、前記ラクタム架橋を形成する前記残基は、X16及びX20位に位置する)。
【請求項3】
配列番号92のアミノ酸配列:
PKPEXPXDASPX13EX1516RYYX20DX22RHYLNWLTRQRX34-(OH/NH)(配列番号92)を含む、請求項1または請求項2に記載の単離ポリペプチド、またはその薬学的に許容される塩
(式中、
は、AまたはKであり;
は、GまたはKであり;
は、E、K、またはkであり;
13は、EまたはKであり;
15は、LまたはWであり;
16は、D、E、K、S、α-メチルセリン、またはホモセリンであり;
20は、A、D、E、K、またはkであり;
22は、AまたはLであり;
34は、F、3-ピリジニルアラニン、4-ピリジニルアラニン、4-カルボキシフェニルアラニン、4-フルオロフェニルアラニン、4-メチルフェニルアラニン、N-メチルフェニルアラニン、ホモフェニルアラニン、β-ホモチロシン、ホモチロシン、またはN-メチルチロシンであり;
ここで、X、X、X、X13、またはX20がKである場合、前記リジン残基は、任意選択でスペーサーを介して、親油性置換基に任意選択で共有結合しており、
ここで、XまたはX20がkである場合、前記D-リジン残基は、任意選択でスペーサーを介して、親油性置換基に任意選択で共有結合しており、
ただし、前記ポリペプチドは、任意選択でスペーサーを介して、親油性置換基に共有結合した少なくとも1つの残基を含むことを条件とし;
前記ポリペプチドは、リジン側鎖とアスパラギン酸側鎖との間、またはリジン側鎖とグルタミン酸側鎖との間のアミド結合を介して形成されたラクタム架橋を任意選択でさらに含み、前記ラクタム架橋を形成する前記残基は、X16及びX20位に位置する)。
【請求項4】
配列番号93のアミノ酸配列:
PKPEXPXDASPX13EX1516RYYX20DX22RHYLNWLTRQRX34-(OH/NH)(配列番号93)を含む、請求項1または請求項2に記載の単離ポリペプチド、またはその薬学的に許容される塩
(式中、
は、AまたはKであり;
は、GまたはKであり;
は、E、K、またはkであり;
13は、EまたはKであり;
15は、LまたはWであり;
16は、D、E、K、N、S、α-メチルセリン、またはホモセリンであり;
20は、D、E、K、またはkであり;
22は、AまたはLであり;
34は、F、3-ピリジニルアラニン、4-ピリジニルアラニン、4-カルボキシフェニルアラニン、4-フルオロフェニルアラニン、4-メチルフェニルアラニン、N-メチルフェニルアラニン、ホモフェニルアラニン、β-ホモチロシン、ホモチロシン、またはN-メチルチロシンであり;
ここで、X、X、X、X13、またはX20がKである場合、前記リジン残基は、任意選択でスペーサーを介して、親油性置換基に任意選択で共有結合しており、
ここで、XまたはX20がkである場合、前記D-リジン残基は、任意選択でスペーサーを介して、親油性置換基に任意選択で共有結合しており、
ただし、前記ポリペプチドは、任意選択でスペーサーを介して、親油性置換基に共有結合した少なくとも1つの残基を含むことを条件とし;
前記ポリペプチドは、リジン側鎖とアスパラギン酸側鎖との間、またはリジン側鎖とグルタミン酸側鎖との間のアミド結合を介して形成されたラクタム架橋を任意選択でさらに含み、前記ラクタム架橋を形成する前記残基は、X16及びX20位に位置する)。
【請求項5】
配列番号94のアミノ酸配列:

PKPEXPGXDASPX13EWX16RYYX20DX22RHYLNWLTRQRX34-(OH/NH)(配列番号94)を含む、請求項1または請求項2に記載の単離ポリペプチド、またはその薬学的に許容される塩
(式中、
は、AまたはKであり;
は、E、K、またはkであり;
13は、EまたはKであり;
16は、D、E、K、またはNであり;
20は、A、D、E、K、またはkであり;
22は、AまたはLであり;
34は、FまたはN-メチルチロシンであり;
ここで、X、X、X13、またはX20がKである場合、前記リジン残基は、任意選択でスペーサーを介して、親油性置換基に任意選択で共有結合しており、
ここで、XまたはX20がkである場合、前記D-リジン残基は、任意選択でスペーサーを介して、親油性置換基に任意選択で共有結合しており、
ただし、前記ポリペプチドは、任意選択でスペーサーを介して、親油性置換基に共有結合した少なくとも1つの残基を含むことを条件とし;
前記ポリペプチドは、リジン側鎖とアスパラギン酸側鎖との間、またはリジン側鎖とグルタミン酸側鎖との間のアミド結合を介して形成されたラクタム架橋を任意選択でさらに含み、前記ラクタム架橋を形成する前記残基は、X16及びX20位に位置する)。
【請求項6】
配列番号95のアミノ酸配列:
PKPEXPGKDASPX13EWX16RYYX20DLRHYLNWLTRQRF-(OH/NH)(配列番号95)を含む、請求項1、2、または5のいずれか1項に記載の単離ポリペプチド、またはその薬学的に許容される塩
(式中、
は、AまたはKであり;
13は、EまたはKであり;
16は、D、E、K、またはNであり;
20は、A、D、E、K、またはkであり;
ここで、X、X13またはX20がKである場合、前記リジン残基は、任意選択でスペーサーを介して、親油性置換基に任意選択で共有結合しており、
ここで、Kは、任意選択でスペーサーを介して、親油性置換基に任意選択で共有結合しており、
ここで、X20がkである場合、前記D-リジン残基は、任意選択でスペーサーを介して、親油性置換基に任意選択で共有結合しており、
ただし、前記ポリペプチドは、任意選択でスペーサーを介して、親油性置換基に共有結合した少なくとも1つの残基を含むことを条件とし;
前記ポリペプチドは、リジン側鎖とアスパラギン酸側鎖との間、またはリジン側鎖とグルタミン酸側鎖との間のアミド結合を介して形成されたラクタム架橋を任意選択でさらに含み、前記ラクタム架橋を形成する前記残基は、X16及びX20位に位置する)。
【請求項7】
15がLである場合、X22はAである、請求項1~4のいずれか1項に記載の単離ポリペプチド。
【請求項8】
16がNである場合、X20はAではない、請求項1、2、または5~7のいずれか1項に記載の単離ポリペプチド。
【請求項9】
がEであり、XがKであり、X20がKである場合、XまたはX20のいずれかの前記リジン残基は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合している、請求項1~5、7、または8のいずれか1項に記載の単離ポリペプチド。
【請求項10】
34が、Fである、請求項1~5または7~9のいずれか1項に記載の単離ポリペプチド。
【請求項11】
が、Kである、請求項1~5、7、8、または10のいずれか1項に記載の単離ポリペプチド。
【請求項12】
前記ポリペプチド配列の8位の前記リジン残基が、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合している、請求項6または請求項11に記載の単離ポリペプチド。
【請求項13】
16が、Kであり、X20が、DまたはEであり、前記ポリペプチドが、X16及びX20位に位置する前記残基の側鎖間のアミド結合を介して形成されるラクタム架橋を含む、請求項1~7または10~12のいずれか1項に記載の単離ポリペプチド。
【請求項14】
16が、DまたはEであり、X20が、Kであり、前記ポリペプチドが、X16及びX20位に位置する前記残基の側鎖間のアミド結合を介して形成されるラクタム架橋を含む、請求項1~7または10~12のいずれか1項に記載の単離ポリペプチド。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか1項に記載の単離ポリペプチドであって、前記単離ポリペプチドのアミノ基と前記親油性置換基のCO-基との間にアミド結合を形成する、前記単離ポリペプチド。
【請求項16】
前記親油性置換基が式I:
-CO-(CH-Z
式I
のものである、請求項15に記載の単離ポリペプチド
(式中、
Zは、-CHまたは-COHであり;
mは、4~24である)。
【請求項17】
Zが、-COHである、請求項16に記載の単離ポリペプチド。
【請求項18】
mが14~20である、請求項16または請求項17に記載の単離ポリペプチド。
【請求項19】
mが16、17、または18である、請求項16~18のいずれか1項に記載の単離ポリペプチド。
【請求項20】
請求項1~14のいずれかに記載の単離ポリペプチドであって、前記親油性置換基が、スペーサーを介して前記単離ポリペプチドに共有結合している、前記単離ポリペプチド。
【請求項21】
請求項20に記載の単離ポリペプチドであって、前記親油性置換基、すなわち-CO-(CH-Zが、前記スペーサーを介して前記単離ポリペプチドのアミノ基に連結し、前記スペーサーは、前記単離ポリペプチドの前記アミノ基と前記親油性置換基の前記CO-基との間に架橋を形成する、前記単離ポリペプチド。
【請求項22】
前記親油性置換基及び前記スペーサーが、式II:
-(Y)-CO-(CH-Z
式II
のものである、請求項20または請求項21に記載の単離ポリペプチド
(式中、
Yは、γGlu、Asp、Lys及びGlyからなる群から選択され;
Zは、-CHまたは-COHであり;
mは、4~24であり;
nは、1~10である)。
【請求項23】
Zが、-COHである、請求項22に記載の単離ポリペプチド。
【請求項24】
mが14~20である、請求項22または請求項23に記載の単離ポリペプチド。
【請求項25】
mが16、17、または18である、請求項22~24のいずれか1項に記載の単離ポリペプチド。
【請求項26】
YがγGluである、請求項22~25のいずれか1項に記載の単離ポリペプチド。
【請求項27】
nが1~5である、請求項22~26のいずれか1項に記載の単離ポリペプチド。
【請求項28】
nが2である、請求項22~27のいずれか1項に記載の単離ポリペプチド。
【請求項29】
前記親油性置換基及び前記スペーサーが。式IV:
-(Y1)n1-(dpeg)-(Y2)n2-CO-(CH-Z
式IV
のものである、請求項20または請求項21に記載の単離ポリペプチド
(式中、
Zは、-CHまたは-COHであり;
mは、4~24であり;
Y1は、γGlu、Asp、及びGlyからなる群から選択され;
Y2は、γGlu、Asp、及びGlyからなる群から選択され;
dpegは、-[CO(CH)O(CHO(CH)NH]-であり;
rは、1~8であり;
n1は、0~10であり;
n2は、0~10である)。
【請求項30】
Zが、-COHである、請求項29に記載の単離ポリペプチド。
【請求項31】
mが14~20である、請求項29または請求項30に記載の単離ポリペプチド。
【請求項32】
mが16、17、または18である、請求項29~31のいずれか1項に記載の単離ポリペプチド。
【請求項33】
Y1がγGluである、請求項29~32のいずれか1項に記載の単離ポリペプチド。
【請求項34】
n1が0~3である、請求項29~33のいずれか1項に記載の単離ポリペプチド。
【請求項35】
Y2がγGluである、請求項29~34のいずれか1項に記載の単離ポリペプチド。
【請求項36】
n2が0~3である、請求項29~35のいずれか1項に記載の単離ポリペプチド。
【請求項37】
rが1~3である、請求項29~36のいずれか1項に記載の単離ポリペプチド。
【請求項38】
前記カルボキシ末端アミノ酸、すなわちX34が、-X34-(NH)である、請求項1~37のいずれか1項に記載の単離ポリペプチド。
【請求項39】
配列番号1~78のいずれかのアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項40】
配列番号13、24、42、及び43によって表されるものからなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項39に記載の単離ポリペプチド。
【請求項41】
配列番号13のアミノ酸配列を含む、請求項39に記載の単離ポリペプチド、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項42】
配列番号24のアミノ酸配列を含む、請求項39に記載の単離ポリペプチド、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項43】
配列番号42のアミノ酸配列を含む、請求項39に記載の単離ポリペプチド、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項44】
配列番号43のアミノ酸配列を含む、請求項39に記載の単離ポリペプチド、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項45】
請求項1~44のいずれかに記載の単離ポリペプチド、またはその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容されるアジュバント、担体、もしくはビヒクルを含む、医薬組成物。
【請求項46】
請求項1~44のいずれかに記載の単離ポリペプチド、またはその薬学的に許容される塩、及びGLP-1受容体アゴニストを含む医薬組合せ。
【請求項47】
請求項1~44のいずれかに記載の単離ポリペプチド、請求項45に記載の医薬組成物、または請求項46に記載の医薬組合せを含む、浸透圧送達デバイス。
【請求項48】
内面及び外面ならびに第1及び第2の開口端を含む不浸透性リザーバと;
前記リザーバの前記第1の開口端と密閉関係にある半透膜と;
前記リザーバ内にあり前記半透膜に隣接する浸透圧エンジンと;
前記浸透圧エンジンに隣接するピストンであって、前記ピストンは、前記リザーバの前記内面と可動シールを形成し、前記ピストンは前記リザーバを第1チャンバーと第2チャンバーとに分割し、前記第1のチャンバーは前記浸透圧エンジンを含む、前記ピストンと;
懸濁製剤であって、前記第2のチャンバーは前記懸濁製剤を含み、前記懸濁製剤は流動性であり、前記単離ポリペプチドを含む、前記懸濁製剤と;
前記リザーバの前記第2の開口端に挿入された拡散モデレータであって、前記懸濁製剤に隣接する、前記拡散モデレータと、を含む、請求項47に記載の浸透圧送達デバイス。
【請求項49】
ヒト対象の肥満を治療する、前記ヒト対象に減量を行う、または前記ヒト対象の食欲を抑制する方法であって、請求項1~44のいずれか1項に記載の単離ポリペプチドを含む医薬組成物、請求項45に記載の医薬組成物、請求項46に記載の医薬組合せ、または請求項47もしくは48に記載の浸透圧送達デバイスを、前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項50】
ヒト対象の糖尿病を治療する方法であって、請求項1~44のいずれか1項に記載の単離ポリペプチドを含む医薬組成物、請求項45に記載の医薬組成物、請求項46に記載の医薬組合せ、または請求項47もしくは48に記載の浸透圧送達デバイスを、前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項51】
前記糖尿病が1型糖尿病である、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記糖尿病が2型糖尿病である、請求項50に記載の方法。
【請求項53】
ヒト対象における非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)及び/または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を治療する方法であって、請求項1~44のいずれか1項に記載の単離ポリペプチドを含む医薬組成物、請求項45に記載の医薬組成物、請求項46に記載の医薬組合せ、または請求項47もしくは48に記載の浸透圧送達デバイスを、前記対象に投与することを含む、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2020年4月17日出願の米国仮特許出願第63/011,649号、及び2020年9月10日出願の米国仮特許出願第63/076,459号の利益を主張し、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、ペプチドチロシンチロシン(PYY)類似体である化合物及びその調製方法に関する。本発明はまた、本発明の化合物を含む薬学的に許容される組成物、及び種々の障害の治療において前記組成物を使用する方法を提供する。
【背景技術】
【0003】
ペプチドチロシンチロシンとしても知られるペプチドYY(PYY)は、ヒトではPYY遺伝子によってコードされるペプチドである。ペプチドYYは、摂食に応答して回腸及び結腸の細胞から放出される短い(36アミノ酸)ペプチドである。血液、腸、及び末梢の他の要素では、PYYは食欲を低下させるように作用し;同様に、中枢神経系に直接注射すると、PYYはまた食欲抑制的になる、すなわち食欲を低下させる。
【発明の概要】
【0004】
本開示の化合物、及びその薬学的に許容される組成物は、PYY類似体として有効であることがここで見出された。このような化合物は、以下の一般式:
配列番号90のアミノ酸配列:
PXPXPXDX10SPX13141516RX181920DX2223HX25LX27WLTRX32RX34-(OH/NH) (配列番号90)を含む、単離ポリペプチド、またはその薬学的に許容される塩を有する
(式中、各変数は、本明細書で定義及び説明されているとおりである)。
【0005】
そのような例示的な化合物を、本明細書の表3に提供する。
【0006】
本発明の化合物は、長い消失半減期(t1/2)を達成するように設計されており、したがって、本明細書では「長時間作用型」PYY類似体として記載される。
【0007】
本発明の化合物及びその薬学的に許容される組成物は、PYY受容体に関連する様々な疾患、障害または状態を治療するのに有用である。そのような疾患、障害、または状態には、2型糖尿病、肥満、及び減量を達成する必要性などの代謝疾患または障害が含まれる。ある特定の実施形態では、本発明は、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)及び/または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を治療する方法にも関する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】長時間作用型GLP-1類似体と組み合わせた長時間作用型PYY類似体のベースライン及びビヒクル対照(ΔΔ%)からの平均減量(%)を示す。
図2】長時間作用型GLP-1類似体と組み合わせた長時間作用型PYY類似体のベースライン及びビヒクル対照(ΔΔ%)からの平均HbA1c(%)を示す。
図3】薬物送達用の代表的な浸透圧ミニポンプの断面図を示す。
図4】ボーラス注入または静脈内注入後のA13の血漿濃度の変化を示す。
図5】ボーラス注入または静脈内注入後のA24の血漿濃度の変化を示す。
図6】肥満の食餌誘発性肥満ラットモデルにおける減量を示し、PYY類似体ペプチドA13と長時間作用型GLP-1受容体アゴニストとの組合せが、業界のベンチマークであるエキセナチドまたはセマグルチド単独よりも有意に効果的かつ強力であることを強調するグラフである。
図7】2型糖尿病のズッカー糖尿病肥満(ZDF)ラットにおける抗糖尿病効果を示し、PYYアナログペプチドA13と長時間作用型GLP-1受容体アゴニストとの組合せが、チルゼパチド及びセマグルチド単独よりも有意に効果的かつ強力であることを強調するグラフである。
図8】肥満の食餌誘発性肥満ラットモデルにおける、異なる用量での異なる治療期間にわたる食物摂取量の変化(ΔΔg)(左パネル)及び対応する体重の変化(ΔΔg、右パネル)を示すグラフのパネルである。上部パネルは、PYY類似体A24単独の反復投与に対応し、下部パネルは、PYY類似体A24と長時間作用型GLP-1受容体アゴニストの組合せ投与に対応する。
図9図8のY次元データをXY軸に再プロットしたものである。体重の変化(ΔΔg、Y軸)を、食物摂取量の変化(ΔΔg、X軸)の関数としてプロットする。関係の良好な適合(R0.82)は、食物摂取量への影響が体重への影響を高度に予測することを示している。この関係の勾配は、この動物モデルでは、所定の期間にわたる累積食物摂取量の変化(増加または減少)により、対応する体重の変化のおよそ56%がもたらされることを示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明のある特定の実施形態の一般的な説明
本発明の化合物及びその医薬組成物は、PYY受容体のアゴニストとして、特にNPY1R、NPY2R、NPY4R、及びNPY5Rを含むヒトPYY受容体のアゴニストとして有用である。本発明はまた、そのような化合物、すなわちPYY類似体ポリペプチドを製造及び使用する方法にも関する。本発明の化合物は長時間作用型PYY類似体である。これらのPYY類似体ポリペプチドは、2型糖尿病、肥満などの代謝性疾患または障害を治療する方法、及び減量を行う方法において特に有用である。ある特定の実施形態では、本発明は、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)及び/または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を治療する方法にも関する。
【0010】
ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号90のアミノ酸配列:
PXPXPXDX10SPX13141516RX181920DX2223HX25LX27WLTRX32RX34-(OH/NH) (配列番号90)を含む、単離ポリペプチド、またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0011】
定義
本明細書において使用される用語は、特定の実施形態を説明するためのものであり、制限することを意図しないことを理解されたい。本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈により別様に明確に示されない限り、複数形の指示対象を含む。したがって、例えば、「溶媒」への言及は、2つ以上のそのような溶媒の組合せを含み、「ペプチド」への言及は、1つ以上のペプチドまたはペプチドの混合物を含み、「薬物」への言及は、1つ以上の薬物を含み、「浸透圧送達デバイス」への言及は、1つ以上の浸透圧送達デバイスを含む、などである。具体的に述べられるか、文脈から明らかでない限り、本発明で使用される場合、「または」という用語は、包括的であると理解され、「または」と「及び」の両方を包含する。
【0012】
具体的に述べられるか、文脈から明らかでない限り、本明細書で使用される場合、「約」という用語は、当該技術分野における通常の許容範囲内、例えば、平均の2標準偏差内にあるものと理解される。約は、述べられる値の10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、0.05%、または0.01%以内にあるものと理解され得る。別段文脈から明確でない限り、本明細書において提供される全ての数値は、「約」という用語によって修飾されているものとする。
【0013】
具体的に述べられるか、または文脈から明らかでない限り、本明細書で使用される場合、「実質的に」という用語は、当技術分野における狭い範囲の変動または別様に通常の許容範囲内であると理解される。実質的には、記載値の5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、0.05%、0.01%、または0.001%以内として理解することができる。
【0014】
別段に定義されない限り、本明細書において使用される全ての技術的及び科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載の方法及び材料と同様または同等の他の方法及び材料を、本発明の実践において使用することができるが、本明細書において好ましい材料及び方法が説明される。
【0015】
本発明を説明及び請求する上で、以下の用語が、以下に記載される定義に従って使用される。
【0016】
「薬物」、「治療剤」、及び「有益な薬剤」という用語は、交換可能に使用され、対象に送達されて所望の有益な効果をもたらす任意の治療活性物質を指す。本発明の一実施形態では、薬物はポリペプチドである。本発明の別の実施形態では、薬物は小分子、例えばアンドロゲンまたはエストロゲンなどのホルモンである。本発明のデバイス及び方法は、タンパク質、小分子、及びそれらの組合せの送達に非常に好適である。
【0017】
「ペプチド」、「ポリペプチド」、及び「タンパク質」という用語は、本明細書では交換可能に使用され、典型的には、2つ以上のアミノ酸の鎖を含む分子を指す(例えば、最も典型的にはL-アミノ酸であるが、例えば、D-アミノ酸、修飾アミノ酸、アミノ酸類似体、及びアミノ酸模倣体も含む)。
【0018】
いくつかの実施形態では、天然に存在するL-アミノ酸は、表1の従来の3文字または大文字1文字のアミノ酸表記によって表される。他の実施形態では、天然に存在するL-アミノ酸及びD-アミノ酸は両方とも、表1の従来の3文字または大文字1文字のアミノ酸表記によって表される。さらに他の実施形態では、D-アミノ酸は、表2の1文字表記に対応する小文字1文字のアミノ酸表記、すなわち、a、l、m、f、w、k、q、e、s、p、v、i、c、y、h、r、n、d、及びtに対応する。
【表1】
【表2】
【0019】
ペプチドは、天然に存在するものであっても、合成的に生成されたものであっても、組換え発現されたものであってもよい。ペプチドはまた、アミノ酸鎖を修飾する追加の基、例えば、翻訳後修飾によって付加された官能基を含んでもよい。翻訳後修飾の例には、アセチル化、アルキル化(メチル化を含む)、ビオチン化、グルタミル化、グリシル化、グリコシル化、イソプレニル化、リポイル化、ホスホパンテテイニル化、リン酸化、セレン化、及びC末端アミド化が含まれるが、これらに限定されない。ペプチドという用語には、アミノ末端及び/またはカルボキシ末端の修飾を含むペプチドも含まれる。末端アミノ基の修飾としては、デスアミノ修飾、N-低級アルキル修飾、N-ジ-低級アルキル修飾、及びN-アシル修飾が挙げられるが、これらに限定されない。末端カルボキシ基の修飾としては、アミド修飾、低級アルキルアミド修飾、ジアルキルアミド修飾、及び低級アルキルエステル修飾(例えば、低級アルキルはC~Cアルキルである)が挙げられるが、これらに限定されない。ペプチドという用語はまた、アミノ末端とカルボキシ末端との間にあるアミノ酸の、上記のものなどであるがこれらに限定されない修飾を含む。一実施形態では、ペプチドは、小分子薬物の添加によって修飾され得る。
【0020】
ペプチド鎖の一端の末端アミノ酸は、典型的には遊離アミノ基(すなわち、アミノ末端)を有する。鎖のもう一方の末端の末端アミノ酸は、典型的には、遊離カルボキシル基(すなわち、カルボキシ末端)を有する。典型的には、ペプチドを構成するアミノ酸は、アミノ末端から始まり、ペプチドのカルボキシ末端の方向に増加するように、順番に付番される。
【0021】
本明細書で使用される「アミノ酸残基」という句は、アミド結合またはアミド結合模倣体によってペプチドに組み込まれるアミノ酸を指す。
【0022】
本明細書で使用される「インスリン分泌性」という用語は、典型的には、化合物、例えばペプチドが、インスリンの産生及び/または活性を刺激するかまたはそれらに影響を与える能力を指す(例えば、インスリン分泌性ホルモン)。そのような化合物は、典型的には、対象におけるインスリンの分泌または生合成を刺激するか、別様に影響を与える。したがって、「インスリン分泌性ペプチド」は、インスリンの分泌または生合成を刺激するか、別様に影響を与えることができるアミノ酸含有分子である。
【0023】
本明細書で使用される「アシル化」という用語は、開示されたポリペプチドに関して、開示されたポリペプチドが、それぞれ任意選択でスペーサーを介して1つ以上の親油性置換基で置換されていることを意味し、「親油性置換基」及び「スペーサー」は本明細書で定義される。ある特定の親油性置換基は、それぞれ任意選択でスペーサーを介して、アルブミンに結合し、アルブミンへの親和性を、得られたアシル化ポリペプチドに付与することができる。親油性置換基がそれぞれ任意選択でスペーサーを介してアルブミンに結合し、得られたアシル化ポリペプチドにアルブミンへの親和性を付与する程度には、ばらつきがあり、多くの要因により異なっている。多くの要因には、親油性置換基、任意選択のスペーサー、ポリペプチド、及びポリペプチドへの共有結合部位の同一性が含まれる。
【0024】
「直鎖状」または「線状ポリペプチド」という用語は、「非アシル化」ポリペプチド、換言すれば、それぞれ任意選択でスペーサーを介した親油性置換基を有していない開示されたPYY類似体ポリペプチドを指し、「親油性置換基」及び「スペーサー」は本明細書で定義される。
【0025】
本明細書で使用される「コンジュゲート」またはコンジュゲートポリペプチドという用語は、「アシル化」ポリペプチド、換言すれば、それぞれ任意選択でスペーサーを介して1つ以上の親油性置換基を有する開示されたPYY類似体ポリペプチドを指す。
【0026】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される塩」とは、開示されたポリペプチドの誘導体であって、親ポリペプチドが、存在する酸または塩基部分をその塩の形態に変換することによって修飾されている誘導体を指す。好適な塩のリストは、その全体が参照により本明細書に組み込まれるRemington’s Pharmaceutical Sciences,17th ed.,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1985,p.1418 and Journal of Pharmaceutical Science,66,2(1977)に認められる。
【0027】
本明細書で使用される「ビヒクル」という用語は、化合物、例えば薬物または薬物を含有する粒子を運ぶために使用される媒体を指す。本発明のビヒクルは、典型的には、ポリマー及び溶媒などの成分を含む。本発明の懸濁ビヒクルは、典型的には、薬物粒子製剤をさらに含む懸濁製剤を調製するために使用される溶媒及びポリマーを含む。
【0028】
本明細書で使用される「相分離」という句は、懸濁ビヒクルが水性環境に接触する場合など、懸濁ビヒクルにおける複数の相(例えば、液相及びゲル相)の形成を指す。本発明のいくつかの実施形態では、懸濁ビヒクルは、水がおよそ10%未満の水性環境と接触すると相分離を呈するように製剤化される。
【0029】
本明細書で使用される「単相」という句は、全体にわたって物理的及び化学的に均一である固体、半固体、または液体の均質な系を指す。
【0030】
本明細書で使用される「分散」という用語は、化合物、例えば、薬物粒子製剤を懸濁ビヒクル中に溶解、分散、懸濁、または別様に分布させることを指す。
【0031】
本明細書で使用される「化学的に安定な」という句は、脱アミド化(通常は加水分解による)、凝集、または酸化などの化学経路によって定義された期間にわたって生成された分解生成物が、許容される百分率で製剤に形成されていることを指す。
【0032】
本明細書で使用される「物理的に安定な」という句は、凝集体(例えば、二量体及び他の高分子量生成物)が、許容される百分率で製剤に形成されていることを指す。さらに、物理的に安定な製剤は、例えば、液体から固体へ、または非晶質から結晶形へのように、その物理的状態を変化させない。
【0033】
本明細書で使用される「粘度」という用語は、典型的には、本質的に以下のように、剪断応力対剪断速度の比率から決定される値を指す(例えば、Considine, D. M. & Considine, G. D., Encyclopedia of Chemistry, 4th Edition, Van Nostrand, Reinhold, N.Y., 1984を参照のこと):
F/A=μ*V/L(等式1)
式中、F/A=剪断応力(単位面積あたりの力)、
μ=a比例定数(粘度)、及び
V/L=層厚みあたりの速度(剪断速度)。
【0034】
この関係から、剪断速度に対する剪断応力の比率が粘度を定義する。剪断応力及び剪断速度の測定値は、典型的には、選択された条件下(例えば、約37℃の温度)で行われる平行平板レオメトリーを使用して決定される。粘度を決定するための他の方法としては、粘度計、例えば、キャノンフェンスケ粘度計、キャノンフェンスケ不透明溶液用のウベローデ粘度計、またはオストワルド粘度計を使用する動粘度の測定が挙げられる。一般に、本発明の懸濁ビヒクルは、その中に懸濁した粒子製剤が、保存中に沈降するのを防ぎ、かつ送達方法、例えば、植込み型薬物送達デバイスにおいて使用するのに十分である粘度を有する。
【0035】
本明細書で使用される「非水性」という用語は、典型的には約10重量%以下、例えば、約7重量%以下、約5重量%以下、及び/または約4重量%未満の、例えば懸濁製剤の全含水量を指す。また、本発明の粒子製剤は、約10重量%未満、例えば約5重量%未満の残留水分を含む。
【0036】
本明細書で使用される「対象」という用語は、ヒト、ならびにアカゲザル及び他のサル種、ならびにチンパンジー及び他の類人猿種などの非ヒト霊長類を含む他の霊長類;ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ及びウマなどの家畜;イヌ及びネコなどの飼育用哺乳類;マウス、ラット及びモルモットなどのげっ歯類を含む実験動物;ニワトリ、シチメンチョウ及び他の家禽、アヒル、及びガチョウなどの、飼育用鳥、野生鳥及び狩猟鳥を含む鳥など含むがこれらに限定されない、脊索動物亜門の任意のメンバーを指す。この用語は、特定の年齢または性別を示すものではない。したがって、成体及び新生体の両方を包含することが意図される。
【0037】
本明細書で使用される場合、「治療する」、「治療」、及び「治療すること」という用語は、本明細書に記載の疾患もしくは障害、またはその1つ以上の症状を逆転させ、緩和し、その発症を遅延させ、またはその進行を阻害することを指す。いくつかの実施形態では、治療は、1つ以上の症状が発症した後に施してもよい。他の実施形態では、症状がなくても治療を施すことができる。例えば、治療は、症状の発症前に(例えば、症状の病歴に照らして、及び/または遺伝的もしくは他の感受性因子に照らして)感受性の高い個体に施すことができる。症状が回復した後、例えばその再発を予防または遅延させるために、治療を継続してもよい。
【0038】
本明細書で使用される「浸透圧送達デバイス」という用語は、典型的には、対象への薬物(例えば、開示されたPYY類似体ポリペプチド)の送達に使用されるデバイスを指し、デバイスは、例えば、薬物(例えば、開示されたPYY類似体ポリペプチド)及び浸透圧剤配合物を含む懸濁製剤を含有する内腔を有するリザーバ(例えば、チタン合金から作製された)を含む。内腔内に位置するピストンアセンブリは、浸透圧剤配合物から懸濁製剤を分離する。半透膜は、浸透圧剤配合物に隣接するリザーバの第1の遠位端に位置し、拡散モデレータ(懸濁製剤がデバイスを出る際に通る送達オリフィスを画定する)は、懸濁製剤に隣接する、リザーバの第2の遠位端に位置する。典型的には、浸透圧送達デバイスは、対象内の、例えば真皮下または皮下(例えば、上腕の内側、外側または後ろ側及び腹部領域)に植え込まれる。例示的な浸透圧送達デバイスは、DUROS(登録商標)(ALZA Corporation、Mountain View、Calif.)送達デバイスである。「浸透圧送達デバイス」と同義の用語の例としては、「浸透圧薬物送達デバイス」、「浸透圧薬物送達システム」、「浸透圧デバイス」、「浸透圧送達デバイス」、「浸透圧送達システム」、「浸透圧ポンプ」、「植込み型薬物送達デバイス」、「薬物送達システム」、「薬物送達デバイス」、「植込み型浸透圧ポンプ」、「植込み型薬物送達システム」、及び「植込み型送達システム」、が挙げられるが、これらに限定されない。「浸透送達デバイス」の他の用語は、当技術分野で知られている。
【0039】
本明細書で使用される「連続送達」という用語は、典型的には、浸透圧送達デバイスから植込み部位の近くの組織、例えば、真皮下及び皮下組織への薬物の実質的に連続的な放出を指す。例えば、浸透圧送達デバイスは、浸透の原理に基づいて、本質的に所定の速度で薬物を放出する。細胞外液は、半透膜を通って浸透圧送達デバイスの浸透圧エンジン内に直接入り、この浸透圧エンジンが拡張して、緩徐かつ一定の移動速度でピストンを動かす。ピストンの動きにより、薬物製剤は拡散モデレータのオリフィスを通って強制的に放出される。したがって、浸透圧送達デバイスからの薬物の放出は、緩徐な、制御された、一定の速度で行われる。
【0040】
本明細書で使用される「実質的な定常状態送達」という用語は、典型的には、定義された期間にわたる、目標濃度で、または目標濃度近くでの薬物の送達を指し、浸透圧送達デバイスから送達される薬物の量は、実質的にゼロ次送達である。活性剤(例えば、開示されたPYY類似体ポリペプチド)の実質的なゼロ次送達は、送達される薬物の速度が一定であり、送達システムで利用可能な薬物とは無関係であることを意味し、例えば、ゼロ次送達については、標準的な方法(例えば、線形回帰)によって決定する場合、送達される薬物の速度が時間に対してグラフ化され、直線がデータに適合する場合、直線はおよそゼロの傾きを有する。
【0041】
本明細書で使用される「薬物半減期」という句は、薬物がその濃度の半分まで血漿から排出されるのにかかる時間を指す。薬物の半減期は通常、注射によりまたは静脈内投与されたときに薬物がどのように分解するかを監視することによって測定される。薬物は通常、例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)、クロマトグラフィー法、エレクトロケミルミネッセンス(ECL)アッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、または免疫酵素サンドイッチアッセイ(IEMA)を使用して検出される。
【0042】
「μg」及び「mcg」及び「ug」という用語は、「マイクログラム」を意味すると理解される。同様に、「μl」及び「uL」という用語は「マイクロリットル」を意味すると理解され、「μM」及び「uM」という用語は「マイクロモル」を意味すると理解される。
【0043】
「血清」という用語は、物質を検出することができる血液産物を意味することが意図される。したがって、血清という用語には、少なくとも全血、血清、及び血漿が含まれる。例えば、「対象の血清中の[物質]の量」は、「対象の血漿中の[物質]の量」を包含するであろう。
【0044】
ベースラインは、浸透圧送達デバイス(薬物またはプラセボを含有する)の最初の配置の日またはその前日の最後の評価として定義される。
【0045】
ペプチドYY(PYY)は、(YPIKPEAPGEDASPEELNRYYASLRHYLNLVTRQRY-NH)、配列番号800のアミノ酸配列を有する36アミノ酸残基のペプチドアミドである。PYYは、腸の運動性及び血流を阻害し(Laburthe, M., Trends Endocrinol Metab. 1(3):168-74 (1990)、腸分泌を媒介し(Cox, H. M., et al., Br J Pharmacol 101(2):247-52 (1990);Playford, R. J., et al., Lancet 335(8705):1555-7 (1990))、正味吸収を刺激する(MacFayden, R. J., et al., Neuropeptides 7(3):219-27 (1986))。2つの主要なインビボバリアントである、PYY(1-36)及びPYY(3-36)が同定されている(例えば、Eberlein, G. A., et al., Peptides 10(4), 797-803 (1989))。PYYの配列、ならびにそのペプチド類似体及びペプチド誘導体は、当技術分野において既知である(例えば、米国特許第5,574,010号及び第5,552,520号)。
【0046】
例示的な化合物PYY類似体ポリペプチド
以下の表3のものを含む、ある特定の開示されたPYY類似体ポリペプチドは、優れた溶解度、安定性、生物学的利用能、生物学的活性及び特異性、ならびに内因性PYY及び既知のPYY類似体よりも長い半減期、のうちの1つ以上を呈する。ある特定の開示されたPYY類似体ポリペプチドは、既知のPYY類似体に必要とされるよりも少ない頻度の投与に対応するように開発された。ある特定の開示されたPYY類似体ポリペプチドは、毎週または毎月の注射による投与のために開発された。ある特定の開示されたPYY類似体ポリペプチドは、PYY類似体ポリペプチドを含む送達デバイスの植込みを介した投与のために開発され、送達デバイスは、最長3か月、6か月、9か月、1年、18か月、または2年のPYY類似体ポリペプチドの用量を含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、本開示の単離ポリペプチドは、表3に列挙される以下のペプチドからなる群から選択されるアミノ酸配列を含む:
【表3-1】
【表3-2】
【表3-3】
【表3-4】
【表3-5】
【表3-6】
【表3-7】
【表3-8】
【表3-9】
【表3-10】
【表3-11】
【表3-12】
【表3-13】
【表3-14】
【0048】
表3のある特定のペプチドの構造表示を以下の表4に提供する:
【表4-1】
【表4-2】
【表4-3】
【0049】
【化1】
・本明細書で使用される場合、dpegは、-COCHO(CHO(CHNH-を表し;及びdpeg-dpegは、-COCHO(CHO(CHNH-COCHO(CHO(CHNH-を表し;
・カルボキシ末端アミノ酸、すなわち-F34-(NH)として示されているF34は、-NH-CH(CHPh)-CONHとして表される。
【0050】
いくつかの実施形態では、単離ポリペプチドは、配列番号1~78からなる群から選択されるアミノ酸配列、またはその薬学的に許容される塩を含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、単離ポリペプチドは、配列番号13、24、42及び43からなる群から選択されるアミノ酸配列、またはその薬学的に許容される塩を含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、単離ポリペプチドは、配列番号13のアミノ酸配列、またはその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、単離ポリペプチドは、配列番号24のアミノ酸配列、またはその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、単離ポリペプチドは、配列番号42のアミノ酸配列、またはその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、単離ポリペプチドは、配列番号43のアミノ酸配列、またはその薬学的に許容される塩を含む。
【0053】
いくつかの実施形態では、本発明は、上記の表3に示される化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供する。いくつかの実施形態では本発明は、配列番号1~78からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド、またはその薬学的に許容される塩を提供する。いくつかの実施形態では、薬学的に許容される塩は、酢酸塩である。いくつかの実施形態では、薬学的に許容される塩は、トリフルオロ酢酸(TFA)塩である。いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な塩は、塩酸(HCl)塩である。
【0054】
一実施形態では、化合物は、配列番号13のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、化合物は、配列番号13のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドの酢酸塩である。いくつかの実施形態では、化合物は、配列番号13のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドのTFA塩である。いくつかの実施形態では、化合物は、配列番号13のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドのHCl塩である。
【0055】
一実施形態では、化合物は、配列番号24のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、化合物は、配列番号24のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドの酢酸塩である。いくつかの実施形態では、化合物は、配列番号24のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドのTFA塩である。いくつかの実施形態では、化合物は、配列番号24のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドのHCl塩である。
【0056】
一実施形態では、化合物は、配列番号42のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、化合物は、配列番号42のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドの酢酸塩である。いくつかの実施形態では、化合物は、配列番号42のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドのTFA塩である。いくつかの実施形態では、化合物は、配列番号42のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドのHCl塩である。
【0057】
一実施形態では、化合物は、配列番号43のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、化合物は、配列番号43のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドの酢酸塩である。いくつかの実施形態では、化合物は、配列番号43のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドのTFA塩である。いくつかの実施形態では、化合物は、配列番号43のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドのHCl塩である。
【0058】
いくつかの実施形態では、本開示の単離ポリペプチドは、表5に列挙される以下のペプチドからなる群から選択されるアミノ酸配列を含む:

【表5-1】
【表5-2】
【表5-3】
【表5-4】
【0059】
いくつかの実施形態では、単離ポリペプチドは、配列番号101~181からなる群から選択されるアミノ酸配列、またはその薬学的に許容される塩を含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、単離ポリペプチドは、配列番号113、124、及び143からなる群から選択されるアミノ酸配列、またはその薬学的に許容される塩を含む。
【0061】
いくつかの実施形態では、単離ポリペプチドは、配列番号113のアミノ酸配列、またはその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、単離ポリペプチドは、配列番号124のアミノ酸配列、またはその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、単離ポリペプチドは、配列番号143のアミノ酸配列、またはその薬学的に許容される塩を含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、本発明は、上記の表5に示される化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供する。いくつかの実施形態では本発明は、配列番号101~181からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド、またはその薬学的に許容される塩を提供する。いくつかの実施形態では、薬学的に許容される塩は、酢酸塩である。いくつかの実施形態では、薬学的に許容される塩は、トリフルオロ酢酸(TFA)塩である。いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な塩は、塩酸(HCl)塩である。
【0063】
一実施形態では、化合物は、配列番号113のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、化合物は、配列番号113のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドの酢酸塩である。いくつかの実施形態では、化合物は、配列番号113のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドのTFA塩である。いくつかの実施形態では、化合物は、配列番号113のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドのHCl塩である。
【0064】
一実施形態では、化合物は、配列番号124のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、化合物は、配列番号124のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドの酢酸塩である。いくつかの実施形態では、化合物は、配列番号124のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドのTFA塩である。いくつかの実施形態では、化合物は、配列番号124のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドのHCl塩である。
【0065】
一実施形態では、化合物は、配列番号143のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、化合物は、配列番号143のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドの酢酸塩である。いくつかの実施形態では、化合物は、配列番号143のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドのTFA塩である。いくつかの実施形態では、化合物は、配列番号143のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドのHCl塩である。
【0066】
いくつかの実施形態では、本開示の単離ポリペプチドは、表6に列挙される以下のペプチドからなる群から選択されるアミノ酸配列を含む:
【表6】
【0067】
いくつかの実施形態では、単離ポリペプチドは、配列番号239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、280、及び281からなる群から選択されるアミノ酸配列、またはその薬学的に許容される塩を含む。
【0068】
いくつかの実施形態では、単離ポリペプチドは、配列番号239のアミノ酸配列、またはその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、単離ポリペプチドは、配列番号240のアミノ酸配列、またはその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、単離ポリペプチドは、配列番号241のアミノ酸配列、またはその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、単離ポリペプチドは、配列番号242のアミノ酸配列、またはその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、単離ポリペプチドは、配列番号243のアミノ酸配列、またはその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、単離ポリペプチドは、配列番号244のアミノ酸配列、またはその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、単離ポリペプチドは、配列番号245のアミノ酸配列、またはその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、単離ポリペプチドは、配列番号246のアミノ酸配列、またはその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、単離ポリペプチドは、配列番号247のアミノ酸配列、またはその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、単離ポリペプチドは、配列番号248のアミノ酸配列、またはその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、単離ポリペプチドは、配列番号280のアミノ酸配列、またはその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、単離ポリペプチドは、配列番号281のアミノ酸配列、またはその薬学的に許容される塩を含む。
【0069】
いくつかの実施形態では、薬学的に許容される塩は、酢酸塩である。いくつかの実施形態では、薬学的に許容される塩は、トリフルオロ酢酸(TFA)塩である。いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な塩は、塩酸(HCl)塩である。
【0070】
一実施形態では、化合物は、配列番号242のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、化合物は、配列番号242のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドの酢酸塩である。いくつかの実施形態では、化合物は、配列番号242のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドのTFA塩である。いくつかの実施形態では、化合物は、配列番号242のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドのHCl塩である。
【0071】
一実施形態では、化合物は、配列番号243のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、化合物は、配列番号243のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドの酢酸塩である。いくつかの実施形態では、化合物は、配列番号243のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドのTFA塩である。いくつかの実施形態では、化合物は、配列番号243のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドのHCl塩である。
【0072】
例示的実施形態の説明
ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号90のアミノ酸配列:
PXPXPX10SPX13141516RX181920DX2223HX252627WLTRX32RX34-(OH/NH)(配列番号90)を含む、単離ポリペプチド、またはその薬学的に許容される塩を提供する(式中、
は、不存在であるかまたはKであり;
は、Kであり;
は、EまたはKであり;
は、AまたはKであり;
は、GまたはKであり;
は、E、K、またはkであり;
は、DまたはKであり;
10は、AまたはKであり;
13は、EまたはKであり;
14は、EまたはKであり;
15は、LまたはWであり;
16は、D、E、K、N、Q、S、T、α-メチルセリン、またはホモセリンであり;
18は、KまたはYであり;
19は、KまたはYであり;
20は、A、D、E、K、k、またはDapであり;
22は、A、D、K、またはLであり;
23は、KまたはRであり;
25は、KまたはYであり;
26は、E、K、またはLであり;
27は、KまたはNであり;
32は、KまたはQであり;
34は、F、y、3-ピリジニルアラニン、4-ピリジニルアラニン、4-カルボキシフェニルアラニン、4-フルオロフェニルアラニン、4-メチルフェニルアラニン、N-メチルフェニルアラニン、ホモフェニルアラニン、β-ホモチロシン、ホモチロシン、またはN-メチルチロシンであり;
ここで、X、X、X、X、X、X、X13、X20、X23、X25、X27、またはX32がKである場合、リジン残基は、任意選択でスペーサーを介して、親油性置換基に任意選択で共有結合しており、
ここで、XまたはX20がkである場合、D-リジン残基は、任意選択でスペーサーを介して、親油性置換基に任意選択で共有結合しており、
ただし、ポリペプチドは、任意選択でスペーサーを介して、親油性置換基に共有結合した少なくとも1つの残基を含むことを条件とし;
ポリペプチドは、リジン側鎖とアスパラギン酸側鎖との間、またはリジン側鎖とグルタミン酸側鎖との間のアミド結合を介して形成されたラクタム架橋を任意選択でさらに含み、ラクタム架橋を形成する残基は、X及びX13位またはX16及びX20位またはX22及びX26位に位置する)。
【0073】
いくつかの実施形態では、X15がLである場合、X22はAである。
【0074】
いくつかの実施形態では、X16がNである場合、X20はAではない。
【0075】
いくつかの実施形態では、XがEであり、XがKであり、X20がKである場合、XまたはX20のいずれかのリジン残基は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合している。
【0076】
いくつかの実施形態では、Xは、Kである。いくつかの実施形態では、ポリペプチド配列の8位のリジン残基は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合している。
【0077】
いくつかの実施形態では、X15は、Wである。
【0078】
いくつかの実施形態では、X34は、Fである。
【0079】
いくつかの実施形態では、ペプチドは、X及びX13位で、それぞれリジン側鎖とグルタミン酸側鎖との間のアミド結合を介して形成されるラクタム架橋をさらに含む。いくつかの実施形態では、ペプチドは、X及びX13位で、それぞれアスパラギン酸側鎖とリジン側鎖との間のアミド結合を介して形成されるラクタム架橋をさらに含む。
【0080】
いくつかの実施形態では、ペプチドは、X16及びX20位で、それぞれリジン側鎖とアスパラギン酸側鎖との間のアミド結合を介して形成されるラクタム架橋をさらに含む。いくつかの実施形態では、ペプチドは、X16及びX20位で、それぞれリジン側鎖とグルタミン酸側鎖との間のアミド結合を介して形成されるラクタム架橋をさらに含む。いくつかの実施形態では、ペプチドは、X16及びX20位で、それぞれアスパラギン酸側鎖とリジン側鎖との間のアミド結合を介して形成されるラクタム架橋をさらに含む。いくつかの実施形態では、ペプチドは、X16及びX20位で、それぞれグルタミン酸側鎖とリジン側鎖との間のアミド結合を介して形成されるラクタム架橋をさらに含む。いくつかの実施形態では、ペプチドは、X22及びX26位で、それぞれリジン側鎖とグルタミン酸側鎖との間のアミド結合を介して形成されるラクタム架橋をさらに含む。いくつかの実施形態では、ペプチドは、X22及びX26位で、それぞれアスパラギン酸側鎖とリジン側鎖との間のアミド結合を介して形成されるラクタム架橋をさらに含む。
【0081】
いくつかの実施形態では、Xは、不存在である。いくつかの実施形態では、XはKである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。
【0082】
いくつかの実施形態では、Xは、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。
【0083】
いくつかの実施形態では、Xは、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。
【0084】
いくつかの実施形態では、Xは、Aである。いくつかの実施形態では、Xは、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。
【0085】
いくつかの実施形態では、Xは、Gである。いくつかの実施形態では、Xは、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。
【0086】
いくつかの実施形態では、Xは、Eである。いくつかの実施形態では、XはKである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、Xはkである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したkである。
【0087】
本明細書で使用される場合、kは、D-リジンを指す。
【0088】
いくつかの実施形態では、XはDである。いくつかの実施形態では、Xは、Kである。
【0089】
いくつかの実施形態では、X10は、Aである。いくつかの実施形態では、X10は、Kである。いくつかの実施形態では、X10は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。
【0090】
いくつかの実施形態では、X13は、Eである。いくつかの実施形態では、X13は、Kである。いくつかの実施形態では、X13は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。
【0091】
いくつかの実施形態では、X14は、Eである。いくつかの実施形態では、X14は、Kである。
【0092】
いくつかの実施形態では、X15は、Lである。いくつかの実施形態では、X15は、Wである。
【0093】
いくつかの実施形態では、X16はDである。いくつかの実施形態では、X16は、Eである。いくつかの実施形態では、X16は、Kである。いくつかの実施形態では、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、X16は、Qである。いくつかの実施形態では、X16は、Sである。いくつかの実施形態では、X16は、Tである。いくつかの実施形態では、X16は、α-メチルセリンである。いくつかの実施形態では、X16は、ホモセリンである。
【0094】
いくつかの実施形態では、X18は、Kである。いくつかの実施形態では、X18は、Yである。
【0095】
いくつかの実施形態では、X19は、Kである。いくつかの実施形態では、X19は、Yである。
【0096】
いくつかの実施形態では、X20は、Aである。いくつかの実施形態では、X20は、Dである。いくつかの実施形態では、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、X20は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、X20は、kである。いくつかの実施形態では、X20は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したkである。いくつかの実施形態では、X20は、Dapである。
【0097】
本明細書で使用される場合、Dapは、ジアミノピメリン酸を指す。
【0098】
いくつかの実施形態では、X22は、Aである。いくつかの実施形態では、X22は、Dである。いくつかの実施形態では、X22は、Kである。いくつかの実施形態では、X22は、Lである。
【0099】
いくつかの実施形態では、X23は、Kである。いくつかの実施形態では、X23は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、X23は、Rである。
【0100】
いくつかの実施形態では、X25は、Kである。いくつかの実施形態では、X25は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、X25は、Yである。
【0101】
いくつかの実施形態では、X26は、Eである。いくつかの実施形態では、X26は、Kである。いくつかの実施形態では、X26は、Lである。
【0102】
いくつかの実施形態では、X27は、Kである。いくつかの実施形態では、X27は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、X27は、Nである。
【0103】
いくつかの実施形態では、X32は、Kである。いくつかの実施形態では、X32は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、X32は、Qである。
【0104】
いくつかの実施形態では、X34は、Fである。いくつかの実施形態では、X34は、yである。いくつかの実施形態では、X34は、3-ピリジニルアラニンである。いくつかの実施形態では、X34は、4-ピリジニルアラニンである。いくつかの実施形態では、X34は、4-カルボキシフェニルアラニンである。いくつかの実施形態では、X34は、4-フルオロフェニルアラニンである。いくつかの実施形態では、X34は、4-メチルフェニルアラニンである。いくつかの実施形態では、X34は、N-メチルフェニルアラニンである。いくつかの実施形態では、X34は、ホモフェニルアラニンである。いくつかの実施形態では、X34は、β-ホモチロシンである。いくつかの実施形態では、X34は、ホモチロシンである。いくつかの実施形態では、X34は、N-メチルチロシンである。
【0105】
本明細書で使用される場合、yは、D-チロシンを指す。
【0106】
いくつかの実施形態では、カルボキシ末端アミノ酸、すなわちX34は、-X34-(NH)である。いくつかの実施形態では、カルボキシ末端アミノ酸X34は、-X34-(OH)である。
【0107】
いくつかの実施形態では、配列番号90のコンセンサス配列によって表されるある特定のアミノ酸には、以下が含まれる:
【0108】
いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X15は、Wである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X20は、Aである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X34は、Fである。
【0109】
いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、Xは、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X15は、Wである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X34は、Fである。
【0110】
いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、Xは、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、X15は、Wである。いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、X20は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、X34は、Fである。
【0111】
いくつかの実施形態では、Xは、Eであり、X15は、Wである。いくつかの実施形態では、Xは、Eであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、Eであり、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、Xは、Eであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Eであり、X20は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、Xは、Eであり、X34は、Fである。
【0112】
いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X15は、Wである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X20は、Aである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X34は、Fである。
【0113】
いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X16は、Kである。いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X20は、Aである。いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X34は、Fである。
【0114】
いくつかの実施形態では、X16はDであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、X16はDであり、X34は、Fである。
【0115】
いくつかの実施形態では、X16は、Kであり、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、X16は、Kであり、X20は、Dである。いくつかの実施形態では、X16は、Kであり、X34は、Fである。
【0116】
いくつかの実施形態では、X16は、Nであり、X20は、Aである。いくつかの実施形態では、X16は、Nであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、X16は、Nであり、X34は、Fである。
【0117】
いくつかの実施形態では、X20は、Kであり、X34は、Fである。
【0118】
いくつかの実施形態では、X20は、Eであり、X34は、Fである。
【0119】
いくつかの実施形態では、X20は、Aであり、X34は、Fである。
【0120】
いくつかの実施形態では、配列番号90のコンセンサス配列によって表されるある特定のアミノ酸には、以下が含まれる:
【0121】
いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X15は、Wである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X20は、Aである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X34は、Fである。
【0122】
いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X15は、Wであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X15は、Wであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X15は、Wであり、X16は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X15は、Wであり、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X15は、Wであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X15は、Wであり、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X15は、Wであり、X20は、Aである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X15は、Wであり、X34は、Fである。
【0123】
いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Dであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Dであり、X34は、Fである。
【0124】
いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Kであり、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Kであり、X20は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Kであり、X34は、Fである。
【0125】
いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Nであり、X20は、Aである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Nであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Nであり、X34は、Fである。
【0126】
いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X20は、Kであり、X34は、Fである。
【0127】
いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X20は、Eであり、X34は、Fである。
【0128】
いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X20は、Aであり、X34は、Fである。
【0129】
いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、Xは、Eであり、X15は、Wである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、Xは、Eであり、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、Xは、Eであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、Xは、Eであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、Xは、Eであり、X34は、Fである。
【0130】
いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、Xは、Eであり、X15は、Wである。いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、Xは、Eであり、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、Xは、Eであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、Xは、Eであり、X20は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、Xは、Eであり、X34は、Fである。
【0131】
いくつかの実施形態では、Xは、Eであり、X15は、Wであり、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、Xは、Eであり、X15は、Wであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Eであり、X15は、Wであり、X20は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、Xは、Eであり、X15は、Wであり、X34は、Fである。
【0132】
いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X15は、Wであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X15は、Wであり、X16は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X15は、Wであり、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X15は、Wであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X15は、Wであり、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X15は、Wであり、X20は、Aである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X15は、Wであり、X34は、Fである。
【0133】
いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16はDであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16はDであり、X34は、Fである。
【0134】
いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16はKであり、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16はKであり、X20は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16はKであり、X34は、Fである。
【0135】
いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16は、Nであり、X20は、Aである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16は、Nであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16は、Nであり、X34は、Fである。
【0136】
いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X20は、Kであり、X34は、Fである。
【0137】
いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X20は、Eであり、X34は、Fである。
【0138】
いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X20は、Aであり、X34は、Fである。
【0139】
いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X16は、Dであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X16は、Dであり、X34は、Fである。
【0140】
いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X16は、Kであり、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X16は、Kであり、X20は、Dである。いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X16は、Kであり、X34は、Fである。
【0141】
いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X16は、Nであり、X20は、Aである。いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X16は、Nであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X16は、Nであり、X34は、Fである。
【0142】
いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X20は、Kであり、X34は、Fである。
【0143】
いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X20は、Eであり、X34は、Fである。
【0144】
いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X20は、Aであり、X34は、Fである。
【0145】
いくつかの実施形態では、X16はDであり、X20は、Kであり、X34は、Fである。
【0146】
いくつかの実施形態では、X16は、Kであり、X20は、Eであり、X34は、Fである。
【0147】
いくつかの実施形態では、X16は、Kであり、X20は、Dであり、X34は、Fである。
【0148】
いくつかの実施形態では、X16は、Nであり、X20は、Aであり、X34は、Fである。
【0149】
いくつかの実施形態では、X16は、Nであり、X20は、Kであり、X34は、Fである。
【0150】
ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号91のアミノ酸配列:
PKPEXPXDASPX13EX1516RYYX20DX22RHYLNWLTRQRX34-(OH/NH)(配列番号91)を含む、単離ポリペプチド、またはその薬学的に許容される塩を提供する
(式中、
は、AまたはKであり;
は、GまたはKであり;
は、E、K、またはkであり;
13は、EまたはKであり;
15は、LまたはWであり;
16は、D、E、K、N、S、α-メチルセリン、またはホモセリンであり;
20は、A、D、E、K、またはkであり;
22は、AまたはLであり;
34は、F、3-ピリジニルアラニン、4-ピリジニルアラニン、4-カルボキシフェニルアラニン、4-フルオロフェニルアラニン、4-メチルフェニルアラニン、N-メチルフェニルアラニン、ホモフェニルアラニン、β-ホモチロシン、ホモチロシン、またはN-メチルチロシンであり;
ここで、X、X、X、X13、またはX20がKである場合、リジン残基は、任意選択でスペーサーを介して、親油性置換基に任意選択で共有結合しており、
ここで、XまたはX20がkである場合、D-リジン残基は、任意選択でスペーサーを介して、親油性置換基に任意選択で共有結合しており、
ただし、ポリペプチドは、任意選択でスペーサーを介して、親油性置換基に共有結合した少なくとも1つの残基を含むことを条件とし;
ポリペプチドは、リジン側鎖とアスパラギン酸側鎖との間、またはリジン側鎖とグルタミン酸側鎖との間のアミド結合を介して形成されたラクタム架橋を任意選択でさらに含み、ラクタム架橋を形成する残基は、X16及びX20位に位置する)。
【0151】
いくつかの実施形態では、X15がLである場合、X22はAである。
【0152】
いくつかの実施形態では、X16がNである場合、X20はAではない。
【0153】
いくつかの実施形態では、XがEであり、XがKであり、X20がKである場合、XまたはX20のいずれかのリジン残基は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合している。
【0154】
いくつかの実施形態では、Xは、Kである。いくつかの実施形態では、ポリペプチド配列の8位のリジン残基は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合している。
【0155】
いくつかの実施形態では、X15は、Wである。
【0156】
いくつかの実施形態では、X34は、Fである。
【0157】
いくつかの実施形態では、ペプチドは、X16及びX20位で、それぞれリジン側鎖とアスパラギン酸側鎖との間のアミド結合を介して形成されるラクタム架橋をさらに含む。いくつかの実施形態では、ペプチドは、X16及びX20位で、それぞれリジン側鎖とグルタミン酸側鎖との間のアミド結合を介して形成されるラクタム架橋をさらに含む。いくつかの実施形態では、ペプチドは、X16及びX20位で、それぞれアスパラギン酸側鎖とリジン側鎖との間のアミド結合を介して形成されるラクタム架橋をさらに含む。いくつかの実施形態では、ペプチドは、X16及びX20位で、それぞれグルタミン酸側鎖とリジン側鎖との間のアミド結合を介して形成されるラクタム架橋をさらに含む。
【0158】
いくつかの実施形態では、Xは、Aである。いくつかの実施形態では、Xは、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。
【0159】
いくつかの実施形態では、Xは、Gである。いくつかの実施形態では、Xは、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。
【0160】
いくつかの実施形態では、Xは、Eである。いくつかの実施形態では、XはKである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、Xはkである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したkである。
【0161】
いくつかの実施形態では、X13は、Eである。いくつかの実施形態では、X13は、Kである。いくつかの実施形態では、X13は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。
【0162】
いくつかの実施形態では、X15は、Lである。いくつかの実施形態では、X15は、Wである。
【0163】
いくつかの実施形態では、X16はDである。いくつかの実施形態では、X16は、Eである。いくつかの実施形態では、X16は、Kである。いくつかの実施形態では、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、X16は、Sである。いくつかの実施形態では、X16は、α-メチルセリンである。いくつかの実施形態では、X16は、ホモセリンである。
【0164】
いくつかの実施形態では、X20は、Aである。いくつかの実施形態では、X20は、Dである。いくつかの実施形態では、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、X20は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、X20は、kである。いくつかの実施形態では、X20は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したkである。
【0165】
いくつかの実施形態では、X22は、Aである。いくつかの実施形態では、X22は、Lである。
【0166】
いくつかの実施形態では、X34は、Fである。いくつかの実施形態では、X34は、3-ピリジニルアラニンである。いくつかの実施形態では、X34は、4-ピリジニルアラニンである。いくつかの実施形態では、X34は、4-カルボキシフェニルアラニンである。いくつかの実施形態では、X34は、4-フルオロフェニルアラニンである。いくつかの実施形態では、X34は、4-メチルフェニルアラニンである。いくつかの実施形態では、X34は、N-メチルフェニルアラニンである。いくつかの実施形態では、X34は、ホモフェニルアラニンである。いくつかの実施形態では、X34は、β-ホモチロシンである。いくつかの実施形態では、X34は、ホモチロシンである。いくつかの実施形態では、X34は、N-メチルチロシンである。
【0167】
いくつかの実施形態では、カルボキシ末端アミノ酸、すなわちX34は、-X34-(NH)である。いくつかの実施形態では、カルボキシ末端アミノ酸X34は、-X34-(OH)である。
【0168】
いくつかの実施形態では、配列番号91のコンセンサス配列によって表されるある特定のアミノ酸には、以下が含まれる:
【0169】
いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X15は、Wである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X20は、Aである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X34は、Fである。
【0170】
いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、Xは、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X15は、Wである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X34は、Fである。
【0171】
いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、Xは、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、X15は、Wである。いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、X20は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、X34は、Fである。
【0172】
いくつかの実施形態では、Xは、Eであり、X15は、Wである。いくつかの実施形態では、Xは、Eであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、Eであり、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、Xは、Eであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Eであり、X20は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、Xは、Eであり、X34は、Fである。
【0173】
いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X15は、Wである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X20は、Aである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X34は、Fである。
【0174】
いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X16は、Kである。いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X20は、Aである。いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X34は、Fである。
【0175】
いくつかの実施形態では、X16はDであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、X16はDであり、X34は、Fである。
【0176】
いくつかの実施形態では、X16は、Kであり、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、X16は、Kであり、X20は、Dである。いくつかの実施形態では、X16は、Kであり、X34は、Fである。
【0177】
いくつかの実施形態では、X16は、Nであり、X20は、Aである。いくつかの実施形態では、X16は、Nであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、X16は、Nであり、X34は、Fである。
【0178】
いくつかの実施形態では、X20は、Kであり、X34は、Fである。
【0179】
いくつかの実施形態では、X20は、Eであり、X34は、Fである。
【0180】
いくつかの実施形態では、X20は、Aであり、X34は、Fである。
【0181】
いくつかの実施形態では、配列番号91のコンセンサス配列によって表されるある特定のアミノ酸には、以下が含まれる:
いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X15は、Wである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X20は、Aである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X34は、Fである。
【0182】
いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X15は、Wであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X15は、Wであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X15は、Wであり、X16は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X15は、Wであり、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X15は、Wであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X15は、Wであり、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X15は、Wであり、X20は、Aである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X15は、Wであり、X34は、Fである。
【0183】
いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Dであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Dであり、X34は、Fである。
【0184】
いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Kであり、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Kであり、X20は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Kであり、X34は、Fである。
【0185】
いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Nであり、X20は、Aである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Nであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Nであり、X34は、Fである。
【0186】
いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X20は、Kであり、X34は、Fである。
【0187】
いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X20は、Eであり、X34は、Fである。
【0188】
いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X20は、Aであり、X34は、Fである。
【0189】
いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、Xは、Eであり、X15は、Wである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、Xは、Eであり、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、Xは、Eであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、Xは、Eであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、Xは、Eであり、X34は、Fである。
【0190】
いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、Xは、Eであり、X15は、Wである。いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、Xは、Eであり、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、Xは、Eであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、Xは、Eであり、X20は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、Xは、Eであり、X34は、Fである。
【0191】
いくつかの実施形態では、Xは、Eであり、X15は、Wであり、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、Xは、Eであり、X15は、Wであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Eであり、X15は、Wであり、X20は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、Xは、Eであり、X15は、Wであり、X34は、Fである。
【0192】
いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X15は、Wであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X15は、Wであり、X16は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X15は、Wであり、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X15は、Wであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X15は、Wであり、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X15は、Wであり、X20は、Aである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X15は、Wであり、X34は、Fである。
【0193】
いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16はDであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16はDであり、X34は、Fである。
【0194】
いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16はKであり、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16はKであり、X20は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16はKであり、X34は、Fである。
【0195】
いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16は、Nであり、X20は、Aである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16は、Nであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16は、Nであり、X34は、Fである。
【0196】
いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X20は、Kであり、X34は、Fである。
【0197】
いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X20は、Eであり、X34は、Fである。
【0198】
いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X20は、Aであり、X34は、Fである。
【0199】
いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X16は、Dであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X16は、Dであり、X34は、Fである。
【0200】
いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X16は、Kであり、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X16は、Kであり、X20は、Dである。いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X16は、Kであり、X34は、Fである。
【0201】
いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X16は、Nであり、X20は、Aである。いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X16は、Nであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X16は、Nであり、X34は、Fである。
【0202】
いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X20は、Kであり、X34は、Fである。
【0203】
いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X20は、Eであり、X34は、Fである。
【0204】
いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X20は、Aであり、X34は、Fである。
【0205】
いくつかの実施形態では、X16はDであり、X20は、Kであり、X34は、Fである。
【0206】
いくつかの実施形態では、X16は、Kであり、X20は、Eであり、X34は、Fである。
【0207】
いくつかの実施形態では、X16は、Kであり、X20は、Dであり、X34は、Fである。
【0208】
いくつかの実施形態では、X16は、Nであり、X20は、Aであり、X34は、Fである。
【0209】
いくつかの実施形態では、X16は、Nであり、X20は、Kであり、X34は、Fである。
【0210】
ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号92のアミノ酸配列:
PKPEXPXDASPX13EX1516RYYX20DX22RHYLNWLTRQRX34-(OH/NH)(配列番号92)を含む、単離ポリペプチド、またはその薬学的に許容される塩を提供する
(式中、
は、AまたはKであり;
は、GまたはKであり;
は、E、K、またはkであり;
13は、EまたはKであり;
15は、LまたはWであり;
16は、D、E、K、S、α-メチルセリン、またはホモセリンであり;
20は、A、D、E、K、またはkであり;
22は、AまたはLであり;
34は、F、3-ピリジニルアラニン、4-ピリジニルアラニン、4-カルボキシフェニルアラニン、4-フルオロフェニルアラニン、4-メチルフェニルアラニン、N-メチルフェニルアラニン、ホモフェニルアラニン、β-ホモチロシン、ホモチロシン、またはN-メチルチロシンであり;
ここで、X、X、X、X13、またはX20がKである場合、リジン残基は、任意選択でスペーサーを介して、親油性置換基に任意選択で共有結合しており、
ここで、XまたはX20がkである場合、D-リジン残基は、任意選択でスペーサーを介して、親油性置換基に任意選択で共有結合しており、
ただし、ポリペプチドは、任意選択でスペーサーを介して、親油性置換基に共有結合した少なくとも1つの残基を含むことを条件とし;
ポリペプチドは、リジン側鎖とアスパラギン酸側鎖との間、またはリジン側鎖とグルタミン酸側鎖との間のアミド結合を介して形成されたラクタム架橋を任意選択でさらに含み、ラクタム架橋を形成する残基は、X16及びX20位に位置する)。
【0211】
いくつかの実施形態では、X15がLである場合、X22はAである。
【0212】
いくつかの実施形態では、XがEであり、XがKであり、X20がKである場合、XまたはX20のいずれかのリジン残基は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合している。
【0213】
いくつかの実施形態では、Xは、Kである。いくつかの実施形態では、ポリペプチド配列の8位のリジン残基は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合している。
【0214】
いくつかの実施形態では、X15は、Wである。
【0215】
いくつかの実施形態では、X34は、Fである。
【0216】
いくつかの実施形態では、ペプチドは、X16及びX20位で、それぞれリジン側鎖とアスパラギン酸側鎖との間のアミド結合を介して形成されるラクタム架橋をさらに含む。いくつかの実施形態では、ペプチドは、X16及びX20位で、それぞれリジン側鎖とグルタミン酸側鎖との間のアミド結合を介して形成されるラクタム架橋をさらに含む。いくつかの実施形態では、ペプチドは、X16及びX20位で、それぞれアスパラギン酸側鎖とリジン側鎖との間のアミド結合を介して形成されるラクタム架橋をさらに含む。いくつかの実施形態では、ペプチドは、X16及びX20位で、それぞれグルタミン酸側鎖とリジン側鎖との間のアミド結合を介して形成されるラクタム架橋をさらに含む。
【0217】
いくつかの実施形態では、Xは、Aである。いくつかの実施形態では、Xは、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。
【0218】
いくつかの実施形態では、Xは、Gである。いくつかの実施形態では、Xは、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。
【0219】
いくつかの実施形態では、Xは、Eである。いくつかの実施形態では、XはKである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、Xはkである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したkである。
【0220】
いくつかの実施形態では、X13は、Eである。いくつかの実施形態では、X13は、Kである。いくつかの実施形態では、X13は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。
【0221】
いくつかの実施形態では、X15は、Lである。いくつかの実施形態では、X15は、Wである。
【0222】
いくつかの実施形態では、X16はDである。いくつかの実施形態では、X16は、Eである。いくつかの実施形態では、X16は、Kである。いくつかの実施形態では、X16は、Sである。いくつかの実施形態では、X16は、α-メチルセリンである。いくつかの実施形態では、X16は、ホモセリンである。
【0223】
いくつかの実施形態では、X20は、Aである。いくつかの実施形態では、X20はDである。いくつかの実施形態では、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、X20は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、X20は、kである。いくつかの実施形態では、X20は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したkである。
【0224】
いくつかの実施形態では、X22は、Aである。いくつかの実施形態では、X22は、Lである。
【0225】
いくつかの実施形態では、X34は、Fである。いくつかの実施形態では、X34は、3-ピリジニルアラニンである。いくつかの実施形態では、X34は、4-ピリジニルアラニンである。いくつかの実施形態では、X34は、4-カルボキシフェニルアラニンである。いくつかの実施形態では、X34は、4-フルオロフェニルアラニンである。いくつかの実施形態では、X34は、4-メチルフェニルアラニンである。いくつかの実施形態では、X34は、N-メチルフェニルアラニンである。いくつかの実施形態では、X34は、ホモフェニルアラニンである。いくつかの実施形態では、X34は、β-ホモチロシンである。いくつかの実施形態では、X34は、ホモチロシンである。いくつかの実施形態では、X34は、N-メチルチロシンである。
【0226】
いくつかの実施形態では、カルボキシ末端アミノ酸、すなわちX34は、-X34-(NH)である。いくつかの実施形態では、カルボキシ末端アミノ酸X34は、-X34-(OH)である。
【0227】
いくつかの実施形態では、配列番号92のコンセンサス配列によって表されるある特定のアミノ酸には、以下が含まれる:
【0228】
いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X15は、Wである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X20は、Aである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X34は、Fである。
【0229】
いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、Xは、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X15は、Wである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X34は、Fである。
【0230】
いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、Xは、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、X15は、Wである。いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、X20は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、X34は、Fである。
【0231】
いくつかの実施形態では、Xは、Eであり、X15は、Wである。いくつかの実施形態では、Xは、Eであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、Eであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Eであり、X20は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、Xは、Eであり、X34は、Fである。
【0232】
いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X15は、Wである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X20は、Aである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X34は、Fである。
【0233】
いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X16は、Kである。いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X20は、Aである。いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X34は、Fである。
【0234】
いくつかの実施形態では、X16はDであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、X16はDであり、X34は、Fである。
【0235】
いくつかの実施形態では、X16は、Kであり、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、X16は、Kであり、X20は、Dである。いくつかの実施形態では、X16は、Kであり、X34は、Fである。
【0236】
いくつかの実施形態では、X20は、Kであり、X34は、Fである。
【0237】
いくつかの実施形態では、X20は、Eであり、X34は、Fである。
【0238】
いくつかの実施形態では、X20は、Aであり、X34は、Fである。
【0239】
いくつかの実施形態では、配列番号92のコンセンサス配列によって表されるある特定のアミノ酸には、以下が含まれる:
いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X15は、Wである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X20は、Aである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X34は、Fである。
【0240】
いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X15は、Wであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X15は、Wであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X15は、Wであり、X16は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X15は、Wであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X15は、Wであり、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X15は、Wであり、X20は、Aである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X15は、Wであり、X34は、Fである。
【0241】
いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Dであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Dであり、X34は、Fである。
【0242】
いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Kであり、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Kであり、X20は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Kであり、X34は、Fである。
【0243】
いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X20は、Kであり、X34は、Fである。
【0244】
いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X20は、Eであり、X34は、Fである。
【0245】
いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X20は、Aであり、X34は、Fである。
【0246】
いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、Xは、Eであり、X15は、Wである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、Xは、Eであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、Xは、Eであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、Xは、Eであり、X34は、Fである。
【0247】
いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、Xは、Eであり、X15は、Wである。いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、Xは、Eであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、Xは、Eであり、X20は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、Xは、Eであり、X34は、Fである。
【0248】
いくつかの実施形態では、Xは、Eであり、X15は、Wであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Eであり、X15は、Wであり、X20は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、Xは、Eであり、X15は、Wであり、X34は、Fである。
【0249】
いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X15は、Wであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X15は、Wであり、X16は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X15は、Wであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X15は、Wであり、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X15は、Wであり、X20は、Aである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X15は、Wであり、X34は、Fである。
【0250】
いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16はDであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16はDであり、X34は、Fである。
【0251】
いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16はKであり、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16はKであり、X20は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16はKであり、X34は、Fである。
【0252】
いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X20は、Kであり、X34は、Fである。
【0253】
いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X20は、Eであり、X34は、Fである。
【0254】
いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X20は、Aであり、X34は、Fである。
【0255】
いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X16は、Dであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X16は、Dであり、X34は、Fである。
【0256】
いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X16は、Kであり、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X16は、Kであり、X20は、Dである。いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X16は、Kであり、X34は、Fである。
【0257】
いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X20は、Kであり、X34は、Fである。
【0258】
いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X20は、Eであり、X34は、Fである。
【0259】
いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X20は、Aであり、X34は、Fである。
【0260】
いくつかの実施形態では、X16はDであり、X20は、Kであり、X34は、Fである。
【0261】
いくつかの実施形態では、X16は、Kであり、X20は、Eであり、X34は、Fである。
【0262】
いくつかの実施形態では、X16は、Kであり、X20は、Dであり、X34は、Fである。
【0263】
ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号93のアミノ酸配列:
PKPEXPXDASPX13EX1516RYYX20DX22RHYLNWLTRQRX34-(OH/NH)(配列番号93)を含む、単離ポリペプチド、またはその薬学的に許容される塩を提供する
(式中、
は、AまたはKであり;
は、GまたはKであり;
は、E、K、またはkであり;
13は、EまたはKであり;
15は、LまたはWであり;
16は、D、E、K、N、S、α-メチルセリン、またはホモセリンであり;
20は、D、E、K、またはkであり;
22は、AまたはLであり;
34は、F、3-ピリジニルアラニン、4-ピリジニルアラニン、4-カルボキシフェニルアラニン、4-フルオロフェニルアラニン、4-メチルフェニルアラニン、N-メチルフェニルアラニン、ホモフェニルアラニン、β-ホモチロシン、ホモチロシン、またはN-メチルチロシンであり;
ここで、X、X、X、X13、またはX20がKである場合、リジン残基は、任意選択でスペーサーを介して、親油性置換基に任意選択で共有結合しており、
ここで、XまたはX20がkである場合、D-リジン残基は、任意選択でスペーサーを介して、親油性置換基に任意選択で共有結合しており、
ただし、ポリペプチドは、任意選択でスペーサーを介して、親油性置換基に共有結合した少なくとも1つの残基を含むことを条件とし;
ポリペプチドは、リジン側鎖とアスパラギン酸側鎖との間、またはリジン側鎖とグルタミン酸側鎖との間のアミド結合を介して形成されたラクタム架橋を任意選択でさらに含み、ラクタム架橋を形成する残基は、X16及びX20位に位置する)。
【0264】
いくつかの実施形態では、X15がLである場合、X22はAである。
【0265】
いくつかの実施形態では、XがEであり、XがKであり、X20がKである場合、XまたはX20のいずれかのリジン残基は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合している。
【0266】
いくつかの実施形態では、Xは、Kである。いくつかの実施形態では、ポリペプチド配列の8位のリジン残基は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合している。
【0267】
いくつかの実施形態では、X15は、Wである。
【0268】
いくつかの実施形態では、X34は、Fである。
【0269】
いくつかの実施形態では、ペプチドは、X16及びX20位で、それぞれリジン側鎖とアスパラギン酸側鎖との間のアミド結合を介して形成されるラクタム架橋をさらに含む。いくつかの実施形態では、ペプチドは、X16及びX20位で、それぞれリジン側鎖とグルタミン酸側鎖との間のアミド結合を介して形成されるラクタム架橋をさらに含む。いくつかの実施形態では、ペプチドは、X16及びX20位で、それぞれアスパラギン酸側鎖とリジン側鎖との間のアミド結合を介して形成されるラクタム架橋をさらに含む。いくつかの実施形態では、ペプチドは、X16及びX20位で、それぞれグルタミン酸側鎖とリジン側鎖との間のアミド結合を介して形成されるラクタム架橋をさらに含む。
【0270】
いくつかの実施形態では、Xは、Aである。いくつかの実施形態では、Xは、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。
【0271】
いくつかの実施形態では、Xは、Gである。いくつかの実施形態では、Xは、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。
【0272】
いくつかの実施形態では、Xは、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、Xはkである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したkである。
【0273】
いくつかの実施形態では、X13は、Eである。いくつかの実施形態では、X13は、Kである。いくつかの実施形態では、X13は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。
【0274】
いくつかの実施形態では、X15は、Lである。いくつかの実施形態では、X15は、Wである。
【0275】
いくつかの実施形態では、X16はDである。いくつかの実施形態では、X16は、Eである。いくつかの実施形態では、X16は、Kである。いくつかの実施形態では、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、X16は、Sである。いくつかの実施形態では、X16は、α-メチルセリンである。いくつかの実施形態では、X16は、ホモセリンである。
【0276】
いくつかの実施形態では、X20は、Dである。いくつかの実施形態では、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、X20は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、X20は、kである。いくつかの実施形態では、X20は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したkである。
【0277】
いくつかの実施形態では、X22は、Aである。いくつかの実施形態では、X22は、Lである。
【0278】
いくつかの実施形態では、X34は、Fである。いくつかの実施形態では、X34は、3-ピリジニルアラニンである。いくつかの実施形態では、X34は、4-ピリジニルアラニンである。いくつかの実施形態では、X34は、4-カルボキシフェニルアラニンである。いくつかの実施形態では、X34は、4-フルオロフェニルアラニンである。いくつかの実施形態では、X34は、4-メチルフェニルアラニンである。いくつかの実施形態では、X34は、N-メチルフェニルアラニンである。いくつかの実施形態では、X34は、ホモフェニルアラニンである。いくつかの実施形態では、X34は、β-ホモチロシンである。いくつかの実施形態では、X34は、ホモチロシンである。いくつかの実施形態では、X34は、N-メチルチロシンである。
【0279】
いくつかの実施形態では、カルボキシ末端アミノ酸、すなわちX34は、-X34-(NH)である。いくつかの実施形態では、カルボキシ末端アミノ酸X34は、-X34-(OH)である。
【0280】
いくつかの実施形態では、配列番号93のコンセンサス配列によって表されるある特定のアミノ酸には、以下が含まれる:
いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X15は、Wである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X20は、Eである。Xは、Aであり、X34は、Fである。
【0281】
いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、Xは、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X15は、Wである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X34は、Fである。
【0282】
いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、Xは、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、X15は、Wである。いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、X20は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、X34は、Fである。
【0283】
いくつかの実施形態では、Xは、Eであり、X15は、Wである。いくつかの実施形態では、Xは、Eであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、Eであり、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、Xは、Eであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Eであり、X20は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、Xは、Eであり、X34は、Fである。
【0284】
いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X15は、Wである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X34は、Fである。
【0285】
いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X16は、Kである。いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X34は、Fである。
【0286】
いくつかの実施形態では、X16はDであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、X16はDであり、X34は、Fである。
【0287】
いくつかの実施形態では、X16は、Kであり、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、X16は、Kであり、X20は、Dである。いくつかの実施形態では、X16は、Kであり、X34は、Fである。
【0288】
いくつかの実施形態では、X16は、Nであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、X16は、Nであり、X34は、Fである。
【0289】
いくつかの実施形態では、X20は、Kであり、X34は、Fである。
【0290】
いくつかの実施形態では、X20は、Eであり、X34は、Fである。
【0291】
いくつかの実施形態では、配列番号93のコンセンサス配列によって表されるある特定のアミノ酸には、以下が含まれる:
【0292】
いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X15は、Wである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X34は、Fである。
【0293】
いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X15は、Wであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X15は、Wであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X15は、Wであり、X16は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X15は、Wであり、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X15は、Wであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X15は、Wであり、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X15は、Wであり、X34は、Fである。
【0294】
いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Dであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Dであり、X34は、Fである。
【0295】
いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Kであり、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Kであり、X20は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Kであり、X34は、Fである。
【0296】
いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Nであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Nであり、X34は、Fである。
【0297】
いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X20は、Kであり、X34は、Fである。
【0298】
いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X20は、Eであり、X34は、Fである。
【0299】
いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、Xは、Eであり、X15は、Wである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、Xは、Eであり、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、Xは、Eであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、Xは、Eであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、Xは、Eであり、X34は、Fである。
【0300】
いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、Xは、Eであり、X15は、Wである。いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、Xは、Eであり、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、Xは、Eであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、Xは、Eであり、X20は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、Xは、Eであり、X34は、Fである。
【0301】
いくつかの実施形態では、Xは、Eであり、X15は、Wであり、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、Xは、Eであり、X15は、Wであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Eであり、X15は、Wであり、X20は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、Xは、Eであり、X15は、Wであり、X34は、Fである。
【0302】
いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X15は、Wであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X15は、Wであり、X16は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X15は、Wであり、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X15は、Wであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X15は、Wであり、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X15は、Wであり、X34は、Fである。
【0303】
いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16はDであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16はDであり、X34は、Fである。
【0304】
いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16はKであり、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16はKであり、X20は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16はKであり、X34は、Fである。
【0305】
いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16は、Nであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16は、Nであり、X34は、Fである。
【0306】
いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X20は、Kであり、X34は、Fである。
【0307】
いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X20は、Eであり、X34は、Fである。
【0308】
いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X16は、Dであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X16は、Dであり、X34は、Fである。
【0309】
いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X16は、Kであり、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X16は、Kであり、X20は、Dである。いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X16は、Kであり、X34は、Fである。
【0310】
いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X16は、Nであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X16は、Nであり、X34は、Fである。
【0311】
いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X20は、Kであり、X34は、Fである。
【0312】
いくつかの実施形態では、X15は、Wであり、X20は、Eであり、X34は、Fである。
【0313】
いくつかの実施形態では、X16はDであり、X20は、Kであり、X34は、Fである。
【0314】
いくつかの実施形態では、X16は、Kであり、X20は、Eであり、X34は、Fである。
【0315】
いくつかの実施形態では、X16は、Kであり、X20は、Dであり、X34は、Fである。
【0316】
いくつかの実施形態では、X16は、Nであり、X20は、Kであり、X34は、Fである。
【0317】
ある特定の実施形態では、本発明は、配列番号94のアミノ酸配列:
PKPEXPGXDASPX13EWX16RYYX20DX22RHYLNWLTRQRX34-(OH/NH)(配列番号94)を含む、単離ポリペプチド、またはその薬学的に許容される塩を提供する
(式中、
は、AまたはKであり;
は、E、K、またはkであり;
13は、EまたはKであり;
16は、D、E、K、またはNであり;
20は、A、D、E、K、またはkであり;
22は、AまたはLであり;
34は、FまたはN-メチルチロシンであり;
ここで、X、X、X13、またはX20がKである場合、リジン残基は、任意選択でスペーサーを介して、親油性置換基に任意選択で共有結合しており、
ここで、XまたはX20がkである場合、D-リジン残基は、任意選択でスペーサーを介して、親油性置換基に任意選択で共有結合しており、
ただし、ポリペプチドは、任意選択でスペーサーを介して、親油性置換基に共有結合した少なくとも1つの残基を含むことを条件とし;
ポリペプチドは、リジン側鎖とアスパラギン酸側鎖との間、またはリジン側鎖とグルタミン酸側鎖との間のアミド結合を介して形成されたラクタム架橋を任意選択でさらに含み、ラクタム架橋を形成する残基は、X16及びX20位に位置する)。
【0318】
いくつかの実施形態では、X16がNである場合、X20はAではない。
【0319】
いくつかの実施形態では、XがEであり、XがKであり、X20がKである場合、XまたはX20のいずれかのリジン残基は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合している。
【0320】
いくつかの実施形態では、Xは、Kである。いくつかの実施形態では、ポリペプチド配列の8位のリジン残基は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合している。
【0321】
いくつかの実施形態では、X34は、Fである。
【0322】
いくつかの実施形態では、ペプチドは、X16及びX20位で、それぞれリジン側鎖とアスパラギン酸側鎖との間のアミド結合を介して形成されるラクタム架橋をさらに含む。いくつかの実施形態では、ペプチドは、X16及びX20位で、それぞれリジン側鎖とグルタミン酸側鎖との間のアミド結合を介して形成されるラクタム架橋をさらに含む。いくつかの実施形態では、ペプチドは、X16及びX20位で、それぞれアスパラギン酸側鎖とリジン側鎖との間のアミド結合を介して形成されるラクタム架橋をさらに含む。いくつかの実施形態では、ペプチドは、X16及びX20位で、それぞれグルタミン酸側鎖とリジン側鎖との間のアミド結合を介して形成されるラクタム架橋をさらに含む。
【0323】
いくつかの実施形態では、Xは、Aである。いくつかの実施形態では、Xは、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。
【0324】
いくつかの実施形態では、Xは、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、Xはkである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したkである。
【0325】
いくつかの実施形態では、X13は、Eである。いくつかの実施形態では、X13は、Kである。いくつかの実施形態では、X13は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。
【0326】
いくつかの実施形態では、X16はDである。いくつかの実施形態では、X16は、Eである。いくつかの実施形態では、X16は、Kである。いくつかの実施形態では、X16は、Nである。
【0327】
いくつかの実施形態では、X20は、Aである。いくつかの実施形態では、X20はDである。いくつかの実施形態では、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、X20は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、X20は、kである。いくつかの実施形態では、X20は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したkである。
【0328】
いくつかの実施形態では、X22は、Aである。いくつかの実施形態では、X22は、Lである。
【0329】
いくつかの実施形態では、X34は、Fである。いくつかの実施形態では、X34は、N-メチルチロシンである。
【0330】
いくつかの実施形態では、カルボキシ末端アミノ酸、すなわちX34は、-X34-(NH)である。いくつかの実施形態では、カルボキシ末端アミノ酸X34は、-X34-(OH)である。
【0331】
いくつかの実施形態では、配列番号94のコンセンサス配列によって表されるある特定のアミノ酸には、以下が含まれる:
いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X20は、Aである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X34は、Fである。
【0332】
いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、Xは、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X34は、Fである。
【0333】
いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、Xは、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、X20は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、X34は、Fである。
【0334】
いくつかの実施形態では、Xは、Eであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、Eであり、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、Xは、Eであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Eであり、X20は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、Xは、Eであり、X34は、Fである。
【0335】
いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X20は、Aである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X34は、Fである。
【0336】
いくつかの実施形態では、X16は、Dであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、X16は、Dであり、X34は、Fである。
【0337】
いくつかの実施形態では、X16は、Kであり、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、X16は、Kであり、X20は、Dである。いくつかの実施形態では、X16は、Kであり、X34は、Fである。
【0338】
いくつかの実施形態では、X16は、Nであり、X20は、Aである。いくつかの実施形態では、X16は、Nであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、X16は、Nであり、X34は、Fである。
【0339】
いくつかの実施形態では、X20は、Kであり、X34は、Fである。
【0340】
いくつかの実施形態では、X20は、Eであり、X34は、Fである。
【0341】
いくつかの実施形態では、X20は、Aであり、X34は、Fである。
【0342】
いくつかの実施形態では、配列番号94のコンセンサス配列によって表されるある特定のアミノ酸には、以下が含まれる:
【0343】
いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X20は、Aである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X34は、Fである。
【0344】
いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Dであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Dであり、X34は、Fである。
【0345】
いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Kであり、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Kであり、X20は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Kであり、X34は、Fである。
【0346】
いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Nであり、X20は、Aである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Nであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Nであり、X34は、Fである。
【0347】
いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X20は、Kであり、X34は、Fである。
【0348】
いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X20は、Eであり、X34は、Fである。
【0349】
いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X20は、Aであり、X34は、Fである。
【0350】
いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、Xは、Eであり、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、Xは、Eであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、Xは、Eであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、Xは、Eであり、X34は、Fである。
【0351】
いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、Xは、Eであり、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、Xは、Eであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、Xは、Eであり、X20は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、Xは、Eであり、X34は、Fである。
【0352】
いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16はDであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16はDであり、X34は、Fである。
【0353】
いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16はKであり、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16はKであり、X20は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16はKであり、X34は、Fである。
【0354】
いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16はNであり、X20は、Aである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16はNであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16はNであり、X34は、Fである。
【0355】
いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X20は、Kであり、X34は、Fである。
【0356】
いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X20は、Eであり、X34は、Fである。
【0357】
いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X20は、Aであり、X34は、Fである。
【0358】
いくつかの実施形態では、X16はDであり、X20は、Kであり、X34は、Fである。
【0359】
いくつかの実施形態では、X16は、Kであり、X20は、Eであり、X34は、Fである。
【0360】
いくつかの実施形態では、X16は、Kであり、X20は、Dであり、X34は、Fである。
【0361】
いくつかの実施形態では、X16は、Nであり、X20は、Aであり、X34は、Fである。
【0362】
いくつかの実施形態では、X16は、Nであり、X20は、Kであり、X34は、Fである。
【0363】
ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号95のアミノ酸配列:
PKPEXPGKDASPX13EWX16RYYX20DLRHYLNWLTRQRF-(OH/NH)(配列番号95)を含む、単離ポリペプチド、またはその薬学的に許容される塩を提供する(式中、
は、AまたはKであり;
13は、EまたはKであり;
16は、D、E、K、またはNであり;
20は、A、D、E、K、またはkであり;
ここで、X、X13またはX20がKである場合、リジン残基は、任意選択でスペーサーを介して、親油性置換基に任意選択で共有結合しており、
ここで、Kは、任意選択でスペーサーを介して、親油性置換基に任意選択で共有結合しており、
ここで、X20がkである場合、D-リジン残基は、任意選択でスペーサーを介して、親油性置換基に任意選択で共有結合しており、
ただし、ポリペプチドは、任意選択でスペーサーを介して、親油性置換基に共有結合した少なくとも1つの残基を含むことを条件とし;
ポリペプチドは、リジン側鎖とアスパラギン酸側鎖との間、またはリジン側鎖とグルタミン酸側鎖との間のアミド結合を介して形成されたラクタム架橋を任意選択でさらに含み、ラクタム架橋を形成する残基は、X16及びX20位に位置する)。
【0364】
いくつかの実施形態では、X16がNである場合、X20はAではない。
【0365】
いくつかの実施形態では、Kは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合している)。
【0366】
いくつかの実施形態では、ペプチドは、X16及びX20位で、それぞれリジン側鎖とアスパラギン酸側鎖との間のアミド結合を介して形成されるラクタム架橋をさらに含む。いくつかの実施形態では、ペプチドは、X16及びX20位で、それぞれリジン側鎖とグルタミン酸側鎖との間のアミド結合を介して形成されるラクタム架橋をさらに含む。いくつかの実施形態では、ペプチドは、X16及びX20位で、それぞれアスパラギン酸側鎖とリジン側鎖との間のアミド結合を介して形成されるラクタム架橋をさらに含む。いくつかの実施形態では、ペプチドは、X16及びX20位で、それぞれグルタミン酸側鎖とリジン側鎖との間のアミド結合を介して形成されるラクタム架橋をさらに含む。
【0367】
いくつかの実施形態では、Xは、Aである。いくつかの実施形態では、Xは、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。
【0368】
いくつかの実施形態では、Kは、非置換である。いくつかの実施形態では、Kは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合している。
【0369】
いくつかの実施形態では、X13は、Eである。いくつかの実施形態では、X13は、Kである。いくつかの実施形態では、X13は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。
【0370】
いくつかの実施形態では、X16はDである。いくつかの実施形態では、X16は、Eである。いくつかの実施形態では、X16は、Kである。いくつかの実施形態では、X16は、Nである。
【0371】
いくつかの実施形態では、X20は、Aである。いくつかの実施形態では、X20はDである。いくつかの実施形態では、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、X20は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、X20は、kである。いくつかの実施形態では、X20は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したkである。
【0372】
いくつかの実施形態では、カルボキシ末端アミノ酸、すなわちF34は、-F34-(NH)である。いくつかの実施形態では、カルボキシ末端アミノ酸F34は、-F34-(OH)である。
【0373】
いくつかの実施形態では、配列番号95のコンセンサス配列によって表されるある特定のアミノ酸には、以下が含まれる:
いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、Kは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合している。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X20は、Aである。
【0374】
いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKであり、X20は、Kである。
【0375】
いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Kであり、X20は、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合したKである。
【0376】
いくつかの実施形態では、Kは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合しており、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Kは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合しており、X16は、Kである。いくつかの実施形態では、Kは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合しており、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、Kは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合しており、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Kは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合しており、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、Kは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合しており、X20は、Aである。
【0377】
いくつかの実施形態では、X16はDであり、X20は、Kである。
【0378】
いくつかの実施形態では、X16は、Kであり、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、X16は、Kであり、X20は、Dである。
【0379】
いくつかの実施形態では、X16は、Nであり、X20は、Aである。いくつかの実施形態では、X16は、Nであり、X20は、Kである。
【0380】
いくつかの実施形態では、配列番号95のコンセンサス配列によって表されるある特定のアミノ酸には、以下が含まれる:
いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、Kは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合しており、X16は、Dである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、Kは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合しており、X16は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、Kは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合しており、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、Kは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合しており、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、Kは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合しており、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、Kは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合しており、X20は、Aである。
【0381】
いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Dであり、X20は、Kである。
【0382】
いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Kであり、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Kであり、X20は、Dである。
【0383】
いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Nであり、X20は、Aである。いくつかの実施形態では、Xは、Aであり、X16は、Nであり、X20は、Kである。
【0384】
いくつかの実施形態では、Kは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合しており、X16はDであり、X20は、Kである。
【0385】
いくつかの実施形態では、Kは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合しており、X16はKであり、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、Kは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合しており、X16はKであり、X20は、Dである。
【0386】
いくつかの実施形態では、Kは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合しており、X16は、Nであり、X20は、Aである。いくつかの実施形態では、Kは、任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に共有結合しており、X16は、Nであり、X20は、Kである。
【0387】
任意選択でスペーサーを介した、任意のペプチドへの親油性置換基のコンジュゲーション
いくつかの実施形態では、開示されたポリペプチドのいずれかが、それぞれ任意選択でスペーサーを介して1つ以上の親油性置換基で任意選択で置換され、「親油性置換基」及び「スペーサー」は本明細書で定義される。いくつかの実施形態では、配列番号1から配列番号78までのコンセンサス配列のいずれかによって表されるアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、開示されるポリペプチドのいずれかは、それぞれ任意選択でスペーサーを介して1つ以上の親油性置換基を含むか、または修飾することができるか、またはそれぞれ任意選択でスペーサーを介して1つ以上の親油性置換基の共有結合によってさらに修飾することができる。いくつかの実施形態では、配列番号101から配列番号181までのコンセンサス配列のいずれかによって表されるアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、開示されるポリペプチドのいずれかは、それぞれ任意選択でスペーサーを介して1つ以上の親油性置換基の共有結合によってさらに修飾することができる。いくつかの実施形態では、配列番号239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、280、または281のコンセンサス配列のいずれかによって表されるアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、開示されるポリペプチドのいずれかは、それぞれ任意選択でスペーサーを介して1つ以上の親油性置換基の共有結合によって修飾することができる。いくつかの実施形態では、親油性置換基は、親油性置換基のカルボキシル基、または任意選択でスペーサーのアミノ基によって、ポリペプチドのアミノ基(例えば、リジン残基のε-アミノ基)に結合することができ、ここで、スペーサーのカルボキシル基はリジン残基のε-アミノ基とアミド結合を形成する。
【0388】
親油性置換基
本発明の開示されたポリペプチドのいずれかへの、それぞれ任意選択で「スペーサー」を介した1つ以上の「親油性置換基」のコンジュゲーションは、血清アルブミンへの結合を促進して、コンジュゲートされたポリペプチドの腎クリアランスを遅延させることによってポリペプチドの作用を延長することを意図する。本明細書で使用される場合、「親油性置換基」は、4~40個の炭素原子、8~25個の炭素原子、12~22個の炭素原子、または6~20個の炭素原子を含む置換基を含む。親油性置換基は、親油性置換基のカルボキシル基によって、ポリペプチドのアミノ基(例えば、リジン残基のε-アミノ基)に結合することができ、または任意選択でスペーサーのアミノ基に結合することができ、スペーサーのカルボキシル基は、さらに、それが結合しているアミノ酸(例えば、リジン)残基のアミノ基とアミド結合を形成する。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、それぞれが任意選択のスペーサーを伴うかまたは伴わない、3つ、2つ、または好ましくは1つの親油性置換基を含み、これは以下により詳細に定義される。
【0389】
いくつかの実施形態では、親油性置換基は、直鎖または分岐鎖アルキル基を含む。いくつかの実施形態では、親油性置換基は、直鎖または分岐鎖脂肪酸のアシル基である。いくつかの実施形態では、親油性置換基は、1つ以上のカルボン酸及び/またはヒドロキサム酸基でさらに置換された、直鎖または分岐鎖脂肪酸のアシル基である。
【0390】
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、それぞれ任意選択のスペーサーを伴わない3つ、2つ、または好ましくは1つの親油性置換基を含む。いくつかの実施形態では、親油性置換基は、-CO(CH16COHである。いくつかの実施形態では、親油性置換基は、-CO(CH18COHである。いくつかの実施形態では、親油性置換基は、-CO(CH20COHである。
【0391】
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、それぞれ任意選択のスペーサーを伴わない3つ、2つ、または好ましくは1つの親油性置換基を含む。いくつかの実施形態では、親油性置換基は、式I:
-CO-(CH-Z
式I
の一価基である
(式中、
Zは、-CHまたは-COHであり;
mは、4~24であり、
この親油性置換基は、開示されたポリペプチドのアミノ基(例えば、リジンのε-アミノ基)と親油性置換基のCO-基との間にアミド結合を形成する)
いくつかの実施形態では、Zは、-COHである。いくつかの実施形態では、mは14~20である。いくつかの実施形態では、親油性置換基は、スペーサーを介して単離ポリペプチドに共有結合する。いくつかの実施形態では、親油性置換基-CO-(CH-Zは、スペーサーを介して単離ポリペプチドのアミノ基に連結され、スペーサーは、単離ポリペプチドのアミノ基と親油性置換基のCO-基との間に架橋を形成する。
【0392】
いくつかの実施形態では、mは、4~20、8~20、12~20、14~20、16~20、14、16、18、及び20からなる群から選択される。
【0393】
いくつかの実施形態では、Zは、-COHであり、親油性置換基は、式-CO-(CH-COHを有する。いくつかの実施形態では、-CO-(CH-Zは、-CO-(CH-COH、-CO-(CH-COH、-CO-(CH-COH、-CO-(CH-COH、-CO-(CH-COH、-CO-(CH-COH、-CO-(CH10-COH、-CO-(CH11-COH、-CO-(CH12-COH、-CO-(CH13-COH、-CO-(CH14-COH、-CO-(CH15-COH、-CO-(CH16-COH、-CO-(CH17-COH、-CO-(CH18-COH、-CO-(CH19-COH、-CO-(CH20-COH、からなる群から選択される。
【0394】
いくつかの実施形態では、親油性置換基は、-CO-(CH14-COHである。いくつかの実施形態では、親油性置換基は、-CO-(CH16-COHである。いくつかの実施形態では、親油性置換基は、-CO-(CH18-COHである。いくつかの実施形態では、親油性置換基は、-CO-(CH20-COHである。
【0395】
いくつかの実施形態では、Zは、-CHであり、親油性置換基は、式-CO-(CH-CHを有する。いくつかの実施形態では、-CO-(CH-Zは、-CO-(CH-CH、-CO-(CH-CH、-CO-(CH-CH、-CO-(CH-CH、-CO-(CH-CH、-CO-(CH-CH、-CO-(CH10-CH、-CO-(CH11-CH、-CO-(CH12-CH、-CO-(CH13-CH、-CO-(CH14-CH、-CO-(CH15-CH、-CO-(CH16-CH、-CO-(CH17-CH、-CO-(CH18-CH、-CO-(CH19-CH、及び-CO-(CH20-CH、からなる群から選択される。
【0396】
親油性置換基及びスペーサー
いくつかの実施形態では、親油性置換基は、「スペーサー」によって親ペプチドに結合している。いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるのは、親油性を含む、配列番号1から配列番号143のコンセンサス配列のいずれかによって表されるアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、開示されるポリペプチドのいずれかであり、親油性置換基は、スペーサーを介してリジンのε-アミノ基に連結されており、このスペーサーは、開示されたポリペプチドのアミノ基と親油性置換基のCO-基との間の架橋を形成する。
【0397】
いくつかの実施形態では、スペーサーは、1つ以上のアミノ酸、例えば、Glu、Asp、Gly、またはLysなどの単一アミノ酸、2(Glu)、Glu-Glyなどのジペプチド、または3(Glu)、4(Glu)、2(Glu)-Glyなどのポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、スペーサーが1つ以上のアミノ酸、例えば、Glu、Asp、GlyまたはLysを含む場合、スペーサーの1つのカルボキシル基は、開示されたポリペプチドのアミノ基とアミド結合を形成することができ、スペーサーのアミノ基は、親油性置換基のカルボキシル基とアミド結合を形成することができる。
【0398】
いくつかの実施形態では、スペーサーが、カルボン酸末端側鎖をさらに含むGluまたはAspを含む場合、GluまたはAsp含有スペーサーの側鎖の末端カルボキシル基は、開示されたポリペプチドのアミノ基とアミド結合を形成することができ、GluまたはAsp含有スペーサー、すなわちγGluまたはβAspのアミノ基は、親油性置換基のカルボキシル基とアミド結合を形成することができる。
【0399】
いくつかの実施形態では、スペーサーは、-γGlu-γGlu-である。いくつかの実施形態では、スペーサーは、-γGlu-γGlu-dpeg-である。いくつかの実施形態では、スペーサーは、-dpeg-dpeg-γGlu-である。いくつかの実施形態では、スペーサーは、-γGlu-dpeg-dpeg-γGlu-である。いくつかの実施形態では、スペーサーは、-γGlu-γGlu-dpeg-γGlu-γGlu-である。いくつかの実施形態では、スペーサーは、-[COCH(OCHCHNH]-γGlu-である。
【0400】
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、それぞれスペーサーを伴う3つ、2つ、または好ましくは1つの親油性置換基を含む。いくつかの非限定的な実施形態では、親油性置換基及びスペーサーは、表7に列挙されたものからなる群から選択される一価基を形成する:

【表7】
【0401】
好ましくは、親油性置換基及びスペーサーは、ポリペプチドのアミノ基に結合している。特に、親油性置換基のカルボキシル基、または任意選択でスペーサーのカルボキシル基は、リジン残基のε-アミノ基とアミド結合を形成する。任意選択でスペーサーを介して親油性置換基に結合したリジン残基は、L-リジンまたはD-リジンであり得る。代表的なスペーサー部分及び親油性置換基の構造表示を表8に提供する:
【表8-1】
【表8-2】
【表8-3】
【0402】
いくつかの実施形態では、親油性置換基及びスペーサーは、式II:
-(Y)-CO-(CH-Z
式II
の一価基を形成する
(式中、
Yは、γGlu、Asp、Lys及びGlyからなる群から選択され;
Zは、-CHまたは-COHであり;
mは、4~24であり;
nは、1~10である)。
【0403】
いくつかの実施形態では、Zは、-COHである。いくつかの実施形態では、mは14~20である。いくつかの実施形態では、Yは、γGluである。いくつかの実施形態では、nは、1~5である。
【0404】
いくつかの実施形態では、Yは、γGlu及びGlyからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、Yは、γGluである。いくつかの実施形態では、Yは、Glyである。
【0405】
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、それぞれスペーサーを伴う3つ、2つ、または好ましくは1つの親油性置換基を含む。いくつかの実施形態では、親油性置換基及びスペーサーは、式III:
-(V)-(Y)-CO-(CH-Z
式III
の一価基である
(式中、
Vは、-[COCH(OCHCHNH]-であり;
Yは、γGlu、Asp、及びGlyからなる群から選択され;
Zは、-CHまたは-COHであり;
mは、4~24であり;
nは、1~10であり;
rは、1~6であり;
tは、1~6である)。
【0406】
いくつかの実施形態では、Zは、-COHである。いくつかの実施形態では、Zは、-CHである。
【0407】
いくつかの実施形態では、Yは、γGluである。いくつかの実施形態では、Yは、Aspである。いくつかの実施形態では、Yは、Glyである。
【0408】
いくつかの実施形態では、mは、4~20、8~20、12~20、14~20、16~20、14、16、18、及び20からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、mは14~20である。
【0409】
いくつかの実施形態では、nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、nは、1~5である。いくつかの実施形態では、nは1である。一部の実施形態では、nは、2である。いくつかの実施形態では、nは3である。いくつかの実施形態では、nは4である。いくつかの実施形態では、nは5である。
【0410】
いくつかの実施形態では、rは1~3である。いくつかの実施形態では、rは1である。いくつかの実施形態では、rは2である。いくつかの実施形態では、rは3である。いくつかの実施形態では、rは4である。いくつかの実施形態では、rは5である。
【0411】
いくつかの実施形態では、tは1~3である。いくつかの実施形態では、tは、1、2、3、4、5及び6からなる群から選択される。
【0412】
いくつかの実施形態では、YはγGluであり;Zは-COHであり;mは16であり;nは1であり;rは2であり;tは2である。
【0413】
一実施形態では、-(V)-(Y)-は、-[COCH(OCHCHNH]-γGlu-である。
【0414】
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、それぞれスペーサーを伴う3つ、2つ、または好ましくは1つの親油性置換基を含む。いくつかの実施形態では、親油性置換基及びスペーサーは、式IV:
-(Y1)n1-(dpeg)-(Y2)n2-CO-(CH-Z
式IV
の一価基である
(式中、
Zは、-CHまたは-COHであり;
mは、4~24であり;
Y1は、γGlu、Asp、及びGlyからなる群から選択され;
Y2は、γGlu、Asp、及びGlyからなる群から選択され;
dpegは、-[CO(CH)O(CHO(CH)NH]-であり;
rは、1~8であり;
n1は、0~10であり;
n2は、0~10である)。
【0415】
いくつかの実施形態では、Zは、-COHである。いくつかの実施形態では、Zは、-CHである。
【0416】
いくつかの実施形態では、mは、4~20、8~20、12~20、14~20、16~20、14、16、18、及び20からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、mは14~20である。
【0417】
いくつかの実施形態では、Y1は、γGluである。いくつかの実施形態では、Y1は、Aspである。いくつかの実施形態では、Y1は、Glyである。
【0418】
いくつかの実施形態では、Y2は、γGluである。いくつかの実施形態では、Y2は、Aspである。いくつかの実施形態では、Y2は、Glyである。
【0419】
いくつかの実施形態では、n1は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、n1は、0~3である。いくつかの実施形態では、n1は、0である。いくつかの実施形態では、n1は、1である。いくつかの実施形態では、n1は、2である。いくつかの実施形態では、n1は、3である。いくつかの実施形態では、n1は、4である。いくつかの実施形態では、n1は、5である。
【0420】
いくつかの実施形態では、n2は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、n2は、0~3である。いくつかの実施形態では、n2は、0である。いくつかの実施形態では、n2は、1である。いくつかの実施形態では、n2は、2である。いくつかの実施形態では、n2は、3である。いくつかの実施形態では、n2は、4である。いくつかの実施形態では、n2は、5である。
【0421】
いくつかの実施形態では、rは1~3である。いくつかの実施形態では、rは1である。いくつかの実施形態では、rは2である。いくつかの実施形態では、rは3である。いくつかの実施形態では、rは4である。いくつかの実施形態では、rは5である。いくつかの実施形態では、rは6である。いくつかの実施形態では、rは7である。いくつかの実施形態では、rは8である。
【0422】
いくつかの実施形態では、rは1であり、n1は2であり、n2は0である。
【0423】
いくつかの実施形態では、rは1であり、n1は2であり、n2は2である。
【0424】
いくつかの実施形態では、Y1はγGluであり、Y2はγGluである。
【0425】
いくつかの実施形態では、Y1はγGluであり、n2は0である。
【0426】
いくつかの実施形態では、Y1はγGluであり、rは1であり、n1は2であり、n2は0である。
【0427】
いくつかの実施形態では、-(Y1)n1-(dpeg)-(Y2)n2-は、-γGlu-γGlu-dpeg-、-γGlu-γGlu-dpeg-γGlu-γGlu-、-γGlu-γGlu-dpeg-γGlu-、-γGlu-γGlu-dpeg-dpeg-、-γGlu-γGlu-dpeg-dpeg-γGlu-、-dpeg-dpeg-γGlu-、-γGlu-γGlu-γGlu-dpeg-、及び-γGlu-dpeg-からなる群から選択される。
【0428】
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、それぞれスペーサーを伴う3つ、2つ、または好ましくは1つの親油性置換基を含む。いくつかの実施形態では、親油性置換基及びスペーサーは、式V:
-(γGlu)-CO-(CH-Z
式V
の一価基である
(式中、
Zは、-CHまたは-COHであり;
mは、4~24であり;
nは、1~10である)。
【0429】
いくつかの実施形態では、Zは、-CHである。いくつかの実施形態では、Zは、-COHである。
【0430】
いくつかの実施形態では、mは14~20である。
【0431】
いくつかの実施形態では、mは、4~20、8~20、12~20、14~20、16~20、14、16、18、及び20からなる群から選択される。
【0432】
いくつかの実施形態では、nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、nは1である。一部の実施形態では、nは、2である。いくつかの実施形態では、nは3である。いくつかの実施形態では、nは4である。いくつかの実施形態では、nは5である。
【0433】
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、それぞれスペーサーを伴う3つ、2つ、または好ましくは1つの親油性置換基を含む。いくつかの実施形態では、親油性置換基及びスペーサーは、式VI:
-(γGlu)-(Gly)-CO-(CH-Z
式VI
の一価基である
(式中、
Zは、-CHまたは-COHであり;
mは、4~24であり;
nは、1~10である)。
【0434】
いくつかの実施形態では、(γGlu)は、γGlu;2(γGlu);3(γGlu);4(γGlu);および5(γGlu)からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、-(γGlu)-(Gly)-は、2(γGlu),Gly;および3(γGlu),Glyからなる群から選択される。
【0435】
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、それぞれスペーサーを伴う3つ、2つ、または好ましくは1つの親油性置換基を含む。いくつかの実施形態では、親油性置換基及びスペーサーは、式VII:
-(Gly)-(γGlu)-(CO-(CH-Z
式VII
の一価基である
(式中、
Zは、-CHまたは-COHであり;
mは、4~24であり;
nは、1~10である)。
【0436】
いくつかの実施形態では、いくつかの先行式の特定の変数には、以下が含まれる:
【0437】
いくつかの実施形態では、Zは、-CHである。いくつかの実施形態では、Zは、-COHである。
【0438】
いくつかの実施形態では、mは、4~20、8~20、12~20、14~20、16~20、14、16、18、及び20からなる群から選択される。
【0439】
いくつかの実施形態では、nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、nは1である。一部の実施形態では、nは、2である。いくつかの実施形態では、nは3である。いくつかの実施形態では、nは4である。いくつかの実施形態では、nは5である。
【0440】
いくつかの実施形態では、nは、1であり、Zは、-COHである。いくつかの実施形態では、nは、1であり、Zは、-CHである。いくつかの実施形態では、nは、2であり、Zは、-COHである。いくつかの実施形態では、nは、2であり、Zは、-CHである。いくつかの実施形態では、nは、3であり、Zは、-COHである。いくつかの実施形態では、nは、3であり、Zは、-CHである。いくつかの実施形態では、nは、4であり、Zは、-COHである。いくつかの実施形態では、nは、4であり、Zは、-CHである。いくつかの実施形態では、nは、5であり、Zは、-COHである。いくつかの実施形態では、nは、5であり、Zは、-CHである。
【0441】
いくつかの実施形態では、nは、1であり、Zは、-COHであり、mは14~20である。いくつかの実施形態では、nは、1であり、Zは、-COHであり、mは14である。いくつかの実施形態では、nは、1であり、Zは、-COHであり、mは16である。いくつかの実施形態では、nは、1であり、Zは、-COHであり、mは18である。
【0442】
いくつかの実施形態では、nは、1であり、Zは、-CHであり、mは14~20である。いくつかの実施形態では、nは、1であり、Zは、-CHであり、mは14である。いくつかの実施形態では、nは、1であり、Zは、-CHであり、mは16である。いくつかの実施形態では、nは、1であり、Zは、-CHであり、mは18である。
【0443】
いくつかの実施形態では、nは、2であり、Zは、-COHであり、mは14~20である。いくつかの実施形態では、nは、2であり、Zは、-COHであり、mは14である。いくつかの実施形態では、nは、2であり、Zは、-COHであり、mは16である。いくつかの実施形態では、nは、2であり、Zは、-COHであり、mは18である。
【0444】
いくつかの実施形態では、nは、2であり、Zは、-CHであり、mは14~20である。いくつかの実施形態では、nは、2であり、Zは、-CHであり、mは14である。いくつかの実施形態では、nは、2であり、Zは、-CHであり、mは16である。いくつかの実施形態では、nは、2であり、Zは、-CHであり、mは18である。
【0445】
いくつかの実施形態では、nは、3であり、Zは、-COHであり、mは14~20である。いくつかの実施形態では、nは、3であり、Zは、-COHであり、mは14である。いくつかの実施形態では、nは、3であり、Zは、-COHであり、mは16である。いくつかの実施形態では、nは、3であり、Zは、-COHであり、mは18である。
【0446】
いくつかの実施形態では、nは、3であり、Zは、-CHであり、mは14~20である。いくつかの実施形態では、nは、3であり、Zは、-CHであり、mは14である。いくつかの実施形態では、nは、3であり、Zは、-COHであり、mは16である。いくつかの実施形態では、nは、3であり、Zは、-COHであり、mは18である。
【0447】
いくつかの実施形態では、nは、4であり、Zは、-COHであり、mは14~20である。いくつかの実施形態では、nは、4であり、Zは、-COHであり、mは14である。いくつかの実施形態では、nは、4であり、Zは、-COHであり、mは16である。いくつかの実施形態では、nは、4であり、Zは、-COHであり、mは18である。
【0448】
いくつかの実施形態では、nは、4であり、Zは、-CHであり、mは14~20である。いくつかの実施形態では、nは、4であり、Zは、-CHであり、mは14である。いくつかの実施形態では、nは、4であり、Zは、-CHであり、mは16である。いくつかの実施形態では、nは、4であり、Zは、-CHであり、mは18である。
【0449】
いくつかの実施形態では、nは、5であり、Zは、-COHであり、mは14~20である。いくつかの実施形態では、nは、5であり、Zは、-COHであり、mは14である。いくつかの実施形態では、nは、5であり、Zは、-COHであり、mは16である。いくつかの実施形態では、nは、5であり、Zは、-COHであり、mは18である。
【0450】
いくつかの実施形態では、nは、5であり、Zは、-CHであり、mは14~20である。いくつかの実施形態では、nは、5であり、Zは、-CHであり、mは14である。いくつかの実施形態では、nは、5であり、Zは、-CHであり、mは16である。いくつかの実施形態では、nは、5であり、Zは、-CHであり、mは18である。
【0451】
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、それぞれスペーサーを伴う3つ、2つ、または好ましくは1つの親油性置換基を含む。いくつかの実施形態では、親油性置換基及びスペーサーは、式VIII:
-(Y1)n1-(V)-(Y2)n2-CO-(CH-Z
式VIII
の一価基である
(式中、
Zは、-CHまたは-COHであり;
mは、4~24であり;
Y1は、γGlu、Asp、及びGlyからなる群から選択され;
Y2は、γGlu、Asp、及びGlyからなる群から選択され;
Vは、-[COCH(OCHCHNH]-であり;
rは、1~6であり;
n1は、0~10であり;
n2は、0~10であり;
tは、1~6である)。
【0452】
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、それぞれスペーサーを伴う3つ、2つ、または好ましくは1つの親油性置換基を含む。いくつかの実施形態では、親油性置換基及びスペーサーは、式IX:
-(Y)-(V)-CO-(CH-Z
式IX:の一価基である
(式中、
Zは、-CHまたは-COHであり;
mは、4~24であり;
Yは、γGlu、Asp、及びGlyからなる群から選択され;
Vは、-[COCH(OCHCHNH]-であり;
rは、1~6であり;
nは、1~10であり;
tは、1~6である)。
【0453】
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、それぞれスペーサーを伴う3つ、2つ、または好ましくは1つの親油性置換基を含む。いくつかの実施形態では、親油性置換基及びスペーサーは、式X:
-(dpeg)-(Y2)n2-CO-(CH-Z
式X
の一価基である
(式中、
Zは、-CHまたは-COHであり;
mは、4~24であり;
dpegは、-[CO(CH)O(CHO(CH)NH]-であり;
Y2は、γGlu、Asp、及びGlyからなる群から選択され;
rは、1~8であり;
n2は、0~10である)。
【0454】
いくつかの実施形態では、-(dpeg)-(Y2)n2-は、dpeg,γGlu;及びdpeg,dpeg,γGluからなる群から選択される。
【0455】
一実施形態では、-(dpeg)-(Y2)n2-は、-dpeg-dpeg-γGlu-である。
【0456】
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、それぞれスペーサーを伴う3つ、2つ、または好ましくは1つの親油性置換基を含む。いくつかの実施形態では、親油性置換基及びスペーサーは、式XI:
-(Y1)n1-(dpeg)-CO-(CH-Z
式XI
の一価基である
(式中、
Zは、-CHまたは-COHであり;
mは、4~24であり;
Y1は、γGlu、Asp、及びGlyからなる群から選択され;
dpegは、-[CO(CH)O(CHO(CH)NH]-であり;
rは、1~8であり;
n1は、0~10である)。
【0457】
いくつかの実施形態では、Zは、-COHである。
【0458】
いくつかの実施形態では、mは、4~20、8~20、12~20、14~20、16~20、14、16、18、及び20からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、mは14~20である。
【0459】
いくつかの実施形態では、Y1は、γGluである。いくつかの実施形態では、Y1は、Aspである。いくつかの実施形態では、Y1は、Glyである。
【0460】
いくつかの実施形態では、n1は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、n1は、0~3である。いくつかの実施形態では、n1は、0である。いくつかの実施形態では、n1は、1である。いくつかの実施形態では、n1は、2である。いくつかの実施形態では、n1は、3である。いくつかの実施形態では、n1は、4である。いくつかの実施形態では、n1は、5である。
【0461】
いくつかの実施形態では、rは1~3である。いくつかの実施形態では、rは1である。いくつかの実施形態では、rは2である。いくつかの実施形態では、rは3である。いくつかの実施形態では、rは4である。いくつかの実施形態では、rは5である。いくつかの実施形態では、rは6である。いくつかの実施形態では、rは7である。いくつかの実施形態では、rは8である。
【0462】
いくつかの実施形態では、rは1であり、n1は2である。
【0463】
いくつかの実施形態では、Y1はγGluであり、rは1であり、n1は2である。
【0464】
いくつかの実施形態では、-(Y1)n1-(dpeg)-は、-γGlu-γGlu-dpeg-、-γGlu-γGlu-dpeg-dpeg-、-γGlu-γGlu-γGlu-dpeg-、及び-γGlu-dpeg-からなる群から選択される。
【0465】
さらなる例示的なスペーサー
いくつかの実施形態では、スペーサーは、式XII:
-N(R)(CHRCO-[N(R)((CHO(CHO)(CH)CO-]式XII
の二価基を含む
(式中、
各R及びRは、水素またはC~Cアルキルであり;
各Rは、HまたはCOHであり;
pは、1、2、3、4、5、または6であり、
qは、1、2、または3であり;
rは、0または1であり、
このスペーサーは、開示されたポリペプチドのアミノ基と親油性置換基のCO-基との間の架橋を形成する)。
【0466】
いくつかの実施形態では、スペーサーは、式XIII:
[-N(R)((CHO(CHO)(CH)CO-] 式XIII
の二価基を含む
(式中、
は、水素またはC~Cアルキルであり;
qは、1、2、または3であり;
rは、0または1であり、
このスペーサーは、開示されたポリペプチドのアミノ基と親油性置換基のCO-基との間の架橋を形成する)。
【0467】
いくつかの実施形態では、ある特定の式で表されるある特定の変数には、以下が含まれる:
いくつかの実施形態では、各Rは、水素である。いくつかの実施形態では、各Rは、水素である。いくつかの実施形態では、各R及び各Rは、水素である。
【0468】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRは、COHである。いくつかの実施形態では、1つのRは、COHである。
【0469】
一部の実施形態では、pは1である。一部の実施形態では、pは2である。一部の実施形態では、pは3である。一部の実施形態では、pは4である。一部の実施形態では、pは5である。一部の実施形態では、pは6である。
【0470】
一部の実施形態では、qは1である。一部の実施形態では、qは2である。一部の実施形態では、qは3である。
【0471】
いくつかの実施形態では、rは0である。いくつかの実施形態では、rは1である。
【0472】
いくつかの実施形態では、スペーサーは、γ-グルタミル、すなわち-NH(CHCOH)(CHCO--である。いくつかの実施形態では、スペーサーは、γ-アミノブタノイル、すなわち-NH(CHCO--である。いくつかの実施形態では、スペーサーは、スペーサーは、β-アスパラギル、すなわち-NH(CHCOH)(CH)CO--である。いくつかの実施形態では、スペーサーは、-NH(CHCO--である。いくつかの実施形態では、スペーサーは、グリシルである。いくつかの実施形態では、スペーサーは、β-アラニルである。
【0473】
いくつかの実施形態では、スペーサーは、-NHCH(COH)(CHCO--[N(R)((CHO(CHO)(CH)CO-]である。いくつかの実施形態では、スペーサーは、-NH(CHCO--[N(R)((CHO(CHO)(CH)CO-]である。いくつかの実施形態では、スペーサーは、-NHCH(COH)(CHCO-NH((CHO(CHO)(CH)CO-である。いくつかの実施形態では、スペーサーは、-NH(CHCO-NH((CHO(CH)2O)(CH)CO-である。いくつかの実施形態では、スペーサーは、-NHCH(COH)CHCO--[N(R)((CHO(CHO)(CH)CO-]である。いくつかの実施形態では、スペーサーは、-NH(CHCO--[N(R)((CHO(CHO)(CH)CO-]である。
【0474】
いくつかの実施形態では、スペーサーは、式XIV:
-(Y)- 式XIV
の二価基を含む
(式中、
Yは、γGlu、Asp、Lys及びGlyからなる群から選択され;
nは、1~10である)。
【0475】
いくつかの実施形態では、Yは、γGlu及びGlyからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、Yは、γGluである。いくつかの実施形態では、Yは、Glyである。
【0476】
いくつかの実施形態では、スペーサーは、開示されたポリペプチドのアミノ基と親油性置換基のCO-基との間の架橋を形成する。いくつかの実施形態では、スペーサーの一端は、開示されたポリペプチドのアミノ基と共有結合を形成し、スペーサーの他端は、水素原子または保護基と共有結合を形成する。
【0477】
いくつかの実施形態では、スペーサーは、式XV:
-(γGlu)- 式XV
の二価基を含む
(式中、
nは、1~10である)。
いくつかの実施形態では、nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、nは1である。一部の実施形態では、nは、2である。いくつかの実施形態では、nは3である。いくつかの実施形態では、nは4である。いくつかの実施形態では、nは5である。
【0478】
いくつかの実施形態では、スペーサーは、開示されたポリペプチドのアミノ基と親油性置換基のCO-基との間の架橋を形成する。いくつかの実施形態では、スペーサーの一端は、開示されたポリペプチドのアミノ基と共有結合を形成し、スペーサーの他端は、水素原子または保護基と共有結合を形成する。
【0479】
いくつかの実施形態では、スペーサーは、式XVI:
-(γGlu)-(Gly)- 式XVI
の二価基を含む。
nは、1~10である)。
いくつかの実施形態では、(γGlu)は、γGlu;2(γGlu);3(γGlu);4(γGlu);および5(γGlu)からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、-(γGlu)-(Gly)-は、2(γGlu),Gly;および3(γGlu),Glyからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、スペーサーは、開示されたポリペプチドのアミノ基と親油性置換基のCO-基との間の架橋を形成する。いくつかの実施形態では、スペーサーの一端は、開示されたポリペプチドのアミノ基と共有結合を形成し、スペーサーの他端は、水素原子または保護基と共有結合を形成する。
【0480】
いくつかの実施形態では、スペーサーは、式XVII:
-(Gly)-(γGlu)- 式XVII
の二価基を含む
(式中、
nは、1~10である)。
いくつかの実施形態では、スペーサーは、開示されたポリペプチドのアミノ基と親油性置換基のCO-基との間の架橋を形成する。いくつかの実施形態では、スペーサーの一端は、開示されたポリペプチドのアミノ基と共有結合を形成し、スペーサーの他端は、水素原子または保護基と共有結合を形成する。
【0481】
いくつかの実施形態では、nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、nは1である。一部の実施形態では、nは、2である。いくつかの実施形態では、nは3である。いくつかの実施形態では、nは4である。いくつかの実施形態では、nは5である。
【0482】
いくつかの実施形態では、スペーサーは、式XVIII:
-(V)-(Y)- 式XVIII
の二価基を含む
(式中、
Yは、γGlu、Asp、及びGlyからなる群から選択され;
Vは、-[COCH(OCHCHNH]-であり;
rは、1~6であり;
nは、1~10であり;
tは、1~6である)。
【0483】
いくつかの実施形態では、Yは、γGluである。いくつかの実施形態では、Yは、Aspである。いくつかの実施形態では、Yは、Glyである。
【0484】
いくつかの実施形態では、nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、nは、1~5である。いくつかの実施形態では、nは1である。一部の実施形態では、nは、2である。いくつかの実施形態では、nは3である。いくつかの実施形態では、nは4である。いくつかの実施形態では、nは5である。
【0485】
いくつかの実施形態では、rは1~3である。いくつかの実施形態では、rは1である。いくつかの実施形態では、rは2である。いくつかの実施形態では、rは3である。いくつかの実施形態では、rは4である。いくつかの実施形態では、rは5である。
【0486】
いくつかの実施形態では、tは1~3である。いくつかの実施形態では、tは、1、2、3、4、5及び6からなる群から選択される。
【0487】
一実施形態では、-(V)-(Y)-は、-[COCH(OCHCHNH]-γGlu-である。
【0488】
いくつかの実施形態では、スペーサーは、開示されたポリペプチドのアミノ基と親油性置換基のCO-基との間の架橋を形成する。いくつかの実施形態では、スペーサーの一端は、開示されたポリペプチドのアミノ基と共有結合を形成し、スペーサーの他端は、水素原子または保護基と共有結合を形成する。
【0489】
いくつかの実施形態では、スペーサーは、式XIX:
-(Y1)n1-(dpeg)-(Y2)n2- 式XIX
の二価基を含む
(式中、
Y1は、γGlu、Asp、及びGlyからなる群から選択され;
Y2は、γGlu、Asp、及びGlyからなる群から選択され;
dpegは、-[CO(CH)O(CHO(CH)NH]-であり;
rは、1~8であり;
n1は、0~10であり;
n2は、0~10である)。
【0490】
いくつかの実施形態では、Y1は、γGluである。いくつかの実施形態では、Y1は、Aspである。いくつかの実施形態では、Y1は、Glyである。
【0491】
いくつかの実施形態では、Y2は、γGluである。いくつかの実施形態では、Y2は、Aspである。いくつかの実施形態では、Y2は、Glyである。
【0492】
いくつかの実施形態では、n1は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、n1は、0~3である。いくつかの実施形態では、n1は、0である。いくつかの実施形態では、n1は、1である。いくつかの実施形態では、n1は、2である。いくつかの実施形態では、n1は、3である。いくつかの実施形態では、n1は、4である。いくつかの実施形態では、n1は、5である。
【0493】
いくつかの実施形態では、n2は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、n2は、0~3である。いくつかの実施形態では、n2は、0である。いくつかの実施形態では、n2は、1である。いくつかの実施形態では、n2は、2である。いくつかの実施形態では、n2は、3である。いくつかの実施形態では、n2は、4である。いくつかの実施形態では、n2は、5である。
【0494】
いくつかの実施形態では、rは1~3である。いくつかの実施形態では、rは1である。いくつかの実施形態では、rは2である。いくつかの実施形態では、rは3である。いくつかの実施形態では、rは4である。いくつかの実施形態では、rは5である。いくつかの実施形態では、rは6である。いくつかの実施形態では、rは7である。いくつかの実施形態では、rは8である。
【0495】
いくつかの実施形態では、rは1であり、n1は2であり、n2は0である。
【0496】
いくつかの実施形態では、rは1であり、n1は2であり、n2は2である。
【0497】
いくつかの実施形態では、Y1はγGluであり、Y2はγGluである。
【0498】
いくつかの実施形態では、Y1はγGluであり、n2は0である。
【0499】
いくつかの実施形態では、Y1はγGluであり、rは1であり、n1は2であり、n2は0である。
【0500】
いくつかの実施形態では、-(Y1)n1-(dpeg)-(Y2)n2-は、-γGlu-γGlu-dpeg-、-γGlu-γGlu-dpeg-γGlu-γGlu-、-γGlu-γGlu-dpeg-γGlu-、-γGlu-γGlu-dpeg-dpeg-、-γGlu-γGlu-dpeg-dpeg-γGlu-、-dpeg-dpeg-γGlu-、-γGlu-γGlu-γGlu-dpeg-、及び-γGlu-dpeg-からなる群から選択される。
【0501】
いくつかの実施形態では、スペーサーは、開示されたポリペプチドのアミノ基と親油性置換基のCO-基との間の架橋を形成する。いくつかの実施形態では、スペーサーの一端は、開示されたポリペプチドのアミノ基と共有結合を形成し、スペーサーの他端は、水素原子または保護基と共有結合を形成する。
【0502】
したがって、いくつかの実施形態では、本明細書で提供される単離ポリペプチドは、配列番号101~配列番号181及び配列番号239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、280、及び281、からなる群から選択されるコンセンサス配列によって表されるアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列、またはその薬学的に許容される塩を含み、単離ペプチドは親油性置換基をさらに含み、任意選択でスペーサーを含む。
【0503】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される単離ポリペプチドは、配列番号101~配列番号181及び配列番号239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、280、及び281、からなる群から選択されるコンセンサス配列によって表されるアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列、またはその薬学的に許容される塩を含み、単離ペプチドは、式Iの親油性置換基をさらに含む。
【0504】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される単離ポリペプチドは、配列番号101~配列番号181及び配列番号239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、280、及び281、からなる群から選択されるコンセンサス配列によって表されるアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列、またはその薬学的に許容される塩を含み、単離ペプチドは、式Iの親油性置換基と、式XII、XIII、XIV、XV、XVI、XVII、XVIII、及びXIXによって記載されるものからなる群から選択されるスペーサーとをさらに含む。
【0505】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される単離ポリペプチドは、配列番号101~配列番号157及び配列番号239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、280、及び281、からなる群から選択されるコンセンサス配列によって表されるアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列、またはその薬学的に許容される塩を含み、単離ペプチドは、式I、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、及びXIによって記載されるものからなる群から選択される親油性置換基とスペーサーとをさらに含む。
【0506】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される単離ポリペプチドは、配列番号101~配列番号181及び配列番号239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、280、及び281、からなる群から選択されるコンセンサス配列によって表されるアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列、またはその薬学的に許容される塩を含み、単離ペプチドは、式Iによって記載されるものからなる群から選択される親油性置換基及びスペーサーをさらに含む。
【0507】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される単離ポリペプチドは、配列番号101~配列番号181及び配列番号239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、280、及び281、からなる群から選択されるコンセンサス配列によって表されるアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列、またはその薬学的に許容される塩を含み、単離ペプチドは、式IIによって記載されるものからなる群から選択される親油性置換基及びスペーサーをさらに含む。
【0508】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される単離ポリペプチドは、配列番号101~配列番号181及び配列番号239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、280、及び281、からなる群から選択されるコンセンサス配列によって表されるアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列、またはその薬学的に許容される塩を含み、単離ペプチドは、式IIIによって記載されるものからなる群から選択される親油性置換基及びスペーサーをさらに含む。
【0509】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される単離ポリペプチドは、配列番号101~配列番号181及び配列番号239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、280、及び281、からなる群から選択されるコンセンサス配列によって表されるアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列、またはその薬学的に許容される塩を含み、単離ペプチドは、式IVによって記載されるものからなる群から選択される親油性置換基及びスペーサーをさらに含む。本明細書で使用される場合、(γGlu)及び2(γGlu)は両方とも、-(γGlu)-(γGlu)-または-CO(CHCH(COH)NH-CO(CHCH(COH)NH-を意味する;(γGlu)及び3(γGlu)は両方とも、-(γGlu)-(γGlu)-(γGlu)-または-CO(CHCH(COH)NH-CO(CHCH(COH)NH-CO(CHCH(COH)NH-を意味する;などであり;変数が所与の数式に複数回存在する場合、その変数の各出現は独立して決定される。例えば、YがγGlu、Asp、Lys、またはGlyであり得る-(Y)-基については、各Yは、4つのアミノ酸のうちの1つであるように独立して選択される。したがって、非限定的な例によれば、-(Y)-は、-(γGlu)-(γGlu)-(γGlu)-、-(γGlu)-(Asp)-(γGlu)-、-(Gly)-(Asp)-(γGlu)-、または-(Gly)-(γGlu)-(γGlu)-であり得る。
【0510】
架橋部分
いくつかの実施形態では、開示されたポリペプチドのいずれかが、1つ以上の架橋部分で任意選択で置換される。本明細書で使用される場合、「架橋部分」という用語は、共有結合または任意の二価リンカーまたは2つの別個のアミノ酸残基の2つの側鎖を連結する部分を意味する。いくつかの実施形態では、開示されたポリペプチドのいずれかが、1つ以上のラクタム架橋部分で任意選択で置換される。本明細書で使用される場合、「ラクタム架橋部分」という用語は、2つの別個のアミノ酸残基のアミノ含有側鎖とカルボキシ含有側鎖を連結するラクタム架橋またはラクタム結合を意味する。いくつかの実施形態では、ラクタム架橋部分は、リジン残基とアスパラギン酸残基との間に形成され、リジンのアミノ含有側鎖とアスパラギン酸のカルボキシ含有側鎖は、水を失って共有結合し、ラクタム架橋部分を形成する。いくつかの実施形態では、ラクタム架橋部分は、リジン残基とグルタミン酸残基との間に形成され、リジンのアミノ含有側鎖とグルタミン酸のカルボキシ含有側鎖は、水を失って共有結合し、ラクタム架橋部分を形成する。いくつかの実施形態では、ラクタム架橋部分は、ペプチド上で3、4、または5残基離れた2つのアミノ酸の間に形成される。いくつかの実施形態では、ラクタム架橋部分は、ペプチド上で4残基離れた2つのアミノ酸の間に形成される。
【0511】
ポリペプチド中間体及び本化合物を提供する一般的な方法
本発明の化合物は、一般に、類似化合物について当業者に知られている合成及び/または半合成の方法、及び本明細書の実施例に詳細に記載されている方法によって調製または単離することができる。
【0512】
以下のスキームにおいて、特定の保護基(「PG」)、脱離基(「LG」)、または変換条件が示されている場合、当業者は、他の保護基、脱離基、及び変換条件も好適であり、かつ企図されていることを理解するであろう。このような基及び変換については、March’s Advanced Organic Chemistry:Reactions, Mechanisms, and Structure, M. B. Smith and J. March, 5th Edition, John Wiley & Sons, 2001, Comprehensive Organic Transformations, R. C. Larock, 2nd Edition, John Wiley & Sons, 1999、及びProtecting Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd edition, John Wiley & Sons, 1999で詳細に説明されており、これらのそれぞれの全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0513】
本明細書で使用される場合、「脱離基」(LG)という句には、ハロゲン(例えば、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物)、スルホネート(例えば、メシレート、トシレート、ベンゼンスルホネート、ブロシレート、ノシレート、トリフレート)、ジアゾニウムなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0514】
本明細書で使用される場合、「酸素保護基」という句には、例えば、カルボニル保護基、ヒドロキシル保護基などが含まれる。ヒドロキシル保護基は、当技術分野で周知であり、Protecting Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd edition, John Wiley & Sons, 1999で詳細に説明されているものを含み、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。好適なヒドロキシル保護基の例としては、エステル(例えば、アセチル、ベンジル)、アリルエーテル、エーテル、シリルエーテル、アルキルエーテル、アリールアルキルエーテル、ベンジルエーテル及びアルコキシアルキルエーテルが挙げられるが、これらに限定されない。このようなエステルの例としては、ギ酸エステル、酢酸エステル、炭酸エステル、及びスルホン酸エステルが挙げられる。具体例としては、ギ酸エステル、ベンゾイルホルメート、クロロアセテート、トリフルオロアセテート、メトキシアセテート、トリフェニルメトキシアセテート、p-クロロフェノキシアセテート、3-フェニルプロピオネート、4-オキソペンタノエート、4,4-(エチレンジチオ)ペンタノエート、ピバロエート(トリメチルアセチル)、クロトネート、4-メトキシクロトネート、安息香酸エステル、p-ベンジルベンゾエート、2,4,6-トリメチルベンゾエート、炭酸エステル、例としてメチル、9-フルオレニルメチル、エチル、2,2,2-トリクロロエチル、2-(トリメチルシリル)エチル、2-(フェニルスルホニル)エチル、ビニル、アリル、及びp-ニトロベンジルが挙げられる。このようなシリルエーテルの例としては、トリメチルシリルエーテル、トリエチルシリルエーテル、t-ブチルジメチルシリルエーテル、t-ブチルジフェニルシリルエーテル、トリイソプロピルシリルエーテル、及び他のトリアルキルシリルエーテルが挙げられる。アルキルエーテルとしては、メチルエーテル、ベンジルエーテル、p-メトキシベンジルエーテル、3,4-ジメトキシベンジルエーテル、トリチルエーテル、t-ブチルエーテル、アリルエーテル、及びアリルオキシカルボニルエーテルまたは誘導体が挙げられる。アルコキシアルキルエーテルとしては、アセタール、例としてメトキシメチルエーテル、メチルチオメチルエーテル、(2-メトキシエトキシ)メチルエーテル、ベンジルオキシメチルエーテル、ベータ-(トリメチルシリル)エトキシメチルエーテル、及びテトラヒドロピラニルエーテルが含まれる。アリールアルキルエーテルの例としては、ベンジル、p-メトキシベンジル(MPM)、3,4-ジメトキシベンジル、O-ニトロベンジル、p-ニトロベンジル、p-ハロベンジル、2,6-ジクロロベンジル、p-シアノベンジル、及び2-及び4-ピコリルが挙げられる。
【0515】
アミノ保護基は、当技術分野で周知であり、Protecting Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd edition, John Wiley & Sons, 1999で詳細に説明されているものを含み、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。好適なアミノ保護基としては、アラルキルアミン、カルバメート、環状イミド、アリルアミン、アミドなどが挙げられるが、これらに限定されない。このような基の例としては、t-ブチルオキシカルボニル(Boc)、エチルオキシカルボニル、メチルオキシカルボニル、トリクロロエチルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル(Alloc)、ベンジルオキソカルボニル(Cbz)、アリル、フタルイミド、ベンジル(Bn)、ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキサ-1-イリデン)エチル(Dmb)、1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキサ-1-イリデン)-3-メチルブチル(ivDde)、フルオレニルメチルカルボニル(Fmoc)、ホルミル、アセチル、クロロアセチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、フェニルアセチル、トリフルオロアセチル、ベンゾイルなどが挙げられる。
【0516】
ある特定の実施形態では、本発明は、開示されたPYY類似体の合成ペプチド中間体にも関する。いくつかの実施形態では、本開示のポリペプチド中間体は、配列番号101~配列番号181、または配列番号239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、280、及び281のいずれかのアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドであり、少なくとも1つのアミノ酸が保護基に共有結合している。いくつかの実施形態では、本開示のポリペプチド中間体は、配列番号101~配列番号181、または配列番号239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、280、及び281のいずれかのアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドであり、少なくとも1つのアミノ酸が、本明細書で定義されるスペーサーに共有結合しており、スペーサーは、保護基または水素原子にさらに共有結合している。いくつかの実施形態では、ポリペプチド中間体は、その側鎖のアミノ基を介して保護基に結合したリジン残基を含む。いくつかの実施形態では、リジン残基は、AllocまたはivDdeに共有結合している。いくつかの実施形態では、ポリペプチド中間体は、その側鎖のカルボキシル基を介して保護基に結合したアスパラギン酸残基を含む。いくつかの実施形態では、アスパラギン酸残基はアリル基に共有結合している。いくつかの実施形態では、ポリペプチド中間体は、その側鎖のカルボキシル基を介して保護基に結合したグルタミン酸残基を含む。いくつかの実施形態では、グルタミン酸残基はアリル基に共有結合している。
【0517】
例示的なポリペプチド中間体
本発明の化合物は、一般に、類似化合物について当業者に知られている合成及び/または半合成の方法、及び本明細書の実施例に詳細に記載されている方法によって調製または単離することができる。
【0518】
ある特定の実施形態では、本発明は、開示されたPYY類似体の合成ペプチド中間体にも関する。いくつかの実施形態では、本開示のポリペプチド中間体は、配列番号390:
PXPXPX10SPX13141516RX181920DX2223HX252627WLTRX32RX34-(OH/NH)(配列番号390)のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド、またはその薬学的に許容される塩である(式中、
は、不存在であるかまたはKであり;
は、Kであり;
は、EまたはKであり;
は、AまたはKであり;
は、GまたはKであり;
は、E、K、またはkであり;
は、DまたはKであり;
10は、AまたはKであり;
13は、EまたはKであり;
14は、EまたはKであり;
15は、LまたはWであり;
16は、D、E、K、N、Q、S、T、α-メチルセリン、またはホモセリンであり;
18は、KまたはYであり;
19は、KまたはYであり;
20は、A、D、E、K、k、またはDapであり;
22は、A、D、K、またはLであり;
23は、KまたはRであり;
25は、KまたはYであり;
26は、E、K、またはLであり;
27は、KまたはNであり;
32は、KまたはQであり;
34は、F、y、3-ピリジニルアラニン、4-ピリジニルアラニン、4-カルボキシフェニルアラニン、4-フルオロフェニルアラニン、4-メチルフェニルアラニン、N-メチルフェニルアラニン、ホモフェニルアラニン、β-ホモチロシン、ホモチロシン、またはN-メチルチロシンであり;
ここで、X、X、X、X、X、X、X13、X20、X23、X25、X27、またはX32がKである場合、リジン残基は、保護基または保護基に任意選択で結合したスペーサーに任意選択で共有結合しており、
ここで、XまたはX20がkである場合、D-リジン残基は、は、保護基または保護基に任意選択で結合したスペーサーに任意選択で共有結合している)。
【0519】
いくつかの実施形態では、X15がLである場合、X22はAである。
【0520】
いくつかの実施形態では、X16がNである場合、X20はAではない。
【0521】
いくつかの実施形態では、Xは、Eであり、Xは、Kであり、X20は、Kである。
【0522】
いくつかの実施形態では、Xは、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、保護基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、Xは、保護基に任意選択で結合したスペーサーに共有結合したKである。
【0523】
いくつかの実施形態では、X15は、Wである。
【0524】
いくつかの実施形態では、X34は、Fである。
【0525】
いくつかの実施形態では、Xは、不存在である。いくつかの実施形態では、XはKである。いくつかの実施形態では、Xは、保護基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、Xは、保護基に任意選択で結合したスペーサーに共有結合したKである。
【0526】
いくつかの実施形態では、Xは、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、保護基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、Xは、保護基に任意選択で結合したスペーサーに共有結合したKである。
【0527】
いくつかの実施形態では、Xは、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、保護基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、Xは、保護基に任意選択で結合したスペーサーに共有結合したKである。
【0528】
いくつかの実施形態では、Xは、Aである。いくつかの実施形態では、Xは、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、保護基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、Xは、保護基に任意選択で結合したスペーサーに共有結合したKである。
【0529】
いくつかの実施形態では、Xは、Gである。いくつかの実施形態では、Xは、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、保護基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、Xは、保護基に任意選択で結合したスペーサーに共有結合したKである。
【0530】
いくつかの実施形態では、Xは、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、保護基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、Xは、保護基に任意選択で結合したスペーサーに共有結合したKである。いくつかの実施形態では、Xはkである。いくつかの実施形態では、Xは、保護基に共有結合したkである。いくつかの実施形態では、Xは、保護基に任意選択で結合したスペーサーに共有結合したkである。
【0531】
いくつかの実施形態では、XはDである。いくつかの実施形態では、Xは、Kである。
【0532】
いくつかの実施形態では、X10は、Aである。いくつかの実施形態では、X10は、Kである。いくつかの実施形態では、X10は、保護基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、X10は、保護基に任意選択で結合したスペーサーに共有結合したKである。
【0533】
いくつかの実施形態では、X13は、Eである。いくつかの実施形態では、X13は、Kである。いくつかの実施形態では、X13は、保護基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、X13は、保護基に任意選択で結合したスペーサーに共有結合したKである。
【0534】
いくつかの実施形態では、X14は、Eである。いくつかの実施形態では、X14は、Kである。
【0535】
いくつかの実施形態では、X15は、Lである。いくつかの実施形態では、X15は、Wである。
【0536】
いくつかの実施形態では、X16はDである。いくつかの実施形態では、X16は、Eである。いくつかの実施形態では、X16は、Kである。いくつかの実施形態では、X16は、Nである。いくつかの実施形態では、X16は、Qである。いくつかの実施形態では、X16は、Sである。いくつかの実施形態では、X16は、Tである。いくつかの実施形態では、X16は、α-メチルセリンである。いくつかの実施形態では、X16は、ホモセリンである。
【0537】
いくつかの実施形態では、X18は、Kである。いくつかの実施形態では、X18は、Yである。
【0538】
いくつかの実施形態では、X19は、Kである。いくつかの実施形態では、X19は、Yである。
【0539】
いくつかの実施形態では、X20は、Aである。いくつかの実施形態では、X20はDである。いくつかの実施形態では、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、X20は、保護基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、X20は、保護基に任意選択で結合したスペーサーに共有結合したKである。いくつかの実施形態では、X20は、kである。いくつかの実施形態では、X20は、保護基に共有結合したkである。いくつかの実施形態では、X20は、保護基に任意選択で結合したスペーサーに共有結合したkである。いくつかの実施形態では、X20は、Dapである。
【0540】
いくつかの実施形態では、X22は、Aである。いくつかの実施形態では、X22は、Dである。いくつかの実施形態では、X22は、Kである。いくつかの実施形態では、X22は、Lである。
【0541】
いくつかの実施形態では、X23は、Kである。いくつかの実施形態では、X23は、保護基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、X23は、保護基に任意選択で結合したスペーサーに共有結合したKである。いくつかの実施形態では、X23は、Rである。
【0542】
いくつかの実施形態では、X25は、Kである。いくつかの実施形態では、X25は、保護基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、X25は、保護基に任意選択で結合したスペーサーに共有結合したKである。いくつかの実施形態では、X25は、Yである。
【0543】
いくつかの実施形態では、X26は、Eである。いくつかの実施形態では、X26は、Kである。いくつかの実施形態では、X26は、Lである。
【0544】
いくつかの実施形態では、X27は、Kである。いくつかの実施形態では、X27は、保護基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、X27は、保護基に任意選択で結合したスペーサーに共有結合したKである。いくつかの実施形態では、X27は、Nである。
【0545】
いくつかの実施形態では、X32は、Kである。いくつかの実施形態では、X32は、保護基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、X32は、保護基に任意選択で結合したスペーサーに共有結合したKである。いくつかの実施形態では、X32は、Qである。
【0546】
いくつかの実施形態では、X34は、Fである。いくつかの実施形態では、X34は、yである。いくつかの実施形態では、X34は、3-ピリジニルアラニンである。いくつかの実施形態では、X34は、4-ピリジニルアラニンである。いくつかの実施形態では、X34は、4-カルボキシフェニルアラニンである。いくつかの実施形態では、X34は、4-フルオロフェニルアラニンである。いくつかの実施形態では、X34は、4-メチルフェニルアラニンである。いくつかの実施形態では、X34は、N-メチルフェニルアラニンである。いくつかの実施形態では、X34は、ホモフェニルアラニンである。いくつかの実施形態では、X34は、β-ホモチロシンである。いくつかの実施形態では、X34は、ホモチロシンである。いくつかの実施形態では、X34は、N-メチルチロシンである。
【0547】
いくつかの実施形態では、本開示のポリペプチド中間体は、配列番号394:
PKPEXPGXDASPX13EWX16RYYX20DX22RHYLNWLTRQRX34-(OH/NH)(配列番号394)を含む、単離ポリペプチド、またはその薬学的に許容される塩である
(式中、
は、AまたはKであり;
は、E、K、またはkであり;
13は、EまたはKであり;
16は、D、E、K、またはNであり;
20は、A、D、E、K、またはkであり;
22は、AまたはLであり;
34は、FまたはN-メチルチロシンであり;
ここで、X、X、X13、またはX20がKである場合、リジン残基は、保護基または保護基に任意選択で結合したスペーサーに任意選択で共有結合しており、
ここで、XまたはX20がkである場合、D-リジン残基は、保護基または保護基に任意選択で結合したスペーサーに任意選択で共有結合している)。
【0548】
いくつかの実施形態では、X16がNである場合、X20はAではない。
【0549】
いくつかの実施形態では、Xは、Eであり、Xは、Kであり、X20は、Kである。
【0550】
いくつかの実施形態では、Xは、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、保護基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、Xは、保護基に任意選択で結合したスペーサーに共有結合したKである。
【0551】
いくつかの実施形態では、X34は、Fである。
【0552】
いくつかの実施形態では、Xは、Aである。いくつかの実施形態では、Xは、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、保護基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、Xは、保護基に任意選択で結合したスペーサーに共有結合したKである。
【0553】
いくつかの実施形態では、Xは、Eである。いくつかの実施形態では、Xは、Kである。いくつかの実施形態では、Xは、保護基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、Xは、保護基に任意選択で結合したスペーサーに共有結合したKである。いくつかの実施形態では、Xはkである。いくつかの実施形態では、Xは、保護基に共有結合したkである。いくつかの実施形態では、Xは、保護基に任意選択で結合したスペーサーに共有結合したkである。
【0554】
いくつかの実施形態では、X13は、Eである。いくつかの実施形態では、X13は、Kである。いくつかの実施形態では、X13は、保護基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、X13は、保護基に任意選択で結合したスペーサーに共有結合したKである。
【0555】
いくつかの実施形態では、X16はDである。いくつかの実施形態では、X16は、Eである。いくつかの実施形態では、X16は、Kである。いくつかの実施形態では、X16は、Nである。
【0556】
いくつかの実施形態では、X20は、Aである。いくつかの実施形態では、X20はDである。いくつかの実施形態では、X20は、Eである。いくつかの実施形態では、X20は、Kである。いくつかの実施形態では、X20は、保護基に共有結合したKである。いくつかの実施形態では、X20は、保護基に任意選択で結合したスペーサーに共有結合したKである。いくつかの実施形態では、X20は、kである。いくつかの実施形態では、X20は、保護基に共有結合したkである。いくつかの実施形態では、X20は、保護基に任意選択で結合したスペーサーに共有結合したkである。
【0557】
いくつかの実施形態では、X22は、Aである。いくつかの実施形態では、X22は、Lである。
【0558】
いくつかの実施形態では、X34は、Fである。いくつかの実施形態では、X34は、N-メチルチロシンである。
【0559】
いくつかの実施形態では、本開示の単離ポリペプチドは、表9、10、11、及び12に列挙される以下のペプチドからなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。

【化2-1】
【化2-2】
【表9】
【0560】
いくつかの実施形態では、本発明は、化合物A24(配列番号24)のペプチド中間体を提供する。いくつかの実施形態では、化合物A24のペプチド中間体は、保護基に共有結合した少なくとも1つのアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、化合物A24のペプチド中間体は、その側鎖のアミノ基を介して保護基に結合したリジン残基を含む。いくつかの実施形態では、リジン残基は、AllocまたはivDdeに共有結合している。いくつかの実施形態では、化合物A24のペプチド中間体は、その側鎖のカルボキシル基を介して保護基に結合したアスパラギン酸残基を含む。いくつかの実施形態では、アスパラギン酸残基はアリル基に共有結合している。いくつかの実施形態では、化合物A24のペプチド中間体は、その側鎖のカルボキシル基を介して保護基に結合したグルタミン酸残基を含む。いくつかの実施形態では、グルタミン酸残基はアリル基に共有結合している。いくつかの実施形態では、化合物A24のペプチド中間体は、本明細書で定義されるスペーサーに共有結合した少なくとも1つのアミノ酸を含む。スペーサーは、保護基または水素原子にさらに共有結合している。いくつかの実施形態では、本発明は、上記の表10に示されるペプチド中間体を提供する。いくつかの実施形態では、ペプチド中間体は、配列番号324のアミノ酸配列を有するペプチドである。いくつかの実施形態では、ペプチド中間体は、配列番号424のアミノ酸配列を有するペプチドである。いくつかの実施形態では、ペプチド中間体は、配列番号124のアミノ酸配列を有するペプチドである。いくつかの実施形態では、ペプチド中間体は、配列番号524のアミノ酸配列を有するペプチドである。
【0561】
いくつかの実施形態では、本発明は、化合物A24(配列番号24)などの本発明の化合物を調製する方法であって、以下のスキーム1に例示されるように、化合物D24(配列番号324)などのポリペプチド中間体を、以下の活性化アシル基、すなわち(LG)CO(CHzzCOHでアシル化するステップであって、ZZは14~22であり、LGは、本明細書で定義される脱離基である、ステップを含む、方法を提供する:
【0562】
【表10】
【表11】
【0563】
いくつかの実施形態では、本発明は、化合物A42(配列番号42)のペプチド中間体を提供する。いくつかの実施形態では、化合物A42のペプチド中間体は、保護基に共有結合した少なくとも1つのアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、化合物A42のペプチド中間体は、その側鎖のアミノ基を介して保護基に結合したリジン残基を含む。いくつかの実施形態では、リジン残基は、AllocまたはivDdeに共有結合している。いくつかの実施形態では、化合物A42のペプチド中間体は、その側鎖のカルボキシル基を介して保護基に結合したアスパラギン酸残基を含む。いくつかの実施形態では、アスパラギン酸残基はアリル基に共有結合している。いくつかの実施形態では、化合物A42のペプチド中間体は、その側鎖のカルボキシル基を介して保護基に結合したグルタミン酸残基を含む。いくつかの実施形態では、グルタミン酸残基はアリル基に共有結合している。いくつかの実施形態では、化合物A42のペプチド中間体は、本明細書で定義されるスペーサーに共有結合した少なくとも1つのアミノ酸を含む。スペーサーは、保護基または水素原子にさらに共有結合している。いくつかの実施形態では、本発明は、上記の表11に示されるペプチド中間体を提供する。いくつかの実施形態では、ペプチド中間体は、配列番号342のアミノ酸配列を有するペプチドである。いくつかの実施形態では、ペプチド中間体は、配列番号442のアミノ酸配列を有するペプチドである。いくつかの実施形態では、ペプチド中間体は、配列番号242のアミノ酸配列を有するペプチドである。いくつかの実施形態では、ペプチド中間体は、配列番号542のアミノ酸配列を有するペプチドである。いくつかの実施形態では、ペプチド中間体は、配列番号642のアミノ酸配列を有するペプチドである。いくつかの実施形態では、ペプチド中間体は、配列番号742のアミノ酸配列を有するペプチドである。
【0564】
いくつかの実施形態では、本発明は、化合物A42(配列番号42)などの本発明の化合物を調製する方法であって、以下のスキーム2に例示されるように、化合物D42(配列番号342)などのポリペプチド中間体を、以下の活性化アシル基、すなわち(LG)CO(CHzzCOHでアシル化するステップであって、ZZは14~22であり、LGは、本明細書で定義される脱離基である、ステップを含む、方法を提供する:
【0565】
【表12】
【表13】
【0566】
いくつかの実施形態では、本発明は、化合物A43(配列番号43)のペプチド中間体を提供する。いくつかの実施形態では、化合物A43のペプチド中間体は、保護基に共有結合した少なくとも1つのアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、化合物A43のペプチド中間体は、その側鎖のアミノ基を介して保護基に結合したリジン残基を含む。いくつかの実施形態では、リジン残基は、AllocまたはivDdeに共有結合している。いくつかの実施形態では、化合物A43のペプチド中間体は、その側鎖のカルボキシル基を介して保護基に結合したアスパラギン酸残基を含む。いくつかの実施形態では、アスパラギン酸残基はアリル基に共有結合している。いくつかの実施形態では、化合物A43のペプチド中間体は、その側鎖のカルボキシル基を介して保護基に結合したグルタミン酸残基を含む。いくつかの実施形態では、グルタミン酸残基はアリル基に共有結合している。いくつかの実施形態では、化合物A43のペプチド中間体は、本明細書で定義されるスペーサーに共有結合した少なくとも1つのアミノ酸を含む。スペーサーは、保護基または水素原子にさらに共有結合している。いくつかの実施形態では、本発明は、上記の表12に示されるペプチド中間体を提供する。いくつかの実施形態では、ペプチド中間体は、配列番号343のアミノ酸配列を有するペプチドである。いくつかの実施形態では、ペプチド中間体は、配列番号443のアミノ酸配列を有するペプチドである。いくつかの実施形態では、ペプチド中間体は、配列番号243のアミノ酸配列を有するペプチドである。いくつかの実施形態では、ペプチド中間体は、配列番号543のアミノ酸配列を有するペプチドである。いくつかの実施形態では、ペプチド中間体は、配列番号643のアミノ酸配列を有するペプチドである。いくつかの実施形態では、ペプチド中間体は、配列番号743のアミノ酸配列を有するペプチドである。
【0567】
いくつかの実施形態では、本発明は、化合物A43(配列番号43)などの本発明の化合物を調製する方法であって、以下のスキーム3に例示されるように、化合物D43(配列番号343)などのポリペプチド中間体を、以下の活性化アシル基、すなわち(LG)CO(CHzzCOHでアシル化するステップであって、ZZは14~22であり、LGは、本明細書で定義される脱離基である、ステップを含む、方法を提供する:
【0568】
【表14】
【0569】
使用方法
別の実施形態によれば、本発明は、治療を必要とする対象における代謝性疾患または障害を治療する方法であって、本開示の有効量のPYY類似体ポリペプチドまたはその医薬組成物を対象に提供することを含む、方法に関する。代謝性疾患または障害には、1型糖尿病、2型糖尿病、及び肥満が含まれる。さらに、本発明は、糖尿病対象を含む対象において減量を達成する方法であって、本開示の有効量のPYY類似体ポリペプチドを対象に提供することを含む、方法に関する。ある特定の実施形態では、本発明は、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)及び/または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を治療する方法にも関する。
【0570】
いくつかの実施形態では、ヒト対象の肥満を治療する、前記ヒト対象に減量を行う、または前記ヒト対象の食欲を抑制する方法であって、本明細書に開示されるポリペプチドのいずれか、開示されるポリペプチドのいずれかを含む医薬組成物、または開示されるポリペプチドのいずれかを含む浸透圧送達デバイスを、対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0571】
いくつかの実施形態では、ヒト対象の糖尿病を治療する方法であって、本明細書に開示されるポリペプチドのいずれか、開示されるポリペプチドのいずれかを含む医薬組成物、または開示されるポリペプチドのいずれかを含む浸透圧送達デバイスを、対象に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、糖尿病は1型糖尿病である。いくつかの実施形態では、糖尿病は2型糖尿病である。
いくつかの実施形態では、ヒト対象における非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)を治療する方法であって、本明細書に開示されるポリペプチドのいずれか、開示されるポリペプチドのいずれかを含む医薬組成物、または開示されるポリペプチドのいずれかを含む浸透圧送達デバイスを、対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0572】
いくつかの実施形態では、ヒト対象における非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を治療する方法であって、本明細書に開示されるポリペプチドのいずれか、開示されるポリペプチドのいずれかを含む医薬組成物、または開示されるポリペプチドのいずれかを含む浸透圧送達デバイスを、対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0573】
本開示のPYY類似体ポリペプチドは、糖尿病の治療に特に有用であり、本方法は、糖尿病対象に有効量のPYY類似体ポリペプチドを提供することを含む。いくつかの実施形態では、本開示のPYY類似体ポリペプチドは、1型または2型糖尿病の対象を治療するために使用して、対象の血糖値を制御または低下させ、ここでは糖化ヘモグロビン(ヘモグロビンA1c、HbA1c)の測定された血中濃度に基づいて血糖値を監視または概算することができる。
【0574】
(i)いくつかの実施形態では、本開示のPYY類似体ポリペプチドは、1型糖尿病を有する対象の治療のために使用される;
(ii)いくつかの実施形態では、本開示のPYY類似体ポリペプチドは、2型糖尿病を有する対象の治療のために使用される;
(iii)いくつかの実施形態では、本開示のPYY類似体ポリペプチドは、肥満の治療のために使用される;
(iv)いくつかの実施形態では、本開示のPYY類似体ポリペプチドは、糖尿病対象などの対象に減量を行うために使用される、
(v)いくつかの実施形態では、本開示のPYY類似体ポリペプチドは、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の治療のために使用される、
(vi)いくつかの実施形態では、本開示のPYY類似体ポリペプチドは、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の治療のために使用される、
ここで、用法(i)、(ii)、(iii)、(iv)、(v)または(vi)のPYY類似体ポリペプチドは、配列番号1から配列番号78までのコンセンサス配列のいずれかによって表されるものを含む、本開示の任意の単離ポリペプチド、またはその薬学的に許容される塩を含む。
【0575】
いくつかの実施形態では、用法(i)、(ii)、(iii)、(iv)、(v)または(vi)のPYY類似体ポリペプチドは、配列番号13、24、42、及び43からなる群から選択されるものを含む、本開示の任意の単離ポリペプチド、またはその薬学的に許容される塩を含む。
【0576】
いくつかの実施形態では、用法(i)、(ii)、(iii)、(iv)、(v)または(vi)のPYY類似体ポリペプチドは、配列番号13の単離ポリペプチド、またはその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、用法(i)、(ii)、(iii)、(iv)、(v)または(vi)のPYY類似体ポリペプチドは、配列番号24の単離ポリペプチド、またはその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、用法(i)、(ii)、(iii)、(iv)、(v)または(vi)のPYY類似体ポリペプチドは、配列番号42の単離ポリペプチド、またはその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、用法(i)、(ii)、(iii)、(iv)、(v)または(vi)のPYY類似体ポリペプチドは、配列番号43の単離ポリペプチド、またはその薬学的に許容される塩を含む。
【0577】
いくつかの実施形態では、PYY類似体ポリペプチドは、1型糖尿病を有する対象の治療に使用され、単離ポリペプチドは、配列番号13の単離ポリペプチドまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、PYY類似体ポリペプチドは、1型糖尿病を有する対象の治療に使用され、単離ポリペプチドは、配列番号24の単離ポリペプチドまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、PYY類似体ポリペプチドは、1型糖尿病を有する対象の治療に使用され、単離ポリペプチドは、配列番号42の単離ポリペプチドまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、PYY類似体ポリペプチドは、1型糖尿病を有する対象の治療に使用され、単離ポリペプチドは、配列番号43の単離ポリペプチドまたはその薬学的に許容される塩である。
【0578】
いくつかの実施形態では、PYY類似体ポリペプチドは、2型糖尿病を有する対象の治療に使用され、単離ポリペプチドは、配列番号13の単離ポリペプチドまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、PYY類似体ポリペプチドは、2型糖尿病を有する対象の治療に使用され、単離ポリペプチドは、配列番号24の単離ポリペプチドまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、PYY類似体ポリペプチドは、2型糖尿病を有する対象の治療に使用され、単離ポリペプチドは、配列番号42の単離ポリペプチドまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、PYY類似体ポリペプチドは、2型糖尿病を有する対象の治療に使用され、単離ポリペプチドは、配列番号43の単離ポリペプチドまたはその薬学的に許容される塩である。
【0579】
いくつかの実施形態では、PYY類似体ポリペプチドは、肥満の対象の治療に使用され、単離ポリペプチドは、配列番号13の単離ポリペプチドまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、PYY類似体ポリペプチドは、肥満の対象の治療に使用され、単離ポリペプチドは、配列番号24の単離ポリペプチドまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、PYY類似体ポリペプチドは、肥満の対象の治療に使用され、単離ポリペプチドは、配列番号42の単離ポリペプチドまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、PYY類似体ポリペプチドは、肥満の対象の治療に使用され、単離ポリペプチドは、配列番号43の単離ポリペプチドまたはその薬学的に許容される塩である。
【0580】
いくつかの実施形態では、PYY類似体ポリペプチドは、対象に減量を行うのに使用され、単離ポリペプチドは、配列番号13の単離ポリペプチドまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、PYY類似体ポリペプチドは、対象に減量を行うのに使用され、単離ポリペプチドは、配列番号23の単離ポリペプチドまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、PYY類似体ポリペプチドは、対象に減量を行うのに使用され、単離ポリペプチドは、配列番号42の単離ポリペプチドまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、PYY類似体ポリペプチドは、対象に減量を行うのに使用され、単離ポリペプチドは、配列番号43の単離ポリペプチドまたはその薬学的に許容される塩である。
【0581】
いくつかの実施形態では、PYY類似体ポリペプチドは、NAFLDを有する対象の治療に使用され、単離ポリペプチドは、配列番号13の単離ポリペプチドまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、PYY類似体ポリペプチドは、NAFLDを有する対象の治療に使用され、単離ポリペプチドは、配列番号24の単離ポリペプチドまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、PYY類似体ポリペプチドは、NAFLDを有する対象の治療に使用され、単離ポリペプチドは、配列番号42の単離ポリペプチドまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、PYY類似体ポリペプチドは、NAFLDを有する対象の治療に使用され、単離ポリペプチドは、配列番号43の単離ポリペプチドまたはその薬学的に許容される塩である。
【0582】
いくつかの実施形態では、PYY類似体ポリペプチドは、NASHを有する対象の治療に使用され、単離ポリペプチドは、配列番号13の単離ポリペプチドまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、PYY類似体ポリペプチドは、NASHを有する対象の治療に使用され、単離ポリペプチドは、配列番号24の単離ポリペプチドまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、PYY類似体ポリペプチドは、NASHを有する対象の治療に使用され、単離ポリペプチドは、配列番号42の単離ポリペプチドまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、PYY類似体ポリペプチドは、NASHを有する対象の治療に使用され、単離ポリペプチドは、配列番号43の単離ポリペプチドまたはその薬学的に許容される塩である。
【0583】
本開示の特定のPYY類似体ポリペプチドは、GLP-1受容体アゴニストと組み合わせて投与すると、食欲抑制及び減量効果を誘発することができるが、単独で投与すると、用量依存的な食欲促進及び体重増加効果を誘発し得る。本開示の選択されたPYY類似体ポリペプチドのこの特性は、様々な消耗障害の治療に有用である。したがって、いくつかの実施形態では、本開示のPYY類似体ポリペプチドは、神経性食欲不振、サルコペニア、フレイル、悪液質などの治療に使用される。いくつかの実施形態では、PYY類似体は配列番号13である。いくつかの実施形態では、PYY類似体は配列番号24である。
【0584】
本明細書で使用される「患者」または「対象」という用語は、げっ歯類または動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを指す。
【0585】
組合せ
いくつかの実施形態では、本開示のPYY類似体ポリペプチドは、第2の薬剤と組み合わせて合剤にされる。いくつかの実施形態では、本開示のPYY類似体ポリペプチドは、第2の薬剤と組み合わせて合剤にされ、第2の薬剤は、インクレチン模倣体である。いくつかの実施形態では、本開示のPYY類似体ポリペプチドは、第2の薬剤と組み合わせて合剤にされ、第2の薬剤は、インスリン分泌性化合物である。
【0586】
本明細書で使用される「インクレチン模倣体」という句には、
GLP-1ペプチド;GLP-1(7-36);GLP-1受容体アゴニスト;GLP-1のペプチド誘導体;GLP-1のペプチド類似体;エキセナチド;エキセンジン-4のアミノ酸配列を有するエキセナチド(エキセナチドの天然型;エキセナチド-LAR;リキシセナチド;リラグルチド;セマグルチド;デュラグルチド;アルビグルチド;タスポグルチド;チルゼパチド(Eli LillyのLY3298176またはY-(Aib)-EGTFTSDYSI-(Aib)-LDKIAQ-[diacid-gamma-Glu-(AEEA)-Lys]-AFVQWLIAGGPSSGAPPPS-NH2)配列番号:805);グルカゴンならびにそのペプチド類似体及びペプチド誘導体;グルカゴン様ポリペプチド-2(GLP-2);PYYならびにそのペプチド類似体及びペプチド誘導体;PYY(3-36);オキシントモジュリンならびにそのペプチド類似体及びペプチド誘導体);アミリンならびにそのペプチド類似体及びペプチド誘導体;及び胃抑制ペプチド(GIP)、が含まれるが、これらに限定されない。インクレチン模倣体は、本明細書では「インスリン分泌性ペプチド」とも呼ばれる。GLP-1受容体を標的とするインクレチン模倣体は、文献では「GLP-1受容体アゴニスト」または「GLP-1アゴニスト」としても知られており、本明細書では両方の用語を交換可能に使用している。
【0587】
本発明のいくつかの実施形態は、非限定的な例として、インスリン分泌性ペプチドなどの第2のポリペプチドなどの第2の治療剤と組み合わせた、本発明の開示されたPYY類似体ポリペプチドの使用を含む。いくつかの実施形態では、PYY類似体ポリペプチドを第2の薬剤と組み合わせて含む医薬組成物は、2型糖尿病を治療するために使用される。
【0588】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される単離ポリペプチドのいずれかを含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される単離ポリペプチドのいずれかを含み、第2のポリペプチドをさらに含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、第2のポリペプチドはグルカゴン類似体である。いくつかの実施形態では、第2のポリペプチドはアミリン類似体である。好ましい実施形態では、第2のポリペプチドはGLP-1受容体アゴニストである。
【0589】
「GLP-1」という用語は、ポリペプチド、グルカゴン様ペプチド-1(7-36)アミド、栄養素消費後に腸L細胞から放出される30残基ペプチドホルモンを指す。GLP-1は、(HAEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKGR-NH)、配列番号801のアミノ酸配列を有する。GLP-1は、β細胞上のGタンパク質共役受容体であるGLP-1受容体(GLP-1R)の細胞外領域に結合する調節ペプチドであり、アデニルシクラーゼ活性及びcAMPの産生を介して、腸から吸収される栄養素に対するインスリン応答を刺激する[Baggio 2007, “Biology of incretins: GLP-1 and GIP,” Gastroenterology, vol. 132(6):2131-57;Holst 2008, “The incretin system and its role in type 2 diabetes mellitus,” Mol Cell Endocrinology, vol. 297(1-2):127-36]。GLP-1Rの作動作用は多彩である。GLP-1は、内因性グルコース依存性インスリン分泌を増強し、β細胞のグルコース受容性を高めてGLP-1に対する感受性を高め、グルカゴン放出を抑制し、第1段階及び第2段階のインスリン分泌を回復し、胃内容排出を遅らせ、食物摂取量を減少させ、満腹感を高めることにより、グルコースの恒常性を維持する[Holst 2008 Mol. Cell Endocrinology;Kjems 2003 “The influence of GLP-1 on glucose-stimulated insulin secretion: effects on beta-cell sensitivity in type 2 and nondiabetic subjects,” Diabetes, vol. 52(2): 380-86;Holst 2013 “Incretin hormones and the satiation signal,” Int J Obes (Lond), vol. 37(9):1161-69;Seufert 2014, “The extra-pancreatic effects of GLP-1 receptor agonists: a focus on the cardiovascular, gastrointestinal and central nervous systems,” Diabetes Obes Metab, vol. 16(8): 673-88]。GLP-1の作用機序を考えると、低血糖のリスクは最小限である。
【0590】
グルカゴン様ペプチド-1(7-36)アミド(GLP-1)は、栄養消費後に腸L細胞から放出される30残基ペプチドホルモンである。膵臓ベータ細胞からのグルコース誘導インスリン分泌を増強し、インスリン発現を増加させ、ベータ細胞アポトーシスを阻害し、ベータ細胞の新生を促進し、グルカゴン分泌を減少させ、胃排出を遅らせ、満腹感を促進し、末梢グルコース処理を増加させる。これらの複数の効果により、2型糖尿病を治療するためのGLP-1受容体(GLP-1R)の長期持続性アゴニストの発見に大きな関心が生じている。本明細書で使用される「エキセナチド」という用語には、限定されないが、エキセナチド、(HGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKNGGPSSGAPPPS-NH)、配列番号802のアミノ酸配列を有するエキセナチド、天然エキセンジン-4、エキセナチドペプチド、エキセナチドペプチド類似体、及びエキセナチドペプチド誘導体が含まれる。
【0591】
内因性GLP-1は、栄養素の摂取に応答して腸から放出される。食物の摂取及び消化に続いて、炭水化物及び脂肪が腸の内腔に現れ、いわゆるインクレチン効果、つまり腸のL細胞からのGLP-1などのインクレチンの放出を刺激する。GLP-1は、放出されると膵臓を標的とし、そこで「グルコース依存的に」インスリンの分泌を促進する。言い換えれば、インスリンに対するこのGLP-1媒介効果は、血糖値が高い場合には持続するが、血糖値が低下すると安全に消散する。したがって、GLP-1活性は自己調節して、低血糖(危険なレベルまで血糖値が低下する状態)のリスクを軽減する。GLP-1の消失半減期(t1/2)は5分未満で短いため、この内因性ペプチドは、治療薬としての使用には不適当に短命である。
【0592】
GLP-1の合成類似体は、2型糖尿病の治療や減量を行うのに使用するために、より長い半減期を有し、内因性GLP-1のように、グルコース依存的にインスリンの分泌を同様に高めるように設計されている。
【0593】
インスリン分泌促進作用を示す多数のGLP-1受容体アゴニスト(例えば、GLP-1ペプチド誘導体及びペプチド類似体)が当技術分野において(例えば、米国特許第5,118,666号;同5,120,712号;同5,512,549号;同5,545,618号;同5,574,008号;同5,574,008号;同5,614,492号;同5,958,909号;同6,191,102号;同6,268,343号;同6,329,336号;同6,451,974号;同6,458,924号;同6,514,500号;同6,593,295号;同6,703,359号;同6,706,689号;同6,720,407号;同6,821,949号;同6,849,708号;同6,849,714号;同6,887,470号;同6,887,849号;同6,903,186号;同7,022,674号;同7,041,646号;同7,084,243号;同7,101,843号;同7,138,486号;同7,141,547号;同7,144,863号;及び同7,199,217を参照のこと)、及び臨床試験(例えば、タスポグルチド及びアルビグルチド)において知られている。
【0594】
AstraZeneca of Cambridge、U.K.によって販売されているBydureon(登録商標)(エキセナチド);Eli Lilly and Co., of Indianapolis、IN、U.S.Aによって販売されているTrulicity(登録商標)(デュラグルチド);ならびにNovo Nordisk A/S of Bagsvaerd、Denmarkによって販売されているVictoza(登録商標)(リラグルチド)、Ozempic(登録商標)(注射用セマグルチド)、及びRybelsus(登録商標)(経口投与セマグルチド)を含むある特定のGLP-1受容体アゴニストが、それぞれ、2型糖尿病に罹患している患者の治療について米国食品医薬品局(U.S.FDA)及び欧州医薬品庁(EMA)を含む多数の規制当局によって承認されている。これらの市販されているGLP-1受容体アゴニストは、患者への注射用及び/または経口投与用に開発及び製剤化された。しかし、2型糖尿病の注射及び経口投与による治療への患者のアドヒアランスは不十分であることがよく知られており、このことによって、多くの患者はGLP-1受容体アゴニストの完全かつ持続的な治療の可能性を実現することができない。多くの患者は、処方された注射及び経口投与されるGLP-1受容体アゴニストの定期的な自己投与をスキップまたは中止し、そのため、自己の2型糖尿病状態を適切に治療しかつ制御することができない。
【0595】
GLP-1受容体アゴニストと組合せた本開示のPYY類似体ポリペプチドは、減量のための肥満手術様の有効性をもたらすことが見出された。肥満または肥満のT2D患者におけるルーワイ胃バイパス手術(Roux-en-Y gastric bypass surgery)(RYGB)後の血糖制御の改善が、RYGB後に見られる減量に先行するという観察結果は、腸の外科的再編成が、減量によってのみ促進されるものを超えた生理学的適応につながることを示唆している。実際、RYGBはGLP-1及びPYYの食後の分泌を促進し、それらのどちらも遠位腸の内側を覆うL細胞から放出される。腸ペプチドホルモンであるGLP-1及びペプチドチロシン-チロシン(PYY)はそれぞれ、エネルギー入力に対するいくつかの重複する生物学的応答を通じて、全身のエネルギーバランスに関与している。これらの応答には、主に、グルコース誘導インスリン分泌の増強、胃内容排出の阻害、満腹感の誘発、及び食物摂取の阻害が含まれる。
【0596】
したがって、本開示のPYY類似体ポリペプチドとGLP-1受容体アゴニストとの組合せは、本明細書に開示される疾患及び障害の治療に好適である。いくつかの実施形態では、GLP-1受容体アゴニストは長時間作用型GLP-1受容体アゴニストである。
【0597】
オキシントモジュリンは、結腸に見出される天然に存在する37アミノ酸ペプチドホルモンであり、食欲を抑制し、減量を促進することがわかっている(Wynne K,etal., Int J Obes (Lond) 30(12):1729-36(2006))。オキシントモジュリン、ならびにそのペプチド類似体及びペプチド誘導体の配列は、当技術分野で知られている(例えば、Bataille D, et al., Peptides 2(Suppl 2):41-44 (1981);及び米国特許出願公開第2005/0070469号及び同2006/0094652号)。
【0598】
胃抑制ペプチド(GIP)は、インスリン分泌性ペプチドホルモンであり(Efendic, S.,et al., Horm Metab Res. 36:742-6 (2004))、吸収された脂肪及び炭水化物に応答して十二指腸及び空腸の粘膜によって分泌され、膵臓を刺激してインスリンを分泌する。GIPは、生物学的に活性な42アミノ酸のペプチドとして循環する。GIPは、グルコース依存性インスリン分泌促進タンパク質としても知られている。GIPは、グルコースの存在下で膵臓ベータ細胞からのインスリン分泌を刺激する42アミノ酸の胃腸調節ペプチドである(Tseng, C., et al., PNAS 90:1992-1996 (1993))。GIPの配列、ならびにそのペプチド類似体及びペプチド誘導体は、当技術分野で知られている(例えば、Meier J. J., Diabetes Metab Res Rev. 21(2):91-117 (2005) 及びEfendic S., Horm Metab Res. 36(11-12):742-6 (2004))。
【0599】
グルカゴンは、膵臓のアルファ細胞によって産生されるペプチドホルモンであり、血流中のグルコース濃度を上昇させる。その効果は、グルコース濃度を低下させるインスリンの反対である。血流中のグルコース濃度が低くなりすぎると、膵臓はグルカゴンを放出する。グルカゴンは、肝臓に貯蔵されたグリコーゲンをグルコースに変換させて、グルコースは血流に放出される。血糖値が高いと、インスリンの放出が刺激される。インスリンによって、インスリン依存性組織によるグルコースの取り込み及び使用が可能になる。したがって、グルカゴン及びインスリンは、血糖値を安定なレベルに保つフィードバックシステムの一部である。
【0600】
ヒトアミリン、または膵島アミロイドポリペプチド(IAPP)は、37残基のポリペプチドホルモンである。アミリンは、膵臓β細胞からインスリンとおよそ100:1(インスリン:アミリン)の比率で共分泌される。プロ膵島アミロイドポリペプチド(すなわち、プロIAPP)は、膵臓β細胞において67アミノ酸、7404ダルトンプロペプチドとして産生され、プロテアーゼ切断を含む翻訳後修飾を受けて、37残基のアミリンを産生する。1型糖尿病の初期に発生し、2型糖尿病の後期に発生する可能性のあるβ細胞機能の喪失は、インスリン及びアミリンの分泌の欠乏につながる。
【0601】
アミリンは、ホルモンを合成及び分泌する膵臓内の細胞である膵内分泌組織の一部として機能する。アミリンは血糖制御に寄与しており、膵島から血液循環に分泌され、腎臓のペプチダーゼによってクリアランスされる。アミリンの代謝機能は、血漿中のグルコースなどの栄養素の出現の阻害剤としてよく特徴付けられている。したがって、アミリンは、血糖値を調節し、グルコースの体内の分布及び取り込みを調整するペプチドであるインスリンの相乗的パートナーとして機能する。体内でのインスリンの役割は、とりわけ、特に食後に血糖値が高くなりすぎるのを防ぐことである。
【0602】
アミリンは、胃内容物排出を遅らせ、満腹感(すなわち、膨満感)を促進することにより、血糖調節において役割を果たし、それにより、摂食後(すなわち、食後)の血糖値の急上昇を防ぐと考えられている。全体的な効果は、食べた後の血中グルコースの出現速度を遅らせることである。アミリンはまた、膵臓によるグルカゴンの分泌を低下させる。体内でのグルカゴンの役割は、とりわけ、血糖値が低くなりすぎるのを防ぐことである。例えば、ある特定の1型糖尿病患者は、食事直後に血糖を上昇させる過剰量のグルカゴンを分泌する傾向があるため、このことは重要である。
【0603】
多くの理由から、血清中での半減期が約13分のヒトアミリンは、治療剤としての使用には適していない。代わりに、プラムリンチド(Symlin(登録商標)、Amylin Pharmaceuticals, Inc.、San Diego、CA、USAによって開発され、AstraZeneca plc、Cambridge、UKによって販売されている)が、食事時インスリンを使用しているが、最適なインスリン療法にもかかわらず所望の血糖制御を達成することができない1型または2型糖尿病患者の処置のためのヒトアミリンの合成類似体として開発された。プラムリンチドは、その37個のアミノ酸のうち3個がヒトアミリンと異なる。これらの修飾により、プラムリンチドには、ヒトにおいておよそ48分のより長い半減期が与えられ、ヒトアミリンに見られる特徴である凝集する傾向が低下する。ヒトアミリンのさらなる類似体が開示されており、例えば、米国特許出願第16/598,915号(PCT国際出願番号PCT/US2019/055696に対応)におけるものなどがあり、どちらも2019年10月10日に出願されている。
【0604】
植込み型送達
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される長時間作用型PYY類似体ポリペプチドのいずれか、または長時間作用型PYY類似体ポリペプチドのいずれかを含む医薬組成物を含む、本明細書に記載される浸透圧送達デバイスが提供される。
【0605】
いくつかの実施形態では、浸透圧送達デバイスは、内面及び外面ならびに第1及び第2の開口端を含む不浸透性リザーバと;リザーバの第1の開口端と密閉関係にある半透膜と;リザーバ内にあり半透膜に隣接する浸透圧エンジンと;浸透圧エンジンに隣接するピストンであって、ピストンは、リザーバの内面と可動シールを形成し、ピストンはリザーバを第1のチャンバーと第2のチャンバーとに分割し、第1のチャンバーは浸透圧エンジンを含む、ピストンと;懸濁製剤であって、第2のチャンバーが懸濁製剤を含み、懸濁製剤が流動性であり、単離されたポリペプチドを含む、懸濁製剤と;リザーバの第2の開口端に挿入された拡散モデレータであって、懸濁製剤に隣接する拡散モデレータと、を含む。
【0606】
植込み型浸透圧送達デバイスは、典型的には、それを通って懸濁製剤が送達される少なくとも1つのオリフィスを有するリザーバを含む。懸濁製剤は、リザーバ内に保存することができる。好ましい実施形態では、植込み型薬物送達デバイスは浸透圧送達デバイスであり、薬物の送達は浸透圧的に駆動される。いくつかの浸透性送達装置及びそれらの構成部品、例えば、DUROS(登録商標)送達バイスまたは類似のデバイスが記載されている(例えば、米国特許第5,609,885号;同第5,728,396号;同第5,985,305号;同第5,997,527号;同第6,113,938号;同第6,132,420号;同第6,156,331号;同第6,217,906号;同第6,261,584号;同第6,270,787号;同第6,287,295号;同第6,375,978号;同第6,395,292号;同第6,508,808号;同第6,544,252号;同第6,635,268号;同第6,682,522号;同第6,923,800号;同第6,939,556号;同第6,976,981号;同第6,997,922号;同第7,014,636号;同第7,207,982号;及び同第7,112,335号;同第7,163,688号;米国特許出願公開第2005/0175701号、同第2007/0281024号、同第2008/0091176、及び同第2009/0202608号を参照のこと)。
【0607】
浸透圧送達デバイスは、典型的には、浸透圧エンジン、ピストン、及び薬物製剤を含有する円筒形のリザーバからなる。リザーバは、一方の端部が制御された速度の半透膜によって覆われ、他方の端部が拡散モデレータによって覆われ、それを通って薬物を含む懸濁製剤が薬物リザーバから放出される。ピストンは、薬物製剤を浸透圧エンジンから分離し、シールを利用して、浸透圧エンジン区分内の水が薬物リザーバに入るのを防ぐ。拡散モデレータは、薬物製剤と合わせて、体液がオリフィスを通って薬物リザーバに入るのを防ぐように設計されている。
【0608】
浸透圧デバイスは、浸透の原理に基づいて所定の速度で薬物を放出する。細胞外液は、半透膜を通って浸透圧送達デバイスの塩エンジン内に直接入り、この塩エンジンが拡張して、緩徐かつ均一な送達速度でピストンを駆動する。ピストンの動きにより、薬物製剤は、所定の剪断速度でオリフィスまたは出口ポートを通って強制的に放出される。本発明の一実施形態では、浸透圧デバイスのリザーバには、懸濁製剤が充填され、デバイスは、長期間にわたって(例えば、約1、約3、約6、約9、約10、及び約12か月)、所定の、治療上有効な送達速度で懸濁製剤を対象に送達することができる。
【0609】
浸透圧送達デバイスからの薬物の放出速度は、典型的には、薬物の所定の目標用量、例えば、1日の間に送達される治療上有効な1日用量を対象に提供する;すなわち、デバイスからの薬物の放出速度により、治療濃度での薬物の実質的な定常状態送達が対象に提供される。
【0610】
典型的には、浸透圧送達デバイスの場合、有益な薬剤製剤を含む有益な薬剤チャンバーの容積は、約100μl~約1000μlの間、より好ましくは約120μl~約500μlの間、より好ましくは約150μl~約200μlの間である。
【0611】
典型的には、浸透圧送達デバイスは、皮下薬物送達を提供するために、対象内の例えば、真皮下または皮下に植え込まれる。デバイス(複数可)は、片方の腕もしくは両腕(例えば、上腕の内側、外側、または後ろ)または腹部の真皮下もしくは皮下に植え込むことができる。腹部領域における好ましい部位は、肋骨から下及びベルトラインから上に広がっている領域における腹部皮膚の下である。腹部内に1つ以上の浸透圧送達デバイスを植え込むための複数の部位を提供するために、腹壁を以下のように4つの象限、すなわち、右肋骨から下に少なくとも2~3センチメートル、例えば、右肋骨から下に少なくとも約5~8センチメートル、及び正中線の右側に少なくとも2~3センチメートル、例えば、正中線の右側に少なくとも約5~8センチメートル広がっている、右上象限;ベルトラインから上に少なくとも2~3センチメートル、例えば、ベルトラインから上に少なくとも約5~8センチメートル、及び正中線の右側に少なくとも2~3センチメートル、例えば、正中線の右側に少なくとも約5~8センチメートル広がっている、右下象限;左肋骨から下に少なくとも2~3センチメートル、例えば、左肋骨から下に少なくとも約5~8センチメートル、及び正中線の左側に少なくとも2~3センチメートル、例えば、正中線の左側に少なくとも約5~8センチメートル広がっている、左上象限;ベルトラインから上に少なくとも2~3センチメートル、例えば、ベルトラインから上に少なくとも約5~8センチメートル、及び正中線の左側に少なくとも2~3センチメートル、例えば、正中線の左側に少なくとも約5~8センチメートル広がっている、左下象限、に分割することができる。これにより、1回以上の機会に1つ以上のデバイスを植え込むための複数の利用可能な部位が提供される。浸透圧送達デバイスの植込み及び除去は、一般に、局所麻酔(例えば、リドカイン)を使用して医療専門家によって行われる。
【0612】
対象からの浸透圧送達デバイスの除去による治療の終了は簡単であり、このことは対象への薬物の送達を即時停止する重要な利点をもたらす。
【0613】
好ましくは、浸透圧送達デバイスは、それを通って薬物製剤が送達される出口(拡散モデレータ)の閉塞または詰まりなどの理論的状況において、偶発性の薬物の過剰またはボーラス送達を防ぐためのフェイルセーフ機構を有する。偶発性の薬物の過剰またはボーラス送達を防止するために、浸透圧送達デバイスは、拡散モデレータをリザーバから部分的または完全に取り除くまたは排出するのに必要な圧力が、リザーバを減圧するのに必要な程度まで半透膜を部分的または完全に取り除くまたは排出するのに必要な圧力を超えるように設計及び構築されている。このようなシナリオでは、デバイスが他方の端部で半透膜を外側に押し、それによって浸透圧を解放するまで、デバイス内に圧力が高まるであろう。その後、浸透圧送達デバイスは静的になり、ピストンがリザーバと密閉関係にある場合、もはや薬物製剤を送達しない。
【0614】
用量及び送達速度は、デバイスを植え込んだ後、一般に対象内の薬物の半減期の約6倍未満のうちに薬物の所望の血中濃度を達成するように選択することができる。薬物の血中濃度は、薬物の過剰濃度によって誘発される場合がある望ましくない副作用を回避しながら、同時に、薬物のピークまたはトラフ血漿濃度に関連する副作用を誘発する可能性のあるピーク及びトラフを回避しながら、薬物の最適な治療効果を与えるように選択される。
【0615】
懸濁製剤はまた、注入ポンプ、例えば、実験動物(例えば、マウス及びラット)の連続投薬用の微小の注入ポンプであるALZET(登録商標)(DURECT Corporation、Cupertino、Calif.)浸透圧ポンプで使用することができる。
【0616】
投与様式
いくつかの実施形態では、この方法は、治療を必要とする対象に、注射を介して、本開示のPYY類似体ポリペプチドまたはその医薬組成物を提供することを含む。いくつかの実施形態では、この方法は、治療を必要とする対象に、経口投与用に製剤化された、本開示のPYY類似体ポリペプチドまたはその医薬組成物を提供することを含む。
【0617】
いくつかの実施形態では、この方法は、治療を必要とする対象に、植込みを介して、本開示のPYY類似体ポリペプチドまたはその医薬組成物を提供することを含む。いくつかの実施形態では、この方法は、浸透圧送達デバイスから、治療を必要とする対象に、PYY類似体ポリペプチドの連続送達を提供することを含む。浸透圧送達デバイスなどの送達デバイスは、最長3か月、6か月、9か月、12か月、18か月、または24か月の連続投与のための本開示の十分なPYY類似体ポリペプチドを含む。したがって、浸透圧送達デバイスを介した本開示のPYY類似体ポリペプチドの連続投与によって、市販のPYY類似体ポリペプチドの1日投薬または複数回の1日投薬が省かれる。
【0618】
浸透圧送達デバイスからのPYY類似体ポリペプチドの実質的な定常状態送達は、投与期間にわたって連続的である。いくつかの実施形態では、対象または患者は、ヒト対象またはヒト患者である。
【0619】
本発明のいくつかの実施形態では、投与期間は、例えば、少なくとも約3か月、少なくとも約3か月~約1年、少なくとも約4か月~約1年、少なくとも約5か月~約1年、少なくとも約6か月~約1年、少なくとも約8か月~約1年、少なくとも約9か月~約1年、少なくとも約10か月~約1年、少なくとも約1年~約2年、少なくとも約2年~約3年、である。
【0620】
さらなる実施形態では、本発明の治療方法は、(浸透圧送達デバイスの植込み前の対象の空腹時血漿グルコース濃度と比較して)対象における浸透圧送達デバイスの植込み後の対象の空腹時血漿グルコース濃度の有意な低下を提供し、この低下は、対象における浸透圧送達デバイスの植込み後、約7日、6日、5日、4日、3日、2日、1日以下のうちに達成される。空腹時血漿グルコースの有意な低下は、適切な統計的検定の適用によって実証されるように、典型的には、統計的に有意であるか、または医師によって対象にとって有意であると考えられる。植込み前のベースラインと比較した空腹時血漿グルコースの有意な低下は、典型的には、投与期間にわたって維持される。
【0621】
いくつかの実施形態では、本発明は、治療を必要とする対象における疾患または状態を治療する方法に関する。この方法は、浸透圧送達デバイスからの薬物の連続送達を提供することを含み、治療濃度での薬物の実質的な定常状態送達が対象において達成される。浸透圧送達デバイスからの薬物の実質的な定常状態送達は、少なくとも約3か月の投与期間にわたって連続的である。薬物は、典型的な対象において、既知のまたは決定された半減期を有する。ヒトは、本発明の実施に好ましい対象である。本発明は、疾患または状態の治療に有効な薬物、ならびに治療を必要とする対象における疾患または状態を治療する本方法において使用するための薬物を含む浸透圧送達デバイスを含む。本発明の利点としては、ピーク関連薬物毒性の軽減、及びトラフに関連する最適ではない薬物療法の減弱が含まれる。
【0622】
いくつかの実施形態では、治療濃度での薬物の実質的な定常状態送達は、対象に浸透圧送達デバイスを植え込んだ後、約1か月、7日、5日、3日または1日の期間内に達成される。
【0623】
本発明はまた、減量の促進を必要とする対象における減量を促進するための方法、過剰な体重または肥満の治療を必要とする対象における過剰な体重または肥満を治療するための方法、及び/または食欲の抑制を必要とする対象における食欲を抑制するための方法を提供する。この方法は、単離PYY類似体ポリペプチドの送達を提供することを含む。いくつかの実施形態では、単離PYY類似体ポリペプチドは、植込み型浸透圧送達デバイスから連続的に送達される。いくつかの実施形態では、浸透圧送達デバイスからのPYY類似体ポリペプチドの実質的な定常状態送達が達成され、投与期間にわたって実質的に連続的である。いくつかの実施形態では、対象はヒトである。
【0624】
本発明は、治療を必要とする対象において本方法で使用するためのPYY類似体ポリペプチドを含む浸透圧送達デバイスを含む。対象は2型糖尿病であり得る。治療を必要とする対象は、10.0%を超えるベースラインHbA1c%を有し得、すなわち、高ベースライン(HBL)対象であり得る。対象は、2型糖尿病を治療するための薬物を以前に受けたことがない場合がある。
【0625】
さらなる実施形態では、本発明の治療方法は、(浸透圧送達デバイスの植込み前の対象の空腹時血漿グルコース濃度と比較して)対象における浸透圧送達デバイスの植込み後の対象の空腹時血漿グルコース濃度の有意な低下をもたらし、この有意な低下は、対象における浸透圧送達デバイスの植込み後約7日以下のうちに、対象における浸透圧送達デバイスの植込み後約6日以下のうちに、浸透圧送達デバイスの植込み後約5日以下のうちに対象において、対象における浸透圧送達デバイスの植込み後約4日以下のうちに、対象における浸透圧送達デバイスの植込み後約3日以下のうちに、浸透圧送達の植込み後約2日以下のうちに、対象における浸透圧送達デバイスの植込み後約1日以下のうちに達成される。本発明の好ましい実施形態では、植込み前の対象の空腹時血漿グルコース濃度と比較して、浸透圧送達デバイスの植込み後の対象の空腹時血漿グルコース濃度の有意な低下は、対象における浸透圧送達デバイスの植込み後約2日以下のうちに、好ましくは約1日以下のうちに、またはより好ましくは、対象における浸透圧送達デバイスの植込み後約1日以内で達成される。空腹時血漿グルコースの有意な低下は、適切な統計的検定の適用によって実証されるように、典型的には、統計的に有意であるか、または医師によって対象にとって有意であると考えられる。植込み前のベースラインと比較した空腹時血漿グルコースの有意な低下は、典型的には、投与期間にわたって維持される。
【0626】
対象における疾患または状態を治療する方法に関する本発明のすべての態様の実施形態では、例示的な浸透圧送達デバイスは、以下、すなわち、内面及び外面ならびに第1及び第2の開口端を含む不浸透性リザーバと;リザーバの第1の開口端と密閉関係にある半透膜と;リザーバ内にあり半透膜に隣接する浸透圧エンジンと;浸透圧エンジンに隣接するピストンであって、ピストンは、リザーバの内面と可動シールを形成し、ピストンはリザーバを第1チャンバーと第2チャンバーとに分割し、第1のチャンバーは浸透圧エンジンを含む、ピストンと;薬物製剤または薬物を含む懸濁製剤であって、第2のチャンバーが薬物製剤または懸濁製剤を含み、流動性である薬物製剤または懸濁製剤と;リザーバの第2の開口端に挿入された拡散モデレータであって、懸濁製剤に隣接する拡散モデレータと、を含む。好ましい実施形態では、リザーバはチタンまたはチタン合金を含む。
【0627】
対象の疾患または状態を治療する方法に関する本発明のすべての態様の実施形態では、薬物製剤は、薬物及びビヒクル製剤を含むことができる。あるいは、懸濁製剤が方法において使用され、例えば、薬物を含む粒子製剤及びビヒクル製剤を含むことができる。本発明の懸濁製剤を形成する際に使用するビヒクル製剤は、例えば、溶媒及びポリマーを含むことができる。
【0628】
浸透圧送達デバイスのリザーバは、例えば、チタンまたはチタン合金を含み得る。
【0629】
本発明のすべての態様の実施形態では、植え込まれた浸透圧送達デバイスを使用して、皮下送達を提供することができる。
【0630】
本発明のすべての態様の実施形態では、連続送達は、例えば、ゼロ次制御連続送達であり得る。
【0631】
医薬組成物
別の実施形態によれば、本発明は、本発明の化合物、すなわち単離ポリペプチドまたはその薬学的に許容される誘導体、ならびに薬学的に許容される担体、アジュバント、またはビヒクルを含む医薬組成物を提供する。
【0632】
いくつかの実施形態では、トリフルオロ酢酸塩、酢酸塩または塩酸塩などの薬学的に許容されるその塩として製剤化された開示されたポリペプチドのいずれかを含む医薬組成物を提供さする。いくつかの実施形態では、トリフルオロ酢酸塩として製剤化された開示されたポリペプチドのいずれかを含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、酢酸塩として製剤化された開示されたポリペプチドのいずれかを含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、塩酸塩として製剤化された開示されたポリペプチドのいずれかを含む医薬組成物を提供する。
【0633】
「薬学的に許容される担体、アジュバント、またはビヒクル」という用語は、製剤化される化合物の薬理活性を破壊しない非毒性の担体、アジュバント、またはビヒクルを指す。
【0634】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」という用語は、医薬投与と適合する、ありとあらゆる溶媒、ポリマー、分散媒、コーティング、抗菌剤及び抗真菌剤、等張剤及び吸収遅延剤などを含むことを意図している。好適な担体は、本分野における標準的参照テキストである、Remington’ s Pharmaceutical Sciencesの最新版に記載されており、これは、参照により本明細書に組み込まれる。このような担体または希釈剤の好ましい例としては、限定されないが、水、生理食塩水、リンゲル液、デキストロース溶液、及び5%ヒト血清アルブミンが挙げられる。リポソーム及び不揮発性油等の非水性媒体が用いられてもよい。薬学的に活性な物質のためのそのような媒体及び薬剤の使用は、当技術分野で周知である。任意の従来の媒体または薬剤が活性化合物と適合しない場合を除いて、組成物におけるその使用が企図される。補足的活性成分を組成物に組み込むこともできる。
【0635】
本発明の組成物に使用してもよい代表的な薬学的に許容される担体、アジュバントまたはビヒクルとして、限定されないが、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミンなどの血清タンパク質、リン酸塩などの緩衝物質、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、硫酸プロタミンなどの飽和植物脂肪酸、水、塩または電解質の部分グリセリド混合物、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、ポリエチレングリコール及び羊毛脂が挙げられる。
【0636】
いくつかの実施形態では、トリフルオロ酢酸塩、酢酸塩、または塩酸塩などの薬学的に許容されるその塩として製剤化された、開示されるポリペプチドのいずれかの薬学的に許容される誘導体を含む医薬組成物を提供する。「薬学的に許容される誘導体」とは、レシピエントへの投与時に、本発明の化合物、またはその活性な代謝物もしくは残基を直接的または間接的に提供することができる、本発明の化合物の任意の非毒性塩、エステル、エステルの塩または他の誘導体を意味する。
【0637】
医薬組成物は薬物を含み、以下でより詳細に説明するように「粒子製剤」として製剤化することができる。医薬組成物及び/または粒子製剤は、安定化成分(本明細書では「賦形剤」とも呼ばれる)を含んでもよい。安定化成分の例としては、炭水化物、抗酸化剤、アミノ酸、緩衝液、無機化合物、及び界面活性剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0638】
本発明の組成物中の化合物の量は、生体試料または患者において(例えば、ヒト、ラット、サルなど)、1つ以上のPYY受容体を測定可能に活性化するのに有効であるような量である。ある特定の実施形態では、本発明の組成物中の化合物の量は、生体試料または患者において、ヒト血清アルブミンの非存在下または存在下において、ヒトPYY受容体を測定可能に活性化するのに有効であるような量である。ある特定の実施形態では、本発明の組成物は、そのような組成物を必要とする患者への投与のために製剤化される。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、患者への注射剤投与のために製剤化される。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、浸透圧送達デバイスなどの植込み型送達デバイスを介して患者に投与するために製剤化される。
【0639】
本開示の単離ポリペプチド(本明細書では「活性化合物」とも呼ばれる)、及びそれらの誘導体、断片、類似体、及びホモログを、投与に好適な医薬組成物に組み込むことができる。そのような組成物は、典型的には、単離ポリペプチドまたはその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される担体を含む。
【0640】
本発明の医薬組成物は、その意図される投与経路に適合するように製剤化される。投与経路の例としては、非経口(例えば、静脈内、皮内、真皮下、皮下)、経口(例えば、吸入)、経皮(すなわち、局所)、経粘膜、直腸、またはそれらの組合せが挙げられる。いくつかの実施形態では、本開示の医薬組成物または単離ポリペプチドは、局所投与による投与のために製剤化される。いくつかの実施形態では、本開示の医薬組成物または単離ポリペプチドは、吸入投与による投与のために製剤化される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、真皮下または皮下植込みに好適であり、医薬組成物を皮下に送達するデバイスまたは他の好適な送達機構による投与のために製剤化される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、真皮下または皮下植込みに好適であり、医薬組成物を皮下に送達する植込みデバイスによる投与のために製剤化される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、真皮下または皮下植込みに好適であり、医薬組成物を皮下に送達する浸透圧送達デバイス、例えば、植込み型浸透圧送達デバイスによる投与のために製剤化される。非経口適用、皮内適用、真皮下適用、皮下適用、またはそれらの組合せに使用される溶液または懸濁液としては、以下の成分を挙げることができる:注射用水、生理食塩水、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、または他の合成溶媒などの滅菌希釈剤;ベンジルアルコールまたはメチルパラベンなどの抗菌剤;アスコルビン酸または亜硫酸水素ナトリウムなどの抗酸化剤;エチレンジアミン四酢酸(EDTA)などのキレート剤;酢酸塩、クエン酸塩、またはリン酸塩などの緩衝液、ならびに塩化ナトリウムまたはデキストロースなどの等張性調節のための薬剤。pHは、塩酸または水酸化ナトリウムなどの酸または塩基により調整することができる。非経口調製物は、ガラスもしくはプラスチック製のアンプル、使い捨てシリンジ、または複数回投与バイアル内に封入することができる。
【0641】
注射使用に好適な医薬組成物としては、滅菌注射液または分散体を用時調製するための滅菌水溶液(水溶性の場合)または分散体及び滅菌粉末が挙げられる。静脈内投与の場合、好適な担体としては、生理食塩水、静菌水、Cremophor EL((BASF、Parsippany、N.J.)またはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)が挙げられる。全ての場合において、組成物は、滅菌でなければならず、容易に注射することができる程度に流動性であるべきである。組成物は、製造及び保存の条件下において安定でなければならず、細菌または真菌などの微生物の汚染作用に対して保護されなければならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコール等)、及びそれらの好適な混合物を含有する、溶媒または分散媒であり得る。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用によって、分散の場合には必要とされる粒径の維持によって、及び界面活性剤の使用によって、維持することができる。微生物の作用の防止は、種々の抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなどによって達成され得る。多くの場合、等張剤、例えば、砂糖、ポリアルコール(マンニトール、ソルビトール、塩化ナトリウムなど)を組成物中に含むことが好ましい。注射用組成物の長期吸収は、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンを組成物に含めることによってもたらすことができる。
【0642】
滅菌注射液は、必要な量の活性化合物を、必要に応じて、上に列挙された成分のうちの1つまたはその組合せと共に適切な溶媒中に組み込み、続いて濾過滅菌することによって、調製することができる。一般に、分散液は、活性化合物を、基本的な分散媒及び上で列挙されたものからの必要とされる他の成分を含有する滅菌ビヒクル中に組み込むことによって、調製される。滅菌注射液の調製のための滅菌粉末の場合、調製方法は、減圧乾燥及びフリーズドライであり、これにより、活性成分と任意の追加的な所望の成分を添加した粉末が、その事前に滅菌濾過された溶液から得られる。
【0643】
経口組成物は、一般に、不活性希釈剤または食用担体を含む。それらはゼラチンカプセルに封入するか、錠剤内に圧縮することができる。経口治療投与の目的で、活性化合物を、賦形剤とともに組み込み、錠剤、トローチ剤、またはカプセル剤の形態で使用することができる。経口組成物はまた、口腔洗浄薬として使用するために流動性担体を使用して調製することができ、流動性担体中の化合物は、経口的に適用され、口の中でごろごろされ(swished)、吐き出されるかまたは飲み込まれる。薬学的に適合性のある結合剤、及び/またはアジュバント材料を、組成物の一部として含めることができる。錠剤、丸薬、カプセル剤、トローチ剤などは、以下の成分のいずれか、または類似の性質の化合物を含有することができる:微結晶性セルロース、トラガカントガムもしくはゼラチンなどの結合剤;デンプンまたはラクトースなどの賦形剤、アルギン酸、Primogel、またはコーンスターチなどの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムやSterotesなどの潤滑剤;コロイド状二酸化ケイ素などの流動促進剤;スクロースもしくはサッカリンなどの甘味剤;または、ペパーミント、サリチル酸メチル、もしくはオレンジフレーバーなどの香味剤。
【0644】
吸入による投与の場合、化合物は、好適な噴射剤、例えば二酸化炭素などのガス、またはネブライザーを含有する加圧容器またはディスペンサーからエアロゾルスプレーの形態で送達される。
【0645】
全身投与はまた、経粘膜的または経皮的手段によるものであり得る。経粘膜または経皮投与のために、浸透すべき障壁に適した浸透剤を、製剤に使用する。そのような浸透剤は、当技術分野で一般に知られており、例えば、経粘膜投与用に、界面活性剤、胆汁酸塩、及びフシジン酸誘導体が挙げられる。経粘膜投与は、経鼻スプレーまたは座薬を使用して行うことができる。経皮投与の場合、活性化合物は、当技術分野で一般に知られているように、軟膏、膏薬、ゲル、またはクリームに製剤化される。
【0646】
一実施形態では、活性化合物は、植込み体及びマイクロカプセル化送達システムを含む制御放出製剤など、身体からの急速な排出から化合物を保護する担体と共に調製することができる。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、及びポリ乳酸などの生分解性、生体適合性ポリマーを使用することができる。そのような製剤を調製するための方法は、当業者には明らかであろう。材料はまた、Alza Corporation及びNova Pharmaceuticals, Incから商業的に入手することができる。リポソーム懸濁液もまた、薬学的に許容される担体として使用することができる。これらは、例えば米国特許第4,522,811号に記載されているように、当業者に知られている方法に従って調製することができる。
【0647】
投与の容易性及び投薬量の均一性のために、経口または非経口組成物を投薬単位形態で製剤化することはとりわけ有利である。本明細書で使用される投薬単位形態は、対象を治療するための単位投薬量として適した物理的に別個の単位を指し、各単位は、必要とされる医薬担体と共に所望の治療効果をもたらすように算出された、所定量の活性化合物を含有する。本発明の投薬単位形態の仕様は、活性化合物の固有の特徴及び達成されるべき特定の治療効果、ならびに個体の治療のためにこのような活性化合物を調合する当技術分野の本質的な制限によって決まり、またそれに直接依存している。
【0648】
医薬組成物は、投与のための使用説明書とともに、容器、パック、またはディスペンサー内に含めることができる。
【0649】
薬物粒子製剤
本発明の実施に使用するための化合物、すなわち、単離ポリペプチドまたはその薬学的に許容される塩を、典型的には、粒子製剤に加え、これを使用して、懸濁ビヒクル中に均一に懸濁、溶解または分散するポリペプチド含有粒子を作製して、懸濁製剤を形成する。いくつかの実施形態では、PYY類似体ポリペプチドは、粒子製剤に製剤化して、粒子に変換する(例えば、噴霧乾燥させる)。いくつかの実施形態では、PYY類似体ポリペプチドを含む粒子を、ビヒクル製剤中に懸濁させ、その結果、PYY類似体ポリペプチドを含む懸濁粒子の懸濁製剤が得られる。
【0650】
好ましくは、粒子製剤は、噴霧乾燥、凍結乾燥、乾燥、フリーズドライ、粉砕、造粒、超音波液滴生成、結晶化、沈殿、または成分の混合物から粒子を形成するための当技術分野で利用可能な他の技術などのプロセスを使用して粒子に形成可能である。本発明の一実施形態では、粒子を噴霧乾燥させる。粒子は、好ましくは、形状及び粒径が実質的に均一である。
【0651】
いくつかの実施形態では、本発明は、医薬使用のための薬物粒子製剤を提供する。粒子製剤は、典型的には薬物を含み、1つ以上の安定化成分(本明細書では「賦形剤」とも呼ばれる)を含む。安定化成分の例としては、炭水化物、抗酸化剤、アミノ酸、緩衝液、無機化合物、及び界面活性剤が挙げられるが、これらに限定されない。粒子製剤中の安定剤の量は、本明細書の教示を考慮して、安定剤の活性及び製剤の所望の特性に基づいて、実験的に決定することができる。
【0652】
実施形態のいずれにおいても、粒子製剤は、約50重量%~約90重量%の薬物、約50重量%~約85重量%の薬物、約55重量%~約90重量%の薬物、約60重量%~約90重量%の薬物、約65重量%~約85重量%の薬物、約65重量%~約90重量%の薬物、約70重量%~約90重量%の薬物、約70重量%~約85重量%の薬物、約70重量%~約80重量%の薬物、または約70重量%~約75重量%の薬物を含み得る。
【0653】
典型的には、粒子製剤中の炭水化物の量は、凝集の懸念によって決定される。一般に、炭水化物の量は、薬物に結合していない過剰な炭水化物による水の存在下での結晶成長の促進を回避するために、高すぎてはならない。
【0654】
典型的には、粒子製剤中の抗酸化剤の量は、酸化の懸念によって決定され、一方、製剤中のアミノ酸の量は、酸化の懸念及び/または噴霧乾燥中の粒子の成形性によって決定される。
【0655】
典型的には、粒子製剤中の緩衝液の量は、前処理の懸念、安定性の懸念、及び噴霧乾燥中の粒子の成形性によって決定される。すべての安定剤が可溶化されている場合、例えば、溶液調製及び噴霧乾燥などの処理中に薬物を安定化させるために緩衝液が必要になる場合がある。
【0656】
粒子製剤に含まれ得る炭水化物の例としては、単糖(例えば、フルクトース、マルトース、ガラクトース、グルコース、D-マンノース、及びソルボース)、二糖(例えば、ラクトース、スクロース、トレハロース、及びセロビオース)、多糖(例えば、ラフィノース、メレジトース、マルトデキストリン、デキトラン、及びデンプン)、及びアルジトール(非環式ポリオール;例えば、マンニトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、キシリトール、ソルビトール、ピラノシルソルビトール、及びミオイノシトール(myoinsitol))が挙げられるが、これらに限定されない。好適な炭水化物には、二糖及び/または非還元糖、例としてスクロース、トレハロース、及びラフィノースが含まれる。
【0657】
粒子製剤に含めることができる抗酸化剤の例としては、メチオニン、アスコルビン酸、チオ硫酸ナトリウム、カタラーゼ、白金、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、クエン酸、システイン、チオグリセロール、チオグリコール酸、チオソルビトール、ブチル化ヒドロキシアニソール(butylated hydroxanisol)、ブチル化ヒドロキシルトルエン、及び没食子酸プロピル、が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、容易に酸化するアミノ酸、例えば、システイン、メチオニン、及びトリプトファンを抗酸化剤として使用することができる。
【0658】
粒子製剤に含めることができるアミノ酸の例としては、アルギニン、メチオニン、グリシン、ヒスチジン、アラニン、ロイシン、グルタミン酸、イソロイシン、L-スレオニン、2-フェニルアミン、バリン、ノルバリン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、セリン、アスパラギン、システイン、チロシン、リジン、及びノルロイシン、が挙げられるが、これらに限定されない。好適なアミノ酸としては、容易に酸化するもの、例えば、システイン、メチオニン、及びトリプトファンが挙げられる。
【0659】
粒子製剤に含まれ得る緩衝液の例としては、クエン酸塩、ヒスチジン、コハク酸塩、リン酸塩、マレイン酸塩、トリス、酢酸塩、炭水化物、及びグリシルグリシンが挙げられるが、これらに限定されない。好適な緩衝液としては、クエン酸塩、ヒスチジン、コハク酸塩、及びトリスが挙げられる。
【0660】
粒子製剤に含まれ得る無機化合物の例としては、NaCl、NaSO、NaHCO、KCl、KHPO、CaCl、及びMgClが挙げられるが、これらに限定されない。
【0661】
さらに、粒子製剤は、界面活性剤及び塩などの他の安定剤/賦形剤を含み得る。界面活性剤の例としては、ポリソルベート20、ポリソルベート80、PLURONIC(登録商標)(BASF Corporation、Mount Olive、NJ)F68、及びドデシル硫酸ナトリウム(SDS)が挙げられるが、これらに限定されない。塩の例としては、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、及び塩化マグネシウムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0662】
粒子は、典型的には、植込み型浸透圧送達デバイスを介して送達できるようにサイズ設定される。粒子の均一な形状及びサイズは、典型的には、そのような送達デバイスからの一貫した均一な放出速度を提供するのに役立つ;しかし、非正規(non-normal)粒径分布プロファイルを有する粒子調製物を使用することもできる。例えば、送達オリフィスを有する典型的な植込み型浸透圧送達デバイスにおいて、粒径は、送達オリフィスの直径の約30%未満、より好ましくは約20%未満、より好ましくは約10%未満である。植込み体の送達オリフィス直径が約0.5mmである、浸透圧送達システムと共に使用するための粒子製剤の一実施形態では、粒径は、例えば、約150ミクロン未満~約50ミクロンであり得る。植込み体の送達オリフィス直径が約0.1mmである、浸透圧送達システムと共に使用するための粒子製剤の一実施形態では、粒径は、例えば、約30ミクロン未満~約10ミクロンであり得る。一実施形態では、オリフィスは約0.25mm(250ミクロン)であり、粒径は約2ミクロン~約5ミクロンである。
【0663】
当業者は、粒子の集団が粒径分布の原理に従うことを理解するであろう。粒径分布を記述するために広く使用されている、当技術分野で認められている方法には、例えば、平均直径及びD50値などのD値が含まれ、これは、所与の試料の粒径の範囲の平均直径を表すために一般的に使用される。
【0664】
粒子製剤の粒子は、約2ミクロン~約150ミクロンの間の直径を有し、例えば、直径150ミクロン未満、直径100ミクロン未満、直径50ミクロン未満、直径30ミクロン未満、直径10ミクロン未満、直径5ミクロン未満、及び直径約2ミクロンである。好ましくは、粒子は、約2ミクロン~約50ミクロンの間の直径を有する。
【0665】
単離PYY類似体ポリペプチドを含む粒子製剤の粒子は、約0.3ミクロン~約150ミクロンの間の平均直径を有する。単離PYY類似体ポリペプチドを含む粒子製剤の粒子は、約2ミクロン~約150ミクロンの間の平均直径を有し、例えば、平均直径が150ミクロン未満、平均直径が100ミクロン未満、平均直径が50ミクロン未満、平均直径が30ミクロン未満、平均直径が10ミクロン未満、平均直径が5ミクロン未満、及び平均直径が約2ミクロンである。いくつかの実施形態では、粒子は、約0.3ミクロン~50ミクロンの間、例えば、約2ミクロン~約50ミクロンの間の平均直径を有する。いくつかの実施形態では、粒子は、0.3ミクロン~50ミクロンの間、例えば、約2ミクロン~約50ミクロンの間の平均直径を有し、各粒子は、直径が約50ミクロン未満である。
【0666】
典型的には、粒子製剤の粒子は、懸濁ビヒクルに組み込まれた場合、送達温度で約3か月未満では沈降せず、好ましくは約6か月未満では沈降せず、より好ましくは約12か月未満では沈降せず、より好ましくは、送達温度で約24か月未満では沈降せず、最も好ましくは、送達温度で約36か月未満では沈降しない。懸濁ビヒクルは、典型的には、約5000~約30,000ポアズの間、好ましくは約8000~約25,000ポアズの間、より好ましくは約10,000~約20,000ポアズの間の粘度を有する。一実施形態では、懸濁ビヒクルは、約15,000ポアズプラスまたはマイナス約3000ポアズの粘度を有する。一般的に言えば、小さい粒子ほど、大きめの粒子よりも粘性懸濁ビヒクルにおける沈降速度が遅い傾向がある。したがって、ミクロン~ナノサイズの粒子が典型的には望ましい。粘性懸濁製剤では、本発明の約2ミクロン~約7ミクロンの粒子は、シミュレーションモデリング研究に基づいて、室温で少なくとも20年間沈降しないであろう。本発明の粒子製剤の一実施形態では、植込み型浸透圧送達デバイスにおいて使用するために、約50ミクロン未満、より好ましくは約10ミクロン未満、より好ましくは約2ミクロン~約7ミクロンの範囲のサイズの粒子を含む。
【0667】
要約すると、開示されたポリペプチドまたはその薬学的に許容される塩は、固体状態粒子の乾燥粉末に製剤化され、これは、薬物の最大の化学的及び生物学的安定性を維持する。粒子は、高温での長期保存安定性を提供し、したがって、長期間にわたって安定で生物学的に有効な薬物を対象へ送達することが可能になる。粒子を、懸濁ビヒクルに中に懸濁して患者に投与する。
【0668】
ビヒクル中の粒子懸濁液
一態様では、懸濁ビヒクルは、薬物粒子製剤が分散している安定な環境を提供する。薬物粒子製剤は、懸濁ビヒクル中で(上記のように)化学的及び物理的に安定である。懸濁ビヒクルは、典型的には、薬物を含む粒子を均一に懸濁させるのに十分な粘度の溶液を形成する1種以上のポリマー及び1種以上の溶媒を含む。懸濁ビヒクルは、界面活性剤、抗酸化剤、及び/またはビヒクルに可溶性である他の化合物を含むがこれらに限定されないさらなる成分を含み得る。
【0669】
懸濁ビヒクルの粘度は、典型的には、保存中に薬物粒子製剤が沈降するのを防ぐのに十分であり、かつ、送達方法において、例えば、植込み型浸透圧送達デバイスにおいて使用するのに十分である。懸濁ビヒクルは、懸濁ビヒクルが生物学的環境に応答してある期間にわたって崩壊または分解するという点で生分解性であり、一方、薬物粒子は生物学的環境で溶解し、粒子中の活性医薬成分(すなわち、薬物)が吸収される。
【0670】
実施形態では、懸濁ビヒクルは「単相」懸濁ビヒクルであり、これは、全体にわたって物理的及び化学的に均一である固体、半固体、または液体の均質な系である。
【0671】
ポリマーが溶解している溶媒は、保存中の薬物粒子製剤の挙動など、懸濁製剤の特性に影響を与える場合がある。溶媒を、得られる懸濁ビヒクルが水性環境との接触時に相分離を呈するように、ポリマーと組み合わせて選択することができる。本発明のいくつかの実施形態では、溶媒を、得られる懸濁ビヒクルが、およそ10%未満の水を有する水性環境と接触した際に相分離を呈するように、ポリマーと組み合わせて選択することができる。
【0672】
溶媒は、水と混和しない許容可能な溶媒であり得る。溶媒はまた、ポリマーが約30%より高いポリマー濃度などの高濃度で溶媒に可溶性であるように選択することができる。本発明の実施に有用な溶媒の例としては、ラウリルアルコール、安息香酸ベンジル、ベンジルアルコール、乳酸ラウリル、デカノール(デシルアルコールとも呼ばれる)、乳酸エチルヘキシル、及び長鎖(C8~C24)脂肪族アルコール、エステル、またはそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。懸濁ビヒクルに使用される溶媒は、含水量が低いという点で「乾燥」していてもよい。懸濁ビヒクルの製剤に使用するための好ましい溶媒としては、乳酸ラウリル、ラウリルアルコール、安息香酸ベンジル、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0673】
本発明の懸濁ビヒクルの製剤のためのポリマーの例としては、ポリエステル(例えば、ポリ乳酸及びポリ乳酸ポリグリコール酸)、ピロリドンを含むポリマー(例えば、およそ2,000~およそ1,000,000の範囲の分子量を有するポリビニルピロリドン)、不飽和アルコールのエステルまたはエーテル(例えば、酢酸ビニル)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、またはそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。ポリビニルピロリドンは、粘度指数であるそのK値(例えば、K-17)によって特徴付けることができる。一実施形態では、ポリマーは、分子量が2000~1,000,000のポリビニルピロリドンである。好ましい実施形態では、ポリマーは、ポリビニルピロリドンK-17(典型的には、約7,900~10,800のおよその平均分子量範囲を有する)である。懸濁ビヒクルに使用されるポリマーは、1つ以上の異なるポリマーを含んでもよく、または異なる等級の単一ポリマーを含んでもよい。懸濁ビヒクルに使用されるポリマーはまた、乾燥していてもよく、または含水量が低くてもよい。
【0674】
一般的に言えば、本発明で使用するための懸濁ビヒクルは、所望の性能特性に基づいて組成が変化し得る。一実施形態では、懸濁ビヒクルは、約40重量%~約80重量%のポリマー(複数可)及び約20重量%~約60重量%の溶媒(複数可)を含み得る。懸濁ビヒクルの好ましい実施形態は、以下の比率:約25重量%の溶媒及び約75重量%のポリマー;約50重量%の溶媒及び約50重量%のポリマー;約75重量%の溶媒及び約25重量%のポリマー、で混合したポリマー(複数可)及び溶媒(複数可)から形成されたビヒクルを含む。したがって、いくつかの実施形態では、懸濁ビヒクルは、選択された成分を含むことができ、他の実施形態では、選択された成分から本質的になる。
【0675】
懸濁ビヒクルは、ニュートン挙動を呈する場合がある。懸濁ビヒクルは、典型的には、所定の期間、粒子製剤の均一な分散を維持する粘度を提供するように製剤化される。これは、薬物粒子製剤に含まれる薬物の制御送達を提供するように調整された懸濁製剤の製造を容易にするのに役立つ。懸濁ビヒクルの粘度は、所望の用途、粒子製剤のサイズ及びタイプ、ならびに懸濁ビヒクル中の粒子製剤の充填量に応じて変化し得る。懸濁ビヒクルの粘度は、使用される溶媒またはポリマーのタイプまたは相対量を変えることによって変化し得る。
【0676】
懸濁ビヒクルは、約100ポアズ~約1,000,000ポアズ、好ましくは約1,000ポアズ~約100,000ポアズの範囲の粘度を有し得る。好ましい実施形態では、懸濁ビヒクルは、典型的には、33℃で、約5,000~約30,000ポアズの間、好ましくは約8,000~約25,000ポアズの間、より好ましくは約10,000~約20,000ポアズの間の粘度を有する。一実施形態では、懸濁ビヒクルは、33℃で約15,000ポアズプラスマイナス約3,000ポアズの粘度を有する。粘度は、平行平板型レオメーターを使用して、33℃で、10-4/秒の剪断速度で測定することができる。
懸濁ビヒクルは、水性環境と接触すると相分離を呈する場合がある;しかし、典型的には、懸濁ビヒクルは、温度に応じて実質的に相分離を示さない。例えば、およそ0℃~およそ70℃の範囲の温度で、及び4℃~37℃~4℃のサイクルなどの温度サイクル時に、懸濁ビヒクルは、典型的には、相分離を呈さない。
【0677】
懸濁ビヒクルは、ドライボックス内などの乾燥条件下でポリマーと溶媒とを組み合わせることによって調製することができる。ポリマーと溶媒を、およそ40℃~およそ70℃などの昇温で合わせ、液化させて単相を形成することができる。乾燥成分から生成された気泡を除去するために、成分を減圧下でブレンドしてもよい。成分は、約40rpmの速度に設定された、二重螺旋刃または同様のミキサーなどの従来のミキサーを使用して合わせることができる。ただし、より高速を使用して成分を混合することもできる。成分の液体溶液が得られたら、懸濁ビヒクルを室温まで冷却することができる。示差走査熱量測定(DSC)を使用して、懸濁ビヒクルが単相であることを確認することができる。さらに、ビヒクルの成分(例えば、溶媒及び/またはポリマー)は、過酸化物を実質的に低減するかまたは実質的に除去するように処理され得る(例えば、メチオニンを用いる処理によって;例えば、米国特許出願公開第2007-0027105号を参照のこと)。
【0678】
薬物粒子製剤を、懸濁ビヒクルに加えて、懸濁製剤を形成する。いくつかの実施形態では、懸濁製剤は、薬物粒子製剤及び懸濁ビヒクルを含んでもよく、他の実施形態では、薬物粒子製剤及び懸濁ビヒクルから本質的になる。
【0679】
懸濁製剤は、懸濁ビヒクル中に粒子製剤を分散させることによって調製することができる。懸濁ビヒクルを加熱し、粒子製剤を、乾燥条件下で懸濁ビヒクルに加えてもよい。成分は、約40℃~約70℃などの昇温にて減圧下で混合することができる。成分は、約40rpm~約120rpmなどの十分な速度で、及び約15分などの十分な時間で混合して、懸濁ビヒクル中の粒子製剤の均一な分散を達成することができる。ミキサーは、二重螺旋刃であっても他の好適なミキサーであってもよい。得られた混合物を、ミキサーから取り出し、水が懸濁製剤を汚染するのを防ぐために乾燥容器に密閉し、さらに使用する前に、例えば、植込み型薬物送達デバイス、単位用量容器、または複数回用量容器に充填する前に、室温まで冷却することができる。
【0680】
懸濁製剤は、典型的には、約10重量%未満、好ましくは約5重量%未満、より好ましくは約4重量%未満の全含水量を有する。
【0681】
好ましい実施形態では、本発明の懸濁製剤は、実質的に均質かつ流動性であり、浸透圧送達デバイスから対象への薬物粒子製剤の送達を提供する。
【0682】
要約すると、懸濁ビヒクルの成分は、生体適合性を提供する。懸濁ビヒクルの成分は、薬物粒子製剤の安定な懸濁液を形成するための好適な化学的物理的特性を提供する。これらの特性としては、以下のもの、すなわち、懸濁液の粘度;ビヒクルの純度;ビヒクルの残留水分;ビヒクルの密度;乾燥粉末との適合性;植込み型デバイスとの適合性、ポリマーの分子量;ビヒクルの安定性;ならびにビヒクルの疎水性及び親水性、が挙げられるが、これらに限定されない。これらの特性は、例えば、ビヒクル組成の変化及び懸濁ビヒクルにおいて使用される成分の比率を操作することによって、操作及び制御することができる。
【0683】
本明細書に記載の懸濁製剤を、植込み型浸透圧送達デバイスにおいて使用して、長期間にわたって、例として数週間、数か月、または最大約1年以上にわたって、化合物のゼロ次、連続、制御、及び持続送達を提供することができる。そのような植込み型浸透圧送達デバイスは、典型的には、薬物を含む懸濁製剤を、所望の期間にわたって所望の流量で送達することができる。懸濁製剤を、従来の技術によって、植込み型浸透圧送達デバイスに充填することができる。
【実施例
【0684】
以下の例は、当業者に、本発明を実践する方法の完全な開示及び説明を提供するために記載されるものであり、本発明者が発明とみなすものの範囲を限定することを意図するものではない。使用される数値(例えば、量、濃度、及びパーセント変化)に対する正確さを確保する努力がなされているが、いくつかの実験誤差及び偏差が考慮されるべきである。別段に指定されない限り、温度は摂氏温度であり、気圧は、大気圧また大気圧に近い気圧である。
【0685】
実施例1:長時間作用型PYY類似体ポリペプチドの生成
表3に提供される本発明の長時間作用型PYY類似体ポリペプチドは、Preludeペプチド合成装置(Protein Technologies Inc.、Tucson、AZ))において、Ν,Ν-ジメチルホルムアミド(DMF)中のN-[((ジメチルアミノ)-1H-1,2,3-トリアゾロ-[4,5-b]ピリジン-1-イルメチレン]-N-メチルメタンアミニウムヘキサフルオロホスフェートN-オキシド(HATU)または2-(6-クロロ-1-H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルアミニウムヘキサフルオロホスフェート(HCTU)活性化(アミノ酸に対して5倍モル過剰)によるFmoc戦略を使用した固相法によって合成され、N’N-ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を塩基として使用した。20%ピペリジン/DMF溶液を、Fmoc脱保護に使用した。使用した樹脂は、(20~400)μmolスケールで(0.30~0.40)mmol/gの担持量のRink Amide MBHA LL(Novabiochem)であった。
【0686】
直鎖状ポリペプチドの固相合成が完了すると、樹脂をジクロロメタン(DCM)で洗浄し、真空下で30分間乾燥させた。アリルオキシカルボニル(Alloc)保護基を含有する類似体の場合、その除去を、(クロロホルム/酢酸/n-メチルモルホリン、37:2:1)中のPd(PPhの溶液を介して行った。tert-ブチルオキシカルボニル(BOC)-Lys-フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)-OHを含有する類似体の場合、20%ピペリジン/DMFを使用してFmoc保護基を除去した。得られたFmoc脱保護樹脂をDMFで洗浄した(6×30秒)。次に、スペーサー領域の伸長を、事前活性化条件下において各ビルディングブロックを手動で加えることにより段階的に実施した。親油性置換基(「アシル鎖」とも呼ばれる)の付加を、事前活性化ステップなしで固相ペプチド合成(SPPS)条件下で実施した。ペプチドの最終的な脱保護及び固体支持体からの切断は、樹脂を(95%TFA、2%水、2%チオアニソール、及び1%トリイソプロピルシラン)で2~3時間処理することによって行った。冷ジエチルエーテルを使用して、切断されたペプチドを沈殿させた。ジエチルエーテル層をデカントし、固体を再び冷ジエチルエーテルで粉砕し、遠心分離によりペレット化した。
【0687】
ラクタム架橋を含む類似体の場合、適切なアリル保護アミノ酸ビルディングブロックを、上記の通常の固相条件下で設置した。また、Fmoc-Lys-ε-1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキサ-1-イリデン)-3-メチルブチル(ivDde)-OHをハンドルとして設置して、後でアシルスペーサー及び側鎖を組み込んだ。直鎖状ペプチドが完成したら、アリル保護基を上記のように除去した。ラクタム架橋形成は、ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP、0.5M)活性化及び塩基としてDIEAを使用する固相プロトコルによって得られた。Fmoc及びivDde基の脱保護は、DMF中のヒドラジンの4%溶液を介して得られた。得られたFmoc脱保護樹脂をDMFで洗浄した(6×30秒)。スペーサー領域の伸長及び親油性置換基の付加を、前の段落で説明したように行った。ペプチドの最終的な脱保護及び固体支持体からの切断は、樹脂を(95%TFA、2%水、2%チオアニソール、及び1%トリイソプロピルシラン)で2~3時間処理することによって行った。冷ジエチルエーテルを使用して、切断されたペプチドを沈殿させた。ジエチルエーテルをデカントし、固体を再び冷ジエチルエーテルで粉砕し、遠心分離によりペレット化した。
【0688】
次に、粗生成物を、アセトニトリル(ACN)/HO、0.1%TFAの溶液に溶解した。酢酸の10%溶液を粗ペプチド生成物の各溶液に加え、LC/MSによる分析がCO付加物の除去を示すまで撹拌した。溶液を凍結し、凍結乾燥した。精製は、実施例2に記載の方法により行った。
【0689】
実施例2:親油性置換基及び任意選択のスペーサーを含まない長時間作用型PYY受容体アゴニストポリペプチド、すなわち直鎖状ポリペプチドの精製及び特徴付け
実施例1の生成物を凍結乾燥し、エレクトロスプレーイオン化-液体クロマトグラフィー/質量分析(ESI-LC/MS)及び分析用高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)によって分析し、純粋であることを実証した(>98%)。質量の結果は、計算値と一致していた。
【0690】
ペプチド類似体の特性評価を、方法A、方法B、方法C、または方法Dのいずれかを使用して、C18 HPLC及びLC/MS分析(Acquity SQD Waters Corp、Milford、MA)、ならびに215nmと280nmの二重吸光度シグナルによって得られるUV検出によって行った。
【0691】
方法A、LC/MS条件:Phenomenex HPLC Aeris(商標)Peptide XB Cl8 35カラム、1.7pm、2.1×100mm、またはACQUiTY BEH300もしくはBEH130 CT8カラム、1.77pm、2.1×100mmを使用し、30分間にわたって、流量0.5mL/分、λ-215nm、280nmで、0.05%のTFAを含む5~65%のアセトニトリル/水を使用して行った。
【0692】
方法B、C18 HPLC条件:Acquity BEH130、C18カラム、1.7μm、100×2.10mmカラム上で、25℃で、30分間にわたって、流量0.5mL/分、λ-215nm、280nmで、0.05%のTFAを含む5~65%のアセトニトリル/水にてHPLC分析を実施した。
【0693】
方法C、HPLC条件:Acquity BEH130、C18カラム、1.7μm、100×2.10mmカラム上で、25℃で、20分間にわたって、流量0.5mL/分、λ-215nm、280nmで、0.05%のTFAを含む5~65%のアセトニトリル/水にてHPLC分析を実施した。
【0694】
方法D、HPLC条件:Acquity BEH130、C18カラム、1.7μm、100×2.10mmカラム上で、25℃で、10分間にわたって、流量0.5mL/分、λ-215nm、280nmで、0.05%のTFAを含む5~65%のアセトニトリル/水にてHPLC分析を実施した。PLNO(ニードルオーバーフィルをともなう部分ループ)注入モードを使用して、5.0μLの試料を注入した。
【0695】
親油性置換基及び任意選択のスペーサーを有していないポリペプチド類似体は、本明細書では「直鎖状ポリペプチド」と呼ばれることがある。少なくとも1つの共有結合した親油性置換基及び任意選択のスペーサーを有するポリペプチド類似体は、本明細書では「コンジュゲートポリペプチド」と呼ばれることがある。表13は、本開示の例示的な長時間作用型PYY類似体ポリペプチドの特徴付けデータを提供する。
【0696】
親油性置換基及び任意選択のスペーサーを有していないポリペプチド類似体は、本明細書では「直鎖状ポリペプチド」と呼ばれることがある。少なくとも1つの共有結合した親油性置換基及び任意選択のスペーサーを有するポリペプチド類似体は、本明細書では「コンジュゲートポリペプチド」と呼ばれることがある。
【表15-1】
【表15-2】
【0697】
実施例3:長時間作用型PYY類似体ポリペプチドの安定性及び溶解度
本明細書に記載の類似体ポリペプチドを、生理食塩水中または水中(DI水中)の溶解度について室温で試験した。試料の透明度、濁りまたは曇りの外観について、試料を視覚的に検査した。この分析の結果を表14に示す。
【0698】
本明細書に記載のいくつかの長時間作用型PYY類似体を、トリフルオロ酢酸塩として、水中(すなわち、DI水中)または生理食塩水(1mg/ml溶液)中での安定性について試験した。これらの類似体ポリペプチドを37℃でインキュベートし、種々の時間間隔で試料を回収し、親ペプチドの純度と質量、及び分解生成物の程度を、LC/MS及びHPLC測定によって分析した。これらの分析の純度結果を、表14に示し、安定性の指標と見なす。
【表16】
【0699】
実施例4:ヒト及びラットのNPY受容体機能アッセイ
Gタンパク質共役受容体のNPYファミリーには、ヒト及びラットのY1、Y2、Y4、及びY5が含まれる。各受容体は、NPYファミリーに属する内因性ペプチドアゴニストホルモンまたは神経伝達物質の薬理学的に異なるセットに結合し、これらには、神経ペプチドY(NPY)、ペプチドチロシン-チロシン(PYY)、及び膵臓ポリペプチド(PP)が含まれる。NPY及びPYY(1-36)は比較的高い親和性でY1、Y2、及びY5受容体に結合するが、PYY(3-36)はY2受容体に選択的に結合し、PPはY4受容体に選択的に結合する。アゴニスト結合に続いて、受容体-Gタンパク質複合体は下流の細胞内シグナル伝達カスケードを活性化し、アデニル酸シクラーゼの阻害及び細胞内cAMPレベルの低下をもたらす。
【0700】
細胞処理及びcAMP蓄積アッセイ
ヒトまたはラットのY1、Y2、Y4、またはY5受容体を安定して発現するHEK-CNG細胞(Codex Biosolutions)を使用して、ActOne(商標)膜電位色素キット(Codex Biosolutions)を使用してペプチドアゴニストの機能的効力を特徴付けた。各NPY受容体に加えて、各細胞株は独自の外因性環状ヌクレオチド作動性(CNG)チャネル(Codex Biosolutions)をコードする。チャネルは、cAMPの細胞内レベルの上昇によって活性化され、カルシウム感受性色素または蛍光膜電位(MP)色素で検出することができるイオンフラックス及び細胞膜脱分極をもたらす。細胞を、15継代以下で90% DMEM、10% FBS、250mcg/mL G418、及び1mcg/mLピューロマイシンを含有する増殖培地中に保有した。
【0701】
試験に先だって、細胞を計数し、ウェルあたり14,000細胞(Y1、Y4、及びY5)またはウェルあたり28,000細胞(Y2)で、黒色の384ウェルポリD-リジンプレートにウェルあたり20mcLで分注した。次に、被覆プレートを室温で30分間インキュベートし、続いて5% CO中、37℃で一晩インキュベートした。翌日、培地を除去し、ウェルを40mcLのダルベッコリン酸緩衝生理食塩水で1回洗浄した。20マイクロリットルのDMEM、続いて1X ACTOne(商標)膜電位色素希釈バッファー、1X ACTOne(商標)膜電位色素溶液(Codex Biosolutions)及び50mcMのホスホジエステラーゼ阻害剤Ro20-1724を含有する20mcLの色素負荷溶液を各ウェルに加え、覆いをして暗所で室温にて2時間プレインキュベートした。このプレインキュベーション中に、実験用ペプチド及び標準(Y1及びY5の場合はNPY、Y2の場合はPYY(3-36)、ならびにY4の場合はPP)を、1X DPBS、0.5%カゼイン、125mcM Ro20-1724及び1.5mcMイソプロテレノールを含有するアゴニスト希釈緩衝液中にて12種類の濃度で5倍の濃度(5x10-7M~5x10-13Mの範囲)まで段階的に希釈し、b1/b2アドレナリン受容体媒介cAMP産生を刺激した。プレインキュベーションに続いて、最初の読み取り(Ex530/Em590)をFlexstation3蛍光プレートリーダー(Molecular Devices、Sunnyvale、CA)で実行した。10マイクロリットルの実験用ペプチドまたはペプチド標準を3連でウェルに加え、暗所で室温にて50分間インキュベートした。このインキュベーションステップに続いて、プレートを、以前と同様に再度読み取った(最終読み取り)。
【0702】
データ分析及び解釈
細胞内cAMPレベルの低下をもたらすNPY受容体活性化は、イソプロテラノール誘導蛍光シグナルの減少として検出される。ペプチドの標準値及び実験値を、式:最終読み取り値/初期読み取り値、を使用して、最初にExcelで変換した。次に、変換された値を、次の式:(試験値-標準最小平均)/(標準最大平均-標準最小平均)*100、を使用して、受容体固有の標準値(最小1×10-13M及び最大1×10-7M)に正規化した。正規化された実験値は、各アッセイの対照ペプチド(Y1R及びY5Rの場合はNPY、Y2Rの場合はPYY(3-36)、Y4Rの場合はPP)によって生成される受容体系の最大応答のベースライン補正パーセンテージを表す。活性が対照ペプチドの最大値の≦70%であった類似体を、部分アゴニストとして同定する。正規化されたデータを、3回のテストから分析し、これを使用して各受容体の各試験ペプチドのEC50を推定した。GraphPad Prismソフトウェア(v8.2.1)において、3パラメータロジスティック曲線モデル:Y=底部+(上部-底部)/(1+10^((LogEC50-X)))を使用して、データを適合させた。式:pEC50=-Log(EC50)を使用して、EC50値をpEC50値に変換した。報告されたすべての値は、曲線フィッティングパラメーターr≧0.8を満たした。
【0703】
これらの分析の結果を、表15に報告する。
【表17-1】
【表17-2】
【0704】
実施例5:PYY類似体のインビトロ代謝安定性薬物動態研究(T1/2)
ラット及びヒトの腎臓刷子縁膜
腎刷子縁膜(kBBM)調製物でのインビトロインキュベーションを使用して、ペプチドが体循環におけるプロテアーゼ及びペプチダーゼによる分解に抵抗する能力を特徴付けた。kBBMを選択したのは、多様なセットのプロテアーゼ及びペプチダーゼが高濃度で含まれており、その多くが体全体に存在するためである。一般に、インビボCLが低いペプチドは、このアッセイでは安定であるが、インビボCLが高いペプチドは、このアッセイでは不安定である。
【0705】
ラット及びヒト腎臓組織からの刷子縁膜を遠心分離により調製し、-70°Cで保存した。ラットまたはヒトkBBMの解凍ストックを、1%カゼインを含有する25mM HEPES緩衝液(pH7.4)で適切な濃度に希釈し、96ウェルプレートに分注した。kBBM溶液を、37℃で10分間予熱した。反応を、1%カゼインを含有する25mM HEPES緩衝液(pH7.4)にも溶解した試験ペプチド(最終濃度1mcM)の添加により開始させた。各インキュベーションにおけるkBBMの最終濃度は、50mcgタンパク質/mLであった。反応を、振盪水浴中で37℃に維持した。開始後0、0.25、0.5、1.0、2.0、及び4.0時間で、30mcLの反応混合物を取り出し、2.5%ギ酸を含有する120mcLの氷冷メタノールを含有する96ウェルプレートに入れた。クエンチした試料を、2178×gで10分間遠心分離した後、上清の一部をきれいな96ウェルプレートに移し、水で1:1に希釈した。試料をUPLC-MS/MSによって分析した。これらの分析の結果を、表16、17及び18に示す。
【0706】
ヒト皮下組織ホモジネート
皮下(SC)組織ホモジネートでのインビトロインキュベーションを使用して、ペプチドがSC投与後のプロテアーゼ及びペプチダーゼによる前全身性(pre-systemic)分解に抵抗する能力を特徴付けた。インビボの非臨床研究では、SC空間でのペプチダーゼ活性が、SC投与後のペプチドの生物学的利用能を制限する可能性があることが示されている。このアッセイでは、SC生物学的利用能が高いペプチドは安定であるが、SC生物学的利用能が低いペプチドはこのアッセイでは不安定である。
【0707】
ヒトSC組織を、25mM 冷HEPES緩衝液(pH7.4、試料重量の10倍量)でホモジナイズし、二重層のチーズクロスで濾過した。濾液を等分し、メタノール/ドライアイス浴で急速冷凍し、-80℃で保存した。プールされた各バッチのタンパク質濃度は、BCAタンパク質アッセイを使用して決定した。解凍したヒトSC組織ホモジネートのストックを、25mM HEPES緩衝液(pH7.4)で1.0mgタンパク質/mLに希釈し、96ウェルプレートに分注した。希釈されたSCホモジネートを、37℃で10分間予熱した。反応を、25mM HEPES緩衝液(pH7.4)にも溶解した試験ペプチド(最終濃度10mcM)の添加により開始させた。反応を、振盪水浴中で37℃に維持した。開始後0、0.25、0.5、1.0、2.0、及び4.0時間で、50mcLの反応混合物を取り出し、2.5%ギ酸を含有する150mcLの氷冷メタノールを含有する96ウェルプレートに入れた。クエンチした試料を、2178×gで10分間遠心分離した後、上清の一部をきれいな96ウェルプレートに移し、水で1:10に希釈した。試料をUPLC-MS/MSによって分析した。これらの分析の結果を、表16、17及び18に示す。
【0708】
血漿中の非結合画分(f
ペプチドは、プラスチックチューブ、透析膜、分子量カットオフフィルターの表面に吸着する傾向があるため、平衡透析、限外濾過、超遠心分離などの血漿タンパク質結合を測定する従来の方法は信頼できない。したがって、アシル化ペプチドが血清アルブミンに結合する程度は、表面プラズモン共鳴(SPR)を使用して評価した。血漿タンパク質に結合した薬物の割合を合理的に推定するためのこの手法の有用性は、文献で実証されている。化合物A13(配列番号24)及びA24(配列番号24)についてのこの分析の結果を、表17及び18に示す。このデータに基づくヒトにおける化合物A13及びA24の推定半減期は、それぞれおよそ4日である。

【表18】
【表19】
【0709】
実施例6:PYY類似体ポリペプチドの薬物動態分析
ペプチドのクリアランス(CL)を評価するための長時間作用型PYY類似体ポリペプチドの静脈内注入
ペプチドをPBS中0.05% Tween-20(pH7.4)に溶解し、非絶食雄Sprague-Dawleyラット(群あたりn=3)に、最終用量0.033mg/kgで、大腿静脈に配置されたカニューレを介して、1時間の皮下注入として投与した。製剤を、0.150mL/時間/kgの速度で投与した。血液試料(約250μL)を、注入開始から0.25、0.5、0.75、1、1.17、1.33、1.5、2、4、8、24、48、72、96、及び120時間後に、頸静脈カニューレを介して薬物動態分析用に、抗凝固剤としてのK2EDTA及び25μLのプロテアーゼ阻害剤カクテルを含有するマイクロティナチューブに収集した。遠心分離によって血漿を調製し、分析するまで-80℃で保存した。
【0710】
ポリペプチドの生物学的利用能(F)を評価するための長時間作用型PYY類似体ポリペプチドの皮下ボーラス注射
ペプチドを滅菌生理食塩水に溶解し、非絶食雄Sprague-Dawleyラット(群あたりn=3)に、最終用量0.1mg/kgで肩甲骨の間の皮下スペースへの単回ボーラス注射を介して投与した。血液試料(約250μL)を、投与から0.083、0.25、0.5、1、2、4、8、24、48、72、96、及び120時間後に、頸静脈カニューレを介して薬物動態分析用に、抗凝固剤としてのK2EDTA及び25μLのプロテアーゼ阻害剤カクテルを含有するマイクロティナチューブに収集した。遠心分離によって血漿を調製し、分析するまで-80℃で保存した。
【0711】
薬物動態研究のための血漿試料調製
各血漿試料の70μLアリコートを、96ウェルプレートに入れた。適切な内部標準を含有する2:1エタノール:アセトニトリル中の210μLの0.1%TFAを、各ウェルに加えた。プレートを、1300rpmで10分間ボルテックスして混合し、次に500×gで10分間遠心分離した。上清(210μL)をきれいな96ウェルプレートに入れ、45℃の窒素流下で蒸発させた。残留物を、0.1%ギ酸を含有する80μLの20%アセトニトリル(水溶液)中で再構成した。
【0712】
血漿中のPYY類似体ポリペプチドのLC/MS定量化
EDTA及びプロテアーゼ阻害剤カクテルを含有する対照ラット血漿中で、すべての較正標準を調製した。
【0713】
CTC HTS PAL自動インジェクター(LeapCarrboro、NC)、カラムオーブンを備えるAgilent Infinity 1290システム(Palo Alto、CA)、Valcoスイッチング弁(Houston、TX)及びSciex TripleTOF(商標)5600質量分析計(Framingham、MA)からなるシステムを使用したエレクトロスプレーイオン化(ESI)UPLC-MS/MSによって、試料及び標準を分析した。2.1×50mmの逆相C18分析カラム、典型的には、Waters CORTECS UPLC C18+、1.6μm(Waters Corporation、Milford、MA)または同様のものに、試料を注入した。移動相として0.1%ギ酸を含有する水(A)及び0.1%ギ酸を含有するアセトニトリル(B)を使用する勾配方法を用いて、クロマトグラフィー分離を行った。初期条件は、95%A及び5%Bで構成されていた。ペプチドに応じて、3~4分かけて、有機成分を95%Bまで増加させた。典型的な流量は、550μL/分であった。カラム温度を、45℃で一定に保った。多価親イオンから生成された1つ以上の生成物を監視することによって、ペプチドを定量化した。これらの分析の結果を、表19に提供する。化合物A13(配列番号13)及びA24(配列番号24)の包括的な薬物動態及びADMEプロファイルを、それぞれ表20及び21に示す。ボーラス及び静脈内注入後のA13及びA24 の血漿濃度の変化を、図4及び5に示す。
【表20】
【0714】
実施例7a:LE DIOラットにおける長時間作用型GLP-1受容体アゴニストと組み合わせたPYY類似体の減量有効性
長時間作用型PYY類似体(複数可)単独及び長時間作用型GLP-1類似体(LA GLP-1)と組み合わせた場合の有効性及び耐久性を調査するために、肥満のロングエバンス(LE)食餌誘発性肥満(DIO)ラットのげっ歯類モデルにおいて、長期の減量の有効性研究を行った。雄LE DIOラット(Envigo Laboratories, Inc.、Indianapolis、IN)を使用し、離乳から始めて、ラットに高脂肪飼料(Teklad TD 95217、脂肪由来、40%kcal、Harlan Laboratories、Madison、WI)を与えた。ラットをケージごとに1匹ずつ飼育し、高脂肪食(Harlan TD.95217)及び水を自由に摂取させ、21℃及び相対湿度50%で、午前5時から午後5時まで12時間の明/暗サイクルで維持し、使用前に出荷後少なくとも10日間順応させた。研究開始時、ラットは16~18週齢であった。すべての手順を、USDAの規則である動物福祉法(Animal Welfare Act)に準拠して実行し、この手順は、Mispro Institutional Animal Care and Use Committeeによって承認された。動物を、体重及び脂肪量に従って、処置群に無作為抽出した(n=8ラット/群)。DIO LEラットに、指定用量の長期作用型PYY及び/またはGLP-1受容体アゴニストポリペプチドまたはビヒクル対照(生理食塩水)のいずれかを隔日投与(eod)で、皮下(SC)注射により投与した。化合物A13(配列番号13)とLA GLP-1との長期の組合せ研究からのベースライン及びビヒクル対照(ΔΔ)からの平均減量(%)±SEMを、図1に示す。エキセナチド及びセマグルチドに関する比較データを、図6に示す。
【0715】
実施例7b:LE DIOラットに単独投与されたPYY類似体の体重増加有効性
実施例7aに記載の実験では、長時間作用型GLP-1アゴニストと組み合わせた長時間作用型PYYアゴニストに対する応答を分析し、長時間作用型PYYアゴニスト(化合物A24;配列番号24)単独を受けたLE DIOラットについて、別々に分析した。驚くべきことに、図8の下部パネルとして示される化合物A24(配列番号24)と長時間作用型GLP-1受容体アゴニストとの組合せの食物摂取の相乗的減少及び相乗的減量とは対照的に、PYYアゴニスト単独では、図8の上部パネルに示すように、用量依存的な食物摂取量の増加及び体重の増加を引き起こした。単独で投与した場合、別の長時間作用型PYYアゴニスト(化合物A13;配列番号13)でも同様のパターンの食物摂取の増加及び体重増加が観察された。単独で投与された両方のPYYアゴニスト(A13及びA24)の食欲促進(食物摂取刺激)及び体重増加効果は、同様に選択的な(Y2)PYYアゴニストによる以前に説明された体重変化のパターンとは対照的である。これは、単独では食欲促進性であるが、GLP-1アゴニストと組み合わせた場合に、GLP-1アゴニスト単独で観察されるよりも強力な食欲抑制効果を促進する薬剤の最初の例である。
【0716】
配列番号13及び配列番号24の食欲促進効果は、これらのペプチドの効果自体の持続時間が長いことに起因すると容易には考えられない。例えばPEG化またはFmocへの結合によって効果の持続時間が長くなった他の選択的PYYアゴニストは、食欲抑制効果のみを示し、食欲促進効果は示さなかった。同様に、PYY-アルブミンコンジュゲートはこの効果を示さず、食欲抑制のみを示すため、これらのペプチドの食欲促進効果は、アルブミン結合自体に起因すると容易には考えられない。アルブミンに可逆的に結合するアシル化PYYアゴニストも、食物摂取及び体重増加を刺激することは、以前には報告されていない。
【0717】
化合物A13及びA24に代表されるPYYアゴニストのクラスの食欲促進効果(図8の左上のパネルを参照のこと)は、病原性減量または身体エネルギー量の減少のある特定の条件において有用である。そのような状態の例としては、神経性食欲不振が挙げられ、これは、薬理学的選択肢がほとんどなく、主に若者において約10%の死亡率と関連している状態である。その他の例としては、悪性腫瘍の治療に関連し、治療を複雑化する悪液質の形態が挙げられる。別の例は、「フレイル」、すなわち加齢による栄養障害である。サルコペニアと呼ばれる筋肉量の減少によって表されるこの状態の構成要素は、複数の加齢に伴う罹病及び生活の質の低下に関与しており、これには、可動性の喪失、主要な骨の骨折の傾向、及びそのような骨折の回復の遅延が含まれる。
【0718】
化合物A13及びA24によって代表されるPYYアゴニストのクラスのそのような治療上有用な体重増加効果(図8の右上パネル及び図9の右上象限を参照のこと)は、これらの薬剤を単独で投与するか、または別の機序を介して有益な効果を引き起こす他の薬剤と組み合わせて投与することによって引き起こすことができる。別個の有益な薬剤の例としては、グレリン及び/またはモチリンアゴニストなどの食欲促進剤、またはアナボリックステロイド及び成長ホルモン/イヌリン様成長因子軸の活性化剤などの筋肉成長を促進する薬剤が挙げられる。上記の状態に有益な組合せは、このような組合せが、減量に関連しているため、GLP-1受容体アゴニストと関連した化合物A13及びA24に代表されるPYYアゴニストを含まない(図8の下部パネル及び図9の左下象限)。
【0719】
実施例8:ZDFラットにおけるGLP-1アゴニストと組み合わせたPYY類似体の抗糖尿病有効性
ズッカー糖尿病肥満(ZDF)ラットにおける27日間の処置後のHbA1c(一次抗糖尿病パラメータ)に対するPYY類似体ポリペプチドとGLP-1受容体アゴニストとの組合せによる連続投与の抗糖尿病効果を決定するために、長期の研究を実施した。雄ZDFラットを6週齢で入手し(Charles River、Raleigh、NC)、8週齢で研究に使用した。受領後、ラットをケージごとに1匹の動物で飼育し、Purina5008飼料(Lab Diet、St. Louis、MO)及び水を自由に摂取させ、21℃及び相対湿度50%で、午前5時から午後5時まで12時間の明/暗サイクルで維持し、研究開始前に9日間順応させた。採血前(-3日目)に尾静脈から血液試料を採取し、血糖値及びHbA1cを測定した。ZDFラットを、同様の平均HbA1c及びグルコースを有する処置群(n=10/群)に無作為抽出した。それらのZDFラットには、指定用量のPYY類似体ポリペプチド及び/またはGLP-1受容体アゴニスト(10mcg/kg/日)またはビヒクル(水中20%DMSO)のいずれかを含有するAlzet浸透圧ミニポンプ(2つのポンプ/動物)を皮下(SC)に植え込んだ(n=10動物/処置群)。PKが隔日投与を支持するPYY類似体を、ミニポンプ投与の代わりにSC注射によって投与した。他のすべての手順は、前の例で説明したものと同じであった。14日目と27日目(研究の終了時)に血液試料を再度採取し、血糖値及びHbA1cを測定した。最終全血試料を、イソフルラン麻酔下での心臓穿刺によって収集した(27日目)。HbA1c分析を、Carolina Chemistries CLC720i臨床化学分析装置(Mindray Inc.、Mahwah、NY)を使用して、製造元により記載されたプロトコル及び方法パラメーターを使用して実行した。化合物A13(配列番号13)とGLP-1受容体アゴニストとの長期の組合せ研究からのベースライン及びビヒクル対照(ΔΔ)からの平均%変化として表されるHbA1cの結果を図2に示す。チルゼパチド及びセマグルチドに関する比較データを、図7に示す。
【0720】
その他の実施形態
本発明を、その詳細な説明と併せて説明してきたが、前述の説明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を説明することを意図し、限定するものではない。その他の態様、利点、及び改変は、以下の特許請求の範囲内にある。
図1
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【配列表】
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【国際調査報告】