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特表2023-522082ユーザの視力レベルのインディケーションを決定するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-26
(54)【発明の名称】ユーザの視力レベルのインディケーションを決定するための方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 3/028 20060101AFI20230519BHJP
【FI】
A61B3/028
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022563211
(86)(22)【出願日】2021-04-14
(85)【翻訳文提出日】2022-10-17
(86)【国際出願番号】 EP2021059702
(87)【国際公開番号】W WO2021209519
(87)【国際公開日】2021-10-21
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2020/060934
(32)【優先日】2020-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522406274
【氏名又は名称】ティラク ヘルスケア エスアエス
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】グロンダン,エリディア
(72)【発明者】
【氏名】ル キャヴァーザン,カンタン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィヴィエ,ポーリーヌ
【テーマコード(参考)】
4C316
【Fターム(参考)】
4C316AA13
4C316FA01
4C316FB03
4C316FB11
4C316FB12
(57)【要約】
本発明は、ユーザの視力レベルのインディケーションを決定するためのコンピュータ実施の方法の分野、並びに対応するコンピュータプログラム製品及び装置に関する。特に、本発明は、ユーザの視力のインディケーションを信頼できる方法で決定するために、特定の種類の装置又はディスプレイにかかわらず所望の検査精度を更に確立しながら、分散された方法で視力検査のパフォーマンスを容易にするための方法及び装置に関する。従って、ユーザ(12)の視力レベルのインディケーションを決定するためのコンピュータ実施の方法が提案され、装置(10)のディスプレイ(16)と通信している制御ユニット(14)を使用して視力検査を実行するステップであって、ディスプレイ(16)が所定の解像度を有する、ステップと、装置(10)のディスプレイ(16)上に視力検査を表示するステップであって、表示された視力検査が不連続性(22)を含むグラフィカル表示(20)を含み、ユーザ応答を提供することによって不連続性(22)を識別するようにユーザ(12)に通知するステップとを含む。制御ユニット(14)及びディスプレイ(16)は更に、ユーザ応答に基づいて、及びディスプレイ(16)の1つ又は複数のピクセルを使用するアンチエイリアシングに基づいて、不連続性(22)を生成及び表示することによって、光学視力検査が調整されることを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ(12)の視力レベルのインディケーションを決定するためのコンピュータ実施の方法であって、前記方法は、
装置(10)のディスプレイ(16)と通信している制御ユニット(14)を使用して光学視力検査を実行するステップ、であって、前記ディスプレイ(16)は、所定の解像度を有する、ステップ、及び
前記装置(10)の前記ディスプレイ(16)上で前記光学視力検査を表示するステップであって、前記表示された光学視力検査は、不連続性(22)を含むグラフィカル表示(20)を含み、ユーザ応答を提供することによって前記不連続性(22)を識別するように前記ユーザ(12)を促す、ステップを含み、
前記光学視力検査は、前記制御ユニット(14)及び前記ディスプレイ(16)を使用し、前記ユーザ応答に基づき、且つ前記ディスプレイ(16)の一つ又は複数のピクセルを使用するアンチエイリアシングに基づき、前記不連続性(22)を生成すること及び表示することによって調整される、方法。
【請求項2】
前記不連続性(22)は、前記ディスプレイの長手方向に沿って整列され、前記不連続性(22)に関するインディケーション(28A、28B)の選択によって、ユーザ応答が前記制御ユニット(14)によって受信され、前記グラフィカル表示(20)は、前記グラフィカル表示(20)の対向する端部上の前記インディケーション(28A、28B)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ディスプレイ(16)は、タッチスクリーンとして構成されており、前記ユーザ応答は、前記インディケーション(28A、28B)に対応する前記ディスプレイ(16)の領域における、又はその方向における前記タッチスクリーンとの触覚の対話を用いて、前記制御ユニット(14)によって受信される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記グラフィカル表示(20)は、前記ディスプレイの長手方向に沿って基本的に配置された少なくとも2つの線を含み、前記不連続性(22)は、前記ディスプレイ(16)の長手方向に垂直な方向における前記線のオフセットとして形成される、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記ユーザ(12)の前記視力レベルのインディケーションは、前記制御ユニット(14)を使用して、前記ユーザ応答に基づいて決定される、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記視力検査は、前記制御ユニット(14)によって2つのステップで実行され、第1のステップにおいて、初期視力レベルのインディケーション(S200)が決定され、第2のステップにおいて、前記初期視力レベルのインディケーション(S200)が最終視力レベルのインディケーションとして精緻化及び/又は確認される(S500)、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のステップにおいて、前記グラフィカル表示(20)は、第1の視力レベルに対応する不連続性(22)を含み(S100)、前記ユーザ応答が前記不連続性(20)を正しく識別する場合、前記制御ユニット(14)は、前記ディスプレイ(16)上に、第2の視力レベルに対応する不連続性(22)を含む、更なるグラフィカル表示(20)を表示することによって前記視力検査を調整し(S110)、ユーザ応答を提供することによって前記不連続性(22)を識別するように前記ユーザ(12)を促し、前記第2の視力レベルは前記第1の視力レベルよりも高く、前記ユーザ応答が、前記不連続性(22)を識別しない場合、前記制御ユニット(14)は、前記初期視力レベルの前記インディケーションを、前記第1の視力レベルよりも低い所定の初期視力レベルに設定する(S200)、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ユーザ応答が、前記第2の視力レベルに従って前記不連続性(22)を正しく識別する場合、前記方法は、前記制御ユニット(14)を使用して、前記ディスプレイ(16)上に、所定の量を有する前記以前の視力レベルよりも高い視力レベルに対応する不連続性(22)を含む、更なるグラフィカル表示(20)を表示することによって、前記視力検査を調整するステップ(S112)、及びユーザ応答を提供することによって前記不連続性(22)を識別するように前記ユーザ(12)を促すステップを含み、
前記ステップ(S112)は、前記ユーザ応答が前記不連続性を正しく識別し、それによって前記初期視力レベルのインディケーションを達成する場合(S200)、所定の最大視力レベルが達成されるまで(S114)、又は前記ユーザ応答が前記不連続性を識別しなくなるまで、繰り返される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ユーザ応答が前記不連続性を識別しない場合、前記方法は、所定の量で前記以前の視力よりも低い視力レベルに対応する不連続性(22)を含む、更なるグラフィカル表示(20)を前記ディスプレイ(16)上に表示するステップ(S116)、及び更なるユーザ応答を提供することによって前記不連続性(22)を識別するように前記ユーザ(12)を促すステップによって、前記視力検査を調整するステップを更に含み、
更なるユーザ応答が前記不連続性(22)を識別しない場合、不連続性(22)が正しく識別されるまで、前記第1の視力レベルが達成されるまで、又は合計2つの後続の不連続性が識別されなくなるまで、前記視力検査を調整するステップは、繰り返され(S116B)、前記初期視力レベルの前記インディケーションは、最後に表示された不連続性に対応する前記視力レベル(S200)に設定され、又は
更なるユーザ応答が前記不連続性(22)を識別する場合、前記方法は、制御ユニット(14)を使用して、前記ディスプレイ(16)上に、所定の量を有する以前の視力よりも高い視力レベルに対応する不連続性(22)を含む更なるグラフィカル表示(20)を表示するステップ(S116A)、及び更なるユーザ応答を提供することによって、前記不連続性(22)を識別するように前記ユーザ(12)を促すステップによって前記視力検査を調整するステップを含み、前記更なるユーザ応答が前記不連続性(22)を識別する場合、前記ステップ(116A)は、不連続性(22)が識別されなくなるまで、又は前記最大視力レベルが達成されるまで、繰り返され(S114)、前記初期視力レベルの前記インディケーションは、前記最後に表示された不連続性(S200)に関連する前記視力レベルにセットされる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第2のステップにおいて、グラフィカル表示(20)のプールは、生成され(S400)、各グラフィカル表示(20)は、特定の視力レベルに対応する不連続性(22)を含み、前記プールは、前記初期視力レベルの前記インディケーションに従って不連続性(22)を有する所定の数のグラフィカル表示(20)を含み(S200)、且つ所定の量を用いて前記初期視力レベルよりも高い又は低い視力レベルに対応する不連続性(22)を有する所定の数のグラフィカル表示(20)を更に含み(S300)、前記視力検査は、前記制御ユニット(14)を使用して、前記プールからランダムに選択されたグラフィカル表示をディスプレイ(16)に表示し(S420)、且つ前記不連続性(22)を識別するように前記ユーザ(12)を促すことによって調整され、
前記方法は、
前記更なるユーザ応答が前記不連続性(22)を識別する場合及び前記視力レベルに対応する不連続性(22)を有するグラフィカル表示(20)が前記プールにまだ追加されておらず、且つ前記初期視力レベルの前記インディケーションから所定の量を超えていない場合、所定の量を用いた前記初期視力レベルの前記インディケーションよりも高い視力レベルに対応する不連続性(22)を有する所定の数のグラフィカル表示(20)を追加するステップ(S300)、及び/又は
前記更なるユーザ応答が前記不連続性(22)を識別しない場合及び前記視力レベルに対応する不連続性(22)を有するグラフィカル表示(20)が前記プールにまだ追加されておらず、且つ前記初期視力レベルの前記インディケーションから所定の量を超えていない場合、所定の量を用いた前記初期視力レベルよりも低い、又は前記初期視力レベルと同じ視力レベルに対応する不連続性(22)を有する所定の数のグラフィカル表示(20)を追加するステップ(S200)を含み、
前記グラフィカル表示(20)は、続いて表示され、各表示されたグラフィカル表示(20)は、ユーザ応答を受信した後に前記プールから除去され、前記最終視力レベルの前記インディケーションが前記ユーザ応答に基づいて決定される(S500)、
請求項6から9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記プールが更なるグラフィカル表示(20;S500)を含まない後に前記最終視力レベルの前記インディケーションが決定され、前記最終視力レベルの前記インディケーションが前記最後に正しく識別された最高の視力レベルに対応する、又は前記最終視力レベルの前記インディケーションが、前記ユーザ応答の大部分が前記不連続性(22)の識別に対応する前記最高の視力レベルとして決定される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記プールの前記生成は、前記初期視力レベルの前記インディケーションに従った不連続性(22)を有する、前記所定の数のグラフィカル表示(20)のユーザ応答を評価するステップ(S200)を含み、前記ユーザ応答の大部分が、前記不連続性(22)の識別に対応する場合、前記更なる所定の数のグラフィカル表示(20)は所定の量を用いた前記初期視力レベルの前記インディケーションよりも高い視力レベルに対応する不連続性(22)を有し(S300)、或いは、前記ユーザ応答の大部分が、前記不連続性(22)の識別に対応しない場合、前記更なる所定の数のグラフィカル表示(20)は、所定の量を用いた前記初期視力レベルの前記インディケーションよりも低い視力レベルに対応する不連続性(22)を有する(S300)、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
前記グラフィカル表示(20)の前記位置合わせは、前記長手方向に垂直な位置合わせに切り替えられる、又は前記第2のステップが実行されるとき、前記装置(10)は、直立位置から横方向に延びる位置に回転される、請求項6から12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記表示された光学視力検査は、白色背景上に黒色で表示されたグラフィカル表示(20)を含む、又は原則的にそれからなる、請求項1から13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記表示された光学視力検査は、少なくとも2つの線を含み、前記調整は、前記線のサイズ、長さ、及び/又は厚さを調整することを含む、請求項1から14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記方法は、前記制御ユニット(14)と通信している前記装置(10)の光学センサ(18)を用いることによってユーザ(12)の少なくとも顔面の特性を検出するステップを更に含み、
前記制御ユニット(10)は、前記検出された顔面の特性に基づいて、前記ディスプレイ(16)と前記ユーザ(12)の検出された顔面の特性との間の距離(24)を決定し、前記決定された距離(24)及び前記解像度に基づいて、前記表示された光学視力検査を調整する、請求項1から15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記ディスプレイ(16)と前記ユーザ(12)の前記検出された顔面の特性との間の角度(26)は、前記制御ユニット(14)を使用して決定され、前記表示された光学視力検査は、前記決定された角度(26)に基づいて調整される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記表示された光学視力検査は、前記制御ユニット(14)と通信している前記装置(10)の光学センサ(18)によって検出された周囲の明るさ、コントラスト、及び/又は色相に基づいて、前記制御ユニット(14)によって調整される、請求項1から17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記調整は、前記ディスプレイ(16)の明度、コントラスト、及び/又は色相を調整することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記調整が、連続的に又は周期的に行われる、請求項16から19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
コンピュータ可読記憶媒体上に具現化され、プロセッサ上で実行されたとき、請求項1から20のいずれかに記載の方法の動作を実行するように構成されたコンピュータプログラム製品。
【請求項22】
制御ユニット(14)及びディスプレイ(16)を含む、ユーザ(12)の視力レベルのインディケーションを決定するための装置(10)であって、前記装置(10)は、請求項1から15のいずれかに記載の方法を実行するように構成される、装置。
【請求項23】
光学センサ(18)を更に含み、請求項16から20のいずれかに記載の方法を実行するように構成される、請求項22に記載の装置(10)。
【請求項24】
前記装置(10)は、携帯型及び/又はハンドヘルド装置として構成される、請求項22又は23に記載の装置(10)。
【請求項25】
前記装置(10)は、モバイル端末として構成され、光学センサ(18)として一体型カメラを含む、請求項24に記載の装置(10)。
【請求項26】
前記装置(10)は、無線通信モジュールを含み、前記制御ユニット(14)は、前記無線通信モジュールから受信されたデータを使用して前記光学視力検査を実行する、及び/又は前記無線通信モジュールを使用して前記視力レベルの前記決定されたインディケーションを遠隔装置に送信するように構成される、請求項22から25のいずれかに記載の装置(10)。
【請求項27】
前記グラフィカル表示(20)は、前記ディスプレイの長手方向に沿って原則的に配置された少なくとも2つの線を含み、前記不連続性(22)は、前記ディスプレイ(16)の長手方向に垂直な方向における前記線のオフセットとして形成され、前記ユーザ(12)の前記視力レベルのインディケーションは、前記制御ユニット(14)を使用することによって、前記ユーザ応答に基づいて決定される、請求項1から19のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
前記制御ユニット(14)は、前記ディスプレイ(16)の検出された解像度に基づいて、前記表示された視力検査を調整する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記オフセットは、前記アンチエイリアシングを使用して前記1つ又は複数のピクセルの勾配シフトとして形成される、請求項27又は28に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの視力レベルのインディケーションを決定するためのコンピュータ実施の方法の分野、並びに対応するコンピュータプログラム製品及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多数の眼の疾患が存在し、これらは、視覚的挙動、若しくは生理学的状態によって後天的であり得る、又は少なくとも部分的に先天性であり得、その結果、人々は、特定の眼の疾患を発症しやすくなり得る。そのような例の多くにおいて、潜在的危険因子又は眼の疾患の発症の早期診断は、発症を遅らせ、眼の状態を改善し、及び/又は特定の疾患を治癒させるために必須であり得る。例えば、早期診断は、経験された症状を低減又は治療するための適切な調整又は薬物療法をもたらし得る。
【0003】
眼の健康状態を評価するために、眼の疾患を発症するリスクのある患者又は人々は、従って、検眼士といった医療専門家を訪問する必要があり、眼の状態及び患者の視覚的性能の評価を補助するために、1つ又は複数の検査が実施され得る。医師のオフィス又は診療所又は医療機関へのそのような訪問は特に、眼の疾患の発症及び/又は患者の視覚能力を追跡するために、定期的又は周期的にそのような検査を実施することが患者に要求されるとき、患者に負担をかけ得る。
【0004】
従って、遠隔地、好ましくは患者の自宅でそのような検査を実行することが好ましい。そのような検査は一般に、患者と装置の両方が特定の位置にある、より大きな装置で医師の業務において行われるが、そのような装置は、患者の家に存在しない。従って、遠隔地で実施され得る検査の数は、入手可能なツールに制限され得、それは物流及び製造コストに起因して、制限され、それによって、そのような検査の多様性にも制約を課す。
【0005】
代替として、特定の検査は、コンピュータ上で、又は必要な検査を実行することができる装置上で実行されてもよく、ユーザは、そのような装置のディスプレイを使用して検査を実行してもよい。しかしながら、装置のタイプ及び周囲条件の両方が変化し得るため、検査が等しい及び/又は標準的な状態で実行されることを保証することは一般に困難である。現在、ユーザは、適切な条件下で、所定の寸法に従って、検査を実行するようにユーザに動機づけるための命令を与えられるだけでよい。
【0006】
多くの眼の疾患は、視力に関連し、これは視力の明瞭さとも呼ばれ、光学及び神経因子に依存し、低視力は、眼球又は角膜の形状の収差、非点収差、及び/又はレンズの減少したフレキシビリティなどの屈折異常に起因し得る。そのような屈折異常は、ユーザ又は患者の近視又は遠視をもたらし得る。更に、例えば、加齢性黄斑変性症などの網膜疾患もまた、視力低下の要因となり得る。
【0007】
視力を評価するために、視力が中心に沿って通常最も高いため、中心又は中心窩視力の測定を提供するように、眼を固定し、焦点を合わせている間に検査は、一般に行われる。その上、そういった検査は、互いに平行に摺動する2つの目盛セグメント間のオフセットを識別する能力を評価する視力の測定値であるベルニア視力の原理に基づいてもよい。従って、そういった検査を実行する場合、検査が適切な条件下で且つ所定の寸法に従って実行されることを確実にするために、被験者の眼と検査装置、例えば装置のディスプレイ、との間の特定の距離を維持することが重要である。これは、装置のタイプが多様であり得、周囲及びユーザの挙動を含む検査条件が一貫しないことがあるため、重要であると考えられる。同様に、様々な装置のディスプレイは、異なる特性を有することができ、特に、異なる解像度を有することができ、その結果、検査は、共通の規格に従って、又は標準化された条件下で実行され得ない。更に、そういった検査の精度又は視力レベルの評価は、更に制限され得る。
【0008】
国際公開第98/18381号A1から、カスタマイズされたディスプレイ画面上に表示される標準化された文字のいかなる収差又は歪みも明示的に回避するためにアンチエイリアシングを使用する視力テスタが知られている。特に、アンチエイリアシングは、理想的な検査文字形状が画素アレイ内に収容できないために生じるギザギザのエッジを平滑化することによって、検査文字に使用される。これにより、ユーザが目立つ歪みを認識しないように文字が表示され、文字が明瞭かつ中央に配置されて見栄えが良くなる。
【0009】
更なる問題は、検査を実際に実行するときの直感性の欠如であり、その理由は、そういった検査が一般に、ユーザが、表示されたミスアライメントを修正するために手動調整を実行することを必要とするからである。そういった手動調整は、1つ又は複数のボタンの作動を必要とする場合があり、時間がかかり、従って、ユーザフレンドリであると認識されない場合がある。更に、そういった条件下で検査を実行する場合、手動エラーのリスクが増大する。更に、手動調整は特に、そういった検査がしばしば時間がかかるため、検査を実行するために適切な状態を維持することを困難にし得る。
【0010】
従って、ユーザの視力レベルを信頼できる方法で決定するために、特定のタイプの装置にかかわらず、所望の検査精度を確立しながら、分散された方法で視力検査の実行を容易にする方法及び装置が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、上述した望ましくない課題を改善する、ユーザの視力を決定するための装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本目的は、独立請求項によって達成される。好ましい実施形態は、従属請求項、明細書、及び図面に示されている。
【0013】
従って、第1の態様において、以下のステップを含む、ユーザの視力レベルを決定するためのコンピュータ実施の方法が提案され、
装置のディスプレイと通信する制御ユニットを使用して光学視力検査を実行することであって、ディスプレイが所定の解像度を有するステップ、及び
装置のディスプレイ上に光学視力検査を表示するステップであって、表示された光学視力検査は、不連続性を含むグラフィカル表示を含み、ユーザ応答を提供することによって不連続性を識別するようにユーザに促す、ステップ、
制御ユニット及びディスプレイを使用し、光学視力検査は、ユーザ応答に基づいて、且つディスプレイの1つ又は複数のピクセルを使用してアンチエイリアシングに基づいて、不連続性を生成及び表示することによって調整される。
【0014】
アンチエイリアシングの使用は、可能な不連続性の範囲、従って、測定されるべき視力レベルの範囲が増加され得ることを可能にする。従って、不連続性は、ディスプレイの1つ又は複数のピクセルを使用し、制御ユニット及びディスプレイを使用するアンチエイリアシングに基づいて生成され、表示される。
【0015】
そういったアンチエイリアシングは、ピクセルが黒色又は白色で提示されることができるだけでなく、その間に任意の特定のグレースケール色を本質的に含む、又は提示することができるという事実に基づく。ユーザは、黒ピクセルのピクセルシフトをより容易に知覚し得、すなわち、黒ピクセルを隣接ピクセルに向かって移動させ、前のピクセル位置を白ピクセルとして提示し得るが、勾配シフトを知覚し得ず、例えば前の黒ピクセルは、90パーセント強度に低減され、隣接する白ピクセルは、10パーセントピクセル強度を有する黒ピクセル強度に増大される。換言すると、第1のケースにおいて、ユーザは、ピクセルシフトを横断ピクセルとして検出することができるが、そのような勾配シフトに気付かないことがある。
【0016】
特に、特定のピクセル厚さ、例えば4から6又は5ピクセル、を有する線について、アンチエイリアシングは、そういった線の間のオフセットが、完全なピクセルによって提供され得るだけでなく、勾配シフトを提供することによっても提供することができ、外側のピクセルがそのような勾配シフトに寄与し得るだけでなく、より中央に配置されたピクセルもそのような勾配シフトを示し得る。それによって、視力検査の精度及び詳細レベルを更に高めることができ、それにより、標準的なディスプレイを使用して、且つ完全なピクセルシフトを使用して、以前は識別できなかった医学的に有意な視力レベルに対するサポートを提供することができる。
【0017】
従って、アンチエイリアシングに基づく不連続性を提供することは、好ましくは特定の視力レベルを示すことができるグラフィカル表示の構造の領域の偏差又は(勾配)シフトを意図的に提供すると考えることができ、アンチエイリアシングは、改善された視力検査解像度を可能にする。
【0018】
その上、ディスプレイの解像度が考慮され、その結果、例えばディスプレイの大きさ及びピクセル密度に応じて、表示される視力検査は、様々な寸法を有することができる。従って、ユーザに対する外観を著しく変更することなく、様々な装置に対して視力検査を実行することができる。
【0019】
例えば、コンピュータ実施の方法は、ラップトップコンピュータ、ノートブック、タブレット、又は例えば携帯端末若しくはPDAなどの他の携帯型ハンドヘルド装置上で実行されてもよく、本方法は、モジュール内で実施されてもよく、又は装置上に記憶される、若しくは装置に他の方法で提供されるコンピュータ可読命令として記憶されてもよい。そういった命令は、次いで、装置の制御ユニットによって実行され得、それは、特定の実施形態において、好ましくはオンボードメモリ及び/又は記憶媒体に通信可能に結合された、プロセッサ又は統合マイクロプロセッサとして提供され得る。
【0020】
上記で概説したように、ディスプレイは、ディスプレイの大きさ又は面積を掛けたピクセル密度として定義され得る解像度を更に備える、又は示すものであり、この領域は、例えばディスプレイの高さ及び横幅である、装置の縦方向及び縦方向に垂直な方向におけるディスプレイの拡大によって定義される。従って、ディスプレイの解像度を知ると、制御ユニットは、所定の寸法に従って視力検査を表示するように、表示された視力検査を調整又は適応させることができる。
【0021】
視力検査の適応は、特定の種類の視力検査に限定されず、ベルニア視力に基づいて検査を行う場合、及び形状のバリエーションを検査する場合の両方に対して実施することができる。いずれの場合も、アンチエイリアシングは、フルピクセルシフトではなく勾配シフトを提供することによって、視力検査の精度及び詳細レベルを更に高めることができることを提供する。
【0022】
用語「調整する」は、ディスプレイの初期の設定と、例えばユーザの反応に基づいて、視力検査の実施中に設定を変更することとの両方を含むものとして理解されるべきである。調整又は設定は、対応するディスプレイ又は制御信号をディスプレイ又はディスプレイユニットに提供することによって実行され得、それによって、ディスプレイが所定の寸法に従って視力検査を提示することを可能にする。
【0023】
所定の寸法に言及する場合、表示される視力検査は、ディスプレイの少なくとも1つの方向における特定のサイズ及び/又は拡大を含み得ることが理解されるであろう。上記で説明したように、制御ユニットは、ディスプレイに制御信号を出力して、例えば、表示された視力検査の大きさ又は拡大を増大させてもよく、その結果、視力検査は、ディスプレイの一部分のみに表示されてもよく、又はディスプレイ全体を本質的に覆うまでディスプレイ上に拡大してもよい。変動するスパニングは更に、ディスプレイの解像度に依存し、従って、より低い解像度を有するディスプレイは、より高いピクセル密度を有するディスプレイと比較して、より少ない数のピクセルがアクティベートされることを必要とし得る。
【0024】
検査を実行するときにユーザの体験を更に最適化するために、表示される光学視力検査は、好ましくは白色背景上に黒色で表示されるグラフィカル表示を含む、又は本質的に構成する。そういった特徴は、グラフィカル表示が容易に認識可能であることを提供するだけでなく、周囲からのグレアの知覚を低減する。換言すると、強い周囲光を有する条件下でさえ、ユーザは依然としてグラフィカル表示を見ることができ、視力検査を実行することを困難又は激しくする潜在的可能性がある、かなりの努力を必要とすることなく、視力検査を実行することができる。
【0025】
本方法は、様々なタイプの光学視力検査を実行することを可能にし、表示された視力検査の寸法は、ディスプレイの解像度に基づいて適合され得る。好ましくは、表示される光学視力検査は、少なくとも2つの線を含み、調整は線のサイズ、長さ、及び/又は厚さを調整することを含む。従って、線は、異なる解像度を有する様々な装置間で同じ全体的外観を有することができる。
【0026】
例えば、線の厚さは、所定の数のピクセル(例えば、5ピクセル)から構成されてもよいが、線の幅又は厚さは、その結果として、例えば(超)高解像度ディスプレイが低解像度を有するディスプレイと比較してより多くの数の画素を使用することができ、ユーザによって知覚される厚さが本質的に同じになるように、従って適合されてもよい。
【0027】
光学視力検査を実行するとき、表示された光学視力検査は、不連続性を含むグラフィカル表示を含み、ユーザ応答を提供することによって不連続性を識別するようにユーザに促す。ユーザ応答に基づいて、次いで、光学視力検査は、制御ユニットを使用して調整され得る。
【0028】
不連続性は、形状の不規則性として提供されてよく、不規則性は、例えば特定の大きさを有する隆起又は間隙を有する円によって、又は縦軸に沿って配置された2つの線によって、連続線に対するオフセットとして形成されてもよく、線は、垂直方向にオフセットされる。より大きな不連続性は、ユーザによってより容易に識別され得るが、より小さな不連続は、あまり明らかでなく、従って、ユーザの視力レベルを決定するための測定を形成し得る。ユーザ応答、すなわち、ユーザが不連続性を正しく識別したか否かに基づいて、制御ユニットは、ユーザ応答を評価し、例えばスコアリング及び/又は平均化アルゴリズムに基づく、視力レベルを決定することができる。
【0029】
視力検査を実行するユーザとの対話を更に容易にするために、不連続性は、好ましくはディスプレイの長手方向に沿って整列され、ユーザ応答は、不連続性に関連するインディケーションの選択によって制御ユニットによって受信され、グラフィカル表示は、グラフィカル表示の対向する端部上のインディケーションを含む。
【0030】
例えば、表示された位置ずれの調節又は修正を行うというよりも、ユーザは単に、不連続性が存在するかどうかを示すことを必要とされるだけであり、その結果、視力検査の実行が容易になり、より直感的になり、それによって、ユーザ経験が改善され、視力検査を実行するのに必要な期間が短縮される。更に、これはまた、所定の間隔に従って検査が実行される可能性がより高くなるように、そういった検査を実行する頻度を増加させるようにユーザを動機付けることができる。これにより、例えば黄斑変性症の発症や、ユーザの視力に影響を与え得る他の要因がより早い段階で検出される可能性が高くなり、それに応じて修正や療養を行うことができる。
【0031】
対向する端部に表示を有することは、ユーザの焦点がディスプレイの中心に維持されることを更に確実にし、不連続性は、好ましくは中心に表示される。これによって、装置の周辺からの任意の干渉物体及び変動要素は、可能な限りスクリーンアウトされ、グラフィカル表示を囲むディスプレイは、ユーザが視力検査を実行しているとき、より均質な外観を提供するように構成され得る。
【0032】
ユーザインタラクション及び視力検査の実行を更に容易にするために、ディスプレイは、好ましくはタッチスクリーンとして構成され、ユーザ応答は、インディケーションに対応するディスプレイの領域における、又はその領域の方向におけるタッチスクリーンとの触覚インタラクションを用いることによって、制御ユニットによって受信される。そういったアプローチは、ユーザが他のハンドヘルド装置にも適用され得るインタラクションを使用して、ユーザ応答をトリガし得ることを保証する。ユーザは、例えば指でタップする、又はディスプレイ上の中央位置からインディケーションを含む対応する端部まで指をスワイプすることによって、ユーザ反応をトリガすることができる。これにより、扱いにくい調整は、必要とされず、ユーザは、ディスプレイの中心に焦点を合わせた状態を維持することができる。
【0033】
更に、例えば形状の不規則性を検出すること、又は連続的な外観を有する形状と比較して不規則性を有する形状を選択することの代わりに、グラフィカル表示は、好ましくは少なくとも2つの線を含む。少なくとも2つの線は、本質的にディスプレイの長手方向に沿って配置され、不連続性がディスプレイの長手方向に垂直な方向における線のオフセットとして形成される。上記で説明したように、線は従って、連続線を形成するように、本質的に同じ軸に沿って整列され得るが、接続端部から開始して、すなわち、千鳥状に、互いにオフセットされる。そのような場合において、ユーザは、線が連続線を形成すること、又は不連続であることを示すことを要求され得、表示されるオフセットは、ユーザの視力レベルの測定である。
【0034】
従って、ユーザの視力レベルのインディケーションは、制御ユニットを使用して、ユーザ応答に基づいて決定されることが好ましい。
【0035】
視力レベルのインディケーションを決定するために、視力検査は、2つのステップで制御ユニットによって実行されてもよく、第1のステップにおいて、初期視力レベルのインディケーションが決定され、第2のステップにおいて、初期視力レベルは、最終視力レベルのインディケーションとして洗練及び/又は確認される。換言すると、第1のステップは、視力レベルの推定値を提供することができ、一方、第2のステップにおいて、視力レベルのインディケーションのより正確な検査又は微調整は、最終スコア又は示された視力レベルを解決するように実行される。これは、第1のステップがより迅速に実行され得る一方で、同時に2つのステップが分離され得る、すなわち、異なる時点で実行され得るという利点を有する。これは、検査にかかる時間がより少なく、2つのステップの分離が、密度時間スパンが短縮され得るため、時間がより少なくなり得るため、より快適であると知覚され得る。
【0036】
視力検査は一般に、診断を提供しないが、結果は、視力推定として使用され得、更なる検査を不要にし得る。代わりに、視力検査は一般に、診断の実施を支援するために、視力性能を評価する医師のためのインディケーションを提供する。
【0037】
好ましい実施形態において、第1のステップにおいて、グラフィカル表示は、第1の視力レベルに対応する不連続性を含む。ユーザ応答が不連続性を正しく識別する場合、制御ユニットは、ディスプレイ上に、第2の視力レベルに対応する不連続性を含む更なるグラフィカル表示を表示し、ユーザ応答を提供することによって不連続性を識別するようにユーザに促すことによって、視力検査を調整し、第2の視力レベルは、第1の視力レベルよりも高い。ユーザ応答が不連続性を識別しない場合、制御ユニットは、初期視力レベルのインディケーションを、第1の視力レベルよりも低い所定の初期視力レベルに設定する。
【0038】
視力レベルは、LogMAR値としても知られる、最小分解能角度の対数を参照してスコア化され得る。こういったスケーリングを用いると、1の底が10の対数が0であるため、視角の1分程度の小ささの詳細を解像できる観察者は、LogMAR0を得られると考えられる。同様に、2の底が10の対数がほぼ0.3であるため、視角の2分程度の小ささの詳細を解像できる観察者は、LogMAR0.3を得られ、より高い値は、対応する低減されたビジュアル視力を示す。従って、不連続性を使用すると、グラフィカル表示のオフセットは、特定のLogMAR値に対応することができ、その結果、例えば0.7のLogMAR値に対応する第1の視力レベルから開始し、例えばLogMAR-0.7までにわたる視力レベルの増加に伴う連続性を含むグラフィカル表示が表示され得る。ユーザが第1の視力レベルを識別できない場合、初期視力レベル又は推定閾値のインディケーションは、より低い視力レベル、例えばLogMAR1.0に設定され得る。
【0039】
一方、ユーザ応答が第2の視力レベルに従って不連続性を正しく識別する場合、本方法は、制御ユニットを使用して、更なるグラフィカル表示をディスプレイ上に表示することによって、視力検査を調整するステップを実行することを更に含み得る。それは、所定の量を用いて以前の視力よりも高い視力レベルに対応する不連続性を含み、ユーザ応答を提供することによって不連続性を識別するようにユーザに促すことができる。本ステップは、ユーザ応答が不連続を正確に識別し、それによって初期視力レベルのインディケーションを達成する場合、典型的には所定の最大視力レベルが達成されるまで、又はユーザ応答が不連続を識別しなくなるまで、繰り返される。
【0040】
上記の実施例に続いて、ユーザは、LogMAR0.7の第1の視力に対応する不連続性を提示され得る。不連続性を識別した後、表示される後続のグラフィカル表示は、第2のグラフィカル表示が例えば0.4のLogMAR値に対応することができ、所定の量又はΔ値が0.3であるように、所定の量を有する、低減されたLogMAR値、すなわちより高い視力値を含む。同様に、第2のグラフィカル表示による不連続性が正しく識別されると、第3のグラフィカル表示は、表示され、不連続性は、例えば、-0.7の所定の最大LogMARが達成されるまで、0.1のLogMARを得るように調整される。所定量は、例えば第1のセットのグラフィカル表示がより大きい視力差に対応し、最大LogMAR値に向かう不連続性間の差がより小さく、それにより、初期の視力レベルの改善された推定を提供することができるように、各段階の間で変化してよい。
【0041】
しかしながら、ユーザの反応が不連続性を識別しない場合、例えば第2の又は後続の不連続性は、制御ユニットを使用して、更なるグラフィカル表示をディスプレイ上に表示することによって、視力検査を調整するステップを実行することを更に含んでもよい。更なるグラフィカル表示は、所定の量を用いて以前の視力よりも低い視力レベルに対応する不連続性を含み、更なるユーザ応答を提供することによって、ユーザに不連続性を識別するよう促すことができ、
- 更なるユーザ応答が不連続性を識別しない場合、不連続性が正しく識別されるまで、第1の視力レベルが達成されるまで、又は合計2つの後続の不連続性が識別されなくなるまで、本ステップが繰り返され、初期視力レベルのインディケーションが、最後に表示された不連続性に対応する視力レベルに設定される、又は
- 更なるユーザ応答が不連続性を識別する場合、本方法は、制御ユニットを使用して、ディスプレイ上に、所定の量を用いて、以前の視力よりも高い視力レベルに対応する不連続性を含む更なるグラフィカル表示を表示することによって、視力検査を調整するステップを実行することを更に含み、更なるユーザ応答を提供することによって、ユーザに不連続性を識別するように通知し、更なるユーザ応答が不連続性を識別する場合、不連続性が識別されなくなるまで、又は最大視力レベルが達成されるまで、本ステップが繰り返され、初期視力レベルのインディケーションが、最後に表示された不連続性に対応する視力レベルに設定される。
【0042】
ここでも、LogMAR値に基づく上記の実施例に続いて、第2の視力レベルは、例えばLogMAR値0.4に対応し得る。不連続性が識別されない場合、制御ユニットは、表示される後続の不連続性が0.6のLogMAR値に対応するように、例えば0.2の所定のΔ値だけLogMAR値を増大させることができる。同様に、ユーザが例えば-0.1についてのΔ値に対応する第3の不連続性を識別し、例えば0.4についてのLogMAR値を有する第4の不連続性を識別しない場合、制御ユニットは、LogMAR値を、例えば+0.1の所定のΔ値だけ増大させ、その結果、ディスプレイは、0.5のLogMAR値を有する更なるグラフィカル表示を表示する。
【0043】
そのようなシナリオにおいて、2つの選択肢が存在する。ユーザが不連続性を識別しない場合、その後、不連続性を識別するようにユーザに促す更なるグラフィカル表示が表示され、各後続の不連続性のLogMAR値は、所定の量又はΔ値だけ増加される。このシーケンスは、いったん不連続性が正しく識別されると、又は第1の視力レベルが達成されるまで、停止される。例えば、0のLogMAR値を有するグラフィカル表示は、識別されず、次の不連続性は、0.1のLogMAR値に対応し得る。ユーザが不連続性を識別する場合、初期視力レベルのインディケーションは、0.1のLogMAR値に設定される。しかしながら、ユーザが後続の不連続性のいずれも識別せず、例えば0.7についての第1の視力レベルに達した場合、制御ユニットは、初期の視力レベルのインディケーションを第1の視力レベルに設定する。
【0044】
代替的に、潜在的な誤差を低減し、視力検査、すなわち、視力検査の第1のステップを高速化するために、初期視力レベルのインディケーションはまた、合計2つの不連続、好ましくはその後の不連続が識別されないと、以前に表示された不連続に対応する視力レベルに設定されてもよい。
【0045】
第2の選択肢は、更なるユーザ応答が不連続性を識別する場合、所定の量を用いて、以前の視力レベルよりも高い視力レベルに対応する不連続性を含む更なるグラフィカル表示を表示し、更なるユーザ応答を提供することによって、ユーザに不連続性を識別するよう促すことによって、視力検査が調整されることを提供する。例えば、例として0までのLogMAR値の初期の増大は、ユーザによって識別されてもよく、その後に表示されるグラフィカル表示は、-0.1のLogMAR値に対応する不連続性を含み、例えば、LogMAR値の低下は、0.1の所定量又はΔ値で実行される。このステップは、初期の微調整と、任意の潜在的な統計誤差の低減との両方を提供する。ユーザが後続の不連続性を識別する場合、例えば-0.3のLogMAR値に対応する、不連続性が識別されなくなるまで、ステップが繰り返され、初期視力レベルのインディケーションは、値に対応する視力レベルに設定される。同様に、ユーザが最大視力レベルに達した場合、例えばLogMAR値-0.7に対応する、初期視力レベルのインディケーションは、最大LogMAR値に対応する視力レベルに設定される。
【0046】
初期視力レベルのインディケーションを取得した後、本方法は、第2のステップを実行することができ、グラフィカル表示のプールが生成され、各グラフィカル表示は、特定の視力レベルに対応する不連続性を含む。プールは、典型的には初期視力レベルのインディケーションに従って不連続性を有する所定数のグラフィカル表示を含み、更に、所定量を有する初期視力レベルのインディケーションよりも高い視力レベルに対応する不連続性を有する、すなわち、より低いLogMAR値に対応する所定数のグラフィカル表示を含む。視力検査は、制御ユニットを使用して、プールからランダムに選択されたグラフィカル表示をディスプレイ上に表示することによって、及び不連続性を識別するようにユーザに促すことによって調整され、本方法は、
- 更なるユーザ応答が不連続性を識別し、視力レベルに対応する不連続性を有するグラフィカル表示がまだプールに加えられておらず、初期視力レベルのインディケーションから所定の量を超えていない場合、所定の量で、視力レベルのインディケーションよりも高い視力レベルに対応する不連続性を有する所定の数のグラフィカル表示を加えるステップ、及び/又は
- 更なるユーザ応答が不連続性を識別せず、且つ、視力レベルに対応する不連続性を有するグラフィカル表示がまだプールに追加されておらず、且つ、初期視力レベルの表示からの所定量を超えない場合、初期視力レベルの表示よりも低い視力レベルに対応する不連続性を有するグラフィカル表示の所定数を、初期視力レベルの表示に追加するステップ、を含み、
ここで、グラフィカル表示は、続いて表示され、各表示されたグラフィカル表示は、ユーザ応答が受信されると、プールから除去され、最終視力レベルのインディケーションは、ユーザ応答に基づいて決定される。
【0047】
例えば-0.3のLogMAR値に対応して、初期視力レベルのインディケーションは、取得され得る。このケースにおいて、プールは、例えば-0.3に対応する不連続性を有する3つのグラフィカル表示を、所定の数字を含めることによって生成される。更に、プールは、より高い視力レベルを有する不連続性を有する所定の数のグラフィカル表示を含み、所定の量は、例えば0.1のLogMARデルタ値に対応することができ、その結果、例えば-0.4に対応する不連続性を有するグラフィカル表示の所定の数も3つがプールに追加される。所定の数は、一実施形態において提供され得るが、例示的な目的のために提供されるに過ぎず、グラフィカル表示又は視力レベルのグループごとに異なり得る。同様に、所定の量はまた、決定されるべき視力レベルの所望の精度に応じて、より高い又はより低い値に対応し得る。
【0048】
プールが生成された後、ランダムなグラフィカル表示は、表示され、ユーザは、グラフィカル表示を識別するように促される。この場合において、ユーザは、不連続性を正確に識別する、又は例えば不連続性を連続的なグラフィカル表示として知覚することができる。前者の場合において、所定の量を有する初期視力レベルのインディケーションよりも高い視力レベルに対応する不連続性を有する所定の数のグラフィカル表示は、プールに追加される。しかしながら、これは、視力レベルに対応する不連続性を有するグラフィカル表示がまだプールに追加されておらず、レベルが初期視力レベルのインディケーションから所定の量を超えない場合にのみ当てはまる。
【0049】
換言すると、ランダムに表示されたグラフィカル表示は、-0.4のLogMAR値に対応する不連続性を含む場合、例えば-0.5のLogMAR値に対応する、より高い視力の不連続性を有するグラフィカル表示は、例えば0.4のLogMARについての所定の量を超えず、すなわち、-0.7のLogMAR又は1のLogMARを超えない。更に、初期プールの生成後、視力レベルに対応する不連続性を含むグラフィカル表示は、追加されていなくてもよい。従って、例えば-0.5のLogMARに対応する、すなわち、より高い視力に対応する不連続を有する所定の個数のグラフィカル表示は、プールに追加される。上記の実施例において、初期プールは、全部で6つのグラフィカル表示を含むことができ、3つの不連続性は、-0.3のLogMAR値に対応し、3つの不連続性は-0.4のLogMAR値に対応する。-0.4のLogMAR値に対応する不連続性を識別した後、例えば-0.5のLogMAR値に対応する不連続性を有する3つの更なるグラフィカル表示は、プールに追加される。第1の表示されたグラフィカル表示がプールから除去されると、プールは、全部で8つのグラフィカル表示からなり、3つの不連続性は、-0.3のLogMAR値に対応し、3つの不連続性は-0.5のLogMAR値に対応し、ここで2つの不連続性は、-0.4のLogMAR値に対応する。
【0050】
この追加は、それぞれのLogMAR値に対応する更なるグラフィカル表示がプールにまだ追加されておらず、より高い視力レベルが示された初期視力レベルからの所定のオフセットを超えなかったため、実行される。一方で、更なる表示されたグラフィカル表示もまた、-0.3のLogMAR値に対応する不連続性を有する場合、より高い視力レベルを有する不連続性を有するグラフィカル表示が既に追加されているため、正確な識別の際に更なるグラフィカル表示は、プールに追加されない。
【0051】
更なるユーザ応答が、例えば-0.4のLogMAR値への対応する不連続性を識別しない場合、例えば-0.3のLogMAR値への、初期視力のインディケーションに対応する不連続性を有する所定の数のグラフィカル表示は、プールの生成時に対応する不連続性を含むグラフィカル表示が既に追加されているため、追加されない。一方で、更なるユーザ応答が例えば-0.3のLogMAR値への対応する不連続性を識別しない場合、例えば-0.2のLogMAR値に対応する不連続性を有する所定数のグラフィカル表示が追加されるが、これはそのような対応する視力レベルがまだ追加されておらず、視力レベルが、例えば-0.7から1のLogMARまでの所定の許容範囲を超えないためである。
【0052】
グラフィカル表示が表示され、対応するユーザ応答が受信された後、プールが更なるグラフィカル表示を含まないとき、ユーザ応答に基づいて最終視力レベルのインディケーションが決定される。好ましくは、最終視力レベルのインディケーションは、最後に正しく識別された最高視力レベルに対応する、又は最終視力レベルのインディケーションは、ユーザ応答の大部分が不連続性の識別に対応する最高視力レベルとして決定され得る。例えば、同じ、最高の視力レベルに対応する3つの不連続性のうちの2つが正しく識別された場合、視力レベルは、視力レベルの最終的な推定又は評価として使用される。しかしながら、ユーザ応答の大部分が不連続性の識別に対応しない場合、最終的な視力レベルのインディケーションは、そのような大部分が決定された次の視力レベルとして決定され得る。
【0053】
代替的に、又は追加的に、これは、例えばユーザ応答を評価し、統計解析を実行すること、及び/又はそれぞれのユーザ応答及び対応する視力水準によって定義される対応する得点を平均化することによって、行われ得る。
【0054】
プールの生成は、好ましくは初期視力レベルのインディケーションに従って不連続性を有する所定数のグラフィカル表示のユーザ応答を評価することを含み、更なる所定数のグラフィカル表示は、ユーザ応答の大部分が不連続性の識別に対応する場合、所定量を有する初期視力レベルのインディケーションよりも高い視力レベルに対応する不連続性を有し、又はユーザ応答の大部分が不連続性の識別に対応しない場合、所定量を有する初期視力レベルのインディケーションよりも低い視力レベルを有する。従って、上記の実施例に続いて、初期プールは、-0.3LogMARの初期視力レベルのインディケーションに従う不連続性を有する3つのグラフィカル表示と、-0.4LogMARの視力レベルに対応する不連続性を有する3つのグラフィカル表示とから構成され得る。
【0055】
光学視力検査を実行するとき、グラフィカル表示の位置合わせは、長手方向に垂直な位置合わせ又は第2のステップが実行されるとき、装置は、直立位置から横方向に延びる位置に回転されるような位置合わせに切り替えられることが更に予見され得る。換言すると、ユーザは、視力検査の第1のステップを実行しながら、ディスプレイを直立位置に維持することができる。グラフィカル表示の方位は、自動的に回転される、あるいは、ユーザが第2のステップを実行するとき、ディスプレイを約90度回転させるように要求される。これは、視力が少なくとも2つの方位で検査されること、及びユーザが方位の変動に起因して視力検査を継続するようにインセンティブを与えられ、動機付けられ得ることを確実にする。
【0056】
所定の距離を維持するために、装置は、光学センサを更に含んでよく、本方法は、ユーザが所定の範囲内にいない場合、すなわち、ディスプレイから遠すぎるか又は近すぎる場合、警告が出力されることを提供してもよい。
【0057】
より好ましくは、制御ユニットが制御ユニットと通信している装置の光学センサを用いることによって、本方法は、ユーザの少なくとも顔面の特性を検出するステップを更に含み、制御ユニットは、検出された顔面の特性に基づいて、ディスプレイと検出されたユーザの顔面の特性との間の距離を決定し、決定された距離及び解像度に基づいて、表示された光学視力検査を調整する。
【0058】
好ましい実施形態によれば、ユーザは、ディスプレイから約35cm~約45cm、好ましくは約40cmである。従って、ユーザは、視力検査の実行中の任意の時点で、ディスプレイに対するその位置を適応させるか、又は静止位置に留まる必要がある。
【0059】
別の実施形態によれば、ディスプレイとユーザの顔面の特性又は顔面との間の距離の決定は、ディスプレイ上の表示された視力検査の自動適応を可能にし、ユーザが適切な寸法で検査を知覚することが保証される。換言すると、所定の距離からの任意の偏差が考慮され得るように、ほぼ同じ視力レベルが様々な距離で決定され得る。これにより、視力検査の実施が単純化されると同時に、検査の妥当性が高められ、すなわち、ユーザは視力検査の実施の間の任意の時点で、ディスプレイに対するその位置を絶えず変更する必要がなく、又は静止位置に留まる必要がない。
【0060】
所定の寸法は、ディスプレイとユーザの顔との間で決定される距離に対応する。例えば、ユーザがディスプレイに対してその位置を変更した場合、制御ユニットは、それに応じて、視力検査の全体外観が本質的に同じままであることを確実にするように、少なくとも一方向の寸法を増大させることができる。所定の寸法を参照するとき、表示される視力検査は、ディスプレイの少なくとも1つの方向における特定のサイズ及び/又は拡大を含み得ることが理解されるであろう。上記で説明したように、制御ユニットは、ディスプレイに制御信号を出力して、ユーザとディスプレイとの間の距離が増加すると、例えば表示された視力検査の大きさ又は拡大を増加させることができ、その結果、ディスプレイの一部分のみに表示されるのではなく、視力検査は、決定された距離に応じて、ディスプレイ全体を本質的に覆うまで、ディスプレイ上に拡大することができる。変動するスパニングは、更にディスプレイの解像度に依存し、従って、より低い解像度を有するディスプレイは、より高いピクセル密度を有するディスプレイと比較して、より少ない数のピクセルがアクティベートされることを必要とし得る。従って、装置の制御ユニットは、視力検査を実行するために装置と対話するユーザまでの決定された距離に基づいて、表示された視力検査を調整することができる。
【0061】
顔面の特徴は、好ましくは光学センサによって検出されるが、例えば特徴認識を用いて、眼、鼻、又は全形といった特定の特徴を検出するために、光学センサは、例えば20cm~70cmの間の、例えばコントラストレベル、物体の大きさなどの、特定の距離レンジを示す検出された信号に基づいて、顔面の特徴の存在を決定するように構成されてもよい。光学センサは、好ましくはアレイ状に配置され、好ましくはカメラ又はカメラセンサとして設けられる複数のセンサ素子から構成されてもよい。
【0062】
距離を決定することに加えて、又は代替として、表示された光学視力検査は、光学センサによって検出された周囲の明るさ、コントラスト、及び/又は色相に基づいて、制御ユニットによって更に調整されてもよく、又は代替として、ユーザはこれらの状態をそれに応じて調整することができる。
【0063】
例えば明るさ及び色相は、例えば一日を通して変化することができ、更に、ユーザの周囲に依存することができ、例えば、ユーザは、現在、屋内環境に位置する又は屋外位置に位置することに依存する。更に、そういった周囲状態は、天候、並びに例えば太陽をユーザの地理的位置及び角度位置の両方の環境要因に応じて、変化し得る。特定の実施形態に従って、制御ユニットは、従ってユーザに対する表示された視力検査の外観がそれに応じて調整され得、その結果、表示された視力検査は、変化する周囲状態で本質的に同じであるように、変化する周囲条件を考慮に入れ得る。
【0064】
好ましくは、調整は、ディスプレイの明度、コントラスト、及び/又は色相を調整することを含む。例えば、制御ユニットは、検出された明るさが低減された場合、例えば、午前中ではなく朝又は午後遅くに視力検査が行われた場合、明るさの増大を示す制御信号をディスプレイに送信し、より多くの青色調を有する色相を実施することができる。また、例えば室内照明が点灯している場合、又は夜間ではなく昼間に視力検査が行われている場合など、高い明るさが検出した場合のコントラストの増加を示すものであってもよい。それによって、ユーザに対する全体的な外観は、著しく変化せず、その結果、経験された周囲照明に基づいて光条件を維持し、それに応じて適応させることによって、視力検査の妥当性が更に増加する。
【0065】
ハンドヘルド装置の場合において、ユーザは、様々な位置で装置と更に対話することができ、装置との姿勢及び対話角度は変化することができる。例えば、ユーザは、安定した表面上に配置され得るラップトップコンピュータを使用することができるが、ユーザは、様々な高さから様々な角度でラップトップと対話することができる。同様に、携帯端末は、例えば腰の高さ又は胸又は眼の高さのいずれかで保持されてもよく、ユーザの顔面とディスプレイとの間の角度はそれに応じて変化してもよい。従って、ディスプレイと検出されたユーザの顔面の特性との間の角度は、好ましくは制御ユニットを使用して決定され、表示された光学視力検査は、決定された角度に基づいて調整され得る。例えば、表示された視力検査は、決定された角度に従って遠近法で表示されてもよく、表示された視力検査の拡大は、それに応じて調整されてもよい。
【0066】
これは更に、検査条件の安定性を高め、その結果、本質的に標準的な状態で、視力検査を実施することができる。ユーザは、例えば装置を傾斜させることができるが、表示された視力検査は、ユーザが表示された視力検査を本質的に同じ方法で常時知覚するように、静止した外観を有する。
【0067】
調整は、連続的に、又は定期的に実行することができる。例えば、光学センサによって検出される信号のわずかな偏差は、所定の閾値に基づいて無視することができ、及び/又は、偏差が所定の時間にわたって持続する場合、例えば周期的な調節をするために、経時的に評価することができる。代替的に表示された視力検査は、例えば毎秒の5~10秒ごとに連続的に調整されてもよく、調整速度は、好ましくはユーザの好み及び/又はユーザの特定の状態に応じて手動で選択されてもよい。
【0068】
検査を実行するときにユーザの体験を更に最適化するために、表示される光学視力検査は、好ましくは白色背景上に黒色で表示されるグラフィカル表示を含む、又は本質的に構成する。そういった特徴は、グラフィカル表示が容易に認識可能であることを提供するだけでなく、周囲からのグレアの知覚を低減する。換言すると、強い周囲光を有する条件下でさえ、ユーザは、依然としてグラフィカル表示を見ることができ、視力検査を実行することを困難又は激しくする潜在性がある、かなりの努力を必要とすることなく、視力検査を実行することができる。
【0069】
本方法は、様々なタイプの光学視力検査を実行することを可能にし、表示された視力検査の寸法は、ディスプレイの解像度と、ディスプレイとユーザとの間の決定された距離との両方に基づいて、従って適合され得る。好ましくは、表示される視力検査は、少なくとも2つの線を含み、調整は、線のサイズ、長さ、及び/又は厚さを調整することを含む。従って、線は、異なる解像度を有する様々な装置間で同じ全体的な外観を有するだけでなく、ユーザがディスプレイに対して様々な距離で存在するときも有することができる。
【0070】
例えば、線の厚さは、所定の数のピクセルから構成されてもよいが、線の幅又は厚さは例えば(超)高解像度ディスプレイが低解像度を有するディスプレイと比較して、より多くのピクセルを使用することができるように、従って適合されてもよく、その結果、ユーザによって知覚される厚さは、本質的に同じである。しかしながら、決定された距離に基づいて厚さが調整されないようにしてもよい。従って、厚さは、同じ装置上で視力検査を実行するときに、ユーザと表示との間で決定されるすべての距離に対して同じままである。しかしながら、対照的に、線の長さは決定された距離に従って適合されてもよく、その結果、ユーザは様々な距離において類似の又は本質的に同一の様式で、視力検査を知覚する。
【0071】
上記の目的は、更に、コンピュータ可読記憶媒体上に具現化され、プロセッサ上で実行されたときに、上記で説明したようなコンピュータ実施の方法の動作を実行するように設定されたコンピュータプログラム製品によって達成される。
【0072】
例えば、コンピュータプログラム製品は、装置のメモリに記憶される、又はフラッシュドライブ、SSD、又はHDDに保存されるモジュールとして設定されてもよく、更に、携帯型記憶装置上に具現化されてもよい。
【0073】
上記の目的は更に、ユーザの視力レベルを決定するための装置によっても達成され、本装置は、制御ユニットと、ディスプレイと、任意選択的に光学センサとを含み、本装置は、上記で説明したようなコンピュータ実装の方法を実行するように設定される。
【0074】
好ましくは、装置は、ユーザが装置を持ち運ぶことができ、従って、任意の望ましい遠隔地で方法を実行することが容易になるように、携帯型及び/又はハンドヘルド装置として設定される。更に、これは、コンピュータ実施の方法が他の目的のために使用されるユーザの装置上で実行されてもよく、その結果として、本方法を実行するために別の装置が必要とされないことを提供する。好ましくは、装置は、モバイル端末として設定され、光学センサは、一体型カメラとして実施され得る。カメラは、好ましくはディスプレイの近傍の前面カメラであり、その結果として、ユーザは、カメラによって受信された信号に基づいて、例えば、光学視力検査の周期的調節を提供するために、モバイル端末を回転又は方向転換させる必要がない。更に、これはまた、最適化された標準条件が光学視力検査の実行中の任意の時点で確立されるように、検査の連続的な調整が実行され得ることを提供する。
【0075】
装置は、ワイヤレス通信モジュールを更に含み得、制御ユニットは、ワイヤレス通信モジュールから受信されたデータを使用して光学視力検査を実行するように、及び/又は決定された視力レベルを、ワイヤレス通信モジュールを使用してリモート装置に送信するように設定される。
【0076】
例えば、光学視力検査は、例えば装置のメモリに一時的に記憶されていなくてもよいし、一時的に記憶されていてもよく、光学視力検査を実施又は実行するために必要なデータ又は命令は、例えばクラウドサーバー又はネットワークインターフェースから、ワイヤレス通信モジュールを介して受信される。そういったアプローチは、光学的視力検査の任意の更新は、自動的に実施されること、及び装置上の必要な記憶空間が低減又は最小化され得ることを確実にする。代替的に、又は追加的に、ワイヤレス通信モジュールは、決定された視力レベルが、例えば医学専門家に自動的に報告され得ることを可能にし得、その結果、視力の発達が追跡され、監視され得る。例えば、視力発達を追跡及び/又は監視するのに必要な細部のレベルに応じて、ユーザの反応及び対応する視力レベル、初期の視力レベルの決定されたインディケーション、及び/又は最終的な視力レベルを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
本開示は、添付の図面に関連して考慮されるとき、以下の詳細な説明を参照することによって、より容易に理解されるであろう。
図1図1は、ユーザの視力レベルのインディケーションを決定するための装置のグラフィカル表示である。
図2A図2Aは、異なる方位に不連続性を有するグラフィカル表示を表示するディスプレイの模式図である。
図2B図2Bは、異なる方位に不連続性を有するグラフィカル表示を表示するディスプレイの模式図である。
図3A図3Aは、不連続性を含むグラフィカル表示においてアンチエイリアシングを使用するための方法を概略的に描写する。
図3B図3Bは、不連続性を含むグラフィカル表示においてアンチエイリアシングを使用するための方法を概略的に描写する。
図4図4は、光学的視力検査の第1のステップに従って、初期視力レベルのインディケーションを決定するためのステップを概略的に示す。
図5図5は、光学的視力検査の第2のステップに従って、最終視力レベルのインディケーションを決定するためのステップを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0078】
〔好ましい実施形態の詳細な説明〕
以下において、本発明は、添付の図面を参照して、より詳細に説明される。図面において、同一の要素は、同一の符号を付し、重複する説明は、冗長性を避けるため、省略され得る。
【0079】
図2A及び2Bに示されるように、ディスプレイ16上のグラフィカル表示20は、例えば光学視力検査の異なるフェーズの間の、異なる向きで表示され得る。従って、図2Aに示されるように、グラフィカル表示20及び不連続性22は、ここではベルニア視力検査の変形例として示され、ディスプレイ16の縦方向又は縦軸に沿って整列され、その結果、線は、相互の拡大を形成し、特定のずれ又は間隙を有する千鳥状の態様で、不連続性22によってのみ分離される。ユーザがディスプレイを回転させるように装置を回転させるように通知され得るが、図2Bに示されるように、グラフィカル表示20の方位は、ディスプレイ16の長手方向に垂直であるように、グラフィカル表示20の方位も90度の回転によって自動的に変更され得る。換言すると、視力検査は、直立又は垂直配向で実行され得るが、視力検査は、視力検査における変動を提供し、異なる検査態様を提供するように、横方向に延在する又は本質的に水平配向に切り替わり得る。
【0080】
更に、視力検査は、グラフィカル表示20の対向する端部に配置された表示28A、28Bを含み、一方、グラフィカル表示20の水平方向又は垂直方向の場合、表示28A、28Bは、ディスプレイ16の長手方向の対向する端部に配置される。表示28A、28Bは、ユーザがユーザ応答を提供することを可能にし、表示28A、28Bは、ユーザがグラフィカル表示20を連続的又は不連続的にそれぞれ知覚するかどうかを示す。それぞれの表示28A、28Bを選択するために、好ましい実施形態によるディスプレイ16は、タッチスクリーンとして構成され、ユーザはディスプレイ16のそれぞれの領域で傾くことができ、又は例えばディスプレイ16の中央位置から、それぞれの表示28A、28Bにスワイプすることができる。
【0081】
不連続性に対応する視力の変動及び精度レベルを更に増加させるために、制御ユニットは、図3A及び3Bに概略的に示されるように、アンチエイリアシング技術を実施する。従って、上記で説明したように、ピクセルは、図3Aに示されるように、黒色又は白色で提示されるだけでなく、図3Bに示されるように、勾配シフトが実行され得るように、その間に任意の特定のグレースケール色を本質的に含み得る。この実施例において、以前の黒色ピクセルは、例えば90パーセントの強度に対して縮小され、隣り合う白色ピクセルは、例えば10パーセントのピクセル強度を有するブラックピクセル強度まで増加される。それによって、フルピクセルシフトは、提供されないが、ユーザは、勾配シフトを横断ピクセルとして知覚することも、知覚しないこともある。
【0082】
従って、不連続性の大きさ及び分解能は、ピクセルの数によって制限され得ないが、アンチエイリアシング技術によって提供される勾配シフトを使用して更に増加され得、従って、ユーザの視力レベルはより高い精度で決定され得る。それによって、視力検査の精度及び詳細レベルを更に高めることができ、その結果、標準的なディスプレイを使用して、及びフルピクセルシフトを使用して、以前は識別できなかった医学的に有意な視力レベルに対するサポートを提供することができる。例えば、利用可能な解像度に応じて、-0.7又はそれ以上である、LogMARは、得られる。
【0083】
図1において、ユーザ12の視力レベルのインディケーションを決定するための装置10のグラフィカル表示は、概略的に示されている。本実施例による装置10は、携帯端末の形態のハンドヘルド装置であり、光学視力検査を実行するように設定される。そうするために、装置10は、ディスプレイ16と通信する制御ユニット14を含み、ディスプレイ16に制御信号又は表示信号を提供して、ユーザ12に光学視力検査を出力及び表示する。光学視力検査は、例えば実行可能な命令の形態で装置の記憶媒体に埋め込まれてもよい。
【0084】
制御ユニット14は、例えば移動端末のチップ上に埋め込まれたマイクロプロセッサとして提供されてもよく、複数の受信した信号を処理及び評価するように設定されてよい。これらの信号の中で、好ましい実施形態によれば、任意選択の光学センサ18から受信される信号があり、この光学センサは、前側で装置に統合され、ディスプレイ16に近接して配置されるか、又は隣接して配置される。本実施例に係る光学センサ18は、装置の一体型カメラの一部であり、光学信号を検出するように設定される。
【0085】
従って、制御ユニット14は、装置10の光学センサ18を用いて、ユーザ12の1つ又は複数の顔面の特性を決定又は検出することができる。例えば、受信された光学信号に基づいて、特徴認識を用いて、眼、鼻、又は全形などの特定の特徴を決定することができる。しかしながら、光学センサ18及び/又は制御ユニット14は、例えば20cm~70cmの間で、コントラストレベル、及び/又は対象物の大きさについて、特定の距離領域を示す検出された信号に基づいて顔の特徴の存在を決定するように設定されてよい。従って、顔面の構造又は特徴は、直接的には識別されないが、例えば光学センサ18の近傍にある物体の特定のコントラストの違いに基づいて決定される。光学信号を使用して、制御ユニット14は、次いで、ディスプレイ16とユーザ12の顔との間の距離24を決定することができる。
【0086】
ディスプレイ16とユーザ12との間の距離24を知ることによって、制御ユニット14は、従って光学視力検査を調整することができる。光学視力検査を実行するとき、ユーザ12は、ディスプレイ16上に表示される多数のグラフィカル表示20が提示される。各グラフィカル表示20は、図3に示されるように、好ましくはディスプレイ16の中央領域に存在する不連続性22を含む。これは、ユーザ12と表示16との間の距離24が不連続性22とユーザ12との間の距離24に対応し、一次焦点が不連続性22にあるという利点を有する。
【0087】
任意選択で決定された距離24に基づいて、制御ユニット14は次いで、表示されたグラフィカル表示20のサイズ又は拡大を調整し得、その結果、ユーザ12は、様々な距離におけるグラフィカル表示20及び不連続性22の同じ外観を知覚する。それによって、ユーザ12は、改善された検査条件を提供され、これは、視力検査の実行中及び異なる時点で実行される視力検査間で本質的に同じであり得る。警告信号が出力されてもよいが、それに加えて、又はその代わりに、ユーザが好ましい範囲外に移動していることを示すために、そういった適応は、ユーザ12が偶発的に不連続性22に近づく、又は不連続性22を識別することをより困難にする距離24にあることを回避する。従って、視力検査を行って決定された視力レベルのインディケーションの妥当性は、高められる。
【0088】
グラフィカル表示20の調整は更に、ディスプレイ16の解像度に基づいて実行され、その結果、ディスプレイ16のピクセル密度及びサイズ又は寸法が考慮される。それによって、検査は、ユーザが常に同様のサイズ及び拡大を有するグラフィカル表示で提示されるように、異なる解像度を有する装置間で同様の精度で実行され得る。
【0089】
更に、制御ユニット14は任意選択で、装置10又はディスプレイ16とのユーザ12のインタラクション角度26を決定してもよい。決定された角度26に基づいて、制御ユニット14は、決定された角度24に従ってグラフィカル表示20の表示された斜視を調整することによって、表示された光学視力検査を調整することができ、表示された視力検査の拡大は、それに応じて調整され得る。従って、ユーザ12が装置10を傾けると、表示された視力検査は、ユーザ12が常に表示された視力検査を本質的に同じ方法で知覚するように、本質的に静止した外観を有することができる。
【0090】
その上、上記で説明したように、光学センサ18は、色相及び明るさといった周囲条件に関するデータを提供することができ、従って、制御ユニット14は、例えばディスプレイ16の明るさ、コントラスト、及び/又は色相を調整して、変化する周囲条件を考慮に入れ、ユーザ12に対する表示された視力検査の出現は、従って変化する周囲条件下で本質的に同じであることを確実にするように構成することもできる。
【0091】
従って、制御ユニット14及び光学センサ18を使用して、検査条件の改善された安定性を提供することができ、それにより、本質的に標準化された条件下で視力検査を実施することができる。
【0092】
コンピュータ実施の方法の一部として装置上で実施され得る光学視力検査は、図4及び図5に従った例としての実施形態において更に説明され、これらは、初期視力レベルの表示及び最終視力レベルのより洗練された表示をそれぞれ決定するための第1及び第2の方法ステップを示す。
【0093】
従って、図4に概略的に示されるように、ユーザは、ステップS100においてディスプレイ上に表示されている第1の視力レベルに従う不連続性を含むグラフィカル表示を提供され得る。更に、ディスプレイは、ユーザがグラフィカル表示を連続的であると知覚する、又は不連続であると知覚することに関するインディケーションを選択することによって、ユーザ応答要求が必要であることを示す。
【0094】
ユーザ応答がステップS100の底部に由来する矢印で示されるように、不連続性を正しく識別する場合、制御ユニットは、ステップS110において第2の視力レベルに対応する不連続性を含む更なるグラフィカル表示をディスプレイ上に表示し、ユーザ応答を提供することによって不連続性を識別するようにユーザに促すことによって、視力検査を調整し、第2の視力レベルは、第1の視力レベルよりも高い。
【0095】
ユーザが第2の視力レベルに従って不連続性を再度正確に識別する場合、本方法は、ステップS112に進み得、本方法は、制御ユニットを使用して、所定の量を用いて以前の視力高い視力レベルに対応する不連続性を含む更なるグラフィカル表示をディスプレイ上に表示することによって、視力検査を調整するステップを実行し、ユーザ応答を提供することによって、ユーザに不連続性を識別するように通知する。
【0096】
本ステップは、破線によって示されるように、ステップS114において制御される所定の最大視力レベルが達成されるまで繰り返されてもよい。最大視力レベルが達成される場合、本方法は、ステップS200において、最大視力レベルに対応する初期視力レベルを解決することができる。
【0097】
ユーザがそれぞれのステップの右側から生じる矢印で示されるように、第2の又は後続の不連続性を識別しないとき、増大する視力レベルに対応する不連続性を有するグラフィカル表示の後続の表示も、更に停止される。次いで、本方法は、ステップS116において連続し、更なるグラフィカル表示が所定の量を用いて以前の視力よりも低い視力レベルに対応する不連続性を含み、更なるユーザ応答を提供することによって、ユーザに、不連続性を識別するように促す。
【0098】
ユーザは、次に不連続性を正しく識別することができ、その結果、本方法は、ステップ116Aに進み、ステップS116Aの右側からの矢頭を起点とする不連続性が識別されなくなるまで、ステップが繰り返される場合、又は破線によって示される最大視力レベルが達成されるまで、ユーザが更なるユーザ反応を提供することによって、ユーザは、不連続性を識別することを促すことによって、以前の視力レベルよりも高い以前の視力レベルに対応する不連続性を表示する更なるグラフィカル表示を表示することによって、不連続性検査を実行することができ、この場合、ユーザの更なる反応は、ステップS200において最後に表示される不連続性に対応する視力レベルに初期の視力レベルの表示が設定される。
【0099】
ステップS116においてユーザが不連続性を識別しない場合、ステップS100において表示された第1の視力レベルが達成されるまで、又は合計2つの不連続性、好ましくはその後の不連続性が識別されなくなるまで、S116Bからの底部に由来する矢印で示されるように、不連続性が正確に識別されるまで、ステップは、ステップS116Bにおいて、繰り返され、初期視力レベルのインディケーションは、ステップS200において最後に表示された不連続性に対応する視力レベルに設定される。
【0100】
従って、ステップS110からS114は、それぞれの不連続性におけるより大きな視力レベルの差をもったグラフィカル表示を提供し得るが、ステップS116、S116A及びS116Bは、大まかな推定値の、より定義された推定値又は微調整(finetuning)を提供する。
【0101】
ステップS100において、ユーザがS100の右側に由来する矢印で示されるように、第1の視力レベルに従って不連続性を識別することができない場合、本方法は、ステップS120において、視力レベルとして所定の下限限界を選択し、ステップS200において、初期の視力レベルを限界に設定する。
【0102】
図5に概略的に示される方法の第2のステップにおいて、ステップS500において、最終の視力レベルのインディケーションを解決するために、ステップS200において解決された初期の視力レベルのインディケーションの更なる微調整が実行される。
【0103】
従って、グラフィカル表示のプールは、ステップS400において生成され、各グラフィカル表示は、特定の視力レベルに対応する不連続性を含み、プールは、初期の視力レベルS200のインディケーションに従って不連続性を有する所定数のグラフィカル表示を含み、更にステップS300において、所定量を有する、視力レベルに対応する不連続性を有する所定数のグラフィカル表示は、好ましい実施形態において、より高い、又は代替的に、示された初期の視力レベルS200より低く、追加される。一実施例において、これらの更なるグラフィカル表示の追加は、ユーザ反応の評価と、最初の視力レベルのインディケーションに対応する不連続性を有するグラフィカル表示の識別の回数とに基づくことができる。例えば、ユーザ応答の3つのうちの2つ又は大部分が正しい識別に対応するとき、追加のグラフィカル表示は、示された最初の視力レベルS200よりも高い視力レベルに対応する不連続性を有し得るが、一方で、反対の状況において、この視力レベルはより低い。しかしながら、そのような事前評価は、単に任意である。好ましい実施形態において、ステップS300において、初期の視力レベルS200のインディケーションに従った不連続性を有する所定数のグラフィカル表示と、より高い視力レベルに対応する不連続性を有する所定数のグラフィカル表示とが、そのような事前評価に応じて、又は標準に応じて追加される。
【0104】
上記で説明したように、ステップS200において解決された初期視力レベルのインディケーションは、例えば-0.4の対応するLogMAR値によって表され得、例えば、LogMAR値に従った3つの表示は、プールに追加され得、例えば-0.5のLogMAR値に従った更なる3つの表示は、プールに追加され得、すなわち、任意選択で、初期の視力レベルのインディケーションに対応するグラフィカル表示に関する以前のユーザ応答の大部分が正しいとき、ステップS400において6つのグラフィカル表示を有するプールを生成する。
【0105】
次に、ステップS420において、プールからランダムに選択されたグラフィカル表示を表示することによって、視力検査及びプールは、調整され、表示されたグラフィカル表示は、プールから除去され、ユーザは、対応する不連続を識別するように促される。
【0106】
ユーザが不連続性を正しく識別する場合、結果として得られる視力レベルに対応する不連続性を有するグラフィカル表示がプールにまだ追加されていない場合、例えば、-0.1LogMAR値を有する、所定の量を有する初期視力レベルよりも高い視力レベルに対応する不連続性を有する所定のグラフィカル表示がプールに追加され得る。例えば、ユーザが初期のプール生成後の-0.5LogMARの視力レベルに従って不連続性を正しく識別するとき、第2のステップの開始において、ステップS420の底部に由来し、ステップS300においてグラフィカル表示を追加するステップに接続する破線で示されるように、例えば-0.6LogMARの視力レベルがより高い対応する数のグラフィカル表示がプールに追加される。
【0107】
対照的に、ユーザが不連続性を識別してはならず、例えばユーザがステップS420の右側から始まり、ステップS300においてグラフィカル表示を追加するステップに接続している点線で示されるように、初期視力レベルのインディケーションに従ったグラフィカル表示に従って不連続性を識別しない、視力レベルに対応する不連続性を有するグラフィカル表示がプールにまだ追加されていないとき、所定の数のグラフィカル表示は、所定の量で初期視力レベルよりも低い視力レベルに対応する不連続性を有するグラフィカル表示がプールに追加されてもよい。この実施例に続いて、例えば-0.3LogMARについてのより低い視力レベルを有する対応する数のグラフィカル表示がプールに追加される。
【0108】
これらのステップは、継続され、例えばユーザ応答を評価し、ユーザ応答の大部分が対応する不連続を正しく識別した最高の視力を決定することによって、ユーザ応答に基づいて最終的な視力のインディケーションが解決される、ステップS500において、プールが空になるまで、ユーザ応答は、登録される。代替的に、又は追加的に、それぞれのユーザ応答及び対応する視力レベルによって定義される対応するスコアの統計分析及び/又は平均化が実行され得る。従って、本方法の第2のステップは、初期の視力レベルのインディケーションが洗練及び/又は確認され、視力レベルの初期の推定値がより正確に決定され、微調整され得るように、最終の視力レベルのインディケーションを提供する。それによって、医師は患者の視力レベルを評価し、診断を実行することにおいて支援され得る。
【0109】
図4及び図5に示されていないが、ユーザ又は患者の視力レベル又は検査性能の開発の追跡及びモニタリングを得るために、ユーザ応答、スコアリング、初期視力レベルのインディケーション、及び/又は最終視力レベルのインディケーションが保存され、及び/又は医療専門家に送信されることが更に提供され得る。それによって、特に、本方法は、任意の場所で、規則的又は周期的な間隔で、及び/又は処方された検査計画に従って、視力検査を実施することを容易にするので、任意の有意な変化が、ユーザが医療行為に参加することを必要とすることなく、早い段階で検出され得る。
【0110】
これらの実施形態及び項目が複数の可能性の実施例のみを示すことは、当業者に明らかであろう。従って、本明細書に示される実施形態は、これらの特徴及び構成の限定を形成すると理解されるべきではない。記載された特徴の任意の可能な組み合わせ及び構成は、本発明の範囲に従って選択することができる。
【0111】
〔符号一覧〕
10 装置
12 ユーザ
14 制御ユニット
16 ディスプレイ
18 光学センサ
20 グラフィカル表示
22 不連続性
24 距離
26 角度
28A、B インディケーション
S100 第1の視力レベルを表示する
S110-
S120 初期視力レベルのインディケーションの決定
S200 初期視力レベル、又は対応するグラフィカル表示の追加
S300 更なるグラフィカル表示の追加
S400 プール生成
S420 プール調整
S500 最終的な視力レベルのインディケーションの解決
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
【国際調査報告】