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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-26
(54)【発明の名称】組成物
(51)【国際特許分類】
   A23L 27/00 20160101AFI20230519BHJP
   A23L 2/38 20210101ALI20230519BHJP
   A23L 2/00 20060101ALI20230519BHJP
   A23L 2/60 20060101ALI20230519BHJP
【FI】
A23L27/00 101A
A23L27/00 E
A23L2/38 A
A23L2/00 G
A23L2/00 B
A23L2/60
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022563354
(86)(22)【出願日】2021-04-20
(85)【翻訳文提出日】2022-12-16
(86)【国際出願番号】 EP2021060148
(87)【国際公開番号】W WO2021214008
(87)【国際公開日】2021-10-28
(31)【優先権主張番号】16/853,562
(32)【優先日】2020-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501105842
【氏名又は名称】ジボダン エス エー
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】ガラノ,モイセズ
(72)【発明者】
【氏名】シ,フェン
【テーマコード(参考)】
4B047
4B117
【Fターム(参考)】
4B047LB08
4B047LB09
4B047LF07
4B047LG21
4B047LG22
4B047LG23
4B047LG24
4B047LG25
4B047LG32
4B117LC03
4B117LC05
4B117LK11
4B117LK12
4B117LL02
(57)【要約】
組成物は、(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシドおよび(iii)有効量の味覚修飾物質を包含する。甘味が付与された組成物は、組成物および少なくとも1の他の甘味料を包含し、および甘味が付与された消耗品は、組成物または甘味が付与された組成物を含有する。組成物、甘味が付与された組成物および甘味が付与された消耗品を作製する方法がまた、提供される。甘味が付与された消耗品中に存在する糖の量を低減する、甘味が付与された組成物および甘味が付与された消耗品の甘味を増強する、および/または甘味が付与された消耗品の特徴を改変する組成物の使用方法が、さらに提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)レバウジオシドM、
(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および
(iii)有効量の味覚修飾物質、
を含む組成物であって、ここで甘味を修飾する組成物中に存在する該グルコシル化ステビオールグリコシドの量は、甘味を修飾する組成物中に存在するレバウジオシドMの量よりも多い、前記組成物。
【請求項2】
甘味を修飾する組成物中のレバウジオシドMのグルコシル化ステビオールグリコシドに対する比率が、約1:1から約1:1.5までである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
甘味を修飾する組成物中のレバウジオシドMのグルコシル化ステビオールグリコシドに対する比率が、1:1.1、1:1.2、1:1.3、1:1.4および1:1.5からなる群から選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
甘味を修飾する組成物中のレバウジオシドMのグルコシル化ステビオールグリコシドに対する比率が、1:1.2である、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
グルコシル化ステビオールグリコシドが、グルコシル化ステビオシド、グルコシル化レバウジオシドA、グルコシル化レバウジオシドB、グルコシル化レバウジオシドC、グルコシル化レバウジオシドD、グルコシル化レバウジオシドE、グルコシル化レバウジオシドF、グルコシル化レバウジオシドG、グルコシル化レバウジオシドH、グルコシル化レバウジオシドI、グルコシル化レバウジオシドJ、グルコシル化レバウジオシドK、グルコシル化レバウジオシドL、グルコシル化レバウジオシドM、グルコシル化レバウジオシドN、グルコシル化レバウジオシドO、グルコシル化ズルコシドA、グルコシル化ズルコシドB、グルコシル化ルブソシド、Stevia rebaudianaに由来するいずれか他のグルコシル化ステビオールグリコシドおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
甘味を修飾する組成物が、甘味を修飾する組成物不在下における甘味が付与された組成物の1以上の甘味特徴(単数または複数)と比較して、甘味が付与された組成物の夫々の甘味特徴(単数または複数)を改善する、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
甘味を修飾する組成物が、甘味を修飾する組成物不在下における甘味が付与された組成物のアップフロントの甘味と比較して、甘味が付与された組成物のアップフロントの甘味を改善する、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
甘味を修飾する組成物が、甘味を修飾する組成物不在下における甘味が付与された組成物の苦みのあるオフノートの風味と比較して、甘味が付与された組成物の苦みのあるオフノートの風味を弱める、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
甘味を修飾する組成物が、甘味を修飾する組成物不在下における甘味が付与された組成物の乾いた、および/または渋い口当たりと比較して、甘味が付与された組成物の乾いた、および/または渋い口当たりを弱める、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
少なくとも1の甘味料、および
(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)有効量の味覚修飾物質を含む組成物、
を含む甘味が付与された組成物であって、
ここで(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)有効量の味覚修飾物質を含む組成物中に存在する該グルコシル化ステビオールグリコシドの量が、(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)味覚修飾物質を含む組成物中に存在するレバウジオシドMの量よりも多い、前記甘味が付与された組成物。
【請求項11】
(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)味覚修飾物質を含む該組成物中の該レバウジオシドMの該グルコシル化ステビオールグリコシドに対する比率が、約1:1から約1:1.5までである、請求項10に記載の甘味が付与された組成物。
【請求項12】
(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)味覚修飾物質を含む該組成物中の該レバウジオシドMの該グルコシル化ステビオールグリコシドに対する比率が、1:1.1、1:1.2、1:1.3、1:1.4および1:1.5からなる群から選択される、請求項11に記載の甘味が付与された組成物。
【請求項13】
(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)味覚修飾物質を含む該組成物中の該レバウジオシドMの該グルコシル化ステビオールグリコシドに対する比率が、1:1.2である、請求項12に記載の甘味が付与された組成物。
【請求項14】
グルコシル化ステビオールグリコシドが、グルコシル化ステビオシド、グルコシル化レバウジオシドA、グルコシル化レバウジオシドB、グルコシル化レバウジオシドC、グルコシル化レバウジオシドD、グルコシル化レバウジオシドE、グルコシル化レバウジオシドF、グルコシル化レバウジオシドG、グルコシル化レバウジオシドH、グルコシル化レバウジオシドI、グルコシル化レバウジオシドJ、グルコシル化レバウジオシドK、グルコシル化レバウジオシドL、グルコシル化レバウジオシドM、グルコシル化レバウジオシドN、グルコシル化レバウジオシドO、グルコシル化ズルコシドA、グルコシル化ズルコシドB、グルコシル化ルブソシド、Stevia rebaudianaに由来するいずれの他のグルコシル化ステビオールグリコシドおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項10に記載の甘味が付与された組成物。
【請求項15】
(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)味覚修飾物質を含む組成物が、(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)味覚修飾物質を含む組成物不在下における甘味が付与された組成物の1以上の甘味特徴(単数または複数)と比較して、甘味が付与された組成物の夫々の甘味特徴(単数または複数)を改善する、請求項10に記載の甘味が付与された組成物。
【請求項16】
(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)味覚修飾物質を含む組成物が、(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)味覚修飾物質を含む組成物不在下における甘味が付与された組成物のアップフロントの甘味と比較して、甘味が付与された組成物のアップフロントの甘味を改善する、請求項15に記載の甘味が付与された組成物。
【請求項17】
(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)味覚修飾物質を含む組成物が、(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)味覚修飾物質を含む組成物不在下における甘味が付与された組成物の乾いた、および/または渋い口当たりと比較して、甘味が付与された組成物の乾いた、および/または渋い口当たりを弱める、請求項10に記載の甘味が付与された組成物。
【請求項18】
少なくとも1の甘味料が、スクロース、フルクトース、グルコース、キシロース、アラビノース、ラムノース、糖アルコール、デンプンシロップ、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項10に記載の甘味が付与された組成物。
【請求項19】
糖アルコールが、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトールおよびイノシトールからなる群から選択される、請求項18に記載の甘味が付与された組成物。
【請求項20】
その甘味認識閾値の、またはそれを上回る量、および/または約1.5%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い甘味を有する量で存在する少なくとも1の甘味料を含む食品または飲料ベース組成物、および
(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)有効量のオフノートマスキングおよび口当たり改善成分(ここで組成物中に存在する該グルコシル化ステビオールグリコシドの量が、組成物中に存在するレバウジオシドMの量よりも多い)を含む組成物、
を含む、甘味が付与された消耗品。
【請求項21】
組成物中のレバウジオシドMのグルコシル化ステビオールグリコシドに対する比率が、約1:1から約1:1.5までである、請求項20に記載の甘味が付与された消耗品。
【請求項22】
組成物中のレバウジオシドMのグルコシル化ステビオールグリコシドに対する比率が、1:1.1、1:1.2、1:1.3、1:1.4および1:1.5からなる群から選択される、請求項21に記載の甘味が付与された消耗品。
【請求項23】
組成物中のレバウジオシドMのグルコシル化ステビオールグリコシドに対する比率が、1:1.2である、請求項22に記載の甘味が付与された消耗品。
【請求項24】
グルコシル化ステビオールグリコシドが、グルコシル化ステビオシド、グルコシル化レバウジオシドA、グルコシル化レバウジオシドB、グルコシル化レバウジオシドC、グルコシル化レバウジオシドD、グルコシル化レバウジオシドE、グルコシル化レバウジオシドF、グルコシル化レバウジオシドG、グルコシル化レバウジオシドH、グルコシル化レバウジオシドI、グルコシル化レバウジオシドJ、グルコシル化レバウジオシドK、グルコシル化レバウジオシドL、グルコシル化レバウジオシドM、グルコシル化レバウジオシドN、グルコシル化レバウジオシドO、グルコシル化ズルコシドA、グルコシル化ズルコシドB、グルコシル化ルブソシド、Stevia rebaudianaに由来するいずれの他のグルコシル化ステビオールグリコシドおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項20に記載の甘味が付与された消耗品。
【請求項25】
消耗品が、炭酸飲料の総体積に基づき約2.0体積パーセント~約3.5体積パーセントの二酸化炭素ガス含量を有する炭酸飲料を含む、請求項20に記載の甘味が付与された消耗品。
【請求項26】
組成物が、組成物不在下における甘味が付与された消耗品の1以上の甘味特徴(単数または複数)と比較して、甘味が付与された消耗品の夫々の甘味特徴(単数または複数)を改善する、請求項20に記載の甘味が付与された消耗品。
【請求項27】
組成物が、組成物不在下における甘味が付与された消耗品のアップフロントの甘味と比較して、甘味が付与された消耗品のアップフロントの甘味を改善する、請求項26に記載の甘味が付与された消耗品。
【請求項28】
甘味を修飾する組成物が、組成物不在下における甘味が付与された消耗品の苦みのあるオフノートの風味と比較して、甘味が付与された消耗品の苦みのあるオフノートの風味を弱める、請求項20に記載の甘味が付与された消耗品。
【請求項29】
組成物が、組成物不在下における甘味が付与された消耗品の乾いた、および/または渋い口当たりと比較して、甘味が付与された消耗品の乾いた、および/または渋い口当たりを弱める、請求項20に記載の甘味が付与された消耗品。
【請求項30】
甘味が付与された組成物の甘味を増強する方法であって、
その甘味認識閾値の、またはそれを上回る量、および/または約1.5%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い甘味を有する量で存在する少なくとも1の甘味料を含むベース組成物を提供すること、および
該ベース組成物に、組成物であって甘味が(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)有効量の味覚修飾物質を含むものを添加すること(ここで組成物中に存在する該グルコシル化ステビオールグリコシドの量は、組成物中に存在するレバウジオシドMの量よりも多い)、
を含む、前記方法。
【請求項31】
甘味が付与された組成物中の糖の量を低減する方法であって、
その甘味認識閾値で、またはそれより上回る量で存在する、および/または約1.5%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い甘味を有する少なくとも1の甘味料を含むベース組成物を提供すること、および
(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)有効量の味覚修飾物質を含む組成物を該ベース組成物に添加すること(ここで組成物中に存在する該グルコシル化ステビオールグリコシドの量は、組成物中に存在するレバウジオシドMの量よりも多い)、
を含む、前記方法。
【請求項32】
甘味が付与された組成物中の置き換えられた糖の量が、約30パーセントから約100パーセントまでである、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
甘味が付与された組成物中の置き換えられた糖の量が、約30パーセントから約70パーセントまでである、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
甘味が付与された組成物中の置き換えられた糖の量が、約50パーセントから約100パーセントまでである、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
甘味が付与された組成物中の置き換えられた糖の量が、約50パーセントから約80パーセントまでである、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
甘味が付与された組成物中の置き換えられた糖の量が、約50パーセントから約70パーセントまでである、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
該ルコシル化ステビオールグリコシドが、少なくとも1のグルコシル化ステビオールグリコシド、および、ステビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、レバウジオシドG、レバウジオシドH、レバウジオシドI、レバウジオシドJ、レバウジオシドK、レバウジオシドL、レバウジオシドM、レバウジオシドN、レバウジオシドO、ズルコシドA、ズルコシドB、ルブソシド、Stevia rebaudianaに由来するいずれか他の残留ステビオールグリコシドおよびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1の残留ステビオールグリコシドのブレンドを含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項38】
グルコシル化ステビオールグリコシドが、少なくとも1のグルコシル化ステビオールグリコシド、および少なくとも1の残留ステビオールグリコシドが、ステビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、レバウジオシドG、レバウジオシドH、レバウジオシドI、レバウジオシドJ、レバウジオシドK、レバウジオシドL、レバウジオシドM、レバウジオシドN、レバウジオシドO、ズルコシドA、ズルコシドB、ルブソシド、Stevia rebaudianaに由来するいずれか他の残留ステビオールグリコシドおよびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1の残留ステビオールグリコシドのブレンドを含む、請求項14に記載の甘味が付与された組成物。
【請求項39】
グルコシル化ステビオールグリコシドが、少なくとも1のグルコシル化ステビオールグリコシド、およびステビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、レバウジオシドG、レバウジオシドH、レバウジオシドI、レバウジオシドJ、レバウジオシドK、レバウジオシドL、レバウジオシドM、レバウジオシドN、レバウジオシドO、ズルコシドA、ズルコシドB、ルブソシド、Stevia rebaudianaに由来するいずれか他の残留ステビオールグリコシドおよびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1の残留ステビオールグリコシドのブレンドを含む、請求項24に記載の甘味が付与された消耗品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2018年5月31日に出願された国際出願第PCT/EP2018/064324号の国内段階出願である、2019年11月27日に出願された米国出願番号第16/617,687号の一部継続出願であって、2017年6月2日に出願された米国仮特許出願第62/514,482号、および2017年8月23日に出願された第62/549,242号からの優先権を主張しており、これらすべての出願が、それらの全体において参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本発明は、1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)の1以上の甘味特徴を改善する1以上の低効能甘味料(単数または複数)の使用に一般に関する。よって、本発明はまた、少なくとも1の高甘味度甘味料および少なくとも1の低効能甘味料の混合物を含む組成物に関する。本発明はさらに、少なくとも1の他の甘味料と組み合わせて、および/または甘味料として使用されたときの、甘味修飾物質としての少なくとも1の高甘味度甘味料と少なくとも1の低効能甘味料との組み合わせの使用に関する。本発明はさらに、甘味が付与された組成物中の甘味増強剤としての1以上のモグロシド(単数または複数)の使用および該甘味が付与された組成物に関する。本発明はさらに、本明細書に開示の甘味料および組成物を作製する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
永続的な摂取のためにかまたは吐き出すために一時的のいずれかで口に取り込まれることが意図される製品である、食用製品中の甘味は、しばしば所望される特徴である。伝統的に、甘味は、スクロース(テーブルシュガー)、フルクトース、グルコース、キシロース、アラビノース、ラムノース、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトールおよびイノシトールなどの糖アルコールならびに高果糖コーンシロップおよび水あめなどの糖シロップなどの、1以上の甘味料、特に低効能、栄養のある甘味料の添加によって提供されている。これらは、いかなる望ましくない後味も伴わない相当な甘味を産出する。しかしながら、食用製品のカロリー値を低減するためにこれらの甘味料の量を低減して使用することが所望される。したがって、食用製品のカロリー値を低減する一方で同じかまたは同様の甘味の風味を維持することができる代替の甘味料を提供することが所望される。
【0004】
高甘味度甘味料(HIS)は、このために使用されている。高甘味度甘味料は、天然のものであっても、人工のものであってもよく、スクロースの甘味の数百倍であり得る甘味を有しており、よって組成物中の糖のとても多い分量を理論上置き換え得る。高甘味度甘味料の例は、スクラロース、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムカリウム(AceK)、ネオテーム、アドバンテーム、ステビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドDまたはレバウジオシドAおよび/またはステビオシドを主たる構成要素として含むステビオールグリコシド混合調製物を包含するステビオールグリコシドを包含する。しかしながら、これらの物質は一般に、それらが食用製品に望ましくないオフテイスト、典型的には、苦味のある、金属またはリコリスの風味、または望ましくない長引く甘味を与えるかもしれないという難点を有する。
【0005】
スクロースは、いかなる著しいオフノートまたは後味も伴わずに、短い時間で強烈なアップフロントの甘味を与え、および減少する。レバウジオシドM(Reb Mまたはreb M)は、食用製品のカロリー値を低減するスクロースの代替の甘味料として使用されている。Reb Mは、スクロースと比較して、遅れた、わずかなアップフロントの甘味を有し、それは強烈な甘いインパクトに移り変わり、急速な甘味の減少および望ましくない長引くオフノートまたは後味、典型的には、苦味のある、金属またはリコリスのオフノートがこれに続く。Reb Mはまた、長引く乾きおよび/または渋い口当たりの感覚認知も与える。
【0006】
さらにまた、Reb Mは、スクロースと比較して低濃度で食用製品に強烈な甘味を与えることができる一方で、他の天然および人工の甘味料、典型的には飲食料品業界において使用される物と比較して、より低い水への可溶性を呈しもする。このReb Mのより低い水への可溶性は、その技術的実行可能性および産業規模での使用を制限するネガティブな特徴である。
したがって、これらの問題の1以上に取り組む、代替の、および/または改善された甘味を修飾する組成物および甘味が付与された組成物を提供することが所望される。
【発明の概要】
【0007】
概要
本発明の第1の側面に従うと、
ステビオールグリコシドおよび/またはモグロシドからなる群から選択される1以上の高甘味度甘味料(単数または複数);および
セロビオース、プシコース、シクラマートおよび/または11-O-モグロシドVからなる群から選択される1以上の低甘味度甘味料(単数または複数);
を含む甘味を修飾する組成物であって、
ここで甘味を修飾する組成物は、甘味を修飾する組成物単独での甘味を超えて、甘味が付与された組成物の甘味を増大させる;および/または
ここで1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)の1以上の低効能甘味料(単数または複数)に対する比率は、約2:1から約12:1までの範囲をとる、前記甘味を修飾する組成物が提供される。
【0008】
本発明の第2の側面に従うと、
約1.5%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い甘味を有する量で存在する少なくとも1の甘味料;および
本発明のいずれかの側面または態様に従う甘味を修飾する組成物
を含む甘味が付与された組成物が提供される。
【0009】
本発明の第3の側面に従うと、ステビオールグリコシドおよび/またはモグロシドからなる群から選択される1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)を含む甘味が付与された組成物の1以上の甘味特徴(単数または複数)を改善するための、セロビオース、プシコース、シクラマートおよび/または11-O-モグロシドVからなる群から選択される1以上の低効能甘味料(単数または複数)の使用であって、ここで使用される1以上の低効能甘味料(単数または複数)および1以上の高効能甘味料(単数または複数)の合計濃度は、1.5%(w/v)スクロース当量未満の甘味を有する、前記使用が提供される。
【0010】
本発明の第4の側面に従うと、甘味が付与された組成物の甘味を増強する方法であって、方法は、その甘味認識閾値の、またはそれを上回る量、および/または約1.5%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い甘味を有する量で存在する少なくとも1の甘味料を含むベース組成物を提供すること、およびステビオールグリコシドおよび/またはモグロシドからなる群から選択される1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)およびセロビオース、プシコース、シクラマートおよび/または11-O-モグロシドVからなる群から選択される1以上の低効能甘味料(単数または複数)を添加することを含み、ここで1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)の1以上の低効能甘味料(単数または複数)に対する比率は、約2:1から約12:1までである;および/またはここで1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)は、約15ppmと同等かまたはそれより多い、および任意に約50ppmと同等かそれ未満の総量で添加され、および1以上の低効能甘味料(単数または複数)は、約2ppmと同等かまたはそれより多い、および任意に約12ppmと同等かまたはそれ未満の総量で添加される;および/またはここで1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)および1以上の低効能甘味料(単数または複数)の添加される合計濃度は、1.5%(w/v)スクロース当量未満の甘味を有する、前記方法が提供される。
【0011】
本発明の第5の側面に従うと、本発明のいずれかの側面または態様に従う甘味を修飾する組成物を作製する方法であって、方法は、1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)および1以上の低効能甘味料(単数または複数)を組み合わせることを含む、前記方法が提供される。
【0012】
本発明の第6の側面に従うと、本発明のいずれかの側面または態様に従う甘味が付与された組成物を作製する方法であって、方法は、ベース組成物、1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)、1以上の低甘味度甘味料(単数または複数)および少なくとも1の他の甘味料を組み合わせることを含む、前記方法が提供される。
【0013】
本発明の第7の側面に従うと、1.5%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い甘味を有する量で存在する少なくとも1の甘味料;およびモグロシドIV、シアメノシドおよびネオモグロシドから選択される1以上の甘味増強剤(単数または複数)を含む甘味が付与された組成物が提供される
【0014】
本発明の第8の側面に従うと、甘味が付与された組成物の甘味を増強する、モグロシドIV、シアメノシドおよびネオモグロシドのうちの1以上の使用が提供される。よって、さらなる側面において、甘味が付与された組成物の甘味を増強するための方法が提供され、方法は、ベース組成物を提供すること、および少なくとも1の甘味料およびモグロシドIV、シアメノシドおよびネオモグロシドから選択される1以上の甘味増強剤(単数または複数)を添加することを含む。
【0015】
本発明の第9の側面に従うと、本発明のいずれかの側面または態様に従う甘味が付与された組成物を作製する方法であって、方法は、ベース組成物、モグロシドIV、シアメノシドおよびネオモグロシドから選択される1以上の甘味増強剤(単数または複数)および少なくとも1の他の甘味料を組み合わせることを含む、前記方法が提供される。
【0016】
本発明の第10の側面に従うと、1以上のモグロシド(単数または複数)を含む甘味が付与された組成物が提供される。1以上のモグロシド(単数または複数)は、例えば、甘味増強剤として存在していても、およびよって1.5%(w/v)スクロース当量未満の甘味を有する量で存在していてもよい。次いで甘味が付与された組成物は、1.5%(w/v)スクロース当量と同等またはそれより多い甘味を有する量で存在する少なくとも1の甘味料をさらに含むだろう。
【0017】
本発明の第11の側面に従うと、甘味が付与された組成物の甘味を増強する、1以上のモグロシド(単数または複数)の使用が提供される。よって、甘味が付与された組成物の甘味を増強するための方法であって、方法は、ベース組成物を提供すること、および少なくとも1の甘味料および1以上のモグロシド(単数または複数)を添加することを含む、前記方法が提供される。
【0018】
本発明の第12の側面に従うと、本発明のいずれかの側面または態様に従う甘味が付与された組成物を作製する方法であって、方法は、ベース組成物、1以上のモグロシド(単数または複数)および少なくとも1の他の甘味料を組み合わせることを含む、前記方法が提供される。
【0019】
本発明のいずれかの側面のある態様において、1以上の高甘味度甘味料は、モグロシドVを包含するかまたはそれであってもよい、および/または1以上の低効能甘味料は、11-O-モグロシドVを包含するかまたはそれであってもよい。
本発明のいずれかの側面のある態様において、1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)の1以上の低効能甘味料(単数または複数)に対する比率は、約2:1から約12:1までである。本発明のいずれかの側面のある態様において、1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)の1以上の低効能甘味料(単数または複数)に対する比率は、約5:1から約12:1までである。本発明のいずれかの側面のある態様において、1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)の1以上の低効能甘味料(単数または複数)に対する比率は、約6:1から約10:1までであってもよい。
【0020】
本発明のいずれかの側面のある態様において、1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)は、約15ppmから約30ppmまでの範囲をとる総量で存在していてもよく、および/または1以上の低効能甘味料(単数または複数)は、約2ppmから約10ppmまでの範囲をとる総量で存在していてもよい。本発明のいずれかの側面のある態様において、1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)は、約22ppmから約28ppmまでの範囲をとる総量で存在していてもよく、および/または1以上の低効能甘味料(単数または複数)は、約2ppmから約5ppmまでの範囲をとる総量で存在していてもよい。
本発明の第7~12の側面のある態様において、1以上のモグロシド(単数または複数)または1以上の甘味増強剤(単数または複数)は、約15ppmから約50ppmまでの範囲をとる量で存在していてもよい。ある態様において、1以上のモグロシド(単数または複数)または1以上の甘味増強剤(単数または複数)は、約15ppmから約35ppmまでの範囲をとる量で存在していてもよい。
【0021】
本発明のいずれかの側面のある態様において、1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)と1以上の低効能甘味料(単数または複数)との組み合わせは、単独で約1.5%(w/v)スクロース当量未満の甘味を有していてもよい。とりわけ、甘味が付与された組成物中の1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)および1以上の低甘味度甘味料(単数または複数)の濃度は、約1.5%(w/v)スクロース当量未満の甘味を有していてもよい。
本発明の第7~12の側面のある態様において、1以上のモグロシド(単数または複数)または1以上の甘味増強剤(単数または複数)は、約1.5%(w/v)スクロース当量未満の合計の甘味を有していてもよい。ある態様において、1以上の甘味増強剤(単数または複数)は、1以上の甘味増強剤(単数または複数)単独での合計甘味を超えて、甘味が付与された組成物の甘味を増大させる。
【0022】
本発明のいずれかの側面のある態様において、1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)と1以上の低効能甘味料(単数または複数)との組み合わせは、組み合わせの単独での甘味を超えて、甘味が付与された組成物の甘味を増大させてもよい。本発明のいずれかの側面のある態様において、1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)と1以上の低効能甘味料(単数または複数)との組み合わせは、約1.25%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多く組成物の甘味を増大させてもよい。
本発明のいずれかの側面のある態様において、1以上の低効能甘味料(単数または複数)は、1以上の低効能甘味料(単数または複数)の完全な非存在下での甘味が付与された組成物の長引く甘い風味と比較して、1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)を含む甘味が付与された組成物の長引く甘い風味を弱める。
【0023】
本発明のいずれかの側面のある態様において、1以上の低効能甘味料(単数または複数)は、1以上の低効能甘味料(単数または複数)の完全な非存在下での甘味が付与された組成物の苦みのある、および/または渋い風味と比較して、1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)を含む甘味が付与された組成物の苦みのある、および/または渋い風味を弱める。
使用される甘味料のうち1以上(例として、すべて)は、天然であってもまたは合成(人工)であってもよい。甘味料のうち1以上は、例えば、生物学的プロセスによって、または酵素プロセス、または合成プロセスによって作製されてもよい。
【0024】
本発明の別の例示的な側面に従うと、提供されるものは、(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)有効量の味覚修飾物質を含む組成物である。組成物は、甘味組成物または甘味を修飾する組成物を含んでもよい。ある態様に従うと、組成物中に存在する該グルコシル化ステビオールグリコシドの量は、組成物中に存在するレバウジオシドMの量よりも多い。
本発明の別の例示的な側面に従うと、提供されるものは、(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)有効量の味覚修飾物質を含む組成物であって、ここで該組成物中の該レバウジオシドMに対する該グルコシル化ステビオールグリコシドの比率は、1:1.1から1:1.5までである。
【0025】
本発明の別の例示的な側面に従うと、提供されるものは、少なくとも1の甘味料ならびに(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)有効量の味覚修飾物質を含む組成物を含む甘味が付与された組成物である。ある態様に従うと、組成物中に存在する該グルコシル化ステビオールグリコシドの量は、組成物中に存在するレバウジオシドMの量より多い。
本発明の別の例示的な側面に従うと、提供されるものは、少なくとも1の甘味料ならびに(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシドおよび(iii)有効量の味覚修飾物質を含む組成物を含む甘味が付与された組成物であって、ここで該組成物中の該レバウジオシドMに対する該グルコシル化ステビオールグリコシドの比率は、1:1.1から1:1.5までである。
【0026】
本発明の別の例示的な側面に従うと、提供されるものは、甘味が付与された組成物の1以上の特徴(単数または複数)を改善する組成物の使用であって、組成物は、(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)有効量の味覚修飾物質を含む。ある態様に従うと、組成物中に存在する該グルコシル化ステビオールグリコシドの量は、組成物中に存在するレバウジオシドMの量よりも多い。ある態様に従うと、(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)有効量の味覚修飾物質を含む組成物の使用は、甘味が付与された組成物の甘味特徴(単数または複数)を改善することである。
【0027】
本発明の別の例示的な側面に従うと、提供されるものは、甘味が付与された組成物の1以上の特徴(単数または複数)を改善する組成物の使用であって、組成物は、(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)有効量の味覚修飾物質を含み、ここで甘味を修飾する組成物中の該レバウジオシドMの該グルコシル化ステビオールグリコシドに対する比率は、1:1.1から1:1.5までである。ある態様に従うと、(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)有効量の味覚修飾物質を含む組成物の使用は、甘味が付与された組成物の甘味特徴(単数または複数)を改善することである。
【0028】
本発明の別の例示的な側面に従うと、提供されるものは、甘味が付与された組成物の甘味を増強する方法であって、方法は、その甘味認識閾値の、またはそれを上回る量、および/または約1.5%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い甘味を有する量で存在する少なくとも1の甘味料を含むベース組成物を提供することを含み、および組成物は、(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)有効量の味覚修飾物質を含む。ある態様に従うと、組成物中に存在する該グルコシル化ステビオールグリコシドの量は、組成物中に存在するレバウジオシドMの量よりも多い。
【0029】
本発明の別の例示的な側面に従うと、提供されるものは、甘味が付与された組成物の甘味を増強する方法であって、方法は、その甘味認識閾値の、またはそれを上回る量、および/または約1.5%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い甘味を有する量で存在する少なくとも1の甘味料を含むベース組成物を提供することを含み、および組成物は、(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)有効量の味覚修飾物質を含み、ここで組成物中の該レバウジオシドMの該グルコシル化ステビオールグリコシドに対する比率は、1:1.1から1:1.5までである。
【0030】
本発明の別の例示的な側面に従うと、提供されるものは、その甘味認識閾値の、またはそれを上回る量、および/または約1.5%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い甘味を有する量で存在する少なくとも1の甘味料を含む食品または飲料ベース組成物を含む甘味が付与された消耗品であって、組成物は、(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)有効量の味覚修飾物質を含む。ある態様に従うと、組成物中に存在する該グルコシル化ステビオールグリコシドの量は、組成物中に存在するレバウジオシドMの量よりも多い。
【0031】
本発明の別の例示的な側面に従うと、提供されるものは、その甘味認識閾値の、またはそれを上回る量、および/または約1.5%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い甘味を有する量で存在する少なくとも1の甘味料を含む食品または飲料ベース組成物を含む甘味が付与された消耗品であって、組成物は、(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)有効量の味覚修飾物質を含み、ここで甘味を修飾する組成物中の該レバウジオシドMの該グルコシル化ステビオールグリコシドに対する比率は、1:1.1から1:1.5までである。
【0032】
本発明の別の例示的な側面に従うと、提供されるものは、甘味が付与された組成物において糖の量を低減する方法であって、方法は、その甘味認識閾値の、またはそれを上回る量、および/または約1.5%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い甘味を有する量で存在する少なくとも1の甘味料を含むベース組成物を提供すること、および組成物を該ベース組成物に添加することを含み、組成物は、(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)有効量の味覚修飾物質を含む。ある態様に従うと、組成物中に存在する該グルコシル化ステビオールグリコシドの量は、組成物中に存在するレバウジオシドMの量よりも多い。
【0033】
本発明の別の例示的な側面に従うと、提供されるものは、甘味が付与された組成物において糖の量を低減する方法であって、方法は、その甘味認識閾値の、またはそれを上回る量、および/または約1.5%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い甘味を有する量で存在する少なくとも1の甘味料を含むベース組成物を提供すること、および組成物を該ベース組成物に添加することを含み、組成物は、(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)有効量の味覚修飾物質を含み、ここで組成物中の該レバウジオシドMの該グルコシル化ステビオールグリコシドに対する比率は、1:1.1から1:1.5までである。
【0034】
本発明の別の例示的な側面に従うと、提供されるものは、(i)レバウジオシドMおよび(ii)有効量の味覚修飾物質を含む組成物である。
本発明の別の例示的な側面に従うと、提供されるものは、少なくとも1の甘味料ならびに(i)レバウジオシドMおよび(ii)有効量の味覚修飾物質を含む組成物を含む甘味が付与された組成物である。
【0035】
本発明の別の例示的な側面に従うと、提供されるものは、その甘味認識閾値の、またはそれを上回る量、および/または約1.5%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い甘味を有する量で存在する少なくとも1の甘味料を含む食品または飲料ベース組成物を含む甘味が付与された消耗品であって、組成物は、(i)レバウジオシドMおよび(ii)有効量の味覚修飾物質を含む。
本発明の別の例示的な側面に従うと、提供されるものは、甘味が付与された組成物の1以上の特徴(単数または複数)を改善する組成物の使用であって、組成物は、(i)レバウジオシドMおよび(ii)有効量の味覚修飾物質を含む。組成物の使用は、甘味が付与された組成物の甘味特徴(単数または複数)を改善することである。
【0036】
本発明の別の例示的な側面に従うと、提供されるものは、甘味が付与された組成物の甘味を増強する方法であって、方法は、その甘味認識閾値の、またはそれを上回る量、および/または約1.5%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い甘味を有する量で存在する少なくとも1の甘味料を含むベース組成物を提供することを含み、組成物は、(i)レバウジオシドMおよび(ii)有効量の味覚修飾物質を含む。
【0037】
本発明の別の例示的な側面に従うと、提供されるものは、甘味が付与された組成物において糖の量を低減する方法であって、方法は、その甘味認識閾値の、またはそれを上回る量、および/または約1.5%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い甘味を有する量で存在する少なくとも1の甘味料を含むベース組成物を提供すること、および組成物を該ベース組成物に添加することを含み、組成物は、(i)レバウジオシドMおよび(ii)有効量の味覚修飾物質を含む。
本発明の別の例示的な側面に従うと、提供されるものは、(i)グルコシル化ステビオールグリコシドおよび(ii)有効量の味覚修飾物質を含む組成物である。
【0038】
本発明の別の例示的な側面に従うと、提供されるものは、少なくとも1の甘味料ならびに(i)グルコシル化ステビオールグリコシドおよび(ii)有効量の味覚修飾物質を含む組成物を含む甘味が付与された組成物である。
本発明の別の例示的な側面に従うと、提供されるものは、その甘味認識閾値の、またはそれを上回る量、および/または約1.5%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い甘味を有する量で存在する少なくとも1の甘味料を含む食品または飲料ベース組成物を含む甘味が付与された消耗品であって、組成物は、(i)グルコシル化ステビオールグリコシドおよび(ii)有効量の味覚修飾物質を含む。
【0039】
本発明の別の例示的な側面に従うと、提供されるものは、甘味が付与された組成物の1以上の特徴(単数または複数)を改善する組成物の使用であって、組成物は、(i)グルコシル化ステビオールグリコシドおよび(ii)有効量の味覚修飾物質を含む。組成物の使用は、甘味が付与された組成物の甘味特徴(単数または複数)を改善することである。
本発明の別の例示的な側面に従うと、提供されるものは、甘味が付与された組成物の甘味を増強する方法であって、方法は、その甘味認識閾値の、またはそれを上回る量、および/または約1.5%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い甘味を有する量で存在する少なくとも1の甘味料を含むベース組成物を提供することを含み、および組成物は、(i)グルコシル化ステビオールグリコシドおよび(ii)有効量の味覚修飾物質を含む。
【0040】
本発明の別の例示的な側面に従うと、提供されるものは、甘味が付与された組成物において糖の量を低減する方法であって、方法は、その甘味認識閾値の、またはそれを上回る量、および/または約1.5%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い甘味を有する量で存在する少なくとも1の甘味料を含むベース組成物を提供すること、および組成物を該ベース組成物に添加することを含み、組成物は、(i)グルコシル化ステビオールグリコシドおよび(ii)有効量の味覚修飾物質を含む。
【0041】
本発明のいずれかの側面のある態様は、以下の利点の1以上を提供してもよい:
・組成物における増大した甘味;
・少なくとも1の甘味料を包含する組成物における増強された甘味;
・所望される甘味を得るのに必要とされる高カロリーの甘味料の量の減少;
・糖(スクロース)により類似した甘い風味にする1以上の甘味特徴の改善;
・長引く甘味を弱めること(例として、甘い風味が残存する時間の長さを減少させること、および/または甘い風味の強度をより迅速に減少させること);
・苦味のある風味および/またはリコリスの風味および/または金属の風味を弱めること;
・乾きおよび/または渋い口当たりの感覚認知を弱めること;
・甘味のインパクトの改善(例として、甘い風味の最大強度を増大させること、および/または検出される甘い風味についての時間の長さを減少させること)(例として、長引く甘味を減少させること)。
【0042】
本発明の規定された側面のいずれか特定の1以上に関して提供される詳細、例および選好が、さらに本明細書に記載され、および本発明のすべての側面に等しく適用されるだろう。その実行可能なすべてのバリエーションにおける本明細書に記載の態様、例および選好のいずれの組み合わせは、本明細書の他の箇所で指し示されない限り、または他の箇所で文脈によって明確に否定されない限り、本発明に網羅される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図面の簡単な記載
図1図1は、羅漢果抽出物(以下の表1の抽出物2)のクロマトグラムを示す。
図2図2は、モグロシド1~6の化学構造を示す;
図3-1】図3は、商用の羅漢果抽出物のLC-MS分析を示す;
図3-2】図3は、商用の羅漢果抽出物のLC-MS分析を示す;
図4-1】図4は、種々の混合時間でのイソ-モグロシドVIの異核単一量子コヒーレンス-全相関分光法(HSQC-TOCSY)(hsqcgpmlph)を示す(d9)。A:10msの混合時間。B:30msの混合時間。C:60msの混合時間。D:100msの混合時間。Glc IIのH-1とGlc IIIのH-6aとのオーバーラップのせいで、Glc IIのHSQC-COSY相関強度は、ここでは分析されなかった;
図4-2】図4は、種々の混合時間でのイソ-モグロシドVIの異核単一量子コヒーレンス-全相関分光法(HSQC-TOCSY)(hsqcgpmlph)を示す(d9)。A:10msの混合時間。B:30msの混合時間。C:60msの混合時間。D:100msの混合時間。Glc IIのH-1とGlc IIIのH-6aとのオーバーラップのせいで、Glc IIのHSQC-COSY相関強度は、ここでは分析されなかった;
【0044】
図5図5は、種々の混合時間でのイソ-モグロシドVIグルコピラノシルのHSQC-TOCSY(hsqcgpmlph)ピーク強度の定量化を示す。(HSQC-TOCSY上のC-3およびC-5シグナルは、100msの混合時間でオーバーラップして現れる。したがって、C-3およびC-5の合計積分が、棒グラフに使用された);
【0045】
図6図6は、モグロシド糖鎖を解明するためのストラテジーを示す(HSQC-TOCSYのピーク強度を調整した場合、ある混合時間下で現れるC-2~C-6の数は、わずかに変化する場合がある。種々の混合時間の実験におけるC-2~C-6の強度の増大を観察することによって、接続の順番が、さらに決定され得る。**モグロシドグルコピラノシルのC-3上の天然のグリコシル化は、これまでのところ存在しない。グルコピラノシル上のC-3グリコシル化は、δ76からδ81までのダウンシフトを引き起こし、およびHSQC-TOCSY実験によって容易に決定され得る)。図6中のステップのシーケンスは以下のとおりに概説され得る:ステップ1において、異核多結合相関分光法(HMBC)が使用され、糖のアノマー(anormeric)C-1およびH-1を決定した。アグリコンへの糖の連結から開始する。ステップ2において、HSQC-TOCSYが100msの混合時間で使用され、C-2~C-6の全基を決定した。C-2を割り当てるためのHSQC-COSYまたはHSQC-TOCSY(d9=10ms)。C-3を割り当てるためのHSQC-TOCSY(d9=30ms)。C-4を割り当てるためのHSQC-TOCSY(d9=60ms)。C-5およびC-6を割り当てるためのHSQC-TOCSY(d9=100ms)。ステップ3において、約δ75から約δ81までのC-2ダウンシフト、約δ71から約δ81までのC-4ダウンシフト、または約δ62から約69までのC-6ダウンシフトが観察される場合、これらの位置でのグリコシル化についてHMBCを確かめる。**約δ75から約δ81までのC-2ダウンシフト、約δ71から約δ81までのC-4ダウンシフト、または約δ62から約69までのC-6ダウンシフトが観察される場合、これらの位置でのグリコシル化についてHMBCを確かめる。**
【0046】
図7図7は、化学式C6611234および1448.70の精密質量を有する、イソ-モグロシドVIについての化学構造を示す。この化学構造は、式Iで指定される;および
図8図8は、化学式C6010229および1286.65の精密質量を有する、11-エピ-モグロシドVについての化学構造を示す。この化学構造は、式IIで指定される。
【0047】
詳細な記載
本発明は、1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)(例として、モグロシドV)と1以上の低効能甘味料(単数または複数)(例として11-O-モグロシドV)との組み合わせが、少なくとも1の他の甘味料(例として、スクロース)と相乗的に作用して、個々の甘味料の甘味の和よりも多い甘味を有する組成物を得ることができるという驚くべき知見に基づく。本発明はさらに、1以上の低効能甘味料(単数または複数)が、1以上の高効能甘味料(単数または複数)の1以上のネガティブな甘味特徴を相殺するであろうという驚くべき知見に基づく。例えば、1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)(例として、モグロシドV)と1以上の低効能甘味料(単数または複数)(例として、11-O-モグロシドV)との組み合わせは、1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)を単独で使用するのと比較して、甘味が付与された組成物(すなわち、その甘味認識閾値を上回る量、および/または約1.5%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い量でスクロースなどの少なくとも1の他の甘味料を含む組成物)中の改善された甘味特徴を提供するであろう。よって例えば、甘味特徴は、スクロースの甘味特徴により近くてもよい。
【0048】
よって、本明細書に開示のとおりの1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)および1以上の低効能甘味料(単数または複数)、特に、その甘味認識閾値を上回る量、および/または約1.5%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い量での少なくとも1の甘味料および1以上の高甘味度甘味料および1以上の低効能甘味料(単数または複数)を含む甘味が付与された組成物を含む様々な組成物が本明細書に提供される。甘味が付与された組成物はまた、食用組成物と称してもよい。本明細書に開示のとおりの1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)および1以上の低効能甘味料(単数または複数)の様々な使用および本明細書に開示の様々な組成物を作製する方法もまた本明細書に提供される。
【0049】
本発明はさらに、モグロシドIV、シアメノシドおよびネオモグロシドなどのモグロシドが、甘味増強剤として作用し得る(すなわち、甘味増強剤単独での甘味を超えて甘味が付与された組成物の甘味を増大させ得る)という驚くべき知見に基づく。
よって、モグロシドIV、シアメノシドおよびネオモグロシドのうちの1以上を含む様々な組成物、とりわけ甘味が付与された組成物が本明細書に提供される。
【0050】
組成物
少なくとも1の高甘味度甘味料および少なくとも1の低効能甘味料を含む様々な組成物が本明細書に提供される。1以上のモグロシド(単数または複数)、例えば、モグロシドIV、シアメノシドおよびネオモグロシドのうちの1以上を含む組成物もまた本明細書に提供される。ある態様において、組成物は、食用組成物である。
【0051】
ある態様において、ステビオールグリコシドおよび/またはモグロシドからなる群から選択される少なくとも1の高甘味度甘味料およびセロビオース、プシコース、シクラマートおよび/または11-O-モグロシドVからなる群から選択される少なくとも1の低効能甘味料を含む、本質的にそれらからなる、またはそれらからなる甘味を修飾する組成物が提供される。ある態様において、甘味を修飾する組成物は、1つの高甘味度甘味料および1つの低効能甘味料を含む、本質的にそれらからなる、またはそれらからなる。甘味を修飾する組成物は、例えば、甘味を付与した(例として、食用)組成物中で希釈されて、食用組成物に所望される甘味を与える、例えば、濃縮物であってもよい。用語「甘味が付与された組成物」は、その甘味認識閾値を上回る量、および/または約1.5%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い甘味を有する量で存在する少なくとも1の甘味料を含む組成物を指す。
【0052】
ある態様において、1以上のモグロシド(単数または複数)、例えば、モグロシドIV、シアメノシドおよびネオモグロシドのうちの1以上を含む甘味が付与された組成物(例として、食用組成物)が提供される。ある態様において、少なくとも1の高甘味度甘味料および少なくとも1の低効能甘味料を含む甘味が付与された組成物(例として、食用組成物)が提供される。高甘味度甘味料(単数または複数)と低効能甘味料(単数または複数)との組み合わせは、甘味を修飾する組成物と称されてもよい。1以上のモグロシド(単数または複数)、例えば、モグロシドIV、シアメノシドおよびネオモグロシドのうちの1以上はまた、甘味を修飾する組成物と本明細書において称されてもよい。よってある態様において、その甘味認識閾値を上回る量、および/または約1.5%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い甘味を有する量で存在する少なくとも1の甘味料ならびに少なくとも1の高甘味度甘味料および少なくとも1の低効能甘味料を含む、本質的にそれらからなる、またはそれらからなる甘味を修飾する組成物を含む甘味が付与された組成物が提供される。甘味が付与された組成物は、例えば、食用組成物であってもよい。
【0053】
特に甘味を修飾する組成物に関して使用されるとき、用語「増強すること」は、甘味を修飾する組成物が、少なくとも1の他の甘味料を組み合わせて使用されたとき、相乗的に甘味を付与する効果を指す。甘味を修飾する組成物は、甘味を修飾する組成物単独での甘味を超えて甘味が付与された組成物の甘味を増大させる。換言すれば、少なくとも1の甘味料および少なくとも1の甘味を修飾する組成物を含む組成物の甘味は、組成物中のすべての甘味料の甘味の和よりも多い。本明細書に記載の甘味を修飾する組成物は、検出可能な甘味、または甘いとして認識される風味も有さない量(その甘味認識閾値未満)で甘味が付与された(例として、食用)組成物において使用される。典型的には、1.5%(w/v)スクロース当量未満の甘味を有する甘味を修飾する組成物は、FEMA(米国食品香料製造業者協会)によって「本質的に甘くない」ものとして受け入れられている。甘味修飾物質はまた、甘味増強剤と称されてもよい。
【0054】
本明細書に開示のとおりの甘味を修飾する組成物ならびにその甘味認識閾値を上回る量、および/または約1.5%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い甘味を有する量で少なくとも1の甘味料を含む甘味が付与された組成物は、甘味を修飾する組成物非存在下での甘味が付与された組成物の甘味よりも、約1.0%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い分多い甘味を有していてもよい。例えば、甘味が付与された組成物は、甘味を修飾する組成物非存在下での甘味が付与された組成物の甘味よりも、約1.1%(w/v)と同等かまたはそれより多い、もしくは約1.15%(w/v)と同等かまたはそれより多い、もしくは約1.2%(w/v)と同等かまたはそれより多い、もしくは約1.25%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い分多い甘味を有していてもよい。換言すれば、甘味を修飾する組成物は、約1%(w/v)と同等かまたはそれより多い、もしくは約1.1%(w/v)と同等かまたはそれより多い、もしくは約1.15%(w/v)と同等かまたはそれより多い、もしくは約1.2%(w/v)と同等かまたはそれより多い、もしくは約1.25%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多いものと同等かまたはそれより多い分甘味が付与された組成物の甘味を増大させてもよい。比較組成物は、該甘味を修飾する組成物を包含しないことを除いて、該組成物と同一である。
【0055】
用語「スクロース当量」は、少なくとも1の非スクロース甘味料を含有する組成物の参照スクロース溶液に対する甘味の当量を指す。典型的には、風味パネリストは、1%~15%スクロース(w/v)を含有する参照スクロース溶液の甘味を検出するよう訓練される。次いで、他の非スクロース甘味料は、一連の希釈でテイスティングされ、所与のスクロース参照と同じく甘い(すなわち、等甘味(isosweet))非スクロース甘味料の濃度が決定されるであろう。用語「等甘味」は、等価な甘味を有する組成物を指す。典型的には、所与の組成物の甘味は、スクロースの溶液を参照して測定される。「A Systematic Study of Concentration-Response Relationships of Sweeteners」, G.E. DuBois, D.E. Walters, S.S. Schiffman, Z.S. Warwick, B.J. Booth, S.D. Pecore, K. Gibes, B.T. Carr, and L.M. Brands, in Sweeteners: Discovery, Molecular Design and Chemoreception, D.E. Walters, F.T. Orthoefer, and G.E. DuBois, Eds., American Chemical Society, Washington, DC (1991), pp 261-276を参照。
【0056】
1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)と1以上の低効能甘味料(単数または複数)との組み合わせ(例として、甘味を修飾する組成物)は、例えば、約1.5%(w/v)スクロース当量未満の甘味を有していてもよい。例えば、高甘味度甘味料(単数または複数)と低効能甘味料(単数または複数)との組み合わせ(例として、甘味を修飾する組成物)は、約1.45%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれ未満、もしくは約1.4%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれ未満、もしくは約1.35%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれ未満、もしくは約1.3%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれ未満の甘味を有していてもよい。例えば、高甘味度甘味料(単数または複数)と低効能甘味料(単数または複数)との組み合わせ(例として、甘味を修飾する組成物)は、約1%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い、もしくは約1.1%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い、もしくは約1.15%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い、もしくは約1.2%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い、もしくは約1.25%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い、もしくは約1.3%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い甘味を有していてもよい。
【0057】
1以上のモグロシド(単数または複数)、例えば、モグロシドIV、シアメノシドおよびネオモグロシドから選択される1以上の甘味増強剤(単数または複数)は、例えば、約1.5%(w/v)スクロース当量未満の甘味を有していてもよい。例えば、1以上のモグロシド(単数または複数)、例えば、モグロシドIV、シアメノシドおよびネオモグロシドから選択される1以上の甘味増強剤(単数または複数)は、約1.45%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれ未満、もしくは約1.4%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれ未満、もしくは約1.35%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれ未満、もしくは約1.3%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれ未満の甘味を有していてもよい。例えば、1以上のモグロシド(単数または複数)、例えば、モグロシドIV、シアメノシドおよびネオモグロシドから選択される1以上の甘味増強剤(単数または複数)は、約1%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い、もしくは約1.1%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い、もしくは約1.15%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い、もしくは約1.2%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い、もしくは約1.25%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い、もしくは約1.3%(w/v)スクロース当量と同等かそれより多い甘味を有していてもよい。
【0058】
本明細書に開示の組成物に使用される甘味料および甘味増強剤の各々は、天然または合成の(人工の)甘味料であってもよい。天然に存在しない(すなわち、合成の)モグロシドの例は、WO2017/075257に開示されており、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。用語「天然の甘味料」は、自然から得られる甘味料を指し、これは酵素処理され(例として、グリコシル化され)、自然界から見出されない化合物を形成するかもしれない混合物を包含する(これは、酵素処理された精製された化合物を包含しない)。例えば、天然に存在するモグロールグリコシド分布とは異なる(例として、増強された)モグロールグリコシド分布を有する改変された抽出物は、天然のものとして分類されてもよい。例えば、グルコシル化ステビオールグリコシドおよび/またはグルコシル化モグロシドの混合物は、天然のものとして分類されてもよい。本明細書に開示の組成物に使用される甘味料の各々は、食品由来であってもよい。「食品由来」の製品は、例えば、調理方法に使用される温度と同様のそれらを使用するなどの、典型的な調理条件下で調製される製品を指す。ある態様において、本明細書に開示の組成物(例として、本明細書に開示の甘味を修飾する組成物)に使用される高甘味度甘味料および低効能甘味料は、両方とも天然の甘味料である。ある態様において、本明細書に開示の組成物に使用される甘味料のすべてが、天然のものである。
【0059】
本明細書に開示の甘味料は、純粋なもの、または精製された形態で使用されてもよく、および化学的に合成されても、生物工学的プロセス(例として、発酵)によって産生されても、または天然の供給源(例として、限定せずに、果実、サトウキビ、テンサイを包含する植物供給源)から単離されてもよい。
【0060】
1以上のモグロシド(単数または複数)、例えば、モグロシドIV、シアメノシドおよびネオモグロシドのうちの1以上は、例えば、少なくとも80wt%の純度であってもよい。例えば、1以上のモグロシド(単数または複数)、例えば、モグロシドIV、シアメノシドおよびネオモグロシドのうちの1以上は、少なくとも約85wt%または少なくとも約90wt%または少なくとも約95wt%または少なくとも約98wt%または少なくとも約99wt%の純度であってもよい。例えば、1以上のモグロシド(単数または複数)、例えば、モグロシドIV、シアメノシドおよびネオモグロシドのうちの1以上は、最大100wt%まで、または最大99wt%までの純度であってもよい。
【0061】
用語「高甘味度甘味料」は、スクロースの甘味の少なくとも100倍である甘味を有する化合物を指す。ある態様において、高甘味度甘味料は、スクロースの甘味の、少なくとも約120倍、または少なくとも約140倍、または少なくとも約150倍、または少なくとも約160倍、または少なくとも約180倍、または少なくとも約200倍、または少なくとも約220倍、または少なくとも約240倍、または少なくとも約250倍、または少なくとも約260倍、または少なくとも約280倍、または少なくとも約300倍、または少なくとも約320倍、または少なくとも約340倍、または少なくとも約350倍、または少なくとも約360倍、または少なくとも約380倍、または少なくとも約400倍、または少なくとも約420倍、または少なくとも約440倍、または少なくとも約450倍である甘味を有する。高甘味度甘味料は、例えば、スクロースの甘味の最大1000倍までである甘味を有していてもよい。高甘味度甘味料は、スクロースの甘味の少なくとも100倍である甘味を有するが、本明細書に記載のとおりの甘味を修飾する組成物におけるその使用の文脈において、それらは、いずれの甘味も検出可能でないか、または甘いと認識されない量(FEMAによって「本質的に甘くない」ものとして受け入れられている、1.5%(w/v)スクロース当量未満の甘味を提供する量)で甘味が付与された組成物において使用されるだろう。
【0062】
1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)は、例えば、1以上のステビオールグリコシドおよび/または1以上のモグロシドであってもよい。例えば、1以上の高甘味度甘味料は、ステビオールグリコシドとモグロシドとの混合物であってもよい。例えば、1以上の高甘味度甘味料は、1以上のステビオールグリコシドであってもよい。例えば、1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)は、1以上のモグロシドであってもよい。ある態様において、モグロシドは、甘味増強およびオフノート低減(例として、長引く甘い後味を弱める)の点で、ステビオールグリコシドよりもうまく働いていてもよい。
【0063】
高甘味度甘味料は、例えば、1以上のステビオールグリコシド(単数または複数)であってもよい。ステビオールグリコシドの例は、例えば、ステビオシド(CAS:57817-89-7)、レバウジオシドA(CAS:58543-16-1)、レバウジオシドB(CAS:58543-17-2)、レバウジオシドC(CAS:63550-99-2)、レバウジオシドD(CAS:63279-13-0)、レバウジオシドE(CAS:63279-14-1)、レバウジオシドF(CAS:438045-89-7)、レバウジオシドG(CAS:127345-21-5)、レバウジオシドH、レバウジオシドI(CAS:1220616-34-1)、レバウジオシドJ、レバウジオシドK、レバウジオシドL、レバウジオシドM(CAS:1220616-44-3)、レバウジオシドN(CAS:1220616-46-5)、レバウジオシドO(CAS:1220616-48-7)、ズルコシドA(CAS:64432-06-0)、ズルコシドB(CAS:63550-99-2)、ルブソシド(CAS:64849-39-4)およびナリンギンジヒドロカルコン(CAS:18916-17-1)を包含する。
【0064】
高甘味度甘味料は、例えば、1以上のモグロシド(単数または複数)であってもよい。ある態様において、高甘味度甘味料は、本明細書に列挙されるモグロシドの1以上であってもよい。ある態様において、高甘味度甘味料は、モグロシドIV、シアメノシド、ネオモグロシドおよびモグロシドV(それらのすべての異性体を包含する)の1以上であってもよい。例えば、高甘味度甘味料は、モグロシドIV、シアメノシドおよびモグロシドV(それらのすべての異性体を包含する)の混合物であってもよい。1以上のモグロシド(単数または複数)は、例えば、羅漢果果実抽出物から得られるかまたは入手可能であってよい。
【0065】
用語「低効能甘味料」は、スクロースの甘味の100倍未満である甘味を有する化合物を指す。ある態様において、低効能甘味料は、スクロースの甘味の最大約95倍まで、または最大約90倍まで、または最大約85倍までである甘味を有する。
1以上の低効能甘味料(単数または複数)は、セロビオース、プシコース、シクラマートおよび/または11-O-モグロシドV(CAS:126105-11-1)のうちの1以上から選択される。例えば、1以上の低甘味度甘味料(単数または複数)は、セロビオース、プシコースおよび11-O-モグロシドVのうちの1以上であってもよい。
【0066】
ある態様において、1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)は、高強度モグロシドを包含するかまたはそれである。ある態様において、1以上の低効能甘味料(単数または複数)は、低効能モグロシドを包含するかまたはそれである。ある態様において、1以上の高甘味度甘味料は、高強度モグロシドを包含するかまたはそれであり、および1以上の低効能甘味料(単数または複数)は、低効能モグロシドを包含するかまたはそれである。
ある態様において、1以上の高甘味度甘味料は、モグロシドVを包含するかまたはそれである。ある態様において、1以上の低効能甘味料は、11-O-モグロシドVを包含するかまたはそれである。ある態様において、1以上の高甘味度甘味料は、モグロシドVを包含するかまたはそれであり、および1以上の低効能甘味料は、11-O-モグロシドVを包含するかまたはそれである。
【0067】
モグロシドは、トリテルペングリコシドの一群であり、およびアーハットフルーツ(arhat fruit)またはロンジェビティフルーツ(longevity fruit)またはスウィングルフルーツ(swingle fruit)としても知られる、羅漢果(Siraitia grosvenorii)の果実から得られるであろう。モグロシドは、新鮮な果実の果肉のおよそ1%を構成する。抽出を通して、最大80%までのモグロシドを含有する粉末の形態の抽出物が得られ得る。モグロシド抽出物は、グロブノリンII、グロブノリンI、11-O-モグロシドII(I)、11-O-モグロシドII(II)、11-O-モグロシドII(III)、モグロシドII(I)、モグロシドII(II)、モグロシドII(III)、11-デヒドロキシ-モグロシドIII、11-O-モグロシドIII、モグロシドIII(I)、モグロシドIII(II)、モグロシドIV(I)(シアメノシド)、モグロシドIV(II)、モグロシドIV(III)、モグロシドIV(IV)、デオキシモグロシドV(I)、デオキシモグロシドV(II)、11-O-モグロシドV(I)、モグロシドV異性体、モグロシドV、イソ-モグロシドV、7-O-モグロシドV、11-O-モグロシドVI、モグロシドVI(I)、モグロシドVI(II)、モグロシドVI(III)(ネオモグロシド)およびモグロシドVI(IV)を含有する。モグロシドVの正確な量は、果実の成熟および/または使用される抽出プロセスに応じて変化するだろう。
【0068】
モグロシド(単数または複数)は、天然に存在するモグロシド(単数または複数)および天然に存在しないモグロシドの両方を包含する。モグロシドの例は、例えば、グロブノリンII、グロブノリンI、11-O-モグロシドII(I)、11-O-モグロシドII(II)、11-O-モグロシドII(III)、モグロシドII(I)、モグロシドII(II)、モグロシドII(III)、11-デヒドロキシ-モグロシドIII、11-O-モグロシドIII、モグロシドIII(I)、モグロシドIII(II)、モグロシドIIIe、モグロシドIIIx、モグロシドIV(I)(シアメノシド)、モグロシドIV(II)、モグロシドIV(III)、モグロシドIV(IV)、デオキシモグロシドV(I)、デオキシモグロシドV(II)、11-O-モグロシドV(I)、モグロシドV異性体、モグロシドV、イソ-モグロシドV、7-O-モグロシドV、11-O-モグロシドVI、モグロシドVI(I)、モグロシドVI(II)、モグロシドVI(III)(ネオモグロシド)およびモグロシドVI(IV)を包含する。モグロシド(単数または複数)は、例えば、羅漢果抽出物から得られるかまたは入手可能であってもよい。
【0069】
モグロシドV(CAS:88901-36-4)は、ククルビタン誘導体のグリコシドであり、化学式C6010229および以下に示される化学構造を有する。モグロシドVは、羅漢果(Siraitia grosvenorii)の果実からの抽出物などのある植物エキスにおいて見出され得る。純粋なモグロシドVは、スクロースの甘味の少なくとも400倍の甘味を有することが見出されている。
【化1】
【0070】
シアメノシド(CAS:126105-12-2)は、Siraitia grosvenoriiの果実において見出されるククルビタンであり、以下の化学構造を有する。
【化2】
【0071】
モグロシドIV(CAS:89590-95-4)は、Siraitia grosvenoriiの果実において見出されるトリテルペンヘテロシドであり、以下の化学構造を有する。
【化3】
【0072】
ネオモグロシド(CAS:189307-15-1)は、Siraitia grosvenoriiの果実においてもまた見出されるククルビタングリコシドであり、以下の化学構造を有する。
【化4】
【0073】
11-O-モグロシドV(CAS:126105-11-1)は、モグロシドVに由来し、以下の化学構造を有する。それもまた、羅漢果(Siraitia grosvenorii)の果実からの抽出物などの植物エキスにおいて見出される。11-O-モグロシドVは、スクロースの甘味の約84倍である甘味を有すると見出された。
【化5】
【0074】
1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)の1以上の低効能甘味料(単数または複数)に対する比率は、約2:1と同等かまたはそれより大きい。例えば、1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)の1以上の低効能甘味料(単数または複数)に対する比率は、約2.5:1と同等かまたはそれより大きい、もしくは約3:1と同等かまたはそれより大きい、もしくは約3.5:1と同等かまたはそれより大きい、もしくは約4:1と同等かまたはそれより大きい、もしくは約4.5:1と同等かまたはそれより大きい、もしくは約5:1と同等かまたはそれより大きい、もしくは約5.5:1と同等かまたはそれより大きい、もしくは約6:1と同等かまたはそれより大きい、もしくは約6.5:1と同等かまたはそれより大きい、もしくは約7:1と同等かまたはそれより大きい、もしくは約7.5:1と同等かまたはそれより大きい、もしくは約8:1と同等かまたはそれより大きくてもよい。高甘味度甘味料の低効能甘味料に対する比率は、約12:1と同等かまたはそれ未満である。例えば、1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)の1以上の低効能甘味料(単数または複数)に対する比率は、約11.5:1と同等かまたはそれ未満である、もしくは約11:1と同等かまたはそれ未満である、もしくは約10.5:1と同等かまたはそれ未満である、もしくは約10:1と同等かまたはそれ未満である、もしくは約9.5:1と同等かまたはそれ未満である、もしくは約9:1と同等かまたはそれ未満である、もしくは約8.5:1と同等かまたはそれ未満であってもよい。例えば、1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)の1以上の低効能甘味料(単数または複数)に対する比率は、約5:1から約11:1まで、または約6:1から約10:1まで、または約6.5:1から約9.5:1まで、または約7:1から約9:1まで、または約7.5:1から約8.5:1までの範囲をとってもよい。
【0075】
ある態様において、1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)の1以上の低効能甘味料(単数または複数)に対する比率は、約2:1から約12:1まで、または約4:1から約12:1まで、または約5:1から約12:1まで、または約6:1から約10:1まで、または約7:1から約9:1までである。比率は、重量比であっても体積比であってもよい。比率は、甘味を修飾する組成物(甘味認識閾値未満の量または1.5%(w/v)スクロース当量未満を有する量で、甘味が付与された組成物中に使用される高強度および低効能甘味料)中の高甘味度甘味料(単数または複数)および低効能甘味料にのみ適用される。
【0076】
1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)は、約15ppmと同等かまたはそれより多い総量で組成物中に存在していてもよい。例えば、1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)は、約16ppmと同等かまたはそれより多い総量、もしくは約17ppmと同等かまたはそれより多い総量、もしくは約18ppmと同等かまたはそれより多い総量、もしくは約19ppmと同等かまたはそれより多い総量、もしくは約20ppmと同等かまたはそれより多い総量、もしくは約21ppmと同等かまたはそれより多い総量、もしくは約22ppmと同等かまたはそれより多い総量、もしくは約23ppmと同等かまたはそれより多い総量、もしくは約24ppmと同等かまたはそれより多い総量、もしくは約25ppmと同等かまたはそれよい多い総量で組成物中に存在していてもよい。例えば、1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)は、約50ppmと同等かまたはそれ未満の総量、もしくは約48ppmと同等かまたはそれ未満の総量、もしくは約46ppmと同等かまたはそれ未満の総量、もしくは約45ppmと同等かまたはそれ未満の総量、もしくは約44ppmと同等かまたはそれ未満の総量、もしくは約42ppmと同等かまたはそれ未満の総量、もしくは約40ppmと同等かまたはそれ未満の総量、もしくは約38ppmと同等かまたはそれ未満の総量、もしくは約36ppmと同等かまたはそれ未満の総量、もしくは約35ppmと同等かまたはそれ未満の総量、もしくは約34ppmと同等かまたはそれ未満の総量、もしくは約32ppmと同等かまたはそれ未満の総量、もしくは約30ppmと同等かまたはそれ未満の総量で組成物中に存在していてもよい。例えば、1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)は、約15ppmから約50ppmまでの範囲の総量、または約15ppmから約45ppmまでの範囲の総量、または約15ppmから約40ppmまでの範囲の総量、または約15ppmから約35ppmまでの範囲の総量、または約15ppmから約30ppmまでの範囲の総量で組成物中に存在していてもよい。例えば、1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)は、約15ppmから約30ppmまでの範囲の総量、または約20ppmから約30ppmまでの範囲の総量、または約22ppmから約28ppmまでの範囲の総量、または約23ppmから約27ppmまでの範囲の総量、または約24ppmから約26ppmまでの範囲の総量で組成物中に存在していてもよい。例えば、1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)は、約20ppmまたは約25ppmの総量で組成物中に存在していてもよい。組成物は、例えば、その甘味認識閾値を上回る、および/または約1.5%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い甘味を有する量で少なくとも1の甘味料を含む甘味が付与された組成物であってもよい。
【0077】
1以上の低効能甘味料(単数または複数)は、約2ppmと同等かまたはそれより多い総量で組成物中に存在していてもよい。例えば、1以上の低効能甘味料(単数または複数)は、約3ppmと同等かまたはそれより多い総量で組成物中に存在していてもよい。例えば、1以上の低効能甘味料(単数または複数)は、約12ppmと同等かまたはそれ未満の総量、もしくは約11ppmと同等かまたはそれ未満の総量、もしくは約10ppmと同等かまたはそれ未満の総量、もしくは約9ppmと同等かまたはそれ未満の総量、もしくは約8ppmと同等かまたはそれ未満の総量、もしくは約7ppmと同等かまたはそれ未満の総量、もしくは約6ppmと同等かまたはそれ未満の総量、もしくは約5ppmと同等かまたはそれ未満の総量で組成物中に存在していてもよい。例えば、1以上の低効能甘味料(単数または複数)は、約2ppmから約12ppmまでの範囲の総量、または約2ppmから約10ppmまでの範囲の総量、または約2ppmから約5ppmまでの範囲の総量、例えば、約3ppmの総量で組成物中に存在していてもよい。組成物は、例えば、本明細書に開示のとおりの高甘味度甘味料と低効能甘味料(例として、甘味を修飾する組成物)との組み合わせ以外の少なくとも1の甘味料を含んでもよい。
【0078】
濃度範囲は、例えば、飲料またはいずれのタンパク質も脂肪も含まない組成物などの液体組成物に特に好適であってもよい。ミルクおよびヨーグルトなどのベースを有する組成物またはタンパク質および脂肪を含まない他の組成物において、より高い濃度の1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)および1以上の低効能甘味料(単数または複数)が使用されてもよい。例えば、液体組成物またはいずれのタンパク質も脂肪も含まない組成物に使用される濃度より約1.5倍高い濃度が使用されてもよい。例えば、液体組成物またはいずれのタンパク質も脂肪も含まない組成物に使用される濃度よりも約1.5倍から約3倍までも高い濃度が使用されてもよい。
【0079】
したがって、例えば、1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)は、約20ppmから約75ppmまでの範囲の総量、例えば、約22ppmから約74ppmまでの範囲の総量、または約24ppmから約72ppmまでの範囲の総量、または約25ppmから約70ppmまでの範囲の総量、または約26ppmから約68ppmまでの範囲の総量、または約28ppmから約66ppmまでの範囲の総量、または約30ppmから約65ppmまでの範囲の総量、または約30ppmから約60ppmまでの範囲の総量、または約30ppmから約55ppmまでの範囲の総量、または約30ppmから約50ppmまでの範囲の総量、または約30ppmから約45ppmまでの範囲の総量で組成物(例として、ミルクおよびヨーグルトなどのベースを有する組成物、またはタンパク質および/または脂肪を含む他の組成物)中に存在していてもよい。
【0080】
したがって、例えば、1以上の低効能甘味料(単数または複数)は、約3ppmから約20ppmまでの範囲の総量、または約4ppmから約18ppmまでの範囲の総量、または約4ppmから約16ppmまでの範囲の総量、または約5ppmから約15ppmまでの総量、または約6ppmから約15ppmまでの範囲の総量で組成物(例として、ミルクおよびヨーグルトなどのベースを有する組成物、またはタンパク質および/または脂肪を含む他の組成物)中に存在していてもよい。
【0081】
ある態様において、甘味が付与された組成物は、その甘味認識閾値を上回る甘味、および/または約1.5%(w/v)スクロース当量よりも多い甘味を有する量で少なくとも1の甘味料ならびに15ppm~約50ppmの1以上の本明細書に記載のとおりの高甘味度甘味料(単数または複数)および2ppm~12ppmの1以上の本明細書に記載のとおりの低効能甘味料(単数または複数)からなる甘味を修飾する組成物を含む。ある態様において、食用組成物は、少なくとも1の甘味料ならびに15ppm~約30ppmの1以上の本明細書に記載のとおりの高甘味度甘味料(単数または複数)および2ppm~10ppmの1以上の本明細書に記載のとおりの低効能甘味料(単数または複数)からなる甘味を修飾する組成物を含む。ある態様において、食用組成物は、少なくとも1の甘味料ならびに20ppm~約30ppmの1以上の本明細書に記載のとおりの高甘味度甘味料(単数または複数)および2ppm~10ppmの1以上の本明細書に記載のとおりの低効能甘味料(単数または複数)からなる甘味を修飾する組成物を含む。ある態様において、食用組成物は、少なくとも1の甘味料ならびに22ppm~約28ppmの1以上の本明細書に記載のとおりの高甘味度甘味料(単数または複数)および2ppm~5ppmの1以上の本明細書に記載のとおりの低効能甘味料(単数または複数)からなる甘味を修飾する組成物を含む。ある態様において、高甘味度甘味料は、モグロシドVである。ある態様において、低効能甘味料は、11-O-モグロシドVである。
【0082】
1以上のモグロシド(単数または複数)、例えば、モグロシドIV、シアメノシドおよびネオモグロシドのうちの1以上は、例えば、約15ppmと同等かまたはそれより多い総量で甘味が付与された組成物中に存在していてもよい。例えば、1以上のモグロシド(単数または複数)、例えば、モグロシドIV、シアメノシドおよびネオモグロシドのうちの1以上は、例えば、約16ppmと同等かまたはそれより多い総量、もしくは約17ppmと同等かまたはそれより多い総量、もしくは約18ppmと同等かまたはそれより多い総量、もしくは約19ppmと同等かまたはそれより多い総量、もしくは約20ppmと同等かまたはそれより多い総量、もしくは約21ppmと同等かまたはそれより多い総量、もしくは約22ppmと同等かまたはそれより多い総量、もしくは約23ppmと同等かまたはそれより多い総量、もしくは約24ppmと同等かまたはそれより多い総量、もしくは約25ppmと同等かまたはそれより多い総量で甘味が付与された組成物中に存在していてもよい。例えば、1以上のモグロシド(単数または複数)、例えば、モグロシドIV、シアメノシドおよびネオモグロシドのうちの1以上は、例えば、約50ppmと同等かまたはそれ未満の総量、例えば、約45ppmと同等かまたはそれ未満の総量、例えば、約40ppmと同等かまたはそれ未満の総量、例えば、約35ppmと同等かまたはそれ未満の総量で甘味が付与された組成物中に存在していてもよい。例えば、1以上のモグロシド(単数または複数)、例えば、モグロシドIV、シアメノシドおよびネオモグロシドのうちの1以上は、約15ppmから約50ppmまでの範囲の総量、または約15ppmから約45ppmまでの範囲の総量、または約15ppmから約40ppmまでの範囲の総量、または約15ppmから約35ppmまでの範囲の総量、または約20ppmから約35ppmまでの範囲の総量、または約20ppmから約30ppmまでの範囲の総量で甘味が付与された組成物中に存在していてもよい。
【0083】
用語「ppm」は、重量で100万分の1の部分(単数または複数)、例えば、モグロシドVを含有する製品の1キログラム当たりのかかる化合物などの化合物の重量(ミリグラム単位)(すなわち、mg/Kg)、またはモグロシドVを含有する製品の1リットル当たりのかかる化合物などの化合物(例として、本開示の経口の消耗品/食料品)の重量(ミリグラム単位)(すなわち、mg/L)または体積で100万分の1の部分(単数または複数)、例えば、モグロシドVなどの化合物を含有する製品の1リットル当たりのかかる化合物の体積(ミリリットル単位)(すなわち、ml/L)を指す。
【0084】
本明細書に記載の甘味を修飾する組成物は、例えば、より高い濃度の高甘味度甘味料および低甘味度甘味料を含み、次いで、甘味が付与された組成物中に希釈され、本明細書に記載される濃度を得てもよい。
甘味が付与された組成物は、その甘味認識閾値と同等かまたはそれより多い量、および/または約1.5%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い甘味を有する量で少なくとも1の甘味料を含む。用語「甘味認識閾値」は、ヒトの味覚によって甘いと知覚できる化合物の最も低い既知の濃度を指す。約1.5%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い甘味は、FEMAによって「本質的に甘い」ものとして受け入れられる。
【0085】
少なくとも1の甘味料は、栄養があるものであっても、栄養がないものであってもよい。栄養がある甘味料は、それらを含有する食品にカロリー値を添加する一方で、栄養がない甘味料は、カロリーが極めて低いかまたは全くカロリーを含有しない。糖の対応量で2%未満のカロリーを含有する栄養がない甘味料とは反対に、唯一の承認された栄養がある高甘味度甘味料であるアスパルテームは、糖の対応量で2%より多いカロリーを含有する。
【0086】
少なくとも1の甘味料は、例えば、スクロース、フルクトース、グルコース、キシロース、アラビノース、ラムノース、タガトース、アルロース、トレハロース、イソマルツロース、アセスルファムカリウム(AceK)、アスパルテーム、ステビオールグリコシド(単数または複数)、スクラロース、高果糖コーンシロップ、デンプンシロップ、サッカリン、スクラロース、ネオテーム、アドバンテーム、羅漢果抽出物、ネオヘスピリジン、ジヒドロカルコン、ナリンギンジヒドロカルコン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ルブソシド、レバウジオシドA、ステビオシド、ステビア、トリロバチンおよびエリスリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトールおよびイノシトールなどの糖アルコールのうちの1以上から選択されてもよい。甘味が付与された組成物に使用されてもよい甘味料の例は、例えば、WO2016/038617に開示され、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
少なくとも1の甘味料は、例えば、スクロース、高果糖コーンシロップ、アセスルファムカリウム(AceK)、アスパルテーム、ステビオールグリコシド(単数または複数)および/またはスクラロースのうちの1以上から選択されてもよい。
【0087】
充分な量の甘味料を使用して消耗品を甘くする方法は、当該技術分野において周知である。消耗品に応じて、甘味料の量は、本明細書に開示のとおりの甘味を修飾する組成物の添加によって低減され得る。例えば、約1°~約4°のBrix値またはそれ以上の低減が達成されるであろう。
【0088】
その甘味認識閾値と同等かまたはそれより多い量および/または約1.5%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い甘味を有する量で存在する少なくとも1の他の甘味料は、例えば、約0.01%(w/v)と同等かまたはそれより多い量で甘味が付与された組成物に使用されてもよい。例えば、少なくとも1の他の甘味料は、約0.1%(w/v)と同等かまたはそれより多い量で、もしくは約0.5%(w/v)と同等かまたはそれより多い量で、もしくは約1%(w/v)と同等かそれより多い量で、もしくは約2%(w/v)と同等かまたはそれより多い量で甘味が付与された組成物に使用されてもよい。例えば、少なくとも1の他の甘味料は、約20%(w/v)と同等かまたはそれ未満の量で、もしくは約15%(w/v)と同等かまたはそれ未満の量で、もしくは約10%(w/v)と同等かまたはそれ未満の量で、もしくは約8%(w/v)と同等かまたはそれ未満の量で、もしくは約6%(w/v)と同等かまたはそれ未満の量で、もしくは約5%(w/v)と同等かまたはそれ未満の量で食用組成物に使用されてもよい。
その甘味認識閾値と同等かまたはそれを上回る量、および/または約1.5%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い甘味を有する量で存在する少なくとも1の他の甘味料は、約2%(w/v)~約15%(w/v)スクロースと等甘味の量で本明細書に開示の甘味が付与された組成物(例として、食用組成物)に使用されてもよい。
【0089】
ある態様において、約2:1から約12:1までの範囲の比率、例えば、約6:1から約10:1までの範囲の比率でモグロシドVおよび11-O-モグロシドVからなる甘味を修飾する組成物が本明細書に提供される。この甘味を修飾する組成物は、例えば、食用組成物中の甘味増強剤または甘味修飾物質として使用されてもよい。食用組成物は、例えば、スクロースなどの少なくとも1の他の甘味料を含んでもよい。モグロシドVは、例えば、約15ppmから約30ppmまでの範囲の量、または約20ppmから約30ppmまでの範囲の量(例として、約20ppmまたは約25ppm)で食用組成物に使用されてもよい。11-O-モグロシドVは、約2ppmから約12ppmまでの範囲の量、または約2ppmから約10ppmまでの範囲の量(例として、約8.5ppmまたは約3ppm)で食用組成物に使用されてもよい。少なくとも1の他の甘味料は、例えば、約2%(w/v)~約15%(w/v)スクロースと等甘味の量で食用組成物に存在していてもよい。
【0090】
ある例示的な態様に従うと、組成物は、(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)有効量の味覚修飾物質を含む。本明細書の目的について、用語「味覚修飾物質」は、それが添加される糖の低減された甘味が付与された組成物または甘味が付与された消耗品の甘い風味のプロファイルを改善する1以上の構成要素を指す。ある例示的な態様に従うと、限定せずに、組成物の味覚修飾物質(iii)は、組成物中のレバウジオシドMに関係するオフノートをマスキングし、および口当たりを改善する有効量(単数または複数)で1以上の構成要素を包含していてもよい。
【0091】
組成物中に存在するグルコシル化ステビオールグリコシドの量は、組成物中に存在するレバウジオシドMの量より多くてもよい。一例として、限定するものではないが、組成物中に存在するレバウジオシドMのグルコシル化ステビオールグリコシドに対する比率は、約1:1~約1:1.5の範囲にあってもよい。組成物中のレバウジオシドMのグルコシル化ステビオールグリコシドに対する比率は、1:1.1、または1:1.2、または1:1.3、または1:1.4、または1:1.5の比率のいずれか1つから選択されてもよい。例証として、限定するものではないが、組成物中のレバウジオシドMのグルコシル化ステビオールグリコシドの比率は、1:1.2である。
【0092】
甘味が付与された組成物は、少なくとも1の甘味料ならびに(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)有効量の味覚修飾物質を含む組成物を包含する。組成物中に存在するグルコシル化ステビオールグリコシドの量は、組成物中に存在するレバウジオシドMの量よりも多くてもよい。ある例示的な態様に従うと、限定せずに、組成物の味覚修飾物質(iii)は、組成物中のレバウジオシドMに関係するオフノートをマスキングし、および口当たりを改善する有効量(単数または複数)で1以上の構成要素を包含してもよい。
【0093】
甘味が付与された消耗品は、(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)味覚修飾物質を含有する組成物、または(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)味覚修飾物質を含む組成物を含有する甘味が付与された組成物を用いて調製されてもよい。ある態様に従うと、甘味が付与された消耗品は、その甘味認識閾値の、またはそれを上回る量、および/または約1.5%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い甘味を有する量で存在する少なくとも1の甘味料、ならびに(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)有効量の味覚修飾物質を含む組成物を含む食品または飲料ベース組成物を包含し、ここで組成物中に存在するグルコシル化ステビオールグリコシドの量は、組成物中に存在するレバウジオシドMの量より多い。ある例示的な態様に従うと、限定せずに、組成物の味覚修飾物質(iii)は、組成物中のレバウジオシドMに関係するオフノートをマスキングし、および口当たりを改善する有効量(単数または複数)で1以上の構成要素を包含してもよい。
【0094】
組成物、甘味が付与された組成物および甘味が付与された消耗品中に包含されるグルコシル化ステビオールグリコシドは、グルコシル化反応によって1以上のグルコースユニットを分子に付加させることが可能ないずれかの1以上のステビオールグリコシドから選択されてもよい。一例として、限定するものではないが、甘味を修飾する組成物中に包含されるグルコシル化ステビオールグリコシドは、グルコシル化ステビオシド、グルコシル化レバウジオシドA、グルコシル化レバウジオシドB、グルコシル化レバウジオシドC、グルコシル化レバウジオシドD、グルコシル化レバウジオシドE、グルコシル化レバウジオシドF、グルコシル化レバウジオシドG、グルコシル化レバウジオシドH、グルコシル化レバウジオシドI、グルコシル化レバウジオシドJ、グルコシル化レバウジオシドK、グルコシル化レバウジオシドL、グルコシル化レバウジオシドM、グルコシル化レバウジオシドN、グルコシル化レバウジオシドO、グルコシル化ズルコシドA、グルコシル化ズルコシドB、グルコシル化ルブソシド、Stevia rebaudianaの抽出物に由来するいずれか他のグルコシル化ステビオールグリコシド、およびそれらの混合物から選択されてもよい。
【0095】
グルコシル化ステビオールグリコシドは、種々のグルコシル化の度合いを有していてもよい。したがって、組成物のグルコシル化ステビオールグリコシド(ii)は、同じタイプのグルコシル化ステビオールグリコシドのブレンドから構成され、および異なるかまたは変化するグルコシル化の度合いを有していてもよい。組成物のグルコシル化ステビオールグリコシド(ii)はまた、同じ程度のグルコシル化を有する1以上の異なるタイプのグルコシル化ステビオールグリコシドのブレンドで構成されていてもよい。組成物のグルコシル化ステビオールグリコシド(ii)はさらに、それぞれのタイプが異なるかまたは変化するグルコシル化の度合いを有する、異なるタイプのグルコシル化ステビオールグリコシドの1以上のブレンドから構成されていてもよい。
【0096】
グルコシル化ステビオールグリコシドは、少なくとも1のグルコシル化ステビオールグリコシドと少なくとも1の残留ステビオールグリコシドとのブレンドを含んでもよい。残留ステビオールグリコシドは、グルコシル化されていない未反応のステビオールグリコシドを指す。残留ステビオールグリコシドは、残留ステビオシド、残留レバウジオシドA、残留レバウジオシドB、残留レバウジオシドC、残留レバウジオシドD、残留レバウジオシドE、残留レバウジオシドF、残留レバウジオシドG、残留レバウジオシドH、残留レバウジオシドI、残留レバウジオシドJ、残留レバウジオシドK、残留レバウジオシドL、残留レバウジオシドM、残留レバウジオシドN、残留レバウジオシドO、残留ズルコシドA、残留ズルコシドB、残留ルブソシド、Stevia rebaudianaの抽出物に由来するいずれか他の残留ステビオールグリコシド、およびそれらの混合物を包含してもよい。少なくとも1のグルコシル化ステビオールグリコシドと少なくとも1の残留ステビオールグリコシドとのブレンドは、約1パーセントおよび15パーセントの少なくとも1の残留ステビオールグリコシドを含んでもよい。ある態様に従うと、少なくとも1のグルコシル化ステビオールグリコシドと少なくとも1の残留ステビオールグリコシドとのブレンドは、少なくとも1の残留ステビオールグリコシドを約1パーセント~10パーセント、または約1パーセント~約8パーセント、または約1パーセント~約6パーセント、または約1パーセント~約4パーセント、または約1パーセント~約2パーセント含んでもよい。
【0097】
グルコシル化ステビオールグリコシドは、1以上のステビオールグリコシド、ステビオールグリコシド分子に添加されるグルコースユニットの供給源、グルコシル化反応を触媒する酵素、および好適な溶媒の反応混合物を準備することにより調製されるであろう。ある態様に従うと、グルコシル化ステビオールグリコシドは、1以上のステビオールグリコシド、ステビオールグリコシド分子に添加されるグルコースユニットの供給源としてのデンプン、グルコシル化反応を贖罪するCGTase(シクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ)、および溶媒としての水の反応混合物を準備することにより調製される。グリコシル化反応は、反応混合物に対して実行され、およびその結果得られる産物は、精製され、乾燥される。一例として、グルコシル化ステビオールグリコシドは、JP2001-120218の開示に従って調製されてもよく、これは参照により組み込まれる。アルファ-グリコシルステビオールグリコシド(アルファ-GS)は、ステビオシドの少なくとも1.5倍より多いRebAを含有するステビア抽出物にシクロデキストリングルコシルトランスフェラーゼを用いてグルコースをアルファ付加することにより調製される。
【0098】
味覚修飾物質は、幅広い種類の化合物のうちの1以上を含んでもよい。ある例示的な態様に従うと、組成物の味覚修飾物質(iii)は、ベタインを含む。ベタインは、以下の一般式で表される両性イオンの四級アンモニウム化合物およびその誘導体である:
【化6】
【0099】
他の例示的な態様に従うと、組成物の味覚修飾物質(iii)は、以下の式で表される物質およびその誘導体を含む:
【化7】

ここで式中のXは、-OH、-O(CO)R、-OPO、-PO、-OSOH、-SOHであり、およびRは、少なくとも1のカルボン酸基、およびその誘導体を含有するC-C10基である。この物質は、WO2006/009428に充分に記載されており、これは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0100】
他の例示的な態様に従うと、組成物の味覚修飾物質(iii)は、以下の式で表される1以上のカルボン酸-アミノ酸抱合体およびそれらの誘導体:
【化8】

およびその食べることが可能な誘導体を含み、式中Rは、6個から30個までの炭素原子を有するアルキル残基、または1~6個の二重結合を一緒に含む9個から25個までの炭素原子を含有するアルケン残基であり、Rとそれに付着するカルボニル基は、カルボン酸の残基であり、mは、0または1である。食べることが可能な誘導体は、限定せずに、塩化物、スルファート、ホスファート、グルコナート、ナトリウム塩、シトラート、カーボネート、アセタートおよびラクタートを包含する、飲食料品業界において典型的に使用されるそれらを包含する、食べることが可能な塩を含んでもよい。これらのカルボン酸-アミノ酸抱合体は、WO2013/148991に充分に記載されており、これは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0101】
他の例示的な態様に従うと、組成物の味覚修飾物質(iii)は、以下の式で表される1以上のカルボン酸-アミノ酸抱合体およびそれらの誘導体:
【化9】

およびその食べることが可能な誘導体を含み、式中Rは、6個から30個までの炭素原子を有するアルキル残基、または1~6個の二重結合を一緒に含む9個から25個までの炭素原子を含有するアルケン残基であり、Rとそれに付着するカルボニル基は、カルボン酸の残基であり、mは、0または1である。食べることが可能な誘導体は、限定せずに、塩化物、スルファート、ホスファート、グルコナート、ナトリウム塩、シトラート、カーボネート、アセタートおよびラクタートを包含する、飲食料品業界において典型的に使用されるそれらを包含する、食べることが可能な塩を含んでもよい。これらのカルボン酸-アミノ酸抱合体は、WO2013/149022に充分に記載されており、これは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0102】
他の例示的な態様に従うと、組成物の味覚修飾物質(iii)は、以下の式で表される1以上のカルボン酸-アミノ酸抱合体およびそれらの誘導体:
【化10】

およびその食べることが可能な誘導体を含み、式中Rは、6個から30個までの炭素原子を有するアルキル残基、または1~6個の二重結合を一緒に含む9個から25個までの炭素原子を含有するアルケン残基であり、Rとそれに付着するカルボニル基は、カルボン酸の残基であり、mは、0または1である。食べることが可能な誘導体は、限定せずに、塩化物、スルファート、ホスファート、グルコナート、ナトリウム塩、シトラート、カーボネート、アセタートおよびラクタートを包含する、飲食料品業界において典型的に使用されるそれらを包含する、食べることが可能な塩を含んでもよい。これらのカルボン酸-アミノ酸抱合体は、WO2013/149019に充分に記載されており、これは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0103】
他の例示的な態様に従うと、組成物の味覚修飾物質(iii)は、以下の式で表される化合物のうちの1以上およびそれらの誘導体を含む:
【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【化15】

上の化合物は、WO2008/119197およびWO2008/119196に充分に記載されており、これらは、参照により本明細書に完全に組み込まれる。
【0104】
他の例示的な態様に従うと、組成物の味覚修飾物質(iii)は、クロロゲン酸のうちの1以上を含む。用語クロロゲン酸は、シスおよびトランスケイ皮酸(例えば、コーヒー酸、フェルラ酸、p-クマル酸、シナピン酸)とキナ酸との間に形成するエステルのファミリーのうちの1以上の化合物を含むキナ酸抱合体を指す。キナ酸抱合体は、以下の式によって表される:
【化16】

ここである例示的なキナ酸抱合体は、以下の表に示されるR基置換によって定義される:
【化17】

味覚修飾物質としてのクロロゲン酸の使用は、WO2002/100192に充分に記載されており、これは、参照により完全に本明細書に組み込まれる。
【0105】
他の例示的な態様に従うと、組成物の味覚修飾物質(iii)は、以下の式で表されるフェニルピリジルケトンのうちの1以上を含む:
【化18】

式中Rは、H、OH、O(CHOH、OCHOCHまたは
【化19】

であってもよい。Rは、5員および6員複素環の範囲から選択されてもよく、式中Rは、HであってもOHであってもよい。
味覚修飾物質としてのフェニルピリジルケトンの構造および使用は、WO2012/123475およびWO2009/105906に充分に記載されており、これらは、参照により本明細書に完全に組み込まれる。
【0106】
他の例示的な態様に従うと、組成物の味覚修飾物質(iii)は、WO2007/121605、WO2008/049256およびWO2009/023975に記載されるとおりレバウジオシドAを、およびWO2013/060746に記載されるとおりレバウジオシドAとステビオシドとのブレンドを含んでもよく、これらのすべては、参照により組み込まれる。
【0107】
他の例示的な態様に従うと、組成物の味覚修飾物質(iii)は、以下の式によって定義される1以上の化合物およびそれらの誘導体(それらの塩など)を含んでもよい:
【化20】

式中、
は、H、メチルまたはエチルである;
は、H、OH、フッ素、C-C直鎖または分枝アルキル、C-Cアルコキシ(ここでアルキル基は、直鎖または分枝である)、またはC-Cシクロアルキル部分である:
は、H、メトキシ、メチルまたはエチルである;
もしくはRとRとは一緒になって、それらが結びついているフェニル炭素原子の間で、架橋部分-O-CH-O-を形成する;
は、OHまたはメトキシである;および
およびRは、独立してHまたはメチルである;
、R、R、R、RおよびRは、以下のとおりである:
(i)RとRとが一緒になって、それらが結びついているフェニル炭素原子の間で、架橋部分-O-CH-O-を形成するとき、R、R、RはHであり、およびRはOHである、ならびに
(ii)RがOHであり、およびR~RがHであるとき、R、Rのうち少なくとも1がメチルである。
これらの化合物は、WO2011/004016に充分に記載されており、これは、参照により完全に本明細書に組み込まれる。
【0108】
他の例示的な態様に従うと、組成物の味覚修飾物質(iii)は、以下の式によって定義される1以上の化合物およびそれらの誘導体(それらの塩など)を含んでもよい:
-CR(OR)-CO-NR-CR-X-OR (I)
-CR(OR)-CO-Az (II)
式中:
Xは、共有結合;C-CアルキルまたはC-Cアルケニル(それぞれ任意にヒドロキシル、C-CアルキルおよびC-Cアルケニルから選択される1~4の置換基で置換される)を表す;
およびRは、独立して、水素;またはC-Cアルキル、C-CアルケニルまたはC-Cシクロアルキル(それぞれ任意にヒドロキシル、オキソ、C-Cアルキル;C-CアルケニルおよびC-Cカルボキシルから選択される1~8の置換基で置換される)を表す;
は、水素;またはC-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cシクロアルキル、C-CシクロアルケニルまたはC-Cアシル(それぞれ任意にヒドロキシル、C-CアルキルおよびC-Cアルケニルから選択される1~6の置換基で置換される)を表す;
およびRは、独立して、水素;ヒドロキシル;またはC-Cアルキル、C-Cアルケニル、またはC-Cシクロアルキル(それぞれ任意にヒドロキシル、C-CアルキルおよびC-Cアルケニルから選択される1~8の置換基で置換される)を表す;
は、水素、C-CアシルまたはC-Cアルキルを表す;
は、水素、C-Cアシル、C-Cアルキル、モノリン酸、ジリン酸およびトリリン酸から選択されるリン酸基またはC-Cカルボキシル(さらに任意にヒドロキシル、オキソ、C-Cカルボキシルから選択される1~3の置換基で置換される)を表す;
は、C-CアルキルまたはC-Cシクロアルキル(それぞれ任意に1~6のヒドロキシル基で置換される、およびそれぞれ任意にC-CアルキルおよびC-Cカルボキシルから選択される1~4の置換基で置換される)を表す;ならびに
Azは、アミノ酸残基を表し;およびCO-Az結合は、アミド結合を表す;
ただし、R-CR(OR)-CO-は、4より多いヒドロキシル基を含むヘキソースまたはヘプト―ス糖酸残基を表さない。
これらの化合物は、WO2005/102071およびWO/2006/009425に充分に記載されており、これらは、参照により完全に本明細書に組み込まれる。
【0109】
他の例示的な態様に従うと、組成物の味覚修飾物質(iii)は、WO2011/073187(参照により組み込まれる)に記載されるとおり、500ppbから500ppmまでの範囲の量、具体的には約10ppmから約50ppmまでの範囲の量でコリン塩化物を含んでもよい。
他の例示的な態様に従うと、組成物の味覚修飾物質(iii)は、WO2011/039340(参照により組み込まれる)に記載されるとおり、ガンマアミノ酪酸を含んでもよい。
【0110】
他の例示的な態様に従うと、組成物の味覚修飾物質(iii)は、WO2016/062743(参照により組み込まれる)に記載されるとおり、メガ脂肪複合体を含んでもよい。メガ脂肪複合体は、アラキドン酸の豊富な単細胞油から調製される組成物を指す。単細胞油は、藻類、細菌および酵母などの単細胞微生物から抽出される食用油である。メガ脂肪複合体の調製のための方法はまた、米国特許第5,178,892およびUS2007/009642に記載される。
レバウジオシドMおよびグルコシル化ステビオールグルコシドの各々は、独立して、それらの夫々の甘味認識閾値よりも多い量、それ未満の量、またはそれと同等の量で組成物中に存在してもよい。
【0111】
ある例示的な態様に従うと、レバウジオシドMおよびグルコシル化ステビオールグルコシドは、それらの夫々の甘味認識閾値未満である量で組成物中に両方とも存在する。
ある例示的な態様に従うと、レバウジオシドMおよびグルコシル化ステビオールグルコシドは、それらの夫々の甘味認識閾値よりも多い量で組成物中に両方とも存在する。
【0112】
ある例示的な態様に従うと、レバウジオシドMは、その甘味認識閾値より多い量で組成物中に存在し、およびグルコシル化ステビオールグルコシドは、その甘味認識閾値未満の量で存在する。
ある例示的な態様に従うと、レバウジオシドMは、その甘味認識閾値未満である量で組成物中に存在し、およびグルコシル化ステビオールグルコシドは、その甘味認識閾値より多い量で存在する。
【0113】
ある例示的な態様に従うと、レバウジオシドMは、約50~約360ppmの量で組成物中に存在し、およびグルコシル化ステビオールグリコシドは、約60~約430ppmの量で組成物中に存在する。
ある例示的な態様に従うと、レバウジオシドMは、0より多く、約25ppmまでの量で組成物中に存在し、およびグルコシル化ステビオールグリコシドは、0より多く、約100ppmまでの量で組成物中に存在する。
【0114】
ある例示的な態様に従うと、レバウジオシドMは、約50~約360ppmの量で組成物中に存在し、およびグルコシル化ステビオールグリコシドは、0より多く、約100ppmまでの量で組成物中に存在する。
ある例示的な態様に従うと、レバウジオシドMは、0より多く、約25ppmまでの量で組成物中に存在し、およびグルコシル化ステビオールグリコシドは、約60~約430ppmの量で組成物中に存在する。
【0115】
ある態様に従うと、組成物中に存在する(i)レバウジオシドMの量は、約50ppmから約360ppmまで、およびこれらに限定されないが、約50から約300ppmまで、約50ppmから約250ppmまで、約50ppmから約200ppmまで、約50ppmから約150ppmまで、約50ppmから約100ppmまで、約100ppmから約360ppmまで、約100ppmから約300ppmまで、約100ppmから約250ppmまで、約100ppmから約200ppmまで、約100ppmから約150ppmまで、約150ppmから約360ppmまで、約150ppmから約300ppmまで、約150ppmから約250ppmまで、約150ppmから約200ppmまで、約200ppmから約360ppmまで、約200ppmから約300ppmまで、約200ppmから約250ppmまで、250ppmから約360ppmまで、および約250ppmから約300ppmまでを包含する、この範囲内のすべての範囲にある。
【0116】
ある態様に従うと、組成物中に存在する(i)レバウジオシドMの量は、0ppmより多い量から約25ppmまで、およびこれらに限定されないが、0ppmより多い量から約24ppmまで、0ppmより多い量から約23ppmまで、0ppmより多い量から約22ppmまで、0ppmより多い量から約21ppmまで、0ppmより多い量から約20ppmまで、0ppmより多い量から約19ppmまで、0ppmより多い量から約18ppmまで、0ppmより多い量から約17ppmまで、0ppmより多い量から約16ppmまで、0ppmより多い量から約15ppmまで、0ppmより多い量から約14ppmまで、0ppmより多い量から約13ppmまで、0ppmより多い量から約12ppmまで、0ppmより多い量から約11ppmまで、0ppmより多い量から約10ppmまで、0ppmより多い量から約9ppmまで、0ppmより多い量から約8ppmまで、0ppmより多い量から約7ppmまで、0ppmより多い量から約6ppmまで、0ppmより多い量から約5ppmまで、0ppmより多い量から約4ppmまで、0ppmより多い量から約3ppmまで、0ppmより多い量から約2ppmまで、0ppmより多い量から約1ppmまで、約5ppmから約25ppmまで、約5ppmから約20ppmまで、約5ppmから約15ppmまで、約5ppmから約10ppmまで、約10ppmから約25ppmまで、約10ppmから約20ppmまで、約10ppmから約15ppmまで、約15ppmから約25ppmまで、約15ppmから約20ppmまで、約20ppmから約25ppmまでを包含する、この範囲内のすべての範囲にある。
【0117】
ある態様に従うと、組成物中の(ii)グルコシル化ステビオールグリコシドの量は、約60ppmから約430ppmまで、およびこれらに限定されないが、約60から約400ppmまで、約60ppmから約350ppmまで、約60ppmから約300ppmまで、約60ppmから約250ppmまで、約60ppmから約200ppmまで、約60ppmから約150ppmまで、約60ppmから約100ppmまで、約60ppmから約75ppmまで、約100ppmから約430ppmまで、約100ppmから約400ppmまで、約100ppmから約350ppmまで、約100ppmから約300ppmまで、約100ppmから約250ppmまで、約100ppmから約200ppmまで、約100ppmから約150ppmまで、約150ppmから約430ppmまで、約150ppmから約400ppmまで、150ppmから約350ppmまで、約150ppmから約300ppmまで、約150ppmから約250ppmまで、約150ppmから約200ppmまで、約200ppmから約430ppmまで、約200ppmから約350ppmまで、約200ppmから約300ppmまで、約200ppmから約250ppmまで、約250ppmから約430ppmまで、約250ppmから約400ppmまで、約250ppmから約350ppmまで、約250ppmから約300ppmまで、約300ppmから約430ppmまで、約300ppmから約400ppmまで、約300ppmから約350ppmまで、約350ppmから約430ppmまで、および約350ppmから約400ppmまでを包含する、この範囲内のすべての範囲にある。
【0118】
ある態様に従うと、組成物中の(ii)グルコシル化ステビオールグリコシドの量は、0ppmより多い量から約28ppmまで、およびこれらに限定されないが、0ppmより多い量から約27ppmまで、0ppmより多い量から約26ppmまで、0ppmより多い量から約25ppmまで、0より多い量から約24ppmまで、0ppmより多い量から約23ppmまで、0ppmより多い量から約22ppmまで、0ppmより多い量から約21ppmまで、0ppmより多い量から約20ppmまで、0ppmより多い量から約19ppmまで、0ppmより多い量から約18ppmまで、0ppmより多い量から約17ppmまで、0ppmより多い量から約16ppmまで、0ppmより多い量から約15ppmまで、0ppmより多い量から約14ppmまで、0ppmより多い量から約13ppmまで、0ppmより多い量から約12ppmまで、0ppmより多い量から約11ppmまで、0ppmより多い量から約10ppmまで、0ppmより多い量から約9ppmまで、0ppmより多い量から約8ppmまで、0ppmより多い量から約7ppmまで、0ppmより多い量から約6ppmまで、0ppmより多い量から約5ppmまで、0ppmより多い量から約4ppmまで、0ppmより多い量から約3ppmまで、0ppmより多い量から約2ppmまで、0ppmより多い量から約1ppm、約5ppmから約25ppmまで、約5ppmから約20ppmまで、約5ppmから約15ppmまで、約5ppmから約10ppmまで、約10ppmから約25ppmまで、約10ppmから約20ppmまで、約10ppmから約15ppmまで、約15ppmから約25ppmまで、約15ppmから約20ppmまで、約20ppmから約25ppmまでを包含する、この範囲内のすべての範囲にある。
【0119】
ある例示的な態様に従うと、レバウジオシドMは、約80から約100ppmまでの量で組成物中に存在し、およびグルコシル化ステビオールグリコシドは、100ppmから約120ppmまでの量で組成物中に存在する。他の例示的な態様に従うと、レバウジオシドMは、約90から約100ppmまでの量で組成物中に存在し、およびグルコシル化ステビオールグリコシドは、110ppmから約120ppmまでの量で組成物中に存在する。
ある態様に従うと、組成物中に存在する(iii)味覚修飾物質の量は、約500ppmから約4000ppmまで、または約500ppmから約3500ppmまで、または約500ppmから約3000ppmまで、または約500ppmから約2500ppmまで、または約500ppmから約2000ppmまで、または約500ppmから約1500ppmまで、または約500ppmから約1000ppmまで、または約1000ppmから約4000ppmまで、または約1000ppmから約3000ppmまで、または約1000ppmから約2000ppmまで、または約2000ppmから約4000ppmまで、または約2000ppmから約3000ppmまでにある。
【0120】
組成物は、甘味が付与された消耗品中の糖の5パーセント以上、または10パーセント以上、または20パーセント以上、または30パーセント以上、または40パーセント以上、または50パーセント以上、または60パーセント以上、または70パーセント以上、または80パーセント以上、または90パーセント以上を置き換えるために使用されるであろう。ある態様に従うと、組成物は、甘味が付与された消耗品中の糖の約30パーセントから約100パーセントまでを置き換えるために使用されるであろう。ある例示的な態様に従うと、組成物は、甘味が付与された消耗品中の糖の約30パーセントから約90パーセントまで、または約30パーセントから約80パーセントまで、または約30パーセントから約70パーセントまで、または約30パーセントから約60パーセントまで、または約30パーセントから約50パーセントまでを置き換えるために使用されるであろう。他の例示的な態様に従うと、組成物は、甘味が付与された消耗品中の糖の約50パーセントから約100パーセントまで、または約50パーセントから約90パーセントまで、または約50パーセントから約80パーセントまで、または約50パーセントから約70パーセントまで、または約50パーセントから約60パーセントまでを置き換えるために使用されるであろう。他の例示的な態様に従うと、組成物は、甘味が付与された消耗品中の糖の約30パーセントから、または約50パーセント、または約70パーセント、または約80パーセントまたは約100パーセントまでを置き換えるために使用されるであろう。レバウジオシドMおよびグルコシル化ステビオールグリコシドの量は、糖の所望される量を置き換えるのに有効な量で組成物中に存在する。
【0121】
ある例示的な態様に従うと、(i)レバウジオシドMと(ii)グルコシル化ステビオールグリコシドとを組み合わせた量は、約85パーセントから約95パーセントまで、およびこの範囲内のすべての量にあり、および(iii)味覚修飾物質の量は、約5パーセントから約15パーセントまで、およびこの範囲内のすべての量であるか、または(i)レバウジオシドMと(ii)グルコシル化ステビオールグリコシドとを組み合わせた量は、約86パーセントから約95パーセントまで、および(iii)味覚修飾物質の量は、約5パーセントから約14パーセントまでであるか、または(i)レバウジオシドMと(ii)グルコシル化ステビオールグリコシドとを組み合わせた量は、約87パーセントから約95パーセントまで、および(iii)味覚修飾物質の量は、約5パーセントから約13パーセントまでであるか、または(i)レバウジオシドMと(ii)グルコシル化ステビオールグリコシドとを組み合わせた量は、約88パーセントから約95パーセントまで、および(iii)味覚修飾物質の量は、約5パーセントから約12パーセントまでであるか、または(i)レバウジオシドMと(ii)グルコシル化ステビオールグリコシドとを組み合わせた量は、約89パーセントから約95パーセントまで、および(iii)味覚修飾物質の量は、約5パーセントから約11パーセントまでであるか、または(i)レバウジオシドMと(ii)グルコシル化ステビオールグリコシドとを組み合わせた量は、約80パーセントから約95パーセントまで、および(iii)味覚修飾物質の量は、約5パーセントから約10パーセントまでである。
【0122】
炭酸入りソフトドリンク飲料または炭酸の入っていない果汁飲料などの甘味が付与された消耗品は、約30パーセントから約70パーセントまでおよびこの範囲内のすべての量の少なくとも甘味料を包含する飲料ベース、またの約40パーセントから約65パーセントまでの量の食品または飲料ベース、またの約40パーセントから約50パーセントまでの量の食品または飲料ベースを含んでもよい。甘味が付与された消耗品は、約0.1パーセントから約0.6パーセントまでの(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)味覚修飾物質を含む組成物、または約0.1パーセントから約0.5パーセントまで、およびこの範囲内のいずれかの量の(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)味覚修飾物質を含む組成物、または約0.1パーセントから約0.4パーセントまでの(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド(iii)味覚修飾物質を含む組成物の、または約0.1パーセントから約0.3パーセントまでの(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)味覚修飾物質を含む組成物、または約0.1パーセントから約0.2パーセントまでの(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)味覚修飾物質を含む組成物、または約0.1パーセントから約0.15パーセントまでの(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)味覚修飾物質を含む組成物、または約0.1パーセントから約0.125パーセントまでの(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)味覚修飾物質を含む組成物を含んでもよい。
【0123】
甘味が付与された乳飲料は、乳飲料ベースおよび全乳飲料の約0.05パーセントから約0.3パーセントまでの量で、または全乳飲料の約0.05パーセントから約0.275パーセントの量で、または全乳飲料の約0.05パーセントから約0.25パーセントまでの量で、または全乳飲料の約0.05パーセントから約0.2パーセントまでの量で、または全乳飲料の約0.05パーセントから約0.15パーセントまでの量で、または全乳飲料の約0.05パーセントから約0.1パーセントまでの量で、(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)味覚修飾物質を含有する組成物を含んでもよい。
【0124】
甘味が付与されたヨーグルト組成物は、ヨーグルトベースおよび全ヨーグルト組成物の約0.05パーセントから約0.2パーセントまでの量で、または全ヨーグルト組成物の約0.1パーセントから約0.2パーセントまでの量で、または全ヨーグルト組成物の約0.1パーセントから約0.185パーセントまでの量で、または全ヨーグルト組成物の約0.1パーセントから約0.15パーセントまでの量で、または全ヨーグルト組成物の約0.1パーセントから約0.125パーセントまでの量で、または全ヨーグルト組成物の約0.05パーセントから約0.1パーセントまでの量で、(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)味覚修飾物質を含有する組成物を含んでもよい。
【0125】
甘味が付与された組成物および甘味が付与された消耗品に包含される少なくとも1の甘味料は、本明細書の上で記載の栄養があるある甘味料および栄養がない甘味料のいずれか1以上から選択されてもよい。
組成物は、いずれか好適な形態、例えば、固体(例として、粉末、顆粒、錠剤)または溶液(例として、水性溶液)またはエマルションまたは懸濁液であってもよい。例えば、組成物は、食物繊維などの希釈剤または増量剤をさらに含んでもよい。
【0126】
本明細書に開示のとおりの食物組成物は、例えば、以下のものを包含する。
- 冷凍スープを包含する濃縮または容器を問わずウエット/液体スープ。この定義の目的について、スープ(単数または複数)は、肉、鳥肉、魚類、野菜、穀物、果実および他の成分を液体中に調理することから調製される食品を意味し、これらの成分のいくつかまたはすべての目に見える断片が包含されてもよい。それは、透明であっても(ブロスとして)またはどろどろしていても(チャウダーとして)、口当たりがよくても、ピューレであっても、または塊の入ったものでも、レディ・トゥ・サーブ(ready-to-serve)であっても、半濃縮または濃縮されたものであってもよく、および温かいまたは冷たいもので、食事の最初のコースとして、またはメインコースとしてあるいはまたは食間の軽食(飲料のように少しずつ飲まれる)として提供されてもよい。スープは、他の食事構成要素を調整するための成分として使用されてもよく、およびブロス(コンソメ)からソース(クリームまたはチーズベースのスープ)までの範囲をとってもよい。
【0127】
- 粉末、顆粒、ペースト、濃縮ブイヨン、ブイヨンおよびプレスされたキューブのブイヨン様製品を包含する濃縮液体製品、錠剤または粉末または顆粒形態などの調理補助製品を包含する脱水食品および料理用食品、それらは完成品としてまたは製品内の成分、ソースおよびレシピミックス(技術を問わず)として個別に販売される。
- 脱水スープミックス、脱水インスタントスープ、脱水レディ・トゥ・クックスープを包含する脱水および凍結乾燥スープ、既製料理の脱水または常温保存調製物(ambient preparation)、パスタ、ジャガイモおよびライスの料理を包含する食事および単一サーブの(single serve)アントレーなどのミールソリューション製品。
【0128】
- 調味料、マリネード、サラダドレッシング、サラダトッピング、ディップ、パン粉づけ、バッターミックス、常温保存可能なスプレッド、バーベキューソース、液体レシピミックス、濃縮物、完成品として、または製品内の成分として、脱水、液体または冷凍に関わらず販売されている、サラダ用のレシピミックスを包含するソースまたはソースミックスなどのミールエンベリッシュメント製品。
- これらに限定されないが、アルコール性および非アルコール性のレディ・トゥ・ドリンクおよび乾燥粉末状飲料、炭酸および非炭酸飲料、例として、炭酸水、果実または野菜果汁、アルコール性および非アルコール性の飲料を包含する飲料ミックスおよび濃縮物を包含する飲料。
【0129】
- 菓子製品、例として、ケーキ、クッキー、パイ、キャンディー、チューインガム、ゼラチン、アイスクリーム、ソルベ、プディング、ジャム、ゼリー、サラダドレッシング、および他の調味料、穀草類、および他の朝食食品、缶詰の果実および果実ソース等。
- 乳、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品。
- 例えば、シロップ剤、エマルション、懸濁液、溶液の形態または他の液体形態であってもよい医薬組成物。
- 例えば、口中清涼剤、含嗽剤、洗口剤、歯磨き粉、歯磨き剤(tooth polish)、歯磨き剤(dentifrice)、マウススプレーおよびデンタルフロスを包含する歯科用組成物。
- 食べることが可能なゲル組成物
【0130】
本明細書に開示の組成物は、ベース組成物をさらに含んでもよい。例えば、本明細書に開示の食用組成物は、食用ベース組成物をさらに含んでもよい。これは、高甘味度甘味料と低効能甘味料(例として、甘味を修飾する組成物)との組み合わせを除いて組成物に必要なすべての成分を指す。ベース組成物は、例えば、その甘味認識閾値と同等かまたはそれより多い量、および/または約1.5%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い甘味を有する量で存在する少なくとも1の他の甘味料を含む甘味が付与されたベース組成物であってもよい。これらは、組成物の性質および使用に応じて性質および割合の両方において当然ながら変化するだろうが、それらは、当該技術分野において周知であり、および当該技術分野で認識された割合で使用されてもよい。したがって、考えられるすべての目的についてのかかるベース組成物の製剤化は、当該技術分野における通常の技能内である。
【0131】
ベース組成物中の成分は、これらに限定されないが、固化防止剤、抗発泡剤、抗酸化剤、バインダー、着色料、希釈剤、崩壊剤、乳化剤、封入剤または製剤、酵素、脂肪、フレーバー増強剤、フレーバー剤、ゴム、潤滑剤、多糖類、保存料、タンパク質、可溶化剤、溶媒、安定剤、糖誘導体、界面活性剤、甘味剤、ビタミン、ワックス等を包含してもよい。使用されてもよい溶媒は、当業者に知られており、および例として、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンおよびトリアセチンを包含する。封入剤およびゴムは、マルトデキストリン、アラビアゴム、アルギン酸、ゼラチン、改変されたデンプン、および多糖類を包含する。
【0132】
フレーバーまたはフレグランス化合物のための添加剤、賦形剤、担体、希釈剤または溶媒の例は、例として、「Perfume and Flavour Materials of Natural Origin」, S. Arctander, Ed., Elizabeth, N.J., 1960;「Perfume and Flavour Chemicals」, S. Arctander, Ed., Vol. I & II, Allured Publishing Corporation, Carol Stream, USA, 1994;「Flavourings」, E. Ziegler and H. Ziegler (ed.), Wiley-VCH Weinheim, 1998, および 「CTFA Cosmetic Ingredient Handbook」, J.M. Nikitakis (ed.), 1st ed., The Cosmetic, Toiletry and Fragrance Association, Inc., Washington, 1988に見出されるであろう。
【0133】
1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)と1以上の低効能甘味料(単数または複数)との組み合わせ(例として、甘味を修飾する組成物)またはモグロシドIV、シアメノシドおよびネオモグロシドから選択される1以上の甘味増強剤(単数または複数)の割合は、組成物の性質ならびに所望される甘味の程度および特徴に依拠するだろう。当業者は、単純で、独創的でない実験法のみですべてのケースにおいて容易に適切な割合を確認することができる。本明細書に開示の量および割合は、例示にすぎず、フレーバリストは、この範囲外で作業することにより具体的な効果を捜し求めてもよく、および指標としてのみみなされるべきである。
【0134】
本明細書に開示の組成物のpHは、甘味料ブレンドの風味に悪影響を及ぼさないいずれかのpHであってもよい。例えば、pHは、約1.8から約8まで、または約2から約5までの範囲をとってもよい。当業者は、各甘味料の好適な濃度を同定して、組成物のpHに応じて使用することができるだろう。
【0135】
1以上の低効能甘味料(単数または複数)の1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)との使用は、例えば、1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)単独での使用との比較において甘味が付与された組成物中の1以上甘味特徴を改善してもよい。よって、本明細書に開示の甘味が付与された組成物は、例えば、1以上の低効能甘味料(単数または複数)非存在下の甘味が付与された組成物と比較して、1以上の改善された甘味特徴を有してもよい。モグロシドIV、シアメノシドおよびネオモグロシドから選択される1以上の甘味増強剤(単数または複数)の使用は、例えば、モグロシドIV、シアメノシドおよびネオモグロシドのうちの1以上の代わりに羅漢果抽出物などの異なる甘味増強剤の使用との比較において、甘味が付与された組成物の1以上の甘味特徴を改善してもよい。
【0136】
本明細書に開示の甘味が付与された組成物は、例えば、1以上の低効能甘味料(単数または複数)非存在下の甘味が付与された組成物と比較して、または異なる甘味増強剤を含む甘味が付与された組成物と比較して、スクロースとより類似した1以上の甘味特徴を有してもよい。
本明細書に開示の甘味が付与された組成物は、例えば、1以上の低効能甘味料(単数または複数)非存在下の甘味が付与された組成物と比較して、または異なる甘味増強剤を含む甘味が付与された組成物と比較して、長引く甘い風味を弱めてもよい。
【0137】
本明細書に開示の甘味が付与された組成物は、例えば、1以上の低効能甘味料(単数または複数)非存在下の甘味が付与された組成物と比較して、または異なる甘味増強剤を含む甘味が付与された組成物と比較して、苦味のある風味、および/または渋い風味および/または金属の風味および/またはリコリスの風味を弱めてもよい。
本明細書に開示の甘味が付与された組成物は、例えば、1以上の低効能甘味料(単数または複数)非存在下の甘味が付与された組成物と比較して、または異なる甘味増強剤を含む甘味が付与された組成物と比較して、甘味のインパクトを強めてもよい。
比較の甘味が付与された組成物は、1以上の低効能甘味料(単数または複数)のいずれも包含しないことを除いて同一であるか、または1以上のモグロシド(単数または複数)、例えば、モグロシドIV、シアメノシドおよびネオモグロシドのうちの1以上の代わりに異なる甘味増強剤を含むことを除いて同一である。
【0138】
使用
その甘味認識閾値と同等かまたはそれより多い量、および/または約1.5%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い甘味を有する量で存在する少なくとも1の他の甘味料を含む組成物の甘味を増強する、1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)と1以上の低効能甘味料(単数または複数)との組み合わせの使用が本明細書に提供される。1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)と1以上の低甘味度甘味料(単数または複数)との組み合わせは、1.5%(w/v)スクロース当量未満の甘味を有する。1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)、1以上の低効能甘味料(単数または複数)および少なくとも1の他の甘味料は、本明細書に開示のいずれかの態様に従ってもよい。
【0139】
その甘味認識閾値と同等かまたはそれより多い量、および/または約1.5%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い甘味を有する量で存在する少なくとも1の他の甘味料を含む組成物の甘味を増強する、1以上のモグロシド(単数または複数)、例えば、モグロシドIV、シアメノシドおよびネオモグロシドのうちの1以上の使用が本明細書に提供される。
【0140】
よって、甘味が付与された組成物の甘味を増強する方法が提供され、方法は、その甘味認識閾値を上回る甘味を有する量、および/または約1.5%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い甘味を有する量で少なくとも1の甘味料を含むベース組成物を提供すること、および少なくとも1の低効能甘味料、少なくとも1の高甘味度甘味料を添加すること;または1以上のモグロシド(単数または複数)、例えば、モグロシドIV、シアメノシドおよびネオモグロシドのうちの1以上を添加することを含む。最終的な組成物の各構成要素は、所望される最終的な組成物を得るためにいずれかの順序で添加されてもよい。方法は、例えば、構成要素を混合することを含んでもよい。
【0141】
1以上の高甘味度甘味料および/または1以上の高甘味度甘味料と1以上の低効能甘味料(例として、甘味を修飾する組成物)との組み合わせ、および/または1以上のモグロシド(単数または複数)、例えば、モグロシドIV、シアメノシドおよびネオモグロシドのうちの1以上は、例えば、約1.0%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれ以上、甘味が付与された組成物の甘味を増大してもよい。例えば、高甘味度甘味料(単数または複数)および/または高甘味度甘味料(単数または複数)と低効能甘味料(単数または複数)との組み合わせ、および/または1以上のモグロシド(単数または複数)、例えば、モグロシドIV、シアメノシドおよびネオモグロシドのうちの1以上は、約1.1%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多く、もしくは約1.15%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多く、もしくは約1.2%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多く、もしくは約1.25%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多く、甘味が付与された組成物の甘味を増大してもよい。組成物は、例えば、少なくとも1の他の甘味料を含む組成物であってもよい。
【0142】
1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)を含む甘味が付与された組成物の1以上の甘味特徴を改善する、1以上の低効能甘味料(単数または複数)の使用もまた本明細書に提供される。1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)および1以上の低効能甘味料(単数または複数)は、約1.5%(w/v)スクロース当量未満の甘味を有する量で使用される。
【0143】
ある態様に従うと、(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)有効量の味覚修飾物質を含む組成物の使用であって、当該組成物の不在下における甘味が付与された組成物の夫々の甘味特徴(単数または複数)と比較して、甘味が付与された組成物の1以上の甘味特徴(単数または複数)を改善するための前記使用もまた提供される。組成物中に存在するレバウジオシドMおよびグルコシル化ステビオールグリコシドの量および比率は、組成物について本明細書の上に記載のそれらのいずれかである。
ある態様に従うと、(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)有効量の味覚修飾物質を含む組成物の使用であって、当該組成物の不在下における甘味が付与された組成物のアップフロントの甘味と比較して、甘味が付与された組成物のアップフロントの甘味を改善するための前記使用もまた提供される。組成物中に存在するレバウジオシドMおよびグルコシル化ステビオールグリコシドの量および比率は、組成物について本明細書の上に記載のそれらのいずれかである。
【0144】
ある態様に従うと、(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)有効量の味覚修飾物質を含む組成物の使用であって、当該組成物の不在下における甘味が付与された組成物の苦みのあるオフノートと比較して、甘味が付与された組成物の苦みのあるオフノートを弱めるための前記使用もまた提供される。組成物中に存在するレバウジオシドMおよびグルコシル化ステビオールグリコシドの量および比率は、組成物について本明細書の上に記載のそれらのいずれかである。
ある態様に従うと、(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)有効量の味覚修飾物質を含む組成物の使用であって、当該組成物の不在下における甘味が付与された組成物の乾いた、および/または渋い口当たりと比較して、甘味が付与された組成物の乾いた、および/または渋い口当たりを弱めるための前記使用もまた提供される。組成物中に存在するレバウジオシドMおよびグルコシル化ステビオールグリコシドの量および比率は、組成物について本明細書の上に記載のそれらのいずれかである。
【0145】
ある態様に従うと、(i)レバウジオシドMまたはグルコシル化ステビオールグリコシドおよび(ii)有効量の味覚修飾物質を含む組成物の使用であって、当該組成物の不在下における甘味が付与された組成物の1以上の甘味特徴(単数または複数)と比較して、甘味が付与された組成物の夫々の甘味特徴(単数または複数)を改善するための前記使用もまた提供される。
ある態様に従うと、(i)レバウジオシドMまたはグルコシル化ステビオールグリコシド、および(ii)有効量の味覚修飾物質を含む組成物の使用であって、当該組成物の不在下における甘味が付与された組成物のアップフロントの甘味と比較して、甘味が付与された組成物のアップフロントの甘味を改善するための前記使用もまた提供される。
ある態様に従うと、甘味が付与された組成物中の糖の量を低減するための、(i)レバウジオシドMまたはグルコシル化ステビオールグリコシド、および(ii)有効量の味覚修飾物質を含む組成物の使用もまた提供される。
【0146】
ある態様に従うと、(i)レバウジオシドMまたはグルコシル化ステビオールグリコシド、および(ii)有効量の味覚修飾物質を含む組成物の使用であって、当該組成物の不在下における甘味が付与された組成物の苦みのあるオフノートと比較して、甘味が付与された組成物の苦みのあるオフノートを弱めるための前記使用もまた提供される。
ある態様に従うと、(i)レバウジオシドMまたはグルコシル化ステビオールグリコシド、および(ii)有効量の味覚修飾物質を含む組成物の使用であって、当該組成物の不在下における甘味が付与された組成物の乾いた、および/または渋い口当たりと比較して、甘味が付与された組成物の乾いた、および/または渋い口当たりを弱めるための前記使用もまた提供される。
【0147】
よって、1.5%(w/v)スクロース当量未満の甘味を有する量で1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)を含む甘味が付与された組成物の1以上の甘味特徴を改善する方法であって、方法は、1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)を含む組成物を提供すること、および1以上の低効能甘味料(単数または複数)を添加することを含む、前記方法が提供される。最終的な組成物の各構成要素は、所望される最終的な組成物を得るためにいずれかの順序で添加されてもよい。方法は、例えば、構成要素を混合することを含んでもよい。
高甘味度甘味料を含む甘味が付与された組成物の1以上の甘味特徴の改善は、例えば、スクロースとより同等の甘味特徴である甘味特徴を提供してもよい。
【0148】
ある態様に従うと、提供されるものは、甘味が付与された組成物の甘味を増強する方法であって、それは、その甘味認識閾値の、またはそれを上回る量、および/または約1.5%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い甘味を有する量で存在する少なくとも1の甘味料を含むベース組成物を提供すること、および組成物をベース組成物、(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)有効量の味覚修飾物質を含む甘味を修飾する組成物に添加することを含む。組成物中に存在するレバウジオシドMおよびグルコシル化ステビオールグリコシドの量および比率は、組成物について本明細書の上に記載のそれらのいずれかである。
【0149】
ある態様に従うと、提供されるものは、甘味が付与された組成物の1以上の甘味特徴(単数または複数)を改善する方法であって、それは、その甘味認識閾値の、またはそれを上回る量、および/または約1.5%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い甘味を有する量で存在する少なくとも1の甘味料を含むベース組成物を提供すること、および組成物をベース組成物、(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)有効量の味覚修飾物質を含む甘味を修飾する組成物に添加することを含む。組成物中に存在するレバウジオシドMおよびグルコシル化ステビオールグリコシドの量および比率は、組成物について本明細書の上に記載のそれらのいずれかである。
【0150】
ある態様に従うと、提供されるものは、甘味が付与された組成物のアップフロントの甘味を改善する方法であって、それは、その甘味認識閾値の、またはそれを上回る量、および/または約1.5%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い甘味を有する量で存在する少なくとも1の甘味料を含むベース組成物を提供すること、および組成物をベース組成物、(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)有効量の味覚修飾物質を含む甘味を修飾する組成物に添加することを含む。組成物中に存在するレバウジオシドMおよびグルコシル化ステビオールグリコシドの量および比率は、組成物について本明細書の上に記載のそれらのいずれかである。
【0151】
ある態様に従うと、提供されるものは、甘味が付与された組成物の長引く苦みのある、金属および/またはリコリスのオフノートを弱める方法であって、それは、その甘味認識閾値の、またはそれを上回る量、および/または約1.5%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い甘味を有する量で存在する少なくとも1の甘味料を含むベース組成物を提供すること、および組成物をベース組成物、(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)有効量の味覚修飾物質を含む組成物に添加することを含む。組成物中に存在するレバウジオシドMおよびグルコシル化ステビオールグリコシドの量および比率は、組成物について本明細書の上に記載のそれらのいずれかである。
【0152】
ある態様に従うと、提供されるものは、甘味が付与された組成物の乾きおよび/または渋い口当たりを改善する方法であって、それは、その甘味認識閾値の、またはそれを上回る量、および/または約1.5%(w/v)スクロース当量と同等かまたはそれより多い甘味を有する量で存在する少なくとも1の甘味料を含むベース組成物を提供すること、および組成物をベース組成物、(i)レバウジオシドM、(ii)グルコシル化ステビオールグリコシド、および(iii)有効量の味覚修飾物質を含む甘味を修飾する組成物に添加することを含む。組成物中に存在するレバウジオシドMおよびグルコシル化ステビオールグリコシドの量および比率は、組成物について本明細書の上に記載のそれらのいずれかである。
【0153】
渋味は、米国材料試験協会(ASTM、2004)によって、ミョウバンおよびタンニンなどの物質への曝露の結果として上皮の収縮、延伸またはしわが寄ることに起因した感覚の複合体として定義される。渋み分子は、唾液タンパク質、とくにプロリンリッチタンパク質およびムチンなどの天然の潤滑剤として作用する糖タンパク質と反応し、それらの沈殿物および凝集を引き起こし、およびその結果滑らかさを喪失し、口中の渋味に関連するざらざらした(rough)、「サンドペーパーのような」、または乾いた感覚を導くと考えられる。渋味は、茶、ワイン、ヨーグルトおよび植物タンパク質などのある消耗品中に本質的に存在し得る。渋味はまた、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、タンパク質、ペプチドまたは抗酸化剤などのある成分を添加する結果として消耗品に導入され得る。これらの成分は、健康および食品の安全性を改善する意図で、または栄養分の理由のために添加剤として採用されてもよいが、それらはまた渋味および望ましくない口当たり特性の知覚を伴い得る。
【0154】
口当たり(mouthfeel)(または「口当たり(mouth feel)」)は、食品および飲料、または食品または飲料に添加された組成物によって作られる、口中で経験されるかまたは感じられる物理的な感覚を指す。口当たりは、舌、口蓋、歯、ゴム、または咽喉と接触する口当たりを指してもよい。口当たりは、風味/フレーバーとは性質が異なると考えられるが、人の楽しみまたはある食品についての他に対する選好に対して同等かまたはより大きいインパクトさえ有すると考えられる。知覚される感覚を記載するために使用される典型的な口当たりの記述子は、酸味(金属の、柑橘類の、明るい)、密度(ぎっしり詰まった、ふわふわした)、乾き(乾いた(arid)、焦げた)、粒状性(微粒子、粉状、粉末状、粒子の粗い(grainy)、チョークのような)、粘着性(噛み応えのある、噛みみ切れない)、硬度(歯ごたえの良い、やわらかい)、重さ(満ちた、重い)、刺激状態(ちくちくする、ずきずきさせる)、マウスコーティング(mouth coating)(油状の、バターのような)、粗さ(アブレシブ、きめのある)、滑りやすさ(ねばねばした、筋張った)、滑らかさ(つやつやした、ビロードのような)、一様性(均一である、むらのある)および粘度(フルボディである、ライトボディである)を包含する。
【0155】
甘味特徴は、フレーバーの強度および所与の化合物の知覚の特質を指す、フレーバープロファイル(風味プロファイル)を指してもよい。甘味の例示のフレーバー特質は、甘味強度、苦味、ブラックリコリス(black liquorice)等である。
甘味特徴は、経時的な甘味の知覚の変化を指す、時間的プロファイルを指してもよい。すべての甘味料は、特徴的な出現時間(AT)および消滅時間(ET)を呈する。炭水化物甘味料とは対照的に、ほとんどの高効能甘味料は、延長したET(長引く)を提示する。一般に、検出されるスクロース当量は、最大限の応答レベルまで急上昇し、次いで経時的に先細っていく。テーパーが長くなるほど、検出される化合物の後に残る甘味がより大きくなる。
【0156】
ある態様において、1以上の低効能甘味料(単数または複数)は、1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)を含む甘味が付与された組成物の長引く甘い風味を弱めるために使用されてもよい。換言すれば、低効能甘味料は、1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)を含む甘味が付与された組成物の消滅時間(ET)を減少させるために使用されてもよい。これは、組成物が最初に摂取されたかまたは吐き出された後、口中の甘味風味の望ましくなく長引くことに関する。長引く甘い風味は、例えば、甘味風味が最初に検出された後、それが残存する時間の長さ、甘味風味が最初に検出された後、その強度がどのくらい迅速に減少するかまたは薄れるか、および甘味風味が検出された後のその強度を指してもよい。1以上の低効能甘味料(単数または複数)は、例えば、甘味風味が最初に検出された後、それが残存する時間の長さを減少させても、および/または甘味風味が最初に検出された後、それが減少するスピードを増大させても、および/または甘味風味が最初に検出された後、それの強度を減少させてもよい。
【0157】
ある態様において、1以上の低効能甘味料(単数または複数)は、1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)を含む甘味が付与された組成物の苦味のある風味および/または渋い風味および/または金属の風味および/またはリコリスの風味を弱めるために使用されてもよい。用語「リコリス」は、化合物の甘い風味を指す。
ある態様において、1以上の低効能甘味料(単数または複数)は、1以上の高甘味度甘味料(単数または複数)を含む甘味が付与された組成物の甘味のインパクトを強めるために使用されてもよい。甘味のインパクトは、甘味が最初に検出される前にかかる時間の長さおよび甘味が最初に検出される強度に関する。1以上の低効能甘味料(単数または複数)は、例えば、甘味が最初に検出される前の時間の量を減少させても、および/または甘味が最初に検出される強度を増大させてもよい。
甘味の程度および本明細書に記載の他の甘味特徴は、例えば、以下の例に記載されるような、熟練の専門家のテイスティングパネルによって評価されてもよい。
【0158】
製造方法
本明細書に開示の組成物を作製する方法が本明細書にさらに提供される。組成物は、本明細書に開示のいずれかの態様に従っていてもよい。
方法は、所望される割合で所望される組成物の各構成要素を組み合わせることを含んでもよく、および任意に構成要素を一緒に混合することを含んでもよい。構成要素は、いずれか好適な順序で組み合わされ、および混合されてもよい。
当業者は、組成物の性質および所望される甘味の程度および特徴に応じて、組成物を作製するのに好適な方法(例として、構成要素を組み合わせるかまたは混合する好適な順序)を特定するだろう。方法は、例えば、所望されるベース組成物を提供することおよびそれに甘味料を添加することを含んでもよい。
【0159】
本明細書に開示の甘味料の各々は、合成プロセスによって、または生物学的(例として、酵素)プロセスまたは発酵プロセスによって作製されてもよく、または植物または果実などの天然の供給源から単離されてもよい。
プロセスは、例えば、少なくとも1のモグロール前駆体基質とモグロシド経路酵素とを接触させることを含んでもよい。酵素は、例えば、細胞ライセート中に存在していてもよく、または宿主細胞(例として、組換え宿主細胞)中に存在していてもよい。酵素は、例えば、UGT酵素(UDP-グルクロノシルトランスフェラーゼ)であってもよい。
【0160】
例えば、モグロシド化合物は、WO2013/076577またはWO2014/086842(これらの内容は参照により本明細書に組み込まれる)に開示された生合成経路によって作製されてもよい。
例えば、モグロシドVは、Itkin et al.、「The biosynthetic pathway of the nonsugar, high-intensity sweetener mogroside V from Siraitia grosvenorii」、7 November 2016、E7619 - E7628およびWO2016/038617(これらの内容は参照により本明細書に組み込まれる)に開示された生合成経路によって作製されてもよい。
例えば、モグロシド化合物は、別のモグロシド化合物を改変して(例として、グリコシド含量を再分配して)作製されてもよい。例えば、モグロシド化合物は、WO2014/150127(この内容は参照により本明細書に組み込まれる)に開示されるとおりの酸または酵素を使用して、別のモグロシド化合物のグリコシド含量を再分配することによって作製されてもよい。
【0161】
プロセスは、例えば、植物または果実などの天然の供給源から1以上の甘味料化合物を抽出することを含んでもよい。このことは、例えば、精製ステップがこれに続き、高甘味度甘味料、低甘味度甘味料または甘味料の混合物(例として、モグロシドの混合物などの高甘味度甘味料の混合物)を生産してもよい。抽出物は、例えば、相対的に高い含量のモグロシドVおよび/または11-O-モグロシドV(例として、少なくとも約30wt%または少なくとも約40wt%)を有していてもよい。これは、例えば、分画すること、例えば、フラッシュクロマトグラフィーによって分画することを伴ってもよい。1以上のモグロシド化合物(例として、モグロシドV)は、羅漢果(Siraitia grosvenorii)果実から得られてもよい。
【0162】
発酵プロセスが使用されて、標的産物(例として、標的モグロシド産物)を作製するとき、標的は、適切な溶媒(例として、ヘプタン)を使用して水性の発酵反応培地から抽出され、これに続き分留され得る。各画分の化学組成は、GC/MS(ガスクロマトグラフィー質量分析)によって定量的に測定され得る。画分は、ブレンドされ、フレーバーまたは他の適用に使用するための所望されるモグロシド化合物(例として、モグロシドVおよび11-O-モグロシドV)が生成され得る。
最終的なブレンド産物の受容性の検証は、参照モグロシドフレーバー産物(例えば、市販に供給者から得られる既存の天然のフレーバー商品)との直接比較によって実行され得る。
【0163】

例1
方法
Blue California(Tomas、Rancho Santa Margarita、California)(抽出物4)、Azile LCC (Rolling Hills Est、California)(抽出物1および2)およびChr. Olesen Group(Gentofte、Denmark)(抽出物3)から得られた羅漢果果実抽出物を、分析し、抽出物中に存在する化合物を同定した。
抽出物の試料溶液を、25.0mLの溶媒(アセトニトリル/水 20/80v/v)中に16.52μgの試料を溶解することによって調製した。この溶液から100μLをHPLCバイアル内に移し、および900μLの溶媒を添加した(66.1ppm溶液)。試料溶液から10μLをHPLCバイアルに移し、および990μLの溶媒を添加した(6.61ppm溶液)。66.1および6.61ppm両方の溶液をLC-MS上に2回注入した。
【0164】
モグロシドVの較正(参照)溶液を、10.0mLの溶媒(アセトニトリル/水 20/80v/v)中に9.22mgのモグロシドV(AAPIN chemicals Ltd.、Oxfordshire、UKから得られた98.5%モグロシドV)を溶解することによって作製した。ストック溶液を冷凍庫に保管して、および様々な濃度(0.11ppm、0.34ppm、1.02ppm、3.07ppmおよび9.22ppm)でモグロシドVの溶液を調製するのに使用した。これらの溶液もまた、LC-MS上に2回注入した。
2μLの各溶液を、40℃でAcquity C18 BEH 1.7μm 150x2.1mmカラム(Waters、Milford、Massachusetts、United States)上に注入した。化合物を、20%アセトニトリルから開始して14分間で最大50%アセトニトリルまで進む、アセトニトリルと水中0.1%のギ酸との混合物を使用して溶離した。勾配は、1分で開始値に戻り、および5分間で安定化した。流量を、ラン全体の間400μLに設定した。
【0165】
溶離された化合物を、液体クロマトグラフィー質量分析(LC/MS)を使用して検出した。質量分析計を、70000の分解能で150~2000Amuを測定するESIネガティブモードで操作した。ガス流速は、sheath 60、aux 20およびsweep 3であった。キャピラリー温度およびauxガスヒーター温度を、380℃および400℃に設定した。
【0166】
抽出物中の各構成要素の%を以下の方程式を使用して算出し、および上に記載の様々な濃度の較正モグロシドV(参照)溶液の曲線に対して較正した。
【数1】

ratio=%構成要素
area=試料中の構成要素の面積(2回注入の平均面積)
V=リットル単位の試料溶媒体積
d=試料希釈(試料溶液からバイアルへの)
slope=b(切片)=0を伴うモグロイドV構成曲線の傾き
SW=mg単位の試料重量
【0167】
結果
図1は、羅漢果抽出物(以下の表1の抽出物2)のクロマトグラムを示す。
表1は、4つの異なる羅漢果抽出物の組成を示す。モグロシドVは、4つの抽出物すべての中で最も高い濃度を有するモグロシドである(抽出物1中約45wt%)。
【表1-1】

【表1-2】

【表1-3】
【0168】
例2
方法
約68wt%モグロシドを含有するAzile LCC(Rolling Hills Est、California)から得られた羅漢果果実抽出物(上の例1の抽出物1)を、逆相(C-18)フラッシュクロマトグラフィーによって分画した。
化合物を、30%メタノール(MeOH)から開始して、これに30~80%MeOHの直線勾配が続き、次いで最終的にカラムを80%MeOHでフラッシングする、水中MEOHの混合物を使用して溶離した。溶媒を、分離手順を通してずっと流速30ml/minで導入した。溶離された化合物を、210nmに設定したUV検出器およびコロナ光散乱検出器を用いて可視化した。抽出物中の各構成要素の%を、上の例1に記載の方程式を使用して算出した。
【0169】
収集した画分を、以下の表2に従ってプールし、および次いで粉末に凍結乾燥した。表2に与えられるとおり様々なプールされた画分に対応する粉末を、5%スクロースの上部に様々な濃度で溶解した。これらの試料の風味を、3人の専門家パネリスト(熟練したフレーバリスト)が5%スクロースの対照と比較した。よって、5%スクロース中に呈した各画分またはプールされた画分の甘味増強効果を決定した。
【0170】
結果
結果を、以下の表中に指し示す。全抽出物を、22の画分内に収集した。画分1~10は、モグロシドVを含有しない。
【表2-1】

【表2-2】
【0171】
画分1~10および19~22は、羅漢果果実の特徴である、オフテイストを有し、甘みの増強インパクトはない。
よりよい甘味増強効果を、主としてモグロシドを含有する、画分12~17で観察した。画分が、ほとんど純粋なモグロシドVを有するとき、長引く、ダーティーな、発酵したノートは、画分14および15などでより顕著であった。よって、純粋なモグロシドVは、固有の長引くオフテイストを有する。
【0172】
画分12は、もっともクリーンな甘さであったが、モグロシドVのパーセンテージが小さいことに起因してアップフロントが少なかった。画分13は、よりよい甘い品質を有するが、わずかに高い渋味を有する。11-O-モグロシドVおよびモグロシドVは、それら2つの画分中の主要な2つのモグロイドであるが、異なる比率(F12 モグロシドV:11-O-モグロシドVは、4:9であり、およびF13 モグロシドV:11-O-モグロシドVは、13:3である)で有する。
モグロシドVは、スクロースよりも425倍甘いと判断され、極めて甘かった一方で、11-O-モグロシドVは、スクロースよりも84倍甘いと評価される。
【0173】
例3
方法
約68wt%モグロシドを含有するAzile LCC(Rolling Hills Est、California)から得られた羅漢果果実抽出物(上の例1の抽出物1)を分画し、および各画分の組成を例1に関して上に記載されたクロマトグラフィー方法によって決定した。
各画分を5%スクロースの溶液と組み合わせ、および3つの試料の風味を3人の専門家パネリスト(熟練したフレーバリスト)が5%スクロースの対照と比較した。
【0174】
結果
表3は、抽出物の画分11~20の化学組成を示す。
【表3-1】

【表3-2】

【表3-3】
【0175】
表4は、画分12~15についてのテイスティングの結果を示す。結果は、例2において得られた結果と同様である。
【表4】
【0176】
例4
モグロシドVおよび11-O-モグロシドVを、Agilent 1100分取HPLCシステムとPhenomenex Luna C18 (2)カラム(5μm、210X21.4mm)を使用して羅漢果の抽出物から単離し、および組み合わせて様々な濃度の溶液を形成した。
これらの溶液を、5%(w/v)スクロースおよび0.03%(w/v)クエン酸を含有する溶液と組み合わせてテスト試料を与え、および5人の専門家(熟練したフレーバリスト)の甘味感受性風味パネルによって評価した。
【0177】
結果を、以下の表5に示す。
【表5】
【0178】
11-O-モグロシドVとモグロシドVとをブレンドすることが、モグロシドV単独と比較して甘さの品質を改善することが驚くべきことに見出された。モグロシドVに11-O-モグロシドVをたすと、モグロシドV単独と比較して、長引く甘味を低減し(後の甘味風味を弱める)、および渋く、苦みのある後味を低減することを助長した。よって、11-O-モグロシドVは、モグロシドV単独よりも、糖により類似した甘味風味を作り出した(すなわち、糖により近い時間的プロファイルを提供するのを手伝う)。このことは、より高い濃度のモグロシドVを使用して、より高い甘味を得ることを可能にする一方で、より高い濃度のこの甘味料を使用することに関連する不利な点(例として、長引く、苦味のあるおよび渋い後味)を排除する。このことは、モグロシドVが、最も強力なモグロシド甘味料であり、および11-O-モグロシドVが、はるかに低い効能のものであることを考慮すると驚くべきことであった。
【0179】
例5
甘味感受性風味パネルは、甘味料の混合物(「混合物1」)の溶液の甘味を、広範な濃度のスクロース溶液に関してランク付けし、スクロース当量を決定した。混合物1は、例2の画分11~18の組み合わせであり、8.16wt%の11-O-モグロシドVおよび61.6wt%のモグロシドVを含有した。
結果を、以下の表6に示す。
【表6】
【0180】
データは、混合物1が、FEMAによって「本質的に甘くない」ものとして受け入れられる、1%スクロース当量未満の甘味を有することを(7人のパネリストにより決定されるとおり)実証する。したがって、混合物1は、これらのレベルのいずれにおいても検出可能な甘味を有さないため、指し示された濃度での甘味修飾物質またはブレンドとして使用するのに好適である。
1%に近い等甘味の閾値を有する混合物1の濃度(35ppm)を選択し、および5%(w/v)スクロース溶液に添加した。次いでこの溶液を、5、6、6.5および7%(w/v)のスクロース溶液に対してランク付けした。これを45ppmの羅漢果抽出物について繰り返した。各溶液の平均スコアを決定した。結果を、以下の表7に示す。
【表7】
【0181】
驚くべきことに、それらを添加する5%(w/v)スクロース溶液の甘味の増大が、甘味料単独の甘味よりも大きいために、混合物1および羅漢果抽出物が、甘味増強剤として作用することが見出された。
様々な濃度の混合物1の風味を、5%スクロースおよび0.03%クエン酸を含有する溶液中で3人の専門家パネル(熟練したフレーバリスト)によってテストした。風味を、例2に使用された羅漢果抽出物(Azile LCC (Rolling Hills Est、California)によって得られ(上の例1の抽出物1)および約68wt%のモグロシドを含有する)(同じく5%スクロースおよび0.03%クエン酸溶液と組み合わせた)と比較した。結果を、表8に示す。
【0182】
【表8】

概して、混合物1は、羅漢果抽出物より優れている甘さの品質(バゲージ(baggage)が少ない、より甘い)を提供する。
【0183】
例6
甘味感受性風味パネルは、様々な甘味料(モグロシドV、モグロシドIV、シアメノシド、ネオモグロシド、11-O-モグロシドV)の溶液の甘味を、広範な濃度のスクロース溶液に関してランク付けし、スクロース当量を決定した。甘味料を、Agilent 1100分取HPLCシステムとPhenomenex Luna C18 (2)カラム(5μm、210X21.4mm)を使用して得た。結果を、表9~13に示す。
【表9】
【0184】
【表10】

【表11】
【0185】
【表12】

【表13】
【0186】
データは、モグロシドV(25ppm)、モグロシドIV(30ppm)、シアメノシド(25ppm)、11-O-モグロシドV(3ppm)と組み合わせたモグロシドV(25ppm)およびネオモグロシド(30ppm)のすべてが、FEMAによって「本質的に甘くない」ものとして受け入れられる、1.5%スクロース当量未満の甘味(7人のパネリストによって決定されたとおり)を有することを実証する。したがって、それらがこれらのレベルでいずれの検出可能な甘味も有さないため、これらの化合物および混合物は、指し示された濃度で甘味修飾物質として使用するのに好適である。
【0187】
テストされる甘味料の濃度を、1%のものに近い等甘味の閾値で選択し、および5%(w/v)スクロース溶液に添加した。次いでこれらの溶液を、5、6、6.5および7%(w/v)のスクロース溶液に対してランク付けした。各溶液の平均スコアを決定した。結果を、以下の表14に示す。
【表14】

驚くべきことに、それらが添加される5%(w/v)スクロース溶液の甘味の増大が甘味料単独の甘味よりも大きいことから、モグロシドV、シアメノシド、ネオモグロシドおよびモグロシドVが、甘味増強剤として作用することが見出された。
【0188】
これらの甘味料の風味を、5%スクロースおよび0.03%クエン酸を含有する溶液中で、3人の専門家パネル(熟練したフレーバリスト)によってテストした。風味を、例2で使用された羅漢果抽出物(Azile LCC(Rolling Hills Est、California)から得られ(上の例1の抽出物1)、および約68wt%モグロシドを含有する)と比較した。モグロシドIV、シアメノシドおよびネオモグロシドはすべて、5%スクロースおよび0.03%クエン酸に添加したとき、甘さの品質という点で、羅漢果抽出物より優れている。これら3つの化合物は、長引く甘い風味の少ない、糖のような風味を提供する。シアメノシドは、「より甘いボディ、より甘い、少し多く含むより丸みのあるアップフロントおよびより丸みのある継続する甘さ」を有すると記載された。モグロシドIVは、「良好かつモグロシドVと同様の甘味」を有すると記載された。ネオモグロシドは、「甘味があるが、わずかに苦味のある後味」を有すると記載された。モグロシドVについての結果を、表15に示す。
【0189】
【表15】

一般に、80%モグロシドVが羅漢果抽出物と同じ充分に丸みのある甘さのプロファイルを有さないことをテイスターらは同意した。80%モグロシドVは、糖/酸/水溶液に適用されるとき、より酸性のテイスティングである。
【0190】
例7
方法
モグロシドV、シアメノシド、モグロシドIVおよびネオモグロシドを、Agilent 1100分取HPLCシステムとPhenomenex Luna C18 (2)カラム(5μm、210X21.4mm)を使用して得た。
モグロシドV、シアメノシド、モグロシドIVおよびネオモグロシドを、5%スクロースおよび0.03%クエン酸を含有する溶液に、夫々25ppm(モグロシドV)、25ppm(シアメノシド)、30ppm(モグロシドIV)および30ppm(ネオモグロシド)の濃度で添加した。
これらのテスト溶液を、7人の専門家パネルによってテイスティングした。甘さの風味の様々な側面(アップフロントの甘さ、全体的な甘さ、長引く甘さ、渋さ、揮発性のオフテイスト)について、各パネリストは、ベース溶液(5%スクロースおよび0.03%クエン酸の溶液)との比較においてテスト溶液を採点した。
【0191】
0のスコアは、風味の側面が同じであったことを指し示し、1はわずかに高いことを指し示し、2はより高いことを指し示し、3ははるかに高いことを指し示し、-1はわずかに低いことを指し示し、-2はより低いことを指し示し、および-3ははるかに低いことを指し示す。夫々の風味の側面について、各テスト溶液の平均スコアを算出した。結果を、以下の表16に示す。
【表16】
【0192】
例8
上に示されるとおり、シアメノシド、ネオモグロシドおよびモグロシドIVはすべて、モグロシドVと比較して、5%スクロースおよび0.03%クエン酸の上部に対して同様またはそれより優れた甘さの風味の品質を有する。したがって、これらの各々のモグロシドの風味を伴う11-O-モグロシドVの風味を、表17に示されるとおり評価する。
【表17】
【0193】
例9
様々なミルクまたはヨーグルトベースにおける、11-O-モグロシドVを伴うかまたは伴わないモグロシドVの風味を、表18に示されるとおり評価する。ミルクおよびヨーグルトにおけるモグロシドVについての等甘味の閾値もまた評価する。
ミルクベース(2%脂肪)は、2%脂肪乳および5%スクロースを包含する。無脂肪ヨーグルトベースは、プレーンの無脂肪ヨーグルトおよび5%スクロースを包含する。全脂肪ヨーグルトベースは、プレーンの全脂肪ヨーグルトおよび5%スクロースを包含する。より高い用量レベルが、脂肪、タンパク質および他の成分に起因してミルクおよびヨーグルト組成物について使用される。羅漢果抽出物は、これらの用途について75ppmで使用される。
【0194】
【表18】
【0195】
例10
Siraitia grosvenoriiからの新しいマイナーなククルビタングリコシドの同定
導入
Siraitia grosvenorii(Swingle)C. Jeffrey ex Lu et Z. Y. Zhangは、中国南部およびタイ北部に特有のウリ科の多年草のつる植物である。一般的に「羅漢果」として知られるS. grosvenoriiの果実は、中国において何世紀にもわたって、呼吸器感染、気管支炎、胃炎、便秘等の処置としての伝統薬のために使用されている。現代の薬理学的な調査は、S. grosvenorii抽出物またはその構成要素が、抗細菌、抗炎症、抗糖尿病、抗がん、および免疫賦活性などの多種の生物活性を所有することを確認している[1]。羅漢果は、中国において食品中の甘味料として使用されている。それは、今や世界中で最良の既知の天然の高甘味度甘味料の1つである。ククルビタングリコシドモグロシドVがS. grosvenoriiの甘さの原理として発見されてから、これまでのところ40より多くのククルビタントリテルペノイドがS. grosvenoriiから報告されてきた[1-4]。食品およびフレーバー産業の研究員は、より優れた甘さの性能を有する新しいモグロシドを見出すために、モグロシドプール内のより多くの新しい化合物を活発に発見し、添加している[5-7]。より優れた甘さの性能を有する既知の天然の甘味料カテゴリーの下新しい分子は、食品およびフレーバー産業に非常に望まれている。レバウジオシドM(レバウジオシドXとしてもまた知られる)の商品化は、良好な例である。それが2010年に発見されたステビアからのマイナーな天然産物であっても(0.1%未満)、植物生物学、分子生物学および酵素工学における技術開発によるコスト低減のおかげで、レバウジオシドMは、急速に商品化段階に進行した[8、9]。レバウジオシドMは、そのGenerally Recognized as Safe(GRAS)ステータスに関してUS FDAから2013、2014および2017年にLetter of No Objectionを受けた(GRN No. 473、512および667)[10-12]。
【0196】
我々は、市販の羅漢果抽出物を使用して、最良の性能のモグロシドまたはその組み合わせを探し求める調査を行った[13]。本明細書において、我々は、S. grosvenoriiからの2つの新しいマイナーなククルビタングリコシドを報告し、および異なる混合時間を用いたHSQC-TOCSY実験に基づく、我々の新しいオリゴ糖類の解明ストラテジーを強調する。
【0197】
材料および方法
一般的な実験手順
旋光度を、Rudolph Autopol IV旋光計を用いて測定した。NMRスペクトルを、Bruker DRX Avance 300または500分光計上で記録した。化学シフトを、残留溶媒ピークを参照してδ(ppm)で与えた。低圧クロマトグラフィーを、Biotage FlashシステムSP1上で実施した。分取HPLCを、Agilent 1100分取HPLCシステムとPhenomenex Lunar C18(2)カラム(5μm、210x21.4mm)またはTSKgel Amido-80(5μm、300x21.5mm)(Tosoh Bioscience LLC)上で実施した。分析用HPLCを、ESAコロナCAD検出器を備えたAgilent 1100分析用HPLCシステム上で実施した。LC-MSを、Waters 2795分離モジュールと連結したWaters Q-Tofマイクロ質量分析計を使用して実施した。
【0198】
植物材料
羅漢果抽出物(商品名Swingle、約60%モグロシド)を、Blue California Co., Ltdから購入した。
【0199】
器械使用
クロマトグラフの条件:クロマトグラフィーを、Waters AcquityH UPLC上で実施した。分離を、0.2mmプレフィルターを備えた1.8mmの粒子サイズの1.0×100mm、Acquity UPLC HSS T3カラム(Waters)を使用して25℃で実行した。溶媒Aは水であり、溶媒Bはアセトニトリルであり、両溶媒とも0.1%ギ酸を含有した。注入体積を10μlに設定した。クロマトグラフィーの流速は、200μl/minであった。試料を、以下の線形勾配(曲線番号6)を使用してLCカラムから溶離した:0-40min:90%A-30%A;40-45min:30-10%A;45-50min:10%A;50-51min:10%-90%A、再平衡化のための51-55min90%A。
【0200】
質量分析
U-HPLCシステムを、ハイブリッド四重極直交飛行時間型(TOF)質量分析計(SYNAPT G2 HDMS、Waters MS Technologies、Manchester、UK)に連結した。質量分析計を、ポジティブエレクトロスプレイイオン化モード(ESI)で操作した。サンプルコーン電圧40、キャピラリー電圧0.7kv、ソース温度40℃、脱溶媒温度450℃、脱溶媒ガス流量800L/h、およびコーンガス流量50L/hを最適化した。ロイシンエンケファリンを、m/z556.2771でのロックマス[M+H]として使用した。ナトリウムホルマート溶液を、外部器械較正のために使用した。
【0201】
精製
3gの羅漢果抽出物を、15mLの水中に溶解し、および予め平衡化したC-18 Snap cartridge(KP-C18-HS、120g、132mLカラム容積)上にローディングした。使用された勾配システム(A:水;B:メタノール)は、以下のとおりであった:30% 2CV、30%~80% 10CV、80%~100% 2CV、100% 2CV。流速は、30mL/minであった。画分を、チューブごとに27mL収集した。4回のローディングの合計12gの羅漢果を分画した。すべての画分を、分析用HPLCによって分析し、標的モグロシドを有する画分を突き止めた(均一濃度の移動相:水中24%アセトニトリル。カラム:Luna C18 5μm4.6×150mm)。イソ-モグロシドVIおよび11-エピ-モグロシドVを有する画分36~38を組合わせて溶媒を蒸発させた。さらに画分36~38の分取HPLCの精製は、イソ-モグロシドVI(1、22mg)および11-エピ-モグロシドV(2、17mg)を与えた(水中24%アセトニトリル、10mL/min、夫々保持時間13.1minおよび14.3min)。11-オキソ-モグロシドV(4)およびネオモグロシド(3)は、主要な構成要素として11-オキソ-モグロシドVを有するフラッシュ画分39~40にあった。逆相C-18分取HPLC上で、ネオモグロシドは、11-オキソ-モグロシドのテールショルダー(水中24%アセトニトリル、10mL/min、夫々保持時間17.0minおよび18.0min)として現れた。ピークフロントの収集は、105mgの化合物11-オキソ-モグロシドV(4)を与えた。ショルダーのネオモグロシド(3、15mg)のさらなる精製は、TSKgel Amido-80上の分取HPLC(水中65%アセトニトリル、20mL/min、rt15.5min)により達成された。
【0202】
イソ-モグロシドVI(1):白色アモルファスの粉末;[α]20 D -8.2 (c 0.12、MeOH);H NMRおよび13C分光分析データについて、表1参照;HRESIMS:m/z1449.7075[M+H](C66H113O34について算出、1447.7113、Δ2.6ppm)。
エピ-モグロシドV(2):白色アモルファスの粉末;[α]20 D +4.5 (c 0.13、MeOH);H NMRおよび13C分光分析データについて、表1参照;HRESIMS:m/z1287.6558[M+H](C6010329について算出、1287.6585、Δ2.1ppm)。
【0203】
酸加水分解および糖の絶対配置の決定
化合物1(1.2mg)または2(1.8mg)を、1mLの1M HCl中で80℃にて3hrsインキュベートした。加水分解後に、溶液を、EtOAcを用いて抽出した(1mL×3)。残存する水性溶液を、窒素ガスのブローイングおよび凍結乾燥によって蒸発させた。残渣中の糖の絶対配置を、そのO-シリル化誘導体のGS-MS分析によって決定し、およびD-グルコースおよびL-グルコース標準物質の誘導体と比較した。手短に言えば、糖残渣、D-グルコース(2mg)またはL-グルコース(2mg)を、ピリジン(0.5mL)中に溶解した。ピリジン(0.5mL)中の0.1MのL-システインメチルエステル塩酸塩(Aldrich、Milwaukee、WI)を、溶液内に添加した。混合物を、60℃で2hの間保ち、および窒素ガスのブローイングによって乾燥させた。残渣を、1-トリメチルシリルイミダゾール(Fluka、Buchs、Switzerland)(0.5mL)と共に添加し、および60℃で1hの間インキュベートした。混合物を、n-ヘキサンおよび水(各1.0mL)を添加することによって区分化した。n-ヘキサン抽出物を、以下の条件下でGC-MSによって分析した:キャピラリーカラムHP-5MS(30m×0.25mm×0.25μm、Agilent);カラム温度、5℃/minの傾斜で180~230℃;注入温度、250℃;キャリア、Heガス;分割比、20:1。D-グルコースおよびL-グルコースのO-シリル化誘導体は、夫々16.02および16.39minの保持時間を示した。保持時間およびコクロマトグラフィーを比較することによって、1および2の酸化水分解後の糖残渣がD-グルコースであると決定した。
【0204】
NaBHを用いた11-オキソ-モグロシドVの還元
25mgの11-オキソ-モグロシドV(4)を50%ジオキサンに溶解し、および20mgのNaBHを添加し、50℃にて3日間加熱した。反応混合物を、定期的にHPLCで分析し、反応の進行をモニタリングした。反応後に、混合物を酢酸によって酸性化し、および窒素ガスのブローイングによって濃縮乾固した。残渣を、水に再溶解し、予め平衡化したC-18 SPEカラムを通過させた。SPEカラムからのメタノール溶離液を濃縮した。次いで残渣を、セミ分取HPLCによって分離した。2つの還元産物は、分析用HPLC上でのLC-MS分析およびコクロマトグラフィーによって単離されたモグロシドVおよび11-エピ-モグロシドVと同じ保持時間および分子量を有した。1-Dおよび2-D NMRデータはまた2つの還元産物の構造が、モグロシドVおよび11-エピ-モグロシドVであることを確認した。
【0205】
結果および議論
イソ-モグロシドVI(1)および11-エピ-モグロシドV(2)の単離および解明
LC-MSによって60%モグロシドを有する市販の羅漢果抽出物を調査する過程で、抽出物中の6または5個の糖部を有するいくつかのモグロシドが、我々の注意を引き付けた(図2および3)。モグロシドVおよびVI異性体の甘さの特性についての報告がほとんどなかったため、我々は、我々の評価のためにこれらの異性体を精製し、および同定することを決定した。抽出物中の1、2、3および4の濃度は、普遍的なコロナ検出器に従って、夫々0.8%、0.5%、0.6%、4.9%であると推計された。フラッシュクロマトグラフィーシステム上での分画、およびこれに続く分取HPLCの精製の後に、4つの標的にされたモグロシド1~4を精製し、およびイソ-モグロシドVI(1)、11-エピ-モグロシドV(2)、ネオモグロシド(3)、11-オキソ-モグロシドV(4)であると決定した。
【0206】
1の分子式を、そのHR-ESI-MSスペクトルデータ([M-H]m/z、1447.6957、C6611134について算出、1447.6957)によってC6611234と推測した。1のNMRスペクトルデータは、66個の炭素のうち33個が、トリテルペノイドアグリコンに、および66個のうち36個が6個のヘキソース部分に割り当てられる、ヘキサ糖類トリテルペノイドサポニンの構造を示唆した。1の13CおよびH NMRスペクトルは、典型的な(24R)-ククルビタ-5-エン-3β,11α,24,25-テトラオールモグロールアグリコンを示唆する、7つの一重項三級メチル、二重項二級メチル、およびオレフィン性メチンのシグナルを示した(表19)。1のモグロールアグリコンを、そのH、13C、および2D(COSY、TOCSY、HSQCおよびNOESY)NMRデータの広範な分析、ならびにモグロシドV標準のNMRデータとの比較によってさらに確認した。
【0207】
【表19-1】

【表19-2】

【表19-3】
【0208】
1の水溶性酸加水分解産物のGC-MS分析は、D-グルコースが1の構造における唯一の単糖類であることを示した。HSQCスペクトルは、6つのグルコシルのアノマーのクロスピークを明確に表示した:Glc-I(δ106.8およびδ4.73)、Glc-II(δ105.1およびδ5.10)、Glc-III(δ103.7およびδ4.85)、Glc-IV(δ104.6およびδ4.78)、Glc-V(δ104.7およびδ5.43)、Glc-VI(δ104.8およびδ5.03)。6つのグルコピラノシルの立体化学はすべて、それらのアノメリックプロトン結合定数H1、H2からβ立体配置であると決定された。100msの混合時間を伴うHSQC-TOCSY実験(hsqcgpmlph)から、グルコプラノシル炭素のシグナルは、6つのグループに分けられ得る(図4)。オリゴ糖類の解明を、ククルビタンアグリコンのC-3で接続されたグルコピラノシルから開始した。Glc-Iを、そのアノメリックプロトン(δ4.73、d、J=7.9Hz)とアグリコンC-3(δ87.6)とのHMBC相関およびGlc-I H-1のアグリコンH-3とのNOESY相関に従って、アグリコンC-3と連結すると決定した。HSQC-TOCSYによって決定されたとおり、Glc-Iの13Cシグナル(δ75.1、77.8、71.4、77.2、70.1)は、ほぼδ62の典型的なC-6炭素シグナルを見落とした。Glc-I C-6の低磁場シフト(δ70.1)は、この位置でのグリコシル化を指し示した。HSQC-TOCSYスペクトル(hsqcgpmlph)を10、30、60、および100msと混合時間の増大と比較することによって、磁化移動のリレーが、C-2からC-6まで徐々に拡大することが観察され得る(図4)。図4に示されるとおり、10msの混合時間下のHSQC-TOCSYは、グルコピラノシルH-1とC-2との相関を表示した。30msの混合時間下で、H-1とC-3との相関が、H-1とC-2との相関に加えて現れた。60msの下で、HSQC-TOCSY相関によって指し示されるとおりの炭素鎖がC-4まで拡大する。H-1のC-2~C-6との完全なHSQC-TOCSY相関が、100msの下で観察され得る。したがって、C-2~C-6のシグナルは、一義的に割り当てられ得る。Glc-IIのGlc-Iへの連結を、アノマーのGlc-II H-1(δ5.10、d、J=7.8Hz)のGlc-I C-6(δ70.1)へのHMBC相関によって確立した。Glc-IIの13Cシグナル(δ75.0、77.8、71.5、78.0、62.5)は、Glc-II上にグリコシル化がないことを示唆した。結果として、アグリコンC-3上の糖鎖を、3-O-(β-D-グルコピラノシル(1→6)-β-D-グルコピラノシルとして供給した。
【0209】
アノメリックプロトン(δ4.85、d、J=7.5Hz)のアグリコン炭素シグナル(δ92.3)へのHMBC相関は、Glc-III H-1のアグリコンC-24への接続を指し示した。Glc-IIIの13Cパターン(δ81.6、78.3、71.4、76.4、70.0)は、C-2およびC-6グリコシル化シフトを示唆した。10、30、60、および100msの混合時間を伴うHSQC-TOCSYの分析は、C-2およびC-6低磁場シフトの逐次的な割り当ておよび確認をもたらした。Glc-IVを、そのH-1(δ4.78、d、J=7.5Hz)のGlc-IIIのC-6(δ70.0)とのHMBC相関より、Glc-IIIのC-6に接続すると決定した。Glc-IVは、いずれの置換も有さない定例の末端グルコピラノシルであった(δ74.5、77.7、71.2、78.2、62.4)。Glc-VのGlc-IIIのC-2への連結を、アノマーのGlc-V H-1(δ5.43、d、J=7.8Hz)のGlc-III C-2(δ81.6)へのHMBC相関によって確立した。Glc-V H-1(δ5.43)の相対的な低磁場シフトは、同様の構造を有するという先の報告と一致した。通常δ70~71でのC-4の13C化学シフトが、Glc-Vシグナルセット(δ104.7、75.4、76.4、82.0、76.5、62.6)において見つからず、C-4でのグリコシル化が示唆された。10、30、60および100msの混合時間を伴うHSQC-TOCSYからのC-2~C-6のリレーを観察することによって、δ82.0を、明確にGlc-VのC-4に割り当てた(図4)。Glc-VのC-4(δ82.0)とGlc-VIのH-1(δ5.03、d、J=7.7Hz)との間のHMBCクロスピークにより、さらにGlc-VIが、この位置でGlc-Vに連結されていることを確認した。Glc-VIは、さらなる糖分枝を有さない末端グルコピラノシルであった。上の証拠に基づき、イソ-モグロシド(1)の構造を、3-O-β-D-グルコピラノシル(1→6)-β-D-グルコピラノシル-モグロール-24-O-β-D-グルコピラノシル-(1→6-[β-D-グルコピラノシル-(1→4)-β-D-グルコピラノシル-(1→2)]-β-D-グルコピラノシルとして割り当てた。
【0210】
化合物2は、そのHR-ESI-MSデータ([M-H]m/z、1285.6429)から分子式C6010229を割り当てた。2のオリゴ糖部分のNMRデータは、モグロシドVのそれらと重ね合わせることができた。HSQC、HMBC、NOESY、COSYおよびHSQC-TOCSYを包含する詳細な2-D NMR実験は、2がモグロシドVと同じ糖部を有することを確認した。次いで、注意をアグリコンNMRデータに向けた。C-11とH3-19とのHMBC相関は、モグロシドV(δ77.8)と比較して、C-11(δ72.5)の有意な高磁場シフトを明らかにした。2-D NMR実験によるアグリコンデータのさらなる割り当ては、モグロシドVのデータと比較するとき、主要な13C化学シフトの変化が、C-8、C-10およびC-12に対して生じることを示した(表19)。このことは、C-11ではα-OHの代わりにβ-OHであることが示唆した。2のβ-OHの立体構造を、H-8とH-18、19;H-10およびH-28、H-30;H-11およびH-30;H-17およびH-30とのNOE相関によってさらに確立した。ある天然の11-β-OHククルビタンおよびある半合成の11-β-OHククルビタンが以前に報告された[14、15]。化合物2アグリコンの13C NMRデータは、ピリジン-dで記録された、半合成の11-β-OHククルビタングリコシドのデータと良好に一致した[14]。Matsudaらによる天然の11-β-OHククルビタンの13C NMRデータは、メタノール-dにおいて得られ、およびC-11、C-8、C-10およびC-12での化学シフトの点でまったく異なった[15]。2の11-β-OH構造を確認するために、2の半合成を、11-オキソ-モグロシドV(4)のモグロシドVの11-β-OHおよび11-α-OH異性体への化学還元によって実行した。LC-MS、HPLCコクロマトグラフィーおよびNMRデータ分析によって、半合成の11-エピ-モグロシドVを、単離された11-エピ-モグロシドVと同一であると決定した。したがって、11-エピ-モグロシドV(2)の構造を、3-O-β-D-グルコピラノシル(1→6)-β-D-グルコピラノシル-11β-OH-モグロール-24-O-β-D-グルコピラノシル-(1→2)-[β-D-グルコピラノシル-(1→6)]-β-D-グルコピラノシルと解明した。我々の知る限り、これは、11-βヒドロキシル基を有する天然のモグロシドの最初の報告である。
【0211】
オリゴ糖鎖の解明のための種々の混合時間を伴うHSQC-TOCSY。
Gheysenらは、種々の混合時間を伴うTOCSYを調査し、および100msをD-グルコース、D-ガラクトースおよびD-マンノースを区別する最適なスピンロック時間と結論付けた[16]。それらの結果を通して、我々は、スピンロック時間がD-グルコースのH-1の磁化移動効率に有意に影響し得ることに気付いた。H-1とH-2とのH-6を通した相関は、スピンロック時間が増大するにつれて、徐々にH-6まで拡大した。それらの調査に動機づけられて、我々は、HSQC-TOCSYのスピンロック時間を増大させることによって、グルコースH-1とC-2~C-6の相関が、磁化移動の連鎖が拡大するにつれて、C-2からC-6まで徐々に拡大することがわかるはずであると仮説をたてた。スピンロック時間を増大させてのHSQC-TOCSYは、炭素配列の情報を知らせるものであり、それはオリゴ糖類の解明および割り当てに極めて有用であるだろう。図4は、10、30、60および100msの混合時間を伴うイソ-モグロシドVIのHSQC-TOCSY(hsqcgpmlph)を示した。図4中のクロスピークを、それらの積分によって定量化し、および図5において比較した。ピーク強度(積分で提示されるとおり)は、いくつかのケースにおいては、H-1からのそれらの距離の指標であり得る。例えば、30msの混合時間の実験下で、すべてのC-3ピークは、C-2ピークよりも有意に弱い。しかしながら、60ms下で、C-3ピークは、C-2ピークよりも大きくなる。正しい解明を確実にするために、炭素配列は、ある混合時間でのピーク強度によってのみならず、種々の混合時間を伴うすべてのHSQC-TOCSYスペクトルの概観を通して決定されるべきである。
【0212】
伝統的に、サポニンの糖鎖のNMRの解明および割り当ては、アグリコンに連結された糖から開始する。HMBCまたはNOESYによって、十分に分離されたアノマーのH-1およびC-1シグナルが同定され得る。次いでCOSY相関およびJ(H,H)結合定数の一致を通して、単糖類のプロトンシグナルが割り当てられ得る。大きな結合定数(>7Hz)が典型的に2つの隣接するアキシアルのC-H結合を、および小さい結合定数(<4Hz)アキシアル-エクアトリアルまたはエクアトリアル-エクアトリアルC-H結合を指し示すため、単糖類のタイプが決定され得る。NOE相関は、立体化学のアキシアル-アキシアル、アキシアル-エクアトリアルまたはエクアトリアル-エクアトリアル関係の確認に有用である。糖類の炭素シグナル(C-2~C-6)は、HSQCまたはHMQCに従って割り当てられる。単糖類の異なるタイプについてC-1~C-6の化学シフトのパターンは、特徴的であり、および首尾一貫しているため、HSQC/HMQCによって決定されるとおりの炭素シグナルの化学シフトは、単糖類タイプを決定するのに極めて重要な情報である。糖鎖上のグリコシル化位置は、炭素の化学シフト変化の所見を通して同定され得、およびHMBC相関によってさらに確認され得る。要約すれば、既存のサポニン糖を解明する方法は、HMBC→C-1、H-1→COSY→H-2~H-6→HSQC/HMQC→C-2~C-6であり、次いで結合定数分析およびNOESY実験によって支援および確認される。
【0213】
H-H TOCSY(Total Correlated Spectroscopy、HOHAHA-Homonuclear Hartmann Hahnとしてもまた知られる)実験は、複雑な糖プロトンシグナルをグループに分けるのに大きな助けとなり得る。アノマーのH-1からフラノースまたはピラノース環の終わりまでのTOCSYスピンロックの間の磁化の移動は、介在するJ(H,H)スカラー結合定数の大きさに依存するだろう。大きな結合定数(>7Hz)を有する隣接するアキシアル-アキシアルプロトンは、迅速な磁化の移動を可能とする一方で、小さな結合定数(<4Hz)を有するアキシアル-アキシアルまたはエクアトリアル-エクアトリアルは、移動効率を大幅に低減するだろう。したがって、TOCSY実験は、プロトンシグナルをスピン系にグループ分けするのみならず、糖類の立体化学情報を提供するのにも使用され得る。例えば、我々は、適切な混合時間でのH-1~H-6を通して、グルコースの磁化リレーを見ることができるものである。ガラクトースについて、200msの混合時間でさえ、H-4を超えた磁化リレーはない。
【0214】
しかしながら、5または6セットのグルコピラノシルシグナルを有するモグロシドのケースについて、H-1~H-6の連結のためにCOSYおよびTOCSYを使用することは、非常に巧妙であり得る。モグロシドグルコピラノシルのプロトンシグナルは、酷似する化学シフトを有し、およびδ3.8から4.5までの小さな範囲に込み合って現れる。このような分離の乏しいプロトンシグナルを通してCOSY連結を明確にすることは困難である。グルコピラノシル炭素シグナルもまた、極めて近接し、およびHSQCクロスピークは大量に互いにオーバーラップしており、そのことが解明および割り当てをさらにいっそう困難にしている。
【0215】
これまでに、HSQC-TOCSYは、炭素シグナルを各スピン系に一緒にグループ分けすることによって、サポニンの構造の解明および割り当てに適用されてきた[17、18]。我々の調査を通して、我々は、HSQC-TOCSY実験において種々の混合時間を適用することによって、グルコピラノシル炭素グループ内のシグナル配列を同定し得ることを初めて実証した。
【0216】
図6は、モグロシドのグルコピラノシルオリゴ糖鎖を解明する、新しいHSQC-TOCSYベースのストラテジーを以下のとおりまとめている:ステップ1において、異核多結合相関分光法(HMBC)を、糖のアノマーのC-1およびH-1を決定するために使用した。アグリコンに連結する糖から開始する。ステップ2において、HSQC-TOCSYを、C-2~C-6の全グループを決定するために100msの混合時間で使用した。HSQC-COSYまたはHSQC-TOCSY(d9=10ms)をC-2に割り当てる。HSQC-TOCSY(d9=30ms)をC-3に割り当てる。HSQC-TOCSY(d9=60ms)をC-4に割り当てる。HSQC-TOCSY(d9=100ms)をC-5およびC-6に割り当てる。ステップ3において、約δ75から約δ81までのC-2ダウンシフト、約δ71から約δ81までのC-4ダウンシフトまたは約δ62から約69までのC-6ダウンシフトが観察された場合、これらの位置でのグリコシル化についてHMBCを確かめる**。約δ75から約δ81までのC-2ダウンシフト、約δ71から約δ81までのC-4ダウンシフトまたは約δ62から約69までのC-6ダウンシフトの場合、これらの位置でのグリコシル化についてHMBCを確かめる**。H結合定数および13C炭素シグナルパターンなどの1-D NMRデータならびにNOESY、HMBC、TOCSY、COSYおよびHSQCなどの2-D NMR実験は、プロセスを支援し得、および結果を確認し得る。新しいHSQC-TOCSYベースのストラテジーは、いずれかの新規または既知のモグロシドのグルコピラノシル鎖の解明および割り当てのための単純で、迅速な、および一義的な方法を提供するであろう。ストラテジーはまた、他の単糖類およびオリゴ糖類の解明および割り当てのために適用され得る。
【0217】
ネオモグロシドおよびモグロシドVIの構造
化合物3を、広範な1-Dおよび2-D NMR分析、ならびに文献データとの比較によってネオモグロシドであると決定した[19]。3つのオリゴ糖鎖の解明のために、シグナルを、10、30、60、100msの異なる混合時間を伴うHSQC-TOCSYおよびTOCSY実験によって割り当てた。6つの糖類の連結は、それらのNOESYおよびHMBC相関によってなされた。アグリコンのC-3上のオリゴ糖鎖は、β-D-グルコピラノシル-(1→2)-β-D-グルコピラノシル-(1→6)-β-D-グルコピラノシルと明確に割り当てられ得る。アグリコンのC-24上のグルコピラノシルは、β-D-グルコピラノシル-(1→2)およびβ-D-グルコピラノシル-(1→6)で分枝した。
【0218】
ネオモグロシドは、S. grosvenoriiから最初に発見され、およびSiらによって記載された[19]。Scifinderにおけるネオモグロシドの検索は、CAS番号189307-15-1が返された。しかしながら、Scifinderによって参照された文献がSiらによる1996年の論文であるのに、ネオモグロシドの正しくない構造がScifinderに与えられた。189307-15-1の正しくない構造は、Scifinderにおいて3-O-β-D-グルコピラノシル-(1→2)-[β-D-グルコピラノシル-(1→6)]-β-D-グルコピラノシル-モグロール-24-O-β-D-グルコピラノシル-(1→6)-[β-D-グルコピラノシル-(1→2)]-β-D-グルコピラノシル(図2における6の構造)と与えられた。Siらによるネオモグロシドの報告は、中国語で書かれ、および1996年に中国の雑誌において公開された。この論文の入手可能性および誤解は、Scifinderにおける正しくない構造へつながったのであろう。
【0219】
Scifinderにおいて、ネオモグロシドおよびモグロシドVIは、同じCAS番号189307-15-1および同じ構造を有した。Takemotoらは、S. grosvenorii からモグロシドVIを最初に報告した[2]。しかしC6611234の分子式で純粋なモグロシドを参照したのみであって、構造は決定されなかった[2]。Prakashらは、2011年に公開された彼らの論文において既知の化合物としてモグロシドVIの構造およびNMRデータを報告した[6]。彼らの論文において、モグロシドVIの構造は、図2中の6の構造として割り当てられた。Prakashは、モグロシドVIの構造の解明はNMR分析によってなされおよびまた文献値との比較によってなされたと述べた。しかしながら、文献値について引用は与えられなかった。
【0220】
既知の化合物について、NMRデータと文献データとの比較は、構造の決定に有用であり得る。しかしながら、モグロシドのNMRデータの複雑さは、主としてNMRデータと文献データとを比較することによって構造を決定することを困難にする。異なる報告における既知のモグロシドのH NMRデータは、使用される異なるNMR溶媒(ピリジンおよびDOの比率は、シグナルシフトを引き起こし得る)の起因した、または単に正確でない割り当てに起因したバリエーションを示した。
【0221】
13C NMRデータは、非常に首尾一貫しており、およびH NMRデータよりも優れた分解能を有するのに、既知のモグロシドのオリゴ糖鎖の構造決定は、13C NMRデータと文献データとを直接比較することに依拠し得ない。ネオモグロシドのケースを考慮すると、Glu-VIグルコピラノシル-(1→2)が、Glu-I、Glu-II、Glu-III、Glu-IV、またはGluV上で分枝する場合、5つの異性体は、酷似する13C NMRデータを有するであろう。モグロシドのオリゴ糖鎖が、一義的に決定される前に、13C NMRデータを文献データと比較するよりもむしろ、広範な2-D NMR分析が慎重に行われるべきである。
【0222】
例11
イソ-モグロシドVIおよび11-エピ-モグロシドVの甘さの強度
方法
10mgのイソ-モグロシドVI(図7)を、31mLの水中に溶解し、100ppmのイソ-モグロシドVI溶液を作製した。11-エピ-モグロシドV(図8)の使用液は、374ppmであった(25mLの水中9.34mgの11-エピ-モグロシドV)。一連の標準的なスクロース溶液を、甘味参照として調製した(0.50、0.75、1.00、1.25、1.50%)。
【0223】
結果
4人の甘味感受性パネリストが、100ppmのイソ-モグロシドVIおよび374ppmの11-エピ-モグロシドVおよびスクロース標準物質を評価し、およびスクロースに対する甘さの当量濃度を与えるよう求められた。各化合物の平均の甘さの当量濃度が、等甘味の効能と算出するのに使用された。イソ-モグロシドVIおよび11-エピ-モグロシドVの等甘味の効能の値を、夫々スクロースの甘味の91倍および35倍と決定した(100ppmのイソ-モグロシドVIが0.91%スクロースに対して甘さの当量;374ppmの11-エピ-モグロシドVが1.31%スクロースに対して甘さの当量)。
【0224】
例12
方法
イソ-モグロシドVIおよび11-エピ-モグロシドVを、例10に記載されるとおりに得た。イソ-モグロシドVIおよび11-エピ-モグロシドVを、5%スクロースおよび0.03%クエン酸を含有する溶液に、夫々25ppmの濃度で添加した。これらのテスト溶液を、7人の専門家パネルによってテイスティングした。甘さの風味の様々な側面(全体的な甘さ、アップフロントの甘さ、長引く甘さ、渋さ、揮発性のオフノート)について、各パネリストが、ベース溶液(5%スクロースおよび0.03%クエン酸の溶液)との比較においてテスト溶液のスコアを付けた。0のスコアは風味の側面が同じであったことを指し示し、1はわずかに高いことを指し示し、2はより高いことを指し示し、3は非常に高いことを指し示し、-1はわずかに低いことを指し示し、-2はより低いことを指し示し、および-3は非常に低いことを指し示す。
【0225】
結果
各風味側面についての各テスト溶液の平均スコアを算出した。結果を、以下の表20に示す。
【表20】
【0226】
既知の11-オキソ-モグロシドおよびネオモグロシドと共に2つの新しいマイナーなククルビタングリコシドを、羅漢果の市販の抽出物(Siraitia grosvenorii(Swingle) C. Jeffrey ex Lu et Z. Y. Zhang)から精製した。広範なNMRおよびLC-MS分析ならびに化学合成により、2つの新しい化合物イソ-モグロシドVI(1)および11-エピ-モグロシドV(2)の構造を、夫々3-O-β-D-グルコピラノシル(1→6)-β-D-グルコピラノシル-モグロール-24-O-(β-D-グルコピラノシル-(1→6)-[β-D-グルコピラノシル-(1→4)-β-D-グルコピラノシル-(1→2)]-β-D-グルコピラノシルおよび3-O-β-D-グルコピラノシル(1→6)-β-D-グルコピラノシル-11β-OH-モグロール-24-O-β-D-グルコピラノシル-(1→6)-[β-D-グルコピラノシル-(1→2)]-β-D-グルコピラノシルと解明した。イソ-モグロシドVIおよび11-エピ-モグロシドVの甘さの効能を、夫々スクロースの甘味の91倍および35倍(0.91%スクロースに甘さが当量である100ppmのイソ-モグロシドVI;1.31%スクロースに甘さが当量である374ppmの11-エピ-モグロシドV)と評価した。5または6のグルコピラノシルを有する新規および既知のモグロシドを同定する我々の過程を通して、グルコピラノシル糖鎖の解明および割り当てのための新しいストラテジーが開発された。種々の混合時間を伴うHSQC-TOCSY実験に基づく新しいストラテジーは、迅速および一義的なグルコピラノシルオリゴ糖鎖の解明および割り当てを特徴付けた。ネオモグロシドおよびモグロシドVIの構造に関する先の錯乱状態は、我々の広範なNMRスペクトル分析によるネオモグロシドの構造の確認の後に、再調査され、および明確化した
【0227】
例13
Reb M、グルコシル化ステビオールグリコシドおよび味覚修飾物質を含む組成物を有し、30%~100%の糖の置き換えを伴う炭酸入りソフトドリンク。
炭酸入りソフトドリンク飲料を、以下の表21に従って調製し、および甘味特徴および口当たりの感覚認知についての熟達したフレーバリストによって評価した。
【表21-1】

【表21-2】
【0228】
【表22】
【0229】
例14
Reb M、グルコシル化ステビオールグリコシドおよび味覚修飾物質を含む組成物を有し、50%および80%の糖の置き換えを伴う炭酸の入っていないリンゴ飲料。
炭酸の入っていないリンゴ飲料を、以下の表23に従って調製し、および甘味特徴および口当たりの感覚認知についての熟達したフレーバリストによって評価した。
【表23-1】

【表23-2】
【0230】
【表24】
【0231】
例15
Reb M、グルコシル化ステビオールグリコシドおよび味覚修飾物質を含む組成物を有し、50%および100%の糖の置き換えを伴うイチゴ乳飲料。
イチゴ乳飲料を、以下の表25に従って調製し、および甘味特徴および口当たりの感覚認知についての熟達したフレーバリストによって評価した。
【表25】
【0232】
【表26】
【0233】
例16
Reb M、グルコシル化ステビオールグリコシドおよび味覚修飾物質を含む組成物を有し、50%および70%の糖の置き換えを伴うイチゴヨーグルト。
イチゴヨーグルト試料を、以下の表27に従って調製し、および甘味特徴および口当たりの感覚認知についての熟達したフレーバリストによって評価した。
【表27】
【0234】
【表28】
【0235】
上記は、限定することなく、本発明のある態様を広く記載する。当業者にとって容易で明白であるだろう変形および改変は、添付の特許請求の範囲において、およびそれによって定義されるとおり、本発明の範囲内であることが意図される。
【0236】
参照
【化21】

【化22】
図1
図2
図3-1】
図3-2】
図4-1】
図4-2】
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】