(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-26
(54)【発明の名称】GABA Aガンマ1 PAMとしてのベンゾジアゼピン誘導体
(51)【国際特許分類】
C07D 487/04 20060101AFI20230519BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20230519BHJP
A61K 31/5517 20060101ALI20230519BHJP
【FI】
C07D487/04 156
C07D487/04 CSP
A61P25/00
A61K31/5517
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022563361
(86)(22)【出願日】2021-04-19
(85)【翻訳文提出日】2022-10-25
(86)【国際出願番号】 EP2021060021
(87)【国際公開番号】W WO2021213952
(87)【国際公開日】2021-10-28
(32)【優先日】2020-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ. ホフマン-ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN-LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】チェチェーレ,ジュゼッペ
(72)【発明者】
【氏名】ゴッビ,ルカ
(72)【発明者】
【氏名】ヘルナンデス,マリア-クレメンシア
(72)【発明者】
【氏名】クノフラハ,フレデリック
(72)【発明者】
【氏名】コブレット,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】オコナー,オーエン・コルネリウス
(72)【発明者】
【氏名】オリバーレス・モラレス,アンドレス・ミゲル
(72)【発明者】
【氏名】ランツ-シュミット,ヴァレリー
(72)【発明者】
【氏名】ワムスティーカー・カスリン,ジャクリーン
(72)【発明者】
【氏名】ゾーン,ニコラ
【テーマコード(参考)】
4C050
4C086
【Fターム(参考)】
4C050AA01
4C050AA07
4C050BB06
4C050CC11
4C050EE04
4C050FF05
4C050GG02
4C050HH01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB13
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA02
(57)【要約】
本発明は、一般式(I)
(式中、R
1、R
3、R
4、R
5及びXは本明細書に記載の通りである)を有する新規化合物、該化合物を含む組成物、及び該化合物を使用する方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物又は薬学的に許容され得る塩。
【化1】
(式中、
R
1は、
i)H、
ii)C
1~6-アルキル、
iii)C
1~6-アルコキシ、
iv)C
1~6-アルコキシ-C
1~6-アルキル、
v)ヒドロキシ、
vi)ヒドロキシ-C
1~6-アルキル、
vii)R
7、R
8及びR
9で置換されていてもよいC
3~8-シクロアルキル、
viii)アミノ-C
1~6-アルキル
ix)R
7、R
8及びR
9で置換されていてもよいヘテロアリール、並びに
x)R
7、R
8及びR
9で置換されていてもよいヘテロシクロアルキルから選択され;
R
3は、
i)Cl、及び
ii)Fから選択され:
Xは、
i)CR
6、及び
ii)Nから選択され;
R
6は、
i)H、
ii)Cl、及び
iii)Fから選択され;
R
4は、
i)Br、及び
ii)Clから選択され;
R
5は、
i)C
1~6-アルキル、
ii)C
1~6-アルコキシ、
iii)ハロゲン、
iv)ハロ-C
1~6-アルキル、
v)シアノ、及び
vi)C
3~8-シクロアルキルから選択され;
R
7、R
8及びR
9は、独立して、
i)C
1~6-アルキル、及び
ii)C
1-6-アルコキシから選択される)
【請求項2】
R
1が、
i)H、
ii)C
1~6-アルキル、
iii)C
1~6-アルコキシ、
iv)C
1~6-アルコキシ-C
1~6-アルキル、
v)ヒドロキシ、
vi)ヒドロキシ-C
1~6-アルキル、
vii)R
7、R
8及びR
9で置換されていてもよいC
3~8-シクロアルキル、
viii)アミノ-C
1~6-アルキル
ix)R
7、R
8及びR
9で置換されていてもよいピラゾリル、
x)R
7、R
8及びR
9で置換されていてもよいピリジニル、
xi)R
7、R
8及びR
9で置換されていてもよいピリミジニル、
xii)R
7、R
8及びR
9で置換されていてもよいピリダジニル、並びに
xiii)R
7、R
8及びR
9で置換されていてもよいテトラヒドロピラニルから選択され;
R
3が、
i)Cl、及び
ii)Fから選択され;
Xが、
i)CR
6、及び
ii)Nから選択され;
R
6が、
i)H、
ii)Cl、及び
iii)Fから選択され;
R
4が、
i)Br、及び
ii)Clから選択され;
R
5が、
i)C
1~6-アルキル、
ii)C
1~6-アルコキシ、
iii)ハロゲン、
iv)ハロ-C
1~6-アルキル、
v)C
3~8-シクロアルキルから選択され;
R
7、R
8及びR
9が、独立して、
i)C
1~6-アルキル、及び
ii)C
1~6-アルコキシから選択される、
請求項1に記載の式(I)の化合物又は薬学的に許容され得る塩。
【請求項3】
R
1が、
i)H、
ii)C
1~6-アルキル、
iii)ヒドロキシ、
iv)ヒドロキシ-C
1~6-アルキル、
v)R
7、R
8及びR
9で置換されていてもよいC
3~8-シクロアルキル、
vi)R
7、R
8及びR
9で置換されていてもよいピラゾリル、
vii)R
7、R
8及びR
9で置換されていてもよいピリミジニル、
viii)R
7、R
8及びR
9で置換されていてもよいピリダジニル、並びに
ix)R
7、R
8及びR
9で置換されていてもよいテトラヒドロピラニルから選択され;
R
3がFであり;
Xが、
i)CR
6、及び
ii)Nから選択され;
R
6が、
i)H、及び
ii)Fから選択され;
R
4が、
i)Br、及び
ii)Clから選択され;
R
5が、
i)C
1~6-アルキル、
ii)ハロゲン、及び
iii)ハロ-C
1~6-アルキルから選択され;
R
7、R
8及びR
9が、独立して、C
1~6-アルキルから選択される、
請求項1又は2に記載の式(I)の化合物又は薬学的に許容され得る塩。
【請求項4】
R
1がC
1~6アルキルであり、
R
3がFであり、
XがCR
6であり、
R
6がFであり、
R
4がClであり、
R
5がハロ-C
1~6-アルキルである、
請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物又は薬学的に許容され得る塩。
【請求項5】
8-ブロモ-7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
8-ブロモ-7-クロロ-1-シクロプロピル-6-(2-フルオロフェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
8-ブロモ-7-クロロ-6-(2-フルオロフェニル)-1-ピリダジン-3-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7,8-ジクロロ-6-(2-フルオロフェニル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7,8-ジクロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7-クロロ-8-シクロプロピル-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
8-ブロモ-7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
8-ブロモ-7-クロロ-6-(2-フルオロフェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7,8-ジクロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-2,4-ジヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-1-オン;
7,8-ジクロロ-6-(2-フルオロフェニル)-1-ピリダジン-3-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7,8-ジクロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-テトラヒドロピラン-4-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7,8-ジクロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-ピリミジン-4-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
8-ブロモ-7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-2,4-ジヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-1-オン;
7,8-ジクロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-ピリダジン-3-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7,8-ジクロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-メチル-2,4-ジヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-1-オン;
7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7,8-ジクロロ-6-(2-フルオロフェニル)-1-ピリミジン-4-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7,8-ジクロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-(2-メトキシエチル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,8-ジメチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7-クロロ-8-(1,1-ジフルオロエチル)-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7-クロロ-8-(1,1-ジフルオロエチル)-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7-クロロ-8-(ジフルオロメチル)-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
8-ブロモ-7-クロロ-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7-クロロ-8-(ジフルオロメチル)-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
8-ブロモ-7-クロロ-6-(2-フルオロフェニル)-2,4-ジヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-1-オン;
7-クロロ-6-(2-フルオロフェニル)-1-ピリダジン-3-イル-8-(トリフルオロメチル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7,8-ジクロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-(1-メチルピラゾール-4-イル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
8-ブロモ-7-クロロ-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
[8-ブロモ-7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-1-イル]メタノール;
7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-ヨード-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
[8-ブロモ-7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-1-イル]メタンアミン塩酸塩;
7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-(トリフルオロメチル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-ピリダジン-3-イル-8-(トリフルオロメチル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-ヨード-1-ピリダジン-3-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-メチル-8-(トリフルオロメチル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-ヨード-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7,8-ジブロモ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-ピリダジン-3-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7,8-ジブロモ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-ピリミジン-4-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
8-ブロモ-7-クロロ-6-(3-クロロ-2-ピリジル)-1-ピリミジン-4-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
8-ブロモ-7-クロロ-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1-ピリダジン-3-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
8-ブロモ-7-クロロ-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1-ピリミジン-4-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
8-ブロモ-7-クロロ-6-(3-クロロ-2-ピリジル)-1-ピリダジン-3-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-メチル-1-ピリダジン-3-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-メチル-1-ピリミジン-4-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
8-ブロモ-7-クロロ-6-(2-クロロ-6-フルオロ-フェニル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7,8-ジクロロ-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1-ピリダジン-3-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7,8-ジクロロ-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1-ピリミジン-4-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-メトキシ-1-ピリダジン-3-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7,8-ジクロロ-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1-(1-メチルピラゾール-4-イル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7,8-ジクロロ-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-2,4-ジヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-1-オン;
7,8-ジクロロ-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-メトキシ-1-ピリミジン-4-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-メトキシ-1-(3-ピリジル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7,8-ジクロロ-1-シクロプロピル-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7-クロロ-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1-ピリミジン-4-イル-8-(トリフルオロメチル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7-クロロ-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1-(1-メチルピラゾール-4-イル)-8-(トリフルオロメチル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7,8-ジクロロ-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7-クロロ-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1-ピリダジン-3-イル-8-(トリフルオロメチル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
8-ブロモ-7-クロロ-1-シクロプロピル-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7-クロロ-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1-メチル-8-(トリフルオロメチル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7-クロロ-1-シクロプロピル-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-メトキシ-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7,8-ジクロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-メトキシ-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
trans-7,8-ジクロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-(3-メトキシシクロブチル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
8-ブロモ-7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-ピリダジン-3-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
から選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容され得る塩。
【請求項6】
前記化合物が、
7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-メチル-8-(トリフルオロメチル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7-クロロ-8-(1,1-ジフルオロエチル)-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物又は薬学的に許容され得る塩。
【請求項7】
前記化合物が、
7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-メチル-8-(トリフルオロメチル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
である、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物又は薬学的に許容され得る塩。
【請求項8】
式(III)の化合物の式(IV)の化合物との反応を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の製造方法。
【化2】
(式中、R
1、R
3、R
4及びR
5は請求項1~4のいずれか一項に定義されている通りである)
【請求項9】
治療活性物質としての使用のための、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物と、治療的不活性担体とを含む、医薬組成物。
【請求項11】
自閉症スペクトラム障害、レット症候群、心的外傷後ストレス障害及び脆弱X障害の処置又は予防における使用のための、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、哺乳動物における、不安症及び易刺激性を含む中核症状及び関連する併存症を標的とするそのような自閉症スペクトラム障害(ASD)、アンジェルマン症候群、レット症候群、プラダー・ウィリー症候群、脆弱X障害、統合失調症(精神病、認知障害及び陰性症状を含む)、遅発性ジスキネジア、不安、分離不安障害、選択性無言症、特定の恐怖症、社交不安障害(社会恐怖症)、パニック障害、広場恐怖症、全般性不安障害、物質/薬物誘発性不安障害、破壊的、衝動制御及び行動障害、トゥレット症候群(TS)、強迫性障害(OCD)、急性ストレス障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、睡眠障害(ナルコレプシー・カタプレキシーを含む)、神経変性状態(パーキンソン病(PD)、ハンチントン舞踏病、アルツハイマー病(AD)、軽度認知障害(MCI)認知症を含む)、神経変性症状における行動及び心理的症状(BPS)、多発性梗塞性認知症、精神病及び攻撃性、摂食障害(神経性無食欲症、神経性過食症、過食性障害を含む)うつ病及び治療抵抗性うつ病(TRD)、慢性無関心、無快感症、慢性疲労、季節性情動障害を含む関連症状産後うつ病、眠気、性機能障害、双極性障害、てんかん、並びに疼痛の治療又は予防に有用な有機化合物、具体的には、GABAA γ1受容体活性の調節によって治療できる、GABAA γ1受容体関連疾患及び疾患又は症状の処置又は予防のためのGABAA γ1受容体ポジティブアロステリックモジュレーター(PAM)に関する。
【0002】
本発明は、式(I)
【化1】
(式中、
R
1は、
i)H、
ii)C
1~6-アルキル、
iii)C
1~6-アルコキシ、
iv)iC
1~6-アルコキシ-C
1~6-アルキル、
v)ヒドロキシ、
vi)ヒドロキシ-C
1~6-アルキル、
vii)R
7、R
8及びR
9で置換されていてもよいC
3~8-シクロアルキル、
viii)アミノ-C
1~6-アルキル
ix)R
7、R
8及びR
9で置換されていてもよいヘテロアリール、並びに
x)R
7、R
8及びR
9で置換されていてもよいヘテロシクロアルキルから選択され;
R
3は、
i)Cl、及び
ii)Fから選択され;
Xは、
i)CR
6、及び
ii)Nから選択され;
R
6は、
i)H、
ii)Cl、及び
iii)Fから選択され;
R
4は、
i)Br、及び
ii)Clから選択され;
R
5は、
i)C
1~6-アルキル、
ii)C
1~6-アルコキシ、
iii)ハロゲン、
iv)ハロ-C
1~6-アルキル、
v)シアノ、及び
vi)C
3~8-シクロアルキルから選択され;
R
7、R
8及びR
9は、独立して、
i)C
1~6-アルキル、及び
ii)C
1~6-アルコキシから選択される)
の新規化合物又は薬学的に許容され得る塩を提供する。
【背景技術】
【0003】
主要な抑制性神経伝達物質であるγ-アミノ酪酸(GABA)の受容体は、主に2つのクラス、(1)リガンド結合型イオンチャネルスーパーファミリーのメンバーであるGABAA受容体と、(2)Gタンパク質結合型受容体ファミリーのメンバーであるGABAB受容体に分かれている。膜結合型ヘテロペンタメリックタンパク質ポリマーであるGABAA受容体複合体は、主にα、β、γのサブユニットから構成されている。GABAA受容体は、リガンド結合した塩化物チャネルであり、ヒトの脳における抑制性神経伝達の主要な媒介者である。
【0004】
GABAA受容体のサブユニットをコードする遺伝子は19個あり、最も一般的な化学量論では、2個のα、2個のβ、及び1個のγサブユニットがペンタマーとして集合している。GABAAサブユニットの組み合わせは、機能的、回路的、行動的特異性をもたらす(Sieghart,2006;Vithlani et al.,2011)。γ1サブユニットを含有するGABAA受容体(GABAA γ1)は、辺縁系におけるそれらの豊富な発現(Seeburg et al.,1990;Pirker et al.,2000;Esmaeili et al.,2008;Durisic et al.,2017;Sequeira et al.,2019)並びに独特の生理学的及び薬理学的特性(Mohler et al.,1996;Wingrove et al.,1997;Sieghart et al.,2005)のために特に興味深い。GABAA γ1サブユニット含有受容体は、γ2サブユニット含有受容体よりもあまり豊富ではないが(脳におけるGABAA受容体の全発現の約5~10%)、扁桃体延長部(分界条の中心核、内側核、及び床核)、外側中隔、視床下部及び淡蒼球/黒質等の重要な脳領域における濃縮された脳mRNA及びタンパク質分布を示す。これらの構造は、動機付けされた社会的及び情動的行動を調節する皮質下辺縁回路の相互接続されたコアを形成する。異常な状態又は疾患状態では、この回路の過剰な動員は、摂食及び社会的相互作用を阻害しながら、不安、覚醒、攻撃、恐怖及び防御を促進する(Goossens et al.,2007;Hofmann et al.,2011;Fox et al.,2012;Martin-Santos et al.,2014;Anderson et al.,2014;Calhoon et al.,2015)。
【0005】
社会的及び感情的に関連する刺激を処理するための重要な領域である辺縁皮質領域(扁桃体延長部/視床下部領域と協調した機能的ネットワークを形成することが知られている)における活動亢進は、様々な精神障害、神経障害、神経発達障害、神経変性障害、気分障害、動機付け障害及び代謝障害の共通の特徴である。そのような疾患状態では、γ1サブユニット含有GABAA受容体の特徴的な解剖学的分布を考えると、GABAA γ1ポジティブアロステリックモジュレーター(PAM)は、対症剤又は疾患修飾剤として有効な処置であり得る。
【0006】
複数の証拠から、脳内の主要な抑制性神経伝達物質であるGABA作動性シグナル伝達系の機能不全から生じる興奮性/抑制性(E/I)神経伝達の不均衡が、様々なCNS障害の病因の中核にあることが示唆されている。CNSにおけるGABAA γ1サブユニット含有受容体の分布及び機能を考慮すると、それらは重要な脳回路内の阻害レベルを回復させるための非常に魅力的な標的であり、その結果、これらの条件におけるE/Iバランスを回復させるための非常に魅力的な標的である。
【0007】
したがって、本明細書に記載される化合物並びにそれらの薬学的に許容され得る塩及びエステルは、単独で又は他の薬物と組み合わせて、急性神経障害、慢性神経障害、認知障害、自閉症スペクトラム障害(ASD)、アンジェルマン症候群、レット症候群、プラダー・ウィリー症候群、脆弱X障害、統合失調症、遅発性ジスキネジア、不安、社交不安障害(社会恐怖症)、パニック障害、広場恐怖症、全般性不安障害、秩序破壊的・衝動制御及び素行症群、トゥレット症候群(TS)、強迫性障害(OCD)、急性ストレス障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、睡眠障害、パーキンソン病(PD)、ハンチントン舞踏病、アルツハイマー病(AD)、軽度認知障害(MCI)、認知症、神経変性疾患における行動及び心理的症状(BPS)、多発性梗塞認知症、激越、精神病、物質誘発性精神病性障害、攻撃性、摂食障害、うつ病、慢性無関心、無快感症、慢性疲労、季節性情動障害、産後うつ病、眠気、性機能障害、双極性障害、てんかん及び疼痛を処置又は予防するための疾患修飾剤又は対症剤として使用することができる。
【0008】
本発明による最も好ましい適応症は、社交不安障害(社会恐怖症)及び全般性不安障害を標的とする不安症、並びに不安症及び易刺激性を含む中核症状及び関連する併存症を標的とする自閉症スペクトラム障害(ASD)である。
【0009】
ASDは、2つのコアドメインにおける障害、すなわち社会的交流及びコミュニケーションの障害、並びに反復的又は制限された行動、興味又は活動の存在を特徴とする複雑で不均一な神経発達障害である(American Psychiatric Association 2013)。
【0010】
社会的欠損の中核症状及びASDの制限された/反復的な行動について承認された薬理学的処置は存在しないが、ASDの情動的及び生理学的な併存症の大部分については不十分な治療選択肢しか利用できない。結果として、この障害は依然として満たされていない医学的必要性の高い領域である。現在承認されているASDの関連症状に対する処置は、ASD症状に伴う過敏性の処置に適応のある抗精神病薬(リスペリドン、アリピプラゾール)に限られている。新たに出てきた証拠は、脳内の主要な抑制性神経伝達系であるGABA作動系がASDの病態生理学において重要な役割を果たすことを示唆している(Dhossche et al.,2002;Pizzarelli and Cherubini,2011;Robertson et al.,2016)。
【0011】
陽電子放射断層撮影法(PET)と磁気共鳴分光法(MRS)を用いた遺伝学的研究と画像学的研究の両方とも、ASDにおけるGABA作動性シグナル伝達の変化を示唆している。GABAA γ1をコードする遺伝子:GABRG 1は、α2、α4及びβ1 GABAA受容体サブユニットをコードする遺伝子のクラスター内の第4染色体(マウスChr.5)に位置する。GABRG1を破壊する染色体4p12の逆位を含む稀なCNVが自閉症の兄弟姉妹(Horike et al.,2006)において、また同様に、ADHDの1つの症例のGABRG1喪失において認められている。4p12遺伝子クラスターにおける突然変異は、不安症、物質乱用及び摂食障害のリスク増加に関連しており、GABRG1/4p12と情動機能障害との間の関連性を提供する。MRS研究は、ASDにおいてGABAレベルの変化を見出し(Gaetz et al.,2014;Rojas et al.,2014)、特に最近のいくつかの研究は、ASDを有する小児においてGABAの減少及び体性感覚機能の変化を示した((Puts et al.,2016;Robertson et al.,2016)。これらの観察と一致して、ASD及びTS患者の死後組織から抑制性介在ニューロンの数の減少が見出された(Rapanelli et al.,2017)。更に、低下したGABA合成酵素であるグルタミン酸デカルボキシラーゼ(GAD)65及び67が自閉症患者の頭頂皮質及び小脳皮質において見出された(Fatemi et al.,2002)。ヒトにおける強力な証拠は、GABAA γ1サブユニット含有扁桃体延長部/視床下部領域と協調した機能的ネットワークを形成することが知られている辺縁皮質領域のASDにおける特異的機能不全を指摘している。これらの領域:皮質/外側扁桃体、島、PFC、及び帯状は、社会的及び感情的に関連する刺激を処理するための鍵であると認識されている。行動転帰を調整するこれらの領域との特定のパートナーシップを形成する皮質下核は、空間分解能の限界のために研究が困難であることが多いが、多くの証拠は、ASDにおけるこれらの皮質から皮質下への接続の過剰動員を指摘している。更に、近年の高分解能研究は、扁桃体延長部の活動/機能的な接続性と、感情状態との間の明確なつながりを提供する(Kleinhans et al.,2009,2016;Swartz et al.,2013;Nordahl et al.,2016;Ehrlich et al.,2017;Avino et al.,2018;Ibrahim et al.,2019)。新皮質と比較して実質的な分子及び細胞の多様性を示すそのような非常に特異的な辺縁皮質下領域を標的とすることは、全体的な脳状態の広範な調節を回避しながら、ASDの影響を受ける社会的感情回路の安全かつ特異的な治療的調節のための正確なエントリポイントを作り出す。非選択的BZDによるGABAA受容体活性の増強は、ASDのマウスモデルにおいて行動障害を改善することが示されてきたが、GABAA α1γ2サブタイプを媒介とした鎮静により、治療効果の限界は非常に狭いことが観察された(Han et al.,2012,2014;Soto et al.,2013)。これらの知見は、GABAA γ1受容体を介したGABA作動性伝達のリバランスが、非選択的ベンゾジアゼピン系薬剤の副作用なしにASDの症状を改善するという考えを支持している。
【0012】
本発明の目的は、式(I)の化合物、並びにそれらの薬学的に許容され得る塩及びエステル、上記の化合物の調製、それらを含有する医薬及びそれらの製造、並びに自閉症スペクトラム障害(ASD)、アンジェルマン症候群、レット症候群、プラダー・ウィリー症候群、脆弱X障害、統合失調症、遅発性ジスキネジア、不安、分離不安障害、選択性無言症、特定の恐怖症、社交不安障害、パニック障害、広場恐怖症、全般性不安障害、物質/薬物誘発性不安障害、破壊的、衝動制御及び行動障害、トゥレット症候群(TS)、強迫性障害(OCD)、急性ストレス障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、睡眠障害(ナルコレプシー・カタプレキシーを含む)、神経変性状態(パーキンソン病(PD)、ハンチントン舞踏病、アルツハイマー病(AD)、軽度認知障害(MCI)認知症を含む)、神経変性症状における行動及び心理的症状(BPS)、多発性梗塞性認知症、精神病及び攻撃性、摂食障害(神経性無食欲症、神経性過食症、過食性障害を含む)うつ病及び治療抵抗性うつ病(TRD)、慢性無関心、無快感症、慢性疲労、季節性情動障害を含む関連症状産後うつ病、眠気、性機能障害、双極性障害、てんかん、並びに疼痛等のGABAA γ1受容体機能障害に関連する疾患及びGABAA γ1受容体活性の増強によって処置することができる疾患又は症状の処置又は予防における上記の化合物の使用である。
【0013】
本発明の化合物は、所与の濃度(例えばEC20)のガンマアミノ酪酸(GABA)でGABA作動性電流(塩化物の流入)を増加させることによってγ1含有GABAA受容体の機能を選択的に増強することから、選択的GABAA γ1受容体ポジティブアロステリックモジュレーター(PAM)である。本発明の化合物は、γ2含有サブタイプ(例えば、α1γ2、α2γ2、α3γ2及びα5γ2)と比較して、γ1含有サブタイプ(α5γ1、α2γ1、α1γ1)に対して高いPAM有効性及び結合選択性を有する。したがって、本発明の化合物は、γ2含有GABAAサブタイプに対して選択的であり、γ1含有サブタイプに対して低い親和性を有するアルプラゾラム、トリアゾラム、エスタゾラム、ミダゾラム等の古典的なベンゾジアゼピン薬物から強く区別される。γ1サブタイプの脳分布に適合して、選択的GABAAγ1 PAMは、非選択的GABAA調節因子(例えばベンゾジアゼピン)の副作用なしに、重要な脳領域(例えば、扁桃体延長部:分界条、外側中隔、視床下部及び淡蒼球/黒質の中心核、内側核及び床核)においてGABA作動性シグナル伝達を回復させるであろう。
【0014】
「アミノ」という用語は、-NH2基を表す。
【0015】
「アミノ-C1~6-アルキル」という用語は、C1~6-アルキル基の水素原子の1つがアミノ基で置換されたC1~6-アルキル基を表す。アミノ-C1~6-アルキルの例としては、アミノメチル、アミオネチル、アミノプロピル、アミノメチルプロピル、アミノメチルエチル及びアミノブチルが挙げられる。具体的な例には、アミノメチルが含まれる。
【0016】
「C1~6-アルコキシ」という用語は、式-O-R’の基を表し、ここでR’はC1~6-アルキル基を表す。C1~6-アルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、及びtert-ブトキシが挙げられる。具体的な例は、メトキシ及びエトキシである。より具体的な例は、メトキシである。
【0017】
「C1~6-アルコキシ-C1~6-アルキル」という用語は、C1~6-アルキル基の水素原子の少なくとも1つがC1~6-アルコキシ基で置換されたC1~6-アルキル基を示す。例示的なC1~6-アルコキシ-C1~6-アルキル基としては、メトキシメチル、エトキシメチル、メトキシメチル、エトキシエチル、メトキシプロピル、エトキシプロピル等が挙げられる。具体的な例には、メトキシエチルが含まれる。
【0018】
「C1~6-アルキル」という用語は、1~6個の炭素原子の一価の直鎖又は分枝鎖の飽和炭化水素基を表す。C1~6-アルキルの例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、iso-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、及びペンチルが挙げられる。具体的なC1~6-アルキル基は、メチル及びエチルである。より具体的な例はメチルである。
【0019】
「C3~8-シクロアルキル」という用語は、3~8個の環炭素原子を有する一価の飽和単環式又は二環式炭化水素基を表す。二環式とは、共通して1個又は2個の炭素原子を有する2個の飽和炭素環からなる環系を意味する。単環式C3~8-シクロアルキルの例は、シクロプロピル、シクロブタニル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチルである。二環式C3~8-シクロアルキルの例は、スピロ[3.3]ヘプタニルである。具体的な単環式C3~8-シクロアルキル基は、シクロプロピル及びシクロブタニルである。より具体的な単環式C3~8-シクロアルキル基としては、シクロプロピルが挙げられる。
【0020】
「シアノ」という用語は-CN基を表す。
【0021】
「ハロ-C1~6-アルキル」という用語は、C1~6-アルキル基の水素原子の少なくとも1つが同一又は異なるハロゲン原子で置換されているC1~6-アルキル基を表す。「ペルハロ-C1~6-アルキル-C1~6-アルキル」という用語は、アルキル基の全ての水素原子が同一又は異なるハロゲン原子で置換されているC1~6-アルキル-C1~6-アルキル基を表す。ハロ-C1~6-アルキルの例としては、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロエチル、ジフルオロエチル及びトリフルオロエチルが挙げられる。具体的なハロ-C1~6-アルキル基としては、トリフルオロメチル及びジフルオロエチルが挙げられる。より具体的には、ハロ-1~6-アルキル基は、ジフルオロメチル及びトリフルオロメチルである。
【0022】
「ハロゲン」及び「ハロ」という用語は、本明細書において互換的に使用され、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードを表す。具体的なハロゲンとしては、フルオロ、クロロ等が挙げられる。
【0023】
「ヘテロアリール」という用語は、N、O及びSから選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子からなる5~12個の環原子からなる一価の芳香族複素環又は単環若しくは二環式環系を示し、残りの環原子は炭素である。ヘテロアリールの例としては、ピロリル、フラニル、チエニル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、トリアジニル、アゼピニル、ジアゼピニル、イソオキサゾリル、ベンゾフラニル、イソチアゾリル、ベンゾチエニル、インドリル、イソインドリル、イソベンゾフラニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、プリニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、及びキノキサアリルが挙げられる。特定のヘテロアリール基としては、ピリジニル、ピラゾリル、ピリミジニル、ピリダジニル及びイソオキサゾリルが挙げられる。より具体的には、ヘテロアリール基は、ピラゾリル、ピリミジニル及びピリダジニルである。
【0024】
「ヘテロシクロアルキル」という用語は、N、O及びSから選択される1、2、又は3個の環ヘテロ原子を含み、残りの環原子が炭素である、4~11個の環原子からなる一価飽和又は部分的に不飽和の一環式又は二環式環系を表す。二環式とは、1個又は2個の環原子を共通に有する2個の環からなるものを意味する。単環式飽和ヘテロシクロアルキルの例は、4,5-ジヒドロ-オキサゾリル、オキセタニル、アゼチジニル、ピロリジニル、2-オキソ-ピロリジン-3-イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリジニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1,1-ジオキソ-チオモルホリン-4-イル、アゼパニル、ジアゼパニル、ホモピペラジニル、又はオキサゼパニルである。二環式飽和ヘテロシクロアルキルの例は、オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、オキサスピロ[3.3]ヘプタニル、8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクチル、キヌクリジニル、8-オキサ-3-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクチル、9-アザ-ビシクロ[3.3.1]ノニル、3-オキサ-9-アザ-ビシクロ[3.3.1]ノニル、又は3-チア-9-アザ-ビシクロ[3.3.1]ノニルである。部分不飽和ヘテロシクロアルキルの例は、ジヒドロフリル、イミダゾリニル、ジヒドロオキサゾリル、テトラヒドロピリジニル、又はジヒドロピラニルである。具体的なヘテロシクロアルキルはテトラヒドロピラニルである。
【0025】
「ヒドロキシ」という用語は、-OH基を表す。
【0026】
「ヒドロキシ-C1~6-アルキル」という用語は、C1~6-アルキル基の水素原子の1つがヒドロキシ基で置換されたC1~6-アルキル基を表す。ヒドロキシC1~6-アルキルの例としては、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシメチルプロピル、ヒドロキシメチルエチル、ヒドロキシブチル等が挙げられる。特定の例には、ヒドロキシメチルが含まれる。
【0027】
「薬学的に許容され得る塩」という用語は、生物学的に又は別様に望ましくないものではない、遊離塩基又は遊離酸の生物学的有効性及び特性を保持する塩を指す。塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、具体的には塩酸、及び酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、N-アセチルシステイン等の有機酸で形成される。また、これらの塩は、遊離酸に無機塩基又は有機塩基を添加して調製してもよい。無機塩基から誘導される塩には、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム及びマグネシウム塩等が含まれるがこれらに限定されない。有機塩基に由来する塩には、第一級、第二級、及び第三級アミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環式アミン及び塩基性イオン交換樹脂、例えばイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、リジン、アルギニン、N-エチルピペリジン、ピペリジン、ポリイミン樹脂等の塩が含まれるがこれらに限定されない。式(I)の化合物の具体的な薬学的に許容され得る塩は、塩酸塩、メタンスルホン酸塩、及びクエン酸塩である。
【0028】
「薬学的に許容され得るエステル」とは、一般式(I)の化合物を官能基で誘導体化して、生体内で親化合物に戻すことが可能な誘導体を提供し得ることを意味する。そのような化合物の例としては、メトキシメチルエステル、メチルチオメチルエステル、及びピバロイロキシメチルエステル等の生理的に許容可能であり、かつ代謝的に不安定なエステル誘導体が挙げられる。更に、一般式(I)の親化合物を生体内で産生することができる代謝的に不安定なエステルに類似する、一般式(I)の化合物の任意の生理学的に許容され得る等価物も、本発明の範囲内である。
【0029】
「保護基」(PG)という用語は、多官能性化合物の反応性部位を選択的に遮断し、他の保護されていない反応性部位で選択的に化学反応を行うことができるようにする基を意味し、合成化学では従来の意味で用いられている。保護基は、適切なポイントで除去することができる。例示的な保護基は、アミノ保護基、カルボキシ保護基、又はヒドロキシ保護基である。具体的な保護基は、tert-ブトキシカルボニル(Boc)基、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)基、フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)基及びベンジル(Bn)基である。更に具体的な保護基は、tert-ブトキシカルボニル(Boc)基及びフルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)基である。より具体的な保護基は、tert-ブトキシカルボニル(Boc)基である。
【0030】
略語のuMはマイクロモルを意味し、記号μMに相当する。
【0031】
略語のuLはマイクロリットルを意味し、記号μLに相当する。
【0032】
略語ugはマイクログラムを意味し、記号μgに相当する。
【0033】
式(I)の化合物は、数個の不斉中心を含むことができ、光学的に純粋な鏡像異性体、例えばラセミ体等の鏡像異性体の混合物、光学的に純粋なジアステレオ異性体、ジアステレオ異性体の混合物、ジアステレオ異性のラセミ体又はジアステレオ異性のラセミ体の混合物の形態で存在することができる。
【0034】
Cahn-Ingold-Prelog則によれば、不斉炭素原子は、「R」又は「S」立体配置のものであり得る。
【0035】
また、本発明の実施形態は、本明細書に記載の式(I)による化合物及びその薬学的に許容され得る塩又はエステル、具体的な本明細書に記載の式(I)による化合物及びその薬学的に許容され得る塩、より具体的には、本明細書に記載の式(I)による化合物である。
【0036】
本発明の具体的な実施態様は、本明細書に記載の式(I)による化合物であって、
R1は、
iii)H、
iv)C1~6-アルキル、
v)C1~6-アルコキシ、
vi)C1~6-アルコキシ-C1~6-アルキル、
vii)ヒドロキシ、
viii)ヒドロキシ-C1~6-アルキル、
ix)R7、R8及びR9で置換されていてもよいC3~8-シクロアルキル、
x)アミノ-C1~6-アルキル
xi)R7、R8及びR9で置換されていてもよいピラゾリル、
xii)R7、R8及びR9で置換されていてもよいピリジニル、
xiii)R7、R8及びR9で置換されていてもよいピリミジニル、
xiv)R7、R8及びR9で置換されていてもよいピリダジニル、並びに
xv)R7、R8及びR9で置換されていてもよいテトラヒドロピラニルから選択され;
R3は、
i)Cl、及び
ii)Fから選択され;
Xは、
i)CR6、及び
ii)Nから選択され;
R6は、
i)H、
ii)Cl、及び
iii)Fから選択され;
R4は、
i)Br、及び
ii)Clから選択され;
R5は、
i)C1~6-アルキル、
ii)C1~6-アルコキシ、
iii)ハロゲン、
iv)ハロ-C1~6-アルキル、
v)C3~8-シクロアルキルから選択され;
R7、R8及びR9は、独立して、
i)C1~6-アルキル、及び
ii)C1~6-アルコキシから選択される
化合物又は薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0037】
本発明のより具体的な実施形態は、請求項1に記載の式(I)の化合物であって、
R1は、
iii)H、
iv)C1~6-アルキル、
v)ヒドロキシ、
vi)ヒドロキシ-C1~6-アルキル、
vii)R7、R8及びR9で置換されていてもよいC3~8-シクロアルキル、
viii)R7、R8及びR9で置換されていてもよいピラゾリル、
ix)R7、R8及びR9で置換されていてもよいピリミジニル、
x)R7、R8及びR9で置換されていてもよいピリダジニル、並びに
xi)R7、R8及びR9で置換されていてもよいテトラヒドロピラニルから選択され;
R3はFであり;
Xは、
i)CR6、及び
ii)Nから選択され;
R6は、
i)H、及び
ii)Fから選択され;
R4は、
i)Br、及び
ii)Clから選択され;
R5は、
i)C1~6-アルキル、
ii)ハロゲン、及び
iii)ハロ-C1~6-アルキルから選択され;
R7、R8及びR9は、独立して、C1~6-アルキルから選択される
化合物又は薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0038】
本発明の更なる具体的な実施形態は、本明細書に記載される式(I)による化合物であって、
R1がC1~6アルキルであり;
R3がFであり;
XがCR6であり;
R6がFであり;
R4がClであり;
R5がハロ-C1~6-アルキルである
化合物又は薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0039】
本発明の別の実施形態は、本明細書に記載される式(I)による化合物であって、
R1は
i)R7、R8及びR9で置換されていてもよいC3~8-シクロアルキル、
ii)アミノ-C1~6-アルキル
iii)R7、R8及びR9で置換されていてもよいピラゾリル、
iv)R7、R8及びR9で置換されていてもよいピリジニル、
v)R7、R8及びR9で置換されていてもよいピリミジニル、
vi)R7、R8及びR9で置換されていてもよいピリダジニル、並びに
vii)R7、R8及びR9で置換されていてもよいテトラヒドロピラニルから選択される化合物を提供する。
【0040】
本発明の別の実施形態は、本明細書に記載される式(I)による化合物であって、
R1は
i)H、
ii)C1~6-アルキル、
iii)H、
iv)C1~6-アルキル、
v)ヒドロキシ、
vi)ヒドロキシ-C1~6-アルキル、
vii)R7、R8及びR9で置換されていてもよいC3~8-シクロアルキル、
viii)R7、R8及びR9で置換されていてもよいピラゾリル、
ix)R7、R8及びR9で置換されていてもよいピリミジニル、
x)R7、R8及びR9で置換されていてもよいピリダジニル、並びに
xi)R7、R8及びR9で置換されていてもよいテトラヒドロピラニルから選択される化合物を提供する。
【0041】
本発明の別の実施形態は、R1がC1~6アルキルである、本明細書に記載の式(I)による化合物を提供する。
【0042】
本発明の別の実施形態は、R3がFである、本明細書に記載の式(I)による化合物を提供する。
【0043】
本発明の別の実施形態は、XがCR6である、本明細書に記載の式(I)による化合物を提供する。
【0044】
本発明の別の実施形態は、R6がFである、本明細書に記載の式(I)による化合物を提供する。
【0045】
本発明の別の実施形態は、R4がClである、本明細書に記載の式(I)による化合物を提供する。
【0046】
本発明の別の実施形態は、本明細書に記載される式(I)による化合物であって、
R5は
i)C1~6-アルキル、
ii)C1~6-アルコキシ、
iii)ハロゲン、
iv)ハロ-C1~6-アルキル、
v)C3~8-シクロアルキルから選択される化合物を提供する。
【0047】
本発明の別の実施形態は、本明細書に記載される式(I)による化合物であって、
R5は
i)C1~6-アルキル、
ii)ハロゲン、及び
iii)ハロ-C1~6-アルキルから選択される化合物を提供する。
【0048】
本発明の別の実施形態は、R5がハロ-C1~6アルキルである、本明細書に記載の式(I)による化合物を提供する。
【0049】
本発明の別の特定の実施形態は、R7、R8及びR9が独立してC1~6-アルキルから選択される、本明細書に記載の式(I)による化合物を提供する。
【0050】
本明細書に記載される式(I)の化合物の具体例は、
8-ブロモ-7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
8-ブロモ-7-クロロ-1-シクロプロピル-6-(2-フルオロフェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
8-ブロモ-7-クロロ-6-(2-フルオロフェニル)-1-ピリダジン-3-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7,8-ジクロロ-6-(2-フルオロフェニル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7,8-ジクロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7-クロロ-8-シクロプロピル-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
8-ブロモ-7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
8-ブロモ-7-クロロ-6-(2-フルオロフェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7,8-ジクロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-2,4-ジヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-1-オン;
7,8-ジクロロ-6-(2-フルオロフェニル)-1-ピリダジン-3-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7,8-ジクロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-テトラヒドロピラン-4-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7,8-ジクロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-ピリミジン-4-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
8-ブロモ-7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-2,4-ジヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-1-オン;
7,8-ジクロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-ピリダジン-3-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7,8-ジクロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-メチル-2,4-ジヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-1-オン;
7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7,8-ジクロロ-6-(2-フルオロフェニル)-1-ピリミジン-4-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7,8-ジクロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-(2-メトキシエチル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,8-ジメチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7-クロロ-8-(1,1-ジフルオロエチル)-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7-クロロ-8-(1,1-ジフルオロエチル)-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7-クロロ-8-(ジフルオロメチル)-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
8-ブロモ-7-クロロ-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7-クロロ-8-(ジフルオロメチル)-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
8-ブロモ-7-クロロ-6-(2-フルオロフェニル)-2,4-ジヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-1-オン;
7-クロロ-6-(2-フルオロフェニル)-1-ピリダジン-3-イル-8-(トリフルオロメチル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7,8-ジクロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-(1-メチルピラゾール-4-イル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
8-ブロモ-7-クロロ-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
[8-ブロモ-7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-1-イル]メタノール;
7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-ヨード-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
[8-ブロモ-7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-1-イル]メタンアミン塩酸塩;
7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-(トリフルオロメチル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-ピリダジン-3-イル-8-(トリフルオロメチル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-ヨード-1-ピリダジン-3-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-メチル-8-(トリフルオロメチル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-ヨード-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7,8-ジブロモ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-ピリダジン-3-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7,8-ジブロモ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-ピリミジン-4-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
8-ブロモ-7-クロロ-6-(3-クロロ-2-ピリジル)-1-ピリミジン-4-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
8-ブロモ-7-クロロ-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1-ピリダジン-3-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
8-ブロモ-7-クロロ-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1-ピリミジン-4-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
8-ブロモ-7-クロロ-6-(3-クロロ-2-ピリジル)-1-ピリダジン-3-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-メチル-1-ピリダジン-3-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-メチル-1-ピリミジン-4-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
8-ブロモ-7-クロロ-6-(2-クロロ-6-フルオロ-フェニル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7,8-ジクロロ-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1-ピリダジン-3-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7,8-ジクロロ-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1-ピリミジン-4-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-メトキシ-1-ピリダジン-3-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7,8-ジクロロ-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1-(1-メチルピラゾール-4-イル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7,8-ジクロロ-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-2,4-ジヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-1-オン;
7,8-ジクロロ-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-メトキシ-1-ピリミジン-4-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-メトキシ-1-(3-ピリジル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7,8-ジクロロ-1-シクロプロピル-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7-クロロ-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1-ピリミジン-4-イル-8-(トリフルオロメチル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7-クロロ-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1-(1-メチルピラゾール-4-イル)-8-(トリフルオロメチル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7,8-ジクロロ-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7-クロロ-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1-ピリダジン-3-イル-8-(トリフルオロメチル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
8-ブロモ-7-クロロ-1-シクロプロピル-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7-クロロ-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1-メチル-8-(トリフルオロメチル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7-クロロ-1-シクロプロピル-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-メトキシ-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7,8-ジクロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-メトキシ-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
trans-7,8-ジクロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-(3-メトキシシクロブチル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
8-ブロモ-7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-ピリダジン-3-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
又はそれらの薬学的に許容され得る塩から選択される。
【0051】
本明細書に記載の式(I)の化合物の更なる具体的な例は:
7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-メチル-8-(トリフルオロメチル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
7-クロロ-8-(1,1-ジフルオロエチル)-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
又はそれらの薬学的に許容され得る塩から選択される。
【0052】
本明細書に記載の式(I)の化合物の更により具体的な例は、
7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-メチル-8-(トリフルオロメチル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン;
又はそれらの薬学的に許容され得る塩から選択される。
【0053】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、その中の1つ以上の原子を、異なる原子質量又は質量数を有する原子で置き換えることにより同位体標識される。このような同位体標識された(すなわち、放射性標識された)式(I)の化合物は、本開示の範囲内であると考えられる。式(I)の化合物に組み込むことができる同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素、及びヨウ素の同位体、それぞれ、例えば2H、3H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、31P、32P、35S、18F、36Cl、123I、及び125Iが挙げられるが、これらに限定されない。特定の同位体標識された式(I)の化合物、例えば、放射性同位体を組み込んでいるものは、薬物及び/又は基質の組織分布研究に有用である。放射性同位体トリチウム、すなわち、3H及び炭素-14、すなわち、14Cは、それらの組込みの容易さ及び即時検出手段を考慮すると、この目的に対して特に有用である。例えば、式(I)の化合物は、所与の同位体の1、2、5、10、25、50、75、90、95、又は99%で濃縮することができる。
【0054】
より重い同位体、例えば重水素、すなわち2H等による置換を行うと代謝安定性がより高くなり、例えば、in vivo半減期が長くなるか又は必要な投与量が少なくなることにより、ある特定の治療的利点が得られ得る。
【0055】
11C、18F、15O及び13N等の陽電子放出同位体での置換は、基質の受容体占有を検査するための陽電子放出断層撮影(PET)研究において有用であり得る。同位体標識された式(I)の化合物は、通常、以前に用いられた非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を使用する、後述する実施例に記載されるものに類似の方法により、又は当業者に既知の従来技術により、調製することができる。
【0056】
本明細書に記載の式(I)の化合物を製造するための方法もまた、本発明の目的である。
【0057】
本発明の式(I)の化合物の製造は、逐次的又は収束的な合成経路で行うことができる。本発明の合成を以下の一般的なスキームに示す。反応及びその結果得られる生成物の精製を実行するために必要な技能は、当業者に既知である。プロセスの以下の記載において使用される置換基及び指標は、別段の断りがない限り、本明細書に前述した有意性を有する。
【0058】
より詳細には、式(I)の化合物は、以下に示す方法、実施例に示す方法、又は類似の方法によって製造し得る。個々の反応工程のための適切な反応条件は、当業者に公知である。反応順序は、スキーム1~3に表示されているものに限定されないが、出発原料やそれぞれの反応性に応じて、反応ステップの順序を自由に変更することができる。出発物質は、市販されているか、又は以下に示す方法に類似する方法、本明細書に引用された参考文献若しくは実施例に記載されている方法、又は当技術分野で公知の方法によって調製することができる。
【0059】
本発明の式(I)の化合物及びその薬学的に許容され得る塩は、以下に記載される工程(スキーム1)によって製造することができる。
【化2】
【0060】
スキーム1:全ての定義が上記及び特許請求の範囲に記載のとおりであるベンゾジアゼピン(I)の合成
【0061】
スキーム1によれば、式(I)の化合物は、式(II)のラクタムビルディングブロック(A~F、H~K、N、P)から出発して2工程で製造することができる。Lawessonの試薬又はP2S5を使用したチオ化反応の後、ラクタム(II)は対応するチオラクタム(III)に変換される。Pellizzari型プロセスを介したヒドラジド(IV)とのそれらの反応により、一般式(I)の1,2,4-トリアゾールが得られる。あるいは、1,2,4-トリアゾール(I)は、チオラクタム(II)とヒドラジンとの反応によってヒドラゾン(V)を形成し、続いてオルト酢酸トリエチル又はオルトギ酸トリエチルで処置することによって得ることができる。
【0062】
R
1がヒドロキシル(OH)である本発明の特定の実施形態では、式(I)のベンゾジアゼピンは、スキーム2に記載の方法に従って2工程で得ることができる。3-ヒドロキシ-1,2,4トリアゾールが2つの互変異性体形態として存在することは広く受け入れられており、本発明では、それらはそれらの最も安定な形態(トリアゾロン)で排他的に表される。この目的のために、ヒドラゾン(V)を1,1’-カルボニルジイミダゾール(CDI)と反応させて、式(I)のトリアゾロンを得ることができる(スキーム2)。
【化3】
【0063】
スキーム2:R1がヒドロキシルであるベンゾジアゼピン(I)の合成;他の全ての定義は、上記及び特許請求の範囲に記載されているとおりである。
【0064】
式(II)のビルディングブロック(A~F、H~K、N、P)の合成をスキーム3で強調する。市販の2-アミノ-6-クロロ安息香酸又は2-アミノ-6-ブロモ安息香酸を無水酢酸中で加熱して、それぞれ5-クロロ-2-メチル-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン及び5-ブロモ-2-メチル-3,1-ベンゾオキサジン-4-オンを形成することができる。式(VI)のグリニャール試薬又は有機リチウム試薬(対応する臭化アリールからの金属化反応によって又は速度論的脱プロトン化を介して調製)をベンゾオキサジン-4-オン(求電子剤)と制御された温度で反応させて、式(VII)のケトンを得ることができる。酸性条件下(HCl)でのN-アセトアミド加水分解の後、式(VII)の化合物を式(VIII)のアニリンに変換する。好都合には、この接合部において、R
5のハロゲンを、N-クロロスクシンイミド(NCS)、N-ブロモスクシンイミド(NBS)又はN-ヨードスクシンイミド(NIS)で処置することによって導入して、式(IX)の中間体を得ることができる。ピリジン中のエチル2-アミノ酢酸塩酸塩との最終熱環化反応により、おそらくイミン中間体(X)の形成を介して所望のベンゾジアゼピン(II)が得られる。
【化4】
【0065】
スキーム3:R5がCl、Br又はIであり、他の全ての定義が上記及び特許請求の範囲に記載のとおりであるビルディングブロック(A~F、H~K、N、P)の合成
【0066】
また、本発明の実施形態は、溶媒、具体的にはブタン-1-オール等のアルコール中、室温と溶媒の還流の間、具体的には溶媒の還流の温度で、式(III)の化合物の式(IV)の化合物との反応を含む、上で定義されている式(I)の化合物の製造方法である。
【化5】
(式中、R
1、R
3、R
4及びR
5は、本明細書において定義されるとおりである)。
【0067】
また、本発明の目的は、治療活性物質としての使用のために本明細書に記載されているような、式(I)の化合物、より具体的に式(I)の化合物である。
【0068】
同様に、本発明の目的は、本明細書に記載されているような式(I)の化合物、より具体的に式(I)の化合物と、治療不活性担体とからなる医薬組成物である。
【0069】
本発明の特定の実施形態は、アルツハイマー病、軽度認知障害(MCI)、加齢に伴う認知機能低下、統合失調症に関連する陰性症状及び/又は認知症状、双極性障害、自閉症スペクトラム障害(ASD)、アンジェルマン症候群、レット症候群、プラダー・ウィリー症候群、てんかん、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、脆弱X障害、より詳しくは自閉症スペクトラム障害(ASD)、エンジェルマン症候群、アルツハイマー病、統合失調症及び心的外傷後ストレス障害(PTSD)に関連する陰性症状及び/又は認知症状の処置又は予防における使用のための、より具体的には処置における使用のための本明細書に記載の式(I)による化合物又はその薬学的に許容され得る塩である。
【0070】
本発明はまた、アルツハイマー病、軽度認知障害(MCI)、加齢に伴う認知機能低下、統合失調症に関連する陰性症状及び/又は認知症状、双極性障害、自閉症スペクトラム障害(ASD)、アンジェルマン症候群、レット症候群、プラダー・ウィリー症候群、てんかん、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、脆弱X障害、より詳しくは自閉症スペクトラム障害(ASD)、エンジェルマン症候群、アルツハイマー病、統合失調症及び心的外傷後ストレス障害(PTSD)に関連する陰性症状及び/又は認知症状の処置又は予防用、より具体的には処置用の薬剤の調製のための、本明細書に記載の式(I)による化合物又はその薬学的に許容され得る塩、より具体的には式(I)の化合物の使用にも関する。
【0071】
また、本発明の目的は、アルツハイマー病、軽度認知障害(MCI)、加齢に伴う認知機能低下、統合失調症に関連する陰性症状及び/又は認知症状、双極性障害、自閉症スペクトラム障害(ASD)、アンジェルマン症候群、レット症候群、プラダー・ウィリー症候群、てんかん、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、脆弱X障害、より詳しくは自閉症スペクトラム障害(ASD)、エンジェルマン症候群、アルツハイマー病、統合失調症及び心的外傷後ストレス障害(PTSD)に関連する陰性症状及び/又は認知症状の処置又は予防のための、より具体的には処置のための方法であって、この方法は、有効量の本明細書に記載の式(I)による化合物、より具体的には式(I)の化合物を投与することを含む。
【0072】
また、本発明の一実施形態は、本明細書に記載されているような式(I)の化合物、より具体的には式(I)の化合物であって、記載されているいずれかの工程による製造された場合に、本明細書に記載されているような化合物である。
【0073】
アッセイ手順
γ1含有GABAAサブタイプのための膜調製及び結合アッセイ
GABAA γ1サブユニット含有受容体における化合物の親和性を、組成α5β2γ1,α2β2γ1,α1β2γ1のヒト(一過性トランスフェクト)受容体を発現するHEK293F細胞(ThermoFisher R 79007)からの膜への[3H]RO7239181(67.3Ci/mmol;Roche)結合についての競合によって測定した。α2サブユニット含有受容体のより良好なタンパク質発現のために、ヒトGABAAα2サブユニットの28アミノ酸長シグナルペプチド(Met1~Ala28)をヒトGABAAα5サブユニットの31アミノ酸長シグナルペプチド(Met1~Ser31)で置換した。
【0074】
異なるGABAA受容体サブタイプを発現するHEK293F細胞から収集したペレットを、マンニトールバッファーpH7.2~7.4(マンニトール0.29M、トリエチルアミン10mM、酢酸10mM、EDTA 1mM+プロテアーゼ阻害剤(1リットルあたり20錠のComplete、Roche Diagnostics、カタログ番号05 056 489 001))に再懸濁し、2回洗浄し、次いで、同じバッファーに1:10~1:15の希釈で再懸濁した。Parr容器#4637中、435psiで15分間懸濁液を撹拌することによって細胞破壊を行い、次いで懸濁液を1000×gで15分間、4℃で遠心分離した(Beckman Avanti J-HC;ロータJS-4.2)。上清(S1)を2lのSchottフラスコに移し、ペレット(P1)をマンニトールバッファーで175mlまで再懸濁した。再懸濁したペレットを250ml Corning遠心ビーカーに移し、1500×gで10分間、4℃で遠心分離した(Beckman Avanti J-HC;ロータJS-4.2)。次いで、上清(S1)を2lのSchottフラスコに移し、ペレットを廃棄した。上清(S1)を500mlのBeckmanポリプロピレン遠心ビーカー内、15’000×gで4℃で30分間遠心分離した(Beckman Avanti J-20 XP;ロータJLA-10.500)。ペレット(P2)をマンニトールバッファー1:1に再懸濁し、-80℃で凍結した。上清(S2)を100mlのBeckmanポリプロピレン遠心管内で、48000×gで50分間、4℃で遠心分離した(Beckman Avanti J-20 XP;ロータJA-18)。上清(S3)を廃棄し、ペレット(P3)を1:1マンニトールバッファーで再懸濁した。P2及びP3タンパク質濃度を、標準としてウシ血清アルブミンを用いるBIORAD Standardアッセイ法を用いて決定し、NANO-Drop1000で測定した。膜懸濁液をアリコート(500μl/チューブ)にし、必要になるまで-80℃で保存した。
【0075】
膜ホモジネートを再懸濁し、pH7.4のリン酸カリウム10mM、KCl 100mM結合緩衝液中でポリトロン化し(Polytron PT1200E Kinematica AG)、以前の実験で決定した最終アッセイ濃度にした。
【0076】
放射性リガンド結合アッセイを、100μLの細胞膜、1.5nM(α5β2γ1)又は20~30nM(α1β2γ1、α2β2γ1)の濃度の[3H]RO7239181、及び[0.3~10000]×10-9Mの範囲の試験化合物を含有する200μL(96ウェルプレート)の体積で行った。非特異的結合は、10×10-6(α5β2γ1)及び30×10-6M RO 7235136によって定義され、典型的には全結合の5%未満(α5β2γ1)及び20%未満(α1β2γ1、α2β2γ1)を表した。アッセイを4℃で1時間平衡までインキュベートし、次いで、膜を、Filtermate 196ハーベスター(Packard BioScience)を用いてユニフィルタ(0.3%ポリエチレンイミン中で20~50分間プレインキュベーションしたGF/Cフィルタが結合した96ウェル白色マイクロプレート)上でフィルタにかけ、冷リン酸カリウム10mM pH7.4、KCl 100mM結合緩衝液で4回洗浄した。乾燥後、液体シンチレーション計数により、フィルタに保持された放射能を検出した。Ki値は、Excel-Fit(Microsoft)を用いて計算し、2回の測定の平均値である。
【0077】
添付の実施例の化合物を上記アッセイで試験し、好ましい化合物は、100nM以下のGABAA γ1サブユニット含有受容体(例えばα5β2γ1、α2β2γ1、α1β2γ1)からの[3H]RO7239181の置換に対してKi値を有することが分かった。Ki(nM)<50を有する化合物が最も好ましい。ヒト(h)受容体を発現するHEK293細胞に対する結合親和性を測定する上記のアッセイによって得られた代表的な試験結果を表1に示す。
【0078】
[
3H]RO7239181、6-クロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-7-メチル-1-(トリトリチオメチル)-3H-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オンの調製
【化6】
【0079】
a)6-クロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-7-メチル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン
マイクロ波管に、7-ブロモ-6-クロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-1、3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン(ビルディングブロックA(下記参照)、450mg、1.17mmol)、トリメチルボロキシン(205mg、228μL、1.63mmol)、炭酸カリウム(242mg、1.75mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(67.4mg、58.4μmol)を装入した。脱気した1,4-ジオキサン(8.1mL)及びH2O(2.7ml)を添加し、次いで、バイアルに蓋をした。懸濁液をマイクロ波中130℃で30分間反応させて完全に変換した。混合物を蒸発させ、飽和NaHCO3水溶液(20mL)で処置し、EtOAc(2×20mL)で抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、フィルタにかけ、溶媒を蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、40g、ヘプタン10%~40%~70%中のCH2Cl2/EtOAcで溶出)によって精製すると、表題化合物(344mg、92%)が淡黄色固体として得られた。MS(ESI):321.1([M+H]+).
【0080】
b)6-クロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-7-メチル-1-(tritritioメチル)-3H-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン
THF(200μL)中の[3H]メチルノシレート(1.85 GBq、50 mCi、0.61μmol)の溶液に、THF(200μL)に溶解したN-デスメチル前駆物質6-クロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-7-メチル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン(0.43mg、1.34μmol)及び10当量のナトリウムtertブチレート(THF中0.5m、13.4μmol)を加えた。室温で4時間撹拌した後、反応混合物をH2Oで処置し、蒸発させ、粗生成物をHPLC(X-Terra Prep RP-18、10×150mm、MeCN/H2O(5%のMeCNを含有)40:60、4ml/分、230nm)によって精製した。固相抽出(Sep-Pak Plus C18)によって純粋なトリチウム標識化合物を単離し、エタノール溶液としてカートリッジから溶出し、質量分析(MS)によって決定した場合、放射性化学純度99%超及び特異的活性2.49 TBq/mmol(67.3Ci/mmol)の標的化合物1.6 GBq(43.2mCi)が得られた。標識化合物の同一性は、HPLC(非標識参照標準を同時注入することによって)及びMSによって確認した。
MS:m/z=335[M(H)+H]+(16%),337[M(3H)+H]+(0%),339[M(3H2)+H]+(16%),341[M(3H3)+H]+(68%).
【0081】
γ2含有GABAAサブタイプのための膜調製及び結合アッセイ
GABAA γ2サブユニット含有受容体における化合物の親和性を、組成α1β3γ2のヒト(一過性トランスフェクト)受容体を発現するHEK293F細胞への[3H]フルマゼニル(81.1 Ci/mmol;ロッシュ)結合についての競合によって測定した。
【0082】
異なるGABAA γ2受容体サブタイプを発現するHEK293F細胞から収集したペレットをマンニトールバッファーpH7.2~7.4に再懸濁し、GABAA γ1サブユニット含有受容体を発現する細胞について上記のように処理した。
【0083】
放射性リガンド結合アッセイを、100μLの細胞膜、1nMの濃度の[3H]フルマゼニル及び0.1×10-9~30×10-6Mの範囲の試験化合物を含有する200μLの体積(96ウェルプレート)で行った。非特異的結合は10-5Mジアゼパムによって定義され、典型的には全結合の5%未満であった。アッセイは、4℃で1時間平衡にインキュベートし、パッカードハーベスターを使用して濾過し、氷冷洗浄緩衝液(50mMトリス、pH7.5)で洗浄することにより、GF/Cユニフィルタ(Packard)上に収穫した。乾燥後、液体シンチレーション計数により、フィルタに保持された放射能を検出した。Ki値は、Excel-Fit(Microsoft)を用いて計算し、2回の測定の平均値である。
【0084】
添付の実施例の化合物を上記アッセイで試験し、好ましい化合物は、100nm以上のヒトGABA
A受容体のα1β3γ2サブタイプからの[
3H]フルマゼニルの置換について大きなK
i値を有することが分かった。K
i α1β3γ2(nM)>300を有する化合物が最も好ましい。好ましい実施形態では、本発明の化合物は、γ2サブユニット含有GABA
A受容体と比べてγ1サブユニット含有GABA
A受容体に対して結合選択的である。具体的には、本発明の化合物は、10倍を超える「K
iα1β3γ2(nM)/K
iα2β2γ1(nM)」として定義されるγ2/γ1の選択比、又は1を超える「Log[K
iα1β3γ2(nM)/K
iα2β2γ1(nM)]」として定義されるLogSelを有する。ヒト(h)受容体を発現するHEK293細胞に対する結合親和性を測定する上記のアッセイによって得られた代表的な試験結果を以下の表1に示す。
【表1】
【0085】
GABAA受容体の機能発現;
ゼノパス卵母細胞の調製
成熟段階V-VIのXenopus laevis卵母細胞を、GABAA受容体サブユニットをコードするクローン化されたmRNAの発現に使用した。RNAマイクロインジェクションの準備ができた卵母細胞をドイツ、カストロップ・ラウクセルのEcocyteから購入し、実験まで20℃で改変バース培地(mMでの組成:NaCl 88、KCl 1、NaHCO3 2.4、HEPES 10、MgSO4 0.82、CaNO3 0.33、CaCl2 0.33、pH=7.5)に保存した。
【0086】
ゼノパス卵母細胞マイクロインジェクション
卵母細胞を、Roboinject自動装置(MultiChannelSystems、ドイツ国ロイトリンゲン)を使用するマイクロインジェクションのために96ウェルプレートに蒔いた。所望のGABAA受容体サブタイプのサブユニットのRNA転写物を含有する約50nLの水溶液を各卵母細胞に注射した。RNA濃度は20~200pg/μL/サブユニットの間の範囲であり、パイロット実験で調整して、GABAA受容体ベンゾジアゼピン(BZD)結合部位における参照ベンゾジアゼピンポジティブアロステリックモジュレーター(PAM)であるフルニトラゼパム、トリアゾラム及びミダゾラムの適切なサイズ及び最大効果のGABA応答を得た。卵母細胞を実験まで20℃の改変バース培地(mMでの組成:NaCl 88、KCl 1、NaHCO3 4、HEPES 10、MgSO4 0.82、CaNO3 0.33、CaCl2 0.33、pH=7.5)に保った。
【0087】
電気生理学
mRNAの微量注射後3~5日目に、Roboocyte機器(MultiChannelSystems、ドイツ国ロイトリンゲン)を使用して電気生理学的実験を行った。実験の間、卵母細胞は常に(mMで)NaCl 90、KCl 1、HEPES 5、MgCl2 1、CaCl2 1(pH7.4)を含む溶液でスーパーフュージョンされた。卵母細胞を、KCl 1M+K-酢酸1.5Mを含む溶液で満たし、-80 mVに電圧クランプした2つのガラス微小電極(抵抗:0.5~0.8MΩ)でインピンジした。記録は、ロボサイト二電極電圧クランプシステム(Multichannelsystem)を用いて室温で行った。1.5分GABAの最初の平衡化期間の後、最大電流応答(EC20)の約20%を喚起する濃度で1.5分間添加した。2.5分GABAの別の休息間隔が再び追加された後、同様の振幅と形状の応答を誘発された。0.5 分後にこの第2のGABAアプリケーションを起こした後、約30倍のKi α2β2γ1に対応する濃度で、GABAがまだ存在している間に試験化合物を追加した。電流トレースは、GABAアプリケーションの間及びその前後に10Hzのデジタル化速度で記録された。
【0088】
各化合物及び濃度は、少なくとも3個の卵母細胞で試験した。異なる化合物濃度に対して異なる卵母細胞を使用した。参照PAM、フルニトラゼパム、トリアゾラム及びミダゾラムは、卵母細胞を発現するα2β2γ1 GABAA受容体サブタイプにおけるGABA誘導電流をおよそ60%増強した。
【0089】
データ分析
分析のために、第1及び第2のGABA応答のデジタル化された電流トレースを重ね合わせ、必要に応じて、等しく最大振幅に再スケーリングした。試験化合物実験の時間間隔中の2つの応答間の比率をポイントごとに計算した。得られた「比率トレース」の極値を、「GABA EC20の%変調」(100*(増加倍数-1))として表される化合物の有効性(「増加倍数」)として採用した。
【0090】
【0091】
参照化合物
以下に列挙する参照化合物(古典的な市販のベンゾジアゼピン)及びそれらの構造類似体も、GABA
A受容体α1β2γ1及びα2β2γ1サブタイプ並びにGABA
A受容体α1β3γ2サブタイプに対する親和性について試験した。結果を表3に示す。
【化7】
【表3】
【0092】
式(I)の化合物及びその薬学的に許容され得る塩は、医薬品(例えば薬学的調製物の形態)として使用することができる。本発明の薬学的調製物は、経口投与(例えば、錠剤、被覆錠剤、ドラジェ、硬軟ゼラチンカプセル、溶液、乳剤又は懸濁液の形)、経鼻投与(例えば、鼻スプレーの形)、直腸投与(例えば、座薬の形)、又は眼局所投与(例えば、溶液、軟膏、ゲル又は水溶性高分子挿入剤の形)等の内服投与が可能である。しかしながら、投与は、筋肉内、静脈内、眼内等の非経口的に(例えば、滅菌注射液の形態で)行うこともできる。
【0093】
式(I)の化合物及びその薬学的に許容され得る塩は、錠剤、コーティングされた錠剤、ドラジェ、硬質ゼラチンカプセル、注射液又は外用剤の製造のための薬学的に不活性な、無機又は有機アジュバントと共に処理することができる。ラクトース、コーンスターチ又はその誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩等は、例えば、錠剤、ドラジェ及び硬質ゼラチンカプセルのためのそのようなアジュバントとして、使用することができる。
【0094】
軟質ゼラチンカプセルに適したアジュバントとしては、例として、植物油、ワックス、油脂、半固形物、液体ポリオール等が挙げられる。
【0095】
液剤及びシロップ剤の製造に適したアジュバントは、例えば、水、ポリオール、サッカロース、転化糖、グルコース等である。
【0096】
注射液に適したアジュバントは、例えば、水、アルコール、ポリオール、グリセロール、植物油等である。
【0097】
座剤に適したアジュバントは、例えば、天然油若しくは硬化油、ワックス、脂肪、半固体又は液体ポリオール等である。
【0098】
眼部外用剤形のための適切なアジュバントは、例えば、シクロデキストリン、マンニトール、又は当技術分野で公知の多くの他の担体及び添加物である。
【0099】
更に、薬学的調製物は、防腐剤、可溶化剤、粘度増加物質、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味剤、着色剤、着香剤、浸透圧を変化させるための塩、緩衝剤、マスキング剤、又は酸化防止剤を含むことができる。本発明の薬学的調製物は更に、他の治療上有用な物質を含むことができる。
【0100】
投与量は広範に変化させることができ、当然、各特定の症例における個々の要件に適合される。一般に、経口投与の場合、体重1kgあたり約0.1mg~20mg、好ましくは体重1kgあたり約0.5mg~4mg(例えば、1人あたり約300mg)を1日量として、好ましくは1~3回に分けて個別に投与し、これは、適切であれば、例えば、同量で構成することができる。局所投与の場合、製剤は、0.001%~15重量%の医薬を含むことができ、0.1~25mgの間であり得る必要量は、1日あたりの単回投与でも、1週間あたりの単回投与でも、1日あたりの複数回の投与(2~4回)でも、1週間あたりの複数回の投与でもよい。ただし、これが示されている場合は、ここに記載されている上限又は下限を超える可能性があることは明らかである。
【0101】
本発明の化合物からなる医薬組成物の調製
以下の組成の錠剤は、通常の方法で製造される:
【表4】
【0102】
製造手順
1.成分1、2、3及び4を混合し、精製水で造粒する。
2.顆粒を50℃で乾燥させる。
3.顆粒を適切な粉砕装置に通す。
4.材料5を加えて3分間混合し、適当なプレス機で圧縮する。
【0103】
【0104】
製造手順
1.材料1、2及び3を適当なミキサーで30分間混合する。
2.成分4及び5を添加し、3分間混合する。
3.適切なカプセルに充填する。
【0105】
式Iの化合物、乳糖及びコーンスターチを、まずミキサーで混合し、次に粉砕機で混合する。混合物をミキサーに戻し、そこにタルクを加えておおよそ(thoapproximatively)混合する。この混合物を、機械によって適当なカプセル剤、例えば硬ゼラチンカプセル剤に充填する。
【0106】
【0107】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0108】
調製例がエナンチオマーの混合物として得られる場合、純粋なエナンチオマーは、本明細書に記載されている方法、又は当技術分野の当業者に知られている方法、例えばキラルクロマトグラフィー又は結晶化によって得ることができる。
【実施例】
【0109】
ビルディングブロックA
7-ブロモ-6-クロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン
【化8】
【0110】
a)5-クロロ-2-メチル-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン
無水酢酸(1250mL)中の2-アミノ-6-クロロ安息香酸(250g、1.46mol)の溶液を140℃で2時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮した。得られた粗残渣を酢酸エチル(1000mL)に懸濁し、30分間撹拌し、フィルタにかけ、真空中で乾燥させると、表題化合物(238g、84%)が灰色固体として得られた。1HnmR(DMSO-d6,400 MHz):δ:7.80(app t,J=8.0Hz,1H),7.62(d,J=8.0Hz,1H),7.49(d,J=7.6Hz,1H),2.36(s,3H).
【0111】
b)N-[3-クロロ-2-(2,6-ジフルオロベンソイル)フェニル]アセトアミド
テトラヒドロフラン(1000mL)中の5-クロロ-2-メチル-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン(100g、511.2mmol)及び2-ブロモ-1,3-ジフルオロベンゼン(118.4g、613.5mmol)の溶液に、窒素下-70℃でi-PrMgCl・LiCl(1.3m、500mL、650mmol)を滴下した。混合物を1時間以内に室温まで温め、飽和塩化アンモニウム水溶液(1500mL)でクエンチし、酢酸エチル(2×1500mL)で抽出した。有機相をブライン(2000mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣を酢酸エチル(150mL)に懸濁した。得られた懸濁液を室温で20分間撹拌し、フィルタにかけ、真空中で乾燥させると、表題化合物(113g、71%)が灰白色固体として得られた。1HnmR(DMSO-d6,400 MHz):δ:9.85(s,1H),7.65-7.45(m,1H),7.40(t,J=7.2Hz,1H),7.38-7.34(m,2H),7.16(t,J=8.8Hz,2H),1.85(s,3H).
【0112】
c)(2-アミノ-6-クロロ-フェニル)-(2,6-ジフルオロフェニル)メタノン
エタノール(250mL)中のN-[3-クロロ-2-(2,6-ジフルオロベンゾイル)フェニル]アセトアミド(113g、364.9mmol)の溶液に、塩酸水溶液(12m、200mL)を添加した。反応混合物を100℃で1時間撹拌し、次いで、酢酸エチル(1100mL)で希釈した。有機相を水(1100mL)、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(1100mL)及びブライン(1100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空中で濃縮した。石油エーテル(120mL)を粗生成物に添加し、懸濁液を室温で20分間撹拌した。固体をフィルタにかけ、乾燥させると、表題化合物(88g、90%)が黄色固体として得られた。1HnmR(DMSO-d6,400 MHz):δ:7.62-7.56(m,1H),7.21-7.15(m,3H),6.83(d,J=7.6Hz,1H),6.74(s,2H),6.58(d,J=7.6Hz,1H).
【0113】
d)(6-アミノ-3-ブロモ-2-クロロ-フェニル)-(2,6-ジフルオロフェニル)メタノン
ジクロロメタン(225mL)及びN,N-ジメチルホルムアミド(225mL)中の(2-アミノ-6-クロロ-フェニル)-(2,6-ジフルオロフェニル)メタノン(88.0g、328.8mmol)の溶液に、1-ブロモピロリジン-2,5-ジオン(64.4g、362mmol)を0℃で添加した。反応混合物を30℃で1時間撹拌した。混合物をジクロロメタン(600mL)で希釈し、水(500mL)及びブライン(4×500mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(シリカ、石油エーテル/酢酸エチル、1:0~2:1)によって精製した。固体を石油エーテル(200mL)に懸濁し、室温で20分間撹拌した。懸濁液をフィルタにかけ、固体を 真空中で乾燥させると、表題化合物(96.0g、84%)が黄色固体として得られた。MS:345.9([{79Br,35Cl}M+H]+),347.8([{81Br,35Cl又は79Br,37Cl}M+H]+),ESI pos.
【0114】
e)7-ブロモ-6-クロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン
ピリジン(625mL)中の(6-アミノ-3-ブロモ-2-クロロ-フェニル)-(2,6-ジフルオロフェニル)メタノン(25.0g、72.1mmol)の溶液に2-アミノ酢酸エチル塩酸塩(70.5g、505mmol)を加えた。反応混合物を135℃で36時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮してピリジンを除去した。残渣を酢酸エチル(2000mL)で希釈し、HCl水溶液(1.0m、3×1500mL)、水(2000mL)及びブライン(2×1000mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、石油エーテル/酢酸エチル10:1から2:1)によって精製すると、表題化合物(10.1g、12%)が灰白色固体として得られた。MS:385.0([{79Br,35Cl}M+H]+),ESI pos.
【0115】
ビルディングブロックB
7-ブロモ-6-クロロ-5-(2-フルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン
【化9】
【0116】
a)N-[3-クロロ-2-(2-フルオロベンソイル)フェニル]アセトアミド
テトラヒドロフラン(600mL)中の5-クロロ-2-メチル-3、1-ベンゾオキサジン-4-オン(20.0g、102.3mmol)及び1-ブロモ-2-フルオロベンゼン(17.9g、102.3mmol)の溶液に、-70℃でテトラヒドロフラン(2.5m、49mL、123mmol)中のn-BuLiを滴下した。反応混合物を-60℃で1時間撹拌し、次いで、塩化アンモニウム水溶液(200mL)でクエンチした。水層をテトラヒドロフラン(2×250mL)及び酢酸エチル(2×250mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(200mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空中で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、石油エーテル/酢酸エチル20:1~3:1)による精製によって、表題化合物(21g、70%)を白色固体として得た。MS:292.3([M+H]+),ESI pos.
【0117】
b)(2-アミノ-6-クロロ-フェニル)-(2-フルオロフェニル)メタノン
ビルディングブロックAcの実験と同様に、N-[3-クロロ-2-(2-フルオロベンゾイル)フェニル]アセトアミドを表題化合物(10g、58%)に変換し、これを黄色固体として得た。MS:250.1([M+H]+),ESI pos.
【0118】
c)(6-アミノ-3-ブロモ-2-クロロ-フェニル)-(2-フルオロフェニル)メタノン
ビルディングブロックAdの実験と同様に、(2-アミノ-6-クロロ-フェニル)-(2-フルオロフェニル)メタノンを表題化合物(32.4g、70%)に変換し、これを黄色固体として得たMS:327.9([{79Br,35Cl}M+H]+),330.0([{81Br,35Cl又は79Br,37Cl}M+H]+),ESI pos.
【0119】
d)7-ブロモ-6-クロロ-5-(2-フルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン
ピリジン(210mL)中の(6-アミノ-3-ブロモ-2-クロロ-フェニル)-(2-フルオロフェニル)メタノン(35.0g、98.3mmol)の溶液に、エチル2-アミノ酢酸塩酸塩(96.0g、688mmol)を90℃で添加した。反応混合物を110℃で16時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、ピリジンの大部分を真空中で除去した。残渣を酢酸エチル(1250mL)で希釈した。有機相をHCl水溶液(1.0m、1250mL)、水(500mL)及びブライン(1000mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、石油エーテル/酢酸エチル、1:0、25:1、1:1)によって精製した。生成物を酢酸エチル(15mL)に溶解した。石油エーテル(45mL)を滴下して白色スラリーを得た。固体を濾過によって回収し、真空中で乾燥させると、表題化合物(30.4g、39%)が灰白色固体として得られた。MS:367.0([{79Br,35Cl}M+H]+),368.9([{81Br,35Cl又は79Br,37Cl}M+H]+),ESI pos.
【0120】
ビルディングブロックC
6,7-ジクロロ-5-(2-フルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン
【化10】
【0121】
a)(6-アミノ-2,3-ジクロロ-フェニル)-(2-フルオロフェニル)メタノン
ビルディングブロックA dの実験と同様に、1-クロロピロリジン-2,5-ジオンを用いて(2-アミノ-6-クロロ-フェニル)-(2-フルオロフェニル)メタノンを表題化合物(234mg、53%)に変換し、これを橙黄色固体として得た。MS:284.0([{35Cl,35Cl}M+H]+),ESI pos.
【0122】
b)6,7-ジクロロ-5-(2-フルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン
ビルディングブロックBdの実験と同様に、(6-アミノ-2,3-ジクロロ-フェニル)-(2-フルオロフェニル)メタノンを表題化合物(193mg、74%)に変換し、これを灰色固体として得た。MS:323.2([{35Cl,35Cl}M+H]+),ESI pos.
【0123】
ビルディングブロックD
6,7-ジクロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン
【化11】
【0124】
a)(6-アミノ-2,3-ジクロロ-フェニル)-(2,6-ジフルオロフェニル)メタノン
ビルディングブロックA dの実験と同様に、1-クロロピロリジン-2,5-ジオンを用いて(2-アミノ-6-クロロ-フェニル)-(2,6-ジフルオロフェニル)メタノンを表題化合物(3.44mg、47%)に変換し、これを黄色固体として得た。MS:302.0([{35Cl,35Cl}M+H]+),ESI pos.
【0125】
b)6,7-ジクロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン
ビルディングブロックAeの実験と同様に、(6-アミノ-2,3-ジクロロ-フェニル)-(2,6-ジフルオロフェニル)メタノンを表題化合物(2.6g、53%)に変換し、これを黄色固体として得たMS:341.0([{35Cl,35Cl}M+H]+),ESI pos.
【0126】
ビルディングブロックE
7-ブロモ-6-クロロ-5-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン
【化12】
【0127】
a)N-[3-クロロ-2-(3-フルオロピリジン-2-カルボニル)フェニル]アセトアミド
メチルtert-ブチルエーテル(720mL)中の2-ブロモ-3-フルオロピリジン(18.0g、102mmol)の溶液に、n-BuLi(テトラヒドロフラン中2.5m、36.8mL、92.02mmol)を-60℃でゆっくり添加した。混合物を1時間撹拌し、次いで、テトラヒドロフラン(600mL)中の5-クロロ-2-メチル-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン(10.0g、51.1mmol)の溶液を滴下した。混合物を-60℃で1時間撹拌し、その後飽和塩化アンモニウム水溶液(50mL)の添加によってクエンチした。混合物を水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。有機層をブライン(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール50:1~20:1)による精製によって、表題化合物(5.20g、23.2%)を淡黄色固体として得た。MS:293.1([M+H]+),ESI pos.
【0128】
b)(2-アミノ-6-クロロ-フェニル)-(3-フルオロ-2-ピリジル)メタノン
塩酸(メタノール中4m、68mL、273mmol)中のN-[3-クロロ-2-(3-フルオロピリジン-2-カルボニル)フェニル]アセトアミド(4.00g、13.7mmol)の懸濁液を40℃で24時間撹拌した。室温に冷却した後、重炭酸ナトリウムの飽和水溶液をpH 8~9に滴下した。混合物を酢酸エチル(3×150mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空中で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル3:1~20:1)による精製によって、表題化合物(3.00g、86%)が黄色固体として得られた。MS:251.1([M+H]+),ESI pos.
【0129】
c)(6-アミノ-3-ブロモ-2-クロロ-フェニル)-(3-フルオロ-2-ピリジル)メタノン
ビルディングブロックAdの実験と同様に、(2-アミノ-6-クロロ-フェニル)-(3-フルオロ-2-ピリジル)メタノンを表題化合物(4.50g、74%)に変換し、これを黄色固体として得たMS:328.9([{79Br,35Cl}M+H]+),ESI pos.
【0130】
d)7-ブロモ-6-クロロ-5-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン
ビルディングブロックBdの実験と同様に、(6-アミノ-3-ブロモ-2-クロロ-フェニル)-(3-フルオロ-2-ピリジル)メタノンを表題化合物(550mg、24%)に変換し、これを淡紅色固体として得た。MS:368.0([{79Br,35Cl}M+H]+),ESI pos.
【0131】
ビルディングブロックF
6-クロロ-5-(2-フルオロフェニル)-7-ヨード-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン
【化13】
【0132】
a)(6-アミノ-2-クロロ-3-ヨード-フェニル)-(2-フルオロフェニル)メタノン
ビルディングブロックA dの実験と同様に、1-ヨードピロリジン-2,5-ジオンを使用して(2-アミノ-6-クロロ-フェニル)-(2-フルオロフェニル)メタノンを表題化合物(3.2g、76%)に変換し、これを褐色固体として得た。粗生成物を更に特徴づけすることなくそのまま次の工程で使用した。
【0133】
b)6-クロロ-5-(2-フルオロフェニル)-7-ヨード-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン
ビルディングブロックBdの実験と同様に、(6-アミノ-2-クロロ-3-ヨード-フェニル)-(2-フルオロフェニル)メタノンを表題化合物(1.1g、45%)に変換し、これを黄色固体として得た。MS:415.0([M+H]+),ESI pos.
【0134】
ビルディングブロックH
6-クロロ-5-(2-フルオロフェニル)-7-ヨード-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン
【化14】
a)(6-アミノ-2-クロロ-3-ヨード-フェニル)-(2,6-ジフルオロフェニル)メタノン
ビルディングブロックAdの実験と同様に、1-ヨードピロリジン-2,5-ジオンを使用して、(2-アミノ-6-クロロ-フェニル)-(2,6-ジフルオロフェニル)メタノンを表題化合物(7.1g、85%)に変換し、これを黄色固体として得た。MS:393.8([M+H]
+),ESI pos.
【0135】
b)6-クロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-7-ヨード-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン
ビルディングブロックAeの実験と同様に、(6-アミノ-2-クロロ-3-ヨード-フェニル)-(2,6-ジフルオロフェニル)メタノンを表題化合物(2.7g、68%)に変換し、これを黄色固体として得た。MS:432.8([M+H]+),ESI pos.
【0136】
ビルディングブロックI
6,7-ジブロモ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン
【化15】
【0137】
a)5-ブロモ-2-メチル-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン
構成要素Aaの実験と同様に、2-アミノ-6-ブロモ安息香酸を表題化合物(15.4g、92%)に変換し、これを淡褐色粉末として得た。MS:240.1([{79Br}M+H]+),ESI pos.
【0138】
b)N-[3-ブロモ-2-(2,6-ジフルオロベンソイル)フェニル]アセトアミド
ビルディングブロックAbの実験と同様に、5-ブロモ-2-メチル-3,1-ベンゾオキサジン-4-オンを表題化合物(8.3g、62%)に変換し、これを褐色固体として得た。MS:354.0([{79Br}M+H]+),ESI pos.
【0139】
c)N-[3,4-ジブロモ-2-(2,6-ジフルオロベンソイル)フェニル]アセトアミド
N,N-ジメチルホルムアミド(100mL)及び酢酸(44mL、767mmol)中のN-[3-ブロモ-2-(2,6-ジフルオロベンゾイル)フェニル]アセトアミド(5.43g、15.3mmol)の溶液に、1-ブロモピロリジン-2,5-ジオン(4.09g、23mmol)を0℃で添加した。反応混合物を60℃で22時間撹拌した。更なる量の1-ブロモピロリジン-2,5-ジオン(1.36g、7.67mmol)を添加した後、混合物を60℃で22時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、次いで、酢酸エチル(500mL)で希釈した。有機相を水(500mL)及びブライン(500mL)で洗浄した。水層を酢酸エチル(500mL)で逆抽出した。合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘプタン/酢酸エチル、1:0~1:1)によって精製すると、表題化合物(6.18g、93%)が黄色固体として得られた。MS:431.9([{79Br,79Br}M+H]+),433.9([{79Br,81Br}M+H]+),ESI pos.
【0140】
d)(6-アミノ-2,3-ジブロモ-フェニル)-(2,6-ジフルオロフェニル)メタノン
ビルディングブロックAcの実験と同様に、N-[3,4-ジブロモ-2-(2,6-ジフルオロベンゾイル)フェニル]アセトアミドを表題化合物(3.93g、70%)に変換し、これを黄色固体として得た。MS:389.9([{79Br,79Br}M+H]+),391.8([{79Br,81Br}M+H]+),ESI pos.
【0141】
e)6,7-ジブロモ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン
ビルディングブロックAeの実験と同様に、(6-アミノ-2,3-ジブロモフェニル)-(2,6-ジフルオロフェニル)メタノンを表題化合物(270mg、37%)に変換し、これを黄色固体として得た。MS:429.0([{79Br,79Br}M+H]+),430.9([{79Br,81Br}M+H]+),ESI pos.
【0142】
ビルディングブロックJ
7-ブロモ-6-クロロ-5-(3-クロロ-2-ピリジル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン
【化16】
【0143】
a)N-[3-クロロ-2-(3-クロロピリジン-2-カルボニル)フェニル]アセトアミド
ビルディングブロックEaの実験と同様に、2-ブロモ-3-フルオロ-ピリジンを用いて5-クロロ-2-メチル-3,1-ベンゾオキサジン-4-オンを表題化合物(3.6g、40%)に変換し、これを淡黄色固体として得た。MS:309.0([M+H]+),ESI pos.
【0144】
b)(2-アミノ-6-クロロ-フェニル)-(3-クロロ-2-ピリジル)メタノン
ビルディングブロックAcの実験と同様に、N-[3-クロロ-2-(3-クロロピリジン-2-カルボニル)フェニル]アセトアミドを表題化合物(2.2g、71%)に変換し、これを黄色固体として得た。MS:267.1([M+H]+),ESI pos.
【0145】
c)(6-アミノ-3-ブロモ-2-クロロ-フェニル)-(3-クロロ-2-ピリジル)メタノン
ビルディングブロックBcの実験と同様に、(2-アミノ-6-クロロ-フェニル)-(3-クロロ-2-ピリジル)メタノンを表題化合物(2.9g、66%)に変換し、これを黄色固体として得た。MS:344.9([{79Br,35Cl,35Cl}M+H]+),ESI pos.
【0146】
d)7-ブロモ-6-クロロ-5-(3-クロロ-2-ピリジル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン
ビルディングブロックBdの実験と同様に、(6-アミノ-3-ブロモ-2-クロロ-フェニル)-(3-クロロ-2-ピリジル)メタノンを表題化合物(380mg、24%)に変換し、これを白色固体として得た。MS:383.9([{79Br,35Cl,35Cl}M+H]+),ESI pos.
【0147】
ビルディングブロックK
7-ブロモ-6-クロロ-5-(2-クロロ-6-フルオロ-フェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン
【化17】
【0148】
a)N-[3-クロロ-2-(2-クロロ-6-フルオロ-ベンソイル)フェニル]アセトアミド
テトラヒドロフラン(100mL)中1-クロロ-3-フルオロ-ベンゼン(7.27g、55.66mmol)、ジイソプロピルアミン(512mg、5.06mmol)及びN,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン(7.06g、60.72mmol)の混合物に、テトラヒドロフラン中のn-BuLi(2.5m、24.3mL、60.7mmol)を滴下した。反応混合物を-65℃で1時間撹拌した。テトラヒドロフラン(300mL)中の5-クロロ-2-メチル-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン(10.0g、50.6mmol)の溶液を滴下し、反応混合物を-65℃で0.5時間撹拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液(150mL)の添加によってクエンチした。得られた混合物を酢酸エチル(200mL)で希釈した。有機相を水(100mL)及びブライン(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、石油エーテル/酢酸エチル10:1~5:1~3:1)によって精製すると、表題化合物(2.4g、15%)が淡黄色固体として得られた。MS:325.9([M+H]+),ESI pos.
【0149】
b)(2-アミノ-6-クロロ-フェニル)-(2-クロロ-6-フルオロ-フェニル)メタノン
ビルディングブロックAcの実験と同様に、N-[3-クロロ-2-(2-クロロ-6-フルオロ-ベンゾイル)フェニル]アセトアミドを表題化合物(1.9g、91%)に変換し、これを黄色固体として得た。MS:284.1([M+H]+),ESI pos.
【0150】
c)(6-アミノ-3-ブロモ-2-クロロ-フェニル)-(2-クロロ-6-フルオロ-フェニル)メタノン
ビルディングブロックAdの実験と同様に、(2-アミノ-6-クロロ-フェニル)-(2-クロロ-6-フルオロ-フェニル)メタノンを表題化合物(1.74g、72%)に変換し、これを黄色固体として得た。粗生成物を更に特徴づけすることなくそのまま次の工程で使用した。
【0151】
d)7-ブロモ-6-クロロ-5-(2-クロロ-6-フルオロ-フェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン
ビルディングブロックAeの実験と同様に、(6-アミノ-3-ブロモ-2-クロロ-フェニル)-(2-クロロ-6-フルオロ-フェニル)メタノンを表題化合物(32.5mg、15%)に変換し、これを淡黄色固体として得た。MS:400.9([{79Br,35Cl,35Cl}M+H]+),402.8([{81Br,35Cl,35Cl又は79Br,37Cl,35Cl}M+H]+),ESI pos.
【0152】
ビルディングブロックN
6,7-ジクロロ-5-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン
【化18】
【0153】
a)N-[3,4-ジクロロ-2-(3-フルオロピリジン-2-カルボニル)フェニル]アセトアミド
ビルディングブロックA dの実験と同様に、1-クロロピロリジン-2,5-ジオンを使用してN-[3-クロロ-2-(3-フルオロピリジン-2-カルボニル)フェニル]アセトアミドを表題化合物(36g、84%)に変換し、これを白色固体として得た。MS:327.0([{35Cl,35Cl}M+H]+),ESI pos.
【0154】
b)(6-アミノ-2,3-ジクロロ-フェニル)-(3-フルオロ-2-ピリジル)メタノン
ビルディングブロックEbの実験と同様に、N-[3,4-ジクロロ-2-(3-フルオロピリジン-2-カルボニル)フェニル]アセトアミドを表題化合物(11.0g、85%)に変換し、これを橙色固体として得た。MS:285.0([{35Cl,35Cl}M+H]+),ESI pos.
【0155】
c)6,7-ジクロロ-5-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン
ビルディングブロックBdの実験と同様に、N-[3,4-ジクロロ-2-(3-フルオロピリジン-2-カルボニル)フェニル]アセトアミドを表題化合物(3.76g、28%)に変換し、これを白色固体として得た。MS:323.7([{35Cl,35Cl}M+H]+),ESI pos.
【0156】
ビルディングブロックP
6-クロロ-5-(3-フルオロ-2-ピリジル)-7-ヨード-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン
【化19】
【0157】
a)(6-アミノ-2-クロロ-3-ヨード-フェニル)-(3-フルオロ-2-ピリジル)メタノン
ビルディングブロックAdの実験と同様に、1-ヨードピロリジン-2,5-ジオンを用いて(2-アミノ-6-クロロ-フェニル)-(3-フルオロ-2-ピリジル)メタノンを表題化合物(28g、93%)に変換し、これを黄色固体として得た。MS:376.9([M+H]+),ESI pos.
【0158】
b)6-クロロ-5-(3-フルオロ-2-ピリジル)-7-ヨード-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン
ビルディングブロックBdの実験と同様に、(6-アミノ-2-クロロ-3-ヨード-フェニル)-(3-フルオロ-2-ピリジル)メタノンを表題化合物(9.0g、58%)に変換し、これを淡紅色固体として得た。MS:416.0([M+H]+),ESI pos.
【0159】
実施例1
8-ブロモ-7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化20】
【0160】
a)7-ブロモ-6-クロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオン
室温のトルエン(167mL)中の7-ブロモ-6-クロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン(ビルディングブロックA、6.7g、17.4mmol)の懸濁液に、ローソン試薬(8.43g、20.9mmol)を加えた。反応混合物を120℃で1.5時間撹拌した後、酢酸エチル(400mL)で希釈した。有機層を水(300mL)及びブライン(300mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。粗物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘプタン中15~30%酢酸エチル)によって精製すると、表題化合物(6.98g、100%)が黄色固体として得られた。MS:400.8([{79Br,35Cl}M+H]+),402.9([{81Br,35Cl又は79Br,37Cl}M+H]+),ESI pos.
【0161】
b)8-ブロモ-7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
マイクロ波バイアルに、7-ブロモ-6-クロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-1、3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオン(4.53g、11.3mmol)、アセトヒドラジド(1.67g、22.6mmol)及びブタン-1-オール(45mL)を装入した。バイアルに蓋をし、電子レンジ中で150℃に1時間加熱した。反応混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、0~5%メタノール含有ジクロロメタン)によって直接精製すると、表題化合物(3.01g、63%)が黄色泡状物として得られた。MS:423.1([{79Br,35Cl}M+H]+),425.0([{81Br,35Cl又は79Br,37Cl}M+H]+),ESI pos.
【0162】
実施例2
8-ブロモ-7-クロロ-1-シクロプロピル-6-(2-フルオロフェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化21】
【0163】
a)7-ブロモ-6-クロロ-5-(2-フルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオン
実施例1aの実験と同様に、7-ブロモ-6-クロロ-5-(2-フルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン(ビルディングブロックB)を表題化合物(390mg、54%)に変換し、これを黄色固体として得た。粗生成物を更に特徴づけすることなくそのまま次の工程で使用した。
【0164】
b)8-ブロモ-7-クロロ-1-シクロプロピル-6-(2-フルオロフェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
ブタン-1-オール(1.5mL)中の7-ブロモ-6-クロロ-5-(2-フルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオン(80mg、0.210mmol)の溶液に、シクロプロパンカルボヒドラジド(41mg、0.420mmol)を添加した。反応混合物を130℃で12時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、水(30mL)及びブライン(30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣を分取HPLC(Phenomenex Gemini、水/アセトニトリル中0.05%水酸化アンモニア)によって精製し、凍結乾燥させて、表題化合物(5.5mg、6%)を白色固体として得た。MS:431.1([{79Br,35Cl}M+H]+),433.0([{81Br,35Cl又は79Br,37Cl}M+H]+),ESI pos.
【0165】
実施例3
8-ブロモ-7-クロロ-6-(2-フルオロフェニル)-1-ピリダジン-3-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化22】
【0166】
実施例1bの実験と同様に、ピリダジン-3-カルボヒドラジドを使用して7-ブロモ-6-クロロ-5-(2-フルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを表題化合物(294mg、73%)に変換し、これを白色固体として得た。MS:469.1([{79Br,35Cl}M+H]+),471.1([{81Br,35Cl又は79Br,37Cl}M+H]+),ESI pos.
【0167】
実施例4
7,8-ジクロロ-6-(2-フルオロフェニル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化23】
【0168】
1,4-ジオキサン(1mL)中の6,7-ジクロロ-5-(2-フルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン(ビルディングブロックC、70mg、0.217mmol)の懸濁液に、ローソン試薬(114mg、0.282mmol)を加えた。反応混合物を80℃に4時間加熱した後、室温に冷却した。1,4-ジオキサン(0.5mL)中のアセトヒドラジド(32.1mg、0.433mmol)の溶液を添加し、混合物を電子レンジ内で1時間140℃に加熱した。更なる量のアセトヒドラジド(64.2mg、0.866mmol)を添加し、混合物を電子レンジ内で140℃に1時間加熱した。反応混合物を酢酸エチル(10mL)で希釈し、有機相を水(10mL)及びブライン(10mL)で洗浄した。水層を酢酸エチル(10mL)で逆抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル中0~20%メタノール)によって精製すると、表題化合物(17.2mg、22%)が灰白色固体として得られた。MS:361.2([{35Cl,35Cl}M+H]+),ESI pos.
【0169】
実施例5
7,8-ジクロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化24】
【0170】
実施例4の実験と同様に、6,7-ジクロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン(ビルディングブロックD)を表題化合物(21mg、32%)に変換し、これを灰白色固体として得た。MS:379.1([{35Cl,35Cl}M+H]+),ESI pos.
【0171】
実施例6
7-クロロ-8-シクロプロピル-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化25】
【0172】
脱気したトルエン(70mL)及び水(14mL)中の8-ブロモ-7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン(5.29g、12.5mmol)の溶液に、シクロプロピルボロン酸(1.29g、15mmol)、酢酸パラジウム(II)(280mg、1.25mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(350mg、1.25mmol)及びリン酸三カリウム(7.95g、37.5mmol)を加えた。混合物を100℃に16時間加熱した後、酢酸エチル及び水で希釈した。相を分離し、次いで、有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。粗物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、0~10%メタノール含有ジクロロメタン)によって精製した。固体を酢酸エチル中で再結晶させると、表題化合物(1.78g、35%)が白色固体として得られた。MS:385.2([M+H]+),ESI pos.
【0173】
実施例7
8-ブロモ-7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化26】
【0174】
実施例2bの実験と同様に、ホルモヒドラジドを使用して7-ブロモ-6-クロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを表題化合物(2.4g、32%)に変換し、これを白色固体として得た。MS:409.1([{79Br,35Cl}M+H]+),411.1([{81Br,35Cl又は79Br,37Cl}M+H]+),ESI pos.
【0175】
実施例8
8-ブロモ-7-クロロ-6-(2-フルオロフェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化27】
【0176】
実施例2bの実験と同様に、ホルモヒドラジドを使用して7-ブロモ-6-クロロ-5-(2-フルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを表題化合物(35.9mg、20%)に変換し、これを白色固体として得た。MS:391.0([{79Br,35Cl}M+H]+),393.1([{81Br,35Cl又は79Br,37Cl}M+H]+),ESI pos.
【0177】
実施例9
7,8-ジクロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-2,4-ジヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-1-オン
【化28】
【0178】
a)6,7-ジクロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-2-チオン
ジグリム(3.7mL)中の6,7-ジクロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-2-オン(ビルディングブロックD、409mg、1.2mmol)の溶液に、室温で五硫化リン(300mg、1.35mmol)、続いて炭酸水素ナトリウム(300mg、3.58mmol)を添加した。反応混合物を80℃に17時間加熱した後、室温に冷却した。混合物を氷(20mL)に注ぎ、更に1時間撹拌した後、酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(1×20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。得られた暗赤色ジグリム溶液をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘプタン中の酢酸エチル0~40%)によって精製した。最終生成物を高真空中70℃で1時間乾燥させると、表題化合物(334mg、78%)が淡赤色固体として得られた。MS:357.0([{35Cl,35Cl}M+H]+),ESI pos.
【0179】
b)6,7-ジクロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オンヒドラゾン
プロパン-2-オール(0.88mL)及びテトラヒドロフラン(4.4mL)中の6,7-ジクロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-2-チオン(200mg、0.560mmol)の溶液に、室温でヒドラジン一水和物(54.3μL、1.12mmol)を添加し、混合物をアルゴン下室温で3時間撹拌した。懸濁液を真空中で濃縮して、淡黄色固体を得た。残渣をメチルtert-ブチルエーテル(1mL)及びペンタン(2mL)と一緒にし、10分間撹拌した懸濁液を得た。固体を濾過によって回収し、ペンタン(2×3mL)で洗浄し、高真空で乾燥させると、表題化合物(199mg、100%)が橙色固体として得られた。MS:355.1([{35Cl,35Cl}M+H]+),ESI pos.
【0180】
c)7,8-ジクロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-2,4-ジヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-1-オン
テトラヒドロフラン(1.25mL)中の6,7-ジクロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オンヒドラゾン(64.5mg、0.182mmol)の溶液に、室温で1,1’-カルボニルジイミダゾール(35.3mg、0.218mmol)を添加した。反応混合物を70℃に2.5時間加熱した後、室温に冷却し、一晩放置した。飽和重炭酸ナトリウム水溶液(10mL)を添加し、混合物を酢酸エチル(2×10mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘプタン20~100%中酢酸エチル)によって精製すると、表題化合物(33mg、48%)が灰白色固体として得られた。MS:381.1([{35Cl,35Cl}M+H]+),ESI pos.
【0181】
実施例10
7,8-ジクロロ-6-(2-フルオロフェニル)-1-ピリダジン-3-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化29】
【0182】
a)6,7-ジクロロ-5-(2-フルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオン
実施例9aの実験と同様に、6,7-ジクロロ-5-(2-フルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン(ビルディングブロックC)を表題化合物(2.62g、78%)に変換し、これを橙色固体として得た。MS:339.0([{35Cl,35Cl}M+H]+),ESI pos.
【0183】
b)7,8-ジクロロ-6-(2-フルオロフェニル)-1-ピリダジン-3-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
実施例1bの実験と同様に、ピリダジン-3-カルボヒドラジドを使用して、6,7-ジクロロ-5-(2-フルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを表題化合物(312mg、70%)に変換し、灰白色固体として得た。MS:425.2([{35Cl,35Cl}M+H]+),ESI pos.
【0184】
実施例11
7,8-ジクロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-テトラヒドロピラン-4-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化30】
【0185】
実施例1bの実験と同様に、テトラヒドロピラン-4-カルボヒドラジドを使用して、6,7-ジクロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを表題化合物(29mg、46%)に変換し、これを白色固体として得た。MS:449.1([{35Cl,35Cl}M+H]+),ESI pos.
【0186】
実施例12
7,8-ジクロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-ピリミジン-4-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化31】
【0187】
実施例1bの実験と同様に、ピリミジン-4-カルボヒドラジドを使用して、6,7-ジクロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを表題化合物(21mg、34%)に変換し、これを灰白色固体として得た。MS:443.1([{35Cl,35Cl}M+H]+),ESI pos.
【0188】
実施例13
8-ブロモ-7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-2,4-ジヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-1-オン
【化32】
【0189】
a)7-ブロモ-6-クロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オンヒドラゾン
実施例9bの実験と同様に、7-ブロモ-6-クロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを表題化合物(127mg、80%)に変換し、これを淡褐色固体として得た。MS:399.0([{79Br,35Cl}M+H]+),401.1([{81Br,35Cl又は79Br,37Cl}M+H]+),ESI pos.
【0190】
b)8-ブロモ-7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-2,4-ジヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-1-オン
実施例9cの実験と同様に、7-ブロモ-6-クロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オンヒドラゾンを表題化合物(51mg、38%)に変換し、これを淡黄色固体として得た。MS:425.0([{79Br,35Cl}M+H]+),427.0([{81Br,35Cl又は79Br,37Cl}M+H]+),ESI pos.
【0191】
実施例14
7,8-ジクロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-ピリダジン-3-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化33】
【0192】
実施例1bの実験と同様に、ピリダジン-3-カルボヒドラジドを使用して、6,7-ジクロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを表題化合物(33mg、53%)に変換し、灰白色固体として得た。MS:443.1([{35Cl,35Cl}M+H]+),ESI pos.
【0193】
実施例15
7,8-ジクロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化34】
【0194】
実施例1bの実験と同様に、ホルモヒドラジドを使用して、6,7-ジクロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを表題化合物(512mg、67%)に変換し、これを淡黄色固体として得た。MS:365.1([{35Cl,35Cl}M+H]+),ESI pos.
【0195】
実施例16
7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-メチル-2,4-ジヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-1-オン
【化35】
【0196】
a)6-クロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-7-メチル-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-2-オン
マイクロ波バイアルに、7-ブロモ-6-クロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-1、3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン(ビルディングブロックA、50mg、0.130mmol)、トリメチルボロキシン(19.5mg、21.8μl、0.156mmol)、炭酸カリウム(26.9mg、0.195mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(7.49mg、6.48μmol)を装入した。脱気した1,4-ジオキサン(0.9mL)及び水(0.3mL)を添加した。バイアルに蓋をし、電子レンジ内で30分間130℃に加熱した。混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘプタン中の10~70%酢酸エチル)によって直接精製すると、表題化合物(24mg、58%)が灰白色固体として得られた。MS:321.1([M+H]+),ESI pos.
【0197】
b)6-クロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-7-メチル-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-2-チオン
ジグリム(0.9mL)中の6-クロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-7-メチル-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-2-オン(96.2mg、0.3mmol)の溶液に、室温で五硫化リン(75mg、0.337mmol)、続いて重炭酸ナトリウム(75.1mg、0.894mmol)を添加した。反応混合物を80℃に16時間加熱した後、室温に冷却した。混合物を氷(10mL)に注ぎ、更に1時間撹拌した。得られた沈殿物を焼結漏斗でフィルタにかけた。回収した残渣を水(4×3mL)で洗浄し、高真空で乾燥させると、表題化合物(94mg、93%)が淡褐色固体として得られた。MS:337.1([M+H]+),ESI pos.
【0198】
c)6-クロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-7-メチル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オンヒドラゾン
実施例9bの実験と同様に、6-クロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-7-メチル-1,3-ジヒドロ-2 H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-2-チオンを表題化合物(25mg、63%)に変換し、これを淡黄色固体として得た。MS:335.1([M+H]+),ESI pos.
【0199】
d)7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-メチル-2,4-ジヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-1-オン
実施例9cの実験と同様に、6-クロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-7-メチル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オンヒドラゾンを表題化合物(17mg、63%)に変換し、これを白色固体として得た。MS:361.1([M+H]+),ESI pos.
【0200】
実施例17
7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化36】
【0201】
N,N-ジメチルホルムアミド(1.5mL)中の8-ブロモ-7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン(110mg、0.270mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(31mg、0.030mmol)、トリメチルアルミニウム(トルエン中2.0m、0.2mL、0.410mmol)の混合物を70℃に16時間加熱した。反応混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、水(30mL)、ブライン(2×30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣を分取HPLC(Boston Prime C18、水中0.1%トリフルオロ酢酸/アセトニトリル)によって精製し、凍結乾燥させて、表題化合物(51.6mg、56%)を白色固体として得た。MS:345.2([M+H]+),ESI pos.
【0202】
実施例18
7,8-ジクロロ-6-(2-フルオロフェニル)-1-ピリミジン-4-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化37】
【0203】
実施例1bの実験と同様に、ピリミジン-4-カルボヒドラジドを使用して、6,7-ジクロロ-5-(2-フルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを表題化合物(42mg、67%)に変換し、これを淡黄色固体として得た。MS:425.1([{35Cl,35Cl}M+H]+),ESI pos.
【0204】
実施例19
7,8-ジクロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-(2-メトキシエチル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化38】
【0205】
実施例1bの実験と同様に、3-メトキシプロパンヒドラジドを使用して、6,7-ジクロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを表題化合物(20mg、38%)に変換し、これを白色固体として得た。MS:423.1([{35Cl,35Cl}M+H]+),ESI pos.
【0206】
実施例20
7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,8-ジメチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化39】
【0207】
実施例17の実験と同様に、8-ブロモ-7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピンを表題化合物(25mg、29%)に変換し、これを白色固体として得た。MS:359.1([M+H]+),ESI pos.
【0208】
実施例21
7-クロロ-8-(1,1-ジフルオロエチル)-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化40】
【0209】
a)7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-(1-エトキシビニル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
N,N-ジメチルホルムアミド(4mL)中の8-ブロモ-7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン(200mg、0.490mmol)及びトリブチル(1-エトキシビニル)スズ(352mg、0.980mmol)の懸濁液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(56.42mg、0.050mmol)を添加した。反応混合物を100℃に16時間加熱した。混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、水(30mL)及びブライン(30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、石油エーテル/酢酸エチル10:1、ジクロロメタン/メタノール80:1)によって精製すると、表題化合物(160mg、82%)が黄色ゴム状物として得られた。粗生成物を更に特徴づけすることなくそのまま次の工程で使用した。
【0210】
b)1-[7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-8-イル]エタノン
1,4-ジオキサン(10mL)中の7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-(1-エトキシビニル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン(160mg、0.400mmol)の溶液に、塩酸水溶液(2.0m、0.99mL、1.98mmol)を添加した。混合物を室温で0.5時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、水(30mL)及びブライン(30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣を分取HPLC(Boston Prime C18、水中0.1%トリフルオロ酢酸/アセトニトリル)によって精製し、凍結乾燥させて、表題化合物(70mg、47%)を白色固体として得た。MS:372.9([M+H]+),ESI pos.
【0211】
c)7-クロロ-8-(1,1-ジフルオロエチル)-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
ジクロロメタン(0.2mL)中の1-[7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-8-イル]エタノン(60mg、0.160mmol)の溶液にジエチルアミノ硫黄トリフルオリド(0.8mL)を加えた。混合物を室温で120時間撹拌した後、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(20mL)に注ぎ、ジクロロメタン(2×50mL)で抽出した。有機層を分離し、ブライン(30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣を分取HPLC(Phenomenex Synergi C18、水中の0.1%トリフルオロ酢酸/アセトニトリル)によって精製し、凍結乾燥させて、表題化合物(10.5mg、16%)を白色固体として得た。MS:395.1([M+H]+),ESI pos.
【0212】
実施例22
7-クロロ-8-(1,1-ジフルオロエチル)-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化41】
【0213】
a)7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-(1-エトキシビニル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
実施例21aの実験と同様に、8-ブロモ-7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピンを表題化合物(250mg、85%)に変換し、これを灰色固体として得た。MS:414.9([M+H]+),ESI pos.
【0214】
b)1-[7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-8-イル]エタノン
実施例21bの実験と同様に、7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-(1-エトキシビニル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピンを表題化合物(110mg、47%)に変換し、これを白色固体として得た。MS:386.9([M+H]+),ESI pos.
【0215】
c)7-クロロ-8-(1,1-ジフルオロエチル)-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
実施例21cの実験と同様に、1-[7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-8-イル]エタノンを表題化合物(33.6mg、31%)に変換し、これを白色固体として得た。MS:409.1([M+H]+),ESI pos.
【0216】
実施例23
7-クロロ-8-(ジフルオロメチル)-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化42】
a)7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-ビニル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【0217】
エタノール(6mL)中の8-ブロモ-7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン(300.0mg、0.730mmol)の溶液に、ビニルトリフルオロホウ酸カリウム(196mg、0.15mmol)、トリエチルアミン(222mg、2.2mmol)及び[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(54mg、0.07mmol)を添加した。反応混合物を8℃で12時間撹拌した後、水(60mL)を添加した。反応混合物を酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層を分離し、ブライン(60mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル/エタノール20:3:1~8:3:1)によって精製すると、表題化合物(180mg、69%)が淡黄色固体として得られた。MS:357.1([M+H]+),ESI pos.
【0218】
b)7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-8-カルバルデヒド
アセトン(6mL)及び水(1mL)中の7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-ビニル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン(170mg、0.48mmol)の溶液に、四酸化オスミウム(12mg、0.05mmol)を加えた。室温で10分間撹拌した後、過ヨウ素酸ナトリウム(203mg、0.95mmol)を添加し、混合物を更に2時間撹拌した。反応混合物を水(10mL)及び酢酸エチル(30mL)で希釈した。有機層を食塩水(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ジクロロメタン/メタノール200:1から60:1)によって精製すると、表題化合物(120mg、70%)が黒色固体として得られた。MS:359.0([M+H]+),ESI pos.
【0219】
c)7-クロロ-8-(ジフルオロメチル)-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
ジクロロメタン(3mL)中の7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-8-カルバルデヒド(160mg、0.45mmol)の溶液に、ジエチルアミノ硫黄トリフルオリド(359mg、2.23mmol)を-78℃で添加した。添加すると、反応混合物を室温まで温め、更に12時間撹拌した。反応混合物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(10mL)の添加によってクエンチし、次いで、ジクロロメタン(30mL)で抽出した。有機層をブライン(10mL)で洗浄し、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。残渣を分取HPLC(Boston Prime C18、水中0.1%トリフルオロ酢酸/アセトニトリル)によって精製し、凍結乾燥させて、表題化合物(8.8mg、5%)を白色固体として得た。MS:381.0([M+H]+),ESI pos.
【0220】
実施例24
8-ブロモ-7-クロロ-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化43】
【0221】
a)7-ブロモ-6-クロロ-5-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオン
実施例1aの実験と同様に、7-ブロモ-6-クロロ-5-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン(ビルディングブロックE)を表題化合物(110mg、53%)に変換し、これを褐色固体として得た。MS:384.0([{79Br,35Cl}M+H]+),386.1([{81Br,35Cl又は79Br,37Cl}M+H]+),ESI pos.
【0222】
b)8-ブロモ-7-クロロ-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
実施例1bの実験と同様に、7-ブロモ-6-クロロ-5-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを表題化合物(9.5mg、8.5%)に変換し、これを白色固体として得た。MS:406.0([{79Br,35Cl}M+H]+),408.0([{81Br,35Cl又は79Br,37Cl}M+H]+),ESI pos.
【0223】
実施例25
7-クロロ-8-(ジフルオロメチル)-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化44】
【0224】
a)7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-メチル-8-ビニル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
実施例23aの実験と同様に、8-ブロモ-7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピンを表題化合物(120mg、69%)に変換し、これを淡黄色固体として得た。MS:371.0([M+H]+),ESI pos.
【0225】
b)1-[7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-8-イル]エタノン
実施例23bの実験と同様に、7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-メチル-8-ビニル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピンを表題化合物(100mg、83%)に変換し、これを灰白色固体として得た。MS:387.0([M+H]+),ESI pos.
【0226】
c)7-クロロ-8-(ジフルオロメチル)-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
実施例23cの実験と同様に、1-[7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-8-イル]エタノンを表題化合物(10.1mg、19%)に変換し、これを白色固体として得た。MS:395.1([M+H]+),ESI pos.
【0227】
実施例26
8-ブロモ-7-クロロ-6-(2-フルオロフェニル)-2,4-ジヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-1-オン
【化45】
【0228】
a)7-ブロモ-6-クロロ-5-(2-フルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オンヒドラゾン
実施例9bの実験と同様に、7-ブロモ-6-クロロ-5-(2-フルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを表題化合物(798mg、91%)に変換し、これを淡黄色固体として得た。MS:381.0([{79Br,35Cl}M+H]+),383.1([{81Br,35Cl又は79Br,37Cl}M+H]+),ESI pos.
【0229】
b)8-ブロモ-7-クロロ-6-(2-フルオロフェニル)-2,4-ジヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-1-オン
実施例9cの実験と同様に、7-ブロモ-6-クロロ-5-(2-フルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オンヒドラゾンを表題化合物(38mg、31%)に変換し、これを淡黄色固体として得た。MS:407.0([{79Br,35Cl}M+H]+),409.0([{81Br,35Cl又は79Br,37Cl}M+H]+),ESI pos.
【0230】
実施例27
7-クロロ-6-(2-フルオロフェニル)-1-ピリダジン-3-イル-8-(トリフルオロメチル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化46】
【0231】
a)6-クロロ-5-(2-フルオロフェニル)-7-(トリフルオロメチル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン
N,N-ジメチルホルムアミド(7.5mL)中の6-クロロ-5-(2-フルオロフェニル)-7-ヨード-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン(ビルディングブロックF、250mg、0.600mmol)、ヨード銅(229mg、1.21mmol)、メチル2,2-ジフルオロ-2-フルオロスルホニル-アセテート(289mg、1.51mmol)の溶液を70℃に16時間加熱した。混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈した。有機層をフィルタにかけ、水(30mL)及びブライン(30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。粗生成物を分取HPLC(Phenomenex Synergi C18、水中の0.1%トリフルオロ酢酸/アセトニトリル)によって精製し、凍結乾燥させて、表題化合物(150mg、70%)を白色固体として得た。MS:356.8([M+H]+),ESI pos.
【0232】
b)6-クロロ-5-(2-フルオロフェニル)-7-(トリフルオロメチル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオン
実施例1aの実験と同様に、6-クロロ-5-(2-フルオロフェニル)-7-(トリフルオロメチル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オンを表題化合物(246mg、89%)に変換し、これを黄色固体として得た。MS:372.9([M+H]+),ESI pos.
【0233】
c)7-クロロ-6-(2-フルオロフェニル)-1-ピリダジン-3-イル-8-(トリフルオロメチル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
実施例2 bの実験と同様に、ピリダジン-3-カルボヒドラジドを使用して6-クロロ-5-(2-フルオロフェニル)-7-(トリフルオロメチル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを表題化合物(6.9mg、4%)に変換し、これを白色固体として得た。MS:458.8([M+H]+),ESI pos.
【0234】
実施例28
7,8-ジクロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-(1-メチルピラゾール-4-イル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化47】
【0235】
実施例1bの実験と同様に、1-メチルピラゾール-4-カルボヒドラジドを使用して、6,7-ジクロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを表題化合物(31mg、46%)に変換し、これを灰白色固体として得た。MS:445.2([{35Cl,35Cl}M+H]+),ESI pos.
【0236】
実施例29
8-ブロモ-7-クロロ-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化48】
【0237】
実施例1bの実験と同様に、ホルモヒドラジドを使用して7-ブロモ-6-クロロ-5-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを表題化合物(8.0mg、7.0%)に変換し、これを淡黄色固体として得た。MS:392.0([{79Br,35Cl}M+H]+),394.0([{81Br,35Cl又は79Br,37Cl}M+H]+),ESI pos.
【0238】
実施例33
[8-ブロモ-7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-1-イル]メタノール
【化49】
【0239】
実施例1bの実験と同様に、2-ヒドロキシアセトヒドラジドを使用して7-ブロモ-6-クロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを白色粉末として表題化合物(348mg、77%)に変換した。MS:439.1([{79Br,35Cl}M+H]+),441.2([{81Br,35Cl又は79Br,37Cl}M+H]+),ESI pos.
【0240】
実施例34
7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-ヨード-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化50】
【0241】
a)6-クロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-7-ヨード-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオン
実施例1aの実験と同様に、6-クロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-7-ヨード-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン(ビルディングブロックH)を表題化合物(460mg)に変換し、これを暗緑色固体として得た。粗生成物を更に特徴づけすることなくそのまま次の工程で使用した。
【0242】
b)7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-ヨード-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
実施例2bの実験と同様に、ホルモヒドラジドを使用して6-クロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-7-ヨード-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを表題化合物(134mg、28%)に変換し、これを白色固体として得た。MS:456.8([M+H]+),ESI pos.
【0243】
実施例36
[8-ブロモ-7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-1-イル]メタンアミン塩酸塩
【化51】
【0244】
a)tert-ブチル N-[[8-ブロモ-7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-1-イル]メチル]カルバメート
実施例1bの実験と同様に、tert-ブチルN-(2-ヒドラジノ-2-オキソ-エチル)カルバメートを使用して7-ブロモ-6-クロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを白色粉末として表題化合物(126mg、63%)に変換した。MS:538.0([{79Br,35Cl}M+H]+),540.0([{81Br,35Cl又は79Br,37Cl}M+H]+),ESI pos.
【0245】
b)[8-ブロモ-7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-1-イル]メタンアミン塩酸塩
1,4-ジオキサン(2mL)中のtert-ブチルN-[[8-ブロモ-7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-1-イル]メチル]カルバメート(126mg、0.234mmol)の懸濁液に塩酸(1,4-ジオキサン中4.0m、585μL、2.34mmol)を滴下した。反応混合物を室温で4時間撹拌した。固体をフィルタにかけ、真空中で乾燥させ、表題化合物(100mg、90%)を淡橙色固体として得た。MS:438.1([{79Br,35Cl}M+H]+),440.2([{81Br,35Cl又は79Br,37Cl}M+H]+),ESI pos.
【0246】
実施例37
7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-(トリフルオロメチル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化52】
【0247】
a)6-クロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-7-(トリフルオロメチル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン
実施例27aの実験と同様に、6-クロロ-5-(2-フルオロフェニル)-7-ヨード-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン(ビルディングブロックH)を表題化合物(120mg、69%)に変換し、これを暗赤色油として得た。MS:375.0([M+H]+),ESI pos.
【0248】
b)6-クロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-7-(トリフルオロメチル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオン
実施例1aの実験と同様に、6-クロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-7-(トリフルオロメチル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オンを表題化合物(72mg、57%)に変換し、これを黄色固体として得た。粗生成物を更に特徴づけすることなくそのまま次の工程で使用した。
【0249】
c)7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-(トリフルオロメチル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
実施例2bの実験と同様に、ホルモヒドラジドを使用して6-クロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-7-(トリフルオロメチル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを表題化合物(8.0mg、10%)に変換し、これを白色固体として得た。MS:399.0([M+H]+),ESI pos.
【0250】
実施例38
7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-ピリダジン-3-イル-8-(トリフルオロメチル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化53】
【0251】
実施例2bの実験と同様に、ピリダジン-3-カルボヒドラジドを使用して6-クロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-7-(トリフルオロメチル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを表題化合物(31mg、24%)に変換し、これを淡紅色固体として得た。MS:477.1([M+H]+),ESI pos.
【0252】
実施例39
7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-ヨード-1-ピリダジン-3-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化54】
【0253】
実施例2bの実験と同様に、ピリダジン-3-カルボヒドラジドを使用して、6-クロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-7-ヨード-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオン(実施例34a)を表題化合物(19.4mg、13%)に変換し、これを淡紅色固体として得た。MS:535.1([M+H]+),ESI pos.
【0254】
実施例40
7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-メチル-8-(トリフルオロメチル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化55】
【0255】
実施例2bの実験と同様に、アセトヒドラジドを使用して6-クロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-7-(トリフルオロメチル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを表題化合物(39.6mg、31%)に変換し、これを白色固体として得た。MS:413.1([M+H]+),ESI pos.
【0256】
実施例41
7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-ヨード-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化56】
【0257】
実施例2bの実験と同様に、アセトヒドラジドを使用して6-クロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-7-ヨード-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを表題化合物(18.0mg、12%)に変換し、これを白色固体として得た。MS:471.0([M+H]+),ESI pos.
【0258】
実施例42
7,8-ジブロモ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-ピリダジン-3-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化57】
【0259】
a)6,7-ジブロモ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオン
実施例1aの実験と同様に、6,7-ジブロモ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン(ビルディングブロックI)を表題化合物(170mg、49%)に変換し、これを灰白色固体として得た。MS:444.9([{79Br,79Brl}M+H]+),446.8([{81Br,79Br}M+H]+),448.9([{81Br,81Br}M+H]+),ESI pos.
【0260】
b)7,8-ジブロモ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-ピリダジン-3-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
実施例1bの実験と同様に、ピリダジン-3-カルボヒドラジドを使用して、6,7-ジブロモ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを表題化合物(57mg、56%)に変換し、これを灰白色固体として得た。MS:531.1([{79Br,79Brl}M+H]+),533.0([{81Br,79Br}M+H]+),535.1([{81Br,81Br}M+H]+),ESI pos.
【0261】
実施例43
7,8-ジブロモ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-ピリミジン-4-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化58】
【0262】
実施例1bの実験と同様に、ピリミジン-4-カルボヒドラジドを使用して、6,7-ジブロモ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを表題化合物(51mg、50%)に変換し、これを灰白色固体として得た。MS:531.1([{79Br,79Brl}M+H]+),533.1([{81Br,79Br}M+H]+),535.1([{81Br,81Br}M+H]+),ESI pos.
【0263】
実施例44
8-ブロモ-7-クロロ-6-(3-クロロ-2-ピリジル)-1-ピリミジン-4-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化59】
【0264】
a)7-ブロモ-6-クロロ-5-(3-クロロ-2-ピリジル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオン
実施例1aの実験と同様に、7-ブロモ-6-クロロ-5-(3-クロロ-2-ピリジル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン(ビルディングブロックJ)を表題化合物(490mg、97%)に変換し、これを褐色固体として得た。MS:399.9([{79Br,35Cl,35Cl}M+H]+),401.9([{81Br,35Cl,35Cl又は79Br,37Cl,35Cl}M+H]+),ESI pos.
【0265】
b)8-ブロモ-7-クロロ-6-(3-クロロ-2-ピリジル)-1-ピリミジン-4-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
実施例1bの実験と同様に、ピリミジン-4-カルボヒドラジドを使用して7-ブロモ-6-クロロ-5-(3-クロロ-2-ピリジル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを表題化合物(6.6mg、5.3%)に変換し、これを白色固体として得た。MS:486.0([{79Br,35Cl,35Cl}M+H]+),488.0([{81Br,35Cl,35Cl又は79Br,37Cl,35Cl}M+H]+),ESI pos.
【0266】
実施例45
8-ブロモ-7-クロロ-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1-ピリダジン-3-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化60】
【0267】
実施例1bの実験と同様に、ピリダジン-3-カルボヒドラジドを使用して7-ブロモ-6-クロロ-5-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを表題化合物(8.6mg、7%)に変換し、これを淡黄色固体として得た。MS:470.0([{79Br,35Cl}M+H]+),472.0([{81Br,35Cl又は79Br,37Cl}M+H]+),ESI pos.
【0268】
実施例46
8-ブロモ-7-クロロ-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1-ピリミジン-4-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化61】
【0269】
実施例1bの実験と同様に、ピリミジン-4-カルボヒドラジドを使用して7-ブロモ-6-クロロ-5-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを表題化合物(6.7mg、5.4%)に変換し、これを白色固体として得た。MS:470.0([{79Br,35Cl}M+H]+),472.1([{81Br,35Cl又は79Br,37Cl}M+H]+),ESI pos.
【0270】
実施例47
8-ブロモ-7-クロロ-6-(3-クロロ-2-ピリジル)-1-ピリダジン-3-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化62】
【0271】
実施例1bの実験と同様に、ピリダジン-3-カルボヒドラジドを使用して7-ブロモ-6-クロロ-5-(3-クロロ-2-ピリジル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを表題化合物(18mg、25%)に変換し、これを白色固体として得た。MS:485.8([{79Br,35Cl,35Cl}M+H]+),487.9([{81Br,35Cl,35Cl又は79Br,37Cl,35Cl}M+H]+),ESI pos.
【0272】
実施例48
7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-メチル-1-ピリダジン-3-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化63】
【0273】
実施例1bの実験と同様に、ピリダジン-3-カルボヒドラジドを使用して6-クロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-7-メチル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを表題化合物(15.5mg、12%)に変換し、これを淡紅色固体として得た。MS:423.1([M+H]+),ESI pos.
【0274】
実施例49
7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-メチル-1-ピリミジン-4-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化64】
【0275】
実施例1bの実験と同様に、ピリミジン-4-カルボヒドラジドを使用して、6-クロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-7-メチル-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを表題化合物(6.3mg、5%)に変換し、これを淡黄色固体として得た。MS:423.1([M+H]+),ESI pos.
【0276】
実施例50
8-ブロモ-7-クロロ-6-(2-クロロ-6-フルオロ-フェニル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化65】
【0277】
a)7-ブロモ-6-クロロ-5-(2-クロロ-6-フルオロ-フェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオン
実施例1aの実験と同様に、7-ブロモ-6-クロロ-5-(2-クロロ-6-フルオロ-フェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン(ビルディングブロックK)を表題化合物(88mg、95%)に変換し、これを黄色固体として得た。粗生成物を更に特徴づけすることなくそのまま次の工程で使用した。
【0278】
b)8-ブロモ-7-クロロ-6-(2-クロロ-6-フルオロ-フェニル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
実施例1bの実験と同様に、7-ブロモ-6-クロロ-5-(2-クロロ-6-フルオロ-フェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを表題化合物(22.5mg、24%)に変換し、これを黄色固体として得た。MS:439.0([{79Br,35Cl,35Cl}M+H]+),441.0([{81Br,35Cl,35Cl又は79Br,37Cl,35Cl}M+H]+),ESI pos.
【0279】
実施例54
7,8-ジクロロ-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1-ピリダジン-3-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化66】
【0280】
a)6,7-ジクロロ-5-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオン
実施例1aの実験と同様に、6,7-ジクロロ-5-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン(ビルディングブロックN)を表題化合物(2.56g、67%)に変換し、これを淡黄色固体として得た。MS:340.0([{35Cl,35Cl}M+H]+),ESI pos.
【0281】
b)7,8-ジクロロ-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1-ピリダジン-3-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
実施例1bの実験と同様に、ピリダジン-3-カルボヒドラジドを使用して、6,7-ジクロロ-5-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを表題化合物(111mg、44%)に変換し、これを灰白色固体として得た。MS:426.0([{35Cl,35Cl}M+H]+),ESI pos.
【0282】
実施例55
7,8-ジクロロ-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1-ピリミジン-4-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化67】
【0283】
実施例1bの実験と同様に、ピリミジン-4-カルボヒドラジドを使用して、6,7-ジクロロ-5-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオン(実施例54a)を表題化合物(111mg、44%)に変換し、灰白色固体として得た。MS:426.1([{35Cl,35Cl}M+H]+),ESI pos.
【0284】
実施例57
7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-メトキシ-1-ピリダジン-3-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化68】
【0285】
8-ブロモ-7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-ピリダジン-3-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン(110mg、0.230mmol)、[(2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)-2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホネート(40mg、0.050mmol)及びトリエチルアミン(0.16mL、1.13mmol)のメタノール(15mL)中溶液を80℃に16時間加熱した。反応混合物をceliteプラグを通してフィルタにかけ、真空中で濃縮し、分取HPLC(Phenomenex Luna C18、水中の0.075%トリフルオロ酢酸/アセトニトリル)によって直接精製すると、表題化合物(47mg、46%)が淡紅色固体として得られた。MS:439.0([M+H]+),ESI pos.
【0286】
実施例58
7,8-ジクロロ-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1-(1-メチルピラゾール-4-イル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化69】
【0287】
実施例1bの実験と同様に、1-メチルピラゾール-4-カルボヒドラジドを使用して、6,7-ジクロロ-5-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを表題化合物(74mg、29%)に変換し、これを白色固体として得た。MS:428.1([{35Cl,35Cl}M+H]+),ESI pos.
【0288】
実施例59
7,8-ジクロロ-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-2,4-ジヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-1-オン
【化70】
【0289】
a)6,7-ジクロロ-5-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン ヒドラゾン
実施例9bの実験と同様に、6,7-ジクロロ-5-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを表題化合物(400mg、80%)に変換し、これを黄色固体として得た。MS:338.0([{35Cl,35Cl}M+H]+),ESI pos.
【0290】
b)7,8-ジクロロ-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-2,4-ジヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン-1-オン
実施例9cの実験と同様に、6,7-ジクロロ-5-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オンヒドラゾンを表題化合物(98mg、60%)に変換し、これを黄色固体として得た。MS:364.0([{35Cl,35Cl}M+H]+),ESI pos.
【0291】
実施例60
7,8-ジクロロ-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化71】
【0292】
実施例1bの実験と同様に、ホルモヒドラジドを使用して、6,7-ジクロロ-5-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを表題化合物(54mg、35%)に変換し、これを淡黄色固体として得た。MS:348.0([{35Cl,35Cl}M+H]+),ESI pos.
【0293】
実施例61
7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-メトキシ-1-ピリミジン-4-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化72】
【0294】
a)8-ブロモ-7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-ピリミジン-4-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
実施例2bの実験と同様に、ピリミジン-4-カルボヒドラジドを使用して7-ブロモ-6-クロロ-5-(2-フルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを表題化合物(133mg、33%)に変換し、これを淡黄色固体として得た。MS:486.9([{79Br,35Cl}M+H]+),488.9([{81Br,35Cl又は79Br,37Cl}M+H]+),ESI pos.
【0295】
b)7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-メトキシ-1-ピリミジン-4-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
実施例57の実験と同様に、8-ブロモ-7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-ピリミジン-4-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピンを表題化合物(24mg、20%)に変換し、これを灰白色固体として得た。MS:439.0([M+H]+),ESI pos.
【0296】
実施例62
7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-メトキシ-1-(3-ピリジル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化73】
【0297】
a)8-ブロモ-7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-(3-ピリジル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
実施例2bの実験と同様に、ニコチン酸ヒドラジドを使用して7-ブロモ-6-クロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを表題化合物(188mg、31%)に変換し、これを褐色固体として得た。MS:485.9([{79Br,35Cl}M+H]+),487.9([{81Br,35Cl又は79Br,37Cl}M+H]+),ESI pos.
【0298】
b)7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-メトキシ-1-(3-ピリジル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
実施例57の実験と同様に、8-ブロモ-7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-(3-ピリジル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピンを表題化合物(29mg、17%)に変換し、これを白色固体として得た。MS:438.1([M+H]+),ESI pos.
【0299】
実施例65
7,8-ジクロロ-1-シクロプロピル-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化74】
【0300】
実施例1bの実験と同様に、シクロプロパンカルボヒドラジドを使用して、6,7-ジクロロ-5-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを表題化合物(77mg、44%)に変換し、これを白色固体として得た。MS:387.9([{35Cl,35Cl}M+H]+),389.8([{35Cl,37Cl}M+H]+),ESI pos.
【0301】
実施例69
7-クロロ-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1-ピリミジン-4-イル-8-(トリフルオロメチル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化75】
【0302】
a)6-クロロ-5-(3-フルオロ-2-ピリジル)-7-(トリフルオロメチル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン
実施例27aの実験と同様に、6-クロロ-5-(3-フルオロ-2-ピリジル)-7-ヨード-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン(ビルディングブロックP)を表題化合物(1.0g、26%)に変換し、これを褐色固体として得た。MS:358.0([M+H]+),ESI pos.
【0303】
b)6-クロロ-5-(3-フルオロ-2-ピリジル)-7-(トリフルオロメチル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオン
実施例1aの実験と同様に、6-クロロ-5-(3-フルオロ-2-ピリジル)-7-(トリフルオロメチル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オンを表題化合物(430mg、91%)に変換し、これを褐色固体として得た。MS:373.8([M+H]+),ESI pos.
【0304】
c)7-クロロ-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1-ピリミジン-4-イル-8-(トリフルオロメチル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
実施例1bの実験と同様に、ピリミジン-4-カルボヒドラジドを使用して、6-クロロ-5-(3-フルオロ-2-ピリジル)-7-(トリフルオロメチル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを表題化合物(20mg、27%)に変換し、これを白色固体として得た。MS:460.1([M+H]+),ESI pos.
【0305】
実施例70
7-クロロ-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1-(1-メチルピラゾール-4-イル)-8-(トリフルオロメチル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化76】
【0306】
実施例1bの実験と同様に、1-メチルピラゾール-4-カルボヒドラジドを使用して、6-クロロ-5-(3-フルオロ-2-ピリジル)-7-(トリフルオロメチル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを表題化合物(14mg、18%)に変換し、これを白色固体として得た。MS:462.2([M+H]+),ESI pos.
【0307】
実施例71
7,8-ジクロロ-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化77】
【0308】
実施例1bの実験と同様に、アセトヒドラジドを使用して、6,7-ジクロロ-5-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを表題化合物(60mg、47%)に変換し、これを白色固体として得た。MS:362.1([{35Cl,35Cl}M+H]+),ESI pos.
【0309】
実施例72
7-クロロ-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1-ピリダジン-3-イル-8-(トリフルオロメチル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化78】
【0310】
実施例1bの実験と同様に、ピリダジン-3-カルボヒドラジドを使用して、6-クロロ-5-(3-フルオロ-2-ピリジル)-7-(トリフルオロメチル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを表題化合物(15mg、32%)に変換し、これを白色固体として得た。MS:460.2([M+H]+),ESI pos.
【0311】
実施例77
8-ブロモ-7-クロロ-1-シクロプロピル-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化79】
【0312】
実施例1bの実験と同様に、シクロプロパンカルボヒドラジドを使用して、7-ブロモ-6-クロロ-5-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを表題化合物(283mg、31%)に変換し、これを白色固体として得た。MS:432.0([{79Br,35Cl}M+H]+),434.1([{81Br,35Cl又は79Br,37Cl}M+H]+),ESI pos.
【0313】
実施例78
7-クロロ-6-(3-フルオロ-2-ピリジル)-1-メチル-8-(トリフルオロメチル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化80】
【0314】
実施例1bの実験と同様に、アセトヒドラジドを使用して、6-クロロ-5-(3-フルオロ-2-ピリジル)-7-(トリフルオロメチル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを表題化合物(38mg、52%)に変換し、これを白色固体として得た。MS:396.1([M+H]+),ESI pos.
【0315】
実施例79
7-クロロ-1-シクロプロピル-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-メトキシ-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化81】
【0316】
a)8-ブロモ-7-クロロ-1-シクロプロピル-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
実施例2bの実験と同様に、シクロプロパンカルボヒドラジドを使用して7-ブロモ-6-クロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを表題化合物(180mg、54%)に変換し、これを褐色固体として得た。MS:448.9([{79Br,35Cl}M+H]+),450.9([{81Br,35Cl又は79Br,37Cl}M+H]+),ESI pos.
【0317】
b)7-クロロ-1-シクロプロピル-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-メトキシ-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
実施例57の実験と同様に、8-ブロモ-7-クロロ-1-シクロプロピル-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピンを表題化合物(6mg、5%)に変換し、これを白色固体として得た。MS:401.1([M+H]+),ESI pos.
【0318】
実施例90
7,8-ジクロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-メトキシ-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化82】
【0319】
a)1-ブロモ-7,8-ジクロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
トルエン(25mL)中の7,8-ジクロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン(400mg、1.1mmol)の混合物に、1-ブロモピロリジン-2,5-ジオン(214mg,1.2mmol)を室温で加えた。反応混合物を2.5時間撹拌した後、60℃に2時間加熱した。更なる量の1-ブロモピロリジン-2,5-ジオン(214mg、1.2mmol)を添加し、反応混合物を60℃で更に30分間保持した。反応混合物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(100mL)に注ぎ入れ、酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘプタン0~60%中酢酸エチル/エタノール3:1)によって精製すると、表題化合物(496mg、86%)が灰白色固体として得られた。MS:443.0([{79Br,35Cl,35Cl}M+H]+),445.1([{81Br,35Cl,35Cl又は79Br,37Cl,35Cl}M+H]+),ESI pos.
【0320】
b)7,8-ジクロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-メトキシ-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
シュレンク管に、1-ブロモ-7,8-ジクロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン(30mg、0.068mmol)、rac-BINAP(8.4mg、13.5μmol)、炭酸セシウム(66mg、203μmol)及びトルエン(0.9mL)を装入した。反応混合物にアルゴンを5分間バブリングすることによって、管を脱気した。酢酸パラジウム(II)(3.03mg、0.0135mmol)を添加し、次いで、管を密封し、反応混合物を30分間80℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却した後、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(5mL)でクエンチし、酢酸エチル(3×5mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(1×5mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘプタン0~100%中酢酸エチル/エタノール(3:1))、続いて分取HPLC(YMC-Triart C18、水中0.1%HCOOH/アセトニトリル)によって精製すると、表題化合物(6.4mg、24%)が灰白色固体として得られた。MS:395.1([{35Cl,35Cl}M+H]+),ESI pos.
【0321】
実施例91
trans-7,8-ジクロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-(3-メトキシシクロブチル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化83】
【0322】
実施例2bの実験と同様に、3-メトキシシクロブタンカルボヒドラジドを使用して6,7-ジクロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオン(実施例9a)を表題化合物(69mg、60%)に変換し、これを白色固体として得た。MS:449.3([{35Cl,35Cl}M+H]+),ESI pos.
【0323】
実施例104
8-ブロモ-7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-ピリダジン-3-イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化84】
【0324】
実施例1bの実験と同様に、ピリダジン-3-カルボヒドラジドを使用して7-ブロモ-6-クロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを表題化合物(20.7mg、17%)に変換し、これを白色固体として得た。MS:487.0([{79Br,35Cl}M+H]+),489.1([{81Br,35Cl又は79Br,37Cl}M+H]+),ESI pos.
【0325】
参照化合物
RE-A
8-ブロモ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化85】
【0326】
a)N-[2-(2,6-ジフルオロベンソイル)フェニル]アセトアミド
ビルディングブロックAbの実験と同様に、2-メチル-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン(CAS番号525-76-8)を表題化合物(40g、80%)に変換し、これを淡黄色固体として得た。MS:276.2([M+H]+),ESI pos.
【0327】
b)(2-アミノフェニル)-(2,6-ジフルオロフェニル)メタノン
ビルディングブロックAcの実験と同様に、N-[2-(2,6-ジフルオロベンゾイル)フェニル]アセトアミドを表題化合物(19.5g、75%)に変換し、これを黄色固体として得た。MS:234.1([M+H]+),ESI pos.
【0328】
c)(2-アミノ-5-ブロモ-フェニル)-(2,6-ジフルオロフェニル)メタノン
ジクロロメタン(50mL)中の(2-アミノフェニル)-(2,6-ジフルオロフェニル)メタノン(5.00g、21.4mmol)の溶液に、N-ブロモスクシンイミド(4.02g、22.51mmol)を-15℃で少しずつ添加した。出発物質が完全に消費されるまで(LCMS分析によって判断)、反応混合物を-15℃で1時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、得られた残渣を分取HPLC(Shim-pack C18、水/アセトニトリル中の0.225%トリフルオロ酢酸)によって精製した。合わせた分画を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチル(3×200mL)で抽出した。有機相をブライン(2×100mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、真空中で濃縮して、表題化合物(4.44g、66%)を黄色固体として得た。MS:311.9([{79Br}M+H]+),314.0([{81Br}M+H]+),ESI pos.
【0329】
d)7-ブロモ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン
ビルディングブロックAeの実験と同様に、(2-アミノ-5-ブロモ-フェニル)-(2,6-ジフルオロフェニル)メタノンを表題化合物(300mg、13%)に変換し、これを黄色固体として得たMS:351.0([{79Br}M+H]+),353.0([{81Br}M+H]+),ESI pos.
【0330】
e)7-ブロモ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオン
実施例30aの実験と同様に、7-ブロモ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オンを表題化合物(310mg、92%)に変換すると、黄色固体として得られた。粗生成物を更に特徴づけすることなくそのまま次の工程で使用した。
【0331】
f)8-ブロモ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
実施例30bの実験と同様に、アセトヒドラジドを使用して7-ブロモ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを表題化合物(5.1mg、4%)に変換し、これを白色固体として得た。MS:389.0([{79Br}M+H]+),391.0([{81Br}M+H]+),ESI pos.
【0332】
RE-B
6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-メチル-8-(トリフルオロメチル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化86】
【0333】
a)(2-アミノ-5-ヨード-フェニル)-(2,6-ジフルオロフェニル)メタノン
DMF(15mL)中の(2-アミノフェニル)-(2,6-ジフルオロフェニル)メタノン(1.6g、6.86mmol)の溶液に、N-ヨードスクシンイミド(1.62g、7.2mmol)を少しずつ加えた。反応混合物を20℃で16時間撹拌した後、水(20mL)で希釈した。混合物を酢酸エチル(3×20mL)で抽出し、次いで、合わせた有機抽出物をブライン(2×10mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル、10:1~5:1)によって精製して、表題化合物(2.0g、81%)を黄色固体として得た。MS:360.0([M+H]+),ESI pos.
【0334】
b)5-(2,6-ジフルオロフェニル)-7-ヨード-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン
ビルディングブロックAeの実験と同様に、(2-アミノ-5-ヨード-フェニル)-(2,6-ジフルオロフェニル)メタノンを表題化合物(650mg、12%)に変換し、これを黄色固体として得た。MS:399.0([M+H]+),ESI pos.
【0335】
c)5-(2,6-ジフルオロフェニル)-7-ヨード-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオン
実施例30aの実験と同様に、5-(2,6-ジフルオロフェニル)-7-ヨード-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オンを表題化合物(200mg、82%)に変換し、これを黄色固体として得た。MS:414.9([M+H]+),ESI pos.
【0336】
d)5-(2,6-ジフルオロフェニル)-7-ヨード-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン ヒドラゾン
実施例64aの実験と同様に、5-(2,6-ジフルオロフェニル)-7-ヨード-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを表題化合物(220mg、98%)に変換し、これを黄色固体として得た。MS:413.0([M+H]+),ESI pos.
【0337】
e)6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-ヨード-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
実施例98cの実験と同様に、5-(2,6-ジフルオロフェニル)-7-ヨード-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オンヒドラゾンを表題化合物(150mg、64%)に変換し、これを黄色固体として得た。MS:437.0([M+H]+),ESI pos.
【0338】
f)6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-メチル-8-(トリフルオロメチル)-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
実施例92aの実験と同様に、6-(2,6-ジフルオロフェニル)-8-ヨード-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピンを表題化合物(5mg、6%)に変換するし、これを白色固体として得た。MS:379.0([M+H]+),ESI pos.
【0339】
RE-C
6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化87】
【0340】
メタノール(0.5mL)中の8-ブロモ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン(30mg、0.08mmol)の撹拌溶液に10重量%Pd/C(2.5mg、2.4μmol)を添加し、得られた黒色懸濁液を排気によってパージし、次いで水素流(バルーン)で3回バックフィルした。混合物を水素雰囲気下、室温で16時間撹拌し、次いで、ダイカライト(dicalite)のパッドを通してフィルタにかけた。濾過ケークをメタノールですすぎ、濾液を真空中で濃縮した。残渣を分取HPLC(Phenomenex Gemini-NX C18、水中0.1%トリフルオロ酢酸/アセトニトリル)、続いて分取TLC(シリカ、ジクロロメタン/メタノール、20:1)によって精製すると、表題化合物(5mg、20%)が白色固体として得られた。MS:276.2([M+H]+),ESI pos.
【0341】
RE-G
7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
【化88】
【0342】
a)6-クロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン
ビルディングブロックAeの実験と同様に、(2-アミノ-6-クロロ-フェニル)-(2,6-ジフルオロフェニル)メタノンを表題化合物(3.0g、44 %)に変換し、これを黄色固体として得たMS:307.0([M+H]+),ESI pos.
【0343】
b)6-クロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオン
実施例1aの実験と同様に、6-クロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オンを表題化合物(2.8g、89%)に変換すると、黄色固体として得られた。MS:323.0([M+H]+),ESI pos.
【0344】
c)6-クロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン ヒドラゾン
実施例9bの実験と同様に、6-クロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-チオンを表題化合物(220mg、98%)に変換し、これを更に精製することなくそのまま使用した。MS:321.1([M+H]+),ESI pos.
【0345】
d)7-クロロ-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-1-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ベンゾジアゼピン
トルエン(3mL)中の6-クロロ-5-(2,6-ジフルオロフェニル)-1,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オンヒドラゾン(220mg、0.690mmol)及びトリエチルオルトアセテート(556mg、3.43mmol)の溶液を120℃に加熱した。1時間後、溶媒を減圧下で除去し、得られた残渣を酢酸エチル(100mL)と水(2×20mL)に分配した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(Na2SO4)、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。残渣を分取HPLC(Boston Prime C18、水中0.1%トリフルオロ酢酸/アセトニトリル)によって直接精製し、凍結乾燥させて、表題化合物(73mg、31%)を白色固体として得た。MS:344.9([M+H]+),ESI pos.
【国際調査報告】