(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-29
(54)【発明の名称】多重中空ビームを有する車両構成要素
(51)【国際特許分類】
B62D 25/20 20060101AFI20230522BHJP
【FI】
B62D25/20 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022561027
(86)(22)【出願日】2021-04-05
(85)【翻訳文提出日】2022-10-31
(86)【国際出願番号】 US2021025748
(87)【国際公開番号】W WO2021207061
(87)【国際公開日】2021-10-14
(32)【優先日】2020-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591187162
【氏名又は名称】シェイプ・コープ
【氏名又は名称原語表記】SHAPE CORP.
【住所又は居所原語表記】1900 Hayes St., Grand Haven, Michigan 49417, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100221729
【氏名又は名称】中尾 圭介
(72)【発明者】
【氏名】マテッキ、ジョゼフ
(72)【発明者】
【氏名】クルイペルス、マシュー
(72)【発明者】
【氏名】アルジェー、コディー
(72)【発明者】
【氏名】バース、ダグラス
【テーマコード(参考)】
3D203
【Fターム(参考)】
3D203BB12
3D203BB22
3D203BB25
3D203BB54
3D203BB55
3D203CA54
3D203CA57
(57)【要約】
車両用ロッカー構成要素は、補強ビームであって、補強ビームの長さに沿って連続的に延在する断面形状を一緒に形成する複数の細長い屈曲部が補強ビームの長さに沿って平行に延在する状態で成形された金属シートを有する補強ビームを含む。補強ビームの断面形状は、ビーム部分と、ビーム部分から一体的に延在するフランジ部分とを含む。ビーム部分は、補強ビームの反対側に位置する両端部の開口部の間に長手方向に延在する複数の中空の空洞を取り囲む多重中空形状を有する。フランジ部分は、ビーム部分から一体的に延在し、金属シートの縁部を含む。フランジ部分は、車両の車外側の領域に沿ってロッカー構成要素を支持するために、車両に取り付けられるように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用ロッカー構成要素であって、
補強ビームであって、前記補強ビームの長さに沿って連続的に延在する断面形状を一緒に形成する複数の細長い屈曲部が前記補強ビームの前記長さに沿って平行に延在する状態で成形された金属シートを有する補強ビームを備え、
前記補強ビームの前記断面形状は、ビーム部分と、前記ビーム部分から一体的に延在するフランジ部分とを備え、
前記ビーム部分は、前記補強ビームの反対側に位置する両端部の開口部の間に長手方向に延在する複数の中空の空洞を取り囲む多重中空形状を備え、
前記フランジ部分は、前記ビーム部分から一体的に延在し、前記金属シートの縁部を備え、
前記フランジ部分は、前記車両の車外側の領域に沿って前記ロッカー構成要素を支持するために、前記車両に取り付けられるように構成される、
車両用ロッカー構成要素。
【請求項2】
前記補強ビームが、前記金属シートの反対側に位置する縁部によって形成された第2のフランジ部分を備える、請求項1に記載のロッカー構成要素。
【請求項3】
前記車両に対して、前記フランジ部分が前記ビーム部分から上方に延在し、前記第2のフランジ部分が前記ビーム部分から下方に一体的に延在する、請求項1又は2に記載のロッカー構成要素。
【請求項4】
前記フランジ部分が、前記補強ビームの長さに沿って連続的に延在する、請求項1~3のいずれか一項に記載のロッカー構成要素。
【請求項5】
チャネルセクションと、前記車両に対して前記チャネルセクションの上縁及び下縁に沿って長手方向に延在する反対側に位置するフランジとを有するシルパネルをさらに備え、
前記チャネルセクションは、前記シルパネルの凹側を画定するように成形され、
前記補強ビームの前記フランジ部分は、前記補強ビームを前記シルパネルに固定するために、前記シルパネルの前記凹側において前記フランジの一方に接合される、
請求項1~4のいずれか一項に記載のロッカー構成要素。
【請求項6】
シルインナーに沿って長手方向に延在する上部フランジインナーを有する前記シルインナーと、
シルアウターに沿って長手方向に延在する上部フランジアウターを有する前記シルアウターとをさらに備え、
前記補強ビームの前記フランジ部分は、前記上部フランジインナーと前記上部フランジアウターとの間に接合される、
請求項1~5のいずれか一項に記載のロッカー構成要素。
【請求項7】
前記補強ビームの長さが、前記シルインナーと前記シルアウターとの間に画定される中空内部空間の長手方向寸法の40%~100%を占める、請求項6に記載のロッカー構成要素。
【請求項8】
前記フランジ部分が前記シルインナーと前記シルアウターとの間で溶接される、請求項6に記載のロッカー構成要素。
【請求項9】
前記補強ビームの前記ビーム部分が、前記細長い屈曲部の間に配置された壁セクションを備え、
前記壁セクションは、前記補強ビームに沿って長手方向に延在する前記複数の中空の空洞のそれぞれを囲み、前記多重中空形状を一緒に形成するように互いに角度を付けられる、請求項1~8のいずれか一項に記載のロッカー構成要素。
【請求項10】
前記ビーム部分の前記壁セクションが、前記フランジ部分の平面延長部に対して実質的に垂直であるせん断壁セクションを備える、請求項9に記載のロッカー構成要素。
【請求項11】
前記ビーム部分の前記壁セクションが、前記フランジ部分の平面延長部に対しておよそ30~60度角度を付けられたせん断壁セクションを備える、請求項9に記載のロッカー構成要素。
【請求項12】
前記車両に対してシルパネルの上縁及び下縁に沿って延在するフランジを有する前記シルパネルをさらに備え、
前記補強ビームの前記フランジ部分は、前記補強ビームを前記シルパネルに固定するために、前記シルパネルの前記フランジの一方に接合され、
前記ビーム部分の前記壁セクションは、前記シルパネルの内面に沿って長手方向に接触するインターフェース壁セクションを備える、
請求項9に記載のロッカー構成要素。
【請求項13】
前記インターフェース壁セクションが、前記フランジ部分の平面延長部と実質的に平行である、請求項12に記載のロッカー構成要素。
【請求項14】
シルパネルの上縁及び下縁に沿って画定されたフランジと、前記フランジの間に一体的に接続されたチャネルセクションとを有する前記シルパネルをさらに備え、
前記補強ビームの前記フランジ部分は、前記シルパネルの前記チャネルセクションに隣接して前記補強ビームの前記ビーム部分を固定するために、前記シルパネルの前記フランジの一方に接合され、
前記ビーム部分の前記壁セクションは、前記シルパネルの前記チャネルセクションに沿って延在する垂直壁から横方向に反対側に位置するシル壁セクションを備える、
請求項9に記載のロッカー構成要素。
【請求項15】
車両用ロッカー構成要素であって、
補強ビームであって、前記補強ビームの長さに沿って平行に延在し、前記補強ビームの平面壁セクションを間に画定する複数の細長い屈曲部を有する金属シートを備える補強ビームを備え、
前記補強ビームは、前記補強ビームの長さに沿って延在するビーム部分と、前記ビーム部分から一体的に延在するフランジ部分とを備え、
前記ビーム部分の前記平面壁セクションは、前記補強ビームの反対側に位置する両端部の開口部の間に延在する複数の細長い中空の空洞を囲むように互いに角度を付けられ、
前記フランジ部分は、前記ビーム部分から一体的に延在し、前記金属シートの縁部を備え、
前記フランジ部分は、前記ロッカー構成要素を前記車両において支持するために、前記車両に取り付けられるように構成されている、
車両用ロッカー構成要素。
【請求項16】
前記複数の細長い屈曲部の少なくとも1つが、前記複数の細長い中空の空洞の少なくとも1つを囲むように、前記金属シートの一部に沿って溶接される、請求項15に記載のロッカー構成要素。
【請求項17】
前記補強ビームが、前記金属シートの反対側に位置する縁部によって形成される第2のフランジ部分を備え、前記車両に対して、前記フランジ部分は前記ビーム部分から上方に延在し、前記第2のフランジ部分は前記ビーム部分から下方に延在する、請求項15又は16に記載のロッカー構成要素。
【請求項18】
前記車両に対してシルパネルの上縁及び下縁に沿って長手方向に延在するフランジを有する前記シルパネルをさらに備え、前記補強ビームの前記フランジ部分は、前記補強ビームを前記シルパネルに固定するために、前記シルパネルの前記フランジの1つに接合される、請求項15~17のいずれか一項に記載のロッカー構成要素。
【請求項19】
前記ビーム部分の前記平面壁セクションが、せん断壁セクションとシル壁セクションとを備え、
前記せん断壁セクションは、前記フランジ部分の平面延長部に対しておよそ30~60度角度を付けられ、
前記シル壁セクションは、前記フランジ部分の前記平面延長部と実質的に平行である、請求項15~17のいずれか一項に記載のロッカー構成要素。
【請求項20】
車両用ロッカー構成要素であって、
金属シートの反対側に位置する側縁部の間に配置されたシート本体を有する前記金属シートを備える補強ビームであり、前記シート本体は、前記補強ビームの長さに沿って延在し、前記補強ビームの平面壁セクションを間に画定する複数の細長い屈曲部を有する、補強ビームであって、
前記補強ビームの長さに沿って延在する複数の細長い中空の空洞を囲むように互いに角度を付けられた前記平面壁セクションによって画定されたビーム部分を含み、
前記ビーム部分から一体的に延在し、前記金属シートの前記側縁部の1つで終端するフランジ部分であって、前記ロッカー構成要素を支持するために前記車両に取り付けられるように構成されたフランジ部分を含む、補強ビームと、
チャネルセクションと、前記車両に対して前記チャネルセクションの上縁及び下縁に沿って長手方向に延在する反対側に位置するフランジとを有するシルパネルであって、
前記補強ビームの前記フランジ部分が、前記補強ビームを前記シルパネルに固定するために、前記シルパネルの前記反対側に位置するフランジの1つに接合される、シルパネルと
を備える車両用ロッカー構成要素。
【請求項21】
第1のパネルの縁部に沿って長手方向に延在するフランジを備える前記第1のパネルと、
前記第1のパネルと第2のパネルの間に中空内部空間を画定するために前記第1パネルの前記フランジに沿って取り付けられた縁部を有する前記第2のパネルと、
前記第1及び第2のパネル間の前記中空内部空間内に配置される多重中空断面形状を有するビーム部分を含むようにロール成形された金属シートを備える補強ビームと
を備え、
前記補強ビームの前記金属シートが、前記ビーム部分から一体的に延在するフランジ部分であって、前記補強ビームを前記第1及び第2のパネルに対して固定するために、前記第1のパネルの前記フランジのうちの一方と前記第2のパネルの縁部との間に取り付けられたフランジ部分を備える、
車両構成要素。
【請求項22】
前記補強ビームの前記フランジ部分が、前記金属シートの縁部を備える、請求項21に記載の車両構成要素。
【請求項23】
前記補強ビームが、前記金属シートの反対側に位置する縁部によって形成された第2のフランジ部分を備え、
前記第2のフランジ部分は、前記第1のパネルの他方のフランジと前記第2のパネルの他方の縁部との間に溶接される、請求項21又は22に記載の車両構成要素。
【請求項24】
前記フランジ部分が、前記補強ビームの長さに沿って長手方向に延在する、請求項21~23のいずれか一項に記載の車両構成要素。
【請求項25】
前記補強ビームの長さが、前記第1及び第2のパネル間に画定される前記中空内部空間の長さの40%~100%である、請求項24に記載の車両構成要素。
【請求項26】
前記フランジ部分が、前記第1及び第2のパネル間に溶接される、請求項21~25のいずれか一項に記載の車両構成要素。
【請求項27】
前記ビーム部分が、前記ビーム部分の別個の壁セクションをそれぞれが画定する、前記金属シートに対する複数の長手方向の屈曲部を備える、請求項21~26のいずれか一項に記載の車両構成要素。
【請求項28】
前記ビーム部分の前記壁セクションが、前記補強ビームに沿って長手方向に延在する内部領域を囲む管状形状を形成するように互いに角度を付けられた4つの連続した壁セクションを備える、請求項27に記載の車両構成要素。
【請求項29】
前記ビーム部分の前記壁セクションが、前記4つの連続した壁セクションによって形成された管状形状と平行に整列した状態で前記補強ビームに沿って長手方向に延在する第2の内部領域を囲む第2の管状形状を形成する追加の壁セクションを備える、請求項28に記載の車両構成要素。
【請求項30】
前記ビーム部分の前記壁セクションが、前記第1のパネル又は前記第2のパネルの内面に沿って長手方向に接触するインターフェース壁セクションを備える、請求項27に記載の車両構成要素。
【請求項31】
前記インターフェース壁セクションが、前記フランジ部分の平面延長部と実質的に平行である、請求項30に記載の車両構成要素。
【請求項32】
前記ビーム部分の前記壁セクションが、前記フランジ部分の平面延長部に対して実質的に垂直であるせん断壁セクションを備える、請求項27に記載の車両構成要素。
【請求項33】
前記ビーム部分の前記壁セクションが、前記フランジ部分の平面セクションに対しておよそ30~60度角度を付けられたせん断壁セクションを備える、請求項27に記載の車両構成要素。
【請求項34】
前記ビーム部分が、前記ビーム部分の別個の壁セクションをそれぞれが画定する前記金属シートに対する複数の長手方向の屈曲部を備え、
前記複数の長手方向の屈曲部の少なくとも2つが、前記ビーム部分の前記多重中空断面形状によって画定される内部領域を囲むために前記金属シートの他の部分に溶接される、請求項21~33のいずれか一項に記載の車両構成要素。
【請求項35】
前記補強ビームが、ロッカー、ヒンジピラー、Bピラー、フロアクロスメンバ、又はバッテリトレイフレーム構成要素のうちの1つとして使用するための構成において前記第1及び第2のパネル間に配置される、請求項21~34のいずれか一項に記載の車両構成要素。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)のもと、2020年4月6日に提出された米国仮特許出願第63/005,519号に付与された優先権を主張し、この先行出願の開示内容は本出願の一部とみなされ、これにより参照により完全な形で組み込まれる。
【0002】
本開示は概して構造部材及びビームに関し、より詳細には、例えば車両フレーム又は関連する車両アセンブリ上の構造及び補強ビームとして使用するための、車両構成要素に関する。
【背景技術】
【0003】
自動車などの車両は、ホワイトボディ又はブラックボディ(body-in-black)と一般に呼ばれる剛性構造フレーム又はボディ構造を典型的に有する。車両フレーム又はボディ構造は、保険要件及び他の規制及び法的要件を満たすように、特定のレベルの衝撃力を受け、吸収するように設計されている。車両のボディ又はフレームに使用される衝撃補強材及び構造ビームに関して、これらのビームは、例えば、より堅牢な補強ビーム構造で、又は管状補強インサート若しくは隔壁補強インサートなどの剛性を高めるための補強内側インサートなどで補強できることは一般に知られている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、多重中空補強ビームを含むロッカー構成要素などの車両構造構成要素を提供する。補強ビームは、多重中空断面形状を有するビーム部分と、ビーム部分から一体的に延在する少なくとも1つのフランジ部分とを含み得る。補強ビームは、ビーム部分において多重中空断面を有し、且つ金属シートの縁部などにおいてビーム部分から一体的に延在するフランジ部分を有するように、シートをロール成形することなどにより、金属シートで形成されてもよい。補強ビームは、車両構成要素に沿って延在してもよく、又は車両構成要素の所望の部分に配置されて車両構成要素のそれぞれのセクションを補強してもよい。車両構成要素はロッカー構成要素であり得、その結果、補強ビームの1つ又は複数のフランジ部分を、フレーム、ドアシル、シル、フロア、ピラー、クロスメンバ又は同様の構成要素など、車両構造に取り付けることができる。
【0005】
本開示の一態様によれば、車両用ロッカー構成要素は、補強ビームであって、補強ビームの長さに沿って連続的に延在する断面形状を一緒に形成する複数の細長い屈曲部が補強ビームの長さに沿って平行に延在する状態で成形された金属シートを有する補強ビームを含む。補強ビームの断面形状は、ビーム部分と、ビーム部分から一体的に延在するフランジ部分とを含む。ビーム部分は、補強ビームの反対側に位置する両端部の開口部の間に長手方向に延在する複数の中空の空洞を取り囲む多重中空形状を有する。フランジ部分は、ビーム部分から一体的に延在し、金属シートの縁部を含む。フランジ部分は、車両の車外側の領域に沿ってロッカー構成要素を支持するために、車両に取り付けられるように構成される。
【0006】
本開示の実装形態は、以下の任意選択の特徴のうちの1つ又は複数を含んでもよい。いくつかの実装形態では、補強ビームは、金属シートの反対側に位置する縁部によって形成された第2のフランジ部分を含む。いくつかの例では、車両に対してフランジ部分はビーム部分から上方に延在し、第2のフランジ部分はビーム部分から下方に一体的に延在する。いくつかの実装形態では、フランジ部分は、補強ビームの長さに沿って連続的に延在する。
【0007】
いくつかの実装形態では、ロッカー構成要素は、チャネルセクションと、車両に対してチャネルセクションの上縁及び下縁に沿って長手方向に延在する反対側に位置するフランジとを有するシルパネルを含む。いくつかの例では、チャネルセクションは、シルパネルの凹側を画定するように成形され、補強ビームのフランジ部分は、補強ビームをシルパネルに固定するために、シルパネルの凹側においてフランジの一方に接合される。
【0008】
追加の実装形態では、ロッカー構成要素は、シルインナーに沿って長手方向に延在する上部フランジインナーを有するシルインナーと、シルアウターに沿って長手方向に延在する上部フランジアウターを有するシルアウターとを含む。いくつかの例では、補強ビームのフランジ部分は、シルインナーとシルアウターの上部フランジインナーと上部フランジアウターとの間に接合される。フランジ部分は、いくつかの例において、シルインナーとシルアウターとの間で溶接されてもよい。いくつかの事例では、補強ビームの長さは、シルインナーとシルアウターとの間に画定される中空内部空間の長手方向寸法の40%~100%を占める。
【0009】
さらなる実装形態では、補強ビームのビーム部分は、細長い屈曲部の間に配置された壁セクションを含み、その結果、壁セクションは、補強ビームに沿って長手方向に延在する複数の中空の空洞のそれぞれを囲み、多重中空形状を一緒に形成するように互いに角度を付けられる。いくつかの例では、ビーム部分の壁セクションは、フランジ部分の平面延長部に対して実質的に垂直であるか、又は他の例では、フランジ部分の平面延長部に対しておよそ30~60度角度を付けられたせん断壁セクションを備える。
【0010】
いくつかの事例では、ロッカー構成要素は、車両に対してシルパネルの上縁及び下縁に沿って延在するフランジを有するシルパネルを含む。補強ビームのフランジ部分は、補強ビームをシルパネルに固定するために、シルパネルのフランジの一方に接合されてもよい。ビーム部分の壁セクションは、シルパネルの内面に沿って長手方向に接触するインターフェース壁セクションを含み得る。追加の例では、インターフェース壁セクションは、フランジ部分の平面延長部と実質的に平行である。追加の実装形態では、ビーム部分の壁セクションは、シルパネルのチャネルセクションに沿って延在する垂直壁から横方向に反対側に位置するシル壁セクションを含む。
【0011】
本開示の別の態様によれば、車両用ロッカー構成要素は、補強ビームであって、補強ビームの長さに沿って平行に延在し、補強ビームの平面壁セクションを間に画定する複数の細長い屈曲部を有する金属シートを備える補強ビームを含む。補強ビームは、補強ビームの長さに沿って延在するビーム部分と、ビーム部分から一体的に延在するフランジ部分とを含む。ビーム部分の平面壁セクションは、補強ビームの反対側に位置する両端部の開口部の間に延在する複数の細長い中空の空洞を囲むように、互いに角度が付けられている。フランジ部分は、ビーム部分から一体的に延在し、金属シートの縁部を含む。フランジ部分は、ロッカー構成要素を車両において支持するために、車両に取り付けられるように構成されている。
【0012】
いくつかの実装形態では、複数の細長い屈曲部の少なくとも1つは、複数の細長い中空の空洞の少なくとも1つを囲むように、金属シートの一部に沿って溶接される。いくつかの例では、補強ビームは、金属シートの反対側に位置する縁部によって形成される第2のフランジ部分を含み、その結果、車両に対してフランジ部分はビーム部分から上方に延在し、第2のフランジ部分はビーム部分から下方に延在する。
【0013】
いくつかの事例では、ロッカー構成要素は、シルパネルであって、車両に対してシルパネルの上縁及び下縁に沿って長手方向に延在するフランジを有するシルパネルを含み、補強ビームのフランジ部分は、補強ビームをシルパネルに固定するために、シルパネルのフランジの1つに接合される。追加の実装形態では、ビーム部分の壁セクションは、せん断壁セクションとシル壁セクションとを備え、せん断壁セクションは、フランジ部分の平面延長部に対しておよそ30~60度角度を付けられ、シル壁セクションは、フランジ部分の平面延長部と実質的に平行である。
【0014】
本開示のさらなる態様によれば、車両用ロッカー構成要素は、金属シートの反対側に位置する側縁部の間に配置されたシート本体を有する金属シートを含む補強ビームを含む。シート本体は、補強ビームの長さに沿って延在し、補強ビームの平面壁セクションを間に画定する複数の細長い屈曲部を含む。補強ビームは、補強ビームの長さに沿って延在する複数の細長い中空の空洞を囲むように互いに角度を付けられた平面壁セクションによって画定されたビーム部分を含む。補強ビームは、ビーム部分から一体的に延在し、金属シートの側縁部の1つで終端するフランジ部分を含む。フランジ部分は、ロッカー構成要素を支持するために車両に取り付けられるように構成される。ロッカー構成要素はまた、チャネルセクションと、車両に対してチャネルセクションの上縁及び下縁に沿って長手方向に延在する反対側に位置するフランジとを有するシルパネルも含む。補強ビームのフランジ部分は、補強ビームをシルパネルに固定するために、シルパネルの反対側に位置するフランジの1つに接合される。
【0015】
本開示の上記の独立した態様のそれぞれ、及び以下の詳細な記載に記載された態様は、他の独立した態様の下にあるものを含めて、本開示及び図に提示された特徴、オプション、及び可能性のいずれかを含んでもよく、本開示及び図に提示された特徴、オプション、及び可能性のいずれかの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0016】
本開示の1つ又は複数の実装形態の詳細は、添付の図面及び以下の記載に記載されている。他の態様、利点、目的、及び特徴は、図面と併せて以下の明細書を検討することにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】様々な車両構成要素を破線で概略的に示す車両の斜視図である。
【
図3A】補強ビームを有するロッカー構成要素の断面図である。
【
図3B】補強ビームを有するロッカー構成要素の断面図である。
【
図4A】補強ビームの異なる例を有するロッカー構成要素の断面図である。
【
図4B】補強ビームの異なる例を有するロッカー構成要素の断面図である。
【
図5A】補強ビームの別の例を有するロッカー構成要素の断面図である。
【
図5B】補強ビームの別の例を有するロッカー構成要素の断面図である。
【
図6A】補強ビームのさらなる例を有するロッカー構成要素の断面図である。
【
図6B】補強ビームのさらなる例を有するロッカー構成要素の断面図である。
【
図7A】補強ビームの異なる例を有するロッカー構成要素の断面図である。
【
図7B】補強ビームの異なる例を有するロッカー構成要素の断面図である。
【
図8A】補強ビームの別の例を有するロッカー構成要素の断面図である。
【
図8B】補強ビームの別の例を有するロッカー構成要素の断面図である。
【
図9A】補強ビームのさらなる例を有するロッカー構成要素の断面図である。
【
図9B】補強ビームのさらなる例を有するロッカー構成要素の断面図である。
【
図9C】補強ビームのさらなる例を有するロッカー構成要素の断面図である。
【
図9D】補強ビームのさらなる例を有するロッカー構成要素の断面図である。
【
図10A】補強ビームの異なる例を有するロッカー構成要素の断面図である。
【
図10B】補強ビームの異なる例を有するロッカー構成要素の断面図である。
【
図10C】補強ビームの異なる例を有するロッカー構成要素の断面図である。
【
図10D】補強ビームの異なる例を有するロッカー構成要素の断面図である。
【
図11A】補強ビームの別の例を有するロッカー構成要素の断面図である。
【
図11B】補強ビームの別の例を有するロッカー構成要素の断面図である。
【
図11C】補強ビームの別の例を有するロッカー構成要素の断面図である。
【
図11D】補強ビームの別の例を有するロッカー構成要素の断面図である。
【
図12A】補強ビームのさらなる例を有するロッカー構成要素の断面図である。
【
図12B】補強ビームのさらなる例を有するロッカー構成要素の断面図である。
【
図12C】補強ビームのさらなる例を有するロッカー構成要素の断面図である。
【
図12D】補強ビームのさらなる例を有するロッカー構成要素の断面図である。
【
図13A】補強ビームの異なる例を有するロッカー構成要素の断面図である。
【
図13B】補強ビームの異なる例を有するロッカー構成要素の断面図である。
【
図13C】補強ビームの異なる例を有するロッカー構成要素の断面図である。
【
図13D】補強ビームの異なる例を有するロッカー構成要素の断面図である。
【
図14A】補強ビームの別の例を有するロッカー構成要素の断面図である。
【
図14B】補強ビームの別の例を有するロッカー構成要素の断面図である。
【
図14C】補強ビームの別の例を有するロッカー構成要素の断面図である。
【
図14D】補強ビームの別の例を有するロッカー構成要素の断面図である。
【
図15A】補強ビームのさらなる例を有するロッカー構成要素の断面図である。
【
図15B】補強ビームのさらなる例を有するロッカー構成要素の断面図である。
【
図15C】補強ビームのさらなる例を有するロッカー構成要素の断面図である。
【
図15D】補強ビームのさらなる例を有するロッカー構成要素の断面図である。
【
図16】補強ビームのさらに別の例を有するロッカー構成要素の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図面全体を通して、同様の参照数字は同様の部分を示している。
【0019】
ここで図面及びそこに描かれた説明に役立つ実施形態を参照すると、
図1及び2に示されるようなボディ構造又はフレーム101向けなど、車両100向けの車両構成要素が提供されている。車両フレーム101及び関連する構成要素は、異なる様式及び種類の車両向けなど、様々な設計及び構成を有し得る。例えば
図1及び2に示すように、車両構成要素は、考えられる他の車両構造構成要素の中で、Bピラー103、ヒンジピラー104、フロアクロスメンバ105、ルーフボウ106、又はヘッダ107など、他の車両構成要素の中で、ロッカー構成要素102として実装されてもよい。また、車両は、バッテリ重量を分散させ、車両の低重心を確立するために一般的にアクスルの間及び車両の床付近に位置するバッテリトレイに支持され得る、トラクションバッテリ又はバッテリモジュールなどのバッテリを使用する推進システムによって部分的に作動されてもよい。例えば、
図1A及び1Bに示すように、多重中空車両構成要素は、バッテリトレイ108と並んで配置されるロッカー構成要素102(例えば、
図16にさらに示すような)であり得、ここでフロアクロスメンバ105がバッテリトレイ108の上に横方向に広がるようにロッカー構成要素102に取り付けられている。したがって、追加の実装形態における車両構成要素は、同じく又は代替的に、バッテリトレイの長手方向に向けられた側壁セクション109など、バッテリトレイフレーム構成要素として提供されてもよい。さらに、車両構成要素は、全体部品として、又はそれぞれの車両構成要素の一部として具現化されてもよい。
【0020】
車両構成要素は、例えば、構造構成要素又はバッテリトレイ構成要素として使用されてもよく、したがって、様々な衝撃力を受け、異なる荷重条件を支持し、それに耐えるように設計されてもよい。本明細書に開示される補強ビームを有する車両構成要素を設計する場合、車両構成要素の外形寸法は低減され得、車両構成要素の全体重量は低減され得る一方、必要な衝撃及び荷重条件は満たされる。補強ビームは、車両構成要素を超えて延在し、隣接する構成要素も補強するように、車両構成要素の部分セクション又は全長に及んでもよい。本明細書に開示される補強ビームは、車両構成要素全体を含んでもよいし、車両構成要素の所望のセクションなどにおいて、追加の補強材又は車両構成要素の部分に接合されてもよい。例えば、補強ビームの一体型フランジ部は、ロッカーセクションのインサートの内部溶接位置にアクセスするために一般的に行われるように、ロッカー構成要素のシルパネルにアクセス孔を含める必要がないことなどにより、有意な処理ステップを追加せずにシルパネルに取り付けてもよい。また、車両構成要素への補強ビームのフランジ取り付けは、車両構成要素のシルパネルに補強ビームを取り付けるために容易にアクセスできるスポット溶接を可能にし得、これは、中空構成要素内のレーザ溶接又はMIG溶接など、より高価な溶接技術への依存を排除又は低減する可能性がある。さらに、本明細書に開示される補強ビームは、金属シートをロール成形するなどしてシート材料で形成されてもよく、一般的なロッカーパネルと比較して比較的高い強度(せん断荷重及び軸方向荷重に対して)及び低い重量をビームに与え、それにより対応する車両構成要素のシルパネル(設けられている場合)がより少ない材料を用い、より小さなパッケージングスペースを占有し、外形設計に大きな柔軟性があることを可能にする。
【0021】
車両構成要素及び補強ビームの異なる例の断面形状は、車両構成要素の所望の用途のための様々な形状及び厚さを含んでもよい。車両構成要素はまた、内部領域の周りに一緒に取り付けられるシルインナー及びシルアウターパネルなどの1つ又は複数のシルパネルを含んでもよく、ここで、「インナー」及び「アウター」という用語は、
図1において方向付けられたような、車両上の車内すなわち内側に面した方向及び車外すなわち外側に面した方向を基準にする。反対に指定されない限り、ロッカー構成要素の追加の実装形態は、インナーパネルとして識別されるシルパネルがアウターパネルとして使用され、アウターパネルとして識別されるシルパネルがインナーパネルとして使用され得るなど、図示及び記載した例とは反対の向きを有し得ることが一般に理解される。インナーパネル及びアウターパネルの断面形状は、例えば、(Bピラーの実装形態に使用され得るように)端部で外側に広がることによってなど、車両構成要素に沿って変化してもよい。補強ビームは、車両構成要素の内部領域内に延在する2つ以上の中空内部領域を有する多管状形状を有していてもよい。補強ビームの断面形状又はプロファイルは一般に、補強ビームに沿って一貫した構造的支持、剛性、及び強度を提供するように、補強ビームの長さに沿って一貫した形状を有していてもよい。
【0022】
ここで
図3A及び3Bに示される車両構成要素10を参照すると、第1のシルパネル12及び第2のシルパネル14は、シルパネル12、14の間の中空内部空間16を囲むように一緒に取り付けられている。
図3Aに示す車両構成要素10は、
図1及び2に示すロッカー構成要素102などの車両ロッカー構成要素として具現化される。ロッカー構成要素のシルインナーパネルと呼ばれることがある第1のシルパネル12は、共に概ねハット形状の断面を提供するフランジ18、20を有するC形状の断面を有する。フランジ18、20は、第1のシルパネル12の上部フランジ18及び下部フランジ20と呼ばれることがある。ロッカー構成要素のロッカーアウターパネルと呼ばれることがある第2のシルパネル14も、同様に上部フランジ22及び下部フランジ24と呼ばれることがあるフランジ22、24を有するC形状の断面を有する。このように、対向するC字状断面形状を有するシルパネル12、14。
図3Aに示されるシルパネル12、14のそれぞれの上部及び下部フランジ18、20、22、24は、ロッカー構成要素の縁部に沿って連続して長手方向に延在するが、フレーム取り付けを容易にするため、又は重量を減らすために、フランジが選択的な領域で切り取られてもよいことが考えられる。
【0023】
図3Aにさらに示すように、パネル12、14は、それぞれのシルパネル12、14のC字形断面によって形成されたチャネルセクションが互いに向き合う状態で、及びシルパネル12、14のフランジ18、20、22、24が互いに接合された状態で向けられ、シルパネル12、14の間に中空内部空間16を画定する。シルパネル12、14は、細長い管状部材として形成されている
図3Aに示すロッカー構成要素などの構成要素の少なくとも一部を形成するために一緒に接合される。上部及び下部フランジ18、20、22、24は、実質的に平面であり、概ね垂直な構成で向けられ、それにより構成要素の長さに沿って概ね連続的に接触した状態で対になるようにする。上部及び下部フランジ18、20、22、24は、溶接、好ましくはスポット溶接を介して一緒に接合されてもよいが、ロッカー構成要素の異なる実装形態においてスポット溶接に加えて又はそれに代えて、代替の溶接方法又は接合手段が使用されてもよいことが考えられる。
【0024】
ロッカー構成要素の第1のシルパネル12、すなわちインナーパネルは、実質的に平面であり、それぞれの上端及び下端で上壁28及び下壁30と一体的に相互接続する内壁26を有する。内壁26と上壁及び下壁28、30との間の約100度のコーナー移行部は、金属シート(例えば、高度高強度鋼板)などの第1のシルパネル12を形成するシート材料に対する長手方向の屈曲部によって画定される。同様に、上壁28も上部フランジ18に対して約100度のコーナー移行部を有し、下壁30は下部フランジ20に対して約100度のコーナー移行部を有し、これらもそれぞれ第1のシルパネル12のシート材料における長手方向の屈曲部によって画定される。同じく
図3Aに示すように、上部及び下部フランジ18、20は、実質的に平面であり、内壁26の平面的な延在と平行に整列して向けられる。第1のシルパネル12の上壁及び下壁28、30も実質的に平面であり、
図3に示すように、内壁26及びフランジ18、20に対して直交であることからわずかに角度がつけられている。上壁及び下壁28、30と、上部及び下部フランジ18、20及び内壁26との間のコーナー移行部は、約80~160度の間、90~120度の間、95~110度の間、又は97~105度の間など、
図3Aに示すよりも大きい又は小さい角度の付いた移行部を有し得る。
【0025】
図3Aに同じく示すように、ロッカー構成要素10の第2のシルパネル14すなわち又はアウターパネルは、実質的に平面であり、それぞれの上端及び下端で上壁34及び下壁36と一体的に相互接続される外壁32を有する。外壁32と上壁及び下壁34、36との間の約100度のコーナー移行部は、第2のシルパネル14を形成するシート材料に対する長手方向の屈曲部によって画定される。シート材料は、第1のシルパネル12と同じであっても異なっていてもよく、高度高強度鋼板又はアルミニウムシートなどの金属シートを含んでもよい。同様に、上壁34も上部フランジ22へのコーナー移行部を有し、下壁36は下部フランジ24へのコーナー移行部を有し、これらもそれぞれ第2のシルパネル14のシート材料における長手方向の屈曲部によって画定される。ここでも、上壁及び下壁34、36と、上部フランジ及び下部フランジ22、24及び内壁32との間のコーナー移行部は、約80~160度の間、90~120度の間、95~110度の間、又は97~105度の間など、
図3Aに示すよりも大きい又は小さい角度の付いた移行部を有し得る。
【0026】
図3Aに示すように、上部及び下部フランジ22、24は、実質的に平面であり、外壁32の平面的な延在と平行に整列した状態で向けられる。第2のシルパネル14の上壁及び下壁34、36も実質的に平面であるが、内壁32及びフランジ22、24に対して直交であることからわずかに角度がつけられている。パネル12、14のフランジ18、20、22、24が一緒に取り付けられた状態で、その壁は実質的に六角形の断面形状を画定するが、ビーム構造の追加の例は、対応する車両設計のための様々な代替断面形状(例えば、実質的に矩形の形状)及び異なる壁構成(例えば、垂直に向けられていない内壁又は外壁の部分)を有し得ることが理解される。
【0027】
多重中空断面形状を有するビーム部分42を含む例えば
図3Aに示すような補強ビーム40が提供される。ビーム部分42は、第1及び第2のシルパネル12、14の間でロッカー構成要素10の中空内部空間16内に配置され、例えば、示されるように、インナーパネル12によって形成されたC字形チャネル容積内に配置されて、ロッカー構成要素の内側部分を強化する。ビーム部分42をロッカー構成要素10のインナー及びアウターパネル12、14の間に画定された内部容積に配置することによって、ロッカー構成要素の内側部分を補強するために隔壁部材は含まれない、又は必要ない。補強ビーム40はまた、ビーム部分42から一体的に延在するフランジ部分44を含む。フランジ部分44は、パネル12、14の縁部又はフランジの間にフランジ部分44を接合してパネル12、14に対して補強ビーム40を固定するように、第1及び第2のシルパネル12、14に接合するように構成される。いくつかの例では、フランジ部分44は、第1及び第2のシルパネル12、14の間にスポット溶接される。しかしながら、車両構成要素の追加の実装形態は、同様に又は代替的に、接着剤、機械的固着、又はそれらの組み合わせなどの代替的な溶接方法又は異なる取り付け手段を用いて、補強ビームのフランジ部分を構成要素パネルに接合又は結合し得ることが考えられる。
【0028】
図3Aに示すように、補強ビーム40は、ビーム部分42及びフランジ部分44を金属シートの一体セクションとして提供するために、金属シートからロール成形される。補強ビーム40のフランジ部分44は、金属シートの縁部45に設けられ、これを構成する。フランジ部分44は、補強ビーム40の長手方向に連続的に延在する。補強ビーム40の長さは、第1及び第2のシルパネル12、14の間に画定される中空内部空間16の長さに実質的に等しい。追加の実装形態において、補強ビームの長さは、40%~100%の間、30%~90%の間、又は30%~60%の間など、対応する構成要素の中空内部空間の長さより短くてもよい。例えば、燃焼により動力を供給される車両では、補強ビームは、車両のピラー又はクロスメンバ間の衝撃により敏感すなわち支持されていない領域であり得る中央セクションなどのロッカー構成要素の所望の長手方向セクションに配置されるようにロッカー構成要素の長さの90%未満、又は他の例では60%未満の長さを有し得る。
【0029】
図3Aにさらに示すように、補強ビーム40のビーム部分42は、それぞれがビーム部分42の別々の壁セクションの間に角度の付いた移行部を形成して別々の壁セクションを画定する金属シートの複数の長手方向の屈曲部を有する。複数の壁セクションは、補強ビームに沿って長手方向に延在する内部領域を取り囲む管状形状を形成するように、互いに対して角度を付けられている。
図3Aに示すように、ビーム部分42の壁セクションは、上壁セクション46、内壁セクション48、下壁セクション50、外壁セクション52、下部せん断壁セクション54、中間壁セクション56、及び上部せん断壁セクション58を含む。上壁セクション46、内壁セクション48、及び上部せん断壁セクション58は、フランジ部分44の下端によって形成される壁セクション59と共に、上部内部領域60を概ね囲む管状形状を形成している。同じく、内壁セクション48、下壁セクション50、外壁セクション52、及び下部せん断壁セクション54は、下部内部領域62を概ね取り囲む管状形状を形成している。上部及び下部内部領域60、62を取り囲む管状形状は、互いに平行に整列して補強ビームに沿って長手方向に延在し、中間壁セクション48を挟んで互いの鏡像として示されている。しかしながら、補強ビームの追加の例は、管状形状が不等な大きさを有し、異種の形状を有するものであってもよい。
【0030】
図3Aに示すビーム部分42は、フランジ部分44を起点にして金属シートの反対側に位置する縁部64が、管状形状の少なくとも1つを囲むようにシートの中間部分で取り付けられる。具体的には、反対側に位置する縁部64は、補強ビーム40を形成するために用いられるロール成形作業に沿ったレーザ溶接を介してなど、露出した隙間を溶接する際に反対側に位置する縁部64を壁セクション59に対して付勢することを可能にするように、上壁セクション46から上部内部領域60に下向きに湾曲してラップ状に壁セクション59に取り付けられるように折り曲げられる。中間壁セクション56はまた、ロール成形作業中にレーザ溶接又はスポット溶接を介してなど、内壁セクション48に溶接されてもよい。他の実装形態では、縁部は、T字継手などの異なる構成で溶接されてもよく、溶接は、接着剤、締結具、又はそれらの組み合わせで補完又は置き換えられてもよい。
【0031】
図3Aに示すように、補強ビーム40が単一のフランジ部分44を有する場合、ビーム部分42は、内壁セクション48が第1のシルパネル12の内壁26の概ね平行な内面に接触した状態で、ロッカー構成要素10のシルパネル12、14間の中空内部空間16内に固定され、溶接55でそれに取り付けられてもよい。このように、内壁セクション48によって内壁26が補強されてもよい。また、ビーム部分42の壁セクションは、フランジ部分44の平面的な延在と平行な内壁26に対して実質的に垂直な壁セクションによって、せん断支持を提供する。
図3Aに示されるせん断支持は、上壁及び下壁セクション46、50、並びに上壁及び下壁セクション46、50に対して約30度角度を付けられたせん断壁セクション54、58によって提供される。したがって、せん断支持は、ロッカー構成要素10の内壁26からの垂直な延在から0~60度角度を付けられた壁セクションによって提供されてもよく、又は他の実装形態において、せん断支持は、0~45度の角度範囲又は0~30度の角度範囲又は0~15度の角度範囲で角度を付けられた壁セクションによって提供されてもよい。
【0032】
補強ビーム40は、約1,500MPaなど、1,000MPAを超える引張強度を有する高度高強度鋼からロール成形されてもよい。補強ビームをロール成形するために使用される金属シートは、1.2~1.6mmの間など、約1~2mmの厚さであってよい。また、車両構成要素の補強ビーム及びパネルに使用される鋼板は、腐食から保護する亜鉛コーティングを有するように、亜鉛メッキされる。しかしながら、いくつかの例では、補強ビームの鋼板は亜鉛メッキされていなくてもよく、他の例では、車両構成要素を形成する鋼板は亜鉛メッキされていなくてもよい。さらなる例では、補強ビームを形成する金属シートは、アルミニウムシートである。
【0033】
図3Bを参照すると、ロッカー構成要素10の追加の例は、インナーシルパネルを省略し、代わりに補強ビーム40の内壁セクション48がロッカー構成要素10の最内壁を画定している。繰り返しを避けるために、
図3Aのロッカー構成要素10と同一又は類似する
図3Bに示されたロッカー構成要素10の他の特徴は、同様の参照番号を有するものを含めて、再度詳細に記載されない。
図3Bに示される補強ビーム40は、補強ビーム40の一体型フランジ部分44が、スポット溶接プロセス等などを用いてアウターシルパネル14の上部フランジ22に溶接された状態で、アウターシルパネル14に接合される。補強ビームをアウターシルパネル14にさらに保持するために、アウターシルパネル14の下部フランジ24は、補強ビーム40の下部に直接的又は間接的に接合されてもよい。
図3Bに示すように、インナーブラケット13が、下部フランジ24と補強ビーム14との間を接続するように設けられてもよい。インナーブラケット13は、ロッカー構成要素10の長さに沿って連続的に延在してもよいし、補強ビーム40及びアウターシルパネル14の長さに沿って間隔を置いた位置に取り付けられる別々のブラケットに分割されてもよい。連続的に設けられる場合、インナーブラケット13は、アウターシルパネル14と補強ビーム40の間のロッカー構成要素10の中空内部空間16を囲み得る。インナーブラケット13は、アウターシルパネル14の下部フランジ24に接合される下部フランジ20と、下部フランジ24から一体的に延在し、下壁30を画定する上部セクションとを含む。下壁30は、補強ビーム40の下壁セクション50の車外部分に溶接で接合されるが、インナーブラケット13の追加の実装形態は、補強ビーム40の代替の位置で(外壁セクション52又は補強ビーム40に取り付けるために屈曲移行部なしで上に延在することによってなど)接合されてもよく、締結具、接着剤、同様のものなどの代替の接合特徴で接合されてもよいことが考えられる。
【0034】
図4Aに示される車両構成要素110を参照すると、第1のシルパネル112及び第2のシルパネル114は、パネル112、114の間の中空内部空間116を囲むように
図3Aに示されるものと同様の方法で一緒に取り付けられる。
図4Aに示される車両構成要素110は車両ロッカー構成要素として同じく具現化され、第1のシルパネル112がシルインナーパネルと呼ばれ、第2のシルパネル114がアウターロッカーパネルと呼ばれる。ロッカー構成要素10及び関連パネル12、14と類似するロッカー構成要素110及び関連パネル112、114の他の特徴は、再度詳細に記載されず、同様の参照番号が100だけ増分して使用される。
【0035】
図4Aに同じく示されているように、多重中空断面形状を有するビーム部分142と、ビーム部分142から一体的に延在するフランジ部分144とを含む補強ビーム140が提供される。ビーム部分142は、ロッカー構成要素110の中空内部空間116内に配置され、具体的には、インナーパネル112によって形成される内部容積内に配置される。フランジ部分144は、パネル112、114の縁部又はフランジの間に、スポット溶接などを介して取り付けられ、パネル112、114に対して補強ビーム140を固定する。補強ビーム40のビーム部分142は、補強ビーム140を形成するために使用される金属シートに、それぞれがビーム部分142の別々の壁セクションの間に角度の付いた移行部を形成し、別々の壁セクションを画定する複数の長手方向の屈曲部を有している。
【0036】
図4Aにさらに示されるように、上壁セクション146、内壁セクション148、及び上部せん断壁セクション158は、フランジ部分144の下端部によって形成される壁セクション159と共に、上部内部領域160を概ね囲む管状形状を形成している。また、内壁セクション148、下壁セクション150、外壁セクション152、及び下部せん断壁セクション154は、下部内部領域162を概ね囲む管状形状を形成している。上部及び下部内部領域160、162を囲む管状形状は、互いに平行に整列して補強ビームに沿って長手方向に延在し、それぞれ概ね矩形の断面形状を有する。したがって、ロッカー構成要素の中空内部空間116内に固定されると、上壁及び下壁セクション146、150、並びにせん断壁セクション154、158は、内壁126に対して実質的に垂直であることによって、内壁126にせん断支持を提供する。内壁126を同じく補強するために、補強ビーム140の内壁セクション148は、第1すなわちインナーパネル112の内壁126の概ね平行な内面と接触した状態でインターフェースし、そこで(例えば、溶接を介して)取り付けられてもよい。補強ビーム40と類似する補強ビーム140の他の特徴は、再度詳細に記載されず、同様の参照番号が100だけ増分して使用される。
【0037】
図4Bに示されるように、ロッカー構成要素110の追加の例は、インナーシルパネルを省略し、代わりに補強ビーム140の内壁セクション148がロッカー構成要素110の最内壁を画定している。繰り返しを避けるために、
図4Aのロッカー構成要素110と同一又は類似する
図4Bに示されるロッカー構成要素110の他の特徴は、同様の参照番号を有するものを含めて、再度詳細に記載されない。
図4Bに示される補強ビーム40は、補強ビーム40の一体型フランジ部分144が、スポット溶接プロセス等などを用いてアウターシルパネル114の上部フランジ122に溶接された状態でアウターシルパネル114に接合される。補強ビームをアウターシルパネル114に対してさらに保持するために、アウターシルパネル114の下部フランジ124は、補強ビーム140の下部に直接的又は間接的に接合されてもよい。
図4Bに示されるように、インナーブラケット113が、下部フランジ124と補強ビーム114との間に接続するように設けられてもよい。インナーブラケット113は、ロッカー構成要素110の長さに沿って連続的に延在してもよいし、補強ビーム40及びアウターシルパネル114の長さに沿って間隔を置いた位置に取り付けられる別々のブラケットに分割されてもよい。連続的に設けられる場合、インナーブラケット113は、アウターシルパネル114と補強ビーム140との間のロッカー構成要素110の中空内部空間116を囲み得る。インナーブラケット113は、アウターシルパネル114の下部フランジ124に接合される下部フランジ120と、下部フランジ124から一体的に延在して下壁130を画定する上部セクションとを含む。下壁130は、補強ビーム140の下壁セクション150の車外部分に溶接で接合されるが、インナーブラケット113の追加の実装形態は、補強ビーム140の代替の位置で接合されてもよく(外壁セクション152又は補強ビーム140に取り付けるために屈曲移行部なしで上に延在することによってなど)、締結具、接着剤等などの代替の接合特徴で接合されてもよいことが考えられる。
【0038】
ここで
図5Aに示される車両構成要素210を参照すると、再び2つのパネル212、214が、車両ロッカー構成要素として具現化されるように、パネル212、214の間の中空内部空間216を囲むように
図3に示したものと同様の方法で一緒に取り付けられる。ロッカー構成要素10と類似するロッカー構成要素210の他の特徴は、再度詳細に記載されず、同様の参照番号が200だけ増分されて使用される。
図5Aに示すように、多重中空断面形状を有するビーム部分242と、ビーム部分242から一体的に延在するフランジ部分244とを含む補強ビーム240が提供される。ビーム部分242の多重中空断面形状は、中央せん断壁セクション254として示される単一の共通の中央壁セクションによって分割される2つの中空内部領域260、262を有する。補強ビーム240は、ビーム部分242の別々の壁セクション間の角度の付いた移行部をそれぞれ形成する複数の長手方向の屈曲部を、使用される金属シートに形成するように、金属シートからロール成形することができる。
【0039】
さらに
図5Aに示されるように、上壁セクション246、上部内壁セクション248a、中央せん断壁セクション254、及び上部外壁セクション257は、上部内部領域260を概ね囲む管状形状を形成している。また、下部内壁セクション248b、下壁セクション250、下部外壁セクション252、及び中央せん断壁セクション254は、下部内部領域262を概ね囲む管状形状を形成している。下部外壁セクション252は、フランジ部分244と平面的に整列した状態で設けられ、その下端部に配置される。また、下部外壁セクション252の直ぐ上の壁セクション259は、フランジ部分244の平面的な延長であり、上部外壁セクション257と重なって二重の肉厚を提供している。
【0040】
図5Aに示すビーム部分242は、フランジ部分244を起点として金属シートの反対側に位置する縁部264がシートの中間部に取り付けられて、上部内部領域260の周囲の管状形状を囲んでいる。具体的には、反対側に位置する縁部264は、上部内壁セクション248aから上部内部領域260に内側に湾曲して、中央壁セクション254にラップ状に取り付けられて、露出した隙間をレーザ溶接などで溶接している。また壁セクション259は、レーザ溶接などで、上部内壁セクション257に溶接されてもよい。他の実装形態では、縁部は、下部外壁セクションに対するラップ、又は中央壁セクションと下部外壁セクションとの間のコーナー移行部とのT字継手など、異なる構成で溶接されてもよい。
【0041】
上部及び下部内部領域260、262を囲む管状形状は、互いに平行に整列して補強ビームに沿って長手方向に延在し、それぞれが概ね矩形の断面形状を有する。したがって、ロッカー構成要素の中空内部空間216内に固定されると、上壁及び下壁セクション246、250、並びに中央せん断壁セクション254は、内壁226に対して実質的に垂直であることによって、内壁226にせん断支持を提供する。内壁226を同様に補強するために、補強ビーム240の上部及び下部内壁セクション248a、248bは、インナーパネル212の内壁226の概ね平行な内面と接触した状態でインターフェースし、そこで取り付けられてもよい。補強ビーム40と類似する補強ビーム240の他の特徴は、再度詳細に記載されず、類似の参照番号が200だけ増分して使用される。
【0042】
インナーシルパネルを省略し、代わりに補強ビーム240の内壁セクション248がロッカー構成要素210の最内壁を画定するロッカー構成要素210のさらなる例が
図5Bに示されている。繰り返しを避けるために、
図5Aのロッカー構成要素210と同一又は類似する
図5Bに示されたロッカー構成要素210の他の特徴は、同様の参照番号を有するものを含めて、再度詳細に記載されない。
図5Bに示される補強ビーム240は、補強ビーム240の一体型フランジ部分244が、スポット溶接プロセス等などを用いてアウターシルパネル214の上部フランジ222に溶接された状態でアウターシルパネル214に接合される。補強ビームをアウターシルパネル214に対してさらに保持するために、アウターシルパネル214の下部フランジ224は、補強ビーム240の下部に直接的又は間接的に接合されてもよい。
図5Bに示すように、インナーブラケット213が、下部フランジ224と補強ビーム214との間に接続するように設けられてもよい。インナーブラケット213は、ロッカー構成要素210の長さに沿って連続的に延在してもよいし、補強ビーム240及びアウターシルパネル214の長さに沿って間隔を置いた位置に取り付けられる別々のブラケットに分割されてもよい。連続的に設けられる場合、インナーブラケット213は、アウターシルパネル214と補強ビーム240との間のロッカー構成要素210の中空内部空間216を囲み得る。インナーブラケット213は、アウターシルパネル214の下部フランジ224に接合される下部フランジ220と、下部フランジ224から一体的に延在して下壁230を画定する上部セクションとを含む。下壁230は、補強ビーム240の下壁セクション250の車外部分に溶接で接合されるが、インナーブラケット213の追加の実装形態は、補強ビーム240の代替の位置で接合されてもよく(外壁セクション252又は補強ビーム240に取り付けるために屈曲移行部なしで上方に延在することによってなど)、締結具、接着剤などの代替の接合特徴で接合されてもよいことが考えられる。
【0043】
ここで
図6Aを参照すると、4つの囲まれた内部領域360、361、362、363と、せん断支持を提供し、囲まれた内部領域を分割する5つの壁セクション346、354、350とを有する多重中空断面形状を含むビーム部分342を提供するために金属シートからロール成形されている補強ビーム340を有する、ロッカー構成要素310が示されている。フランジ部分344は、ビーム部分342から一体的に延在し、ビーム部分342を形成するために用いられる金属シートの縁部によって提供される。
図6Aに示されるように、フランジ部分344は、ビーム部分342の外側に沿って下壁セクション350まで直線的に下方に延在し、上部外壁セクション359及び下部外壁セクション352を画定している。下壁セクション350の内側端部から、金属シートは、蛇行状に湾曲した構成で上方に移行して3つの中間せん断壁セクション354を提供し、その後、上壁セクション346で外側に移行し、その後、ビーム部分342の内側に沿って直線的に下方に移行する。ビーム部分342の内側は、上部及び下部内壁セクション348a、348bを画定する。
【0044】
図6Aに示されているように、ビーム部分342は、上部内部領域360を概ね囲む管状形状を一緒に形成する上壁セクション346、上部内壁セクション348a、中央せん断壁セクション354、及び上部外壁セクション357を含んでいる。上部内部領域360に隣接し、且つその下方に、中間内部領域361が、同じ中央せん断壁セクション354、中間壁セクション356、別の中央せん断壁セクション354、及び上部外壁セクション359によって境界を定められる。中間内部領域361に隣接し、且つその下方に、別の中間内部領域362が、中間内部領域361の境界を定める同じ中央せん断壁セクション354、下部内壁セクション348b、別の中央せん断壁セクション354、及び下部外壁セクション357によって境界を定められる。最後に、中間内部領域362に隣接し、且つその下方に、下部内部領域363が、中間内部領域362の境界を定める同じ中央せん断壁セクション354、下部中間壁セクション356、下壁セクション350、及び下部外壁セクション352によって境界を定められる。
【0045】
同じく
図6Aに示されるように、内壁セクション348a、348bは、第1のシルパネル312の内壁326の概ね平行な内面に接触した状態でインターフェースする。ビーム部分342の壁セクションは、補強ビーム340のフランジ部分344の平面的な延長に平行な内壁326に実質的に垂直な壁セクションによってせん断支持を提供する。
図6Aに示されるせん断支持は、下壁セクション350、並びにフランジ部分344に対してそれぞれ約30度角度を付けられたせん断壁セクション354及び上壁セクション345によって提供される。追加の実装形態では、蛇行形状は、車両構成要素310の内壁326からの垂直な延在から0~60度、又は0~45度、又は0~30度角度を付けられたせん断壁セクションなど、異なる形状の壁セクションを提供してもよい。車両構成要素10及び補強ビーム40と類似する車両構成要素310及び関連する補強ビーム340の他の特徴は、再度詳細に記載されず、同様の参照番号が300だけ増分して使用される。
【0046】
ロッカー構成要素310の別の実装形態が
図6Bに示されており、ここでは、インナーシルパネルが省略され、代わりに、補強ビーム340の内壁セクション348がロッカー構成要素310の最内壁を画定している。繰り返しを避けるために、
図6Aのロッカー構成要素310と同一又は類似する
図6Bに示されたロッカー構成要素310の他の特徴については、同様の参照番号を有するものを含めて、再度詳細に記載されない。
図6Bに示される補強ビーム340は、補強ビーム340の一体型フランジ部分344が、スポット溶接プロセス等などを用いてアウターシルパネル314の上部フランジ322に溶接された状態で、アウターシルパネル314に接合される。補強ビームをアウターシルパネル314に対してさらに保持するために、アウターシルパネル314の下部フランジ324は、補強ビーム340の下部に直接的又は間接的に接合されてもよい。
図6Bに示すように、インナーブラケット313が、下部フランジ324と補強ビーム314との間に接続するように設けられてもよい。インナーブラケット313は、ロッカー構成要素310の長さに沿って連続的に延在してもよいし、補強ビーム340及びアウターシルパネル314の長さに沿って間隔を置いた位置に取り付けられる別々のブラケットに分割されてもよい。連続的に設けられる場合、インナーブラケット313は、アウターシルパネル314と補強ビーム340との間のロッカー構成要素310の中空内部空間316を囲み得る。インナーブラケット313は、アウターシルパネル314の下部フランジ324に接合される下部フランジ320と、下部フランジ324から一体的に延在し、下壁330を画定する上部セクションとを含む。下壁330は、補強ビーム340の下壁セクション350の車外部分に溶接で接合されるが、インナーブラケット313の追加の実装形態は、補強ビーム340の代替の位置で接合されてもよく(外壁セクション352又は補強ビーム340に取り付けるために屈曲移行部なしで上に延在することによってなど)、締結具、接着剤等などの代替の接合特徴で接合されてもよいことが考えられる。
【0047】
ここで
図7A~16を参照すると、補強ビームは、金属シートの反対側に位置する縁部によって形成されたフランジ部分466、566(
図7A及び8A)などの第2のフランジ部分を含み得る。第2のフランジ部分は、スポット溶接などで、第1及び第2のシルパネルの下部フランジの間に取り付けられてもよい。そうすることで、補強ビームは、個々のシルパネルの構造的特徴の一部又は全部を統合するように、フランジ間に延在することができる一方又は両方のシルパネルの使用を排除し得る。また、補強ビームのビーム部分からの一体的な延長として第2のフランジ部分を提供する際に、いくつかの例では、補強ビームとインナー及びアウターパネルとの間の2つの接続点、並びに追加の中空領域又は側突ゾーンを提供するように、車両構成要素のインナー及びアウターパネルの内面から補強ビームのビーム部分が離間又は分離されてもよい。
【0048】
図7Aに示されるように、多重中空断面形状を有するビーム部分442と、ビーム部分442から一体的に延在する2つのフランジ部分444、466とを含む補強ビーム440が提供される。ビーム部分442の多重中空断面形状は、中央壁セクション454、464によって分割される3つの中空内部領域460、461、462を有している。補強ビーム440は、ビーム部分442の別々の壁セクション間の角度を付けられた移行部をそれぞれ形成する複数の長手方向の屈曲部を、使用される金属シートに形成するように、金属シートからロール成形される。
【0049】
図7Aに示されるように、ビーム部分442の断面形状は、補強ビーム440の外壁セクション452を画定しながら、ビーム部分442の外側に沿って下方に直線的に下壁セクション450まで延在する上部フランジ部分444を提供する。下壁セクション450の内側端部から、金属シートは、斜め上方に移行して、2つの中間せん断壁セクション454を提供した後、上壁セクション446で内側に移行し、その後、ビーム部分442の内側に沿って直線的に下方に移行して上部及び下部外壁セクション448a、448bを画定する。上壁セクション446、上部内壁セクション448a、中央せん断壁セクション454、及び上部外壁セクション457は、一緒になって、上部内部領域460を概ね囲む管状形状を形成している。上部内部領域460に隣接し、且つその下方に、中間内部領域461が、同じ中央せん断壁セクション454、中間壁セクション456、別の中央せん断壁セクション454、及び外壁セクション452によって境界を定められる。中間内部領域461に隣接して、且つその下方に、下部内部領域462が、中間内部領域461の境界を定める同じ中央せん断壁セクション454、下部内壁セクション448b、及び下壁セクション450によって境界を定められる。ビーム部分442の壁セクションは、下壁セクション450、上壁セクション446など、内壁426に対して実質的に垂直な壁セクション、並びにフランジ部分444に対して約45度で角度を付けられるせん断壁セクション454によるせん断支持を提供する。車両構成要素10及び補強ビーム40と類似する車両構成要素410及び関連する補強ビーム440の他の特徴については、再度詳細に記載せず、同様の参照番号が400だけ増分して使用される。
【0050】
図7Bに示すように、ロッカー構成要素410の別の実施態様はインナーシルパネルが省略され、代わりに、補強ビーム440の内壁セクション448がロッカー構成要素410の最内壁を画定している。したがって、補強ビーム440は、単一の金属シートを利用してシルパネルを補強構造と一体化する。繰り返しを避けるために、
図7Aのロッカー構成要素410と同一又は類似する
図7Bに示されるロッカー構成要素410の他の特徴は、同様の参照番号を有するものを含めて、再度詳細に記載されない。
図7Bに示される補強ビーム440は、スポット溶接又はレーザ溶接等などを用いて、一体化された上部及び下部フランジ部分444、466がアウターシルパネル414のそれぞれの上部及び下部フランジ422、424に溶接された状態で、アウターシルパネル414に接合される。
【0051】
図8Aに示されるように、補強ビーム540は、
図7Aに示される補強ビーム440と同様の構成で、中央壁セクション554、564によって分割された3つの中空内部領域560、561、562を有するビーム部分542を備えている。補強ビーム440とは異なり、中央壁セクション554は、内壁526並びに上部及び下部内壁セクション548a、548bに対して垂直な方向に向けられる。したがって、上部外壁セクション557及び中間壁セクション556は、それぞれの外壁セクション552及び内壁セクション548a、548bのより大きな範囲に沿って延在している。
【0052】
また、
図8Bに示されるように、ロッカー構成要素510の別の実装形態はインナーシルパネルが省略され、代わりに、補強ビーム540の内壁セクション548がロッカー構成要素510の最内壁を画定している。したがって、補強ビーム440は、単一の金属シートを利用してシルパネルを補強構造と一体化している。
図8Bに示される補強ビーム540は、一体化された上部及び下部フランジ部分544、566が、スポット溶接又はレーザ溶接等などを用いてアウターシルパネル514のそれぞれの上部及び下部フランジ522、524に溶接された状態で、アウターシルパネル514に接合される。車両構成要素10、410及び補強ビーム40、440と類似する車両構成要素510及び関連する補強ビーム540の他の特徴は、再度詳細に記載されず、同様の参照番号が500だけ増分されて使用される。
【0053】
図9A~16を参照すると、補強ビームは、車両構成要素のインナーパネルとアウターパネルの間に画定された内側及び外側中空内部容積を実質的に満たすように横方向外側に拡大された断面形状を有し得る。そうすることで、ロッカーアセンブリの間に配置されたバッテリモジュールを有する電気自動車に望ましいと思われる衝撃侵入抵抗の減少のためなど、ロッカー構成要素の外側部分が剛性化され得る。
図9A~12Dに示されるように、補強ビームのビーム部分は、対応する補強ビームの上部及び下部フランジ及びフランジ部分と整列した状態で実質的に垂直に向けられた共通の中央壁セクション654、754、854、954によって分割された2つの中空内部領域を含む。垂直中央壁セクション654、754、854、954は、
図5Aに示される補強ビーム240と同様でありせん断壁セクション254を垂直に方向付けるために補強ビームの長手方向軸を中心に約90度回転させられた断面形状によって提供される。
【0054】
図9Aに示す補強ビーム640に関して、インナー及びアウターパネル612、614の上部及び下部フランジ618、620、622、624は互いに垂直方向にオフセットされ、その結果、フランジ部分644、666もそれぞれの上部フランジ618、622及び下部フランジ620、624の間に配置されるように垂直方向にオフセットされる。このようなオフセットにより、外側下壁セクション651は下方に配置され、インナー下壁セクション650の一部と重なるように外側に延在している。中央壁セクション654は、インナー上壁セクション646を越えて上方に延在してフランジ部分644の下端部と部分的に重なり、その結果、中央壁セクション654の上端部から一体的に延在するアウター上壁セクション645がインナー上壁セクション646よりも垂直方向に上方に配置される。車両構成要素10、410及び補強ビーム40、440と類似する車両構成要素610及び関連する補強ビーム640の他の特徴は、再度詳細に記載せず、同様の参照番号が600だけ増分されて使用される。
【0055】
図9B、9C、9Dに示されるように、ロッカー構成要素610の追加の実装形態は、インナーシルパネルが省略され(
図9B)、アウターシルパネルが省略され(
図9C)、両方のシルパネルが省略されている(
図9D)。これらの例では、省略されたシルパネルに隣接する補強ビームの壁セクションは、ロッカー構成要素610の対応する最も内側の壁又は最も外側の壁を画定する。このように、補強ビーム640は、単一の金属シートを利用することによって、1つ又は2つのシルパネルを補強構造と一体化し得る。繰り返しを避けるために、
図9Aのロッカー構成要素610と同一又は類似する
図9B~9Dに示されるロッカー構成要素610の他の特徴は、同様の参照番号を有するものを含めて、再度詳細に記載されない。
【0056】
図10Aに示されるように、補強ビーム740は、
図9Aに示される補強ビーム640と同様の構成を備え、中央壁セクション754によって分割される2つの中空内部領域760、762を有するビーム部分742を備える。補強ビーム640とは異なり、アウター下壁セクション751は、インナー下壁セクション750の上方に配置され、インナー下壁セクション750の一部と重ならない。したがって、中央壁セクション754は、アウター下壁セクション751を越えて下方に延在して第2のフランジ部分766の上端部と部分的に重なり、その結果、中央壁セクション754の下端部から一体的に延在するインナー下壁セクション750がアウター下壁セクション751よりも垂直方向に下方に配置される。
【0057】
図10B~10Dに示されるように、ロッカー構成要素710の追加の実装形態は、インナーシルパネルが省略され(
図10B)、アウターシルパネルが省略され(
図10C)、両方のシルパネルが省略されている(
図10D)。これらの例では、省略されたシルパネルに隣接する補強ビームの壁セクションは、ロッカー構成要素710の対応する最も内側の壁又は最も外側の壁を画定する。したがって、補強ビーム740は、単一の金属シートを利用することによって、1つ又は2つのシルパネルを補強構造と一体化し得る。車両構成要素10、610及び補強ビーム40、640と類似する車両構成要素710及び関連する補強ビーム740の他の特徴は、再度詳細に記載されず、同様の参照番号が700だけ増分されて使用される。
【0058】
図11A~11D及び
図12A~12Dに示されるように、補強ビーム840、940も、
図9A~9Dに示される補強ビーム640と同様の構成を備え、中央壁セクション854、954によってそれぞれ分割された2つの中空内部領域860、862、960、962をそれぞれ有するビーム部分842、942を備えている。補強ビーム640とは異なり、アウター上壁セクション845、945は、インナー上壁セクション846、946の上方に配置され、その一部と重なる。したがって、中央壁セクション854、954は、いずれのフランジ部分844、866、944、966とも重なっておらず、その結果、中央壁セクション854、954は、上端部でアウター上壁セクション845、945の中間範囲で、及びインナー下壁セクション850、950の中間範囲で終端する。中央壁セクション854、954は、その後、
図12A~12Dに示される比較的より短い横方向オフセットと比較した場合に
図11A~11Dに示されるようにより大きな距離で横方向にオフセットされる場合など、横方向にオフセットされたフランジの間の概ね中心に置くことができる。車両構成要素10、610及び補強ビーム40、640と類似する車両構成要素810、910及び関連する補強ビーム840、940の他の特徴は、再度詳細に記載されず、類似の参照番号が、それぞれ800及び900だけ増分されて使用される。
【0059】
図13A~13Dに示されるように、上部及び下部フランジ1018、1020、1022、1024は、垂直方向に整列されてもよい。
図13A~13Dに示される補強ビーム1040は、
図11A~11Dに示される補強ビーム840と同様の構成であり、上壁セクション1045、1046の一部が重なり、下壁セクション1050、1051の一部が重なっている。しかしながら、中央壁セクション1054は、
図6Aに示される補強ビーム340と同様に提供され、ここで、金属シートが交互斜め構成で上方に移行して、3つの中間せん断壁セクション1054を提供し、その後、上壁セクション1046で内側に移行し、次にビーム部分1042の内側に沿って直線的に下方に移行して上部及び下部内壁セクション1048a、1048bを画定している。車両構成要素10及び補強ビーム40と類似する車両構成要素1010及び関連する補強ビーム1040の他の特徴は、再度詳細に記載されず、同様の参照番号が1000だけ増分して使用される。追加の実装形態では、中央壁セクションの角度配向は、一般に、上部フランジから内側にオフセットされている下部フランジに向かって上部フランジから角度を付けるように、オフセットされたフランジの間に延在するように配置される。
【0060】
図14A~14Dを参照すると、補強ビーム1140の断面形状が、主にビーム部分1142の壁セクション間及びビーム部分1142とフランジ部分1144、1166との間の角度移行部の程度で変更されている
図9A~9Dに示される例と同様の構成を有するロッカー構成要素1110の追加の例が示されている。例えば、補強ビーム1140のビーム部分1142は、上部及び下部せん断壁セクション1145、1146、1150に加えてせん断壁セクションを提供するために、中央壁セクション1154の一部に沿って実質的に水平な壁セクション1153を含む。
【0061】
ロッカー構成要素1210のさらなる例が
図15A~15Dに示されており、補強ビーム1240を形成する金属シートのロール形態屈曲構成又はフラワーパターンにおいて補強ビーム1240の断面形状が変更された
図7A~7Dに示された例と同様の構成を有している。具体的には、補強ビーム1240は、上部中空領域1260を囲む上部管状部分と、下部中空領域1262を囲む下部管状部分とを形成し、シートが補強ビーム1240の外壁セクション1232に沿って上部管状部分及び下部管状部分を接続して第3の中空領域1261を取り囲んでいる。補強ビーム1240のこの構成は、インナー又はアウターシルパネルなしで
図15Dに示されている。
図15Dの補強ビーム1240及びロッカー構成要素と同様に、ロッカー構成要素1310の別の例が、
図15A~15Dに示されるものから100だけ増分された同様の参照番号で
図16に示されている。
図16に示されるように(
図1Aにも示されるように)、ロッカー構成要素1310は、バッテリトレイに対して車外側に位置し、ボディサイドパネルに対して車内側に位置している。また、フロアクロスメンバが、バッテリトレイの上方にまたがり、ロッカー構成要素1310の内側部分と、上部中空領域160の上方で、及び上部フランジ1344の車内側で相互接続していることが示されている。
図1Bに示される例など他の例についても、追加の接続構成が同様に考えられる。
【0062】
補強ビームは、十分な剛性及び強度を提供する構造をビーム部分において有し得るが、車両構成要素は、ロッカー構成要素の長手方向範囲に対して概ね直交して配置される1つ又は複数の隔壁部材を含み得ることが考えられる。例えば、ロッカーアセンブリ間のトレイに配置されたバッテリモジュールを保護するためなど、アウターロッカーパネルをさらに剛性化することが望まれる場合、一連の隔壁部材は、補強ビームの外壁セクションとロッカー構成要素のアウターパネルとの間の中空内部に沿って間隔を置いて配置されてもよい。隔壁部材は、機械的締結具、溶接、接着剤、又はそれらの任意の組み合わせで、アウターパネル及び/又は補強ビームに接続し得る。さらに、インナーパネル及びアウターパネルは、インナーパネル及びアウターパネルの選択された位置に取り付けられ得る壁補強材を含み得ることが考えられる。例えば、壁補強材は、インナーパネル及びアウターパネルを形成する金属シートの丸みを帯びたコーナーに取り付けられ、これを補強し得る。他の例では、追加の又は代替の取り付け位置が使用されてもよいことが考えられる。
【0063】
また、開示された車両構成要素の内部補強材は、自動車及び海洋の乗り物、建物、貯蔵タンク、家具及びそれらに類するもののフレーム及び構造内などの、他のタイプの構造ビームに組み込まれてもよいことが考えられる。車両用途に関して、本明細書に開示される車両構成要素は、異なる構造構成要素の様々な用途で組み込まれてもよい。車両構成要素は、特定の水平スパン又は軸方向荷重条件を支持するためなど、異なる荷重条件を支持しそれに耐えるように設計されてもよい。また、車両構成要素は、示されたロッカーアセンブリ、ピラー構造及びそれらに類するもの向けなど、様々な衝撃力を受けるように設計されてもよい。車両構成要素の断面形状、材料タイプの選択、及び断面プロファイル内の材料厚さは、そのような特定の用途、並びに車両構成要素の重量、ビーム耐荷重、力偏向性能、及び衝撃性能などの所望の荷重及び性能特性に合わせて構成されてもよい。
【0064】
本開示の目的のために、冠詞「a」、「an」、及び「the」は、先の記載において要素の1つ又は複数が存在することを意味することが意図される。「備える」、「含む」、及び「有する」という用語は、包括的であることを意図しており、列挙された要素以外の追加の要素が存在する可能性があることを意味する。さらに、本開示の「一実施形態」又は「実施形態」への言及は、言及された特徴を同じく組み込んだ追加の実装形態の存在を除外すると解釈されることを意図していないことを理解されたい。さらに、本明細書で使用される際、「第1」、「第2」等の用語は、いかなる順序、量、及び重要性も示さず、むしろ似たようなものからの要素を示すために使用される。
【0065】
本明細書に記載された数値、パーセンテージ、比率、又は他の値は、その値、及び本開示の実装形態に包含される当業者によって理解されるであろう、「約」又は「およそ」の記載された値である他の値も含むように意図されている。したがって、記載された値は、所望の機能を実行するため、又は所望の結果を達成するために、記載された値に少なくとも十分に近い値を包含するように、十分に広く解釈されるべきである。例えば、「およそ」、「約」、及び「実質的に」という用語は、記載された量の5%未満以内、1%未満以内、0.1%未満以内、及び0.01%未満以内にある量を指す場合がある。
【0066】
さらに、先の記載におけるあらゆる方向又は基準枠は、単に相対的な方向又は動きであることを理解されたい。例えば、「上」、「下」、「右」、「左」、「後」、「前」、「垂直」、「水平」、「車内」、「車外」という用語及びそれらの派生語は、
図1に示される方向に関するものとする。しかしながら、反対に明示的に指定された場合を除き、様々な代替的な向きが提供され得ることが理解される。また、添付の図面に示され、本明細書に記載された特定の装置及びプロセスは、添付の特許請求の範囲で定義された発明的概念の単なる例示的な実施形態であることを理解されたい。したがって、本明細書に開示された実施形態に関する特定の寸法及び他の物理的特性は、特許請求の範囲に明示的に記載されない限り、限定的であると見なされることはない。
【0067】
具体的に記載された実施形態における変更及び修正は、特許法の原則に従って解釈される添付の請求項の範囲によってのみ限定されることが意図される本発明の原理から逸脱することなく実施され得る。本開示は、説明に役立つ方法で記載されており、使用されてきた用語は、限定ではなく、記載の言葉の性質内にあることが意図されていることが理解されるであろう。本開示の多くの修正及び変形は、上記の教示に照らして可能であり、本開示は、具体的に記載された方法とは別の方法で実施されてもよい。
【国際調査報告】