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特表2023-522178断熱コンクリート製サンドイッチ壁パネル用の不燃性エッジ
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  • 特表-断熱コンクリート製サンドイッチ壁パネル用の不燃性エッジ 図1
  • 特表-断熱コンクリート製サンドイッチ壁パネル用の不燃性エッジ 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-29
(54)【発明の名称】断熱コンクリート製サンドイッチ壁パネル用の不燃性エッジ
(51)【国際特許分類】
   E04C 2/288 20060101AFI20230522BHJP
   E04B 1/80 20060101ALI20230522BHJP
【FI】
E04C2/288
E04B1/80 100Q
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022561450
(86)(22)【出願日】2021-04-09
(85)【翻訳文提出日】2022-12-06
(86)【国際出願番号】 US2021026518
(87)【国際公開番号】W WO2021207570
(87)【国際公開日】2021-10-14
(31)【優先権主張番号】63/008,493
(32)【優先日】2020-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507220187
【氏名又は名称】オウェンス コーニング インテレクチュアル キャピタル リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン スローン ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】コポック ティファニー
【テーマコード(参考)】
2E001
2E162
【Fターム(参考)】
2E001DD01
2E001FA03
2E001GA12
2E001HA01
2E001HA31
2E001HD02
2E001HD09
2E162CA11
2E162DA09
(57)【要約】
サンドイッチ壁パネル用の断熱システムが開示される。断熱システムは、サンドイッチ壁パネル中への火炎の広がりの恐れを軽減する。本断熱システムは、サンドイッチ壁パネルのコストを増大させるという好ましからざる結果をもたらすことなく、良好な断熱性と易燃性の低減とのバランスをもたらす。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンドイッチ壁パネル組立体であって、
前記サンドイッチ壁パネル組立体の第1の外面に向いた第1の主要な表面及び前記サンドイッチ壁パネル組立体の第1の内面に向いた第2の主要な表面を有する第1の建築用壁パネルを含み、
前記サンドイッチ壁パネル組立体の第2の外面に向いた第1の主要な表面及び前記サンドイッチ壁パネル組立体の第2の内面に向いた第2の主要な表面を有する第2の建築用壁パネルを含み、
第1の断熱材を含み、第1の断熱材は、第1の主要な表面及び第2の主要な表面並びに前記第1の断熱材の周囲を構成する複数のエッジを有し、前記第1の断熱材は、前記第1の建築用壁パネルと前記第2の建築用壁パネルとの間に位置決めされ、
前記エッジのうちの少なくとも1つの周りに位置決めされた少なくとも1つのセグメントの形態をしている第2の断熱材を含む、サンドイッチ壁パネル組立体。
【請求項2】
前記第1の断熱材は、XPS、EPS、ポリイソシアヌレート、及び/又はフェノール樹脂フォーム断熱材、表面仕上げガラス繊維、又は鉱物繊維ボードで構成されている、請求項1記載のサンドイッチ壁パネル組立体。
【請求項3】
前記第2の断熱材は、不燃性である、請求項1記載のサンドイッチ壁パネル組立体。
【請求項4】
前記第2の断熱材は、気泡ガラスである、請求項3記載のサンドイッチ壁パネル組立体。
【請求項5】
前記第2の断熱材は、前記複数のエッジに沿って位置決めされた複数のリボン形セグメントを含む、請求項1記載のサンドイッチ壁パネル組立体。
【請求項6】
前記セグメントは、同じではない幅のものである、請求項5記載のサンドイッチ壁パネル組立体。
【請求項7】
前記第2の断熱材の前記表面の面積は、前記第1の建築用壁パネルの前記第2の主要な表面の面積の2%~25%である、請求項1記載のサンドイッチ壁パネル組立体。
【請求項8】
前記第2の断熱材の幅は、2インチ(5.08cm)~12インチ(30.48cm)である、請求項1記載のサンドイッチ壁パネル組立体。
【請求項9】
サンドイッチ壁パネル組立体を製造する方法であって、前記方法は、
前記サンドイッチ壁パネル組立体の第1の外面に向いた第1の主要な表面及び前記サンドイッチ壁パネル組立体の第1の内面に向いた第2の主要な表面を有する第1の建築用壁パネルを用意するステップと、
前記サンドイッチ壁パネル組立体の第2の外面に向いた第1の主要な表面及び前記サンドイッチ壁パネル組立体の第2の内面に向いた第2の主要な表面を有する第2の建築用壁パネルを用意するステップと、
第1の主要な表面及び第2の主要な表面並びに周囲を構成する複数のエッジを有する第1の断熱材を前記第1の建築用壁パネルと前記第2の建築用壁パネルとの間に位置決めするステップと、
少なくとも1つのセグメントの形態をした第2の断熱材を前記エッジのうちの少なくとも1つの周りに位置決めするステップと、を含む、方法。
【請求項10】
前記第1の断熱材は、フォーム断熱材で構成されている、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記第2の断熱材は、不燃性である、請求項9記載の方法。
【請求項12】
前記第2の断熱材は、気泡ガラスである、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記第2の断熱材は、複数のエッジに沿ってこれらに対応して位置決めされた複数のセグメントを含む、請求項9記載の方法。
【請求項14】
前記第2の断熱材の前記表面の面積は、前記第1の建築用壁パネルの前記第2の主要な表面の面積の2%~20%である、請求項9記載の方法。
【請求項15】
前記第2の断熱材の幅は、2インチ(5.08cm)~12インチ(30.48cm)である、請求項9記載の方法。
【請求項16】
前記セグメントのうちの少なくとも2つは、幅が互いに異なっている、請求項13記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物及び居住構造物用の断熱システム、特に、従来型コンクリート製サンドイッチ壁パネルと関連した種々の問題を解決するシステムに関する。
【0002】
〔関連出願の参照〕
本願は、2020年4月10日に出願された米国特許仮出願第63/008,493号の優先権及び権益主張出願であり、この米国特許仮出願を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする。
【背景技術】
【0003】
従来型外面用建築被覆材(表面材)は、前もって作られたコンクリート製壁パネルを用いて作られる場合が多い。多くの気候では、コンクリート製パネルは、追加の断熱材を必要とする。かかる外面用被覆材に関する一構成例では、断熱材(例えば、フォーム)のパネル又はボードをコンクリート製壁パネル材の2つのセグメント相互間に「サンドイッチ」する。断熱効果を最大限に高めるためには、断熱材がコンクリート製壁パネルのエッジに届くようにすることが望ましい。しかしながら、この構成では、潜在的に可燃性のフォーム断熱材が露出状態のままになる場合が多く、それによりある特定の場合には燃える恐れが生じることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、断熱材の潜在的な燃焼可能性を避けながらコンクリート製サンドイッチ壁パネルに適当な断熱作用をもたらすことができる断熱システムが要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一般的な本発明の技術的思想は、一つには、従来型のコンクリート製サンドイッチ壁パネルには内側断熱材料の燃焼の恐れが生じるという知見に基づいている。この問題に対処する一手段は、内側断熱材全体を不燃性である断熱材で置き換えることである。しかしながら、かかる変更には桁違いの費用がかかる場合が多く、しかも変更により例えば気泡ガラスの場合では相当な重量が加わる場合がある。したがって、一般的な本発明の技術的思想は、フォーム断熱材の断熱性及び低コストと、気泡ガラス断熱材の不燃性とのバランスを取ろうとするものである。これは、不燃性気泡ガラス断熱材を他の可燃性フォーム断熱材パネル周りにエッジとして位置決めすることによって達成される。
【0006】
ある特定の例示の実施形態では、一般的な本発明の技術的思想は、サンドイッチ壁パネル組立体を想定している。サンドイッチ壁パネル組立体は、互いに反対側に位置決めされた第1の建築用壁パネルと第2の建築用壁パネルとを含む。第1の断熱材及び第2の断熱材が第1の壁パネルと第2の壁パネルとの間に位置決めされる。第1の断熱材は、第1の壁パネルと第2の壁パネルとの間の面積の大部分を占めるよう寸法決めされ、第2の断熱材は、第1の断熱材の周囲の少なくとも1つのエッジ上に位置決めされたリボン形の材料である。
【0007】
ある特定の例示の実施形態では、一般的な本発明の技術的思想は、サンドイッチ壁パネル組立体を想定している。サンドイッチ壁パネル組立体は、サンドイッチ壁パネル組立体の第1の外面に向いた第1の主要な表面及びサンドイッチ壁パネル組立体の第1の内面に向いた第2の主要な表面を有する第1の建築用壁パネルと、サンドイッチ壁パネル組立体の第2の外面に向いた第1の主要な表面及びサンドイッチ壁パネル組立体の第2の内面に向いた第2の主要な表面を有する第2の建築用壁パネルとを含み、サンドイッチ壁パネル組立体は、第1の断熱材をさらに含み、第1の断熱材は、第1の主要な表面及び第2の主要な表面並びに第1の断熱材の周囲を構成する複数のエッジを有し、第1の断熱材は、第1の建築用壁パネルと第2の建築用壁パネルとの間に位置決めされ、サンドイッチ壁パネル組立体は、エッジのうちの少なくとも1つの周りに位置決めされた少なくとも1つのセグメントの形態をした第2の断熱材をさらに含む。
【0008】
ある特定の例示の実施形態では、一般的な本発明の技術的思想は、サンドイッチ壁パネル組立体を製造する方法を想定している。この方法は、サンドイッチ壁パネル組立体の第1の外面に向いた第1の主要な表面及びサンドイッチ壁パネル組立体の第1の内面に向いた第2の主要な表面を有する第1の建築用壁パネルを用意するステップと、サンドイッチ壁パネル組立体の第2の外面に向いた第1の主要な表面及びサンドイッチ壁パネル組立体の第2の内面に向いた第2の主要な表面を有する第2の建築用壁パネルを用意するステップと、第1の主要な表面及び第2の主要な表面並びに周囲を構成する複数のエッジを有する第1の断熱材を第1の建築用壁パネルと第2の建築用壁パネルとの間に位置決めするステップと、少なくとも1つのセグメントの形態をした第2の断熱材をエッジのうちの少なくとも1つの周りに位置決めするステップとを含む。
【0009】
一般的な本発明の技術的思想の他の観点及び他の特徴は、添付の図と関連して種々の例示の実施形態についての以下の説明をレビューすると、当業者には容易に明らかになろう。
【0010】
図面を参照して一般的な本発明の技術的思想並びにこれら技術的思想の実施形態及び利点について例示として以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】従来型コンクリート製サンドイッチ壁パネルの略図である。
図2】一般的な本発明の技術的思想によるサンドイッチ壁パネルの一実施形態の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明が一般的な本発明の技術的思想を単に例示しているものと理解した上で幾つかの例示の実施形態について詳細に説明する。一般的な本発明の技術的思想を具体化する実施形態は、種々の形態を取ることができ、一般的な本発明の技術的思想は、本明細書において説明する特定の実施形態に限定されるようには意図されていない。
【0013】
例示の実施形態について本明細書において説明し又は示唆するが、本明細書において説明し又は示唆する実施形態とほぼ同じ又は等価な種々の方法及び材料を利用した他の例示の実施形態が一般的な本発明の技術的思想に含まれる。
【0014】
別段の指定がなければ、本明細書において用いられる全ての技術的及び科学的用語は、本発明に係る当業者によって通常理解されている同一の意味を有する。これと関連して、別段の指定がなければ、本明細書において与えられる構成要素の濃度は、慣例に従って、マスターバッチ又は濃縮物中のこれら成分の濃度を意味している。
【0015】
一般的な本発明の技術的思想は、サンドイッチ壁パネルを断熱するシステム及び方法に関する。特に、一般的な本発明の技術的思想は、通常の断熱材(すなわち、ポリマーフォーム)と関連した燃えやすいという危険性を軽減し又は回避するサンドイッチ壁パネルを断熱するシステムを想定している。
【0016】
サンドイッチ壁パネル組立体の場合、壁パネル組立体の外面は、コンクリート又は他の不燃性もしくは耐火材料で作られる場合が多い。これらは、多くの気候にとって不十分な断熱材である。かくして、追加の断熱材が外面材料の壁パネル組立体相互間に「サンドイッチ」される場合が多い。しかしながら、従来型断熱材、例えばポリマーフォームは、安価であることと効率的な断熱材であることの両方の利点を有するが、これら利点とともに易燃性であるというリスクもまた負っている。一般的な本発明の技術的思想は、従来型断熱材の良好な断熱性と低コストを保ちながら、この易燃性を解決しようとするものである。
【0017】
気泡ガラスは、構造的に剛性である無孔の独立気泡フォーム材料であり、水蒸気透過性がゼロであり、しかも不燃性である。気泡ガラスは、断熱性が比較的高く、それにより、ある特定の用途、特に気泡ガラスの他の独特の性質、例えば、高い機械的強度、剛性、寸法安定性、化学的不活性、防水性及び/又は水蒸気不透過性、耐水性/耐水蒸気性、虫害抵抗性/防鼠抵抗性、及び/又は他のバリヤ特性又は耐性を利用することができる用途にとって好ましい断熱材料となる。
【0018】
一般的な本発明の技術的思想は、種々の断熱材料に利用できるが、一般的な本発明の技術的思想に従って使用可能な気泡ガラスは、寸法安定性が高くかつ不燃性であるという特徴を持ち、それにより、気泡ガラスは、内側/第1の断熱材料を保護する上で優れた選択肢となる。
【0019】
図1は、例示のサンドイッチ壁パネル組立体100を示している。このパネルは、建築材料(例えば、コンクリート)の対向した建築用壁パネル110,130を備えている。対向した建築用壁パネル(110,130)相互間には断熱材(例えば、ポリマーフォーム)の層又はボード120が位置決めされている。図で理解できるように、断熱材120の周囲エッジは、実質的に外面壁パネル110,130の周囲エッジまで到達するよう寸法決めされている。換言すると、断熱材料は、壁パネルの形状と実質的に同一の形状を有する。かかる構成により、断熱材料相互間の隙間を介する熱/エネルギーの伝達が回避される。
【0020】
図2は、一般的な本発明の技術的思想による一実施形態としてのサンドイッチ壁パネル組立体200を示している。この組立体は、第1の建築用壁パネル210及び第2の建築用壁パネル230で構成され、これら壁パネル相互間にはサンドイッチ空所が形成されている。第1及び第2の建築用壁パネル210,230は各々、組立体200の外面に向いた第1の主要な表面及び組立体200の内面に向いた第2の主要な表面を有する。層又はパネルの形態をした第1の断熱材220が第1の建築パネル210及び第2の建築パネル230の内面向き主要表面相互間に位置決めされている。建築パネル(例えば、コンクリート製パネル)は、互いに実質的に同一のサイズを有するよう設計されるとともに実質的に同一の主要表面面積を有する。この図で理解できるように、第1の断熱材220の形(すなわち、周囲長さ)は、第1の建築パネル210及び第2の建築パネル230の形(周囲長さ)よりも小さい。少なくとも1つの周囲エッジに施された第1の断熱材周りには断熱材料のリボンの形をした第2の断熱材240が位置決めされている。理解できるように、第2の断熱材の面積は、第1の断熱材の面積よりも小さい。この図は、頂部エッジ、側部エッジ241、底部エッジ243、及び内部エッジ242に施されている第1の断熱材220を包囲するよう位置決めされた第2の断熱材240を示している。内部エッジ又は開口部が窓又は他のアクセスポイントのための開口部に適合するようパネル組立体に設けられるのが良い。ある特定の例示の実施形態では、第2の断熱材が第1の断熱材の少なくとも1つのエッジ周りに位置決めされ、かかる少なくとも1つのエッジとしては、最大限、第1の断熱材の各エッジが挙げられる。ある特定の例示の実施形態では、第2の断熱材240は、第1の断熱材220の周囲に沿ってぐるりと互いに当接する個々のセグメントの形態をしている。ある特定の例示の実施形態では、第2の断熱材は、長さが18インチ(45.72cm)~36インチ(91.44cm)のセグメントを含む個々のリボン形セグメントの形態をしている。ある特定の例示の実施形態では、個々のセグメントは、長いリボンセグメントを形成するよう従来型の不燃性セメント系材料、例えば石こうセメントによって互いにくっつけられるのが良い。
【0021】
一般的な本発明の技術的思想は、サンドイッチ壁パネル組立体であって、サンドイッチ壁パネル組立体がサンドイッチ壁パネル組立体の外面に向いた第1の主要な表面及びサンドイッチ壁パネルの内面に向いた第2の主要な表面を有する第1の建築用壁パネルと、サンドイッチ壁パネルの外面に向いた第1の主要な表面及びサンドイッチ壁パネルの内面に向いた第2の主要な表面を有する第2の建築用壁パネルとを含み、サンドイッチ壁パネル組立体が第1の主要な表面及び第2の主要な表面並びに周囲を構成する複数のエッジを有するパネルの形態をした第1の断熱材をさらに含み、第1の断熱材は、第1の建築用壁パネルと第2の建築用壁パネルとの間に位置決めされ、サンドイッチ壁パネル組立体が第1の断熱材のエッジのうちの少なくとも1つの周りに位置決めされた少なくとも1つのリボン形セグメントの形態をしている第2の断熱材をさらに含むことを特徴とするサンドイッチ壁パネル組立体を想定している。
【0022】
ある特定の例示の実施形態では、第1及び第2の建築用壁パネルのうちの少なくとも一方は、コンクリート製パネルである。ある特定の例示の実施形態では、第1の建築用壁パネルと第2の建築用壁パネルの両方がコンクリート製パネルである。
【0023】
ある特定の例示の実施形態では、第1の断熱材は、押出ポリスチレン(XPS)、発泡ポリスチレン(EPS)、ポリイソシアヌレート、及びフェノール樹脂フォーム断熱材から選択されたフォームで構成されている。ある特定の例示の実施形態では、第1の断熱材は、可燃性である。ある特定の例示の実施形態では、第1の断熱材は、0火炎及び0煙よりも高いASTM E84による火炎及び煙等級を適用した場合に可燃性である。ある特定の例示の実施形態では、第2の断熱材は、不燃性である。ある特定の例示の実施形態では、第2の断熱材の易燃性は、第1の断熱材の易燃性よりも低い。
【0024】
ある特定の例示の実施形態では、第2の断熱材は、気泡ガラスである。ある特定の例示の実施形態では、第2の断熱材は、第1の断熱材の周囲エッジに沿って位置決めされた複数のリボン形セグメントを含む。ある特定の例示の実施形態では、第2の断熱材の一表面の面積は、第1の建築用壁パネルの一主要表面の面積の2%~20%である。ある特定の例示の実施形態では、第2の断熱材の一表面の面積は、第1の建築用壁パネルの主要表面の面積の5%~10%である。ある特定の例示の実施形態では、第2の断熱材の一表面の面積は、第1の建築用壁パネルの一主要表面の面積の3%~7%である。ある特定の例示の実施形態では、第2の断熱材は、2インチ(5.08cm)~12インチ(30.48cm)の幅を有する。ある特定の例示の実施形態では、第2の断熱材は、2インチ(5.08cm)~6インチ(15.24cm)の幅を有する。ある特定の例示の実施形態では、第2の断熱材は、3インチ(7.62cm)~4インチ(10.16cm)の幅を有する。ある特定の例示の実施形態では、第2の断熱材は、第1の断熱材の厚さと同一の又はほぼ同じ厚さを有する。ある特定の例示の実施形態では、気泡ガラスのセグメントは、同じではない幅のものである。
【0025】
当業者であれば認識されるように、第2の断熱材(例えば、気泡ガラス)のリボンの種々のサイズが壁パネル組立体が施される建物の特定の要望及び仕様に基づいて必要になる場合がある。例えば、特定の建物は、広幅又は細幅のリボンの形をした気泡ガラスを必要とする場合がある。同様に、ある特定の組立体は、同一組立体内で幅の異なる気泡ガラスのセグメントを含む場合がある。これら組立体の各々は、一般的な本発明の技術的思想の範囲に含まれる。
【0026】
ある特定の例示の実施形態では、一般的な本発明の技術的思想は、サンドイッチ壁パネル組立体を製造する方法を想定している。この方法は、コンクリート製サンドイッチパネル組立体の外面に向いた第1の主要な表面及びサンドイッチ壁パネル組立体の内面に向いた第2の主要な表面を有する第1の建築用壁パネルを用意するステップと、サンドイッチ壁パネル組立体の外面に向いた第1の主要な表面及びサンドイッチ壁パネル組立体の内面に向いた第2の主要な表面を有する第2の建築用壁パネルを用意するステップと、第1の主要な表面及び第2の主要な表面並びに周囲を構成する複数のエッジを有する第1の断熱材を第1の建築用壁パネルと第2の建築用壁パネルとの間に位置決めするステップと、リボン形セグメントの形態をした第2の断熱材をエッジのうちの少なくとも1つの周りに位置決めするステップとを含む。
【0027】
本開示の単一の性質又は限定に対する全ての参照は、対応の複数の性質又は限定を含むべきであり、またその逆の関係が成り立ち、ただし、参照が行われる前後関係によって上記とは逆の別段の指定又は明示の示唆がないことを条件とする。
【0028】
本明細書で用いられる方法又はプロセスステップの全ての組み合わせを、任意の順序で行うことができ、ただし、参照した組み合わせが行われる前後関係によって上記とは逆の別段の指定又は明示の示唆がないことを条件とする。
【0029】
百分率、部、及び比(これらには限定されない)を含む全ての範囲及びパラメータは、本明細書において前提されるとともに包摂される任意かつ全ての小範囲並びに端点相互間のあらゆる数を含むものと理解される。例えば、「1~10」と記載された範囲は、最小値1と最大値10の間の任意かつ全ての小範囲(これらの数を含む)を含むものと理解されるべきであり、すなわち、全ての小範囲は、最小値1以上(例えば、1~6.1)で始まり最大値10以下で終わり(例えば、2.3~9.4、3~8、4~7)、最終的には、この範囲に含まれる各数1,2,3,4,5,6,7,8,9,10に至る。
【0030】
本発明のサンドイッチ壁パネル組立体は、本明細書において説明したような本発明の必須の構成要素及び新規特徴(限定要件)を含み、又はこれらから成り、あるいは本質的にこれらから成ることが可能であるとともに本明細書において説明した又はフォームガラス組成物用途で有用な任意の追加の又はオプションとしての構成要素、コンポーネント、又は新規特徴(限定要件)を含み、又はこれから成り、あるいは本質的にこれから成ることが可能である。
【0031】
また、本発明のサンドイッチ壁パネル組立体には本明細書において説明した任意のオプションとしての又は選択されたコンポーネント又は特徴が実質的にない場合があり、ただし、残りの組成が本明細書において説明したような所要の構成要素又は特徴の全てを依然として含むことを条件とする。これと関連して、また別段の指定がなければ、「実質的にない」という表現は、選択された組成がオプションとしての構成要素の機能的量以下の量、代表的には、かかるオプションとしての又は選択された必須の構成要素の0.1重量%以下(ゼロ重量パーセントもまた含む)を含むことを意味している。
【0032】
用語“include”(訳文では、「~を含む」としている場合が多い)、“includes”、又は“including”が原文明細書又は原文特許請求の範囲で用いられている場合、これら用語は、“comprising”(訳文では、「~を有する」としている場合が多い)とほぼ同様に包括的であることが意図されており、と言うのは、この用語は、特許請求の範囲においては移行句として用いられている場合であると解されるからである。さらに、「また」という用語が用いられている場合(例えば、A又はB)、この用語は、「AもしくはB又はAとBの両方」を意味するようになっている。本出願人が「AとBの両方ではなくA又はBのみ」と指示することを意図している場合、「AとBの両方ではなくA又はBのみ」という表現が用いられる。かくして、本明細書で用いられる用語「又は」は、包括的な使用法であって、排他的な使用ではない。原文明細書における用語“a”又は“an”は、単数と複数の両方を含むものと解されるべきである。これとは逆に、複数のアイテムについてどのように記載してあっても、これは、適宜、単数を含むものとする。
【0033】
幾つかの実施形態では、種々の本発明の技術的思想を互いに組み合わせて利用することが可能であると言える。加うるに、特別に開示された実施形態に関するものとして記載されている任意特定の構成要素は、全ての開示した実施形態に使用できるものとして解されるべきであり、ただし、特定の要素を記載することが当該実施形態の明示条件と相関するものでないことを条件とする。追加の利点及び追加の改造例は、当業者には容易に明らかであろう。したがって、本発明は、その広い観点に関し、本明細書において提供される特定の細部、代表的な装置、又は図示するとともに説明した例示の実施例に限定されない。したがって、一般的な本発明の技術的思想の精神又は範囲から逸脱することなく、かかる細部からの逸脱が可能である。
【0034】
本発明を図面及び上記本文において図示するとともに詳細に説明したが、同じことは、性質上例示であって本発明を限定するものではないものと見なされるべきである。理解されるべきこととして、例示の実施形態のみが図示されるとともに説明され、本発明の精神に含まれる全ての変更及び改造は、本発明の保護範囲に含まれる。
図1
図2
【国際調査報告】