(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-29
(54)【発明の名称】カテーテルアダプタプッシュタブと関連デバイス、システム
(51)【国際特許分類】
A61M 25/06 20060101AFI20230522BHJP
【FI】
A61M25/06 500
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022562417
(86)(22)【出願日】2021-03-23
(85)【翻訳文提出日】2022-11-29
(86)【国際出願番号】 US2021023654
(87)【国際公開番号】W WO2021211268
(87)【国際公開日】2021-10-21
(32)【優先日】2020-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417-1880, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ユン フイ ウォン
(72)【発明者】
【氏名】キアト ジン チェン
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA24
4C267BB04
4C267CC08
4C267HH07
(57)【要約】
カテーテルアセンブリがカテーテルアダプタを含み得、これは遠位端部と、近接端部と、遠位端部と近接端部との間で延在するルーメンとを含み得る。カテーテルアセンブリはプッシュタブを含み得る。プッシュタブは、枢動するようにカテーテルアダプタに結合され得る。プッシュタブは、隆起位置と押下位置との間で枢動するように可動し得る。カテーテルアセンブリは別のプッシュタブを含み得、これは弾性であってもよく、かつ第1の端部、第2の端部、及び第1の端部と第2の端部との間の弧状部分とを含み得る。他のタブのプッシュタブは、隆起位置から押下位置まで移動するように構成され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルアセンブリであって、
遠位端部と、近接端部と、前記遠位端部と前記近接端部との間で延在するルーメンとを備える、カテーテルアダプタと、
枢動するように前記カテーテルアダプタに結合されたプッシュタブであって、隆起位置と押下位置との間で枢動するように可動する、プッシュタブと、
を備えるカテーテルアセンブリ。
【請求項2】
前記プッシュタブが、第1の端部と、前記第1の端部に対向する第2の端部とを備え、
前記第1の端部は枢動するように前記カテーテルアダプタに結合され、前記プッシュタブが前記押下位置にある時よりも前記プッシュタブが前記隆起位置にある時に、前記第2の端部は前記カテーテルアダプタからより遠位となる、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項3】
前記第2の端部は、前記プッシュタブが前記隆起位置にあることに応じて第1の位置に配設され、前記第2の端部は、前記プッシュタブが前記押下位置にあることに応じて第2の位置に配設され、前記第2の位置は、前記第1の位置に近接している、請求項2に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項4】
前記プッシュタブが、2つの対向する突起を備え、前記カテーテルアダプタが、2つの対向する窪みを備え、前記2つの対向する突起は、前記2つの対向する窪みの内部に配設されて前記プッシュタブを前記カテーテルアダプタに枢動するように結合する、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項5】
前記プッシュタブが前記隆起位置にあることに応じて、前記プッシュタブは、前記カテーテルアダプタの縦軸に概して垂直である、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項6】
前記プッシュタブが前記押下位置にあることに応じて、前記プッシュタブは、前記カテーテルアダプタの前記縦軸に概して平行になる、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項7】
前記プッシュタブが、
前記プッシュタブが前記押下位置から前記隆起位置まで枢動するように移動することに応じて、前記カテーテルアダプタに接するように構成されている端縁を備える、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項8】
前記プッシュタブの基端面は凹面形状である、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項9】
前記カテーテルアダプタが、前記遠位端部と前記近接端部との間に配設されたサイドポートを備え、前記プッシュタブは、前記サイドポートに近接している前記カテーテルアダプタに枢動するように結合される、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項10】
カテーテルアセンブリであって、
遠位端部と、近接端部と、前記遠位端部と前記近接端部との間で延在するルーメンとを備える、カテーテルアダプタと、
前記カテーテルアダプタに結合された弾性プッシュタブであって、
前記弾性プッシュタブは、第1の端部と、第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間の弧状部分とを備え、
前記弾性プッシュタブは、隆起位置から押下位置まで移動するように構成され、
前記弾性プッシュタブが前記押下位置にある時よりも前記弾性プッシュタブが前記隆起位置にある時に、前記弧状部分は前記カテーテルアダプタからより遠位となり、
前記弾性プッシュタブが前記隆起位置にあることに応じて、前記第1の端部と前記第2の端部とが、前記カテーテルアダプタによって外方に偏向し、
前記弾性プッシュタブが前記隆起位置から前記押下位置まで移動することに応じて、前記第1の端部と前記第2の端部とが接近する、弾性プッシュタブと、
を備えるカテーテルアセンブリ。
【請求項11】
前記弾性プッシュタブが前記隆起位置から前記押下位置まで移動することに応じて、前記弧状部分が前記カテーテルアダプタに接する、請求項10に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項12】
前記カテーテルアダプタが、前記遠位端部と前記近接端部との間に配設されるサイドポートを備え、前記弾性プッシュタブは、前記サイドポートに近接している前記カテーテルアダプタに結合されている、請求項10に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項13】
方法であって、
患者の脈管構造内にカテーテルアセンブリを挿入するステップであって、
前記カテーテルアセンブリが、
遠位端部と、近接端部と、前記遠位端部と前記近接端部との間で延在するルーメンとを備えるカテーテルアダプタと、
前記カテーテルアダプタに結合されたプッシュタブであって、前記プッシュタブは隆起位置と押下位置との間で可動し、前記プッシュタブは前記隆起位置に配設される、プッシュタブと、
を備える、ステップと、
前記患者の前記脈管構造内に前記カテーテルアセンブリを挿入するステップの後で、前記プッシュタブを押し下げて前記隆起位置から前記押下位置まで前記プッシュタブを移動させるステップと、
を備える方法。
【請求項14】
前記プッシュタブを押し下げて前記隆起位置から前記押下位置まで前記プッシュタブを移動させるステップの後で、前記プッシュタブが前記押下位置にある状態で前記プッシュタブ上に固定テープを貼付するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記プッシュタブが、前記カテーテルアダプタに枢動するように結合され、前記プッシュタブが、前記隆起位置と前記押下位置との間で枢動するように可動する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記プッシュタブが、第1の端部と、前記第1の端部に対向する第2の端部とを備え、
前記第1の端部は枢動するように前記カテーテルアダプタに結合され、前記プッシュタブが前記押下位置にある時よりも前記プッシュタブが前記隆起位置にある時に、前記第2の端部は前記カテーテルアダプタからより遠位となる、請求項15に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項17】
前記プッシュタブが、2つの対向する突起を備え、前記カテーテルアダプタが、2つの対向する窪みを備え、前記2つの対向する突起は、前記2つの対向する窪みの内部に配設されて前記プッシュタブを前記カテーテルアダプタに枢動するように結合する、請求項16に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項18】
前記プッシュタブが、弾性プッシュタブを備え、
前記弾性プッシュタブは、第1の端部と、第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間の弧状部分とを備え、
前記弾性プッシュタブが前記押下位置にある時よりも前記弾性プッシュタブが前記隆起位置にある時に、前記弧状部分は前記カテーテルアダプタからより遠位となり、
前記弾性プッシュタブが前記隆起位置にあることに応じて、前記第1の端部と前記第2の端部とが、前記カテーテルアダプタによって外方に偏向し、
前記弾性プッシュタブが前記隆起位置から前記押下位置まで移動することに応じて、前記第1の端部と前記第2の端部とが近接する、請求項14に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項19】
前記弾性プッシュタブが前記隆起位置から前記押下位置まで移動することに応じて、前記弧状部分が前記カテーテルアダプタに接する、請求項18に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項20】
前記カテーテルアダプタが、前記遠位端部と前記近接端部との間に配設されるサイドポートを備え、前記弾性プッシュタブは、前記サイドポートに近接している前記カテーテルアダプタに枢動するように結合されている、請求項18に記載のカテーテルアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カテーテルアダプタプッシュタブと関連デバイス、システムに関する。
【背景技術】
【0002】
注入治療、一般的な医療処置は、血管アクセスデバイスによって容易になり得る。入院患者、在宅ケア患者、及び他の患者は、血管系に挿入される血管アクセスデバイスを介して輸液、薬剤、及び血液製剤を受け入れる。採血は、血管アクセスデバイスによって容易になり得る別の一般的な医療処置である。
【0003】
血管アクセスデバイスによって、患者の末梢脈管構造や中心脈管構造がアクセスされ得る。血管アクセスデバイスは、短期間(数日間)、中程度の期間(数週間)、または長期間(数か月から数年)留置し得る。血管アクセスデバイスは、継続的な注入治療、または断続的な治療のために使用され得る。
【0004】
一般的なタイプの血管アクセスデバイスには、留置針の末梢静脈カテーテル(PIVC)がある。その名称が示唆するように、「留置針の(over-the-needle)」PIVCは、鋭い遠位先端を有する導入針(introducer needle)を覆って取り付けられ得る。鋭い遠位先端が使用されて患者の皮膚と脈管構造とを穿刺し得る。導入針による脈管構造への穿刺後にPIVCの脈管構造内への挿入が続き得る。導入針の斜面が患者の皮膚へ向かないようにしながら、導入針とPIVCは一般的に浅い角度で皮膚を貫いて患者の脈管構造内へ挿入される。導入針が脈管構造内に入ったことが確認された時点で、臨床医はPIVCから導入針を引き抜くことができ、将来の輸液注入及び/または採血のためにPIVCを所定の位置に残す。
【0005】
PIVCはカテーテルアダプタから延在させることができ、これは臨床医が脈管構造内にPIVCを挿入することを容易にするプッシュタブを含み得る。いくつかの例において、患者の皮膚にカテーテルアダプタを固定させるために固定テープが使われ得る。しかし、プッシュタブによる固定テープのテンティングという結果になることがあり、これは患者に対するカテーテルアダプタの不適切な固定と抜去の可能性という結果を生じ得る。
【0006】
本明細書で主張する主題は、任意の欠点を解決する実施形態、または上述のような環境でのみ動作する実施形態に限定されるものではない。むしろ、この背景は、本明細書に記載されているいくつかの実装が実践され得る1つの例示的な技術分野を説明するために提供されているに過ぎない。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、一般的に、カテーテルアダプタプッシュタブ並びに関連デバイス、システム、及び方法に関する。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリはカテーテルアダプタを含み得、これは遠位端部と、近接端部と、及び遠位端部と近接端部との間で延在するルーメンとを含み得る。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリはプッシュタブを含み得、これは枢動するようにカテーテルアダプタに結合され得る。いくつかの実施形態では、プッシュタブは隆起位置と押下位置との間で枢動するように可動し得る。
【0008】
いくつかの実施形態では、プッシュタブは第1の端部と第1の端部に対向する第2の端部とを含み得る。いくつかの実施形態では、第1の端部は枢動するようにカテーテルアダプタに結合され得る。いくつかの実施形態では、プッシュタブが押下位置にある時よりもプッシュタブが隆起位置にある時に、第2の端部はカテーテルアダプタからより遠位となり得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、第2の端部は、プッシュタブが隆起位置にあることに応じて第1の位置に配設され得る。いくつかの実施形態では、第2の端部は、プッシュタブが押下位置にあることに応じて第2の位置に配設され得る。いくつかの実施形態では、第2の位置は第1の位置に近接し得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、プッシュタブが2つの対向する突起を含み得る。いくつかの実施形態では、カテーテルアダプタが2つの対向する窪みを含み得る。いくつかの実施形態では、2つの対向する突起は2つの対向する窪みの内部に配設されてプッシュタブをカテーテルアダプタに枢動するように結合し得る。
【0011】
いくつかの実施形態では、プッシュタブが隆起位置にあることに応じて、プッシュタブはカテーテルアダプタの縦軸に垂直であるか、または概して垂直であり得る。いくつかの実施形態では、プッシュタブが押下位置にあることに応じて、プッシュタブはカテーテルアダプタの縦軸に概して平行になり得る。いくつかの実施形態では、プッシュタブが押下位置から隆起位置まで枢動するように移動することに応じてカテーテルアダプタに接するように構成されている端縁をプッシュタブが含み得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、プッシュタブの基端面が凹面形状であり得、これにより臨床医の指を基端面に固定することが容易となり得る。いくつかの実施形態では、カテーテルアダプタが、カテーテルアダプタの遠位端部と近接端部との間に配設されたサイドポートを含み得る。いくつかの実施形態では、プッシュタブは、サイドポートに近接しているカテーテルアダプタに枢動するように結合され得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、カテーテルアダプタは弾性プッシュタブを含み得、これはカテーテルアダプタに結合され得る。いくつかの実施形態では、弾性プッシュタブは、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間の弧状部分とを含み得る。いくつかの実施形態では、弾性プッシュタブは、隆起位置から押下位置まで移動するように構成され得る。いくつかの実施形態では、弾性プッシュタブが押下位置にある時よりも弾性プッシュタブが隆起位置にある時に、弧状部分はカテーテルアダプタからより遠位となり得る。いくつかの実施形態では、弾性プッシュタブが隆起位置にあることに応じて、第1の端部と第2の端部とがカテーテルアダプタによって外方に偏向し得る。いくつかの実施形態では、弾性プッシュタブが隆起位置から押下位置に移動することに応じて、第1の端部と第2の端部とが接近し得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、弾性プッシュタブが隆起位置から押下位置に移動することに応じて、弧状部分がカテーテルアダプタに接し得る。いくつかの実施形態では、弾性プッシュタブは、サイドポートに近接しているカテーテルアダプタに結合され得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、方法は、患者の脈管構造内にカテーテルアセンブリを挿入するステップを含み得る。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリがカテーテルアダプタを含み得、これは遠位端部と、近接端部と、ルーメンとを含み得る。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリは、カテーテルアダプタに結合されたプッシュタブを含み得る。いくつかの実施形態では、プッシュタブは第1の位置と第2の位置との間で可動し得る。いくつかの実施形態では、プッシュタブは第1の位置に配設され得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリが患者の脈管構造内に挿入された時に、プッシュタブを押し下げて第1の位置から第2の位置にプッシュタブを移動させるステップを方法は含み得る。いくつかの実施形態では、プッシュタブを押し下げて第1の位置から第2の位置にプッシュタブを移動させるステップの後で、プッシュタブが第2の位置にある状態でプッシュタブ上に固定テープを貼付するステップを方法は含み得る。
【0017】
いくつかの実施形態では、プッシュタブが、カテーテルアダプタに枢動するように結合され得る。いくつかの実施形態では、プッシュタブが、第1の位置と第2の位置との間で枢動するように可動し得る。いくつかの実施形態では、第1の位置は隆起位置を含み得る。いくつかの実施形態では、第2の位置は押下位置を含み得る。いくつかの実施形態では、プッシュタブは弾性プッシュタブを含み得る。いくつかの実施形態では、弾性プッシュタブが第2の位置にある時よりも弾性プッシュタブが第1の位置にある時に、弧状部分はカテーテルアダプタからより遠位となり得る。
【0018】
前述の一般的な説明と以下の詳細な説明の両方は、例示的かつ説明的なものであり、請求項に記載された本発明を制限するものではないことを理解されたい。様々な実施形態は、図面に示された配置および器具に限定されないことを理解すべきである。また、本発明の様々な実施形態の範囲から逸脱することなく、実施形態を組み合わせたり、他の実施形態を利用したり、請求項に記載されていない構造的な変更を行ったりすることができることを理解すべきである。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で捉えられるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
例示的な実施形態は、以下の添付図面を使用することにより、さらに具体的かつ詳細に記載および説明される。
【0020】
【
図1A】いくつかの実施形態による、例示的なプッシュタブが隆起位置にあることを図示する、例示的なカテーテルシステムの上面斜視図である。
【
図1B】いくつかの実施形態による、患者の脈管構造内へのカテーテルシステムの挿入中に
図1Aのプッシュタブを隆起位置で押している臨床医の指を図示する、カテーテルシステムの別の上面斜視図である。
【
図1C】いくつかの実施形態による、
図1Aのプッシュタブが隆起位置にあることを図示する、カテーテルシステムの別の上面斜視図である。
【
図1D】いくつかの実施形態による、例示的なカテーテルアセンブリから一部取り外された例示的な針アセンブリ、及び
図1Aのプッシュタブが押下位置にあることを図示する、カテーテルシステムの上面斜視図である。
【
図2A】いくつかの実施形態による、
図1Aのプッシュタブの斜視図である。
【
図2B】いくつかの実施形態による、
図1Aのプッシュタブの別の斜視図である。
【
図3A】いくつかの実施形態による、理解を助ける目的のために
図1Aのプッシュタブが取り外されたものを図示する、カテーテルシステムのカテーテルアセンブリの上面斜視図である。
【
図3B】いくつかの実施形態による、理解を助ける目的のために
図1Aのプッシュタブが取り外されたものを図示する、カテーテルシステムのカテーテルアセンブリの上面斜視図である。
【
図4A】いくつかの実施形態による、別のプッシュタブが隆起位置で配設されていることを図示する、カテーテルシステムの上面斜視図である。
【
図4B】いくつかの実施形態による、他のプッシュタブが押下位置で配設されていることを図示する、カテーテルアセンブリの上面斜視図である。
【
図4C】いくつかの実施形態による、他のプッシュタブの端面図である。
【
図4D】他のプッシュタブが隆起位置にあることを図示する、カテーテルアセンブリの近接端部の図である。
【
図4E】いくつかの実施形態による、他のプッシュタブが押下位置にあることを図示する、カテーテルアセンブリの近接端部の図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
いくつかの実施形態によって、ここで
図1A-
図1Dを参照して、例示的なカテーテルシステム10が図示される。いくつかの実施形態において、カテーテルシステム10はカテーテルアセンブリ12を含み得、これはカテーテルアダプタ14を含み得る。いくつかの実施形態において、カテーテルアダプタ14は、遠位端部16と、近接端部18と、遠位端部16と近接端部18との間に延在するルーメン20とを含み得る。いくつかの実施形態において、カテーテルアセンブリ12はカテーテル22を含み得、これはカテーテルアダプタ14の内部に固定されてカテーテルアダプタ14の遠位端部16から遠位方向に延在し得る。いくつかの実施形態において、カテーテル22は、抹消静脈カテーテル(PIVC)、抹消挿入式中心静脈カテーテル(PICC)、またはミッドラインカテーテルを含み得る。
【0022】
いくつかの実施形態において、カテーテルアセンブリ12はプッシュタブ24を含み得、これは枢動するようにカテーテルアダプタ14に結合され得る。いくつかの実施形態において、プッシュタブ24は、例えば
図1A-
図1Cで図示される隆起位置と、例えば
図1Dで図示される倒された位置または押下位置との間で枢動するように可動し得る。
【0023】
いくつかの実施形態において、プッシュタブ24は、第1の端部26と第1の端部26に対向する第2の端部28とを含み得る。いくつかの実施形態において、第1の端部26はカテーテルアダプタ14に枢動するように結合され得る。いくつかの実施形態において、プッシュタブ24が押下位置にある時よりもプッシュタブ24が隆起位置にある時に、第2の端部28はカテーテルアダプタ14からより遠位となり得る。
【0024】
いくつかの実施形態において、例えば
図1A-
図1Cで図示されるように、プッシュタブ24が隆起位置にあることに応じて、第2の端部28は第1の位置に配設され得る。いくつかの実施形態において、例えば
図1Dで図示されるように、プッシュタブ24が押下位置にあることに応じて、第2の端部28は第2の位置に配設され得る。いくつかの実施形態において、第2の端部28の第2の位置は、第2の端部28の第1の位置に近接し得る。
【0025】
いくつかの実施形態において、プッシュタブ24が隆起位置にあることに応じて、プッシュタブ24はカテーテルアダプタ14の縦軸30に垂直に、または概して垂直になり得る。例えば、プッシュタブ24は、縦軸30に対して45度から135度の間で、または60度から120度の間で角度付けられ得る。いくつかの実施形態において、プッシュタブ24は縦軸30に対して90度で角度付けられ、これにより臨床医が指で押すことが容易となり得る。いくつかの実施形態において、プッシュタブ24が押下位置にあることに応じて、プッシュタブ24はカテーテルアダプタ14の縦軸30に平行に、または概して平行になり得る。いくつかの実施形態において、プッシュタブ24が押下位置から隆起位置まで枢動するように移動することに応じて、カテーテルアダプタ14に接するように構成されている端縁32をプッシュタブ24は含み得る。いくつかの実施形態において、端縁32がカテーテルアダプタ14に接し得ることにより、プッシュタブ24が隆起位置に対して遠位方向に移動することが妨げられる。いくつかの実施形態において、端縁32は弧状形状となり得る。
【0026】
いくつかの実施形態において、プッシュタブ24の基端面34は凹面形状になり得、これにより臨床医が指を基端面34に接触して固定することが容易となり得る。いくつかの実施形態において、基端面34は端縁32と、端縁32に対向する別の端縁36と、及び端縁32と他の端縁36との間で延在する2つの概して並列している端縁38a、bとによって隣接され得る。
【0027】
いくつかの実施形態において、カテーテルアダプタ14は、カテーテルアダプタ14の遠位端部16と近接端部18との間に配設されているサイドポート40を含み得る。いくつかの実施形態において、プッシュタブ24は、サイドポート40に近接しているカテーテルアダプタ14に枢動するように結合され得る。いくつかの実施形態において、延長チューブはサイドポート40に組み込まれ得る。いくつかの実施形態において、サイドポート40は血液採取及び/または輸液注入のために使用され得る。いくつかの実施形態において、カテーテルアダプタ14はサイドポート40を含まなくてもよい。
【0028】
いくつかの実施形態において、プッシュタブ24は、臨床医が片手で患者の脈管構造内に挿入することが容易になるように定置され得る。いくつかの実施形態において、第1の端部26と第2の端部28との間のプッシュタブ24の長さもまた、臨床医が片手で患者の脈管構造内に挿入することが容易になるに充分な大きさとなり得る。
【0029】
いくつかの実施形態において、カテーテルシステム10は針アセンブリを含み得、これは針ハブ39と、カテーテル22の中を通って延在している導入針41とを含み得る。いくつかの実施形態において、導入針41の近接端部は針ハブ39内に固定され得る。いくつかの実施形態において、導入針41は鋭い遠位先端を含み得る。いくつかの実施形態において、針ハブ39は対向するサイドグリップを含んでもよく、これにより片手での把持が容易になり得る。いくつかの実施形態において、カテーテル22が脈管構造内に入ったことに応じて、針アセンブリはカテーテルシステム10から取り外され得る。
【0030】
ここで
図2A-
図2Bを参照して、いくつかの実施形態において、プッシュタブ24は、2つの対向する突起42a、bを含み得る。ここで
図3A-
図2Bを参照して、いくつかの実施形態において、カテーテルアダプタは2つの対向する窪み44a、bを含み得る。いくつかの実施形態において、2つの対向する突起42a、bは、2つの対向する窪み44a、bの内部に配設されてプッシュタブ24をカテーテルアダプタ14に枢動するように結合させ得る。
【0031】
ここで
図4A-
図4Eを参照して、いくつかの実施形態において、カテーテルアダプタ14は弾性プッシュタブ46を含み得、これはカテーテルアダプタ14に結合され得る。いくつかの実施形態において、弾性プッシュタブ46は第1の端部48と、第2の端部50と、第1の端部48と第2の端部50との間の弧状部分52とを含み得る。いくつかの実施形態において、弾性プッシュタブ46は、金属、エラストマーまたは別の適した材料から構築され得る。
【0032】
いくつかの実施形態において、弾性プッシュタブ46は、例えば
図4Aと
図4Dで図示される隆起位置から、例えば
図4Bと
図4Eで図示される押下位置まで移動するように構成され得る。いくつかの実施形態において、弾性プッシュタブ46が押下位置にある時よりも弾性プッシュタブ46が隆起位置にある時に、弧状部分52はカテーテルアダプタ14からより遠位となり得る。いくつかの実施形態において、弾性プッシュタブ46が隆起位置にあることに応じて、第1の端部48と第2の端部50とが、カテーテルアダプタ14によって例えば
図4Cで図示される静止位置から外方に偏向し得る。いくつかの実施形態において、弾性プッシュタブ46が隆起位置から押下位置に移動することに応じて、第1の端部48と第2の端部50とが接近し、弾性プッシュタブ46の内径が減少し得る。
【0033】
いくつかの実施形態において、弾性プッシュタブ46が隆起位置から押下位置まで移動することに応じて、弧状部分52がカテーテルアダプタ14に接し得る。いくつかの実施形態において、弾性プッシュタブ46は、サイドポート40に近接しているカテーテルアダプタ14に結合され得る。いくつかの実施形態において、カテーテルアダプタ14の外面は窪みを含み得、それによって第1の端部48と第2の端部50とが隆起位置で保持され得るが、臨床医が弾性プッシュタブ46を押し下げたり、押すことに応じて、第1の端部48と第2の端部50とが窪みから取り外されるように構成され得る。いくつかの実施形態において、カテーテルアダプタ14は窪みを含まなくてもよい。いくつかの実施形態において、カテーテルアダプタ14内のセプタム54は、カテーテルアダプタ14の近接端部18を密閉し得る。
【0034】
いくつかの実施形態において、方法は、患者の脈管構造内にカテーテルアセンブリ12を挿入するステップを含み得る。いくつかの実施形態において、カテーテルアセンブリ12は、カテーテルアダプタ14に結合されるプッシュタブ24(
図1A-
図3Bに関連して説明されている)を含み得る。いくつかの実施形態において、カテーテルアセンブリ12は、カテーテルアダプタ14に結合される弾性プッシュタブ46を含み得る。いくつかの実施形態において、プッシュタブ24または弾性プッシュタブ46は、隆起位置と第2の位置との間で可動し得る。いくつかの実施形態において、患者の脈管構造内にカテーテルアセンブリ12を挿入する間中、プッシュタブ24または弾性プッシュタブ46は隆起位置に配設され得る。いくつかの実施形態において、患者の脈管構造内にカテーテルアセンブリ12を挿入することは皮膚及び血管壁を貫く最初の挿入を含み得、及び/または、導入針41が脈管構造内に配置されたことに応じて、導入針41に対してカテーテル22を遠位方向に前進させることを含み得る。
【0035】
いくつかの実施形態において、カテーテルアセンブリ12が患者の脈管構造内に挿入された後で、プッシュタブ24及び/または弾性プッシュタブ46を押し下げて隆起位置から第2の位置までプッシュタブ24または弾性プッシュタブ46を移動させるステップを方法は含み得る。いくつかの実施形態において、プッシュタブ24または弾性プッシュタブ46を押し下げて隆起位置から第2の位置までプッシュタブ24または弾性プッシュタブ46を移動させるステップの後で、プッシュタブ24または弾性プッシュタブ46が第2の位置にある状態で、プッシュタブ24上または弾性プッシュタブ46上に固定テープを貼付するステップを方法は含み得る。いくつかの実施形態において、第2の位置でプッシュタブ24上または弾性プッシュタブ46上に固定テープを貼付するステップにより固定テープのテンティングを防ぐことができ、かつ患者に対するカテーテルアセンブリ12の安定性を増加させることができる。
【0036】
前述の一般的な説明と以下の詳細な説明の両方は、実施例かつ説明的なものであり、請求項に記載された本発明を制限するものではないことを理解されたい。様々な実施形態は、図面に示された配置および器具に限定されないことを理解すべきである。また、本発明の様々な実施形態の範囲から逸脱することなく、実施形態を組み合わせたり、他の実施形態を利用したり、請求項に記載されていない構造的な変更を行ったりすることができることを理解すべきである。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で捉えられるべきではない。
【0037】
本明細書に記載されているすべての例および条件付きの言語は、本発明および本発明者が技術を促進するために貢献した概念を読者が理解するのを助けるための教育的な目的のためのものであり、そのような具体的に記載された例および条件に限定されないものとして解釈される。本発明の実施形態を詳細に説明してきたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換、および改変が本明細書でなされ得ることを理解すべきである。
【国際調査報告】