(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-29
(54)【発明の名称】接続認識を有する医療器具および分離認識を有する医療器具
(51)【国際特許分類】
A61B 17/16 20060101AFI20230522BHJP
A61B 90/98 20160101ALI20230522BHJP
【FI】
A61B17/16
A61B90/98
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022564034
(86)(22)【出願日】2021-04-20
(85)【翻訳文提出日】2022-12-20
(86)【国際出願番号】 EP2021060180
(87)【国際公開番号】W WO2021214026
(87)【国際公開日】2021-10-28
(31)【優先権主張番号】102020110918.0
(32)【優先日】2020-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502154016
【氏名又は名称】アエスキュラップ アーゲー
【住所又は居所原語表記】Am Aesculap-Platz, 78532 Tuttlingen Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フレデリク レンツェンヒューバー
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL09
4C160LL22
(57)【要約】
本発明は、特に連動してトルクを伝達するために医療装置(2)に接続可能な駆動部(3)と、トルクを伝達するように駆動部(3)に連結可能な切削部(4)と、を備える回転駆動可能な器具、特に切削器具、好ましくは穿孔器具の形態の医療器具(1)に関する。本発明は、器具(1)が、器具(1)が医療装置(2)に接続されることによって、好ましくは器具(1)を医療装置(2)に差し込む操作によって作動し、および/または、切削部(4)が駆動部(3)から分離されることによって作動が停止するように設計される電子アセンブリ(7)を備えていることを特徴とする。
【選択図】
図1a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転駆動可能な器具、特に切削器具、好ましくは穿孔器具の形態である医療用の器具(1)であって、
特に連動してトルクを伝達するために医療装置(2)に接続可能な駆動部(3)と、
トルクを伝達するように前記駆動部(3)に連結可能な切削部(4)と、を備え、
前記器具(1)は、前記器具(1)が前記医療装置(2)に接続されることによって、好ましくは、前記器具(1)を前記医療装置(2)に差し込む動作によって作動するように設計される電子アセンブリ(7)を備える、器具(1)。
【請求項2】
前記電子アセンブリ(7)は、前記電子アセンブリ(7)の作動中に、好ましくは外部処理ユニットに送信される器具固有データを記憶する記憶装置を備える、請求項1に記載の器具(1)。
【請求項3】
前記電子アセンブリ(7)は、前記電子アセンブリ(7)の電子回路を、作動スイッチ位置において閉じると共に、非作動スイッチ位置において開くように、前記器具(1)を接続することによって機械的に作動可能なスイッチ(8、9、10)を備える、請求項1又は2に記載の器具(1)。
【請求項4】
前記電子アセンブリは、電子回路が閉じている場合に、前記器具固有データを用いた無線信号を送信する無線通信を生成し、好ましくは、前記器具(1)のプラスチックの筐体(19)に配置される通信装置(11、12、15)を備える、請求項3に記載の器具(1)。
【請求項5】
前記スイッチ(8、9、10)は、前記器具(1)に接続することによって、前記作動スイッチ位置と前記非作動スイッチ位置との間で軸方向又は径方向に変位可能である、請求項3又は4に記載の器具(1)。
【請求項6】
前記電子アセンブリ(7)は、フィードバック装置(34、35)を備え、及び/又は、外部フィードバック手段に接続可能であり、
前記フィードバック装置(34、35)及び/又は前記フィードバック手段は、前記電子アセンブリ(7)が作動するか、作動しているときに、音響フィードバック及び/又は視覚フィードバックが出力されるように設計される、請求項1~5のいずれか一項に記載の器具(1)。
【請求項7】
特に、請求項1~6のいずれか一項に記載の医療用の器具(1)であって、回転駆動可能な器具、特に切削器具、好ましくは穿孔器具の形態である医療用の器具(1)であって、
連動してトルクを伝達するために医療装置(2)に接続可能な駆動部(3)と、
トルクを伝達するように前記駆動部(3)に連結可能な切削部(4)と、を備え、
前記器具(1)は、前記切削部(4)が前記駆動部(3)から分離されることによって作動するように設計される第2電子アセンブリ(41)を備える、器具(1)。
【請求項8】
前記第2電子アセンブリ(41)は、好ましくは押しボタンの形態であり、前記切削部(4)を回転可能に連結可能な作動部(32)によって、特に、前記駆動部(3)から前記切削部(4)が分離した後に、前記切削部(4)の回転数を取得するように機械的に作動する第2スイッチ(42)を備える、請求項7に記載の器具(1)。
【請求項9】
前記作動部(32)は、前記切削部(4)が前記駆動部(3)から分離されるときに、前記切削部(4)に回転可能に連結されるように配置されると共に設計される、請求項8に記載の器具(1)。
【請求項10】
前記第2電子アセンブリは、前記器具(1)の固定された構成要素に配置されている、請求項7~9のいずれか一項に記載の器具(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に連動してトルクを伝達するために、医療装置、好ましくは外科用ハンドピースに接続可能な駆動部と、トルクを伝達するように駆動部に連結可能な切削部と、を備える回転駆動可能な器具、特に切削器具、好ましくは穿孔器具の形態の医療器具に関する。
【背景技術】
【0002】
穿孔器具は、頭蓋骨に手術用の開口部を導入するために使用される。頭蓋骨の下に位置する硬膜への損傷を排除するために、穿孔器具は、頭蓋骨が貫通されるとすぐに、頭蓋骨の下に位置する硬膜が損傷する可能性がある前に、切削部が実際の駆動から、すなわち駆動部から分離されるような機能的な構造を有する。これは、通常、例えばUS4,456,010A1や一般的な器具において、切削部が、切削部および駆動部がトルク結合される第1の軸方向位置と、切削部が駆動部からトルク分離される第2の軸方向位置との間において、軸方向に制限された方法で、駆動部に対して変位可能であることで達成される。切削係合において、切削部は、例えば、ばねのばね力に抗して、特にばね付勢された押しボタンに抗して作用する切削力によって、第1の(トルク結合された)軸方向位置に保持される。切削部に切削力が作用しない場合、切削部は、例えば、ばねのばね力によって、特に、ばね付勢によって(前方に)押された押しボタンによって、第2の(トルク分離された)軸方向位置に変位される。頭蓋骨が貫通されるとすぐに、すなわち穿孔手術が行われるとすぐに、切削力が切削部に反作用しないので、圧力ばねは、駆動部と切削部との間のトルク係合を即座に解放する。したがって、切削部は、トルク分離された軸方向位置にばね付勢される。
【0003】
器具、特に穿孔器具は、再利用可能な器具、すなわち、リサイクルによる複数回の使用に適した器具の形態であってもよい。あるいは、(穿孔)器具は、(単回使用器具としても知られる)使い捨て器具の形態、すなわち、単回使用に適した器具であってもよい。
【0004】
ユーザにとって、どの器具、例えば、どの種類の器具、どの大きさの器具、および/またはどの種類の使用、すなわち、再利用器具または単回使用器具が関係しているかを、容易に認識できないことがよくある。また、例えば、ハンド器具や、外科用(ハンド)器具に挿入するための器具などの医療器具を自動的に認識することは、これまで不可能であった。例えば、器具を識別するためには、ラベルまたは外装を手動で検査する必要がある。したがって、使用する器具の誤った使用、例えば、間違った器具パラメータの使用および/またはそれぞれの医療用途に適していない器具の使用を排除することはできない。また、自動文書化がないため、使用された器具の組み合わせや、例えば、器具の酷使による間違った使用と、それに伴う製品の損傷を追跡することができない。さらに、時間のかかる棚卸しをしないと、器具の在庫を記録することはできない。さらに、使用前に器具の機能と整然とした状態を検査する必要がある。この目的のために、使用するすべての製品の安全な接続、特にハンドピースへの器具の安全な適合は、連結を検査するために器具を手動で引っ張るという点で検査する必要があるが、これには潜在的なけがの危険が伴う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、最新技術の欠点を回避または低減し、自動器具認識および/または自動器具文書化を可能にする医療器具、特に穿孔器具を提供することであり、したがって、器具の誤った使用の可能性のリスクを低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、独立請求項の主題によって解決される。有利なさらなる展開は、従属請求項の主題である。
【0007】
より正確には、本発明の目的は、特に連動してトルクを伝達するために医療装置に接続可能な駆動部(トルク導入ユニット)と、トルクを伝達するように駆動部に連結可能な切削部と、を備える回転駆動可能な器具、特に切削器具、好ましくは穿孔器具の形態の医療器具によって解決される。器具は、器具が医療装置に接続されることによって、好ましくは器具を医療装置に差し込む動作によって作動するように設計される(第1)電子アセンブリを備えている。したがって、器具自体に、情報を取得するための電子アセンブリが装備されている。器具を医療装置に差し込むことで、電子アセンブリを自動的に作動できる。
【0008】
換言すれば、器具(穿孔器具)は、器具が装置(外科用ハンドピース)に接続/連結されたとき、特に装置に差し込まれたときに作動し、器具と装置と互いに接続されていない/分離されているとき、特に器具が装置に差し込まれていないときに作動を停止する、統合された電子アセンブリを備えている。これは、電子アセンブリの作動が、器具と装置の連結に依存することを意味し、それによって器具の連結を自動的に認識できるという利点がある。これには、電子アセンブリの作動によって連結の成功に関するフィードバックを行うことができるため、器具と装置との間の安全な適合を手動で、例えば器具を引っ張ることにより調べる必要がなくなるという利点もある。
【0009】
有利なさらなる展開によれば、電子アセンブリは、例えば、器具操作パラメータ、器具状態データ、アプリケーション・パラメータ、シリアル番号、製品番号、最低耐久日(MDD)、ロット番号(LOT)などの器具固有のデータが格納され、および/または電子アセンブリの作動中に、好ましくは外部処理ユニットおよび/または器具のユーザに送信および/または出力されるさらなる情報が格納される記憶装置を有していてもよい。これは、特に器具を認識するための器具固有のデータが、電子アセンブリの作動中に外部から取得できるように提供されることを意味する。換言すれば、電子アセンブリの作動により、格納されたデータを送信し、さらに処理することが可能であり、その結果、自動器具認識を提供できる。処理ユニットは、例えば、タブレットもしくはスマートフォンなどの端末、または制御装置もしくはクラウドなどのインターネットベースのプラットフォームであってもよい。自動器具認識により、自動文書化を同時に達成することができる。また、送信された器具固有のデータに基づいて、回転数や通電などの個々の器具パラメータを自動的に設定することができ、誤使用を防止できる。さらに、例えば、器具の複数回の使用を検出することができる。したがって、例えば、器具が1回の使用にのみ適しているが、すでに挿入されている場合、ユーザに通知することができる。この情報は、保存される。ユーザは、手術中に通知されてもよい。
【0010】
好ましい実施形態によれば、第1電子アセンブリは、器具の固定された構成要素に配置されてもよい。これには、切削動作中に電子アセンブリを共回転させる必要がないという利点がある。
【0011】
好ましい実施形態によれば、電子アセンブリは、器具を接続することによって機械的に作動できるスイッチを有していてもよい。換言すれば、スイッチは、装置に接続される器具の駆動部において、非作動状態では、スイッチが駆動部から(軸方向または径方向に)突出し、駆動部を医療装置と接続することによって、駆動部に対して変位する、特に、スイッチを作動させるために駆動部に押し込まれるように設計されている。好ましくは、駆動部は、ハドソン接続などの標準化されたインターフェースを備える。駆動部に機械的に作動するスイッチが配置されているため、安全な装着を保証するために器具が装置にぴったりと受け入れられる必要があるため、器具が医療装置に挿入されると、スイッチが自動的に作動される。したがって、駆動部がスイッチの領域で装置上にある場合、任意の(従来の)装置で使用されると、スイッチは機械的に作動する。器具と装置との間のインターフェースは、通常標準化されているため、電子アセンブリの作動は、装置の残りの構造とは無関係に行われる。
【0012】
好ましい実施形態の有利なさらなる展開によれば、スイッチは、器具を接続することによって、スイッチが、作動スイッチング位置で電子アセンブリの電気回路を閉じると共に、非作動スイッチング位置で電子アセンブリの電気回路を開くように、機械的に作動可能であってもよい。好ましくは、電子アセンブリは、電子アセンブリの作動中、すなわち電気回路の閉鎖中に、器具固有のデータを含む無線信号を送信する無線接続を生成するための通信装置を備えている。例えば、通信装置は、無線信号を能動的に、すなわち、WLANもしくはBluetooth(登録商標)低エネルギー(BLE)によって、またはLoRaWAN(長距離広域ネットワーク)などの低電力無線ネットワークプロトコルによって、または、受動的に、例えば、RFIDまたはNFCによって送信することができる。無線信号は、(非接触)データ転送に適した別の無線規格によって送信されてもよく、前述の無線規格や特定の周波数範囲のいずれにも制限されない。器具が装置から分離されたときに電気回路が遮断されると、通信装置は、無線信号を送信しなくなるか、受動的な技術の場合は到達できなくなる。換言すれば、電子アセンブリは、例えば、RFIDチップ、NFCチップ、WLANモジュール、および/またはBluetooth低エネルギーチップを備えていてもよく、これらはすべて、電子アセンブリが作動したときに、器具の近くにある関連受信機に無線信号を送信するように設計されている。受信機は、無線信号によって送信されたデータを別の端末に転送できる。好ましい実施形態のさらに好ましいさらなる展開によれば、通信装置は、器具のプラスチックの筐体内に配置されていてもよく、それによって有利な方法で無線透過性が存在する。
【0013】
好ましい実施形態によれば、スイッチは、器具を接続することによって、作動スイッチング位置と非作動スイッチング位置との間で軸方向に変位可能であってもよい。器具の挿入方向は通常、軸方向に相当するため、スイッチの軸方向の作動を容易に行うことができる。スイッチは、好ましくは、装置が連結状態で載置される器具の軸方向の当接面から突出していてもよい。したがって、スイッチは、差し込み操作がまだ完了しておらず、器具が安全に適合していないときに、電子アセンブリが作動することを回避するように、器具と装置とが軸方向に固定された方法で接続されている装置内の器具の端部位置でのみ作動することを保証することができる。
【0014】
代替的な好ましい実施形態によれば、スイッチは、器具の接続によって、作動スイッチング位置と非作動スイッチング位置との間で径方向に変位可能であってもよい。スイッチは、連結状態で装置が載置される駆動部の径方向外周から突出することが好ましい。駆動部は、装置の径方向内径で径方向外側にとどまるように装置に差し込まれることが多いので、器具を装置に接続することによって径方向に作動するスイッチで、自動作動を保証することができる。
【0015】
好ましい実施形態によれば、電子アセンブリは、フィードバック装置を備えていてもよく、および/または外部フィードバック手段に接続可能であってもよい。フィードバック装置および/またはフィードバック手段は、特に、電子アセンブリが作動するか、作動しているときに、音響フィードバックおよび/または視覚フィードバックが出力されるように設計されてもよい。したがって、ユーザは、接続の成功に関する自動確認を取得するため、安全に適合するかどうかを触れることによって調べる必要がなくなる。フィードバック装置は、例えば、好ましくは駆動部の外側から見えるLEDなどのランプとして、および/または、その輝きおよび/または音が、器具が装置に(正しく)接続されているか否かについてフィードバックを与える、すなわち、接続が成功したことを確認する音響信号器として設計されていてもよい。外部フィードバック手段は、例えば、器具が装置に(正しく)接続されているか否かを知らせるスマートフォンまたはタブレットなど、特に無線接続を介して連結される制御装置または端末として設計されていてもよい。
【0016】
上記の態様と組み合わせて、またはそれらとは独立して提供され得る本発明のさらなる態様によれば、本発明の目的は、特に連動してトルクを伝達するために医療装置に接続できる駆動部(トルク導入ユニット)と、トルクを伝達するように駆動部に連結可能な切削分と、を有する回転駆動可能な器具、特に切削器具、好ましくは穿孔器具として設計される医療器具によって解決される。この器具は、切削部が駆動部から分離されることによって作動するように設計される(第2)電子アセンブリを備えている。特に、切削部は、切削部及び駆動部がトルク結合される第1の軸方向位置と、切削部が駆動部からトルク分離される第2の軸方向位置との間において、軸方向に制限された方法で、例えばばね付勢された圧力ボタンに抗して、駆動部に対して変位可能である。第2電子アセンブリは、第1の軸方向位置において作動を停止すると共に、第2の軸方向位置に作動するように設計および配置される。換言すれば、駆動部と切削部との間の制限された軸方向の相対変位によって規定されるスイッチ経路が、電子アセンブリを作動するために使用される。
【0017】
これには、(穿孔)器具の連結操作および/または分離操作を(自動的に)取得および/または文書化できるという利点がある。好都合なことに、操作ごとの分離の回数を記録することができる。これには、通電されておらず、アタッチメントが実際の駆動から分離されている器具であっても、分離により電気回路を閉じたり遮断したりして識別でき、(医療)器具および装置のデジタル化に有利に使用できるという利点もある。
【0018】
第2電子アセンブリは、例えば、電子アセンブリの電気回路が、作動スイッチング位置において閉じられる(または開かれる)と共に、非作動スイッチング位置において開かれる(または閉じられる)ように、切削部を(駆動部)から分離することによって、機械的に切り替え可能であってもよい。
【0019】
好ましい実施形態によれば、第2電子アセンブリは、好ましくは押しボタンの形態であり、切削部に回転可能に連結可能な作動部によって、特に切削部を駆動部から分離した後に、切削部の回転数を取得するように、機械的に作動し得る第2スイッチを有していてもよい。例えば、切削部の回転数に応じて、例えば毎回転ごとに、器具の切削部、例えば外側スリーブの形態に回転可能に連結可能な作動部によって機械的に作動するように、好ましくは器具の回転しない構成要素に、例えばドームまたはランプの形態で配置される押しボタンを設計することができる。好ましい実施形態の有利なさらなる展開によれば、作動部は、第1の軸方向位置において切削部から回転可能に分離されると共に、第2の軸方向位置において切削部に回転可能に連結されるように設計されていてもよい。これにより、切削部が駆動部から分離されたときに、作動部のみが(切削部と一緒に)共回転することが保証される。したがって、分離後の回転のみが取得される。経験によると、分離後の(静止)回転数は、器具の摩耗と寿命に関して特に重要であることが判明した。好ましくは、分離の数および/または静止回転数は、電子アセンブリの記憶装置に記憶され、および/または好ましくはシリアル番号または製品番号などの器具固有のデータと組み合わせて、外部処理ユニットに送信される。情報の転送は、例えば、リアルタイムで、または要求に合わせて(ジャスト・イン・タイムで)行うことができる。換言すれば、作動部は、切削部の回転数に対応して第2スイッチ/押しボタンが作動するように配置および設計される。例えば、作動部は、スイッチ/押しボタンが1回転当たり数回作動するように、複数のキャッチ要素、特に円周方向に分配されたキャッチ要素によって形成されていてもよい。これにより、切削部の不完全回転も取得することができる。複数のキャッチ要素により、機械的なキャッチ機構が同時に確保される。換言すれば、回転数は、例えば、第2スイッチの作動数とキャッチ要素の数との商に対応する。
【0020】
好ましくは、第2電子アセンブリは、無線接続を生成するために、器具のプラスチック部品に配置される(第2)通信装置を備えていてもよいし、さらに好ましくは、第2電子アセンブリの作動中に分離操作に関するデータを有する無線信号を送信するように設計される、第1電子アセンブリの通信装置と接続されてもよい。好ましくは、第2電子アセンブリは、第2電子アセンブリの作動回数(したがって、切削部の分離回数)および/または(静止)回転数を取得するように、(第2)記憶装置を備えているか、第1電子アセンブリの記憶装置に接続される。
【0021】
好ましい実施形態によれば、第2電子アセンブリは、器具の固定された構成要素に配置されていてもよい。これには、切削動作中に電子アセンブリを共回転させる必要がないという利点がある。
【0022】
本発明のさらなる態様によれば、駆動部は、好ましくはプラスチックで形成され、特に医療装置に直接接続可能なソケットを有していてもよく、好ましくは金属で形成され、軸方向に固定され、連動して回転不能な方法でソケットに接続される従動子を有していてもよい。具体的には、(第1)電子アセンブリはソケット内に配置されていてもよい。代替的に、ソケットおよび従動子は、プラスチックで形成されていてもよい。さらに代替的に、ソケットは金属で形成され、従動子はプラスチックで形成されていてもよい。
【0023】
好ましい実施形態によれば、ソケットは、軸方向の固定のために、例えば、従動子に形成される、例えばラッチフックの形態の対応する固定部が係合するラッチくぼみの形態の軸方向の固定部を備えていてもよい。好ましい実施形態によれば、ソケットは、例えばウェブの形態の、従動子に形成される対向部分がトルク伝達を連動させるために係合する、例えば動力伝達くぼみの形態のトルク伝達セクションを備えていてもよい。換言すれば、軸方向の固定とトルク伝達の機能は、従動子の別の部分に設計されている。好ましくは、ラッチくぼみおよび/または動力伝達くぼみは対称配置である。特に好ましい実施形態によれば、軸方向の固定部は、適切な動力の流れを可能にするように、トルク伝達部に対して遠位に配置されていてもよい。したがって、トルク伝達部は、軸方向の固定部よりも切削部の近くに配置される。
【0024】
本発明のさらなる態様によれば、切削部は、好ましくは駆動部に直接連結される基礎部と、駆動部とは別個に形成され、好ましくはブレードを担持し、そして、軸方向に固定され、および/または回転不能な方法で、(第1)インターフェースで、例えばねじ山の形態で、基礎部に接続される係合部と、を備えていてもよい。好ましくは、インターフェースは、切削力による意図しない緩みを回避するように、基礎部との切削係合において、係合部がその回転方向と反対に回転することによって適用されるように設計される。インターフェースが、異なる構造および/または大きさの係合部分に接続可能であるように設計されていると、特に好ましい。切削部は、係合部とは別個に形成され、係合部の外径の(第2)インターフェースに取り付けられるスリーブ部を備えていることがさらに好ましい。具体的には、異なる構造および/または大きさの係合部は、同じ外径を有していてもよい。モジュール構造と、異なる種類の器具および/または異なる大きさの器具で、同じ部品を使用することにより、器具の製造コストを削減できる。
【0025】
本発明のさらなる態様によれば、切削部は、ブレードを形成する、特に金属製の挿入部品が、例えば熱パンチングによってしっかりと取り付けられるプラスチックドームを備えていてもよい。したがって、金属シートで形成されたブレードは別として、(穿孔)器具全体をプラスチックからコスト効率よく製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1a】電子アセンブリを作動するための、本発明の第1実施形態による医療装置への本発明による器具の接続の斜視図である。
【
図1b】電子アセンブリを作動するための、本発明の第1実施形態による医療装置への本発明による器具の接続の斜視図である。
【
図2a】2つの異なる実施形態における電子アセンブリのスイッチを有する器具の斜視図を示す。
【
図2b】2つの異なる実施形態における電子アセンブリのスイッチを有する器具の斜視図を示す。
【
図3】器具の電子アセンブリの通信装置の概略図を示す。
【
図4】器具の電子アセンブリの通信装置の概略図を示す。
【
図7】器具の駆動部とその個々の部品の斜視図を示す。
【
図8】器具の駆動部とその個々の部品の斜視図を示す。
【
図9】器具の駆動部とその個々の部品の斜視図を示す。
【
図10a】器具の駆動部とその個々の部品の斜視図を示す。
【
図10b】器具の駆動部とその個々の部品の斜視図を示す。
【
図11a】第2実施形態における器具の異なる斜視図の部分断面図である。
【
図11b】第2実施形態における器具の異なる斜視図の部分断面図である。
【
図12】第2実施形態における器具の異なる斜視図の部分断面図である。
【
図13】第2実施形態における器具の異なる斜視図の部分断面図である。
【
図14】さまざまな大きさの器具の切削部の斜視図である。
【
図15a】さまざまな大きさの器具の切削部の斜視図である。
【
図15b】さまざまな大きさの器具の切削部の斜視図である。
【
図15c】さまざまな大きさの器具の切削部の斜視図である。
【
図16a】さまざまな大きさの器具の切削部の斜視図である。
【
図16b】さまざまな大きさの器具の切削部の斜視図である。
【
図16c】さまざまな大きさの器具の切削部の斜視図である。
【
図17】さらなる実施形態における器具の斜視図である。
【
図18】さらなる実施形態における器具の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下では、本開示の実施形態が、関連する図面に基づいて説明される。図面は、単に概略的なものであり、本発明の理解に役立つ。同じ要素には、同じ参照番号が付けられている。
【0028】
図1は、外科用ハンドピースなどの医療装置2に接続可能な医療器具1を示している。
図1aでは、器具1は医療装置2に接続されておらず、すなわち、装置2から分離されている。
図1bでは、器具1は医療装置2に接続されており、すなわち、装置2に連結されている。図示の実施形態では、器具1は、回転駆動可能な器具の形態である。この目的のために、器具1は、器具1を駆動するためのトルクを伝達するための装置2に接続される。器具1は、特に、切削器具として設計されていてもよい。
【0029】
器具1は、装置2に部分的に差し込まれ、連動して回転不能な方法で装置2と係合する駆動部3を備えている。さらに、器具1は、駆動部3を軸方向に拡大する切削部4を備えている。切削部4には、切削動作用のブレードが配置されている。駆動部3は、接続された状態で装置2に完全に差し込まれる駆動部3の一部を形成する連結部5を備えている。連結部5は、図示の実施形態では、ハンドピースのインターフェースとして広くに使用されるハドソン接続6として形成される。
【0030】
器具1は、電子アセンブリ7を備えている(
図3および
図4を参照)。電子アセンブリ7は、器具1が医療装置2に接続されることによって、好ましくは、器具1を医療装置2に差し込む動作によって作動されるように設計されている。好ましくは、電子アセンブリ7はスイッチ8を有し、スイッチ8は、器具1の接続によって、スイッチ8が電子アセンブリ7の電気回路を第1のスイッチング位置で閉じると共に、第2のスイッチング位置で開くように機械的に作動可能である。
【0031】
図2aにおいて、スイッチ8は、作動のために軸方向に変位可能な軸方向スイッチ9として形成される。軸方向スイッチ9は、連結部5の軸方向の当接面に配置され、装置2の方向に軸方向に突出している。当接面において、装置2は、器具1に接続された状態でとどまり、軸方向スイッチ9を作動させる。器具1が装置2に接続されると、軸方向スイッチ9が作動する。器具1が装置2に接続されていない場合、軸方向スイッチ9は作動しない。
図2bにおいて、スイッチ8は、作動のために径方向に変位可能な径方向スイッチ10として形成される。径方向スイッチ10は、半球ドーム形状を備えている。径方向スイッチ10は、連結部5の径方向外周に配置され、径方向外側に突出している。器具1に接続された状態では、装置2は、径方向外周に押し付けられ、したがって径方向スイッチ10を作動させる。器具1が装置2に接続されると、径方向スイッチ10が作動する。器具1が装置2に接続されていない場合、径方向スイッチ10は作動しない。したがって、スイッチ8は、装置2によって接続された状態で機械的に自動的に作動され、接続されていない状態で自動的に非作動になるように、連結部5に配置される。
【0032】
電子アセンブリ7は、器具操作パラメータ、器具状態データ、アプリケーション・パラメータ、シリアル番号、製品番号、最低耐久日(MDD)、ロット番号(LOT)、および/またはさらなる情報などの器具固有のデータが保存される記憶装置を有していてもよい。電子アセンブリ7は、無線接続を生成するための通信装置11を有していてもよい。通信装置11は、電子アセンブリ7の作動中、すなわち電気回路の閉鎖中に、記憶装置に記憶された器具固有のデータを有する無線信号を送信するように構成されている。
【0033】
図3は、Bluetooth低エネルギーユニット12として設計された通信装置11の可能な構造を示す。あるいは、通信装置11は、別の無線モジュールとして、例えば、W-LANモジュールまたはLo-RA-WANモジュール(Long Range Wide Area Networkモジュール)として設計されてもよい。通信装置11では、スイッチ8が作動すると電気回路が閉じられ、Bluetooth低エネルギーチップ13がバッテリ14に接続される。Bluetooth低エネルギーユニット12は、電気回路が閉じているときに、器具1の近くにある関連受信機に無線信号を積極的に送信することができる。器具1が装置2から分離されることによって電気回路が遮断されると、通信装置11は無線信号を送信しなくなる。
図4は、RFIDまたはNFCユニット15として設計された通信装置11の代替可能な構造を示す。スイッチ8が作動すると、通信装置11内の電気回路が閉じられ、コイル16が記憶装置17、例えばEEPROM(電気的に消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ)に接続される。
図3に示される構造とは対照的に、バッテリは必要ないので、電子アセンブリ7の寿命は、バッテリの寿命に依存しない。RFIDまたはNFCユニット15は、無線信号を受動的に送信することができる。記憶装置17は、コイル16を介して読み出すことができる。無線信号は、NFCユニット15によって、例えば装置2に配置された受信機に送信され、そこから転送されることができる。器具1を装置に接続することにより、
図3および
図4に概略的に示すように、記憶装置に記憶された器具固有のデータを周辺装置に転送することが可能である。次いで、データはさらに処理されてユーザに出力され、クラウドに保存され、および/またはオンラインに置かれる。
【0034】
図5および
図6を参照して、器具1の構造を説明する。器具1は、機能的に、駆動部3と、切削部4と、スリーブ部18に分けることができる。
【0035】
駆動部3(
図7~
図10も参照)は、連結部5が形成されるソケット19を備えている。ソケット19は、プラスチック部品として形成される。電子アセンブリ7は、ソケット19に収容される。ソケット19の近位端には、接続部20が形成されている。駆動部3は、接続部20に軸方向に固定され回転不能な方法で接続される従動子21を備えている。接続部20にはばね22が収容されており、そのばね力に抗して、切削部4は、第1の軸方向位置と第2の軸方向位置との間で軸方向に変位可能である。圧力ボタン23は、従動子21と接続部20との間に軸方向に配置される。圧力ボタン23は、従動子21の中央の凹部を通って軸方向に達する。
【0036】
切削部4は、基礎部24を備えている。基礎部24は、動力伝達/トルク伝達を行うものであり、従動子25を備えている。切削部4の従動子25は、駆動部3の従動子21に回転不能な方法で連動して係合し、トルクを駆動部3から切削部4に伝達することができる。第1の軸方向位置では、従動子25は従動子21に係合する。基礎部24は、第1インターフェース26を備えている。第1インターフェース26を介して、ここでは内部カッターの形態である切削部4の第1係合部27が、トルクを伝達するように基礎部24に接続され得る。第1インターフェース26は、好ましくは器具1の切削方向/駆動方向に対して第1係合部27をねじ込むことができるねじ山として形成される。第1係合部27は、特に締め付けトルクによって固定される。基礎部24は、第2インターフェース28を備えている。第2インターフェース28を介して、ここでは外部カッターの形態である切削部4の第2係合部29は、トルクを伝達するように基礎部24に接続することができる。第2インターフェース28は、第2係合部29を押し込むことができる横方向ピンとして形成される。第2係合部29には溝30が形成され、この溝30は、第2係合部29を横方向ピンと連動して回転不能な方法で接続する。第2係合部29は、径方向外側に突出するフランジ31を備えている。フランジ31は、径方向に円周状に形成されている。
【0037】
スリーブ部18は、好ましくはプラスチックで形成される。スリーブ部18は、器具1の外径を形成する。スリーブ部18は、その近位端が切削部4のフランジ31上に置かれる。スリーブ部18は、その遠位端がソケット19によって提供される軸方向の当接面に置かれる。スリーブ部18は、径方向内側に突出し、接続部20の円周溝33に係合し、したがってスリーブ部18を軸方向に固定するジャーナル32を備えている。
【0038】
図6に示す実施形態では、電子アセンブリ7は、フィードバック装置34を備えている。ここではLED35の形態であるフィードバック装置34は、ソケット19内に配置され、電子アセンブリ7が作動すると光る。LED35は、例えば、正しく連結されると緑色光を発し、不完全に連結されると赤色光を発することができる。LED35は、点滅する光または永続的に輝く光を発することもできる。LED35は、他の色で光ることもできる。フィードバック装置34は、例えば、複数のLEDを備えていてもよく、そのうちの1つは、連結の成功についてのフィードバックを提供し、別の1つは、連結の失敗についてのフィードバックを提供する。代替的または追加的に、フィードバック装置34は、電子アセンブリ7が作動するか、作動しているときに、音響フィードバックを出力することができる。例えば、音響フィードバックの周波数/ピッチ、またはいくつかの音響信号/音響フィードバック間の間隔は、連結の成功と失敗によって異なる場合がある。
【0039】
駆動部3の構造について、
図7~
図10を参照して説明する。駆動部3は、特に、金属部品として設計される従動子21と、プラスチック部品として設計されるソケット19とによって形成される。代替的に、ソケット19および従動子21は、金属部品として設計されていてもよい。さらに代替的に、ソケット19および従動子21は、プラスチック部品として設計されていてもよい。さらに代替的には、ソケットを金属部品として設計し、従動子21をプラスチック部品として設計することもできる。ばね22および押しボタン23は、力およびトルクの伝達には無関係である。
【0040】
ソケット19と従動子21とは、軸方向に固定された方法で互いに接続されている。この目的のために、ソケット19は、従動子21の1つおよび/または複数のラッチフック37が係合する1つおよび/または複数のラッチくぼみ36を備えている。したがって、従動子21は、ソケット19の後方で軸方向に係合する。ラッチくぼみ36は、円周方向に対称に、すなわち互いに対向するように配置されている。ラッチフック37は、円周方向に対称に、すなわち互いに対向するように配置されている。ソケット19と従動子21は、トルクを伝達するように互いに接続されている。この目的のために、ソケット19は、従動子21の1つおよび/または複数のウェブ39が係合する1つおよび/または複数の動力伝達くぼみ38を備えている。動力伝達くぼみ38は、円周方向に対称に、すなわち互いに対向するように配置されている。ウェブ39は、円周方向に対称に、すなわち互いに対向するように配置されている。ウェブ39は、ラッチフック38の間で円周方向に位置決めされる。従動子21は、中央の凹部40を備え、この凹部を介して、分離、すなわち、切削部4の係合を解除するために押しボタン23が到達することができる。
【0041】
図示の実施形態では、器具1は、穿孔器具として設計されている。穿孔器具の機能は、
図11aおよび
図11bを参照して説明される。器具1において、切削部4は、切削部4と駆動部3とがトルク結合される第1の軸方向位置(
図11a参照)と、切削部4が駆動部3からトルク分離される第2の軸方向位置(
図11b参照)との間において、駆動部3に対して軸方向に制限された方法で変位可能である。したがって、切削部4は、実際の駆動から分離することができる。切削係合において、切削部4は、そこに作用する切削力によって、ばね22のばね力に抗して第1の軸方向位置に押される。駆動部3に取り付けられた圧力ノブ23が軸方向に変位し、ばね22が付勢される。切削部4に切削力が作用しない場合、切削部4は、ばね22のばね力によって第2の軸方向位置に押される。ばね付勢により、圧力ボタン23は切削部4に向かう方向に変位し、それにより、切削部4の(出力側・トルク受け側)従動子25を押し出して駆動部3の(入力側・トルク伝達側)従動子21との係合が解除される。
【0042】
図11bでは、第1の軸方向位置と第2の軸方向位置との間のスイッチング経路の軸方向の相対移動が破線の円で示されている。この軸方向の相対移動を使用して、第2電子アセンブリ41を作動させることができる。本発明のさらなる態様によれば、器具1は、駆動部3から切削部4を分離することによって作動するように設計された第2電子アセンブリ41を備えている。これは、第2電子アセンブリ41が、切削部4が駆動部3に対して(連結された)軸方向位置にあるときに作動が停止され、切削部4が駆動部3に対して第2の(分離された)軸方向位置にあるときに作動するように設計されていることを意味する。特に、第2電子アセンブリ41は、切削部4、特に圧力ボタン23の軸方向の変位によって機械的に作動する図示されていないスイッチを備えている。
【0043】
図12および
図13には、器具1のさらなる実施形態が示されている。第2電子アセンブリ41は、第2スイッチ42を有する。第2スイッチ42は、押しボタンとして設計されている。第2スイッチ42は、特に駆動部3から切削部4を分離した後に、切削部4の回転数を取得するように、切削部4によって機械的に作動することができる。第2スイッチ42は、半球ドーム形状を備えている。第2スイッチ42はランプの形態で設計されていてもよい。第2スイッチ42は、駆動部3の径方向外周、ここでは接続部20の領域に配置され、径方向外側に突出している。第2スイッチ42は、溝33に配置されている。スリーブ部18のジャーナル32が作動部となり、スリーブ部18の回転数に応じてジャーナル32により第2スイッチ42が作動する。換言すれば、回転数は、例えば、第2スイッチ42の作動回数とジャーナル32(ラッチ要素)の数との商に対応する。スリーブ部18は、例えば、対称的な設計、すなわち円周方向に互いに対向する2つのジャーナル32を備えていてもよい。すると、第2スイッチ42は、スリーブ部18の1回転につき2回作動される。したがって、スリーブ部18の半回転も得ることができる。複数のジャーナル32により、機械的キャッチ機構が同時に確保される。これにより、スリーブ部18の回転数を取得することができる。スリーブ部18は、特に、第1の軸方向位置で切削部4から回転可能に分離され、第2の軸方向位置で切削部4に回転可能に連結されるように設計される。
【0044】
図14~
図16は、本発明のさらなる態様による切削部4の構造を示す。上述のように、切削部4は、第1インターフェース26を介して第1係合部27に接続され、第2インターフェース28を介して第2係合部29に接続される基礎部24を備えている。好ましくは、基礎部24と、第1係合部27と、第2係合部29は、金属部品として設計される。基礎部24は、動力伝達単一部品として機能し、異なる大きさの切削部4に対して同等の設計である。第1インターフェース26を介して、異なる大きさの第1係合部27、すなわち内部カッターをねじ山にねじ込むことが可能である。第2インターフェース28を介して、異なる大きさの第2係合部29、すなわち外部カッターを押し上げることが可能である(
図15a~
図15cを参照)。第2係合部29のフランジ31の外径は、異なる大きさの第2係合部29に対して同じ設計である。したがって、異なる大きさの切削部4に同じスリーブ部18を使用することが可能である(
図16a~
図16cを参照)。
【0045】
図17および
図18は、本発明のさらなる態様によるさらなる実施形態を示す。器具1は、ブレードを除いて、完全にプラスチック部品の器具43として設計されている。第1係合部27は、プラスチックドームのようなプラスチック部品44として設計されている。第2係合部29は、プラスチックドームのようなプラスチック部品49として設計されている。金属のインサート部品46は、熱打ち抜きによって第1係合部27および/または第2係合部29に接続されている。
【図】
【手続補正書】
【提出日】2023-02-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転駆動可能な器具、特に切削器具、好ましくは穿孔器具の形態である医療用の器
具であって、
連動してトルクを伝達するために医療装
置に接続可能な駆動
部と、
トルクを伝達するように前記駆動
部に連結可能な切削
部と、を備え、
前記器
具は、前記切削
部が前記駆動
部から分離されることによって作動するように設計され
る電子アセンブ
リを備える、器
具。
【請求項2】
前
記電子アセンブ
リは、好ましくは押しボタンの形態であり、前記切削
部を回転可能に連結可能な作動
部によって、特に、前記駆動
部から前記切削
部が分離した後に、前記切削
部の回転数を取得するように機械的に作動す
るスイッ
チを備える、請求項
1に記載の器
具。
【請求項3】
前記作動
部は、前記切削
部が前記駆動
部から分離されるときに、前記切削
部に回転可能に連結されるように配置されると共に設計される、請求項
2に記載の器
具。
【請求項4】
前記第2電子アセンブリは、前記器
具の固定された構成要素に配置されている、請求項
1に記載の器
具。
【請求項5】
前記器具は、前記器具が前記医療装置に接続されることによって、好ましくは、前記器具を前記医療装置に差し込む動作によって作動するように設計される他の電子アセンブリを備える、器具。
【請求項6】
前記他の電子アセンブリは、前記他の電子アセンブリの作動中に、好ましくは外部処理ユニットに送信される器具固有データを記憶する記憶装置を備える、請求項5に記載の器具。
【請求項7】
前記他の電子アセンブリは、前記他の電子アセンブリの電子回路を、作動スイッチ位置において閉じると共に、非作動スイッチ位置において開くように、前記器具を接続することによって機械的に作動可能な他のスイッチを備える、請求項5に記載の器具。
【請求項8】
前記他の電子アセンブリは、電子回路が閉じている場合に、前記器具固有データを用いた無線信号を送信する無線通信を生成し、好ましくは、前記器具のプラスチックの筐体に配置される通信装置を備える、請求項6に記載の器具。
【請求項9】
前記他のスイッチは、前記器具に接続することによって、前記作動スイッチ位置と前記非作動スイッチ位置との間で軸方向又は径方向に変位可能である、請求項7に記載の器具。
【請求項10】
前記他の電子アセンブリは、フィードバック装置を備え、及び/又は、外部フィードバック手段に接続可能であり、
前記フィードバック装置及び/又は前記フィードバック手段は、前記他の電子アセンブリが作動するか、作動しているときに、音響フィードバック及び/又は視覚フィードバックが出力されるように設計される、請求項5に記載の器具。
【国際調査報告】