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特表2023-522299固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患を処置するための組成物及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-30
(54)【発明の名称】固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患を処置するための組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 36/71 20060101AFI20230523BHJP
   A61K 36/53 20060101ALI20230523BHJP
   A61K 36/185 20060101ALI20230523BHJP
   A61K 36/22 20060101ALI20230523BHJP
   A61K 36/424 20060101ALI20230523BHJP
   A61K 36/324 20060101ALI20230523BHJP
   A61K 36/258 20060101ALI20230523BHJP
   A61K 39/00 20060101ALI20230523BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20230523BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20230523BHJP
   A61P 1/18 20060101ALI20230523BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20230523BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20230523BHJP
   A61P 11/04 20060101ALI20230523BHJP
   A61P 13/08 20060101ALI20230523BHJP
   A61P 13/10 20060101ALI20230523BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20230523BHJP
   A61P 15/00 20060101ALI20230523BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20230523BHJP
   A61P 19/08 20060101ALI20230523BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20230523BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20230523BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20230523BHJP
   A61P 27/16 20060101ALI20230523BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230523BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20230523BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230523BHJP
   A61K 31/122 20060101ALI20230523BHJP
   A61K 31/05 20060101ALI20230523BHJP
   A61K 38/48 20060101ALI20230523BHJP
   A61K 36/88 20060101ALI20230523BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20230523BHJP
   A61K 31/405 20060101ALI20230523BHJP
   A61K 36/537 20060101ALI20230523BHJP
   A61K 36/899 20060101ALI20230523BHJP
   A61K 36/85 20060101ALI20230523BHJP
   A61K 36/534 20060101ALI20230523BHJP
   A61K 36/9068 20060101ALI20230523BHJP
   A61K 36/54 20060101ALI20230523BHJP
   A61K 36/82 20060101ALI20230523BHJP
   A23L 33/105 20160101ALI20230523BHJP
【FI】
A61K36/71
A61K36/53
A61K36/185
A61K36/22
A61K36/424
A61K36/324
A61K36/258
A61K39/00 H
A61P1/04
A61P1/16
A61P1/18
A61P9/00
A61P11/00
A61P11/04
A61P13/08
A61P13/10
A61P13/12
A61P15/00
A61P17/00
A61P19/08
A61P21/00
A61P25/00
A61P27/02
A61P27/16
A61P35/00
A61P35/02
A61P43/00 105
A61K31/122
A61K31/05
A61K38/48
A61K36/88
A61K45/00
A61K31/405
A61K36/537
A61K36/899
A61K36/85
A61K36/534
A61K36/9068
A61K36/54
A61K36/82
A23L33/105
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022557081
(86)(22)【出願日】2021-03-19
(85)【翻訳文提出日】2022-11-18
(86)【国際出願番号】 IL2021050310
(87)【国際公開番号】W WO2021186456
(87)【国際公開日】2021-09-23
(31)【優先権主張番号】62/992,276
(32)【優先日】2020-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522370894
【氏名又は名称】ノーベル コンセプツ メディカル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000109
【氏名又は名称】弁理士法人特許事務所サイクス
(72)【発明者】
【氏名】アルカライ レイチェル
【テーマコード(参考)】
4B018
4C084
4C085
4C086
4C088
4C206
【Fターム(参考)】
4B018LB10
4B018MD07
4B018MD08
4B018MD52
4B018MD59
4B018MD61
4B018MD64
4B018MD66
4B018MD90
4B018ME08
4B018MF01
4C084AA02
4C084AA19
4C084AA22
4C084BA44
4C084CA13
4C084DC02
4C084MA02
4C084MA52
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZA011
4C084ZA331
4C084ZA341
4C084ZA361
4C084ZA591
4C084ZA661
4C084ZA751
4C084ZA811
4C084ZA891
4C084ZA941
4C084ZA961
4C084ZB091
4C084ZB211
4C084ZB261
4C084ZB271
4C084ZC411
4C085AA03
4C085EE03
4C086AA01
4C086BC14
4C086MA02
4C086MA03
4C086MA52
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA01
4C086ZA33
4C086ZA34
4C086ZA59
4C086ZA66
4C086ZA75
4C086ZA81
4C086ZA89
4C086ZB09
4C086ZB21
4C086ZB26
4C086ZB27
4C088AB12
4C088AB18
4C088AB20
4C088AB21
4C088AB32
4C088AB33
4C088AB38
4C088AB45
4C088AB71
4C088AB73
4C088AB81
4C088BA06
4C088BA08
4C088CA03
4C088MA02
4C088MA07
4C088MA08
4C088MA52
4C088NA05
4C088NA14
4C088ZA01
4C088ZA33
4C088ZA34
4C088ZA36
4C088ZA59
4C088ZA66
4C088ZA75
4C088ZA81
4C088ZA89
4C088ZA94
4C088ZA96
4C088ZB09
4C088ZB21
4C088ZB26
4C088ZB27
4C206AA01
4C206CA17
4C206CB27
4C206KA01
4C206MA02
4C206MA03
4C206MA04
4C206MA72
4C206NA05
4C206NA14
4C206ZA01
4C206ZA33
4C206ZA34
4C206ZA36
4C206ZA59
4C206ZA66
4C206ZA75
4C206ZA81
4C206ZA89
4C206ZA94
4C206ZA96
4C206ZB09
4C206ZB21
4C206ZB26
4C206ZB27
(57)【要約】
固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患の予防又は処置を必要とする対象において固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患を予防又は処置する方法が提供される。方法は、植物部分、その抽出物、その画分、その活性成分、その合成類似体、その模倣物、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される植物種又はその属由来成分の有効量を対象に投与することであって、前記成分は固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患を処置することができ、前記植物種は、ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)、チムス・カピタツス(Thymus capitatus)、チムス・ブルガリス(Thymus vulgaris)、オリガヌム・シリアクム(Origanum syriacum)、シンブラ・スピカタ(Thymbra spicata)、サツジェラ・シンブラ(Satujera thymbra)、セサムン・インジクム(Sesamum indicum)、ルス・コリアリア(Rhus coriaria)、アマチャヅル(Gynostemma pentaphyllum)、ボスウェリア・サクラ(Boswellia sacra)及びオタネニンジン(Panax ginseng)からなる群から選択される、投与することと、対象において固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患を予防又は処置することと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患の予防又は処置を必要とする対象において固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患を予防又は処置する方法であって、植物部分、その抽出物、その画分、その活性成分、その合成類似体、その模倣物又はそれらの組み合わせからなる群から選択される植物種又はその属由来成分の有効量を前記対象に投与することであって、前記成分は固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患を処置することができ、前記植物種は、ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)、チムス・カピタツス(Thymus capitatus)、チムス・ブルガリス(Thymus vulgaris)、オリガヌム・シリアクム(Origanum syriacum)、シンブラ・スピカタ(Thymbra spicata)、サツジェラ・シンブラ(Satujera thymbra)、セサムン・インジクム(Sesamum indicum)、ルス・コリアリア(Rhus coriaria)、アマチャヅル(Gynostemma pentaphyllum)、及びオタネニンジン(Panax ginseng)からなる群から選択される、投与することと、前記対象において固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患を予防又は処置することと、を含む、方法。
【請求項2】
植物部分、その抽出物、その画分、その活性成分、その合成類似体、その模倣物、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される植物種又はその属由来成分の有効量を含む、固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患に対するワクチンであって、前記成分は固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患を処置することができ、前記植物種は、ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)、チムス・カピタツス(Thymus capitatus)、チムス・ブルガリス(Thymus vulgaris)、オリガヌム・シリアクム(Origanum syriacum)、シンブラ・スピカタ(Thymbra spicata)、サツジェラ・シンブラ(Satujera thymbra)、セサムン・インジクム(Sesamum indicum)、ルス・コリアリア(Rhus coriaria)、アマチャヅル(Gynostemma pentaphyllum)、ボスウェリア・サクラ(Boswellia sacra)、及びオタネニンジン(Panax ginseng)からなる群から選択される、ワクチン。
【請求項3】
固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患の予防又は処置に使用するための、植物部分、その抽出物、その画分、その活性成分、その合成類似体、その模倣物、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される植物種又はその属由来成分の有効量を含む医薬組成物であって、前記成分は固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患を改善することができ、前記植物種は、ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)、チムス・カピタツス(Thymus capitatus)、チムス・ブルガリス(Thymus vulgaris)、オリガヌム・シリアクム(Origanum syriacum)、シンブラ・スピカタ(Thymbra spicata)、サツジェラ・シンブラ(Satujera thymbra)、セサムン・インジクム(Sesamum indicum)、ルス・コリアリア(Rhus coriaria)、アマチャヅル(Gynostemma pentaphyllum)、ボスウェリア・サクラ(Boswellia sacra)及びオタネニンジン(Panax ginseng)からなる群から選択される、医薬組成物。
【請求項4】
植物部分、その抽出物、その画分、その活性成分、その合成類似体、その模倣物、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される植物種又はその属由来成分のうちの少なくとも2つを含む組成物であって、前記成分は固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患を処置することができ、前記植物種は、ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)、チムス・カピタツス(Thymus capitatus)、チムス・ブルガリス(Thymus vulgaris)、オリガヌム・シリアクム(Origanum syriacum)、シンブラ・スピカタ(Thymbra spicata)、サツジェラ・シンブラ(Satujera thymbra)、セサムン・インジクム(Sesamum indicum)、ルス・コリアリア(Rhus coriaria)、アマチャヅル(Gynostemma pentaphyllum)、ボスウェリア・サクラ(Boswellia sacra)及びオタネニンジン(Panax ginseng)からなる群から選択される、組成物。
【請求項5】
植物部分、その抽出物、その画分、その活性成分、その合成類似体、その模倣物、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される植物種又はその属由来成分のうちの少なくとも2つの組み合わせを含む食品サプリメントであって、前記成分は固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患を処置することができ、前記植物種は、ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)、チムス・カピタツス(Thymus capitatus)、チムス・ブルガリス(Thymus vulgaris)、オリガヌム・シリアクム(Origanum syriacum)、シンブラ・スピカタ(Thymbra spicata)、サツジェラ・シンブラ(Satujera thymbra)、セサムン・インジクム(Sesamum indicum)、ルス・コリアリア(Rhus coriaria)、アマチャヅル(Gynostemma pentaphyllum)、ボスウェリア・サクラ(Boswellia sacra)及びオタネニンジン(Panax ginseng)からなる群から選択される、食品サプリメント。
【請求項6】
前記固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患が、肉腫及び癌種、例えば線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、大腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭癌、乳頭状腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌、肝細胞癌、胆管癌、絨毛癌、セミノーマ、胚性癌、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、精巣腫瘍、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、多形性膠芽腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫、乏突起膠腫、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、皮膚B細胞リンパ腫(CBCL)、黒色腫、神経芽腫、網膜芽腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病、マントル細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、脾辺縁帯リンパ腫、結節辺縁帯リンパ腫、節外縁帯リンパ腫、バーキットリンパ腫、形質芽球性リンパ腫、末梢T細胞リンパ腫 NOS、有毛細胞白血病(HCL)、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄球性白血病(APL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、骨髄増殖性疾患(MPN)及び全身性肥満細胞症、乳頭様甲状腺癌、非浸潤性濾胞性甲状腺腫瘍、濾胞性甲状腺、癌、髄様甲状腺癌、組織非形成性甲状腺癌、甲状腺リンパ腫、扁平上皮甲状腺癌、甲状腺肉腫、ハースル細胞癌からなる群から選択される、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法、ワクチン、医薬組成物、組成物又は食品サプリメント。
【請求項7】
前記固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患が、脳癌、乳癌、三種陰性乳癌、膀胱癌、骨癌、結腸直腸癌、肺癌、腎臓癌、肝臓癌、胃癌、前立腺癌、肉腫、黒色腫、癌腫、又はリンパ腫、子宮筋腫、子宮内膜症である、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法、ワクチン、医薬組成物、組成物又は食品サプリメント。
【請求項8】
前記固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患がリンパ腫である、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法、ワクチン、医薬組成物。
【請求項9】
前記成分が少なくとも2つの成分を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法、ワクチン、医薬組成物。
【請求項10】
前記成分が少なくとも3つの成分を含む、請求項4、5及び9のいずれか1項に記載の方法、ワクチン、医薬組成物、組成物又は食品サプリメント。
【請求項11】
前記成分が少なくとも4つの成分を含む、請求項4、5及び9のいずれか1項に記載の方法、ワクチン、医薬組成物、組成物又は食品サプリメント。
【請求項12】
前記成分が少なくとも5つの成分を含む、請求項4、5及び9のいずれか1項に記載の方法、ワクチン、医薬組成物、組成物又は食品サプリメント。
【請求項13】
前記成分が5~10個の成分を含む、請求項4、5及び9のいずれか1項に記載の方法、ワクチン、医薬組成物、組成物又は食品サプリメント。
【請求項14】
前記成分がチモキノン又はその類似体を含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法、ワクチン、医薬組成物、組成物又は食品サプリメント。
【請求項15】
前記成分がチモール又はその類似体を含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法、ワクチン、医薬組成物、組成物又は食品サプリメント。
【請求項16】
前記成分がカルバクロール又はその類似体を含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法、ワクチン、医薬組成物、組成物又は食品サプリメント。
【請求項17】
前記成分がブロメライン又はその類似体を含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法、ワクチン、医薬組成物、組成物又は食品サプリメント。
【請求項18】
前記方法、ワクチン、医薬組成物、組成物又は食品サプリメントが、ブロメライン又はその類似体を含むパイナップルの抽出物を含む。
【請求項19】
カンナビス又はカンナビノイドをさらに含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法、ワクチン、医薬組成物、組成物又は食品サプリメント。
【請求項20】
トリプトファンをさらに含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法、ワクチン、医薬組成物、組成物又は食品サプリメント。
【請求項21】
ローズ・リーブス・ミクロメリア・フルティコーサ、サルビア、シンボポゴン(シトラール、)アロイシア、クマツヅラ(verbena officinalis)、マジョラム(origanum majorana)、ハッカを含む「ベデュイン茶」をさらに含む食品サプリメント、組成物又は抽出物をさらに含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法、ワクチン、医薬組成物、組成物又は食品サプリメント。
【請求項22】
タイム、セージ、カルダモン、シナモン、紅茶、ハブク、マルマヤを含む「ベデュイン茶」をさらに含む、請求項1~のいずれか1項に記載の方法、ワクチン、医薬組成物、組成物、抽出物又は食品サプリメント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、そのいくつかの実施形態において、固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患を処置又は予防するための組成物及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
用語「癌」は、異常細胞の制御されない分裂が存在する多くの疾患を説明するために使用される。癌性固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患は、最初に身体内の実質的に任意の組織又は器官において生じ、自然遺伝因子と環境因子、例えば、食事又は放射線、毒素などへの曝露の両方の複雑な相互作用の結果として形成され得る。医学における進歩と、癌性固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患の分子基盤の理解にもかかわらず、任意の所与のタイプの癌の正確な原因は、特に特定の個体において、ほとんど知られていない。この知識の欠如を考慮すると、固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患のための有効な処置を見出すことが依然として非常に困難であることは驚くべきことではない。
【0003】
癌は、多くの場合、様々な治療戦略に対する耐性を発達させるので、有効な処置法を見つけることも困難になる。また、癌を処置するための有効な手段は、あるタイプの癌がその原発源から広がる能力を考慮すると、さらに大きな課題となる。転移と呼ばれるこのプロセスは、腫瘍細胞が血液及びリンパ系を介して身体の他の重要な部分に広がることを可能にする。転移は、効果的な癌処置を開発することが困難である主な理由である。
【0004】
現在の既存の癌治療は、処置下の癌の特定のタイプ及び段階に基づく特定のレジメンに従った、外科手技のような複数の異なるアブレーション技術;組織に対する極低温若しくは加熱方法、超音波、高周波、及び放射線;医薬、細胞毒性剤、モノクローナル抗体のような化学的方法;又は経動脈化学的固定化(TACE)、並びにそれらの組み合わせを含む。しかしながら、これらの治療は、かなり高額のコストを伴う。さらに、現在の処置選択肢は非常に侵襲的であり、有意な毒性と関連し、患者の全体的な生活の質の低下をもたらす。
【0005】
標準治療の癌腫瘍療法は、典型的には化学療法又は放射線処置と罹患組織の外科的除去を併用する。化学療法剤を投与するための標準的なアプローチは、血液を介するもの、例えば、静脈内及び/又は胃腸送達などの様々な経路によって達成され得る全身送達である。しかしながら、毒性は、全身に送達される化学療法薬に関連する主要な欠点である。標準治療の外科的処置はまた、血液及び/又はリンパ系への癌細胞の移動を含む問題を導入し、これは、癌細胞が身体内の他の部位に転移し、さらなる腫瘍を形成する機会をもたらす。
【0006】
手術が不可能な場合、固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患の許容される処置は、放射線療法又は化学療法の使用である。しかし、手術不能癌の生存率は、化学療法又は放射線療法の前に外科的に切除された腫瘍の生存率と比較して低い。
【0007】
ある癌腫瘍は身体の組織に類似し、したがって、免疫系の、さもなければ、それらを識別し、死滅させる固有の能力を減少させる。いくつかの癌対抗技術(例えば、癌ワクチン)は、癌性細胞に対する免疫系を刺激することを目的とする。腫瘍細胞に対する攻撃を開始する免疫系の能力は、腫瘍細胞がその個体に対して外来性である抗原を、存在するとしてもわずかしか示さないので、妨げられる。さらに、腫瘍は、その中に多くの異なるタイプの細胞を有し得る。各細胞型は異なる細胞表面抗原を有し、これもまた免疫系による攻撃を阻止する。
【0008】
病期に応じて、腫瘍はワクチンが有効であるには進行し過ぎる(例えば、嵩高い)可能性がある。これら及び他の因子は、腫瘍が十分な免疫系を刺激するのに必要な十分な量の抗原(又は標的)を欠き得る理由である。
【0009】
一般に、癌が早期に発見された場合、癌に対する標準処置は非常に効果的であり得る。しかしながら、最良の結果が得られた場合であっても、そのような処置は侵襲的であり、毒性であり、身体に損傷を与え、患者にとって精神的及び情緒的に厳しい。癌が後期に発見された場合、患者に長期生存の大きな期待を与える処置はほとんどない。
【0010】
したがって、固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患を処置するのにより効果的であり、一般に個人及び社会に対してより低いコストを提示する新しい戦略を特定及び開発することが、当技術分野において依然として必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の態様によれば、固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患の予防又は処置を必要とする対象において固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患を予防又は処置する方法が提供され、該方法は、植物部分、その抽出物、その画分、その活性成分、その合成類似体、その模倣物又はそれらの組み合わせからなる群から選択される植物種又はその属由来成分の有効量を対象に投与することであって、前記成分は固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患を処置することができ、前記植物種は、ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)、チムス・カピタツス(Thymus capitatus)、チムス・ブルガリス(Thymus vulgaris)、オリガヌム・シリアクム(Origanum syriacum)、シンブラ・スピカタ(Thymbra spicata)、サツジェラ・シンブラ(Satujera thymbra)、セサムン・インジクム(Sesamum indicum)、ルス・コリアリア(Rhus coriaria)、アマチャヅル(Gynostemma pentaphyllum)、ボスウェリア・サクラ(Boswellia sacra)及びオタネニンジン(Panax ginseng)からなる群から選択される、投与することと、前記対象において固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患を予防又は処置することと、を含む。
【0012】
本発明の一態様によれば、植物部分、その抽出物、その画分、その活性成分、その合成類似体、その模倣物、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される植物種又はその属由来成分の有効量を含む、固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患に対するワクチンが提供され、前記成分は固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患を処置することができ、前記植物種は、ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)、チムス・カピタツス(Thymus capitatus)、チムス・ブルガリス(Thymus vulgaris)、オリガヌム・シリアクム(Origanum syriacum)、シンブラ・スピカタ(Thymbra spicata)、サツジェラ・シンブラ(Satujera thymbra)、セサムン・インジクム(Sesamum indicum)、ルス・コリアリア(Rhus coriaria)、アマチャヅル(Gynostemma pentaphyllum)、ボスウェリア・サクラ(Boswellia sacra)、及びオタネニンジン(Panax ginseng)からなる群から選択される。
【0013】
本発明の一態様によれば、固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患の予防又は処置に使用するための、植物部分、その抽出物、その画分、その活性成分、その合成類似体、その模倣物、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される植物種又はその属由来成分の有効量を含む医薬組成物が提供され、前記成分は固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患を処置することができ、前記植物種は、ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)、チムス・カピタツス(Thymus capitatus)、チムス・ブルガリス(Thymus vulgaris)、オリガヌム・シリアクム(Origanum syriacum)、シンブラ・スピカタ(Thymbra spicata)、サツジェラ・シンブラ(Satujera thymbra)、セサムン・インジクム(Sesamum indicum)、ルス・コリアリア(Rhus coriaria)、アマチャヅル(Gynostemma pentaphyllum)、ボスウェリア・サクラ(Boswellia sacra)、及びオタネニンジン(Panax ginseng)からなる群から選択される。
【0014】
本発明の一態様によれば、植物部分、その抽出物、その画分、その活性成分、その合成類似体、その模倣物、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される植物種又はその属由来成分のうちの少なくとも2つを含む組成物が提供され、前記成分は固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患を処置することができ、前記植物種は、ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)、チムス・カピタツス(Thymus capitatus)、チムス・ブルガリス(Thymus vulgaris)、オリガヌム・シリアクム(Origanum syriacum)、シンブラ・スピカタ(Thymbra spicata)、サツジェラ・シンブラ(Satujera thymbra)、セサムン・インジクム(Sesamum indicum)、ルス・コリアリア(Rhus coriaria)、アマチャヅル(Gynostemma pentaphyllum)、ボスウェリア・サクラ(Boswellia sacra)、及びオタネニンジン(Panax ginseng)からなる群から選択される。
【0015】
本発明の一態様によれば、植物部分、その抽出物、その画分、その活性成分、その合成類似体、その模倣物、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される植物種又はその属由来成分のうちの少なくとも2つの組み合わせを含む食品サプリメントが提供され、前記成分は固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患を処置することができ、前記植物種は、ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)、チムス・カピタツス(Thymus capitatus)、チムス・ブルガリス(Thymus vulgaris)、オリガヌム・シリアクム(Origanum syriacum)、シンブラ・スピカタ(Thymbra spicata)、サツジェラ・シンブラ(Satujera thymbra)、セサムン・インジクム(Sesamum indicum)、ルス・コリアリア(Rhus coriaria)、アマチャヅル(Gynostemma pentaphyllum)及びオタネニンジン(Panax ginseng)アマチャヅル(Gynostemma pentaphyllum)、ボスウェリア・サクラ(Boswellia sacra)、及びオタネニンジン(Panax ginseng)からなる群から選択される。
【0016】
本発明の態様によれば、方法、ワクチン、医薬組成物、組成物又は食品サプリメントは、ブロメライン又はその類似体を含む。
【0017】
本発明の態様によれば、方法、ワクチン、医薬組成物、組成物又は食品サプリメントは、ブロメライン又はその類似体を含むパイナップルの抽出物を含む。
【0018】
本発明の態様によれば、方法、ワクチン、医薬組成物、組成物又は食品サプリメントは、トリプトファンを含む植物の抽出物を含む。
【0019】
本発明の態様によれば、さらに、ローズ・リーブス・ミクロメリア・フルティコーサ(Rose Leaves Micromeria fruticose)、サルビア(Salvia)、シンボポゴン(cymbopgon)(シトラール(Citral),)アロイシア(Aloysia)、クマツヅラ(verbena officinalis)、マジョラム(origanum majorana)、ハッカ(menthe)を含む「ベデュイン(Beduin)茶」を含む食品サプリメント、組成物又は抽出物が提供される。
【0020】
本発明の態様によれば、タイム、セージ、カルダモン、シナモン、紅茶、ハブク(habuk)、マルマヤ(Marmaya)を含む「ベデュイン茶」をさらに含む食品サプリメント、組成物又は抽出物が提供される。
【0021】
タイム・ブルガリス(Thyme Vulgaris)の成分のさらなる詳細は、付録1に含まれる。
【0022】
本発明のいくつかの実施形態によれば、固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患は、肉腫及び癌種、例えば線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、大腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭癌、乳頭状腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌、肝細胞癌、胆管癌、絨毛癌、セミノーマ、胚性癌、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、精巣腫瘍、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、多形性膠芽腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫、乏突起膠腫、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、黒色腫、神経芽腫、及び網膜芽腫からなる群から選択される。
【0023】
本発明のいくつかの実施形態によれば、固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患は、脳癌、乳癌、三種陰性乳癌、膀胱癌、骨癌、結腸直腸癌、肺癌、腎臓癌、肝臓癌、胃癌、前立腺癌、肉腫、黒色腫、癌種、又はリンパ腫である。
【0024】
本発明の特定の実施形態によれば、固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患は、前立腺癌、乳癌、結腸直腸癌、膵臓癌、又はリンパ腫である。
【0025】
本発明のいくつかの実施形態によれば、固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患は、リンパ腫である。
【0026】
本発明のいくつかの実施形態によれば、増殖性疾患は、子宮筋腫である。
【0027】
本発明のいくつかの実施形態によれば、増殖性疾患は、子宮内膜症である。
【0028】
本発明のいくつかの実施形態によれば、成分は、少なくとも2つの成分を含む。
【0029】
本発明のいくつかの実施形態によれば、成分は、少なくとも3つの成分を含む。
【0030】
本発明のいくつかの実施形態によれば、成分は、少なくとも4つの成分を含む。
【0031】
本発明のいくつかの実施形態によれば、成分は、少なくとも5つの成分を含む。
【0032】
本発明のいくつかの実施形態によれば、成分は、5~10個の成分を含む。
【0033】
本発明のいくつかの実施形態によれば、成分は、チモキノン又はその類似体を含む。
【0034】
本発明のいくつかの実施形態によれば、成分は、チモール又はその類似体を含む。
【0035】
本発明のいくつかの実施形態によれば、成分は、カルバクロール又はその類似体を含む。
【0036】
特に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び/又は科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本発明の実施形態の実施又は試験において、本明細書に記載のものと類似又は同等の方法及び材料を使用することができるが、例示的な方法及び/又は材料が以下に記載される。矛盾する場合には、定義を含めて、本特許明細書が優先する。さらに、材料、方法、及び実施例は、例示にすぎず、必ずしも限定することを意図するものではない。
【0037】
図面のいくつかの図の簡単な説明
本発明のいくつかの実施形態は、単なる例として、添付の図面を参照して本明細書に記載される。ここで特に図面を詳細に参照すると、示されている特徴は一例であり、本発明の実施形態の例示的な議論の目的のためであることが強調される。この関連で、図面を用いた説明は、本発明の実施形態がどのように実施され得るかを当業者に明らかにする。図面において:
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1a-c】berkem(dot)comから取得した植物抽出方法における実施形態を示す。図1A-植物抽出の一般的な原理を説明するスキーム、図1B-いくつかの実施形態による主な分離プロセスを説明するスキーム、図1C-プロセスに影響を及ぼす可能性のあるパラメータを説明するスキーム。
図2】2020年7月28日付の、処置前の基底細胞癌の関与が疑われる扁平上皮癌を有する患者の変色及び色素沈着を示す。
図3】2020年10月30日付の、処置後の基底細胞癌の関与が疑われる扁平上皮癌を有する患者の変色及び色素沈着を示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明は、そのいくつかの実施形態において、固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患を処置又は予防するための組成物及び方法に関する。
【0040】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、以下の説明に記載されるか、又は実施例によって例示される詳細に必ずしも限定されないことを理解するべきである。本発明は、他の実施形態が可能であるか、又は様々な方法で実施若しくは実行されることが可能である。
【0041】
本発明の標的組織は、固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患であり、特に悪性固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患である。固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患を処置するための植物ベースの組成物及び/又は成分が本明細書に提供される。固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患は、通常は嚢胞又は液体領域を含まない組織の異常な塊を指す。本発明の植物ベースの組成物又は成分は、固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患に罹患している対象に投与されると、治療効果を有し得る(いくつか例を挙げると、組成物及び/又は成分は、固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患の症状を軽減し、腫瘍塊の退縮をもたらし、癌の進行を遅延させ、又は癌を治癒することができる)。現時点では、固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患の多くの形態、並びにその付随する症状に有効な予防的処置は存在しない。
【0042】
したがって、本発明の態様によれば、固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患の処置を必要とする対象において固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患を処置する方法が提供され、該方法は、植物部分、その抽出物、その画分、その活性成分、その合成類似体、その模倣物又はそれらの組み合わせからなる群から選択される植物種又はその属由来成分の有効量を対象に投与することであって、前記成分は固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患を処置することができ、前記植物種は、ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)、チムス・カピタツス(Thymus capitatus)、チムス・ブルガリス(Thymus vulgaris)、オリガヌム・シリアクム(Origanum syriacum)、シンブラ・スピカタ(Thymbra spicata)、サツジェラ・シンブラ(Satujera thymbra)、セサムン・インジクム(Sesamum indicum)、ルス・コリアリア(Rhus coriaria)、アマチャヅル(Gynostemma pentaphyllum)、ボスウェリア・サクラ(Boswellia sacra)及びオタネニンジン(Panax ginseng)からなる群から選択される、投与することと、対象において固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患を予防又は処置することと、を含む。
【0043】
本発明の代替の態様によれば、植物部分、その抽出物、その画分、その活性成分、その合成類似体、その模倣物、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される植物種又はその属由来成分の有効量を含む、固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患に対するワクチンが提供され、前記成分は固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患の増殖を処置及び/又は遅延させることができ、前記植物種は、ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)、チムス・カピタツス(Thymus capitatus)、チムス・ブルガリス(Thymus vulgaris)、オリガヌム・シリアクム(Origanum syriacum)、シンブラ・スピカタ(Thymbra spicata)、サツジェラ・シンブラ(Satujera thymbra)、セサムン・インジクム(Sesamum indicum)、ルス・コリアリア(Rhus coriaria)、アマチャヅル(Gynostemma pentaphyllum)、ボスウェリア・サクラ(Boswellia sacra)、及びオタネニンジン(Panax ginseng)からなる群から選択される。
【0044】
本発明の代替又は追加の態様によれば、固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患の処置に使用するための、植物部分、その抽出物、その画分、その活性成分、その合成類似体、その模倣物、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される植物種又はその属由来成分の有効量を含む医薬組成物が提供され、前記成分は固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患を処置することができ、前記植物種は、ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)、チムス・カピタツス(Thymus capitatus)、チムス・ブルガリス(Thymus vulgaris)、オリガヌム・シリアクム(Origanum syriacum)、シンブラ・スピカタ(Thymbra spicata)、サツジェラ・シンブラ(Satujera thymbra)、セサムン・インジクム(Sesamum indicum)、ルス・コリアリア(Rhus coriaria)、アマチャヅル(Gynostemma pentaphyllum)、ボスウェリア・サクラ(Boswellia sacra)、及びオタネニンジン(Panax ginseng)からなる群から選択される。
【0045】
本発明の代替又は追加の態様によれば、植物部分、その抽出物、その画分、その活性成分、その合成類似体、その模倣物、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される植物種又はその属由来成分のうちの少なくとも2つを含む組成物が提供され、前記成分は固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患を処置することができ、前記植物種は、ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)、チムス・カピタツス(Thymus capitatus)、チムス・ブルガリス(Thymus vulgaris)、オリガヌム・シリアクム(Origanum syriacum)、シンブラ・スピカタ(Thymbra spicata)、サツジェラ・シンブラ(Satujera thymbra)、セサムン・インジクム(Sesamum indicum)、ルス・コリアリア(Rhus coriaria)、アマチャヅル(Gynostemma pentaphyllum)、ボスウェリア・サクラ(Boswellia sacra)、及びオタネニンジン(Panax ginseng)からなる群から選択される。
【0046】
本発明の実施形態によれば、方法、ワクチン、医薬組成物、組成物又は食品サプリメントは、ブロメライン又はその類似体を含む。
【0047】
本発明の実施形態によれば、方法、ワクチン、医薬組成物、組成物又は食品サプリメントは、ブロメライン又はその類似体を含むパイナップルの抽出物を含む。
【0048】
本発明の態様がオンコウイルスの処置又は予防のための組成物及び方法を提供することが本明細書で認識される。
【0049】
オンコウイルス:
オンコウイルス又は発癌ウイルスは、癌を引き起こし得るウイルスである。[4]本明細書においてオンコウイルスという用語は、癌を引き起こすDNA又はRNAゲノムを有する任意のウイルスを指し、「腫瘍ウイルス」又は「癌ウイルス」と同義である。
【0050】
カポジ肉腫は、皮膚に塊を形成し得る癌であり、HHV-8とも呼ばれるカポジ肉腫関連ヘルペスウイルス(KSHV)によって引き起こされる。
【0051】
・DNAウイルスヒトパピローマウイルス(HPV)、DNAウイルスは、p53などの腫瘍抑制タンパク質の妨害を介して、細胞内で形質転換を引き起こす。p53の作用を妨害することにより、ウイルスに感染した細胞を細胞周期の異なる段階に移動することが可能となり、ウイルスゲノムの複製が可能となる。細胞を細胞周期のS期に強制的に移行させることにより、細胞を形質転換させることができる。[25]ヒトパピローマウイルス感染は、子宮頸癌、外陰癌、膣癌、陰茎癌、肛門癌、及びHPV陽性中咽頭癌の主な原因である。[7][26][27][28][29][30][31]ほぼ200の異なるヒトパピローマウイルス(HPV)が存在し、[29]多くのHPVタイプが発癌性である。[7][26]
・ カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス(KSHV又はHHV-8)は、皮膚癌の一タイプであるカポジ肉腫に関連している。[32]
・ エプスタイン・バーウイルス(EBV又はHHV-4)は、癌の4つのタイプに関連している
・ メルケル細胞ポリオーマウイルス-ポリオーマウイルス-は、メルケル細胞癌の発症に関連している[24]
・ ヒトサイトメガロウイルス(CMV又はHHV-5)は、粘表皮癌及びおそらく他の悪性腫瘍に関連している。[33]
【0052】
RNAウイルス
C型肝炎ウイルス、並びに特定のレトロウイルス、例えばヒトTリンパ球向性ウイルス(HTLV-1)及びラウス肉腫ウイルス(RSV)などのいくつかのRNAウイルスも癌に関連している。
【0053】
本明細書で使用される用語「植物」は、植物全体、接木植物、植物の祖先及び子孫、並びに種子、花、樹皮、苗条、茎、根(塊茎を含む)、果実、台木、穂木を含む植物部分、並びに植物細胞、組織及び器官を包含する。
【0054】
特定の実施形態によれば、植物部分は、種子である。
【0055】
特定の実施形態によれば、植物部分は、果実である。
【0056】
特定の実施形態によれば、植物部分は、葉である。
【0057】
特定の実施形態によれば、植物部分は、茎である。
【0058】
特定の実施形態によれば、植物部分は、花である。
【0059】
植物部分は、固体部分又は植物の油若しくは水性部分などの非固体部分であり得る。
【0060】
植物は、懸濁培養物、胚、生長点領域、カルス組織、葉、配偶体、胞子体、花粉、及び小胞子を含む任意の形態であり得る。
【0061】
植物という用語は、野生植物又はその栽培品種を指す。
【0062】
本明細書で使用される用語「植物種」は、属内の1つ以上の植物のサブグループを指す。これらの植物は、互いに類似の特徴を共有する。種内に単一の植物が存在してもよく、又は何百もの植物が存在してもよい。この用語は、異なる地理的位置で栽培されている、又は見出すことができる亜種、例えば、レバノン・スマック及びシリア・スマック、又は朝鮮人参及びアメリカ人参を含むことを意図する。
【0063】
本明細書で使用される「植物属」は、科の下及び種の上の分類学的ランクを指す。
【0064】
関連する種及び属、並びに以下に列挙される、並びにそれらの各選択肢又は組み合わせは、本発明の異なる実施形態を表すことを理解するであろう。
【0065】
用語「抽出」は、1つ以上の分析物以外のサンプルの成分からの1つ以上の分析物の分離に依存する分離プロセスを指す。抽出は、典型的には、2つの非混和性相を使用して、1つ以上の溶質を1つの相から他の相に分離するプロセスである。2相間の溶質の分布は、分配理論によって記述される平衡状態である。例えば、水中で茶葉を沸騰させると、タンニン、テオブロミン、及びカフェインが葉から抽出され、水中に入る。典型的には実験室で行われるがそれに限らない、より典型的な抽出は、水相から有機相への有機化合物の設定である。一般的な抽出剤は、酢酸エチルから水まで(酢酸エチル<アセトン<エタノール<メタノール<アセトン:水(7:3)<エタノール:水(8:2)<メタノール:水(8:2)<水)、ヒルデブランド溶解度パラメータに従って極性の順に配置される。植物抽出の手順を図1A~Cに提供する。
【0066】
本明細書で使用される用語「抽出物」は、抽出プロセスに応じて溶液製剤又は他の化学形態の形態をとり得る、そのような分離プロセスの結果を指す。特に、抽出物という用語は、エタノール又は水などの溶媒を使用することなどによって、サンプル(例えば、原材料)の一部を抽出することによって作製される物質に関することができる。様々な例において、抽出物は、1つ以上の溶質が富化された溶媒に関する。特に、本開示の意味における「植物抽出物」は、典型的には、1つ以上の抽出プロセスを用いて所望の活性成分を単離又は精製することによって得られる植物材料の濃縮調製物を含む。
【0067】
溶媒の選択は、得られる所望の成分に依存する。例えば、抽出プロセスにおいて極性成分を抽出するために、提案される溶媒は、水、エタノール、メタノール、又はブタノールを含むがこれらに限定されず、一方、非極性化合物については、抽出物の用途に応じて、ジエチルエーテル、ヘキサン、又はクロロホルムを含む。中極性については、酢酸エチルを選択することができるが、他の溶媒も使用することができる。
【0068】
固体/液体抽出の一般的な手順は、5つの異なる方法でスケーリングすることができる:
浸漬:接触段階は室温で維持される。
煮だし又は還流:接触段階は、溶媒の沸点に維持される。
温浸:接触段階は、前の2つの場合の間の温度に維持される。
浸出(infusion):沸騰溶媒を固体上に注ぎ、次いで、設定時間冷却したままにする。
濾過又は浸出(percolaton):溶媒がバイオマスを通過する。
【0069】
これらの方法を互いに組み合わせ、又は蒸留、水蒸気蒸留、精留などの他のプロセスと組み合わせることも可能である。
【0070】
別の実施形態によれば、連続的又は組み合わせのいずれかでの様々な溶媒の使用が企図され、有機化学の当業者は、以下に記載される活性成分に従ってどれを選択するかを知るであろう。
【0071】
抽出は、限外濾過、逆浸透、高圧(超臨界CO2)、マイクロ波、超音波などの他の手段によってさらに支援されてもよい。
【0072】
いくつかの実施形態では、植物部分を極性溶媒(例えば、エタノール)又は非極性溶媒(例えば、ヘキサン又はペンタン)と数分間、例えば、15分以上、約30分以上、約1時間以上、約2時間以上、又は約5時間以上接触させる。
【0073】
接触中に温度を制御することもできる。
【0074】
特定の実施形態によれば、植物部分を溶媒(例えば、エタノール)と接触させると共に、例えば振盪機上で絶えず混合する。
【0075】
抽出プロセスは、無溶媒であってもよいことが理解されるであろう。
【0076】
例えば、無溶媒マイクロ波抽出(SFME)は、食品産業で広く使用されている芳香族ハーブから精油を抽出するための環境に優しい方法として提案されている。この技術は、溶媒又は水を添加せずに大気圧で行われる、マイクロ波加熱と乾留との組み合わせである。揮発性化合物の単離及び濃縮は、単一段階で行われる。いくつかの実施形態では、SFME及び/又はハイドロ蒸留(HD)が本発明の植物からの精油の抽出に使用される。
【0077】
いくつかの実施形態では、本発明のプロセスは、液体抽出物及び固体を含む混合物(すなわち、粗抽出物)から液体抽出物(すなわち、濾過抽出物)を単離することを含む。液状抽出物(すなわち、濾過抽出物)を単離するのに適した手段としては、有機合成の技術分野で知られているものが挙げられ、重力濾過、吸引及び/又は減圧濾過、遠心分離、凝固及びデカンティングなどを含むがこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、単離することは、約1~5μm、約0.5~5μm、約0.1~5μm、約1~2μm、約0.5~2μm、約0.1~2μm、約0.5~1μm、約0.1~1μm、約0.25~0.45μm、又は約0.1~0.5μm(例えば、約2μm、約1μm、約0.45μm、又は約0.25μm)の孔径を有する多孔質膜、注射器、スポンジ、ゼオライト、紙などを通して液体抽出物を濾過することを含む。
【0078】
特定の実施形態によれば、本発明は、乾燥(すなわち、極性/非極性溶媒の除去)及び/又はその生成後の濾過抽出物の凍結を企図する。
【0079】
濾過抽出物を乾燥する(すなわち、極性溶媒を除去する)ための方法は、特に限定されず、減圧(例えば、大気圧未満)及び/又は高温(例えば、約25℃を超える)での溶媒蒸発を含むことができる。いくつかの実施形態では、蒸発などの標準的な溶媒除去手順によって液体抽出物から溶媒を完全に除去することは困難であり得る。いくつかの実施形態では、共蒸発、凍結乾燥などのプロセスを用いて、液体画分から極性溶媒を完全に除去して、乾燥粉末、乾燥ペレット、乾燥顆粒、ペーストなどを形成することができる。特定の実施形態によれば、極性溶媒は、真空蒸発器を用いて蒸発される。
【0080】
抽出プロセスの選択は、単離される成分に大きく依存する。
【0081】
抽出物の生成後、本発明の特定の実施形態は、例えば、濾過抽出物を分画することによって、抽出物から活性薬剤をさらに単離/精製するために、さらなる精製工程をさらに企図することが理解されるであろう。
【0082】
本明細書で使用される「画分」は、抽出物の特定の化学成分のみを含有するが、全てを含有するわけではない抽出物の一部分を指す。
【0083】
分画は、限定されないが、カラムクロマトグラフィー、分取高速液体クロマトグラフィー(「HPLC」)、減圧蒸留、及びそれらの組み合わせなどのプロセスによって行うことができる。
【0084】
特定の実施形態によれば、分画は、HPLCによって行われる。
【0085】
いくつかの実施形態では、分画することは、濾過抽出物を極性溶媒(例えば、上述のようにメタノール)中に再懸濁すること、極性抽出物を分離カラムに適用すること、及びカラムクロマトグラフィー(分取HPLC)によって抗呼吸器疾患(例えば、抗線維症、抗炎症)活性を有する抽出物を単離することを含む。
【0086】
極性抽出物を有する分離カラムに溶出溶媒を適用して、極性抽出物から画分を溶出する。使用に適した溶出溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、酢酸、二酸化炭素、メチルエチルケトン、アセトニトリル、ブチロニトリル、二酸化炭素、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジ-イソ-プロピルエーテル、アンモニア、トリエチルアミン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミドなど、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0087】
代替又は追加の実施形態によれば、液体クロマトグラフィーは、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を含む。
【0088】
代替又は追加の実施形態によれば、液体クロマトグラフィーは、逆固定相で行われる。
【0089】
画分は、限定されるものではないが、紫外可視分光法(「UV-Vis」)、赤外分光法(「IR」)などの分光法;限定されるものではないが、飛行時間MS;四重極MS;エレクトロスプレーMS、フーリエ変換MS、マトリクス支援レーザー脱離/イオン化(「MALDI」)などの質量分析(「MS」)法;限定されるものではないが、ガスクロマトグラフィー(「GC」)、液体クロマトグラフ(「LC」)、高速液体クロマトグラフィー(「HPLC」)などのクロマトグラフィー法;及びそれらの組み合わせ(例えば、GC/MS、LC/MS、HPLC/UV-Visなど)、及び当業者に公知の他の分析法などの分析法によって特徴付けることができる。
【0090】
得られた成分(活性成分、抽出物及び/又は画分)を、固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患又はそれらの症状の処置について試験することができる。効果を試験するための例示的な方法は、本明細書において以下に、及びその後の実施例セクションにさらに記載される。
【0091】
本明細書に記載される活性成分、抽出物及び/又は画分は、直ちに使用されるか又はさらなる使用まで保管され得る。
【0092】
特定の実施形態によれば、活性成分、抽出物及び/又は画分は、さらなる使用まで、必要とされる任意の長さの時間、冷凍庫内で(例えば、約-20℃~-90℃で、約-70℃~-90℃で、例えば-80℃で)、凍結されたままである。
【0093】
他の特定の実施形態によれば、活性成分、抽出物及び/又は画分は、直ちに(例えば、数分以内、例えば30分まで)使用される。
【0094】
活性成分、抽出物及び/又は画分は、別々に使用することができる。或いは、異なる活性成分、抽出物及び/又は画分(例えば、異なる植物由来又は別々の抽出手順由来)を一緒にプールしてもよい。同様に、異なる活性成分、抽出物及び/又は画分(同じ抽出物由来、異なる抽出物由来、異なる植物由来、及び/又は別々の抽出手順由来)を一緒にプールしてもよい。
【0095】
本発明者は、本発明の教示を用いて、固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患を効果的に処置又は予防するために使用することができる植物及び抽出物だけでなく、その活性成分も同定することができた。
【0096】
「活性成分」は、固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患に対する抗(予防又は治療)効果に関与する、規定された化学組成物を指す。
【0097】
活性成分は、植物から精製するか、又は化学的に合成することができる(人工、人造)。
【0098】
固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患に対する抗腫瘍(予防又は治療)効果が維持される限り、活性成分の類似体及び誘導体もまた本明細書において企図され(例えば、この後の実施例セクションを参照されたい)、これらは模倣物とも呼ばれる。
【0099】
以下は、本発明の選択された植物から活性成分を抽出するためのいくつかの非限定的な例である。
【0100】
T.カピタツス(T.capitatus)の葉からの抽出-T.カピタツス(T.capitatus)(葉)サンプルの空気中部分を収集する。枝分かれした葉を室温で7日間脱水し、抽出のために微粉末にわずかにブレンドする。
【0101】
精油(EO)抽出-水蒸気蒸留を用いて、植物、例えばT.カピタツス(T.capitatus)の乾燥空気中部分からEOを抽出する。簡単に述べると、100gの植物を500mLの蒸留水中で混合することによって、数時間、例えば3時間、抽出を行う。抽出物を乾燥し、硫酸ナトリウム及び減圧下での回転式蒸発器を用いて濃縮する。EO収率は、100gの乾燥植物について得られた油の量(mL)によって確立される。最後に、純粋なEOをさらに分析するまで-4℃で保存した。
【0102】
精油分析-EOの化学組成をGCとGC-MSで調べた。GC分析は、ガスクロマトグラフを用いて行う。成分の割合は、ピーク面積の積分によって決定される。さらに、質量分析(MS)を用いて、典型的にはガスクロマトグラフィーについて上述したのと同じ条件下でEOを分析することができる。異なる化合物の同定は、質量スペクトルの適合及び純度に基づいて、それらの保持指数(一連のn-アルカンの保持時間に対して相対的に決定される)をWileyライブラリ検索ルーチン12の標準のものと比較することによって定義される。そのような条件を使用して、以下に記載されるように活性成分を決定する。
【0103】
サツジェラ・シンブラ(Satujera thymbra)の抽出:
2009年4月にレバノンで無作為に、S.シンブラ(S.thymbra)から空気乾燥した空気中部分を収集した。3時間、クレベンジャー型装置を用いて植物材料を水蒸気蒸留に供して、精油を収率0.84%(w/w)で生成した。無水硫酸マグネシウムを用いて油を乾燥し、4℃で保存する。S.シンブラ(S.thymbra)油をGC/MSで分析した。
【0104】
ルス・コリアリア(Rhus coriaria)(スマック)からの抽出
ルス・コリアリア(Rhus coriaria)果実から化合物を単離、決定及び同定するために、スマック植物の果実又は葉から異なる抽出物を採取する。いくつかは水性抽出物から単離され、他はアルコール抽出物から単離され、いくつかは脂質抽出物から単離される。加水分解性タンニンは、スマック果実中で最も高い割合を構成し、次いでフラボノイドである。このことは、果実の抗酸化能を強調する。果実の質量のほぼ20%を占める加水分解性タンニンの次は、他の未同定化合物である。続いて、アントシアニン、イソフラボノイド、テルペノイド及びジテルペンが存在する。スマック果実の化学的性質の分析は、熟した果実について行われ、2.6%のタンパク質含有量、7.4%の脂肪含有量、14.6%の繊維含有量、1.8%の灰分を見出した。また、熱量計算では、100gのスマック果実が147.8kcalを含むことが示された。
【0105】
ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)からのチモキノンの抽出
温度制御機能を有するマイクロ波支援抽出システム、並びに他の抽出方法、ソックスレー及び従来の固体/液体抽出を含む様々な方法を使用することができる。
【0106】
【表1】
【0107】
特定の実施形態によれば、活性成分(例えば、超臨界二酸化炭素抽出法によって得ることができる)としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:
【0108】
【表2】
【0109】
本明細書で企図されるさらなる植物は、ニゲラ(Nigella)属のものである。
【0110】
ニゲラ(Nigella)は、南ヨーロッパ、北アフリカ、南アジア、南西アジア、及び中東原産の、キンポウゲ(Ranunculaceae)科の18種の一年生植物の属である。この属のメンバーに適用される一般的な名称は、ニゲラ(nigella)、クロタネソウ(devil-in-a-bush)又はクロタネソウ(love-in-a-mist)である。
ニゲラ・アルベンシス(Nigella arvensis)
ニゲラ・カルパタ(Nigella carpatha)
ニゲラ・ダマシナ(Nigella damascena)
ニゲラ・デゲニイ(Nigella degenii)
ニゲラ・デセルティ(Nigella deserti)
ニゲラ・ドエルフレリ(Nigella doerfleri)
ニゲラ・エラタ(Nigella elata)
ニゲラ・フマリイフォラ(Nigella fumariifola)
ニゲラ・ヒスパニカ(Nigella hispanica)
ニゲラ・ラチセクタ(Nigella latisecta)
ニゲラ・ニゲラストルム(Nigella nigellastrum)
ニゲラ・オリエンタリス(Nigella orientalis)
ニゲラ・オキシペタラ(Nigella oxypetala)
thymo
ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)
ニゲラ・セゲタリス(Nigella segetalis)
ニゲラ・ストリクタ(Nigella stricta)
ニゲラ・ウングイクラリス(Nigella unguicularis)
【0111】
特定の実施形態によれば、活性成分は、チモキノンである。
【0112】
チモキノンを含有するさらなる植物としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:
モナルダ・フィスツロス(Monarda fistulos)(モナルダ(Monarda)属の);
サツレジャ・モンタナ(Satureja montana)(サツジェラ(Satujera)属の);
【0113】
チモキノンを含有するさらなる科としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:
キク科(Asteraceae) - 例としては、以下の亜科が挙げられるが、これらに限定されない:
・ バルナデシオイデアエ(Barnadesioideae)Bremer & Jansen
・ カルディオイデアエ・スウィート(Carduoideae sweet)
・ シコリオイデアエ(Cichorioideae)Chevallier
・ コリムビオイデアエ(Corymbioideae)Panero & Funk
・ ファマチナントイデアエ(Famatinanthoideae)S.E.Freire,Ariza & Panero
・ ゴクナチオイデアエ(Gochnatioideae)Panero & Funk
・ ギムナルヘノイデアエ(Gymnarrhenoideae)Panero & Funk
・ ヘカストクレイドイデアエ(Hecastocleidoideae)Panero & Funk
・ ムチシオイデアエ(Mutisioideae)Lindley
・ ペルチオイデアエ(Pertyoideae)Panero & Funk
・ スチフチオイデアエ(Stifftioideae)Panero
・ ウンデルリキオイデアエ(Wunderlichioideae)Panero & Funk
ヒノキ科(Cupressaceae)
・ コウヨウザン(Cunninghamioideae)
・ タイワンスギ(Taiwanioideae)
・ アスロタキシス(Athrotaxidoideae)
・ アメリカスギ(Sequoioideae)
・ タキソジオイデアエ(Taxodioideae)
・ カリトロイデアエ(Callitroideae)
・ クプレッソイデアエ(Cupressoideae)
・ インケルタエ・セディス(Incertae sedis)
シソ科(Lamiacea)
キンポウゲ科(Ranunculacea)
・ ヒドラスチドイデアエ(Hydrastidoideae)
・ グラウシジオイデアエ(Glaucidioideae)
・ コプトイデアエ(Coptoideae)
・ タリクロイデアエ(Thalictroideae)
・ ラヌンクロイデアエ(Ranunculoideae)
【0114】
カルバクロールを含有する植物のリストは、以下を含むが、これらに限定されない:
モナルダ・ジジマ(Monarda didyma)
ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)
オリガヌム・コンパクツム(Origanum compactum)
オリガヌム・ジクタムヌス(Origanum dictamnus)
オリガヌム・ミクロフィルム(Origanum microphyllum)
オリガヌム・オニテス(Origanum onites)
オリガヌム・スカブルム(Origanum scabrum)
オリガヌム・シリアクム(Origanum syriacum)
オリガヌム・ブルガレ(Origanum vulgare)
プレクトランスス・アンボイニクス(Plectranthus amboinicus)
チムス・グランズロスス(Thymus glandulosus)
ラバンデュラ・モルチフィダ(Lavandula multifida)
オリガヌム・ミヌチフロルム(Origanum minutiflorum)
サツレジャ・シンブラ(Satureja thymbra)
【0115】
チムス・カピタツス(Thymus capitatus)に見出される活性成分
【0116】
【表3】
【0117】
本明細書において企図されるさらなる植物は、チムス属のものである。
【0118】
チムス属(/‘taImes/TY-mes;タイム)は、ヨーロッパ、北アフリカ及びアジアの温帯地域原産のシソ科(Lamiaceae)において、約350種の芳香性多年生草本植物及び40cmまでの高さの亜低木を含む。
【0119】
茎は、幅が狭いか、又は針金状になる傾向があり、葉は、ほとんどの種で常緑であり、対になって配置され、楕円形、全縁且つ小さく、長さが4~20mmであり、通常は芳香性である。タイム花は、密集した末端の頭にあり、不均一な萼を有し、上唇は3つに分かれ、黄色、白色又は紫色である。
【0120】
この属のいくつかのメンバーは、最も知られている種であるチムス・ブルガリス(Thymus vulgaris)にちなんでタイム又はコモン(common)タイムとも呼ばれる場合、料理用ハーブ又は観賞植物として栽培される。
【0121】
以下を含む約350種:
チムス・アダモビシイ(Thymus adamovicii)
チムス・アルタイクス(Thymus altaicus)
チムス・アムレンシス(Thymus amurensis)
チムス・ボイシエリ(Thymus boissieri)
チムス・ブラクテオスス(Thymus bracteosus)
チムス・ブロウソネチイ(Thymus broussonetii)
チムス・カエスピチチウス(Thymus caespititius)
チムス・カンフォラツス(Thymus camphoratus)
チムス・カピタツス(Thymus capitatus)
チムス・カピテラツス(Thymus capitellatus)
チムス・カンフォラツス(Thymus camphoratus)
チムス・カルノスス(Thymus carnosus)
チムス・セファロツス(Thymus cephalotus)
チムス・シェルレリオイデス(Thymus cherlerioides)
チムス・シリアツス(Thymus ciliatus)
チムス・シリシクス(Thymus cilicicus)
チムス・シミシヌス(Thymus cimicinus)
チムス・シトリオドルス(Thymus citriodorus)チムス×シトリオドルス(Thymus × citriodorus)syn.T.フラグランチシムス(T.fragrantissimus),T.セルピルム(T.serpyllum citratus),T.セルピルム・シトリオドルム(T.serpyllum citriodorum.)[7] - シトラスタイム
チムス・コモスス(Thymus comosus)
チムス・コンプツス(Thymus comptus)
チムス・クルツス(Thymus curtus)
チムス・デックサツス(Thymus decussatus)
チムス・ジスジュンクツス(Thymus disjunctus)
チムス・ドエルフレリ(Thymus doerfleri)
チムス・グラブレセンス(Thymus glabrescens)
チムス・ヘルバーバロナ(Thymus herba-barona)
チムス・ヒルスツス(Thymus hirsutus)
チムス・ヒエマリス(Thymus hyemalis)
チムス・イナエカリス(Thymus inaequalis)
チムス・インテゲル(Thymus integer)
チムス・ラヌギノスス(Thymus lanuginosus),syn.T.セルピルム(T.serpyllum)-ウーリー(woolly)タイム
チムス・ロイコスペルムス(Thymus leucospermus)
チムス・ロイコトリクス(Thymus leucotrichus)
チムス・ロンギカウリス(Thymus longicaulis)
チムス・ロンギフロルス(Thymus longiflorus)
チムス・マンドシュリクス(Thymus mandschuricus)
チムス・マルシャリアヌス(Thymus marschallianus)
チムス・マスチキナ(Thymus mastichina)
チムス・メンブラナセウス(Thymus membranaceus)
チムス・モンゴリクス(Thymus mongolicus)
チムス・モロデリ(Thymus moroderi)
チムス・ネルブロスス(Thymus nervulosus)
チムス・ヌムラリス(Thymus nummularis)
チムス・オドラチシムス(Thymus odoratissimus)
チムス・パラシアヌス(Thymus pallasianus)
チムス・パリズス(Thymus pallidus)
チムス・パノニクス(Thymus pannonicus)
チムス・プラエコックス(Thymus praecox)-クリーピングタイム
チムス・プロキシヌス(Thymus proximus)
チムス・シュードラヌギノスス(Thymus pseudolanuginosus),syn.T.セルピルム(T.serpyllum) - ウーリータイム
チムス・プレギオイデス(Thymus pulegioides)-レモンタイム [8]
チムス・キノケコスタツス(Thymus quinquecostatus)
チムス・リカルジイ(Thymus richardii)
チムス・サツレイオイデス(Thymus satureioides)
チムス・セルピルム(Thymus serpyllum)
チムス・シブトルピイ(Thymus sibthorpii)
チムス・ストリアツス(Thymus striatus)
チムス・トラシクス(Thymus thracicus)-ラベンダータイム
チムス・ビロスス(Thymus villosus)
チムス・ブルガリス(Thymus vulgaris)-コモンタイム
チムス・ジギス(Thymus zygis)
【0122】
チモールを含有する植物のリストとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:
アイブライト(Euphrasia rostkoviana)
ラゴエシア・クミノイデス(Lagoecia cuminoides)
タイマツバナ(Monarda didyma)
ヤグルマハッカ(Monarda fistulosa)
モスラ・キネンシス(Mosla chinensis),Xiang Ru
オリガヌム・コンパクツム(Origanum compactum)
オリガヌム・ジクタムヌス(Origanum dictamnus)
オリガヌム・オニテス(Origanum onites)
オリガヌム・ブルガレ(Origanum vulgare)
サツレジャ・シンブラ(Satureja thymbra)
シムス・グランデュロスス(Thymus glandulosus)
シムス・ヒエマリス(Thymus hyemalis)
シムス・ブルガリス(Thymus vulgaris)
シムス・ジギス(Thymus zygis)
アジョワン(Trachyspermum ammi)
【0123】
チムス・ブルガリス(Thymus vulgaris)の活性成分:
【0124】
【表4】
【0125】
本発明のいくつかの実施形態によるチムス・ブルガリス(Thymus vulgaris)のEO上の活性成分としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:
【0126】
【表5】
【0127】
サツジェラ・シンブラ(Satujera thymbra)の活性成分:
2009年4月にレバノンで無作為にS.シンブラ(S.thymbra)から空気乾燥した空気中部品を収集した。3時間、クレベンジャー型装置を用いて植物材料を水蒸気蒸留に供して、精油を収率0.84%(w/w)で製造した。無水硫酸マグネシウムを用いて油を乾燥し、4℃で保存した。S.シンブラ(S.thymbra)油をGC/MSで分析する。油サンプルの98.8%に相当する19の化合物が同定される。サツジェラ・シンブラ(Satujera thymbra)L.油の主成分は、γ-テルピネン(34.06%)、カルバクロール(23.07%)及びチモール(18.82%)である。また、ρ-シメン(7.58%)、カリオフィレン(3.96%)、α-テルピネン(3.53%)及びミルセン(1.70%)も豊富である。
【0128】
サツジェラ(Satujera)属の植物も本明細書において企図される。
【0129】
サツジェラ(Satujera)は、ローズマリー及びタイムに関連する、シソ科(Lamiaceae)の芳香性植物の属である。これは、北アフリカ、南ヨーロッパ及び南東ヨーロッパ、中東及び中央アジア原産である。以前は、いくつかの新世界種がサツジェラ(Satujera)に含まれていたが、それらは全て他の属に移されている。いくつかの種は、セイボリーと呼ばれる料理用ハーブとして栽培され、いくつかの場所で野生で樹立されている。
【0130】
例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:
サツレジャ・アダモビシイ(Satureja adamovicii)Silic - バルカン半島諸国
サツレジャ・アインタベンシス(Satureja aintabensis)P.H.Davis - トルコ
サツレジャ・アマニ(Satureja amani)P.H.Davis - トルコ
サツレジャ・アトロパタナ(Satureja atropatana)Bunge - イラン
サツレジャ・アブロマニカ(Satureja avromanica)Maroofi - イラン
サツレジャ・バクチアリカ(Satureja bachtiarica)Bunge - イラン
サツレジャ・ボイシエリ(Satureja boissieri)Hausskn.ex Boiss.- トルコ、イラン
サツレジャ・ブジビカ(Satureja bzybica)Woronow) - コーカサス
サツレジャ×カロリ-パウイ(Satureja × caroli-paui)G.Lopez) - スペイン(S.イノタ(S.innota)× S.モンタナ(S.montana))
サツレジャ・シリシカ(Satureja cilicica)P.H.Davis - トルコ
サツレジャ・コエルレア(Satureja coerulea)Janka - ブルガリア、ルーマニア、トルコ
サツレジャ・クネイフォリア(Satureja cuneifolia)Ten) - スペイン、イタリア、ギリシャ、アルバニア、ユーゴスラビア、イラク
サツレジャ×デルポゾイ(Satureja × delpozoi)Sanchez-Gomez,J.F.Jimenez & R.Morales - スペイン(S.クネイフォリア(S.cuneifolia)× S.イントリカタvar.グラシリス(S.intricata var.gracilis))
サツレジャ・エドモンジイ(Satureja edmondii)Briq.- イラン
サツレジャ×エクスペクタタ(Satureja × exspectata)G.Lopez - スペイン(S.イントリカタvar.グラシリス×S.モンタナ(S.intricata var.gracilis × S.montana))
サツレジャ・フカレキイ(Satureja fukarekii)Silic) - ユーゴスラビア
サツレジャ・ヘレニカ(Satureja hellenica)Halacsy - ギリシャ
サツレジャ・ホルテンシス(Satureja hortensis)L.
サツレジャ・ホルバチイ(Satureja horvatii)Silic - ギリシャ、ユーゴスラビア
サツレジャ・イカリカ(Satureja icarica)P.H.Davis - ギリシャの島々
サツレジャ・イノタ(Satureja innota)(Pau)Font Quer) - スペイン
サツレジャ・インテルメディア(Satureja intermedia)C.A.Mey.- イラン、コーカサス
サツレジャ・イントリカタ(Satureja intricata)Lange - スペイン
サツレジャ・イソフィラ(Satureja isophylla)Rech.f.- イラン
サツレジャ・カラリカ(Satureja kallarica)Jamzad - イラン
サツレジャ・ケルマンシャヘンシス(Satureja kermanshahensis)Jamzad - イラン
サツレジャ・クジスタニカ(Satureja khuzistanica)Jamzad) - イラン
サツレジャ・キタイベリ(Satureja kitaibelii)Wierzb.ex Heuff.- ブルガリア、ルーマニア、ユーゴスラビア
サツレジャ・ラキシフロラ(Satureja laxiflora)K.Koch - イラン、イラク、トルコ、コーカサス
サツレジャ・リネアリフォリア(Satureja linearifolia)(Brullo & Furnari)Greuter - リビアのキレナイカ地方
サツレジャ・マクランタ(Satureja macrantha)C.A.Mey.- イラン、イラク,トルコ、コーカサス
サツレジャ・メタスタシアンタ(Satureja metastasiantha)Rech.f.- イラク
サツレジャ・モンタナ(Satureja montana)L.- ウインターサボリー(winter savory) - 南ヨーロッパ、トルコ、シリア
サツレジャ・ムチカ(Satureja mutica)Fisch.& C.A.Mey.- コーカサス、イラン、トルクメニスタン
サツレジャ・ナバテオルム(Satureja nabateorum)Danin & Hedge - ヨルダン
サツレジャ×オレジェニイ(Satureja × orjenii)Silic - ユーゴスラビア(S.ホルバチイ(S.horvatii)×S.モンタナ(S.montana))
サツレジャ・パラリイ(Satureja pallaryi)J.Thiebaut - シリア
サツレジャ・パルナシカ(Satureja parnassica)Heldr.& Sart.ex Boiss.- ギリシャ,トルコ
サツレジャ・ピロサ(Satureja pilosa)Velen.- イタリア、ギリシャ、ブルガリア
サツレジャ・ルメリカ”(Satureja rumelica”)Velen.- ブルガリア
サツレジャ・サヘンジカ(Satureja sahendica)Bornm.- イラン
サツレジャ・サルツマンニイ(Satureja salzmannii)(Kuntze)P.W.Ball - モロッコ、スペイン
サツレジャ・スピシゲラ(Satureja spicigera)(K.Koch)Boiss.- トルコ、イラン、コーカサス
サツレジャ・スピノサ(Satureja spinosa)L.-トルコ、クレタ島を含むギリシャの島々
サツレジャ・スブスピカタ(Satureja subspicata)Bartl.ex Vis.- オーストリア、ユーゴスラビア、アルバニア、ブルガリア、イタリア
サツレジャ・タウリカ(Satureja taurica)Velen.- クリミア半島
サツレジャ・シンブラ(Satureja thymbra)L.- リビア、サルジニア島からトルコまでの南東ヨーロッパ;キプロス、レバノン、パレスチナ
サツレジャ・シンブリフォリア(Satureja thymbrifolia)Hedge & Feinbrun - イスラエル、サウジアラビア
サツレジャ・ビシアンニイ(Satureja visianii)Silic.- ユーゴスラビア
サツレジャ・ウィエデマンニアナ(Satureja wiedemanniana)(Ave-Lall.)Velen.) - トルコ
【0131】
シンブラ・スピカタ(Thymbra spicata)の活性成分:
【0132】
【表6】
【0133】
また、本明細書では、シンブラ(Thymbra)属の植物も企図される。
【0134】
一般名が地中海タイムであるシンブラ(Thymbra)は、シソ科(Lamiaceae)科における植物の属である。現在分類されているように、この属は、7つの種及び1つの亜種を有する。これは、南ヨーロッパ、北アフリカ及び中東の地中海地域原産である。
【0135】
例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:
シンブラ・カロスタチヤ(Thymbra calostachya)Rech.f.- クレタ島
シンブラ・カピタタ(Thymbra capitata)(L.)Cav.) - モロッコ+ポルトガルからトルコ+パレスチナに広がる
シンブラ・シンテニシイ(Thymbra sintenisii)Bornm.& Azn.) - イラク、トルコ
シンブラ・スピカタ(Thymbra spicata)L.) - ギリシャ、トルコ、シリア、レバノン、パレスチナ、イスラエル、イラク、イラン
シンブラ・シンブリフォリア(Thymbra thymbrifolia)Hedge & Feinbrun Braeuchler,comb.nov.- イスラエル、パレスチナ、ユダヤ砂漠、キルベト・エル・ミルド(Khirbet el Mird)
シンブラ・ナバテオルム(Thymbra nabateorum)(Danin & Hedge)Braeuchler,comb.nov.- ヨルダンのW及びサウジアラビアの隣接N
シンブラ・リネアリフォリア(Thymbra linearifolia)(Brullo & Furnari)Braeuchler,comb.nov.- リビア
【0136】
ルス・コリアリア(Rhus coriaria)(スマック)の化学組成
HPLC-MS方法を用いたスマックの化合物の特徴付け及び同定により、ルス・コリアリア(Rhus coriaria)中の191の化合物が同定され、一般的には以下のように分類された:
・ 78の加水分解性タンニン(例えば、ガロタンニン、例えば、ペンタ、ヘキサ、ヘプタ、オクタ、ノナ及びデカガロイル-グルコシド)
・ 59のフラボノイド(例えば、ケルセチン、ミレセチン3-ラムノシド及びケルセチン3-グルコシド)
・ 9つのアントシアニン(例えば、デルフィジン-3-グルコシド、シアニジン3-(2”-ガロイル)ガラクトシド、シアニジン-3-グルコシド、7-メチル-シアニジン-3-(2”ガロイル)ガラクトシド、7-メチル-シアニジン-3-ガラクトシド)
・ 2つのイソフラボノイド
・ 2つのテルペノイド
・ 1つのジテルペン
・ 38の他の未同定化合物。
【0137】
特定の実施形態によれば、スマック中のフェノール化合物は、アントシアニンと共にその植物化学活性を構成する化合物である。スマック果実中の最も豊富なフェノール化合物は、没食子酸であることが見出された。
【0138】
加水分解性タンニンは、スマック果実中で最も高い割合を構成し、次いでフラボノイドである。このことは、果実、特定の実施形態として本明細書で企図される植物部分の抗酸化能を強調する。果実の質量のほぼ20%を占める加水分解性タンニンの次は、他の未同定化合物である。続いて、アントシアニン、イソフラボノイド、テルペノイド及びジテルペンが存在する。スマック果実の化学的性質は、熟した果実に対して行われ、2.6%のタンパク質含有量、7.4%の脂肪含有量、14.6%の繊維含有量、1.8%の灰分を見出した。また、熱量計算では、100gのスマック果実が147.8kcalを含むことが示された。
【0139】
加水分解性タンニンは、スマック果実中で最も高い割合を構成し、次いでフラボノイドである。このことは、果実の抗酸化能を強調する。果実の質量のほぼ20%を占める加水分解性タンニンの次は、他の未同定化合物である。続いて、アントシアニン、イソフラボノイド、テルペノイド及びジテルペンが存在する。スマック果実の化学的性質は、熟した果実に対して行われ、2.6%のタンパク質含有量、7.4%の脂肪含有量、14.6%の繊維含有量、1.8%の灰分を見出した。また、熱量計算では、100gのスマック果実が147.8kcalを含むことが示された。
【0140】
他の活性成分又はその任意の組み合わせとしては、没食子酸メチル(methyla gallate)、ガシスフラボン(gathisflavone)、スマフラボン、ヒンフィクフラボン、フォトカテキン酸、ペンタ-ガロイルグルコース、ヒノキフラボン、β-カリオフィレン、デルフィジン-3-グルコシド、シアニジン3-(2”-ガロイル)ガラクトシド、シアニジン-3-グルコシド、7-メチル-シアニジン-3-(2”ガロイル)ガラクトシド、7-メチル-シアニジン-3-ガラクトシド、ケルセチン-3-グルコシド、カンフェロール、ミリセチン、ブテイン、D-リモニンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0141】
特定の実施形態によれば、活性成分又はその組み合わせは、揮発性化合物、例えば、テルペン炭化水素、モノテルペン及びセスキテルペン炭化水素、具体的には、β-カリオフィレン及びα-ピネン、コリリアナフチルエーテル、コリアル酸(Coriarioic acid)及びコリアリアクトラセニルエステル(Coriariacthracenyl ester)を含む。
【0142】
特定の実施形態によれば、活性成分又はその組み合わせは、脂肪酸、例えば、オレイン酸、リノール酸、パルミチン酸、β-カリオフィレン、セムブレンステアリン酸、ミリスチン酸、α-リノレン酸を含む。
【0143】
特定の実施形態によれば、活性成分又はその組み合わせは、鉱物、例えば、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、アルミニウム、鉄、ナトリウム、ホウ素、亜鉛、カドミウム、セレンを含む。
【0144】
特定の実施形態によれば、活性成分又はその組み合わせは、ビタミン、例えば、チアミンB、リボフラビンB、ピリドキシンB、シアノコバラミンB12、ニコチンアミド、ビオチン及びアスコルビン酸を含む。
【0145】
特定の実施形態によれば、メタノール又はエタノール抽出が行われ、例えば、エタノール濃度は80%であり、抽出時間は1時間であり、抽出温度は40℃であり、粒径は1.0mmであり、溶媒対スマック比は、15:1ml/gである。他の抽出手順としては、Heliyon.2020 Jan;6(1):e03207(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているものが挙げられるが、これに限定されない。
【0146】
別の実施形態によれば、植物部分は、葉である。
【0147】
本明細書では、ヌルデ属(Rhus)の植物も企図される。
【0148】
例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:
アジア及び南ヨーロッパ
ルス・キネンシス(Rhus chinensis)Mill.- 中国スマック
ルス・コリアリア(Rhus coriaria) - タナーズ(Tanner’s)
ルス・デラバイ(Rhus delavayi)Franchet
オーストラリア、太平洋
ルス・タイテンシス(Rhus taitensis)Guill.(北西オーストラリア、マレーシア、ミクロネシア、フランス領ポリネシア)
ルス・サンドウィセンシス(Rhus sandwicensis)A.Gray - ネネロー(ハワイ)
北アメリカ
ルス・アロマチカ(Rhus aromatica) - 芳香スマック
ルス・コパリヌム(Rhus copallinum) - 翼のある又は輝くスマック
ルス・グラブラ(Rhus glabra) - 滑らかなスマック
ルス・インテグリフォリア(Rhus integrifolia) - レモネードスマック
ルス・ケアルネイ(Rhus kearneyi) - Kearneyスマック
ルス・ランセオラタ(Rhus lanceolata) - プレイリースマック
†ルス・マロリイ・ウォルフェ&ウェア(Rhus malloryiWolfe & Wehr) - ヤプレシアン、ワシントン
ルス・ミカウキシ(Rhus michauxii) - Michauxのスマック
ルス・ミクロフィラ(Rhus microphylla) - 砂漠スマック、小葉スマック
ルス・オバタ(Rhus ovata) - 糖スマック
†ルス・レプブリセンシス(Rhus republicensis)Flynn,DeVore,& Pigg) - ヤプレシアン、ワシントン
†ルス・ルーセアエ(Rhus rooseae)Manchester - 始新世中期、オレゴン
ルス・トリロバタ(Rhus trilobata)Nutt.- スカンクブッシュスマック
ルス・チフィナ(Rhus typhina) - スタグホーンスマック
ルス・ビレンス(Rhus virens)Lindh.exA.Gray - エバグリーンスマック
【0149】
オタネニンジン(Panax ginseng)(人参(Ginseng))の化学組成
多様な方法を用いた人参の化学化合物の特徴付け及び同定は、オタネニンジン(Panax ginseng)において非常に様々な化合物を同定し、一般的に以下のように分類された:
・ サポニングリコシド(例えば、ギンセノシド)
・ フィトステロール(例えば、スチグマステロール、ベータ-ステロール)
・ セスキテルペン(例えば、ベータ-アラミン及びベータ-セリニン)
・ フラベノイド(例えば、ケンフェロール)
・ ポリアセチレン(例えば、パナキシノール、ギンセノインA)
・ アルカロイド(例えば、フマリン、ギリニムビン)
・ 多糖類
・ フェノール化合物(例えば、エレミシン、ダウリシン、マルトール)。
【0150】
特定の実施形態によれば、人参中のサポニン化合物及び多糖化合物は、その植物化学活性を構成する化合物である。人参根中の最も豊富なサポニン化合物は、ギンセノシドであることが見出された。人参由来の多糖類は、NGP、WGP、1-KGP、4-KGP、WGPE及びEGPとして同定されており、抽出に使用された人参植物材料の種に応じて、WGP及びWGPEが最も豊富である。
【0151】
大部分の人参サポニンは、4トランス環剛性ステロイド骨格を有するステロイドのファミリーに属する。それらはまた、ギンセノシド、トリテルペノイドサポニン又はダンマラン誘導体とも称される。人参植物から200以上のサポニンが単離されている。人参根に加えて、サポニンは、人参の葉及び茎、花芽、果実、液果、及び種子において同定されている。水蒸気又は加熱が人参生成物のサポニンプロファイルを変化させるので、人参サポニンは、加工された根、葉、花芽及び液果においても同定されている。
【0152】
人参サポニンは、いくつかの群に分けられる。2つの主要な群は、C-3及び/又はC-20に結合した糖部分を有するプロトパナキサジオール(PPD)型サポニン、並びにC-6及び/又はC-20に糖部分を有するプロトパナキサトリオール(PPT)群である。他の群としては、C-20に5員エポキシ環を有するオコチロール型、非ステロイド構造を有するオレアナン型、及び修飾C-20側鎖を有するダンマラン型が挙げられる。化学的精製及び構造同定のための技術が開発されるにつれて、新規な人参サポニンが発見され続けている。
【0153】
以下の表は、異なる抽出手順によって調製された人参抽出物から回収されたギンセノシド化合物を示す:
【0154】
【表7】
【0155】
以下の表は、パナックス(Panax)植物の様々な部分から単離された123個のダンマラン型サポニンの化学式を示す。これらは、構造体型の順序で配置されている。
【0156】
【表8】
【0157】
人参根(日本人参)の分析から、(100g根当たり)0.17g(0.17%)の総脂肪、50mgのナトリウム、2.3gの食物繊維と3.85gの糖と0.71g(0.71%)のタンパク質含有量を含む8.82g(8.82%)の総炭水化物が示された。熱量計算により、100gの人参根は37kcalを含むことが示された。
【0158】
特定の実施形態によれば、活性成分又はその組み合わせは、ギンセノシド、例えば、C-3及び/又はC-20に結合した糖部分を有するロトパナキサジオール(PPD)型サポニン、C-6及び/又はC-20に糖部分を有するプロトパナキサトリオール(PPT)サポニン、C-20に5員エポキシ環を有するオコチロール型サポニン、非ステロイド構造を有するオレアナン型サポニン、並びにダンマラン型サポニンを含む。いくつかの特定のギンセノシドとしては、ノトギンセノシド、イエサンキノシド、パナキソジオン、フロラルギンセノシド及びギンセノシドRg1、Rd、Re、Rb1、R1、Rg3、Rk1、Rf、Rg5、F4、Roが挙げられるが、これらに限定されない。
【0159】
特定の実施形態によれば、活性成分又はその組み合わせは、揮発性化合物、例えば、テルペン炭化水素、モノテルペン及びセスキテルペン炭化水素、具体的には、β-アラメン(alamene)及びβ-セレニンを含む。
【0160】
特定の実施形態によれば、活性成分又はその組み合わせは、フィトステロール、例えば、スチグマステロール、ベータ-ステロールを含む。
【0161】
特定の実施形態によれば、活性成分又はその組み合わせは、ポリアセチレン、例えば、パナキシノール、ギンセノインAを含む。
【0162】
特定の実施形態によれば、活性成分又はその組み合わせは、フラベノイド、例えば、ケンフェロールを含む。
【0163】
特定の実施形態によれば、活性成分又はその組み合わせは、アルカロイド、例えば、フマリン、ギリニムビンを含む。
【0164】
特定の実施形態によれば、活性成分又はその組み合わせは、多糖類、例えば、WGP、KGP-1、KGP-4、WGPE、NGP、EGPを含む。
【0165】
特定の実施形態によれば、活性成分又はその組み合わせは、フェノール化合物、例えば、エレミシン、ダウリシン、マルトールを含む。
【0166】
特定の実施形態によれば、活性成分又はその組み合わせは、鉱物、例えば、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、アルミニウム、鉄、ナトリウム、ホウ素、亜鉛、カドミウム、セレンを含む。
【0167】
特定の実施形態によれば、活性成分又はその組み合わせは、ビタミン、例えば、ビタミンD、ビタミンA及びビタミンCを含む。
【0168】
特定の実施形態によれば、メタノール又はエタノール抽出が行われ、例えば、エタノール濃度は80%であり;抽出時間は24時間であり;抽出温度は80~90℃であり;粒径は1.0mmであり;溶媒対人参比は20:1ml/gである。他の抽出手順としては、Dong et al.2017 Phytother Res Aug;19(8):684-688(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているものが挙げられるが、これに限定されない。
【0169】
別の実施形態によれば、植物部分は、葉である。
【0170】
また、本明細書において、パナックス(Panax)属の植物も企図される。
【0171】
例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない。
【0172】
【表9】
【0173】
本発明での使用に適した朝鮮人参栽培品種としては、Chunpoong、Yunpoong、Gopoong、Sunpoong、Gumpoong、Cheongsun、Sunhyang、Sunun、Sunone、K-1、G-1及びKowonが挙げられるが、これらに限定されない。本発明での使用に適した中国人参栽培品種としては、Jilin Huangguo Reshen、Jishen 01、Fuxing 01、Fuxing 02、Kangmei 01、Xinkaihe 01、Xinkaihe 02、Zhongnong Huangfengshen及びZhongda Linxiashenが挙げられるが、これらに限定されない。
【0174】
ボスウェリア(Boswellia)種(フランキンセンス(Frankincense)、オリバヌム(Olibanum))の化学組成
フランキンセンスとしても知られるオリバヌム(Olibanum)は、ボスウェリア(Boswellia)の樹皮のタッピングから滲出する天然オレオガム樹脂である。ボスウェリア(Boswellia)属には約23種の樹木があり、これらは主にアラビア、アフリカ東海岸、及びインドに生育している。多様な方法を用いたオリバヌム(Olibanum)の化合物の特徴付け及び同定により、ボスウェリア(Boswellia)樹木種のガム樹脂中の非常に様々な化合物が同定され、それらは一般的に以下のように分類された:
・ アルコール可溶性樹脂(例えば、ジテルペン、トリテルペン)
・ 高芳香性精油(例えば、モノ-及びセスキテルペン)
・ 水溶性ガム
【0175】
特定の実施形態によれば、オリバヌム(Olibanum)は、65~85%のアルコール可溶性樹脂、約5~9%の高芳香性精油、及び残りの水溶性ガムを含む。
【0176】
インドにおいて、ボスウェリア・セラータ(Boswellia serrata)の主な商業的供給源は、Andhra Pradesh、Gujarat、Madhya Pradesh、Jharkhand及びChhattisgarhである。地域的には、これは別の名前でも知られている。ボスウェリア・セラータ(Boswellia serrata)の植物起源及び方言名を以下の表1に示す。オレオガム樹脂であるサライ(Salai)は、ボスウェリア(Boswellia)属(科:ブルセラセアエ(Burseraceae))の植物滲出物である。これは樹木の幹の切り込みからタッピングされ、次いで特製竹籠に収納される。半固体ガム樹脂は、約1ヶ月間、バスケット内に留まることができ、その間、「ras」として地元で知られるその流体内容物が流出し続ける。半固体~固体部分である残渣はガム樹脂であり、これはゆっくり硬化して、芳香性の香りを有する非晶質の涙形の生成物になる。次いで、これは木製のマレット又はチョッパーによって小片に破砕され、このプロセスの間に、樹皮片などを含む全ての不純物が手動で除去される。次いで、ガム樹脂は、その風味、色、形状及びサイズに従って等級分けされる。一般に、4つのグレード、すなわちスーパーファイン、グレードI、グレードII及びグレードIIIが市販されている。樹木から得られた新鮮なガムは、心地よい風味で熱く、味はわずかに苦い。これは、それを貴重な香料、燻蒸剤、及び多目的芳香剤として使用した古代エジプト人、ギリシャ人、ローマ人の「フランキンセンス」であった。これは一般に、香料粉末及びスティックの製造に使用される。
【0177】
【表10】
【0178】
オレオガム樹脂は、30~60%の樹脂、5~10%の精油を含有し、これらは有機溶媒に可溶性であり、残りは水に可溶性である多糖類(約65%のアラビノース、ガラクトース、キシロース)から構成される。樹脂は、精油の存在のために芳香を有し、これは、それらの商業的重要性の要因である。
【0179】
特定の実施形態によれば、テルペン及びセスキテルペンファミリーに属するオリバヌム(Olibanum)の共通成分、又はそれらのテルペノイド誘導体には、オリバヌム(Olibanum)中のα-及びβ-ピネン、α-リモネン、ミルセン、リナロール、α-クベベン、γ-カジネン、β-ブルボネン、及びα-フェランドレン二量体化合物が含まれるがこれらに限定されず、その植物化学活性を構成する化合物である。カルボニル誘導体(例えば、カルボン、フェンコン)並びにアルコール含有テルペン及びセスキテルペン誘導体(例えば、トランスピノカルベオール、シス-ベルベノール及びセンブレノール)、並びにエステル含有化合物(例えば、酢酸α-テルピニル及び酢酸ボルニル)などのいくつかの酸素化イソプレノイド誘導体も同定されている。
【0180】
リモネンはオリバヌム(Olibanum)において最も豊富な揮発性物質であるが、他の研究者は、抽出のために使用されるボスウェリア(Boswellia)植物材料の種に応じて、酢酸オクタノール、α-ピネン及びα-ツジェンを最も豊富なものとして同定した。
【0181】
300を超える精油がボスウェリア亜種(Boswellia ssp)から単離されている。
【0182】
以下の表は、様々なボスウェリア亜種(Boswellia ssp)からの様々な抽出手順によって調製されたオリバヌム(Olibanum)抽出物から回収された精油を示す。
【0183】
【表11】
【0184】
多くのボスウェリア(Boswellia)種はオリバヌム(Olibanum)を産生するが、商業的オリバヌム(Olibanum)の主な供給源は、B.セラータ(B.serrata)(インド)、B.サクラ(B.sacra)(オマーン)及びB.カルテリ(B.carteri)(ソマリア)である。以下の表は、多様なボスウェリア(Boswellia)種に由来するオリバヌム(Olibanum)の主要成分を、それらの割合表示に従って示す:
【0185】
【表12】
【0186】
オリバヌム(Olibanum)の1つの例示的な分析は、以下の成分を示している
・ 酸性樹脂(6%)、アルコールに可溶であり、式C2032を有する
・ ガム(アラビアゴムに類似)30~36%
・ 3-アセチル-ベータ-ボスウェル酸(ボスウェリア・サクラ(Boswellia sacra))
・ アルファ-ボスウェル酸(ボスウェリア・サクラ(Boswellia sacra))
・ 酢酸インセンソール、C2134
・ フェランドレン
【0187】
B.セラータ(B.serrata)樹脂の別の分析は、ボスウェリア・セラータ(Boswellia serrata)の樹脂部分がモノテルペン(α-ツジェン);ジテルペン(大環状ジテルペノイド、例えばインセンソール、インセンソールオキシド、イソ-インセンソールオキシド、ジテルペンアルコール[セラトール]);トリテルペン(例えば、α-及びβ-アミリン);五環トリテルペン酸(ボスウェル酸);四環トリテルペン酸(チルカラ-8,24-ジエン-21-酸)を含むことを明らかにした。4つの五環トリテルペン酸(triterpene acid)(ボスウェル酸)の構造と、また4つの主要な五環トリテルペン酸(triterpenic acid)(ボスウェル酸)の特徴のいくつかを、以下の表に示す:
【0188】
【表13】
【0189】
オリバヌム(Olibanum)ガム成分は、多糖類及びポリマー成分を含有する。オリバヌム(Olibanum)中のプロテオグリカンは、主鎖中にD-ガラクトース単位、及び側鎖中にグルクロン酸、ウロン酸、4-O-メチル-グルクロン酸、及びアラビノースを主に含む。
【0190】
特定の実施形態によれば、活性成分又はその組み合わせは、アルコール可溶性酸樹脂、水溶性ガム、アルファ-ボスウェル酸、酢酸インセンソール及びフェランドレンを含む。
【0191】
特定の実施形態によれば、活性成分又はその組み合わせは、揮発性化合物、例えば、α-ツジェン、ズバ-3,9,13-トリエン-1a-オール-5,8-オキシド-1-アセテート、E-β-オシメン、酢酸オクタノール、酢酸オクチル、リモネン、α-ピネン、オクタノール、トランス-ベルベノール及びテルピネン-4-オールを含む。
【0192】
特定の実施形態によれば、活性成分又はその組み合わせは、鉱物、例えば、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、アルミニウム、鉄、ナトリウム、ホウ素、亜鉛、カドミウム、セレンを含む。
【0193】
特定の実施形態によれば、水又はアルコール抽出が行われる。
【0194】
いくつかの実施形態では、オリバヌム(Olibanum)は、水抽出によって調製される。例示的な水抽出を本明細書に記載する:
【0195】
水によるオリバヌム(olibanum)抽出物の調製。まず、オリバヌム(Olibanum)を注意深く粉末化する。粉末(25g)を200mlの脱イオン水と混合し、800rpmで一晩室温で撹拌する。この混合物を1,500rpmで10分間遠心分離し、上清を回収する。その後、上清を再び2,500rpmで10分間遠心分離し、続いて10,000rpmで20分間遠心分離し、次いで濾過する。濾液を-20℃で保存し、次いで-58℃及び0.5トルで24時間凍結乾燥して、4.02grの水溶性抽出物を得ることができる。次の工程で、得られた粉末を100mlのメタノールに溶解し、室温で12時間撹拌し、次いで沈降させる。沈殿相を収集し、オーブン中で乾燥させる。再び、粉末を脱イオン水に溶解し、遠心分離を繰り返し、再濾過する。濾液を保存し、次いで凍結乾燥することができる。
【0196】
いくつかの実施形態では、オリバヌム(Olibanum)は、アルコール抽出によって調製される。例示的なアルコール抽出を本明細書に記載する:
【0197】
アルコールによるオリバヌム(olibanum)抽出物の調製:この方法では、400mlのメタノールを含む100grのオリバヌム(Olibanum)粉末を混合する。次いで、この混合物を650rpmで24時間撹拌する。得られた混合物は2相から構成され、上相はアルコール性及び黄色であり、アルコールに可溶性である物質を含有する。次いで、材料を50℃のオーブン中で乾燥させる。底相は沈降状態及び白色状態を有し、これは乾燥するまでオーブン内に置かれる。得られた水中の粉末を十分に溶解し、得られた溶液を1,500rpmで10分間遠心分離し、上清を収集する。その後、上清を再び2,500rpmで10分間遠心分離し、続いて10,000rpmで20分間遠心分離し、次いで濾過する。濾液を-20℃で保存し、次いで凍結乾燥することができる。
【0198】
他の抽出手順としては、Mertens et al,et al.2009,Flavor and Fragrance,24:279-300及びHamm et al,Phytochemistry 2005,66:1499-1514(それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0199】
本明細書では、オリバルム(Olibarum)及びボスウェリア(Boswellia)属の樹木由来の他の組成物も企図される。
【0200】
例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない。
【0201】
【表14】
【0202】
アマチャヅル(Gynostemma pentaphyllum)(ジャオグラン(Jiaogulan))の化学組成
アマチャヅル(Gynostemma pentaphyllum)は、中国、台湾、韓国、日本、タイ、ベトナム及びラオスを含む、北東及び東南アジアの多くの地域の山岳斜面上の森林、やぶ又は道端で生育するウリ科(Cucurbitaceae)の多年生草本であり、5葉の葉と、ひょうたん様の食用にならない果実を有する。アマチャヅル(G.pentphyllum)は、バングラデシュ、ブータン、インド、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、ネパール、ニューギニア及びスリランカでも生育している。ジャオグラン(Jiaogulan)は、「長寿植物」として高く評価されている。多様な方法を用いたアマチャヅル(Gynostemma pentaphyllum)の化合物の特徴付け及び同定は、アマチャヅル(Gynostemma pentaphyllum)(Thum.)Makinoにおける非常に様々な化合物を同定し、それらを一般的に以下のように分類する:
・ サポニングリコシド(例えば、ギペノシド)
・ フェノール化合物
・ フラベノイド(例えば、ケンフェロール、ケルセチン、ルチン、オムブイン、イソラムネチン)
・ 多糖類
・ ステロール(例えば、エルゴスタン、コレスタン、スチグマスタン)
・ 微量元素(例えば、Cu、Fe、Zn、Mn、Co、Ni、Se、Mo及びSr)
・ カロテノイド
・ 揮発性物質(例えば、マロン酸、ベンジル-O-ベータ-D-グルコピラノシド、ルテイン、ボミフォリオール、パルミチン酸、リノール酸)
【0203】
特定の実施形態によれば、ジャオグラン(Jiaogulan)中のサポニン化合物及び多糖化合物は、その植物化学活性を構成する化合物である。ジャオグラン(Jiaogulan)中の最も豊富なサポニン化合物は、ギペノシドであることが見出された。
【0204】
ほとんどのジャオグラン(Jiaogulan)サポニンは、トリテルペノイドサポニンのファミリーに属する。それらは、ギペノシド、及びダンマラン誘導体とも称される。150を超えるサポニンがアマチャヅル(G.pentphyllum)植物から単離されている。サポニンは、ジャオグラン(Jiaogulan)の葉及び茎、花芽、果実、液果、及び種子において同定されている。
【0205】
以下の表は、異なる供給源からの5つの異なるアマチャヅル(Gynostemma pentaphyllum)サンプルの植物化学的特性を示す。
【0206】
【表15】
【0207】
ジャオグラン(Jiaogulan)サンプルの含水量は、3.79~7.57g/100gサンプルの範囲であった。食物繊維含有量は、0.6g/g~0.24g/gサンプルの範囲であった。セレン含有量は、1.7mg/kgから0.94mg/kgの範囲であった。
【0208】
特定の実施形態によれば、活性成分又はその組み合わせは、ギペノシドを含む。いくつかの特定のギペノシドとしては、CP-1-6が挙げられるが、これに限定されない。
【0209】
特定の実施形態によれば、活性成分又はその組み合わせは、揮発性化合物、例えば、マロン酸、ベンジル-O-ベータ-D-グルコピラノシド、ルテイン、ボミフォリオール、パルミチン酸、リノール酸を含む。
【0210】
特定の実施形態によれば、活性成分又はその組み合わせは、フィトステロール、例えば、スチグマステロール、エルゴスタンを含む。
【0211】
特定の実施形態によれば、活性成分又はその組み合わせは、フラベノイド、例えば、ケンフェロール、ケルセチン、ルチンを含む。
【0212】
特定の実施形態によれば、活性成分又はその組み合わせは、フェノール化合物を含む。
【0213】
特定の実施形態によれば、活性成分又はその組み合わせは、鉱物、例えば、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、アルミニウム、鉄、ナトリウム、ホウ素、亜鉛、カドミウム、セレンを含む。
【0214】
特定の実施形態によれば、活性成分又はその組み合わせは、ビタミン、例えば、ビタミンD、ビタミンA及びビタミンCを含む。
【0215】
特定の実施形態によれば、メタノール又はエタノール抽出が行われ、例えば、エタノール濃度は100又は75%であり;ソックスレー装置中で5時間、又は50%アセトン抽出及び75%エタノール抽出:20ml溶媒中の2gサンプル、周囲温度で45ミクロンフィルターを通して濾過する。他の抽出手順には、Yantao et al.2016 Chi Med 11:43(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているものが含まれるが、これに限定されない。
【0216】
別の実施形態によれば、植物部分は、葉である。
【0217】
ジノステマ(Gynostemma)属の植物も本明細書において企図される。
【0218】
オリガヌム・シリアクム(Origanum syriacum)
特定の実施形態によれば、この種の植物は、フラボン、モノテルペノイド及びモノテルペンを含む。60を超える異なる化合物が同定されており、主要な化合物は、カルバクロール及びチモールであり、80%を超える範囲であるが、より少量の化合物には、p-シメン、γ-テルピネン、カリオフィレン、スパツレノール、ゲルマクレン-D,β-フェンキルアルコール及びδ-テルピネオールが含まれる。
【0219】
下記の表は、分留によりオリガヌム(Origanum)抽出物において同定された有機化合物のプロファイルを示す:
【0220】
分析した画分中に見出された有機化合物のプロファイル。
【0221】
【表16】
【0222】
オリガヌム(Origanum)抽出物をHPLCで分析したところ、多様なフェノール化合物が同定された:
【0223】
HPLC法により決定したO.ブルガレ亜種ブルガレ(O.vulgare ssp.vulgare)抽出物中のフェノール化合物。
【0224】
【表17】
【0225】
O.ブルガレ亜種ブルガレ(O.vulgare ssp.vulgare)抽出物の全ポリフェノール含有量と抗酸化活性。
【0226】
【表18】
【0227】
本明細書では、オリガヌム(Origanum)属の植物も企図される。
【0228】
オリガヌム(Origanum)は、ヨーロッパ、北アフリカ、及び温帯アジアの大部分原産のシソ科(Lamiaceae)の草本の多年草及び亜低木の属であり、そこでは、それらは、開いた又は山の多い生息地に見られる。また、北アメリカ及び他の地域に散在する場所にも、少数の種が帰化した。
【0229】
この植物は、強い芳香性の葉と、長く持続する着色された苞を有する豊富な管状の花とを有する。この属には、調理用ハーブの重要な群:マジョラム(オリガヌム・マジョラナ(Origanum majorana))及びオレガノ(オリガヌム・ブルガレ(Origanum vulgare))が含まれる。
【0230】
例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:
オリガヌム・アクチデンス(Origanum acutidens)Hand.-Mazz.)Ietsw.- トルコ、イラク
オリガヌム×アデネンセ(Origanum × adanense)Baser & H.Duman - トルコ(O.バルギリ(O.bargyli)×O.ラエビガツム(O.laevigatum))
オリガヌム×アドニジス(Origanum × adonidis)Mouterde- レバノン(O.リバノチクム(O.libanoticum)×O.シリアクム亜種ベバニイ(O.syriacumsubsp.bevanii))
オリガヌム・アクダレンセ(Origanum akhdarense)Ietsw.& Boulos - 東リビアのキレナイカ地域
オリガヌム・アマヌム(Origanum amanum)Post - トルコのハタイ地域
オリガヌム×バルバラエ(Origanum × barbarae)Bornm.- レバノン(O.エーレンベルジイ(O.ehrenbergii)× O.シリアクム亜種ベバニイ(O.syriacumsubsp.bevanii))
オリガヌム・バルギリ(Origanum bargyli)Mouterde - トルコ、シリア
オリガヌム・ビルゲリ(Origanum bilgeri)P.H.Davis - トルコのアンタルヤ地域
オリガヌム・ボイシエリ(Origanum boissieri)Ietsw.- トルコ
オリガヌム・カルカラツム(Origanum calcaratum)Juss.- ギリシャ
オリガヌム・コンパクツム(Origanum compactum)Benth.- スペイン、モロッコ
オリガヌム・コルジフォリウム(Origanum cordifolium)(Montbret & Aucher ex Benth.)Vogel - キプロス
オリガヌム・シレナイクム(Origanum cyrenaicum)Beg.& Vacc.- 東リビアのキレナイカ地域
オリガヌム・ダイイ(Origanum dayi)Post - イスラエル
オリガヌム・ジクタムヌス(Origanum dictamnus)L.- ホップマジョラム(hop marjoram)、クレタ島ディタニー(Cretan dittany)、クレタ島のディタニー(dittany of Crete) - クレタ島固有
オリガヌム・ドリコシフォン(Origanum × dolichosiphon)P.H.Davis - トルコのセイハン地域(O.amanum × O.laevigatum)
オリガヌム・エーレンベルジイ(Origanum ehrenbergii)Boiss.- レバノン
オリガヌム・エロンガツム(Origanum elongatum)(Bonnet) Emb.& Maire - モロッコ
オリガヌム・フロリブンヅム(Origanum floribundum)Munby - アルジェリア
オリガヌム×ハラジャニイ(Origanum × haradjanii)Rech.f - トルコ(O.ラエビガツム(O.laevigatum)×O.シリアクム亜種ベバニイ(O.syriacum subsp.bevanii)
オリガヌム・ハウスクネキチイ(Origanum haussknechtii)Boiss.) - トルコ
オリガヌム・フスヌカン-バセリ(Origanum husnucan-baseri)H.Duman,Aytac & A.Duran) - トルコ
オリガヌム・ヒペリシフォリウム(Origanum hypericifolium)O.Schwarz & P.H.Davis - トルコ
オリガヌム×インテルセデンス(Origanum × intercedens)Rech.f.- ギリシャ、トルコ(O.オニテス(O.onites) × O.ブルガレ亜種ヒルツム(O.vulgare subsp.hirtum))
オリガヌム×インテルメジウム(Origanum × intermedium)P.H.Davis - トルコのデニズリ(O.onites × O.sipyleum)
オリガヌム・イツミクム(Origanum isthmicum)Danin) - シナイ
オリガヌム・ジョルダニクム(Origanum jordanicum)Danin & Kunne - ヨルダン
オリガヌム・ラエビガツム(Origanum laevigatum)Boiss.- トルコ、シリア、キプロス
オリガヌム・レプトクラヅム(Origanum leptocladum)Boiss.- トルコ
オリガヌム・リバノチクム(Origanum libanoticum)Boiss.- レバノン
オリガヌム・マジョラナ(Origanum majorana)L.- (スイート)マジョラム - トルコ、キプロス;ヨーロッパ、北アフリカ、北+南アメリカに散在する場所に帰化
オリガヌム×リリウム(Origanum × lirium)Heldr.ex Halacsy - ギリシャ(O.スカブルム(O.scabrum) × O.ブルガレ亜種ヒルツム(O.vulgare subsp.hirtum))
オリガヌム×マジョリクム(Origanum × majoricum)Cambess.- ハーディースイートマジョラム - バレアレス諸島を含むスペイン(O.マジョラナ(O.majorana)×O.ブルガレ亜種ビレンス(O.vulgare subsp.virens))
オリガヌム・ミクロフィルム(Origanum microphyllum)(Benth.)Vogel - クレタ島
オリガヌム×ミノアヌム(Origanum × minoanum)P.H.Davis -クレタ島(O.ミクロフィルム(O.microphyllum) × O.ブルガレ亜種ヒルツム(O.vulgare subsp.hirtum))
オリガヌム・ミヌチフロルム(Origanum minutiflorum)O.Schwarz & P.H.Davis - トルコ
オリガヌム・ムンズレンセ(Origanum munzurense)Kit Tan & Sorger - トルコ
オリガヌム×ネブロデンセ(Origanum × nebrodense)Tineo ex Lojac - シチリア(O.マジョラナ(O.majorana)× O.ブルガレ亜種ビリヅルム(O.vulgare subsp.viridulum))
オリガヌム・オニテス(Origanum onites)L.- ギリシャ、トルコ、シチリア
オリガヌム×パボチイ(Origanum × pabotii)Mouterde - シリア(O.バルギリ(O.bargyli)× O.シリアクム亜種ベバニイ(O.syriacum subsp.bevanii))
オリガヌム・パムパニニイ(Origanum pampaninii)(Brullo & Furnari)Ietsw - 東リビアのキレナイカ地域
オリガヌム・ペトラエウム(Origanum petraeum)Danin - ヨルダン
オリガヌム・プノネンセ(Origanum punonense)Danin - ヨルダン
オリガヌム・ラモネンセ(Origanum ramonense)Danin - イスラエル
オリガヌム・ロツンジフォリウム(Origanum rotundifolium)Boiss.- トルコ、コーカサス
オリガヌム・サッカツム(Origanum saccatum)P.H.Davis - トルコ
オリガヌム・スカブルム(Origanum scabrum)Boiss.& Heldr.in P.E.Boissier - ギリシャ
オリガヌム・シピレウム(Origanum sipyleum)L.- トルコ、ギリシャの島々
オリガヌム・ソリミクム(Origanum solymicum)P.H.Davis - トルコのアンタルヤ地域
オリガヌム・シメス(Origanum symes)Carlstroem - エーゲ海の島々
オリガヌム・シリアクム(Origanum syriacum)L.- トルコ、キプロス、シリア、レバノン、ヨルダン、パレスチナ、イスラエル、シナイ、サウジアラビア
オリガヌム・ベッテリ(Origanum vetteri)Briq.& Barbey - クレタ島
オリガヌム・ボゲリイ(Origanum vogelii)Greuter & Burdet - トルコ
オリガヌム・ブルガレ(Origanum vulgare)L.- オレガノ- ヨーロッパ、北アフリカ、温帯アジア(イラン、シベリア、中央アジア、中国など);北アメリカ、ニュージーランド、ベネズエラの一部に帰化。
【0231】
特定の実施形態によれば、活性成分又はその組み合わせは、オリガヌム(Origanum)抽出物の有機化合物成分を含む。
【0232】
特定の実施形態によれば、活性成分又はその組み合わせは、α-ツジェンα-ピネン、β-ミルセン、フェランドレン、α-テルピネン、o-シメン、リモネン、1,8-シネオール、γ-テルピネン、チモール、カルバクロール、トランス-カリオフィレン及びα-フムレンからなる群から選択される。
【0233】
特定の実施形態によれば、活性成分又はその組み合わせは、モノテルペン炭化水素、酸素化モノテルペン及びセスキテルペン炭化水素を含む。
【0234】
特定の実施形態によれば、活性成分又はその組み合わせは、フェノール化合物、例えば、ゲンチシン酸、クロロゲン酸、p-クマル酸、ピペロシド、イソクェルシトリン、ルチン、ロスマリン酸、ケルシルチン(quercirtin)、ケルセチン及びルテオリンを含む。
【0235】
特定の実施形態によれば、活性成分又はその組み合わせは、鉱物、例えば、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、アルミニウム、鉄、ナトリウム、ホウ素、亜鉛、カドミウム、セレンを含む。
【0236】
ゴマ
ゴマ種子は、テリグナン、セサモリン、セサミン、ピノレシノール及びラリシレシノールを含有する。不溶性11Sグロブリン及び可溶性2Sアルブミン(従来は、α-グロブリン及びβ-グロブリンと呼ばれていた)は、2つの主要な貯蔵タンパク質であり、ゴマの全種子タンパク質の80~90%を構成する。アミノ酸組成の比較は、それらが既知のオレオシンよりも実質的に疎水性が低く、したがって、オレオシンの凝集多量体であってはならないことを示した。ゴマタンパク質に対する免疫認識の結果は、これらの3つのポリペプチドが成熟種子における小器官の活性集合の間に、オレオシン及びトリアシルグリセロールを付随する油体に集められた独特のタンパク質であることを明らかにする。リン脂質、オレイン酸及びリノール酸、クロロフィル及びセサモリン、セサモール及びγ-トコフェロールが見出されている。10種の化合物[2-フルフリルチオール、2-フェニルエチルチオール、2-メトキシフェノール、4-ヒドロキシ2,5-ジメチル-3[2H]-フラノン、2-ペンチルピリジン、2-エチル-3,5-ジメチルピラジン、アセチルピラジン、[E,E]-2,4-デカジエナール、2-アセチル-1-ピロリン及び4-ビニル-2-メトキシ-フェノール]が定量されている。油中の高いOAV、特に2-アセチル-1-ピロリン[焙煎]に基づいて、2-フルフリルチオール[コーヒー様]、2-フェニルエチルチオール[ゴム状]及び4-ヒドロキシ-2,5-ジメチル3[2H]-フラノン[カラメル様]が、破砕ゴマ材料の焙煎、硫黄臭の全体に対する重要な寄与因子として解明されている。ゴマ種子から単離された新規なセサミノールグルコシドの構造は、セサミノール2’O-β-d-グルコピラノシド、セサミノール2’-O-β-d-グルコピラノシル[1→2]-O-β-dグルコピラノシド及びセサミノール2’-O-β-dグルコピラノシル[1>>2]-O-[β-d-グルコピランシル(glucopyransyl)[1>>6]]-[β-dグルコピラノシド]であると決定された。また、-(7S,8’R,8R)-アクミナトリドピペリトール及びピノレシノールのような微量のゴマリグナン(前述したように)。
【0237】
本明細書では、ゴマ属(Sesamum)の植物も企図される。
【0238】
例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:
セサムン・アブレビツム(Sesamum abbreviatum)Merxm.
セサムン・アラツム(Sesamum alatum)Thonn.
セサムン・アンゴレンセ(Sesamum angolense)Welw.
セサムン・ビアピキュラツム(Sesamum biapiculatum)De Wild.
セサムン・カリシヌム(Sesamum calycinum)Welw.
セサムン・カペンセ(Sesamum capense)Burm.f.
セサムン・ジギタロイデス(Sesamum digitaloides)Welw.ex Schinz
セサムン・グラシレ(Sesamum gracile)Endl.
セサムン・ホプキンシイ(Sesamum hopkinsii)Suess.
セサムン・インジクム(Sesamum indicum)L.
セサムン・ラミイフォリウム(Sesamum lamiifolium)Engl.
セサムン・ラチフォリウム(Sesamum latifolium)J.B.Gillett
セサムン・レピドツム(Sesamum lepidotum)Schinz
セサムン・マクランスム(Sesamum macranthum)Oliv.
セサムン・マルロチイ(Sesamum marlothii)Engl.
セサムン・ボムバゼンセ(Sesamum mombazense)De Wild.& T.Durand
セサムン・パルビフロルム(Sesamum parviflorum)Seidenst.
セサムン・ペダリオイデス(Sesamum pedalioides)Welw.ex Hiern
セサムン・ラジアツム(Sesamum radiatum)Schumach.& Thonn.
セサムン・リジヅム(Sesamum rigidum)Peyr.
セサムン・ロストラツム(Sesamum rostratum)Hochst.
セサムン・サブロスム(Sesamum sabulosum)A.Chev.
セサムン・シンジアヌム(Sesamum schinzianum)Asch.
セサムン・ソマレンス(Sesamum somalense)Chiov.
セサムン・トンネリ(Sesamum thonneri)De Wild.& T.Durand
セサムン・トリフィルム(Sesamum triphyllum)Welw.ex Asch.
【0239】
本発明のいくつかの実施形態によるリグナンを含有する植物には、種子(亜麻、カボチャ、ヒマワリ、ケシ、ゴマ)、全粒穀物(ライ麦、オート麦、大麦)、ふすま(小麦、オート麦、ライ麦)、豆類、果実(特にベリー)、及び野菜(ブロッコリー及びケールキャベツは、リグナンの豊富な供給源である。白キャベツ、赤キャベツ、ブリュッセルスプラウト、カリフラワー、ニンジン、緑及び赤甘トウガラシなどの他の野菜も良好な供給源である)を含む非常に様々な植物食品が含まれる。
【0240】
セサミンを含有するさらなる植物としては、エロイテロコッカス・センチコスス(Eleutherococcus senticosus)が挙げられるが、これに限定されない。
【0241】
したがって、2、3、4、5、6、7個の植物を含む、上記の植物の任意の組み合わせが企図される。別の実施形態によれば、2、3、4、5、6、7個の異なる植物を含む抽出物又は画分の組み合わせ。
【0242】
例としては、ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)、チムス・ブルガリス(Thymus vulgaris)、オリガヌム・シリアクム(Origanum syriacum)、シンブラ・スピカタ(Thymbra spicata)、サツレジャ・シンブラ(Satujera thymbra)、セサムン・インジクム(Sesamum indicum)及びルス・コリアリア(Rhus coriaria)。
ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)、チムス・カピタツス(Thymus capitatus)、オリガヌム・シリアクム(Origanum syriacum)、シンブラ・スピカタ(Thymbra spicata)、サツレジャ・シンブラ(Satujera thymbra)、セサムン・インジクム(Sesamum indicum)及びルス・コリアリア(Rhus coriaria)。
ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)、チムス・カピタツス(Thymus capitatus)、チムス・ブルガリス(Thymus vulgaris)、シンブラ・スピカタ(Thymbra spicata)、サツレジャ・シンブラ(Satujera thymbra)、セサムン・インジクム(Sesamum indicum)及びルス・コリアリア(Rhus coriaria)。
ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)、チムス・カピタツス(Thymus capitatus)、チムス・ブルガリス(Thymus vulgaris)、オリガヌム・シリアクム(Origanum syriacum)、サツレジャ・シンブラ(Satujera thymbra)、セサムン・インジクム(Sesamum indicum)及びルス・コリアリア(Rhus coriaria)。
ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)、チムス・カピタツス(Thymus capitatus)、チムス・ブルガリス(Thymus vulgaris)、オリガヌム・シリアクム(Origanum syriacum)、シンブラ・スピカタ(Thymbra spicata)、セサムン・インジクム(Sesamum indicum)及びルス・コリアリア(Rhus coriaria)。
ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)、チムス・カピタツス(Thymus capitatus)、チムス・ブルガリス(Thymus vulgaris)、オリガヌム・シリアクム(Origanum syriacum)、シンブラ・スピカタ(Thymbra spicata)、サツレジャ・シンブラ(Satujera thymbra)、及びルス・コリアリア(Rhus coriaria)。
ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)、チムス・カピタツス(Thymus capitatus)、チムス・ブルガリス(Thymus vulgaris)、オリガヌム・シリアクム(Origanum syriacum)、シンブラ・スピカタ(Thymbra spicata)、サツレジャ・シンブラ(Satujera thymbra)、セサムン・インジクム(Sesamum indicum)。
ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)、オリガヌム・シリアクム(Origanum syriacum)、シンブラ・スピカタ(Thymbra spicata)、サツレジャ・シンブラ(Satujera thymbra)、セサムン・インジクム(Sesamum indicum)及びルス・コリアリア(Rhus coriaria)。
ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)、チムス・カピタツス(Thymus capitatus)、チムス・ブルガリス(Thymus vulgaris)、サツレジャ・シンブラ(Satujera thymbra)、セサムン・インジクム(Sesamum indicum)及びルス・コリアリア(Rhus coriaria)。
ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)、チムス・カピタツス(Thymus capitatus)、チムス・ブルガリス(Thymus vulgaris)、オリガヌム・シリアクム(Origanum syriacum)、セサムン・インジクム(Sesamum indicum)及びルス・コリアリア(Rhus coriaria)。
ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)、チムス・カピタツス(Thymus capitatus)、チムス・ブルガリス(Thymus vulgaris)、オリガヌム・シリアクム(Origanum syriacum)、シンブラ・スピカタ(Thymbra spicata)、及びルス・コリアリア(Rhus coriaria)。
ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)、チムス・カピタツス(Thymus capitatus)、チムス・ブルガリス(Thymus vulgaris)、オリガヌム・シリアクム(Origanum syriacum)、シンブラ・スピカタ(Thymbra spicata)、サツレジャ・シンブラ(Satujera thymbra)。
ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)、チムス・カピタツス(Thymus capitatus)。
ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)、チムス・ブルガリス(Thymus vulgaris)。
ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)、オリガヌム・シリアクム(Origanum syriacum)。
ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)、シンブラ・スピカタ(Thymbra spicata)。
ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)、サツレジャ・シンブラ(Satujera thymbra)。
ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)、セサムン・インジクム(Sesamum indicum)。
ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)、ルス・コリアリア(Rhus coriaria)
が含まれるが、これらに限定されない。
【0243】
また、ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)を含まない様々な組み合わせも企図される。
【0244】
別の実施形態によれば、活性成分の組み合わせ、例えば、チモキノン、カルバクロール、チモール;チモキノン、カルバクロール;チモキノン、チモール;カルバクロール、チモール。
ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)、チムス・カピタツス(Thymus capitatus)、チムス・ブルガリス(Thymus vulgaris)。
ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)、チムス・ブルガリス(Thymus vulgaris)、オリガヌム・シリアクム(Origanum syriacum)。
ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)、オリガヌム・シリアクム(Origanum syriacum)、シンブラ・スピカタ(Thymbra spicata)。
ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)、シンブラ・スピカタ(Thymbra spicata)、サツジェラ・シンブラ(Satujera thymbra)。
ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)、サツジェラ・シンブラ(Satujera thymbra)、セサムン・インジクム(Sesamum indicum)、ルス・コリアリア(Rhus coriaria)。
【0245】
いくつかの実施形態によれば、植物及びその活性成分は、以下の表に列挙される。
【0246】
【表19】
【0247】
ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)、チムス・カピタツス(Thymus capitatus)、チムス・ブルガリス(Thymus vulgaris)、オリガヌム・シリアクム(Origanum syriacum)、シンブラ・スピカタ(Thymbra spicata)、サツジェラ・シンブラ(Satujera thymbra)、セサムン・インジクム(Sesamum indicum)、ルス・コリアリア(Rhus coriaria)、オタネニンジン(Panax ginseng)及びアマチャヅル(Gynostemme pentaphyllum)植物のいずれか又はその属を2、3、4、5、6、7及び8種の植物の組み合わせで含む他の実施形態も本明細書で企図される。
【0248】
本発明の方法、ワクチン、医薬組成物、組成物又は食品サプリメントの他の実施形態は、カンナビス又はカンナビノイドをさらに含む。
【0249】
本発明の態様によれば、さらに、ローズ・リーブス・ミクロメリア・フルティコーサ(Rose Leaves Micromeria fruticose)、サルビア(Salvia)、シンボポゴン(cymbopgon)(シトラール(Citral),)アロイシア(Aloysia)、クマツヅラ(verbena officinalis)、マジョラム(origanum majorana)、ハッカ(menthe)を含む「ベデュイン(Beduin)茶」を含む食品サプリメント、組成物又は抽出物が提供される。
【0250】
本発明の態様によれば、タイム、セージ、カルダモン、シナモン、紅茶、ハブク(habuk)、マルマヤ(Marmaya)を含む「ベデュイン茶」をさらに含む食品サプリメント、組成物又は抽出物が提供される。
【0251】
植物部分、その抽出物、その画分、その活性成分、その合成類似体、その模倣物、又はそれらの組み合わせを、固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患の処置において使用することができる。
【0252】
本明細書で使用される場合、用語「固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患」は、嚢胞又は液体を含む細胞/組織の異常な増殖を指す。固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患は、良性(癌性ではない)、又は悪性(癌性)であり得る。異なるタイプの固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患が、それらを形成する細胞型に対して命名されている。固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患の例は、肉腫、癌種及びリンパ腫である。「肉腫」は、骨又は筋肉などの結合又は支持組織から生じる癌である。「癌種」は、体組織を裏打ちする腺細胞及び上皮細胞から生じる癌である。「リンパ腫」は、リンパ節、脾臓、胸腺などのリンパ器官の癌である。これらの細胞は身体のほとんどの組織に存在するため、リンパ腫は、非常に様々な器官に発生し得る。本明細書で企図される例示的な固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患は、肉腫及び癌種、例えば線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、大腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭癌、乳頭状腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌、肝細胞癌、胆管癌、絨毛癌、セミノーマ、胚性癌、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、精巣腫瘍、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、多形性膠芽腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫、乏突起膠腫、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、黒色腫、神経芽腫、及び網膜芽腫を含むが、これらに限定されない。
【0253】
固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患は、身体の筋肉、骨、リンパ系、骨髄及び器官に発症し得る。その例としては、中皮腫、肉腫、リンパ腫、肉腫、並びに乳房、前立腺、腎臓、卵巣、膵臓、甲状腺、及び結腸の癌が挙げられる。
【0254】
さらに、放射線又は化学療法による血液癌の処置の結果として、二次的な固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患が発生する可能性がある。実際、固形腫瘍は、癌生存者の処置後、2番目に多いタイプの腫瘍である。
【0255】
固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患を分類する方法は、癌の病理を理解し、処置の最も重要な過程を決定し、患者の予後を評価する上で重要な役割を果たす。
【0256】
固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患は、病理学者が腫瘍細胞において同定する異常、及び腫瘍がどのように広がる可能性があるかに基づいて、グレードを用いて分類される。正常で健康な細胞及び組織の組織に類似しているように見え、比較的ゆっくり増殖する傾向がある腫瘍組織は、「高分化型」と呼ばれる。異常に見え、正常な組織構造を欠く急速増殖性腫瘍細胞は、「未分化」又は「低分化」として知られている。4つの一般的な腫瘍グレードがある:
・ 病理学者は、典型的には、正常細胞に密接に類似した細胞を有し、ゆっくり増殖する腫瘍をグレード1の腫瘍として分類する。
・ グレード2の腫瘍細胞は、それらの構造においてより多くの異常を有し、中程度の細胞分化を有し、グレード1の腫瘍よりも速く複製する。
・ グレード3又は「高グレード」のいずれかに分類される腫瘍は、乏しい細胞組織分化を有し、グレード1及び2の腫瘍よりも迅速に広がる。
・ グレード4の腫瘍は、細胞分化を完全に欠き、健康な細胞及びより低グレードの腫瘍とは全く異なるように見える。
【0257】
多くの癌はこのシステムを用いて分類されるが、いくつかの固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患タイプは、他の等級分けシステムを用いて定義されることに留意することが重要である。
【0258】
例えば、医師は、乳癌を、有糸分裂速度、乳管における腫瘍活性の程度(細管形成)、並びに腫瘍細胞に見られる核のサイズ及び形状(核グレードとして知られる)について分類することができる。これらの3つのカテゴリーのそれぞれは、1~3の範囲のスコアを受ける。1のスコアは、腫瘍組織が健康な細胞及び組織により密接に類似していることを示す。「3」のスコアは、最も異常な外観を有する細胞及び組織に関連することを示す。3つのカテゴリーのそれぞれにスコアを割り当てた後、3~9の範囲の複合スコアのために値が加算される。値は、3つの異なる腫瘍分類に分けられる:
・ 低グレード又は高分化腫瘍は、3~5の複合スコアを受ける。
・ 中間グレード又は中程度に分化していると同定された腫瘍は、スコアが6~7の範囲である。
・ また、8又は9のスコアを受ける腫瘍は、低分化として同定される。
【0259】
腫瘍学界は、グリーソンスコアリングシステムを使用して、前立腺癌を前立腺生検サンプルの病理学的結果に等級分けする。病理学者は、病変組織の外観を健康な組織と比較し、その組織について1~5のスコアを割り当てる。腫瘍に最も一般的に現れる異常組織は一次パターンと呼ばれる一方、二次パターンは次に最も頻繁に現れる組織パターンである。
【0260】
一次パターン及び二次パターンのスコアは、グリーソンスコアのために加算される-その結果は、4つのカテゴリーに分けられる:
・ グリーソンXは、病理学者がグリーソンスコアを決定できなかったことを意味する。
・ グリーソン2~6は、高分化腫瘍組織と関連する。
・ グリーソン7スコアは、中等度の分化腫瘍組織を定義するために使用される。
・グリーソン8~10スコアは、腫瘍組織が乏しい分化を有するか、又は完全に未分化であることを意味する。
【0261】
いくつかの実施形態では、固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患は、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、大腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭癌、乳頭状腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌、肝細胞癌、胆管癌、絨毛癌、セミノーマ、胚性癌、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、精巣腫瘍、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、多形性膠芽腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫、乏突起膠腫、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、黒色腫、神経芽腫、及び網膜芽腫である。
【0262】
別の実施形態では、固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患は、脳癌、乳癌、三種陰性乳癌、膀胱癌、骨癌、結腸直腸癌、肺癌、腎臓癌、肝臓癌、胃癌、前立腺癌、肉腫、黒色腫、癌腫、又はリンパ腫である。
【0263】
いくつかの実施形態によれば、固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患は、前立腺癌、乳癌、結腸直腸癌、膵臓癌、又はリンパ腫である。
【0264】
いくつかの実施形態では、固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患は、リンパ腫である。
【0265】
本発明のいくつかの実施形態によれば、増殖性疾患は、子宮筋腫である。
【0266】
本発明のいくつかの実施形態によれば、増殖性疾患は、子宮内膜症である。
【0267】
本発明の植物由来成分は、治療的バイオアベイラビリティを増加させ、治療有効性を高め、副作用を最小限に抑えるために、他の薬剤と共に同時投与することができる。本発明の1つ又は複数の植物由来成分は、線形若しくは周期的形態で、又は処置を伝達する手段として生理学的に適切であるとみなされる任意の構造で投与され得る。
【0268】
併用療法
固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患の増殖及び転移の処置、予防、改善、制御又は低減において、本発明の化合物又は成分は、以下と併せて使用することができる:(1)癌ワクチン接種戦略、(2)免疫チェックポイントモジュレーター、例えば免疫チェックポイント阻害剤に対する拮抗抗体(抗PD1、抗PD-L1、抗CTLA4、抗Tim3、抗VISTA、抗KIR)、又は免疫促進剤に対する作動抗体(抗Lag3、抗OX40、抗ICOS、抗4-1BB、(3)癌化細胞において通常アップレギュレートされている細胞表面タンパク質に対する遮断又は枯渇抗体(CEACAM1、シンデカン-2、GRP78)、(4)抗血管新生療法(抗VEGF、抗VEGFR、VEGFR小分子阻害剤)、(5)抗リンパ脈管新生(VEGF、FDF2、PDGF及びそのそれぞれの受容体に対する遮断抗体又は阻害剤)、(6)標準的な化学療法(ゲムシタビン、パクリタキセル、FOLFORINOXなど)、(7)照射療法、(8)ケモカインアンタゴニスト(CCR1、CCR4、CCR6、CXCR4、CXCR2、CXCR7小分子阻害剤、遮断抗体、又は枯渇抗体)、(9)以下の遺伝子を特異的に標的とするものなどの、癌における一般的な体細胞突然変異を標的とする阻害剤(BRAF、KRAS、NRAS、EGFR、CTNNB1、NOTCH1、PIK3CA、PTEN、APC、FLT3、IDH1、IDH2、KIT、TP53、JAK2)。
【0269】
いくつかの実施形態によれば、化学療法剤は、酢酸アビラテロン、アファチニブ、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アリトレチノイン、アルトレタミン、アミホスチン、アミノグルテチミドアナグレリド、アナストロゾール、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、アザシチジン、アザチオプリン、ベンダムスチン、ベバシズマブ、ベキサロチン、ビカルタミド、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブスルファン、カペシタビン、カルボプラチン、カルムスチン、セツキシマブ、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、クリゾチニブ、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダサチニブ、ダウノルビシン、デニロイキンジフチトクス、デシタビン、ドセタキセル、デキサメタゾン、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、エピルビシン、エポエチンアルファ、エポチロン、エルロチニブ、エストラムスチン、エチノスタット、エトポシド、エベロリムス、エキセメスタン、フィルグラスチム、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル、フルオキシメステロン、フルタミド、葉酸結合アルカロイド、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゲムツズマブオゾガマイシン、GM-CT-01、ゴセレリン、ヘキサメチルメラミン、ヒドロキシ尿素、イブリツモマブ、イダルビシン、イホスファミド、イマチニブ、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、イリノテカン、イクサベピロン、ラパチニブ、ロイコボリン、ロイプロリド、レナリドミド、レトロゾール、ロムスチン、メクロレタミン、メゲストロール、メルファラン、メルカプトプリン、メトトレキサート、マイトマイシン、ミトキサントロン、ネララビン、ニロチニブ、ニルタミド、オクトレオチド、オファツムマブ、オプレルベキン、オキサリプラチン、パクリタキセル、パニツムマブ、ペメトレキセド、ペントスタチン、多糖類ガレクチン阻害剤、プロカルバジン、ラロキシフェン、レチノイン酸、リツキシマブ、ロミプロスチム、サルグラモスチム、ソラフェニブ、ストレプトゾシン、スニチニブ、タモキシフェン、テムシロリムス、テモゾラミド、テニポシド、サリドマイド、チオグアニン(Thioguanine)、チオテパ、チオグアニン(Tioguanine)、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ、トラメチニブ、トラスツズマブ、トレチノイン、バルルビシン、VEGF阻害剤及びトラップ、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、ビンタフォリド(EC145)、ボリノスタット、その塩、並びにそれらの任意の組み合わせから選択される。
【0270】
他の実施形態では、治療抗体は、アバゴボマブ、アラシズマブペゴール、アレムツズマブ、アルツモマブペンテテート(ハイブリシーカー(Hybri-ceaker))、アマツキシマブ、アナツモマブマフェナトクス、抗PD-1抗体、アポリズマブ、アルシツモマブ(CEA-Scan)、ベリムマブ、ベバシズマブ、ビバツムマブメルタシン、ブリナツモマブ、ブレンツキシマブベドチン、カンツズマブメルタンシン、カンツズマブラブタンシン、カプロマブペンデチド(Prostascint)、カツマキソマブ(Removab)、セツキシマブ(Erbitux)、シタツズマブボガトクス、シズツムマブ、クリバツズマブテトラキセタン(hPAM4-Cide)、コナツムマブ、ダロツズマブ、デノスマブ、ドロジツマブ、エドレコロマブ(Panorex)、エナバツズマブ、ゲムツズマブ、イブリツモマブチウキセタン、イピリムマブ(MDX-101)、オファツムマブ、パニツムマブ、リツキシマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、及びそれらの任意の組み合わせから選択される。
【0271】
さらなる実施形態では、化学療法剤は、放射線同位体、チミジル酸合成酵素阻害剤、白金化合物、ビンカアルカロイド剤、又はそれらの任意の組み合わせである。
【0272】
いくつかの実施形態によれば、本発明の化合物又は成分は、抗炎症剤又は鎮痛剤、例えばオピエートアゴニスト、5-リポキシゲナーゼの阻害剤などのリポキシゲナーゼ阻害剤、シクロオキシゲナーゼ-2阻害剤などのシクロオキシゲナーゼ阻害剤、インターロイキン-1阻害剤などのインターロイキン阻害剤、NMDAアンタゴニスト、一酸化窒素の阻害剤、又は一酸化窒素の合成の阻害剤、非ステロイド性抗炎症剤、又はサイトカイン抑制抗炎症剤と併せて、例えばアセトアミノフェン、アスピリン、コデイン、生物学的TNF 捕捉剤、フェンタニル、イブプロフェン、インドメタシン、ケトロラク、モルフィン、ナプロキセン、フェナセチン、ピロキシカム、ステロイド系鎮痛剤、スフェンタニル、スンリンダク(sunlindac)、テニダップなどの化合物と併せて使用することができる。
【0273】
いくつかの実施形態によれば、PD-1及び/又はPD-L1阻害剤は、デュルバルマブ、アテゾリズマブ、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、AP-106、AP-105、MSB-2311、CBT-501、アベルマブ、AK-105、IO-102、IO-103、PDR-001、CX-072、SHR-1316、JTX-4014、GNS-1480、組換えヒト化抗PD1 mAb(Shanghai Junshi Biosciences)、REGN-2810、ペラレオレプ、SHR-1210、PD1/PDL1阻害剤ワクチン(THERAVECTYS)、BGB-A317、組換えヒト化抗PD-1 mAb(Bio-Thera Solutions)、PD-1標的プロボディ(CytomX)、XmAb-20717、FS-118、PSI-001、SN-PDL01、SN-PD07、PD-1修飾TIL(Sangamo Therapeutics)、PRS-332、FPT-155、ジエヌオ(jienuo)mAb(Genor Biopharma)、TSR-042、REGN-1979、REGN-2810、レスミノスタット、FAZ-053、PD-1/CTLA-4二重特異性抗体(MacroGenics)、MGA-012、MGD-013、M-7824、PD-1ベースの二重特異性抗体(Beijing Hanmi Pharmaceutical)、AK-112、AK-106、AK-104、AK-103、BI-754091、ENUM-244C8、MCLA-145、MCLA-134、抗PD1腫瘍溶解性モノクローナル抗体(Transgene SA)、AGEN-2034、IBI-308、WBP-3155、JNJ-63723283、MEDI-0680、SSI-361、CBT-502、抗PD-1二重特異性抗体、二重標的抗PD-1/LAG-3 mAbs(TESARO)、二重標的抗PD-1/TIM-3 mAbs(TESARO)、PF-06801591、LY-3300054、BCD-100、STI-1110、ペムブロリズマブバイオシミラー、ニボルマブバイオシミラー、PD-L1-TGF-ベータ療法、KY-1003、STI-1014、GLS-010、AM-0001、GX-P2、KD-033、PD-L1/BCMA二重特異性抗体(Immune Pharmaceuticals)、PD-1/Ox40標的二重特異性抗体(Immune Pharmaceuticals)、BMS-936559、抗PD-1/VEGF-A DARPins(Molecular Partners)、mDX-400、ALN-PDL、PD-1阻害剤ペプチド(Aurigene)、siRNA負荷樹状細胞ワクチン(Alnylam Pharmaceuticals)、GB-226、PD-L1標的CAR-TNKベースの免疫療法(TNK Therapeutics/NantKwest)、INSIX RA、INDUS-903、AMP-224、抗CTLA-4/抗PD-1二重特異性ヒト化抗体(Akeso Biopharma)、B7-H1ワクチン(State Key Laboratory of Cancer Biology/Fourth Military Medical University)、及びGX-Dlからなる群から選択される。
【0274】
いくつかの実施形態によれば、PD-1阻害剤は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、及びピジリズマブから選択される抗体である。
【0275】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、CTLA-4阻害剤である。多数のCTLA-4阻害剤が当技術分野で知られている。いくつかの実施形態によれば、CTLA-4阻害剤は、抗体である。いくつかの実施形態では、CTLA-4阻害剤抗体は、イピリムマブ、トレメリムマブ、AGEN1884、及びAGEN2041から選択される。いくつかの実施形態によれば、CTLA-4阻害剤抗体は、イピリムマブである。いくつかの実施形態によれば、CTLA-4阻害剤抗体は、トレメリムマブである。いくつかの実施形態によれば、CTLA-4阻害剤抗体は、AGEN1884である。いくつかの実施形態によれば、CTLA-4阻害剤抗体は、AGEN2041である。
【0276】
用語「処置すること」は、病態(疾患、障害又は状態)の発症を阻害、予防若しくは停止すること、及び/又は病態の軽減、寛解若しくは退縮を引き起こすことを指す。当業者は、様々な方法論及びアッセイを用いて病状の発生を評価することができ、同様に、様々な方法論及びアッセイを用いて病状の軽減、寛解又は退縮を評価することができることを理解するであろう。
【0277】
本明細書で使用される場合、用語「予防すること」は、疾患のリスクがあり得るが、疾患を有するとまだ診断されていない対象において、疾患、障害又は状態が生じないようにすることを指す。
【0278】
本明細書で使用される場合、用語「対象」は、哺乳動物、好ましくは、病態に罹患している任意の年齢又は性別のヒト、男性又は女性を含む。好ましくは、この用語は、病態を発生するリスクがある個体(例えば、65歳を超える年齢、煙草の煙、発癌物質への暴露、固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患に対する家族性感受性)を包含する。
【0279】
本発明の成分(植物部分、その抽出物、その画分、その活性成分、その合成類似体、その模倣物又はそれらの組み合わせからなる群から選択される植物種又はその属由来成分、前記成分は、固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患を処置することが可能である)を含む組成物は、それ自体で、又はそれが適切な担体若しくは賦形剤と混合される医薬組成物中で、対象に投与することができる。
【0280】
本明細書で使用される場合、「医薬組成物」は、生理学的に適切な担体及び賦形剤などの他の化学成分を有する、本明細書に記載の1つ以上の活性成分の調製物を指す。医薬組成物の目的は、生物への化合物の投与を容易にすることである。
【0281】
本明細書において、用語「活性成分」は、生物学的効果を担う成分を含む組成物を指す。
【0282】
以下、互換的に使用され得る「生理学的に許容される担体」及び「薬学的に許容される担体」という語句は、生物に対して有意な刺激を引き起こさず、投与される化合物の生物学的活性及び特性を無効にしない担体又は希釈剤を指す。アジュバントは、これらの語句の下に含まれる。
【0283】
本明細書において、用語「賦形剤」は、活性成分の投与をさらに容易にするために医薬組成物に添加される不活性物質を指す。賦形剤の例としては、限定するものではないが、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖及びデンプンの型、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油並びにポリエチレングリコールが挙げられる。
【0284】
薬物の製剤化及び投与のための技術は、「Remington’s Pharmaceutical Sciences,」 Mack Publishing Co.,Easton,PA最新版に見出すことができ、これは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0285】
適切な投与経路としては、例えば、経口、直腸、経粘膜、特に経鼻、腸内又は非経口送達(筋肉内、皮下及び髄内注射を含む)、並びに髄腔内、直接脳室内、心臓内、例えば右又は左心室腔内、総冠動脈内、静脈内、腹腔内、鼻腔内、又は肺内若しくは眼内注射が挙げられる。
【0286】
本発明の様々な例示的な実施形態において、組成物は、経口投与に適した医薬又は栄養補助剤形として提供される。経口投与に適した剤形としては、錠剤、軟カプセル剤、硬カプセル剤、丸剤、顆粒剤、散剤、乳剤、懸濁剤、スプレー剤、シロップ剤及びペレット剤が挙げられる。本発明の様々な他の実施形態では、組成物は、非経口投与に適した医薬剤形、例えば、液滴として、若しくは注射によって投与するための液体製剤、又は座薬のための固体若しくは半固体剤形として提供される。
【0287】
中枢神経系(CNS)への薬物送達のための従来のアプローチには、脳神経外科的戦略(例えば、脳内注射又は脳室内注入);BBBの内因性輸送経路の1つを利用する試みにおける、薬剤の分子操作(例えば、それ自体はBBBを通過することができない薬剤と組み合わせた、内皮細胞表面分子に対する親和性を有する輸送ポリペプチドを含むキメラ融合タンパク質の生成);薬剤の脂質溶解度を増加させるように設計された薬理学的戦略(例えば、水溶性の薬剤の脂質又はコレステロール担体へのコンジュゲーション);及び高浸透圧破壊によるBBBの完全性の一時的な破壊(頸動脈へのマンニトール溶液の注入又はアンギオテンシンポリペプチドなどの生物学的に活性な薬剤の使用に起因する)が含まれる。しかしながら、これらの戦略のそれぞれは、侵襲的外科的処置に関連する固有のリスク、内因性輸送系に固有の制限によって課されるサイズ制限、CNSの外側で活性であり得る担体モチーフを含むキメラ分子の全身投与に関連する潜在的に望ましくない生物学的副作用、及びBBBが破壊される脳の領域内の脳損傷の可能性のあるリスクなどの制限を有し、これは、それらを最適以下の送達方法にする。
【0288】
或いは、全身的な方法ではなく局所的な方法で、例えば、患者の組織領域への医薬組成物の注射を介して、医薬組成物を投与してもよい。
【0289】
本発明のいくつかの実施形態の医薬組成物は、当技術分野で周知のプロセスによって、例えば、従来の混合、溶解、造粒、糖衣錠製造、レビゲーション、乳化、カプセル化、封入又は凍結乾燥プロセスによって製造することができる。
【0290】
したがって、本発明のいくつかの実施形態に従って使用するための医薬組成物は、薬学的に使用することができる製剤への活性成分の加工を容易にする、賦形剤及び助剤を含む1つ以上の生理学的に許容される担体を使用して、従来の方法で製剤化することができる。適切な製剤は、選択される投与経路に依存する。
【0291】
注射のために、医薬組成物の活性成分は、水溶液、好ましくは、ハンクス液、リンゲル液、又は生理的塩緩衝液などの生理学的に適合性の緩衝液中に製剤化され得る。経粘膜投与の場合、透過すべきバリヤに適する浸透剤を製剤中に使用する。そのような浸透剤は、当該技術分野において一般に知られている。
【0292】
経口投与のために、医薬組成物は、活性化合物を当技術分野で周知の薬学的に許容される担体と組み合わせることによって容易に製剤化することができる。そのような担体は、患者による経口摂取のために、医薬組成物を錠剤、丸剤、糖衣錠、カプセル、液体、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液などとして製剤化することを可能にする。経口使用のための薬理学的調製物は、固体賦形剤を使用して作製することができ、場合により、得られた混合物を粉砕し、必要に応じて適切な補助剤を添加した後、顆粒の混合物を加工して、錠剤又は糖衣錠コアを得る。適切な賦形剤は、特に、ラクトース、ショ糖、マンニトール、若しくはソルビトールを含む糖などの充填剤;例えばトウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボメチルセルロースナトリウムなどのセルロース調製物;及び/又はポリビニルピロリドン(PVP)などの生理学的に許容されるポリマーである。必要に応じて、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、又はアルギン酸若しくはその塩、例えばアルギン酸ナトリウムなどの崩壊剤を添加してもよい。
【0293】
糖衣錠コアは、適当なコーティングを備える。これを目的として、場合によりアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、二酸化チタン、ラッカー溶液及び適切な有機溶媒又は溶媒混合物を含有することができる濃縮糖溶液を使用することができる。識別のために、又は活性化合物用量の異なる組み合わせを特徴付けるために、染料又は顔料を錠剤又は糖衣錠コーティングに添加することができる。
【0294】
経口的に使用することができる医薬組成物には、ゼラチン製の押し込み型カプセル、並びにゼラチン及び可塑剤、例えばグリセロール又はソルビトール製の軟密封カプセルが含まれる。押し込み型カプセルは、ラクトースなどの充填剤、デンプンなどの結合剤、タルク又はステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、及び場合により安定剤と混合された活性成分を含むことができる。軟カプセルにおいて、活性成分は、脂肪油、流動パラフィン、又は液体ポリエチレングリコールなどの適切な液体に溶解又は懸濁され得る。さらに、安定剤を添加してもよい。経口投与のための全ての製剤は、選択された投与経路に適した投与量であるべきである。
【0295】
口腔内投与のために、組成物は、従来の様式で製剤化された錠剤又はロゼンジの形態をとってもよい。
【0296】
特定の実施形態では、本発明の成分及び/又は組成物は、吸入又は経鼻投与による投与に適した形態で提供される。
【0297】
経鼻吸入による投与のために、本発明のいくつかの実施形態による使用のための活性成分は、適切な噴射剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロ-テトラフルオロエタン又は二酸化炭素を使用して、加圧パック又はネブライザーからのエアロゾルスプレー提示の形態で便利に送達される。加圧エアロゾルの場合、用量単位は、計量された量を供給するバルブを提供することによって決定することができる。例えば、ディスペンサーで使用するためのゼラチンのカプセル及びカートリッジは、化合物と、ラクトース又はデンプンなどの適切な粉末基剤との粉末混合物を含有するように製剤化され得る。
【0298】
本明細書に記載の医薬組成物は、例えばボーラス注射又は連続注入による非経口投与のために製剤化することができる。注射用製剤は、場合により保存剤を添加して、例えばアンプル内又は多用量容器内で、単位剤形で提示することができる。組成物は、油性又は水性ビヒクル中の懸濁液、溶液又はエマルジョンであってもよく、懸濁剤、安定剤及び/又は分散剤などの製剤化剤を含有してもよい。
【0299】
非経口投与のための医薬組成物は、水溶性形態の活性調製物の水溶液を含む。さらに、活性成分の懸濁液を、適切な油性又は水ベースの注射懸濁液として調製することができる。適切な親油性溶媒又はビヒクルには、ゴマ油などの脂肪油、又はオレイン酸エチル、トリグリセリド若しくはリポソームなどの合成脂肪酸エステルが含まれる。水性注射懸濁液は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール又はデキストランなどの、懸濁液の粘度を増加させる物質を含有し得る。場合により、懸濁液はまた、高濃度溶液の調製を可能にするために、活性成分の溶解度を増加させる適切な安定剤又は薬剤を含有してもよい。
【0300】
或いは、活性成分は、使用前に、適切なビヒクル、例えば、無菌の発熱物質を含まない水溶液で構成するための粉末形態であってもよい。
【0301】
本発明のいくつかの実施形態の医薬組成物はまた、例えば、カカオバター又は他のグリセリドなどの従来の坐剤基剤を使用して、坐剤又は停留浣腸などの直腸用組成物に製剤化され得る。
【0302】
本発明のいくつかの実施形態の状況における使用に適した医薬組成物は、活性成分が意図される目的を達成するのに有効な量で含まれる組成物を含む。より具体的には、治療有効量は、障害(例えば、固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患)の症状若しくは進行を予防、軽減若しくは改善するか、又は処置される対象の生存を延長するのに有効な活性成分(生物学的効果を担う成分を含む組成物)の量を意味する。
【0303】
治療有効量の決定は、特に本明細書に提供される詳細な開示に照らして、十分に当業者の能力の範囲内である。
【0304】
例えば、固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患又は関連する症状の重症度を評価する任意のインビボ又はインビトロ方法を使用することができる。
【0305】
本発明の方法において使用される任意の調製物について、治療有効量又は用量は、インビトロ及び細胞培養アッセイから最初に推定することができる。例えば、用量は、所望の濃度又は力価を達成するために、動物モデルにおいて処方され得る。このような情報を用いて、ヒトにおける有用な用量をさらに正確に決定することができる。
【0306】
本明細書に記載される活性成分の毒性及び治療有効性は、インビトロ、細胞培養又は実験動物における標準的な薬学的手順によって決定することができる。これらのインビトロ及び細胞培養アッセイ及び動物研究から得られたデータは、ヒトにおける使用のための用量の範囲を処方する際に使用することができる。投与量は、用いられる剤形及び利用される投与経路に応じて変動し得る。正確な処方、投与経路及び投与量は、患者の状態を考慮して個々の医師によって選択することができる。(例えば、「The Pharmacological Basis of Therapeutics」,Ch.1 p.1におけるFingl,et al.,1975参照)。
【0307】
投与量及び投与間隔は、生物学的効果(最小有効濃度、MEC)を誘導又は抑制するのに十分な量で活性成分を提供するように個々に調整され得る。MECは、各調製物について変化するが、インビトロデータから推定することができる。MECを達成するのに必要な投与量は、個々の特性及び投与経路に依存するであろう。検出アッセイを用いて、血漿濃度を決定することができる。
【0308】
処置される状態の重症度及び応答性に応じて、投与は、単回又は複数回の投与であり得、処置過程は、数日から数週間続くか、又は治癒が達成されるか、若しくは疾患状態の減少が達成されるまで続く。
【0309】
投与されるべき組成物の量は、当然のことながら、処置される対象、苦痛の重症度、投与方法、処方医の判断などに依存するであろう。
【0310】
本発明のいくつかの実施形態の組成物は、必要に応じて、活性成分を含有する1つ位以上の単位剤形を含有し得るパック又はディスペンサーデバイス、例えばFDA承認キット中に提示され得る。パックは、例えば、ブリスターパックなどの金属又はプラスチックホイルを含むことができる。パック又はディスペンサーデバイスは、投与のための説明書を伴ってもよい。パック又はディスペンサーはまた、医薬品の製造、使用又は販売を規制する政府機関によって規定された形態の容器に関連する通知を収容してもよく、この通知は、組成物又はヒト若しくは獣医学的投与の形態の機関による承認を反映する。そのような通知は、例えば、米国食品医薬品局によって処方薬又は承認された製品挿入物について承認されたラベルのものであってもよい。適合性の医薬担体中に製剤化された本発明の製剤を含む組成物も、上記でさらに詳述されたように、調製され、適切な容器に入れられ、示された状態の処置のために標識され得る。
【0311】
別の実施形態では、本発明は、本明細書に記載の成分を含む、食品又は飲料の形態の栄養組成物又は食事組成物を提供する。これらの食品又は飲料は、本発明の組成物の様々な例示的実施形態を含む。これらの食品又は飲料は、シリアル、ベビーフード、健康食品、又は特定の健康用途の食品、例えばチョコレート若しくは栄養バーのような固形食品、クリーム若しくはジャムのような半固形食品、又はゲルとして、及び飲料として調製又は提供され得る。このような食品又は飲料品目の具体的且つ非限定的な例としては、清凉飲料、乳酸菌飲料、ドロップ、キャンディ、チューインガム、チョコレート、グミキャンディ、ヨーグルト、アイスクリーム、プディング、ソフトアズキビーンゼリー、ゼリー、クッキーなどが挙げられる。
【0312】
本発明のさらに別の実施形態では、組成物の成分は、本明細書で言及される植物生成物及び抽出物の合成類似体である。
【0313】
本教示はさらに、別個の処置として、又は共製剤で、他の抗ウイルス薬又は抗炎症薬又は抗凝固剤を用いて処置することを想定している。
【0314】
固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患に限定されるものではないが、例として、特定の実施形態によれば、抗ウイルス薬は、レムデシビル、インターフェロン、リバビリン、アデフォビル、テノフォビル、アシクロビル、ブリブジン、シドフォビル、フォミビルセン、ホスカルネット、ガンシクロビル、ペンシクロビル、アマンタジン、リマンタジン及びザナミビルからなる群から選択される。
【0315】
本明細書で使用される用語「約」は、±10%を指す。
【0316】
用語「含む(comprise)」、「含むこと(comprising)」、「含む(include)」、「含むこと(including)」、「有すること(having)」及びそれらのコンジュゲートは、「~を含むが、~に限定されない」を意味する。
【0317】
用語「からなる」は、「~を含み、且つ~に限定される」を意味する。
【0318】
用語「から本質的になる」は、組成物、方法又は構造がさらなる成分、工程及び/又は部分を含み得るが、このさらなる成分、工程及び/又は部分が、特許請求される組成物、方法又は構造の基本的及び新規な特徴を実質的に変更しない場合に限られることを意味する。
【0319】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が明らかに別段の指示をしない限り、複数の参照を含む。例えば、用語「化合物」又は「少なくとも1つの化合物」は、その混合物を含む複数の化合物を含むことができる。
【0320】
本出願を通して、本発明の様々な実施形態を範囲形式で提示することができる。範囲形式での説明は、単に便宜上及び簡潔にするためのものであり、本発明の範囲に対する柔軟性のない限定として解釈されるべきではないことを理解するべきである。したがって、範囲の記載は、具体的に開示された全ての可能な部分範囲、及びその範囲内の個々の数値を有すると考えられるべきである。例えば、1~6などの範囲の記載は、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6などの具体的に開示された部分範囲、並びにその範囲内の個々の数、例えば、1、2、3、4、5、及び6を有するとみなされるべきである。このことは、範囲の広さにかかわらず適用される。
【0321】
数値範囲が本明細書に示されるときはいつでも、示される範囲内の任意の引用数字(分数又は整数)を含むことを意味する。第1の指示数字と第2の指示数字との間の「範囲(ranging)/範囲(range)」と、第1の指示数字から第2の指示数字の「範囲(ranging)/範囲(range)」という語句は、本明細書では互換的に使用され、第1の指示数字と第2の指示数字、及びそれらの間の全ての分数及び整数を含むことを意味する。
【0322】
本明細書で使用される用語「方法」は、化学、薬理学、生物学、生化学、及び医学の分野の実務家に知られているか、又は該実務家よって既知の様式、手段、技術、及び手順から容易に開発される様式、手段、技術、及び手順を含むが、これらに限定されない、所与のタスクを達成するための様式、手段、技術、及び手順を指す。
【0323】
本明細書で使用される場合、用語「処置すること」は、状態の進行を無効にし、実質的に阻害し、遅延させ若しくは逆転させること、状態の臨床的若しくは審美的症状を実質的に改善すること、又は状態の臨床的若しくは審美的症状の出現を実質的に予防することを含む。
【0324】
明確にするために別々の実施形態の文脈で説明される本発明の特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよいことが理解される。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈で記載される本発明の様々な特徴は、別々に、又は任意の適切なサブコンビネーションで、又は本発明の任意の他の記載された実施形態において適切なものとして提供することもできる。様々な実施形態の文脈で記載される特定の特徴は、実施形態がそれらの要素なしに動作不能でない限り、それらの実施形態の本質的な特徴とみなされるべきではない。
【0325】
本明細書で上述した、及び以下の特許請求の範囲の節で特許請求される本発明の様々な実施形態及び態様は、以下の実施例において実験的な支持を見出す。
【実施例
【0326】
ここで以下の実施例を参照するが、これらの実施例は、上記の説明と共に、本発明のいくつかの実施形態を非限定的に例示する。
【0327】
一般に、本明細書で使用される命名法、及び本発明で使用される研究室手順には、分子、生化学、微生物学及び組換えDNA技術が含まれる。そのような技術は、文献で徹底的に説明されている。例えば、「Molecular Cloning:A laboratory Manual」Sambrook et al.,(1989);「Current Protocols in Molecular Biology」Volumes I-III Ausubel,R.M.,ed.(1994);Ausubel et al.,「Current Protocols in Molecular Biology」,John Wiley and Sons,Baltimore,Maryland(1989);Perbal,「A Practical Guide to Molecular Cloning」,John Wiley&Sons,New York(1988);Watson et al.,「Recombinant DNA」,Scientific American Books,New York;Birren et al.(eds)「Genome Analysis:A Laboratory Manual Series」,Vols.1-4,Cold Spring Harbor Laboratory Press,New York(1998);米国特許第4,666,828号;第4,683,202;第4,801,531;第5,192,659及び第5,272,057号に示される方法論;「Cell Biology:A Laboratory Handbook」,Volumes I-III Cellis,J.E.,ed.(1994);Freshney,Wiley-Liss,N.Y.(1994),Third Editionによる「Culture of Animal Cells - A Manual of Basic Technique」;「Current Protocols in Immunology」Volumes I-III Coligan J.E.,ed.(1994);Stites et al.(eds),「Basic and Clinical Immunology」(8th Edition),Appleton&Lange,Norwalk,CT(1994);Mishell and Shiigi(eds),「Selected Methods in Cellular Immunology」,W.H.Freeman and Co.,New York(1980)を参照されたい;利用可能なイムノアッセイは、特許及び科学文献に広範に記載されており、例えば、米国特許第3,791,932号;第3,839,153号;第3,850,752号;第3,850,578号;第3,853,987号;第3,867,517号;第3,879,262号;第3,901,654号;第3,935,074号;第3,984,533号;第3,996,345号;第4,034,074号;第4,098,876号;第4,879,219号;第5,011,771号及び第5,281,521号;「Oligonucleotide Synthesis」Gait,M.J.,ed.(1984);「Nucleic Acid Hybridization」Hames,B.D.,and Higgins S.J.,eds.(1985);「Transcription and Translation」Hames,B.D.,and Higgins S.J.,eds.(1984);「Animal Cell Culture」Freshney,R.I.,ed.(1986);「Immobilized Cells and Enzymes」IRL Press,(1986);「A Practical Guide to Molecular Cloning」Perbal,B.,(1984)及び「Methods in Enzymology」Vol.1-317,Academic Press;「PCR Protocols:A Guide To Methods And Applications」,Academic Press,San Diego,CA(1990);Marshak et al.,「Strategies for Protein Purification and Characterization - A Laboratory Course Manual」CSHL Press(1996);(これらの全ては、本明細書に完全に示されるが如く参照により組み込まれる)を参照されたい。他の一般的な参考文献は、本文書を通して提供される。その中の手順は当技術分野で既知であると思われ、読者の利便性のために提供される。その中に含まれる全情報は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0328】
実施例1
固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患の処置のためのアッセイ
伝統的なインビボ動物モデルに加えて、固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患の増殖及び処置に対する応答性を評価するための多くの細胞ベースのインビトロ系が利用可能である。固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患をモデリングするために、多様な組織からの原発腫瘍及び腫瘍の細胞株を培養した後、治療組成物及び/又は成分に曝露する。細胞は応答し、特に、添加された本発明の組成物及び/又は成分の存在又は非存在下で増殖、老化及び代謝活性を決定して、本発明の組成物及び/又は成分が腫瘍表現型を低減又は変化させる能力を評価する。細胞は、2-D又は3-D培養において増殖することができる。
【0329】
ほぼ全ての器官及び組織の固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患のインビトロモデリングのための例示的な細胞型は、広く市販されており、例えば、副腎腫瘍ではNCI-H295R細胞、膀胱腫瘍ではHT-1376、J82、T24P細胞、脳腫瘍ではDBTRG、LN-18、SF-295、SF-767及びSNB-19細胞、頸部腫瘍ではCa Ski、He La及びKB細胞、大腸癌ではCOLO 205、DLD-1、HCT、LoVo及びNCI-H508細胞、上皮腫瘍ではHEKn細胞、食道腫瘍ではOE33細胞、ユーイング肉腫ではA4573細胞、線維芽細胞由来の腫瘍ではNHDF及びHs 895T細胞、胃腫瘍ではGIST-T1及びNCI-N87細胞、頭頸部腫瘍ではCAL 27細胞、肝臓腫瘍ではHep、Hepa及びBLN細胞、肺腫瘍ではCalu-6、NCI-H596、NCI-H125-Luc、HCC827、LL及びLL/2細胞、リンパ腫ではYAC-1、DB、GRANTA-519、EBC-1、Daudi、Raji及びRL細胞、乳腺腫瘍ではHCC70、MCF-7、MDA-MB、SK-BR3及びMX-1細胞、黒色腫ではSK-MEL及びOCM細胞、中皮腫ではAB1細胞、骨髄腫ではRPMI 8226及びOPM-2細胞、神経芽腫ではSK-N-F1、卵巣癌ではOVCAR細胞、膵臓癌ではPANC-1及びCapan細胞、前立腺癌ではPC-3及びVCaP細胞、腎癌ではACHN及びRenca細胞、肉腫ではMG-63、A-673及びSW 872細胞、甲状腺腫瘍ではTT及びMB-1細胞並びに外陰癌ではSK-LMS細胞である。
【0330】
腫瘍細胞をインビトロで評価し得、いくつかは動物への導入によって異種移植増殖アッセイに使用され得る。例示的な一実施形態では、初代培養からの腫瘍細胞又は細胞株をインビトロで培養し、マウス又はラットの循環中、皮下又は標的組織中に直接注射し、腫瘍の確立及びその増殖を、標識細胞の直接測定又は検出によりモニターし得る。動物宿主は免疫コンピテント又は免疫欠損(SCID、ヌード)であり得る。本発明の組成物及び/又は成分の抗腫瘍効力は、インビトロ細胞増殖段階(移植前)、宿主動物への導入の段階での投与によって、腫瘍細胞の増殖の多段階で査定及び評価することができ、また、それらが宿主動物内で特定のサイズに達した後に、確立された異種移植腫瘍に対する効果も査定及び評価することができる。
【0331】
固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患の増殖の動物モデル
固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患の動物モデルには、過剰増殖性疾患及び状態の誘導動物モデル、トランスジェニックモデル、及び天然に存在する動物モデルが含まれる。
【0332】
上述した動物モデルとは別に、遺伝子組換えマウス及びラット癌は、それらの自然の環境内で、薬物送達、治療応答及び腫瘍のバイオマーカー発現を評価する機会を可能にする腫瘍の強力なインビボモデルを提供する。本発明の組成物及び成分の効力を評価するのに適した遺伝子組換え動物モデルには:MMTV-PyMTマウス乳房腫瘍遺伝子組換えマウス、扁平上皮腫瘍のK14-HPV16及びKB1P乳癌マウスモデルが含まれるがこれらに限定されない。
【0333】
本発明をその特定の実施形態と併せて説明してきたが、多くの代替、修正、及び変形が当業者に明らかであろうことは明白である。したがって、添付の特許請求の範囲の趣旨及び広い範囲内にあるそのような代替、修正、及び変形の全てを包含することを意図している。
【0334】
本明細書に言及される全ての刊行物、特許、及び特許出願は、参照により本明細書に組み込まれるべきであると言及されたときに、個々の刊行物、特許、又は特許出願が具体的且つ個別に示されたかのように、参照によりその全体が本明細書に組み込まれることが出願人の意図である。さらに、本出願における任意の参考文献の引用又は特定は、そのような参考文献が本発明の先行技術として利用可能であることの承認として解釈されるべきではない。セクション見出しが使用される限りにおいて、それらは、必ずしも限定するものとして解釈されるべきではない。さらに、本出願の任意の優先権書類は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0335】
実施例2
扁平上皮癌(SCC)及び基底細胞肉腫(BCC)の処置
皮膚の扁平上皮癌(SCC)は、扁平上皮細胞の異常で加速された増殖を特徴とする、皮膚癌の2番目に一般的な形態である。早期に発見されると、ほとんどのSCCは治癒可能である。扁平上皮細胞は、新たなものが形成されるにつれて連続的に脱落する、皮膚の表面付近に位置する平坦な細胞である。SCCは、鱗状の赤い斑点、開いた傷、粗い、肥厚した若しくはいぼ状の皮膚、又は中心の窪みを伴う隆起した腫瘍として現れ得る。時に、SCCは、痂皮に覆われ、かゆみ、又は出血を有する。この病変は、最も一般的には身体の日光曝露領域に生じる。基底細胞癌(BCC)は、皮膚癌の最も一般的な形態であり、全ての癌の最も頻繁に発生する形態である。BCCは、皮膚の最上層における細胞の3つの主要なタイプの1つである基底細胞の異常な、制御されない増殖から生じる。BCCは、開いた傷、赤い斑点、ピンク色の腫瘍、光沢のある隆起、わずかに隆起した、丸まった縁部及び/又は中央のへこみを有する瘢痕又は腫瘍のように見えることがある。時に、BCCは、滲出、痂皮、かゆみ、又は出血を有し得る。この病変は、一般的には身体の日光曝露領域に生じる。それらの遅い成長により、ほとんどのBCCは治癒可能であり、早期に発見及び処置された場合、最小限の損傷をもたらす。SCC及びBCCの両方は、太陽からの紫外線(UV)照射への曝露によるDNA損傷の場合に最も頻繁に生じる(skincancer.orgを参照されたい)。
【0336】
BCCの病歴を有する患者は、3回の生検陽性後に左耳に位置するSCCと診断された。BCCの関与も疑われたが、リンパ節の関与は認められなかった。左耳の腫瘍のほか、顔面の変色及び色素沈着が明らかであった。皮膚癌患者は、現在のBCC及び侵襲性SSCによる処置の前に診断された。
【0337】
本発明の抗癌処置後、超音波及びCT検査の両方で、全ての組織が透明であり、リンパ節が関与していないことが判明した。
【0338】
図2及び図3に示すように、本明細書に記載の本発明の組成物による処置の3か月後、顔面の変色及び色素沈着が消失した。
【0339】
本明細書に記載される本発明の方法、ワクチン、医薬組成物、組成物又は食品サプリメントが本明細書で参照され、前記固形及び軟部腫瘍並びに増殖性疾患は、肉腫及び癌種、例えば線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、大腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭癌、乳頭状腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌、肝細胞癌、胆管癌、絨毛癌、セミノーマ、胚性癌、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、精巣腫瘍、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、多形性膠芽腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫、乏突起膠腫、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、皮膚B細胞リンパ腫(CBCL)、黒色腫、神経芽腫、網膜芽腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病、マントル細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、脾辺縁帯リンパ腫、結節辺縁帯リンパ腫、節外縁帯リンパ腫、バーキットリンパ腫、形質芽球性リンパ腫、末梢T細胞リンパ腫NOS、有毛細胞白血病(HCL)、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄球性白血病(APL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、骨髄増殖性疾患(MPN)及び全身性肥満細胞症、乳頭様甲状腺癌、非浸潤性濾胞性甲状腺腫瘍、濾胞性甲状腺、癌、髄様甲状腺癌、組織非形成性甲状腺癌、甲状腺リンパ腫、扁平上皮甲状腺癌、甲状腺肉腫、ハースル細胞癌からなる群から選択される。
【0340】
実施例3
大腸癌に罹患している女性を本発明の組成物で処置した。CT及び超音波検査は、本発明の組成物を用いた処置の13日後に、腫瘍の減少及びある場所では消失を示した。
【0341】
本発明は、上記に説明及び記載された実施形態に限定されることを意図するものではなく、以下の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲及び趣旨内で修正及び変更することができる。
図1a
図1b
図1c
図2
図3
【国際調査報告】