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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-30
(54)【発明の名称】薬剤送達システム及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/00 20060101AFI20230523BHJP
【FI】
A61B17/00 400
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022557188
(86)(22)【出願日】2021-03-23
(85)【翻訳文提出日】2022-10-18
(86)【国際出願番号】 US2021023737
(87)【国際公開番号】W WO2021195117
(87)【国際公開日】2021-09-30
(31)【優先権主張番号】62/994,052
(32)【優先日】2020-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ナム、ラー
(72)【発明者】
【氏名】ソウカロプロス、トニー
(72)【発明者】
【氏名】ハバード、デニス ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】スオン、ナローン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160MM18
4C160MM32
(57)【要約】
粒子を有する薬剤を運ぶためのハンドルと、第1端及び第2端によって規定される第1の内腔を有するレシーバとを含む医療デバイスである。レシーバは第1端と第2端との間に延びる軸線を有する。第1端はハンドルから粒子を受け入れるように構成され、第2端は第1の内腔の断面寸法より小さい断面寸法を有する第2の内腔と連通する。第1の内腔及び第2の内腔の断面寸法の各々は、軸線を横切って測定される。第2端はレシーバの第1端から粒子を受け入れるように構成される。第2の内腔は第2の内腔と連通する送達管への薬剤の送達を粒子の大きさに基づいて制御するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子を有する薬剤を運ぶためのハンドルと、
第1端及び第2端によって規定される第1の内腔を有するレシーバと、を備え、
前記レシーバは前記第1端と前記第2端との間に延びる軸線を有し、前記第1端は前記ハンドルから前記粒子を受け入れるように構成され、前記第2端は前記第1の内腔の断面寸法より小さい断面寸法を有する第2の内腔と連通し、
前記第1の内腔及び前記第2の内腔の各々の断面寸法は、前記軸線を横切って測定され、
前記第2端は前記レシーバの前記第1端から前記粒子を受け入れるように構成され、
前記第2の内腔は前記第2の内腔と連通する送達管への前記薬剤の送達を前記粒子の大きさに基づいて制御するように構成される、医療デバイス。
【請求項2】
前記ハンドルは前記薬剤を保管するためのエンクロージャと、前記エンクロージャ内に配置されたフィルタ機構と、を含み、前記フィルタ機構は前記薬剤の少なくとも一部分が前記レシーバへ運ばれることを前記粒子の大きさに基づいて抑制するように構成される、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項3】
前記第1端は、前記軸線を横切って測定され、前記第1の内腔の断面内腔より小さく、前記第2の内腔の断面内腔より大きい断面寸法を有する第3の内腔を含む、請求項1又は請求項2に記載の医療デバイス。
【請求項4】
前記第1の内腔は前記第2の内腔と前記第3の内腔との間に配置され、前記第3の内腔は前記第1の内腔を介して前記第2の内腔と連通する、請求項3に記載の医療デバイス。
【請求項5】
前記第2の内腔は前記第2端によって規定され、かつ前記第2端を通って延び、前記第3の内腔は前記第1端によって規定され、かつ前記第1端を通って延びる、請求項3又は請求項4に記載の医療デバイス。
【請求項6】
前記レシーバの前記第2端は前記第1の内腔に隣接し、前記第1の内腔から前記第2の内腔への前記薬剤の送達を前記粒子の前記大きさに基づいて制御するように構成されるインターフェイスを含む、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【請求項7】
前記第2端の前記インターフェイスは前記第1の内腔を横切って延びる平面であり、前記第2の内腔と連通する前記平面に沿って配置される開口部を規定する、請求項6に記載の医療デバイス。
【請求項8】
前記第2端の前記インターフェイスは前記第2の内腔と連通する開口部を規定するテーパ面である、請求項6又は請求項7に記載の医療デバイス。
【請求項9】
前記第1の内腔の前記軸線に沿った長さは、前記第2の内腔及び前記第3の内腔の各々の前記軸線に沿った長さより長い、請求項3から請求項8のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【請求項10】
前記レシーバは前記第1の内腔において前記薬剤を混合し、かつ前記粒子を前記粒子の前記大きさに基づいて分別するように構成される、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【請求項11】
前記レシーバの前記第2端は、前記粒子の大きさが所定の大きさ以下であるとき、前記第2の内腔において前記粒子の任意の粒子を受け入れるように構成される、請求項10に記載の医療デバイス。
【請求項12】
前記エンクロージャ内に少なくとも部分的に配置されるプランジャをさらに含み、前記プランジャは前記エンクロージャ内の前記薬剤を移動するために前記エンクロージャに対して移動するように構成される、請求項2から請求項11のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【請求項13】
前記プランジャは前記レシーバの前記第2端へ向かって前記薬剤を移動するために前記エンクロージャ内に加圧媒体を送達するように構成される、請求項12に記載の医療デバイス。
【請求項14】
前記プランジャに連結されたハンドルをさらに含み、前記ハンドルは前記エンクロージャから前記レシーバへの前記薬剤の送達を制御するために、前記エンクロージャに対する前記プランジャの移動を制御するように構成される、請求項12又は請求項13に記載の医療デバイス。
【請求項15】
前記粒子を前記レシーバへ送達するために、前記エンクロージャ内に保管された前記薬剤に向かって前記加圧媒体を移動させるノズル先端を含む、請求項13又は請求項14に記載の医療デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の様々な態様は一般に薬剤送達システム、デバイス、及び関連する方法に関する。実施形態では、本開示は標的治療部位などに対して治療薬剤を送達するためのシステム、デバイス、及び関連する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特定の医療手術において、体内の出血を止める又は最小限にすることが必要とされ得る。例えば、内視鏡的医療手術は胃腸管内、例えば、食道、胃、又は腸の出血組織の止血を必要とし得る。
【0003】
内視鏡的手術の間、使用者は内視鏡のシャフトを患者の体管腔内に挿入する。使用者は手術中に内視鏡を制御するために内視鏡のハンドルを使用する。道具は内視鏡の遠位端に近い手術部位で治療を届けるために、例えば、ハンドルのポートを介して内視鏡のワーキングチャネルを通過する。手術部位は操作者から遠くにある。
【0004】
離れた位置で止血を達成するために、止血剤は送達され得る。薬剤の送達は、例えば、加圧流体システムを使用することによって達成され得る。しかし、そのようなシステムは標的治療部位へ送達される薬剤の送達速度又は薬剤の粒子大きさを制御することを困難にし得る。従って、送達された薬剤の望ましい送達速度又は大きさが達成されないことがあり、薬剤の量に一貫性がなく、薬剤が送達デバイスの一部分を詰まらせること、及び/又はGI管内の奥の治療部位へ薬剤が到達しないことがあり得る。
【発明の概要】
【0005】
本開示の態様は、とりわけ、様々な大きさの薬剤の送達などのためのシステム、デバイス、及び方法などに関する。本明細書に開示された各々の態様は、開示された他の態様のいくつかと関連する記載された一つ以上の特徴を含み得る。
【0006】
一例によると、医療デバイスは粒子を有する薬剤を運ぶためのハンドルと、第1端及び第2端によって規定される第1の内腔を有するレシーバと、を含み得る。前記レシーバは前記第1端と前記第2端との間に延びる軸線を有する。前記第1端は前記ハンドルから前記粒子を受け入れるように構成され、前記第2端は前記第1の内腔の断面寸法よりも小さい断面寸法を有する第2の内腔と連通する。前記第1の内腔及び前記第2の内腔の各々の断面寸法は、前記軸線を横切って測定される。前記第2端は前記レシーバの前記第1端から前記粒子を受け入れるように構成される。前記第2の内腔は前記第2の内腔と連通する送達管への前記薬剤の送達を前記粒子の大きさに基づいて制御するように構成される。
【0007】
本明細書に記載された医療デバイスのいくつかは任意の以下の特徴を含み得る。前記ハンドルは前記薬剤を保管するためのエンクロージャと、前記エンクロージャ内に配置されたフィルタ機構と、を含み、前記フィルタ機構は前記薬剤の少なくとも一部分が前記レシーバへ運ばれることを前記粒子の大きさに基づいて抑制するように構成され得る。前記第1端は、前記軸線を横切って測定されて、前記第1の内腔の断面内腔より小さく、前記第2の内腔の断面内腔より大きい断面寸法を有する第3の内腔を含む。前記第1の内腔は前記第2の内腔と前記第3の内腔との間に配置され、前記第3の内腔は前記第1の内腔を介して前記第2の内腔と連通する。前記第2の内腔は前記第2端によって規定され、かつ前記第2端を通って延び、前記第3の内腔は前記第1端によって規定され、かつ前記第1端を通って延びる。前記レシーバの前記第2端は前記第1の内腔に隣接し、前記第1の内腔から前記第2の内腔への前記薬剤の送達を前記粒子の大きさに基づいて制御するように構成されるインターフェイスを含む。前記第2端の前記インターフェイスは前記第1の内腔を横切って延びる平面であり、前記第2の内腔と連通する前記平面に沿って配置される開口部を規定する。前記第2端の前記インターフェイスは前記第2の内腔と連通する開口部を規定するテーパ面である。前記第1の内腔の前記軸線に沿った長さは、前記第2の内腔及び前記第3の内腔の各々の前記軸線に沿った長さより長い。前記レシーバは前記第1の内腔において前記薬剤を混合し、かつ前記粒子を前記粒子の前記大きさに基づいて分別するように構成される。前記レシーバの前記第2端は、前記粒子の大きさが所定の大きさ以下であるとき、前記第2の内腔において前記粒子の任意の粒子を受け入れるように構成される。前記医療デバイスは前記エンクロージャ内に少なくとも部分的に配置されるプランジャをさらに含み、前記プランジャは前記エンクロージャ内の前記薬剤を移動するために前記エンクロージャに対して移動するように構成される。前記プランジャは前記レシーバの前記第2端へ向かって前記薬剤を移動するために前記エンクロージャ内に加圧媒体を送達するように構成される。前記医療デバイスは前記プランジャに連結されたハンドルをさらに含み、前記ハンドルは前記エンクロージャから前記レシーバへの前記薬剤の送達を制御するために、前記エンクロージャに対する前記プランジャの移動を制御するように構成される。
【0008】
別の例によると、医療デバイスは粒子を有する薬剤を保存するためのエンクロージャと、送達管と、前記エンクロージャと前記送達管との間に配置され、かつそれらと連通するレシーバと、を含み得る。前記レシーバは長手方向の軸線を有する。前記レシーバは第1の断面寸法を有する第1の内腔と、前記第1の断面寸法より小さい第2の断面寸法を有する第2の内腔と、を含む。前記第1の内腔及び前記第2の内腔の各々の前記断面寸法は前記長手方向の軸線を横切って測定される。前記第1の内腔は前記エンクロージャから受け入れられる第1の大きさを有する前記薬剤の粒子を捕捉するように構成され、前記第2の内腔は第2の大きさを有する前記薬剤の粒子を前記送達管へ送達するように構成される。前記第2の大きさは前記第1の大きさより小さい。
【0009】
本明細書に記載された任意の前記医療デバイスは任意の以下の特徴を含み得る。前記第2の内腔は前記第1の大きさを有する前記薬剤の粒子の前記送達管への送達を抑制するように構成される。前記医療デバイスは、ハンドルの作動に応じて前記エンクロージャから前記レシーバへ送達される前記薬剤の量を制御するように構成されるラチェットをさらに含む。前記医療デバイスは前記エンクロージャ内に少なくとも部分的に配置されるプランジャをさらに含み、前記プランジャは前記エンクロージャに対して移動可能であり、前記ラチェットは前記エンクロージャ内への前記プランジャの移動を制御するように構成される。前記プランジャは前記粒子を前記レシーバへ送達するために、前記エンクロージャに保管された前記薬剤へ向かって加圧媒体を移動させるノズル先端を含む。
【0010】
別の実施形態によると、エンクロージャと、レシーバと、送達管と、を含む医療デバイスを介して薬剤を送達するための方法は、前記エンクロージャ内に保管された前記薬剤を前記レシーバの第1の内腔へ送達することを含み得る。前記薬剤は前記エンクロージャと連通する圧力源の作動に応じて送達される。前記方法は所定の大きさより小さい大きさを有する前記薬剤の粒子を前記レシーバの第2の内腔へ送達することと、前記所定の大きさより小さい前記大きさを有する前記薬剤の前記粒子を前記第2の内腔から前記送達管へ送達することと、を含み得る。
【0011】
上述の一般的な説明及び以下の詳細な説明の両方は例示的かつ説明的なだけであり、主張された発明を制限しないことは理解されるべきであり得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
添付の図面は本明細書の一部分に取り入れられ、本明細書の一部分を構成し、説明と共に本開示の例示的な態様を示し、本開示の原理の説明に役立つ。
【0013】
図1】本開示の態様に従った、例示的な医療デバイスの側面図である。
【0014】
図2】本開示の態様に従った、凹部インターフェイスを含む図1の医療デバイスの例示的なレシーバの斜視図である。
【0015】
図3】本開示の態様に従った、図2のレシーバの断面図である。
【0016】
図4A】本開示の態様に従った、突出インターフェイスを含む図1の医療デバイスの別の例示的なレシーバの斜視図である。
【0017】
図4B】本開示の態様に従った、平らなインターフェイスを含む図1の医療デバイスの別の例示的なレシーバの斜視図である。
【0018】
図5】本開示の態様に従った、図2から図4Bのレシーバを含む別の例示的な医療システムの側面図である。
【0019】
図6A】本開示の態様に従った、丸みを帯びた先端を含む図5の医療システムの例示的なプランジャデバイスの部分斜視図である。
【0020】
図6B】本開示の態様に従った、丸みを帯びたノズルを含む図5の医療システムの別の例示的なプランジャデバイスの部分斜視図である。
【0021】
図6C】本開示の態様に従った、平らなノズルを含む図5の医療システムの例示的なプランジャデバイスの部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本開示は、数ある態様のなかでも、例えば、止血剤などの内視鏡的送達のためのシステム、デバイス、及び方法に関する。次に本開示の態様を詳細に参照し、その例が添付の図面に示される。可能な限り、同じ又は類似の参照番号が同じ又は類似の部分を示すように図面内で用いられる。用語「遠位(distal)」はデバイスを患者内に導入するとき、使用者から最も離れた部分を示す。対照的に、用語「近位(proximal)」は患者内にデバイスを配置するとき、使用者に最も近い部分を示す。本明細書で用いられるように、用語「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」又はそれらの任意の他の変形は、非排他的な包含を保護することを意図しており、要素のリストを備えるプロセス、方法、物品、又は装置は必ずしもそれらの要素のみを含まず、明確に記載されていない又はそのようなプロセス、方法、物品、又は装置に本来備わっていない他の要素を含み得る。用語「例示的な(exemplary)」は「理想(ideal)」よりむしろ「例(example)」の意味として用いられる。本明細書で用いられるように、用語「約(about)」、「実質的に(substantially)」及び「およそ(approximately)」は、所定の数値の+/-10%以内の値の範囲を示す。
【0023】
本開示の実施形態は止血又は治療薬剤の送達を達成するように、出血している標的処置部位へ物質を送達するために用いられ得る。例えば、粉末の形状の止血剤は、粉末の粒子を受け入れるように構成された第1の内腔を有するレシーバを含む医療デバイスによって胃腸の出血を治療するために送達され得る。いくつかの実施形態において、第1の内腔は第1の内腔の断面寸法より小さい断面寸法を有する第2の内腔と連通する。いくつかの実施形態において、第2の内腔は第2の内腔と連通する送達管への粉末の送達を粒子の大きさに基づいて制御するように構成される。本開示の実施形態はそのようなデバイス及び方法に制限されず、代わりに様々な医療処置を実行するため及び/又は大腸(結腸)、小腸、盲腸、食道、胃腸管の任意の他の部分、及び/又は任意の他の適切な患者の解剖学的構造(総称として「標的治療部位」と本明細書に示される)を治療するためのデバイス及び方法に関し得る。本明細書に記載される様々な実施形態は、一回用又は使い捨ての医療デバイスを含む。
【0024】
一例では、止血物質/止血剤を送達するための医療システムは、薬剤を受け入れるためのレシーバを含んでよく、対象内の標的治療部位へ送達するために薬剤をカテーテル又は他の管へ送る。実施形態では、レシーバは薬剤の所望の粒子の大きさの対象への送達を許容してよく、所望しない粒子の大きさの対象への送達を抑制する。レシーバは所望しない粒子の大きさにおいてレシーバ内に薬剤の一部分を保持しながら、所望の粒子の大きさにおいて薬剤の一部分の移動を容易にするように構成される構成を有する漏斗を含み得る。漏斗の構成は、平面、凹面、又は薬剤の流れにぶつかる凸面を含み得る。次に上述の本開示の例を詳細に参照し、添付の図面に示される。可能な限り、同じ参照番号が同じ又は類似の部分を示すために図面全体にわたって用いられる。
【0025】
図1は本開示の例に従った例示的な医療デバイス100の側面図を示す。医療デバイス100は、挿入部102、近位部110、及びレシーバ120を含み得る。いくつかの実施形態では、医療デバイス100の挿入部102は患者内の標的治療部位へ物質を送達するためにカテーテル、内視鏡、管などを含み得る。近位部110は遠位端112及び近位端114によって規定された本体111を有してよく、近位部110の遠位端112は医療デバイス100の一つ以上の構成要素、例えば、レシーバ120を近位部110に連結するためのポート116を有し得る。
【0026】
近位部110の近位端114は、例えば、手術中に近位部110の使用者によって手動で把持可能な大きさ及び形状のハンドル118を含み得る。本明細書に示され、記載された挿入部102及び/又は近位部110の大きさ、形状、輪郭及び/又は構成は、単なる実例であり、それらは本開示の範囲から逸脱することなく、様々な他の適切な配置を含み得ることは理解されるべきである。
【0027】
図1をさらに参照すると、医療デバイス100の近位部110は本明細書の近位部110の一つ以上の構成要素を保管するための大きさ及び形状であるエンクロージャ119をさらに含み得る。実施形態では、エンクロージャ119は本体111の遠位端112に隣接するように配置されるが、エンクロージャ119は本体111に沿った様々な他の位置に配置され得ることは理解されるべきである。追加で及び/又は代わりに、他の実施形態では、エンクロージャ119は、例えば、エンクロージャ119内に保管された一つ以上の構成要素は本体111内に配置され得る。例として、近位部110のエンクロージャ119は一つ以上の物質、例えば、薬剤を保管する容器(図示無し)を含み得る。薬剤は、例えば、止血粉末のような血液を凝固可能である治療剤を含み得る。他の実施形態では、薬剤は送達に適した様々な他の材料及び/又は物質を含み得る。
【0028】
さらなる例として、近位部110の本体111は加圧媒体、例えば、加圧流体を保管する加圧媒体源(図示無し)を含み得る。加圧流体は圧縮空気/圧縮ガス、例えば、二酸化炭素(CO)を含み得る。加圧媒体源は圧縮空気システム、例えば、加圧シリンダを含み得る。本明細書により詳細に記載するように、加圧媒体源は容器に保管された一つ以上の物質(例えば、薬剤)を混合するため及び/又は医療デバイス100の一つ以上の他の構成要素に物質を分配するために加圧媒体をエンクロージャ119内の容器に供給するように構成され得る。医療デバイス100の近位部110に含まれる一つ以上の構成要素の例は、2020年1月6日に出願された「粉末薬剤を送達するためのデバイス及び方法」と題される米国特許出願第62/957,519号の少なくともいくつかの教示に従ってよく、その開示は、本明細書に参照によって組み込まれる。
【0029】
図1を参照すると、レシーバ120は近位部110の遠位端112に配置されてよく、ポート116を介して本体111に連結され得る。この場合において、レシーバ120は近位部110の一つ以上の構成要素、例えば、エンクロージャ119の容器及び/又は加圧媒体源と連通される。挿入部102はポート116の反対の端でレシーバ120に連結されてよく、近位部110の一つ以上の構成要素に、それらの間に配置されたレシーバ120を介して連通し得る。
【0030】
図2を参照すると、レシーバ120Aの例示的な模式図が示される。レシーバ120Aは壁137によって規定されるシース130、近位端133、及び遠位端134Aを含み得る。壁137は円筒状又は任意の他の適切な形状であり得る。シース130は近位端133と遠位端134Aとの間に延びる主要内腔132を規定する。例では、近位端133及び遠位端134Aの少なくとも一部分は、シース130の主要内腔132内に少なくとも部分的に配置され得る。レシーバ120Aはシース130の近位端133に入口ヘッド122をさらに含み、入口ヘッド122は開口部124を規定する。例では、入口ヘッド122はレシーバ120Aの近位端133に対して近位に延び、入口ヘッド122はシース130の主要内腔132の外部に配置される。
【0031】
レシーバ120Aは近位端133でノブ126をさらに含み得る。例では、ノブ126は入口ヘッド122と近位端133との間に配置され得る。いくつかの例では、ノブ126は入口ヘッド122と一体型であってよく、ノブ126及び入口ヘッド122は一体構造を形成し得るが、他の例では、ノブ126は入口ヘッド122から分離した構成であり得る。レシーバ120Aは入口ヘッド122の外側外周に配置された一つ以上のねじ山128をさらに含み得る。この場合において、一つ以上のねじ山128は開口部124の周囲に広がる。
【0032】
図2を参照すると、ノブ126はレシーバ120Aを手動で操作するためにノブ上に一つ以上の把持可能な特徴(例えば、凹部、凸部など)を含み得る。ノブ126が入口ヘッド122に固定されると、ノブ126は医療デバイス110の一つ以上の構成要素、例えば、近位部110に対するノブ126の作動(例えば、回動)に応じて、入口ヘッド122を回動させるように構成され得る。入口ヘッド122がポート116内に受け入れられるとき、一つ以上のねじ山128を本体111の対応するねじ山(図示無し)へ回動可能に係合(及び係合解除)をすることによって、ノブ126がレシーバ120Aを医療デバイス100の近位部110に連結可能(及び分離可能)であり得ることは理解されるべきである。例では、レシーバ120Aの入口ヘッド122は近位部110のポート116に配置される対応するメスルアーコネクタと接続するためのオスルアーコネクタを含み得る。この場合において、入口ヘッド122がポート116に連結された状態で、開口部124は近位部110の一つ以上の構成要素、例えば、容器、及び加圧媒体源などに連通され得る。
【0033】
図3を参照すると、レシーバ120Aは遠位端134Aにて医療デバイス100の挿入部102に連結され得る。シース130の主要内腔132は近位端133の近位内腔131、入口ヘッド122の入口内腔135、及び遠位端134Aの遠位内腔139と連通し得る。この場合において、入口内腔135が近位端133の近位内腔131を介してシース130の主要内腔132へ連通された状態で、入口ヘッド122の開口部124が入口内腔135に連通可能である。レシーバ120Aの長手方向の長さは近位端133と遠位端134Aとの間に延びる長手方向の軸線(図示無し)を規定し得る。
【0034】
近位端133の近位内腔131が第1の断面寸法を有してよく、遠位端134Aの遠位内腔139が第2の断面寸法を有してよく、入口ヘッド122の入口内腔135が第3の断面寸法を有し得ることは理解されるべきである。例では、近位内腔131、遠位内腔139、及び入口内腔135の断面寸法は、レシーバ120Aの長手方向の軸線を横切り得る。例では、主要内腔132の長手方向の軸線に沿った長さは、近位内腔131、遠位内腔139、及び/又は入口内腔135の各々の長手方向の軸線に沿った長さより長い。
【0035】
例では、近位内腔131の第1の断面寸法は遠位内腔139の第2の断面寸法及び/又は入口内腔135の第3の断面寸法と異なり得る。例えば、近位内腔131の第1の断面寸法は遠位内腔139の第2の断面寸法及び/又は入口内腔135の第3の断面寸法より相対的に大きくてよい。さらに、いくつかの例では、入口内腔135の第3の断面寸法は遠位内腔139の第2の断面寸法より相対的に大きくてよい。
【0036】
さらなる例として、近位内腔131の第1の断面寸法、遠位内腔139の第2の断面寸法、及び/又は入口内腔135の第3の断面寸法の各々は、シース130の主要内腔132の断面寸法とそれぞれ異なり得る。例では、主要内腔132の断面寸法は、近位内腔131の第1の断面寸法、遠位内腔139の第2の断面寸法、及び/又は入口内腔135の第3の断面寸法よりもそれぞれ相対的に大きくてよい。いくつかの実施形態において、主要内腔132は約0.4インチ(1.0cm)から約0.6インチ(1.5cm)の範囲にある、例えば、0.5インチ(1.3cm)の直径を含み得る。さらに、主要内腔132は、例えば、約0.9インチ(2.3cm)から約1.1インチ(2.8cm)の範囲にある、例えば、1.0インチ(2.5cm)の長手方向の長さを含み得る。
【0037】
さらに図3を参照すると、挿入部102の内腔104は、挿入部102が遠位端134Aにてレシーバ120Aに連結されるとき、遠位端134Aの遠位内腔139を介してシース130の主要内腔132に連通し得る。本明細書にさらに詳細に記載するように、挿入部102の内腔104はエンクロージャ119の容器に保管された所定の大きさを有する薬剤の粒子を受け入れる大きさ及び形状の断面寸法を含み得る。例えば、薬剤の粒子がおよそ325μmからおよそ425μmの大きさであり得る実施形態において、挿入部102の内腔104は直径約0.05インチ(0.13cm)の大きさであり得る。さらなる例として、薬剤の粒子がおよそ500μmからおよそ600μmの大きさであり得る実施形態において、挿入部102の内腔104は直径約0.08インチ(0.20cm)の大きさであり得る。いくつかの例では、遠位内腔139の第2の断面寸法は少なくとも挿入部102の内腔104の断面寸法以下であり得る。
【0038】
図2図3を参照すると、レシーバ120Aの遠位端134Aはインターフェイス136A及び開口部138Aを含み得る。例では、インターフェイス136Aはシース130の主要内腔132内に配置され得る遠位端134Aの近位面を規定する。開口部138Aは遠位端134Aのインターフェイス136Aに沿って配置されてよく、遠位端134Aの遠位内腔139と連通し得る。例では、インターフェイス136A、開口部138A、及び/又は遠位端134Aの遠位内腔139は、シース130から医療デバイス100の一つ以上の構成要素、例えば、挿入部102への一つ以上の物質(又はその一部分)の送達を抑制するように構成され得る大きさ、形状、及び/又は構造を含み得る。追加で及び/又は代わりに、インターフェイス136A、開口部138A、及び/又は遠位内腔139は、シース130から医療デバイス100の一つ以上の他の構成要素、例えば、挿入部102への一つ以上の他の物質(又はその一部分)の送達を許容するように構成され得る大きさ、形状、及び/又は構造を含み得る。
【0039】
例では、遠位端134Aのインターフェイス136Aはレシーバ120Aの近位端133から遠位に離れるように延びる凹面であり得る。例えば、遠位端134Aは、インターフェイス136Aを規定する凹形、凹部、くぼみ、漏斗、及び/又はくぼんだ構造を有し得る。この場合において、インターフェイス136Aの中央に開口部138Aが配置されると、開口部138Aに隣接するインターフェイス136Aの断面寸法(例えば、直径)は、開口部138Aから相対的に遠いインターフェイス136Aの断面寸法(例えば、直径)より小さくてよい。その結果、遠位端134Aのインターフェイス136Aは、開口部138A及び/又は挿入部102に近接する対向部よりも、近位端133に近接する部分に沿って相対的により幅広いことは理解されるべきである。
【0040】
図2図3をさらに参照すると、遠位端134Aのインターフェイス136Aはシース130に受け入れられるとともに遠位端134Aの遠位内腔139を介して挿入部102へ送達され得る物質(例えば、薬剤)の量を制御するように構成され得る。この場合において、インターフェイス136Aは送達される物質の量を薬剤含有粒子の大きさに基づいて制御し得る。インターフェイス136Aの表面構造は、所定の大きさを有する粒子をシース130の主要内腔132から開口部138Aへ向かってかつ挿入部102の内腔104内へ案内及び/又は移動させ得る。さらに、インターフェイス136Aの表面構造はシース130に受け入れられ、かつ開口部138Aを通って内腔104内へ受け入れられた所定の大きさを有さない薬剤の粒子の内腔104内への送達を抑制し得る。
【0041】
開口部138A及び/又は遠位端134Aの遠位内腔139は、シース130に受け入れられ、かつ挿入部102へ送達される物質の量を、薬剤の粒子の大きさに基づいて制御するようにさらに構成され得る。例えば、開口部138A及び/又は遠位内腔139の断面寸法は、主要内腔132から挿入部102の内腔104への所定の大きさを有さない薬剤の粒子の送達を抑制しながら、所定の大きさを有する粒子の送達を容易にし得る。例では、粒子の所定の大きさは挿入部102の内腔104の断面寸法に対する粒子の断面寸法との間に所定の関係性を含み得る。例えば、粒子の所定の断面の大きさは、挿入部102の内腔104の断面寸法のおよそ1/3、1/4、1/5、1/6、1/8、1/9、1/10以下であってよく、又は挿入部102の内腔104の断面寸法よりも小さくてよい。他の例において、所定の大きさは挿入部102に対して様々な他の適切な断面寸法を含み得る。
【0042】
医療デバイス100の例示的な使用方法によると、物質は最初、エンクロージャ119の容器に保管されてよく、レシーバ120Aはポート116を介して近位部110の本体111に連通され得る。この場合において、入口ヘッド122はポート116に受け入れられることが可能であり、一つ以上のねじ山128はポート116にて対応するねじ山と噛合し得る。ねじ山128はノブ126の作動(例えば、回動)に応答して近位部110の本体111に係合され得る。さらに、挿入部102は遠位端134Aにてレシーバ120Aに連通されてよく、挿入部102の内腔104は、近位内腔131、主要内腔132、及び遠位内腔139を介してエンクロージャ119の容器と連通し得る。
【0043】
この場合において、近位部110の加圧媒体源が作動すると、加圧媒体はエンクロージャ119の容器へ送られ得る。加圧媒体は容器に保管された物質をその中で移動させ、それにより物質の混合物を生成し得る。例では、物質は様々な大きさ及び/又は形状を有する複数の粒子を備える薬剤(例えば、止血粉末)であり得る。複数の粒子の各々は、球状、不規則、及び/又は非対称の輪郭を含み、互いに異なる構造を有し得ることは理解されるべきである。医療デバイス110の加圧媒体源の作動は、ポート116を介して容器からレシーバ120Aへ薬剤を移動し得る、エンクロージャ119の容器内での圧力の変化を起こし得る。
【0044】
例では、薬剤の粒子は入口ヘッド122を通って近位端133の近位内腔131内へ送達され、シース130の主要内腔132内に受け入れられる。薬剤の複数の粒子がシース130内に受け入れられると、レシーバ120Aは主要内腔132内に薬剤のさらなる混合物を提供し得る。近位端133を介してレシーバ120Aのシース130に入ると、薬剤の複数の粒子は主要内腔132内及び遠位端134Aへ向かって移動し得る。この場合において、粒子は遠位端134Aのインターフェイス136Aと遭遇することが可能であり、粒子の大きさに基づいて、開口部138Aを通って受け入れられることが可能であり、又は主要内腔132内へ近位にそれて(例えば、後方)近位端133に向かって戻り得る。言い換えれば、医療デバイス100のレシーバ120Aは、粒子の断面寸法、大きさ、及び/又は形状に基づいてシース130内で薬剤の混合、分別、及び又は分類するように構成され得る。
【0045】
例として、遠位端134Aのインターフェイス136Aは、粒子が所定の大きさより大きい大きさを有するとき、開口部138A及び遠位端139内への薬剤の一つ以上の粒子の侵入を抑制するように構成され得る。例では、粒子の所定の大きさは、挿入部102の内腔104の断面寸法のおよそ、1/3、1/4、1/5、1/6、1/8、1/9、1/10以下であり、又は挿入部102の内腔104の断面寸法よりも小さい所定の断面寸法を含み得る。開口部138A及び/又は遠位内腔139の断面寸法が近位内腔131の断面寸法よりも相対的に小さいと、近位端133を通ってシース130内へ受け入れられた粒子の一部分が遠位内腔139を通って送達可能であり得ることは理解されるべきである。この場合において、所定の大きさを有さない粒子の残部はシース130の主要内腔132内に維持され得る。
【0046】
開口部138A及び遠位内腔139を通った所定の大きさを有する薬剤の粒子の一部分の送達を容易にすることによって、レシーバ120Aは処置の間に挿入部102の内腔104の詰まりを最小化し得る。この場合において、インターフェイス136A、開口部138A、及び/又は遠位端134Aの遠位内腔139は、(例えば、個々に及び/又は総じて)挿入部102内の過大な粒子の送達を低減可能であり、それにより内腔104の詰まり及び/又は対象(例えば、患者)への損傷の事例を減少させる。その結果、挿入部102と近位部110との間に連通されるレシーバ120Aにより、エンクロージャ119の容器に保管された物質の所定の一部分(例えば、所定の大きさを有する薬剤の粒子)が、医療デバイス100によって対象内の標的治療部位へ送達され得ることは理解されるべきである。
【0047】
近位内腔131の断面寸法の大きさが主要内腔132の断面寸法より相対的に小さい場合、シース130に受け入れられかつ所定の大きさ制限に適合しない薬剤の粒子は、近位端133と遠位端134との間の主要内腔132内に維持されることが可能であり、及び/又は停滞することが可能である。言い換えれば、所定の大きさを有さず、かつ遠位端134Aから近位端133へ向かってそれる薬剤の粒子の一部分は、入口内腔135を通って主要内腔132へ向かって移動する流入流体の流れによって近位端133を通って送達されることを抑制される。
【0048】
いくつかの例では、所定の大きさ制限に適合しない粒子の少なくとも一部分は、シース130の底面(又は他の表面)に沿って堆積され得る。この場合において、シース130の主要内腔132内に堆積される粒子は、レシーバ120A内に物質の固定された層及び又は静止した層を形成し得る。近位端133の近位内腔131の断面寸法は、シース130の主要内腔132内に受け入れられる粒子の全て又は実質的に全てより大きくあり得ることは理解されるべきである。
【0049】
図4Aを参照すると、別の例示的なレシーバ120Bが本開示の例に従って示される。以下に別段の定めがある場合を除き、レシーバ120Bは上述のレシーバ120Aと実質的に類似してよく、類似の参照番号が類似の構成要素を特定するために用いられる。レシーバ120Bがレシーバ120Aと同様に構成可能であり、かつ操作可能であり得ること及びレシーバ120Bが上述の医療デバイス100に容易に取り入れられ得ることは理解されるべきである。
【0050】
例えば、レシーバ120Bはシース130の近位端133とは反対の端に沿って配置される遠位端134Bを含み得る。遠位端134Bはシース130の主要内腔132内に少なくとも部分的に配置されることが可能であり、インターフェイス136B及び開口部138Bを含み得る。インターフェイス136Bは遠位端134Bの近位面を規定し、開口部138Bはインターフェイス136Bに沿って配置され得る。開口部138Bは遠位端134Bの遠位内腔(遠位内腔139と類似する)と連通し得る。例では、インターフェイス136B、開口部138B、及び/又は遠位端134Bの遠位内腔は、シース130から挿入部102への一つ以上の物質(又はその一部分)の送達を抑制するように構成され得る大きさ(例えば、断面の大きさ)、形状、及び/又は構造を含み得る。追加で及び/又は代わりに、インターフェイス136B、開口部138B、及び/又は遠位端134Bの遠位内腔は、シース130から挿入部102への一つ以上の他の物質(又はその一部分)の送達を許容するように構成され得る大きさ(例えば、断面の大きさ)、形状、及び/又は構造を含み得る。
【0051】
例では、遠位端134Bのインターフェイス136Bはレシーバ120Bの近位端133に向かって近位に先細になる突出面を有し得る。言い換えると、遠位端134Bはインターフェイス136Bを規定するように延伸され、円錐の形状を有し、及び/又は拡張された構造を有し得る。いくつかの例では、インターフェイス136Bは遠位端134Bの遠位内腔を介してシース130内に受け入れられ、かつ挿入部102へ送達される物質(例えば、薬剤)の量を制御するように構成され得る。この場合において、インターフェイス136Bは送達される物質の量について薬剤を含む粒子の大きさに基づいて制御し得る。インターフェイス136Bの構造は所定の大きさを有する粒子をシース130の主要内腔132から開口部138Bへ向かってかつ挿入部102の内腔104内へ案内及び又は移動させ得る。さらに、インターフェイス136Bの構造はシース130に受け入れられかつ所定の大きさを有さない薬剤の粒子の送達が開口部138Bを通って内腔104内に受け入れられることを抑制し得る。
【0052】
図4Bを参照すると、別の例示的なレシーバ120Cが本開示の例に従って示される。以下に別段の定めがある場合を除き、レシーバ120Cは上述のレシーバ120Aと実質的に類似することが可能であり、類似の参照番号が類似の構成要素を特定するために用いられる。レシーバ120Cはレシーバ120Aと同様に構成及び操作可能であり得ること、及びレシーバ120Cが上述の医療デバイス100内に容易に取り入れられ得ることは理解されるべきである。
【0053】
例えば、レシーバ120Cはシース130の近位端133の反対の端に沿って配置された遠位端134Cを含み得る。遠位端134Cはシース130の主要内腔132内に少なくとも部分的に配置されることが可能であり、インターフェイス136C及び開口部138Cを含み得る。インターフェイス136Cは遠位端134Cの近位面を規定し、開口部138Cはインターフェイス136Cに沿って配置され得る。開口部138Cは遠位端134Cの遠位内腔(遠位内腔139に類似)と連通し得る。例では、インターフェイス136C、開口部138C、及び/又は遠位端134Cの遠位内腔は、シース130から挿入部102への一つ以上の物質(又はその一部分)の送達を抑制するように構成され得る大きさ(例えば、断面の大きさ)、形状、及び/又は構造を含み得る。追加で及び/又は代わりに、インターフェイス136C、開口部138C、及び/又は遠位端134Cの遠位内腔はシース130から挿入部102への一つ以上の他の物質(又はその一部分)の送達を許容するように構成され得る大きさ(例えば、断面の大きさ)、形状、及び/又は構造を含み得る。
【0054】
例では、遠位端134Cのインターフェイス136Cはレシーバ120Cの長手方向の軸線を横切って延びる平面であり得る。例えば、遠位端134Cはインターフェイス136Cを規定する平面構造及び/又は平坦な構造を有し得る。いくつかの例では、インターフェイス136Cはシース130に受け入れられ、かつ遠位端134Cの遠位内腔を介して挿入部102へ送達される物質(例えば、薬剤)の量を制御するように構成され得る。この場合において、インターフェイス136Cは送達される物質の量について薬剤を含む粒子の大きさに基づいて制御し得る。インターフェイス136Cの構造は所定の大きさを有する粒子をシース130の主要内腔132から開口部138Cへ向かってかつ挿入部102の内腔104内へ案内及び/又は移動させ得る。さらに、インターフェイス136Cの構造はシース130内に受け入れられかつ所定の大きさを有さない薬剤の粒子の送達が開口部138Cを通って内腔104内に受け入れられることを抑制し得る。
【0055】
図5は本開示の例に従った例示的な医療デバイス200の側面図を示す。医療デバイス200は挿入部102、近位部210、及びレシーバ120を含み得る。医療デバイス200が本開示の範囲から逸脱することなく上述の任意の例示的なレシーバ120A、120B、120C及び挿入部102を含み得ることは理解されるべきである。近位部210は第1の本体211及び第2の本体216を有してよく、第1の本体211は近位部210の遠位端212に配置され、第2の本体216は近位部210の近位端214に配置される。近位部210の第1の本体211は第2の本体216との間に延びるロッド217によって第2の本体216へ連結され得る。例では、ロッド217は第2の本体216に固定されることが可能であり、第1の本体211を通って延び得る。本明細書にさらに詳細に記載するように、第2の本体216及びロッド217は医療デバイス200の一つ以上の他の構成要素、例えば、一つ以上のハンドル218の作動に応答して第1の本体211に対して移動するように構成され得る。
【0056】
医療デバイス200の近位部210は、スイッチ220、プランジャ230、及びシリンジ240をさらに含み得る。近位部210のスイッチ220はスイッチ220及び加圧媒体源にそれぞれ連結された一つ以上の管222によって加圧媒体源(図示無し)と連通され得る。さらに、近位部210のスイッチ220は、それらに連結する一つ以上の管222によってプランジャ230に連通され得る。本明細書にさらに記載するように、スイッチ220はスイッチ220の作動に応答して加圧媒体源とプランジャ230との間の連通を選択的に確立するように構成される。
【0057】
図5をさらに参照すると、近位部210のプランジャ230は、遠位端232及び近位端234によって規定され、かつ、それらの間に延びる長手方向の長さを含み得る。プランジャ230が遠位端232と近位端234との間に内側内腔を規定し得ること、及び加圧媒体源から加圧媒体を供給するように構成されることは理解されるべきである。プランジャ230の近位端234は、プランジャ230を一つ以上の管222の少なくとも一つと連通させるように構成及び操作可能であり得るポート235を含み得る。この場合において、プランジャ230はポート235にて受け入れられる管222を介してスイッチ220と連通する。他の例において、本開示の範囲から逸脱することなく本明細書に記載されるよりも、ポート235はプランジャ230の様々な他の部分に沿って配置され得ることは理解されるべきである。
【0058】
プランジャ230の近位端234は第2の本体216のスロット215内に受け入れられることが可能であり、それにより着脱可能にプランジャ230を第2の本体216に固定する。本明細書にさらに詳細に記載するように、プランジャ230の近位端234がスロット215を介して第2の本体216に連結された状態で、プランジャ230は第1の本体211に対する第2の本体216の移動に応答して、第1の本体211に対して移動するように構成される。近位部210のシリンジ240は遠位ポート242及び近位フランジ244によって規定され、それらの間に延びる長手方向の長さを含み得る。シリンジ240は遠位ポート242と近位フランジ244との間に内腔246を規定することが可能であり、その中に、例えば、薬剤(例えば、止血粉末)のような物質を保管し、かつプランジャ230を受け入れるように構成される。
【0059】
いくつかの実施形態において、シリンジ240は、例えば、遠位ポート242と近位フランジ244との間の様々な適切な場所で内腔246内に配置された一つ以上のフィルタ機構248を含み得る。図5は一つのそのようなフィルタ機構248を示す。フィルタ機構248は多孔構造を有するメッシュ又はスクリーンを含み得る。フィルタ機構248の孔は、物質(例えば、止血粉末の微粒子)の一部分がフィルタ機構248を(例えば、近位フランジ244と隣接する内腔246の一部分から遠位ポート242と隣接する内腔246の一部分へ向かう遠位方向に)通過することを少なくとも部分的に物質の粒子の大きさに基づいて抑制する大きさ及び/又は形状であり得る。言い換えると、フィルタ機構248は内腔246内に配置された物質の一部分がフィルタ機構248を(遠位ポート242へ向かって)通過することをフィルタ機構248の孔(例えば、開口部)の寸法より小さい物質の粒子の大きさに基づいて許容するように構成され得る。フィルタ機構248は内腔246内のフィルタ機構248の孔より大きい物質の部分を保持することにより、医療デバイス200の一つ以上の構成要素(例えば、遠位ポート242、レシーバ120、挿入部102)を詰まらせる物質の事例を減らし得る。
【0060】
図5をさらに参照すると、シリンジ240の近位フランジ244は第1の本体211のスロット213に着脱可能に係合するように構成及び操作可能であってよく、それによりシリンジ240を近位部210の第1の本体211に固定する。いくつかの例では、第1の本体211はその上にシリンジ240を固定するために第1の本体211の外部に沿って一つ以上の保持機構219をさらに含み得る。他の例では、スロット213及び/又は一つ以上の保持機構219が本開示の範囲から逸脱することなく本明細書の記載とは異なり第1の本体211の様々な他の部分に沿って配置され得ることは理解されるべきである。プランジャ230の遠位端232はシリンジ240の内腔246内に配置されることが可能であり、遠位ポート242に対して移動可能であり得る。プランジャ230の遠位端232はシリンジ246の壁の内面に対してシールを提供し得る。
【0061】
本明細書にさらに詳細に記載するように、プランジャ230は第1の本体211に対する第2の本体216の移動に応答し、内腔246内でシリンジ240に対して移動するように構成される。例では、シリンジ240の遠位ポート242はシリンジ240を医療デバイス200の一つ以上の構成要素、例えばレシーバ120に連結するように構成及び操作可能であり得る。この場合において、レシーバ120の入口ヘッド122はシリンジ240の遠位ポート242内に受け入れられることが可能でありかつ固定されることが可能であり、それによりレシーバ120のシース130はシリンジ240の内腔246と連通する。
【0062】
近位部210の第1の本体211は一つ以上のハンドル218A、218Bをさらに含み得る。ハンドル218Aは、ハンドル218Bを含む第1の本体211の残部に対して、旋回するように移動可能及び構成され得る。例では、第1の本体211のハンドル218A、218Bは近位部210のラチェット機構(図示無し)に連結され得る。例えば、ラチェット機構は第1の本体211内に配置されることが可能であり、第1の本体211に対する第2の本体216の移動の速度を制御するように構成され得る。ハンドル218A、218Bが近位に引かれるとき、ラチェット機構は第1の本体211に対して第2の本体216を移動するように係合される。
【0063】
図5を参照すると、プランジャ230が第2の本体216に固定され、かつシリンジ240が第1の本体211に固定された状態で、近位部210のラチェット機構はハンドル218A、218Bの作動に応答して、シリンジ240の内腔246内へのプランジャ230の移動をさらに制御し得る。ラチェット機構はハンドル218A、ハンドル218Bの機械的作動に応答して、第1の本体211及びシリンジ240に対するそれぞれの複数の増分状態に沿って第2の本体216及びプランジャ230の漸進的駆動を容易にするように操作可能であり得る。本明細書にさらに詳細に記載するように、近位部210のラチェット機構はシリンジ240に対するプランジャ230の進行を制御することにより、シリンジ240の内腔246内に配置される物質の送達流速を制御するように構成され得る。
【0064】
図6Aから図6Cは本開示の例に従った例示的なプランジャ230A、230B、230Cの遠位端234の部分斜視図を示す。以下に別段の定めがある場合を除き、プランジャ230A、230B、230Cは上述のプランジャ230に実質的に類似し、類似の参照番号が類似の構成要素を特定するために用いられる。プランジャ230A、230B、230Cはプランジャ230のように構成及び操作可能であり得ること及びプランジャ230A、230B、230Cが上述の医療デバイス200内に容易に取り入れられ得ることは理解されるべきである。
【0065】
例えば、まず図6Aを参照すると、例示的なプランジャ230Aは遠位端232にて丸みを帯びたヘッド236を含むことが可能であり、丸みを帯びたヘッド236は遠位端232から外側へ延び得る非平面を形成する。いくつかの例では、丸みを帯びたヘッド236はプランジャ230Aの長手方向の軸線を横切る輪郭を形成する球状、球根状、及び/又は湾曲した構造を含む。本明細書にさらに詳細に記載するように、プランジャ230Aの丸みを帯びたヘッド236はシリンジ240の内腔246内に配置された一つ以上の物質を、プランジャ230Aがそこを通って進行するときに、遠位ポート242へ向かって移動及び/又は案内するように構成され得る。
【0066】
プランジャ230Aの遠位ヘッド232は丸みを帯びたヘッド236上に配置される開口部239Aをさらに含み得る。例では、開口部239Aは丸みを帯びたヘッド236の中央部分に沿って配置され、プランジャ230Aの内側内腔に連通し得る。他の例では、開口部239Aが丸みを帯びたヘッド236の様々な他の部分に沿って配置され得ることは理解されるべきである。丸みを帯びたヘッド236の開口部239Aはプランジャ230Aの内側内腔内に配置された物質(例えば、加圧媒体)を遠位端232から外側へ、例えば、プランジャ230Aがシリンジ240の内腔246内に受け入れられるときに、その中へ送達するための大きさ、形状であってよく、かつ送達するように構成され得る。
【0067】
図6Bを参照すると、例示的なプランジャ230Bは遠位端232の丸みを帯びたヘッド236から外側へ延びる丸みを帯びたノズル238Bを含み得る。この場合において、丸みを帯びたノズル238Bは丸みを帯びたヘッド236に対して遠位に延び、かつ、プランジャ230Bの長手方向の軸線と平行に並ぶ長手方向の長さを含んでいる。プランジャ230Bの遠位ヘッド232は丸みを帯びたノズル238Bの遠位端によって規定される開口部239Bをさらに含む。例では、開口部239Bは丸みを帯びたノズル238Bの末端に配置され、プランジャ230Bの内側内腔と連通し得る。他の例では、開口部239Bは丸みを帯びたノズル238B及び/又は丸みを帯びたヘッド236の様々な他の部分に沿って配置され得ることは理解されるべきである。
【0068】
丸みを帯びたヘッド238Bの開口部239Bはプランジャ230Bの内側内腔内に配置された物質を遠位端232から外側へ、例えば、プランジャ230Bがシリンジ240の内腔246内に受け入れられるときに、その中へ送達するための大きさ、形状であってよく、かつ送達するように構成され得る。丸みを帯びたノズル238Bは開口部239Bからシリンジ240の内腔246内へ送達される物質の流速を制御するための大きさ、形状であってよく、かつ制御するように構成され得る。さらに、丸みを帯びたノズル238Bの構造は、丸みを帯びたヘッド236によって内腔246内の物質の圧縮を最小限にしながら、シリンジ240の内腔246内に保管された物質を遠位ポート232へ向かって移動及び/又は案内することを容易にするように操作可能であり得る。
【0069】
図6Bをさらに参照すると、丸みを帯びたノズル238Bがプランジャ230Bの遠位端232に対して相対的に延長された輪郭を有した状態で、遠位端232の内腔246内への移動かつ遠位ポート232へ向かう移動(例えば、平行移動)の範囲を減少しながら、プランジャ230Bはシリンジ240内の薬剤への加圧媒体の送達を可能にし得る。その結果、シリンジ240に対するプランジャ230Bの移動により物質を圧縮する丸みを帯びたヘッド236に応答して、丸みを帯びたノズル238Bが内腔246内の物質の圧縮及び遠位ポート242の詰まりを減少するように構成され得ることは理解されるべきである。
【0070】
次に、図6Cを参照すると、例示的なプランジャ230Cは遠位端232の丸みを帯びたヘッド236から外側へ延びる平らなノズル238Cを含み得る。この場合、平らなノズル238Cは丸みを帯びたヘッド236から遠位に延び、かつ、プランジャ230Cの長手方向の軸線と平行に並ぶ長手方向の長さを含んでいる。プランジャ230Cの遠位ヘッド232は平らなノズル238Cの遠位端によって規定される開口部239Cをさらに含み得る。この例において、開口部239Cは平らなノズル238Cの末端に配置され、プランジャ230Cの内側内腔と連通し得る。他の例では、開口部239Cが平らなノズル238C及び/又は丸みを帯びたヘッド236の様々な他の部分に沿って配置され得ることは理解されるべきである。
【0071】
平らなノズル238Cの開口部239Cはプランジャ230Cの内側内腔内に配置された物質を遠位端232から外側へ送達するための大きさ、形状であって、かつ送達するように構成され得る。平らなノズル238Cは開口部239Cから送達される物質の流速を制御するための大きさ、形状であってよく、かつ制御するように構成され得る。さらに、平らなノズル238Cの拡張された輪郭及び/又は構造は、丸みを帯びたヘッド236によって内腔246内の物質の圧縮を最小限にしながら、シリンジ240に保管された物質を遠位ポート232へ向かって移動及び/又は案内することを容易にするために操作可能であり得る。結果として、シリンジ240に対するプランジャ230Cの移動によって物質を圧縮する丸みを帯びたヘッド236に応答して、平らなノズル238Cが内腔246内の物質の圧縮及び遠位ポート242の詰まりを減少するように構成され得ることは理解されるべきである。
【0072】
医療デバイス200の例示的な使用方法によると、物質はまずシリンジ240の内腔246内に保管されることが可能であり、少なくともプランジャ230の遠位端232は内腔246内に配置され得る。医療デバイス200が本開示の範囲から逸脱することなく上述の任意の例示的なプランジャ230A、230B、230Cを含み得ることは理解されるべきである。シリンジ240はスロット213内に近位フランジ244を配置することにより第1の本体211に固定されることが可能であり、一つ以上の保持機構219にシリンジ240を係合する。第2の本体216が第1の本体211に対して最近位(例えば、左側)の範囲へ移動した状態で、スロット215内に近位端234を配置することにより、プランジャ230が第2の本体216に固定され得る。近位部210のスイッチ220は管222を介してプランジャ230のポート235に連通され得る。
【0073】
スイッチ220は別の管222を介して加圧媒体源(図示無し)とさらに連結されることが可能であり、プランジャ230の内側内腔はスイッチ220を介して加圧媒体源と連通する。レシーバ120は遠位ポート242に入口ヘッド122を挿入することにより遠位ポート242を介してシリンジ240に連通されることが可能であり、ノブ126を作動させることにより遠位ポート242にてねじ山128を対応するねじ山に回動可能に係合する。さらに、挿入部102は遠位端134でレシーバ120に連通されることが可能であり、挿入部102の内腔104はレシーバ120を介してシリンジ240の内腔246と連通し得る。
【0074】
この場合において、スイッチ220が作動されると、加圧媒体源からの加圧媒体はプランジャ230へ及び遠位端232から外側へ送達され得る。加圧媒体は内腔246に保管された物質をその中で移動させてよく、それにより物質の混合物を生成する。例では、物質は様々な大きさ及び/又は形状の複数の粒子を含む薬剤(例えば、止血粉末)であり得る。医療デバイス200のスイッチ220の作動は遠位ポート242を介して内腔246からレシーバ120へ薬剤を移動し得るシリンジ240の内腔246内に圧力変化を生み出し得る。
【0075】
例では、薬剤の粒子は入口ヘッド122を通って送達され、レシーバ120のシース130内に受け入れられる。薬剤の複数の粒子がシース130内に受け入れられると、レシーバ120はその中に薬剤のさらなる混合物を提供し得る。薬剤の複数の粒子はシース130内に移動することが可能であり、上述の方法に従って遠位端134を通って挿入部102へ送達され得る。結果として、粒子が所定の大きさより大きい大きさを有するとき、レシーバ120が挿入部102内への薬剤の一つ以上の粒子の侵入を抑制するように構成され得ることは理解されるべきである。この場合において、所定の大きさを有さない粒子の残部はレシーバ120のシース130内に保持され得る。
【0076】
ハンドル218A、218Bの作動はシリンジ240に対するプランジャ230の進行制御を提供することが可能であり、例えば遠位端232の遠位ポート242へ向かう進行である。この場合において、内腔246に対する遠位端232の移動は、薬剤に当接しかつ薬剤を遠位に付勢する丸みを帯びたヘッド236に応答して、シリンジ240に保管された薬剤を遠位ポート242へ向かって移動させ得る。遠位端232の丸みを帯びたヘッド236が遠位ポート242を通った粒子の送達を容易にするために、シリンジ240の内腔246内に配置された蓄積物質を乱すように構成され得ることは理解されるべきである。
【0077】
近位部210のラチェット機構によって提供される、シリンジ240に対するプランジャ230の移動制御は、内腔246の底面(又は他の面)に沿って保管された粒子の配置及び/又は状態を乱すことによってシリンジ240内の薬剤を攪拌することを、丸みを帯びたヘッド236に許容し得る。薬剤の粒子の移動は粒子を移動するプランジャ230の丸みを帯びたヘッド236に応答して、遠位ポート242を通った加圧媒体による送達のために改善され得ることは理解されるべきである。
【0078】
いくつかの例では、プランジャ230の遠位ポート242ヘ向かう移動により、シリンジ内の遠位端232と遠位ポート242との間のスペースが減少するため、(内腔246の底面に沿って配置された)薬剤を相対的に上方へ蓄積させ得る。この場合において、蓄積した薬剤の上面は遠位端232と遠位ポート242との間のスペースが狭まるため上昇(例えば、増加)することが可能であり、それにより薬剤の上面のレベル(例えば、高さ)をプランジャ230の開口部239A、239B、239Cを用いて調節する。その結果として、シリンジ240に対するプランジャ230の移動は、開口部239A、239B、239Cの流路に薬剤の粒子を配置することにより、レシーバ120内に送達するための薬剤に、開口部239A、239B、239Cから加圧媒体を案内することを容易にし得る。
【0079】
プランジャ230内の加圧媒体の送達を許容するためにスイッチ220を作動させた状態で、遠位端232における開口部239A、239B、239Cは、それらの開口部を通って加圧媒体を送達し、薬剤の粒子を遠位ポート242へ案内し得る。さらに、ノズル238B、238Cをそれぞれ含むプランジャ230B、230Cの例では、ノズル238B、238Cの延長部は、当接ヘッド236が内腔246内で薬剤を圧縮することを最小限にしながら加圧媒体の薬剤への送達を容易にし得るため、プランジャ230B、230Cの移動が少なくて済む。
【0080】
いくつかの例において、シリンジ240に保管された薬剤の少なくとも一部分は挿入部102を詰まらせることを最小限にするために内腔246内に留まってよく、レシーバ120に受け入れられなくてよいことは理解されるべきである。さらに、レシーバ120内に受け入れられた薬剤の一部分はシース130の底面に沿って配置されることがあり、それにより薬剤はその上面を形成する。この場合、プランジャ230からレシーバ120内に送達された加圧媒体は、挿入部102内への送達のために薬剤の上面に沿って配置される粒子を攪拌し得る。
【0081】
各々の上述のデバイス、アセンブリ、及び方法は、例えば、止血剤の標的治療部位への送達制御を提供するために用いられ得る。任意の医療デバイス100、200は、例えば、上述の医療デバイス100、200のレシーバ120A、120B、120Cは内視鏡又は類似のデバイス内に医療デバイス100、200を配置することに役立つ撮像システム、照明システムなどを用いて挿入され得る。詰まりの事例を最小限にしながら、手術中に止血剤の送達速度を制御するレシーバ120A、120B、120Cを用いて使用者に対象者の出血している組織を治療することを許容するデバイスを提供することにより、使用者は手術全体の時間を低減することができ、手術の効率及び効力を増加させることができ、医療デバイス100、200の詰まり及び/又は血液の凝固に効果がないものによる対象の体への不必要な損傷を避けることができる。
【0082】
様々な修正及び変更が本開示の範囲から逸脱することなく本開示のデバイス及び方法においてされ得ることは当業者にとって明らかであろう。本開示の他の態様が本明細書の熟考及び本明細書に開示された特徴の実施によることは当業者にとって明らかであろう。本明細書及び実施例は単なる一例として考慮されることが意図される。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図6C
【国際調査報告】