(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-30
(54)【発明の名称】生物組織膜を密封するための閉鎖デバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/00 20060101AFI20230523BHJP
【FI】
A61B17/00 500
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022562551
(86)(22)【出願日】2021-02-23
(85)【翻訳文提出日】2022-12-12
(86)【国際出願番号】 US2021019158
(87)【国際公開番号】W WO2021211213
(87)【国際公開日】2021-10-21
(32)【優先日】2020-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522322701
【氏名又は名称】デインデ・メディカル・コープ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・シー・ファーナン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160DD55
4C160DD65
(57)【要約】
生物組織膜12を通る開口10を漏洩に対して密封するためのデバイス。デバイスは、構造化ヒドロゲルを含む埋込型の液体密封プラグ100を含む。液体密封プラグ100は、少なくとも部分的に、膜12などといった生物組織を通る開口10内に位置決めされるように構成される。液体密封プラグ100は、液体を吸収すると直径が増加するように構成され、液体を吸収した際の液体密封プラグ100の直径の増加が、生物組織膜12を通る開口10を密封する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物組織膜を通る開口を漏洩に対して密封するためのデバイスであって、
支持要素遠位部および支持要素近位部を備える細長い支持要素と、
前記支持要素遠位部に配設される埋込型の液体密封プラグであって、前記液体密封プラグが構造化ヒドロゲルを含み、前記液体密封プラグが液体を吸収すると直径が増加するように構成される、液体密封プラグと、を備え、
その上に前記液体密封プラグが配設される前記支持要素が、少なくとも部分的に、生物組織膜を通る前記開口内に位置決めされるように構成される、デバイス。
【請求項2】
前記液体密封プラグが、全体的に細長く、前記支持要素遠位部に沿って配設される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記液体密封プラグが、前記支持要素遠位部の周りに、実質的に同軸に円周方向に配設される、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記構造化ヒドロゲルは、完全に水和するとき、前記液体密封プラグが全体として細長く直円柱の形となるように構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
完全に水和するとき、液体密封プラグ直径が液体密封プラグ長にわたって実質的に一定となる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
実質的に脱水するとき、液体密封プラグ直径が液体密封プラグ長にわたって実質的に一定となる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記支持要素遠位部が、前記液体密封プラグの遠位端部を越えて遠位方向に延びる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記構造化ヒドロゲルが実質的に脱水されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記液体密封プラグは、前記生物組織膜を通る前記開口中に埋め込む前に、前記構造化ヒドロゲルが少なくとも部分的に液体によって水和されるように構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
完全に水和するとき、前記構造化ヒドロゲルは、約5%から約10%の固形物を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記構造化ヒドロゲルは、アモルファス熱可塑性ウレタンおよび加水分解ポリアクリロニトリルのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
前記支持要素が実質的に剛体である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
前記支持要素が半剛体である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項14】
前記支持要素が金属ワイヤを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項15】
前記金属ワイヤは、ニッケルチタン、ステンレススチール、タングステン、およびプラチナのうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記支持要素がプラスチックロッドを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項17】
前記支持要素が実質的に高い可撓性を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項18】
前記支持要素が少なくとも1本の繊維を備える、請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
少なくとも1本の前記繊維が縫合材料である、請求項18に記載のデバイス。
【請求項20】
前記縫合材料が生体吸収性である、請求項19に記載のデバイス。
【請求項21】
前記支持要素近位部の少なくとも一部の周りに沿って、円周方向に摺動可能に配設される、細長く管状の押込スリーブをさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項22】
前記押込スリーブが押込スリーブ長を有し、
前記押込スリーブ長が支持要素近位部長より短い、請求項21に記載のデバイス。
【請求項23】
押込スリーブ遠位端部が、液体密封プラグ近位端部に対して当接して配設される、請求項21に記載のデバイス。
【請求項24】
前記支持要素に対する前記押込スリーブの近位方向の運動に選択的に抵抗するために、前記支持要素近位部と解放可能に係合可能な軸方向留め具をさらに備える、請求項21に記載のデバイス。
【請求項25】
前記軸方向留め具が、押込スリーブ近位端部を選択的に当接することによって、前記支持要素に対する前記押込スリーブの近位方向の運動に選択的に抵抗するように構成される、請求項24に記載のデバイス。
【請求項26】
前記軸方向留め具が、前記液体密封プラグの近位端部と当接して、押込スリーブ遠位端部を選択的に保持するように構成される、請求項24に記載のデバイス。
【請求項27】
前記軸方向留め具が、前記支持要素近位部上で選択的に軸方向に摺動可能である、請求項24に記載のデバイス。
【請求項28】
前記軸方向留め具が、前記支持要素近位部を選択的に解放可能に係合するように構成される係合機構を備える、請求項24に記載のデバイス。
【請求項29】
前記係合機構がばねおよびスライドを備える、請求項28に記載のデバイス。
【請求項30】
前記液体およびその上に前記液体密封プラグが配設される前記支持要素遠位部をその中に受け入れるように構成される水和バイアルをさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項31】
前記水和バイアルは、全体として直円柱の形である内部空洞を備える、請求項30に記載のデバイス。
【請求項32】
前記内部空洞は、液体密封プラグ長より長い内部長を有する、請求項31に記載のデバイス。
【請求項33】
前記内部空洞は、前記液体密封プラグが完全に水和したとき、液体密封プラグ直径より大きい内部直径を有する、請求項32に記載のデバイス。
【請求項34】
前記液体密封プラグを、前記生物組織膜を通る前記開口に送達するように構成されるシースをさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項35】
前記シースが、それを通して前記液体密封プラグを受け入れるように構成され、
前記シースが、その中に前記支持要素の少なくとも一部を受け入れるように構成される、請求項34に記載のデバイス。
【請求項36】
前記支持要素近位部の少なくとも一部の周りに沿って、円周方向に摺動可能に配設される、細長く管状の押込スリーブをさらに備え、
前記シースが、その中に前記押込スリーブの少なくとも一部を受け入れるように構成される、請求項35に記載のデバイス。
【請求項37】
前記シースが、その中に全体的に前記押込スリーブを受け入れるように構成される、請求項36に記載のデバイス。
【請求項38】
生物組織膜を通る開口を閉じて、漏洩に対して密封する方法であって、
細長い支持要素上に配設された埋込型の液体密封プラグを生物組織膜を通る前記開口の中に挿入するステップであって、前記液体密封プラグが構造化ヒドロゲルを含む、ステップを含む、方法。
【請求項39】
前記液体密封プラグを挿入するステップの前に、前記液体密封プラグを液体で少なくとも部分的に水和するステップをさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記液体密封プラグを少なくとも部分的に水和するステップが、前記液体密封プラグの中に前記液体を吸収することによって、液体密封プラグ直径を増加させるステップを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記液体密封プラグを少なくとも部分的に水和するステップが、前記液体密封プラグを実質的に完全に水和するステップを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記液体が、水、食塩水、血液、羊水、脳脊髄液、ポリエチレングリコール、血栓溶解剤、および造影剤のうちの少なくとも1つを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項43】
前記液体密封プラグを少なくとも部分的に水和するステップが、前記液体密封プラグの第1の部分を第1の液体で水和するステップと、前記液体密封プラグの第2の部分を第2の液体で水和ステップと、を含み、前記第2の液体が前記第1の液体と異なる、請求項39に記載の方法。
【請求項44】
前記第1の液体が脳脊髄液を含み、前記第2の液体が血液を含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記液体密封プラグを挿入するステップの前に、前記液体密封プラグがシースを通り、前記生物組織膜を通る前記開口の中へと送達されるために前記シースを位置決めするステップをさらに含み、
前記液体密封プラグを挿入するステップが、前記液体密封プラグおよび前記支持要素を前記シースの中に挿入するステップを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項46】
前記液体密封プラグを挿入するステップが、押込スリーブを前記シースの中に挿入するステップを含み、前記支持要素が前記押込スリーブを通って延び、前記液体密封プラグは、前記押込スリーブの遠位方向に前記支持要素上に配設される、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記液体密封プラグを挿入するステップの後に、前記液体密封プラグ、前記支持要素、および前記押込スリーブから近位方向に前記シースを引き抜くステップを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記液体密封プラグを挿入するステップは、押込スリーブ近位端部に対して当接して前記支持要素上に配設された留め具が前記シースの近位端に当接するまで、前記支持要素、前記液体密封プラグ、および前記押込スリーブを前記シースの中に挿入するステップを含み、
前記方法は、
前記液体密封プラグを挿入するステップの後に、前記支持要素から前記留め具を除去するステップと、
前記液体密封プラグ、前記支持要素、および前記押込スリーブから近位方向に前記シースを引き抜くステップと、をさらに含む、請求項46に記載の方法。
【請求項49】
前記シースを引き抜くステップの後に、前記液体密封プラグから前記支持要素を取り外すステップと、前記支持要素を前記押込スリーブを通して近位方向に引き抜くステップと、をさらに含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記支持要素を引き抜くステップの後に、前記押込スリーブを引き抜くステップをさらに含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記シースを引き抜くステップの後に、前記押込スリーブを近位方向に引き抜くステップをさらに含む、請求項48に記載の方法。
【請求項52】
前記押込スリーブを引き抜くステップの後に、前記支持要素が前記液体密封プラグに取り付けられたまま、前記支持要素を切断するステップをさらに含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記支持要素を切断するステップは、皮膚表面近くで前記支持要素を切断するステップを含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
細長い前記支持要素上に配設された埋込型の前記液体密封プラグを挿入するステップの後に、前記生物組織膜を通る前記開口から前記液体密封プラグおよび細長い前記支持要素を除去するステップをさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項55】
細長い前記支持要素上に配設された埋込型の前記液体密封プラグを挿入するステップの後に、配設された前記液体密封プラグおよび細長い前記支持要素を前記生物組織膜を通る前記開口内に再び位置決めするステップをさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項56】
生物組織膜を通る開口を漏洩に対して密封するためのデバイスであって、
構造化ヒドロゲルを含む埋込型の液体密封プラグであって、前記液体密封プラグが液体を吸収すると直径が増加するように構成される、液体密封プラグを備え、
前記液体密封プラグは、少なくとも部分的に、生物組織膜を通る前記開口内に位置決めされるように構成される、デバイス。
【請求項57】
前記液体密封プラグが実質的に脱水状態である、請求項56に記載のデバイス。
【請求項58】
前記液体密封プラグが部分的に水和状態である、請求項56に記載のデバイス。
【請求項59】
前記液体密封プラグが実質的に完全に水和状態である、請求項56に記載のデバイス。
【請求項60】
支持要素遠位部および支持要素近位部を含む細長い支持要素をさらに備え、
前記液体密封プラグが前記支持要素遠位部上に配設され、
その上に前記液体密封プラグが配設される前記支持要素が、少なくとも部分的に、前記生物組織膜を通る前記開口内に位置決めされるように構成される、請求項56に記載のデバイス。
【請求項61】
前記液体密封プラグが、前記支持要素遠位部の周りに沿って、実質的に同軸に円周方向に配設される、請求項60に記載のデバイス。
【請求項62】
生物組織膜を通る開口を閉じて、漏洩に対して密封する方法であって、
液体密封プラグを生物組織膜を通る前記開口の中に埋め込むステップであって、前記液体密封プラグが構造化ヒドロゲルを含む、ステップを含む、方法。
【請求項63】
前記液体密封プラグが細長い支持要素上に配設され、
前記液体密封プラグを前記生物組織膜を通る前記開口に送達するように配置されるシースの中に、前記支持要素および前記液体密封プラグを挿入するステップを含む、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記液体密封プラグを埋め込むステップの前に、前記液体密封プラグを液体で少なくとも部分的に水和するステップをさらに含む、請求項62に記載の方法。
【請求項65】
構造化ヒドロゲルの生物組織閉鎖デバイスを製造する方法であって、
細長い支持要素の支持要素遠位部上に、埋込型で細長い液体密封プラグを配設するステップを含み、前記液体密封プラグが構造化ヒドロゲルを含み、前記液体密封プラグが液体を吸収すると直径が増加するように構成され、前記液体密封プラグが、少なくとも部分的に、生物組織膜を通る開口内に位置決めされるように構成される、方法。
【請求項66】
前記支持要素上に前記液体密封プラグを配設するステップが、前記液体密封プラグを、前記支持要素遠位部の周りに沿って実質的に同軸に円周方向に配設するステップをさらに含む、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記支持要素上に前記液体密封プラグを配設するステップが、前記支持要素遠位部が前記液体密封プラグの遠位端部を越えて遠位方向に延びるように、前記支持要素上に前記液体密封プラグを配設するステップをさらに含む、請求項65に記載の方法。
【請求項68】
前記液体密封プラグの前記遠位端部の遠位方向に、前記支持要素遠位部上に保持器を設置するステップをさらに含む、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記支持要素が可撓性を有する繊維を備え、
前記保持器を設置するステップが、前記繊維に結び目を結ぶステップを含む、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記液体密封プラグが、液体密封プラグ長にわたって実質的に一定となる液体密封プラグ直径を有する、請求項65に記載の方法。
【請求項71】
前記液体密封プラグが実質的に脱水される、請求項65に記載の方法。
【請求項72】
細長く管状の押込スリーブの中に支持要素近位部を挿入するステップをさらに含む、請求項65に記載の方法。
【請求項73】
液体密封プラグ近位端部に対して押込スリーブ遠位端部を当接するステップをさらに含む、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記押込スリーブの近位方向に、前記支持要素近位部上に取外し可能な留め具を設置するステップをさらに含む、請求項72に記載の方法。
【請求項75】
押込スリーブ近位端部に対して前記留め具を当接するステップをさらに含む、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
生物組織膜を通る開口を漏洩に対して密封するためのデバイスであって、
支持要素遠位部および支持要素近位部を備える細長い支持要素と、
前記支持要素遠位部上に配設される埋込型の液体密封プラグであって、前記液体密封プラグが圧縮可能である、液体密封プラグと、を備え、
その上に前記液体密封プラグが配設される前記支持要素が、少なくとも部分的に、生物組織膜を通る前記開口内に位置決めされるように構成される、デバイス。
【請求項77】
前記液体密封プラグが、全体的に細長く、前記支持要素遠位部に沿って配設される、請求項76に記載のデバイス。
【請求項78】
前記液体密封プラグが、前記支持要素遠位部の周りに、実質的に同軸に円周方向に配設される、請求項77に記載のデバイス。
【請求項79】
前記液体密封プラグが全体として細長く直円柱の形である、請求項76に記載のデバイス。
【請求項80】
液体密封プラグ直径が液体密封プラグ長にわたって実質的に一定である、請求項76に記載のデバイス。
【請求項81】
前記支持要素遠位部が、前記液体密封プラグの遠位端部を越えて遠位方向に延びる、請求項76に記載のデバイス。
【請求項82】
前記液体密封プラグが吸収性である、請求項76に記載のデバイス。
【請求項83】
生物組織膜を通る開口を閉じて、漏洩に対して密封する方法であって、
細長い支持要素上に配設された埋込型の液体密封プラグを生物組織膜を通る前記開口の中に挿入するステップであって、前記液体密封プラグが圧縮可能で吸収性である、ステップを含む、方法。
【請求項84】
前記液体密封プラグを挿入するステップの前に、前記液体密封プラグがシースを通り、前記生物組織膜を通る前記開口の中へと送達されるために前記シースを位置決めするステップをさらに含み、
前記液体密封プラグを挿入するステップが、前記液体密封プラグおよび前記支持要素を前記シースの中に挿入するステップを含む、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記液体密封プラグを挿入するステップが、押込スリーブを前記シースの中に挿入するステップを含み、前記支持要素が前記押込スリーブを通って延び、前記液体密封プラグは、前記押込スリーブの遠位方向に前記支持要素上に配設される、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記液体密封プラグを挿入するステップの後に、前記液体密封プラグ、前記支持要素、および前記押込スリーブから近位方向に前記シースを引き抜くステップを含む、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
前記液体密封プラグを挿入するステップは、押込スリーブ近位端部に対して当接して前記支持要素上に配設された留め具が前記シースの近位端に当接するまで、前記支持要素、前記液体密封プラグ、および前記押込スリーブを前記シースの中に挿入するステップを含み、
前記方法は、
前記液体密封プラグを挿入するステップの後に、前記支持要素から前記留め具を除去するステップと、
前記液体密封プラグ、前記支持要素、および前記押込スリーブから近位方向に前記シースを引き抜くステップと、をさらに含む、請求項85に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その開示が参照によってその全体で本明細書に組み込まれる、2020年4月14日に出願された米国仮特許出願第63/009,781号の優先権を主張する、2021年2月23日に出願されたPCT特許出願第PCT/US2021/019158号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、一般的に、埋込型の組織閉鎖デバイスに関し、より詳細には、脳脊髄液などといった生体液の漏洩に対し、髄膜などの生物組織膜を通る穿刺孔または他の開口を密封するための、埋込型の閉鎖デバイス、および関連する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
本開示は、髄膜が脳および脊髄の周りの保護用生物組織膜であることを意図する。髄膜は、脳脊髄液を含み、全体的に、脊髄および脳室を囲む導管を形成する。いくつかの医療または外科的処置では、脳脊髄液へのアクセスを得るためなどで、針または他の器具を使用して、皮膚、軟組織、および髄膜を通して穿刺する場合がある。器具が取り除かれると、髄膜に弾性がないという特性などに起因して、孔または穿刺孔は、自然に密封することができない。穿刺孔が速やかに密封されない場合、脳脊髄液が隣接する軟組織中に漏洩する可能性があり、このことは、臨床的に望ましくない可能性がある。他の医療の状況では、自然の組織の開口、または外科的に形成された組織の開口、傷などの結果として、開口が組織を通して存在する場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、この分野において既に様々な進捗が行われているにもかかわらず、埋込型の組織閉鎖デバイス、より詳細には、髄膜などの生物組織膜を通る穿刺孔などの開口を密封するための、埋込型の閉鎖デバイス、および関連する方法に関するさらなる改善の必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一般的に、生物組織膜を通る開口を漏洩に対して密封するためのデバイスが提供される。デバイスは、支持要素遠位部および支持要素近位部を備える細長い支持要素を含む。デバイスは、支持要素遠位部上に配設される、埋込型の液体密封プラグをさらに含む。液体密封プラグは、構造化ヒドロゲルを含み、液体を吸収すると直径が増加するように構成される。その上に液体密封プラグが配設される支持要素は、少なくとも部分的に、生物組織膜を通る開口内に位置決めされるように構成される。デバイスは、様々な他の特徴を含むことができ、そのうちのいくつかは、本明細書で議論される。
【0006】
液体密封プラグは、全体的に細長くてよく、支持要素遠位部に沿って配設される。液体密封プラグは、支持要素遠位部の周りに、実質的に同軸に円周方向に配設することができる。構造化ヒドロゲルは、完全に水和するとき、液体密封プラグが全体として細長く全体的に円筒形の要素、またはさらに具体的には直円柱の形となるように構成することができる。完全に水和するとき、液体密封プラグ直径は、液体密封プラグ長にわたって実質的に一定となることができる。実質的に脱水するとき、液体密封プラグ直径は、液体密封プラグ長にわたって実質的に一定となることができる。支持要素遠位部は、液体密封プラグの遠位端部を越えて遠位方向に延びることができる。構造化ヒドロゲルは、使用するまで実質的に脱水されていてよい。液体密封プラグは、生物組織膜を通る開口中に埋め込む前に、構造化ヒドロゲルが少なくとも部分的に液体によって水和されるように構成することができる。完全に水和すると、構造化ヒドロゲルは、約5%から約10%の固形物を含むことができる。構造化ヒドロゲルは、アモルファス熱可塑性ウレタンおよび加水分解ポリアクリロニトリルのうちの少なくとも1つを含むことができる。支持要素は、実質的に剛体または半剛体であってよく、金属ワイヤを備えてよい。金属ワイヤは、ニッケルチタン、ステンレススチール、タングステン、およびプラチナのうちの少なくとも1つを含むことができる。あるいは、支持要素がプラスチックロッドを備えることができる。別のオプションの特徴として、支持要素が、実質的に可撓性を有していてよい。支持要素は、縫合材料などといった少なくとも1本の繊維を備えることができ、縫合材料は、生体吸収性であってよい。
【0007】
デバイスは、支持要素近位部の少なくとも一部の周りに沿って、円周方向に摺動可能に配設される、細長く管状の押込スリーブをさらに含むことができる。押込スリーブは、押込スリーブ長を含み、押込スリーブ長は、支持要素近位部長より短くてよい。押込スリーブ遠位端部は、液体密封プラグ近位端部に対して当接して配設することができる。軸方向留め具は、支持要素近位部と解放可能で係合可能であってよく、支持要素に対する押込スリーブの近位方向の運動に選択的に抵抗することができる。軸方向留め具は、押込スリーブ近位端部を選択的に当接することによって、支持要素に対する押込スリーブの近位方向の運動を選択的に抵抗するように構成することができる。軸方向留め具は、液体密封プラグの近位端部と当接して、押込スリーブ遠位端部を選択的に保持するように構成することができる。軸方向留め具は、支持要素近位部上で、選択的に軸方向に摺動可能であってよい。軸方向留め具は、支持要素近位部を選択的に解放可能に係合するように構成される係合機構を備えることができる。係合機構は、ばねおよびスライドを備えることができる。デバイスは、その中に、液体およびその上に液体密封プラグが配設される支持要素遠位部をその中に受け入れるように構成される水和バイアルをさらに備えることができる。水和バイアルは、全体で直円柱などといった円柱の形である内部空洞を備えることができる。内部空洞は、液体密封プラグ長より長い内部長を有することができる。内部空洞は、液体密封プラグが完全に水和したとき、液体密封プラグ直径より大きい内部直径を有することができる。
【0008】
デバイスは、液体密封プラグを、生物組織膜を通る開口に送達するように構成されるシースをさらに備えることができる。シースは、それを通して液体密封プラグを受け入れるように構成することができ、シースは、その中に支持要素の少なくとも一部を受け入れるように構成することができる。デバイスは、支持要素近位部の少なくとも一部の周りに沿って、円周方向に摺動可能に配設される、細長く管状の押込スリーブをさらに備えることができ、シースは、その中に押込スリーブの少なくとも一部を受け入れるように構成することができる。シースは、その中に全体的に押込スリーブを受け入れるように構成することができる。
【0009】
別の態様では、本発明は、生物組織膜を通る開口を閉じて、漏洩に対して密封する方法を提供する。方法は、細長い支持要素上に配設された埋込型の液体密封プラグを生物組織膜を通る開口の中に挿入するステップであって、液体密封プラグが構造化ヒドロゲルを含む、ステップを含む。
【0010】
方法は、様々なオプションの特徴および/または手法を含むことができる。液体密封プラグを挿入する前に、液体密封プラグを、液体で少なくとも部分的に水和することができる。液体密封プラグを少なくとも部分的に水和するステップは、液体密封プラグの中に液体を吸収することによって、液体密封プラグ直径を増加させるステップを含むことができる。液体密封プラグを少なくとも部分的に水和するステップは、液体密封プラグを実質的に完全に水和するステップを含むことができる。液体は、水、食塩水、血液、羊水、脳脊髄液、ポリエチレングリコール、血栓溶解剤、および造影剤のうちの少なくとも1つを含むことができる。液体密封プラグを少なくとも部分的に水和するステップは、液体密封プラグの第1の部分を第1の液体で水和するステップと、液体密封プラグの第2の部分を第2の液体で水和するステップと、を含むことができ、第2の液体が第1の液体と異なる。第1の液体が脳脊髄液を含むことができ、第2の液体が血液を含むことができる。液体密封プラグを挿入するステップの前に、方法は、液体密封プラグがシースを通り、生物組織膜を通る開口の中へと送達されるためにシースを位置決めするステップを含むことができ、液体密封プラグを挿入するステップが、液体密封プラグおよび支持要素をシースの中に挿入するステップを含むことができる。液体密封プラグを挿入するステップは、押込スリーブをシースの中に挿入するステップを含むことができ、支持要素が押込スリーブを通って延び、液体密封プラグは、押込スリーブの遠位方向に支持要素上に配設される。液体密封プラグを挿入するステップの後に、方法は、液体密封プラグ、支持要素、および押込スリーブから近位方向にシースを引き抜くステップを含むことができる。液体密封プラグを挿入するステップは、押込スリーブ近位端部に対して当接して支持要素上に配設された留め具がシースの近位端に当接するまで、支持要素、液体密封プラグ、および押込スリーブをシースの中に挿入するステップを含むことができる。方法は、液体密封プラグを挿入するステップの後に、支持要素から留め具を除去するステップと、液体密封プラグ、支持要素、および押込スリーブから近位方向にシースを引き抜くステップと、をさらに含むことができる。シースを引き抜くステップの後に、方法は、液体密封プラグから支持要素を取り外すステップと、支持要素を押込スリーブを通して近位方向に引き抜くステップと、をさらに含むことができる。支持要素を引き抜くステップの後に、押込スリーブを引き抜くことができる。シースを引き抜くステップの後に、押込スリーブを近位方向に引き抜くことができる。押込スリーブを引き抜くステップの後に、支持要素が液体密封プラグに取り付けられたまま、支持要素を切断することができる。支持要素を切断するステップは、患者の皮膚表面近くで支持要素を切断するステップを含むことができる。細長い支持要素上に配設された埋込型の液体密封プラグを挿入するステップの後に、方法は、生物組織膜を通る開口から液体密封プラグおよび細長い支持要素を除去するステップをさらに含むことができる。細長い支持要素上に配設された埋込型の液体密封プラグを挿入するステップの後に、方法は、配設された液体密封プラグおよび細長い支持要素を生物組織膜を通る開口内に再び位置決めするステップを含むことができる。
【0011】
別の態様では、本発明は、生物組織膜を通る開口を漏洩に対して密封するためのデバイスであって、構造化ヒドロゲルを含み、液体を吸収すると直径が増加するように構成される埋込型の液体密封プラグを含むデバイスを提供する。液体密封プラグは、少なくとも部分的に、生物組織膜を通る開口内に位置決めされるように構成される。デバイスは、限定しないが、本明細書で議論される特徴のいずれかなどといった様々なオプションの特徴を有することができる。
【0012】
別の態様では、本発明は、より一般的に、生物組織膜を通る開口を閉じて、漏洩に対して密封する方法を提供し、方法は、液体密封プラグを生物組織膜を通る開口中に埋め込むステップを含み、液体密封プラグが構造化ヒドロゲルを含む。方法は、限定しないが、本明細書で議論されるそのような特徴および/または手法などといった様々なオプションの特徴または手法を含むことができる。
【0013】
本発明は、別の態様では、構造化ヒドロゲル生物組織閉鎖デバイスを製造する方法を提供する。この方法は、一般的に、細長い支持要素の支持要素遠位部上に、埋込型で細長い液体密封プラグを配設するステップを含み、液体密封プラグは構造化ヒドロゲルを含む。液体密封プラグは、液体を吸収すると直径が増加するように構成される。液体密封プラグは、少なくとも部分的に、生物組織膜を通る開口内に位置決めされるように構成される。
【0014】
製造方法は、追加および/またはオプションの特徴および/または手法を含むことができる。たとえば、支持要素上に液体密封プラグを配設するステップは、液体密封プラグを、支持要素遠位部の周りに沿って実質的に同軸に円周方向に配設するステップを含むことができる。支持要素上に液体密封プラグを配設するステップは、支持要素遠位部が液体密封プラグの遠位端部を越えて遠位方向に延びるように、支持要素上に液体密封プラグを配設するステップを含むことができる。方法は、液体密封プラグの遠位端部の遠位方向に、支持要素遠位部上に保持器を設置するステップをさらに含むことができる。支持要素は、可撓性を有する繊維を備えることができ、保持器を設置するステップは、繊維に結び目を結ぶステップを含むことができる。液体密封プラグは、液体密封プラグ長にわたって実質的に一定となることができる液体密封プラグ直径を含む。液体密封プラグは、実質的に脱水されていてよい。方法は、細長く管状の押込スリーブの中に支持要素近位部を挿入するステップをさらに含むことができる。方法は、液体密封プラグ近位端部に対して押込スリーブ遠位端部を当接するステップをさらに含むことができる。方法は、押込スリーブの近位方向に、支持要素近位部上に取外し可能な留め具を設置するステップをさらに含むことができる。方法は、押込スリーブ近位端部に対して留め具を当接するステップをさらに含むことができる。
【0015】
さらに別の態様では、本発明は、生物組織膜を通る開口を漏洩に対して密封するためのデバイスを提供する。デバイスは、支持要素遠位部および支持要素近位部を備える細長い支持要素、ならびに支持要素遠位部上に配設される埋込型の液体密封プラグを備える。液体密封プラグは、圧縮可能である。その上に液体密封プラグが配設される支持要素は、少なくとも部分的に、生物組織膜を通る開口内に位置決めされるように構成される。
【0016】
デバイスは、限定しないが本明細書で議論される特徴を含む、様々なオプションおよび/または追加の特徴を有することができる。たとえば、液体密封プラグは、全体的に細長く、支持要素遠位部に沿って配設することができる。液体密封プラグは、支持要素遠位部の周りに、実質的に同軸に円周方向に配設することができる。液体密封プラグは、全体的に、細長い直円柱などといった円柱の形であってよい。液体密封プラグ直径は、液体密封プラグ長にわたって実質的に一定となることができる。支持要素遠位部は、液体密封プラグの遠位端部を越えて遠位方向に延びることができ、液体密封プラグは、吸収性であってよい。
【0017】
さらに別の態様では、本発明は、生物組織膜を通る開口を閉じて、漏洩に対して密封する方法を提供し、方法は、細長い支持要素上に配設された埋込型の液体密封プラグを生物組織膜を通る開口の中に挿入するステップであって、液体密封プラグが圧縮可能で吸収性である、ステップを含む。この方法に対する可能なオプションの手法として、液体密封プラグを挿入するステップの前に、液体密封プラグがシースを通り、生物組織膜を通る開口の中へと送達されるようにシースを位置決めすることができ、および/または、液体密封プラグを挿入するステップが、液体密封プラグおよび支持要素をシースの中に挿入するステップを含むことができる。液体密封プラグを挿入するステップは、押込スリーブをシースの中に挿入するステップを含むことができ、支持要素が押込スリーブを通って延び、液体密封プラグは、押込スリーブの遠位方向に、支持要素上に配設することができる。液体密封プラグを挿入するステップの後に、方法は、液体密封プラグ、支持要素、および押込スリーブから近位方向にシースを引き抜くステップを含むことができる。液体密封プラグを挿入するステップは、押込スリーブ近位端部に対して当接して支持要素上に配設された留め具がシースの近位端に当接するまで、支持要素、液体密封プラグ、および押込スリーブをシースの中に挿入するステップを含むことができる。方法は、液体密封プラグを挿入するステップの後に、支持要素から留め具を除去するステップと、液体密封プラグ、支持要素、および押込スリーブから近位方向にシースを引き抜くステップと、をさらに含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】生物組織膜を通る穿刺孔または他の開口中に埋め込まれる、例示の液体密封プラグの、等角部分断面図である。
【
図2】液体密封プラグ用の例示の送達システムの正面図である。
【
図3】脱水状態における液体密封プラグを有する送達システムの遠位部の詳細正面図である。
【
図6】送達システムおよび水和バイアルの切欠図である。
【
図7】送達システムおよび水和バイアルの切欠図である。
【
図8】送達システムおよび水和バイアルの切欠図である。
【
図9】送達システムおよび水和バイアルの切欠図である。
【
図10】完全な水和状態における液体密封プラグを有する送達システムの等角図である。
【
図11】構造化ヒドロゲル液体密封プラグおよび関連する送達システムを使用する例示の方法の正面図である。
【
図12】構造化ヒドロゲル液体密封プラグおよび関連する送達システムを使用する例示の方法の正面図である。
【
図13】構造化ヒドロゲル液体密封プラグおよび関連する送達システムを使用する例示の方法の正面図である。
【
図14】構造化ヒドロゲル液体密封プラグおよび関連する送達システムを使用する例示の方法の正面図である。
【
図15】構造化ヒドロゲル液体密封プラグおよび関連する送達システムを使用する例示の方法の正面図である。
【
図16】構造化ヒドロゲル液体密封プラグおよび関連する送達システムを使用する例示の方法の正面図である。
【
図17】構造化ヒドロゲル液体密封プラグおよび関連する送達システムを使用する例示の方法の正面図である。
【
図18】液体密封プラグ用の代替の例示の送達システムの正面図である。
【
図19】脱水状態における液体密封プラグを有する
図18の代替送達システムの遠位部の詳細正面図である。
【
図20】構造化ヒドロゲル液体密封プラグおよび関連する送達システムを使用する例示の方法の正面図である。
【
図21】構造化ヒドロゲル液体密封プラグおよび関連する送達システムを使用する例示の方法の正面図である。
【
図22】液体密封プラグを部分的に水和する例示の方法に関係して示される送達システムおよび水和バイアルの切欠図である。
【
図23】液体密封プラグを部分的に水和する例示の方法に関係して示される送達システムおよび水和バイアルの切欠図である。
【
図24】液体密封プラグを部分的に水和する例示の方法に関係して示される送達システムおよび水和バイアルの切欠図である。
【
図25】液体密封プラグを部分的に水和する例示の方法に関係して示される送達システムおよび水和バイアルの切欠図である。
【
図26】部分的水和後の液体密封プラグの等角図である。
【
図27】代わりの例の液体密封プラグの等角図である。
【
図28】代わりの例の液体密封プラグの等角図である。
【
図29】代わりの例の液体密封プラグの等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示の少なくともいくつかの態様に従った例示の実施形態が以下で記載されて図示されており、医療処置に関係するデバイスおよび方法を含む。もちろん、以下で議論される実施形態が例であり、本開示の範囲および精神から逸脱することなく再構築できることは、当業者には明らかであろう。当業者が考えた例示的な実施形態の変形形態は、本開示の部分を同時に含むものとなることをやはり理解されたい。しかし、明瞭および正確にするために、以下で議論される例示の実施形態は、当業者が、必要条件ではないが、本開示の範囲内に入ると認識するであろうオプションのステップ、方法、および特徴を含むことができる。
【0020】
本開示は、とりわけ、埋込型の組織閉鎖デバイスを含む。本開示の少なくともいくつかの態様に従った、いくつかの例示の実施形態は、髄膜などといった生物組織中の穿刺孔または孔などといった開口のための、埋込型の閉鎖デバイスとして使用することができる。いくつかの例示の実施形態は、脳脊髄液(CSF)などといった生体液が、たとえば、髄膜およびCSF系に対して表在性である軟組織空間(たとえば、脂肪、皮膚、および/または筋肉)の中へ穿刺孔などといった開口を通って漏洩することを減らすおよび/または防ぐことができる。一般的に、いくつかの例示の実施形態は、穿刺孔または開口を少なくとも部分的に塞ぐように構成される構造化ヒドロゲルから構築される液体密封プラグを含むことができる。例示の実施形態の、本詳細な記載は、一般的に外科的処置の期間に作られた穿刺孔に言及する一方で、自然な瑕疵または外科的開口および組織の傷などといった他の組織の開口を同様に密封することができることが理解されよう。たとえば、本開示の少なくともいくつかの態様に従った様々な実施形態を使用して、インターベンションナル心臓カテーテル処置(たとえば、血管形成、ステント送達)で利用できるなどといった、血管アクセス部位を密封して、望ましくない血液の漏洩を減らすまたは防ぐことができる。
【0021】
図1は、本開示の少なくともいくつかの態様に従った、髄膜12などといった生物組織膜を通る穿刺孔10中に埋め込まれる例示の液体密封プラグ100の、等角部分断面図である。一般的に、液体密封プラグ100は、組織の密封した開口(たとえば、穿刺孔10)を通る生体液(たとえば、CSF)が漏洩に対して密封するように構成することができる。髄膜12は、3つの層すなわち、硬膜14(外側/表面層)、くも膜16(中間層)、軟膜18(内側/深層)を含む。いくつかの例示の実施形態が髄膜およびCSFに関連して本明細書で記載されるが、他の生物組織膜に関連して様々な例示の閉鎖デバイスを利用すること、および/または、他の生体液が漏洩しないように開口を密封することは、本開示の範囲内である。
【0022】
ユーザの視点から様々な実施形態を記載するために本明細書で使用する、「遠位」という用語は、一般的に、患者の体の中心に向かう方向のことを言うことができ、「近位」という用語は、一般的に、患者の体の中心から離れる方向のことを言うことができる。状況に応じて、「近位」という用語が、デバイスのユーザに近い位置のことを言うこともでき、一方で、「遠位」という用語が、デバイスのユーザから遠い位置のことを言うことができる。
【0023】
図1を参照して、液体密封プラグ100は、髄膜12を通る穿刺孔10を少なくとも部分的に塞ぐまたは閉鎖するように構成することができる。硬膜14、くも膜16、および/または軟膜18のうちの少なくとも1つにおいて、穿刺孔10は、液体密封プラグ100によって、実質的にまたは完全になど、少なくとも部分的に密封することができる。液体密封プラグ直径104を有する液体密封プラグ100の、全体的に円周方向の径方向に外側の面102が、直径22を有する穿刺孔10の全体的に円周方向の径方向に内側の面20と係合し、液体密封プラグ100の外側の面102と穿刺孔10の内側の面20との間に、少なくとも部分的に密封された界面を設けることができる。本明細書で使用する「直径」という用語は、円の直径寸法に一般的に対応する形状の主要寸法のことを言うことができ、円形に限定されない。また、「直径」という用語は、全体的に円柱形の物体の外径などといった外側の寸法のこと、または管の内径などといった内側の寸法のことを言うことができる。一般的に、液体密封プラグ直径104は、穿刺孔10の直径22に全体的に対応して選択することができる。たとえば、液体密封プラグ直径104が、穿刺孔10の直径22におよそ整合することができる。いくつかの代替実施形態では、液体密封プラグ直径104が穿刺孔10の直径22より大きくてよく、このことによって、穿刺孔10内の液体密封プラグ100の確実な係合が容易になることができる。
【0024】
液体密封プラグ100の遠位端部106は、CSF空間24の中に突き出てよい。すなわち、液体密封プラグ100は、遠位端部106が、CSF空間24の中などといった、生物組織膜(たとえば、髄膜12)から遠位であるように位置決めすることができる。液体密封プラグ近位端部108は、皮膚28の下の髄膜12上にある軟組織26(たとえば、脂肪および/または筋肉)中などといった、髄膜12の近位に位置決めすることができる。液体密封プラグ100は、全体的に細長くてよく、髄膜12の厚さ30より長い液体密封プラグ長110を有する。たとえば、髄膜は、平均で約0.3mm厚であってよい。いくつかの例示の実施形態では、液体密封プラグ長110は、腰椎穿刺を閉じるためなどで、約5mmであってよい。他の例示的な実施形態では、液体密封プラグ長110は、頸部穿刺を閉じるためなどで、約10mmであってよい。
【0025】
一般的に、その特定の形状にかかわらず、本開示の少なくともいくつかの態様に従った液体密封プラグ100は、生物組織膜(たとえば髄膜12)の一方の側から生物組織膜の他方の側へと穿刺孔10を通る液体の流れを、穿刺孔10を密封して係合することによって減らすおよび/または防ぐことができる。
【0026】
例示的な液体密封プラグ100は、様々なタイプの好適な材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、液体密封プラグ100は、構造化ヒドロゲルを含むことができる。液体密封プラグ100を構築するため使用できるなどの構造化ヒドロゲルは、非構造化ヒドロゲルとは異なる。一般的に、非構造化ヒドロゲルは、脱水および再水和できるポリマーを含む。再水和すると、非構造化ヒドロゲルはゲルを形成し、これは、それに外力が印可されると容易に変形される。再水和ヒドロゲルは、一般的にアモルファスであり、外的支持構造なしで特定の形状を維持する機能を一般的に欠き、一般的にその容器の形状をとる。構造化ヒドロゲルは、脱水および再水和できるポリマーをやはり含むが、構造化ヒドロゲルの構造的性質が、それを非構造化ヒドロゲルから区別する。一般的に、構造化ヒドロゲルは、製造プロセス(たとえば、押出、成形、鋳造)期間に希望の形状で形成される。水和すると、構造化ヒドロゲルは、実質的にその元々形成された形状に戻り、一般的に、外力が印可されたときその形状を維持する。すなわち、水和した構造化ヒドロゲルは、外力に起因して変形し、その元々の形状に戻る。加えて、構造化ヒドロゲルは、液体中に浸されたときでさえ、その形状を維持するように構成することができる。たとえば、液体密封プラグ100の遠位端部106は、患者のCSFと接触してよい。液体密封プラグ100が構造化ヒドロゲルから構築されるので、液体密封プラグ100は、CSF内で分散しない。対照的に、非構造化ヒドロゲルは、CSF内で容易に分散し、このことによって望ましくない効果がもたらされる可能性がある。いくつかの例示的な実施形態では、液体密封プラグ100を形成する構造化ヒドロゲルは、たとえば、液体を容易にマトリクス中に受け入れることができ、アモルファス熱可塑性ウレタンおよび加水分解ポリアクリロニトリルのうちの少なくとも1つを含むポリマーマトリクスを含むことができる。完全に水和すると、例示の構造化ヒドロゲルは、約5%から約10%の固形物を含むことができる。
【0027】
いくつかの例示の実施形態では、液体密封プラグ100は、実質的に脱水状態の構造化ヒドロゲルとともにエンドユーザに供給することができる。以下で記載されるように、液体密封プラグ100は、生物組織膜12を通る開口10中に埋め込む前に、構造化ヒドロゲルを少なくとも部分的に液体によって水和することができるように構成される。いくつかの例示の実施形態では、液体密封プラグ100は、部分的または完全に水和した状態でエンドユーザに供給することができる。いくつかの例示の実施形態では、液体密封プラグ100は、1つの液体で部分的に水和することができ、次いで別の液体を使用して水和を完了させることができる。たとえば、液体密封プラグ100は、
図22~
図25を参照して以下に記載されるように、異なる液体で部分的に水和することができる。または、液体密封プラグ100の実質的にすべてを1つの液体で部分的に水和することができ、次いで液体密封プラグ100の実質的にすべての水和を別の液体で完了させることができる。
【0028】
いくつかの代替で例示の実施形態では、例示的な液体密封プラグ100は全体的に圧縮可能材料を含むことができる。いくつかの例示の実施形態では、液体密封プラグ100は、生物および/または非生物の液体を吸収することが可能であってよい吸収性材料を含むことができる。
【0029】
図2は、液体密封プラグ100用の例示的な送達システム112の正面図であり、
図3は、脱水状態における液体密封プラグ100を有する送達システム112の遠位部の詳細正面図であり、全部が、本開示の少なくともいくつかの態様に従う。送達システム112は、支持要素遠位部126および支持要素近位部128を含む細長い支持要素124を備える。以下で記載されるように、送達システム112は、少なくとも部分的に、生物組織膜(たとえば髄膜12)を通る開口10内に液体密封プラグ100を位置決めするのを容易にするように構成される(
図1)。
【0030】
図3を参照して、液体密封プラグ100は、支持要素遠位部126の少なくとも一部の周りに沿って、実質的に同軸に円周方向に配設される。他の例示の実施形態では、液体密封プラグ100は、支持要素遠位部126上に非同軸状に配設することができる。たとえば、支持要素遠位部126を、液体密封プラグ100に対して横方向にオフセットすることができる。
図3に示される実質的に脱水した状態では、液体密封プラグ直径104は、液体密封プラグ長110にわたって実質的に一定である。この例示的な実施形態では、支持要素遠位部126は、液体密封プラグ100の遠位端部106を越えて遠位方向に延びる。他の例示の実施形態では、液体密封プラグ100は、支持要素遠位部126を越えて遠位方向に延びることができる。
【0031】
図2および
図3の例示的な実施形態では、支持要素124は実質的に剛体または半剛体である。支持要素を記載するために本明細書で使用する「剛体」という用語は、構造物の意図される使用期間に予期される力が構造物にかかるとき、その未変形の形状から著しく変形しない構造物のことを言うことができる。支持要素を記載するために本明細書で使用する「半剛体」という用語は、構造物の意図される使用期間に予期される力が構造物にかかるとき、その未変形の形状から実質的に弾性的に変形する構造物のことを言うことができる。たとえば、支持要素124は、ニッケルチタン、ステンレススチール、タングステン、および/またはプラチナなどといった金属ワイヤを備えることができる。あるいは、支持要素がプラスチックロッドを備えることができる。
【0032】
いくつかの例示の実施形態は、1つまたは複数のマーカ156、158を含むことができる。マーカ156、158は、実質的に検出可能であり、したがって、医療用撮像技法を利用してユーザが見ることができる材料から構築することができる。たとえば、マーカ156、158は、X線透視撮像技法に関連して使用するためのX線不透過性材料、および/または、超音波撮像技法に関連して使用するための音波発生材料から構築することができる。いくつかの例示の実施形態では、マーカ156、158は、その位置および方位の両方が、非対称および/または不均一な幾何学的特徴を含むことなどによって、医療用撮像技法により決定できるように構成することができる。したがって、送達システム112の位置および/または方位は、撮像技法を使用して確認することができる。いくつかの例示の実施形態では、マーカ156、158は、それらが液体密封プラグ長110を示すように位置決めすることができ、そのことによって、X線透視を使用してプラグ100の適切な配置を容易にすることができる。全体的にX線不透過性支持要素124を備えるものなどといったいくつかの実施形態は、一方または両方のマーカ156、158を含まない場合がある。
【0033】
例示的な送達システム112は、支持要素近位部128の少なくとも一部の周りに沿って、同軸で円周方向に摺動可能に配設される、細長く管状の押込スリーブ130をさらに備える。支持要素124上に同軸に配設されない液体密封プラグ100を含むものなどといった他の例示の実施形態では、押込スリーブ130は、支持要素近位部128上に同軸に配設されない場合がある。いくつかのそのような実施形態では、押込スリーブ130は、液体密封プラグ100の横方向オフセットに対応して横方向にオフセットされる場合がある。押込スリーブ130は、支持要素近位部長134より短くてよい押込スリーブ長132を有する。押込スリーブ遠位端部136は、液体密封プラグ近位端部108に対して当接して配設される。いくつかの例示の実施形態では、押込スリーブ130は、約55Dより上のデュロメータを有することができる様々な高分子材料(たとえば、ポリエチルブロックアミド、ウレタン、ナイロンなど)から構築することができる。他の実施形態では、押込スリーブ130は、ステンレススチールまたはニッケルチタンなどといった金属から構築することができる。
【0034】
図4は、本開示の少なくともいくつかの態様に従った、例示的な軸方向留め具138の切欠図である。
図2および
図4を参照して、例示的な送達システム112は、支持要素近位部128と解放可能に係合する軸方向留め具138をさらに備える。留め具138は、支持要素近位部128上で選択的に軸方向に摺動可能である。留め具138は、支持要素124に対する押込スリーブ130の軸方向運動(たとえば、近位方向の運動)に選択的に抵抗するように構成される。具体的には、留め具138は、押込スリーブ近位端部154を選択的に当接することによって、支持要素124に対する押込スリーブ130の近位方向の運動に選択的に抵抗するように構成される。したがって、留め具138は、液体密封プラグの近位端部108と当接して、押込スリーブ遠位端部136を選択的に保持するように構成される。
【0035】
留め具138は、支持要素近位部128を選択的に解放可能に係合するように構成される係合機構140を備える。係合機構140は、それを通して支持要素124を受け入れるように構成されるスルーホール144を含むスライド142を備える。スライド142は、留め具138内の空洞146中で横方向に摺動可能に配設される。ばね148(たとえば、圧縮ばね)は、支持要素124がスライドのスルーホール144と留め具138の壁152を通る対応するスルーホール150とのばね付勢されたオフセットによって選択的に固定されるように、空洞146内に配設されてスライド142を付勢する。(たとえば、ばね148を圧縮するように)スライド142を内向きに押すことによって、スライド142の孔144を壁152の孔150と位置合わせし、そのことによって、支持要素124に沿った、留め具138の軸方向運動が可能になる。スライド142を解放することによって、ばね148がスライド142を外向きに押すことが可能になり、オフセット孔144、150の間で支持要素124が固定される。
【0036】
図5は、例示的な水和バイアル200の等角図であり、
図6~
図9は、送達システム112および水和バイアル200の切欠図であり、すべては、本開示の少なくともいくつかの態様に従う。
図2、
図3、および
図5~
図9を参照して、水和バイアル200は、その中に、液体202および支持要素遠位部126および液体密封プラグ100を受け入れるように構成される。この例示の実施形態では、水和バイアル200は、全体的に直円柱の形である内部空洞204を備える。内部空洞204は、液体密封プラグ長110より長い内部長206を有する。この例示的な実施形態では、内部空洞204は、液体密封プラグ100が完全に水和したとき、液体密封プラグ直径104より大きい内部直径208を有する。他の例示の実施形態では、水和バイアル200は、全体的にボウル状などといった他の形状を有することができる。しかし、液体密封プラグ100の所望の水和が達成された後、水和バイアル200中に残る液体が無駄になる可能性があることは理解されよう。したがって、液体密封プラグ100のサイズおよび形状に全体的に対応する内部空洞204を有する水和バイアル200は、液体密封プラグ100を水和するのに必要な液体202の量を減らすことができる。
【0037】
図6~
図9は、例示の水和プロセスを図示する。
図6を参照して、液体202は、脱水した液体密封プラグ100を備える送達システム112を受け入れるのに備えて、水和バイアル200中に配置される。
図7を参照して、脱水した液体密封プラグ100は、水和バイアル200中の液体202中に少なくとも部分的に浸される。
図8を参照して、液体密封プラグ100の構造化ヒドロゲルが部分的に水和される。液体202が液体密封プラグ100の中に吸収されると、水和バイアル200中の液体202のレベルが低下し、液体密封プラグ100の直径が増加する。
図9を参照して、液体密封プラグ100の構造化ヒドロゲルが実質的に完全に水和される。
【0038】
図10は、本開示の少なくともいくつかの態様に従った、完全な水和状態における液体密封プラグ100を有する送達システム112の等角図である。例示的な実施形態では、液体密封プラグ100の構造化ヒドロゲルは、完全に水和すると、液体密封プラグ100が全体として、細長く直円柱の形となるように構成される。この実施形態では、液体密封プラグ直径104は、液体密封プラグを含む構造化ヒドロゲルが完全に水和されると、液体密封プラグ長110にわたって実質的に一定である。
【0039】
図6~
図10を参照して、水和バイアル200中に配置される液体202の量は、所望の水和結果がもたらされるように選択することができ、液体202は、バイアル中に配置される前に測定することができる。たとえば、いくつかの環境では、部分的に水和した状態で液体密封プラグ100を埋め込むことが望ましい場合がある。そのような部分的に水和した状態で、液体密封プラグ直径104は、液体密封プラグ100が脱水したとき(たとえば、
図6)の直径のものと液体密封プラグ100が完全に水和したとき(たとえば、
図10)の直径のものとの間であってよい。また、いくつかの部分的に水和した状態では、液体密封プラグ100の固さは、完全に脱水した状態のものと完全に水和した状態のものとの間であってよい。具体的には、部分的に水和した状態では、液体密封プラグ100がより小さい直径を有してよく、完全に水和した状態であるときよりも、より硬くてよい。いくつかの例示の実施形態では、送達システム112は、所望の様々な液体密封プラグ直径104を達成するため水和バイアル100中に配置しなければならない、具体的な液体202の量をリスト化した水和表とともに提供することができる。いくつかの環境では、部分的に水和した液体密封プラグ100を埋め込むことによって、埋め込んだ場所に存在する液体の吸収などに起因して、埋め込んだ後に、液体密封プラグ100はそれが完全に水和した状態まで膨張し続けることが可能になってよい。
【0040】
一般的に、液体202は、液体密封プラグ100の構造化ヒドロゲルの中に少なくとも部分的に吸収可能な任意の生体適合性液体を含むことができる。たとえば、液体202は、水、食塩水、血液、羊水、脳脊髄液、およびポリエチレングリコールのうちの1つまたは複数を含むことができる。いくつかの例示の実施形態では、液体202は、アニストレプラーゼ、ストレプトキナーゼ、カビキナーゼ、またはレテプラーゼなどといった、血栓溶解剤を含むことができる。いくつかの例示の実施形態では、液体202は、液体密封プラグ100のX線不透過性を向上させるため、ヨウ素、または硫酸バリウム、またはタングステンもしくはバリウムの小さい粒子(たとえば、液体中に懸濁する)などといった、造影剤を含むことができる。いくつかの例示の実施形態では、最終的に、構造化ヒドロゲルポリマーマトリクスだけが埋込場所に残るように、埋込場所を囲む組織の中に吸収される液体だけを使用して液体密封プラグ100を水和することが望ましい場合がある。このことによって、同じアクセス場所を使用した将来的な再介在を容易にすることができる。
【0041】
本開示の少なくともいくつかの態様に従った液体密封プラグ100を使用する例示の方法は、
図11~
図17を参照して以下で記載されており、オプションおよび/または代替の構造および/または動作を含むことができる。
図11~
図17は、構造化ヒドロゲル液体密封プラグ100および関連する送達システム112を使用する例示的な方法の正面図であり、全部が、本開示の少なくともいくつかの態様に従う。
図11~
図17および対応する記載は、CSFの漏洩を防ぐおよび/または減らすため、髄膜12を通る穿刺孔10を密封するため液体密封プラグ100を使用することに焦点を当てているが、他の生体液(たとえば、血液)の漏洩を防ぐおよび/または減らすため、他の生物組織を通る開口を密封するため代替実施形態の閉鎖デバイスが使用されるとき、全体的に同様の動作を利用できることを理解されよう。
【0042】
図11を参照して、患者の外部から内部の生体液系(たとえば、CSF空間24)へのアクセスを実現するために、全体的に管状のシース300が位置決めされる。シースは、外部から患者の皮膚28に、軟組織26を通り、生物組織膜(たとえば、髄膜12)を通って延びる。シース300または他のデバイスを、シース300の中心の長手方向管腔を通して延びることができるガイドワイヤ302を越えて挿入することができる。ガイドワイヤ302は、標準的技法を使用して中空の針(図示せず)を使用して配置することができる。シースの長手方向管腔は、カテーテルなどといった他のデバイス用の導入器として働くことができ、これは、CSFシステム内に存在する可能性がある欠陥を取り扱うためなどで、インターベンショナル処置期間に利用することができる。さらに、シース300は、以下で記載されるように、開口10(
図1)に液体密封プラグ100を送達するように構成される。シース300は、遠位端開口を含む遠位端304を含む。いくつかの例示の実施形態では、シースは、遠位端304の近位などに、X線不透過性マーカ306を含むことができる。シース300は、近位端開口を含む近位端308を含む。いくつかの例示の手順では、ユーザが実験室分析のため少量の脳脊髄液を取り出す場合があり、および/または、ユーザがCSF空間24の中に薬剤を注入する場合がある。
【0043】
穿刺孔10を介してCSF空間24にアクセスする必要が一度終了したら、液体密封プラグ100の埋込みを開始することができる。
図12を参照して、(既に取り出されてない場合に)ガイドワイヤ302が取り出され、シース300は、遠位端304が髄膜12と位置合わせされるように、近位に再位置決めされる。これは、マーカ306の位置を見るため、X線透視などといった医療用撮像技法を使用することによって、容易にすることができる。
【0044】
図13および
図14を参照して、液体密封プラグ100を含む送達システム112は、近位端308を介してシース300の中に挿入される。シース300の中への挿入前に、液体密封プラグ100は、
図6~
図10を参照して上で記載したものなど、部分的または完全に水和する場合がある。液体密封プラグ直径104(
図10)は、シース300の管腔サイズに基づいて選択することができる。たとえば、完全に水和したときに所望の液体密封プラグ直径104を有する液体密封プラグ100を使用することができる。代わりに、完全に水和したときにより大きい液体密封プラグ直径104を有する液体密封プラグ100などといった液体密封プラグ100が、所望の液体密封プラグ直径104を達成するため部分的に水和することができる。たとえば、比較的厚い壁を有するシース300を使用するとき、シースの管腔を通して容易に進めることができるように、液体密封プラグ100を部分的に水和した状態で挿入することが望ましい場合がある。次いで、液体密封プラグ100が埋め込まれた後、液体密封プラグ100が完全に水和した状態に達するまで、液体密封プラグ100を患者の生体液で水和し続けることができる。
【0045】
完全に挿入すると、留め具138がシース300の近位端308に当接し、液体密封プラグ100の遠位端部106がシース300の遠位端304を越えて髄膜12を通って延びる。より具体的には、
図2および
図14を参照して、押込スリーブ長132、液体密封プラグ長110、および/またはシース長310は、液体密封プラグ100、支持要素124、および押込スリーブ130を含む送達システム112がシース300の中に完全に挿入されるとき、液体密封プラグ100の遠位端部106が、シース300の遠位端304を越えて延びるように構成される。完全に挿入すると、遠位端部106がCSF空間24の中にあり押込スリーブ長132全体がシース300内にあるように、液体密封プラグ100が髄膜12を通して延びる。
【0046】
図15を参照して、留め具138およびシース300は、近位に引き出されて、液体密封プラグ100、支持要素124、および押込チューブ130を定位置に残す。液体密封プラグ100は、髄膜12を通して延びて、遠位端部106がCSF空間24の中にあるままである。液体密封プラグ近位端部108は、皮膚28の下の軟組織26内に位置決めされる。いくつかの手順では、液体密封プラグ100の位置を確認することができ、および/または、液体密封プラグ100は、穿刺孔10を閉鎖するその有効性を判定するために監視することができる。液体密封プラグ100が希望通り位置決めされない、および/または、穿刺孔10を満足に密封しない場合、液体密封プラグ100は、再度位置決めすることまたは取り外すことができる。
【0047】
図16を参照して、ユーザが液体密封プラグ100の埋込みに一度満足したら、支持要素124が液体密封プラグ100から取り外され、支持要素124が押込スリーブ130を通して近位に引き出され、液体密封プラグ100および押込チューブ130が定位置に残される。一般的に、液体密封プラグ100および支持要素124は、それらの間の摩擦力が意図しない分離を防ぐのに十分なだけ高いが、所望のときに押込スリーブ130を使用した分離を可能にするのに十分なだけ低いように構成される。いくつかの例示の実施形態では、支持要素124が1つまたは複数の係合要素を含むことができ、係合要素は、液体密封プラグ100と支持要素124との間の摩擦力を増加させるように構成することができる。
【0048】
図17を参照して、押込チューブ130が近位に引き出され、液体密封プラグ100が定位置に残される。押込チューブ130を取り外した後、軟組織26および皮膚28にアクセスチャネル312(たとえば、傷)が残る場合がある。軟組織26および皮膚28に残る傷は、軟組織26および/または皮膚28の弾性特性などに起因して、自然に密封する場合がある。いくつかの手順では、傷を閉じる(たとえば、縫合する)および/または包帯をすることができる。
図1および
図17を参照して、液体密封プラグ100は、穿刺孔10を密封して係合することによって、穿刺孔10を介し髄膜12を通ってアクセスチャネル312の中へのCSF空間24からのCSFの流れを減らすことおよび/または防ぐことができる。液体密封プラグ100は、それらの構造によって液体密封プラグ100上に加えられる径方向内向きの力に等しい、軟組織26および髄膜12に対する径方向の圧縮を行う。
【0049】
上で記載した液体密封プラグ100の埋込プロセスの様々なステップは、ユーザが希望するような、臨床的に容認可能な可視化技法(たとえば、X線透視、内視鏡検査、コンピュータ断層撮影スキャン、磁気共鳴撮像、超音波など)を使用して行うことができる。全体的に同様の方法および/または構造を使用して、本開示の少なくともいくつかの態様に従った、代替実施形態の閉鎖デバイスを送り出すことおよび/または展開することができる。
【0050】
図18は、液体密封プラグ100用の代替の例示的な送達システム112aの正面図であり、
図19は、脱水状態における液体密封プラグ100を有する代替の送達システム112aの遠位部の詳細正面図であり、全部が、本開示の少なくともいくつかの態様に従う。
図18~
図21に関して以下で示され記載される送達システム112aは、
図1~
図17に関して上で示され記載された送達システム112と全体的に同様であり、少なくとも部分的に、生物組織膜(たとえば髄膜12)を通る開口10内に液体密封プラグ100を位置決めするのを容易にするように構成される(
図1)。一般的に、以下で記載される送達システム112aは、主に、全体的に剛体または半剛体の支持要素124について、全体的に可撓性を有する支持要素124aが置き換えられているという点で、上で記載した送達システム112と異なる。以下の記載では、同様の参照数字は、上で示され記載された同様の構造のことを言う。具体的に指示しない限り、送達システム112に関係する構造および機能の記載または対応する構成要素の方法論は、一般的に、送達システム112aに適用される。したがって、以前に記載した構造および機能または方法論を繰り返して説明する必要はない。
【0051】
図18および
図19を参照して、送達システム112aは、支持要素遠位部126aおよび支持要素近位部128aを含む細長い支持要素124aを備える。この例示的な実施形態では、支持要素124aは、実質的に可撓性を有する。支持要素を記載するために本明細書で使用する「可撓性」という用語は、実質的に非剛体であり、ならびに/または、意図されるような構造物の使用期間に予期される力が構造物にかかるときに曲げおよび/もしくは座屈に有意に抵抗しない構造物のことを言うことができる。たとえば、支持要素124aは、縫合材料などといった1つまたは複数の繊維を備えることができる。いくつかの例示の実施形態では、繊維(たとえば、縫合材料)が生体吸収性であってよい。支持要素124aは、たとえば、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリジオキサノン、またはカプロラクトンから構築することができる。
【0052】
この例示的な実施形態では、液体密封プラグ100は、支持要素遠位部126aの少なくとも一部の周りに沿って、実質的に同軸に円周方向に配設される。いくつかの代わりの例示の実施形態では、液体密封プラグ100は、上で議論したように、支持要素遠位部126a上に非同軸状に配設することができる。実質的に脱水した状態では、液体密封プラグ直径104は、液体密封プラグ長110にわたって実質的に一定である。この例示的な実施形態では、支持要素遠位部126aは、液体密封プラグ100の遠位端部106を越えて遠位方向に延び、保持器126bを備える。いくつかの代わりの例示の実施形態では、上で議論したように、液体密封プラグ100の遠位端部106は、支持要素遠位部126aおよび/または保持器126bを越えて遠位方向に延びることができる。支持要素124aが可撓性を有する生体吸収性縫合材を備えるこの例示的な実施形態では、保持器126bが結び目(たとえば、ストッパ結び目)を備える。代わりの例示の実施形態では、保持器126bが、たとえば、ポリマー球またはディスク(または他の形状)を備えることができる。いくつかの例示の実施形態は、上で記載したマーカ156、158と同様の1つまたは複数のマーカを含むことができる。
【0053】
可撓性支持要素124aを含むこの例示的な実施形態では、液体密封プラグ100は、(遠位方向に押す)押込スリーブ遠位端部136と(近位方向に押す)保持器126bの間で長手方向に圧縮される。液体密封プラグ100を形成する構造化ヒドロゲルの構造上の性質と組み合わせて、このことによって、液体密封プラグ100が、患者の中に送達するため押込スリーブ130に対して全体的に長手方向に真っ直ぐな配置をとり、かつ維持することが可能になる。
【0054】
本開示の少なくともいくつかの態様に従った送達システム112aを使用する例示の方法が、
図11~
図15および
図18~
図21を参照して以下で記載されており、オプションおよび/または代替の構造および/または動作を含むことができる。
図20および
図21は、構造化ヒドロゲル液体密封プラグ100および関連する送達システム112aを使用する例示的な方法の正面図であり、全部が、本開示の少なくともいくつかの態様に従う。以下の記載および対応する図は、CSFの漏洩を防ぐおよび/または減らすため、髄膜12を通る穿刺孔10を密封するため液体密封プラグ100を使用することに焦点を当てているが、他の生体液(たとえば、血液)の漏洩を防ぐおよび/または減らすため、他の生物組織を通る開口を密封するため代替実施形態の閉鎖デバイスが使用されるとき、全体的に同様の動作を利用できることを理解されよう。
【0055】
送達システム112aを使用する例示の方法は、送達システム112および
図11~
図15を参照して上で記載したものと実質的に同様の動作を含むことができる。それらの動作に従い
図20を参照して、押込スリーブ130が支持要素124aから近位に引き出され、支持要素124aおよび液体密封プラグ100が定位置に残される。液体密封プラグ100は、髄膜12を通して延びて、遠位端部106がCSF空間24の中にあるままである。液体密封プラグ近位端部108は、皮膚28の下の軟組織26内に位置決めされる。
【0056】
図21を参照して、支持要素124aが皮膚28の表面近くで(たとえば、表面で、または表面のわずか下で)切断される一方で、支持要素124aは、液体密封プラグ100に取り付けられたままである。支持要素124aの残りの部分および取り付けられた液体密封プラグ100は、患者の中に埋め込まれたままである。支持要素124aは、軟組織26および皮膚28の中のアクセスチャネル312(たとえば、傷)内に延びる。軟組織26および皮膚28に残る傷は、軟組織26および/または皮膚28の弾性特性などに起因して、自然に密封する場合がある。いくつかの手順では、傷を閉じる(たとえば、縫合する)および/または包帯をすることができる。液体密封プラグ100は、穿刺孔10を密封して係合することによって、穿刺孔10を介し髄膜12を通るアクセスチャネル312の中へのCSF空間24からのCSFの流れを減らすことおよび/または防ぐことができる。生体吸収性支持要素124aを含む実施形態では、支持要素124aは、時間経過とともに患者の組織によって吸収され、液体密封プラグ100だけが残ることができる。
【0057】
図22~
図25は、液体密封プラグ100を部分的に水和する例示的な方法に関係して示される送達システム112および水和バイアル200の切欠図であり、
図26は、部分的な水和の後の液体密封プラグ100の等角図であり、すべては、本開示の少なくともいくつかの態様に従う。この例示的な方法中の様々な動作は、
図6~
図10を参照して上で記載したものと一般的に同様である。一般的に、以下で記載される方法は、主に、液体密封プラグ100の1つまたは複数の部分が、液体密封プラグ100の別の部分を水和するために使用される液体とは異なる液体で、少なくとも部分的に水和されるという点で上で記載した動作と異なる。以下の記載では、同様の参照数字は、上で示され記載された同様の構造のことを言う。具体的に指示しない限り、構造および機能の記載または対応する構成要素の方法論は、一般的に適用される。したがって、以前に記載した構造および機能または方法論を繰り返して説明する必要はない。
【0058】
図22を参照して、第1の液体202aが水和バイアル200の中に配置されて、液体密封プラグ100の第1の部分100aが第1の液体202aの中に浸される。
図23を参照して、液体密封プラグ100の第1の部分100aは、第1の液体202aを吸収することによって、部分的または完全に水和する。
図24を参照して、第2の液体202bが水和バイアル200の中に配置されて、液体密封プラグ100の第2の部分100bが第2の液体202bの中に浸される。
図25を参照して、液体密封プラグ100の第2の部分100bは、第2の液体202bを吸収することによって、部分的または完全に水和する。
図26を参照して、結果として得られる液体密封プラグ100は、第1の液体202aで水和した第1の部分100aおよび第2の液体202bで水和した第2の部分100bを備える。いくつかの実施形態は、第1の部分100aと第2の部分100bとの間に、第1の液体202aと第2の液体202bとの両方のかなりの量が吸収される移行部100cを含むことができる。この例示のプロセスでは、
図24に示されるように、第1の部分100aと第2の部分100bとの両方が、第2の液体202bの中に浸される。しかし、第1の部分100aが第1の液体202aによって実質的に完全に水和されたため、第1の部分100aは、たとえある場合でも、第2の液体202bをほとんど吸収しなくてよい。例示の実施形態では、第1の液体202aがCSFを含むことができ、第2の液体202bが血液を含むことができる。別の例示の実施形態では、第1の液体202aが造影剤を含むことができ、第2の液体202bが造影剤を含まないことができる。液体202a、202bのそのような選択は、たとえば、造影剤を含む第1の液体202aが液体密封プラグの遠位端部106の可視化を可能にすることができるため、液体密封プラグ100が支持部材124を越えて遠位方向に延びる実施形態で利用することができる。
【0059】
図27~
図29は、すべてが本開示の少なくともいくつかの態様に従った、代わりの例示の液体密封プラグ100d、100e、100fの等角図である。
図27は、遠位フランジ106aおよび/または近位フランジ108aなどといった1つまたは複数の全体的に径方向に延びるフランジを含むことができる、液体密封プラグ100dを示す。
図28は、全体的に円錐台の形状などといった、全体的に先細形状に形作られる、液体密封プラグ100eを示す。先細の液体密封プラグが、より広い部分で近位または遠位方向に向けられてよいことを理解されよう。
図29は、液体密封プラグ100fが埋め込まれる生物組織と係合するように構成することができる、全体的に返し状の遠位係合要素106bを有する液体密封プラグ100fを示す。液体密封プラグ100d、100e、100fの様々な特徴は、本開示の少なくともいくつかの態様に従った他の実施形態で利用することができる。
【0060】
本発明は、その特定の実施形態の記載によって説明されており、実施形態は、かなり詳細に記載されている一方で、添付される特許請求の範囲をそのような詳細に限定することまたは何らかに制限することは意図していない。本明細書で議論される様々な特徴は、単独で、または、様々な実施形態内および実施形態間の任意の組合せで使用することができる。さらなる利点および変更形態が、当業者には容易に明らかとなろう。したがって、その広義の態様において、本発明は、示され記載された特定の詳細、代表的な装置および方法ならびに説明用の例に限定されない。したがって、一般的な発明の概念の範囲または精神から逸脱することなく、そのような詳細から逸脱することができる。
【符号の説明】
【0061】
10 穿刺孔、開口
12 髄膜、生物組織膜
14 硬膜
16 くも膜
18 軟膜
20 面
22 直径
24 CSF空間
26 軟組織
28 皮膚
30 厚さ
100 液体密封プラグ
100a 第1の部分
100b 第2の部分
100c 移行部
100d 液体密封プラグ
100e 液体密封プラグ
100f 液体密封プラグ
102 面
104 液体密封プラグ直径
106 遠位端部
106a 遠位フランジ
108 液体密封プラグ近位端部
108a 近位フランジ
110 液体密封プラグ長
112 送達システム
112a 送達システム
124 支持要素
124a 支持要素
126 支持要素遠位部
126a 支持要素遠位部
126b 保持器
128 支持要素近位部
128a 支持要素近位部
130 押込スリーブ、押込チューブ
132 押込スリーブ長
134 支持要素近位部長
136 押込スリーブ遠位端部
138 軸方向留め具
140 係合機構
142 スライド
144 スルーホール、孔、オフセット孔
146 空洞
148 ばね
150 スルーホール、孔、オフセット孔
152 壁
154 押込スリーブ近位端部
156 マーカ
158 マーカ
200 水和バイアル
202 液体
202a 第1の液体
202b 第2の液体
204 内部空洞
206 内部長
208 内部直径
300 シース
302 ガイドワイヤ
304 遠位端
306 X線不透過性マーカ
308 近位端
310 シース長
312 アクセスチャネル
【手続補正書】
【提出日】2022-12-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物組織膜を通る開口を漏洩に対して密封するためのデバイスであって、
構造化ヒドロゲルを含む埋込型の液体密封プラグを備え、
前記液体密封プラグが、少なくとも部分的に、生物組織膜を通る前記開口内に位置決めされるように構成され、
前記液体密封プラグが、液体を吸収すると直径が増加するように構成され、
前記液体を吸収した際の前記液体密封プラグの直径の前記増加が、生物組織膜を通る前記開口を密封する、デバイス。
【請求項2】
実質的に完全に水和した状態のとき、前記液体密封プラグが全体として細長く直円柱の形となるように前記液体密封プラグが構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
支持要素遠位部および支持要素近位部を含む細長い支持要素をさらに備え、
前記液体密封プラグが前記支持要素遠位部上に配設され、
その上に前記液体密封プラグが配設される前記支持要素が、少なくとも部分的に、前記生物組織膜を通る前記開口内に位置決めされるように構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記液体密封プラグが、前記支持要素遠位部の周りに沿って、実質的に同軸に円周方向に配設される、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記支持要素遠位部が、前記液体密封プラグの遠位端部を越えて遠位方向に延びる、請求項3に記載のデバイス。
【請求項6】
前記支持要素近位部の少なくとも一部の周りに沿って、円周方向に摺動可能に配設される、細長く管状の押込スリーブをさらに備える、請求項3に記載のデバイス。
【請求項7】
押込スリーブ遠位端部が、液体密封プラグ近位端部に対して当接して配設される、請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記支持要素に対する前記押込スリーブの近位方向の運動に選択的に抵抗するために、前記支持要素近位部と解放可能に係合可能な軸方向留め具をさらに備える、請求項6に記載のデバイス。
【請求項9】
前記軸方向留め具が、押込スリーブ近位端部を選択的に当接することによって、前記支持要素に対する前記押込スリーブの近位方向の運動に選択的に抵抗するように構成される、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記軸方向留め具が、前記液体密封プラグの近位端部と当接して、押込スリーブ遠位端部を選択的に保持するように構成される、請求項8に記載のデバイス。
【請求項11】
前記軸方向留め具が、前記支持要素近位部上で選択的に軸方向に摺動可能である、請求項8に記載のデバイス。
【請求項12】
前記軸留めが、前記支持要素近位部を選択的に解放可能に係合するように構成される係合機構を備える、請求項8に記載のデバイス。
【請求項13】
前記係合機構がばねおよびスライドを備える、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記液体およびその上に前記液体密封プラグが配設される前記支持要素遠位部をその中に受け入れるように構成される水和バイアルをさらに備える、請求項3に記載のデバイス。
【請求項15】
前記液体密封プラグを、前記生物組織膜を通る前記開口に送達するように構成されるシースをさらに備え、
前記シースが、それを通して前記液体密封プラグを受け入れるように構成され、
前記シースが、その中に前記支持要素の少なくとも一部を受け入れるように構成される、請求項3に記載のデバイス。
【請求項16】
生物組織膜を通る開口を漏洩に対して密封するためのデバイスであって、
支持要素遠位部および支持要素近位部を備える細長い支持要素と、
前記支持要素遠位部上に配設される埋込型の液体密封プラグであって、前記液体密封プラグが圧縮可能である、液体密封プラグと、を備え、
その上に前記液体密封プラグが配設される前記支持要素が、少なくとも部分的に、生物組織膜を通る前記開口内に位置決めされるように構成され、前記液体密封プラグが前記開口に密封して係合する、デバイス。
【請求項17】
前記液体密封プラグが全体として細長く直円柱の形である、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
前記支持要素遠位部が、前記液体密封プラグの遠位端部を越えて遠位方向に延びる、請求項16に記載のデバイス。
【国際調査報告】