(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-30
(54)【発明の名称】調整可能な緑内障治療デバイス並びに関連付けられたシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61F 9/007 20060101AFI20230523BHJP
A61F 9/008 20060101ALI20230523BHJP
【FI】
A61F9/007 160
A61F9/008
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022562729
(86)(22)【出願日】2021-04-16
(85)【翻訳文提出日】2022-11-04
(86)【国際出願番号】 US2021027742
(87)【国際公開番号】W WO2021212007
(87)【国際公開日】2021-10-21
(32)【優先日】2020-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512052029
【氏名又は名称】シファメド・ホールディングス・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】チャン, ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ソール, トム
(72)【発明者】
【氏名】アルジェント, クラウディオ
(72)【発明者】
【氏名】シュルツ, エリック
(72)【発明者】
【氏名】サポジニコフ, キャサリン
(72)【発明者】
【氏名】リリー, リチャード
(72)【発明者】
【氏名】ドリューズ, マイケル
(57)【要約】
本技術は、流体を第1の身体領域から第2の身体領域に排液するための埋め込み型医療デバイスを対象とする。本技術のいくつかの実施形態は、様々なレベルの治療を提供するために選択的に滴定可能な調整可能なデバイスを提供する。例えば、調整可能なデバイスは、管腔が貫通する排液要素、流動制御要素、及び作動アセンブリを有することができる。作動アセンブリは、管腔の寸法及び/又は管腔を通る流動抵抗を変化させ、それによって、眼からの水の相対的排液速度を増加又は減少させるように、流動制御要素の動きを駆動することができる。いくつかの実施形態では、作動アセンブリ及び流動制御要素は一緒に、複数の位置の間で流動制御要素を選択的に移動させ、作動アセンブリの更なる作動まで、デバイスを所望の構成にロックすることができるラチェット機構として動作する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
緑内障を治療するためのデバイスであって、
眼の前房から水を排液するように構成された管腔を少なくとも部分的に画定する排液要素と、
少なくとも第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり、かつ前記デバイスを通る流動抵抗を変化させるように構成されている、流動制御要素と、
作動アセンブリであって、
エネルギーに応答して形状及び/又はサイズを少なくとも部分的に変化させるように構成された作動要素と、
前記作動要素から延在し、かつ前記流動制御要素に解放可能に係合するように構成されている、アームと、を含み、
前記アームが前記流動制御要素の第1の領域に係合するときに、前記作動要素の作動が、前記アームに、前記流動制御要素を前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動させて、前記デバイスを通る前記流動抵抗を変化させる、作動アセンブリと、
前記アームが前記流動制御要素から係合解除されるときに、前記流動制御要素の移動を少なくとも部分的に低減するように構成されたロック機構と、を備える、デバイス。
【請求項2】
前記流動制御要素が、摺動可能なラック要素を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記摺動可能なラック要素が、第1の溝及び第2の溝を有し、前記アームが、前記第1の溝及び/又は第2の溝において、前記摺動可能なラック要素に解放可能に係合するように構成された係合要素を有する、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記流動制御要素の前記第1の領域が、前記第1の溝であり、前記流動制御要素が前記第1の位置から前記第2の位置に移動した後、前記係合要素が、前記第1の溝から係合解除されて、前記第2の溝に係合するように構成されている、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記係合要素が前記第1の溝から係合解除された後、かつ前記係合要素が前記第2の溝と係合する前に、前記ロック機構が、前記流動制御要素と係合して、前記流動制御要素の移動を少なくとも部分的に低減する、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記摺動可能なラック要素が、第3の溝及び第4の溝を有し、前記ロック機構は、前記流動制御要素が前記第1の位置にあるときに、前記第3の溝に係合するように構成されており、かつ前記流動制御要素が前記第2の位置にあるときに、前記第4の溝に係合するように構成されている、ロック要素を含む、請求項3に記載のデバイス。
【請求項7】
前記ロック機構は、前記アームが前記アームとの摩擦嵌合を介して前記流動制御要素から係合解除されるときに、前記流動制御要素の移動を防止するように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記作動要素が、第1の作動要素であり、前記作動アセンブリが、前記アームに接続されており、かつエネルギーに応答して少なくとも部分的に形状及び/又はサイズを変化させるように構成されている、第2の作動要素を更に備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記流動制御要素が前記第2の位置にあるときに、前記第2の作動要素の作動が、前記アームに、前記流動制御要素を前記第2の位置から前記第1の位置に移動させる、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記第1の作動要素及び前記第2の作動が、形状記憶材料を含む、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記第1の作動要素が、第1の屈曲領域を有し、前記第1の屈曲領域へのエネルギーの適用が、前記第1の屈曲領域を拡張させる、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記第2の作動要素が、第2の屈曲領域を有し、前記第2の屈曲領域へのエネルギーの適用が、前記第2の屈曲領域を拡張させる、請求項10に記載のデバイス。
【請求項13】
前記第1の作動要素の作動が、前記第2の作動要素を、前記第2の屈曲領域において圧縮させ、前記第2の作動要素の作動が、前記第1の作動要素を、前記第1の屈曲領域において圧縮させる、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記流動制御要素が、3つ以上の位置を通って移動可能であり、前記3つ以上の位置の各々が、前記デバイスを通る固有の流動抵抗に関連付けられている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項15】
前記デバイスが人間の眼に埋め込まれたときに、前記作動要素が、前記眼の外部に位置決めされたエネルギー源からエネルギーを受容するように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項16】
前記エネルギー源が、レーザである、請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
前記デバイスは、人間の眼に埋め込まれたときに前記デバイスを通る流動抵抗を変化させることが、前記眼の前記前房からの水の排液速度を変化させるように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項18】
前記流動制御要素が、前記第1の位置と前記第2の位置との間を移動するにつれて、前記管腔の直径を変化させるように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項19】
第1の領域と第2の領域との間の流体の流動を制御するためのデバイスであって、
前記第1の領域から前記第2の領域に向かって流体を排液するように構成された管腔と、
前記管腔を通る前記流体の流動を変更するように構成されたラチェット機構であって、
前記管腔が、第1の形状を有する第1の位置と、前記管腔が前記第1の形状とは異なる第2の形状を有する第2の位置との間で移動可能なラック要素、
前記ラック要素に解放可能に係合するように構成された係合要素、及び
前記係合要素に接続されており、かつ前記ラック要素を前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動させるように構成されている、作動アセンブリ、を含む、ラチェット機構と、を備える、デバイス。
【請求項20】
前記作動アセンブリに接続されたアームを更に備え、前記アームが、前記係合要素を含み、かつ前記作動アセンブリの作動時に、前記ラック要素を、前記第1の位置から前記第2の位置に、及び/又は前記第2の位置に向かって駆動するように構成されている、請求項19に記載のデバイス。
【請求項21】
前記ラック要素が、複数の歯と、複数の溝と、を含み、前記係合要素が、前記複数の溝のうちの1つにおいて、前記ラック要素に係合するように構成されている、請求項19に記載のデバイス。
【請求項22】
前記ラック要素が前記第1の位置から前記第2の位置に、及び/又は前記第2の位置に向かって移動した後、前記係合要素が、前記ラック要素上の第1の溝から係合解除し、前記ラック要素上の第2の溝と係合するように構成されている、請求項20に記載のデバイス。
【請求項23】
前記作動アセンブリが、前記ラック要素を第1の方向に移動させるように構成された第1の作動要素と、前記ラック要素を前記第1の方向とほぼ反対の第2の方向に移動させるように構成されている、第2の作動要素と、を含む、請求項19に記載のデバイス。
【請求項24】
前記第1の作動要素が、前記ラック要素を前記第1の位置から前記第2の位置に移動させるように構成されており、前記第2の作動要素が、前記ラック要素を前記第2の位置から前記第1の位置に移動させるように構成されている、請求項23に記載のデバイス。
【請求項25】
前記第1の作動要素及び前記第2の作動要素が、エネルギーの適用時に、寸法を変化させるように構成されている、請求項23に記載のデバイス。
【請求項26】
前記第1の作動要素及び前記第2の作動要素が、ニチノールから構成されている、請求項23に記載のデバイス。
【請求項27】
前記ラック要素は、前記管腔に直接係合して、前記ラック要素が前記第1の位置から前記第2の位置に、及び/又は前記第2の位置に向かって移動するにつれて、前記管腔を前記第1の形状から前記第2の形状に変化させる、請求項19に記載のデバイス。
【請求項28】
前記ラック要素は、前記管腔に間接的に係合して、前記ラック要素が前記第1の位置から前記第2の位置に、及び/又は前記第2の位置に向かって移動するにつれて、前記管腔を前記第1の形状から前記第2の形状に変化させる、請求項19に記載のデバイス。
【請求項29】
前記ラック要素に動作可能に接続された流動制御要素を更に備え、前記流動制御要素が、前記管腔に直接係合して、前記管腔を前記第1の形状から前記第2の形状に変化させる、請求項28に記載のデバイス。
【請求項30】
前記アーム要素が前記ラック要素から係合解除するときに、前記ラック要素を適所に保持するように構成されたロック機構を更に備える、請求項19に記載のデバイス。
【請求項31】
第1の身体領域が、人間の眼の前房であり、前記デバイスは、前記デバイスが前記眼に埋め込まれたときに前記管腔の形状特性を変化させることが、前記眼の前記前房からの水の排液速度を変化させるように構成されている、請求項19に記載のデバイス。
【請求項32】
前記ラック要素が、前記第1の位置と前記第2の位置との間を移動するにつれて、管腔の直径を変化させるように構成されている、請求項19に記載のデバイス。
【請求項33】
第1の領域と第2の領域との間の流体の流動を制御するためのデバイスであって、
前記第1の領域から前記第2の領域に流体を排液するように構成された管腔を少なくとも部分的に画定する排液要素と、
少なくとも第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり、かつ前記デバイスを通る流動抵抗を変化させるように構成されている、流動制御要素と、
作動アセンブリであって、
エネルギーに応答して形状及び/又はサイズを少なくとも部分的に変化させるように構成された作動要素と、
前記作動要素から延在し、かつ前記流動制御要素に解放可能に係合するように構成されている、アームと、を含み、
前記アームが前記流動制御要素の第1の領域に係合するときに、前記作動要素の作動が、前記アームに、流動制御要素を前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動させて、前記デバイスを通る前記流動抵抗を変化させる、作動アセンブリと、
前記アームが前記流動制御要素から係合解除されるときに、前記流動制御要素の移動を少なくとも部分的に低減するように構成されたロック機構と、を備える、デバイス。
【請求項34】
前記流動制御要素が、摺動可能なラック要素を備える、請求項33に記載のデバイス。
【請求項35】
前記摺動可能なラック要素が、第1の溝及び第2の溝を有し、前記アームが、前記第1の溝及び/又は第2の溝において、前記摺動可能なラック要素に解放可能に係合するように構成された係合要素を有する、請求項34に記載のデバイス。
【請求項36】
前記流動制御要素の前記第1の領域が、前記第1の溝であり、前記流動制御要素が前記第1の位置から前記第2の位置に移動した後、前記係合要素が、前記第1の溝から係合解除されて、前記第2の溝に係合するように構成されている、請求項35に記載のデバイス。
【請求項37】
前記係合要素が前記第1の溝から係合解除された後、かつ前記係合要素が前記第2の溝と係合する前に、前記ロック機構が、前記流動制御要素と係合して、前記流動制御要素の移動を少なくとも部分的に低減する、請求項36に記載のデバイス。
【請求項38】
前記摺動可能なラック要素が、第3の溝及び第4の溝を有し、前記ロック機構は、前記流動制御要素が前記第1の位置にあるときに、前記第3の溝に係合するように構成されており、かつ前記流動制御要素が前記第2の位置にあるときに、前記第4の溝に係合するように構成されている、ロック要素を含む、請求項35に記載のデバイス。
【請求項39】
前記ロック機構は、前記アームが前記流動制御要素から係合解除されるときに、前記流動制御要素の移動を防止するように構成されている、請求項33に記載のデバイス。
【請求項40】
前記作動要素が、第1の作動要素であり、前記作動アセンブリが、前記アームに接続されており、かつエネルギーに応答して少なくとも部分的に形状及び/又はサイズを変化させるように構成されている、第2の作動要素を更に備える、請求項33に記載のデバイス。
【請求項41】
前記流動制御要素が前記第2の位置にあるときに、前記第2の作動要素の作動が、前記アームに、前記流動制御要素を前記第2の位置から前記第1の位置に移動させる、請求項40に記載のデバイス。
【請求項42】
前記第1の作動要素及び前記第2の作動要素が、形状記憶材料を含む、請求項41に記載のデバイス。
【請求項43】
前記第1の作動要素が、第1の屈曲領域を有し、前記第1の屈曲領域へのエネルギーの適用が、前記第1の屈曲領域を拡張させる、請求項42に記載のデバイス。
【請求項44】
前記第2の作動要素が、第2の屈曲領域を有し、前記第2の屈曲領域へのエネルギーの適用が、前記第2の屈曲領域を拡張させる、請求項42に記載のデバイス。
【請求項45】
前記第1の作動要素の作動が、前記第2の作動要素を、前記第2の屈曲領域において圧縮させ、前記第2の作動要素の作動が、前記第1の作動要素を、前記第1の屈曲領域において圧縮させる、請求項44に記載のデバイス。
【請求項46】
前記流動制御要素が、3つ以上の位置を通って移動可能であり、前記3つ以上の位置の各々が、前記デバイスを通る異なる流動抵抗に関連付けられている、請求項33に記載のデバイス。
【請求項47】
前記デバイスは、前記デバイスが埋め込まれたときに前記デバイスを通る前記流動抵抗を変化させることが、前記第1の領域からの流体の排液速度を変化させるように構成されている、請求項33に記載のデバイス。
【請求項48】
前記第1の領域が、眼の前房である、請求項33に記載のデバイス。
【請求項49】
前記流動制御要素が、前記第1の位置と前記第2の位置との間を移動するにつれて、前記管腔の直径を変化させるように構成されている、請求項33に記載のデバイス。
【請求項50】
第1の身体領域から第2の身体領域に流体を排液するための埋め込み型医療デバイスであって、
それを通って延在し、前記第1の身体領域と前記第2の身体領域とを流体接続するように構成された管腔を有する排液要素と、
複数の別個の位置を通って移動可能な流動制御要素であって、各別個の位置が、前記デバイスを通る相対的な流体抵抗に関連付けられ、前記流動制御要素が、前記複数の別個の位置の間で選択的に移動可能である、流動制御要素と、を備える、デバイス。
【請求項51】
前記流動制御要素を前記複数の別個の位置を通して移動させるように構成されたラチェット機構を更に備える、請求項50に記載のデバイス。
【請求項52】
前記流動制御要素を前記複数の別個の位置を通して移動させるように構成されている、作動アセンブリを更に備え、前記作動アセンブリが、少なくとも1つの作動要素と、ラチェット機構と、を含む、請求項50に記載のデバイス。
【請求項53】
前記埋め込み型医療デバイスが、緑内障シャントであり、前記第1の身体領域が、眼の前房である、請求項52に記載のデバイス。
【請求項54】
前記流動制御要素が、前記複数の別個の位置の間を移動するにつれて、前記管腔の直径を変化させるように構成されている、請求項50に記載のデバイス。
【請求項55】
第1の身体領域から第2の身体領域に流体を排液するための埋め込み型医療デバイスであって、
前記デバイスが患者に埋め込まれたときに、前記第1の身体領域と前記第2の身体領域とを流体接続するように構成された排液要素と、
前記排液要素を通る前記流体の流動を調整するように構成されている、作動アセンブリであって、作動前構成と作動構成との間で移動可能な形状記憶作動要素を含む、作動アセンブリと、を備え、
前記デバイスは、
作動するときに、前記形状記憶作動要素が、前記作動前構成から前記作動構成に、及び前記作動構成に向かって移動して、前記デバイスを通る流体抵抗を調整するように、かつ、
作動に続いて、(a)前記形状記憶作動要素が、前記作動前構成に向かって反動し、(b)前記形状記憶作動要素が前記作動前構成に向かって反動するにつれて、前記調整された流体抵抗が維持されるように構成されている、デバイス。
【請求項56】
前記形状記憶作動要素に動作可能に結合され、前記デバイスを通る前記流体抵抗を制御するように構成された流動制御要素を更に備え、
前記流動制御要素は、前記形状記憶作動要素が前記作動前構成から前記作動構成に、及び/又は前記作動構成に向かって移動するときに、第1の位置から第2の位置に、及び/又は第2の位置に向かって移動するように構成されており、
前記流動制御要素は、前記形状記憶作動要素が前記作動前構成に向かって反動するときに、前記第2の位置に、及び/又はその近位に保持されるように構成されている、請求項55に記載のデバイス。
【請求項57】
前記流動制御要素を前記第2の位置に、及び/又はその近位に保持するように構成されたラチェットを更に備える、請求項56に記載のデバイス。
【請求項58】
前記形状記憶作動要素が、転移温度を上回って加熱されると、前記作動前構成から前記作動構成に、及び/又は前記作動構成に向かって移動するように構成されており、前記形状記憶作動要素が、前記転移温度を下回って冷却されると、前記作動前に向かって反動するように構成されている、請求項55に記載のデバイス。
【請求項59】
前記形状記憶要素の前記反動を、前記作動前構成に向かって駆動するように構成された弾性部材を更に備える、請求項55に記載のデバイス。
【請求項60】
前記形状記憶作動要素が、前記デバイスを通る前記流体抵抗を更に調整するために、前記作動前構成と前記作動構成との間で繰り返し転移するように構成されている、請求項55に記載のデバイス。
【請求項61】
調整可能なシャントデバイスを使用して、第1の身体領域から第2の身体領域への流体の流動を制御する方法であって、
前記調整可能なシャントデバイスの形状記憶作動要素を、第1の構成から第2の構成に、及び/又は第2の構成に向かって移動させるために、前記形状記憶作動要素を転移温度を上回って加熱することであって、前記形状記憶作動要素を、前記第1の構成から及び/又は前記第2の構成に向かって移動させることが、前記調整可能なシャントデバイスを通る流体抵抗を調整する、加熱することと、
前記形状記憶作動要素を加熱した後、前記形状記憶作動要素が前記転移温度を下回って冷却されるにつれて、前記形状記憶作動要素を前記第1の構成に向かって反動させることと、
前記形状記憶作動が、前記第1の構成に向かって反動するにつれて、前記調整された流体抵抗を維持することと、を含む、方法。
【請求項62】
前記調整可能なシャントデバイスが、前記デバイスを通る前記流体抵抗を制御するように構成された流動制御要素を含み、
前記形状記憶作動要素を、前記第1の構成から前記第2の構成に、及び/又は前記第2の構成に向かって移動させることが、前記流動制御要素を、第1の位置から第2の位置に、及び/又は第2の位置に向かって移動させ、
前記調整された流体抵抗を維持することは、前記形状記憶作動要素が前記第1の構成に向かって反動するにつれて、前記流動制御要素を、前記第2の位置に、及び/又はその近位に保持することを含む、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記流動制御要素を、前記第2の位置に、及び/又はその近位に保持することが、前記流動制御要素を機械的に保持することを含む、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記調整された流体抵抗が、第1の調整された流体抵抗であり、前記方法が、
前記第1の調整流体抵抗を維持した後、前記形状記憶作動要素を、前記第2の構成に、及び/又は前記第2の構成に向かって移動させて、前記流体抵抗を、第2の調整された流体抵抗に更に調整するために、前記形状記憶作動要素を、前記転移温度を上回って再加熱することと、
前記形状記憶作動要素が、前記転移温度を下回って冷却され、前記第1の構成に向かって反動するにつれて、前記第2の調整された流体抵抗を維持することと、を更に含む、請求項61に記載の方法。
【請求項65】
前記形状記憶作動要素を前記第1の構成に向かって反動させることが、弾性要素を使用して、前記形状記憶作動要素を前記第1の構成に向かって付勢することを含む、請求項61に記載の方法。
【請求項66】
第1の身体領域から第2の身体領域に流体を排液するための埋め込み型医療デバイスであって、
流体抵抗器と、
複数の幾何学的形状間で転移可能な作動要素と、
前記作動要素に動作可能に結合されたラチェットであって、幾何学的形状間を転移する前記作動要素に応答して、前記流体抵抗器によって生成された抵抗の個別の変化を誘発するように構成されている、ラチェットと、を備える、デバイス。
【請求項67】
患者内の流体をシャントするための埋め込み型デバイスであって、
貫通して延在する管腔を有する排液要素と、
少なくとも第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり、かつ前記デバイスを通る流動抵抗を変化させるように構成されている、流動制御要素と、
前記流動制御要素に動作可能に結合された第1の作動要素であって、前記患者の外部に位置決めされたエネルギー源からエネルギーを受容するための第1の標的特徴を含む、第1の作動要素と、
前記流動制御要素に動作可能に結合された第2の作動要素であって、前記患者の外部に位置決めされた前記エネルギー源からエネルギーを受容するための第2の標的特徴を含む、第2の作動要素と、を備える、デバイス。
【請求項68】
前記流動制御要素は、エネルギーが前記第1の標的特徴に適用されると、前記第1の位置から前記第2の位置に向かって移動するように構成されており、前記流動制御要素は、エネルギーが前記第2の標的特徴に適用されると、前記第2の位置から前記第1の位置に向かって移動するように構成されている、請求項67に記載のデバイス。
【請求項69】
前記第1の作動要素が、第1の屈曲領域を含み、前記第2の作動要素が、第2の屈曲領域を含み、前記第1の標的特徴が、前記第1の屈曲領域に位置決めされ、前記第2の標的特徴が、前記第2の屈曲領域に位置決めされている、請求項67に記載のデバイス。
【請求項70】
前記第1の標的特徴は、前記第1の作動要素で受容されたエネルギーが前記第1の屈曲領域を優先的に加熱するように構成されており、前記第2の標的特徴は、前記第2の作動要素で受容されたエネルギーが前記第2の屈曲領域を優先的に加熱するように構成されている、請求項69に記載のデバイス。
【請求項71】
前記第1の作動要素が、複数の第1の標的特徴を含み、前記第2の作動要素が、複数の第2の標的特徴を含む、請求項67に記載のデバイス。
【請求項72】
前記第1の作動要素が、複数の第1の屈曲領域を含み、前記複数の第1の屈曲領域の個々の第1の屈曲領域が、対応する第1の標的特徴を有し、
前記第2の作動要素が、複数の第2の屈曲領域を含み、前記複数の第2の屈曲領域の個々の第2の屈曲領域が、対応する第2の標的特徴を有する、請求項71に記載のデバイス。
【請求項73】
前記複数の第1の標的特徴の各々は、前記対応する第1の屈曲領域を選択的に作動させるために、個別に通電することができ、前記複数の第2の標的特徴の各々は、前記対応する第2の屈曲領域を選択的に作動させるために、個別に通電することができる、請求項72に記載のデバイス。
【請求項74】
前記流動制御要素が、個々の第1の屈曲領域及び/又は第2の屈曲領域を選択的に作動させることによって、前記第1の位置と前記第2の位置との間の複数の別個の位置に移動可能である、請求項73に記載のデバイス。
【請求項75】
前記第1の標的特徴が、前記第1の作動要素内に少なくとも部分的に延在する第1の凹部であり、エネルギーが前記第1の作動要素に浸透することを可能にするように構成されており、前記第2の標的特徴が、前記第2の作動要素内に少なくとも部分的に延在する第2の凹部であり、エネルギーが前記第2の作動要素に浸透することを可能にするように構成されている、請求項67に記載のデバイス。
【請求項76】
前記第1の標的特徴が、第1のゾーンを囲む前記第1の作動要素の領域よりも高い吸収速度を有する前記第1の作動要素上の前記第1のゾーンであり、前記第2の標的特徴が、第2のゾーンを囲む前記第2の作動要素の領域よりも高い吸収速度を有する前記第2の作動要素上の前記第2のゾーンである、請求項67に記載のデバイス。
【請求項77】
前記第1のゾーン及び前記第2のゾーンが、吸収コーティングを含む、請求項76に記載のデバイス。
【請求項78】
前記第1のゾーン及び前記第2のゾーンが、酸化されている、請求項76に記載のデバイス。
【請求項79】
前記第1の標的特徴が、前記患者の外部に位置決めされた前記エネルギー源から直接受容されたエネルギーを反射するように構成された第1の反射面に近接し、前記第2の標的特徴が前記患者の外部に位置決めされた前記エネルギー源から直接受容されたエネルギーを反射するように構成された第2の反射面に近接している、請求項67に記載のデバイス。
【請求項80】
前記第1の標的特徴で受容されたエネルギーが、前記第1の標的特徴を直接加熱し、前記第1の反射面の少なくとも一部分を間接的に加熱し、前記第2の標的特徴で受容されたエネルギーが、前記第2の標的特徴を直接加熱し、前記第2の反射面の少なくとも一部分を間接的に加熱する、請求項79に記載のデバイス。
【請求項81】
前記埋め込み型デバイスが、前記患者の眼の前房から水を排液するように構成された緑内障シャントである、請求項67に記載のデバイス。
【請求項82】
患者内の流体をシャントするための埋め込み型デバイスであって、
第1の圧力を有する前記患者内の第1の場所から前記第1の圧力より低い第2の圧力を有する前記患者内の第2の場所に流体を排液するように構成された流体流路と、
少なくとも第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり、前記流体流路を通る流動抵抗を変化させるように構成された流動制御要素と、
前記流動制御要素に動作可能に結合された作動要素を含む作動アセンブリであって、前記作動要素が、前記患者の外部に位置決めされたエネルギー源からエネルギーを受容するための少なくとも1つの標的特徴を含む、作動アセンブリと、を備える、デバイス。
【請求項83】
前記流動制御要素は、エネルギーが前記標的特徴に適用されると、前記第1の位置から前記第2の位置に向かって移動するように構成されている、請求項82に記載のデバイス。
【請求項84】
前記作動要素が、屈曲領域を含み、前記標的特徴が、前記屈曲領域に位置決めされている、請求項82に記載のデバイス。
【請求項85】
前記作動要素で受容されたエネルギーが前記屈曲領域を優先的に加熱して、前記屈曲領域において形状変化を引き起こすように、前記標的特徴が構成されている、請求項84に記載のデバイス。
【請求項86】
前記作動要素が、複数の標的特徴を含む、請求項82に記載のデバイス。
【請求項87】
前記作動要素が、複数の屈曲領域を含み、前記複数の屈曲領域の個々の屈曲領域が、対応する標的特徴を有する、請求項86に記載のデバイス。
【請求項88】
前記複数の標的特徴の各々が、対応する前記屈曲領域を選択的に作動させるために個別に通電することができる、請求項87に記載のデバイス。
【請求項89】
前記流動制御要素が、個々の屈曲領域を選択的に作動させることによって、前記第1の位置と前記第2の位置との間の複数の別個の位置に移動可能である、請求項88に記載のデバイス。
【請求項90】
前記標的特徴が、前記作動要素内に少なくとも部分的に延在する凹部であり、エネルギーが前記作動要素に浸透することを可能にするように構成されている、請求項82に記載のデバイス。
【請求項91】
前記標的特徴が、前記ゾーンを囲む前記作動要素の領域より高い吸収率を有する前記作動要素上のゾーンである、請求項76に記載のデバイス。
【請求項92】
前記ゾーンが、吸収コーティングを含む、請求項91に記載のデバイス。
【請求項93】
前記ゾーンが、酸化されている、請求項91に記載のデバイス。
【請求項94】
前記埋め込み型デバイスが、前記患者の眼の前房から水を排液するように構成された緑内障シャントである、請求項82に記載のデバイス。
【請求項95】
患者内の流体をシャントするための埋め込み型デバイスであって、
貫通して延在する管腔を有する排液要素と、
前記排液要素に動作可能に結合され、作動時に前記デバイスを通る流動抵抗を変化させるように構成された作動要素であって、前記作動アセンブリが、前記患者の外部に位置決めされたエネルギー源からエネルギーを受容するための少なくとも1つの標的特徴を含む、作動要素と、を備える、デバイス。
【請求項96】
前記作動要素が、屈曲領域を含み、前記標的特徴が、前記屈曲領域に位置決めされている、請求項95に記載のデバイス。
【請求項97】
前記作動要素で受容されたエネルギーが前記屈曲領域を優先的に加熱して、前記屈曲領域において形状変化を引き起こすように、前記標的特徴が構成されている、請求項96に記載のデバイス。
【請求項98】
前記作動要素が、複数の標的特徴を含む、請求項95に記載のデバイス。
【請求項99】
前記作動要素が、複数の屈曲領域を含み、前記複数の屈曲領域の個々の屈曲領域が、対応する標的特徴を有する、請求項98に記載のデバイス。
【請求項100】
前記複数の標的特徴の各々が、前記対応する屈曲領域を選択的に作動させるために個別に通電することができる、請求項99に記載のデバイス。
【請求項101】
前記標的特徴が、前記作動要素内に少なくとも部分的に延在する凹部であり、エネルギーが前記作動要素に浸透することを可能にするように構成されている、請求項95に記載のデバイス。
【請求項102】
前記標的特徴が、前記ゾーンを囲む前記作動要素の領域より高い吸収率を有する前記作動要素上のゾーンである、請求項95に記載のデバイス。
【請求項103】
前記ゾーンが、吸収コーティングを含む、請求項102に記載のデバイス。
【請求項104】
前記ゾーンが、酸化されている、請求項102に記載のデバイス。
【請求項105】
前記埋め込み型デバイスが、前記患者の眼の前房から水を排液するように構成された緑内障シャントである、請求項95に記載のデバイス。
【請求項106】
患者に埋め込まれ、作動要素を有する調整可能な流動シャントを使用して、流体をシャントする方法であって、
前記作動要素の第1の領域にエネルギーを適用することであって、前記第1の領域が、前記適用されたエネルギーを受容するための標的特徴を含む、適用することと、
前記適用されたエネルギーを介して、前記調整可能な流動シャントを通る前記流動抵抗を変化させるために、前記第1の領域で、前記作動要素の幾何学的形状変化を誘発することと、を含む、方法。
【請求項107】
前記第1の領域にエネルギーを適用することが、前記患者の外部に位置決めされたエネルギー源を使用して、前記第1の領域にエネルギーを適用することを含む、請求項106に記載の方法。
【請求項108】
前記標的特徴が、前記第1の領域に隣接する第2の領域に対して、前記第1の領域での前記作動要素への前記エネルギーの浸透を増加させる、請求項106に記載の方法。
【請求項109】
前記標的特徴が、前記第1の領域に隣接する第2の領域に対して、前記第1の領域での前記エネルギーの吸収を増加させる、請求項106に記載の方法。
【請求項110】
前記標的特徴が、前記作動要素内に少なくとも部分的に延在する凹部であり、前記適用されたエネルギーが、前記凹部で前記作動要素に浸透する、請求項106に記載の方法。
【請求項111】
前記標的特徴が、吸収性コーティングである、請求項106に記載の方法。
【請求項112】
前記標的特徴が、前記第1の領域における酸化されたゾーンである、請求項106に記載の方法。
【請求項113】
前記眼の前房から水を排液するために、前記調整可能なシャントが前記患者の前記眼に埋め込まれる、請求項106に記載の方法。
【請求項114】
患者内の流体をシャントするための埋め込み型デバイスであって、
貫通して延在する管腔を有する排液要素と、
少なくとも第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり、かつ前記デバイスを通る流動抵抗を変化させるように構成されている、流動制御要素と、
作動要素であって、前記作動要素の少なくとも一部分が、転移温度を上回って加熱されると、第1の材料状態から第2の材料状態に転移可能であり、前記作動要素が、前記転移温度を上回って加熱されると、前記流動制御要素を前記第1の位置から前記第2の位置に向かって移動させるように構成されている、作動要素と、
偏向要素であって、前記偏向要素で受容されたエネルギーを前記作動要素に向かって方向付けて、前記作動要素の少なくとも前記一部分を前記転移温度を上回って加熱するように構成された、偏向要素と、を備える、デバイス。
【請求項115】
前記排液要素に結合されたフレームを更に備え、前記フレームが、前記偏向要素を含む、請求項108に記載のデバイス。
【請求項116】
前記偏向要素が、前記排液要素上に位置決めされている、請求項108に記載のデバイス。
【請求項117】
前記偏向要素が、可視及び/又は赤外線電磁放射の形態で受容されたエネルギーを前記作動要素に向かって方向付けて、前記作動要素の少なくとも前記一部分を加熱するように構成されている、請求項108に記載のデバイス。
【請求項118】
前記偏向要素が、レーザエネルギーの形態で受容されたエネルギーを前記作動要素に向かって方向付けて、前記作動要素の少なくとも前記一部分を加熱するように構成されている、請求項108に記載のデバイス。
【請求項119】
前記偏向要素が、第1の材料から構成されており、前記作動要素が、第2の材料から構成されており、前記第1の材料が、前記第2の材料よりも吸収性が低い、請求項108に記載のデバイス。
【請求項120】
前記偏向要素が、エネルギーを前記作動要素に向かって反射するように構成された反射要素を含む、請求項114に記載のデバイス。
【請求項121】
前記反射要素が、金、パラジウム、及び/又はプラチナから少なくとも部分的に構成されている、請求項120に記載のデバイス。
【請求項122】
前記反射要素が、ミラーを含む、請求項120に記載のデバイス。
【請求項123】
前記偏向要素が、エネルギーを前記作動要素に向かって屈折させるように構成された屈折要素を含む、請求項114に記載のデバイス。
【請求項124】
前記屈折要素が、少なくとも部分的にガラスから構成されている、請求項123に記載のデバイス。
【請求項125】
前記屈折要素が、プリズムを含む、請求項123に記載のデバイス。
【請求項126】
前記デバイスが、複数の偏向要素を含む、請求項114に記載のデバイス。
【請求項127】
前記作動要素が、複数の作動可能領域を含み、前記偏向要素が、複数の偏向領域を含み、前記偏向要素の個々の偏向領域が、前記作動要素の個々の作動可能領域に対応し、その結果、前記個々の作動領域が、対応する前記個々の偏向領域にエネルギーを選択的に提供することによって、選択的に作動され得る、請求項114に記載のデバイス。
【請求項128】
前記第1の材料状態が、マルテンサイト材料状態であり、前記第2の材料状態が、オーステナイト材料状態である、請求項114に記載のデバイス。
【請求項129】
前記作動要素が、第1の作動要素であり、前記偏向要素が、第1の偏向要素であり、前記デバイスが、
第2の作動要素であって、前記第2の作動要素の少なくとも一部分が、前記第2の作動要素の転移温度を上回って加熱されると、第3の材料状態から第4の材料状態に転移可能であり、前記第2の作動要素が、前記第2の作動要素の前記転移温度を上回って加熱されると、前記流動制御要素を前記第2の位置から前記第1の位置に向かって移動させるように構成されている、第2の作動要素と、
第2の偏向要素であって、前記第2の偏向要素で受容されたエネルギーを前記第2の作動要素に向かって方向付けて、前記第2の作動要素を前記第2の作動要素転移温度を上回って加熱するように構成された第2の偏向要素と、を更に備える、請求項114に記載のデバイス。
【請求項130】
前記第3の材料状態が、マルテンサイト材料状態であり、前記第4の材料状態が、オーステナイト材料状態である、請求項129に記載のデバイス。
【請求項131】
前記埋め込み型デバイスが、前記患者の眼の前房から水を排液するように構成された緑内障シャントである、請求項114に記載のデバイス。
【請求項132】
患者内の流体をシャントするための埋め込み型デバイスであって、
第1の圧力を有する前記患者における第1の場所から前記第1の圧力より低い第2の圧力を有する前記患者における第2の場所に流体を排液するように構成された流体流路と、
少なくとも第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり、前記流体流路を通る流動抵抗を変化させるように構成された流動制御要素と、
作動時に前記流動制御要素を前記第1の位置から前記第2の位置に向かって移動させるように構成された作動要素と、
偏向要素であって、前記偏向要素で受容されたエネルギーを前記作動要素に向かって方向付けて、前記作動要素を作動させるように構成された偏向要素と、を備える、デバイス。
【請求項133】
前記流体流路に結合されたフレームを更に備え、前記フレームが、前記偏向要素を含む、請求項132に記載のデバイス。
【請求項134】
前記偏向要素が、前記流体流路上に位置決めされている、請求項132に記載のデバイス。
【請求項135】
前記偏向要素が、可視及び/又は赤外線電磁放射の形態で受容されたエネルギーを前記作動要素に向かって方向付けて、前記作動要素を作動させるように構成されている、請求項132に記載のデバイス。
【請求項136】
前記偏向要素が、レーザエネルギーの形態で受容されたエネルギーを前記作動要素に向かって方向付けて、前記作動要素を作動させるように構成されている、請求項132に記載のデバイス。
【請求項137】
前記偏向要素が、第1の材料から構成され、前記作動要素が、第2の材料から構成され、前記第1の材料が、前記第2の材料よりも吸収性が低い、請求項132に記載のデバイス。
【請求項138】
前記偏向要素が、エネルギーを前記作動要素に向かって反射するように構成された反射要素を含む、請求項132に記載のデバイス。
【請求項139】
前記反射要素が、金、パラジウム、及び/又はプラチナから少なくとも部分的に構成されている、請求項138に記載のデバイス。
【請求項140】
前記反射要素が、ミラーを含む、請求項138に記載のデバイス。
【請求項141】
前記偏向要素が、エネルギーを前記作動要素に向かって屈折させるように構成された屈折要素を含む、請求項132に記載のデバイス。
【請求項142】
前記屈折要素が、少なくとも部分的にガラスから構成されている、請求項141に記載のデバイス。
【請求項143】
前記屈折要素が、プリズムを含む、請求項141に記載のデバイス。
【請求項144】
前記デバイスが、複数の偏向要素を含む、請求項132に記載のデバイス。
【請求項145】
前記作動要素が、複数の作動可能領域を含み、前記偏向要素が、複数の偏向領域を含み、前記偏向要素の個々の偏向領域が、前記作動要素の個々の作動可能領域に対応し、その結果、前記個々の作動領域が、前記対応する個々の偏向領域にエネルギーを選択的に提供することによって、選択的に作動され得る、請求項132に記載のデバイス。
【請求項146】
前記作動要素が、第1の作動要素であり、前記偏向要素が、第1の偏向要素であり、前記デバイスが、
作動時に前記流動制御要素を前記第2の位置から前記第1の位置に向かって移動させるように構成されている、第2の作動要素と、
第2の偏向要素であって、前記第2の偏向要素で受容されたエネルギーを前記第2の作動要素に向かって方向付けて、前記第2の作動要素を作動させるように構成されている、第2の偏向要素と、を更に備える、請求項132に記載のデバイス。
【請求項147】
前記埋め込み型デバイスが、前記患者の眼の前房から水を排液するように構成された緑内障シャントである、請求項132に記載のデバイス。
【請求項148】
患者内の流体をシャントするための埋め込み型デバイスであって、
貫通して延在する管腔を有する排液要素と、
前記デバイスを通る流動抵抗を変更するように構成されている、作動アセンブリであって、
作動要素であって、前記作動要素の少なくとも一部分が、転移温度を上回って加熱されると、第1の材料状態から第2の材料状態に転移可能である、作動要素と、
偏向要素であって、前記偏向要素で受容されたエネルギーを前記作動要素に向かって方向付けて、前記作動要素の少なくとも前記一部分を前記転移温度を上回って加熱するように構成された、偏向要素と、を含む、作動アセンブリとを備える、デバイス。
【請求項149】
前記偏向要素が、可視及び/又は赤外線電磁放射の形態で受容されたエネルギーを前記作動要素に向かって方向付けて、前記作動要素の少なくとも前記一部分を加熱するように構成されている、請求項148に記載のデバイス。
【請求項150】
前記偏向要素が、レーザエネルギーの形態で受容されたエネルギーを前記作動要素に向かって方向付けて、前記作動要素の少なくとも前記一部分を加熱するように構成されている、請求項148に記載のデバイス。
【請求項151】
前記偏向要素が、第1の材料から構成されており、前記作動要素が、第2の材料から構成されており、前記第1の材料が、前記第2の材料よりも吸収性が低い、請求項148に記載のデバイス。
【請求項152】
前記偏向要素が、エネルギーを前記作動要素に向かって反射するように構成された反射要素を含む、請求項148に記載のデバイス。
【請求項153】
前記反射要素が、金、パラジウム、及び/又はプラチナから少なくとも部分的に構成されている、請求項152に記載のデバイス。
【請求項154】
前記反射要素が、ミラーを含む、請求項152に記載のデバイス。
【請求項155】
前記偏向要素が、エネルギーを前記作動要素に向かって屈折させるように構成された屈折要素を含む、請求項148に記載のデバイス。
【請求項156】
前記屈折要素が、少なくとも部分的にガラスから構成されている、請求項155に記載のデバイス。
【請求項157】
前記屈折要素が、プリズムを含む、請求項155に記載のデバイス。
【請求項158】
前記デバイスが、複数の偏向要素を含む、請求項148に記載のデバイス。
【請求項159】
前記作動要素が、複数の作動可能領域を含み、前記偏向要素が、複数の偏向領域を含み、前記偏向要素の個々の偏向領域が、前記作動要素の個々の作動可能領域に対応し、その結果、前記個々の作動領域が、前記対応する個々の偏向領域にエネルギーを選択的に提供することによって、選択的に作動され得る、請求項148に記載のデバイス。
【請求項160】
前記第1の材料状態が、マルテンサイト材料状態であり、前記第2の材料状態が、オーステナイト材料状態である、請求項148に記載のデバイス。
【請求項161】
前記埋め込み型デバイスが、前記患者の眼の前房から水を排液するように構成された緑内障シャントである、請求項148に記載のデバイス。
【請求項162】
患者に埋め込まれ、作動要素を有する調整可能な流動シャントを使用して、流体をシャントする方法であって、
前記作動要素にエネルギーを間接的に適用することであって、前記作動要素にエネルギーを間接的に適用することが、偏向要素で受容されたエネルギーを前記作動要素に向かって方向転換する、前記偏向要素にエネルギーを伝達することを含む、適用することと、
前記作動要素に方向転換された前記エネルギーを介して、前記作動要素の幾何学的形状変化を誘発することであって、前記幾何学的形状変化が、前記調整可能な流動シャントを通る流動抵抗の変化をもたらす、誘発することと、を含む、方法。
【請求項163】
エネルギーを前記偏向要素に伝達することが、前記患者の外部に位置決めされたエネルギー源を使用して、エネルギーを前記偏向要素に伝達することを含む、請求項162に記載の方法。
【請求項164】
前記偏向要素が、前記患者に埋め込まれている、請求項162に記載の方法。
【請求項165】
前記偏向要素が、前記シャントに結合される、請求項164に記載の方法。
【請求項166】
前記エネルギーが可視及び/又は赤外線電磁放射である、請求項162に記載の方法。
【請求項167】
前記エネルギーが、レーザエネルギーである、請求項162に記載の方法。
【請求項168】
前記偏向要素が、第1の材料から構成されており、前記作動要素が、第2の材料から構成されており、前記第1の材料が、前記第2の材料よりも吸収性が低い、請求項162に記載の方法。
【請求項169】
前記偏向要素が、受容されたエネルギーを前記作動要素に向かって反射する反射要素を含む、請求項162に記載の方法。
【請求項170】
前記反射要素が、少なくとも部分的に金、パラジウム、及び/又はプラチナから構成されている、請求項169に記載の方法。
【請求項171】
前記反射要素が、ミラーを含む、請求項169に記載の方法。
【請求項172】
前記偏向要素は、エネルギーを前記作動要素に向かって屈折させる屈折要素を含む、請求項162に記載の方法。
【請求項173】
前記屈折要素が、少なくとも部分的にガラスから構成されている、請求項172に記載の方法。
【請求項174】
前記屈折要素が、プリズムを含む、請求項172に記載の方法。
【請求項175】
前記眼の前房から水を排液するために、前記調整可能なシャントが前記患者の前記眼に埋め込まれる、請求項162に記載の方法。
【請求項176】
シャント要素、流動制御要素、及び形状記憶作動要素を有する調整可能なシャントを製造する方法であって、
第1の材料及び/又は第2の材料を基板上に堆積させることであって、前記第1の材料が、前記シャント要素及び前記流動制御要素に対応するパターンで堆積され、前記第2の材料が、前記調整可能なシャントの1つ以上の空隙に対応するパターンで堆積される、堆積させることと、
前記堆積された第2の材料を除去することであって、前記堆積された第2の材料を除去することが、(i)前記シャント要素を通って延在する管腔を生成し、(ii)前記流動制御要素が前記シャント要素に対して移動することを可能にする、除去することと、
前記形状記憶作動要素を、前記流動制御要素及び/又はシャント要素に固定することと、を含み、
前記形状記憶作動要素が、前記流動制御要素に固定されると、前記形状記憶作動要素が、前記シャント要素に対する前記流動制御要素の移動を選択的に駆動するように構成されている、方法。
【請求項177】
前記第1の材料及び前記第2の材料を堆積することが、蒸着プロセスによって、前記第1の材料及び前記第2の材料を堆積することを含む、請求項176に記載の方法。
【請求項178】
前記第1の材料及び前記第2の材料を堆積することが、約5ミクロン以下の個々の層において、前記第1の材料及び第2の材料を堆積することを含む、請求項176に記載の方法。
【請求項179】
前記第2の材料を除去することが、前記第2の材料をエッチング除去することを含む、請求項176に記載の方法。
【請求項180】
前記第1の材料がポリマー及び/又は金属である、請求項176に記載の方法。
【請求項181】
前記第1の材料がパラジウム、ロジウム、及び/又はニッケルコバルト合金である、請求項176に記載の方法。
【請求項182】
前記第2の材料が、銅である、請求項176に記載の方法。
【請求項183】
前記形状記憶作動要素が、ニチノールから構成されている、請求項176に記載の方法。
【請求項184】
形状記憶作動要素を有する調整可能なシャントを製造する方法であって、
第1の材料及び/又は第2の材料を基板上に堆積させることであって、前記第1の材料が、前記調整可能なシャントの第1の構成要素及び第2の構成要素に対応するパターンで堆積され、前記第2の材料が、前記調整可能なシャントの1つ以上の空隙に対応するパターンで堆積される、堆積させることと、
前記堆積された第2の材料を除去することであって、前記堆積された第2の材料が除去された後、前記第1の構成要素が、前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素のアセンブリを必要とせずに、前記第2の構成要素内に少なくとも部分的に拘束され、前記第2の構成要素に対して移動可能である、除去することと、
前記形状記憶作動要素を、前記第1の構成要素及び/又は前記第2の構成要素に固定することと、を含み、
前記形状記憶作動要素が、前記第1の構成要素及び/又は前記第2の構成要素に固定されると、前記第2の構成要素に対する前記第1の構成要素の移動を選択的に駆動するように構成されている、方法。
【請求項185】
前記第1の材料及び前記第2の材料を堆積することが、蒸着プロセスによって、前記第1の材料及び前記第2の材料を堆積することを含む、請求項184に記載の方法。
【請求項186】
前記第1の材料及び前記第2の材料を堆積することが、約5ミクロン以下の個々の層において、前記第1の材料及び第2の材料を堆積することを含む、請求項184に記載の方法。
【請求項187】
前記第2の材料を除去することが、前記第2の材料をエッチング除去することを含む、請求項184に記載の方法。
【請求項188】
前記第1の材料がポリマー及び/又は金属である、請求項184に記載の方法。
【請求項189】
前記第1の材料がパラジウム、ロジウム、及び/又はニッケルコバルト合金である、請求項184に記載の方法。
【請求項190】
前記第2の材料が、銅である、請求項184に記載の方法。
【請求項191】
前記第1の構成要素が、流動制御要素であり、前記第2の構成要素が、シャント要素である、請求項184に記載の方法。
【請求項192】
前記形状記憶作動要素が、ニチノールから構成されている、請求項184に記載の方法。
【請求項193】
調整可能な流動シャントを製造する方法であって、
層状堆積プロセスを介して、シャント要素及び流動制御要素を、前記流動制御要素が、前記シャント要素に対して移動可能である、組み立てられた構成において形成することと、
作動要素を前記シャント要素及び/又は前記流動制御要素に固定することであって、前記シャント要素及び/又は前記流動制御要素に固定されると、前記作動要素が、前記シャント要素に対して前記流動制御要素を選択的に移動させるように構成されている、方法。
【請求項194】
前記シャント要素及び前記流動制御要素を形成することは、前記シャント要素及び前記流動制御要素を同時に形成することを含む、請求項193に記載の方法。
【請求項195】
前記シャント要素及び前記流動制御要素を形成することが、
第1の材料及び第2の材料を約5ミクロン以下の層に堆積することと、
前記シャント要素及び前記流動制御要素を形成するために、前記第2の材料をエッチング除去することと、を含む、請求項193に記載の方法。
【請求項196】
前記層状堆積プロセスが、蒸着堆積プロセス又は化学堆積プロセスである、請求項193に記載の方法。
【請求項197】
前記作動要素が、ニチノールから構成されている、請求項193に記載の方法。
【請求項198】
シャント要素及び流動制御要素を有する調整可能なシャントを製造する方法であって、
フォトリソグラフィプロセスを介して、前記シャント要素及び前記流動制御要素を、前記流動制御要素が前記シャント要素に対して移動可能である、組み立てられた構成において形成することと、
作動要素を、前記シャント要素及び/又は前記流動制御要素に固定することと、を含み、
前記作動要素が、前記シャント要素及び/又は前記流動制御要素に固定されると、前記シャント要素に対して前記流動制御要素を選択的に移動させるように構成されている、方法。
【請求項199】
前記作動要素が、ニチノールから構成されている、請求項198に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、以下の係属中の出願に対する優先権を主張する。
【0002】
2020年4月16日に出願された米国仮特許出願第63/010,854号、及び
2020年6月15日に出願された米国仮特許出願第63/039,237号。
【0003】
前述の出願は全て、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。更に、参照により組み込まれる出願に開示される実施形態の構成要素及び特徴は、本出願において開示及び請求される様々な構成要素及び特徴と組み合わされ得る。
【0004】
本技術は、概して、インプラント可能な医療デバイス、特に、眼内システム、デバイス、及び患者の眼の異なる部分間の流体流動を選択的に制御するための関連する方法に関する。
【背景技術】
【0005】
緑内障は、進行性かつ不可逆的な視力喪失を引き起こす可能性のある視神経への損傷を伴う変性の眼球の状態である。緑内障は、高眼圧症、眼内の圧力の増加と関連付けられることが多く、眼内の房水(「水」)の生成の増加及び/又は眼内から血流への水の流出速度における減少からもたらされ得る。水は、眼の後房と前房との境界にある毛様体内で生成される。水は、前房内に流動し、最終的には眼の強膜内の毛細血管床内に流動する。緑内障は、典型的には、水を眼から血流に輸送する機構内の障害によって引き起こされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術は、第1の身体領域と第2の身体領域との間の流体の流動を促進するための埋め込み型システム及びデバイスを対象とする。実施形態では、デバイスは、第1の身体領域と第2の身体領域との間を流動する流体の量を制御するために選択的に調整可能である。デバイスは、一般に、第1及び第2の身体領域の間の流体を排液又は他の方法でシャントするために貫通して延在する管腔を有する排液及び/又はシャント要素を含む。いくつかの実施形態は、流動制御要素の移動を駆動して管腔を通る流動抵抗を変化させることができ、それによって、第1の身体領域と第2の身体領域との間の流体の相対的な排液速度を増加又は減少させる作動アセンブリを含む。
【0007】
特に、本技術のいくつかの実施形態は、様々なレベルの治療を提供するために選択的に滴定可能な調整可能なデバイスを提供する。例えば、各位置又は構成が他の位置又は構成に対して異なる流動抵抗及び/又は排液速度を提供するように、デバイスをいくつかの別個の位置又は構成を通じて調整することができる。したがって、デバイスは、所望の流動抵抗及び/又は排液速度が達成されるまで、位置又は構成を通じて段階的に調整することができる。所望の流動抵抗及び/又は排液速度が達成されると、デバイスは、更なる入力まで設定位置又は構成を維持するように構成されている。いくつかの実施形態では、デバイスの様々な構成要素は、複数の位置又は構成の間でデバイスの段階的な調整を可能にするラチェット機構として動作し、デバイスを所望の位置又は構成に保持又はロックすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本技術の多くの態様は、以下の図面を参照して、より良好に理解することができる。図面内の構成要素は、必ずしも縮尺通りに描画されていない。代わりに、本技術の原理を明確に例示することに、重点が置かれている。更に、構成要素は、例示を明瞭にするだけのために特定の図において透明として示される場合があり、図示された構成要素が必ずしも透明であることを示すものではない。また、構成要素が概略的に示されている場合もある。
【0009】
【
図1A】本技術の一実施形態に従って構成された、シャントがインプラントされた状態の眼の簡略化された正面図である。
【
図1B】
図1Aの眼及びインプラントされたシャントの等角図である。
【
図2】本技術の選択実施形態に従って構成された、調整可能な緑内障治療デバイスの斜視図である。
【
図3A】
図2に示される調整可能な緑内障治療デバイスの正面図であり、本技術の選択実施形態による調整可能なデバイスのアームの動きの経路を示す。
【
図3B】
図2に示される調整可能な緑内障治療デバイスの一部分の拡大図であり、本技術の選択実施形態による調整可能なデバイスの選択特徴を示す。
【
図4A】本技術の選択実施形態による2つの異なる構成において
図2に示される調整可能な緑内障治療デバイスを示す。
【
図4B】本技術の選択実施形態による2つの異なる構成において
図2に示される調整可能な緑内障治療デバイスを示す。
【
図4C】本技術の選択実施形態による2つの異なる構成において
図2に示される調整可能な緑内障治療デバイスを示す。
【
図4D】本技術の選択実施形態による2つの異なる構成において
図2に示される調整可能な緑内障治療デバイスを示す。
【
図5A】本技術の選択実施形態に従って構成された調整可能な緑内障治療デバイスを示す。
【
図5B】本技術の選択実施形態に従って構成された調整可能な緑内障治療デバイスを示す。
【
図5C】本技術の選択実施形態に従って構成された調整可能な緑内障治療デバイスを示す。
【
図5D】本技術の選択実施形態に従って構成された調整可能な緑内障治療デバイスを示す。
【
図6A】本技術の選択実施形態に従って構成された調整可能な緑内障治療デバイスを示す。
【
図6B】本技術の選択実施形態に従って構成された調整可能な緑内障治療デバイスを示す。
【
図7A】本技術の選択実施形態に従って構成された別の調整可能な緑内障治療デバイストを示す。
【
図7B】本技術の選択実施形態に従って構成された別の調整可能な緑内障治療デバイストを示す。
【
図7C】本技術の選択実施形態に従って構成された別の調整可能な緑内障治療デバイストを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に提示される説明内で使用される専門用語は、本技術の特定の具体的な実施形態の詳細な説明と併せて使用されている場合であっても、その最も広い合理的な方法で解釈されることを意図している。特定の用語は以下で強調されることさえあり得るが、しかしながら、任意の制限された方法で解釈されることを意図したいずれかの専門用語は、この「発明を実施するための形態」のセクションで、そのように明確かつ具体的に定義される。追加的に、本技術は、実施例の範囲内であるが、
図1A~
図7Cに関して詳細に説明されていない他の実施形態を含むことができる。
【0011】
本明細書全体において「一実施形態(one embodiment)」又は「実施形態(an embodiment)」に言及する場合、当該実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、又は特性が本技術の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味している。したがって、本明細書全体の様々な場所において「一実施形態において」又は「実施形態において」という句が出現した場合、必ずしも全てが同じ実施形態を指すとは限らない。更に、特定の特徴又は特性は、1つ以上の実施形態において、任意の好適な方法で組み合わせることができる。
【0012】
本明細書全体を通して、例えば「一般的に」、「およそ」、及び「約」などの相対的な用語に言及する場合、本明細書では、記載された値プラス又はマイナス10%を意味するために使用される。本明細書全体を通して「抵抗」という用語への言及は、文脈が他に明確に規定しない限り、流体抵抗を指す。「排液率」、「流量」、及び「流動」という用語は、構造を通る流体の運動を説明するために交換可能に使用される。
【0013】
本明細書の特定の実施形態は、眼の前房からの流体のシャントに関して説明されているが、当業者は、本技術が、眼の他の部分から、及び/又は眼の他の部分の間で、より一般的には、第1の身体領域及び第2の身体領域から、並びに/又は第1の身体領域と第2の身体領域との間で流体をシャントするように容易に適合することができることを理解する。更に、本明細書の特定の実施形態は、緑内障治療の文脈で説明されているが、「緑内障シャント」又は「緑内障デバイス」と称されるものを含む、本明細書の任意の実施形態は、それにもかかわらず、眼又は他の身体領域の他の疾患又は状態を含む、他の疾患若しくは状態を治療するために使用及び/又は修正され得る。例えば、本明細書において説明されるシステムは、限定されるものではないが、心不全(例えば、駆出率を維持する心不全、駆出率が低下した心不全など)、肺不全、腎不全、水頭症などを含む、圧力の増加及び/又は流体の蓄積を特徴とする疾患を治療するために使用することができる。更に、概して、水をシャントすることに関して説明されているが、本明細書において説明されるシステムは、第1の身体領域と第2の身体領域との間で、血液又は脳脊髄液などの他の流体をシャントするために等しく適用され得る。
【0014】
本明細書で提供される見出しは、便宜上のものであり、特許請求された本技術の範囲又は意味を解釈するものではない。
【0015】
A.緑内障治療のための眼内シャント
緑内障は、視神経の損傷と関連付けられる眼疾患のグループを指し、最終的には視力喪失及び失明を引き起こす。上記のように、緑内障は、眼内の水の生成の増加及び/又は眼内から血流への水の流出率の減少からもたらされる、眼内の圧力増加を特徴とする変性の眼球の状態である。圧力増加は、時間の経過とともに視神経の損傷につながる。残念ながら、患者は、多くの場合緑内障が発症するまで眼内圧力増加の症状が現れない。そのため、患者は、典型的には、症状がない場合でも、圧力増加が確認されると注意深く監視されなければならない。監視は、疾患の経過中継続されるため、臨床医は疾患の進行を食い止めるために早期に介入することができる。圧力を監視するには、患者が定期的に診療所を訪れる必要があるが、これは高価であり、時間がかかり、かつ不便である。緑内障の初期段階は、典型的には、薬物(例えば、点眼薬)及び/又はレーザ治療で治療される。しかしながら、薬物/レーザ治療では不十分なとき、外科的アプローチを、使用することができる。外科的又は低侵襲的アプローチは、主に、代替的な流体経路の作成又は水流出のための自然経路の増強のいずれかによって、前房から血流への水の流出を増加させるように試みる。
【0016】
図1A及び1Bは、本技術の実施形態による、ヒトの眼E及びシャントが眼E内にインプラントされ得る好適な場所を示している。より具体的には、
図1Aは、シャント100がインプラントされた状態の眼Eの簡略化された正面図であり、
図1Bは、
図1Aの眼E及びシャント100の等角図である。最初に
図1Aを参照すると、眼Eは、上直筋SR、下直筋IR、外側直筋LR、内側直筋MR、上斜筋SO、及び下斜筋IOを含む、その運動を制御するためのいくつかの筋肉を含む。眼Eはまた、虹彩、瞳孔、及び輪部も含む。
【0017】
図1A及び1Bをともに参照すると、シャント100は、流入部分101が眼Eの前房内に位置決めされ、流出部分102は、ブレブスペースなど、眼E内の異なる場所に位置決めされるように位置決めされた排液要素105(例えば、排液管)を有することができる。シャント100は、様々な配向でインプラントすることができる。例えば、インプラントされるとき、排液要素105は、前房から上、下、内側、及び/又は外側方向に延在し得る。シャント100の設計に応じて、流出部分102は、いくつかの異なる好適な流出場所(例えば、脈絡膜と強膜との間、結膜と強膜との間など)に設置することができる。
【0018】
流出抵抗は、例えば、流出場所がシャント(例えば、シャント100など)の外科的インプラント後の治癒プロセスを行う際、又は前房から小柱網、シュレム管、コレクタチャネル、最終的には静脈及び身体の循環器系を通る排液ネットワーク内の更なる閉塞などの様々な理由で時間の経過とともに変化する可能性がある。したがって、臨床医は、そのような変化又は他の臨床的理由に応じて、流出抵抗を増加させるか、又は減少させるかのいずれかのために、インプラント後にシャントを修正することを所望する場合がある。例えば、多くの手技において、シャントは、インプラント時に修正されて、一時的に流出抵抗を増加させる。組織の治癒及び流出抵抗の安定化を可能にするのに十分であると判断される一定期間後、シャントへの修正が覆され、それによって流出抵抗を減少させる。別の例では、臨床医は、シャントをインプラントし、その後の眼内圧力の監視の後に、シャントを通る排液率の修正が所望されるかを判定し得る。かかる修正は、患者にとって侵襲的で、時間がかかり、かつ/又は高価である可能性がある。しかしながら、かかる手技に従わない場合、視神経への損傷を含む、更なる合併症をもたらし得る低眼圧症(過度に低い眼圧)を作り出す可能性が高くなる。対照的に、本技術の実施形態に従って構成された眼内シャントシステムは、臨床医が、追加の侵襲的外科手技なしに、インプラント後にシャントを通る流体の流動を選択的に調整することを可能にする。
【0019】
本明細書において説明されるシャントは、第1の排液率を有してインプラントされ、その後、第2の異なる排液率を実現するために遠隔調整され得る。調整は、個々の患者のニーズに基づくことができる。例えば、シャントは、第1のより低い流量でインプラントされ、その後、臨床的に必要な場合、第2のより高い流量に調整され得る。本明細書において説明されるシャントは、ab interno又はab externoインプラント技術のいずれかを使用して送達させることができ、針を介して送達させることができる。針は、本明細書において説明されるシャントの様々な形状に対応するために、様々な形状及び構成を有することができる。インプラント手技、インプラントデバイス、及びブレブ形成の詳細は、その開示が、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる、国際特許出願第PCT/US20/41152号により詳細に説明されている。
【0020】
本明細書において説明される実施形態の多くにおいて、流動制御アセンブリは、動作中にシャントを通る流体流動を選択的に妨害するか、又は減衰させる特徴を導入するように構成される。このようにして、流動制御アセンブリは、シャントを通る流動抵抗を段階的又は連続的に変更して、圧力及び/又は流動を選択的に調節することができる。したがって、本技術に従って構成された流動制御アセンブリは、いくつかの異なる位置間の干渉又は圧縮のレベルを調整し、多くの変数(例えば、IOP、水生成速度、生来の水流出抵抗、及び/又は生来の水流出速度)を適応させて、シャントを通る流量を正確に調節することができる。
【0021】
開示された流動制御アセンブリは、エネルギーを使用して動作することができる。この特徴により、かかるデバイスを患者内にインプラントし、患者に更に侵襲的な手術又は手技を行うことなく、時間の経過とともに修正/調整することを可能にする。更に、本明細書に開示されるデバイスは、外部エネルギー源(例えば、レーザ)からのエネルギーを介して作動させることができるので、かかるデバイスは、所望の配向又は位置を維持するためにいずれの追加電力も必要としない。むしろ、本明細書に開示されるアクチュエータ/流体抵抗は、電力なしで所望の位置/配向を維持することができる。これは、かかるデバイスの使用可能な寿命を顕著に増加させ、かかるデバイスが初期のインプラント手技の後長く有効になることを可能にすることができる。
【0022】
B.作動要素の動作
本技術のいくつかの実施形態は、移動可能な要素(例えば、アーム、制御要素、ゲート要素、流動制御要素、ラック要素など)に結合された少なくとも1つの作動要素を有する作動アセンブリ(例えば、流動制御アセンブリ、流動制御機構など)を含む。以下で詳細に説明するように、移動可能な要素は、管腔とインターフェース接続する(
図2A~4D)、かつ/又は管腔への流入若しくは流出を提供するポートとインターフェース接続する(例えば、少なくとも部分的にブロックする)(
図5A~5D及び7A~7C)ように形成することができる。作動要素の運動は、移動可能な要素の(例えば、並進及び/又は回転)運動を生成する。
【0023】
作動要素は、形状記憶材料(例えば、形状記憶合金、又は形状記憶ポリマー)を含むことができる。作動要素の運動は、適用された応力及び/又は形状記憶効果の使用(例えば、温度変化によって駆動される)によって生成することができる。形状記憶効果により、要素をその好ましい幾何学的構成(例えば、元の又は製作された構成、形状セット構成、ヒートセット構成など)から改変した変形を、作動アセンブリの動作中に大部分又は完全に逆転させることができる。例えば、熱作動(加熱)は、アクチュエータ材料の状態の変化(例えば、相変化)を誘発することによって変形を逆転させることができ、好ましい幾何学的構成への形状変化を促進する一時的な内部応力の上昇を誘発する。形状記憶合金の場合、状態の変化は、マルテンサイト相(代替的に、R相)からオーステナイト相の変化であり得る。形状記憶ポリマーの場合、状態の変化は、ガラス転移温度又は融解温度によるものであり得る。状態の変化は、作動要素に任意の(例えば、外部からの)応力を適用することなく、材料の変形、例えば、その好ましい幾何学的構成に対する変形を逆転させることができる。すなわち、第1の温度(例えば、体温)において材料に与えられる変形は、材料を第2の(例えば、より高い)温度まで上昇させることによって、(例えば、熱的に)回復及び/又は改変することができる。冷却すると(かつ状態が変化し、例えば、マルテンサイト相に戻ると)、作動要素はその好ましい幾何学的構成を保持する。材料がこの相対的により低温の状態にあると、材料を熱弾性的に変形させるために必要な力又は応力が小さくなり得、その後、外部応力が適用されると、作動要素が元の幾何学的構成から再び変形することができる。
【0024】
作動要素は、状態の変化が起こる転移温度(例えば、オーステナイト開始温度、オーステナイト最終温度など)が閾値温度(例えば、体温)を上回るように処理され得る。例えば、転移温度は、約45℃、約50℃、約55℃、又は約60℃に設定することができる。いくつかの実施形態では、アクチュエータ材料は、第1の状態(例えば、体温での熱弾性マルテンサイト相又は熱弾性R相)における材料の上部プラトー応力(例えば、「UPS_体温」)が、加熱された状態(例えば、超弾性状態)における材料の上部プラトー応力(例えば、「UPS_作動温度」)よりも低くなるように、体温からオーステナイト開始温度を上回る(又は代替的に、R相開始温度、オーステナイト終了時間、又はR相終了温度を上回る)温度まで加熱され、それによって、部分的又は完全な自由回復を実現する。例えば、アクチュエータ材料は、UPS_作動温度>UPS_体温となるように加熱され得る。いくつかの実施形態では、アクチュエータ材料は、第1の状態(例えば、体温での熱弾性マルテンサイト又は熱弾性R相)における材料の上部プラトー応力が、加熱された状態(例えば、超弾性状態)における材料の下部プラトー応力(例えば、「LPS」)よりも低くなるように、体温からオーステナイト開始温度を上回る(又は代替的に、R相開始温度を上回る)温度まで加熱され、それによって、部分的又は完全な自由回復を実現する。例えば、アクチュエータ材料は、LPS_活性化温度>UPS_体温になるようにエージングされ得る。いくつかの実施形態では、アクチュエータ材料は、第1の状態(例えば、熱弾性マルテンサイト又は熱弾性R相)における材料の上部プラトー応力が、加熱された状態における材料の下部プラトー応力よりも高くなるように、体温からオーステナイト開始温度を上回る(又は代替的に、R相開始温度を上回る)温度まで加熱され、それによって、部分的又は完全な自由回復を実現する。例えば、アクチュエータ材料は、LPS_活性化温度<UPS_体温になるようにエージングされ得る。
【0025】
作動アセンブリは、作動要素が実質的に同じである好ましい幾何学的構成(例えば、記憶形状、又は長さ、L0)を有するように形成することができる。作動アセンブリは、患者内へ導入(例えば、インプラント)されると、少なくとも1つの(例えば、第1の)作動要素/形状記憶要素が、その好ましい幾何学的構成に対して変形されており(例えば、L1≠L0となるように)、一方、第1の作動要素に隣接して位置決めされている少なくとも1つの他の対向する(例えば、第2の)作動要素/形状記憶要素が、実質的にその好ましい幾何学的構成である(例えば、L0)ように、組み立てられ得る。しかしながら、他の実施形態では、第1及び第2の作動要素の両方が、患者内へ導入されると、それらの対応する好ましい幾何学的構成に対して変形され得る(例えば、第1の作動要素は、その好ましい幾何学的構成に対して収縮され、第2の作動要素は、その好ましい幾何学的構成に対して拡張される)。
【0026】
本技術のいくつかの実施形態では、L1>L0である。例えば、変形された第1の作動要素は、その好ましい「形状記憶」長さに対して引き伸ばされている。いくつかの実施形態では、L1<L0である。例えば、変形された第1の作動要素は、その好ましい形状記憶長さに対して圧縮される。作動アセンブリは、動作中、その全体の寸法(例えば、全体の長さ)が実質的に固定されるように形成することができる(例えば、L0+L1=定数)。例えば、作動要素の移動が固定点間で生じるように、作動要素の(例えば、最も外側の)端部分を固定することができる。長さとともに、作動要素の全体的な幾何学的形状は、動作中、作動要素内の変形が約10%、約9%、約8%、約7%、約6%、約5%、約4%、約3%、約2%、又は約1%を下回ったままであるように選択することができる。
【0027】
(例えば、第1及び第2の)作動要素は、第1の作動要素/第1の形状記憶要素の動き(例えば、撓み又は変形)が、第2の作動要素/第2の形状記憶要素の対向する動きを伴う(例えば、引き起こす)ように配置されている。動きは、撓み又は変形の可能性がある。動作中、作動アセンブリの第1の作動要素の選択的加熱により、第1の作動要素をその好ましい幾何学的構成に移動させかつ/又は向かわせ(例えば、L1からL0に戻る)、結合された移動可能な要素を移動させる。同時に、第1の作動要素の動きは、反対方向への第2の作動要素の対応する動きを引き起こす。例えば、第1の作動要素の収縮は、第2の作動要素の引き伸ばしを伴う(例えば、引き起こす)(例えば、L0からL1へ)。第2の作動要素は加熱されず(例えば、体温のまま)、したがって、第2の作動要素は変形する(例えば、マルテンサイトのままで、引き伸ばす)。第1の作動要素は、加熱に続いて冷却し、第2の作動要素に対して平衡点に移動するLPS状態に戻る。作動アセンブリの構成(例えば、移動可能な要素の位置)を逆転させるために、第2の作動要素を加熱して、その好ましい幾何学的構成に移動させかつ/又は向かわせる(例えば、L1からL0へ)。第2の作動要素がその好ましい幾何学的構成に向かって戻ることにより、移動可能な要素が前の位置まで移動して戻り、第1の作動要素を引き伸ばす(例えば、L0からL1へ)。作動アセンブリの移動可能な要素の位置は、前述の動作を繰り返すことによって、繰り返しトグルすることができる(例えば、開いた状態と閉じた状態との間で)。作動要素の加熱は、入射エネルギーの適用によって(例えば、レーザ又は誘導結合を介して)達成することができる。更に、上で言及されるように、入射エネルギー源は、患者の体外にあり得る(例えば、非侵襲的である)。
【0028】
C.調整可能な緑内障シャント
本技術のいくつかの実施形態は、緑内障を治療するための調整可能なデバイスを対象とする。デバイスは、前房から水を排液するために貫通して延在する管腔を有する排液要素を含むことができる。いくつかの実施形態は、流動制御要素の移動を駆動して管腔を通る流動抵抗を変化させることができ、それによって、前房からの水の相対的排液速度を増加又は減少させる作動アセンブリを含む。特に、本技術のいくつかの実施形態は、様々なレベルの治療を提供するために選択的に滴定可能な調整可能なデバイスを提供する。例えば、各位置又は構成が他の位置又は構成に対して異なる相対的流動抵抗及び/又は排液速度を表すように、デバイスをいくつかの位置又は構成を通じて調整することができる。したがって、デバイスは、所望の流動抵抗及び/又は排液速度が達成されるまで、段階的に調整することができる。一旦達成されると、デバイスは、更なる入力するまで設定位置又は構成を維持するように構成されている。いくつかの実施形態では、デバイスの様々な構成要素は、複数の位置又は構成の間でデバイスの段階的な調整を促進するラチェット機構として動作し、デバイスを所望の位置又は構成に保持又はロックすることができる。
【0029】
図2は、本技術の選択実施形態に従って構成された調整可能な緑内障治療デバイス200(「デバイス200」)を示す。デバイス200は、ベース202(例えば、プレート)と、ベース202の少なくとも一部分を通って延在する管腔204と、を含む。管腔204は、前房内に位置決め可能な流入ポート204aと、ブレブスペース(
図4A)などの所望の流出場所内に位置決め可能な流出ポート204bとの間に延在する。以下でより詳細に説明するように、ベース202は、デバイス200の様々な構成要素のための取り付け面を提供する少なくとも部分的に中実の構造を備える。ベース202は、人間の眼への埋め込みに好適な任意の生体適合性材料から構成することができ、かつ/又は生体適合性コーティングを含むことができる。患者の眼に埋め込まれると、デバイス200は、眼の前房から所望の流出場所(例えば、ブレブスペース)に水を排液するように構成されている。したがって、少なくともいくつかの実施形態では、管腔204は、眼の前房と流体連通し、そこから流体を受容するように構成されている。
【0030】
デバイス200は、ベース202から延在するフレーム206を含む(例えば、ベース202の表面からオフセットされたリッジ又は他の特徴として)。フレーム206は、第1の固定要素206aと、第2の固定要素206bと、それらの間を延在するスパイン206cと、を含む。いくつかの実施形態では、第1の固定要素206a及び第2の固定要素206bは、スパイン206cの対向する端部分から延在することができ、それらに対してほぼ垂直である。図示された実施形態では、スパイン206cは、デバイス200の横方向に延在する中心軸から少なくとも部分的にずれており、第1の固定要素206a及び第2の固定要素206bは、デバイス200の横方向に延在する中心軸にほぼ向かって延在する。いくつかの実施形態では、以下でより詳細に説明するように、スパイン206cは、眼の外部に位置決めされたエネルギー源からのエネルギー(例えば、レーザエネルギー)を作動アセンブリ210に方向転換する(例えば、反射又は屈折させる)ように構成されている偏向面208を任意選択的に有することができる。いくつかの実施形態では、フレーム206は、デバイス200が調整されたときに、フレーム206がベース202に対して移動しないように、ベース202に固定するか、又はベース202と一体化することができる。
【0031】
デバイス200は、作動アセンブリ210と、アーム220と、ラック要素230と、を更に含む。いくつかの実施形態では、作動アセンブリ210、アーム220、及びラック要素230はともに、管腔204の形状及び/又はサイズ(例えば、長さ、幅、又は他の寸法)を選択的に変更し、かつ/又は管腔204を通る流動抵抗を選択的に変更するためのラチェット機構として動作する。例えば、以下により詳細に説明するように、作動アセンブリ210は、複数の位置を通してアーム220及びラック要素230を移動させることができる。
図4A~4Cに関して説明したように、ラック要素230の少なくとも一部分は、作動アセンブリ210の作動が管腔204に対してラック要素230を移動させ、管腔204を通る流動抵抗を変化させるように、管腔204内に位置決め可能であり得る。したがって、作動アセンブリ210、アーム220、及びラック要素230は、ユーザが、デバイス200によって提供される治療を選択的に調整することを可能にする。
【0032】
作動アセンブリ210は、第1の作動要素212と、第2の作動要素214と、を含むことができる。第1の作動要素212及び第2の作動要素214は、少なくとも部分的に平らな(例えば、線形の)ばねに似ていることができ、したがって、いくつかの拡張可能及び収縮可能な屈曲領域を備えたほぼ蛇行した又は湾曲した形状を有することができる。例えば、図示の実施形態では、第1の作動要素212は、第1の端部分212aと、第1の屈曲領域212bと、第2の屈曲領域212cと、第3の屈曲領域212dと、第4の屈曲領域212eと、第2の端部分212fと、を含む。同様に、第2の作動要素214は、第1の端部分214aと、第1の屈曲領域214bと、第2の屈曲領域214cと、第3の屈曲領域214dと、第4の屈曲領域214eと、第2の端部分214fと、を含む。しかしながら、他の実施形態では、第1の作動要素212及び/又は第2の作動要素214は、
図2に示されるものとは異なる数の屈曲領域を有することができる。例えば、第1の作動要素212及び/又は第2の作動要素214は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又はそれ以上の屈曲領域を有することができる。以下で詳細に説明するように、作動要素212、214は、作動アセンブリ210が作動されるにつれて、それぞれの屈曲領域において拡張及び/又は収縮するように構成されている。
【0033】
第1の作動要素212は、概して、第1の固定要素206aとアーム220との間に延在する。例えば、第1の作動要素212の第1の端部分212aは、第1の固定要素206aの第1のノッチ207a内に(例えば、摩擦嵌合を介して)受容することができ、第2の端部分212fは、第1の端部分220aにおいてアーム220に接続することができる。第2の作動要素214は、概して、第2の固定要素206bとアーム220との間に延在する。例えば、第2の作動要素214の第1の端部分214aは、第2の固定要素206bの第2のノッチ207b内に(例えば、摩擦嵌合を介して)受容することができ、第2の端部分212fは、第1の端部分220aにおいてアーム220に接続することができる。したがって、アーム220の第1の端部分220aは、概して、第1の作動要素212と第2の作動要素214との間にある。
【0034】
セクションBで上述したように、第1の作動要素212及び第2の作動要素214は、エネルギーの適用時に、第1の相/状態(例えば、マルテンサイト又は中間状態)から、第2の相/状態(例えば、中間又はオーステナイト状態)に少なくとも部分的に転移するように構成された、形状記憶材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、例えば、第1の作動要素212及び第2の作動要素214は、ニチノールなどの形状記憶合金から構成することができる。いくつかの実施形態では、相変化は、作動要素の寸法変化に対応する。したがって、第1の作動要素212及び第2の作動要素214は、材料の温度の増加を作り出す光、熱などのエネルギーへの曝露に応答して、形状を変化させる(例えば、長さ、幅などにおいて拡張及び/又は収縮する)ことができる。そのような実施形態では、作動アセンブリ210は、第1の作動要素212及び/又は第2の作動要素214に直接的又は間接的にエネルギーを適用することによって、選択的に作動させることができる。いくつかの実施形態では、エネルギーは、眼の外部に位置決めされたエネルギー源(例えば、レーザ)から適用することができる。いくつかの実施形態では、1つ以上の電熱線を作動要素の少なくとも一部分に通すか、又はその周りに巻き付けることができ、電熱線のうちの少なくとも1つを動作させることによって、エネルギーを適用して、所望の作動要素に抵抗加熱を提供することができる。いくつかの実施形態では、作動アセンブリ210は、遠隔作動することができる。
【0035】
第1の作動要素212及び第2の作動要素214は、作動アセンブリ210が作動されるにつれて、概して反対に作用する。しかしながら、第1の固定要素206aと第2の固定要素206bとの間の距離は、作動アセンブリ210が作動するにつれて変化しない。したがって、第1の作動要素212に第1の形状変化を引き起こす第1の作動要素212の作動は、第2の作動要素214に対応する変形又は第2の形状変化を引き起こす。例えば、第1の作動要素212が(例えば、熱を介して)作動されるときに、第1の作動要素212は、1つ以上の屈曲領域212b~eで真っ直ぐになり(例えば、長くなる、拡張するなど)、それによって、2つの隣接する屈曲領域212b~eの間の距離を増加させることができる。第1の固定要素206aはベース202に固定され、第1の作動要素212が形状を変化させするにつれて移動しないので、第2の作動要素214は、第1の作動要素212の形状変化を考慮して、1つ以上の屈曲領域214b~eで圧縮される。これは、2つの隣接する屈曲領域214b~eの間の距離を低減させ、アーム220の第1の端部分220aを、第2の固定要素206bに向かって押す。この移動は、第2の作動要素214が作動する(例えば、加熱される)ときに逆転させることができる。例えば、第2の作動要素214が作動されるときに、第2の作動要素214は、1つ以上の屈曲領域214b~eで真っ直ぐになり(例えば、長くなる、拡張するなど)、それによって、2つの隣接する屈曲領域214b~eの間の距離を増加させることができる。第2の固定要素206bはベース202に固定され、第2の作動要素214が形状を変化させするにつれて移動しないので、第1の作動要素212は、第2の作動要素214の形状変化を考慮して、1つ以上の屈曲領域212b~eで圧縮される。これは、隣接する2つの屈曲領域212b~eの間の距離を低減させ、アーム220の第1の端部分220aを、第1の固定要素206aに向かって押し戻す。作動時に伸びると説明されているが、第1及び第2の作動要素212、214は、代替的に、第1又は第2の作動要素212、214の作動が、作動要素を収縮させる(例えば、短くする)ように、それらの好ましい幾何学的形状に対して張力下にあり(例えば、長くなり)得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、第1の作動要素212上の個々の屈曲領域212b~e及び第2の作動要素214上の個々の屈曲領域214b~eは、作動の粒度を高めるために、個別に標的とすることができる。いくつかの実施形態では、個々の屈曲領域212b~eは、対応する標的213b~eを含むことができる。同様に、個々の屈曲領域214b~eは、対応する標的215b~eを含むことができる。標的213b~e及び215b~eは、凹部、ウェル、チャネル、ディボット、又は作動要素の対応する屈曲領域へのエネルギーの浸透を促進するように構成された他の特徴とすることができ、それにより、標的屈曲領域での作動要素212又は214の全厚の相対的により均一な加熱を提供する。例えば、標的213bは、第1の屈曲領域212bで第1の作動要素212内に少なくとも部分的に延在する円筒形の凹部である。標的213bにエネルギーを適用すると、(第1の作動要素212の表面だけを加熱するのとは対照的に)第1の屈曲領域212bで第1の作動要素212の全厚にわたってより均一な加熱が提供されると予想される。理論に束縛されるものではないが、作動要素212及び214の様々な領域の全厚にわたるエネルギーの相対的に均一な適用により、次いで、管腔204への調整の精度を高めることが予想される作動要素212及び214の運動の再現性及び一貫性が向上すると予想される。
【0037】
いくつかの実施形態では、標的213b~e及び215b~eは、標的を囲む屈曲領域及び作動要素の部分よりも吸収性の高い材料又はコーティングを含むことができる。例えば、標的213b~e及び215b~eは、酸化チタンなどを使用して酸化され、標的213b~e及び215b~eが周囲の領域よりも容易にエネルギーを吸収するようにする「黒化」効果を生み出すことができる。標的213b~e及び215b~eは、より吸収性であることにより、より多くのエネルギーを保持し、周囲の領域よりも容易に加熱され、周囲の材料の実質的な位相及び/又は形状変化を誘発することなく、標的213b~e及び215b~eに対応する個々の屈曲領域の選択的な作動を可能にする。そのような実施形態では、標的213b~e及び215b~eは、対応する屈曲領域の、
図2に示されるよりも広い表面積をカバーすることができる(例えば、酸化表面が屈曲領域全体を占有する)。理論に束縛されるものではないが、標的213b~e及び215b~eを周囲の領域よりも吸収性を高くすることは、作動要素212及び214の動きの粒度及び一貫性を向上させると予想され、これは、次いで、管腔204への調整の精度を高めると予想される。いくつかの実施形態では、材料又はコーティングは、作動要素212、214とそれらの周囲環境との間のエネルギー伝達を低減する断熱効果を更に提供し得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、隣接する標的213b~eの間の第1の作動要素212の部分、及び隣接する標的215b~eの間の第2の作動要素214の部分は、標的213b~e及び215b~e自体よりも反射性の高い材料又はコーティングを含むことができる。これは、標的213b~e及び215b~e自体がコーティングを有するか、又は吸収性を高めるために別の方法で処理されているかに関係なく、真となり得る。そのような実施形態では、標的213b~eと215b~eとの間の反射部分で受容されたエネルギーは、概して反射され、対応する作動要素を実質的に加熱しない。しかしながら、いくつかの実施形態では、標的213b~e及び215b~eで受容されたエネルギーは、周囲の反射部分を間接的に加熱することができる。理論に束縛されるものではないが、標的213b~eと215b~eとの間の領域を標的213b~eと215b~eよりも反射性にすることは、作動要素212と214の動きの粒度及び一貫性を向上させると予想され、これは、次いで、管腔204への調整の精度を高めると予想される。
【0039】
ラック要素230は、複数の歯231及び複数の歯231間の複数の対応する溝232を有する移動可能な線形ラックであり得るが、他の好適な構成も本技術の範囲内である。いくつかの実施形態では、例えば、ラック要素230は、鋸歯ワイヤ又は係合要素223との摩擦界面を提供する他の好適な特徴であり得る。ラック要素230の遠位端部分(図示せず)は、管腔204内に少なくとも部分的に位置決めすることができる(
図4A~4D)。ラック要素230は、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、又はそれ以上の溝232を含むことができる。以下の説明から当業者には理解されるように、ラック要素230上の溝232の数を増やすことは、ラック要素230が占有することができる個別の位置の数を、概して増加させる。溝232の数は、ラック要素230の全長を増加させること、及び/又は隣接する溝232間の間隔を減少させること(例えば、溝232のピッチを増加させること)によって、増加され得る。溝232のピッチを増加させることは、概して、ラック要素230の相対的により小さい移動を可能にすることによって、潜在的な流動抵抗調整の粒度を増加させ得る。
【0040】
少なくともいくつかの構成では、ラック要素230は、アーム220を介して、作動アセンブリ210に動作可能に結合することができる。以下で
図3A及び3Bを参照して詳細に説明するように、作動アセンブリ210は、アーム220を通して、ラック要素230を複数の異なる位置に移動させることができる。
図4A~4Dに関して以下で詳細に説明するように、複数の位置を通るラック要素230の直線移動は、管腔204を通る相対的な流動抵抗を調整する。例えば、以下に説明するように、いくつかの実施形態では、ラック要素230自体の一部分(例えば、遠位端部分)は、管腔204の形状及び/若しくはサイズを直接変化させるか、かつ/又は管腔を通る流動抵抗を直接変化させるように構成されている流動制御要素として機能することができる。そのような実施形態では、遠位端部分は、ほぼ均一な断面を有することができる(例えば、遠位端部分は、溝232及び対応する歯231を有しない)。他の実施形態では、流動制御要素は、ラック要素230から独立しているが、それに結合されている。したがって、様々な実施形態では、ラック要素230は、管腔204に直接係合することができる(例えば、管腔204の一部分を占有する、かつ/又は管腔204を押すことによって)か、又は管腔204に間接的に係合することができる(例えば、プラグ、ダム、又は管腔204を少なくとも部分的にブロック及び/又は少なくとも部分的にブロック解除するための他の流動制御要素を移動させることによって)。
【0041】
デバイス200は、ラック要素230の移動が所定の線形トラックに制限されるように、ラック要素230のトラックとして機能するチャネル240を更に含む。いくつかの実施形態では、
図2に示されるように、チャネル240は、ラック要素230を保持するようなサイズ及び形状であるベース202における細長い凹部であり得る。作動アセンブリ210が複数の位置を通してラック要素230を駆動するにつれて、ラック要素230は、チャネル240の長さ内で摺動することができる。しかしながら、他の実施形態では、チャネル240は、必ずしも細長い凹部ではなく、ラック要素230を所定の運動経路に拘束するのに好適な別の構成を有する。
【0042】
アーム220は、作動アセンブリ210に結合された第1の端部分220a及びラック要素230と係合するように構成された第2の端部分220bを有する。図示の実施形態では、アーム220は一般にエルボー又は「L」字形であるが、他の実施形態では、アーム220は他の好適な形状(例えば、「T」字形、「I」字形など)を有し得る。アーム220の第2の端部分220bは、ラック要素230上の溝232内に嵌合することができる係合要素223(例えば、爪)を含む。したがって、係合要素223は、アーム220の動きがラック要素230の対応する動きを引き起こすように、アーム220をラック要素230に機械的に結合することができる。アーム220の第2の端部220bは、第1の凹部222aと、第2の凹部222bと、第3の凹部222cと、を更に含む。最良のように、
図3Bに示され、以下に説明されるように、第1の凹部222a及び第3の凹部222cは、アーム220の縦軸に対して鋭角に形成され得る。以下でより詳細に説明するように、第1の凹部222a、第2の凹部222b、及び第3の凹部222cは、作動アセンブリ210が作動するときに、アーム220の第2の端部分220bが、ラック要素230から係合解除することを可能にする。
【0043】
いくつかの実施形態では、フレーム206は、第1の作動要素212及び/又は第2の作動要素214に向かってエネルギーを偏向させる(例えば、反射及び/又は屈折させる)ように構成された表面208を含む。そのような実施形態では、第1の作動要素212及び/又は第2の作動要素214は、エネルギーを(例えば、患者の外部のエネルギー源から)第1の作動要素212(例えば、標的213b~e)又は第2の作動要素(例えば、標的215b~e)に直接向かってではなく、表面208に向かって方向付けることによって作動させることができる。他の実施形態では、エネルギーを、第1の作動要素212又は第2の作動要素214に向かってエネルギーを方向付けることに加えて、表面208に向かって方向付けることができる。エネルギーが表面208に適用されるにつれて、表面208は、受容されたエネルギーを偏向させ、それを対応する作動要素に向かって方向転換して、作動要素の形状変化を駆動する。いくつかの実施形態では、表面208は、エネルギーを対応する個々の屈曲領域212b~e又は214b~eに方向付ける別個の標的又はゾーン(図示せず)を含むことができる。いくつかの実施形態では、第1の作動要素212(例えば、標的213b~e)及び/又は第2の作動要素214(例えば、標的215b~e)は、吸収材料で処理されるか、そうでなければ偏向されたエネルギーを吸収するように構成されている。理論に束縛されるものではないが、表面208の使用は、他の方法ではブロックされるか、又は到達しにくい作動要素の表面(例えば、ベース202に面する表面及び/又は眼の後部に面する表面)へのエネルギー適用を可能にすることが予想される。表面208は、エネルギー(例えば、レーザエネルギー)を偏向させるのに好適な任意の材料を含むことができる。例えば、表面208は、金、パラジウム、プラチナなどの材料から構成することができ、可視及び/又は赤外線電磁放射などのエネルギーを反射するように構成することができる。別の例では、表面208は、ガラスなどの材料で構成することができ、可視及び/又は赤外線電磁放射などのエネルギーを屈折させるように構成することができる。
【0044】
いくつかの実施形態では、偏向面208は、フレーム206から延在するか、さもなければフレーム206から少なくとも部分的に離間される。例えば、偏向面208は、フレーム206によって直接担持されるのではなく、フレーム206につながれるか、又はフレームから結合解除される、プリズム、ミラー、又は他の屈折若しくは反射構造であり得る。そのような実施形態では、偏向面208は、作動要素212、214の作動を間接的に駆動するために、上記と同様の方法で使用することができる。しかしながら、そのような実施形態では、フレーム206の大部分(又は全体)は、眼内であるが前房の外側(例えば、外部、強膜又はレーザエネルギーを介して直接アクセス可能ではない別の領域)に設置することができ、一方、偏向面208は、前房内に位置決めされる(例えば、レーザエネルギーを介してアクセス可能であるように)。作動要素212、214は、前房に位置決めされた偏向面208にエネルギー(例えば、レーザエネルギー)を適用することによって、作動させることができ、これは、次いで、実質的に前房の外部に位置決めされた作動要素212、214に向かってエネルギーを方向転換する。理論に束縛されるものではないが、偏向面208をフレーム206から離間させることは、デバイス200のかなりの部分を前房の外に残すことを可能にし、関連付けられた合併症(例えば、内皮細胞の喪失)を低減し得る。
【0045】
デバイス200は、第1のブロック要素224aと、アーム220の第1のブロック要素224aとは反対側に位置決めされた第2のブロック要素(図示せず)と、を更に含むことができる。第1のブロック要素224a及び第2のブロック要素は、ノブ、タブ、又は少なくともいくつかの構成においてアーム220がラック要素230から係合解除するのを防止する他の特徴であり得る。しかしながら、第1のブロック要素224a及び第2のブロック要素は、アーム220上の凹部(第1の凹部222a、第2の凹部222b、及び/又は第3の凹部222c)のうちの少なくとも1つを通って嵌合することができるようなサイズ及び形状である。以下で詳細に説明するように、これは、作動アセンブリ210の作動中に、アーム220がラック要素230から係合解除することを可能にする。
【0046】
デバイス200は、ラック要素230上の溝232に嵌合するロック要素236(例えば、爪)を有する固定アーム237を備えるロック機構235を更に含むことができる。固定アーム237は、固定アーム237がベース202に対して移動しないように、ベース202に固定するか、又はベース202と一体化することができる。ロック要素236は、
図3に関して以下に説明するように、アーム220がラック要素230から係合解除させるときに、チャネル240内のラック要素230の移動を防止することができる。いくつかの実施形態では、ロック要素236を対応する溝232の外に移動させるのに必要な力は、アーム220の係合要素223を対応する溝232の外に移動させるのに必要な力よりも小さい。したがって、作動アセンブリ210が作動されるときに、係合要素223は、最初は同じ溝232内に留まり、ラック要素230を移動させ、ロック要素236は、元の溝とは異なる溝内に移動する。しかしながら、アーム220がラック要素230から係合解除すると、ロック要素236は、同じ溝232内に留まり、ラック要素230の更なる移動を防止する。
【0047】
いくつかの実施形態では、固定アーム237は、エネルギーの適用時に、第1の相/状態(例えば、マルテンサイト又はR相状態)から、第2の相/状態(例えば、R相又はオーステナイト状態)に少なくとも部分的に転移するように構成された、形状記憶材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、例えば、固定アーム237は、ニチノールなどの形状記憶合金から構成することができる。いくつかの実施形態では、相変化は、固定アーム237の寸法変化(例えば、長さ、幅など)に対応する。例えば、固定アーム237は、ロック要素236がラック要素230と係合する第1の位置(
図2)及びロック要素236がラック要素230から係合解除される第2の位置(図示せず)から移動することができる。そのような実施形態では、固定アーム237は、アーム220がラック要素230から係合解除されるときに、ラック要素230と係合するように、選択的に作動させることができ、それによって、ラック要素230の移動を防止する。同様に、固定アーム237は、作動アセンブリ210の作動中にラック要素230から係合解除されるように、選択的に作動することができ、それによって、ラック要素230の移動を可能にする。ロック機構235を係合位置と係合解除位置との間で能動的に移動させることにより、ロック機構235からラック要素230を係合解除するのに必要な力は、アーム220の係合要素223を、対応する溝232の外に移動させるのに必要な力よりも小さくする必要はない。むしろ、ロック機構235は、作動アセンブリ210を作動させる前に、ラック要素230から単に能動的に移動させることができる。
【0048】
デバイス200は、図示されていない追加の構成要素又は特徴を含むことができる。いくつかの実施形態では、例えば、デバイス200は、ベース202と嵌合するように構成されたカバー又は他の特徴を含み、作動アセンブリ210、アーム220、ラック要素230、及び/又はロック機構235などのデバイス200のいくつかの態様に保護ハウジングを提供する。カバーは、身体組織が前述の構成要素の機能に干渉するのを低減及び/又は防止することができる。デバイス200はまた、流体(例えば、水)を管腔204の入力ポート204aに方向付ける漏斗又は流入要素を含むことができる。デバイス200はまた、管腔204を所望の排液場所(例えば、ブレブ空間)まで延在する排液要素を含み得る。排液要素は、線形管状要素、屈曲管状要素、又は管腔204から所望の流出位置まで流体を輸送することができる任意の他の要素であり得る。
【0049】
図3Aは、作動アセンブリ210の作動中に、アーム220が移動できる第1の経路301(実線の矢印で示される)及び第2の経路302(破線の矢印で示される)を示す。例として、第1の作動要素212が作動されるときに、アーム220は、ロック機構235に向かって移動する。この初期相の間、第1のブロック要素224aは、アーム220の非線形運動を防止し、代わりに、アーム220の第2の端部分220bを位置Aから位置Bへ(例えば、アーム220の第2の端部分220bの軸方向長さ及びラック要素230の軸方向長さに平行に延在する軸に沿って)移動させる。係合要素223と第1の溝232aとの間の接続により、第1の作動要素212の作動は、最初にラック要素230をアーム220とともにロック機構235に向かって摺動させる。上述のように、ロック要素236とその対応する溝232(例えば、第3の溝232c)との間の嵌合は、係合要素223と第1の溝232aとの間の嵌合よりも弱いため、ラック要素230のロック機構235に向かう(位置Aから位置Bへの)移動は、ロック要素236を、第3の溝232cから係合解除させ、第4の溝232dに移動させる。上述のように、ラック要素230のこの移動は、管腔204の特性を変化させ、管腔を通る流体の流動に影響を与える。
【0050】
アーム220が位置Bに向かって移動するにつれて、アーム220上の第1の凹部222a(
図3B)が第1のブロック要素224aと整列する。
図3Bを参照すると、第1の凹部222aは、アーム220の縦軸に対して鋭角(例えば、非垂直)でアーム220を通って延在することができる。したがって、アームが位置Bに到達するときに、第1の凹部222aは、第1のブロック要素224aを受容する。
図3Aを参照すると、これは、第1のブロック要素224aが第1の凹部222aを通って摺動するにつれて、アーム220の第2の端部分220bを、ラック要素230から係合解除させ、位置Cから外向きにスイングさせる。第2の端部220bが位置Cにあるときに、係合要素223は、もはや第1の溝232a内に位置決めされず、アーム220は、ラック要素220から係合解除される。しかしながら、上述のように、ラック要素230は、ロック要素236と第4の溝232dとの間の係合により、その位置を保持する。
【0051】
いくつかの実施形態では、第2の端部分220bは、作動アセンブリ210の更なる作動まで位置Cに留まる。例えば、第1の作動要素212が作動して形状を変化させ(例えば、拡張、伸長するなど)、第2の端部分220bを、位置Aから位置B、位置Cに移動させると、作動アセンブリ210は、更なるエネルギーがシステムに入力されるまで、その位置を保持することができる(作動アセンブリ210は反動をほとんど又は全く示さない)。このような実施形態では、
図2に関して上述したように、作動アセンブリ210を元の構成に戻すように駆動するために、エネルギー(熱)を第2の作動要素214に適用しなければならない。そのような実施形態では、第2の作動要素214が作動して形状を変化させる(例えば、拡張する、長くするなど)ときに、アーム220がラック要素230から係合解除されたままである間に、第2の端部分220bが位置Cから位置Dに移動する。位置Dでは、第2の凹部222bは、第1のブロック要素224aと整列することができ、アーム220がラック要素230に向かってスイングして戻ることを可能にし、係合要素223が,第1の溝232aとは異なる第2の溝232(
図3Aでは見えない)でラック要素230と再係合することを可能にする。この時点で、アームの第2の端部220bは、位置Aに戻る。
【0052】
いくつかの実施形態では、第1の作動要素212は、部分的又は完全な反動又はリバウンド効果(例えば、作動前の幾何学的形状に戻る、かつ/又はそれに向かう移動)を示す。そのような実施形態では、第1の作動要素212がその転移温度よりも低い温度降下を有するように、適用されたエネルギー(例えば、熱)が消散すると、第1の作動要素212は、通電前の元の形状に戻る、かつ/又はその形状に向かって押し戻される。例えば、第1の作動要素212が作動前の熱弾性材料状態(例えば、マルテンサイト材料状態)に戻ると、第2の作動要素214及び/又は別の弾性要素(例えば、ばね)によって第1の作動要素212に対して適用される力が、(例えば、自動的に)第1の作動要素212をその作動前の形状に、及び/又はその形状に向かって駆動することができる。そのような実施形態では、第2の作動要素214は、アームの第2の端部分220bを、位置Cから位置Dに移動するために作動される必要はない。むしろ、第1の作動要素212の反動は、アームの第2の端部分220bを、位置Cから位置Dに移動させる(したがって、第2の凹部222bが第1のブロック要素224aと整列すると、位置Aに戻る)。いくつかの実施形態では、反動効果は、非作動作動要素(例えば、第2の作動要素214)に誘発される歪みを閾値を下回って(例えば、約10%を下回って、約5%を下回って、など)保つことによって、達成することができる。理論に束縛されるものではないが、非作動作動要素に誘導された歪みを閾値を下回って維持することには、第1の作動要素212が転移温度を下回って冷却されると、非作動作動要素に、
図2に示される形状(例えば、その元の形状)を再び採らせる。これにより、作動アセンブリ210が、
図2に示される元の構成にリセットされる。当業者が理解するように、反動効果は、本明細書に明示的に開示された方法以外の他の好適な方法で材料特性を操作することによって、達成され得る。反動効果は、第1の作動要素212をその作動前の形状に向かって付勢するばね又は他のエラストマー材料を含めることによっても達成され得る。ばね又は他のエラストマー材料の付勢力は、概して、第1の作動要素212がその転移温度を上回って加熱されるときに、転移温度を上回って加熱されるときに、第1の作動要素212が依然として形状変化を受ける(例えば、付勢力に対して作用する)ほど十分に低い。しかしながら、付勢力は、第1の作動要素212がその転移温度を下回って冷却され、その作動前の熱弾性材料状態(例えば、マルテンサイト材料状態)に戻った後に、第1の作動要素212を、作動前の形状に、及び/又は作動前の形状に向かって押すのに十分高くなり得る。
【0053】
作動アセンブリ210が反動効果を示すかどうかに関係なく、第1の経路301に沿って移動するアーム220の正味の結果は、ベース202及び管腔204に対する第1の方向のラック要素230の移動である。例えば、第1の経路301を通してアーム220を移動させるための作動アセンブリ210の作動は、ラック要素230を、管腔204に第1のサイズ、形状、及び/又は幾何学的形状を与える第1の位置から、管腔204に第1のサイズ、形状、及び/又は幾何学的形状とは異なる第2のサイズ、形状、及び/又は幾何学的形状を与える第2の位置に移動させ得る。結果として、第1の位置は、管腔204を通る第1の流動抵抗を提供でき、第2の位置は、第1の流動抵抗とは異なる、管腔204を通る第2の流動抵抗を提供できる。したがって、デバイス200が眼に埋め込まれると、作動アセンブリ210を選択的に作動させて、管腔204の流動抵抗を変化させ、前房からの水の排液を変化させることができる。
【0054】
ラック要素230の移動、したがって管腔204への変化は、アームの第2の端部分220bを第2の経路302を通して移動させることによって、可逆的である。第2の経路302を通るアーム220の移動は、第1の経路301を通るアーム220の移動と同様の方法で起こる。例えば、第2の作動要素214の初期作動時に、アーム220の第2の端部分220bは、位置Aから位置Eに移動し、ラック要素230をそれに沿ってロック機構235から離れて,かつ管腔204に向かって摺動させる。位置Eになると、第3の凹部222c(
図3B)が、第2のブロック要素224bと整列し、アーム220が外側にスイングし、ラック要素230の第2の溝232(図示せず)から係合解除し、位置Fを占有することができるようになる。例えば、
図3Bを参照すると、第3の凹部222cは、アーム220の縦軸に対して鋭角(例えば、垂直ではない)でアーム220を通って延在することができる。したがって、第3の凹部222cは、アームが位置Eに達するときに、第2のブロック要素224bを受容し、更に、第1のブロック要素224aが第1の凹部222aを通って摺動するにつれて、アーム220を位置Fまで外向きにスイングさせる。
図3Aに戻ると、位置Fになると、アーム220は位置Gに向かって自動的に移動することができる(第2の作動要素214が反動効果を示す場合)か、又は第1の作動要素212を作動させてアームを位置Gに移動させることができる(作動要素が反動効果を示さない場合)。位置Gでは、第2の凹部222bが、第2のブロック要素224bと整列し、アーム220が第1の溝232aでラック要素230と再係合することを可能にする。第2の経路302を通って移動するアームの正味の効果は、アーム220が第1の経路301を通ったときに、ラック要素230が移動した第1の方向とほぼ反対の第2の方向(例えば管腔204に向かう)のラック要素230の移動である。例えば、第2の経路302を通してアーム220を移動させるための作動アセンブリ210の作動は、ラック要素230を第2の位置から第1の位置に移動させることができる。
【0055】
前述では、第1の経路301を通るアームの移動を介して第1の位置から第2の位置に移動し、第2の経路302を通るアームの移動を介して第2の位置から第1の位置に戻って移動するラック要素230について説明したが、デバイス200は、他の構成間を移動することができる。例えば、アーム220は、第2の経路302を通してアーム220を駆動することなく、第1の経路301を通して複数回駆動することができる。アーム220が第1の経路301を通って移動するたびに、ラック要素230は、第1の方向に更に摺動する(例えば、
図4A~4Cで説明したように、管腔204から更に出る)。同様に、アーム220は、最初にアーム220を第1の経路301を通して動かすことなく、第2の経路302を通して駆動し、ラック要素230を、第1の方向とは反対の第2の方向に(例えば、
図4A~4Cで説明されているように、更に管腔204内へ)移動させることができる。したがって、ラック要素230は、作動アセンブリ210を選択的に作動させて、アームを第1の経路301及び/又は第2の経路302を通してそれぞれ移動させることによって、反対方向に選択的に移動させることができる。
図4A~4Dでより詳細に説明するように、ラック要素230を第1の方向に移動させることは、管腔204を通る流動抵抗を減少させることができ、ラック要素230を第2の方向に移動させることは、管腔204を通る流動抵抗を増加させることができる。
【0056】
図4A~4Dは、ラック要素230の直線移動が、管腔204を通る流動抵抗をどのように変化させるかを示している。
図4Aは、第1の構成におけるデバイス200の断面図であり、とりわけ、管腔204内に部分的に延在するラック要素230を示す。ラック要素230は、近位端部分230aと、遠位端部分230bと、を含む。近位端部分230aは、アーム220の係合要素223を受容するための複数の溝232を含む。複数の溝232は、ラック要素230が前後に移動するとき、ほぼ妨げられないままである(すなわち、近位端部分230aは、概して管腔204内に延在しない)。いくつかの実施形態では、近位端部分230aは、管腔204よりも大きな断面サイズ(図示せず)を有する。これは、近位端部分230aが管腔204に入るのを防止し、ラック要素230がロック要素236と係合したままであることを確実にすることが予想される。このような実施形態では、近位端部分230aが流入ポート(例えば、流入ポート204a、
図4B)と係合してブロックするまで、近位端部分230aを管腔204に向かって移動させることによって、管腔204を通る流動を実質的に減少させる(例えば、停止させる)ことができる。図示の実施形態に戻ると、係合要素223は、第1の溝232aでラック要素230の近位端部分230aと係合する。
【0057】
少なくともいくつかの構成では、ラック要素230の遠位端部分230bは、管腔204内に少なくとも部分的に延在することができる。例えば、遠位端部分230bは、流入ポート204aで管腔204に入り、流出ポート204bに向かって管腔204の長さに沿って延在することができる。いくつかの実施形態では、遠位端部分230bは、管腔の内周と形状がほぼ類似する、ほぼ長方形、円形、又は他の中実の断面積を有する(例えば、遠位端部分230bは、複数の溝232を含まない)。いくつかの実施形態では、遠位端部分230bは、遠位端部分230bの断面積が、近位端部分230aに隣接する第1の領域から近位端部分230aから離間した第2の領域への移動を減少させるように、先細であり得る。そのような実施形態では、管腔204はまた、遠位端部分230b及び管腔204がニードル弁を形成するように、先細であり得る。ニードル弁のような構成を組み込むことは、管腔204を通る流体抵抗を変化させる能力を高めることができる(例えば、流動抵抗の変化率は、非線形である)。構成に関係なく、少なくとも遠位端部分230bの最遠位端領域は、管腔204の断面積よりも小さい断面積を有することができる。したがって、遠位端部分230bが管腔204内にある場合でも、流体は依然として管腔204を通って流動することができる。
【0058】
例えば、
図4Bは、
図4Aに示されたデバイス200の部分の拡大図である。図示のように、遠位端部分230bは、管腔204内に延在する。特に、遠位端部分230bは、流入ポート204aから測定されるように、距離D
1だけ管腔内に延在する。遠位端部分230bが管腔204の一部又はかなりの容積さえ占有しているが、流体は依然として流入ポート204aから遠位端部分230bの周りの流出ポート204bに流動することができる。
【0059】
図4Cは、第1の構成とは異なる第2の構成におけるデバイス200の断面図である。特に、
図4Aに示される第1の構成に対して、作動アセンブリ210(
図2及び3)は、ラック要素230を流出ポート204bから離れて駆動するように作動されている(例えば、ラック要素230を少なくとも部分的に管腔204の外に移動させる)。その結果、係合要素223は、第1の溝232aとは異なる第2の溝232bに係合する。
図4Dは、第2の構成におけるデバイス200の態様の拡大図である。図示のように、遠位端部分230bは、第2の構成において、依然として管腔204内に延在する。遠位端部分230bは、流入ポート204aから測定されるように、距離D
2だけ内腔204内に延在する。いくつかの実施形態では、距離D
2は、距離D
1より小さい。したがって、ラック要素230によって占有される管腔204の長さは、第1の構成に対して第2の構成では減少する。理論に束縛されるものではないが、流入ポート204aと流出ポート204bとの間の任意の所与の圧力差において、(例えば、第1の構成から第2の構成に移動することによって)ラック要素230によって占有される管腔204の長さを低減することは、管腔204を通る流動抵抗を減少させ、したがって、管腔204を通る流体の流動を増加させることが予想される。更に、いくつかの実施形態では、ラック要素230の遠位端部分230bは、作動アセンブリ210の反復作動時に管腔204から完全に取り外し可能であり得る。上記は、ラック要素230の直線運動を使用して管腔204を通る流体抵抗を調整することを説明しているが、管腔204を通る流体抵抗は、代わりに、作動アセンブリ210を使用して、管腔の直径を収縮又は拡張し、それによって、管腔204を通る流体抵抗を増加又は減少させることによって、調整され得る。
【0060】
図5A~5Dは、本技術の実施形態に従って構成された調整可能な流量緑内障治療デバイス500(「デバイス500」)の別の実施形態を示す。デバイス500は、特定の態様においてデバイス200と同様であり得る。例えば、
図5Aを参照すると、デバイス500は、眼の一部分(例えば、前房)に埋め込み可能であり、そこを通って延在する管腔204を有するベース502を含むことができる。デバイス500は、第1の作動要素512と、第2の作動要素514と、を有する作動アセンブリ510を更に含み得る。いくつかの実施形態では、第1の作動要素512は、第1の作動要素212(
図2)とほぼ同様であり、第2の作動要素514は、第2の作動要素214(
図2)とほぼ同様である。デバイス500は、アーム520と、ラック要素530と、ロック機構535と、を更に含むことができる。デバイス200を参照して上で詳細に説明したように、作動アセンブリ510を作動させて、ラック要素530を管腔504の内外に移動させ、管腔を通る流動抵抗を変化させることができる。
【0061】
図5Bは、デバイス500の正面図であり、
図5Cは、
図5Bに示されたデバイス500の一部分の拡大図である。
図5B及び5Cを一緒に参照すると、ラック要素530は、間に対応する溝を画定する複数の歯又は他の突起532を含む。ラック要素230に関して上述したように、ラック要素530はまた、アーム520と解放可能に嵌合するための係合可能な表面を作成する鋸歯状ワイヤ又は他の要素であり得る。ラッチ機構535は、2つの隣接する歯532の間の溝において、ラック要素530と係合することができるロック要素536を含むことができる。デバイス500は、第1のブロック要素524aと、第2のブロック要素524bと、を更に含むことができる。以下で
図5Dを参照してより詳細に説明するように、第1のブロック要素524a及び第2のブロック要素524bは、アーム520の移動を所定の経路に抑制する。
【0062】
アーム520は、ほぼ「L」形状を有する遠位端部分520bを含む。遠位端部分520bは、ラック要素530と係合することができる「L」の屈曲部に、又はその近くに係合要素523を含む。遠位端部分520bは、ノブ要素521も含む。ノブ要素521は、遠位端部分520bからベース502に向かって突出することができる。ノブ要素521は、第1のブロック要素524a及び第2のブロック要素524bと係合するか、他の方法で接触することができるようなサイズ及び形状である。図示の構成では、第1のブロック要素524aは、ノブ要素521との係合を介して、アーム520の遠位端部分520bの第1の方向(矢印Xによって示される)の動きを抑制する。同様に、第2のブロック要素524bは、ノブ要素521との係合を介して、アーム520の遠位端部分520bの第2の方向(矢印Yによって示される)の動きを抑制する。しかしながら、
図5Dを参照して以下に説明するように、第1の作動要素512の作動は、ノブ要素521を第1のブロック要素524aと接触しないように移動させて、遠位端部分520bが第1の方向Xに移動することを可能にする。同様に、第2の作動要素514の作動は、ノブ要素521を第2のブロック要素524bと接触しないように移動させて、遠位端部分520bが第2の方向Yに移動することを可能にする。しかしながら、デバイス500が
図5Cに示される構成にあるときに、アーム520の移動は、その遠位端部分520bで第1の方向X又は第2の方向Yの両方で最小化され、その結果、アーム520はラック要素530と係合したままである。以下の説明から明らかなように、上記のデバイス200とは異なり、デバイス500は、ラック要素530からのアーム520の係合解除を容易にするために、アーム520に切り込まれたチャネルを必要としない。
【0063】
図5Dは、作動アセンブリ510の作動中に、アーム520が移動できる第1の経路501(実線の矢印で示される)及び第2の経路503(破線の矢印で示される)を示す。例えば、
図5C及び5Dを一緒に参照すると、第1の作動要素512の初期作動時に、アーム520の遠位端部分520bは、ロック機構535に向かって移動する。アーム520は、係合要素523を介して、ラック要素530と係合しているので、遠位端部分520bのロック機構535に向かう移動はまた、ラック要素530を同じ方向に摺動させる(すなわち、
図4A~4Dのデバイス200に関して詳細に説明されている、管腔504の更に外にラック要素530を引っ張る)。遠位端部分520bがロック機構535に向かって移動するにつれて、ノブ要素521は、第1のブロック要素524aと係合しないように移動する。これは、アーム520の遠位端部分520bが(例えば、
図5Dの第1の経路501に沿った矢印によって示されるように)上方にスイングし、ラック要素530から係合解除することを可能にする。アーム520がラック要素530から係合解除されるときに、ロック機構535は、ラック要素530を所定の位置に保持する。作動アセンブリ510が反動効果を示す実施形態では、アームの遠位端部分520bは、ノブ要素521が第1のブロック要素524aと第2のブロック要素524bとの間の元の位置に戻るまで、第1の経路501の残りを通って自動的に移動することができる。作動アセンブリ510が反動効果を示さない実施形態では、次いで、第2の作動要素514を作動させて、ノブ要素521が第1のブロック要素524aと第2のブロック要素524bとの間の元の位置に戻るまで、第1の経路501の残りを通って遠位端部分520bを駆動することができる。ノブ要素521が元の位置に戻るときに、係合要素523は、ラック要素530に再係合するが、第1の経路501を通って移動する前に係合したものとは異なる溝である。第1の経路501を通って移動するアーム520の正味の効果は、管腔504を通る流動抵抗を減少させることができる第1の方向(例えば、管腔504から離れる方向)のラック要素530の移動である。
【0064】
ラック要素530の移動、したがって管腔504への変化は、アーム520の遠位端部分520bを第2の経路503を通して移動させることによって、可逆的である(
図5D)。第2の経路503を通るアーム520の移動は、第1の経路501を通るアーム520の移動と同様の方法で起こる。例えば、第2の作動要素514の初期作動時に、アーム520の遠位端部分520bは、ロック機構535から離れて移動する。アーム520は、係合要素523を介して、ラック要素530と係合しているので、遠位端部分520bのロック機構535から離れる移動はまた、ラック要素530を同じ方向に摺動させる(すなわち、
図4A~4Dのデバイス200に関して詳細に説明されている、更に管腔504内にラック要素530を押す)。遠位端部分520bがロック機構535から離れて移動するにつれて、ノブ要素521は、第2のブロック要素524bと係合しないように移動する。これは、アーム520の遠位端部分520bが(例えば、
図5Dの第2の経路503に沿った矢印によって示されるように)下方にスイングし、ラック要素530から係合解除することを可能にする。アーム520がラック要素530から係合解除されるときに、ロック機構535は、ラック要素530を所定の位置に保持する。作動アセンブリ510が反動効果を示す実施形態では、アームの遠位端部分520bは、ノブ要素521が第1のブロック要素524aと第2のブロック要素524bとの間の元の位置に戻るまで、第2の経路503の残りを通って自動的に移動することができる。作動アセンブリ510が反動効果を示さない実施形態では、次いで、第1の作動要素512を作動させて、ノブ要素521が第1のブロック要素524aと第2のブロック要素524bとの間の元の位置に戻るまで、第2の経路503の残りを通って遠位端部分520bを駆動することができる。ノブ要素521が元の位置に戻るときに、係合要素523は、ラック要素530に再係合するが、第2の経路501を通って移動する前に係合したものとは異なる溝である。第2の経路503を通って移動するアーム520の正味の効果は、アーム520が第1の経路501を通ったときに、ラック要素530が移動した第1の方向とほぼ反対の第2の方向(例えば、更に管腔204内への)のラック要素530の移動である。例えば、第2の経路503を通るアーム520の移動は、管腔504を通る流動抵抗を増加させることができる。
【0065】
前述では、第1の経路501を通るアームの移動を介して第1の位置から第2の位置に移動し、第2の経路503を通るアームの移動を介して第2の位置から第1の位置に戻って移動するラック要素530について説明したが、デバイス500は、他の構成間を移動することができる。例えば、アーム520は、第2の経路503を通してアーム520を駆動することなく、第1の経路501を通して複数回駆動することができる。アーム520が第1の経路501を通って移動するたびに、ラック要素530は、第1の方向に更に摺動する(例えば、管腔204から更に出る)。同様に、アーム520は、最初にアーム520を第1の経路501を通して動かすことなく、第2の経路503を通して駆動し、ラック要素530を、第1の方向とは反対の第2の方向に(例えば、更に管腔204内へ)移動させることができる。したがって、ラック要素530は、作動アセンブリ510を選択的に作動させて、アームを第1の経路501及び/又は第2の経路503を通してそれぞれ移動させることによって、反対方向に選択的に移動させることができる。
【0066】
本明細書に記載のデバイス(例えば、デバイス200又はデバイス500)の少なくともいくつかの態様は、フォトリソグラフィプロセスを使用して形成することができる。例えば、所望の幾何学的パターンを有する(例えば、チャネル240、フレーム206などを有する)フォトマスクを感光性基板上に設置することができる。光の適用時に、幾何学的パターンが基板上にインプリントされ、ベース(例えば、ベース202)を形成する。いくつかの実施形態では、デバイス200又は500の態様(例えばベース)は、構成要素(例えばベース)の構造的一体性を高めるために材料の積層シート(例えばラミネート)として形成することができる。
【0067】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のデバイス(例えば、デバイス200又は500)は、ポリマー及び/又は金属を使用する堆積プロセスを使用して製造することができる。例えば、いくつかの実施形態では、蒸着プロセスは、パラジウム、ロジウム、ニッケルチタン、及び/又はニッケルコバルト合金などのプロセス金属を基板上に堆積させることができる。プロセス金属は、デバイスの様々な構造を形成する相対的に薄い層(例えば、約5ミクロン)に堆積することができる。いくつかの実施形態では、犠牲材料(例えば、銅)は、堆積中にプレースホルダとして堆積することができ、その後、選択的にエッチング除去して、デバイス内の(例えば管腔)及び/又は構成要素間(例えば、ラック要素とチャネルの間)に、様々な空隙を形成することができる。堆積製造プロセスに依存することが予想される利点の1つは、デバイスの個別の部分(ラック要素などの移動可能な構成要素を含む)を組み立てられた構成において、同時に製造することができることである。これにより、デバイスの様々な構成要素を個別に製造する方法と比較して、デバイスの組み立てに必要な時間が短縮されることが予想される。
【0068】
いくつかの実施形態では、作動アセンブリ210などのデバイスの一部又は全部を、ニチノール又は他の好適な材料の一片(例えば、シート、ストリップ、チューブなど)からレーザ切断することができる。第1の作動要素212及び第2の作動要素214は、第1の作動要素212及び第2の作動要素214が特定の温度(例えば、体温より高い温度)を上回って加熱されたときに、所望の構成又は形状(例えば、長さ)を有するように設定された形状であり得る。形状が設定されると、転移温度を下回る温度で、第1の作動要素212及び/又は第2の作動要素214は、圧縮されるか、又は他の方法で内向きに応力付与され(又は張力下で動作する実施形態において引き伸ばされ)、(例えば、ノッチ207a、207bを介して)固定要素206a及び206bに固定され得る。任意選択的に、作動要素212、214のうちの1つは、加熱され、作動要素212、214を固定要素206a、206bに固定して、作動アセンブリ210を付勢する前に、形状記憶状態を採ることができる。
【0069】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるデバイス(例えば、デバイス200又はデバイス500)の個々の構成要素は、材料片(例えば、ニチノール)からレーザ切断され、次いで、ピン、溶接、又は他の締結機構を使用して、一緒に固定される。例えば、
図6Aは、そのようなプロセスを通して製造されたデバイス600を示す。
図6Bはデバイス600を分解図で示し、一緒に組み立てられる前の様々な個別に切断された構成要素を示している。
図6Bを参照すると、個々の構成要素は、第1のベース部分602と、チャネルを画定する第2のベース部分604と、第2のベース部分604におけるチャネル内に位置決め可能なラック要素630と、第3のベース部分606と、作動アセンブリ610と、カバー608と、含む。組み立てられたデバイス600(
図6A)を形成するために、複数のピン605又は他の好適な締結機構を使用して、前述の構成要素の各々を一緒に固定することができる。デバイス600はまた、流体を所望の排液場所に送るための個別に製造された排液要素603を含むことができる。
【0070】
当業者が理解するように、本技術は、上で明示的に説明された実施形態に限定されない。むしろ、上記の特定の特徴は、米国特許出願第17/175,332号、米国特許出願公開第2020/0229982号、及び国際特許出願第PCT/US20/55144号、同第PCT/US20/55141号、及び同第PCT/US21/14774号に記載されているものなど、他の好適な緑内障デバイス又はシャントに組み込むことができ、これらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。例えば、いくつかの実施形態では、本技術は、排液要素及び作動アセンブリを有する調整可能な流動シャントを提供するが、ラック要素及び関連付けられた特徴(例えば、
図2及び
図3に記載のラック要素230及び/又はアーム220)は、省略される。他の実施形態では、本技術は、表面208ではなくラチェット機構を有する調整可能な流動シャントを提供する。
【0071】
例えば、
図7A~7Cは、本技術の選択実施形態に従って構成されたデバイス700の実施形態を示しており、ラック要素及び関連付けられた特徴が省略されている。
図7Aを参照すると、デバイス700は、第1の端部分704及び第2の端部分706を有する排液要素702(例えば、チューブ又は他の好適な特徴)を含む。排液要素702は、第1の端部分704で、又はそこに隣接する複数の第1のポート又は開口部708(
図7B)と、第2の端部分706で、又はそこに隣接する第2のポート707と、を有することができる。管腔は、排液要素702を通って延在して、複数の第1のポート708及び第2のポート707を流体連通することができる。
【0072】
デバイス700は、排液要素702の第1の端部分704に位置決めされた作動アセンブリ710を含むことができる。デバイス700が眼内に埋め込まれるとき、第1の端部分704は、前房内に存在することができ、第2の端部分706は、所望の流出場所(例えば、ブレブ空間)内に存在することができる。かかる実施形態では、作動アセンブリ710は、前房内に位置する。他の実施形態では、第1の端部分704は、所望の流出場所内に存在することができ、第2の端部分706は、前房内に存在することができる。かかる実施形態では、作動アセンブリ710は、前房の外側(例えば、ブレブ空間内)に位置決めされる。デバイス700の配向に関わらず、デバイス700は、デバイス700が眼内に埋め込まれるとき、前房から水を排液するように構成されている。デバイス700は、任意選択的に、眼内に埋め込まれるときにデバイス700を所定の位置に固定するのに役立つ追加の機能を有し得る。例えば、デバイス700は、アーム、アンカー、プレート、又はデバイス700を天然組織に固定するように構成された他の好適な特徴を含むことができる。
【0073】
図7Bを参照すると、作動アセンブリ710は、排液要素702の長さに沿って直列に配置された複数の流動制御機構711a~dを備える。各々の流動制御機構711a~dは、対応する第1のポート708とインターフェース接続することができ、各流動制御機構711a~dは、個々に作動可能であり得る。個々の流動制御機構711a~dは、移動可能なゲート要素416と、第1のアンカー(例えば、第1のアンカー712a)とゲート要素416との間に延在する第1の作動要素(例えば、第1の作動要素714b)と、第2のアンカー(例えば、第2のアンカー712b)とゲート要素416との間に延在する第2の作動要素(例えば、第2の作動要素714b)と、を更に含む。各ゲート要素416は、対応する第1のポート708とインターフェース接続する(例えば、少なくとも部分的にブロックする)ように構成されている。
【0074】
作動要素714a、714bは、
図2を参照して上述したデバイス200の作動要素212及び214と同様の方法で動作することができる。しかしながら、アームを移動させてラック要素に係合及び係合解除するのではなく、作動要素714a、714bは、ゲート要素416を前後に往復させて、対応するポート708を開く(又は部分的に開く)又は閉じる(又は部分的に閉じる)。したがって、作動要素714a、714bは、デバイス700の流動特性を変化させるために、選択的に調節する(例えば、患者の外部のエネルギー源からのエネルギーを標的とする)ことができる。
【0075】
セクションBにおいて、かつ作動要素212及び214(
図2及び3)に関して上述したように、作動要素714a、714bは、エネルギーの適用時に形状を変化させるように構成された形状記憶材料を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、作動要素714は、ニチノールから構成されている。そのような実施形態では、作動要素714にエネルギー(例えば、熱、光など)を適用すると、通電された作動要素を、第1の状態(例えば、マルテンサイト状態又は中間状態)から第2の状態(例えば、中間状態又はオーステナイト状態)に転移させる。第1の状態から第2の状態への転移は、作動要素の寸法変化を誘発することができる。いくつかの実施形態では、寸法変化は、膨張である。他の実施形態では、寸法変化は、低減(例えば、圧縮)である。エネルギーは、眼の外部に位置決めされたエネルギー源(例えば、レーザ)から適用され得、これにより、ユーザは、デバイスを遠隔で調整することが可能になる。
【0076】
図7Cを参照すると、作動要素(例えば、第1の作動要素714a及び第2の作動要素714b)は、1つ以上の標的713を含むことができる。デバイス200(
図2)上の標的213b~e及び215b~eに関して上述したように、標的713は、対応する作動要素へのエネルギーの浸透を促進し、これにより、作動要素の全厚を相対的により均一に加熱するように構成された凹部、ウェル、チャネル、ディボット、又は他の特徴とすることができる。例えば、図示の実施形態では、標的713は、第1の作動要素714a及び第2の作動要素714b内に少なくとも部分的に延在する円筒形の凹部である。標的713のうちの1つにエネルギーを適用すると、(作動要素の表面を加熱するだけではなく)加熱された標的713に隣接する作動要素の全厚にわたってより均一な加熱が提供されると予想される。理論に束縛されるものではないが、作動要素714a、714bの様々な領域の全厚にわたるエネルギーの相対的に均等な適用により、次いで、デバイス700を通る流量への調整の精度を高めることが予想される作動要素714a、714bの運動の再現性及び一貫性が向上すると予想される。
【0077】
当業者が理解するように、本明細書に記載されたデバイスは、本技術の範囲から逸脱することなく、明示的に記載されたものよりも追加又は少ない構成要素を含むことができる。更に、本明細書に記載のデバイスは、人間の眼への埋め込みに好適な任意の材料から構成することができる。いくつかの実施形態では、デバイスの1つ以上の所望の特性に少なくとも部分的に基づいて、材料を選択することができる。非限定的な例として、及び当業者が理解するように、デバイスは、デバイスの1つ以上の表面上でのバイオフィルムの成長を防止するために、処理及び/又は材料で構成することができる。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書に記載のデバイスは、バイオフィルム形成を低減させるように構成されたコーティング又は材料を含むことができる。更に、いくつかの実施形態では、本明細書に記載のデバイスの少なくともいくつかの構成要素は、構成要素上のバイオフィルムの成長を防止及び/又は低減するために、ベータ放射線(又は他の好適な放射線又は物質)で処理することができる。構成要素はまた、デバイス上にすでに形成されたバイオフィルム形成を低減及び/又は除去するために、ベータ線又は他の好適な技術で処理され得る。したがって、構成要素は、デバイスを人間の眼に埋め込む前、デバイスを人間の眼に埋め込んだ後、又はデバイスを人間の眼に埋め込む前後の両方で処理することができる。
【実施例】
【0078】
本技術のいくつかの態様を以下の実施例に記載する:
1.緑内障を治療するためのデバイスであって、
眼の前房から水を排液するように構成された管腔を少なくとも部分的に画定する排液要素と、
少なくとも第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり、デバイスを通る流動抵抗を変化させるように構成された流動制御要素と、
作動アセンブリであって、
エネルギーに応答して形状及び/又はサイズを少なくとも部分的に変化させるように構成された作動要素と、
作動要素から延在し、かつ流動制御要素に解放可能に係合するように構成されている、アームと、を含み、
アームが流動制御要素の第1の領域に係合するときに、作動要素の作動が、アームに、流動制御要素を第1の位置と第2の位置との間で移動させて、デバイスを通る流動抵抗を変化させる、作動アセンブリと、
アームが流動制御要素から係合解除されるときに、流動制御要素の移動を少なくとも部分的に低減するように構成されたロック機構と、を備える、デバイス。
【0079】
2.流動制御要素が、摺動可能なラック要素を備える、実施例1に記載のデバイス。
【0080】
3.摺動可能なラック要素が、第1の溝及び第2の溝を有し、アームが、第1の溝及び/又は第2の溝において、摺動可能なラック要素に解放可能に係合するように構成された係合要素を有する、実施例2に記載のデバイス。
【0081】
4.流動制御要素の第1の領域が、第1の溝であり、流動制御要素が第1の位置から第2の位置に移動した後、係合要素が、第1の溝から係合解除されて、第2の溝に係合するように構成されている、実施例3に記載のデバイス。
【0082】
5.係合要素が第1の溝から係合解除された後、かつ係合要素が第2の溝と係合する前に、ロック機構が、流動制御要素と係合して、流動制御要素の移動を少なくとも部分的に低減する、実施例4に記載のデバイス。
【0083】
6.摺動可能なラック要素が、第3の溝及び第4の溝を有し、ロック機構は、流動制御要素が第1の位置にあるときに、第3の溝に係合するように構成されており、かつ流動制御要素が第2の位置にあるときに、第4の溝に係合するように構成されている、ロック要素を含む、実施例3~5のいずれか1つに記載のデバイス。
【0084】
7.ロック機構は、アームがアームとの摩擦嵌合を介して流動制御要素から係合解除されるときに、流動制御要素の移動を防止するように構成されている、実施例1~7のいずれか1つに記載のデバイス。
【0085】
8.作動要素が、第1の作動要素であり、作動アセンブリが、アームに接続されており、かつエネルギーに応答して少なくとも部分的に形状及び/又はサイズを変化させるように構成されている、第2の作動要素を更に備える、実施例1~8のいずれか1つに記載のデバイス。
【0086】
9.流動制御要素が第2の位置にあるときに、第2の作動要素の作動が、アームに、流動制御要素を第2の位置から第1の位置に移動させる、実施例8に記載のデバイス。
【0087】
10.第1の作動要素及び第2の作動要素が、形状記憶材料を含む、実施例9に記載のデバイス。
【0088】
11.第1の作動要素が、第1の屈曲領域を有し、第1の屈曲領域へのエネルギーの適用が、第1の屈曲領域を拡張させる、実施例10に記載のデバイス。
【0089】
12.第2の作動要素が、第2の屈曲領域を有し、第2の屈曲領域へのエネルギーの適用が、第2の屈曲領域を拡張させる、実施例10又は11に記載のデバイス。
【0090】
13.第1の作動要素の作動が、第2の作動要素を、第2の屈曲領域において圧縮させ、第2の作動要素の作動が、第1の作動要素を、第1の屈曲領域において圧縮させる、実施例12に記載のデバイス。
【0091】
14.流動制御要素が、3つ以上の位置を通って移動可能であり、3つ以上の位置の各々が、デバイスを通る固有の流動抵抗に関連付けられている、実施例1~13のいずれか1つに記載のデバイス。
【0092】
15.デバイスが人間の眼に埋め込まれたときに、作動要素が、眼の外部に位置決めされたエネルギー源からエネルギーを受容するように構成されている、実施例1~14のいずれか1つに記載のデバイス。
【0093】
16.エネルギー源が、レーザである、実施例15に記載のデバイス。
【0094】
17.デバイスは、人間の眼に埋め込まれたときにデバイスを通る流動抵抗を変化させることが、眼の前房からの水の排液速度を変化させるように構成されている、実施例1~16のいずれか1つに記載のデバイス。
【0095】
18.流動制御要素が、第1の位置と第2の位置との間を移動するにつれて、管腔の直径を変化させるように構成されている、実施例1~17のいずれか1つに記載のデバイス。
【0096】
19.第1の領域と第2の領域との間の流体の流動を制御するためのデバイスであって、
第1の領域から第2の領域に向かって流体を排液するように構成された管腔と、
管腔を通る流体の流動を変更するように構成されたラチェット機構であって、
管腔が、第1の形状を有する第1の位置と、管腔が第1の形状とは異なる第2の形状を有する第2の位置との間で移動可能なラック要素、
ラック要素に解放可能に係合するように構成された係合要素、及び
係合要素に接続されており、かつラック要素を第1の位置と第2の位置との間で移動させるように構成されている、作動アセンブリ、を含む、ラチェット機構と、を備える、デバイス。
【0097】
20.作動アセンブリに接続されたアームを更に備え、アームが、係合要素を含み、かつ作動アセンブリの作動時に、ラック要素を、第1の位置から第2の位置に、及び/又は第2の位置に向かって駆動するように構成されている、実施例19に記載のデバイス。
【0098】
21.ラック要素が、複数の歯と、複数の溝と、を含み、係合要素が、複数の溝のうちの1つにおいて、ラック要素に係合するように構成されている、実施例19又は20に記載のデバイス。
【0099】
22.ラック要素が第1の位置から第2の位置に、及び/又は第2の位置に向かって移動した後、係合要素が、ラック要素上の第1の溝から係合解除し、ラック要素上の第2の溝と係合するように構成されている、実施例20又は21に記載のデバイス。
【0100】
23.作動アセンブリが、ラック要素を第1の方向に移動させるように構成された第1の作動要素と、ラック要素を第1の方向とはほぼ反対の第2の方向に移動させるように構成されている、第2の作動要素と、を含む、実施例19~22のいずれか1つに記載のデバイス。
【0101】
24.第1の作動要素が、ラック要素を第1の位置から第2の位置に移動させるように構成されており、第2の作動要素が、ラック要素を第2の位置から第1の位置に移動させるように構成されている、実施例23に記載のデバイス。
【0102】
25.第1の作動要素及び第2の作動要素が、エネルギーの適用時に、寸法を変化させるように構成されている、実施例23又は24に記載のデバイス。
【0103】
26.第1の作動要素及び第2の作動要素が、ニチノールから構成されている、実施例23~25のいずれか1つに記載のデバイス。
【0104】
27.ラック要素は、管腔に直接係合して、ラック要素が第1の位置から第2の位置に、及び/又は第2の位置に向かって移動するにつれて、管腔を第1の形状から第2の形状に変化させる、実施例19~26のいずれか1つに記載のデバイス。
【0105】
28.ラック要素は、管腔に間接的に係合して、ラック要素が第1の位置から第2の位置に、及び/又は第2の位置に向かって移動するにつれて、管腔を第1の形状から第2の形状に変化させる、実施例19~26のいずれか1つに記載のデバイス。
【0106】
29.ラック要素に動作可能に接続された流動制御要素を更に備え、流動制御要素が、管腔に直接係合して、管腔を第1の形状から第2の形状に変化させる、実施例28に記載のデバイス。
【0107】
30.アーム要素がラック要素から係合解除するときに、ラック要素を適所に保持するように構成されたロック機構を更に備える、実施例19~29のいずれか1つに記載のデバイス。
【0108】
31.第1の身体領域が、人間の眼の前房であり、デバイスは、デバイスが眼に埋め込まれたときに管腔の形状特性を変化させることが、眼の前房からの水の排液速度を変化させるように構成されている、実施例19~30のいずれか1つに記載のデバイス。
【0109】
32.ラック要素が、第1の位置と第2の位置との間を移動するにつれて、管腔の直径を変化させるように構成されている、実施例19~31のいずれか1つに記載のデバイス。
【0110】
33.第1の領域と第2の領域との間の流体の流動を制御するためのデバイスであって、
第1の領域から第2の領域に流体を排液するように構成された管腔を少なくとも部分的に画定する排液要素と、
少なくとも第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり、デバイスを通る流動抵抗を変化させるように構成された流動制御要素と、
作動アセンブリであって、
エネルギーに応答して形状及び/又はサイズを少なくとも部分的に変化させるように構成された作動要素と、
作動要素から延在し、かつ流動制御要素に解放可能に係合するように構成されている、アームと、を含み、
アームが流動制御要素の第1の領域に係合するときに、作動要素の作動が、アームに、流動制御要素を第1の位置と第2の位置との間で移動させて、デバイスを通る流動抵抗を変化させる、作動アセンブリと、
アームが流動制御要素から係合解除されるときに、流動制御要素の移動を少なくとも部分的に低減するように構成されたロック機構と、を備える、デバイス。
【0111】
34.流動制御要素が、摺動可能なラック要素を備える、実施例33に記載のデバイス。
【0112】
35.摺動可能なラック要素が、第1の溝及び第2の溝を有し、アームが、第1の溝及び/又は第2の溝において、摺動可能なラック要素に解放可能に係合するように構成された係合要素を有する、実施例34に記載のデバイス。
【0113】
36.流動制御要素の第1の領域が、第1の溝であり、流動制御要素が第1の位置から第2の位置に移動した後、係合要素が、第1の溝から係合解除されて、第2の溝に係合するように構成されている、実施例35に記載のデバイス。
【0114】
37.係合要素が第1の溝から係合解除された後、かつ係合要素が第2の溝と係合する前に、ロック機構が、流動制御要素と係合して、流動制御要素の移動を少なくとも部分的に低減する、実施例36に記載のデバイス。
【0115】
38.摺動可能なラック要素が、第3の溝及び第4の溝を有し、ロック機構は、流動制御要素が第1の位置にあるときに、第3の溝に係合するように構成されており、かつ流動制御要素が第2の位置にあるときに、第4の溝に係合するように構成されている、ロック要素を含む、実施例35~37のいずれか1つに記載のデバイス。
【0116】
39.ロック機構は、アームが流動制御要素から係合解除されるときに、流動制御要素の移動を防止するように構成されている、実施例33~39のいずれか1つに記載のデバイス。
【0117】
40.作動要素が、第1の作動要素であり、作動アセンブリが、アームに接続されており、かつエネルギーに応答して少なくとも部分的に形状及び/又はサイズを変化させるように構成されている、第2の作動要素を更に備える、実施例33~40のいずれか1つに記載のデバイス。
【0118】
41.流動制御要素が第2の位置にあるときに、第2の作動要素の作動が、アームに、流動制御要素を第2の位置から第1の位置に移動させる、実施例40に記載のデバイス。
【0119】
42.第1の作動要素及び第2の作動要素が、形状記憶材料を含む、実施例41に記載のデバイス。
【0120】
43.第1の作動要素が、第1の屈曲領域を有し、第1の屈曲領域へのエネルギーの適用が、第1の屈曲領域を拡張させる、実施例42に記載のデバイス。
【0121】
44.第2の作動要素が、第2の屈曲領域を有し、第2の屈曲領域へのエネルギーの適用が、第2の屈曲領域を拡張させる、実施例42又は43に記載のデバイス。
【0122】
45.第1の作動要素の作動が、第2の作動要素を、第2の屈曲領域において圧縮させ、第2の作動要素の作動が、第1の作動要素を、第1の屈曲領域において圧縮させる、実施例44に記載のデバイス。
【0123】
46.流動制御要素が、3つ以上の位置を通って移動可能であり、3つ以上の位置の各々が、デバイスを通る異なる流動抵抗に関連付けられている、実施例33~45のいずれか1つに記載のデバイス。
【0124】
47.デバイスは、デバイスが埋め込まれたときにデバイスを通る流動抵抗を変化させることが、第1の領域からの流体の排液速度を変化させるように構成されている、実施例33~46のいずれか1つに記載のデバイス。
【0125】
48.第1の領域が、眼の前房である、実施例33~47のいずれか1つに記載のデバイス。
【0126】
49.流動制御要素が、第1の位置と第2の位置との間を移動するにつれて、管腔の直径を変化させるように構成されている、実施例33~48のいずれか1つに記載のデバイス。
【0127】
50.第1の身体領域から第2の身体領域に流体を排液するための埋め込み型医療デバイスであって、
それを通って延在し、第1の身体領域と第2の身体領域とを流体接続するように構成された管腔を有する排液要素と、
複数の別個の位置を通って移動可能な流動制御要素であって、各別個の位置が、デバイスを通る相対的な流体抵抗に関連付けられ、流動制御要素が、複数の別個の位置の間で選択的に移動可能である、流動制御要素と、を備える、デバイス。
【0128】
51.流動制御要素を複数の別個の位置を通して移動させるように構成されたラチェット機構を更に備える、実施例50に記載のデバイス。
【0129】
52.流動制御要素を複数の別個の位置を通して移動させるように構成されている、作動アセンブリを更に備え、作動アセンブリが、少なくとも1つの作動要素と、ラチェット機構と、を含む、実施例50又は51に記載のデバイス。
【0130】
53.埋め込み型医療デバイスが、緑内障シャントであり、第1の身体領域が、眼の前房である、実施例52に記載のデバイス。
【0131】
54.流動制御要素が、複数の別個の位置の間を移動するにつれて、管腔の直径を変化させるように構成されている、実施例50~53のいずれか1つに記載のデバイス。
【0132】
55.第1の身体領域から第2の身体領域に流体を排液するための埋め込み型医療デバイスであって、
デバイスが患者に埋め込まれたときに、第1の身体領域と第2の身体領域とを流体接続するように構成された排液要素と、
排液要素を通る流体の流動を調整するように構成されている、作動アセンブリであって、作動前構成と作動構成との間で移動可能な形状記憶作動要素を含む、作動アセンブリと、を備え、
デバイスは、
作動するときに、形状記憶作動要素が、作動前構成から作動構成に、及び作動構成に向かって移動して、デバイスを通る流体抵抗を調整し、
作動に続いて、(a)形状記憶作動要素が、作動前構成に向かって反動し、(b)形状記憶作動要素が作動前構成に向かって反動するにつれて、調整された流体抵抗が維持されるように構成されている、デバイス。
【0133】
56.
形状記憶作動要素に動作可能に結合され、デバイスを通る流体抵抗を制御するように構成された流動制御要素を更に備え、
流動制御要素は、形状記憶作動要素が作動前構成から作動構成に、及び/又は作動構成に向かって移動するときに、第1の位置から第2の位置に、及び/又は第2の位置に向かって移動するように構成されており、
流動制御要素は、形状記憶作動要素が作動前構成に向かって反動するときに、第2の位置に、及び/又はその近位に保持されるように構成されている、実施例55に記載のデバイス。
【0134】
57.流動制御要素を第2の位置に、及び/又はその近位に保持するように構成されたラチェットを更に備える、実施例56に記載のデバイス。
【0135】
58.形状記憶作動要素が、転移温度を上回って加熱されると、作動前構成から作動構成に、及び/又は作動構成に向かって移動するように構成されており、形状記憶作動要素が、転移温度を下回って冷却されると、作動前に向かって反動するように構成されている、実施例55に記載のデバイス。
【0136】
59.形状記憶要素の反動を、作動前構成に向かって駆動するように構成された弾性部材を更に備える、実施例55~58のいずれか1つに記載のデバイス。
【0137】
60.形状記憶作動要素が、デバイスを通る流体抵抗を更に調整するために、作動前構成と作動構成との間で繰り返し転移するように構成されている、実施例55~59のいずれか1つに記載のデバイス。
【0138】
61.調整可能なシャントデバイスを使用して、第1の身体領域から第2の身体領域への流体の流動を制御する方法であって、
調整可能なシャントデバイスの形状記憶作動要素を、第1の構成から第2の構成に、及び/又は第2の構成に向かって移動させるために、形状記憶作動要素を転移温度を上回って加熱することであって、形状記憶作動要素を、第1の構成から及び/又は第2の構成に向かって移動させることが、調整可能なシャントデバイスを通る流体抵抗を調整する、加熱することと、
形状記憶作動要素を加熱した後、形状記憶作動要素が転移温度を下回って冷却されるにつれて、形状記憶作動要素を第1の構成に向かって反動させることと、
形状記憶作動が、第1の構成に向かって反動するにつれて、調整された流体抵抗を維持することと、を含む、方法。
【0139】
62.調整可能なシャントデバイスが、デバイスを通る流体抵抗を制御するように構成された流動制御要素を含み、
形状記憶作動要素を、第1の構成から第2の構成に、及び/又は第2の構成に向かって移動させることが、流動制御要素を、第1の位置から第2の位置に、及び/又は第2の位置に向かって移動させ、
調整された流体抵抗を維持することは、形状記憶作動要素が第1の構成に向かって反動するにつれて、流動制御要素を、第2の位置に、及び/又はその近位に保持することを含む、実施例61に記載の方法。
【0140】
63.流動制御要素を、第2の位置に、及び/又はその近位に保持することが、流動制御要素を機械的に保持することを含む、実施例62に記載の方法。
【0141】
64.調整された流体抵抗が、第1の調整された流体抵抗であり、方法が、
第1の調整流体抵抗を維持した後、形状記憶作動要素を、第2の構成に、及び/又は第2の構成に向かって移動させて、流体抵抗を、第2の調整された流体抵抗に更に調整するために、形状記憶作動要素を、転移温度を上回って再加熱することと、
形状記憶作動要素が、転移温度を下回って冷却され、第1の構成に向かって反動するにつれて、第2の調整された流体抵抗を維持することと、を更に含む、実施例61に記載の方法。
【0142】
65.形状記憶作動要素を第1の構成に向かって反動させることが、弾性要素を使用して、形状記憶作動要素を第1の構成に向かって付勢することを含む、実施例61~64のいずれか1つに記載の方法。
【0143】
66.第1の身体領域から第2の身体領域に流体を排液するための埋め込み型医療デバイスであって、
流体抵抗器と、
複数の幾何学的形状間で転移可能な作動要素と、
作動要素に動作可能に結合されたラチェットであって、幾何学的形状間を転移する作動要素に応答して、流体抵抗器によって生成された抵抗の個別の変化を誘発するように構成されている、ラチェットと、を備える、デバイス。
【0144】
67.患者内の流体をシャントするための埋め込み型デバイスであって、
貫通して延在する管腔を有する排液要素と、
少なくとも第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり、かつデバイスを通る流動抵抗を変化させるように構成されている、流動制御要素と、
流動制御要素に動作可能に結合された第1の作動要素であって、患者の外部に位置決めされたエネルギー源からエネルギーを受容するための第1の標的特徴を含む、第1の作動要素と、
流動制御要素に動作可能に結合された第2の作動要素であって、患者の外部に位置決めされたエネルギー源からエネルギーを受容するための第2の標的特徴を含む、第2の作動要素と、を備える、デバイス。
【0145】
68.流動制御要素は、エネルギーが第1の標的特徴に適用されると、第1の位置から第2の位置に向かって移動するように構成されており、流動制御要素は、エネルギーが第2の標的特徴に適用されると、第2の位置から第1の位置に向かって移動するように構成されている、実施例67に記載のデバイス。
【0146】
69.第1の作動要素が、第1の屈曲領域を含み、第2の作動要素が、第2の屈曲領域を含み、第1の標的特徴が、第1の屈曲領域に位置決めされ、第2の標的特徴が、第2の屈曲領域に位置決めされている、実施例67に記載のデバイス。
【0147】
70.第1の標的特徴は、第1の作動要素で受容されたエネルギーが第1の屈曲領域を優先的に加熱するように構成されており、第2の標的特徴は、第2の作動要素で受容されたエネルギーが第2の屈曲領域を優先的に加熱するように構成されている、実施例69に記載のデバイス。
【0148】
71.第1の作動要素が、複数の第1の標的特徴を含み、第2の作動要素が、複数の第2の標的特徴を含む、実施例67~70のいずれか1つに記載のデバイス。
【0149】
72.
第1の作動要素が、複数の第1の屈曲領域を含み、複数の第1の屈曲領域の個々の第1の屈曲領域が、対応する第1の標的特徴を有し、
第2の作動要素が、複数の第2の屈曲領域を含み、複数の第2の屈曲領域の個々の第2の屈曲領域が、対応する第2の標的特徴を有する、実施例71に記載のデバイス。
【0150】
73.複数の第1の標的特徴の各々は、対応する第1の屈曲領域を選択的に作動させるために、個別に通電することができ、複数の第2の標的特徴の各々は、対応する第2の屈曲領域を選択的に作動させるために、個別に通電することができる、実施例72に記載のデバイス。
【0151】
74.流動制御要素が、個々の第1の屈曲領域及び/又は第2の屈曲領域を選択的に作動させることによって、第1の位置と第2の位置との間の複数の別個の位置に移動可能である、実施例73に記載のデバイス。
【0152】
75.第1の標的特徴が、第1の作動要素内に少なくとも部分的に延在する第1の凹部であり、エネルギーが第1の作動要素に浸透することを可能にするように構成されており、第2の標的特徴が、第2の作動要素内に少なくとも部分的に延在する第2の凹部であり、エネルギーが第2の作動要素に浸透することを可能にするように構成されている、実施例67~74のいずれか1つに記載のデバイス。
【0153】
76.第1の標的特徴が、第1のゾーンを囲む第1の作動要素の領域よりも高い吸収速度を有する第1の作動要素上の第1のゾーンであり、第2の標的特徴が、第2のゾーンを囲む第2の作動要素の領域よりも高い吸収速度を有する第2の作動要素上の第2のゾーンである、実施例67~74のいずれか1つに記載のデバイス。
【0154】
77.第1のゾーン及び第2のゾーンが、吸収コーティングを含む、実施例76に記載のデバイス。
【0155】
78.第1のゾーン及び第2のゾーンが、酸化されている、実施例76に記載のデバイス。
【0156】
79.第1の標的特徴が、患者の外部に位置決めされたエネルギー源から直接受容されたエネルギーを反射するように構成された第1の反射面に近接し、第2の標的特徴が患者の外部に位置決めされたエネルギー源から直接受容されたエネルギーを反射するように構成された第2の反射面に近接している、実施例67~74のいずれか1つに記載のデバイス。
【0157】
80.第1の標的特徴で受容されたエネルギーが、第1の標的特徴を直接加熱し、第1の反射面の少なくとも一部分を間接的に加熱し、第2の標的特徴で受容されたエネルギーが、第2の標的特徴を直接加熱し、第2の反射面の少なくとも一部分を間接的に加熱する、実施例79に記載のデバイス。
【0158】
81.埋め込み型デバイスが、患者の眼の前房から水を排液するように構成された緑内障シャントである、実施例67~80のいずれか1つに記載のデバイス。
【0159】
82.患者内の流体をシャントするための埋め込み型デバイスであって、
第1の圧力を有する患者内の第1の場所から第1の圧力より低い第2の圧力を有する患者内の第2の場所に流体を排液するように構成された流体流路と、
少なくとも第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり、流体流路を通る流動抵抗を変化させるように構成された流動制御要素と、
流動制御要素に動作可能に結合された作動要素を含む作動アセンブリであって、作動要素が、患者の外部に位置決めされたエネルギー源からエネルギーを受容するための少なくとも1つの標的特徴を含む、作動アセンブリと、を備える、デバイス。
【0160】
83.流動制御要素は、エネルギーが標的特徴に適用されると、第1の位置から第2の位置に向かって移動するように構成されている、実施例82に記載のデバイス。
【0161】
84.作動要素が、屈曲領域を含み、標的特徴が、屈曲領域に位置決めされている、実施例82に記載のデバイス。
【0162】
85.作動要素で受容されたエネルギーが屈曲領域を優先的に加熱して、屈曲領域において形状変化を引き起こすように、標的特徴が構成されている、実施例84に記載のデバイス。
【0163】
86.作動要素が、複数の標的特徴を含む、実施例82~85のいずれか1つに記載のデバイス。
【0164】
87.作動要素が、複数の屈曲領域を含み、複数の屈曲領域の個々の屈曲領域が、対応する標的特徴を有する、実施例86に記載のデバイス。
【0165】
88.複数の標的特徴の各々が、対応する屈曲領域を選択的に作動させるために個別に通電することができる、実施例87に記載のデバイス。
【0166】
89.流動制御要素が、個々の屈曲領域を選択的に作動させることによって、第1の位置と第2の位置との間の複数の別個の位置に移動可能である、実施例88に記載のデバイス。
【0167】
90.標的特徴が、作動要素内に少なくとも部分的に延在する凹部であり、エネルギーが作動要素に浸透することを可能にするように構成されている、実施例82~89のいずれか1つに記載のデバイス。
【0168】
91.標的特徴が、ゾーンを囲む作動要素の領域より高い吸収率を有する作動要素上のゾーンである、実施例76~83のいずれか1つに記載のデバイス。
【0169】
92.ゾーンが、吸収コーティングを含む、実施例91に記載のデバイス。
【0170】
93.ゾーンが、酸化されている、実施例91に記載のデバイス。
【0171】
94.埋め込み型デバイスが、患者の眼の前房から水を排液するように構成された緑内障シャントである、実施例82~93のいずれか1つに記載のデバイス。
【0172】
95.患者内の流体をシャントするための埋め込み型デバイスであって、
貫通して延在する管腔を有する排液要素と、
排液要素に動作可能に結合され、作動時にデバイスを通る流動抵抗を変化させるように構成された作動要素であって、作動アセンブリが、患者の外部に位置決めされたエネルギー源からエネルギーを受容するための少なくとも1つの標的特徴を含む、作動要素を、を備える、デバイス。
【0173】
96.作動要素が、屈曲領域を含み、標的特徴が、屈曲領域に位置決めされている、実施例95に記載のデバイス。
【0174】
97.作動要素で受容されたエネルギーが屈曲領域を優先的に加熱して、屈曲領域において形状変化を引き起こすように、標的特徴が構成されている、実施例96に記載のデバイス。
【0175】
98.作動要素が、複数の標的特徴を含む、実施例95~97のいずれか1つに記載のデバイス。
【0176】
99.作動要素が、複数の屈曲領域を含み、複数の屈曲領域の個々の屈曲領域が、対応する標的特徴を有する、実施例98に記載のデバイス。
【0177】
100.複数の標的特徴の各々が、対応する屈曲領域を選択的に作動させるために個別に通電することができる、実施例99に記載のデバイス。
【0178】
101.標的特徴が、作動要素内に少なくとも部分的に延在する凹部であり、エネルギーが作動要素に浸透することを可能にするように構成されている、実施例95~100のいずれか1つに記載のデバイス。
【0179】
102.標的特徴が、ゾーンを囲む作動要素の領域より高い吸収率を有する作動要素上のゾーンである、実施例95~100のいずれか1つに記載のデバイス。
【0180】
103.ゾーンが、吸収コーティングを含む、実施例102に記載のデバイス。
【0181】
104.ゾーンが、酸化されている、実施例102に記載のデバイス。
【0182】
105.埋め込み型デバイスが、患者の眼の前房から水を排液するように構成された緑内障シャントである、実施例95~104のいずれか1つに記載のデバイス。
【0183】
106.患者に埋め込まれ、作動要素を有する調整可能な流動シャントを使用して、流体をシャントする方法であって、
作動要素の第1の領域にエネルギーを適用することであって、第1の領域が、適用されたエネルギーを受容するための標的特徴を含む、適用することと、
適用されたエネルギーを介して、調整可能な流動シャントを通る流動抵抗を変化させるために、第1の領域で、作動要素の幾何学的形状変化を誘発することと、を含む、方法。
【0184】
107.第1の領域にエネルギーを適用することが、患者の外部に位置決めされたエネルギー源を使用して、第1の領域にエネルギーを適用することを含む、実施例106に記載の方法。
【0185】
108.標的特徴が、第1の領域に隣接する第2の領域に対して、第1の領域での作動要素へのエネルギーの浸透を増加させる、実施例106又は107に記載の方法。
【0186】
109.標的特徴が、第1の領域に隣接する第2の領域に対して、第1の領域でのエネルギーの吸収を増加させる、実施例106~108のいずれか1つに記載の方法。
【0187】
110.標的特徴が、作動要素内に少なくとも部分的に延在する凹部であり、適用されたエネルギーが、凹部で作動要素に浸透する、実施例106~109のいずれか1つに記載の方法。
【0188】
111.標的特徴が、吸収性コーティングである、実施例106~109のいずれか1つに記載の方法。
【0189】
112.標的特徴が、第1の領域における酸化されたゾーンである、実施例106~109のいずれか1つに記載の方法。
【0190】
113.眼の前房から水を排液するために、調整可能なシャントが患者の眼に埋め込まれる、実施例106~112のいずれか1つに記載の方法。
【0191】
114.患者内の流体をシャントするための埋め込み型デバイスであって、
貫通して延在する管腔を有する排液要素と、
少なくとも第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり、デバイスを通る流動抵抗を変化させるように構成された流動制御要素と、
作動要素であって、作動要素の少なくとも一部分が、転移温度を上回って加熱されると、第1の材料状態から第2の材料状態に転移可能であり、作動要素が、転移温度を上回って加熱されると、流動制御要素を第1の位置から第2の位置に向かって移動させるように構成されている、作動要素と、
偏向要素であって、偏向要素で受容されたエネルギーを作動要素に向かって方向付けて、作動要素の少なくとも一部分を転移温度を上回って加熱するように構成された、偏向要素と、を備える、デバイス。
【0192】
115.排液要素に結合されたフレームを更に備え、フレームが、偏向要素を含む、実施例108に記載のデバイス。
【0193】
116.偏向要素が、排液要素上に位置決めされている、実施例108に記載のデバイス。
【0194】
117.偏向要素が、可視及び/又は赤外線電磁放射の形態で受容されたエネルギーを作動要素に向かって方向付けて、作動要素の少なくとも一部分を加熱するように構成されている、実施例108~110のいずれか1つに記載のデバイス。
【0195】
118.偏向要素が、レーザエネルギーの形態で受容されたエネルギーを作動要素に向かって方向付けて、作動要素の少なくとも一部分を加熱するように構成されている、実施例108~111のいずれか1つに記載のデバイス。
【0196】
119.偏向要素が、第1の材料から構成されており、作動要素が、第2の材料から構成されており、第1の材料が、第2の材料よりも吸収性が低い、実施例108~112のいずれか1つに記載のデバイス。
【0197】
120.偏向要素が、エネルギーを作動要素に向かって反射するように構成された反射要素を含む、実施例114~119のいずれか1つに記載のデバイス。
【0198】
121.反射要素が、金、パラジウム、及び/又はプラチナから少なくとも部分的に構成されている、実施例120に記載のデバイス。
【0199】
122.反射要素が、ミラーを含む、実施例120に記載のデバイス。
【0200】
123.偏向要素が、エネルギーを作動要素に向かって屈折させるように構成された屈折要素を含む、実施例114~119のいずれか1つに記載のデバイス。
【0201】
124.屈折要素が、少なくとも部分的にガラスから構成されている、実施例123に記載のデバイス。
【0202】
125.屈折要素が、プリズムを含む、実施例123に記載のデバイス。
【0203】
126.デバイスが、複数の偏向要素を含む、実施例114~125のいずれか1つに記載のデバイス。
【0204】
127.作動要素が、複数の作動可能領域を含み、偏向要素が、複数の偏向領域を含み、偏向要素の個々の偏向領域が、作動要素の個々の作動可能領域に対応し、その結果、個々の作動領域が、対応する個々の偏向領域にエネルギーを選択的に提供することによって、選択的に作動され得る、実施例114~126のいずれか1つに記載のデバイス。
【0205】
128.第1の材料状態が、マルテンサイト材料状態であり、第2の材料状態が、オーステナイト材料状態である、実施例114~127のいずれか1つに記載のデバイス。
【0206】
129.作動要素が、第1の作動要素であり、偏向要素が、第1の偏向要素であり、デバイスが、
第2の作動要素であって、第2の作動要素の少なくとも一部分が、第2の作動要素の転移温度を上回って加熱されると、第3の材料状態から第4の材料状態に転移可能であり、第2の作動要素が、第2の作動要素の転移温度を上回って加熱されると、流動制御要素を第2の位置から第1の位置に向かって移動させるように構成されている、第2の作動要素と、
第2の偏向要素であって、第2の偏向要素で受容されたエネルギーを第2の作動要素に向かって方向付けて、第2の作動要素を第2の作動要素転移温度を上回って加熱するように構成された第2の偏向要素と、を更に備える、実施例114~128のいずれか1つに記載のデバイス。
【0207】
130.第3の材料状態が、マルテンサイト材料状態であり、第4の材料状態が、オーステナイト材料状態である、実施例129に記載のデバイス。
【0208】
131.埋め込み型デバイスが、患者の眼の前房から水を排液するように構成された緑内障シャントである、実施例114~130のいずれか1つに記載のデバイス。
【0209】
132.患者内の流体をシャントするための埋め込み型デバイスであって、
第1の圧力を有する患者における第1の場所から第1の圧力より低い第2の圧力を有する患者における第2の場所に流体を排液するように構成された流体流路と、
少なくとも第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり、流体流路を通る流動抵抗を変化させるように構成された流動制御要素と、
作動時に流動制御要素を第1の位置から第2の位置に向かって移動させるように構成された作動要素と、
偏向要素であって、偏向要素で受容されたエネルギーを作動要素に向かって方向付けて、作動要素を作動させるように構成された偏向要素と、を備える、デバイス。
【0210】
133.流体流路に結合されたフレームを更に備え、フレームが、偏向要素を含む、実施例132に記載のデバイス。
【0211】
134.偏向要素が、流体流路上に位置決めされている、実施例132に記載のデバイス。
【0212】
135.偏向要素が、可視及び/又は赤外線電磁放射の形態で受容されたエネルギーを作動要素に向かって方向付けて、作動要素を作動させるように構成されている、実施例132~134のいずれか1つに記載のデバイス。
【0213】
136.偏向要素が、レーザエネルギーの形態で受容されたエネルギーを作動要素に向かって方向付けて、作動要素を作動させるように構成されている、実施例132~135のいずれか1つに記載のデバイス。
【0214】
137.偏向要素が、第1の材料から構成されており、作動要素が、第2の材料から構成されており、第1の材料が、第2の材料よりも吸収性が低い、実施例132~136のいずれか1つに記載のデバイス。
【0215】
138.偏向要素が、エネルギーを作動要素に向かって反射するように構成された反射要素を含む、実施例132~137のいずれか1つに記載のデバイス。
【0216】
139.反射要素が、金、パラジウム、及び/又はプラチナから少なくとも部分的に構成されている、実施例138に記載のデバイス。
【0217】
140.反射要素が、ミラーを含む、実施例138に記載のデバイス。
【0218】
141.偏向要素が、エネルギーを作動要素に向かって屈折させるように構成された屈折要素を含む、実施例132~137のいずれか1つに記載のデバイス。
【0219】
142.屈折要素が、少なくとも部分的にガラスから構成されている、実施例141に記載のデバイス。
【0220】
143.屈折要素が、プリズムを含む、実施例141に記載のデバイス。
【0221】
144.デバイスが、複数の偏向要素を含む、実施例132~143のいずれか1つに記載のデバイス。
【0222】
145.作動要素が、複数の作動可能領域を含み、偏向要素が、複数の偏向領域を含み、偏向要素の個々の偏向領域が、作動要素の個々の作動可能領域に対応し、その結果、個々の作動領域が、対応する個々の偏向領域にエネルギーを選択的に提供することによって、選択的に作動され得る、実施例132~144のいずれか1つに記載のデバイス。
【0223】
146.作動要素が、第1の作動要素であり、偏向要素が、第1の偏向要素であり、デバイスが、
作動時に流動制御要素を第2の位置から第1の位置に向かって移動させるように構成されている、第2の作動要素と、
第2の偏向要素であって、第2の偏向要素で受容されたエネルギーを第2の作動要素に向かって方向付けて、第2の作動要素を作動させるように構成されている、第2の偏向要素と、を更に備える、実施例132~145のいずれか1つに記載のデバイス。
【0224】
147.埋め込み型デバイスが、患者の眼の前房から水を排液するように構成された緑内障シャントである、実施例132~146のいずれか1つに記載のデバイス。
【0225】
148.患者内の流体をシャントするための埋め込み型デバイスであって、
貫通して延在する管腔を有する排液要素と、
デバイスを通る流動抵抗を変更するように構成されている、作動アセンブリであって、
作動要素であって、作動要素の少なくとも一部分が、転移温度を上回って加熱されると、第1の材料状態から第2の材料状態に転移可能である、作動要素と、
偏向要素であって、偏向要素で受容されたエネルギーを作動要素に向かって方向付けて、作動要素の少なくとも一部分を転移温度を上回って加熱するように構成された、偏向要素と、を含む、作動アセンブリとを備える、デバイス。
【0226】
149.偏向要素が、可視及び/又は赤外線電磁放射の形態で受容されたエネルギーを作動要素に向かって方向付けて、作動要素の少なくとも一部分を加熱するように構成されている、実施例148に記載のデバイス。
【0227】
150.偏向要素が、レーザエネルギーの形態で受容されたエネルギーを作動要素に向かって方向付けて、作動要素の少なくとも一部分を加熱するように構成されている、実施例148に記載のデバイス。
【0228】
151.偏向要素が、第1の材料から構成されており、作動要素が、第2の材料から構成されており、第1の材料が、第2の材料よりも吸収性が低い、実施例148~150のいずれか1つに記載のデバイス。
【0229】
152.偏向要素が、エネルギーを作動要素に向かって反射するように構成された反射要素を含む、実施例148~151のいずれか1つに記載のデバイス。
【0230】
153.反射要素が、金、パラジウム、及び/又はプラチナから少なくとも部分的に構成されている、実施例152に記載のデバイス。
【0231】
154.反射要素が、ミラーを含む、実施例152に記載のデバイス。
【0232】
155.偏向要素が、エネルギーを作動要素に向かって屈折させるように構成された屈折要素を含む、実施例148~151のいずれか1つに記載のデバイス。
【0233】
156.屈折要素が、少なくとも部分的にガラスから構成されている、実施例155に記載のデバイス。
【0234】
157.屈折要素が、プリズムを含む、実施例155に記載のデバイス。
【0235】
158.デバイスが、複数の偏向要素を含む、実施例148~157のいずれか1つに記載のデバイス。
【0236】
159.作動要素が、複数の作動可能領域を含み、偏向要素が、複数の偏向領域を含み、偏向要素の個々の偏向領域が、作動要素の個々の作動可能領域に対応し、その結果、個々の作動領域が、対応する個々の偏向領域にエネルギーを選択的に提供することによって、選択的に作動され得る、実施例148~158のいずれか1つに記載のデバイス。
【0237】
160.第1の材料状態が、マルテンサイト材料状態であり、第2の材料状態が、オーステナイト材料状態である、実施例148~159のいずれか1つに記載のデバイス。
【0238】
161.埋め込み型デバイスが、患者の眼の前房から水を排液するように構成された緑内障シャントである、実施例148~160のいずれか1つに記載のデバイス。
【0239】
162.患者に埋め込まれ、作動要素を有する調整可能な流動シャントを使用して、流体をシャントする方法であって、
作動要素にエネルギーを間接的に適用することであって、作動要素にエネルギーを間接的に適用することが、偏向要素で受容されたエネルギーを作動要素に向かって方向転換する、偏向要素にエネルギーを伝達することを含む、適用することと、
作動要素に方向転換されたエネルギーを介して、作動要素の幾何学的形状変化を誘発することであって、幾何学的形状変化が、調整可能な流動シャントを通る流動抵抗の変化をもたらす、誘発することと、を含む、方法。
【0240】
163.エネルギーを偏向要素に伝達することが、患者の外部に位置決めされたエネルギー源を使用して、エネルギーを偏向要素に伝達することを含む、実施例162に記載の方法。
【0241】
164.偏向要素が、患者に埋め込まれている、実施例162又は163に記載の方法。
【0242】
165.偏向要素が、シャントに結合される、実施例164に記載の方法。
【0243】
166.エネルギーが可視及び/又は赤外線電磁放射である、実施例162~165のいずれか1つに記載の方法。
【0244】
167.エネルギーが、レーザエネルギーである、実施例162~166のいずれか1つに記載の方法。
【0245】
168.偏向要素が、第1の材料から構成されており、作動要素が、第2の材料から構成されており、第1の材料が、第2の材料よりも吸収性が低い、実施例162~167のいずれか1つに記載のデバイス。
【0246】
169.偏向要素が、受容されたエネルギーを作動要素に向かって反射する反射要素を含む、実施例162~168のいずれか1つに記載の方法。
【0247】
170.反射要素が、少なくとも部分的に金、パラジウム、及び/又はプラチナから構成されている、実施例169に記載の方法。
【0248】
171.反射要素が、ミラーを含む、実施例169に記載の方法。
【0249】
172.偏向要素が、エネルギーを作動要素に向かって屈折させる屈折要素を含む、実施例162~168のいずれか1つに記載の方法。
【0250】
173.屈折要素が、少なくとも部分的にガラスから構成されている、実施例172に記載の方法。
【0251】
174.屈折要素が、プリズムを含む、実施例172に記載の方法。
【0252】
175.眼の前房から水を排液するために、調整可能なシャントが患者の眼に埋め込まれる、実施例162~174のいずれか1つに記載の方法。
【0253】
176.シャント要素、流動制御要素、及び形状記憶作動要素を有する調整可能なシャントを製造する方法であって、
第1の材料及び/又は第2の材料を基板上に堆積させることであって、第1の材料が、シャント要素及び流動制御要素に対応するパターンで堆積され、第2の材料が、調整可能なシャントの1つ以上の空隙に対応するパターンで堆積される、堆積させることと、
堆積された第2の材料を除去することであって、堆積された第2の材料を除去することが、(i)シャント要素を通って延在する管腔を生成し、(ii)流動制御要素がシャント要素に対して移動することを可能にする、除去することと、
形状記憶作動要素を、流動制御要素及び/又はシャント要素に固定することと、を含み、
形状記憶作動要素が、流動制御要素に固定されると、形状記憶作動要素が、シャント要素に対する流動制御要素の移動を選択的に駆動するように構成されている、方法。
【0254】
177.第1の材料及び第2の材料を堆積することが、蒸着プロセスによって、第1の材料及び第2の材料を堆積することを含む、実施例176に記載の方法。
【0255】
178.第1の材料及び第2の材料を堆積することが、約5ミクロン以下の個々の層において、第1の材料及び第2の材料を堆積することを含む、実施例176又は177に記載の方法。
【0256】
179.第2の材料を除去することが、第2の材料をエッチング除去することを含む、実施例176~178のいずれか1つに記載の方法。
【0257】
180.第1の材料がポリマー及び/又は金属である、実施例176~179のいずれか1つに記載の方法。
【0258】
181.第1の材料がパラジウム、ロジウム、及び/又はニッケルコバルト合金である、実施例176~180のいずれか1つに記載の方法。
【0259】
182.第2の材料が、銅である、実施例176~181のいずれか1つに記載の方法。
【0260】
183.形状記憶作動要素が、ニチノールから構成されている、実施例176~182のいずれか1つに記載の方法。
【0261】
184.形状記憶作動要素を有する調整可能なシャントを製造する方法であって、
第1の材料及び/又は第2の材料を基板上に堆積させることであって、第1の材料が、調整可能なシャントの第1の構成要素及び第2の構成要素に対応するパターンで堆積され、第2の材料が、調整可能なシャントの1つ以上の空隙に対応するパターンで堆積される、堆積させることと、
堆積された第2の材料を除去することであって、堆積された第2の材料が除去された後、第1の構成要素が、第1の構成要素及び第2の構成要素のアセンブリを必要とせずに、第2の構成要素内に少なくとも部分的に拘束され、第2の構成要素に対して移動可能である、除去することと、
形状記憶作動要素を、第1の構成要素及び/又は第2の構成要素に固定することと、を含み、
形状記憶作動要素が、第1の構成要素及び/又は第2の構成要素に固定されると、第2の構成要素に対する第1の構成要素の移動を選択的に駆動するように構成されている、方法。
【0262】
185.第1の材料及び第2の材料を堆積することが、蒸着プロセスによって、第1の材料及び第2の材料を堆積することを含む、実施例184に記載の方法。
【0263】
186.第1の材料及び第2の材料を堆積することが、約5ミクロン以下の個々の層において、第1の材料及び第2の材料を堆積することを含む、実施例184又は185に記載の方法。
【0264】
187.第2の材料を除去することが、第2の材料をエッチング除去することを含む、実施例184~186のいずれか1つに記載の方法。
【0265】
188.第1の材料がポリマー及び/又は金属である、実施例184~187のいずれか1つに記載の方法。
【0266】
189.第1の材料がパラジウム、ロジウム、及び/又はニッケルコバルト合金である、実施例184~188のいずれか1つに記載の方法。
【0267】
190.第2の材料が、銅である、実施例184~189のいずれか1つに記載の方法。
【0268】
191.第1の構成要素が、流動制御要素であり、第2の構成要素が、シャント要素である、実施例184~190のいずれか1つに記載の方法。
【0269】
192.形状記憶作動要素が、ニチノールから構成されている、実施例184~191のいずれか1つに記載の方法。
【0270】
193.調整可能な流動シャントを製造する方法であって、
層状堆積プロセスを介して、シャント要素及び流動制御要素を、流動制御要素がシャント要素に対して移動可能である、組み立てられた構成において形成することと、
作動要素をシャント要素及び/又は流動制御要素に固定することであって、シャント要素及び/又は流動制御要素に固定されると、作動要素が、シャント要素に対して流動制御要素を選択的に移動させるように構成されている、方法。
【0271】
194.シャント要素及び流動制御要素を形成することは、シャント要素及び流動制御要素を同時に形成することを含む、実施例193に記載の方法。
【0272】
195.シャント要素及び流動制御要素を形成することが、
第1の材料及び第2の材料を約5ミクロン以下の層に堆積することと、
シャント要素及び流動制御要素を形成するために、第2の材料をエッチング除去することと、を含む、実施例193又は194に記載の方法。
【0273】
196.層状堆積プロセスが、蒸着堆積プロセス又は化学堆積プロセスである、実施例193~195のいずれか1つに記載の方法。
【0274】
197.作動要素が、ニチノールから構成されている、実施例193~196のいずれか1つに記載の方法。
【0275】
198.シャント要素及び流動制御要素を有する調整可能なシャントを製造する方法であって、
フォトリソグラフィプロセスを介して、シャント要素及び流動制御要素を、流動制御要素がシャント要素に対して移動可能である、組み立てられた構成において形成することと、
作動要素を、シャント要素及び/又は流動制御要素に固定することと、を含み、
作動要素が、シャント要素及び/又は流動制御要素に固定されると、シャント要素に対して流動制御要素を選択的に移動させるように構成されている、方法。
【0276】
199.作動要素が、ニチノールから構成されている、実施例198に記載の方法。
【0277】
結論
本技術の実施形態の上記の詳細な説明は、網羅的であること、又は本技術を上記で開示された詳細な形態に限定することを意図していない。技術の特定の実施形態及び技術の例を例示の目的で上に説明したが、当業者が認識するように、技術の範囲内で様々な同等の変更が可能である。例えば、本明細書において説明される眼内シャントの特徴のいずれかを、本明細書において説明される他の眼内シャントの特徴のいずれかと組み合わせることができ、またその逆も可能である。例えば、所与の順序でステップが提示されているが、代替的な実施形態では異なる順序でステップが実行され得る。本明細書で説明される様々な実施形態はまた、更なる実施形態を提供するために組み合わされ得る。
【0278】
上述のことから、本技術の特定の実施形態が例示の目的で本明細書で説明されてきたが、眼内シャントと関連付けられた周知の構造及び機能は、本技術の実施形態の説明を不必要に不明瞭にすることを回避するために、詳細に図示又は説明されていないことが理解されよう。文脈が許容する場合、単数又は複数の用語は、それぞれ複数又は単数の用語も含み得る。
【0279】
文脈から明らかに他のことを必要としない限り、説明及び実施例の全体を通じて、「備える(comprise)」、「備える(comprising)」などの単語は、排他的又は網羅的な意味とは異なり、包含の意味として解釈されるべきである、すなわち「これに限定されないが、~を含む(including,but not limited to)」の意味として解釈されるべきである。本明細書において使用される場合、「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらの用語の任意の変化形は、2つ以上の要素の間の直接的又は間接的な任意の接続又は結合を意味し、要素間の接続の結合は、物理的、論理的、又はこれらの組み合わせであり得る。また、本明細書において使用される場合、単語「herein(本明細書において)」、「above(上の)」、「below(以下の)」、及び類似の意味の単語は、本出願を全体として指すものとし、本出願の特定部分を指すものではない。文脈から可能な場合、単数又は複数を使用する上記の詳細な説明中の単語はまた、それぞれ複数又は単数を含み得る。本明細書において使用される場合、「A及び/又はB(A and/or B)」内のような「及び/又は(and/or)」という句は、Aのみ、Bのみ、並びにA及びBを指す。追加的に、「備える(comprising)」という用語は、任意のより多くの数の同じ機能及び/又は追加のタイプの他の機能が排除されないように、少なくとも列挙された機能を含むことを意味するために全体を通して使用される。特定の実施形態が例示の目的で本明細書で説明されたが、本技術から逸脱することなく、様々な修正が行われ得ることも理解されよう。更に、本技術のいくつかの実施形態に関連する利点がそれらの実施形態の文脈において説明されているが、他の実施形態は、このような利点を示すこともでき、全ての実施形態が、本技術の範囲内に収まるために、必ずしもこのような利点を示す必要があるわけではない。したがって、本開示及び関連する技術は、本明細書において明示的に図示又は説明されていない他の実施形態を包含することができる。
【国際調査報告】