(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-30
(54)【発明の名称】個人用保護具のための材料
(51)【国際特許分類】
A41D 31/30 20190101AFI20230523BHJP
A41D 13/12 20060101ALI20230523BHJP
A41D 13/11 20060101ALI20230523BHJP
D04H 13/02 20060101ALI20230523BHJP
B32B 5/32 20060101ALI20230523BHJP
B32B 27/32 20060101ALI20230523BHJP
B29C 67/20 20060101ALI20230523BHJP
C08J 9/00 20060101ALI20230523BHJP
A41D 31/102 20190101ALI20230523BHJP
A41D 31/00 20190101ALI20230523BHJP
A41D 31/02 20190101ALI20230523BHJP
【FI】
A41D31/30
A41D13/12 109
A41D13/11 Z
A41D13/12 136
D04H13/02
B32B5/32
B32B27/32 E
B29C67/20 B
C08J9/00 A CES
A41D31/102
A41D31/00 502F
A41D31/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022563408
(86)(22)【出願日】2021-04-19
(85)【翻訳文提出日】2022-12-09
(86)【国際出願番号】 US2021027862
(87)【国際公開番号】W WO2021216390
(87)【国際公開日】2021-10-28
(32)【優先日】2020-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598064680
【氏名又は名称】セルガード エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100115679
【氏名又は名称】山田 勇毅
(74)【代理人】
【識別番号】100114177
【氏名又は名称】小林 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】サミー,バリー,ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ホワイト,エリック,アール.
(72)【発明者】
【氏名】スミス,ロニー,イー.
(72)【発明者】
【氏名】アンジーニ,デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー,ダニエル,アール.
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルデラーメ,アンナ
(72)【発明者】
【氏名】テイラー,タマラ,エイ.
【テーマコード(参考)】
3B011
4F074
4F100
4F214
4L047
【Fターム(参考)】
3B011AB01
3B011AB02
3B011AB06
3B011AB09
3B011AB11
4F074AA24
4F074CA03
4F074CC02Y
4F074DA20
4F074DA38
4F074DA53
4F074DA54
4F074DA59
4F100AK01A
4F100AK01B
4F100AK04A
4F100AK04B
4F100AK07A
4F100AK07B
4F100AK64A
4F100AK64B
4F100AK66A
4F100AK66B
4F100BA02
4F100BA03
4F100BA07
4F100DC11A
4F100DC11B
4F100DG12C
4F100DG15C
4F100DJ06A
4F100DJ06B
4F100EC03
4F100EJ25
4F100EJ38A
4F100EJ38B
4F100GB66
4F100GB72
4F100JD04
4F100YY00A
4F100YY00B
4F214AA11
4F214AG20
4F214AH66
4F214UA32
4F214UB01
4F214UC01
4F214UH20
4L047AA14
4L047BD03
4L047CA05
4L047CA06
4L047CB08
4L047CC01
4L047CC03
4L047CC14
(57)【要約】
耐水性、血液耐性、及びウイルス耐性である個人用保護具(PPE)用材料を開示する。本明細書に記載されている材料はまた、これらの材料から作製されたPPEの快適性に加えて高度に通気性でもある。本明細書に記載されているPPE用材料は、1つ以上の単軸又は二軸延伸微孔性フィルムを含有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液及びウイルスのうちの少なくとも1つに耐性である個人用保護具(PPE)のための材料であって、2つ以上の二軸延伸微孔性ポリマーフィルムのスタックを含む、前記材料。
【請求項2】
前記の2つ以上の二軸延伸微孔性ポリマーフィルムのうちの少なくとも1つが、乾式延伸プロセスを使用して形成される、請求項1に記載の材料。
【請求項3】
前記の2つ以上の二軸延伸微孔性ポリマーフィルムの全てが、乾式延伸プロセスを使用して形成される、請求項3に記載の材料。
【請求項4】
前記の2つ以上の二軸延伸微孔性ポリマーフィルムのうちの少なくとも1つが、ベータ-核形成プロセスを使用して形成される、請求項1に記載の材料。
【請求項5】
前記の2つ以上の二軸延伸微孔性ポリマーフィルムの全てが、ベータ-核形成プロセスを使用して形成される、請求項4に記載の材料。
【請求項6】
前記の2つ以上の二軸延伸微孔性ポリマーフィルムのうちの少なくとも1つが、単層二軸延伸ポリマーフィルムである、請求項1~5のいずれか一項に記載の材料。
【請求項7】
前記の2つ以上の二軸延伸微孔性ポリマーフィルムの全てが、単層二軸延伸ポリマーフィルムである、請求項6に記載の材料。
【請求項8】
前記の2つ以上の二軸延伸微孔性ポリマーフィルムのうちの少なくとも1つが、2層、3層、又は多層二軸延伸ポリマーフィルムである、請求項1~5のいずれか一項に記載の材料。
【請求項9】
前記の2つ以上の二軸延伸微孔性ポリマーフィルムのうちの少なくとも1つが、ポリプロピレン(PP)ホモポリマー、PPコポリマー、又はPPと1つ以上の他のポリマーとのブレンドを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の材料。
【請求項10】
前記の2つ以上の二軸延伸微孔性ポリマーフィルムの全てが、ポリプロピレン(PP)ホモポリマー、PPコポリマー、又はPPと1つ以上の他のポリマーとのブレンドを含む、請求項9に記載の材料。
【請求項11】
前記の2つ以上の二軸延伸微孔性ポリマーフィルムのうちの少なくとも1つが、ポリプロピレン(PP)コポリマーを含む、請求項9に記載の材料。
【請求項12】
前記の2つ以上の二軸延伸微孔性ポリマーフィルムの全てが、ポリプロピレン(PP)コポリマーを含む、請求項9に記載の材料。
【請求項13】
前記ポリプロピレン(PP)コポリマーが、3~20%のポリエチレン(PE)を含む、請求項11又は12に記載の材料。
【請求項14】
それぞれの二軸延伸微孔性ポリマーフィルムが、少なくとも1つの他の二軸延伸微孔性ポリマーフィルムに隣接しており、前記フィルムが、互いに、積層され、化学的、静電的、若しくは物理的に接合され、接着され、超音波溶接され、又は他の場合には付着されていてよく、或いは、されていなくてよい、請求項1に記載の材料。
【請求項15】
前記のスタックの二軸延伸微孔性ポリマーフィルムが、少なくとも1つの縁に沿って一緒に接合されている、請求項14に記載の材料。
【請求項16】
前記のスタックの二軸延伸微孔性ポリマーフィルムが、超音波溶接又は同様のプロセスを使用して互いに付着されている、請求項14に記載の材料。
【請求項17】
前記の2つ以上の二軸延伸微孔性ポリマーフィルムのうちの少なくとも1つが、5~50ミクロンの厚さを有する、請求項1に記載の材料。
【請求項18】
前記厚さが10~20ミクロンである、請求項17に記載の材料。
【請求項19】
60in-lb又は120in-lbにおいてナイロンメッシュ保持スクリーンを使用する、ASTM F1671手順Bに合格する、請求項1に記載の材料。
【請求項20】
ASTM F1671を使用して試験されるとき、10以下のプラーク形成単位(PFU)の結果を与える、請求項1に記載の材料。
【請求項21】
前記結果が、5PFU以下である、請求項1に記載の材料。
【請求項22】
前記結果が、0PFU又は約0PFUである、請求項20に記載の材料。
【請求項23】
2つの二軸延伸微孔性ポリマーフィルムのスタックを含む、請求項1に記載の材料。
【請求項24】
3つの二軸延伸微孔性ポリマーフィルムのスタックを含む、請求項1に記載の材料。
【請求項25】
ASTM E96 BWによって測定されるとき、約5,000g/m
2-24時間を超える、約6,000g/m
2-24時間を超える、約7,000g/m
2-24時間を超える、約8,000g/m
2-24時間を超える、約9,000g/m
2-24時間を超える、約10,000g/m
2-24時間を超える、又は15,000g/m
2-24時間と高い、20,000g/m
2-24時間と高いMVTRを有する、請求項1に記載の材料。
【請求項26】
織布又は不織布層が、前記スタックの一方又は両側に付着されている、請求項1に記載の材料。
【請求項27】
請求項1~26のいずれか一項に記載の材料を含む個人用保護具(PPE)。
【請求項28】
マスク、ハット、手術帽、グローブ、病衣、手術着、ジャケット、手術用靴カバー、防護服、ブランケット、手術用ドレープ、実験着、ユニホーム、カバーオール、プライバシーカーテン、ベスト、エプロン、化学防護服、及びボディースーツのうちのいずれか1つである、請求項27に記載の個人用保護具(PPE)。
【請求項29】
再利用可能又は使い捨て可能である、請求項27~28のいずれか一項に記載のPPE。
【請求項30】
血液及びウイルスのうちの少なくとも1つに耐性である個人用保護具(PPE)のための材料であって、1つの単軸延伸微孔性ポリマーフィルム又は2つ以上の単軸延伸微孔性ポリマーフィルムのスタックを含む、前記材料。
【請求項31】
前記単軸延伸微孔性フィルムが、ポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンコポリマー、又はポリプロピレン及び別のポリマーのブレンドを含む、請求項30に記載の材料。
【請求項32】
前記単軸延伸微孔性ポリマーフィルムが、乾式延伸プロセスによって形成されている、請求項30に記載の材料。
【請求項33】
前記の1つの単軸延伸微孔性ポリマーフィルム又は前記の2つ以上の単軸延伸微孔性ポリマーフィルムのスタックの厚さが、5~40ミクロンである、請求項30に記載の材料。
【請求項34】
前記の1つの単軸延伸微孔性ポリマーフィルム又は前記の2つ以上の単軸延伸微孔性ポリマーフィルムのスタックの厚さが、10~30ミクロンである、請求項33に記載の材料。
【請求項35】
ASTM E96 BWによって測定されるとき、約5,000g/m
2-24時間を超える、約6,000g/m
2-24時間を超える、約7,000g/m
2-24時間を超える、約8,000g/m
2-24時間を超える、約9,000g/m
2-24時間を超える、約10,000g/m
2-24時間を超える、又は15,000g/m
2-24時間と高い若しくは20,000g/m
2-24時間と高いMVTRを有する、請求項30に記載の材料。
【請求項36】
織布、不織布、及び二軸延伸微孔性フィルムのうちの少なくとも1つが、前記の1つの単軸延伸微孔性フィルム又は前記の2つ以上の単軸延伸微孔性フィルムのスタックの一方又は両側に付着されている、請求項30に記載の材料。
【請求項37】
請求項30~36のいずれか一項に記載の材料を含む個人用保護具(PPE)。
【請求項38】
マスク、ハット、手術帽、グローブ、病衣、手術着、ジャケット、手術用靴カバー、防護服、ブランケット、手術用ドレープ、実験着、ユニホーム、カバーオール、プライバシーカーテン、ベスト、エプロン、化学防護服、及びボディースーツのうちのいずれか1つである、請求項37に記載の個人用保護具(PPE)。
【請求項39】
使い捨て可能又は再利用可能である、請求項37及び38のいずれか一項に記載のPPE。
【請求項40】
血液及びウイルスのうちの少なくとも1つに耐性である個人用保護具のための材料であって:
二軸延伸微孔性フィルム;及び
前記二軸延伸微孔性フィルムの少なくとも1つの側に付着されている織布又は不織布
を含む、前記材料。
【請求項41】
前記二軸延伸微孔性フィルムが、乾式延伸プロセスによって作製されている、請求項40に記載の材料。
【請求項42】
前記二軸延伸微孔性フィルムが、ベータ-核形成プロセスを使用して形成されている、請求項40に記載の材料。
【請求項43】
織布又は不織布が、前記二軸延伸微孔性フィルムの両方の側に付着されている、請求項40に記載の材料。
【請求項44】
前記微孔性フィルムが、ポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンコポリマー、又はポリプロピレン及び別のポリマーのブレンドを含む、請求項40に記載の材料。
【請求項45】
60in-lbにおいてASTM F1671に合格する、請求項40に記載の材料。
【請求項46】
請求項40~45のいずれか一項に記載の材料を含む個人用保護具(PPE)。
【請求項47】
マスク、ハット、手術帽、グローブ、病衣、手術着、ジャケット、手術用靴カバー、防護服、ブランケット、手術用ドレープ、実験着、ユニホーム、カバーオール、プライバシーカーテン、ベスト、エプロン、化学防護服、及びボディースーツのうちのいずれか1つである、請求項46に記載のPPE。
【請求項48】
血液及びウイルスのうちの少なくとも1つに耐性である個人用保護具のための材料であって、多層微孔性フィルムを含み、前記多層微孔性フィルムの少なくとも1つの層の平均細孔径が、0.2ミクロン以下、0.15ミクロンミクロン以下、若しくは0.1ミクロン以下であり、及び/又は、前記多層微孔性フィルムの少なくとも1つの層の全細孔分布が、0.2ミクロン以下、0.15ミクロンミクロン以下、若しくは0.1ミクロン以下である、前記材料。
【請求項49】
少なくとも1つの層の平均細孔径が、0.1ミクロン未満である、請求項48に記載の材料。
【請求項50】
少なくとも1つの層の全細孔分布が、0.1ミクロン未満である、請求項48に記載の材料。
【請求項51】
前記少なくとも1つの層が、内層である、請求項48に記載の材料。
【請求項52】
前記多層微孔性フィルムが、積層された多層微孔性フィルム、共押出多層フィルム、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つである、請求項48に記載の材料。
【請求項53】
前記多層微孔性フィルムが、以下の構造を以下の順序で有する:
二軸延伸微孔性フィルム;
0.1ミクロン未満の平均細孔径又は0.1ミクロン未満の全細孔分布を有する多孔質フィルム;及び
二軸延伸微孔性フィルム
請求項48に記載の材料。
【請求項54】
前記二軸延伸微孔性フィルムのうちの少なくとも1つが、乾式延伸プロセスによって作製されている、請求項53に記載の材料。
【請求項55】
前記二軸延伸微孔性フィルムのうちの少なくとも1つが、ベータ-核形成プロセスによって作製されている、請求項53に記載の材料。
【請求項56】
前記二軸延伸フィルムのうちの少なくとも1つが、単層フィルムである、請求項53に記載の材料。
【請求項57】
前記二軸延伸フィルムのうちの少なくとも1つが、ポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンコポリマー、又はポリプロピレン及び少なくとも1つの他のポリマーのポリマーブレンドを含む、請求項53に記載の材料。
【請求項58】
前記二軸延伸フィルムのうちの少なくとも1つが、3~20%のPEを含むポリプロピレンコポリマーを含み、改良された手触りを前記材料に付与する、請求項57に記載の材料。
【請求項59】
60in-lbにおいてASTM F1671に合格する、請求項48~58のいずれか一項に記載の材料。
【請求項60】
請求項48~59のいずれか一項に記載の材料を含む個人用保護具(PPE)。
【請求項61】
マスク、ハット、手術帽、グローブ、病衣、手術着、ジャケット、手術用靴カバー、防護服、ブランケット、手術用ドレープ、実験着、ユニホーム、カバーオール、プライバシーカーテン、ベスト、エプロン、化学防護服、及びボディースーツのうちのいずれか1つである、請求項60に記載のPPE。
【請求項62】
前記二軸延伸微孔性ポリマーフィルムのうちの1つ以上のガーレーが、50s未満、40s未満、30s未満、20s未満、又は10s未満である、請求項1に記載の材料。
【請求項63】
血液及びウイルスのうちの少なくとも1つに耐性である個人用保護具(PPE)の改良されたポリマー膜又は層であって、前記膜が、少なくとも40インチ幅であり、且つ、2つ以上の二軸延伸微孔性ポリマーフィルムのスタックを含む、前記膜又は層。
【請求項64】
血液及びウイルスのうちの少なくとも1つに耐性である個人用保護具(PPE)の改良されたポリマー膜又は層であって、前記膜が、少なくとも40インチ幅であり、且つ、1つ以上の単軸延伸微孔性ポリマーフィルムを含む、前記膜又は層。
【請求項65】
前記微孔性ポリマーフィルムが、乾式延伸ポリオレフィン膜である、請求項63及び/又は64に記載の改良されたポリマー膜又は層。
【請求項66】
ガウン、フード、ブーツ、ドレープ、マスク、グローブ、ケープなどのうちのいずれか1つである、請求項27、37、46、又は60に記載のPPE。
【請求項67】
レベル3のガウン、フード、ブーツ、ドレープ、マスク、グローブ、ケープなどのうちのいずれか1つである、請求項27、37、46、又は60に記載のPPE。
【請求項68】
レベル4のガウン、フード、ブーツ、ドレープ、マスク、グローブ、ケープなどのうちのいずれか1つである、請求項27、37、46、又は60に記載のPPE。
【請求項69】
前記PPEが、レベル3又はレベル4のガウン、フード、ブーツ、ドレープ、マスク、グローブ、ケープなどのうちのいずれか1つであり、かかるレベルが、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)によって記載されている、請求項27、37、46、又は60に記載のPPE。
【請求項70】
限定することなく、水、血液、液体、ウイルス、又はこれらの組み合わせからの保護が望まれ得る使用を含めた、本明細書に開示されている材料の新規の又は改良された生成物、構成要素、又は使用であって;代替又は所望の布地、ファブリック、積層体、個人用保護具、衣類、又は同様のアイテムとして、本明細書において示され、記載され、又は特許請求されているように、限定することなく、以下:シャワーカーテン;車のシート;自動車用シートファブリック;補助椅子;自動車用ファブリック;自動車用シートカバー、ヘッドライナ、スピーカーカバー、フィルタ、若しくはドアパネル材料;内張若しくは家具ファブリック;屋外用家具ファブリック;屋外用家具カバー用材料;枕;パックアンドプレイ、バシネット、ポータブルクリブ、若しくは共同スリーパーを含めたベビーギア;車、車両若しくはバイクカバー;傘;日よけ;テント;例えばウイルス試験用のシフトテント;防水シート;装飾壁ファブリック;装飾用キュービクルファブリック;壁カバーリング;床カバーリング;窓カバーリング;ラグ;HVACフィルタ;エアフィルタ;フィルタ;医療用品、レベル1~3の製品;レベル1~4の製品;レベル3の製品;レベル4の製品;少なくとも40インチ幅の製品;少なくとも50インチ幅の製品;少なくとも60インチ幅の製品;クレープ製品;マイクロクレープ製品;ファブリック及び膜の積層体;ファブリック、接着剤、及び膜の積層体;少なくとも1つの繊維層及び少なくとも1つの膜層の積層体;コーティングされた積層体;1つの側がコーティングされた積層体;両側がコーティングされた積層体;レベル1~3の積層体;レベル1~4の積層体;レベル3の積層体;レベル4の積層体;並びに/又はこれらの組み合わせ;が挙げられる、前記の製品、構成要素、又は使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、透水耐性、血液侵入耐性、ウイルス侵入耐性、通気性、又はこれらのいずれかの組み合わせであり得る材料を対象とする。当該材料は、個人用保護材料自体、及び/又は他の層若しくは材料、例えば、編物、織布若しくは不織布層若しくは材料との組み合わせに有用であり得る。
【背景技術】
【0002】
個人用保護具(PPE)は、特にエピデミック及びパンデミックの際に必須である。アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は、レベル1、レベル2、レベル3及びレベル4の保護具について基準を設定している。レベル4が、最も保護するものであり、レベル1が、最も保護しないものである。いくつかの2020基準を以下の表に記載する:
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
個人用保護具(PPE)のための新規のタイプの材料が必要とされている。欠失している現在のPPE材料の1つの特徴は、その快適性又は通気性である。現在のPPE材料のいくつかは、非常に低い水蒸気透過率(MVTR)を有する。MVTRは、材料の空気透過性又は快適性を示すものである。そのため、改良された快適性又は通気性を有するPPE材料が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様において、上記のアメリカ疾病予防管理センター(CDC)によって記載されているレベルであるレベル1~3又はレベル1~4の要件を満たす材料又は個人用保護具(PPE)のための新規の材料を開示する。例えば、かかる材料は、60in-lb又は120in-lbのトルク圧においてナイロンメッシュ保持スクリーンを使用する、ASTM F1671手順Bに合格し得る。かかる材料は、ASTM F1671を使用して試験されるとき、10以下のプラーク形成単位(PFU)、5PFU以下、約0PFU、又は0PFUの結果を与え得る。加えて、かかる材料は、現在利用可能な個人用保護具(PPE)材料と比較して、及び、本明細書に記載されている他の実施形態と比較して、改良された快適性又は通気性を有し得る。例えば、かかる材料は、ASTM E96BW「逆カップ」によって測定されるとき、1,000g/m2/24時間以上、5,000g/m2/24時間以上、5,500g/m2/24時間以上、6,000g/m2/24時間以上、6,500g/m2/24時間以上 7,000g/m2/24時間以上、7,500g/m2/24時間以上、8,000g/m2/24時間以上、8,500g/m2/24時間以上、9,000g/m2/24時間以上、又は9,500g/m2/時間以上、10,000g/m2/24時間以上、10,500g/m2/24時間以上、11,000g/m2/24時間以上、11,500g/m2/24時間以上、又は12,000g/m2/24時間以上、又は12,500g/m2/24時間以上、又は13,000g/m2/24時間以上である水蒸気透過率(MVTR)を有していてよい。ASTM E96BW「逆カップ」によって測定されるときのMVTRは、15,000g/m2-24時間と高くてよく、20,000g/m2-24時間と高くてよく、25,000g/m2-24時間と高くてよく、又は30,000g/m2-24時間と高くてよい。
【0006】
上記段落に記載されている材料は、2つ以上の二軸延伸微孔性フィルムのスタックを含んでいてよい。スタックは、いくつかの実施形態において、3つ以上の二軸延伸微孔性フィルムを含んでいてよい。
【0007】
スタックにおける二軸延伸微孔性フィルムは、5~50ミクロン又は恐らく10~20ミクロンの厚さを有していてよい。
【0008】
いくつかの実施形態において、スタックにおける2つ以上の二軸延伸微孔性フィルムのうちの少なくとも1つ又は全てが、乾式延伸プロセスを使用して形成される。いくつかの実施形態において、スタックにおける2つ以上の二軸延伸微孔性フィルムのうちの少なくとも1つ又は全てが、ベータ-核形成プロセスを使用して形成される。いくつかの実施形態において、これらは、湿式プロセスによって形成されてよい。
【0009】
スタックにおける2つ以上の二軸延伸微孔性フィルムのうちの少なくとも1つが、単層、2層、3層、又は多層微孔性フィルムであってよい。いくつかの実施形態において、スタックにおける2つ以上の二軸延伸微孔性フィルムの全てが、単層、2層、3層、又は多層微孔性フィルムであってよい。
【0010】
いくつかの実施形態において、2つ以上の二軸延伸微孔性ポリマーフィルムのうちの少なくとも1つが、ポリプロピレン(PP)ホモポリマー、PPコポリマー、又はPPと1つ以上の他のポリマーとのブレンドを含む。いくつかの実施形態において、2つ以上の二軸延伸微孔性ポリマーフィルムの全てが、ポリプロピレン(PP)ホモポリマー、PPコポリマー、又はPPと1つ以上の他のポリマーとのブレンドを含む。
【0011】
いくつかの好ましい実施形態において、2つ以上の二軸延伸微孔性ポリマーフィルムのうちの少なくとも1つ又は全てが、ポリプロピレン(PP)コポリマーを含む。ポリプロピレン(PP)コポリマーは、3~20%のポリエチレン(PE)を含んでいてよい。
【0012】
スタックのそれぞれのフィルムは、少なくとも1つの他のフィルムに隣接していてよい。さらに、フィルムは、いくつかの実施形態において、互いに、積層され、接合され、接着され、超音波溶接され、又は他の場合には付着されていてよい。いくつかの実施形態において、これらは、互いに付着されていなくてよい。例えば、これらは、静電結合によって一緒に保持されていてよい。いくつかの実施形態において、スタックの微孔性ポリマーフィルムは、少なくとも1つの縁の少なくとも一部に沿って付着されていてよい。
【0013】
いくつかの実施形態において、上記材料は、2つ以上の二軸延伸微孔性フィルムのスタックの少なくとも1つの表面に付着されている織布又は不織布を含んでいてよい。いくつかの実施形態において、上記材料は、2つ以上の二軸延伸微孔性フィルムのスタックの両側に付着されている織布又は不織布を含んでいてよい。
【0014】
別の態様において、上記のアメリカ疾病予防管理センター(CDC)によって記載されているレベルであるレベル1~3又はレベル1~4の要件を満たす個人用保護具(PPE)のための別の材料又は新規の材料を開示する。かかる材料は、1つ以上を含んでいてよい かかる材料は、1つ以上の単軸延伸微孔性ポリマーフィルムを含んでいてよい。いくつかの好ましい実施形態において、1つ以上の単軸延伸微孔性フィルムのうちの少なくとも1つが、乾式延伸プロセスを使用して形成されてよい。1つ以上の単軸延伸微孔性フィルムのうちの少なくとも1つが、単層、2層、3層、又は多層単軸延伸微孔性フィルムであってよい。少なくとも1つの単軸延伸微孔性フィルムが、スリット形状の細孔を有していてよい。少なくとも1つの単軸延伸微孔性フィルムの厚さは、5~100ミクロン、5~50ミクロン、5~40ミクロン、5~30ミクロン、5~25ミクロン、5~20ミクロン、5~15ミクロン、又は5~10ミクロンであってよい。加えて、上記材料は、現在利用可能な個人用保護具(PPE)材料と比較して改良された快適性又は通気性を有していてよい。例えば、上記材料は、ASTM E96BW「逆カップ」によって測定されるとき、1,000g/m2/24時間以上、5,000g/m2/24時間以上、5,500g/m2/24時間以上、6,000g/m2/24時間以上、6,500g/m2/24時間以上 7,000g/m2/24時間、7,500g/m2/24時間以上、8,000g/m2/24時間以上、8,500g/m2/24時間以上、9,000g/m2/24時間以上、又は9,500g/m2/時間以上、10,000g/m2/24時間以上、10,500g/m2/24時間以上、11,000g/m2/24時間以上、11,500g/m2/24時間以上、又は12,000g/m2/24時間以上、又は12,500g/m2/24時間以上、又は13,000g/m2/24時間以上である水蒸気透過率(MVTR)を有していてよい。ASTM E96BW「逆カップ」によって測定されるときのMVTRは、20,000g/m2-24時間と高くてよい。
【0015】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの単軸延伸微孔性フィルムは、ポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンコポリマー、又はポリプロピレン及び別のポリマーのブレンドを含む。
【0016】
いくつかの実施形態において、織布又は不織布が、1つ以上の単軸延伸微孔性ポリマーフィルムのスタックの少なくとも1つの側に付着されている。いくつかの実施形態において、織布又は不織布が、1つ以上の単軸延伸微孔性ポリマーフィルムのスタックの両側に付着されている。
【0017】
別の態様において、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)によって記載されているレベルであるレベル1~3又はレベル1~4の要件を満たす個人用保護具(PPE)のためのさらに別の材料又は新規の材料を開示する。かかる材料は、多層微孔性フィルムを含んでいてよく、多層微孔性フィルムの少なくとも1つの層の平均細孔径が、0.1ミクロン未満であり、又は、多層微孔性フィルムの少なくとも1つの層の全細孔分布が、0.1ミクロン未満である。いくつかの実施形態において、0.1ミクロン未満の平均細孔径又は0.1ミクロン未満の全細孔分布を有する多層微孔性フィルムの少なくとも1つの層が、内層である。いくつかの実施形態において、多層微孔性フィルムは、積層された多層微孔性フィルム、共押出多層フィルム、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つであってよい。
【0018】
1つの恐らく好ましい実施形態において、多層微孔性フィルムは、以下の構造を以下の順序で有していてよい:二軸延伸微孔性フィルム;0.1ミクロン未満の平均細孔径又は0.1ミクロン未満の全細孔分布を有する多孔質フィルム;及び二軸延伸微孔性フィルム。二軸延伸微孔性フィルムのうちの少なくとも1つが、乾式延伸プロセスによって又はベータ-核形成プロセスによって作製されていてよい。いくつかの実施形態において、二軸延伸フィルムのうちの少なくとも1つが、単層フィルムである。いくつかの実施形態において、二軸延伸フィルムのうちの少なくとも1つが、ポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンコポリマー、又はポリプロピレン及び少なくとも1つの他のポリマーのポリマーブレンドを含んでいてよい。恐らく好ましい実施形態において、二軸延伸フィルムのうちの少なくとも1つが、3~20%のPEを含むポリプロピレンコポリマーを含む。
【0019】
別の態様において、本明細書に記載されているPPE用材料のいずれか1つを含む個人用保護具(PPE)を記載する。PPEは、マスク、ハット、手術帽、グローブ、病衣、手術着、ジャケット、手術用靴カバー、防護服、ブランケット、手術用ドレープ、実験着、カバーオール、プライバシーカーテン、ベスト、エプロン、化学防護服、及びボディースーツのうちのいずれか1つであってよい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、乾式プロセスによって形成される例示的な二軸延伸微孔性フィルムのSEMである。
【
図2】
図2は、乾式プロセスによって形成される例示的な二軸延伸微孔性フィルムのSEMである。
【
図3】
図3は、乾式プロセスによって形成される例示的な二軸延伸微孔性フィルムのSEMである。
【
図4】
図4は、ベータ-核形成プロセスによって形成される例示的な二軸延伸微孔性フィルムのSEMである。
【
図5】
図5は、例示的な単軸延伸微孔性フィルムのSEMである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本明細書に記載されている実施形態は、以下の詳細な説明及び例を参照することによってより容易に理解され得る。本明細書に記載されている要素、装置及び方法は、しかし、詳細な説明及び例に提示されている具体的な実施形態に限定されない。これらの実施形態は、単に、本開示の原理を示すだけであるということが理解されるべきである。本開示の精神及び範囲から逸脱することなく多くの変更及び適応が当業者に容易に明らかであろう。
【0022】
また、本明細書に開示されている全ての範囲が、本明細書に組み入れられるありとあらゆるサブ範囲を包含することが理解されるべきである。例えば、「1.0~10.0」と記述されている範囲は、1.0以上の最小値によって開始して10.0以下の最大値によって終端するありとあらゆるサブ範囲、例えば、1.0~5.3、又は4.7~10.0、又は3.6~7.9を含むとされるべきである。
【0023】
本明細書に開示されている全ての範囲もまた、別途明確に記述されていない限り、当該範囲の終点も含むとされるべきである。例えば、「5及び10の間」、「5から10」、又は「5~10」の範囲は、概して、終点5及び10を含むとされるべきである。
【0024】
さらに、句「最大で」が、量(amount)又は量(quantity)と併せて使用されているとき、当該量は、少なくとも検出可能な量(amount)又は量(quantity)であることが理解されるべきである。例えば、「最大で」特定の量である量で存在する材料は、検出可能な量から最大で特定の量(包含)で存在し得る。
【0025】
2層延伸微孔性フィルムを含む材料
1つ以上の二軸延伸微孔性フィルムを含む、これからなる又はこれから本質的になる個人用保護具(PPE)のための材料を本明細書に記載する。単一の二軸延伸微孔性フィルムは、他の特性の中でも、ASTM F1670によって試験されるときの血液への耐性と、耐水性と、通気性又は快適性とを付与し得る。いくつかの好ましい実施形態において、PPE用材料は、2つ以上の二軸延伸微孔性フィルムを含んでいてよい。2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、9つ以上、又は10個以上の二軸延伸微孔性フィルムを含むこれらの材料は、単一の二軸延伸微孔性フィルムが使用される実施形態によって既に付与されている特性に加えて、ASTM F1671によって試験されるときのウイルスに対する耐性を付与することが見出された。例えば、2つ以上の二軸延伸微孔性フィルムのスタックを含む、これからなる又はこれから本質的になる材料は、典型的な120in-lbの代わりに60in-lbにおける変更されたASTM F1671によって認定研究所において試験されるとき、合格することが見出された。この試験に合格するためには、ゼロのプラーク形成単位の結果が必要とされる。
【0026】
加えて、上記材料は、現在利用可能な個人用保護具(PPE)材料と比較して、及び、本明細書に記載されている他の実施形態と比較して、改良された快適性又は通気性を有していてよい。例えば、上記材料は、ASTM E96BW「逆カップ」によって測定されるとき、1,000g/m2/24時間以上、5,000g/m2/24時間以上、5,500g/m2/24時間以上、6,000g/m2/24時間以上、6,500g/m2/24時間以上 7,000g/m2/24時間、7,500g/m2/24時間以上、8,000g/m2/24時間以上、8,500g/m2/24時間以上、9,000g/m2/24時間以上、又は9,500g/m2/時間以上、10,000g/m2/24時間以上、10,500g/m2/24時間以上、11,000g/m2/24時間以上、11,500g/m2/24時間以上、又は12,000g/m2/24時間以上、又は12,500g/m2/24時間以上、又は13,000g/m2/24時間以上である水蒸気透過率(MVTR)を有していてよい。ASTM E96BW「逆カップ」によって測定されるときのMVTRは、15,000g/m2-24時間と高くてよく、20,000g/m2-24時間と高くてよく、25,000g/m2-24時間と高くてよく、又は30,000g/m2-24時間と高くてよい。
【0027】
いくつかの実施形態において、材料の二軸延伸フィルムは、Celgard(登録商標)乾式延伸プロセスを含めた乾式延伸プロセスを使用して形成される二軸延伸フィルムであってよい。典型的な乾式延伸プロセスは、溶媒若しくは油を使用しない又は最少量のみの溶媒若しくは油を使用するポリマーの押出を含む。押出されたフィルムは、次いで、機械方向(MD)に延伸されて細孔を形成する。二軸延伸フィルムは、別の方向にさらに延伸される。例えば、フィルムはまた、MDと垂直である横方向(TD)に延伸されてもよい。TDにおける延伸は、1x~10x、1x~9x、1x~8x、1x~7x、1x~6x、1x~5x、1x~4x、1x~3x、又は1x~2xであってよい。例示的な二軸延伸微孔性フィルムは、例えば、米国特許第8,795,565号(’565特許)(米国特許出願第2017/0084898号(’898出願))、及び米国特許出願第2017/0266865号(’865出願)に開示されており、両方が、全体が参照により本明細書に組み込まれる。乾式延伸プロセスによって形成される二軸延伸フィルムは、円形又は実質的に円形状の細孔、台形の細孔、矩形状の細孔などを有する。これは、スリット形状の細孔と比較して、乾式延伸プロセスによって形成される単軸延伸微孔性フィルムに特有である。乾式延伸プロセスを使用して作製される二軸延伸微孔性フィルムの例示的なSEMを
図1、
図2、及び
図3に示す。
【0028】
いくつかの他の実施形態において、二軸延伸微孔性フィルムは、ベータ-核形成プロセスを使用して形成されてよい。かかるプロセスは、ベータ核形成体又はベータ核形成剤を使用する、ポリマーの押出を含んでいてよい。例えば、フィルムは、二軸配向ポリプロピレン(BOPP)フィルムとも呼ばれる、ベータ-核形成された、二軸配向ポリプロピレン(BNBOPP)フィルムであってよい。
図4は、ここで、ベータ-核形成体又はベータ-核形成剤を使用して形成される例示的なBNBOPP又はBOPPフィルムの構造を示す。このプロセスは、MD及びTDにおける延伸を含んでいてよく、TDにおける延伸は、1x~10x、1x~9x、1x~8x、1x~7x、1x~6x、1x~5x、1x~4x、1x~3x、又は1x~3xであってよい。
【0029】
ある特定の実施形態において、生成物は、MD及び/若しくはTDに延伸されてよく、並びに/又は、プロセスは、MD及び/若しくはTDにおける延伸を含んでいてよく、並びに/又は、TD延伸は、制御されたMD緩和を含んでいてよい。
【0030】
いくつかの実施形態において、上記材料は、幅広である必要があり得、そのため、二軸延伸フィルムは、幅広である必要がある。例えば、これは、少なくとも40インチ幅、少なくとも50インチ幅、少なくとも55インチ幅、少なくとも60インチ幅、少なくとも65インチ幅、又は少なくとも70インチ幅である必要があり得る。
【0031】
幅広のフィルムを作製するための方法は、さほど限定されず、以下のいずれか1つ又はこれらの組み合わせを含んでいてよい:1)幅広のスロットダイを使用すること;2)より大きい環状ダイの使用;3)TD延伸を増加させること;4)他の方法の中でも、2つの縁を重ね合わせること又は当接する縁にわたってシームテープを適用することを含んでいてよい、2つ以上の片を一緒に縫い合わせること;5)延伸前の泡の単一の螺旋状の切り込み及びレイフラット、延伸の前又は後の単一の直線状の切り込み及び解放、並びにその他のうちのいずれか1つ又はこれらの組み合わせを使用することによって泡を解放すること;6)泡押出プロセスの泡を展開すること(崩壊した泡の一方の側の切り込み、次いで延伸の前又は後に展開);7)1~6の組み合わせ;8)泡押出プロセスの崩壊した泡に一方の側において切り込みを入れ、これをMD延伸し、次いでTD延伸し、次いで展開すること;9)泡に切り込みを入れないで泡を崩壊させ、これをMD延伸し、次いでTD延伸し、次いで圧延して、幅広の切り込み無しのロール形態とし、両側に切り込みを入れ、一方の側に切り込みを入れ、且つ展開し、又は、そのまま使用する。
【0032】
いくつかの実施形態において、二軸延伸微孔性フィルムの平均細孔径は、0.05~1ミクロン、0.05~0.9ミクロン、0.05~0.8ミクロン、0.05~0.7ミクロン、0.05~0.6ミクロン、0.05~0.5ミクロン、0.05~0.4ミクロン、0.05~0.3ミクロン、0.05~0.2ミクロン、又は0.05~0.1ミクロンの範囲である。0.02~0.4、0.02~0.3、0.02~0.2又は0.02~0.1の範囲が、大部分のウイルスが、20~400ナノメータ(0.02~0.4ミクロン)のサイズの範囲であるという事実に鑑みて、恐らく好ましい。
【0033】
いくつかの恐らく好ましい実施形態において、二軸延伸微孔性フィルムは、細孔の100%が、1ミクロン以下、0.9ミクロン以下、0.8ミクロン以下、0.7ミクロン以下、0.6ミクロン以下、0.5ミクロン以下、0.4ミクロン以下、0.3ミクロン以下、0.2ミクロン以下、0.1ミクロン以下、0.05ミクロン以下、又は0.02ミクロン以下の直径を有するような細孔径分布を有する。いくつかの実施形態において、細孔の95%又は90%が、1ミクロン以下、0.9ミクロン以下、0.8ミクロン以下、0.7ミクロン以下、0.6ミクロン以下、0.5ミクロン以下、0.4ミクロン以下、0.3ミクロン以下、0.2ミクロン以下、0.1ミクロン以下、0.05ミクロン以下、又は0.02ミクロン以下の直径を有する。二軸延伸微孔性フィルムは、単軸でのみ延伸されているフィルムよりも大きく且つ異なる形状の細孔を典型的には有する。
【0034】
スタックにおける二軸延伸微孔性フィルムのうちの1つ以上が、5~50ミクロン、10~50ミクロン、15~50ミクロン、20~50ミクロン、25~50ミクロン、30~50ミクロン、35~50ミクロン、40~50ミクロン、又は45~50ミクロンの厚さを有していてよい。フィルムはまた、いくつかの実施形態において、50ミクロンより厚く、100ミクロンより厚く、150ミクロンより厚く、200ミクロンより厚く、又は最大400ミクロンより厚くてもよい。より厚いフィルムは、ウイルスにより耐性であることができ得るが、通気性がより低くなり得又はより低い快適性を与え得る。
【0035】
いくつかの実施形態において、スタックにおける二軸延伸微孔性フィルムのうちの1つ以上のガーレーは、50s未満、45s未満、40s未満、35s未満、30s未満、25s未満、20s未満、15s未満、又は10s未満であってよい。いくつかの好ましい実施形態において、ガーレーは、30s未満、25s未満、20s未満、15s未満、又は10s未満であってよい。フィルムのより低いガーレーは、得られる材料の快適性及び通気性に寄与し得る。
【0036】
スタックのいくつか又は全てのフィルムが、ポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンコポリマー、又はポリプロピレン及び少なくとも1つの他のポリマーのブレンドを含んでいてよく、これからなっていてよく、又はこれから本質的になっていてよい。しかし、材料は、さほど限定されず、大部分の任意の熱可塑性ポリマーが機能し得る。
【0037】
好ましい実施形態において、スタックのフィルムのいくつか又は全てが、1~20%、2~20%、3~20%、4~20%、5~20%、6~20%、7~20%、8~20%、9~20%、10~20%、11~20%、12~20%、13~20%、14~20%、15~20%、16~20%、17~20%、18~20%、又は19~20%のポリエチレン(PE)を含むポリプロピレン(PP)のコポリマーを含んでいてよく、これからなっていてよく、又はこれから本質的になっていてよい。好ましくは、PEの量は、3~20%のPE又は3~10%のPEである。上記のPP-PEコポリマーの使用は、改良された手触りを有するフィルム、スタック、及び/又は材料を結果として生じさせ得る。
【0038】
二軸延伸フィルムは、単層、2層、3層、又は多層フィルムであってよい。2層、3層、及び多層フィルムは、2つの層、3つの層、又は3つ以上の層が一緒に共押出されている、共押出された2層、3層又は多層フィルムであってよい。これらはまた、2つの単層、3つの単層、又は4つ以上の単層が一緒に積層されている、積層された2層、3層、又は多層フィルムであることもできる。いくつかの実施形態において、3層又は多層フィルムは、共押出及び積層の組み合わせを使用して形成されてよい。例えば、共押出された2層は、単層に積層されて3層フィルムを形成してよく、2つの共押出された2層は、一緒に積層されて4層の多層フィルムを形成してよく、3つの共押出された3層は、一緒に積層されて、9層の多層フィルムを形成してよい。
【0039】
いくつかの好ましい実施形態において、二軸延伸微孔性フィルムの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、又は10個以上の層のスタックの層は、介在するフィルム又は層を用いずに互いの上部に積み重ねられてよい。スタックのそれぞれのフィルムが、いずれの他の介在するフィルム又は層も無く少なくとも1つの他の層に直接隣接していてよい。いくつかの実施形態において、スタックのそれぞれのフィルムが、接着剤層を除いてよいいずれの他の介在するフィルム又は層も無く少なくとも1つの他の層に直接隣接していてよい。いくつかの実施形態において、接着剤以外の介在する層が存在していてよい。
【0040】
スタックのフィルムのいくつか又は全てが、少なくとも1つの他のフィルムに付着されていても付着されていなくてもよい。好ましい実施形態において、スタックのフィルムのいくつか又は全てが、少なくとも1つの他のフィルムに付着されている。フィルムは、限定されないが、接着剤の使用、熱、圧力又は熱及び圧力を使用した積層、超音波溶接、接合などを含めた任意の手段によって付着されていてよい。
【0041】
いくつかの実施形態において、スタックは、その少なくとも1つの側に付着されている、織布材料及び不織布材料の少なくとも1つを有していてよい。いくつかの実施形態において、織布材料及び不織布材料の少なくとも1つが、スタックの両側に付着されていてよい。スタックのいずれの側の材料も、同じであっても異なっていてもよい。
【0042】
単軸微孔性フィルムを含む材料
1つの単軸延伸微孔性フィルム又は2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、9つ以上、若しくは10個以上の単軸-延伸微孔性フィルムのスタックを含む、これからなる又はこれから本質的になる個人用保護具(PPE)のための材料を本明細書に記載する。単一の単軸延伸微孔性フィルムは、ASTM F1670によって試験されるときの血液への耐性、耐水性、及び典型的な120in-lbの代わりに60in-lbでの変更されたASTM F1671によって試験されるときのウイルスに対する耐性を付与し得る。いくつかの単軸延伸フィルムは、ASTM F1670によって試験されるときの血液への耐性、及び耐水性のみを付与し得、典型的な120in-lbの代わりに60in-lbでの変更されたASTM F1671によって試験されるときのウイルスについては付与しない。いずれの特定の理論によっても拘束されることを望まないが、血液耐性を付与するがウイルス耐性を付与しない単軸延伸フィルムは、血液耐性及びウイルス耐性の両方を付与する単軸延伸フィルムよりも延伸されていて、結果として、ウイルスを通過させる細孔を生じさせ得るとされている。代替的には、異なるポリマー、例えば、ポリエチレンが使用されてよいとき、より大きな細孔は、別のポリマー、例えば、ポリプロピレンを結果として生じない同様の延伸条件から得られ得る。
【0043】
しかし、単軸延伸微孔性フィルムによって作製される材料は、二軸延伸微孔性フィルムを使用して作製されるものほど通気性又は快適性でない場合がある。しかし、これらは、市場において現在入手可能である個人用保護具(PPE)よりも通気性であることが分かる。例えば、上記材料は、ASTM E96BW「逆カップ」によって測定されるとき、1,000g/m2/24時間以上、5,000g/m2/24時間以上、5,500g/m2/24時間以上、6,000g/m2/24時間以上、6,500g/m2/24時間以上 7,000g/m2/24時間、7,500g/m2/24時間以上、8,000g/m2/24時間以上、8,500g/m2/24時間以上、9,000g/m2/24時間以上、又は9,500g/m2/時間以上、10,000g/m2/24時間以上、10,500g/m2/24時間以上、11,000g/m2/24時間以上、11,500g/m2/24時間以上、又は12,000g/m2/24時間以上、又は12,500g/m2/24時間以上、又は13,000g/m2/24時間以上である水蒸気透過率(MVTR)を有していてよい。ASTM E96BW「逆カップ」によって測定されるときのMVTRは、15,000g/m2-24時間と高くてよく、20,000g/m2-24時間と高くてよく、25,000g/m2-24時間と高くてよく、又は30,000g/m2-24時間と高くてよい。
【0044】
いくつかの実施形態において、材料の単軸延伸フィルムは、Celgard(登録商標)乾式延伸プロセスを含めた乾式延伸プロセスを使用して形成される単軸延伸フィルムであってよい。典型的な乾式延伸プロセスは、溶媒若しくは油を使用しない又は最少量のみの溶媒若しくは油を使用するポリマーの押出を含む。押出されたフィルムは、次いで、機械方向(MD)に延伸されて細孔を形成する。いくつかの実施形態において、単軸延伸フィルムは、湿式プロセスを使用して形成されてよい。
【0045】
いくつかの実施形態において、上記材料は、幅広である必要があり得、そのため、単軸延伸フィルムは、幅広である必要がある。例えば、これは、少なくとも40インチ幅、少なくとも50インチ幅、少なくとも55インチ幅、少なくとも60インチ幅、少なくとも65インチ幅、又は少なくとも70インチ幅である必要があり得る。
【0046】
幅広のフィルムを作製するための方法は、さほど限定されず、以下のいずれか1つ又はこれらの組み合わせを含んでいてよい:1)幅広のスロットダイを使用すること;2)より大きい環状ダイの使用;3)他の方法の中でも、2つの縁を重ね合わせること又は当接する縁にわたってシームテープを適用することを含んでいてよい、2つ以上の片を縫い合わせること;4)延伸前の泡の単一の螺旋状の切り込み及びレイフラット、延伸の前又は後の単一の直線状の切り込み及び解放、並びにその他のうちのいずれか1つ又はこれらの組み合わせを使用することによって泡を解放すること;5)泡押出プロセスの泡を展開すること(崩壊した泡の一方の側の切り込み、次いで延伸の前又は後に展開);6)1~5の組み合わせ。
【0047】
いくつかの実施形態において、単軸延伸微孔性フィルムの平均細孔径は、0.05~1ミクロン、0.05~0.9ミクロン、0.05~0.8ミクロン、0.05~0.7ミクロン、0.05~0.6ミクロン、0.05~0.5ミクロン、0.05~0.4ミクロン、0.05~0.3ミクロン、0.05~0.2ミクロン、又は0.05~0.1ミクロンの範囲である。0.02~0.4、0.02~0.3、0.02~0.2又は0.02~0.1の範囲が、大部分のウイルスが20~400ナノメータ(0.02~0.4ミクロン)のサイズの範囲であるという事実に鑑みて、恐らく好ましい。
【0048】
いくつかの恐らく好ましい実施形態において、単軸延伸微孔性フィルムは、細孔の100%が、1ミクロン以下、0.9ミクロン以下、0.8ミクロン以下、0.7ミクロン以下、0.6ミクロン以下、0.5ミクロン以下、0.4ミクロン以下、0.3ミクロン以下、0.2ミクロン以下、0.1ミクロン以下、0.05ミクロン以下、又は0.02ミクロン以下の直径を有するような細孔径分布を有する。いくつかの実施形態において、細孔の95%又は90%が、1ミクロン以下、0.9ミクロン以下、0.8ミクロン以下、0.7ミクロン以下、0.6ミクロン以下、0.5ミクロン以下、0.4ミクロン以下、0.3ミクロン以下、0.2ミクロン以下、0.1ミクロン以下、0.05ミクロン以下、又は0.02ミクロン以下の直径を有する。
【0049】
単軸延伸微孔性フィルムの1つ以上が、5~50ミクロン、10~50ミクロン、15~50ミクロン、20~50ミクロン、25~50ミクロン、30~50ミクロン、35~50ミクロン、40~50ミクロン、又は45~50ミクロンの厚さを有していてよい。フィルムはまた、いくつかの実施形態において、50ミクロンより厚く、100ミクロンより厚く、150ミクロンより厚く、200ミクロンより厚く、又は最大で400ミクロンの厚さであってもよい。より厚いフィルムは、ウイルスにより耐性であることができ得る。
【0050】
いくつか又は全てのフィルムが、ポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンコポリマー、又はポリプロピレン及び少なくとも1つの他のポリマーのブレンドを含んでいてよく、これからなっていてよく、又はこれから本質的になっていてよい。しかし、材料は、さほど限定されず、大部分の任意の熱可塑性ポリマーが機能し得る。
【0051】
好ましい実施形態において、フィルムのいくつか又は全てが、1~20%、2~20%、3~20%、4~20%、5~20%、6~20%、7~20%、8~20%、9~20%、10~20%、11~20%、12~20%、13~20%、14~20%、15~20%、16~20%、17~20%、18~20%、又は19~20%のポリエチレン(PE)を含むポリプロピレン(PP)のコポリマーを含んでいてよく、これからなっていてよく、又はこれから本質的になっていてよい。好ましくは、PEの量は、3~20%のPE又は3~10%のPEである。上記のPP-PEコポリマーの使用は、改良された手触りを有するフィルム、スタック、及び/又は材料を結果として生じさせ得る。
【0052】
単軸延伸フィルムは、単層、2層、3層、又は多層フィルムであってよい。2層、3層、及び多層フィルムは、2つの層、3つの層、又は3つ以上の層が一緒に共押出されている、共押出された2層、3層又は多層フィルムであってよい。これらはまた、2つの単層、3つの単層、又は4つ以上の単層が一緒に積層されている、積層された2層、3層、又は多層フィルムであることもできる。いくつかの実施形態において、3層又は多層フィルムは、共押出及び積層の組み合わせを使用して形成されてよい。例えば、共押出された2層は、単層に積層されて3層フィルムを形成してよく、2つの共押出された2層は、一緒に積層されて4層の多層フィルムを形成してよく、3つの共押出された3層は、一緒に積層されて、9層の多層フィルムを形成してよい。
【0053】
いくつかの好ましい実施形態において、単一の単軸延伸微孔性フィルムが、上記材料を形成するために使用されてよい。しかし、単軸延伸微孔性フィルムのスタックもまた使用されてよい。スタックにおいて、単軸延伸微孔性フィルムの2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、又は10個以上の層のスタックが、介在するフィルム又は層を用いずに互いの上部に積み重ねられてよい。スタックのそれぞれのフィルムが、いずれの他の介在するフィルム又は層も無く少なくとも1つの他の層に直接隣接していてよい。いくつかの実施形態において、スタックのそれぞれのフィルムが、接着剤層を除いてよいいずれの他の介在するフィルム又は層も無く少なくとも1つの他の層に直接隣接していてよい。いくつかの実施形態において、接着剤以外の介在する層が存在していてよい。
【0054】
スタックのフィルムのいくつか又は全てが、少なくとも1つの他のフィルムに付着されていても付着されていなくてもよい。好ましい実施形態において、スタックのフィルムのいくつか又は全てが、少なくとも1つの他のフィルムに付着されている。フィルムは、限定されないが、接着剤の使用、熱、圧力又は熱及び圧力を使用した積層、超音波溶接、接合などを含めた任意の手段によって付着されていてよい。
【0055】
いくつかの実施形態において、1つ以上の単軸延伸フィルムが、1つ以上の二軸延伸フィルムに付着されていてよい。
【0056】
いくつかの実施形態において、単一の単軸延伸微孔性フィルム、又は単軸延伸微孔性フィルムのスタックは、その少なくとも1つの側に付着されている、織布材料及び不織布材料の少なくとも1つを有していてよい。いくつかの実施形態において、織布材料及び不織布材料の少なくとも1つが、スタックの両側に付着されていてよい。スタックのいずれの側の材料も、同じであっても異なっていてもよい。
【0057】
多層微孔性フィルム材料
耐水性、ASTM F1670によって試験されるときの血液侵入への耐性、及びASTM F1671によって試験されるときのウイルス侵入耐性のうちの少なくとも1つを有し得る材料を本明細書に開示する。いくつかの実施形態において、この材料はまた、良好な手触り又は感覚も示し得る。
【0058】
上記材料は、多層微孔性フィルムを含んでいてよく、これからなっていてよく、又はこれから本質的になっていてよい。多層微孔性フィルムは、以下の特性:約0.2、0.15、又は0.1ミクロン以下の平均細孔径及び約0.2、0.15、又は0.1ミクロン以下の全細孔分布;のうちの少なくとも1つを有する少なくとも1つの層を含む。少なくとも1つの層が、約0.1ミクロン未満の平均細孔径及び約0.1ミクロン未満の全細孔分布を有することが好ましい。0.1ミクロン未満の全細孔分布を有するとは、当該層における細孔の100%が、0.1ミクロン以下のサイズを有することを意味する。
【0059】
多層微孔性フィルムは、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10個以上の層を有していてよい。多層微孔性フィルムは、共押出、積層、又は共押出及び積層の組み合わせによって形成されてよい。例えば、2つの層のフィルムは、2つの層を共押出すること又は2つの層を一緒に積層することによって形成されてよい。9つの層のフィルムは、3つの3層を共押出すること及びこれらを一緒に積層することによって形成されてよい。
【0060】
いくつかの実施形態において、約0.2、0.15、若しくは0.1ミクロン以下の平均細孔径及び/又は約0.2、0.15、若しくは0.1ミクロン以下の全細孔分布を有する少なくとも1つの層が、内層である。
【0061】
恐らく好ましい実施形態において、多層微孔性フィルムは、以下の層を以下の順序で有していてよい:二軸延伸微孔性フィルム層;0.1ミクロン未満の平均細孔径及び/又は0.1ミクロン未満の全細孔分布を有する多孔質フィルム層;並びに二軸延伸微孔性フィルム層。この実施形態において、二軸延伸微孔性フィルムのうちの少なくとも1つが、乾式延伸プロセスによって作製されてよい。いくつかの実施形態において、両方がそうである。代替として、二軸延伸微孔性フィルムのうちの少なくとも1つが、ベータ-核形成プロセスを使用して作製されてよい。
【0062】
いくつかの好ましい実施形態において、二軸延伸フィルムは、単層フィルムであるが、2層、3層、又は多層フィルムであってもよい。
【0063】
二軸延伸フィルムの材料は、さほど限定されない。押出され得るいずれの熱可塑性ポリマーが使用されてもよい。いくつかの好ましい実施形態において、二軸延伸フィルムは、ポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンコポリマー、又はポリプロピレン及び少なくとも1つの他のポリマーのポリマーブレンドを含んでいてよく、これからなっていてよく、又はこれから本質的になっていてよい。
【0064】
好ましい実施形態において、二軸延伸フィルムは、1~20%、2~20%、3~20%、4~20%、5~20%、6~20%、7~20%、8~20%、9~20%、10~20%、11~20%、12~20%、13~20%、14~20%、15~20%、16~20%、17~20%、18~20%、又は19~20%のポリエチレン(PE)を含むポリプロピレン(PP)コポリマーを含んでいてよく、これからなっていてよく、又はこれから本質的になっていてよい。好ましくは、PEの量は、3~20%のPE又は3~10%のPEである。上記のPP-PEコポリマーの使用は、改良された手触りを有する材料を結果として生じさせ得る。このことは、両方の二軸延伸フィルムがコポリマーからなるときに特に当てはまる。
【0065】
いくつかの実施形態において、織布及び不織布の少なくとも1つが多層微孔性フィルムの一方又は両側に付着されていてよい。いくつかの実施形態において、織布が、多層微孔性フィルムの一方の側に、不織布が、他方の側に付着されていてよい。
【0066】
個人用保護具
本明細書に記載されている材料のいずれかからできている個人用保護具(PPE)を記載する。PPEは、さほど限定されず、再利用可能、使い捨て可能、及びリサイクル可能のうちの少なくとも1つであってよい。いくつかの実施形態において、PPEは、ポリプロピレン材料でできていてよく、PPEの縫い目は、ポリプロピレンシームテープを使用してシールされていてよい。かかる衣類はリサイクル可能であり得る。
【0067】
いくつかの好ましい実施形態において、PPEは、2つ以上の二軸延伸微孔性フィルムを含む材料でできていてよい。このPPEは、より通気性又は快適性である。
【0068】
本明細書に開示されている材料を使用して形成されてよい個人用具の例として、限定されないが、マスク、ハット、手術帽、グローブ、病衣、手術着、ジャケット、手術用靴カバー、防護服、ブランケット、手術用ドレープ、実験着、カバーオール、プライバシーカーテン、ベスト、エプロン、化学防護服、及びボディースーツが挙げられる。
【0069】
本明細書に開示されている材料の他の例示的な使用には、血液、ウイルス、又は両方からの保護が望まれ得るいずれの使用も含まれる。代替若しくは所望の個人用保護具(PPE)又は同様のアイテムの例として、限定することなく、以下:ガウン、フード、ブーツ、ドレープ、マスク、グローブ、ケープなどが挙げられる。
【0070】
本明細書に開示されている材料の他の例示的な使用として、水、血液、液体、ウイルス、又はこれらの組み合わせからの保護が望まれ得るいずれかの使用が挙げられる。かかる代替又は所望の布地、ファブリック、積層体、個人用保護具、衣類、又は同様のアイテムの例として、限定することなく、以下:シャワーカーテン;車のシート;自動車用シートファブリック;補助椅子;自動車用ファブリック;自動車用シートカバー、ヘッドライナ、スピーカーカバー、フィルタ、若しくはドアパネル材料;内張若しくは家具ファブリック;屋外用家具ファブリック;屋外用家具カバー用材料;枕;パックアンドプレイ、バシネット、ポータブルクリブ、若しくは共同スリーパーを含めたベビーギア;車、車両若しくはバイクカバー;傘;日よけ;テント;例えばウイルス試験用のシフトテント;防水シート;装飾壁ファブリック;装飾用キュービクルファブリック;壁カバーリング;床カバーリング;窓カバーリング;ラグ;HVACフィルタ;エアフィルタ;フィルタ;医療用品、レベル1~3の製品;レベル1~4の製品;レベル3の製品;レベル4の製品;少なくとも40インチ幅の製品;少なくとも50インチ幅の製品;少なくとも60インチ幅の製品;クレープ製品;マイクロクレープ製品;ファブリック及び膜の積層体;ファブリック、接着剤、及び膜の積層体;少なくとも1つの繊維層及び少なくとも1つの膜層の積層体;コーティングされた積層体;1つの側がコーティングされた積層体;両側がコーティングされた積層体;レベル1~3の積層体;レベル1~4の積層体;レベル3の積層体;レベル4の積層体;並びに/又はこれらの組み合わせ;が挙げられる。
【実施例】
【0071】
最初の試験を、18~20ミクロンの二軸延伸PP単層である比較例1、16ミクロンの二軸延伸PP単層である比較例2、及び12ミクロンの二軸延伸PP単層である比較例3によって行った。比較例1、2、及び3の二軸延伸PP単層は、ASTM F1671に不合格であった。
【0072】
発明例1を、2つの比較例1の二軸延伸PP単層を互いの上部に(介在する層無しに)直接積み重ねることによって作り出した。発明例2を、3つの比較例1の二軸延伸PP単層を互いの上部に(介在する層無しに)直接積み重ねることによって作り出した。これらの例も試験したところ、ASTM F1671に合格した。これは、驚くべき結果であった。
【0073】
発明例3を、2つの比較例2の二軸延伸PP単層を互いの上部に(介在する層無しに)直接積み重ねることによって作り出した。発明例4を、3つの比較例2の二軸延伸PP単層を互いの上部に(介在する層無しに)直接積み重ねることによって作り出した。これらの例は、ASTM F1671によって未だ試験していないが、出願人は、両方が合格し得ると推定する。
【0074】
発明例10を、2つの比較例3の二軸延伸PP単層を互いの上部に(介在する層無しに)直接積み重ねることによって作り出した。発明例10をASTM F1671によって試験したところ、これに合格した。これは、驚くべき結果であった。
【0075】
実施例5を、比較例1のフィルムのいずれかの側に不織布を付着させることによって形成した。
【0076】
実施例6を、比較例1のフィルムの一方の側に不織布を付着させることによって形成した。
【0077】
発明例7を、0.1以下の平均細孔径を有し且つ0.1以下の全細孔分布を有する(細孔の100%が0.1ミクロン以下のサイズを有する)層を2つの二軸延伸微孔性フィルムと共に積層することによって形成した。2つの二軸延伸微孔性フィルムを、0.1以下の平均細孔径を有し且つ及び0.1以下の全細孔分布を有する層のいずれかの側に積層した。二軸延伸微孔性フィルムは、全体が、3~20%のPE含有量を有するポリプロピレンコポリマーから作製した。このことは、発明例5の改良された手触り感を結果として生じさせた。0.1以下の平均細孔径を有し且つ及び0.1以下の全細孔分布を有する層は、ウイルス遮断層として作用した。
【0078】
発明例8は、層が共押出されたことを除いて実施例7と同様であった。
【0079】
発明例9は、12ミクロンの単軸延伸PP単層生成物である。
【0080】
全てのサンプルを、典型的な120in-lbの代わりに60in-lbにおける変更バージョンのASTM F1671を使用して試験した。
【0081】
全ての試験を認定研究所において行った。
【0082】
ASTM F1671に「合格」するために、試験セル洗浄液のミリリットル当たり(PFU/mL)0又は約0のプラーク形成単位(PFU)が必要とされる。
【0083】
結果を以下の表に示す:
【0084】
【0085】
結果は、単層の単軸延伸(MD延伸のみ)生成物が、試験に合格したことを示す。いずれの特定の理論によっても拘束されることを望まないが、単軸延伸生成物の細孔径、細孔のスリット形状又はこれらの組み合わせが、かかる生成物をウイルス侵入に耐性であるようにさせ得るとされている。スリット長さがウイルスサイズよりも大きいときでも、スリットの狭い幅がウイルス侵入を遮断し得る。実施例9の単層の単軸延伸生成物の細孔径、特に幅は、0.03~0.09ミクロンの範囲である。単軸延伸された典型的な単層の乾式延伸生成物のSEMを
図5に示す。発明例9も優れたMVTRを有する。発明例9は、他の発明例よりも有利であり得る、なぜなら、ウイルス耐性及び同様の通気性を付与するのに必要とされるのが単一のフィルムのみ(スタックではない)であるからである。このことは、他の発明例においてスタックを形成するのに使用される個々の単層膜の単一の層が発明例9における膜よりも自身(スタックされていない)においてより良好なMVTRを有するという事実にもかかわらず当てはまる。
【0086】
二軸延伸単層(比較例1、2、及び3)の細孔径は、単軸延伸単層のものよりも大きい。二軸延伸されている典型的な単層の乾式延伸生成物のSEMを
図2に示す。例えば、比較例1は、0.2ミクロンの大きさの細孔径を有し得、ウイルスを通過させ、ASTM F1671の不成功を結果として生じさせる。しかし、出願人はまた、2つ又は3つの少ない二軸延伸フィルムのスタックが予想外にASTM F1671に合格し得ることも見出した。このことは、発明例1及び2の結果を比較例1のものと比較すること及び発明例10の結果を比較例3のものと比較することによって示される。さらにまた、出願人は、単一の不織布(発明例6)又はそれぞれの側に不織布(発明例5)を用いた二軸延伸単層PPを接合することもまた、ASTM F1671に予想外に合格するフィルムを結果として生じさせた。
【0087】
少なくともある特定の実施形態、態様、又は目的によると、本開示又は本発明は、本明細書において記載されている、特許請求されている又は示されている生成物又は構成要素を対象とし及び/又は提供する。
【0088】
少なくとも選択された実施形態、態様、又は目的によると、本開示又は本発明は、本明細書に開示されている材料の生成物、構成要素、又は、限定することなく、血液、ウイルス、若しくは両方の保護が望まれ得る使用を含めた使用を対象とし及び/又は提供する。代替若しくは所望の個人用保護具(PPE)又は同様のアイテムとして、限定することなく、以下:ガウン、フード、ブーツ、ドレープ、マスク、グローブ、ケープなど;が挙げられる。
【0089】
少なくとも選択された実施形態、態様、又は目的によると、本開示又は本発明は、本明細書に開示されている材料の生成物、構成要素、又は、限定することなく、水、血液、液体、ウイルス、若しくはこれらの組み合わせからの保護が望まれ得る使用を含めた使用を対象とし及び/又は提供する。例えば、代替又は所望の布地、ファブリック、積層体、個人用保護具、衣類、又は同様のアイテムとして、限定することなく、以下:シャワーカーテン;車のシート;自動車用シートファブリック;補助椅子;自動車用ファブリック;自動車用シートカバー、ヘッドライナ、スピーカーカバー、フィルタ、若しくはドアパネル材料;内張若しくは家具ファブリック;屋外用家具ファブリック;屋外用家具カバー用材料;枕;パックアンドプレイ、バシネット、ポータブルクリブ、若しくは共同スリーパーを含めたベビーギア;車、車両若しくはバイクカバー;傘;日よけ;テント;例えばウイルス試験場用シフトテント;防水シート;装飾壁ファブリック;装飾用キュービクルファブリック;壁カバーリング;床カバーリング;窓カバーリング;ラグ;HVACフィルタ;エアフィルタ;フィルタ;医療用品、レベル1~3の製品;レベル1~4の製品;レベル3の製品;レベル4の製品;少なくとも40インチ幅の製品;少なくとも50インチ幅の製品;少なくとも60インチ幅の製品;クレープ製品;マイクロクレープ製品;ファブリック及び膜の積層体;ファブリック、接着剤、及び膜の積層体;少なくとも1つの繊維層及び少なくとも1つの膜層の積層体;コーティングされた積層体;1つの側がコーティングされた積層体;両側がコーティングされた積層体;レベル1~3の積層体;レベル1~4の積層体;レベル3の積層体;レベル4の積層体;並びに/又はこれらの組み合わせ;が挙げられる。
【手続補正書】
【提出日】2022-12-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液及びウイルスのうちの少なくとも1つに耐性である個人用保護具(PPE)のための材料であって、2つ以上の二軸延伸微孔性ポリマーフィルムのスタックを含
み、選択的に、
前記の2つ以上の二軸延伸微孔性ポリマーフィルムのうちの少なくとも1つが、単層二軸延伸ポリマーフィルムである、及び/又は
前記材料が2つの二軸延伸微孔性ポリマーフィルムのスタック又は3つの二軸延伸微孔性ポリマーフィルムのスタックを含む、及び/又は
前記の2つ以上の二軸延伸微孔性ポリマーフィルムの少なくとも1つが、乾式延伸プロセスを使用して形成されるか、ベータ-核形成プロセスを使用して形成される、及び/又は
前記材料が、ASTM E96 BWによって測定されるとき、約5,000g/m
2
-24時間を超える、約6,000g/m
2
-24時間を超える、約7,000g/m
2
-24時間を超える、約8,000g/m
2
-24時間を超える、約9,000g/m
2
-24時間を超える、約10,000g/m
2
-24時間を超える、又は15,000g/m
2
-24時間と高い、20,000g/m
2
-24時間と高いMVTRを有する、及び/又は
前記二軸延伸微孔性ポリマーフィルムの1又は2以上のガーレー値が50s未満、40s未満、30s未満、20s未満又は10s未満である、前記材料。
【請求項2】
前記の2つ以上の二軸延伸微孔性ポリマーフィルムのうちの少なくとも1つが、2層、3層、又は多層二軸延伸ポリマーフィルムである、請求項
1に記載の材料。
【請求項3】
前記の2つ以上の二軸延伸微孔性ポリマーフィルムのうちの少なくとも1つが、ポリプロピレン(PP)ホモポリマー、PPコポリマー、又はPPと1つ以上の他のポリマーとのブレンドを含む、請求項
1に記載の材料。
【請求項4】
前記ポリプロピレン(PP)コポリマーが、3~20%のポリエチレン(PE)を含む、請求項
3に記載の材料。
【請求項5】
それぞれの二軸延伸微孔性ポリマーフィルムが、少なくとも1つの他の二軸延伸微孔性ポリマーフィルムに隣接しており、前記フィルムが、互いに、積層され、化学的、静電的、若しくは物理的に接合され、接着され、超音波溶接され、又は他の場合には付着されていてよく、或いは、されていなくてよ
く、選択的に、
前記のスタックの二軸延伸微孔性ポリマーフィルムが、少なくとも1つの縁に沿って一緒に接合されているか、又は
前記のスタックの二軸延伸微孔性ポリマーフィルムが、超音波溶接又は同様のプロセスを使用して互いに付着されている、請求項
3に記載の材料。
【請求項6】
前記の2つ以上の二軸延伸微孔性ポリマーフィルムのうちの少なくとも1つが、5~50ミクロン
、又は10~20ミクロンの厚さを有する、請求項
1に記載の材料。
【請求項7】
60in-lb又は120in-lbにおいてナイロンメッシュ保持スクリーンを使用する、ASTM F1671手順Bに合格する、請求項1に記載の材料。
【請求項8】
ASTM F1671を使用して試験されるとき、10以下
、5以下、又は0のプラーク形成単位(PFU)の結果を与える、請求項1に記載の材料。
【請求項9】
織布又は不織布層が、前記スタックの一方又は両側に付着されている、請求項1に記載の材料。
【請求項10】
請求項1~
9のいずれか一項に記載の材料を含む個人用保護具(PPE)。
【請求項11】
マスク、ハット、手術帽、グローブ、病衣、手術着、ジャケット、手術用靴カバー、防護服、ブランケット、手術用ドレープ、実験着、ユニホーム、カバーオール、プライバシーカーテン、ベスト、エプロン、化学防護服、及びボディースーツのうちのいずれか1つであり、選択的に、再利用可能又は使い捨て可能である、請求項
10に記載の
個人用保護具(PPE)。
【請求項12】
血液及びウイルスのうちの少なくとも1つに耐性である個人用保護具(PPE)のための材料であって、1つの単軸延伸微孔性ポリマーフィルム又は2つ以上の単軸延伸微孔性ポリマーフィルムのスタックを含
み、選択的に、
前記単軸延伸微孔性フィルムが、ポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンコポリマー、又はポリプロピレン及び別のポリマーのブレンドを含む、及び/又は
前記単軸延伸微孔性ポリマーフィルムが、乾式延伸プロセスによって形成されている、及び/又は
前記の1つの単軸延伸微孔性ポリマーフィルム又は前記の2つ以上の単軸延伸微孔性ポリマーフィルムのスタックの厚さが、5~40ミクロン、又は10~30ミクロンである、及び/又は
ASTM E96 BWによって測定されるとき、約5,000g/m
2
-24時間を超える、約6,000g/m
2
-24時間を超える、約7,000g/m
2
-24時間を超える、約8,000g/m
2
-24時間を超える、約9,000g/m
2
-24時間を超える、約10,000g/m
2
-24時間を超える、又は15,000g/m
2
-24時間と高い若しくは20,000g/m
2
-24時間と高いMVTRを有する、及び/又は
織布、不織布、及び二軸延伸微孔性フィルムのうちの少なくとも1つが、前記の1つの単軸延伸微孔性フィルム又は前記の2つ以上の単軸延伸微孔性フィルムのスタックの一方又は両側に付着されている、前記材料。
【請求項13】
請求項
12に記載の材料を含む個人用保護具(PPE)。
【請求項14】
マスク、ハット、手術帽、グローブ、病衣、手術着、ジャケット、手術用靴カバー、防護服、ブランケット、手術用ドレープ、実験着、ユニホーム、カバーオール、プライバシーカーテン、ベスト、エプロン、化学防護服、及びボディースーツのうちのいずれか1つであ
り、選択的に、使い捨て可能又は再利用可能である、請求項13に記載の個人用保護具(PPE)。
【請求項15】
血液及びウイルスのうちの少なくとも1つに耐性である個人用保護具のための材料であって:
二軸延伸微孔性フィルム;及び
前記二軸延伸微孔性フィルムの少なくとも1つの側に付着されている織布又は不織布
を含
み、選択的に、
前記二軸延伸微孔性フィルムが、乾式延伸プロセスによって作製されている、及び/又は
前記二軸延伸微孔性フィルムが、ベータ-核形成プロセスを使用して形成されている、及び/又は
織布又は不織布が、前記二軸延伸微孔性フィルムの両方の側に付着されている、及び/又は
前記微孔性フィルムが、ポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンコポリマー、又はポリプロピレン及び別のポリマーのブレンドを含む、及び/又は
60in-lbにおいてASTM F1671に合格する、前記材料。
【請求項16】
請求項
15に記載の材料を含む個人用保護具(PPE)。
【請求項17】
マスク、ハット、手術帽、グローブ、病衣、手術着、ジャケット、手術用靴カバー、防護服、ブランケット、手術用ドレープ、実験着、ユニホーム、カバーオール、プライバシーカーテン、ベスト、エプロン、化学防護服、及びボディースーツのうちのいずれか1つである、請求項
15に記載の
個人用保護具(PPE)。
【請求項18】
血液及びウイルスのうちの少なくとも1つに耐性である個人用保護具のための材料であって、多層微孔性フィルムを含み、前記多層微孔性フィルムの少なくとも1つの層の平均細孔径が、0.2ミクロン以下、0.15ミクロンミクロン以下、若しくは0.1ミクロン以下であり、及び/又は、前記多層微孔性フィルムの少なくとも1つの層の全細孔分布が、0.2ミクロン以下、0.15ミクロンミクロン以下、若しくは0.1ミクロン以下であ
り、選択的に、
少なくとも1つの層の平均細孔径が、0.1ミクロン未満である、及び/又は
少なくとも1つの層の全細孔分布が、0.1ミクロン未満である、及び/又は
前記少なくとも1つの層が、内層である、及び/又は
前記多層微孔性フィルムが、積層された多層微孔性フィルム、共押出多層フィルム、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つである、前記材料。
【請求項19】
前記多層微孔性フィルムが、以下の構造を以下の順序で有する:
二軸延伸微孔性フィルム;
0.1ミクロン未満の平均細孔径又は0.1ミクロン未満の全細孔分布を有する多孔質フィルム;及び
二軸延伸微孔性フィルム
請求項
18に記載の材料。
【請求項20】
前記二軸延伸微孔性フィルムのうちの少なくとも1つが、乾式延伸プロセスによって作製されている
か、又は前記二軸延伸微孔性フィルムのうちの少なくとも1つが、ベータ-核形成プロセスによって作製されている、請求項
19に記載の材料。
【請求項21】
前記二軸延伸フィルムのうちの少なくとも1つが、単層フィルムである、請求項
19に記載の材料。
【請求項22】
前記二軸延伸フィルムのうちの少なくとも1つが、ポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンコポリマー、又はポリプロピレン及び少なくとも1つの他のポリマーのポリマーブレンドを含み、選択的に
前記二軸延伸フィルムのうちの少なくとも1つが、3~20%のPEを含むポリプロピレンコポリマーを含み、改良された手触りを前記材料に付与する、請求項
19に記載の材料。
【請求項23】
60in-lbにおいてASTM F1671に合格する、請求項
18~22のいずれか一項に記載の材料。
【請求項24】
請求項
18~23のいずれか一項に記載の材料を含む個人用保護具(PPE)。
【請求項25】
マスク、ハット、手術帽、グローブ、病衣、手術着、ジャケット、手術用靴カバー、防護服、ブランケット、手術用ドレープ、実験着、ユニホーム、カバーオール、プライバシーカーテン、ベスト、エプロン、化学防護服、及びボディースーツのうちのいずれか1つである、請求項
24に記載の
個人用保護具(PPE)。
【請求項26】
血液及びウイルスのうちの少なくとも1つに耐性である個人用保護具(PPE)の改良されたポリマー膜又は層であって、前記膜が、少なくとも40インチ幅であり、且つ、2つ以上の二軸延伸微孔性ポリマーフィルムのスタックを含む、前記膜又は層。
【請求項27】
血液及びウイルスのうちの少なくとも1つに耐性である個人用保護具(PPE)の改良されたポリマー膜又は層であって、前記膜が、少なくとも40インチ幅であり、且つ、1つ以上の単軸延伸微孔性ポリマーフィルムを含む、前記膜又は層。
【請求項28】
前記微孔性ポリマーフィルムが、乾式延伸ポリオレフィン膜である、請求項
26及び/又は27に記載の改良されたポリマー膜又は層。
【請求項29】
ガウン、フード、ブーツ、ドレープ、マスク、グローブ、ケープなどのうちのいずれか1つである、請求項
10、13、16、又は24に記載の
個人用保護具(PPE)。
【請求項30】
レベル3のガウン、フード、ブーツ、ドレープ、マスク、グローブ、ケープなどのうちのいずれか1つである、請求項
10、13、16、又は24に記載の
個人用保護具(PPE)。
【請求項31】
レベル4のガウン、フード、ブーツ、ドレープ、マスク、グローブ、ケープなどのうちのいずれか1つである、請求項
10、13、16、又は24に記載の
個人用保護具(PPE)。
【請求項32】
前記PPEが、レベル3又はレベル4のガウン、フード、ブーツ、ドレープ、マスク、グローブ、ケープなどのうちのいずれか1つであり、かかるレベルが、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)によって記載されている、請求項
10、13、16、又は24に記載の
個人用保護具(PPE)。
【国際調査報告】