IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 中国石油化工股▲ふん▼有限公司の特許一覧 ▶ 中国石油化工股▲ふん▼有限公司石油化工科学研究院の特許一覧

特表2023-522375ポリα-オレフィンの製造装置および製造方法
<>
  • 特表-ポリα-オレフィンの製造装置および製造方法 図1
  • 特表-ポリα-オレフィンの製造装置および製造方法 図2
  • 特表-ポリα-オレフィンの製造装置および製造方法 図3
  • 特表-ポリα-オレフィンの製造装置および製造方法 図4
  • 特表-ポリα-オレフィンの製造装置および製造方法 図5
  • 特表-ポリα-オレフィンの製造装置および製造方法 図6
  • 特表-ポリα-オレフィンの製造装置および製造方法 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-30
(54)【発明の名称】ポリα-オレフィンの製造装置および製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08F 212/02 20060101AFI20230523BHJP
   C08F 2/01 20060101ALI20230523BHJP
【FI】
C08F212/02
C08F2/01
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022563900
(86)(22)【出願日】2021-04-20
(85)【翻訳文提出日】2022-12-20
(86)【国際出願番号】 CN2021088330
(87)【国際公開番号】W WO2021213367
(87)【国際公開日】2021-10-28
(31)【優先権主張番号】202010309683.4
(32)【優先日】2020-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503191287
【氏名又は名称】中国石油化工股▲ふん▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】509059424
【氏名又は名称】中国石油化工股▲ふん▼有限公司石油化工科学研究院
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】成欣
(72)【発明者】
【氏名】蘇朔
(72)【発明者】
【氏名】徐氷
(72)【発明者】
【氏名】黄作▲シン▼
(72)【発明者】
【氏名】唐暁津
(72)【発明者】
【氏名】黄濤
(72)【発明者】
【氏名】韓穎
(72)【発明者】
【氏名】段慶華
(72)【発明者】
【氏名】麼佳耀
【テーマコード(参考)】
4J011
4J100
【Fターム(参考)】
4J011AA05
4J011DA04
4J011DB18
4J100AA01P
4J100AA01Q
4J100AA01R
4J100AA01S
4J100AA01T
4J100AA15P
4J100AA15Q
4J100AA15R
4J100AA15S
4J100AA15T
4J100AA21P
4J100AA21Q
4J100AA21R
4J100AA21S
4J100AA21T
4J100CA03
4J100DA09
4J100FA02
4J100FA12
4J100FA22
4J100FA47
4J100JA15
(57)【要約】
本発明は、ポリα-オレフィンを製造するための装置および方法を提供する。本発明に係るポリα-オレフィンを製造するための装置は、投入ユニット(1)、マイクロチャネル反応器(2)、および後処理ユニット(3)を備え、これらは連続的に接続されており、前記投入ユニットは、ミキサー、および/またはオレフィン原料、副原料およびBF触媒を前記マイクロチャネル反応器(2)に送達するためのパイプラインを備える。本発明に係る装置及び方法によれば、触媒、副原料およびオレフィン原料の柔軟かつ迅速な混合を実現することができ、重合反応速度が速く、物質移動および伝熱効果が良好で、反応転化率が高く、生成物選択性が良好で、性能が優れているという長所を有し、大規模工業生産に適している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入ユニット(1)、マイクロチャネル反応器(2)、および後処理ユニット(3)を備え、これらは連続的に接続されており、前記投入ユニットは、ミキサー、および/またはオレフィン原料、副原料およびBF触媒を前記マイクロチャネル反応器(2)に送達するためのパイプラインを備え、
前記投入ユニット(1)が、前記副原料の少なくとも一部および前記BF触媒の少なくとも一部を混合するためのミキサーと、前記BF触媒の少なくとも一部を個別にマイクロチャネル反応器(2)に供給するためのパイプラインとを少なくとも備える、ポリα-オレフィンを製造するための装置。
【請求項2】
前記投入ユニット(1)が、前記BF触媒の一部、前記副原料の一部および前記オレフィン原料の一部を混合するためのミキサーと、前記BF触媒の残り、前記副原料の残りおよび前記オレフィン原料の残りのそれぞれを、供給原料の種類に基づいて、個別に前記マイクロチャネル反応器(2)に通すためのパイプラインとを備えるか、または、
前記投入ユニット(1)が、前記BF触媒の一部および前記副原料の全部を混合するためのミキサーと、前記BF触媒の残りを個別に前記マイクロチャネル反応器(2)に通すためのパイプラインと、前記オレフィン原料の全部を個別に前記マイクロチャネル反応器(2)に通すためのパイプラインとを備えるか、または、
前記投入ユニット(1)が、前記BF触媒の一部および前記副原料の一部を混合するためのミキサーと、前記BF触媒の残り、前記副原料の残りおよび前記オレフィン原料の全部のそれぞれを個別に前記マイクロチャネル反応器(2)に通すためのパイプラインとを備えるか、または、
前記投入ユニット(1)が、前記BF触媒の一部、前記副原料の一部および前記オレフィン原料の全部を混合するためのミキサーと、前記BF触媒の残りおよび副原料の残りを個別に前記マイクロチャネル反応器(2)に通すためのパイプラインとを備えるか、または、
前記投入ユニット(1)が、前記BF触媒の一部、前記副原料の全部および前記オレフィン原料の一部を混合するためのミキサーと、前記BF触媒の残りおよび前記オレフィン原料の残りを個別に前記マイクロチャネル反応器(2)に通すためのパイプラインとを備えるか、または、
前記投入ユニット(1)が、前記BF触媒の一部、前記副原料の全部および前記オレフィン原料の全部を混合するためのミキサーと、前記BF触媒の残りを個別に前記マイクロチャネル反応器(2)に通すためのパイプラインとを備え、
好ましくは、前記BF触媒と、前記副原料と、前記オレフィンとが前記投入ユニット内で混合される場合に、前記投入ユニットは、3つの供給原料のうちのいずれか2つを混合するための第1のミキサーと、前記第1のミキサーからの混合物および残り1つの供給原料を混合するための第2のミキサーとを備え、ここで、前記第1のミキサーは、前記第2のミキサーと連通しており、前記第2のミキサーは前記マイクロチャネル反応器(2)と連通していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記マイクロチャネル反応器(2)は、
シェル(003)であって、供給領域(023)、混合領域(008)、反応領域(009)および回収領域(024)が当該シェル(003)内で第一の方向に沿って連続的に配置されて連通しており、ここで前記シェル(003)は前記供給領域(023)と連通する供給パイプ(002)と、前記回収領域(024)と連通している排出パイプ(001)とが設けられており、前記混合領域(008)は前記第一の方向に沿って延在する混合チャネル(014)が設けられている、シェル;
流体分配パイプ(017)であって、当該流体分配パイプ(017)は前記シェル(003)の外部から前記混合チャネル(014)内に延在し、前記流体分配パイプ(017)は、前記混合チャネル(014)の端部で流体分配器(016)に接続されている、流体分配パイプ;を備え、
前記供給パイプ(002)は、前記投入ユニットから前記原料を投入するために用いられ、前記流体分配パイプ(017)は、前記投入ユニット(1)のBF触媒の個別供給のための前記パイプラインに接続されており、BF触媒を投入するために用いることができ、
前記排出パイプ(001)は、後処理ユニット(3)に接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記流体分配器は、マイクロポアを有する粉体焼結体、メソポーラスフォーム材料、ワイヤーメッシュ、およびマイクロスリットまたはマイクロポアを有するチューブから選択される少なくとも1つであり、好ましくは、前記流体分配器は、マイクロポアを有する円柱状の粉体焼結体であり、好ましくは、前記流体分配器は、0.01cm~200cmの断面積、および1mm~2000mmの長さを有し;ならびに/または、
前記混合領域は、2~100(好ましくは2~50、より好ましくは2~10)混合チャネルを備え、前記流体分配パイプは、前記シェルの外側から前記供給領域へと延びるメインパイプ、および前記供給領域から分配パイプの端部に接続された流体分配器を有する各混合チャネルへと延びる分配パイプを含み(好ましくは、前記混合チャネルは、円形断面を有し;好ましくは、前記混合チャネルは、0.05cm~400cmの断面積、および50mm~5000mmの長さを有する)、ならびに/または、
前記混合チャネルにおいて、第1の混合部材は、前記流体分配器の下流に配置され;ならびに/または、
前記第1の混合部材は、交互に配置され、第1の方向に沿って連通している主流部と分流部とを備え、前記主流部は、単一の主流通経路を備え、前記分流部は、複数の分流通経路を備え;および/または、
複数の分流通経路に連通した収集キャビティは、前記分流部の下流に配置され;ならびに/または、
前記混合領域は、前記シェル内に第1の熱交換キャビティを含み、前記混合チャネルは、前記第1の熱交換キャビティ内に配置され、前記シェルは、前記第1の熱交換キャビティと連通している第1の熱交換媒体入口および第1の熱交換媒体出口を備え;ならびに/または、
前記混合チャネルに対する前記第1の熱交換キャビティの体積比は2~50であり(好ましくは、前記混合チャネルに対する前記第1の熱交換キャビティの体積比は5~30であり);ならびに/または、
遷移領域は、前記混合領域と前記反応領域との間に設けられ、前記遷移領域は、前記第1の方向に沿って配置および連通した、一定の断面を有する安定化チャネルと、徐々に拡大された断面積を有する緩和チャネルとを備え、前記安定化チャネルは前記混合チャネルに連通し、前記緩和チャネルは前記反応領域に連通し;ならびに/または
前記シェルの外側に延びる排出パイプは前記安定化チャネルに接続され;ならびに/または、
前記拡散チャネルは、メッシュまたはスリットを有する拡散プレートを備え;ならびに/または、
前記反応領域は、前記第1の方向に沿って延び、前記遷移領域を通して前記混合チャネルと連通する複数の並列な反応チャネル(例えば2~10000チャネル、好ましくは2~5000チャネル、より好ましくは2~500チャネル)を備え;ならびに/または、
前記反応チャネルは、第2の混合部材を備え、前記第2の混合部材は、前記第1の方向に沿って延びたベースストリップ、および前記ベースストリップに接続され、前記ベースストリップに対して横断的に延びた歯状部材を含み;ならびに/または
前記歯状部材は、三角形、弓形、波形、およびスパイラル形の少なくとも1つ(好ましくは、前記歯状部材は三角形のものであり、三角形の一辺は前記ベースストリップに隣接し、一端は前記ベースストリップに接続し、他の端は前記ベースストリップから0.01mm~20mm離れたものである)であり;ならびに/または、
各反応チャネルは、間をあけて並べられた複数の前記第2の混合部材をそれぞれ独立して備え、前記第2の混合部材の前記歯状部材が互い違いに配置されており;ならびに/または、
前記反応チャネルは、円形、長方形、および三角形のうちの少なくとも1つの断面を有し(好ましくは、前記反応チャネルの前記断面が長方形であり、前記歯状部材は前記長方形の向かい合う組の間に延びるものである);ならびに/または、
前記反応チャネルは、1mm~150mmの断面積、および50mm~5000mmの長さ(好ましくは100mm~3000mm)を有し、前記反応チャネル間の最短距離は、1mm~50mm(好ましくは3mm~30mm)であり、前記第2混合部材は、0.1mm~3mm(好ましくは0.2mm~2mm)の厚さを有し、隣接する歯状部材間の間隔は、1mm~50mm(好ましくは1.5mm~20mm)であり;ならびに/または、
前記反応領域は、前記シェル内に配置された第2の熱交換キャビティを備え、前記反応チャネルは前記第2の熱交換キャビティ内に配置され、前記シェルは前記第2の熱交換キャビティに連通している第2の熱交換媒体入口および第2の熱交換媒体出口を備え;ならびに/または、
前記反応チャネルに対する前記第2の熱交換キャビティの体積比は2~50(好ましくは、前記反応チャネルに対する前記第2の熱交換キャビティの体積比は5~30)であることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記後処理ユニット(3)は、そこに入るストリームが後処理に供されてポリオレフィン生成物を生成することを可能にする(前記後処理ユニット(3)は、好ましくは吸着装置、抽出装置、蒸留装置、遠心分離装置、沈殿装置、アルカリ洗浄装置、および水洗浄装置のうちの1つ以上である)ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記マイクロチャネル反応器(2)中の前記BFの総質量に基づいて、前記マイクロチャネル反応器(2)に直接的に供給される前記BF触媒と前記投入ユニット中で混合される前記BF触媒との質量比率が、90~10:10~90、好ましくは80~40:20~60、より好ましくは70~50:30~50であることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
投入ユニットを通じてBF触媒、副原料およびオレフィン原料をマイクロチャネル反応器に投入し、前記マイクロチャネル反応器中で重合反応に供し、その後、後処理をしてポリオレフィン生成物を製造すること含み、ここで、前記副原料の少なくとも一部および前記BF触媒の少なくとも一部が前記投入ユニットにおいて混合され、同時に、前記BF触媒の少なくとも一部は個別に前記マイクロチャネル反応器に供給され、好ましくは、前記マイクロチャネル反応器において、前記副原料、前記オレフィン原料および総量での前記BF触媒の質量比率が1:1~1000:1~500(好ましくは1:1~500:1~200、最も好ましくは1:10~250:1~100)であることを特徴とするポリα-オレフィンの製造方法。
【請求項8】
前記投入ユニットにおいて、前記BF触媒の一部、前記副原料の一部および前記オレフィン原料の一部が混合され、次いで前記マイクロチャネル反応器に通され、供給原料の種類に基づいて、残りのBF触媒、残りの副原料および残りのオレフィン原料が個別に前記マイクロチャネル反応器に通されるか、または、
前記投入ユニットにおいて、前記BF触媒の一部および前記副原料の全部が混合されることで得られるストリームが前記マイクロチャネル反応器に通され、前記BF触媒の残りおよび前記オレフィン原料の全部のそれぞれが個別に前記マイクロチャネル反応器に通される(好ましくは、前記BF触媒の一部および前記副原料の全部をミキサー内で混合する場合、前記BF触媒の一部が前記ミキサーを通る速度は1~100000L/h、好ましくは1~80000L/h、最も好ましくは1~30000L/hであり、前記ミキサーに供給される前記副原料の全部が前記ミキサーを通る速度は0.01~1000L/h、好ましくは0.1~800L/h、最も好ましくは0.2~500L/hであり、前記BF触媒の一部および前記副原料の全部を前記ミキサー内で混合した後に得られる混合物が前記マイクロチャネル反応器を通る速度は0.01~2000L/h、好ましくは0.1~1600L/h、最も好ましくは0.2~1000L/hであり、前記BF触媒の残りが前記マイクロチャネル反応器を個別に通る速度は1~150000L/h、好ましくは5~100000L/h、最も好ましくは10~50000L/hであり、前記オレフィン原料の全部が前記マイクロチャネル反応器を個別に通る速度は、10~5000L/h、好ましくは20~4000L/h、最も好ましくは40~2500L/hである)か、または、
前記投入ユニットにおいて、前記BF触媒の一部および前記副原料の一部を混合することで得られる前記ストリームが前記マイクロチャネル反応器に通され、前記BF触媒の残り、前記副原料の残りおよび前記オレフィン原料の全部のそれぞれが個別に前記マイクロチャネル反応器に通される(好ましくは、前記BF触媒の一部および前記副原料の一部を前記ミキサー内で混合する場合、前記BF触媒の一部が前記ミキサーを通る速度は1~100000L/h、好ましくは1~80000L/h、最も好ましくは1~30000L/hであり、前記副原料の一部が前記ミキサーを通る速度は0.01~800L/h、好ましくは0.1~500L/h、最も好ましくは0.2~400L/hであり、前記BF触媒の一部および前記副原料の一部を前記ミキサー内で混合して得られる前記混合物が前記マイクロチャネル反応器内を通る速度は0.01~1600L/h、好ましくは0.1~1400L/h、最も好ましくは0.2~800L/hであり、前記BF触媒の残りが前記マイクロチャネル反応器を個別に通る速度は1~120000L/h、好ましくは5~80000L/h、最も好ましくは10~40000L/hであり、前記副原料の残りが前記ミキサーを通る速度は0.01~200L/h、好ましくは0.1~150L/h、最も好ましくは0.2~100L/hであり、前記オレフィン原料の全部が前記マイクロチャネル反応器を個別に通る速度は10~5000L/h、好ましくは20~4000L/h、最も好ましくは40~2500L/hである)か、または、
前記投入ユニットにおいて、前記BF触媒の一部、前記副原料の一部および前記オレフィン原料の全部を混合することによって得られる前記ストリームが前記マイクロチャネル反応器に通され、前記BF触媒の残りおよび前記副原料の残りのそれぞれが個別に前記マイクロチャネル反応器に通される(好ましくは、前記BF触媒の一部、前記副原料の一部および前記オレフィン原料の全部を前記ミキサー内で混合する場合、前記BF触媒の一部が前記ミキサーを通る速度は1~100000L/h、好ましくは1~80000L/h、最も好ましくは1~30000L/hであり、前記副原料の一部が前記ミキサーを通る速度は0.01~800L/h、好ましくは0.1~500L/h、最も好ましくは0.2~400L/hであり、前記オレフィン原料の全部が前記ミキサーを通る速度は10~5000L/h、好ましくは20~4000L/h、最も好ましくは40~2500L/hであり、前記BF触媒の一部、前記副原料の一部および前記オレフィン原料の全部を前記ミキサー内で混合して得られる前記混合物が前記マイクロチャネル反応器内を通る速度は0.01~6000L/h、好ましくは0.1~4600L/h、最も好ましくは0.2~3000L/hであり、前記BF触媒の残りが前記マイクロチャネル反応器を個別に通る速度は1~150000L/h、好ましくは5~100000L/h、最も好ましくは10~50000L/hであり、前記副原料の残りが前記マイクロチャネル反応器を個別に通る速度は0.01~200L/h、好ましくは0.1~150L/h、最も好ましくは0.2~100L/hである)か、または、
前記投入ユニットにおいて、前記BF触媒の一部、前記副原料の全部および前記オレフィン原料の一部を混合することによって得られる前記ストリームが前記マイクロチャネル反応器に通され、前記BF触媒の残りおよび前記オレフィン原料の残りのそれぞれが個別に前記マイクロチャネル反応器に通される(好ましくは、前記BF触媒の一部、前記副原料の全部および前記オレフィン原料の一部を前記ミキサー内で混合する場合、前記BF触媒の一部が前記ミキサーを通る速度は1~100000L/h、好ましくは1~80000L/h、最も好ましくは1~30000L/hであり、前記副原料の全部が前記ミキサーを通る速度は0.01~1000L/h、好ましくは0.1~800L/h、最も好ましくは0.2~500L/hであり、前記オレフィン原料の一部が前記ミキサーを通る速度は1~2000L/h、好ましくは5~1000L/h、最も好ましくは10~500L/hであり、前記BF触媒の一部、前記副原料の全部および前記オレフィン原料の一部を前記ミキサー内で混合して得られる前記混合物が前記マイクロチャネル反応器内を通る速度は0.01~3000L/h、好ましくは0.1~1800L/h、最も好ましくは0.2~1000L/hであり、前記BF触媒の残りが前記マイクロチャネル反応器を個別に通る速度は1~150000L/h、好ましくは5~100000L/h、最も好ましくは10~50000L/hであり、前記オレフィン原料の残りが前記マイクロチャネル反応器を個別に通る速度は9~3000L/h、好ましくは15~3000L/h、最も好ましくは30~2000L/hである)か、または、
前記投入ユニットにおいて、前記BF触媒の一部、前記副原料の全部および前記オレフィン原料の全部を混合することによって得られる前記ストリームが前記マイクロチャネル反応器に通され、前記BF触媒の残りが個別に前記マイクロチャネル反応器に通される(好ましくは、前記BF触媒の一部、前記副原料の全部および前記オレフィン原料の全部を前記ミキサー内で混合する場合、前記BF触媒の一部が前記ミキサーを通る速度は1~100000L/h、好ましくは1~80000L/h、最も好ましくは1~30000L/hであり、前記副原料の全部が前記ミキサーを通る速度は0.01~1000L/h、好ましくは0.1~800L/h、最も好ましくは0.2~500L/hであり、前記オレフィン原料の全部が前記ミキサーを通る速度は10~5000L/h、好ましくは20~4000L/h、最も好ましくは40~2500L/hであり、前記BF触媒の一部、前記副原料の全部および前記オレフィン原料の全部を前記ミキサー内で混合して得られる前記混合物が前記マイクロチャネル反応器内を通る速度は10~6000L/h、好ましくは0.1~4600L/h、最も好ましくは0.2~3000L/hであり、前記BF触媒の残りが前記マイクロチャネル反応器を個別に通る速度は1~150000L/h、好ましくは5~100000L/h、最も好ましくは10~50000L/hである)、
好ましくは、前記投入ユニットにおいて、前記BF触媒の一部および前記副原料の全部が第1のミキサーにおいて第1の混合に供され、次いで、第2のミキサーにおいて前記オレフィン原料の全部と第2の混合に供され、そして、混合流が前記マイクロチャネル反応器に通され、次いで、前記BF触媒の残りが前記マイクロチャネル反応器に個別に通され、(好ましくは、前記BF触媒の一部および前記副原料の全部が前記第1のミキサーにおける前記第1の混合に供される場合、前記BF触媒の一部が前記第1のミキサーを通る速度は1~100000L/h、好ましくは1~80000L/h、最も好ましくは1~30000L/hであり、前記副原料の全部が前記第1のミキサーを通る速度は0.01~1000L/h、好ましくは0.1~800L/h、最も好ましくは0.2~500L/hであり、次いで、前記第1の混合後に得られる前記ストリームは前記第2のミキサーにおいて前記オレフィン原料の全部と第2の混合に供され、前記第1の混合後に得られた前記ストリームが前記第2のミキサーを通る速度は0.01~2000L/h、好ましくは0.1~1600L/h、最も好ましくは0.2~1000L/hであり、前記オレフィン原料の全部が前記第2のミキサーを通る速度は10~5000L/h、好ましくは20~4000L/h、最も好ましくは40~2500L/hであり、前記第2の混合後に得られる前記ストリームが前記マイクロチャネル反応器を通る速度は10~7000L/h、好ましくは20~5600L/h、最も好ましくは40~3500L/hであり、前記BF触媒の残りが前記マイクロチャネル反応器を個別に通る速度は1~150000L/h、好ましくは5~100000L/h、最も好ましくは10~50000L/h)ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記オレフィン原料中のオレフィンは、C~C20α-オレフィンの1つ以上であり;任意に、前記オレフィン原料は、C~C20アルカンおよび/もしくはC~C20酸素含有化合物の混合物をさらに含む(好ましくは、前記オレフィン原料は、Fischer-Tropschオレフィン原料である)こと;
ならびに/または、
前記副原料は、1~20の炭素原子数を有するアルコール、1~20の炭素原子数を有するエーテル、1~20の炭素原子数を有するアルデヒド、1~20の炭素原子数を有するケトン、1~30の炭素原子数を有するエステル、1~20の炭素原子数を有するカルボン酸、および1~20の炭素原子数を有するフェノールのうちの1つ以上であることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記マイクロチャネル反応器における反応温度が0~120℃(好ましくは10~80℃、より好ましくは20~60℃)であり、前記マイクロチャネル反応器における反応圧力が0.01~10MPa(好ましくは0.01~8MPa、より好ましくは0.1~6MPa)であり、前記マイクロチャネル反応器における前記オレフィン原料の滞留時間が1~3600秒(好ましくは10~1800秒、より好ましくは15~1000秒)であることを特徴とする請求項7~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記マイクロチャネル反応器中の前記BFの総質量に基づいて、前記マイクロチャネル反応器に個別に供給される前記BF触媒と、前記投入ユニット中で混合される前記BF触媒との質量比率が、90~10:10~90、好ましくは80~40:20~60、より好ましくは70~50:30~50であることを特徴とする請求項7~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記後処理の方法が、吸着法、遠心分離法、沈降法、アルカリ洗浄法、水洗浄法および気液分離法のうちの1つ以上(好ましくは前記吸着法)であり、
前記後処理の方法が、沈降法または遠心分離法である場合に、任意で、得られた重液相が前記投入ユニットまたは前記マイクロチャネル反応器に戻されて継続的な反応に加わることを継続することを特徴とする請求項7~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
請求項1~6のいずれか一項に記載のポリα-オレフィンを製造するための装置を利用してポリα-オレフィンを製造することを特徴とする請求項7~12のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリα-オレフィンを製造するための装置および方法に関し、特に、マイクロチャネル反応器を用いてポリα-オレフィンを製造するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリα-オレフィンは、通常、触媒の作用下でオリゴマー化反応を介して1つ以上の直鎖α-オレフィンを重合することによって得られる。ポリα-オレフィンの分離および水素化によって得られる水素化ポリα-オレフィンは、高品質の合成基油へのブレンドに使用することができる。PAO合成基油としても知られるポリα-オレフィン合成基油は、高粘度指数、超低流動点、優れた熱安定性および酸化安定性、ならびに高引火点などの優れた特性を有するので、包括的な用途を有する。PAO合成基油は、100℃における動粘度に従って分類される。主流の製品には、PAO4、PAO6、PAO8、PAO10、PAO40、PAO100などが含まれる。その中でも、動粘度が100℃で4~8cStの低粘度PAOが最も広く使用されており、主に種々の高品位エンジン油へのブレンドに使用されている。低粘度PAOを使用することにより、ドレン間隔を延長し、燃費を向上させながら、エンジンの低温トルク損失を低減することができる。
【0003】
ポリα-オレフィンを製造するための従来の方法は、通常、α-オレフィンがオリゴマー化反応を受けることを可能にするためにルイス酸触媒系を使用し、異なる重合度を有するポリマーが反応中に形成される。現在、工業的に低粘度のポリα-オレフィンの製造に使用される触媒は、主にBF-助触媒である。典型的な製造工程では、バッチ式または連続式撹拌槽反応器が使用される。α-オレフィンがBF-助剤によって触媒されるオリゴマー化反応系において、気相中のBFは完全に分散され、液相中の助剤およびα-オレフィンと混合される必要があり、その一部が溶解して活性カチオン性触媒を形成し、次いでα-オレフィンオリゴマー化反応を開始する。BFの溶解および相間物質移動は、巨視的な反応速度、転化率などを決定する。さらに、反応時間が短すぎると、オレフィン転化率が低く、生成物の収率が高くない傾向がある。反応時間が長すぎると、形成されたα-オレフィンオリゴマーが、重合度を高める二次重合反応および粘度指数を低下させる異性化反応などの副反応を起こし得る。
【0004】
US4045508Aは、ポリα-オレフィンの連続調製方法を開示しており、当該方法は、複数段階の重合プロセスを制御するために、撹拌反応器と管型反応器とを組み合わせることを特徴としている。しかしながら、この方法は、オリゴマーのより多くの二次重合反応につながり、トリマーの含有量は大幅に減少する。
【0005】
CN104370675Bは、連続的な方法でポリα-オレフィンを製造する方法を開示しており、当該方法は、連続的な方法でガラス状マイクロチャネル連続反応器にα-オレフィンを導入し、アルミニウム化合物触媒および補助剤の存在下で重合反応を行い、ポリα-オレフィンを製造する。このプロセスは多量の触媒を消費し、より高い反応温度を必要とする。
【0006】
さらに、従来技術で報告されているバッチ式撹拌槽型反応プロセスは、撹拌槽型反応器の容積が大きいこと、占有面積が大きいこと、プロセスパラメータのコントロールに対する要求が非常に厳しいこと、複雑なプロセス操作、長い反応時間および製造期間等の欠点を有し、しかし、連続製造プロセスもまた、理想的な転化率および選択性を実現することができず、2つのプロセスは生成物中の触媒を十分に処理することができない。したがって、当技術分野では、変換率が高く、選択性が高く、プロセスが単純であり、投資コストが低く、安全かつ環境に優しい、α-オレフィンオリゴマーを製造するための装置および方法が必要とされている。
【0007】
なお、上記背景技術の欄に開示された情報は、本発明の背景の理解を増強するためのものに過ぎず、したがって、当業者に既に周知の従来技術を形成しない情報を含んでいてもよい。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、ポリα-オレフィンを製造するための装置および処理を提供する。
【0009】
具体的には、本発明は以下の態様を含む。
【0010】
第1の態様において、本発明はポリα-オレフィンを製造するための装置を提供する。
【0011】
本発明に係るポリα-オレフィンを製造するための装置は、投入ユニット1、マイクロチャネル反応器2、および後処理ユニット3を備え、これらは連続的に接続されており、前記投入ユニットは、ミキサー、および/またはオレフィン原料、副原料およびBF触媒を前記マイクロチャネル反応器2に送達するためのパイプラインを備え、前記投入ユニット1が、前記副原料の少なくとも一部および前記BF触媒の少なくとも一部を混合するためのミキサーと、前記BF触媒の少なくとも一部を個別にマイクロチャネル反応器2に供給するためのパイプラインと、を少なくとも備える、ポリα-オレフィンを製造するための装置である。
【0012】
本発明の装置によれば、投入ユニット1内のミキサーは、スタティックミキサーおよび/またはダイナミックミキサー、好ましくはスタティックミキサー、より好ましくは混合が強化されたスタティックミキサーとすることができる。任意で、ミキサーの構造およびパラメータは以下の通りである:作動温度は20~200℃であり、作動圧力の上限値は20MPaを超えない。2つ以上のミキサーが使用される場合、これらのミキサーは並列に、直列に、または並列および直列の両方で接続され得る。ミキサーは、任意に熱交換層を有することができる。ミキサーは任意で充填剤を有してもよく、ミキサー中の充填剤はポールリング、セラミックボール、通常の充填剤、波形充填剤、ワイヤーメッシュまたはプラスチックリングから選択されてもよい。
【0013】
本発明の一実施形態では、本発明の装置によれば、前記投入ユニット1は、前記BF触媒の一部、前記副原料の一部および前記オレフィン原料の一部を混合するためのミキサーと、前記BF触媒の残り、前記副原料の残りおよび前記オレフィン原料の残りのそれぞれを、供給原料の種類に基づいて、個別に前記マイクロチャネル反応器2に通すためのパイプラインとを備えることができる(以下、構成方式1とも称する)。
【0014】
本発明の一実施形態では、本発明の装置によれば、任意で、前記投入ユニット1は、前記BF触媒の一部および前記副原料の全部を混合するためのミキサーと、前記BF触媒の残りを個別に前記マイクロチャネル反応器2に通すためのパイプラインと、前記オレフィン原料の全部を個別に前記マイクロチャネル反応器2に通すためのパイプラインと、を備える(以下、構成方式2とも称する)。
【0015】
本発明の一実施形態では、本発明の装置によれば、任意で、前記投入ユニット1は、前記BF触媒の一部および前記副原料の一部を混合するためのミキサーと、前記BF触媒の残り、前記副原料の残りおよび前記オレフィン原料の全部のそれぞれを個別に前記マイクロチャネル反応器2に通すためのパイプラインと、を備える(以下、構成方式3とも称する)。
【0016】
本発明の一実施形態では、本発明の装置によれば、任意で、前記投入ユニット1は、前記BF触媒の一部、前記副原料の一部および前記オレフィン原料の全部を混合するためのミキサーと、前記BF触媒の残りおよび前記副原料の残りを個別に前記マイクロチャネル反応器2に通すためのパイプラインとを備える(以下、構成方式4とも称する)。
【0017】
本発明の一実施形態では、本発明の装置によれば、任意で、前記投入ユニット1は、前記BF触媒の一部、前記副原料の全部および前記オレフィン原料の一部を混合するためのミキサーと、前記BF触媒の残りおよび前記オレフィン原料の残りを個別に前記マイクロチャネル反応器2に通すためのパイプラインとを備える(以下、構成方式5とも称する)。
【0018】
本発明の一実施形態では、本発明の装置によれば、任意で、前記投入ユニット1は、前記BF触媒の一部、前記副原料の全部および前記オレフィン原料の全部を混合するためのミキサーと、前記BF触媒の残りを個別に前記マイクロチャネル反応器2に通すためのパイプラインとを備える(以下、構成方式6とも称する)。
【0019】
本発明の一実施形態では、本発明の装置によれば、好ましくは、前記BF触媒と、前記副原料と、前記オレフィンとが前記投入ユニット1内で混合される場合に(すなわち、上記構成方式1、構成方式4、構成方式5、構成方式6)、前記投入ユニット1は、3つの供給原料のうちのいずれか2つを混合するための第1のミキサーと、前記第1のミキサーからの混合物および残り1つの供給原料を混合するための第2のミキサーとを備え、ここで、前記第1のミキサーは、前記第2のミキサーと連通しており、前記第2のミキサーは前記マイクロチャネル反応器2と連通している。より好ましくは、投入ユニット1が、オレフィン原料およびBFガスのうち一方を副原料と混合する第1のミキサーと、オレフィン原料およびBFガスのうち他方を混合物とさらに混合する第2のミキサーとを備える。一実施例として、投入ユニット1はオレフィン原料を副原料と混合するための第1のミキサーと、混合物をBFガスと混合するための第2のミキサーとを備えるか、または、投入ユニット1はBFガスを副原料と混合するための第1のミキサーと、混合物をオレフィン原料と混合するための第2のミキサーとを備える。投入ユニット1は、供給原料の残りがそれぞれ個別に供給されるマイクロチャネル反応器2と連通するパイプラインをさらに含む。
【0020】
本発明の一実施形態では、本発明の装置によれば、好ましくは、投入ユニット1がBF触媒の一部および副原料の全部を混合するための第1のミキサーと、第1のミキサーにおける混合後に得られるストリームおよびオレフィン原料の全部を混合するための第2のミキサーと、BF触媒の残りをマイクロチャネル反応器2に個別に通すためのパイプラインとを備える。特に、第1のミキサーは第2のミキサーと連通し、第2のミキサーはマイクロチャネル反応器2と連通する。
【0021】
本発明の装置によれば、マイクロチャネル反応器2は、その内部において、投入ユニットのミキサーからの混合流と、投入ユニットの個別のパイプラインそれぞれからのストリームとを、マイクロチャネル反応させることができる。マイクロチャネル反応器2の数は、1つ以上、好ましくは1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つであってもよい。2つ以上のマイクロチャネル反応器2が使用される場合、これらのマイクロチャネル反応器2は、直列、並列、または並列および直列の両方で接続され得る。
【0022】
マイクロチャネル反応器2の構造およびパラメータは、以下の通りである:反応チャネルは、並列に2~10000チャネルであり、作動温度範囲は-70~300℃であり、許容最大反応圧力は20MPaを超えず、許容最大熱伝導媒体圧力は10MPaを超えず;混合挿入なしの流体チャネル体積は0.1~20000L、体積流量は1~50000L/hである。さらに好ましくは、反応チャネルは、2~5000チャネル、より好ましくは2~500チャネルである。例えば、反応チャネルは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22チャネル等であり得る。本発明のマイクロチャネル反応器において、それぞれの反応チャネルは、1mmから150mmの断面積、および50mmから5000mmの長さを有することができる。好ましくは、それぞれの反応チャネルには反応ストリームの混合を促進することができる混合部材が設けられ、混合部材は反応ストリームの混合を促進し、乱流を強化することができる当技術分野で周知の部材であり、混合円板、および本発明に係る第1の混合部材および第2の混合部材であってもよい。好ましくは、本発明のマイクロチャネル反応器が反応ガスを導入するためのヘッダーパイプと、反応ガスをそれぞれの反応チャネルに分配するための分岐パイプとを備える。
【0023】
本発明の一実施形態では、本発明の装置によれば、好ましいマイクロチャネル反応器2(以下、本発明の好ましいマイクロチャネル反応器とも称することがある)は以下を含む:
シェル003;供給領域023、混合領域008、反応領域009、および収集領域024は、シェル003内の第1の方向に沿って連続的に配置および連通され、シェル003は、供給領域023と連通する供給パイプ002と、収集領域024と連通する排出パイプ001とを備え、混合領域008は、第1の方向に沿って延在する混合チャネル014を備え;
流体分配パイプ017、流体分配パイプ017は、シェル003の外部から混合チャネル014内に延在し、流体分配パイプ017は、混合チャネル014の端部で流体分配器016に接続されており;
供給パイプ002は投入ユニット1からの供給原料を投入するために使用され、流体分配パイプ017は、投入ユニット1のBF触媒の個別供給のためのパイプラインに接続され、BF触媒を投入するために使用することができ、排出パイプ001は、高圧分離ユニット3に接続される。
【0024】
本発明の一実施形態では、BF触媒を個別に供給するためのパイプラインを除く、投入ユニット1からのパイプラインの数に対応する、2つ以上の供給パイプ002が存在可能である。これらのパイプラインは、マイクロチャネル反応器に個別に供給するためのパイプライン(BF触媒を個別に供給するものを除く)と、最終段階ミキサーをマイクロチャネル反応器に接続するためのパイプラインとを含む。本発明において、上述の「最終段階ミキサー」は、投入ユニット1において、中で供給原料が混合され、次いで、パイプラインを通してマイクロチャネル反応器に接続されるミキサーを指す。
【0025】
本発明において、第1の方向はストリームの流れ方向であり、それは、水平方向、上昇方向等であってもよい。上昇方向が好ましく、下から上への上昇方向がより好ましい。
【0026】
本発明の一実施形態では、本発明において、混合領域008および供給領域023は、第1の仕切板019によって仕切ることができる。第1の仕切板019には複数の貫通孔が備えられており、各貫通孔は混合チャネル014と整列しており、したがって、混合領域008は、供給領域023と連通している。
【0027】
本発明の一実施形態では、本発明の装置によれば、好ましくは、供給パイプは、オレフィン原料の少なくとも一部、副原料の少なくとも一部およびBF触媒の少なくとも一部のうちの少なくとも二つの混合物を投入するために、投入ユニット1のミキサーに接続されている。
【0028】
本発明の一実施形態では、好ましくは、流体分配器は、マイクロポアを有する粉体焼結体、メソポーラスフォーム材料、ワイヤーメッシュ、およびマイクロスリットまたはマイクロポアを有するチューブより選択される少なくとも1つである。
【0029】
好ましくは、流体分配器は、マイクロポアを有する円柱状粉体焼結体である。
【0030】
本発明の一実施形態では、好ましくは、流体分配器は、0.01cm-200cmの断面積、および1mm-2000mmの長さを有する。
【0031】
本発明の一実施形態では、混合チャネルは、円形断面を有し、混合チャネルは、0.05cm-400cmの断面積、および50mm-5000mmの長さを有する。本発明において、混合チャネル014の長さおよび断面積は、両方とも、流体分配器016の長さおよび断面積よりも大きい。
【0032】
本発明の一実施形態では、混合領域は、2~100(好ましくは2~50、より好ましくは2~10)混合チャネルを備え、流体分配パイプ017は、シェルの外側から供給領域へと延びるメインパイプ、および供給領域から分配パイプの端部に接続された流体分配器016を有する各混合チャネル014へと延びる分配パイプを含む。
【0033】
本発明の一実施形態では、混合チャネル014において、第1の混合部材015は、流体分配器016の下流に配置される。
【0034】
本発明の一実施形態では、第1の混合部材015は、交互に配置され、第1の方向に沿って連通している主流部と分流部とを備え、主流部は、単一の主流通経路を備え、分流部は、複数の分流通経路を備えている。好ましくは、複数の分流通経路に連通した収集キャビティは、分流部の下流に配置されている。第1の混合部材は、第1の方向に沿って配置された複数の板状部材(数は2~100、好ましくは2~50、より好ましくは10~30であり得る)(厚さは約0.2mm-10mmである)を接合して形成することができ、各板状部材上には、主流通経路0001、分流通経路0002、および収集キャビティ0003に対応する、中空およびキャビティ等の構造が形成されていてもよく、処理および製造に便利である。
【0035】
本発明の一実施形態では、混合領域は、シェル内に配置された第1の熱交換キャビティ013を含むことができ、混合チャネルは第1の熱交換キャビティ内に配置され、シェルは第1の熱交換キャビティと連通している第1の熱交換媒体入口004および第1の熱交換媒体出口005を備える。
【0036】
本発明の一実施形態では、混合チャネルに対する第1の熱交換キャビティの体積比は2-50であり;好ましくは、混合チャネルに対する第1の熱交換キャビティの体積比は5-30である。混合領域008では、混合チャネル014と第1の熱交換キャビティ013とは互いに隔離されており、互いに連通していないが、互いの間で熱伝導を達成することができ、混合チャネル014に良好な熱伝導性を有する管継手を用いることができる。
【0037】
本発明の一実施形態では、遷移領域020が混合領域と反応領域との間に設けられ、遷移領域は、第1の方向に沿って配置および連通した、一定の断面を有する安定化チャネル021と、徐々に拡大された断面を有する拡散チャネル022とを備え、安定化チャネルは混合チャネルに連通し、拡散チャネルは反応領域に接続される。
【0038】
本発明の一実施形態では、シェルの外側に延びる排出パイプ018が安定化チャネルに接続される。
【0039】
本発明の一実施形態では、拡散チャネルは、メッシュまたはスリットを有する拡散板を備える。
【0040】
本発明の一実施形態では、遷移領域020の2つの端部が混合領域008(主に第1の熱交換キャビティ013)および反応領域009(主に第2の熱交換キャビティ012)からそれぞれ隔離されるように、それぞれ貫通孔を有する仕切板を備え、それぞれの仕切板上のそれぞれの貫通孔を介して、それぞれの混合チャネル014およびそれぞれの反応チャネル010に接続され、拡散チャネル022および安定化チャネル021は2つの仕切板の間に設けられた管継手とすることができる。
【0041】
本発明の一実施形態では、反応領域が第1の方向に沿って延在し、安定化チャネル021および拡散チャネル022を介して混合チャネルと連通している複数の並列反応チャネルを備える。反応チャネルは、円形、長方形、および三角形の形状のうちの少なくとも1つの断面を有する。反応チャネルの数は、例えば、2~10000チャネル、好ましくは2~5000チャネル、より好ましくは2~500チャネルである。
【0042】
本発明の一実施形態では、反応チャネルは、第2の混合部材を備え、第2の混合部材は、第1の方向に沿って延びたベースストリップ、およびベースストリップに接続され、ベースストリップに対して横方向に延びた歯状部材を含み;歯状部材は三角形、弓型、波形、およびスパイラル形の形状のうちの少なくとも1つである。好ましくは、歯状部材が三角形のものであり、三角形の一辺はベースストリップに隣接し、一端はベースストリップに接続し、他の端はベースストリップから0.01mm-20mm離れたものである。
【0043】
本発明の一実施形態では、反応チャネルの各々が間隔を空けて積み重ねられた複数の第2の混合部材(第2の混合部材の数は、2~100、好ましくは2~50、より好ましくは10~30であり得る)をそれぞれ独立して備え、第2の混合部材の歯状部材は互い違いに配置されている。
【0044】
好ましくは、反応チャネルの断面は長方形であり、歯状部材は長方形の一組の対抗する側の間に延在している。
【0045】
本発明の一実施形態では、反応チャネルは、1mm-150mmの断面積、および50mm-5000mmの長さを有し、反応チャネル間の最短距離は1mm-50mmであり、第2の混合部材は0.1mm-3mmの厚さを有し、隣接する歯状部材間の間隔は1mm-50mmであり、好ましくは、反応チャネルは、100mm-3000mmの長さを有し、3mm-30mmの反応チャネル間の最小間隔を有し、第2の混合部材は0.2mm-2mmの厚さを有し、隣接する歯状部材間の間隔は1.5mm-20mmである。
【0046】
本発明の一実施形態では、反応領域は、シェル内に配置された第2の熱交換キャビティ012を備えることができ、反応チャネルは第2の熱交換キャビティ内に配置され、シェルは第2の熱交換キャビティと連通している第2の熱交換媒体入口006および第2の熱交換媒体出口007を備える。
【0047】
本発明の一実施形態では、反応チャネルに対する第2の熱交換キャビティの体積比は2-50であり、好ましくは、反応チャネルに対する第2の熱交換キャビティの体積比は5-30である。
【0048】
本発明の一実施形態では、第2の熱交換キャビティ012は、主にシェル003によって形成されてもよく、2つの端部において、それぞれ、反応領域009と収集領域024との間の第2の仕切板025、および反応領域009と遷移領域020との間の仕切板である。
【0049】
本発明によれば、後処理ユニット3は、その中に入るストリームの後処理を可能にして、ポリオレフィン生成物を生成する。後処理ユニット3は、吸着装置、遠心分離装置、沈殿装置、アルカリ洗浄装置、水洗浄装置、および気液分離装置のうちの1つ以上であり得る。
【0050】
本発明の一実施形態では、本発明の装置によれば、吸着装置において、吸着装置における吸着剤との吸着後にストリーム中の触媒を除去して、粗ポリオレフィン生成物を生成し、これをさらに後処理に供して、最終ポリオレフィン生成物を生成することができる。吸着剤は、金属酸化物、イオン交換樹脂、および活性漂白土類のうちの1つ以上であり得る。金属酸化物は、好ましくは酸化カリウム、酸化カルシウム、酸化ナトリウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムおよび酸化バリウムのうちの1つ以上である。吸着装置は、流動床、固定床、および連続撹拌槽のうちの1つ以上であり得る。
【0051】
本発明の一実施形態では、本発明の装置によれば、沈殿装置または遠心分離装置は、重合反応後に得られるストリームを、軽液相と重液相とに分離できる。軽液相は粗製ポリオレフィン生成物であり、最終ポリオレフィン生成物を生成するためにさらなる後処理に供することができる。重液相は、副原料とBFと未反応オレフィン原料との複合体を含有し、再利用のために投入ユニットまたはマイクロチャネル反応器に戻され得る。特に、遠心分離装置は、好ましくは、ディスクボウル遠心分離機、管状遠心分離機および水平遠心分離機のうちの1つ以上であり得る遠心分離機である。
【0052】
本発明の一実施形態では、本発明の装置によれば、アルカリ洗浄装置は、重合反応後に得られたストリームをアルカリ性水溶液中に通して触媒を除去することができ、その結果生じるストリームは次いで、水洗浄、液液分離および乾燥に供されて、最終ポリオレフィン生成物が生成される。
【0053】
本発明の一実施形態では、本発明の装置によれば、水洗浄装置は、重合反応後に得られたストリームを水中に通して、水洗浄することで触媒を除去することができ、その結果生じるストリームは次いで、液液分離および乾燥に供されて、最終ポリオレフィン生成物が生成される。
【0054】
本発明の一実施形態では、本発明の装置によれば、気液分離装置は、重合反応後に得られたストリームから気液分離によって触媒を除去することができ、気液分離後に得られた液相は次いで、後処理に供されて、最終ポリオレフィン生成物が生成される。気液分離後に得られた気相(BFガス)は、使用するためにリサイクルすることができる。
【0055】
本発明の装置によれば、マイクロチャネル反応器2中のBFの総質量に基づいて、マイクロチャネル反応器2に直接的に供給されるBF触媒と投入ユニットのミキサー中で混合されるBF触媒との質量比率は、90~10:10~90であり、好ましくは80~40:20~60、より好ましくは70~50:30~50である。
【0056】
本発明において、マイクロチャネル反応器2中のBFの総質量は、マイクロチャネル反応器2中で副原料と錯体を形成することによって形成される錯体中のBFおよび遊離BFの総質量を指す。すなわち、投入ユニット1の最終段階ミキサーからマイクロチャネル反応器に送達するストリーム中のBFの総質量(錯体中のBFの総質量およびストリーム中の遊離BF)、およびマイクロチャネル反応器とは独立に供給されるBF触媒の質量である。すなわち、投入ユニット1に供給されるBFとマイクロチャネル反応器2に個別に供給されるBFとの総量である。本発明において、BF触媒は、副原料と錯体を形成していない遊離BFを指し、これはBFガスまたはBFとしても知られている。
【0057】
本発明のポリα-オレフィンを製造するための装置は、ポリα-オレフィン合成油を合成するために使用することができる。本発明の装置は触媒、副原料およびオレフィン原料の柔軟かつ迅速な混合を実現することができ、重合反応速度が速く、物質移動および伝熱効果が良好で、反応転化率が高く、生成物選択性が良好で、性能が優れているという長所を有し、大規模工業生産に適している。
【0058】
本発明のマイクロチャネル反応器を使用する、ポリα-オレフィンを製造するための装置は、反応系の継続的かつ効率的な混合を実現でき、流体がプラグフローのような様式で流れ、混合するように維持し、反応流体の滞留時間の一貫性をできるだけ確実にし、滞留時間の分布による望ましくない生成物選択性を回避することができる。
【0059】
第2の態様において、本発明は、ポリα-オレフィンの製造方法を提供する。
【0060】
本発明に係るポリα-オレフィンの製造方法は、投入ユニットを通じてBF触媒、副原料およびオレフィン原料をマイクロチャネル反応器に投入し、前記マイクロチャネル反応器中で重合反応に供し、その後、後処理をしてポリオレフィン生成物を製造すること含み、ここで、前記副原料の少なくとも一部および前記BF触媒の少なくとも一部が前記投入ユニット中で混合され、同時に、前記BF触媒の少なくとも一部は個別に前記マイクロチャネル反応器に供給される。
【0061】
本発明の方法によれば、好ましくは、投入ユニットにおいて、オレフィン原料の少なくとも一部、副原料の少なくとも一部、およびBF触媒の少なくとも一部が混合される。
【0062】
本発明の一実施形態では、オレフィン原料中のオレフィンは、C~C20α-オレフィンのうちの1つ以上、好ましくはC~C15α-オレフィンのうちの1つ以上、より好ましくはC~C14α-オレフィンのうちの1つ以上である。例えば、オレフィンは、ノネンおよびデセンなどのPAO合成基油の調製に一般的に使用されるオレフィンであり得る。
【0063】
本発明の一実施形態では、オレフィン原料は、溶媒として、C~C20アルカンおよび/またはC~C20酸素含有化合物をさらに含むことができる。オレフィン原料の総質量に対して、C~C20アルカンの質量分率は、0~80%、好ましくは0.5~50%、最も好ましくは1~30%であり得る。オレフィン原料の総質量に対して、C~C20酸素含有化合物の質量分率は、0~20%、好ましくは0~10%、最も好ましくは0.001~5%であり得る。C~C20アルカンは、n-アルカン、イソアルカン、およびシクロアルカンのうちの1つ以上であり得;C~C20酸素含有化合物は、n-アルカノール、イソアルコール、およびケトンのうちの1つ以上であり得る。Fischer-Tropschオレフィン原料は、C~C20α-オレフィン、C~C20アルカン、およびC~C20の酸素含有化合物の混合物(すなわちオレフィン原料)として用いることができる。
【0064】
本発明の一実施形態では、副原料は、BFの電子供与体として使用することができる一般的に使用される副原料であり得、1~20の炭素原子数を有するアルコール、1~20の炭素原子数を有するエーテル、1~20の炭素原子数を有するアルデヒド、1~20の炭素原子数を有するケトン、1~30の炭素原子数を有するエステル、1~20の炭素原子数を有するカルボン酸、および1~20の炭素原子数を有するフェノールのうちの1つ以上、好ましくは1~10の炭素原子数を有するアルコール、より好ましくは3~5の炭素原子数を有するアルコールであり得、例えば、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、n-ペンタノール、およびイソペンタノールのうちの1つ以上であり得る。
【0065】
本発明の一実施形態では、本発明の方法によれば、好ましくは、マイクロチャネル反応器において、副原料:オレフィン原料:BF触媒の総量での質量比率は1:1~1000:1~500(好ましくは1:1~500:1~200、最も好ましくは1:10~250:1~100)である。副原料:オレフィン原料:BF触媒の総量の質量比率は、全ての原料がマイクロチャネル反応器に供給される場合の原料の質量比、すなわち、流体分配器の直後のストリーム中の反応原料の、個別の計算に基づく割合であり得る。本発明において、副原料の質量はBF錯体中の補助物質の質量を含み、BFの質量はBF錯体中のBFの質量を含む。
【0066】
本発明の一実施形態では、本発明の方法によれば、前記投入ユニットにおいて、前記BF触媒の一部、前記副原料の一部および前記オレフィン原料の一部が混合され得て、前記マイクロチャネル反応器に通され得て、供給原料の種類に基づいて、残りのBF触媒、残りの副原料および残りのオレフィン原料がそれぞれ個別に前記マイクロチャネル反応器に通される(以下、供給方式1とも称する)。
【0067】
本発明の一実施形態では、本発明の方法によれば、前記投入ユニットにおいて、前記BF触媒の一部および前記副原料の全部が混合されることで得られるストリームが前記マイクロチャネル反応器に通され得て、前記BF触媒の残りおよび前記オレフィン原料の全部のそれぞれが個別に前記マイクロチャネル反応器に通される(以下、供給方式2とも称する)。好ましくは、前記BF触媒の一部および前記副原料の全部をミキサー内で混合する場合、前記BF触媒の一部が前記ミキサーを通る速度は1~100000L/h、好ましくは1~80000L/h、最も好ましくは1~30000L/hであり、前記ミキサーに供給される前記副原料の全部が前記ミキサーを通る速度は0.01~1000L/h、好ましくは0.1~800L/h、最も好ましくは0.2~500L/hであり、前記BF触媒の一部および前記副原料の全部を前記ミキサー内で混合した後に得られる混合物が前記マイクロチャネル反応器を通る速度は0.01~2000L/h、好ましくは0.1~1600L/h、最も好ましくは0.2~1000L/hであり、前記BF触媒の残りが前記マイクロチャネル反応器を個別に通る速度は1~150000L/h、好ましくは5~100000L/h、最も好ましくは10~50000L/hであり、前記オレフィン原料の全部が前記マイクロチャネル反応器を個別に通る速度は、10~5000L/h、好ましくは20~4000L/h、最も好ましくは40~2500L/hである。
【0068】
本発明の一実施形態では、本発明の方法によれば、前記投入ユニットにおいて、前記BF触媒の一部および前記副原料の一部を混合することで得られる前記ストリームが前記マイクロチャネル反応器に通され得て、前記BF触媒の残り、前記副原料の残りおよび前記オレフィン原料の全部のそれぞれが個別に前記マイクロチャネル反応器に通される(以下、供給方式3とも称する)。好ましくは、前記BF触媒の一部および前記副原料の一部を前記ミキサー内で混合する場合、前記BF触媒の一部が前記ミキサーを通る速度は1~100000L/h、好ましくは1~80000L/h、最も好ましくは1~30000L/hであり、前記副原料の一部が前記ミキサーを通る速度は0.01~800L/h、好ましくは0.1~500L/h、最も好ましくは0.2~400L/hであり、前記BF触媒の一部および前記副原料の一部を前記ミキサー内で混合して得られる(obtainted)前記混合物が前記マイクロチャネル反応器内を通る速度は0.01~1600L/h、好ましくは0.1~1400L/h、最も好ましくは0.2~800L/hであり、前記BF触媒の残りが前記マイクロチャネル反応器を個別に通る速度は1~120000L/h、好ましくは5~80000L/h、最も好ましくは10~40000L/hであり、前記副原料の残りが前記ミキサーを通る速度は0.01~200L/h、好ましくは0.1~150L/h、最も好ましくは0.2~100L/hであり、前記オレフィン原料の全部が前記マイクロチャネル反応器を個別に通る速度は10~5000L/h、好ましくは20~4000L/h、最も好ましくは40~2500L/hである)。
【0069】
本発明の一実施形態では、本発明の方法によれば、前記投入ユニットにおいて、前記BF触媒の一部、前記副原料の一部および前記オレフィン原料の全部を混合することによって得られる前記ストリームが前記マイクロチャネル反応器に通され得て、前記BF触媒の残りおよび前記副原料の残りのそれぞれが個別に前記マイクロチャネル反応器に通される(以下、供給方式4とも称する)。好ましくは、前記BF触媒の一部、前記副原料の一部および前記オレフィン原料の全部を前記ミキサー内で混合する場合、前記BF触媒の一部が前記ミキサーを通る速度は1~100000L/h、好ましくは1~80000L/h、最も好ましくは1~30000L/hであり、前記副原料の一部が前記ミキサーを通る速度は0.01~800L/h、好ましくは0.1~500L/h、最も好ましくは0.2~400L/hであり、前記オレフィン原料の全部が前記ミキサーを通る速度は10~5000L/h、好ましくは20~4000L/h、最も好ましくは40~2500L/hであり、前記BF触媒の一部、前記副原料の一部および前記オレフィン原料の全部を前記ミキサー内で混合して得られる(obtainted)前記混合物が前記マイクロチャネル反応器内を通る速度は0.01~6000L/h、好ましくは0.1~4600L/h、最も好ましくは0.2~3000L/hであり、前記BF触媒の残りが前記マイクロチャネル反応器を個別に通る速度は1~150000L/h、好ましくは5~100000L/h、最も好ましくは10~50000L/hであり、前記副原料の残りが前記マイクロチャネル反応器を個別に通る速度は0.01~200L/h、好ましくは0.1~150L/h、最も好ましくは0.2~100L/hである)。
【0070】
本発明の一実施形態では、本発明の方法によれば、前記投入ユニットにおいて、前記BF触媒の一部、前記副原料の全部および前記オレフィン原料の一部を混合することによって得られる前記ストリームが前記マイクロチャネル反応器に通され得て、前記BF触媒の残りおよび前記オレフィン原料の残りのそれぞれが個別に前記マイクロチャネル反応器に通される(以下、供給方式5とも称する)。好ましくは、前記BF触媒の一部、前記副原料の全部および前記オレフィン原料の一部を前記ミキサー内で混合する場合、前記BF触媒の一部が前記ミキサーを通る速度は1~100000L/h、好ましくは1~80000L/h、最も好ましくは1~30000L/hであり、前記副原料の全部が前記ミキサーを通る速度は0.01~1000L/h、好ましくは0.1~800L/h、最も好ましくは0.2~500L/hであり、前記オレフィン原料の一部が前記ミキサーを通る速度は1~2000L/h、好ましくは5~1000L/h、最も好ましくは10~500L/hであり、前記BF触媒の一部、前記副原料の全部および前記オレフィン原料の一部を前記ミキサー内で混合して得られる(obtainted)前記混合物が前記マイクロチャネル反応器内を通る速度は0.01~3000L/h、好ましくは0.1~1800L/h、最も好ましくは0.2~1000L/hであり、前記BF触媒の残りが前記マイクロチャネル反応器を個別に通る速度は1~150000L/h、好ましくは5~100000L/h、最も好ましくは10~50000L/hであり、前記オレフィン原料の残りが前記マイクロチャネル反応器を個別に通る速度は9~3000L/h、好ましくは15~3000L/h、最も好ましくは30~2000L/hである)。
【0071】
本発明の一実施形態では、本発明の方法によれば、前記投入ユニットにおいて、前記BF触媒の一部、前記副原料の全部および前記オレフィン原料の全部を混合することによって得られる前記ストリームが前記マイクロチャネル反応器に通され得て、前記BF触媒の残りが個別に前記マイクロチャネル反応器に通される(以下、供給方式6とも称する)。好ましくは、前記BF触媒の一部、前記副原料の全部および前記オレフィン原料の全部を前記ミキサー内で混合する場合、前記BF触媒の一部が前記ミキサーを通る速度は1~100000L/h、好ましくは1~80000L/h、最も好ましくは1~30000L/hであり、前記副原料の全部が前記ミキサーを通る速度は0.01~1000L/h、好ましくは0.1~800L/h、最も好ましくは0.2~500L/hであり、前記オレフィン原料の全部が前記ミキサーを通る速度は10~5000L/h、好ましくは20~4000L/h、最も好ましくは40~2500L/hであり、前記BF触媒の一部、前記副原料の全部および前記オレフィン原料の全部を前記ミキサー内で混合して得られる前記混合物が前記マイクロチャネル反応器内を通る速度は10~6000L/h、好ましくは0.1~4600L/h、最も好ましくは0.2~3000L/hであり、前記BF触媒の残りが前記マイクロチャネル反応器を個別に通る速度は1~150000L/h、好ましくは5~100000L/h、最も好ましくは10~50000L/hである)。
【0072】
本発明の一実施形態では、本発明の方法によれば、好ましくは、前記投入ユニットにおいて、前記BF触媒の一部および前記副原料の全部が第1のミキサーにおいて第1の混合に供され得て、次いで、前記第1の混合後に得られる前記ストリームが、前記第2のミキサーにおいて前記オレフィン原料の全部と第2の混合に供され、そして、前記第2の混合後に得られるストリームが前記マイクロチャネル反応器に通され、次いで、前記BF触媒の残りが前記マイクロチャネル反応器に個別に通される。好ましくは、前記BF触媒の一部および前記副原料の全部が前記第1のミキサーにおける前記第1の混合に供される場合、前記BF触媒の一部が前記第1のミキサーを通る速度は1~100000L/h、好ましくは1~80000L/h、最も好ましくは1~30000L/hであり、前記副原料の全部が前記第1のミキサーを通る速度は0.01~1000L/h、好ましくは0.1~800L/h、最も好ましくは0.2~500L/hであり、次いで、前記第1の混合後に得られる前記ストリームは前記第2のミキサーにおいて前記オレフィン原料の全部と第2の混合に供され、前記第1の混合後に得られた前記ストリームが前記第2のミキサーを通る速度は0.01~2000L/h、好ましくは0.1~1600L/h、最も好ましくは0.2~1000L/hであり、前記オレフィン原料の全部が前記第2のミキサーを通る速度は10~5000L/h、好ましくは20~4000L/h、最も好ましくは40~2500L/hであり、前記第2の混合後に得られる前記ストリームが前記マイクロチャネル反応器を通る速度は10~7000L/h、好ましくは20~5600L/h、最も好ましくは40~3500L/hであり、前記BF触媒の残りが前記マイクロチャネル反応器を個別に通る速度は1~150000L/h、好ましくは5~100000L/h、最も好ましくは10~50000L/hである。
【0073】
本発明の一実施形態では、本発明の方法によれば、好ましくは、前記マイクロチャネル反応器における反応温度が0~120℃であり、好ましくは10~80℃、より好ましくは20~60℃である。本発明の方法に関し、好ましくは、前記マイクロチャネル反応器における反応圧力が0.01~10MPaであり、好ましくは0.01~8MPa、より好ましくは0.1~6MPaである。本発明の方法によれば、好ましくは、前記マイクロチャネル反応器における前記オレフィン原料の滞留時間が1~3600秒であり、好ましくは10~1800秒、より好ましくは15~1000秒である。
【0074】
本発明の方法によれば、第1の態様に記載されているようなマイクロチャネル反応器のいずれも、マイクロチャネル反応器として使用することができる。
【0075】
本発明の一実施形態では、本発明の方法によれば、好ましくは、後処理方法は、吸着、遠心分離、沈殿、アルカリ洗浄、水洗浄、および気液分離方法のうちの1つ以上であり得るが、好ましくは吸着である。吸着方法における吸着剤は、好ましくは、金属酸化物、イオン交換樹脂、活性漂白土類、および分子ふるいのうちの1つ以上であり得るが、好ましくは金属酸化物であり、金属酸化物は、好ましくは酸化カリウム、酸化カルシウム、酸化ナトリウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムおよび酸化バリウムのうちの1つ以上である。
【0076】
本発明の一実施形態では、本発明の方法によれば、好ましくは、後処理方法が沈殿または遠心分離の場合、沈殿または遠心分離は、後処理ユニットに入るストリームを、軽液相と重液相とに分離できる。重液相は、副原料とBFと未反応オレフィン原料との複合体を含み、投入ユニットまたはマイクロチャネル反応器に任意で戻され、継続反応において供給を続ける。軽液相は粗製ポリオレフィン生成物であり、さらなる後処理に供することができる。
【0077】
本発明の方法によれば、好ましくは、分留、水素化、および任意のブレンド操作は、得られたポリオレフィン生成物に対し、粘度等級を満たす合成油を得るために実施される。
【0078】
本発明の方法は、重合反応速度が速く、物質移動および伝熱効果が良好で、反応転化率が高く、生成物選択性が良好で、性能が優れているという長所を有し、大規模工業生産に適している。
【0079】
第3の態様において、本発明は、第1の態様に記載された装置を使用した、ポリα-オレフィンの製造方法を提供する。
【0080】
本発明による第1の態様に記載されたポリα-オレフィンを製造するための何らかの装置を使用した、ポリα-オレフィンの製造方法は、投入ユニット1を通じてBF触媒、副原料およびオレフィン原料をマイクロチャネル反応器に投入し、マイクロチャネル反応器中で重合反応に供し、その後、後処理をしてポリオレフィン生成物を製造すること含み、ここで、副原料の少なくとも一部およびBF触媒の少なくとも一部が投入ユニット1中で混合され、同時に、BF触媒の少なくとも一部は個別にマイクロチャネル反応器2に供給される。
【0081】
本発明の一実施形態では、オレフィン原料中のオレフィンは、C~C20α-オレフィンのうちの1つ以上、好ましくはC~C15α-オレフィンのうちの1つ以上、より好ましくはC~C14α-オレフィンのうちの1つ以上である。例えば、オレフィンは、ノネンおよびデセンなどのPAO合成基油の調製に一般的に使用されるオレフィンであり得る。
【0082】
本発明の一実施形態では、オレフィン原料は、溶媒として、C~C20アルカンおよび/またはC~C20酸素含有化合物をさらに含むことができる。オレフィン原料の総質量に対して、C~C20アルカンの質量分率は、0~80%、好ましくは0.5~50%、最も好ましくは1~30%であり得る。オレフィン原料の総質量に対して、C~C20酸素含有化合物の質量分率は、0~20%、好ましくは0~10%、最も好ましくは0.001~5%であり得る。C~C20アルカンは、n-アルカン、イソアルカン、およびシクロアルカンのうちの1つ以上であり得;C~C20酸素含有化合物は、n-アルカノール、イソアルコール、およびケトンのうちの1つ以上であり得る。Fischer-Tropschオレフィン原料は、C~C20α-オレフィン、C~C20アルカン、およびC~C20の酸素含有化合物の混合物(すなわちオレフィン原料)として用いることができる。
【0083】
本発明の一実施形態では、副原料は、BFの電子供与体として使用することができる一般的に使用される副原料であり得、1~20の炭素原子数を有するアルコール、1~20の炭素原子数を有するエーテル、1~20の炭素原子数を有するアルデヒド、1~20の炭素原子数を有するケトン、1~30の炭素原子数を有するエステル、1~20の炭素原子数を有するカルボン酸、および1~20の炭素原子数を有するフェノールのうちの1つ以上、好ましくは1~10の炭素原子数を有するアルコール、より好ましくは3~5の炭素原子数を有するアルコールであり得、例えば、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、n-ペンタノール、およびイソペンタノールのうちの1つ以上であり得る。
【0084】
本発明の一実施形態では、本発明の方法によれば、好ましくは、マイクロチャネル反応器において、副原料:オレフィン原料:BF触媒の総量の質量比率は1:1~1000:1~500(好ましくは1:1~500:1~200、最も好ましくは1:10~250:1~100)である。副原料:オレフィン原料:BF触媒の総量の質量比率は、全ての原料がマイクロチャネル反応器に供給される場合の原料の質量比、すなわち、流体分配器の直後のストリーム中の反応原料の、個別の計算に基づく割合であり得る。本発明において、副原料の質量はBF錯体中の補助物質の質量を含み、BFの質量はBF錯体中のBFの質量を含む。
【0085】
本発明の一実施形態では、本発明の方法によれば、好ましくは、マイクロチャネル反応器2における反応温度が0~120℃であり、好ましくは10~80℃、より好ましくは20~60℃である。本発明の方法に関し、好ましくは、マイクロチャネル反応器2における反応圧力が0.01~10MPaであり、好ましくは0.01~8MPa、より好ましくは0.1~6MPaである。本発明の方法によれば、好ましくは、マイクロチャネル反応器2における前記オレフィン原料の滞留時間が1~3600秒であり、好ましくは10~1800秒、より好ましくは15~1000秒である。
【0086】
本発明の一実施形態では、本発明の方法によれば、マイクロチャネル反応器中のBFの総質量に基づいて、マイクロチャネル反応器2に直接的に供給されるBF触媒と投入ユニットにおける混合で加えられるBF触媒との質量比率は、90~10:10~90であり、好ましくは80~40:20~60、より好ましくは70~50:30~50である。
【0087】
本発明の一実施形態では、本発明の方法によれば、好ましくは、後処理方法は、吸着、遠心分離、沈殿、アルカリ洗浄、水洗浄、および気液分離方法のうちの1つ以上であり得るが、好ましくは吸着である。吸着方法における吸着剤は、好ましくは、金属酸化物、イオン交換樹脂、活性漂白土類、および分子ふるいのうちの1つ以上であり得るが、好ましくは金属酸化物であり、金属酸化物は、好ましくは酸化カリウム、酸化カルシウム、酸化ナトリウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムおよび酸化バリウムのうちの1つ以上である。
【0088】
本発明の一実施形態では、本発明の方法によれば、好ましくは、後処理方法が沈殿または遠心分離の場合、沈殿または遠心分離は、後処理ユニットに入るストリームを、軽液相と重液相とに分離できる。重液相は、副原料とBFと未反応オレフィン原料との複合体を含み、投入ユニットまたはマイクロチャネル反応器に任意で戻され、継続反応において供給を続ける。軽液相は粗製ポリオレフィン生成物であり、さらなる後処理に供することができる。
【0089】
本発明の方法によれば、好ましくは、分留、水素化、および任意のブレンド操作は、得られたポリオレフィン生成物に対し、粘度等級を満たす合成油を得るために実施される。
【0090】
本発明の方法は、触媒、副原料およびオレフィン原料の柔軟かつ迅速な混合を実現することができ、重合反応速度が速く、物質移動および伝熱効果が良好で、反応転化率が高く、生成物選択性が良好で、性能が優れているという長所を有し、大規模工業生産に適している。
【0091】
本発明の好ましいマイクロチャネル反応器を使用する、ポリα-オレフィンの製造方法は、反応系の継続的かつ効率的な混合を実現でき、流体がプラグフローのような様式で流れるように維持し、反応流体の滞留時間の一貫性をできるだけ確実にし、滞留時間の分布による望ましくない生成物選択性を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
図1図1は、本発明の装置の概略図である。
図2図2は、本発明の装置の概略図である。
図3図3は、本発明の好ましいマイクロチャネル反応器の概略図である。
図4図4は、本発明に係る第1の混合部材の断面図である。
図5図5は、本発明に係る第2の混合部材の構造図である。
図6図6は、本発明に係る複数の第2の混合部材の重ね合わせの構造図である。
図7図7は、本発明の比較装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0093】
〔符号の説明〕
1:投入ユニット
2:マイクロチャネル反応器
3:後処理ユニット
01:BFガス触媒投入口
02:副原料投入口
03:オレフィン原料投入口
001:排出パイプ
002:供給パイプ
003:シェル
004:第1の熱交換媒体入口
005:第1の熱交換媒体出口
006:第2の熱交換媒体入口
007:第2の熱交換媒体出口
008:混合領域
009:反応領域
010:反応チャネル
011:第2の混合部材
012:第2の熱交換キャビティ
013:第1の熱交換キャビティ
014:混合チャネル
015:第1の混合部材
016:流体分配器
017:流体分配パイプ
018:排出パイプ
019:第1の仕切板
020:遷移領域
021:安定化チャネル
022:拡散チャネル
023:供給領域
024:回収領域
025:第2の仕切板
0001:主流路
0002:分岐流路
0003:回収キャビティ
0004:ベースストリップ
0005:歯状部材
〔発明を実施するための形態〕
本発明は、実施例を通して、添付の図面と併せて、以下でさらに説明される。
【0094】
図1は、本発明のポリα-オレフィンを製造するための装置の概略図であり、装置は、投入ユニット1、マイクロチャネル反応器2、および後処理ユニット3を備え、それらは連続的に接続されており、投入ユニット1は、BF触媒および副原料を混合するミキサー11、BF触媒および副原料の混合物ならびにオレフィン原料を混合するミキサー12、BF触媒およびオレフィン原料を個別に投入するパイプラインを備え、ミキサー11の一方の分岐はミキサー12と連通可能で、ミキサー11のもう一方の分岐はマイクロチャネル反応器2と連通可能で、ミキサー12はミキサー12と連通している。
【0095】
図2は、本発明のポリα-オレフィンを製造するための装置の概略図であり、装置は、投入ユニット1、マイクロチャネル反応器2、および後処理ユニット3を備え、それらは連続的に接続されており、投入ユニット1は、BF触媒および副原料を混合するミキサー11、BF触媒および副原料の混合物ならびにオレフィン原料を混合するミキサー12、BF触媒を個別に投入するパイプラインを備え、ミキサー11はミキサー12と連通しており、ミキサー12はマイクロチャネル反応器2と連通している。
【0096】
図3は、本発明の好ましいマイクロチャネル反応器の概略図であり、以下を含む:
シェル003;供給領域023、混合領域008、反応領域009、および収集領域024は、シェル003内の第1の方向に沿って連続的に配置および連通され、シェル003は、供給領域023と連通する供給パイプ002と、収集領域024と連通する排出パイプ001とを備え、混合領域008は、第1の方向に沿って延在する混合チャネル014を備え;
流体分配パイプ017、流体分配パイプ017は、シェル003の外部から混合チャネル014内に延在し、流体分配パイプ017は、混合チャネル014の端部で流体分配器016に接続されている。
【0097】
シェル003は、反応物および生成物を収容するための主容器であり、供給領域023、混合領域008、反応領域009、および収集領域024は、シェル003の内部空間の異なる領域であり(これらのすべては、ストリームを貯蔵することができる)、これらの区域は反応物(および生成物)が直線的に前進するように、直線的に配置される。本発明において、ストリームの流れ方向は、第1の方向と呼ばれる。好ましくは図3に示されるように、シェル003は第1の方向が上昇方向であるように配置され、供給領域023、混合領域008、反応領域009、および収集領域024は下から上への方向に配置される。
【0098】
反応の流れの第1のグループ(投入ユニット1からの混合流、供給パイプ002が2本以上存在し得、その数は投入ユニット1からのパイプラインの数に相当し、個別にBF触媒を供給するためのパイプラインを除く)はシェル003上の供給管002を通して供給領域023内に供給することができ、供給領域023は比較的大きな空洞を有し、反応ストリームの第1のグループを貯蔵する役割を果たすことができ、供給領域023内の反応ストリームの第1のグループは、隣接する混合領域008、すなわち混合チャネル014に入ることができる。流体分配パイプ017は投入ユニット1においてBF触媒を個別に供給するためのパイプラインに接続されており、したがって、反応ストリームの第2のグループの投入物(個別に供給されるBF触媒)を、流体分配パイプ017を介して混合チャネル014に提供することができ、それにより、混合領域008の混合チャネル014において、反応ストリームの第1のクループと反応ストリームの第2のグループとを互いに混合することができる。特に、流体分配パイプ017の出口端には、流体分配器016が備えられている。流体分配器016は、反応ストリームの第2のグループをより小さい液滴または気泡に形成することができ、その結果、反応ストリームの第2のグループは混合チャネル014内の反応ストリームの第1のグループに、より均一に分配されることができる。特に、混合チャネル014における混合構造は、液相ストリームと気相ストリームとを混合することにより適している。反応ストリームの第1のグループは液相ストリームであり、反応ストリームの第2のグループは気相ストリームである。気相ストリームは、流体分配器016を通して分散された微小気泡に形成されて、液相ストリームとの接触面積を増加させることができ、同時に、液相ストリームにより大幅に影響を及ぼすこともでき、それによって、2つの混合の均一性を改善することができる。
【0099】
さらに、図3に示すように、混合チャネル014は第1の方向に沿って延在するキャビティであり、すなわち、混合チャネル014は実質的に管状の構造を有し、それによって、その中のストリームが第1の方向に沿って流れて安定したプラグフローを形成することを可能にする。
【0100】
本発明によって提供される好ましいマイクロチャネル反応器は、混合チャネルの構造およびその中での混合様式を設計することによって、反応ストリームの継続的かつ効率的な混合を実現することができ、同時に、反応流体をプラグフロー様式で流れるように維持することができ、反応流体の滞留時間の一貫性をできるだけ保証し、滞留時間の分布による望ましくない生成物選択性を回避することができる。
【0101】
より具体的には、流体分配器016は、マイクロポアを有する粉体焼結体、メソポーラスフォーム材料、ワイヤーメッシュ、およびマイクロスリットまたはマイクロポアを有するチューブより選択される少なくとも1つである。マイクロポアを有する粉末焼結体は、粉末冶金法によって粉末を、マイクロポアを有する構造に焼結することによって得ることができ、中空/メソポーラスフォーム材料はネットワーク骨格を有する中空マイクロチャネルであり、ワイヤーメッシュはマイクロポアを有するネットワーク構造であり、チューブはマイクロスリットまたはマイクロホールを備え、これらのすべては流体分配パイプ017からの流体をより小さな気泡または液滴に分散させることができる。
【0102】
好ましくは、流体分配器016は微細孔を有する円柱状の粉末焼結体であり、混合チャネル014は円形の断面を有する。流体分配器016は流体分配パイプ017と実質的に同じ外径を有する構造であってもよく、流体分配器016の断面形状は混合チャネル014の断面形状に実質的に対応し、流体分配器016は、流体分配器016によって分散された流体ストリームが混合チャネル014内のストリームとより均一に混合されることを可能にするように、混合チャネル014と同軸に配置され、安定かつ均一なプラグフローを形成して、ストリームの滞留時間の不整合を回避することができる。
【0103】
特に、流体分配器016は、0.01cm-200cmの断面積、および1mm-2000mmの長さを有する。混合チャネル014は、0.05cm-400cmの断面積、および50mm-5000mmの長さを有する。混合チャネル014の長さおよび断面積は、両方とも、流体分配器016の長さおよび断面積よりも大きい。
【0104】
さらに、混合領域008は、2~100(好ましくは2~50、より好ましくは2~10)の混合チャネル014を備え、流体分配パイプ017は、シェル003の外部から供給領域023内に延びる主管と、供給領域023から分岐管端部に接続される流体分配器016を有する各混合チャネル014内に延びる分岐管とを含む。複数の混合チャネル014がそれぞれ供給領域023に連通され、反応ストリームの第1のグループは、反応ストリームの第1のグループを分散させる役割を果たす混合チャネル内で複数の部分に分割され、反応ストリームの第1のグループが安定した均一なプラグフローを形成することを可能にする。流体分配パイプ017は主管および分岐管を含み、主管は、投入ユニット1においてBF触媒を個別に供給するためのパイプラインに接続され、供給領域023に対応するシェル003の位置から供給領域023内に延びており、分岐管は、供給領域023から混合チャネル014内に延びている。すなわち、流体分配パイプ017は、供給領域023から混合チャネル014内に延びている。混合領域008および供給領域023は、第1の仕切板019によって仕切ることができる。第1の仕切板019には、複数の貫通孔が備えられており、各混合チャネル014は各貫通孔に整列しているため、混合領域008は供給領域023と連通している。
【0105】
さらに、混合チャネル014において、第1の混合部材015は、流体分配器016の下流に配置されている。混合チャネル014において、流体分配器016の下流は、流体流れ方向の下流(すなわち、第1の方向における流体分配器016の下流)、すなわち、流体分配器016よりも反応領域009に近い位置を指す。第1の混合部材015を介して、流体をさらに混合して、ストリームの2つのグループの混合均一性を改善することができる。
【0106】
具体的には、第1の混合部材015には第1の方向に沿って交互に配置および連通している主流部および分岐部が備えられている。主流路部には1つの主流路0001が備えられ、分岐流部には複数の分岐流路0002が備えられている。図4に示すように、1つ以上の主流部/分岐流部がそれぞれ備えられて交互に配置されていてもよく、主流部には1つの主流路0001のみが配置され、分岐流部には複数の分岐流路0002が配置されている。流体は主流路0001に集束し、各分岐流部の分岐流路0002に分散する。このような合流分散処理により、乱流の程度を十分に高めることができ、流体の混合均一性を向上させることができる。
【0107】
さらに、第1の混合部材015において、複数の分岐流路0002に連通する収集キャビティ0003は、分岐流部0002の下流側に配置されている。図4に示すように、収集キャビティ0003の体積(特に断面積)は、主流路0001の体積(特に断面積)よりも大きく、収集キャビティ0003は複数の上流側分岐流路0002を合流させることができ、次の主流路0001、または反応領域009もしくは遷移領域020の次のステージに連通している。
【0108】
図4に示すように、本発明の実施形態に係る第1の混合部材015が示され、当該第1の混合部材015は、第1の方向に沿って配置された複数の板部材(2~100、好ましくは2~50、より好ましくは10~30)(厚さ約0.2mm~10mm)をスプライスして形成され、それぞれの板部材には、主流路0001、分岐流路0002、および収集キャビティ0003に対応する中空およびキャビティ等の構造が形成されており、処理および製造に便利である。
【0109】
さらに、混合領域008はシェル003内に配置された第1の熱交換キャビティを含み、混合チャネル014は第1の熱交換キャビティ013内に配置され、シェル003は第1の熱交換キャビティ013と連通する第1の熱交換媒体入口004および第1の熱交換媒体出口005を備えている。混合領域008では、混合チャネル014と第1の熱交換キャビティ013とは互いから隔離されており、互いに連通していないが、互いに熱伝導を達成することができ、混合チャネル014に良好な熱伝導性を有する管継手を使用することができる。第1の熱交換媒体入口004に熱交換媒体を供給し、第1の熱交換媒体出口005を通して熱交換媒体を排出することにより、第1の熱交換キャビティ013内に熱交換媒体の循環フローを形成して、混合チャネル014とその中の流体との熱交換を実現することができ、すなわち、混合チャネル014とその中の流体との熱放散を実現し、混合チャネル014内の流体の混合および溶解によって発生する熱が時間内に放散されることを確実にするため、その中の流体は適温範囲にある。
【0110】
とりわけ、混合チャネル014に対する第1の熱交換キャビティ013の体積比は2~50であり、好ましくは、混合チャネル014に対する第1の熱交換キャビティ013の体積比は5~30である。第1の熱交換キャビティ013の体積は混合チャネル014の体積よりも大きいため、反応ストリームの第1のグループおよび反応ストリームの第2のグループの混合および溶解によって生成される熱は時間内に外に導かれる。
【0111】
さらに、遷移領域020が混合領域008と反応領域009との間に設けられ、遷移領域020は一定の断面を有する安定化チャネル021と、徐々に拡大された断面を有し、第1の方向に沿って配置および連通される拡散チャネル022とを備え、安定化チャネル021は混合チャネル014と連通し、拡散チャネル022は反応領域009と連通する。遷移領域020は安定化チャネル021内の複数の混合チャネル014からの混合流体を一緒に合流させて、別の均一な混合を達成し、次いで、拡散チャネル022を介して反応領域009内に混合流体を送達することができる。特に、遷移領域020は、安定化チャネル021および拡散チャネル022を備え、安定化チャネル021は主に流体の合流および混合を実現し、拡散チャネル022は、拡散できる、例えば、後述するように、混合された流体を複数の反応チャネル010に分散させることができるベルマウス形状である。遷移領域020の2つの端部には、それぞれ混合領域008(主に第1の熱交換キャビティ013)および反応領域009(主に第2の熱交換キャビティ012)から隔離されるように、貫通孔を有する仕切板が備えられ、各仕切板の各貫通孔を介して各混合チャネル014および反応チャネル010のそれぞれに並列に連通され、拡散チャネル022および安定化チャネル021は2つの仕切板の間に設けられた管継手とすることができる。
【0112】
さらに、安定化チャネル021は、シェル003の外部に延びる排出パイプ018に接続することができる。上述のように、安定化チャネル021は合流および混合の機能を有し、排出パイプ018は、安定化チャネル021に蓄積された気泡およびストリームを排出して、気泡の蓄積が混合の均一性およびストリームの閉塞に及ぼす影響を回避することができる。排出パイプ018にはバルブを設置することができ、気泡またはストリームを吐出する必要がある場合にはバルブを開くことができる。
【0113】
さらに、拡散チャネル022には、メッシュまたはスリットを有する拡散板が備えられている。拡散板は、第1の方向に対して実質的に垂直であってもよい。拡散チャネル022内の流体は拡散板上のメッシュまたはスリットを通って流れることができるため、その結果、流体が分散され、混合流体の均一性が高められる。
【0114】
とりわけ、反応領域009は、第1の方向に沿って延在し、安定化チャネル021および拡散チャネル022を介して混合チャネル014と連通する複数の並列反応チャネル010を備えている。反応チャネル010は、混合流体のための反応空間を提供し、混合流体が第1の方向に沿って収集領域024の次段に流れるように支持し、その結果、混合流体は反応チャネル010内に安定したプラグフローを形成しながら反応し、不整合な滞留時間分布に起因する望ましくない生成物を回避する。上述のように、反応領域009と混合領域008との間に遷移領域020が設けられてもよく、複数の反応チャネル010が拡散チャネル022と連通してもよいため、拡散チャネル022内の混合流体が複数の反応チャネル010に均一に分散される。反応チャネルの数は、例えば、2~10000チャネル、好ましくは2~5000チャネル、より好ましくは2~500チャネルである。反応チャネル010は、円形、長方形、および三角形の形状のうちの少なくとも1つの断面を有することができる。
【0115】
さらに、反応チャネル010は、第2の混合部材011を備え、第2の混合部材011は第1の方向に沿って延びるベースストリップ0004と、ベースストリップ0004に接続され、ベースストリップ0004に対して横方向に延びる歯状部材0005とを含む。第2の混合部材011において、ベースストリップ0004は複数の歯状部材0005のための支持体を提供し、その結果、歯状部材0005は反応チャネル010内に安定して保持されることができ、歯状部材0005は反応チャネル010に対してほぼ横方向に延在し、これは反応チャネル010内の流体の乱流度を改善し、それによって、反応ストリーム間の混合均一性を改善することができる。
【0116】
さらに、歯状部材0005は、三角形、弓形、波形、およびスパイラル形の形状のうちの1つ。歯状部材0005は反応チャネル010に対して横方向に延在し、流体の乱流度を増加させる作用を達成することができる限り、様々な形状とすることができる。
【0117】
好ましくは、歯状部材0005が三角形であり、ベースストリップ0004に近接する三角形の一方の側で、一方の角部はベースストリップ0004に接続され、他方の角部はベースストリップ0004から0.01mm~20mm離れている。歯状部材0005は、三角形の板部材であってもよく、1つの角部のみでベースストリップ0004に接続される。
【0118】
好ましくは、反応チャネル010が間隔をおいて積層された複数の第2の混合部材011(2~100個、好ましくは2~50個、より好ましくは10~30個)を備え、複数の第2の混合部材011が間隔をおいて積層され、それに対応して歯状部材0005も間隔をおいて積層され、異なる第2の混合部材011の歯状部材0005が互い違いに配置されて、異なる第2の混合部材011がより不規則に配置され、反応チャネル010内の流体の乱流度をより良好に改善することができる。
【0119】
好ましくは、反応チャネル010の断面は長方形であり、歯状部材0005は長方形の一組の対向する側の間に延在する。具体的には、反応流路010が4つの側壁、すなわち、2組の対向する平行な側壁を含み、ベースストリップ0004は反応チャネル010の一方の側壁に配置され、歯状部材0005は他方の対向する側壁に向かって延在し、複数の第2の混合エレメント011は反応チャネル010の四角柱状を有する内部キャビティ構造をより良好に収容することができる。
【0120】
とりわけ、反応チャネル010は、1mm~150mmの断面積、50mm~5000mmの長さを有し、反応チャネル010間の最短距離は1mm~50mmであり、第2の混合部材011は0.1mm~3mmの厚さを有し、隣り合う歯状部材0005間の間隔は1mm~50mmである。
【0121】
好ましくは、反応チャネル010は100mm~3000mmの長さを有し、反応チャネル010間の最小の間隔は3mm~30mmであり、第2の混合部材011は0.2mm~2mmの厚さを有し、隣り合う歯状部材0005間の間隔は1.5mm~20mmである。反応チャネル010の最小の間隔は、反応領域009内の反応チャネル010の密度を反映する。好ましくは、第2の混合部材011において、歯状部材0005はベースストリップ0004と同一平面上にあり得る板状部材であり、第2の混合部材011の厚さはほぼ歯状部材0005の厚さである。
【0122】
さらに、反応領域009はシェル003内に配置された第2の熱交換キャビティ012を備えることができ、反応チャネル010は第2の熱交換キャビティ012内に配置され、シェル003は第2の熱交換キャビティ012と連通する第2の熱伝達媒体入口006および第2の熱伝達媒体出口007を備えている。第2の熱交換キャビティ012は主にシェル003によって形成してもよく、2つの端部には、それぞれ、反応領域009と収集領域024との間の第2の仕切板025と、反応領域009と遷移領域020との間の仕切板とがある。反応チャネル010内の流体が適切な温度範囲で反応することを確実にするように、第2の熱交換媒体入口006および第2の熱交換媒体出口007を介して、熱交換媒体を第2の熱交換キャビティ012に導入して、反応チャネル010の熱交換処理を実現し、望ましくない生成物の生成を回避することができる。
【0123】
さらに、第1の熱交換キャビティ013と第2の熱交換キャビティ012とは、互いに直列に接続されて1つの熱交換循環流路に配置されていてもよいし、1つの熱交換循環流路に並列に配置されていてもよいし、2つの異なる熱交換循環流路にそれぞれ配置されていてもよい。
【0124】
とりわけ、反応チャネル010に対する第2の熱交換キャビティ012の体積比は2~50であり、好ましくは、反応チャネル010に対する第2の熱交換キャビティ012の体積比は5~30である。第2の熱交換キャビティ012の体積は、反応チャネル010の体積よりも大きく、反応チャネル010内の熱を適時に排出して、反応チャネル010が適温であることを確実にすることができる。
【0125】
本発明の好ましいマイクロチャネル反応器は、ポリα-オレフィン合成オイルを合成するために使用することができ、供給パイプ002は液相の流れ(連続相)(投入ユニット1からの混合流)を投入するのに使用可能で、流体分配パイプ017は気相の流れ(分散相)(投入ユニット1から個別に供給されるBF触媒)を投入するのに使用可能である。液相の流れは、供給パイプ002からのマイクロチャネル反応器の供給領域023に入るための連続相として使用され、気相の流れは、流体分配パイプ017からの反応器の混合チャネル014に入るための分散相として使用され、流体分配器016を通じて連続相に溶解する。反応チャネル010において反応を完了させた混合流体は回収領域024に入り、最終的に排出パイプ001から排出される。
【0126】
本発明の実施形態において、好ましい構造部品またはパラメータは、好ましいマイクロチャネル反応器を使用する際に、別段の指示が無い限り、詳説の繰返しなく採用される。
【0127】
図7は、本発明の比較装置の概略図であり、ここで、装置は、投入ユニット1、管型反応器2、および後処理ユニット3を備え、それらは連続的に接続されており、投入ユニット1は副原料とオレフィン原料のためのミキサー12、およびBF触媒を個別に供給するパイプラインを備える。
【実施例
【0128】
実施例1
本実施例において、マイクロチャネル反応器に直接的に供給されたBFと、混合に加わるためにミキサーに供給されたBFとの質量比率は60:40であり、BF触媒の一部と副原料の全部とを混合することにより得られた流れをマイクロチャネル反応器に通し、BF触媒の残りとオレフィン原材料の全部をそれぞれ個別にマイクロチャネル反応器に通した(本発明に係る上記構成形態2および供給形態2)。
【0129】
この装置において、ミキサーの構造およびパラメータは次の通りであった:ミキサーは、10cmの外径および6cmの内径を有する円筒形構造であった。ミキサーは下端に2つの供給口を有し、最上端に1つの排出口を有していた。ミキサーは充填剤層を備え、充填剤はセラミックボールであった。ミキサーは、温度0~100℃の熱交換層を有していた。
【0130】
この装置において、使用されるマイクロチャネル反応器は、上記の通り本発明で好ましいマイクロチャネル反応器であり、5つの反応チャネル010を並列に含んでおり、それぞれの反応チャネル010は20mmの横断面積を有する矩形の断面を有し、反応チャネル010は、2000mmの長さを有していた。反応チャネル010内の第2の混合部材011は三角形の歯状部材0005を有し、隣り合う歯状部材0005間の間隔は5ミリメートルであった。反応チャネル010には、図5に示すように、第2の混合部材011が重ね合わされた合計4つの層が配置されている。反応器は、10cmの横断面積および800mmの長さを有する2つの混合チャネル014を含んでいた。流体分配器016は、平均細孔径5ミクロン、横断面積8.5cm、長さ150mmの金属粉末焼結体であった。3つの第1の混合部材015がそれぞれの混合チャネル014に設けられていた。
【0131】
この装置において、後処理ユニット3は固体吸着装置であり、その構造およびパラメータは次の通りであった:開放型、実効容積10L、常温動作、下端供給、上端排出、酸化カリウムでタンクを充填。
【0132】
126L/hの流量のBFガスと0.6L/hのn-ブタノールをミキサーで混合した。マイクロチャネル反応器2には、ミキサー内の流量1.2L/hの流れ、追加的に独立に供給される流量189L/hのBFガス、および60L/hの流量のデセンをそれぞれ個別に供給した。重合反応が起こり、反応温度は20℃、圧力は5MPaであった。重合反応後に得られた流れを、後処理用のアルカリ洗浄装置および水洗浄装置に入れた。触媒を除去してポリオレフィン生成物が得られた。システムが安定的に稼働した後、試料を採取しガスクロマトグラフィーで生成物中の各成分の含有量を測定した。試験結果を表1に示す。
【0133】
【表1】
【0134】
実施例2
本実施例において、マイクロチャネル反応器に直接的に供給されたBFと、混合に加わるためにミキサーに供給されたBFとの質量比率は60:40であり、BF触媒の一部と副原料の一部とを混合することにより得られた流れをマイクロチャネル反応器に通し、BF触媒の残り、副原料の残り、およびオレフィン原材料の全部をそれぞれ個別にマイクロチャネル反応器に通した(本発明に係る上記構成形態3および供給形態3)。
【0135】
ミキサーおよびマイクロチャネル反応器は、実施例1のものと同じ構造であった。
【0136】
この装置において、後処理ユニット3は固体吸着装置であり、その構造およびパラメータは次の通りであった:開放型、実効容積10L、常温動作、下端供給、上端排出、酸化カリウムでタンクを充填。
【0137】
126L/hの流量のBFガスと0.3L/hのn-ブタノールをミキサーで混合した。マイクロチャネル反応器2には、ミキサー内の流量1.2L/hの流れ、追加的に独立に供給される流量189L/hのBFガス、0.3L/hのn-ブタノール、および60L/hの流量のデセンをそれぞれ個別に供給した。重合反応が起こり、反応温度は20℃、圧力は5MPaであった。重合反応後に得られた流れを、後処理用のアルカリ洗浄装置および水洗浄装置に入れた。触媒を除去してポリオレフィン生成物が得られた。システムが安定的に稼働した後、試料を採取しガスクロマトグラフィーで生成物中の各成分の含有量を測定した。試験結果を表2に示す。
【0138】
【表2】
【0139】
実施例3
本実施例において、マイクロチャネル反応器に直接的に供給されたBFと、混合に加わるためにミキサーに供給されたBFとの質量比率は60:40であり、BF触媒の一部、副原料の一部、およびオレフィン原材料の全部を混合することにより得られた流れをマイクロチャネル反応器に通し、BF触媒の残りと副原料の残りをそれぞれ個別にマイクロチャネル反応器に通した(本発明に係る上記構成形態4および供給形態4)。
【0140】
オレフィン原料の重合を、図1に示すポリα-オレフィンの製造装置を用いて行った。
【0141】
この装置において、ミキサー11の構造およびパラメータは次の通りであった:ミキサーは、10cmの外径および6cmの内径を有する円筒形構造であった。ミキサーは下端に2つの供給口を有し、最上端に1つの排出口を有していた。ミキサーは充填剤層を備え、充填剤はセラミックボールであった。ミキサーは、温度0~100℃の熱交換層を有していた。
【0142】
この装置において、ミキサー12の構造およびパラメータは次の通りであった:ミキサーは、10cmの外径および6cmの内径を有する円筒形構造であった。ミキサーは下端に2つの供給口を有し、最上端に1つの排出口を有していた。ミキサーは充填剤層を備え、充填剤は通常の充填剤であった。ミキサーは、温度0~50℃の熱交換層を有していた。
【0143】
マイクロチャネル反応器は実施例1のものと同じ構造であった。
【0144】
この装置において、後処理ユニット3は固体吸着装置であり、その構造およびパラメータは次の通りであった:開放型、実効容積10L、常温動作、下端供給、上端排出、酸化カリウムでタンクを充填。
【0145】
126L/hの流量のBFガスと0.3L/hのn-ブタノールをミキサー11で混合し、次いで混合物と60L/hの流量のデセンをミキサー12で混合した。マイクロチャネル反応器2には、ミキサー12内の流量60.6L/hの流れ、追加的に独立に供給される流量189L/hのBFガス、および0.3L/hの流量のn-ブタノールをそれぞれ個別に供給した。重合反応が起こり、反応温度は20℃、圧力は5MPaであった。重合反応後に得られた流れを、後処理用のアルカリ洗浄装置および水洗浄装置に入れた。触媒を除去してポリオレフィン生成物が得られた。システムが安定的に稼働した後、試料を採取しガスクロマトグラフィーで生成物中の各成分の含有量を測定した。試験結果を表3に示す。
【0146】
【表3】
【0147】
実施例4
本実施例において、マイクロチャネル反応器に直接的に供給されたBFと、混合に加わるためにミキサーに供給されたBFとの質量比率は60:40であり、BF触媒の一部、副原料の全部、およびオレフィン原材料の一部を混合することにより得られた流れをマイクロチャネル反応器に通し、BF触媒の残りとオレフィン原材料の残りをそれぞれ個別にマイクロチャネル反応器に通した(本発明に係る上記構成形態5および供給形態5)。
【0148】
オレフィン原料の重合を、図1に示すポリα-オレフィンの製造装置を用いて行った。
【0149】
ミキサーおよびマイクロチャネル反応器は、実施例3のものと同じ構造であった。
【0150】
この装置において、後処理ユニット3は固体吸着装置であり、その構造およびパラメータは次の通りであった:開放型、実効容積10L、常温動作、下端供給、上端排出、酸化カリウム充填でタンクを充填。
【0151】
126L/hの流量のBFガスと0.6L/hのn-ブタノールをミキサー11で混合し、次いで混合物と30L/hの流量のデセンをミキサー12で混合した。マイクロチャネル反応器2には、ミキサー12内の流量30.6L/hの流れ、追加的に独立に供給される流量189L/hのBFガス、および0.3L/hの流量のデセンをそれぞれ個別に供給した。重合反応が起こり、反応温度は20℃、圧力は5MPaであった。重合反応後に得られた流れを、後処理用のアルカリ洗浄装置および水洗浄装置に入れた。触媒を除去してポリオレフィン生成物が得られた。システムが安定的に稼働した後、試料を採取しガスクロマトグラフィーで生成物中の各成分の含有量を測定した。試験結果を表4に示す。
【0152】
【表4】
【0153】
実施例5
本実施例において、マイクロチャネル反応器に直接的に供給されたBFと、混合に加わるためにミキサーに供給されたBFとの質量比率は60:40であり、BF触媒の一部、副原料の全部、およびオレフィン原材料の全部を混合することにより得られた流れをマイクロチャネル反応器に通し、BF触媒の残りをマイクロチャネル反応器に通した(本発明に係る上記構成形態6および供給形態6)。
【0154】
ミキサーおよびマイクロチャネル反応器は、使用されているミキサーでは3つの供給口があることを除いて、実施例1のものと同じ構造であった。
【0155】
ミキサーおよびマイクロチャネル反応器は、実施例3のものと同じ構造であった。
【0156】
この装置において、後処理ユニット3は固体吸着装置であり、その構造およびパラメータは次の通りであった:開放型、実効容積10L、常温動作、下端供給、上端排出、酸化カリウムでタンクを充填。
【0157】
126L/hの流量のBFガス、0.6L/hのn-ブタノール、および60L/hの流量のデセンをミキサーに通し、混合を実施した。マイクロチャネル反応器2には、ミキサー内の流量61.2L/hの流れ、および追加的に独立に供給される流量189L/hのBFガスをそれぞれ個別に供給した。重合反応が起こり、反応温度は20℃、圧力は5MPaであった。重合反応後に得られた流れを、後処理用のアルカリ洗浄装置および水洗浄装置に入れた。触媒を除去してポリオレフィン生成物が得られた。システムが安定的に稼働した後、試料を採取しガスクロマトグラフィーで生成物中の各成分の含有量を測定した。試験結果を表5に示す。
【0158】
【表5】
【0159】
実施例6
本実施例において、マイクロチャネル反応器に直接的に供給されたBFと、混合に加わるためにミキサーに供給されたBFとの質量比率は60:40であった。投入ユニットでは、BF触媒の一部と副原料の全部とを第1の混合に供し、次いでオレフィン原料の全部と第2の混合に供し、次いで混合流をマイクロチャネル反応器に通し、BF触媒の残りを個別にマイクロチャネル反応器に通した(本発明に係る上記構成形態6および供給形態6)。
【0160】
オレフィン原料の重合を、図2に示すポリα-オレフィンの製造装置を用いて行った。
【0161】
ミキサーおよびマイクロチャネル反応器は、実施例3のものと同じ構造であった。
【0162】
この装置において、後処理ユニット3は固体吸着装置であり、その構造およびパラメータは次の通りであった:開放型、実効容積10L、常温動作、下端供給、上端排出、酸化カリウムでタンクを充填。
【0163】
126L/hの流量のBFガスと0.6L/hのn-ブタノールをミキサー11で混合し、60L/hの流量の混合流とデセンをミキサー12に流した。マイクロチャネル反応器2には、ミキサー12内の流量61.2L/hの流れ、および追加的に独立に供給される流量189L/hのBFガスを、それぞれ個別に供給した。重合反応が起こり、反応温度は20℃、圧力は5MPaであった。重合反応後に得られた流れを、後処理用のアルカリ洗浄装置および水洗浄装置に入れた。触媒を除去してポリオレフィン生成物が得られた。システムが安定的に稼働した後、試料を採取しガスクロマトグラフィーで生成物中の各成分の含有量を測定した。試験結果を表6に示す。
【0164】
【表6】
【0165】
実施例7
本実施例において、マイクロチャネル反応器に直接的に供給されたBFと、混合に加わるためにミキサーに供給されたBFとの質量比率は50:50であった。投入ユニットでは、BF触媒の一部と副原料の全部とを第1の混合に供し、次いでオレフィン原料の全部と第2の混合に供し、次いで混合流をマイクロチャネル反応器に通し、BF触媒の残りを個別にマイクロチャネル反応器に通した。
【0166】
オレフィン原料の重合を、図2に示すポリα-オレフィンの製造装置を用いて行った。
【0167】
ミキサーおよびマイクロチャネル反応器は、実施例3のものと同じ構造であった。
【0168】
この装置において、後処理ユニット3は固体吸着装置であり、その構造およびパラメータは次の通りであった:開放型、実効容積10L、常温動作、下端供給、上端排出、酸化カリウムでタンクを充填。
【0169】
126L/hの流量のBFガスと0.6L/hのn-ブタノールをミキサー11で混合し、60L/hの流量の混合流とデセンをミキサー12に流した。マイクロチャネル反応器2には、ミキサー12内の流量61.2L/hの流れ、および追加的に独立に供給される流量126L/hのBFガスを、それぞれ個別に供給した。重合反応が起こり、反応温度は20℃、圧力は5MPaであった。重合反応後に得られた流れを、後処理用のアルカリ洗浄装置および水洗浄装置に入れた。触媒を除去してポリオレフィン生成物が得られた。システムが安定的に稼働した後、試料を採取しガスクロマトグラフィーで生成物中の各成分の含有量を測定した。試験結果を表7に示す。
【0170】
【表7】
【0171】
比較例1
図2に示すポリα-オレフィン製造装置を用いてオレフィン重合を行った。本実施例において、マイクロチャネル反応器に直接的に供給されたBFと、混合に加わるためにミキサーに供給されたBFとの質量比率は60:40であり、BF触媒の一部と副原料の全部とを第1の混合に供し、次いでオレフィン原料の全部と第2の混合に供し、次いで混合流をマイクロチャネル反応器に通し、BF触媒の残りを個別にマイクロチャネル反応器に通した。
【0172】
ミキサーは実施例3のものと同じ構造であった。
【0173】
この装置において、マイクロチャネル反応器2は5つの反応チャネル010を並列に含んでおり、それぞれの反応チャネル010は20mmの横断面積を有する矩形の断面を有し、反応チャネル010は、2000mmの長さを有していた。反応チャネル010内の第2の混合部材011は三角形の歯状部材0005を有し、隣り合う歯状部材0005間の間隔は5ミリメートルであった。反応チャネル010には、図5に示すように、第2の混合部材011が重ね合わされた合計4つの層が配置されている。混合チャネル014も流体分配器016も反応器内になかった。
【0174】
この装置において、後処理ユニット3は吸着ユニットであり、その構造およびパラメータは次の通りであった:開放型、実効容積10L、常温動作、下端供給、上端排出、酸化カルシウムで吸着装置を充填。
【0175】
126L/hの流量のBFガスと0.6L/hのn-ブタノールをミキサー11で混合し、60L/hの流量の混合流とデセンをミキサー12に流した。マイクロチャネル反応器2には、ミキサー12内の流量61.2L/hの流れ、および追加的に独立に供給される流量189L/hのBFガスを、それぞれ個別に供給した。マイクロチャネル反応器2で重合反応が起こり、反応温度は20℃、圧力は5MPaであった。重合反応後に得られた流れを吸着装置に入れ、吸着により触媒を除去してポリオレフィン生成物を製造した。少量の試料を採取し、ガスクロマトグラフィーで生成物中の各成分の含有量を測定した。試験結果を表8に示す。
【0176】
【表8】
【0177】
比較例2
図2に示すポリα-オレフィン製造装置を用いて重合反応を行った。本実施例において、マイクロチャネル反応器に直接的に供給されたBFと、混合に加わるためにミキサーに供給されたBFとの質量比率は60:40であり、BF触媒の一部と副原料の全部とを第1の混合に供し、次いでオレフィン原料の全部と第2の混合に供し、次いで混合流をマイクロチャネル反応器に通し、BF触媒の残りを個別にマイクロチャネル反応器に通した。
【0178】
マイクロチャネル反応器は実施例3のものと同じ構造であった。
【0179】
この装置において、マイクロチャネル反応器2は5つの反応チャネル010を並列に含んでおり、それぞれの反応チャネル010は20mmの横断面積を有する矩形の断面を有し、反応チャネル010は、2000mmの長さを有していた。反応チャネル010内の第2の混合部材011は三角形の歯状部材0005を有し、隣り合う歯状部材0005間の間隔は5ミリメートルであった。反応チャネル010には、図5に示すように、第2の混合部材011が重ね合わされた合計4つの層が配置されている。反応器は、10cmの横断面積および800mmの長さを有する1つの混合チャネル014を含んでいた。流体分配器016は、平均細孔径5ミクロン、横断面積8.5cm、長さ150mmの金属粉末焼結体であった。3つの第1の混合部材015が混合チャネル014に設けられていた。
【0180】
この装置において、後処理ユニット3は遠心分離装置であり、その構造およびパラメータは次の通りであった:チューブ型遠心分離機、常温運転、および8000Gの分離係数。
【0181】
126L/hの流量のBFガスと0.6L/hのn-ブタノールをミキサー11で混合し、60L/hの流量の混合流とデセンをミキサー12に流した。マイクロチャネル反応器2には、ミキサー12内の流量61.2L/hの流れ、および追加的に独立に供給される流量189L/hのBFガスを、それぞれ個別に供給した。マイクロチャネル反応器2で重合反応が起こり、反応温度は20℃、圧力は5MPaであった。重合反応後に得られた流れを遠心分離装置に入れ、遠心分離して触媒を除去し、3回水洗浄してポリオレフィン生成物を製造した。システムが安定に稼動した後、少量のサンプルを採取し、ガスクロマトグラフィーによって生成物中の各成分の含有量を測定した。試験結果を表9に示す。
【0182】
【表9】
【0183】
実施例8
オレフィン原料の重合を、図2に示すポリα-オレフィンの製造装置を用いて行った。本実施例において、マイクロチャネル反応器に直接的に供給されたBFと、混合に加わるためにミキサーに供給されたBFとの質量比率は60:40であった。投入ユニットでは、BF触媒の一部と副原料の全部とを第1の混合に供し、次いでオレフィン原料の全部と第2の混合に供し、次いで混合流をマイクロチャネル反応器に通し、BF触媒の残りを個別にマイクロチャネル反応器に通した。
【0184】
ミキサーおよびマイクロチャネル反応器は、実施例3のものと同じ構造であった。
この装置において、マイクロチャネル反応器2は5つの反応チャネル010を並列に含んでおり、それぞれの反応チャネル010は20mmの横断面積を有する矩形の断面を有し、反応チャネル010は、2000mmの長さを有していた。反応チャネル010内の第2の混合部材011は三角形の歯状部材0005を有し、隣り合う歯状部材0005間の間隔は5ミリメートルであった。反応チャネル010には、図5に示すように、第2の混合部材011が重ね合わされた合計4つの層が配置されている。反応器は、10cmの横断面積および800mmの長さを有する2つの混合チャネル014を含んでいた。3つの第1の混合部材015が、各混合チャネル014に設けられていた。流体分配器016はマイクロ/メソポーラス管材料から作製されており、マイクロ/メソポーラス管材料の網目構造を構成する中空マイクロチャネルは8.5cmの横断面積、2ミクロンの平均孔径、および150mmの長さを有していた。
【0185】
この装置において、後処理ユニット3は遠心分離装置であり、その構造およびパラメータは次の通りであった:チューブ型遠心分離機、常温運転、および8000Gの分離係数。
【0186】
126L/hの流量のBFガスと0.6L/hのn-ブタノールをミキサー11で混合し、60L/hの流量の混合流とデセンをミキサー12に流した。マイクロチャネル反応器2には、ミキサー12内の流量61.2L/h、および追加的に独立に供給される流量189L/hのBFガスを、それぞれ個別に供給した。マイクロチャネル反応器2で重合反応が起こり、反応温度は20℃、圧力は5MPaであった。重合反応後に得られた流れを遠心分離装置に入れ、遠心分離して触媒を除去し、3回水洗浄してポリオレフィン生成物を製造した。システムが安定に稼動した後、少量のサンプルを採取し、ガスクロマトグラフィーによって生成物中の各成分の含有量を測定した。試験結果を表10に示す。
【0187】
【表10】
【0188】
比較例3
本実施例において、マイクロチャネル反応器2の構造およびパラメータは実施例1のものと同一であった。
【0189】
この装置では、後処理ユニット3は吸着装置であり、その構造およびパラメータ工程は次の通りであった:開放型、実効容積10L、常温運転、下端供給、上端排出、酸化カルシウムで吸着装置を充填。
【0190】
マイクロチャネル反応器2には、それぞれ独立して、BFガスを315L/hの流量で、n-ブタノールを0.6L/hの流量で、デセンを60L/hの流量で供給した。マイクロチャネル反応器2で重合反応が起こり、反応温度は20℃、圧力は5MPaであった。反応後に得られた流れを吸着装置に入れ、吸着により触媒を除去してポリオレフィン生成物を製造した。システムが安定に稼動した後、サンプルを採取し、ガスクロマトグラフィーにより、生成物中の各成分の含有量を測定した。試験結果を表11に示す。
【0191】
【表11】
【0192】
比較例4
本実施例において、ミキサーおよびマイクロチャネル反応器2の構造およびパラメータは、実施例1のものと同一であった。
【0193】
この装置において、後処理ユニット3は吸着装置であり、その構造およびパラメータ工程は次の通りであった:開放型、実効容積10L、常温運転、下端供給、上端排出、酸化カルシウムで吸着装置を充填。
【0194】
流量315L/hのBFガスおよび0.6L/hのn-ブタノールをミキサー中で混合した。60L/hの流量の混合流およびデセンを、それぞれ独立してマイクロチャネル反応器2に供給した。マイクロチャネル反応器2で重合反応が起こり、反応温度は20℃、圧力は5MPaであった。反応後に得られた流れを吸着装置に入れ、吸着により触媒を除去してポリオレフィン生成物を製造した。システムが安定に稼動した後、サンプルを採取し、ガスクロマトグラフィーにより、生成物中の各成分の含有量を測定した。試験結果を表12に示す。
【0195】
【表12】
【0196】
比較例5
本実施例において、ミキサーおよびマイクロチャネル反応器2の構造およびパラメータは、実施例1のものと同一であった。
【0197】
この装置において、後処理ユニット3は吸着装置であり、その構造およびパラメータ工程は次の通りであった:開放型、実効容積10L、常温運転、下端供給、上端排出、酸化カルシウムで吸着装置を充填。
【0198】
0.6L/hのn-ブタノールおよび流量60L/hのデセンをミキサー中で混合した。61.2L/hの流量の混合流および流量315L/hのBFガスを、それぞれ独立してマイクロチャネル反応器2に供給した。マイクロチャネル反応器2で重合反応が起こり、反応温度は20℃、圧力は5MPaであった。反応後に得られた流れを吸着装置に入れ、吸着により触媒を除去してポリオレフィン生成物を製造した。システムが安定に稼動した後、サンプルを採取し、ガスクロマトグラフィーにより、生成物中の各成分の含有量を測定した。試験結果を表13に示す。
【0199】
【表13】
【0200】
比較例6
オレフィン原料の重合は、図7に示すポリα-オレフィンの製造装置を用いて行った。
【0201】
この装置では、ミキサーは実施例1と同じ構造およびパラメータを有していた。
【0202】
この装置では、管状反応器は反応管と、熱交換媒体を収容する中空円筒シェルとを備え、反応管は中空円筒シェル内に螺旋状に配置されていた。バッフル板が、中空円筒シェル内に周方向に沿って間隔をあけて配置され、バッフル板は反応管の断面方向に沿って延在し、反応管を収容可能な貫通孔を備え、これにより反応管がバッフル板を通るようにした。円筒シェルには、熱交換媒体入口および熱交換媒体出口がそれぞれ設けられた。
【0203】
本実施例において、後処理ユニット3は吸着装置であり、実施例3のものと同じ構造および工程パラメータを有していた。
【0204】
0.6L/hのn-ブタノールおよび流量60L/hのデセンをミキサー中で混合した。61.2L/hの流量の混合流および流量315L/hのBFガスを、それぞれ独立してマイクロチャネル反応器2に供給した。マイクロチャネル反応器2で重合反応が起こり、反応温度は20℃、圧力は5MPaであった。反応後に得られた流れを吸着装置に入れ、吸着により触媒を除去してポリオレフィン生成物を製造した。システムが安定に稼動した後、サンプルを採取し、ガスクロマトグラフィーにより、生成物中の各成分の含有量を測定した。試験結果を表14に示す。
【0205】
【表14】
【0206】
比較例7
本実施例において、ミキサーおよびマイクロチャネル反応器2の構造およびパラメータは、実施例1のものと同一であった。
【0207】
流量5L/hのBFガスおよび0.6L/hのn-ブタノールをミキサー中で混合し、混合流をマイクロチャネル反応器2に通し、流量30L/hの1-デセンをマイクロチャネル反応器2に通した。マイクロチャネル反応器で重合反応が起こり、反応温度は20℃、圧力は5MPaであった。反応後に得られた流れを吸着装置に入れ、吸着により触媒を除去してポリオレフィン生成物を製造した。システムが安定に稼動した後、サンプルを採取し、ガスクロマトグラフィーにより、生成物中の各成分の含有量を測定した。試験結果を表15に示す。
【0208】
【表15】
【0209】
実施例1~8および比較例1~7のポリオレフィン生成物をそれぞれ蒸留およびカットして、280℃を超えるポリα-オレフィン合成油を得、100℃での動粘度および粘度指数を試験した。試験結果を表16に示す。
【0210】
【表16】
【0211】
上記の実施例および比較例から、本発明のポリα-オレフィン合成油を製造するための特定の方法を使用することによって、対象生成物の転化率を向上させることができることが分かる。さらに、好ましいマイクロチャネル反応器を使用することによって、ポリα-オレフィン合成油を合成するための方法は、高い転化率を有した。これは、反応チャネル010と混合チャネル014とが同一方向に配置された管状構造であるため、混合流体が第1の方向に沿って安定したプラグフローを形成することができ、混合流体の滞留時間の一貫性が向上し、望ましくない生成物の生成が回避または低減されるからである。また、反応チャネル10には第2の混合部材011が設けられ、混合チャネル014には流体分配器016と第1の混合部材015とが設けられており、これが混合流体の乱流度をさらに向上させ、混合の均一性を向上させ、さらに、望ましくない生成物の生成を回避または低減させ、対象生成物の転化率を向上させることができる。
【0212】
また、上記実施例および比較例から、本発明のポリα-オレフィン合成油の製造方法を用いることにより、動粘度および粘度指数のいずれにおいても優れたポリα-オレフィン合成油を得ることができたことが分かる。
【0213】
以上、本発明の好適な実施形態について図面を用いて細部にわたって説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で、様々な具体的な技術的特徴の任意の好適な様式での組合せを含む、様々な簡単な変更が、本発明の技術的解決手段に対して行われ得る。不必要な繰り返しを回避するために、様々な可能な組み合わせは、本明細書では詳細に説明されない。しかしながら、これらの簡単な変更および組合せは、本発明の開示内容とみなされるべきであり、全てが本発明の保護範囲に属する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】