(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-30
(54)【発明の名称】超酸素化水およびゲルの使用
(51)【国際特許分類】
A61K 33/00 20060101AFI20230523BHJP
A61P 17/02 20060101ALI20230523BHJP
【FI】
A61K33/00
A61P17/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022564283
(86)(22)【出願日】2021-04-26
(85)【翻訳文提出日】2022-12-16
(86)【国際出願番号】 CA2021050569
(87)【国際公開番号】W WO2021212239
(87)【国際公開日】2021-10-28
(32)【優先日】2020-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521210900
【氏名又は名称】ジーアイエス ベンチャーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100095337
【氏名又は名称】福田 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100174425
【氏名又は名称】水崎 慎
(74)【代理人】
【識別番号】100203932
【氏名又は名称】高橋 克宗
(72)【発明者】
【氏名】ビーティ,マイケル
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086HA08
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA17
4C086MA28
4C086MA52
4C086MA56
4C086MA63
4C086MA66
4C086NA14
4C086ZA89
(57)【要約】
水、水溶液およびゲルより選択される超酸素化流体が、以下の経路:経皮、皮内、皮下、腹腔内および経口のいずれか一つを介して生体に導入される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水、水溶液およびゲルより選択される超酸素化流体の使用であって、前記流体は以下の経路:経皮、皮内、皮下、腹腔内および経口のいずれか一つを介して生体に導入される、使用。
【請求項2】
溶存酸素濃度が通常の全ガス圧で185%の飽和度より大きい、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
本発明の別の態様によれば、前記流体は、米国特許6209855号に記載されるデバイスを使用して酸素化されうる。
【請求項4】
別の態様によれば、前記流体は、創傷の治癒において使用されることができ、創傷のpO
2がリアルタイムで監視されることができ、創傷部位のpO
2に応答して前記流体が導入されることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒトを含む生物(biologicals)による酸素の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
生体において分子酸素が細胞の健康に重要な役割を果たすことがよく知られている。
【0003】
分子酸素の利益の詳細な説明は、参照により本明細書に組み込まれる2020年4月24日に出願された特許文献1に記載されている。
【0004】
身体の酸素へのアクセスを最大化する手段として、酸素が皮膚を通して吸収されうることに頼る高圧室が一般に使用される。例えば、運動選手によって、激しい運動のイベントからの回復を助けるために高圧室が一般に使用される。
【0005】
しかし、高圧室を長期間使用することは非現実的でもあり、医学的に危険でもある。特に、上昇した血中酸素濃度は、細胞から放出されるCO2との血中酸素の適切な交換を著しく妨げる。これによりさらに、ホールデン効果およびボーア効果に主に関連する一連の二次的な問題が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許仮出願第63/014,764号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、水、水溶液およびゲルより選択される超酸素化流体が、以下の経路:経皮、皮内、皮下、腹腔内および経口のいずれか一つを介して生体に導入される。
【0008】
本発明の別の態様によれば、この流体においては、溶存酸素濃度が通常の全ガス圧(TGP:total gas pressure)で185%の飽和度(すなわち185%DO)より大きくなりうる。
【0009】
本発明の別の態様によれば、この流体は、米国特許6,209,855号に記載されるデバイスを使用して酸素化されうる。
【0010】
別の態様によれば、この流体は、創傷の治癒において使用されることができ、創傷のpO2がリアルタイムで監視されることができ、創傷部位のpO2に応答して流体が導入されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は流体の経皮導入を説明するための図である。
【
図2】
図2はネオプレン乳房バッグを介した流体の導入を説明するための図である。
【
図3】
図3は家禽またはブタ用の飲料水サプライ中にワクチンを含む水溶液の形で流体を使用することを説明するための図である。
【
図4】
図4は浴または渦流浴中へサプライから水としての流体の導入を説明するための図である。
【
図5】
図5は包帯を介した流体の導入を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施形態は、小型および大型動物ならびにヒトの創傷、火傷治癒の促進および皮膚移植片受容のため、ならびに創傷による虚血を回避するための生物への流体の経皮導入を含む。
【0013】
本発明の別の実施形態は、治癒を増加させ、病原性嫌気性細菌集団を減少させるための手術後の洗浄目的のための流体の使用である。
【0014】
別の実施形態は、いずれも
図1に示されるように、流体が充填および排出ポート24を介して導入されるチャンバ22を有する加圧可能カフ20Aの使用を通した生物への酸素の経皮導入を含み、このチャンバは、一対のベルクロ(登録商標)ストラップ28、30及びハンドポンプ34によって加圧されうる空気圧チャンバ32を用いた圧力下で生物の皮膚27に接して配置される半透膜26を有する。
【0015】
本発明の別の実施形態は、ウシの乳房炎の治療のための
図2に示されるような、ネオプレン乳房バッグ20Bを介した流体の導入であり、この乳房バッグはカフと同様の様式で機能するが、大きさ形状等が異なる。すなわち、受液のためのチャンバ36、半透膜38、一対のストラップ40、42及びハンドポンプ46によって加圧されうる空気圧チャンバ44を有している。
【0016】
本発明の別の実施形態は、
図3に示されるような、家禽またはブタ用の飲料水サプライ中にワクチンを含む水溶液の形で流体を使用することである。より具体的には、酸素化された水が、分配マニホールド49及び蛇口50を介してタンク48から桶52に供給されうる。
【0017】
本発明の別の実施形態は、生きたエビを含むタンク中でワクチンを含む水溶液の形で流体を使用することである。
【0018】
本発明の別の実施形態は、薬物摂取の増強のための、家禽、ブタまたはウシ用の飲料水サプライ中に抗生物質を含む水溶液の形で流体を使用することである。
【0019】
本発明の別の実施形態は、薬物摂取の増強のための、生きたエビを含むタンク中に抗生物質を含む水溶液の形の流体を使用することである。
【0020】
本発明の別の実施形態は、栄養吸収、免疫応答および乳量の改善のための乳牛舎内のヘッダータンクまたはウェルフィーダーラインへの流体の導入である。
【0021】
本発明の別の実施形態は、糖尿病患者の虚血を防ぐための
図4に示されるような、浴または渦流浴56中へサプライ54から水としての流体の導入である。
【0022】
本発明の別の実施形態は、運動選手の回復のための浴または渦流浴中への水の形での流体の導入である。
【0023】
本発明のさらに別の実施形態は、
図5に示されるような包帯を介した流体の導入である。この場合、包帯は接着ストラップ60により皮膚59に保持されうる酸素化ゲル58を有する。
【0024】
特定の実施形態が示され説明されるが、変形例が可能であることは明らかであろう。この点で限定はないため、米国特許第6209855号に示されるもの以外のデバイスを使用して、全ガス圧を維持しながら酸素が所望の濃度まで注入されることができる。したがって、本発明は、合目的的に解釈される添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるものと理解されねばならない。
【国際調査報告】