(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-30
(54)【発明の名称】ドアアセンブリ
(51)【国際特許分類】
B64C 1/14 20060101AFI20230523BHJP
B64D 1/06 20060101ALI20230523BHJP
B64D 9/00 20060101ALI20230523BHJP
E05F 15/614 20150101ALI20230523BHJP
【FI】
B64C1/14
B64D1/06
B64D9/00
E05F15/614
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022564292
(86)(22)【出願日】2021-04-20
(85)【翻訳文提出日】2022-11-25
(86)【国際出願番号】 GB2021050942
(87)【国際公開番号】W WO2021214445
(87)【国際公開日】2021-10-28
(32)【優先日】2020-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2020-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390038014
【氏名又は名称】ビ-エイイ- システムズ パブリック リミテッド カンパニ-
【氏名又は名称原語表記】BAE SYSTEMS plc
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ホワイト、アンドリュー・チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】リドレー、アンドリュー
【テーマコード(参考)】
2E052
【Fターム(参考)】
2E052AA09
2E052CA06
2E052DA08
2E052DB08
2E052EA03
2E052EB01
2E052EC02
2E052EC05
(57)【要約】
開口部(12)を有するペイロードベイ(10)用のドアアセンブリであって、ドアアセンブリは、少なくとも1つのドア(20,220)を備える。少なくとも1つのドアは、第1の端部(24,224)及び第2の端部(26,226)を有するパネルセクション(22,222)と、第1の端部にパネルセクションに対して直交に配置され、パネルセクションがそれを中心として回転するように配置された回転軸(18,218)を有する第1の係合特徴部(31,231)を有する第1の装着部材(30,230)とを備える。係合特徴部は、ペイロードベイの片側の第1の固定部材(16,216)と係合して、パネルセクションをペイロードベイに回転可能に結合するように構成される。少なくとも1つのドアは、回転軸を中心として回転することによって、パネルセクションが開口部と同じ平面に配置される閉鎖構成と、パネルセクションが開口部の平面に対して少なくとも90度に配置される開放構成との間を移行するように配置される。パネルセクションは、パネルセクションの内面が回転軸に面するように、回転軸に対して平行に且つそれからずれるように配置される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部(12)を有するペイロードベイ(10)用のドアアセンブリであって、前記ドアアセンブリは、少なくとも1つのドア(20,220)を備え、前記少なくとも1つのドアは、
第1の端部(24,224)及び第2の端部(26,226)を有するパネルセクション(22,222)と、
前記第1の端部に前記パネルセクションに対して直交に配置され、前記パネルセクションがそれを中心として回転するように配置された回転軸(18,218)を有する第1の係合特徴部(31,231)を有する第1の装着部材(30,230)と
を備え、前記係合特徴部は、前記ペイロードベイの片側の第1の固定部材(16,216)と係合して、前記パネルセクションを前記ペイロードベイに回転可能に結合するように配置され、
前記少なくとも1つのドアは、前記回転軸を中心として回転することによって、前記パネルセクションが前記ペイロードベイの前記開口部と同じ平面に配置される閉鎖構成と、前記パネルセクションが前記開口部の平面に対して少なくとも90度に配置される開放構成との間を移行するように配置され、
前記パネルセクションは、前記パネルセクションの内面が前記回転軸に面するように、前記回転軸に対して平行に且つそれからずれるように配置される、ドアアセンブリ。
【請求項2】
前記第1の装着部材に対向して配設された第2の装着部材(130,330)を備え、前記第2の装着部材は、前記回転軸と同軸上に配置された第2の係合特徴部(131,331)を備え、
前記第2の装着部材は、前記ペイロードベイの反対側で第2の固定部材(116,316)と係合するように構成され、
前記第1の係合特徴部及び第2の係合特徴部は、前記パネルセクションが前記回転軸を中心として回転することを許容するように構成される、請求項1に記載のドアアセンブリ。
【請求項3】
前記パネルセクションは、前記パネルセクションの前記第1の端部と前記パネルセクションの前記第2の端部との間に延在する自由縁部(51,251)と、前記自由縁部に対して平行であり且つその反対側の固定縁部(50,250)とを備え、前記ドアは、前記固定縁部から延在する補強部材を備える、請求項1又は2に記載のドアアセンブリ。
【請求項4】
水平面における前記補強部材(52,252)の広がりは、前記ドアが前記開放構成にあるときの垂直面における前記パネルセクションの広がりよりも小さい、請求項3に記載のドアアセンブリ。
【請求項5】
前記補強部材は、ペイロードを前記少なくとも1つのドアに結合するための装着手段(56,256,80,280)を備える、請求項3又は4に記載のドアアセンブリ。
【請求項6】
前記補強部材は、前記パネルセクションに対して約90度に配置された平面部分(54,254)を備える、請求項3~5のうちのいずれか一項に記載のドアアセンブリ。
【請求項7】
前記補強部材は、前記固定縁部に結合された1つの縁部を有する弓形部分(53,253)を備える、請求項3~6のうちのいずれか一項に記載のドアアセンブリ。
【請求項8】
前記装着部材又は各装着部材は、前記パネルセクション及び/又は前記補強部材に結合される、請求項3~7のうちのいずれか一項に記載のドアアセンブリ。
【請求項9】
前記第1の係合特徴部は、前記第1の固定部材を受け入れるためのアパーチャを備える、請求項1~8のうちのいずれか一項に記載のドアアセンブリ。
【請求項10】
前記第1の固定部材と、前記第1の固定部材を駆動して、前記第1の係合特徴部を回転させるための第1のアクチュエータ(32,232)とを備え、そのため、前記パネルセクションは、前記回転軸を中心として前記第1の固定部材と共に回転可能であり且つそれによって駆動可能である、請求項1~9のうちのいずれか一項に記載のドアアセンブリ。
【請求項11】
前記第2の固定部材と、前記第2の固定部材を駆動して、前記第2の係合特徴部を回転させるための第2のアクチュエータとを備え、そのため、前記パネルセクションは、前記回転軸を中心として前記第2の固定部材と共に回転可能であり且つそれによって駆動可能である、請求項2に従属する請求項10に記載のドアアセンブリ。
【請求項12】
第1のドア(20)及び第2のドア(220)の両方が前記閉鎖構成にあるとき、
各パネルセクションの前記自由縁部が互いに向かい合い、
前記第1のドア及び第2のドアが実質的に前記開口部の全体を覆う
ように配置された前記第1のドア及び第2のドアを備える、請求項1~11のうちのいずれか一項に記載のドアアセンブリ。
【請求項13】
支持構造体(14)と、請求項1~12のうちのいずれか一項に記載のドアアセンブリとを備えるペイロードベイ(10)であって、前記支持構造体は、前記ペイロードベイ内の空洞(60)への/からのアクセスを提供する開口部(12)を画定し、前記少なくとも1つのドア(20,220)の前記装着部材(30,130,230,330)は、前記回転軸(18,218)が前記開口部の平面からずれるように前記空洞の内側に位置する、ペイロードベイ。
【請求項14】
前記開放構成では、前記少なくとも1つのドアの前記パネルセクションは、前記空洞から部分的にのみ延在し、前記少なくとも1つのドアの残りの部分は、前記空洞中に位置する、請求項13に記載のペイロードベイ。
【請求項15】
請求項13又は14に記載のペイロードベイ(10)を備える航空機(1)であって、前記ペイロードベイは、前記少なくとも1つのドアが前記閉鎖構成にあるときに、前記パネルセクション(22,222)の外面が前記航空機の外面の一部を形成するように構成される、航空機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ドアアセンブリに関する。特に、本開示は、ペイロードベイ用のドアアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
ヒンジ装着ドアは周知である。通常はドアの縁部上に位置するヒンジが、ドアと、ドアが取り付けられる構造体との間の関節接合を提供する。ドアの重量によって発生するか、又はドアに与えられる任意の力が、ヒンジを介して構造体に伝達される。
【0003】
ドアが自動化される必要がある場合、アクチュエータは、何らかの方法でドアに結合されなければならない。これは、ドアに作用するレバー機構を介し得る。代替として、ヒンジは、ドアを閉鎖位置から開放位置にスイングさせるドアアームの縁部にあり得る。ドアは、多くの場合、それらが覆う開口部を通して最大のアクセスを可能にするために完全に開放される必要があるため、先行技術の機構は、閉鎖位置から少なくとも90度までドアを開放することが可能でなければならない。そのような例である米国特許第6536711B1号(Lockheed Martin)を
図1に例示する。ここで、航空機用の内部ペイロードベイ1010は、一対のドア4a、4bを含む。ベイ1010は、ペイロード1062を包含し得る。ドア4a、4bは、航空機から離れて外向きに開放されるように配置される。各ドア4a、4bは、胴体などの航空機の構造部材1014に少なくとも1つのヒンジ3a、3bによって接続される。
【0004】
しかしながら、そのようなドアアセンブリは複雑であり、ヒンジ3a、3bがドア4a、4bの1つの縁部に取り付けられるので、ドア4a、4bの重量及びドア4a、4bに与えられる任意の他の力を支持するために、いくつかのヒンジ3a、3bが必要とされ得る。故に、ヒンジ3a、3bの変形又は疲労が生じ得る。
【0005】
航空機などの用途では、ドア4a、4bが開放される広がりは、例えば航空機が地上にあるときに、更なる問題を引き起こし得る。
図1に例示する例では、ペイロードベイ1010は、ドア4a、4bが下向きに開放されるように、航空機の下側に配置されている。ドア4a、4bが完全に開放されているとき、ドア4a、4bの自由縁部が機体から離れて延在する広がりは、地上高を低減し、ペイロードベイ1010内の空洞へのアクセスに対する障害を提供する。
【0006】
ドア4a、4bはまた、航空機が飛行中であるときに風抵抗を増大させるように作用し、それは、燃料効率を低減し、作動負荷を増大させる。
【0007】
大きい露出されたドア4a、4bは、航空機の横方向の安定性への悪影響を有する可能性があり、多くの場合、航空機の垂直尾翼の面積を増大すること、又は他の機構が補償することを必要とし、追加の重量をもたらす。
【0008】
故に、開閉するように動作可能であるが、ドアが取り付けられる構造体から離れて延在する広がりを低減するドアアセンブリが非常に望ましい。
【発明の概要】
【0009】
第1の態様によると、開口部を有するペイロードベイ用のドアアセンブリが提供され、ドアアセンブリは、少なくとも1つのドアを備え、少なくとも1つのドアは、
第1の端部及び第2の端部を有するパネルセクションと、
第1の端部にパネルセクションに対して直交に配置され、パネルセクションがそれを中心として回転するように配置された回転軸を有する第1の係合特徴部を有する第1の装着部材と
を備え、係合特徴部は、ペイロードベイの片側の第1の固定部材と係合して、パネルセクションをペイロードベイに回転可能に結合するように配置され、
少なくとも1つのドアは、回転軸を中心として回転することによって、パネルセクションが開口部と同じ平面に配置される閉鎖構成と、パネルセクションが開口部の平面に対して少なくとも90度に配置される開放構成との間を移行するように配置され、
パネルセクションは、パネルセクションの内面が回転軸に面するように、回転軸に対して平行に且つそれからずれるように配置される。
【0010】
ドアアセンブリは、第1の装着部材に対向して配設された第2の装着部材を備え得、第2の装着部材は、回転軸と同軸上に配置された第2の係合特徴部を備え得る。第2の装着部材は、ペイロードベイの反対側で第2の固定部材と係合するように構成され得、第1の係合特徴部及び第2の係合特徴部は、パネルセクションが回転軸を中心として回転することを許容するように構成され得る。
【0011】
パネルセクションは、パネルセクションの第1の端部とパネルセクションの第2の端部との間に延在する自由縁部と、自由縁部に対して平行であり且つその反対側の固定縁部とを備え、ドアは、固定縁部から延在する補強部材を備え得る。
【0012】
水平面における補強部材の広がりは、ドアが開放構成にあるときの垂直面におけるパネルセクションの広がりよりも小さくあり得る。言い換えれば、パネルセクションは、補強部材よりも深くあり得る。
【0013】
補強部材は、ペイロードを少なくとも1つのドアに結合するための装着手段を備え得る。装着手段は、凹部又はパイロンのうちの少なくとも1つであり得る。言い換えれば、ドアアセンブリは、ペイロードキャリッジであり得る。
【0014】
補強部材は、パネルセクションに対して約90度に配置された平面部分を備え得る。補強部材は、固定縁部に結合された1つの縁部を有する弓形部分を備え得る。平面部分は、ペイロード装着手段を備え得る。
【0015】
装着部材又は各装着部材は、パネルセクション及び/又は補強部材に結合され得る。
【0016】
第1の係合特徴部は、第1の固定部材を受け入れるためのアパーチャを備え得る。代替として、第1の係合特徴部は、第1の固定部材のアパーチャに嵌合するための突出部を備え得る。第1の係合特徴部及び第1の固定部材は、摩擦嵌合又は噛み合い歯によって互いに係合するように構成され得る。代替として、第1の係合特徴部は、第1の固定部材に対して自由に回転するように構成され得る。
【0017】
ドアアセンブリは、第1の固定部材と、第1の固定部材を駆動して、第1の係合特徴部を回転させるための第1のアクチュエータとを備え得、そのため、パネルセクションは、回転軸を中心として第1の回転可能な固定部材と共に回転可能であり且つそれによって駆動可能である。
【0018】
ドアアセンブリは、第2の固定部材と、第2の固定部材を駆動して、第2の係合特徴部を回転させるための第2のアクチュエータとを備え得、そのため、パネルセクションは、回転軸を中心として第2の回転可能な固定部材と共に回転可能であり且つそれによって駆動可能である。
【0019】
ドアアセンブリは、第1のドア及び第2のドアの両方が閉鎖構成にあるとき、
各パネルセクションの自由縁部が互いに向かい合い、
第1のドア及び第2のドアが実質的に開口部の全体を覆う
ように配置された第1のドア及び第2のドアを備え得る。
【0020】
本発明の第2の態様によると、支持構造体と、第1の態様に記載のドアアセンブリとを備えるペイロードベイが提供され、支持構造体は、ペイロードベイ内の空洞への/からのアクセスを提供する開口部を画定する。少なくとも1つのドアの装着部材は、回転軸が開口部の平面からずれるように空洞の内側に位置する。支持構造体、特にその天井は、1つ以上のペイロード装着手段を備え得る。
【0021】
開放構成では、少なくとも1つのドアのパネルセクションは、空洞から部分的にのみ延在し得、少なくとも1つのドアの残りの部分は、空洞中に位置し得る。
【0022】
本発明の第3の態様によると、第2の態様に記載のペイロードベイを備える航空機が提供され、ペイロードベイは、少なくとも1つのドアが閉鎖構成にあるときに、パネルセクションの外面が航空機の外面の一部を形成するように構成される。
【0023】
故に、ドアアセンブリ、本開示のドアアセンブリを備えるペイロードベイ、及び本開示のペイロードベイを備える航空機が提供され得る。ドアアセンブリは、関連技術の例と比較してより空間効率の良いドアアセンブリを提供し、ドアが開放されているときに気流中に延在されるドアの表面積を低減する。それはまた、関連技術によって提供されるものよりも頑丈な装着機構を有する、自動ドアを装着する手段を提供する。
【0024】
本開示の例を、ここから、添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】先行技術によるドアアセンブリを有するペイロードベイを示す。
【
図2】本開示によるペイロードベイを有する航空機の斜視図を示す。
【
図3a】開放構成にあるドアアセンブリを有する本開示のペイロードベイの断面図を示す。
【
図3b】閉鎖構成にあるドアアセンブリを有する本開示のペイロードベイの断面図を示す。
【
図4a】
図3a及び3bに示すペイロードベイのドアアセンブリの開放シーケンスの斜視図を示す。
【
図4b】
図3a及び3bに示すペイロードベイのドアアセンブリの開放シーケンスの斜視図を示す。
【
図4c】
図3a及び3bに示すペイロードベイのドアアセンブリの開放シーケンスの斜視図を示す。
【
図4d】
図3a及び3bに示すペイロードベイのドアアセンブリの開放シーケンスの斜視図を示す。
【
図4e】
図3a及び3bに示すペイロードベイのドアアセンブリの開放シーケンスの斜視図を示す。
【
図5】開放構成にあるドアアセンブリを有するペイロードベイの斜視図を示す。
【
図6a】閉鎖構成にあるドアアセンブリを有する本開示のペイロードベイの断面図を示す。
【
図6b】開放構成にあるドアアセンブリを有する本開示のペイロードベイの断面図を示す。
【
図6c】
図6bに例示するペイロードベイの平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
一般に、本開示は、好ましくは航空機中の空洞、凹部、コンパートメントなどを覆ったり露わにしたりする際に使用するためのドアアセンブリに関する。ドアアセンブリは、関連する作動手段と共に、1つ以上のドアを含む。1つ以上のペイロードが、ドアの内面に格納され得る。ドアアセンブリは、メンテナンスなどの理由で、又はペイロードを展開することができるように、ペイロードベイ中の機構を覆い且つそれへのアクセスを提供するために使用され得る。ドアは、各ドアのパネルセクションからずれた回転軸を中心として回転することによって開閉するように構成され、そのため、ドアが開放されているとき、パネルセクションのごく僅かしかペイロードベイの外側に延在せず、ドアが閉鎖されているとき、パネルセクションは、それが設置されているビークル又は構造体の外面と同一平面上にある。航空機に組み込まれると、ドアは、従って、閉鎖されたときに航空機の外板の一部になる。
【0027】
ペイロードベイ10を有する航空機1を
図2に例示する。ペイロードベイ10は、代わりに、陸上機若しくは海上機、又は異なるタイプの航空機の一部として提供され得る。ペイロードベイ10はまた、静止した建物又は構造体の一部として提供され得る。例えば、ペイロードベイ10は、船舶用の救命ボート、航空機の着陸装置、又は宇宙船の貨物を内部に収容するために使用することができる。
図3a~6cに関連してより詳細に説明するペイロードベイ10は、開閉するように動作可能な少なくとも1つのドア20、220を備える。本開示のペイロードベイ10は、ここでは、ペイロードを展開するときに空気抵抗を最小限に抑えることが非常に望ましいので、航空機1の一部として組み込まれたときに特定の有効性を有する。航空機1は、例えば、輸送機、戦闘機、民間旅客機、ヘリコプター、又は飛行船であり得る。例示する実施形態におけるペイロードベイ10は、航空機1の胴体の腹側部に設置されている。しかしながら、ペイロードベイ10は、代替として、胴体の側面又は背側部に設置され得る。ペイロードベイ10はまた、航空機1の翼に設置され得るか、又は航空機1に結合するための外部ポッドを画定し得る。航空機1は、ミッション要件に応じて、1つよりも多くのペイロードベイ10を設けられ得る。
【0028】
図2に、及び本開示全体を通して例示するペイロードベイ10は、互いに対向して配設された2つのドアを備え、そのため、ペイロードベイ10は、両方のドアがそれらの完全な開放構成にあるときにのみ完全に開放される。しかしながら、ペイロードベイの深さ及び幅に応じて、開口部を完全に閉鎖又は開放するために1つの単一のドアが使用され得ることが当業者によって認識されるであろう。各ドア又はそのドアはまた、ペイロードベイ10の長手方向軸に沿って複数のドアを提供するために、その長さに沿って分割され得る。ペイロードベイ10のドアが閉鎖されると、閉鎖されたドアの外面は、航空機1の外板の一部を形成する。
【0029】
ペイロードベイ10、特にその中に設置されたドアアセンブリを、ここから、
図3a~6cを参照して説明する。
図3a~5の例では、ペイロードベイ10は空で示す。
図3a及び3bは、
図4a~5のものとは僅かに異なるドア形状を有するペイロードベイを示しているが、その動作方法は同じである。
図6a~6cは、
図4a~5に例示するペイロードベイ10と同様の例を示しているが、ここでは、ペイロードベイ10は、実例的なペイロード62を設けられている。例の全ての類似性を考慮して、同じ参照番号が、同様の特徴を参照するために使用されている。
【0030】
図3a及び3bを参照すると、ペイロードベイ10が断面で例示されている。ペイロードベイ10は、第1のドア20及び第2のドア220を備える。
図3aでは、ペイロードベイ10のドア20、220は、開放構成(この例では、完全な開放構成、即ち完全な開放状態)で示す。
図3bでは、ペイロードベイ10のドア20、220は、閉鎖構成(即ち閉鎖状態)で示す。
図4b~4eに例示するように、ドア20、220は、閉鎖構成と完全な開放構成との間を部分的な開放構成を通して移行する(即ち遷移する)。部分的な開放構成では、開口部12(又はその関連領域70、270)は、完全には開放されていない。
【0031】
ペイロードベイ10は、その内部空洞60にアクセスすることができる開口部12を有する支持構造体14を備える。示す例では、開口部12は、実質的に矩形であるが、開口部12は、例えば円形であり得、ドア20、220はそれに応じた形状であり得ることが認識されるであろう。支持構造体14は、実質的に直方体の形態である。例示するペイロードベイ10は、既存の航空機1の中又は上に後付けすることができるように自己完結型である。ここで、支持構造体14は、航空機1の構造から独立したハウジング又はフレームワーク(即ち支柱の配置)である。代替として、ペイロードベイ10は、航空機1の構造自体が支持構造体14を形成するように、航空機1と一体化され得る。開口部12を有する支持構造体14の側面は、航空機1の外側に面する。支持構造体14のこの側面は、航空機の外板の一部を形成する。
【0032】
ペイロードベイ10は、単一のドア20を備え得る。そのような例では、閉鎖構成では、ドア20は、実質的に開口部12の全体を覆う。
【0033】
代替として、図に示すように、ペイロードベイ10は、ペイロードベイ10を横断して第1のドア20に面する第2のドア220を備え得る。第1のドア20及び第2のドア220は、互いの鏡像である。第2のドア220は、第1のドア20と同じ形態及び構成であり、同じ特徴を有する。故に、ドア20、200は、両方とも回転ドアである。第1のドア20は、開口部12の第1の領域70を覆うように設けられ、第2のドア220は、開口部12の第2の領域270を覆うように設けられる。第1の領域70及び第2の領域270は、
図3aに例示する。閉鎖構成では、ドア20、220は、開口部12の全体を覆うように協働する。第1の領域70及び第2の領域270は、ほぼ等しい表面積であるように示しているが、いくつかの実施形態では、1つのセクション、故に1つのドア20、220は、他方よりも大きくあり得ることが認識されるであろう。
【0034】
各ドア20、220は、パネルセクション22、222を備える。各ドア20、220のパネルセクション22、222は、平面(即ち平坦)であり得る。例示する実施形態では、装着部材30、230(
図4a~6cに図示)は、パネルセクション22、220の平面に対して直角にパネルセクション22、220に結合される。装着部材30、230は、ドア20、220を支持構造体14の内側に装着するためのものである。装着部材30、230は、係合特徴部31、231を含む。例示する実施形態における係合特徴部31、231は、突出部の形態の固定部材16、216を受け入れるためのアパーチャである。代替の実施形態では、係合特徴部31、231は、アパーチャの形態の固定部材16、216によって受け入れられるように構成された突出部である。
図5に例示するように、固定部材16、216は、支持構造体14の壁(又は支柱)の内側から空洞60中に突出するように構成され、そのため、係合特徴部31、231と係合されると、ドア20、220は、支持構造体14の壁(又は支柱)に対して回転することを許容される。ドア20、220は、それぞれの係合特徴部31、231の中心を通過する回転軸18、218を中心として回転するように動作可能である(即ち、係合特徴部の回転軸は、その中心軸、又はその平面に対して直交して中心を通過する軸である)。
【0035】
パネルセクション22、222は、固定縁部50、250及び自由縁部51、251を有する。自由縁部51、251は、図に例示するように、テーパー状であるが、他の実施形態では、縁部は、四角であり得るか、又は丸みを帯び得る。パネルセクション22、222は、閉鎖構成にあるとき、開口部12と同じ平面に配置される(
図3b)。言い換えれば、パネルセクション22、222の外面は、支持構造体14の外平面と同一平面上にある。自由縁部51、251は、ドア20、220が開放構成にある(例えば、完全に開放されている)ときに、開口部の平面から航空機1の外側の大気中に延在する。第1のドア20及び第2のドア220が閉鎖構成にあるとき、自由縁部51、251は、互いに対向して平行に配設される。固定縁部50、250は、それぞれの自由縁部51、251の反対側のパネルセクション22、222の側面に配設される。
【0036】
例示する実施形態では、補強部材52、252は、固定縁部50、250に結合される。補強部材52、252は、装着部材30、230をドア20、220に結合するための追加の表面積を提供する傾向があり、ドア20、220の機械的強度を増大させる。装着部材30、230は、パネルセクション22、222、補強部材52、252、又はその両方の内面に結合され得る。パネルセクション22、222及び補強部材52、252は、(長手方向断面で見たときに)ほぼ「L」字型を共に形成する。好ましい実施形態では、「L」の直交部分の交差部は湾曲されている。「L」字型は、ドア20、220に強度を提供する傾向がある。
【0037】
更に、補強部材52、252は、ペイロード(
図6cのアイテム62)をドア22、220に取り付けるための結合手段を提供し得る。例示する実施形態における結合手段は、ブラケット56、256(又はパイロン)の形態を取る。
図5に例示するような代替の実施形態では、結合手段は、適切な解放ユニットを収容するための凹部の形態を取る。結合手段は、ドア20、220が完全な開放構成にあるときに開口部12に面するように配置される。補強部材52、252は、同じ実施形態において多数の形態の結合手段を設けられ得る。結合手段は、航空機1からペイロード62への電気的、液圧的、又は空気圧的な連通を提供し得る。言い換えれば、ドア20、220は、ペイロードキャリッジとして機能し得る。
【0038】
図3a及び3bに例示する実施形態では、補強部材252は、平面部分54、254及び弓形部分53、253を備える。弓形部分53、253は、固定縁部50、250に結合され、弓形部分53、253の自由縁部に結合された平面部分54、254の平面がパネルセクション22、222の平面に対して約90度に位置するように、空洞60の中心に向かって内向きに湾曲している。弓形部分53、253の代わりに、平面部分54、254が、固定縁部50、250に直接結合され得る。弓形部分53、253の代替として、平面部分54、254は、平面部分54、254及びパネルセクション22、222に対して斜角で配置された1つ以上の更なる平面部分によって固定縁部50、250に結合され得る。
【0039】
平面部分54、254の幅は、パネルセクション22、222の幅よりも小さい。言い換えれば、パネルセクション22、222と平面部分54、254とが重ね合わせられた場合、平坦部分54、254は、パネルセクション22、222よりも短くなる。これは、空洞60内でドア20、220によって占有される体積を低減する傾向があり、所与のサイズのペイロード62に対してより小さいペイロードベイ10を可能にする。
【0040】
ドア20、220は、開口部12を最大に露出させるために、それらの回転軸18、218を中心として少なくとも90度回転するように動作可能である(
図3aに図示)。例示する実施形態では、ドア20、220は、それらの回転軸18、218を中心として約100度回転する。見ることができるように、補強部材52、252の平面部分54、254は、空洞60の片側に対して平行な状態から移動して、空洞60の天井64と実質的に平行な完全な開放構成の位置に移動する。これは、それに結合されたペイロード62が、ドアアセンブリのいかなる特徴によっても妨害されることなく、航空機1の外側の気流中に解放されることを可能にする。
【0041】
図に例示するパネルセクション22、222は、幅よりも長く、その長手方向軸は、ドア20、220の回転軸18、218と平行であるが、他の実施形態では、パネルセクション22、222は、回転軸18、218の方向において比較的短くあり得ることが認識されるであろう。
【0042】
図3aに示すように、開放ドア20、220のパネルセクション22、222は、開口部12から部分的にのみ延在し、開放ドア20、220のパネルセクション22、222の残りの部分は、空洞60の内側に位置する。
【0043】
図4a~4eは、ペイロードベイ10が空である間のペイロードベイ10の開放シーケンスを示す。即ち、ペイロードベイ10は、開口部12を覆うための第1及び第2のドア20、220を有するように例示している。
図4aでは、両方のドア20、220が閉鎖されている。
図4b~4eは、完全な開放構成にある第1のドア20を示し、その一方で、第2のドア220は、
図4eにおいて両方のドア20、220が完全な開放構成になるまで、その回転軸218を中心として回転する。第1のドア20は、係合特徴部31の回転軸18を中心として反時計回りに回転して、完全な開放構成に移動し、その一方で、第2のドア220は、それぞれの係合特徴部231の回転軸218を中心として時計回りに回転して、完全な開放構成に移動する。両方のドア20、220を同時に開放する必要はなく、実際には、(例えば、
図4bに例示するように)必要とされる空洞60へのアクセス又はそれからの退出に応じて、ドア20、220のうちの一方のみが開放され得ることが理解されるであろう。
【0044】
例示する実施形態では、凹部80が、ペイロード62を補強部材252に結合するための結合手段として使用される。結合手段は、補強部材252の長さに沿って途中に配設される。
【0045】
パネルセクション22、222は、開口部12の長さLに沿って延在する。パネルセクションは、互いに対向して配設された第1の端部24、224及び第2の端部26、226を有する。
図5に例示するように、固定縁部50、250は、第1の端部24、224から第2の端部26、226までパネルセクション22、222の長さLに沿って延在する。補強部材52、252はまた、パネルセクション22、222の全長Lに沿って延在する。しかしながら、他の実施形態では、補強部材52、252は、二股に分かれ得るか、又はパネルセクション22、222の長さLに沿って途中までしか延在しないことがある。
【0046】
第1のドア20のパネルセクション22は、その長さLに沿ってその回転軸18からずれ、端部24と26と間のその長さに沿って第1の回転軸18と同じ方向に延在する。同様に、第2のドア220のパネルセクション222は、その長さLに沿ってその回転軸218からずれ、端部224と226と間のその長さに沿って回転軸218と同じ方向に延在する。即ち、各ドア20、220のパネルセクション22、222は、その長さLに沿ったいかなる地点においても、そのそれぞれの回転軸18、218と交差しない。いくつかの例では、例えば、パネルセクション22、222が平面である場合、パネルセクション22、222は、パネルセクション22、222の長さLに沿って、そのそれぞれの回転軸18、218からずれ(即ち、それから離間され)、且つそれと平行である。いくつかの例では、例えば、パネルセクション22、222の内面及び/又は外面が平面である場合、パネルセクション22、222のそれぞれの表面は、パネルセクション22、222の長さLに沿って、そのそれぞれの回転軸18、218からずれ(即ち、離間され)、且つそれと平行である。
【0047】
図5に例示する実施形態では、装着部材30、230及び固定部材16、216は、ドア20、220が回転軸18、218を中心として固定部材16、216と共に回転可能であり且つそれによって駆動可能であるように結合されて、回転軸18、218を中心としてパネルセクション22、222を回転させる。故に、それぞれの固定部材16、216は、ペイロードベイ10の幅にわたって互いに離間される。固定部材16、216は、従って、アクチュエータ32、232(即ちモータ)に結合される。言い換えれば、固定部材16、216は、駆動可能なシャフトである。第1のドア20及び第2のドア220は、各固定部材16、216が独立したアクチュエータ32、232に結合されているので、個々に開閉するように制御可能である。アクチュエータ32、232は、航空機1が無人航空機である場合、コックピット又は地上局のパイロット操作可能スイッチによって制御可能であり得る。
【0048】
アクチュエータ32、232は、支持構造体14の外側に配設されるように示しており、固定部材16、216は、支持構造体14の壁(又は支柱)を通過して、ドア20、220が支持構造体14に対して回転することを可能にする。アクチュエータ32、232は、従って、航空機1の本体中に配設され得る。代替として、ペイロードベイ10は、支持構造体14及びアクチュエータ32、232の両方を包含する別のハウジング(図示せず)を備え得る。他の実施形態では、アクチュエータ32、232は、空洞60内で、支持構造体14の壁(又は支柱)の内側に結合される。
【0049】
各ドア20、220が異なる速度で独立して開閉されることを可能にする独立したアクチュエータ32、232を各ドア20、220が有する代わりに、固定部材16、216の各々は、ドア20、220が同じ時間及び速度で開閉するように、例えばいくつかのギアリング手段によって同じアクチュエータ32、232に結合され得る。
【0050】
固定部材16、216によって駆動される代わりに、回転軸18、218を中心として回転することによって開閉するようにドア20、200を制御するための他の手段が当技術分野で利用可能であることが当業者によって認識されるであろう。
図5の実施形態では、固定部材16、216及び装着部材30、230は、相互に回転可能であるように示しているが、他の実施形態では、固定部材16、216は、装着部材30、230がそれを中心として回転する間、固定されたままであり得る。例えば、支持構造体14に付着された電磁石が、ドア20、220を閉鎖構成に保持するために使用され得(この場合、パネルセクション22、222の端部24、224、26、226は、磁気材料又は更なる電磁石を備える)、電磁石は、それぞれのドア20、220を解放するためにオフに切り替えられ得る。電磁石は、次いで、再び作動されて、それぞれのドア20、220を閉鎖構成に引き戻し得る。
【0051】
別の実施形態では、パネルセクション22、222の外側縁部に(即ち、自由縁部51、251に向かって、又はそこに)結合された引張部材(例えば、ロープ、チェーン、又はランヤード)が駆動されて、それぞれのドア20、220が空洞60の天井64に向かって引っ張られて、ドア20、220が閉じられ得る。引張部材は、空洞60内のアクチュエータ(例えばウィンチ)によって駆動され得るか、又は支持構造体14の上面の外側に配設され得る。例えば、アクチュエータは、空洞60の天井64上に配設され得る。引張部材は、従って、それぞれのドア20、220が開放されることを可能にするように解放され得る。
【0052】
駆動可能である代わりに、固定部材16、216は、ドア20、220がそれを中心として回転するように駆動されるアパーチャ又はスピゴットであり得る。言い換えれば、本開示の1つの重要な態様は、パネルセクション22、222がどのようにそれらの回転軸18、218を中心として回転するように駆動されるかではなく、パネルセクション22、222及びそれらの回転軸18、218の相対的な位置決めにある。
【0053】
アクチュエータ32、232は、直接駆動回転モータとして示しているが、代わりに、ギア及び/又はジャーナルの機構によって回転軸18、218を中心としてそれぞれのドア20、220を駆動するように構成され得る。言い換えれば、アクチュエータ/モータ32、232は、それぞれのドア20、220の回転軸18、218と同軸上にないことがある。ここでの固定部材16、216は、長手方向シャフトである代わりに、歯付きホイールであり得る。
【0054】
例示する実施形態では、装着部材30、230は、固定部材16、216上の互換性のある係合特徴部と係合する係合特徴部31、231を有する。例えば、係合特徴部31、231は、シャフトの形態の固定部材16、216が位置し、例えば、摩擦装着、スプライン構成、又はインターロック構成などの何らかの機械的手段によって係合されるアパーチャであり得る。従って、装着部材30、230及び固定部材16、216は、回転軸18、218を中心として共に回転可能であるように係合される。言い換えれば、例示する実施形態では、係合特徴部31、231は、固定部材16、216を受け入れるためのジャーナルであり、それは、回転可能なシャフト(又はスピゴット)の形態である。しかしながら、他の実施形態では、固定部材16、216は、支持構造体14の壁(又は支柱)におけるアパーチャ又は凹部の形態であり得る。ここで、係合特徴部31、231は、アパーチャを通過してアクチュエータ32、232と係合するためのシャフト/スピゴットの形態である。
【0055】
図5に最も良く示すように、各パネルセクション22、222は、パネルセクション22、222の長さLに沿ってそれぞれの装着部材30、230から離間され且つそれに対向する第2の装着部材130、330を備える。第2の装着部材130、330は、第2の固定部材116、316と係合するように構成された第2の係合特徴部131、331を備える。第2の係合特徴部131、331は、それぞれの係合特徴部31、231と同軸上に配設される。いくつかの実施形態では、第2の固定部材116、316は、支持構造体14に結合される。例示する実施形態では、第2の固定部材116、316は、第2のアクチュエータ132、332に結合された回転可能な駆動部である。第2の固定部材131、331及びそれぞれの第2の装着部材130、330は、それぞれのドア20、220がそれらのそれぞれの回転軸18、218を中心として回転することを許容にするように構成される。第2の装着部材130、330及び第2の固定部材116、316は、ドア20、220が回転軸18、218を中心として第2の固定部材116、316と共に回転可能であり且つそれによって駆動可能であるように結合されて、回転軸18、218を中心としてパネルセクション22、222を回転させる。
【0056】
第2の係合特徴部131、331は、アパーチャ、又は互換性のある第2の固定部材116、316と係合するように構成された他の適切な機械的手段であり得る。第2の固定部材116、316は、スピゴットとして設けられ得、第2の装着部材130、230は、それを中心として及び/又はそれに対して自由に回転する。言い換えれば、第2の固定部材116、316は、回転可能でないことがあるか、又は作動されないことがある。
【0057】
言い換えれば、第2の装着部材130、330、第2の係合特徴部131、331、第2の固定部材116、316、及び第2のアクチュエータ132、332は、それぞれ装着部材30、230、係合特徴部31、231、固定部材16、216、及びアクチュエータ32、232と同じ形態を取り得るが、それらに対向して配設され得る。第2のアクチュエータ130、330は、ドアの滑らかな開放を可能にし、一端24、26、224、226への応力を低減するために、それぞれのアクチュエータ30、230と同じ時間及び速度で駆動され得る。代替として、アクチュエータ32、232は、それぞれの第2のアクチュエータ132、332とは反対方向にドア20、220を回転させるように構成され得る。例えば、アクチュエータ32、232が作動されて、ドア20、220が開放され得、その一方で、第2のアクチュエータ132、332が作動されて、同じドア20、220が閉鎖され得る。ここで、アクチュエータ32、232及び第2のアクチュエータ132、332のうちの1つが作動されると、対向するアクチュエータ32、232又は第2のアクチュエータ132、332は、自由に回転することを可能にされる。
【0058】
各ドア20、220は、回転軸18、218に対して垂直にその長さLに沿って2つの部分に分割され得、そのため、各部分は、その部分に結合されたそれぞれのアクチュエータ32、132、232、332の作動によって開放構成又は閉鎖構成になるように独立して構成可能である。言い換えれば、パネルセクション22、232及び(存在する場合には)補強部材52、252は、二股に分かれ得る。これは、空洞60の内容物全体を露呈させる又はパネル22、222の一部を不必要に空気流にさらす必要なしに、空洞60の一部がアクセス可能になることを可能にする。1つのドア20、220の2つの部分が同時に開放されて、開口部12の関連する領域70、270が完全に露呈され得る。
【0059】
装着部材又は各装着部材30、130は、空洞60の内側に位置し、1つの回転軸又は複数の回転軸18、218は、それらのそれぞれの長さに沿って開口部12からずれる。故に、支持構造体14上に又はそれを通して設けられた固定部材16、116、216、316は、空洞60の内側に位置し、開口部12からずれる。即ち、係合特徴部31、131、231、331及びそれらが関連する装着部材30、130、230、330は、空洞60の内側で開口部12から離間される。
【0060】
回転軸18、118から開口部12までの最短距離は、パネルセクション22、222の幅の少なくとも15%であり得るが、50%以下であり得る。回転軸18、118から開口部12までの最短距離は、少なくとも航空機1の構造形態、印加される荷重、必要とされるドアの剛性、動作速度、及び/又は内部積載物梱包に依存し得る。
【0061】
図6a~cに例示するように、支持構造体14(即ちハウジング)は、様々な種類のペイロード62(即ち機器)、例えばセンサ(例えば光学カメラ)、着陸装置、軍需品、貨物、ドローン、アンテナ、カメラ、及び/又は燃料タンクを収容するために使用され得る。図では、ペイロード62a~f(全体として62)は、ミサイルとして示す。ペイロード62の各々は、互いに異なり得る。
【0062】
図6a及び6bの比較によって示すように、ドア20、220の一方又は両方は、ペイロード62を設けられ得、それは、ドア20、220と共に回転する。例えば、ペイロード62a、62bは、平面部分54、254の内面又はパネルセクション22、222の内側に取り付けられ得、そのため、ドア20、220が開放されているとき、ペイロードは、操作又はアクセスされる準備ができた位置にある。
図4b~eに最も良く示すように、補強部材52、252の平面部分54、254は、ペイロード62の結合のための凹部80(即ちポケット)を備え得る。
【0063】
空洞60の天井64(即ち、開口部12に面する支持構造体14の内側頂面)は、ペイロード62c~fを受け入れるための少なくとも1つのパイロン356を設けられる。言い換えれば、支持構造体14及びドア20、220は、ペイロード62を運ぶように構成され得る。いくつかの実施形態では、パネルセクション22、222の必要とされる幅を最小限に抑えるために、ドア20、220のみがペイロード62を運ぶように構成される。
【0064】
故に、ドアアセンブリ(少なくとも1つのドア20、220を提供する)、それに回転可能に結合された本開示のドアアセンブリを備えるペイロードベイ10、及び/又は本開示のペイロードベイ10を備える航空機1が提供され得る。ドアアセンブリは、作動手段を設けられ得る。ドアアセンブリは、関連技術の例と比較して、より空間効率の良いドアアセンブリを提供する傾向がある。それはまた、関連技術によって提供されるものよりも頑丈な装着機構を有する、自動ドア20、220を装着する手段を提供する傾向がある。
【0065】
本開示のドア20、220の設計は、空洞60の体積の使用を最大にする傾向がある。これは、本開示のドア20、220が支持構造体14の側面に設けられ、ドアが開放されたときにドア作動機構及びヒンジが開口部を部分的に遮り得る関連技術の例におけるよりもむしろ、開放されているときに小さい障害を提供するためである。また、開放されたときに、本開示のドア20、220のパネルセクション22、222は、関連技術の例のようにベイから遠くまで延在しないので、飛行中に開放されたときの風抵抗がより少なく(即ち抗力がより少なく)、航空機1の地上高が増大し、それは、地上整備員にとって航空機1のメンテナンスをより容易にする。
【0066】
故に、所与の開口部12の外周(即ちサイズ)に対して、空気力学的な力にさらされるドア20、220の表面積のサイズは、従来の設計と比較して著しく低減される傾向があり、それは、ペイロードベイ10が開放されているときに、主により低い抗力の形態で、改善された航空機1の空気力学的特性をもたらす傾向がある。言い換えれば、ベイドア20、220が開放されている間に失われる運動エネルギーがより少なくなり、ホスト航空機1の安定性及び制御に対する影響がより小さくなる。露出されたドア面積がより小さく、故に空気力学的負荷がより低いことはまた、ドア20、220を開放するために、より小さい又はより強力でないアクチュエータ32、132、232、332が必要とされることを意味し得る。
【0067】
本開示のドア20、220は、(例えば、
図1の先行技術に示すような)延在されたヒンジ3a、3bを必要とすることなく、開口部12を露出させるために90度以上回転し得る。これは、関連技術の例と比較してより単純な作動解決策を提供する。
【0068】
加えて、本開示の作動機構インフラストラクチャは、従来の設計と比較して、低減される傾向がある。従来のペイロードベイ設計では、アクチュエータは、シャフト又はトルクチューブを駆動するためにギアボックスに接続され、そこから動力付きヒンジが原動力を抽出して、設定された角度にわたってドアを駆動するであろう。本開示のドアアセンブリ概念は、この多くを、ドアパネルセクション22、222の一部を形成するか又はそれに結合される、固定部材16、216、116、316に置き換える。故に、本開示のドア20、220は、アクチュエータ16、216、116、316によって一端又は両端から駆動され、それによって、作動機構設計を単純化し、それは、次に、信頼性(例えば、より少ない部品が必要とされるため)及びまた機械的精度(より少ない部品が使用され、故に、積み重ねに対する耐性を有する部品がより少ないため)を改善し得、それは、ドアアセンブリ及び制御を単純化することができる。
【0069】
議論したように、いくつかの例では、単一のドア20が、ペイロードベイ10の開口部12(即ち、ペイロードベイ10内の空洞60への入口)を覆うために設けられ得る。しかしながら、所与の開口部12のサイズに対して、
図3a~6cに示すように、反対方向に回転する2つのドア20、220を設けることは、ペイロードベイ10全体の高さ/深さがより小さくあり得ることを意味し、より大きい梱包効率を可能にする傾向があり得る。梱包効率は、単位断面積当たり又は単位体積当たりの格納物(即ちペイロード62)の数として定義され得る。ドア20、220をこのように回転するように構成することは、それらがほとんど内部に引っ込むことを可能にし、上記で説明した利点をもたらす。単一のドア20を有する実施形態は、例えば、単一のミサイル又は着陸装置ユニットを運ぶためのペイロードベイ10に関し得る。そのようなペイロードベイ10は、航空機の胴体の肩部に見られ得る。
【0070】
本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)中に開示した特徴の全て、及び/又はそのように開示した任意の方法若しくはプロセスのステップの全ては、そのような特徴及び/又はステップのうちの少なくともいくつかが相互に排他的である組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わされ得る。
【0071】
本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約書、及び図面を含む)中に開示した各特徴は、別段に明記しない限り、同一、同等、又は同様の目的を果たす代替の特徴によって置き換えられ得る。このことから、別段に明記しない限り、開示した各特徴は、一般的な一連の同等又は同様の特徴の一例に過ぎない。
【0072】
本発明は、前述の実施形態(複数可)の詳細に限定されない。本発明は、本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約書、及び図面を含む)中に開示した特徴のうちの任意の新規の1つ若しくは任意の新規の組み合わせ、又はそのように開示した任意の方法若しくはプロセスのステップのうちの任意の新規の1つ若しくは任意の新規の組み合わせに及ぶ。
【国際調査報告】