(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-30
(54)【発明の名称】眼科デバイス
(51)【国際特許分類】
A61F 9/007 20060101AFI20230523BHJP
【FI】
A61F9/007 170
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022564297
(86)(22)【出願日】2021-04-20
(85)【翻訳文提出日】2022-12-15
(86)【国際出願番号】 IL2021050449
(87)【国際公開番号】W WO2021214761
(87)【国際公開日】2021-10-28
(32)【優先日】2020-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522411832
【氏名又は名称】アヴィシ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】aVISI Ltd.
【住所又は居所原語表記】11 HaBarzel Street, 7th Floor, Suite A13, Tel-Aviv, Israel
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベトサー ニル
(57)【要約】
本明細書で開示されるのは、薬剤溶出眼科デバイスであり、当該デバイスは、後面と、前面と、を有する本体を備え、本体のサイズ、後面の形状、及び前面の形状により、デバイスは、眼の眼球結膜上に滞留するように構成される。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
後面と、
前面と、
を有する本体を備えた眼科デバイスであって、
前記本体のサイズ、前記後面の形状、及び前記前面の形状により、前記デバイスは、眼の眼球結膜上に滞留するように構成される、
前記デバイス。
【請求項2】
前記眼球結膜上に滞留するとき、前記後面は前記眼球結膜に隣接し、前記前面は少なくとも定期的に眼瞼内側表面に隣接する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記本体は、治療物質を有し、前記眼球結膜上に滞留するとき、前記治療物質を前記眼の中へ溶出させるように構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記本体の大きさは、2~8mmである、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記本体の厚さは、400ミクロン未満である、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記本体の縁端から0.5mm未満の前記本体の縁端領域は、50ミクロン未満の厚さを有する、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記後面は、凹面である、請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記眼の強膜の曲率半径に対する前記後面の曲率半径の比率は、0.8より大きい、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記後面の曲率半径は、9~11mmである、請求項7に記載のデバイス。
【請求項10】
前記デバイスの柔軟性は、0.3~1.5MPaである、請求項7に記載のデバイス。
【請求項11】
前記前面は、凸面である、請求項7に記載のデバイス。
【請求項12】
前記前面の曲率半径は、前記後面の曲率半径よりも小さい、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記デバイスは、眼球表面上に少なくとも15分間滞留するように構成される、請求項7に記載のデバイス。
【請求項14】
前記眼球結膜は、角膜と円蓋結膜との間の結膜の一部分である、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記眼球結膜は、涙液メニスカスと一致する結膜の一部分である、請求項13に記載のデバイス。
【請求項16】
前記後面は、粘膜付着材料を含む、請求項6に記載のデバイス。
【請求項17】
前記前面は、滑らかな表面を有し、及び/または潤滑材料を含む、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
前記本体は、眼の中で崩壊する材料を含む、請求項7に記載のデバイス。
【請求項19】
前記本体は、生体分解性材料及び生体浸食性材料の一方または両方を含む、請求項7に記載のデバイス。
【請求項20】
前記後面は、1つ以上のキャビティを有する、請求項6に記載のデバイス。
【請求項21】
前記後面は、1つ以上の突起を有する、請求項6に記載のデバイス。
【請求項22】
前記デバイスは、1つ以上の電子素子を備える、請求項7に記載のデバイス。
【請求項23】
前記デバイスは、乾燥状態または半水和状態で提供される、請求項7に記載のデバイス。
【請求項24】
前記デバイスは、眼球表面上で水和される、請求項7に記載のデバイス。
【請求項25】
前記本体は、異なる材料特性を有する2つ以上の層を有する、請求項7に記載のデバイス。
【請求項26】
前記本体は、
ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルアルコール(PVOH)、ポリエチレングリコール(PEG)、セルロースアセテート(CA)、ポリビニルアルコール-ポリエチレングリコールグラフト共重合体(コリコート(Kollicoat))、ポリアクリル酸(例えばカーボポール(Carbopol)またはカルボマー(Carbomer))、ヒアルロン酸、エチルセルロース、トリエチルシトレート(TEC)、グリセロール、デキストラン、及びこれらの組み合わせ、
のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項27】
前記デバイスは、前記眼球結膜上に前記デバイスを保持するように構成された1つ以上のアンカーを有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項28】
前記アンカーは、前記本体の鋭利な縁端を有する、請求項27に記載のデバイス。
【請求項29】
前記縁端の曲率半径は、100ミクロン未満である、請求項28に記載のデバイス。
【請求項30】
前記後面は、目が粗い、請求項27に記載のデバイス。
【請求項31】
眼球結膜上に滞留するように構成された本体を備えた眼科デバイスであって、前記本体は、
凹状の後面を有し、
眼の強膜の曲率半径に対する前記後面の曲率半径の比率は、0.8より大きい、
前記眼科デバイス。
【請求項32】
眼球結膜上に滞留するように構成された本体を備えた眼科デバイスであって、前記本体は、
2~8mmの大きさと、
前記本体の縁端から0.5mm未満の縁端領域であって、厚さが50ミクロン未満である前記縁端領域と、
を有する、前記眼科デバイス。
【請求項33】
眼科デバイスを、眼の眼球結膜に付けることと、
前記眼科デバイスが前記眼の前記眼球結膜上に滞留し続ける期間に、日周活動を実行することと、
を含む方法。
【請求項34】
前記実行することは、眼に不快感を与えることはない、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
まばたき及び流涙の間、前記デバイスは所定位置に留まる、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記まばたきの間、前記デバイスの縁端と前記眼球結膜との段差は、眼瞼を眼球結膜表面から最大400ミクロン外側に偏向させる、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記デバイスは、前記眼球結膜上の滞留位置から最大0.5mm移動する、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記付けることは、前記デバイスが前記眼球結膜と接触しているときに、前記デバイスに圧力を加えることを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項39】
前記滞留期間の後、前記デバイスを前記眼から除去することを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項40】
前記デバイスを排出することを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項41】
追加の眼科デバイスを付けることを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記付けることは、前記滞留期間の間または後である、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
眼球結膜の一部を眼科デバイスで滞留期間覆うこと
を含む、治療方法。
【請求項44】
前記滞留期間は、1時間から1週間である、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記眼科デバイスの本体から、涙液及び眼組織の一方または両方に薬剤を溶出させることを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記眼科デバイスを前記眼球結膜に付着させることを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項47】
前記付着させることは、前記デバイスの後面と前記眼球結膜との粘膜付着を含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記付着させることは、前記デバイスの後面と前記眼球結膜との曲率の差から生じる表面張力がもたらす吸引を含む、請求項46に記載の方法。
【請求項49】
前記付着させることは、前記デバイスの縁端を前記眼球結膜に食い込ませることにより、前記デバイスを固定することを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項50】
前記付着させることは、表面張力下で、前記デバイスの後面の1つ以上のキャビティへ向かって、及び/またはキャビティの中へ、前記眼球結膜の1つ以上の部分を吸引することを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項51】
前記付着させることは、前記デバイスの後面に配置された1つ以上の突起から離れるように、前記眼球結膜の1つ以上の部分を食い込ませることにより、前記デバイスを固定することを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項52】
涙液、並びに眼球及び眼瞼の動きに前記デバイスをさらすことにより、前記滞留期間中に前記デバイスは分解されることを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項53】
前記分解されることにより、前記眼球結膜に対する前記デバイスの付着性は低減する、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記分解されることは、前記デバイスが前記デバイスの最初の大きさよりも小さいパーツに崩壊することを含む、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
乾燥状態または部分的水和状態の眼科デバイスを、眼の表面に付けることと、
前記眼の中で前記デバイスを水和させることと、
を含む方法。
【請求項56】
前記水和させることは、眼の涙液と、前記眼に水和液を加えることのうちの1つ以上により行われる、請求項55に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2020年4月20日に出願された米国仮特許出願第63/012,388号の優先権の利益を主張するものであり、その内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、そのいくつかの実施形態では、眼科デバイスに関し、より具体的には、非排他的に、薬剤溶出眼科デバイスに関する。
【0003】
Lang,J.C.の“Ocular drug delivery conventional ocular formulations”.Adv.Drug Delivery,1995,16:39-43には、次のように明記されている:「点滴で投与された薬物の約5%のみが角膜を通過して眼組織に到達し、一方で残りは涙排出により失われる。薬物は、点眼時に涙液膜に存在する液体と混合し、膜における滞留時間は約2~5分と短い。薬物の約5%は吸収され、残りは、上小管及び下小管を通って涙嚢に流れ込む。涙液を含む薬物は、涙嚢から鼻涙管に運び込まれ、鼻涙管で薬物は吸収されて血流に到達する。この吸収は、薬物の浪費につながり、血流中の特定の薬物の存在は、望ましくない副作用を引き起こす。」。例えば、MERCKが提供するTIMPOTIC°の処方情報には、「広角緑内障の治療に使用されるチモロールなどのベータ受容体遮断剤は、心臓に有害な影響を与える」と明記されている。
【0004】
さらに、例えばSegal,M.による“Patches,pumps and timed release”,FDA Consumers magazine,October 1991には、「点滴で眼薬を投与することにより、治療システムの有効性を制限する角膜への薬物送達速度に急激な変化が生じる」と明記されている。
【0005】
Benjamin J Hearneの“Eye care in the intensive care unit”,Journal of the Intensive Care Society 2018には、次のように明記されている:「集中治療集団において眼表面疾患は一般的であり、患者の20~42%が角膜上皮欠損を患っている。問題の規模にもかかわらず、アイケアプロトコルは一般的に推進されておらず、アイケアに関する文書化は不十分であることが多い。集中治療室で遭遇する角膜の問題の大部分は、正確なアイケアの実施を遵守することにより、防止することができる。例えば、結膜炎の管理は、クロラムフェニコール軟膏を眼に1日4回、5~7日間塗布する必要がある。」。
【0006】
眼の障害を治療するために様々な形状の眼内挿入物を使用することは、明らかに知られている。
【0007】
Katzの米国特許第4,343,787号には、「ドライアイ症候群を治療するために下眼瞼の下に挿入するデバイスの水溶性ポリマーを使用した作製」が明記されている。
【0008】
Nessの米国特許第3,618,604号には、「下眼瞼の下に適合して、眼に薬物を分散させるために使用される略三日月形小型製品」が明記されている。
【0009】
Bawaの米国特許第5,137,728号には、「眼球曲率半径より急傾斜であり、より正確には眼球半径の0.8倍未満の曲率半径である基本曲線を有する挿入物」が明記されている。
【0010】
Tapolskyの米国特許第7,579,019号には、次のように明記されている:「粘膜付着層を有する挿入物。粘膜付着層は、デバイスの取り付けに役立つ。明らかに、説明される設計では、粘膜付着層は、急速に浸食される傾向があり、明らかにデバイスの滞留時間に影響を与える。」。
【0011】
さらなる背景技術には、
米国特許第3,995,635号、米国特許第3,867,519号、米国特許第3,828,777号、米国特許第3,854,480号、米国特許第4,571,039号、米国特許第4,484,922号、米国特許第4,592,752号、
Bourlais,C.L.,Acar,L.,Zia H.,Sado,P.A.,Needham,T.,Leverge,R.,“Ophthalmic drug delivery systems”,Progress in retinal and eye research,1998,17,1:33-58、
Richard T Addo et alの“Formulation and characterization of atropine sulfate in albumin-chitosan microparticles for in vivo ocular drug delivery”,J Pharm Sci.2015 May;104(5):1677-90、
Yahui He et alによる“Development of Water-Compatible Molecularly Imprinted Polymers Based on Functionalized β-Cyclodextrin for Controlled Release of Atropine”,Polymers 2020,12(1),130、
Sunil A Agnihotri 1,Tejraj M Aminabhaviによる“Chitosan nanoparticles for prolonged delivery of timolol maleate”,Drug Dev Ind Pharm.2007 Nov;33(11):1254-62、及び
James P Bertram 1,Sandeep S Saluja,Jodi McKain,Erin B Lavikによる“Sustained delivery of timolol maleate from poly(lactic-co-glycolic acid)/poly(lactic acid)microspheres for over 3 months”,J Microencapsul.2009 Feb;26(1):26、以上が含まれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
下記は、本発明の実施形態のいくつかの実施例を含む非排他的なリストである。本発明は、下記に明示的に列挙されていない場合でも、実施例における全ての特徴よりも少ない特徴を含む実施形態、及び複数の実施例からの特徴を使用する実施形態も含む。
【0013】
実施例1.後面と、前面と、を有する本体を備えた眼科デバイスであって、前記本体のサイズ、前記後面の形状、及び前記前面の形状により、前記デバイスは、眼の眼球結膜上に滞留するように構成される、前記デバイス。
【0014】
実施例2.前記眼球結膜上に滞留する時、前記後面は前記眼球結膜に隣接し、前記前面は少なくとも定期的に眼瞼内側表面に隣接する、実施例1に記載のデバイス。
【0015】
実施例3.前記本体は、治療物質を有し、前記眼球結膜上に滞留する時、前記治療物質を前記眼の中へ溶出させるように構成される、実施例1~2のいずれか1つに記載のデバイス。
【0016】
実施例4.前記本体の大きさは、2~8mmである、実施例1~3のいずれか1つに記載のデバイス。
【0017】
実施例5.前記本体の厚さは、400ミクロン未満である、実施例1~4のいずれか1つに記載のデバイス。
【0018】
実施例6.前記本体の縁端から0.5mm未満の前記本体の縁端領域は、50ミクロン未満の厚さを有する、実施例1~5のいずれか1つに記載のデバイス。
【0019】
実施例7.前記後面は、凹面である、実施例1~6のいずれか1つに記載のデバイス。
【0020】
実施例8.前記眼の強膜の曲率半径に対する前記後面の曲率半径の比率は、0.8より大きい、実施例1~7のいずれか1つに記載のデバイス。
【0021】
実施例9.前記後面の曲率半径は、9~11mmである、実施例1~8のいずれか1つに記載のデバイス。
【0022】
実施例10.前記デバイスの柔軟性は、0.3~1.5MPaである、実施例1~9のいずれか1つに記載のデバイス。
【0023】
実施例11.前記前面は、凸面である、実施例1~10のいずれか1つに記載のデバイス。
【0024】
実施例12.前記前面の曲率半径は、前記後面の曲率半径よりも小さい、実施例1~11のいずれか1つに記載のデバイス。
【0025】
実施例13.前記デバイスは、前記眼球表面上に少なくとも15分間滞留するように構成される、実施例1~12のいずれか1つに記載のデバイス。
【0026】
実施例14.前記眼球結膜は、角膜と円蓋結膜との間の結膜の一部分である、実施例1~13のいずれか1つに記載のデバイス。
【0027】
実施例15.前記眼球結膜は、涙液メニスカスと一致する結膜の一部分である、実施例1~14のいずれか1つに記載のデバイス。
【0028】
実施例16.前記後面は、粘膜付着材料を含む、実施例1~15のいずれか1つに記載のデバイス。
【0029】
実施例17.前記前面は、滑らかな表面を有し、及び/または潤滑材料を含む、実施例1~16のいずれか1つに記載のデバイス。
【0030】
実施例18.前記本体は、眼の中で崩壊する材料を含む、実施例1~17のいずれか1つに記載のデバイス。
【0031】
実施例19.前記本体は、生体分解性材料及び生体浸食性材料の一方または両方を含む、実施例1~18のいずれか1つに記載のデバイス。
【0032】
実施例20.前記後面は、1つ以上のキャビティを有する、実施例1~19のいずれか1つに記載のデバイス。
【0033】
実施例21.前記後面は、1つ以上の突起を有する、実施例1~20のいずれか1つに記載のデバイス。
【0034】
実施例22.前記デバイスは、1つ以上の電子素子を備える、実施例1~21のいずれか1つに記載のデバイス。
【0035】
実施例23.前記デバイスは、乾燥状態または半水和状態で提供される、実施例1~22のいずれか1つに記載のデバイス。
【0036】
実施例24.前記デバイスは、前記眼球表面上で水和される、実施例1~23のいずれか1つに記載のデバイス。
【0037】
実施例25.前記本体は、異なる材料特性を有する2つ以上の層を有する、実施例1~24のいずれか1つに記載のデバイス。
【0038】
実施例26.前記本体は、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルアルコール(PVOH)、ポリエチレングリコール(PEG)、セルロースアセテート(CA)、ポリビニルアルコール-ポリエチレングリコールグラフト共重合体(コリコート(Kollicoat))、ポリアクリル酸(例えばカーボポール(Carbopol)またはカルボマー(Carbomer))、ヒアルロン酸、エチルセルロース、トリエチルシトレート(TEC)、グリセロール、デキストラン、及びこれらの組み合わせのうちの1つ以上を含む、実施例1~25のいずれか1つに記載のデバイス。
【0039】
実施例27.前記デバイスは、前記眼球結膜上に前記デバイスを保持するように構成された1つ以上のアンカーを有する、実施例1~26のいずれか1つに記載のデバイス。
【0040】
実施例28.前記アンカーは、前記本体の鋭利な縁端を有する、実施例27に記載のデバイス。
【0041】
実施例29.前記縁端の曲率半径は、100ミクロン未満である、実施例28に記載のデバイス。
【0042】
実施例30.前記後面は、目が粗い、実施例1~29のいずれか1つに記載のデバイス。
【0043】
実施例31.眼球結膜上に滞留するように構成された本体を備えた眼科デバイスであって、前記本体は、凹状の後面を有し、眼の強膜の曲率半径に対する前記後面の曲率半径の比率は、0.8より大きい、前記眼科デバイス。
【0044】
実施例32.眼球結膜上に滞留するように構成された本体を備えた眼科デバイスであって、前記本体は、2~8mmの大きさと、前記本体の縁端から0.5mm未満の縁端領域であって、厚さが50ミクロン未満である前記縁端領域と、を有する、前記眼科デバイス。
【0045】
実施例33.眼科デバイスを、眼の眼球結膜に付けることと、前記眼科デバイスが前記眼の前記眼球結膜上に滞留し続ける期間に、日周活動を実行することと、を含む方法。
【0046】
実施例34.前記実行することは、眼に不快感を与えることはない、実施例33に記載の方法。
【0047】
実施例35.まばたき及び流涙の間、前記デバイスは所定位置に留まる、実施例33~34のいずれか1つに記載の方法。
【0048】
実施例36.まばたきの間、前記デバイスの縁端と前記眼球結膜との段差は、眼瞼を前記眼球結膜表面から最大400ミクロン外側に偏向させる、実施例33~35のいずれか1つに記載の方法。
【0049】
実施例37.前記デバイスは、前記眼球結膜上の滞留位置から最大0.5mm移動する、実施例33~36のいずれか1つに記載の方法。
【0050】
実施例38.前記付けることは、前記デバイスが前記眼球結膜と接触している時に、前記デバイスに圧力を加えることを含む、実施例33~37のいずれか1つに記載の方法。
【0051】
実施例39.前記滞留期間の後、前記デバイスを前記眼から除去することを含む、実施例33~38のいずれか1つに記載の方法。
【0052】
実施例40.前記デバイスを排出することを含む、実施例33~39のいずれか1つに記載の方法。
【0053】
実施例41.追加の眼科デバイスを付けることを含む、実施例33~40のいずれか1つに記載の方法。
【0054】
実施例42.前記付けることは、前記滞留時間の間または後である、実施例41に記載の方法。
【0055】
実施例43.眼球結膜の一部を眼科デバイスで滞留期間覆うことを含む、治療方法。
【0056】
実施例44.前記滞留期間は、1時間から1週間である、実施例43に記載の方法。
【0057】
実施例45.前記眼科デバイスの本体から、涙液及び眼組織の一方または両方に薬剤を溶出させることを含む、実施例43~44のいずれか1つに記載の方法。
【0058】
実施例46.前記眼科デバイスを前記眼球結膜に付着させることを含む、実施例43~45のいずれか1つに記載の方法。
【0059】
実施例47.前記付着させることは、前記デバイスの後面と前記眼球結膜との粘膜付着を含む、実施例46に記載の方法。
【0060】
実施例48.前記付着させることは、前記デバイスの後面と前記眼球結膜との曲率の差から生じる表面張力がもたらす吸引を含む、実施例46~47のいずれか1つに記載の方法。
【0061】
実施例49.前記付着させることは、前記デバイスの縁端を前記眼球結膜に食い込ませることにより、前記デバイスを固定することを含む、実施例46~48のいずれか1つに記載の方法。
【0062】
実施例50.前記付着させることは、表面張力下で、前記デバイスの後面の1つ以上のキャビティへ向かって、及び/またはキャビティの中へ、前記眼球結膜の1つ以上の部分を吸引することを含む、実施例46~49のいずれか1つに記載の方法。
【0063】
実施例51.前記付着させることは、前記デバイスの後面に配置された1つ以上の突起を、前記眼球結膜の1つ以上の部分に食い込ませることにより、前記デバイスを固定することを含む、実施例46~50のいずれか1つに記載の方法。
【0064】
実施例52.涙液、並びに眼球及び眼瞼の動きに前記デバイスをさらすことにより、前記滞留期間中に前記デバイスは分解されることを含む、実施例43~51のいずれか1つに記載の方法。
【0065】
実施例53.前記分解されることにより、前記眼球結膜に対する前記デバイスの付着性は低減する、実施例52に記載の方法。
【0066】
実施例54.前記分解されることは、前記デバイスが前記デバイスの最初の大きさよりも小さいパーツに崩壊することを含む、実施例52~53のいずれか1つに記載の方法。
【0067】
実施例55.乾燥状態または部分的水和状態の眼科デバイスを、眼の表面に付けることと、前記眼の中で前記デバイスを水和させることと、を含む方法。
【0068】
実施例56.前記水和させることは、眼の涙液と、前記眼に水和液を加えることのうちの1つ以上により行われる、実施例55に記載の方法。
【0069】
実施例A.後面及び前面を有し、前記後面に開口した1つ以上のキャビティを有する接眼デバイス。
【0070】
実施例B.保護目的または治療目的である、実施例Aに記載の接眼デバイス。
【0071】
実施例C.治療薬または他の化合物を含有する、実施例A~Bのいずれか1つに記載の接眼デバイス。
【0072】
実施例D.粘膜付着後面を有する、実施例A~Cのいずれか1つに記載の接眼デバイス。
【0073】
実施例E.滑らかな前面を有する、実施例A~Dのいずれか1つに記載の接眼デバイス。
【0074】
実施例F.快適さまたは締りのある縁端設計を有する、実施例A~Eのいずれか1つに記載の接眼デバイス。
【0075】
実施例G.前記後面に1つ以上の突起を有する、実施例A~Fのいずれか1つに記載の接眼デバイス。
【0076】
実施例H.眼に挿入することが意図された、実施例A~Gのいずれか1つに記載の接眼デバイス。
【0077】
実施例I.生体分解性または生体浸食性を有する、実施例A~Hのいずれか1つに記載の接眼デバイス。
【0078】
実施例J.厚さが200ミクロン以下である、実施例A~Iのいずれか1つに記載の接眼デバイス。
【0079】
実施例K.乾燥状態である、実施例A~Jのいずれか1つに記載の接眼デバイス。
【0080】
実施例L.眼の中/角膜上に存在する間に、患者の視覚を妨げずに、薬物を放出するように構成された、実施例A~Kのいずれか1つに記載の接眼デバイス。
【0081】
実施例M.強膜、角膜、角膜輪部、または結膜に付着するように設計された、実施例A~Lのいずれか1つに記載の接眼デバイス。
【0082】
別段に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び/または科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者により一般に理解される意味と同じ意味を有する。いくつかの実施形態では、本明細書で説明される方法及び材料と同様または同等の方法及び材料が、本発明の実践または試験で使用されるが、例示的な方法及び/または材料が下記に説明される。矛盾する場合は、定義を含めて、特許明細書が優先する。さらに、材料、方法、及び実施例は、例示にすぎず、必ずしも限定することを意図していない。
【0083】
本明細書では、本発明のいくつかの実施形態が、単なる例示として、添付の図面を参照しながら説明される。ここで図面を詳しく具体的に参照すると、示される詳細は、例示であり、本発明の実施形態の実例考察目的であることが強調される。これに関して、図面を用いた説明により、本発明の実施形態がどのように実践され得るかが、当業者に明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【
図1A】本発明のいくつかの実施形態による、眼上の所定位置に存在する眼科デバイスの簡略化された概略断面図である。
【
図1B】本発明のいくつかの実施形態による、眼上の所定位置に存在する眼科デバイスの簡略化された概略上面図である。
【
図1C】本発明のいくつかの実施形態による、眼上の所定位置に存在する眼科デバイスの簡略図である。
【
図1D】本発明のいくつかの実施形態による、眼上の所定位置に存在する眼科デバイスの簡略図である。
【
図2】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの使用方法である。
【
図3】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの使用方法である。
【
図4】本発明のいくつかの実施形態による、眼の表面上にある眼科デバイスの簡略化された概略断面図である。
【
図5A】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの簡略化された概略上面図である。
【
図5B】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの簡略化された概略側面図である。
【
図5C】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの簡略化された概略断面図である。
【
図5D】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの簡略化された概略図である。
【
図6】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの縁端部分の簡略化された概略断面図である。
【
図7】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの縁端部分の簡略化された概略断面図である。
【
図8】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの簡略化された概略上面図である。
【
図9】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの簡略化された概略上面図である。
【
図10】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの簡略化された概略上面図である。
【
図11】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの簡略化された概略上面図である。
【
図12】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの簡略化された概略上面図である。
【
図13】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの簡略化された概略上面図である。
【
図14】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの簡略化された概略上面図である。
【
図15】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの簡略化された概略上面図である。
【
図16】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの簡略化された概略上面図である。
【
図17】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの簡略化された概略上面図である。
【
図18A】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの簡略化された概略上面図である。
【
図18B】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの簡略化された概略図である。
【
図18C】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの簡略化された概略断面図である。
【
図19】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの簡略化された概略断面図である。
【
図20】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの簡略化された概略底面図である。
【
図21】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの簡略化された概略底面図である。
【
図22】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの簡略化された概略底面図である。
【
図23】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの簡略化された概略底面図である。
【
図24】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの簡略化された概略底面図である。
【
図25】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの簡略化された概略底面図である。
【
図26】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの簡略化された概略底面図である。
【
図27】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの簡略化された概略底面図である。
【
図28】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの簡略化された概略底面図である。
【
図29A】本発明のいくつかの実施形態による、眼の表面の一部の簡略化された概略断面図である。
【
図29B】本発明のいくつかの実施形態による、眼の表面上にある眼科デバイスの簡略化された概略断面図である。
【
図29C】本発明のいくつかの実施形態による、眼の表面上にある眼科デバイスの簡略化された概略断面図である。
【
図30】A~Cは、本発明のいくつかの実施形態による、眼の表面上にあるデバイスの一部の簡略化された概略断面図である。
【
図31A】本発明のいくつかの実施形態による、眼の表面上にある眼科デバイスの簡略化された概略断面図である。
【
図31B】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの簡略化された概略図である。
【
図31C】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの簡略化された概略上面図である。
【
図32】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの部分の簡略化された概略断面図である。
【
図33】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの部分の簡略化された概略断面図である。
【
図34】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの部分の簡略化された概略断面図である。
【
図35】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの部分の簡略化された概略断面図である。
【
図36】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの部分の簡略化された概略断面図である。
【
図37】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの部分の簡略化された概略断面図である。
【
図38】本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの簡略化された概略断面図である。
【
図39】本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの簡略化された概略断面図である。
【
図40】本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの簡略化された概略断面図である。
【
図41】本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの簡略化された概略断面図である。
【
図42】本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの簡略化された概略断面図である。
【
図43】本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの簡略化された概略断面図である。
【
図44】本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの簡略化された概略断面図である。
【
図45】本発明のいくつかの実施形態による、二重層デバイスの簡略化された概略断面図である。
【
図46】本発明のいくつかの実施形態による、二重層デバイスの簡略化された概略断面図である。
【
図47】本発明のいくつかの実施形態による、二重層デバイスの簡略化された概略断面図である。
【
図48】本発明のいくつかの実施形態による、二重層デバイスの簡略化された概略断面図である。
【
図49】本発明のいくつかの実施形態による、二重層デバイスの簡略化された概略断面図である。
【
図50】本発明のいくつかの実施形態による、二重層デバイスの簡略化された概略断面図である。
【
図51】本発明のいくつかの実施形態による、多層デバイスの簡略化された概略断面図である。
【
図52】本発明のいくつかの実施形態による、多層デバイスの簡略化された概略断面図である。
【
図53】本発明のいくつかの実施形態による、多層デバイスの簡略化された概略断面図である。
【
図54】本発明のいくつかの実施形態による、多層デバイスの簡略化された概略断面図である。
【
図55】本発明のいくつかの実施形態による、多層デバイスの簡略化された概略断面図である。
【
図56】本発明のいくつかの実施形態による、多層デバイスの簡略化された概略断面図である。
【
図57】本発明のいくつかの実施形態による、多層デバイスの簡略化された概略断面図である。
【
図58】本発明のいくつかの実施形態による、多層デバイスの簡略化された概略断面図である。
【
図59】本発明のいくつかの実施形態による、多層デバイスの簡略化された概略断面図である。
【
図60】本発明のいくつかの実施形態による、多層デバイスの簡略化された概略断面図である。
【
図61】本発明のいくつかの実施形態による、多層デバイスの簡略化された概略断面図である。
【
図62】A~Fは、本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの滞留時間の経過に従ったデバイスの一部の簡略化された概略断面図である。
【
図63】本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの崩壊進行のフローチャートである。
【
図64】A~Cは、本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの滞留時間の経過に従ったデバイスの簡略化された概略断面図である。
【
図65】A~Dは、本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの滞留時間の経過に従ったデバイスの簡略化された概略断面図である。
【
図66】本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの簡略化された概略断面図である。
【
図67】本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの簡略化された概略断面図である。
【
図68】A~Bは、本発明のいくつかの実施形態による、眼の表面上にあるデバイスの簡略化された概略断面図である。
【
図69】本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイス製造方法である。
【
図70】本発明のいくつかの実施形態による、フィルム製造方法である。
【
図71】A~Dは、本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの一部の簡略化された概略断面図である。
【
図72】本発明のいくつかの実施形態による製造方法である。
【
図73】A~Dは、本発明のいくつかの実施形態による、フィルムの簡略化された概略断面図である。E~Fは、本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの簡略化された概略断面図である。
【
図74】A~Cは、本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの簡略化された概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0085】
本発明は、そのいくつかの実施形態では、眼科デバイスに関し、より具体的には、非排他的に、薬剤溶出眼科デバイスに関する。
【0086】
概要
いくつかの実施形態の広い態様は、眼の治療及び/または保護のための眼科デバイスに関し、眼科デバイスは、眼の表面(例えば強膜)に付けると、眼の上に留まる。例えば、眼科デバイスは、治療期間中、眼の表面の取り付けられた領域から移動することはなく、及び/または眼から排出されることはない。同時に、いくつかの実施形態では、デバイスは、ユーザが装着した時の快適性を保持する。
【0087】
いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、初期移入後、例えば滞留時間中、取り付け位置及び/または滞留位置から、眼の表面上で、例えば最大0.5mm~5mm、または0.5mm~1mm、またはより短い、またはより長い、または中間の範囲もしくは距離を移動しながら、所定位置に留まる。
【0088】
いくつかの実施形態では、例えばまばたき、流涙、号泣、発汗、洗浄(例えばシャワー)、歩行、運動、睡眠のうちの1つ以上など、対象者の通常活動の間、デバイスは、眼の上に滞留し、及び/または所定位置に留まる。いくつかの実施形態では、眼が主に閉じている間、例えば睡眠中、及び/または患者が半意識もしくは無意識の場合、デバイスは、眼の上に滞留し、及び/または所定位置に留まる。
【0089】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、乾燥状態で提供される眼科デバイスに関し、デバイスは1つ以上の治療薬を含む。いくつかの実施形態では、デバイスは、半水和状態(例えば部分的水和状態及び/または加湿状態を含む)で提供される。
【0090】
無水和状態及び/または低水和状態のデバイスの潜在的利点は、眼科デバイスの保管中に、例えば製造後で使用前に、治療薬(複数可)の劣化が軽減されることであり、例えばいくつかの実施形態では、保存可能期間が延長される。いくつかの実施形態では、デバイスは乾燥状態で柔軟性があり、いくつかの実施形態では、柔軟性のおかげで、デバイスは、事前に水和及び/または柔軟化させることなく、眼に付けることが可能となる。
【0091】
いくつかの実施形態では、デバイスが水和されると、サイズが大きくなり、及び/または形状が変わる。
【0092】
いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、1つ以上の治療薬及び/または他の化合物(複数可)を含み、これらは、デバイスが眼球上に滞留している間に放出される。いくつかの実施形態では、デバイスが眼の表面上にある時に、治療薬(複数可)はデバイスから溶出する。いくつかの実施形態では、取り付けの際、デバイスは、眼球の眼粘膜表面の上部に付着し、眼に対し保護及び/または局所的薬物送達を提供する。いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、1つ以上の治療薬を、放出調節形態で含む。
【0093】
いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、角膜の上部または下部の強膜上に配置される。いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、角膜と結膜円蓋との間に位置する眼の表面である強膜の眼球結膜部分に、配置される。いくつかの実施形態では、デバイスは、眼の結膜嚢の外側に、または最大でも部分的に眼の結膜嚢内に、配置される。いくつかの実施形態では、デバイスは、角膜の十分近くに配置され、まばたきまたは眼球運動中に眼瞼の動きを受ける。いくつかの実施形態では、眼が弛緩した開位置にある時、デバイスが見える。いくつかの実施形態では、デバイスは、眼の結膜嚢内ではない、及び/または完全に結膜嚢内ではない領域に配置されるように、眼の表面に十分付着する。
【0094】
いくつかの実施形態では、デバイスは、眼の涙液メニスカスの領域に、及び/または大部分の時間、例えば少なくとも50%の時間、メニスカスが存在する領域に、配置される。この時、いくつかの実施形態では、メニスカス層の位置は、下眼瞼の位置により画定される。いくつかの実施形態では、目が大きく開かれている時に、眼瞼がデバイスを、例えば部分的にも覆わないように、配置される。
【0095】
いくつかの実施形態では、上記の2つの段落で説明された領域(複数可)の外側に配置され、例えば1分未満~1時間で、領域(複数可)に移動する。その後、いくつかの実施形態では、デバイスは、デバイスの滞留時間中に、例えば最大0.5~5mm、または0.5~1mm生体内移動し続ける。
【0096】
デバイスの配置の潜在的利点は、高液量(例えば涙液)及び/または高流体移動との接触である。例えば、デバイスの治療物質送達時間、及び/または任意で崩壊時間、及び/または任意で滞留時間が、短くなる。
【0097】
眼球結膜上にデバイスを配置することの潜在的利点として、例えば皺がある及び/または滑る円蓋結膜と比較すると、眼球結膜の表面は、より引き締まっている。潜在的に、眼球結膜の滑らかな及び/または引き締まった表面は、例えば円蓋結膜及び/または眼の結膜嚢内の結膜と比較すると、強膜上の所定位置にデバイスをしっかりと保持するのに必要な力が少なくて済む。潜在的に、これにより、より平らなデバイスの使用が可能となる(例えば結膜に対するデバイスの後面の曲率半径の比率は、いくつかの実施形態では0.8未満である)。例えば眼の結膜嚢ではなく、眼球結膜上にデバイスを配置することの潜在的利点は、デバイスの取り付けが容易なことである。例えば、眼を傾かせること、及び/または眼瞼を退かせること、及び/またはアプリケータを使用することのうちの1つ以上がなくとも、デバイスを付けることができる。
【0098】
いくつかの実施形態では、デバイス(例えばデバイスを所定位置に保持するのに十分な吸引力を生じる、例えばデバイスの1つ以上の部分の曲率)は、十分引き締まり及び/または滑らかな眼の表面、例えば円蓋結膜ではなく眼球結膜に、適合する。
【0099】
説明されるデバイス配置の潜在的利点は、デバイスによる患者の視覚妨害が限られている、またはないことである。
【0100】
一般に、眼球結膜領域の強膜と、角膜とでは、曲率半径が変わり、曲率変化は、角膜輪部領域で起こる。薄い縁端を有するデバイス(例えば本明細書で説明される1つ以上の特徴を含む)が強膜に付着することにより、デバイスが強膜及び/または角膜輪部から角膜に上がることが潜在的に防止される。潜在的に、デバイスは所定の位置に固定され、及び/またはデバイスによる患者の視界妨害が回避される。
【0101】
いくつかの実施形態では、2~8mmの大きさ(例えば直径)を有し、強膜に付着し(例えば本明細書で説明されるように)、及び/または眼の表面の周り(例えばデバイス縁端)がロープロファイルである薄いデバイスは、潜在的に、眼から排出される可能性が低い。この時、いくつかの実施形態では、眼の表面上の(例えばデバイス縁端における)デバイスのプロファイルは、デバイスの薄い縁端及び/または眼の表面に食い込んだ縁端のうちの一方または両方を伴う。いくつかの実施形態では、前記デバイスの縁端と、眼の表面との間に形成される段差は、1~100ミクロン、または10~50ミクロン、またはより小さい、またはより大きい、または中間の範囲もしくは段差である。いくつかの実施形態では、この段差により、患者のまばたきで、眼瞼(または、例えば眼球結膜を覆う環状デバイス及び/または部分的環状デバイスの場合は、両眼瞼)が偏向する。
【0102】
いくつかの実施形態では、本明細書で説明される縁端特性(例えば形状及び/または厚さ)は、デバイスの縁端領域の全てまたは一部を対象とする。例えば、デバイスの周縁端の一部を対象とする。例えば、デバイスの周囲の20~99%、または80~90%、またはより低い、またはより高い、または中間の範囲もしくはパーセンテージを対象とする。いくつかの実施形態では、デバイスの周縁端の異なる部分は、例えば形状及び/または厚さなど、異なる特性を有する。
【0103】
いくつかの実施形態では、強膜への付着は、強膜に対するデバイスの縁端の付着を伴い、例えば、強膜に対するデバイスの適合程度及び/またはデバイスに対する強膜の適合程度の影響を受ける。いくつかの実施形態では、デバイスは、デバイスと強膜との付着を高める1つ以上の特徴を含む。例えば、デバイスの後面及び/または縁端に配置された、例えば目の粗さ及び/または固定具(例えばキャビティ(複数可)、突起(複数可)、及び/またはフック(複数可))を含む。
【0104】
例えば、眼瞼の縁端では、眼科デバイスをつかめない、及び/または眼科デバイスを押せない、及び/または眼科デバイスを目の端(眼瞼交連)に移動できない、及び/またはデバイスを排出するように巧みに扱えない。
【0105】
いくつかの実施形態の一態様は、眼の表面に付着する眼科デバイスに関する。いくつかの実施形態では、デバイスは、眼の表面に対するデバイスの付着を高める1つ以上の特徴を含む。付加的または代替的に、いくつかの実施形態では、デバイスは、デバイスが受ける除去力を軽減する1つ以上の特徴を含む。力は、例えば、対象者がまばたきすること、及び/または涙を流すこと、及び/または目をこすることに伴う。
【0106】
眼科デバイスの付着の潜在的利点は、デバイスの可動性の削減及び/または排除である。例えば、デバイスが滞留する固定位置を選択することが可能となり、及び/またはデバイスにより眼の選択部分を治療することが可能となる。
【0107】
眼科デバイスの付着の潜在的利点は、眼の表面上でのデバイスの滞留時間が長くなることである。理論に縛られることは望まないが、眼の表面へのデバイスの付着が高まると、デバイスと眼との間の流体流動は減少すると仮定される。潜在的に、流体流動が減少すると、デバイスの滞留時間が長くなる。
【0108】
いくつかの実施形態では、眼科デバイスの本体は、凹状の後面を有する。いくつかの実施形態では、本体は、凸状の前面を有する。
【0109】
いくつかの実施形態では、眼の表面(例えば強膜)と接触する後面の凹面は、眼の表面へのデバイスの付着を高める。凹面は、例えばデバイスと眼の表面との間に吸引力をもたらし、デバイスを眼の表面に付着させる。任意で、いくつかの実施形態では、デバイスの後面の1つ以上の部分の曲率半径は、デバイスが付着する眼の部分の曲率半径よりも小さい。例えば、強膜の曲率半径よりも小さい。
【0110】
いくつかの実施形態では、例えば、後面は滑らかであり、眼の表面とデバイスとの接触に伴う刺激を潜在的に軽減する。いくつかの実施形態では、後面は、目の粗い部分(複数可)及び/または固定具(複数可)を含み、後面と眼の表面との摩擦により、付着が潜在的に高められる。いくつかの実施形態では、後面の縁端領域(例えば任意でいくつかの実施形態では、滑らかな中央領域ではない)は、目が粗く、並びに/あるいは固定具(複数可)及び/または突起及び/またはキャビティを含む。
【0111】
いくつかの実施形態では、デバイスは、曲率半径が小さい後面を有するにもかかわらず、所定位置に留まる。この時、例えば、眼の曲率半径に対する後面の曲率半径の比率は、0.6~0.95、または0.8~0.95、または0.8~1、または約0.8より大きい、またはより小さい、またはより大きい、または中間の範囲もしくは比率である。この時、例えば、後面の曲率半径は、デバイスが付着する眼の部分の曲率半径、例えば強膜の曲率半径と同じである、またはそれより大きい。例えば、いくつかの実施形態では、デバイスは、平坦または凸状の後面を有するにもかかわらず、所定位置に留まる。この時、例えば、粘膜付着特性(複数可)及び/または固定特徴(複数可)のうちの1つ以上により、デバイスは眼の表面に付着することが可能となる。
【0112】
いくつかの実施形態では、例えばデバイスを眼の上に配置する際、デバイスは、平らまたは凹状の前面を有し、かつ平らまたは凸状の後面を有する状態から、逆の状態に反転する。例えば、いくつかの実施形態では、ユーザは自身の指及び/またはアプリケータの上にデバイスを置き(及び/またはアプリケータ上にデバイスが提供され)、この時、後面が凸状であり、前面が凹状である。取り付けの際、例えばデバイスが眼の表面に接触する前及び/または接触している間に、力が加えられると(例えばユーザ及び/またはアプリケータにより)、デバイスは、後面が凹状であり、前面が凸状である構成に反転する。いくつかの実施形態では、デバイスは、挿入予定位置の所望の形状(例えば所望の曲率を含む)に、予め形成されて提供される。いくつかの実施形態では、デバイスは、挿入予定位置の曲率を有する(例えば挿入予定位置の曲率が設けられる)(例えばデバイスの後面は挿入予定位置の曲率を有する)。いくつかの実施形態では、デバイスは、眼の表面に配置される間及び/または配置された後に、形状を変える(例えば曲率(複数可))。例えば、いくつかの実施形態では、デバイスは、例えば眼の表面で、水和中及び/または付着中に形状を変える。
【0113】
いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、例えば眼球の形状に適合するために、可撓性、弾力性、及び柔軟性のうちの1つ以上を有する。いくつかの実施形態では、眼科デバイスの弾力性及び/または柔軟性は、ソフトコンタクトレンズの弾力性及び/または柔軟性と類似する。いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、ヤング率が0.3~1.5MPa、または0.3~1.5MPa、またはより低い、またはより高い、または中間の弾力性/柔軟性もしくは範囲である、1つ以上の方向の弾力性または柔軟性を有する。いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、ヤング率が0.1~200MPaである、1つ以上の方向の弾力性を有する。いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、乾燥状態で、1つ以上の方向の弾力性(例えばヤング率が0.1~200MPa、または0.4~1.4MPa、または0.3~1.5MPa、またはより低い、またはより高い、または中間の弾力性もしくは範囲)を有する。いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、眼の中に存在する間、湿潤状態で、1つ以上の方向の弾力性(例えばヤング率が0.1~200MPa、または0.3~1.5MPa、または0.4~1.4MPa、またはより低い、またはより高い、または中間の弾力性もしくは範囲)を有する。いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、(乾燥状態及び/または湿潤状態で)10%~500%以上の伸びを可能にする弾力性を有する。
【0114】
いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、剛性、及び、例えば眼球の形状に適合するように成形された定形のうちの1つ以上を有する。いくつかの実施形態では、眼科デバイスの1つ以上の方向の弾力性及び/または硬さは、ハードもしくは剛性のコンタクトレンズの弾力性及び/または硬さと類似する。いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、ヤング率が100~5000MPa、またはより低い、またはより高い、または中間の範囲もしくは弾力性である、1つ以上の方向の弾力性を有する。いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、乾燥状態である場合、1つ以上の方向でこの弾力性を有する。いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、例えば眼の内に存在する間、湿潤状態でこの弾力性を有する。
【0115】
いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、例えば弾力性及び/または柔軟性などの異なる材料特性を有する層を含む。いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、例えば弾力性及び/または柔軟性などの異なる材料特性を有する領域を含む。
【0116】
いくつかの実施形態では、デバイスは柔軟であり、これにより潜在的に、デバイスが眼の表面に合わせて変形することが可能となり、例えば潜在的に、ユーザ快適性が高められ(例えば眼瞼がデバイス上をほとんどまたは全く支障及び/または不快感なしに円滑に動くことが可能となり)、及び/またはデバイスが受ける除去力が軽減される。いくつかの実施形態では、柔軟なデバイスは、凹状の後面を有し、デバイスと眼の表面との間の吸引力(例えば後面の凹面と眼の表面との相互作用に伴う)により、デバイスは眼の表面にへばりつく。より平らな(例えばよりロープロファイルの)デバイスの潜在的利点として、例えばまばたき及び/または眼球運動に伴い脱落する可能性の低減、並びに/あるいは対象者の装着快適性の向上が挙げられる。
【0117】
いくつかの実施形態では、デバイスの弾力性により、デバイスと眼の表面との間の吸引力が高まり、デバイスが眼に付着する。この時、例えば、いくつかの実施形態では、弾力性により、デバイスの後面の低い凹面曲率が補われる。
【0118】
いくつかの実施形態では、デバイスの柔軟性及び/または弾力性により、デバイスの縁端と眼の表面との密閉性が向上する。
【0119】
いくつかの実施形態では、後面は、1つ以上の粘膜付着部分を含む。この時、粘膜付着材料(複数可)により、いくつかの実施形態では、眼の表面へのデバイスの付着が高められる。
【0120】
任意で、いくつかの実施形態では、後面は、粘膜付着層を含む。この時、いくつかの実施形態では、層は、後面を覆う。あるいは、いくつかの実施形態では、粘膜付着層は、非連続面であり、例えば穴(複数可)により、例えば粘膜付着層の下の層へ、水の浸透及び/または薬物の輸送が可能となる。いくつかの実施形態では、粘膜付着層は、中央に開孔を有する環状であり、これにより、例えば水の浸透及び/または薬物の輸送が可能となる。
【0121】
デバイス内の粘膜付着層は、いくつかの実施形態では、乾燥状態及び/または半水和状態で提供される。この時、いくつかの実施形態では、デバイスを眼球に付ける際、粘膜付着層は、例えば10秒未満、または30秒未満、または1分未満で水和して、粘着性を有するようになる。
【0122】
いくつかの実施形態では、粘膜付着層の材料/化合物/ポリマーは、80~200%、または100~200%、または100%を超える付着力を有する。この時、例えばペクチンは、100%の付着力を有すると定義される。
【0123】
いくつかの実施形態では、粘膜付着部分は、少なくとも1つの粘膜付着化合物を含み、これは、いくつかの実施形態では、ゼラチン、アルギン酸塩、キトサン、アミロース、コラーゲン、ポリアクリル酸ナトリウム、加工デンプン、エラスチン、ポリアクリル酸、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される。
【0124】
いくつかの実施形態では、デバイスの後面には、例えば1つ以上のキャビティまたは突起が含まれる。
【0125】
理論に限定されることは望まないが、いくつかの実施形態では、キャビティは、デバイスと眼の表面との間の吸引力、例えばキャビティにおける局所的な吸引力を、高めると仮定される。いくつかの実施形態では、眼組織がキャビティに入り(例えばキャビティの吸引力の下)、潜在的に、デバイスと眼との間の付着が高められる。後面上のキャビティ(複数可)の潜在的利点は、眼上でのデバイスの滞留時間が長くなることである。
【0126】
いくつかの実施形態では、デバイスは複数のキャビティを有し、いくつかの実施形態では、キャビティのうちの2つ以上は、サイズ及び/または形状がほぼ同じである。一方で、いくつかの実施形態では、キャビティのうちの2つ以上は、例えばサイズ及び/または形状が互いに異なる。
【0127】
いくつかの実施形態では、キャビティの開口サイズは、0.005mm~20mm、または0.005~2mm、または0.005~1mm、または0.005~0.5mm、または1~2mm、またはより小さい、またはより大きい、または中間の範囲もしくは寸法である。いくつかの実施形態では、キャビティは、大きな開口を有し、これは、例えば表面(例えば後面)の領域の少なくとも半分にわたり延在し、及び/または大きさが1~10mm、または1~8mm、または1~5mmである。いくつかの実施形態では、キャビティの開孔は、巨視的または微視的なサイズである。いくつかの実施形態では、キャビティの深さは、5ミクロン~1mm、または5~400ミクロン、または5~200ミクロン、またはより浅い、またはより深い、または中間の深さもしくは範囲である。いくつかの実施形態では、キャビティは、デバイスの厚さの大部分を通って、例えば、キャビティ領域におけるデバイスの厚さの少なくとも50~90%、または80~99%、または90~99%、またはより低い、またはより高い、または中間の範囲もしくはパーセンテージを通って、延在する。
【0128】
いくつかの実施形態では、突起(複数可)は、丸い形状及び/または鈍的形状を有する。
【0129】
いくつかの実施形態では、デバイスは複数の突起を有し、いくつかの実施形態では、突起のうちの2つ以上は、サイズ及び/または形状がほぼ同じである。一方で、いくつかの実施形態では、突起のうちの2つ以上は、例えばサイズ及び/または形状が互いに異なる。
【0130】
いくつかの実施形態では、デバイスの表面から上の突起のサイズは、5~400ミクロン、または20~200ミクロン、またはより小さい、またはより大きい、または中間の範囲もしくはサイズである。いくつかの実施形態では、デバイスの表面上の突起の設置面積の大きさは、5ミクロン~3mm、または5ミクロン~1mm、または5~700ミクロン、または5~400ミクロン、またはより小さい、またはより大きい、または中間の大きさもしくは範囲である。
【0131】
突起(複数可)の潜在的利点は、眼表面への眼科デバイスの付着が高まることである。いくつかの実施形態では、突起(複数可)により、眼の表面とデバイスの後面との摩擦が増加する。いくつかの実施形態では、突起(複数可)が増えると、(例えば突起間における)デバイスと眼の表面との間の吸引力が増加する。
【0132】
いくつかの実施形態では、デバイスは、眼瞼に対し低摩擦表面を向ける(例えば滑らかである)。その潜在的利点は、デバイスが脱落する可能性が軽減されることである。
【0133】
任意で、いくつかの実施形態では、デバイスの前面の部分の1つ以上は、滑らかであり、及び/または潤滑材料を含む。この時、デバイスの前面は、少なくとも部分的な時間、眼瞼の内側表面と接触する表面である。潜在的に、いくつかの実施形態では、滑らかさ及び/または潤滑材料により、眼瞼と前面との摩擦が軽減される。潜在的に、いくつかの実施形態では、滑らかさ及び/または潤滑材料により、例えば眼科デバイスに伴う例えば眼瞼などの眼に対する刺激が、最小限に抑えられる。
【0134】
いくつかの実施形態では、潤滑材料層が前面を覆い、いくつかの実施形態では、層は連続的である。いくつかの実施形態では、潤滑層は、非連続面であり(例えば1つ以上の穴を含み)、これにより、例えば水の浸透及び/または薬物の輸送が可能となる。例えば、いくつかの実施形態では、潤滑材料層は、穴を含む。いくつかの実施形態では、前面は、1つ以上の潤滑材料部分を保有し、いくつかの実施形態では、当該部分のうちの1つ以上は、他の部分(複数可)に連結しており、及び/または当該部分のうちの1つ以上は、他の部分に連結していない。任意で、いくつかの実施形態では、潤滑表面は一時的なものであり、いくつかの実施形態では、潤滑材料の1つ以上の部分は、例えばデバイスの他の部分(複数可)が分解する前に、分解及び/または消滅する(例えば眼により吸収及び/または排出される)。
【0135】
いくつかの実施形態では、材料層は、例えば潤滑層及び/または粘膜付着層など、可変の厚さ及び/または可変材料特性を有する。この時、例えば、材料は、眼上にある期間滞留した後よりも、眼に取り付けられる際に前面に大きい範囲を有し、いくつかの実施形態では、層のより急速に分解される部分(複数可)(例えばより薄い部分及び/またはより急速に分解される組成物を有する部分)は、他の部分(複数可)より先に溶解し、例えば、いくつかの実施形態では、治療薬(複数可)を含む下層を露呈する。
【0136】
いくつかの実施形態では、デバイスは、ユーザ快適性のために及び/または眼球への付着を高めるために設計された縁端を有する。いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、薄い縁端を有する。いくつかの実施形態では、デバイスの縁端(例えば周縁端)は、約15ミクロン、または約20ミクロン、または約30ミクロン、または約50ミクロンの平均厚さを有する。いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、約15ミクロン、または約20ミクロンの薄い縁端を有する。いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、約5~200ミクロン、または5~200ミクロン、またはより薄い、またはより厚い、または中間の厚さもしくは範囲の縁端厚さを有する。いくつかの実施形態では、デバイスの縁端は、例えば鈍的形状及び/または湾曲形状及び/または丸い形状をしており、これにより、ユーザの装着快適性が向上する。いくつかの実施形態では、デバイスの縁端は、鋭利であり、例えば鑿形状及び/またはナイフ縁端である。いくつかの実施形態では、眼科デバイスの縁端は、デバイスの縁端領域0.1~1mm、または0.5~1mmに画定される。いくつかの実施形態では、縁端の厚さは、デバイスの周囲から0.5mm、または1mmの位置で測定される。
【0137】
いくつかの実施形態では、眼瞼が眼科デバイスの領域上を移動する際、薄い縁端のデバイスは、眼瞼と相互作用する表面積がより小さくなるため、薄い縁端により、潜在的に、例えばまばたき及び/または眼球運動の間、デバイスが脱落する可能性が低減される。
【0138】
いくつかの実施形態では、薄い縁端のデバイスでは、デバイスの縁端と眼の表面との密閉性が向上する。デバイスの縁端と眼の表面との密閉性による潜在的利点は、デバイスと眼の表面との間の吸引力が高まることである。デバイスの縁端と眼の表面との密閉性による潜在的利点は、デバイスと眼の表面との間の残屑の蓄積(例えば1つ以上のタンパク質、粘液、油、及び皮膚細胞の蓄積)が軽減することであり、これにより、潜在的に、眼科デバイスの使用に伴う感染のリスクが最小限に抑えられる。
【0139】
いくつかの実施形態では、薄い縁端のデバイスは、デバイスの縁端における眼の表面の形状に適合する。
【0140】
いくつかの実施形態では、デバイスの縁端は、眼の表面、例えば結膜の軟組織、例えば、外観的に約25~40ミクロンの厚さで、外観的に円蓋ではさらに厚い、柔らかくて厚い強膜結膜に、デバイスを固定する。いくつかの実施形態では、デバイスは、デバイスの縁端が眼の表面に食い込み、及び/または眼の表面に陥凹を作り、例えば、食い込むことは、デバイスの縁端間の圧力及び/または眼の表面の柔らかさのうちの1つ以上を伴って起こる。
【0141】
いくつかの実施形態では、デバイスの縁端(及び/または縁端領域(複数可))は、眼の表面の形状に適合する。例えば、いくつかの実施形態では、縁端領域(複数可)は、眼の表面に適合するために、柔軟性があり、及び/または弾力性があり、及び/または十分に薄い。潜在的に、縁端が眼の表面に適合することにより、デバイスの脱落のリスクが軽減される。いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、薄く、及び/またはロープロファイルであり、例えばデバイスの最大の厚さ及び/またはデバイスの厚さは、40~200ミクロン、または120~300ミクロン、または200~1000ミクロン、または300~500ミクロン、または約400ミクロン、または最大400ミクロン、または最大300ミクロン、または約200ミクロン、または最大200ミクロン、または最大150ミクロン、または最大100ミクロン、または最大80ミクロン、または最大60ミクロン、またはより薄い、またはより厚い、または中間の範囲もしくは厚さである。薄型デバイスの潜在的利点として、デバイスの柔軟性の向上、眼に対する刺激性の低さ、移動する可能性の低さ、及び/または眼から排出される可能性の低さ、のうちの1つ以上が挙げられる。
【0142】
いくつかの実施形態では、眼科デバイスの厚さは、100ミクロン未満、または200ミクロン以下、または60ミクロン以下、または40ミクロン以下、または80~100ミクロン、または60~80ミクロン、または40~60ミクロン、または20~40ミクロン、または10~20ミクロン、または5~10ミクロン、または10ミクロン以下、または5ミクロン以下である。
【0143】
いくつかの実施形態では、眼とデバイスとの間の圧力は、デバイスの厚さ及び/またはデバイスの縁端領域の厚さが増すことにより、高まる。この時、高まった圧力(及び/または例えば圧力に伴う眼とデバイスとの間の密閉性、及び/またはデバイスに合わせた眼の輪郭形成もしくは眼に合わせたデバイスの輪郭形成)により、いくつかの実施形態では、デバイスと眼の表面との間の涙液浸透が低減する。
【0144】
いくつかの実施形態では、デバイスは小さい。いくつかの実施形態では、デバイスの最大の大きさ及び/または平均の大きさは、約1~8mm、または4~6mm、またはより小さい、またはより大きい、または中間の範囲もしくはサイズである。いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、サイズ(例えば最大の大きさ及び/または平均の大きさ)が4mmである。別の実施形態では、デバイスは、最大サイズで、約0.5~約20mmの寸法を有する。小さい寸法のデバイスの潜在的利点は、眼瞼がデバイス上を動く間、デバイスが脱落する可能性がより低いことである。
【0145】
いくつかの実施形態では、眼科デバイスは細長い。この時、例えば、いくつかの実施形態では、伸長軸に沿って測定されたデバイスの寸法は、約0.5mm、または約1mm、または約2mm、または約3mm、または約4mm、または約5mm、または約6mm、または約7mm、または約8mm、または約9mm、または約10mm、または約11mm、または約12mm、または約13mm、または約14mm、または約15mm、または約16mm、または約17mm、または約18mm、または約19mm、または約20mmである。
【0146】
この時、いくつかの実施形態では、デバイスの大きさは、デバイスが収まる最小の直方体形状の最大寸法が測定される。いくつかの実施形態では、例えば、デバイス表面は低曲率であることから、直方体の境界形状は、1つの寸法(例えばデバイスが眼の上にある時、眼に向かう方向に関連する寸法)が、他の2つの寸法より薄い。
【0147】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、眼の中で分解及び/または崩壊する眼科デバイスに関する。
【0148】
いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、部分的または完全に生体分解性及び/または生体浸食性を有するように設計された生体適合性デバイスである。
【0149】
例えば、いくつかの実施形態では、例えばデバイスが眼の表面に付着すると、デバイスの一部は分解する。例えば、1つ以上の粘膜付着部分及び/または1つ以上の潤滑部分は、分解する。例えば、いくつかの実施形態では、デバイスの1つ以上の部分は、約1分~30分、または15分~1時間、または約0.5時間~8時間、または4時間~24時間、または12時間~3日、または1日~7日、または3日~2週間、または1週間~1か月で、眼の中で分解されるように選択される。いくつかの実施形態では、1つ以上の部分が分解することにより、治療物質の溶出が可能となる。例えば、いくつかの実施形態では、治療物質を含む部分が分解すると、これにより、治療物質が眼組織及び/または眼液へ溶出する。例えば、いくつかの実施形態では、一部が分解することで、治療物質を含む部分が現れる。この時、いくつかの実施形態では、分解部分は最初、治療物質を含む部分の少なくとも一部を覆う。
【0150】
いくつかの実施形態では、デバイスは、生体分解性材料及び/または生体浸食性材料を含み、並びに/あるいはデバイス本体は、生体分解性及び/または生体浸食性を有する。例えば、いくつかの実施形態では、材料及び/またはデバイスは、例えば眼などの生体システムといった生体環境にさらされると、及び/または生体システムの状況をシミュレートした同様の生体外環境にさらされると、材料及び/またはデバイスは分解し、及び/またはそれらの特性が劣化する。いくつかの実施形態では、デバイスの分解及び/または劣化は、デバイスの物理的特性のうちの1つ以上、例えばデバイスの完全性、デバイス本体(例えばデバイス本体のフィルム)の引張強度及び弾力性のうちの1つ以上における、変化(例えば減少)で現れる。
【0151】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、多層眼科デバイスに関する。いくつかの実施形態では、デバイスは、潤滑層、粘膜付着層、及び付加層のうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の層は、治療物質を含む。いくつかの実施形態では、付加層は、粘膜付着層と潤滑層との間に配置され、中間層を形成する。いくつかの実施形態では、デバイスは、3層以上、または4層以上、例えば1~10層、またはより少ない、またはより多い、または中間の数もしくは範囲の層を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の層は、デバイスの表面上に延在する。いくつかの実施形態では、1つ以上の層は、例えばデバイスの表面を覆わず、例えばデバイス表面の領域の一部を覆い、例えば穴を有する。いくつかの実施形態では、中間層は、デバイスの一部(例えば半分)を覆い、いくつかの実施形態では、中間層を含むデバイスの部分は、眼の表面の下方に配置される。
【0152】
本発明のいくつかの実施形態では、デバイスは、少なくとも2層を含むフィルムで作られる。いくつかの実施形態では、フィルムは、生体分解性材料及び/または本発明のデバイスの原料を形成する材料の組み合わせで作られ、例えば、いくつかの実施形態では、フィルムは、1つ以上の処理ステップにより、デバイスへと製造される。
【0153】
いくつかの実施形態では、治療薬(複数可)は、デバイスから(例えばデバイスの内側表面及び/または一部から)、細孔、または穴、及び/または開孔、及び/またはチャネルを通して、放出される。いくつかの実施形態では、治療薬(複数可)は、後面(またはその一部)、前面(またはその一部)、デバイスの周囲及び/または縁端(またはその一部)のうちの1つ以上を通して、デバイスから放出される。例えば、細孔、穴、開孔、及びチャネルのうちの1つ以上を通して放出される。この時、いくつかの実施形態では、細孔及び/または穴及び/または開孔及び/またはチャネルのサイズは、ミリメートル、サブミリメートル、またはナノミリメートルである。
【0154】
眼科デバイスの潜在的利点は、使用の利便性であり、いくつかの実施形態では、デバイスは、ユーザにより一度取り付けられると、局所投与調剤よりも長い期間、例えば、10分を超える、または1時間を超える、または1日を超える期間、対応する。この時、いくつかの実施形態では、デバイスは、1つ以上の治療成分の制御放出手段として機能する。
【0155】
眼の表面に滞留するように構成された眼科デバイスの潜在的利点は、治療薬が眼の中に滞留する時間が潜在的に長くなることである。例えば、定期的に投与される局所的治療薬(例えば点眼薬、軟膏)と比較して、滞留時間がより長い。
【0156】
眼の表面に滞留している間に薬剤を溶出させる眼科デバイスの潜在的利点は、前角膜涙液膜/前強膜涙液膜において、適切な濃度の薬物を、例えばより長い期間、提供及び/または維持できることである。
【0157】
例えば眼の表面上の位置を維持しながら、眼の表面に滞留している間に薬剤を溶出させる眼科デバイスの潜在的利点は、眼組織を通した薬剤の拡散が潜在的に可能であることである。例えば、強膜内、及び/または角膜内、及び/または眼球内への侵入、並びに/あるいは眼のより内側部分(複数可)への到達が、潜在的に可能である。潜在的に、いくつかの実施形態では、例えば眼球内など、通常は注射により治療されるこれらの領域の局所的薬剤が可能となる。
【0158】
眼科デバイス(例えば滞留時間及び/または溶出時間が長くなった眼科デバイス)の潜在的利点は、鼻腔内領域(複数可)へ(例えば涙液による送達)、及び/または脳へ、及び/または頭部へ、及び/または別の標的臓器へ、及び/または全身薬物送達として、適切な濃度の薬物を提供及び/または維持できることである。
【0159】
いくつかの実施形態では、眼科デバイスがある期間滞留することにより、眼への治療物質の安定した溶出が可能となり、潜在的に定期的投与による影響が軽減され、例えば、全身的及び/または局所的な過量投与(副作用のリスクが高い可能性がある)が一時的期間行われた後は、例えば、次の用量を投与する前に、治療量以下レベルの期間が延長して設けられる。この時、組織の薬物取り込みレートは、投与後の初期は高いが、急速に低下する。例えば、眼球の表面などの眼に投与される点眼薬と比較して、滞留時間が長く、点眼薬の場合、まばたきと自然な流涙が組み合わさって、液体薬剤が有効であり続ける時間は、例えば数分に制限される。潜在的に、眼科デバイスを使用して対象者を治療する場合、より少ない治療成分が治療ごとに使用され、これは例えば局所的調剤とは対照的であり、局所的調剤の場合は、治療成分が有効になる前に治療成分が洗い流され得るため、より多量の治療成分が必要となり、及び/または投与が頻繁であるため、高い患者コンプライアンスが低くなる可能性が高く、潜在的に、未使用の治療成分がより多く廃棄されるという結果につながる。
【0160】
いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、多量の治療成分(複数可)(例えば約1mg~約20mg、または1mgを超える、または20mgを超える、またはより少量、またはより多量、または中間の用量もしくは範囲)を含み、及び/またはこのような成分(複数可)を眼の表面に溶出させることができる。眼科デバイスの潜在的利点は、眼の表面に、及び/または眼球の中へ、治療成分(例えば局所投与調剤(複数可)よりも多い量)を投与できることである(潜在的に眼球注射に取って代わる)。一方、例えば、局所投与調剤は、点眼薬では最大1%の濃度の治療成分が投与され、例えば30マイクロリットルの点眼薬では0.3mgの治療成分が投与され、治療成分の大部分が数分以内に眼から自然に洗い流されることが予想される。
【0161】
眼の表面に滞留している間に多量の薬剤を溶出させる眼科デバイスの潜在的利点は、鼻腔内領域で、及び/または脳へ、及び/または頭部へ、及び/または別の標的臓器へ、適切な濃度の薬物を提供及び/または維持できることであり、並びに/あるいは全身薬物送達(例えばカンナビノイド及び/またはオピオイドの「微量投薬」などの投薬用)を提供できることである。いくつかの実施形態では、デバイスは、娯楽用薬物使用に使用される。
【0162】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、眼科デバイス(例えば本明細書で説明される眼科デバイス)及びその使用説明書を含むキットに関する。いくつかの実施形態では、キットは、患者の眼の中にデバイスを送り込む手段を含む。例えば、アプリケータを含む。いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、アプリケータと一緒にパッケージ化される。
【0163】
任意で、いくつかの実施形態では、キットは、分解製剤を含み、これは、デバイスが患者の眼の表面上に存在する時にデバイスと接触すると、デバイスを構造的に分解し、及び/またはデバイスの分解を加速する。
【0164】
いくつかの実施形態では、デバイスは、複数デバイスパックで提供される。この時、いくつかの実施形態では、2つ以上のデバイスは、相互連結される、または分離される。
【0165】
いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、眼の一部を保護する。例えば、外部衝撃(複数可)及び/または化学変化から、眼の一部を保護する。例えば、オルビスキュレーション(柑橘系の果物から果汁が吹き出し眼に入ること)の際、眼の損傷を改善及び/または軽減する。いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、眼の一部を保護し、その部分が治癒できるようにする。例えば、いくつかの実施形態では、眼の切開及び/または創傷は、眼科デバイスを切開の上に配置することにより、閉じられ及び/または覆われる。この時、眼の表面とデバイスとの間の吸引力は、潜在的に切開及び/または創傷の閉合を支援し、並びに/あるいは切開及び/または創傷の閉合を維持し、これにより、潜在的に治癒が早められる。
【0166】
いくつかの実施形態では、デバイスは、1つ以上の治療処置要件を提供するように設計される。この時、例えば、いくつかの実施形態では、眼の表面上の1つ以上の計画位置に関して、治療処置要件(複数可)を満たすように、生体分解性特徴(複数可)、滞留時間、薬物放出時間が選択される。
【0167】
いくつかの実施形態では、デバイスは、個々の対象者に合わせて調整され、例えば、いくつかの実施形態では、サイズ、形状、表面(複数可)の曲率、治療タイプ、放出時間、滞留時間のうちの1つ以上が、個人に合わせて及び/または個々の治療計画に従って、選択される。
【0168】
本明細書全体を通して、デバイスの眼科的使用が説明されるが、本明細書内で説明されるデバイスの1つ以上の実施形態及び/または実施形態の組み合わせは、いくつかの実施形態では、人体または動物の体の他の部分の治療に使用されることを、理解されたい。例えば、強膜以外の眼の部分、例えば角膜、眼の結膜嚢に使用される。例えば、他の粘膜表面(複数可)、例えば口内、例えば鼻腔内表面に使用される。例えば、他の組織タイプ及び/または臓器に使用される。
【0169】
本明細書全体を通して、デバイスの眼科的使用が説明されるが、本明細書内で説明されるデバイスの1つ以上の実施形態及び/または実施形態の組み合わせは、いくつかの実施形態では、他の用途で、例えば眼上で、1つ以上の種類の電子機器を、例えば含有する、取り付ける、及び/またはサポートを提供するなど、ホストするために、使用されることを理解されたい。例えば、1つ以上の能動的電子素子、及び/または受動的モジュール、及び/またはアンテナ、RFIDなどのコンポーネントを、ホストするために使用される。例えば、1つ以上のコンデンサ、及び/または抵抗器、及び/または形状記憶素子は、眼領域などで、他の素子(複数可)のサポートとして機能し得る。この時、例えば、いくつかの実施形態では、電子機器は、センサ(複数可)(例えば感温素子、感圧素子、感湿素子)、撮像器(複数可)(例えばカメラ)、ユーザインターフェース、プロセッサ、送信器、受信器、照明素子、LEDスクリーン、電源のうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、電子機器(例えばセンサ(複数可)を使用する)は、治療(例えば電気痙攣療法(ECT)の治療)及び/または診断に使用される。いくつかの実施形態では、1つ以上の電子部品が、娯楽(例えばVR)及び/または美的向上のために使用される。いくつかの実施形態では、デバイスが、娯楽及び/または美的向上のために使用される。
【0170】
いくつかの実施形態では、本明細書で説明されるように、対象者を治療するために複数のデバイスが使用され、例えば複数のデバイスが生体内の眼の表面上に同時に存在し、例えば各デバイスが特定の用量を提供し、1つのデバイスが取り付けられた場合よりも多い用量が提供される。この時、いくつかの実施形態では、本明細書で説明される複数のデバイスは、一緒にパッケージ化されて提供され、及び/または複数のデバイスは、連結して提供される。
【0171】
いくつかの実施形態では、デバイスは、無毒性及び/または生体適合性の材料を含み、及び/またはそのような材料で構成される。この時、いくつかの実施形態では、治療物質は高濃度では有毒であり、いくつかの実施形態では、デバイスは全体で有毒用量未満を含み、及び/またはデバイスは治療物質を毒性以下のレベルで溶出させる。
【0172】
いくつかの実施形態では、デバイスの1つ以上の部分は、染料及び/または顔料を含み、これは、例えば眼の中に存在する間、並びに/あるいは挿入中及び/または摘出中、並びに/あるいは製造中に、識別を容易にするためである。いくつかの実施形態では、染料及び/または顔料は、1つ以上の識別形状、及び/または文字、及び/または数字、及び/またはバーコードに印刷される。いくつかの実施形態では、1つ以上の識別子が、デバイスにエンボス加工または刻印される。いくつかの実施形態では、デバイスは、デバイスの本体上または本体内に、RFIDなどの1つ以上の電子識別子を含む。いくつかの実施形態では、デバイスの染料及び/または顔料には、青、赤、蛍光黄色、及び/または任意の他の色が含まれる。
【0173】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、眼科デバイスの製造に関する。この時、いくつかの実施形態では、デバイスはフィルム、例えば多層フィルムから製造される。この時、いくつかの実施形態では、フィルムは、個々のデバイスを形成する形状に切断される。いくつかの実施形態では、フィルム及び/または個々のデバイスは、例えば所望の曲率の表面を形成するように、成形される。この時、いくつかの実施形態では、成形は、成形された支持表面上に溶液をキャストすることにより行われる。この時、いくつかの実施形態では、成形は、機械的処理及び/または化学的処理、例えば圧力及び/または熱を加えることにより行われる。いくつかの実施形態では、治療成分は、1つ以上の溶液内に包含され、溶液のそれぞれは、支持表面上に連続的にキャストされ、多層フィルムが設けられる。いくつかの実施形態では、別個にキャストされた層は、1つ以上の異なる特性(例えば厚さ、粘膜付着性、潤滑性、含有する治療薬(複数可))を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上の表面は、異なる特性を有するように処理され、例えば、ある表面は、より付着性及び/またはより潤滑性を有するように処理される。
【0174】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、下記の説明で明記される、並びに/あるいは図面及び/もしくは実施例に示される、構造の詳細及び構成要素の配置及び/または方法に、必ずしも限定されないことを、理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であり、または様々な方法で実践もしくは実行することが可能である。
【0175】
例示的な眼科デバイス
図1Aは、本発明のいくつかの実施形態による、眼の表面104上の所定位置に存在する眼科デバイス100の簡略化された概略断面図である。
【0176】
この時、いくつかの実施形態では、眼の表面104は、眼球108の周りの結膜の表面の一部である。
【0177】
いくつかの実施形態では、眼科デバイス100は、強膜の眼球結膜104部分、角膜に近位の結膜の領域、及び円蓋結膜140と角膜102との間に滞留する。
【0178】
いくつかの実施形態では、デバイス100の少なくとも一部は、角膜輪部142上に存在する。
【0179】
いくつかの実施形態では、デバイス100の少なくとも一部は、メニスカス105(涙/涙液が蓄積して液溜めができる眼瞼縁端と眼球との間の溝)に隣接して配置される。
【0180】
いくつかの実施形態では、デバイス100の少なくとも一部またはデバイス100の全ては、結膜の別の部分に滞留し、これは、例えば
図3のステップ302において及び/または
図3のステップ302に関して説明され、並びに/あるいは本明細書の「概要」の節で説明される1つ以上の特徴を含む。
【0181】
いくつかの実施形態では、
図1Aは、下眼瞼106に対するデバイス100を示す。いくつかの実施形態では、
図1Aは、上眼瞼106に対するデバイス100を示す。
【0182】
いくつかの実施形態では、デバイス100は、後面116と前面118とを含む本体を有する。いくつかの実施形態では、後面116は凹状であり、及び/または前面118は凸状である。いくつかの実施形態では、後面116及び/または前面118は、
図4の表面416、417、418、419のうちの1つ以上に関して、並びに/あるいは
図5、
図18~
図31C、
図38~
図58のうちの1つ以上及び/または本明細書内の他の場所で説明される他の例示的なデバイスで、例示及び/または説明される後面及び/または前面のうちの1つ以上に関して、説明及び/または例示される1つ以上の特徴を含む。
【0183】
図1Bは、本発明のいくつかの実施形態による、眼の表面104上の所定位置に存在する眼科デバイス100の簡略化された概略上面図である。
【0184】
いくつかの実施形態では、デバイス100は、形状が対称である。いくつかの実施形態では、デバイス100は、例えば眼の表面104上に滞留する時、円形のフットプリントを有する。いくつかの実施形態では、デバイス100の大きさ103は、デバイス100の直径103である。いくつかの実施形態では、デバイス100は、代替的な形状及び/またはフットプリントを有し、これは、例えば
図8~
図17のデバイス800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700のうちの1つ以上に関して説明及び/または例示される1つ以上の特徴を含む。
【0185】
図1C~
図1Dは、本発明のいくつかの実施形態による、眼上の所定位置に存在する眼科デバイス100の簡略図である。
【0186】
図1Cは、いくつかの実施形態では、デバイス100が眼の強膜表面上の所定位置に存在する時、いくつかの実施形態では、眼が弛緩した開位置にある時、眼瞼によりデバイスが部分的及び/または全体的に露呈されることを示す。
図1Dは、いくつかの実施形態では、下眼瞼を手動で引き下げて、デバイス100を露呈することを示す。
【0187】
図1C~
図1Dでは、デバイス100は強膜の下部の所定位置に存在することが示されるが、いくつかの実施形態では、デバイス100は、強膜の上部に配置され、及び/または強膜の上部に滞留することを、理解されたい。
【0188】
例示的な方法
図2は、本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの使用方法である。
【0189】
200にて、いくつかの実施形態では、眼科デバイスは眼の中に配置される。例えば、眼の表面上、例えば強膜の一部の上に配置される。
【0190】
202にて、いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、薬剤を眼の中へ溶出させる。
【0191】
204にて、いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、眼外に出される。
【0192】
図3は、本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの使用方法である。
【0193】
300にて、いくつかの実施形態では、任意で、眼及び/または眼科デバイスに物質が加えられる。
【0194】
例えば、いくつかの実施形態では、デバイスは、乾燥状態または部分的水和状態で保管され、使用前(例えば眼の中へ挿入する前)に水和される。例えば、デバイスを眼の表面に配置する前に、デバイスに水及び/または水和溶液を加えることにより、水和が行われる。いくつかの実施形態では、デバイスは、眼に付ける前に、例えば5秒~20分間、水和溶液に浸漬される。いくつかの実施形態では、デバイスは、眼に付ける前に、例えば1分~2時間、湿った空気及び/またはガスにさらすことにより、加湿される。
【0195】
いくつかの実施形態では、1つ以上の治療物質がデバイスに加えられる。これは、例えば、
図74A~
図74Cに示され及び/または
図74A~
図74Cに関して説明される1つ以上の特徴を含む。
【0196】
いくつかの実施形態では、粘膜付着材料及び/または潤滑材料が、デバイス、例えばデバイスの1つ以上の部分に、加えられる。
【0197】
302にて、いくつかの実施形態では、眼科デバイスが眼の表面に付けられる。取り付け前のデバイスは、いくつかの実施形態では、乾燥状態または湿潤状態または部分的水和状態(加湿状態)である。いくつかの実施形態では、付けることは、デバイスを眼の表面、例えば強膜と接触させることを含む。
【0198】
いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、眼の表面、例えば強膜、例えば眼球結膜に、デバイスを表面に接触させることにより、付けられる。いくつかの実施形態では、取り付け中にデバイスに圧力が加えられ、例えば結膜及びデバイスの一方または両方を変形させるのに十分な圧力が加えられる。この時、例えば、いくつかの実施形態では、加えられた圧力は、デバイスの縁端と接触している結膜を変形させ、及び/またはデバイスの中央領域を変形させ、例えばデバイスの中央領域における1つ以上の表面の曲率を変える。
【0199】
いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、ある期間(ステップ307で説明される期間)留まる位置に、付けられる。いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、眼の表面に付けられ、その後、ある期間留まる位置に移動する。この時、いくつかの実施形態では、移動時間は、滞留時間よりも短い。この時、例えば、移動時間は、1秒未満~1分、または30分未満、またはより短い、またはより長い、または中間の範囲もしくは持続時間である。
【0200】
いくつかの実施形態では、(例えば眼球に対する)デバイスの表面(複数可)の形状及び/または曲率は、デバイスを所望位置に移動するように誘導する。例えば、デバイスが眼球の所望領域外に付けられた時、デバイスは所望位置に移動し、及び/またはデバイスは眼の表面の最も安定した位置に移動する。例えば、デバイスの後面の曲率が、デバイスの移動を誘導する。
【0201】
デバイスは、いくつかの実施形態では、眼に挿入される。デバイスは、いくつかの実施形態では、角膜上に、及び/または部分的に角膜上に、及び/または部分的に強膜上に、及び/または強膜上に、及び/または少なくとも部分的に上眼瞼の下に、及び/または少なくとも部分的に下眼瞼の下に、及び/または角膜輪部上に、及び/または円蓋上に(例えば結膜嚢内に)、及び/または目の端(複数可)に、及び/または結膜上に、配置される。
【0202】
いくつかの実施形態では、デバイスは、眼の表面に直接及び/または手動で付けられる。例えば、患者自身により付けられる。いくつかの実施形態では、介護者がデバイスを付ける。任意で、いくつかの実施形態では、デバイスは、アプリケータを使用して付けられる。
【0203】
いくつかの実施形態では、眼科デバイスは、例えば本明細書の他の箇所で説明されるように、眼の表面に付けられると、凸状構成から凹状構成に反転する。
【0204】
304にて、任意で、いくつかの実施形態では、デバイスは、眼の中で水和する。
【0205】
いくつかの実施形態では、デバイスは、乾燥(または半水和)状態で付けられ、ある期間中にデバイスは水和し、例えば形状及び/またはデバイスと眼の表面との相互作用を変化させる(例えばデバイスと眼の表面との間の吸引力を高める)。
【0206】
いくつかの実施形態では、デバイスは、乾燥(または半水和)状態で保管され、眼に挿入されると、デバイスは涙液により湿潤され、及び/または眼の表面に付着する。
【0207】
いくつかの実施形態では、ステップ300及び/または304に関して説明されるデバイスの水和により、例えばステップ304において例えば眼の表面上の生体内涙液による水和により、デバイスは、1つ以上の寸法において、乾燥(及び/または半水和)状態の寸法から拡張及び/または膨張する。例えば、10%~50%、または50%を超える(例えば事前に水和された寸法の100%から150%を超えるまで)、またはより低い、またはより高い、または中間の範囲及びパーセンテージ分、拡張及び/または膨張する。
【0208】
いくつかの実施形態では、多層デバイスの層の1つ以上の層は、湿潤時に異なる膨張性を有する。この時、水和により、いくつかの実施形態では、1つ以上の層及び/またはデバイス本体の曲率及び/または厚みプロファイルが変わる。
【0209】
306にて、いくつかの実施形態では、デバイスは、眼球に付着する。例えば、この時、デバイスの付着は十分に強固であり、よって、滞留時間(例えばステップ307で説明される滞留時間)の間、デバイスは、著しく動かず(例えば最大0.01~5mm、または0.1~0.2mm、または0.2~1mmだけ動き)、及び/または眼から排出されない。
【0210】
この時、いくつかの実施形態では、デバイスは、眼の表面に付けられると(すなわち生体内に存在すると)、取り付けの際及び/または粘膜付着層特性が生体内で変化(例えば水和)した後のデバイスの粘膜付着層の材料特性により、デバイスは眼の表面に付着する。
【0211】
307にて、いくつかの実施形態では、デバイスは、ある期間、眼球上に留まる。
【0212】
いくつかの実施形態では、デバイスは、少なくとも0.5時間の期間、生体内(眼の中)に維持される。別の実施形態では、デバイスは、0.1時間~2時間、または2時間~8時間の期間、生体内に維持される。さらなる実施形態では、デバイスは、8時間にわたる期間、生体内に維持される。さらなる実施形態では、デバイスは、8時間~24時間、1日~7日、7日~1ヶ月、1ヶ月~3ヶ月、3ヶ月~1年間の期間、生体内で維持される。いくつかの実施形態では、デバイスは、約1日~約30日、または1ヶ月~1年、生体内に維持される。
【0213】
いくつかの実施形態では、デバイスは、生体内に(滞留時間)留まり及び/または維持され、投与から約24時間未満で、眼から排出及び/または除去される。この時、排出及び/または除去されることで、いくつかの実施形態では、眼はデバイスのない(例えば残屑も残っていない)清潔な状態となり、例えば、眼は追加デバイスなどを追加投与できる状態となる。
【0214】
308にて、任意で、いくつかの実施形態では、デバイスの1つ以上の部分は、分解及び/または崩壊する。この時、例えば、分解及び/または崩壊は、
図62A~
図62E、
図63、
図64A~
図64C、
図65A~
図65D、
図66のうちの1つ以上において及び/またはこれらのうちの1つ以上に関して示される1つ以上の特徴を含む。
【0215】
いくつかの実施形態では、デバイスは、挿入後、急速に(例えば1分未満、または10分未満、または1時間未満で)溶解する1つ以上の領域及び/または部分を有する。これらの領域(複数可)は、いくつかの実施形態では、デバイスを眼の中に挿入または配置しやすい領域である。例えば、取り付ける間及び/または挿入する間、眼を巧みに扱うために、ハンドル及び/または突起が使用される。これらの領域(複数可)は、いくつかの実施形態では、瞳孔領域を覆う(例えば領域(複数可)は、患者の視線を覆う)。
【0216】
いくつかの実施形態では、デバイスの分解は、機械的分解(眼球または眼瞼の動きなど)、化学的分解(涙液など)、または生物学的分解(酵素活性など)のうちの1つ以上により、生じる。
【0217】
310にて、いくつかの実施形態では、デバイスは、例えば眼の中への薬剤の溶出などの治療を実行する。いくつかの実施形態では、溶出は、デバイスの溶出部分の分解を伴う。
【0218】
312にて、任意で、いくつかの実施形態では、デバイスの1つ以上の部分は、崩壊する。例えば、デバイスの一部が崩壊して、治療物質が現れ、及び/またはさらなる治療物質が現れる。いくつかの実施形態では、デバイスの部分(複数可)は、デバイスの付着崩壊を伴う。例えば、粘膜付着層が挙げられる。例えば、機械的付着に寄与する部分、例えばデバイス縁端の部分(複数可)及び/またはデバイスの1つ以上の表面の曲率を変える部分(複数可)が挙げられる。
【0219】
314にて、任意で、いくつかの実施形態では、デバイスが崩壊する。この時、例えば、デバイスの崩壊により、眼に対するデバイスの付着性は機械的に低減し、及び/またはデバイスのサイズは縮小し、及び/またはデバイスはバラバラに分解する。いくつかの実施形態では、デバイス全体は、眼の表面上に約0.1時間~1年の期間滞留した後に分解する。
【0220】
316にて、いくつかの実施形態では、デバイスは、眼から自然に排出され、例えば眼瞼及び/または眼球の動き並びに/あるいはまばたき並びに/あるいは流涙により、排出される。いくつかの実施形態では、排出は、例えば指で眼瞼をこすることにより起こる。いくつかの実施形態では、デバイスの部分が排出される(例えばステップ314が発生した時)。いくつかの実施形態では、例えばデバイスが一部残っている場合、デバイスは自然に排出される。例えば、ステップ312で説明されるように、デバイスの部分(複数可)に関する付着性が劣化した際、デバイスは自然に排出される。
【0221】
318にて、任意で、いくつかの実施形態では、デバイスの部分(複数可)は、例えば手動で除去される。例えば、つまむこと、及び/または吸引力を加えること、及び/または除去デバイス(例えば吸盤、ピンセット)を使用することなど、機械的力を加えることにより、並びに/あるいは眼を洗い流すことにより、手動で除去される。例えば、デバイスを除去することは、例えばスリット、突起などのデバイスの1つ以上の特徴を使用して行われる。
【0222】
いくつかの実施形態では、説明される方法ステップ300~318の1つ以上のステップと同時に及び/またはステップの間に、1つ以上の追加治療方法が、付随して、連続して、または同時に施される。例えば、いくつかの実施形態では、例えば眼の表面上のデバイスの滞留時間中に、局所的薬剤が投与される。
【0223】
例示的な眼科デバイスの特性
図4は、本発明のいくつかの実施形態による、眼の表面404上にある眼科デバイス400、401の簡略化された概略断面図である。
【0224】
いくつかの実施形態では、眼の表面404は、眼の強膜である(例えば結膜を含む)。
【0225】
図4には、強膜404の曲率半径RS、角膜402の曲率半径RCが示される。
【0226】
いくつかの実施形態では、デバイス400、401は、眼の解剖学的構造に関して縮尺通りに図示されてはいない。この時、いくつかの実施形態では、デバイス400は、前面418及び後面416を有する。この時、いくつかの実施形態では、デバイス401は、前面419及び後面417を有する。
【0227】
いくつかの実施形態では、デバイス400は、デバイスを強膜404に付けた直後の状態のデバイスである。いくつかの実施形態では、デバイス401は、デバイス400と同じデバイスであり、眼の表面404にデバイスを付けた後、ある期間が経過したデバイスである。
【0228】
いくつかの実施形態では、デバイス400は、付ける前のデバイスを示し、デバイス401は、付けた後の同じデバイスを示し、デバイスを付けることは、デバイスに圧力を加えることを含む。例えば、デバイス及び/または眼組織を変形させるのに十分な圧力が加えられる。
【0229】
いくつかの実施形態では、付ける時の圧力により、組織及びデバイスの一方または両方が最初に変形した後、デバイスは、いくつかの実施形態では、例えば少なくとも部分的に、変形することなく、デバイスの弾力性と眼の表面の弾力性との均衡に達する。この時、デバイス及び/または組織表面の変形は、いくつかの実施形態では、表面張力の影響をさらに受ける。
【0230】
いくつかの実施形態では、デバイスを付けた後の(例えば付ける時の圧力、またはデバイスもしくは組織を変形させるのに十分な圧力がない状態での)デバイスの変形は、表面張力(複数可)が原因で起こる(例えば表面張力(複数可)のみが原因で起こる)。
【0231】
いくつかの実施形態では、デバイス400、401の縁端(複数可)における圧力により、眼420の組織にデバイスの縁端が食い込み、及び/または組織420に陥凹が作られる。この時、いくつかの実施形態では、デバイス縁端(複数可)における圧力は、デバイス401と強膜404との間の吸引力、及び前面419での眼瞼の動きの力のうちの1つ以上を伴う。
【0232】
いくつかの実施形態では、デバイス400は、眼球に接触する前のデバイスの形状を示す(例えばデバイスの前面及び後面の曲率半径を含む)。いくつかの実施形態では、デバイス401は、眼球に接触した後のデバイスの形状を示す。
【0233】
いくつかの実施形態では、デバイス400と強膜404との間の力(例えば吸引並びに/あるいはユーザ及び/またはアプリケータにより外部から加えられた力(複数可))(及び/または加えられた力)により、デバイスは平らになり、例えばデバイス400とデバイス401との間の移行が生じる。この時、いくつかの実施形態では、力により、後面の曲率半径の拡大(例えば半径RP<RP1)、前面の曲率半径の拡大(例えばRA<RA1)、及びデバイスの大きさの拡大、のうちの1つ以上が生じる。
【0234】
いくつかの実施形態では、前面418は、後面の曲率半径RPよりも小さい曲率半径RAを有する。この時、例えば、いくつかの実施形態では、RPは、RAの1.2~5倍、またはより小さい、またはより大きい、または中間の倍数もしくは範囲である。
【0235】
いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるこれらの寸法及び/または比率(例えば曲率)は、平均的な成人の眼の曲率に関する。この時、例えば、いくつかの実施形態では、RSは約12mmであり、RCは約8mmである。いくつかの実施形態では、寸法は、異なる解剖学的構造、例えば子供の眼、例えば動物の眼、例えば別の表面(例えば粘膜表面)に関して、選択される。
【0236】
いくつかの実施形態では、デバイスを平らにすることにより、デバイスの大きさは拡大する。この時、いくつかの実施形態では、デバイスの大きさは、デバイスを含む最小の直方体形状の最大寸法及び/または平均寸法として、画定される。いくつかの実施形態では、円形のフットプリントを有するデバイスでは、デバイスの大きさは、デバイスの直径である。この時、いくつかの実施形態では、デバイスが表面(例えば眼の表面などの平坦な表面)に配置された時に、表面に接触する部分の縁端の形状により、フットプリントは画定される。
【0237】
いくつかの実施形態では、デバイスを平らにすることにより、厚さ、デバイスの厚さ424、425は短縮する。例えば、いくつかの実施形態では、厚さ424>厚さ425である。
【0238】
いくつかの実施形態では、デバイスは壊れることなく平坦化される。デバイスは、いくつかの実施形態では、可撓性、弾力性、及び延性のうちの1つ以上を有する。
【0239】
いくつかの実施形態では、湿潤状態のデバイス(例えば水和デバイス及び/または半水和デバイス)の破壊伸び率は、約10%~約400%の伸び率である。
【0240】
いくつかの実施形態では、眼の部分(複数可)は、深さにおいて変形し(例えばデバイスにより)、例えばデバイスの縁端で(及び/または例えば
図30A~
図30Cに関して本明細書の他の箇所で説明されるデバイスの突起及び/またはキャビティに隣接する領域(複数可)で)、50ミクロン~500ミクロン、またはより小さい、またはより大きい、または中間の寸法もしくは範囲で変形する。
【0241】
いくつかの実施形態では、眼の変形は局所的であり、例えば眼の表面積の最大3mm2または1mm2にわたる。
【0242】
いくつかの実施形態では、デバイス400、401の中央領域は、デバイスを眼に付ける際及び/または付ける間に、変形する。例えば、1つ以上の表面の中央の50~95%の体積及び/または領域が変形する。いくつかの実施形態では、デバイスの中央領域の変形は、1つ以上の表面の曲率の変化により生じ、例えばこれは、デバイス400からデバイス401への表面の曲率の変化に関して説明される1つ以上の特徴を含む。
【0243】
この時、いくつかの実施形態では、後面及び/または前面におけるデバイスの中央領域の曲率半径の変形は、0.5~3mm、またはより短い、またはより長い、または中間の範囲もしくは長さで変化する。
【0244】
いくつかの実施形態では、デバイスの縁端の局所的組織は、例えば組織の領域を、最大で0.5mm、または1mm、またはより短い、またはより長い、または中間の組織幅分、デバイス縁端にて変形させる。
【0245】
いくつかの実施形態では、デバイス400、401と眼の表面との間の最大空間498、499は、デバイス400、401の近位面のサイズ及び/または曲率、並びに/あるいは近位面に隣接する眼の表面の曲率のうちの1つ以上に依存する。いくつかの実施形態では、空間の寸法(複数可)は、デバイスの柔らかさ、及び/またはデバイスと眼の表面との間の吸引力に依存する。
【0246】
いくつかの実施形態では、例えばデバイス400により示されるように、デバイスが眼の表面404に配置される及び/または付着する前の状態で、異なるデバイスの大きさに対する例示的最大空間寸法が、下の表に示される。この時、これらの寸法は、いくつかの実施形態では、約9.6mmの後面曲率半径、及び約12mmの眼球表面曲率半径に対する寸法である。例えば、いくつかの実施形態では、2~8mmの大きさ(例えば直径)を有するデバイスは、10~190ミクロン、例えば約50ミクロンの最大空間を有する。
【表1】
【0247】
いくつかの実施形態では、例えばデバイス400~デバイス401の遷移時、後面と眼の表面との間の空間は、例えば10~90%、またはより低い、またはより高い、または中間の範囲もしくはパーセンテージ、縮小する。
【0248】
いくつかの実施形態では、表面(及び/または縁端及び/または角)の曲率半径は、円の半径として画定され(例えば
図4の破線円で示されるように)、この円は、表面(及び/または縁端及び/または角)の少なくとも60%、または80%、または90%の湾曲に一致する。いくつかの実施形態では、デバイスは、デバイスの異なる断面に対して、異なる曲率半径を有する。この時、いくつかの実施形態では、デバイスは異なる断面に対して異なる曲率を有するが、本明細書で説明される関係では、曲率のうちの1つ以上または全てが説明される。この時、例えば、後面は、異なる断面に対して異なる曲率半径を有し、強膜の曲率半径に対するこれらの曲率半径のそれぞれの比率は、0.8を超える。いくつかの別の実施形態では、デバイスは、約1ナノリットル~約20マイクロリットルの体積を有する。いくつかの実施形態では、デバイスの体積は、約1ナノリットル、または約2ナノリットル、または約3ナノリットル、または約4ナノリットル、または約5ナノリットル、または約6ナノリットル、または約7ナノリットル、または約8ナノリットル、または約9ナノリットル、または約10ナノリットル、または約11ナノリットル、または約12ナノリットル、または約13ナノリットル、または約14ナノリットル、または約15ナノリットル、または約20ナノリットル、または約30ナノリットル、または約40ナノリットル、または約50ナノリットル、または約60ナノリットル、または約70ナノリットル、または約80ナノリットル、または約90ナノリットル、または約100ナノリットル、または約200ナノリットル、または約300ナノリットル、または約400ナノリットル、または約500ナノリットル、または約600ナノリットル、または約700ナノリットル、または約800ナノリットル、または約900ナノリットル、または約1マイクロリットル、または約2マイクロリットル、または約3マイクロリットル、または約4マイクロリットル、または約5マイクロリットル、または約6マイクロリットル、または約7マイクロリットル、または約8マイクロリットル、または約9マイクロリットル、または約10マイクロリットル、または約12マイクロリットル、または約14マイクロリットル、または約16マイクロリットル、または約18マイクロリットル、または約20マイクロリットルである。
【0249】
いくつかの実施形態では、デバイスは、約1マイクログラム~約20ミリグラムの質量を有する。いくつかの実施形態では、デバイスの質量は、約1ナノグラム、または約2ナノグラム、または約3ナノグラム、または約4ナノグラム、または約5ナノグラム、または約6ナノグラム、または約7ナノグラム、または約8ナノグラム、または約9ナノグラム、または約10ナノグラム、または約11ナノグラム、または約12ナノグラム、または約13ナノグラム、または約14ナノグラム、または約15ナノグラム、または約20ナノグラム、または約30ナノグラム、または約40ナノグラム、または約50ナノグラム、または約60ナノグラム、または約70ナノグラム、または約80ナノグラム、または約90ナノグラム、または約100ナノグラム、または約200ナノグラム、または約300ナノグラム、または約400ナノグラム、または約500ナノグラム、または約600ナノグラム、または約700ナノグラム、または約800ナノグラム、または約900ナノグラム、または約1ミリグラム、または約2ミリグラム、または約3ミリグラム、または約4ミリグラム、または約5ミリグラム、または約6ミリグラム、または約7ミリグラム、または約8ミリグラム、または約9ミリグラム、または約10ミリグラム、または約12ミリグラム、または約14ミリグラム、または約16ミリグラム、または約18ミリグラム、または約20ミリグラム、または約40ミリグラム、または約100ミリグラムである。
【0250】
例示的な眼科デバイスの形状
図5Aは、本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイス500の簡略化された概略上面図である。
【0251】
図5Bは、本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイス500の簡略化された概略側面図である。
【0252】
図5Cは、本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイス500の簡略化された概略断面図である。
【0253】
図5Dは、本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイス500の簡略化された概略図である。
【0254】
いくつかの実施形態では、デバイス500は、
図1A~
図1Dのデバイス100及び/または
図4のデバイス(複数可)400、401に示され及び/またはこれらに関して説明される1つ以上の特徴を含む。
【0255】
いくつかの実施形態では、デバイス500は、前面518及び後面516を含む。いくつかの実施形態では、デバイス500の厚さ542では、デバイス500の中央領域は、デバイス500の縁端領域(複数可)より高い。この時、いくつかの実施形態では、厚さは、デバイスの内側(例えば中心)の点及び/または領域での最大寸法から、先細りとなる。この時、
図5Cに示される厚さ542は、いくつかの実施形態では、デバイス500の最大の厚さである。いくつかの実施形態では、デバイス500の厚さは、回転対称である。この時、例えば、
図5Cに示される断面は、デバイスの全断面を示す。あるいは、いくつかの実施形態では、厚さプロファイルは、デバイスにわたり変化する。
【0256】
図5Aに戻って参照すると、いくつかの実施形態では、デバイス500の大きさ526は、デバイスの円形フットプリントの直径である。いくつかの実施形態では、大きさは、大きさに関して本明細書の他の箇所(複数可)で説明される1つ以上の特徴を含む。例示的な実施形態では、大きさ526は、2~8mm、または3~8mm、またはより小さい、またはより大きい、または中間の範囲もしくは大きさである。
【0257】
いくつかの実施形態では、デバイス500の大きさ526は、はるかに小さく、例えば、0.1~1mm、または1~3mm、またはより小さい、またはより大きい、または中間の大きさもしくは範囲である。
【0258】
図6は、本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの縁端部分644の簡略化された概略断面図である。
【0259】
図7は、本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの縁端部分744の簡略化された概略断面図である。
【0260】
この時、いくつかの実施形態では、デバイスの縁端領域644、744は、デバイス本体600、700の1~20%の縁端であり、及び/またはデバイス本体600、700の0.1~1mmの縁端である。
【0261】
いくつかの実施形態では、デバイス本体600、700は、(例えば他の箇所で説明されるように)デバイス縁端領域644、744に向かって先細りになる。例えば、先細りは、デバイスの後面616、716及び/または前面618、718の湾曲に伴う。
【0262】
ここで
図6を参照すると、いくつかの実施形態では、縁端領域644は、「鑿」形状を成す。いくつかの実施形態では、少なくともデバイスの縁端領域は、2つの縁端表面を含む。第1の縁端表面644と、第2の縁端表面646とが含まれる。この時、いくつかの実施形態では、第1の縁端表面644は、デバイスの前面618から離れて、例えば後面方向に傾斜している。いくつかの実施形態では、第2の縁端表面646は、デバイスの後面616から離れて、例えば前面方向に傾斜している。いくつかの実施形態では、第1の縁端表面644及び第2の縁端表面646は、角645で接触する。いくつかの実施形態では、縁端表面644、646の一方または両方は、平面であり、並びに/あるいは前面618及び/または後面616より曲率半径が小さい。いくつかの実施形態では、角645は、例えば500ミクロン未満、または1mm未満、または100ミクロン未満、またはより小さい、またはより大きい、または中間の曲率半径を有する鋭角である。この時、いくつかの実施形態では、デバイスが生体内で眼の表面上に存在する場合、鋭角645は、眼の表面に食い込み及び/または眼の表面に陥凹を作る。
【0263】
ここで
図7を参照すると、いくつかの実施形態では、縁端領域744に沿ってデバイスの縁端746に向かって移動すると、デバイス本体700は、縁端746に向かって先細りし続ける(例えば後面716及び/または前面718の曲率は、縁端部分(複数可)で、デバイス700の他の部分(複数可)のように、ほぼ同じ曲率であり続ける)。例えば、0.5mm未満、または500ミクロン未満、または1mm未満、または100ミクロン未満、またはより小さい、またはより大きい、または中間の曲率半径などを有する「ナイフ」縁端が形成される。
【0264】
いくつかの実施形態では、例えば、前面718及び/または後面716の湾曲に伴って、デバイスの縁端(複数可)に向かってデバイス700が先細りすることにより、片面テーパ形状が作られる。この時、例えば、
図7に示されるように、先細りは、前面718の湾曲に伴う。あるいは、いくつかの実施形態では、ナイフ縁端デバイスは、二重テーパ縁端を有する。いくつかの実施形態では、代替的または付加的に、先細りは、後面の湾曲に伴う。
【0265】
デバイスは、いくつかの実施形態では、多角形3次元形状(例えばフットプリント形状)、例えば、円盤形状、環形状、楕円形状、細長い楕円形状、湾曲した楕円形状、湾曲した細長い楕円形状、棒形状、八重項形状、三角形、四角形、五角形、六角形を有する。
【0266】
図8~
図17は、本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイス簡略化された概略上面図である。
【0267】
いくつかの実施形態では、
図8~
図17のうちの1つ以上は、デバイスのフットプリント(例えば上記で定義されたフットプリント)を示す。
【0268】
いくつかの実施形態では、
図8~
図17の眼科デバイスは、フィルムを含み、例えば
図8~
図17に示されるように、デバイスの上面図及び/またはフットプリント(複数可)で見た場合のデバイスの寸法(複数可)に対して、フィルムは薄い。この時、いくつかの実施形態では、上面図における1つ以上の寸法のデバイスの大きさは、デバイスの最大厚さの20~100倍、2~50倍、5~20倍、または10~20倍、または10~15倍、またはより小さい、またはより大きい、または中間の範囲もしくは倍数である。
【0269】
ここで
図8及び
図16を参照すると、いくつかの実施形態では、眼科デバイス800、1600は、1つ以上の穴822を含む。例えば、いくつかの実施形態では、穴822、1622の輪郭を描くデバイスの本体は、閉じた形状を有し(
図8及び
図16に示されるように少なくとも上面図で見た場合)、これは材料のリボンにより画定され、いくつかの実施形態では、形状は、例えば
図8に示される細長い環形状、例えば
図16に示される円形状など、環形状である(例えば上面図において)。
【0270】
ここで
図9及び
図10を参照すると、いくつかの実施形態では、眼科デバイス900、1000は不規則な形状を有する。
【0271】
いくつかの実施形態では、デバイスの形状は、例えばつまむことで(例えば手動で及び/または除去器具を使用することで)、デバイスの除去を容易にする。この時、例えば、いくつかの実施形態では、折りたたまれるように構成された部分は、任意でデバイスの中央領域であり(1つ以上の寸法で)(例えば
図9の948、
図10の1048の折りたたみ領域)、より薄く、及び/またはフットプリントの大きさはより小さく、これにより、より小さいフットプリント部分のいずれかの側におけるより大きい領域の一方または両方につまむ力を加えた後、折りたたみが容易になる。
【0272】
ここで
図11、
図12、及び
図13を参照すると、いくつかの実施形態では、眼科デバイス1100、1200、1300は、上面図において細長い形状を有する。
【0273】
この時、いくつかの実施形態では、細長い形状は、長方形1100、1200である。この時、いくつかの実施形態では、長方形のデバイス1100、1200の角は、丸い形状及び/または鈍的形状であり(例えば角の曲率半径は1mm未満であり)、これは潜在的に、眼の表面への損傷を防ぐ。
【0274】
いくつかの実施形態では、細長い形状1300は、楕円形である。
【0275】
いくつかの実施形態では、デバイス1100、1200、1300の細長い形状は、デバイスをつまんで除去することを容易にし、つまむ力は、例えばデバイスの伸長軸に沿った外側領域(複数可)に加えられる。
【0276】
ここで
図14~
図16を参照すると、いくつかの実施形態では、解剖学的に適合するように、デバイスの形状、例えばデバイスのフットプリントが選択される。例えば、いくつかの実施形態では、デバイス1400、1500、1600は、患者の解剖学的構造の一部と接触するようにデバイスを配置する形状を有する。例えば、いくつかの実施形態では、細長いデバイスは、結膜の一部、例えば角膜輪部の少なくとも一部と接触する及び/または当該少なくとも一部を覆うように、湾曲しており(例えば
図14のデバイス1400及び/または
図15のデバイス1500の1つ以上の特徴を含む)、及び/または湾曲形状を描く(例えば
図16のデバイス1600)(例えばいくつかの実施形態ではデバイス1600は角膜輪部全体を覆う)。いくつかの実施形態では、眼科デバイス1400、1500は、上面図及び/またはフットプリントにおいて湾曲形状を含む。この時、例えば、湾曲形状の中心長手方向軸1528は、長さ1~40mm、または長さ5~20mm、またはより短い、またはより長い、または中間の範囲もしくは長さである。
【0277】
いくつかの実施形態では、5~40mm、または5~20mm、または10~20mmを超える大きさのデバイス、及び/または湾曲形状を有するデバイスが、上眼瞼の下に配置される。これは、例えば、一般的に上眼瞼の下の方が、下眼瞼の下よりも空間的に余裕があるためである。
【0278】
いくつかの実施形態では、例えば
図16のデバイス1600、
図17のデバイス1700など、デバイスの上面図形状及び/またはフットプリントは、回転対称である。
【0279】
図17を参照すると、いくつかの実施形態では、デバイスは、1つ以上の角を有し、例えばデバイス1700は3つの角を有する。いくつかの実施形態では、デバイス1700の角(及び/または
図11~
図15の細長い形状)は、デバイスをつまむんで除去することを容易にし、例えば、円形デバイスと比較すると、つまむ力を加える潜在的距離は同じであるが、デバイスのフットプリント面積が少なくて済む。
【0280】
図18Aは、本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイス1800の簡略化された概略上面図である。
【0281】
図18Bは、本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイス1800の簡略化された概略図である。
【0282】
図18Cは、本発明のいくつかの実施形態による、眼の表面1804上に存在する眼科デバイス1800の簡略化された概略断面図である。
【0283】
いくつかの実施形態では、デバイス本体1800は、後面1816及び前面1818を有し、本体1800及び/または表面の1つ以上は、
図1A~
図1Dのデバイス100及び/または
図4のデバイス400(及び/または本明細書で説明され及び/または示される1つ以上の別のデバイス)に関して示され及び/または説明される1つ以上の特徴を含む。
【0284】
いくつかの実施形態では、デバイス本体1800は、1つ以上のキャビティ1830、1832を含む。この時、いくつかの実施形態では、キャビティ(複数可)1830、1832は、デバイスの後面1818、例えば眼の表面1804の近位に配置される。
【0285】
いくつかの実施形態では、デバイス1800は、1~50個のキャビティ、または1~10個のキャビティ、またはより少ない、またはより多い、または中間の数のキャビティを含む。いくつかの実施形態では、デバイス1800は、例えば
図18A~
図18Bに示されるように、4つのキャビティ1830を有する。
【0286】
いくつかの実施形態では、1つ以上のキャビティは、つながっており及び/またはリンクされている。
【0287】
いくつかの実施形態では、1つ以上のキャビティは分離されており、例えば
図18A~
図18Bに示されるように、キャビティの全ては互いに分離されている。
【0288】
例示的なキャビティ形状には、例えば、ボール形、ドーム形、円柱形、角錐形、長方形、三角形、円形、楕円形、細長い形、丸い形、環形、部分的環形、放射形、外周形、及び任意の他の形状が挙げられる。
【0289】
いくつかの実施形態では、キャビティは、キャビティの開口に1つ以上の鋭い縁端を有する。いくつかの実施形態では、キャビティは、キャビティの開口に1つ以上の鈍的縁端及び/または丸い縁端を有する。
【0290】
いくつかの実施形態では、デバイスは複数のキャビティを含み、当該複数のキャビティのうち、1つ以上のキャビティは、他の1つ以上のキャビティとは異なる特性(複数可)を有する。
【0291】
いくつかの実施形態では、1つ以上のキャビティ1830は、前面まで開通しており、例えばデバイスを貫通する穴(複数可)が設けられる。いくつかの実施形態では、1つ以上のキャビティ1830は、浸食性のある及び/または生体分解性のある及び/または生体浸食性のあるカバーを有する。
【0292】
いくつかの実施形態では、キャビティ1830は、デバイスの外側部分及び/または縁端部分に配置される。例えば、デバイスの外縁に近接するデバイスの一部は、例えばデバイス領域(例えば上面図及び/またはフットプリント及び/または前面1818及び後面1816の一方または両方の領域)の5~50%を形成する。
【0293】
いくつかの実施形態では、キャビティ1830は、デバイス1800上に対称に、例えば
図18A及び
図18Bに示されるように、例えば回転対称に、配置される。
【0294】
図19は、本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイス1900の簡略化された概略断面図である。
【0295】
いくつかの実施形態では、デバイス1900は、後面1916及び前面1918を有する本体を含む。いくつかの実施形態では、デバイスは、1つ以上のキャビティ1930を含む。いくつかの実施形態では、デバイスは、キャビティ(複数可)1930及び突起(複数可)1934の両方を含む。いくつかの実施形態では、デバイス1900は、1つ以上の突起1934を含む。この時、いくつかの実施形態では、突起(複数可)1934は、デバイスの後面1916に配置され、例えばデバイスが眼に付けられた時は、眼の表面に近接する。
【0296】
いくつかの実施形態では、突起(複数可)1934は、生体適合性材料を含む及び/または生体適合性材料から形成される。
【0297】
いくつかの実施形態では、デバイス1900は、1~50個の突起、または1~10個の突起、またはより少ない、またはより多い、または中間の数の突起を含む。
【0298】
いくつかの実施形態では、1つ以上の突起は、つながっており及び/またはリンクされている。
【0299】
いくつかの実施形態では、1つ以上の突起は分離されており、例えば
図18A~
図18Bに示されるように、突起の全ては互いに分離されている。
【0300】
例示的な突起形状には、例えば、ボール形、ドーム形、円柱形、角錐形、長方形、三角形、円形、楕円形、細長い形、丸い形、環形、部分的環形、放射形、外周形、及び任意の他の形状が挙げられる。
【0301】
いくつかの実施形態では、突起は、1つ以上の鋭い縁端及び/または鋭角を有する。いくつかの実施形態では、突起は、1つ以上のまたは鈍的形状及び/または丸い形状の縁端及び/または角を有する。
【0302】
いくつかの実施形態では、デバイスは複数の突起を含み、当該複数の突起のうち、1つ以上の突起は、他の1つ以上のキャビティとは異なる特性(複数可)を有する。
【0303】
突起は、いくつかの実施形態では、後面及び/または前面上のどこの箇所にでも配置される。いくつかの実施形態では、デバイスの表面1916から、突起1934までの突起距離1952は、約0.005mm~約20mmである。いくつかの実施形態では、突起1934のサイズ1950(例えば最大及び/または平均のサイズ)は、デバイスの表面1916からの突起の突起方向に対し垂直な1つ以上の寸法で、約0.005mm~約20mmである。
【0304】
いくつかの実施形態では、1つ以上の突起は、浸食性を有する。
【0305】
いくつかの実施形態では、キャビティ及び/または突起は、いくつかの実施形態では、デバイスの挿入及び/または除去のために使用される。例えば、いくつかの実施形態では、キャビティまたは突起に対し指及び/またはデバイスが押されると、吸引力が解放され、及び/またはデバイスの一部(例えば縁端)が引き上げられ、及び/またはデバイスが反転する。
【0306】
いくつかの実施形態では、キャビティ及び/または突起は、デバイスの付着性を高めるために使用される。例えば、キャビティまたは突起に加えられる圧力は、デバイスと眼の表面との間の吸引力を高めるように作用する。
【0307】
いくつかの実施形態では、キャビティにより、例えば挿入時に、デバイスを例えば凸面から凹面に反転させることが容易になる。
【0308】
いくつかの実施形態では、1つ以上の突起は、ハンドルとして機能する。例えば、除去プロセスなどで、つまむ力を加えることが容易になる。例えば、強膜に付ける際など、位置に圧力を加えること及び/またはデバイスを安定させることが容易になる。
【0309】
図20~
図28は、本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイス簡略化された概略底面図である。
【0310】
いくつかの実施形態では、
図20~28は、デバイスの後面を示す。
【0311】
いくつかの実施形態では、デバイスは、単一の突起及び/または単一のキャビティを有する。例えば、
図21のデバイス2100及び/または
図24のデバイス2400が挙げられ、これらは、いくつかの実施形態では、単一のキャビティ2130、2430を含み、いくつかの実施形態では、単一の突起2130、2430を含む。
【0312】
【0313】
例えば、
図20は、いくつかの実施形態では、複数の突起2030のみを含み、いくつかの実施形態では、複数のキャビティ2030のみを含む。
【0314】
いくつかの実施形態では、例えば
図20、
図26、
図28など、キャビティ(複数可)及び/または突起(複数可)は、放射状に、例えばデバイス表面上に対称的に放射状に配置される。
【0315】
いくつかの実施形態では、キャビティ(複数可)及び/または突起(複数可)は、デバイス表面上に不規則に配置される。いくつかの実施形態では、例えば
図23、
図25、
図27など、キャビティ(複数可)及び/または突起(複数可)は、異なるサイズ及び/または形状を有する。いくつかの実施形態では、例えば
図27のキャビティ及び/または突起2734、
図28のキャビティ及び/または突起2834など、キャビティ及び/または突起は、表面の中央領域に配置される。
【0316】
いくつかの実施形態では、1つ以上のキャビティ及び/または突起は、細長い。例えば、
図22、
図23、
図27に示される。
【0317】
図21を参照すると、いくつかの実施形態では、突起及び/またはキャビティ2130は、デバイスの表面上で閉じた形状を描く。例えば、環形状2130を描く。
【0318】
いくつかの実施形態では、例えば
図24、
図25、
図27のうちの1つ以上で示されるように、突起(複数可)及び/またはキャビティの配置は、非対称及び/または不規則である。
【0319】
ここで
図26を参照すると、いくつかの実施形態では、突起2634及びキャビティ2630は、デバイスの輪郭に沿って交互に存在する。例えば、いくつかの実施形態では、突起2634及びキャビティ2630の両方は、任意でデバイスの中心及び/または縁端からほぼ同じ距離で、放射状に配置される。この時、いくつかの実施形態では、突起2634及びキャビティ2630は、輪郭に沿って交互に存在する。
【0320】
ここで
図28を参照すると、いくつかの実施形態では、キャビティ(複数可)2834は、デバイスの表面の中央領域を占有し、突起2030は、中央領域から半径方向距離に(例えば回転対称で)配置される。いくつかの実施形態では、要素2834、2030が逆になり、デバイスは、突起(複数可)2834及びとキャビティ(複数可)2030を有する。
【0321】
図29Aは、本発明のいくつかの実施形態による、眼の表面の一部の簡略化された概略断面図である。
【0322】
図29Bは、本発明のいくつかの実施形態による、眼の表面上にある眼科デバイス2900の簡略化された概略断面図である。
【0323】
図29Cは、本発明のいくつかの実施形態による、眼の表面上にある眼科デバイス2900の簡略化された概略断面図である。
【0324】
いくつかの実施形態では、実質2960の上には眼上皮層2958があり、その上には水性涙液膜層2956が滞留し、その上には脂質層2954が存在する。
【0325】
いくつかの実施形態では、
図29Aは、例えば眼にデバイス2900を付ける前の眼の解剖学的構造の断面を示す。
【0326】
いくつかの実施形態では、
図29Bは、デバイス2900を付けた直後及び/または付けて間もなくのデバイス2900及び眼の解剖学的構造を示す。
【0327】
いくつかの実施形態では、
図29Cは、デバイスを付けてからある期間が経過したデバイス2900及び眼の解剖学的構造を示し、いくつかの実施形態では、この期間は、付けてから約1分~1時間である。
【0328】
ここで、
図29Bを参照する。いくつかの実施形態では、デバイス本体2900は、後面2916及び前面2918を含む。いくつかの実施形態では、本体2900は、本体の縁端に向かって厚さが先細りする。
【0329】
いくつかの実施形態では、デバイス2900は、キャビティ2930、2932を含み、いくつかの実施形態では、これらは後面2916に配置される。
【0330】
いくつかの実施形態では、デバイスを付けた後、涙液がキャビティ2930、2932を満たし、上皮2958は、デバイスを付ける前と変わらない。いくつかの実施形態では、涙液、例えば水性物質及び/または脂質が、デバイスを覆う(図示せず)。
【0331】
ここで
図29Cを参照すると、いくつかの実施形態では、ある期間の後、眼の組織はデバイス2900の形状に適合する。例えば、上皮組織2958は、例えばキャビティの入口における吸引力により、キャビティ2930及び2932に向かって局所的に突出2960する。潜在的に、上皮突起(複数可)2960により、デバイス2900は所定位置に固定され、例えばデバイスの移動及び/または排出の可能性が低減される。
【0332】
図30A~
図30Cは、本発明のいくつかの実施形態による、眼の表面3058上にあるデバイス3000の一部の簡略化された概略断面図である。
【0333】
いくつかの実施形態では、
図30Aは、デバイス3000を付けた直後及び/または付けて間もなくのデバイス3000及び眼の解剖学的構造3058を示す。
【0334】
いくつかの実施形態では、
図30Bは、デバイスを付けてから第1の期間が経過したデバイス3000及び眼の解剖学的構造3058を示す。この時、いくつかの実施形態では、第1の期間は、1分~1時間である。
【0335】
いくつかの実施形態では、
図30Cは、
図30Bに示される断面図から第2の期間が経過した、例えば
図30Bのデバイス3000及び眼の解剖学的構造3058の例示からさらに1分~1時間経過した、デバイス3000及び眼の解剖学的構造3058を示す。
【0336】
ここで、
図30Aを参照する。いくつかの実施形態では、デバイス本体3000は、後面3016を含み、これは、キャビティ3030及び突起3034を含む。
【0337】
いくつかの実施形態では、デバイスを付けた後、涙液がキャビティ3030を満たし、上皮3058は、デバイスを付ける前と変わらない。
【0338】
ここで
図30Bを参照すると、いくつかの実施形態では、第1の期間の後、眼の組織はデバイス3000の形状に適合する。例えば、上皮組織3058は、キャビティ3030に向かって局所的に突出3060し、及び/または突起3034に隣接する領域では、柔軟な上皮組織に陥凹3062を形成するように陥没する。この時、いくつかの実施形態では、陥没した材料は、潜在的にデバイス3000を固定し、これにより、潜在的に、デバイス3000の移動及び/または排出の可能性が低減される。
【0339】
ここで
図30Cを参照すると、いくつかの実施形態では、デバイス3000の生体分解及び/または生体浸食及び/または機械的浸食が起こった。この時、いくつかの実施形態では、突起3034のサイズは縮小し(例えば1つ以上の寸法で)、及び/または突起3034の角(複数可)は丸みを帯びている。この時、いくつかの実施形態では、キャビティ3030の角は、丸みを帯びている。いくつかの実施形態では、キャビティは、1つ以上の寸法でより広くなり、及び/または深さが変わり、例えばより浅く、またはより深くなる(図示せず)。
【0340】
いくつかの実施形態では、
図30Cの近位表面3016は、例えば突起(複数可)3034及び/またはキャビティ(複数可)3030を含む例示的な近位表面形状を示す。
【0341】
図31Aは、本発明のいくつかの実施形態による、眼の表面3104上に存在する眼科デバイス3100の簡略化された概略断面図である。
【0342】
図31Bは、本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイス3100の簡略化された概略図である。
【0343】
図31Cは、本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイス3100の簡略化された概略上面図である。
【0344】
いくつかの実施形態では、デバイス3100は、後面3116及び前面3118を含む。
【0345】
いくつかの実施形態では、デバイス3100は、複数の層3110、3112を含む。この時、いくつかの実施形態では、層は概して、デバイスの表面に随順する。
【0346】
いくつかの実施形態では、第1の層3110は、眼の表面3104に隣接及び/または接触し、並びに/あるいは後面3116の少なくとも一部を形成する。いくつかの実施形態では、第1の層3110は、粘膜付着材料を含む。
【0347】
いくつかの実施形態では、第2の層3112は、少なくとも定期的に眼瞼の内側表面に接触し、及び/または前面3114の少なくとも一部を形成する。いくつかの実施形態では、第2の層は、滑らかな外側表面を有し、及び/または潤滑材料を含む。いくつかの実施形態では、第1の層3110及び第2の層3112の一方または両方は、治療物質(複数可)を含み及び/または溶出させる。
【0348】
図31Bは、いくつかの実施形態における、デバイス3100の大きさを特定することを示す。この時、大きさは、デバイス3100が適合する最小直方体形状の境界ボックス3164の1つ以上の寸法及び/または2つ以上の寸法の平均である。
【0349】
いくつかの実施形態では、デバイス3100は、1つ以上の追加層(例えば本明細書の他の箇所で説明される)を含む。
【0350】
いくつかの実施形態では、眼科デバイスの厚さ3128(例えばデバイスの中央50%における最大の厚さ及び/または平均の厚さ)は、100ミクロン未満である。いくつかの実施形態では、眼科デバイスの厚さは、約1~約200ミクロンである。いくつかの実施形態では、デバイスの厚さは、約1ミクロン、または約2ミクロン、または約3ミクロン、または約4ミクロン、または約5ミクロン、または約6ミクロン、または約7ミクロン、または約8ミクロン、または約9ミクロン、または約10ミクロン、または約15ミクロン、または約20ミクロン、または約25ミクロン、または約30ミクロン、または約35ミクロン、または約40ミクロン、または約45ミクロン、または約50ミクロン、または約55ミクロン、または約60ミクロン、または約70ミクロン、または約80ミクロン、または約90ミクロン、または約100ミクロン、または約110ミクロン、または約120ミクロン、または約130ミクロン、または約140ミクロン、または約150ミクロン、または約160ミクロン、または約170ミクロン、または約180ミクロン、または約190ミクロン、または約200ミクロンである。いくつかの実施形態では、デバイスの厚さは、約10~約100ミクロンである。
【0351】
いくつかの実施形態では、第1の層(例えば粘膜付着層)3166、及び/または第2の層(例えば潤滑層)3164、及び/または任意の付加中間層(複数可)(例えば本明細書の他の箇所で説明される)は、厚さ(例えばデバイスの中央50%における最大の厚さ及び/または平均の厚さ)が、100ミクロン未満である。さらなる実施形態では、1つ以上の層の厚さは、約1~約200ミクロンである。いくつかの実施形態では、潤滑層及び/または粘膜付着層及び/または中間層の厚さは、約1ミクロン、2ミクロン、3ミクロン、4ミクロン、5ミクロン、6ミクロン、7ミクロン、8ミクロン、9ミクロン、10ミクロン、15ミクロン、20ミクロン、25ミクロン、30ミクロン、35ミクロン、40ミクロン、45ミクロン、50ミクロン、55ミクロン、60ミクロン、70ミクロン、80ミクロン、90ミクロン、100ミクロン、110ミクロン、120ミクロン、130ミクロン、140ミクロン、150ミクロン、160ミクロン、170ミクロン、180ミクロン、190ミクロン、200ミクロンである。いくつかの実施形態では、1つ以上の層の厚さは、約1~約10ミクロンである。
【0352】
いくつかの実施形態では、1つ以上の層は、他の1つ以上の層とほぼ同じ厚さを有する。いくつかの実施形態では、1つ以上の層は、他の1つ以上の層とは異なる厚さを有する。いくつかの実施形態では、1つ以上の層は、不均一な厚さを有する。例えば、デバイスの中央領域から、デバイスの縁端領域(複数可)に向かって外側へ薄くなる。例えば、層は、キャビティ及び/または穴及び/または突起(複数可)を有する。
【0353】
図32~
図37は、本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイスの部分の簡略化された概略断面図である。
【0354】
いくつかの実施形態では、
図32~
図37におけるシェーディングされた領域は、治療成分(複数可)の存在を示す。
【0355】
ここで
図32及び
図35を参照すると、いくつかの実施形態では、第2の層3212、3512(例えば
図31A~
図31Cの第2の層3112に関して説明された1つ以上の特徴を含む)が、治療成分(複数可)を含む。例えば、治療成分(複数可)は、第2の層3112内に分散され、及び/または第2の層3512の1つ以上の領域3514内に配置される。
【0356】
ここで
図33及び
図36を参照すると、いくつかの実施形態では、第1の層3310、3610(例えば
図31A~
図31Cの第1の層3110に関して説明された1つ以上の特徴を含む)が、治療成分(複数可)を含む。例えば、治療成分(複数可)は、第1の層3110内に分散され、及び/または第1の層3610の1つ以上の領域3614内に配置される。
【0357】
ここで
図34及び
図37を参照すると、いくつかの実施形態では、第1の層3410、3710(例えば
図31A~
図31Cの第1の層3110に関して説明された1つ以上の特徴を含む)、及び第2の層3412、3712(例えば
図31A~
図31Cの第2の層3112に関して説明された1つ以上の特徴を含む)の両方が、治療成分(複数可)を含む。例えば、治療成分(複数可)は、第1の層3410及び/または第2の層3412内に分散され、並びに/あるいは第2の層3712及び/または第1の層3710の1つ以上の領域3714内に配置される。一方で、いくつかの実施形態では、層のうちの片方は、治療物質を有する部分を保有し、もう片方の層は、治療物質が層の中に分散されている(図示せず)。いくつかの実施形態では、治療物質を含む別個の領域(複数可)は、治療物質が中に分散している層とは異なる治療物質を含む。いくつかの実施形態では、別個の領域(複数可)は、他の材料でカプセル化され、例えばいくつかの実施形態では、当該材料が浸食された後に、治療物質は眼の中へ溶出し始める。
【0358】
図38~
図44は、本発明のいくつかの実施形態による、デバイス3800、3900、4000、4100、4200、4300、4400の簡略化された概略断面図である。
【0359】
いくつかの実施形態では、デバイスは、平坦なまたは高曲率半径の後面を有し、例えば
図38のデバイス3800の後面3816、例えば
図39のデバイス3900の後面3916、例えば
図40のデバイス4000の後面4016、例えば
図41のデバイス4100の後面4116が挙げられる。この時、いくつかの実施形態では、高曲率半径は、5mmを超える、または10mmを超える、または9.6mmを超える、または8~12mm、または9~11mm、またはより小さい、またはより大きい、または中間の曲率半径もしくは範囲である。
【0360】
いくつかの実施形態では、デバイスは、凹状の後面を有し、例えばデバイス4200の後面4216、例えばデバイス4300の後面4316、例えばデバイス4400の後面4416が挙げられる。この時、いくつかの実施形態では、凹状の後面4216、4316、4416は、本明細書の他の箇所で凹状の及び/または湾曲した後面(複数可)で示され及び/またはこれに関して説明される1つ以上の特徴を含む。
【0361】
いくつかの実施形態では、デバイス及び/またはデバイスの断面は、単一のキャビティを含み、例えばいくつかの実施形態では、
図38~
図40の要素3830、3930、4030はそれぞれキャビティである。この時、いくつかの実施形態では、キャビティ3830、3930、4030は、デバイスの後面3816、3916、4016上に配置される。
【0362】
いくつかの実施形態では、デバイス及び/またはデバイスの断面は、異なる材料、例えば粘膜付着材料を有する単一の部分を含み、例えばいくつかの実施形態では、
図38~
図40の要素3830、3930、4030は、それぞれ粘膜付着部分である。この時、いくつかの実施形態では、粘膜付着部分3830、3930、4030は、デバイスの後面3816、3916、4016にそれぞれ配置される。
【0363】
ここで
図41及び
図42を参照する。いくつかの実施形態では、デバイス及び/またはデバイスの断面は、異なる材料、例えば粘膜付着材料を有する単一の部分4130、4230を含み、単一のキャビティ4132、4232を含む。この時、いくつかの実施形態では、キャビティ4130、4230、及び異なる材料部分4132、4232は、デバイス4100、4200の後面4116、4216にそれぞれ配置される。
【0364】
いくつかの実施形態では、デバイス及び/またはデバイスの断面は、異なる材料(複数可)の2つの部分を有し、デバイス4100の部分4130、4132、及び/またはデバイス4200の部分4230、4232は、同じ材料または異なる材料を有する。
【0365】
いくつかの実施形態では、デバイス4100、4200及び/またはデバイスの断面は、それぞれ2つのキャビティ4130、4132、及び2つのキャビティ4230、4232を有する。
【0366】
ここで
図43及び
図44を参照すると、いくつかの実施形態では、デバイス4300、4400は、複数の凹面4330、4430及び複数の異なる材料部分4332、4432の両方を有し、これらは全て、いくつかの実施形態では、デバイス4300、4400の後面4316、4416上にそれぞれ配置される。いくつかの実施形態では、キャビティのうちの1つ以上及び/または異なる材料部分のうちの1つ以上は、デバイスの本体内に、及び/または異なるデバイス表面上、例えばデバイスの前面4318、4418上に、配置される。
【0367】
ここで
図43を参照すると、いくつかの実施形態では、キャビティ(複数可)4330は、後面4316上で、異なる材料部分(例えば粘着付着部分)(複数可)4332と比べて、表面4316及び/またはデバイス本体4300に関してより中央に配置される。
【0368】
ここで
図44を参照すると、いくつかの実施形態では、異なる材料部分(例えば粘着付着部分)(複数可)4432は、後面4416上で、キャビティ(複数可)4430と比べて、表面4416及び/またはデバイス本体4400に関してより中央に配置される。
【0369】
図45~
図50は、本発明のいくつかの実施形態による、二重層デバイス4500、4600、4700、4800、4900、5000の簡略化された概略断面図である。
【0370】
いくつかの実施形態では、デバイス4500、4600、4700、4800、4900、5000は、後面4516、4616、4716、4816、4916、5016をそれぞれ有し、前面4518、4618、4718、4818、4918、5018をそれぞれ有する。
【0371】
いくつかの実施形態では、デバイス4500、4600、4700、4800、4900、5000は、第1の層4510、4610、4710、4810、4910、5010、及び第2の層4512、4612、4712、4812、4912、5012を含む。この時、いくつかの実施形態では、第1の層は、
図31A~
図31Cの第1の層3110、及び/または
図32~
図37の第1の層3210、3310、3410、3510、3610、3710のうちの1つ以上に関してそれぞれ説明及び/または例示された1つ以上の特徴を有する。この時、いくつかの実施形態では、第2の層は、
図31A~
図31Cの第2の層3112、及び/または
図32~
図37の第2の層3212、3312、3412、3512、3612、3712のうちの1つ以上に関してそれぞれ説明及び/または例示された1つ以上の特徴を有する。
【0372】
いくつかの実施形態では、デバイスは、乾燥状態及び/または水和状態で、平坦な後面または低曲率の後面(例えば本明細書の他の箇所で定義される)を有する。例えば、
図45の後面4516、
図46の後面4616、
図47の後面4716、
図49の後面4916が挙げられる。
【0373】
ここで
図45及び
図47を参照すると、いくつかの実施形態では、第2の層4512、4712(例えば潤滑材料を含む)は、デバイスの本体の周りに延在し、例えば、縁端(複数可)4568を覆い、及び/またはデバイスの近位表面4516、4716の部分(複数可)(例えば縁端(複数可)における部分(複数可))を形成する。
【0374】
ここで
図45~
図47を参照すると、いくつかの実施形態では、第1の層及び/または第2の層は、デバイスの領域全体で及び/またはデバイスの1つ以上の断面に沿って、ほぼ均一な厚さを有する。例えば、
図45の層4510、4512、
図46の層4610、4612、及び
図47の4710、4712が挙げられる。
【0375】
ここで、
図47~
図50を参照する。いくつかの実施形態では、1つ以上の層は、デバイスの中心及び/または中央領域に1つ以上の最大厚さを有し、中央領域からデバイスの縁端(複数可)に向かって移動すると厚さが減少する。例えば、
図47の層4710、
図48の層4810、4812、
図49の層4910、4912、
図50の層5012が挙げられる。
【0376】
図45は、いくつかの実施形態における、平坦な及び/または低曲率の後面4516及び前面4518を有するデバイス4500を示し、第2の層4512は、デバイス4500の縁端の周りに延在して、前面4518の一部を形成する。この時、層は個々に、ほぼ均一の厚さを有する。
【0377】
図46は、いくつかの実施形態における、平坦な及び/または低曲率の後面4616及び前面4618を有するデバイスを示し、層は個々に、ほぼ均一の厚さを有する。
【0378】
図47は、いくつかの実施形態における、平坦な及び/または低曲率の後面4716及び凸状の前面4718を有するデバイス4700を示し、第2の層4712は、デバイス4700の縁端の周りに延在して、前面4718の一部を形成する。いくつかの実施形態では、第2の層4712は、ほぼ均一な厚さを有する。いくつかの実施形態では、第1の層4710は、デバイスの中心及び/または中央領域に最大厚さを有し、中央領域からデバイス4700の縁端(複数可)に向かって移動すると厚さが減少する。
【0379】
図48は、いくつかの実施形態における、凹状後面4816及び凸状前面4818の両方を有するデバイス4800を示す。この時、いくつかの実施形態では、第1の層4810及び第2の層4812の両方は、デバイスの中心及び/または中央領域に1つ以上の最大厚さを有し、中央領域からデバイス4800の縁端(複数可)に向かって移動すると厚さが減少する。
【0380】
図49は、いくつかの実施形態におけるデバイス4900を示し、後面4916は、平坦であり、または低曲率を有し、前面4918は、凸状である。この時、いくつかの実施形態では、第1の層4910及び第2の層4912の両方は、デバイスの中心及び/または中央領域に1つ以上の最大厚さを有し、中央領域からデバイス4900の縁端(複数可)に向かって移動すると厚さが減少する。
【0381】
図50は、いくつかの実施形態におけるデバイス5000を示し、いくつかの実施形態では、後面は、凸状の境界平面を有する。いくつかの実施形態では、後面は、1つ以上の突起5034及び/または1つ以上のキャビティ5030を有する。例えば、断面は2つの突起5034を有し、その間にキャビティ5030が画定される。いくつかの実施形態では、一方または両方の層の厚さは、不規則である。いくつかの実施形態では、後面5016は、不規則な形状を有する。
【0382】
図51~
図58は、本発明のいくつかの実施形態による、多層デバイス5100、5200、5300、5400、5500、5600、5700、5800の簡略化された概略断面図である。
【0383】
いくつかの実施形態では、デバイス5100、5200、5300、5400、5500、5600、5700、5800は、後面5116、5216、5316、5416、5516、5616、5716、5816をそれぞれ有し、及び前面5118、5218、5318、5418、5518、5618、5718、5818をそれぞれ有する。
【0384】
いくつかの実施形態では、デバイス5100、5200、5300、5400、5500、5600、5700、5800は、第1の層(例えば粘膜付着層)5110、5210、5310、5410、5510、5610、5710、5810、及び第2の層(例えば潤滑層)5112、5212、5312、5412、5512、5612、5712、5812を含む。この時、いくつかの実施形態では、第1の層は、
図31A~
図31Cの第1の層3110、及び/または
図32~
図37の第1の層3210、3310、3410、3510、3610、3710のうちの1つ以上に関してそれぞれ説明及び/または例示された1つ以上の特徴を有する。この時、いくつかの実施形態では、第2の層は、
図31A~
図31Cの第2の層3112、及び/または
図32~
図37の第2の層3212、3312、3412、3512、3612、3712のうちの1つ以上に関してそれぞれ説明及び/または例示された1つ以上の特徴を有する。
【0385】
いくつかの実施形態では、デバイス5100、5200、5300、5400、5500、5600、5700、5800は、中間層5136、5236、5336、5436、5536、5636、5736、5836をそれぞれ含む。いくつかの実施形態では、中間層は、第1の層と第2の層との間に配置される。この時、いくつかの実施形態では、中間層は、例えば
図51~
図55及び
図57~
図58に示されるように、他の層により覆われる。いくつかの実施形態では、中間層は、治療物質を含む(例えば層内及び/または層の部分(複数可)に分散される)。
【0386】
図51は、いくつかの実施形態における、平坦な及び/または低曲率の後面5116及び前面5118を有するデバイス5100を示す。この時、いくつかの実施形態では、第2の表面は、デバイス5100の縁端を覆うように、例えば中間表面5136の側面を包囲するように、延在する。いくつかの実施形態では、第1の層5110、第2の層5112、及び第3の層5136のうちの1つ以上(例えば全て)は、ほぼ均一な厚さを有する。いくつかの実施形態では、中間層5136の厚さは、他の層のうちの1つ以上よりも厚く、例えば1.5~10倍、またはより小さい、またはより大きい、または中間の倍数もしくは範囲の厚さである。
【0387】
図52は、いくつかの実施形態におけるデバイス5200を示し、後面5216は凸状である。いくつかの実施形態では、第1の層5210及び第2の層5212の厚さは、ほぼ同じであり、いくつかの実施形態ではほぼ均一である。いくつかの実施形態では、中間層5236は、中央領域がより厚く、デバイス5200の縁端に向かって厚さが減少する。いくつかの実施形態では、中間層5236の平均厚さ及び/または最大厚さは、第1の層5210及び第2の層5212の一方または両方の厚さの1.5~10倍の厚さである。
【0388】
図53は、いくつかの実施形態におけるデバイス5300を示し、第1の層5310、中間層5336、及び第2の層5312のそれぞれは、中央領域がより厚く、これらの層は、デバイス5300の縁端に向かって厚さが減少する。いくつかの実施形態では、第2の層5312は、デバイス5300の周囲に配置され、後面5316の一部を形成する。いくつかの実施形態では、後面5316は、前面5318よりも大きい曲率半径を有する(例えば本明細書の他の箇所、例えば概要の節で説明される1つ以上の特徴を含む曲率半径を有する)。
【0389】
図54は、いくつかの実施形態におけるデバイス5400を示し、第1の層5410、中間層5436、及び第2の層5412のそれぞれは、中央領域がより厚く、これらの層は、デバイス5400の縁端に向かって厚さが減少する。いくつかの実施形態では、これらの層の厚さは、デバイスの中央領域で及び/またはデバイスの1つ以上の断面を通して、ほぼ同じである。
【0390】
いくつかの実施形態では、
図55のデバイス5500は、
図51のデバイス5100と同じ特徴を有するが、中間層5536が、いくつかの実施形態では、第1の層5510及び第2の層5512の一方または両方とほぼ同じ厚さである点で異なる。
【0391】
図56は、いくつかの実施形態におけるデバイス5600を示し、各層5610、5612、5636は、示される断面に沿って一定の厚さを有する。いくつかの実施形態では、中間層5636は、治療物質を含む。いくつかの実施形態では、中間層5636は、他の層5612、5610の一方または両方より厚い。例えば、粘膜付着層5610及び/または潤滑層5612の厚さの1.5~10倍の厚さを有する。いくつかの実施形態では、中間層5636は、複数の層を含む。
【0392】
図57は、いくつかの実施形態における、凸状の前面5718、及び平坦なまたは低曲率の後面5716を有するデバイス5700を示す。いくつかの実施形態では、粘膜付着層5716は、デバイスの1つ以上の断面にわたり均一な厚さを有する。いくつかの実施形態では、潤滑層5712は、中間層5736の外周を囲む経路で均一な厚さを有する。いくつかの実施形態では、中間層5736は、デバイス5700の1つ以上の断面の中央領域でより厚くなり、いくつかの実施形態では、デバイスの縁端(複数可)に向かって厚さが減少する。いくつかの実施形態では、潤滑層5712は、後面5716の一部を形成しない。
【0393】
図58は、いくつかの実施形態における、凸状の前面5818及び凹状の後面5816を有するデバイス5800を示す。いくつかの実施形態では、粘膜付着層5816は、デバイスの1つ以上の断面にわたり均一な厚さを有する。いくつかの実施形態では、潤滑層5812は、中間層5836の外周を囲む経路で均一な厚さを有する。いくつかの実施形態では、中間層5836は、デバイス5800の1つ以上の断面の中央領域でより厚くなり、いくつかの実施形態では、デバイスの縁端(複数可)に向かって厚さが減少する。いくつかの実施形態では、潤滑層5812は、後面5816の一部を形成しない。
【0394】
図59~
図61は、本発明のいくつかの実施形態による、多層デバイス5900、6000、6100の簡略化された概略断面図である。
【0395】
図59~61は、いくつかの実施形態における治療成分の溶出を示し、図では矢印で示される。
【0396】
ここで
図59を参照すると、いくつかの実施形態では、中間層5936は、治療物質を含み、デバイス5900の縁端では他の層(複数可)により覆われていない。この層は、いくつかの実施形態では、例えば矢印で示されるように、縁端を介して治療成分(複数可)を溶出させる。
【0397】
ここで
図60を参照すると、いくつかの実施形態では、(例えばデバイスの縁端を介して溶出することに代わってまたは加えて)、中間層6036は、治療物質を含み、第2の潤滑層6012により完全には覆われておらず、第2の層を介して治療成分(複数可)が溶出する。例えば、
図60に矢印で示されるように、層6012のチャネル(複数可)及び/または穴6030を介して溶出する。いくつかの実施形態では、チャネル(複数可)及び/または穴を有することに代わってまたは加えて、第2の層6012は材料を含み、この材料により、治療成分(複数可)は材料を通して拡散することが可能となる。
【0398】
ここで
図61を参照すると、いくつかの実施形態では、(例えばデバイスの縁端を介して及び/または第2の潤滑表面6112を介して溶出することに代わってまたは加えて)、中間層6136は、治療物質を含み、第1の粘膜付着層6110により完全には覆われておらず、第1の層を介して治療成分(複数可)が溶出する。例えば、
図61に矢印で示されるように、層6110のチャネル(複数可)及び/または穴6130を介して溶出する。いくつかの実施形態では、チャネル(複数可)及び/または穴を有することに代わってまたは加えて、第1の層6110は材料を含み、この材料により、治療成分(複数可)は材料を通して拡散することが可能となる。
【0399】
例示的な眼科デバイスの例示的な崩壊
図62A~
図62Fは、本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの滞留時間の経過に従ったデバイスの一部の簡略化された概略断面図である。
【0400】
図63は、本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの崩壊進行のフローチャートである。
【0401】
図62Aは、いくつかの実施形態における、デバイスが眼の表面に配置される前のデバイス層構造を示す。
デバイスは、第1の粘膜付着層6210、中間層6236、及び第2の潤滑層6212を含む。
【0402】
6300にて、いくつかの実施形態では、デバイス6200は、眼の表面6258上に配置される。
【0403】
6302にて、いくつかの実施形態では、粘膜付着層6210は、分解し及び/または溶解し及び/または浸食され、例えばデバイス6200は、
図62Bに示される構造から
図62Cに示される構造に遷移する。
【0404】
6304にて、いくつかの実施形態では、中間層6236は、部分的に分解し及び/または溶解し及び/または浸食され、例えば、デバイス6200は、
図62Cに示される構成から、
図62Dに示される構成に遷移し、その後
図62Eに示される構成に遷移する。
【0405】
6306にて、いくつかの実施形態では、潤滑層6212は、溶解し及び/または分解し及び/または浸食され、例えば、デバイス6200は、
図62Eに示される構造から、
図62Fに示される構造に遷移する。
【0406】
図64A~
図64Cは、本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの滞留時間の経過に従ったデバイス6400の簡略化された概略断面図である。
【0407】
いくつかの実施形態では、
図64A~
図64Cは、デバイスの一部を示す(例えば中央部分を示し、縁端は示されない)。
【0408】
図64A~
図64Cでは、いくつかの実施形態において、同様のシェーディングは、同じ材料特性(例えば潤滑性、粘膜付着性、治療物質含有など)を有する部分を示す。
【0409】
いくつかの実施形態では、デバイス6400は、後面6416及び前面6418を含み、表面6416、6418の一方または両方は、本明細書の他の箇所で示され及び/または説明される1つ以上の特徴(例えば曲率、厚さ)を有する。
【0410】
いくつかの実施形態では、デバイス6400は、第1の粘膜付着層6410及び第2の潤滑層6412を含む。
【0411】
この時、いくつかの実施形態では、粘膜付着層6410は、後面6416の大部分(例えば55~99%、または60~90%、またはより低い、またはより高い、または中間の範囲もしくはパーセンテージにわたる)または全てを覆う。大きな表面の粘膜付着層の潜在的利点は、例えば眼の表面への付着性の向上に伴う安定性の増加である。
【0412】
この時、いくつかの実施形態では、潤滑層6412は、前面6418の一部、例えば縁端領域(複数可)を覆う。
【0413】
いくつかの実施形態では、デバイス6400は、第3の層6470を含む。この時、いくつかの実施形態では、第3の層6470は、急速に溶解し及び/または分解し及び/または摩滅される材料を含む。この時、いくつかの実施形態では、第3の層は、デバイス6400の他の層(複数可)よりも急速に崩壊する。例えば
図64A~
図64Bの遷移に示されるように、第3の層6470の厚さは減少している。
【0414】
いくつかの実施形態では、粘膜付着層6410も、デバイスの他の1つ以上の層と比べて、より容易に浸食され(例えば図示されていない眼の表面への近接に伴い、及び/または層の材料特性に伴い)及び/または溶解し及び/または分解する(例えば材料特性に伴う)。例えば
図64A~
図64Bの遷移に示されるように、粘膜付着層6410の厚さは減少している。
【0415】
いくつかの実施形態では、中間層6436は治療物質を含み、第3の層6470の消失により露呈されると、中間層6436は溶解し及び/または分解し及び/または浸食され始め、例えば薬剤が溶出される。いくつかの実施形態では、例えば中間層6436内に形成されたキャビティ6430により示されるように、例えば潤滑層6412及び/または粘膜付着層6416などの他の層と比べて、中間層は、より容易に溶解し及び/または分解し及び/または浸食される。
【0416】
図65A~
図65Dは、本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの滞留時間の経過に従ったデバイスの簡略化された概略断面図である。
【0417】
いくつかの実施形態では、
図65A~
図65Dは、デバイスの一部を示す(例えば中央部分を示し、縁端は示されない)。
【0418】
図65A~
図65Dでは、いくつかの実施形態において、同様のシェーディングは、同じ材料特性(例えば潤滑性、粘膜付着性、治療物質含有など)を有する部分を示す。
【0419】
いくつかの実施形態では、デバイス6500は、後面6516及び前面6518を有し、表面6516、6518の一方または両方は、本明細書の他の箇所で示され及び/または説明される1つ以上の特徴(例えば曲率、厚さ)を有する。
【0420】
いくつかの実施形態では、デバイス6500は、第1の粘膜付着層6510及び第2の潤滑層6512を含む。いくつかの実施形態では、デバイス6500は、中間治療物質層6536を含む。
【0421】
この時、いくつかの実施形態では、潤滑層6512、粘膜付着層6510のうちの1つ以上(例えば全て)は、デバイス6500の縁端領域(複数可)に配置され、例えばデバイス6500の中央領域には存在しない。
【0422】
いくつかの実施形態では、デバイス6500は、第3の層6570を含む。この時、いくつかの実施形態では、第3の層6570は、急速に溶解し及び/または分解し及び/または摩滅される材料を含む。この時、いくつかの実施形態では、第3の層は、デバイス6500の他の層(複数可)よりも急速に崩壊する。例えば、
図65A~
図65B~
図65Cの進行で示されるように、第3の層6570は厚さが減少し、その後、
図65C~
図65Dの遷移では、第3の層6570は消滅する。いくつかの実施形態では、例えば
図65A~
図65Bの遷移に示されるように、粘膜付着層6510が最初に消滅し、例えば中間治療物質層6536が露出される。いくつかの実施形態では、例えば
図65Dに示されるように、第3の層6570が消滅し、1つ以上の残りの層(複数可)がデバイスの縁端に残る。いくつかの実施形態では、デバイス6500は、例えば角膜を覆う眼の領域上に配置され、第3の層6570の消滅によりデバイスに穴ができ、例えば角膜を囲む強膜上にデバイス6500は配置される。
【0423】
図66は、本発明のいくつかの実施形態による、デバイス6600の簡略化された概略断面図である。
【0424】
いくつかの実施形態では、
図66は、デバイスの一部を示す(例えば中央部分を示し、縁端は示されない)。
【0425】
図66では、いくつかの実施形態において、同様のシェーディングは、同じ材料特性(例えば潤滑性、粘膜付着性、治療物質含有など)を有する部分を示す。
【0426】
いくつかの実施形態では、デバイス6600は、後面6616及び前面6618を有し、表面6616、6618の一方または両方は、本明細書の他の箇所で示され及び/または説明される1つ以上の特徴(例えば曲率、厚さ)を有する。
【0427】
いくつかの実施形態では、デバイス6600は、第1の粘膜付着層6610及び第2の潤滑層6612を含む。
いくつかの実施形態では、デバイス6600は、中間治療物質層6636を含む。いくつかの実施形態では、粘膜付着層6610は、デバイス後面6616の大部分または全てを覆う。
【0428】
この時、いくつかの実施形態では、潤滑層6612及び中間治療物質層6636のうちの1つ以上は、デバイス6600の縁端領域(複数可)に配置され、例えばデバイス6600の中央領域には存在しない。
【0429】
いくつかの実施形態では、デバイス6600は、第3の層6670を含む。この時、いくつかの実施形態では、第3の層6670は、急速に溶解し及び/または分解し及び/または摩滅される材料を含む。この時、いくつかの実施形態では、第3の層は、デバイス6600の他の層(複数可)よりも急速に崩壊する。
【0430】
いくつかの実施形態では、デバイス6600は、分解層6672を含み、これは、いくつかの実施形態では、粘膜付着層6610、潤滑層6612、及び治療層6636のうちの1つ以上よりも急速に分解する。この時、いくつかの実施形態では、分解層6672は、第3の層6670よりも遅く分解し及び/または溶解し及び/または浸食される。
【0431】
この時、いくつかの実施形態では、第3の層6670が最初に消滅し、例えば治療層6636の部分(複数可)が露呈され、治療物質の溶出が始まり及び/または増える。この時、いくつかの実施形態では、分解層6672が次に浸食されて、例えば治療物質層がさらに露呈され及び/またはデバイスが分解する。
【0432】
図67は、本発明のいくつかの実施形態による、デバイス6700の簡略化された概略断面図である。
【0433】
いくつかの実施形態では、デバイス6700は、後面6716及び前面6718を有し、表面6716、6718の一方または両方は、本明細書の他の箇所で示され及び/または説明される1つ以上の特徴(例えば曲率、厚さ)を有する。
【0434】
いくつかの実施形態では、前面6718は、デバイス6700の中央領域に配置された低曲率領域(または平坦領域)を含む。いくつかの実施形態では、前面6718は、後面6716に向かって湾曲する。
【0435】
いくつかの実施形態では、デバイス6700は、第1の粘膜付着層6710及び第2の潤滑層6712を含む。いくつかの実施形態では、デバイス6700は、中間治療物質層6736を含む。いくつかの実施形態では、第2の表面6712は、デバイス6700の縁端(複数可)の周りで湾曲しており、例えば、いくつかの実施形態では、後面6716の縁端部分を形成する。
【0436】
いくつかの実施形態では、粘膜付着層6710は、デバイス6700及び/または後面6716の縁端領域を占める。
【0437】
例えば中間治療物質層6736における陥凹として、デバイス6700の縁端に局所的に粘膜付着剤が配置されることの潜在的利点は、より多くのデバイス体積を治療物質のために維持しながら、粘膜付着材料の付着性利点が得られることである。いくつかの実施形態では、中間治療物質層6736は、後面6716の少なくとも一部を形成する。潜在的な利点として、デバイス6700を眼の表面に取り付けた後、成分が急速に溶出する。
【0438】
例示的な材料
いくつかの実施形態では、眼科デバイスの1つ以上の部分は、フィルム形成剤(複数可)、可塑剤(複数可)、接合剤(複数可)、及び賦形剤(複数可)のうちの1つ以上を含む。
【0439】
いくつかの実施形態では、デバイスは、抗感染薬物療法及び抗炎症薬物療法(グルココルチコイド、NTHE、及び生物学的製剤、またはそれらの組み合わせを含む)、並びに銀、金、酸化亜鉛、酸化チタン、セレン、銅、ポリアンモニウム塩、信号伝達阻害ペプチド及び抗菌ペプチド、サイトカイン、酵素などの他の技術及び手段のうちの1つ以上を含む。
【0440】
いくつかの実施形態では、デバイスは、熱感応性化合物及び/またはPH感応性化合物及び/またはイオン感応性化合物を有する。
【0441】
理論に縛られることなく、デバイスの材料内の化合物の分子量及び/または架橋度は、デバイスの稠度(例えば硬さ及び/または剛性)に寄与し、及び/またはデバイスのレオロジー特性(例えば粘度)に寄与する。この時、いくつかの実施形態では、分子量及び/または架橋及び/または稠度及び/またはレオロジー特性は、デバイスの滞留時間及び/または治療薬の放出速度を定義する。
【0442】
いくつかの実施形態では、デバイス組成物には、少なくとも1つの荷電化合物が含まれる。いくつかの実施形態では、デバイス組成物には、少なくとも1つの荷電化合物、及び反対の電荷を有する少なくとも1つの化合物が含まれ、液体吸着時にPEC(高分子電解質複合体)構造が構築される。
【0443】
潤滑部分(例えば潤滑層及び/または潤滑フィルム)、及び/または粘膜付着部分(例えば粘膜付着層及び/または粘膜付着フィルム)、及び/または眼科デバイスの他の部分(複数可)は、非限定的な例示的材料(複数可)として、ここに列挙されるもの(及び/または同様の化合物(複数可)及び/または材料(複数可)及び/またはポリマー(複数可)及び/またはこれらの組み合わせ)のうちの1つ以上を含む。
ポリエチレンフタレートポリマーフィルム;例えばフィルムで購入(MYLAR-A(登録商標);DuPont、米国)。
ポリビニルアルコール4-88;例えば粉末で購入(Merck、ドイツ)。
メトセルLV-50;例えば粉末で購入(DOW、米国)。
ポリビニルアルコール;例えば粉末で購入(Merck、ドイツ)。
ポリビニルアルコール[PVA]:ポリエチレングリコール[PEG]グラフト共重合体;例えば粉末で購入(Kollicoat-IR(登録商標);BASF、ドイツ)。
・ヒドロキシプロピルセルロースポリマー;例えば粉末で購入(Klucel-LF(登録商標);Ashland、米国)ポビドン(Kollidone25;BASF、ドイツ)。
カルボマー、カーボポール、カーボポール971、カーボポール974、カーボポール934、カーボポール2020。
架橋ポリアクリル酸;例えば粉末で購入(Carbopol974;Lubrizol、米国)。
・架橋ポリアクリル酸ナトリウム;例えば粉末で購入(FavorPac(登録商標);Evonik、ドイツ)。
架橋ポリアクリル酸ナトリウム;例えば粉末で購入(Luquasorb(登録商標);BASF、米国)。
CMCナトリウム、ポリカルボフィル、トラガント、ポリアクリル酸ポリマー、アルギン酸ナトリウム、(ポリ)ヒドロキシエチルセルロース、HPMC、カラヤガム、ゼラチン、グアーガム、デンプン、加工デンプン、ペクチン、サイリウム、アンバーライト樹脂、ヒドロキシプロピルセルロース。
キトサン;例えば粉末で購入(KiOnutrime-CsG;kitozyme、ベルギー)。
キトサン;例えば粉末で購入(Chitoclear、Premix、アイスランド、または90/200/A1;Kraeber、ドイツ、またはProtasan UP CL 114、113、213、214;Novamatrix、ノルウェー)。
アルギネート、ジェランガム、オイドラギット。
ポリエチレンオキシド、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリ(メチルビニルエーテル)、ポリ(メチルビニルエーテル)-co-無水マレイン酸、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルエチルセルロース、ポリヒドロキシエチルメタクリレート。
メチルセルロースまたはヒプロメロースまたはポビドン(Kollidone25;BASF、ドイツ)、またはポリビニルピロリドン(PVP)。
架橋ポリグルタミン酸;例えば粉末で購入(PGA;hayashibara、日本)。
架橋デキストランゲル;例えば粉末で購入(Sephadex G-100;GE Medical)。
ラクトース一水和物;例えば粉末で購入(Pharmatose200、Fonterra、ニュージーランド)。
セルロースアセテート、エチルセルロース、メチルセルロース、変性セルロース。
シリコーン、アクリレート、ポリエチレン(超高分子量ポリエチレンテレフタレートを含む)、ポリエステル。
ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、ePTFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ナイロン。
生体適合性金属合金。
ポリマー発泡体。
ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリヒドロキシエチルメタクリレート(pHEMA)。
セルロースアセテートブチレート、シロキサンアクリレート、t-ブチルスチレン、フルオロシロキサンアクリレート、パーフルオロエーテル。
シリコーンハイドロゲル、ロトラフィルコンA、ロトラフィルコンB、ガリフィルコンA、セノフィルコンA、セノフィルコンC、シフィルコンA、コンフィルコンA、エンフィルコンA、バラフィルコンA、デレフィルコンA、ナラフィルコンB、ナラフィルコンA、ステンフィルコンA、ソモフィルコンA、ファンフィルコンA、サムフィルコンA、エラストフィルコン。
テフィルコン、テトラフィルコンA、クロフィルコン、ヘルフィルコンA/B、マフィルコン、ポリマコン、ハイオキシフィルコンB。
サーフィルコンA、リドフィルコンA、リドフィルコンB、ネトラフィルコンA、ヘフィルコンB、アルファフィルコンA、マフィルコンA、オマフィルコンB、バスルフィルコンA、ハイオキシフィルコンA、ハイオキシフィルコンD、ネルフィルコンA、ヒラフィルコンA、ヒラフィルコンB、アコフィルコンA、ネソフィルコンA。
ブフィルコンA、デルタフィルコンA、フェムフィルコン。
ブフィルコンA、パーフィルコンA、エタフィルコンA、フォコフィルコンA、オクフィルコンB、オクフィルコンC、オクフィルコンD、オクフィルコンE、オクフィルコンF、フェムフィルコンA、メタフィルコンA、メタフィルコンB、ビルフィルコンA。
ロトラフィルコンA、バラフィルコンA、セノフィルコンA、ガリフィルコンA、サムフィルコンA、コムフィルコンA、エンフィルコンA、など。
PHEMA(ポリヒドロキシエチルメタクリレート)、MA(メタクリル酸)、MMA(メチルメタクリレート)、GMA(グリセリルメタクリレート)、DAA(ジアセトンアクリルアミド、PVOH(ポリビニルアルコール)、PVA(ポリビニルアセテート)。
シリコーンゴム、アクリル樹脂、ポリウレタン、ポリプロピレン、及びポリメチルメタクリレート、ポリカーボネートウレタン、ポリイミド。
ポリグリコリド、ポリラクチド、ポリヒドロキソブチレート、ヒアルロン酸、及びヒドロゲル、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)。
ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ(乳酸-co-グリコール)酸(PLGA)、及びポリ(カプロラクトン)。
ポリグリコリド、ポリ-L-ラクチド、ポリ-D-ラクチド、ポリ(アミノ酸)、ポリジオキサノン、ポリカプロラクトン、ポリグルコネート、ポリ乳酸-ポリエチレンオキシドコポリマー、ポリオルトエステル、ポリヒドロキシブチレート、ポリ無水物、ポリリン酸エステル、ポリ(アルファヒドロキシ酸)。
ポリカプロラクトン(PCL)、ポリエステルアミド(PEA)。
タンパク質、脂肪酸、アミノ酸、炭水化物、コラーゲン。
ポロクサマー、シンペロニック、プルロニック(登録商標)、コリフォール、プルロニック(登録商標)F127(BASF)、シンペロニックPE/F127(Croda)、ポロクサマー188(Pluronic(登録商標)F-68)、ポロクサマー407(Pluronic(登録商標)F-127)、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリ(プロピレンオキサイド)、カルボキシル化ポリスチレン、ペグ化ポリスチレン、デンドリマー、ポリ(アミドアミン)(PAMAM)。
ポリエチレングリコール(Sigma、米国)。
トリエチルシトレート[TEC]及びアセチルトリブチルシトレート[ATBC];例えば液体で購入(Merck、ドイツ)。
トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン。
DEP[ジエチルフタレート];例えば液体で購入(Spectrum、米国)。
グリセロールモノステアレート[GMS];例えば液体で購入(Cognis、ドイツ)。
エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール[IPA]、エチルアセテート、酢酸、及びアセトン(BioLab、イスラエル);ポリマーの溶解に使用される有機溶媒。
ヒプロメロースフタレート[HP-55]及びヒプロメロースアセテートサクシネート[AQOAT AS-LF];例えば粉末で購入(Shin-Etsu、韓国)、CAP[セルロースアセテートフタレート]及びCA[セルロースアセテート];例えば粉末で購入(Eastman、米国)。
多糖類(β-シクロデキストリン、デキストラン、イヌリンなど)、糖類(グルコース、ラクトース、ロイクロース、マルトース、ラフィノース、スクロース、トレハロースなど)、ポリオール(マルチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトールなど)、オリゴ糖、炭水化物。
熱感応性化合物、またはPH感応性化合物、またはイオン感応性化合物、または圧力感応性化合物、または偏向感応性化合物。
以下を含む賦形剤:付着防止剤、結合剤及び付着剤(粘膜付着剤を含む)、コーティング剤、着色剤、崩壊剤、香料、滑剤、潤滑剤、防腐剤、吸着剤、甘味料、展色剤。
1つ以上の溶媒、例えばエタノール、メタノール、イソプロパノール、メチレンクロライド、エチルアセテート、アセトン、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)のうちの1つ以上。
【0444】
例示的な潤滑層
いくつかの実施形態では、潤滑部分(例えば潤滑層)は、セルロースアセテート、エチルセルロース、PVA(ポリビニルアルコール)、ポリビニルアルコール[PVA]:ポリエチレングリコール[PEG]グラフト共重合体、またはPVA(ポリビニルアセテート)、またはPVA(ポリビニルアセテート)もしくはメチルセルロースのうちの1つ以上を含む。
【0445】
例示的な粘膜付着層
いくつかの実施形態では、「粘膜付着剤」という用語は、生体組織に付着することができる任意の化合物を包含する。いくつかの実施形態では、粘膜付着剤は、ポリマーである。いくつかの実施形態では、粘膜付着剤は、荷電している、または中性である。
【0446】
いくつかの実施形態では、粘膜付着部分(例えば粘膜付着層)は、粘膜付着特性を提供するように構成された1つ以上の成分を含む。
【0447】
いくつかの実施形態では、粘膜付着部分(例えば粘膜付着層)は、ポリビニルアルコール(PVAまたはPVOHとも称される)、ヒドロキシプロピルセルロース(クルーセル(Klucel))、ポリビニルアルコール-ポリエチレングリコールグラフト共重合体(コリコートIR(Kollicoat-IR))、メチルセルロース、ヒプロメロースメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトセル(Methocel))、ポビドン(ポリビニルピロリドン)のうちの1つ以上を含む。
【0448】
例示的な治療薬
いくつかの実施形態では、本明細書で説明される実施形態によるデバイスの治療物質部分または治療物質層は、1つ以上の治療薬、例えば1つ以上の薬物及び/または天然化合物または合成化合物を含む。
【0449】
いくつかの実施形態では、1つ以上の治療薬は、固体形態、粉末、軟膏、液体、ビーズ(例えばポリマービーズ)、分散体、溶液、ペレット、微粒子、微小球、及びマイクロカプセルのうちの1つ以上である。
【0450】
いくつかの実施形態では、治療物質は、1つ以上の治療薬を、1~1000μmのサイズ範囲の微粒子として包含する。
【0451】
いくつかの実施形態では、治療物質は、医薬品有効成分(API)及び/または賦形剤及び/またはこれらの組み合わせを含む。
【0452】
いくつかの実施形態では、眼科デバイス(例えば本明細書で説明される1つ以上の実施形態による)は、約1μg~約10,000μg、または10,000μgを超える、または0~1μg、または1μg~5μg、または5μg~10μg、または10μg~50μg、または50μg~100μg、または100μg~500μg、または500μg~1000μg、または1000μg~5000μg、または5000μg~10000μg、または10000μg~30000μgの範囲内の用量の1つ以上の治療薬を含む。
【0453】
いくつかの他の実施形態では、眼科デバイス(例えば本明細書で説明される1つ以上の実施形態による)は、約1マイクログラム~約20ミリグラムの質量の治療薬を含む。いくつかの実施形態では、治療薬の質量は、約1ナノグラム、または約2ナノグラム、または約3ナノグラム、または約4ナノグラム、または約5ナノグラム、または約6ナノグラム、または約7ナノグラム、または約8ナノグラム、または約9ナノグラム、または約10ナノグラム、または約11ナノグラム、または約12ナノグラム、または約13ナノグラム、または約14ナノグラム、または約15ナノグラム、または約20ナノグラム、または約30ナノグラム、または約40ナノグラム、または約50ナノグラム、または約60ナノグラム、または約70ナノグラム、または約80ナノグラム、または約90ナノグラム、または約100ナノグラム、または約200ナノグラム、または約300ナノグラム、または約400ナノグラム、または約500ナノグラム、または約600ナノグラム、または約700ナノグラム、または約800ナノグラム、または約900ナノグラム、または約1ミリグラム、または約2ミリグラム、または約3ミリグラム、または約4ミリグラム、または約5ミリグラム、または約6ミリグラム、または約7ミリグラム、または約8ミリグラム、または約9ミリグラム、または約10ミリグラム、または約12ミリグラム、または約14ミリグラム、または約16ミリグラム、または約18ミリグラム、または約20ミリグラムである。
【0454】
いくつかの実施形態では、デバイスは、約0.1%~約99.5%、または約0.5%~約90%が、薬物放出材料であり、薬物放出材料は、例えば医薬的に許容される担体材料(複数可)と組み合わされる。
【0455】
いくつかの実施形態では、デバイスの治療薬濃度は、0.01%未満、または0.01%~0.1%、または0.1%~1%、または1%~5%、または5%~10%、または10%~30%、または30%~60%、または60%~90%、または90%~100%である。
【0456】
いくつかの実施形態では、眼科デバイス(例えば治療物質層及び/または治療物質領域)は、以下の治療薬(本明細書では「治療成分」とも称される)のうちの1つ以上を含む。
・アフリベルセプト、アトロピン、ベバシズマブ、ブリモニジン/チモロール、シクロスポリン、シプロフロキサシン、シクロペントラート、ジイソプロピルフルオロホスフェート、ジクアホソル、ドルゾラミド/チモロール、エコチオフェート、ラタノプロスト/チモロール、ラタノプロステンブノド、リフィテグラスト
・ロテプレドノール、フルオシノロン、フルオロメトロン、ジフルプレドナート、プレドニゾロン、トリアムシノロン、リメキソロン
・散瞳薬及び調節麻痺薬、硫酸ナンドロロン、ナファゾリン/
フェニラミン、ネドクロミル、ネタルスジル、オフロキサシン、ペガプタニブ、ピロカルピン、ピレノキシン、ラニビズマブ、リパスジル、タウロウルソデオキシコール酸、タビレルミド、トロピカミド/ヒドロキシアンフェタミン、ベルテポルフィン
・アクサー、ベバシズマブ、セファゾリン、セフタジジム、コカイン、EDTA、ガチフロキサシン、ゲンタマイシン、イドクスウリジン、Iluvien(登録商標)、インドシアニングリーン、インフリキシマブ、インターフェロン、硝子体内注射、イオヘキソール、イパミドール、イオパミドール-M、リサミングリーン、メンブレンブルー、マイトマイシン、モキシフロキサシン、リツキシマブ、血清点眼薬、使い捨てポビドン、結膜下注射、テトラカインPF、トブラマイシン、TPA、バンコマイシン
・シクロペントラート、フェニレフリン、プロパラカイン、ステロイド、トロピカミド
・アミカシン、アムホテリシン-B、デキサメタゾン、マイトマイシン
・小分子、生物学的製剤、自己免疫薬、抗癌薬及び/または抗癌剤、抗炎症剤、抗感染剤、抗生物質、カンナボイド
・合成化合物
・天然化合物
・薬物:いくつかの実施形態では、親水性または疎水性である。
・製剤:いくつかの実施形態では、親水性または疎水性である。
・以下を含む賦形剤:付着防止剤、結合剤、コーティング剤、着色剤、崩壊剤、香料、滑剤、潤滑剤、防腐剤、吸着剤、甘味料、展色剤。
【0457】
いくつかの実施形態では、治療物質には、例えば浸透増強のため及び/または膜細孔開口のための促進剤物質が含まれる。
【0458】
いくつかの実施形態では、治療物質には、ヒトの体液(血清及び/または血液を含む)への溶解性を向上させる物質が含まれる。
【0459】
いくつかの実施形態では、治療物質には、体内のプロセスを活性化及び/または阻害する物質が含まれる。
【0460】
いくつかの実施形態では、治療物質には、別の薬物のプロドラッグ形態が含まれる。
【0461】
いくつかの実施形態では、治療物質には、別の薬物のバイオシミラー形態が含まれる。
【0462】
治療薬は、いくつかの実施形態では、放出調節投薬形態を含む任意の投薬形態で投与され、投薬形態には、例えば即時放出投薬、遅延放出投薬、長期放出投薬、持続放出投薬、刺激誘発放出投薬、及び/または標的放出投薬などが挙げられる。
【0463】
放出調節投薬の技法は、いくつかの実施形態では、拡散、溶解、浸透、イオン交換樹脂、浮遊、生体付着、マトリックスなどの放出手法のうちのいずれかを使用する。
【0464】
放出調節形態のプロセスには、マイクロカプセル化、分子インプリントポリマー(MIP)、3D薬物プリンティングが含まれる。
【0465】
治療薬は、いくつかの実施形態では、任意の賦形剤及び他の利用可能な化合物を含む任意の製剤である。
【0466】
例示的なナノ粒子及び/または微粒子の治療薬(複数可)
いくつかの実施形態では、デバイスの治療物質部分または治療物質層(例えば本明細書で説明される1つ以上の実施形態による)は、1つ以上の治療薬を、ナノ粒子及び/または微粒子の形態で含む。いくつかの実施形態では、ナノ粒子及び/または微粒子の治療薬(複数可)は、粘膜付着化合物及び/またはポリマー(複数可)で覆われ、及び/または粘膜付着化合物及び/またはポリマー(複数可)を含む。この時、いくつかの実施形態では、粒子(複数可)を覆うことにより、粒子(複数可)の滞留時間及び/または粒子(複数可)の薬物溶出の持続時間が、長くなる。
【0467】
例えば、アトロピン微粒子が挙げられる。
【0468】
例えば、アルブミン-キトサン微粒子中の硫酸アトロピンは、例えばRichard T Addo et al,J Pharm Sci.2015 May;104(5):1677-90による“Formulation and characterization of atropine sulfate in albumin-chitosan microparticles for in vivo ocular drug delivery”で説明される1つ以上の特徴を含み、当文献全体は、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0469】
この時、いくつかの実施形態では、微粒子の平均サイズは約2ミクロンであり、微粒子のアトロピン濃度は10%であり、微粒子の放出時間は約50時間である。このような粒子は、いくつかの実施形態では、1つ以上の異なる特性を有する追加のポリマー(複数可)で表面被覆され、いくつかの実施形態では、7日以上にわたる蓄積長期放出パターンが実現される。
【0470】
例えば、微粒子は、Yahui He et al,Polymers 2020,12(1),130による“Development of Water-Compatible Molecularly Imprinted Polymers Based on Functionalized β-Cyclodextrin for Controlled Release of Atropine”で説明される1つ以上の特徴を含み、当文献全体は、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0471】
例えば、チモロールナノ粒子が挙げられる。
【0472】
例えば、粒子は、Sunil A Agnihotri 1,Tejraj M Aminabhavi,Drug Dev Ind Pharm.2007 Nov;33(11):1254-62による“Chitosan nanoparticles for prolonged delivery of timolol maleate”で説明される1つ以上の特徴を含み、当文献全体は、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0473】
いくつかの実施形態では、粒子は、118~203nmの範囲の平均粒子サイズを有し、一方で、いくつかの実施形態では、ゼータ電位の範囲は、+17~+22mVである。いくつかの実施形態では、ナノ粒子の封入効率は、47.6~63.0%の範囲である。いくつかの実施形態では、例えばpH7.4のリン酸緩衝食塩水で実施された体内放出研究の結果に基づくと、マレイン酸チモロールの放出は遅く、例えば最大24時間続く。粒子は、いくつかの実施形態では、例えば異なる特性を有する追加のポリマー(複数可)で表面被覆され、7日以上にわたる蓄積長期放出パターンが実現される。
【0474】
例えば、チモロール微粒子は、James P Bertram 1,Sandeep S Saluja,Jodi McKain,Erin B Lavik,J Microencapsul.2009 Feb;26(1):26による“Sustained delivery of timolol maleate from poly(lactic-co-glycolic acid)/poly(lactic acid)microspheres for over 3 months”で説明される1つ以上の特徴を含み、当文献全体は、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0475】
いくつかの実施形態では、微小球は、PLGA 502HとPLAを50:50で混合した物を使用して、製造される。いくつかの実施形態では、微小球は、50~200日、または50~150日、または90~120日、または約107日にわたり、マレイン酸チモロールを送達する。
【0476】
図68A~
図68Bは、本発明のいくつかの実施形態による、眼の表面6804上にあるデバイス6800の簡略化された概略断面図である。
【0477】
簡潔にするために、デバイス6800は長方形の断面を有するものとして示されるが、いくつかの実施形態では、デバイス6800は、本明細書内の他の箇所で説明されるデバイス(複数可)の1つ以上の特徴を有する形状(例えば湾曲したデバイス後面及び/またはデバイス前面を含む形状)である。
【0478】
いくつかの実施形態では、デバイス6800は、治療物質粒子6836を含む層6812を有する。この時、物質粒子6836は、いくつかの実施形態では、例えば本明細書の他の箇所で説明される微粒子及び/またはナノ粒子の1つ以上の特徴を含む。この時、いくつかの実施形態では、層6812の他の材料は、急速に溶解可能及び/または分解可能及び/または浸食可能である。浸食により、いくつかの実施形態では、例えば
図68A~
図68Bの遷移で示されるように、粒子6836が露呈され、粒子6836の分散が可能となる。
【0479】
いくつかの実施形態では、粒子6836は治療物質を含む。任意で、いくつかの実施形態では、粒子6836は、粘膜付着材料を含む。潜在的に、粒子が層6812から一旦放出されて、眼の表面6804に接触すると(例えば眼瞼、眼球、及び涙液のうちの1つ以上の動き(複数可)により)、粒子は眼の表面に付着する。いくつかの実施形態では、粒子は、例えば眼球及び/または眼瞼を含む1つ以上の粘膜表面に付着する。いくつかの実施形態では、その後、粒子は分解し(例えば約10分、または約1時間、または約12時間、または約1日、または約3日、またはより短い、またはより長い、または中間の持続時間にわたり)、眼組織に治療物質を放出する。
【0480】
任意で、いくつかの実施形態では、デバイスは、1つ以上の追加層(例えば層6812以外の層)を含む。例えば、いくつかの実施形態では、デバイス6800は、粘膜付着層6810を含む。
【0481】
いくつかの実施形態では、粒子を含む治療物質層6812は、本文書内で説明されるデバイスの実施形態のうちの1つ以上に組み込まれる。例えば、治療物質層6812に対する被覆特徴及び/またはアクセス特徴も含まれる。
【0482】
例示的なデバイスの例示的な製造
いくつかの実施形態では、デバイス製造プロセス及び/またはフィルム製造プロセスは、多層キャスティングプロセス及び/または1つ以上の工業プロセスを含み、これには、例えば、スプレー、浸漬、コーティング、ブラッシング、押出、射出、エレクトロスピニング、プレス、切断、穴あけ、3Dプリンティング、3D彫刻、レーザー切断、加熱、レーザー加熱、化学エッチング、化学結合、付着接合などが挙げられる。
【0483】
いくつかの実施形態では、デバイス及び/またはデバイスの部分(複数可)は、接着、ブローイング、キャスティング、押出、コーティング、ラミネーション、溶接、プレス、スピニング、化学反応、スプレー、浸漬、コーティング、ブラッシング、押出、射出、エレクトロスピニング、プレス、切断、3Dプリンティング、3D彫刻、レーザー切断、加熱、レーザー加熱、化学エッチング、化学結合、付着接合、及びこれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上により、形成される。
【0484】
図69は、本発明のいくつかの実施形態による、眼科デバイス製造方法である。
【0485】
6900にて、いくつかの実施形態では、フィルムが受け取られる。例えば、多層フィルムが受け取られる。いくつかの実施形態では、フィルムは、例えば
図70に示され及び/または
図70に関して説明される1つ以上の特徴に従って、並びに/あるいはフィルム実施例1~55に関して説明される1つ以上の特徴に従って、製造される。
【0486】
6902にて、いくつかの実施形態では、フィルムは、例えば1つ以上の方法を使用して、成形される。
【0487】
この時、フィルムが乾燥状態または湿潤状態である場合、いくつかの実施形態では、フィルムは、選ばれた厚さプロファイル及び/または曲率を有するように、並びに/あるいは1つ以上の突起、キャビティ、開孔、穴、スライスなどの1つ以上の特徴を追加するように、巧みに処理される。例えば、いくつかの実施形態では、デバイスは、機械的及び/または化学的に形成された少なくとも1つの開孔を有する。
【0488】
いくつかの実施形態では、成形は、1つ以上の処理を含む。例えば、機械力の適用(例えばプレス)、加熱、及び/または熱処理、1つ以上の化学薬品への暴露、1つ以上の電気プロセスによる処理、のうちの1つ以上による処理を含む。この時、いくつかの実施形態では、複数の処理が連続して適用される。一方で、いくつかの実施形態では、複数の処理が同時に適用される(例えば熱と機械力の同時処理)。いくつかの実施形態では、1つ以上の種類の処理は、ジグの使用を含む。
【0489】
いくつかの実施形態では、フィルムは、例えば機械的手段及び化学的手段のうちの1つ以上により切断されることで、成形される。例えば、切断器具(例えばハサミ、ナイフ)、スタンピング、レーザーのうちの1つ以上を使用することで、成形される。
【0490】
6904にて、任意で、いくつかの実施形態では、1つ以上の追加材料及び/または追加層がフィルムに加えられる。
【0491】
6906にて、任意で、いくつかの実施形態では、フィルムが切断され、いくつかの実施形態では、1つ以上の個別の眼科デバイスが作り出される。例えば、単一のフィルム部分を使用して、複数の眼科デバイスが提供される。この時、いくつかの実施形態では、機械的手段及び化学的手段のうちの1つ以上により、切断が行われる。例えば、切断器具(例えばハサミ、ナイフ)、スタンピング、レーザーのうちの1つ以上を使用することで、行われる。
【0492】
6908にて、いくつかの実施形態では、デバイスが成形される。例えば、ステップ6902に関して説明された1つ以上の特徴に従って、成形される。
【0493】
6910にて、いくつかの実施形態では、任意で、いくつかの実施形態では、1つ以上の追加材料及び/または追加層が、デバイス及び/またはデバイスの一部に加えられ、例えばいくつかの実施形態では、材料がデバイスの外周及び/または縁端領域(複数可)に加えられる。
【0494】
6912にて、いくつかの実施形態では、任意で、デバイスが成形される。例えば、ステップ6902に関して説明された1つ以上の特徴に従って、成形される。
【0495】
6914にて、いくつかの実施形態では、デバイスは(及び/または完成したデバイスは)、パッケージ化される。例えば、単一デバイスパッケージ及び/またはマルチデバイスパッケージにパッケージ化される。いくつかの実施形態では、デバイスは、キットにパッケージ化される。この時、いくつかの実施形態では、キットは、1つ以上のデバイスと、デバイス及び/または対象者の眼に加えるための挿入ツール、追加薬剤(複数可)、追加製剤(複数可)のうちの1つ以上と、を含む。
【0496】
デバイスは、いくつかの実施形態では、挿入ツールに取り付けられてパッケージ化され、これにより、潜在的に、対象者の眼にデバイスを付ける際の安全性及び容易さのうちの1つ以上が高まる。
【0497】
いくつかの実施形態では、挿入ツールは、カップ形状(例えばシンブル形状)を有し、デバイス用の表面を含み、例えばいくつかの実施形態では、デバイスは、カップ形状の開口部に配置される。この時、いくつかの実施形態では、カップ形状は柔軟であり、カップ形状を圧搾すると、デバイスは、デバイスが付着することが望まれる表面に向かって推し進められる。いくつかの実施形態では、挿入ツールは、他の任意の部分(複数可)を有する細長いシンブル形状である。
【0498】
いくつかの実施形態では、デバイスは、製造プロセスの最後に湿潤に保たれ、例えば水和状態でパッケージ化される。あるいは、いくつかの実施形態では、デバイスは、乾燥され得る。いくつかの実施形態では、デバイスは(例えば乾燥後)、乾燥状態及び/または半水和状態でパッケージ化される。
【0499】
6916にて、いくつかの実施形態では、デバイスは滅菌される。例えば、ガンマ線、ETO、蒸気のうちの1つ以上を使用して、滅菌される。
【0500】
いくつかの実施形態では、ステップ6914及び6916の順序が逆である。
【0501】
デバイス製造の実施例1
いくつかの実施形態では、フィルム(例えば本明細書の他の箇所でフィルムに関して説明され及び/または示される1つ以上の特徴による)は、所望の形状(例えば図面の形状のうちの1つ以上の形状の1つ以上の特徴を含む形状)に切断される。例えば、パンチを使用して、切断される。この時、いくつかの実施形態では、フィルムは、ディスク形状に切断される。
【0502】
いくつかの実施形態では、形状(例えばディスク)はモールドに挿入されプレスされることで、ディスクの前面及び/または後面が所望の湾曲に適合し、これは例えば、いくつかの実施形態では、デバイスの縁端が所望の縁端形状に成形されることを含む。
【0503】
いくつかの実施形態では、余分な材料は除去され(例えばレーザー切断により)及び/またはデバイスの縁端(複数可)は平滑化される。
【0504】
いくつかの実施形態では、デバイスは、その後パッケージ化され、及び/または滅菌処理に送られる。
【0505】
デバイス製造の実施例2
いくつかの実施形態では、フィルム(例えば本明細書の他の箇所でフィルムに関して説明され及び/または示される1つ以上の特徴による)が、成形される。例えば、モールドを使用して、成形される。この時、いくつかの実施形態では、フィルムに圧力及び/または熱が加えられて、フィルムはモールドに適合し、例えばデバイスの内側湾曲及び外側湾曲、並びに/あるいは所望の縁端形状が形成される。
【0506】
いくつかの実施形態では、成形されたフィルムは、例えば楕円形に、レーザー切断される。
【0507】
いくつかの実施形態では、余分な材料は除去され(例えばレーザー切断により)及び/またはデバイスの縁端(複数可)は平滑化される。
【0508】
いくつかの実施形態では、デバイスは、その後パッケージ化され、及び/または滅菌処理に送られる。
【0509】
デバイス製造の実施例3
「デバイス製造の実施例2」の最終デバイスを使用して、デバイスの外周(例えば縁端領域)に追加材料が加えられ、例えば所望の縁端特性、例えば形状及び/または材料組成がもたらされる。
【0510】
いくつかの実施形態では、デバイスは、その後パッケージ化され、及び/または滅菌処理に送られる。
【0511】
デバイス製造の実施例4
いくつかの実施形態では、フィルム(例えば本明細書の他の箇所でフィルムに関して説明され及び/または示される1つ以上の特徴による)が提供される。いくつかの実施形態では、潤滑フィルム層に、トンネル(複数可)が切り通され、並びに/あるいはキャビティ(複数可)及び/または孔が切り取られ及び/または作り出され及び/または開けられる。
【0512】
いくつかの実施形態では、次にフィルムは、例えばパンチを使用して、ディスク形状に切断される。
【0513】
いくつかの実施形態では、フィルムは成形される。例えば、モールドを使用して、成形される。この時、いくつかの実施形態では、フィルムに圧力及び/または熱が加えられて、フィルムはモールドに適合し、例えばデバイスの内側湾曲及び外側湾曲、並びに/あるいは所望の縁端形状が、フィルム上に形成される。
【0514】
いくつかの実施形態では、余分な材料は除去され(例えばレーザー切断により)及び/またはデバイスの縁端(複数可)は平滑化される。
【0515】
いくつかの実施形態では、デバイスは、その後パッケージ化され、及び/または滅菌処理に送られる。
【0516】
デバイス製造の実施例5
いくつかの実施形態では、フィルム(例えば本明細書の他の箇所でフィルムに関して説明され及び/または示される1つ以上の特徴による)が提供される。いくつかの実施形態では、粘膜付着フィルム層に、トンネル(複数可)が切り通され、並びに/あるいはキャビティ(複数可)及び/または孔が切り取られ及び/または作り出され及び/または開けられる。
【0517】
いくつかの実施形態では、次にフィルムは、例えばパンチを使用して、ディスク形状に切断される。
【0518】
いくつかの実施形態では、フィルムは成形される。例えば、モールドを使用して、成形される。この時、いくつかの実施形態では、フィルムに圧力及び/または熱が加えられて、フィルムはモールドに適合し、例えばデバイスの内側湾曲及び外側湾曲、並びに/あるいは所望の縁端形状が、フィルム上に形成される。
【0519】
いくつかの実施形態では、余分な材料は除去され(例えばレーザー切断により)及び/またはデバイスの縁端(複数可)は平滑化される。
【0520】
いくつかの実施形態では、デバイスは、その後パッケージ化され、及び/または滅菌処理に送られる。
【0521】
デバイス製造の実施例6
デバイスの製造は、上記の説明に従って予め作られたフィルムに基づき、続いて追加プロセスが実行される。
【0522】
いくつかの実施形態では、フィルムは、例えばレーザー切断を使用して、ディスク形状に切断される。
【0523】
いくつかの実施形態では、ディスク形状のフィルム部分が成形される。例えば、モールドを使用して、成形される。この時、いくつかの実施形態では、フィルムに圧力及び/または熱が加えられて、フィルムはモールドに適合し、例えばデバイスの内側湾曲及び外側湾曲、並びに/あるいは所望の縁端形状が、フィルム上に形成される。
【0524】
いくつかの実施形態では、デバイスは、分配ツール及び/または挿入ツールに連結される。
【0525】
いくつかの実施形態では、デバイスは、その後パッケージ化され、及び/または滅菌処理に送られる。
【0526】
いくつかの実施形態では、デバイス製造の実施例1~5のデバイスのうちの1つ以上に対して、1つ以上の追加プロセス、例えば層(複数可)の追加及び/または治療薬(複数可)の追加及び/または化合物の追加が、例えばパッケージ化及び/または滅菌処理の前に、行われる。
【0527】
図70は、本発明のいくつかの実施形態による、フィルム製造方法である。
【0528】
7000にて、いくつかの実施形態では、支持シート上に第1の溶液がキャストされる。
【0529】
いくつかの実施形態では、第1の溶液は、粘膜付着材料を含み、例えば、キャスティング後、粘膜付着材料は、粘膜付着性の第1の層を形成する。任意で、いくつかの実施形態では、粘膜付着溶液(及び/または粘膜付着層)は、治療薬(複数可)を含む。代替的または追加的に、いくつかの実施形態では、第1の溶液のキャスティング後、キャスティングされた表面に(表面乾燥の前及び/または後に)治療薬(複数可)が加えられる。
【0530】
いくつかの実施形態では、第1の溶液は、潤滑材料を含み、例えば、キャスティング後、潤滑材料は、潤滑性の第1の層を形成する。任意で、いくつかの実施形態では、潤滑溶液(及び/または潤滑層)は、治療薬(複数可)を含む。代替的または追加的に、いくつかの実施形態では、第1の溶液のキャスティング後、キャスティングされた表面に(表面乾燥の前及び/または後に)治療薬(複数可)が加えられる。
【0531】
いくつかの実施形態では、第1の溶液は、潤滑材料も粘膜付着材料も含まない。いくつかの実施形態では、第1の溶液は、治療物質を含み、及び/または第1の溶液をキャスティングすることにより形成された第1の層の表面に、治療薬(複数可)が加えられる。
【0532】
7002にて、任意で、いくつかの実施形態では、第1の層が処理される。
【0533】
例えば、第1の層が粘膜付着特性を有する場合、第1の層の表面に潤滑材料特性が与えられる。この時、処理は、例えば1つ以上の化学プロセス及び/または材料堆積を含む。
【0534】
例えば、第1の層が潤滑特性を有する場合、第1の層の表面に粘膜付着材料特性が与えられる。この時、処理は、例えば1つ以上の化学プロセス(例えばプラズマ処理)及び/または材料堆積(例えば付着剤の追加)を含む。
【0535】
いくつかの実施形態では、潤滑特性の付与(例えば一側面上)及び粘膜付着特性の付与(例えば反対側面上)の両方が第1の層に行われるように、第1の層は処理される。例えば、第1層が粘膜付着材料も潤滑材料も有さない場合に、両方が行われる。
【0536】
7004にて、任意で、いくつかの実施形態では、追加材料(例えばフィルム)が第1の表面に加えられる。例えば、第1の表面が覆われる。例えば、第1の表面の部分は例えばパターンで覆われ、例えば、特定の場所(複数可)に追加材料部分(複数可)を有する多層フィルムで最終的に製造されたデバイスの部分(複数可)が提供される。いくつかの実施形態では、第1の層が完全に乾燥する前に、追加物が加えられる。あるいは、いくつかの実施形態では、乾燥した第1の層に、追加物が加えられる。
【0537】
7006にて、任意で、いくつかの実施形態では、追加物が第1の層に付着される。例えば、付着剤及び/または付着溶接により、並びに/あるいは化学的手段及び/または物理的手段により、付着される。
【0538】
7008にて、任意で、いくつかの実施形態では、例えばフィルムを成形するように、フィルムは巧みに処理される。例えば、これは、
図69のステップ6902の1つ以上の特徴を含む。
【0539】
7010にて、任意で、いくつかの実施形態では、フィルム表面上に第2の溶液がキャストされ、第2の層が形成される。この時、いくつかの実施形態では、第1の層が粘膜付着材料を含む場合、第2の層は、中間層の特徴(複数可)及び/または材料(複数可)(例えば本明細書の他の箇所で説明される)、並びに/あるいは潤滑層の材料(例えば本明細書の他の箇所で説明される)を含む。
【0540】
7012にて、任意で、いくつかの実施形態では、第2の層は、乾燥され得る。
【0541】
7014にて、任意で、いくつかの実施形態では、例えばフィルムを成形するように、フィルムは巧みに処理される。例えば、これは、
図69のステップ6902の1つ以上の特徴を含む。
【0542】
いくつかの実施形態では、例えば本方法のステップのうちの1つ以上の後に、フィルム上に追加層がキャスティングされる。
【0543】
図71A~
図71Dは、本発明のいくつかの実施形態による、フィルムの簡略化された概略断面図である。
【0544】
【0545】
いくつかの実施形態では、
図71A~
図71Dは、本発明のいくつかの実施形態による、製造プロセスの異なる部分、例えば連続部分を示す。
【0546】
図72は、本発明のいくつかの実施形態による製造方法である。
【0547】
ここで
図71Aを参照すると、いくつかの実施形態では、基層7174は、フィルムであり、これは、例えば本明細書の他の箇所で説明されるフィルムの1つ以上の特徴を含む。例えば、いくつかの実施形態では、フィルムは単層を含む。例えば、いくつかの実施形態では、フィルムは複数の層を含み、例えば各層が異なる組成及び/または材料特性を有する。
【0548】
図72のステップ7200にて、例えば
図71Bを参照すると、いくつかの実施形態では、基層7174にキャビティ(複数可)が作られる。例えば、ジグ、プレス、パンチ、レーザー彫刻、穴あけ、分子インプリントポリマー(MIP)、3Dプリンティングのうちの1つ以上により、及び/またはこれらのうちの1つ以上を使用して、キャビティ(複数可)が作られる。
【0549】
図72のステップ7202にて、例えば
図71Cを参照すると、いくつかの実施形態では、キャビティ(複数可)は、例えば基層7174の材料とは異なる材料7178で充填される。
【0550】
図72のステップ7204にて、例えば
図72Dを参照すると、いくつかの実施形態では、1つ以上の追加層7180が、基層7174の上に加えられる。いくつかの実施形態では、追加層7180は、他の部分(複数可)7174、7178とは異なる特性(例えば異なる材料特性)を有する。
【0551】
いくつかの実施形態では、基層7174は粘膜付着材料を含み、充填材料7178は治療物質を含み、追加層7180は潤滑材料を含む。
【0552】
図73A~
図73Dは、本発明のいくつかの実施形態による、フィルムの簡略化された概略断面図である。
【0553】
図73E~
図73Fは、本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの簡略化された概略断面図である。
【0554】
【0555】
図73Aを参照すると、いくつかの実施形態では、フィルム7374が提供され、これは例えばフィルム及び/または層に関して説明される1つ以上の特徴を含むフィルムである(例えばいくつかの実施形態では、フィルム7374は、1つ以上の例示的なフィルム製造実施例の第1の層である)。
【0556】
いくつかの実施形態では、フィルム7374は、
図73Bに示される構成に成形される。この時、成形は、例えば
図69のステップ6902の1つ以上の特徴を含む。
【0557】
図73Cを参照すると、いくつかの実施形態では、追加材料7378が、成形されたフィルム7374に追加され、例えば成形されたフィルム上にキャストされ、これは例えば、
図69のステップ6904に関して説明される1つ以上の特徴を含む。
【0558】
図73Dを参照すると、いくつかの実施形態では、2つの層7374、7378を含むフィルムが成形され、成形は、例えば
図69のステップ6902の1つ以上の特徴を含む。
【0559】
図73Dを参照すると、いくつかの実施形態では、フィルムは、例えば
図73Dに示される点線に沿って、個別のデバイス7300に切断される。いくつかの実施形態では、切断は、
図69のステップ6906の1つ以上の特徴を含む。
【0560】
図73Fを参照すると、いくつかの実施形態では、デバイス7300が成形され、例えば、デバイス7300に追加の特徴7382が形成される。例えば、これは、
図69のステップ6902で説明される1つ以上の特徴を含む。例えば、1つ以上のキャビティ7382が形成される。この時、いくつかの実施形態では、キャビティ(複数可)は、その後、追加材料で充填される(例えばこれは、
図71B~
図71Dに示され及び/または関連して説明される1つ以上の特徴を含む)。
【0561】
図74A~
図74Cは、本発明のいくつかの実施形態による、デバイス7400の簡略化された概略断面図である。
【0562】
いくつかの実施形態では、デバイス7400は、第1の層7410及び第2の層7412を含む。いくつかの実施形態では、デバイス後面7416は、凹面である。いくつかの実施形態では、凹面は、追加材料7436で充填される。例えば、製造時に、及び/またはユーザにより例えば使用直前に、充填される。この時、いくつかの実施形態では、追加材料7436は、治療成分(複数可)を含む。この時、いくつかの実施形態では、追加材料7436は、粘膜付着剤を含む。この時、いくつかの実施形態では、眼と接触する局所適用の滞留時間を延ばすために、デバイス7400が使用される。この時、例えば、デバイス7400は眼の表面7404に密封状態で付き、追加材料7436が眼の表面に接触している状態をある期間保ち、例えばこの期間は、いくつかの実施形態では、例えば点眼薬及び/または軟膏の滞留時間よりも長い。この時、いくつかの実施形態では、期間は、10分~12時間、または10分~2時間、またはより短い、またはより長い、または中間の持続時間もしくは範囲である。
【0563】
いくつかの実施形態では、デバイス7400は、潤滑材料7412及び/または粘膜付着材料7410を含む。
【0564】
例示的なフィルムの例示的な製造
いくつかの実施形態では、フィルムは、2層~3層をキャストすることにより製造される。例えば、各層の溶液を連続的に、例えば支持表面(例えば支持シート)上に塗布することにより、製造される。
【0565】
支持シートは、いくつかの実施形態では、平坦なまたは湾曲した形状であり、並びに/あるいは、例えばキャビティ(複数可)及び/またはバルジ(複数可)などのパターン(複数可)を含む。
【0566】
支持シートは、いくつかの実施形態では、フィルム及び/または基層である。この時、例示的な支持シート材料には、テフロン(登録商標)フィルム、テフロン(登録商標)コーティング基層、シリコーンフィルム、シリコーン製基層及び/またはシリコーンコーティング基層、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、BoPETフィルム、メリネックス(Melinex)、MYLAR-A、ホスタファン(Hostaphan)、カプトン(Kapton)(ポリイミド)フィルム、及びこれらの組み合わせが含まれる。いくつかの実施形態では、支持シート材料は、潤滑材料及び/または付着材料なしで支持体上に第1の層をキャストできるものが選択される。
【0567】
いくつかの実施形態では、デバイスの第1の層(例えば潤滑層)が支持体表面上にキャストされ、その後に、任意で、1つ以上の中間層が続く。その後に、いくつかの実施形態では、粘膜付着層が続く。
【0568】
いくつかの実施形態では、別個に製造された(例えば予め作られた)フィルムの1つ以上の部分が、例えば層を形成するために、加えられる。
【0569】
いくつかの実施形態では、層をキャストする順序は逆であり、例えば、粘膜付着層が最初にキャストされ、続いて、任意で中間層(複数可)がキャストされ、その後、いくつかの実施形態では、潤滑層がキャストされる。
【0570】
いくつかの実施形態では、例えばキャスティングの代わりに、押出、射出、射出成形、めっき、蒸着、ラングミュアブロジェット法、スピンコーティング、ディップコーティングのうちの1つ以上により、層のうちの1つ以上が、前の層(複数可)及び/または支持体に加えられる。
【0571】
いくつかの実施形態では、予め作られた1つ以上のフィルム及び/または部分的(例えば微粒子及び/またはナノ粒子などの粒子)パーツは、例えば溶液及び/または製剤のキャスティングの一環で、及び/またはキャストされた層の間にて、デバイスに組み込まれる。
【0572】
いくつかの実施形態では、1つ以上の層(例えば各層)は、次の層をキャストする前に乾燥され得る。
【0573】
例示的な溶液
いくつかの実施形態では、CA:TEC溶液は、セルロースアセテート:TEC、TEC、アセトン、並びに任意で染料(複数可)及び/または着色料(複数可)を含む。
【0574】
いくつかの実施形態では、CA:TEC溶液は、最初にセルロースアセテートをアセトンに溶かし、続いてTEC溶液、並びに任意で染料(複数可)及び/または着色料(複数可)を加えて作られる。
【0575】
いくつかの実施形態では、クルーセル(Klucel)溶液は、クルーセル、水、エタノール、並びに任意で染料(複数可)及び/または着色料(複数可)を含む。
【0576】
いくつかの実施形態では、クルーセル溶液は、クルーセル粉末を水及びエタノールに溶かし、次に任意で染料(複数可)及び/または着色料(複数可)を加えることにより作られる。
【0577】
いくつかの実施形態では、コリコート(Kollicoat)溶液は、コリコート及びエタノールを含む。
【0578】
いくつかの実施形態では、コリコート溶液は、コリコートをエタノールに溶かすことにより作られる。
【0579】
いくつかの実施形態では、クルーセル/974/ロテプレドノール溶液は、クルーセル、カルボマー974、ロテプレドノール、及びエタノールを含む。
【0580】
いくつかの実施形態では、クルーセル/974/ロテプレドノール溶液は、クルーセル粉末をエタノールに溶かし、次にカルボマー974を溶液に加え、次にロテプレドノールを溶液に加えることにより作られる。
【0581】
いくつかの実施形態では、クルーセル/ジクロフェナク溶液は、クルーセル、ジクロフェナク、及びエタノールを含む。
【0582】
いくつかの実施形態では、クルーセル/ジクロフェナク溶液は、クルーセル粉末をエタノールに溶かし、次にジクロフェナクを溶液に加えることにより作られる。
【0583】
いくつかの実施形態では、エチルセルロース:PEG溶液は、エチルセルロース、アセトン/エタノール、及びPEG溶液を含む。
【0584】
いくつかの実施形態では、エチルセルロース:PEG溶液は、エチルセルロースをアセトン/エタノールに溶かし、続いてPEG溶液を加えることにより作られる。
【0585】
上記の実施例の材料は、本明細書の他の箇所で言及される他の材料のうちのいずれかに置き換えられてもよい。
【0586】
いくつかの実施形態では、例えばデバイス製造に使用される材料は、生体適合性を有し、並びに/あるいは乾燥及び/または処理されると生体適合性を有するようになる。
【0587】
いくつかの実施形態では、例えばデバイスに使用される材料は、下記から選択される。
ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)
カルボキシメチルセルロース(CMC)
ポリビニルアルコール(PVOH)
ポリエチレングリコール(PEG)
セルロースアセテート(CA)
ポリビニルアルコール-ポリエチレングリコールグラフト共重合体(コリコート(Kollicoat))
ポリアクリル酸(例えばカーボポール(Carbopol)またはカルボマー(Carbomer))
ポリアクリル酸(例えばカーボポール(Carbopol)またはカルボマー(Carbomer))
ヒアルロン酸
エチルセルロース(EC)
トリエチルシトレート(TEC)
グリセロール
デキストラン
これらの組み合わせ
【0588】
いくつかの実施形態では、デバイスは、例えば前のリストの単一の材料から構築される。この時、いくつかの実施形態では、材料の等級を利用して、並びに/あるいは材料を1つ以上の方法、例えば化学的に及び/または機械的に処理することにより、並びに/あるいは加熱及び/または冷却することにより、様々な層及び/または様々な材料特性が生み出される。
【0589】
溶液の他の例として、PVOH:PEG:グリセロール、またはPVOH:PEG:HPMC、またはPVOH:HPC、またはPVOH:コリコート:グリセロール、またはPVOH:コリコート:グリセロール:CMCが挙げられる。
【0590】
いくつかの実施形態では、材料は、任意の形態、構造、製剤、誘導体、組み合わせ、並びに/あるいは記載材料(複数可)の変形形態及び/または塩類を含む。
【0591】
いくつかの実施形態では、使用される材料の特性(複数可)を調整及び/または変更するために、並びに/あるいは選ばれた特性(例えば本明細書で説明される特性)を有するデバイスを得るために、追加材料が使用される。
【0592】
例示的な治療薬(複数可)
いくつかの実施形態では、治療薬(複数可)が溶液に追加され、及び/または乾いた層の上に置かれる。この時、いくつかの実施形態では、治療薬は、1つ以上の固体(平坦なシート、湾曲したシート、円形シート、楕円形シート、環状形体、球体、ロッド、バー)、粉末、軟膏、液体、ビーズ、分散体、溶液、ペレット、微粒子、ナノ粒子、微小球、及びマイクロカプセル、リポソーム、リソソーム、ミセル、及び逆ミセルの形態である。
【0593】
フィルムの実施例1
CA:TEC溶液が、第1の層として支持シート上にキャストされ、乾燥され得る。
【0594】
クルーセル(Klucel)溶液が、乾燥したCA:TECの第1の層上に第2の層としてキャストされ、その後乾燥され得る。
【0595】
フィルムの実施例2
CA:TEC溶液が、第1の層として支持シート上にキャストされ、乾燥され得る。
【0596】
治療薬が、クルーセル溶液に加えられる。結果得られるクルーセル溶液は、乾燥したCA:TECの第1の層フィルム上にキャストされて、第2の層を形成し、その後、乾燥され得る。
【0597】
フィルムの実施例3
1つ以上の治療薬が、CA:TEC溶液に加えられる。結果得られる溶液は、第1の層として支持シート上にキャストされ、乾燥され得る。
【0598】
治療薬が、クルーセル溶液に加えられる。結果得られる溶液は、乾燥したCA:TECの第1の層フィルム上にキャストされて、第2の層を形成し、乾燥され得る。
【0599】
フィルムの実施例4
CA:TEC溶液が、第1の層として支持シート上にキャストされ、乾燥され得る。
【0600】
治療薬が、いくつかの実施形態では、乾燥された層に加えられる。
【0601】
いくつかの実施形態では、治療薬は、付着剤により、付着溶接により、並びに/あるいは化学的手段及び/または物理的手段により、層に付着される。
【0602】
いくつかの実施形態では、フィルムは、治療薬を保持するように成形される。例えば、1つ以上のキャビティ及び/または突起が成形される。キャビティ(複数可)及び/または突起(複数可)は、いくつかの実施形態では、ジグ、プレス、パンチ、レーザー彫刻、穴あけ、分子インプリントポリマー(MIP)、3Dプリンティングのうちの1つ以上により、作成される。
【0603】
1つ以上の治療薬が、クルーセル溶液に加えられる。
【0604】
クルーセル溶液が、乾燥したCA:TEC(第1の層)フィルム上に第2の層としてキャストされ、乾燥され得る。
【0605】
フィルムの実施例5
1つ以上の治療薬が、CA:TEC溶液に加えられる。結果得られる溶液は、第1の層として支持シート上にキャストされ、乾燥され得る。
【0606】
1つ以上の治療薬が、クルーセル溶液に加えられる。結果得られる溶液は、第2の層として、乾燥したCA:TEC層上にキャストされ、その後、乾燥され得る。
【0607】
任意で、2層フィルムはその後、例えば1つ以上のキャビティ及び/または突起を有するように成形される。例えば、ジグ、プレス、パンチ、レーザー彫刻、穴あけ、分子インプリントポリマー(MIP)、3Dプリンティングにより、成形される。
【0608】
1つ以上の治療薬が、乾燥したクルーセル層に加えられる。この時、フィルムの形状(例えば前に行われた成形により与えられたフィルムの形状)は、治療薬を保持するようにフィルムを構成する。例えば、いくつかの実施形態では、キャビティ(複数可)が、治療薬を保持する。
【0609】
任意で、治療薬が、例えば化学的付着方法(複数可)及び/または物理的(例えば溶接)付着方法(複数可)で、付着される。
【0610】
次に、クルーセル溶液が、第3の層を形成するようにキャストされ、その後、乾燥され得る。
【0611】
フィルムの実施例6
コリコート(Kollicoat)溶液が、第1の層として支持シート上にキャストされ、乾燥され得る。
【0612】
CA:TEC溶液が、乾燥したコリコートの第1の層上に第2の層としてキャストされ、その後乾燥され得る。
【0613】
クルーセル溶液が、乾燥したCA:TECの第2の層上に第3の層としてキャストされ、その後乾燥され得る。
【0614】
フィルムの実施例7
CA:TEC溶液が、第1の層として支持シート上にキャストされ、乾燥され得る。
【0615】
いくつかの実施形態では、結果得られるCA:TECフィルムは、例えば選ばれた厚さプロファイル及び/または曲率及び/または他の特徴、例えば突起、キャビティ、開孔、穴、スライスを構成するように、成形される。
【0616】
クルーセル溶液が、乾燥したCA:TECの第1の層上に第2の層としてキャストされ、その後乾燥され得る。
【0617】
いくつかの実施形態では、フィルム形状は、例えば選ばれた厚さプロファイル及び/または曲率を有するように、並びに/あるいは1つ以上の突起(複数可)、キャビティ(複数可)、開孔(複数可)、穴(複数可)、スライス(複数可)などの特徴(複数可)を導入するように、巧みに処理される。
【0618】
フィルムの実施例8
CA:TEC溶液が、第1の層として支持シート上にキャストされる。
【0619】
いくつかの実施形態では、第1の層が乾いた後及び/または乾く前に、予め作られたフィルムの層及び/または第1の層の部分が、第1の層の領域(複数可)に(例えばパターンで)加えられる。
【0620】
いくつかの実施形態では、フィルムをCA:TECの第1の層に付着させるために、フィルムに対し1つ以上の手順が行われる。例えば、接着、加熱、及びプレスのうちの1つ以上が行われる。
【0621】
次に、クルーセル溶液がフィルム上にキャストされ、その後、乾燥され得る。
【0622】
フィルムの実施例9
支持シート表面及び/または支持シート表面のパーツが、予め作られたフィルムまたはフィルムのパーツで(例えば特定のパターンで)覆われる。
【0623】
任意で、いくつかの実施形態では、表面は次に、予め作られたフィルムを付着させるように、例えば接着、加熱、プレスのうちの1つ以上を使用して処理される。
【0624】
CA:TEC溶液が、支持シート及び予め作られたフィルム層の上にキャストされ、乾燥され得る。
【0625】
任意で、いくつかの実施形態では、表面は次に、予め作られたフィルムを付着させるように、例えば接着、加熱、プレスのうちの1つ以上を使用して処理される。
【0626】
クルーセル溶液が、乾燥したCA:TEC(第1の層)フィルム上にキャストされ、乾燥され得る。
【0627】
フィルムの実施例10
フィルムの製造は、溶液の調製に基づき、それに続いて2つのキャスティングプロセスが行われる。
【0628】
CA:TEC溶液が、第1の層として支持シート上にキャストされ、乾燥され得る。
【0629】
クルーセル/974/ロテプレドノール溶液が、乾燥したCA:TEC(第1の層)フィルム上に第2の層としてキャストされ、乾燥され得る。
【0630】
フィルムの実施例11
フィルムの製造は、溶液の調製に基づき、それに続いて2つのキャスティングプロセスが行われる。
【0631】
CA:TEC溶液が、第1の層として支持シート上にキャストされ、乾燥され得る。
【0632】
酢酸に溶かしたシプロフロキサシンが、クルーセル/974/シプロフロキサシン溶液に加えられる。
【0633】
クルーセル/974/シプロフロキサシン溶液が、乾燥したCA:TEC(第1の層)フィルム上に第2の層としてキャストされ、乾燥され得る。
【0634】
フィルムの実施例12
CA:TEC溶液が、第1の層として支持シート上にキャストされ、乾燥され得る。
【0635】
クルーセル/ジクロフェナク溶液が、乾燥したCA:TEC(第1の層)フィルム上に第2の層としてキャストされ、乾燥され得る。
【0636】
フィルムの実施例13
エチルセルロース:PEG溶液が、第1の層として支持シート上にキャストされ、乾燥され得る。
【0637】
クルーセル溶液が、乾燥したエチルセルロース:PEG(第1の層)フィルム上に第2の層としてキャストされ、乾燥され得る。
【0638】
フィルムの実施例14
エチルセルロース:PEG/イブプロフェン溶液が、エチルセルロース(EC)をアセトン/エタノールに溶かして、その後PEG溶液を加えて、次にイブプロフェンを加えて、作られる。
【0639】
EC:PEG/イブプロフェンキャスティングにて、EC:PEG/イブプロフェン溶液が、第1の層として支持シート上にキャストされ、乾燥され得る。
【0640】
クルーセル溶液が、乾燥したEC:PEG/イブプロフェン(第1の層)フィルム上に第2の層としてキャストされ、乾燥され得る。
【0641】
フィルムの実施例15
CA:TEC溶液が、第1の層として支持シート上にキャストされ、乾燥され得る。
【0642】
カルボキシメチルセルロース(CMC)溶液が、CMC粉末を水に溶かして、任意で染料及び/または着色料を加えて、作られる。
【0643】
CMC溶液が、乾燥したCA:TEC(第1の層)フィルム上に第2の層としてキャストされ、乾燥され得る。
【0644】
いくつかの実施形態では、追加のCMC層が、乾燥したCMC層の上にキャストされる。
【0645】
全般
本出願から特許権の存続期間が満了するまでの間、数多くの関連する眼科治療及び/または眼科デバイス及び/または治療成分が開発されることが見込まれ、眼科治療及び/または眼科デバイス及び/または治療成分という用語の範囲は、先験的に、このような全ての新技術を含むことが意図される。
【0646】
「約」という用語は、本明細書で使用される場合、±20%を意味する。
【0647】
「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(having)」という用語及びこれらの活用形は、「~を含むが、これらに限定されない」ことを意味する。
【0648】
表現「~から成る(consisting of)」は、「~を含み、これらに限定される」ことを意味する。
【0649】
表現「本質的に~から成る(consisting essentially of)」は、組成、方法、または構造が、追加の成分、ステップ、及び/または部品を含むが、追加の成分、ステップ、及び/または部品が、特許請求される組成、方法、または構造の基本的特性及び新規特性を実質的に変えない場合に限られることを意味する。
【0650】
本明細書で使用される単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上明らかに別段の指示がない限り、複数形の指示対象を含む。例えば、「化合物(a compound)」または「少なくとも1つの化合物(at least one compound)」という表現は、複数の化合物を含み、これらの混合物も含む。
【0651】
本出願を通して、本発明の様々な実施形態は、いくつかの実施形態では、範囲形式で提示される。範囲形式での記載は単に便宜及び簡潔さを目的にしており、本発明の範囲に対する柔軟性のない限定として解釈されるべきではないことを、理解されたい。従って、範囲の記載は、その範囲内の個々の数値だけでなく、全ての可能な部分範囲を、具体的に開示していると見なすべきである。例えば、1~6などの範囲の記載は、この範囲内の個々の数値、例えば1、2、3、4、5、及び6だけでなく、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6などの部分範囲を、具体的に開示していると見なすべきである。これは、範囲の幅に関係なく当てはまる。
【0652】
本明細書で数値範囲が示される場合はいつでも、それは、示された範囲内の任意の引用数字(分数または整数)を含むことを意味する。第1の指示数字と第2の指示数字との「間の範囲(複数可)」という句、及び第1の指示数字「から」第2の指示数字「までの範囲(複数可)」という句は、本明細書では互換的に使用され、第1の指示数字及び第2の指示数字、並びにこれらの間の全ての分数及び整数を含むことを意味する。
【0653】
「方法」という用語は、本明細書で使用される場合、所与のタスクを達成するための方式、手段、技法、及び手順を指し、これらは、化学、薬理学、生物学、生化学、及び医学の専門家に既知である方式、手段、技法、及び手順、または化学、薬理学、生物学、生化学、及び医学の専門家により既知の方式、手段、技法、及び手順から容易に開発される方式、手段、技法、及び手順を含むが、これらに限定されない。
【0654】
「治療する」という用語は、本明細書で使用される場合、状態の進行を抑止する、実質的に阻止する、遅らせる、または取り消す、状態の臨床的症状または審美的症状を実質的に改善する、あるいは状態の臨床的症状または審美的症状の出現を実質的に予防することを含む。
【0655】
明確にするために別々の実施形態の文脈で説明される本発明の特定の特徴は、単一の実施形態で組み合わせて提供されてもよいことが理解されよう。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈で説明される本発明の様々な特徴は、別々に、または任意の適切な部分的組み合わせで、または本発明の説明される任意の他の実施形態において適切に、提供されてもよい。様々な実施形態の文脈で説明される特定の特徴は、これらの要素なしでは実施形態が機能しない場合を除いて、これらの実施形態の本質的な特徴と見なすべきではない。
【0656】
本発明は、本発明の特定の実施形態に関連して説明されたが、数多くの代替形態、変更形態及び変形形態が当業者には明らかであろうことは明白である。従って、添付の特許請求の範囲の趣旨及び広い範囲に入るこのような全ての代替形態、変更形態、及び変形形態を包含することが意図される。
【0657】
本明細書で言及される全ての刊行物、特許、及び特許出願は、個々の刊行物、特許、及び特許出願が参照されると、参照により本明細書に組み込まれることが具体的かつ個別に注記されているかのように、参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれることが、出願者(複数可)により意図される。さらに、本出願におけるいずれの参考文献の引用または特定も、このような参考文献が本発明の先行技術として利用可能であることの承認として解釈されるべきではない。節の見出しが使用される範囲では、必ずしも限定的であると解釈するべきではない。さらに、本出願のいずれの優先権書類(複数可)も、その全体が参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【国際調査報告】