(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-30
(54)【発明の名称】骨インプラント
(51)【国際特許分類】
A61F 2/38 20060101AFI20230523BHJP
A61F 2/32 20060101ALI20230523BHJP
【FI】
A61F2/38
A61F2/32
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022564454
(86)(22)【出願日】2021-04-23
(85)【翻訳文提出日】2022-12-08
(86)【国際出願番号】 EP2021060632
(87)【国際公開番号】W WO2021214276
(87)【国際公開日】2021-10-28
(31)【優先権主張番号】102020205229.8
(32)【優先日】2020-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502154016
【氏名又は名称】アエスキュラップ アーゲー
【住所又は居所原語表記】Am Aesculap-Platz, 78532 Tuttlingen Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エルヴィラ ストリンスキー
(72)【発明者】
【氏名】マーク バックスマン
(72)【発明者】
【氏名】デニス ヘフゲン
(72)【発明者】
【氏名】ゲオルグ ヘティヒ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス グラップ
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA04
4C097AA07
4C097BB01
4C097CC01
4C097CC02
4C097CC05
4C097CC06
4C097DD01
4C097DD07
4C097DD10
4C097EE02
4C097MM02
4C097MM04
(57)【要約】
本発明は、軸方向の両側が開口した中空体の形態の本体であって、耐荷重性材料を含むか、または耐荷重性材料からなる本体と、および、本体をその外側において少なくとも部分的に包み、生体内分解性/生体内吸収性材料を含むか、または生体内分解性/生体内吸収性材料からなる包囲体、または本体から放射方向に突出し、生体内分解性/生体内吸収性材料を含むか、または生体内分解性/生体内吸収性材料からなる多数の成形体と、を有する骨インプラントに関する。本発明は、さらに、骨インプラントであって、特に先行する請求項のいずれかに記載の骨インプラントを製造するための方法に関し、骨インプラントが、付加製造プロセスによって製造されること、および/または、軸方向の両側が開口している中空体の形態の本体であって、耐荷重性材料を含むか、またはそれからなる本体が、付加製造プロセスによって、生体内分解性/生体内吸収性材料を含むか、またはそれからなる包囲体によって少なくとも部分的に包まれるか、または、生体内分解性/生体内吸収性材料を含むか、またはそれからなる多数の成形体に、成形体が本体から放射方向に突出するように、接続されることを特徴とする、方法に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨インプラントであって、
軸方向の両側が開口した中空体の形態の本体であって、耐荷重性材料を含むか、または耐荷重性材料からなる本体と、
前記本体をその外側において少なくとも部分的に包囲し、生体内分解性/生体内吸収性材料を含むか、または生体内分解性/生体内吸収性材料からなる包囲体、
または、
前記本体から放射方向に突出し、生体内分解性/生体内吸収性材料を含むか、または生体内分解性/生体内吸収性材料からなる多数の成形体と、
を含む、骨インプラント。
【請求項2】
前記本体は、角のない、特に円形、長円形、または楕円形の断面を有することを特徴とする、請求項1に記載の骨インプラント。
【請求項3】
前記本体は、円錐形であり、少なくとも部分的にテーパ状の内径を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の骨インプラント。
【請求項4】
前記本体が、1mm~30mm、特に5mm~20mm、好ましくは8mm~15mmの壁厚を有することを特徴とする、前記請求項のいずれかに記載の骨インプラント。
【請求項5】
前記本体の前記耐荷重性材料が、生体内非分解性/生体内非吸収性材料であることを特徴とする、前記請求項のいずれかに記載の骨インプラント。
【請求項6】
前記耐荷重性材料、特に前記生体内非分解性/生体内非吸収性材料が、チタンおよび/またはタンタルなどの金属、チタン合金などの合金、セラミック、プラスチック、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルエーテルエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトンケトン、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン、ポリオレフィン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする、前記請求項のいずれかに記載の、特に請求項5に記載の、骨インプラント。
【請求項7】
前記包囲体が、前記本体の層またはコーティングの形態であることを特徴とする、前記請求項のいずれかに記載の骨インプラント。
【請求項8】
前記包囲体が、0.1mm~30mm、特に1mm~10mm、好ましくは2mm~5mmの厚さを有することを特徴とする、前記請求項のいずれかに記載の骨インプラント。
【請求項9】
前記包囲体が、前記軸方向に不均一な形状および/または厚さを有することを特徴とする、先行する請求項のいずれかに記載の骨インプラント。
【請求項10】
前記包囲体の前記厚さは、前記包囲体の他端よりも前記包囲体の一端において大きく、及び/又は、前記包囲体の厚さは、前記包囲体の一端に向かって増加することを特徴とする請求項9に記載の骨インプラント。
【請求項11】
前記本体は、その外側において前記包囲体に部分的に包囲されていないことを特徴とする、前記請求項のいずれかに記載の骨インプラント。
【請求項12】
前記本体および/または前記包囲体および/または前記成形体が、多孔質表面、特に開孔および/または微細構造化表面を有することを特徴とする、前記請求項のいずれかに記載の骨インプラント。
【請求項13】
前記包囲体が、生体内分解速度/生体内吸収速度に関して互いに異なる少なくとも2つの異なる生体内分解性/生体内吸収性材料を含むか、または前記成形体がそれぞれ、生体内分解速度/生体内吸収速度に関して互いに異なる2つの異なる生体内分解性/生体内吸収性材料を含むことを特徴とする、前記請求項のいずれかに記載の骨インプラント。
【請求項14】
前記生体内分解性/生体内吸収性材料、特に前記少なくとも2つの異なる生体内分解性/生体内吸収性材料が、ポリラクチドおよび/またはポリグリコリドなどのポリヒドロキシアルカノエート、ポリカプロラクトン、β-リン酸三カルシウムなどのリン酸カルシウムおよび/またはヒドロキシアパタイトおよび/またはそれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする、前記請求項のいずれかに記載の、特に請求項13に記載の骨インプラント。
【請求項15】
骨インプラント、特に前記請求項のいずれかに記載の骨インプラント、を製造するための方法であって、
前記骨インプラントは付加製造プロセスによって製造され、
および/または、
軸方向の両側が開口した中空体の形態であり、耐荷重性材料を含むかまたはそれからなる本体が、前記付加製造プロセスによって、生体内分解性/生体内吸収性材料を含むかまたはそれからなる包囲体によって少なくとも部分的に包囲され、または、生体内分解性/生体内吸収性材料を含むかまたはそれからなる多数の成形体に、前記成形体が前記本体から放射方向に突出するように接続されることを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に骨欠損部を治療しまたは取り扱うための、および/または関節インプラント、好ましくは膝関節インプラントを固着または固定するための、骨インプラントに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、関節の再置換手術における複雑な骨欠損部は、主要な課題である。これは、特に、複雑な脛骨または大腿骨の骨欠損部を治療し、または取り扱う場合に当てはまる。このような骨欠損部の治療または取り扱いは、脛骨(tibia)(脛骨(shinbone))および大腿骨(femur)(大腿骨(thighbone))の形状および/または幾何学的形状が、患者の身長、性別、および民族的起源に応じて自然に影響されるという事実によって、さらに困難になる。
【0003】
複雑な関節骨欠損部の治療は、一般に、2つの主要な目標、すなわち、骨欠損部を治療しまたは取り扱うために使用される骨インプラントを、高い一次安定性をもって骨床に安定して固着することと、元の生体力学的軸の再構築を追求することを伴う。
【0004】
従来のインプラントは、一般に、骨欠損部、特に脛骨または大腿骨の骨欠損部の形態学的条件、特に形状および/または幾何学的形状および/または比率を、限定された範囲でのみ再現するという欠点を有する。この結果、最適に皮質を支持するために、骨欠損部の形状および/または幾何学的形状および/またはサイズを特定のインプラントに適合させなければならない。関連する(追加の)骨損失は、今度は、任意の必要な再置換手術に関して好ましくない開始条件を作り出す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、従来の骨インプラントに関連して最初に記載された欠点を完全にまたは部分的に回避する骨インプラントを提供することである。特に、骨インプラントは、骨に優しい方法で骨欠損部を治療しまたは取り扱うことを可能にし、再置換手術のリスクを低減しなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、独立請求項1に記載の特徴を有する骨インプラントおよび請求項15に記載の方法によって達成される。本発明の好ましい実施形態は、従属請求項2~14および本明細書の主題である。すべての特許請求の範囲の文言は、明示的な参照により本明細書に組み込まれる。
【0007】
第1の態様によれば、本発明は、好ましくは骨欠損部、特に脛骨および/または大腿骨欠損部を治療しまたは取り扱うための、および/または関節インプラント、特に膝関節インプラントを固定または固着するための骨インプラントを提供する。
【0008】
骨インプラントは、軸方向の両側が開口した中空体の形態の本体であって、耐荷重性材料を含むか、または耐荷重性材料からなる本体と、および少なくとも部分的に、特に部分的にのみまたは完全に、本体または中空体をその外側において、すなわち、本体または中空体の外面を包囲し、生体内分解性/生体内吸収性材料を含むか、または生体内分解性/生体内吸収性材料からなる包囲体か、または放射方向に本体または中空体から突出し、生体内分解性/生体内吸収性材料を含むか、または生体内分解性/生体内吸収性材料からなる多数の成形体である包囲体と、を備える。
【0009】
「骨インプラント」という表現は、本発明の文脈において、骨欠損部、特に脛骨または大腿骨の骨欠損部を治療しまたは取り扱うための、および/または関節インプラント、特に膝関節インプラントの固定または固着のためのインプラントを意味すると理解されるべきである。
【0010】
「成形体」という表現は、本発明の文脈において、骨欠損部上/中、特に脛骨または大腿骨の骨欠損部上/中に本体または中空体を固定し、固着し、または支持するように設計された骨インプラントの本体または構成要素を意味すると理解されるべきである。
【0011】
「複数の成形体」という表現は、本発明の文脈において、少なくとも2つ、特に2つ以上の成形体、例えば2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つまたは10以上の成形体を意味すると理解されるべきである。
【0012】
「骨欠損部」という表現は、本発明の文脈において、骨組織、特に関節骨組織、好ましくは膝または股関節骨組織の喪失または損傷によって影響を受ける骨領域、特に関節骨領域、好ましくは膝または股関節骨領域を意味する。骨喪失または骨損傷は、骨折、骨外傷、壊死、(例えば、骨粗鬆症の結果としての)薄化、腫瘍疾患などの骨疾患、機械的応力の欠如(いわゆる応力遮蔽)、または外科的介入/再介入の結果、特に、好ましくは膝関節または股関節の全置換後の、再置換の結果であり得る。
【0013】
「生体内分解性/生体内吸収性」という表現は、本発明の文脈において、生体内分解性または生体内吸収性を意味する。
【0014】
「非生体内分解性/非生体内吸収性」という表現は、本発明の文脈において、非生体内分解性または非生体内吸収性を意味する。
【0015】
「生体内分解速度/生体内吸収速度」という表現は、本発明の文脈において、生体内分解速度または生体内吸収速度を意味する。
【0016】
「耐荷重性材料」という表現は、本発明の文脈において、変形または破壊を伴わず、または著しい変形または破壊を伴わずに、特に脛骨および/または大腿骨などの骨において通常生じる力に耐えることができる材料を意味すると理解されるべきである。
【0017】
「生体内分解性材料」という表現は、本発明の文脈において、特に酵素の作用下で、ヒトまたは動物の体内で代謝され得る材料を意味すると理解されるべきである。材料の分解は、無機化されるまで、すなわち化学成分が放出され、および無機化合物(例えば、二酸化炭素および/または酸素および/またはアンモニアなど)へ化学成分が組み込まれるまでずっと進行することができ、または分解安定性である中間体または変換生成物の段階に留まることができる。
【0018】
「生体内吸収性材料」という表現は、本発明の文脈において、材料の分解またはかなりの分解が起こることなく、例えば腎臓などの生細胞または生組織によってヒトまたは動物の体内に取り込まれ得る材料を意味すると理解されるべきである。
【0019】
「動物の体」という表現は、本発明の文脈において、例えば、ウマ、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ブタなどの非ヒト哺乳動物、または例えば、ヤギ、ラットもしくはマウスなどのげっ歯類の体を意味すると理解されるべきである。
【0020】
「軸方向に」という表現は、本発明の文脈において、例えば、骨インプラントの本体または中空体および/または包囲体などの構成要素または体の軸、特に対称軸、に沿っていることを意味すると理解されるべきである。
【0021】
「長手方向軸」という表現は、本発明の文脈において、例えば、本体または中空体および/または包囲体などの構成要素または本体の最大範囲の方向に対応する、例えば、骨インプラントの本体または中空体および/または包囲体などの構成要素または体の軸を意味すると理解されるべきである。
【0022】
「放射方向に」という表現は、本発明の文脈において、対称点、特に中心点から、および/または、例えば、骨インプラントの本体または中空体および/または包囲体などの構成要素または体の対称軸、特に中心軸、から離れる方向を指すことを意味すると理解されるべきである。
【0023】
「近位」という表現は、本発明の文脈において、身体の中心の方を向いているか、または身体の中心のより近くに位置することを意味すると理解されるべきである。
【0024】
「遠位」という表現は、本発明の文脈において、身体の中心から離れる方向を指すか、または身体の中心から離れて位置することを意味すると理解されるべきである。
【0025】
「円錐形中空体」という表現は、本発明の文脈において、側面または横方向面を有する中空体を意味すると理解されるべきであり、側面または横方向面は、中空体の対称軸、特に中心軸に対して少なくとも部分的に、特に部分的にのみまたは完全に傾斜している。
【0026】
本発明は、特に、以下の利点によって区別される。本体または中空体の耐荷重性材料により、医学的に十分な一次および二次安定性が、特に有利に達成可能である。一次安定性は、一般に、手術後の最初の数週間におけるインプラントの固定を意味すると理解され、この固定は、例えば、骨ねじなどの摩擦要素または締結要素に基づく。二次安定性は、骨癒着に基づくインプラントの固定を意味すると理解される。二次安定性は、一般に、外科的処置の約1ヶ月後に始まり、数年間持続することができる。さらに、包囲体または成形体の生体内分解性/生体内吸収性材料は、有利には、骨欠損部の生物学的再構築を可能にし、したがって骨欠損部のサイズ縮小を可能にする。結果として、特に、任意の再置換手術のための改善された開始条件を作り出すことが可能である。さらなる利点は、包囲体または成形体の生体内分解性/生体内吸収性材料を選択することにより、骨インプラントの機械的安定性を特に制御し、骨刺激および骨成長に特に影響を及ぼすことが可能になることである。特に、これは、骨インプラントの機械的安定性、骨刺激、および骨成長のバランスを互いに対してとることができる。本発明による骨インプラントは、脛骨および/または大腿骨の骨欠損部を治療しおよび/または取り扱うのに特に適している。
【0027】
本発明の一実施形態では、本体または中空体は、角のない、特に円形、長円形、または楕円形の断面を有する。
【0028】
本発明のさらなる実施形態では、本体または中空体は円錐形である。円錐本体または中空体は、特に、関節インプラントの延長シャフトのより安定した固着を可能にするという利点を有する。好ましくは、本体または中空体は、軸方向または長手方向において、テーパ状の断面積、特に連続的または不連続的にテーパ状の断面積、および/またはテーパ状の内径、特に連続的または不連続的にテーパ状の内径を有する。
【0029】
あるいは、本体または中空体は、軸方向または長手方向に、特に前述の方向全体にわたって、一定の断面積および/または一定の内径を有することができる。
【0030】
原則として、本体または中空体は、特に軸方向または長手方向において、一定の、すなわち均一な、または変化する、すなわち不均一な壁厚を有することができる。結果として、非対称の骨欠損部に適応することが特に有利に可能である。
【0031】
本発明のさらなる実施形態では、本体または中空体は、1mm~30mm、特に5mm~20mm、好ましくは8mm~15mmの壁厚を有する。
【0032】
さらに、本体または中空体は、特に軸方向または長手方向において、一定の、すなわち均一な、または変化する、すなわち不均一な形状を有することができる。結果として、非対称の骨欠損部に適応することも(また)特に有利に可能である。
【0033】
さらに、本体または中空体は、軸方向に、特に長手方向に、多数の開口または切欠き、すなわち、1つの開口/1つの切欠きのみまたは多数の開口/切欠きを有する壁を有することができる。開口/切欠きまたは開口/切欠きは、特にU字形とすることができる。好ましくは、本体または中空体の壁は、2つの開口/切欠き、特に2つの対向する開口/切欠きを有する。その結果、特に有利には、膝関節インプラントを本体または中空体内に配置することが可能である。すなわち、膝関節インプラントの脛骨構成要素は、安定した固着と回転安定性を維持するために、中央から側面に向けに取り付けられた「ウイング」を有する。
【0034】
本発明のさらなる実施形態では、本体または中空体の耐荷重性材料は、生体内非分解性/生体内非吸収性材料である。結果として、骨インプラントの特に効果的な一次安定性および二次安定性が、特に有利に実現可能である。
【0035】
生体内非分解性/生体内非吸収性材料は、好ましくは、金属、合金、セラミック、プラスチックおよびそれらの組み合わせ、特に混合物からなる群から選択される。
【0036】
金属は、特に、タンタル、チタン、鉄、ジルコニウム、ニオブ、金および白金からなる群から選択することができる。特に好ましいのは、チタンである。
【0037】
合金は、特に、マグネシウム合金、タンタル合金、チタン合金、クロム-コバルト合金、クロム-コバルト-モリブデン合金、鉄合金、ステンレス鋼などの鋼、ジルコニウム合金、ニオブ合金、金合金、白金合金、およびそれらの組み合わせ、特に混合物からなる群から選択することができる。チタン合金、特にTi-6Al-4Vが特に好ましい。
【0038】
プラスチックは、特に、ポリエーテルケトン、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、コポリマーおよびそれらの組み合わせ、特に混合物(ブレンド)からなる群から選択することができる。
【0039】
ポリエーテルケトンは、特に、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルエーテルエーテルケトン(PEEEK)、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)、これらのコポリマーおよびこれらの組み合わせ、特にこれらの混合物(ブレンド)からなる群から選択することができる。ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)が特に好ましい。
【0040】
ポリオレフィンは、特に、ポリエチレン(PE)、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、高分子量ポリエチレン(HMWPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロプロピレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、これらのコポリマーおよびこれらの組み合わせ、特にこれらの混合物(ブレンド)からなる群から選択することができる。
【0041】
ポリエステルは、特に、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、それらのコポリマーおよび組み合わせ、特に混合物(ブレンド)からなる群から選択することができる。
【0042】
本発明のさらなる実施形態では、包囲体は、本体または中空体の層またはコーティングの形態である。
【0043】
本発明のさらなる実施形態では、包囲体は、0.1mm~30mm、特に1mm~10mm、好ましくは2mm~5mmの厚さを有する。
【0044】
さらに、包囲体は、特に軸方向または長手方向において、一定の、すなわち均一な厚さおよび/または一定の、すなわち均一な形状を有することができる。
【0045】
本発明のさらなる実施形態では、包囲体は、特に軸方向または長手方向において、変化する、すなわち不均一な形状および/または厚さを有する。その結果、(同様に)非対称な骨欠損部に適応することが特に有利に可能である。
【0046】
本発明のさらなる実施形態では、包囲体の厚さは、特に軸方向または長手方向において、包囲体の他端よりも包囲体の一端において厚く、および/または、包囲体の厚さは、特に軸方向または長手方向において、包囲体の一端に向かって、特に連続的にまたは不連続的に増加し、および/または、包囲体の厚さは、特に軸方向または長手方向において、包囲体の一端から包囲体の他端まで特に連続的にまたは不連続的に増加する。
【0047】
骨インプラントが脛骨インプラント、すなわち、脛骨の骨欠損部を治療しまたは取り扱うためのインプラントである場合、包囲体の厚さは、好ましくは、特に軸方向または長手方向において、包囲体の近位端よりも包囲体の遠位端において大きく、および/または、包囲体の厚さは、好ましくは、特に軸方向または長手方向において、包囲体の遠位端に向かって、特に連続的にまたは不連続的に増加し、および/または、包囲体の厚さは、好ましくは、特に軸方向または長手方向において、包囲体の近位端から包囲体の遠位端に向かって、特に連続的にまたは不連続的に増加する。
【0048】
骨インプラントが大腿骨インプラント、すなわち、大腿骨の骨欠損部を治療しまたは取り扱うためのインプラントである場合、包囲体の厚さは、好ましくは、特に軸方向または長手方向において、包囲体の遠位端よりも包囲体の近位端で大きく、および/または、包囲体の厚さは、好ましくは、特に軸方向または長手方向において、包囲体の近位端に向かって、特に連続的にまたは不連続的に増加し、および/または、包囲体の厚さは、好ましくは、特に軸方向または長手方向において、包囲体の遠位端から包囲体の近位端に向かって、特に連続的にまたは不連続的に増加する。
【0049】
本発明のさらなる実施形態では、本体または中空体は、その外側において包囲体に部分的に包囲されていない。
【0050】
本発明のさらなる実施形態では、本体または中空体は、多孔質表面、特に開孔および/または微細構造化表面を有する。これは、骨統合、すなわち、天然骨組織の取り込みまたは内部成長を誘導することができる。これは、特に有利には、本体、ひいては骨欠損部上/中の骨インプラントの安定した固定または固着を促進する。その結果、特に二次安定性を改善することが可能である。さらに、骨組織の取り込みまたは内部成長は、骨欠損部サイズの減少を有利にもたらす。
【0051】
好ましくは、本体または中空体の多孔質表面、特に開孔表面は、10μm~400μm、特に50μm~200μm、好ましくは100μm~135μmの、スキャン型電子顕微鏡法および/または水銀ポロシメトリーによって決定される直径、特に平均直径を有する孔を有する。この段落に開示された孔径は、本体または中空体の骨統合に関して特に有利である。
【0052】
さらに、本体または中空体の孔、特に表面孔は、生体内分解性/生体内吸収性材料で充填することができる。孔は、特に、生体内分解性/生体内吸収性材料で部分的にのみ又は完全に充填され得る。好ましくは、本体または中空体の孔、特に表面孔を充填する生体内分解性/生体内吸収性材料と、包囲体または多数の成形体の生体内分解性/生体内吸収性材料とは、互いに異なる。結果として、多段階、例えば2段階の、骨インプラントの分解または吸収動力学を生むことができる。これは、有利には、骨インプラントの機械的安定性、骨刺激、および骨成長のバランスを互いに対してとるさらなる方法である。好適な生体内分解性/生体内吸収性材料に関しては、包囲体および多数の成形体に関連して以下の説明に開示される生体内分解性/生体内吸収性材料が参照される。
【0053】
本体または中空体の微細構造化表面は、例えば、金属構造、特に金属格子構造によって形成することができる。好ましくは、金属構造、特に金属格子構造は、チタン構造、特にチタン格子構造である。関連するチタニウム構造は、例えば、Structan(登録商標)の名称で市販される。本体または中空体のためのさらなる適切な材料に関しては、本体または中空体に関連して記載された上記材料が参照される。
【0054】
「微細構造化表面」という表現は、本発明の文脈において、構造要素、特に窪みおよび/または隆起の形態の構造要素を有する表面を意味すると理解されるべきであり、前記構造要素は、マイクロメートル単位の寸法、例えば深さおよび/または高さを有する。
【0055】
例えば、本体または中空体の微細構造化表面は、20μm~1000μm、特に100μm~600μm、好ましくは300μm~400μmの深さの窪み、および/または20μm~1000μm、特に100μm~600μm、好ましくは300μm~400μmの高さの隆起を有することができる。
【0056】
さらに、本体または中空体の表面は、本体または中空体のコーティングによって形成することができる。言い換えれば、本体または中空体の表面は、本体または中空体をコーティングしまたは被覆するコーティングの表面であり得る。コーティングは、少なくとも部分的に、特に部分的にのみ又は完全に、本体又は中空体をコーティング又は被覆することができる。さらに、コーティングは、0.01μm~1000μm、特に1μm~100μm、好ましくは10μm~50μmの厚さを有することができる。さらに、コーティングは、20%~90%、特に50%~85%、好ましくは60%~80%の多孔率を有することができる。好ましくは、コーティングは、チタン、すなわち元素または金属チタン、またはリン酸カルシウム、好ましくはヒドロキシアパタイトを含む。例えば、コーティングは、純チタンコーティング、すなわち、チタンからなるコーティングであり得る。関連するコーティングは、例えば、出願人がPlasmapore(登録商標)の名称で実施する方法によって製造することができる。ここで、純チタン粉末は、真空または負圧下でプラズマコーティング処理によって、150μmの厚さおよび35%~60%の多孔率で、コーティングされる基材に適用される。コーティングのためのさらなる適切な材料に関しては、本体または中空体に関連して記載された上記の材料が参照される。
【0057】
本発明のさらなる実施形態では、包囲体は、多孔質表面、特に開孔および/または微細構造化表面を有する。これは、(同様に)骨統合を誘発し、骨インプラントの二次安定性を改善することができ、包囲体の材料に応じて、骨欠損部のサイズを低減することができる。好ましくは、包囲体の多孔質表面、特に開孔表面は、20μm~1000μm、特に50μm~500μm、好ましくは100μm~300μmの、スキャン型電子顕微鏡法および/または水銀ポロシメトリーによって決定される直径、特に平均直径を有する孔を有する。この段落に開示された孔径は、包囲体の骨統合に関して特に有利である。
【0058】
さらに、包囲体の孔、特に表面孔は、生体内分解性/生体内吸収性材料で充填することができる。孔は、特に、生体内分解性/生体内吸収性材料で部分的にのみ又は完全に充填され得る。好ましくは、包囲体の孔、特に表面孔を充填する生体内分解性/生体内吸収性材料と、包囲体の生体内分解性/生体内吸収性材料とは、互いに異なる。結果として、多段階、例えば2段階の、骨インプラントの分解または吸収動力学を形成することができる。これは、有利には、骨インプラントの機械的安定性、骨刺激、および骨成長のバランスを互いに対してとるさらなる方法である。好適な生体内分解性/生体内吸収性材料に関しては、包囲体に関連して以下の説明に開示される生体内分解性/生体内吸収性材料が参照される。
【0059】
さらに、包囲体の微細構造化表面は、20μm~1000μm、特に100μm~600μm、好ましくは300μm~400μmの深さの窪み、および/または20μm~1000μm、特に100μm~600μm、好ましくは300μm~400μmの高さの隆起を有することができる。
【0060】
さらに、包囲体の表面は、包囲体のコーティングによって形成することができる。言い換えれば、包囲体の表面は、包囲体をコーティングしまたは被覆するコーティングの表面であってもよい。コーティングは、少なくとも部分的に、特に部分的にのみ又は完全に、包囲体をコーティング又は被覆することができる。さらに、コーティングは、0.01μm~1000μm、特に1μm~100μm、好ましくは10μm~50μmの厚さを有することができる。さらに、コーティングは、20%~90%、特に50%~85%、好ましくは60%~80%の多孔率を有することができる。コーティングのための適切な材料に関しては、包囲体に関連して、この後に更に記載される材料が参照される。
【0061】
本発明のさらなる実施形態では、成形体または成形体の一部のみが、多孔質表面、特に開孔および/または微細構造化表面を有する。
【0062】
特に、成形体の多孔質表面、特に開孔表面は、50μm~900μm、特に150μm~700μm、特に好ましくは300μm~400μmの、スキャン型電子顕微鏡法および/または水銀ポロシメトリーによって決定される直径、特に平均直径を有する孔を有することができる。成形体の微細構造化表面は、50μm~900μm、特に150μm~700μm、好ましくは300μm~400μmの深さの窪み、および/または50μm~900μm、特に150μm~700μm、好ましくは300μm~400μmの高さの隆起を有することができる。その結果、骨統合、および成形体の材料に応じて、生物学的再構成、したがって治療されまたは取り扱われる骨欠損部のサイズ縮小が、(同様に)特に有利に達成可能である。
【0063】
さらに、成形体の孔、特に表面孔は、生体内分解性/生体内吸収性材料で充填することができる。孔は、特に、生体内分解性/生体内吸収性材料で部分的にのみ又は完全に充填され得る。好ましくは、成形体の孔、特に表面孔を充填する生体内分解性/生体内吸収性材料と、成形体の生体内分解性/生体内吸収性材料とは、互いに異なる。結果として、多段階、例えば2段階で、骨インプラントの分解または吸収動力学を生むことができる。これは、有利には、骨インプラントの機械的安定性、骨刺激、および骨成長のバランスを互いに対してとるさらなる方法である。好適な生体内分解性/生体内吸収性材料に関しては、成形体に関連して以下の説明に開示される生体内分解性/生体内吸収性材料が参照される。
【0064】
さらに、成形体または成形体の一部の多孔質表面、特に開孔表面は、成形体のコーティングによって形成することができる。コーティングは、少なくとも部分的に、特に部分的にのみ又は完全に、成形体をコーティング又は被覆することができる。さらに、コーティングは、0.01μm~1000μm、特に1μm~100μm、好ましくは10μm~50μmの厚さを有することができる。さらに、コーティングは、20%~90%、特に50%~85%、好ましくは50%~70%の多孔率を有することができる。コーティングのためのさらなる適切な材料に関しては、成形体に関連して以下に記載される材料が参照される。
【0065】
さらに、成形体または成形体のいくつかの微細構造化表面は、50μm~900μm、特に150μm~700μm、好ましくは300μm~400μmの深さの窪み、および/または50μm~900μm、特に150μm~700μm、好ましくは300μm~400μmの高さの隆起を有することができる。
【0066】
さらに、成形体は、1mm~30mm、特に5mm~20mm、好ましくは8mm~15mmの厚さ、すなわち壁厚または高さ、特に一定、すなわち均一、または変化する、すなわち不均一な厚さ、すなわち壁厚または高さを有することができる。有利には、骨インプラントの総壁厚を、成形体の厚さまたは包囲体の厚さと本体または中空体の壁厚との両方を介して、特定の、したがって用途に応じた方法で制御することができる。
【0067】
さらに、成形体は、好ましくはシートの形態であり、すなわち、成形体は、好ましくは成形体の厚さ(高さ)よりも大きい長さおよび幅を有する。好ましくは、成形体は、板状および/または円板状である。特に、成形体はそれぞれ、互いに対向して配置された2つの主面を有することができ、そのそれぞれは、互いに対向して配置された2つの横側面と、互いに対向して配置された2つの長手方向側面とによって画定される。原則として、横側面は、平面、すなわち、平坦であるか、または湾曲しておらず、および/または湾曲しており、特に外向きに湾曲していることができる。さらに、原則として、長手方向側面は、平面、すなわち、平坦であるか、または湾曲しておらず、および/または湾曲しており、特に外向きに湾曲していることができる。例えば、成形体は、それぞれ、1つの湾曲した、特に外側に湾曲した長手方向側面と、それとは別に、平面側面、すなわち、1つの平面長手方向側面と、2つの平面横側面とを有することができる。
【0068】
さらに、成形体または成形体のいくつかは、それぞれ、少なくとも1つの所定の破断線、特に1つの所定の破断線のみ、または複数の所定の破断線を有することができる。所定の破断線は、好ましくは、成形体の長手方向に延在する。所定の破断線は、例えば、目打ち線、切欠き、又はスクラッチの形態であってもよい。その結果、成形体、ひいては骨インプラントを患者特有の骨欠損部へさらに適合可能である。特に、これは、骨インプラントへの骨欠損部の適応による骨損失を(さらに)低減または完全に回避することができる。
【0069】
本発明のさらなる実施形態では、包囲体は、少なくとも2つの異なる生体内分解性/生体内吸収性材料を含むか、または少なくとも2つの異なる生体内分解性/生体内吸収性材料からなり、これらの材料は、それらの生体内分解速度/生体内吸収速度に関して互いに異なる。結果として、骨インプラントの機械的安定性および骨欠損部の生物学的再構成のさらなる時間的制御が達成可能である。特に、これは、骨インプラントの機械的安定性、骨刺激、および骨成長のバランスを互いに対してより良好にとることができる。
【0070】
本発明のさらなる実施形態では、成形体または成形体のいくつかは、それぞれ少なくとも2つの異なる生体内分解性/生体内吸収性材料を含むか、または成形体または成形体のいくつかはそれぞれ、少なくとも2つの異なる生体内分解性/生体内吸収性材料からなり、これらの材料は、それらの生体内分解速度/生体内吸収速度に関して互いに異なる。結果として、骨インプラントの機械的安定性および骨欠損部の生物学的再構成のさらなる時間的制御が(同様に)達成可能である。特に、これは、骨インプラントの機械的安定性、骨刺激、および骨成長のバランスを互いに対してより良好にとることができる。
【0071】
本発明のさらなる実施形態では、生体内分解性/生体内吸収性材料、特に少なくとも2種の異なった生体内分解性/生体内吸収性材料は、金属、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリカプロラクトン、ポリ-p-ジオキサノン(ポリ-1,4-ジオキサン-2-オン)、ポリメチレンテレフタレート、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、炭酸カルシウム(CaCO3)、クエン酸カルシウム、乳酸カルシウム、酢酸カルシウム、酒石酸カルシウム、塩化カルシウム(CaCl2)、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)、水酸化マグネシウム(例えば、4 MgCO3×Mg(OH)2×5 H2 Oとして)、酸化マグネシウム(MgO)、クエン酸マグネシウム(Mg3(C6 H5 O7))またはMg(C6 H6 O7))、炭酸カルシウムマグネシウム(CaMg(CO3)2 およびそれらの組合せ、特に混合物からなる群から選択される。
【0072】
金属は、好ましくはマグネシウムである。
【0073】
ポリヒドロキシアルカノエートは、特に、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリ-3-ヒドロキシブチレート、ポリ-4-ヒドロキシブチレート、これらのコポリマーおよびこれらの組み合わせ、特にこれらの混合物(ブレンド)からなる群から選択することができる。
【0074】
リン酸カルシウムは、特に、α-リン酸三カルシウム(α-TCP)および/またはβ-リン酸三カルシウム(β-TCP)などのリン酸三カルシウム(TCP)、ヒドロキシアパタイト(HA)、カルシウム欠乏ヒドロキシアパタイト(CdHA)、置換ヒドロキシアパタイト、非化学量論的ヒドロキシアパタイト、ナノスケールヒドロキシアパタイトなどのアパタイト、リン酸四カルシウム(TTCP)、リン酸一カルシウム一水和物(MCPM)、リン酸一カルシウム無水物(MCPA)、リン酸二カルシウム無水物(DCPA)、リン酸二カルシウム二水和物(DCPD)、リン酸八カルシウム(OCP)、非晶質リン酸カルシウム(ACP)、グリセロリン酸カルシウムおよびその組合せ、特に混合物からなる群から選択することができる。
【0075】
硫酸カルシウムは、特に、硫酸カルシウム(CaSO4)、硫酸カルシウム半水和物(CaSO4 x 0.5 H2 O)、硫酸カルシウム二水和物(CaSO4 x 2 H2 O)およびそれらの組合せ、特に混合物からなる群から選択することができる。
【0076】
リン酸マグネシウムは、特に、水和物の形態の、または無水物としてのリン酸水素マグネシウム(MgHPO4)、リン酸トリマグネシウム(Mg3(PO4)2)、水和物の形態の、または無水物としてのリン酸二水素マグネシウム(Mg(H2 PO4)2)、グリセロリン酸マグネシウムおよびこれらの組合せ、特にそれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0077】
特に好ましくは、生体内分解性/生体内吸収性材料は、リン酸三カルシウムである。
リン酸三カルシウムは、結晶形態であり得る。特に、リン酸三カルシウムは、50%~99%、特に75%~95%の結晶化度を有し得る。さらに、リン酸三カルシウムは、微結晶リン酸三カルシウム、すなわち、マイクロメートル範囲、特に>0.5μm、特に0.6μm~500μm、好ましくは0.6μm~100μmの範囲内の少なくとも1つの寸法を有する微結晶を有するリン酸三カルシウムであり得る。少なくとも1つの寸法は、微結晶の長さおよび/または幅および/または厚さまたは高さおよび/または直径、特に平均直径であり得る。あるいは、リン酸三カルシウムは、ナノ結晶性リン酸三カルシウム、すなわち、ナノメートル範囲、特に0.1nm~500nm、好ましくは0.1nm~100nmの範囲内の少なくとも1つの寸法を有する微結晶を有するリン酸三カルシウムであり得る。少なくとも1つの寸法は、微結晶の長さおよび/または幅および/または厚さまたは高さおよび/または直径、特に平均直径であり得る。あるいは、リン酸三カルシウムは、マクロ結晶性リン酸三カルシウムであり得る。あるいは、リン酸三カルシウムは、非結晶質の形態であってもよい。さらに、リン酸三カルシウムは、相純粋(phase-pure)なリン酸三カルシウムであり得る。ここで、「相純粋」という表現は、特に、好ましくはASTM F1088に従って、関連する明細書の文脈における相純粋を意味すると理解されるべきである。さらに、リン酸三カルシウムは、<50%、特に<20%、好ましくは<15%の多孔率を有することができる。あるいは、リン酸三カルシウムは非多孔質であってもよい。好ましくは、リン酸三カルシウムは、α-リン酸三カルシウム(α-TCP)、β-リン酸三カルシウム(β-TCP)、およびそれらの混合物からなる群から選択される。特に好ましくは、リン酸三カルシウムは、好ましくは焼結α-リン酸三カルシウム(焼結α-TCP)、焼結β-リン酸三カルシウム(焼結β-TCP)およびそれらの混合物からなる群から選択される焼結リン酸三カルシウムである。
【0078】
あるいは、生体内分解性/生体内吸収性材料は、特に、ヒドロキシアパタイトであり得る。ヒドロキシアパタイトは、結晶形態であり得る。特に、ヒドロキシアパタイトは、50%~99%、特に75%~95%の結晶化度を有することができる。さらに、ヒドロキシアパタイトは、微結晶ヒドロキシアパタイト、すなわち、マイクロメートル範囲、特に>0.5μm、特に0.6μm~500μm、好ましくは0.6μm~100μmの範囲の少なくとも1つの寸法を有する微結晶を有するヒドロキシアパタイトであり得る。少なくとも1つの寸法は、微結晶の長さおよび/または幅および/または厚さまたは高さおよび/または直径、特に平均直径であり得る。あるいは、ヒドロキシアパタイトは、ナノ結晶ヒドロキシアパタイト、すなわち、ナノメートル範囲、特に0.1nm~500nm、好ましくは0.1nm~100nmの範囲の少なくとも1つの寸法を有する微結晶を有するヒドロキシアパタイトであり得る。少なくとも1つの寸法は、微結晶の長さおよび/または幅および/または厚さまたは高さおよび/または直径、特に平均直径であり得る。あるいは、ヒドロキシアパタイトは、マクロ結晶ヒドロキシアパタイトであり得る。さらに、ヒドロキシアパタイトは、相純粋ヒドロキシアパタイトであり得る。これに関連して、「相純粋」という表現は、特に、好ましくはASTM F1185に従って、関連する明細書の文脈における相純粋を意味すると理解されるべきである。さらに、ヒドロキシアパタイトは、<50%、特に<20%、好ましくは<15%の多孔率を有することができる。多孔率が低いことは、高い機械的安定性が達成され得ることを意味する。あるいは、ヒドロキシアパタイトは、非多孔質であってもよい。さらに、ヒドロキシアパタイトは、特に、焼結ヒドロキシアパタイトであり得る。
【0079】
さらに、包囲体および/または成形体または成形体の一部は、生体内非分解性/生体内非吸収性材料を含むことができ、またはそのような材料からなることができる。好適な生体内非分解性/生体内非吸収性材料に関しては、本体または中空体に関連して言及された上記材料が参照される。
【0080】
さらに、包囲体および/または成形体または成形体のいくつかは、生体内分解性/生体内吸収性材料および生体内非分解性/生体内非吸収性材料の両方を含むことができ、または生体内分解性/生体内材料吸収性材料および生体内非分解性/生体内非吸収性材料の両方からなることができる。好適な生体内分解性/生体内吸収性材料および生体内非分解性/生体内非吸収性材料に関しては、上記の開示された材料を完全に参照する。
【0081】
さらに、骨インプラントは、付加製造プロセスによって製造することができる。特に、包囲体および/または成形体は、付加製造プロセスによって、本体または中空体の外側において、すなわち、本体または中空体の外面に成形または接合することができる。そのような方法のさらなる特徴および利点に関して、本発明の第2の態様の文脈においてなされる以下の記述が完全に参照される。
【0082】
第2の態様によれば、本発明は、骨インプラント、特に本発明の第1の態様による骨インプラントを製造する方法を提供する。
【0083】
この方法は、付加製造プロセスによって、すなわち3D印刷によって骨インプラントを製造することを含む。
【0084】
代替として、または組み合わせて、軸方向の両側で開口した、または開口された中空体の形態の本体は、耐荷重性材料を含むか、または耐荷重性材料からなり、付加製造プロセスによって、すなわち、3D印刷によって、生体内分解性/生体内吸収性材料を含む包囲体によって、少なくとも部分的に、特に部分的にのみまたは完全に包囲され、特に一体的に包囲され、または、生体内分解性/生体内吸収性材料を含むか、または、生体内分解性/生体内吸収性材料からなる多数の成形体に、成形体が本体から放射方向に突き出るか、または突出するように、接続され、特に一体的に接続される。本体または中空体は、好ましくは円錐形である。
【0085】
「付加製造プロセス」または「3D印刷」という表現は、本発明の文脈において、特に骨インプラントなどのモデル、見本、プロトタイプ、ツール、半製品および最終製品の迅速かつ費用効率の高い製造のためのプロセスを意味すると理解されるべきである。これらのプロセスは、しばしば「ラピッドプロトタイピング(rapid prototyping)」とも呼ばれる。製造は、特に、例えば液体、溶融物、粉末などからの無形材料、または例えばテープ状またはワイヤ状の材料から等の、形状中性材料からの内部コンピュータデータモデルに基づいて、化学的および/または物理的処理により直接的に実行される。
【0086】
付加製造プロセスは、特に、材料および/または形状および/または幾何学的形状および/または表面構造に関して骨インプラントに特に影響を及ぼすという利点を提供する。
【0087】
付加製造プロセスは、特に、粉末床プロセス、自由空間プロセスおよび液体材料プロセスからなる群から選択することができる。
【0088】
粉末床プロセスは、選択的レーザ溶融、選択的レーザ焼結、選択的熱焼結、結合剤噴射及び電子ビーム溶融からなる群から選択することができる。
【0089】
自由空間プロセスは、溶融堆積モデリング、LOMプロセス(積層物体モデリングプロセス)、金属被覆、ワックス堆積モデリング、輪郭グラフティング、コールドスプレー及び電子ビーム溶融からなる群から選択することができる。
【0090】
液体材料プロセスは、光造形法、DLPプロセス(デジタル光処理プロセス)、およびLCMプロセスからなる群から選択することができる。
【0091】
LCMプロセスは、液体複合成形プロセスまたはリソグラフィベースのセラミック製造プロセスとすることができる。本方法、特に骨インプラント、本体、包囲体、および成形体のさらなる特徴および利点に関して、本発明の第1の態様の文脈においてなされた記載が完全に参照される。この点に関してなされた記載は、本発明の第2の態様による方法にも準用される。
【図面の簡単な説明】
【0092】
本発明のさらなる特徴および利点は、特許請求の範囲から、および図面を参照して以下に説明される本発明の好ましい例示的な実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
【
図1】本発明による骨インプラントの1つの実施形態を概略的に示す。
【
図2】本発明による骨インプラントのさらなる実施形態を概略的に示す。
【
図3】本発明による骨インプラントのさらなる実施形態を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0093】
(図面の詳細な説明)
図1に概略的に示される骨インプラント1は、本体10と、包囲体20とを備える。
【0094】
本体10は、軸方向Aの両側で開口しており、または開口されており、好ましくは円錐形の、中空体の形態である。
【0095】
本体10は、耐荷重性材料を含むか、または耐荷重性材料からなる。耐荷重性材料は、好ましくは、例えばチタン合金などの生体内非分解性/生体内非吸収性材料、または例えばポリエーテルエーテルケトンなどのプラスチックである。結果として、骨インプラント1が骨欠損部上に/骨欠損部内に配置された後の、骨インプラント1の十分な一次安定性および二次安定性が、特に有利に達成可能である。本体10のためのさらなる適切な材料に関しては、一般的な説明が参照される。
【0096】
好ましくは、
図1に示されるように、本体10は、包囲体20によって完全に取り囲まれ、または包囲される。包囲体20は、生体内分解性/生体内吸収性材料を含むか、またはそのような材料からなる。生体内分解性/生体内吸収性材料は、例えば、リン酸カルシウム、特にβ-リン酸三カルシウムおよび/またはヒドロキシアパタイトであり得る。あるいは、生体内分解性/生体内吸収性材料は、例えばポリカプロラクトンなどのポリマー、または例えばマグネシウムなどの金属であり得る。包囲体20のための更なる適切な材料に関しては、一般的な説明が参照される。
【0097】
(少なくとも部分的な)生体内分解性/生体内吸収性包囲体20により、例えば脛骨または大腿骨の骨の欠損部など、治療または取り扱い対象の骨の欠損部の生物学的再構築が、特に有利に達成可能である。骨欠損部のサイズは、生物学的再構成によって最小限に抑えることができることが特に有利である。これは、いかなる再置換手術のリスクも低減する。骨欠損部のサイズの減少により、再置換手術を成功裏に実行するためのより好ましい開始条件が生成され得る。
【0098】
本体10は、例えば、3mm~5mmの壁厚を有することができ、一方、包囲体20は、例えば、2mm~10mmのケーシング厚を有することができる。
【0099】
図1に示すように、包囲体20は、均一な厚さを有することができる。あるいは、包囲体は、特に軸方向または長手方向に不均一な厚さ(図示せず)を有することができる。その結果、特に、非対称な骨欠損部の構造を考慮することができる。
【0100】
さらに、包囲体20は、開孔表面を有することができる。あるいは、包囲体20は、完全に開孔されていてもよいし、全体にわたって開孔されていてもよい。包囲体20のための前述の2つの実施形態により、骨統合、すなわち、包囲体20の上および/または中への骨組織の取り込みおよび/または内部成長が、特に有利に達成可能である。これは、次に、骨インプラント1の一次および二次安定性のさらなる改善に寄与する。
【0101】
さらに、包囲体、特にその領域または層は、生体内分解速度/生体内吸収速度に関して互いに異なる、異なる複数の生体内分解性/生体内吸収性材料を含むことができる。結果として、包囲体20の様々な分解/吸収動力学、特に、骨インプラント1の機械的安定性、骨刺激、および骨成長の制御が、特に有利に可能である。
【0102】
図2は、本発明による骨インプラント1のさらなる実施形態を示す。
【0103】
骨インプラント1は、本体10と、本体10を部分的にのみ包囲する包囲体20とを備える。
【0104】
本体10は、軸方向Aの両側で開口しており、または開口されており、好ましくは円錐形の、中空体の形態である。本体10は、耐荷重性材料を含むか、または耐荷重性材料からなる。耐荷重性材料は、好ましくは、例えばチタン合金、特にチタン合金Ti-6Al-4Vなどの生体内非分解性/生体内非吸収性材料である。これは、チタン、アルミニウムおよびバナジウムならびに任意選択で不純物、特に鉄および/または酸素および/または炭素および/または窒素および/または水素の形態の不純物を含むチタン合金であり、またはチタン、アルミニウムおよびバナジウムおよび任意選択で不純物、特に鉄および/または酸素および/または炭素および/または窒素および/または水素の形態の不純物からなる。好ましくは、チタン合金は、チタンの他に、5.5質量%~6.75質量%、特に6質量%の割合のアルミニウム、3.5質量%~4.5質量%、特に4質量%の割合のバナジウム、任意選択で、0.4質量%の割合の鉄、および/または0.2質量%の割合の酸素、および/または0.08質量%の割合の炭素、および/または0.05質量%の割合の窒素、および/または0.015質量%の割合の水素、または前述の元素/成分からなる。特に、本体10は、好ましくはTi-6Al-4Vからなる格子構造を有することができる。本体10のためのさらなる適切な材料に関して、一般的な説明および
図1の説明が参照される。
【0105】
包囲体20によって本体10が部分的にのみ収容されるため、骨インプラント1の厚さは、用途に応じて制御されることが有利に可能である。好ましくは、骨インプラント1の非包囲領域12は、関節インプラントの延長シャフト(図示せず)を受容するように意図される。骨インプラント1が脛骨インプラントである場合、非包囲部12は骨インプラントの近位部分である。対照的に、骨インプラント1が大腿骨インプラントである場合、非包囲部12は、骨インプラントの遠位部分である。
【0106】
骨インプラント1、特に本体10および包囲体20のさらなる特徴および利点に関して、繰り返しを避けるために
図1の説明を完全に参照する。骨インプラント1、特に本体10および包囲体20に関して記載された特徴および利点は、
図2に示された骨インプラント1にも準用される。
【0107】
図3は、本発明による骨インプラント1のさらなる実施形態を示す。
【0108】
図3に概略的に示される骨インプラントシステム1は、本体10と、多数の成形体20とを備える。6つの成形体20が例として示されている。しかしながら、骨インプラント1は、より少ない成形体又はより多い成形体を含むこともできることが理解されるであろう。
【0109】
本体10は、軸方向Aの両側に開口した、または開口された円錐状の中空体である。
【0110】
本体10は、耐荷重性材料、特にチタン合金、例えばTi-6Al-4V、またはプラスチック、特にポリエーテルエーテルケトンを含み、またはそのような材料からなる。結果として、十分な一次安定性および二次安定性が、特に有利に達成可能である。本体10のためのさらなる適切な材料に関して、一般的な説明、ならびに
図1および
図2の説明を参照する。
【0111】
好ましくは、本体10は、2つの好ましくは対向する開口または切欠き12を有する壁11を備える。開口または切欠き12は、好ましくはU字形である。
【0112】
成形体20は、生体内分解性/生体内吸収性材料を含むか、またはそのような材料からなる。その結果、骨欠損部の生物学的再構成を特に有利に達成することができる。骨欠損部の生物学的再構成は、骨欠損部のサイズを有利に最小化する。これは、今度は、再置換手術のリスクを低減し、および/または再置換手術を成功裏に実行するための好ましい条件を作り出す。生体内分解性/生体内吸収性材料は、例えば、リン酸カルシウム、特にβ-リン酸三カルシウムおよび/またはヒドロキシアパタイトであり得る。あるいは、生体内分解性/生体内吸収性材料は、例えばポリカプロラクトンなどのポリマー、または例えばマグネシウムなどの金属であり得る。
【0113】
包囲体20のためのさらなる適切な材料に関して、一般的な説明、ならびに
図1および
図2の説明が参照される。成形体20は、本体10から放射方向に突出している。成形体20は、本体10に一体的に連結されているか、又は一体的に接合されている。例えば、成形体20は、本体10に接着または溶接することができる。あるいは、成形体20は、付加製造プロセスによって、外側、すなわち、本体10の外面12上に成形することができる。
【0114】
成形体20は、好ましくは、シートの形態、特にプレート又はディスクの形態である。
これは、成形体20が、成形体20の厚さ(高さ)よりも小さい長さおよび幅を有することを意味する。好ましくは、成形体20はそれぞれ、互いに対向して配置された2つの主面を有し、そのそれぞれは、互いに対向して配置された2つの横側面と、互いに対向して配置された2つの長手方向側面とによって画定される。
【0115】
骨インプラント1の骨統合を改善するために、成形体20がそれぞれ、多孔質表面、特に開孔、および/または微細構造化表面を有するか、または多孔質材料、特に開孔材料からなることがさらに好ましい場合がある。この点において適切な材料に関しては、同様に、一般的な説明、ならびに
図1および2の説明を参照されたい。
【手続補正書】
【提出日】2022-12-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0115
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0115】
骨インプラント1の骨統合を改善するために、成形体20がそれぞれ、多孔質表面、特に開孔、および/または微細構造化表面を有するか、または多孔質材料、特に開孔材料からなることがさらに好ましい場合がある。この点において適切な材料に関しては、同様に、一般的な説明、ならびに
図1および2の説明を参照されたい。
以下の項目は、国際出願時の特許請求の範囲に記載の要素である。
(項目1)
骨インプラントであって、
軸方向の両側が開口した中空体の形態の本体であって、耐荷重性材料を含むか、または耐荷重性材料からなる本体と、
前記本体をその外側において少なくとも部分的に包囲し、生体内分解性/生体内吸収性材料を含むか、または生体内分解性/生体内吸収性材料からなる包囲体、
または、
前記本体から放射方向に突出し、生体内分解性/生体内吸収性材料を含むか、または生体内分解性/生体内吸収性材料からなる多数の成形体と、
を含む、骨インプラント。
(項目2)
前記本体は、角のない、特に円形、長円形、または楕円形の断面を有することを特徴とする、項目1に記載の骨インプラント。
(項目3)
前記本体は、円錐形であり、少なくとも部分的にテーパ状の内径を有することを特徴とする、項目1または2に記載の骨インプラント。
(項目4)
前記本体が、1mm~30mm、特に5mm~20mm、好ましくは8mm~15mmの壁厚を有することを特徴とする、前記項目のいずれかに記載の骨インプラント。
(項目5)
前記本体の前記耐荷重性材料が、生体内非分解性/生体内非吸収性材料であることを特徴とする、前記項目のいずれかに記載の骨インプラント。
(項目6)
前記耐荷重性材料、特に前記生体内非分解性/生体内非吸収性材料が、チタンおよび/またはタンタルなどの金属、チタン合金などの合金、セラミック、プラスチック、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルエーテルエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトンケトン、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン、ポリオレフィン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする、前記項目のいずれかに記載の、特に項目5に記載の、骨インプラント。
(項目7)
前記包囲体が、前記本体の層またはコーティングの形態であることを特徴とする、前記項目のいずれかに記載の骨インプラント。
(項目8)
前記包囲体が、0.1mm~30mm、特に1mm~10mm、好ましくは2mm~5mmの厚さを有することを特徴とする、前記項目のいずれかに記載の骨インプラント。
(項目9)
前記包囲体が、前記軸方向に不均一な形状および/または厚さを有することを特徴とする、先行する項目のいずれかに記載の骨インプラント。
(項目10)
前記包囲体の前記厚さは、前記包囲体の他端よりも前記包囲体の一端において大きく、及び/又は、前記包囲体の厚さは、前記包囲体の一端に向かって増加することを特徴とする項目9に記載の骨インプラント。
(項目11)
前記本体は、その外側において前記包囲体に部分的に包囲されていないことを特徴とする、前記項目のいずれかに記載の骨インプラント。
(項目12)
前記本体および/または前記包囲体および/または前記成形体が、多孔質表面、特に開孔および/または微細構造化表面を有することを特徴とする、前記項目のいずれかに記載の骨インプラント。
(項目13)
前記包囲体が、生体内分解速度/生体内吸収速度に関して互いに異なる少なくとも2つの異なる生体内分解性/生体内吸収性材料を含むか、または前記成形体がそれぞれ、生体内分解速度/生体内吸収速度に関して互いに異なる2つの異なる生体内分解性/生体内吸収性材料を含むことを特徴とする、前記項目のいずれかに記載の骨インプラント。
(項目14)
前記生体内分解性/生体内吸収性材料、特に前記少なくとも2つの異なる生体内分解性/生体内吸収性材料が、ポリラクチドおよび/またはポリグリコリドなどのポリヒドロキシアルカノエート、ポリカプロラクトン、β-リン酸三カルシウムなどのリン酸カルシウムおよび/またはヒドロキシアパタイトおよび/またはそれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする、前記項目のいずれかに記載の、特に項目13に記載の骨インプラント。
(項目15)
骨インプラント、特に前記項目のいずれかに記載の骨インプラント、を製造するための方法であって、
前記骨インプラントは付加製造プロセスによって製造され、
および/または、
軸方向の両側が開口した中空体の形態であり、耐荷重性材料を含むかまたはそれからなる本体が、前記付加製造プロセスによって、生体内分解性/生体内吸収性材料を含むかまたはそれからなる包囲体によって少なくとも部分的に包囲され、または、生体内分解性/生体内吸収性材料を含むかまたはそれからなる多数の成形体に、前記成形体が前記本体から放射方向に突出するように接続されることを特徴とする、方法。
【国際調査報告】