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特表2023-522474電池パックケース、電池パック及び電気自動車
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-30
(54)【発明の名称】電池パックケース、電池パック及び電気自動車
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/242 20210101AFI20230523BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20230523BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20230523BHJP
   H01M 10/6562 20140101ALI20230523BHJP
   H01M 50/271 20210101ALI20230523BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20230523BHJP
   H01M 50/244 20210101ALI20230523BHJP
   H01M 10/6556 20140101ALI20230523BHJP
   H01M 50/30 20210101ALI20230523BHJP
   H01M 50/291 20210101ALI20230523BHJP
【FI】
H01M50/242
H01M50/204 101
H01M10/613
H01M10/6562
H01M50/271 B
H01M50/249
H01M50/244 A
H01M10/6556
H01M50/30
H01M50/291
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022564543
(86)(22)【出願日】2020-11-11
(85)【翻訳文提出日】2022-12-21
(86)【国際出願番号】 CN2020128118
(87)【国際公開番号】W WO2021212815
(87)【国際公開日】2021-10-28
(31)【優先権主張番号】202020637729.0
(32)【優先日】2020-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼▲華▼▲軍▼
(72)【発明者】
【氏名】▲魯▼志佩
(72)【発明者】
【氏名】彭青波
(72)【発明者】
【氏名】万▲龍▼
(72)【発明者】
【氏名】朱燕
【テーマコード(参考)】
5H012
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H012BB08
5H012CC10
5H012EE01
5H031AA09
5H031CC01
5H031EE01
5H040AA03
5H040AA14
5H040AA28
5H040AS07
5H040AY04
5H040AY05
5H040AY08
5H040CC05
5H040CC20
5H040CC35
5H040JJ03
5H040LL01
5H040NN01
5H040NN03
(57)【要約】
電池パックケース(100)、電池パック(200)及び電気自動車(300)であり、電池パックケース(100)は、ケース本体(10)と、ケース本体(10)内に位置し、ケース本体(10)の内部を複数の収容キャビティ(30)に仕切る少なくとも1つの構造梁(20)と、を含み、ケース本体(10)は、電池パックケース(100)の高さ方向である第1の方向に沿って対向して設置された天板(101)と底板(102)を含み、構造梁(20)は、天板(101)と底板(102)との間に位置し、少なくとも1つの構造梁(20)は、天板(101)と底板(102)に接合され、電池パックケース(100)に、外部支持部材に固定接続される取付部(40)が設置されている。電池パックケース(100)は、高い構造強度、剛性、及び高い空間利用率を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース本体と、前記ケース本体内に位置し、前記ケース本体の内部を複数の収容キャビティに仕切る少なくとも1つの構造梁と、を含む電池パックケースであって、
前記ケース本体は、電池パックケースの高さ方向である第1の方向に沿って対向して設置された天板と底板を含み、前記構造梁は、前記天板と前記底板との間に位置し、少なくとも1つの前記構造梁は、前記天板と前記底板に接合され、
前記電池パックケースに、外部支持部材に固定接続される取付部が設置されている、電池パックケース。
【請求項2】
前記収容キャビティの第2の方向に沿った長さは、500mmより大きく、前記第2の方向は、電池パックケースの幅方向であるか又は電池パックケースの長さ方向である、請求項1に記載の電池パックケース。
【請求項3】
前記構造梁は、複数設置され、前記構造梁の長さは、第2の方向に沿って延伸し、複数の前記構造梁は、第3の方向に沿って間隔を置いて配置され、各前記構造梁は、前記天板と前記底板に接合され、前記第2の方向は、電池パックケースの長さ方向であり、前記第3の方向は、電池パックケースの幅方向であり、或いは、前記第2の方向は、電池パックケースの幅方向であり、前記第3の方向は、電池パックケースの長さ方向である、請求項1に記載の電池パックケース。
【請求項4】
前記ケース本体は、前記構造梁と一体成形される、請求項1に記載の電池パックケース。
【請求項5】
前記ケース本体は、第3の方向に沿って前記ケース本体の両側に分布する第1のフレームと第2のフレームを含み、前記第3の方向は、電池パックケースの幅方向であるか又は電池パックケースの長さ方向である、請求項1に記載の電池パックケース。
【請求項6】
前記第1のフレームと第2のフレームのうちの少なくとも一方は、内部にキャビティがあり、前記キャビティ内に、前記キャビティを複数のサブキャビティに仕切る補強板が設置されている、請求項5に記載の電池パックケース。
【請求項7】
前記第1のフレームと前記第2のフレームに前記取付部が設置されている、請求項5に記載の電池パックケース。
【請求項8】
端板をさらに含み、前記ケース本体の第2の方向に沿った端部には、第1の開口部が設置され、前記端板は、前記第1の開口部を封止し、前記第2の方向は、電池パックケースの幅方向であるか又は電池パックケースの長さ方向である、請求項5に記載の電池パックケース。
【請求項9】
前記ケース本体の前記第2の方向に沿った両端にいずれも第1の開口部が設置され、前記端板は、第3のフレーム及び第4のフレームを含み、前記第3のフレーム及び前記第4のフレームは、前記ケース本体を封止するように前記ケース本体に接続され、対応する前記第1の開口部を封止する、請求項8に記載の電池パックケース。
【請求項10】
前記ケース本体、前記第3のフレーム及び前記第4のフレームは、金属部品であり、かつ溶接により封止接続される、請求項9に記載の電池パックケース。
【請求項11】
封止板をさらに含み、前記収容キャビティの第2の方向に沿った端部には、第2の開口部が設置され、前記封止板は、前記端板の内側に位置し、前記第2の開口部の前記底板に隣接する部分を閉塞する、請求項8に記載の電池パックケース。
【請求項12】
封止板をさらに含み、前記収容キャビティの第2の方向に沿った端部には、第2の開口部が設置され、前記封止板は、前記端板の内側に位置し、前記第2の開口部を完全に閉塞する、請求項8に記載の電池パックケース。
【請求項13】
少なくとも1つの前記構造梁の前記第2の方向に沿った端部に、前記端板から離れて窪む凹部が形成されている、請求項8に記載の電池パックケース。
【請求項14】
少なくとも1つの前記構造梁内に、第2の方向に沿って延伸する放熱通路が設置され、前記第2の方向は、電池パックケースの幅方向であるか又は電池パックケースの長さ方向である、請求項1~13のいずれか1項に記載の電池パックケース。
【請求項15】
各前記構造梁は、第3の方向に沿って間隔を置いて設置された第1の側板と第2の側板を含み、前記第1の側板、第2の側板、天板及び底板によって前記放熱通路が囲まれ、前記第2の方向は、電池パックケースの幅方向であり、前記第3の方向は、前記電池パックケースの長さ方向であり、或いは、前記第2の方向は、電池パックケースの長さ方向であり、前記第3の方向は、電池パックケースの幅方向である、請求項14に記載の電池パックケース。
【請求項16】
前記構造梁は、前記第1の側板と第2の側板に接続され、前記放熱通路を複数のサブ通路に仕切る仕切り板をさらに含む、請求項15に記載の電池パックケース。
【請求項17】
接着剤注入孔が設置されており、各前記収容キャビティは、少なくとも1つの前記接着剤注入孔に対応して連通する、請求項1に記載の電池パックケース。
【請求項18】
前記電池パックケースは、封止されたケースであり、前記収容キャビティ内の気圧は、前記電池パックケース外の気圧より低い、請求項1に記載の電池パックケース。
【請求項19】
前記収容キャビティ内の圧力は、-40KPa~-70KPaである、請求項18に記載の電池パックケース。
【請求項20】
排気孔が設置されている、請求項18に記載の電池パックケース。
【請求項21】
それぞれ前記複数の収容キャビティに対応して連通する複数の排気孔が設置されている、請求項20に記載の電池パックケース。
【請求項22】
前記複数の収容キャビティは、互いに連通し、前記電池パックケースに前記収容キャビティに連通する少なくとも1つの排気孔が設置されている、請求項20に記載の電池パックケース。
【請求項23】
請求項1~22のいずれか1項に記載の電池パックケースを含む、電池パック。
【請求項24】
車体と、前記取付部により前記車体に固定された請求項23に記載の電池パックと、を含む、電気自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本開示は、2020年4月24日に提出された中国特許出願第202020637729.0号に基づくものであり、かつその優先権を主張するものであり、その全ての内容は参照により本開示に組み込まれるものとする。
【0002】
本開示は、電池の分野に関し、特に電池パックケース、電池パック及び電気自動車に関する。
【背景技術】
【0003】
従来の電池パックケースは、一般的にトレイ及び上部カバーで構成され、トレイは、一般的に底板と複数の辺梁で溶接されてなる。また、トレイは、電池パックの主な荷重支持部材として、それが十分な強度を有することを保証するために、製造時に一般的にその内部に複数の横梁と縦梁を溶接する。しかし、このような設計は、電池パックケースの部品が多く、構造が複雑で、空間利用率が低くなり、かつ各部品の間が溶接などのプロセスにより接続される必要があるため、製造コストも高くなる。また、電池パックケースの溶接部位が非常に多いため、溶接箇所に溶接不良が発生すると、電池パックの封止不良の可能性を増大させ、さらに電池パックの耐用年数に影響を与える。
【発明の概要】
【0004】
本開示の第1の態様に係る電池パックケースは、ケース本体と、前記ケース本体内に位置し、前記ケース本体の内部を複数の収容キャビティに仕切る少なくとも1つの構造梁と、を含み、
前記ケース本体は、電池パックケースの高さ方向である第1の方向に沿って対向して設置された天板と底板を含み、前記構造梁は、前記天板と前記底板との間に位置し、少なくとも1つの前記構造梁は、前記天板と前記底板に接合され、
前記電池パックケースに、外部支持部材に固定接続される取付部が設置されている。
【0005】
本開示の有益な効果は、以下のとおりである。本開示の電池パックケースにおいて、構造梁が天板と底板との間に位置し、かつ天板と底板に接合され、このように設置することにより構造梁、天板及び底板の3者が「工」字状の構造を構成し、このような構造は、高い強度及び剛性を有するため、電池パックケースの耐荷重、耐衝撃及び耐押圧などの性能の要求を満たすことができる。本開示の電池パックケースは、構造が簡単で、製造コストが低く、空間利用率が高い。構造梁は、ケース本体を複数の収容キャビティに仕切り、そのうちのいずれかの収容キャビティ内のセルアセンブリ又は単電池が熱暴走する場合、他の収容キャビティに影響を与えず、このように、電池パックの動作の安全性を向上させることができる。また、このような電池パックを車両に取り付ける場合、該電池パックの構造強度は、車両構造強度の一部となるため、車両の構造強度を向上させることができ、電気自動車全体の軽量化の設計要求を実現することに役立つとともに、車両の設計及び製造コストを低減する。
【0006】
本開示のいくつかの実施例において、前記収容キャビティの第2の方向に沿った長さは、500mmより大きく、前記第2の方向は、電池パックケースの幅方向であるか又は電池パックケースの長さ方向である。
【0007】
本開示のいくつかの実施例において、前記構造梁は、複数設置され、長さが第2の方向に沿って延伸し、複数の前記構造梁は、第3の方向に沿って間隔を置いて分布し、各前記構造梁は、前記天板と前記底板に接合され、前記第2の方向は、電池パックケースの長さ方向であり、前記第3の方向は、電池パックケースの幅方向であり、或いは、前記第2の方向は、電池パックケースの幅方向であり、前記第3の方向は、電池パックケースの長さ方向である。
【0008】
本開示のいくつかの実施例において、前記ケース本体は、前記構造梁と一体成形される。
【0009】
本開示のいくつかの実施例において、前記ケース本体は、第3の方向に沿って前記ケース本体の両側に分布する第1のフレームと第2のフレームを含み、前記第3の方向は、電池パックケースの幅方向であるか又は電池パックケースの長さ方向である。
【0010】
本開示のいくつかの実施例において、前記第1のフレームと第2のフレームのうちの少なくとも一方は、内部にキャビティがあり、前記キャビティ内に、前記キャビティを複数のサブキャビティに仕切る補強板が設置されている。
【0011】
本開示のいくつかの実施例において、前記第1のフレームと前記第2のフレームに前記取付部が設置されている。
【0012】
本開示のいくつかの実施例において、前記電池パックケースは、端板をさらに含み、前記ケース本体の第2の方向に沿った端部には、第1の開口部が設置され、前記端板は、第1の開口部を封止し、前記第2の方向は、電池パックケースの幅方向であるか又は電池パックケースの長さ方向である。
【0013】
本開示のいくつかの実施例において、前記ケース本体の前記第2の方向に沿った両端にいずれも第1の開口部が設置され、前記端板は、前記ケース本体に封止接続されて対応する前記第1の開口部を封止する第3のフレーム及び第4のフレームを含む。
【0014】
本開示のいくつかの実施例において、前記ケース本体、前記第3のフレーム及び前記第4のフレームは、金属部品であり、かつ溶接により封止接続される。
【0015】
本開示のいくつかの実施例において、前記電池パックケースは、封止板をさらに含み、前記収容キャビティの第2の方向に沿った端部には、第2の開口部が設置され、前記封止板は、前記端板の内側に位置し、前記第2の開口部の前記底板に隣接する部分を閉塞する。
【0016】
本開示のいくつかの実施例において、前記電池パックケースは、封止板をさらに含み、前記収容キャビティの第2の方向に沿った端部には、第2の開口部が設置され、前記封止板は、前記端板の内側に位置し、前記第2の開口部を完全に閉塞する。
【0017】
本開示のいくつかの実施例において、少なくとも1つの前記構造梁の前記第2の方向に沿った端部に、前記端板から離れて窪む凹部が形成されている。
【0018】
本開示のいくつかの実施例において、少なくとも1つの前記構造梁内に、第2の方向に沿って延伸する放熱通路が設置され、前記第2の方向は、電池パックケースの幅方向であるか又は電池パックケースの長さ方向である。
【0019】
本開示のいくつかの実施例において、各前記構造梁は、第3の方向に沿って間隔を置いて設置された第1の側板と第2の側板を含み、前記第1の側板、第2の側板、天板及び底板によって前記放熱通路が囲まれ、前記第2の方向は、電池パックケースの幅方向であり、前記第3の方向は、前記電池パックケースの長さ方向であり、或いは、前記第2の方向は、電池パックケースの長さ方向であり、前記第3の方向は、電池パックケースの幅方向である。
【0020】
本開示のいくつかの実施例において、前記構造梁は、前記第1の側板と第2の側板に接続され、前記放熱通路を複数のサブ通路に仕切る仕切り板をさらに含む。
【0021】
本開示のいくつかの実施例において、前記電池パックケースに接着剤注入孔が設置されており、各前記収容キャビティは、少なくとも1つの前記接着剤注入孔に対応して連通する。
【0022】
本開示のいくつかの実施例において、前記電池パックケースは、封止されたケースであり、前記収容キャビティ内の気圧は、前記電池パックケース外の気圧より低い。
【0023】
本開示のいくつかの実施例において、前記収容キャビティ内の圧力は、-40KPa~-70KPaである。
【0024】
本開示のいくつかの実施例において、前記電池パックケースに排気孔が設置されている。
本開示のいくつかの実施例において、前記電池パックケースに、それぞれ前記複数の収容キャビティに対応して連通する複数の排気孔が設置される。
【0025】
本開示のいくつかの実施例において、前記複数の収容キャビティは、互いに連通し、前記電池パックケースに前記収容キャビティに連通する少なくとも1つの排気孔が設置されている。
【0026】
本開示の第2の形態に係る電池パックは、上記いずれか1項に記載の電池パックケースを含む。
【0027】
本開示の第3の形態に係る電気自動車は、外部支持部材と、前記外部支持部材に固定された上記電池パックと、を含む。
【0028】
本開示の付加的な態様及び利点は、一部が以下の説明において与えられ、一部が以下の説明から明らかになるか、又は本開示の実践により理解される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本開示の実施例に係る電池パックの概略構成図である。
図2】本開示の実施例に係る電池パックケースの分解図である。
図3図2におけるA部の部分拡大図である。
図4図2におけるB部の部分拡大図である。
図5】本開示の実施例に係る電気自動車の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本開示の実施例を詳細に説明し、説明される実施例の例は図面において示されるが、一貫して同一又は類似の符号は、同一又は類似の部品、或いは、同一又は類似の機能を有する部品を表す。以下、図面を参照しながら説明される実施例は、例示的なものであり、本開示を解釈するためのものに過ぎず、本開示を限定するものであると理解すべきではない。
【0031】
なお、本開示の説明において、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「軸方向」、「半径方向」、「周方向」などで示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本開示を容易に説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は部品が特定の方位を有するとともに、特定の方位で構成されて動作しなければならないことを示すか又は示唆するものではないため、本開示を限定するものであると理解すべきではない。
【0032】
図1図3に示すように、本開示に係る電池パックケース200は、ケース本体10と、ケース本体10内に位置し、ケース本体10の内部を複数の収容キャビティ30に仕切る少なくとも1つの構造梁20と、を含み、ケース本体10は、電池パックケース200の高さ方向である第1の方向に沿って対向して設置された天板101と底板102を含み、構造梁20は、天板101と底板102との間に位置し、少なくとも1つの構造梁20は、天板101と底板102に接合され、電池パックケース200に、外部支持部材に固定接続される取付部40が設置されている。第1の方向は、図におけるZ方向である。
【0033】
本開示の電池パックケース200において、構造梁20が天板101と底板102との間に位置し、かつ天板101と底板102に接合され、このように設置することにより構造梁20、天板101及び底板102の3者が「工」字状の構造を構成し、このような構造は、高い強度及び剛性を有するため、電池パックケース200の耐荷重、耐衝撃及び耐押圧などの性能の要求を満たすことができる。本開示の電池パックケース200は、構造が簡単で、製造コストが低く、空間利用率が高い。構造梁20によりケース本体10が複数の収容キャビティ30に仕切られ、そのうちのある収容キャビティ30内のセルアセンブリ又は単電池が熱暴走する場合、他の収容キャビティ30に影響を与えず、このようにして電池パック100の動作の安全性を向上させることができる。また、このような電池パック100を車両に取り付ける場合、該電池パック100の構造強度は、車両構造強度の一部となるため、車両の構造強度を向上させることができ、電気自動車全体の軽量化の設計要求を実現することに役立つとともに、車両の設計及び製造コストを低減する。
【0034】
なお、本開示の電池パックケース200は、電池パック100のハウジングであり、セルアセンブリ又は単電池を収容する。電池パックケース200は、それに設置された取付部40により外部支持部材に取り外し可能又は取り外し不可能に接続固定されるものであり、電池モジュール又は単電池のハウジングではない。一般的に、電池パック100は、電池管理システム(BMS)、電池コネクタ、電池サンプラー及び電池熱管理システムのうちの少なくとも1つをさらに含む。
【0035】
セルアセンブリは、封止膜と、封止膜内に封止された少なくとも1つの電極体とを含む。電極体は、動力電池の分野で一般的に使用される電極体であり、巻回して形成された電極体であってもよく、積層の方式で製造された電極体であってもよく、一般的に、電極体は、少なくとも正極シート、セパレータ及び負極シートを含む。
【0036】
また、構造梁20が天板101と底板102に接合されることについて、天板101、底板102及び構造梁20の3者は一体成形され、或いは、天板101と底板102のうちの1つは構造梁20と一体成形され、もう1つは構造梁20に溶接されるか、又は、構造梁20は、一端が底板102に溶接され、対向する他端が天板101に溶接されることを理解されたい。
【0037】
一実施例において、図2に示すように、収容キャビティ30の第2の方向に沿った長さは、500mmより大きい。本開示のいくつかの実施例において、収容キャビティ30の第2の方向に沿った長さは、500mm~2500mmである。第2の方向は、第1の方向と異なり、第2の方向は、図におけるY方向である。該収容キャビティ30の寸法設計により、電池パック100は、大きな容量及び高い空間利用率の要件を満たすことができる。
【0038】
本開示のいくつかの実施例において、収容キャビティ30の第2の方向に沿った長さは、1000mm~2000mmである。
【0039】
本開示のいくつかの実施例において、収容キャビティ30の第2の方向に沿った長さは、1300mm~2200mmである。
【0040】
本実施例において、第2の方向は、電池パックケース200の幅方向であるか又は電池パックケース200の長さ方向である。
【0041】
一実施例において、図2図3に示すように、構造梁20は、複数設置され、長さ第2の方向に沿って延伸し、複数の構造梁20は、第3の方向に沿って間隔を置いて分布し、各構造梁20は、天板101と底板102に接合される。ここで、第1の方向、第2の方向及び第3の方向の3者は異なり、第3の方向は図におけるX方向である。
【0042】
一実施例において、ケース本体10は、構造梁20と一体成形される。このように設置することにより、加工プロセスが簡単であるだけでなく、製造コストを低減することに役立ち、ケースが十分な構造強度及び剛性を有することを保証することができ、それによりケースの耐荷重、耐衝撃及び耐押圧などの性能要求を満たす。
【0043】
具体的には、天板101、底板102及び構造梁20は、一体成形される。
【0044】
一実施例において、第2の方向は、電池パックケース200の長さ方向であり、第3の方向は、電池パックケース200の幅方向であり、或いは、第2の方向は、電池パックケース200の幅方向であり、第3の方向は、電池パックケース200の長さ方向である。
【0045】
理解できるように、各構造梁20は、天板101と底板102に接合され、各構造梁20、天板101及び底板102は「工」字状の構造を構成し、このような構造は、高い強度及び剛性を有し、それにより電池パックケース200の耐荷重、耐衝撃及び耐押圧などの性能の要求を満たすことができる。電池パックケース200は、構造が簡単であり、空間利用率が高い。また、ケース本体10と構造梁20は、一体成形で製造され、加工プロセスが簡単であり、製造コストを低減することに役立つ。このような電池パック100を車両に取り付ける場合、該電池パック100の構造強度は、車両構造強度の一部となるため、車両の構造強度を向上させることができ、電気自動車全体の軽量化の設計要求を実現することに役立つとともに、車両の設計及び製造コストを低減する。
【0046】
一実施例において、図2図4に示すように、ケース本体10は、第3の方向に沿ってケース本体10の両側に分布する第1のフレーム103と第2のフレーム104を含み、第3の方向は、電池パックケース200の幅方向であるか又は電池パックケース200の長さ方向である。第3の方向は、図におけるX方向である。
【0047】
いくつかの実施例において、ケース本体10は、第1の方向に沿って対向して設置された天板101及び底板102と、第3の方向に沿って対向して設置された第1のフレーム103及び第2のフレーム104と、を含み、天板101、第1のフレーム103、底板102及び第2のフレーム104は、接続される。
【0048】
理解できるように、天板101、第1のフレーム103、底板102及び第2のフレーム104によって収容空間が囲まれ、構造梁20は、該収容空間内に位置する。本開示のいくつかの実施例において、天板101、第1のフレーム103、底板102及び第2のフレーム104は、一体成形され、このように設置することにより、ケース本体10が高い構造強度を有することを保証することができるとともに、加工が簡単であり、製造コストを低減することに役立つ。当然のことながら、他の実施例において、第1のフレーム103と第2のフレーム104は、中間板により天板101と底板102に接続されてもよく、或いは第1のフレーム103は、一端が天板101に溶接され、対向する他端が底板102に溶接されてもよい。同様に、第1のフレーム103は、一端が天板101に溶接され、対向する他端が底板102に溶接される。
【0049】
本開示の一実施例において、天板101、第1のフレーム103、底板102、第2のフレーム104及び構造梁20は一体成形され、例えば、一体型アルミ形材で押出成形される。このようにして電池パックケース200が高い構造強度を有することを保証することができるだけでなく、製造プロセスを簡略化して、加工コストを低減することができる。当然のことながら、他の実施例において、天板101、底板102及び構造梁20は、一体成形されて一体部材を形成し、次に第1のフレーム103は、天板101及び底板102に溶接され、第2のフレーム104は、天板101及び底板102に溶接される。
【0050】
いくつかの実施例において、第1の方向は、電池パックケース200の高さ方向であり、第2の方向は、電池パックケース200の幅方向と長さ方向のうちの1つであり、第3の方向は、電池パックケース200の幅方向と長さ方向のうちの1つである。言い換えれば、第2の方向は、電池パックケース200の幅方向であり、第3の方向は、電池パックケース200の長さ方向であり、或いは、第2の方向は、電池パックケース200の長さ方向であり、第3の方向は、電池パックケース200の幅方向である。
【0051】
本開示の実施例において、第2の方向は、電池パックケース200の幅方向であり、電気自動車300の幅方向と平行である。本開示の実施例において、第3の方向は、電池パックケース200の長さ方向であり、電気自動車300の長さ方向と平行である。
【0052】
当然のことながら、他の実施例において、第2の方向は、電気自動車300の長さ方向と平行であってもよく、第3の方向は、電気自動車300の幅方向と平行であってもよい。
【0053】
本開示のいくつかの実施例において、図2図4に示すように、第1のフレーム103と第2のフレーム104のうちの少なくとも一方は、内部にキャビティ111があり、キャビティ111内に、キャビティ111を複数のサブキャビティ106に仕切る補強板105が設置されている。このように設置することにより、第1のフレーム103と第2のフレーム104が一定の強度を有することを保証することができ、電池パック100の耐衝撃及び耐押圧に必要な強度を向上させることに役立つ。
【0054】
一実施例において、図1及び図2に示すように、第1のフレーム103と第2のフレーム104に、外部支持部材に固定接続される取付部40が設置されている。当然のことながら、他の実施例において、取付部40は、天板101又は底板102に設置されてもよい。
【0055】
一実施例において、図1及び図2に示すように、取付部40は、第1のフレーム103と第2のフレーム104に設置された取付孔401である。取付孔401は、電池パック100を外部支持部材に接続固定するように、締結部材(例えばボルト又はリベット)が貫通する。
【0056】
いくつかの実施例において、第1のフレーム103に設置された取付孔401は、第1の方向に沿って第1のフレーム103を貫通し、第2のフレーム104に設置された取付孔401は、第1の方向に沿って第2のフレーム104を貫通する。しかしながら、取付孔401は、軸方向が第1の方向と例えば5°又は10°の夾角をなすように設置されてもよい。
【0057】
本開示のいくつかの実施例において、取付孔401は、複数設置され、第1のフレーム103に設置された取付孔401は、第1のフレーム103の長さ方向に沿って順に配列される。ここで、第1のフレーム103の長さ方向は、第2の方向と平行である。
【0058】
同様に、第2のフレーム104に設置された取付孔401は、第2のフレーム104の長さ方向に沿って順に配列される。ここで、第2のフレーム104の長さ方向は、第2の方向と平行である。
【0059】
当然のことながら、別の実施例において、取付部40は、第1のフレーム103と第2のフレーム104に取り付けられたアイボルトである。アイボルトは、電池パック100を外部支持部材に接続固定するように、外部支持部材に固定接続される。
【0060】
しかしながら、別の実施例において、取付部40は、第1のフレーム103と第2のフレーム104に取り付けられら取付ブロックであり、取付ブロックは、溶接の方式で外部支持部材に固定されてもよい。当然のことながら、取付ブロックは、接着又は係止により外部支持部材に固定されてもよい。
【0061】
一実施例において、図2図4に示すように、第1のフレーム103は、第1のフレーム本体1031と第2のフレーム本体1032を含み、第2のフレーム104は、第3のフレーム本体1041と第4のフレーム本体1042を含む。第1のフレーム本体1031と第3のフレーム本体1041は、第2の方向に沿って対向して設置され、いずれも天板101と底板102に接続される。第2のフレーム本体1032は、第1のフレーム本体1031の第3のフレーム本体1041から離れた側に設置され、第4のフレーム本体1042は、第3のフレーム本体1041の第1のフレーム本体1031から離れた側に設置され、取付部40は、第2のフレーム本体1032と第4のフレーム本体1042に設置される。
【0062】
本開示のいくつかの実施例において、第1のフレーム本体1031と第2のフレーム本体1032は、互いに垂直であり、L字状の構造を構成する。このように設置することにより、第1のフレーム103の構造強度を向上させることに役立つ。第3のフレーム本体1041と第4のフレーム本体1042は、互いに垂直であり、L字状の構造を構成する。このように設置することにより、第2のフレーム104の構造強度を向上させることに役立つ。しかしながら、第1のフレーム本体1031と第2のフレーム本体1032、第3のフレーム本体1041と第4のフレーム本体1042は、例えば70°又は80°の夾角で設置されてもよい。
【0063】
一実施例において、図に示すように、電池パックケース200は、端板112をさらに含み、ケース本体10の第2の方向に沿った端部には、第1の開口部113が設置され、端板112は、第1の開口部113を封止し、第2の方向は、電池パックケース200の幅方向であるか又は電池パックケース200の長さ方向である。
【0064】
理解できるように、セルアセンブリ又は単電池は、該第1の開口部113により収容キャビティ30内に取り付けられてもよく、このような取付方式は、操作しやすく、収容キャビティ30内のセルアセンブリ又は単電池の電極は、第1の開口部113から引き出されてもよく、同時に電池パックケース200が高い構造強度を有することを保証することができる。
【0065】
本開示のいくつかの実施例において、ケース本体10の第2の方向に沿った両端にいずれも第1の開口部113が設置され、端板112は、ケース本体10に封止接続されて対応する第1の開口部113を封止する第3のフレーム107及び第4のフレーム108を含む。
【0066】
理解できるように、ケース本体10の第2の方向に沿った両端にいずれも第1の開口部113が設置されている場合、収容キャビティ30内に位置するセルアセンブリ又は単電池の電極は、それぞれ第1の開口部113から引き出されてもよい。
【0067】
本開示のいくつかの実施例において、ケース本体10、第3のフレーム107及び第4のフレーム108は、金属部品であり、かつ溶接により封止接続される。
【0068】
しかしながら、他の実施例において、ケース本体10、第3のフレーム107及び第4のフレーム108は、プラスチックで製造されてもよい。第3のフレーム107と第4のフレーム108は、いずれも接着又は係止などの方式でケース本体10に封止接続されてもよい。
【0069】
本開示のいくつかの実施例において、図2図4に示すように、第3のフレーム107と第4のフレーム108の内部は、中空の構造であり、第3のフレーム107と第4のフレーム108内に、第3のフレーム107と第4のフレーム108の内部空間を複数のサブキャビティ106に仕切る補強板105が設置されている。このように設置することにより、第3のフレーム107と第4のフレーム108が一定の強度を有することを保証することができ、電池パックケース200の耐衝撃及び耐押圧に必要な強度を向上させることに役立つ。
【0070】
一実施例において、電池パックケース200は、封止板をさらに含み、収容キャビティ30の第2の方向に沿った端部には、第2の開口部が設置され、前記封止板は、端板112の内側に位置し、構造梁20及びケース本体10に接続されて、収容キャビティ30の第2の開口部の底板102に隣接する部分を閉塞する。すなわち、封止板により収容キャビティ30の第2の開口部の半閉塞を実現し、このようにして、収容キャビティ30内に封止膜で封止された電極体群を収容する場合、封止膜が予期せず破裂することにより、電解液が1つの収容キャビティ30から別の収容キャビティ30内に流れて内部短絡を引き起こすことを回避することができ、さらに電池パック100の使用の安全性を向上させることができる。
【0071】
複数の収容キャビティ30のうちの、両端に位置する収容キャビティ30の第2の開口部の半閉塞は、封止板を第1のフレーム103、底板102及び構造梁20に接続するか、又は、封止板を第2のフレーム104、底板102及び構造梁20に接続することで、収容キャビティ30の第2の開口部の底板102に隣接する部分を閉塞することであってもよい。
【0072】
複数の収容キャビティ30のうちの、残りの収容キャビティ30の第2の開口部の半閉塞は、封止板を底板102及び隣接する2つの構造梁20に接続することで、収容キャビティ30の第2の開口部の底板102に隣接する部分を閉塞することであってもよい。
【0073】
一実施例において、図に示すように、電池パックケース200は、封止板をさらに含み、収容キャビティ30の第2の方向に沿った端部には、第2の開口部が設置され、封止板は、端板112の内側に位置し、構造梁20及びケース本体10に接続されて、収容キャビティ30の第2の開口部を完全に閉塞する。すなわち、封止板により収容キャビティ30の第2の開口部の完全閉塞を実現することで、電池パック100の使用の安全性をさらに向上させる。
【0074】
複数の収容キャビティ30のうちの、両端に位置する収容キャビティ30の第2の開口部の完全閉塞は、封止板を第1のフレーム103、構造梁20、天板101及び底板102に接続するか、又は封止板を第2のフレーム104、構造梁20、天板101及び底板102に接続することで、収容キャビティ30の第2の開口部を完全に閉塞することであってもよい。
【0075】
複数の収容キャビティ30のうちの、残りの収容キャビティ30の第2の開口部の完全閉塞は、封止板を底板102、天板101及び隣接する2つの構造梁20に接続することで、収容キャビティ30の第2の開口部を完全に閉塞することであってもよい。
【0076】
一実施例において、図1及び図2に示すように、少なくとも1つの構造梁20の第2の方向に沿った端部に、端板112から離れて窪む凹部201が形成されている。
【0077】
上記凹部201の構造の設計は、絶縁保護フレーム及び電気接続シートなどを収容することができ、このような構造設計を用いることで電池パックケース200の第2の方向に沿った長さを増大させることがなく、電池パックケース200のサイズを減少させることに役立つ。
【0078】
本開示のいくつかの実施例において、各構造梁20の第2の方向に沿った両端にいずれも凹部201が形成され、第3のフレーム107に隣接して設置された凹部201は、第3のフレーム107から離れ、第4のフレーム108に隣接して設置された凹部201は、第4のフレーム108から離れる。
【0079】
一実施例において、図2図4に示すように、少なくとも1つの構造梁20内に、第2の方向に沿って延伸する放熱通路202が設置され、第2の方向は、電池パックケース200の幅方向であるか又は電池パックケース200の長さ方向であるる。このようにして、収容キャビティ30内に収容されたセルアセンブリ又は単電池に発生した熱が放熱通路202内に入った後に天板101と底板102を介して電池パックケース200外に伝達することができ、中実の構造設計を用いる構造梁20に比べて、本開示のこのような構造設計は、電池パックケース200内の放熱空間を増大させるため、冷却放熱の効果を向上させることに役立つ。
【0080】
一実施例において、図2図4に示すように、各構造梁20は、第3の方向に沿って間隔を置いて設置された第1の側板203と第2の側板204を含み、第1の側板203、第2の側板204、天板101及び底板102によって放熱通路202が囲まれ、第2の方向は、電池パックケース200の幅方向であり、第3の方向は、電池パックケース200の長さ方向であり、或いは、第2の方向は、電池パックケース200の長さ方向であり、第3の方向は、電池パックケース200の幅方向である。
【0081】
すなわち、第1の側板203、第2の側板204、天板101及び底板102が共に囲んだ空間は、放熱通路202である。このようにしてケース本体10と構造梁20自体の構造により放熱通路202を形成することができ、放熱管を増設する必要がないため、電池パック100の構造設計を簡略化し、製造コストを低減することに役立つ。
【0082】
一実施例において、図2図4に示すように、構造梁20は、第1の側板203と第2の側板204に接続され、放熱通路202を複数のサブ通路に仕切る仕切り板205をさらに含む。このように設置することにより、電池パックケース200は、高い冷却放熱効果を有するとともに、構造梁20が一定の強度を有することを保証することができ、それにより電池パック100の全体的な強度を向上させることに役立つ。
【0083】
一実施例において、図1及び図2に示すように、電池パックケース200に接着剤注入孔109が設置され、各収容キャビティ30は、少なくとも1つの接着剤注入孔109に対応して連通する。理解できるように、接着剤注入孔109により電池パックケース200内に構造接着剤を注入して、収容キャビティ30内に収容されたセルアセンブリ又は単電池を電池パックケース200に固定接続することができ、それにより電池パック100の構造強度を向上させることができる。
【0084】
一実施例において、電池パックケース200は、封止されたケースであり、収容キャビティ30内の気圧は、電池パックケース200外の気圧より低い。このように設置することにより、真空排気操作により収容キャビティ30内の気圧を電池パックケース200外の気圧より低くし、このようにして電池パックケース200内の水蒸気などの物質の量を低下させ、水蒸気の長期的な作用による電池パックケース200内のセルアセンブリ、電池などの部品への劣化、破損などの影響を回避することができ、それにより電池パック100の耐用年数を延長することができる。また、封止されたケースは、2重封止の効果を達成することができる。
【0085】
一実施例において、収容キャビティ30内の圧力は、-40Kpa~-70KPaである。このように設置することにより、電池パックケース200内の水蒸気、酸素などの物質の量を低下させ、水蒸気、酸素による電池パックケース200内のセルアセンブリ及び各部品への長時間の劣化作用を回避することができ、電池パックケース200の内部のセルアセンブリ又は各部品の耐用年数を延長することに役立つ。
【0086】
一実施例において、図1及び図2に示すように、電池パックケース200に排気孔110が設置されている。排気孔110により電池パックケース200の内部を真空排気することができ、このようにして電池パックケース200内の水蒸気などの物質の量を低下させ、水蒸気の長期的な作用による電池パックケース200内のセルアセンブリ、電池などの部品への劣化、破損などの影響を回避することができ、それにより電池パック100の耐用年数を延長することができる。
【0087】
一実施例において、図1及び図2に示すように、電池パックケース200に、それぞれ複数の収容キャビティ30に対応して連通する複数の排気孔110が設置されている。このように設置することにより、真空排気操作の動作効率を向上させ、製造コストを低減することに役立つ。
【0088】
一実施例において、図1及び図2に示すように、複数の収容キャビティ30は、互いに連通し、電池パックケース200に、収容キャビティ30に連通する少なくとも1つの排気孔110が設置されている。このようにして、該排気孔110により複数の収容キャビティ30を同時に真空排気することができる。
【0089】
なお、収容キャビティ30の連通方式が具体的に限定されず、例えば、収容キャビティ30は、端部の第1の開口部113により連通してもよい。或いは、構造梁20に、隣接する2つの収容キャビティ30を連通する貫通孔を設置してもよい。
【0090】
本開示のいくつかの実施例において、図1に示すように、天板101に接着剤注入孔109若しくは排気孔110又は接着剤注入孔109及び排気孔110が設置されている。しかしながら、他の実施例において、底板102又は第1のフレーム103又は第2のフレーム104に接着剤注入孔109若しくは排気孔110又は接着剤注入孔109及び排気孔110が設置されてもよい。
【0091】
また、排気孔110の封止方式が具体的に限定されず、例えば、封止部品により排気孔110を封止するか、又は接着剤を充填する方式で封止することができる。
【0092】
なお、接着剤注入孔109と排気孔110は、同じ孔であってもよく、異なる孔であってもよい。同じ孔である場合、接着剤を注入してから真空排気してもよい。
【0093】
本開示の別の態様に係る電池パック100は、上記電池パックケース200を含む。本開示に係る電池パック100は、高い構造強度及び剛性、高い空間利用率を有し、高い使用安全性を有する。
【0094】
本開示のさらなる態様に係る電気自動車300は、車体と、取付部40により車体に固定された電池パック100と、を含む。
【0095】
本開示に係る電気自動車300(図5を参照)について、上記高い強度を有する電池パック100を車両に取り付ける場合、該電池パック100の構造強度は、車両構造強度の一部となるため、車両の構造強度を向上させることができ、電気自動車全体の軽量化の設計要求を実現することに役立つとともに、車両の設計及び製造コストを低減する。
【0096】
なお、本開示の説明において、別に明確な規定と限定がない限り、用語「取付」、「連結」、「接続」は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続、取り外し可能な接続又は一体的な接続であってもよく、機械的な接続、又は電気的な接続であってもよく、直接的な連結であっても、中間媒体を介した間接的な連結であってもよく、2つの部品の内部の連通であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本開示における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0097】
本明細書の説明では、用語「実施例」、「具体的な実施例」、「例」などを参照する説明は、該実施例又は例を組み合わせて説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性が本開示の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書では、上記用語の例示的な表現は、必ずしも同一の実施例又は例に限定されるものではない。また、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性は、任意の1つ以上の実施例又は例において適切に組み合わせることができる。
【0098】
本開示の実施例を例示及び説明したが、当業者が理解できるように、本開示の原理及び趣旨から逸脱しない場合、これらの実施例に対して、様々な変更、修正、置換及び変形を行うことができ、本開示の範囲は、特許請求の範囲及びその均等物によって限定される。
【符号の説明】
【0099】
100 電池パック
200 電池パックケース
300 電気自動車
10 ケース本体
101 天板
102 底板
103 第1のフレーム
1031 第1のフレーム本体
1032 第2のフレーム本体
104 第2のフレーム
1041 第3のフレーム本体
1042 第4のフレーム本体
105 補強板
106 サブキャビティ
107 第3のフレーム
108 第4のフレーム
109 接着剤注入孔
110 排気孔
111 キャビティ
112 端板
113第1の開口部
20 構造梁
201 凹部
202 放熱通路
203 第1の側板
204 第2の側板
205 仕切り板
30 収容キャビティ
40 取付部
401 取付孔
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2022-12-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース本体と、前記ケース本体内に位置し、前記ケース本体の内部を複数の収容キャビティに仕切る少なくとも1つの構造梁と、を含む電池パックケースであって、
前記ケース本体は、電池パックケースの高さ方向である第1の方向に沿って対向して設置された天板と底板を含み、前記構造梁は、前記天板と前記底板との間に位置し、少なくとも1つの前記構造梁は、前記天板と前記底板に接合され、
前記電池パックケースに、外部支持部材に固定接続される取付部が設置されている、電池パックケース。
【請求項2】
前記構造梁は、複数設置され、前記構造梁の長さは、第2の方向に沿って延伸し、複数の前記構造梁は、第3の方向に沿って間隔を置いて配置され、各前記構造梁は、前記天板と前記底板に接合され、前記第2の方向は、電池パックケースの長さ方向であり、前記第3の方向は、電池パックケースの幅方向であり、或いは、前記第2の方向は、電池パックケースの幅方向であり、前記第3の方向は、電池パックケースの長さ方向である、請求項1に記載の電池パックケース。
【請求項3】
前記ケース本体は、前記構造梁と一体成形される、請求項1に記載の電池パックケース。
【請求項4】
前記ケース本体は、第3の方向に沿って前記ケース本体の両側に分布する第1のフレームと第2のフレームを含み、前記第3の方向は、電池パックケースの幅方向であるか又は電池パックケースの長さ方向である、請求項1に記載の電池パックケース。
【請求項5】
前記第1のフレームと第2のフレームのうちの少なくとも一方は、内部にキャビティがあり、前記キャビティ内に、前記キャビティを複数のサブキャビティに仕切る補強板が設置されている、請求項に記載の電池パックケース。
【請求項6】
端板をさらに含み、前記ケース本体の第2の方向に沿った端部には、第1の開口部が設置され、前記端板は、前記第1の開口部を封止し、前記第2の方向は、電池パックケースの幅方向であるか又は電池パックケースの長さ方向であり、
前記ケース本体の前記第2の方向に沿った両端にいずれも第1の開口部が設置され、前記端板は、第3のフレーム及び第4のフレームを含み、前記第3のフレーム及び前記第4のフレームは、前記ケース本体を封止するように前記ケース本体に接続され、対応する前記第1の開口部を封止する、請求項に記載の電池パックケース。
【請求項7】
封止板をさらに含み、前記収容キャビティの第2の方向に沿った端部には、第2の開口部が設置され、前記封止板は、前記端板の内側に位置し、前記第2の開口部の前記底板に隣接する部分を閉塞する、請求項に記載の電池パックケース。
【請求項8】
封止板をさらに含み、前記収容キャビティの第2の方向に沿った端部には、第2の開口部が設置され、前記封止板は、前記端板の内側に位置し、前記第2の開口部を完全に閉塞する、請求項に記載の電池パックケース。
【請求項9】
構造梁は、第3の方向に沿って間隔を置いて設置された第1の側板と第2の側板を含み、前記第1の側板、第2の側板、天板及び底板によって放熱通路が囲まれ、第2の方向は、電池パックケースの幅方向であり、第3の方向は、前記電池パックケースの長さ方向であり、或いは、第2の方向は、電池パックケースの長さ方向であり、第3の方向は、電池パックケースの幅方向である、請求項1に記載の電池パックケース。
【請求項10】
前記構造梁は、前記第1の側板と第2の側板に接続され、前記放熱通路を複数のサブ通路に仕切る仕切り板をさらに含む、請求項に記載の電池パックケース。
【請求項11】
接着剤注入孔が設置されており、各前記収容キャビティは、少なくとも1つの前記接着剤注入孔に対応して連通する、請求項1に記載の電池パックケース。
【請求項12】
前記電池パックケースは、封止されたケースであり、前記収容キャビティ内の気圧は、前記電池パックケース外の気圧より低い、請求項1に記載の電池パックケース。
【請求項13】
排気孔が設置されている、請求項12に記載の電池パックケース。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に記載の電池パックケースを含む、電池パック。
【請求項15】
車体と、前記取付部により前記車体に固定された請求項14に記載の電池パックと、を含む、電気自動車。
【国際調査報告】