(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-30
(54)【発明の名称】歯付き部分係合適合機構およびロジスティクスシステム
(51)【国際特許分類】
F16H 19/04 20060101AFI20230523BHJP
B61B 13/02 20060101ALI20230523BHJP
【FI】
F16H19/04 Z
B61B13/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022565670
(86)(22)【出願日】2021-04-16
(85)【翻訳文提出日】2022-12-26
(86)【国際出願番号】 CN2021087624
(87)【国際公開番号】W WO2021218654
(87)【国際公開日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】202010346293.4
(32)【優先日】2020-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520208203
【氏名又は名称】ベイジン・ジンドン・チアンシ・テクノロジー・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲顯▼旺
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 明福
【テーマコード(参考)】
3J062
【Fターム(参考)】
3J062AA12
3J062AB05
3J062AC07
3J062BA35
3J062CA15
3J062CA36
(57)【要約】
本開示は、係合適合機構およびロジスティクスシステムに関する。係合適合機構は、互いに反対側に配置された第1の側面と第2の側面とを含むラックと、第1の側面に設けられた第1の案内歯と、第1の側面に可動に設けられた第2の案内歯であって、第2の案内歯は、第2の側面から第1の案内歯よりも遠くにある、第2の案内歯と、第1の側面からラックに部分的に係合し、ラックに完全に係合するように第2の側面に向けて移動するように構成されたギアと、を含み、第1の案内歯および第2の案内歯のうちの少なくとも一方は、第1の側面から第2の側面に向けたギアの移動中に、ギアに係合するように構成されている。本開示において、第1の案内歯および第2の案内歯は、互いに協働して、ラックの中にギアを案内するための種々の不利益要因を軽減し、あらゆる角度におけるラックの中へのギアの案内が成功するように促進させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに反対側に配置された第1の側面(11)と第2の側面(12)とを含むラック(1)と、
前記第1の側面(11)に配置された第1の案内歯(2)と、
前記第1の側面(11)に可動に配置された第2の案内歯(3)であって、前記第2の案内歯(3)は、前記第1の案内歯(2)に対して前記第2の側面(12)から遠く離れている、第2の案内歯(3)と、
前記第1の側面(11)から前記ラック(1)に部分的に係合し、前記ラック(1)に完全に係合するように前記第2の側面(12)に向けて移動するように構成されたギア(4)と、
を備える係合適合機構であって、
前記第1の案内歯(2)および前記第2の案内歯(3)のうちの少なくとも一方は、前記第1の側面(11)から前記第2の側面(12)に向けた前記ギア(4)の前記移動中に、前記ギア(4)に係合するように構成されている、係合適合機構。
【請求項2】
前記第2の案内歯(3)は、外力の作用を受けて前記第2の側面(12)に向けて移動するように構成されている、請求項1に記載の係合適合機構。
【請求項3】
前記係合適合機構は、取付部材(5)をさらに備え、前記取付部材(5)は、前記第1の側面(11)に可動に設けられ、前記第2の案内歯(3)は、前記取付部材(5)に設けられる、請求項1または2に記載の係合適合機構。
【請求項4】
前記取付部材(5)と前記第1の側面(11)との間に設けられる弾性要素(6)をさらに備える、請求項3に記載の係合適合機構。
【請求項5】
前記係合適合機構は、第1のシャフト(7)をさらに備え、前記第1のシャフト(7)は、前記取付部材(5)および前記ラック(1)を接続し、前記第1のシャフト(7)は、前記第1の側面(11)と前記第2の側面(12)との間の接続線に平行に延び、前記取付部材(5)は、前記ラック(1)に対して並進するように構成されている、請求項3または4に記載の係合適合機構。
【請求項6】
前記第1の側面(11)は、第1の凹所(111)を具備し、前記第1の凹所(111)は、前記第2の側面(12)に向けて凹設され、前記取付部材(5)は、前記第1の凹所(111)に配置され、前記取付部材(5)は、前記第1の側面(11)と面一の外側側面を含む、請求項3から5のいずれか一項に記載の係合適合機構。
【請求項7】
前記第1の案内歯(2)は、前記第1の凹所(111)に設けられ、前記取付部材(5)は、前記第1の案内歯(2)を回避するために回避部分(53)を具備する、請求項6に記載の係合適合機構。
【請求項8】
前記係合適合機構は、第2のシャフト(8)をさらに備え、前記第2のシャフト(8)は、前記取付部材(5)および前記ラック(1)を接続し、前記第2のシャフト(8)は、前記第1の側面(11)と前記第2の側面(12)との間の接続線に垂直な方向に延び、前記取付部材(5)は、前記ラック(1)に対して揺動するように構成されている、請求項3または4に記載の係合適合機構。
【請求項9】
前記第1の側面(11)は、第2の凹所(112)を具備し、前記取付部材(5)は、第1の取付部分(51)および第2の取付部分(52)を含み、前記第1の取付部分(51)は、前記第2の凹所(112)に配置され、前記第2の案内歯(3)は、前記第1の取付部分(51)に配置され、前記第2のシャフト(8)は、前記第2の取付部分(52)および前記ラック(1)を接続する、請求項8に記載の係合適合機構。
【請求項10】
前記ラック(1)の後面(14)は、第3の凹所(113)を具備し、前記第3の凹所(113)は、前記第2の凹所(112)と連通し、前記第2の取付部分(52)は、前記第3の凹所(113)に配置され、前記取付部材(5)は、前記ラック(1)の前記後面(14)および前記第1の側面(11)と面一の外側側面を含む、請求項9に記載の係合適合機構。
【請求項11】
前記第1の案内歯(2)および前記第2の案内歯(3)は、前記ギア(4)の中央軸線の両側にそれぞれ位置する、請求項1から10のいずれか一項に記載の係合適合機構。
【請求項12】
前記第1の案内歯(2)における前記第2の側面(12)から最も離れている一部と、前記第2の案内歯(3)における前記第2の側面(12)から最も離れている一部と、の間に第1の距離(a)が存在し、前記第2の案内歯(3)は、外力の作用を受けて前記第2の側面(12)に向けて移動するように構成され、前記移動の最大距離は、第2の距離(b)であり、前記第2の距離(b)は、前記第1の距離(a)よりも大きい、請求項1から11のいずれか一項に記載の係合適合機構。
【請求項13】
前記第1の案内歯(2)における前記第2の側面(12)から離れている側面は、第1の尖形部分(21)として構成され、前記第2の案内歯(3)における前記第2の側面(12)から離れている側面は、第2の尖形部分(31)として構成され、前記第1の尖形部分(21)および前記第2の尖形部分(31)は、前記第2の側面(12)から遠く離れるように共に延び、前記ラック(1)に最初に係合するための前記ギア(4)の一部は、第3の尖形部分(41)として構成され、前記第1の尖形部分(21)および前記第2の尖形部分(31)は、前記第3の尖形部分(41)に共に適合されている、請求項1から12のいずれか一項に記載の係合適合機構。
【請求項14】
前記第1の尖形部分(21)は、第1のベベル面(211)、第2のベベル面(212)、および第1の端面(213)を含み、前記第1の端面(213)は、前記第1のベベル面(211)と前記第2のベベル面(212)との間の接合点に形成され、
前記第2の尖形部分(31)は、第3のベベル面(311)、第4のベベル面(312)、および第2の端面(313)を含み、前記第2の端面(313)は、前記第3のベベル面(311)と前記第4のベベル面(312)との間の接合点に形成される、請求項13に記載の係合適合機構。
【請求項15】
前記ラック(1)は、長手延長方向に沿って2つ以上の第1の歯(13)を具備し、前記第1の案内歯(2)は、前記2つ以上の第1の歯(13)のうちの1つの第1の歯(13)の側端面に設けられる、請求項1から14のいずれか一項に記載の係合適合機構。
【請求項16】
前記ラック(1)は、長手延長方向に沿って2つ以上の第1の歯(13)を具備し、前記第1の案内歯(2)の上部と前記第2の案内歯(3)の上部とは、共に前記2つ以上の第1の歯(13)の上部と面一である、請求項1から15のいずれか一項に記載の係合適合機構。
【請求項17】
ロジスティクス車両と、フレームと、請求項1から16のいずれか一項に記載の係合適合機構と、を備える、ロジスティクスシステムであって、前記係合適合機構の前記ギア(4)は、前記ロジスティクス車両に設けられ、前記係合適合機構の前記ラック(1)は、前記フレームに設けられ、前記ロジスティクス車両は、前記ギア(4)および前記ラック(1)の係合によって前記ラック(1)に沿って移動するように構成されている、ロジスティクスシステム。
【請求項18】
前記ロジスティクスシステムは、第3のシャフト(9)と、前記ロジスティクス車両に設けられた動力機構と、をさらに備え、前記第3のシャフト(9)は、前記動力機構および前記ギア(4)を接続し、前記動力機構は、前記ラック(1)の前記第1の側面(11)から前記第2の側面(12)に向けて移動するように前記ギア(4)を駆動するように構成されている、請求項17に記載のロジスティクスシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本開示は、2020年4月27日に出願された中国出願第202010346293.4号に基づいており、その優先権を主張し、この中国出願の開示は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれている。
【0002】
本開示は、機械的伝達の分野、特に、係合適合機構およびロジスティクスシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
ロジスティクスシステムにおいて、ロジスティクス車両は、水平動作から鉛直上昇動作に頻繁に切り換わる必要がある。ロジスティクス車両は、一般に、ギアとラックとの間の係合によってラックに沿って上昇する。ギアをラックの中に案内する工程において、ギアがラックの側面に当接して軸方向に移動することができない現象があり、これはラックの中へのギアの軸方向の案内の失敗につながり、システム障害を引き起こして、システム全体の動作効率に影響を及ぼす。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示のいくつかの実施形態において、係合適合機構が設けられ、係合適合機構は、
互いに反対側に配置された第1の側面と第2の側面とを含むラックと、
第1の側面に設けられた第1の案内歯と、
第1の側面に可動に設けられた第2の案内歯であって、第2の案内歯は、第2の側面から第1の案内歯よりも遠くにある、第2の案内歯と、
第1の側面からラックに部分的に係合し、ラックに完全に係合するように第2の側面に向けて移動するように構成されたギアと、
を含み、
第1の案内歯および第2の案内歯のうちの少なくとも一方は、第1の側面から第2の側面に向けたギアの移動中に、ギアに係合するように構成されている。
【0005】
いくつかの実施形態において、第2の案内歯は、外力の作用を受けて第2の側面に向けて移動するように構成されている。
【0006】
いくつかの実施形態において、係合適合機構は、取付部材をさらに含み、取付部材は、第1の側面に可動に設けられ、第2の案内歯は、取付部材に設けられる。
【0007】
いくつかの実施形態において、係合適合機構は、取付部材と第1の側面との間に設けられる弾性要素をさらに含む。
【0008】
いくつかの実施形態において、係合適合機構は、第1のシャフトをさらに含み、第1のシャフトは、取付部材およびラックを接続し、第1のシャフトは、第1の側面と第2の側面との間の接続線に平行に延び、取付部材は、ラックに対して並進するように構成されている。
【0009】
いくつかの実施形態において、第1の側面は、第1の凹所を具備し、第1の凹所は、第2の側面に向けて凹設され、取付部材は、第1の凹所に配置され、取付部材は、第1の側面と面一の外側側面を含む。
【0010】
いくつかの実施形態において、第1の案内歯は、第1の凹所に設けられ、取付部材は、第1の案内歯を回避するために回避部分を具備する。
【0011】
いくつかの実施形態において、係合適合機構は、第2のシャフトをさらに含み、第2のシャフトは、取付部材およびラックを接続し、第2のシャフトは、第1の側面と第2の側面との間の接続線に垂直な方向に延び、取付部材は、ラックに対して揺動するように構成されている。
【0012】
いくつかの実施形態において、第1の側面は、第2の凹所を具備し、取付部材は、第1の取付部分および第2の取付部分を含み、第1の取付部分は、第2の凹所に配置され、第2の案内歯は、第1の取付部分に配置され、第2のシャフトは、第2の取付部分およびラックを接続する。
【0013】
いくつかの実施形態において、ラックの後面は、第3の凹所を具備し、第3の凹所は、第2の凹所と連通し、第2の取付部分は、第3の凹所に配置され、取付部材は、ラックの後面および第1の側面と面一の外側側面を含む。
【0014】
いくつかの実施形態において、第1の案内歯および第2の案内歯は、ギアの中央軸線の両側にそれぞれ位置する。
【0015】
いくつかの実施形態において、第1の案内歯における第2の側面からの最遠部と、第2の案内歯における第2の側面からの最遠部と、の間に第1の距離が存在し、第2の案内歯は、外力の作用を受けて第2の側面に向けて移動するように構成され、移動の最大距離は、第2の距離であり、第2の距離は、第1の距離よりも大きい。
【0016】
いくつかの実施形態において、第1の案内歯における第2の側面から離れている側面は、第1の尖形部分として構成され、第2の案内歯における第2の側面から離れている側面は、第2の尖形部分として構成され、第1の尖形部分および第2の尖形部分は、第2の側面から遠く離れるように共に延び、ラックに最初に係合するためのギアの一部は、第3の尖形部分として構成され、第1の尖形部分および第2の尖形部分は、第3の尖形部分に共に適合されている。
【0017】
いくつかの実施形態において、第1の尖形部分は、第1のベベル面、第2のベベル面、および第1の端面を含み、第1の端面は、第1のベベル面と第2のベベル面との間の接合点に形成され、
第2の尖形部分は、第3のベベル面、第4のベベル面、および第2の端面を含み、第2の端面は、第3のベベル面と第4のベベル面との間の接合点に形成される。
【0018】
いくつかの実施形態において、ラックは、長手延長方向に沿って2つ以上の第1の歯を具備し、第1の案内歯は、2つ以上の第1の歯のうちの1つの側端面に設けられる。
【0019】
いくつかの実施形態において、ラックは、長手延長方向に沿って2つ以上の第1の歯を具備し、第1の案内歯の上部と第2の案内歯の上部とは、共に2つ以上の第1の歯の上部と面一である。
【0020】
本開示のいくつかの実施形態において、ロジスティクスシステムが設けられ、ロジスティクスシステムは、ロジスティクス車両と、フレームと、上述された係合適合機構と、を含み、係合適合機構のギアは、ロジスティクス車両に設けられ、係合適合機構のラックは、フレームに設けられ、ロジスティクス車両は、ギアおよびラックの係合によってラックに沿って移動するように構成されている。
【0021】
いくつかの実施形態において、ロジスティクスシステムは、第3のシャフトと、ロジスティクス車両に設けられた動力機構と、をさらに含み、第3のシャフトは、動力機構およびギアを接続し、動力機構は、ラックの第1の側面から第2の側面に向けて移動するようにギアを駆動するように構成されている。
【0022】
上の技術的解決策に基づいて、本開示は、少なくとも以下の有利な効果を有する。
【0023】
いくつかの実施形態において、第1の案内歯および第2の案内歯が共に設けられ、ギアがラックに最初に係合するとき、第2の案内歯は、ギアに対して第1の案内歯よりも近くにあり、第2の案内歯は、ラックに対して移動することができ、第1の案内歯および第2の案内歯は、互いに協働して、ラックの中にギアを案内するための種々の不利益要因を軽減し、ラックに係合するあらゆる角度におけるラックの中へのギアの案内が成功するように促進する。
【0024】
本明細書において例示される図面は、本開示の更なる理解を提供するために使用され、本出願の一部を形成しており、本開示の例示的実施形態およびそれらの説明は、本開示を不適切に限定するのではなく、解説することを意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本開示のいくつかの実施形態に従って設けられる係合適合機構の概略図である。
【
図2】本開示のいくつかの実施形態に従って設けられるラックおよび第1の案内歯の概略図である。
【
図3】本開示のいくつかの実施形態に従って設けられる取付部材および第2の案内歯の概略図である。
【
図4】本開示のいくつかの実施形態に従って設けられるギアの概略図である。
【
図5】本開示のいくつかの実施形態に従って設けられるギアとラックの第1の側面との間の最初の係合の概略図である。
【
図6】本開示のいくつかの他の実施形態に従って設けられる係合適合機構の概略図である。
【
図7】
図6のラックおよび取付部材の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
実施形態における技術的解決策は、本開示の実施形態における添付の図面と併せて明瞭かつ完全に下記に説明されるであろう。明らかに、説明される実施形態は、本開示の実施形態の全てではなく、一部にすぎない。本開示の実施形態に基づいて、創造的な作業を伴わずに当業者によって得られるあらゆる他の実施形態は、本開示の保護範囲に収まるべきものである。
【0027】
本開示の説明において、用語「中央」、「長手」、「横断」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「上部」、「底部」、「内側」、「外側」および同種のものによって示される向き関係または位置関係は、図面に基づいて例示される向き関係または位置関係であり、表示されたデバイスや要素が特定の向きを有するかまたは特定の向きで構築および動作されなければならないことを指示や暗示するのではなく、本開示を説明し説明を平易にする便宜のためだけであり、したがって、用語を本開示の保護範囲を限定するものとして解釈することができないことが、認識されることが必要である。
【0028】
ギアは、ロジスティクス車両に設けられ、ラックは、フレームに設けられ、ロジスティクス車両は、ギアおよびラックの係合によってラックに沿って移動する。ラックの中へのロジスティクス車両のギアの案内中に、ギアの歯端面がラックの歯端面と食い違う可能性が大きく、ギアがラックの中に軸方向に押し進められるとき、ギアの歯は、ラックの歯に係合して一定の角度だけ回転し、したがってギアおよびラックの係合の成功を達成する。しかしながら、ギアの歯端面がラックの歯端面とちょうど整列し、ギアがラックの側面に当接して軸方向に移動することができない状況もあり、ラックの中へのギアの軸方向の案内の失敗を結果としてもたらす。
【0029】
これに基づいて、本開示のいくつかの実施形態において、係合適合機構は、ラックの中へのギアの軸方向の案内の失敗という問題を軽減するために設けられる。
【0030】
図1に示されるように、いくつかの実施形態において、係合適合機構は、ラック1、第1の案内歯2、第2の案内歯3、および、ギア4を含む。
【0031】
ラック1は、互いに反対側に配置された第1の側面11と第2の側面12とを含む。ラック1の前面は、ラック1の長手延長方向に沿って2つ以上の第1の歯13を具備し、ラック1の前面の反対側の面は、ラック1の後面14である。第1の側面11と第2の側面12との間の方向は、2つ以上の第1の歯13の各第1の歯13の延びる方向である。
【0032】
第1の案内歯2は、ラック1の第1の側面11に設けられる。
【0033】
第2の案内歯3は、ラック1の第1の側面11に可動に設けられ、第2の案内歯3は、第2の側面12から第1の案内歯2よりも遠い。
【0034】
ギア4は、2つ以上の第2の歯42を周方向に具備する。第2の歯42は、ラック1の第1の歯13に係合するように構成されている。ギア4は、第1の側面11からラック1に最初に係合し、第2の側面12に向けて移動し、ラック1にさらに係合し、したがって、ラック1に完全に係合するように構成されている。
【0035】
第1の案内歯2および第2の案内歯3のうちの少なくとも一方は、ギア4の移動中に、第1の側面11から第2の側面12に向けてギア4に係合するように構成されている。
【0036】
いくつかの実施形態において、
図5に示されるように、ラック1の中へのギア4の案内中に、ギア4がラック1の第1の側面11からラック1に最初に係合する、以下の状況が存在する。
【0037】
ギア4の第2の歯42のうちの1つの端面が第2の案内歯3の端面と第1の案内歯2の端面との間に位置する場合、第2の案内歯3が、第2の側面12から第1の案内歯2よりも遠いので、第2の案内歯3が、ギア4に先ず接触して、ギア4は、第2の案内歯3の作用を受けてラック1との正確な係合の位置まで回転し、したがってラック1の中にギア4を正確に案内する。
【0038】
ギア4の第2の歯42のうちの1つの端面が第2の案内歯3の端面と整列し、それにより、ギア4が、第2の案内歯3に当接して回転することができない場合、ギア4への軸方向力が増加するにつれて、第2の案内歯3は、力を受けて第1の側面11に対して移動し、第2の案内歯3の端面がギア4から第1の案内歯2の端面よりも遠い場合、第1の案内歯2の端面は、ギア4の別の第2の歯42の端面に接近し始めて、接触後に一定の角度だけギア4を回転させ、それにより、ギア4は、ラック1との正確な係合の位置まで回転し、したがってラック1の中にギア4を正確に案内する。
【0039】
ギア4の第2の歯42のうちの1つの端面が、第1の案内歯2の端面と整列する場合、第2の案内歯3は、第1の案内歯2よりも早くギア4と接触し、第2の案内歯3の端面は、幾何的な関係に起因して、ギア4の別の対応する第2の歯42の端面と整列しないので、第2の案内歯3は、一定の角度だけギア4を依然として回転させることができ、それにより、ギア4は、ラック1との正確な係合の位置まで回転し、したがってラック1の中にギア4を正確に案内する。
【0040】
それ故に、本開示で提供されるいくつかの実施形態において、第1の案内歯2と第2の案内歯3との両方が、設けられて、第1の案内歯2および第2の案内歯3は、互いに協働して、ラック1の中にギア4を案内するための種々の不利益要因を軽減し、ラック1に係合するためにあらゆる角度におけるラック1の中へのギア4の案内が成功するように促進する。
【0041】
いくつかの実施形態において、第1の案内歯2および第2の案内歯3は、ギア4の中央軸線の両側にそれぞれ位置する。
【0042】
任意選択で、第1の案内歯2は、ギア4の中央軸線より上方に位置し、第2の案内歯3は、ギア4の中央軸線より下方に位置する。代替的に、第1の案内歯2は、ギア4の中央軸線より下方に位置し、第2の案内歯3は、ギア4の中央軸線より上方に位置する。
【0043】
いくつかの実施形態において、第2の案内歯3は、第1の案内歯2に隣接している。
【0044】
いくつかの実施形態において、第2の案内歯3は、外力の作用を受けて第2の側面12に向けて移動するように構成されている。
【0045】
いくつかの実施形態において、第1の案内歯2における第2の側面12からの最遠部と、第2の案内歯3における第2の側面12からの最遠部と、の間に第1の距離aが存在し、第2の案内歯3は、外力の作用を受けて第2の側面12に向けて移動するように構成され、移動の最大距離は、第2の距離bであり、第2の距離bは、第1の距離aよりも大きい。
【0046】
ギア4の第2の歯42のうちの1つの端面が、第2の案内歯3の端面と整列し、それにより、ギア4が、第2の案内歯3に当接して回転することができない場合、ギア4への軸方向力が増加するにつれて、第2の案内歯3は、力を受けて第2の側面12に向けた方向に移動し、第2の距離bは第1の距離aよりも大きいので、したがって、第2の案内歯3が、第2の側面12に向けて移動し、それにより、第2の案内歯3の端面が、ギア4から第1の案内歯2の端面よりも遠い場合、第1の案内歯2の端面が、ギア4の別の第2の歯42の端面に接近し始めて、接触後に一定の角度だけギア4を回転させ、それにより、ギア4は、ラック1との正確な係合の位置まで回転し、したがってギア4のラック1の中への正確な案内を達成する。
【0047】
いくつかの実施形態において、
図2に示されるように、第1の案内歯2における第2の側面12から離れている側面は、第1の尖形部分21として構成されている。
図3に示されるように、第2の案内歯3における第2の側面12から離れている側面は、第2の尖形部分31として構成されている。第1の尖形部分21および第2の尖形部分31は、第2の側面12から離れるように共に延びている。
図4に示されるように、ラック1に最初に係合するためのギア4の一部は、第3の尖形部分41として構成されており、第1の尖形部分21および第2の尖形部分31は、第3の尖形部分41に共に適合されている。
【0048】
図4に示されるように、ギア4上で周方向に設けられている2つ以上の第2の歯42の各第2の歯42の歯端面は、第3の尖形部分41を具備する。
【0049】
ラック1との係合へのギア4の案内中に、第1の尖形部分21および第2の尖形部分31のうちの少なくとも一方は、第3の尖形部分41に係合および案内され、ギア4は、動力なしで受動的に回転することができる。ギア4がラック1に軸方向に接近してラック1の中に案内されるプロセスにおいて、ギア4は、ラック1の中に軸方向に押し進められ、ギア4は、第1の尖形部分21および第2の尖形部分31のベベル面の作用を受けて一定の角度だけ受動的に回転し、したがってギア4およびラック1の正確な係合を達成する。
【0050】
ギア4の第3の尖形部分41が第1の尖形部分21または第2の尖形部分31とちょうど整列し、ギア4が、ラック1の側面に当接して軸方向に移動することができない場合、第1の案内歯2および第2の案内歯3は、協働して、ラック1の中にギア4を案内するための不利益要因を克服し、あらゆる角度におけるラック1の中へのギア4の案内が成功するように促進する。
【0051】
いくつかの実施形態において、
図2に示されるように、第1の尖形部分21は、第1のベベル面211、第2のベベル面212、および、第1の端面213を含み、第1のベベル面211および第2のベベル面212は、互いに近い端において第1の端面213に接続されている。
【0052】
第1のベベル面211および第2のベベル面212は、第1の歯13の2つの歯面の端からそれぞれ延び、第1のベベル面211および第2のベベル面212の延びる端は、互いに近くて、第1の端面213に接続されている。
【0053】
いくつかの実施形態において、
図3に示されるように、第2の尖形部分31は、第3のベベル面311、第4のベベル面312、および、第2の端面313を含み、第3のベベル面311および第4のベベル面312は、互いに近い端において第2の端面313に接続されている。
【0054】
いくつかの実施形態において、
図4に示されるように、第3の尖形部分41は、第5のベベル面411、第6のベベル面412、および、第3の端面413を含み、第5のベベル面411および第6のベベル面412は、互いに近い端において第3の端面413に接続されている。
【0055】
第5のベベル面411および第6のベベル面412は、第2の歯42の2つの歯面の端からそれぞれ延び、第5のベベル面411および第6のベベル面412の延びる端は、互いに近くて、第3の端面413に接続されている。
【0056】
図5は、いくつかの実施形態において、ギア4が、ラック1の第1の側面11からラック1に最初に係合する場合の、ギア4、第2の案内歯3および第1の案内歯2の相対位置関係を例示する。
【0057】
第1の案内歯2および第2の案内歯3の相互協働によってラック1の中へのギア4の正確な案内を促進させる原理は、次の通りである。ギア4の第2の歯42の第3の尖形部分41は、第2の案内歯3および第1の案内歯2と同時に接触せず、ギアおよびラックの前方-後方および上方-下方の空間関係および幾何特性を使用して、対応する歯は、対応する歯の角度が適切である場合、その他の歯による影響を受けずに相互作用し、対応する歯がちょうど整列し、ギア4が回転することができない場合、隣接する歯は、続いて干渉して、ちょうど整列した平衡状態を壊すことができ、それによって、案内が継続することを可能にする。
【0058】
いくつかの実施形態において、第1の案内歯2は、第1の歯13のうちの1つの歯端面に設けられる。
【0059】
いくつかの実施形態において、第1の案内歯2の上部および第2の案内歯3の上部は、共に第1の歯13の上部と面一である。
【0060】
いくつかの実施形態において、
図3に示されるように、係合適合機構は、取付部材5をさらに含み、取付部材5は、第1の側面11に可動に設けられ、第2の案内歯3は、取付部材5に設けられる。
【0061】
いくつかの実施形態において、
図1に示されるように、係合適合機構は、弾性要素6をさらに含み、弾性要素6は、取付部材5と第1の側面11との間に設けられる。
【0062】
取付部材5は、弾性要素6の作用を受けてラック1から第2の距離bに保たれ、即ち、第2の案内歯3は、弾性要素6の作用を受けてラック1から第2の距離bに保たれる。
【0063】
いくつかの実施形態において、ギア4が、ラック1の第2の側面12に向けて第1の側面11から軸方向に移動してラック1の中に案内されるプロセスにおいて、次の状況が存在する。
【0064】
ギア4の第3の尖形部分41のうちの1つの第3の端面413が第2の尖形部分31の第2の端面313と第1の尖形部分21の第1の端面213との間に位置する場合、第2の案内歯3は、第1の案内歯2よりも早くギア4と接触するので、ギア4は、第2の案内歯3の作用を受けてラック1との正確な係合の位置までさらに受動的に回転し、したがってラック1の中へのギア4の正確な案内を達成する。
【0065】
ギア4の第3の尖形部分41のうちの1つの第3の端面413が第2の尖形部分31の第2の端面313と整列し、それにより、ギア4が、第2の案内歯3に当接して回転することができない場合、ギア4への軸方向力が増加するにつれて、第2の案内歯3は、力を受けて弾性要素6を圧縮し、第2の側面12に向けて移動し、第2の尖形部分31の第2の端面313が、ギア4から第1の尖形部分21の第1の端面213よりも遠い場合、第1の尖形部分21の第1の端面213は、ギア4の別の第3の尖形部分41の第5のベベル面411または第6のベベル面412に接近し始めて、接触後に一定の角度だけギア4を回転させ、それにより、ギア4は、ラック1との正確な係合の位置まで回転し、したがってラック1の中へのギア4の正確な案内を達成する。
【0066】
ギア4の第3の尖形部分41のうちの1つの第3の端面413が、第1の尖形部分21の第1の端面213と整列する場合、第2の案内歯3は、第1の案内歯2よりも早くギア4と接触し、第2の尖形部分31の第2の端面313は、幾何的な関係に起因して、ギア4の別の第3の尖形部分41の第3の端面413と整列しないので、第2の案内歯3は、一定の角度だけギア4を依然として回転させることができ、それにより、ギア4は、ラック1との正確な係合の位置まで回転し、したがってラック1の中へのギア4の正確な案内を達成する。
【0067】
いくつかの実施形態において、
図1に示されるように、係合適合機構は、第1のシャフト7を含み、第1のシャフト7は、取付部材5およびラック1を接続し、第1のシャフト7は、第1の側面11と第2の側面12との間の接続線に平行に延び、取付部材5は、ラック1に対して並進するように構成されている。
【0068】
任意選択で、取付部材5および第1のシャフト7は、ラック1に対して同時に移動する。代替的に、第1のシャフト7は、移動せず、取付部材5は、第1のシャフト7に沿って移動してラック1に対して移動する。
【0069】
いくつかの実施形態において、第1の側面11は、第1の凹所111を具備し、第1の凹所111は、第2の側面12に向けて凹設され、取付部材5は、第1の凹所111に配置され、取付部材5は、第1の側面11と面一の外側側面を含む。
【0070】
いくつかの実施形態において、第1の案内歯2は、第1の凹所111に設けられ、取付部材5は、第1の案内歯2を回避するために回避部分53を具備する。
【0071】
いくつかの実施形態において、取付部材5は、2つの第1のシャフト7によってラック1に接続される。
【0072】
図2に示されるように、第1の凹所111は、2つの第1の穴114を具備し、2つの第1の穴114は、2つの第1のシャフト7が通過するためにそれぞれ使用され、2つの第1のシャフト7は、マウント5およびラック1を接続する。第1の凹所111は、第2の穴115を同じく具備し、第2の穴115は、弾性要素6を取り付けるために使用される。
【0073】
図3に示されるように、取付部材5は、対称構造として構成され、2つの第3の穴54および2つの回避部分53を含む。2つの第3の穴54は、ラック1の2つの第1の穴114にそれぞれ対応し、2つの第1のシャフト7が通過するために使用される。2つの第3の穴54は、取付部材5の2つの端においてそれぞれ形成され、取付部材5の中間に関して対称である。第2の案内歯3は、2つの第3の穴54間に設けられ、一方の回避部分53は、第2の案内歯3と第3の穴54の一方との間に形成され、他方の回避部分53は、第2の案内歯3と他方の第3の穴54との間に形成され、2つの回避部分53は、取付部材5の中間に関して対称である。取付部材5は、対称構造として構成され、ロジスティクス車両の一方側でラック1に配置できるだけでなく、ロジスティクス車両の他方側でラック1に配置できる。
【0074】
いくつかの実施形態において、取付部材5は、2つの第1のシャフト7に固定式に接続され、2つの第1のシャフト7は、ラック1の2つの第1の穴114をそれぞれ通過し、このようにして第2の案内歯3および2つの第1のシャフト7は、第1の側面11および第2の側面12の接続線の方向にラック1に対して一緒に往復動できる。
【0075】
いくつかの実施形態において、弾性要素6は、第1の凹所111と取付部材5との間に取り付けられ、第2の案内歯3と第1の凹所111との間の第2の距離bを提供する。
【0076】
いくつかの実施形態において、
図6に示されるように、係合適合機構は、第2のシャフト8を含み、第2のシャフト8は、取付部材5およびラック1を接続し、第2のシャフト8は、第1の側面11と第2の側面12との間の接続線に垂直な方向に延び、取付部材5は、ラック1に対して揺動するように構成されている。
【0077】
任意選択で、取付部材5は、第2のシャフト8に固定され、取付部材5および第2のシャフト8は、ラック1に対して共に揺動する。代替的に、第2のシャフト8は、ラック1に固定され、取付部材5は、ラック1に対して第2のシャフト8を中心に揺動する。
【0078】
いくつかの実施形態において、
図7に示されるように、第1の側面11は、第2の凹所112を具備し、取付部材5は、第1の取付部分51および第2の取付部分52を含み、第1の取付部分51は、第2の凹所112に配置され、第2の案内歯3は、第1の取付部分51に配置され、第2のシャフト8は、第2の取付部分52およびラック1を接続する。弾性要素6は、第1の取付部分51と第2の凹所112との間に配置される。
【0079】
いくつかの実施形態において、ラック1の後面14は、第3の凹所113を具備し、第3の凹所113は、第2の凹所112と連通し、第2の取付部分52は、第3の凹所113に配置され、取付部材5は、ラック1の後面14および第1の側面11と面一の外側側面を含む。
【0080】
いくつかの実施形態において、
図6および
図7に示されるように、取付部材5の第2の取付部分52は、第2のシャフト8によってラック1に接続され、第2の案内歯3は、取付部材5の第1の取付部分51に配置され、弾性要素6は、第2の凹所112と第1の取付部分51との間に配置されて、第2の案内歯3と第2の凹所112との間の第2の距離bを提供し、ラック1は、第1の案内歯2を備えて機械加工され、第1の案内歯2は第2の案内歯3の位置に隣接し、第1の案内歯および第2の案内歯は、高さにおけるギア4の軸線の上方側および下方側にそれぞれ位置する。
【0081】
第1の案内歯2および第2の案内歯3は、ギア4と最初に係合する側の第1の尖形部分21および第2の尖形部分31をそれぞれ具備する。ギア4の第3の尖形部分41のうちの1つの第3の端面413が第2の尖形部分31の第2の端面313と整列するとき、第2の案内歯3は、第2の側面12に接近する方向に第2のシャフト8を中心に揺動し、したがって第1の尖形部分21の第1の端面213が、ギア4の別の第3の尖形部分41の第5のベベル面411または第6のベベル面412に接近し始めて、接触後に一定の角度だけギア4を回転させ、したがって、ギア4は、ラック1との正確な係合の位置まで回転し、したがってラック1の中へのギア4の正確な案内を達成する。
【0082】
上の実施形態の説明によれば、第1の案内歯2がギア4に係合するように、第2の案内歯3がラック1に対する第2の案内歯3の位置における変化を引き起こすことができる限りにおいて、第2の案内歯3は、ラック1に対して並進してもよく、ラック1に対して揺動してもよい。
【0083】
いくつかの実施形態において、弾性要素6は、ばねを含む。
【0084】
いくつかの実施形態において、ロジスティクスシステムが設けられて、ロジスティクスシステムは、ロジスティクス車両、フレーム、および、上で説明された係合適合機構を含み、係合適合機構のギア4は、ロジスティクス車両に設けられ、係合適合機構のラック1は、フレームに設けられ、ロジスティクス車両は、ギア4およびラック1の係合によってラック1に沿って移動するように構成される。
【0085】
いくつかの実施形態において、ロジスティクスシステムは、上の実施形態における係合適合機構を含み、ロジスティクス車両が水平動作から鉛直動作に切り換わるとき、ギア4は、ラック1の中に軸方向に円滑に案内でき、正確な係合を達成する。
【0086】
いくつかの実施形態において、ロジスティクスシステムは、第3のシャフト9とロジスティクス車両に設けられる動力機構とを含み、第3のシャフト9は、動力機構およびギア4を接続し、動力機構は、ギア4を駆動してラック1の第1の側面11から第2の側面に向けて移動させるように構成される。
【0087】
いくつかの実施形態において、各ロジスティクス車両は、2つ以上のセットの係合適合機構を装備し、セットの係合適合機構は、ロジスティクス車両の左側および右側に対称的に分配される。ラック1は、フレームに設けられた上昇レール(図面に示されない)に固定式に取り付けられる。
【0088】
本開示の説明において、理解が必要なことは、部品および構成要素を規定するための用語「第1」、「第2」、「第3」および同種のものの使用が、上記の部品および構成要素を区別する便宜のためだけである、ということである。別な方法で述べられていない限り、上の用語は、特別な意味を有しておらず、それ故に、本開示の保護範囲の限定として解釈することができない。
【0089】
加えて、一実施形態の技術的な特徴は、明示的に否定されない限りにおいて、1つまたは複数の他の実施形態と有利に組み合わせることができる。
【0090】
最後に、上記の実施形態は、本開示の技術的解決策を限定するのではなく、説明のために使用されているにすぎないことが留意されるべきである。本開示は、好適な実施形態を参照して詳細に説明されているが、当業者は、本開示の特定の実装に対する修正を行うこと、またはその技術的特徴の一部に対する均等な置換を行うことが依然として可能であり、そのような修正および均等な置換は、それらが本開示の技術的解決策の精神から逸脱しない限り、本開示において保護の求められる技術的解決策の範囲内に包含されるべきであることを当業者は理解すべきである。
【符号の説明】
【0091】
1 ラック
2 第1の案内歯
3 第2の案内歯
4 ギア
5 取付部材
6 弾性要素
7 第1のシャフト
8 第2のシャフト
9 第3のシャフト
11 第1の側面
12 第2の側面
13 第1の歯
14 後面
21 第1の尖形部分
31 第2の尖形部分
41 第3の尖形部分
42 第2の歯
51 第1の取付部分
52 第2の取付部分
53 回避部分
54 第3の穴
111 第1の凹所
112 第2の凹所
113 第3の凹所
114 第1の穴
211 第1のベベル面
212 第2のベベル面
213 第1の端面
311 第3のベベル面
312 第4のベベル面
313 第2の端面
411 第5のベベル面
412 第6のベベル面
413 第3の端面
【手続補正書】
【提出日】2022-12-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに反対側に配置された第1の側面(11)と第2の側面(12)とを含むラック(1)と、
前記第1の側面(11)に配置された第1の案内歯(2)と、
前記第1の側面(11)に可動に配置された第2の案内歯(3)であって、前記第2の案内歯(3)は、前記第1の案内歯(2)に対して前記第2の側面(12)から遠く離れている、第2の案内歯(3)と、
前記第1の側面(11)から前記ラック(1)に部分的に係合し、前記ラック(1)に完全に係合するように前記第2の側面(12)に向けて移動するように構成されたギア(4)と、
を備える
歯付き部分係合適合機構であって、
前記第1の案内歯(2)および前記第2の案内歯(3)のうちの少なくとも一方は、前記第1の側面(11)から前記第2の側面(12)に向けた前記ギア(4)の前記移動中に、前記ギア(4)に係合するように構成されている、
歯付き部分係合適合機構。
【請求項2】
前記第2の案内歯(3)は、外力の作用を受けて前記第2の側面(12)に向けて移動するように構成されている、請求項1に記載の
歯付き部分係合適合機構。
【請求項3】
前記
歯付き部分係合適合機構は、取付部材(5)をさらに備え、前記取付部材(5)は、前記第1の側面(11)に可動に設けられ、前記第2の案内歯(3)は、前記取付部材(5)に設けられる、請求項1または2に記載の
歯付き部分係合適合機構。
【請求項4】
前記取付部材(5)と前記第1の側面(11)との間に設けられる弾性要素(6)をさらに備える、請求項3に記載の
歯付き部分係合適合機構。
【請求項5】
前記
歯付き部分係合適合機構は、第1のシャフト(7)をさらに備え、前記第1のシャフト(7)は、前記取付部材(5)および前記ラック(1)を接続し、前記第1のシャフト(7)は、前記第1の側面(11)と前記第2の側面(12)との間の接続線に平行に延び、前記取付部材(5)は、前記ラック(1)に対して並進するように構成されている、請求項3または4に記載の
歯付き部分係合適合機構。
【請求項6】
前記第1の側面(11)は、第1の凹所(111)を具備し、前記第1の凹所(111)は、前記第2の側面(12)に向けて凹設され、前記取付部材(5)は、前記第1の凹所(111)に配置され、前記取付部材(5)は、前記第1の側面(11)と面一の外側側面を含む、請求項3から5のいずれか一項に記載の
歯付き部分係合適合機構。
【請求項7】
前記第1の案内歯(2)は、前記第1の凹所(111)に設けられ、前記取付部材(5)は、前記第1の案内歯(2)を回避するために回避部分(53)を具備する、請求項6に記載の
歯付き部分係合適合機構。
【請求項8】
前記
歯付き部分係合適合機構は、第2のシャフト(8)をさらに備え、前記第2のシャフト(8)は、前記取付部材(5)および前記ラック(1)を接続し、前記第2のシャフト(8)は、前記第1の側面(11)と前記第2の側面(12)との間の接続線に垂直な方向に延び、前記取付部材(5)は、前記ラック(1)に対して揺動するように構成されている、請求項3または4に記載の
歯付き部分係合適合機構。
【請求項9】
前記第1の側面(11)は、第2の凹所(112)を具備し、前記取付部材(5)は、第1の取付部分(51)および第2の取付部分(52)を含み、前記第1の取付部分(51)は、前記第2の凹所(112)に配置され、前記第2の案内歯(3)は、前記第1の取付部分(51)に配置され、前記第2のシャフト(8)は、前記第2の取付部分(52)および前記ラック(1)を接続する、請求項8に記載の
歯付き部分係合適合機構。
【請求項10】
前記ラック(1)の後面(14)は、第3の凹所(113)を具備し、前記第3の凹所(113)は、前記第2の凹所(112)と連通し、前記第2の取付部分(52)は、前記第3の凹所(113)に配置され、前記取付部材(5)は、前記ラック(1)の前記後面(14)および前記第1の側面(11)と面一の外側側面を含む、請求項9に記載の
歯付き部分係合適合機構。
【請求項11】
前記第1の案内歯(2)および前記第2の案内歯(3)は、前記ギア(4)の中央軸線の両側にそれぞれ位置する、請求項1から10のいずれか一項に記載の
歯付き部分係合適合機構。
【請求項12】
前記第1の案内歯(2)における前記第2の側面(12)から最も離れている一部と、前記第2の案内歯(3)における前記第2の側面(12)から最も離れている一部と、の間に第1の距離(a)が存在し、前記第2の案内歯(3)は、外力の作用を受けて前記第2の側面(12)に向けて移動するように構成され、前記移動の最大距離は、第2の距離(b)であり、前記第2の距離(b)は、前記第1の距離(a)よりも大きい、請求項1から11のいずれか一項に記載の
歯付き部分係合適合機構。
【請求項13】
前記第1の案内歯(2)における前記第2の側面(12)から離れている側面は、第1の尖形部分(21)として構成され、前記第2の案内歯(3)における前記第2の側面(12)から離れている側面は、第2の尖形部分(31)として構成され、前記第1の尖形部分(21)および前記第2の尖形部分(31)は、前記第2の側面(12)から遠く離れるように共に延び、前記ラック(1)に最初に係合するための前記ギア(4)の一部は、第3の尖形部分(41)として構成され、前記第1の尖形部分(21)および前記第2の尖形部分(31)は、前記第3の尖形部分(41)に共に適合されている、請求項1から12のいずれか一項に記載の
歯付き部分係合適合機構。
【請求項14】
前記第1の尖形部分(21)は、第1のベベル面(211)、第2のベベル面(212)、および第1の端面(213)を含み、前記第1の端面(213)は、前記第1のベベル面(211)と前記第2のベベル面(212)との間の接合点に形成され、
前記第2の尖形部分(31)は、第3のベベル面(311)、第4のベベル面(312)、および第2の端面(313)を含み、前記第2の端面(313)は、前記第3のベベル面(311)と前記第4のベベル面(312)との間の接合点に形成される、請求項13に記載の
歯付き部分係合適合機構。
【請求項15】
前記ラック(1)は、長手延長方向に沿って2つ以上の第1の歯(13)を具備し、前記第1の案内歯(2)は、前記2つ以上の第1の歯(13)のうちの1つの第1の歯(13)の側端面に設けられる、請求項1から14のいずれか一項に記載の
歯付き部分係合適合機構。
【請求項16】
前記ラック(1)は、長手延長方向に沿って2つ以上の第1の歯(13)を具備し、前記第1の案内歯(2)の上部と前記第2の案内歯(3)の上部とは、共に前記2つ以上の第1の歯(13)の上部と面一である、請求項1から15のいずれか一項に記載の
歯付き部分係合適合機構。
【請求項17】
ロジスティクス車両と、フレームと、請求項1から16のいずれか一項に記載の
歯付き部分係合適合機構と、を備える、ロジスティクスシステムであって、前記
歯付き部分係合適合機構の前記ギア(4)は、前記ロジスティクス車両に設けられ、前記
歯付き部分係合適合機構の前記ラック(1)は、前記フレームに設けられ、前記ロジスティクス車両は、前記ギア(4)および前記ラック(1)の係合によって前記ラック(1)に沿って移動するように構成されている、ロジスティクスシステム。
【請求項18】
前記ロジスティクスシステムは、第3のシャフト(9)と、前記ロジスティクス車両に設けられた動力機構と、をさらに備え、前記第3のシャフト(9)は、前記動力機構および前記ギア(4)を接続し、前記動力機構は、前記ラック(1)の前記第1の側面(11)から前記第2の側面(12)に向けて移動するように前記ギア(4)を駆動するように構成されている、請求項17に記載のロジスティクスシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本開示は、2020年4月27日に出願された中国出願第202010346293.4号に基づいており、その優先権を主張し、この中国出願の開示は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれている。
【0002】
本開示は、機械的伝達の分野、特に、歯付き部分係合適合機構およびロジスティクスシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
ロジスティクスシステムにおいて、ロジスティクス車両は、水平動作から鉛直上昇動作に頻繁に切り換わる必要がある。ロジスティクス車両は、一般に、ギアとラックとの間の係合によってラックに沿って上昇する。ギアをラックの中に案内する工程において、ギアがラックの側面に当接して軸方向に移動することができない現象があり、これはラックの中へのギアの軸方向の案内の失敗につながり、システム障害を引き起こして、システム全体の動作効率に影響を及ぼす。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示のいくつかの実施形態において、歯付き部分係合適合機構が設けられ、歯付き部分係合適合機構は、
互いに反対側に配置された第1の側面と第2の側面とを含むラックと、
第1の側面に設けられた第1の案内歯と、
第1の側面に可動に設けられた第2の案内歯であって、第2の案内歯は、第2の側面から第1の案内歯よりも遠くにある、第2の案内歯と、
第1の側面からラックに部分的に係合し、ラックに完全に係合するように第2の側面に向けて移動するように構成されたギアと、
を含み、
第1の案内歯および第2の案内歯のうちの少なくとも一方は、第1の側面から第2の側面に向けたギアの移動中に、ギアに係合するように構成されている。
【0005】
いくつかの実施形態において、第2の案内歯は、外力の作用を受けて第2の側面に向けて移動するように構成されている。
【0006】
いくつかの実施形態において、歯付き部分係合適合機構は、取付部材をさらに含み、取付部材は、第1の側面に可動に設けられ、第2の案内歯は、取付部材に設けられる。
【0007】
いくつかの実施形態において、歯付き部分係合適合機構は、取付部材と第1の側面との間に設けられる弾性要素をさらに含む。
【0008】
いくつかの実施形態において、歯付き部分係合適合機構は、第1のシャフトをさらに含み、第1のシャフトは、取付部材およびラックを接続し、第1のシャフトは、第1の側面と第2の側面との間の接続線に平行に延び、取付部材は、ラックに対して並進するように構成されている。
【0009】
いくつかの実施形態において、第1の側面は、第1の凹所を具備し、第1の凹所は、第2の側面に向けて凹設され、取付部材は、第1の凹所に配置され、取付部材は、第1の側面と面一の外側側面を含む。
【0010】
いくつかの実施形態において、第1の案内歯は、第1の凹所に設けられ、取付部材は、第1の案内歯を回避するために回避部分を具備する。
【0011】
いくつかの実施形態において、歯付き部分係合適合機構は、第2のシャフトをさらに含み、第2のシャフトは、取付部材およびラックを接続し、第2のシャフトは、第1の側面と第2の側面との間の接続線に垂直な方向に延び、取付部材は、ラックに対して揺動するように構成されている。
【0012】
いくつかの実施形態において、第1の側面は、第2の凹所を具備し、取付部材は、第1の取付部分および第2の取付部分を含み、第1の取付部分は、第2の凹所に配置され、第2の案内歯は、第1の取付部分に配置され、第2のシャフトは、第2の取付部分およびラックを接続する。
【0013】
いくつかの実施形態において、ラックの後面は、第3の凹所を具備し、第3の凹所は、第2の凹所と連通し、第2の取付部分は、第3の凹所に配置され、取付部材は、ラックの後面および第1の側面と面一の外側側面を含む。
【0014】
いくつかの実施形態において、第1の案内歯および第2の案内歯は、ギアの中央軸線の両側にそれぞれ位置する。
【0015】
いくつかの実施形態において、第1の案内歯における第2の側面からの最遠部と、第2の案内歯における第2の側面からの最遠部と、の間に第1の距離が存在し、第2の案内歯は、外力の作用を受けて第2の側面に向けて移動するように構成され、移動の最大距離は、第2の距離であり、第2の距離は、第1の距離よりも大きい。
【0016】
いくつかの実施形態において、第1の案内歯における第2の側面から離れている側面は、第1の尖形部分として構成され、第2の案内歯における第2の側面から離れている側面は、第2の尖形部分として構成され、第1の尖形部分および第2の尖形部分は、第2の側面から遠く離れるように共に延び、ラックに最初に係合するためのギアの一部は、第3の尖形部分として構成され、第1の尖形部分および第2の尖形部分は、第3の尖形部分に共に適合されている。
【0017】
いくつかの実施形態において、第1の尖形部分は、第1のベベル面、第2のベベル面、および第1の端面を含み、第1の端面は、第1のベベル面と第2のベベル面との間の接合点に形成され、
第2の尖形部分は、第3のベベル面、第4のベベル面、および第2の端面を含み、第2の端面は、第3のベベル面と第4のベベル面との間の接合点に形成される。
【0018】
いくつかの実施形態において、ラックは、長手延長方向に沿って2つ以上の第1の歯を具備し、第1の案内歯は、2つ以上の第1の歯のうちの1つの側端面に設けられる。
【0019】
いくつかの実施形態において、ラックは、長手延長方向に沿って2つ以上の第1の歯を具備し、第1の案内歯の上部と第2の案内歯の上部とは、共に2つ以上の第1の歯の上部と面一である。
【0020】
本開示のいくつかの実施形態において、ロジスティクスシステムが設けられ、ロジスティクスシステムは、ロジスティクス車両と、フレームと、上述された歯付き部分係合適合機構と、を含み、歯付き部分係合適合機構のギアは、ロジスティクス車両に設けられ、歯付き部分係合適合機構のラックは、フレームに設けられ、ロジスティクス車両は、ギアおよびラックの係合によってラックに沿って移動するように構成されている。
【0021】
いくつかの実施形態において、ロジスティクスシステムは、第3のシャフトと、ロジスティクス車両に設けられた動力機構と、をさらに含み、第3のシャフトは、動力機構およびギアを接続し、動力機構は、ラックの第1の側面から第2の側面に向けて移動するようにギアを駆動するように構成されている。
【0022】
上の技術的解決策に基づいて、本開示は、少なくとも以下の有利な効果を有する。
【0023】
いくつかの実施形態において、第1の案内歯および第2の案内歯が共に設けられ、ギアがラックに最初に係合するとき、第2の案内歯は、ギアに対して第1の案内歯よりも近くにあり、第2の案内歯は、ラックに対して移動することができ、第1の案内歯および第2の案内歯は、互いに協働して、ラックの中にギアを案内するための種々の不利益要因を軽減し、ラックに係合するあらゆる角度におけるラックの中へのギアの案内が成功するように促進する。
【0024】
本明細書において例示される図面は、本開示の更なる理解を提供するために使用され、本出願の一部を形成しており、本開示の例示的実施形態およびそれらの説明は、本開示を不適切に限定するのではなく、解説することを意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本開示のいくつかの実施形態に従って設けられる
歯付き部分係合適合機構の概略図である。
【
図2】本開示のいくつかの実施形態に従って設けられるラックおよび第1の案内歯の概略図である。
【
図3】本開示のいくつかの実施形態に従って設けられる取付部材および第2の案内歯の概略図である。
【
図4】本開示のいくつかの実施形態に従って設けられるギアの概略図である。
【
図5】本開示のいくつかの実施形態に従って設けられるギアとラックの第1の側面との間の最初の係合の概略図である。
【
図6】本開示のいくつかの他の実施形態に従って設けられる
歯付き部分係合適合機構の概略図である。
【
図7】
図6のラックおよび取付部材の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
実施形態における技術的解決策は、本開示の実施形態における添付の図面と併せて明瞭かつ完全に下記に説明されるであろう。明らかに、説明される実施形態は、本開示の実施形態の全てではなく、一部にすぎない。本開示の実施形態に基づいて、創造的な作業を伴わずに当業者によって得られるあらゆる他の実施形態は、本開示の保護範囲に収まるべきものである。
【0027】
本開示の説明において、用語「中央」、「長手」、「横断」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「上部」、「底部」、「内側」、「外側」および同種のものによって示される向き関係または位置関係は、図面に基づいて例示される向き関係または位置関係であり、表示されたデバイスや要素が特定の向きを有するかまたは特定の向きで構築および動作されなければならないことを指示や暗示するのではなく、本開示を説明し説明を平易にする便宜のためだけであり、したがって、用語を本開示の保護範囲を限定するものとして解釈することができないことが、認識されることが必要である。
【0028】
ギアは、ロジスティクス車両に設けられ、ラックは、フレームに設けられ、ロジスティクス車両は、ギアおよびラックの係合によってラックに沿って移動する。ラックの中へのロジスティクス車両のギアの案内中に、ギアの歯端面がラックの歯端面と食い違う可能性が大きく、ギアがラックの中に軸方向に押し進められるとき、ギアの歯は、ラックの歯に係合して一定の角度だけ回転し、したがってギアおよびラックの係合の成功を達成する。しかしながら、ギアの歯端面がラックの歯端面とちょうど整列し、ギアがラックの側面に当接して軸方向に移動することができない状況もあり、ラックの中へのギアの軸方向の案内の失敗を結果としてもたらす。
【0029】
これに基づいて、本開示のいくつかの実施形態において、歯付き部分係合適合機構は、ラックの中へのギアの軸方向の案内の失敗という問題を軽減するために設けられる。
【0030】
図1に示されるように、いくつかの実施形態において、
歯付き部分係合適合機構は、ラック1、第1の案内歯2、第2の案内歯3、および、ギア4を含む。
【0031】
ラック1は、互いに反対側に配置された第1の側面11と第2の側面12とを含む。ラック1の前面は、ラック1の長手延長方向に沿って2つ以上の第1の歯13を具備し、ラック1の前面の反対側の面は、ラック1の後面14である。第1の側面11と第2の側面12との間の方向は、2つ以上の第1の歯13の各第1の歯13の延びる方向である。
【0032】
第1の案内歯2は、ラック1の第1の側面11に設けられる。
【0033】
第2の案内歯3は、ラック1の第1の側面11に可動に設けられ、第2の案内歯3は、第2の側面12から第1の案内歯2よりも遠い。
【0034】
ギア4は、2つ以上の第2の歯42を周方向に具備する。第2の歯42は、ラック1の第1の歯13に係合するように構成されている。ギア4は、第1の側面11からラック1に最初に係合し、第2の側面12に向けて移動し、ラック1にさらに係合し、したがって、ラック1に完全に係合するように構成されている。
【0035】
第1の案内歯2および第2の案内歯3のうちの少なくとも一方は、ギア4の移動中に、第1の側面11から第2の側面12に向けてギア4に係合するように構成されている。
【0036】
いくつかの実施形態において、
図5に示されるように、ラック1の中へのギア4の案内中に、ギア4がラック1の第1の側面11からラック1に最初に係合する、以下の状況が存在する。
【0037】
ギア4の第2の歯42のうちの1つの端面が第2の案内歯3の端面と第1の案内歯2の端面との間に位置する場合、第2の案内歯3が、第2の側面12から第1の案内歯2よりも遠いので、第2の案内歯3が、ギア4に先ず接触して、ギア4は、第2の案内歯3の作用を受けてラック1との正確な係合の位置まで回転し、したがってラック1の中にギア4を正確に案内する。
【0038】
ギア4の第2の歯42のうちの1つの端面が第2の案内歯3の端面と整列し、それにより、ギア4が、第2の案内歯3に当接して回転することができない場合、ギア4への軸方向力が増加するにつれて、第2の案内歯3は、力を受けて第1の側面11に対して移動し、第2の案内歯3の端面がギア4から第1の案内歯2の端面よりも遠い場合、第1の案内歯2の端面は、ギア4の別の第2の歯42の端面に接近し始めて、接触後に一定の角度だけギア4を回転させ、それにより、ギア4は、ラック1との正確な係合の位置まで回転し、したがってラック1の中にギア4を正確に案内する。
【0039】
ギア4の第2の歯42のうちの1つの端面が、第1の案内歯2の端面と整列する場合、第2の案内歯3は、第1の案内歯2よりも早くギア4と接触し、第2の案内歯3の端面は、幾何的な関係に起因して、ギア4の別の対応する第2の歯42の端面と整列しないので、第2の案内歯3は、一定の角度だけギア4を依然として回転させることができ、それにより、ギア4は、ラック1との正確な係合の位置まで回転し、したがってラック1の中にギア4を正確に案内する。
【0040】
それ故に、本開示で提供されるいくつかの実施形態において、第1の案内歯2と第2の案内歯3との両方が、設けられて、第1の案内歯2および第2の案内歯3は、互いに協働して、ラック1の中にギア4を案内するための種々の不利益要因を軽減し、ラック1に係合するためにあらゆる角度におけるラック1の中へのギア4の案内が成功するように促進する。
【0041】
いくつかの実施形態において、第1の案内歯2および第2の案内歯3は、ギア4の中央軸線の両側にそれぞれ位置する。
【0042】
任意選択で、第1の案内歯2は、ギア4の中央軸線より上方に位置し、第2の案内歯3は、ギア4の中央軸線より下方に位置する。代替的に、第1の案内歯2は、ギア4の中央軸線より下方に位置し、第2の案内歯3は、ギア4の中央軸線より上方に位置する。
【0043】
いくつかの実施形態において、第2の案内歯3は、第1の案内歯2に隣接している。
【0044】
いくつかの実施形態において、第2の案内歯3は、外力の作用を受けて第2の側面12に向けて移動するように構成されている。
【0045】
いくつかの実施形態において、第1の案内歯2における第2の側面12からの最遠部と、第2の案内歯3における第2の側面12からの最遠部と、の間に第1の距離aが存在し、第2の案内歯3は、外力の作用を受けて第2の側面12に向けて移動するように構成され、移動の最大距離は、第2の距離bであり、第2の距離bは、第1の距離aよりも大きい。
【0046】
ギア4の第2の歯42のうちの1つの端面が、第2の案内歯3の端面と整列し、それにより、ギア4が、第2の案内歯3に当接して回転することができない場合、ギア4への軸方向力が増加するにつれて、第2の案内歯3は、力を受けて第2の側面12に向けた方向に移動し、第2の距離bは第1の距離aよりも大きいので、したがって、第2の案内歯3が、第2の側面12に向けて移動し、それにより、第2の案内歯3の端面が、ギア4から第1の案内歯2の端面よりも遠い場合、第1の案内歯2の端面が、ギア4の別の第2の歯42の端面に接近し始めて、接触後に一定の角度だけギア4を回転させ、それにより、ギア4は、ラック1との正確な係合の位置まで回転し、したがってギア4のラック1の中への正確な案内を達成する。
【0047】
いくつかの実施形態において、
図2に示されるように、第1の案内歯2における第2の側面12から離れている側面は、第1の尖形部分21として構成されている。
図3に示されるように、第2の案内歯3における第2の側面12から離れている側面は、第2の尖形部分31として構成されている。第1の尖形部分21および第2の尖形部分31は、第2の側面12から離れるように共に延びている。
図4に示されるように、ラック1に最初に係合するためのギア4の一部は、第3の尖形部分41として構成されており、第1の尖形部分21および第2の尖形部分31は、第3の尖形部分41に共に適合されている。
【0048】
図4に示されるように、ギア4上で周方向に設けられている2つ以上の第2の歯42の各第2の歯42の歯端面は、第3の尖形部分41を具備する。
【0049】
ラック1との係合へのギア4の案内中に、第1の尖形部分21および第2の尖形部分31のうちの少なくとも一方は、第3の尖形部分41に係合および案内され、ギア4は、動力なしで受動的に回転することができる。ギア4がラック1に軸方向に接近してラック1の中に案内されるプロセスにおいて、ギア4は、ラック1の中に軸方向に押し進められ、ギア4は、第1の尖形部分21および第2の尖形部分31のベベル面の作用を受けて一定の角度だけ受動的に回転し、したがってギア4およびラック1の正確な係合を達成する。
【0050】
ギア4の第3の尖形部分41が第1の尖形部分21または第2の尖形部分31とちょうど整列し、ギア4が、ラック1の側面に当接して軸方向に移動することができない場合、第1の案内歯2および第2の案内歯3は、協働して、ラック1の中にギア4を案内するための不利益要因を克服し、あらゆる角度におけるラック1の中へのギア4の案内が成功するように促進する。
【0051】
いくつかの実施形態において、
図2に示されるように、第1の尖形部分21は、第1のベベル面211、第2のベベル面212、および、第1の端面213を含み、第1のベベル面211および第2のベベル面212は、互いに近い端において第1の端面213に接続されている。
【0052】
第1のベベル面211および第2のベベル面212は、第1の歯13の2つの歯面の端からそれぞれ延び、第1のベベル面211および第2のベベル面212の延びる端は、互いに近くて、第1の端面213に接続されている。
【0053】
いくつかの実施形態において、
図3に示されるように、第2の尖形部分31は、第3のベベル面311、第4のベベル面312、および、第2の端面313を含み、第3のベベル面311および第4のベベル面312は、互いに近い端において第2の端面313に接続されている。
【0054】
いくつかの実施形態において、
図4に示されるように、第3の尖形部分41は、第5のベベル面411、第6のベベル面412、および、第3の端面413を含み、第5のベベル面411および第6のベベル面412は、互いに近い端において第3の端面413に接続されている。
【0055】
第5のベベル面411および第6のベベル面412は、第2の歯42の2つの歯面の端からそれぞれ延び、第5のベベル面411および第6のベベル面412の延びる端は、互いに近くて、第3の端面413に接続されている。
【0056】
図5は、いくつかの実施形態において、ギア4が、ラック1の第1の側面11からラック1に最初に係合する場合の、ギア4、第2の案内歯3および第1の案内歯2の相対位置関係を例示する。
【0057】
第1の案内歯2および第2の案内歯3の相互協働によってラック1の中へのギア4の正確な案内を促進させる原理は、次の通りである。ギア4の第2の歯42の第3の尖形部分41は、第2の案内歯3および第1の案内歯2と同時に接触せず、ギアおよびラックの前方-後方および上方-下方の空間関係および幾何特性を使用して、対応する歯は、対応する歯の角度が適切である場合、その他の歯による影響を受けずに相互作用し、対応する歯がちょうど整列し、ギア4が回転することができない場合、隣接する歯は、続いて干渉して、ちょうど整列した平衡状態を壊すことができ、それによって、案内が継続することを可能にする。
【0058】
いくつかの実施形態において、第1の案内歯2は、第1の歯13のうちの1つの歯端面に設けられる。
【0059】
いくつかの実施形態において、第1の案内歯2の上部および第2の案内歯3の上部は、共に第1の歯13の上部と面一である。
【0060】
いくつかの実施形態において、
図3に示されるように、
歯付き部分係合適合機構は、取付部材5をさらに含み、取付部材5は、第1の側面11に可動に設けられ、第2の案内歯3は、取付部材5に設けられる。
【0061】
いくつかの実施形態において、
図1に示されるように、
歯付き部分係合適合機構は、弾性要素6をさらに含み、弾性要素6は、取付部材5と第1の側面11との間に設けられる。
【0062】
取付部材5は、弾性要素6の作用を受けてラック1から第2の距離bに保たれ、即ち、第2の案内歯3は、弾性要素6の作用を受けてラック1から第2の距離bに保たれる。
【0063】
いくつかの実施形態において、ギア4が、ラック1の第2の側面12に向けて第1の側面11から軸方向に移動してラック1の中に案内されるプロセスにおいて、次の状況が存在する。
【0064】
ギア4の第3の尖形部分41のうちの1つの第3の端面413が第2の尖形部分31の第2の端面313と第1の尖形部分21の第1の端面213との間に位置する場合、第2の案内歯3は、第1の案内歯2よりも早くギア4と接触するので、ギア4は、第2の案内歯3の作用を受けてラック1との正確な係合の位置までさらに受動的に回転し、したがってラック1の中へのギア4の正確な案内を達成する。
【0065】
ギア4の第3の尖形部分41のうちの1つの第3の端面413が第2の尖形部分31の第2の端面313と整列し、それにより、ギア4が、第2の案内歯3に当接して回転することができない場合、ギア4への軸方向力が増加するにつれて、第2の案内歯3は、力を受けて弾性要素6を圧縮し、第2の側面12に向けて移動し、第2の尖形部分31の第2の端面313が、ギア4から第1の尖形部分21の第1の端面213よりも遠い場合、第1の尖形部分21の第1の端面213は、ギア4の別の第3の尖形部分41の第5のベベル面411または第6のベベル面412に接近し始めて、接触後に一定の角度だけギア4を回転させ、それにより、ギア4は、ラック1との正確な係合の位置まで回転し、したがってラック1の中へのギア4の正確な案内を達成する。
【0066】
ギア4の第3の尖形部分41のうちの1つの第3の端面413が、第1の尖形部分21の第1の端面213と整列する場合、第2の案内歯3は、第1の案内歯2よりも早くギア4と接触し、第2の尖形部分31の第2の端面313は、幾何的な関係に起因して、ギア4の別の第3の尖形部分41の第3の端面413と整列しないので、第2の案内歯3は、一定の角度だけギア4を依然として回転させることができ、それにより、ギア4は、ラック1との正確な係合の位置まで回転し、したがってラック1の中へのギア4の正確な案内を達成する。
【0067】
いくつかの実施形態において、
図1に示されるように、
歯付き部分係合適合機構は、第1のシャフト7を含み、第1のシャフト7は、取付部材5およびラック1を接続し、第1のシャフト7は、第1の側面11と第2の側面12との間の接続線に平行に延び、取付部材5は、ラック1に対して並進するように構成されている。
【0068】
任意選択で、取付部材5および第1のシャフト7は、ラック1に対して同時に移動する。代替的に、第1のシャフト7は、移動せず、取付部材5は、第1のシャフト7に沿って移動してラック1に対して移動する。
【0069】
いくつかの実施形態において、第1の側面11は、第1の凹所111を具備し、第1の凹所111は、第2の側面12に向けて凹設され、取付部材5は、第1の凹所111に配置され、取付部材5は、第1の側面11と面一の外側側面を含む。
【0070】
いくつかの実施形態において、第1の案内歯2は、第1の凹所111に設けられ、取付部材5は、第1の案内歯2を回避するために回避部分53を具備する。
【0071】
いくつかの実施形態において、取付部材5は、2つの第1のシャフト7によってラック1に接続される。
【0072】
図2に示されるように、第1の凹所111は、2つの第1の穴114を具備し、2つの第1の穴114は、2つの第1のシャフト7が通過するためにそれぞれ使用され、2つの第1のシャフト7は、マウント5およびラック1を接続する。第1の凹所111は、第2の穴115を同じく具備し、第2の穴115は、弾性要素6を取り付けるために使用される。
【0073】
図3に示されるように、取付部材5は、対称構造として構成され、2つの第3の穴54および2つの回避部分53を含む。2つの第3の穴54は、ラック1の2つの第1の穴114にそれぞれ対応し、2つの第1のシャフト7が通過するために使用される。2つの第3の穴54は、取付部材5の2つの端においてそれぞれ形成され、取付部材5の中間に関して対称である。第2の案内歯3は、2つの第3の穴54間に設けられ、一方の回避部分53は、第2の案内歯3と第3の穴54の一方との間に形成され、他方の回避部分53は、第2の案内歯3と他方の第3の穴54との間に形成され、2つの回避部分53は、取付部材5の中間に関して対称である。取付部材5は、対称構造として構成され、ロジスティクス車両の一方側でラック1に配置できるだけでなく、ロジスティクス車両の他方側でラック1に配置できる。
【0074】
いくつかの実施形態において、取付部材5は、2つの第1のシャフト7に固定式に接続され、2つの第1のシャフト7は、ラック1の2つの第1の穴114をそれぞれ通過し、このようにして第2の案内歯3および2つの第1のシャフト7は、第1の側面11および第2の側面12の接続線の方向にラック1に対して一緒に往復動できる。
【0075】
いくつかの実施形態において、弾性要素6は、第1の凹所111と取付部材5との間に取り付けられ、第2の案内歯3と第1の凹所111との間の第2の距離bを提供する。
【0076】
いくつかの実施形態において、
図6に示されるように、
歯付き部分係合適合機構は、第2のシャフト8を含み、第2のシャフト8は、取付部材5およびラック1を接続し、第2のシャフト8は、第1の側面11と第2の側面12との間の接続線に垂直な方向に延び、取付部材5は、ラック1に対して揺動するように構成されている。
【0077】
任意選択で、取付部材5は、第2のシャフト8に固定され、取付部材5および第2のシャフト8は、ラック1に対して共に揺動する。代替的に、第2のシャフト8は、ラック1に固定され、取付部材5は、ラック1に対して第2のシャフト8を中心に揺動する。
【0078】
いくつかの実施形態において、
図7に示されるように、第1の側面11は、第2の凹所112を具備し、取付部材5は、第1の取付部分51および第2の取付部分52を含み、第1の取付部分51は、第2の凹所112に配置され、第2の案内歯3は、第1の取付部分51に配置され、第2のシャフト8は、第2の取付部分52およびラック1を接続する。弾性要素6は、第1の取付部分51と第2の凹所112との間に配置される。
【0079】
いくつかの実施形態において、ラック1の後面14は、第3の凹所113を具備し、第3の凹所113は、第2の凹所112と連通し、第2の取付部分52は、第3の凹所113に配置され、取付部材5は、ラック1の後面14および第1の側面11と面一の外側側面を含む。
【0080】
いくつかの実施形態において、
図6および
図7に示されるように、取付部材5の第2の取付部分52は、第2のシャフト8によってラック1に接続され、第2の案内歯3は、取付部材5の第1の取付部分51に配置され、弾性要素6は、第2の凹所112と第1の取付部分51との間に配置されて、第2の案内歯3と第2の凹所112との間の第2の距離bを提供し、ラック1は、第1の案内歯2を備えて機械加工され、第1の案内歯2は第2の案内歯3の位置に隣接し、第1の案内歯および第2の案内歯は、高さにおけるギア4の軸線の上方側および下方側にそれぞれ位置する。
【0081】
第1の案内歯2および第2の案内歯3は、ギア4と最初に係合する側の第1の尖形部分21および第2の尖形部分31をそれぞれ具備する。ギア4の第3の尖形部分41のうちの1つの第3の端面413が第2の尖形部分31の第2の端面313と整列するとき、第2の案内歯3は、第2の側面12に接近する方向に第2のシャフト8を中心に揺動し、したがって第1の尖形部分21の第1の端面213が、ギア4の別の第3の尖形部分41の第5のベベル面411または第6のベベル面412に接近し始めて、接触後に一定の角度だけギア4を回転させ、したがって、ギア4は、ラック1との正確な係合の位置まで回転し、したがってラック1の中へのギア4の正確な案内を達成する。
【0082】
上の実施形態の説明によれば、第1の案内歯2がギア4に係合するように、第2の案内歯3がラック1に対する第2の案内歯3の位置における変化を引き起こすことができる限りにおいて、第2の案内歯3は、ラック1に対して並進してもよく、ラック1に対して揺動してもよい。
【0083】
いくつかの実施形態において、弾性要素6は、ばねを含む。
【0084】
いくつかの実施形態において、ロジスティクスシステムが設けられて、ロジスティクスシステムは、ロジスティクス車両、フレーム、および、上で説明された歯付き部分係合適合機構を含み、歯付き部分係合適合機構のギア4は、ロジスティクス車両に設けられ、歯付き部分係合適合機構のラック1は、フレームに設けられ、ロジスティクス車両は、ギア4およびラック1の係合によってラック1に沿って移動するように構成される。
【0085】
いくつかの実施形態において、ロジスティクスシステムは、上の実施形態における歯付き部分係合適合機構を含み、ロジスティクス車両が水平動作から鉛直動作に切り換わるとき、ギア4は、ラック1の中に軸方向に円滑に案内でき、正確な係合を達成する。
【0086】
いくつかの実施形態において、ロジスティクスシステムは、第3のシャフト9とロジスティクス車両に設けられる動力機構とを含み、第3のシャフト9は、動力機構およびギア4を接続し、動力機構は、ギア4を駆動してラック1の第1の側面11から第2の側面に向けて移動させるように構成される。
【0087】
いくつかの実施形態において、各ロジスティクス車両は、2つ以上のセットの歯付き部分係合適合機構を装備し、セットの歯付き部分係合適合機構は、ロジスティクス車両の左側および右側に対称的に分配される。ラック1は、フレームに設けられた上昇レール(図面に示されない)に固定式に取り付けられる。
【0088】
本開示の説明において、理解が必要なことは、部品および構成要素を規定するための用語「第1」、「第2」、「第3」および同種のものの使用が、上記の部品および構成要素を区別する便宜のためだけである、ということである。別な方法で述べられていない限り、上の用語は、特別な意味を有しておらず、それ故に、本開示の保護範囲の限定として解釈することができない。
【0089】
加えて、一実施形態の技術的な特徴は、明示的に否定されない限りにおいて、1つまたは複数の他の実施形態と有利に組み合わせることができる。
【0090】
最後に、上記の実施形態は、本開示の技術的解決策を限定するのではなく、説明のために使用されているにすぎないことが留意されるべきである。本開示は、好適な実施形態を参照して詳細に説明されているが、当業者は、本開示の特定の実装に対する修正を行うこと、またはその技術的特徴の一部に対する均等な置換を行うことが依然として可能であり、そのような修正および均等な置換は、それらが本開示の技術的解決策の精神から逸脱しない限り、本開示において保護の求められる技術的解決策の範囲内に包含されるべきであることを当業者は理解すべきである。
【符号の説明】
【0091】
1 ラック
2 第1の案内歯
3 第2の案内歯
4 ギア
5 取付部材
6 弾性要素
7 第1のシャフト
8 第2のシャフト
9 第3のシャフト
11 第1の側面
12 第2の側面
13 第1の歯
14 後面
21 第1の尖形部分
31 第2の尖形部分
41 第3の尖形部分
42 第2の歯
51 第1の取付部分
52 第2の取付部分
53 回避部分
54 第3の穴
111 第1の凹所
112 第2の凹所
113 第3の凹所
114 第1の穴
211 第1のベベル面
212 第2のベベル面
213 第1の端面
311 第3のベベル面
312 第4のベベル面
313 第2の端面
411 第5のベベル面
412 第6のベベル面
413 第3の端面
【国際調査報告】