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特表2023-522505機能性顆粒の製造方法、フィルタ及び電子タバコ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-31
(54)【発明の名称】機能性顆粒の製造方法、フィルタ及び電子タバコ
(51)【国際特許分類】
   A24D 3/14 20060101AFI20230524BHJP
   A24D 3/17 20200101ALI20230524BHJP
   A24B 15/24 20060101ALI20230524BHJP
   A24B 15/30 20060101ALI20230524BHJP
   A61K 36/72 20060101ALN20230524BHJP
   A61P 39/02 20060101ALN20230524BHJP
   A61K 9/72 20060101ALN20230524BHJP
   A61K 9/14 20060101ALN20230524BHJP
   A61K 31/522 20060101ALN20230524BHJP
   A61K 47/36 20060101ALN20230524BHJP
   A61K 47/42 20170101ALN20230524BHJP
   A61K 47/12 20060101ALN20230524BHJP
   A61K 47/44 20170101ALN20230524BHJP
   A61K 47/26 20060101ALN20230524BHJP
   A61K 47/34 20170101ALN20230524BHJP
【FI】
A24D3/14
A24D3/17
A24B15/24
A24B15/30
A61K36/72
A61P39/02
A61K9/72
A61K9/14
A61K31/522
A61K47/36
A61K47/42
A61K47/12
A61K47/44
A61K47/26
A61K47/34
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022520649
(86)(22)【出願日】2021-12-10
(85)【翻訳文提出日】2022-03-31
(86)【国際出願番号】 CN2021137199
(87)【国際公開番号】W WO2022193749
(87)【国際公開日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】202110283410.1
(32)【優先日】2021-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110285147.X
(32)【優先日】2021-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522131952
【氏名又は名称】深▲せん▼市智叶生物科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN ZHIYE BIOTECHNOLOGY CO., LTD
【住所又は居所原語表記】Room 502, podium building 2, Shenzhen Radio, Film and Television Group Cultural and Creative Industrial Park, No.1 Qingqing Road, Longhua District, Shenzhen, Guangdong 518000, China
(74)【代理人】
【識別番号】100205936
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 海龍
(74)【代理人】
【識別番号】100132805
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 貴之
(72)【発明者】
【氏名】盧 集偉
(72)【発明者】
【氏名】邵 志宇
【テーマコード(参考)】
4B043
4B045
4C076
4C086
4C088
【Fターム(参考)】
4B043BB22
4B043BB25
4B043BC01
4B043BC18
4B043BC24
4B045BA02
4B045BA05
4B045BB10
4B045BC16
4B045BD31
4C076AA31
4C076AA93
4C076BB27
4C076CC21
4C076DD41
4C076DD67T
4C076EE27
4C076EE38
4C076EE41
4C076EE52
4C076EE55
4C076FF52
4C086AA01
4C086CB07
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA12
4C086MA41
4C086MA56
4C086NA20
4C086ZC37
4C088AB12
4C088BA08
4C088CA03
4C088MA02
4C088MA13
4C088MA56
4C088NA20
4C088ZC37
(57)【要約】
本発明は、フィルタに適用される機能性顆粒の製造方法、フィルタ及び電子タバコに関する。フィルタに適用される機能性顆粒の製造方法は、動植物から抽出された、又は微生物発酵由来の、又は化学合成された活性物質を濃縮後、添加剤を添加し、乾燥させて粒にするステップと、機械的粉砕法により粉砕し、フィルタに適用される機能性顆粒を得るステップと、を含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタに適用される機能性顆粒の製造方法であって、
動植物から抽出された、又は微生物発酵由来の、又は化学合成された活性物質を濃縮後、添加剤を添加し、乾燥させて粒にするステップと、
機械的粉砕法により粉砕し、フィルタに適用される機能性顆粒を得るステップと、
を含むことを特徴とするフィルタに適用される機能性顆粒の製造方法。
【請求項2】
前記フィルタに適用される機能性顆粒の粒径範囲は0.01ミクロン~100ミクロンである
ことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記添加剤を転化し、乾燥させて粒にするステップは、
添加剤を添加して噴霧乾燥法により造粒するステップ、または、添加剤を添加し、凍結乾燥法により造粒するステップである
ことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記フィルタに適用される機能性顆粒はカフェイン顆粒であり、前記カフェイン顆粒の製造方法は、
カフェインを水に分散させ、基礎溶液を得るステップと、
前記基礎溶液にコーティング剤を添加し、攪拌して混合溶液を得るステップと、
噴霧造粒法により前記混合溶液を処理して、カフェイン顆粒を得るステップと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
前記コーティング剤がマルトデキストリンと分離乳清タンパク質であり、あるいは、前記コーティング剤がマルトデキストリンと卵白タンパク質である
ことを特徴とする請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
前記カフェインは、カフェイン化合物モノマー、コーヒー豆または茶葉抽出物に由来する
ことを特徴とする請求項4に記載の製造方法。
【請求項7】
前記カフェインがコーヒー豆または茶葉抽出物に由来する場合、カフェインを水に分散させて基礎溶液を得るステップは、
コーヒー豆又は茶葉を粒径範囲40~100メッシュに粉砕し、水を加えて耐圧釜内で40℃~60℃の温度で100~140min加熱してから、100℃~120℃に昇温させ、さらに15~40min加熱し、冷却して加圧ろ過された水溶液を得て、カフェイン含有基礎溶液を得るステップを含む
ことを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
【請求項8】
噴霧造粒法を用いて前記混合溶液を処理し、カフェイン粒子を得るステップは、
混合溶液を、入口温度が110℃~130℃、出口温度が55℃~75℃に設定された噴霧造粒機器に添加し、噴霧乾燥させてカフェイン顆粒を得るステップを含む
ことを特徴とする請求項4に記載の製造方法。
【請求項9】
前記カフェイン顆粒の粒径は80メッシュ未満である
ことを特徴とする請求項8に記載の製造方法。
【請求項10】
噴霧造粒法を用いて前記混合溶液を処理し、カフェイン粒子を得るステップは、
噴霧造粒して得られた顆粒と潤滑剤とを混合して、表面が潤滑されたカフェイン顆粒を得るステップであって、前記潤滑剤はステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ホワイトオイル、カルナウバワックス、食品グレードシリコーンゴム、食用ワックスのうちの少なくとも1種であるステップを含む
請求項4に記載の製造方法。
【請求項11】
請求項4に記載のカフェイン顆粒の製造方法により製造されたことを特徴とするカフェイン顆粒。
【請求項12】
前記フィルタに適用される機能性顆粒はケンポナシ抽出物顆粒であり、前記ケンポナシ抽出物顆粒の製造方法は、
ケンポナシからケンポナシ抽出液を得るステップと、
前記ケンポナシ抽出液を濃縮し、濃縮後に沈殿剤を添加して沈殿させ、清液を抽出するステップと、
前記清液を濃縮し、濃縮後の清液内にデキストリンを添加し、乾燥と粉砕により、ケンポナシ抽出物顆粒を得るステップと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項13】
前記沈殿剤はエタノールであり、前記ケンポナシ抽出液を濃縮し、濃縮後に沈殿剤を添加して沈殿させ、清液を抽出するステップは、
前記ケンポナシ抽出液を1.0グラム/cm3~1.5グラム/cm3の密度に濃縮し、濃縮後にエタノールを、エタノールの質量含有量が50%~70%となるように添加し、清液を抽出するステップを含む
ことを特徴とする請求項12に記載の製造方法。
【請求項14】
前記清液を濃縮するステップは、
エタノールを回収するとともに、エタノール回収後の清液体積がエタノール回収前の体積の20~30%となるようにコントロールするステップを含む
ことを特徴とする請求項13に記載の製造方法。
【請求項15】
前記清液を濃縮し、濃縮後の清液にデキストリンを添加し、乾燥と粉砕により、ケンポナシ抽出物顆粒を得るステップは、
濃縮後の清液に甘味料を添加し、乾燥と粉砕により、ケンポナシ抽出物顆粒を得るステップを含む
ことを特徴とする請求項12に記載の製造方法。
【請求項16】
前記甘味料の添加量はケンポナシの質量の8%~15%であり、
且つ/又は、前記甘味料は、蔗糖、アスパルテーム、スクラロース、シクラメン酸のうちの一つである
ことを特徴とする請求項15に記載の製造方法。
【請求項17】
前記デキストリンの添加量はケンポナシの質量の30%~60%であり、
且つ/又は、前記ケンポナシ抽出物顆粒の粒径は80メッシュ未満である
ことを特徴とする請求項12に記載の製造方法。
【請求項18】
前記清液を濃縮し、濃縮後の清液にデキストリンを添加し、乾燥と粉砕により、ケンポナシ抽出物顆粒を得るステップに、
粉砕後の顆粒と潤滑剤とを混合して、表面が潤滑されたケンポナシ抽出物顆粒を得るステップであって、前記潤滑剤はステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ホワイトオイル、カルナウバワックス、食品グレードシリコーンゴム、食用ワックスのうちの少なくとも1種であるステップを含む
ことを特徴とする請求項12に記載の製造方法。
【請求項19】
請求項12に記載のケンポナシ抽出物顆粒の製造方法により製造された
ことを特徴とするケンポナシ抽出物顆粒。
【請求項20】
フィルタであって、前記フィルタは外殻と、外殻内に設けられた内芯とを含み、前記内芯には、請求項12に記載のケンポナシ抽出物顆粒の製造方法により製造されたケンポナシ抽出物顆粒が充填されており、あるいは、前記内芯には、請求項4に記載のカフェイン顆粒の製造方法により製造されたカフェイン顆粒が充填されている
ことを特徴とするフィルタ。
【請求項21】
請求項20に記載のフィルタを含む
ことを特徴とする電子タバコ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は2021年03月16日に出願され、出願番号が202110283410.1で、名称が「カフェイン顆粒及びその製造方法、フィルタ及び電子タバコ」である中国特許出願の優先権を主張し、また、2021年03月16日に出願され、出願番号が202110285147.Xであり、名称が「ケンポナシ(枳▲木具▼子、Hovenia Seed or Fruit、Hovenia dulcis Thunb)抽出物顆粒及びその製造方法、フィルタ及び電子タバコ」である中国特許出願の優先権を主張し、それらを参考としてここに援用する。
【0002】
本発明は、霧化吸収の技術分野に関し、特にフィルタに適用される機能性顆粒の製造方法、フィルタ及び電子タバコに関する。
【背景技術】
【0003】
アトマイザから発生したミストによって人体に有益な物質を肺に送り込むのは吸収効果の良い輸送方法である。如何にしてアトマイザのミストに人体に有益な物質を運ばせることができるかについては、今のところまだ良い方法が発見されていないが、仮に突破できた場合、大きな市場ポテンシャルがあり、人体の健康に貢献することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主な目的は、フィルタとアトマイザとを組み合わせた後にフィルタを通過したミストに人体に有益な物質を運ばせることができ、人体によるより良い吸収を実現することができるようにするための、フィルタに適用される機能性顆粒の製造方法、フィルタ及び電子タバコを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を実現するために、本発明が提案する上記のフィルタに適用される機能性顆粒の製造方法は、以下のステップを含む。
動植物から抽出された、又は微生物発酵由来の、又は化学合成された活性物質を濃縮後、添加剤を添加し、乾燥させて粒にし、
機械的粉砕法により粉砕し、フィルタに適用される機能性顆粒を得る。
【0006】
前記フィルタに適用される機能性顆粒の粒径範囲は0.01ミクロン~100ミクロンであってもよい。
【0007】
前記添加剤を添加し、乾燥させて粒にするステップは、
添加剤を添加して噴霧乾燥法により造粒するステップであってもよく、あるいは、添加剤を添加し、凍結乾燥法により造粒するステップであってもよい。
【0008】
本発明の技術案は、有益物質を含有する機能性顆粒を製造することができ、それをフィルタに適用することで、フィルタとアトマイザとを組み合わせた後にフィルタを通過したミストに人体に有益な物質を運ばせることができ、人体によるより良い吸収を実現することができる。
【0009】
フィルタに適用される機能性顆粒はカフェイン顆粒であり、前記カフェイン顆粒の製造方法は以下のステップを含んでもよい。
カフェインを水に分散させ、基礎溶液を得て、
前記基礎溶液にコーティング剤を添加し、攪拌して混合溶液を得て、
噴霧造粒法により前記混合溶液を処理して、カフェイン顆粒を得る。
【0010】
前記コーティング剤がマルトデキストリンと分離乳清タンパク質であり、あるいは、前記コーティング剤がマルトデキストリンと卵白タンパク質であってもよい。
【0011】
前記カフェインは、カフェイン化合物モノマー、コーヒー豆または茶葉抽出物に由来してもよい。
【0012】
前記カフェインがコーヒー豆または茶葉抽出物に由来する場合、カフェインを水に分散させて基礎溶液を得るステップは、以下のステップを含んでもよい。
コーヒー豆又は茶葉を粒径範囲40~100メッシュに粉砕し、水を加えて耐圧釜内で40℃~60℃の温度で100~140min加熱してから、100℃~120℃に昇温させ、さらに15~40min加熱し、冷却して加圧ろ過された水溶液を得て、カフェイン含有基礎溶液を得る。
【0013】
噴霧造粒法を用いて前記混合溶液を処理し、カフェイン粒子を得るステップは以下のステップを含んでもよい。
混合溶液を、入口温度が110℃~130℃、出口温度が55℃~75℃に設定された噴霧造粒機器に添加し、噴霧乾燥させてカフェイン顆粒を得る。
【0014】
前記カフェイン顆粒の粒径は80メッシュ未満としてもよい。
【0015】
噴霧造粒法を用いて前記混合溶液を処理し、カフェイン粒子を得るステップは以下のステップを含んでもよい。
噴霧造粒して得られた顆粒と潤滑剤とを混合して、表面が潤滑されたカフェイン顆粒を得る。前記潤滑剤はステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ホワイトオイル、カルナウバワックス、食品グレードシリコーンゴム、食用ワックスのうちの少なくとも1種である。
【0016】
本発明はさらに、上記のようなカフェイン顆粒の製造方法により製造されたカフェイン顆粒を提案する。
【0017】
本発明はさらにフィルタを提案し、前記フィルタは、前記フィルタは外管と、外管内に設けられた内芯とを含み、前記内芯には、上記のようなカフェイン顆粒の製造方法により製造されたカフェイン顆粒が充填されていることを特徴とする。
【0018】
本発明はさらに、上記のようなフィルタを含む電子タバコを提案する。
【0019】
本発明の技術案によれば、カフェイン水溶液にコーティング剤を添加し、噴霧造粒法によりカフェイン顆粒を得ることができ、この造粒方法は従来の方法であり、比較的成熟したプロセスを持ち、操作も比較的に簡単である。カフェイン顆粒の製造工程においてコーティング剤を添加することにより、製造されるカフェイン顆粒をコーティング剤でカフェインをコーティングした構造となり、この構造により、カフェインが変質して効力を失うのを回避して、カフェインを効果的に保護することができ、カフェインの安定性を保証する。本発明により製造されて得られたカフェイン顆粒は、カフェイン成分を含有しているため、醒神醒脳の効果があり、このカフェイン顆粒を従来の紙巻きタバコや電子タバコのフィルタに適用すると、その中のカフェイン成分は使用者が吸う際にミストとともに放出され、醒神醒脳の効果を発揮し、使用者の吸い心地を向上させることができる。
【0020】
フィルタに適用される機能性顆粒はケンポナシ抽出物顆粒であり、前記ケンポナシ抽出物顆粒の製造方法は以下のステップを含んでもよい。
ケンポナシからケンポナシ抽出液を得て、
前記ケンポナシ抽出液を濃縮し、濃縮後に沈殿剤を添加して沈殿させ、清液を抽出して、
前記清液を濃縮し、濃縮後の清液内にデキストリンを添加し、乾燥と粉砕により、ケンポナシ抽出物顆粒を得る。
【0021】
前記沈殿剤はエタノールであり、前記ケンポナシ抽出液を濃縮し、濃縮後に沈殿剤を添加して沈殿させ、清液を抽出するステップは以下のステップを含んでもよい。
前記ケンポナシ抽出液を1.0g/cm3~1.5g/cm3の密度に濃縮し、濃縮後にエタノールを、エタノールの質量含有量が50%~70%となるように添加し、清液を抽出する。
【0022】
前記清液を濃縮するステップは、次のステップを含んでもよい。
エタノールを回収するとともに、エタノール回収後の清液体積をエタノール回収前の体積の20~30%となるようにコントロールする。
【0023】
前記清液を濃縮し、濃縮後の清液にデキストリンを添加し、乾燥と粉砕により、ケンポナシ抽出物顆粒を得るステップに、下記のステップが含まれてもよい。
濃縮後の清液に甘味料を添加し、乾燥と粉砕により、ケンポナシ抽出物顆粒を得る。
【0024】
前記甘味料の添加量はケンポナシの質量の8%~15%であってもよい。
【0025】
且つ/又は、前記甘味料は、蔗糖、アスパルテーム、スクラロース、シクラメン酸のうちの一つとしてもよい。
【0026】
前記デキストリンの添加量はケンポナシの質量の30%~60%であってもよい。
【0027】
且つ/又は、前記ケンポナシ抽出物顆粒の粒径は80メッシュ未満である。
【0028】
前記清液を濃縮し、濃縮後の清液にデキストリンを添加し、乾燥と粉砕により、ケンポナシ抽出物顆粒を得るステップに、下記のステップが含まれてもよい。
粉砕後の顆粒と潤滑剤とを混合して、表面が潤滑されたケンポナシ抽出物顆粒を得る。前記潤滑剤はステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ホワイトオイル、カルナウバワックス、食品グレードシリコーンゴム、食用ワックスのうちの少なくとも1種である。
【0029】
本発明はさらに、上記のようなケンポナシ抽出物顆粒の製造方法により製造されたケンポナシ抽出物顆粒を提案する。
【0030】
本発明はフィルタを提案し、前記フィルタは外殻と、外殻内に設けられた内芯とを含み、前記内芯には、上記のようなケンポナシ抽出物顆粒の製造方法により製造されたケンポナシ抽出物顆粒が充填されている。
【0031】
本発明はさらに、上記のようなフィルタを含む電子タバコを提案する。
【0032】
本発明の技術案によれば、まずケンポナシからケンポナシ抽出液を得て、次いでケンポナシ抽出液を濃縮し、濃縮後に沈殿剤を添加して沈殿させ、清液を抽出して、そして、清液を濃縮することにより、ケンポナシ抽出液内のケンポナシ抽出物の濃度を保証して、後続のケンポナシ抽出物顆粒の製造を容易にする。そして、濃縮後の清液にデキストリンを添加する。デキストリンは、ケンポナシの有効成分にコーティングを形成することができ、これによってケンポナシの有効成分が変質して効力を失うのを回避して、ケンポナシの有効成分を効果的に保護することができ、ケンポナシの有効成分の安定性を保証する。最後に、乾燥と粉砕により、ケンポナシ抽出物顆粒を得ることができる。この製造方法による操作は比較的簡単である。本発明により製造で得られたケンポナシ抽出物顆粒は、ケンポナシの有効成分を含有しているので、解酒毒、生津止渇、除煩、止嘔、利二便の効用を有し、酒酔い、煩渇を主治する。さらに、抗疲労、抗酸化、抗老化、肝臓を守る、抗がんなどの機能を有する。このケンポナシ抽出物顆粒を従来の紙巻きたばこや電子たばこのフィルタに適用すると、その中のケンポナシ有効成分は使用者による吸引時にミストと共に放出され、解酒の効果を発揮し、使用者の吸い心地を向上させる。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下では、本発明の実施例における技術案を明確且つ完全に説明する。説明される実施例は本発明の全ての実施例ではなく、一部の実施例に過ぎないことは明らかである。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行わないことを前提に得られる全ての他の実施例は、本発明の保護の範囲に属す。
【0034】
また、各実施例の技術案はお互いに組み合わせることができる。ただし、当業者が実現できることはその基礎である。技術案の組み合わせに矛盾が生じるか、実現できない場合には、このような技術案の組み合わせが存在しない、且つ本発明が主張する保護範囲にないと理解すべきである。
【0035】
本発明は、フィルタに適用される機能性顆粒の製造方法を提案する。機能性顆粒はカフェイン顆粒であってもよく、ケンポナシ抽出物顆粒であってもよく、また、対応する有益物質を含有する他の機能性顆粒、例えば、陳皮精油顆粒、ビタミンD3顆粒等であってもよい。
【0036】
上記のフィルタに適用される機能性顆粒の製造方法は、以下のステップを含む。
動植物から抽出された、又は微生物発酵由来の、又は化学合成された活性物質を濃縮後、添加剤を添加し、乾燥させて粒にし、
機械的粉砕法により粉砕し、フィルタに適用される機能性顆粒を得る。
【0037】
本発明の技術案は、有益物質を含有する機能性顆粒を製造することができ、それをフィルタに適用することで、フィルタとアトマイザとを組み合わせた後にフィルタを通過したミストに人体に有益な物質を運ばせることができ、人体によるより良い吸収を実現することができる。なお、活性物質はカフェイン、ケンポナシ抽出物、陳皮精油、ビタミンD3等であってもよい。添加剤は、水、コーティング剤、デキストリン等であってもよい。
【0038】
機能性顆粒のフィルタへの添加を容易にし、そして機能性顆粒内の有益物質の吸収を容易にするために、上記のフィルタに適用される機能性顆粒の粒径範囲を0.01ミクロン~100ミクロンとする。
【0039】
なお、乾燥造粒の方法には、少なくとも以下の2つの方法が含まれる。(1)噴霧乾燥方法、(2)凍結乾燥法。すなわち、上記の添加剤を添加し、乾燥させて粒にするステップは、添加剤を添加して噴霧乾燥法により造粒するステップであってもよく、添加剤を添加し、凍結乾燥法により造粒するステップであってもよい。すなわち、当業者は異なる応用場面及び目標顆粒の指標に応じて、異なる造粒方式を合理的に選択することができる。
【0040】
一方、上記の機械的粉砕法により粉砕を行って、フィルタに適用される機能性顆粒を製造して得るステップの後、さらに粉砕し、又は添加剤を添加し、粉砕して使用することもできる。当業者は異なる応用場面及び目標顆粒の指標に応じて、合理的にアレンジすることができる。
【0041】
上述の製造方法について、以下に具体的な実施形態を示す。
【0042】
(1)ビタミンD3顆粒を担持したフィルタの製造:
ビタミンDは一種の脂溶性ビタミンであり、最も主要なのはビタミンD3とD2であり、機能的にはくる病を防止でき、ビタミンDの主な効用は小腸粘膜細胞のカルシウムとリンに対する吸収を促進することで、血中カルシウム、血中リン濃度を高めることができ、新しい骨の生成と石灰化に有利である。また、ビタミンDは皮膚細胞の成長、分化を促進し、免疫機能を調節する作用がある。また、ビタミンDは癌に対する予防作用があり、最新の研究により、ビタミンDによって2019-nCoV感染期間中の深刻な反応など、免疫細胞による炎症を軽減できることが明らかになった。適量なビタミンD補給は健康に有益である。ビタミンDは光、熱、酸素に対して不安定で、安定性を高めるためには包埋などの技術的手段が必要とされる。顆粒製造:ビタミンD3 1グラム(含有量4*107IU/グラム)を取り、大豆レシチン3グラムを加えて、4.5ミリリットルのエタノールに溶かし、80℃で攪拌しながら10ミリリットルの水を加えて、エタノールの蒸発が完了するまで加熱し続けて、200Wの超音波で5分間間欠振動(2秒間作動してから3秒間停止する)し、-50℃まで急速冷却して固化させて、-55℃で凍結乾燥し、フリーズドライパウダーにマンニトール2キログラム、乳糖1キログラム、グリシン1キログラムを更に加えて、混合してから低温粉砕機で100ミクロン以内に粉砕して、40000個のフィルタに分けて包装する。個別包装時、紙のフィルタロールにポリ乳酸綿を入れ、次いで上記粉末100ミリグラムを入れ、最後に多孔質シリコーンゴム栓を装着する。吸う時に、シリコーンゴム栓は口に近い側にあり、ポリ乳酸綿は電子タバコのミスト出口にある。
【0043】
(2)陳皮精油顆粒を担持したフィルタの製造:
陳皮はミカン科植物ポンカンCitrus reticulata Blanco及びその栽培変種の乾燥した成熟果皮であり、咳止め、化痰の効果があり、陳皮精油は食用アルコール浸漬により抽出して得ることができる。陳皮精油顆粒の製造は、エタノール100mlに純水200mlを加え、β-シクロデキストリン50グラムを加え、50℃まで加熱し、すべて溶解させる。陳皮精油5グラムにエタノール10-20mlを加えて希釈し、溶液を緩慢に滴下し、50℃に保って3時間撹拌し、加熱を止めて撹拌を続け、自然冷却する。室温に下がってから、冷蔵庫に入れて4℃で冷蔵して一晩寝かせて、翌日にリーチングし、少量の無水エタノールでろ過ケーキを洗浄する。40~50℃で乾燥させ、シクロデキストリンで包んだ陳皮精油顆粒を得て、4℃で貯蔵する。紙のフィルタロールにポリ乳酸綿を入れ、次いで上記粉末100ミリグラムを入れ、最後に多孔質シリコーンゴム栓を装着する。吸う時に、シリコーンゴム栓は口に近い側にあり、ポリ乳酸綿は電子タバコのミスト出口にある。
【0044】
当然のことながら、対応する機能性顆粒(例えば、ビタミンD3顆粒、陳皮精油顆粒等)を担持したフィルタが製造により得られると、それをアトマイザと組み合わせて使用し、アトマイザによって発生したミストをフィルタに流入させて機能性顆粒と接触させることができる。これによって、ミストが機能性顆粒に含まれる有益物質を担持して、フィルタから人体へ流出したときに人の肺に効果的に吸収されることが可能になる。また、当然ながら、アトマイザは、電子タバコの中のアトマイザであってもよく、医療機器の中のアトマイザであってもよく、あるいは、他のタイプの機器の中のアトマイザであってもよい。
【0045】
なお、フィルタに適用される機能性顆粒の製造方法としては、上記ビタミンD3顆粒、陳皮精油顆粒の他に、カフェイン顆粒の製造方法(詳しくは後述の説明を参照)、ケンポナシ抽出物顆粒の製造方法(詳しくは後述の説明を参照)であってもよい。
【0046】
本発明はカフェイン顆粒の製造方法を提案する。カフェインは一種の中枢興奮剤であり、眠気を覚まして元気を取り戻すことができる。天然由来のカフェインは、コーヒー豆、茶葉、コーラナッツ、カカオ豆などに由来してもよい。日常的に消費されるカフェインは主にコーヒー豆、茶葉、または化学合成によるものである。本発明は、カフェイン含有顆粒を考案し、カフェイン顆粒は電子タバコフィルタをキャリアとして使用するのに適し、使用者が吸うときにミストと共に放出され、醒神醒脳の効果を発揮する。
【0047】
本発明の実施例において、カフェイン顆粒の製造方法は、以下のステップを含む。
カフェインを水に分散させ、基礎溶液を得て、
前記基礎溶液にコーティング剤を添加し、攪拌して混合溶液を得て、
噴霧造粒法により前記混合溶液を処理して、カフェイン顆粒を得る。
【0048】
具体的には、カフェインを純水に分散させ、撹拌して基礎溶液を得るが、ここでは比較的均一に分散された基礎溶液を得るために、超音波分散法を用いてカフェインを水に均一に分散させることができる。その後、基礎溶液にコーティング剤を添加する。コーティング剤はカフェインをコーティングすることにより、カフェインが変質して効力を失うのを回避して、カフェインを効果的に保護することができ、カフェインの安定性を保証する。その後、噴霧造粒法を用いて造粒し、カフェイン顆粒を得ることができるが、この造粒法は従来の方法であり、比較的成熟したプロセスを持ち、操作も比較的に簡単であり、したがって、カフェイン顆粒を容易に得ることができる。
【0049】
当然のことながら、本発明の技術案によれば、カフェイン水溶液にコーティング剤を添加し、噴霧造粒法によりカフェイン顆粒を得ることができ、この造粒方法は従来の方法であり、比較的成熟したプロセスを持ち、操作も比較的に簡単である。カフェイン顆粒の製造工程においてコーティング剤を添加することにより、製造されるカフェイン顆粒をコーティング剤でカフェインをコーティングした構造となり、この構造により、カフェインが変質して効力を失うのを回避して、カフェインを効果的に保護することができ、カフェインの安定性を保証する。本発明により製造されて得られたカフェイン顆粒は、カフェイン成分を含有しているため、醒神醒脳の効果があり、このカフェイン顆粒を従来の紙巻きタバコや電子タバコのフィルタに適用すると、その中のカフェイン成分は使用者が吸う際にミストとともに放出され、醒神醒脳の効果を発揮し、使用者の吸い心地を向上させることができる。
【0050】
なお、本発明のカフェイン顆粒は、従来の紙巻きタバコや電子タバコのフィルタに適用できるほか、影響されやすい病気を治療する薬物の製造にも適用でき、その用途は比較的広い。
【0051】
その他の実施例において、コーティング剤がマルトデキストリンと分離乳清タンパク質であり、あるいは、前記コーティング剤がマルトデキストリンと卵白タンパク質であってもよい。
【0052】
マルトデキストリンと分離乳清タンパク質またはマルトデキストリンと卵白タンパク質はいずれもカフェインを包むコーティングを有効に形成できるとともに、顆粒の造粒機器への付着作用を効果的に低下させることができる。
【0053】
その他の実施例において、カフェインは、カフェイン化合物モノマー、コーヒー豆または茶葉抽出物に由来してもよい。
【0054】
ここのカフェイン成分は天然精製または合成されたカフェイン化合物モノマー、または精製されていないコーヒー豆または茶葉抽出物から得ることができ、その由来は比較的に広くて、しかも原料は入手しやすくて、コストが比較的に低い。
【0055】
その他の実施例において、カフェインがコーヒー豆または茶葉抽出物に由来する場合、カフェインを水に分散させて基礎溶液を得るステップは、以下のステップを含んでもよい。
コーヒー豆又は茶葉を粒径範囲40~100メッシュに粉砕し、水を加えて耐圧釜内で40℃~60℃の温度で100~140min加熱してから、100℃~120℃に昇温させ、さらに15~40min加熱し、冷却して加圧ろ過された水溶液を得て、カフェイン含有基礎溶液を得る。
【0056】
当然のことながら、カフェインがコーヒー豆または茶葉抽出物に由来する場合、その中のカフェイン成分を抽出する必要があり、具体的には以下のように実行する。まずは乾燥したコーヒー豆又は茶葉を、粉砕後の粒径範囲が40~100メッシュになるように粉砕し、水を加えて、耐圧釜内で40℃~60℃の温度で100~140min加熱してから、100℃~120℃に昇温させ、さらに15~40min加熱し、冷却して加圧ろ過された水溶液を得て、加圧ろ過された水溶液は即ち基礎溶液であり、その中にはコーヒー豆または茶葉抽出物から抽出されたカフェイン成分が含まれている。
【0057】
その他の実施例において、噴霧造粒法を用いて前記混合溶液を処理し、カフェイン粒子を得るステップは以下のステップを含む。
この混合溶液を、入口温度が110℃~130℃、出口温度が55℃~75℃に設定された噴霧造粒機器に添加し、噴霧乾燥させてカフェイン顆粒を得る。
【0058】
ここで、噴霧造粒機器は従来の機器であり、その具体的な構成についてはここで説明を省く。造粒時に、混合溶液を噴霧造粒機器に添加し、噴霧造粒機器の入口温度範囲を110℃~130℃に設定し、例えば、入口温度を110℃、115℃、120℃、125℃または130℃に設定し、出口温度を55℃~75℃に設定し、例えば、出口温度を55℃、60℃、65℃、70℃または75℃に設定し、噴霧乾燥させると、カフェイン顆粒が得られる。
【0059】
上記噴霧造粒機器の入口温度範囲と出口温度範囲を設定することにより、得られるカフェイン顆粒の粒度が比較的均一であり、その粒径が80メッシュ未満である。
【0060】
その他の実施例において、噴霧造粒法を用いて前記混合溶液を処理し、カフェイン粒子を得るステップは以下のステップを含む。
噴霧造粒して得られた顆粒と潤滑剤とを混合して、表面が潤滑されたカフェイン顆粒を得る。前記潤滑剤はステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ホワイトオイル、カルナウバワックス、食品グレードシリコーンゴム、食用ワックスのうちの少なくとも1種である。
【0061】
ここで、噴霧造粒によって得られた顆粒と潤滑剤とを混合することにより、顆粒の流動性を効果的に高め、顆粒間のべたつきを防止して、表面が比較的滑らかなカフェイン顆粒を得ることができる。ここで、潤滑剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ホワイトオイル、カルナウバワックス、食品グレードシリコーンゴム、食用ワックスのうちの1つ以上の混合物とすることができるが、ここでは制限せず、何れも本発明の保護範囲内に含まれる。
【0062】
また、本発明は、上記カフェイン顆粒の製造方法により製造されたカフェイン顆粒を提案する。
【0063】
また、本発明はフィルタを提案する。前記フィルタは外管と、外管内に設けられた内芯とを含み、前記内芯には、上記のようなカフェイン顆粒の製造方法により製造されたカフェイン顆粒が充填されている。
【0064】
ここで、フィルタは、従来の紙巻きたばこや非燃焼加熱式電子たばこのフィルタとして使用できる。カフェイン顆粒が内芯に充填されている場合、内芯には、ミスト内に含まれるタバコタールを吸着、捕捉して、ろ過、冷却する作用を発揮するためのろ過綿が含まれており、組立時、カフェイン顆粒は、ろ過綿のミスト流動方向に沿った下流側に充填すべきである。
【0065】
任意の実施形態では、外管は両端が開口した筒状の構造で、内側のコアは外側の管の中に充填されている。内芯はろ過綿とシリコーンゴム栓とを含み、内芯は、反対して設置されたタバコタール端と吸引端とを有し、ろ過綿とシリコーンゴム栓はタバコタール端から吸引端へ向かう方向にこの順に配置され、シリコーンゴム栓には、タバコタール端から吸引端へ向かう方向にシリコーンゴム栓の両端を貫通するエアウェイが形成され、ろ過綿とシリコーンゴム栓との間に中空チャンバが形成され、カフェイン顆粒がこの中空チャンバに充填されている。このような構成とすることにより、使用者が吸引する際には、ミストはまずろ過綿でろ過され、冷却されてから中空チャンバ内に入り、中空チャンバ内にあるカフェイン顆粒のカフェイン成分が発散し、ミストとともにシリコーンゴム栓のエアウェイを流れ、最後は流出して人体の口腔内に入り、醒神醒脳の効果を発揮する。
【0066】
なお、前記ろ過綿はポリ乳酸綿であってもよく、ポリ乳酸綿はミスト内に含まれるタバコタールを吸着、捕捉して、ろ過、冷却する作用を発揮することができる。
【0067】
もちろん、他のいくつかの実施例において、内芯の構造的配置は他の構造としてもよく、ここでは限定されず、カフェインが内芯に充填されている限り、本発明の保護範囲内にある。
【0068】
本発明はさらに、前述したフィルタを含む電子タバコを提案する。使用中、使用者が吸引できるように、フィルタはタバコスティックと組み合わされて電子タバコを形成する。
【0069】
以下、具体的な実施例により、本発明のカフェイン顆粒及びその製造方法、フィルタ及び電子タバコについて、詳細に説明する。
【0070】
(実施例1:カフェイン含有顆粒の製造)
カフェイン100グラム、マルトデキストリン200グラムと分離乳清タンパク質6グラムを量り取り、室温で300mLの水に添加し、十分に混合して混合液を得て、混合溶液を噴霧造粒装置に投入し、入口温度120℃、出口温度65℃に設定し、噴霧乾燥して顆粒を得て、顆粒の粒径を80メッシュ未満に制御し、得られた顆粒にステアリン酸マグネシウム0.5グラムおよび食用ワックス0.1グラムを混合することにより、表面が潤滑されたカフェイン顆粒を得る。
【0071】
(実施例2:コーヒー豆由来のカフェイン顆粒の製造)
乾燥したコーヒー豆1000グラムを量り取り、粒径40~100メッシュまで粉砕し、水8リットルを入れて、耐圧釜内で50℃で120分間加熱してから、110℃に昇温させて、30分間加熱を続けて、冷却して加圧ろ過された水溶液を得て、その中にマルトデキストリン300グラムと卵白タンパク質8グラムを添加し、120℃の温度で噴霧乾燥させて、粒径80メッシュ未満の顆粒を得て、得られた顆粒に100グラムあたりステアリン酸マグネシウム0.5グラムと食用ワックス0.1グラムを添加して混合することにより、表面が潤滑されたカフェイン顆粒を得る。
【0072】
(実施例3:茶葉由来のカフェイン顆粒の製造)
乾燥した茶葉1000グラムを量り取り、粒径40~100メッシュまで粉砕し、水8リットルを入れて、耐圧釜内で50℃で100分間加熱してから、100℃に昇温させて、20分間加熱を続けて、冷却して加圧ろ過された水溶液を得て、その中にマルトデキストリン300グラムと乳清タンパク質8グラムを添加し、150℃の温度で噴霧乾燥させて、粒径80メッシュ未満の顆粒を得て、得られた顆粒に100グラムあたりステアリン酸マグネシウム0.5グラムと食用ワックス0.1グラムを添加して混合することにより、表面が潤滑されたカフェイン含有顆粒を得る。
【0073】
(実施例4:フィルタの製作)
両端が開口した外管と、ポリ乳酸綿と、エアウェイが設けられたシリコーンゴム栓とを提供し、外管内にポリ乳酸綿と、実施例1で得られたカフェイン顆粒0.1グラムと、シリコーンゴム栓とを順次充填すれば、組立によりフィルタを得られる。
【0074】
(実施例5:フィルタの製作)
両端が開口した外管と、ポリ乳酸綿と、エアウェイが設けられたシリコーンゴム栓とを提供し、外管内にポリ乳酸綿と、実施例2で得られたカフェイン顆粒0.1グラムと、シリコーンゴム栓とを順次充填すれば、組立によりカフェイン含有フィルタチップを得られる。
【0075】
(実施例6:フィルタの製作)
両端が開口した外管と、ポリ乳酸綿と、エアウェイが設けられたシリコーンゴム栓とを提供し、外管内にポリ乳酸綿と、実施例3で得られたカフェイン顆粒0.1グラムと、シリコーンゴム栓とを順次充填すれば、組立によりカフェイン含有フィルタチップを得られる。
【0076】
本発明によれば、カフェイン顆粒を電子タバコのフィルタに適用することにより、その中のカフェイン成分が使用者による吸引時にミストと共に放出され、醒神醒脳の効果を発揮し、使用者の吸い心地を向上させ、優れた開発の価値を有する。したがって、本発明の技術案は、新しい電子タバコの立ち入った研究と開発のために新しい道と方向を切り開いた。
【0077】
本発明は、ケンポナシ抽出物顆粒の製造方法を提案する。ケンポナシは俗に拐棗とよばれ、クロウメモドキ科ケンポナシ属の植物であるケンポナシ(Hovenia dulcis Thunnb)、シナケンポナシ(Hovenia acerba Lindl)及びケケンポナシ(Hovenia trichocarpa Chun et Tsiang)の成熟した種子であり、解酒毒、生津止渇、除煩、止嘔、利二便の効用を有し、酒酔い、煩渇を主治する。現代の医学研究によれば、ケンポナシはまた、抗疲労、抗酸化、抗老化、肝臓を守る、抗がんなどの機能を有する。本発明によれば、ケンポナシ内の有効成分を抽出濃縮により富化し、ケンポナシ抽出物粒子を製造して得て、電子タバコ用フィルタに適用することができる。
【0078】
もちろん、本発明により製造されたケンポナシ抽出物顆粒は、従来の紙巻きタバコや電子タバコのフィルタに適用できるほか、影響されやすい病気を治療する薬物の製造にも適用でき、その用途は比較的広い。
【0079】
本発明の実施例において、ケンポナシ抽出物顆粒の製造方法は、以下のステップを含む。
ケンポナシからケンポナシ抽出液を得て、
前記ケンポナシ抽出液を濃縮し、濃縮後に沈殿剤を添加して沈殿させ、清液を抽出して、
前記清液を濃縮し、濃縮後の清液内にデキストリンを添加し、乾燥と粉砕により、ケンポナシ抽出物顆粒を得る。
【0080】
具体的には、まず、乾燥したケンポナシからケンポナシ抽出液を得る。具体的な操作は以下になる。ケンポナシを加熱乾燥してから粉砕し、粉砕後に水を加えて、水に粉砕されたケンポナシを浸してから煎出し、煎出後にろ過し、ろ滓と水抽出液を得る。水抽出液はケンポナシ抽出液である。一回の処理を経たろ滓にはまだに少量のケンポナシ成分が含まれているので、より十分で効果的にケンポナシ内のケンポナシ成分を得るために、ろ滓に水を添加して、煎出とろ過操作を繰り返し、水抽出液を得て、2回にわたって得られた水抽出液を結合させると、ケンポナシ抽出液を得ることができる。そして、得られたケンポナシ抽出液を濃縮することにより、ケンポナシ抽出液内のケンポナシ抽出物の濃度を保証して、後続のケンポナシ抽出物顆粒の製造を容易にする。濃縮後に沈降剤を添加し、沈殿剤を添加することにより、ケンポナシ抽出液内の他の物質を沈殿させて、ケンポナシの有効成分を分離することができる。完全に沈降させてから、ケンポナシの有効成分を含有する上層の清液を分離して得る。清液を濃縮し、濃縮後の清液にデキストリンを添加する。デキストリンはコーティング剤であり、ケンポナシの有効成分にコーティングを形成することができ、これによってケンポナシの有効成分が変質して効力を失うのを回避して、ケンポナシの有効成分を効果的に保護することができ、ケンポナシの有効成分の安定性を保証する。その後、乾燥と粉砕を行うことで、ケンポナシ抽出物顆粒を得ることができる。
【0081】
当然のことながら、本発明の技術案によれば、まずケンポナシからケンポナシ抽出液を得て、次いでケンポナシ抽出液を濃縮し、濃縮後に沈殿剤を添加して沈殿させ、清液を抽出して、そして、清液を濃縮することにより、ケンポナシ抽出液内のケンポナシ抽出物の濃度を保証して、後続のケンポナシ抽出物顆粒の製造を容易にする。そして、濃縮後の清液にデキストリンを添加する。デキストリンは、ケンポナシの有効成分にコーティングを形成することができ、これによってケンポナシの有効成分が変質して効力を失うのを回避して、ケンポナシの有効成分を効果的に保護することができ、ケンポナシの有効成分の安定性を保証する。最後に、乾燥と粉砕により、ケンポナシ抽出物顆粒を得ることができる。この製造方法による操作は比較的簡単である。本発明により製造で得られたケンポナシ抽出物顆粒は、ケンポナシの有効成分を含有しているので、解酒毒、生津止渇、除煩、止嘔、利二便の効用を有し、酒酔い、煩渇を主治する。さらに、抗疲労、抗酸化、抗老化、肝臓を守る、抗がんなどの機能を有する。このケンポナシ抽出物顆粒を従来の紙巻きたばこや電子たばこのフィルタに適用すると、その中のケンポナシ有効成分は使用者による吸引時にミストと共に放出され、解酒の効果を発揮し、使用者の吸い心地を向上させる。
【0082】
その他の実施例において、沈殿剤はエタノールであり、前記ケンポナシ抽出液を濃縮し、濃縮後に沈殿剤を添加して沈殿させ、清液を抽出するステップは以下のステップを含んでもよい。
前記ケンポナシ抽出液を1.0g/cm3~1.5g/cm3の密度に濃縮し、濃縮後にエタノールを、エタノールの質量含有量が50%~70%となるように添加し、清液を抽出する。
【0083】
エタノールを添加することにより、ケンポナシ抽出液内の他の物質を効果的に沈殿させて、ケンポナシの有効成分を分離することができる。ケンポナシ抽出液を得た後、その中の水量が多いため、密度範囲が1.0g/cm3~1.5g/cm3になるように、ケンポナシ抽出液を濃縮する必要があり、例えば、濃縮後のケンポナシ抽出液の密度は1.0g/cm3、1.1g/cm3、1.2g/cm3、1.3g/cm3、1.4g/cm3または1.5g/cm3である。濃縮後に、エタノールを添加することにより、ケンポナシ抽出液内の他の物質を沈殿させて、ケンポナシの有効成分を分離することができる。その十分な沈殿を保証して、ケンポナシの有効成分をより効果的に分離するためには、適切な量のエタノールを添加することが必要であり、また、エタノールを濃縮後のケンポナシ抽出液に添加した後、その中のエタノールの質量含有量は50%~70%であり、例えば、エタノールの質量含有量を50%、55%、60%、65%または70%としてもよい。十分に沈殿させてから、上層の清液を抽出する。
【0084】
その他の実施例において、前記清液を濃縮するステップは、次のステップを含む。
エタノールを回収するとともに、エタノール回収後の清液体積をエタノール回収前の体積の20~30%となるようにコントロールする。
【0085】
本実施例において、清液内にはエタノールが含まれており、清液を濃縮する効果を得るために、蒸留等またはその他の効果的な方法を用いてその中のエタノールを回収することができる。また、その後の顆粒の取得を容易にするために、清液の濃縮度をコントロールする必要がある。エタノール回収後の清液体積を、エタノール回収前の体積の20%、22%、24%、26%、28%または30%としてもよい。
【0086】
本発明の別の可能な実施例において、前記清液を濃縮し、濃縮後の清液にデキストリンを添加し、乾燥と粉砕により、ケンポナシ抽出物顆粒を得るステップに、下記のステップが含まれてもよい。
濃縮後の清液に甘味料を添加し、乾燥と粉砕により、ケンポナシ抽出物顆粒を得る。
【0087】
ケンポナシ自体の甘さの低さを考慮し、使用者の吸い心地を向上させるために、甘味料を加えてその甘さを高め、さらには使用者の吸い心地を向上させる。
【0088】
甘味料を添加する際に、甘味料の添加量を合理的に調整し、その適切な甘さを保証する必要がある。他の実施例において、甘味料の添加量範囲はケンポナシの質量の8%~15%であり、例えば、甘味料の添加量はケンポナシの質量の8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%または15%であってもよい。
【0089】
他の実施例において、甘味料は、蔗糖、アスパルテーム、スクラロース、シクラメン酸のうちの一つとしてもよい。甘味料を選択する際には、上記甘味料のうちの1つまたは複数の組み合わせを選択することができる。
【0090】
顆粒を製造する過程において、ケンポナシの有効成分をより効果的かつ十分にコーティングするためには、デキストリンの添加量を合理的にコントロールする必要がある。デキストリンの添加量は、ケンポナシの質量の30%~60%としてもよく、例えば、デキストリンの添加量はケンポナシの質量の30%、35%、40%、45%、50%、55%または60%である。なお、デキストリンとしては、マルトデキストリンを選択することができ、マルトデキストリンは入手が容易でコストを抑えられる。
【0091】
本発明によれば、上記操作により製造されたケンポナシ抽出物顆粒の粒径は80メッシュ未満である。
【0092】
本発明の別の可能な実施例において、前記清液を濃縮し、濃縮後の清液にデキストリンを添加し、乾燥と粉砕により、ケンポナシ抽出物顆粒を得るステップに、下記のステップが含まれてもよい。
粉砕後の顆粒と潤滑剤とを混合して、表面が潤滑されたケンポナシ抽出物顆粒を得る。前記潤滑剤はステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ホワイトオイル、カルナウバワックス、食品グレードシリコーンゴム、食用ワックスのうちの少なくとも1種である。
【0093】
本実施例において、粉砕後の顆粒と潤滑剤とを混合することにより、顆粒の流動性を効果的に高め、顆粒間のべたつきを防止して、表面が比較的滑らかなケンポナシ抽出物顆粒を得ることができる。ここで、潤滑剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ホワイトオイル、カルナウバワックス、食品グレードシリコーンゴム、食用ワックスのうちの1つ以上の混合物とすることができるが、ここでは制限せず、何れも本発明の保護範囲内に含まれる。
【0094】
また、本発明はさらに、上記のケンポナシ抽出物顆粒の製造方法により製造されたケンポナシ抽出物顆粒を提案する。
【0095】
また、本発明はフィルタを提案する。前記フィルタは外管と、外管内に設けられた内芯とを含み、前記内芯には、上記のようなケンポナシ抽出物顆粒の製造方法により製造されたケンポナシ抽出物顆粒が充填されている。
【0096】
ここで、フィルタは、従来の紙巻きたばこや非燃焼加熱式電子たばこのフィルタとして使用できる。ケンポナシ抽出物顆粒が内芯に充填されている場合、内芯には、ミスト内に含まれるタバコタールを吸着、捕捉して、ろ過、冷却する作用を発揮するためのろ過綿が含まれており、組立時、ケンポナシ抽出物顆粒は、ろ過綿のミスト流動方向に沿った下流側に充填すべきである。
【0097】
任意の実施形態では、外管は両端が開口した筒状の構造で、内側のコアは外側の管の中に充填されている。内芯はろ過綿とシリコーンゴム栓とを含み、内芯は、反対して設置されたタバコタール端と吸引端とを有し、ろ過綿とシリコーンゴム栓はタバコタール端から吸引端へ向かう方向にこの順に配置され、シリコーンゴム栓には、タバコタール端から吸引端へ向かう方向にシリコーンゴム栓の両端を貫通するエアウェイが形成され、ろ過綿とシリコーンゴム栓との間に中空チャンバが形成され、ケンポナシ抽出物顆粒がこの中空チャンバに充填されている。このような構成とすることにより、使用者が吸引する際には、ミストはまずろ過綿でろ過され、冷却されてから中空チャンバ内に入り、中空チャンバ内にあるケンポナシ抽出物顆粒のケンポナシ抽出物成分が発散し、ミストとともにシリコーンゴム栓のエアウェイを流れ、最後は流出して人体の口腔内に入り、醒神醒脳の効果を発揮する。
【0098】
なお、前記ろ過綿はポリ乳酸綿であってもよく、ポリ乳酸綿はミスト内に含まれるタバコタールを吸着、捕捉して、ろ過、冷却する作用を発揮することができる。
【0099】
もちろん、他のいくつかの実施例において、内芯の構造的配置は他の構造としてもよく、ここでは限定されず、ケンポナシ抽出物が内芯に充填されている限り、本発明の保護範囲内にある。
【0100】
本発明はさらに、前述したフィルタを含む電子タバコを提案する。使用中、使用者が吸引できるように、フィルタはタバコスティックと組み合わされて電子タバコを形成する。
【0101】
以下、具体的な実施例により、本発明のケンポナシ抽出物顆粒及びその製造方法、フィルタ及び電子タバコについて、詳細に説明する。
【0102】
(実施例1:ケンポナシ抽出物顆粒の製造)
乾燥したケンポナシ1000グラムを量り取り、それを粉砕して水8リットルを加え、2時間煎出して、水抽出液をろ過する。その後、ろ滓に水6リットルを加えて1時間煎出して、水抽出液をろ過する。2回の水抽出液を結合させると、すなわちケンポナシ抽出液になる。ケンポナシ抽出液を水液比重が1.2になるまで濃縮し、エタノール含有量が60%になるまでエタノールを添加し、上清液を濾取し、エタノールを回収して元の体積の1/4に濃縮してから、蔗糖10グラムとデキストリン570グラムを添加し、乾燥により顆粒714グラムを製造し、粉砕後の顆粒の粒径が80メッシュ未満になるように、得られた顆粒を粉砕する。その後、粉砕された顆粒とステアリン酸マグネシウム7グラム、食用ワックス1.4グラム及び食用シリコーンゴム0.7グラムとを十分に混合すれば、表面が潤滑されたケンポナシ抽出物顆粒が得られる。
【0103】
(実施例2:ケンポナシ抽出物顆粒の製造)
乾燥したケンポナシ1000グラムを量り取り、それを粉砕して水7リットルを加え、2時間煎出して、水抽出液をろ過する。その後、ろ滓に水8リットルを加えて1時間煎出して、水抽出液をろ過する。2回の水抽出液を結合させると、すなわちケンポナシ抽出液になる。ケンポナシ抽出液を水液比重が1.2になるまで濃縮し、エタノール含有量が65%になるまでエタノールを添加し、上清液を濾取し、エタノールを回収して元の体積の22%に濃縮してから、アスパルテーム0.1グラムとデキストリン480グラムを添加し、乾燥により顆粒624グラムを製造し、粉砕後の顆粒の粒径が80メッシュ未満になるように、得られた顆粒を粉砕する。その後、粉砕された顆粒とステアリン酸マグネシウム7グラム、食用ワックス1.4グラム及び食用シリコーンゴム0.7グラムとを十分に混合すれば、表面が潤滑されたケンポナシ抽出物顆粒が得られる。
【0104】
(実施例3:ケンポナシ抽出物顆粒の製造)
乾燥したケンポナシ1000グラムを量り取り、それを粉砕して水9リットルを加え、2時間煎出して、水抽出液をろ過する。その後、ろ滓に水6リットルを加えて1時間煎出して、水抽出液をろ過する。2回の水抽出液を結合させると、すなわちケンポナシ抽出液になる。ケンポナシ抽出液を水液比重が1.3になるまで濃縮し、エタノール含有量が55%になるまでエタノールを添加し、上清液を濾取し、エタノールを回収して元の体積の28%に濃縮してから、スクラロース0.05グラムとデキストリン520グラムを添加し、乾燥により顆粒668グラムを製造し、粉砕後の顆粒の粒径が80メッシュ未満になるように、得られた顆粒を粉砕する。その後、粉砕された顆粒とステアリン酸マグネシウム6グラム、食用ワックス1.6グラム及び食用シリコーンゴム0.8グラムとを十分に混合すれば、表面が潤滑されたケンポナシ抽出物顆粒が得られる。
【0105】
(実施例4:ケンポナシ抽出物顆粒の製造)
乾燥したケンポナシ1000グラムを量り取り、それを粉砕して水10リットルを加え、2時間煎出して、水抽出液をろ過する。その後、ろ滓に水8リットルを加えて1時間煎出して、水抽出液をろ過する。2回の水抽出液を結合させると、すなわちケンポナシ抽出液になる。ケンポナシ抽出液を水液比重が1.5になるまで濃縮し、エタノール含有量が62%になるまでエタノールを添加し、上清液を濾取し、エタノールを回収して元の体積の30%に濃縮してから、シクラメン酸0.1グラムとデキストリン450グラムを添加し、乾燥により顆粒485グラムを製造し、粉砕後の顆粒の粒径が80メッシュ未満になるように、得られた顆粒を粉砕する。その後、粉砕された顆粒とステアリン酸マグネシウム8グラム、食用ワックス1.8グラム及び食用シリコーンゴム1.0グラムとを十分に混合すれば、表面が潤滑されたケンポナシ抽出物顆粒が得られる。
【0106】
(実施例5:ケンポナシ抽出物顆粒を含むフィルタの製造)
両端が開口した外管と、ポリ乳酸綿と、エアウェイが設けられたシリコーンゴム栓とを提供し、外管内にポリ乳酸綿と、実施例1で得られたケンポナシ抽出物顆粒0.1グラムと、シリコーンゴム栓とを順次充填すれば、組立によりフィルタを得られる。
【0107】
(実施例6:ケンポナシ抽出物顆粒を含むフィルタの製造)
両端が開口した外管と、ポリ乳酸綿と、エアウェイが設けられたシリコーンゴム栓とを提供し、外管内にポリ乳酸綿と、実施例2で得られたケンポナシ抽出物顆粒0.1グラムと、シリコーンゴム栓とを順次充填すれば、組立によりフィルタを得られる。
【0108】
(実施例7:ケンポナシ抽出物顆粒を含むフィルタの製造)
両端が開口した外管と、ポリ乳酸綿と、エアウェイが設けられたシリコーンゴム栓とを提供し、外管内にポリ乳酸綿と、実施例3で得られたケンポナシ抽出物顆粒0.1グラムと、シリコーンゴム栓とを順次充填すれば、組立によりフィルタを得られる。
【0109】
(実施例8:ケンポナシ抽出物顆粒を含むフィルタの製造)
両端が開口した外管と、ポリ乳酸綿と、エアウェイが設けられたシリコーンゴム栓とを提供し、外管内にポリ乳酸綿と、実施例4で得られたケンポナシ抽出物顆粒0.1グラムと、シリコーンゴム栓とを順次充填すれば、組立によりフィルタを得られる。
【0110】
本発明によれば、ケンポナシ抽出物顆粒を電子タバコのフィルタに適用することにより、その中のケンポナシ有効成分が使用者による吸引時にミストと共に放出され、飲酒後の不快感を軽減でき、安神潤燥の効果を発揮し、使用者の吸い心地を向上させ、優れた開発の価値を有する。したがって、本発明の技術案は、新しい電子タバコの立ち入った研究と開発のために新しい道と方向を切り開いた。
【0111】
以上に述べたことは本発明の好ましい実施例にすぎず、それによって本発明の特許の範囲を制限するわけではない。本発明の発明構想の下で、本発明の明細書内容を利用してなされた等価構造変換、或いは他の関連する技術分野への直接/間接的な応用は、何れも本発明の特許の保護範囲に含まれる。
【国際調査報告】