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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-31
(54)【発明の名称】表示基板および表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20230524BHJP
   H10K 59/40 20230101ALI20230524BHJP
   H10K 50/86 20230101ALI20230524BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20230524BHJP
   H10K 59/60 20230101ALI20230524BHJP
【FI】
G09F9/30 308Z
H10K59/40
H10K50/86
G09F9/00 366A
G09F9/30 365
G09F9/00 313
H10K59/60
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022523993
(86)(22)【出願日】2021-03-10
(85)【翻訳文提出日】2022-04-22
(86)【国際出願番号】 CN2021080011
(87)【国際公開番号】W WO2021213049
(87)【国際公開日】2021-10-28
(31)【優先権主張番号】202020646909.5
(32)【優先日】2020-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】511121702
【氏名又は名称】成都京東方光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1188,Hezuo Rd.,(West Zone),Hi-tech Development Zone,Chengdu,Sichuan,611731,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】王 康
(72)【発明者】
【氏名】▲ハオ▼ ▲暁▼▲東▼
(72)【発明者】
【氏名】包 征
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC41
3K107EE26
3K107EE62
3K107EE65
3K107EE66
3K107FF15
5C094AA03
5C094AA16
5C094AA36
5C094AA60
5C094BA03
5C094BA27
5C094CA20
5C094DA07
5C094DA12
5C094DA13
5C094ED15
5C094FA01
5C094FA02
5C094FB06
5C094HA08
5G435AA00
5G435AA01
5G435AA06
5G435BB05
5G435CC09
5G435DD11
5G435EE49
5G435FF05
5G435GG43
5G435GG44
5G435HH05
5G435LL04
5G435LL07
(57)【要約】
本開示の表示基板は、基材(1)、基材(1)に順次積層された有機エレクトロルミネッセンス表示層(2)、タッチ層(3)、偏光板(4)およびカバープレート(5)を備え、有機エレクトロルミネッセンス表示層(2)とタッチ層(3)との間が第一接着層(6)によって接着され、偏光板(4)とカバープレート(5)との間が第二接着層(7)によって接着されるものであって、カメラ取り付けエリア(102)と、これを囲む表示エリア(101)とを備え、カメラ(12)が基材(1)の有機エレクトロルミネッセンス表示層(2)から離れた側に取り付けられ、かつ、カメラ取り付けエリア(102)内に位置し、有機エレクトロルミネッセンス表示層(2)のカメラ取り付けエリア(102)に対応する領域には少なくとも発光層が設けられておらず、偏光板(4)のカメラ取り付けエリア(102)に対応する領域には第一開口(41)が開設されている。本開示の表示装置は、上記表示基板を備え、表示基板における基材(1)の有機エレクトロルミネッセンス表示層(2)から離れた側に設けられ、かつカメラ取り付けエリア(102)内に位置するカメラ(12)をさらに備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材、前記基材に順次積層された有機エレクトロルミネッセンス表示層、タッチ層、偏光板およびカバープレートを備え、前記有機エレクトロルミネッセンス表示層と前記タッチ層との間が第一接着層によって接着され、前記偏光板と前記カバープレートとの間が第二接着層によって接着されるものであって、表示エリアおよびカメラ取り付けエリアを備え、前記表示エリアは前記カメラ取り付けエリアを囲み、カメラは前記基材の前記有機エレクトロルミネッセンス表示層から離れた側に取り付けられるもので、かつ、前記カメラ取り付けエリア内に位置する、表示基板であって、
前記有機エレクトロルミネッセンス表示層の前記カメラ取り付けエリアに対応する領域には少なくとも発光層が設けられておらず、前記偏光板の前記カメラ取り付けエリアに対応する領域には第一開口が開設されていることを特徴とする、表示基板。
【請求項2】
前記第二接着層は前記第一開口に充填され、かつ、前記第二接着層の前記偏光板から離れた側の表面は平坦であることを特徴とする、請求項1に記載の表示基板。
【請求項3】
前記有機エレクトロルミネッセンス表示層の前記カメラ取り付けエリアに対応する領域には、前記基材に設けられた画素駆動回路が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の表示基板。
【請求項4】
前記第一接着層は前記カメラ取り付けエリアにおける前記画素駆動回路と接し、かつ、前記第一接着層の前記有機エレクトロルミネッセンス表示層から離れた側の表面は平坦であることを特徴とする、請求項3に記載の表示基板。
【請求項5】
前記有機エレクトロルミネッセンス表示層の前記カメラ取り付けエリアに対応する領域には、前記基材に設けられた1つ以上の絶縁層が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の表示基板。
【請求項6】
前記第一接着層は前記カメラ取り付けエリアにおける前記絶縁層と接し、かつ、前記第一接着層の前記有機エレクトロルミネッセンス表示層から離れた側の表面は平坦であることを特徴とする、請求項5に記載の表示基板。
【請求項7】
前記有機エレクトロルミネッセンス表示層と前記第一接着層との間に設けられ、前記有機エレクトロルミネッセンス表示層をパッケージングするパッケージ層をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の表示基板。
【請求項8】
前記カバープレートには、前記カバープレートの前記偏光板に近接する側または前記偏光板から離れた側に位置する遮光層が設けられ、前記遮光層の前記基材への正投影が前記カメラ取り付けエリアの縁を覆うことを特徴とする、請求項1に記載の表示基板。
【請求項9】
前記基材、前記タッチ層および前記カバープレートはいずれも光を通すことを特徴とする、請求項1に記載の表示基板。
【請求項10】
前記第一接着層および前記第二接着層にはいずれも透明な接着材料が採用されていることを特徴とする、請求項1に記載の表示基板。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の表示基板を備え、前記表示基板における基材の有機エレクトロルミネッセンス表示層から離れた側に設けられ、かつ、カメラ取り付けエリアに位置するカメラをさらに備えることを特徴とする、表示装置。
【請求項12】
前記表示基板における基材の有機エレクトロルミネッセンス表示層から離れた側に設けられた放熱層をさらに備え、前記放熱層の前記表示基板カメラ取り付けエリアに対応する領域に第二開口が開設されていることを特徴とする、請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
前記第二開口に設けられた第三接着層と、前記第三接着層の前記基材から離れた側に設けられ、かつその前記基材への正投影が前記第二開口内に位置する固定プレートと、をさらに備え、
前記カメラは前記固定プレートに固定され、かつ、前記カメラは前記固定プレートの前記表示基板から離れた側に位置することを特徴とする、請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記固定プレートの前記基材から離れたプレート面と前記基材との間の距離は前記放熱層の厚さに等しいことを特徴とする、請求項13に記載の表示装置。
【請求項15】
前記固定プレートの前記基材から離れたプレート面と前記基材との間の距離は前記放熱層の厚さよりも大きいことを特徴とする、請求項13に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施例は、表示技術分野に属し、具体的には表示基板および表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、AMOLED(Active-matrix organic light-emitting diode、アクティブマトリックス有機発光ダイオード)スクリーンモジュールがフルスクリーンを実現することが主流になり、新型フルクリーン様態の1つとして、フルスクリーンにカメラを取り付けるために穴を開けることは、ますます多くの消費者に受け入れられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示の実施例は、表示基板および表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第一の様態において、本開示の実施例は、基材、前記基材に順次積層された有機エレクトロルミネッセンス表示層、タッチ層、偏光板およびカバープレートを備え、前記有機エレクトロルミネッセンス表示層と前記タッチ層との間が第一接着層によって接着され、前記偏光板と前記カバープレートとの間が第二接着層によって接着されるものであって、表示エリアおよびカメラ取り付けエリアを備え、前記表示エリアは前記カメラ取り付けエリアを囲み、カメラは前記基材の前記有機エレクトロルミネッセンス表示層から離れた側に取り付けられるもので、かつ、前記カメラ取り付けエリア内に位置する、表示基板であって、前記有機エレクトロルミネッセンス表示層の前記カメラ取り付けエリアに対応する領域には少なくとも発光層が設けられておらず、前記偏光板の前記カメラ取り付けエリアに対応する領域には第一開口が開設されている、表示基板を提供する。
【0005】
いくつかの実施例において、前記第二接着層は前記第一開口に充填され、かつ、前記第二接着層の前記偏光板から離れた側の表面は平坦である。
【0006】
いくつかの実施例において、前記有機エレクトロルミネッセンス表示層の前記カメラ取り付けエリアに対応する領域には、前記基材に設けられた画素駆動回路が設けられている。
【0007】
いくつかの実施例において、前記第一接着層は前記カメラ取り付けエリアにおける前記画素駆動回路と接し、かつ、前記第一接着層の前記有機エレクトロルミネッセンス表示層から離れた側の表面は平坦である。
【0008】
いくつかの実施例において、前記有機エレクトロルミネッセンス表示層の前記カメラ取り付けエリアに対応する領域には、前記基材に設けられた1つ以上の絶縁層が設けられている。
【0009】
いくつかの実施例において、前記第一接着層は前記カメラ取り付けエリアにおける前記絶縁層と接し、かつ、前記第一接着層の前記有機エレクトロルミネッセンス表示層から離れた側の表面は平坦である。
【0010】
いくつかの実施例において、前記有機エレクトロルミネッセンス表示層と前記第一接着層との間に設けられ、前記有機エレクトロルミネッセンス表示層をパッケージングするパッケージ層をさらに備える。
【0011】
いくつかの実施例において、前記カバープレートには、前記カバープレートの前記偏光板に近接する側または前記偏光板から離れた側に位置する遮光層が設けられ、前記遮光層の前記基材への正投影が前記カメラ取り付けエリアの縁を覆う。
【0012】
いくつかの実施例において、前記基材、前記タッチ層および前記カバープレートはいずれも光を通す。
【0013】
いくつかの実施例において、前記第一接着層および前記第二接着層にはいずれも透明な接着材料が採用されている。
【0014】
第二の様態において、本開示の実施例は、上記表示基板を備え、前記表示基板における基材の有機エレクトロルミネッセンス表示層から離れた側に設けられ、かつ、カメラ取り付けエリアに位置するカメラをさらに備える表示装置を提供する。
【0015】
いくつかの実施例において、前記表示基板における基材の有機エレクトロルミネッセンス表示層から離れた側に設けられた放熱層をさらに備え、前記放熱層の前記表示基板カメラ取り付けエリアに対応する領域には第二開口が開設されている。
【0016】
いくつかの実施例において、前記第二開口に設けられた第三接着層と、前記第三接着層の前記基材から離れた側に設けられ、かつその前記基材への正投影が前記第二開口内に位置する固定プレートと、をさらに備え、
前記カメラは前記固定プレートに固定され、かつ、前記カメラは前記固定プレートの前記表示基板から離れた側に位置する。
【0017】
いくつかの実施例において、前記固定プレートの前記基材から離れたプレート面と前記基材との間の距離は前記放熱層の厚さに等しい。
【0018】
いくつかの実施例において、前記固定プレートの前記基材から離れたプレート面と前記基材との間の距離は前記放熱層の厚さよりも大きい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図面は本開示の実施例のさらなる理解を提供するために使用され、明細書の一部を構成し、本開示の実施例と共に本開示を説明するのに使用され、本開示を限定するものとはならない。図面を参照して詳細な例示的な実施例について説明することにより、以上と他の特徴および利点が当業者にとってより自明になる。
【0020】
図1】従来技術におけるAMOLEDフルスクリーンにおける穴開けの設計断面概略図である。
図2】従来技術におけるAMOLEDフルスクリーンにおける穴開けの別の設計断面概略図である。
図3】本開示の実施例における表示基板の構造断面図である。
図4】本開示の実施例における別の表示基板の構造断面図である。
図5】本開示の実施例におけるさらなる別の表示基板の構造断面図である。
図6】本開示の実施例における表示装置の構造断面図である。
図7】本開示の実施例における別の表示装置の構造断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本開示の実施例の技術案を当業者がより良く理解できるように、本開示の実施例による表示基板および表示装置について、図面および具体的な実施の形態を組み合わせて以下にさらに詳細に説明する。
【0022】
以下、本開示の実施例について図面を参照してより充分に説明するが、提示する実施例は、本開示に記述の実施例に限定されると解釈してはならず、異なる形態で体現することができる。むしろ、これら実施例を提供するのは、本開示を徹底して完全なものにするとともに、当業者に本開示の範囲を十分に理解させることを目的とする。
【0023】
本開示の実施例は図面に示した実施例に限定されず、製造プロセスに基づいて形成される配置の修正を含む。よって、図面にて例示したエリアは概略的な属性を有し、かつ、図に示したエリアの形状はエリアの具体的な形状を例示するが、限定的であることを意図していない。
【0024】
図1は、従来技術におけるAMOLEDフルスクリーンにおける穴開けの設計概略図であり、AMOLEDフルスクリーンにおいて順次積層された放熱層13、基材1、有機エレクトロルミネッセンス表示層2、第一接着層6、タッチ層3、偏光板4および第二接着層7はいずれもカメラ取り付け位置に穴が開けられ、第二接着層7に設けられたカバープレート5のみ穴が開けられず、開けられた穴の中にカメラ12を取り付ける。この設計案においては、光線が各フィルム層の穴開け箇所の縁によって散乱反射し、光漏れ現象が発生することから、カメラ12の撮影効果に大きな影響を及ぼす。また、この穴の中にカメラ12が取り付けられた後、力が不均一になり、表示時に表示画面の当該位置に黒点が生じるという現象が起こりやすくなり、表示画面の表示効果に影響を与える。
【0025】
図2は、従来技術におけるAMOLEDフルスクリーンにおける穴開けの別の設計概略図であり、この案では、放熱層13、偏光板4および第二接着層7のカメラ取り付け位置に対応する位置にのみ穴が開けられ、カメラ12は放熱層13の穴の中に取り付けられる。この設計案においては、偏光板4および第二接着層7の穴開け箇所に密閉空間が形成されるため、製造プロセスにおいて、高圧脱泡時に、密閉空間と外部に圧力差が生じることで、AMOLED表示画面裏面はカメラ取り付け位置において凹み不良が発生することになる。
【0026】
さらに、図2では、カメラ12を、放熱層13の穴開けで暴露された基材1に取り付けており、カメラ12が凹みの中にあることから、光線が放熱層13の穴開け箇所の縁によって散乱反射し、カメラ12の撮影画像のエッジがぼやけてしまい、効果が劣ることになる。また、この凹みの中にカメラ12が取り付けられた後に力の不均一が発生するため、表示時に表示画面の当該位置に黒点が生じるという現象が起こりやすくなり、表示画面の表示効果に影響を与える。
【0027】
上記従来技術における、カメラがAMOLEDフルスクリーンの複数の積層フィルム層に開けられた穴に取り付けられることによる光漏れと、表示時に黒点が生じるという現象が起こりやすいという問題に対し、本開示の実施例は、表示基板および表示装置を提供する。
【0028】
本開示の実施例は、図3に示すように、基材1、基材1に順次積層された有機エレクトロルミネッセンス表示層2、タッチ層3、偏光板4およびカバープレート5を備え、有機エレクトロルミネッセンス表示層2とタッチ層3との間が第一接着層6によって接着され、偏光板4とカバープレート5との間が第二接着層7によって接着された表示基板を提供するものであって、表示基板は表示エリア101およびカメラ取り付けエリア102を備え、表示エリア101はカメラ取り付けエリア102を囲み、カメラは基材1の有機エレクトロルミネッセンス表示層2から離れた側に取り付けられるもので、かつ、カメラ取り付けエリア102内に位置し、有機エレクトロルミネッセンス表示層2のカメラ取り付けエリア102に対応する領域には少なくとも発光層が設けられておらず、偏光板4のカメラ取り付けエリア102に対応する領域には第一開口41が開設されている。
【0029】
ここで、有機エレクトロルミネッセンス表示層2は、画素駆動回路、アノード、発光層およびカソードを備え、発光層がアノードとカソードとの間に挟まれて設けられサンドイッチ構造となり、アノードは画素駆動回路に接続され、カソードは接地端に接続され、発光層は表示基板の表示を実現するために画素駆動回路の駆動により発光できる。カメラ取り付けエリア102はカメラの取り付けに用いられ、カメラが正常に画像を撮影できることを確保するために、表示基板における各フィルム層は、カメラ取り付けエリア102に対応する領域においてすべて光を通すことができ、有機エレクトロルミネッセンス表示層2における発光層は駆動により発光し、カメラの撮影に影響を与えるため、カメラ取り付けエリア102において発光層を設けることはできず、カメラ取り付けエリア102において、有機エレクトロルミネッセンス表示層2における他のフィルム層は設けてもよいし、設けなくてもよい。
【0030】
有機エレクトロルミネッセンス表示層2の発光層は表示時に発光できることから、カメラ取り付けエリア102のカメラの画像撮影に影響を与える。偏光板4は表示基板における光線の透過率に大きく影響を与えるため、偏光板4のカメラ取り付けエリア102に対応する領域には第一開口41が開設され、また、有機エレクトロルミネッセンス表示層2のカメラ取り付けエリア102に対応する領域には少なくとも発光層が設けられていないことにより、表示基板のカメラ取り付けエリア102のカメラ撮影光線をスムーズに透過させることができるとともに、カメラ撮影の光線透過率への要求も満たすことができ、これにより、カメラを正常に撮影させることができる。さらに、表示基板のカメラ取り付けエリア102では偏光板4にのみ開口が開設され、カメラは基材1の有機エレクトロルミネッセンス表示層2から離れた側に取り付けられることから、図1に示す従来技術のうち、表示基板の各フィルム層においていずれも穴を開けるという設計に比べて、カメラは凹んだ穴の中に位置しないため、開けられた穴の縁で光線が散乱反射するという現象の発生を回避でき、さらにはカメラ取り付けエリア102の光漏れ現象を回避し、カメラの撮影効果を確保している。また、カメラは凹んだ穴の中に位置しないため、カメラが取り付けられた後にカメラ取り付けエリア102には力の不均一という現象が発生せず、これにより表示装置が表示時に黒点を生じるという現象を回避し、表示基板の表示効果を確保している。
【0031】
いくつかの実施例において、第二接着層7は第一開口41に充填され、かつ、第二接着層7の偏光板4から離れた側の表面は平坦である。このように設けることで、カメラ取り付けエリア102内の第二接着層7とカバープレート5との間および偏光板4とカバープレート5との間に密閉空間が形成されないようにし、図2に示すようなフルスクリーンにおける穴開け設計に対して、製造プロセスにおいて表示基板の基材1の裏面のカメラ取り付けエリア102に凹み不良が形成されることを回避できる。第二接着層7には透明な接着材料が採用されるため、第二接着層7は偏光板4の第一開口41に充填され、カメラの撮影光線の透過にほぼ影響を与えない。
【0032】
いくつかの実施例において、有機エレクトロルミネッセンス表示層2のカメラ取り付けエリア102に対応する領域には、基材1に設けられた画素駆動回路8が設けられている。ここで、画素駆動回路8における各フィルム層(例えば、トランジスタのゲート電極、ゲート絶縁層、ソース電極、ドレイン電極、活性層など)にはいずれも光透過性材料が採用されるため、カメラの撮影光線の透過にほぼ影響を与えない。
【0033】
ここで、第一接着層6はカメラ取り付けエリア102における画素駆動回路8と接し、かつ、第一接着層6の有機エレクトロルミネッセンス表示層2から離れた側の表面は平坦である。このように設けることで、カメラ取り付けエリア102内の第一接着層6とタッチ層3との間および画素駆動回路8とタッチ層3との間に密閉空間が形成されないようにし、図2に示すようなフルスクリーンにおける穴開け設計に対して、製造プロセスにおいて表示基板の基材1の裏面のカメラ取り付けエリア102に凹み不良が形成されることを回避できる。第一接着層6には透明な接着材料が採用されるため、第一接着層6はカメラの撮影光線の透過にほぼ影響を与えない。
【0034】
いくつかの実施例において、図4に示すように、有機エレクトロルミネッセンス表示層2のカメラ取り付けエリア102に対応する領域には、基材1に設けられた1つ以上の絶縁層9が設けられている。ここで、各絶縁層9は、表示基板の表示エリア101からカメラ取り付けエリア102まで延びた透明な有機絶縁層または透明な無機絶縁層である。各絶縁層9にはいずれも光透過性材料が採用されるため、カメラの撮影光線の透過にほぼ影響を与えない。
【0035】
ここで、第一接着層6はカメラ取り付けエリア102における絶縁層9と接し、かつ、第一接着層6の有機エレクトロルミネッセンス表示層2から離れた側の表面は平坦である。このように設けることで、カメラ取り付けエリア102内の第一接着層6とタッチ層3との間および絶縁層9とタッチ層3との間に密閉空間が形成されないようにし、図2に示すようなフルスクリーンにおける穴開け設計に対して、製造プロセスにおいて表示基板の基材1の裏面のカメラ取り付けエリア102に凹み不良が形成されることを回避できる。第一接着層6には透明な接着材料が採用されるため、第一接着層6はカメラの撮影光線の透過にほぼ影響を与えない。
【0036】
いくつかの実施例において、図5に示すように、表示基板は有機エレクトロルミネッセンス表示層2と第一接着層6との間に設けられ、有機エレクトロルミネッセンス表示層2をパッケージングするパッケージ層10をさらに備える。ここで、パッケージ層10は、透明な有機膜および透明な無機膜を採用し積層して構成してよい。カメラ取り付けエリア102において、パッケージ層10はカメラの撮影光線の透過にほぼ影響を与えない。
【0037】
いくつかの実施例において、図3に示すように、カバープレート5には、カバープレート5の偏光板4に近接する側に位置する遮光層11が設けられ、遮光層11の基材1への正投影はカメラ取り付けエリア102の縁を覆う。遮光層11の設置は、カメラ取り付けエリア102縁領域の光漏れを遮蔽することができ、これによりカメラ取り付けエリア102の縁領域に光漏れが発生しないよう確保し、さらに表示基板の表示効果およびカメラの撮影効果を確保している。
【0038】
ここで、遮光層11には黒色インク材料が採用される。なお、遮光層11はカバープレート5の前記偏光板4から離れた側に位置してもよい。
【0039】
本実施例において、基材1、タッチ層3およびカバープレート5はいずれも光を通す。これにより、カメラ取り付けエリア102はカメラの撮影光線の透過に影響を与えない。ここで、基材1およびカバープレート5はフレキシブルな材料を採用してよく、これによりフレキシブルな表示基板を実現することができる。
【0040】
上記実施例による表示基板は、偏光板のカメラ取り付けエリアに対応する領域に第一開口を開設し、また、有機エレクトロルミネッセンス表示層のカメラ取り付けエリアに対応する領域に少なくとも発光層が設けられていないことにより、表示基板カメラ取り付けエリアのカメラ撮影光線をスムーズに透過させることができるとともに、カメラ撮影の光線透過率への要求を満たすことができ、これにより、カメラを正常に撮影させることができる。さらに、表示基板のカメラ取り付けエリアでは偏光板にのみ開口が開設され、カメラは基材の有機エレクトロルミネッセンス表示層から離れた側に取り付けられることから、従来技術における、表示基板の各フィルム層においていずれも穴を開けるという設計に比べて、カメラは凹んだ穴の中に位置しないため、開けられた穴の縁で光線が散乱反射するという現象の発生を回避でき、さらにはカメラ取り付けエリアの光漏れ現象を回避し、カメラの撮影効果を確保している。また、カメラは凹んだ穴の中に位置しないため、カメラが取り付けられた後にカメラ取り付けエリアには力の不均一という現象が発生せず、これにより表示装置が表示時に黒点を生じるという現象を回避し、表示基板の表示効果を確保している。
【0041】
本開示の実施例は、図6に示すように、上記実施例における表示基板を備え、表示基板における基材1の有機エレクトロルミネッセンス表示層2から離れた側に設けられ、かつ、カメラ取り付けエリア102に位置するカメラ12をさらに備える表示装置をさらに提供する。
【0042】
いくつかの実施例において、表示装置は、表示基板における基材1の有機エレクトロルミネッセンス表示層2から離れた側に設けられた放熱層13をさらに備え、放熱層13の表示基板カメラ取り付けエリア102に対応する領域には第二開口130が開設されている。放熱層13には放熱綿または金属放熱材料が採用され、放熱層13における第二開口130の設置は、放熱層13がカメラ12の撮影光線を遮蔽するのを回避でき、これによりカメラ12が正常に撮影できるように確保する。
【0043】
いくつかの実施例において、表示装置は、第二開口130に設けられた第三接着層14と、第三接着層14の基材1から離れた側に設けられ、かつその基材1への正投影が第二開口130内に位置する固定プレート15と、をさらに備え、カメラ12は固定プレート15上に固定され、かつ、カメラ12は固定プレート15の表示基板から離れた側に位置する。ここで、第三接着層14には透明接着剤が採用される。固定プレート15には透明なガラス板が採用される。第三接着層14および固定プレート15の設置は、カメラ12の撮影光線の透過にほぼ影響を与えないため、カメラ12の正常な撮影に影響を与えない。
【0044】
いくつかの実施例において、固定プレート15の基材1から離れたプレート面と基材1との間の距離は放熱層13の厚さに等しい。このように設けることで、図2に示すカメラ取り付け位置に対して、カメラ12が凹んだ穴の中に位置しないようにできるため、開けられた穴の縁で光線が散乱反射するという現象の発生を回避でき、さらにはカメラ12の撮影画像のエッジがぼやけるという現象を回避し、カメラ12の撮影効果を確保している。また、カメラ12は凹んだ穴の中に位置しないため、カメラ12が取り付けられた後にカメラ取り付けエリア102には力の不均一という現象が発生せず、これにより表示装置が表示時に黒点を生じるという現象を回避し、表示装置の表示効果を確保している。
【0045】
いくつかの実施例において、図7に示すように、固定プレート15の基材1から離れたプレート面と基材1との間の距離は放熱層13の厚さよりも大きい。このように設けることで、図2に示すカメラ取り付け位置に対して、同様に、カメラ12が凹んだ穴の中に位置しないようにすることができるため、開けられた穴の縁で光線が散乱反射するという現象の発生を回避でき、さらにはカメラ12の撮影画像のエッジがぼやけるという現象を回避し、カメラ12の撮影効果を確保している。また、カメラ12は凹んだ穴の中に位置しないため、カメラ12が取り付けられた後にカメラ取り付けエリア102には力の不均一という現象が発生せず、これにより表示装置が表示時に黒点を生じるという現象を回避し、表示装置の表示効果を確保している。
【0046】
本開示の実施例による表示装置は、前記上記表示基板を採用することにより、カメラの正常な撮影を確保することができるのみならず、カメラ取り付けエリアの光漏れ現象を回避することもでき、カメラの撮影効果を確保しており、またこの表示装置はカメラが取り付けられた後に力の不均一という現象が発生せず、これにより表示装置が表示時に黒点を生じるという現象を回避し、表示装置の表示効果を確保している。
【0047】
本開示の実施例による表示装置はOLEDパネル、OLEDテレビ、ディスプレイ、携帯電話、ナビゲーションなどの表示機能を有する任意の製品または部品であってよい。
【0048】
上記の実施形態は、本開示の原理を説明するために採用された単なる例示的な実施形態であって、本開示はこれに限定されないということを理解されたい。当業者は、本開示の精神および本質から逸脱することなく様々な変形および改善を行うことができ、これらの変形および改善も本開示の保護範囲と見なされる。
【符号の説明】
【0049】
1 基材
2 有機エレクトロルミネッセンス表示層
3 タッチ層
4 偏光板
5 カバープレート
6 第一接着層
7 第二接着層
8 画素駆動回路
9 絶縁層
10 パッケージ層
11 遮光層
12 カメラ
13 放熱層
14 第三接着層
15 固定プレート
41 第一開口
101 表示エリア
102 カメラ取り付けエリア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】