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特表2023-522520抗ヒトHVEM(TNFRSF14)抗体およびそれらの使用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-31
(54)【発明の名称】抗ヒトHVEM(TNFRSF14)抗体およびそれらの使用
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/13 20060101AFI20230524BHJP
   C07K 16/28 20060101ALI20230524BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20230524BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20230524BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20230524BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20230524BHJP
   C12N 5/071 20100101ALI20230524BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20230524BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230524BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20230524BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20230524BHJP
【FI】
C12N15/13
C07K16/28 ZNA
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12N5/071
A61K39/395 U
A61P35/00
A61P37/02
A61K39/395 D
A61K48/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022538834
(86)(22)【出願日】2020-12-24
(85)【翻訳文提出日】2022-08-09
(86)【国際出願番号】 NL2020050817
(87)【国際公開番号】W WO2021133170
(87)【国際公開日】2021-07-01
(31)【優先権主張番号】19219684.8
(32)【優先日】2019-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】522249268
【氏名又は名称】ジェイジェイピー バイオロジクス エスピー.ゼット オー.オー.
(74)【代理人】
【識別番号】100085545
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 光夫
(74)【代理人】
【識別番号】100118599
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 博司
(72)【発明者】
【氏名】ブーン,ルイ
(72)【発明者】
【氏名】シモンズ,ペトルス ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】デン,ハルトフ マルセル テオドロス
【テーマコード(参考)】
4B065
4C084
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4B065AA92X
4B065AB05
4B065AC14
4B065BA08
4B065CA25
4B065CA44
4C084AA13
4C084NA14
4C084ZB07
4C084ZB26
4C085AA14
4C085AA16
4C085BB11
4C085CC03
4C085EE01
4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045CA40
4H045DA76
4H045EA28
4H045FA72
4H045FA74
(57)【要約】
本発明は、抗体であって、ヒトHVEM発現細胞上のヒトHVEMの細胞外部分に結合し、抗体がHVEMの当該細胞外部分に結合されるときに、BTLAのHVEMへの結合を防止し、当該抗体が、HVEMの当該細胞外部分に結合したBTLAを取り換える、抗体を開示する。本発明はまた、特定の疾患との闘いにおけるかかる抗体の使用を開示する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗体であって、ヘルペスウイルス侵入メディエーター(HVEM)発現細胞上のHVEMの細胞外システインリッチドメイン-1(CRD1)に結合し、前記抗体がHVEMの前記細胞外部分に結合されるときに、BおよびTリンパ球アテニュエーター(BTLA)のHVEMへの結合を防止し、HVEMの前記細胞外部分に結合されたBTLAを取り換える、抗体。
【請求項2】
前記抗体は、前記抗体がHVEMの前記細胞外部分に結合されるときに、HVEMの前記細胞外部分に結合されたLIGHTを取り換えない、請求項1に記載の抗体。
【請求項3】
前記抗体は、前記抗体がHVEMの前記細胞外部分に結合されるときに、CD160のHVEMへの結合を部分的に防止し、HVEMの前記細胞外部分に結合されたCD160を部分的に取り換える、請求項1に記載の抗体。
【請求項4】
0、1、または2個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号26~28のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を有する重鎖可変領域、ならびに0、1、または2個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号29~31のCDR1、CDR2、CDR3配列を有する軽鎖可変領域を含む、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合する、請求項1~3のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項5】
0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号24のアミノ酸配列を有する重鎖領域、ならびに0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号25のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合する、請求項1~4のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項6】
0、1、または2個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号42~44のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を有する重鎖可変領域、ならびに0、1、または2個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号45~47のCDR1、CDR2、CDR3配列を有する軽鎖可変領域を含む、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合する、抗体。
【請求項7】
0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号40のアミノ酸配列を有する重鎖領域、ならびに0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号41のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合する、抗体。
【請求項8】
0、1、または2個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号18~20のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を有する重鎖可変領域、ならびに0、1、または2個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号21~23のCDR1、CDR2、CDR3配列を有する軽鎖可変領域を含む、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合する、抗体。
【請求項9】
0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号16のアミノ酸配列を有する重鎖領域、ならびに0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号17のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合する、抗体。
【請求項10】
前記抗体は、前記抗体がHVEMの前記細胞外部分に結合されるときに、HVEMの前記細胞外部分へのLIGHTの結合を防止しない、請求項1~3、6、7のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項11】
前記抗体が、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、ヒト化抗体、およびそれらの抗原結合断片から選択される、請求項1~10のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項12】
請求項4~10および11のいずれか一項に記載の抗体をコードするヌクレオチド配列を含む、1つ以上の核酸分子。
【請求項13】
前記1つ以上の核酸が、請求項1~11のいずれか一項に記載の抗体に組み立てることができる、請求項12に記載の1つ以上の核酸を含む、細胞。
【請求項14】
疾患の治療における使用のための、請求項1~11のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項15】
請求項1~12のいずれか一項に記載の抗体もしくはその抗原結合断片、または核酸分子、ならびに薬学的に許容される担体および/または希釈剤を含む、医薬組成物。
【請求項16】
がんおよび/もしくは免疫関連障害の予防として、またはその治療における使用のための、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項17】
HVEM発現細胞を、請求項1~12のいずれか一項に記載の抗体もしくはその抗原結合断片、または核酸分子と接触させることを含む、HVEMシグナル伝達活性を調節するための、方法。
【請求項18】
医学的適応症に罹患しているヒトまたは動物の治療のための方法であって、前記方法が、前記ヒトまたは動物に、治療有効量の請求項1~12のいずれか一項に記載の抗体もしくはその抗原結合断片または核酸分子を投与することを含む、方法。
【請求項19】
対象における腫瘍成長を低減するための方法であって、請求項1~12のいずれか一項に記載の抗体もしくはその抗原結合断片または核酸分子を含む、治療有効量の組成物を必要とする前記対象に投与することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗体の分野およびかかる抗体の使用に関する。本発明は、特に、HVEMに結合する抗体を提供する。本発明はまた、抗HVEM抗体を含むキットおよび組成物ならびに本明細書に記載の抗体を使用する治療方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
T細胞の活性化は、少なくとも2つのシグナル、T細胞受容体の係合および共刺激分子によって送達される追加のシグナルの同時の活性化を必要とする。いくつかの共刺激分子は、B7/CD28およびTNF/TNFRファミリーに属し、免疫応答の調節および抗腫瘍免疫の改善において重要な役割を果たす。腫瘍は、免疫抑制性微小環境を生成することによって、免疫監視から逃れることができ、抗腫瘍T細胞応答は、がん細胞の表面上のPD-L1/L2などの共刺激分子の欠如および/または共阻害分子の過剰発現によって減衰する。共刺激および共阻害経路を標的化することは、いくつかのヒトがんにおける抗腫瘍免疫を増強するための魅力的な治療方針を表している。共阻害Ig分子CTLA-4およびPD-1を標的とする臨床試験は、すでに、黒色腫、腎細胞および前立腺がん、ならびに非ホジキンリンパ腫を有する患者において有望な結果をもたらし、Yervoy(登録商標)およびOpdivo(登録商標)などの薬物承認をもたらした。
【0003】
他の共刺激および共阻害受容体/リガンド相互作用の潜在的な役割を評価することに関心がある。そのような分子の1つは、ヘルペスウイルス侵入メディエーター(HVEM/CD270/TNFRSF14)およびそのリガンドである。HVEMとそのリガンドとの間の相互作用は、双方向シグナル伝達の証拠があるため、例えばPD-1/PD-L1よりも複雑である。HVEMは、そのリガンドとの相互作用時の刺激シグナル伝達と阻害シグナル伝達との間の分子スイッチであり、BTLA(BおよびTリンパ球アテニュエーター)、CD160、LIGHT(リンフォトキシン様、誘導発現を示し、Tリンパ球によって発現された受容体であるHVEMに対して単純ヘルペスウイルス糖タンパク質Dと競合する)およびTNFβ/LTα(腫瘍壊死因子β/リンフォトキシンα)を含む。HVEMおよびそのリガンドは、免疫調節の生理病理学において役割を果たす。本発明において、このネットワークの調節不全が様々な疾患に寄与することが示された。
【0004】
HVEMは、細胞内へのウイルスの侵入を可能にする、単純ヘルペスウイルス1の糖タンパク質Dの共受容体として最初に発見された。HVEMは、組織において広く発現し、肺、腎臓、および肝臓において最も発現レベルが高いことが見出されている。HVEMはまた、T細胞、B細胞、NK細胞、および骨髄細胞上で発現されることが見出されている。注目すべきことに、HVEM発現はいくつかのがんにおいて上方調節されている。HVEMは、BTLA、CD160、LIGHTおよびTNFβと相互作用することが既知である。リガンドのほとんど、およびHVEM自体は、免疫シナプスのいずれかの側で発現され得る。CD160は、NK細胞、NKT細胞およびT細胞において発現されることが見出されており、BTLAは、活性化T細胞および静止B細胞において高度に発現され、ならびにナイーブT細胞、NK細胞、樹状細胞(DC)およびマクロファージにおいては発現が少ない。LIGHTは、未成熟DC、顆粒球、単球および活性化T細胞によって発現されることが見出されており、TNFβは、B細胞およびT細胞およびNK細胞において発現される。
【0005】
理論によって拘束されることなく、HVEMによるTリンパ球上のBTLAおよびCD160の係合は、BTLAおよびCD160を介してTリンパ球に共阻害シグナルを提供し、Tリンパ球上のHVEMのLIGHTおよびTNFβによるライゲーションは、HVEMを介して共刺激シグナルを送達すると考えられている。これらの相互作用は双方向である。HVEMは、T細胞上でBTLAおよびCD160との相互作用後にT細胞において阻害シグナルを誘導するが、BTLAおよびCD160の両方は、HVEMの活性化リガンドとして作用し、NFκB活性化をもたらす。さらに、LIGHTは、T細胞上に発現されたHVEMと相互作用する場合、T細胞に共刺激シグナルを送達し、HVEMもまた、T細胞によって発現されたLIGHTと相互作用する場合、T細胞に共刺激シグナルを伝達することに関与している。しかしながら、LIGHTは明らかなシグナル伝達モチーフを含有しておらず、そのシグナル伝達のメカニズムは完全には定義されていない。
【0006】
LIGHTおよび/またはTNFβ、BTLAおよび/またはCD160がHVEMと同時に相互作用する場合、正味の効果は、T細胞活性化の阻害シグナルである。多くの腫瘍(例えば、黒色腫、食道扁平上皮がん、肝細胞がん、および結腸直腸がん)は、HVEMを過剰発現する。したがって、がん細胞上のHVEMとT細胞上のBTLA/CD160との間の抑制性相互作用の治療的遮断は、HVEM発現T細胞におけるLIGHT媒介シグナル伝達を完全なままにしながら、抗腫瘍T細胞応答を増強する可能性がある。BTLAのHVEMへの結合を干渉することができる抗体が記載されている(WO2014/184360A1)。一実施形態では、本発明は、BTLAのHVEMへの結合を遮断し、HVEMに結合されたBTLAを取り換えることができる抗体を提供する。これらおよび他の抗体は、本発明の開示の主題である。
【発明の概要】
【0007】
一態様では、本開示は、抗体であって、HVEM発現細胞上のヘルペスウイルス侵入メディエーター(HVEM)の細胞外部分に結合し、当該抗体がHVEMの当該細胞外部分に結合されるときにBおよびTリンパ球アテニュエーター(BTLA)のHVEMへの結合を防止する、抗体を提供する。一態様では、抗体は、HVEMの当該細胞外部分に結合したBTLAを取り換え得る。
【0008】
一態様では、本開示は、0、1、または2個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号26~28のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を有する重鎖可変領域、ならびに0、1、または2個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号29~31のCDR1、CDR2、CDR3配列を有する軽鎖可変領域を含む、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合する、抗体を提供する。
【0009】
一態様では、本開示は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号24のアミノ酸配列を有する重鎖領域、ならびに0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号25のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合する、抗体を提供する。
【0010】
一態様では、本開示は、0、1、または2個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号42~44のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を有する重鎖可変領域、ならびに0、1、または2個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号45~47のCDR1、CDR2、CDR3配列を有する軽鎖可変領域を含む、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合する、抗体を提供する。
【0011】
一態様では、本開示は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号40のアミノ酸配列を有する重鎖領域、ならびに0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号41のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合する、抗体を提供する。
【0012】
一態様では、本開示は、0、1、または2個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号18~20のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を有する重鎖可変領域、ならびに0、1、または2個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号21~23のCDR1、CDR2、CDR3配列を有する軽鎖可変領域を含む、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合する、抗体を提供する。
【0013】
一態様では、本開示は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号16のアミノ酸配列を有する重鎖領域、ならびに0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号17のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合する、抗体を提供する。
【0014】
一態様では、本開示は、0、1、または2個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号34~36のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を有する重鎖可変領域、ならびに0、1、または2個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号37~39のCDR1、CDR2、CDR3配列を有する軽鎖可変領域を含む、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合する、抗体を提供する。
【0015】
一態様では、本開示は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号32のアミノ酸配列を有する重鎖領域、ならびに0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号33のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合する、抗体を提供する。
【0016】
一態様では、本開示は、0、1、または2個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号50~52のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を有する重鎖可変領域、ならびに0、1、または2個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号53~55のCDR1、CDR2、CDR3配列を有する軽鎖可変領域を含む、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合する、抗体を提供する。
【0017】
一態様では、本開示は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号48のアミノ酸配列を有する重鎖領域、ならびに0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号49のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合する、抗体を提供する。
【0018】
一態様では、本開示は、本明細書で開示の抗体または本明細書で開示の抗原結合断片をコードする核酸分子(複数可)を提供する。本明細書で開示の可変領域をコードする核酸がさらに提供される。
【0019】
一態様では、本開示は、本明細書に記載の核酸分子を含むベクターを提供する。一態様では、本明細書で開示の抗体、核酸分子、および/またはベクターを含む細胞を提供する。好ましくは、宿主細胞は哺乳動物細胞、昆虫細胞、植物細胞、細菌細胞または酵母細胞である。より好ましくは、細胞はヒト細胞である。好ましくは、宿主細胞は、ハイブリドーマ細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、NSO細胞、またはPER-C6(商標)細胞である。
【0020】
一態様では、本開示は、本明細書で開示の抗体の産生方法を提供する。本方法は、抗体の採取を含む。好ましくは、抗体は、細胞を使用して産生され、当該細胞から採取される。好ましくは、当該細胞は、ハイブリドーマ細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、NSO細胞、またはPER-C6(商標)細胞である。好ましくは、抗体は、合成的に産生される。
【0021】
一態様では、本開示は、開示の抗体もしくはその抗原結合断片、核酸、および/または細胞を含む、医薬組成物を提供する。好ましくは、本明細書で開示の組成物または抗体もしくはその抗原結合断片は、薬剤の製造において使用するためのものである。好ましくは、薬剤は、がんおよび免疫関連障害の治療および/または予防のためのものである。
【0022】
一態様にでは、本開示は、がんおよび免疫関連障害の治療を必要とする対象に、治療有効量の本明細書で開示の抗体もしくはその抗原結合断片、核酸分子またはベクターを投与することを含む、対象におけるがんおよび免疫関連障害の治療のための方法を提供する。
【0023】
一態様では、本開示は、がんおよび免疫関連障害の治療における使用のための抗体またはその抗原結合断片を提供する。
【0024】
一態様では、本開示は、HVEM発現細胞を、本明細書で開示の抗体もしくはその抗原結合断片、核酸分子、またはベクターと接触させることを含む、HVEMシグナル伝達活性の調節するための方法を提供する。
【0025】
一態様では、本開示は、免疫応答の増加を必要とする対象に、本明細書で開示の抗体もしくはその抗原結合断片、核酸分子またはベクターを含む、治療有効量の組成物を投与することを含む、対象における免疫応答を増加させるための方法を提供する。
【0026】
一態様では、本開示は、腫瘍成長の低減を必要とする対象に、本明細書で開示の抗体もしくはその抗原結合断片、核酸分子またはベクターを含む、治療有効量の組成物を投与することを含む、対象における腫瘍成長を低減するための方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本開示は、HVEM発現細胞上のヒトHVEMの細胞外部分および可溶性HVEMに結合する抗体を記載する。本明細書に記載の抗体は、抗体がヒトHVEMの当該細胞外部分に結合されるときに、BTLAおよびCD160のHVEMへの結合を防止するのに有用である。HVEMに結合するいくつかの抗体が生成されている。HVEMに特異的に結合する抗体は当該技術分野において既知である。例えば、抗体eBio HVEM-122(eBiosciences)は市販されており、実施例2において参照されている。BTLAのHVEMへの結合を干渉することができる抗体が記載されている(WO2014/184360A1)。本発明は、BTLAのHVEMへの結合を遮断し、HVEMに一度結合されたBTLAを取り換える抗体を提供する。
【0028】
一態様では、本開示は、抗体であって、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合し、当該抗体がHVEMの当該細胞外部分に結合されるときにBTLAのHVEMへの結合を防止し、HVEMの当該細胞外部分に一度結合されたBTLAを取り換える、抗体を提供する。
【0029】
「抗体」という用語は、典型的には、2つの同一のポリペプチド鎖対からなる免疫グロブリン分子を指し、各対は、1つの「重」(H)鎖、および1つの「軽」(L)鎖を有する。ヒト軽鎖は、カッパ(κ)およびラムダ(λ)として分類される。重鎖は、ミュー、デルタ、ガンマ、アルファ、またはイプシロンとして分類され、抗体のアイソタイプは、それぞれ、IgM、IgD、IgG、IgA、およびIgEとして定義される。各重鎖は、重鎖可変領域(本明細書ではHCVRまたはVHと略される)および重鎖定常領域からなる。IgD、IgG、およびIgAの重鎖定常領域は、3つのドメイン、CH1、CH2、およびCH3からなり、IgMおよびIgEの重鎖定常領域は、4つのドメイン、CH1、CH2、CH3、およびCH4からなる。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書ではLCVRまたはVLと略される)および軽鎖定常領域からなる。軽鎖定常領域は、1つのドメイン、CLからなる。抗体の定常領域は、免疫系の様々な細胞(例えば、エフェクター細胞)を含む宿主組織または因子への免疫グロブリンの結合を媒介し得る。VHおよびVL領域は、相補性決定領域(CDR)と称される超可変領域へとさらに細分することができ、フレームワーク領域(FR)と称される、より保存された領域が点在する。各VHおよびVLは、アミノ末端からカルボキシ末端へと以下の順序で配置された3つのCDRおよび4つのFRからなる:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。軽鎖および重鎖の可変領域は、一緒に抗体結合部位を形成し、エピトープに対する特異性を定義する。抗体における領域またはドメインにアミノ酸を割り当てるための様々な方法が当該技術分野で既知である。周知の方法としては、Kabat法およびChothia法が挙げられる(Kabat Sequences of Proteins of Immunological Interest(National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1987 and 1991)、Chothia et al.Conformations of immunoglobulin hypervariable regions in Nature 1989;342(6252):877-83)。本開示の各領域またはドメインへのアミノ酸の割り当ては、Kabatの定義に従う。
【0030】
「抗体」という用語は、マウス、ヒト化、脱免疫化ヒトおよびキメラ抗体、ならびに単量体抗体の二量体、三量体、またはより高次の多量体などの抗体の多量体形態である抗体を包含する。抗体はまた、単一特異性、二重特異性または多重特異性抗体、および必要な特異性の抗原認識部位を含む免疫グロブリン分子の任意の他の修飾された構成を包含する。また、非抗体部分に連結または取り付けられている抗体も包含する。さらに、「抗体」という用語は、抗体を産生する任意の特定の方法によって限定されない。例えば、モノクローナル抗体、組換え抗体、およびポリクローナル抗体を含む。本発明は、本明細書に記載の抗体を提供する。さらに、本発明は、本明細書で開示の抗体の一部、誘導体、および/または類似体を提供する。部分、誘導体および/または類似体は、必ずしも量ではなく、同種のもので抗体の抗原結合特性を保持する。部分および/または誘導体の非限定的な例としては、抗原結合部分であり、典型的には抗体の1つ以上の可変ドメインを含有する抗体の一部が挙げられる。非限定的な例は、様々なFab断片である。部分はまた、いわゆる単一ドメイン抗体断片であり得る。単一ドメイン抗体断片(sdAb、開発者であるAblynxによってナノボディと呼ばれる)は、単一モノマー可変抗体ドメインを有する抗体断片である。抗体全体と同様に、特異的抗原に選択的に結合することができる。12~15kDaの分子量しかない単一ドメイン抗体断片は、2つの重タンパク質鎖および2つの軽鎖からなる一般的な抗体(150~160kDa)よりもはるかに小さく、Fab断片(約50kDa、1つの軽鎖および半分の重鎖)および一本鎖可変断片(約25kDa、1つの軽鎖および1つの重鎖である2つの可変領域)よりもさらに小さい。単一ドメイン抗体自体は、通常の抗体よりもはるかに小さくはない(典型的には90~100kDaである)。単一ドメイン抗体断片は、主にラクダ科に見られる重鎖抗体から操作され、これらはVHH断片(Nanobodies(登録商標))と呼ばれる。一部の魚類はまた、重鎖のみの抗体(IgNAR、「免疫グロブリン新抗原受容体」)を有し、VNAR断片と呼ばれる単一ドメイン抗体断片を得ることができる。代替アプローチは、ヒトまたはマウス由来の一般的な免疫グロブリンG(IgG)由来の二量体可変ドメインをモノマーに分割することである。単一ドメイン抗体の研究のほとんどは現在、重鎖可変ドメインに基づいているが、軽鎖に由来するナノボディが標的エピトープに特異的に結合することも示されている。抗体部分の非限定的な例は、抗体またはその等価物の重鎖および/または軽鎖の可変ドメインを含有する。そのような部分の非限定的な例は、VHH、ヒトドメイン抗体(dAb)およびユニボディである。好ましい抗体部分または誘導体は、少なくとも本明細書に記載の抗体の重鎖および軽鎖の可変ドメインを有する。誘導体または部分である非限定的な例は、F(ab)断片および単鎖Fv断片である。二重特異性抗体の機能部分は、二重特異性抗体の抗原結合部分、または結合部分の誘導体および/もしくは類似体を含む。
【0031】
「単鎖抗体」(scFv)は、VHドメインに連結されたVLドメインを含む単一のポリペプチド鎖を有し、VLドメインおよびVHドメインは、一価分子を形成するように対形成される。単鎖抗体は、当該技術分野において既知の方法に従って調製され得る(例えば、Bird et al.,(1988)Science 242:423-426およびHuston et al.,(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5879-5883を参照されたい)。「ダイアボディ」は、2つの鎖を有し、各鎖は、短いペプチドリンカーによって接続された同じポリペプチド鎖上の軽鎖可変領域に接続された重鎖可変領域を含み、同じ鎖上の2つの領域は、互いに対形成しないが、他方の鎖上の相補ドメインと対形成して二重特異性分子を形成する。ダイアボディの調製方法は、当該技術分野において既知である(例えば、Holliger P.et al.,(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444-6448、およびPoljak R.J.et al.,(1994)Structure 2:1121-1123を参照されたい)。ドメイン抗体(dAb)は、抗体の重鎖または軽鎖のいずれかの可変領域に対応する、抗体の小さい機能的結合単位である。ドメイン抗体は、細菌、酵母、および哺乳動物細胞系において良好に発現される。ドメイン抗体のさらなる詳細およびその産生方法は、当該技術分野で既知である(例えば、米国特許第6,291,158号、同第6,582,915号、同第6,593,081号、WO04/003019およびWO03/002609を参照されたい)。ナノボディは、抗体の重鎖に由来する。ナノボディは、典型的には、単一の可変ドメインおよび2つの定常ドメイン(CH2およびCH3)を含み、元の抗体の抗原結合能力を保持する。ナノボディは、当該技術分野で既知の方法によって調製され得る(例えば、米国特許第6,765,087号、米国特許第6,838,254号、WO06/079372を参照されたい)。ユニボディは、IgG4抗体の1つの軽鎖および1つの重鎖を有する。ユニボディは、IgG4抗体のヒンジ領域を除去することによって作製され得る。ユニボディのさらなる詳細およびそれらの調製方法は、WO2007/059782に見出され得る。抗体に対する類似体のリストは毎年増加している。可変ドメインの配列および多くの異なる抗体の3D構造に関する現在の広範な知識により、当業者は、本発明の抗体を、1つまたは他の抗体類似体、部分または誘導体に変換することができる。
【0032】
結合分子に加えて、本発明の分子は、ポリエチレングリコール(PEG)、ヒト血清アルブミン、グリコシル化基、脂肪酸およびデキストランなどの、分子のインビボ半減期を増加させるための部分をさらに含み得る。かかるさらなる部分は、当該技術分野で周知の方法を使用して結合部分とコンジュゲートされてもよく、またはそうでなければ結合部分と組み合わされてもよい。
【0033】
本明細書に記載の抗体の可変ドメインを含むキメラ抗原受容体(CAR)も提供される。CARは、新しい特異性(典型的には、抗体の抗原結合部分またはその誘導体)と、標的細胞に対する免疫細胞とを組み合わせる、操作された受容体である。受容体は、異なる供給源(1つ以上のキメラ抗原受容体を発現するように遺伝子改変されたTリンパ球(CAR、例えば、Eshhar、米国特許第7,741,465号、Eshhar、米国特許出願公開第2012/0093842号を参照されたい)由来の部分の融合であるため、キメラと呼ばれる。いくつかの実施形態では、本明細書で開示の抗体は、活性化合物、例えば、毒素にカップリングされ得る。さらに、開示の抗体または抗原結合断片は、標識、例えば、蛍光タンパク質、化学標識、有機色素、着色粒子または酵素にカップリングされ得る。本明細書で開示の抗体は、薬物にカップリングされて、抗体-薬物コンジュゲート(ADC)を形成し得る。本発明は、抗体類似体、抗体部分、および抗体誘導体の分子が他の分子にカップリングまたは組み込まれる場合も、抗体類似体、抗体部分、および抗体誘導体を提供する。
【0034】
いくつかの実施形態では、本明細書で開示の抗体は、キメラ抗体である。
【0035】
「キメラ抗体」という用語は、ヒトおよびマウスなどの2つの異なる種に由来するアミノ酸配列、典型的には、マウス可変領域(重鎖および軽鎖由来)およびヒト定常領域(重鎖および軽鎖)の組み合わせを含む抗体を指す。かかるキメラ抗体を生成する非限定的な例は、実施例(例えば、実施例5)に記載される。このキメラ抗体において、マウスIgG1/カッパ定常領域は、ヒトIgG/カッパ定常ドメインと交換される。いくつかの実施形態では、本明細書で開示の抗体は、ヒト化抗体である。「ヒト化抗体」という用語は、非ヒト動物抗体からのCDRの一部またはすべてを含有し、一方で抗体のフレームワークおよび定常領域がヒト抗体配列に由来するアミノ酸残基を含有する抗体を指す。ヒト化抗体は、典型的には、マウス抗体由来のCDRをヒトフレームワーク配列に移植し、続いて、供給源抗体由来の対応するマウス残基に対する特定のヒトフレームワーク残基の逆置換によって産生される。「脱免疫化抗体」という用語はまた、典型的には、1つ以上の可変領域において、免疫原性を低減させる目的で、ヒトT細胞および/またはB細胞エピトープを構成する高い傾向を有する1つ以上のエピトープが除去されている非ヒト起源の抗体を指す。エピトープのアミノ酸配列は、完全にまたは部分的に除去され得る。しかしながら、典型的には、アミノ酸配列は、エピトープを構成するアミノ酸のうちの1つ以上を1つ以上の他のアミノ酸に置換することによって改変され、それによってアミノ酸配列をヒトT細胞および/またはB細胞エピトープを構成しない配列に変化させる。アミノ酸は、場合によっては、対応するヒト可変重鎖または可変軽鎖における対応する位置に存在するアミノ酸によって置換される。
【0036】
いくつかの実施形態では、本明細書で開示の抗体は、ヒト抗体である。「ヒト抗体」という用語は、ヒト免疫グロブリン配列のみのアミノ酸配列からなる抗体を指す。ヒト抗体は、マウス、マウス細胞、またはマウス細胞に由来するハイブリドーマにおいて産生される場合、マウスの炭水化物鎖を含有してもよい。ヒト抗体は、当該技術分野で既知の様々な方式で調製され得る。キメラ、ヒト化、脱免疫化、およびヒト抗体は、本発明の範囲内である。
【0037】
ヒトHVEMに結合する抗体は、通常抗体結合に使用される条件下でHVEMに結合する。抗体およびヒトHVEMを、抗体結合に好適な条件下で互いに接触させる場合、抗体はヒトHVEMに結合する。抗体は、HEK293F細胞上に発現した膜結合ヒトHVEMに結合するが、一方で抗体は、細胞膜上にヒトHVEMを発現しないHEK293F細胞に顕著に結合しない。抗体のヒトHVEM発現細胞への結合は、当業者に既知の方法によって検出され得る。例えば、蛍光標識を担持する二次抗体を使用することにより、フローサイトメトリー(FACS)を使用して標識された細胞を測定する。
【0038】
腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー14(TNFRSF14)およびCD270としても知られるHVEMは、TNF受容体(腫瘍壊死因子)スーパーファミリーのヒト細胞表面受容体である。ヒトでは、該タンパク質は、TNFRSF14遺伝子によってコードされる。HVEMは、少なくとも4つの異なるリガンド、TNFSFメンバーLIGHT(TNFSF14)およびTNFβ/LTα(腫瘍壊死因子β/リンフォトキシンα)ならびに免疫グロブリンスーパーファミリーメンバーBおよびTリンパ球アテニュエーター(BTLA)およびCD160と係合することができる。ヒトHVEMの参照配列については、配列番号1(Swiss-Prot番号Q92956.3、aa1-283)を参照する。参照は、HVEM遺伝子/タンパク質を同定するためだけに行われる。本明細書に記載のHVEMをデータベースエントリの特定の配列に限定することを意図するものではない。BTLA、CD160、LIGHTおよびTNFβに結合することができ、本明細書に記載の抗体に結合することができるHVEMの天然バリアントは、本発明の範囲内である。組換えヒトHVEMが、BTLA、CD160、LIGHTおよびTNFβに結合することができ、本明細書に記載される抗体に結合することができる場合、本発明の範囲内でもある。
【0039】
HVEMは、組織において広く発現され、肺、腎、および肝臓において最も高い発現レベルを有し、T細胞、B細胞、NK細胞、および骨髄細胞において発現されることが見出されている。HVEMの発現はいくつかのがんにおいて上方調節されていることが見出されている。用語「HVEM発現細胞」は、HVEMを発現する細胞を指す。例示的な細胞は、T細胞、B細胞、NK細胞、および骨髄細胞である。BTLAおよび/またはCD160のHVEMへの結合は、阻害効果を有し得るが、LIGHTおよび/またはTNFβのHVEMへの結合は、刺激効果を有し得る。
【0040】
「細胞外」という用語は、文字通り、細胞の外側を意味する。「細胞外部分」という用語は、細胞膜の外側にある分子の部分を指す。分子のこの部分は、細胞の外側の他の分子との相互作用に利用可能であり得る。HVEMは、システインリッチの特徴によって定義される細胞外部分を有する。HVEMの細胞外ドメインは、4つのシステインリッチドメイン、すなわち、CRD1-CRD4、およびリンカーを含有する。理論によって拘束されることなく、BTLAおよびCD160とHVEMとの間の相互作用は、HVEMのCRD1を介して生じ、一方、LIGHTおよびTNFβとHVEMとの間の相互作用は、HVEMのCRD2およびCRD3を介して生じると考えられている。
【0041】
一実施形態では、本発明の抗体は、HVEMのCRD1に結合する。
【0042】
HVEMは、T細胞、B細胞、NK細胞、および骨髄細胞のうち、ほとんどの造血細胞系統の細胞表面上に存在する。HVEMの発現は、活性化時にT細胞およびB細胞において下方調節され、いくつかのがんにおいては上方調節されることが見出されている。非限定的な例としては、黒色腫、食道扁平上皮がん、肝細胞がん、および結腸直腸がんが挙げられる。「ヒトHVEM発現細胞」という用語は、ヒトHVEMを発現する細胞を指す。例示的な細胞は、T細胞、B細胞、NK細胞、および骨髄細胞である。
【0043】
「結合を防止すること」という用語は、タンパク質が抗体によって結合されるときに、当該タンパク質へのリガンドの結合を防止する当該抗体またはその抗原結合断片の能力を指す。「結合を防止する」ことに言及される場合、これは「遮断する」と解釈することもできる。抗体のふ在下でのリガンドの結合と比較して、リガンドの結合が70%超(>)で防止される場合、当該リガンドの結合は防止されると言う。抗体の不在下でのリガンドの結合と比較して、リガンドの結合が30%以上(≧)、70%以下(≦)で防止される場合、当該リガンドの結合は部分的に防止されると言う。リガンドの結合は、抗体の不在下でのリガンドの結合と比較して、リガンドの結合が30%未満(<)で防止される場合、影響を受けていないと言う。抗体の不在下でのリガンドの結合と比較して、リガンドの結合が30%超(>)で増加する場合、当該リガンドの結合は増強されていると言う。
【0044】
本明細書で開示の抗体または抗原結合断片は、当該抗体がHVEMの当該細胞外部分に結合されるときに、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分へのBTLAの結合を防止する。例示的な抗体は、45H6、11H7、36H12、48H6、および49G4である。
【0045】
さらなる実施形態において、本明細書で開示の抗HVEM抗体またはその抗原結合断片は、当該抗体がHVEMの当該細胞外部分に結合されるときに、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分へのBTLAの結合を防止し、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分へのLIGHTの結合を防止しないか、または部分的に防止する。例示的な抗体は、45H6、11H7、36H12、48H6、および49G4である。
【0046】
さらなる実施形態において、本明細書で開示の抗HVEM抗体またはその抗原結合断片は、当該抗体がHVEMの当該細胞外部分に結合されるときに、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分へのBTLAの結合を防止し、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分へのLIGHTの結合を部分的に防止する。例示的な抗体は、45H6、36H12、48H6、および49G4である。
【0047】
さらなる実施形態において、本明細書で開示の抗HVEM抗体またはその抗原結合断片は、当該抗体がHVEMの当該細胞外部分に結合されるときに、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分へのBTLAの結合を防止し、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分へのLIGHTの結合を防止しない。例示的な抗体は、11H7である。
【0048】
さらなる実施形態において、本明細書で開示の抗HVEM抗体は、当該抗体がHVEMの当該細胞外部分に結合されるときに、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分へのBTLAの結合を防止し、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分へのCD160の結合を部分的に防止する。例示的な抗体は、45H6、11H7、36H12、48H6、および49G4である。
【0049】
さらなる実施形態において、本明細書で開示の抗HVEM抗体またはその抗原結合断片は、当該抗体がHVEMの当該細胞外部分に結合されるときに、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分へのBTLAの結合を防止し、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分へのCD160およびLIGHTの結合を部分的に防止する。例示的な抗体は、45H6、36H12、48H6、および49G4である。
【0050】
さらなる実施形態において、本明細書で開示の抗HVEM抗体またはその抗原結合断片は、当該抗体がHVEMの当該細胞外部分に結合されるときに、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分へのBTLAの結合を防止し、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分へのCD160の結合を部分的に防止し、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分へのLIGHTの結合を防止しない。例示的な抗体は、11H7である。
【0051】
典型的には、上述の抗HVEM抗体またはその抗原結合断片は、HVEMタンパク質のCRD1ドメインに結合する。
【0052】
BTLA、CD160およびLIGHTのHVEMへの結合は、好ましくは、実施例に記載の方法で測定される。例示的な方法が、例えば、実施例6bに記載されており、その結果が図6A~Dに示されている。好ましくは、全長HVEMでトランスフェクションされたHEK293F細胞が使用される。好ましくは、当該細胞は、形質膜上で全長HVEMを安定に発現する。HVEM発現HEK293F細胞を使用して試験抗体を検査する。細胞を、目的の抗HVEM抗体とともにインキュベーションする。洗浄後、細胞を、ビオチン標識またはHisタグ化されたヒトBTLA、CD160、またはLIGHTとともにインキュベーションする。洗浄後、蛍光標識されたストレプトアビジンまたは抗His抗体で標識またはタグを検出する。細胞上に発現するHVEMへのBTLA、CD160またはLIGHTの結合を、フローサイトメーター(FACS)を使用して蛍光を検出することによって測定することができる。次いで、結合を防止する能力は、抗HVEM抗体の存在下でHVEMに結合したBTLA、CD160またはLIGHTの割合を、HVEMに結合しない対照抗体の存在下で結合した割合と比較することによって決定される。BTLA、CD160またはLIGHTのHVEMへの結合が少ないことは、抗体の強力な遮断能力を示す。
【0053】
「取り換える」という用語は、第2の実体をその位置から除去する第1のエンティティの能力を指し、それによって、第2のエンティティは、第1のエンティティによって交換される。HVEMの細胞外部分に結合したリガンドの70%超(>)が、抗体の不在下でのリガンドの存在と比較して取り換えられる場合、当該リガンドは取り換えられると言う。HVEMの細胞外部分に結合したリガンドの30%以上(≧)、70%以下(≦)が、抗体の不在下でのリガンドの存在と比較して取り換えられる場合、当該リガンドは部分的に取り換えられると言う。HVEMの細胞外部分に結合したリガンドの30%未満(<)が、抗体の不在下でのリガンドの存在と比較して取り換えられる場合、リガンドは取り換えられないと言う。抗体の不在下でのリガンドの存在と比較して、リガンドの結合が30%超(>)で増加する場合、当該リガンドの結合は増強されている。
【0054】
本明細書で開示の抗体または抗原結合断片は、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分へのBTLAの結合を防止する。当該抗体は、好ましくは、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合されたBTLAを取り換える。例示的な抗体は、45H6、11H7、36H12、48H6、および49G4である。
【0055】
さらなる実施形態において、本明細書で開示の抗HVEM抗体またはその抗原結合断片は、当該抗体がHVEMの当該細胞外部分に結合されるときに、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分へのBTLAの結合を防止し、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分へのLIGHTの結合を防止しないか、または部分的に防止する。好ましくは、当該抗体は、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合されたBTLAを取り換え、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合されたLIGHTを取り換えない。例示的な抗体は、45H6、11H7、36H12、48H6、および49G4である。
【0056】
さらなる実施形態において、本明細書で開示の抗HVEM抗体またはその抗原結合断片は、当該抗体がHVEMの当該細胞外部分に結合されるときに、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分へのBTLAの結合を防止し、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分へのLIGHTの結合を部分的に防止する。好ましくは、当該抗体は、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合されたBTLAを取り換え、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合されたLIGHTを取り換えない。例示的な抗体は、45H6、36H12、48H6、および49G4である。
【0057】
さらなる実施形態において、本明細書で開示の抗HVEM抗体またはその抗原結合断片は、当該抗体がHVEMの当該細胞外部分に結合されるときに、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分へのBTLAの結合を防止し、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分へのLIGHTの結合を防止しない。好ましくは、当該抗体は、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合されたBTLAを取り換え、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合されたLIGHTを取り換えない。例示的な抗体は、11H7である。
【0058】
さらなる実施形態において、本明細書で開示の抗HVEM抗体は、当該抗体がHVEMの当該細胞外部分に結合されるときに、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分へのBTLAの結合を防止し、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分へのCD160の結合を部分的に防止する。好ましくは、当該抗体は、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合されたBTLAを取り換え、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合されたCD160を部分的に取り換える。例示的な抗体は、45H6、11H7、36H12、48H6、および49G4である。
【0059】
さらなる実施形態において、本明細書で開示の抗HVEM抗体またはその抗原結合断片は、当該抗体がHVEMの当該細胞外部分に結合されるときに、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分へのBTLAの結合を防止し、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分へのCD160およびLIGHTの結合を部分的に防止する。好ましくは、当該抗体は、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合されたBTLAを取り換え、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合されたCD160を部分的に取り換え、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合されたLIGHTを取り換えない。例示的な抗体は、45H6、36H12、48H6、および49G4である。
【0060】
さらなる実施形態において、本明細書で開示の抗HVEM抗体またはその抗原結合断片は、当該抗体がHVEMの当該細胞外部分に結合されるときに、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分へのBTLAの結合を防止し、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分へのCD160の結合を部分的に防止し、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分へのLIGHTの結合を防止しない。好ましくは、当該抗体は、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合されたBTLAを取り換え、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合されたCD160を部分的に取り換え、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合されたLIGHTを取り換えない。例示的な抗体は、11H7である。
【0061】
典型的には、上述の抗HVEM抗体またはその抗原結合断片は、HVEMタンパク質のCRD1ドメインに結合する。
【0062】
本明細書で開示の抗HVEM抗体が、HVEMの細胞外部分に結合されたリガンドを取り換える能力を有するかどうかを分析するために、当業者は、いくつかの既知の好適なアッセイを使用することができる。好適な方法のうちの1つは、実施例のセクションに開示される。アッセイについては、例えば、実施例6cに詳細に記載されている。好ましくは、全長HVEMでトランスフェクションされたHEK293F細胞を使用する。好ましくは、当該細胞は、細胞膜上で全長HVEMを安定に発現している。細胞を可溶性リガンド(例えば、ビオチン標識またはHisタグ化されたBTLA、CD160またはLIGHT)とともにインキュベーションする。続いて、細胞を、HVEMの細胞外部分に結合する本発明の抗体とともにインキュベーションする。洗浄後、蛍光標識されたストレプトアビジンまたは抗His抗体を使用して細胞に結合したリガンドを検出し、洗浄後、リガンドに結合した抗体の蛍光シグナルを、フローサイトメーター(FACS)を使用して検出することができる。HVEMの細胞外部分に結合したリガンドの量は、抗体のHVEMの細胞外部分に結合したリガンドを置き換える抗HVEM抗体の能力を示す。リガンドのより低い蛍光シグナルは、より強力な抗HVEM抗体の置き換える能力を示す。好ましい方法は、結果が、例えば、図7A~Dに示される実施例に記載される。取り換えの割合は、典型的には、非特異的抗体の存在下でのHVEMへのリガンドの結合と比較した割合として、そうでなければ同一の条件下で与えられる。取り換えは、代謝活性細胞を使用して(例えば、37℃で一晩インキュベーションした)、または代謝不活性細胞を使用して(例えば、アジ化ナトリウムの存在下で4℃でインキュベーションした)、測定され得る。
【0063】
理論によって拘束されることなく、T細胞の活性化は、LIGHTおよび/またはTNFβの存在下であっても、BTLAおよび/またはCD160とHVEMとの相互作用時に阻害されると考えられている。本明細書で開示の抗体は、HVEMを発現する標的細胞に有用である。本明細書で開示の抗体の結合は、BTLAを取り換え、好ましくはHVEMの細胞外部分に結合したCD160を少なくとも部分的に取り換えるが、HVEMの細胞外部分に結合したLIGHTを取り換えない。その結果、BTLAおよびCD160の結合を防止する能力、ならびにBTLAを取り換え、好ましくはCD160を部分的に取り換える能力により、T細胞活性化に対するBTLAおよびCD160の阻害効果が抑制される。本明細書で開示の抗体に結合した細胞は、LIGHTまたはTNFβのHVEMへの結合などの他の刺激に応答に対して利用可能である。
【0064】
全長カニクイザル(Macaca fasciculari)サルHVEMタンパク質(Met1-Ser280、NCBI参照配列:XP_005545061.1、配列番号5を参照されたい)は、ヒトHVEMと同様のアミノ酸配列を有し、ヒトHVEMタンパク質(Met1-His283、Swiss-Prot番号Q92956.3、配列番号1を参照されたい)に対して82%の相同性を示す。カニクイザルHVEMの細胞外ドメインの予測されるアミノ酸配列(すなわち、Leu39-Val203、NCBI参照配列:XP_005545061.1)は、ヒトHVEMタンパク質の細胞外ドメインのアミノ酸配列(すなわち、Leu39-Val202、Swiss-Prot番号Q92956.3)と87%の相同性を示す。カニクイザルHVEMの対応するアミノ酸とのヒトHVEMのアミノ酸の置換を使用して、抗体の特異性および交差特異性を試験することができる。一実施形態では、本発明の抗体は、ヒトHVEMに結合し、カニクイザル(Macaca fascicularis)サルHVEMに対して交差特異的である。例示的な抗体は、45H6、11H7、48H6および49G4である。理論によって拘束されることなく、かかる抗体は、変異を担持するヒトHVEMへの結合に特に好適であると考えられている。さらに、かかる抗体は毒性試験に好適である。
【0065】
本開示の一態様は、0、1、または2個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号26~28のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を有する重鎖可変領域、ならびに0、1、または2個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号29~31のCDR1、CDR2、CDR3配列を有する軽鎖可変領域を含む、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合する、抗体を提供する。好ましくは、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合する抗体は、配列番号26~28のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を有する重鎖可変領域、ならびに配列番号29~31のCDR1、CDR2、CDR3配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0066】
さらなる態様では、本開示は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号24のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、ならびに0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号25のアミノ酸配列を有する軽鎖領域を含む、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合する、抗体を提供する。好ましい実施形態では、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個のアミノ酸挿入、欠失、置換または付加は、軽鎖および/または重鎖可変領域のフレームワーク領域に位置する。好ましくは、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合する抗体は、配列番号24のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、および配列番号25のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む。これらの特徴を有する例示的な抗体は、45H6である。
【0067】
本開示の一態様は、0、1、または2個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号42~44のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を有する重鎖可変領域、ならびに0、1、または2個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号45~47のCDR1、CDR2、CDR3配列を有する軽鎖可変領域を含む、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合する、抗体を提供する。好ましくは、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合する抗体は、配列番号42~44のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を有する重鎖可変領域、ならびに配列番号45~47のCDR1、CDR2、CDR3配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0068】
さらなる態様では、本開示は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号40のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、ならびに0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号41のアミノ酸配列を有する軽鎖領域を含む、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合する、抗体を提供する。好ましい実施形態では、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個のアミノ酸挿入、欠失、置換または付加は、軽鎖および/または重鎖可変領域のフレームワーク領域に位置する。好ましくは、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合する抗体は、配列番号40のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、および配列番号41のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む。これらの特徴を有する例示的な抗体は、11H7である。
【0069】
本開示の一態様は、0、1、または2個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号18~20のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を有する重鎖可変領域、ならびに0、1、または2個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号21~23のCDR1、CDR2、CDR3配列を有する軽鎖可変領域を含む、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合する、抗体を提供する。好ましくは、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合する抗体は、配列番号18~20のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を有する重鎖可変領域、ならびに配列番号21~23のCDR1、CDR2、CDR3配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0070】
さらなる態様では、本開示は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号16のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、ならびに0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号17のアミノ酸配列を有する軽鎖領域を含む、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合する、抗体を提供する。好ましい実施形態では、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個のアミノ酸挿入、欠失、置換または付加は、軽鎖および/または重鎖可変領域のフレームワーク領域に位置する。好ましくは、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合する抗体は、配列番号16のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、および配列番号17のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む。これらの特徴を有する例示的な抗体は、36H12である。
【0071】
本開示の一態様は、0、1、または2個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号34~36のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を有する重鎖可変領域、ならびに0、1、または2個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号37~39のCDR1、CDR2、CDR3配列を有する軽鎖可変領域を含む、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合する、抗体を提供する。好ましくは、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合する抗体は、配列番号34~36のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を有する重鎖可変領域、ならびに配列番号37~39のCDR1、CDR2、CDR3配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0072】
さらなる態様では、本開示は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号32のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、ならびに0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号33のアミノ酸配列を有する軽鎖領域を含む、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合する、抗体を提供する。好ましい実施形態では、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個のアミノ酸挿入、欠失、置換または付加は、軽鎖および/または重鎖可変領域のフレームワーク領域に位置する。好ましくは、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合する抗体は、配列番号32のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、および配列番号33のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む。これらの特徴を有する例示的な抗体は、48H6である。
【0073】
本開示の一態様は、0、1、または2個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号50~52のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を有する重鎖可変領域、ならびに0、1、または2個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号53~55のCDR1、CDR2、CDR3配列を有する軽鎖可変領域を含む、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合する、抗体を提供する。好ましくは、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合する抗体は、配列番号50~52のCDR1、CDR2、およびCDR3配列を有する重鎖可変領域、ならびに配列番号53~55のCDR1、CDR2、CDR3配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0074】
さらなる態様では、本開示は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号48のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、ならびに0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のアミノ酸挿入、欠失、置換、または付加を有する配列番号49のアミノ酸配列を有する軽鎖領域を含む、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合する、抗体を提供する。好ましい実施形態では、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個のアミノ酸挿入、欠失、置換または付加は、軽鎖および/または重鎖可変領域のフレームワーク領域に位置する。好ましくは、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合する抗体は、配列番号48のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、および配列番号49のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む。これらの特徴を有する例示的な抗体は、49G4である。
【0075】
一態様では、配列によって本明細書に言及される抗HVEM抗体または抗原結合断片は、当該抗体がHVEMの当該細胞外部分に結合されるときに、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分へのBTLAの結合を防止する。好ましくは、当該抗体は、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合されたBTLAを取り替える。例示的な抗体は、45H6、11H7、36H12、48H6、および49G4である。
【0076】
さらなる態様において、配列によって本明細書で言及される抗HVEM抗体または抗原結合断片は、当該抗体がHVEMの当該細胞外部分に結合されるときに、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分へのBTLAの結合を防止し、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分へのLIGHTの結合を部分的に防止する。好ましくは、当該抗体は、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合されたBTLAを取り換え、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合されたLIGHTを取り換えない。例示的な抗体は、45H6、36H12、48H6、および49G4である。
【0077】
さらなる態様において、配列によって本明細書で言及される抗HVEM抗体または抗原結合断片は、当該抗体がHVEMの当該細胞外部分に結合されるときに、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分へのBTLAの結合を防止し、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分へのLIGHTの結合を防止しない。好ましくは、当該抗体は、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合されたBTLAを取り換え、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合されたLIGHTを取り換えない。例示的な抗体は、11H7である。
【0078】
さらなる態様において、配列によって本明細書で言及される抗HVEM抗体または抗原結合断片は、当該抗体がHVEMの当該細胞外部分に結合されるときに、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分へのBTLAの結合を防止し、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分へのCD160の結合を部分的に防止する。好ましくは、当該抗体は、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合されたBTLAを取り換え、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合されたCD160を部分的に取り換える。例示的な抗体は、45H6、11H7、36H12、48H6、および49G4である。
【0079】
さらなる態様において、配列によって本明細書で言及される抗HVEM抗体または抗原結合断片は、当該抗体がHVEMの当該細胞外部分に結合されるときに、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分へのBTLAの結合を防止し、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分へのCD160およびLIGHTの結合を部分的に防止する。好ましくは、当該抗体は、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合されたBTLAを取り換え、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合されたCD160を部分的に取り換え、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合されたLIGHTを取り換えない。例示的な抗体は、45H6、36H12、48H6、および49G4である。
【0080】
さらなる態様では、配列によって本明細書で言及される抗HVEM抗体または抗原結合断片は、当該抗体がHVEMの当該細胞外部分に結合されるときに、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分へのBTLAの結合を防止し、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分へのCD160の結合を部分的に防止し、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分へのLIGHTの結合を防止せず、当該抗体は、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合したBTLAを取り換え、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合したCD160を部分的に取り換え、HVEM発現細胞上のHVEMの細胞外部分に結合したLIGHTを取り換えない。例示的な抗体は、11H7である。
【0081】
典型的には、配列によって本明細書で言及される抗HVEM抗体または抗原結合断片は、HVEMタンパク質のCRD1ドメインに結合する。
【0082】
本開示の抗HVEM抗体またはその抗原結合断片は、好ましくは、本明細書に記載の重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む。かかる抗体は、良好な特徴を有する。もちろん、その中の1つ以上のアミノ酸を修飾することによって、かかる元の抗体のバリアントを生成することが可能である。かかるバリアントの多くは、当該元と比較した場合に、多かれ少なかれ同様に挙動するであろう。かかるバリアントもまた、本開示の範囲に含まれる。
【0083】
バリアントは、元の抗体の配列に関してアミノ酸置換、挿入、欠失、または付加を有し得る。アミノ酸置換は、別のアミノ酸とのアミノ酸の交換である。好ましくは、アミノ酸は、同様の化学的特性を有するアミノ酸によって予め配置されており、これは多くの場合、保存的置換と呼ばれる。アミノ酸欠失は、配列を形成する1つ以上のアミノ酸の欠失をもたらす。アミノ酸挿入は、配列中に1つ以上の追加のアミノ酸をもたらす。アミノ酸付加は、アミノ酸配列の開始または終了時に1つ以上のアミノ酸をもたらす。
【0084】
かかる修飾の非限定的な例は、グルタメートの代わりにピログルタメートを含む抗体である。かかる修飾の他の非限定的な例は、当該元の抗体と比較した場合に1つ以上のアミノ酸の挿入、欠失、反転および/または置換である。好ましくは、アミノ酸置換、挿入、欠失、または付加は、可変ドメインのCDRの外側である。好ましくは、アミノ酸の置換、挿入、欠失、または付加は、可変領域のフレームワーク領域内および/または抗体の定常領域においてである。バリアントのHVEM結合は、本明細書に記載されるように試験され得る。
【0085】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体の定常領域は、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4抗体などのIgG、IgA、IgD、IgE、またはIgM抗体の定常領域である。定常領域は、定常領域に特異的な特性を付与するためのアミノ酸置換などの修飾を含み得る。例えば、半分子の交換に対して抗体をより安定にするためのIgG4ヒンジ領域の変異。他の修飾は、抗体の半減期に影響を及ぼし、グリコシル化部位を追加または除去し、産生を改善し、大規模発酵槽で産生される抗体産物の均質性を改善するなどである。
【0086】
本発明の抗体は、好ましくは、マウスIgG1、補体活性化もしくはFc受容体相互作用を低減もしくは防止するために定常領域で変異されたヒトIgG1、またはヒトIgG4、もしくは他のIgG4分子との半分子の交換を防止するために変異されたヒトIgG4である。
【0087】
本明細書で開示の抗体のCDR(CDR1-CDR2-CDR3)におけるいくつかのバリエーションが許容される。典型的には、約0~2個のアミノ酸置換、挿入、欠失、または付加が、1つのCDRにおいて許容される。多くの場合、2個超のアミノ酸変化が許容される。
【0088】
本発明の抗体は、天然に生じる重鎖CDR1、CDR2、またはCDR3に関して、0~5個、好ましくは0~2個、より好ましくは2、1、または0個のアミノ酸置換、挿入、欠失、または付加を有する重鎖CDR1、CDR2、またはCDR3を有し得る。
【0089】
かかる抗体は、天然に生じる軽鎖CDR1、CDR2、またはCDR3に関して、0~5個、好ましくは0~2個、より好ましくは0~1個、より好ましくは0個のアミノ酸置換、挿入、欠失、または付加を有する軽鎖CDR1、CDR2、またはCDR3を有し得る。
【0090】
本明細書で開示の抗体の可変領域におけるいくつかのバリエーションが許容される。典型的には、約0~10個のアミノ酸置換が可変鎖において許容される。多くの場合、10個超のアミノ酸変化が許容される。
【0091】
本発明の抗体は、天然に生じる可変重鎖に関して、0~15個、好ましくは0~10個、より好ましくは0~5個、より好ましくは5、4、3、2、1、または0個のアミノ酸置換、挿入、欠失、または付加を有する重鎖可変領域を有し得る。
【0092】
かかる抗体は、天然に生じる軽鎖可変領域に関して、0~15個、好ましくは0~10個、より好ましくは0~5個、より好ましくは5、4、3、2、1、または0個のアミノ酸置換、挿入、欠失、または付加を有する軽鎖可変領域を有し得る。
【0093】
本明細書で開示の抗体の定常領域におけるいくつかのバリエーションが許容される。典型的には、約0~10個のアミノ酸置換が定常領域において許容される。多くの場合、10個超のアミノ酸変化が許容される。本発明の抗体は、天然に生じる重鎖定常領域(CH1-CH2-CH3)に関して、0~15個、好ましくは0~10個、より好ましくは0~5個、より好ましくは5、4、3、2、1、または0個のアミノ酸置換を有する重鎖定常領域(CH1-CH2-CH3)を有し得る。かかる抗体は、天然に生じる軽鎖定常領域に対して、0~5個、好ましくは5、4、3、2、1、または0個のアミノ酸置換を有する軽鎖定常領域を有し得る。
【0094】
IgG4におけるいくつかのバリエーションは、天然に生じ、および/または得られる抗体の免疫学的特性を変更することなく許容される。IgG4定常領域または変異IgG1定常領域を有する抗体は、抗体の薬理学的特性の少なくともほとんどを有するが、補体には結合せず、したがって、その結合する細胞のインビボでの枯渇を誘発しないであろう。好ましくは、当該定常領域は、ヒト抗体の定常領域(キメラ)である。
【0095】
好ましくは、当該定常領域は、補体活性化が欠損している領域であり、好ましくは、ヒトIgG定常領域または変異ヒトIgG定常領域である。
【0096】
本明細書に開示される抗体およびその抗原結合断片によるHVEM結合は、当業者に既知のいくつかの好適なアッセイで確認され得る。かかるアッセイは、例えば、親和性アッセイ、例えば、ウェスタンブロット、ラジオイムノアッセイ、FACS、およびELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)を含む。実施例(例えば、実施例2cおよび6a)は、HVEM結合を測定するために使用され得る多くのアッセイのうちのいくつか、およびヒトHVEMに対する抗体の相対的結合親和性を決定する方法を詳細に説明する。
【0097】
さらなる態様では、本開示は、本明細書で開示の抗体または本明細書で開示の抗原結合断片をコードする核酸分子(複数可)を提供する。本明細書で開示の可変領域をコードする核酸分子がさらに提供される。本開示において使用される核酸は、典型的には、リボ核酸(RNA)またはデオキシリボ核酸(DNA)であるが、排他的ではない。遺伝コードに基づいて、当業者は、本明細書で開示の抗体バリアントをコードする核酸配列を決定することができる。遺伝コードの縮退に基づいて、64個のコドンを使用して、20個のアミノ酸および翻訳末端シグナルをコードし得る。当業者に既知であるように、異なる生物におけるコドン使用バイアスは、遺伝子発現レベルに影響を及ぼす可能性がある。所望の核酸が発現される生物に応じて、コドン使用を最適化するために、様々な計算ツールが当業者に利用可能である。
【0098】
さらなる態様では、本開示は、本明細書に記載の核酸配列分子を含むベクターを提供する。本明細書で使用される「ベクター」という用語は、異種核酸配列を宿主細胞に導入することができるプラスミド、バクテリオファージ、または動物ウイルスなどの核酸分子を指す。本発明によるベクターは、宿主細胞において異種核酸配列によってコードされる本発明の抗体の発現または産生を可能にする。本発明によって使用されるベクターは、例えば、動物ウイルスに由来し、その例としては、ワクシニアウイルス(修飾ワクシニアウイルスAnkara、MVAなどの減衰誘導体を含む)、ニューカッスル病ウイルス(NDV)、アデノウイルスまたはレトロウイルスが挙げられるが、これらに限定されない。本発明によるベクターは、好ましくは、選択された宿主細胞における本発明による抗体の転写の開始に好適なプロモーターを含む発現カセットを含む。真核宿主細胞における本発明によるポリペプチドの発現に好適なプロモーターの例としては、βアクチンプロモーター、免疫グロビンプロモーター、5SRNAプロモーター、または哺乳動物宿主のためのサイトメガロウイルス(CMV)、ラウス肉腫ウイルス(RSV)およびシミアンウイルス40(SV40)プロモーターなどのウイルス由来プロモーターが挙げられるが、これらに限定されない。
【0099】
本明細書で開示の核酸分子(複数可)が細胞内で発現される場合、細胞は、本開示に従って抗体を産生し得る。したがって、一実施形態では、本開示による抗体、核酸分子(複数可)、および/またはベクターを含む細胞が提供される。宿主細胞は、哺乳動物細胞、昆虫細胞、植物細胞、細菌細胞または酵母細胞であり得る。当該細胞は、好ましくは動物細胞、好ましくは哺乳動物細胞、最も好ましくはヒト細胞である。宿主細胞として好適な哺乳動物細胞株の例としては、ハイブリドーマ細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、NSO細胞、またはPER-C6(商標)細胞が挙げられる。本開示の目的のための好適な細胞は、当該抗体および/または当該核酸を含むことができ、好ましくは産生することができる任意の細胞である。本開示は、当該細胞を含む細胞培養物をさらに包含する。
【0100】
「宿主細胞」という用語は、発現ベクターが導入された細胞を指す。該用語は、特定の対象細胞のみならず、かかる細胞の子孫も包含する。環境影響または変異のいずれかにより特定の修飾が連続した世代で生じ得るため、かかる子孫は親細胞と同一ではない場合があるが、依然として「宿主細胞」という用語の範囲内に含まれる。
【0101】
本明細書で開示の抗体は、当業者に既知の任意の方法によって産生され得る。好ましい実施形態において、抗体は、細胞を使用して産生され、好ましくは、細胞は、ハイブリドーマ細胞、CHO細胞、NS0細胞、またはPER-C6(商標)細胞である。特定の好ましい実施形態において、当該細胞はCHO細胞であり、好ましくは、当該細胞は無血清培地中で培養される。これは、当該抗体を当該培養物から採取することを含む。抗体は、好ましくは培地から精製され、好ましくは、当該抗体は、親和性精製される。代替的に、当該抗体は、合成的に生成され得る。
【0102】
様々な機関および企業が、例えば臨床使用のための抗体の大規模産生のための細胞株を開発してきた。これらの細胞はまた、タンパク質の産生などの他の目的にも使用される。タンパク質および抗体の工業的規模の産生のために開発された細胞株は、本明細書ではさらに、工業的細胞株と称される。したがって、本開示の好ましい実施形態は、当該抗体の大規模な産生のために開発された細胞株の使用を提供する。
【0103】
本発明による抗体は、治療的使用および非治療的使用において有利に使用され得るいくつかの活性を示す。特に、本発明による抗体は、個体の治療に有用である。好ましくは、本発明の抗体は、免疫関連疾患の治療または免疫関連疾患に対する予防に有用である。好ましい実施形態において、本発明による抗体は、がんの治療に有用である。いくつかの実施形態において、本発明による抗体は、好ましくは療法、好ましくはヒト療法において使用される。いくつかの実施形態において、本明細書で開示の抗体は、研究目的のために使用され得る。例えば、インビトロ実験、細胞培養、有機型培養およびインビボモデルにおいて。
【0104】
がんの治療のための方法も記載されている。がんの例としては、黒色腫、食道扁平上皮がん、肝細胞がん、および結腸直腸がんが挙げられる。
【0105】
本発明は、がんに罹患している対象の治療のための方法であって、当該対象に、治療有効量の本明細書で開示の抗体を投与することを含む、方法を提供する。がんに罹患している対象の治療のための薬剤の調製のための方法がさらに提供される。本開示は、BTLAおよびHVEM、ならびにCD160およびHVEMの結合を防止することによって、T細胞活性化の阻害を防止する方法を記載する。
【0106】
本発明は、炎症性疾患に罹患している対象の治療のための方法であって、当該対象に、治療有効量の本明細書で開示の抗体を投与することを含む、方法を提供する。炎症性疾患に罹患している対象の治療のための薬剤の調製のための方法がさらに提供される。本開示は、BTLAおよびHVEM、ならびにCD160およびHVEMの結合を防止することによって、T細胞活性化の阻害を防止する方法を記載する。
【0107】
本開示は、本明細書で開示の抗体もしくはその抗原結合断片、もしくはそれらをコードする核酸を含む医薬組成物、または本明細書で開示の抗体もしくはその抗原結合断片、もしくはそれらをコードする核酸を含む細胞をさらに含む。本発明によるポリペプチドまたはその薬学的に許容される塩、ならびに少なくとも1つの薬学的に許容される担体、希釈剤、および/もしくは賦形剤を含む、医薬組成物が提供される。かかる組成物は、薬剤としての使用に特に好適である。組成物は、液体、半固体および固体剤形などの任意の好適な形態であり得る。選択される製剤の用量およびスケジュールは、当業者によって周知である標準的な手順によって決定され得る。かかる手順は、動物モデルを形成する投薬スケジュールを外挿および推定すること、ならびに、次いでヒト臨床用量範囲研究における最適投薬量を決定することを含む。医薬組成物における投薬量は、所望の放出および薬理学的特徴などのいくつかの因子に応じて変化する。
【0108】
本開示の一実施形態は、がんおよび/または免疫関連障害の予防として、またはその治療における使用のための、本明細書に記載の医薬組成物を提供する。
【0109】
HVEMシグナル伝達活性を調節するための方法がさらに提供される。「調節すること」という用語は、系の出力シグナルを調整する活性を指す。出力シグナルまたは出力は、抑制出力シグナルが刺激性になるように、またはその逆になるように調整され得る。本発明は、治療有効量の本明細書で開示の抗体を当該対象に投与することを含む、HVEMシグナル伝達の調節のための方法を提供する。理論によって拘束されることなく、HVEMは、BTLAまたはCD160を発現するT細胞に共阻害シグナルを送達すると考えられている。一方、LIGHTおよびTNFβは、T細胞上で発現されたHVEMと相互作用する場合、T細胞に共刺激シグナルを送達する。LIGHTおよび/またはTNFβ、BTLAおよび/またはCD160がHVEMと同時に相互作用する場合、正味の結果は、T細胞活性化の阻害シグナルである。この相互作用は双方向である。HVEMは、T細胞上でBTLAおよびCD160との相互作用後にT細胞において阻害シグナルを誘導するが、BTLAおよびCD160の両方は、HVEMの活性化リガンドとして作用し、NFκB活性化をもたらす。さらに、LIGHTは、T細胞上に発現されたHVEMと相互作用する場合、T細胞に共刺激シグナルを送達し、HVEMもまた、T細胞によって発現されたLIGHTと相互作用する場合、T細胞に共刺激シグナルを伝達することに関与している。しかしながら、LIGHTは明らかなシグナル伝達モチーフを含有しておらず、そのシグナル伝達のメカニズムは完全には定義されていない。
【0110】
T細胞におけるHVEMおよびBTLAによって中継される共刺激および共抑制シグナル伝達は、NFκBまたはNFATのレベル、ならびにIL-2、TNFαおよびIFNγの放出で測定され得る。NFATのレベルを測定する方法は当該技術分野において既知である。例示的な方法が、例えば、実施例3cに記載されており、その結果が図4A~Bに示されている。NFκBのレベルを測定する方法は、当該技術分野で既知である。例示的な方法が、例えば、実施例6fに記載されており、その結果が図8A~Cに示されている。IL-2、TNFα、およびIFNγのレベルを測定する方法は、当該技術分野で既知である。例示的な方法が、例えば、実施例6kに記載されており、その結果が、図11A~Cに示されている。
【0111】
一態様では、本開示は、HVEM発現細胞を、本明細書で開示の抗体もしくはその抗原結合断片、核酸分子、またはベクターと接触させることを含む、HVEMシグナル伝達活性の調節するための方法を提供する。
【0112】
一態様では、本開示は、免疫応答の増加を必要とする対象に、本明細書で開示の抗体もしくはその抗原結合断片、核酸分子またはベクターを含む、治療有効量の組成物を投与することを含む、対象における免疫応答を増加させるための方法を提供する。
【0113】
一態様では、本開示は、腫瘍成長の低減を必要とする対象に、本明細書で開示の抗体もしくはその抗原結合断片、核酸分子またはベクターを含む、治療有効量の組成物を投与することを含む、対象における腫瘍成長を低減するための方法を提供する。
【0114】
本明細書で使用される場合、「対象」は、ヒトまたは動物である。対象には、ヒト、ブタ、フェレット、アザラシ、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、およびウマなどの哺乳動物、ならびにニワトリ、アヒル、ガチョウ、およびシチメンチョウなどの鳥類が含まれるが、これらに限定されない。本発明の好ましい実施形態では、対象は、哺乳動物である。特に好ましい実施形態では、対象は、ヒトである。
【0115】
抗体の「抗原結合断片」という用語は、抗体が結合する同じ抗原(すなわち、ヒトHVEM)に結合する能力を保持する全長抗体の1つ以上の部分を指す。「抗原結合断片」という用語はまた、非共有会合もしくは共有会合によって形成されるより大きな分子の一部分である抗体の部分、または1つ以上の追加の分子実体を有する抗体部分のものも包含する。追加の分子実体の例は、四量体scFv分子を作製するために使用され得る、ストレプトアビジンコア領域などのアミノ酸、ペプチド、またはタンパク質を含む(Kipriyanov et al.Hum Antibodies Hybridomas 1995;6(3):93-101)。例示的な抗原結合断片は、抗体のVHおよび/またはVLである。抗原結合断片には、Fab、F(ab’)、F(ab’)、相補性決定領域(CDR)断片、単鎖抗体(scFv)、二価単鎖抗体、および他の抗原認識免疫グロブリン断片が含まれる。いくつかの例では、本明細書中で使用される「抗体」という用語は、その抗原結合断片も含むと理解され得る。
【0116】
「ヒト抗体」という用語は、ヒト免疫グロブリン配列のみのアミノ酸配列からなる抗体を指す。ヒト抗体は、マウス、マウス細胞、またはマウス細胞に由来するハイブリドーマにおいて産生される場合、マウスの炭水化物鎖を含有してもよい。ヒト抗体は、当該技術分野で既知の様々な方式で調製され得る。
【0117】
「エピトープ」という用語は、抗体もしくはT細胞受容体に特異的に結合することができるか、またはそうでなければ分子と相互作用することができる抗原の部分を指す。「エピトープ」は、当該技術分野では「抗原決定基」とも称される。エピトープは、概して、アミノ酸、炭水化物、または糖側鎖などの分子の化学的に活性な表面基からなる。エピトープは、「線形」または「非線形/立体配座」であり得る。所望のエピトープが決定されると(例えば、エピトープマッピングによって)、そのエピトープに対する抗体が生成され得る。抗体の生成および特徴付けはまた、所望のエピトープについての情報を提供し得る。この情報から、次いで、例えば、交差競合研究を実施して、互いに競合的に結合する抗体、すなわち、抗原への結合を競合する抗体を見出すことによって、同じエピトープに結合するものについて抗体をスクリーニングすることが可能である。
【0118】
本明細書で使用される場合、「含む」およびその活用は、その非限定的な意味で使用され、単語に続く項目が含まれることを意味するが、具体的に言及されない項目は除外されない。加えて、「~からなる」という動詞は、「~から本質的になる」に置き換えられてもよい。これは、本明細書に定義される化合物または補助化合物が、具体的に同定された構成要素以外の追加の構成要素を含み得ることを意味し、当該追加の構成要素は、本発明の固有の特徴を変更しない。
【0119】
「a」および「an」という冠詞は、本明細書では、冠詞の文法的目的語の1つまたは2つ以上(すなわち、少なくとも1つ)を指すために使用される。例として、「要素(an element)」は、1つの要素または2つ以上の要素を意味する。
【0120】
「およそ」または「約」という単語は、数値と関連して使用される場合(およそ10、約10)、好ましくは、値が、値の1%より多い、または少ない10の所与の値であり得ることを意味する。
【0121】
本明細書で使用される場合、「治療」、「治療する」、および「治療すること」という用語は、本明細書に記載の疾患もしくは障害、またはそれらの1つ以上の症状の逆転、緩和、発症の遅延、または進行の阻害を指す。いくつかの実施形態において、治療は、1つ以上の症状が発症した後に施され得る。他の実施形態では、治療は、症状の不在下で施され得る。例えば、治療は、症状の発症前に(例えば、症状の履歴に照らして、および/または遺伝子もしくは他の感受性因子に照らして)感染しやすい個体に施され得る。症状が解消した後も、例えば、それらの再発を予防または遅延させるために、治療を継続することもできる。
【0122】
明確さおよび簡潔な説明の目的のために、同一または別個の実施形態の一部として特徴が本明細書に記載される。しかしながら、本発明の範囲は、記載された特徴のすべてまたはいくつかの組み合わせを有する実施形態を含み得ることが理解されるであろう。
【0123】
本明細書において引用されているすべての特許および参考文献は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0124】
本発明は、以下の実施例においてさらに説明される。これらの実施例は、本発明の範囲を限定するものではなく、単に本発明を明確にするために役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0125】
図1】膜結合全長ヒトHVEM、CRD1が欠失した膜結合ヒトHVEM、またはHEK293F細胞上の膜結合全長カニクイザルHVEMに対するマウス抗ヒトHVEM抗体のフローサイトメトリー結合特性。破線はバックグラウンド(すなわち、マウス抗ヒトHVEM抗体の結合なし)を表す。
図2】HEK293F細胞上の膜結合全長ヒトHVEMへの(A)可溶性ヒトBTLAおよび(B)可溶性ヒトLIGHTの結合に対するマウス抗ヒトHVEM抗体の効果。破線は、陰性対照(すなわち、マウス抗ヒト抗体を添加しないか、またはマウスIgG1陰性アイソタイプ対照を添加したリガンド/受容体結合=HVEM受容体へのリガンドの100%結合)を表す。
図3】(A)膜結合ヒトHVEM発現細胞におけるNFκBシグナル伝達に対するマウス抗ヒトHVEM抗体の効果。可溶性ヒトLIGHTリガンドを参照として含めた。(B)膜結合ヒトHVEM発現細胞における可溶性ヒトLIGHT
【数1】
誘導NFκBシグナル伝達に対するマウス抗ヒトHVEM抗体の効果。平均±SD(n=2)を示す。
図4】(A)NFAT応答要素-ルシフェラーゼ(RE-luc)ヒトBTLA/HVEMの遮断バイオアッセイのアッセイ原理:(1)膜ヒトHVEMおよび独自の膜ヒトT細胞受容体(TCR)活性化因子を発現するCHO-K1活性化因子細胞(すなわち、人工の抗原提示細胞(aAPC))の組み合わせ、ならびに(2)膜ヒトBTLAおよび膜ヒトTCR複合体を発現するNFAT-RE-luc JurkatエフェクターT細胞の組み合わせを使用して、TCR誘導NFATシグナル伝達のBTLA/HVEM媒介阻害を遮断するマウス抗ヒトHVEM抗体の能力を検査する。(B)膜結合ヒトBTLA/ヒトTCRを発現するJurkatエフェクターT細胞におけるTCR誘導NFATシグナル伝達の膜結合ヒトBTLA/ヒトHVEM媒介阻害に対するマウス抗ヒトHVEM抗体の効果。平均±SD(n=2)を示す。
図5】HEK293F細胞上の膜結合(全長)ヒトHVEMに対する、精製されたBTLA/HVEM遮断マウス対キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体のフローサイトメトリー結合特性。平均±SD(n=2)を示す。
図6】HEK293F細胞上の膜結合全長ヒトHVEMへの(A)可溶性ヒトBTLA、(B)可溶性ヒトCD160、(C)可溶性ヒトLIGHT、および(D)可溶性ヒトTNFβの結合に対する、精製されたBTLA/HVEM遮断マウス対キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体の効果。破線は、陰性対照(すなわち、マウスIgG1またはヒトIgG4陰性アイソタイプ対照を添加したリガンド/受容体結合=HVEM受容体へのリガンドの100%結合)を表す。平均±SD(n=2~3)は、1つ(D)、2つ(AおよびB)、または3つ(C)の独立して実施された実験から示される。
図7】HEK293F細胞上の膜結合全長ヒトHVEMからの事前に結合された(A)可溶性ヒトBTLA、(B)可溶性ヒトCD160、(C)可溶性ヒトLIGHT、および(D)可溶性ヒトTNFβの取り換えに対する、精製されたBTLA/HVEMキメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体の効果。破線は、陰性対照(すなわち、ヒトIgG4陰性アイソタイプ対照を添加したリガンド/受容体結合=HVEM受容体へのリガンドの100%結合)を表す。平均±SD(n=2)を示す。
図8】(A)膜結合ヒトHVEM発現細胞におけるNFκBシグナル伝達に対する、精製されたBTLA/HVEM遮断キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体の効果。可溶性ヒトLIGHTリガンドを参照として含めた。(B)膜結合ヒトHVEM発現細胞におけるNFκBシグナル伝達に対する、非架橋対架橋の精製されたBTLA/HVEM遮断キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体の効果。可溶性ヒトLIGHTリガンドを参照として含めた。(C)膜結合ヒトHVEM発現細胞における可溶性ヒトLIGHT
【数2】
誘導NFκBシグナル伝達に対する、精製されたBTLA/HVEM遮断キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体の効果。平均±SD(n=2)は、1つ(B)、または2つ(AおよびC)の独立して実施された実験から示される。
図9】(A)膜結合ヒトHVEM発現細胞におけるNFκBシグナル伝達に対する可溶性ヒトTNFβリガンドの効果。(B)膜結合ヒトHVEM発現細胞における可溶性ヒトTNFβ
【数3】
誘導NFκBシグナル伝達に対する、精製されたBTLA/HVEM遮断キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体の効果。平均±SD(n=3)を示す。
図10】膜結合ヒトBTLA/ヒトTCR発現JurkatエフェクターT細胞におけるTCR誘導NFATシグナル伝達の膜結合ヒトBTLA/ヒトHVEM媒介阻害に対する精製されたBTLA/HVEM遮断キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体の効果。平均±SD(n=2)は、2つの独立して実施された実験から示されている。
図11】6人の健康なドナー(ドナーA、C、D、G、H、およびK)由来の濃縮された膜結合ヒトBTLA/ヒトTCR発現初代ナイーブヒトT細胞からのTCR誘導(図上段)およびTCR/CD28誘導(図下段)のIL-2(A)、TNFα(B)、またはIFNγ(C)放出の膜結合ヒトBTLA/ヒトHVEM媒介阻害に対する精製されたBTLA/HVEM遮断キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体の効果。破線は、基底サイトカイン放出(すなわち、ヒトIgG4/κ陰性アイソタイプ対照への曝露)を表す。平均±SD(n=5)を示す。
【実施例
【0126】
実施例1.マウス抗ヒトHVEMモノクローナル抗体の生成
(a).表面ヒトHVEMを発現するSf9昆虫細胞およびHEK293F細胞の生成
ヒトHVEMタンパク質(Swiss-Prot番号Q92956.3、配列番号1を参照されたい)をコードするcDNAを、哺乳動物発現のために最適化し、GENEART、Regensburg,Germanyによって合成した(配列番号2を参照されたい)。このcDNAを、バキュロウイルス転写プラスミドpVL1393(BDトランスフェクションキット、カタログ番号560129、BD Biosciences)中にサブクローニングした。その後、baculoCOMPLETEオールインワンキット(Oxford Expression Technologies)を使用して、ヒトHVEMをコードするcDNAを含有する転写プラスミドpVL1393をSf9昆虫細胞(Spodoptera frugiperda)にトランスフェクションし、27℃で4~5日間インキュベーションした。このトランスフェクションステップ後、上清を収集し、4℃で保管し、ウイルス増幅のためにより多くのSf9昆虫細胞に感染させるために使用した。この目的のために、Sf9昆虫細胞を増幅した組換えバキュロウイルスでトランスフェクションし、次いで27℃で3~5日間インキュベーションした。これらのSf9昆虫細胞を採取し、滅菌PBSで洗浄し、PBS中20.0×10細胞/mLで等分し、-80℃で保管して、細胞溶解物を得た。保管前に、1:20希釈フィコエリトリン(PE)コンジュゲートマウス抗ヒトHVEM抗体(クローンeBioHVEM-122、eBioscience)およびフローサイトメトリーを使用して、トランスフェクションされたSf9昆虫細胞上でのヒトHVEM表面発現を確認した。
【0127】
ヒトHVEMタンパク質(Swiss-Prot番号Q92956.3、配列番号1を参照されたい)をコードするcDNAを、哺乳動物発現のために最適化し、GENEART、Regensburg,Germanyによって合成した(配列番号2を参照されたい)。このcDNAを、pcDNA3.1由来の発現プラスミド中でサブクローニングした。この全長ヒトHVEMプラスミドを、FreeStyle(商標)293発現システム(Life Technologies)を使用してFreeStyle(商標)293F細胞(Life Technologies)にトランスフェクションした。125μg/mLのG418(Gibco)を使用して、安定したヒト全長HVEMがトランスフェクションされたHEK293F細胞(クローン番号128)を選択した。これらのHEK293F細胞を採取し、滅菌PBSで洗浄し、PBS中19.0×10細胞/mLで等分し、-80℃で保管して、細胞溶解物を得た。保管前に、1:20希釈フィコエリトリン(PE)コンジュゲートマウス抗ヒトHVEM抗体(クローンeBioHVEM-122、eBioscience)およびフローサイトメトリーを使用して、トランスフェクションされたHEK293F細胞上でのヒトHVEM表面発現を確認した。
【0128】
(b).マウス抗ヒトHVEMモノクローナル抗体の免疫化および生成
2つの免疫化プロトコルを適用した。
第1の免疫化プロトコル中、BALB/cマウス(雌、6~8週齢、Charles River Laboratories)に、
【数4】
の油中水型乳化フロイント完全アジュバント(CFA、Sigma)または水中油型乳化Sigma Adjuvant System(登録商標)(SAS、Sigma)中の可溶性組換えC末端ポリヒスチジンタグ化ヒト細胞外HVEMドメイン(NCBI Ref SEQ:NP_003811.2、Sino Biological Inc)を、0日目に皮下注射し、各マウスに、250μLのCFAまたはSASと混合した250μLのPBS中の25μgの組換えヒトHVEMを注射した。21日目に、不完全フロイントアジュバント(IFA、Sigma)またはSAS中の組換えヒトHVEMでの皮下注射によって抗体応答を強化し、各マウスに、250μLのIFAまたはSASと混合した250μLのPBS中の25μgの組換えヒトHVEMを注射した。42日目および87日目に、IFAまたはSAS中の組換えヒトHVEMおよびヒトHVEMをトランスフェクションされたSf9昆虫細胞溶解物での皮下注射によって、マウスを再び強化し、各マウスに、250μLのIFAまたはSASと混合した250μLのPBS中の25μgの組換えヒトHVEMおよびヒトHVEMをトランスフェクションされたSf9昆虫細胞溶解物(1.8×10個の生存および膜結合HVEM発現細胞から調製された)を注射した。最後に、マウスに、98日目および99日目にアジュバントなしの組換えヒトHVEMおよびヒトHVEMをトランスフェクションされたSf9昆虫細胞溶解物を腹腔内注射し、各マウスに、250μLのPBS中の25μgの組換えヒトHVEMおよびヒトHVEMをトランスフェクションされたSf9昆虫細胞溶解物(1.8×10個の生存および膜結合HVEM発現細胞から調製された)を注射した。102日目に、免疫化マウス由来の脾細胞を、以下に記述するようにKohlerおよびMilstein(Nature 1975,256:495)によって最初に記載された標準的なハイブリドーマ技術を使用して、SP2/0-Ag14骨髄腫細胞(DSMZ)と融合させた。
【0129】
第2の免疫化プロトコル中、BALB/cマウス(雌、6~8週齢、Charles River Laboratories)に、
【数5】
のCFAもしくはSAS中、またはアジュバントなしの可溶性組換えC末端ポリヒスチジンタグ化ヒト細胞外HVEMドメイン(NCBI Ref SEQ:NP_003811.2、Sino Biological Inc)およびヒトHVEMをトランスフェクションされたSf9昆虫細胞溶解物またはヒトHVEMをトランスフェクションされたHEK293F細胞溶解物を、0日目に皮下注射し、各マウスに、250μLのCFAもしくはSASと混合した、またはそれらを含まない、250μLのPBS中の10~20μgの組換えヒトHVEMおよびヒトHVEMをトランスフェクションされたSf9昆虫細胞またはHEK293F細胞溶解物(両方とも5.0×10個の生存および膜結合HVEM発現細胞から調製された)を注射した。21日目および42日目に、IFAもしくはSAS中またはジュバントなしの組換えヒトHVEMおよびヒトHVEMをトランスフェクションされたSf9昆虫細胞溶解物、またはヒトHVEMをトランスフェクションされたHEK293F細胞溶解物での皮下注射によって抗体応答を強化し、各マウスに、250μLのIFAもしくはSASと混合した、またはそれらを含まない、250μLのPBS中の10~20μgの組換えヒトHVEMおよびヒトHVEMをトランスフェクションされたSf9昆虫細胞またはHEK293F細胞溶解物(両方とも5.0×10個の生存および膜結合HVEM発現細胞から調製された)を注射した。最後に、マウスに、59日目および64日目にアジュバントなしの組換えヒトHVEMおよびヒトHVEMをトランスフェクションされたSf9昆虫細胞溶解物またはヒトHVEMをトランスフェクションされたHEK293F細胞溶解物を腹腔内注射し、各マウスに、250μLのPBS中の10~20μgの組換えヒトHVEMおよびヒトHVEMをトランスフェクションされたSf9昆虫細胞またはHEK293F細胞溶解物(両方とも5.0×10個の生存および膜結合HVEM発現細胞から調製された)を注射した。67日目に、免疫化マウス由来の脾細胞を、KohlerおよびMilstein(Nature 1975,256:495)によって最初に記載された標準的なハイブリドーマ技術を使用して、SP2/0-Ag14骨髄腫細胞(DSMZ)と融合させた。簡潔に述べると、免疫化されたマウスを屠殺した。脾臓から脾細胞を摘出し、GlutaMax培地(SF培地、Invitrogen)を含む無血清opti-MEM(登録商標)Iで洗浄した。対数増殖するSP2/0-Ag14骨髄腫細胞をSF培地で洗浄し、脾細胞に添加して、5:1の脾細胞対骨髄腫細胞の比を得た。次いで、細胞をペレット化し、上清を除去した。次いで、1mlのポリエチレングリコール4000(Merck)の37%(v/v)溶液を60秒間にわたって滴下し、その後、細胞を37℃でさらに60秒間インキュベーションした。次いで、8mlのSF培地、続いて、5mlのGlutaMax/10%(v/v)ウシ胎児血清(FCS、Bodinco)を含むopti-MEM(登録商標)Iを穏やかに撹拌しながらゆっくりと添加した。室温(RT)で30分後、細胞をペレット化し、GlutaMax/10%FCSを含むopti-MEM(登録商標)Iで洗浄して残留ポリエチレングリコールを除去し、最後にアミノプテリン選択培地、すなわち、50×Hybri-Max(商標)アミノプテリン(デノボDNA合成阻害剤、Sigma)を補充したGlutaMax/10%FCSを含むopti-MEM(登録商標)I中、1ウェル当たり0.1×10細胞/200μLの濃度で播種した。7日目からアミノプテリン選択培地を2~3日ごとに補給し、13~14日目にGlutaMax/10%FCSを含むopti-MEM Iに置き換えた。
【0130】
(c).マウス抗ヒトHVEMモノクローナル抗体の存在についてのスクリーニング
融合後13日目から、増殖するハイブリドーマ由来の上清を、標的タンパク質として可溶性組換えC末端ポリヒスチジンタグ化ヒトHVEM(rhuHVEM、Sino Biological)を用いるELISAを使用して、マウス抗ヒトHVEM抗体(すなわち、「低親和性」IgMとは対照的な「高親和性」IgG)の存在についてスクリーニングした。この目的のために、rhuHVEMを、PBS中の1μg/mL(50ng/50μL/ウェル)で、半区域平底96ウェルEIAプレート(Corning)を使用して、4~8℃で16~24時間の間コーティングした。PBS/0.05%、w/vのTween20で十分に洗浄した後、プレートをPBS/0.05%のTween20/1%、w/vのウシ血清アルブミン(BSA、Roche)で、室温で1時間ブロッキングした。続いて、プレートを50μLの未希釈ハイブリドーマ上清/ウェルで、室温で1時間インキュベーションした。PBS/0.05%のTween20で十分に洗浄した後、抗体の結合を、室温で1時間、1:5000に希釈されたホースラディッシュペルオキシダーゼコンジュゲートヤギ抗マウスIgGFcγ特異的抗体(Jackson ImmunoResearch)、続いて比色検出のためのTMB基質(Invitrogen)のすぐに使用可能な溶液を用いて決定した。1MのHSOを添加した後、マイクロプレートリーダー(モデルiMark、BioRad)を使用して、450nmの波長(655nmの参照波長)で抗体の結合を測定した。
【0131】
融合後13日目から、増殖するハイブリドーマ由来の上清もスクリーニングし、標的タンパク質として膜結合ヒトHVEMを用いる細胞ベースのELISAを使用して、マウス抗ヒトHVEM抗体(すなわち、「低親和性」IgMとは対照的な「高親和性」IgG)産生について確認した。この目的のために、安定したヒト全長HVEMをトランスフェクションされたHEK293F細胞(クローン番号128、上記実施例1aを参照されたい)を、PBS中の2×10生存細胞/mL(0.1×10生存細胞/50μL/ウェル)で、半区域平底96ウェルEIAプレート(Corning)を使用して、4~8℃で16~24時間の間コーティングした。トランスフェクションされていない(すなわち、膜結合ヒトHVEM発現に対して陰性)野生型(WT)HEK293Fコーティング細胞を陰性対照として並行して実行した。PBS/0.05%、w/vのTween20で十分に洗浄した後、プレートをPBS/0.05%のTween20/1%、w/vのBSA(Roche)で、室温で1時間ブロッキングした。続いて、プレートを50μLの未希釈ハイブリドーマ上清/ウェルで、室温で1時間インキュベーションした。PBS/0.05%のTween20で十分に洗浄した後、抗体の結合を、室温で1時間、1:5000に希釈されたホースラディッシュペルオキシダーゼコンジュゲートヤギ抗マウスIgGFcγ特異的抗体(Jackson ImmunoResearch)、続いて比色検出のためのTMB基質(Invitrogen)のすぐに使用可能な溶液を用いて決定した。1MのHSOを添加した後、マイクロプレートリーダー(モデルiMark、BioRad)を使用して、450nmの波長(655nmの参照波長)で抗体の結合を測定した。
【0132】
融合後13日目から、増殖するハイブリドーマ由来の上清もスクリーニングし、標的タンパク質として膜結合ヒトHVEMを用いるFACSを使用して、マウス抗ヒトHVEM抗体(すなわち、「低親和性」IgMとは対照的な「高親和性」IgG)産生について確認した。この目的のために、安定したヒト全長HVEMをトランスフェクションされたHEK293F細胞(クローン番号128、上記実施例1aを参照されたい)を、50μg/mLのヒトIgG(可能なFcγ受容体を遮断する、Sigma)を補充した0.1%のBSA(Sigma)/0.05%のNaNを含有する氷冷リン酸緩衝生理食塩水(PBS/BSA/NaN)中に10×10細胞/mLで、4℃で10分間置いた。次いで、10μL/チューブ(すなわち0.1×10細胞)のこれらの細胞を100μLの未希釈ハイブリドーマ上清/チューブとともに、4℃で30分間インキュベーションした。トランスフェクションされていない(すなわち、膜結合ヒトHVEM発現に対して陰性)WT HEK293F細胞を陰性対照として並行して実行し、抗体特異性を決定した。PBS/BSA/NaNで十分に洗浄した後、続いて細胞を1:200に希釈したPEコンジュゲートヤギ抗マウスIgGFcγ特異的抗体(Jackson ImmunoResearch)とともに4℃で30分間インキュベーションした。PBS/BSA/NaNで十分に洗浄した後、細胞を、PBS/BSA/NaN中の2%ホルムアルデヒド中で、4℃で30分間固定した。抗体の結合をフローサイトメーター(モデルFACSCalibur、BD Biosciences)を使用して測定した。
【0133】
トリプルHVEM陽性(すなわち、ELISAでrhuHVEM+、ELISAで膜HVEM+HEK293F細胞、およびFACSで膜HVEM+HEK293F細胞)ハイブリドーマを増殖させ、凍結保存した。これらのトリプルHVEM陽性ハイブリドーマ由来の上清は、トランスフェクションされていない(すなわち、膜結合ヒトHVEM発現に対して陰性)WT HEK293F細胞との反応性を示さなかった。このアプローチを使用して、18個の抗ヒトHVEM特異的抗体産生ハイブリドーマを得た。プロテインGカラム(GE Healthcare)を使用して、これらの抗ヒトHVEM特異的抗体産生ハイブリドーマ上清からマウス抗体を精製した。IsoStrip(商標)マウスモノクローナル抗体アイソタイピングキット(Roche)を使用して、重鎖および軽鎖をアイソタイプクラスについてタイピングした。続いて、これらの抗ヒトHVEM特異的抗体産生ハイブリドーマ由来の上清および/または精製された抗体を、実施例2に記載されるように、膜結合ヒトHVEMへのヒトHVEMリガンド(すなわち、ヒトBTLAおよびヒトLIGHT)結合に対する効果について、システインリッチドメイン1(CRD1)が欠失した膜結合ヒトHVEMへの結合について、および膜結合カニクイザルHVEMへの交差反応性について試験した。加えて、これらの抗ヒトHVEM特異的抗体産生ハイブリドーマ由来のこれらの精製された抗体の選択を、実施例3に記載されるように、膜ヒトHVEM発現細胞におけるNFκBシグナル伝達に対する効果、膜ヒトHVEM発現細胞における可溶性ヒトLIGHT誘導NFκBシグナル伝達に対する効果、および膜ヒトBTLA/ヒトTCR発現細胞におけるTCR誘導性NFATシグナル伝達の膜ヒトBTLA/ヒトHVEM媒介阻害に対する効果について試験した。
【0134】
実施例2.マウス抗ヒトHVEMモノクローナル抗体のフローサイトメトリーの特徴付け
(a).膜結合全長ヒトHVEMおよびCRD1を欠失した膜結合ヒトHVEMへのマウス抗ヒトHVEM抗体の結合
マウス抗ヒトHVEM抗体の微細な特異性を分析するために、生成されたマウス抗ヒトHVEM抗体によって認識されるエピトープの位置をドメインマッピングによって決定した。(HEK由来の)293F細胞の表面上で発現された、CRD1切断ヒトHVEMに結合するマウス抗ヒトHVEM抗体の能力を、FACS分析によって決定した。
【0135】
文献(Swiss-Prot番号Q92956.3、Montgomery et al.Cell 1996;87:427-436、Hsu et al.J Biochem Chem 1997、272:13471-13474、Naismith et al.Trends Biochem Sci 1998;23:74-79、Carfi et al.Molecul Cell 2001;8:169-179、Bodmer et al.Trends Biochem Sci 2002;27:19-26、Compaan et al.J Biochem Chem 2005;280:39553-39561)に基づいて、ヒトHVEMの細胞外領域におけるシステインリッチドメイン(CRD)が同定され、CRD1、CRD2、CRD3、および(切断された)CRD4とコード化されている。CRDには、AモジュールおよびBモジュールと呼ばれる、トポロジー的に異なるタイプのモジュールを含有している。A-モジュールはC型構造であり、B-モジュールはS型構造である。典型的なCRDは、通常、6つの保存されたシステイン残基を有するA1-B2モジュールまたはA2-B1モジュール(または、A1-B1のような異なる一対のモジュール)で構成され、数字は、各モジュール内のジスルフィド架橋の数を示す。ヒトHVEM-CRD1は、A1-B2モジュール(42~75、配列番号1を参照されたい)を含み、ヒトHVEM-CRD2は、A1-B2モジュール(78~119、配列番号1を参照されたい)を含み、ヒトHVEM-CRD3は、A2モジュールおよび非正準(B1-モジュールを連想させる)B0モジュール(121~162、配列番号1を参照されたい)を含み、ヒト切断HVEM-CRD4は、A1モジュール(165~179、配列番号1を参照されたい)のみを含む。2つの異なるヒトHVEM構築物を生成し、発現させた。(1)N末端CRD1から始まり(すなわち、CRD1A1-B2モジュールは、アミノ酸42~75をカバーし、配列番号1を参照されたい)、したがって「全長」として表され、アミノ酸1-283を含む(配列番号1を参照されたい)、全長ヒトHVEM構築物、ならびに(2)N末端CRD2から始まり(すなわち、CRD2 A1-B2モジュールは、アミノ酸22~63をカバーし、配列番号3を参照されたい)、マウスIgシグナルペプチドアミノ酸1~19に連結されたアミノ酸20~227を含む(配列番号3を参照されたい)、「CRD1切断」構築物。CRD1切断ヒトHVEMタンパク質をコードするcDNA(Swiss-Prot番号Q92956.3)を、哺乳動物の発現のために最適化し、GENEART、Regensburg,Germanyにより合成した(配列番号4を参照されたい)。このcDNAを、pcDNA3.1由来の発現プラスミド中でサブクローニングした。
【0136】
ヒト「全長」HVEMをトランスフェクションされたHEK293F細胞(クローン番号128)の生成について、実施例1aに記載する。FreeStyle(商標)293発現系(Invitrogen)を使用して、FreeStyle(商標)293F細胞(Invitrogen)に、ヒトHVEMの「CRD1切断」バリアントを一過性にトランスフェクションした。72時間後、トランスフェクションされた細胞上の表面ヒトHVEM発現をFACS分析によって分析した。この目的のために、安定したヒト全長HVEMをトランスフェクションされたHEK293F細胞および一過性にヒト「CRD1切断」HVEMをトランスフェクションされたHEK293F細胞を、50μg/mLのヒトIgG(可能なFcγ受容体を遮断する、Sigma)を補充した0.1%のBSA(Sigma)/0.05%のNaNを含有する氷冷リン酸緩衝生理食塩水(PBS/BSA/NaN)中に10×10細胞/mLで、4℃で10分間置いた。次いで、10μL/チューブ(すなわち0.1×10細胞)のこれらの細胞を100μLの未希釈ハイブリドーマ上清/チューブとともに、4℃で30分間インキュベーションした。1:20のフィコエリスリン(PE)コンジュゲートマウス抗ヒトHVEM抗体(クローン eBioHVEM-122、eBioscience)を陽性対照抗体として実行した。PBS/BSA/NaNで十分に洗浄した後、続いて細胞を1:200に希釈したPEコンジュゲートヤギ抗マウスIgGFcγ特異的抗体(Jackson ImmunoResearch)とともに4℃で30分間インキュベーションした。PBS/BSA/NaNで十分に洗浄した後、細胞を、PBS/BSA/NaN中の2%ホルムアルデヒド中で、4℃で30分間固定した。抗体の結合をフローサイトメーター(モデルFACSCalibur、BD Biosciences)を使用して測定した。
【0137】
図1に示すように、18個の検査したマウス抗ヒトHVEM抗体はすべて、トランスフェクションされたHEK293F細胞上の全長ヒトHVEMを認識したが、これらのマウス抗ヒトHVEM抗体の大部分(15/18)は、トランスフェクションされたHEK293F細胞上の「CRD1切断」ヒトHVEM上での結合を示さなかった。対照的に、マウス抗ヒトHVEM抗体番号38G10、39B9、および47E10は、トランスフェクションされたHEK293F細胞上の「CRD1切断」ヒトHVEMを認識した。
【0138】
これらの結果により、マウス抗ヒトHVEM抗体番号38G10、39B9、および47E10は、ヒトHVEMの細胞外ドメインのCRD2、CRD3、CRD4、および/または「リンカー」断片(aa配列124~146、配列番号3を参照されたい)における線形および/または非線形/立体配座エピトープを認識するようであるが、一方で、他の生成されたマウス抗ヒトHVEM抗体すべて(15/18)は、ヒトHVEMの細胞外ドメインのCRD1における線形および/または非線形/立体配座エピトープを認識するようであることが実証された。
【0139】
(b).マウス抗ヒトHVEM抗体の膜結合カニクイザルHVEMへの結合
マウス抗ヒトHVEM抗体の多種交差反応性を分析するために、(HEK由来)293F細胞の表面上に発現するカニクイザルHVEMへ結合するマウス抗ヒトHVEM抗体の能力をFACS分析によって決定した。
【0140】
カニクイザルHVEMタンパク質(配列番号5、NCBI参照配列XP_005545061.1を参照されたい)をコードするcDNAを、哺乳動物発現のために最適化し、GENEART、Regensburg,Germanyによって合成した(配列番号6を参照されたい)。このcDNAを、pcDNA3.1由来の発現プラスミド中でサブクローニングした。
【0141】
ヒト「全長」HVEMをトランスフェクションされたHEK293F細胞(クローン番号128)の生成について、実施例1aに記載する。FreeStyle(商標)293発現系(Invitrogen)を使用して、FreeStyle(商標)293F細胞(Invitrogen)にカニクイザル(全長)HVEMを一過性にトランスフェクションした。72時間後、トランスフェクションされた細胞上の表面カニクイザルHVEM発現をFACS分析によって分析した。この目的のために、安定したヒト全長HVEMをトランスフェクションされたHEK293F細胞および一過性にカニクイザル全長HVEMをトランスフェクションされたHEK293F細胞を、50μg/mLのヒトIgG(可能なFcγ受容体を遮断する、Sigma)を補充した0.1%のBSA(Sigma)/0.05%のNaNを含有する氷冷リン酸緩衝生理食塩水(PBS/BSA/NaN)中に10×10細胞/mLで、4℃で10分間置いた。次いで、10μL/チューブ(すなわち0.1×10細胞)のこれらの細胞を100μLの未希釈ハイブリドーマ上清/チューブとともに、4℃で30分間インキュベーションした。1:20のフィコエリスリン(PE)コンジュゲートマウス抗ヒトHVEM抗体(クローン eBioHVEM-122、eBioscience)を陽性対照抗体として実行した。PBS/BSA/NaNで十分に洗浄した後、続いて細胞を1:200に希釈したPEコンジュゲートヤギ抗マウスIgGFcγ特異的抗体(Jackson ImmunoResearch)とともに4℃で30分間インキュベーションした。PBS/BSA/NaNで十分に洗浄した後、細胞を、PBS/BSA/NaN中の2%ホルムアルデヒド中で、4℃で30分間固定した。抗体の結合をフローサイトメーター(モデルFACSCalibur、BD Biosciences)を使用して測定した。
【0142】
図1に示すように、18個の検査したマウス抗ヒトHVEM抗体はすべて、トランスフェクションされたHEK293F細胞上の全長ヒトHVEMを認識し、これらのマウス抗ヒトHVEM抗体の大部分(14/18)は、トランスフェクションされたHEK293F細胞上のカニクイザル全長HVEMに対して様々な程度の交差反応性を示した。対照的に、マウス抗ヒトHVEM抗体番号36H12、37D11、41F11、および49A11は、トランスフェクションされたHEK293F細胞上のカニクイザル全長HVEMを認識しなかった。
【0143】
これらの結果により、生成されたマウス抗ヒトHVEM抗体の大部分(14/18)が、カニクイザル全長HVEMの細胞外ドメインのCRD1、CRD2、CRD3、CRD4、および/または「リンカー」断片(aa配列180~203、配列番号5を参照されたい)における線形および/または非線形/立体配座エピトープを認識するようであることが実証された。
【0144】
全長カニクイザルHVEMタンパク質の予測アミノ酸配列(Met1-Ser280、NCBI参照配列:XP_005545061.1)は、ヒトHVEMタンパク質のアミノ酸配列(Met1-His283、Swiss-Prot番号Q92956.3)と82%の相同性を示し、カニクイザルHVEMの細胞外領域の予測アミノ酸配列(すなわち、Leu39-Val203、NCBI参照配列:XP_005545061.1)は、細胞外領域ヒトHVEMタンパク質のアミノ酸配列(すなわち、Leu39-Val202、Swiss-Prot番号Q92956.3)と87%の相同性を示す。これらの結果により、産生されたマウス抗ヒトHVEMモノクローナル抗体の大部分(14/18)が、トランスフェクションされたHEK293F細胞上の相同なカニクイザルHVEMと交差反応したことが実証された。
【0145】
(c).膜結合ヒトHVEMへのヒトBTLAおよびヒトLIGHTの結合に対するマウス抗ヒトHVEM抗体の効果
細胞外HVEMは、2つの空間的リガンド結合領域(Cai et al.Immunol Rev 2009;229:244-258、Steinberg et al.Immunol Rev 2011;244:169-187、Pasero et al.Curr Opin Pharmacol 2012;12:478-485)、TNFスーパーファミリーに属する正準リガンド(すなわち、LIGHTおよびTNFβ)のための1つの領域、およびIgスーパーファミリーに属する非正準リガンド(すなわち、BTLAおよびCD160)のための別の領域を有する。変異分析および分子モデリングにより、BTLAおよびCD160がCRD1と相互作用するのに対し、LIGHTおよびTNFβ結合は、HVEMの反対側の面のCRD2およびCRD3に存在することが明らかになった。
【0146】
膜結合ヒトHVEMへのヒトBTLAおよびヒトLIGHTの結合に対するマウス抗ヒトHVEM抗体の効果を分析するために、(HEK由来の)293F細胞の表面上に発現されたヒト全長HVEMに対するヒトBTLAおよびヒトLIGHTの相互作用を立体的に妨げるマウス抗ヒトHVEM抗体の能力をFACS分析によって決定した。
【0147】
ヒト「全長」HVEMをトランスフェクションされたHEK293F細胞(クローン番号128)の生成について、実施例1aに記載する。表面ヒトHVEMをトランスフェクションされた細胞上の可溶性ヒトBTLA、可溶性ヒトCD160、および可溶性ヒトLIGHTの結合をFACS分析によって分析した。この目的のために、安定したヒト全長HVEMトランスフェクションされたHEK293F細胞を、50μg/mLのヒトIgG(可能なFcγ受容体を遮断する、Sigma)を補充した0.1%のBSA(Sigma)/0.05%のNaNを含有する氷冷リン酸緩衝生理食塩水(PBS/BSA/NaN)中に10×10細胞/mLで、4℃で10分間置いた。次いで、10μL/チューブ(すなわち、0.1×10細胞)のこれらの細胞を、100μLの10μg/mL/チューブのプロテインG精製された抗HVEM抗体もしくは10μg/mL/チューブの陰性対照マウスIgG1(BD Biosciences)とともに、またはそれらを含まず4℃で30分間インキュベーションした。この後(すなわち、洗浄せずに)、細胞を、1μg/mLの可溶性ヒトBTLA-ヒトFcγ融合タンパク質(Sino Biological Inc)または0.1μg/mLの可溶性Hisタグ化ヒトLIGHT(R&D Systems)とともに、PBS/BSA/NaN中で、4℃で30分間インキュベーションした。PBS/BSA/NaNで十分に洗浄した後、細胞を10μg/mLのビオチン化マウス抗ヒトIgGFcγ特異的抗体(BTLA検出、Southern Biotech)とともに、または5μg/mLのビオチン化マウス抗His抗体(LIGHT検出、R&D Systems)とともに、4℃で30分間インキュベーションした。PBS/BSA/NaNで十分に洗浄した後、細胞を1:200希釈PEコンジュゲートストレプトアビジン(Jackson ImmunoResearch)とともに、4℃で30分間インキュベーションした。PBS/BSA/NaNで十分に洗浄した後、細胞をPBS/BSA/NaN中の2%のホルムアルデヒド中で4℃で30分間固定した。膜ヒトHVEMに対するリガンドBTLAおよびLIGHTの結合を、フローサイトメーター(モデルFACSCalibur、BD Biosciences)を使用して測定した。
【0148】
図2および表1に示すように、4つの型のマウス抗ヒトHVEM抗体が見出された。(1型の抗体、6/18)BTLA/HVEMおよびLIGHT/HVEM相互作用を遮断しない、(2型の抗体、3/18)BTLA/HVEM相互作用を遮断し、LIGHT/HVEM相互作用を遮断しない、(3型の抗体、4/18)BTLA/HVEM相互作用を遮断せず、LIGHT/HVEM相互作用を遮断する、ならびに(4型の抗体、5/18)BTLA/HVEMおよびLIGHT/HVEM相互作用を遮断する。
【0149】
【表1】
【0150】
これらの結果により、複数の特徴(すなわち、1~4型マウス抗ヒトHVEM抗体(上記参照))を有するヒトリガンド遮断およびリガンド非遮断マウス抗ヒトHVEM抗体のパネルが生成されたことが実証された。注目すべきことに、(36H12、45H6)のようなCRD1に結合する抗体は、sBTLAまたはsCD160の結合を遮断しても(52D3)しなくてもよい。CRD1抗体52D3は、実際にはリガンドの結合を増強するように見える。加えて、それは、CRD1標的化抗体の異なる機能活性を明確に示す。
【0151】
実施例3.マウス抗ヒトHVEMモノクローナル抗体の生物学的特徴付け
(a).ヒトHVEM発現細胞におけるNFκBシグナル伝達に対するマウス抗ヒトHVEM抗体の効果
HVEMシグナル伝達は、TおよびBリンパ球ならびに樹状細胞のような免疫系由来の複数HVEM発現細胞におけるNFκBの活性化を誘導することができ、それらの細胞機能に重要ないくつかの遺伝子をオンにする。LIGHTによるTリンパ球上のHVEMのライゲーションは、正の共刺激シグナルを提供し、これは、Tリンパ球の生存、増殖、および分化、ならびにIFNγ分泌をもたらす(Del Rio et al.Journal Leukocyte Biology 2010;87:223-235)。LIGHTによるBリンパ球上のHVEMのライゲーションは、CD40L媒介増殖および抗体分泌を共刺激し、それによって体液性応答を増強する(Del Rio et al.Journal Leukocyte Biology 2010;87:223-235)。LIGHTによる未成熟樹状細胞上のHVEMのライゲーションは、CD40L媒介成熟、サイトカイン分泌(IL-12、IL-6、およびTNF-α)、ならびに特異的抗腫瘍CTLのプライミングおよびIFN-γの産生を共刺激する(Del Rio et al.Journal Leukocyte Biology 2010;87:223-235)。
【0152】
膜結合ヒトHVEM媒介NFκBシグナル伝達に対するマウス抗ヒトHVEM抗体の効果を分析するために、NFκB応答要素-ルシフェラーゼ(RE-luc)ヒトHVEMバイオアッセイレポーター細胞(HEK293、Promega)を使用して、マウス抗ヒトHVEM抗体のHVEM媒介NFκBシグナル伝達を活性化する能力を検査した。
【0153】
簡潔に述べると、ヒトHVEM発現NFκB-RE-luc細胞を、平底TC処理白色固体96ウェルプレート(Corning)に35,000細胞/ウェルで播種し、37℃/5%COで一晩インキュベーションした。翌日、これらの細胞を洗浄し、続いて、0.0015~10μg/mL(3倍希釈ステップ)のマウス抗ヒトHVEM抗体とともに、またはそれらを含まずにインキュベーションした。滴定された(すなわち、0、0.0015~10μg/mL(3倍希釈ステップ))可溶性Hisタグ化ヒトLIGHT(R&D Systems)を、参照目的のために並行して実行した。37℃/5%COで6時間インキュベーションした後、ヒトHVEM発現NFκB-NFκB-RE-luc細胞におけるルシフェラーゼ産生を、ルミノメーターでBio-Glo(商標)ルシフェラーゼアッセイ系(Promega)を使用して測定した。
【0154】
図3Aおよび表2に示すように、いくつかの検査された(7/12)マウス抗ヒトHVEM抗体は、ヒトHVEM発現NFκB-RE-luc細胞において(すなわち、可溶性LIGHT媒介NFκB誘導と比較して)、様々な程度に(ランク順序、番号48H6>36H12>29C2>8H5=45H6=49G4>52D3)用量依存的なNFκB活性化を誘導し、これは、それらのアゴニスト活性を実証した。対照可溶性ヒトLIGHTはまた、これらのヒトHVEM発現NFκB-RE-luc細胞において用量依存的なNFκB活性化を示した。対照的に、マウス抗ヒトHVEM抗体番号11H7、41F11、43E10、47E10、および49A11は、ヒトHVEM発現NFκB-RE-luc細胞において(すなわち、可溶性LIGHT媒介NFκB誘導と比較して)アゴニスト活性を示さなかった。興味深いことに、これらの検査したマウス抗ヒトHVEM抗体の可溶性ヒトLIGHT/ヒトHVEM相互作用を立体的に遮断する能力(実施例2cを参照されたい)と、膜ヒトHVEM発現細胞に対するそれらのアゴニスト活性(すなわち、NFκB誘導)との間には、関係があるようであった(表2を参照されたい)。
【0155】
【表2】
【0156】
これらの結果から、ヒトLIGHT/ヒトHVEM相互作用を遮断したマウス抗ヒトHVEM抗体(実施例2cを参照されたい)が、可溶性ヒトLIGHT/ヒトHVEM媒介NKκBシグナル伝達を模倣することができたことが実証された。注目すべきことに、可溶性ヒトLIGHTは、細胞上で発現されたヒトHVEMを活性化することについて膜結合LIGHT発現細胞よりもはるかに強力でないことが示されている(Cheung et al.PNAS2009;106:6244-6249)。
【0157】
(b).膜ヒトHVEM発現細胞における可溶性ヒトLIGHT誘導NFκBシグナル伝達に対するマウス抗ヒトHVEM抗体の効果
膜ヒトHVEM発現細胞における可溶性ヒトLIGHT誘導NFκBシグナル伝達に対するマウス抗ヒトHVEM抗体の効果を分析するために、NFκB-RE-lucヒトHVEMバイオアッセイレポーター細胞(HEK293、Promega)を使用して、マウス抗ヒトHVEM抗体の可溶性ヒトLIGHT/膜HVEM媒介NFκBシグナル伝達を干渉する(例えば、遮断する、相加効果または相乗効果)する能力を検査した。
【0158】
簡潔に述べると、ヒトHVEM発現NFκB-RE-luc細胞を、平底TC処理白色固体96ウェルプレート(Corning)に35,000細胞/ウェルで播種し、37℃/5%COで一晩インキュベーションした。翌日、これらの細胞を洗浄し、続いて、0.3μg/mLの可溶性Hisタグ化ヒトLIGHT(R&D Systems)と組み合わせて、0.0015~10μg/mL(3倍希釈ステップ)のマウス抗ヒトHVEM抗体とともに、またはそれらを含まずにインキュベーションした(
【数6】
、実施例2aおよび図3Aを参照されたい)。37℃/5%COで6時間インキュベーションした後、ヒトHVEM発現NFκB-NFκB-RE-luc細胞におけるルシフェラーゼ産生を、ルミノメーターでBio-Glo(商標)ルシフェラーゼアッセイ系(Promega)を使用して測定した。
【0159】
図3Bおよび表3に示すように、非常に弱いアゴニストであるが、中程度のLIGHT/HVEM相互作用遮断因子(表2を参照されたい)マウス抗ヒトHVEM抗体番号52D3は、ヒトHVEM発現NFκB-RE-luc細胞における可溶性ヒトLIGHT媒介NFκB活性化を弱いが用量依存的に阻害することができた。驚くべきことに、非アゴニストおよびLIGHT/HVEM相互作用非遮断因子(表2を参照されたい)マウス抗ヒトHVEM抗体番号49A11はまた、ヒトHVEM発現NFκB-RE-luc細胞における可溶性ヒトLIGHT媒介NFκB活性化を弱いが用量依存的に阻害することができた。加えて、非アゴニストおよびLIGHT/HVEM相互作用非遮断因子(表2を参照されたい)マウス抗ヒトHVEM抗体番号11H7、41F11、43E10、および47E10は、ヒトHVEM発現NFκB-RE-luc細胞における可溶性ヒトLIGHT媒介NFκB活性化に対する効果を示さなかったが、一方で、弱い/中程度/強いアゴニストおよび弱い/中程度/強いLIGHT/HVEM相互作用遮断因子(表2を参照されたい)マウス抗ヒトHVEM抗体番号8H5、29C2、36H12、45H6、48H6、および49G4は、ヒトHVEM発現NFκB-RE-luc細胞における可溶性ヒトLIGHT媒介NFκB活性化に対する相加効果の可能性を示したが、相乗効果は示さなかった。
【0160】
【表3】
【0161】
これらの結果から、ヒトLIGHT/ヒトHVEM相互作用を遮断するマウス抗ヒトHVEM抗体(LIGHT/HVEM相互作用非遮断因子マウス抗ヒトHVEM抗体番号49A11を除く、実施例2cも参照されたい)が、可溶性ヒトLIGHT/ヒトHVEM媒介NKκBシグナル伝達を遮断または模倣のいずれかを行うことができたことが実証された。
【0162】
(c).膜ヒトBTLA/膜ヒトTCRを発現するT細胞におけるTCR誘導NFATシグナル伝達の膜ヒトBTLA/膜ヒトHVEM媒介阻害に対するマウス抗ヒトHVEM抗体の効果
上述のように、LIGHTによるTリンパ球上のHVEMのライゲーションは、HVEMを介して正の共刺激シグナルを送達するが、HVEMによるTリンパ球上のBTLAの係合は、BTLAを介してTリンパ球に負の共阻害シグナルを提供する(Del Rio et al.Journal Leukocyte Biology 2010;87:223-235)。このBTLA/HVEM経路は、CD4およびCD8Tリンパ球の両方におけるTCR媒介シグナル伝達を下方調節し、Tリンパ球増殖およびサイトカイン産生の減少をもたらす。HVEMによるBTLAのBリンパ球上の係合は、BCRの下流のシグナル伝達分子の活性化を低減し、B細胞増殖を減衰させる(Vendel et al.Journal Immunology 2009;182:1509-1517)。PD-1およびCTLA4とは異なり、BTLAは、制御性T(Treg)リンパ球上で発現されない(Del Rio et al.Journal Leukocyte Biology 2010;87:223-235)。
【0163】
膜ヒトTCR誘導NFATシグナル伝達の膜ヒトBTLA/膜ヒトHVEM媒介阻害に対するマウス抗ヒトHVEM抗体の効果を分析するために、NFAT-応答要素-ルシフェラーゼ(RE-luc)ヒトBTLA/HVEM遮断バイオアッセイ((1)膜ヒトHVEMおよび所有の膜ヒトTCR活性化因子を発現するCHO-K1活性化因子細胞(人工抗原提示細胞)の組み合わせ、ならびに(2)膜ヒトBTLAおよび膜ヒトTCRを発現するNFAT-RE-luc JurkatエフェクターT細胞、Promegaの組み合わせを含む)を使用して、TCR誘導NFATシグナル伝達のBTLA/HVEM媒介阻害を遮断するマウス抗ヒトHVEM抗体の能力を検査した。
【0164】
このBTLA/HVEM遮断バイオアッセイでは、膜ヒトBTLAおよび膜ヒトTCRを発現するNFAT-RE-luc JurkatエフェクターT細胞をエフェクター細胞として使用し、所有の膜ヒトHVEMおよび膜ヒトTCR活性化因子を発現するCHO-K1活性化因子細胞を人工抗原提示細胞として使用する。これらの2つの細胞を共培養する場合、エフェクター細胞上のTCR複合体は、TCR活性化因子を発現する人工抗原提示細胞によって活性化され、NFATルシフェラーゼレポーターの発現がもたらされる。しかしながら、BTLAおよびHVEMライゲーションは、TCR活性化を防止し、NFAT応答性ルシフェラーゼ活性を抑制する。この阻害は、遮断抗HVEM抗体への曝露によって特異的に逆転され得る。中和抗HVEM抗体は、BTLA/HVEM相互作用を遮断し、T細胞活性化を促進し(すなわち、「ブレーキを放出する」)、NFAT応答性ルシフェラーゼレポーターの再活性化をもたらす(図4Aを参照されたい)。
【0165】
簡潔に述べると、ヒトHVEMおよびヒトTCR活性化因子を発現するCHO-K1活性化因子細胞を、平底TC処理白色固体96ウェルプレート(Corning)に40,000細胞/ウェルで播種し、37℃/5%COで一晩インキュベーションした。翌日、これらの細胞を洗浄し、続いて、0.0015~10μg/mL(3倍希釈ステップ)のマウス抗ヒトHVEM抗体とともに、またはそれらを含まずにインキュベーションした。次いで、ヒトBTLAおよびヒトTCRを発現するNFAT-RE-luc JurkatエフェクターT細胞を50,000細胞/ウェルで添加した。37℃/5%COで6時間インキュベーションした後、ヒトBTLAおよびヒトTCRを発現するNFAT-RE-luc JurkatエフェクターT細胞におけるルシフェラーゼ産生を、ルミノメーターでBio-Glo(商標)ルシフェラーゼアッセイ系(Promega)を使用して測定した。
【0166】
図4Bおよび表4に示すように、いくつかの検査された(8/12)マウス抗ヒトHVEM抗体は、ヒトBTLAおよびヒトTCRを発現するNFAT-RE-luc JurkatエフェクターT細胞におけるTCR誘導NFATシグナル伝達のBTLA/HVEM媒介阻害を、様々な程度に用量依存的に遮断した(ランク順序、番号45H6>49G4>36H12>11H7>8H5=41F11=48H6=49A11)。対照的に、マウス抗ヒトHVEM抗体番号29C2、43E10、47E10、および52D3は、ヒトBTLAおよびヒトTCRを発現するNFAT-RE-luc JurkatエフェクターT細胞におけるTCR誘導NFATシグナル伝達のBTLA/HVEM媒介阻害に対して効果を示さなかった。興味深いことに、これらの検査されたマウス抗ヒトHVEM抗体の可溶性ヒトBTLA/ヒトHVEM相互作用を立体的に遮断する能力(実施例2cを参照されたい)と、NFAT-RE-lucヒトBTLA/HVEM遮断バイオアッセイにおけるそれらの遮断能(すなわち、TCR誘導NFATシグナル伝達のBTLA/HVEM媒介阻害の廃止)との間に関係があるようであった(表4を参照されたい)。
【0167】
【表4】
【0168】
これらの結果から、ヒトBTLA/ヒトHVEM相互作用を遮断したマウス抗ヒトHVEM抗体(実施例2cを参照されたい)が、TCR誘導NFATシグナル伝達のヒトBTLA/ヒトHVEM媒介阻害を遮断することができたことが実証された。
【0169】
実施例4.BTLA/HVEM遮断マウス抗ヒトHVEMモノクローナル抗体番号36H12、45H6、48H6、11H7、および49G4の分子遺伝学的特徴付け
BTLA/HVEM遮断マウス抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、48H6、11H7、および49G4を産生するハイブリドーマ細胞をPBSで洗浄し、5×10細胞を含有するマイクロバイアルに等分し、-80℃でペレットとして保管した。これらの細胞ペレットを使用して、RNeasy Mini Isolation Kit(QIAGEN)を使用することによってRNAを単離した。RNA濃度を決定し(A260nm)、RNAを-80℃で保管した。逆転写酵素によって、cDNAを、RevertAid(商標)H Minus First Strand cDNA Synthesis Kit(Fermentas)を使用して1μgのRNAから合成し、-80℃で保管した。アイソタイプマウスIgG1/カッパに基づいて、表5に示すようなプライマーを、BTLA/HVEM遮断マウス抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、48H6、11H7、および49G4の可変(V)領域を増幅するように設計した。
【0170】
【表5】
【0171】
プライマー383、387、および389は、マウス抗体の軽鎖のシグナルペプチドとアニーリングするように設計されたセンスプライマーであり、プライマー394は、マウスκ軽鎖の定常領域とアニーリングするアンチセンスプライマーである。プライマー404、407、408、および409は、マウス抗体の重鎖のシグナルペプチドとアニーリングするセンスプライマーであり、プライマー416は、マウスIgG1重鎖の定常領域とアニーリングするように設計されたアンチセンスプライマーである。様々なPCRを、表5に示すプライマーの組み合わせを使用して行った。生成されたPCR産物を、pCR(商標)-Blunt II-TOPO(登録商標)ベクター中にサブクローニングした。続いて、クローニングされた挿入物を配列決定した。
【0172】
重鎖および軽鎖の配列反応から、それぞれ、マウス抗ヒトHVEM抗体36H12のアミノ酸配列の合計8および4個の情報配列を得た。この情報に基づいて、マウス抗ヒトHVEM抗体36H12のVHおよびVL領域のコンセンサスアミノ酸配列を決定し、それぞれ、配列番号16および17に記載されている。マウス抗ヒトHVEM抗体36H12のVHおよびVL領域のCDRのアミノ酸配列は、それぞれ、配列番号18~20および21~23に記載されている。
【0173】
重鎖および軽鎖の両方の配列反応から、マウス抗ヒトHVEM抗体45H6の合計4つの情報源配列を得た。この情報に基づいて、マウス抗ヒトHVEM抗体45H6のVHおよびVL領域のコンセンサスアミノ酸配列を決定し、それぞれ、配列番号24および25に記載されている。マウス抗ヒトHVEM抗体45H6のVHおよびVL領域のCDRのアミノ酸配列は、それぞれ、配列番号26~28および29~31に記載されている。
【0174】
重鎖および軽鎖の配列反応から、それぞれ、マウス抗ヒトHVEM抗体48H6の合計5および4個の情報配列を得た。この情報に基づいて、マウス抗ヒトHVEM抗体48H6のVHおよびVL領域のコンセンサスアミノ酸配列を決定し、それぞれ、配列番号32および33に記載されている。マウス抗ヒトHVEM抗体48H6のVHおよびVL領域のCDRのアミノ酸配列は、それぞれ、配列番号34~36および37~39に記載されている。
【0175】
重鎖および軽鎖の配列反応から、それぞれ、マウス抗ヒトHVEM抗体11H7の合計9および3個の情報配列を得た。この情報に基づいて、マウス抗ヒトHVEM抗体11H7のVHおよびVL領域のコンセンサスアミノ酸配列を決定し、それぞれ、配列番号40および41に記載されている。マウス抗ヒトHVEM抗体11H7のVHおよびVL領域のCDRのアミノ酸配列は、それぞれ、配列番号42~44および45~47に記載されている。
【0176】
重鎖および軽鎖の配列反応から、それぞれ、マウス抗ヒトHVEM抗体49G4の合計5および3個の情報配列を得た。この情報に基づいて、マウス抗ヒトHVEM抗体49G4のVHおよびVL領域のコンセンサスアミノ酸配列を決定し、それぞれ、配列番号48および49に記載されている。マウス抗ヒトHVEM抗体49G4のVHおよびVL領域のCDRのアミノ酸配列は、それぞれ、配列番号50~52および53~55に記載されている。
【0177】
実施例5.BTLA/HVEM遮断キメラマウス/ヒトIgG4/カッパ(すなわち、マウス定常IgG1/カッパ領域をヒト定常IgG4/カッパ領域と交換する)抗ヒトHVEMモノクローナル抗体番号36H12、45H6、48H6、11H7、および49G4の生成
BTLA/HVEM遮断マウス抗ヒトHVEM抗体の決定されたマウスV領域(上記実施例4を参照されたい)に基づいて、キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体バージョンを生成するように設計が作成された。この目的のために、哺乳動物の発現に最適化されたcDNA配列について、配列番号56(キメラマウス/ヒト重IgG4鎖36H12をコードする)、配列番号57(キメラマウス/ヒト重IgG4鎖45H6をコードする)、配列番号58(キメラマウス/ヒト重IgG4鎖48H6をコードする)、配列番号59(キメラマウス/ヒト重IgG4鎖11H7をコードする)、および配列番号60(キメラマウス/ヒト重IgG4鎖49G4をコードする)、ならびに配列番号61(キメラマウス/ヒト軽κ鎖36H12をコードする)、配列番号62(キメラマウス/ヒト軽κ鎖45H6をコードする)、配列番号63(キメラマウス/ヒト軽κ鎖48H6をコードする)、および配列番号64(キメラマウス/ヒト軽κ鎖11H7をコードする)、および配列番号65(キメラマウス/ヒト軽κ鎖49G4をコードする)をGENEART(Regensburg,Germany)で注文し、これはヒトシグナルペプチド、それに続くヒト安定化IgG4定常領域に連結されたマウスVH鎖(すなわち、S239P、Angal et al in Mol.Immunol.,Vol.30,No.1,pp.105-108,1993による)、またはそれに続くヒトカッパ定常領域に連結されたマウスVL鎖のいずれかをコードした。好適な制限酵素を使用して、生成されたcDNAをpcDNA3.1由来発現プラスミド中にサブクローニングした。続いて、FreeStyle(商標)293発現系(Invitrogen)を使用して、キメラ抗体を293-F細胞(Invitrogen)において一過性に発現させた。発現されたキメラ抗ヒトHVEM抗体を、従来の親和性クロマトグラフィープロテインAカラムを使用して、上清から精製した。その後、LAL発色エンドポイントアッセイ(Hycult Biotech)を使用してLPSレベルを測定し、発明者らの精製したすべてのキメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体(すなわち、36H12、45H6、48H6、11H7、および49G4)は、<0.0005EU LPS/μgキメラIgGを含有した。
【0178】
キメラアミノ酸配列については、配列番号66(キメラマウス/ヒト重IgG4鎖36H12)、配列番号67(キメラマウス/ヒト重IgG4鎖45H6)、配列番号68(キメラマウス/ヒト重IgG4鎖48H6)、配列番号69(キメラマウス/ヒト重IgG4鎖11H7)、および配列番号70(キメラマウス/ヒト重IgG4鎖49G4)、ならびに配列番号71(キメラマウス/ヒト軽κ鎖36H12)、配列番号72(キメラマウス/ヒト軽κ鎖45H6)、配列番号73(キメラマウス/ヒト軽κ鎖48H6)、配列番号74(キメラマウス/ヒト軽κ鎖11H7)、および配列番号75(キメラマウス/ヒト軽κ鎖49G4)を参照されたい。
【0179】
実施例6.BTLA/HVEM遮断キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、48H6、11H7、および49G4の結合および生物学的特徴付け
(a).膜結合ヒトHVEMに対するBTLA/HVEM遮断キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体の相対的結合親和性
ヒトHVEMに対する精製されたBTLA/HVEM遮断キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、48H6、11H7、および49G4の相対的結合親和性を決定するために、FACS分析を使用した。
【0180】
この目的のために、安定したヒト全長HVEMをトランスフェクションされたHEK293F細胞(クローン番号128、上記実施例1(a)を参照されたい)を、50μg/mLのヒトIgG(可能なFcγ受容体を遮断する、Sigma)を補充した0.1%のBSA(Sigma)/0.05%のNaNを含有する氷冷PBS(PBS/BSA/NaN)中に10×10細胞/mLで、4℃で10分間置いた。次いで、10μL/チューブ(すなわち、0.1×10細胞)のこれらの細胞を、100μLの滴定された(PBS/BSA/NaN中)精製されたBTLA/HVEM遮断キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体/チューブとともに、またはそれらを含まず4℃で30分間インキュベーションした。PBS/BSA/NaNで十分に洗浄した後、細胞を、1:200希釈PEコンジュゲートヤギ抗ヒトIgGFcγ特異的抗体(Jackson ImmunoResearch)とともに4℃で30分間インキュベーションした。PBS/BSA/NaN3で十分に洗浄した後、細胞をPBS/BSA/NaN中の4%ホルムアルデヒド中で4℃で30分間固定した。膜ヒトHVEM上のキメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、48H6、11H7、および49G4の結合(ジオ平均蛍光強度)を、フローサイトメーター(FACSCalibur、BD Biosciences)を使用して測定した。比較のために、精製されたBTLA/HVEM遮断マウス抗ヒトHVEM抗体対応物番号36H12、45H6、48H6、11H7および49G4を並行して実行し、それらの結合を実施例2(a)に記載されるように監視した。
【0181】
図5に示すように、BTLA/HVEM遮断キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、48H6、11H7、および49G4は、膜ヒトHVEMへ用量依存的に結合した。それらの結合プロファイルに基づいて、以下の相対的親和性ランキングが見出された(高い親和性から低い親和性まで):45H6=49G4>36H12=48H6>11H7。比較のために、それらのBTLA/HVEM遮断マウス抗ヒトHVEM抗体対応物番号36H12、45H6、48H6、11H7、および49G4もまた、膜ヒトHVEMへの用量依存的結合を示し、非常に同様の相対的親和性ランキング、すなわち、45H6=49G4>36H12=48H6>11H7を実証した。より具体的には、キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号45H6、49G4、36H12、48H6、および11H7は、それぞれ306、312、433、472、および630ng/mLの以下の相対的親和性(すなわち、最大半量結合EC50)をもたらし、対応するマウス抗ヒトHVEM抗体番号45H6、49G4、36H12、48H6、および11H7は、それぞれ260、266、430、356、および532ng/mLの相対的親和性をもたらし、これは、キメラ化プロセス中に、膜結合HVEMに対するBTLA/HVEM遮断キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、48H6、11H7、および49G4が変化しないままであるようであることを示した。
【0182】
b).膜結合ヒトHVEMへのヒトBTLA、ヒトCD160、ヒトLIGHT、およびヒトTNFβの結合に対するBTLA/HVEM遮断キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体の効果
細胞外HVEMは、2つの空間的リガンド結合領域(Cai et al.Immunol Rev 2009;229:244-258、Steinberg et al.Immunol Rev 2011;244:169-187、Pasero et al.Curr Opin Pharmacol 2012;12:478-485)、TNFスーパーファミリーに属する正準リガンド(すなわち、LIGHTおよびTNFβ)のための1つの領域、およびIgスーパーファミリーに属する非正準リガンド(すなわち、BTLAおよびCD160)のための別の領域を有する。変異分析および分子モデリングにより、BTLAおよびCD160がCRD1と相互作用するのに対し、LIGHTおよびTNFβ結合は、HVEMの反対側の面のCRD2およびCRD3に存在することが明らかになった。
【0183】
膜結合ヒトHVEMへのヒトBTLA、ヒトCD160、ヒトLIGHT、およびヒトTNFβの結合に対する精製されたBTLA/HVEM遮断キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、48H6、11H7、および49G4の効果を分析するために、(HEK由来の)293F細胞の表面上に発現されたヒト全長HVEMに対する、ヒトBTLA、ヒトCD160、ヒトLIGHT、およびヒトTNFβ(またはLTαとも呼ばれる)の相互作用を立体的に妨げるキメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体の能力を、FACS分析によって決定した。
【0184】
ヒト「全長」HVEMをトランスフェクションされたHEK293F細胞(クローン番号128)の生成について、実施例1aに記載する。表面ヒトHVEMをトランスフェクションされた細胞上の可溶性ヒトBTLA、可溶性ヒトCD160、可溶性ヒトLIGHT、および可溶性ヒトTNFβの結合をFACS分析によって分析した。この目的のために、安定したヒト全長HVEMトランスフェクションされたHEK293F細胞を、50μg/mLのヒトIgG(可能なFcγ受容体を遮断する、Sigma)を補充した0.1%のBSA(Sigma)/0.05%のNaNを含有する氷冷リン酸緩衝生理食塩水(PBS/BSA/NaN)中に10×10細胞/mLで、4℃で10分間置いた。次いで、10μL/チューブ(すなわち、0.1×10細胞)のこれらの細胞を、100μLの10μg/mL/チューブの精製されたキメラマウス/ヒト抗HVEM抗体もしくは10μg/mL/チューブのヒトIgG4/κ(Sigma)陰性アイソタイプ対照とともに、またはそれらを含まず4℃で30分間インキュベーションした。この後(すなわち、洗浄せずに)、続いて細胞を、PBS/BSA/NaN中で1μg/mLの可溶性ビオチン化ヒトBTLA(Sino Biological Inc)、10μg/mLの可溶性Hisタグ化ヒトCD160(Sino Biological Inc)、1μg/mL可溶性Hisタグ化ヒトLIGHT(Sino Biological Inc)、または0.1μg/ mLの可溶性ビオチン化ヒトTNFβ(Sino Biological Inc)とともに4℃で30分間インキュベートした。PBS/BSA/NaNで十分に洗浄した後、細胞を、1:200希釈PE結合ストレプトアビジン(BTLAおよびTNFβを検出、Jackson ImmunoResearch)またはビオチン化マウス抗His抗体(CD160およびLIGHTを検出、R&D Systems)とともに10μg/mLで、4℃で30分間インキュベートした。PBS/BSA/NaNで十分に洗浄した後、細胞を、1:200希釈PE結合ストレプトアビジン(CD160およびLIGHTを検出、Jackson ImmunoResearch)とともに4℃で30分間インキュベートした。PBS/BSA/NaNで十分に洗浄した後、細胞を、PBS/BSA/NaN中の4%ホルムアルデヒド中で、4℃で30分間固定した。膜ヒトHVEM上のリガンドBTLA、CD160、LIGHTおよびTNFβの結合を、フローサイトメーター(モデルFACSCalibur、BD Biosciences)を使用して測定した。比較のために、10μg/mL/チューブでの精製されたBTLA/HVEM遮断マウス抗ヒトHVEM抗体対応物番号36H12、45H6、48H6、11H7、および49G4ならびに10μg/mL/チューブでのマウスIgG1(BD Biosciences)陰性アイソタイプ対照を並行して実行した。
【0185】
図6Aに示すように、BTLA/HVEM遮断キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、48H6、11H7、および49G4は、膜ヒトHVEMへのヒトBTLAの結合を防止し(すなわち、>95%の遮断)、それらのBTLA/HVEM遮断マウス抗ヒトHVEM抗体対応物番号36H12、45H6、48H6、11H7、および49G4と相当であった(すなわち、>95%の遮断)。
【0186】
図6Bに示すように、BTLA/HVEM遮断キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、48H6、11H7、および49G4は、膜ヒトHVEMへのヒトCD160の結合を部分的に防止し(すなわち、
【数7】
の遮断)、それらのBTLA/HVEM遮断マウス抗ヒトHVEM抗体対応物番号36H12、45H6、48H6、11H7、および49G4と相当であった(すなわち、
【数8】
の遮断)。
【0187】
図6Cに示すように、BTLA/HVEM遮断キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、48H6、および49G4は、膜ヒトHVEMへのヒトLIGHTの結合を部分的に防止し(すなわち、
【数9】
の遮断)、それらのBTLA/HVEM遮断マウス抗ヒトHVEM抗体対応物番号36H12、45H6、48H6、および49G4と相当であった(すなわち、
【数10】
の遮断)。対照的に、BTLA/HVEM遮断キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号11H7は、膜ヒトHVEMへのヒトLIGHTの結合を防止せず、驚くべきことに、増強するか、または安定化するようであり(すなわち、
【数11】
増強)、それらのBTLA/HVEM遮断マウス抗ヒトHVEM抗体対応物番号11H7と相当であった(すなわち、
【数12】
増強)。
【0188】
図6Dに示すように、BTLA/HVEM遮断キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、48H6、11H7、および49G4は、膜ヒトHVEMへのヒトTNFβの結合を様々な程度に(順序、番号36H12=45H6=48H6(すなわち、>94%遮断)>49G4(すなわち、>80%遮断)>11H7(すなわち、>55%遮断))(部分的に)防止し、これは、それらのBTLA/HVEM遮断マウス抗ヒトHVEM抗体対応物番号36H12、45H6、48H6、11H7、および49G4(ランク順序、番号36H12=45H6=48H6(すなわち、>95%遮断)>49G4(すなわち、>85%遮断)>11H7(すなわち、>60%遮断)と相当であった。
【0189】
c).膜結合ヒトHVEMからの事前に結合されたヒトBTLA、ヒトCD160、ヒトLIGHT、およびヒトTNFβの取り換えに対するBTLA/HVEM遮断キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体の効果
精製されたBTLA/HVEM遮断キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、48H6、11H7、および49G4が、膜結合ヒトHVEMから事前に結合されたヒトBTLA、ヒトCD160、ヒトLIGHT、およびヒトTNFβを取り替えることができるかどうかを分析するために、(HEK由来の)293F細胞の表面上に発現されたヒト全長HVEMからのヒトBTLA、ヒトCD160、ヒトLIGHT、およびヒトTNFβ(またはLTαとも呼ばれる)の取り換えに対するキメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体の効果を、FACS分析によって決定した。
【0190】
ヒト「全長」HVEMをトランスフェクションされたHEK293F細胞(クローン番号128)の生成について、実施例1aに記載する。表面ヒトHVEMをトランスフェクションされた細胞上からの事前に結合された可溶性ヒトBTLA、可溶性ヒトCD160、可溶性ヒトLIGHT、および可溶性ヒトTNFβの取り換えをFACS分析によって分析した。この目的のために、安定したヒト全長HVEMトランスフェクションされたHEK293F細胞を、50μg/mLのヒトIgG(可能なFcγ受容体を遮断する、Sigma)を補充した0.1%のBSA(Sigma)/0.05%のNaNを含有する氷冷リン酸緩衝生理食塩水(PBS/BSA/NaN)中に10×10細胞/mLで、4℃で10分間置いた。次いで、10μL/チューブ(すなわち、0.1×10細胞)のこれらの細胞を、PBS/BSA/NaN中で、50μLの2μg/mL/チューブの可溶性ビオチン化ヒトBTLA-ヒトFcγ融合タンパク質(Sino Biological Inc)とともに、もしくはそれを含まずに、20μg/mL/チューブの可溶性Hisタグ化ヒトCD160(Sino Biological Inc)とともに、2μg/mL/チューブの可溶性Hisタグ化ヒトLIGHT(Sino Biological Inc)とともに、または0.2μg/mL/チューブの可溶性ビオチン化ヒトTNFβ(Sino Biological Inc)とともに、4℃で30分間インキュベーションした。この後(すなわち、洗浄せずに)、続いて細胞を、50μLの20μg/mL/チューブの精製されたキメラマウス/ヒト抗HVEM抗体または20μg/mL/チューブのヒトIgG4/κ(Sigma)陰性アイソタイプ対照とともに4℃で30分間インキュベートした。PBS/BSA/NaNで十分に洗浄した後、細胞を、1:200希釈PE結合ストレプトアビジン(BTLAおよびTNFβを検出、Jackson ImmunoResearch)またはビオチン化マウス抗His抗体(CD160およびLIGHTを検出、R&D Systems)とともに10μg/mLで、4℃で30分間インキュベートした。PBS/BSA/NaNで十分に洗浄した後、細胞を、1:200希釈PE結合ストレプトアビジン(BTLAおよびTNFβを検出、Jackson ImmunoResearch)またはビオチン化マウス抗His抗体(CD160およびLIGHTを検出、R&D Systems)とともに10μg/mLで、4℃で30分間インキュベートした。PBS/BSA/NaNで十分に洗浄した後、細胞を、1:200希釈PE結合ストレプトアビジン(CD160およびLIGHTを検出、Jackson ImmunoResearch)とともに4℃で30分間インキュベートした。PBS/BSA/NaNで十分に洗浄した後、細胞を、PBS/BSA/NaN中の4%ホルムアルデヒド中で、4℃で30分間固定した。膜ヒトHVEM上のリガンドBTLA、CD160、LIGHTおよびTNFβの残留結合を、フローサイトメーター(モデルFACSCalibur、BD Biosciences)を使用して測定した。比較のために、10μg/mL/チューブでの精製されたBTLA/HVEM遮断マウス抗ヒトHVEM抗体対応物番号36H12、45H6、48H6、11H7、および49G4ならびに10μg/mL/チューブでのマウスIgG1(BD Biosciences)陰性アイソタイプ対照を並行して実行した。
【0191】
図7Aに示すように、BTLA/HVEM遮断キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、48H6、11H7、および49G4は、膜ヒトHVEMから事前に結合されたヒトBTLAを取り替えた(すなわち、>95%の取り換え)。
【0192】
図7Bに示すように、BTLA/HVEM遮断キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、48H6、11H7、および49G4は、膜ヒトHVEMから事前に結合されたヒトCD160を部分的に取り替えた(すなわち、
【数13】
の取り換え)。
【0193】
図7Cに示すように、BTLA/HVEM遮断キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、48H6、および49G4は、膜ヒトHVEMから事前に結合されたヒトLIGHTを取り換えなかった(すなわち、<20%の取り換え)。対照的に、BTLA/HVEM遮断キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号11H7は、膜ヒトHVEMから事前に結合されたヒトLIGHTを取り換えなかったが、驚くべきことに、膜ヒトHVEMへの事前に結合されたヒトLIGHTを増強または安定化するようであった(すなわち、
【数14】
の増強)。
【0194】
図7Dに示すように、BTLA/HVEM遮断キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、48H6、および49G4は、様々な程度に(ランク順序、番号36H12=45H6=48H6(すなわち、>90%の取り換え)>49G4(すなわち、>55%の取り換え))膜ヒトHVEMから事前に結合されたヒトTNFβを(部分的に)取り替えた。対照的に、BTLA/HVEM遮断キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号11H7は、膜ヒトHVEMから事前に結合されたヒトTNFβを取り替えないようであった(すなわち、<20%の置換)。
【0195】
(d).膜ヒトHVEM発現細胞におけるNFκBシグナル伝達に対する、BTLA/HVEM遮断キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体の効果
膜結合ヒトHVEM媒介NFκBシグナル伝達に対するキメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、48H6、11H7、および49G4の効果を分析するために、NFκB-応答要素-ルシフェラーゼ(RE-luc)ヒトHVEMバイオアッセイレポーター細胞(HEK293、Promega)を使用して、マウス抗ヒトHVEM抗体のHVEM媒介NFκBシグナル伝達を活性化する能力を検査した。
【0196】
簡潔に述べると、ヒトHVEM発現NFκB-RE-luc細胞を、平底TC処理白色固体96ウェルプレート(Corning)に35,000細胞/ウェルで播種し、37℃/5%COで一晩インキュベーションした。翌日、これらの細胞を洗浄し、続いて、0.0015~10μg/mL(3倍希釈ステップ)のキメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、48H6、11H7、および49G4とともに、またはそれらを含まずにインキュベーションした。滴定された(すなわち、0、0.0015~10μg/mL(3倍希釈ステップ))可溶性Hisタグ化ヒトLIGHT(R&D Systems)を、参照目的のために並行して実行した。37℃/5%COで6時間インキュベーションした後、ヒトHVEM発現NFκB-NFκB-RE-luc細胞におけるルシフェラーゼ産生を、ルミノメーターでBio-Glo(商標)ルシフェラーゼアッセイ系(Promega)を使用して測定した。
【0197】
図8Aに示すように、キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号48H6のみが、ヒトHVEMを発現するNFκB-RE-luc細胞において、弱い用量依存的なNFκB活性化を誘導した(すなわち、可溶性LIGHT媒介NFκB誘導と比較して)が、キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、11H7、および49G4は、ヒトHVEMを発現するNFκB-RE-luc細胞において、アゴニスト活性を示さなかったか、非常に弱いアゴニスト活性を示した(すなわち、可溶性LIGHT媒介NFκB誘導と比較して)。対照可溶性ヒトLIGHTはまた、これらのヒトHVEM発現NFκB-RE-luc細胞において用量依存的なNFκB活性化を示した。注目すべきことに、可溶性ヒトLIGHTは、細胞上で発現されたヒトHVEMを活性化することについて膜結合LIGHT発現細胞よりもはるかに強力でないことが示されている(Cheung et al.PNAS2009;106:6244-6249)。
【0198】
膜結合HVEMに対するBTLA/HVEM遮断キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、48H6、11H7、および49G4の結合親和性は、キメラ化プロセス中に変化しないままであるようであったが(実施例6aを参照されたい)、それらのヒト定常IgG4 Fc尾部を有するBTLA/HVEM遮断キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、48H6、および49G4は、明らかにNFκBシグナル伝達活性を示したそれらのマウス抗ヒトHVEM抗体IgG1対応物(実施例3aを参照されたい)とは対照的に、可溶性ヒトLIGHT/ヒトHVEM媒介NKκBシグナル伝達を模倣しなかったか、または弱くしか模倣することができなかったことは驚くべきことであった。
【0199】
(e).膜ヒトHVEM発現細胞におけるNFκBシグナル伝達に対する、架橋BTLA/HVEM遮断キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体の効果
ヒトCD40およびOX40/CD134(両方ともヒトHVEM/CD270のようなTNF受容体スーパーファミリーのメンバー)に対する抗体の架橋は、膜結合CD40およびOX40発現細胞への結合時に、それらのアゴニスト活性を増強し得る(すなわち、それぞれ、CO40LおよびOX40Lの媒介効果を模倣する)ことは周知である(Xu et al.Cancer Cell 2018;33:664-675、Zhang et al.J Biol Chem 2016;291:27134-27146)。BTLA/HVEM遮断キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、48H6、および49G4での上記の驚くべき結果(すなわち、NFκBシグナル伝達活性を明確に示したマウス抗ヒトHVEM抗体の対応物とは対照的に、可溶性ヒトLIGHT/ヒトHVEM媒介NKκBシグナル伝達を模倣しなかったか、または弱くしか模倣することができなかった(それぞれ実施例6bおよび3aを参照されたい))のために、(1)キメラマウス/ヒト、および(2)完全マウスバージョンの抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、48H6、11H7、および49G4の抗体凝集の程度を、サイズ排除クロマトグラフィー分析を使用して決定し、以下を実証した。(1)キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、48H6、11H7、および49G4について、それぞれ、2.3%、0.7%、1.2%、1.6%、および9.4%の凝集、および(2)完全マウス抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、48H6、11H7、および49G4について、それぞれ36.3%、25.8%、19.9%、12.4%、および14.8%の凝集。マウス抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、48H6、および49G4調製物における比較的高い抗体凝集度は、NFκB応答要素-ルシフェラーゼ(RE-luc)ヒトHVEMバイオアッセイレポーター細胞におけるマウス抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、48H6、および49G4のアゴニスト活性が、抗体凝集によって引き起こされる人為的効果(すなわち、抗体架橋効果を模倣する)であることを強く示唆した。この仮説を立証するために、非架橋および架橋BTLA/HVEM遮断キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、48H6、11H7、および49G4(抗体凝集度が比較的低い)を、NFκB-応答要素-ルシフェラーゼ(RE-luc)ヒトHVEMバイオアッセイレポーター細胞を使用して調べた。
【0200】
簡潔に述べると、ヒトHVEM発現NFκB-RE-luc細胞を、平底TC処理白色固体96ウェルプレート(Corning)に35,000細胞/ウェルで播種し、37℃/5%COで一晩インキュベーションした。翌日、これらの細胞を洗浄し、続いて、0.016~10μg/mL(5倍希釈ステップ)のキメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、48H6、11H7、および49G4とともに、またはそれらを含まずにインキュベーションし、それは10μg/mLの架橋ヤギ抗ヒトIgG Fcγ特異的抗体(Jackson ImmunoResearch)とともに、またはそれを含まずに、室温で15~30分間前処理された。滴定された(すなわち、0、0.016~10μg/mL(5倍希釈ステップ))可溶性Hisタグ化ヒトLIGHT(Sino Biological Inc)を、参照目的のために並行して実行した。37℃/5%COで6時間インキュベーションした後、ヒトHVEM発現NFκB-NFκB-RE-luc細胞におけるルシフェラーゼ産生を、ルミノメーターでBio-Glo(商標)ルシフェラーゼアッセイ系(Promega)を使用して測定した。
【0201】
図8Bに示すように、非架橋キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号48H6のみが、ヒトHVEMを発現するNFκB-RE-luc細胞において、弱い用量依存的なNFκB活性化を誘導した(すなわち、可溶性LIGHT媒介NFκB誘導と比較して)が、非架橋キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、11H7、および49G4は、ヒトHVEMを発現するNFκB-RE-luc細胞において、アゴニスト活性を示さなかったか、非常に弱いアゴニスト活性を示した(すなわち、可溶性LIGHT媒介NFκB誘導と比較して)。対照的に、すべての検査した架橋キメラマウス/ヒトマウス抗ヒトHVEM抗体は、NFκB-RE-luc細胞を発現するヒトHVEMにおいて用量依存的なNFκB活性化を誘導した(すなわち、可溶性LIGHT媒介NFκB誘導と比較して)。対照可溶性ヒトLIGHTはまた、これらのヒトHVEM発現NFκB-RE-luc細胞において用量依存的なNFκB活性化を示した。注目すべきことに、可溶性ヒトLIGHTは、細胞上で発現されたヒトHVEMを活性化することについて膜結合LIGHT発現細胞よりもはるかに強力でないことが示されている(Cheung et al.PNAS2009;106:6244-6249)。
【0202】
これらの結果から、非架橋キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、48H6、11H7、および49G4(抗体凝集度が比較的低い)が、可溶性ヒトLIGHT/ヒトHVEM媒介NKκBシグナル伝達を模倣しなかったか、または弱くしか模倣することができなかった一方で、架橋すると、これらのキメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、48H6、11H7、および49G4が、可溶性ヒトLIGHT/ヒトHVEM媒介NKκBシグナル伝達を模倣することができたことが実証された。注目すべきことに、可溶性ヒトLIGHTは、細胞上で発現されたヒトHVEMを活性化することについて膜結合LIGHT発現細胞よりもはるかに強力でないことが示されている(Cheung et al.PNAS2009;106:6244-6249)。
【0203】
(f).膜ヒトHVEM発現細胞における可溶性ヒトLIGHT誘導NFκBシグナル伝達に対する、BTLA/HVEM遮断キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体の効果
膜ヒトHVEM発現細胞における可溶性ヒトLIGHT誘導NFκBシグナル伝達に対するキメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、48H6、11H7、および49G4の効果を分析するために、NFκB-RE-lucヒトHVEMバイオアッセイレポーター細胞(HEK293、Promega)を使用して、マウス抗ヒトHVEM抗体の可溶性ヒトLIGHT/膜HVEM媒介NFκBシグナル伝達を干渉する(例えば、遮断する、相加効果または相乗効果)する能力を検査した。
【0204】
簡潔に述べると、ヒトHVEM発現NFκB-RE-luc細胞を、平底TC処理白色固体96ウェルプレート(Corning)に35,000細胞/ウェルで播種し、37℃/5%COで一晩インキュベーションした。翌日、これらの細胞を洗浄し、続いて、0.3μg/mLの可溶性Hisタグ化ヒトLIGHT(Sino Biological Inc)とともに0.0015~10μg/mL(3倍希釈ステップ)のキメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、48H6、11H7、および49G4とともに、またはそれらを含まずにインキュベーションした(
【数15】
、実施例2aおよび図3Aを参照されたい)。37℃/5%COで6時間インキュベーションした後、ヒトHVEM発現NFκB-NFκB-RE-luc細胞におけるルシフェラーゼ産生を、ルミノメーターでBio-Glo(商標)ルシフェラーゼアッセイ系(Promega)を使用して測定した。
【0205】
図8Cに示すように、キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、48H6、11H7、および49G4は、ヒトHVEMを発現するNFκB-RE-luc細胞における可溶性ヒトLIGHT媒介NFκB活性化に対する効果を示さなかった。
【0206】
これらの結果から、キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、48H6、11H7、および49G4が、可溶性ヒトLIGHT/ヒトHVEM媒介NKκBシグナル伝達に影響を与えることができなかったことが実証された。
【0207】
(g).膜ヒトHVEM発現細胞における可溶性ヒトTNFβ誘導NFκBシグナル伝達に対する、BTLA/HVEM遮断キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体の効果
TNFβ/LTαは、HVEMへの弱い結合を有することが報告されており、HVEM経路におけるその正確な機能的役割は依然として不明である(Cai et al.Immunol Rev 2009;229:244-258)が、TNFβ/HVEM経路が(LIGHT/HVEM経路とともに)共刺激シグナルを提供し、それが免疫応答の増強をもたらすという一般的な意見の一致が存在する(Cai et al.Immunol Rev 2009;229:244-258、Steinberg et al.Immunol Rev 2011;244:169-187、Pasero et al.Curr Opin Pharmacol 2012;12:478-485、Del Rio et al.Am J Transplant 2013;13:541-551、Schaer et al.J Immunother Cancer 2014;2:7)。
【0208】
膜ヒトHVEM発現細胞における可溶性ヒトTNFβ誘導NFκBシグナル伝達に対するキメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、48H6、11H7、および49G4の効果を分析するために、NFκB-RE-lucヒトHVEMバイオアッセイレポーター細胞(HEK293、Promega)を使用して、マウス抗ヒトHVEM抗体の可溶性ヒトTNFβ/膜HVEM媒介NFκBシグナル伝達を干渉する(例えば、遮断する、相加効果または相乗効果)する能力を検査した。
【0209】
簡潔に述べると、ヒトHVEM発現NFκB-RE-luc細胞を、平底TC処理白色固体96ウェルプレート(Corning)に32,000細胞/ウェルで播種し、37℃/5%COで一晩インキュベーションした。翌日、これらの細胞を洗浄し、続いて、0.05μg/mLの可溶性組換えヒトTNFβ(Sino Biological)とともに、0.0015~10μg/mL(3倍希釈ステップ)のキメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、48H6、11H7、および49G4とともに、またはそれらを含まずにインキュベーションした(
【数16】
図9Aを参照されたい)。滴定された(すなわち、0、0.000026~2μg/mL(5倍希釈ステップ))可溶性組換えヒトTNFβを、参照目的のために並行して実行した。37℃/5%COで6時間インキュベーションした後、ヒトHVEM発現NFκB-NFκB-RE-luc細胞におけるルシフェラーゼ産生を、ルミノメーターでBio-Glo(商標)ルシフェラーゼアッセイ系(Promega)を使用して測定した。
【0210】
図9Bに示すように、キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、48H6、11H7、および49G4は、NFκB-RE-luc細胞における可溶性ヒトTNFβ媒介NFκB活性化に対する効果を示さず、これは、比較的低レベルの膜結合ヒトHVEMを発現した(すなわち、PEコンジュゲートマウス抗ヒトHVEM抗体(クローンeBioHVEM-122、eBioscience)を使用して、1:20で、<5のシグナル対ノイズ比)。キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、48H6、11H7、および49G4が、HEK293F細胞クローン番号128への可溶性ヒトTNFβの結合を防止し、および/またはそれからの事前に結合された可溶性ヒトTNFβを取り替えたため(それぞれ、実施例5(b)および実施例5(c)を参照されたい)、この観察は、驚くべきことであり、これは比較的高いレベルの膜結合ヒトHVEMを発現した(すなわち、過剰発現、1:20でのPEコンジュゲートマウス抗ヒトHVEM抗体(クローンeBioHVEM-122、eBioscience)を使用して
【数17】
のシグナル対ノイズ比)、図1を参照されたい)。しかしながら、ヒトTNFβは、ヒトTNFR1/CD120aおよびヒトTNFR2/CD120bへの高い親和性結合を有することが報告されている(Medvedev et al.J Biol Chem 1996;16:9778-9784)。興味深いことに、HEK293細胞は、低レベルのヒトTNFR1/CD120aを内因的に発現する(Murphy et al.Cell Death Differ.1998;5:497-505、McFarlane et al.FEBS Letters 2002;515:119-126、Razonable et al.Antimicrob Agents Chemother 2005;49:1617-1621)。最も可能性が高いのは、ヒトTNFβが、これらの低HVEM+/TNFR1+共発現細胞上でこれらの「高親和性」ヒトTNFR1(「低/弱親和性」ヒトHVEMとは対照的)に優先的に結合し、それによって優先的に可溶性ヒトTNFβ/ヒトTNFR1媒介(可溶性ヒトTNFβ/ヒトHVEM媒介と葉対照的に)NFκB活性化を引き起こす。かかる条件下では、キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体は、効果がないであろう。
【0211】
これらの結果から、膜結合ヒトHVEMおよび膜結合ヒトTNFR1が細胞上で比較的低レベルで共発現される場合、キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、48H6、11H7、および49G4は、可溶性ヒトTNFβ媒介NKκBシグナル伝達に影響を与えることができなかったことが実証された。
【0212】
(h).膜ヒトBTLA/膜ヒトTCRを発現するT細胞におけるTCR誘導NFATシグナル伝達の膜ヒトBTLA/膜ヒトHVEM媒介阻害に対するBTLA/HVEM遮断キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体の効果
膜ヒトTCR誘導NFATシグナル伝達の膜ヒトBTLA/膜ヒトHVEM媒介阻害に対するキメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、48H6、11H7、および49G4の効果を分析するために、NFAT-応答要素-ルシフェラーゼ(RE-luc)ヒトBTLA/HVEM遮断バイオアッセイ(上記実施例3(c)を参照されたい)を使用して、TCR誘導NFATシグナル伝達のBTLA/HVEM媒介阻害を遮断するマウス抗ヒトHVEM抗体の能力を検査した。
【0213】
簡潔に述べると、ヒトHVEMおよびヒトTCR活性化因子を発現するCHO-K1活性化因子細胞を、平底TC処理白色固体96ウェルプレート(Corning)に40,000細胞/ウェルで播種し、37℃/5%COで一晩インキュベーションした。翌日、これらの細胞を洗浄し、続いて、0.0015~10μg/mL(3倍希釈ステップ)のキメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、48H6、11H7、および49G4とともに、またはそれらを含まずにインキュベーションした。次いで、ヒトBTLAおよびヒトTCRを発現するNFAT-RE-luc JurkatエフェクターT細胞を50,000細胞/ウェルで添加した。37℃/5%COで6時間インキュベーションした後、ヒトBTLAおよびヒトTCRを発現するNFAT-RE-luc JurkatエフェクターT細胞におけるルシフェラーゼ産生を、ルミノメーターでBio-Glo(商標)ルシフェラーゼアッセイ系(Promega)を使用して測定した。
【0214】
図10に示すように、すべての検査したキメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体は、ヒトBTLAおよびヒトTCRを発現するNFAT-RE-luc JurkatエフェクターT細胞におけるTCR誘導NFATシグナル伝達のBTLA/HVEM媒介阻害を様々な程度に(この順序で、番号45H6>49G4>11H7>36H12>>48H6)用量依存的に遮断した。
【0215】
これらの結果により、キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、48H6、11H7、および49G4が、TCR誘導NFATシグナル伝達のヒトBTLA/ヒトHVEM媒介阻害を遮断することができたことが実証された。
【0216】
(k).膜ヒトBTLA/膜ヒトTCRを発現する初代ナイーブヒトT細胞からのTCR誘導サイトカイン放出の膜ヒトBTLA/膜ヒトHVEM媒介阻害に対するBTLA/HVEM遮断キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体の効果
上述のように、LIGHTによるTリンパ球上のHVEMのライゲーションは、HVEMを介して正の共刺激シグナルを送達するが、HVEMによるTリンパ球上のBTLAの係合は、BTLAを介してTリンパ球に負の共阻害シグナルを提供する(Del Rio et al.Journal Leukocyte Biology 2010;87:223-235)。このBTLA/HVEM経路は、CD4およびCD8Tリンパ球の両方におけるTCR媒介シグナル伝達を下方調節し、Tリンパ球増殖およびサイトカイン産生の減少をもたらす。
【0217】
膜ヒトTCR誘導サイトカイン放出の膜BTLA/膜ヒトHVEM媒介阻害に対するキメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、48H6、11H7、および49G4の効果を分析するために、(1)以前に記載されたように(Chen et al.Front Immunol 2017;8:793、人工抗原提示細胞)わずかな改変を有する膜結合抗ヒトCD3(OKT3)単鎖可変断片(scFv)TCR活性化因子を一過性にトランスフェクトされた、安定したヒト全長HVEMをトランスフェクションされたHEK293F細胞(クローン番号128、上記の実施例1aを参照されたい)、および(2)膜ヒトBTLAおよび膜ヒトTCR複合体を発現する初代ヒトナイーブT細胞(レスポンダー細胞)の共培養を使用して、TCR誘導サイトカイン放出のBTLA/HVEM媒介阻害を減衰させる/逆転させるマウス抗ヒトHVEM抗体の能力を検査した(アッセイの原理については、ヒトHVEMを発現するCHO-K1人工抗原提示細胞およびヒトBTLAを発現するJurkatエフェクターT細胞を、それぞれ、ヒトHVEMを発現するHEK293F人工抗原提示細胞およびヒトBTLAを発現する初代ヒトナイーブT細胞と交換したことを除いて、図4Aも参照されたい)。
【0218】
簡潔に述べると、膜結合抗ヒトCD3(OKT3)scFvTCR活性化因子タンパク質(配列番号76)をコードするcDNAを哺乳動物発現のために最適化し、GENEART、Regensburg,Germanyによって合成した(配列番号77を参照されたい)。このcDNAを、pcDNA3.1由来の発現プラスミド中でサブクローニングした。この抗ヒトCD3(OKT3)scFvTCR活性因子タンパク質プラスミドを、FreeStyle(商標)293発現系(Life Technologies)を使用して、安定したヒト全長HVEMをトランスフェクションされたHEK293F細胞(クローン番号128、上記実施例1aを参照されたい)中にトランスフェクションした。2日後、これらのHEK293F細胞を採取し、10%のウシ胎仔血清(Capricorn)および50μg/mLのゲンタマイシン(Gibco)を含有するRPMI-1640培養培地(Gibco)中で1.0×10細胞/mLで再懸濁した。共培養する前に、一過性トランスフェクションされたヒトHVEMを発現するHEK293F細胞上での抗ヒトCD3(OKT3)scFvTCR活性化因子タンパク質表面発現(すなわち、人工抗原提示細胞として使用される)を、1:200希釈PEコンジュゲートヤギ抗ヒトIgGFcγ特異的抗体(Jackson ImmunoResearch)およびフローサイトメトリーを使用して確認した。
【0219】
健康なドナー由来のヒト末梢血単核細胞(PBMC)(インフォームドコンセント)を、リンホプレップ(商標)での密度遠心分離によって単離した(1.077g/mL、Nycomed)。続いて、ヒトTリンパ球(すなわち、CD4およびCD8)を、Dynabeads(商標)Untouched(商標)Human T Cells Kit(Invitrogen)を使用してこのPBMC画分から濃縮し、10%のウシ胎仔血清(Capricorn)および50μg/mLのゲンタマイシン(Gibco)を含有するRPMI-1640培養培地(Gibco)中に1.0×10細胞/mLで再懸濁させた。共培養する前に、濃縮されたヒトナイーブTリンパ球上でのヒトBTLA表面発現(すなわち、応答細胞として使用される)を、1:20希釈PEコンジュゲートマウス抗ヒトBTLA特異的抗体(BD Biosciences)およびフローサイトメトリーを使用して確認した。
【0220】
1.0×10細胞/mLでヒトHVEMを発現する人工抗原提示HEK293F細胞を、40μg/mLキメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、48H6、11H7、および49G4で、室温で15~30分間前処理した。並行して、40μg/mLのヒトIgG4/κ(Sigma)を陰性アイソタイプ対照として実行した。この後(すなわち、洗浄せずに)、これらのキメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体で前処理された人工抗原提示HEK293F細胞および濃縮されたヒトナイーブTリンパ球を、平底TC処理透明96ウェルプレート(Corning)中で1:1の割合(すなわち、50,000T細胞/50,000人工抗原提示細胞/200μL/ウェル)で、20μg/mLのキメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、48H6、11H7、および49G4または20μg/mLのヒトIgG4/κ(Sigma)陰性アイソタイプ対照の存在下で、37℃/5%COで2日間、0.5μg/mLの共刺激マウス抗CD28抗体(クローンCD28.2、BD Biosciences)とともに、またはそれを含まずに共培養した。2日間の培養後、上清を採取し、使用まで-80℃で冷凍した。
【0221】
初代ヒトナイーブTリンパ球からのこれらの上清中のヒトIL-2、ヒトTNFα、およびヒトIFNγの放出を、自社開発の従来のサンドイッチELISAを使用して、すなわち、(I)IL-2ELISAの場合、ラット抗ヒトIL-2モノクローナルコーティング抗体(クローンMQ1-17H12、eBioscience)、滴定されたrhuIL-2標準物質(PeproTech)、およびビオチン化ウサギ抗ヒトIL-2ポリクローナル検出抗体(eBioscience)の組み合わせを使用し、(II)TNFαELISAの場合、マウス抗ヒトTNFαモノクローナル抗体コーティング(クローンMAb11、Biolegend)、滴定されたrhuTNFα標準物質(PeproTech)、およびビオチン化マウス抗ヒトTNFαモノクローナル検出抗体(クローンMAb11、Biolegend)の組み合わせを使用し、および(III)IFNγELISAの場合、マウス抗ヒトIFNγモノクローナルコーティング抗体(クローンNIB42、eBioscience)、滴定されたrhuIFNγ標準(PeproTech)、およびビオチン化マウス抗ヒトIFNγモノクローナル検出抗体(クローン4S.B3、eBioscience)の組み合わせを使用して決定された。
【0222】
人工抗原提示HEK293F細胞または濃縮されたヒトナイーブTリンパ球からの上清は、共培養ではなく、2日間別々に培養され(すなわち、50,000人工抗原提示細胞/200μL/ウェルまたは50,000T細胞//200μL/ウェル)、測定可能なヒトIL-2、ヒトTNFα、またはヒトIFNγレベルを示さない。
【0223】
図11Aに示すように、すべての検査したキメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体は、すべての6人の健康なドナー由来の濃縮された共培養ヒトBTLA発現初代ヒトナイーブTリンパ球からのTCR/CD28誘導IL-2放出のBTLA/HVEM媒介阻害を様々な程度に(ランク順序、番号45H6>11H7>36H12>49G4>>48H6)減衰/逆転させた。加えて、キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、11H7、および49G4は、2/6の健康なドナー(すなわち、ドナーAおよびH)由来の濃縮された共培養ヒトBTLA発現初代ヒトナイーブTリンパ球からのTCR誘導IL-2放出(もしあれば)のBTLA/HVEM媒介阻害を様々な程度に(ランク順序、番号45H6>11H7>36H12>49G4)減衰/逆転させた。
【0224】
図11Bに示すように、キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、および11H7は、すべての6人の健康なドナー由来の濃縮された共培養ヒトBTLA発現初代ヒトナイーブTリンパ球からのTCR/CD28誘導TNFα放出のBTLA/HVEM媒介阻害を様々な程度に(ランク順序、番号45H6>11H7>36H12)減衰/逆転させた。加えて、キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、および11H7は、4/6の健康なドナー(すなわち、ドナーA、D、HおよびK)由来の濃縮された共培養ヒトBTLA発現初代ヒトナイーブTリンパ球からのTCR誘導TNFα放出(もしあれば)のBTLA/HVEM媒介阻害を様々な程度に(ランク順序、番号45H6>11H7=36H12)減衰/逆転させた。
【0225】
図11Cに示すように、キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、および11H7は、すべての6人の健康なドナー由来の濃縮された共培養ヒトBTLA発現初代ヒトナイーブTリンパ球からのTCR/CD28誘導IFNγ放出のBTLA/HVEM媒介阻害を様々な程度に(ランク順序、番号45H6>11H7>36H12)減衰/逆転させた。加えて、キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、および11H7は、4/6の健康なドナー(すなわち、ドナーA、D、HおよびK)由来の濃縮された共培養ヒトBTLA発現初代ヒトナイーブTリンパ球からのTCR誘導IFNγ放出(もしあれば)のBTLA/HVEM媒介阻害を様々な程度に(ランク順序、番号45H6=11H7>36H12)減衰/逆転させた。
【0226】
これらの結果より、キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、および11H7が、ヒトBTLA発現初代ナイーブヒトT細胞からのTCR/CD28誘導IL-2、TNFα、およびIFNγ放出のヒトBTLA/ヒトHVEM媒介阻害を減衰/逆転させることができたことが実証された。加えて、これらの結果より、キメラマウス/ヒト抗ヒトHVEM抗体番号36H12、45H6、および11H7が、ヒトBTLA発現初代ナイーブヒトT細胞からのTCR誘導IL-2、TNFα、およびIFNγ放出(もしあれば)のヒトBTLA/ヒトHVEM媒介阻害を減衰/逆転させることができたことが実証された。
配列の説明
配列番号1
アミノ酸配列ヒトHVEM(Swiss-Prot番号Q92956.3、aa1~283)
1 MEPPGDWGPP PWRSTPKTDV LRLVLYLTFL GAPCYAPALP SCKEDEYPVG SECCPKCSPG
61 YRVKEACGEL TGTVCEPCPP GTYIAHLNGL SKCLQCQMCD PAMGLRASRN CSRTENAVCG
121 CSPGHFCIVQ DGDHCAACRA YATSSPGQRV QKGGTESQDT LCQNCPPGTF SPNGTLEECQ
181 HQTKCSWLVT KAGAGTSSSH WVWWFLSGSL VIVIVCSTVG LIICVKRRKP RGDVVKVIVS
241 VQRKRQEAEG EATVIEALQA PPDVTTVAVE ETIPSFTGRS PNH
シグナルペプチド(aa配列1~38)、細胞外ドメイン(aa配列39~202、CRD1(aa配列42~75)、CRD2(aa配列78~119)、CRD3(aa配列121~162)、および切断CRD4(aa配列165~179)、「リンカー」(aa配列180~202)を含む)、膜貫通ドメイン(aa配列203~223)、および細胞質ドメイン(aa配列224~283)
配列番号2
ヒトHVEMタンパク質をコードするcDNA配列(哺乳動物発現のために最適化)
1 ATGGAGCCCC CTGGCGATTG GGGACCTCCA CCTTGGAGAA GCACCCCCAA GACCGACGTG
61 CTGCGGCTGG TGCTGTACCT GACCTTTCTG GGCGCTCCCT GTTACGCCCC TGCCCTGCCT
121 AGCTGCAAAG AGGACGAGTA CCCTGTGGGC AGCGAGTGCT GCCCTAAGTG CAGCCCTGGC
181 TACAGAGTGA AAGAGGCCTG CGGCGAGCTG ACCGGCACCG TGTGTGAACC TTGTCCCCCT
241 GGCACCTATA TCGCCCACCT GAACGGCCTG AGCAAGTGCC TGCAGTGCCA GATGTGCGAC
301 CCCGCTATGG GCCTGAGAGC CAGCAGAAAC TGCAGCCGGA CCGAGAATGC CGTGTGCGGC
361 TGTTCTCCTG GCCACTTCTG CATCGTGCAG GACGGCGATC ACTGCGCCGC CTGTAGAGCC
421 TACGCCACAT CTAGCCCAGG CCAGAGAGTG CAGAAGGGCG GCACCGAGAG CCAGGATACC
481 CTGTGCCAGA ATTGCCCTCC CGGCACCTTC AGCCCCAACG GCACACTGGA AGAGTGCCAG
541 CACCAGACCA AGTGCAGCTG GCTCGTGACC AAAGCCGGCG CTGGCACAAG CAGCTCTCAC
601 TGGGTGTGGT GGTTTCTGAG CGGCAGCCTC GTGATCGTGA TTGTGTGCAG CACCGTGGGC
661 CTGATCATCT GCGTGAAGCG GAGAAAGCCC AGAGGCGACG TCGTGAAAGT GATCGTGTCC
721 GTGCAGCGGA AGCGGCAGGA AGCCGAAGGC GAGGCCACAG TGATTGAGGC CCTGCAGGCT
781 CCCCCTGACG TGACAACAGT GGCCGTGGAA GAGACAATCC CCAGCTTCAC CGGCAGATCC
841 CCCAACCAC
配列番号3
アミノ酸配列CRD1切断ヒトHVEM
1 MEWSGVFMFL LSVTAGVHSE PCPPGTYIAH LNGLSKCLQC QMCDPAMGLR ASRNCSRTEN
61 AVCGCSPGHF CIVQDGDHCA ACRAYATSSP GQRVQKGGTE SQDTLCQNCP PGTFSPNGTL
121 EECQHQTKCS WLVTKAGAGT SSSHWVWWFL SGSLVIVIVC STVGLIICVK RRKPRGDVVK
181 VIVSVQRKRQ EAEGEATVIE ALQAPPDVTT VAVEETIPSF TGRSPNH
マウスIgシグナルペプチド(aa配列1~19)、細胞外ドメイン(aa配列20~146、CRD2(aa配列22~63)、CRD3(aa配列65~106)、および切断CRD4(aa配列109~123)、「リンカー」断片(aa配列124~146)を含む)、膜貫通ドメイン(aa配列147~167)、および細胞質ドメイン(aa配列168~227)
配列番号4
CRD1切断ヒトHVEMタンパク質をコードするcDNA配列(哺乳動物発現のために最適化)
1 ATGGAGTGGA GCGGCGTGTT CATGTTCCTG CTGAGCGTGA CAGCCGGCGT GCACAGCGAA
61 CCTTGTCCCC CTGGCACCTA TATCGCCCAC CTGAACGGCC TGAGCAAGTG CCTGCAGTGC
121 CAGATGTGCG ACCCCGCTAT GGGCCTGAGA GCCAGCAGAA ACTGCAGCCG GACCGAGAAT
181 GCCGTGTGCG GCTGTTCTCC TGGCCACTTC TGCATCGTGC AGGACGGCGA TCACTGCGCC
241 GCCTGTAGAG CCTACGCCAC ATCTAGCCCT GGCCAGAGAG TGCAGAAGGG CGGCACCGAG
301 AGCCAGGATA CCCTGTGCCA GAATTGCCCT CCCGGCACCT TCAGCCCCAA CGGCACACTG
361 GAAGAGTGCC AGCACCAGAC CAAGTGCAGC TGGCTCGTGA CCAAAGCCGG CGCTGGCACA
421 AGCAGCTCTC ACTGGGTGTG GTGGTTTCTG AGCGGCAGCC TCGTGATCGT GATTGTGTGC
481 AGCACCGTGG GCCTGATCAT CTGCGTGAAG CGGAGAAAGC CCAGAGGCGA CGTCGTGAAA
541 GTGATCGTGT CCGTGCAGCG GAAGCGGCAG GAAGCCGAAG GCGAGGCCAC AGTGATTGAG
601 GCCCTGCAGG CTCCCCCTGA CGTGACAACA GTGGCCGTGG AAGAGACAAT CCCCAGCTTC
661 ACCGGCAGAT CCCCCAACCA C
配列番号5
アミノ酸配列カニクイザルHVEM(NCBI参照配列:XP_005545061.1、aa1~280)
1 MEPPGGWGSP PRRPAPKADI LTLVLYLTFL GSPCYAPALP SCKEDEYPVG SECCPKCGPG
61 FHVRQACGEQ TGTVCEPCSP GTYIAHFNGL SKCLQCQMCD PAMGLRTSRN CSTTANALCG
121 CSPGHFCIIQ DGDHCAACRA YATSSPGQRV QKGGTESQDT LCQNCPPGTF SSNGTLEECQ
181 HGTKCSKWLV TEAGPGTSSF RWVWWLLSGT LIVIIVGLIL GLIYVKRRKS RGDVVKVIVS
241 VQRKRQEAEG EAIVTEALQA PPDITTVAVE ETEPAFTGRS
配列番号6
カニクイザルHVEMタンパク質をコードするcDNA配列(哺乳動物発現のために最適化)
1 ATGGAGCCTC CAGGCGGATG GGGATCTCCC CCAAGAAGGC CTGCCCCCAA GGCCGATATC
61 CTGACCCTGG TGCTGTACCT GACCTTCCTG GGCAGCCCTT GTTACGCCCC TGCCCTGCCT
121 AGCTGCAAAG AGGACGAGTA CCCTGTGGGC AGCGAGTGCT GCCCTAAGTG CGGCCCTGGA
181 TTTCATGTGC GGCAGGCCTG TGGCGAGCAG ACCGGCACAG TGTGCGAGCC TTGTAGCCCC
241 GGCACCTATA TCGCCCACTT CAACGGCCTG AGCAAGTGCC TGCAGTGCCA GATGTGCGAC
301 CCCGCTATGG GCCTGCGGAC CAGCAGAAAT TGCAGCACCA CCGCCAATGC CCTGTGCGGC
361 TGTTCTCCTG GCCACTTCTG CATTATTCAG GACGGCGACC ACTGCGCCGC CTGCAGAGCC
421 TATGCCACAT CTAGCCCTGG CCAGCGGGTG CAGAAGGGCG GAACAGAGTC TCAGGACACC
481 CTGTGCCAGA ACTGCCCCCC TGGCACCTTC AGCAGCAACG GCACCCTGGA AGAGTGCCAG
541 CACGGCACCA AGTGCAGCAA GTGGCTCGTG ACAGAGGCCG GACCTGGCAC CAGCAGCTTC
601 AGATGGGTGT GGTGGCTGCT GAGCGGCACA CTGATCGTGA TCATCGTGGG CCTGATCCTG
661 GGACTGATCT ACGTGAAGCG GCGGAAGTCC AGAGGCGACG TCGTGAAAGT GATCGTGTCC
721 GTGCAGCGGA AGAGACAGGA AGCCGAGGGC GAGGCCATTG TGACCGAAGC CCTGCAGGCC
781 CCTCCCGACA TTACAACCGT GGCCGTGGAA GAAACCGAGC CCGCCTTTAC CGGCAGATCC
配列番号7
PCRプライマー
ATGAAGTTGCCTGTTAGGCTGTTGGTGCTG
配列番号8
PCRプライマー
ATGGATTTWCAGGTGCAGATTWTCAGCTTC
配列番号9
PCRプライマー
ATGGGCWTCAAAGATGGAGTCACA
配列番号10
PCRプライマー
ACTGGATGGTGGGAAGATGG
配列番号11
PCRプライマー
ATGAAATGCAGCTGGGGCATSTTCTTC
配列番号12
PCRプライマー
ATGRACTTTGGGYTCAGCTTGRTTT
配列番号13
PCRプライマー
ATGGGACTCCAGGCTCAATTTAGTTTTCCTT
配列番号14
PCRプライマー
ATGGCTTGTCYTTRGSGCTRCTCTTCTGC
配列番号15
PCRプライマー
CAGTGGATAGACAGATGGGGG
配列番号16
マウス抗ヒトHVEM抗体36H12の重鎖可変領域のコンセンサスアミノ酸配列
1 EVQLQQSGAG LVKPGASVKL SCTASGFNIK DTYMHWVRQR PEQGLEWIGR IDPATANTKY
61 DPKFQGKATL TTDTSSNTAY LQLSSLTSED TAVYYCVTYG YDVSWFAYWG LGALVTVSA
配列番号17
マウス抗ヒトHVEM抗体36H12の軽鎖可変領域のコンセンサスアミノ酸配列
1 DVLMTQTPLS LPVSLGDQAS ISCRSSQSIV HSNGITYLEW YLQKPGQSPK LLIYKVSNRF
61 SGVPDRFSGS GSGTDFTLKI SRVEAEDLGV YYCFQGSHVP LTFGAGTKLE LK
マウス抗ヒトHVEM抗体36H12の相補性決定領域(CDR):配列番号18~23
配列番号18
アミノ酸配列 36H12の重鎖CDR1
DTYMH
配列番号19
アミノ酸配列 36H12の重鎖CDR2
RIDPATANTKYDPKFQG
配列番号20
アミノ酸配列 36H12の重鎖CDR3
YGYDVSWFAY
配列番号21
アミノ酸配列 36H12の軽鎖CDR1
RSSQSIVHSNGITYLE
配列番号22
アミノ酸配列 36H12の軽鎖CDR2
KVSNRFS
配列番号23
アミノ酸配列 36H12の軽鎖CDR3
FQGSHVPLT
配列番号24
マウス抗ヒトHVEM抗体45H6の重鎖可変領域のコンセンサスアミノ酸配列
1 DVQLVESGGG LVQPGGSRKL SCAASGFTFS SFGMHWVRQA PEKGLEWVAY ISSGNSNIYY
61 VDTVKGRFTI SRDNPKNTLF LQMTSLRSED TAMYYCARKR AYGDYSGFSM DYWGQGTSVT
121 VSS
配列番号25
マウス抗ヒトHVEM抗体45H6の軽鎖可変領域のコンセンサスアミノ酸配列
1 DIVMTQSQKF MSTSVGDRVS VTCKASQNVD TNVAWYQQKP GQSPKALIYS ASYRYSGVPD
61 RFTGSGSGTD FTLTISNVQS EDLAEYFCQQ YNKFPLTFGG GTKLEIK
マウス抗ヒトHVEM抗体45H6の相補性決定領域(CDR):
配列番号26~31
配列番号26
アミノ酸配列 45H6の重鎖CDR1
SFGMH
配列番号27
アミノ酸配列 45H6の重鎖CDR2
YISSGNSNIYYVDTVKG
配列番号28
アミノ酸配列 45H6の重鎖CDR3
KRAYGDYSGFSMDY
配列番号29
アミノ酸配列 45H6の軽鎖CDR1
KASQNVDTNVA
配列番号30
アミノ酸配列 45H6の軽鎖CDR2
SASYRYS
配列番号31
アミノ酸配列 45H6の軽鎖CDR3
QQYNKFPLT
配列番号32
マウス抗ヒトHVEM抗体48H6の重鎖可変領域のコンセンサスアミノ酸配列
1 EVKLVESGGG LVKPGGSLKL SCAASGFTFS GYAMSWVRQT PEKRLEWVAS ISSGGSTYYP
61 DSVKGRFTIP RDDARNILYL QMSSLRSEDT AIYYCARGGH GSSYVYWGQG TTLTVSS
配列番号33
マウス抗ヒトHVEM抗体48H6の軽鎖可変領域のコンセンサスアミノ酸配列
1 DIVMSQSPSS LAVSVGEKVT MSCKSSQSLL YSSNQKNYLA WYQQKPGQSP KLLIYWASTR
61 ESGVPDRFTG SGSGTDFTLT ISSVKAEDLA VYYCHQYYSY PLTFGAGTKL ELN
マウス抗ヒトHVEM抗体48H6の相補性決定領域(CDR):
配列番号34~39
配列番号34
アミノ酸配列 48H6の重鎖CDR1
GYAMS
配列番号35
アミノ酸配列 48H6の重鎖CDR2
SISSGGSTYYPDSVKG
配列番号36
アミノ酸配列 48H6の重鎖CDR3
GGHGSSYVY
配列番号37
アミノ酸配列 48H6の軽鎖CDR1
KSSQSLLYSSNQKNYLA
配列番号38
アミノ酸配列 48H6の軽鎖CDR2
WASTRES
配列番号39
アミノ酸配列 48H6の軽鎖CDR3
HQYYSYPLT
配列番号40
マウス抗ヒトHVEM抗体11H7の重鎖可変領域のコンセンサスアミノ酸配列
1 QVQLKQSGPG LVQPSQSLSI TCTVSGFSLT IYGVHWVRQS PGKGLEWLGV IWSGGSTDYN
61 AAFISRLSIS KDNSKSQVFF KMNSLQANDT AIYYCARRDY GSRSFYYAMD YWGQGTSVTV
121 SS
配列番号41
マウス抗ヒトHVEM抗体11H7の軽鎖可変領域のコンセンサスアミノ酸配列
1 EIVLTQSPAL MAASPGEKVT ITCSVSSSIS SSNLHWYQQK SETSPKPWIY GTSNLASGVP
61 VRFSGSGSGT SYSLTISSME AEDAATYYCQ QWSSYPLTFG GGTKLEIK
マウス抗ヒトHVEM抗体11H7の相補性決定領域(CDR):
配列番号42~47
配列番号42
アミノ酸配列 11H7の重鎖CDR1
IYGVH
配列番号43
アミノ酸配列 11H7の重鎖CDR2
VIWSGGSTDYNAAFIS
配列番号44
アミノ酸配列 11H7の重鎖CDR3
RDYGSRSFYYAMDY
配列番号45
アミノ酸配列 11H7の軽鎖CDR1
SVSSSISSSNLH
配列番号46
アミノ酸配列 11H7の軽鎖CDR2
GTSNLAS
配列番号47
アミノ酸配列 11H7の軽鎖CDR3
QQWSSYPLT
配列番号48
マウス抗ヒトHVEM抗体49G4の重鎖可変領域のコンセンサスアミノ酸配列
1 EVQLQQSGAE LVKPGASVKL SCRASGFNIK DTYMHWVKQR PEQGLEWIGR IDPARGNTKY
61 DPKFQGKATI TADTSSNTAY LQLSSLTSED TAVYYCASAM DYWGQGTSVT VSS
配列番号49
マウス抗ヒトHVEM抗体49G4の軽鎖可変領域のコンセンサスアミノ酸配列
1 DVLMTQTPLS LPVSLGDQAS ISCRSSQSIV HSNGNTYLEW FLQKPGQSPK LLIYKVSNRF
61 SGVPDRFSGS GSGTDFTLKI SRVEAEDLGV YYCFQGSHVP LTFGAGTKLE LK
マウス抗ヒトHVEM抗体49G4の相補性決定領域(CDR):
配列番号50~55
配列番号50
アミノ酸配列 49G4の重鎖CDR1
DTYMH
配列番号51
アミノ酸配列 49G4の重鎖CDR2
RIDPARGNTKYDPKFQG
配列番号52
アミノ酸配列 49G4の重鎖CDR3
AMDY
配列番号53
アミノ酸配列 49G4の軽鎖CDR1
RSSQSIVHSNGNTYLE
配列番号54
アミノ酸配列 49G4の軽鎖CDR2
KVSNRFS
配列番号55
アミノ酸配列 49G4の軽鎖CDR3
FQGSHVPLT
配列番号56
キメラマウスVH 36H12およびヒト定常重IgG4鎖をコードするcDNA配列
1 ATGGAGCTGG GCCTGAGCTG GATTTTTCTG CTGGCCATCC TGAAGGGCGT GCAGTGCGAA
61 GTTCAGCTGC AGCAATCTGG CGCCGGACTG GTTAAGCCTG GCGCCTCTGT GAAGCTGAGC
121 TGTACCGCCA GCGGCTTCAA CATCAAGGAC ACCTACATGC ACTGGGTCCG ACAGAGGCCT
181 GAGCAGGGAC TCGAATGGAT CGGCAGAATC GATCCCGCCA CCGCCAACAC CAAATACGAC
241 CCCAAGTTCC AGGGCAAAGC CACACTGACC ACCGACACCA GCAGCAACAC AGCCTACCTG
301 CAGCTGTCTA GCCTGACCAG CGAAGATACC GCCGTGTACT ACTGCGTGAC CTACGGCTAC
361 GATGTGTCTT GGTTTGCCTA CTGGGGACTG GGCGCCCTGG TTACAGTTTC TGCCGCCTCT
421 ACAAAGGGCC CCAGCGTTTT CCCACTGGCT CCCTGTAGCA GAAGCACCAG CGAATCTACA
481 GCCGCTCTGG GCTGCCTGGT CAAGGACTAC TTTCCTGAGC CTGTGACCGT GTCCTGGAAC
541 TCTGGCGCTC TGACATCTGG CGTGCACACC TTTCCAGCCG TGCTGCAAAG CAGCGGCCTG
601 TACTCTCTGA GCAGCGTGGT CACAGTGCCT AGCTCTAGCC TGGGCACCAA GACCTACACC
661 TGTAATGTGG ACCACAAGCC TAGCAACACC AAGGTGGACA AGCGCGTGGA ATCTAAGTAC
721 GGCCCTCCTT GTCCTCCATG TCCTGCACCT GAGTTTCTCG GCGGACCCTC CGTGTTCCTG
781 TTTCCTCCAA AGCCTAAGGA CACCCTGATG ATCAGCAGAA CCCCTGAAGT GACCTGCGTG
841 GTGGTGGACG TTTCCCAAGA GGACCCTGAG GTGCAGTTCA ATTGGTACGT GGACGGCGTG
901 GAAGTGCACA ACGCCAAGAC CAAGCCTAGA GAGGAACAGT TCAACAGCAC CTACAGAGTG
961 GTGTCCGTGC TGACAGTGCT GCACCAGGAT TGGCTGAACG GCAAAGAGTA CAAGTGCAAG
1021 GTGTCCAACA AGGGCCTGCC TAGCAGCATC GAGAAAACCA TCAGCAAGGC CAAGGGCCAG
1081 CCAAGAGAAC CCCAGGTGTA CACACTGCCT CCAAGCCAAG AGGAAATGAC CAAGAACCAG
1141 GTGTCCCTGA CCTGCCTCGT GAAGGGCTTC TACCCTTCCG ATATCGCCGT GGAATGGGAG
1201 AGCAATGGCC AGCCTGAGAA CAACTACAAG ACAACCCCTC CTGTGCTGGA CAGCGACGGC
1261 TCATTCTTCC TGTACAGCAG ACTGACCGTG GACAAGAGCA GATGGCAAGA GGGCAACGTG
1321 TTCTCCTGCA GCGTGATGCA CGAGGCCCTG CACAACCACT ACACCCAGAA GTCTCTGTCC
1381 CTGTCTCTGG GCAAG
配列番号57
キメラマウスVH 45H6およびヒト定常重IgG4鎖をコードするcDNA配列
1 ATGGAGCTGG GCCTGAGCTG GATTTTTCTG CTGGCCATCC TGAAGGGCGT GCAGTGTGAT
61 GTGCAGCTGG TGGAATCTGG CGGAGGACTG GTTCAACCTG GCGGCAGCAG AAAGCTGTCT
121 TGTGCCGCCA GCGGCTTCAC CTTCAGCAGC TTTGGAATGC ACTGGGTCCG ACAGGCCCCT
181 GAGAAAGGCC TTGAGTGGGT CGCCTACATC AGCAGCGGCA ACAGCAACAT CTACTACGTG
241 GACACCGTGA AGGGCAGATT CACCATCTCC AGAGACAACC CCAAGAATAC CCTGTTCCTG
301 CAGATGACCA GCCTGCGGAG CGAGGATACC GCCATGTACT ACTGCGCCCG GAAAAGAGCC
361 TACGGCGACT ACAGCGGCTT TAGCATGGAT TACTGGGGCC AGGGCACCAG CGTGACAGTG
421 TCTAGCGCCT CTACAAAGGG CCCTAGCGTG TTCCCTCTGG CTCCTTGTAG CAGAAGCACC
481 AGCGAGTCTA CAGCCGCTCT GGGCTGTCTG GTCAAGGACT ACTTTCCCGA GCCTGTGACC
541 GTGTCCTGGA ATTCTGGCGC TCTGACAAGC GGCGTGCACA CCTTTCCAGC TGTGCTGCAA
601 AGCAGCGGCC TGTACTCTCT GAGCAGCGTG GTCACAGTGC CTAGCTCTAG CCTGGGCACC
661 AAGACCTACA CCTGTAATGT GGACCACAAG CCTAGCAACA CCAAGGTGGA CAAGCGCGTG
721 GAATCTAAGT ACGGCCCTCC TTGTCCTCCA TGTCCTGCTC CAGAGTTTCT CGGCGGACCC
781 TCCGTGTTCC TGTTTCCTCC AAAGCCTAAG GACACCCTGA TGATCAGCAG AACCCCTGAA
841 GTGACCTGCG TGGTGGTGGA CGTTTCCCAA GAGGACCCTG AGGTGCAGTT CAATTGGTAC
901 GTGGACGGCG TGGAAGTGCA CAACGCCAAG ACCAAGCCTA GAGAGGAACA GTTCAACAGC
961 ACCTACAGAG TGGTGTCCGT GCTGACCGTG CTGCACCAGG ATTGGCTGAA CGGCAAAGAG
1021 TACAAGTGCA AGGTGTCCAA CAAGGGCCTG CCTAGCAGCA TCGAGAAAAC CATCAGCAAG
1081 GCCAAGGGCC AGCCAAGAGA ACCCCAGGTG TACACACTGC CTCCAAGCCA AGAGGAAATG
1141 ACCAAGAACC AGGTGTCCCT GACCTGCCTG GTTAAGGGCT TCTACCCCTC CGATATCGCC
1201 GTGGAATGGG AGAGCAATGG CCAGCCTGAG AACAACTACA AGACCACACC ACCTGTGCTG
1261 GACAGCGACG GCTCATTCTT CCTGTACAGC AGACTGACCG TGGACAAGAG CAGATGGCAA
1321 GAGGGCAACG TGTTCAGCTG CAGCGTGATG CACGAGGCCC TGCACAACCA CTACACCCAG
1381 AAGTCTCTGA GCCTGTCTCT GGGCAAG
配列番号58
キメラマウスVH 48H6およびヒト定常重IgG4鎖をコードするcDNA配列
1 ATGGAGCTGG GCCTGAGCTG GATTTTTCTG CTGGCCATCC TGAAGGGCGT GCAGTGCGAA
61 GTGAAGCTGG TGGAATCTGG CGGCGGACTG GTTAAGCCTG GCGGATCTCT GAAGCTGAGC
121 TGTGCCGCCA GCGGCTTTAC CTTTAGCGGC TACGCCATGA GCTGGGTCCG ACAGACACCC
181 GAGAAGAGAC TGGAATGGGT CGCCAGCATC AGCAGCGGCG GCAGCACATA TTACCCCGAC
241 TCTGTGAAGG GCCGCTTTAC AATCCCCAGA GATGACGCCC GGAACATCCT GTACCTGCAG
301 ATGAGCAGCC TGCGGAGCGA GGATACCGCC ATCTACTATT GTGCCAGAGG CGGCCACGGC
361 AGCAGCTATG TTTATTGGGG CCAGGGCACC ACACTGACCG TGTCTAGCGC CTCTACAAAG
421 GGCCCTAGCG TGTTCCCTCT GGCTCCTTGT AGCAGAAGCA CCAGCGAGTC TACAGCCGCT
481 CTGGGCTGTC TGGTCAAGGA CTACTTTCCC GAGCCTGTGA CAGTGTCCTG GAACTCTGGC
541 GCTCTGACAA GCGGCGTGCA CACATTTCCA GCCGTGCTGC AAAGCAGCGG CCTGTACTCT
601 CTGAGCAGCG TGGTCACAGT GCCTAGCTCT AGCCTGGGCA CCAAGACCTA CACCTGTAAT
661 GTGGACCACA AGCCTAGCAA CACCAAGGTG GACAAGCGCG TGGAATCTAA GTACGGCCCT
721 CCTTGTCCTC CATGTCCTGC ACCTGAGTTT CTCGGCGGAC CCTCCGTGTT CCTGTTTCCT
781 CCAAAGCCTA AGGACACCCT GATGATCAGC AGAACCCCTG AAGTGACCTG CGTGGTGGTG
841 GACGTTTCCC AAGAGGACCC TGAGGTGCAG TTCAATTGGT ACGTGGACGG CGTGGAAGTG
901 CACAACGCCA AGACCAAGCC TAGAGAGGAA CAGTTCAACA GCACCTACAG AGTGGTGTCC
961 GTGCTGACAG TGCTGCACCA GGATTGGCTG AACGGCAAAG AGTACAAGTG CAAGGTGTCC
1021 AACAAGGGCC TGCCTAGCAG CATCGAGAAA ACCATCAGCA AGGCCAAGGG CCAGCCAAGA
1081 GAACCCCAGG TGTACACACT GCCTCCAAGC CAAGAGGAAA TGACCAAGAA CCAGGTGTCC
1141 CTGACCTGCC TCGTGAAGGG CTTCTACCCT TCCGATATCG CCGTGGAATG GGAGAGCAAT
1201 GGCCAGCCTG AGAACAACTA CAAGACAACC CCTCCTGTGC TGGACAGCGA CGGCTCATTC
1261 TTCCTGTACA GCAGGCTGAC CGTGGACAAG AGCAGATGGC AAGAGGGCAA CGTGTTCAGC
1321 TGCAGCGTGA TGCACGAGGC CCTGCACAAC CACTACACCC AGAAGTCTCT GAGCCTGTCT
1381 CTGGGCAAG
配列番号59
キメラマウスVH 11H7およびヒト定常重IgG4鎖をコードするcDNA配列
1 ATGGAGCTGG GCCTGAGCTG GATTTTTCTG CTGGCCATCC TGAAGGGCGT GCAGTGTCAG
61 GTGCAGCTGA AGCAGTCTGG ACCTGGACTG GTGCAGCCTA GCCAGAGCCT GAGCATCACC
121 TGTACCGTGT CCGGCTTCAG CCTGACCATC TATGGCGTGC ACTGGGTCCG ACAGAGCCCT
181 GGCAAAGGAC TGGAATGGCT GGGAGTGATT TGGAGCGGCG GCAGCACCGA TTACAACGCC
241 GCCTTTATCA GCAGACTGAG CATCTCCAAG GACAACAGCA AGAGCCAGGT GTTCTTCAAG
301 ATGAACTCCC TGCAGGCCAA CGACACCGCC ATCTACTACT GCGCCAGAAG AGACTACGGC
361 AGCCGGTCCT TCTACTACGC TATGGACTAT TGGGGCCAGG GCACCAGCGT GACAGTGTCT
421 AGCGCCTCTA CAAAGGGCCC TAGCGTGTTC CCTCTGGCTC CTTGTAGCAG AAGCACCAGC
481 GAGTCTACAG CCGCTCTGGG CTGTCTGGTC AAGGACTACT TTCCCGAGCC AGTGACCGTG
541 TCCTGGAATT CTGGCGCTCT GACAAGCGGC GTGCACACCT TTCCAGCTGT GCTGCAAAGC
601 AGCGGCCTGT ACTCTCTGAG CAGCGTGGTC ACAGTGCCTA GCTCTAGCCT GGGCACCAAG
661 ACCTACACCT GTAATGTGGA CCACAAGCCT AGCAACACCA AGGTGGACAA GCGCGTGGAA
721 TCTAAGTACG GCCCTCCTTG TCCTCCATGT CCTGCTCCAG AGTTTCTCGG CGGACCCTCC
781 GTGTTCCTGT TTCCTCCAAA GCCTAAGGAC ACCCTGATGA TCAGCAGAAC CCCTGAAGTG
841 ACCTGCGTGG TGGTGGACGT TTCCCAAGAG GACCCTGAGG TGCAGTTCAA TTGGTACGTG
901 GACGGCGTGG AAGTGCACAA CGCCAAGACC AAGCCTAGAG AGGAACAGTT CAACAGCACC
961 TACAGAGTGG TGTCCGTGCT GACCGTGCTG CATCAGGATT GGCTGAACGG CAAAGAGTAC
1021 AAGTGCAAGG TGTCCAACAA GGGCCTGCCT AGCAGCATCG AGAAAACCAT CAGCAAGGCC
1081 AAGGGCCAGC CAAGAGAACC CCAGGTGTAC ACACTGCCTC CAAGCCAAGA GGAAATGACC
1141 AAGAATCAGG TGTCCCTGAC CTGCCTCGTG AAGGGCTTCT ACCCTTCCGA TATCGCCGTG
1201 GAATGGGAGA GCAATGGCCA GCCTGAGAAC AACTACAAGA CAACCCCTCC TGTGCTGGAC
1261 AGCGACGGCT CATTCTTCCT GTACTCCAGA CTGACCGTGG ACAAGAGCAG ATGGCAAGAG
1321 GGCAACGTGT TCAGCTGCTC CGTGATGCAC GAGGCCCTGC ACAACCACTA CACCCAGAAG
1381 TCCCTGAGCC TGTCTCTGGG CAAA
配列番号60
キメラマウスVH 49G4およびヒト定常重IgG4鎖をコードするcDNA配列
1 ATGGAGCTGG GCCTGAGCTG GATTTTTCTG CTGGCCATCC TGAAGGGCGT GCAGTGCGAA
61 GTTCAGCTGC AGCAGTCTGG CGCCGAGCTT GTGAAACCTG GCGCCTCTGT GAAGCTGAGC
121 TGTAGAGCCA GCGGCTTCAA CATCAAGGAC ACCTACATGC ACTGGGTCAA GCAGAGGCCT
181 GAGCAGGGCC TCGAATGGAT CGGCAGAATC GATCCCGCCA GAGGCAACAC CAAATACGAC
241 CCCAAGTTCC AGGGCAAAGC CACCATCACC GCCGACACCT CTAGCAACAC AGCCTACCTG
301 CAGCTGTCCA GCCTGACCTC TGAAGATACC GCCGTGTACT ACTGCGCCAG CGCTATGGAT
361 TATTGGGGCC AGGGCACAAG CGTGACCGTG TCTAGCGCCT CTACAAAGGG CCCTAGCGTG
421 TTCCCACTGG CTCCCTGTAG CAGAAGCACC AGCGAATCTA CAGCCGCTCT GGGCTGCCTG
481 GTCAAGGACT ACTTTCCTGA GCCTGTGACA GTGTCCTGGA ACTCTGGCGC TCTGACAAGC
541 GGCGTGCACA CATTTCCAGC CGTGCTGCAA AGCAGCGGCC TGTACTCTCT GAGCAGCGTG
601 GTCACAGTGC CTAGCTCTAG CCTGGGCACC AAGACCTACA CCTGTAATGT GGACCACAAG
661 CCTTCCAACA CCAAGGTGGA CAAGCGCGTG GAATCTAAGT ACGGCCCTCC TTGTCCTCCA
721 TGTCCTGCAC CTGAGTTTCT CGGCGGACCC TCCGTGTTCC TGTTTCCTCC AAAGCCTAAG
781 GACACCCTGA TGATCAGCAG AACCCCTGAA GTGACCTGCG TGGTGGTGGA CGTTTCCCAA
841 GAGGACCCTG AGGTGCAGTT CAATTGGTAC GTGGACGGCG TGGAAGTGCA CAACGCCAAG
901 ACCAAGCCTA GAGAGGAACA GTTCAACAGC ACCTACAGAG TGGTGTCCGT GCTGACAGTG
961 CTGCACCAGG ATTGGCTGAA CGGCAAAGAG TACAAGTGCA AGGTGTCCAA CAAGGGCCTG
1021 CCTAGCAGCA TCGAGAAAAC CATCAGCAAG GCCAAGGGCC AGCCAAGAGA ACCCCAGGTG
1081 TACACACTGC CTCCAAGCCA AGAGGAAATG ACCAAGAACC AGGTGTCCCT GACCTGCCTC
1141 GTGAAGGGCT TCTACCCTTC CGATATCGCC GTGGAATGGG AGAGCAATGG CCAGCCTGAG
1201 AACAACTACA AGACAACCCC TCCTGTGCTG GACTCCGACG GCTCATTCTT CCTGTACAGC
1261 AGACTGACCG TGGACAAGAG CAGATGGCAA GAGGGCAACG TGTTCTCCTG CAGCGTGATG
1321 CACGAAGCCC TGCACAACCA CTACACCCAG AAGTCTCTGT CCCTGTCTCT GGGCAAG
配列番号61
キメラマウスVL 36H12およびヒト定常軽κ鎖をコードするcDNA配列
1 ATGGACATGA GAGTTCCCGC TCAGCTGCTG GGACTGCTGC TGCTTTGGTT TCCTGGCGCT
61 AGATGCGACG TGCTGATGAC CCAGACACCT CTGAGCCTGC CTGTGTCTCT GGGAGATCAG
121 GCCAGCATCA GCTGCAGATC CAGCCAGAGC ATCGTGCACA GCAACGGCAT CACCTACCTG
181 GAATGGTATC TGCAGAAGCC CGGACAGAGC CCCAAGCTGC TGATCTACAA GGTGTCCAAC
241 CGGTTCAGCG GCGTGCCCGA TAGATTTTCT GGCAGCGGCT CTGGCACCGA CTTCACCCTG
301 AAGATCTCCA GAGTGGAAGC CGAGGACCTG GGCGTGTACT ACTGCTTCCA AGGCTCTCAC
361 GTGCCCCTGA CATTTGGAGC CGGCACCAAG CTGGAACTGA AGAGAACAGT GGCCGCTCCT
421 AGCGTGTTCA TCTTCCCACC TTCCGACGAG CAGCTGAAAA GCGGCACAGC CTCTGTCGTG
481 TGCCTGCTGA ACAACTTCTA CCCCAGAGAA GCCAAGGTGC AGTGGAAGGT GGACAACGCC
541 CTGCAGAGCG GCAATAGCCA AGAGAGCGTG ACCGAGCAGG ACAGCAAGGA CTCTACCTAC
601 AGCCTGAGCA GCACCCTGAC ACTGAGCAAG GCCGACTACG AGAAGCACAA AGTGTACGCC
661 TGCGAAGTGA CCCACCAGGG CCTTTCTAGC CCTGTGACCA AGAGCTTCAA CCGGGGCGAA
721 TGT
配列番号62
キメラマウスVL 45H6およびヒト定常軽κ鎖をコードするcDNA配列
1 ATGGACATGA GAGTTCCCGC TCAGCTGCTG GGACTGCTGC TGCTTTGGTT TCCTGGCGCT
61 AGATGCGACA TCGTGATGAC CCAGAGCCAG AAATTCATGA GCACCAGCGT GGGCGACAGA
121 GTGTCCGTGA CATGTAAAGC CAGCCAGAAC GTGGACACCA ACGTGGCCTG GTATCAGCAG
181 AAGCCTGGAC AGAGCCCCAA GGCTCTGATC TACAGCGCCA GCTACAGATA CAGCGGCGTG
241 CCCGATAGAT TCACAGGCAG CGGCTCTGGC ACCGACTTCA CCCTGACAAT CAGCAACGTG
301 CAGAGCGAGG ACCTGGCCGA GTATTTCTGC CAGCAGTACA ACAAGTTCCC TCTGACCTTC
361 GGCGGAGGCA CCAAGCTGGA AATCAAGAGA ACAGTGGCCG CTCCTAGCGT GTTCATCTTC
421 CCACCTTCCG ACGAGCAGCT GAAAAGCGGC ACAGCCTCTG TCGTGTGCCT GCTGAACAAC
481 TTCTACCCCA GAGAAGCCAA GGTGCAGTGG AAGGTGGACA ACGCCCTGCA GAGCGGCAAT
541 AGCCAAGAGA GCGTGACCGA GCAGGACAGC AAGGACTCTA CCTACAGCCT GAGCAGCACA
601 CTGACCCTGA GCAAGGCCGA CTACGAGAAG CACAAAGTGT ACGCCTGCGA AGTGACCCAC
661 CAGGGCCTTT CTAGCCCTGT GACCAAGAGC TTCAACCGGG GCGAATGT
配列番号63
キメラマウスVL 48H6およびヒト定常軽κ鎖をコードするcDNA配列
1 ATGGACATGA GAGTTCCCGC TCAGCTGCTG GGACTGCTGC TGCTTTGGTT TCCTGGCGCT
61 AGATGCGACA TCGTGATGTC TCAGAGCCCT AGCAGCCTGG CCGTGTCTGT GGGAGAGAAA
121 GTGACCATGA GCTGCAAGAG CAGCCAGAGC CTGCTGTACT CCAGCAACCA GAAGAACTAC
181 CTGGCCTGGT ATCAGCAGAA GCCCGGACAG TCTCCCAAGC TGCTGATCTA CTGGGCCAGC
241 ACCAGAGAAA GCGGCGTGCC CGATAGATTC ACAGGCAGCG GCAGCGGAAC CGACTTCACC
301 CTGACAATCA GCAGCGTGAA GGCCGAGGAC CTGGCTGTGT ACTACTGCCA CCAGTATTAC
361 AGCTACCCTC TGACCTTCGG AGCCGGCACC AAGCTGGAAC TGAACAGAAC AGTGGCCGCT
421 CCTAGCGTGT TCATCTTCCC ACCTTCCGAC GAGCAGCTGA AGTCTGGCAC AGCCTCTGTC
481 GTGTGCCTGC TGAACAACTT CTACCCCAGA GAAGCCAAGG TGCAGTGGAA GGTGGACAAC
541 GCCCTGCAGA GCGGCAATAG CCAAGAGAGC GTGACCGAGC AGGACAGCAA GGACTCTACC
601 TACAGCCTGA GCAGCACACT GACCCTGAGC AAGGCCGACT ACGAGAAGCA CAAAGTGTAC
661 GCCTGCGAAG TGACCCACCA GGGCCTTTCT AGCCCTGTGA CCAAGAGCTT CAACCGGGGC
721 GAATGT
配列番号64
キメラマウスVL 11H7およびヒト定常軽κ鎖をコードするcDNA配列
1 ATGGACATGA GAGTTCCCGC TCAGCTGCTG GGACTGCTGC TGCTTTGGTT TCCTGGCGCT
61 AGATGCGAGA TCGTGCTGAC ACAGAGCCCT GCTCTGATGG CTGCTTCCCC TGGCGAGAAA
121 GTGACCATCA CCTGTAGCGT GTCCAGCAGC ATCAGCAGCT CCAACCTGCA CTGGTATCAG
181 CAGAAGTCCG AGACAAGCCC CAAGCCTTGG ATCTACGGCA CCAGCAATCT GGCCAGCGGA
241 GTGCCTGTCA GATTTTCTGG CAGCGGCTCT GGCACCAGCT ACAGCCTGAC AATCAGCAGC
301 ATGGAAGCCG AGGATGCCGC CACCTACTAC TGCCAGCAGT GGTCTAGCTA CCCTCTGACC
361 TTTGGCGGAG GCACCAAGCT GGAAATCAAG CGGACAGTGG CCGCTCCTAG CGTGTTCATC
421 TTTCCACCTA GCGACGAGCA GCTGAAGTCT GGCACAGCCT CTGTCGTGTG CCTGCTGAAC
481 AACTTCTACC CCAGAGAAGC CAAGGTGCAG TGGAAGGTGG ACAACGCCCT GCAGAGCGGC
541 AATAGCCAAG AGAGCGTGAC CGAGCAGGAC AGCAAGGACT CCACCTATAG CCTGAGCAGC
601 ACCCTGACAC TGAGCAAGGC CGACTACGAG AAGCACAAAG TGTACGCCTG CGAAGTGACC
661 CACCAGGGCC TTTCTAGCCC TGTGACCAAG AGCTTCAACC GGGGCGAATG T
配列番号65
キメラマウスVLおよび49G4ヒト定常軽κ鎖をコードするcDNA配列
1 ATGGACATGA GAGTTCCCGC TCAGCTGCTG GGACTGCTGC TGCTTTGGTT TCCTGGCGCT
61 AGATGCGACG TGCTGATGAC CCAGACACCT CTGAGCCTGC CTGTGTCTCT GGGAGATCAG
121 GCCAGCATCA GCTGCAGATC CAGCCAGAGC ATCGTGCACA GCAACGGCAA TACCTACCTG
181 GAATGGTTCC TGCAGAAGCC CGGACAGAGC CCCAAGCTGC TGATCTACAA GGTGTCCAAC
241 CGGTTCAGCG GCGTGCCCGA TAGATTTTCT GGCAGCGGCT CTGGCACCGA CTTCACCCTG
301 AAGATCTCCA GAGTGGAAGC CGAGGACCTG GGCGTGTACT ACTGCTTCCA AGGCTCTCAC
361 GTGCCCCTGA CATTTGGAGC CGGCACCAAG CTGGAACTGA AGAGAACAGT GGCCGCTCCT
421 AGCGTGTTCA TCTTCCCACC TTCCGACGAG CAGCTGAAAA GCGGCACAGC CTCTGTCGTG
481 TGCCTGCTGA ACAACTTCTA CCCCAGAGAA GCCAAGGTGC AGTGGAAGGT GGACAACGCC
541 CTGCAGAGCG GCAATAGCCA AGAGAGCGTG ACCGAGCAGG ACAGCAAGGA CTCTACCTAC
601 AGCCTGAGCA GCACCCTGAC ACTGAGCAAG GCCGACTACG AGAAGCACAA AGTGTACGCC
661 TGCGAAGTGA CCCACCAGGG CCTTTCTAGC CCTGTGACCA AGAGCTTCAA CCGGGGCGAA
721 TGT
配列番号66
キメラマウスVH 36H12およびヒト定常重IgG4鎖のアミノ酸配列
1 MELGLSWIFL LAILKGVQCE VQLQQSGAGL VKPGASVKLS CTASGFNIKD TYMHWVRQRP
61 EQGLEWIGRI DPATANTKYD PKFQGKATLT TDTSSNTAYL QLSSLTSEDT AVYYCVTYGY
121 DVSWFAYWGL GALVTVSAAS TKGPSVFPLA PCSRSTSEST AALGCLVKDY FPEPVTVSWN
181 SGALTSGVHT FPAVLQSSGL YSLSSVVTVP SSSLGTKTYT CNVDHKPSNT KVDKRVESKY
241 GPPCPPCPAP EFLGGPSVFL FPPKPKDTLM ISRTPEVTCV VVDVSQEDPE VQFNWYVDGV
301 EVHNAKTKPR EEQFNSTYRV VSVLTVLHQD WLNGKEYKCK VSNKGLPSSI EKTISKAKGQ
361 PREPQVYTLP PSQEEMTKNQ VSLTCLVKGF YPSDIAVEWE SNGQPENNYK TTPPVLDSDG
421 SFFLYSRLTV DKSRWQEGNV FSCSVMHEAL HNHYTQKSLS LSLGK
配列番号67
キメラマウスVH 45H6およびヒト定常重IgG4鎖のアミノ酸配列
1 MELGLSWIFL LAILKGVQCD VQLVESGGGL VQPGGSRKLS CAASGFTFSS FGMHWVRQAP
61 EKGLEWVAYI SSGNSNIYYV DTVKGRFTIS RDNPKNTLFL QMTSLRSEDT AMYYCARKRA
121 YGDYSGFSMD YWGQGTSVTV SSASTKGPSV FPLAPCSRST SESTAALGCL VKDYFPEPVT
181 VSWNSGALTS GVHTFPAVLQ SSGLYSLSSV VTVPSSSLGT KTYTCNVDHK PSNTKVDKRV
241 ESKYGPPCPP CPAPEFLGGP SVFLFPPKPK DTLMISRTPE VTCVVVDVSQ EDPEVQFNWY
301 VDGVEVHNAK TKPREEQFNS TYRVVSVLTV LHQDWLNGKE YKCKVSNKGL PSSIEKTISK
361 AKGQPREPQV YTLPPSQEEM TKNQVSLTCL VKGFYPSDIA VEWESNGQPE NNYKTTPPVL
421 DSDGSFFLYS RLTVDKSRWQ EGNVFSCSVM HEALHNHYTQ KSLSLSLGK
配列番号68
キメラマウスVH 48H6およびヒト定常重IgG4鎖のアミノ酸配列
1 MELGLSWIFL LAILKGVQCE VKLVESGGGL VKPGGSLKLS CAASGFTFSG YAMSWVRQTP
61 EKRLEWVASI SSGGSTYYPD SVKGRFTIPR DDARNILYLQ MSSLRSEDTA IYYCARGGHG
121 SSYVYWGQGT TLTVSSASTK GPSVFPLAPC SRSTSESTAA LGCLVKDYFP EPVTVSWNSG
181 ALTSGVHTFP AVLQSSGLYS LSSVVTVPSS SLGTKTYTCN VDHKPSNTKV DKRVESKYGP
241 PCPPCPAPEF LGGPSVFLFP PKPKDTLMIS RTPEVTCVVV DVSQEDPEVQ FNWYVDGVEV
301 HNAKTKPREE QFNSTYRVVS VLTVLHQDWL NGKEYKCKVS NKGLPSSIEK TISKAKGQPR
361 EPQVYTLPPS QEEMTKNQVS LTCLVKGFYP SDIAVEWESN GQPENNYKTT PPVLDSDGSF
421 FLYSRLTVDK SRWQEGNVFS CSVMHEALHN HYTQKSLSLS LGK
配列番号69
キメラマウスVH 11H7およびヒト定常重IgG4鎖のアミノ酸配列
1 MELGLSWIFL LAILKGVQCQ VQLKQSGPGL VQPSQSLSIT CTVSGFSLTI YGVHWVRQSP
61 GKGLEWLGVI WSGGSTDYNA AFISRLSISK DNSKSQVFFK MNSLQANDTA IYYCARRDYG
121 SRSFYYAMDY WGQGTSVTVS SASTKGPSVF PLAPCSRSTS ESTAALGCLV KDYFPEPVTV
181 SWNSGALTSG VHTFPAVLQS SGLYSLSSVV TVPSSSLGTK TYTCNVDHKP SNTKVDKRVE
241 SKYGPPCPPC PAPEFLGGPS VFLFPPKPKD TLMISRTPEV TCVVVDVSQE DPEVQFNWYV
301 DGVEVHNAKT KPREEQFNST YRVVSVLTVL HQDWLNGKEY KCKVSNKGLP SSIEKTISKA
361 KGQPREPQVY TLPPSQEEMT KNQVSLTCLV KGFYPSDIAV EWESNGQPEN NYKTTPPVLD
421 SDGSFFLYSR LTVDKSRWQE GNVFSCSVMH EALHNHYTQK SLSLSLGK
配列番号70
キメラマウスVH 49G4およびヒト定常重IgG4鎖のアミノ酸配列
1 MELGLSWIFL LAILKGVQCE VQLQQSGAEL VKPGASVKLS CRASGFNIKD TYMHWVKQRP
61 EQGLEWIGRI DPARGNTKYD PKFQGKATIT ADTSSNTAYL QLSSLTSEDT AVYYCASAMD
121 YWGQGTSVTV SSASTKGPSV FPLAPCSRST SESTAALGCL VKDYFPEPVT VSWNSGALTS
181 GVHTFPAVLQ SSGLYSLSSV VTVPSSSLGT KTYTCNVDHK PSNTKVDKRV ESKYGPPCPP
241 CPAPEFLGGP SVFLFPPKPK DTLMISRTPE VTCVVVDVSQ EDPEVQFNWY VDGVEVHNAK
301 TKPREEQFNS TYRVVSVLTV LHQDWLNGKE YKCKVSNKGL PSSIEKTISK AKGQPREPQV
361 YTLPPSQEEM TKNQVSLTCL VKGFYPSDIA VEWESNGQPE NNYKTTPPVL DSDGSFFLYS
421 RLTVDKSRWQ EGNVFSCSVM HEALHNHYTQ KSLSLSLGK
配列番号71
キメラマウスVL 36H12およびヒト定常軽κ鎖のアミノ酸配列
1 MDMRVPAQLL GLLLLWFPGA RCDVLMTQTP LSLPVSLGDQ ASISCRSSQS IVHSNGITYL
61 EWYLQKPGQS PKLLIYKVSN RFSGVPDRFS GSGSGTDFTL KISRVEAEDL GVYYCFQGSH
121 VPLTFGAGTK LELKRTVAAP SVFIFPPSDE QLKSGTASVV CLLNNFYPRE AKVQWKVDNA
181 LQSGNSQESV TEQDSKDSTY SLSSTLTLSK ADYEKHKVYA CEVTHQGLSS PVTKSFNRGE
241 C
配列番号72
キメラマウスVL 45H6およびヒト定常軽κ鎖のアミノ酸配列
1 MDMRVPAQLL GLLLLWFPGA RCDIVMTQSQ KFMSTSVGDR VSVTCKASQN VDTNVAWYQQ
61 KPGQSPKALI YSASYRYSGV PDRFTGSGSG TDFTLTISNV QSEDLAEYFC QQYNKFPLTF
121 GGGTKLEIKR TVAAPSVFIF PPSDEQLKSG TASVVCLLNN FYPREAKVQW KVDNALQSGN
181 SQESVTEQDS KDSTYSLSST LTLSKADYEK HKVYACEVTH QGLSSPVTKS FNRGEC
配列番号73
キメラマウスVL 48H6およびヒト定常軽κ鎖のアミノ酸配列
1 MDMRVPAQLL GLLLLWFPGA RCDIVMSQSP SSLAVSVGEK VTMSCKSSQS LLYSSNQKNY
61 LAWYQQKPGQ SPKLLIYWAS TRESGVPDRF TGSGSGTDFT LTISSVKAED LAVYYCHQYY
121 SYPLTFGAGT KLELNRTVAA PSVFIFPPSD EQLKSGTASV VCLLNNFYPR EAKVQWKVDN
181 ALQSGNSQES VTEQDSKDST YSLSSTLTLS KADYEKHKVY ACEVTHQGLS SPVTKSFNRG
241 EC
配列番号74
キメラマウスVL 11H7およびヒト定常軽κ鎖のアミノ酸配列
1 MDMRVPAQLL GLLLLWFPGA RCEIVLTQSP ALMAASPGEK VTITCSVSSS ISSSNLHWYQ
61 QKSETSPKPW IYGTSNLASG VPVRFSGSGS GTSYSLTISS MEAEDAATYY CQQWSSYPLT
121 FGGGTKLEIK RTVAAPSVFI FPPSDEQLKS GTASVVCLLN NFYPREAKVQ WKVDNALQSG
181 NSQESVTEQD SKDSTYSLSS TLTLSKADYE KHKVYACEVT HQGLSSPVTK SFNRGEC
配列番号75
キメラマウスVL 49G4およびヒト定常軽κ鎖のアミノ酸配列
1 MDMRVPAQLL GLLLLWFPGA RCDVLMTQTP LSLPVSLGDQ ASISCRSSQS IVHSNGNTYL
61 EWFLQKPGQS PKLLIYKVSN RFSGVPDRFS GSGSGTDFTL KISRVEAEDL GVYYCFQGSH
121 VPLTFGAGTK LELKRTVAAP SVFIFPPSDE QLKSGTASVV CLLNNFYPRE AKVQWKVDNA
181 LQSGNSQESV TEQDSKDSTY SLSSTLTLSK ADYEKHKVYA CEVTHQGLSS PVTKSFNRGE
241 C
配列番号76
膜結合抗ヒトCD3scFv(シグナルペプチド、続くヒトIgG1のCH2-CH3ドメインおよびヒトCD80細胞質尾部に連結されたOKT 3scFv)のアミノ酸配列
1 MKWVTFISLL FLFSSAYSQV QLQQSGAELA RPGASVKMSC KASGYTFTRY TMHWVKQRPG
61 QGLEWIGYIN PSRGYTNYNQ KFKDKATLTT DKSSSTAYMQ LSSLTSEDSA VYYCARYYDD
121 HYCLDYWGQG TTLTVSSGGG GSGGGGSGGG GSQIVLTQSP AIMSASPGEK VTMTCSASSS
181 VSYMNWYQQK SGTSPKRWIY DTSKLASGVP AHFRGSGSGT SYSLTISGME AEDAATYYCQ
241 QWSSNPFTFG SGTKLEINRA AAPSVFLFPP KPKDTLMISR TPEVTCVVVD VSHEDPEVKF
301 NWYVDGVEVH NAKTKPREEQ YNSTYRVVSV LTVLHQDWLN GKEYKCKVSN KALPAPIEKT
361 ISKAKGQPRE PQVYTLPPSR EEMTKNQVSL TCLVKGFYPS DIAVEWESNG QPENNYKTTP
421 PVLDSDGSFF LYSKLTVDKS RWQQGNVFSC SVMHEALHNH YTQKSLSLSP GWAITLISVN
481 GIFVICCLTY CFAPRCRERR RNERLRRESV RPV
配列番号77
膜結合抗ヒトCD3scFvをコードするcDNA配列
1 ATGAAATGGG TCACCTTTAT CTCCCTGCTG TTCCTGTTCT CCAGCGCCTA CTCTCAGGTC
61 CAGTTGCAGC AGTCTGGCGC CGAATTGGCT AGACCTGGCG CCTCCGTGAA GATGTCCTGC
121 AAGGCTTCCG GCTACACCTT CACCAGATAC ACCATGCACT GGGTCAAGCA GAGGCCTGGA
181 CAGGGCCTTG AGTGGATCGG CTACATCAAC CCTTCTCGGG GCTACACCAA CTACAACCAG
241 AAGTTCAAGG ACAAGGCTAC CCTGACAACC GACAAGTCCT CCTCCACCGC CTACATGCAG
301 CTGTCCAGCC TGACCTCTGA GGACTCCGCC GTGTACTACT GTGCCCGGTA CTACGACGAC
361 CACTACTGCC TGGATTATTG GGGCCAGGGC ACCACACTGA CAGTGTCTAG CGGAGGCGGA
421 GGATCTGGTG GTGGTGGATC TGGCGGCGGA GGTTCTCAGA TTGTGCTGAC CCAGTCTCCT
481 GCCATCATGT CCGCTTCTCC CGGCGAGAAA GTGACAATGA CCTGCTCCGC CTCTTCCTCC
541 GTGTCCTACA TGAACTGGTA TCAGCAGAAG TCCGGCACCT CTCCTAAGCG GTGGATCTAC
601 GACACCTCCA AGCTGGCATC TGGCGTGCCC GCTCACTTTA GAGGCTCTGG CTCTGGCACC
661 AGCTACTCCC TGACCATCTC TGGCATGGAA GCCGAGGATG CCGCCACCTA CTATTGCCAG
721 CAGTGGTCTA GCAACCCCTT CACCTTCGGC TCCGGCACCA AGCTGGAAAT CAACAGAGCC
781 GCCGCTCCTT CCGTGTTTCT GTTCCCTCCA AAGCCTAAGG ACACCCTGAT GATCTCTCGG
841 ACCCCTGAAG TGACCTGCGT GGTGGTCGAT GTGTCTCACG AGGACCCAGA AGTGAAGTTC
901 AATTGGTACG TGGACGGCGT GGAAGTGCAC AACGCCAAGA CCAAGCCTAG AGAGGAACAG
961 TACAACTCCA CCTACAGAGT GGTGTCCGTG CTGACCGTGC TGCACCAGGA TTGGCTGAAC
1021 GGCAAAGAGT ACAAGTGCAA GGTGTCCAAC AAGGCTCTGC CCGCTCCTAT CGAAAAGACC
1081 ATCTCCAAGG CCAAGGGCCA GCCTAGGGAA CCCCAGGTTT ACACCCTGCC TCCAAGCCGG
1141 GAAGAGATGA CCAAGAACCA GGTGTCCCTG ACCTGCCTGG TCAAGGGCTT CTACCCTTCC
1201 GATATCGCCG TGGAATGGGA GAGCAATGGC CAGCCTGAGA ACAACTACAA GACCACACCT
1261 CCTGTGCTGG ACTCCGACGG CTCATTCTTC CTGTACAGCA AGCTGACAGT GGACAAGTCC
1321 AGATGGCAGC AGGGCAACGT GTTCTCCTGC TCCGTGATGC ACGAGGCCCT GCACAATCAC
1381 TACACACAGA AGTCCCTGTC TCTGTCCCCT GGCTGGGCTA TCACCCTGAT CTCTGTGAAC
1441 GGCATCTTCG TGATCTGCTG CCTGACCTAC TGCTTCGCCC CTAGATGCAG AGAGCGGCGG
1501 AGAAACGAAC GGCTGCGGAG AGAATCTGTC CGGCCTGTG
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C-1】
図8C-2】
図9
図10
図11A
図11B
図11C
【配列表】
2023522520000001.xml
【国際調査報告】