(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-31
(54)【発明の名称】ダイレクトドライブを有するセパレータ
(51)【国際特許分類】
H02K 9/19 20060101AFI20230524BHJP
H02K 1/32 20060101ALI20230524BHJP
B04B 9/04 20060101ALI20230524BHJP
B04B 9/12 20060101ALI20230524BHJP
B04B 1/08 20060101ALI20230524BHJP
【FI】
H02K9/19 A
H02K1/32 Z
H02K9/19 B
B04B9/04
B04B9/12
B04B1/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022549482
(86)(22)【出願日】2021-04-23
(85)【翻訳文提出日】2022-08-17
(86)【国際出願番号】 EP2021060665
(87)【国際公開番号】W WO2021214294
(87)【国際公開日】2021-10-28
(31)【優先権主張番号】102020111217.3
(32)【優先日】2020-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518091934
【氏名又は名称】ジーイーエー メカニカル イクイップメント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドロステ, ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】ブラク, エドゥアルト
(72)【発明者】
【氏名】フンデルトマルク, ティム
【テーマコード(参考)】
4D057
5H601
5H609
【Fターム(参考)】
4D057AB01
4D057AB03
4D057AC01
4D057AC06
4D057AD01
4D057AF05
4D057BA14
4D057BB02
5H601AA16
5H601CC01
5H601DD01
5H601DD09
5H601DD11
5H601EE26
5H601EE30
5H601GA02
5H601GA22
5H601GE02
5H601GE11
5H609BB01
5H609BB12
5H609BB19
5H609PP06
5H609PP09
5H609QQ05
5H609QQ11
5H609RR37
5H609RR42
(57)【要約】
セパレータ(1)は、作動中に回転し、ドラム(2)と駆動スピンドル(3)を持つユニットと、駆動スピンドルを回転させる電動モータとして構成され、ステータ(20)とロータ(21)を有する駆動モータ(10)とを備え、ロータ(21)は駆動スピンドル(3)上に配置され、ステータ(20)は、作動中に回転しない駆動ハウジング(11)内で前記ロータ(21)から半径方向に離間して配置されており、ステータ(20)は、少なくとも1つまたは複数の巻線ヘッド(20a、20b)を有する。少なくとも1個のチャンバ(K1、K2)が巻線ヘッド(20a、20b)の少なくとも1つの上に形成され、作動中にこのチャンバ(K1、K2)内に冷却剤膜または冷却剤浴が形成され、この巻線ヘッド(20a、20b)が作動中に冷却剤で冷却される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a. 作動中に回転し、ドラム(2)と駆動スピンドル(3)を持つユニットと、
b. 駆動スピンドルを回転させる電動モータとして構成され、ステータ(20)とロータ(21)を有する駆動モータ(10)とを備え、
c. 前記ロータ(21)は、前記駆動スピンドル(3)上に配置され、前記ステータ(20)は、作動中に回転しない駆動ハウジング(11)内で前記ロータ(21)から半径方向に離間して配置されており、
d. 前記ステータ(20)は、少なくとも1つまたは複数の巻線ヘッド(20a、20b)を有するセパレータ(1)において、
e. 少なくとも1個のチャンバ(K1、K2)が巻線ヘッド(20a、20b)の少なくとも1つの上に形成され、作動中にチャンバ(K1、K2)内に冷却剤膜または冷却剤浴が形成され、この巻線ヘッド(20a、20b)が作動中に冷却剤で冷却され、
f. 各チャンバ(K1、K2)内の冷却剤は、潤滑油であって、潤滑油は一方で駆動スピンドルの1つ以上のベアリング(4、5)を潤滑するために使用され、他方で1つまたは複数の巻線ヘッド(20a、20b)を冷却するために使用されるものであり、
g. 前記一方の巻線ヘッドが上側の巻線ヘッド(20a)であり、他方の巻線ヘッドが下側の巻線ヘッド(20b)であり、前記チャンバ(K1、K2)の少なくとも1つが前記上側及び/又は前記下側の巻線ヘッド(20a、20b)に形成されており、
h. 一方または両方のチャンバ(K1、K2)が、作動中に油浴で夫々完全に充填されている、セパレータ(1)。
【請求項2】
各巻線ヘッド(20a、20b)の各チャンバ(K1、K2)が、各巻線ヘッド(20a、20b)の上側、外側及び/又は下部に形成される環状のチャンバとして形成され、これに対応して各巻線ヘッドの上部、外面及び/又は下面が、作動中の潤滑油膜により一部又は完全に覆われる、請求項1に記載のセパレータ。
【請求項3】
各チャンバ(K1、K2)には入口と出口がある、請求項1又は2に記載のセパレータ。
【請求項4】
1つ以上の冷却チャネル(74)が前記駆動ハウジング(11)に形成される、請求項1乃至3の何れかに記載のセパレータ。
【請求項5】
前記駆動ハウジング(11)は、冷却フィン(12)を有し、1つ以上の冷却チャネル(74)は、一方または両方の室(K1,K2)から排出される潤滑油を流れさせ、冷却フィン(12)を介して潤滑油の熱エネルギーを周囲に放散させる、請求項1乃至4の何れかに記載のセパレータ。
【請求項6】
少なくとも1つ以上のチャンバ(K1、K2)は、作動中に潤滑油が各チャンバ(K1、K2)を流れるとき、潤滑油が凡そ20°Kを越えて加熱されないように、各々/構成されている、請求項1乃至5の何れかに記載のセパレータ。
【請求項7】
各チャンバ(K1、K2)が、モータハウジング(7、8)の要素及び/又は区間及び各巻線ヘッド(20a、20b)の間に形成される、請求項1乃至6の何れかに記載のセパレータ。
【請求項8】
前記駆動スピンドル(3)は孔(101)によって軸方向に貫通され、駆動スピンドル(3)は駆動ハウジング(11)の下部の潤滑油溜め(102)に浸漬しており、その潤滑油が、駆動スピンドル(3)の孔(101)を通って、ネックベアリングの領域、及び/又は上側の巻線ヘッド(20a)におけるチャンバ(K1)の供給ラインの領域に運搬される、請求項1乃至7の何れかに記載のセパレータ。
【請求項9】
上側の巻線ヘッド(20a)における第1のチャンバ(K1)から排出される潤滑油が、冷却チャネル(74)を通って下側の巻線ヘッド(20b)における第2のチャンバ(K2)に向けられ、該第2のチャンバ(K2)から潤滑油溜め(102)に向かって戻される、請求項8に記載のセパレータ。
【請求項10】
好ましくは単一または二重である円錐形のドラム(2)が回転可能な駆動スピンドル(3)の上端部に設置される、請求項1乃至9の何れかに記載のセパレータ。
【請求項11】
複数の分離ディスクの分離ディスクスタックがドラム(2)の中に配置される、請求項1乃至10の何れかに記載のセパレータ。
【請求項12】
予め組み立てられた駆動及び回転システムユニット(100)が、閉じた潤滑システム回路を構成する、請求項1乃至11の何れかに記載のセパレータ。
【請求項13】
前記駆動モータはネックベアリング(4)とフットベアリング(5)の間に位置する、請求項1乃至12の何れかに記載のセパレータ。
【請求項14】
請求項1乃至13の1つ以上に係るセパレータ(1)の駆動モータ(20)を冷却する方法で、あって、
A) 請求項1乃至13の何れかに記載のセパレータを配備する工程と、
B) 作動中に1つ以上のチャンバ(K1,K2)を通って潤滑油を流す工程を備える、方法。
【請求項15】
潤滑油が各チャンバ(K1,K2)を流れるとき、潤滑油が20°K未満で加熱されるように、潤滑油が少なくとも1つ以上のチャンバ(K1,K2)を通して流入する、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文の特徴を有するセパレータ及びその動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
工業用にも適しており、かつ、望ましくは連続操作に使用することができるこのようなセパレータは、先行技術から知られており、例えば、ドイツ特許公開公報10 2017 113 649号から知られている。
【0003】
公知のシステムの中には、ドラム、駆動スピンドル及び電気駆動モータが剛体的に接続されて構造ユニットを形成し、次いで、該構造ユニットが駆動ハウジング上で全体として弾性的に支持される構成がある。このような先行技術の例は、イギリス特許368247号、フランス特許1287551号、ドイツ特許1057979号及びドイツ特許4314440号によって開示されている。
【0004】
先行技術に関しては、国際公開公報2004/089550号にも言及すべきであり、この中でドラム、駆動スピンドル及び電気駆動モータも接続されて構造ユニットを形成し、次いで、駆動ハウジング上で全体として支持することができる。ハウジングまたは機械フレームの周囲に内壁と外壁を有するケーシングが配置される。これらの壁の間には、冷却流体、例えば、水が流れることができる空間が形成される。このようにして、冷却流体はハウジングを冷却することができ、該冷却流体は遠心ロータの動作中に電気モータによって実質的に加熱される。また、ベアリングを潤滑するために、スピンドルに接続された要素が設けられている。該要素は、潤滑油チャンバ内に存在する潤滑油内のスピンドルと共に回転するため、潤滑油の一部は潤滑油ミストに変換される。潤滑油ミストは下部ベアリングを潤滑する。潤滑油ミストは、さらに、チャネルを通って上部ベアリングの内側に、そしてファン装置の吸入側に導かれる。これにより、上部ベアリングの潤滑が生じる。残った潤滑油ミストは、モータの隙間を通って押し戻される。この設定は複雑で比較的複雑である。また、潤滑油ミストはエンジンの冷却に寄与しない。
【0005】
公知の駆動装置の冷却は、依然として改善の必要性があるように思われる。
【0006】
本発明は、一般的なセパレータの駆動装置の冷却を簡易な手段で改善することを目的とする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、請求項1の主題事項によってこの目的を解決する。請求項16の方法によってこの問題をさらに解決する。
【0008】
請求項1によれば、セパレータは、
作動中に回転し、ドラムと駆動スピンドルを有するユニットと、
前記駆動スピンドルを回転させる電動モータとして構成され、ステータ及びロータとを有する駆動モータとを備え、
前記ロータは、前記駆動スピンドル上に配置され、前記ステータは、動作中に回転しない駆動ハウジング内で、前記ロータから半径方向に離間して配置され、
ステータは、少なくとも1つまたは複数の巻線ヘッドを有し、
少なくとも1つのチャンバが、少なくとも1つの巻線ヘッド上に形成され、チャンバ内には、動作中に冷却剤膜及び/又は冷却剤浴が形成され、その結果、この巻線ヘッドは、動作中に冷却剤で冷却されるか、または動作中に冷却される。
【0009】
この文言によれば、1つ以上のチャンバは、1つ以上の巻線ヘッドの夫々上に形成され得る。
【0010】
このようにして、1つの巻線ヘッド、または任意に2つの巻線ヘッドは、単純な方法で冷却され、より望ましくは1つ以上の外面上で動作中に形成される冷却剤膜又は冷却剤浴内でも直に冷却される。冷却剤は熱を巻線ヘッドから遠ざけるように運搬する。
【0011】
以前は、巻線ヘッドは空気で囲まれていた。空気の熱伝導率は0.0262W/mKである。潤滑油の熱伝導率は、例えば、0.13W/mKから0.15W/mKである。したがって、周辺媒体への熱移動は、例えば、5倍など、既にかなり改善されている。加えて、熱は潤滑油の回転または好ましくは循環によってより効果的に消散されるが、従来技術では巻線ヘッドを取り囲む空気は本質的に静止していた。
【0012】
冷却剤は自由流動性の冷却剤である。潤滑油は冷却剤として使用される、なぜなら潤滑油はとにかく遠心機上の1つ以上のベアリングを潤滑するために供給されなければならないからである。1つの利点は、巻線ヘッドの追加的な冷却のため、モータ温度が許容値を超えて上昇することなく、モータに負荷をかけることができることである。冷却はより効果的であり、従って、出力密度は高い。
【0013】
そのため、潤滑油は一方では駆動スピンドルの1つ以上のベアリングを潤滑するために使用され、他方では1つ以上の巻線ヘッドの冷却のために使用されることが有利である。電気駆動モータは、例えば、非同期モータ又は同期モータ、例えば、磁気抵抗モータである。
【0014】
本発明の1つの利点は、転がり軸受を潤滑するために使用される既存の潤滑油が、今やモータ又は巻線ヘッドを冷却するためにも使用されることである。従って、機械はそれ以上の骨材を必要とせず、水のような更なる冷却媒体は不要となる。したがって、モータステータからの直接的な熱放散(冷却フィンなど)と、巻線ヘッドからの冷却フィンへの潤滑油の流れによる熱放散の組み合わせは、特に効果的である。
【0015】
有利であるが必須ではない構成によれば、駆動モータは、ネックベアリングとフットベアリングとの間に完全に配置されることが好ましい。
【0016】
有利な構成によれば、一方の巻線ヘッドは上側の巻線ヘッドであり、他方の巻線ヘッドは下側の巻線ヘッドであり、1つ以上のチャンバが上側の巻線ヘッド及び/又は下側の巻線ヘッドに形成される。2つの巻線ヘッドの夫々に潤滑油冷却チャンバが形成されている場合、両方の巻線ヘッドが効果的かつ容易に冷却される。
【0017】
効果的な冷却を目的として、各巻線ヘッド上の各チャンバは環状チャンバとして形成され、これは各巻線ヘッドの上部、外側及び/又は下部に形成され、それに対応して、各巻線ヘッドの上面、外側面及び/又は下面が作動中に潤滑油膜によって覆われ、十分に冷却されることが好ましい。
各チャンバに入口と出口があれば有用であり、出口はまたオーバーフローとして構成され得る。
【0018】
一方又は両方のチャンバが、作動中に潤滑油浴で完全に充填されることが提供される。次いで、入口および出口は、それに応じて構成され、一方または両方のチャンバが充填されるように、潤滑油入口と調整される。このようにして、特に優れた冷却と潤滑が、夫々のチャンバの領域で達成または実現される。
【0019】
1つ以上のチャンバを形成できるようにするためには、ステータを保持する駆動ハウジングに、一体型の又は多部品のモータハウジングが形成されると有利である。次いで、チャンバは、モータハウジングとステータとの間に形成することができ、これらの要素は、駆動ハウジングに取り付けられる予め組み立てられたユニットとして設けることができる。
【0020】
特に好ましい構成によれば、駆動ハウジング及び/又はモータハウジングが冷却フィンを備えていることが提供される。駆動ハウジング及び/又はモータハウジングは、1つ又は両方のチャンバから流出する潤滑油が流入する、1つ又は複数の冷却チャネルを有する。冷却フィンによって、潤滑油の熱エネルギーは、次いで周囲に放散される。このようにして、チャンバ内の潤滑油に吸収された熱の全部または一部が、対流によって周囲中に再び放出される。
各巻線ヘッドの各チャンバは、I字形、L字形、またはU字形の断面を有する。
【0021】
次に、有利な構成では、各々のチャンバが、モータハウジングの要素及び/又は部品と各巻線ヘッドの間に形成されることが提供される。
予め組み立てられた駆動及び回転システムユニットが閉じた潤滑システム回路を有することが提供されてもよい。
【0022】
有利なことには、1つの変形例によれば、駆動スピンドルは孔によって軸方向に貫通され、駆動スピンドルは駆動ハウジングの底部にある潤滑油溜めに浸漬され、潤滑油が駆動スピンドルの孔を通ってネックベアリングの領域内及び/又は上側の巻線ヘッドにあるチャンバの供給ラインの領域内に搬送されることが提供される。
【0023】
さらなる構造的に有利な構成によれば、上側の巻線ヘッドにて第1のチャンバから潤滑油の排出は、駆動ハウジング内及び/又はモーターハウジング内の冷却チャネルを通って下側の巻線ヘッドにおける第2のチャンバへ実行され、第2のチャンバから潤滑油溜めに戻るように実行される。
【0024】
本発明はまた、セパレータの駆動モータを冷やすための方法を提供し、それは、以下の工程からなる。特に、本発明に従い、上述した実施形態の1つに従ったセパレータを提供する工程と、作動中に1つ以上のチャンバを通して潤滑油を充填し流動させる工程である。
【0025】
構造的にコンパクトで容易に管理可能なセパレータを提供するために、冷却システムとして(好ましくは排他的に)空冷が提供される場合、更に有利である。空冷システムは、駆動ハウジングの外周に冷却フィンを備える。
【0026】
最後に、ドラム及び駆動スピンドルを備えた回転システムが、駆動ハウジング内のフットベアリングを介して本質的に軸方向に支持されることを条件として有利であるが、必ずしもそうでなくてもよい。しかし、ネックベアリングで支持をを行う他の変形例も、この点で実行することができる。
残りの従属形式の請求項には、さらに有利な構成が開示されている。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本発明は、図面を参考にした例示的な実施形態によって、以下により詳しく記載される。
【
図1】概略的な実施形態に示された本発明に係るセパレータの断面図を示す。
【
図2】本発明に係る更なるセパレータの斜視図を示す
【
図3a】
図1から第1の上部詳細を拡大した図であり、図中、冷却剤の流路は、それぞれの場合に矢印とハッチングで示されている。
【
図3b】
図1から第2の下部詳細を拡大して示し、図中、冷却剤の流路は、それぞれの場合に矢印とハッチングで示されている。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、動作中に回転しない又は静止しているシステムと、運転中に静止しているシステムに対して回転する又は回転しているシステムとを有するセパレータ1を示す。この場合、回転するシステム及び静止しているシステムは夫々複数の要素を有する。
【0029】
セパレータの回転するシステムは、垂直な回転軸Dを有するドラム2を備えている。このドラム2は、ここでは概略的にのみ示されている。ドラム2は様々な方法で構成することができる。好ましくは、ドラム2は、特に工業プロセスにおいて、流動性生成物を1つまたは2つの液相および任意選択で固相に連続的に清澄化及び/又は分離するための連続操作用に構成される。
この目的のためには、ドラム2の内部空間は、分離ディスク(ここでは見えないし示さない)の分離ディスクスタックを備えることが望ましい。好ましくは単一又は二重の円錐形のドラム2は、ここでは回転可能な駆動スピンドル3の垂直上端に配置される。駆動スピンドルは、垂直方向に整列させることができ、または、作動時には、本質的に垂直方向に整列させることができ、垂直方向の回転軸Dを有する。
【0030】
ドラム2は、遠心場で分離される、処理されるべき生成物または物質の混合物の相のための入口および少なくとも2つの出口を有する。
【0031】
駆動スピンドル3は、ここではネックベアリング4およびフットベアリング5を備えるベアリング装置によって回転可能に支持される。ネックベアリング4は、ベアリングハウジング6に配置され-好ましくは半径方向に弾性支持されて配置される。この場合、ベアリングハウジング6の内周とネックベアリング4の外周(ここでは図示せず)との間に弾性リング等の弾性要素を配置することができる。ベアリングハウジング6は回転せず、従って、動作中に静止しているシステムの一部である。
【0032】
ベアリングハウジング6は、一体型又は多部品型のモータハウジング7、8に取り付けられる。モータハウジングは、いくつかの部分から構成される。特に、ベアリングハウジング6は下部のモータハウジング8に配置されるモータハウジングカバーリング7を有する。
【0033】
ベアリングハウジング6、付随的にモータハウジングカバーリング7及びモータハウジング8は、それぞれ外周に環状フランジ部6a、7a及び8aを有することができる。これらの環状フランジ部6a、7a、8aは、それぞれ、互いの上方に軸方向に積み重ねられていることができる。環状フランジ部6a、7a、8aはモジュールに似たユニットを形成するために結合することも、例えばここに示されていない軸方向のネジを用いてと一緒に結合することもできる。環状フランジ部6a、7a、8aを一緒にすると、予め組み立て可能であり、ここでは予め組み立てられた駆動および回転システムユニットのリングフランジ部を形成することができる。
【0034】
電動モータである駆動モータ10は、一体化された、又は多部品式のモータハウジング8内に配置される。付随的に、フットベアリング5は、モータハウジング8に形成されたり、配置される。駆動モータ10は、ステータ20とロータ21とを有している。ステータ20は、ここでは駆動ハウジング11内または駆動ハウジング11上に直接または間接的に固定される。ステータ20は動作中は回転しない。一方、ロータ21は、回転可能に固定された状態で駆動スピンドル3に接続される。
【0035】
付随的にモータハウジングカバーリング7及び一体型又は多部品式のモータハウジング8を備えた、ベアリングハウジング6を備えたシステムは、全体として取り付けられる交換可能なカセットの方法で、予め組み立てられた駆動及び回転システムユニットを形成することができる。この予め組み立てられた駆動及び回転システムユニットは、以下、ショート用予め組み立てられたユニットとも呼ばれている。この予め組み立てられたユニットはまた、ドラム2を備えてもよい。この構造は、この点では有利であるが、発明を実現するために、必ずしもこのように正確に実行されるわけではない。
【0036】
モータハウジング8は駆動ハウジング11に挿入され、駆動ハウジング11に保持される。この駆動ハウジング11は、モータハウジング8を取り囲む外側ハウジングの形態で構成される。しかし、駆動ハウジング11はフレームとして構成されることもできる。駆動ハウジング11は、例えば、ホールフロア等のベースに締結される。
駆動ハウジング11の外周に冷却フィン12が形成されて、駆動システムからの廃熱を周囲空間に容易に放散または放熱することができる。
【0037】
駆動ハウジング11は、その内周上に、リングフランジ11aを有する。予め組み立てられた駆動および回転システムユニットは、このリングフランジ11aに取り付けられる。ここで、予め組み立てられた駆動及び回転システムユニットの外側のリングフランジ部は、図示されているように駆動ハウジング11の内側のリングフランジ11aに、又はその下に吊るされた別の構成に位置することができる。
【0038】
予め組み立てられたユニット及びその環状フランジ部は、少なくとも1つ以上の締結手段、特に1つ以上のネジボルト(ここには示されない)により、駆動ハウジング11の環状フランジ11aに締結され、特にネジ締めにより締結されるのが好ましい。
さらに、駆動ハウジング11にフード9を取り付けることができ、これは作動中に回転せず、ドラム2を取り囲む。
【0039】
一方、空冷システムが使用されて、駆動モータ10を備えた駆動部を冷却することができ、これは冷却フィン12によって実現される。これは有利かつ単純である。
補足手段または代替手段として液体冷却を使用することも提案されている。対応する液体冷却システムを符号100で以下に指定する。
この液体冷却システム100では、モータ10の液体冷却に潤滑剤循環システムが有利に使用される。この目的のためには、潤滑油循環システムを使用するか、少なくとも潤滑油循環システムをも使用することが有利であり、該潤滑油循環システムはまた、少なくとも1つのベアリング4、5を潤滑油で潤滑することにも役立つ。
【0040】
本発明に係る可能な構成によれば、潤滑油循環システムは以下のように構築される。
ベアリング4、5に潤滑剤を供給するために潤滑剤供給ラインが使用される。この潤滑油供給ラインは、様々な方法で実施される。例えば、駆動スピンドル3は、駆動スピンドル3を軸方向に貫通する孔101を有することができ、駆動スピンドル3は、駆動ハウジング11の底部で潤滑油溜め102に浸漬される(上側の潤滑油レベルは破線で示される)。潤滑油は、駆動スピンドル3の孔101を通って、ネックベアリング4の下方の領域に吸入パイプのように搬送される。従って、駆動スピンドル3内の孔101は、ここでは潤滑剤供給ラインとして機能する。
孔101から、潤滑油は、1つまたは複数の半径方向に延在する横方向孔103を通って、回転システム内で半径方向外側にさらに案内され、潤滑油は駆動スピンドル3の横方向孔103から駆動スピンドル3の外側の静止環状空間に出るまで案内される(
図3aも参照)。
【0041】
駆動スピンドル3から出てくる潤滑油は、駆動スピンドル3の半径方向外側に位置する静止要素を満たし、この場合、モータハウジングカバーリング7及び/又はモータハウジング8を満たす。ネックベアリング4は、作動中に生成される潤滑油ミストによって潤滑され得る。
【0042】
潤滑油の一部は、さらに、駆動スピンドル3に対して同心状に延びるチャンバ内の潤滑油溜め102内に下方に戻ることができる。フットベアリング5は、潤滑油溜め内に配置され、潤滑油によって潤滑されてもよい。しかし、フットベアリング5は潤滑油溜めの上方に位置してもよく、潤滑油が潤滑油溜めに戻るにつれて潤滑され得る。
【0043】
本発明によれば、特に駆動ハウジング内に固定されたステータ20の冷却が最適化される。ステータ20は、上部の巻線ヘッド20a及び下部の巻線ヘッド20bとコイルパック20cとを有している。コイルパックは一種のリング型素子として構成され、コイルパックは、上部の巻線ヘッド20aと下部の巻線ヘッド20bとの間の中央に位置する。
【0044】
少なくとも1つのチャンバK1、K2がステータ20上に、特に上部の巻線ヘッド及び/又は下部の巻線ヘッド20a、20b上に形成され、チャンバK1、K2は作動中に潤滑油で充填され、各巻線ヘッド20a、20bの外面の少なくとも一部が作動中に、潤滑油浴にあるか、又は潤滑油フィルムに覆われるようになっている。
各チャンバK1は、入口および出口を有するように構成される。入口および出口は、夫々のチャンバK1及び/又はK2が、好ましくは、作動中に潤滑油で完全に満たされるように構成される。
【0045】
有利なことには、チャンバK1、K2のうちの1つは、上部の巻線ヘッド20a及び下部の巻線ヘッド20bの両方に形成することができる。チャンバK1及び/又はチャンバK2は、夫々の巻線ヘッド20a及び/又は20bの半径方向外側、及び任意で夫々の巻線ヘッド20a及び/又は20bの上部及び/又は下部及び周辺に広がる環状チャンバとして構成されるのが好ましい。
【0046】
チャンバK1、K2のうちの少なくとも1つからの少なくとも1つの排液チャネル(幾つかの冷却チャネルに分岐することができる)が、駆動ハウジング及び/又はモータハウジングを通って冷却フィン12の領域に導かれ、夫々のチャンバK1及び/又はK2からの潤滑油によって吸収される熱をチャンバから周辺の冷却フィンを通して放流することができることが提供される。
【0047】
このようにして、空冷は、特定の利点を得るために使用されるか、または液体冷却と組み合わされて使用される。
図示されている実施形態において、これは、以下のように実施されるのが有利であるが、必ずしもそうではない。
モータハウジングカバーリング7はステータ20の上方に位置する。モータハウジング8(これも好ましくは環状である)は、ステータ20の外側に再び半径方向に配置される。これは、1つまたは複数の部分にて、潤滑油溜め102まで下方に延びることができる。
【0048】
モータハウジングカバーリング7は、内側に向かって開口した環状のチャンバ71を有する。この環状のチャンバ71は、駆動スピンドル3から放射状に出ている潤滑油の一部を集める。また、モータハウジングカバーリング7は、入口チャネル72を有することができ、該入口チャネル72を用いて潤滑油が環状のチャンバ71からチャンバK1内に供給され、このチャンバK1は、巻線ヘッド20aとモータハウジングの隣接する要素との間の環状チャンバとして外側に放射状に形成される。ここで、これらは、モータハウジングカバーリング7及びモータハウジング8の要素である。
【0049】
チャンバK1は、作動中に潤滑油で満たされる。チャンバK1は、環状チャンバとして構成される。また、チャンバK1は更に、I字形、L字形、またはできればU字形の断面を有する。作動中に潤滑油がチャンバK1を通って流れるとき、凡そ20°Kを越えて加熱されないように、チャンバK1が(特にチャンバK1の容量、流入油量について)構成されることが好ましい。このようにして、チャンバK1の周囲の領域における過度の加熱を非常にうまく回避することができる。
【0050】
図3aは、作動中、チャンバK1が、チャネル72を通過する潤滑油で満たされる方法を示す。この潤滑油は、上側の巻線ヘッド20aを、該巻線ヘッド20aの側面の1つ、2つ、またはここでは3つでも冷却する。特に、これらは上部巻線ヘッド20aの上側、下側、および半径方向外側である。
【0051】
チャンバK1から出口チャネル73が、出現する。出口チャネル73は、ここで(任意に上方に向かって、その後)半径方向外向きに(または結合して)冷却チャネル74につながり、冷却チャネル74は駆動ハウジング及び/又はモータハウジングを通って案内され、1つ以上の冷却フィン12が設けられ、上部の巻線ヘッド20aのチャンバK1内の潤滑油によって吸収された熱の一部または全部は、1つまたは複数の冷却フィン12を介して再放射され得る。
【0052】
冷却チャネル74は次いで、入口チャネル75(ここでは半径方向内側に向かって進む)に合流し、この入口チャネル75は、下部の巻線ヘッド20b上の第2のチャンバK2に開口する。
また、下部の巻線ヘッド20bは、チャンバK2の1つ、2つ、または3つの側で半径方向外側及び/又は上方及び/又は下方で、このチャンバK2内の潤滑油によって取り囲まれている。チャンバK2は、環状チャンバとして構成することもできる。また、チャンバK2は、I字形、L字形、またはU字形の断面を有することができる。
【0053】
図3bは、作動中、チャンバK2が、チャネル75を通過する潤滑油によってどのように潤滑油で満たされるかを示す図である。この潤滑油は、その側面のうちの1つ、2つ又は3つでも、下部の巻線ヘッド20bを冷却する。特に、これらは下部の巻線ヘッド20bの上側、下側及び径方向外側である。
また、下部の巻線ヘッド20bとモータハウジング8との間のチャンバK2は、潤滑油が潤滑油溜めからチャンバK1内に供給され続け、下部の巻線ヘッド20bの冷却を提供するという事実により、潤滑油を充填する。
【0054】
この場合、潤滑油は、下側のチャンバK2から、別の出口チャネル76を通って潤滑油溜め102に向かって下方に排出され、最終的にはそこに流れ込むことができる。
チャンバK2の構成、特に作動中の潤滑油の容積および流量は、好ましくは、チャンバK2を通って流れるときに潤滑油が20°Kを越えて加熱されないように、または好ましくは20°K未満に加熱されるように選択されるべきである。これは、このような構成により、このチャンバK2の周囲の領域での過熱を特に確実に防止できるからである。
【0055】
このようにして、潤滑油は、ステータ20を通り過ぎ、特に、巻線ヘッド20a、20bの一方または両方を通り過ぎて、さらに的を絞った方法で流れることが規定されており、それは潤滑油が、特定の潤滑油の流れおよび膜によって、巻線ヘッド20a、20bの一方または好ましくは両方を積極的に冷却することである。更に、巻線ヘッドは、チャンバK1、K2内に一種の潤滑油浴が好ましく存在するように冷却されるが、その潤滑油は流入する潤滑油によって繰り返し交換される。
【0056】
2つの巻線ヘッド20a、20bは、断面がほぼ矩形の基本形状を有する。この場合、ステータ20の内側は、環状の空間によって駆動スピンドル3及びロータ21から離間している。この領域では、補助的な潤滑油の流れは実現されないことが好ましく、少なくとも、ネックベアリングからフットベアリングに流れる潤滑油によってこの環状空間に及ぼされる冷却効果を超えない、
【0057】
一方、外周において、上部及び/又は下部の巻線ヘッドは、駆動ハウジング上の駆動ハウジング又は駆動ハウジングの要素により囲まれ、巻線ヘッドは、1つ以上のチャンバK1、K2、特に環状のチャンバを、その側面の1つ、2つ、または好ましくは3つにも形成する。
【0058】
ここで、ステータの上方に配置されたモータハウジングカバーリング7は、チャネル72を介して第1のチャンバK1に潤滑油を導くように構成されており、第1のチャンバK1は上側の巻線ヘッドを3つの側部で囲んでいる。このチャンバK1は、作動中に潤滑油で満たされる。潤滑油はあふれ出るとすぐに、あふれ出た潤滑油は、更なるチャンバK2の方向に、更なるチャネル74を通って流れ、チャンバK2は、1つ、2つ、または3つの側面で下側の巻線ヘッド20bを取り囲んでいる。
この下側のチャンバK2から、出口チャネル76は、最終的に、孔またはチャネルのように潤滑油溜めに戻る。
【0059】
このようにして、潤滑油は、両方の巻線ヘッド20a、20bのそばを直接通過して巻線ヘッドを冷却し、最終的には潤滑油溜め102に戻される。
したがって、ステータ20と駆動ハウジング11の1つまたは複数の隣接する要素との間に1つまたは複数のチャネル及び/又はチャンバK1、K2が形成され、これらのチャネル及び/又はチャンバK1、K2は、作動中に潤滑油で完全にまたは部分的に充填されるモータハウジングカバーリング7及びモータハウジング8を含み、潤滑油の流れも生成されて、ステータ、特にその1つまたは両方の巻線ヘッド20a、20bを、巻線ヘッド20a、20bの少なくとも1つの表面領域上を直接流れることによって潤滑油で可能な限り直接的に冷却する。
【0060】
本発明はさまざまな方法で実施することができる。これは、
図1、
図3a及び
図3bにおいて有利に行われてきた。しかしながら、他の建設的な構成においても、当然、本発明を異なった建設的な方法で実施することは可能である。
潤滑油は環状チャンバK1およびK2に流入するか、または少なくとも潤滑油の一部がネックベアリングの下の駆動スピンドル3から流出する。
【0061】
好ましくは、潤滑油は巻線ヘッド20a、20bの1つ又は両方に選択的に向けられ、さらに、巻線ヘッド20a、20bの1つ又は両方が作動中に潤滑油浴に部分的に浸透しているように提供されることが望ましい。オーバーフローは、上部のチャンバK1内の潤滑油レベルが常に上側の巻線ヘッド20aを完全に取り囲むように構成される。浸漬は、上側の巻線ヘッド20a内のオーム損失によって発生する熱を放散するのに役立つ。そのとき、あふれた潤滑油は、駆動ハウジング及び/又はモーターハウジング内の1つ以上の冷却チャネル74を通して、または通行しながら、駆動ハウジング11の冷却フィン12を介して、周囲へ熱を容易に発散することができる。
【0062】
次いで、冷却された潤滑油は、同様のチャンバK2に流れ込み、このチャンバは、下側の巻線ヘッド20bを取り囲んでいる。巻線ヘッド20bからの出口は、コンテナ内の潤滑油レベルが常に巻線ヘッドを完全に囲むように再び構成することができる。これは、例えば、容器の出口内の適切なオリフィスによって、又は出口チャネル76の適切な断面積によって、達成することができる。
【0063】
このようにして、一体化されたモータの2つの巻線ヘッド20a、20bは、戻ってくる潤滑油によって積極的に冷却される。一方、巻線ヘッドによって放散された熱の一部は、流れる潤滑油によって吸収されて伝導し、他方、巻線ヘッドによって放散された熱の一部は、巻線ヘッドの周囲のチャンバ内に立つ潤滑油によって周囲のセパレータハウジングに伝導される。そのためには、巻線ヘッド周辺のチャンバが潤滑油で充填される必要がある。
【符号の説明】
【0064】
符号のリスト
1 セパレータ
2 ドラム
3 駆動スピンドル
4 ネックベアリング
5 フットベアリング
6 ベアリングハウジング
6a 環状のフランジ部
7 モータハウジングカバーリング
7a 環状のフランジ部
71 環状のチャンバ
72 入口チャネル
73 出口チャネル
74 冷却チャネル
75 入口チャネル
76 出口チャネル
8 モータハウジング
8a リングフランジ部
9 フード
10 駆動モータ
11 駆動ハウジング
11a リングフランジ
12 冷却フィン
20 ステータ
20a 巻線ヘッド
20b 巻線ヘッド
20c コイルパック
21 ロータ
100 液体冷却システム
101 孔
102 潤滑油溜め
103 横断方向孔
K1、K2 チャンバ
D 回転軸
【国際調査報告】