(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-31
(54)【発明の名称】内視鏡フード
(51)【国際特許分類】
A61B 1/00 20060101AFI20230524BHJP
【FI】
A61B1/00 651
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022553073
(86)(22)【出願日】2021-03-05
(85)【翻訳文提出日】2022-10-31
(86)【国際出願番号】 AU2021050193
(87)【国際公開番号】W WO2021174311
(87)【国際公開日】2021-09-10
(32)【優先日】2020-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522350346
【氏名又は名称】ヒュルゼン, アレクサンダー
【氏名又は名称原語表記】HUELSEN, ALEXANDER
【住所又は居所原語表記】C/‐ MICHAEL BUCK IP, PO BOX 78, RED HILL, BRISBANE, QUEENSLAND 4059, AUSTRALIA
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】ヒュルゼン, アレクサンダー
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA04
4C161CC06
4C161FF37
4C161LL02
(57)【要約】
内視鏡の遠位端に装着されるように構成された内視鏡フードであって、内視鏡フードは、第一の端部と第二の端部との間に延在するフレキシブルで中空の円筒形本体であって、円筒形本体の第一の端部において開口部を介して内視鏡の遠位端を収容し且つ遠位端を第二の端部に隣接して配置できるようにするための、円筒形本体を通って延びている管腔を有し、中空の円筒形本体が、内視鏡の先端を係合して収容するための内側面を備える、フレキシブルで中空の円筒形本体を備え、円筒形本体の外側面は、円筒形本体の第一の端部と第二の端部との間に一つ以上の列状で配列された賦形外側部分によって形成され、賦形外側部分の各々は、賦形外側部分が、体腔を通る、内視鏡の先端を覆う内視鏡フードの前方向の動きの間に低摩擦抵抗を呈し、および体腔を通る、内視鏡の先端を覆う内視鏡フードの後ろ方向の動きの間には、より大きな摩擦抵抗を呈するように、円筒形本体の第二の端部に向かって収斂する、それぞれの接触面を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡の遠位端に装着されるように構成された内視鏡フードであって、該内視鏡フードは、
第一の端部と第二の端部との間に延在するフレキシブルで中空の円筒形本体であって、該円筒形本体の該第一の端部において開口部を介して前記内視鏡の前記遠位端を収容し且つ該遠位端を該第二の端部に隣接して配置できるようにするための、該円筒形本体を通って延びている管腔を有し、該中空の円筒形本体が、前記内視鏡の先端を係合して収容するための内側面を備える、フレキシブルで中空の円筒形本体を備え、
前記円筒形本体の外側面は、該円筒形本体の前記第一の端部と前記第二の端部との間に一つ以上の列状で配列された賦形外側部分によって形成され、該賦形外側部分の各々は、該賦形外側部分が、体腔を通る、前記内視鏡の先端を覆う前記内視鏡フードの前方向の動きの間に低摩擦抵抗を呈し、および該体腔を通る、前記内視鏡の先端を覆う該内視鏡フードの後ろ方向の動きの間には、より大きな摩擦抵抗を呈するように、該円筒形本体の該第二の端部に向かって収斂する、それぞれの接触面を備える、内視鏡フード。
【請求項2】
前記賦形外側部分の各々は、楔の前記接触面が、前記円筒形本体の前記第二の端部に向かって収斂する状態の楔を備え、それにより、楔形の賦形構造の厚さが、該円筒形本体の前記第二の端部に向かう方向に減少していく、請求項1に記載の内視鏡フード。
【請求項3】
前記賦形外側部分の各列は、前記円筒形本体の外側部分に沿って周方向に配列された複数の前記楔を備える、請求項2に記載の内視鏡フード。
【請求項4】
前記賦形外側部分の各列のそれぞれの楔は、前記第一の端部と第二の端部との間に配列された前記楔のうちの二つ以上から成るカラムを形成するように隣接して配列される、請求項3に記載の内視鏡フード。
【請求項5】
各楔の縁部は、前記円筒形本体の外側部分を横方向に横切って延在し、該縁部は、該本体の包囲された中空の内部空間を通る中央の長手方向軸に対して横方向になっている、請求項2乃至請求項4のいずれか一項に記載の内視鏡フード。
【請求項6】
前記内視鏡フードは、
前記円筒形本体の前記第二の端部に隣接して設けられている複数の排液開口と、
前記内視鏡フードの該本体の外側部分に沿って設けられた一つ以上の排液流路であって、各排液流路がそれぞれの排液開口に対応している、一つ以上の排液流路と、
をさらに備える、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の内視鏡フード。
【請求項7】
周方向に配列された各前記複数の楔における前記楔は、互いにそれぞれの排液流路から隔離される、請求項3または請求項4のいずれか一項に従属する場合の、請求項6に記載の内視鏡フード。
【請求項8】
各排液流路は、前記本体の前記第二の端部から前記第一の端部に向かって長手方向に延在する、請求項6または請求項7に記載の内視鏡フード。
【請求項9】
前方視方向に向かってギャップを維持するように、前記中空の本体の前記第二の端部に隣接して前記内側面に沿って配置されている賦形ストップ部材をさらに備え、該ギャップは、使用中に、該賦形ストップ部材に沿って配置される前記内視鏡のレンズと、該中空の本体の該第二の端部に開口部を画定する外側部分との間にあり、該賦形ストップ部は、流体を、前記内視鏡フードの該第二の端部に隣接する内側部分から、該内視鏡フードの前記本体の外部の外側部分へ排出することを可能にするための一つ以上の排液開口を備える、請求項6乃至請求項8のいずれか一項に記載の内視鏡フード。
【請求項10】
前記賦形ストップ部材は、前記円筒形本体の前記第二の端部に前記開口部を画定する前記外側部分と連続的に設けられる、請求項9に記載の内視鏡フード。
【請求項11】
前記複数の排液開口は、前記円筒形本体の前記賦形ストップ部材に沿って周方向に配置される、請求項6乃至請求項10のいずれか一項に記載の内視鏡フード。
【請求項12】
前記排液流路の各々は、前記内視鏡フードの前記本体の前記外側部分に沿って周方向に配列される、請求項6乃至請求項11のいずれか一項に記載の内視鏡フード。
【請求項13】
前記円筒形本体の前記第一の端部はフレキシブル要素を備え、各フレキシブル要素は、少なくとも一つの操作可能な構成において、該円筒形本体に実質的に平行である本体部分と、前記第一の端部から離れて延在し、および前記内視鏡フードの該円筒形本体の前記外側部分から離れて径方向に末広がりに散開するフレア状先端部とを備える、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の内視鏡フード。
【請求項14】
前記フレキシブル要素は、
前記体腔を介して前記内視鏡の先端を覆う前記内視鏡フードの前方向の動きの間に、前記フレア状端部が末広がりになる状態で、前記フレキシブル要素のうちの少なくともいくつかが、前記本体の長手方向の中心軸に沿って位置合わせされる中立位置と、
体腔の壁部との係合が進展した場合の末広がりのフレア状位置であって、前記体腔を介して前記内視鏡の先端を覆う前記内視鏡フードの後ろ方向の動きの間に、前記フレキシブル要素の前記本体部分は、該体腔の該壁部と係合するように、該内視鏡フードの前記円筒形本体に対して径方向外側方向に広がる、末広がりのフレア状位置と、
の間で撓むように適合される、請求項13に記載の内視鏡フード。
【請求項15】
前記フレキシブル要素の各々の長さは、該フレキシブル要素のそれぞれの先端部分が、前記円筒形本体の前記第二の端部に対して前方向に延びるのを防ぐために、前記内視鏡フードの該円筒形本体の高さ以下になっている、請求項13または請求項14のいずれか一項に記載の内視鏡フード。
【請求項16】
少なくとも第一の複数の前記フレキシブル要素と第二の複数のフレキシブル要素とを備え、該第一の複数における該フレキシブル要素の各々の長さは、該第二の複数における該複数のフレキシブル要素の長さよりも大きい、請求項13乃至請求項15のいずれか一項に記載の内視鏡フード。
【請求項17】
前記フレキシブル要素の各々は、該フレキシブル要素が前記円筒形本体の前記第一の端部から延びることを可能にするように、該円筒形本体の前記内側面と一体形成される、請求項13乃至請求項16のいずれか一項に記載の内視鏡フード。
【請求項18】
前記フレキシブル要素の各々は、前記内視鏡フードの前記中空の円筒形本体の前記第一の端部に前記開口部を画定する前記第一の端部の部分と一体形成される、請求項13乃至請求項17のいずれか一項に記載の内視鏡フード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧入によって、内視鏡の遠位端に装着することができる内視鏡フードに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の方法、装置または文書に関するどのような言及も、それらが、共通する一般的な認識の一部を構成したまたは構成する何らかの根拠または容認を構成するものとして解釈すべきではない。
【0003】
内視鏡検査/手術においては、消化管やその他諸々の体管腔を見るのに、フレキシブルな器具が用いられている。該器具には、画像を屈曲部の周りに伝送できるようになっている、および画像をスクリーン上のディスプレイに提示できるようになっている光ファイバまたは電荷結合素子(charge-couple device:CCD)カメラが備えられている。
【0004】
一つの問題は、ひだから成る結腸の解剖学的構造に関連している。該内視鏡の先端が該結腸の管腔に沿って通過する際、それらのひだは、粘膜の全面を視覚化する、および具体的には、それらのひだに隠れている前癌状態の病変および悪性の病変を見付ける内視鏡オペレータの能力を妨げる。また、病変またはポリープが見つけられる際に、該内視鏡の先端の位置を維持することも困難である。このことは、特に挿管中に、腸が既に該内視鏡シャフトを覆って蛇腹状になっている結腸の湾曲部または長さを横切る際に、該内視鏡の先端が動いて、該先端が、一定の速度で戻らずに素早く動いて滑動するため起こると仮定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のことを考慮すると、従来技術に関する問題のうちの少なくともいくつかに対応する、改良された内視鏡カバーまたは内視鏡フードを提供することが所望される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の態様において、該本発明は、内視鏡の遠位端に装着されるように構成された内視鏡フードを提供し、該内視鏡フードは、第一の端部と第二の端部との間に延在するフレキシブルで中空の円筒形本体を備え、該円筒形本体は、該円筒形本体の該第一の端部において開口部を介して前記内視鏡の前記遠位端を収容し且つ該遠位端を該第二の端部に隣接して配置できるようにするための、該円筒形本体を通って延びている管腔を有し、該中空の円筒形本体は、該内視鏡の前記先端を係合して収容するための内側面を備えている。
【0007】
少なくとも一つの好適な態様において、該本発明は、内視鏡の遠位端に装着されるように構成された内視鏡フードを提供し、該内視鏡フードは、フレキシブルで中空の円筒形本体を備え、該円筒形本体は、該円筒形本体の該第一の端部において開口部を介して前記内視鏡の前記遠位端を収容し且つ該遠位端を該第二の端部に隣接して配置できるようにするための、該円筒形本体を通って延びている管腔を有し、該中空の円筒形本体は、該内視鏡の前記先端を係合して収容するための内側面を備え、および該円筒形本体の外側面は、該円筒形本体の前記第一の端部と前記第二の端部との間に一つ以上の列状で配列された賦形外側部分によって形成され、該賦形外側部分の各々は、該賦形外側部分が、体腔を通る、前記内視鏡の先端を覆う前記内視鏡フードの前方向の動きの間に低摩擦抵抗を呈し、および該体腔を通る、前記内視鏡の先端を覆う該内視鏡フードの後ろ方向の動きの間には、より大きな摩擦抵抗を呈するように、該円筒形本体の該第二の端部に向かって収斂する、それぞれの接触面を備えている。
【0008】
実施形態において、前記賦形外側部分の各々は、楔の前記接触面が、前記円筒形本体の前記第二の端部に向かって収斂する状態の楔を備え、それにより、該楔の厚さは、該円筒形本体の該第二の端部に向かう方向に減少していく。
【0009】
好ましくは、該賦形外側部分の各列は、前記円筒形本体の前記外側部分に沿って周方向に配列された複数の前記楔を備えている。
【0010】
実施形態において、前記賦形外側部分の各列のそれぞれの楔は、前記第一の端部と第二の端部との間に配列された前記楔のうちの二つ以上から成るカラムを形成するように隣接して配列されている。
【0011】
実施形態において、各楔の縁部は、前記円筒形本体の前記外側部分を横方向に横切って延在し、該縁部は、該本体の包囲された中空の内部空間を通る中央の長手方向軸に対して横方向になっている。
【0012】
実施形態において、前記内視鏡フードは、
前記円筒形本体の前記第二の端部に隣接して設けられている複数の排液開口と、
前記内視鏡フードの該本体の前記外側部分に沿って設けられた一つ以上の前記排液流路であって、各排液流路が、それぞれの排液開口に対応している、一つ以上の前記排液流路と、
をさらに備えている。
【0013】
実施形態において、周方向に配列された各前記複数の楔における前記楔は、互いにそれぞれの排液流路から隔離されている。
【0014】
実施形態において、各排液流路は、前記本体の前記第二の端部から前記第一の端部に向かって長手方向に延在している。
【0015】
実施形態において、前記内視鏡フードは、前方視方向に向かってギャップを維持するように、前記中空の本体の前記第二の端部に隣接して前記内側面に沿って配置されている賦形ストップ部材をさらに備え、該ギャップは、使用中に、該賦形ストップ部材に沿って配置される前記内視鏡のレンズと、該中空の本体の該第二の端部に開口部を画定する外側部分との間にあり、該賦形ストップ部は、流体を、前記内視鏡フードの該第二の端部に隣接する内側部分から、該内視鏡フードの前記本体の外部の外側部分へ排出することを可能にするための一つ以上の排液開口を備えている。
【0016】
実施形態において、前記賦形ストップ部材は、前記円筒形本体の前記第二の端部に前記開口部を画定する前記外側部分と連続的に設けられている。
【0017】
実施形態において、前記複数の排液開口は、前記円筒形本体の前記賦形ストップ部材に沿って周方向に配置されている。
【0018】
実施形態において、前記排液流路の各々は、前記内視鏡フードの前記本体の前記外側部分に沿って周方向に配列されている。
【0019】
実施形態において、前記円筒形本体の前記第一の端部はフレキシブル要素を備え、各フレキシブル要素は、少なくとも一つの操作可能な構成において、該円筒形本体に実質的に平行である本体部分と、前記第一の端部から離れて延在し、および前記内視鏡フードの該円筒形本体の前記外側部分から離れて径方向に末広がりに散開するフレア状先端部とを備えている。
【0020】
実施形態において、前記フレキシブル要素は、
前記体腔を介して前記内視鏡の先端を覆う前記内視鏡フードの前方向の動きの間に、前記フレア状端部が末広がりになる状態で、前記フレキシブル要素のうちの少なくともいくつかが、前記本体の長手方向の中心軸に沿って前記フレア状端部と位置合わせされる中立位置と、
体腔の壁部との係合が進展した場合の末広がりのフレア状位置であって、前記体腔を介して前記内視鏡の先端を覆う前記内視鏡フードの後ろ方向の動きの間に、前記フレキシブル要素の前記本体部分が、該体腔の該壁部と係合するように、該内視鏡フードの前記円筒形本体に対して径方向外側方向に広がる、末広がりのフレア状位置と、
の間で撓むように適合されている。
【0021】
実施形態において、前記フレキシブル要素の各々は、前記内視鏡フードの前記中空の円筒形本体の前記第一の端部に前記開口部を画定する前記第一の端部部分と一体形成されている。
【0022】
別の実施形態においては、前記フレキシブル要素の各々は、該フレキシブル要素が前記円筒形本体の前記第一の端部から延びることを可能にするように、該円筒形本体の前記内側面と一体形成されている。
【0023】
実施形態において、前記フレキシブル要素の各々の長さは、該フレキシブル要素のそれぞれの先端部分が、前記円筒形本体の前記第二の端部に対して前方向に延びるのを防ぐために、前記内視鏡フードの該円筒形本体の高さ以下になっている。
【0024】
実施形態において、前記内視鏡フードは、少なくとも第一の複数の前記フレキシブル要素と第二の複数のフレキシブル要素とを備え、該第一の複数における該フレキシブル要素の各々の長さは、該第二の複数における該複数のフレキシブル要素の長さよりも大きくなっている。
【0025】
実施形態において、前記第二の端部における前記賦形ストップ部材及び前記外側部分は、該第二の端部において該開口部を画定する該外側部分が、該円筒形本体の前記第一の端部において該開口部を画定する外側部分の仮想平面に対して、一度と十度の範囲内の、およびより好ましくは五度未満の角度で傾斜している平面内にあるように構成されている。
【0026】
実施形態において、使用中に、前記遠位端を前記ストップ部材に隣接してまたは当接して配置すると、該遠位端のカメラが、該第二の端部における該開口部に対して中心が合わせられることになる。
【0027】
別の態様では、該内視鏡フードは、流体を、該内視鏡フードの該第二の端部に隣接する内側部分から、該内視鏡フードの前記本体の外部の外側部分へ排出することを可能にするように、好ましくは前記賦形ストップ部に沿って配設された一つ以上の排液開口を備えている。
【0028】
実施形態において、前記複数の排液開口は、前記円筒形本体の前記賦形ストップ部に沿って周方向に配置されている。
【0029】
実施形態において、前記内視鏡フードは、該内視鏡フードの該本体の該外側部分に沿って設けられた一つ以上の前記排液流路をさらに備え、各排液流路は、それぞれの排液開口に対応している。
【0030】
実施形態において、各排液流路は、前記本体の該第二の端部から該第一の端部に向かって長手方向に延在している。
【0031】
実施形態において、前記排液流路の各々は、前記内視鏡フードの該本体の該外側部分に沿って周方向に配置されている。
【0032】
別の態様において、該本発明は、内視鏡の遠位端に装着されるように構成された内視鏡フードを提供し、該内視鏡フードは、第一の端部と第二の端部との間に延在するフレキシブルで中空の円筒形本体を備え、該円筒形本体は、該円筒形本体の該第一の端部において開口部を介して前記内視鏡の前記遠位端を収容し且つ該遠位端を該第二の端部に隣接して配置できるようにするための、該円筒形本体を通って延びている管腔を有し、該中空の円筒形本体は、該内視鏡の該先端を係合して収容するための内側面を備え、前記円筒形本体の前記第一の端部はフレキシブル要素を備え、各フレキシブル要素は、少なくとも一つの操作可能な構成において、該円筒形本体に実質的に平行である本体部分と、前記第一の端部から離れて延在し、および前記内視鏡フードの該円筒形本体の前記外側部分から離れて径方向に末広がりに散開するフレア状先端部とを備えている。
【図面の簡単な説明】
【0033】
該本発明の好適な形状構成、実施形態および変形例は、該本発明を実行するために、当業者に十分な情報を提供する以下の詳細な説明から理解することができる。該詳細な説明は、決して該本発明の先行の概要の範囲を限定するものと見なすべきではない。該詳細な説明は、以下の通り多くの図面を参照するであろう。
【
図1】「チップオンチップ」タイプの内視鏡の先端(従来技術)の上面斜視図である。
【
図2】内視鏡キャップH(従来技術)を備えた該チップオンチップタイプの内視鏡の先端の側面図である。
【
図3】第一の実施形態による内視鏡フード100の第一の側面図である。
【
図6】該内視鏡フード100の第一の正面側斜視図である。
【
図7】該内視鏡フード100の第二の正面側斜視図である。
【
図10】第二の実施形態による内視鏡フード200の第一の側面図である。
【
図11】該内視鏡フード200の後方斜視図である。
【
図12】該内視鏡フード200の正面斜視図である。
【
図13】別の実施形態による内視鏡フード300の側面斜視図である。
【
図14】該内視鏡フード300の後方斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図3~
図9は、該本発明の第一の実施形態による内視鏡フード100を示す。前述の議論から明らかなように、該内視鏡フード100は、内視鏡の遠位端に取付けられるのに適しており(
図1に示す)、および限定するものではないが、該消化管の該結腸または他の部位または他の体管腔等の体腔に挿入されるのに適している。該内視鏡の先端は、典型的には、当技術分野において周知のように、該体腔を見るための一つ以上の画像取得装置、および、(例えば、器具を導入して、組織サンプルを集めるための、または、灌注または吸引用等の)作業管腔を備えている。該内視鏡フード100は、
図1に示す該先端等の何らかの特定のタイプの内視鏡の先端との使用に決して限定されないことを正しく認識することが重要である。
【0035】
該内視鏡フード100は、挿入端部101(本明細書全体を通して「第一の端部」とも言う)と、遠位端102(該本明細書全体を通して「第二の端部」とも言う)との間に延在する、フレキシブルで中空の円筒形本体110を備えている。該中空の円筒形本体110は、該内視鏡の該遠位端を収容するための内部容積を画定する内側面105(
図6を参照)を備えている。使用中、該内視鏡の該遠位端は、該挿入端部101に圧入されて、該内視鏡フード100の該遠位端102に隣接して該遠位端に配置するように該管腔内を通される。該円筒形本体110を形成している柔軟材料は、該管腔の該内側面105(
図6を参照)が、該内視鏡の該遠位端本体に係合することを可能にし、および該円筒形本体110が、該内視鏡の先端にしっかり嵌合できるようになっている。
【0036】
賦形(profiled)ストップ部材140は、該円筒形本体の該内側面105に沿って配置されている。
図6および
図7に明確に図示されているように、該賦形ストップ部材140は、該内視鏡の先端が該賦形ストップ部材140に沿って配置されたときに、前方視方向に所定のギャップを維持するように、該円筒形本体110の該遠位端102に隣接して配設されている。該賦形ストップ部材140は、該内視鏡の先端が、不注意で推奨焦点距離を越えて押し込まれるのを防ぐのに十分な高さである厚さを備えている。使用中、該円筒形本体110の該遠位端102を画定する外縁部は、(該内視鏡の先端に取付けられた該内視鏡フード100が中に挿入される)該体腔の壁部に接触する。該内視鏡の先端を該賦形ストップ部材140に押し当てて配置することは、内視鏡の先端が、該内視鏡を操作している間、確実に焦点が合ったままの状態にする。
【0037】
図1および
図2を参照すると、「チップオンチップ」技術を組み込んでいる内視鏡の先端は、(センサチップとしても知られている)カメラチップが、該先端の中心から外れた位置に配設されることを要することは明らかである。典型的には、このことは、該内視鏡の先端の該中心を外れた位置において外側に突出する該カメラチップをもたらす。このことは、作業管腔及び光源も該先端に設ける必要がある理由で、実施上の配慮点である。その結果として、(
図2に示す)従来の内視鏡カバーまたはスリーブHを使用すると、該カメラチップが、該体腔の該壁部に近付き過ぎて配置されることになる。この問題は特に、一般に、結腸内視鏡検査および該消化管の任意の部位の内視鏡検査中によく見られ、およびこれには、限定するものではないが、ゆっくりとした内視鏡の挿入、および粘膜病変(ポリープ、悪性腫瘍および悪性腫瘍の前駆体)の非常に精密な検査におけるその他の主要な欠点を含む検査に対する悪影響がある。
【0038】
遠位の内視鏡端部を越えて延在する、該従来の内視鏡キャップまたはフードのほとんどは、該遠位端において直線状にカットされている。このような従来のキャップが、該チップオンチップタイプの内視鏡の先端に取付けられた場合、該従来の内視鏡キャップの該遠位の縁は、該内視鏡の先端において、該カメラの平面に対してわずかな角度を付けて向けられる(
図2を参照)。その結果として、該従来の内視鏡キャップを用いた粘膜病変の何らかの検査は、画像の一部のピントが合っていないことになる。該内視鏡フード100は、該賦形ストップ部材140と、該第二の端部102を画定する該外側部分または外縁部とを、該第二の端部102における該外縁部が、該円筒形本体110の該挿入端部101において該挿入開口部を画定する該外縁部の仮想平面P1(
図3を参照)に対してわずかに角度が付いている仮想平面P2(
図3を参照)内にあるように構成することによってこの問題に対応している。該賦形ストップ部材140の先端収容縁部は、該仮想平面P1に平行な平面内にある。使用中、該内視鏡の先端は、該ストップ部材140の該先端収容縁部に当接して配置される。好ましくは、該第二の端部102を画定する該外縁部の該平面P2は、該第一の端部101を画定する該外縁部の該平面に対して十度未満の角度が付けられている。好適な実施形態において、該賦形ストップ部材140は、該円筒形本体110の該第二の端部102を形成する該外縁部と連続的に形成されている。その結果として、該賦形ストップ部材140の全体の厚さ間の距離は、該円筒形本体の周囲に沿って変化する。例として、第一の位置における該賦形ストップ部材140の最小厚さは2mmとすることができ、また、この厚さは、例えば、3mmまたは場合によっては4mmの最大厚さを生じるように、該周囲に沿って変化してもよい。その結果として、該円筒形本体110の外側壁の高さも、該周囲に沿って変化する。該円筒形本体110の該壁部の高さの変化は、
図4および
図5に最も明確に図示されている。
【0039】
該賦形ストップ部材140には、該賦形ストップ部材140に沿って周方向に配列されている複数の排液開口130も設けられている。使用中、一旦、該内視鏡の先端が、該賦形ストップ部材140に当接して配置されると、粘膜流体または他の流体は、多くの場合、該前方視方向において、(該第二の端部102に隣接する)内部の中空容積内に溜まる可能性がある。該排液開口130は、このような溜まった流体が、該中空の容積から排出されることを可能にする。該周方向に配列された排液開口の各々は、該内視鏡フード100の該円筒形本体110の該外側壁部内に凹んでいる対応する排液流路135内に該流体を排出する。各流路135は、該円筒形本体110の該挿入端部101に向かって、該外側壁部105の長さに沿って延在し、それにより、使用中に、該内視鏡の先端から離して該流体を方向付ける。
【0040】
該周方向の排液流路135の各々は、賦形楔部122のカラム120によって離間されている。該楔部122は、体腔を通る、前記内視鏡の先端を覆う前記内視鏡フード100の前方向の動きの間に低摩擦抵抗を呈し、および該体腔を通る、前記内視鏡の先端を覆う該内視鏡フード100の後ろ方向の動きの間には、より大きな摩擦抵抗を呈するように形成されている。各楔部122は、該楔部122の(該円筒形本体110の該外側面を横切って横方向に延在する)縁部から、該第二の端部102に向かって径方向内側方向に傾斜する傾斜接触面を含む。各カラム120に隣接して配列されている楔部122の方向性は、該楔部122と、(該内視鏡フード100がその中で使用される)該体腔の任意の壁部との間の摩擦抵抗を低くする。一方で、後ろ方向の動きの間(典型的には、抜管時)、各楔部122の突出している縁部は、該体腔の該壁部との摩擦抵抗の増加を支援し、このことは、該体腔のひだの平坦化を支援する。
【0041】
別の重要な考慮すべき事項は、該排液流路135と、該排液流路135と交差し、および改善された横方向の排液をもたらす各楔122の該傾斜面によって形成された横方向のフロー経路との複合的な影響に関連する。したがって、このメカニズムは、該内視鏡フード100の該外側本体に沿って設けられた賦形楔122の該カラム120によって形成された横方向流路を通って流体が流れることを可能にするオーバーフロー経路を設ける際に役に立つ。
【0042】
図10~
図12を参照すると、該内視鏡フード200の第二の実施形態が図示されている。同様の参照数字は、これまでに説明した類似の形状構成を表すものとする。該内視鏡フード200は、該挿入端部101から離れて延在し、および該内視鏡フード200の該円筒形本体110の該外側部分から離れて径方向に末広がりに散開するフレア状構成を有するフレキシブル要素270を含む。該要素270の各々は、径方向外側の末広がり方向に湾曲されているフレア状先端部分274を有する、実質的に細長くて平坦化された輪郭を備えている。該要素270の各々には、該挿入開口部101を画定する該円筒形本体110の該端部が一体形成されている。
【0043】
該フレキシブル要素270の各々は、中立位置と、末広がりのフレア状位置との間で撓むように適合されている。該中立位置においては、該フレキシブル要素270のうちの少なくともいくつかは、該体腔を通る、該内視鏡の先端を覆う前記内視鏡フード200の前方向の動きの間に、該本体110の長手方向の中心軸に沿って位置合わせされる。該末広がりのフレア状位置においては、体腔の壁部との係合が進展した場合、該体腔を通る、該内視鏡の先端を覆う該内視鏡フード200の後ろ方向の動きは、該フレキシブル要素270のうちの少なくともいくつかを、該体腔の該壁部と係合するように、該内視鏡フード200の該円筒形本体110に対して、径方向外側方向に広げることとなる。フィラメント270には、該円筒形本体110の外側面205が一体形成されている。各フレキシブル要素270が、恒久的にフレア状の先端部274を有する直線状本体272を備えていることに留意することが重要である。このような構造は、該先端部274が、該内視鏡の先端の該前方向の動きの間であっても、(限定された範囲内で)該体腔の壁部に末広がりで係合したままになることを可能にし、同時に、該フレキシブル要素270の該本体部分は、該円筒形本体110と実質的に平行なままである。
【0044】
該要素270の装備は、(取付けられた該内視鏡フード200を用いた)該内視鏡の先端の挿入中に該結腸を直線状にする際に臨床医を支援する。該消化管(結腸、小腸等)の抜管中には、該結腸中に多くの湾曲部が有り、およびこのような湾曲部を通して前に進めることは、一般に、該腸を引き伸ばし、そのため、公知の内視鏡フードを使用する該内視鏡を後ろに引っ張らなければならない。該フレキシブル要素270の単独での装備および/または該賦形部分122と組合せた装備は、該内視鏡フードの滑りを防ぎ、それにより、該小腸の長さを、該フレキシブル要素270の該先端部274の背後で短くできるようにする。該楔形状の賦形部分122の形状は、前の章で議論したように、挿管を容易にし続ける。必然的に曲がっている先端部274を有する該フレキシブル要素270に関する別の利点は、抜管中に、該フレキシブル要素270が、該先端部274の該曲がっている部分に沿って円滑に広がって折れ曲がり、それによって、取付けられた該内視鏡を有する該内視鏡フード200の動きを円滑にするということである。
【0045】
該内視鏡フード200を引っ込める間、該フレキシブル要素270が抜管中に該結腸壁に係合する場合、フレキシブル要素270は、かなり長くならなければならない。そのため、可変長を有するフレア状先端部分を備えたフレキシブル要素(具体的には、符号271等の比較的より長い長さを有する第一の複数の要素と、第二の複数のフレキシブル要素273)の装備は、挿管および抜管中に、該内視鏡フード200が、該結腸壁の該ひだを伸展することを可能にする。また、複数の長さを有するフレキシブル要素270を装備することが、より長い引っ込め距離にわたって全体の抵抗を増加させることも考えられる。これは、一旦、(例えば、第一の長さ271から成る)フレキシブル要素が粘膜層に係合すると、該円筒形本体110の該第二の端部に向かって撓んで折れ曲がり易くなり、それによって、呈する該抵抗を低減するためである。可変長を有するフレキシブル要素270を有することは、すべての該フレキシブル要素270が同時に折り畳まれず、それによって、該内視鏡フード200の引っ込み動作に関して呈せられる該全体の抵抗を増加させることを確実にする。
【0046】
別の重要な考慮すべき事項は、該フレキシブル要素270の該長さに関する。該フレキシブル要素270の最大長さは、後ろ方向の動きの間に、該フレキシブル要素が、該円筒形本体の該第二の端部102を越えて前方方向に延びないことを確実にするように選択される。このような特徴は、該フレキシブル要素270が、該前方方向における該内視鏡の先端のカメラの視界を妨げたり干渉したりする可能性がある状況を回避する。
【0047】
図13および
図14を参照すると、内視鏡フード300の別の実施形態が図示されている。ここでも、同様の参照数字は、既に説明されている類似の形状構成を示すものとする。該内視鏡フード300は、該挿入端部101から離れて延在し、および該内視鏡フード300の該円筒形本体110の該外側部分から離れて径方向に末広がりに散開するフレア状構成を有するフレキシブル要素370を含む。重要なことには、前述した内視鏡フード200とは違って、該フレキシブル要素370は、該内視鏡フード300の該円筒形本体110の内側面に付着されて該内側面から延在しており、および該円筒形本体110の該外側面305からは延在していない。該要素370の各々は、径方向外側の末広がり方向に湾曲されているフレア状先端部分374を有する、実質的に細長くて平坦化された輪郭も備えている。該要素370の各々には、該円筒形本体110の該内側面が一体形成されており、および該要素の各々は、該内視鏡フード300の該円筒形本体110の該外側面305に直接付着されてはいない。
【0048】
また、該フレキシブル要素370は、中立位置と、末広がりのフレア状位置との間で撓むように適合されている。該中立位置において、該フレキシブル要素370のうちの少なくともいくつかは、該体腔を通る、該内視鏡の先端を覆う前記内視鏡フード300の前方向の動きの間に、該本体110の長手方向の中心軸に沿って位置合わせされる。該末広がりのフレア状位置においては、体腔の壁部との係合が進展した場合、該体腔を通る、該内視鏡の先端を覆う該内視鏡フード300の後ろ方向の動きは、該フレキシブル要素370のうちの少なくともいくつかを、該体腔の該壁部と係合するように、該内視鏡フード300の該円筒形本体110に対して、径方向外側方向に広げることとなる。各フレキシブル要素370が、恒久的なフレア状先端部374を有する直線状本体372を備えていることに留意することが重要である。このような構造は、該先端部374が、該内視鏡の先端の該前方向の動きの間であっても、(限定された範囲内で)該体腔の壁部に末広がりで係合したままになることを可能にし、同時に、該フレキシブル要素370の該本体部分は、該円筒形本体110と実質的に平行なままである。
【0049】
本出願人等は、少なくとも出願において、具体的には、該末広がりの構成においては、該フレキシブル要素370が、該円筒形本体110の該内側面に付着されているため、該フレキシブル要素370が、該内視鏡フード300の該円筒形本体110から離脱する可能性は低いと仮定する。
【0050】
該要素370の装備は、該前の章の該フレキシブル要素270の場合に説明したのと同じ方法で、(取付けられた該内視鏡フード300を用いた)該内視鏡の先端の挿入中に該結腸を直線状にする際に臨床医を支援する。
【0051】
該本発明を、法律に従って、構造的特徴または方法的特徴に概ね固有の言葉で説明してきた。「備える(comprise)」という用語と、「備えている(comprising)」および「構成される(comprised of)」等のその変化形は、全体を通して、包括的に用いられ、および任意の追加的な形状構成の排除に関しては用いられていない。
【0052】
本願明細書に記載されている装置は、該本発明を具体化する好適な形態を備えるため、該本発明は、図示されているまたは記載されている特定の形状構成に限定されないことを理解すべきである。
【0053】
したがって、該本発明は、当業者によって適切に解釈される添付クレームの適切な範囲内でのその形態または変更例のうちのいずれかにおいてクレームされる。
【手続補正書】
【提出日】2021-10-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡の遠位端に装着されるように構成された内視鏡フードであって、該内視鏡フードは、
第一の端部と第二の端部との間に延在するフレキシブルで中空の円筒形本体であって、該円筒形本体の該第一の端部において開口部を介して前記内視鏡の前記遠位端を収容し且つ該遠位端を該第二の端部に隣接して配置できるようにするための、該円筒形本体を通って延びている管腔を有し、該中空の円筒形本体が、前記内視鏡の先端を係合して収容するための内側面を備える、フレキシブルで中空の円筒形本体を備え、
前記円筒形本
体は、該円筒形本体の前記第一の端部と前記第二の端部との間に一つ以上の列状で配列された賦形外側部分によって形成され、該賦形外側部分の各々は、該賦形外側部分が、体腔を通る、前記内視鏡の先端を覆う前記内視鏡フードの前方向の動きの間に低摩擦抵抗を呈し、および該体腔を通る、前記内視鏡の先端を覆う該内視鏡フードの後ろ方向の動きの間には、より大きな摩擦抵抗を呈するように、該円筒形本体の該第二の端部に向かって収斂する、それぞれの接触面を備え
、前記賦形部分によって形成された前記円筒形本体は、前方向及び後ろ方向の動きの間に前記内視鏡の先端を収容して係合するための前記内側面を備える、内視鏡フード。
【請求項2】
前記賦形外側部分の各々は、楔の前記接触面が、前記円筒形本体の前記第二の端部に向かって収斂する状態の楔を備え、それにより、楔形の賦形構造の厚さが、該円筒形本体の前記第二の端部に向かう方向に減少していく、請求項1に記載の内視鏡フード。
【請求項3】
前記賦形外側部分の各列は、前記円筒形本体の外側部分に沿って周方向に配列された複数の前記楔を備える、請求項2に記載の内視鏡フード。
【請求項4】
前記賦形外側部分の各列のそれぞれの楔は、前記第一の端部と第二の端部との間に配列された前記楔のうちの二つ以上から成るカラムを形成するように隣接して配列される、請求項3に記載の内視鏡フード。
【請求項5】
各楔の縁部は、前記円筒形本体の外側部分を横方向に横切って延在し、該縁部は、該本体の包囲された中空の内部空間を通る中央の長手方向軸に対して横方向になっている、請求項2乃至請求項4のいずれか一項に記載の内視鏡フード。
【請求項6】
前記内視鏡フードは、
前記円筒形本体の前記第二の端部に隣接して設けられている複数の排液開口と、
前記内視鏡フードの該本体の外側部分に沿って設けられた一つ以上の排液流路であって、各排液流路がそれぞれの排液開口に対応している、一つ以上の排液流路と、
をさらに備える、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の内視鏡フード。
【請求項7】
周方向に配列された各前記複数の楔における前記楔は、互いにそれぞれの排液流路から隔離される、請求項3または請求項4のいずれか一項に従属する場合の、請求項6に記載の内視鏡フード。
【請求項8】
各排液流路は、前記本体の前記第二の端部から前記第一の端部に向かって長手方向に延在する、請求項6または請求項7に記載の内視鏡フード。
【請求項9】
前方視方向に向かってギャップを維持するように、前記中空の本体の前記第二の端部に隣接して前記内側面に沿って配置されている賦形ストップ部材をさらに備え、該ギャップは、使用中に、該賦形ストップ部材に沿って配置される前記内視鏡のレンズと、該中空の本体の該第二の端部に開口部を画定する外側部分との間にあり、該賦形ストップ部は、流体を、前記内視鏡フードの該第二の端部に隣接する内側部分から、該内視鏡フードの前記本体の外部の外側部分へ排出することを可能にするための一つ以上の排液開口を備える、請求項6乃至請求項8のいずれか一項に記載の内視鏡フード。
【請求項10】
前記賦形ストップ部材は、前記円筒形本体の前記第二の端部に前記開口部を画定する前記外側部分と連続的に設けられる、請求項9に記載の内視鏡フード。
【請求項11】
前記複数の排液開口は、前記円筒形本体の前記賦形ストップ部材に沿って周方向に配置される、請求項6乃至請求項10のいずれか一項に記載の内視鏡フード。
【請求項12】
前記排液流路の各々は、前記内視鏡フードの前記本体の前記外側部分に沿って周方向に配列される、請求項6乃至請求項11のいずれか一項に記載の内視鏡フード。
【請求項13】
前記円筒形本体の前記第一の端部はフレキシブル要素を備え、各フレキシブル要素は、少なくとも一つの操作可能な構成において、該円筒形本体に実質的に平行である本体部分と、前記第一の端部から離れて延在し、および前記内視鏡フードの該円筒形本体の前記外側部分から離れて径方向に末広がりに散開するフレア状先端部とを備える、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の内視鏡フード。
【請求項14】
前記フレキシブル要素は、
前記体腔を介して前記内視鏡の先端を覆う前記内視鏡フードの前方向の動きの間に、前記フレア状端部が末広がりになる状態で、前記フレキシブル要素のうちの少なくともいくつかが、前記本体の長手方向の中心軸に沿って位置合わせされる中立位置と、
体腔の壁部との係合が進展した場合の末広がりのフレア状位置であって、前記体腔を介して前記内視鏡の先端を覆う前記内視鏡フードの後ろ方向の動きの間に、前記フレキシブル要素の前記本体部分は、該体腔の該壁部と係合するように、該内視鏡フードの前記円筒形本体に対して径方向外側方向に広がる、末広がりのフレア状位置と、
の間で撓むように適合される、請求項13に記載の内視鏡フード。
【請求項15】
前記フレキシブル要素の各々の長さは、該フレキシブル要素のそれぞれの先端部分が、前記円筒形本体の前記第二の端部に対して前方向に延びるのを防ぐために、前記内視鏡フードの該円筒形本体の高さ以下になっている、請求項13または請求項14のいずれか一項に記載の内視鏡フード。
【請求項16】
少なくとも第一の複数の前記フレキシブル要素と第二の複数のフレキシブル要素とを備え、該第一の複数における該フレキシブル要素の各々の長さは、該第二の複数における該複数のフレキシブル要素の長さよりも大きい、請求項13乃至請求項15のいずれか一項に記載の内視鏡フード。
【請求項17】
前記フレキシブル要素の各々は、該フレキシブル要素が前記円筒形本体の前記第一の端部から延びることを可能にするように、該円筒形本体の前記内側面と一体形成される、請求項13乃至請求項16のいずれか一項に記載の内視鏡フード。
【請求項18】
前記フレキシブル要素の各々は、前記内視鏡フードの前記中空の円筒形本体の前記第一の端部に前記開口部を画定する前記第一の端部の部分と一体形成される、請求項13乃至請求項17のいずれか一項に記載の内視鏡フード。
【国際調査報告】