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特表2023-522581ビデオゲームにおけるキャラクタ同士のインタラクション
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-31
(54)【発明の名称】ビデオゲームにおけるキャラクタ同士のインタラクション
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/5372 20140101AFI20230524BHJP
   A63F 13/56 20140101ALI20230524BHJP
   A63F 13/52 20140101ALI20230524BHJP
   A63F 13/54 20140101ALI20230524BHJP
   A63F 13/5375 20140101ALI20230524BHJP
【FI】
A63F13/5372
A63F13/56
A63F13/52
A63F13/54
A63F13/5375
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022560151
(86)(22)【出願日】2020-03-30
(85)【翻訳文提出日】2022-10-14
(86)【国際出願番号】 GB2020050845
(87)【国際公開番号】W WO2021198628
(87)【国際公開日】2021-10-07
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517084612
【氏名又は名称】スクウェア エニックス、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SQUARE ENIX,LTD.,
(74)【代理人】
【識別番号】100209886
【弁理士】
【氏名又は名称】金森 寛
(72)【発明者】
【氏名】ギャリス ザック
(72)【発明者】
【氏名】リオンズ マーク
(72)【発明者】
【氏名】ジマーマン ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】ウェザール アンディ
(72)【発明者】
【氏名】ボリンジャー トッド
(72)【発明者】
【氏名】ショア ザカリー
(72)【発明者】
【氏名】ローレンス フィリップ
(57)【要約】
ビデオゲームにおけるキャラクタ同士のインタラクション
コンピュータ装置によって実行され、ビデオゲームのプレイヤに提示される仮想ゲーム世界と、第1キャラクタ及び前記プレイヤによって制御される第2キャラクタを含む、前記仮想ゲーム世界における複数のキャラクタとで構成されるビデオゲームを提供する、コンピュータ装置によって実行されるプログラムを含むコンピュータ可読記録媒体であって、前記プログラムは、前記コンピュータ装置を、第1キャラクタの感情状態又は身体状態のインジケータである、状態インジケータを生成するように構成された状態インジケータ生成部、及び第1キャラクタの感情状態又は身体状態と第2キャラクタの感情状態又は身体状態との間に生じるカップリングを示すカップリングインジケータを生成するように構成されたカップリングインジケータ生成部として機能させるコンピュータ可読記録媒体である。
図24は要約に添付する)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオゲームのプレイヤに提示される仮想ゲーム世界と、第1キャラクタ及び前記プレイヤによって制御される第2キャラクタを含む、前記仮想ゲーム世界における複数のキャラクタとで構成されるビデオゲームを提供する、コンピュータ装置によって実行されるプログラムを含むコンピュータ可読記録媒体であって、
前記プログラムは、前記コンピュータ装置を、
第1キャラクタの感情状態又は身体状態のインジケータである、状態インジケータを生成するように構成された状態インジケータ生成部、及び
第1キャラクタの感情状態又は身体状態と第2キャラクタの感情状態又は身体状態との間に生じるカップリングを示すカップリングインジケータを生成するように構成されたカップリングインジケータ生成部
として機能させるコンピュータ可読記録媒体。
【請求項2】
前記仮想ゲーム世界において、前記第2キャラクタが前記第1キャラクタから第1の所定の閾値の距離より近づいた場合に、前記第1キャラクタの感情状態又は身体状態が、前記第2キャラクタの感情状態又は身体状態とカップリングされる、請求項1に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項3】
前記状態インジケータ生成部が、前記仮想ゲーム世界において、前記第2キャラクタが前記第1キャラクタから第2の所定の閾値の距離より近づいた場合に、前記状態インジケータを生成するように構成される、請求項1又は2に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項4】
前記カップリングインジケータ生成部は、前記仮想ゲーム世界における前記第1の所定の閾値の距離のグラフィカルインジケーションを生成するように構成され、及び/又は、前記状態インジケータ生成部は、前記仮想ゲーム世界における前記第2の所定の閾値の距離のグラフィカルインジケーションを生成するように構成される、請求項2又は3に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項5】
前記状態インジケーション又は前記カップリングインジケーションの少なくとも一方は、グラフィカルインジケーションを含む、請求項1~4のいずれかに記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項6】
前記状態インジケーションは、前記第1キャラクタを少なくとも部分的に囲むグラフィカルインジケーションを含む、請求項5に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項7】
前記状態インジケーションは、前記第1キャラクタを少なくとも部分的に囲む可視オーラを含む、請求項6に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項8】
前記可視オーラは、前記第1キャラクタと前記第2キャラクタとの距離が縮減するにつれて、サイズ又は強度が大きくなる、請求項7に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項9】
前記カップリングインジケーションは、前記第1キャラクタを少なくとも部分的に囲むグラフィカルインジケーションと、前記第2キャラクタを少なくとも部分的に囲む対応するグラフィカルインジケーションとを含む、請求項5に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項10】
前記カップリングインジケーションは、前記第1キャラクタを少なくとも部分的に囲む可視オーラと、前記第2のキャラクタを少なくとも部分的に囲む対応する可視オーラとを含む、請求項9に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項11】
前記可視オーラの一方又は両方は、前記第1キャラクタと前記第2キャラクタとの距離が縮減するにつれて、サイズ又は強度が大きくなる、請求項10に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項12】
前記状態インジケーション又は前記カップリングインジケーションは、色又は輝度の調整を含む、請求項5~11のいずれかに記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項13】
前記状態インジケーション又は前記カップリングインジケーションは音を含む、請求項1~12のいずれかに記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項14】
前記音は、前記第1キャラクタと前記第2キャラクタとの距離が縮減するにつれて、音量が大きくなる、請求項13に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項15】
前記プログラムはさらに、前記コンピュータ装置を、
前記第1キャラクタの感情状態又は身体状態と前記第2キャラクタの感情状態又は身体状態とのカップリングを開始するためのユーザ入力をプレイヤが提供し得るというインジケーションを生成するように構成されたユーザインタラクションインジケーション生成部、
として機能させる、請求項1~14のいずれかに記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項16】
プレイヤがユーザ入力を提供し得る旨のインジケーションが、ボタンプロンプト又は音の少なくとも一方を含む、請求項15に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項17】
前記プログラムはさらに、前記コンピュータ装置を、
前記第1キャラクタの感情状態又は身体状態に基づいて、前記第1キャラクタが知覚するエンティティのインジケーションを生成するように構成された知覚インジケーション部
として機能させる、請求項1~16のいずれかに記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項18】
前記知覚インジケーション部は、前記第1キャラクタによって視覚的に知覚される前記仮想ゲーム世界におけるエンティティと前記プレイヤがインタラクトしてもよい旨のインジケーションを生成するように構成される、請求項17に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項19】
前記知覚インジケーション部は、前記第1キャラクタが知覚したエンティティを含むように、前記プレイヤに提示される仮想ゲーム世界を変更するように構成される、請求項17又は18に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項20】
前記第1キャラクタが知覚するエンティティは、前記第1キャラクタが視覚的に知覚する仮想ゲーム世界におけるエンティティである、請求項17~19のいずれかに記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項21】
前記第1キャラクタの感情状態は、怒り、悲しみ、喜び、恐れ、不安、驚き、愛、後悔、罪悪感、妄想症、又は嫌悪感の少なくとも1つを含む、請求項1~20のいずれかに記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項22】
前記第1キャラクタの身体状態は、痛み、体温、酔い、視覚障害、認知障害、運動障害、聴覚障害のうち少なくとも1つを含む、請求項1~21のいずれかに記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項23】
前記第2キャラクタの身体状態と前記第1キャラクタの身体状態がカップリングされた場合に、前記第2キャラクタは前記第1キャラクタの身体状態を体験する、請求項1~22のいずれかに記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項24】
前記第1キャラクタの身体状態は、前記第2キャラクタの動作の前記プレイヤによる制御に影響を与える、請求項23に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項25】
前記第1キャラクタの身体状態は、前記プレイヤに対する前記仮想ゲーム世界の表現に影響を与える、請求項23又は24に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項26】
前記第1キャラクタは、ノンプレイヤキャラクタである、請求項1~25のいずれかに記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項27】
前記第1キャラクタは、他のプレイヤが操作するキャラクタである、請求項1~25のいずれかに記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項28】
前記第1キャラクタの感情状態又は身体状態と前記第2キャラクタの感情状態又は身体状態とがカップリングされた場合に、前記第1キャラクタの感情状態若しくは身体状態、又は前記第2キャラクタの感情状態若しくは身体状態を変更するために、前記プレイヤがインタラクトすることができる、請求項1~27のいずれかに記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項29】
前記プログラムは、前記ビデオゲーム内のミニゲームを前記プレイヤに提供するように構成され、前記ミニゲームでインタラクトすることによって、前記プレイヤは、前記第1キャラクタの感情状態若しくは身体状態、又は前記第2キャラクタの感情状態若しくは身体状態を変更できる、請求項28に記載のコンピュータ可読記録媒体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビデオゲームに関するものであり、さらには、ビデオゲームの仮想ゲーム世界内でのキャラクタ間のインタラクションを高めるための仕組みに関する。
【背景技術】
【0002】
シングルプレイ型ロールプレイングゲーム、又は大規模マルチプレイ型オンラインロールプレイングゲーム等の多くのビデオゲームにおいて、プレイヤは、仮想ゲーム世界内でいわゆる「プレイヤキャラクタ」を制御して、ゲームを進行させることができる。例えば、ゲームは、完全に架空の世界を提供してもよく、プレイヤは、様々なゲームの仕組みを使用して、プレイヤキャラクタをゲーム世界内の様々な他のキャラクタ及びオブジェクトとインタラクトさせて、ストーリーを進行させてもよい。本稿で使用される「プレイヤ」という用語は、「ユーザ」という用語と互換的に用いることができ、2つの用語は同義語として扱われるべきであることに留意されたい。
【0003】
このようなストーリードリブン型ゲームでは、プレイヤキャラクタが他の様々な「ノンプレイヤ」キャラクタ(ビデオゲームプログラム自体によって制御される)に遭遇し、ゲームを進めるための手段として、又はストーリーの説明を提供するための手段として、これらのキャラクタとインタラクトすることが一般的である。例えば、プレイヤキャラクタにクエストを設定したり、目的を達成するためのヒントを与えたり、あるいは物語のある側面についてより詳しく知るために、プレイヤはノンプレイヤキャラクタとインタラクトすることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、仮想ゲーム世界において他のキャラクタとインタラクトし、影響を与えるためにプレイヤが選択可能な選択肢は、多くの場合、いくつかの対話オプションの中から1つを選択する、あるいは関連するクエストの達成又は失敗というような他の単純で限られた仕組みに限定される。その結果、プレイヤはビデオゲームへの没入感を得られなくなる場合がある。
【0005】
したがって、ゲーム世界におけるプレイヤキャラクタ及び他のキャラクタ間で利用可能なインタラクションの範囲を拡大し、それによって、プレイヤにとってより満足で、楽しい体験を提供することが望まれている。同様に、ゲームデザイナがユーザに情報を伝えるための仕組み、例えば、ストーリー/仮想ゲーム世界にユーザを案内する仕組みの範囲を拡張することも望まれている。
【0006】
さらに、ゲームによって一般的に提供される限られた情報に基づいて、仮想ゲーム世界におけるキャラクタの感情の状態を量ることは、プレイヤにとって困難である場合もある。例えば、特にゲームが、比較的低い解像度で実行される場合、抽象的なアートスタイルを有する場合、又はキャラクタが人間ではない場合(例えば、動物又は架空の存在)、プレイヤは、容易に誤解され得る顔の表情に頼らなければならない場合がある。または、プレイヤは、ノンプレイヤキャラクタの感情の状態を示すために、音声演技に頼る場合もある。この場合、声優によるセリフのニュアンスが字幕で正確に再現されないため、聴覚に障害のあるユーザにとっては特に困難となる場合がある。その結果、プレイヤの判断や行動に対してノンプレイヤキャラクタがプレイヤの期待通りに反応しないため、プレイヤキャラクタとノンプレイヤキャラクタとのインタラクションが混乱し、フラストレーションが溜まるおそれがある。そのため、プレイヤに対して、ゲーム世界におけるキャラクタの感情をより明確にすることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の側面によれば、ビデオゲームのプレイヤに提示される仮想ゲーム世界と、第1キャラクタ及び前記プレイヤによって制御される第2キャラクタを含む、前記仮想ゲーム世界における複数のキャラクタとで構成されるビデオゲームを提供する、コンピュータ装置によって実行されるプログラムを含むコンピュータ可読記録媒体であって、前記プログラムは、前記コンピュータ装置を、第1キャラクタの感情状態又は身体状態のインジケータである、状態インジケータを生成するように構成された状態インジケータ生成部、及び第1キャラクタの感情状態又は身体状態と第2キャラクタの感情状態又は身体状態との間に生じるカップリングを示すカップリングインジケータを生成するように構成されたカップリングインジケータ生成部として機能させるコンピュータ可読記録媒体が提供される。
【0008】
上記のように状態インジケーションを生成するように構成された状態インジケータ生成部は、有利には第1キャラクタの感情状態又は身体状態をプレイヤに深く理解させ、その結果、ゲーム内キャラクタ間の、より洞察力に富んだ満足なインタラクションをもたらすために使用され得る。また、ゲームデザイナがユーザに情報を伝達する方法の幅が広がり、プレイヤにとって、より魅力的な体験を提供することができる。
【0009】
さらに、カップリングインジケータ生成部により示された、第1キャラクタの感情状態又は身体状態と第2キャラクタの感情状態又は身体状態との間に生じるカップリングの仕組みを利用して、ゲームのキャラクタ間により没入感のあるインタラクションを提供することも可能である。
【0010】
ある実施形態では、仮想ゲーム世界において第2キャラクタが第1キャラクタから第1の所定の閾値の距離より近づいた場合に、第1キャラクタの感情状態又は身体状態が第2キャラクタの感情状態又は身体状態とカップリングされる。
【0011】
さらに、状態インジケータ生成部は、仮想ゲーム世界において、第2キャラクタが第1キャラクタから第2の所定の閾値の距離より近づいた場合に、状態インジケータを生成するように構成されていてもよい。
【0012】
ある実施形態では、カップリングインジケータ生成部は、仮想ゲーム世界における第1の所定の閾値の距離のグラフィカルインジケーションを生成するように構成されてもよく、及び/又は、状態インジケータ生成部は、仮想ゲーム世界における第2の所定の閾値の距離のグラフィカルインジケーションを生成するように構成されてもよい。このようなグラフィカルインジケーション(複数可)を提供することにより、ユーザは、ゲーム世界において第2キャラクタ(プレイヤキャラクタ)が第1キャラクタに向かって移動することで、2のキャラクタ間のカップリングがどのように生じるか有利に理解することができる。
【0013】
好ましくは、状態インジケーション又はカップリングインジケーションの少なくとも一方は、グラフィカルインジケーションを含む。
【0014】
特に好ましくは、状態インジケーションは、第1キャラクタを少なくとも部分的に囲むグラフィカルインジケーションを含む。
【0015】
例えば、本最良の実施形態では、状態インジケーションは、第1キャラクタを少なくとも部分的に取り囲む可視オーラを含んでもよい。このようなインジケーションは、第1キャラクタの感情状態又は身体状態を視覚的に目立たせるインジケーションである。
【0016】
選択的には、前記可視オーラは、第1キャラクタと第2キャラクタとの間の距離が縮まるにつれて、サイズ又は強度を増加してもよい。
【0017】
同様に、カップリングインジケーションは、第1キャラクタを少なくとも部分的に囲むグラフィカルインジケーション、及び、第2キャラクタを少なくとも部分的に囲む対応するグラフィカルインジケーションを含んでもよい。
【0018】
例えば、カップリングインジケーションは、第1キャラクタを少なくとも部分的に囲む可視オーラ、及び第2キャラクタを少なくとも部分的に囲む対応する可視オーラを含んでもよい。
【0019】
選択的に、前記可視オーラの一方又は両方は、第1キャラクタと第2キャラクタとの間の距離が縮まるにつれて、サイズ又は強度が増加してもよい。
【0020】
状態インジケーション又はカップリングインジケーションの少なくとも一方が、グラフィカルインジケーションからなる上記のいずれかの状況において、状態インジケーション又はカップリングインジケーションは、色又は輝度の調整を含んでもよい。
【0021】
代わりに、又は追加的に、状態インジケーション又はカップリングインジケーションは、音を含んでもよい。該音は、第1キャラクタ及び第2キャラクタ間の距離が縮まるにつれて、音量が大きくなってもよい。
【0022】
選択的に、プログラムは、コンピュータ装置を、第1キャラクタの感情状態又は身体状態と第2キャラクタの感情状態又は身体状態とのカップリングを開始するためのユーザ入力をプレイヤが提供し得るというインジケーションを生成するように構成されたユーザインタラクションインジケーション生成部としてさらに機能させてもよい。例えば、プレイヤがユーザ入力を提供し得る旨のインジケーションは、ボタンプロンプト又は音の少なくとも一方を含んでもよい。
【0023】
ある実施形態では、プログラムは、コンピュータ装置を、第1キャラクタの感情状態又は身体状態に基づいて、第1キャラクタが知覚するエンティティのインジケーションを生成するように構成された知覚インジケーション部としてさらに機能させることができる。これにより、ゲームのコンテキスト内で第1キャラクタを感情的にさせる原因となっているものに関して、有利にはユーザに対してより大きな識見を与え得る。第1キャラクタを感情的にさせているエンティティは、第1キャラクタの頭の中にある想像上のエンティティであって、第1キャラクタが「現実」であると認識しているが、ゲーム世界の他のキャラクタにとっては現実でないものであってもよい。代わりに、第1キャラクタを感情的にさせているエンティティは、ゲーム世界内の「実在」するオブジェクトであってもよい。
【0024】
選択的に、知覚インジケーション部は、第1キャラクタによって視覚的に知覚される仮想ゲーム世界におけるエンティティとプレイヤがインタラクトしてもよい旨のインジケーションを生成するように構成されてもよい。
【0025】
さらに、知覚インジケーション部は、第1キャラクタによって知覚されたエンティティを含むように、プレイヤに提示される仮想ゲーム世界を修正するように構成されてもよい。これは、第1キャラクタによって知覚されるエンティティが想像上のもの、すなわち、第1キャラクタの頭の中にのみ存在する状況に特に適用可能である。しかし、これは、エンティティがゲーム世界内の「実在」するオブジェクトであって、例えば、他のオブジェクトによって隠されたり又は不明瞭であったりするために最初はプレイヤに見えないが、知覚インジケーション部の操作によりプレイヤに明らかにされる場合にも有益であり得る。
【0026】
なお、第1キャラクタが知覚するエンティティは、第1キャラクタが視覚的に知覚する仮想ゲーム世界におけるエンティティであってもよい。
【0027】
本開示において、第1キャラクタの感情状態は、怒り、悲しみ、幸福、喜び、恐れ、不安、驚き、愛、後悔、罪悪感、妄想症、又は嫌悪のうちの少なくとも1つを含んでもよい。このリストは網羅的ではなく、本開示に記載された原理は、他の感情状態に適用され得ることが理解されよう。
【0028】
さらに、本開示において、第1キャラクタの身体状態は、痛み、体温、酔い、視覚障害、認知障害、運動障害、又は聴覚障害のうちの少なくとも1つを含んでもよい。繰り返すが、このリストは網羅的ではなく、本開示に記載された原則は、他の身体状態に適用され得ることが理解されよう。
【0029】
ある実施形態では、第2キャラクタの身体状態が第1キャラクタの身体状態にカップリングされると、第2キャラクタは、第1キャラクタの身体状態を体験する。
【0030】
例えば、第1キャラクタの身体状態は、第2キャラクタの動作のプレイヤによる制御に影響を与える場合がある。代わりに又は追加的に、第1キャラクタの身体状態は、プレイヤに対する仮想ゲーム世界の表現に影響を与えてもよい。
【0031】
本最良の実施形態では、第1キャラクタは、ノンプレイヤキャラクタである。しかし、代わりとなる実施形態では、第1キャラクタは、他のプレイヤによって制御されるキャラクタであってもよい。
【0032】
ある実施形態では、第1キャラクタの感情状態又は身体状態が第2キャラクタの感情状態又は身体状態にカップリングされるとき、プレイヤは、第1キャラクタの感情状態若しくは身体状態、又は第2キャラクタの感情状態若しくは身体状態を変更するためにインタラクトすることが可能である。
【0033】
例えば、プログラムは、ビデオゲーム内のミニゲームをプレイヤに提示するように構成されてもよく、ミニゲームとインタラクトすることによって、プレイヤは、第1キャラクタの感情状態若しくは身体状態、又は第2キャラクタの感情状態若しくは身体状態を変更することが可能である。これにより、ユーザが第1キャラクタの感情状態又は身体状態に影響を与える、特に魅力的な方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
以下、本発明の実施の形態について、添付の図に関して例示的にのみ説明する。
図1図1は、本発明の1つの実施形態を取り入れたビデオゲームをプレイすることができるビデオゲーム装置(例えば、パーソナルコンピュータやビデオゲームコンソール)を模式的に示す図である。
図2図2は、サーバ及び複数のクライアント端末を含み、これらの端末で本発明の1つの実施形態を取り入れたビデオゲームをプレイすることができるネットワークベースのビデオゲームシステムを模式的に示す図である。
図3図3は、図1に示すビデオゲーム装置の構成を示すブロック図である。
図4図4は、図2に示したサーバの構成を示すブロック図である。
図5図5は、いくつかの例示的なゲーム内コンテンツの概略図であり、怒っているノンプレイヤキャラクタの周囲に所定の閾値の距離に相当する境界があり、該ノンプレイヤキャラクタから所定の閾値の距離よりも遠くに立っているプレイヤキャラクタがいる。
図6図6は、図5に示した状況を発展させたものであり、プレイヤキャラクタがノンプレイヤキャラクタから所定の閾値の距離よりも近づいて(すなわち、境界の内側に)立っている。
図7図7は、キャラクタが体験する感情状態のインジケーションを生成し、感情状態を体験しているキャラクタからの閾値の距離未満の場合にインジケートされた感情状態にプレイヤキャラクタの感情状態をカップリングする感情状態のカップリングルーチンの手続きフロー図である。
図8図8は、図6の変更版で、プレイヤキャラクタとノンプレイヤキャラクタの周囲に感情のカップリングインジケーションを示した図である。
図9図9は、ある例示的なゲーム内コンテンツの模式図であり、怖がるノンプレイヤキャラクタの周りに所定の閾値の距離に相当する境界があり、ノンプレイヤキャラクタから所定の閾値の距離より離れて立っているプレイヤキャラクタ及びプレイヤキャラクタが観察する樹木がある。
図10図10は、図9の状況を発展させたものであり、プレイヤキャラクタがノンプレイヤキャラクタから所定の閾値よりも近づいた距離(すなわち、境界の内側に)に立つようになり、プレイヤキャラクタが観察する樹木が変更された状態を示している。
図11図11は、プレイヤキャラクタが感情状態を体験しているキャラクタから閾値の距離未満の距離にいる場合に、感情状態を体験しているキャラクタが知覚しているエンティティのインジケーションを生成する知覚インジケーション生成ルーチンの手続きフロー図である。
図12図12は、図10の修正版で、プレイヤキャラクタ及びノンプレイヤキャラクタの周囲にカップリングインジケーションを示した図である。
図13図13は、図11の手続きフロー図の修正版で、カップリングインジケーションが追加で生成される図である。
図14図14は、不安そうなノンプレイヤキャラクタ及びプレイヤキャラクタを示す第1の模式スクリーンショットと、ノンプレイヤキャラクタがプレイヤキャラクタとカップリングしている第2の模式スクリーンショットと、ノンプレイヤキャラクタが知覚する鞄の周囲のインジケーションとを示す図である。
図15a図15aは、第1のグラフィカルインジケーションを示す図である。
図15b図15bは、第2のグラフィカルインジケーションを示す図である。
図15c図15cは、第3のグラフィカルインジケーションを示す図である。
図15d図15dは、第4のグラフィカルインジケーションを示す図である。
図16a図16aは、プレイヤキャラクタ及びノンプレイヤキャラクタが第1の距離だけ離れており、対応する第1のタイプのインジケーションを有することを示す図である。
図16b図16bは、図16aのプレイヤキャラクタ及びノンプレイヤキャラクタが、第1の距離よりも少ない第2の距離だけ離れていて、対応する第2のタイプのインジケーションを有することを示す図である。
図17図17は、怒っているノンプレイヤキャラクタ、及びノンプレイヤキャラクタの周囲の境界の外側に立っているプレイヤキャラクタを示す第1の模式的なスクリーンショットと、境界の内側に立っていて音を発生させている第2の模式的なスクリーンショットとを示す図である。
図18図18は、ある実施形態のルーチンが参照してもよい、インジケーション参照テーブルの例示である。
図19図19は、怒っているノンプレイヤキャラクタ、プレイヤキャラクタ、及びプレイヤキャラクタの感情状態をノンプレイヤキャラクタの感情状態にカップリングすることができる旨のインジケーションを示す第1の模式的なスクリーンショットと、プレイヤキャラクタの感情状態をノンプレイヤキャラクタの感情状態にカップリングする第2の模式的なスクリーンショットとを示す図である。
図20図20は、怖がるノンプレイヤキャラクタ、プレイヤキャラクタ、樹木及び、プレイヤがプレイヤキャラクタをノンプレイヤキャラクタにカップリングさせることができる旨のインジケーションを示す第1の模式的なスクリーンショットと、ノンプレイヤキャラクタ及びプレイヤキャラクタがカップリングされ、それに応じて樹木が変更されている第2の模式的なスクリーンショットとを示す図である。
図21図21は、怒っているノンプレイヤキャラクタが台詞を話す様子及びプレイヤキャラクタを示す第1の模式的なスクリーンショットと、プレイヤキャラクタがノンプレイヤキャラクタとカップリングして台詞を話す様子を示す第2の模式的なスクリーンショットとを示す図である。
図22図22は、怒っているノンプレイヤキャラクタがジェスチャを行う様子及びプレイヤキャラクタを示す第1の模式的なスクリーンショットと、プレイヤキャラクタがノンプレイヤキャラクタとカップリングしてジェスチャを行う第2の模式的なスクリーンショットとを示す図である。
図23図23は、プレイヤキャラクタ及びノンプレイヤキャラクタを示す一連の模式的スクリーンショットであり、プレイヤに対してミニゲームが提示され、ミニゲームとインタラクトすることによって、プレイヤはノンプレイヤキャラクタの感情状態を変更することができることを示している。
図24図24は、本発明の実施形態による一般的なカップリングルーチンの手続きフロー図であり、プレイヤが制御するキャラクタ及び、感情状態又は身体状態を体験しているキャラクタ間のカップリングインジケーションを生成するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
好適実施形態の詳細な説明
本実施形態は、本発明を実施するための出願人が知る最良の方法を示すものである。しかし、これらは、これを達成することができる唯一の方法ではない。
【0036】
本発明の実施形態は、ビデオゲーム内に取り込まれる感情状態又は身体状態のカップリングルーチンを提供する。このビデオゲームは、コンピュータプログラムとして提供される。前記コンピュータプログラムは、コンピュータ可読命令を有するコンピュータ可読媒体(例えば、CD又はDVDなどの非一過性のコンピュータ可読記録媒体)上で供給されてもよい。あるいは、前記コンピュータプログラムは、ダウンロード可能な形式で、インターネットなどのネットワークを介して提供されてもよいし、サーバ上で提供されてもよい。
【0037】
図1に関して、該ビデオゲームプログラムは、パーソナルコンピュータやビデオゲーム機などのビデオゲーム装置10で実行され得る。ビデオゲーム装置10は、ビデオゲームが表示される表示画面12と、一般には少なくとも中央処理装置(CPU)、読出し専用メモリ(ROM)及びランダムアクセスメモリ(RAM)を含む制御装置14とから構成される。また、制御装置14は、画像処理部(GPU)及び音響処理装置を含んでもよい。表示画面12及び制御装置14とは、共通のハウジングに設けられていてもよいし、別個に接続された装置であってもよい。また、ビデオゲーム装置10は、ユーザがゲーム内のプレイヤキャラクタを制御することができる1つ又は複数のユーザ入力装置を含む。このようなユーザ入力装置は、例えば、マウス、キーボード、(例えば、ジョイスティック及び/又は様々な制御ボタンを組み込んだ)手持ち式コントローラ、又は(例えば、スマートフォンやタブレットコンピュータの場合のように)表示画面12と一体のタッチパネルインタフェースから構成されてもよい。ビデオゲーム装置10は、インターネットなどのネットワークに接続されていてもよいし、ネットワークに接続されていないスタンドアロンの装置であってもよい。
【0038】
あるいは、図2に関して、前記ビデオゲームプログラムは、ネットワークを利用したビデオゲームシステム20内で実行されてもよい。ビデオゲームシステム20は、サーバ装置22と、通信ネットワーク24(例えばインターネット)と、各ユーザによって操作される複数のユーザ端末26とから構成される。サーバ装置22は、通信ネットワーク24を介して、ユーザ端末26と通信を行う。各ユーザ端末26は、上述したネットワーク接続可能なビデオゲーム装置10、例えばパーソナルコンピュータやビデオゲーム機、又はスマートフォンやタブレットコンピュータなどの適当なユーザ装置で構成されてもよい。前記ビデオゲームプログラムは、サーバ22上で実行されてもよく、サーバ22は、ユーザ固有のゲームコンテンツ(例えば、リアルタイムのビデオ)を複数のユーザ端末26の各々にストリーミングしてもよい。各ユーザ端末において、それぞれのユーザは、ゲームとインタラクトし、サーバ22に送信される入力を提供し、ユーザのためのゲームの進行を制御することができる。あるいは、所定のユーザに対して、該ビデオゲームプログラムは、それぞれのユーザ端末26内で実行され、必要に応じてサーバ22とインタラクトしてもよい。
【0039】
いずれの場合も、ビデオゲームはユーザ入力に応答して進行し、ユーザ入力はプレイヤキャラクタを制御する。ユーザのディスプレイ画面は、ゲーム世界におけるプレイヤキャラクタの視野を、好ましくは三次元で、及び、好ましくは仮想カメラの要領で、アニメーションビデオレンダリング(例えばフォトリアリスティックビデオレンダリング)を使用して、「一人称視点」の態様で表示してもよい。
【0040】
あるいは、ユーザのディスプレイ画面は、ゲーム世界におけるプレイヤキャラクタ及び他のオブジェクト又はキャラクタを、やはり好ましくは三次元で、及び、好ましくは仮想カメラの要領で、アニメーションビデオレンダリング(例えばフォトリアリスティックビデオレンダリング)を使用して、「三人称視点」の態様で表示してもよい。
【0041】
図3は、図1に示したビデオゲーム装置10の構成を示すブロック図であり、このような装置でゲームが実行される場合について示している。なお、ブロック図の内容は網羅的なものではなく、他のコンポーネントも存在し得ることは理解されよう。
【0042】
図示されているように、ビデオゲーム装置10の制御装置14は、入力装置103(例えば、マウス、キーボード、又は、例えば、上述したようにジョイスティック及び/又は各種操作ボタンを組み込んだ携帯型コントローラ)が接続される入力装置インタフェース102、プロセッサ(例えばCPU)104、及びインジケーション12が接続される画像生成部(例えばGPU)111を含んでいる。
【0043】
制御装置14はまた、メモリ(例えばRAM及びROM)106、音響出力装置108に接続可能なサウンド処理部107、DVD又はCD-ROM110(両方ともコンピュータ可読記録媒体の例である)を受信して読み取るように動作可能なDVD/CD-ROMドライブ109、通信ネットワーク24(例えばインターネット)に接続可能な通信インタフェース116及び、データを記憶装置(ビデオゲーム装置10内又はローカル、又はネットワーク24を介して制御装置14と通信可能)に記憶することができるデータストレージ115を含む。スタンドアロン(ネットワークに接続されていない)のビデオゲーム装置の場合、通信インタフェース116は省略されてもよい。
【0044】
前記ビデオゲームプログラムは、制御装置14に、ユーザインタラクションインジケーション生成部105、仮想カメラ制御部112、状態インジケータ生成部113、及びカップリングインジケータ生成部114の機能をさらに担わせる。
【0045】
内部バス117は、示されているように、コンポーネント102、104、105、106、107、109、111、112、113、114、115、及び116を接続する。
【0046】
図4は、図2に示したサーバ装置22の構成を示すブロック図であり、ネットワークを利用したビデオゲームシステム内でゲームを実行する場合である。なお、ブロック図の内容は網羅的なものではなく、他のコンポーネントも存在し得ることは理解されよう。
【0047】
図示されているように、サーバ装置22は、プロセッサ(例えばCPU)204、及び画像生成部(例えばGPU)211、メモリ(例えばRAM及びROM)206、DVD又はCD-ROM210(両方ともコンピュータ可読記録媒体の例である)を受信し読み取るように動作可能なDVD/CD-ROMドライブ209、通信ネットワーク24(例えばインターネット)に接続される通信インタフェース216、及びデータを記憶装置(サーバ装置22内又はローカル、又はネットワーク24を介してサーバ装置22と通信可能)に記憶することができるデータを介するデータストレージ215を含む。
【0048】
ビデオゲームプログラムは、サーバ装置22に、ユーザインタラクションインジケーション生成部205、仮想カメラ制御部212、感情インジケータ生成部213、及び感情カップリングインジケータ生成部214の機能をさらに担わせる。
【0049】
内部バス217は、示されているように、コンポーネント204、205、206、209、211、212、213、214、215、及び216を接続するものである。
【0050】
通信インタフェース216及びネットワーク24を介して、サーバ装置22は、ビデオゲームの進行中に、上述のユーザ端末26(例えば、ビデオゲーム装置10)と通信してもよい。特に、サーバ装置22は、ビデオゲーム装置10の入力装置103からユーザ入力を受信し、ビデオゲーム装置10の表示画面12にビデオ出力を表示させてもよい。
【0051】
状態インジケーションの生成、及びカップリングインジケーションの生成
本開示によれば、ビデオゲームは仮想ゲーム世界を構成し、仮想ゲーム世界における第1キャラクタの感情状態又は身体状態のインジケーションが生成される。また、第1キャラクタの感情状態又は身体状態及び、プレイヤが制御する第2キャラクタの感情状態又は身体状態の間のカップリングのインジケーションも生成される。
【0052】
ビデオゲームに登場するキャラクタは、実際に感情を体験することはないが、プレイヤから見ると、あたかもキャラクタが一人前の感情を有する存在であるかのように感じられることが理解できるであろう。仮想ゲーム世界におけるキャラクタの感情状態は、演劇における人間の俳優の表現に類似した形で、物語を語るのに有効な手段である。例えば、キャラクタは、怒り、悲しみ、喜び、又はビデオゲームで表現可能なその他の感情(恐怖、不安、驚き、愛、後悔、罪悪感、妄想、嫌悪感など)を表すことができる。同様に、ビデオゲームのキャラクタは身体状態を持たないが、この用語はビデオゲームプログラムによってキャラクタに割り当てられた身体状態を指すことが理解されるであろう。キャラクタが体験する身体状態は、キャラクタと仮想ゲーム世界との間のインタラクションに影響を与えることがある。例えば、キャラクタの身体状態は、酔い、視覚障害、認知障害、運動障害、聴覚障害、体温(例えば、暑さや寒さを感じる)、痛み、又はビデオゲームで表現可能な他の任意の身体状態であってもよい。
【0053】
本実施形態では、第1キャラクタは、ノンプレイヤキャラクタとして説明することができる。しかし、以下に、より詳細に説明するように、第1キャラクタは、代わりに、他のプレイヤによって制御されるキャラクタであってもよい。
【0054】
いわゆる「ノンプレイヤキャラクタ」はコンピュータ制御のキャラクタであり、「プレイヤキャラクタ」は、図3に例示した入力装置103などの互換性のあるユーザ入力装置を用いてプレイヤによって制御されるキャラクタであることが理解されよう。
【0055】
なお、以下、明細書及び添付図面において、「ノンプレイヤキャラクタ」という用語を「NPC」と略記し、「プレイヤキャラクタ」という用語を「PC」と略記する場合がある。
【0056】
以下に、より詳細に説明するように、本開示は、コンピュータ装置によって実行され、ビデオゲームのプレイヤに提示される仮想ゲーム世界と、第1キャラクタ及び、プレイヤによって制御される第2キャラクタを含む仮想ゲーム世界内の複数のキャラクタと、を含むビデオゲームを提供するプログラムを含むコンピュータ可読記録媒体を提供する。図24の手続きフロー図をついでに参照して、前記プログラムは、状態インジケータ生成部113/213に状態インジケーション2301を生成させ、該状態インジケーションは、第1キャラクタの感情状態又は身体状態を示すインジケーションである。また、該プログラムは、カップリングインジケータ生成部114/214に、カップリングインジケーション2302を生成させ、該カップリングインジケーションは、第1キャラクタの感情状態又は身体状態、及び、第2キャラクタの感情状態又は身体状態の間に生じるカップリングを示すインジケーションである。
【0057】
さらに、一部の実施形態では、以下でより詳細に説明するように、プログラムは、インタラクションインジケーション生成部105/205に、第1キャラクタ及び第2キャラクタのカップリングを開始するためにプレイヤがユーザ入力を提供することができるというインジケーションを生成させることができる。
【0058】
さらに、一部の実施形態では、また、以下でより詳細に説明するように、該プログラムは、知覚インジケーション部117/217に、第1キャラクタによって知覚されるエンティティのインジケーションを生成させることができる。
【0059】
-第1実施形態
図5及び図6は、(ユーザに画面上で提示されるような)いくつかの例示的なゲーム内コンテンツ、すなわち、大人のNPC51、小さな子供のNPC53、プレイヤキャラクタ52、及び窓が割れた家50を含む仮想ゲーム世界500を模式的に示している。このシナリオでは、大人のNPC51は、小さな子供のNPC53がボールで遊んでいるときに家の窓を割ってしまったことに腹を立てている。図5では、プレイヤキャラクタ52は、最初は破線で示した境界2の外側に立っている。図6では、該プレイヤキャラクタは、境界2の内側に移動している。
【0060】
実際には、図5及び図6(及び以降の図でも同様)に例示されているようなシーンは、プロセッサ104/204(図3及び図4参照)の制御下で、画像生成部111/211及び仮想カメラ制御部112/212によって生成されてもよい。もちろん、本図において、白黒の線画は、ゲームにおいてレンダリングビデオ(好ましくはフォトリアリスティックビデオレンダリング)として典型的にユーザに表示されるであろうものを表すために使用されていることは理解されよう。
【0061】
境界2は、大人のNPC51の周囲の所定の閾値の距離を表している。本開示によれば、以下に、より詳細に説明するように、プレイヤキャラクタ52が境界2を越えて大人のNPC51から所定の距離より接近すると、プレイヤキャラクタ52の感情状態は大人のNPC51の感情状態にカップリングされるようになり、かかるカップリングはプロセッサ104/204により制御される。
【0062】
図5及び図6では、境界2は一般的に円形であるように図示されているが、所定の閾値の距離は、プレイヤキャラクタ52がNPC51に接近する方向に依存してもよいことが理解されよう(その場合、境界は円ではなく、別の形状、及び場合によっては不規則な形状によって表されるであろう)。また、実際には、境界は三次元空間における境界に対応してもよく、その場合、境界は、例えば、大人のNPC51を中心とする球体又は半球によって表されてもよいことが理解されよう。
【0063】
図5及び図6(及び後の図の一部)には、所定の閾値の距離の概念を明確にするために境界2が示されているが、境界2は必ずしもプレイヤに提示される必要がないことが理解されよう。すなわち、境界2は、必ずしも画面上に表示される必要はない。しかし、境界2が画面上に示されることになるならば、カップリングインジケータ生成部114/214は、仮想ゲーム世界において、ユーザの画面上に見える所定の閾値の距離のグラフィカルインジケーションを生成するように構成される。
【0064】
図では、あるキャラクタが何らかの感情を抱いていることを強調するために、感嘆符の記号がそのキャラクタの頭のそばに表示されているが、このような記号はゲーム自体で使用する必要はないことが理解されるであろう。
【0065】
要点をまとめると、図5及び図6の仮想ゲーム世界500において、小さな子供のNPC53がボールで家50の窓を割ってしまい、近くにいる大人のNPC51が怒った状態になっている。初期状態では、図5に示すように、プレイヤキャラクタ52は境界2の外側にいるため、プレイヤキャラクタ52は大人のNPC51から所定の閾値の距離以上離れている。したがって、図5に示す状況では、プレイヤキャラクタ52の感情状態は、大人のNPC51の感情状態とカップリングしていない。
【0066】
図6は、図5に示した状況のうち、プレイヤキャラクタ52が境界2の内部に入り、大人のNPC51から所定の閾値の距離よりも接近した状態を示す展開図である。その結果、プレイヤキャラクタ52の感情状態は、大人のNPC51の感情状態とカップリングするようになった。大人のNPC51が怒っているため、プレイヤキャラクタ52も大人のNPC51の感情状態を反映して、怒った状態になる。
【0067】
図5及び図6に示す実施形態では、大人のNPC51の感情状態は、大人のNPC51の顔の表情によって示される。同様に、プレイヤキャラクタ52の感情状態は、プレイヤキャラクタ52の顔の表情によって示される。なお、プレイヤキャラクタ52やNPC51の感情状態を示す他の方法については、以下で詳しく説明する。
【0068】
図7は、第1の実施形態による感情状態カップリングルーチンの手続きフロー図である。
【0069】
ステップ701において、該ルーチンは、状態インジケータ生成部113/213に、キャラクタが体験した感情状態のインジケーションを生成させる。例えば、図5及び図6に示すように、感情状態のインジケーションは、特定の顔の表情から構成されてもよいが、これに限定されない。
【0070】
ステップ702において、該ルーチンは、カップリングインジケータ生成部114/214に、プレイヤキャラクタ52及び、感情状態を体験しているキャラクタ51の間の距離を評価させる。図5及び図6に示す例では、大人のNPC51が感情状態(怒りの感情状態)を体験しているキャラクタであるので、プレイヤキャラクタ52と大人のNPC51との間の距離を評価する。もちろん、評価された距離は、仮想ゲーム世界における距離に対応し、仮想ゲーム世界内の座標システムを用いた計算を行うなど、任意の適切な方法を用いて評価されてよいことは理解されるであろう。
【0071】
ステップ703において、該ルーチンは、カップリングインジケータ生成部114/214に、ステップ702で評価した距離が閾値の距離未満か否かを判断させる。本実施形態では、閾値の距離は、データストレージ115/215に記憶されている予め定められた閾値の距離である。例えば、該閾値の距離は、ゲームデザイナが予め決定しておいてもよい。
【0072】
ステップ703における判定の結果が、該評価された距離が閾値以上の距離である場合、該ルーチンは「No」と記された経路に沿って進み、該処理はステップ702に戻る。この場合、該ルーチンは、さもなければ制御装置14又はサーバ22内で過剰な処理負荷を引き起こす可能性があるステップ702の評価を連続的に実行することを避けるために、カップリングインジケータ生成部114/214にプレイヤキャラクタ52及び感情状態を体験しているキャラクタ51との距離を再評価させる前に短時間(例えば、半秒)待機してもよいことが理解されよう。
【0073】
ステップ703の判定の結果、該評価された距離が閾値の距離よりも短い場合、ルーチンは「Yes」と記された経路を進み、該処理はステップ704に進む。
【0074】
ステップ704において、該ルーチンは、プロセッサ104/204に、プレイヤキャラクタ52の感情状態を、指示された感情状態にカップリングさせる。図6に示される例では、プレイヤキャラクタ52の感情状態は、プレイヤキャラクタ52が大人のNPC51の感情状態を反映して怒るように、大人のNPC51の感情状態にカップリングされる。
【0075】
図8は、プレイヤキャラクタ52の感情状態及びNPC51の感情状態間のカップリングを示すインジケーションが追加的に生成される図6の変更例を示す図である。この例では、該インジケーションは、NPC51の周囲のグロー効果58及び、それに対応するプレイヤキャラクタ52の周囲のグロー効果59を有する。仮想ゲーム世界における2のキャラクタ間のカップリングのインジケーションを提供する様々な方法について、以下で、より詳細に説明する。有益なことに、この例では、プレイヤは、プレイヤキャラクタ52の感情状態がNPC51の感情状態にカップリングされているというインジケーションを提供されるので、プレイヤキャラクタ52の感情状態の変化がこのカップリングに起因するものであることを理解することが可能である。図8の例では、NPC51及びプレイヤキャラクタ52の両方の周囲にカップリングのインジケーションが示されているが、代わりに、プレイヤキャラクタ52の周囲だけ、又はNPC51の周囲だけにカップリングの表示をしてもよいことは理解されよう。さらに、該インジケーションは必ずしもグラフィカルインジケーションである必要はない。例えば、該インジケーションは、音で構成されていてもよい。
【0076】
-第2実施形態
図9及び図10は、さらにいくつかの例示的なゲーム内コンテンツ(ユーザに画面上で提示されるようなもの)、すなわち、NPC81、プレイヤキャラクタ82、及び樹木80を含む仮想ゲーム世界800を示す図である。この場合、NPC81は、樹木80にモンスター83がいることを知覚しているため、不安な表情をしている(図10を参照)。ゲームの中では、モンスター83はNPC81の頭の中にあり、NPC81から見れば「実在するもの」と認識され、それによってNPC81に不安を与えているが、仮想ゲーム世界のプレイヤキャラクタ82や他のキャラクタから見れば、実在するものではない。
【0077】
図9に示すように、モンスター83は、当初、ユーザには見えておらず、図10に示すように、プレイヤキャラクタ82がNPC81とカップリングして初めてユーザに見えるようになり、そのときプレイヤキャラクタ82はNPC81の目を通してゲームの世界(モンスター83を含む)を見ているようになる。このとき、画面上でユーザに表現されるものは、プレイヤキャラクタ82が見ているもの(プレイヤキャラクタ82がNPC81の目を通して見ているものを含む)に対応する。
【0078】
したがって、図9において、プレイヤキャラクタ82は、当初、破線で示される境界2の外側に立っている。図10では、プレイヤキャラクタ82が境界2の内側に移動したことにより、NPC81とカップリングし、架空のモンスター83が出現している。なお、境界2は、NPC81の周囲における所定の閾値の距離を表している。
【0079】
本開示によれば、プレイヤキャラクタ52が境界2を越えて大人のNPC51から所定の距離より接近すると、プレイヤキャラクタ52はNPC51とカップリングした状態となり、知覚インジケーション部117/217によってNPC81が知覚したエンティティ(例えば、モンスター83)のインジケーションが生成される。図示された例のように、NPC51によって知覚されるエンティティは、仮想ゲーム世界において実際には「実在」しないエンティティをNPC51が視覚的に知覚したものであってもよい。例えば、NPC81が幻覚を見ている場合、NPC81は、通常の状態では仮想ゲーム世界の他のキャラクタが知覚していないエンティティを知覚することができる。
【0080】
さらに、図10は、図9の状況のうち、プレイヤキャラクタ82が境界2の内部に入り、大人のNPC51から所定の閾値の距離よりも近づいた状態を示す展開図である。その結果、プレイヤキャラクタ82はNPC81とカップリングした状態となり、NPC81が知覚したエンティティ(モンスター83)のインジケーション83が知覚インジケーション部117/217によって生成(すなわち、顕現)される。
【0081】
要点をまとめると、この例では、モンスター83は、ゲーム世界における「実在」するエンティティではなく、NPC81の頭の中にのみ存在するものとされている。すなわち、モンスター83は、NPC81の想像の中に存在し、通常は、仮想ゲーム世界におけるプレイヤキャラクタ82や他のキャラクタに認識されることはないはずである。しかし、プレイヤキャラクタ82がNPC81にカップリングされると、NPC81が知覚しているエンティティ83のインジケーションが発生するため、NPC81を不安にさせているエンティティをプレイヤが特定することができる。つまり、プレイヤに提示される仮想ゲーム世界は、プレイヤキャラクタ82がNPC81にカップリングした時点で、NPC81が知覚したエンティティを含むように知覚インジケーション部117によって変更される。
【0082】
図11は、第2の実施形態に係る、キャラクタが知覚するエンティティのインジケーションを生成するためのカップリングルーチンの手続きフロー図である。
【0083】
ステップ1001において、該ルーチンは、状態インジケータ生成部113/213に、NPC81が体験した感情状態を示すインジケーションを生成させる。例えば、図9及び図10に示すように、該インジケーションはNPC81の表情であり、NPC81が不安な状態であることを示すものである。
【0084】
ステップ1002において、該ルーチンは、カップリングインジケータ生成部114/214に、プレイヤキャラクタ82及び感情状態を体験しているキャラクタ81の間の距離を評価させる。この例では、感情状態を体験しているキャラクタは、不安という感情状態を体験しているNPC81である。もちろん、評価された距離は、仮想ゲーム世界における距離に対応し、仮想ゲーム世界内の座標システムを用いた計算を行うなど、任意の適切な方法を用いて評価されてもよいことは理解されよう。
【0085】
ステップ1003において、該ルーチンは、カップリングインジケータ生成部114/214に、ステップ1002で評価した距離が閾値の距離未満か否かを判断させる。本実施形態では、該閾値の距離は、データストレージ115/215に記憶されている予め定められた閾値の距離である。例えば、該閾値の距離は、ゲームデザイナが予め決定しておいてもよい。
【0086】
ステップ1003における判定の結果が、該評価された距離が閾値の距離以上である場合、該ルーチンは、「No」と記された経路に沿って進み、該処理はステップ1002に戻る。この場合、該ルーチンは、さもなければ制御装置14又はサーバ22内で過剰な処理負荷を引き起こす可能性があるステップ1002の評価を継続的に実行することを避けるために、カップリングインジケータ生成部114/214にプレイヤキャラクタ82及び感情状態を体験しているキャラクタ81との距離を再評価させる前に短時間(例えば、半秒)だけ待機してもよいことが理解されよう。
【0087】
ステップ1003の判定の結果、該評価された距離が閾値の距離未満である場合、該ルーチンは「Yes」と記された経路を進み、該処理はステップ1004に進む。
【0088】
ステップ1004において、該ルーティングは、プロセッサ104/204に、プレイヤキャラクタ82を、感情状態を体験しているキャラクタ81にカップリングさせ、該処理はステップ1005に進む。
【0089】
ステップ1005では、感情状態を体験しているキャラクタが知覚しているエンティティのインジケーションが示される。図10に示す例では、NPC81が知覚したモンスター83のインジケーションである。
【0090】
図12は、図10の変形例であって、プレイヤキャラクタ82及びNPC81とのカップリングを示すインジケーションが追加的に生成される例を示している。この例では、該インジケーションは、NPC81の周囲のグロー効果110と、それに対応するプレイヤキャラクタ82の周囲のグロー効果111を有する。仮想ゲーム世界における2のキャラクタ間のカップリングのインジケーションを提供する様々な方法について、以下でより詳細に説明する。有益なことに、この例では、プレイヤキャラクタ82がNPC81にカップリングしているというインジケーションが提供されるので、プレイヤは、モンスターのインジケーション83がこのカップリングにより発生したことを理解することが可能である。
【0091】
図13は、図11の手続きフロー図の修正版である。ステップ1201から1204は、それぞれ図11のステップ1001から1004に対応しており、ここでは改めて説明しない。同様に、ステップ1206は、図11のステップ1005に対応している。
【0092】
ステップ1205では、プレイヤキャラクタ82及び感情状態を体験しているNPC81の間のカップリングを示すインジケーションを生成する。図12に示す例では、このインジケーションは、NPC81の周囲のグラフィカルインジケーション110と、プレイヤキャラクタ82の周囲の対応するグラフィカルインジケーション111とを有する。図12の例では、カップリングのインジケーションが、NPC81及びプレイヤキャラクタ82の両方の周囲に示されているが、代わりにカップリングがプレイヤキャラクタ82の周囲にのみ又は、NPC81の周囲にのみ示されてもよいことが理解されよう。さらに、該インジケーションは必ずしもグラフィカルインジケーションである必要はない。例えば、該インジケーションは、音を含み得る。
【0093】
-第3実施形態
図14は、NPC134、プレイヤキャラクタ135、及び書類鞄132を含む仮想ゲーム世界の2つの連続したシーン130、131を示す図である。NPC134は、不安そうな表情をしている。
【0094】
第1のシーン130において、プレイヤは、NPC134の表情から、NPC134が不安そうにしていることを判断することができる。書類鞄132は、NPC134及びプレイヤキャラクタ135の両方が見ることができる、ゲーム世界における「実在」するオブジェクトである。
【0095】
第2のシーン131において、プレイヤキャラクタ135は、NPC134とカップリングするようになり、その結果、知覚インジケーション部117/217によって書類鞄132の周囲にインジケーション133(例えば、グロー効果)が生成されるようになった。プレイヤキャラクタ135は、スクリプト化された又はランダムなイベントの結果として、又は上述のような境界又は閾値を越えるような他の任意の適切なトリガーに応答して、NPC134にカップリングされるようになってもよい。インジケーション133は、該書類鞄がNPC134を不安にさせていることをプレイヤに認識させる。例えば、キャラクタ134/135は空港におり、書類鞄132は疑わしい、放置された荷物であり、NPC134を不安にさせ得る。
【0096】
NPC134によって知覚されるエンティティのインジケーション(例えば133)は、エンティティの周囲の単なるグラフィカルインジケーション以上のものを有していてもよい。例えば、プレイヤは、該エンティティに関するNPCキャラクタの思考を提供されてもよい。この例では、プレイヤは、「その鞄は非常に怪しく見える。当局に通報したほうがいいかもしれない」という台詞は、文字及び/又は音声の形態で提供されてもよい。一例では、プレイヤがビデオゲームの仮想カメラを書類鞄132の方に向けると、その台詞がプレイヤに提示されてもよい。
【0097】
NPC134によって知覚されるエンティティ(例えば書類鞄132)のインジケーション133は、プレイヤが仮想ゲーム世界においてエンティティ(例えば書類鞄132)とインタラクトしてもよいことを示すことができる。例えば、シーン131において、該インジケーションは、ユーザが書類鞄132を開いて該書類鞄の中身を検査してもよいことを示すボタンプロンプトをさらに又は代わりに含んでいてもよい。
【0098】
図10に示した例とは異なり、NPC134を不安にさせる書類鞄132は、NPC81の仮想的な頭の中にのみ存在する図10のモンスター83とは異なり、ゲーム世界における「実在」するオブジェクトである。したがって、書類鞄132は、プレイヤキャラクタ135がNPC134とカップリングする前から、プレイヤキャラクタ135とNPC134の双方によって知覚されることができる。
【0099】
この例では、プレイヤキャラクタ135がNPC134にカップリングされると、書類鞄132を特定するインジケーション135の生成に加えて、プレイヤキャラクタ135の感情状態がNPC134の感情状態とカップリングされる。しかし、必ずしもそうである必要はなく、NPC134を不安にさせているエンティティを特定するインジケーション135は、プレイヤキャラクタ135の感情状態又は身体状態がNPC134のそれとカップリングしていなくても生成されてもよいことが理解されよう。
【0100】
他の変形例では、第1キャラクタを感情的にさせるエンティティは、ゲーム世界内の「実在」するオブジェクトであってもよいが、例えば、他のオブジェクトによって隠されたり、不明瞭にされたりして、最初はプレイヤに見えないものであってもよい。このような場合、知覚インジケーション部117/217は、そのエンティティをプレイヤに見せるように構成されてもよい。これは、該エンティティにある種の画面上の強調表示を適用すること、該エンティティを可視位置に移動させること、又は該エンティティを隠している他のオブジェクトを少なくとも部分的に透明にすること、それによってプレイヤが画面上で前記エンティティを見ることができるようにすることを含んでもよい。
【0101】
-カップリングインジケーション又は状態インジケーション
図15aから図15dは、上述した実施形態で採用される場合もある、キャラクタの感情状態又は身体状態を示すために使用される場合もある例示的なグラフィカルインジケーション(すなわち、状態インジケーション)又は、図15a、15b及び15dの場合、カップリングインジケーションを示す図である。
【0102】
図15aは、キャラクタの周囲にいわゆる「可視オーラ」を表示する例を示す図である。この例では、該可視オーラは、グロー効果140の形態である。グロー効果140は、着色されていてもよいし、単にキャラクタの周囲の領域の輝度を増加させたものであってもよい。また、グロー効果140は、ヒートヘイズ効果など、キャラクタの周囲の歪み効果として表示されてもよい。図15aでは、グロー効果140がキャラクタを完全に囲むように表示されているが、必ずしもそうである必要はなく、代わりにキャラクタを部分的に囲むだけであってもよい。
【0103】
例えば、図5及び図6に示す大人のNPC51にプレイヤキャラクタ52がカップリングしていることを示す効果を用いる場合、NPC51に最も近いプレイヤキャラクタ52の一部分のみを囲む効果であってもよい。例えば、プレイヤキャラクタ52が所定の閾値の距離を表す境界2の外側に立っているが、プレイヤキャラクタが境界2の内側に伸びる腕を伸ばしている場合、境界の内側にある部分(すなわち、伸ばした腕のうち大人のNPC51から所定の閾値の距離未満の部分)だけをグロー効果140で囲んでも良い。
【0104】
図15bは、キャラクタの周りの境界141を示す。一例では、境界141は、キャラクタの周りに描かれた単純な輪郭であってよく、多点星、円など、任意の適切な形状を用いて描くことができる。
【0105】
図15cは、キャラクタが悲しんでいることを示す雲マーク142を示す図である。この例では、雲マーク142は、キャラクタの顔にある悲しい表情を示す画像を有する。しかし、必ずしもそうである必要はなく、代わりに、例えば、雲マークが、キャラクタの感情状態を示す文字を有してもよい。
【0106】
図15dは、キャラクタの下方にインジケーション143を表示したものである。この例では、該インジケーションは、キャラクタの下方に、キャラクタを囲むように円143で示されている(例えば、地面に投影される)。インジケーション143は、例えば、輝度の変化、色の変化、又は歪み効果に対応してもよい。
【0107】
図15a、15b及び15dに示す形式のグラフィカルインジケーションは、プレイヤが制御するキャラクタがNPCにカップリングしていること(図6の矢印Aで示すカップリング、又は図10及び12の矢印Bで示すカップリングなど)、又は仮想ゲーム世界においてキャラクタが知覚するエンティティ(図12の樹木80で示すモンスター83又は、図14の書類鞄132など)を示すために使用されてもよい。このようなグラフィカルインジケーションは、プレイヤキャラクタ及びNPCのいずれか一方、又は両方に適用して、それらがカップリングしていることを示してもよい。
【0108】
図16a及び16bは、プレイヤキャラクタ155がNPC154から所定の閾値の距離(境界2によって示される)よりも接近し、したがってプレイヤキャラクタ155がNPC154にカップリングした例を示している。NPC154及びプレイヤキャラクタ155間のカップリングは、NPC154の周囲のグラフィカルインジケーション150及び、プレイヤキャラクタ155の周囲の対応するグラフィカルインジケーション151とによって示される。この例では、プレイヤキャラクタ155が境界内を移動すると、NPC154及びプレイヤキャラクタ155の間の距離に基づいてグラフィカルインジケーション150、151が変更される。
【0109】
より詳細には、図16aに示すように、NPC154及びプレイヤキャラクタ155は、最初、仮想ゲーム世界において、矢印で示す距離D1だけ離れている。NPC154及びプレイヤキャラクタ155は、第1のサイズの対応するグラフィック表示150、151に囲まれている。
【0110】
図16bに示す展開では、図16aのNPC154及びプレイヤキャラクタ155とが接近し、仮想ゲーム世界において矢印で示す距離D2(距離D1よりも小さい)だけ離れた状態となっている。NPC154及びプレイヤキャラクタ155との距離が縮まった結果、NPC154及びプレイヤキャラクタ155の周囲のグラフィカルインジケーション152、153のサイズが大きくなっている。
【0111】
図16bのグラフィカルインジケーション152、153のサイズの増大は、単に、キャラクタがカップリングしているという事実を補強するための視覚的補助であってもよい。あるいは、他の変形例では、グラフィカルインジケーションのサイズの増大は、カップリングの強度の増大を表してもよく、例えば、プレイヤキャラクタ155がNPC154の感情に対するより大きな識見を知覚することができるようにしてもよい。
【0112】
カップリングインジケーション又は状態インジケーションが音を含む変形例では、プレイヤキャラクタ155及びNPC154の間の距離が減少するにつれて、音が大きくなってもよい。上記の例と同様に、このような音量の増加は、単にキャラクタがカップリングしているという事実を補強するためであってもよいし、上記のようにカップリングの強度が増していることを示すものであってもよい。
【0113】
図17は、NPC163及びプレイヤキャラクタ164を含む仮想ゲーム世界の2つの連続したシーン160、161を示している。NPC163は、怒っていることを示す表情を浮かべている。シーン160では、プレイヤキャラクタ164は、NPC163の周囲の所定の閾値の距離を示す境界2の外側に立っている。
【0114】
シーン161では、プレイヤキャラクタ164がNPC163から所定の閾値の距離よりも接近したため、矢印Eで示すように、プレイヤキャラクタ164の感情状態がNPC163の感情状態とカップリングした状態となり、この例では、該感情状態間のカップリングを示す162が生成されている。
【0115】
なお、プレイヤキャラクタ164の感情状態がNPC163の感情状態とカップリングしていることのインジケーションは、必ずしも音のみ、又はグラフィカルインジケーシンのみに限定する必要はなく、音(複数可)及びグラフィカルインジケーション(複数可)との組み合わせを有していてもよいことが理解されよう。例えば、シーン161に示すように、プレイヤキャラクタ164の怒った表情は、カップリングのグラフィカルインジケーションであり、音162は、該カップリングの可聴インジケーションである。
【0116】
図18は、ある実施形態のルーチンが参照する場合がある、インジケーション参照テーブルの例示である。該表の第1列は、プレイヤキャラクタと感情状態を体験しているキャラクタとの間の閾値の距離を示す。例えば、この距離は、図16a及び図16bに図示されたNPC154及びプレイヤキャラクタ155の間の距離に対応してもよい。該表の第2列は、同じ行の距離と関連するインジケーションのタイプを示し、第3列は、対応するインジケーションの強度を示す。グラフィカルインジケーションの強度は、インジケーションのサイズ、明るさ又は色に対応してもよい。可聴インジケーションの強度は、該インジケーションの音量に対応してもよい。
【0117】
図18に示す例では、距離D1からD5は、以下の通りである。
D1>D2>D3>D4>D5
【0118】
該表は、強度1を有する第1のタイプ「1(グロー、音声なし)」のインジケーションが、閾値の距離D1と関連付けられていることを示す。同様に、該表は、2の強度を有する第1のタイプ「1(グロー、音声なし)」の表示が、閾値の距離D2に関連付けられていることを示す。プレイヤキャラクタが距離D1以下であって距離D2より遠い距離にいるとき、第1のタイプ(グロー、音声なし)で強度1のインジケーションを発生させると決定し、プレイヤキャラクタが距離D2以下であって距離D3より遠い距離にいるとき、第1のタイプ(グロー、音声なし)で強度2のインジケーションを発生させると決定し、対応する決定は距離D3及びD4に基づき行われてもよい。この例ではD5が表中の最短距離であるので、対応するインジケーション(第2のタイプ、2の強度を有する)は、単にプレイヤキャラクタ及びNPCの間の距離が距離D5より短いときに生成される。
【0119】
図19は、図5及び6に示した状況の変形例を示す図であり、NPC183及びプレイヤキャラクタ184を含む仮想ゲーム世界の2つの連続したシーン180、181を示している。NPC183は、NPC183が怒っていることを示す表情を有している。
【0120】
シーン180では、プレイヤキャラクタ184の感情状態及びNPC183の感情状態の間のカップリングを開始するために、プレイヤがユーザ入力を提供することができるというインジケーション182も示されている。この例では、インジケーション182は、ユーザインタラクションインジケーション生成部105/205によって生成された、プレイヤがカップリングを開始するために入力装置(図3に図示された入力装置103など)上の特定のボタン又はキーを押してもよいことを示すボタンプロンプトを含む、グラフィカルインジケーションである。
【0121】
より一般的には、ユーザインタラクションインジケーション生成部105/205は、プレイヤキャラクタ184の感情状態又は身体状態と他のキャラクタ(例えば、NPC183)の感情状態又は身体状態とのカップリングを開始するためにプレイヤがユーザ入力を提供してもよいというインジケーションを生成するように構成されてもよい。
【0122】
シーン181において、該プレイヤは、ボタンプロンプト182によって示されるボタンを押し、その結果、矢印Fによって示されるように、プレイヤキャラクタ184の感情状態がNPC183の感情状態とカップリングした状態になっている。したがって、プレイヤキャラクタ184は、NPC183の感情状態を反映し、怒った状態になったのである。
【0123】
図20は、図9及び図10に示した状況の変形例を示す図であり、NPC194及びプレイヤキャラクタ195を含む仮想ゲーム世界の2つの連続したシーン190、191を示している。NPC194は、NPC183が怖がっていることを示す表情を浮かべている。
【0124】
シーン190では、NPC194によって知覚されるエンティティ193のインジケーションを生成するために、プレイヤがプレイヤキャラクタ195をNPC194にカップリングするためのユーザ入力を提供してもよいというインジケーション196も示される。この例では、インジケーション196は、ユーザインタラクションインジケーション生成部105/205によって生成された、プレイヤがカップリングを開始するために入力装置(図3に図示された入力装置103など)上の特定のボタン又はキーを押すことができることを示すボタンプロンプトを有するグラフィカルインジケーションである。
【0125】
シーン191では、プレイヤは、ボタンプロンプト196によって示されたボタンを押し、その結果、矢印Fによって示されるように、プレイヤキャラクタ195がNPC194にカップリングされた状態になり、NPC194によって知覚されるエンティティ193のインジケーションが知覚インジケーション部117/217によって生成されている。図20に示す例では、NPC194が知覚したエンティティは、樹木192にいるモンスター193である。
【0126】
図19及び図20の場合、プレイヤがプレイヤキャラクタをNPCにカップリングするためにユーザ入力を提供することができるというインジケーションは、視覚的(画面上)ボタンプロンプト(例えば182及び196)によるものである。しかし、代替の実施形態では、該インジケーションは音の形態をとってもよい。
【0127】
-行動のカップリング
図21は、プレイヤキャラクタ203の感情状態とNPC202の感情状態とのカップリングのさらなる例を示す図である。図21では、NPC202及びプレイヤキャラクタ203を含む仮想ゲーム世界の2つの連続したシーン200、201が示されている。シーン200において、NPC202は、怒りの感情状態を体験しており、台詞204を発話しているところである。NPC202の感情状態は、台詞204に提供される演出用音声に反映されてもよい。
【0128】
シーン201では、プレイヤキャラクタ203の感情状態が、NPC202の感情状態とカップリングするようになっている。その結果、プレイヤキャラクタ203は、NPC202の感情状態を反映して、怒った状態になっている。さらに、この例では、該カップリングにより、プレイヤキャラクタ203は、NPC204の発話を反映するようにもなっている。したがって、プレイヤキャラクタ203は、NPC202が発話した台詞204に基づいて、台詞205を発話する。例えば、プレイヤキャラクタ203は、NPC202が発話した台詞と全く同じ台詞を発話してもよい。また、プレイヤキャラクタ203の声優は、NPC204の台詞と実質的に同じように台詞を発話してもよい。
【0129】
図22は、NPC212が行う行動及び、プレイヤキャラクタ213が行う行動とのカップリングの一例を示す図である。図22では、NPC212及びプレイヤキャラクタ213を含む仮想ゲーム世界の2つの連続したシーン210、211が示されている。シーン210において、NPC212は、怒りの感情状態を体験しており、怒ったようなジェスチャをしている。例えば、NPC212は、怒りながら拳を振っていてもよい。
【0130】
シーン211では、プレイヤキャラクタ213の感情状態がNPC212の感情状態と連動するようになっている。その結果、プレイヤキャラクタ213は、NPC212の感情状態を反映して、怒った状態になっている。さらに、この例では、このカップリングにより、プレイヤキャラクタ213は、NPC212が行う行動をも反映するようになる。したがって、プレイヤキャラクタ213は、NPC212が行った怒りのジェスチャを実行する。例えば、プレイヤキャラクタ213がNPC212とカップリングしており、NPC212が怒って拳を振ると、プレイヤキャラクタ213も怒って拳を振る。プレイヤは、NPC212の行動及びプレイヤキャラクタ213の行動とのカップリングにより、プレイヤキャラクタ213に対する制御の全部又は一部が失われることを体験してもよい。
【0131】
-インタラクティブ・カップリング
図23は、NPCの感情状態又は身体状態を変更するためにプレイヤがインタラクトしてもよいインタラクティブミニゲームの一例を(連続する4つのパネルAからDによって)示している。
【0132】
パネルAでは、NPC220及びプレイヤキャラクタ221が示されている。NPC220は怒りの感情状態を体験しており、NPC220の感情状態は、矢印Kで示すように、プレイヤキャラクタ221の感情状態とカップリングしている。
【0133】
パネルBでは、インタラクティブミニゲーム222が示されている。一例では、ミニゲームは、パズル又はスキルベースのゲームであってもよい。
【0134】
ミニゲームとインタラクトすることによって、プレイヤは、プレイヤキャラクタ221又はNPC220のいずれかの感情状態に影響を与えることができる。この例では、プレイヤは、ミニゲームとインタラクトすることによって、プレイヤキャラクタ221の感情状態に影響を与えることができる。プレイヤキャラクタ221の感情状態はNPC220の感情状態とカップリングされているので、プレイヤによって引き起こされたプレイヤキャラクタ221の感情状態の変化は、その後、NPC220の感情状態に反映されることになる。
【0135】
他の変形例では、プレイヤのミニゲームとのインタラクションは、プレイヤキャラクタ221の感情状態への影響とは無関係に、NPC220の感情状態に直接影響を与えてもよい。
【0136】
前記ミニゲームは、NPC220を共同プレイヤ又は対戦相手としてプレイしてもよい(ただし、必ずしもそうでなくてもよい)。例えば、ミニゲームは、NPC220がプレイすることによって喜びを得るゲームであってもよいし、NPC220にとって懐かしい意味を持つゲームであってもよく、したがって、ミニゲームをプレイすることによってNPC220の感情状態を変化させる効果がある。
【0137】
パネルCでは、プレイヤがミニゲーム22を成功させたため、プレイヤキャラクタ221の怒りが収まっている。その結果、パネルDに示すように、プレイヤキャラクタの感情状態及びNPC220の感情状態がカップリングすることにより、NPC220は怒りが弱くなる。
【0138】
別の例では、前記ミニゲームは、多数の対話オプションのうちの1つを選択することを単に有してもよい。例えば、NPC220が台詞を発話し、プレイヤは、プレイヤキャラクタ221が返答として話すための台詞オプションを選択してもよい。対話オプションの各々は、プレイヤキャラクタ221又はNPC220の感情状態に特にプラス又はマイナスの効果をもたらす可能性があり、一例では、プレイヤは、ビデオゲームのストーリーに基づき、対話オプションのどれが最もプラスの効果をもたらすかを推論するよう求められる可能性がある。
【0139】
-身体状態のカップリング
上述した実施形態及び実施例は、主にプレイヤキャラクタ又はNPCの感情状態を参照することにより説明した。しかし、プレイヤキャラクタ及びNPCの感情状態をカップリング又はインジケートする代わりに、キャラクタの身体状態をインジケート又はカップリングしてもよいことを理解されたい。したがって、ユーザインタラクションインジケーション生成部105/205は、プレイヤがユーザ入力を提供して、該プレイヤキャラクタの身体状態のNPCの身体状態へのカップリングを開始してもよいというインジケーションを生成するように構成されてもよい。
【0140】
例えば、図5に関して、大人のNPC51は、痛みなどの身体状態を体験していてもよいし、視覚障害や認知障害を体験していてもよい。図6に示すように、プレイヤキャラクタ52が所定の閾値の距離を示す境界2の内側にいる場合、大人のNPC51の身体状態及びプレイヤキャラクタ52の身体状態がカップリングしてもよい。例えば、NPC51が痛みを感じているとき、プレイヤキャラクタ52もその痛みを感じていてもよい。
【0141】
他の例では、NPC51の身体状態がプレイヤキャラクタ52の身体状態にカップリングされると、プレイヤによるプレイヤキャラクタの制御が影響を受ける。一例では、NPC51が泥酔状態を体験し、プレイヤキャラクタ52も泥酔状態を体験し、プレイヤキャラクタの制御が困難になる。例えば、ビデオゲームは、プレイヤが該プレイヤキャラクタを制御して直線的に移動させることが困難となるように、プレイヤによるランダムな入力をシミュレートしてもよい。
【0142】
別の例では、プレイヤキャラクタ52の身体状態及びNPC51の身体状態とのカップリングは、プレイヤに対する仮想ゲーム世界の提示に影響を与える。例えば、NPC51が近視や失明などの視覚障害を体験している場合、プレイヤキャラクタ52の身体状態及びNPC51の身体状態がカップリングすることにより、プレイヤキャラクタ52も視覚障害を体験してもよい。その結果、プレイヤに提示されるゲーム世界がぼやけてしまったり、暗くなってしまったりすることがある。あるいは、NPC51が聴覚障害などの聴覚障害を体験している場合、プレイヤキャラクタ52の身体状態及びNPC51の身体状態がカップリングすることにより、プレイヤキャラクタ52も聴覚障害を体験してもよい。その結果、プレイヤに再生される音声(仮想ゲーム世界の音や音楽など)が歪んだり、音量が小さくなったりしてもよい。
【0143】
-概要
本開示からの主要概念のいくつかを要約すると、図24は、プレイヤが制御するキャラクタ及び感情状態又は身体状態を体験するキャラクタの間のカップリングのインジケーションを生成するためのカップリングルーチンの手続きフロー図である。
【0144】
ステップ2301において、キャラクタが体験した感情状態又は身体状態のインジケーションが生成される。
【0145】
ステップ2302では、プレイヤが制御するキャラクタ、及び指示された感情状態を体験しているキャラクタの間に発生するカップリングのインジケーションが生成される。
【0146】
-変更及び代替
詳細な実施形態及びいくつかの可能な代替案を上述してきた。当業者が理解するように、多くの変更及びさらなる代替が、そこに具現化された発明から依然として利益を得ながら、上記の実施形態に対して行われ得る。したがって、本発明は、説明された実施形態に限定されず、本明細書に添付された請求項の範囲内での当業者に明白な変更を包含することが理解されるであろう。
【0147】
例えば、上述した実施形態及び実施例では、プレイヤキャラクタ及び他のキャラクタの間のカップリング、例えば、プレイヤキャラクタの感情状態及び他のキャラクタの感情状態とのカップリング又は、他のキャラクタによって知覚されるエンティティのインジケーションを生成するためのプレイヤキャラクタ及び他のキャラクタとのカップリング、が説明されている。これらのカップリングは、単にプレイヤキャラクタの自然な共感を表すものであってもよいことが理解されよう。あるいは、該カップリングは、他のキャラクタの感情、思考、及び認識を知覚し又は、体験するプレイヤキャラクタの超自然的な能力を表すことができる。
【0148】
以上から、図5及び図6のノンプレイヤキャラクタ51が体験した怒りの感情状態のようなキャラクタの感情状態又は身体状態は、仮想ゲーム世界において、単にキャラクタの表情によって(状態インジケータ生成部113/213によって生成された状態インジケーションによって)示されてもよいことが理解されるであろう。あるいは、キャラクタの感情状態は、図15aから図15dに例示されたグラフィカルインジケーションのうちの1つなど(ただし、これに限定されない)の別のタイプの状態インジケーションによって示されてもよい。一例では、該状態インジケーションは、プレイヤキャラクタが、仮想ゲーム世界において、他のキャラクタに所定の閾値の距離よりも接近したときに生成されてもよい。この所定の閾値の距離は、図5及び図6に例示された所定の閾値の距離と同じであってもよく、又は異なっていてもよく、プレイヤキャラクタの感情状態又は身体状態を他のキャラクタの感情状態又は身体状態にカップリングさせるかどうかを決定するために使用されてもよい。
【0149】
上述した実施形態及び実施例では、該プレイヤキャラクタは、NPCとインタラクトするものとして説明されてきた。しかし、該プレイヤキャラクタは、代わりに、他の人間のプレイヤによって制御されるキャラクタと同様の方法でインタラクトしてもよい。例えば、プレイヤは、他のプレイヤによって制御されるキャラクタの感情状態又は身体状態のインジケーションを提供されてもよい。一例では、各プレイヤは、対応するプレイヤキャラクタに割り当てられる多数の感情状態又は身体状態のうちの1つを選択してもよく、そのような感情状態又は身体状態は、次に、本明細書に記載されるカップリング処理によって他のプレイヤのプレイヤキャラクタと共有されてもよい。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
【手続補正書】
【提出日】2022-10-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビデオゲームに関するものであり、さらには、ビデオゲームの仮想ゲーム世界内でのキャラクタ間のインタラクションを高めるための仕組みに関する。
【背景技術】
【0002】
シングルプレイ型ロールプレイングゲーム、又は大規模マルチプレイ型オンラインロールプレイングゲーム等の多くのビデオゲームにおいて、プレイヤは、仮想ゲーム世界内でいわゆる「プレイヤキャラクタ」を制御して、ゲームを進行させることができる。例えば、ゲームは、完全に架空の世界を提供してもよく、プレイヤは、様々なゲームの仕組みを使用して、プレイヤキャラクタをゲーム世界内の様々な他のキャラクタ及びオブジェクトとインタラクトさせて、ストーリーを進行させてもよい。本稿で使用される「プレイヤ」という用語は、「ユーザ」という用語と互換的に用いることができ、2つの用語は同義語として扱われるべきであることに留意されたい。
【0003】
このようなストーリードリブン型ゲームでは、プレイヤキャラクタが他の様々な「ノンプレイヤ」キャラクタ(ビデオゲームプログラム自体によって制御される)に遭遇し、ゲームを進めるための手段として、又はストーリーの説明を提供するための手段として、これらのキャラクタとインタラクトすることが一般的である。例えば、プレイヤキャラクタにクエストを設定したり、目的を達成するためのヒントを与えたり、あるいは物語のある側面についてより詳しく知るために、プレイヤはノンプレイヤキャラクタとインタラクトすることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、仮想ゲーム世界において他のキャラクタとインタラクトし、影響を与えるためにプレイヤが選択可能な選択肢は、多くの場合、いくつかの対話オプションの中から1つを選択する、あるいは関連するクエストの達成又は失敗というような他の単純で限られた仕組みに限定される。その結果、プレイヤはビデオゲームへの没入感を得られなくなる場合がある。
【0005】
したがって、ゲーム世界におけるプレイヤキャラクタ及び他のキャラクタ間で利用可能なインタラクションの範囲を拡大し、それによって、プレイヤにとってより満足で、楽しい体験を提供することが望まれている。同様に、ゲームデザイナがユーザに情報を伝えるための仕組み、例えば、ストーリー/仮想ゲーム世界にユーザを案内する仕組みの範囲を拡張することも望まれている。
【0006】
さらに、ゲームによって一般的に提供される限られた情報に基づいて、仮想ゲーム世界におけるキャラクタの感情の状態を量ることは、プレイヤにとって困難である場合もある。例えば、特にゲームが、比較的低い解像度で実行される場合、抽象的なアートスタイルを有する場合、又はキャラクタが人間ではない場合(例えば、動物又は架空の存在)、プレイヤは、容易に誤解され得る顔の表情に頼らなければならない場合がある。または、プレイヤは、ノンプレイヤキャラクタの感情の状態を示すために、音声演技に頼る場合もある。この場合、声優によるセリフのニュアンスが字幕で正確に再現されないため、聴覚に障害のあるユーザにとっては特に困難となる場合がある。その結果、プレイヤの判断や行動に対してノンプレイヤキャラクタがプレイヤの期待通りに反応しないため、プレイヤキャラクタとノンプレイヤキャラクタとのインタラクションが混乱し、フラストレーションが溜まるおそれがある。そのため、プレイヤに対して、ゲーム世界におけるキャラクタの感情をより明確にすることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の側面によれば、ビデオゲームのプレイヤに提示される仮想ゲーム世界と、第1キャラクタ及び前記プレイヤによって制御される第2キャラクタを含む、前記仮想ゲーム世界における複数のキャラクタとで構成されるビデオゲームを提供する、コンピュータ装置によって実行されるプログラムを含むコンピュータ可読記録媒体であって、前記プログラムは、前記コンピュータ装置を、第1キャラクタの感情状態又は身体状態のインジケータである、状態インジケータを生成するように構成された状態インジケータ生成部、及び第1キャラクタの感情状態又は身体状態と第2キャラクタの感情状態又は身体状態との間に生じるカップリングを示すカップリングインジケータを生成するように構成されたカップリングインジケータ生成部として機能させるコンピュータ可読記録媒体が提供される。
【0008】
上記のように状態インジケーションを生成するように構成された状態インジケータ生成部は、有利には第1キャラクタの感情状態又は身体状態をプレイヤに深く理解させ、その結果、ゲーム内キャラクタ間の、より洞察力に富んだ満足なインタラクションをもたらすために使用され得る。また、ゲームデザイナがユーザに情報を伝達する方法の幅が広がり、プレイヤにとって、より魅力的な体験を提供することができる。
【0009】
さらに、カップリングインジケータ生成部により示された、第1キャラクタの感情状態又は身体状態と第2キャラクタの感情状態又は身体状態との間に生じるカップリングの仕組みを利用して、ゲームのキャラクタ間により没入感のあるインタラクションを提供することも可能である。
【0010】
ある実施形態では、仮想ゲーム世界において第2キャラクタが第1キャラクタから第1の所定の閾値の距離より近づいた場合に、第1キャラクタの感情状態又は身体状態が第2キャラクタの感情状態又は身体状態とカップリングされる。
【0011】
さらに、状態インジケータ生成部は、仮想ゲーム世界において、第2キャラクタが第1キャラクタから第2の所定の閾値の距離より近づいた場合に、状態インジケータを生成するように構成されていてもよい。
【0012】
ある実施形態では、カップリングインジケータ生成部は、仮想ゲーム世界における第1の所定の閾値の距離のグラフィカルインジケーションを生成するように構成されてもよく、及び/又は、状態インジケータ生成部は、仮想ゲーム世界における第2の所定の閾値の距離のグラフィカルインジケーションを生成するように構成されてもよい。このようなグラフィカルインジケーション(複数可)を提供することにより、ユーザは、ゲーム世界において第2キャラクタ(プレイヤキャラクタ)が第1キャラクタに向かって移動することで、2のキャラクタ間のカップリングがどのように生じるか有利に理解することができる。
【0013】
好ましくは、状態インジケーション又はカップリングインジケーションの少なくとも一方は、グラフィカルインジケーションを含む。
【0014】
特に好ましくは、状態インジケーションは、第1キャラクタを少なくとも部分的に囲むグラフィカルインジケーションを含む。
【0015】
例えば、本最良の実施形態では、状態インジケーションは、第1キャラクタを少なくとも部分的に取り囲む可視オーラを含んでもよい。このようなインジケーションは、第1キャラクタの感情状態又は身体状態を視覚的に目立たせるインジケーションである。
【0016】
選択的には、前記可視オーラは、第1キャラクタと第2キャラクタとの間の距離が縮まるにつれて、サイズ又は強度を増加してもよい。
【0017】
同様に、カップリングインジケーションは、第1キャラクタを少なくとも部分的に囲むグラフィカルインジケーション、及び、第2キャラクタを少なくとも部分的に囲む対応するグラフィカルインジケーションを含んでもよい。
【0018】
例えば、カップリングインジケーションは、第1キャラクタを少なくとも部分的に囲む可視オーラ、及び第2キャラクタを少なくとも部分的に囲む対応する可視オーラを含んでもよい。
【0019】
選択的に、前記可視オーラの一方又は両方は、第1キャラクタと第2キャラクタとの間の距離が縮まるにつれて、サイズ又は強度が増加してもよい。
【0020】
状態インジケーション又はカップリングインジケーションの少なくとも一方が、グラフィカルインジケーションからなる上記のいずれかの状況において、状態インジケーション又はカップリングインジケーションは、色又は輝度の調整を含んでもよい。
【0021】
代わりに、又は追加的に、状態インジケーション又はカップリングインジケーションは、音を含んでもよい。該音は、第1キャラクタ及び第2キャラクタ間の距離が縮まるにつれて、音量が大きくなってもよい。
【0022】
選択的に、プログラムは、コンピュータ装置を、第1キャラクタの感情状態又は身体状態と第2キャラクタの感情状態又は身体状態とのカップリングを開始するためのユーザ入力をプレイヤが提供し得るというインジケーションを生成するように構成されたユーザインタラクションインジケーション生成部としてさらに機能させてもよい。例えば、プレイヤがユーザ入力を提供し得る旨のインジケーションは、ボタンプロンプト又は音の少なくとも一方を含んでもよい。
【0023】
ある実施形態では、プログラムは、コンピュータ装置を、第1キャラクタの感情状態又は身体状態に基づいて、第1キャラクタが知覚するエンティティのインジケーションを生成するように構成された知覚インジケーション部としてさらに機能させることができる。これにより、ゲームのコンテキスト内で第1キャラクタを感情的にさせる原因となっているものに関して、有利にはユーザに対してより大きな識見を与え得る。第1キャラクタを感情的にさせているエンティティは、第1キャラクタの頭の中にある想像上のエンティティであって、第1キャラクタが「現実」であると認識しているが、ゲーム世界の他のキャラクタにとっては現実でないものであってもよい。代わりに、第1キャラクタを感情的にさせているエンティティは、ゲーム世界内の「実在」するオブジェクトであってもよい。
【0024】
選択的に、知覚インジケーション部は、第1キャラクタによって視覚的に知覚される仮想ゲーム世界におけるエンティティとプレイヤがインタラクトしてもよい旨のインジケーションを生成するように構成されてもよい。
【0025】
さらに、知覚インジケーション部は、第1キャラクタによって知覚されたエンティティを含むように、プレイヤに提示される仮想ゲーム世界を修正するように構成されてもよい。これは、第1キャラクタによって知覚されるエンティティが想像上のもの、すなわち、第1キャラクタの頭の中にのみ存在する状況に特に適用可能である。しかし、これは、エンティティがゲーム世界内の「実在」するオブジェクトであって、例えば、他のオブジェクトによって隠されたり又は不明瞭であったりするために最初はプレイヤに見えないが、知覚インジケーション部の操作によりプレイヤに明らかにされる場合にも有益であり得る。
【0026】
なお、第1キャラクタが知覚するエンティティは、第1キャラクタが視覚的に知覚する仮想ゲーム世界におけるエンティティであってもよい。
【0027】
本開示において、第1キャラクタの感情状態は、怒り、悲しみ、幸福、喜び、恐れ、不安、驚き、愛、後悔、罪悪感、妄想症、又は嫌悪のうちの少なくとも1つを含んでもよい。このリストは網羅的ではなく、本開示に記載された原理は、他の感情状態に適用され得ることが理解されよう。
【0028】
さらに、本開示において、第1キャラクタの身体状態は、痛み、体温、酔い、視覚障害、認知障害、運動障害、又は聴覚障害のうちの少なくとも1つを含んでもよい。繰り返すが、このリストは網羅的ではなく、本開示に記載された原則は、他の身体状態に適用され得ることが理解されよう。
【0029】
ある実施形態では、第2キャラクタの身体状態が第1キャラクタの身体状態にカップリングされると、第2キャラクタは、第1キャラクタの身体状態を体験する。
【0030】
例えば、第1キャラクタの身体状態は、第2キャラクタの動作のプレイヤによる制御に影響を与える場合がある。代わりに又は追加的に、第1キャラクタの身体状態は、プレイヤに対する仮想ゲーム世界の表現に影響を与えてもよい。
【0031】
本最良の実施形態では、第1キャラクタは、ノンプレイヤキャラクタである。しかし、代わりとなる実施形態では、第1キャラクタは、他のプレイヤによって制御されるキャラクタであってもよい。
【0032】
ある実施形態では、第1キャラクタの感情状態又は身体状態が第2キャラクタの感情状態又は身体状態にカップリングされるとき、プレイヤは、第1キャラクタの感情状態若しくは身体状態、又は第2キャラクタの感情状態若しくは身体状態を変更するためにインタラクトすることが可能である。
【0033】
例えば、プログラムは、ビデオゲーム内のミニゲームをプレイヤに提示するように構成されてもよく、ミニゲームとインタラクトすることによって、プレイヤは、第1キャラクタの感情状態若しくは身体状態、又は第2キャラクタの感情状態若しくは身体状態を変更することが可能である。これにより、ユーザが第1キャラクタの感情状態又は身体状態に影響を与える、特に魅力的な方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
以下、本発明の実施の形態について、添付の図に関して例示的にのみ説明する。
図1図1は、本発明の1つの実施形態を取り入れたビデオゲームをプレイすることができるビデオゲーム装置(例えば、パーソナルコンピュータやビデオゲームコンソール)を模式的に示す図である。
図2図2は、サーバ及び複数のクライアント端末を含み、これらの端末で本発明の1つの実施形態を取り入れたビデオゲームをプレイすることができるネットワークベースのビデオゲームシステムを模式的に示す図である。
図3図3は、図1に示すビデオゲーム装置の構成を示すブロック図である。
図4図4は、図2に示したサーバの構成を示すブロック図である。
図5図5は、いくつかの例示的なゲーム内コンテンツの概略図であり、怒っているノンプレイヤキャラクタの周囲に所定の閾値の距離に相当する境界があり、該ノンプレイヤキャラクタから所定の閾値の距離よりも遠くに立っているプレイヤキャラクタがいる。
図6図6は、図5に示した状況を発展させたものであり、プレイヤキャラクタがノンプレイヤキャラクタから所定の閾値の距離よりも近づいて(すなわち、境界の内側に)立っている。
図7図7は、キャラクタが体験する感情状態のインジケーションを生成し、感情状態を体験しているキャラクタからの閾値の距離未満の場合にインジケートされた感情状態にプレイヤキャラクタの感情状態をカップリングする感情状態のカップリングルーチンの手続きフロー図である。
図8図8は、図6の変更版で、プレイヤキャラクタとノンプレイヤキャラクタの周囲に感情のカップリングインジケーションを示した図である。
図9図9は、ある例示的なゲーム内コンテンツの模式図であり、怖がるノンプレイヤキャラクタの周りに所定の閾値の距離に相当する境界があり、ノンプレイヤキャラクタから所定の閾値の距離より離れて立っているプレイヤキャラクタ及びプレイヤキャラクタが観察する樹木がある。
図10図10は、図9の状況を発展させたものであり、プレイヤキャラクタがノンプレイヤキャラクタから所定の閾値よりも近づいた距離(すなわち、境界の内側に)に立つようになり、プレイヤキャラクタが観察する樹木が変更された状態を示している。
図11図11は、プレイヤキャラクタが感情状態を体験しているキャラクタから閾値の距離未満の距離にいる場合に、感情状態を体験しているキャラクタが知覚しているエンティティのインジケーションを生成する知覚インジケーション生成ルーチンの手続きフロー図である。
図12図12は、図10の修正版で、プレイヤキャラクタ及びノンプレイヤキャラクタの周囲にカップリングインジケーションを示した図である。
図13図13は、図11の手続きフロー図の修正版で、カップリングインジケーションが追加で生成される図である。
図14図14は、不安そうなノンプレイヤキャラクタ及びプレイヤキャラクタを示す第1の模式スクリーンショットと、ノンプレイヤキャラクタがプレイヤキャラクタとカップリングしている第2の模式スクリーンショットと、ノンプレイヤキャラクタが知覚する鞄の周囲のインジケーションとを示す図である。
図15a図15aは、第1のグラフィカルインジケーションを示す図である。
図15b図15bは、第2のグラフィカルインジケーションを示す図である。
図15c図15cは、第3のグラフィカルインジケーションを示す図である。
図15d図15dは、第4のグラフィカルインジケーションを示す図である。
図16a図16aは、プレイヤキャラクタ及びノンプレイヤキャラクタが第1の距離だけ離れており、対応する第1のタイプのインジケーションを有することを示す図である。
図16b図16bは、図16aのプレイヤキャラクタ及びノンプレイヤキャラクタが、第1の距離よりも少ない第2の距離だけ離れていて、対応する第2のタイプのインジケーションを有することを示す図である。
図17図17は、怒っているノンプレイヤキャラクタ、及びノンプレイヤキャラクタの周囲の境界の外側に立っているプレイヤキャラクタを示す第1の模式的なスクリーンショットと、境界の内側に立っていて音を発生させている第2の模式的なスクリーンショットとを示す図である。
図18図18は、ある実施形態のルーチンが参照してもよい、インジケーション参照テーブルの例示である。
図19図19は、怒っているノンプレイヤキャラクタ、プレイヤキャラクタ、及びプレイヤキャラクタの感情状態をノンプレイヤキャラクタの感情状態にカップリングすることができる旨のインジケーションを示す第1の模式的なスクリーンショットと、プレイヤキャラクタの感情状態をノンプレイヤキャラクタの感情状態にカップリングする第2の模式的なスクリーンショットとを示す図である。
図20図20は、怖がるノンプレイヤキャラクタ、プレイヤキャラクタ、樹木及び、プレイヤがプレイヤキャラクタをノンプレイヤキャラクタにカップリングさせることができる旨のインジケーションを示す第1の模式的なスクリーンショットと、ノンプレイヤキャラクタ及びプレイヤキャラクタがカップリングされ、それに応じて樹木が変更されている第2の模式的なスクリーンショットとを示す図である。
図21図21は、怒っているノンプレイヤキャラクタが台詞を話す様子及びプレイヤキャラクタを示す第1の模式的なスクリーンショットと、プレイヤキャラクタがノンプレイヤキャラクタとカップリングして台詞を話す様子を示す第2の模式的なスクリーンショットとを示す図である。
図22図22は、怒っているノンプレイヤキャラクタがジェスチャを行う様子及びプレイヤキャラクタを示す第1の模式的なスクリーンショットと、プレイヤキャラクタがノンプレイヤキャラクタとカップリングしてジェスチャを行う第2の模式的なスクリーンショットとを示す図である。
図23図23は、プレイヤキャラクタ及びノンプレイヤキャラクタを示す一連の模式的スクリーンショットであり、プレイヤに対してミニゲームが提示され、ミニゲームとインタラクトすることによって、プレイヤはノンプレイヤキャラクタの感情状態を変更することができることを示している。
図24図24は、本発明の実施形態による一般的なカップリングルーチンの手続きフロー図であり、プレイヤが制御するキャラクタ及び、感情状態又は身体状態を体験しているキャラクタ間のカップリングインジケーションを生成するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
好適実施形態の詳細な説明
本実施形態は、本発明を実施するための出願人が知る最良の方法を示すものである。しかし、これらは、これを達成することができる唯一の方法ではない。
【0036】
本発明の実施形態は、ビデオゲーム内に取り込まれる感情状態又は身体状態のカップリングルーチンを提供する。このビデオゲームは、コンピュータプログラムとして提供される。前記コンピュータプログラムは、コンピュータ可読命令を有するコンピュータ可読媒体(例えば、CD又はDVDなどの非一過性のコンピュータ可読記録媒体)上で供給されてもよい。あるいは、前記コンピュータプログラムは、ダウンロード可能な形式で、インターネットなどのネットワークを介して提供されてもよいし、サーバ上で提供されてもよい。
【0037】
図1に関して、該ビデオゲームプログラムは、パーソナルコンピュータやビデオゲーム機などのビデオゲーム装置10で実行され得る。ビデオゲーム装置10は、ビデオゲームが表示される表示画面12と、一般には少なくとも中央処理装置(CPU)、読出し専用メモリ(ROM)及びランダムアクセスメモリ(RAM)を含む制御装置14とから構成される。また、制御装置14は、画像処理部(GPU)及び音響処理装置を含んでもよい。表示画面12及び制御装置14とは、共通のハウジングに設けられていてもよいし、別個に接続された装置であってもよい。また、ビデオゲーム装置10は、ユーザがゲーム内のプレイヤキャラクタを制御することができる1つ又は複数のユーザ入力装置を含む。このようなユーザ入力装置は、例えば、マウス、キーボード、(例えば、ジョイスティック及び/又は様々な制御ボタンを組み込んだ)手持ち式コントローラ、又は(例えば、スマートフォンやタブレットコンピュータの場合のように)表示画面12と一体のタッチパネルインタフェースから構成されてもよい。ビデオゲーム装置10は、インターネットなどのネットワークに接続されていてもよいし、ネットワークに接続されていないスタンドアロンの装置であってもよい。
【0038】
あるいは、図2に関して、前記ビデオゲームプログラムは、ネットワークを利用したビデオゲームシステム20内で実行されてもよい。ビデオゲームシステム20は、サーバ装置22と、通信ネットワーク24(例えばインターネット)と、各ユーザによって操作される複数のユーザ端末26とから構成される。サーバ装置22は、通信ネットワーク24を介して、ユーザ端末26と通信を行う。各ユーザ端末26は、上述したネットワーク接続可能なビデオゲーム装置10、例えばパーソナルコンピュータやビデオゲーム機、又はスマートフォンやタブレットコンピュータなどの適当なユーザ装置で構成されてもよい。前記ビデオゲームプログラムは、サーバ22上で実行されてもよく、サーバ22は、ユーザ固有のゲームコンテンツ(例えば、リアルタイムのビデオ)を複数のユーザ端末26の各々にストリーミングしてもよい。各ユーザ端末において、それぞれのユーザは、ゲームとインタラクトし、サーバ22に送信される入力を提供し、ユーザのためのゲームの進行を制御することができる。あるいは、所定のユーザに対して、該ビデオゲームプログラムは、それぞれのユーザ端末26内で実行され、必要に応じてサーバ22とインタラクトしてもよい。
【0039】
いずれの場合も、ビデオゲームはユーザ入力に応答して進行し、ユーザ入力はプレイヤキャラクタを制御する。ユーザのディスプレイ画面は、ゲーム世界におけるプレイヤキャラクタの視野を、好ましくは三次元で、及び、好ましくは仮想カメラの要領で、アニメーションビデオレンダリング(例えばフォトリアリスティックビデオレンダリング)を使用して、「一人称視点」の態様で表示してもよい。
【0040】
あるいは、ユーザのディスプレイ画面は、ゲーム世界におけるプレイヤキャラクタ及び他のオブジェクト又はキャラクタを、やはり好ましくは三次元で、及び、好ましくは仮想カメラの要領で、アニメーションビデオレンダリング(例えばフォトリアリスティックビデオレンダリング)を使用して、「三人称視点」の態様で表示してもよい。
【0041】
図3は、図1に示したビデオゲーム装置10の構成を示すブロック図であり、このような装置でゲームが実行される場合について示している。なお、ブロック図の内容は網羅的なものではなく、他のコンポーネントも存在し得ることは理解されよう。
【0042】
図示されているように、ビデオゲーム装置10の制御装置14は、入力装置103(例えば、マウス、キーボード、又は、例えば、上述したようにジョイスティック及び/又は各種操作ボタンを組み込んだ携帯型コントローラ)が接続される入力装置インタフェース102、プロセッサ(例えばCPU)104、及びインジケーション12が接続される画像生成部(例えばGPU)111を含んでいる。
【0043】
制御装置14はまた、メモリ(例えばRAM及びROM)106、音響出力装置108に接続可能なサウンド処理部107、DVD又はCD-ROM110(両方ともコンピュータ可読記録媒体の例である)を受信して読み取るように動作可能なDVD/CD-ROMドライブ109、通信ネットワーク24(例えばインターネット)に接続可能な通信インタフェース116及び、データを記憶装置(ビデオゲーム装置10内又はローカル、又はネットワーク24を介して制御装置14と通信可能)に記憶することができるデータストレージ115を含む。スタンドアロン(ネットワークに接続されていない)のビデオゲーム装置の場合、通信インタフェース116は省略されてもよい。
【0044】
前記ビデオゲームプログラムは、制御装置14に、ユーザインタラクションインジケーション生成部105、仮想カメラ制御部112、状態インジケータ生成部113、及びカップリングインジケータ生成部114の機能をさらに担わせる。
【0045】
内部バス117は、示されているように、コンポーネント102、104、105、106、107、109、111、112、113、114、115、及び116を接続する。
【0046】
図4は、図2に示したサーバ装置22の構成を示すブロック図であり、ネットワークを利用したビデオゲームシステム内でゲームを実行する場合である。なお、ブロック図の内容は網羅的なものではなく、他のコンポーネントも存在し得ることは理解されよう。
【0047】
図示されているように、サーバ装置22は、プロセッサ(例えばCPU)204、及び画像生成部(例えばGPU)211、メモリ(例えばRAM及びROM)206、DVD又はCD-ROM210(両方ともコンピュータ可読記録媒体の例である)を受信し読み取るように動作可能なDVD/CD-ROMドライブ209、通信ネットワーク24(例えばインターネット)に接続される通信インタフェース216、及びデータを記憶装置(サーバ装置22内又はローカル、又はネットワーク24を介してサーバ装置22と通信可能)に記憶することができるデータを介するデータストレージ215を含む。
【0048】
ビデオゲームプログラムは、サーバ装置22に、ユーザインタラクションインジケーション生成部205、仮想カメラ制御部212、感情インジケータ生成部213、及び感情カップリングインジケータ生成部214の機能をさらに担わせる。
【0049】
内部バス217は、示されているように、コンポーネント204、205、206、209、211、212、213、214、215、及び216を接続するものである。
【0050】
通信インタフェース216及びネットワーク24を介して、サーバ装置22は、ビデオゲームの進行中に、上述のユーザ端末26(例えば、ビデオゲーム装置10)と通信してもよい。特に、サーバ装置22は、ビデオゲーム装置10の入力装置103からユーザ入力を受信し、ビデオゲーム装置10の表示画面12にビデオ出力を表示させてもよい。
【0051】
状態インジケーションの生成、及びカップリングインジケーションの生成
本開示によれば、ビデオゲームは仮想ゲーム世界を構成し、仮想ゲーム世界における第1キャラクタの感情状態又は身体状態のインジケーションが生成される。また、第1キャラクタの感情状態又は身体状態及び、プレイヤが制御する第2キャラクタの感情状態又は身体状態の間のカップリングのインジケーションも生成される。
【0052】
ビデオゲームに登場するキャラクタは、実際に感情を体験することはないが、プレイヤから見ると、あたかもキャラクタが一人前の感情を有する存在であるかのように感じられることが理解できるであろう。仮想ゲーム世界におけるキャラクタの感情状態は、演劇における人間の俳優の表現に類似した形で、物語を語るのに有効な手段である。例えば、キャラクタは、怒り、悲しみ、喜び、又はビデオゲームで表現可能なその他の感情(恐怖、不安、驚き、愛、後悔、罪悪感、妄想、嫌悪感など)を表すことができる。同様に、ビデオゲームのキャラクタは身体状態を持たないが、この用語はビデオゲームプログラムによってキャラクタに割り当てられた身体状態を指すことが理解されるであろう。キャラクタが体験する身体状態は、キャラクタと仮想ゲーム世界との間のインタラクションに影響を与えることがある。例えば、キャラクタの身体状態は、酔い、視覚障害、認知障害、運動障害、聴覚障害、体温(例えば、暑さや寒さを感じる)、痛み、又はビデオゲームで表現可能な他の任意の身体状態であってもよい。
【0053】
本実施形態では、第1キャラクタは、ノンプレイヤキャラクタとして説明することができる。しかし、以下に、より詳細に説明するように、第1キャラクタは、代わりに、他のプレイヤによって制御されるキャラクタであってもよい。
【0054】
いわゆる「ノンプレイヤキャラクタ」はコンピュータ制御のキャラクタであり、「プレイヤキャラクタ」は、図3に例示した入力装置103などの互換性のあるユーザ入力装置を用いてプレイヤによって制御されるキャラクタであることが理解されよう。
【0055】
なお、以下、明細書及び添付図面において、「ノンプレイヤキャラクタ」という用語を「NPC」と略記し、「プレイヤキャラクタ」という用語を「PC」と略記する場合がある。
【0056】
以下に、より詳細に説明するように、本開示は、コンピュータ装置によって実行され、ビデオゲームのプレイヤに提示される仮想ゲーム世界と、第1キャラクタ及び、プレイヤによって制御される第2キャラクタを含む仮想ゲーム世界内の複数のキャラクタと、を含むビデオゲームを提供するプログラムを含むコンピュータ可読記録媒体を提供する。図24の手続きフロー図をついでに参照して、前記プログラムは、状態インジケータ生成部113/213に状態インジケーション2301を生成させ、該状態インジケーションは、第1キャラクタの感情状態又は身体状態を示すインジケーションである。また、該プログラムは、カップリングインジケータ生成部114/214に、カップリングインジケーション2302を生成させ、該カップリングインジケーションは、第1キャラクタの感情状態又は身体状態、及び、第2キャラクタの感情状態又は身体状態の間に生じるカップリングを示すインジケーションである。
【0057】
さらに、一部の実施形態では、以下でより詳細に説明するように、プログラムは、インタラクションインジケーション生成部105/205に、第1キャラクタ及び第2キャラクタのカップリングを開始するためにプレイヤがユーザ入力を提供することができるというインジケーションを生成させることができる。
【0058】
さらに、一部の実施形態では、また、以下でより詳細に説明するように、該プログラムは、知覚インジケーション部117/217に、第1キャラクタによって知覚されるエンティティのインジケーションを生成させることができる。
【0059】
-第1実施形態
図5及び図6は、(ユーザに画面上で提示されるような)いくつかの例示的なゲーム内コンテンツ、すなわち、大人のNPC51、小さな子供のNPC53、プレイヤキャラクタ52、及び窓が割れた家50を含む仮想ゲーム世界500を模式的に示している。このシナリオでは、大人のNPC51は、小さな子供のNPC53がボールで遊んでいるときに家の窓を割ってしまったことに腹を立てている。図5では、プレイヤキャラクタ52は、最初は破線で示した境界2の外側に立っている。図6では、該プレイヤキャラクタは、境界2の内側に移動している。
【0060】
実際には、図5及び図6(及び以降の図でも同様)に例示されているようなシーンは、プロセッサ104/204(図3及び図4参照)の制御下で、画像生成部111/211及び仮想カメラ制御部112/212によって生成されてもよい。もちろん、本図において、白黒の線画は、ゲームにおいてレンダリングビデオ(好ましくはフォトリアリスティックビデオレンダリング)として典型的にユーザに表示されるであろうものを表すために使用されていることは理解されよう。
【0061】
境界2は、大人のNPC51の周囲の所定の閾値の距離を表している。本開示によれば、以下に、より詳細に説明するように、プレイヤキャラクタ52が境界2を越えて大人のNPC51から所定の距離より接近すると、プレイヤキャラクタ52の感情状態は大人のNPC51の感情状態にカップリングされるようになり、かかるカップリングはプロセッサ104/204により制御される。
【0062】
図5及び図6では、境界2は一般的に円形であるように図示されているが、所定の閾値の距離は、プレイヤキャラクタ52がNPC51に接近する方向に依存してもよいことが理解されよう(その場合、境界は円ではなく、別の形状、及び場合によっては不規則な形状によって表されるであろう)。また、実際には、境界は三次元空間における境界に対応してもよく、その場合、境界は、例えば、大人のNPC51を中心とする球体又は半球によって表されてもよいことが理解されよう。
【0063】
図5及び図6(及び後の図の一部)には、所定の閾値の距離の概念を明確にするために境界2が示されているが、境界2は必ずしもプレイヤに提示される必要がないことが理解されよう。すなわち、境界2は、必ずしも画面上に表示される必要はない。しかし、境界2が画面上に示されることになるならば、カップリングインジケータ生成部114/214は、仮想ゲーム世界において、ユーザの画面上に見える所定の閾値の距離のグラフィカルインジケーションを生成するように構成される。
【0064】
図では、あるキャラクタが何らかの感情を抱いていることを強調するために、感嘆符の記号がそのキャラクタの頭のそばに表示されているが、このような記号はゲーム自体で使用する必要はないことが理解されるであろう。
【0065】
要点をまとめると、図5及び図6の仮想ゲーム世界500において、小さな子供のNPC53がボールで家50の窓を割ってしまい、近くにいる大人のNPC51が怒った状態になっている。初期状態では、図5に示すように、プレイヤキャラクタ52は境界2の外側にいるため、プレイヤキャラクタ52は大人のNPC51から所定の閾値の距離以上離れている。したがって、図5に示す状況では、プレイヤキャラクタ52の感情状態は、大人のNPC51の感情状態とカップリングしていない。
【0066】
図6は、図5に示した状況のうち、プレイヤキャラクタ52が境界2の内部に入り、大人のNPC51から所定の閾値の距離よりも接近した状態を示す展開図である。その結果、プレイヤキャラクタ52の感情状態は、大人のNPC51の感情状態とカップリングするようになった。大人のNPC51が怒っているため、プレイヤキャラクタ52も大人のNPC51の感情状態を反映して、怒った状態になる。
【0067】
図5及び図6に示す実施形態では、大人のNPC51の感情状態は、大人のNPC51の顔の表情によって示される。同様に、プレイヤキャラクタ52の感情状態は、プレイヤキャラクタ52の顔の表情によって示される。なお、プレイヤキャラクタ52やNPC51の感情状態を示す他の方法については、以下で詳しく説明する。
【0068】
図7は、第1の実施形態による感情状態カップリングルーチンの手続きフロー図である。
【0069】
ステップ701において、該ルーチンは、状態インジケータ生成部113/213に、キャラクタが体験した感情状態のインジケーションを生成させる。例えば、図5及び図6に示すように、感情状態のインジケーションは、特定の顔の表情から構成されてもよいが、これに限定されない。
【0070】
ステップ702において、該ルーチンは、カップリングインジケータ生成部114/214に、プレイヤキャラクタ52及び、感情状態を体験しているキャラクタ51の間の距離を評価させる。図5及び図6に示す例では、大人のNPC51が感情状態(怒りの感情状態)を体験しているキャラクタであるので、プレイヤキャラクタ52と大人のNPC51との間の距離を評価する。もちろん、評価された距離は、仮想ゲーム世界における距離に対応し、仮想ゲーム世界内の座標システムを用いた計算を行うなど、任意の適切な方法を用いて評価されてよいことは理解されるであろう。
【0071】
ステップ703において、該ルーチンは、カップリングインジケータ生成部114/214に、ステップ702で評価した距離が閾値の距離未満か否かを判断させる。本実施形態では、閾値の距離は、データストレージ115/215に記憶されている予め定められた閾値の距離である。例えば、該閾値の距離は、ゲームデザイナが予め決定しておいてもよい。
【0072】
ステップ703における判定の結果が、該評価された距離が閾値以上の距離である場合、該ルーチンは「No」と記された経路に沿って進み、該処理はステップ702に戻る。この場合、該ルーチンは、さもなければ制御装置14又はサーバ22内で過剰な処理負荷を引き起こす可能性があるステップ702の評価を連続的に実行することを避けるために、カップリングインジケータ生成部114/214にプレイヤキャラクタ52及び感情状態を体験しているキャラクタ51との距離を再評価させる前に短時間(例えば、半秒)待機してもよいことが理解されよう。
【0073】
ステップ703の判定の結果、該評価された距離が閾値の距離よりも短い場合、ルーチンは「Yes」と記された経路を進み、該処理はステップ704に進む。
【0074】
ステップ704において、該ルーチンは、プロセッサ104/204に、プレイヤキャラクタ52の感情状態を、指示された感情状態にカップリングさせる。図6に示される例では、プレイヤキャラクタ52の感情状態は、プレイヤキャラクタ52が大人のNPC51の感情状態を反映して怒るように、大人のNPC51の感情状態にカップリングされる。
【0075】
図8は、プレイヤキャラクタ52の感情状態及びNPC51の感情状態間のカップリングを示すインジケーションが追加的に生成される図6の変更例を示す図である。この例では、該インジケーションは、NPC51の周囲のグロー効果58及び、それに対応するプレイヤキャラクタ52の周囲のグロー効果59を有する。仮想ゲーム世界における2のキャラクタ間のカップリングのインジケーションを提供する様々な方法について、以下で、より詳細に説明する。有益なことに、この例では、プレイヤは、プレイヤキャラクタ52の感情状態がNPC51の感情状態にカップリングされているというインジケーションを提供されるので、プレイヤキャラクタ52の感情状態の変化がこのカップリングに起因するものであることを理解することが可能である。図8の例では、NPC51及びプレイヤキャラクタ52の両方の周囲にカップリングのインジケーションが示されているが、代わりに、プレイヤキャラクタ52の周囲だけ、又はNPC51の周囲だけにカップリングの表示をしてもよいことは理解されよう。さらに、該インジケーションは必ずしもグラフィカルインジケーションである必要はない。例えば、該インジケーションは、音で構成されていてもよい。
【0076】
-第2実施形態
図9及び図10は、さらにいくつかの例示的なゲーム内コンテンツ(ユーザに画面上で提示されるようなもの)、すなわち、NPC81、プレイヤキャラクタ82、及び樹木80を含む仮想ゲーム世界800を示す図である。この場合、NPC81は、樹木80にモンスター83がいることを知覚しているため、不安な表情をしている(図10を参照)。ゲームの中では、モンスター83はNPC81の頭の中にあり、NPC81から見れば「実在するもの」と認識され、それによってNPC81に不安を与えているが、仮想ゲーム世界のプレイヤキャラクタ82や他のキャラクタから見れば、実在するものではない。
【0077】
図9に示すように、モンスター83は、当初、ユーザには見えておらず、図10に示すように、プレイヤキャラクタ82がNPC81とカップリングして初めてユーザに見えるようになり、そのときプレイヤキャラクタ82はNPC81の目を通してゲームの世界(モンスター83を含む)を見ているようになる。このとき、画面上でユーザに表現されるものは、プレイヤキャラクタ82が見ているもの(プレイヤキャラクタ82がNPC81の目を通して見ているものを含む)に対応する。
【0078】
したがって、図9において、プレイヤキャラクタ82は、当初、破線で示される境界2の外側に立っている。図10では、プレイヤキャラクタ82が境界2の内側に移動したことにより、NPC81とカップリングし、架空のモンスター83が出現している。なお、境界2は、NPC81の周囲における所定の閾値の距離を表している。
【0079】
本開示によれば、プレイヤキャラクタ52が境界2を越えて大人のNPC51から所定の距離より接近すると、プレイヤキャラクタ52はNPC51とカップリングした状態となり、知覚インジケーション部117/217によってNPC81が知覚したエンティティ(例えば、モンスター83)のインジケーションが生成される。図示された例のように、NPC51によって知覚されるエンティティは、仮想ゲーム世界において実際には「実在」しないエンティティをNPC51が視覚的に知覚したものであってもよい。例えば、NPC81が幻覚を見ている場合、NPC81は、通常の状態では仮想ゲーム世界の他のキャラクタが知覚していないエンティティを知覚することができる。
【0080】
さらに、図10は、図9の状況のうち、プレイヤキャラクタ82が境界2の内部に入り、大人のNPC51から所定の閾値の距離よりも近づいた状態を示す展開図である。その結果、プレイヤキャラクタ82はNPC81とカップリングした状態となり、NPC81が知覚したエンティティ(モンスター83)のインジケーション83が知覚インジケーション部117/217によって生成(すなわち、顕現)される。
【0081】
要点をまとめると、この例では、モンスター83は、ゲーム世界における「実在」するエンティティではなく、NPC81の頭の中にのみ存在するものとされている。すなわち、モンスター83は、NPC81の想像の中に存在し、通常は、仮想ゲーム世界におけるプレイヤキャラクタ82や他のキャラクタに認識されることはないはずである。しかし、プレイヤキャラクタ82がNPC81にカップリングされると、NPC81が知覚しているエンティティ83のインジケーションが発生するため、NPC81を不安にさせているエンティティをプレイヤが特定することができる。つまり、プレイヤに提示される仮想ゲーム世界は、プレイヤキャラクタ82がNPC81にカップリングした時点で、NPC81が知覚したエンティティを含むように知覚インジケーション部117によって変更される。
【0082】
図11は、第2の実施形態に係る、キャラクタが知覚するエンティティのインジケーションを生成するためのカップリングルーチンの手続きフロー図である。
【0083】
ステップ1001において、該ルーチンは、状態インジケータ生成部113/213に、NPC81が体験した感情状態を示すインジケーションを生成させる。例えば、図9及び図10に示すように、該インジケーションはNPC81の表情であり、NPC81が不安な状態であることを示すものである。
【0084】
ステップ1002において、該ルーチンは、カップリングインジケータ生成部114/214に、プレイヤキャラクタ82及び感情状態を体験しているキャラクタ81の間の距離を評価させる。この例では、感情状態を体験しているキャラクタは、不安という感情状態を体験しているNPC81である。もちろん、評価された距離は、仮想ゲーム世界における距離に対応し、仮想ゲーム世界内の座標システムを用いた計算を行うなど、任意の適切な方法を用いて評価されてもよいことは理解されよう。
【0085】
ステップ1003において、該ルーチンは、カップリングインジケータ生成部114/214に、ステップ1002で評価した距離が閾値の距離未満か否かを判断させる。本実施形態では、該閾値の距離は、データストレージ115/215に記憶されている予め定められた閾値の距離である。例えば、該閾値の距離は、ゲームデザイナが予め決定しておいてもよい。
【0086】
ステップ1003における判定の結果が、該評価された距離が閾値の距離以上である場合、該ルーチンは、「No」と記された経路に沿って進み、該処理はステップ1002に戻る。この場合、該ルーチンは、さもなければ制御装置14又はサーバ22内で過剰な処理負荷を引き起こす可能性があるステップ1002の評価を継続的に実行することを避けるために、カップリングインジケータ生成部114/214にプレイヤキャラクタ82及び感情状態を体験しているキャラクタ81との距離を再評価させる前に短時間(例えば、半秒)だけ待機してもよいことが理解されよう。
【0087】
ステップ1003の判定の結果、該評価された距離が閾値の距離未満である場合、該ルーチンは「Yes」と記された経路を進み、該処理はステップ1004に進む。
【0088】
ステップ1004において、該ルーティングは、プロセッサ104/204に、プレイヤキャラクタ82を、感情状態を体験しているキャラクタ81にカップリングさせ、該処理はステップ1005に進む。
【0089】
ステップ1005では、感情状態を体験しているキャラクタが知覚しているエンティティのインジケーションが示される。図10に示す例では、NPC81が知覚したモンスター83のインジケーションである。
【0090】
図12は、図10の変形例であって、プレイヤキャラクタ82及びNPC81とのカップリングを示すインジケーションが追加的に生成される例を示している。この例では、該インジケーションは、NPC81の周囲のグロー効果110と、それに対応するプレイヤキャラクタ82の周囲のグロー効果111を有する。仮想ゲーム世界における2のキャラクタ間のカップリングのインジケーションを提供する様々な方法について、以下でより詳細に説明する。有益なことに、この例では、プレイヤキャラクタ82がNPC81にカップリングしているというインジケーションが提供されるので、プレイヤは、モンスターのインジケーション83がこのカップリングにより発生したことを理解することが可能である。
【0091】
図13は、図11の手続きフロー図の修正版である。ステップ1201から1204は、それぞれ図11のステップ1001から1004に対応しており、ここでは改めて説明しない。同様に、ステップ1206は、図11のステップ1005に対応している。
【0092】
ステップ1205では、プレイヤキャラクタ82及び感情状態を体験しているNPC81の間のカップリングを示すインジケーションを生成する。図12に示す例では、このインジケーションは、NPC81の周囲のグラフィカルインジケーション110と、プレイヤキャラクタ82の周囲の対応するグラフィカルインジケーション111とを有する。図12の例では、カップリングのインジケーションが、NPC81及びプレイヤキャラクタ82の両方の周囲に示されているが、代わりにカップリングがプレイヤキャラクタ82の周囲にのみ又は、NPC81の周囲にのみ示されてもよいことが理解されよう。さらに、該インジケーションは必ずしもグラフィカルインジケーションである必要はない。例えば、該インジケーションは、音を含み得る。
【0093】
-第3実施形態
図14は、NPC134、プレイヤキャラクタ135、及び書類鞄132を含む仮想ゲーム世界の2つの連続したシーン130、131を示す図である。NPC134は、不安そうな表情をしている。
【0094】
第1のシーン130において、プレイヤは、NPC134の表情から、NPC134が不安そうにしていることを判断することができる。書類鞄132は、NPC134及びプレイヤキャラクタ135の両方が見ることができる、ゲーム世界における「実在」するオブジェクトである。
【0095】
第2のシーン131において、プレイヤキャラクタ135は、NPC134とカップリングするようになり、その結果、知覚インジケーション部117/217によって書類鞄132の周囲にインジケーション133(例えば、グロー効果)が生成されるようになった。プレイヤキャラクタ135は、スクリプト化された又はランダムなイベントの結果として、又は上述のような境界又は閾値を越えるような他の任意の適切なトリガーに応答して、NPC134にカップリングされるようになってもよい。インジケーション133は、該書類鞄がNPC134を不安にさせていることをプレイヤに認識させる。例えば、キャラクタ134/135は空港におり、書類鞄132は疑わしい、放置された荷物であり、NPC134を不安にさせ得る。
【0096】
NPC134によって知覚されるエンティティのインジケーション(例えば133)は、エンティティの周囲の単なるグラフィカルインジケーション以上のものを有していてもよい。例えば、プレイヤは、該エンティティに関するNPCキャラクタの思考を提供されてもよい。この例では、プレイヤは、「その鞄は非常に怪しく見える。当局に通報したほうがいいかもしれない」という台詞は、文字及び/又は音声の形態で提供されてもよい。一例では、プレイヤがビデオゲームの仮想カメラを書類鞄132の方に向けると、その台詞がプレイヤに提示されてもよい。
【0097】
NPC134によって知覚されるエンティティ(例えば書類鞄132)のインジケーション133は、プレイヤが仮想ゲーム世界においてエンティティ(例えば書類鞄132)とインタラクトしてもよいことを示すことができる。例えば、シーン131において、該インジケーションは、ユーザが書類鞄132を開いて該書類鞄の中身を検査してもよいことを示すボタンプロンプトをさらに又は代わりに含んでいてもよい。
【0098】
図10に示した例とは異なり、NPC134を不安にさせる書類鞄132は、NPC81の仮想的な頭の中にのみ存在する図10のモンスター83とは異なり、ゲーム世界における「実在」するオブジェクトである。したがって、書類鞄132は、プレイヤキャラクタ135がNPC134とカップリングする前から、プレイヤキャラクタ135とNPC134の双方によって知覚されることができる。
【0099】
この例では、プレイヤキャラクタ135がNPC134にカップリングされると、書類鞄132を特定するインジケーション135の生成に加えて、プレイヤキャラクタ135の感情状態がNPC134の感情状態とカップリングされる。しかし、必ずしもそうである必要はなく、NPC134を不安にさせているエンティティを特定するインジケーション135は、プレイヤキャラクタ135の感情状態又は身体状態がNPC134のそれとカップリングしていなくても生成されてもよいことが理解されよう。
【0100】
他の変形例では、第1キャラクタを感情的にさせるエンティティは、ゲーム世界内の「実在」するオブジェクトであってもよいが、例えば、他のオブジェクトによって隠されたり、不明瞭にされたりして、最初はプレイヤに見えないものであってもよい。このような場合、知覚インジケーション部117/217は、そのエンティティをプレイヤに見せるように構成されてもよい。これは、該エンティティにある種の画面上の強調表示を適用すること、該エンティティを可視位置に移動させること、又は該エンティティを隠している他のオブジェクトを少なくとも部分的に透明にすること、それによってプレイヤが画面上で前記エンティティを見ることができるようにすることを含んでもよい。
【0101】
-カップリングインジケーション又は状態インジケーション
図15aから図15dは、上述した実施形態で採用される場合もある、キャラクタの感情状態又は身体状態を示すために使用される場合もある例示的なグラフィカルインジケーション(すなわち、状態インジケーション)又は、図15a、15b及び15dの場合、カップリングインジケーションを示す図である。
【0102】
図15aは、キャラクタの周囲にいわゆる「可視オーラ」を表示する例を示す図である。この例では、該可視オーラは、グロー効果140の形態である。グロー効果140は、着色されていてもよいし、単にキャラクタの周囲の領域の輝度を増加させたものであってもよい。また、グロー効果140は、ヒートヘイズ効果など、キャラクタの周囲の歪み効果として表示されてもよい。図15aでは、グロー効果140がキャラクタを完全に囲むように表示されているが、必ずしもそうである必要はなく、代わりにキャラクタを部分的に囲むだけであってもよい。
【0103】
例えば、図5及び図6に示す大人のNPC51にプレイヤキャラクタ52がカップリングしていることを示す効果を用いる場合、NPC51に最も近いプレイヤキャラクタ52の一部分のみを囲む効果であってもよい。例えば、プレイヤキャラクタ52が所定の閾値の距離を表す境界2の外側に立っているが、プレイヤキャラクタが境界2の内側に伸びる腕を伸ばしている場合、境界の内側にある部分(すなわち、伸ばした腕のうち大人のNPC51から所定の閾値の距離未満の部分)だけをグロー効果140で囲んでも良い。
【0104】
図15bは、キャラクタの周りの境界141を示す。一例では、境界141は、キャラクタの周りに描かれた単純な輪郭であってよく、多点星、円など、任意の適切な形状を用いて描くことができる。
【0105】
図15cは、キャラクタが悲しんでいることを示す雲マーク142を示す図である。この例では、雲マーク142は、キャラクタの顔にある悲しい表情を示す画像を有する。しかし、必ずしもそうである必要はなく、代わりに、例えば、雲マークが、キャラクタの感情状態を示す文字を有してもよい。
【0106】
図15dは、キャラクタの下方にインジケーション143を表示したものである。この例では、該インジケーションは、キャラクタの下方に、キャラクタを囲むように円143で示されている(例えば、地面に投影される)。インジケーション143は、例えば、輝度の変化、色の変化、又は歪み効果に対応してもよい。
【0107】
図15a、15b及び15dに示す形式のグラフィカルインジケーションは、プレイヤが制御するキャラクタがNPCにカップリングしていること(図6の矢印Aで示すカップリング、又は図10及び12の矢印Bで示すカップリングなど)、又は仮想ゲーム世界においてキャラクタが知覚するエンティティ(図12の樹木80で示すモンスター83又は、図14の書類鞄132など)を示すために使用されてもよい。このようなグラフィカルインジケーションは、プレイヤキャラクタ及びNPCのいずれか一方、又は両方に適用して、それらがカップリングしていることを示してもよい。
【0108】
図16a及び16bは、プレイヤキャラクタ155がNPC154から所定の閾値の距離(境界2によって示される)よりも接近し、したがってプレイヤキャラクタ155がNPC154にカップリングした例を示している。NPC154及びプレイヤキャラクタ155間のカップリングは、NPC154の周囲のグラフィカルインジケーション150及び、プレイヤキャラクタ155の周囲の対応するグラフィカルインジケーション151とによって示される。この例では、プレイヤキャラクタ155が境界内を移動すると、NPC154及びプレイヤキャラクタ155の間の距離に基づいてグラフィカルインジケーション150、151が変更される。
【0109】
より詳細には、図16aに示すように、NPC154及びプレイヤキャラクタ155は、最初、仮想ゲーム世界において、矢印で示す距離D1だけ離れている。NPC154及びプレイヤキャラクタ155は、第1のサイズの対応するグラフィック表示150、151に囲まれている。
【0110】
図16bに示す展開では、図16aのNPC154及びプレイヤキャラクタ155とが接近し、仮想ゲーム世界において矢印で示す距離D2(距離D1よりも小さい)だけ離れた状態となっている。NPC154及びプレイヤキャラクタ155との距離が縮まった結果、NPC154及びプレイヤキャラクタ155の周囲のグラフィカルインジケーション152、153のサイズが大きくなっている。
【0111】
図16bのグラフィカルインジケーション152、153のサイズの増大は、単に、キャラクタがカップリングしているという事実を補強するための視覚的補助であってもよい。あるいは、他の変形例では、グラフィカルインジケーションのサイズの増大は、カップリングの強度の増大を表してもよく、例えば、プレイヤキャラクタ155がNPC154の感情に対するより大きな識見を知覚することができるようにしてもよい。
【0112】
カップリングインジケーション又は状態インジケーションが音を含む変形例では、プレイヤキャラクタ155及びNPC154の間の距離が減少するにつれて、音が大きくなってもよい。上記の例と同様に、このような音量の増加は、単にキャラクタがカップリングしているという事実を補強するためであってもよいし、上記のようにカップリングの強度が増していることを示すものであってもよい。
【0113】
図17は、NPC163及びプレイヤキャラクタ164を含む仮想ゲーム世界の2つの連続したシーン160、161を示している。NPC163は、怒っていることを示す表情を浮かべている。シーン160では、プレイヤキャラクタ164は、NPC163の周囲の所定の閾値の距離を示す境界2の外側に立っている。
【0114】
シーン161では、プレイヤキャラクタ164がNPC163から所定の閾値の距離よりも接近したため、矢印Eで示すように、プレイヤキャラクタ164の感情状態がNPC163の感情状態とカップリングした状態となり、この例では、該感情状態間のカップリングを示す162が生成されている。
【0115】
なお、プレイヤキャラクタ164の感情状態がNPC163の感情状態とカップリングしていることのインジケーションは、必ずしも音のみ、又はグラフィカルインジケーシンのみに限定する必要はなく、音(複数可)及びグラフィカルインジケーション(複数可)との組み合わせを有していてもよいことが理解されよう。例えば、シーン161に示すように、プレイヤキャラクタ164の怒った表情は、カップリングのグラフィカルインジケーションであり、音162は、該カップリングの可聴インジケーションである。
【0116】
図18は、ある実施形態のルーチンが参照する場合がある、インジケーション参照テーブルの例示である。該表の第1列は、プレイヤキャラクタと感情状態を体験しているキャラクタとの間の閾値の距離を示す。例えば、この距離は、図16a及び図16bに図示されたNPC154及びプレイヤキャラクタ155の間の距離に対応してもよい。該表の第2列は、同じ行の距離と関連するインジケーションのタイプを示し、第3列は、対応するインジケーションの強度を示す。グラフィカルインジケーションの強度は、インジケーションのサイズ、明るさ又は色に対応してもよい。可聴インジケーションの強度は、該インジケーションの音量に対応してもよい。
【0117】
図18に示す例では、距離D1からD5は、以下の通りである。
D1>D2>D3>D4>D5
【0118】
該表は、強度1を有する第1のタイプ「1(グロー、音声なし)」のインジケーションが、閾値の距離D1と関連付けられていることを示す。同様に、該表は、2の強度を有する第1のタイプ「1(グロー、音声なし)」の表示が、閾値の距離D2に関連付けられていることを示す。プレイヤキャラクタが距離D1以下であって距離D2より遠い距離にいるとき、第1のタイプ(グロー、音声なし)で強度1のインジケーションを発生させると決定し、プレイヤキャラクタが距離D2以下であって距離D3より遠い距離にいるとき、第1のタイプ(グロー、音声なし)で強度2のインジケーションを発生させると決定し、対応する決定は距離D3及びD4に基づき行われてもよい。この例ではD5が表中の最短距離であるので、対応するインジケーション(第2のタイプ、2の強度を有する)は、単にプレイヤキャラクタ及びNPCの間の距離が距離D5より短いときに生成される。
【0119】
図19は、図5及び6に示した状況の変形例を示す図であり、NPC183及びプレイヤキャラクタ184を含む仮想ゲーム世界の2つの連続したシーン180、181を示している。NPC183は、NPC183が怒っていることを示す表情を有している。
【0120】
シーン180では、プレイヤキャラクタ184の感情状態及びNPC183の感情状態の間のカップリングを開始するために、プレイヤがユーザ入力を提供することができるというインジケーション182も示されている。この例では、インジケーション182は、ユーザインタラクションインジケーション生成部105/205によって生成された、プレイヤがカップリングを開始するために入力装置(図3に図示された入力装置103など)上の特定のボタン又はキーを押してもよいことを示すボタンプロンプトを含む、グラフィカルインジケーションである。
【0121】
より一般的には、ユーザインタラクションインジケーション生成部105/205は、プレイヤキャラクタ184の感情状態又は身体状態と他のキャラクタ(例えば、NPC183)の感情状態又は身体状態とのカップリングを開始するためにプレイヤがユーザ入力を提供してもよいというインジケーションを生成するように構成されてもよい。
【0122】
シーン181において、該プレイヤは、ボタンプロンプト182によって示されるボタンを押し、その結果、矢印Fによって示されるように、プレイヤキャラクタ184の感情状態がNPC183の感情状態とカップリングした状態になっている。したがって、プレイヤキャラクタ184は、NPC183の感情状態を反映し、怒った状態になったのである。
【0123】
図20は、図9及び図10に示した状況の変形例を示す図であり、NPC194及びプレイヤキャラクタ195を含む仮想ゲーム世界の2つの連続したシーン190、191を示している。NPC194は、NPC183が怖がっていることを示す表情を浮かべている。
【0124】
シーン190では、NPC194によって知覚されるエンティティ193のインジケーションを生成するために、プレイヤがプレイヤキャラクタ195をNPC194にカップリングするためのユーザ入力を提供してもよいというインジケーション196も示される。この例では、インジケーション196は、ユーザインタラクションインジケーション生成部105/205によって生成された、プレイヤがカップリングを開始するために入力装置(図3に図示された入力装置103など)上の特定のボタン又はキーを押すことができることを示すボタンプロンプトを有するグラフィカルインジケーションである。
【0125】
シーン191では、プレイヤは、ボタンプロンプト196によって示されたボタンを押し、その結果、矢印Fによって示されるように、プレイヤキャラクタ195がNPC194にカップリングされた状態になり、NPC194によって知覚されるエンティティ193のインジケーションが知覚インジケーション部117/217によって生成されている。図20に示す例では、NPC194が知覚したエンティティは、樹木192にいるモンスター193である。
【0126】
図19及び図20の場合、プレイヤがプレイヤキャラクタをNPCにカップリングするためにユーザ入力を提供することができるというインジケーションは、視覚的(画面上)ボタンプロンプト(例えば182及び196)によるものである。しかし、代替の実施形態では、該インジケーションは音の形態をとってもよい。
【0127】
-行動のカップリング
図21は、プレイヤキャラクタ203の感情状態とNPC202の感情状態とのカップリングのさらなる例を示す図である。図21では、NPC202及びプレイヤキャラクタ203を含む仮想ゲーム世界の2つの連続したシーン200、201が示されている。シーン200において、NPC202は、怒りの感情状態を体験しており、台詞204を発話しているところである。NPC202の感情状態は、台詞204に提供される演出用音声に反映されてもよい。
【0128】
シーン201では、プレイヤキャラクタ203の感情状態が、NPC202の感情状態とカップリングするようになっている。その結果、プレイヤキャラクタ203は、NPC202の感情状態を反映して、怒った状態になっている。さらに、この例では、該カップリングにより、プレイヤキャラクタ203は、NPC204の発話を反映するようにもなっている。したがって、プレイヤキャラクタ203は、NPC202が発話した台詞204に基づいて、台詞205を発話する。例えば、プレイヤキャラクタ203は、NPC202が発話した台詞と全く同じ台詞を発話してもよい。また、プレイヤキャラクタ203の声優は、NPC204の台詞と実質的に同じように台詞を発話してもよい。
【0129】
図22は、NPC212が行う行動及び、プレイヤキャラクタ213が行う行動とのカップリングの一例を示す図である。図22では、NPC212及びプレイヤキャラクタ213を含む仮想ゲーム世界の2つの連続したシーン210、211が示されている。シーン210において、NPC212は、怒りの感情状態を体験しており、怒ったようなジェスチャをしている。例えば、NPC212は、怒りながら拳を振っていてもよい。
【0130】
シーン211では、プレイヤキャラクタ213の感情状態がNPC212の感情状態と連動するようになっている。その結果、プレイヤキャラクタ213は、NPC212の感情状態を反映して、怒った状態になっている。さらに、この例では、このカップリングにより、プレイヤキャラクタ213は、NPC212が行う行動をも反映するようになる。したがって、プレイヤキャラクタ213は、NPC212が行った怒りのジェスチャを実行する。例えば、プレイヤキャラクタ213がNPC212とカップリングしており、NPC212が怒って拳を振ると、プレイヤキャラクタ213も怒って拳を振る。プレイヤは、NPC212の行動及びプレイヤキャラクタ213の行動とのカップリングにより、プレイヤキャラクタ213に対する制御の全部又は一部が失われることを体験してもよい。
【0131】
-インタラクティブ・カップリング
図23は、NPCの感情状態又は身体状態を変更するためにプレイヤがインタラクトしてもよいインタラクティブミニゲームの一例を(連続する4つのパネルAからDによって)示している。
【0132】
パネルAでは、NPC220及びプレイヤキャラクタ221が示されている。NPC220は怒りの感情状態を体験しており、NPC220の感情状態は、矢印Kで示すように、プレイヤキャラクタ221の感情状態とカップリングしている。
【0133】
パネルBでは、インタラクティブミニゲーム222が示されている。一例では、ミニゲームは、パズル又はスキルベースのゲームであってもよい。
【0134】
ミニゲームとインタラクトすることによって、プレイヤは、プレイヤキャラクタ221又はNPC220のいずれかの感情状態に影響を与えることができる。この例では、プレイヤは、ミニゲームとインタラクトすることによって、プレイヤキャラクタ221の感情状態に影響を与えることができる。プレイヤキャラクタ221の感情状態はNPC220の感情状態とカップリングされているので、プレイヤによって引き起こされたプレイヤキャラクタ221の感情状態の変化は、その後、NPC220の感情状態に反映されることになる。
【0135】
他の変形例では、プレイヤのミニゲームとのインタラクションは、プレイヤキャラクタ221の感情状態への影響とは無関係に、NPC220の感情状態に直接影響を与えてもよい。
【0136】
前記ミニゲームは、NPC220を共同プレイヤ又は対戦相手としてプレイしてもよい(ただし、必ずしもそうでなくてもよい)。例えば、ミニゲームは、NPC220がプレイすることによって喜びを得るゲームであってもよいし、NPC220にとって懐かしい意味を持つゲームであってもよく、したがって、ミニゲームをプレイすることによってNPC220の感情状態を変化させる効果がある。
【0137】
パネルCでは、プレイヤがミニゲーム22を成功させたため、プレイヤキャラクタ221の怒りが収まっている。その結果、パネルDに示すように、プレイヤキャラクタの感情状態及びNPC220の感情状態がカップリングすることにより、NPC220は怒りが弱くなる。
【0138】
別の例では、前記ミニゲームは、多数の対話オプションのうちの1つを選択することを単に有してもよい。例えば、NPC220が台詞を発話し、プレイヤは、プレイヤキャラクタ221が返答として話すための台詞オプションを選択してもよい。対話オプションの各々は、プレイヤキャラクタ221又はNPC220の感情状態に特にプラス又はマイナスの効果をもたらす可能性があり、一例では、プレイヤは、ビデオゲームのストーリーに基づき、対話オプションのどれが最もプラスの効果をもたらすかを推論するよう求められる可能性がある。
【0139】
-身体状態のカップリング
上述した実施形態及び実施例は、主にプレイヤキャラクタ又はNPCの感情状態を参照することにより説明した。しかし、プレイヤキャラクタ及びNPCの感情状態をカップリング又はインジケートする代わりに、キャラクタの身体状態をインジケート又はカップリングしてもよいことを理解されたい。したがって、ユーザインタラクションインジケーション生成部105/205は、プレイヤがユーザ入力を提供して、該プレイヤキャラクタの身体状態のNPCの身体状態へのカップリングを開始してもよいというインジケーションを生成するように構成されてもよい。
【0140】
例えば、図5に関して、大人のNPC51は、痛みなどの身体状態を体験していてもよいし、視覚障害や認知障害を体験していてもよい。図6に示すように、プレイヤキャラクタ52が所定の閾値の距離を示す境界2の内側にいる場合、大人のNPC51の身体状態及びプレイヤキャラクタ52の身体状態がカップリングしてもよい。例えば、NPC51が痛みを感じているとき、プレイヤキャラクタ52もその痛みを感じていてもよい。
【0141】
他の例では、NPC51の身体状態がプレイヤキャラクタ52の身体状態にカップリングされると、プレイヤによるプレイヤキャラクタの制御が影響を受ける。一例では、NPC51が泥酔状態を体験し、プレイヤキャラクタ52も泥酔状態を体験し、プレイヤキャラクタの制御が困難になる。例えば、ビデオゲームは、プレイヤが該プレイヤキャラクタを制御して直線的に移動させることが困難となるように、プレイヤによるランダムな入力をシミュレートしてもよい。
【0142】
別の例では、プレイヤキャラクタ52の身体状態及びNPC51の身体状態とのカップリングは、プレイヤに対する仮想ゲーム世界の提示に影響を与える。例えば、NPC51が近視や失明などの視覚障害を体験している場合、プレイヤキャラクタ52の身体状態及びNPC51の身体状態がカップリングすることにより、プレイヤキャラクタ52も視覚障害を体験してもよい。その結果、プレイヤに提示されるゲーム世界がぼやけてしまったり、暗くなってしまったりすることがある。あるいは、NPC51が聴覚障害などの聴覚障害を体験している場合、プレイヤキャラクタ52の身体状態及びNPC51の身体状態がカップリングすることにより、プレイヤキャラクタ52も聴覚障害を体験してもよい。その結果、プレイヤに再生される音声(仮想ゲーム世界の音や音楽など)が歪んだり、音量が小さくなったりしてもよい。
【0143】
-概要
本開示からの主要概念のいくつかを要約すると、図24は、プレイヤが制御するキャラクタ及び感情状態又は身体状態を体験するキャラクタの間のカップリングのインジケーションを生成するためのカップリングルーチンの手続きフロー図である。
【0144】
ステップ2301において、キャラクタが体験した感情状態又は身体状態のインジケーションが生成される。
【0145】
ステップ2302では、プレイヤが制御するキャラクタ、及び指示された感情状態を体験しているキャラクタの間に発生するカップリングのインジケーションが生成される。
【0146】
-変更及び代替
詳細な実施形態及びいくつかの可能な代替案を上述してきた。当業者が理解するように、多くの変更及びさらなる代替が、そこに具現化された発明から依然として利益を得ながら、上記の実施形態に対して行われ得る。したがって、本発明は、説明された実施形態に限定されず、本明細書に添付された請求項の範囲内での当業者に明白な変更を包含することが理解されるであろう。
【0147】
例えば、上述した実施形態及び実施例では、プレイヤキャラクタ及び他のキャラクタの間のカップリング、例えば、プレイヤキャラクタの感情状態及び他のキャラクタの感情状態とのカップリング又は、他のキャラクタによって知覚されるエンティティのインジケーションを生成するためのプレイヤキャラクタ及び他のキャラクタとのカップリング、が説明されている。これらのカップリングは、単にプレイヤキャラクタの自然な共感を表すものであってもよいことが理解されよう。あるいは、該カップリングは、他のキャラクタの感情、思考、及び認識を知覚し又は、体験するプレイヤキャラクタの超自然的な能力を表すことができる。
【0148】
以上から、図5及び図6のノンプレイヤキャラクタ51が体験した怒りの感情状態のようなキャラクタの感情状態又は身体状態は、仮想ゲーム世界において、単にキャラクタの表情によって(状態インジケータ生成部113/213によって生成された状態インジケーションによって)示されてもよいことが理解されるであろう。あるいは、キャラクタの感情状態は、図15aから図15dに例示されたグラフィカルインジケーションのうちの1つなど(ただし、これに限定されない)の別のタイプの状態インジケーションによって示されてもよい。一例では、該状態インジケーションは、プレイヤキャラクタが、仮想ゲーム世界において、他のキャラクタに所定の閾値の距離よりも接近したときに生成されてもよい。この所定の閾値の距離は、図5及び図6に例示された所定の閾値の距離と同じであってもよく、又は異なっていてもよく、プレイヤキャラクタの感情状態又は身体状態を他のキャラクタの感情状態又は身体状態にカップリングさせるかどうかを決定するために使用されてもよい。
【0149】
上述した実施形態及び実施例では、該プレイヤキャラクタは、NPCとインタラクトするものとして説明されてきた。しかし、該プレイヤキャラクタは、代わりに、他の人間のプレイヤによって制御されるキャラクタと同様の方法でインタラクトしてもよい。例えば、プレイヤは、他のプレイヤによって制御されるキャラクタの感情状態又は身体状態のインジケーションを提供されてもよい。一例では、各プレイヤは、対応するプレイヤキャラクタに割り当てられる多数の感情状態又は身体状態のうちの1つを選択してもよく、そのような感情状態又は身体状態は、次に、本明細書に記載されるカップリング処理によって他のプレイヤのプレイヤキャラクタと共有されてもよい。
【0150】
[1]
ビデオゲームのプレイヤに提示される仮想ゲーム世界と、第1キャラクタ及び前記プレイヤによって制御される第2キャラクタを含む、前記仮想ゲーム世界における複数のキャラクタとで構成されるビデオゲームを提供する、コンピュータ装置によって実行されるプログラムを含むコンピュータ可読記録媒体であって、
前記プログラムは、前記コンピュータ装置を、
第1キャラクタの感情状態又は身体状態のインジケータである、状態インジケータを生成するように構成された状態インジケータ生成部、及び
第1キャラクタの感情状態又は身体状態と第2キャラクタの感情状態又は身体状態との間に生じるカップリングを示すカップリングインジケータを生成するように構成されたカップリングインジケータ生成部
として機能させるコンピュータ可読記録媒体。
[2]
前記仮想ゲーム世界において、前記第2キャラクタが前記第1キャラクタから第1の所定の閾値の距離より近づいた場合に、前記第1キャラクタの感情状態又は身体状態が、前記第2キャラクタの感情状態又は身体状態とカップリングされる、[1]に記載のコンピュータ可読記録媒体。
[3]
前記状態インジケータ生成部が、前記仮想ゲーム世界において、前記第2キャラクタが前記第1キャラクタから第2の所定の閾値の距離より近づいた場合に、前記状態インジケータを生成するように構成される、[1]又は[2]に記載のコンピュータ可読記録媒体。
[4]
前記カップリングインジケータ生成部は、前記仮想ゲーム世界における前記第1の所定の閾値の距離のグラフィカルインジケーションを生成するように構成され、及び/又は、前記状態インジケータ生成部は、前記仮想ゲーム世界における前記第2の所定の閾値の距離のグラフィカルインジケーションを生成するように構成される、[2]又は[3]に記載のコンピュータ可読記録媒体。
[5]
前記状態インジケーション又は前記カップリングインジケーションの少なくとも一方は、グラフィカルインジケーションを含む、[1]~[4]のいずれかに記載のコンピュータ可読記録媒体。
[6]
前記状態インジケーションは、前記第1キャラクタを少なくとも部分的に囲むグラフィカルインジケーションを含む、[5]に記載のコンピュータ可読記録媒体。
[7]
前記状態インジケーションは、前記第1キャラクタを少なくとも部分的に囲む可視オーラを含む、[6]に記載のコンピュータ可読記録媒体。
[8]
前記可視オーラは、前記第1キャラクタと前記第2キャラクタとの距離が縮減するにつれて、サイズ又は強度が大きくなる、[7]に記載のコンピュータ可読記録媒体。
[9]
前記カップリングインジケーションは、前記第1キャラクタを少なくとも部分的に囲むグラフィカルインジケーションと、前記第2キャラクタを少なくとも部分的に囲む対応するグラフィカルインジケーションとを含む、[5]に記載のコンピュータ可読記録媒体。
[10]
前記カップリングインジケーションは、前記第1キャラクタを少なくとも部分的に囲む可視オーラと、前記第2のキャラクタを少なくとも部分的に囲む対応する可視オーラとを含む、[9]に記載のコンピュータ可読記録媒体。
[11]
前記可視オーラの一方又は両方は、前記第1キャラクタと前記第2キャラクタとの距離が縮減するにつれて、サイズ又は強度が大きくなる、[10]に記載のコンピュータ可読記録媒体。
[12]
前記状態インジケーション又は前記カップリングインジケーションは、色又は輝度の調整を含む、[5]~[11]のいずれかに記載のコンピュータ可読記録媒体。
[13]
前記状態インジケーション又は前記カップリングインジケーションは音を含む、[1]~[12]のいずれかに記載のコンピュータ可読記録媒体。
[14]
前記音は、前記第1キャラクタと前記第2キャラクタとの距離が縮減するにつれて、音量が大きくなる、[13]に記載のコンピュータ可読記録媒体。
[15]
前記プログラムはさらに、前記コンピュータ装置を、
前記第1キャラクタの感情状態又は身体状態と前記第2キャラクタの感情状態又は身体状態とのカップリングを開始するためのユーザ入力をプレイヤが提供し得るというインジケーションを生成するように構成されたユーザインタラクションインジケーション生成部、
として機能させる、[1]~[14]のいずれかに記載のコンピュータ可読記録媒体。
[16]
プレイヤがユーザ入力を提供し得る旨のインジケーションが、ボタンプロンプト又は音の少なくとも一方を含む、[15]に記載のコンピュータ可読記録媒体。
[17]
前記プログラムはさらに、前記コンピュータ装置を、
前記第1キャラクタの感情状態又は身体状態に基づいて、前記第1キャラクタが知覚するエンティティのインジケーションを生成するように構成された知覚インジケーション部
として機能させる、[1]~[16]のいずれかに記載のコンピュータ可読記録媒体。
[18]
前記知覚インジケーション部は、前記第1キャラクタによって視覚的に知覚される前記仮想ゲーム世界におけるエンティティと前記プレイヤがインタラクトしてもよい旨のインジケーションを生成するように構成される、[17]に記載のコンピュータ可読記録媒体。
[19]
前記知覚インジケーション部は、前記第1キャラクタが知覚したエンティティを含むように、前記プレイヤに提示される仮想ゲーム世界を変更するように構成される、[17]又は[18]に記載のコンピュータ可読記録媒体。
[20]
前記第1キャラクタが知覚するエンティティは、前記第1キャラクタが視覚的に知覚する仮想ゲーム世界におけるエンティティである、[17]~[19]のいずれかに記載のコンピュータ可読記録媒体。
[21]
前記第1キャラクタの感情状態は、怒り、悲しみ、喜び、恐れ、不安、驚き、愛、後悔、罪悪感、妄想症、又は嫌悪感の少なくとも1つを含む、[1]~[20]のいずれかに記載のコンピュータ可読記録媒体。
[22]
前記第1キャラクタの身体状態は、痛み、体温、酔い、視覚障害、認知障害、運動障害、聴覚障害のうち少なくとも1つを含む、[1]~[21]のいずれかに記載のコンピュータ可読記録媒体。
[23]
前記第2キャラクタの身体状態と前記第1キャラクタの身体状態がカップリングされた場合に、前記第2キャラクタは前記第1キャラクタの身体状態を体験する、[1]~[22]のいずれかに記載のコンピュータ可読記録媒体。
[24]
前記第1キャラクタの身体状態は、前記第2キャラクタの動作の前記プレイヤによる制御に影響を与える、[23]に記載のコンピュータ可読記録媒体。
[25]
前記第1キャラクタの身体状態は、前記プレイヤに対する前記仮想ゲーム世界の表現に影響を与える、[23]又は[24]に記載のコンピュータ可読記録媒体。
[26]
前記第1キャラクタは、ノンプレイヤキャラクタである、[1]~[25]のいずれかに記載のコンピュータ可読記録媒体。
[27]
前記第1キャラクタは、他のプレイヤが操作するキャラクタである、[1]~[25]のいずれかに記載のコンピュータ可読記録媒体。
[28]
前記第1キャラクタの感情状態又は身体状態と前記第2キャラクタの感情状態又は身体状態とがカップリングされた場合に、前記第1キャラクタの感情状態若しくは身体状態、又は前記第2キャラクタの感情状態若しくは身体状態を変更するために、前記プレイヤがインタラクトすることができる、[1]~[27]のいずれかに記載のコンピュータ可読記録媒体。
[29]
前記プログラムは、前記ビデオゲーム内のミニゲームを前記プレイヤに提供するように構成され、前記ミニゲームでインタラクトすることによって、前記プレイヤは、前記第1キャラクタの感情状態若しくは身体状態、又は前記第2キャラクタの感情状態若しくは身体状態を変更できる、[28]に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオゲームのプレイヤに提示される仮想ゲーム世界と、第1キャラクタ及び前記プレイヤによって制御される第2キャラクタを含む、前記仮想ゲーム世界における複数のキャラクタとで構成されるビデオゲームを提供する、コンピュータ装置によって実行されるプログラムを含むコンピュータ可読記録媒体であって、
前記プログラムは、前記コンピュータ装置を、
第1キャラクタの感情状態又は身体状態のインジケータである、状態インジケータを生成するように構成された状態インジケータ生成部、及び
第1キャラクタの感情状態又は身体状態と第2キャラクタの感情状態又は身体状態との間に生じるカップリングを示すカップリングインジケータを生成するように構成されたカップリングインジケータ生成部
として機能させるコンピュータ可読記録媒体。
【請求項2】
前記仮想ゲーム世界において、前記第2キャラクタが前記第1キャラクタから第1の所定の閾値の距離より近づいた場合に、前記第1キャラクタの感情状態又は身体状態が、前記第2キャラクタの感情状態又は身体状態とカップリングされる、請求項1に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項3】
前記状態インジケータ生成部が、前記仮想ゲーム世界において、前記第2キャラクタが前記第1キャラクタから第2の所定の閾値の距離より近づいた場合に、前記状態インジケータを生成するように構成される、請求項1又は2に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項4】
前記カップリングインジケータ生成部は、前記仮想ゲーム世界における前記第1の所定の閾値の距離のグラフィカルインジケーションを生成するように構成され、及び/又は、前記状態インジケータ生成部は、前記仮想ゲーム世界における前記第2の所定の閾値の距離のグラフィカルインジケーションを生成するように構成される、請求項2又は3に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項5】
前記状態インジケーション又は前記カップリングインジケーションの少なくとも一方は、グラフィカルインジケーションを含む、請求項1~4のいずれかに記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項6】
前記状態インジケーションは、前記第1キャラクタを少なくとも部分的に囲むグラフィカルインジケーションを含む、請求項5に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項7】
前記状態インジケーションは、前記第1キャラクタを少なくとも部分的に囲む可視オーラを含む、請求項6に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項8】
前記可視オーラは、前記第1キャラクタと前記第2キャラクタとの距離が縮減するにつれて、サイズ又は強度が大きくなる、請求項7に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項9】
前記カップリングインジケーションは、前記第1キャラクタを少なくとも部分的に囲むグラフィカルインジケーションと、前記第2キャラクタを少なくとも部分的に囲む対応するグラフィカルインジケーションとを含む、請求項5に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項10】
前記カップリングインジケーションは、前記第1キャラクタを少なくとも部分的に囲む可視オーラと、前記第2のキャラクタを少なくとも部分的に囲む対応する可視オーラとを含む、請求項9に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項11】
前記可視オーラの一方又は両方は、前記第1キャラクタと前記第2キャラクタとの距離が縮減するにつれて、サイズ又は強度が大きくなる、請求項10に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項12】
前記状態インジケーション又は前記カップリングインジケーションは、色又は輝度の調整を含む、請求項5~11のいずれかに記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項13】
前記状態インジケーション又は前記カップリングインジケーションは音を含む、請求項1~12のいずれかに記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項14】
前記音は、前記第1キャラクタと前記第2キャラクタとの距離が縮減するにつれて、音量が大きくなる、請求項13に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項15】
前記プログラムはさらに、前記コンピュータ装置を、
前記第1キャラクタの感情状態又は身体状態と前記第2キャラクタの感情状態又は身体状態とのカップリングを開始するためのユーザ入力をプレイヤが提供し得るというインジケーションを生成するように構成されたユーザインタラクションインジケーション生成部、
として機能させる、請求項1~14のいずれかに記載のコンピュータ可読記録媒体。
【国際調査報告】