(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-31
(54)【発明の名称】健康なマイクロバイオームのために個別化された推奨を提供するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G16H 10/00 20180101AFI20230524BHJP
【FI】
G16H10/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022562164
(86)(22)【出願日】2021-04-26
(85)【翻訳文提出日】2022-10-11
(86)【国際出願番号】 EP2021060788
(87)【国際公開番号】W WO2021219528
(87)【国際公開日】2021-11-04
(32)【優先日】2020-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【氏名又は名称】戸津 洋介
(72)【発明者】
【氏名】チョウ, チー, ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】エローテギ パスクアル, パロマ
(72)【発明者】
【氏名】エマミ, ナシュミル
(72)【発明者】
【氏名】プレスティナ, ロコ
(72)【発明者】
【氏名】スクッチマーラ, エリック
(72)【発明者】
【氏名】プロゾロフスカイア, ダニエラ
(72)【発明者】
【氏名】クイック, サラ, ニコル
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
本発明は、マイクロバイオームの健康を改善又は維持するために個別化されたマイクロバイオームの推奨を提供するためのシステム及び方法に関する。本発明のいくつかの実施形態では、個別化されたマイクロバイオームの健康推奨は、健康なマイクロバイオームを改善又は維持するための食事、メニュー、及びレシピである。いくつかの実施形態では、マイクロバイオーム健康の推奨は、コンピュータ実施システムによって送達される。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個体におけるマイクロバイオームの健康を改善又は維持するためにマイクロバイオーム健康の推奨を提供するためのコンピュータ実施方法。
【請求項2】
前記方法が、食事推奨、メニュー推奨、及びレシピ推奨を含む、請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項3】
前記方法が、前記マイクロバイオーム健康の推奨の適用前及び適用後の、(i)腸内の微生物種のアルファ多様性、(ii)酪酸産生菌による酪酸産生、及び(iii)短鎖脂肪酸産生、のうちの少なくとも1つの前記改善又は維持の測定によるマイクロバイオームの健康の判定を含む、請求項1又は2に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項4】
前記方法が、年齢、性別、身長、体重、BMI、医学的状態、及び身体活動レベル、を含む群から選択される個々のパラメータに基づいて、パーソナライズされたマイクロバイオーム健康の推奨を提供する、請求項1~3のいずれか一項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項5】
前記方法が、雑食、グルテンフリー、ラクトースフリー、地中海、ビーガン、及びベジタリアンを含む群から選択される食事の好み又は制約に基づいて、個別化されたマイクロバイオーム健康の推奨を提供する、請求項1~4のいずれか一項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項6】
前記方法が、
(i)全粒穀物食品、
(ii)豆及び豆類、
(iii)繊維、
(iv)ナッツ及び種子、並びに
(v)オメガ-3脂肪酸、
からなる群から選択される食品又は栄養素のための推奨を提供する、請求項1~5のいずれか一項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項7】
前記方法が、
(i)約31~477g/日の総量の全粒穀物食品、
(ii)約35~472g/日の総量の豆及び豆類、
(iii)約16~95g/日の総量の繊維、
(iv)約6~192g/日の総量のナッツ及び種子、並びに
(v)最大約5200mg/日の総量のオメガ-3脂肪酸、
からなる群から選択される食品又は栄養素のための推奨を提供する、請求項6に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項8】
前記方法が、豆及び豆類のカテゴリにおける推奨を提供し、35~472g/日の前記総量のひよこ豆が選択される、請求項6又は7に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項9】
繊維が、16~95g/日の前記総量の玄米、大麦、及びライ麦、からなる群から選択される、請求項6~8のいずれか一項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項10】
ナッツ及び種子が、6~192g/日の前記総量のピスタチオ、アーモンド、クルミ、及びアマニ、からなる群から選択される、請求項6~9のいずれか一項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項11】
前記オメガ-3脂肪酸が、各々が約119~2000mg/日の量のDHA及びEPAサプリメント、200~300gの多脂魚中のDHA及びEPAの相当量、及び、総オメガ-3脂肪酸中で最大約5200mg/日、からなる群から選択される、請求項6~10のいずれか一項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項12】
マイクロバイオーム健康の推奨のためのコンピュータ実施システムであって、
メニューデータベースモジュールと、
レシピデータベースモジュールと、
食事制約モジュールと、
栄養素スコアリングモジュールと、
最適化モジュールと、
を備え、
前記システムが、個体におけるマイクロバイオームの健康を改善又は維持するためにマイクロバイオーム健康の推奨を提供する、マイクロバイオーム健康の推奨のためのコンピュータ実施システム。
【請求項13】
前記システムが、個体におけるマイクロバイオームの健康を改善又は維持するための、食品推奨、メニュー推奨、及びレシピ推奨を含む群から選択される推奨を提供する、請求項12に記載のマイクロバイオーム健康の推奨のためのコンピュータ実施システム。
【請求項14】
前記システムが、年齢、性別、身長、体重、BMI、医学的状態、身体活動レベル、及び推奨される1日当たりの総エネルギー所要量、を含む群から選択される個々のユーザ属性に基づいて、個別化されたマイクロバイオーム健康の推奨を提供する、請求項12又は13に記載のマイクロバイオーム健康の推奨のためのコンピュータ実施システム。
【請求項15】
前記システムが、(i)腸内の微生物種のアルファ多様性、(ii)酪酸産生、及び(iii)短鎖脂肪酸産生、のうちの少なくとも1つの前記改善又は維持の判定に基づいて、個別化されたマイクロバイオーム健康の推奨を提供する、請求項12~14のいずれか一項に記載のマイクロバイオーム健康の推奨のためのコンピュータ実施システム。
【請求項16】
前記システムが、雑食、グルテンフリー、ラクトースフリー、地中海、ビーガン、及びベジタリアン、を含む群から選択される食事の好みに基づいて、個別化されたマイクロバイオーム健康の推奨を提供する、請求項12~15のいずれか一項に記載のマイクロバイオーム健康の推奨のためのコンピュータ実施システム。
【請求項17】
前記システムが、
(i)全粒穀物食品、
(ii)豆及び豆類、
(iii)繊維、
(iv)ナッツ及び種子、並びに
(v)オメガ-3脂肪酸、
からなる群から選択される食品又は栄養素群のための個別化されたマイクロバイオーム健康の推奨を提供する、請求項12~16のいずれか一項に記載のマイクロバイオーム健康の推奨のためのコンピュータ実施システム。
【請求項18】
前記システムが、朝食、昼食、夕食、又は軽食に適していると分類されるメニューのためにマイクロバイオーム健康の推奨を提供する、請求項12~17のいずれか一項に記載のマイクロバイオーム健康の推奨のためのコンピュータ実施システム。
【請求項19】
前記システムが、レシピのためにマイクロバイオーム健康の推奨を提供する、請求項12~18のいずれか一項に記載のマイクロバイオーム健康の推奨のためのコンピュータ実施システム。
【請求項20】
前記システムが、
(i)約31~477g/日の総量の全粒穀物食品、
(ii)約35~472g/日の総量の豆及び豆類
(iii)約16~95g/日の総量の繊維、
(iv)約6~192g/日の総量のナッツ及び種子、並びに
(v)最大約5200mg/日の総量のオメガ-3脂肪酸、
からなる群から選択される、請求項17に記載の食品又は栄養素群のための推奨を提供する、請求項12~19のいずれか一項に記載のマイクロバイオーム健康の推奨のためのコンピュータ実施システム。
【請求項21】
前記システムが、請求項17に記載の食品又は栄養素群のための推奨を提供し、35~472g/日の前記総量のひよこ豆が豆及び豆類のカテゴリから選択される、請求項12~20のいずれか一項に記載のマイクロバイオーム健康の推奨のためのコンピュータ実施システム。
【請求項22】
前記システムが、請求項17に記載の食品又は栄養素群のための推奨を提供し、繊維が16~95g/日の前記総量の玄米、大麦、及びライ麦、からなる群から選択される、請求項12~20のいずれか一項に記載のマイクロバイオーム健康の推奨のためのコンピュータ実施システム。
【請求項23】
前記システムが、請求項17に記載の食品又は栄養素群のための推奨を提供し、ナッツ及び種子が6~192g/日の前記総量のピスタチオ、アーモンド、クルミ、及びアマニ、からなる群から選択される、請求項12~20のいずれか一項に記載のマイクロバイオーム健康の推奨のためのコンピュータ実施システム。
【請求項24】
前記システムが、請求項17に記載の食品又は栄養素群のための推奨を提供し、前記オメガ-3脂肪酸が、各々が約119~2000mg/日の量のDHA及びEPAサプリメント、200~300gの多脂魚中のDHA及びEPAの相当量、及び、総オメガ-3脂肪酸中で最大約5200mg/日、からなる群から選択される、請求項12~20のいずれか一項に記載のマイクロバイオーム健康の推奨のためのコンピュータ実施システム。
【請求項25】
前記システムがメニュー推奨を提供し、前記メニューが、ユーザのためにマイクロバイオーム健康に良いとしてタグ付けされている、請求項12~24のいずれか一項に記載のマイクロバイオーム健康の推奨のためのコンピュータ実施システム。
【請求項26】
前記システムがレシピ推奨を提供し、前記レシピが、前記ユーザのためにマイクロバイオーム健康に良いとしてタグ付けされている、請求項12~25のいずれか一項に記載のマイクロバイオーム健康の推奨のためのコンピュータ実施システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロバイオームの健康を改善又は維持するために個別化されたマイクロバイオームの推奨を提供するためのシステム及び方法に関する。本発明のいくつかの実施形態では、個別化されたマイクロバイオームの健康推奨は、健康なマイクロバイオームを改善又は維持するための食事、メニュー、及びレシピである。いくつかの実施形態では、マイクロバイオーム健康の推奨は、コンピュータ実施システムによって送達される。
【背景技術】
【0002】
腸内微生物叢は、腸内に生息する数兆個の微生物の宿主であり、大多数は大腸を宿主としている。腸内微生物叢の組成及び機能の交代は、代謝性及び炎症性疾患、癌、うつ病、並びに乳児の健康及び寿命などの、多くの疾患及び状態に関連している。
【0003】
生涯を通じて多数の要因が、腸内微生物叢に影響を及ぼし得るが、中でも食事は最も重要であると考えられている。マイクロバイオームは、個体間で2つとして同じものはないため、マイクロバイオームの健康のために個別化及びパーソナライズされた推奨を提供する方法及びシステムが必要とされている。特に、そのような推奨は、それらのマイクロバイオームの健康を改善又は維持するために個体が従うための、使いやすい方法であるべきである。
【発明の概要】
【0004】
健康なマイクロバイオームのための個々の食品品目の推奨は、1日中又は数週間にわたるさまざまな食事を通して食事全体、メニュー、又はレシピとの関連で考慮されないため、個々のユーザにとって実施が困難であることが多い。
【0005】
本発明の方法及びシステムは、有利には、臨床的に証明された食品推奨を、特定の個体のニーズ及び好みに適合することができる、使いやすく、実用的で、実行可能な、マイクロバイオーム健康の食事、メニュー計画、又はレシピに実装する。このようにして、個々のユーザは、毎日の食事、メニュー、及びレシピにおいて、マイクロバイオーム健康の推奨を実装する方法に関する明確なガイダンスが提供される。
【0006】
いくつかの実施形態では、本発明は、有利には、マイクロバイオーム健康の推奨について、健康な食事全体のための1日当たりの推奨所要量が維持されることを判定する。特に、微量栄養素の必要量、例えば、1日当たりのビタミン及びミネラルの微量栄養素の必要量が観察される。
【0007】
本発明のいくつかの実施形態の更なる利点は、マイクロバイオーム健康の推奨について、グルテンフリー、ラクトースフリー、地中海食、ビーガン食又はベジタリアン食のような個々のユーザの食事の好みが、マイクロバイオーム健康のメニュー計画を構築するときに実装されていることである。
【0008】
本発明のいくつかの実施形態の別の利点は、異なる身体活動レベルを有する個体、又はマイクロバイオーム健康の推奨を維持しながらも減量するために1日当たりのエネルギー摂取を低減することを望む個体に対して、1日当たりの食事の総エネルギー必要量を異なる閾値に設定することができることである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】マイクロバイオーム健康の推奨のためのコンピュータ実施システム:本開示の一実施形態による例示的なシステムのブロック図
【
図2】健康なマイクロバイオームのための推奨システムの例
【
図3】マイクロバイオーム健康のメニュー計画のための食事タイプごとのタンパク質の関係
【
図4】マイクロバイオーム健康のメニュー計画のための食事タイプごとの炭水化物
【
図5】マイクロバイオーム健康のメニュー計画のための食事タイプごとの総脂肪
【
図6】マイクロバイオーム健康のメニュー計画のための食事タイプごとのビタミンK
【
図7】マイクロバイオーム健康のメニュー計画のための食事タイプごとの食品葉酸
【
図8】マイクロバイオーム健康のメニュー計画のための食事タイプごとのナトリウム
【
図9】マイクロバイオーム健康のメニュー計画のための食事タイプごとの繊維
【
図10】マイクロバイオーム健康のメニュープランナを構築するためのワークフロー最適化
【
図12A】マイクロバイオーム健康の1日のメニュー計画例であって、1日のメニュー計画の栄養含有量を示す図である。
【
図12B】マイクロバイオーム健康の1日のメニュー計画例であって、朝食及び昼食の提案を示す図である。
【
図12C】マイクロバイオーム健康の1日のメニュー計画例であって、夕食及び軽食の提案を示す図である。食事又は食品品目の選択は、どの選択がマイクロバイオーム健康を示すタグでマークすることができる。軽食の選択では、代替品目を選択して置き換える可能性がある。この例では、ピスタチオを選択することができる、又はこれに代えて、無塩ローストピスタチオを選択してもよい。マイクロバイオーム健康の規則のうちの1つを含んでいたため、画像は、マイクロバイオーム健康としてタグ付けされたものに対し、小さな「細菌記号」1202でマークされた。「矢印記号」1204は、エンジンによって自動的に作成されたレシピ又は料理を、ユーザが交換することを可能にした。記号「マイメニューIQ」1206でマークされた食事栄養スコアを表示して、食事機会ごとに100点満点で食事栄養スコアを付けた。
【
図13A】マイクロバイオーム健康のレシピ例であって、レシピ内の成分及び量を記載する図である。
【
図13B】マイクロバイオーム健康のレシピ例であって、レシピを作る手順を記載する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
定義
「マイクロバイオームの健康」は、
(i)腸内の微生物種のアルファ多様性を判定すること、
(ii)腸内の酪酸産生菌、及び
(iii)腸内の短鎖脂肪酸産生
を含む多くの異なる測定によって評価することができる。
【0011】
「腸内の微生物種のアルファ多様性」は、生態学的群集の構造を、その豊かさ(分類群の数)、均一性(群の存在量の分布)、又はその両方に関して要約したものである。腸内の微生物生態学では、アンプリコンシーケンシングデータのアルファ多様性を解析することが、環境間の違いを評価する一般的な第1のアプローチである。腸内の微生物種のアルファ多様性の低減は、典型的には、老化する個体の寿命にわたって生じる。一般に、腸内の微生物種のアルファ多様性を改善又は維持することは、健康なマイクロバイオームの指標である。
【0012】
「腸内の酪酸産生菌」は、健康なマイクロバイオームのための重要な細菌群である。細菌の分類であるファーミキューテス門の仲間は、特にその酪酸産生能力で知られている。この細菌群は、自然発酵プロセスを介して酪酸を生成する役割を担っており、得られた酪酸は、宿主代謝及び腸内マイクロバイオームの多様性を維持する際に重要な役割を果たす。腸内の酪酸濃度及び酪酸産生菌の減少は、多くの異なる疾患の発生に関連している。更に、野菜、豆類、果物、及び全粒穀物などのプレバイオティクスを摂取することにより、腸内の酪酸産生が増加し得る。高タンパク質、高脂肪、低炭水化物の食事は、マイクロバイオームにおける酪酸産生を阻害することも示されている。一般に、腸内の酪酸濃度を改善又は維持することは、健康なマイクロバイオームの指標である。
【0013】
「腸内の短鎖脂肪酸産生」は、健康なマイクロバイオームの別の重要な成分である。短鎖脂肪酸(SCFA)は、6個未満の炭素(C)原子を有する脂肪酸であり、それらは、食物繊維及び難消化性デンプンなどの難消化性多糖類の嫌気性発酵を介して、大腸内の微生物叢によって生成される主な代謝産物である。SCFAは、腸と脳のコミュニケーション及び脳機能に直接的又は間接的に影響を与える可能性がある。全粒穀物をそのままにしておくことによって、より高い短鎖脂肪酸の産生をもたらすように見受けられる。一般に、腸内の短鎖脂肪酸産生を改善又は維持することは、健康なマイクロバイオームの指標である。
【0014】
いくつかの実施形態では、本発明のシステム及び方法は、腸内の微生物種のアルファ多様性を改善又は維持するための、食事推奨、メニュー推奨、及びレシピ推奨などのマイクロバイオーム健康の推奨を提供することによって、マイクロバイオームの健康に寄与し、腸内の酪酸産生を改善又は維持し、腸内の短鎖脂肪酸産生を改善又は維持する。
【0015】
開示されたシステムのさまざまな実施形態は、個体の全体的なマイクロバイオームの健康を維持又は改善するために、個別の食事を考慮して、一連の食品又はメニュー又はレシピを推奨するという一般的な目標を満たす。マイクロバイオームの健康は、個体の一般的な特徴(性別、年齢、体重、身体測定値、身体活動レベル、及び妊娠又は授乳などの他の健康関連状態)に左右され、マイクロバイオームの健康を維持又は改善するための推奨は、同様に個体の特性に左右される。
【0016】
マイクロバイオームの健康の改善又はマイクロバイオームの健康の維持は、(i)腸内の微生物種のアルファ多様性、(ii)酪酸産生菌、及び(iii)腸内の短鎖脂肪酸産生などのパラメータの測定によって、本発明の食事推奨の前後に、対象から採取した糞便試料から判定することができる。したがって、個体が本発明のマイクロバイオーム健康の、食事、メニュー、及びレシピ推奨に従った後のマイクロバイオーム健康の改善を、経時的に判定することができる。
【0017】
さまざまな実施形態では、本明細書に開示されるシステムは、マイクロバイオームに対する栄養的影響を示す食品品目、メニュー、又はレシピの推奨を算出及び表示する。これらの実施形態では、システムは、1回の食事、丸一日、1週間、又は1ヶ月などの所与の期間にわたって、個体のために、推奨が算出されている個体のニーズの1つ以上の指標を決定及び記憶する。
【0018】
次いで、システムは、摂取した又は摂取する予定の摂取可能物(食品品目など)を、ユーザが示すことができるようにする。示された各食品品目について、開示されたシステムのデータベース又はデータストアは、その食品品目又はメニュー又はレシピの量当たりの栄養素含有量、特に微量栄養素についての指標を記憶する。システムは、経時的に摂取される食品品目の量を乗じた栄養含有量情報を使用して、その特定の食品品目又はメニュー又はレシピに関する経時的な栄養摂取量の合計を算定する。
【0019】
さまざまな実施形態では、開示されたシステムは、推奨機能を提供し、システムは、改善された又は最適なマイクロバイオーム健康のメニューをもたらす食品又はメニュー又はレシピの組み合わせを示唆する。例えば、ユーザが朝食後にシステムにアクセスし、朝食に食べた食品を示すと、本開示のシステムは、朝食の食品のスコアを算出することができるが、その日のうちに最適範囲内で個体が摂取する栄養素及びエネルギーに関し、総合的に健康なマイクロバイオームを有するために、その日の間に摂取する必要のある栄養素が何であるかを求め、更にその日の間にどの程度のエネルギー量が摂取されるかを求めることもできる。この実施形態では、システムは、これらの算出された栄養量を使用して、食品の組み合わせを決定する。この組み合わせは、その日のうちに摂取して、可能な限り十分に当該個体の栄養目標を確実に達成することができるとともに、その個体の最適カロリー摂取範囲内でカロリーを摂取することができるものである。したがって、本明細書に開示されるシステムは、追跡システムとしてだけでなく、健康なマイクロバイオームという栄養目標を個体が達成するのを助けるために、摂取可能物を推奨するための推奨エンジンとしても動作することができる。
【0020】
用語「栄養素」は、本明細書で繰り返し使用される。いくつかの実施形態では、本明細書で使用する「栄養素」という用語は、身体に対して、例えば、エネルギー、成長又は健康を提供する有益な効果を有する化合物を指す。この用語には、有機及び無機化合物が含まれる。本明細書で使用するとき、用語「栄養素」は、例えば、多量栄養素、微量栄養素、必須栄養素、条件的に必須の栄養素及び植物栄養素を含み得る。これらの用語は、必ずしも相互に排他的ではない。例えば、ある種の栄養素は、特定の分類システム又はリストに応じて、多量栄養素又は微量栄養素のいずれかとして定義することができる。
【0021】
さまざまな実施形態において、用語「多量栄養素」は、当該分野でよく理解されている使用方法に合致して本明細書で使用され、生物の正常な成長及び発育のために大量に必要とされる栄養素を一般的には包含する。これらの実施形態における多量栄養素には、炭水化物、脂肪、タンパク質、アミノ酸及び水を挙げることができるが、これらには限定されない。例えば、カルシウム、塩化物、又はナトリウムなど、いくつかのミネラルもまた、多量栄養素に分類される。
【0022】
さまざまな実施形態において、本明細書において使用される用語「微量栄養素」は、当該技術分野において十分に理解された使用法と合致して使用され、この用語は、身体に有益な影響を有する、例えばエネルギー、成長又は健康を提供するのに役立つが、少量又は微量のみ必要とされる化合物を一般に包含する。かかる実施形態におけるこの用語は、有機化合物及び無機化合物例えば、各アミノ酸、ヌクレオチド及び脂肪酸;ビタミン、酸化防止剤、ミネラル、微量元素、例えばヨウ素、及び電解質、例えばナトリウム、及び塩化ナトリウムを含むこれらの塩、のいずれを含んでもよい、又は包含してもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、マイクロバイオームの健康によい品目を決定するために、特定の食品、メニュー、又はレシピについて、微量栄養素、特にビタミン及びミネラルが算出される。システムは、ユーザが容易に識別することができるように、そのような品目に「マイクロバイオーム健康」というアイコンでタグ付けすることができる。
【0024】
さまざまな実施形態では、特にマイクロバイオーム健康に良いと見なされる食品群が特定されている。これらの食品又は栄養素群は、以下からなる群から選択される。
【0025】
(i)全粒穀物食品、
(ii)豆(beans)及び豆類(legumes)、
(iii)繊維、
(iv)ナッツ及び種子、並びに
(v)オメガ-3脂肪酸。
【0026】
いくつかの実施形態では、メニュー及びレシピは、マイクロバイオーム健康のメニュー又はレシピを得るために、期間当たりのこれらの食品又は栄養素群に基づいて選択される。このシステムは、1日を通して食事を構築するために、食品アイテム、メニュー、及びレシピの置き換えを可能にする。
【0027】
いくつかの実施形態では、メニュー及びレシピは、マイクロバイオーム健康に良いだけでなく、全体的にバランスの取れた食事をとるために必要な食品又は栄養素群の量を考慮する。
【0028】
一実施形態では、食品又は栄養素群は、以下の量で推奨される。
【0029】
(i)約31~477g/日の総量の全粒穀物食品、
(ii)約35~472g/日の総量の豆及び豆類
(iii)約16~95g/日の総量の繊維、
(iv)約6~192g/日の総量のナッツ及び種子、並びに
(v)最大約5200mg/日の総量のオメガ-3脂肪酸。
【0030】
さまざまな実施形態では、システムは、個々のユーザの好みを考慮する。グルテンフリー、ラクトースフリー、地中海食、ビーガン食、ベジタリアン食、及び他の特定の食事などの、個々の食事の好み。
【0031】
個々のユーザの好き嫌いをシステム内に記憶することで、食品品目、メニュー、及びレシピのいくつかの推奨を回避することができる。システムはまた、そのような食品品目、メニュー、及びレシピの頻度を記憶してもよく、それにより、ユーザが毎日同じメニュー又はレシピを有することで飽きるのを避けるために、変化を与えることができる。
【0032】
別の実施形態では、ユーザによって持ち運ばれる1つ以上のデバイスは、ユーザが食料品店又はレストランなどでの食品の購入を成立させるときに、システムにリアルタイム情報を提供することができる。RFIDリーダ、NFCリーダ、装着型カメラデバイス、及び携帯電話などのデバイスは、特定の食料品店又はレストランでユーザが利用可能な食品を(RFIDタグのスキャン、バーコードの読み取り、又はユーザの物理的位置の検出などによって)受信する、又は判定することができる。次いで、本開示のシステムは、どの食品がユーザによって直ちに購入され得る又は摂取され得るかを考慮して、マイクロバイオーム健康の推奨を行なうことができる。
【0033】
かかる実施形態の1つでは、ユーザがレストランの席に座ったとき、開示されたシステムは、所定の期間にわたるユーザの個々のマイクロバイオーム健康のメニューを最適化するために、メニューから特定の品目をユーザが選択することを推奨する情報をユーザの携帯電話に送信してもよい。更に他の実施形態では、音声認識機能が、ユーザによって音声で提供された入力を認識する。このような一実施形態では、音声認識システムは、ユーザがレストランで注文するのを聞き取る。他の実施形態では、音声認識システムによれば、ユーザは、自分が摂取した又は摂取する予定の品目を直接話すことができる。別の実施形態では、本開示のシステムは、地理位置情報を使用して、ユーザの位置に基づいて適切な運動の推奨を提供することができる。例えば、ユーザの電話、タブレット、又はコンピュータ上のアプリは、ユーザが仕事中であるか、ジムにいるか、又は在宅であるかで、異なるアクティビティの助言をユーザに提供することができる(例えば、チャットボックス内で)。
【0034】
ここで
図1を参照すると、本明細書に開示されるコンピュータ化された推奨システムの少なくとも一部を実装するために使用可能なホストデバイス100の電気システムの例を示すブロック図が示されている。
【0035】
一実施形態では、
図1に示すデバイス100は、以下の機能の一部又は全部を提供する1つ以上のサーバ及び/又は他のコンピューティングデバイスに該当する。(a)システムのリモートユーザによる本開示のシステムへのアクセスを可能にすること、(b)リモートユーザが本開示のシステムとインターフェースすることを可能にするウェブページ(単数又は複数)を提供すること、(c)本開示のシステムを実装するのに必要な、推奨カロリー摂取量範囲、推奨栄養素摂取範囲、及び食品の栄養素含有量などの基礎データを記憶及び/又は算出すること、(d)成分を算出及び表示すること、並びに/又は(e)個体が最適な健康なマイクロバイオームに到達するのを助けるために摂取され得る食品、メニュー若しくはレシピ、又は他の摂取可能物の推奨を行うこと。
【0036】
図1に示すアーキテクチャの実施例では、デバイス100は、好ましくは、アドレス/データバス113によって、1つ以上のメモリデバイス108、他のコンピュータ回路110、及び/又は1つ以上のインターフェース回路112に電気的に連結された1つ以上のプロセッサ106を含む、メインユニット104を含む。1つ以上のプロセッサ106は、INTEL PENTIUM(登録商標)又はINTEL CELERON(登録商標)ファミリのマイクロプロセッサなどの、任意の好適なプロセッサとすることができる。PENTIUM(登録商標)及びCELERON(登録商標)は、Intel Corporationに登録された商標で、市販のマイクロプロセッサのことを言う。他の実施形態では、プロセッサ106として、他の市販の、又は特別に設計されたマイクロプロセッサを使用することができることを理解されたい。一実施形態では、プロセッサ106は、特に本開示のシステムで使用するために設計されたシステムオンチップ(「SOC」)である。
【0037】
一実施形態では、デバイス100は、メモリ108を更に含む。メモリ108は、揮発性メモリと不揮発性メモリを含むことが好ましい。メモリ108は、後述するように、ホストデバイス100のハードウェア及びシステム内の他のデバイスと相互作用する1つ以上のソフトウェアプログラムを記憶することが好ましい。それに加えて又はその代わりに、メモリ108に記憶されたプログラムは、クライアントデバイス102(以下で詳細に説明する)などの1つ以上のクライアントデバイスと対話して、それらのデバイスにデバイス100に記憶されたメディアコンテンツへのアクセスを提供する。メモリ108に記憶されたプログラムは、任意の好適な方法で、プロセッサ106によって実行することができる。
【0038】
インターフェース回路(単数又は複数)112は、イーサネットインターフェース(「イーサネット」は登録商標)及び/又はユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェースなどの任意の好適なインターフェース規格を使用して、実装することができる。1つ以上の入力デバイス114は、データ及び命令をメインユニット104に入力するためにインターフェース回路112に接続することができる。例えば、入力デバイス114は、キーボード、マウス、タッチスクリーン、トラックパッド、トラックボール、アイソポイント、及び/又は音声認識システムとしてもよい。デバイス100がリモートデバイスによってのみ操作され又は対話されるように設計されている一実施形態において、デバイス100は、入力デバイス114を含まなくてもよい。他の実施形態では、入力デバイス114は、データ入力をホストデバイス100に提供する、1つ以上のフラッシュドライブ、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、クラウドストレージ、又は他の記憶デバイス若しくはソリューションなどの1つ以上の記憶デバイスを含む。
【0039】
1つ以上の記憶デバイス118もインターフェース回路112を介してメインユニット104に接続することができる。例えば、ハードドライブ、CDドライブ、DVDドライブ、フラッシュドライブ、及び/又は他の記憶デバイスをメインユニット104に接続することができる。記憶デバイス118は、ブロック150によって示されるように、好ましい栄養素範囲に関するデータ、さまざまな食品品目の栄養素含有量に関するデータ、システムのユーザに関するデータ、以前に生成された食品摂取スコアに関するデータ、以前に生成されたメニュー、レシピ又は食事、メニュー、レシピ又は食事に対する個々のユーザの好み、メニュー、レシピ又は食事に対する好みの頻度に関するデータ、理想的なエネルギー摂取量に関するデータ、過去のエネルギー摂取に関するデータ、及び本開示のシステムを実装するために必要な任意の他の適切なデータを含む、デバイス100によって使用される任意のタイプのデータを記憶し得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、ブロック150によって示される推奨システムは、食品データベースモジュール;メニューデータベースモジュール(例えば、朝食、昼食、夕食、及び軽食);レシピデータベースモジュール;食事制約モジュール(例えば、グルテンフリー、ラクトースフリー、地中海食、ベジタリアン食、ビーガン食などの、食事制約に基づいた推奨);栄養素スコアリングモジュール(例えば、メニューごと、レシピごと、又は1日ごとに、多量栄養素若しくは微量栄養素のスコアを決定するため);及び/又は、最適化モジュールを含む、異なるデータベースモジュールを記憶することができる。
【0041】
これに代えて又は加えて、記憶デバイス118は、ストレージ118へのアクセスが、インターネット、又はイーサネット回路112などの他のネットワーク接続回路を介して行われるように、クラウドベースのストレージとして実装されてもよい。
【0042】
1つ以上のディスプレイ120、及び/又はプリンタ、スピーカ、又は他の出力デバイスである119はまた、インターフェース回路112を介してメインユニット104に接続されてもよい。ディスプレイ120は、液晶ディスプレイ(LCD)、好適なプロジェクタ、又は任意の他の好適な種類のディスプレイとすることができる。ディスプレイ120は、ホストデバイス100の動作中に、ホストデバイス100のさまざまなデータ及び機能の視覚的表現を生成する。例えば、ディスプレイ120を使用して、好ましい栄養素範囲のデータベース、さまざまな食品品目の栄養素含有量のデータベース、システムのユーザのデータベース、以前に生成されたメニュー、レシピ、若しくは食事のデータベース、及び/又はデバイス100で管理者が上記の他のデータベースと対話できるようにするデータベースに関する情報を表示してもよい。例えば、
図11に示すように、個々のユーザ情報がある。
図12A、
図12B、及び
図12Cには、典型的な1日のメニュー計画がある。
図13A及び
図13Bには、典型的なマイクロバイオーム健康のレシピ及びその作り方の手順がある。
【0043】
図示された実施形態では、コンピュータ化された推奨システムのユーザは、クライアントデバイス102などの好適なクライアントデバイスを使用してデバイス100と対話する。さまざまな実施形態におけるクライアントデバイス102は、ホストデバイス100によって提供又は供給されるコンテンツにアクセスすることができる任意のデバイスである。例えば、クライアントデバイス102は、ホストデバイス100へのウェブベースのインターフェースにアクセスするために好適なウェブブラウザを実行することができる任意のデバイスであってもよい。これに代えて、又はこれに加えて、本明細書で説明される機能のいくつかを提供する1つ以上のアプリケーション又はアプリケーションの一部は、クライアントデバイス102上で動作することができ、この場合、クライアントデバイス102は、健康栄養素範囲又はさまざまな食品品目の栄養素の含有量に関するデータなどの、ホストデバイス100に記憶されたデータにアクセスするためだけに、ホストデバイス100と接続する必要がある。
【0044】
一実施形態では、デバイス(即ち、デバイス100及びクライアントデバイス102)のこの接続は、クラウド116によって
図1に例示されるインターネット及び/又は他のネットワークを介したネットワーク接続によって容易になる。ネットワーク接続は、イーサネット接続、デジタル加入者線(DSL)、WiFi接続、セルラーデータネットワーク接続、電話回線ベースの接続、同軸ケーブル上の接続、又は別の好適なネットワーク接続などの、任意の好適なネットワーク接続であってもよい。
【0045】
一実施形態では、ホストデバイス100は、クラウドベースの認証及びアクセス制御、ストレージ、ストリーミング、及びフィードバックの提供などのクラウドベースのサービスを提供するデバイスである。この実施形態では、ホストデバイス100の特定のハードウェアの詳細は、本開示のシステムの実施者にとって重要ではなく、それよりも、かかる実施形態では、本開示のシステムの実施者は、1つ以上のアプリケーションプログラマインターフェース(API)を利用して、簡便な方法で、健康的な栄養範囲を決定するのに役立つそのユーザの属性に関する情報を入力したり、摂取される食品に関する情報を入力したり、以下でより詳細に説明する他の対話を行うなど、ホストデバイス100と対話する。
【0046】
デバイス100及び/又はクライアントデバイス102へのアクセスは、適切なセキュリティソフトウェア又はセキュリティ手段によって管理することができる。個々のユーザのアクセスは、デバイス100によって定義され、個体の素性に応じて、さまざまなメニュー又はレシピを選択する、又は算出されたスコアを見る、などの特定のデータ及び/又は動作に限定される。ホストデバイス100又はクライアントデバイス102のいずれかの他のユーザは、それらのユーザの素性に応じて、加重、感度、又健康的な範囲値などの他のデータを変更することができる。したがって、本システムのユーザは、本開示のシステムによって提供されるコンテンツにアクセスする前に、デバイス100に登録することが必要な場合がある。
【0047】
好ましい実施形態では、各クライアントデバイス102は、デバイス100に関して上述したのと同様の構造的又は設計上の構成を有する。即ち、一実施形態における各クライアントデバイス102は、表示デバイス、少なくとも1つの入力デバイス、少なくとも1つのメモリデバイス、少なくとも1つの記憶デバイス、少なくとも1つのプロセッサ、及び、少なくとも1つのネットワークインターフェースデバイスを含む。周知のデスクトップ、ラップトップ、又は(スマートフォン、タブレットコンピュータなどを含む)モバイルコンピュータシステムに共通のかかる構成要素を含めることにより、クライアントデバイス102では、対応するシステムのユーザによる相互間の対話が容易になることを理解されたい。
【0048】
さまざまな実施形態では、
図1に例示されるようなデバイス100及び/又はデバイス102は、実際には、複数の異なるデバイスとして実装することができる。例えば、デバイス100は、実際には、本明細書に記載のメディアコンテンツアクセスシステムを実装するために共に動作する複数のサーバデバイスとして実装されてもよい。さまざまな実施形態では、
図1には示されていない1つ以上の追加のデバイスが、本明細書で開示されるシステムへのアクセスを可能にするか、又は容易にするために、デバイス100と対話する。例えば、一実施形態では、ホストデバイス100は、ネットワーク116を介して、栄養情報、栄養素含有情報、メニュープランナ、レシピデータベース、健康的な範囲についての情報、エネルギー情報、環境影響情報などといった情報についての、公的、私的、又は独自のリポジトリなどの、1つ以上の公的、私的、又は独自のリポジトリと通信する。
【0049】
一実施形態では、本開示のシステムは、クライアントデバイス102を含まない。この実施形態では、本明細書に記載された機能は、ホストデバイス100上で提供され、システムのユーザは、入力デバイス114、表示デバイス120、及び出力デバイス119を使用してホストデバイス100と直接対話する。この実施形態では、ホストデバイス100は、本明細書に記載された機能のうちのいくつか又はすべてをユーザ向けの機能として提供する。
【0050】
さまざまな実施形態では、本明細書で開示されるシステムは、複数のモジュールとして構成され、各モジュールは特定の機能又は機能のセットを実行する。これらの実施形態におけるモジュールは、汎用プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュール、専用プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュール、適切な専用ハードウェアデバイス上で実行されるファームウェアモジュール、又は、本明細書に列挙する機能を完全に回路によって実行するハードウェアモジュール(特定用途向け集積回路(「ASIC」)など)とすることができる。本明細書で説明する機能の一部又は全部を実行するために特殊なハードウェアが使用される実施形態では、本開示のシステムは、設定を制御するか、又はかかる特殊なハードウェアの機能を調整するために、1つ以上のレジスタ又は他のデータ入力ピンを使用することができる。
【0051】
マイクロバイオーム健康の食事をとるというユーザ目標を経時的に検証し、食事の中で問題となる可能性のあるメニュー又は食事を検出することができる。システムを使用して、推奨量に近付けるために、食品品目、メニュー、又はレシピに必要な推奨される変化を特定することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるシステム及び方法は、栄養士、ヘルスケア専門家、及び個々のユーザ(例えば、スマートウォッチ又はフィットネストラッカーなどの装着型デバイスのユーザ)によって使用することができる。
【0052】
図2は、本開示の一実施形態によるマイクロバイオーム推奨システムを示す図である。システム200は、ユーザデバイス202及び推奨システム204を含む。本開示の別の実施形態では、推薦システム204は、
図1の推奨システム150の実施形態の一例であり得る。ユーザデバイス202は、コンピュータ、スマートフォン、タブレット、スマートウォッチ、又は、関連するユーザが推奨システム204と通信することができる他の装着型などのコンピューティングデバイスとして実施されてもよい。ユーザデバイス202はまた、例えば、ユーザから音声要求を受信し、ユーザの近くにあるコンピュータデバイス上でローカルに、又はリモートコンピューティングデバイス上のいずれかで(例えば、リモートコンピューティングサーバで)、要求を処理するように構成された音声アシスタントとして実施されてもよい。
【0053】
推奨システム204は、ディスプレイ206、属性取得ユニット208、属性比較ユニット210、エビデンスベースの食事及び生活習慣の推奨エンジン212、属性分析ユニット214、属性記憶ユニット216、メモリ218、及びCPU220のうち1つ以上を含む。留意すべきこととして、いくつかの実施形態では、ディスプレイ206は、追加で、又はこれに代えて、ユーザデバイス202内に配置されてもよい。一例では、推奨システム204は、複数のマイクロバイオーム健康の推奨240に対する要求を取得するように構成されてもよい。例えば、推奨サービスへの登録をユーザに要求するアプリケーションを、ユーザがユーザデバイス202にインストールしてもよい。このサービスに登録することによって、ユーザデバイス202は、マイクロバイオーム健康の推奨240の要求を送信してもよい。別の例では、ユーザはユーザデバイス202を使用して、ユーザ固有の資格情報を使用してウェブポータルにアクセスしてもよい。このウェブポータルを通して、ユーザは、推奨システム204からのマイクロバイオーム健康の推奨をユーザデバイス202に要求させてもよい。
【0054】
別の例では、推奨システム204は、複数のユーザ属性222を要求して取得するように構成されてもよい。例えば、ディスプレイ206は、属性質問表224をユーザに提示するように構成されてもよい。属性取得ユニット208は、ユーザ属性222を取得するように構成されてもよい。一例では、属性取得ユニット208は、属性質問表224に基づく複数の回答226を取得し、その複数の回答に基づいて複数のユーザ属性222を判定してもよい。例えば、属性取得ユニット208は、ユーザの食事が推奨栄養所要量(RDA)と同等であることを示唆する回答を属性質問表224に取得し、次いで、ユーザ属性222が1日当たりのビタミンKのRDAと同等であると判定してもよい。別の例では、ユーザデバイス属性取得ユニット208は、ユーザデバイス102からユーザ属性222を直接取得してもよい。
【0055】
別の例では、属性取得ユニット208は、家庭用検査キットの検査結果、医療従事者が執り行った標準健康検査の結果、ユーザが使用した自己評価ツールの結果、又は任意の外部若しくは第三者検査の結果を取得するように構成されてもよい。属性取得ユニット208は、これらの検査又はツールのいずれかからの結果に基づいてユーザ属性222を決定するように構成されてもよい。例えば、ユーザのマイクロバイオームの健康状態は、微生物叢種のアルファ多様性、酪酸産生菌、又は腸内の短鎖脂肪酸産生を測定することによって、マイクロバイオーム健康の推奨の介入前に決定され得る。同じ測定値は、マイクロバイオームの健康への介入後の期間に決定され、ユーザのマイクロバイオームの健康状態の改善又は維持があったかどうかを判定し得る。
【0056】
推奨システム204は、複数のユーザ属性222を、対応する複数のエビデンスベースのマイクロバイオーム健康の基準228と比較するように更に構成されてもよい。
【0057】
更に、属性比較ユニット210は、ユーザの微生物叢区分230に基づいて微生物叢基準セット232を決定するように更に構成されてもよい。例えば、属性比較ユニット210が、複数のユーザ属性222に基づいて、ユーザが肥満BMI区分230に入ると判定した場合、属性比較ユニット210は、健康なマイクロバイオームの具体的なニーズに従って作成及び定義された微生物叢基準セット232を選択してもよい。
【0058】
比較ユニット210は、この決定されたマイクロバイオーム基準セット232からエビデンスベースの微生物叢基準128を選択し、ここで選択されたエビデンスベースの微生物叢基準228を対応するユーザ属性222のそれぞれと比較するように更に構成されてもよい。例えば、微生物叢基準セット232が決定されると、その決定に応答して、属性比較ユニット210は、ユーザのビタミンK摂取量を表すユーザ属性222を、基準ビタミンK摂取量を表すエビデンスベースの微生物叢基準228と比較し、ユーザの摂取量が基準ビタミンK摂取量より少ないか、基準量どおりか、又は、それより多いのかを判定してもよい。この例は具象的な数値比較に基づくが、基準比較の別の例は定性的であり、人によって異なり得る。例えば、ユーザ属性222は、ユーザが現在、通常レベルよりも高いストレスを受けていることを示すことがある。ユーザのストレスレベルに関連する基準の一例は、平均又は低レベルのストレスが望ましいことを示してもよく、よって、より高いレベルのストレスを示すユーザ属性222はその基準未満であると判定される。異なるユーザは、異なるレベルのストレスを受けるので、同じ状況の下にあっても、そのような比較にはカスタマイズされたアプローチが必要になる。
【0059】
更に、先述の例での比較の間に、属性比較ユニット210は、エビデンスベースの微生物叢基準228とユーザ属性222との間の比較に基づいてユーザ微生物叢スコア234を決定するように構成されてもよい。例えば、ユーザ属性222が対応するエビデンスベースの微生物叢基準228のすべて又はほとんどをほぼ完全に満たす場合、属性比較ユニット210は、95/100というユーザ微生物叢スコアを決定してもよい。別の例では、スコアは、ユーザが自分たちの現在の属性が基準の間でどれぐらいにランク付けされているか解釈できるように、文字等級、記号、又はその他のランキングシステム、例えば、「高」、「平均」、「低」で表されてもよい。このユーザ微生物叢スコア234は、ディスプレイ206により提示されてもよい。
【0060】
推奨システム204は、複数のユーザ属性222、及び対応する複数のエビデンスベースの微生物叢基準228との比較に基づいて複数の微生物叢支援機会238を決定するように更に構成されてもよい。一例では、属性比較ユニット210は、対応するエビデンスベースの微生物叢基準を満たしていないすべてのユーザ属性222について、微生物叢支援機会238を決定してもよい。この例では、対応するエビデンスベースの微生物叢基準228は、ユーザが2ug/日の葉酸を摂取することを必要とし得るが、ユーザ属性は、ユーザが1ug/日の葉酸しか摂取していないことを示し得る。したがって、属性比較ユニット210は、葉酸摂取量の増加を微生物叢支援機会238として決定してもよい。
【0061】
別の例では、属性比較ユニット210は、複数のエビデンスベースの微生物叢基準228のうち対応する基準未満である複数のユーザ属性222のそれぞれから構成される第1のユーザ属性のセット236を特定し、並びに、その対応するエビデンスベースの微生物叢基準228以上である複数のユーザ属性222のそれぞれから構成される第2のユーザ属性のセット236を特定するように構成されてもよい。第1のユーザ属性のセット236は上に挙げた例と同様に決定されるが、第2のユーザ属性のセット236は、関連するユーザは不備を有するように見えないものの、ユーザに現在の慣行を維持するように推奨することによってマイクロバイオームの健康を支援する機会、又は現在の慣行について更に改善する機会があり得るという点で、異なる。したがって、推奨システム204は、どの属性222がどちらのセット236に入るかに基づいて、マイクロバイオームの健康を支援する機会を決定してもよい。
【0062】
推奨システム204は、複数の微生物叢支援機会238に基づいて、複数のマイクロバイオーム健康の推奨240を特定するように更に構成されてもよい。例えば、エビデンスベースの食事及び生活習慣の推奨エンジン212は、クラウドベースで構成されてもよい。推奨エンジン212は、複数のデータベース242、複数の食事制限フィルタ244、及び最適化ユニット246のうち1つ以上を含んでもよい。推奨エンジン212は、複数の機会238に基づいて、複数のデータベース242、食事制限フィルタ244、及び最適化ユニット246のうち1つ以上に従って、複数のマイクロバイオーム健康の推奨240を特定してもよい。
【0063】
別の例では、推奨システム204は、先行のユーザ属性に基づいて継続的な推奨を提供するように構成されてもよい。例えば、推奨システム204は、前述の要素に加えて、属性記憶ユニット216及び属性分析ユニット214を含んでもよい。属性記憶ユニット216は、属性取得ユニット108が複数のユーザ属性222を取得したことに応答して、取得したユーザ属性222を、複数のユーザ属性222がいつ取得されたかに基づいて新しいエントリとして属性経歴データベース248に追加するように構成されてもよい。例えば、ユーザ属性222が属性取得ユニット208によって第1の日に取得されると、属性記憶ユニット216は、取得したユーザ属性222をエントリの日付を記して累積的な属性経歴データベース248に追加し、この日付は、この例では第1の日である。その後、ユーザ属性222が属性取得ユニット208によって第2の日、例えば翌日に取得されると、属性記憶ユニット216は更に、これらの新しい属性を、それらが第2の日に取得されたことを記して属性経歴データベース248に追加し、一方で、それより前の第1の日からの属性も保存する。
【0064】
この属性分析ユニット214は、属性経歴データベース248内に記憶された複数のユーザ属性222を分析するように構成されてもよく、記憶された複数のユーザ属性222を分析することは、長期的調査250を行うことを含む。上述の例を続けると、属性分析ユニット214は、属性経歴データベース248内で見つかる、第1の日からの、第2の日からの、及び他のすべてのユーザ属性222の集合のそれぞれからのユーザ属性222の長期的調査を行ってもよい。エビデンスベースの食事及び生活習慣の推奨エンジン212は、少なくとも、属性経歴データベース248内で見つかる記憶されたユーザ属性222及び属性分析ユニット214によって行われる分析に基づいて、複数のマイクロバイオーム健康の推奨240を生成するように更に構成されてもよい。
【0065】
一実施形態では、属性分析ユニット214は、属性記憶ユニット216が属性経歴データベース248に新しいエントリを追加したことに応答して、属性経歴データベース248内に記憶された複数のユーザ属性222を繰り返し分析して、事実上、新しいユーザ属性222が取得された直後に属性経歴データベース248内のデータのすべてを再分析するように更に構成される。同様に、エビデンスベースの食事及び生活習慣の推奨エンジン212は、属性分析ユニット214が分析を完了したことに応答して、複数のマイクロバイオーム健康の推奨240を繰り返し生成し、それによって、ユーザ属性222の新しいセットが取得されるたびに、過去及び現在のすべてのユーザ属性222を考慮に入れた新しいマイクロバイオーム健康の推奨240を効果的に生成するように更に構成されてもよい。
【0066】
さまざまな実施形態において、本開示のシステムへのユーザ固有の(又は集団固有の)入力は、プログラム可能かつ構成可能であり、性別、年齢、体重、身長、身体活動レベル、肥満かどうか、などを含む。例えば、
図11は、典型的な個々のユーザデータを示す。
【0067】
一実施形態では、本開示のシステムは、食品品目、メニュー若しくはレシピ、及び各々の栄養素含有量を含むデータベースを含む、又はそれに接続されている。この実施形態では、本開示のシステムは、摂取した(又は摂取予定の)食品をユーザが入力し、その後ユーザ提供の品目に最も近い品目を見つけるためにデータベースを検索することを可能にする、ファジー検索機能を備える。この実施形態では、本開示のシステムは、後述するように、一致した食品品目に関し記憶された栄養学的情報を使用して、マイクロバイオーム健康に良い品目であるかどうかを判定する。例えば、
図10は、マイクロバイオーム健康のメニュー計画のワークフローの例を示す。
【0068】
さまざまな実施形態において、本開示のシステムは、食事を構成する各食品に利用可能な各栄養素の量を表示し、摂取されるべき可能なエネルギー量を表示するためのインターフェース(例えば、グラフィカルユーザインターフェース)を更に含む。例えば、
図3~
図9では、栄養素は、制限なし、グルテンフリー、ラクトースフリー、地中海食、ビーガン食、又はベジタリアン食などの異なる食事の好みに対して、バランスが取れている。いくつかの実施形態では、このインターフェースにより、ユーザは、摂取されるべきさまざまな食品又はエネルギーの量を修正することができる。他の実施形態では、システムは、例えば、1つ以上のバーコード、QRコード(登録商標)、若しくはRFIDタグ、画像認識システムをスキャンすることによって、又はメニューから注文された品目若しくは食料品店で購入された品目を追跡することなどによって、ユーザが入力していないデータを使用して摂取される食品又は消費されるエネルギーの量を決定するように構成される。
【0069】
開示されたシステムのさまざまな実施形態は、ユーザのニーズに基づいてカスタマイズされた、ダッシュボード又は他の適切なユーザインターフェースをユーザに表示する。本明細書に開示されるシステムの実施形態では、初めて、ユーザが所与の期間に摂取した食品に関するデータを入力し、消費者の食生活の総合栄養量を反映するエネルギー摂取に適切に基づいてスコアの指標を見ることを有利に可能にする、グラフィカルユーザインターフェースが提供される。
【0070】
本開示に記載される開示された方法及び手順はすべて、1つ以上のコンピュータプログラム又は構成要素を使用して実施することができる。これらの構成要素は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、磁気若しくは光学ディスク、光学メモリ、又は他の記憶媒体などの揮発性及び不揮発性メモリを含む、任意の従来のコンピュータ可読媒体又は機械可読媒体上の一連のコンピュータ命令として提供されてもよい。命令は、ソフトウェア又はファームウェアとして提供されてもよく、ASIC、FPGA、DSP、又は任意の他の類似するデバイスなどのハードウェア構成要素においても、全体的又は部分的に実施されてもよい。命令は、一連のコンピュータ命令を実行するときに、開示された方法及び手順のすべて又は一部の性能を遂行する又は容易にする1つ以上のプロセッサによって実行されるように構成されてもよい。
【0071】
本明細書に記載される実施例に対するさまざまな変更及び改変が、当業者には明らかであることは理解されるべきである。そのような変更及び修正は、本発明の主題の趣旨及び範囲から逸脱することなく、かつ意図される利点を損なわずに、行うことができる。したがって、このような変更及び修正は、添付の特許請求の範囲によって包含されることが意図されている。
【実施例】
【0072】
実施例1:メニュープランナアルゴリズムの栄養基礎及び栄養制約
食事プランナの栄養基礎は、世界保健機関(WHO)及び米国医学研究所(IoM)、並びに米国農業省(USDA)によって公開された「アメリカ人のための食事ガイドライン」によって設定された食事摂取基準に基づいて構築された。表現型に基づいて、さまざまなレベルのパーソナライズを適用した。
【0073】
(i)微量栄養素1日当たりの推奨所要量(RDA)は、性別及び年齢群、並びに特定の医学的状態(例えば、妊娠又は授乳)に依存する。
【0074】
(ii)多量栄養素RDAは、1日当たりのエネルギー必要量の割合として表された。
【0075】
(iii)推定エネルギー必要量は、生体情報(性別、年齢、体重、及び身長)、並びに推定平均活動レベル(座りがち、やや活動的、活動的、非常に活動的)に基づいて計算された。
【0076】
エネルギー必要量は、アメリカ人のための食事ガイドライン(DGA)(https://health.gov/dietaryguidelines/2015/guidelines/table-of-contents/,2015)の文脈において、米国医学研究所(IOM)の計算式(https://en.wikipedia.org/wiki/Institute_of_Medicine_Equation,2002)に基づいた。補正係数は、AHA/ACC/TOS「Guideline for the Management of Overweight and Obesity in Adults」Circulation,2013、及び、Frankenfield(2013)Clin.Nutr,vol.32,no.16,p.976-982,2013に基づいて、過体重及び肥満の個体(体格指数≧25)に適用される。
【0077】
アルゴリズムの栄養基礎を確立した後、メニュープランナは、アメリカ人が通常摂取する食品のタイプ及び割合に基づきながらも栄養価の高い形態及び適切な量である、健康な米国式パターン(Healthy U.S.Style Patterns)に従った。健康な米国式食事パターンで獲得した情報により、野菜、果物、穀物、乳製品、タンパク質食品及び油などの複数の群から食品を選択することによって、所望の栄養目標が達成された。これらのガイドラインは、カロリー必要量を超えないように、かつ過剰摂取される食事成分について制限内に留まりながらも、栄養素のニーズを満たすように設計されており、メニュー計画アルゴリズムの出力は、米国における食事ガイドライン及び推奨に厳密に従った。
【0078】
2000kcalは、対応する食品群のガイドラインに従ってマイクロバイオームの規則を実装するための基準食とした。以下の表1は、1日当たり2000kcalの食事に対する、週次及び日次の推奨食品群並びに摂取量を示す。
【表1】
個体の栄養必要量は、年齢、性別、及び身体活動、並びに他の因子に大きく依存していた。個々の栄養ニーズに関して、メニュー計画は、各年齢及び性別群ごとのカロリー、多量栄養素必要量、並びに食事繊維についての食事ガイドラインに従った。
【0079】
表2:食事摂取基準及び食事ガイドライン推奨に基づく年齢-性別群の1日当たりの栄養目標
参考文献:https://health.gov/sit/default/files/2019-09-2015-2020_Dietary_Guidelines.pdf
【表2】
【表3】
【0080】
実施例2:メニュー計画におけるマイクロバイオームの健康食品規則及び実装
1400を超える科学論文を分析し、メニュープランナエンジンに直接適用することができる食品成分及び食品化合物の規則を見出した。データベースは、食品化合物規則及び食品成分規則で作成された。しかしながら、修正することなく食品成分規則をメニュープランナエンジンに直接実装することは不可能であり、食品化合物規則のみをエンジンに適合及び実装することができた。
【0081】
以下の表3は、メニュープランナに実装された最終規則を列挙している。列2において、「実装された規則」は、メニュープランナに実装された実際の規則とその頻度であった。列3において、「文献における規則量」は、文献に見られるのと同様の規則であった。列4において、「適応規則」は、摂取者によって使用されることが可能である健康なマイクロバイオームメニュー計画に適合するように、適応された規則であった。
【表4】
メニュープランナは、米国の健康な食事パターン(US Healthy Dietary Patterns)に基づき、その上でマイクロバイオーム健康の規則を実装することで、常に米国健康食事パターンが適用された。マイクロバイオーム健康の規則を設計する際、食事摂取基準及び食事ガイドラインの推奨に基づいて、年齢-性別群の米国の1日当たりの栄養目標内にマイクロバイオーム健康のメニューを保つように、数回繰り返しを行なって規則を調整した。
【0082】
参考文献
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【0086】
5.Holscher,H.D.,Guetterman,H.M.,Swanson,K.S.,An,R.,Matthan,N.R.,Lichtenstein,A.H.,&Baer,D.J.(2018).Walnut consumption alters the gastrointestinal microbiota,microbially derived secondary bile acids,and health markers in healthy adults:a randomized controlled trial.The Journal of nutrition,148(6),861-867。
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【0089】
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【0090】
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【0092】
実施例3:マイクロバイオーム健康のメニュー計画の多量栄養素の栄養価
28日間のマイクロバイオーム健康の食事について、マイクロバイオーム健康のメニュー計画の多量栄養素の栄養価を検査した。特に、食事制限のない雑食の「何でも」、グルテンフリー食、ラクトースフリー食、地中海食、ビーガン食、及びベジタリアン食の、異なる食事制約についてメニュー計画を検査した。
【0093】
多量栄養素についての結果を、タンパク質は
図3に、炭水化物は
図4に、及び総脂肪は
図5に、個々に示す。
【0094】
すべてのマイクロバイオーム健康の食事メニュー計画は、米国ガイドラインの1日当たりの多量栄養素推奨の範囲内に収まる。
【0095】
実施例4:マイクロバイオーム健康のメニュー計画の微量栄養素の栄養価
28日間のマイクロバイオーム健康の食事について、マイクロバイオーム健康のメニュー計画の微量栄養素の栄養価を検査した。特に、食事制限のない雑食の「何でも」、グルテンフリー食、ラクトースフリー食、地中海食、ビーガン食、及びベジタリアン食の、異なる食事制約についてメニュー計画を検査した。
【0096】
いくつかの主要な微量栄養素についての結果を、ビタミンKを
図6に、食品葉酸を
図7に、及びナトリウムを
図8に示す。
【0097】
食事制約は、微量栄養素、特にビタミン及びミネラルの1日当たりの推奨を重んじるために、マイクロバイオームメニュープランナに含まれた。以下の表4の食事摂取基準(DRI)の表に見られるように、推定平均必要量(EAR)を使用して、年齢及び性別に基づいて、ユーザの微量栄養素を算出した。EARが特定の栄養素に利用できなかった場合、代わりに適切な摂取量(AI)を使用した。EARは大規模な集団に対してより広く適用可能であるため、RDAの代わりにEARが使用された。
【0098】
マイクロバイオームに配慮したメニュープランナは、すべての所与の食事について、米国ガイドラインの1日当たりの微量栄養素推奨の範囲内に収まった。
【0099】
表4:米国ガイドラインのビタミン及びミネラル推奨
参考文献:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK56068/table/summarytables.t1/?report=objectonly
【表5】
【表6】
【0100】
実施例5:マイクロバイオーム健康のメニュー計画の栄養価に対する総繊維の寄与
総繊維は、健康な腸内微生物叢の最も重要な食事成分のうちの1つであると考えられている。この理由から、繊維の標的量は、通常の平均推奨の1日摂取量(RDA=25g/日)の繊維量よりも高く設定された。
【0101】
28日間のマイクロバイオーム健康の食事について、マイクロバイオーム健康のメニュー計画の栄養価に対する総繊維の寄与を検査した。特に、食事制限のない雑食の「何でも」、グルテンフリー食、ラクトースフリー食、地中海食、ビーガン食、及びベジタリアン食の、異なる食事制約についてメニュー計画を検査した。
【0102】
図9では、微生物叢の健康を強化するために、すべての食事に繊維が多く含まれた。
【0103】
実施例6:マイクロバイオーム健康の規則に基づくメニュー計画に存在する異なる微量栄養素の上限の算出
メニュー計画が許容上限を超えないために、マイクロバイオーム健康の食品成分内に存在する異なる微量栄養素(ビタミン及びミネラル)の許容上限摂取量を考慮した。
【0104】
以下の表5では、すべての規則に存在する異なる微量栄養素量を、それらの許容上限に対して表した。どの規則も上限を超えなかった。
【表7】
参考文献:Institute of Medicine(US)Committee to Review Dietary Reference Intakes for Vitamin D and Calcium;Ross AC,Taylor CL,Yaktine AL,et al.,editors.Washington(DC):National Academies Press(US);2011。
【表8】
参考文献:Institute of Medicine(US)Committee to Review Dietary Reference Intakes for Vitamin D and Calcium;Ross AC,Taylor CL,Yaktine AL,et al.,editors.Washington(DC):National Academies Press(US);2011。
【0105】
実施例7:マイクロバイオーム健康の食品の摂取量の推定
主要なマイクロバイオームの健康指標、即ちアルファ多様性、短鎖脂肪酸、及び酪酸産生菌の存在量に重点を置き、個別化されたマイクロバイオーム健康のメニュー計画が構築された。メニュー計画は、微生物叢の健康に良い栄養規則に基づいて構築された。1990年から2010年にかけて187カ国で収集された栄養摂取量データ(Imamura et al.Lancet Glob Health.2015 Mar;3(3):e132-42)に基づいて、選択された各食品品目又は栄養素に、摂取量の範囲を設けた。
【表9】
規則群1:35g/日の全粒穀物摂取
表5によれば、35g/日の全粒穀物は、五分位値3に属する。全粒穀物の摂取量の範囲は、五分位値3の下限31g/日から五分位値5の上限477g/日までに設定された。(参考文献:Vanegasetal.AmJClinNutr.2017 Mar;105(3):635-650)
全粒穀物の適用量範囲:31~477g/日
規則群2:豆及び豆類-200g/日のひよこ豆
食品群において、ひよこ豆は、豆及び豆類に属する。ひよこ豆の1日200gの摂取量は、豆及び豆類の摂取量の第5の五分位値内である(表5)。範囲を定義するために、第4の五分位値の摂取量の下端まで下限を拡張した。ひよこ豆の範囲は、35~472g/日であった。(参考文献:Fernando et al.Benef Microbes.2010 Jun;1(2):197-20)7。
【0106】
ひよこ豆の適用量範囲:35~472g/日
規則群3:玄米、大麦、及びライ麦パン
繊維は、腸内細菌叢にとって最も重要な食事成分の1つであり、玄米、大麦、又はライ麦パンの摂取は、微生物叢の健康指標を高める。繊維摂取量を使用して、食品の量を算出した。
【0107】
ライ麦パン介入における16g/日の繊維、又は大麦+玄米介入における18.7g/日の繊維により、微生物叢の健康指標に有意な結果がもたらされた。この量の繊維摂取量は、全体的な摂取量範囲の第2の五分位値内であった(表5)。繊維摂取量の下限は、繊維摂取量の16g/日に設定された。しかしながら、表5に列挙された最大繊維摂取量(41g/日)は、メニュー計画アルゴリズムによって50g/日超が達成され得るために、十分な高さではなかった。繊維摂取量の上限を設定するために、男性ボランティアで54.2±13.7g/日、及び女性ボランティアで40.5±8.5g/日摂取すると報告したナイジェリアの学生の繊維摂取量を参照した。ナイジェリア母集団の繊維摂取量の99%をカバーする平均値に3つの標準偏差を加え、結果として95.3g/日の繊維摂取がもたらされた。したがって、マイクロバイオームメニュー計画の繊維摂取量の上限は、95g/日である。食事計画エンジンは、文献に示された量に到達するように、毎日の食事に玄米、大麦、又はライ麦パンを取り入れた。(参考文献:Martinez et al.ISME J.2013 Feb;7(2):269-80;Prykhodko et al.Front Nutr.2018 May 29;5:45;Adegoke et al.,Br J Nutr.2014 Jun 28;111(12):2146-52)。
【0108】
食物繊維の適用量範囲:16~95g/日
規則群4:ナッツ及び種子
微生物叢に配慮した成分のうち、ピスタチオ、アーモンド、クルミ、及びアマニは、ナッツ及び種子の群に属する。臨床研究において検査された量は、21g/日(70kgの男性でアマニの場合0.3g/kg)から、ピスタチオの86g/日までの範囲であった。これらの摂取量は、第4及び第5の五分位値の範囲内であった。この範囲は、五分位値の下端から五分位値の上端までで定義された。
【0109】
(参考文献:Holscher et al.J Nutr.2018 Jun 1;148(6):861-867;Lagkouvardos et al.Mol Nutr Food Res.2015 Aug;59(8):1614-28; Watson et al.Gut.2018 Nov;67(11):1974-1983)。
【0110】
ピスタチオ、アーモンド、クルミ、及びアマニの適用量範囲:6.8~192g/日
規則群5:オメガ-3脂肪酸:DHA及びEPA
DHA及びEPAをそれぞれ2グラム補充することにより、Roseburia種の存在量が有意に増加する。しかしながら、DHA及びEPAを食事からのみ調達することは困難であり、2グラムのEPA摂取量、又は6.67gのオメガ-3脂肪酸は、習慣的摂取量の上限を超える。そのため、異なるアプローチに従って、DHA及びEPAの上限及び下限を設定した。食事由来のDHA及びEPA摂取の上限を、前述の臨床研究の適用量によって設定した。下限に関しては、オメガ-3脂肪酸摂取のために第5の五分位値を参照した。そして、サーモンオイル内のDHAとして総オメガ-3脂肪酸の37%を基準として使用して、DHAにその値を変換した。この算出により、119mg/日のDHAの適用量が下限として与えられた。(参考文献:Imamura et al.,Lancet Glob Health.2015 Mar;3(3):e132-42;Dovale-Rosabal et al.Molecules,2019 May;24(9):1642)。
【0111】
DHAの適用量範囲:119mg~2000mg/日のDHA;EPAの適用量範囲:最大2000mg/日;又は、総オメガ-3脂肪酸中で最大約5200mg/日。
【0112】
実施例8-メニュー計画のワークフロー及び最適化
図10は、マイクロバイオーム健康のメニュー計画の最適化のための例示的なワークフローを表す。
【0113】
マイクロバイオーム健康のメニュー計画を構築するためには、推奨を作成するために、マイクロバイオーム健康の食品に基づき、毎日かつ数週間にわたってメニュー計画を最適化する際の具体的な規則、制約、及び目標があった。
【0114】
特定の栄養素又は成分については、栄養素の可能な範囲を定義する下限及び上限によって指定される最適な範囲、並びに理想的な範囲からの下限及び上限の偏差に対する重み付けがあった。規則には、単位、及び規則が食品の量に比例しているかなどの追加情報が含まれる。
【0115】
各目標は、特定の栄養素についてのものであり、最適化された式の重みとして使用される係数、並びに栄養素が最小化又は最大化されるべきかどうかを含む。
【0116】
栄養素又は成分の規則:
栄養素又は成分に対応する各規則rに対し、
rlhr=規則の所望の下界
ruhr=規則の所望の上界
rlhr0=規則の絶対最小値
ruhr0=規則の絶対最大値
rls=規則の下界に対する重み
rus=規則の上界に対する重み
これらは、メニュー計画全体における栄養素及び/又は成分の量を最大化又は最小化するという、特定の目標gであった。
【0117】
gcoeff=目標gの係数
gobj∈{min,max}=gが最大化又は最小化されるべきかどうか
変数:
食事品目のデータベースからの、メニュー計画での使用に適した、事前に作成された食事mがあった。各食事には、特定の量における1つ以上の食品、並びに食事全体についての要約栄養情報が含まれた。
【0118】
各食事は、変数fによって表された。
【0119】
その食事がメニュー計画に含まれるかどうかを表す変数シータ、Θが、食事ごとに作成された。すべての特定の規則及び目標に対して、食事ごとに栄養情報を有する必要があった。
【0120】
θf,f∈食事,θf∈{0,1}
タグ変数tを導入し、機会(朝食、昼食、夕食、軽食)ごとに食事がタグ付けされたかどうかを示した。これらのタグは、毎日正しい食事数を確保するために使用された。
【0121】
m=食事機会{朝食、昼食、夕食、軽食など}
tf,m∈{0,1}f∈食事,m∈機会
制約:
制約cごとに、最適化問題の解に置かれた制約があった。
【0122】
m
l=含まれる食事機会mの最小数
m
u=含まれる食事機会mの最大数
m
l≦c
m≦m
u,for m∈{朝食,昼食,夕食,軽食など}
【数1】
規則ごとに、上界及び下界の2つの制約を作成する。
【0123】
cl,r=制約,rlhr≦cl,r≦∞,for r∈規則
cu,r=制約,0≦cl、r≦ruhr,for r∈規則
規則ごとに、スラック変数sを作成して、その栄養素の所望の範囲からのメニュー計画の偏差を表した。
【0124】
sl,r=規則rの下端のスラック変数
su,r=規則rの上端のスラック変数
0≦sl,r≦rlhr-rlhr0,for r∈規則
0≦su,r≦ruhr0-ruhr,for r∈規則
各制約は、メニュー計画に含まれるべき各食品の量の合計に、食品中のその栄養素の量を乗算し、対応するスラック変数を加えたものであった。
【0125】
c
l,r=規則rの下端の制約
c
u,r=規則rの上端の制約
【数2】
式中、f
r=食品f中の栄養素rの量
目的項
目標に対する目的項objは、各目標及び各食品について、メニュー計画に含めるべき食品の量と、食品中の栄養素の量に目標係数を乗算し、考えられるすべての食品中の栄養素の最大量で正規化したものと、を合計することで作成された。
【数3】
式中、f
g=食物f中の栄養素gの量
メニュー計画は、規則の対応する重みで重み付けされた規則に対するスラック変数と、上記の目的項との合計を最小化することによって作成された。
【数4】
スラック変数sは、規則で指定された各栄養素の限界からの、結果として得られるメニュー計画の偏差を測定した。スラック変数を最小化することにより、メニュー計画は、設定された規則を重んじることができた。しかしながら、制約を指定する代わりにスラック変数を使用することによって、メニュー計画により大きな許容差が与えられ、常に規則に従うことが可能というわけでないことを認識した。
【0126】
この問題は、1日、1週間、又は1ヶ月ごとの推奨及び結果として得られるメニュー計画を生成する最適化エンジンによって解決された。
【0127】
実施例9:メニュー計画ユーザアプリケーション
図11(スクリーンショット)は、個々のユーザのメニュー計画の開始前に収集された個々のデータの例を示す。
【0128】
結果として得られるメニュー計画は、ウェブアプリケーションを使用して視覚化された。例示的な例として、
図12A、
図12B、及び
図12Cは、健康な米国のメニュー計画の典型的なスクリーンショットを示す。
【0129】
図12Cでは、マイクロバイオーム健康の規則のうちの1つを含んでいたため、画像は、マイクロバイオーム健康に良いとしてタグ付けされたものに対し、小さな「細菌記号」1202でマークされた。「矢印記号」1204は、エンジンによって自動的に作成されたレシピ又は料理を、ユーザが交換することを可能にした。記号「マイメニューIQ」1206でマークされた食事栄養スコアを表示して、食事機会ごとに100点満点で食事栄養スコアを付けた。
【国際調査報告】