(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-31
(54)【発明の名称】吸引発生デバイス
(51)【国際特許分類】
A01K 81/06 20060101AFI20230524BHJP
A01K 79/00 20060101ALI20230524BHJP
A01K 63/10 20170101ALI20230524BHJP
【FI】
A01K81/06
A01K79/00 G
A01K63/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022562386
(86)(22)【出願日】2021-04-16
(85)【翻訳文提出日】2022-12-02
(86)【国際出願番号】 NO2021050102
(87)【国際公開番号】W WO2021210991
(87)【国際公開日】2021-10-21
(32)【優先日】2020-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519444122
【氏名又は名称】シー ロボティクス エーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ストールヴィーク,シェル
【テーマコード(参考)】
2B104
2B105
【Fターム(参考)】
2B104CG14
2B104ED36
2B105AD04
2B105AG30
2B105CD01
(57)【要約】
本開示は、流体供給口と、吸引口と、流体供給口及び吸引口が流体連通している排出口と、排出口から排出流体を受け取るように構成された物質収集配置と、を備え、一方の端部で吸引口に接続され、第2の端部で流体中の物質の収集を補助するための手持ち器具に接続された吸引導管を備え、流体供給口から排出口に流れる流体が、吸引口における圧力低下を発生させて、随伴した固体粒子を含む、吸引口を通る流体の流れを引き起こすように、流体供給口で流体供給を受けるように構成可能であり、流体供給口での流体供給と吸引口を通る流体の流れとを結合させて排出流体を形成し、排出流体を排出口を通して、随伴した固体粒子の一部を流体の流れに保持するように構成された物質収集配置へ導くように構成された、流体中の物質を収集するための吸引デバイスに関する。本開示は更に、吸引発生デバイスを使用して流体中の物質を収集する方法に関する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体中の物質を収集するための吸引発生デバイス(10、110)であって、
流体供給口(14、114)と、
吸引口(18、118)と、
前記流体供給口(14、114)及び前記吸引口(18、118)が流体連通している排出口(20、120)と、
前記排出口(20、120)から排出流体を受け取るように構成された物質収集配置(40、140)と、を備え、
一方の端部で前記吸引口に接続され、第2の端部で流体中の物質の収集を補助するための手持ち器具に接続された吸引導管(30、130)を備え、
前記流体供給口(14、114)から前記排出口(20、120)に流れる流体が、前記吸引口(18、118)における圧力低下を発生させて、随伴した固体粒子を含む、前記吸引口(18、118)を通る流体の流れを引き起こすように、前記流体供給口(14、114)で流体供給を受けるように構成可能であり、
前記流体供給口(14、114)での前記流体供給と、前記吸引口(18、118)を通る前記流体の流れと、を結合させて前記排出流体を形成し、前記排出流体を前記排出口(20、120)を通して、前記流体の流れに随伴した前記固体粒子の一部を保持するように構成された前記物質収集配置へ導くように構成された、デバイス。
【請求項2】
少なくとも部分的に水中に沈められて作動するように構成された、請求項1に記載の吸引発生デバイス(10、110)。
【請求項3】
前記吸引発生デバイス(10、110)は、前記吸引発生デバイス(10、110)の浮力の制御を可能にする浮力配置(46)を備えた、請求項2に記載の吸引発生デバイス(10、110)。
【請求項4】
前記浮力配置(46)が、浮揚デバイス及び調節可能な長さのテザー(44)を備えた、請求項3に記載の吸引発生デバイス(10、110)。
【請求項5】
前記流体供給口(14、114)、前記吸引口(18、118)、及び、前記排出口(20、120)を含むハウジング(12、112)を備えた、請求項1から4の何れか一項に記載の吸引発生デバイス(10、110)。
【請求項6】
前記浮力配置(46)は、調節可能な長さの前記テザーを介して前記ハウジング(12)に接続されている、請求項4又は5に記載の吸引発生デバイス(10、110)。
【請求項7】
前記物質収集配置が、前記排出流体の通過を可能にし、前記排出流体中に随伴された前記固体粒子の通過を制限するように構成された、請求項1から6の何れか一項に記載の吸引発生デバイス(10、110)。
【請求項8】
前記物質収集配置(40、140)が、前記物質収集配置中の固体粒子の通過を制限するためのメッシュネットを備えた、請求項1から7の何れか一項に記載の吸引発生デバイス(10、110)。
【請求項9】
前記手持ち器具(34)が、ハンドル(36)及びブラシ(38)を備えた、請求項10に記載の吸引発生デバイス(10、110)。
【請求項10】
一方の端部で前記流体供給口(14、114)に接続され、他方の端部で流体供給と連通する流体供給導管(50)を備えた、請求項1から9の何れか一項に記載の吸引発生デバイス(10、110)。
【請求項11】
一方の端部で前記排出口(20、120)に接続され、他方の端部で前記物質収集配置(40、140)に接続された流体排出導管(170)を備える、請求項1から10の何れか一項に記載の吸引発生デバイス(10、110)。
【請求項12】
海中環境で作動するように構成された、請求項1から11の何れか一項に記載の吸引発生デバイス(10、110)。
【請求項13】
前記吸引発生デバイス(10、110)の前記物質収集配置(40、140)は表面位置にある、請求項11に記載の吸引発生デバイス(10、110)。
【請求項14】
前記流体供給口(14、114)、前記吸引口(18、118)、及び前記排出口(20、120)は、エダクタ配置で構成された、請求項1から13の何れか一項に記載の吸引発生デバイス(10、110)。
【請求項15】
吸引発生デバイス(10、110)を使用して流体中の物質を収集する方法であって、
流体供給口(14、114)と、吸引口(18、118)と、前記流体供給口(14、114)及び前記吸引口(18、118)が、流体連通している排出口(20、120)と、前記排出口(20、120)から排出流体を受け取るように構成された物質収集配置(40、140)と、を備え、前記流体供給口(14、114)から前記排出口(20、120)に流れる流体が、前記吸引口(18、118)における圧力低下を発生させて、随伴した固体粒子を含む、前記吸引口(18、118)を通る流体の流れを引き起こすように、前記流体供給口(14、114)で流体供給を受け取るように構成可能である吸引発生デバイス(10、110)を提供することと、
前記流体供給口(14、114)に流体の流れを提供することと、
前記吸引口(18、118)を通して固体粒子を含む流体の流れを受け取り、前記流体に流れを前記物質収集配置(40、140)に導いて、前記固体粒子の一部を保持することと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、流体中の物質を収集するための吸引発生デバイス、及び吸引発生デバイスを使用して流体中の物質を収集する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、人々は外部環境の変化をますます重要視し、監視できるようになってきた。技術の進歩により、地球環境の監視がこれまでになく容易になり、気候変動や公害などの要因により、地球環境の変化に対する意識が高まっている。
【0003】
過去10年間に観察されたこのような変化の1つは、例えば、北米太平洋沿岸沖の水中藻場の消失である。現在、これらの藻場が消失した理由は複数あると考えられている。しかしながら、主要因の1つは、近年、海中藻場に生息するウニの数の急増のようである。多数のウニは、海底を一掃し得、藻場が再生できるよりも速く藻場を食べてしまい、結果として藻場帯が完全に消滅してしまう。
【0004】
現在、藻場の地域におけるウニの個体数の急増は、衰える兆候をほとんど示していない。水中藻場の破壊は、その地域の環境だけでなく、藻場の存在に何らかの形で依存している地域の経済にも悪影響を及ぼしている。したがって、状況を改善し、藻場の更なる破壊を防止するための行動が必要である。
【発明の概要】
【0005】
地域の生態系の他の部分への損傷を抑制するために、ウニの数を減らすことに的を絞った手法が望ましい。いくつかの目下の手法には、ダイバーを海底に送り込んで、問題のウニを物理的に除去することがある。しかしながら、この技法では時間がかかることがあり、持ち運ぶことのできるウニの量によってダイバーの作業量が制限され得る。より迅速なウニの除去方法(例えばトロール漁)が可能であるが、海底から他の海洋生物まで更に除去したり、水中の地質に損傷を与えたりすることがあるため、これらの方法は一般的に望ましくない。したがって、周囲の環境への影響を最小限に抑えながら、海底からウニを迅速かつ効率的に除去する手段を提供する必要がある。
【0006】
本開示の目的は、先行技術における上述の欠陥及び欠点の1つ以上を軽減、緩和、又は排除し、少なくとも上述の問題を解決することである。第1の態様によると、流体供給口と、吸引口と、流体供給口及び吸引口が流体連通している排出口と、排出口から排出流体を受け取るように構成された物質収集配置と、を備え、流体供給口から排出口に流れる流体が、吸引口における圧力低下を発生させて、随伴した固体粒子を含む、吸引口を通る流体の流れを引き起こすように、流体供給口で流体供給を受けるように構成可能であり、流体供給口での流体供給と吸引口を通る流体の流れとを結合させて排出流体を形成し、排出流体を排出口を通して、流体の流れに随伴した固体粒子の一部を保持するように構成された物質収集配置へ導くように構成された、流体中の物質を収集するための吸引発生デバイスが提供される。
【0007】
第2の例によると、少なくとも部分的に水中に沈められて作動するように構成された吸引発生デバイスがある。
【0008】
第3の例によると、吸引発生デバイスの浮力の制御を可能にする浮力配置を備えた吸引発生デバイスがある。
【0009】
第4の例によると、浮力配置が浮揚デバイス及び調節可能な長さのテザーを備えた吸引発生デバイスがある。
【0010】
第5の例によると、流体供給口、吸引口、及び排出口を含むハウジングを備えた吸引発生デバイスがある。
【0011】
第6の例によると、調節可能な長さのテザーを介して浮力配置がハウジングに接続されている吸引発生デバイスがある。
【0012】
第7の例によると、物質収集配置が、排出流体の通過を可能にし、排出流体に随伴された固体粒子の通過を制限するように構成された吸引発生デバイスがある。
【0013】
第8の例によると、物質収集配置が物質収集配置内の固体粒子の通過を制限するためのメッシュネットを備えた吸引発生デバイスがある。
【0014】
第9の例によると、一方の端部において吸引口に接続された吸引導管を備えた吸引発生デバイスがある。
【0015】
第10の例によると、吸引導管が、流体中の物質の収集を補助するための器具を第2の端部に備えた吸引発生デバイスがある。
【0016】
第11の例によると、器具がハンドル及びブラシを備えた吸引発生デバイスがある。
【0017】
第12の例によると、一方の端部で流体供給口に接続され、他方の端部で流体供給と連通する流体供給導管を備えた吸引発生デバイスがある。
【0018】
第13の例によると、一方の端部で排出口に接続され、他方の端部で物質収集配置に接続された流体排出導管を備えた吸引発生デバイスがある。
【0019】
第14の例によると、海中環境で作動するように構成された吸引発生デバイスがある。
【0020】
第15の例によると、吸引発生デバイスの物質収集配置が表面位置にある吸引発生デバイスがある。
【0021】
第16の例によると、流体供給口、吸引口、及び排出口がエダクタ配置で構成された吸引発生デバイスがある。
【0022】
第2の態様によると、
流体供給口と、吸引口と、流体供給口及び吸引口が流体連通している排出口と、排出口から排出流体を受け取るように構成された物質収集配置と、を備え、流体供給口から排出口に流れる流体が、吸引口における圧力低下を発生させて、随伴した固体粒子を含む、吸引口を通る流体の流れを引き起こすように、流体供給口で流体供給を受けるように構成可能である吸引発生デバイスを提供し、
流体の流れを流体供給口に提供し、固体粒子を含む流体の流れを吸引口から受け取り、流体の流れを物質収集配置に導いて固体粒子の一部を保持することを含む、吸引発生デバイスを使用して流体中の物質を収集する、
方法が提供される。
【0023】
本開示は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。詳細な説明及び特定の例は、例示のみを目的として、本開示の好ましい実施形態を開示する。当業者は、詳細な説明のガイダンスから、本開示の範囲内で変更及び修正がなされ得ることを理解する。
【0024】
よって、本明細書の開示は、このようなデバイス及び方法が変更し得る、記載されたデバイスの特定の構成部品又は記載された方法のステップに限定されないことを理解されたい。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためだけのものであり、限定することを意図していないことも理解されたい。明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されているように、冠詞「a」、「an」、「the」、及び「said」は、文脈が明白に異なるように意味しない限り、1つ以上の要素があることを意味しようとしていることに留意されたい。このため、例えば、「ユニット」又は「前記ユニット」への言及は、いくつかのデバイスなどを含んでよい。更に、用語「comprising(備える)」、「including(含む)」、「containing(含有する)」、及び同様の表現は、他の要素又はステップを排除しない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
上記の目的、並びに本開示の追加の目的、特徴、及び利点は、添付の図面と併せて解釈される場合、本開示の例の以下の例示的かつ非限定的な詳細な説明を参照することによって、より十分に理解されるであろう。
【0026】
【
図2A】吸引発生デバイスの詳細をいくつかの構成要素を取り付けて示している。
【
図2B】吸引発生デバイスの詳細をいくつかの構成要素を取り付けて示している。
【
図2C】吸引発生デバイスの詳細をいくつかの構成要素を取り付けて示している。
【
図3】前の図の吸引発生デバイスの一使用法を示している。
【
図4】
図2Aから
図2Cに示されたものと同様の吸引発生デバイスの断面図を示している。
【
図5A】更なる例示的な吸引発生デバイスの立面図を示している。
【
図5B】更なる例示的な吸引発生デバイスの平面図を示している。
【
図6A】
図5A及び
図5Bの吸引発生デバイスの更なる詳細を、いくつかの構成要素を取り付けて示している。
【
図6B】
図5A及び
図5Bの吸引発生デバイスの更なる詳細を、いくつかの構成要素を取り付けて示している。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本明細書は、流体中の物質を収集するための改良された吸引発生デバイス、及び吸引発生デバイスを使用して流体中の物質を収集する方法を提供する。例示的な実施形態によると、流体供給口と、吸引口と、流体供給口及び吸引口が流体連通している排出口と、排出口から排出流体を受け取るように構成された物質収集配置と、を備え、流体供給口から排出口に流れる流体が、吸引口における圧力低下を発生させて、随伴した固体粒子を含む、吸引口を通る流体の流れを引き起こすように、流体供給口で流体供給を受けるように構成可能であり、流体供給口での流体供給と吸引口を通る流体の流れとを結合させて排出流体を形成し、排出流体を排出口を通して、流体の流れに随伴した固体粒子の一部を保持するように構成された物質収集配置へ導くように構成された、流体中の物質を収集するための吸引発生デバイスが提供される。
【0028】
図1A及び
図1Bに示されるのは、吸引発生デバイス10の一例の立面図及び平面図である。吸引発生デバイスは、ハウジング12と、流体供給配置16と吸引口18と排出口20とによって画定された流体供給口14と、を備える。
【0029】
図示のように、ハウジング12は、一緒に連結してハウジング12を画定し、連結配置22を介して一緒に保持される、第1のセクション12a及び第2のセクション12b(図示のように配向され、作動の配向であり得るように、上部セクション12a及び下部セクション12bであるとみなされてよい)を備える。この場合、結合配置は、ボルトを受け取り、その後、対応するナットによって開口の1つに保持されるための複数の開口を備えたハウジングの各セクション12a、12bを有する、ナット及びボルト様式の接続として示される。しかし、第1及び第2のハウジングセクション12a、12bを接続する他の手段が可能であることを理解されたい。例えば、第1及び第2のハウジングセクション12a、12bは、スナップ嵌合様式の接続を介して一緒に保持されてもよく、(例えば、化学的手段、溶接などによって)一緒に結合されてもよい。
【0030】
この例において、開口は、流体供給配置16が延在するハウジング12に追加で画定される。ここで、流体供給口14は、ハウジング12を通って延在する導管によって画定される。導管は、導管が吸引発生デバイス10の中心軸24に対して第1の角度でハウジングから最初に延在し、中心軸24に対して第2の角度(例えば、ゼロでない角度)で逸れて延在するように、ベントを含む。このような構成は、吸引発生デバイス10への流体供給の取り付けを容易にし得るのと同時に、流体供給が吸引発生デバイス10に十分な吸引の提供が可能であることを確実にする。流体供給口14は、ハウジング12から延在する流体供給配置16によって画定されるように示されているが、流体供給口14は、ハウジング12によって(少なくとも部分的に)画定されてもよく、場合によっては別個の流体供給配置16を有する必要がないことがある。
【0031】
中心軸24に対して横方向に延在するのは、吸引口18である。使用中、吸引は、流体の流れがそれを通って誘導されるように、吸引口で提供される。この例において、吸引口18は吸引管28によって画定されるが、他の例において、吸引口18は例えばハウジング12自体によって画定されてよい。
【0032】
吸引発生デバイス10の下面から延在し、この例において、第2のセクション12bによって画定されるのは排出口20である。図面において見られるように、排出口の直径は、流体供給口14及び吸引口18の直径よりも大きくてよい。使用中、更に詳細に後述されるように、流体供給口14を通って、及び吸引口18を通って流れる流体は、吸引発生デバイスの内部で結合され、排出口20を介して放出されてよい。図示のように、排出口20は、吸引発生デバイス10の中心軸24と大部分一致している。しかしながら熟練した読者は、排出口20(又は、実際には、前述の口のいずれか)の代替の位置決めが設計要件に応じて可能であり得ることを理解するであろう。
【0033】
より詳細に後述されるように、
図1Aから
図1Bに示していないが、吸引発生デバイス10のハウジング12は、流体供給口14(及び/又は流体供給配置16)、吸引口18、及び排出口20のそれぞれから延在する流路を画定してよい。いくつかの例において、流体供給口14から、及び吸引口16から延在する流路は、結合されて、排出口20から又は排出口20まで延在する流路を形成してよい。
【0034】
吸引発生デバイス10は、接続点26を追加で備える。接続点26は、任意の必要な構成要素を吸引発生デバイス10に接続するために使用されてよい。例えば、接続点26は、使用中、吸引発生デバイス10を適所に保持するために使用され得る位置決め機構(
図1Aから
図1Bには図示せず)に接続されてよい。位置決め機構は、船舶又はブイなどの浮力のある物体に接続され得るケーブル又はテザーの形を取ってよい(例えば、吸引発生デバイスが水中又は海中に少なくとも部分的に沈められて作動される場合)、又は固定された構造に接続されてもよい。接続点26は、位置決め機構に接続されたとき、吸引デバイス10のある程度の動きを可能にしながら、吸引発生デバイス10の位置決めを補助してよい。
【0035】
図2Aから
図2Cは、いくつかの構成要素が取り付けられた吸引発生デバイス10の更なる詳細を示す。吸引発生デバイス10は、実質的に
図1Aから
図1Bに記載された通りである。この例において、吸引接続配置32を介して吸引口18に接続された吸引導管30が示されている。吸引導管30は、任意の適切な手段によって吸引口18に接続されてよい。接続配置32は、吸引口18(又は吸引管28)の上又はそれによって画定された第1の接続構成要素、及び吸引導管30の端部の上又はそれによって画定された第2の接続構成要素の形をとってよい。例えば、吸引接続配置は、吸引口18によって画定されたネジ式プロファイルの形をとってよいが、吸引導管30は、それぞれが一緒に螺合され得るように、対応するネジ式プロファイルを含んでもよい。追加的に又は代替的に、吸引口18及び吸引導管30はそれぞれ、一緒に嵌合され得、ネジ配置又はボルト配置によって固定され得るフランジを備えてよい。吸引接続配置32は、その第1及び第2の構成要素の間から出る流体を制限又は防止するように構成された、シール配置又はシーリング配置を追加で備えてもよい。
【0036】
図示の例において、吸引導管30は長い部分の管類の形をとり、この場合、柔軟である。吸引導管30の一方の端部には、流体内の物質の収集においてユーザを補助し得る器具34がある。ここで、器具34は手持ち式のものとして示されている。この例において、器具34はハンドル36を含むが、他の例において、器具は、単にユーザの手で保持されるのに十分小さくてよい、又は手で器具を握るのを可能にするサイズの部分を含んでもよい。器具は、収集される物質と接触するための接触構成要素38を、その物質を妨害することでその接続を容易にするために追加で備えてもよい。接触構成要素38は、例えば、ブラシ、スクレーパ及び/又はスクラバーであってもよく、器具34は、ユーザが流体内の物質を正確に且つ選択的に妨害及び/又は除去するのを可能にするために、ユーザの手で保持されるのに適したサイズであってよい。
【0037】
排出口20に取り付けられているのは物質収集配置40である。
図2Aにおいて、物質収集配置40はバッグ又はポーチとして描かれており、ここにおいてメッシュ材料(例えばメッシュネット)から作られる。メッシュ材料を有することにより、流体及び非常に小さな粒子など、排出口20から出るいくつかの材料が収集配置40を通過するのを可能にし得るが、より大きな粒子は収集配置40内に保持され得る。収集配置40のメッシュサイズは、所望のサイズの粒子のみが保持されるように、ユーザによって選択されてよい。また、収集配置40は柔軟な材料から作られてよい。このように、収集配置40内に保持されている粒子が全くないか又はほとんどないとき、収集配置のサイズは比較的コンパクトであってよいため、ユーザを妨げることは最小限になる。
【0038】
一例において、吸引発生デバイス10は、海中環境からウニなどの生物を収集するために、海中環境で使用されてよい。この特定の例において、器具34、吸引導管30、及び吸引口18は、ウニが通過するのに十分な大きさであってよい(例えば、吸引導管は、収集されるウニのサイズに応じて、8cm、10cm、11cm、12cm、15cm、20cm、それらの間の任意のサイズなどの直径を有してよい)が、収集配置40のメッシュサイズは、流体及び小石の通過を可能にするが、ウニは保持されるように選択されてよい(例えば、0.1cm、0.5cm、1cm、2cm、2.5cm、3cm、それらの間の任意のサイズなどのメッシュサイズが使用されてよい)。このように、吸引発生デバイスは、海中環境でもよい水中環境からウニを収集するために有効に使用され得る。
【0039】
このようなシナリオは、吸引発生デバイス10を作動する海中環境中のユーザ42を示す、
図3に示されている。この例において、吸引発生デバイス10は、接続ライン44を介して、浮力配置46、この場合はブイに、適所に保持される。浮力配置46は、吸引発生デバイス10のある程度の動き(すなわち、ある程度の横方向の動き、及び垂直方向の動き)を可能にしてよいが、吸引発生デバイス10が水中に深く沈みすぎないようにしてもよい。
【0040】
吸引発生デバイス10は、この例において、流体供給を含む船舶48にも接続されている。流体供給は、船舶48と流体供給口14の間の流体接続を提供する柔軟な接続であり得る流体供給導管50を介して、船舶から吸引発生デバイス10に提供され得る(
図1Aから
図1Bを参照)。この場合、浮力配置46は、流体供給導管の過度の伸張を回避する位置における吸引発生デバイス10の保持を補助し、それによって船舶48と吸引発生デバイス10の間の接続の維持を補助する。いくつかの例において、流体供給導管50は、流体供給を提供する以外の更なる機能を提供してよい。例えば、流体供給導管50が、例えば吸引発生デバイス10の上、又は海中のユーザによって保持/着用される電気デバイス及び/又はセンサの作動のために、電気配線を追加で提供することが可能であってよい。
【0041】
吸引発生デバイス10の内部の詳細は
図4に示されている。この図において、付属のメッシュバッグの形の物質収集配置40を有する、流体供給口14、吸引口18、及び排出口20を含む、
図2Aから
図2Cに示されているような吸引発生デバイス10の断面が示されている。
【0042】
この図において、矢印52は、流体供給口14を通り、この例において、ハウジング12によって部分的に画定され、流体供給配置16によって部分的に画定されてハウジングの内部の位置へ向いている流体供給流路58への流体の流れを示している。他の例において、流体供給流路58は、ハウジング12によって完全に、又は流体供給配置16によって完全に画定されてもよい。また、矢印54は、吸引管28によって部分的に画定され(
図1Bを参照)、この例においてハウジングによって部分的に画定された吸引流路60を介して、吸引導管30を通り、及び吸引口18を通る、ハウジング12の内部の位置への流体の流れを示すためにも使用される。図からわかるように、流体供給口14を通る矢印52によって示されている流体の流れ、及び吸引口18を通る矢印54によって示されている流体の流れは、ハウジングの内部で結合され、矢印56によって描かれている流れとなる。流体の流れは、流体供給流路58と吸引流路60との間の合流点で結合される。この合流は、ハウジング12から排出口20を通って物質収集配置40へと流体の流れを軸方向外向きに導く排出流路62を形成する。
【0043】
図示の構成において、流体供給口14を通る流体52は、ベンチュリ効果によって、流体供給流路58と吸引流路60との間の合流点で圧力降下を引き起こす。このように、吸引流路60の合流点を通過する流体供給流路58からの流体の流れは、吸引口18で吸引を提供する。提供される吸引の程度は、流体供給口14を通る流体の体積流量を調整することによって調整され得る。このようにして、ユーザは、吸引発生デバイス10を使用して制御可能な吸引量を引き起こすことができるが、流体供給を使用して、収集された物質を収集配置40に導くこともできる。示された構成は、例えば、単純な流体ポンプを使用して物質を収集するための吸引を直接提供するよりも好ましいことがあるが、提供される吸引の程度が、流体ポンプによって提供される吸引の程度と比較して減少され得るので、使用されるときの海中/水中環境への損傷が少なくなる。更に、流体の供給の提供は、収集された物質を便利な位置に導くことを補助する。
【0044】
図4に示されていないが、デバイス10は、安全上の理由から、圧力リリーフ弁を備えてよい。圧力リリーフ弁は、例えば、流体供給配置16の上に位置されてよく、流体供給流路58と流体接続してもよい。圧力リリーフ弁は、ハウジングに隣接する流体供給配置から延在してよい、又はいくつかの例において、圧力リリーフ弁は、流体供給流路58と流体接続するように、ハウジングを通って延在してもよい。圧力リリーフ弁は、流体供給流路58の外部位置との流体接続を可能にしてよく、流体供給流路58から外部位置への流れを可能にしてよい。例えば、圧力リリーフ弁は、流体供給流路58から外部位置(記載された例において外部の海中位置であり得る)への方向にのみ流体の流れを可能にしてよい。いくつかの例において、圧力リリーフ弁は、排出流路62を外部位置に接続するために、吸引管28から、任意選択でハウジング12を通って延在してよい。いくつかの例において、記載されたように、複数の圧力リリーフ弁が存在してよい。例えば、流体供給流路58を外部位置に流体接続する圧力リリーフ弁と、排出流路62を外部位置に流体接続する第2の圧力リリーフ弁とが存在してよい。いくつかの例において、吸引導管30及び/又は流体供給導管50の上に位置する圧力リリーフ弁、又は複数の圧力リリーフ弁があってよい。
【0045】
圧力リリーフ弁は、流体接続される流路(例えば、流体供給流路58又は排出流路62)の圧力が所定の値を超えたときのみ作動するように構成されてよい。このように、圧力リリーフ弁は、関連する流路の流体の圧力が所定の限度を超えた場合にのみ流体の流れを可能にすることを確実にするように、バネなどの付勢部材を備えてよい。圧力リリーフ弁は、流体供給流路58及び/又は排出流路62に閉塞がある場合に補助してよい。このような場合、圧力リリーフ弁は、デバイス中の過剰な圧力の蓄積の結果としてデバイスに生じる損傷(例えば、デバイス内の導管又はシールの損傷)を防止してよい。
【0046】
図5A及び
図5Bに示されているのは、吸引発生デバイス110の更なる例である。この例は、前述の例と共通する多くの特徴を有する。したがって、構成要素がよく似ているものには、100を加えた類似の参照番号が使用された。
【0047】
前の例におけるように、この吸引発生デバイスは、流体供給口114及び流体供給配置116、並びに排出口120を有するハウジング112を備える。前の例と共通して、吸引発生デバイス110のハウジング112の上に接続点126も提供されている。
【0048】
前述の
図1Aから
図1Bと対照的に、この例において、収集配置140が示されている。この収集配置140は、ホース170の部分(流体排出導管であると見なしてよい)に隣接する取り付け部172を備える。この収集配置172は、排出口120からの流体の流れを直接受け取り、その流体の流れ(随伴した粒子状物質を含む)を外部位置に輸送するように構成される。外部位置は、排出された流体の流れ及び随伴しれた物質が保持され得る表面位置、例えば、ボート又は船などの船舶であってよい。
【0049】
図6A及び
図6Bは、前述の
図2Aから
図2Bの例と同様に、吸引導管130が取り付けられた吸引発生デバイス110を示している。
【0050】
図7は、吸引発生デバイス110を作動している、海中環境中のユーザ142を示している点で、前述の
図3と同様である。簡潔にするために、
図3と共通する特徴は再度記載されない。
【0051】
ここで、物質収集配置140は、取り付け部172及びホース170を備える。物質収集配置40を、流体及び小さな粒子の通過を可能にしたメッシュバッグ又はパウチとして示した前の例とは対照的に、この例において、流体及び随伴した物質の全て(又は実質的に全て)は、取り付け部172に収集され、ホース170を介して浮かんでいる船舶174に向けて導かれる。熟練した読者は、流体がホース172を介して任意の適切な位置に等しく送られ得ることを理解するであろう。例えば、固定された構造に、又は陸上の位置に送られてよい。流体が船舶に到達すると、ユーザは適切な行動をとることが可能であり得る。例えば、ユーザは、船舶上で随伴した粒子からの流体の分離を選択してよく、更に収集された異なるタイプの固体物質の分離を選択してもよい。吸引発生デバイス110が海中の位置からウニを収集するために使用される一例において、ユーザは、流体からの、及びまた吸引発生デバイス110によって収集された可能性のある他の粒子状物質からの、収集されたウニの分離を選択してよい。
【0052】
場合によっては、船舶上のホース170から生じた流体を、吸引発生デバイス110を作動するための流体供給として再利用することが可能であり得る。
【0053】
図8は、吸引発生デバイス110の内部の詳細を示す断面図を示している。多くの点で、
図8は前述の
図4と類似しているため、同一の特徴の詳細な説明は提供されない。両方の場合において、吸引発生デバイス10、110の形状は同一でよく、したがって、単一の吸引発生デバイス10、110が、
図4及び
図8の両方に示される例において使用されてよいことに留意されたい。
【0054】
前の例におけるように、吸引発生デバイスは、流体供給口114、吸引口118、及び排出口120を有するハウジング112を備える。ハウジング112は、結合して排出流路162を形成する、流体供給流路158及び吸引流路160を少なくとも部分的に画定する。排出流路162は、随伴した物質を有する排出された流体を物質収集配置172に向けて導いた後、排出された流体はホース170を通って導かれる。
【0055】
この例において、及び前述における吸引発生デバイス10、110において、ハウジングは、排出口120を取り囲むリップ180を備える。リップ180は、排出口120を完全に取り囲んでよい、又はその一部を取り囲んでもよい。リップ180は、連続した部分で延在してよい、又は複数の切断された、もしくは別個の部分を含んでもよい。リップ180は、物質収集配置170を吸引発生デバイス10、110のハウジング120に取り付けるのを補助するために使用されてよい。いくつかの例では、接続は、ネジ式接続、スナップ嵌合接続、ボルト式接続などであってもよい。
【国際調査報告】