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特表2023-522638改良型加溶媒分解触媒を用いる廃プラスチック材料の化学的再生処理
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  • 特表-改良型加溶媒分解触媒を用いる廃プラスチック材料の化学的再生処理 図1A
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  • 特表-改良型加溶媒分解触媒を用いる廃プラスチック材料の化学的再生処理 図2
  • 特表-改良型加溶媒分解触媒を用いる廃プラスチック材料の化学的再生処理 図3
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  • 特表-改良型加溶媒分解触媒を用いる廃プラスチック材料の化学的再生処理 図6
  • 特表-改良型加溶媒分解触媒を用いる廃プラスチック材料の化学的再生処理 図7
  • 特表-改良型加溶媒分解触媒を用いる廃プラスチック材料の化学的再生処理 図8A
  • 特表-改良型加溶媒分解触媒を用いる廃プラスチック材料の化学的再生処理 図8B
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  • 特表-改良型加溶媒分解触媒を用いる廃プラスチック材料の化学的再生処理 図10
  • 特表-改良型加溶媒分解触媒を用いる廃プラスチック材料の化学的再生処理 図11
  • 特表-改良型加溶媒分解触媒を用いる廃プラスチック材料の化学的再生処理 図12
  • 特表-改良型加溶媒分解触媒を用いる廃プラスチック材料の化学的再生処理 図13
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-31
(54)【発明の名称】改良型加溶媒分解触媒を用いる廃プラスチック材料の化学的再生処理
(51)【国際特許分類】
   C08J 11/10 20060101AFI20230524BHJP
【FI】
C08J11/10 ZAB
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022562455
(86)(22)【出願日】2021-04-13
(85)【翻訳文提出日】2022-12-12
(86)【国際出願番号】 US2021026976
(87)【国際公開番号】W WO2021211506
(87)【国際公開日】2021-10-21
(31)【優先権主張番号】63/008,932
(32)【優先日】2020-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】594055158
【氏名又は名称】イーストマン ケミカル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100129311
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 規之
(74)【代理人】
【識別番号】100220098
【弁理士】
【氏名又は名称】宮脇 薫
(72)【発明者】
【氏名】デブルイン,ブルース・ロジャー
(72)【発明者】
【氏名】エカート,マイケル・ポール
(72)【発明者】
【氏名】ジャクソン,アン-マルティーヌ・シャーベック
(72)【発明者】
【氏名】ウエスト,ネイサン・ミッチェル
(72)【発明者】
【氏名】リウ,チューファン
【テーマコード(参考)】
4F401
【Fターム(参考)】
4F401AA08
4F401AA13
4F401AA22
4F401BA06
4F401BB09
4F401CA02
4F401CA14
4F401CA21
4F401CA53
4F401CA67
4F401EA23
4F401EA59
4F401EA60
4F401EA77
(57)【要約】
混合廃プラスチックの処理のための化学的再生処理施設が提供される。このような施設は、混合プラスチック廃棄物流を処理する能力を有し、かつ種々の再生処理設備、例えば、加溶媒分解設備、熱分解設備、クラッキング設備、部分酸化ガス化設備、エネルギー回収設備、及び固化設備を利用する。これらの個々の設備のうちの1つ以上からの流れを、他の設備のうちの1つ以上への供給流として使用してもよく、それにより価値のある化学成分の回収が最大化され、使用不可の廃棄物流が最小限に抑えられる。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃プラスチックを処理する方法であって、
(a)ポリエチレンテレフタラート(PET)及び少なくとも1種の非PETプラスチックを含む廃プラスチックの流れを、加溶媒分解溶解タンク内で溶媒と合わせ、主に液体である流れを提供する工程、
(b)前記主に液体である流れにリチウム、マンガン、又はそれらの組み合わせを含む触媒を添加する工程、及び
(c)加溶媒分解反応器内で前記PETの少なくとも一部を解重合し、主要なテレフタリル、主要なグリコール、及び少なくとも一つの副産物流を形成する工程、
を含む廃プラスチックを処理する方法。
【請求項2】
廃プラスチックを処理する方法であって、
(a)ポリエチレンテレフタラート(PET)及び少なくとも1種の非PETプラスチックを含む廃プラスチックの流れを、加溶媒分解溶解タンク内で溶媒と合わせ、主に液体である流れを提供する工程、
(b)前記主に液体である流れの少なくとも一部を加溶媒分解反応器に移送する工程、
(c)前記廃プラスチック、前記溶媒、又は前記主に液体である流れの少なくとも1つにリチウム、マンガン、ナトリウム、カリウム、又はそれらの組み合わせを含む触媒を添加する工程、及び
(d)前記加溶媒分解反応器内で前記PETの少なくとも一部を解重合し、主要なテレフタリル、主要なグリコール、及び少なくとも1つの副産物流を形成する工程、
を含む廃プラスチックを処理する方法。
【請求項3】
廃プラスチックを処理する方法であって、
(a)ポリエチレンテレフタラート(PET)を含む廃プラスチックの流れを、加溶媒分解設備内で加溶媒分解に供し、供することの少なくとも一部を、マンガン、リチウム、又はそれらの組み合わせを含む少なくとも1種の加溶媒分解触媒の存在下で行い、主要なグリコール、主要なテレフタリル、及び少なくとも1種の加溶媒分解副産物を生成する工程、及び
(b)前記加溶媒分解副産物の少なくとも一部を、(i)熱分解設備、(ii)クラッキング設備、(iii)部分酸化(POX)ガス化設備、(iv)エネルギー回収設備、及び(v)液化区画のうちの少なくとも1つに導入する工程、
を含む廃プラスチックを処理する方法。
【請求項4】
工程(c)は、前記廃プラスチックと共に前記触媒を添加することを含む、あるいは工程(c)は前記溶媒と共に前記触媒を添加することを含む、あるいは工程(c)は、工程(b)の前記移送する工程の少なくとも一部の間に前記主に液体である流れに前記触媒を添加することを含む、請求項2の方法。
【請求項5】
前記触媒は、前記主に液体である流れの総重量基準で、25~1,000重量ppmの範囲の量で存在する、請求項1~4のいずれか一項の方法。
【請求項6】
前記塩基は、ナトリウム、カリウム、又はそれらの組み合わせを含む、請求項5の方法。
【請求項7】
前記触媒はマンガンを含む、請求項1~4のいずれか一項の方法。
【請求項8】
前記触媒は、前記主に液体である流れの全重量基準で、100~600重量ppmの量の酢酸マンガン、及び100~350重量ppmの量の水酸化ナトリウムを含む、請求項1~4のいずれか一項の方法。
【請求項9】
前記触媒は、前記主に液体である流れの全重量基準で、250重量ppm以下の亜鉛、スズ、及びチタンを含む、請求項1~4のいずれか一項の方法。
【請求項10】
前記非PETプラスチックは、前記廃プラスチックの全重量基準で、10~80重量%の量のポリオレフィン(PO)を含む、あるいは前記非PETプラスチックは、前記廃プラスチックの全重量基準で、0.01~10重量%の量のポリ塩化ビニル(PVC)を含む、請求項1~4のいずれか一項の方法。
【請求項11】
前記PETは、前記廃プラスチックの全重量基準で、少なくとも25重量%の量で前記廃プラスチック中に存在する、請求項1~4のいずれか一項の方法。
【請求項12】
前記副産物流の少なくとも一部を、(i)熱分解設備、(ii)クラッキング設備、(iii)部分酸化(POX)ガス化設備、(iv)エネルギー回収設備、及び(v)液化区画のうちの少なくとも1つに導入する工程をさらに含む、請求項1又は2の方法。
【請求項13】
前記加溶媒分解設備は、(i)前記部分酸化(POX)ガス化設備、(ii)前記熱分解設備、(iii)前記クラッキング設備、(iv)前記エネルギー回収設備、及び(v)前記液化区画のうちの少なくとも1つと共同設置されている、請求項1~12のいずれか一項の方法。
【請求項14】
前記加溶媒分解設備は、連続的に運転され、年平均で少なくとも毎時500ポンド(227kg)の供給量を有する、請求項1~4のいずれか一項の方法。
【請求項15】
ポリエチレンテレフタラート(PET)及び/又はその分解生成物、
少なくとも1種の非PETプラスチック及び/又はその分解生成物、
主要な溶媒、及び
マンガン及び/又はリチウムを含む触媒、
を含む加溶媒分解処理組成物。
【請求項16】
前記触媒はナトリウム又はカリウムを含む、請求項15の組成物。
【請求項17】
前記触媒はマンガンを含む、請求項15又は16の組成物。
【請求項18】
前記触媒は、前記主に液体である流れの全重量基準で、100~600重量ppmの量の酢酸マンガン及び100~350ppmの量の水酸化ナトリウムを含む、請求項15又は16の組成物。
【請求項19】
前記触媒は、前記主に液体である流れの全重量基準で、250重量ppm以下の亜鉛、スズ、及びチタンを含む、請求項15又は16の組成物。
【請求項20】
前記非PETプラスチックは、前記組成物の重量基準で、10~80重量%の範囲の量のポリオレフィンを含む、あるいは前記非PETプラスチックは、前記組成物の重量基準で、0.01~10重量%の範囲の量のポリ塩化ビニルを含む、あるいは前記PETは、前記流れの重量基準で、5~95重量%の範囲の量で存在する、請求項15又は16の組成物。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[0001]廃棄物、特に非生分解性廃棄物は、1回の使用後に埋立地に廃棄されると環境に悪影響を及ぼす可能性がある。従って、環境の観点から、できるだけ多くの廃棄物を再生することが望ましい。しかし従来の再生技術では再生処理が不可能に近いか、経済的に再生処理が不可能な低価値廃棄物流が依然として存在する。また、従来の再生処理方法の中には、それ自体が経済的に回収も再生もできない廃棄物流を生成し、その結果、廃棄あるいは他の方法で処理しなければならないさらなる廃棄物流が生じるものがある。
【0002】
[0002]加溶媒分解は、プラスチック例えばポリエチレンテレフタラート(PET)を構成する単量体に分解するのに使用される。この分解を、様々な溶媒、例えば水、又は種々のグリコール、アミン、若しくはアルコールを用いて行うことができる。このような過程では、再生処理成分のエチレングリコールとジメチルテレフタラートが得られるが、有益な有機化合物や除去困難な副産物を含む混合物を含むいくつかの副産物流も得られる。このため、これらの副産物流から特定の成分を再生、及び/又は回収することは難しく、コストも高くつく。
【0003】
[0003]加溶媒分解(特に加メタノール分解)反応用のいくつかの触媒が知られている。しかしそのような従来の触媒は、より純粋な供給流を処理する場合に比べ、廃プラスチックの処理には効率的ではないと思われる。その結果、混合廃プラスチックの処理に従来の触媒を使用すると、様々な不純物が生じ、特に1ポンド(又は1キログラム)のテレフタラート生成物を生成するのに必要な溶媒の量の点で、反応全体の効率が低下する。加溶媒分解反応による不純物の多くは、除去が困難な副生成物流に行き着くため、不純物の水準がこれより高くなると、処理工程により多くの費用を必要とする。
【発明の概要】
【0004】
[0004]一側面において、本技術は、(a)ポリエチレンテレフタラート(PET)及び少なくとも1種の非PETプラスチックを含む廃プラスチックの流れを、加溶媒分解タンク内で溶媒と合わせて、主に液体である流れを提供する工程、(b)前記主に液体である流れにリチウム、マンガン、又はそれらの組み合わせを含む触媒を添加する工程、及び(c)加溶媒分解反応容器内でPETの少なくとも一部を解重合し、主要なテレフタリル、主要なグリコール、及び少なくとも1つの副産物流を形成する工程を含む、廃プラスチックの処理方法に関する。
【0005】
[0005]一側面において、本技術は、(a)ポリエチレンテレフタラート(PET)及び少なくとも1種の非PETプラスチックを含む廃プラスチックの流れを、加溶媒分解溶解タンク内で溶媒と混ぜ合わせ、主に液体である流れを提供する工程、(b)前記主に液体である流れの少なくとも一部を加溶媒分解反応容器に通す工程、(c)廃プラスチック、溶媒、又は前記主に液体である流れのうちの少なくとも1つに、リチウム、マンガン、ナトリウム、カリウム、又はそれらの組み合わせを含む触媒を添加する工程、及び(d)前記加溶媒分解反応容器中で前記PETの少なくとも一部を解重合し、主要なテレフタリル、主要なグリコール、及び少なくとも1つの副産物流を形成する工程を含む、廃プラスチックの処理方法に関する。
【0006】
[0006]一側面において、本技術は、(a)ポリエチレンテレフタラート(PET)を含む廃プラスチックの流れを、加溶媒分解設備内で加溶媒分解に供し、この加溶媒分解の少なくとも一部は、マンガン、リチウム、又はそれらの組み合わせを含む少なくとも1種の加溶媒分解触媒の存在下で行われ、主要なグリコール、主要なテレフタリル、及び少なくとも1つの加溶媒分解副産物を生成する工程、及び(b)前記加溶媒分解副産物の少なくとも一部を、(i)熱分解設備、(ii)クラッキング設備、(iii)部分酸化(POX)ガス化設備、(iv)エネルギー回収設備、及び(v)液化区画のうちの少なくとも1つに導入する工程を含む、廃プラスチックの処理方法に関する。
【0007】
[0007]一側面において、本技術は加溶媒分解プロセス組成物に関するものであり、該組成物はポリエチレンテレフタラート(PET)、及び/又はその分解生成物、少なくとも1種の非PETプラスチック、及び/又はその分解生成物、主要な溶媒、並びにマンガン、及び/又はリチウムを含む触媒を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】[0008]図1Aは、本技術の態様による廃プラスチックを化学的に再生処理する過程及び施設の主要工程を示すブロックフロー図である。
図1B】[0009]図1Bは、廃プラスチックを化学的に再生処理する過程及び設備の主要工程、特に図1Aに示すような過程/設備の追加の側面を示すブロックフロー図である。
図2】[0010]図2は、本技術の態様による混合プラスチック廃棄物を分離するための分離過程及び分離区間を示すブロックフロー図である。
図3】[0011]図3は、本技術の態様によるPET加溶媒分解のための過程及び設備の主要工程を示す概略ブロックフロー図である。
図4】[0012]図4は、図3に示すPET加溶媒分解設備から軽質有機物流の分離を示すブロックフロー図である。
図5】[0013]図5は、図1aに示された化学的再生処理施設の一部を、特に液化区画と本技術の態様による他の設備及び過程との関係を強調し示すブロックフロー図である。
図6】[0014]図6は、本技術の態様による図5の例示的な液化区画を示すブロックフロー図である。
図7】[0015]図7は、本技術の態様による廃プラスチックを熱分解生成物流に転換する熱分解過程及び設備の主要工程を示すブロックフロー図である。
図8A】[0016]図8Aは、本技術の態様による統合された熱分解過程及び設備並びにクラッキング過程及び設備の主要工程を示すブロックフロー図である。
図8B】[0017]図8Bは、本技術の態様によるクラッキング炉の模式図である。
図9】[0018]図9は、本技術の態様によるPOx反応容器の模式図である。
図10】[0019]図10は、本明細書で使用される用語「分離効率」の様々な定義を示す模式図である。
図11】[0020]図11は、実施例に記載のいくつかの異なる種類の触媒を用いる廃プラスチック材料の加メタノール分解反応の結果、特に各試験における不純物とメタノール対テレフタラート比を示すグラフである。
図12】[0021]図12は、実施例に記載のマンガン触媒を数種類の濃度で用いて廃プラスチック材料の加メタノール分解反応を行った結果、特に各試験における不純物とメタノール対テレフタラート比を示すグラフである。
図13】[0022]図13は、実施例に記載のマンガン触媒を用い、水酸化ナトリウムの濃度を数種類変えて廃プラスチック材料の加メタノール分解反応を行った結果、特に各試験における不純物とメタノール対テレフタラート比を示すグラフである。
【発明の詳細な説明】
【0009】
[0023]本発明者らは、不純物の生成が少なく、かつ(メタノール/テレフタラート比が低いことで明らかな)効率的な触媒系を発見した。特に、マンガン、及び/又はリチウム化合物(単独又は塩基との組み合わせ)を含む触媒を含む触媒系は、従来の触媒よりも不純物の少ない反応を促進し、生成するテレフタラートのポンド当たりのメタノール量が少なくてもよいことを見出した。
【0010】
[0024]数列が示されている場合、各数字は、数列又は文中の最初の数字又は最後の数字と同じように修飾され、例えば、各数字は、場合により「少なくとも」、又は「まで」、又は「以下」、及び各数字は「又は」の関係にあるものとする。例えば、「少なくとも10、20、30、40、50、75重量%…」は、「少なくとも10重量%、又は少なくとも20重量%、又は少なくとも30重量%、又は少なくとも40重量%、又は少なくとも50重量%、又は少なくとも75重量%など」と同じ意味であり、「90重量%以下、85、70、60…」は、「90重量%以下、又は85重量%以下、又は70重量%以下…」と同じ意味であり、「重量で少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、又は10%…」は「少なくとも1重量%、又は少なくとも2重量%、又は少なくとも3重量%…」と同じ意味であり、かつ「少なくとも5、10、15、20、及び/又は99、95、90重量%以下」は、「少なくとも5重量%、又は少なくとも10重量%、又は少なくとも15重量%、又は少なくとも20重量%、及び/又は99重量%以下、又は95重量%以下、又は90重量%以下…」を意味する。
【0011】
[0025]特に明記しない限り、全ての濃度又は量は重量基準である。
化学的再生処理施設全般
[0026]ここで図1a及び1bに目を向けると、化学的再生処理施設10における廃プラスチックの化学的再生処理過程の主要工程が示される。なお、図1a及び1bは、本技術の例示的な一態様を描いている。図1a及び1bに描かれた特定の構成を省略してもよく、かつ/あるいは、本明細書の他の場所で説明される追加の構成を、図1a及び1bに描かれたシステムに追加してもよい。
【0012】
[0027]図1a及び1bに示すように、これらの工程は、一般に、前処理工程/設備20、加溶媒分解工程/設備30、部分酸化(POX)ガス化工程/設備50、熱分解工程/設備60、クラッキング工程/設備70、及びエネルギー回収工程/設備80のうちの少なくとも1つ(又は少なくとも2つ以上)を含む。必要なら、一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、これらの工程は、1つ以上の他の工程、例えば、直接販売又は使用、埋立て、分離、及び固化の各工程を含むこともでき、そのうちの1つ以上は図1a及び1bにブロック90で表されている。これらの工程又は設備の全てを含むものとして示されているが、当然のことながら、本技術の1つ以上の態様による化学的再生処理過程及び設備は、プラスチック廃棄物、特に混合プラスチック廃棄物の化学的再生処理のために、様々な組み合わせでこれらの工程/施設のうちの少なくとも2つ、3つ、4つ、5つ、又は全てを含んでもよい。本明細書に記載される化学的再生処理過程及び施設は、廃プラスチックを再生処理成分製品又は様々な最終使用材料を形成するのに使用される化学中間体に転換するのに使用することができる。化学的再生処理施設/過程に供給される廃プラスチックは、混合プラスチック廃棄物(MPW)、予め選別された廃プラスチック、及び/又は予め処理された廃プラスチックであってもよい。
【0013】
[0028]本明細書で使用する用語「化学的再生処理」は、廃プラスチック重合体を、それ自体が有用であり、かつ/あるいは別の1つ以上の化学生産過程の原料として有用な、低分子量重合体、オリゴマー、単量体、及び/又は非重合体分子(例えば、水素及び一酸化炭素など)に転換する工程を含む廃プラスチック再生処理過程を意味する。「化学的再生処理施設」は、廃プラスチックの化学的再生処理により再生処理成分製品を製造する設備である。本明細書で使用する用語「再生処理成分」及び「再生成分」は、直接的及び/又は間接的に廃プラスチックに由来する組成物であること、又はその組成物を含むことを意味する。
【0014】
[0029]本明細書で使用する用語「直接的に由来する」は、廃プラスチックに由来する少なくとも1種の物理的成分を有することを意味し、「間接的に由来する」は、i)廃プラスチックから生じるが、ii)廃プラスチックに由来する物理的成分を有することには基づかない、指定の再生処理成分を有することを意味する。
【0015】
[0030]化学的再生設備は機械的再生処理設備ではない。本明細書で使用する用語「機械的再生処理」及び「物理的再生処理」は、廃プラスチックを溶融し、溶融プラスチックを新たな中間品(例えばペレット又はシート)、及び/又は新たな最終製品(例えばビン)に成形する工程を含む再生処理過程を意味する。一般に機械的再生は、再生処理されるプラスチックの化学構造を本質的に変化させない。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組合せにおいて、本明細書に記載の化学的再生処理施設は、機械的再生処理設備からの廃棄物流、及び/又は機械的再生設備では一般に処理できない廃棄物流を受け取って処理するように構成されてもよい。
【0016】
[0031]本明細書では、単一の化学的再生処理施設の一部として説明するが、当然のことながら、前処理設備20、加溶媒分解設備30、熱分解設備60、クラッキング設備70、部分酸化(POX)ガス化設備50、エネルギー回収設備80のうちの1つ以上、又は固化若しくは分離などの他の設備90のいずれかが地理的に異なる位置に配置されてもよく、かつ/あるいは異なる事業体によって運営されてもよい。前処理設備20、加溶媒分解設備30、熱分解設備60、クラッキング設備70、部分酸化(POX)ガス化設備50、エネルギー回収設備80、又はその他の設備90の各々は、同じ事業体によって運営されてもよいが、前処理設備20、加溶媒分解設備30、熱分解設備60、クラッキング設備70、部分酸化(POX)ガス化設備50、エネルギー回収設備80のうちの1つ以上、又は分離又は固化などの1つ以上のその他の設備90が異なる事業体によって運営される場合もある。
【0017】
[0032]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、化学的再生処理施設10は、相当の量の混合プラスチック廃棄物を処理できる商業規模の設備であってもよい。本明細書で使用する用語「商業規模の設備」は、1年間平均で1時間当たり少なくとも500ポンドの平均年間供給量を有する設備を意味する。化学的再生処理施設(又は、前処理設備20、加溶媒分解設備30、熱分解設備60、クラッキング設備70、POXガス化設備50、エネルギー回収設備80、及びその他の任意の設備90のうちのいずれか1つ)への平均供給量は、毎時少なくとも750ポンド、少なくとも1,000ポンド、少なくとも1,500ポンド、少なくとも2,000ポンド、少なくとも2,500ポンド、少なくとも3,000ポンド、少なくとも3,500ポンド、少なくとも4,000ポンド、少なくとも4,500ポンド、少なくとも5,000ポンド、少なくとも5,500ポンド、少なくとも6,000ポンド、少なくとも6,500ポンド、少なくとも7,500ポンド、少なくとも10,000ポンド、少なくとも12,500ポンド、少なくとも15,000ポンド、少なくとも17,500ポンド、少なくとも20,000ポンド、少なくとも22,500ポンド、少なくとも25,000ポンド、少なくとも27,500ポンド、少なくとも30,000ポンド、又は少なくとも32,500ポンド、及び/又は毎時100万ポンド以下、75万ポンド以下、50万ポンド以下、45万ポンド以下、40万ポンド以下、35万ポンド以下、30万ポンド以下、25万ポンド以下、20万ポンド以下、15万ポンド以下、10万ポンド以下、7.5万ポンド以下、5万ポンド以下、又は4万ポンド以下であってもよい。設備が2つ以上の供給流を含む場合は、平均年間供給量は、供給流の合計重量に基づいて決定される。
【0018】
[0033]さらに当然のことだが、前処理設備20、加溶媒分解設備30、熱分解設備60、クラッキング設備70、POXガス化設備50、エネルギー回収設備80、及びその他の設備90の各々は、直列又は並列に動作する複数の装置を含んでもよい。例えば、熱分解設備60は、並列に動作する複数の熱分解反応容器/装置を含み、それぞれが廃プラスチックを含む供給物を受け取ってもよい。設備が複数の個々の装置で構成される場合は、設備への平均年間供給量は、その設備内の共通する装置の全てへの平均年間供給量の合計として計算される。
【0019】
[0034]さらに、一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、化学的再生処理施設10(すなわち、前処理設備20、加溶媒分解設備30、熱分解設備60、クラッキング設備70、POXガス化設備50、エネルギー回収設備80、及びその他の設備90のいずれか1つ)は、連続運転することができる。それに加えて、或いはその代わりに、化学的再生処理施設10の少なくとも一部(すなわち、前処理設備20、加溶媒分解設備30、熱分解設備60、クラッキング設備70、POXガス化設備50、エネルギー回収設備80、及びその他の設備90のいずれか)は、バッチ又は半バッチで運転されてもよい。場合によっては、設備は、単一の設備の複数の部分の間又は2つ以上の異なる設備の間に複数のタンクを含み、在庫を管理し、各設備又はその一部への一貫した流量を確保してもよい。
【0020】
[0035]また、図1a及び図1bに示した設備のうちの2つ以上の設備を互いに共同設置してもよい。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、又は全ての設備を、共同設置してもよい。本明細書で使用する用語「共同設置」は、処理流、及び/又は支援装備若しくはサービスの少なくとも一部が2つの設備間で共有される設備を意味する。図1a及び1bに示される2つ以上の設備が共同設置される場合は、これらの設備は、以下の基準(i)~(v)の少なくとも1つを満たせばよい:(i)設備は、少なくとも1つの非住宅用ユーテリティーサービスを共有する;(ii)設備は、少なくとも1つのサービスグループを共有する;(iii)設備は、少なくとも1つの敷地境界を共有する関係者によって所有、及び/又は運営される;(iv)設備は、少なくとも1つの処理物質(例えば、設備に供給される、設備で使用される、又は設備で生成される固体、液体、及び/又は気体)を1つの設備から別の設備に運ぶように構成された少なくとも1つの導管によって接続されている;さらに(v)設備は、地理的中心から測定して互いに40マイル以内、35マイル以内、30マイル以内、20マイル以内、15マイル以内、12マイル以内、10マイル以内、8マイル以内、5マイル以内、2マイル以内又は1マイル以内である。上記(i)~(v)のうちの、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、又は全てが当てはまってもよい。
【0021】
[0036]基準(i)に関しては、蒸気システム(熱電供給及び配電システム)、冷却水システム、熱伝達流体システム、プラント又は計装空気システム、窒素システム、水素システム、非住宅用発電及び配電(8000V以上の配電を含む)、非住宅用廃水/下水システム、貯蔵設備、輸送ライン、照明システム、これらの組み合わせなどが、適切なユーテリティーサービスの例として挙げられるが、これだけには留まらない。
【0022】
[0037]基準(ii)に関しては、サービスグループ及び設備の例として、救急隊員(消防、及び/又は医療)、第三者業者、国又は地方政府の監督群、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。政府監督群には、例えば、規制機関又は環境機関、並びに市、郡、及び州レベルの自治体及び課税機関が含まれてもよい。
【0023】
[0038]基準(iii)に関しては、境界は、例えば、柵線、敷地境界、門、又は第三者の所有する土地や設備の少なくとも1つの境界と共通の境界であってもよい。
[0039]基準(iv)に関しては、導管は、気体、液体、固体/液体混合物(例えばスラリー)、固体/気体混合物(例えば空気輸送)、固体/液体/気体混合物、又は固体(例えばベルト輸送)を輸送する流体導管でよい。場合によっては、2つの装置が、上記のリストから選択された1つ以上の導管を共有してもよい。流体導管は、2つの装置間で処理流又はユーティリティを輸送するのに使用されてもよい。例えば、1つの設備(例えば加溶媒分解設備30)の出口は、別の設備(例えばPOXガス化設備50)の入口と導管を経て流体的に接続されてもよい。場合によっては、1つの設備の出口と別の設備の入口との間の導管内に搬送される材料用の中間貯蔵システムが提供されることがある。中間貯蔵システムは、例えば導管によって運ばれる材料を貯蔵するように構成された1つ以上のタンク、容器(開放型又は閉鎖型)、建物、又はコンテナを含んでもよい。場合によっては、ある設備の出口と別の設備の入口との間の中間貯蔵量は、90日分以内、75日分以内、60日分以内、40日分以内、30日分以内、25日分以内、20日分以内、15日分以内、10日分以内、5日分以内、2日分以内、又は1日分以内とすることができる。
【0024】
[0040]図1a及び1bに戻って、混合プラスチック廃棄物(MPW)であってもよい廃プラスチック流100を、化学的再生処理施設10に導入してもよい。本明細書で使用する用語「廃プラスチック」及び「プラスチック廃棄物」は、一般的に埋立地に送られるプラスチック材料などの、使用済み、スクラップ、及び/又は廃プラスチック材料を意味する。廃プラスチック(又はプラスチック廃棄物)の他の例には、典型的には焼却炉に送られる使用済み、スクラップ、及び/又は廃プラスチック材料が含まれる。化学的再生処理施設10に供給される廃プラスチック流100は、未処理又は部分処理された廃プラスチックを含んでもよい。本明細書で使用する用語「未処理廃プラスチック」は、自動化又は機械化された選別、洗浄、又は粉砕に供されていない廃プラスチックを意味する。未処理の廃プラスチックの例としては、家庭の道路際にあるプラスチック回収容器や地域の共有プラスチック回収容器から回収された廃プラスチックが挙げられる。本明細書で使用する用語「部分処理廃プラスチック」は、少なくとも1つの自動化又は機械化された選別、洗浄、粉砕工程又は過程に供された廃プラスチックを意味する。部分処理廃プラスチックは、例えば、自治体の再生処理施設(MRF)又は再生業者から発生することがある。部分処理廃プラスチックが化学的再生処理施設10に提供される場合は、1つ以上の前処理工程が省略されることがある。廃プラスチックは、ポストインダストリアル(又はプレコンシューマー)プラスチック、及び/又はポストコンシューマ―プラスチックの少なくとも一方を含んでいてもよい。
【0025】
[0041]本明細書で使用する用語「混合プラスチック廃棄物」及び「MPW」は、次の種類のプラスチック、すなわち、ポリエチレンテレフタラート(PET)、1種以上のポリオレフィン(PO)、及びポリ塩化ビニル(PVC)を含むが、これらに限らない廃プラスチックのうちの少なくとも2種類の廃プラスチックの混合物を意味する。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、MPWは少なくとも2種類の異なるプラスチックを含む。各種のプラスチックは、MPW中のプラスチックの総重量に基づいて、少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、又は少なくとも20重量%の量で存在する。
【0026】
[0042]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、MPWは、MPW中のプラスチックの総重量基準で、少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、又は少なくとも99重量%のPET、及び/又は少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、又は少なくとも20重量%のPOを含む。1つ以上の態様において、MPWはまた、MPW中のプラスチックの総重量基準で、合計50重量%未満、45重量%未満、40重量%未満、35重量%未満、30重量%未満、25重量%未満、20重量%未満、15重量%未満、10重量%未満、5重量%未満、2重量%未満、又は1重量%未満のPET及びPO(及び任意にPVC)以外の少量の1種類以上のプラスチック成分を含んでもよい。
【0027】
[0043]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、MPWは、流れの総重量に基づいて、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%のPETを含む。その代わりあるいはそれに加えて、MPWは、流れの総重量に基づいて、99.9重量%以下、99重量%以下、97重量%以下、92重量%以下、90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、65重量%以下、60重量%以下、55重量%以下、50重量%以下、45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、又は5重量%以下のPETを含む。
【0028】
[0044]MPW流は、流れの総重量基準で、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、少なくとも5重量%、少なくとも7重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、又は少なくとも35重量%、及び/又は80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、65重量%以下、60重量%以下、55重量%以下、50重量%以下、45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、又は7重量%以下の量で非PET成分を含んでもよい。非PET成分は、流れの総重量基準で、0.1~50重量%、1~20重量%、又は2~10重量%の間の量で存在してもよい。そのような非PET成分の例としては、鉄及び非鉄金属、不活性物質(岩石、ガラス、砂など)、プラスチックに不活性な物質(二酸化チタン、二酸化ケイ素など)、オレフィン、接着剤、相溶化剤、生物汚泥、セルロース系材料(段ボール、紙など)、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0029】
[0045]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、MPWの全て又は一部は、自治体由来、又は自治体廃棄物を含んでもよい。MPWの自治体廃棄物の部分は、例えば、自治体廃棄物流(又は流れの一部)の総重量基準で、45~95重量%、50~90重量%、又は55~85重量%の量でPETを含んでもよい。
【0030】
[0046]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、MPWの全て又は一部は、自治体再生設備処理(MRF)に由来してもよく、例えば、流れの総重量基準で、65~99.9重量%、70~99重量%、又は80~97重量%の量でPETを含んでもよい。このような流中の非PET成分は、例えば、流れの総重量基準で、少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、少なくとも5重量%、少なくとも7重量%、又は少なくとも10重量%、及び/又は25重量%以下、22重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、12重量%以下、又は10重量%以下の量で他のプラスチックを含んでもよく、あるいは1~22重量%、2~15重量%又は5~12重量%の範囲の量で存在してもよい。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、非PET成分は、特に例えばMPWが色付きの選別プラスチックを含む場合は、流れの総重量基準で、2~35重量%、5~30重量%、又は10~25重量%の範囲の量で他のプラスチックを含んでもよい。
【0031】
[0047]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、MPWの全て又は一部は、再生処理設備に由来することができ、例えば、流れの総重量基準で、85~99.9重量%、90~99.9重量%、又は95~99重量%の量でPETを含んでもよい。このような流れの中の非PET成分は、例えば、流れの総重量基準で、少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、少なくとも5重量%、少なくとも7重量%、又は少なくとも10重量%、及び/又は25重量%以下、22重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、12重量%以下、又は10重量%以下の量で他のプラスチックを含んでもよく、あるいは流れの総重量基準で、1~22重量%、2~15重量%又は5~12重量%の範囲の量で存在してもよい。
【0032】
[0048]本明細書で使用する用語「プラスチック」は、25℃、1気圧で固体の任意の有機合成重合体を包含してもよい。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、この重合体は、少なくとも75ダルトン、又は少なくとも100ダルトン、又は少なくとも125ダルトン、又は少なくとも150ダルトン、又は少なくとも300ダルトン、又は少なくとも500ダルトン、又は少なくとも1,000ダルトン、又は少なくとも5,000ダルトン、又は少なくとも10,000ダルトン、又は少なくとも20,000ダルトン、又は少なくとも30,000ダルトン、又は少なくとも50,000ダルトン、又は少なくとも70,000ダルトン、又は少なくとも90,000ダルトン、又は少なくとも100,000ダルトン、又は少なくとも130,000ダルトンの数平均分子量(Mn)を有することができる。この重合体の重量平均分子量(Mw)は、少なくとも300ダルトン、又は少なくとも500ダルトン、又は少なくとも1,000ダルトン、又は少なくとも5,000ダルトン、又は少なくとも10,000ダルトン、又は少なくとも20,000ダルトン、又は少なくとも30,000ダルトン、又は少なくとも50,000ダルトン、又は少なくとも70,000ダルトン、又は少なくとも90,000ダルトン、又は少なくとも100,000ダルトン、又は少なくとも130,000ダルトン、又は少なくとも150,000ダルトン、又は少なくとも300,000ダルトンであってもよい。
【0033】
[0049]適切なプラスチックの例としては、芳香族及び脂肪族ポリエステル、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン、アクリロブタジエンスチレン(ABS)、セルロース系、エポキシド、ポリアミド、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリカルボナート、ポリフェニレン系アロイ、ポリメタクリル酸メチル、スチレン系重合体、ポリウレタン、ビニル系重合体、スチレンアクリロニトリル、タイヤ材料以外の熱可塑性エラストマー、尿素含有重合体、及びメラミンが挙げられるが、それらに限定はされない。
【0034】
[0050]ポリエステルの例としては、芳香族又は環状単位の反復を有するもの、例えばテレフタラート、イソフタラート、ナフタラート反復単位を有するもの、具体的にはPET、変性PET、PEN、フラナート反復単位を含むものを挙げることができる。ポリエチレンテレフタラート(PET)もまた、好適なポリエステルの一例である。本明細書で使用される用語「PET」又は「ポリエチレンテレフタラート」は、ポリエチレンテレフタラートの単独重合体、又は1種以上の酸、及び/又はグリコール修飾剤で修飾されたポリエチレンテレフタラート、及び/又はエチレングリコール及びテレフタル酸以外、例えば、イソフタル酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、ジエチレングリコール、2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール(TMCD)、シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、プロピレングリコール、イソソルビド、1,4-ブタンジオール、1,3-プロピルジオール、及び/又はネオペンチルグリコール(NPG)の残基又は部分を含むポリエチレンテレフタラートを意味する。
【0035】
[0051]さらに、用語「PET」及び「ポリエチレンテレフタラート」の定義に含まれるのは、テレフタラート反復単位(エチレングリコール系反復単位を含むか否かにかかわらず)及び1つ以上の残基又は部分を有するポリエステル、例えば、TMCD、CHDM、プロピレングリコール、又はNPG、イソソルビド、1,4-ブタンジオール、1,3-プロパンジオール、及び/又はジエチレングリコール、又はそれらの組合せが挙げられる。テレフタラート反復単位を有する重合体の例としては、ポリプロピレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート、及びそれらのコポリエステルが挙げられるが、これらに限定はされない。脂肪族ポリエステルの例としては、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、及びポリエチレンアジパートが挙げられるが、これらに限定はされない。重合体は、例えば、混合テレフタラート/アジパートを含む混合脂肪族-芳香族コポリエステルを含んでもよい。
【0036】
[0052]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、廃プラスチックは、テレフタラート反復単位を有する少なくとも1種のプラスチックを含んでもよく、そのようなプラスチックは、流れの総重量基準で、少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、又は少なくとも30重量%、及び/又は45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、又は2重量%以下の量で存在し、あるいは流れの総重量基準で、1~45重量%、2~40重量%、又は5~40重量%の範囲で存在してもよい。複数のシクロヘキサンジメタノール部分、2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール部分、又はそれらの組み合わせを有する同様の量のコポリエステルも存在してもよい。
【0037】
[0053]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、廃プラスチックは、テレフタラート反復単位を有する少なくとも1種のプラスチックを含んでもよく、そのようなプラスチックは流れの総重量基準で、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、又は少なくとも90重量%、及び/又は99.9重量%以下、99重量%以下、97重量%以下、95重量%以下、90重量%以下、又は85重量%以下の量で存在し、あるいは、流れの総重量基準で、30~99.9重量%、50~99.9重量%、又は75~99重量%の範囲で存在してもよい。
【0038】
[0054]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、廃プラスチックは、廃プラスチック流中のプラスチックの総重量基準で、少なくとも1重量%、少なくとも5重量%,少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、又は少なくとも45重量%、及び/又は75重量%以下、72重量%以下、70重量%以下、60重量%以下、又は65重量%以下の量のテレフタラート反復単位を含んでもよく、あるいは、1~75重量%、5~70重量%、又は25~75重量%の範囲の量でテレフタラート反復単位を含んでもよい。
【0039】
[0055]具体的なポリオレフィンの例としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、アタクチックポリプロピレン、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、架橋ポリエチレン、非晶質ポリオレフィン、及び前記ポリオレフィンのいずれか1つの共重合体を挙げることができる。廃プラスチックは、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリメチルペンテン、ポリブテン-1、及びこれらの共重合体を含む重合体を含んでもよい。廃プラスチックは、フラッシュスパン高密度ポリエチレンを含んでもよい。
【0040】
[0056]廃プラスチックは、熱可塑性重合体、熱硬化性重合体、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、廃プラスチックは、流れの総重量基準で、少なくとも0.1重量%、少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、又は少なくとも30重量%、及び/又は45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、又は2重量%以下の1種以上の熱硬化性重合体を含んでもよく、あるいは流れの総重量基準で、0.1~45重量%、1~40重量%、2~35重量%、又は2~20重量%の量で存在してもよい。
【0041】
[0057]その代わりあるいはそれに加えて、廃プラスチックは、流れの総重量基準で、少なくとも0.1重量%、少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、あるいは少なくとも30重量%、及び/又は45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、あるいは2重量%以下のセルロース材料を含んでもよく、あるいは流れの総重量基準で、0.1~45重量%、1~40重量%、又は2~15重量%の範囲の量で存在してもよい。セルロース材料の例としては、酢酸セルロース、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、及びビスコースなどの再生セルロースを挙げることができる。さらに、セルロース材料はまた、アシル置換度が3未満、2.9以下、2.8以下、2.7以下、又は2.6以下、及び/又は少なくとも1.7、少なくとも1.8、又は少なくとも1.9、あるいは1.8~2.8、又は1.7~2.9、又は1.9~2.9のセルロース誘導体を含んでもよい。
【0042】
[0058]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、廃プラスチックは、STYROFOAM(登録商標)又は発泡ポリスチレンを含んでもよい。
[0059]廃プラスチックは、いくつかの供給源のうちの1つ以上に由来していてもよい。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、廃プラスチックは、プラスチックボトル、おむつ、眼鏡フレーム、フィルム、包装材料、カーペット(住宅、商業、及び/又は自動車)、テキスタイル(衣類及び他のファブリック)及びこれらの組み合わせに由来してもよい。
【0043】
[0060]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、化学的再生処理施設に供給される廃プラスチック(例えばMPW)は、SPIによって定められた追いかけ矢印の三角形の1~7番の樹脂識別記号を有する、又はその樹脂で得られる1種以上のプラスチックを含んでもよい。また廃プラスチックは、一般に機械的に再生処理されていない1種以上のプラスチックを含んでもよい。このようなプラスチックとしては、樹脂識別記号3(ポリ塩化ビニル)、樹脂識別記号5(ポリプロピレン)、樹脂識別記号6(ポリスチレン)、及び/又は樹脂識別記号7(その他)のプラスチックを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、樹脂識別記号3~7又は3、5、6、7のうちの少なくとも1種、少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも4種、少なくとも5種、又はそれらの組み合わせを有するプラスチックは、廃プラスチック中に、プラスチックの総重量基準で、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、少なくとも3重量%、少なくとも5重量%、少なくとも7重量%、少なくとも10重量%、少なくとも12重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、又は少なくとも40重量%、及び/又は90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、65重量%以下、60重量%以下、55重量%以下、50重量%以下、45重量%以下、40重量%以下、又は35重量%以下の量で存在してもよく、あるいはプラスチックの総重量基準で、0.1~90重量%、1~75重量%、又は2~50重量%の量であってもよい。
【0044】
[0061]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、化学的再生処理施設に供給される廃プラスチック中の総プラスチック成分の少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、又は少なくとも35重量%、及び/又は60重量%以下、55重量%以下、50重量%以下、45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、又は5重量%以下は、樹脂識別記号3、5、6、及び/又は7を持たないプラスチック(例えば、プラスチックが分類されていない場合)を含んでもよい。化学的再生処理施設10に供給される廃プラスチック中の総プラスチック成分の少なくとも0.1重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、少なくとも3重量%、少なくとも4重量%、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、又は少なくとも35重量%、及び/又は60重量%以下、55重量%以下、50重量%以下、45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、又は5重量%以下は、樹脂識別記号4~7を持たないプラスチックを含んでもよく、あるいはこのようなプラスチックは、プラスチック成分の総重量基準で、0.1~60重量%、1~55重量%、又は2~45重量%の範囲にあってもよい。
【0045】
[0062]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、化学的再生処理施設に供給される廃プラスチック(例えばMPW)は、樹脂識別記号3~7又は識別記号3、5、6、又は7に分類されないプラスチックを含んでもよい。廃プラスチック中の樹脂の識別記号3~7又は識別記号3、5、6、又は7に分類されないプラスチックの総量は、廃プラスチック流中のプラスチックの総重量基準で、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、少なくとも3重量%、少なくとも4重量%、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、又は少なくとも75重量%、及び/又は95重量%以下、90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、65重量%以下、60重量%以下、55重量%以下、50重量%以下、45重量%以下、40重量%以下、又は35重量%以下であってもよく、あるいは、廃プラスチック流中のプラスチックの総重量基準で、0.1~95重量%、0.5~90重量%、又は1~80重量%の範囲にあってもよい。
【0046】
[0063]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、MPWは、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、又は少なくとも99重量%の、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、又は少なくとも4種類の樹脂識別記号を有するプラスチック又はそれから得られたプラスチックを含む。
【0047】
[0064]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、MPWは多成分重合体を含む。本明細書で使用する用語「多成分重合体」は、少なくとも1種の他の重合体、及び/又は非重合体固体を結合、付着、あるいは物理的及び/又は化学的に結合した少なくとも1種の合成又は天然重合体を含む物品、及び/又は粒子を意味する。重合体は、PET、オレフィン、及び/又はナイロンのような合成重合体又はプラスチックであってもよい。非重合体固体は、アルミニウムなどの金属、又は本明細書に記載の他の非重合体固体であってもよい。多成分重合体は、金属化プラスチックを含んでもよい。
【0048】
[0065]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、MPWは、多層重合体の形態の多成分プラスチックを含む。本明細書で使用する用語「多層重合体」は、PETと少なくとも1種の他の重合体及び/又は非重合体固体が物理的及び/又は化学的に一緒になって、2つ以上の物理的に異なる層になった多成分重合体を意味する。重合体又はプラスチックは、接着層や共押出し層に存在するような2層間に移行領域が存在していても、多層重合体と見做される。2つの層の間の接着剤は層とは見做されない。多層重合体は、PETを含む層及び1つ以上の追加層(そのうちの少なくとも1層はPETとは異なる合成又は天然重合体である)、又はエチレンテフタラート反復単位を持たない重合体、又はアルキレンテフタラート反復単位を持たない重合体(「非PET重合体層」)、又は他の非重合体固体を含んでもよい。
【0049】
[0066]非PET重合体層の例としては、ナイロン、ポリ乳酸、ポリオレフィン、ポリカルボナート、エチレンビニルアルコール、ポリビニルアルコール、及び/又はPET含有物品、及び/又は粒子に関連する他のプラスチック若しくはプラスチックフィルム、並びに乳清タンパク質などの天然重合体が挙げられる。多層重合体は、アルミニウムなどの金属層を含んでもよいが、PET層以外の少なくとも1つの追加の重合体層が存在することが条件である。各層は、接着結合又は他の手段で接着され、物理的に隣接し(すなわち、物品がフィルムに押し付けられる)、粘着力が高められ(すなわち、プラスチックが加熱されて一緒に貼り付く)、プラスチックフィルムに共押出され、又は他の方法でPET含有物品に取り付けられてもよい。多層重合体は、同一又は類似の方法で他のプラスチックを含む物品と結合されたPETフィルムを含んでもよい。MPWは、単一の物理相に結合されたPET及び少なくとも1種の他のプラスチック、例えばポリオレフィン(具体的には、ポリプロピレン)、及び/又は合成若しくは天然重合体を含んでもよい。例えばMPWは、単一の物理相に結合された相溶化剤、PET、及び少なくとも1種の他の合成又は天然重合体プラスチック(例えば、非PETプラスチック)を含む不均質混合物を含む。本明細書で使用する用語「相溶化剤」は、物理的混合物(すなわちブレンド)中で、少なくとも2種の他の方法では混じり合わない重合体を一緒に結合させることができる薬剤を意味する。
【0050】
[0067]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、MPWは、乾燥プラスチック基準で、20重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、2重量%以下、1重量%以下、又は0.1重量%以下のナイロンを含む。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、MPWは、乾燥プラスチック基準で、0.01~20重量%、0.05~10重量%、0.1~5重量%、又は1~2重量%のナイロンを含む。
【0051】
[0068]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、MPWは、乾燥プラスチック基準で、40重量%以下、20重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、2重量%以下、又は1重量%以下の多成分プラスチックを含む。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、MPWは、乾燥プラスチック基準で、0.1~40重量%、1~20重量%、又は2~10重量%の多成分プラスチックを含む。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、MPWは、乾燥プラスチック基準で、40重量%以下、20重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、2重量%以下、又は1重量%以下の多層プラスチックを含む。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、MPWは、乾燥プラスチック基準で、0.1~40重量%、1~20重量%、又は2~10重量%の多層プラスチックを含む。
【0052】
[0069]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、流れ100中の化学的再生処理施設10へのMPW原料は、乾燥物基準でMPW原料の総重量を100重量%として、20重量%以下、15重量%以下、12重量%以下、10重量%以下、8重量%以下、6重量%以下、5重量%以下、4重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、又は1重量%の生物学的廃棄材料を含む。MPW原料は、乾燥物基準でMPW原料の総重量を100%として、0.01~20重量%、0.1~10重量%、0.2~5重量%、又は0.5~1重量%の生物学的廃棄材料を含む。本明細書で使用する用語「生物学的廃棄材料」は、生物に由来する物質又は有機物由来の物質を意味する。例示的な生物学的廃棄材料には、綿、木材、おがくず、生ごみ、動物及び動物の一部、植物及び植物の一部、及び糞尿が含まれるが、これらに限定はされない。
【0053】
[0070]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、MPW原料は、乾燥物基準でMPW原料の総重量を100重量%として、20重量%以下、15重量%以下、12重量%以下、10重量%以下、8重量%以下、6重量%以下、5重量%以下、4重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、又は1重量%以下の加工セルロース製品を含む。MPW原料は、乾燥物基準でMPW原料の総重量を100重量%として、0.01~20重量%、0.1~10重量%、0.2~5重量%、又は0.5~1重量%の加工セルロース製品を含む。本明細書で使用する用語「加工セルロース製品」は、セルロース系繊維を含む非天然(すなわち、人工又は機械で作られた)物品、及びそのくずを意味する。例示的な加工セルロース製品には、紙及び段ボールが含まれるが、これらに限定はされない。
【0054】
[0071]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、化学的再生処理施設に供給される廃プラスチック(例えばMPW)は、化学的再生処理施設に供給される廃プラスチック供給物中のプラスチックの総重量基準で、少なくとも0.001重量%、少なくとも0.01重量%、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.1重量%、又は少なくとも0.25重量%、及び/又は10重量%以下、5重量%以下、4重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、1重量%以下、0.75重量%以下、又は0.5重量%以下のポリ塩化ビニル(PVC)を含んでもよい。
【0055】
[0072]さらにあるいはその代わりに、化学的再生処理施設に供給される廃プラスチック(例えばMPW)は、少なくとも0.1重量%、少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、少なくとも4重量%、又は少なくとも6重量%、及び/又は25重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、又は2.5重量%の非プラスチック固体を含んでもよい。非プラスチック固体は、不活性充填材(例えば、炭酸カルシウム、含水ケイ酸アルミニウム、アルミナ三水和物、硫酸カルシウム)、岩石、ガラス、及び/又は添加剤(例えば、揺変剤、顔料及び着色剤、難燃剤、抑制剤、紫外線抑制剤及び安定剤、導電性金属又はカーボン、ステアリン酸亜鉛などの離型剤、ロウ、シリコーン)などを含んでもよい。
【0056】
[0073]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、MPWは、MPW流又は組成物の総重量基準で、少なくとも0.01重量%、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.5重量%、又は少なくとも1重量%、及び/又は25重量%以下、20重量%以下、25重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、又は2.5重量%以下の液体を含んでもよい。MPW中の液体の量は、MPW流100の総重量基準で、0.01~25重量%、0.5~10重量%、又は1~5重量%の範囲にあってもよい。
【0057】
[0074]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、MPWは、廃プラスチックの総重量基準で、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、又は少なくとも55重量%、及び/又は65重量%以下、60重量%以下、55重量%以下、50重量%以下、45重量%以下、40重量%以下、又は35重量%の液体を含んでもよい。廃プラスチック中の液体は、廃プラスチックの総重量基準で、35~65重量%、40~60重量%、又は45~55重量%の範囲にあってもよい。
【0058】
[0075]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、ラインでのMPW流100中のテキスタイル(テキスタイル繊維を含む)の量は、MPWの重量基準で、少なくとも0.1重量%、又は少なくとも0.5重量%、又は少なくとも1重量%、又は少なくとも2重量%、又は少なくとも5重量%、又は少なくとも8重量%、又は少なくとも10重量%、又は少なくとも15重量%、又は少なくとも20重量%のテキスタイル又はテキスタイル繊維から得られた材料であってもよい。流れ100のMPWに含まれるテキスタイル(テキスタイル繊維を含む)の量は、MPW流100の重量基準で、50重量%以下、40重量%以下、30重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、8重量%以下、5重量%以下、2重量%以下、1重量%以下、0.5重量%以下、0.1重量%以下、0.05重量%以下、0.01重量%以下、又は0.001重量%以下の範囲にあってもよい。MPW流100中のテキスタイルの量は、MPW流100の総重量基準で、0.1~50重量%、5~40重量%、又は10~30重量%の範囲にあってもよい。
【0059】
[0076]化学的再生処理施設10に導入されるMPWは、再生テキスタイルを含んでもよい。テキスタイルは、天然及び/又は合成繊維、粗紡、ヤーン、不織布、生地、ファブリック、及び前述の品目のいずれかから作られた、あるいはそれらを含む製品を含んでもよい。テキスタイルは織る、編む、結ぶ、縫う、あるいは房状にすることができ、圧縮繊維、例えばフェルト、刺繍、レース、かぎ針編み、編組を含んでもよく、あるいは不織布及び材料を含んでもよい。テキスタイルとしては、ファブリック、及びテキスタイルから分離された繊維、又は繊維を含む他の製品、屑又は規格外の繊維若しくはヤーン若しくはファブリック、又はその他の束ねられていないファブリック及びヤーンの供給源を挙げることができる。テキスタイルとしては、短繊維、連続繊維、糸、繊維束、撚糸、及び/又は紡績糸、ヤーンから作られた生機のファブリック、生機のファブリックを湿式加工して製造された完成品のファブリック、完成品のファブリック又はその他のファブリックから作られた衣類も含まれてもよい。テキスタイルには、衣服、インテリア家具、及び産業用の種類のテキスタイルが含まれる。テキスタイルには、ポストインダストリアル(プレコンシューマー)テキスタイル若しくはポストコンシューマ―テキスタイル、又はその両方が含まれてもよい。
【0060】
[0077]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、テキスタイルは、人間が身に着ける、あるいは身体のために作られたものとして一般に定義できる衣服を含んでもよい。このようなテキスタイルとしては、スポーツコート、スーツ、ズボン、及びカジュアルパンツ若しくはワークパンツ、シャツ、ソックス、スポーツウェア、ドレス、下着、上着(レインジャケット、防寒ジャケット及びコートなど)、セーター、防護服、ユニフォーム、アクセサリー(スカーフ、帽子、手袋など)を挙げることができる。インテリア家具類のテキスタイルの例としては、家具の室内装飾品及びスリップカバー、カーペット及びラグ、カーテン、寝具(シーツ、枕カバー、羽毛布団、掛け布団、マットレスカバーなど)、リネン、テーブルクロス、タオル、手ぬぐい、及び毛布が挙げられる。産業用テキスタイルの例としては、輸送手段(自動車、飛行機、電車、バス)の座席、フロアマット、トランクライナー、及び天井材;屋外用家具及びクッション、テント、バックパック、旅行かばん、ロープ、コンベアベルト、圧延フェルト、磨き布、雑巾、土壌浸食防止布及びジオテキスタイル、農業用マット及びスクリーン、個人用保護具、防弾チョッキ、医療用包帯、縫合糸、テープなどが挙げられる。
【0061】
[0078]テキスタイルとして分類される不織布には、湿式不織布及びそれから製造された物品の類は含まれない。同じ機能を有する様々な物品を乾式法又は湿式法で製造することができるが、乾式不織布から製造された物品をテキスタイルとして分類する。本明細書に記載の乾式不織布から形成される適切な物品の例としては、個人用、消費者用、産業用、食品提供用、医療用、及び他の最終用途のためのものを挙げることができる。具体例としては、乳児用おしりふき、流せるおしりふき、使い捨ておむつ、トレーニングパンツ、女性用衛生用品(生理用ナプキンやタンポンなど)、大人用失禁パッド、下着、又はブリーフ、及びペット用トレーニングパッドなどを挙げることができるが、これらに限定はされない。他の例としては、消費者向け(個人のケア又は家庭用)及び産業用途(食品提供、健康管理、又は専門分野など)を含む、様々な乾式又は湿式の拭き取り繊維が挙げられる。不織布は、枕、マットレス、及び室内装飾品の詰め物、ならびにキルトや掛け布団の詰め物としても使用できる。医療及び産業分野では、本発明の不織布を、消費者用、医療用、及び産業用フェイスマスク、防護服、帽子、及び靴カバー、使い捨てシート、手術用ガウン、滅菌布、包帯、及び包帯剤に使用することができる。
【0062】
[0079]また、本明細書に記載の不織布は、環境用ファブリック、例えばジオテキスタイル及び防水布、油及び化学薬品吸収パッド、ならびに建築用材料、例えば防音又は断熱材、テント、材木及び土壌のカバー及びシートに使用することができる。不織布をその他の消費者用最終用途、例えばカーペットの裏地、消費者用、産業用、農業用の物品の梱包、断熱材又は防音材、及び様々な種類の衣服にも使用してもよい。
【0063】
[0080]本明細書に記載の乾式不織布を、輸送手段(例えば、自動車又は飛行機)、商業、住宅、工業、又は他の特殊用途を含む様々な濾過用途に使用してもよい。例としては、消費者向け又は工業用の空気又は液体フィルター(ガソリン、油、水など)のフィルター要素、例えば精密濾過に用いられるナノ繊維ウェブ、さらにはティーバッグ、コーヒーフィルター、ドライヤーシートなどの最終用途を挙げることができる。さらに、本明細書に記載の不織ウェブを用いて自動車用の様々な部品(ブレーキパッド、トランクライナー、カーペット飾り房、及びアンダーパッドが挙げられるが、これらに限定はされない)を形成してもよい。
【0064】
[0081]テキスタイルは、一種類又は複数種類の天然繊維、及び/又は一種類又は複数種類の合成繊維を含んでもよい。テキスタイル用繊維の組合せの例としては、全て天然繊維、全て合成繊維、2種類以上の天然繊維、2種類以上の合成繊維、1種類の天然繊維と1種類の合成繊維、1種類の天然繊維と2種類以上の合成繊維、2種類以上の天然繊維と1種類の合成繊維、及び2種類以上の天然繊維と2種類以上の合成繊維が挙げられる。
【0065】
[0082]天然繊維は、植物由来のもの又は動物由来のものを含む。天然繊維としては、セルロース、ヘミセルロース、及びリグニンが挙げられる。植物由来の天然繊維の例としては、広葉樹パルプ、針葉樹パルプ、及び木粉、ならびに他の植物繊維、例えばコムギわら、イネわら、アバカ、ココヤシ繊維、綿、亜麻、麻、ジュート、バガス、カポック、パピルス、ラミー、ラタン、つる、ケナフ、アバカ、ヘネケン、サイザル麻、大豆、穀物わら、竹、葦、エスパルト草、バガス、サバイ草、トウワタフロス繊維、パイナップル葉繊維、スイッチグラス、リグニン含有植物などが挙げられる。動物由来繊維の例としては、羊毛、絹、モヘア、カシミア、山羊毛、馬毛、鳥類繊維、ラクダ毛、アンゴラ毛、及びアルパカ毛が挙げられる。
【0066】
[0083]合成繊維は、少なくとも部分的に化学反応によって合成あるいは誘導された繊維、又は再生繊維であり、レーヨン、ビスコース、シルケット加工繊維、又は他の種類の再生セルロース(天然セルロースから可溶性セルロース誘導体への変換及びその後の再生)、例えばリヨセル(テンセル(商標)としても知られる)、キュプラ、モダール、ポリ酢酸ビニルなどのアセタート、ナイロンを含むポリアミド、PETなどのポリエステル、ポリプロピレンやポリエチレンなどのオレフィン系重合体、ポリカルボナート、ポリ硫酸塩、ポリスルホン、スパンデックス又はエラスタンとして知られるポリエーテル尿素などのポリエーテル、ポリアクリラート、アクリロニトリル共重合体、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、スルホポリエステル繊維、ならびにそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定はされない。
【0067】
[0084]化学的再生処理施設に入る前に、テキスタイルは、細断、寸断、破砕、混練、粉砕、又は切断によりサイズを小さくして、サイズ縮小テキスタイルを作ることができる。テキスタイルは、化学的再生処理施設に入る前に高密度化(例えば、ペレット化)することもできる。高密度化の例としては、押出成形(例えばペレット化)、成形(例えば押し固め)、及び凝集(例えば、外部から加えられる熱、摩擦力によって生じる熱、又は1種以上の付着剤(使用済み重合体自体でもよい)の添加による)が挙げられる。その代わりあるいはそれに加えて、テキスタイルは、本明細書に記載されたいずれの形態であってもよく、図1a及び図1bに示す化学的再生処理施設10の残りの設備で処理される前に、前処理設備20で既述の1つ以上の工程に曝されてもよい。
【0068】
[0085]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、ポリエチレンテレフタラート(PET)及び1種以上のポリオレフィン(PO)の組み合わせは、図1a及び1bの流れ100の化学的再生処理施設に供給される廃プラスチック(例えばMPW)の少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、又は少なくとも99重量%を占める。ポリ塩化ビニル(PVC)は、化学的再生処理施設10に導入される廃プラスチック中のプラスチックの総重量基準で、少なくとも0.001重量%、少なくとも0.01重量%、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.25重量%、又は少なくとも0.5重量%、及び/又は10重量%以下、5重量%以下、4重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、1重量%以下、0.75重量%以下、又は0.5重量%以下を占める。
【0069】
[0086]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、廃プラスチックは、化学的再生処理施設10に導入される廃プラスチック中のプラスチックの総重量基準で、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%のPETを含んでもよい。
【0070】
[0087]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、廃プラスチックは、廃プラスチック中のプラスチックの総重量基準で、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、及び/又は95重量%以下、90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、65重量%以下、60重量%以下、55重量%以下、50重量%以下、45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下のPOを含んでもよく、あるいはPOは化学的再生処理施設10に導入された廃プラスチック中のプラスチックの総重量基準で、5~75重量%、10~60重量%、又は20~35重量%の範囲の量で存在してもよい。
【0071】
[0088]化学的再生処理施設に導入された廃プラスチック(例えばMPW)は、自治体再生処理施設(MRF)又は再生処理施設又は他の機械的又は化学的選別又は分離施設、ポストインダストリアル及びプレコンシューマーの再生処理品を保有する製造業者、工場、商業生産施設又は小売業者又はディーラー又は卸売業者を含む様々な供給源から、家庭/事業者(未処理リサイクル品)、埋立地、収集センター、コンビニエンスセンターから直接、あるいは埠頭や船舶、倉庫に保管されているものから提供されてもよいが、これらに限定はされない。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、廃プラスチック(MPWなど)の供給源は、消費者が特定の回収可能な物品(プラスチック容器、ボトルなど)を預けて国から金銭的な払い戻しを受けることができる、預託金返還施設は含まれない。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、廃プラスチック(例えばMPW)の供給源は、消費者が特定の回収可能な物品(例えば、プラスチック容器、ボトルなど)を預けて国から金銭的な払い戻しを受けることができる、預託金返還施設を含む。このような返還施設は、例えば、食料品店で一般に見られる。
【0072】
[0089]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、廃プラスチックは、他の処理設備、例えば自治体の再生処理設備(MRF)や再生処理設備からの廃棄物流として、あるいは消費者によって分別され、歩道の縁石や中央コンビニエンス・ステーションで回収されるために残された廃プラスチックを含むプラスチック含有混合物として提供される場合がある。このような態様のうちの1つ以上において、廃プラスチックは、1つ以上のMRF製品又は副産物、再生機副産物、分別されたプラスチック含有混合物、及び/又はプラスチック製品製造設備からのPET含有廃プラスチックを含み、この廃プラスチックは、乾燥プラスチック基準で、少なくとも10重量%、少なくとも20重量%、少なくとも30重量%、少なくとも40重量%、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、又は少なくとも90重量%、及び/又は99.9重量%以下、99重量%以下、98重量%以下、97重量%以下、96重量%以下、又は95重量%以下のPETを含んでもよく、10~99.9重量%、20~99重量%、30~95重量%、又は40~90重量%のPETの範囲にあってもよい。
【0073】
[0090]このような態様のうちの1つ以上において、廃プラスチックは、乾燥プラスチック基準で、少なくとも1重量%、少なくとも10重量%、少なくとも30重量%、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、又は少なくとも90重量%、及び/又は99.9重量%以下、99重量%以下、又は90重量%以下のPETを含む所定量のPET含有再生副産物又はプラスチック含有混合物を含んでもよく、1~99.9重量%、1~99重量%、又は10~90重量%の範囲のPETであってもよい。再生設備は、高純度PET(少なくとも99重量%又は少なくとも99.9重量%)再生処理副産物を生産するが、機械的再生処理設備にとって望ましくない形態である過程を含むこともできる。本明細書で使用する用語「再生処理副産物」は、着色されたrPETを含む透明なrPET製品として回収されない、再生処理設備により分離又は回収されたあらゆる材料を意味する。上述及び下述の再生処理副産物は、一般に廃棄物とみなされ、埋立地に送られることがある。
【0074】
[0091]このような態様の1つ以上において、廃プラスチックは、乾燥プラスチック基準で少なくとも20重量%、少なくとも40重量%、少なくとも60重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、又は少なくとも99重量%、及び/又は99.9重量%以下のPETを含む所定量の再生機湿式微粉末を含む。このような態様のうちの1つ以上において、廃プラスチックは、乾燥プラスチック基準で、少なくとも1重量%、少なくとも10重量%、少なくとも20重量%、少なくとも40重量%、少なくとも60重量%、少なくとも80重量%、又は少なくとも90重量%、及び/又は99.9重量%以下、又は99重量%以下のPETを含む所定量の着色プラスチック含有混合物を含む。このような態様の1つ以上において、廃プラスチックは、金属、及び乾燥プラスチック基準で少なくとも0.1重量%、少なくとも1重量%、少なくとも10重量%、少なくとも20重量%、少なくとも40重量%、少なくとも60重量%、又は少なくとも80重量%、及び/又は99.9重量%以下、99重量%以下、又は98重量%以下のPETを含む所定量の渦電流廃棄流を含む。このような態様の1つ以上において、廃プラスチックは、乾燥プラスチック基準で、少なくとも0.1重量%、少なくとも1重量%、少なくとも10重量%、少なくとも20重量%、少なくとも40重量%、少なくとも60重量%、又は少なくとも80重量%、及び/又は99.9重量%以下、99重量%、又は98重量%以下のPETを含む所定量の再生機断片不合格品を含んでもよく、0.1~99.9重量%、1~99重量%、又は10~98重量%のPETの範囲にあってもよい。このような態様の1つ以上において、廃プラスチックは、乾燥プラスチック基準で、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも99重量%、少なくとも99.9重量%のPETを含む所定量の乾燥微粉を含む。
【0075】
[0092]化学的再生処理施設10は、本明細書に記載されるように廃プラスチック(例えばMPW)を受け入れる社会基盤を含んで、例えば、列車、トラック、及び/又は船舶を含む任意の適切な種類の車両による廃プラスチックの配送を容易にしてもよい。このような社会基盤は、車両からの廃プラスチックの荷降ろしを支援する施設、並びに荷降ろし区画から下流の処理区画に廃プラスチックを輸送する貯蔵施設及び1つ以上の輸送システムを含んでもよい。このような搬送システムは、例えば、空気圧コンベア、ベルトコンベア、バケットコンベア、振動コンベア、スクリューコンベア、カートオントラックコンベア、トウコンベア、トロリーコンベア、フロントエンドローダー、トラック、チェーンコンベアなどを含んでもよい。
【0076】
[0093]化学的再生処理施設10に導入される廃棄物(例えばMPW)は、物品丸ごと、粒子(例えば、粉砕、ペレット化、繊維状プラスチック粒子)、束ねた梱包物(例えば、物品全体を圧縮し帯をかけたもの)、束ねていない物品(すなわち、梱包物又はパッケージに入っていない)、容器(例えば、箱、袋、トレーラー、鉄道車両、ローダーバケット)、杭(例えば、建物のコンクリートスラブ上)、固体/液体スラリー(例えば、水中のプラスチックのポンプ搬送スラリー)、及び/又は物理的(例えば、コンベヤーベルト上の粒子)又は空気的(例えば、搬送管内で空気、及び/又は不活性ガスと混合された粒子)に搬送されたバラバラになった物質が挙げられる。
【0077】
[0094]本明細書で使用する用語「廃プラスチック粒子」は、D90が1インチ未満の廃プラスチックを意味する。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、廃プラスチック粒子は、MPW粒子であってもよい。廃プラスチック又はMPW粒子は、例えば、細断又は寸断された粉砕プラスチック粒子、又はプラスチックペレットを含んでもよい。丸ごと又はほぼ丸ごとの物品が化学的再生処理施設10(又は前処理設備20)に導入される場合は、1つ以上の粉砕又はペレット化工程がそこで使用されて、廃プラスチック粒子(例えばMPW粒子)を形成することができる。その代わりにあるいはそれに加えて、化学的再生処理施設10(又は前処理設備20)に導入される廃プラスチックの少なくとも一部は、既に粒子の形態であってもよい。
【0078】
[0095]次いで図1a及び1bに示される化学物質再生処理設備に存在し得る各設備の一般的な構成及び操作を、前処理設備から開始して以下に更に詳細に説明する。必要なら、図1a及び1bには示されていないが、化学物質再生処理設備からの流れの少なくとも1つは、産業埋立地又は他の同様の種類の処理又は処分設備に送られてもよい。
【0079】
前処理
[0096]図1a及び1bに示すように、混合プラスチック廃棄物(MPW)などの未処理、及び/又は部分処理廃プラスチックを、最初に流れ100を経て前処理設備20に導入してもよい。前処理設備20では、その流れを化学的再生処理に備えるため、1つ以上の処理工程にかけてもよい。本明細書で使用する用語「前処理」は、次の工程、すなわち(i)粉砕、(ii)粒子化、(iii)洗浄、(iv)乾燥、及び(v)分離の1つ以上を用いて廃プラスチックを化学的再生処理のために準備することを意味する。本明細書で使用する用語「前処理設備」は、廃プラスチックの前処理を行うのに必要な全ての機器、ライン、及び制御を含む設備を意味する。本明細書に記載される前処理設備は、以下にさらに詳細に記載されるこれらの工程のうちの1つ以上を用いて、化学的再生処理のための廃プラスチックの準備を行うための任意の適切な方法を採用することができる。
【0080】
粉砕及び粒子化
[0097]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、廃プラスチック(例えばMPW)を、未分別又は分別プラスチックの梱包物、あるいは他の大きな集合体の形で提供してもよい。梱包物や集合プラスチックは、最初に処理され、そこでバラバラにされる。プラスチック梱包物は、例えば、梱包物をバラバラにし、場合によっては梱包物を含むプラスチックを細断するように構成された歯や刃を備えた1つ以上の回転軸を含む解梱機に送られる。1つ以上の他の態様において、梱包又は集合プラスチックは裁断機に送られ、より小さなサイズのプラスチック片に切り刻まれる。開梱されたかつ/あるいは裁断機で切り刻まれたプラスチックは、ガラス、金属、石など、プラスチック以外の重い物質を除去する選別工程にかけられる。この選別は、手又は機械で行うことができる。選別機は、光学センサ、磁石、渦電流、抗力係数に基づいて分離する空気圧リフト又はコンベヤ、又は重い材料を識別し除去する篩いに頼ってもよい。
【0081】
[0098]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、廃プラスチック原料は、1インチ以上、0.75インチ以上、又は0.5インチ以上のD90を有するプラスチック固形物、例えば使用済み容器を含む。その代わりあるいはそれに加えて、廃プラスチック原料は、同時に1インチより大きい寸法を持つ複数のプラスチック固形物を含んでもよいが、固形物は圧縮、加圧、又はその他の方法で梱包物のような大きな単位に集約されていてもよい。プラスチック固形物の少なくとも一部又は全部が1インチより大きい、0.75インチより大きい、又は0.5インチより大きい少なくとも1つの寸法を有するこのような態様において、供給原料は、より小さな寸法を有するMPW粒子を提供するために、粉砕/粒断、細断、裁断機、寸断、又は他の粉砕過程などの機械的縮寸操作に供されてもよい。このような機械的縮寸操作は、破砕、圧縮、又はプラスチックを梱包物に形成すること以外の縮寸工程を含んでもよい。
【0082】
[0099]1つ以上の他の態様において、廃プラスチックは、すでに何らかの初期分離、及び/又は縮寸過程を経ていてもよい。特に廃プラスチックは、粒子又は薄片の形態であり、袋又は箱のような何らかの容器に入れられた状態で提供されてもよい。これらのプラスチック固形物の組成と受けた前処理の種類に依存し、プラスチック供給原料は解梱機、裁断機、及び/又は重量物除去工程を迂回して、造粒装置に直接進んでさらに寸法を小さくしてもよい。
【0083】
[0100]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、解梱又はバラバラにされたプラスチック固形物は、粉砕又は造粒装置に送られ、そこでプラスチック固形物は粉砕、細断、又は他の方法で縮寸される。プラスチック材料は、1インチ未満、3/4インチ未満、又は1/2インチ未満のD90粒子径を有する粒子にすることができる。1つ以上の他の態様において、造粒装置を出たプラスチック材料のD90粒子径は、1/16インチ~1インチ、1/8インチ~3/4インチ、1/4インチ~5/8インチ、又は3/8インチ~1/2インチである。
【0084】
洗浄及び乾燥
[0101]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、化学的再生処理施設に供給される未処理又は部分処理廃プラスチックは、廃プラスチックのそれ以前の使用に関連する様々な有機汚染物質又は残留物を含んでいる可能性がある。例えば、廃プラスチックは、特にプラスチック材料が食品や飲料の包装に使用された場合に、食品や飲料の汚れを含む可能性がある。従って、廃プラスチックは、微生物汚染物質、及び/又は微生物によって生成される化合物を含む可能性がある。廃プラスチックを構成するプラスチック固形物の表面に存在し得る例示的な微生物としては、大腸菌、サルモネラ菌、C.ディフィシル、黄色ブドウ球菌、L.モノサイトゲネス、S.エピデルミディス、緑膿菌、及びP.フルオロセンスが挙げられる。
【0085】
[0102]様々な微生物が悪臭の原因となる化合物を産生することがある。例示的な悪臭を引き起こす化合物には、硫化水素、硫化ジメチル、メタンチオール、プトレシン、カダベリン、トリメチルアミン、アンモニア、アセトアルデヒド、酢酸、プロパン酸、及び/又は酪酸が含まれる。従って、廃プラスチックは、臭気という厄介な懸念を呈する可能性があるのは当然である。従って、廃プラスチックは、さらに処理されるまで、輸送コンテナ、密閉鉄道車両、又は密閉トレーラーなどの密閉空間内に保管されてもよい。特定の態様において、未処理又は部分処理廃プラスチックは、廃プラスチックの処理(例えば、粉砕、洗浄、及び選別)が行われる場所に到達すると、1週間以内、5日以内、3日以内、2日以内、又は1日以内、密閉空間で保管することができる。
【0086】
[0103]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、前処理設備20は、抗菌特性を有する化学組成物で廃プラスチックを処理し、それによって処理された粒子状プラスチック固形物を形成する装置又はその工程を含んでもよい。態様によっては、この工程は、水酸化ナトリウム、高pH塩溶液(例えば炭酸カリウム)、又は他の抗菌組成物で廃プラスチックを処理することを含んでもよい。
【0087】
[0104]さらに一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、廃プラスチック(例えばMPW)を洗浄して、汚れ、ガラス、充填物などの無機質、非プラスチック固形物を除去する、かつ/あるいは細菌及び/又は食物などの生物学的成分を除去してもよい。得られた洗浄済みの廃プラスチックを、廃プラスチックの総重量基準で、5重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、1重量%以下、0.5重量%以下、又は0.25重量%以下の水分含有量まで乾燥してもよい。乾燥は、熱、及び/又は空気流の添加、機械的乾燥(例えば遠心分離)、又は液体の蒸発を所定の時間にわたって行うことを含む、任意の適切な方法で行うことができる。
【0088】
分離
[0105]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、化学的再生処理過程又は設備10の前処理設備20又は工程は、少なくとも1つの分離工程又は区画を含んでもよい。分離工程又は区画は、廃プラスチック流を、特定の種類のプラスチックに富む2つ以上の流れに分離するように構成されてもよい。このような分離は、前処理設備20に供給される廃プラスチックがMPWの場合に特に有効である。
【0089】
[0106]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、前処理設備20の分離区画22(図2参照)は、図2に示すように、廃プラスチック(例えばMPW)をPET富化流112及びPET貧化流114に分離することができる。本明細書で使用する用語「富化」は、特定の成分の濃度(未希釈乾燥重量基準)が、基準材料又は流中のその成分の濃度よりも高いことを意味する。本明細書で使用する用語「貧化」は、特定の成分の濃度(未希釈乾燥重量基準)が、基準材料又は流れ中のその成分の濃度よりも低いことを意味する。本明細書では、特に断りのない限り、重量%は全て未希釈乾燥重量基準で表記している。
【0090】
[0107]富化成分又は貧化成分が固体の場合に濃度は未希釈乾燥固体重量基準であり、富化成分又は貧化成分が液体の場合に濃度は未希釈乾燥液体重量基準であり、富化成分又は貧化成分が気体の場合に濃度は未希釈乾燥気体重量基準である。さらに、富化及び貧化は、濃度としてではなく、質量均衡の用語で表現することができる。このように、特定の成分の富化流は、基準流(例えば、供給流又は他の生成物流)中の成分の質量よりも大きい成分の質量を有し、一方で、特定の成分の貧化流は、基準流(例えば、供給流又は他の生成物流)中の成分の質量より小さい成分の質量を有することができる。
【0091】
[0108]再び図2を参照すると、前処理設備20(又は分離区画22)から引き出された廃プラスチックのPET富化流112は、前処理設備20(又は分離区画22)に導入された廃プラスチック供給流100中のPETの濃度又は質量よりも高いPET濃度又は質量を有していてもよい。同様に、前処理設備20(又は分離区画22)から引き出されたPET貧化流114は、PETが貧化され、前処理設備20(又は分離区画22)に導入された廃プラスチック中のPETの濃度又は質量よりも低いPETの濃度又は質量を有していてもよい。PET貧化流114は、POが富化されていてもよく、前処理設備20(又は分離区画22)に導入される廃プラスチック(例えば、MPW)流中のPOの濃度又は質量よりも高いPO濃度又は質量を有してもよい。
【0092】
[0109]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、MPW流100が前処理設備20(又は分離区画22)に供給される場合に、PET富化流は、未希釈固体乾燥重量基準で、MPW流、又はPET貧化流、又はその両方におけるPETの濃度又は質量に対して、PETの濃度又は質量が富化されてもよい。例えば、PET富化流が分離後に液体又は他の固体で希釈される場合に、富化は、未希釈PET富化流中の濃度基準であり、かつ乾燥基準である。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、PET富化流112は、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも80%、少なくとも100%、少なくとも125%、少なくとも150%、少なくとも175%、少なくとも200%、少なくとも225%、少なくとも250%、少なくとも300%、少なくとも350%、少なくとも400%、少なくとも500%、少なくとも600%、少なくとも700%、少なくとも800%、少なくとも900%、又は少なくとも1000%である、以下の式により決定されるMPW供給流(供給物を基準とするPET富化率(%))、PET貧化生成物流114(生成物を基準とするPET富化率(%))、又はその両方に対する%PET富化率を有する。
【0093】
【数1】
【0094】
式中、PETeは未希釈乾燥重量基準でPET富化生成物流112中のPETの濃度、
PETmは、乾燥重量基準でMPW供給流100中のPETの濃度、かつ
PETdは、乾燥重量基準でPET貧化生成物流114中のPETの濃度である。
【0095】
[0110]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、MPW100を含む流れが前処理設備20(又は分離区画22)に供給される場合に、PET富化流は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、及びアスタチン(At)、および/またはPVCなどのハロゲン含有化合物などのハロゲンが、MPW供給流100、又はPET貧化生成物流114、又はその両方におけるハロゲンの濃度又は質量に対して富化されている。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、PET富化流112は、少なくとも1%、少なくとも3%、少なくとも5%、少なくとも7%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも80%、少なくとも100%、少なくとも125%、少なくとも150%、少なくとも175%、少なくとも200%、少なくとも225%、少なくとも250%、少なくとも300%、少なくとも350%、少なくとも400%、又は少なくとも500%である、以下の式により決定されるMPW供給流100(供給物を基準とするPVC富化率(%))、PET貧化生成物流(生成物を基準とするPVC富化率(%))、又はその両方に対する%PVC富化率を有する。
【0096】
【数2】
【0097】
式中、PVCeは、未希釈乾燥重量基準でPET富化生成物流112中のPVCの濃度、
PVCmは、未希釈乾燥重量基準でMPW供給流100中のPVCの濃度、かつ
PVCdは、未希釈乾燥重量基準でPET貧化生成物流114中のPVCの濃度である。
【0098】
[0111]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、MPW流100が前処理設備20(又は分離区画22)に供給される場合に、PET貧化流114は、未希釈固体乾燥基準で、MPW供給流100、PET富化生成物流112、又はその両方におけるポリオレフィンの濃度又は質量に対してポリオレフィンが富化されている。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、PET貧化流114は、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも80%、少なくとも100%、少なくとも125%、少なくとも150%、少なくとも175%、少なくとも200%、少なくとも225%、少なくとも250%、少なくとも300%、少なくとも350%、少なくとも400%、少なくとも500%、少なくとも600%、少なくとも700%、少なくとも800%、少なくとも900%、又は少なくとも1000%である、以下の式により決定されるMPW供給流100(供給物を基準とするPO富化率(%))、又はPET富化生成物流112(生成物を基準とするPO富化率(%))、又はその両方に対する%ポリオレフィン富化率を有する。
【0099】
【数3】
【0100】
式中、POdは、未希釈乾燥重量基準でPET貧化生成物流114中のポリオレフィンの濃度、
POmは、乾燥重量基準でMPW供給流100中のPOの濃度、かつ
POeは、乾燥重量基準でPET富化生成物流112中のPOの濃度である。
【0101】
[0112]一態様において、又は他の任意の態様との組み合わせで、MPW流100が前処理設備20(又は分離区画22)に供給される場合に、PET貧化流114は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、及びアスタチン(At)、及び/又はPVCなどのハロゲン含有化合物などのハロゲンが、MPW流100、PET富化流112、又はその両方におけるハロゲンの濃度又は質量に対して貧化されている。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、PET貧化流114は、少なくとも1%、少なくとも3%、少なくとも5%,少なくとも7%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、又は少なくとも90%である、以下の式によって決定されるMPW供給流100(供給物を基準とするPVC貧化率(%))又はPET富化生成物流112(生成物を基準とするPVC貧化率(%))に対する%PVC貧化率を有する。
【0102】
【数4】
【0103】
式中、PVCmは、未希釈乾燥重量基準でMPW供給流100中のPVCの濃度、
PVCdは、未希釈乾燥重量基準でPET貧化生成物流114中のPVCの濃度、かつ
PVCeは、未希釈乾燥重量基準でPET富化生成物流112中のPVC濃度である。
【0104】
[0113]PET貧化流114は、MPW流100、PET富化流112、又はその両方におけるPETの濃度又は質量に対して、PETが貧化している。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、PET貧化流114は、少なくとも1%、少なくとも3%、少なくとも5%、少なくとも7%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、又は少なくとも90%である、以下の式により決定されるMPW供給流100(供給物を基準とするPET貧化率(%))又はPET富化生成物流112(生成物を基準とするPET貧化率(%))に対する%PET貧化率を有する。
【0105】
【数5】
【0106】
式中、PETmは、未希釈乾燥重量基準でMPW供給流100中のPETの濃度、
PETdは、未希釈乾燥重量基準でPET貧化生成物流114中のPET濃度、かつ
PETeは、未希釈乾燥重量基準でPET富化生成物流112中のPETの濃度である。
【0107】
[0114]上記のいずれかの態様における富化率又は貧化率は、1週間の平均、又は3日間の平均、又は1日の平均であり、測定は、MPWの試料が入口から出口まで流れるMPWの滞留時間を考慮したMPW容積に対して処理の出口で取られた試料を合理的に関連付けるように実施することが可能である。例えば、MPWの平均滞留時間が2分であれば、出口試料は入口試料の2分後に採取されることになり、試料が互いに相関するようになる。
【0108】
[0115]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、分離区画22又は前処理設備20を出るPET富化流は、PET富化流112中のプラスチックの総重量基準で、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも97重量%、少なくとも99重量%、少なくとも99.5重量%、又は少なくとも99.9重量%のPETを含んでもよい。PET富化流112は、PVC富化されていてもよく、例えば、PET富化流中のプラスチックの総重量基準で、PVCを含むハロゲンを少なくとも0.1重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、少なくとも3重量%、少なくとも5重量%、及び/又は10重量%以下、8重量%以下、6重量%以下、5重量%以下、3重量%以下で含むことができ、あるいはPET富化流のプラスチックの総重量基準で、0.1~10重量%、0.5~8重量%、又は1~5重量%の範囲にあってもよい。PET富化流は、前処理設備20(又は分離区画22)に導入されるPET総量の少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも99重量%、又は少なくとも99.5重量%を含んでもよい。
【0109】
[0116]PET富化流112は、PO、及び/又はより重いプラスチック、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアミド(PA12、PA46、PA66)、ポリアクリルアミド(PARA)、ポリヒドロキシブチラート(PHB)、ポリカルボナートとポリブチレンテトラフタラートのブレンド(PC/PBT)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリイミド(PI)、ポリカルボナート(PC)、ポリエーテルスルホン(PESU)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリスルホン(PSU)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリグリコリド(ポリグリコール酸、PGA)、ポリフェニレンスルフイド(PPS)、熱可塑性スチレン系エラストマー(TPS)、非晶質熱可塑性ポリイミド(TPI)、液晶重合体(LCP)、ガラス繊維強化PET、塩素化ポリ塩化ビニル(CPVC)、ポリブチレンテフタラート(PBT)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリモノクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、及びペルフルオロアルコキシ(PFA)が貧化されていてもよく、これらはいずれも炭素、ガラス、及び/又は鉱物充填剤を含んでもよく、かつPET及びPVCよりも高い密度を有している。
【0110】
[0117]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、PET富化流112は、PET富化流112中のプラスチックの総重量基準で、45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、2重量%以下、1重量%以下、0.5重量%以下のPOを含んでもよい。PET富化流112は、前処理設備20(又は分離区画22)に導入されるPOの総量の10重量%以下、8重量%以下、5重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、又は1重量%以下を含んでもよい。PET富化流112は、PET富化流112の全重量基準で、PET以外の成分の45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、2重量%以下、1重量%以下を含んでもよい。
【0111】
[0118]さらにあるいはその代わりに、PET富化流112は、乾燥基準で2重量%以下、1重量%以下、0.5重量%以下、又は0.1重量%以下の接着剤を含んでもよい。典型的な接着剤には、カーペット接着剤、ラテックス、スチレンブタジエンゴムなどが含まれる。さらに、PET富化流112は、乾燥基準で4重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、1重量%以下、0.5重量%以下、又は0.1重量%以下のプラスチック充填剤及び固体添加剤を含んでもよい。例示的な充填剤及び添加剤には、二酸化ケイ素、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、ガラス、ガラスビーズ、アルミナ、及び他の固体不活性物質が含まれ、これらは本明細書に記載の過程でプラスチック又は他の構成要素とは化学反応しない。
【0112】
[0119]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、分離区画22又は前処理設備20を出るPET貧化(又はPO富化)流114は、PET貧化(又はPO富化)流114中のプラスチックの総重量基準で、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも97重量%、少なくとも99重量%、又は少なくとも99.5重量%のPOを含んでよい。PET貧化(又はPO富化)流は、PVCが貧化していてもよく、PET貧化(又はPO富化)流中のプラスチックの総重量基準で、PVC中の塩素を含むハロゲンを例えば5重量%以下、2重量%以下、1重量%以下、0.5重量%以下、0.1重量%以下、0.05重量%以下又は0.01重量%以下で含んでもよい。PET貧化又はPO富化流は、前処理設備20又は分離設備22に導入されるPOの総量の少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも99重量%、又は少なくとも99.9重量%を含んでもよい。
【0113】
[0120]PO富化流114はまた、PET、及び/又はPVCを含む他のプラスチックが貧化していてもよい。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、PET貧化(又はPO富化)流は、PET貧化又はPO富化流中のプラスチックの総重量基準で45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、2重量%以下、1重量%以下、0.5重量%のPETを含んでもよい。PO富化(又はPET貧化)流114は、前処理設備に導入されるPETの総量の10重量%以下、8重量%以下、5重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、又は1重量%以下を含んでもよい。
【0114】
[0121]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、PET貧化又はPO富化流114は、PET貧化又はPO富化流114の総重量基準で、45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、2重量%以下、1重量%以下のPO以外の成分を含んでもよい。PET貧化又はPO富化流114は、流れの総重量基準で、4重量%以下、2重量%以下、1重量%以下、0.5重量%以下、又は0.1重量%以下の接着剤を含む。
【0115】
[0122]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、PET貧化又はPO富化流114は、せん断速度10rad/s及び温度350℃で作動するV80-40翼スピンドルを備えたブルックフィールドR/S粘度計を使用して測定された、少なくとも1ポイズ、少なくとも5ポイズ、少なくとも50ポイズ、少なくとも100ポイズ、少なくとも200ポイズ、少なくとも300ポイズ、少なくとも400ポイズ、少なくとも500ポイズ、少なくとも600ポイズ、少なくとも700ポイズ、少なくとも800ポイズ、少なくとも900ポイズ、少なくとも1,000ポイズ、少なくとも1,500ポイズ、少なくとも2,000ポイズ、少なくとも2,500ポイズ、少なくとも3,000ポイズ、少なくとも3,500ポイズ、少なくとも4,000ポイズ、少なくとも4,500ポイズ、少なくとも5,000ポイズ、少なくとも5,500ポイズ、少なくとも6,000ポイズ、少なくとも6,500ポイズ、少なくとも7,000ポイズ、少なくとも7,500ポイズ、少なくとも8,000ポイズ、少なくとも8,500ポイズ、少なくとも9,000ポイズ、少なくとも9,500ポイズ、又は少なくとも10,000ポイズの溶融粘度を有してもよい。その代わりあるいはそれに加えて、PET貧化又はPO富化流は、25,000ポイズ以下、24,000ポイズ以下、23,000ポイズ以下、22,000ポイズ以下、21,000ポイズ以下、20,000ポイズ以下、19,000ポイズ以下、18,000ポイズ以下、又は17,000ポイズ以下(10rad/s及び350℃で測定)の溶融粘度を有してもよい。あるいは、この流は、1~25,000ポイズ、500~22,000ポイズ、又は1,000~17,000ポイズの範囲の溶融粘度(10rad/s及び350℃で測定)を有していてもよい。
【0116】
[0123]廃プラスチックを、例えばPET富化流112及びPO富化流114のような特定の種類のプラスチックに富む2つ以上の流れに分離するために、任意の適切な種類の分離装置、システム、又は設備を採用してもよい。好適な種類の分離の例には、機械的分離及び密度分離が含まれ、これは、沈降-浮遊分離、及び/又は遠心密度分離を含む。本明細書で使用する用語「沈降-浮遊分離」は、材料の分離が主に選択された液体媒体中の浮遊又は沈降によって引き起こされる密度分離過程を意味する。一方、用語「遠心密度分離」は、材料の分離が主に遠心力によって引き起こされる密度分離過程を意味する。一般に用語「密度分離過程」は、少なくとも部分的に、材料のそれぞれの密度に基づき、材料を少なくとも高密度産物と低密度産物に分離する処理を意味し、沈降-浮遊分離と遠心密度分離の両方を含む。
【0117】
[0124]沈降-浮遊分離が使用される場合は、液体媒体として水を含んでもよい。液体媒体の密度を上げて、沈降-浮遊分離段階の目標分離密度を調整するために、例えば、塩、糖類、及び/又は他の添加物を液体媒体に添加することができる。液体媒体は、濃厚塩水溶液を含んでもよい。1つ以上のそのような態様において、塩は塩化ナトリウムであるが、1つ以上の他の態様において、塩は非ハロゲン化塩、例えば酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、リン酸塩、及び/又は硫酸塩である。液体媒体は、臭化ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、硝酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、酢酸カリウム、臭化カリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、ヨウ化カリウム、塩化カルシウム、塩化セシウム、塩化鉄、塩化ストロンチウム、塩化亜鉛、硫酸マンガン、硫酸マグネシウム、硫酸亜鉛、及び/又は硝酸銀を含む濃厚塩溶液を含んでもよい。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、塩は苛性成分である。塩は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び/又は炭酸カリウムを含んでもよい。濃厚塩溶液は、7以上、8以上、9以上、又は10以上のpHを有していてもよい。
【0118】
[0125]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、液体媒体は、蔗糖などの糖類を含んでもよい。液体媒体は、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロベンゼン、ジメチル硫酸、及び/又はトリクロロエチレンを含んでもよい。液体媒体の特定の成分及び濃度は、分離段階の所望の目標分離密度に応じて選択される。遠心密度分離過程はまた、目標分離密度での分離効率を向上させるために、上記のような液体媒体を利用してもよい。
【0119】
[0126]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、廃プラスチック分離方法は、少なくとも2つの密度分離段階を含む。特定のそのような態様において、本方法は、一般に、廃プラスチック粒子を第1の密度分離段階に導入し、第1の密度分離段階からの生産物を第2の密度分離段階に供給することを含む。密度分離段階は、本明細書で定義されるように、密度分離過程を実行する任意のシステム又は単位動作であってもよい。密度分離段階の少なくとも1つは、遠心力分離段階又は沈降-浮遊分離段階を含む。第1及び第2の密度分離段階の各々は、遠心力分離段階、及び/又は沈降-浮遊分離段階を含む。
【0120】
[0127]PET富化材料流を生成するために、密度分離段階の一方は低密度分離段階を含み、他方は一般に高密度分離段階を含んでもよい。本明細書に定義するように、低密度分離段階は、高密度分離段階の目標分離密度よりも小さい目標分離密度を有する。低密度分離段階は、PETの密度未満の目標分離密度を有し、高密度分離段階は、PETの密度を超える目標分離密度を有する。
【0121】
[0128]本明細書で使用する用語「目標分離密度」は、密度分離過程に供される材料が優先的に高密度生産物に分離され、それ以下の材料が低密度生産物に分離される密度を意味する。目標分離密度は、密度の値を指定し、その値より高い密度を有する全てのプラスチック及び他の固体材料が高密度生産物に分離され、その値より低い密度を有する全てのプラスチック及び他の固体材料が低密度生産物に分離されることを意図する。但し、密度分離過程における物質の実際の分離効率は、滞留時間や特定の物質の密度の目標密度分離値に対する相対的な近さ、さらには、例えば面積/質量比、球形度、多孔度などの粒子の形態に関する因子など、様々な因子に依存してもよい。
【0122】
[0129]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、低密度分離段階は、1.35未満、1.34未満、1.33未満、1.32未満、1.31未満、若しくは1.30g/cc未満、及び/又は少なくとも1.25、少なくとも1.26、少なくとも1.27、少なくとも1.28、若しくは少なくとも1.29g/ccの目標分離密度を有する。高密度分離段階は、低密度分離段階の目標分離密度よりも少なくとも0.01g/cc、少なくとも0.025g/cc、少なくとも0.05g/cc、少なくとも0.075g/cc、少なくとも0.1g/cc、少なくとも0.15g/cc、又は少なくとも0.2g/cc高い目標分離密度を有する。高密度分離段階の目標分離密度は、少なくとも1.31g/cc、少なくとも1.32g/cc、少なくとも1.33g/cc、少なくとも1.34g/cc、少なくとも1.35g/cc、少なくとも1.36g/cc、少なくとも1.37g/cc、少なくとも1.38g/cc、少なくとも1.39g/cc、若しくは少なくとも1.40g/cc、及び/又は1.45g/cc以下、1.44g/cc以下、1.43g/cc以下、1.42g/cc以下、又は1.41g/cc以下である。低密度分離段階の目標分離密度は、1.25~1.35g/ccの範囲にあり、高密度分離段階の目標分離密度は、1.35~1.45g/ccの範囲にある。
【0123】
[0130]再び図1a及び1bを参照すると、PET富化流112及びPO富化流114は両方とも、化学的再生処理施設10内の1つ以上の下流処理設備に導入されてもよい(又は1つ以上の下流処理工程を経てもよい)。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、PET富化流112の少なくとも一部は、加溶媒分解設備30に導入されてもよい。一方、PO富化流114の少なくとも一部は、直接的又は間接的に熱分解設備60、クラッキング設備70、部分酸化(POX)ガス化設備50、エネルギー回収設備80、又は他の設備90、例えば固化又は分離設備のうちの1つ以上に直接的又は間接的に導入されてもよい。各工程及び設備の種類に関するさらなる詳細,及び本技術の1つ以上の態様によるこれらの工程又は設備の各々と他の1つ以上との一般的な統合については、以下でさらに詳細に説明する。
【0124】
加溶媒分解
[0131]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、前処理設備20からのPET富化流112の少なくとも一部は、加溶媒分解設備30に導入されてもよい。本明細書で使用する用語「加溶媒分解」又は「エステル加溶媒分解」は、エステル含有供給物を溶媒の存在下で化学的に分解し、主要なカルボキシル生成物と主要なグリコール生成物を生成する反応を意味する。「加溶媒分解設備」は、廃プラスチック及びそれに由来する原料を加溶媒分解するのに必要な全ての設備、ライン、及び制御部を含む設備である。
【0125】
[0132]加溶媒分解に供されるエステルがPETを含む場合は、加溶媒分解設備内で行う加溶媒分解は、PET加溶媒分解であってもよい。本明細書で使用する用語「PET加溶媒分解」は、テレフタル酸ポリエステル含有供給物を溶媒の存在下で化学的に分解し、主要なテレフタリル生成物と主要なグリコール生成物を生成する反応を意味する。本明細書で使用する用語「主要なテレフタリル」は、加溶媒分解設備から回収される主なあるいは重要なテレフタリル生成物を意味する。本明細書で使用する用語「主要なグリコール」は、加溶媒分解設備から回収される主なグリコール生成物を意味する。本明細書で使用する用語「グリコール」は,1分子当たり2個以上の-OH官能基を含む成分を意味する。本明細書で使用する用語「テレフタリル」は、次の基を含む分子を意味する。
【0126】
【化1】
【0127】
[0133]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、主要なテレフタリル生成物は、テレフタル酸又はジメチルテレフタラート(又はそのオリゴマー)などのテレフタリルを含み、主要なグリコールは、エチレングリコール、及び/又はジエチレングリコールなどのグリコールを含む。本技術の1つ以上の態様によるPET加溶媒分解設備30の主要な工程は、図3に概略が示される。
【0128】
[0134]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、加溶媒分解で使用される主要な溶媒は、少なくとも1個の-OH基を有する化学化合物を含む。適切な溶媒の例としては、これらに限定はされないが、(i)水(この場合、加溶媒分解は「加水分解」と呼ばれることがある)、(ii)アルコール類(この場合、加溶媒分解は「加アルコール分解」と呼ばれることがある)、例えば、メタノール(この場合、加溶媒分解は「加メタノール分解」と呼ばれることがある)又はエタノール(この場合、加溶媒分解は「加エタノール分解」と呼ばれることがある)、(iii)グリコール類、例えばエチレングリコールやジエチレングリコール(この場合、加溶媒分解は「加グリコール分解」と呼ばれることがある)、又は(iv)アンモニア(この場合、加溶媒分解は「加アンモニア分解」と呼ばれることがある)が含まれる。
【0129】
[0135]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、加溶媒分解溶媒は、溶媒流の総重量基準で、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、又は少なくとも99重量%の主要な溶媒を含んでもよい。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、溶媒は、溶媒流の総重量基準で、45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、2重量%以下、又は1重量%以下の他の溶媒又は成分を含んでもよい。
【0130】
[0136]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、主要な溶媒すなわち加溶媒分解溶媒は、溶媒流又は組成物の総重量基準で、5重量%以下、4重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、1重量%以下、又は0.5重量%の非極性溶媒を含んでもよい。主要な溶媒すなわち加溶媒分解溶媒は、溶媒流又は組成物の総重量基準で、5重量%以下、4重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、1重量%以下、又は0.5重量%以下の塩素系溶媒を含んでもよい。
【0131】
[0137]加溶媒分解設備30がエチレングリコールなどのグリコールを主要な溶媒として利用する場合に、その設備は、加溶媒分解設備と呼ばれることがある。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、図1a及び図1bの化学的再生処理施設は、加グリコール分解設備を含んでもよい。加グリコール分解設備では、PETを化学的に分解して、主要なグリコールとしてエチレングリコール(EG)、主要なテレフタリルとしてジメチルテレフタラート(DMT)を生成することができる。PETが廃プラスチックを含む場合に、加溶媒分解設備で生成されるEG及びDMTは、いずれも再生処理成分のエチレングリコール(再生EG)及び再生処理成分のジメチルテレフタラート(再生DMT)を含んでもよい。加グリコール分解により生成される場合に、EGとDMTは単一の生成物流中に存在してもよい。
【0132】
[0138]加溶媒分解設備がメタノールを主要な溶媒として利用する場合は、その設備は加メタノール分解設備と呼ばれることがある。図1a及び図1bの化学的再生処理施設は、加メタノール分解設備を含んでもよい。図3に模式的に示される一例の加メタノール分解設備では、PETを化学的に分解して、主要なグリコールとしてエチレングリコール(EG)及び主要なテレフタリルとしてジメチルテフタラート(DMT)を生成できる。PETが廃プラスチックを含む場合に、加溶媒分解設備で生成されるEG及びDMTは、いずれも再生処理成分のエチレングリコール(再生EG)及び再生処理成分のジメチルテレフタラート(再生DMT)を含んでもよい。
【0133】
[0139]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、加溶媒分解設備30から取り出された再生処理成分のグリコール154(再生グリコール)流は、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%の加溶媒分解設備で生成された主要なグリコールを含んでもよい。またこの流れは、流れの総重量基準で、99.9重量%以下、99重量%以下、95重量%以下、90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、若しくは75重量%以下の主要なグリコール(EGなど)、及び/又は、少なくとも0.5重量%、少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、少なくとも5重量%、少なくとも7重量%、少なくとも10重量%、少なくとも12重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、若しくは少なくとも25重量%、及び/又は45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、若しくは15重量%以下の主要なグリコール以外の成分を含んでもよく、あるいは、これらの成分は0.5~45重量%、1~40重量%、又は2~15重量%の範囲の量で存在してもよい。再生グリコールは、流れ154の総重量基準で、45~99.9重量%、55~99.9重量%、又は80~99.9重量%の範囲の量で流れ154に存在してもよい。
【0134】
[0140]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、加溶媒分解設備から取り出された再生処理成分の主要なテレフタリル(再生テレフタリル)の流れ158は、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%の加溶媒分解設備30で生成された主要なテレフタリル(DMTなど)を含んでもよい。この流れは、99重量%以下、95重量%以下、90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、又は75重量%以下の主要なテレフタリルを含んでもよく、あるいは主要なテレフタリルは、流れの総重量基準で、45~99重量%、50~90重量%、又は55~90重量%の量で存在してもよい。これに加えてあるいはその代わりに、この流れは、流れの総重量基準で、少なくとも0.5重量%、少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、少なくとも5重量%、少なくとも7重量%、少なくとも10重量%、少なくとも12重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、若しくは少なくとも25重量%、及び/又は45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、若しくは15重量%以下の主要なテレフタリル以外の成分を含んでもよい。再生テレフタリル(又はテレフタリル)は、流れ154の総重量基準で、45~99.9重量%、55~99.9重量%、又は80~99.9重量%の範囲の量で流れ154中に存在してもよい。
【0135】
[0141]加溶媒分解設備は、再生処理成分の主要なグリコール流、再生処理成分の主要なテレフタリル流を提供することに加えて、加溶媒分解設備内の1つ以上の場所から引き出されてもよい1つ以上の加溶媒分解副産物流(図1a及び図1bに流れ110として示される)を提供してもよい。本明細書で使用する用語「副産物」又は「加溶媒分解副産物」は、加溶媒分解設備の主要なカルボキシル(テレフタリル)生成物、加溶媒分解設備の主要なグリコール生成物、又は加溶媒分解設備に供給される主要な溶媒ではない加溶媒分解設備からの任意の化合物を意味する。加溶媒分解副産物流は、この流の全重量基準で、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、又は少なくとも99重量%の1種以上の加溶媒分解副産物を含んでもよい。
【0136】
[0142]加溶媒分解副産物は、重質有機加溶媒分解副産物流又は軽質有機加溶媒分解副産物流を含んでもよい。本明細書で使用する用語「重質有機加溶媒分解副産物」は、加溶媒分解設備の主要なテレフタリル生成物の沸点よりも高い沸点を有する加溶媒分解副産物を意味し、「軽質有機加溶媒分解副産物」は、加溶媒分解設備の主要なテレフタリル生成物の沸点よりも低い沸点を有する加溶媒分解副産物を意味する。
【0137】
[0143]加溶媒分解設備が加メタノール分解設備の場合は、1種以上の加メタノール分解副産物を設備から取り出してもよい。本明細書で使用する用語「加メタノール分解副産物」は、DMT、EG、またはメタノール以外の加メタノール分解設備からの化合物を意味する。加メタノール分解副産物流は、この流の全重量基準で、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、又は少なくとも99重量%の1種以上の加溶媒分解副産物を含んでもよい。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、加メタノール分解副産物流は、重質有機加メタノール分解副産物又は軽質有機加メタノール分解副産物を含んでもよい。本明細書で使用する用語「重質有機加メタノール分解副産物」は、DMTよりも高い沸点を持つ加メタノール分解副産物を意味し、用語「軽質加メタノール分解副産物」は、DMTよりも低い沸点を持つ加メタノール分解副産物を意味する。
【0138】
[0144]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、加溶媒分解設備は、少なくとも1つの重質有機加溶媒分解副産物流を生成してもよい。重質有機加溶媒分解副産物流は、この流れ中の有機物の総重量基準で、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%の、加溶媒分解設備30から製造される主要なテレフタリル(DMTなど)の沸点よりも高い沸点を有する有機化合物を含んでもよい。
【0139】
[0145]さらに又はその代わりに、加溶媒分解設備は、少なくとも1つの軽質有機物加溶媒分解副産物流を生成してもよい。軽質有機物加溶媒分解副産物流は、この流れ中の有機物の総重量基準で、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%,又は少なくとも95重量%の、加溶媒分解設備30から製造される主要なテレフタリル(DMTなど)の沸点よりも低い沸点を有する有機化合物を含んでもよい。
【0140】
[0146]再び図3を参照すると、操作中に、例えば混合プラスチック廃棄物を含む供給流112を、溶媒の流れ212と共に(別々に又は混合区画206を経て一緒に)加溶媒分解設備30に導入してもよい。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、加溶媒分解設備30への供給流112は、供給流112の総重量基準で、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、若しくは少なくとも95重量%、及び/又は99重量%以下、95重量%以下、90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、65重量%以下、60重量%以下、55重量%以下、50重量%以下、45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、若しくは10重量%以下の量で廃プラスチックを含んでもよく、あるいは供給流112の総重量基準で、5~99重量%、10~95重量%、又は15~90重量%の量で存在してもよい。これらの範囲内の廃プラスチックの量はまた、加溶媒分解設備(例えば、反応器又は混合区画206)内の組成物又は様々な流れに存在してもよい。
【0141】
[0147]加溶媒分解設備30に導入される廃プラスチックは、混合廃プラスチック、例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリオレフィン(PO)、ポリ塩化ビニル(PVC)の混合物を含んでもよい。例えば、1つ以上の態様において、加溶媒分解設備30に投入される廃プラスチックは、供給流112の総重量に対して乾燥基準で、少なくとも1重量%、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、若しくは少なくとも95重量%、及び/又は99.9重量%以下、99重量%以下、95重量%以下、90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、65重量%以下、60重量%以下、55重量%以下、50重量%以下、45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、30重量%以下、若しくは25重量%以下のPETを含んでもよく、あるいはこの流れは、流れ112の総重量基準で、1~99.9重量%、2~99重量%、又は5~95重量%の量でPETを含んでもよい。
【0142】
[0148]その代わりあるいはそれに加えて、加溶媒分解設備に導入される廃プラスチックは、供給流112の総重量に対し乾燥基準で、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、若しくは少なくとも45重量%、及び/又は90重量%以下、80重量%以下、70重量%以下、65重量%以下、60重量%以下、55重量%以下、50重量%以下、45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、若しくは10重量%以下のポリオレフィンを含んでもよく、あるいはこの流れは、流れ112の総重量基準で、5~90重量%、10~80重量%、又は15~50重量%の範囲の量でポリオレフィンを含んでもよい。
【0143】
[0149]さらに1つ以上の態様において、加溶媒分解設備に供給される廃プラスチックは、供給流中のプラスチックの総重量に対して乾燥基準で、少なくとも0.001重量%、少なくとも0.01重量%、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.1重量%、若しくは少なくとも0.25重量%、及び/又は10重量%以下、8重量%以下、6重量%以下、5重量%以下、4重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、1重量%以下、0.75重量%以下、若しくは0.5重量%以下のハロゲンを含んでもよく、あるいは流れ112の総重量基準で、0.001~10重量%、0.1~8重量%、又は0.25~3重量%の範囲にあってもよい。
【0144】
[0150]加溶媒分解設備30に導入される前に、廃プラスチックは、図1a及び1bに示しかつ既に述べたように、前処理設備20で選別されてもよく、あるいは選別されずに加溶媒分解設備30に直接導入されてもよい。前述のように、PET富化廃プラスチック流(図1a及び1bに示す流れ112など)及びPO富化廃プラスチック流(図1a及び1bに示す流れ114など)に選別された場合に、PET富化流112の少なくとも一部は、加溶媒分解設備30に導入され、一方、本明細書においてさらに詳細に考察されるように、PO富化流114の少なくとも一部又は全部は、(i)部分酸化(POX)設備50、(ii)熱分解設備60、(iii)クラッキング設備70、(iv)エネルギー回収設備80、及び(v)液化区画40を含む化学処理設備のうちの1つ以上に導入されてもよい。
【0145】
[0151]図3に示すように、主に液体である流れは、最初に任意の非PET分離区画208を通過させてもよく、ここではPET以外の成分の全重量の少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%が分離除去される。PET以外の成分は、PETよりも低い沸点を有していてもよく、区画208から蒸気として除去されてもよい。その代わりあるいはそれに加えて、非PET成分の少なくとも一部は、PETよりもわずかに高い又は低い密度を有して、二相液体流を形成し、その後に非PET相の一方又は両方を除去することで分離されてもよい。最後に、態様によっては、非PET成分は、PETを含む液相から固体として分離されてもよい。
【0146】
[0152]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、PET含有流から分離された非PET成分のうちの少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%は、ポリエチレン及び/又はポリプロピレン等のポリオレフィンを含む。図3に破線で概略を示すように、非PET分離区画208の全て又は一部は、反応区画210の上流にあってもよく、逆に、非PET分離区画208の全て又は一部は、反応区画210の下流にあってもよい。抽出、固/液分離、デカンテーション、サイクロン又は遠心分離、手動除去、磁気除去、渦電流除去、化学分解、気化及び脱ガス、蒸留、及びそれらの組み合わせなどの分離技術を使用して、非PET分離区画208でPET含有流から非PET成分を分離してもよい。
【0147】
[0153]図3に示すように、非PET分離区画208を出るPET含有流138は、PET含有流の総重量基準で、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、2重量%以下、1重量%以下、又は0.5重量%以下のPET以外の成分(又はそのオリゴマー及び単量体分解物)及び溶媒を含んでもよい。非PET分離区画208を出るPET含有流138は、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、2重量%以下、又は1重量%以下の他の種類のプラスチック(ポリオレフィンなど)を含んでもよい。非PET分離区画208を出るPET含有流138は、非PET分離区画208に導入された非PET成分の総量の45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、又は2重量%以下を含んでもよい。
【0148】
[0154]非PET成分は、図3に概略を示すように、加溶媒分解(又は加メタノール分解)設備30からポリオレフィン含有副産物流140として除去されてもよい。ポリオレフィン含有副産物流(又はデカンターオレフィン副産物流)140は、副産物流140の総重量基準で、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも92重量%、少なくとも95重量%、少なくとも97重量%、少なくとも99重量%、又は少なくとも99.5重量%のポリオレフィンを含んでよい。
【0149】
[0155]ポリオレフィン含有副産物流中に存在するポリオレフィンは、主にポリエチレン、主にポリプロピレン、又はポリエチレンとポリプロピレンの組み合わせを含んでもよい。ポリオレフィン含有副産物流中のポリオレフィンは、ポリオレフィン含有副産物流140中のポリオレフィンの総重量基準で、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも92重量%、少なくとも94重量%、少なくとも95重量%、少なくとも97重量%、少なくとも98重量%、又は少なくとも99重量%のポリエチレンを含んでもよい。あるいは、ポリオレフィン含有副産物流中のポリオレフィンは、ポリオレフィン含有副産物流140中のポリオレフィンの総重量基準で、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも92重量%、少なくとも94重量%、少なくとも95重量%、少なくとも97重量%、少なくとも98重量%、又は少なくとも99重量%のポリプロピレンを含む。
【0150】
[0156]ポリオレフィン含有副産物流は、ポリオレフィン含有副産物流140の総重量基準で、10重量%以下、5重量%以下、2重量%以下、1重量%以下、0.75重量%以下、0.50重量%以下、0.25重量%以下、0.10重量%以下、又は0.05重量%以下のPETを含む。さらに、ポリオレフィン含有副産物流は、ポリオレフィン含有副産物流140の総重量基準で、少なくとも0.01重量%、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.10重量%、少なくとも0.50重量%、少なくとも1重量%、若しくは少なくとも1.5重量%、及び/又は40重量%以下、35重量%以下、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、若しくは2重量%以下のポリオレフィン以外の成分を含む。
【0151】
[0157]全体として、ポリオレフィン含有副産物流140は、ポリオレフィン含有副産物流140の総重量基準で、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、又は少なくとも99重量%の有機化合物を含む。ポリオレフィン含有副産物流140は、ポリオレフィン含有副産物流140の総重量基準で、少なくとも0.5重量%、少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、少なくとも3重量%、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、若しくは少なくとも15重量%、及び/又は40重量%以下、35重量%以下、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、2重量%以下、若しくは1重量%以下の無機成分を含んでもよい。
【0152】
[0158]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、ポリオレフィン含有副産物流は、少なくとも1ポイズ、少なくとも10ポイズ、少なくとも25ポイズ、少なくとも50ポイズ、少なくとも75ポイズ、少なくとも90ポイズ、少なくとも100ポイズ、少なくとも125ポイズ、少なくとも150ポイズ、少なくとも200ポイズ、少なくとも250ポイズ、少なくとも300ポイズ、少なくとも350ポイズ、少なくとも400ポイズ、少なくとも450ポイズ、少なくとも500ポイズ、少なくとも600ポイズ、少なくとも650ポイズ、少なくとも700ポイズ、少なくとも750ポイズ、少なくとも800ポイズ、少なくとも850ポイズ、少なくとも900ポイズ、若しくは少なくとも950ポイズ、及び/又は25,000ポイズ以下、24,000ポイズ以下、23,000ポイズ以下、22,000ポイズ以下、21,000ポイズ以下、20,000ポイズ以下、19,000ポイズ以下、18,000ポイズ以下、17,000ポイズ以下、16,000ポイズ以下、15,000ポイズ以下、14,000ポイズ以下、13,000ポイズ以下、12,000ポイズ以下、11,000ポイズ以下、10,000ポイズ以下、9,000ポイズ以下、8,000ポイズ以下、7,000ポイズ以下、6,000ポイズ以下、5,000ポイズ以下、4,500ポイズ以下、4,000ポイズ以下、3,500ポイズ以下、3,000ポイズ以下、2,500ポイズ以下、2,000ポイズ以下、1,750以下、1,500ポイズ以下、1,250以下、1,200ポイズ以下、1,150以下、1,100ポイズ以下、1,050ポイズ以下、1,000ポイズ以下、950ポイズ以下、900ポイズ以下、800ポイズ以下、750ポイズ以下の粘度(せん断速度10rad/s、温度250℃で動作するV80-40ベーンスピンドル付きブルックフィールドR/Sレオメーターで測定)を有してもよい。ポリオレフィン含有副産物流は、10rad/s及び250℃で測定して、1~25,000ポイズ、100~10,000ポイズ、又は1,000~5,000ポイズの範囲の粘度を有してもよい。
【0153】
[0159]ポリオレフィン含有副産物流は、ポリオレフィン含有副産物流140の総重量基準で、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも1重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも3重量%、少なくとも3.5重量%、少なくとも4重量%、少なくとも4.5重量%、少なくとも5重量%、少なくとも8重量%、少なくとも10重量%、少なくとも12重量%、少なくとも15重量%、少なくとも18重量%、少なくとも20重量%、少なくとも22重量%、若しくは少なくとも25重量%、及び/又は50重量%以下、45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、若しくは2重量%以下の1種以上の非反応性固体を含んでもよい。非反応性固体は、PETと化学反応を起こさない固形成分のことである。非反応性固体の例としては、砂、土、ガラス、プラスチック充填剤、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定はされない。
【0154】
[0160]ポリオレフィン含有副産物流140は、ポリオレフィン含有副産物流140の総重量基準で、少なくとも100ppm、少なくとも250ppm、少なくとも500ppm、少なくとも750ppm、少なくとも1,000ppm、少なくとも1,500ppm、少なくとも2,000ppm、少なくとも2,500ppm、少なくとも5,000ppm、少なくとも7,500ppm、あるいは少なくとも1重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2重量%、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、若しくは少なくとも25重量%、及び/又は50重量%以下、45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、2重量%以下、若しくは1重量%以下の1種以上の充填剤を含む。ポリオレフィン含有副産物流140は、100ppm~50重量%、500ppm~10重量%、又は1,000ppm~5重量%の量の充填剤を含んでもよい。
【0155】
[0161]充填剤の例としては、これらに限定はされないが、微粒子シリカ及び粘土(カオリン)などの揺変剤、顔料、着色剤、アルミナ三水和物、臭素、塩素、ホウ酸、及びリンなどの難燃剤、ワックス系材料などの抑制剤、紫外線防止剤又は安定剤、金属粒子、カーボン粒子、又は導電性繊維などの導電性添加剤、ステアリン酸亜鉛、ワックス、シリコーンなどの離型剤、炭酸カルシウム、及び硫酸カルシウムなどが挙げられる。
【0156】
[0162]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、ポリオレフィン含有副産物流140は、25℃の温度で測定した、少なくとも0.75g/cm、少なくとも0.80g/cm、少なくとも0.85g/cm、少なくとも0.90g/cm、少なくとも0.95g/cm、あるいは少なくとも0.99g/cm、及び/又は1.5g/cm以下、1.4g/cm以下、1.3g/cm以下、1.2g/cm以下、1.1g/cm以下、1.05g/cm以下、あるいは1.01g/cm以下の密度を有してもよい。密度は、0.80~1.4g/cm、0.90~1.2g/cm、又は0.95~1.1g/cmであってもよい。非PET分離区画208から除去される場合に、ポリオレフィン含有副産物流140は、少なくとも200℃、少なくとも205℃、少なくとも210℃、少なくとも215℃、少なくとも220℃、少なくとも225℃、少なくとも230℃、あるいは少なくとも235℃の温度、及び/又は350℃以下、340℃以下、335℃以下、330℃以下、325℃以下、320℃以下、315℃以下、310℃以下、305℃以下、あるいは300℃以下の温度を有してもよい。ポリオレフィン含有副産物流140は、この流れの総重量基準で、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%の主要なテレフタリルあるいはDMTよりも高沸点の成分を含んでもよい。
【0157】
[0163]本明細書でさらに詳細に考察するように、ポリオレフィン含有副産物流の全て又は一部を、単独で、あるいは1つ以上の他の副産物流、他の下流化学的再生処理施設の1つ以上から生じる流れ、及び/又は、未処理、部分処理、かつ/あるいは処理された混合プラスチック廃棄物を含む廃プラスチック流との組合せで、1つ以上の下流化学的再生処理施設に導入してもよい。
【0158】
[0164]再び図3を参照すると、非PET分離区画208(反応区画210の上流)を出たPET含有流138(溶解したPET及びその分解生成物を含む)を、次に反応区画210に移送してもよく、そこでは反応区画に導入したPETの分解の少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%が発生する。態様によっては、反応区画210内の反応媒体は、攪拌すなわち掻き混ぜてもよく、目標反応温度を維持するために1つ以上の温度制御装置(熱交換器など)を採用してもよい。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、反応区画210での目標反応温度は、少なくとも50℃、少なくとも55℃、少なくとも60℃、少なくとも65℃、少なくとも70℃、少なくとも75℃、少なくとも80℃、若しくは少なくとも85℃、及び/又は350℃以下、345℃以下、340℃以下、335℃以下、330℃以下、325℃以下、320℃以下、315℃以下、310℃以下、300℃以下、若しくは295℃以下であり、あるいは50~350℃、65~345℃、又は85~335℃の範囲であってもよい。
【0159】
[0165]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、加溶媒分解過程は、低圧加溶媒分解過程であってもよく、加溶媒分解反応器(又は反応区画)210内の圧力は、大気圧の5psi以内、10psi以内、15psi以内、20psi以内、25psi以内、30psi以内、35psi以内、40psi以内、45psi以内、50psi以内、55psi以内、75psi以内、90psi以内、100psi以内、125psi以内、150psi以内、200psi以内、又は250psi以内であってもよい。加溶媒分解反応器(又は反応区画)210内の圧力は、大気圧の0.35bar(ゲージ圧)以内、0.70bar以内、1bar以内、1.4bar以内、1.75bar以内、2bar以内、2.5bar以内、2.75bar以内、3bar以内、3.5bar以内、3.75bar以内、5bar以内、あるいは6.25bar以内、及び/又は6.9bar以下、8.6bar以下、あるいは10.35bar以下であってもよい。加溶媒分解反応器(又は反応区画)210内の圧力は、少なくとも100psig(6.7barg)、少なくとも150psig(10.3barg)、少なくとも200psig(13.8barg)、少なくとも250psig(17.2barg)、少なくとも300psig(20.7barg)、少なくとも350psig(24.1barg)、少なくとも400psig(27.5barg)、及び/又は725psig(50barg)以下、650psig(44.7barg)以下、600psig(41.3barg)以下、550psig(37.8barg)以下、500psig(34.5barg)以下、450psig(31barg)以下、400psig(27.6barg)以下、若しくは350psig(24.1barg)以下であってもよい。
【0160】
[0166]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、反応区画210又は設備30で行われる加溶媒分解過程は、高圧加溶媒分解過程であってもよく、加溶媒分解反応器内の圧力は、少なくとも50barg(725psig)、少なくとも70barg(1,015psig)、少なくとも75barg(1,088psig)、少なくとも80barg(1,161psig)、少なくとも85barg(1,233psig)、少なくとも90barg(1,307psig)、少なくとも95barg(1,378psig)、少なくとも100barg(1,451psig)、少なくとも110barg(1,596psig)、少なくとも120barg(1,741psig)、若しくは少なくとも125barg(1,814psig)、及び/又は150barg(2,177psig)以下、145barg(2,104psig)以下、140barg(2,032psig)以下、135barg(1,959psig)以下、130barg(1,886psig)以下、若しくは125barg(1,814psig)以下であってもよい。
【0161】
[0167]1つ以上の態様において、加溶媒分解反応は、反応器組成物の総重量基準で、5重量%以下、4重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、1重量%以下、若しくは0.5重量%以下の少なくとも1種の酸、及び/又は少なくとも1種の塩基の存在下で行うことができる。加溶媒分解反応は、少なくとも1種の酸、及び/又は少なくとも1種の塩基を含む触媒の存在下で、反応媒体の総重量基準で、少なくとも25重量ppm、少なくとも50重量ppm、少なくとも75重量ppm、少なくとも100重量ppm、少なくとも125重量ppm、少なくとも150重量ppm,少なくとも175重量ppm、少なくとも200重量ppm、少なくとも250重量ppm、少なくとも300重量ppm、少なくとも350重量ppm、少なくとも400重量ppm、少なくとも450重量ppm、少なくとも500重量ppm、若しくは少なくとも500重量ppm、及び/又は1,000重量ppm以下、950重量ppm以下、900重量ppm以下、850重量ppm以下、800重量ppm以下、750重量ppm以下、700重量ppm以下、650重量ppm以下、600重量ppm以下、550重量ppm以下、500重量ppm以下、450重量ppm以下、400重量ppm以下、350重量ppm以下、300重量ppm以下、若しくは250重量ppm以下の量の少なくとも1種の酸、及び/又は少なくとも1種の塩基を含む触媒の存在下で行うことができ、あるいは反応媒体の総重量基準で、酸、及び/又は塩基は25~1,000重量ppm、50~750重量ppm、又は100~350重量ppmの重量範囲の量で存在してもよい。
【0162】
[0168]触媒系は、ナトリウム含有塩基、カリウム含有塩基、又はそれらの組合せを含んでもよい。適切な酸及び塩基の例には、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、及びそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0163】
[0169]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、加溶媒分解(又は加メタノール分解)反応は、少なくとも1種の触媒の存在下で行うことができる。触媒は、マンガン、リチウム、亜鉛、チタン、スズ、アンチモン、マグネシウム、又はこれらの組み合わせを含む触媒金属を含む、それらからなる、又は本質的にそれらからなることができ、あるいはマンガン、リチウム、又はこれらの組み合わせを含む触媒金属を含む、それらからなる、又は本質的にそれらからなることができる。触媒はまた、これらの触媒金属の酢酸塩、炭酸塩、水酸化物、酸化物(特に可溶性酸化物)、メトキシド、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、リン化物、硫酸塩、硝酸塩、及びこれらの触媒金属の1種以上の組み合わせを含んでもよい。
【0164】
[0170]触媒系は、1種以上の触媒金属(又はその化合物)を単独で、又は本明細書に記載の酸又は塩基との組合せで含んでもよい。触媒系は、1種以上の酸又は塩基を単独で含んでもよい。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、触媒系は、例えば、炭酸カルシウム又は水酸化ナトリウムのような塩基と組み合わせた触媒金属を含んでもよい。
【0165】
[0171]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、触媒は、酢酸マンガン、酢酸リチウム、又はこれらの組み合わせを含む、それらからなる、又は本質的にそれらからなることができる。例えば、触媒は、酢酸マンガンを含む、それからなる、又は本質的にそれからなることができ、あるいは、酢酸リチウムを含む、それからなる、又は本質的にそれからなることができる。
【0166】
[0172]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、触媒は、スズ、亜鉛、及び/又はチタンのような他の典型的な加溶媒分解(又は加メタノール分解)触媒を含まなくてもよいが、これらの触媒は、反応器への全供給物(又は反応器内で測定した場合、又は反応器から引き出した場合の反応媒体又は流れ)基準で、加溶媒分解反応器(あるいは反応媒体又は反応器から取り出された流れ)中に、触媒金属の重量で500重量ppm以下、400重量ppm以下、300重量ppm以下、200重量ppm以下、150重量ppm以下、100重量ppm以下、50重量ppm以下、25重量ppm以下、10重量ppm以下、又は5重量ppm以下の量で存在してもよい。本明細書で特に定義しない限り、触媒の重量は、触媒金属の総重量を基準として決定される。
【0167】
[0173]触媒を、いくつかの場所のうちの1箇所以上で反応系に添加してもよい。例えば、触媒の全て又は一部を加溶媒分解設備に導入された廃プラスチック流112と混ぜ合わせてもよく、かつ/あるいは触媒の全て又は一部を混合区画206に加えてもよい。混合区画206に加える場合は、触媒は、流れ212中の溶媒と混ぜ合わせてもよく、又は分離触媒ライン(図3には示されていない)を経て加えてもよい。それに加えてあるいはその代わりに、触媒の全て又は一部を、反応器210に入れる前に、ライン138で混合区画206から出る流れ中の反応媒体に加えてもよい。場合によっては、触媒の全て又は一部は、別個の触媒ライン(図示せず)を経て、又は反応器210と混合区画206の間の再生処理ライン(図示せず)を経て、反応器210に加えてもよい。
【0168】
[0174]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、加溶媒反応器中の反応媒体は、PET、及び/又はPETのオリゴマーを含むその分解生成物、エチレングリコールやジメチルテフタラートなどのモノマー、少なくとも1種類の非PETプラスチック(ポリオレフィン、PVC、及び本明細書で説明する他のプラスチック)及び/又はその分解物、主要溶媒、ならびに酢酸マンガン及び/又は酢酸リチウムを含む触媒を含んでもよい。
【0169】
[0175]触媒(又は触媒の1種以上の成分)は、加溶媒分解反応器210への供給物重量基準(単位重量の供給物当たりの触媒ppm)で、少なくとも25重量ppm、少なくとも30重量ppm、少なくとも35重量ppm、少なくとも40重量ppm、少なくとも45重量ppm、少なくとも50重量ppm、少なくとも55重量ppm、少なくとも60重量ppm、少なくとも65重量ppm、少なくとも70重量ppm、少なくとも75重量ppm、少なくとも90重量ppm、少なくとも100重量ppm、少なくとも125重量ppm、少なくとも150重量ppm、少なくとも175重量ppm、若しくは少なくとも200重量ppm、及び/又は1,000重量ppm以下、900重量ppm以下、800重量ppm以下、700重量ppm以下、600重量ppm以下、500重量ppm以下、450重量ppm以下、400重量ppm以下、350重量ppm以下、300重量ppm以下、250重量ppm以下、240重量ppm以下、230重量ppm以下、220重量ppm以下、210重量ppm以下、200重量ppm以下、190重量ppm以下、180重量ppm以下、若しくは175重量ppm以下の量(触媒金属の重量として測定)で存在してもよく、あるいは25~1000重量ppm、50~800重量ppm、100~600重量ppm、125~400重量ppm、又は150~350重量ppmの範囲の量で存在してもよい。上記範囲内の量の触媒は、加溶媒分解反応器又は反応媒体の試料又は反応器から取り出された流れ内に存在してもよい。
【0170】
[0176]触媒は、任意の適切な形態であってよく、例えば、反応混合物と不均質であっても均質であってもよい。1つ以上の態様において、触媒は、加溶媒分解設備に添加される前(又は添加されるとき)に液体と混ぜ合わせて液相触媒を提供し、その後、混合区画206及び/又は加溶媒分解反応器210に導入されてもよい。触媒は、これらの金属の1つ以上の可溶性又は部分的に可溶性の形態を含んでもよい。触媒を、混合区画206に導入する前に、溶媒と混ぜ合わせてもよい。
【0171】
[0177]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、反応区画210における反応媒体の平均滞留時間は、少なくとも1分、少なくとも2分,少なくとも5分、少なくとも10分、若しくは少なくとも15分、及び/又は12時間以下、11時間以下、10時間以下、9時間以下、8時間以下、7時間以下、6時間以下、5時間以下、若しくは4時間以下であってもよい。加溶媒分解又は加メタノール分解設備30に導入されたPETの総重量の少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%は、反応区画210を出る際に反応器流出流144中で分解されていてもよい。
【0172】
[0178]一態様又は本明細書に記載された任意の態様との組合せにおいて、反応器浄化流142が反応区画210から除去されて、少なくとも一部が反応器浄化副産物流142として化学的再生処理施設10内の1つ以上の下流設備に移送されてもよい。反応器浄化副産物流142は、加溶媒分解設備30から生成された主要なテレフタリル(又は、加メタノール分解の場合はDMT)の沸点よりも高い沸点を有していてもよい。
【0173】
[0179]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、反応器浄化副産物流142は、流142の総重量を基準で、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、又は少なくとも99重量%の主要なテレフタリルを含む。加溶媒分解設備が加メタノール分解設備の場合に、反応器浄化副産物流142は、流142の総重量基準で、少なくとも1重量%、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、又は少なくとも99重量%のDMTを含んでもよい。
【0174】
[0180]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、反応器浄化副産物流142は、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、2重量%以下、又は1重量%以下のDMT(又は他のテレフタル)の沸点より高い沸点を有する成分を含んでもよい。それに加えてあるいはその代わりに、反応器浄化副産物流142は、反応器の温度より少なくとも5℃、少なくとも10℃、少なくとも15℃、少なくとも20℃、若しくは少なくとも25℃低い、及び/又は多くとも50℃、45℃、40℃、35℃、30℃、25℃、20℃、若しくは15℃だけ低い融解温度を有してもよく、あるいは副産物流142の融解温度は、5~50℃、10~45℃、又は10~40℃の範囲の量だけ反応器の温度より低くてもよい。
【0175】
[0181]さらに、反応器浄化副産物流142は、流れ142の総重量基準で、少なくとも100ppmかつ25重量%以下の1種以上の非テレフタリル固体を含んでもよい。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、反応器浄化副産物流142中の非テレフタリル固体の総量は、この流れの総重量基準で、少なくとも150ppm、少なくとも200ppm、少なくとも250ppm,少なくとも300ppm、少なくとも350ppm、少なくとも400ppm、少なくとも500ppm、少なくとも600ppm、少なくとも700ppm、少なくとも800ppm、少なくとも900ppm、少なくとも1,000ppm、少なくとも1,500ppm、少なくとも2,000ppm、少なくとも2,500ppm、少なくとも3,000ppm、少なくとも3,500ppm、少なくとも4,000ppm、少なくとも4,500ppm、少なくとも5,000ppm、少なくとも5,500ppm、少なくとも6,000ppm、少なくとも7,000ppm、少なくとも8,000ppm、少なくとも,9000ppm、少なくとも10,000ppm、若しくは少なくとも12,500ppm、及び/又は25重量%以下、22重量%以下、20重量%以下、18重量%以下、15重量%以下、12重量%以下、10重量%以下、8重量%以下、5重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、若しくは1重量%以下であってよい。
【0176】
[0182]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、反応器浄化副産物流142は、この流れの総重量基準で、少なくとも100重量ppm、少なくとも250重量ppm、少なくとも500重量ppm、少なくとも750重量ppm、少なくとも1,000重量ppm、少なくとも1,500重量ppm、少なくとも2,000重量ppm、少なくとも2,500重量ppm、少なくとも3,000重量ppm、少なくとも3,500重量ppm、少なくとも4,000重量ppm、少なくとも4,500重量ppm、少なくとも5,000重量ppm、少なくとも5,500重量ppm、少なくとも6,000重量ppm、少なくとも6,500重量ppm、少なくとも7,000重量ppm、少なくとも7,500重量ppm、少なくとも8,000重量ppm、少なくとも8,500重量ppm、少なくとも9,000重量ppm、少なくとも9,500重量ppm、又は少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、少なくとも5重量%、少なくとも8重量%、少なくとも10重量%、若しくは少なくとも12重量%、及び/又は25重量%以下、22%重量以下、20重量%以下、17重量%以下、15重量%以下、12重量%以下、10重量%以下、8重量%以下、6重量%以下、5重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、1重量%以下、又は7,500重量ppm以下、5,000重量ppm以下、若しくは2,500重量ppm以下の全固体含有量を有する。
【0177】
[0183]固体の例としては、不揮発性触媒化合物を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、反応器浄化副産物流は、少なくとも100ppm、少なくとも250ppm、少なくとも500ppm、少なくとも750ppm、少なくとも1,000ppm、少なくとも1,500ppm、少なくとも2,000ppm、少なくとも2,500ppm、少なくとも3,000ppm、少なくとも3,500ppm、少なくとも4,000ppm、少なくとも4,500ppm、少なくとも5,000ppm、少なくとも7,500ppm、少なくとも10,000ppm、若しくは少なくとも12,500ppm、及び/又は60,000ppm以下、50,000ppm以下、40,000ppm以下、35,000ppm以下、30,000ppm以下、25,000ppm以下、20,000ppm以下、15,000ppm以下、若しくは10,000ppm以下の不揮発性の触媒金属を含んでもよい。
【0178】
[0184]適切な不揮発性触媒金属の例としては、チタン、亜鉛、マンガン、リチウム、マグネシウム、ナトリウム、メトキシド、アルカリ金属、アルカリ土類金属、スズ、残留エステル化又はエステル交換触媒、残留重縮合触媒、アルミニウム、解重合触媒、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定はされない。本明細書でさらに詳細に述べるように反応器浄化副産物流142の全て又は一部は、単独で、又は1種以上の他の副産物流、他の下流化学物質再生処理施設のうちの1つ以上から生じる流れ、および/又は未処理、部分処理済み、かつ/あるいは処理済み混合プラスチック廃棄物を含む廃プラスチックの流れとの組合せで、1つ以上の下流の化学的再生処理施設に導入されてもよい。
【0179】
[0185]反応区画から引き出された場合、及び/又は下流設備の1つ以上に導入された場合の反応器浄化副産物流142の温度は、少なくとも130℃、少なくとも135℃、少なくとも140℃、少なくとも145℃、少なくとも150℃、少なくとも155℃、少なくとも160℃、少なくとも165℃、少なくとも170℃、少なくとも175℃、少なくとも180℃、少なくとも185℃、少なくとも190℃、少なくとも195℃、少なくとも200℃、少なくとも205℃、少なくとも210℃、少なくとも215℃、少なくとも220℃、少なくとも225℃、少なくとも230℃、少なくとも245℃、少なくとも250℃、少なくとも255℃、少なくとも260℃、少なくとも265℃、少なくとも270℃、少なくとも275℃、少なくとも280℃、少なくとも285℃、少なくとも290℃、少なくとも295℃、少なくとも300℃、少なくとも325℃、又は少なくとも350℃であってもよい。
【0180】
[0186]一態様又は本明細書で記載の任意の態様との組み合わせにおいて、図3に一般的に示されるように、加溶媒分解設備30における反応区画210からの流出流144は、先に述べたように、必要に応じて反応器の下流に位置する非PET分離区画208を経て送られてもよい。反応器又は存在する場合には非PET分離区画208からの流出流144は、生成物分離区画220に移送され、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、又は少なくとも99重量%の重質有機材料が供給流144から分離され、主に軽質有機材料である流れ146及び重質有機材料流148を形成してもよい。この流れの分離には任意に適切な方法を使用でき、その方法は、例えば蒸留、抽出、デカンテーション、晶析、膜分離、例えば、濾過(例えばベルトフィルター)などの固液分離、及びそれらの組合せを含んでもよい。得られた重質有機物流及び軽質有機物流は、望ましい最終生成物及び副産物のさらなる精製及び/又は回収のために、下流の分離区画に送られてもよい。
【0181】
[0187]図3に示すように、生成物分離区画220から引き出された流れの総重量基準で、例えば少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%の重質有機成分を含み得る重質有機物流148は、重質有機物分離区画240に導入されてもよい。重質有機物分離区画240において、主要なテレフタリル生成物流158は、テレフタリル塔底又は「汚泥」副産物流160から分離されてもよい。このような分離は、例えば、蒸留、抽出、デカンテーション、膜分離、溶融晶析、区画精製、及びこれらの組み合わせによって達成されてもよい。その結果、流の総重量基準で、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%の主要なテレフタリル(又はDMT)を含む流れ158が得られる。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、主要なテレフタリルの少なくとも一部又は全ては、再生処理成分のテレフタリル(再生テレフタリル)、例えば再生処理成分のDMT(再生DMT)を含んでもよい。
【0182】
[0188]また重質有機物分離区画240から取り出されるのは、テレフタリル底部副産物流(「テレフタリル塔底副産物流」又は「テレフタリル汚泥副産物流」又は「テレフタリル屑副産物流」とも呼ばれる)である。加溶媒分解設備が加メタノール分解設備の場合に、その流は、DMT底部副産物流、DMT塔底副産物流、DMT汚泥副産物流、又はDMT屑流と呼ばれてもよい。
【0183】
[0189]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、この副産物流は、例えばPETオリゴマーなどの組成物の総重量基準で、例えば、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は少なくとも99.5%の、加溶媒分解を受けたポリエステル部位を含むオリゴマーを含んでもよい。本明細書で使用される場合、用語「ポリエステル部分」又は「ポリエステルの部分」は、ポリエステルの部分又は残基、あるいはポリエステル部分又は残基の反応生成物を指す。これらのオリゴマーは、数平均鎖長が、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、又は少なくとも8モノマー単位(酸及びグリコール)、及び/又は30以下、27以下,25以下、22以下、20以下、17以下、15以下、12以下、又は10以下のモノマー単位(酸及びグリコール)であってもよく、ポリエステル(例えばPET)が処理されている部分を含んでもよい。
【0184】
[0190]テレフタリル塔底副産物流160は、流の総重量基準で、少なくとも0.01重量%、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.10重量%、少なくとも0.50重量%、少なくとも1重量%、若しくは少なくとも1.5重量%、及び/又は40重量%以下、35重量%以下、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、又は2重量%以下のオリゴマー以外の成分を含んでもよい。そのような成分は、流の総重量基準で、0.01~40重量%、0.05~35重量%、又は1.5~10重量%の範囲の量で存在してもよい。
【0185】
[0191]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、オリゴマーは、ジメチルテレフタラート以外の少なくとも1種のエステル、テレフタル酸又はDMT以外の少なくとも1種のカルボン酸、及び/又はエチレングリコール以外の少なくとも1種のグリコールをさらに含む。例えば、オリゴマーは、さらに、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、プロパン-1,3-ジオール、ブタン-1,4-ジオール、ペンタン-1,5-ジオール、ヘキサン-1,6-ジオール、ネオペンチルグリコール、3-メチルペンタンジオール-(2,4)、2-メチルペンタンジオール-(1,4)、2,2,4-トリメチルペンタンジオール-(1,3)、2-エチルヘキサンジオール-(1,3)、2,2-ジエチルプロパンジオール-(1,3)、ヘキサンジオール-(1,3)、1,4-ジ(ヒドロキシエトキシ)-ベンゼン、2,2-ビス-(4-ヒドロキシシクロヘキシル)-プロパン、2,4-ジヒドロキシ-1,1,3,3-テトラメチル-シクロブタン、2,2,4,4-テトラメチルシクロブタンジオール、2,2-ビス-(3-ヒドロキシエトキシフェニル)-プロパン、2,2-ビス-(4-ヒドロキシプロポキシフェニル)-プロパン、イソソルビド、ハイドロキノン、BDS-(2,2-(スルホニルビス)-4,1-フェニレオキシ))ビス(エタノール)、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサン二酢酸、ジフェニル-4,4’-ジカルボン酸、ジフェニル-3,4’-ジカルボン酸、ネオペンチルグリコール、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、及びそれらの組み合わせのうちの1種以上の部分を含んでもよい。
【0186】
[0192]テレフタリル塔底副産物流はまた、主要なテレフタリル又は加メタノール分解の場合にはDMTを、副産物流の総重量基準で、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%、及び/又は、99%以下、95%以下、90%以下、85%以下、80%以下、75%以下、70%以下、65%以下、60%以下、55%以下、50%以下、45%以下、若しくは40%以下の量で含んでもよい。(処理されるPET又は他の重合体に依存すると)考えられる主要なグリコールの他の例としては、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールが挙げられるが、これらに限定はされない。
【0187】
[0193]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、テレフタリル塔底(又はDMT塔底)副産物流160は、オリゴマー及び少なくとも1種の置換テレフタリル成分を含んでもよい。本明細書で使用する用語「置換テレフタリル」は、少なくとも1つの置換原子又は基を有するテレフタリル成分を意味する。テレフタリル塔底副産物流160は、テレフタリル塔底副産物流160の総重量基準で、少なくとも1重量ppb、少なくとも100重量ppb、少なくとも500重量ppb、又は少なくとも1重量ppm、少なくとも50重量ppm、少なくとも1,000重量ppm、少なくとも2,500重量ppm、少なくとも5,000重量ppm、少なくとも7,500重量ppm、少なくとも10,000重量ppm、少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、若しくは少なくとも5重量%、及び/又は25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、2重量%以下、1重量%以下、0.5重量%以下、0.1重量%以下、0.05重量%以下、若しくは0.01重量%以下の置換テレフタリル成分を含んでもよい。
【0188】
[0194]本明細書でさらに詳細に述べるように、テレフタリル塔底副産物流160の全て又は一部は、1つ以上の下流の化学的再生処理施設に、単独で、又は1つ以上の他の副産物流、他の下流の化学物質再生処理施設のうちの1つ以上から生じる流、及び/又は、未処理、部分処理済み、かつ/あるいは処理済み混合プラスチック廃棄物を含む廃プラスチック流との組合せで導入されてもよい。
【0189】
[0195]再び図3を参照すると、生成物分離区画220からの主に軽質有機物である流れ146は、軽質有機物分離区画230に導入されてもよい。軽質有機物分離区画230では、この流れ146を分離して、主要な溶媒(例えば、加メタノール分解におけるメタノール)を除去してもよく、かつ主要なグリコール(例えば、加メタノール分解におけるエチレングリコール)を、主要なグリコールより軽質及び主要なグリコールより重質の有機副産物から分離してもよい。
【0190】
[0196]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、軽質有機物分離区画230から取り出された溶媒流150は、この流150の総重量基準で、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%の主要な溶媒を含んでもよい。加溶媒分解設備30が加メタノール分解設備の場合に、この流れ150は、この流れの総重量基準で、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%のメタノールを含んでもよい。この流れの全て又は一部は、さらなる使用のために加溶媒分解設備内の1箇所以上で再生処理に戻されてもよい。
【0191】
[0197]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、少なくとも1つの軽質有機物加溶媒分解副産物流152(「軽質有機物」流とも呼ばれる)はまた、軽質有機物分離区画230から取り出されることができ、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%の、主要なテレフタリル(又はDMT)の沸点より低い沸点を有する成分(主要なグリコール(又はエチレングリコール)でもなく、主要な溶媒(又はメタノール)でもない)を含んでもよい。それに加えてあるいはその代わりに、副産物流は、60重量%以下、55重量%以下、50重量%以下、45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、1重量%以下の、DMTの沸点よりも高い沸点を有する成分を含んでもよく、かつこの流152自体は、主要なテレフタリル(又はDMT)の沸点よりも低い沸点を有してもよい。
【0192】
[0198]一態様、又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、軽質有機副産物流は、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%,少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、又は少なくとも90重量%の、主要なグリコールの沸点より低い(又はPETの加メタノール分解の場合はエチレングリコールの沸点より低い)沸点を有する成分を含んでもよい。
【0193】
[0199]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、軽質有機物加溶媒分解副産物流152は、主要な溶媒(例えばメタノール)を含む加溶媒分解設備で生成されてもよい。例えば、軽質有機副産物流152は、少なくとも2重量%、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、若しくは少なくとも55重量%、及び/又は90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、65重量%以下、60重量%以下、55重量%以下、50重量%以下、45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、若しくは30重量%以下の主要な溶媒を含んでもよい。
【0194】
[0200]さらに、この副産物流152は、アセトアルデヒドを、副産物流の総重量基準で、少なくとも1ppm、少なくとも5ppm、少なくとも10ppm、少なくとも50ppm、少なくとも100ppm、少なくとも250ppm、少なくとも500ppm、少なくとも750ppm、若しくは少なくとも1,000ppm、及び/又は90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下,65重量%以下、60重量%以下、55重量%以下、50重量%以下、45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、1重量%以下、0.5重量%以下、0.1重量%以下、若しくは0.05重量%以下の量で含み、あるいはアセトアルデヒドは、副産物流の総重量基準で、1ppm~50重量%、50ppm~0.5重量%、又は100ppm~0.05重量%の量で存在してもよい。
【0195】
[0201]さらに、軽質有機副産物流152は、p-ジオキサンを、副産物流の総重量基準で、少なくとも1ppm、少なくとも5ppm、少なくとも10ppm、少なくとも50ppm、少なくとも100ppm、少なくとも250ppm、少なくとも500ppm、少なくとも750ppm、若しくは少なくとも1,000ppm、及び/又は60重量%以下、55重量%以下、50重量%以下、45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、1重量%以下、0.5重量%以下、0.1重量%以下、若しくは0.05重量%以下の量で含んでもよく、あるいはp-ジオキサンは、副産物流の総重量基準で、1ppm~50重量%、50ppm~0.5重量%、又は100ppm~0.05重量%の量で存在してもよい。
【0196】
[0202]軽質有機副産物流152は、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸メチル、ケイ酸塩、2,5-メチルジオキソラン、1,4-シクロヘキサンジメタノール、2-エチル-1-ヘキサノール、2,2,4,4,-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール、2,2,4-トリメチル-3-ペンテナール、2,2,4-トリメチル-3-ペンテノール、2,2,4-トリメチルペンタン、2,4-ジメチル-3-ペンタノン(DIPK)、イソ酪酸イソブチル、ギ酸メチル、n-ブタノール、酢酸、ジブチルエーテル、ヘプタン、ジブチルテトラフタラート、フタル酸ジメチル、ジメチル1,4-シクロヘキサンジカルボキシラート、1-メトキシエタノール、2-メトキシエタノール、2-メチル-1,3-ジオキソラン、1,1-ジメトキシ-2-ブテン、1,1-ジメトキシエタン、1,3-プロパンジオール、2,5-ジメチル-1,3,5-ヘキサジエン、2,5-ジメチル-2,4-ヘキサジエン、α-メチルスチレン、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールホルマール、ジメトキシジメチルシラン、ジメチルエーテル、ジイソプロピルケトン、安息香酸EG、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、メトキシトリメチルシラン、4-エチル安息香酸メチル、カプリル酸メチル、グリコール酸メチル、乳酸メチル、ラウリン酸メチル、メトキシエチルテレフタル酸メチル、ノナン酸メチル、オレイン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、安息香酸メチル-4-アセチル、オクタメチルシクロテトラシロキサン、スチレン、トリメチルシラノール、1,1-ジメトキシ-2-ブテン、4-メチルモルホリン、1,3,3-トリメトキシプロパン、ミリスチン酸メチル、アジピン酸ジメチル、n-メチルカプロラクタム、アゼル酸ジメチル、ネオペンチルグリコール、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも1種の追加成分をさらに含んでもよい。
【0197】
[0203]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、この追加成分は、シラン、2,5-メチルジオキソラン、2-エチル-1-ヘキサノール、2,2,4,4,-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール、2,2,4-トリメチル-3-ペンテナール、2,2,4-トリメチル-3-ペンテノール、2,2,4-トリメチルペンタン、2,4-ジメチル-3-ペンタノン(DIPK)、イソ酪酸イソブチル、ギ酸メチル、n-ブタノール、ジブチルエーテル、ヘプタン、テレフタル酸ジブチル、1,4-シクロヘキサン二カルボン酸ジメチル、1,1-ジメトキシ-2-ブテン、1,3-プロパンジオール、2,5-ジメチル-1,3,5-ヘキサジエン、2,5-ジメチル-2,4-ヘキサジエン、α-メチルスチレン、ジエチレングリコールホルマール、ジメトキシジメチルシラン、ジメチルエーテル、ジイソプロピルケトン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、メトキシトリメチルシラン、4-エチル安息香酸メチル、カプロン酸メチル、乳酸メチル、ラウリル酸メチル、テレフタル酸メチルメトキシエチル、ノナン酸メチル、オレイン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、オクタメチルシクロテトラシロキサン、スチレン、トリメチルシラノール、1,1-ジメトキシ-2-ブテン、4-メチルモルホリン、1,3,3-トリメトキシプロパン、ミリステ酸メチル、アジピン酸メチル、n-メチルカプロラクタム、アゼル酸メチル、ネオペンチルグリコール、及びそれらの組み合わせからなる群から選択できる。
【0198】
[0204]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、この追加成分は、2,2,4,4,-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール、2,2,4-トリメチル-3-ペンテナール、2,2,4-トリメチル-3-ペンテノール、2,2,4-トリメチルペンタン、2,4-ジメチル-3-ペンタノン(DIPK)、イソ酪酸イソブチル、ジメトキシジメチルシラン、メトキシトリメチルシラン、メチルノナン酸、オレイン酸メチル、ステアリン酸メチル、及びその組み合わせからなる群から選択できる。
【0199】
[0205]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、この追加成分は、1,1-ジメトキシ-2-ブテン、4-メチルモルホリン、1,3,3-トリメトキシプロパン、ミリスチン酸メチル、アジピン酸ジメチル、n-メチルカプロラクタム、アゼライン酸ジメチル、ネオペンチルグリコール、及びそれらの組み合わせからなる群から選択できる。
【0200】
[0206]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、軽質有機副産物流152は、主要な溶媒(例えば、加溶媒分解設備が加メタノール分解設備の場合はメタノール)の沸点よりも低い平均沸点を有する。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、軽質有機副産物流152は、主要なグリコール(例えば、PETの加溶媒分解用のエチレングリコール)の沸点よりも低い平均沸点を有してもよい。
【0201】
[0207]ここで図4に目を向けると、図3に示した軽質有機物分離区画230から引き出されたいくつかの流れの模式図が示されている。特に図4に示すように、少なくとも1つの溶媒流150、少なくとも1つの水流155、少なくとも1つのグリコール流154、及び低ボイラー流190、溶媒共沸又は中間ボイラー流192、水共沸又は中間ボイラー流194、及びグリコール共沸又は中間ボイラー流196からなる群から選択される1つ以上の副産物流が軽質有機物分離区画230から取り出されてもよい。さらに、グリコール塔底副産物流156も、先に詳細に述べたように、軽質有機物分離区画230から取り出されてもよい。当然のことだが、上記の各流はそれぞれ、優勢な量で存在する成分に従って命名されている。すなわち、上記で使用される流れの名称は、その流れの総重量基準で、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、又は少なくとも85重量%の量で存在するその流れの主成分を反映させている。
【0202】
[0208]図4に示すように、流れ中の有機成分(DMTを除く)の総重量基準で、主要なテレフタリル(又はDMT)の沸点よりも高い沸点を有する有機成分を少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、又は少なくとも90重量%含み得る供給流146を、軽質有機物分離区画230に導入してもよい。図3に示すように、この流146は、加溶媒分解(又は加メタノール分解)設備の生成物分離区画、及び/又は反応区画に由来してもよい。図4に一般的に示される軽質有機物分離区画230は、例えば、蒸留、抽出、デカンテーション、及びそれらの組み合わせを含む、任意の適切な種類の分離技術を採用してもよい。図4に示す生成物及び副産物流を提供するために、2つ以上の異なる種類の分離技術を直列又は並列に使用してもよい。
【0203】
[0209]図4に示すように、軽質有機物回収区画230に導入された供給流146は、例えば、低沸点物流190、溶媒共沸又は中間沸点物流192、溶媒流150、水共沸又は中間沸点物流194、水流155、グリコール共沸又は中間沸点物流196、グリコール流154、及びグリコール塔底流156を含む1つ以上のさらなる流れに分離されてもよい。図3に示す軽質有機物回収区画から取り出された軽質有機副産物流152は、これらの流の1つ以上を、単独であるいは混合して含んでもよい。例えば、図4に一般的に示すように、少なくとも2つ、又は3つ以上の流れを混合して、軽質有機副産物流152を形成することができる。このような混合は、例えば、軽質有機副産物混合区画232内で行うことができ、あるいは1つ以上の流れをタンク又は他の装置(図示せず)内で単に混合してもよい。場合によっては、図4に示される流れの少なくとも3つ、少なくとも4つ、又は少なくとも5つを混合して、軽質有機副産物流152を形成できる。これらの流れの全て又は一部は、単独で又は混合して、本明細書に記載されるように、1つ以上の下流処理設備又は再生処理設備に送ることができる。
【0204】
[0210]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、軽質有機副産物流152は、少なくとも1種の共沸物を含んでいてもよい。本明細書で使用される用語「共沸物」は、混合物が煮沸されるときに一定の沸点を有する2種以上の成分の混合物を意味する。軽質有機副産物流152は、主要な溶媒(例えば、メタノール)と共沸を形成する成分、水と共沸を形成する成分、及び/又は主要なグリコール(例えばエチレングリコール)と共沸を形成する成分を含んでもよい。形成される場合に、共沸物又は共沸物含有流のうちの2種以上は、軽質有機副産物流152の少なくとも一部を形成するように混合されてもよく、あるいは共沸物の1種以上を、図1a及び図1bに示される1つ以上の下流化学処理設備に別々に供給してもよい。
【0205】
[0211]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、軽質有機副産物流152は、前記軽質有機副産物流の総重量基準で、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、若しくは少なくとも85重量%、及び/又は99重量%以下、95重量%以下、90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、65重量%以下、若しくは60重量%以下の主要な溶媒共沸物を含む。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、軽質有機副産物流152は、前記軽質有機副産物流152の総重量基準で、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、若しくは少なくとも85重量%、及び/又は99重量%以下、95重量%以下、90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、65重量%以下、若しくは60重量%以下のメタノール(又は他の主要な溶媒)共沸物を含む。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、軽質有機物流152は、主要な溶媒(あるいはメタノール)との共沸物でなくてもよく、あるいはこの共沸物を、流れ152の総重量基準で、10重量%以下、5重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、1重量%以下、又は0.5重量%以下の量で含んでもよい。
【0206】
[0212]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、軽質有機副産物流152は、低沸点物の沸点と主要な溶媒の沸点との間の沸点を有する中間沸点物流を含んでもよい。この流れは、低沸点物の沸点と主要な溶媒の沸点との間の沸点を有する成分を、流れの総重量基準で、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、又は少なくとも90重量%含んでもよい。これは、溶媒中間沸点流と呼ばれることがあり、溶媒(又はメタノール)共沸物を含まないか、又はこの流れの全重量基準で、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、又は1重量%以下のこのような成分を含んでもよい。
【0207】
[0213]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、軽質有機副産物流は、前記軽質有機副産物流152の総重量基準で、少なくとも5重量%。少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、若しくは少なくとも85重量%、及び/又は99重量%以下、95重量%以下、90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、65重量%以下、若しくは60重量%の水共沸物を含む。
【0208】
[0214]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、軽質有機副産物流152は、主要な溶媒(又はメタノール)の沸点と水の沸点との間の沸点を有する中間沸点流を含んでもよい。この流れは、水中間沸点物流と呼ばれることがあり、水共沸物を含まなくてもよく、あるいはこの流れの総重量基準で、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、2重量%以下、1重量%以下、又は0.5重量%以下の水共沸物を含んでもよい。
【0209】
[0215]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、軽質有機物副産物流152は、前記軽質有機物副産物流152の総重量基準で、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、若しくは少なくとも85重量%、及び/又は99重量%以下、95重量%以下、90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、65重量%以下、若しくは60重量%以下の主要なグリコール(又はエチレングリコール)共沸物を含み、あるいはこの共沸物は、流れの総重量基準で、5~99重量%、10~95重量%、又は15~85重量%の範囲の量で存在してもよい。
【0210】
[0216]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、軽質有機副産物流は、前記軽質有機物副産物流の総重量基準で、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、若しくは少なくとも85重量%、及び/又は99重量%以下、95重量%以下、90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、65重量%以下、若しくは60重量%以下のエチレングリコール(又は別の主要なグリコール)の共沸物を含み、あるいはこの共沸物は、流れの総重量基準で、5~99重量%、10~95重量%、又は15~85重量%の範囲の量で存在してもよい。
【0211】
[0217]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、軽質有機副産物流152は、水の沸点と主要なグリコール(又はエチレングリコール)の沸点との間の沸点を有する中間沸点物流を含んでもよい。この流れは、グリコール中間沸点物流と呼ばれることがあり、グリコール(又はエチレングリコール)共沸物を含まなくてもよく、流れの総重量基準で20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、2重量%以下、1重量%以下、又は0.5重量%のグリコール共沸物を含んでもよい。
【0212】
[0218]さらに一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、加溶媒分解(又は加メタノール分解)設備から取り出された軽質有機物流152は、流れ152の総重量基準で、少なくとも2重量%,少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、若しくは少なくとも55重量%、及び/又は90重量%以下。85重量%以下、80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、65重量%以下、60重量%以下、55重量%以下、50重量%以下、45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、若しくは30重量%以下の主要な溶媒(又はメタノール)を含んでもよく、あるいはこの主要な溶媒は、2~90重量%、5~85重量%、又は10~70重量%の範囲の量で存在してもよい。
【0213】
[0219]同様に一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、加溶媒分解(又は加メタノール分解)設備から取り出された軽質有機副産物流152は、流の総重量基準で、少なくとも2重量%、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、又は少なくとも55重量%、及び/又は90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、65重量%以下、60重量%以下、55重量%以下、50重量%以下、45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、又は30重量%以下の主要なグリコール(又はエチレングリコール)を含んでもよく、あるいはこの主要なグリコールは、2~90重量%、5~85重量%、又は10~70重量%の範囲の量で存在してもよい。軽質有機物副産物流152は、流れの総重量基準で、少なくとも2重量%、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、若しくは少なくとも30重量%、及び/又は50重量%以下、45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、若しくは10重量%以下の水を含んでもよく、あるいは水は、流れ152の総重量基準で、2~50重量%、5~45重量%、又は5~65重量%の範囲の量で存在してもよい。
【0214】
[0220]本明細書でさらに詳細に述べるように、軽質有機副産物流152(又は軽質有機副産物流152を構成する1つ以上の流れ)の全て又は一部を、1つ以上の下流化学的再生処理施設に単独で、あるいは1つ以上の他の副産物流、他の下流化学物質再生処理設備のうちの1つ以上からの流、及び/又は未処理、部分処理済み、あるいは処理済みの混合プラスチック廃棄物を含む廃プラスチック流と混合して、下流化学的再生処理施設に導入してもよい。
【0215】
[0221]再び図4を参照すると、軽質有機物回収区画230から除去された低沸点物流190は、存在する場合は、主要な溶媒(又はメタノール)の沸点より低い沸点、及び/又は任意の低沸点溶剤共沸物の沸点より低い沸点を有する成分を主に含んでもよい。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、低沸点流190は、低沸点流190の総重量基準で、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%の、主要な溶媒よりも低い沸点を有する成分を含んでもよい。
【0216】
[0222]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、溶媒流150はまた、軽質有機物分離区画230から引き出されてもよく、この流れ150の総重量基準で、少なくとも2重量%、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも25重量%、少なくとも40重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、又は少なくとも99重量%の主要な溶媒を含んでもよい。加溶媒分解設備が加メタノール分解設備の場合に、この流れは、少なくとも2重量%、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも40重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、又は少なくとも99重量%のメタノールを含んでいてもよい。この流れの全て又は一部は、さらなる使用のために加溶媒分解設備の入口に戻され再生されてもよい。
【0217】
[0223]再び図4を参照すると、一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、水流155はまた、加溶媒分解設備の軽質有機物回収区画230から除去してもよい。水流155は、水流155の総重量基準で、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%の水を含んでもよい。水流155中の有機成分の含有量に応じて、必要に応じて、さらなる廃棄及び/又は使用の前に、この水流を下流の水処理設備に送ってもよい。
【0218】
[0224]本明細書でさらに詳細に述べるように、軽質有機副産物流の全て又は一部を、単独で、あるいは1つ以上の他の副産物流、他の下流化学物質再生処理設備の1つ以上から生じる流、及び/又は(未処理、部分処理、あるいは処理済みの)混合プラスチック廃棄物を含む廃プラスチック流との組合せで、1つ以上の下流の化学的再生施設に導入してもよい。
【0219】
[0225]さらに図3及び図4に示すように、主要なグリコールを主に含む流れ154はまた、軽質有機物分離区画230から取り出すことができる。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、主要なグリコール(エチレングリコールなど)の流れ154は、流れ154の総重量基準で、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、又は少なくとも99重量%の主要なグリコールを含んでもよい。主要なグリコール流154はまた、主要なグリコール生成物流154が、流れの総重量基準で、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%の再生処理成分を有するように再生処理成分を含んでもよい。主要なグリコール(又はエチレングリコール)は、再生グリコール(又は再生エチレングリコール)を含んでもよい。
【0220】
[0226]図3に示すように、グリコール含有塔底副産物流156はまた軽質有機物分離区画230から取り出されてもよい。用語「グリコール塔底」又は「グリコール塔汚泥」(又はより詳細には、加メタノール分解でのEG塔底又はEG塔汚泥)は、主要なグリコールの沸点よりも高いが主要なテレフタリルよりも低い沸点(又は共沸点)を有する成分を意味する。
【0221】
[0227]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、グリコール塔底副産物流156は、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%の、主要なグリコール(例えばエチレングリコール)の沸点より高く、かつ主要なテレフタリルの沸点より低い沸点を有する成分を含んでもよい。グリコール塔底副産物流156は、60重量%以下、55重量%以下、50重量%以下、45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、2重量%以下、1重量%以下の、主要なグリコール(例えばエチレングリコール)の沸点より低い沸点の成分を含んでもよい。グリコール塔底副産物流156は、主要なグリコール(例えばEG)の沸点より高く、かつ主テレフタリル(例えばDMT)の沸点より低い沸点を有してもよい。
【0222】
[0228]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、グリコール底部副産物流156は、主要なグリコール及び少なくとも1種の他のグリコールを含んでもよい。例えば、グリコール塔底副産物流156は、副産物流156の総重量基準で、少なくとも0.5重量%、少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、少なくとも3重量%、少なくとも5重量%、若しくは少なくとも8重量%、及び/又は30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、12重量%以下、又は10重量%以下の主要なグリコール(又はエチレングリコール)を含んでもよい。主要なグリコール(又はエチレングリコール)は、それ自体で(遊離状態で)、又は他の化合物中の部分として存在してもよい。
【0223】
[0229](処理済みのPET又は他の重合体に依るが)他の考えられる主要なグリコールの例としては、限定はされないが、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、プロパン-1,3-ジオール、ブタン-1,4-ジオール、ペンタン-1,5-ジオール、ヘキサン-1,6-ジオール、ネオペンチルグリコール、3-メチルペンタンジオール-(2,4)、2-メチルペンタンジオール-(1,4)、2,2,4-トリメチルペンタンジオール-(1,3)、2-エチルヘキサンジオール-(1,3)、2,2-ジエチルプロパンジオール-(1,3)、ヘキサンジオール-(1,3)、1,4-ジ(ヒドロキシエトキシ)-ベンゼン、2,2-ビス-(4-ヒドロキシシクロヘキシル)-プロパン、2,4-ジヒドロキシ-1,1,3,3-テトラメチルシクロブタン、2,2,4,4-テトラメチルシクロブタンジオール、2,2-ビス-(3-ヒドロキシエトキシフェニル)-プロパン、2,2-ビス-(4-ヒドロキシプロポキシフェニル)-プロパン、イソソルビド、ヒドロキノン、BDS-(2,2-(スルホニルビス)4,1-フェニレンオキシ)ビス(エタノール)、及びそれらの組み合わせが挙げられる。他のグリコールは、エチレングリコールでなくてもよく、エチレングリコールを含んでもよい。これらのグリコールの部位はまた、この流又は他の副産物流中のポリエステルの任意のオリゴマー中に存在してもよい。さらに、他の非テレフタリル成分及び/又は非グリコール成分はまた、これらの流れ中に存在してもよい。このような成分の例としては、イソフタル酸基や、主要なテレフタリルよりも高い沸点の他の酸残基が挙げられる。
【0224】
[0230]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、主要なグリコール(又は加メタノール分解の場合にはエチレングリコール)以外のグリコールは、グリコール塔底副産物流156中に、グリコール塔底副産物流156中のグリコールの総重量基準で、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、若しくは少なくとも75重量%、及び/又は99重量%以下、95重量%以下、90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、65重量%以下、60重量%以下、55重量%以下、50重量%以下、45重量%以下、40重量%以下、又は35重量%以下の量で存在してもよい。
【0225】
[0231]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、グリコール塔底副産物流156中の主要なグリコール以外の少なくとも1種のグリコールの主要なグリコールに対する重量比は、少なくとも0.5:1、少なくとも0.55:1、少なくとも0.65:1、少なくとも0.70:1、少なくとも0.75:1、少なくとも0.80:1、少なくとも0.85:1、少なくとも0.90:1、少なくとも0.95:1、少なくとも0.97:1、少なくとも0.99:1、少なくとも1:1、少なくとも1.05:1、少なくとも1.1:1、少なくとも1.15:1、少なくとも1.2:1、又は少なくとも1.25:1である。さらにあるいはその代わりに、グリコール塔底副産物流156中の主要なグリコール以外の少なくとも1つのグリコールの主要なグリコールに対する重量比は、5:1以下、4.5:1以下、4:1以下、3.5:1以下、3:1以下、2.5:1以下、2:1以下、1.5:1以下、1.25:1以下、1:1以下であるか、0.5:1~5:1、0.70:1~3:1、又は0.80:1~2.5:1の範囲にある。
【0226】
[0232]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、加溶媒分解設備30は、2つ以上の副産物流を生成してもよく、加溶媒分解設備30は、2つ以上の重質有機副産物流、2つ以上の軽質有機副産物流、又は軽質及び重質有機副産物流の組み合わせを含んでもよい。1つ以上の加溶媒分解副産物流(図1a及び図1bでは流れ110として示される)の全て又は一部を、例えば、熱分解設備60、クラッキング設備70、POXガス化設備50、エネルギー回収設備80、及び先に述べた他の任意の設備のいずれかを含む下流処理設備のうちの少なくとも1つに導入してもよい。
【0227】
[0233]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、2つ以上の(あるいは2つ以上のうちの一部の)加溶媒分解副産物流は、同じ下流処理設備に導入されてもよく、あるいは他の場合には、2つ以上の(又は2つ以上のうちの一部の)加溶媒分解副産物流は、異なる下流の処理設備に導入されてもよい。態様によっては、単一の副産物流の少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも97重量%、少なくとも99重量%、あるいは全ての流れが1つの下流設備に導入されてもよく、他の態様においては、この流れは、単一の副産物流の60重量%以下、55重量%以下、50重量%以下、45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、又は30重量%以下が、下流処理設備のうちの1つに導入されるように、2つ以上の下流設備に分割されてもよい。
【0228】
[0234]再び図1a及び図1bを参照すると、一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、少なくとも1つの加溶媒分解副産物流110の少なくとも一部を、図1a及び1bに示すように、前処理設備20から引き出されたPO富化プラスチック流114の少なくとも一部と混合してもよい。PO富化プラスチックとの混合流における単一の副産物流110(又は2つ以上が混合された場合には全ての副産物流)の量は変えてもよく、混合流の総重量基準で、例えば、少なくとも1重量%、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%,少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、若しくは少なくとも50重量%、及び/又は90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、65重量%以下、60重量%以下、55重量%以下、50重量%以下、若しくは40重量%以下であってもよい。図1a及び1bに示されるように、混合流は次いで、図1bに示すような化学的再生設備の一個所以上、例えば、POXガス化設備50、熱分解設備60、クラッキング設備70、及び/又はエネルギー生成設備80、並びに分離設備に、かつ/あるいはさらなる販売及び/又は使用のために導入されてもよい。
【0229】
液化/脱ハロゲン化
[0235]図1a及び1bに示すように、PO富化廃プラスチック流114(加溶媒分解副産物流110と混合される場合、および混合されない場合)は、下流処理設備の1つ以上に導入される前に任意に液化区画又は工程に導入されてもよい。本明細書で使用する用語「液化」区画又は工程は、入ってくるプラスチックの少なくとも一部を液化する化学処理区画又は工程を意味する。プラスチックを液化する工程は、化学的液化、物理的液化、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。液化区画に導入された重合体を液化する例示的な方法は、(i)加熱/溶融;(ii)溶媒に溶解;(iii)解重合;(iv)可塑化、及びそれらの組み合わせを含んでもよい。さらに、選択肢(i)~(iv)の1つ以上が、重合体材料の液化(粘度の低下)を促進するのに役立つ配合剤又は液化剤の添加を伴ってもよい。このように、液状化廃プラスチックの流動性、及び/又は分散性を高めるために、種々の粘弾性改質剤(例えば、溶媒、解重合剤、可塑剤、および混和剤)を用いることができる。
【0230】
[0236]液化区画40に添加されると、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、又は少なくとも99重量%のプラスチック(通常は廃プラスチック)が粘度の低下を受けて、主に液体である流れが提供される。場合によっては、粘度の低下は、加熱(例えば、プラスチックに直接的又は間接的に接触する蒸気の添加)により促進でき、他の場合には、プラスチックを溶解することができる溶媒と組み合わせることで促進できる。適切な溶媒の例には、メタノール又はエタノールなどのアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノールなどのグリコール、グリセリン、熱分解油、モーターオイル、及び水を含んでもよいが、これらに限定されるわけではない。図1a及び1bに示すように、溶媒流141を、液化区画40に直接添加する、あるいは液化区画40に供給される1つ以上の流(図1a及び1bには示さず)と混ぜ合わせることができる。
【0231】
[0237]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、溶媒は、例えば、流れの総重量基準で、少なくとも1重量%、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%の再生処理成分材料を有する再生処理成分溶媒を含んでもよい。その代わりあるいはそれに加えて、ライン141中の溶媒の再生処理成分は、流れの総重量基準で、99.9重量%以下、95重量%以下、90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、65重量%以下、60重量%以下、55重量%以下、50重量%以下、45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、又は1重量%以下であってもよく、あるいは、流れの総重量基準で、1~99重量%、5~90重量%、又は10~75重量%の範囲にあってもよい。
【0232】
[0238]再生処理成分は、化学的再生処理施設10内の1つ以上の流れ、例えば、加溶媒分解副産物流(例えば、PETを含む廃プラスチック流から形成される)及び/又は熱分解油流(例えば、ポリオレフィンを含む廃プラスチックの流れ及び/又は廃PETの加溶媒分解の副産物の熱分解から形成される)に由来してもよい。溶媒141として液化区画40に導入できる流れのいくつかの例が、図1a及び図1bに示されている。これらの流れの各々の全て又は一部を溶媒として使用できる。溶媒流141は、溶媒と廃プラスチックの混合が液化タンク内で行われるように、廃プラスチック流とは別に液化区画40の液化タンク(図1a及び1bには示さず)に直接導入でき、かつ/あるいは溶媒を、混合流が液化区画40の液化タンクに導入されるように液化区画40に導入した1つ以上の流と混ぜ合わせることもできる。
【0233】
[0239]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、溶媒は、化学的再生処理施設内の1つ以上の他の設備から取り出される流れを含んでもよい。例えば溶媒は、加溶媒分解設備30、熱分解設備60、及びクラッキング設備70のうちの少なくとも1つから取り出された流れを含んでもよい。溶媒は、本明細書に記載された加溶媒分解副産物のうちの少なくとも1種であるか又はそれらを含んでもよく、あるいは熱分解油であるか又はそれを含んでもよい。
【0234】
[0240]場合によっては、解重合剤との接触により、例えばプラスチックの数平均鎖長が短縮するように、プラスチックを解重合することができる。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、先に挙げた溶媒の少なくとも1種を解重合剤として使用でき、1つ以上の他の態様において、解重合剤としては、有機酸(例えば、酢酸、クエン酸、酪酸、ギ酸、乳酸、オレイン酸、シュウ酸、ステアリン酸、酒石酸、及び/又は尿酸)、又は(ポリオレフィンの場合には)硫酸などの無機酸を挙げることができる。解重合剤は、重合体の数平均鎖長を短縮させることで、重合体の融点及び/又は粘度を下げることができる。
【0235】
[0241]その代わりあるいはそれに加えて、プラスチックの粘度を下げるために可塑剤を液化区画で使用してもよい。ポリエチレン用の可塑剤としては、例えば、フタル酸ジオクチル、テレフタル酸ジオクチル、三安息香酸グリセリル、最大8,000ダルトンの分子量を有するポリエチレングリコール、ひまわり油、400~1,000ダルトンの分子量を有するパラフィンワックス、パラフィン系油、鉱油、グリセリン、EPDM、EVAが挙げられる。ポリプロピレン用の可塑剤としては、例えば、セバシン酸ジオクチル、パラフィン系オイル、トール酸イソオクチル、可塑化油(ドラクオール34)、ナフテン系及び芳香族系処理油、グリセリンが挙げられる。ポリエステル用可塑剤としては、例えば、400~1,500ダルトンの範囲の分子量を有するポリアルキレンエーテル(例えば、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又はそれらの混合物)、モノステアリン酸グリセリル、エポキシ大豆酸オクチル、エポキシ化大豆油、トール油酸エポキシエステル、エポキシ化アマニ油、ポリヒドロキシアルカノアート、グリコール(例えば、エチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコールなど)、フタル酸類、テレフタラート、トリメリタート、及びポリエチレングリコールジ(2-エチルヘキソアート)などが挙げられる。使用される場合に可塑剤は、流れの総重量基準で、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、若しくは少なくとも5重量%、及び/又は10重量%以下、8重量%以下、5重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、若しくは1重量%以下の量で存在してもよく、あるいは流れの総重量基準で0.1~10重量%、0.5~8重量%、又は1~5重量%の範囲であってもよい。
【0236】
[0242]さらに、廃プラスチック流を液化する方法のうちの1つ以上は、液化過程の前、中、又は後に、少なくとも1種の混和剤をプラスチックに添加することを含んでもよい。そのような混和剤は、例えば、乳化剤、及び/又は界面活性剤を含んでもよく、特に混合プラスチック流のプラスチック成分間の密度の差で複数の液相又は半液相が形成される場合に、液化プラスチックを完全に混和して単一相にする役割を果たすことができる。使用される場合に混和剤は、流れの総重量に基づいて、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、若しくは少なくとも5重量%、及び/又は10重量%以下、8重量%以下、5重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、若しくは1重量%以下で存在してもよく、あるいは0.1~10重量%、0.5~8重量%、又は1~5重量%の範囲であってもよい。
【0237】
[0243]一般に図1a及び1bに示されるように、PO富化プラスチック流114と混ぜ合わされる場合に、PO富化廃プラスチック流114を液化区画40に導入する前(ライン113で示すように)に、及び/又は液化区画40から液化プラスチック流を除去した後(ライン115で示すように)に、加溶媒分解副産物流110(本明細書に記載の1種以上の加溶媒分解副産物を含んでもよい)を加えてもよい。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、1つ以上の副産物流のうちの少なくとも一部又は全てを、図1a及び1bに示すように、液化区画に直接導入することもできる。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、PO富化廃プラスチック流114の少なくとも一部は、ライン117経由で完全に液化区画40を迂回することができ、必要に応じて、図1a及び図1bにも示すように、少なくとも1つの加溶媒分解副産物流110と混ぜ合わせることができる。
【0238】
[00244]さらに図1a及び1bに示すように、熱分解設備60から引き出された熱分解油流143の一部をPO富化プラスチック流114と混ぜ合わせて、液化プラスチックを形成することができる。液化区画40に直接導入するように示されているが、熱分解油流143の全て又は一部を、液化区画40への導入前に、又はPO富化プラスチック流114が液化区画40を出た後に、PO富化プラスチック流114と混ぜ合わせることができる。使用する場合に熱分解油は、本明細書に記載の一個所以上で、単独で、又は1つ以上の他の溶媒流との組合せで添加することができる。
【0239】
[0245]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、液化区画40から下流の化学的再生処理施設のうちの1つ以上への供給流は、下流の1つ以上の処理設備に導入される供給流の総重量基準で、少なくとも1重量%、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%の1つ以上の加溶媒分解副産物流を含んでもよい。
【0240】
[0246]例えば、化学的再生処理施設10のうちのPOX設備50、熱分解設備60、クラッキング設備70、エネルギー回収設備80、及び/又は他の設備90の各々への供給流116、118、120、122は、PO富化廃プラスチック及び所定量の本明細書に記載の1種以上の加溶媒分解副産物を含んでもよい。流れ116、118、120、及び122のうちの1つ以上は、流れ116、118、120、及び/又は122の総重量基準で、95重量%以下、90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、65重量%以下、60重量%以下、55重量%以下、50重量%以下、45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、2重量%以下。又は1重量%以下の1つ以上の加溶媒分解副産物流を含んでもよい。これらの量は、単一の流れ又はこれらの流れのうちの2つ以上の組み合わせに当てはめることができる。
【0241】
[0247]その代わりあるいはそれに加えて、液化区画40から引き出された液化(又は粘度低下)プラスチック流は、流れの総重量基準で、少なくとも1重量%、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、若しくは少なくとも95重量%、及び/又は95重量%以下、90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、75重量%以下。70重量%以下、65重量%以下、60重量%以下、55重量%以下、50重量%以下、45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、2重量%以下、若しくは1重量%のPOを含んでもよく、POの量は、流れの総重量基準で、1~95重量%、5~90重量%、又は10~85重量%の範囲であってもよい。
【0242】
[0248]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、液化プラスチック流は溶融プラスチック流であってもよく、あるいは液体溶媒に溶解したプラスチックを含んでもよい。本明細書で使用する用語「溶解」は、化学的及び/又は物理的な機構によって少なくとも部分的に分解されることを意味する。
【0243】
[0249]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、液化区画40を出た液化プラスチック流は、せん断速度10rad/sかつ温度350℃で作動するV80-40ベーンスピンドル付きブルックフィールドR/Sレオメーターで測定された、3,000ポイズ未満、2,500ポイズ未満、2,000ポイズ未満、1,500ポイズ未満、1,000ポイズ未満、800ポイズ未満、750ポイズ未満、700ポイズ未満、650ポイズ未満、600ポイズ未満、550ポイズ未満、500ポイズ未満、450ポイズ未満、400ポイズ未満、350ポイズ未満、300ポイズ未満、250ポイズ未満、150ポイズ未満、100ポイズ未満、75ポイズ未満、50ポイズ未満、25ポイズ未満、10ポイズ未満、5ポイズ未満、又は1ポイズ未満の粘度を有してもよい。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、液化区画を出た液化プラスチック流の粘度(350℃かつ10rad/sで測定しポイズで表す)は、液化区画40に導入されたPO富化流の粘度の95%以下、90%以下、75%以下、50%以下、25%以下、10%以下、5%以下、又は1%以下である。
【0244】
[0250]図5に示すように、少なくとも1つの加溶媒分解副産物流110及び非PET廃プラスチック流(例えばPO富化流)114を、液化区画40に供給してもよい。液化区画40に導入される加溶媒分解副産物流110は、先に述べた加溶媒分解(又は加メタノール分解)設備に由来するポリオレフィン含有副産物流、反応器浄化副産物流、軽質有機副産物流、テレフタリル汚泥副産物流、及びグリコール汚泥副産物流のうちの1つ以上を含んでもよい。液化区画40に導入される加溶媒分解副産物流110は、液化区画40の前で又はその区画内で混合される、これらの流れのうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、又は少なくとも一部の全てを含んでもよい。液化区画40への供給(単一流あるいは混合流に拘わらず)は、1つ以上の供給流の総重量基準で、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、若しくは少なくとも75重量%、及び/又は99重量%以下、95重量%以下、90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、65重量%以下、60重量%以下、55重量%以下、若しくは50重量%以下の少なくとも1つの加溶媒分解副産物流を含んでもよい。
【0245】
[0251]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、液化区画40への供給物は、1つ以上の供給流の総重量基準で、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、若しくは少なくとも75重量%、及び/又は99重量%以下、95重量%以下、90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、65重量%以下、60重量%以下、55重量%以下、若しくは50重量%以下の廃プラスチックなどの非PETプラスチックを含んでもよい。廃プラスチックは、例えば、図1a及び1bに示されるような前処理設備から取り出されたポリエチレン及び/又はポリプロピレンなどのポリオレフィンを主に含んでもよい。そのような流れは、1つ以上の流れの総重量基準で、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%のポリオレフィンを含んでもよい。あるいはそのような流れは、1つ以上の流れの総重量基準で、99重量%以下、95重量%以下、90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、65重量%以下、60重量%以下、55重量%以下、50重量%以下、45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、又は15重量%以下のポリオレフィンを含んでもよい。
【0246】
[0252]非PET廃プラスチックは、1つ以上の流れの総重量基準で、少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、若しくは少なくとも40重量%、及び/又は50重量%以下、45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、7重量%以下、若しくは5重量%以下のPETをさらに含んでもよく、あるいは1つ以上の流れの総重量基準で、1~40重量%、2~20重量%、又は5~10重量%の範囲の量で存在してもよい。
【0247】
[0253]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、混合後の廃プラスチックの加溶媒分解副産物流に対する重量比は、少なくとも0.75:1、少なくとも0.90:1、少なくとも1:1、少なくとも1.5:1、少なくとも2:1、少なくとも3:1、少なくとも4:1、少なくとも5:1、少なくとも6:1、少なくとも7:1、少なくとも8:1、少なくとも9:1、少なくとも10:1、少なくとも11:1、少なくとも12:1、少なくとも13:1、少なくとも14:1、少なくとも15:1、少なくとも16:1、少なくとも17:1、少なくとも18:1、少なくとも19:1,若しくは少なくとも20:1、及び/又は100:1以下、75:1以下、70:1以下、65:1以下、60:1以下、50:1以下、45:1以下、40:1以下、35:1以下、30:1以下、25:1以下、20:1以下、若しくは15:1以下であり、あるいは0.75:1~100:1、1:1~50:1、又は1.5:1~20:1の範囲であってもよい。
【0248】
[0254]また図5に示すように、少なくとも1つの主に蒸気である流れ164及び少なくとも1つの主に液体である流れ161は、液化区画40から引き出されてもよい。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、蒸気流164の少なくとも一部は、必要なら、苛性又はアミン洗浄装置などの洗浄装置440に送られてもよく、洗浄装置440では、塩素及び他のハロゲン、並びに硫黄、二酸化炭素、アルデヒド、及びそれらの組み合わせなどの望ましくない成分の全て又は一部を除去するために洗浄流体を採用することができる。洗浄装置440は、洗浄装置440に導入された望ましくない成分の総量基準で、洗浄装置に導入された1種以上の望ましくない成分の少なくとも10重量%、少なくとも20重量%、少なくとも30重量%、少なくとも40重量%、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%を除去することができる。
【0249】
[0255]得られた蒸気流164は、次いでエネルギー回収設備、POXガス化設備、及びクラッキング設備のうちの1つ以上に導入されてもよい。必要に応じて、POXガス化設備、及び/又はクラッキング設備に導入される流れの少なくとも一部を、熱分解油流(又は図示しないが熱分解ガス)と混ぜ合わせてもよく、この混合流は下流設備に導入されてもよい。態様によっては、混合流は、流れの総重量基準で、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、若しくは少なくとも50重量%、及び/又は99重量%以下、90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、65重量%以下、若しくは60重量%以下の液化蒸気を含んでもよい。その代わりあるいはそれに加えて、混合流は、流れの総重量基準で、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、若しくは少なくとも40重量%、及び/又は80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、65重量%以下、60重量%以下、55重量%以下、若しくは50重量%以下の熱分解油を含んでもよい。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、蒸気流の少なくとも一部は、下流の処理設備の1つ以上に導入する前に、(図1bに示すような圧縮機450で)蒸気流の少なくとも一部を冷却かつ/あるいは圧縮してもよい。
【0250】
[0256]さらに図5に示すように、液化区画40から取り出された主に液体である流れ161は、(i)POXガス化設備、(ii)エネルギー回収設備、及び(iii)熱分解設備のうちの少なくとも1つに導入されてもよい。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、主に液体である流れは、本明細書に詳述するように、単独で、あるいは1つ以上の他の流体との組合せで、少なくとも1つ、少なくとも2つ、あるいは3つ全ての設備に導入されてもよい。
【0251】
[0257]図6は、図1a及び1bに例示された化学的再生処理施設における液化区画40として使用され得る液化システムにおける基本構成要素を示す。当然のことだが、図6は液化システムの1つの例示的な態様を描いている。図6に描かれた特定の構成は省略されてもよく、及び/又は本明細書の他の場所で説明される追加の構成を、図6に描かれたシステムに追加してもよい。
【0252】
[0258]図6に示すように、PO富化廃プラスチック流114などの廃プラスチック供給物は、本明細書で述べる前処理設備20などの廃プラスチック供給源から得られてもよい。PO富化廃プラスチック流114などの廃プラスチック供給物は液化区画40に導入されてもよい(図6は、少なくとも1つの溶融タンク310、少なくとも1つの循環路ポンプ312、少なくとも1つの外部熱交換器340、少なくとも1つのストリッピング塔330、及び少なくとも1つの解離容器320を含むものとして描く)。これらの様々な例示的な構成要素及び液化区域40におけるそれらの機能については、以下でより詳細に説明する。
【0253】
[0259]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、かつ図6に示すように、液化区画40は溶融タンク310とヒーターを含む。溶融タンク310は、PO富化廃プラスチック流114などの廃プラスチック供給物を受け取り、ヒーターは廃プラスチックを加熱する。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、溶融タンク310は1つ以上の連続攪拌タンクを含んでもよい。液化区画で1種以上の粘弾性改質剤(例えば、溶媒、解重合剤、可塑剤、混和剤)を使用する場合に、このような粘弾性改質剤は、溶融タンク310内で又はその前にPO富化プラスチックに添加かつ/あるいは混合してもよい。
【0254】
[0260]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、(図6に示さないが)液化区画40のヒーターは、溶融タンク310内に位置する内部熱交換コイル、溶融タンク310の外側の覆い、溶融タンク310の外側の加熱配線、及び/又は溶融タンク310の外側の電気加熱要素の形態を取ることができる。あるいは、図6に示すように、液化区画40のヒーターは、溶融タンク310から液化プラスチック流171を受け取り、それを加熱し、かつ加熱された液化プラスチック流173の少なくとも一部を溶融タンク310に戻す外部熱交換器340を含んでもよい。
【0255】
[0261]図6に示すように、外部熱交換器340を用いて液化区画40に熱を供給する場合に、循環路を採用してPO富化材料に連続的に熱を加えることができる。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、循環路は、溶融タンク310、外部熱交換器340、溶融槽と外部熱交換器を接続するライン171で示される導管、及び液化廃プラスチックを循環路内で循環させるためのポンプ151を含む。循環路を採用した場合に、製造された液化PO富化材料を、図6に示す導管161を経て循環するPO富化流の一部として液化区画40から連続的に取り出すことができる。
【0256】
[0262]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、液化区画40は、必要に応じて、PO富化材料からハロゲンを除去する装置を含んでもよい。PO富化材料が液化区画40で加熱されると、ハロゲン富化ガスが発生する可能性がある。発生したハロゲン富化ガスを液化されたPO富化材料から解離させることで、PO富化材料中のハロゲンの濃度を下げることができる。
【0257】
[0263]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、脱ハロゲン化を、ストリッピングガス(例えば流れ)を溶融タンク310内又は循環路内の別の場所のいずれかで液化PO富化材料に吹き込むことにより促進することができる。図6に示すように、ストリッパー330及び解離容器320は、外部熱交換器340の下流かつ溶融タンク310の上流の循環路に設けることができる。図6に示すように、ストリッパー330は、外部熱交換器340から加熱された液化プラスチック流173を受け取り、液化プラスチックへのストリッピングガス153の吹き込みを提供することができる。液化プラスチックへストリッピングガス153を吹き込むと、ストリッパー330内に二相媒体が生成できる。
【0258】
[0264]流れ175を経て解離容器320に導入されたこの二相媒体は、次いで解離容器320を(例えば重力によって)通過でき、ハロゲン富化気相がハロゲン貧化液相から解離し、流れ162を経て解離容器320から除かれる。あるいは図6に示すように、外部熱交換器340からの加熱液化プラスチック173の一部は、ストリッパー330を迂回して、解離容器320に直接導入されてもよい。
【0259】
[0265]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、解離容器の出口から排出されたハロゲン貧化液相の第1の部分を、ライン159で溶融タンク310に戻すことができ、ハロゲン貧化液相の第2の部分を、脱ハロゲン化かつ液化したPO富化生成物流161として液化区画から排出させることができる。解離容器からの解離ハロゲン富化気体流162、かつライン164中の溶融タンク310からの解離ハロゲン富化気体流を、さらなる処理及び/又は廃棄のために液化区画40から除去できる。
【0260】
[0266]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、液化区画40を出る脱ハロゲン化かつ液化した廃プラスチック流161は、500重量ppm未満、400重量ppm未満、300重量ppm未満、200重量ppm未満、100重量ppm未満、50重量ppm未満、10重量ppm未満、5重量ppm未満、2重量ppm未満、1重量ppm未満、0.5重量ppm未満、又は0.1重量ppm未満のハロゲン含有量を有してもよい。液化区画40を出る液化プラスチック流161のハロゲン含有量は、液化区画に導入されたPO富化流のハロゲン含有量の95重量%以下、90重量%以下、75重量%以下、50重量%以下、25重量%以下、10重量%以下、又は5重量%以下である。
【0261】
[0267]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、液化区画40を出る脱ハロゲン化液化廃プラスチック流161は、500重量ppm未満、400重量ppm未満、300重量ppm未満、200重量ppm未満、100重量ppm未満、50重量ppm未満、10重量ppm未満、5重量ppm未満、2重量ppm未満、1重量ppm未満、0.5重量ppm未満、又は0.1重量ppm未満のハロゲン含有量を有してもよい。液化区画40を出る液化プラスチック流161のハロゲン含有量は、液化区画に導入されたPO富化流のハロゲン含有量の95重量%以下、90重量%以下、75重量%以下、50重量%以下、25重量%以下、10重量%以下、又は5重量%以下である。
【0262】
熱分解
[0268]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、図1a及び1bに概略的に描かれた化学的再生処理施設10は、熱分解設備を含んでもよい。本明細書で使用する用語「熱分解」は、1種以上の有機材料を不活性(すなわち実質的に無酸素)雰囲気中の高温で熱分解することを意味する。「熱分解設備」は、廃プラスチック及びそれに由来する原料の熱分解を行うのに必要な全ての器具、ライン、及び制御部を含む設備である。
【0263】
[0269]図7は、液化区画からの液化廃プラスチックなどの廃プラスチック流116を、熱分解ガス、熱分解油、及び熱分解残留物に転換する例示的な熱分解設備60を描く。当然のことであるが、図7は本技術の例示的な一態様を描いている。従って、図7に描かれた特定の構成を省略してもよく、かつ/あるいは本明細書の他の場所に記載された追加の構成を、図7に描かれたシステムに追加してもよい。
【0264】
[0270]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、熱分解設備60への供給流116は、(i)前述のような少なくとも1つの加溶媒分解副産物流、及び(ii)廃プラスチックのPO富化流のうちの少なくとも一方を含んでもよい。これらの流れのうちの1つ以上を、熱分解設備60に連続的に導入してもよいし、間欠的に導入してもよい。複数種の供給流が存在する場合に、それぞれを別々に導入してもよいし、全て又は一部の流れを混合して、混合流を熱分解設備60に導入してもよい。実行する場合に混合は連続又はバッチで行ってもよい。熱分解設備60に導入される供給物は、液化プラスチック(例えば、液化、溶融、可塑化、解重合、又はそれらの組み合わせのプラスチック)、プラスチックペレット若しくは粒子、又はそれらのスラリーの形態であってもよい。
【0265】
[0271]一般にまた図7に描かれているように、熱分解設備60は、熱分解反応器510及び反応器からの生成物流を分離する分離器520を含む。図7には描かれていないが、熱分解設備60の分離器520は、フィルタシステム、多段分離器、凝縮器、及び/又は急冷塔を含むがこれらに限定されない様々な種類の機器を含んでもよい。
【0266】
[0272]熱分解反応器510内では、供給物の少なくとも一部は、熱分解油、熱分解ガス、及び熱分解残留物を含む熱分解流出物を生成する熱分解反応を受けてもよい。本明細書で使用する用語「熱分解ガス」は、熱分解で得られる組成物であって、25℃かつ1気圧で気体のものを意味する。本明細書で使用する用語「熱分解油」は、25℃かつ1気圧で熱分解して得られる液体の組成物を意味する。本明細書で使用する用語「熱分解残留物」は、熱分解で得られる組成物で、熱分解ガスでも熱分解油でもなく、熱分解炭及び熱分解重質ワックスを主に含む組成物を意味する。本明細書で使用する用語「熱分解炭」は、熱分解で得られる炭素含有組成物で、200℃かつ1気圧で固体のものを意味する。本明細書で使用する用語「熱分解重質ワックス」は、熱分解で得られるC20以上の炭化水素のうち、熱分解炭、熱分解ガス、熱分解油以外のものを意味する。熱分解ガス及び熱分解油は、熱分解蒸気流170として熱分解反応器500を出てもよい。
【0267】
[0273]熱分解は、導入された供給物の化学的及び熱的分解を含む処理過程である。全ての熱分解過程は、実質的に無酸素の反応環境を一般的に特徴とするが、熱分解過程は、例えば、反応器内の熱分解反応温度、熱分解反応器内の滞留時間、反応器の種類、熱分解反応器内の圧力、及び熱分解触媒の有無によってさらに規定されてもよい。
【0268】
[0274]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、熱分解反応器510は、例えば、フィルム反応器、スクリュー押出機、管状反応器、タンク、撹拌槽反応器、ライザー反応器、固定床反応器、流動床反応器、回転炉、真空炉、マイクロ波炉、又はオートクレーブであってもよい。熱分解反応器510は、落下膜反応器や上昇流膜反応器などの膜反応器を含む。
【0269】
[0275]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、熱分解反応は、実質的に無酸素雰囲気中又は周囲大気よりも少ない酸素を含む雰囲気中で原料を加熱・転換することを含んでもよい。例えば、熱分解反応器510内の雰囲気は、反応器510の内部容積基準で、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1%以下、又は0.5%以下の酸素ガスを含んでもよい。
【0270】
[0276]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、浮揚ガス及び/又は供給ガスは、熱分解反応器510に原料を導入し、かつ/あるいは熱分解反応器510内の様々な反応を促進するのに使用されてもよい。例えば、浮揚ガス及び/又は供給ガスは、窒素、二酸化炭素、及び/又は水蒸気を含む、本質的にそれらからなる、又はそれらからなってもよい。浮揚ガス及び/又は供給ガスは、熱分解反応器510に導入する前に廃プラスチック流116と共に添加されてもよく、かつ/あるいは熱分解反応器510に直接添加されてもよい。浮揚ガス及び/又は供給ガスは、蒸気、及び/又は水素、一酸化炭素、及びそれらの組み合わせなどの還元性ガスを含んでもよい。
【0271】
[0277]さらに熱分解反応器510内の温度は、特定の最終生成物の製造を促進するように調整することができる。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、熱分解反応器510内の熱分解温度は、少なくとも325℃、少なくとも350℃、少なくとも375℃、少なくとも400℃、少なくとも425℃、少なくとも450℃、少なくとも475℃、少なくとも500℃、少なくとも525℃、少なくとも550℃、少なくとも575℃、少なくとも600℃、少なくとも625℃、少なくとも650℃、少なくとも675℃、少なくとも700℃、少なくとも725℃、少なくとも750℃、少なくとも775℃、又は少なくとも800℃であってもよい。
【0272】
[0278]さらにあるいはその代わりに、熱分解反応器内の熱分解温度は、1,100℃以下、1,050℃以下、1,000℃以下、950℃以下、900℃以下、850℃以下、800℃以下、750℃以下、700℃以下、650℃以下、600℃以下、550℃以下、525℃以下、500℃以下、475℃以下、450℃以下、425℃以下、又は400℃以下であってもよい。より詳細には、熱分解反応器内の熱分解温度は、325~1,100℃、350~900℃、350~700℃、350~550℃、350~475℃、425~1,100℃、425~800℃、500~1,100℃、500~800℃、600~1,100℃、600~800℃、650~1,000℃、又は650~800℃の範囲であってもよい。
【0273】
[0279]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、熱分解反応器内の原料の滞留時間は、少なくとも0.1秒、少なくとも0.2秒、少なくとも0.3秒、少なくとも0.5秒、少なくとも1秒、少なくとも1.2秒、少なくとも1.3秒、少なくとも2秒、少なくとも3秒、又は少なくとも4秒であってもよい。あるいは、熱分解反応器内の原料の滞留時間は、少なくとも1分、少なくとも2分、少なくとも3分、少なくとも4分、少なくとも5分、少なくとも6分、少なくとも7分、少なくとも8分、少なくとも9分、少なくとも10分、少なくとも20分、少なくとも30分、少なくとも45分、少なくとも60分、少なくとも75分、又は少なくとも90分であってもよい。さらにあるいはその代わりに、熱分解反応器内の原料の滞留時間は、6時間未満、5時間未満、4時間未満、3時間未満、2時間未満、1時間未満、又は0.5時間未満であってもよい。さらに、熱分解反応器内の原料の滞留時間は、100秒未満、90秒未満、80秒未満、70秒未満、60秒未満、50秒未満、40秒未満、30秒未満、20秒未満、10秒未満、9秒未満、8秒未満、7秒未満、6秒未満、5秒未満、4秒未満、3秒未満、2秒未満、又は1秒未満であってもよい。より具体的には、熱分解反応器内の原料の滞留時間は、0.1~10秒、0.5~10秒、30分~4時間、30分~3時間、1時間~3時間、又は1時間~2時間の範囲であってもよい。
【0274】
[0280]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、熱分解反応器内の圧力は、少なくとも0.1bar、少なくとも0.2bar、若しくは少なくとも0.3bar、及び/又は60bar以下、50bar以下、40bar以下、30bar以下、20bar以下、10bar以下、8bar以下、5bar以下、2bar以下、1.5bar以下、若しくは1.1bar以下の圧力に維持される。熱分解反応器内の圧力は、大気圧、又は0.1~100bar、0.1~60bar、0.1~30bar、0.1~10bar、1.5bar、0.2~1.5bar、若しくは0.3~1.1barの範囲内に維持される。熱分解反応器内の圧力は、少なくとも10bar、少なくとも20bar、少なくとも30bar、少なくとも40bar、少なくとも50bar、少なくとも60bar、若しくは少なくとも70bar、及び/又は100bar以下、95bar以下、90bar以下、85bar以下、80bar以下、75bar以下、70bar以下、65bar以下、若しくは60bar以下であってもよい。本明細書で使用する用語「bar」は、特に断りのない限り、計器圧を意味する。
【0275】
[0281]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、熱分解触媒を、熱分解反応器510に導入する前に供給流116に導入してもよく、かつ/あるいは熱分解反応器510に直接導入してもよい。触媒は、均質であっても不均質であってもよく、例えば、特定の種類のゼオライト及び他のメソ構造化触媒を含んでもよい。態様によっては、熱分解反応は触媒されず(例えば、熱分解触媒の不在で行われ)、熱伝達を促進するために、反応器510内に砂などの非触媒の熱保持不活性添加剤を含んでもよい。このように触媒を使用しない熱分解過程は、「純熱分解」と呼ばれることがある。
【0276】
[0282]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、熱分解反応器510での熱分解反応は、熱分解触媒の実質的に不在下で、350~600℃の範囲の温度、0.1~100barの範囲の圧力、及び0.2秒~4時間、又は0.5時間~3時間の滞留時間で起こってもよい。
【0277】
[0283]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、熱分解流出物又は熱分解蒸気は、少なくとも1重量%、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、又は少なくとも75重量%の熱分解油を含んでもよく、これらは加熱反応器を出る際に熱分解流出物中で蒸気の形態であってもよい。但しこれらの蒸気を、その後に凝縮して熱分解油を得てもよい。さらにあるいはその代りに、熱分解流出物又は熱分解蒸気は、99重量%以下、95重量%以下、90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、65重量%以下、60重量%以下、55重量%以下、50重量%以下、45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、30重量%以下、又は25重量%以下の熱分解油を含んでもよく、これらは加熱反応器から出る際に熱分解流出物中で蒸気の形態であってもよい。熱分解流出物又は熱分解蒸気は、熱分解流出物又は熱分解蒸気の総重量基準で、20~99重量%、25~80重量%、30~85重量%、30~80重量%、30~75重量%、30~70重量%、又は30~65重量%の範囲の熱分解油を含んでもよい。
【0278】
[0284]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、熱分解流出物又は熱分解蒸気は、少なくとも1重量%、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、又は少なくとも80重量%の熱分解ガスを含んでもよい。さらにあるいはその代わりに、熱分解流出物又は熱分解蒸気は、99重量%以下、95重量%以下、90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、65重量%以下、60重量%以下、55重量%以下、50重量%以下、又は45重量%以下の熱分解ガスを含んでもよい。熱分解流出物は、流れの総重量基準で、1~90重量%、10~85重量%、15~85重量%、20~80重量%、25~80重量%、30~75重量%、又は35~75重量%の熱分解ガスを含んでもよい。
【0279】
[0285]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、熱分解流出物又は熱分解蒸気は、少なくとも0.5重量%、少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、少なくとも3重量%、少なくとも4重量%、少なくとも5重量%、少なくとも6重量%、少なくとも7重量%、少なくとも8重量%、少なくとも9重量%、又は少なくとも10重量%の熱分解残留物を含んでいてもよい。さらにあるいはその代りに、熱分解流出物は、60重量%以下、50重量%以下、40重量%以下、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、9重量%以下、8重量%以下、7重量%以下、6重量%以下、又は5重量%以下の熱分解残留物を含んでもよい。熱分解流出物は、流れの総重量基準で、0.1~25重量%、1~15重量%、1~8重量%、又は1~5重量%の範囲の熱分解残留物を含んでよい。
【0280】
[0286]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、熱分解流出物又は熱分解蒸気は、15重量%以下、14重量%以下、13重量%以下、12重量%以下、11重量%以下、10重量%以下、9重量%以下、8重量%以下、7重量%以下、6重量%以下、5重量%以下、4重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、1重量%以下、又は0.5重量%以下の自由水を含んでもよい。本明細書に使用する「自由水」は、熱分解装置に予め(液体又は蒸気として)添加された水及び熱分解装置で生成された水を意味する。
【0281】
[0287]本明細書に記載の熱分解システムは、熱分解油流174、熱分解気体流172、及び熱分解残留物流176に分離できる熱分解流出物を生成してもよく、これらの各々は、それらの配合に基づいて様々な下流用途で直接使用できる。熱分解油、熱分解ガス、及び熱分解残留物の様々な特性及び性質は、以下に記載される。以下の特性及び性質の全てを別々に記載してもよいが、熱分解ガス、熱分解油、及び/又は熱分解残留物の以下の特性及び/又は性質の各々は、相互に排他的ではなく、任意の組み合わせで存在してもよいのは当然である。
【0282】
[0288]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、熱分解油は、1分子当たり4~30個の炭素原子を有する炭化水素(例えば、C4~C30炭化水素)を主に含んでもよい。本明細書で使用する用語「Cx」又は「Cx炭化水素」は、1分子当たり「x」個の総炭素を含む炭化水素化合物を意味し、その数の炭素原子を有する全てのオレフィン、パラフィン、芳香族、複素環、及び異性体を包含する。例えば、ノルマルブタン、イソブタン、及びtert-ブタン、ならびにブテン及びブタジエン分子の各々は、一般的表現の「C4」に該当する。熱分解油は、熱分解油流174の総重量基準で、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%のC4~C30の炭化水素含有量を有してもよい。
【0283】
[0289]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、熱分解油は、C5~C25炭化水素、C5~C22炭化水素、又はC5~C20炭化水素を主に含んでもよい。例えば熱分解油は、熱分解油の総重量基準で、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、若しくは少なくとも95重量%のC5~C25炭化水素、C5~C22炭化水素、又はC5~C20炭化水素を含んでもよい。熱分解油は、熱分解油の総重量基準で、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、又は少なくとも55重量%のC5~C12炭化水素を含んでもよい。さらにあるいはその代りに、熱分解油は、95重量%以下、90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、65重量%以下、60重量%以下、55重量%以下、又は50重量%以下のC5~C12炭化水素含有量を有してもよい。熱分解油は、流れの総重量基準で、10~95重量%、20~80重量%、又は35~80重量%の範囲のC5~C12炭化水素含有量を有してもよい。
【0284】
[0290] 一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、熱分解油は、反応器の条件及び触媒の採用の有無に応じて、様々な量のオレフィン及び芳香族を含んでもよい。熱分解油は、熱分解油の総重量基準で、少なくとも1重量%、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、若しくは少なくとも40重量%のオレフィン類及び/又は芳香族類を含む。さらにあるいはその代りに、熱分解油は、90重量%以下、80重量%以下、70重量%以下、60重量%以下、50重量%以下、45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、若しくは1重量%以下のオレフィン類及び/又は芳香族類を含んでもよい。本明細書で使用する用語「芳香族類」は、ベンゼン、トルエン、キシレン、スチレンなどの芳香族部位を含む任意の化合物の(重量での)総量を意味する。
【0285】
[0291]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、熱分解油は、熱分解油の総重量基準で、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、又は少なくとも65重量%のパラフィン(例えば、直鎖状又は分岐状アルカン)含有量を有してもよい。さらにあるいはその代りに、熱分解油は、99重量%以下、97重量%以下、95重量%以下、93重量%以下、90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、65重量%以下、60重量%以下、55重量%以下、50重量%以下、45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、又は30重量%以下のパラフィン含有量を有してもよい。熱分解油は、25~90重量%、35~90重量%、又は50~80重量%の範囲のパラフィン含有量を有してもよい。
【0286】
[0292]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、熱分解油は、少なくとも75℃、少なくとも80℃、少なくとも85℃、少なくとも90℃、少なくとも95℃、少なくとも100℃、少なくとも105℃、少なくとも110℃、若しくは少なくとも115℃、及び/又は250℃以下、245℃以下、240℃以下、235℃以下、230℃以下、225℃以下、220℃以下。215℃以下、210℃以下、205℃以下、200℃以下、195℃以下、190℃以下、185℃以下、180℃以下、175℃以下、170℃以下、165℃以下。160℃以下、155℃以下、150℃以下、145℃以下、140℃以下、135℃以下、130℃以下、125℃以下、若しくは120℃以下の(ASTM D-5399に準拠した測定値である)中沸点を有してもよい。熱分解油は、75~250℃、90~225℃、又は115~190℃の範囲内の中央沸点を有してもよい。本明細書で使用する「中央沸点」は、熱分解油の50体積%が中央沸点より上で沸騰し、50体積%が中央沸点より下で沸騰する、熱分解油の中央沸点温度を意味する。
【0287】
[0293]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、熱分解油の沸点範囲は、ASTM D-5399に準拠した測定で、熱分解油の少なくとも90%が250℃、280℃、290℃、300℃、又は310℃の温度で沸騰するようになっていてもよい。
【0288】
[0294]熱分解ガスに目を向けると、熱分解ガスは、熱分解ガスの総重量基準で、少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、少なくとも3重量%、少なくとも4重量%、少なくとも5重量%、少なくとも6重量%、少なくとも7重量%、少なくとも8重量%、少なくとも9重量%、少なくとも10重量%、少なくとも11重量%、少なくとも12重量%、少なくとも13重量%、少なくとも14重量%、若しくは少なくとも15重量%、及び/又は50重量%以下、45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、30重量%以下、25重量%以下、若しくは20重量%以下のメタン含有量を有してもよい。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、熱分解ガスは、1~50重量%、5~50重量%、又は15~45重量%の範囲のメタン含有量を有してもよい。
【0289】
[0295]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、熱分解ガスは、熱分解ガスの総重量基準で、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、若しくは少なくとも60重量%、及び/又は99重量%以下、95重量%以下、90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、若しくは65重量%以下のC3及び/又はC4炭化水素含有量(分子当たり3個又は4個の炭素原子を有する全ての炭化水素を含む)を有する。熱分解ガスは、10~90重量%、25~90重量%、若しくは25~80重量%の範囲のC3炭化水素含有量、C4炭化水素含有量、又はC3及びC4炭化水素の合計含有量を有してもよい。
【0290】
[0296]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、熱分解ガスは、熱分解ガスの総重量で、熱分解反応器からの総排出物の少なくとも10重量%、少なくとも20重量%、少なくとも30重量%、少なくとも40重量%、又は少なくとも50重量%を構成することができ、かつ熱分解ガスは、少なくとも25重量%、少なくとも40重量%、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、又は少なくとも75重量%のエチレン及びプロピレンの合計含有率を有することができる。
【0291】
[0297]熱分解残留物に目を向けると、一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、熱分解残留物は、熱分解残留物の総重量基準で、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、又は少なくとも85重量%のC20+炭化水素を含む。本明細書で使用する「C20+炭化水素」は、分子当たり少なくとも20個の総炭素を含む炭化水素化合物を意味し、その数の炭素原子を有する全てのオレフィン、パラフィン、及び異性体を包含する。
【0292】
[0298]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、熱分解残留物は、熱分解残留物の総重量基準で、少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、又は少なくとも99重量%の炭素含有固形物を含む。さらにあるいはその代わりに、熱分解残留物は、99重量%以下、90重量%以下、80重量%以下、70重量%以下、60重量%以下、50重量%以下、40重量%以下、30重量%以下、20重量%以下、10重量%以下、9重量%以下、8重量%以下、7重量%以下、6重量%以上、5重量%以下、又は4重量%以下の炭素含有固形物を含む。本明細書で使用する「炭素含有固形物」は、熱分解に由来し、25℃かつ1気圧で固形物の炭素含有組成物を意味する。炭素含有固形物は、炭素含有固形物の総重量基準で、少なくとも20重量%、少なくとも30重量%、少なくとも40重量%、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、又は少なくとも90重量%の炭素を含む。
【0293】
[0299]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、熱分解ガス、熱分解油、及び熱分解残留物の少なくとも一部は、他の化学処理設備、例えば、エネルギー回収設備80、部分酸化設備50、前述の他の設備90の1つ以上、及びクラッキング設備70のうちの1つ以上に送ってもよい。態様よっては、熱分解気体流172の少なくとも一部、及び/又は熱分解油流174の少なくとも一部を、エネルギー回収設備80、クラッキング設備70、POXガス化設備50、及びそれらの組み合わせに導入してもよく、一方、熱分解残留物流176は、POXガス化設備50、及び/又はエネルギー回収設備80に導入してもよい。態様によっては、熱分解気体流172、熱分解油流174、及び/又は熱分解残留物流176の少なくとも一部を、1つ以上の分離設備(図1a及び1bには示さず)に送り、それにより、熱分解ガス、熱分解油、及び/又は熱分解残留物のより精製された流れが形成され、これらは次いで、エネルギー回収設備80、クラッキング設備70、及び/又はPOXガス化設備50に送られてもよい。さらにあるいはその代わりに、熱分解油流176の全て又は一部を、PO富化廃プラスチックス流114と混合し、本明細書で述べるように、下流設備の1つ以上に供給される液化プラスチック流を提供することができる。
【0294】
クラッキング
[0300]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、熱分解設備60からの1つ以上の流れの少なくとも一部、又は図1a及び1bに示す他の設備の1つ以上からの1つ以上の流れを、クラッキング設備70に導入してもよい。本明細書で使用する用語「クラッキング」は、炭素-炭素結合を切断することで、複雑な有機分子をより単純な分子に分解することを意味する。「クラッキング設備」は、廃プラスチック由来の原料のクラッキングに必要な全ての器具、ライン、及び制御部を含む設備である。クラッキング設備は、1つ以上のクラッキング炉と、クラッキング炉の流出液を処理する装置を含む下流分離区画を含むことができる。本明細書で使用する用語「クラッカー」と「クラッキング」は互換的に使用される。
【0295】
[0301]次に図8aに目を向けると、本技術の1つ以上の態様に従って構成されたクラッキング設備70が示されている。一般に、クラッキング設備70は、クラッキング炉720、及び炉の流出物を様々な最終生成物、例えば再生処理成分オレフィン(再生オレフィン)流130に分離するクラッキング炉720の下流の分離区画740を含む。図8aに示すように、熱分解設備60からの熱分解気体流172及び/又は熱分解油流174の少なくとも一部は、クラッキング設備70に送ることができる。熱分解油流174は、クラッキング炉720の入口に導入することができ、熱分解気体流172は、炉720の上流又は下流の位置に導入することができる。図8aにも示されるように、パラフィン132(例えば、エタン及び/又はプロパン)の流れを、分離区画から取り出してもよく、再生処理成分のパラフィン(再生パラフィン)を含んでもよい。パラフィンの全て又は一部は、図8aにも示されるように、流れ134を介してクラッキング炉720の入口に再循環してもよい。使用される場合に、熱分解油流、熱分解気体流172、及び再生処理済みパラフィン流174は、必要に応じてクラッカー供給物136の流れと組み合わされて、クラッキング設備720への供給流119を形成してもよい。
【0296】
[0302]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、クラッキング設備70への供給流119は、(i)前述のような1つ以上の加溶媒分解副産物流110、(ii)廃プラスチックのPO富化流114、及び(iii)熱分解流(例えば、熱分解ガス172及び/又は熱分解油174)のうちの少なくとも1つを含んでもよい。これらの流れの1つ以上を、クラッキング設備70に連続的に導入してもよいし、断続的に導入してもよい。複数種の供給流が存在する場合に、それぞれを別々に導入してもよいし、全部又は一部の流れを混ぜ合わせて、混合流をクラッキング設備70に導入してもよい。流の混合を実行する場合は、連続又はバッチで行ってもよい。クラッキング設備70に導入される1つ以上の供給流は、主に気体である流、主に液体である流れ、又はそれらの組み合わせの形態であってもよい。
【0297】
[0303]図8aに示すように、熱分解気体流172及び/又は熱分解油流174をクラッカー供給原料流136と共にクラッキング設備70に導入してもよい。実施態様によっては、クラッカー供給流119は、流れ119の総重量基準で、少なくとも1重量%、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%の熱分解ガス、熱分解油、又は組み合わせた熱分解ガス及び熱分解油を含んでもよい。その代わりあるいはそれに加えて、クラッカー供給流119は、流れ119の総重量基準で、95重量%以下、90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、65重量%以下、60重量%以下、55重量%以下、50重量%以下、45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、30重量%以下、25重量%以下、又は20重量%以下の熱分解ガス、熱分解油、又は熱分解ガスと熱分解油の組み合わせを含んでもよく、あるいは流れ119の総重量基準で、1~95重量%、5~90重量%、又は10~85%の範囲の量でこれらの成分を含んでもよい。
【0298】
[0304]態様によっては、クラッカー供給流119は、クラッカー供給流119の総重量基準で、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、若しくは少なくとも95重量%、及び/又は95重量%以下、90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、65重量%以下、60重量%以下、55重量%以下、50重量%以下、45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、30重量%以下、25重量%以下、若しくは20重量%以下の量の熱分解ガス及び熱分解油以外の炭化水素供給物を含んでもよく、あるいは、クラッカー供給流119の総重量基準で、5~95重量%、10~90重量%、又は15~85重量%の量の熱分解ガス及び熱分解油以外の炭化水素供給物を含んでもよい。
【0299】
[0305]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、クラッカー供給流119は、主にC2~C4の炭化水素を含む組成物を含んでもよい。本明細書で使用される用語「主にC2~C4の炭化水素」は、少なくとも50重量%のC2~C4の炭化水素成分を含む流れ又は組成物を意味する。C2~C4の炭化水素流又は組成物の具体的な種類の例としては、プロパン、エタン、ブタン、及びLPGが挙げられる。クラッカー供給流119は、その供給物の総重量基準で、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、若しくは少なくとも95重量%、及び/又はその供給物の総重量基準で、100重量%以下、99重量%以下、95重量%以下、92重量%以下、90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、65重量%以下、若しくは60重量%以下のC2~C4の炭化水素又は直鎖状アルカンを含んでもよい。クラッカー供給流119は、主にプロパン、主にエタン、主にブタン、又はこれらの成分の2種以上の組合せを含むことができる。
【0300】
[0306]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、クラッカー供給流119は、主にC5~C22の炭化水素を含む組成物を含んでもよい。本明細書で使用される場合、「主にC5~C22の炭化水素」は、少なくとも50重量%のC5~C22の炭化水素成分を含む流又は組成物を意味する。例としては、ガソリン、ナフサ、中間留分、軽油、灯油などが挙げられる。
【0301】
[0307]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、クラッカー供給流119は、この流の総重量基準で、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、若しくは少なくとも95重量%、及び/又は100重量%以下、99重量%以下、95重量%以下、92重量%以下、90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、65重量%以下、若しくは60重量%以下のC5~C22又はC5~C20の炭化水素を含んでもよく、あるいは、その流れの総重量基準で、20~100重量%、25~95重量%、30~85重量%の範囲の量でC5~C22を含んでもよい。
【0302】
[0308]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、クラッカー供給流119は、供給流の総重量基準で、少なくとも0.5重量%、少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、若しくは少なくとも5重量%、及び/又は40重量%以下、35重量%以下、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、8重量%以下、15重量%以下、12重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、若しくは3重量%以下のC15及びより重質(C15+)の含有量を有してもよく、あるいは、その流れの総重量基準で、0.5~40重量%、1~35重量%、又は2~30重量%の範囲であってもよい。
【0303】
[0309]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、クラッキング炉に導入される供給流は、真空ガス油(VGO)、水素化真空ガス油(HVGO)、又は常圧ガス油(AGO)を含んでもよい。クラッカー供給流119は、その流れの総重量基準で、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、若しくは少なくとも90重量%、及び/又は99重量%以下、95重量%以下、90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、65重量%以下、60重量%以下、55重量%以下、若しくは50重量%以下の少なくとも1種のガス油を含んでもよく、あるいは、流れ119の総重量基準で、5~99重量%、10~90重量%、15~85重量%、又は5~50重量%の範囲の量で存在してもよい。
【0304】
[0310]図8aに示すように、クラッカー供給流119は、クラッキング炉720に導入される。ここで図8bに目を向けると、本明細書に記載の化学的再生処理施設、及び/又はクラッキング設備における使用に適するクラッキング炉720の模式図が示される。図8bに示すように、クラッキング炉720は、対流部746、輻射部748、及び対流部746と輻射部748の間に位置する交差部750を含んでもよい。対流部746は、高温の煙道ガスから熱を受け取る炉の一部であり、クラッカー流が通過する管又はコイル752の列を含む。対流部746は、そこを通過する高温の煙道ガスからの対流によりクラッカー流を加熱する。図8bでは水平に配置された対流部管752a及び垂直に配置された輻射部管752bを含むものとして示されているが、任意の適切な構成で管を配置できることは言うまでもない。例えば、対流部管752aは垂直であってもよい。輻射部管752bは水平であってもよい。さらに単一の管として示されているが、クラッキング炉720は、少なくとも1つの分岐管、屈曲管、U字管、エルボ管、又はそれらの組合せを含んでもよい1つ以上の管又はコイルを含んでもよい。複数の管又はコイルが存在する場合は、それらを並列及び/又は直列に配置してもよい。
【0305】
[0311]輻射部748は、主に高温ガスからの輻射により熱が加熱管に伝達される炉720の部分である。輻射部748はまた、炉720の下部に熱を導入する複数のバーナー756を含む。炉720は、輻射部748内の管752bを囲み収容する火室754を含み、その中にバーナー756が配置される。交差部750は、対流部746と輻射部748を接続する配管を含み、加熱されたクラッカー流を一方の部分から他方の部分へ、あるいは炉720の内部から外部へ移動させることができる。
【0306】
[0312]高温の燃焼ガスが炉の排気筒を通って上へ上昇すると、ガスは対流部746を通過し、そこで廃熱の少なくとも一部が回収され、対流部746を通過するクラッカー流を加熱するのに用いられる。クラッキング炉720は、単一の対流(予熱)部及び単一の輻射部を有してもよく、他の態様において、炉は共通の対流部を共有する2つ以上の輻射部を含んでもよい。排気筒付近の少なくとも1つの誘引通風(ID)ファン760は炉720を通る高温の煙道ガスの流れ及び加熱特性を制御でき、1つ以上の熱交換器761を使用して、炉排水を冷却してもよい。分解オレフィン含有流出物125を冷却するために、図8bに示す炉の出口にある交換器761(例えば、輸送配管熱交換器すなわちTLE)に加えてあるいはその代わりに、液体冷却(図示せず)を使用してもよい。
【0307】
[0313]1つ以上の態様において、熱分解ガスを、クラッキング炉の入口に導入してもよく、あるいは熱分解ガスの全て又は一部を、クラッキング設備の分離区画の上流又はその区画内の位置で、炉の出口の下流に導入してもよい。分離区画内に導入する場合に、又は分離区画の上流に導入する場合に、熱分解ガスは、圧縮の最終段階の上流、又は分離区画の分別部の少なくとも1つの分別塔の入口よりも前段で導入することが可能である。
【0308】
[0314]クラッキング設備70に入る前に、1つ以上の態様において、熱分解設備からの生の熱分解ガス172の流れは、流れから1種以上の成分を除去するために1つ以上の分離工程を経ることができる。そのような成分の例には、ハロゲン、アルデヒド、酸素含有化合物、窒素含有化合物、硫黄含有化合物、二酸化炭素、水、気化した金属、及びそれらの組み合わせを含んでもよいが、これらに限定はされない。1つ以上の態様において、クラッキング設備70に導入される熱分解気体流172は、熱分解気体流172の総重量基準で、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも1重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも3重量%、少なくとも3.5重量%、少なくとも4重量%、少なくとも4.5重量%、若しくは少なくとも5重量%、及び/又は30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、若しくは1重量%以下の1種以上のアルデヒド成分を含む。
【0309】
[0315]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、クラッキング設備70は単一のクラッキング炉を含んでもよく、あるいは、少なくとも2つ、又は少なくとも3つ、又は少なくとも4つ、又は少なくとも5つ、又は少なくとも6つ、又は少なくとも7つ、又は少なくとも8つ、又はそれ以上の並行動作するクラッキング炉を有してもよい。炉の任意の1つ又は各々は、ガスクラッカー、又は液体クラッカー、又は分割炉であってもよい。炉は、炉への全クラッカー供給物の重量基準で、少なくとも50重量%、少なくとも75重量%、少なくとも85重量%、若しくは少なくとも90重量%のエタン、プロパン、LPG、又はそれらの組み合わせを含むクラッカー供給流を炉から、又は炉内の少なくとも一つのコイルから、又は炉内の少なくとも一つの管から受け取るガスクラッカーであってもよい。
【0310】
[0316]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、クラッキング炉720は、少なくとも50重量%、少なくとも75重量%、又は少なくとも85重量%のC5~C22の炭素数を有する(25℃かつ1気圧で測定した場合に)液状の炭化水素を含むクラッカー供給流を受け入れる液体又はナフサクラッカーであってもよい。
【0311】
[0317]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、クラッカー供給流119を、ガス炉内で分解することができる。ガス炉は対流区画の入口に少なくとも1つのコイルを有し、このコイルの入口で、主に蒸気相の供給物(供給の重量の50%以上が蒸気である)を受け入れる(あるいは受け入れるように動作する、あるいは受け入れるように構成される)炉である(「ガスコイル」)。ガスコイルは、対流部内のコイルの入口に、主にC2~C4供給原料又は主にC2~C3供給原料を受け入れることができ、あるいはその代わりに、ガスコイルは少なくとも1つのコイルを有し、このコイルは、コイルへのクラッカー供給物の重量基準又は対流部へのクラッカー供給物の重量基準で、50重量%超のエタン、50重量%超のプロパン、及び/又は50重量%超のLPGを受入れ、あるいはこれらの場合のいずれかにおいて、少なくとも60重量%、又は少なくとも70重量%、又は少なくとも80重量%のエタン、プロパン、又はLPGを受け入れる。
【0312】
[0318]ガス炉は、2つ以上のガスコイルを有していてもよい。一態様又は本明細書に記載された任意の態様との組み合わせにおいて、炉の対流区画内若しくは炉の対流ボックス内のコイルの少なくとも25%、50%、少なくとも60%、又は全てのコイルはガスコイルである。ガスコイルは、対流部の入口にあるコイルの入口で、供給物の少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも97重量%、少なくとも98重量%、少なくとも99重量%、少なくとも99.5重量%、又は少なくとも99.9重量%が蒸気である気相供給物を受け入れる。
【0313】
[0319]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、供給流を分割炉で分解することができる。分割炉は、ガス炉の一種である。分割炉は、少なくとも1つのガスコイルと少なくとも1つの液体コイルを同じ炉内、又は同じ対流区画内、又は同じ対流ボックス内に収容している。液体コイルは、対流区画の入口にあるコイルの入口で、主に液相の供給物(供給物の重量の50%以上が液体)を受け入れるコイルである(「液体コイル」)。
【0314】
[0320]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、クラッカー供給流119を、熱式ガスクラッカーで分解することができる。
[0321]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、クラッカー供給流119を、水蒸気の存在の下に熱蒸気ガスクラッカー内で分解することができる。水蒸気クラッキングは、水蒸気の存在下で炭化水素を高温でクラック(分解)することを意味する。存在する場合には、水蒸気を図8bに示されるライン121から導入してもよい。
【0315】
[0322]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、図1a及び1bに示す化学的再生処理施設10からの2つ以上の流れを、設備10からの別の流れと混合してクラッカー供給流119を形成する場合は、そのような混合流を、クラッキング炉720の上流又は内部で生成してもよい。あるいは、異なる供給流を炉720に別々に導入してもよく、同じ炉720内の別々の管(例えば分割炉)に供給することで互いに隔離しながら、炉720の一部又は全部を同時に通過させてもよい。あるいは、化学的再生処理施設からの流れの少なくとも1つ以上を、クラッキング炉の下流ではあるが分離設備内の1つ以上の装備の上流の位置で、クラッキング設備に導入してもよい。
【0316】
[0323]化学的再生処理施設からの2つ以上の流れを別の流れと混合してクラッカー供給流を形成する場合に、そのような混合流は、クラッキング炉の上流又はその炉内で生成してもよい。あるいは異なる供給流を、別々に炉に導入してもよく、同じ炉内の別々の管(例えば分割炉)に供給することで互いに分離されながら、炉の一部又は全部を同時に通過させてもよい。あるいは、化学的再生処理施設からの流れの少なくとも1つ以上を、クラッキング炉の下流ではあるが分離設備内の1つ以上の装備の上流の位置で、クラッキング設備に導入してもよい。
【0317】
[0324]加熱されたクラッカー流119は、次にクラッキング炉720を通過し、その流れ中の炭化水素成分が熱分解されて、エチレン、プロピレン、及び/又はブタジエンなどのオレフィンを含む、より軽質の炭化水素を形成する。炉720内のクラッカー流の滞留時間は、少なくとも0.15秒、少なくとも0.2秒、少なくとも0.25秒、少なくとも0.3秒、少なくとも0.35秒、少なくとも0.4秒、若しくは少なくとも0.45秒、及び/又は2秒以下、1.75秒以下、1.5秒以下、1.25秒以下、1秒以下、0.9秒以下、0.8秒以下、0.75秒以下、0.7秒以下、0.65秒以下、0.6秒以下、若しくは0.5秒以下であってもよく、あるいは、0.15~2秒、0.20~1.75秒、又は0.25~1.5秒の範囲であってもよい。
【0318】
[0325]炉出口から引き出された分解オレフィン含有流出物125の温度は、少なくとも640℃、少なくとも650℃、少なくとも660℃、少なくとも670℃、少なくとも680℃、少なくとも690℃、少なくとも700℃、少なくとも720℃、少なくとも730℃、少なくとも740℃、少なくとも750℃、少なくとも760℃、少なくとも770℃、少なくとも780℃、少なくとも790℃、少なくとも800℃、少なくとも810℃、若しくは少なくとも820℃、及び/又は1000℃以下、990℃以下、980℃以下、970℃以下、960℃以下、950℃以下、940℃以下、930℃以下、920℃以下、910℃以下、900℃以下、890℃以下、880℃以下、875℃以下、870℃以下、860℃以下、850℃以下、840以下、若しくは830℃以下であってもよく、あるいは、730~900℃、750~875℃、若しくは750~850℃の範囲であってもよい。
【0319】
[0326]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、オレフィン(エチレン、プロピレン、ブタジエン、又はそれらの組み合わせ)の収率は、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、又は少なくとも80%であってもよい。本明細書で使用する用語「収率」は、(原料の質量から製造される生成物の質量/原料の質量)×100%を意味する。オレフィン含有流出物流は、流出物流の総重量基準で、少なくとも30重量%、少なくとも40重量%、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも97重量%、又は少なくとも99重量%のエチレン、プロピレン、又はエチレンとプロピレンを含む。
【0320】
[0327]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、オレフィン含有流出物流125は、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、又は少なくとも90重量%のC2~C4オレフィンを含んでもよい。流れ125は、オレフィン含有流出物流125の総重量基準で、主にエチレン、主にプロピレン、又は主にエチレンとプロピレンを含んでもよい。オレフィン含有流出物流125中のエチレン対プロピレンの重量比は、少なくとも0.2:1、少なくとも0.3:1、少なくとも0.4:1、少なくとも0.5:1、少なくとも0.6:1、少なくとも0.7:1、少なくとも0.8:1、少なくとも0.9:1、少なくとも1:1、少なくとも1.1:1、少なくとも1.2:1、少なくとも1.3:1、少なくとも1.4:1、少なくとも1.5:1、少なくとも1.6:1、少なくとも1.7:1、少なくとも1.8:1、少なくとも1.9:1、若しくは少なくとも2:1、及び/又は3:1以下、2.9:1以下、2.8:1以下、2.7:1以下、2.5:1以下、2.3:1以下、2.2:1以下、2.1:1以下、2:1以下、1.7:1以下、1.5:1以下、若しくは1.25:1以下であってもよい。
【0321】
[0328]再び図8aに目を向けると、一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、クラッキング設備70に導入する場合に、熱分解ガス172はクラッキング炉720の入口に導入してもよく、あるいは、熱分解ガスの全て又は一部は、クラッキング設備70の分離区画740の上流又はその区画内の位置で、炉の出口の下流に導入してもよい。分離区画740に又はその上流に導入される場合に、熱分解ガスは、圧縮の最終段階の上流、又は分離区画740の分別部の少なくとも1つの分別塔の入口の前に導入してもよい。
【0322】
[0329]クラッキング設備70に入る前に、一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、熱分解設備からの生の熱分解気体流を、1つ以上の分離工程にかけて、この流れから1種以上の成分を除去してもよい。そのような成分の例には、ハロゲン、アルデヒド、酸素含有化合物、窒素含有化合物、硫黄含有化合物、二酸化炭素、水、気化した金属、及びそれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定はされない。クラッキング設備70に導入される熱分解気体流172は、熱分解気体流172の総重量基準で、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも1重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも3重量%、少なくとも3.5重量%、少なくとも4重量%、少なくとも4.5重量%、若しくは少なくとも5重量%、及び/又は30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、若しくは1重量%以下の1種以上のアルデヒド成分を含んでもよい。
【0323】
[0330]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、熱分解気体流172の総エチレン含有量は、流れ172の総重量基準で、少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、少なくとも5重量%、少なくとも7重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、若しくは少なくとも30重量%、及び/又は、60重量%以下、55重量%以下、50重量%以下、45重量%以下、40重量%以下、若しくは35重量%以下であってもよい。その代わりあるいはそれに加えて、熱分解気体流172の総プロピレン含有量は、流れ172の総重量基準で、少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、少なくとも5重量%、少なくとも7重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、又は少なくとも30重量%、及び/又は60重量%以下、55重量%以下、50重量%以下、45重量%以下、40重量%以下、又は35重量%以下であってもよい。熱分解気体流172中のエチレンとプロピレンの合計量は、流の総重量基準で、少なくとも2重量%、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、若しくは少なくとも45重量%、及び/又は85重量%以下、80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、65重量%以下、60重量%以下、55重量%以下、50重量%以下、若しくは45重量%以下であってもよい。
【0324】
[0331]クラッキング炉の出口を出る際に、オレフィン含有流出物流125を急速に冷却し(例えば急冷し)、望ましくない副産物の大量産出を防止しかつ下流装置の汚れを最小限に抑えてもよい。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、炉からのオレフィン含有流出物の温度を、急冷又は冷却工程中に、35~485℃、35~375℃、又は90~550℃だけ、500~760℃の温度まで下げてもよい。
【0325】
[0332]次いで得られた冷却流出物流を気液分離器で分離することができ、蒸気を、例えば、任意の段間冷却及び液体除去を伴う1~5個の圧縮段階を有するガス圧縮機で圧縮することができる。圧縮段階の第1の組の出口における気体流の圧力は、7~20barg(ゲージ圧)、8.5~18barg、又は9.5~14bargの範囲にある。次に得られた圧縮流を、酸性ガス除去剤との接触処理により、ハロゲン、CO、CO、及びHSを含む酸性ガスを除去する。酸性ガス除去剤の例としては、苛性ソーダ及び様々な種類のアミンを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、単一の接触器を使用してもよく、他の態様においては、二塔式吸収器-ストリッパーの構成を採用してもよい。
【0326】
[0333]次いで処理済み圧縮オレフィン含有流を別の圧縮機で、必要なら段間冷却及び液体分離を伴ってさらに圧縮してもよい。その結果、20~50barg、25~45barg、又は30~40bargの範囲の圧力を有する圧縮流が得られる。例えば、モレキュラーシーブ又は他の同様の処理過程を含む、任意の適切な水分除去方法を使用することができる。次にこの流れを分別部に送り、そこでオレフィン及び他の成分を、様々な高純度生成物流又は中間流に分離することができる。態様によっては、熱分解ガスの全て又は一部を、第2の圧縮機の1つ以上の段の前及び/又は後に導入してもよい。同様に熱分解ガスの圧力は、それが混合される流れの圧力の20psi以内、50psi以内、100psi以内、又は150psi以内である。
【0327】
[0334]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、急冷区画からの供給流を、分離区画の分別部内の少なくとも1つの塔に導入してもよい。本明細書で使用する用語「分別」は、異なる沸点を有する2つ以上の物質を分離する一般的な処理過程を意味する。分別を利用する装置や処理過程の例としては、蒸留、精留、ストリッピング、気液分離(単段)などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0328】
[0335]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、クラッキング設備の分別部は、脱メタン装置、脱エタン装置、脱プロパン装置、エチレンスプリッター、プロピレンスプリッター、脱ブタン装置、及びこれらの組み合わせの1つ以上を含んでもよい。本明細書で使用する用語「脱メタン装置」は、軽質主成分がメタンである塔を意味する。同様に、「脱エタン装置」、「脱プロパン装置」は、それぞれエタン、プロパンを軽質量主成分とする塔を意味する。
【0329】
[0336]分別部が少なくとも1つのオレフィン生成物流及び少なくとも1つのパラフィン流を提供するために、塔の任意の適切な配置を使用してもよい。一態様又は本明細書に記載の任意の態様の組み合わせにおいて、分別部は、エチレン及びプロピレンなどの少なくとも2つのオレフィン流、及びエタン及びプロパンなどの少なくとも2つのパラフィン流、並びに例えばメタン及び軽質成分及びブタン及び重質成分を含む追加の流れを提供することができる。
【0330】
[0337]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、分別部から取り出されたオレフィン流は、オレフィン流の総重量基準で、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、若しくは少なくとも95重量%、及び/又は100重量%以下、99重量%以下、97重量%以下、95重量%以下、90重量%以下、85重量%以下、若しくは80重量%以下のオレフィンを含んでもよい。オレフィンは、エチレンが主であっても、プロピレンが主であってもよい。オレフィン流は、オレフィン流中のオレフィンの総重量基準で、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、若しくは少なくとも95重量%、及び/又は99重量%以下、97重量%以下、95重量%以下、90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、若しくは65重量%以下のエチレンを含んでもよい。オレフィン流は、オレフィン流の総重量基準で、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、若しくは少なくとも60重量%、及び/又は80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、65重量%以下、60重量%以下、55重量%以下、50重量%以下、若しくは45重量%以下のエチレンを含んでもよく、あるいはオレフィン流の総重量基準で、エチレンは、20~80重量%、25~75重量%、又は30~70重量%の範囲の量で存在してもよい。
【0331】
[0338]その代わりあるいはそれに加えて、オレフィン流は、オレフィン流中のオレフィンの総重量基準で、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、若しくは少なくとも95重量%、及び/又は99重量%以下、97重量%以下、95重量%以下、90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、若しくは65重量%以下のプロピレンを含んでもよい。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、オレフィン流は、オレフィン流の総重量基準で、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、若しくは少なくとも60重量%、及び/又は80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、65重量%以下、60重量%以下、55重量%以下、50重量%以下、若しくは45重量%以下のプロピレンを含んでもよく、あるいはオレフィン流の総重量基準で、プロピレンは20~80重量%、25~75重量%、又は30~70重量%の範囲の量で存在してもよい。
【0332】
[0339]圧縮流が分別部を通過するときに、その流は脱メタン塔を通過し、そこでメタン及びより軽質(CO、CO、H)成分がエタン及びより重質の成分から分離される。脱メタン装置は、少なくとも-145℃、少なくとも-142℃、少なくとも-140℃、若しくは少なくとも-135℃、及び/又は-120℃以下、-125℃以下、-130℃以下、若しくは-135℃以下の温度で運転されてもよい。脱メタン塔からの底流は、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%のエタン及びより重質の成分の総量を含む。
【0333】
[0340]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、分別部に導入される流れの全て又は一部を脱エタン塔に導入してもよく、ここで分留によりC2及びより軽質の成分を、C3及びより重質の成分から分離できる。脱エタン塔は、少なくとも-35℃、少なくとも-30℃、少なくとも-25℃、若しくは少なくとも-20℃、及び/又は-5℃以下、-10℃以下、-15℃以下、若しくは-20℃以下の塔頂温度で、かつ少なくとも3barg、少なくとも5barg、少なくとも7barg、少なくとも8barg、若しくは少なくとも10barg、及び/又は20barg以下、18barg以下、17barg以下、15barg以下、14barg以下、若しくは13barg以下の塔頂圧力で運転できる。脱エタン塔は、塔頂流中の塔に導入されたC2及びより軽質の成分の総量の少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、又は少なくとも99%を回収する。脱エタン塔から除去された塔頂流は、塔頂流の総重量基準で、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%のエタンとエチレンを含んでもよい。
【0334】
[0341]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、脱エタン装置からのC2及びより軽質の塔頂流を、エタン-エチレン分留塔(エチレン分留塔又はエチレンスプリッター)でさらに分離できる。エタン-エチレン分留塔で、エチレン及びより軽質の成分流を、塔頂又は塔の上半分から側流として取り出し、エタン及び残留する任意のより重質の成分を塔底流として除去する。エチレン分留装置を、少なくとも-45℃、少なくとも-40℃、少なくとも-35℃、少なくとも-30℃、少なくとも-25℃、若しくは少なくとも-20℃、及び/又は-15℃以下、-20℃以下、若しくは-25℃以下の塔頂温度で、並びに少なくとも10barg、少なくとも12barg、若しくは少なくとも15barg、及び/又は25barg以下、22barg以下、若しくは20bargの塔頂圧力で運転することができる。エチレンが富化されていてもよい塔頂流は、流の総重量基準で、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも97重量%、少なくとも98重量%、又は少なくとも99重量%のエチレンを含んでもよく、さらなる処理、貯蔵、又は販売のために下流の処理装置に送られてもよい。
【0335】
[0342]エタン-エチレン分留装置からの塔底流は、塔底流の総重量基準で、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、又は少なくとも98重量%のエタンを含んでもよい。回収されたエタンの全て又は一部は、前述のように、単独で、あるいは熱分解油及び/又は熱分解ガスとの組合せで、追加の原料としてクラッキング炉で再生処理されてもよい。
【0336】
[0343]態様によっては、圧縮流の少なくとも一部を、脱プロパン装置で分離してもよく、ここではC3及びより軽質の成分を塔頂蒸気流として除去し、C4及びより重質の成分は液体塔底で塔から出る。脱プロパン装置は、少なくとも20℃、少なくとも35℃、若しくは少なくとも40℃、及び/又は70℃、65℃、60℃、55℃以下の塔頂温度、かつ少なくとも10barg、少なくとも12barg、若しくは少なくとも15barg、及び/又は20barg以下、17barg以下、若しくは15barg以下の塔頂圧力で運転できる。脱プロパン塔は、塔頂流中の塔に導入されたC3及びより軽質の成分の総重量の、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、又は少なくとも99%を回収する。一態様又は明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、脱プロパン塔から除去された塔頂流は、塔頂流の総重量基準で、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、又は少なくとも98重量%のプロパンとプロピレンを含む。
【0337】
[0344]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、脱プロパン装置からの塔頂流を、プロパン-プロピレン分留器(プロピレン分留器又はプロピレンスプリッター)に導入してもよく、プロピレン及び任意の軽質成分を塔頂流で除去し、プロパン及び任意の重質成分を塔底流として塔から取り出す。プロピレン分留器は、少なくとも20℃、少なくとも25℃、少なくとも30℃、若しくは少なくとも35℃、及び/又は55℃以下、50℃以下、45℃以下、若しくは40℃以下の塔頂温度、かつ少なくとも12barg、少なくとも15barg、少なくとも17barg、若しくは少なくとも20barg、及び/又は20barg以下、17barg以下、15barg以下、若しくは12barg以下の塔頂圧力で運転できる。プロピレンが富化している塔頂流は、この流れの総重量基準で、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも97重量%、少なくとも98重量%、又は少なくとも99重量%のプロピレンを含んでもよく、さらなる処理、貯蔵、又は販売のために下流の処理装置に送られてもよい。
【0338】
[0345]プロパン-プロピレン分留器からの塔底流は、塔底流の総重量基準で、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、又は少なくとも98重量%のプロパンを含んでもよい。回収プロパンの全て又は一部を、単独で、あるいは前述のような熱分解油及び/又は熱分解ガスとの組合せで、追加の供給原料としてクラッキング炉で再生処理してもよい。
【0339】
[0346]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、圧縮流の少なくとも一部を脱ブタン塔に送り、ブテン、ブタン、及びブタジエンを含むC4及びより軽質の成分を、C5及びより重質(C5+)の成分から分離してもよい。脱ブタン装置は、少なくとも20℃、少なくとも25℃、少なくとも30℃、少なくとも35℃、若しくは少なくとも40℃、及び/又は65℃以下、60℃以下、55℃以下、若しくは50℃以下の塔頂温度、かつ少なくとも2barg、少なくとも3barg、少なくとも4barg、若しくは少なくとも5barg、及び/又は8barg以下、6barg以下、4barg以下、若しくは2barg以下の塔頂圧力で運転できる。脱ブタン塔は、塔頂流で塔に導入されたC4及びより軽質の成分の総量の、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、又は少なくとも99%を回収する。
【0340】
[0347]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、脱ブタン塔から除去された塔頂流は、塔頂流の総重量に基づいて、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%のブタジエンを含む。脱ブタン装置からの塔底流は、流れの総重量基準で、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%の量で、主にC5及びより重質の成分を含む。脱ブタン装置塔底流を、さらなる分離、処理、貯蔵、販売、又は使用のために送ることができる。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、ブタジエンのより凝縮した流れを回収するために、脱ブタン装置からの塔頂流すなわちC4を、抽出又は蒸留過程などの任意の従来からの分離方法に供してもよい。
【0341】
[0348]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、1つ以上の上記の流れの少なくとも一部を、図1a及び1bに示す設備の1つ以上に導入してもよく、他の態様において、クラッキング設備の分離区画から引き出された流れの全て又は一部を、さらなる分離、及び/又は貯蔵、輸送、販売、及び/又は使用に回してもよい。
【0342】
部分酸化(POX)ガス化
[0349]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、化学的再生処理施設はまた、部分酸化(POX)ガス化設備を含んでもよい。本明細書で使用する用語「部分酸化」は、炭素含有供給物を合成ガス(一酸化炭素、水素、及び二酸化炭素)に高温で転換することを指し、転換は、化学量論より少ない量の酸素の存在で実施される。転換は、炭化水素含有供給物の転換であり、供給物の完全な酸化、すなわち全ての炭素が二酸化炭素に酸化され、全ての水素が水に酸化されるのに必要な化学量論量より少ない量の酸素を用いて実施される。部分酸化(POX)ガス化装置内で起こる反応は、炭素含有供給物の合成ガスへの転換を含み、具体例としては、部分酸化、水性ガスシフト、水性ガス-一次反応、ブードア反応、酸化、メタン化、水素改質、水蒸気改質、及び二酸化炭素改質があるが、それらに限定されるものではない。POXガス化への供給物は、固体、液体、及び/又は気体を含むことができる。「部分酸化設備」又は「POXガス化設備」は、廃プラスチック及びそれ由来の原料のPOXガス化を実施するのに必要な全ての装置、配管、及び制御装置を含む設備である。
【0343】
[0350]POXガス化設備において、供給流は化学量論より少ない量の酸素の存在下で合成ガスに変換されてもよい。一態様又は本明細書に記載の態様との組み合わせにおいて、POXガス化設備への供給流は、1種以上のPO富化廃プラスチック、少なくとも1種の加溶媒分解副産物流、熱分解流(熱分解ガス、熱分解油、及び/又は熱分解残留物を含む)、及びクラッキング設備からの少なくとも1つの流を含んでもよい。これらの流れの1つ以上は、POXガス化設備に連続的に導入されてもよいし、間欠的に導入されてもよい。複数の種類の供給流が存在する場合は、それぞれを別々に導入してもよいし、全て又は一部の流れを混合して、混合流をPOXガス化設備に導入するようにしてもよい。混合流が存在する場合は、流れの混合は連続又はバッチで行ってもよい。供給流は、ガス、液体又は液化プラスチック、固体(通常は粉砕済み)、又はスラリーの形態であってもよい。
【0344】
[0351]POXガス化設備は、少なくとも1つのPOXガス化反応器を含む。例示的なPOXガス化反応器52を図7に示す。POXガス化設備は、気体供給、液体供給、又は固体供給反応器(又はガス化装置)を含んでもよい。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、POXガス化設備は、液体供給POXガス化を実行してもよい。本明細書で使用する「液体供給POXガス化」は、供給物が25℃かつ1気圧で(重量で)主に液体である成分を含むPOXガス化過程を意味する。さらにあるいはその代わりに、POXガス化装置は、気体供給POXガス化を実行してもよい。本明細書で使用する「気体供給POXガス化」は、供給物が25℃及び1気圧で(重量で)主に気体である成分を含むPOXガス化過程を意味する。
【0345】
[0352]さらにあるいはその代わりに、POXガス化装置は、固体供給POXガス化を実行してもよい。本明細書で使用する「固体供給POXガス化」は、供給物が25℃及び1気圧で(重量で)主に固体である成分を含むPOXガス化過程を意味する。
【0346】
[0353]気体供給、液体供給、及び固体供給POXガス化過程は、25℃かつ1気圧で異なる相を有するより少量の他の成分を共に供給してもよい。従って気体供給POXガス化装置は、液体及び/又は固体を一緒に供給することができるが、ガス供給POXガス化装置に供給される気体の量よりも(重量で)少ない量に限られる。液体供給POXガス化装置は、気体及び/又は固体と一緒に供給することができるが、液相POXガス化装置に供給される液体の量よりも(重量で)少ない量に限られる。また固体供給POXガス化装置は、気体及び/又は液体と一緒に供給することができるが、固体供給POXガス化装置に供給される固体の量よりも(重量で)少ない量に限られる。
【0347】
[0354]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、気体供給POXガス化装置への全供給物は、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%の25℃かつ1気圧で気体である成分を含んでもよく、液体供給POXガス化装置への全供給物は、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%の25℃かつ1気圧で液体である成分を含んでもよく、かつ固体供給POXガス化装置への全供給物は、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%の25℃かつ1気圧で固体である成分を含んでもよい。
【0348】
[0355]図7に概略を示すように、ガス化原料流116を、酸化剤流180と共にガス化反応器に導入してもよい。原料流116及び酸化剤流180は、例えば、典型的には少なくとも500psig、少なくとも600psig、少なくとも800psig、又は少なくとも1,000psig(あるいは少なくとも35barg、少なくとも40barg、少なくとも55barg、又は少なくとも70barg)の圧力を有する加圧ガス化区画に噴射組立体から噴霧されてもよい。
【0349】
[0356]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、流れ180中の酸化剤は、空気、酸素富化空気、又は分子状酸素(O)を含み得る酸化性ガスを含む。酸化剤は、ガス化反応器52の反応(燃焼)区画に注入された酸化剤流180中の全成分の総モル数基準で、少なくとも25モル%、少なくとも35モル%、少なくとも40モル%、少なくとも50モル%、少なくとも60モル%、少なくとも70モル%、少なくとも80モル%、少なくとも90モル%、少なくとも95モル%、少なくとも97モル%、少なくとも99モル%、又は少なくとも99.5モル%の分子酸素を含んでもよい。反応区画に供給される特定量の酸素は、供給流に対する相対的な量、及び負荷供給量、処理条件、及び反応器設計を考慮して、供給流116中の成分に対してガス化反応で得られるほぼ最大の一酸化炭素及び水素の収率を得るのに十分である可能性がある。
【0350】
[0357]酸化剤は、空気、酸素富化空気、及び分子状酸素に加えてあるいはその代わりに、他の酸化性気体又は液体を含んでもよい。酸化剤として使用するのに適するそのような酸化性液体の例には、水(液体として、又は蒸気として添加することができる)及びアンモニアが含まれる。酸化剤として使用するのに適するそのような酸化性気体の例には、一酸化炭素、二酸化炭素、及び二酸化硫黄が含まれる。
【0351】
[0358]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、霧化促進流体が、原料及び酸化剤と共にガス化区画に供給される。本明細書で使用する用語「霧化促進流体」は、分散エネルギーを小さくするために粘度を下げるか、又は分散を補助するために利用できるエネルギーを大きくするように動作可能な液体又は気体を意味する。霧化促進流体は、供給原料がガス化区画に供給される前にプラスチック含有供給原料と混合されてもよいし、ガス化区画、例えばガス化反応器に結合された噴射組立体に別途添加されてもよい。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、霧化促進流体は水及び/又は水蒸気である。しかしながら、一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、水蒸気及び/又は水は、ガス化区画には供給されない。
【0352】
[0359]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、二酸化炭素又は窒素が富化した(例えば、空気中に見出されるモル量よりも多い、又は少なくとも2モル%、少なくとも5モル%、少なくとも10モル%、又は少なくとも40モル%の)気体流がガス化装置に充填される。これらの気体は、原料をガス化区画に進ませる搬送気体として機能することができる。ガス化区画内の圧力のために、これらの搬送気体は、圧縮されて、ガス化区画に導入するための原動力を提供してもよい。この気体流は、霧化促進流体と組成が同じであっても異なっていてもよい。1つ以上の態様において、この気体流は霧化促進流体としても機能する。
【0353】
[0360]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、水素(H)が富化した(例えば、少なくとも1モル%、少なくとも2モル%、少なくとも5モル%、少なくとも10モル%、少なくとも20モル%、少なくとも30モル%、少なくとも40モル%、少なくとも50モル%、少なくとも60モル%、少なくとも70モル%、少なくとも80モル%、又は少なくとも90モル%の)気体流をガス化装置に充填する。水素を加えて部分酸化反応に作用させて、得られる合成ガス組成を制御する。
【0354】
[0361]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、0.01モル%を超える又は0.02モル%を超える二酸化炭素を含む気体流は、ガス化装置又はガス化区画に充填しない。あるいは、77モル%を超える、70モル%を超える、50モル%を超える、30モル%を超える、10モル%を超える、5モル%を超える、又は3モル%を超える窒素を含む気体流は、ガス化装置又はガス化区画に充填しない。さらに、0.1モル%を超える、0.5モル%を超える、1モル%を超える、又は5モル%を超える水素の気体流を、ガス化装置又はガス化区画に充填しない。さらに、0.1モル%を超える、0.5モル%を超える、1モル%を超える、又は5モル%を超えるメタンを含むメタン気体流を、ガス化装置又はガス化区画に充填しない。特定の態様において、ガス化区画に導入される唯一の気体流は、酸化剤である。
【0355】
[0362]ガス化過程は、先に述べたように、部分酸化(POX)ガス化反応であってもよい。一般に、水素及び一酸化炭素の生成を高めるために、酸化過程は、ガス化原料の完全な酸化よりもむしろ部分的な酸化を含み、従って、100%の炭素結合及び水素結合を完全に酸化するのに必要な量に対して、酸素希薄環境で運転されてもよい。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、ガス化装置の総酸素必要量は、ガス化原料の炭素含有量を一酸化炭素に転換するのに必要な理論量を少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、又は少なくとも20%超過していてもよい。一般に、理論必要量を10~80%超過した全酸素供給量で満足な運転が得られる場合がある。例えば炭素1ポンド当たりの好適な酸素量の例として、自由酸素が、炭素1ポンド当たり0.4~3.0ポンド、0.6~2.5ポンド、0.9~2.5ポンド、又は1.2~2.5ポンドの範囲であってもよい。
【0356】
[0363]原料流と酸化剤の混合は、原料流と酸化剤の別々の流を、反応区画内で互いに衝突させるように導入することによって、反応区画内で完全に達成することができる。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、酸化剤流は、火炎伝播速度を超えるとともに原料流との混合を改善するために、高速でガス化装置の反応区画に導入される。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、酸化剤は、25~500フィート/秒、50~400フィート/秒、又は100~400フィート/秒の範囲でガス化区画に注入される。これらの数値は、注入装置-ガス化区画の界面での気体状酸化剤流の速度、又は注入装置の先端速度であってもよい。原料流と酸化剤の混合は、反応区画の外側でも行ってもよい。例えば、一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、原料、酸化剤、及び/又は霧化促進流体を、ガス化区画の上流にある導管又はガス化反応器と結合された噴射組立体で混合してもよい。
【0357】
[0364]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、ガス化原料流、酸化剤、及び/又は霧化促進流体は、必要に応じて、少なくとも200℃、少なくとも300℃、又は少なくとも400℃の温度に予熱してもよい。但し採用されるガス化過程は、原料を効率的にガス化するためには原料流を予熱する必要がなく、予熱処理工程は、ガス化過程のエネルギー効率を低下させる結果になる可能性がある。
【0358】
[0365]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、採用されるガス化技術の種類は、合成ガスを生成する部分酸化噴流式ガス化装置であってよい。この技術は、固定床ガス化装置(あるいは移動床と呼ばれる)及び流動床ガス化装置とは異なるものである。使用される例示的なガス化装置は、米国特許第3,544,291号に示されており、その開示の全体が、本開示と矛盾しない範囲で、参照により本明細書に組み込まれる。但し一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、他の種類のガス化反応器もまた、本技術の範囲内で使用してもよい。
【0359】
[0366]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、ガス化装置/ガス化反応器は無触媒であってもよく、これは、ガス化装置/ガス化反応器が触媒床を含まず、ガス化過程が無触媒、つまり触媒が離散した非結合触媒としてガス化区画に導入されないことを意味する。さらに、一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、ガス化過程は、スラグ化ガス化過程でなくてもよく、すなわち、溶融スラグがガス化区画で形成され、耐火壁に沿ってかつ下方に流れるようにスラグ化条件(灰の融点よりかなり高い)で運転されなくてもよい。
【0360】
[0367]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、ガス化区画、また必要に応じてガス化装置/ガス化反応器の全ての反応区画は、少なくとも1,000℃、少なくとも1,100℃、少なくとも1,200℃、少なくとも1,250℃、若しくは少なくとも1,300℃、及び/又は2,500℃以下、2,000℃以下、1,800℃以下、又は1,600℃以下の温度で運転されてもよい。反応温度は、自生的であってもよい。有利には、定常モードで動作するガス化装置は、自生温度にでき、ガス化区画を加熱するのに外部エネルギー源を使用する必要がない。
【0361】
[0368]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、ガス化装置は、主に気体供給のガス化装置である。
[0369]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、ガス化装置は、無スラグ化ガス化装置であり、すなわちスラグを形成しない条件で操作される。
【0362】
[0370]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、ガス化装置は、操作中には陰圧にならずに、むしろ陽圧になる場合がある。
[0371]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、ガス化装置は、ガス化区画(又は燃焼室)内の圧力が、少なくとも200psig(1.38MPa)、300psig(2.06MPa)、350psig(2.41MPa)、400psig(2.76MPa)、420psig(2.89MPa)、450psig(3.10MPa)、475psig(3.27MPa)、500psig(3.44MPa)、550psig(3.79MPa)、600psig(4.13MPa)、650psig(4.48MPa)、700psig(4.82MPa)、750psig(5.17MPa)、800psig(5.51MPa)、900psig(6.2MPa)、1,000psig(6.89MPa)、1,100psig(7.58MPa)、又は1,200psig(8.2MPa)で操作されてもよい。さらにあるいはその代わりに、ガス化装置は、ガス化区画(又は燃焼室)内の圧力が、1,300psig(8.96MPa)以下、1,250psig(8.61MPa)以下、1,200psig(8.27MPa)以下、1,150psig(7.92MPa)以下、1,100psig(7.58MPa)以下、1,050psig(7.23MPa)以下、1,000psig(6.89MPa)以下、900psig(6.2MPa)以下、800psig(5.51MPa)以下、又は750psig(5.17MPa)以下で操作されてもよい。
【0363】
[0372]適切な圧力範囲の例としては、300~1,000psig(2.06~6.89MPa)、300~750psig(2.06~5.17MPa)、350~1,000psig(2.41~6.89MPa)、350~750psig(2.06~5.17MPa)、400~1,000psig(2.67~6.89MPa)、420~900psig(2.89~6.2MPa)、450~900psig(3.10~6.2MPa)、475~900psig(3.27~6.2MPa)、500~900psig(3.44~6.2MPa)、550~900psig(3.79~6.2MPa)、600~900psig(4.13~6.2MPa)、650~900psig(4.48~6.2MPa)、400~800psig(2.67~5.51MPa)、420~800psig(2.89~5.51MPa)、450~800psig(3.10~5.51MPa)、475~800psig(3.27~5.51MPa)、500~800psig(3.44~5.51MPa)、550~800psig(3.79~5.51MPa)、600~800psig(4.13~5.51MPa)、650~800psig(4.48~5.51MPa)、400~750psig(2.67~5.17MPa)、420~750psig(2.89~5.17MPa)、450~750psig(3.10~5.17MPa)、、475~750psig(3.27~5.17MPa),500~750psig(3.44~5.17MPa)、又は550~750psig(3.79~5.17MPa)が挙げられる。
【0364】
[0373]一般に、ガス化装置内のガスの平均滞留時間を非常に短くして、処理能力を向上させることができる。ガス化装置は高温高圧で運転することができるので、原料の気体への実質的に完全な転換は、非常に短時間枠で生じさせることができる。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、ガス化装置内の気体の平均滞留時間は、30秒以下、25秒以下、20秒以下、15秒以下、10秒以下、又は7秒以下としてもよい。
【0365】
[0374]ガス化装置から下流の装置、及びその間の配管を汚さないようにするために、得られる原料合成ガス流127は、タールを低含有量にするか全く含まないのがよい。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、ガス化装置から排出される合成ガス流は、合成ガス流中の全ての凝縮性固体の重量基準で、4重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、1重量%以下、0.5重量%以下、0.2重量%以下、0.1重量%以下、又は0.01重量%以下のタールを含んでもよい。測定上、凝縮性固体は、15℃かつ1気圧の温度で凝縮する化合物及び元素である。タール生成物の例としては、ナフタレン、クレゾール、キシレノール、アントラセン、フェナントレン、フェノール、ベンゼン、トルエン、ピリジン、カテコール、ビフェニル、ベンゾフラン、ベンズアルデヒド、アセナフチレン、フルオレン、ナフトフラン、ベンズアントラセン、ピレン、アセフェナンスリレン、ベンゾピレン、及び他の高分子量の芳香多核化合物が挙げられる。タール含有量はGC-MSDで測定できる。
【0366】
[0375]一般にガス化容器から排出される原料合成ガス流127は、水素、一酸化炭素、及び二酸化炭素などの気体を含み、燃料源や反応条件によって、メタン、硫化水素、窒素などの他の気体を含むことができる。
【0367】
[0376]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、原料合成ガス流127(ガス化炉から排出され、洗浄、転換、又は酸性ガス除去によるさらなる処理の前の流)は、乾燥基準で、原料合成ガス流127中の全ての気体(25℃かつ1気圧で気体状態の元素又は化合物)のモル数を基準としたモル%で以下の組成を有してもよい。
【0368】
・水素含有量は、乾燥体積基準で、32~50%の範囲、あるいは少なくとも33%、少なくとも34%、若しくは少なくとも35%、及び/又は50%以下、45%以下、41%以下、40%以下、若しくは39%以下、あるいは33~50%、34~45%、又は35~41%の範囲にあり、
・一酸化炭素含有量は、流の全重量基準で、少なくとも40重量%、少なくとも41重量%、少なくとも42重量%、若しくは少なくとも43重量%、及び/又は55重量%以下、54重量%以下、53重量%以下、若しくは52重量%以下、あるいは流れの全乾燥重量基準で、40~55重量%、41~54重量%、又は42~53重量%の範囲にあり、
・二酸化炭素含有量は、乾燥容積基準で、少なくとも1%、少なくとも1.5%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、若しくは少なくとも7%、及び/又は25%以下、20%以下、15%以下、12%以下、11%以下、10%以下、9%以下、8%以下、若しくは7%以下であり、
・メタン含有量は、乾燥基準で、5,000体積ppm以下、2,500体積ppm以下、2,000体積ppm以下、又は,1000体積ppm以下であり、
・硫黄含有量は、1,000重量ppm以下、100重量ppm以下、10重量ppm以下、又は1重量ppm以下であり、
・煤含有量は、少なくとも1,000重量ppm、若しくは少なくとも5,000重量ppm、及び/又は50,000重量ppm以下、20,000重量ppm以下、若しくは15,000重量ppm以下であり、
・ハロゲン化物の含有量は、1,000重量ppm以下、500重量ppm以下、200重量ppm以下、100重量ppm以下、又は50重量ppm以下であり、
・水銀含有量は、0.01重量ppm以下、0.005重量ppm以下、又は0.001重量ppm以下であり、
・ヒ化水素含有量は、0.1重量ppm以下、0.05重量ppm以下、又は0.01重量ppm以下であり、
・窒素含有量は、10,000重量ppm以下、3,000重量ppm以下、1,000重量ppm以下、又は100重量ppm以下であり、
・アンチモン含有量は、少なくとも10重量ppm、少なくとも20重量ppm、少なくとも30重量ppm、少なくとも40重量ppm、若しくは少なくとも50重量ppm、及び/又は200重量ppm以下、180重量ppm以下、160重量ppm以下、150重量ppm以下、若しくは130重量ppm以下であり、かつ/あるいは
・チタン含有量は、少なくとも10重量ppm、少なくとも25重量ppm、少なくとも50重量ppm、少なくとも100重量ppm、少なくとも250重量ppm、少なくとも500重量ppm、若しくは少なくとも1,000重量ppm、及び/又は40,000重量ppm以下、30,000重量ppm以下、20,000重量ppm以下、15,000重量ppm以下、10,000重量ppm以下、7,500重量ppm以下、若しくは5,000重量ppm以下である。
【0369】
[0377]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、合成ガスは、0.7~2、0.7~1.5、0.8~1.2、0.85~1.1、又は0.9~1.05の水素/一酸化炭素のモル比を含む。
【0370】
[0378]ガス成分は、炎イオン化検出器ガスクロマトグラフィー(FID-GC)及び熱伝導度検出器ガスクロマトグラフィー(TCD-GC)又は気体流の成分の分析用に承認されている他の方法で測定できる。
【0371】
[0379]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、再生処理成分合成ガスは、合成ガス流の総重量基準で、少なくとも1重量%、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、又は少なくとも99重量%の再生処理成分を有してもよい。
【0372】
エネルギーの回収
[0380]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、化学的再生処理施設はまた、エネルギー回収設備も含んでいてもよい。本明細書で使用する「エネルギー回収設備」は、原料の化学転換(例えば燃焼)により原料からエネルギー(すなわち熱エネルギー)を発生させる設備である。燃焼により発生した全エネルギーの少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、又は少なくとも35%を回収して、1つ以上の他の過程及び/又は設備で使用することができる。
【0373】
[0381]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、エネルギー回収設備80に導入される供給流(図1a及び1b)は、1つ以上のPO富化廃プラスチックの少なくとも一部、少なくとも1つの加溶媒分解副産物流、熱分解ガス、熱分解油、及び熱分解残留物のうちの1種以上の少なくとも一部、及び/又は化学的再生処理施設内からの1種以上の他の流れを含んでもよい。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、これらの流れのうちの1つ以上を、連続的にエネルギー回収設備に導入してもよいし、断続的に導入してもよい。複数の種類の供給流が存在する場合は、各流れを別々に導入してもよく、又は混合流をエネルギー回収設備に導入するように、流れの全て又は一部を混合してもよい。混合流が存在する場合は、流の混合は連続又はバッチで行ってもよい。供給流は、固体、溶融物、主に液体である流れ、スラリー、主に気体である流れ、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0374】
[0382]任意の種類のエネルギー回収設備を使用してもよい。態様によっては、エネルギー回収設備は、少なくとも1つの炉又は焼却炉を含んでもよい。焼却炉は、気体供給、液体供給、又は固体供給であってもよく、又は気体、液体、又は固体を受け入れるように構成されていてもよい。焼却炉又は炉は、供給流中の炭化水素成分の少なくとも一部を酸化剤で熱的に燃焼させるように構成されてもよい。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、酸化剤は、酸化剤の総モル数基準で、少なくとも5モル%、少なくとも10モル%、少なくとも15モル%、少なくとも20モル%、若しくは少なくとも25モル%、及び/又は95モル%以下、90モル%以下、80モル%以下、70モル%以下,65モル%以下、60モル%以下、55モル%以下、50モル%以下、45モル%以下、40モル%以下、35モル%以下、30モル%以下、若しくは25モル%以下の酸素を含む。酸化剤の他の成分としては、例えば、窒素、又は二酸化炭素を挙げることができる。他の態様において、酸化剤は空気を含む。
【0375】
[0383]エネルギー回収設備では、そこに導入された供給物の少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%が燃焼されて、エネルギー及び水、一酸化炭素、二酸化炭素、及びそれらの組み合わせなどの燃焼ガスを生成してもよい。態様によっては、供給物の少なくとも一部を処理し、硫黄化合物及び/又は窒素含有化合物などの化合物を除去し、燃焼ガス中の窒素酸化物及び硫黄酸化物の量を最小にしてもよい。
【0376】
[0384]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、生成されたエネルギーの少なくとも一部を、処理流を直接的又は間接的に加熱するのに使用してもよい。例えばエネルギーの少なくとも一部を、水を加熱して蒸気を形成する、あるいは蒸気を加熱して過熱蒸気を形成するのに使用してもよい。発生したエネルギーの少なくとも一部を、熱媒体(例えば、サーミノール(登録商標))流の加熱に使用することができ、それ自体が温まると、1つ以上の処理流に熱を伝達するのに使用することができる。エネルギーの少なくとも一部を、処理流の直接加熱に使用することができる。
【0377】
[0385]態様によっては、エネルギー回収設備からのエネルギーの少なくとも一部で加熱される処理流は、本明細書で述べる1つ以上の設備、例えば、加溶媒分解設備、熱分解設備、クラッキング設備、POXガス化設備、固化設備のうちの少なくとも1つからの処理流であってもよい。エネルギー回収設備80は、地理的に離れた場所にあるか、それ自身の別の設備であってもよく、一方、1つ以上の他の態様においては、エネルギー回収設備80の少なくとも一部は、他の設備のうちの1つの内部又はその近くに配置されてもよい。例えば、図1a及び1bに示すような化学的再生処理施設10内のエネルギー回収設備80は、加溶媒分解設備内のエネルギー回収炉及びPOXガス化設備内の別のエネルギー回収炉を含んでもよい。
【0378】
他の処理設備
[0386]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、図1a及び図1bに一般的に示される化学処理施設10は、少なくとも1つの他の種類の下流化学的再生処理施設及び/又は化学的再生処理生成物流又は副産物流の1つ以上を処理する1つ以上の他のシステム若しくは設備を含んでもよい。好適な種類の他の設備の例としては、固化設備及び生成物分離設備が挙げられるが、これらに限定はされない。さらに1つ以上の流の少なくとも一部を、最終ユーザー又は顧客に輸送又は販売してもよく、かつ/あるいは1つ以上の流れの少なくとも一部を、埋立地又は他の産業廃棄場に送ってもよい。
【0379】
固化設備
[0387]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、化学的再生処理施設10は固化設備を含んでもよい。本明細書で使用する用語「固化」は、物理的手段(例えば冷却)及び/又は化学的手段(例えば沈殿)により、非固形材料を固形材料にすることを意味する。「固化設備」は、廃プラスチック由来の原料を固化するのに必要な全ての設備、配管、制御部を含む設備である。
【0380】
[0388]固化設備に導入される供給流は、化学的再生処理設備10内の1箇所以上の場所から発生するものであってもよい。例えば、固化設備への供給流は、1つ以上の加溶媒分解副産物流、熱分解油(pyoil)及び/又は熱分解残留物を含む熱分解設備からの流れ、1つ以上の設備からの主に液体である流れ、及びそれらの組合せのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。熱分解油及び熱分解残留物の定義は、本明細書に記載されている。これらの流れのうちの1つ以上を連続的に固化設備に導入してもよいし、これらの流れのうちの1つ以上を間欠的に導入してもよい。複数種の供給流が存在する場合は、それぞれを別々に導入してもよいし、全て又は一部の流を混合して、混合流を固化設備に導入してもよい。流れの混合を行う場合は、連続又はバッチで行ってもよい。
【0381】
[0389]固化設備は、供給流を冷却し、少なくとも部分的に固化する冷却区画及びそれに続く任意の縮寸区画を含んでもよい。冷却区画を出ると、流の全て又は一部が固化材料となる場合がある。場合によっては、固化材料は、シート、ブロック、大きな塊の形態であってもよく、フレーク、タブレット、トローチ、粒子、ペレット、微小ペレット、又は粉末の形態であってもよい。供給流が部分的にしか固化していない場合は、冷却区画から引き出された流れは、固相と液相の両方で構成されてもよい。固相の少なくとも一部を除去してもよく、液相の全て又は一部を固化設備から引き出して別の設備に導入してもよく、必要に応じて、化学的再生処理施設(例えば、加溶媒分解設備など)内に導入してもよい。
【0382】
[0390]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、固化設備は、固体材料の寸法を縮小して複数の粒子を形成する縮寸区画を含んでもよい。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、縮寸は、粒子を形成するために固化材料の大きな断片又は塊を破砕、粉砕、破壊、又は研削/粒状化することを含んでもよい。他の態様において、固化設備への供給流の少なくとも一部を、従来のペレット化装置でペレット化する前に、少なくとも部分的に冷却してもよい。粒子の形成方法に依らずに、得られる固形物は、少なくとも50ミクロン、少なくとも75ミクロン、少なくとも100ミクロン、少なくとも150ミクロン、少なくとも250ミクロン、少なくとも350ミクロン、少なくとも450ミクロン、少なくとも500ミクロン、少なくとも750ミクロン、少なくとも0.5mm、少なくとも1mm、少なくとも2mm、少なくとも5mm、若しくは少なくとも10mm、及び/又は50mm以下、45mm以下、40mm以下、35mm以下、30mm以下、25mm以下、20mm以下、15mm以下、10mm以下、5mm以下、2mm以下、1mm以下、750ミクロン以下、500ミクロン以下、250ミクロン以下、若しくは200ミクロン以下のD90粒子径を有してもよい。固形物は、粉体を含んでもよい。固形物は、任意の形状のペレットを含んでもよい。固形物は、固形物の総重量基準で、少なくとも1重量%、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%の再生処理含量を有してもよい。
【0383】
[0391]固化設備から取り出された固形物を、熱分解設備、エネルギー回収設備、及び/又はPOXガス化設備のうちの1つ以上(又は2つ以上)に回してもよい。固形物は、固体の形態であってもよいし、輸送前又は輸送中に溶融又はその他の方法で少なくとも部分的に液化されてもよい。態様によっては、固形物は、液体と混ぜ合わせてスラリーを形成してもよく、スラリーは、本明細書に記載されるように1つ以上の化学的再生処理設備に導入されてもよい。適切な液体の例は、水、アルコール、及びそれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定はされない。一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、固体の少なくとも一部を加熱して固体を少なくとも部分的に溶融又は液化し、得られた溶融物を上記の設備うちの1つ以上に導入できる。必要なら固体の少なくとも一部を、産業用埋立地(図示せず)に送ってもよい。
【0384】
生成物分離設備
[0392]一態様又は本明細書に記載の任意の態様との組み合わせにおいて、図1a及び図1bに示される化学的再生処理施設10内の流れのうちの1つの少なくとも一部分を、生成物分離設備(図1a及び図1bにおいて数字90で表される)で分離し、さらなる販売及び/又は使用に適する生成物流を形成してもよい。例えば、加溶媒分解副産物流のうちの1つ以上の少なくとも一部分を、分離区画でさらに処理して、1つ以上の精製すなわち純化された生成物流を形成してもよい。分離区画で使用される適切な処理の例としては、蒸留、抽出、デカンテーション、ストリッピング、整流、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。生成物分離区画からの精製流は、精製生成物流の総重量基準で、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%の1種以上の所望の成分を含んでもよい。所望の成分の例としては、特定のアルコール又はグリコール(例えば、エチレングリコール、メタノール)、アルカン(例えば、エタン、プロパン、及びブタン、及びより重質分)、及びオレフィン(例えば、プロピレン、エチレン、及びその組み合わせ)などを挙げることができる。
【0385】
[0393]MPWに関して表現される重量%は、第1段階の分離に供給され、塩溶液又は苛性溶液などの任意の希釈剤/溶液を添加する前のMPWの重量である。
[0394]側面1では、廃プラスチックを処理する方法が提供され、該方法は、(a)ポリエチレンテレフタラート(PET)及び少なくとも1種の非PETプラスチックを含む廃プラスチックの流れを、加溶媒分解溶解タンク内で溶媒と混ぜ合わせ、主に液体である流れを提供する工程、(b)前記主に液体である流れにリチウム、マンガン、又はそれらの組み合わせを含む触媒を添加する工程、及び(c)加溶媒分解反応器内で前記PETの少なくとも一部を解重合し、主要なテレフタリル、主要なグリコール、及び少なくとも1つの副産物流を形成する工程を含む。
【0386】
[0395]側面2では、廃プラスチックを処理する方法が提供され、該方法は、(a)ポリエチレンテレフタラート(PET)及び少なくとも1種の非PETプラスチックを含む廃プラスチックの流れを、加溶媒分解溶解タンク内で溶媒と混ぜ合わせ、主に液体である流れを提供する工程、(b)前記主に液体である流れの少なくとも一部を加溶媒分解反応器に移送する工程、(c)前記廃プラスチック、前記溶媒、又は前記主に液体である流れの少なくとも1つにリチウム、マンガン、ナトリウム、カリウム、又はそれらの組み合わせを含む触媒を添加する工程、及び(d)前記加溶媒分解反応器内で前記PETの少なくとも一部を解重合し、主要なテレフタリル、主要なグリコール、及び少なくとも1つの副産物流を形成する工程を含む。
【0387】
[0396]側面3では、廃プラスチックを処理する方法が提供され、該方法は、(a)ポリエチレンテレフタラート(PET)を含む廃プラスチックの流れを、加溶媒分解設備内で加溶媒分解に供し、この加溶媒分解の少なくとも一部を、マンガン、リチウム、又はそれらの組み合わせを含む少なくとも1種の加溶媒分解触媒の存在下で行い、主要なグリコール、主要なテレフタリル、及び少なくとも1種の加溶媒分解副産物を生成する工程、及び(b)前記加溶媒分解副産物の少なくとも一部を、(i)熱分解設備、(ii)クラッキング設備、(iii)部分酸化(POX)ガス化設備、(iv)エネルギー回収設備、及び(v)液化区画のうちの少なくとも1つに導入する工程を含む。
【0388】
[0397]側面4では、ポリエチレンテレフタラート(PET)及び/又はその分解生成物、少なくとも1種の非PETプラスチック及び/又はその分解生成物、主要な溶媒、並びにマンガン及び/又はリチウムを含む触媒を含む加溶媒分解処理組成物が提供される。
【0389】
[0398]側面1~4を含んでもよいがこれらに限定されない本開示の側面5では、前記触媒は塩基を含む。
[0399]側面1~5を含んでもよいがこれらに限定されない本開示の側面6では、前記塩基は、ナトリウム、カリウム、又はそれらの組合せを含む。
【0390】
[0400]側面1~6を含んでもよいがこれらに限定されない本開示の側面7では、前記塩基は、前記主に液体である流れの総重量基準で、25~1,000重量ppmの範囲の量で存在する。
【0391】
[0401]側面1~7を含んでもよいがこれらに限定されない本開示の側面8では、前記触媒は均質触媒である。
[0402]側面1~8を含んでもよいがこれらに限定されない本開示の側面9では、前記触媒はマンガンを含む。
【0392】
[0403]側面1~9を含んでもよいがこれらに限定されない本開示の側面10では、前記触媒は酢酸塩を含む。
[0404]側面1~10を含んでもよいがこれらに限定されない本開示の側面11では、前記触媒は、前記主に液体である流れの総重量基準で、25~1,000重量ppmの範囲の量で存在する。
【0393】
[0405]側面1~11を含んでもよいがこれらに限定されない本開示の側面12では、前記触媒は、前記主に液体である流れの総重量基準で、100~600重量ppmの量の酢酸マンガン及び100~350重量ppmの量の水酸化ナトリウムを含む。
【0394】
[0406]側面1~12を含んでもよいがこれらに限定されない本開示の側面13では、前記触媒は、主に液体である流れの総重量基準で、250重量ppm以下の亜鉛、スズ、及びチタンを含む。
【0395】
[0407]側面1~13を含んでもよいがこれらに限定されない本開示の側面14では、前記非PETプラスチックは、前記廃プラスチックの総重量基準で、10~80重量%の量のポリオレフィン(PO)を含む。
【0396】
[0408]側面1~14を含んでもよいがこれらに限定されない本開示の側面15では、前記非PETプラスチックは、前記廃プラスチックの総重量基準で、0.01~10重量%の量のポリ塩化ビニル(PVC)を含む。
【0397】
[0409]側面1~15を含んでもよいがこれらに限定されない本開示の側面16では、前記PETは、前記廃プラスチックの総重量基準で、少なくとも25重量%の量で前記廃プラスチック内に存在する。
【0398】
[0410]側面1~16を含んでもよいがこれらに限定されない本開示の側面17では、前記副産物流の少なくとも一部を、(i)熱分解設備、(ii)クラッキング設備、(iii)部分酸化(POX)ガス化設備、(iv)エネルギー回収設備、及び(v)液化区画のうちの少なくとも1つに導入することをさらに含む。
【0399】
[0411]側面1~17を含んでもよいがこれらに限定されない本開示の側面18では、前記加溶媒分解設備は、(i)前記部分酸化(POX)ガス化設備、(ii)前記熱分解設備、(iii)前記クラッキング設備、(iv)前記エネルギー回収設備、及び(v)前記液化区画のうちの少なくとも1つと共同設置される。
【0400】
[0412]側面1~18を含んでもよいがこれらに限定されない本開示の側面19では、前記加溶媒分解設備は連続的に運転され、1年間の平均で少なくとも500ポンド/時の供給量を有する。
【0401】
[0413]側面1~19を含んでもよいがこれらに限定されない本開示の側面20では、前記触媒を添加する工程は、前記触媒を前記廃プラスチックと共に添加することを含む。
[0414]側面1~20を含んでもよいがこれらに限定されない本開示の側面21では、前記触媒を添加する工程は、前記触媒を前記溶媒と共に添加することを含む。
【0402】
[0415]側面1~21を含んでもよいがこれらに限定されない本開示の側面22では、前記触媒を添加する工程は、前記加溶媒分解反応器に前記主に液体である流れの少なくとも一部が移送される工程の少なくとも一部の間に、前記触媒を前記主に液体である流れに添加することを含む。
【0403】
[0416]側面1~22を含んでもよいがこれらに限定されない本開示の側面23では、前記非PETプラスチックは、前記廃プラスチックの総重量基準で、10~80重量%の量のポリオレフィン(PO)を含み、前記非PETプラスチックは、前記廃プラスチックの総重量基準で、0.01~10重量%の量のポリ塩化ビニル(PVC)を含み、かつ前記PETは前記廃プラスチックの総重量基準で、少なくとも25重量%の量で廃プラスチック中に存在する。
【0404】
[0417]側面1~23を含んでもよいがこれらに限定されない本開示の側面24では、前記廃プラスチックは、前記流れの総重量基準で、少なくとも5重量%の非PETプラスチックを含む。
【0405】
[0418]側面1~24を含んでもよいがこれらに限定されない本開示の側面25では、前記触媒はナトリウムを含む。
[0419]側面1~25を含んでもよいがこれらに限定されない本開示の側面26では、前記触媒はカリウムを含む。
【実施例
【0406】
[0420]実験室規模のガラス製反応器を用いて、温度260℃の大気圧で、PET含有廃棄物原料を加メタノール分解に供するいくつかの実験を実施した。この実験は、PET原料(基準)又は0.15重量%のポリ塩化ビニルを含むPET原料(PVC)のいずれかで実施された。基準原料の組成を以下の表1にまとめた。
【0407】
[0421]
【0408】
【表1】
【0409】
[0422]全ての反応を、1種又は2種の触媒を含む触媒系の存在下で、64時間のバッチ方式で行った。各実験について、以下の表2に要約したように、種類及び/又は量の異なる触媒を使用した。各反応の完了後に、最終的な不純物含有量を測定し、生成率(メタノール対テレフタラート比で測定)を決定した。不純物の測定はガスクロマトグラフ法で行い、メタノール供給量と、ガスクロマトグラフ及び液体クロマトグラフで測定した粗生成物の重量及び組成から、メタノール対テレフタラート比を計算した。その結果を以下の表3にまとめた。また、実験C6-5において、加水分解ガスクロマトグラフ測定及び加水分解液体クロマトグラフ測定により、加メタノール分解後の反応生成物の組成を測定し、結果を以下の表4に示す。さらに、各試験の結果を図11図13にグラフで示す。
【0410】
【表2】
【0411】
【表3】
【0412】
【表4】
【0413】
[0423]一般に、メタノール対テレフタラート比がより小さくなることと相まって、不純物濃度が低下すると反応効率が高くなることが分かる。図11に示すように、実験C5は、不純物の生成は全体的に低水準だったが、メタノール対テレフタララート比が最も大きいという事実で証明されるように、最も効率の悪い反応であった。しかし、実験C6は、不純物の生成は全体として2番目に低い水準であったが、同時にメタノール対テレフタラート比は最低であった。
【0414】
[0424]次に図12に目を向けると、マンガン系触媒を利用した複数の実験結果が示されている。図12に示すように、各実験の不純物の全体量は類似していたが、実験C6-4及びC6-5は最低のメタノール対テレフタラート比を示した。実験C6-4及びC6-5はいずれも塩基を含んでおり(C6-4は炭酸カリウム、C6-5は水酸化ナトリウムを含む)、図12によれば、メタノール対テレフタラート比の低下に寄与していることが確認された。
【0415】
[0425]次に図13に目を向けると、水酸化ナトリウムを用いたマンガン系触媒を利用した複数の実験結果が示されている。図13に示すように、各実験の不純物の全体量はほぼ同じであったが、メタノール対テレフタラート比は、水酸化ナトリウムを200ppm使用した場合(実験C6-5)には低下し、400ppm(実験C6-6)及び600ppm(実験C6-7)の水酸化ナトリウムを使用した場合は若干増加したが、水酸化ナトリウムを使用しない場合(実験C6-2)と同じ水準ではなかった。
【0416】
定義
[0426]当然のことであるが、以下は、定義された用語の排他的なリストであることを意図するものではない。例えば、文脈中で定義された用語の使用に付随する場合などには、前述の説明に他の定義が提供されることがある。
【0417】
[0427] 本明細書で使用する用語「1つ(種)の(a、an及びthe)」は、1つ(種)以上を意味する。
[0428]本明細書で使用する用語「及び/又は(かつ/あるいは)」は、2つ以上の項目のリストで使用される場合、リストされた項目のいずれか1つを単独で採用することができ、又はリストされた項目の2つ以上の任意の組み合わせを採用することができることを意味する。例えば、組成物が成分A、B、及び/又はCを含むと記載されている場合、組成物は、A単独、B単独、C単独、A及びBの組み合わせ、A及びCの組み合わせ、B及びCの組み合わせ、又はA、B、及びCの組み合わせを含むことができる。
【0418】
[0429]本明細書で使用する句「少なくとも一部」は、少なくとも一部の量又は期間から全体の量又は期間までを含む。
[0430]本明細書で使用する用語「苛性」は、病原体の死滅、及び/又は臭気の低減のための洗浄剤などの技術に使用できる任意の塩基性溶液(例えば、強塩基、濃縮弱塩基など)を意味する。
【0419】
[0431]本明細書で使用する用語「遠心分離」は、主に遠心力によって物質の分離が行われる密度分離過 程を意味する。
[0432]本明細書で使用する用語「化学的再生処理」は、廃プラスチック重合体を、それ自体で有用であり、かつ/あるいは別の化学生産過程の原料として有用である低分子量重合体、オリゴマー、単量体、及び/又は非重合体分子(例えば、水素、一酸化炭素、メタン、エタン、プロパン、エチレン、及びプロピレン)に化学的に転換する工程を含む廃プラスチック再生処理過程を意味する。
【0420】
[0433]本明細書で使用する用語「化学的再生処理施設」は、廃プラスチックの化学的再生を通じて再生処理成分生成物を製造する施設を意味する。化学的再生処理施設は、(i)前処理、(ii)加溶媒分解、(iii)熱分解、(iv)クラッキング、及び/又は(v)POXガス化のうちの1つ以上の過程を採用してもよい。
【0421】
[0434]本明細書で使用する用語「共同設置」は、少なくとも2つの対象物が互いに物理的に共通の敷地内及び/又は1マイル(約1.6km)以内に位置することを意味する。
[0435]本明細書で使用する用語「含む」、「含み」は、用語の前に記載された主題から用語の後に記載された1つ以上の要素に移行するのに使用する非限定的な移行用語である。ここで、移行用語の後に記載された要素又は要素群は、必ずしも主題を構成する唯一の要素(群)であるとは限らない。
【0422】
[0436]本明細書で使用する用語「伝達」は、バッチ及び/又は連続で材料を輸送することを意味する。
[0437]本明細書で使用する用語「クラッキング」は、炭素-炭素結合を切断して複雑な有機分子をより単純な分子に分解することを意味する。
【0423】
[0438]本明細書で使用する用語「D90」は、粒子の分布の90%が特定の直径より小さく、10%が特定の直径より大きい特定の直径を意味する。代表的なD90値を確実に得るには、粒子の試料量は少なくとも1ポンド(約450g)でなければならない。連続過程中の粒子のD90を決定するには、少なくとも24時間以上にわたって等間隔で採取した少なくとも5つの試料について試験を行う必要がある。D90の試験は、高速度撮影とコンピュータアルゴリズムを用いて、粒度分布を生成して行われる。D90値を決定するのに適する粒度分布測定機は、W.S Tyler社(オハイオ州メンター)のCPA4-1型Computerized Particle Analyzerである。
【0424】
[0439]本明細書で使用する用語「直径」は、粒子の最大弦長(すなわち、その最大寸法)を意味する。
[0440]本明細書で使用する用語「密度分離過程」は、材料のそれぞれの密度に少なくとも部分的に基づいて材料を分離する過程を意味する。さらに、用語「低密度分離段階」及び「高密度分離段階」は、相対的な密度分離過程を意味し、ここで低密度分離段階は、高密度分離段階の目標分離密度未満の目標分離密度を有する。
【0425】
[0441]本明細書で使用する用語「貧化」は、特定の成分の濃度(乾燥重量基準)が、参照物質又は参照流中のその成分の濃度よりも低いことを意味する。
[0442]本明細書で使用する用語「直接的に由来」は、廃プラスチックに由来する少なくとも1つの物理的成分を有することを意味する。
【0426】
[0443]本明細書で使用する用語「富化」は、特定の成分の濃度(乾燥重量基準)が、参照物質又は参照流中のその成分の濃度よりも高いことを意味する。
[0444]本明細書で使用する用語「ハロゲン化物」は、負の電荷を有するハロゲン原子(すなわち、ハロゲン化物イオン)を含む組成物を意味する。
【0427】
[0445]本明細書で使用する用語「ハロゲン」は、少なくとも1つのハロゲン原子を含む有機又は無機の化合物、イオン種、又は元素種を意味する。
[0446]本明細書で使用する用語「持つ(持ち)」及び「有する(有し)」は、上記の「含む(含み)」と同じ非制限の意味を持つ。
【0428】
[0447]本明細書で使用する用語「重質有機加メタノール分解副産物」は、DMTよりも高い沸点を持つ加メタノール分解副産物を意味する。
[0448]本明細書で使用する用語「重質有機加溶媒分解副産物」は、加溶媒分解設備の主要なテレフタリル生成物よりも高い沸点を持つ加溶媒分解副産物を意味する。
【0429】
[0449]本明細書で使用する用語「含む」、「含み」、「含まれる」は、上記「含む」と同じ非制限的意味を持つ。
[0450]本明細書で使用する用語「間接的に由来」は、i)廃プラスチックに起因する再生処理成分であるが、ii)廃プラスチックに由来する物理的成分を持つことに基づかない再生処理成分を有することを意味する。
【0430】
[0451]本明細書で使用する用語「孤立」は、動的または静的に拘わらず、それ自体が他の物質から分離されている物体の特徴を意味する。
[0452]本明細書で使用する用語「軽質有機加メタノール分解副産物」は、DMTよりも沸点の低い加メタノール分解副産物を意味する。
【0431】
[0453]本明細書で使用する用語「軽質有機加溶媒分解副産物」は加溶媒分解設備の主要なテレフタリル生成物よりも沸点の低い加溶媒分解副産物を意味する。
[0454]本明細書で使用する用語「加メタノール分解副産物」は、加メタノール分解設備から引き出されたジメチルテレフタラート(DMT)、エチレングリコール(EG)、及びメタノール以外の任意の化合物を意味する。
【0432】
[0455]本明細書で使用する用語「混合プラスチック廃棄物」及び「MPW」は、限定はされないが、ポリエチレンテレフタラート(PET)、1種以上のポリオレフィン(PO)、及びポリ塩化ビニル(PVC)を含む少なくとも2種類の廃プラスチックの混合物を意味する。
【0433】
[0456]本明細書で使用する用語「部分酸化(POX)」又は「POX」は、炭素を含む供給物を合成ガス(一酸化炭素、水素、二酸化炭素)に高温で転換することを意味し、この転換は化学量論未満の酸素の存在下で行われる。POXガス化の原料は、固体、液体、及び/又は気体を含んでもよい。
【0434】
[0457]本明細書で使用する用語「部分酸化(POX)反応」は、部分酸化(POX)ガス化炉内で炭素含有供給物を合成ガスに転換する際に起こる全ての反応を指し、部分酸化、水性ガスシフト、水性ガス-一次反応、ブードア反応、酸化、メタン化、水素改質、蒸気改質、二酸化炭素改質などを含むが、それらに限定はされない。
【0435】
[0458]本明細書で使用する「PET」は、ポリエチレンテレフタラートの単独重合体、又は改質剤で修飾したポリエチレンテレフタラート若しくはエチレングリコール及びテレフタル酸以外、例えばイソフタル酸、1,4-シクロヘキサン二カルボン酸、ジエチレングリコール、TMCD(2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール)、CHDM(シクロヘキサンジメタノール)、プロピレングリコール、イソソルビド、1,4-ブタンジオール、1,3-プロパンジオール、及び/又はNPG(ネオペンチルグリコール)の残基又は部分を含むポリエチレンテレフタラート、あるいは反復テレフタラート単位(反復エチレングリコールに基づく単位を含むか否かは問わない)及びTMCD(2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール)、CHDM(シクロヘキサンジメタノール)、プロピレングリコール、若しくはNPG(ネオペンチルグリコール)、イソソルビド、イソフタル酸、1,4-シクロヘキサン二カルボン酸、1,4-ブタンジオール、1,3-プロパンジオール、及び/又はジエチレングリコール又はそれらの組合せの1つ以上の残基又は部分を有するポリエステルを意味する。
【0436】
[0459]本明細書で使用する用語「塔頂」は、密閉された構造物内の粒子状プラスチック固形物の量の最大上昇位より上にある構造物の物理的位置を意味する。
[0460]本明細書で使用する用語「部分酸化(POX)ガス化設備」又は「POX設備」は、廃プラスチック及びその原料のPOXガス化を行うために必要な全ての機器、配管、制御部を含む設備を意味する。
【0437】
[0461]本明細書で使用する用語「部分処理廃プラスチック」は、少なくとも自動的又は機械的に選別、洗浄、粉砕する工程又は過程を経た廃プラスチックを意味する。部分処理廃プラスチックは、例えば、地方自治体の再生処理施設(MRF)又は再生業者に由来してもよい。部分処理廃プラスチックが化学的再生処理施設に提供される場合、1つ以上の前処理工程を飛ばしてもよい。
【0438】
[0462]本明細書で使用する用語「PET加溶媒分解」は、ポリエステルテレフタラートを含むプラスチック原料を溶媒の存在下で化学分解して、主要なテレフタリル生成物及び/又は主要なグリコール生成物を生成する反応を意味する。
【0439】
[0463]本明細書で使用する用語「物理的再生処理」(「機械的再生処理」ともいう)は、廃プラスチックを溶融する工程、および溶融したプラスチックを新たな中間製品(例えば、ペレットやシート)および/または新たな最終製品(例えばボトル)に成形する工程を含む廃プラスチックの再生処理過程を意味する。一般に物理的再生処理では、多少の劣化はあるものの、プラスチックの化学構造を大きく変化させることはない。
【0440】
[0464]本明細書で使用する用語「主に」は、50重量%超を意味する。例えば、主にプロパンである流れ、組成物、原料、又は生成物は、50重量%を超えるプロパンを含む流れ、組成物、原料、又は生成物である。
【0441】
[0465]本明細書で使用する用語「前処理」は、(i)粉砕、(ii)微粒子化、(iii)洗浄、(iv)乾燥、および/または(v)分離のうちの1つ以上の工程を用いて化学的再生処理用に廃プラスチックを調製することを意味する。
【0442】
[0466]本明細書で使用する用語「熱分解」は、不活性(すなわち、実質的に無酸素の)雰囲気での1種以上の有機物の高温熱分解を意味する。
[0467]本明細書で使用する用語「熱分解炭(char)」は、熱分解によって得られる200℃かつ1気圧で固体である炭素含有組成物を意味する。
【0443】
[0468]本明細書で使用する用語「熱分解ガス」は、熱分解により得られる25℃で気体である組成物を意味する。
[0469]本明細書で使用する用語「熱分解重質ワックス」は、熱分解で得られる熱分解炭、熱分解ガス、熱分解油以外のC20+炭化水素を意味する。
【0444】
[0470]本明細書で使用する用語「熱分解油」は、熱分解で得られる25℃かつ1気圧で液体である組成物を意味する。
[0471]本明細書で使用する用語「熱分解残留物」は、熱分解で得られる熱分解ガス及び熱分解油以外の組成物のうち、熱分解炭及び熱分解重質ワックスを主に含むものを意味する。
【0445】
[0472]本明細書で使用する用語「再生処理成分」及び「再生成分」は、廃プラスチックから直接的及び/又は間接的に得られる組成物であること、又はその組成物を含むことを意味する。
【0446】
[0473]本明細書で使用する用語「樹脂識別記号」は、プラスチック製品に表示される、その製品を構成するプラスチック樹脂を識別する記号と関連する一連の番号(1~7)を意味し、1988年に米国で開発され、2008年からASTM Internationalにより管理されている。
【0447】
[0474]本明細書で使用する用語「樹脂識別記号1」は、ポリエチレンテレフタラート(PET)を素材とするプラスチック製品を意味する。このようなプラスチック製品には、清涼飲料水のボトル、ミネラルウォーターのボトル、ジュースの容器、食用油の容器などが含まれてもよい。
【0448】
[0475]本明細書で使用する用語「樹脂識別記号2」は、高密度ポリエチレン(HDPE)を素材とするプラスチック製品を意味する。このようなプラスチック製品には、ミルクジャグ、洗浄剤や洗濯洗剤の容器、シャンプーボトル、石鹸の容器などが含まれてもよい。
【0449】
[0476]本明細書で使用する用語「樹脂識別記号3」は、ポリ塩化ビニル(PVC)を素材とするプラスチック製品を意味する。このようなプラスチック製品には、果物やお菓子のトレイ、プラスチック包装(バブルフォイル)、食品用ラップなどが含まれてもよい。
【0450】
[0477]本明細書で使用する用語「樹脂識別記号4」は、低密度ポリエチレン(LDPE)を素材とするプラスチック製品を意味する。このようなプラスチック製品には、買い物袋、軽量ボトル、袋などが含まれてもよい。
【0451】
[0478]本明細書で使用する用語「樹脂識別記号5」は、ポリプロピレン(PP)を素材とするプラスチック製品を意味する。このようなプラスチック製品には、家具、自動車部品、工業用繊維、荷物、玩具などが含まれてもよい。
【0452】
[0479]本明細書で使用する用語「樹脂識別記号6」は、ポリスチレン(PS)を素材とするプラスチック製品を意味する。このようなプラスチック製品には、玩具、硬質パッキン、冷蔵庫用トレイ、化粧品袋、コスチュームジュエリー(模造宝石)、CDケース、自動販売機用カップ、二つ折り容器などが含まれてもよい。
【0453】
[0480]本明細書で使用する用語「樹脂識別記号7」は、限定はされないが、アクリル、ポリカーボネート、ポリ乳酸繊維、ナイロン、グラスファイバーなどの樹脂識別記号1~6以外のプラスチックを素材とするプラスチック製品を意味する。このようなプラスチック製品には、ボトル、ヘッドライトレンズ、安全眼鏡などが含まれてもよい。
【0454】
[0481]本明細書で使用する用語「分離効率」は、図8で定義される2つ以上の相又は成分間の分離の程度を意味する。
[0482]本明細書で使用する用語「沈降-浮遊密度分離」は、物質の分離が主に選択された液体媒体中で浮遊又は沈降によって引き起こされる密度分離過程を意味する。
【0455】
[0483]本明細書で使用する用語「加溶媒分解」又は「エステル加溶媒分解」は、エステル含有供給物を溶媒の存在下で化学的に分解し、主要なカルボキシル生成物及び/又は主要なグリコール生成物を生成する反応を意味する。加溶媒分解の例としては、加水分解、加アルコール分解、加アンモニア分解などが挙げられる。
【0456】
[0484]本明細書で使用する用語「加溶媒分解副産物」は、加溶媒分解設備から取り出された化合物のうち、加溶媒分解設備の主要なカルボキシル(テレフタリル)生成物、加溶媒分解設備の主要なグリコール生成物、又は加溶媒分解設備に供給された主要な溶媒のどれでもないものを意味する。
【0457】
[0485]本明細書で使用する用語「テレフタリル」は、下記の基を含む分子を意味する。
【0458】
【化2】
【0459】
[0486]本明細書で使用する用語「主要なテレフタリル」は、加溶媒分解設備から回収される主要なテレフタリル生成物を意味する。
[0487]本明細書で使用する用語「グリコール」は、1分子当たり2個以上の-OH官能基を含む成分を意味する。
【0460】
[0488]本明細書で使用する用語「主要なグリコール」は、加溶媒分解設備から回収される主要なグリコール生成物を意味する。
[0489]本明細書で使用する用語「目標分離密度」は、密度分離処理を受ける材料がそれを上回る密度で高密度の産出物として優先的に分離され、かつその材料がそれを下回る密度で低密度の産出物として分離される密度を意味する。
【0461】
[0490]本明細書で使用する用語「廃プラスチック」及び「プラスチック廃棄物」は、使用済み、スクラップ、及び/又は廃棄されたプラスチック材料を意味する。化学的再生処理施設に供給された廃プラスチックは、未処理であってもよく、部分処理済みであってもよい。
【0462】
[0491]本明細書で使用する用語「未処理廃プラスチック」は、いずれの自動的又は機械的な分別、洗浄、粉砕も行われていない廃プラスチックを意味する。未処理廃プラスチックの例としては、道路際に置かれる家庭のプラスチック再生処理容器や地域の共有プラスチック再生処理容器から回収された廃プラスチックが含まれる。
【0463】
[0492]本明細書で使用する句「少なくとも一部」は、少なくとも一部の量又は期間から全体の量又は期間までを含む。
[0493]本明細書で使用する用語「廃プラスチック粒子」は、1インチ未満のD90を有する廃プラスチックを意味する。
【0464】
[0494]本明細書で使用する用語「主に」は、ある物の総重量を基準にして、少なくとも50重量%を意味する。例えば、「主に」成分Aを含む組成物は、組成物の総重量を基準にして、少なくとも50重量%の成分Aを含む。
【0465】
[0495]本明細書で使用する「下流」は、
a.必要に応じて1つ以上の中間装置の操作部、容器、又は機器を通して、クラッキング炉の放射部からの出口流と流体(液体又は気体)連通している、又は配管連通している、あるいは
b.対象装置の操作部、容器、又は機器が(炉及び関連する全ての下流の分離機器を含む)クラッキング設備の境界内に留まることを条件として、必要に応じて1つ以上の中間装置の操作部、容器、又は機器を通して、クラッキング炉の放射部からの出口流と流体(液体又は気体)連通している、又は配管連通している、
対象装置の操作部、容器、又は器具を意味する。
【0466】
開示された態様に限定されない本発明の範囲
[0496]上述の本発明の好ましい態様は、例示としてのみ使用されるべきであり、本発明の範囲を解釈するために限定的な意味で使用されるべきではない。上述の例示的な態様に対する修正は、本発明の趣旨から逸脱することなく、当業者によって容易に実施可能である。
【0467】
[0497]本発明は、以下の特許請求の範囲に記載された本発明の文言通りの範囲から大きく逸脱しないものの範囲外となる任意の装置にも関連するので、本発明者らは、本発明の合理的に公正な範囲を決定しかつ評価するために均等論に依拠する意図があることをここに表明する。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】