(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-31
(54)【発明の名称】材料流中の水分の検出構造体・検出手段を備えた掘削リグ及び検出方法
(51)【国際特許分類】
G01N 27/02 20060101AFI20230524BHJP
【FI】
G01N27/02 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022562521
(86)(22)【出願日】2021-03-31
(85)【翻訳文提出日】2022-12-13
(86)【国際出願番号】 SE2021050292
(87)【国際公開番号】W WO2021211034
(87)【国際公開日】2021-10-21
(32)【優先日】2020-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】398056193
【氏名又は名称】エピロック ロック ドリルス アクチボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100194113
【氏名又は名称】八木田 智
(72)【発明者】
【氏名】メルケル,ハラルト フランツ アーノ
【テーマコード(参考)】
2G060
【Fターム(参考)】
2G060AA14
2G060AC01
2G060AF06
2G060CD06
2G060HB06
2G060HC14
2G060HC15
(57)【要約】
掘削中に材料流(20)中の水分を検出するための構造体(1)であって、構造体(1)が、制御ユニット(2)、データ収集ユニット(3)及びセンサ(4)を備え、前記センサが少なくとも二つのプローブ(5)を備え、前記少なくとも二つのプローブ(5)が材料流と接触するように配置され、かつ、プログラム可能電圧源及びプログラム可能電圧受信装置に接続されている。前記構造体は、受信電圧波形と印加電圧波形との比率を、あらかじめ設定された周波数で測定し、測定された比率に基づいて、少なくとも二つのプローブ(5)間の複素インピーダンスを、予め定められた周波数の各々について決定し、前記時間窓を用いて、前記予め定められた周波数のそれぞれについて、前記決定された複素インピーダンスの時間平均値の対を決定し、決定された時間平均値に基づいて、一組の標準偏差を決定し、かつ、前記標準偏差の少なくとも一つが閾値を超えた場合に、水分が検出されたことを示すように構成されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
掘削中の材料流(20)中の水分を検出するための構造体(1)であって、
前記構造体(1)が、制御ユニット(2)、データ収集ユニット(3)、及びセンサ(4)を備え、
前記センサが、少なくとも二つのプローブ(5)を備え、
前記少なくとも二つのプローブ(5)が、材料流(20)と接触するように配置され、かつ、プログラム可能電圧源及びプログラム可能電圧受信装置に接続されており、
前記構造体(1)が、
・受信電圧波形と印加電圧波形との比率を、あらかじめ設定された周波数で測定し、
・測定された比率に基づいて、少なくとも二つのプローブ(5)間の複素インピーダンスを、予め定められた周波数の各々について決定し、
・前記時間窓を用いて、前記予め定められた周波数のそれぞれについて、前記決定された複素インピーダンスの時間平均値の対を決定し、
・決定された時間平均値に基づいて、一組の標準偏差を決定し、かつ、
・前記標準偏差の少なくとも一つが閾値を超えた場合に、水分が検出されたことを示す
ように構成されている
ことを特徴とする構造体。
【請求項2】
少なくとも二つのプローブ(5)のそれぞれが一つ又は複数のヒータを備え、
前記ヒータが、温度を所定の値に安定させるために外部から制御されるように適合されている
ことを特徴とする請求項1に記載の構造体。
【請求項3】
少なくとも二つのプローブ(5)の一方がヒータを備え、
前記ヒータが、温度を所定の値に安定させるために外部から制御されるように適合されている
ことを特徴とする請求項1に記載の構造体。
【請求項4】
少なくとも二つのプローブ(5)のそれぞれが一つ又は複数のヒータを備え、
ヒータ電流及び/又はヒータ温度が、電流及び/又は温度を監視するために外部から制御されるように適合されている
ことを特徴とする請求項1に記載の構造体。
【請求項5】
センサ(4)が、三つのプローブ(5)を備え、
三つのプローブ(5)の各々が、一つ以上のヒータを備え、電流及び/又は温度を監視するために、抵抗加熱電流及び/又はヒータ温度が外部で制御されるよう適合されている
ことを特徴とする請求項1に記載の構造体。
【請求項6】
前記予め定められた周波数が、0.1~30kHzの範囲内にある
ことを特徴とする請求項1~5の何れか一項に記載の配置。
【請求項7】
プローブ(5)が金属製である
ことを特徴とする請求項1~6の何れか一項に記載の構造体。
【請求項8】
請求項1~7の何れか一項に記載の構造体(1)を備えた掘削リグ(10)。
【請求項9】
掘削中の材料流(20)中の水を検出する方法であって、
・受信電圧波形と印加電圧波形との間の比率を、予め決められた周波数のセットについて測定するステップ(301)、
・測定された比率に基づいて、予め決定された周波数のそれぞれについて、少なくとも二つのプローブ(5)間の複素インピーダンスを決定するステップ(302)、
・前記決定された複素インピーダンスの時間平均値のセットを、時間窓を使用して決定するステップ(303)、
・決定された時間平均値に基づいて、一組の標準偏差を決定するステップ(304)、及び
・前記標準偏差の少なくとも一つが閾値条件を超えた場合に、水分が検出されたことを示すステップ(305)
を含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
少なくとも二つのプローブ(5)の各々が、一つ又は複数のヒータを備え、
前記ヒータが、温度を所定の値に安定させるために、外部から制御される
ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも二つのプローブ(5)のうちの一方が、一つ以上のヒータを備え、
前記ヒータが、温度を所定の値に安定させるために外部から制御される
ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも二つのプローブ(5)の各々が、一つ又は複数のヒータを備え、
電流及び/又は温度を監視するために、加熱電流及び/又は加熱温度が外部から制御される
ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項13】
センサ(4)が三つのプローブ(5)を備え、
三つのプローブ(5)の各々が、一つ又は複数のヒータを有し、
電流及び/又は温度を監視するために、ヒータ電流及び/又はヒータ温度が外部から制御される
ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項14】
予め定められた周波数が0.1kHz~30kHzの範囲内である
ことを特徴とする請求項9~13の何れか一項に記載の方法。
【請求項15】
プローブ(5)が金属製である
ことを特徴とする請求項9~14の何れか一項に記載の方法。
【請求項16】
掘削リグ(10)において実行される請求項9~15の何れか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉱業分野、例えば、岩石破壊や岩石掘削の分野に関する。特に、本発明は、掘削中に材料流に含まれる水分を検出することに関する。
【背景技術】
【0002】
石油、ガス、井戸の掘削、鉱業、インフラ建設及び土木のような多くの産業で岩石掘削や岩石破壊が今日広く使用されている。掘削技術には、例えば、回転・衝撃式掘削及び回転式掘削等、様々なものがある。掘削技術の選択は、岩盤の種類、掘削深さ、掘削穴の直径が重要となる特定の用途に依存する。
【0003】
岩盤などを掘削する際には、材料流が発生する。材料流は、切石粒子だけでなく、塵や砂も含み得る。切石粒子、埃及び/又は砂を空気から分離するためにフィルタが使用され得る。材料流に水が含まれる場合、粒子及び水がフィルタ上で固化層を形成することがあり、フィルタを頻繁に交換する必要が生じる。従って、掘削時の材料流に含まれる水分を検出することが有効である。掘削ユニットを遠隔操作するためには、水分の自動検出は必須である。
【0004】
米国特許US8076950B2は、パイプ内の水と少なくとも一つの追加の液体又は気体の多成分混合物の水の導電率と水の体積率を測定する方法を開示している。この方法は、多成分混合物の複素誘電率を測定することに基づいており、この複素誘電率は、パイプの内壁付近を伝播する平面電磁波の波位相定数を測定することによって決定される。波位相定数の測定は、第三送信アンテナから異なる距離に配置されたパイプ内の二つの受信アンテナ間の位相差を測定することに基づいている。位相測定は、10MHz~10GHzの範囲の少なくとも二つの周波数で行われる。しかし、この方法は、高~中程度の含水率を示し、材料流中の水汚染は、検出可能な方法で媒体中の位相速度に影響を与えるには、あまりにも低い。
【0005】
さらに悪いことに、固体粒子に結合した水は、比誘電率が60~80程度の値で表される通常の誘電的挙動を示さない。結合した水は、2~5より大きな比誘電率を示さない。従って、バルク誘電体的挙動の位相測定は、あまり感度が良くない。
【0006】
米国特許US7679375B2は、製品中の異物を検出する方法を開示している。この方法は、材料流の誘電体組成の急激な変化に応答するものである。測定は伝播中に行われ、測定結果は材料の誘電関数の算出には使用されず、ポアンカレ曲線で描かれる。これは、小さな物体の散乱信号を含めるためである。この方法の目的は、使用するレーダ信号の波長よりも小さい物体を検出すること、及び周囲よりも誘電関数の低い物体を検出することにある。
【0007】
国際特許公開WO2006/052202A1は、物体の誘電関数を求めることにより、物体内部の温度や密度等の物理パラメータを測定する方法に関するものである。この方法では、超音波及びマイクロ波信号のコヒーレント及び同時印加が、非線形材料特性が見え始めるような効果のあるマイクロ波信号の代替印加が必要である。従って、超音波によって物質の密度が変化することが必要である。このような超音波による密度変化には、非弾性媒体が必要である。従って、この方法は空気を含むシステムには適用できない。
【0008】
国際特許公開WO02/18920A1は、材料中の選択された特性の分布を測定する方法及び装置を開示しており、特に、特に、電磁放射を検出することによって、材料の密度、水分含有量及び温度などの材料特性の空間分布を非接触かつ非破壊で測定する装置を開示している。
【0009】
上記のいずれの方法も、フィルタの目詰まりを防ぐことが必要なほど低い水分量を測定する現実的な解決策とはなっていない。取り扱う水分量が少ないため、特性変化の体積測定はできない。また、石の性質や密度の変化のような材料流の体積的特性の自然な変化が、水の存在よりもはるかに顕著に現れることになる。従って、この技術分野での改善が求められている。
【発明の概要】
【0010】
本明細書に記載の実施形態の目的は、掘削中の材料流における水検出性能を向上させること、即ち、少なくとも、この技術分野における公知の解決策に対する代替策を達成することにある。
【0011】
一態様によれば、前記目的は、掘削中の材料流中の水分を検出するために適合された構造体を提供することによって達成される。この構造体は、制御ユニット、データ収集ユニット、及びセンサを備えている。センサは、少なくとも二つのプローブを有する。少なくとも二つのプローブは、材料流に接触するように配置され、プログラム可能な電圧源及びプログラム可能な電圧受信装置に接続されている。この構造体は、あらかじめ決められた周波数のセットに対する受信電圧と印加電圧との比率を測定するように構成されている。前記構造体は、さらに、前記測定された比率に基づいて、前記予め決められた周波数のセットのそれぞれについて、前記少なくとも二つのプローブ間の複素インピーダンスのセットを決定するように構成されている。前記構造体は、さらに、前記時間窓を使用して、前記予め定められた周波数のそれぞれについて、前記決定された複素インピーダンスの時間平均値のセットを決定するように構成されている。前記構造体は、さらに、決定された時間平均値に基づいて、標準偏差のセットを決定するように構成されている。前記構造体は、前記標準偏差の少なくとも一つが閾値条件を超えた場合に、水分が検出されたことを示すように構成されている。
【0012】
別の態様によれば、上述の目的は、掘削中の材料流中の水分を検出するための方法を提供することによっても達成される。この方法は、予め決められた周波数のセットに対する受信電圧波形と印加電圧波形の比率を測定することを有する。本方法は、さらに、測定された比率に基づいて、予め決められた周波数のセットのそれぞれについて、少なくとも二つのプローブ間の複素インピーダンスを決定することを含む。本方法は、さらに、時間窓を使用して、決定された複素インピーダンスの時間平均値のセットを決定することを含む。本方法は、決定された時間平均値に基づいて、標準偏差のセットを決定することをさらに含む。前記方法は、さらに、前記標準偏差の少なくとも一つが閾値条件を超えた場合に、水分が検出されたことを示すことを含む。
【0013】
さらに、材料流中の水分を検出するための構造体を備えた掘削リグが提供される。
【0014】
穿孔時に少なくとも二つのプローブを材料流に接触させて配置し、受信電圧と印加電圧との比を測定することで、測定した比に基づいて、プローブ間の予め定めた周波数ごとの複素インピーダンスをそのまま決定することができる。そして、決定された複素インピーダンスの時間平均値のセットを決定し、決定された時間平均値に基づいて、標準偏差のセットを決定することにより、前記標準偏差の少なくとも一つが閾値条件を超えたときに水分が検出されることを示すことができる。これにより、掘削中の材料流における水分の検出性能が向上し、より最適化される。水の検出性能を最適化して向上させることで、フィルタの消耗が減り、フィルタの交換頻度も少なくなる。
【0015】
その結果、掘削中の材料流に含まれる水分を検出する方法及び構造体が実現される。
【0016】
本発明のさらなる目的及び利点、並びに技術的特徴は、添付図面を参照した一つ又は幾つかの実施形態の以下の説明を通じて明らかになる。
図面は必ずしも縮尺通りに描かれておらず、特定の要素の寸法は明確にするために誇張されている可能性があることに留意する必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】掘削中に材料流に含まれる水分を検出するための例示的な構造体が配置された掘削リグの概略図である。
【
図2】掘削中に材料流中の水分を検出するための例示的な構造体の概略図である
【
図3】掘削中に材料流に含まれる水分を検出する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を、実施形態の例を示す添付図を参照しながら、より詳細に説明する。本発明は、記載された実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって定義されるものである。図中の同じ符号は、全体として同じ構成要素を示す。
【0019】
図1は、掘削中、例えば岩石掘削中の材料流中の水分を検出するよう適合された構造体1を備えた本明細書の実施形態の概略を示す図である。構造体1は、掘削リグ10の材料流20における、フィルタ30、例えば空気から切石粒子、塵及び/又は砂を分離するために使用される材料フィルタの前に配置されている。
【0020】
掘削中の材料流20に含まれる水分を検出するための構造体1を
図2に示す。構造体1は、制御ユニット2、データ収集ユニット3、及びセンサ4を備えている。また、構造体1は、掘削リグの作業者に対して水分の検出表示を繰り返すための遠隔ユニット6を有し得る。
【0021】
ドリルカット流、ドリル流又は材料バック流とも呼ばれ得る材料流20は、戻りドリル流であり、例えば、主に空気からなる気体成分、砂、ダスト及び石粒子からなる一連の固体成分、水分の存在する一連の液体成分及び/又は前記液体中の一連の溶存成分を有する。
【0022】
制御ユニット2は、例えば、本明細書の方法を実行するように構成された、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、データロガーユニット、又は他のデジタルハードウェアのようなコントローラであり得る。制御ユニット2は、システムの状態を表示するディスプレイと、再起動又は手動での水分の有無の検出のために接続されたボタンとを有する。データ収集ユニット3は、例えば、小型信号発生器であり得る。
【0023】
データ収集ユニット3は、プローブ5から完全に電気的に分離されている。これは、材料流20がセンサヘッドを静電的に充電する乾燥環境において、電子機器の損傷や破壊を避けるための要件である。従って、この構造体1は、帯電効果を受けやすく、また、摩擦帯電効果を受けやすい誘電性又は圧電性の岩種に適している。
【0024】
また、使用する電圧レベルも5Vのオーダーであり得、火花や放電が発生するレベルには到底及ばない。従って、構造体1は、例えば、天然ガスや炭鉱などの爆発の危険性がある環境での使用にも適している。
【0025】
センサ4、例えばプローブホルダは、対で配置され得る複数のプローブ5を有する。プローブ5は、材料流20に接触するように配置され、かつ、プログラム可能な電圧源及びプログラム可能な電圧受信装置に接続される。
【0026】
プローブ5、例えばプローブ5の対は、それらの間に、材料流20内において、可能な限り小さい静電容量ギャップと、可能な限り長い抵抗測定ラインを提供するように設計され得る。幾つかの実施形態によれば、プローブ5は、金属で形成され得る。全ての実施形態に共通して、プローブ5が少なくとも部分的に導電性であり得る。金属の選択は、材料流20におけるプローブ5の長寿命化を実現するよう行われ得る。
【0027】
抵抗感度の大きなラインでは、複素インピーダンスの虚数部において、導電率の大きな絶対変化が生じる。長いラインに沿った小さな静電容量ギャップは、測定可能な大きな静電容量をもたらす。従って、静電容量の絶対変化量も大きい。この性質は、特に、メアンダー構造、シェルピンスキー曲線、又はペアノ曲線のような曲線形状でよく発揮される。
【0028】
構造体1は、一組の予め決定された周波数について、受信電圧波形と印加電圧波形との間の比率を測定し、測定された比率に基づいて、少なくとも二つのプローブ5間の一組の複素インピーダンスを、予め決定された周波数の各々について決定するように構成されている。一組のインピーダンス値は、高次元ユークリッドベクトル空間における座標とみなされる。例えば、N個の所定周波数は、2N個の座標値からなるN個の複素座標を導く。従って、測定は2N次元ベクトル空間の点によって記述される。この空間はユークリッド空間として扱われるため、距離や平均値などの概念はそのまま有効である。構造体1は、さらに、時間窓を使用して、予め決定された周波数のそれぞれについて、決定された複素インピーダンスの一組の時間平均値を決定し、決定された時間平均値に基づいて、一組の標準偏差を決定するように構成されている。前記構造体1は、さらに、前記標準偏差の少なくとも一つが閾値条件を超えた場合に、水分が検出されたことを示すように構成されている。即ち、構造体1は、平均値に対する局所的な測定点の距離が所定の幾何学的形状を超えた場合に、閾値条件として作用する指標基準を有するように構成されている。
【0029】
幾つかの実施形態によれば、少なくとも二つのプローブ5の各々は、一つ又は複数のヒータを有し得る。一組のプローブ5につき一つのヒータが設けられ得る。ヒータは、温度を所定の値に安定させるために、外部から、例えばオン・オフで制御できるようにしてもよい。ヒータは抵抗であってもよい。典型的な抵抗ヒータとしては、市販の24Vハンダゴテ用ヒータエレメントが利用され得る。一般的に200W~500Wの加熱パワーで十分であり得る。
【0030】
ヒータには二つの役割がある。
・一つは、ヒータは、センサ4が水分を検知すると同時に、スイッチが入れられ得ることである。
水分が、測定された一連のインピーダンスに見られる特性の実質的な変化によって検出されるとすぐに、この変化は、水分が乾くか、又は材料流20によって他の方法で除去されるまで持続する。この時間中は、有用な測定ができない。この時間をブラインドタイムと称する。この時間は、典型的には、ドリルの動作に実質的に支障のない数秒の範囲である。それでも、乾燥状態では、ブラインドタイムを短くしたり、再スタートを強制したりすることが望まれ得る。これは、プローブが乾くまでにヒータを作動させることで行われる。
・もう一つは、間接的な熱容量測定により導電性材料流20中の水分の存在を検出するために、定期的にヒータのスイッチを入れ得ることにある。
水分の存在下では、測定されたインピーダンスのセットが、ヒータ活性と相関を持つことになる。水分がない場合は、インピーダンスのセットとヒータの状態と間に相関は見られない。従って、この方法は掘削した石の特性の変化に対して自己校正を行う。
【0031】
幾つかの実施形態によれば、少なくとも二つのプローブ5の一方が、一つ又は複数のヒータを有し得、ヒータは、温度を一組の所定値に安定させるために外部から制御されるように適合され得る。少なくとも二つのプローブ5の一方は、周囲プローブとして参照され得、100℃未満と想定される周囲温度に放置され、また、少なくとも二つのプローブ5の他方は、加熱プローブとして参照され得、100℃より若干大きい温度に加熱される。対流冷却のために、加熱されたプローブの温度は材料流20によって下げられので、常に安定させる必要がある場合がある。プローブ5の双方で複素インピーダンスが測定され得る。周囲プローブは、潜在的水分汚染信号を生じさせ得る。プローブは、100℃以上の温度であれば、どのような状況でも乾燥信号を生じさせる。周囲プローブは、最終的に水分汚染信号を生じさせる。材料流20に水分が含まれていない限り、測定の再現性の範囲内で、両方の応答は等しくなる。材料流20が水分を含むようになると、それらに差異が生じる。この複素インピーダンスの対の差を記録することで、第一の方法において、水分の存在を検出することができる。第一の方法では、時間積分や平均値を必要とせず、直接、水分の存在を検出し得る。
【0032】
しかし、特に大量の水分の影響を受けると、加熱プローブと周囲プローブの両方で、複素インピーダンスの対の実部が実質的に低下し得る。そのため、どちらのプローブもブラインドタイムを示すことになる。しかし、加熱プローブのブラインドタイムは、周囲プローブのブラインドタイムと比較してかなり短くなる。この戻り勾配の差を利用して、第二の方法で水分の存在を検出することができる。
【0033】
この第二の方法を用いると、センサのブラインドタイムを短くするために、周囲プローブにもヒータを適用することが可能になる。この場合、この追加のヒータによって、両方のプローブ5が高温になり、水分が検出されない状況が生じる可能性があるので、特に注意する必要がある。即ち、水分があるのに検出されないというaエラーは避けるべきなので、代わりに水分がないのに検出されるというbエラーを許容する方が効果的であることが証明されている。これらの間接的な熱容量測定は、短い時間遅れで自己校正を可能にする。もう一つの利点は、加熱プローブの温度を、オン・オフの場合の360℃ではなく、例えば125℃に設定することができることである。
【0034】
幾つかの実施形態によれば、少なくとも二つのプローブ5の各々は、一つ以上のヒータを有し得、ヒータは、加熱電流及び/又は温度を監視するために外部から制御されるように適合されている。即ち、ヒータに流れる電流及び/又はヒータの温度を監視する機能が追加される。水分の存在は、加熱及び非加熱の電極対、例えばプローブ5の対の間の差の対の実部分の落ち込みによって示され得る。同時に、突然の水分の侵入で、ヒータ電流が大幅に増加することもある。材料流20に含まれる水分を蒸発させることで、加熱プローブをより効率的に冷却することができる。周囲プローブ対では、そのような効果はない。加熱電流のピークに加えて、差動インピーダンスのディップは、ほとんどすべての状況下で水分の明確な指標となる。これらの間接的な熱容量測定は、低bエラー及び短い時間遅延での自己校正を可能にする。もう一つの利点は、加熱プローブの温度が、オン・オフの場合の360℃ではなく、例えば125℃に設定することができることにある。
【0035】
幾つかの実施形態によれば、センサ4は、少なくとも三つプローブ5を有し、三つのプローブ5の各々は、一つ又は複数のヒータを有する。ヒータは、加熱電流を監視するため、及び温度を測定するために外部から制御されるように適合される。これらのプローブ5は、所定の異なる温度に加熱され得る。これらの実施形態を用いることで、100℃以下に温度を抑えることが可能である。その場合、測定はもはや必要な蒸発エネルギに基づくのではなく、単に冷却効果に基づくことになり得る。プローブ5上の蓄積物質よりも本質的かつ平均的に乾燥した材料流20を有することで、プローブ5上の蓄積物質は、材料流20と蒸発平衡状態になる。従って、プローブを乾燥させることで、プローブが冷却され、プローブの冷却は、プローブの温度を直接測定するか、又は、温度を所定のレベルに保つために必要な加熱エネルギを間接的に測定することによって行われる。必要なヒータ間の関係は温度の関数であるため、蒸発平衡の存在を立証するには、三つの温度点で十分である。
【0036】
幾つかの実施形態によれば、ヒータは抵抗性ヒータであり得る。上述したように、抵抗性ヒータを介して電流及び/又は温度を監視することが可能になる。ここで、水分の存在は、加熱及び非加熱プローブ対5のいずれかの差の実部におけるディップの対によって示される。同時に、加熱プローブにおける加熱電流の大幅な増加が発生する場合がある。加熱プローブは異なる温度、例えば40℃、60℃及び80℃に設定されているので、必要な加熱電流の増加は、材料流20の温度と設定温度の差に比例し得る。三つのプローブ5を持つことで、必要な抵抗加熱電流の線形関係を計算することが可能になる。
抵抗ディップタイム中、測定データには、以下に説明するように、ほぼ完璧に水分の検出を可能にする幾つかの特徴がある。
・乾燥温度が設定温度に依存するので、測定したディップの長さが異なる。
・最も温度が低いプローブが最も長いディップを示し、最も温度が高いプローブが最も短いディップを示す。
例えば、材料流20の不均一性などに起因するその他のディップは、この統計的な関連性を持たないため、除外することができる。
【0037】
抵抗ディップが存在する場合、三つのヒータ全ての加熱電流が上昇し得、先の線形関係から実質的に逸脱することがある。このような間接的な熱容量測定により、bエラーがほとんどなく、かつ、短い時間遅れで自己校正が可能になる。他の利点としては、加熱プローブの温度を例えば100℃以下の値に設定できること、蒸発を必要としないこと、チル効果が十分であることが挙げられる。
【0038】
幾つかの実施形態によれば、水分が検出されたときにアラームが作動され得る。その後、自動又は作業者による手動で掘削が停止され得る。
【0039】
幾つかの任意の実施形態によれば、ペースト、例えば水汚染された塵が、センサ4上に蓄積する可能性があるので、電力抵抗器、例えば抵抗加熱器がプローブ5と熱接触して配置され得、例えば100℃以上のプローブ5の加熱を可能にし得る。加熱により水分が蒸発し、プローブ5が動作可能な状態に戻るのを促進することができる。
【0040】
また、幾つかの任意の実施形態によれば、ペースト、即ち、水汚染された塵が、センサ4上に蓄積する可能性があるので、超音波加振器をプローブ5と機械的に接触させて配置し、より効率的にダストを除去することも可能である。超音波加振器は、本明細書で使用する場合、材料の蓄積及び材料の固化により、プローブ5が材料流20から隠されてしまうことを防止することを意図している。
【0041】
一実施形態では、構造体1は、プログラム可能な電圧波形源及びプログラム可能な電圧波形受信装置、例えば、制御可能なAC電圧源増幅器、並びに制御ユニット2を備え、制御ユニット2は、基準インピーダンスと測定インピーダンスと間の比較を可能にするアナログスイッチとアナログ-デジタル変換器を備えている。これらは、一対のプローブ5間の複素インピーダンスのデータを提供するように構成されている。所定の時間になると、ちょうど一対のプローブ5がアクティブになる。この複素インピーダンスデータは、制御ユニット2によって読み取られ、必要な平均値及び標準偏差が算出される。制御ユニット2は、ロギング及び改善のためにデータを保存するように構成されている。制御ユニット2は、システムの状態を遠隔ユニット6に送信し得る通信チャネルを提供する。遠隔ユニット6は、前記通信の受信機を有し、設定状態を表示する手段を備える。データは、例えば、有線又は無線のような任意の公知の方法で送信され得る。
【0042】
本明細書の実施形態は、材料流20中の水分を検出する迅速な反応を提供する。前記反応は、ミリ秒単位であり得る。本明細書の実施形態の別の利点は、システム性能をプログラムすることができることにある。本明細書の実施形態の他の利点は、使用される電子機器がシンプルであり、一般的な市販のマルチソース部品で組み立てられることである。
【0043】
本明細書の実施形態がどのように採用され得るかの方法の一実施例を、
図3のフローチャートを用いて説明する。
図3は、掘削中の材料流20に含まれる水分を検出する方法の一実施例を示す図である。この手順で使用され得る幾つかの任意の実施例についても説明する。構造体1は、制御ユニット2、データ収集ユニット3、センサ4、及び掘削リグ10を備えている。センサ4は、少なくとも二つのプローブ5を備え、少なくとも二つのプローブ5は、材料流20と接触するように配置され、かつ、プログラム可能な、例えば、調整可能な電圧源及びコヒーレントなプログラム可能な、例えば、調整可能な電圧受信機に接続され、プローブ5間の複素抵抗を測定できるようにされている。
【0044】
ステップ301は、受信電圧と印加電圧との間の比率を、一組の予め決められた周波数について測定することからなる。この比率は、複素インピーダンスを計算するために使用される。前記予め定められた周波数は、プローブ5間の距離よりもはるかに大きい波長に関連付けされ得る。このため、輻射効果や干渉が完全に回避されるという利点がある。幾つかの実施形態によれば、予め決められた周波数は、0.1kHz~30kHzの範囲内であり得る。法的な観点からこの間隔を選択する場合もある。このような場合、検出システムは電磁波の発生源とはみなされない。また、当該周波数帯におけるインピーダンス測定用チップセットは市販されている。
【0045】
ステップ302において、プログラム可能な正弦波電圧源を用いて前記インピーダンスが測定され、例えば印加電圧と受信電圧とを用いてコヒーレント検出がなされる。コヒーレント検出を用いると、プローブ5を備えたセンサ4の複素インピーダンスの実部及び虚部を算出することが可能になる。複素インピーダンスの実部が導電率、虚部がインダクタンス及びキャパシタンスである。測定周波数を所定の間隔で調整することで、周波数に対する複素インピーダンスのスペクトルを生成することが可能になる。このスペクトルは、水分の存在を検出するために使用される。従って、受信電圧と印加電圧との間の測定比率に基づいて、予め定められた周波数のそれぞれについて、少なくとも二つのプローブ5間の複素インピーダンスが決定される。
【0046】
ステップ303は、時間窓を使用して、決定された複素インピーダンスの一組の時間平均値を決定することから成る。従って、誘電関数などのさらなる材料パラメータを計算することなく、決定された複素インピーダンスの適切な時間平均値が、時間窓を使用して決定、例えば、計算される。適切な時間平均値によって、材料流20が一定であると仮定できる何秒かのスケールの平均値を設定することができるようになる。例えば、20kHz~30kHz付近の測定では、1秒間に10000点の測定が可能である。例えば16ステップの周波数を用いて、1秒間に約1000セットのインピーダンスを測定することができる。典型的には、安定した平均値を得るためには、500~1000セットの測定値が積算される。水分の存在はバースト的に現れ、最後の乾燥状態と湿潤状態の間の移行はミリ秒以内に起こり、10~15サンプルに亘る偏差を発生させる。従って、10~15サンプル以上の積分をした平均値であれば許容され得る。あまりに長い時間で積分すると、材料流20における物質的な変化に対してシステムが敏感に反応する可能性がある。これは、第二のレベルで発生する。サンプルに置き換えると、一般的に10000サンプル以上に亘って積分を行うことは好ましくない。この平均値は常に計算され、更新される。
【0047】
測定パラメータは、先に測定したインピーダンスのセットの長いスパンでの平均値によって得られる時間平均値からの、最後の数セットの測定したインピーダンスの平均値の瞬間偏差である。平均値の計算をあらかじめ決められた積分時間でのローパスフィルタ処理と考えると、二つのローパスフィルタの差が測定パラメータとして使用され得る。前記フィルタには、異なる積分時間を有する。短い高速フィルタの積分時間は、測定システムのノイズによって決定され、通常2~5サンプルに渡って積分される。より長い低速フィルタの積分時間は、二つの要件によって決定される。それは、水分による典型的なインピーダンスの変化が報告される時間(通常10~15サンプル)よりも長く、かつ、典型的な材料流パラメータが変化する時間(通常1000~10000サンプル)よりも短くすべきである。
【0048】
ステップ304は、決定された時間平均値及び同じ時間窓に基づいて、一組の標準偏差を決定することを含む。標準偏差は常に決定され、更新される。偏差情報は、先のステップ303からの平均値が有意であるとみなされる閾値条件を適応するために使用される。一般的な設定では、1.5~3の標準偏差を超える瞬間的な変化は、水分の検出にとって重要であると考えられる。
【0049】
ステップ305は、前記標準偏差の少なくとも一つが閾値条件を超えた場合に、水分が検出されたことを示すことからなる。インピーダンスの絶対値が小さくなる方向に強い偏差がある場合は、水分の痕跡があることを示している。この効果は、材料流20中の水分の導電性に起因するものである。一般に、このような状況の水分は、すべて塩に汚染されている。上記で得られた標準偏差に対して、測定パラメータの閾値条件を決定するために使用される、通常1.5~3.0程度の係数が予め決められている。インピーダンスが小さくなる方向に向けて、測定パラメータがこの閾値以上になると、水分が検出されたことが示される。水分が検出されるとアラームが作動し、自動的に、又は作業者による手動で掘削が停止され得る。
【0050】
上記の方法に従うことで、掘削中の水分検知を、強化した、かつ、より効率的な方法で示すことができる。明確にするために、前記ステップは何度も繰り返されることが理解されるべきである。この方法は、掘削中に連続して行われるため、ステップの繰り返しは、通常である。
【0051】
幾つかの実施形態によれば、少なくとも二つのプローブ5の各々は、一つ又は複数のヒータを有し得る。ヒータは抵抗体であってもよく、一対のプローブ5につき一つであってもよい。ヒータは、温度を所定の値に安定させるために、外部から、例えばオン・オフで制御できるように適合され得る。
【0052】
幾つかの実施形態によれば、少なくとも二つのプローブ5のうちの一方は、一つ又は複数のヒータを有し得、前記ヒータは、温度を一組の所定値に安定させるために外部から制御されるように適合され得る。
【0053】
幾つかの実施形態によれば、少なくとも二つのプローブ5の各々は、一つ以上のヒータを有し得、前記ヒータは、加熱電流及び/又は温度を監視するために外部から制御されるように適合され得る。即ち、ヒータに流れる電流やヒータ温度を監視する機能が追加される。
【0054】
幾つかの実施形態によれば、センサ4は、少なくとも三つのプローブ5を備え、三つのプローブ5の各々は、一つ又は複数のヒータを有する。前記ヒータは、ヒータ電流を監視するため、かつ、温度を測定するために外部から制御するよう適合されている。
【0055】
上述したヒータは、抵抗体であってもよく、一対のプローブ5につき一つであってもよい。
【0056】
前述の説明及び添付の図面は、本明細書で教示される方法及び構造体の非限定的な実施例を示すものである。このように、本明細書で教示される構造体及び技術は、前述の説明及び添付の図面によって限定されるものではない。代わりに、本明細書の実施形態は、以下の特許請求の範囲及びその均等物によってのみ限定される。
【手続補正書】
【提出日】2022-12-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
掘削中の
粒子の材料流(20)中の水分を検出するための構造体(1)であって、
前記構造体(1)が、制御ユニット(2)、データ収集ユニット(3)、及びセンサ(4)を備え、
前記センサが、少なくとも二つのプローブ(5)を備え、
前記少なくとも二つのプローブ(5)が、
粒子の材料流(20)と接触するように配置され、かつ、プログラム可能電圧源及びプログラム可能電圧受信装置に接続されており、
前記構造体(1)が、
・受信電圧波形と印加電圧波形との比率を、あらかじめ設定された周波数で測定し、
・測定された比率に基づいて、少なくとも二つのプローブ(5)間の複素インピーダンスを、予め定められた周波数の各々について決定し、
・前記時間窓を用いて、前記予め定められた周波数のそれぞれについて、前記決定された複素インピーダンスの時間平均値の対を決定し、
・決定された時間平均値に基づいて、一組の標準偏差を決定し、かつ、
・前記標準偏差の少なくとも一つが閾値を超えた場合に、水分が検出されたことを示す
ように構成されている
ことを特徴とする構造体。
【請求項2】
少なくとも二つのプローブ(5)のそれぞれが一つ又は複数のヒータを備え、
前記ヒータが、温度を所定の値に安定させるために外部から制御されるように適合されている
ことを特徴とする請求項1に記載の構造体。
【請求項3】
少なくとも二つのプローブ(5)の一方がヒータを備え、
前記ヒータが、温度を所定の値に安定させるために外部から制御されるように適合されている
ことを特徴とする請求項1に記載の構造体。
【請求項4】
少なくとも二つのプローブ(5)のそれぞれが一つ又は複数のヒータを備え、
ヒータ電流及び/又はヒータ温度が、電流及び/又は温度を監視するために外部から制御されるように適合されている
ことを特徴とする請求項1に記載の構造体。
【請求項5】
センサ(4)が、三つのプローブ(5)を備え、
三つのプローブ(5)の各々が、一つ以上のヒータを備え、電流及び/又は温度を監視するために、抵抗加熱電流及び/又はヒータ温度が外部で制御されるよう適合されている
ことを特徴とする請求項1に記載の構造体。
【請求項6】
前記予め定められた周波数が、0.1~30kHzの範囲内にある
ことを特徴とする請求項1~5の何れか一項に記載の配置。
【請求項7】
プローブ(5)が金属製である
ことを特徴とする請求項1~6の何れか一項に記載の構造体。
【請求項8】
請求項1~7の何れか一項に記載の構造体(1)を備えた掘削リグ(10)。
【請求項9】
掘削中の
粒子の材料流(20)中の水を検出する方法であって、
・受信電圧波形と印加電圧波形との間の比率を、予め決められた周波数のセットについて測定するステップ(301)、
・測定された比率に基づいて、予め決定された周波数のそれぞれについて、少なくとも二つのプローブ(5)間の複素インピーダンスを決定するステップ(302)、
・前記決定された複素インピーダンスの時間平均値のセットを、時間窓を使用して決定するステップ(303)、
・決定された時間平均値に基づいて、一組の標準偏差を決定するステップ(304)、及び
・前記標準偏差の少なくとも一つが閾値条件を超えた場合に、水分が検出されたことを示すステップ(305)
を含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
少なくとも二つのプローブ(5)の各々が、一つ又は複数のヒータを備え、
前記ヒータが、温度を所定の値に安定させるために、外部から制御される
ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも二つのプローブ(5)のうちの一方が、一つ以上のヒータを備え、
前記ヒータが、温度を所定の値に安定させるために外部から制御される
ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも二つのプローブ(5)の各々が、一つ又は複数のヒータを備え、
電流及び/又は温度を監視するために、加熱電流及び/又は加熱温度が外部から制御される
ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項13】
センサ(4)が三つのプローブ(5)を備え、
三つのプローブ(5)の各々が、一つ又は複数のヒータを有し、
電流及び/又は温度を監視するために、ヒータ電流及び/又はヒータ温度が外部から制御される
ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項14】
予め定められた周波数が0.1kHz~30kHzの範囲内である
ことを特徴とする請求項9~13の何れか一項に記載の方法。
【請求項15】
プローブ(5)が金属製である
ことを特徴とする請求項9~14の何れか一項に記載の方法。
【請求項16】
掘削リグ(10)において実行される請求項9~15の何れか一項に記載の方法。
【国際調査報告】