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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-31
(54)【発明の名称】空気の冷却効率を向上させた冷風機
(51)【国際特許分類】
   F24F 5/00 20060101AFI20230524BHJP
   F24F 1/0007 20190101ALI20230524BHJP
【FI】
F24F5/00 102
F24F1/0007 331
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022563177
(86)(22)【出願日】2021-08-24
(85)【翻訳文提出日】2022-10-17
(86)【国際出願番号】 KR2021011305
(87)【国際公開番号】W WO2022045741
(87)【国際公開日】2022-03-03
(31)【優先権主張番号】10-2020-0106366
(32)【優先日】2020-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522405794
【氏名又は名称】キム、ミ ソン
【氏名又は名称原語表記】KIM,Mi Sun
【住所又は居所原語表記】1402 ho,105 dong,152-2,UN pyeonghwa-ro,Nam-gu,Busan 48535,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】キム、ミ ソン
【テーマコード(参考)】
3L050
【Fターム(参考)】
3L050BA01
3L050BA05
3L050BB12
(57)【要約】
本発明は、冷凍したミネラルウォーターボトルなどの冷却体を内部に収容して送風をする簡単な構造及び操作の利便性はもとより、小さい体積で作製して移動の利便性を有するとともに、流入する外気と冷却体との間で効率的な熱交換を行える構造の冷風機を提供する。本発明は、水と冷却体を収容し、複数の熱交換翼を有する円柱状胴体と、熱交換翼の間の複数の空気流動路から空気を吸入して排出する送風ファンと、前記円柱状胴体の下端に結合された底部密閉部材上で水を攪拌する攪拌部材と、それを駆動する攪拌駆動機と、を備える。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間(11a)に水(81)と冷却体(82)を収容するための円筒部(11)と、前記円筒部(11)の外周面の円周に沿って形成された複数の熱交換翼(12)と、を有する円柱状胴体(10)と;
内部に前記円柱状胴体(10)が挿入され、複数の前記熱交換翼(12)の外側端部に沿って前記熱交換翼(12)の周囲を取り囲むことにより、前記熱交換翼(12)の間の空気流動路(12a)において前記円筒部(11)の長手方向に空気が流れるようにする円筒カバー(20)と;
前記円柱状胴体(10)の上端に結合され、前記空気流動路(12a)から空気を吸入して排出する送風ファン(30)と;
前記円筒部(11)の下端に結合され、上面を前記円筒部(11)の内部空間(11a)の底面とする底部密閉部材(50)と;
前記底部密閉部材(50)上に設けられ、前記円筒部(11)の内部空間(11a)に収容された水(81)を攪拌する攪拌部材(60)と;
前記底部密閉部材(50)の下側に設けられ、前記攪拌部材(60)を攪拌作動させる攪拌駆動機(70)と;
を備えることを特徴とする、冷風機。
【請求項2】
前記攪拌部材(60)は磁石または強磁性体を含み、前記攪拌駆動機(70)は、前記攪拌部材(60)に磁力による引力または尺力を作用させる磁石または強磁性体を含む回転体(71)と、前記回転体(71)を回転させるモータ(72)と、を含むことにより、
前記回転体(71)の回転により前記攪拌部材(60)が引力または斥力を受けて運動して水(81)を攪拌することを特徴とする、請求項1に記載の冷風機。
【請求項3】
前記攪拌部材(60)は、棒状の攪拌体(61)と、前記攪拌体(61)の中心部の外周面を包む環状突部(62)と、を含み、
前記底部密閉部材(50)の上面に前記環状突部(62)が接触し、前記攪拌体(61)が横になった状態で前記回転体(71)の回転により回転することを特徴とする、請求項2に記載の冷風機。
【請求項4】
前記底部密閉部材(50)の上面には、中心部に位置して回転する前記攪拌部材(60)の外側周囲に沿って、複数個所で上方に突出する受け突起(53)が設けられて前記冷却体(82)を支え、
前記送風ファン(30)は、
前記円筒部(11)の上端に結合される蓋体(40)が下部中心部に結合され、前記空気流動路12aから上昇する空気を前記蓋体(40)の周囲に沿って案内する空気案内路35)が形成され、前記蓋体(40)の上側に、ファンモータ(32)と、前記ファンモータ(32)によって回転するファン翼(31)とが設けられて、前記空気案内路(35)から空気を上昇させ、上面において、中央部に温度を表示するディスプレイ(33)が設けられ、前記ファン翼(31)から上昇する空気を排出する排出口(34)が前記ディスプレイ(33)の周囲に沿って設けられることを特徴とする、請求項3に記載の冷風機。
【請求項5】
前記円柱状胴体(10)の下端に結合され、床に定着することにより前記円柱状胴体(10)を立設し、前記攪拌駆動機(70)を収容する容器状の定着ハウジング(73)と、
前記定着ハウジング(73)を取り囲むように環状に設けられ、前記熱交換翼(12)から落下する凝縮水を収容する水受け部材(90)と、
を備え、
前記水受け部材(90)は、
一側に設けられたヒンジ軸(93)と、
一方の端部で前記ヒンジ軸(93)により互いに結合し、他方の端部で互いに接触することで完全な環状をなしており、それぞれ水受け溝(95,96)を有する一対の円弧状の水槽(91,92)と、
一対の前記円弧状の水槽(91、92)の前記他方の端部にそれぞれ設けられ、磁力により互いに接合させるための磁力着脱部材(94a、94b)と、
前記一対の円弧状の水槽(91、92)の内側面から突出する支持突起(97)と、を含み、
前記定着ハウジング(73)の側面に、前記支持突起(97)と嵌合する支持溝(77)が形成されることを特徴とする、請求項1に記載の冷風機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気の冷却効率を向上させた冷風機に係り、より詳細には、円柱状胴体の内部に収容された冷却体及び水と、円柱状胴体の周囲を通過する空気との間で熱交換が効果的に行われるように構成することにより、空気の冷却効率を向上させた冷風機に関する。
【背景技術】
【0002】
夏季には冷房のためにエアコンが主に使用されているが、電力消費が激しく、設置及び管理に過剰な費用がかかるという問題がある。
【0003】
特に、自習室などの密閉された狭い空間を冷房するためのエアコンの設置及び運用には、浪費の要因が多いため、エネルギー消費の少ない扇風機の使用が推奨されているが、長時間使用時の自己発熱により涼しい風を吹き出せないという限界がある。
【0004】
そこで、近年、省エネルギーで操作が簡単な冷風機が開発されている。
【0005】
図1は、従来の、冷媒収容体を用いた冷風機1に関するものであり、韓国登録実用新案第第20-0480519号公報に記載されているものである。
【0006】
図1を参照すると、冷媒収容空間2に冷媒収容体3が収容された状態で流入口6に流入した外部空気が冷媒収容体3と接触して熱交換を行う。
【0007】
送風ファンは吸入ファン4と吐出ファン5とから構成され、送風ファンを作動させると、内側の吸入ファン4は、外気が冷媒収容体3を通過するように外気を吸入して冷媒収容体3との熱交換を行い、外側の吐出ファン5は、吸入ファン4が吸入した冷気を吐出路7を介して再び外部に排出する。
【0008】
このような従来の冷風機1は、全体として小さな体積を有し、冷媒収容体3を冷媒収容空間2に設置した後、送風ファンを回転させるという簡単な構造と動作で冷風を供給することができるという利点がある。
【0009】
しかし、従来の冷風機1は、主に冷媒収容体3の表面で外気と接触するため、冷媒収容体3と外気との接触面積が狭く、冷媒収容体3を通過する空気も急速に通過する。このため、冷媒収容体3の周囲で十分な熱交換ができないことから、冷風供給性能及びエネルギー効率が高くないという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、冷凍したミネラルウォーターボトルなどの冷却体を内部に収容して送風をする簡単な構造及び操作の利便性はもとより、小さい体積で作製して移動の利便性を有するとともに、流入する外気と冷却体との間で効率的な熱交換を行うことができ、これにより空気の冷却効率を向上させた構造の冷風機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明に係る冷風機は、内部空間に水と冷却体を収容するための円筒部と、前記円筒部の外周面の円周に沿って形成された複数の熱交換翼と、を有する円柱状胴体と;内部に前記円柱状胴体が挿入され、複数の前記熱交換翼の外側端部に沿って前記熱交換翼の周囲を取り囲むことにより、前記熱交換翼の間の複数の空気流動路において前記円筒部の長手方向に空気が流れるようにする円筒カバーと;前記円柱状胴体の上端に結合され、前記空気流動路から空気を吸入して排出する送風ファンと;前記円筒部の下端に連結され、上面を前記円筒部の内部空間の底面とする底部密閉部材と;前記底部密閉部材上に設けられ、前記円筒部の内部空間に収容された水を攪拌する攪拌部材と;前記底部密閉部材の下側に設けられ、前記攪拌部材を攪拌作動させる攪拌駆動機と;を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る冷風機において、前記攪拌部材は磁石または強磁性体を含み、前記攪拌駆動機は、前記攪拌部材に磁力による引力または尺力を作用させる磁石または強磁性体を含む回転体と、前記回転体を回転させるモータと、を含むことにより、前記回転体の回転により前記攪拌部材が引力または尺力を受けて運動して水を攪拌することを他の特徴とする。
【0013】
さらに、本発明に係る冷風機において、前記攪拌部材は、棒状の攪拌体と、前記攪拌体の中心部の外周面を包む環状突部と、を含み、前記底部密閉部材の上面に前記環状突部が接触し、前記攪拌体が横になった状態で前記回転体の回転により回転することをさらに他の特徴とする。
【0014】
さらにまた、本発明に係る冷風機において、前記底部密閉部材の上面には、中心部に位置して回転する前記攪拌部材の外側周囲に沿って、複数個所で上方に突出する受け突起が設けられて前記冷却体を支え、前記送風ファンは、前記円筒部の上端に結合される蓋体が下部中心部に結合され、前記空気流動路から上昇する空気を前記蓋体の周囲に沿って案内する空気案内路が形成され、前記蓋体の上側に、ファンモータと、前記ファンモータとによって回転するファン翼とが設けられて、前記空気案内路から空気を上昇させ、上面において、中央部に温度を表示するディスプレイが設けられ、前記ファン翼から上昇する空気を排出する排出口が前記ディスプレイの周囲に沿って設けられることをさらに他の特徴とする。
【0015】
さらにまた、本発明に係る冷風機において、前記円柱状胴体の下端に結合され、床に定着することにより前記円柱状胴体を立設し、前記攪拌駆動機を収容する容器状の定着ハウジングと、前記定着ハウジングを取り囲むように環状に設けられ、前記熱交換翼から落下する凝縮水を収容する水受け部材と、を備え、前記水受け部材は、一側に設けられたヒンジ軸と、一方の端部で前記ヒンジ軸により互いに結合し、他方の端部で互いに接触することで完全な環状をなしており、それぞれ水受け溝を有する一対の円弧状の水槽と、一対の前記円弧状の水槽の前記他方の端部にそれぞれ設けられ、磁力により互いに接合させるための磁力着脱部材と、前記一対の円弧状の水槽の内側面から突出する支持突起と、を含み、前記定着ハウジングの側面に、前記支持突起と嵌合する支持溝が形成されることをさらに他の特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の冷風機は、水と冷却体を収容し、複数の熱交換翼を有する円柱状胴体と、熱交換翼の間の複数の空気流動路から空気を吸入して排出する送風ファンと、前記円柱状胴体の下端に結合された底部密閉部材上で水を攪拌する攪拌部材と、それを駆動する攪拌駆動機と、を備えてなる。
【0017】
これにより、本発明の冷風機では、円柱状胴体の熱交換翼の間に空気が流れて大きな接触面積で熱交換が行われ、冷却体と円柱状胴体もその間を連続的に流れながら全体的に接触する水によって熱交換が行われているので、流入する外気と冷却体との間の熱交換が円滑かつ効果的に行われ、空気の冷却効率をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】従来の冷風機の構造を示す断面構成図である。
図2】本発明の実施形態に係る冷風機の各部の構成を示す分解斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係る冷風機の構成を示す断面構成図である。
図4】本発明の実施形態に係る冷風機における攪拌部材の変形構成を示す分解斜視図である。
図5】本発明の他の実施形態に係る冷風機の構成を示す断面構成図である。
図6】本発明の実施形態に係る冷風機における水受け部材の構成を示す斜視構成図である。
図7】本発明の実施形態に係る冷風機において水受け部材を定着ハウジングから分離する過程を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0020】
図2及び図3を参照すると、本発明の実施形態に係る冷風機は、内部空間11aに水81と冷却体82を収容するための円筒部11と、前記円筒部11の外周面の円周に沿って形成された複数の熱交換翼12と、を有する円柱状胴体10と;内部に前記円柱状胴体10が挿入され、複数の前記熱交換翼12の外側端部に沿って前記熱交換翼12の周囲を取り囲むことにより、前記熱交換翼12の間の複数の空気流動路12aにおいて前記円筒部11の長手方向に空気が流れるようにする円筒カバー20と;前記円柱状胴体10の上端に結合され、前記空気流動路12aから空気を吸入して排出する送風ファン30と;前記円筒部11の下端に結合され、上面を前記円筒部11の内部空間11aの底面とする底部密閉部材50と;前記底部密閉部材50上に設けられ、前記円筒部11の内部空間11aに収容された水81を攪拌する攪拌部材60と;前記底部密閉部材50の下側に設けられ、前記攪拌部材60を攪拌作動させる攪拌駆動機70と;を備える。
【0021】
前記円柱状胴体10は、アルミニウム材で一体に作られた熱交換が行われる部分であって、内部空間11aに水81と冷却体82を収容するための円筒部11と、前記円筒部11の外周面の円周に沿って形成された複数の熱交換翼12と、を有する。
【0022】
前記複数の熱交換翼12は、円筒部11の円周に沿って等間隔で配置されるものであり、円筒部11の外周面から放射方向に向かって螺旋状の曲面軌跡に沿って放射状に延びることが好ましい。
【0023】
複数の熱交換翼12が螺旋状の曲面軌跡に沿って延びると、1つの熱交換翼12に対して、直線状に延びる場合よりも空気との接触面積を拡大することができる。
【0024】
複数の熱交換翼12の間には、空気流動路12aが円筒部11の長手方向に延びるように形成され、円筒部11の円周に沿って複数の熱交換翼12が等間隔で形成される。
【0025】
このような空気流動路12aが円筒部11の長手方向に延びる通路として形成されるように、複数の熱交換翼12の外側端部に沿って熱交換翼12の周囲を取り囲む円筒カバー20が設けられる。
【0026】
すなわち、円筒カバー20の内部に円柱状胴体10が嵌め込まれることにより、円筒カバー20が熱交換翼12の周囲を取り囲む構造となり、熱交換翼12の間の空気流動路12aは、径方向外側が塞がれ、円筒部11の長手方向に沿って空気が流れるように構成される。
【0027】
円柱状胴体10の円筒部11は、水81及び冷却体82を収容できるように空き空間として形成された内部空間11aを有する。
【0028】
このために、円筒部11の内部空間11aは、下端に底部密閉部材50が設けられて閉塞され、上端に蓋体40が設けられる。
【0029】
蓋体40は、円筒部11の上端に係止される係止突部41が周囲に形成され、その下側に環状のOリング42が設けられて水密性を確保する。
【0030】
円筒部11の内部空間11aには冷却体82が装入され、内部空間を水81で満たすが、前記冷却体82は冷凍したミネラルウォーターボトルであってもよい。
【0031】
冷却体82の周囲に充填された水81は、冷却体82及び円筒部11の内面と接触することで熱伝達媒体として機能する。
【0032】
前記送風ファン30は、円柱状胴体10の上端に結合され、空気流動路12aから空気を吸入して上方外部に排出する。
【0033】
送風ファン30の下部中心部に、円筒部11の上端に結合される蓋体40が結合され、蓋体40が円筒部11の上端に固定されると、送風ファン30も一緒に円筒部11の上端に固定された状態となり得る。
【0034】
また、送風ファン30の下部には、空気流動路12aから上昇する前記蓋体40の周囲に沿って空気を案内する空気案内路35が形成され、前記蓋体40の上側には、ファンモータ32と、ファンモータ32によって回転するファン翼31とが設けられて、ファンモータ32の回転によって空気案内路35から空気を上昇させることができる。
【0035】
送風ファン30の外面ケースの上面には、中央部に温度を表示するディスプレイ33が設けられ、ファン翼31から上昇する空気を排出する排出口34が前記ディスプレイ33の周囲に沿って設けられる。
【0036】
前記ディスプレイ33は、外気温度と、送風ファン30により排出される冷気の温度とを表示することができる。
【0037】
一方、前記底部密閉部材50は、円筒部11の下端に結合され、上面が円筒部11の内部空間11aの底面となり、その結果、円筒部11の内部空間11aの水81が下方に漏れるのを防止する。
【0038】
底部密閉部材50は、周囲の円形枠の外面にOリング52が設けられ、円形枠が円柱状胴体10の円筒部11の下端に挿入されてOリング52が円筒部11の内面に密着することにより水密性を確保することができる。
【0039】
前記円筒部11の内部空間11aの底部、すなわち、底部密閉部材50上には、円筒部11の内部空間11aに収容された水81を攪拌する攪拌部材60が設けられる。
【0040】
前記攪拌部材60は、回転しながら内部空間11aの水81を攪拌するためのものであり、前記攪拌駆動機70によって回転作動する。
【0041】
前記攪拌駆動機70は、底部密閉部材50の下側に設けられ、攪拌部材60を回転させる。
【0042】
前記攪拌部材60は磁石または強磁性体を含み、前記攪拌駆動機70は、攪拌部材60に磁力による引力または斥力を作用させる磁石または強磁性体を含む回転体71と、前記回転体71を回転させるモータ72と、を備える。
【0043】
これにより、回転体71の回転により前記攪拌部材60が引力または斥力を受けて運動して水81を攪拌する。
【0044】
前記回転体71は、モータ72の回転軸が中間部に結合された棒磁石であってもよいし、金属または合成樹脂の棒の両端に磁石が結合された構造であってもよい。
【0045】
前記攪拌部材60は、棒状の攪拌体61と、前記攪拌体61の中心部の外周面を包む環状突部62と、を備える構造を有してもよい。
【0046】
前記攪拌体61は短い棒状を呈しており、環状突部62が攪拌体61の中心部に設けられて底部密閉部材50の上面に接触する。
【0047】
これにより、攪拌体61は、環状突部62により底部密閉部材50に接触するので、接触面積が小さくて摩擦損失が少なく、攪拌駆動機70の誘導により容易に回転することができる。
【0048】
底部密閉部材50の上面中心部に攪拌体(61)が横になった状態で環状突部62が接触すると、攪拌駆動機70の回転体71が回転しながら磁力により攪拌部材60の回転を発生させる。
【0049】
前記底部密閉部材50の上面には、中心部に位置して回転する攪拌部材60の外側周囲に沿って、複数個所で上方に突出する受け突起53が設けられ、持ち上げられた冷凍ミネラルウォーターボトルなどの冷却体を支え、受け突起53により攪拌部材60が回転できる領域を確保することで、攪拌部材60の運動が冷却体82によって妨げられることを防止する。
【0050】
攪拌駆動機70は、定着ハウジング73の内部に収容設置され、容器状の定着ハウジング73のフランジ部73aが底部密閉部材50のフランジ部54にボルト結合されることにより、底部密閉部材50を介して円柱状胴体10の下端に結合でき、定着ハウジング73が床に定着した状態で円柱状胴体10が立設状態を維持する。
【0051】
前記攪拌部材60は、図4に示すように変更構成されてもよい。
【0052】
すなわち、攪拌部材60は、回転軸孔64aが形成された中心本体64の両側に、傾斜面65aを有する傾斜翼65が結合され、傾斜翼65の両端下部にはそれぞれ磁石67が結合される。
【0053】
また、回転軸孔64aに回転軸ピン66が挿入され、回転軸ピン66は、底部密閉部材50の上面に設けられた軸結合突部68に螺旋結合される。
【0054】
これにより、中心本体64と傾斜翼65とは、底部密閉部材50の上面に結合された回転軸ピン66を中心に自由に回転することができる。
【0055】
前記攪拌駆動機70は、攪拌部材60が抵抗の多い水中で低速回転することを考慮して、減速機を用いて回転体71の速度を調整して調和させる必要がある。
【0056】
以上のように構成された本実施形態の冷風機を使用するには、まず、円柱状胴体10から送風ファン30及び蓋体40を分離し、冷凍したミネラルウォーターボトルなどの冷却体82を入れ、水81を充填した後、蓋体40を覆い、送風ファン30を結合させる。
【0057】
その後、定着ハウジング73が床に定着し、円柱状胴体10が立設された状態で送風ファン30及び攪拌駆動機70を作動させると、外部空気が下側から複数の空気流動路12aへ流入して熱交換翼12の間を流れて上昇し、送風ファン30の空気案内路35を通過して排出口34から冷気が排出される。
【0058】
このとき、空気流動路12aでは、空気の流れに伴って熱交換翼12に熱を奪われて冷却され、熱交換翼12及び円筒部11は、冷却体82により冷却された水81に熱を奪われて冷却される。
【0059】
円筒部11の底部では、攪拌部材60が回転し続けながら水81を攪拌することにより、冷却体82と円筒部11の内面との間で水81が流動し、熱交換が継続して円滑に行われる。
【0060】
以上の構成及び作用によれば、本実施形態に係る冷風機では、円柱状胴体10の熱交換翼12の間に空気が流れて大きな接触面積で熱交換が行われ、冷却体82と円柱状胴体10との間を連続的に流れながら全体的に接触する水81により熱交換が行われるので、流入する外気と冷却体82との熱交換が円滑かつ効果的に行われ、空気の冷却効率をさらに向上させることができる。
【0061】
一方、図5は、本発明の他の実施形態に係る水受け部材90がさらに設けられた冷風機を示す断面図である。
【0062】
図5を参照すると、この実施形態に係る冷風機は、前記円柱状胴体10の下端に結合され、床に定着することにより円柱状胴体10を立設し、攪拌駆動機70を収容する容器状の定着ハウジング73と、前記定着ハウジング73を取り囲むように環状に設けられ、熱交換翼12から落下する凝縮水を収容する水受け部材90と、を備える。
【0063】
この実施形態の水受け部材90は、熱交換翼12から落下する凝縮水を受けて収容するとともに、定着ハウジング73の定着面積をさらに拡大して円柱状胴体10の直立状態をより安定させるという役割を果たしている。
【0064】
図6を参照すると、前記水受け部材90は、一側に設けられたヒンジ軸93と、一方の端部でヒンジ軸93により互いに結合し、他方の端部で互いに接触することで完全な環状をなしており、それぞれ水受け溝95、96を有する一対の円弧状の水槽91、92と、一対の円弧状の水槽91、92の前記他方の端部にそれぞれ設けられ、磁力により互いに接合させるための磁力着脱部材94a、94bと、一対の円弧状の水槽91、92の内側面から突出する支持突起97と、を備える。
【0065】
前記水受け部材90は、一対の円弧状の水槽91、92に分割され、一対の円弧状の水槽91、92は、前記ヒンジ軸93により結合されて、ヒンジ軸93を中心に開閉可能になっている。
【0066】
一対の円弧状の水槽91、92の内側面にはそれぞれ突出する支持突起97が設けられ、定着ハウジング73の側面に対応して設けられた支持溝77に嵌合される。
【0067】
また、一対の円弧状の水槽91,92における、ヒンジ軸93とは反対側の他方の端部には、磁力着脱部材94a,94bがそれぞれ設けられ、一対の弧形の水槽91,92が磁力により互いに引き寄せられ接着したり、外力により引き離されたりする。
【0068】
前記磁力着脱部材94a、94bは、磁石と磁石であってもよいし、磁石と強磁性体板であってもよい。
【0069】
図5に示すように、水受け部材90が定着ハウジング73の外周面に結合された状態で熱交換翼12の凝縮水を受け取った後、水受け部材90の凝縮水を排出する必要がある場合、使用者は、図7のように、磁力着脱部材94a,94bが位置する部分に力を加えることで、一対の円弧状の水槽91,92をヒンジ軸93を中心に広げて水受け部材90を離脱させることができ、収容された凝縮水を排出することができる。
【0070】
このような作用によれば、冷風機が作動し続ける状態で円柱状胴体10を持ち上げる必要がないので、水受け溝95、96に収容された凝縮水が揺れによって周囲に溢れず、水受け部材90のみを容易に分離して凝縮水を簡単に捨てることができる。
【0071】
また、この実施形態の水受け部材90の前記支持突起97は、水受け部材90が定着ハウジング73に結合する際に、定着ハウジング73の側面に形成された支持溝77と結合される。
【0072】
これにより、支持突起97が支持溝77に挿入されて、定着した状態の水受け部材90が定着ハウジング73の傾きを支持することができる。
【0073】
したがって、冷風機の円柱状胴体10が傾斜しようとしても、水受け部材90が定着領域を拡大して支持しているので、円柱状胴体10の転倒を防止し、直立設置状態を安定化することができる。
【0074】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、上記の実施形態は、本発明の技術的思想の範囲内の一実施形態に過ぎず、当業者にとっては、本発明の技術的思想内において他の変形された実施が可能であることは言うまでもない。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】