(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-31
(54)【発明の名称】医療機器の可聴および視覚警告の同期化
(51)【国際特許分類】
G16H 20/17 20180101AFI20230524BHJP
G16H 40/60 20180101ALI20230524BHJP
G08B 21/24 20060101ALI20230524BHJP
G08B 25/00 20060101ALI20230524BHJP
【FI】
G16H20/17
G16H40/60
G08B21/24
G08B25/00 510D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022563939
(86)(22)【出願日】2021-04-22
(85)【翻訳文提出日】2022-12-01
(86)【国際出願番号】 US2021028614
(87)【国際公開番号】W WO2021216850
(87)【国際公開日】2021-10-28
(32)【優先日】2020-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591013229
【氏名又は名称】バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
(71)【出願人】
【識別番号】501453189
【氏名又は名称】バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム
【氏名又は名称原語表記】Baxter Healthcare S.A.
【住所又は居所原語表記】Thurgauerstr.130 CH-8152 Glattpark (Opfikon) Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ウォティジアク, スラウォミール エドワード
【テーマコード(参考)】
5C086
5C087
5L099
【Fターム(参考)】
5C086BA07
5C086DA08
5C086FA02
5C086FA06
5C086FA18
5C087AA04
5C087AA37
5C087AA44
5C087AA51
5C087BB20
5C087BB73
5C087BB74
5C087EE07
5C087FF01
5C087FF02
5C087GG08
5C087GG43
5C087GG66
5L099AA01
5L099AA25
(57)【要約】
システムは、クロックを含む、サーバと、サーバとネットワーク通信する、複数の医療機器とを含む。各医療機器は、少なくとも1つの警告機構と、内部クロックとを含む。複数の医療機器のうちの第1の医療機器は、サーバからクロック同期化データを受信し、クロック同期化データに基づいて、第1の医療機器の内部クロックを更新し、第1の時間において、第1のタイプの警告信号を提供し、第2の時間において、第1のタイプの後続警告信号を提供するように構成される。第2の時間は、第1の時間から所定の間隔で生じる。加えて、第2の時間は、第1のタイプの警告信号が、複数の医療機器のうちの第2の医療機器によって提供される時と同一の時間である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
クロックを含むサーバと、
前記サーバとネットワーク通信する複数の医療機器であって、前記複数の医療機器の各々は、少なくとも1つの警告機構と、内部クロックとを有する点滴ポンプを含み、第1の医療機器は、
前記サーバから、クロック同期化データを受信することと、
前記クロック同期化データに基づいて、前記第1の医療機器の内部クロックを更新することと、
第1の時間において、第1のタイプの警告信号を提供することと、
第2の時間において、前記第1のタイプの後続警告信号を提供することと
を行うように構成される、複数の医療機器と
を備え、
前記第2の時間は、前記第1の時間から所定の間隔で生じ、前記第2の時間は、前記第1のタイプの警告信号が、前記複数の医療機器のうちの第2の医療機器によって提供される時と同一の時間である、システム。
【請求項2】
前記複数の医療機器のうちの第3の医療機器は、
前記サーバから、前記クロック同期化データを受信することと、
前記クロック同期化データに基づいて、前記第3の医療機器の前記内部クロックを更新することと、
第3の時間において、第2のタイプの警告信号を提供することと、
第4の時間において、前記第2のタイプの後続警告信号を提供することと
を行うように構成され、
前記第4の時間は、前記第2のタイプの後続警告信号が、前記第1の医療機器および前記第2の医療機器からの前記第1のタイプの警告信号と同期しないように、所定の間隔で生じる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
クロック同期化データは、前記ネットワークタイムプロトコル(NTP)を通して提供される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記警告信号は、可聴警告、視覚警告、および触覚警告のうちの1つである、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記可聴警告は、スピーカによって提供される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記視覚警告は、LCDディスプレイによって提供される、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記視覚警告は、LEDによって提供される、請求項4に記載のシステム。
【請求項8】
点滴ポンプであって、
内部クロックと、
視覚コンテンツを提供するように構成されるディスプレイデバイスと、
可聴コンテンツを提供するように構成されるスピーカと、
前記ディスプレイおよび前記スピーカと通信するプロセッサであって、前記プロセッサは、
サーバおよび別の医療機器のうち1つから、クロック同期化データを受信することと、
前記クロック同期化データに基づいて、前記内部クロックを更新することと、
前記ディスプレイデバイスおよび前記スピーカのうち少なくとも1つから、第1の時間において、警告信号を提供することと、
第2の時間において、後続警告信号を提供することと
を行うように構成される、プロセッサと
を備え、
前記第2の時間は、前記第1の時間から所定の間隔で生じ、前記第2の時間は、前記警告信号が、別の点滴ポンプによって提供される時と同一の時間である、点滴ポンプ。
【請求項9】
クロック同期化データは、前記ネットワークタイムプロトコル(NTP)を通して提供される、請求項8に記載の点滴ポンプ。
【請求項10】
前記プロセッサは、前記ディスプレイデバイスを介して、前記警告信号を提供する、請求項8に記載の点滴ポンプ。
【請求項11】
前記プロセッサは、前記スピーカを介して、前記警告信号を提供する、請求項8に記載の点滴ポンプ。
【請求項12】
前記プロセッサはさらに、
第3の時間において、第2のタイプの警告信号を提供することと、
第4の時間において、前記第2のタイプの後続警告信号を提供することと
を行うように構成され、
前記第4の時間は、前記第2のタイプの後続警告信号が、前記第1のタイプの警告信号と同期しないように、所定の間隔で生じる、請求項8に記載の点滴ポンプ。
【請求項13】
方法であって、
点滴ポンプを含む医療機器によって、参照元から、クロック同期化データを受信することと、
前記医療機器によって、前記クロック同期化データに基づいて、内部クロックを更新することと、
前記医療機器によって、第1の時間において、第1のタイプの警告信号を提供することと、
前記医療機器によって、第2の時間において、前記第1のタイプの後続警告信号を提供することと
を含み、
前記第2の時間は、前記第1の時間から所定の間隔で生じ、前記第2の時間は、前記警告信号が、前記複数の医療機器のうちの別の医療機器によって提供される時と同一の時間である、方法。
【請求項14】
第2の医療機器によって、サーバから、前記クロック同期化データを受信することと、
前記第2の医療機器によって、前記クロック同期化データに基づいて、前記第2の医療機器の内部クロックを更新することと、
前記第2の医療機器によって、第3の時間において、第2のタイプの警告信号を提供することと、
前記第2の医療機器によって、第4の時間において、前記第2のタイプの後続警告信号を提供することと
をさらに含み、
前記第4の時間は、前記第2のタイプの後続警告信号が、前記第1のタイプの警告信号と同期しないように、所定の間隔で生じる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
クロック同期化データは、前記ネットワークタイムプロトコル(NTP)を通して提供される、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記警告信号は、可聴警告、視覚警告、および触覚警告のうちの1つである、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記可聴警告は、スピーカによって提供される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記視覚警告は、LCDディスプレイによって提供される、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記視覚警告は、LEDによって提供される、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、参照することによって、全体として本明細書に組み込まれる、「MEDICAL DEVICE AUDIBLE AND VISUAL ALARM SYNCHRONIZATION」と題され、 2020年4月24日に出願された、米国仮特許出願第63/014,997号の利点および優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明は、薬剤を患者に送達するための点滴ポンプ等の医療機器に関する。概して、内科患者は、時として、持続的な薬剤または設定された周期的間隔での薬剤のいずれかの精密な送達を要求する。制御された薬物点滴を提供するために、医療用ポンプが、開発されてきており、薬物は、治療限界内で、かつ不必要な、または場合によっては有毒な範囲外で、薬物濃度を保つ、ある精密な割合で投与されることができる。基本的には、医療用ポンプは、制御可能な率で、適切な薬物送達を患者に提供し、これは、頻繁な目配りを要求しない。
【0003】
医療用ポンプは、臨床の場および臨床の場以外の両方において、患者への静脈内療法の投与を促進し得る。臨床の場以外において、医師は、多くの事例において、患者が、薬剤の周期的または持続的な静脈内投与を受けることを前提として、実質的に通常の生活に戻ることができることを見出している。療法のタイプの中で、この種の投与を要求するものは、抗生物質療法、化学療法、疼痛コントール療法、栄養療法、および当業者によって公知である、いくつかの他のタイプである。多くの場合、患者は、複数の毎日の治療を受ける。ある内科疾患は、30分~2時間等の比較的短い周期にわたって、溶液中の薬物の点滴を要求する。これらの状況および他の状況は、患者によって着用されることができ、所望の率で、薬剤の持続的な供給量を投与する、または予定された間隔で、いくつかの用量の薬剤を提供することが可能であるような、ますます軽量で、携帯可能で、または歩行可能な点滴ポンプの開発を助長するために、組み合わせられてきた。
【0004】
点滴ポンプの構成は、患者への送達のためのIV管類の中に、バルーン等、可撓性コンテナから溶液を圧搾する、エラストマポンプを含む。代替として、ばね荷重式ポンプが、溶液コンテナまたはリザーバを加圧する。あるポンプの設計は、溶液を送出するために、加圧ローラによって圧搾される、可撓性区画を含有する、カートリッジを利用する。注射器を利用する点滴ポンプもまた、公知であり、駆動機構が、流体を患者に送達するために、注射器のプランジャを移動させる。典型的には、これらの点滴ポンプは、注射器アセンブリを受容するように適合された筐体と、注射器プランジャを移動させるように適合された駆動機構と、様々な動作制御装置を有するポンプ制御ユニットと、駆動機構および制御装置を含むポンプに電力を供給するための電源とを含む。
【0005】
点滴ポンプ等のいくつかの医療機器は、同一のエリア(例えば、同一の病室および単一の患者と関連付けられるエリア)内に存在し得、いくつかの事例では、複数の点滴ポンプが、ある棚に配列されている場合がある。これらの医療機器はそれぞれ、可聴および視覚アラートおよび警告を提供し得る。アラートおよび警告の音、音調、場所、優先度、および発生頻度(例えば、警告が鳴る回数)に応じて、アラートは、相互に区別することが困難であり得る。加えて、アラートは、他のソース(例えば、他の光および音)からの干渉、とりわけ、他の医療機器からのアラートからの干渉に基づいて、全てを一緒に聞くことは困難であり得る。
【0006】
異なるアラート間の干渉も最小限にしながら、定期的な警告雑音を減少させることによって、病院環境を向上させるための(例えば、患者および他の訪問者のストレスを低減させるための)複数の必要性が、存在する。具体的には、警告が、ユーザにとって、より容易に識別可能であるように、同一タイプの警告を同期化し、また、異なる頻度で生じる、同一タイプの警告からの定期的な雑音を低減するための必要性が存在する。ユーザが、警告のタイプまたは警告の場所をより容易に判別できるように、異なるタイプの警告、または同期していない、異なる場所からの警告を提供するための別の必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、同期化された可聴および視覚アラート/警告を伴う、医療機器システムおよび方法を提供する。アラート/警告は、警告のタイプ、および医療機器の場所に基づいて、他の医療機器からのアラート/警告と同期して、または同期せずに、提供され得る。
【0008】
本明細書に説明される主題の側面は、単独で、または本明細書に説明される、1つまたはそれを上回る他の側面と組み合わせて、有用であり得る。本明細書に説明される、任意の他の側面とともに使用され得る、第1の側面では、システムは、クロックを含むサーバと、サーバとネットワーク通信する複数の医療機器とを含む。各医療機器は、少なくとも1つの警告機構と、内部クロックとを含む。複数の医療機器のうちの第1の医療機器は、サーバからクロック同期化データを受信し、クロック同期化データに基づいて、第1の医療機器の内部クロックを更新し、第1の時間において、第1のタイプの警告信号を提供し、第2の時間において、第1のタイプの後続警告信号を提供するように構成される。第2の時間は、第1の時間から所定の間隔で生じる。加えて、第2の時間は、第1のタイプの警告信号が、複数の医療機器のうちの第2の医療機器によって提供される時と同一の時間である。
【0009】
本明細書に説明される、任意の他の側面とともに使用され得る、第2の側面では、医療機器は、点滴ポンプである。
【0010】
本明細書に説明される、任意の他の側面とともに使用され得る、第3の側面では、複数の医療機器のうちの第3の医療機器は、サーバから、前記クロック同期化データを受信し、クロック同期化データに基づいて、第3の医療機器の内部クロックを更新し、第3の時間において、第2のタイプの警告信号を提供し、第4の時間において、第2のタイプの後続警告信号を提供するように構成される。第4の時間は、第2のタイプの後続警告信号が、第1の医療機器および第2の医療機器からの第1のタイプの警告信号と同期しないように、所定の間隔で生じる。
【0011】
本明細書に説明される、任意の他の側面とともに使用され得る、第4の側面では、クロック同期化データは、前記ネットワークタイムプロトコル(NTP)を通して提供される。
【0012】
本明細書に説明される、任意の他の側面とともに使用され得る、第5の側面では、警告信号は、可聴警告、視覚警告、および触覚警告のうちの1つである。
【0013】
本明細書に説明される、任意の他の側面とともに使用され得る、第6の側面では、可聴警告は、スピーカによって提供される。
【0014】
本明細書に説明される、任意の他の側面とともに使用され得る、第7の側面では、視覚警告は、LCDディスプレイによって提供される。
【0015】
本明細書に説明される、任意の他の側面とともに使用され得る、第8の側面では、視覚警告は、LEDによって提供される。
【0016】
本明細書に説明される、任意の他の側面とともに使用され得る、第9の側面では、点滴ポンプは、内部クロックと、視覚コンテンツを提供するように構成される、ディスプレイデバイスと、可聴コンテンツを提供するように構成される、スピーカと、ディスプレイおよびスピーカと通信する、プロセッサとを含む。プロセッサは、サーバおよび別の医療機器のうちの1つから、クロック同期化データを受信し、クロック同期化データに基づいて、内部クロックを更新し、ディスプレイデバイスおよびスピーカのうち少なくとも1つから、第1の時間において、警告信号を提供し、第2の時間において、後続警告信号を提供するように構成される。加えて、第2の時間は、第1の時間から所定の間隔で生じる。第2の時間は、警告信号が、別の点滴ポンプによって提供される時と同一の時間である。
【0017】
本明細書に説明される、任意の他の側面とともに使用され得る、第10の側面では、クロック同期化データは、ネットワークタイムプロトコル(NTP)を通して提供される。
【0018】
本明細書に説明される、任意の他の側面とともに使用され得る、さらに第11の側面では、プロセッサは、ディスプレイデバイスを介して、警告信号を提供する。
【0019】
本明細書に説明される、任意の他の側面とともに使用され得る、第12の側面では、プロセッサは、スピーカを介して、警告信号を提供する。
【0020】
本明細書に説明される、任意の他の側面とともに使用され得る、第13の側面では、プロセッサはさらに、第3の時間において、第2のタイプの警告信号を提供し、第4の時間において、第2のタイプの後続警告信号を提供するように構成される。第4の時間は、第2のタイプの後続警告信号が、第1のタイプの警告信号と同期しないように、所定の間隔で生じる。
【0021】
本明細書に説明される、任意の他の側面とともに使用され得る、第14の側面では、ある方法は、医療機器によって、参照元から、クロック同期化データを受信することを含む。本方法はまた、医療機器によって、クロック同期化データに基づいて、内部クロックを更新することを含む。加えて、本方法は、医療機器によって、第1の時間において、第1のタイプの警告信号を提供することを含む。医療機器はまた、第2の時間において、第1のタイプの後続警告信号を提供する。第2の時間は、第1の時間から所定の間隔で生じ、第2の時間は、警告信号が、複数の医療機器のうちの別の医療機器によって提供される時と同一の時間である。
【0022】
本明細書に説明される、任意の他の側面とともに使用され得る、第15の側面では、本方法は、第2の医療機器によって、サーバから、クロック同期化データを受信することを含む。加えて、第2の医療機器は、クロック同期化データに基づいて、第2の医療機器の内部クロックを更新し、第3の時間において、第2のタイプの警告信号を提供する。加えて、第2の医療機器は、第4の時間において、第2のタイプの後続警告信号を提供する。第4の時間は、第2のタイプの後続警告信号が、第1のタイプの警告信号と同期しないように、所定の間隔で生じる。
【0023】
本明細書に説明される、任意の他の側面とともに使用され得る、第16の側面では、クロック同期化データは、前記ネットワークタイムプロトコル(NTP)を通して提供される。
【0024】
本明細書に説明される、任意の他の側面とともに使用され得る、第17の側面では、警告信号は、可聴警告、視覚警告、および触覚警告のうちの1つである。
【0025】
本明細書に説明される、任意の他の側面とともに使用され得る、第18の側面では、可聴警告は、スピーカによって提供される。
【0026】
本明細書に説明される、任意の他の側面とともに使用され得る、第19の側面では、視覚警告は、LCDディスプレイによって提供される。
【0027】
本明細書に説明される、任意の他の側面とともに使用され得る、第20の側面では、視覚警告は、LEDによって提供される。
【0028】
したがって、いくつかの医療機器の間に、同期化された可聴警告を提供することが、本発明の第一の目標である。
【0029】
いくつかの医療機器の間に、同期化された視覚警告を提供することは、本発明の別の目的である。
【0030】
異なる警告間の干渉も最小限にしながら、定期的な警告雑音を減少させることによって、病院環境を向上させることは、本発明のさらなる別の目的である。
【0031】
患者および/または他の訪問者にとってのストレスを低減させることは、本発明の別の目的である。
【0032】
警告の正確度において、より高い信頼性を提供することは、本発明のさらなる別の目的である。
【0033】
開示された医療機器の可聴および視覚警告同期化のデバイス、システム、および方法の付加的な特徴および利点は、以下の詳細な説明および図において説明され、そこから明らかであろう。本明細書に説明される、特徴および利点は、包括的ではなく、特に、多くの付加的な特徴および利点は、図および説明を考慮して、当業者にとって明らかであろう。また、任意の特定の実施形態は、本明細書に列挙される利点の全てを有する必要はない。さらに、明細書内で使用される用語は、主に、可読性および指導的目的のために選択されており、本発明の主題の範囲を限定しないことを留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】
図1は、本開示の例示的実施形態による、医療機器のシステムの概略図である。
【0035】
【
図2】
図2は、本開示の例示的実施形態による、警告を同期化するための例示的プロセスのフローチャートを図示する。
【0036】
【
図3】
図3は、本開示の例示的実施形態による、病院環境の概略図を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0037】
例示的実施形態の詳細な説明
下記の開示は、所定の分量で、流体(例えば、薬剤または栄養)を患者に送達するために使用される、点滴ポンプ等の医療機器のための可聴および視覚警告の同期化に関する。本明細書に開示される技法は、相互に近接する機器のために、警告(例えば、可聴および視覚警告およびアラート)を同期化する。代替として、警告およびアラートは、例えば、臨床医が、警告のソースを特定することを支援するために、または異なるタイプの警告/アラートの間でより容易に区別するために、意図的に同期されなくてもよい。同期化は、可聴警告/アラート、および可視光インジケータ等の視覚警告/アラートの同期化(例えば、同期している、または同期していない)を含み得る。
【0038】
「警告」または「アラート」は、それによって、信号が生成され、ユーザに伝達され得る、任意の機構を含む。警告は、可聴警告(例えば、スピーカ、ブザー、または他の音生産デバイスからの音)、視覚警告(例えば、LCD画面、LED、画像等のディスプレイ上の警告メッセージ)、触覚警告(例えば、振動)、および/または他の機構を含んでもよい。同様に、アラートは、可聴警告(例えば、スピーカ、ブザー、または他の音生産デバイスからの音)、視覚警告(例えば、LCD画面、LED、画像等のディスプレイ上の警告メッセージ)、触覚警告(例えば、振動)、および/または他の機構を含んでもよい。警告およびアラートは、単一の機構を使用して、または複数の機構を使用することによって、同時に、並行して、または順に生成されてもよい。ある実施例では、警告およびアラートは、類似する冗長機構(例えば、2つの異なる聴覚的警告)または相補的機構(例えば、聴覚アラートおよび触覚アラート)を使用して生成され得る。
【0039】
図1は、医療機器110のシステム100を図示する。図示された実施例では、点滴ポンプ等の複数の医療機器110A-Cは、サーバ120と通信する。以降、医療機器110A-Cは、概して、医療機器110と称され得る。サーバ120は、ネットワークを経由して接続される、1つまたはそれを上回る医療機器110を管理するために、医療機器マネージャ130を含んでもよい。サーバ120はまた、ネットワークのためのマスタクロックとしての役割を果たす、クロック140を含んでもよい。各医療機器110は、それ自体の内部クロック150A-Cを含んでもよく、可聴コンテンツ160A-C(例えば、可聴アラートおよび警告)、および視覚コンテンツ170A-C(例えば、視覚アラートおよび警告)を生産し得る。
【0040】
医療機器110A-Cは、無線で、または有線接続を通して、相互に通信してもよい。医療機器110A-Cの間の通信、および医療機器110とサーバ120との間の通信は、イーサネット(登録商標)、無線イーサネット(登録商標)、ローカルエリアネットワーク、無線ローカルエリアネットワーク、インターネット、無線インターネット、無線通信、赤外線、光ファイバ、および電話通信を含んでもよい。例えば、医療機器110および/またはサーバ120の間の通信は、無線であってもよい、または配線で接続された通信であってもよい。
【0041】
各医療機器110は、ツイストペア線、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、または同等物等の従来の非無線伝達媒体を用いて、別の機器に接続される、シリアルポートまたは他のI/Oポートを含んでもよい。例えば、点滴ポンプ等の複数の医療機器は、無線でネットワーク(例えば、サーバ120)に接続される、シリアル通信リンクに、複数の医療機器110を接続する、ラックまたはハブに接続されてもよい。加えて、各医療機器110は、他の医療機器110および/またはサーバ120と通信するために、無線通信インターフェースを含んでもよい。
【0042】
医療機器110およびサーバ120は両方とも、相互におよび相互から、データ(例えば、時間データまたは警告/アラートデータ)を送信および受信するように構成される。例えば、一方の医療機器110Aは、医療機器110A-Bが両方とも、同一の警告および/またはアラートを生産するように、警告/アラートデータを別の医療機器110Bに送信してもよい。加えて、警告/アラートデータは、ネットワーク上で、そのデータを複数の医療機器110にブロードキャストし得る、サーバ120に提供されてもよい。ある実施例では、医療機器のステータスおよび警告監視データは、周期的に、サーバ120に中継されてもよい。電子医療記録(「EMR」)システムは(実装された場合)、具体的患者と関連付けられる(例えば、それに対して供されている)医療機器110の知識を有し得る。例えば、EMRは、医療機器110が、同一の患者のための他の機器に登録されているかどうかに関する知識を有し得る。EMRの知識に基づいて、同期論理が、EMRの知識に基づいて、医療機器のために、例えば、機器のための警告を同期化するか、または警告を同期化することを回避するかを決定されてもよい。
【0043】
点滴ポンプ等の各医療機器110は、サーバ120と通信し、サーバ120のクロック140に、以降、概して、内部クロック150と称される、その内部クロック150A-Cを同期化してもよい。可聴および視覚警告/アラートの協調および同期化は、各医療機器110に同一の時間基準を使用させることによって達成されてもよい。例えば、ネットワークに接続された、各医療機器110のローカルクロックまたは内部クロック150は、他の内部クロック150およびネットワークのクロック140の時間と整合するように、精密に設定されてもよい。同期化は、典型的には、基準時間(例えば、サーバ120のクロック140の時間)に、(例えば、サーバ120に接続される)通信ネットワーク内で、各関連医療機器110のローカル内部クロック150を同期化することによって提供される。サーバ120のクロック140は、協定世界時または(「UTC」)に設定されてもよい。各医療機器110のローカルクロックまたは内部クロック150は、ネットワークタイムプロトコル(「NTP」)または簡易ネットワークタイムプロトコル(「SNTP」)等のいくつかの公知の技法、プロトコル、および/またはシステムのうちの1つを使用して、クロック140に同期化されてもよい。
【0044】
例えば、各医療機器110(例えば、点滴ポンプ)は、NTPを使用してもよく、これは、各ポンプの内部クロック150をネットワーク時間(例えば、クロック140の時間)に同期化する。上記に議論されるように、本時間設定は、NTPを通して遂行され、これは、典型的には、現代のネットワークシステム内で実施され、本正確なタスクを非常に精密に実施するように意図される。医療機器110は、そのいずれもが、時間基準を提供し得る、NTPサーバまたは米国標準技術局(「NIST」)サーバと直接通信してもよい。
【0045】
他の同期化技法も使用され得ることを理解されたい。例えば、サーバ120の代わりに、他の参照システムが、時間の参照元を提供してもよい。例えば、相互に近接し、通信する医療機器110は、相互に同期化されてもよい。例えば、医療機器110Aは、参照機器としての役割を果たしてもよく、医療機器110B-Cの内部クロック150B-Cは、医療機器110Aの内部クロック150Aと同期化されてもよい。
【0046】
他の実施例では、他の参照システムまたはソースからの日時基準が、医療機器110を同期化するために、使用されてもよい。参照システムまたはソースは、無線伝送機、人工衛星(例えば、GPS衛星システム)、携帯電話の中継塔、または他の信号ブロードキャスティングソースを含んでもよい。これらの参照システムまたはソースは、複数の医療機器(例えば、医療機器110A-C)によって、またはサーバ120によって受信され得る、参照信号をブロードキャストしてもよい。GPS衛星システムを用いて、各ポンプ110は、人工衛星の種々の原子時計の平均であり得る、GPSクロック信号を受信してもよい。(例えば、1つまたはそれを上回る携帯電話の中継塔、基地局、または人工衛星からの)携帯電話時間信号の使用は、符号分割多重アクセス方式「CDMA」クロックを含んでもよい。同様に、医療機器110は、ネットワーク上で、ハブまたは他のコンピュータと、その時間を同期化してもよい。ある実施例では、医療機器110は、医療機器110とコンピュータとの間で、有線接続またはBluetooth(登録商標)接続等の無線接続を使用して、ハブまたはコンピュータに接続されてもよい。
【0047】
日時基準の同期化または伝送は、天井照明光源から発散され得る、高周波数光パルスを伝送することによって、達成されてもよい。例えば、データを伝送するために、無線周波数ではなく光を使用する、移動無線技術である、「LiFi」が使用されてもよい。例えば、LiFiは、赤外線通信デバイスのそれと同様に、直接変調を使用する。LED電球等の天井照明光源は、高強度を有し、大データレートで、情報を伝送することができる。LiFiはまた、医療機器110を追跡するために使用されてもよい。例えば、各天井照明光は、識別子(例えば、ID番号)と関連付けられてもよく、各医療機器110は、識別子をデコードするように構成される、光受信機を有してもよい。
【0048】
他の実施例では、同期化は、ある閾値を上回る、類似音調のための環境を走査するために、医療機器110内で、マイクロフォンおよび音処理を使用して、実装されてもよい。医療機器110が、機器の近接内で、類似警告を認識した場合、医療機器110は、検出警告と、その警告(例えば、同一タイプの警告)を同期化してもよい。同一タイプの警告を同期化することによって、医療機器110は、警告が始動される合計時間量も減少させながら、警告の音または視覚的品質を向上させ得、これは、他の警告/アラートへの警告干渉の影響を低減させることに役立つ。加えて、警告を同期化することは、臨床医および患者の両方にとって苛立ちが少ない、より「円満な」環境を提供し得る。医療機器110が、それ自体の警告と同時に鳴る、異なるタイプの警告を認識した場合、医療機器110は、他の医療機器からの異なるタイプの警告と同期しないように、その警告の頻度を調節し得る。警告の頻度を調節することは、警告が鳴る回数を調節することを含む。例えば、より頻繁に鳴らされる警告は、より短い周期(例えば、1分毎に4回の頻度、すなわち、15秒周期)を有するであろう。同期しない警告を提供することは、患者または臨床医による、異なる警告の検出性を有利に改良し得る。ある実施例では、共通のバックプレーン(例えば、ある棚の中に複数の点滴ポンプ)を使用する、医療機器110は、警告の音調をトリガするために、ローカルポンプ間通信バス(「CAN」)を使用してもよい。棚の中のポンプは、同期化を実施し、警告同期化に関して、相互に通信するために、有線CANネットワークを使用してもよい。
【0049】
サーバ120のクロック140を用いて、または別の外部参照システムまたはソースを介して、内部クロック150を同期化することは、各医療機器110が、ネットワーク上で、他の医療機器110と整合する、内部に記憶された基準時間を有することを可能にする。本基準時間は、サーバ120または他の参照元を用いて、周期的に更新され得る。各医療機器110の内部時間を更新および維持することによって、各医療機器110は、規定された同期化スキームに従って、協調された警告およびアラート信号を提供し得る。
【0050】
さらに、サーバ120のクロック140を用いて、または別の外部参照を介して、内部クロック150を周期的に同期化することは、停電の場合であっても、正確な日時情報を有利に維持する。停電または電源異常(例えば、バッテリ交換またはバッテリ消耗)の場合、または新たな医療機器110をネットワークに導入する場合、医療機器110およびサーバ120は、内部基準日時を正確に更新するために通信し得る。
【0051】
クロック150が同期化された後、医療機器110は、他の近傍医療機器110との同期警告/アラートまたは非同期警告/アラートのために、構成されてもよい。ある実施例では、医療機器110Aは、別の医療機器110Bと、同期モードに設定されてもよい。加えて、医療機器110Aは、ネットワーク内の別の医療機器110Cと、非同期モードに設定されてもよい。他の実施例では、具体的アラートまたは警告は、同期モードに設定されてもよいが、他のアラート/警告は、ネットワーク内の他の医療機器110と非同期のモードに設定される。
【0052】
非同期モードでは、アラートまたは警告信号は、アラート/警告が、所定の間隔または頻度で、同期しないように、任意時間で、または協調された時間で伝送されることができる。上記に議論されるように、アラート/警告の頻度は、アラート/警告が鳴る回数を調節することを説明する。例えば、干渉を低減させるために、異なるタイプの警告を同期せずに生じさせることは、有利であり得、したがって、警告は、臨床医によって、より容易に検出される、または同一近接度(例えば、同一の部屋)内で生じる、他の警告から判別可能であり得る。加えて、同期しない警告は、同一タイプの警告の場所(例えば、同一タイプの警告を伴うが、異なる病室内にある、異なる点滴ポンプ)を識別することを支援し得る。同期モードでは、アラートまたは警告信号は、規定された同期化スキームに従って、伝送される。同期化された様式で、同一タイプの警告を提供することは、警告の音調または警告の視覚的存在を有利に増幅させる。
【0053】
同一タイプの警告を同期化するとき、音調は、同期化(例えば、建設的干渉)に起因して、有利に増幅される。異なるタイプの警告が、同期せずに提供されることを確実にするとき、それらの警告は、相互に区別することがより容易である。加えて、警告を同期化するとき、警告は、例えば、同一の時間に類似警告を鳴らすことによって、より調和して聞こえ、音環境全体を改良し得、同期せずに生じる、複数のポンプからの同一の警告に、患者を常に苛立たせることもない。さらに、同一タイプの警告を同期化し、異なるタイプの警告を意図的に同期させないことによって、より遠い距離から、警告の場所を正確に示す能力が、有利に改良される。例えば、異なる病室は、異なる警告間隔を有してもよい。
【0054】
典型的には、医療機器110上で、警告事象が発生した場合、医療機器110は、即座に警告音を鳴らし得、したがって、臨床医は、直ちに有利に警戒態勢をとる。第1または第2の警告音の後、かつ警告状態が、依然としてアクティブである間、医療機器110は、所定の(ハードコードされた)時間間隔で、そのタイプのその警告の持続時間の間、警告を鳴らす。例えば、低バッテリ警告は、1分間の中で15秒毎および45秒毎に鳴らされてもよく、点滴完了警告は、1分間の中で0秒毎、20秒毎、および40秒毎に鳴らされてもよい。ある実施例では、先に述べられたシナリオのうちの1つが存在する場合、警告音は、代替時間間隔を登録することができる。
【0055】
所定の(ハードコードされた)時間間隔で、警告を鳴らす代わりに、医療機器110は、サーバ120から受信された信号に応答して、警告/アラートを鳴らす、または警告/アラートを表示してもよい。例えば、サーバは、ネットワーク上の各医療機器110に、各機器110が警告またはアラートを提供するべき時を示す、「心拍」に類似する、開始信号を伝送してもよい。そのような実装では、信号は、ほぼ同時に、個々の医療機器110によって、受信および処理され、警告/アラートコンテンツは、結果として、同期化された様式で、提供されるであろう。
【0056】
警告を鳴らすための時間間隔(例えば、周期)または回数(例えば、頻度)を決定する付加的な方法は、医療機器110が、同一の患者に対して、他の機器を登録しているかどうかを決定するために、電子医療記録(「EMR」)システム(実装される場合)にコンタクトすることを含む。同一の患者に対して登録されている医療機器110は、これらの機器によって提供される、アラートおよび警告を最適化するために同期されてもよい。例えば、機器またはそれらの機器のためのあるタイプの警告/アラートのうちのいくつかが、同期するように構成されてもよいが、他の機器または警告のタイプは、同期化しないように構成され得る。加えて、場所サービスが、他の機器に対する、医療機器110の近接を決定するために、使用されてもよい。機器の近接度に基づいて、いくつかの機器は、それらが、同一の部屋内にある場合、同期化されてもよい、または他の部屋内の機器と同期せずに設置されてもよい。いくつかの実施形態では、各医療機器110は、異なる同期化スケジュールを有してもよい。例えば、いくつかの医療機器110は、第1の所定の間隔で、同期化を要求してもよいが、他の医療機器110は、第2の所定の間隔で、同期化を要求する。同期化の間隔は、医療機器110のタイプ、医療機器の場所等に依存し得る。同期化は、警告またはアラートが、トリガされるとき、または1時間毎、1日毎、2日に1回、5日に1回等の所定の間隔で生じ得る。
【0057】
機器の時間は、任意のドリフトに対して相殺するために、周期的に、NTPを介して同期化されてもよい。ある実施例では、医療機器110間のドリフトの量は、閾値量に限定されてもよい。ドリフトの閾値量は、警告/アラート周期よりも低い値に設定されてもよい。例えば、ドリフトは、警告/アラート信号周期の5パーセントに限定されてもよい(例えば、警告が10秒毎に鳴らされる場合、医療機器110の中で、0.5秒の差異が、容認可能または無視可能であり得る)。後続の同期化を要求する前に、機器110の間のドリフトの量を減少させるために、ドリフトの他の閾値量が使用されてもよい。
【0058】
ある実施例では、同期化されている警告はまた、より高いまたはより低い優先度レベルに設定されてもよい。例えば、患者が、複数の点滴ポンプ(例えば、5つの点滴ポンプ)に接続され、下流閉塞警告が、点滴ポンプのそれぞれにおいてトリガされる場合、ポンプが、下流閉塞を正確に検出したという尤度が高い。これらの下流閉塞警告は、同期化され、警告の高信頼度レベルに基づいて、「高」優先度警告に設定されてもよい。逆に言えば、5つの点滴ポンプのうちの単一の点滴ポンプのみが、下流閉塞警告をトリガされた場合、その警告の正確度における信頼性は、より低くあり得、その警告は、「高」優先度よりも低い優先度で鳴らされ得る。別の実施例では、信頼性が高いとき、警告音に加えて、発話による可聴アラート等の他の形態のアラート/警告が、実装されてもよい。例示的可聴アラートは、「IV(静脈)ラインが挟まれていないかどうかを確認してください」であり得る。
【0059】
アラート/警告は、「低」、「中」、および「高」優先度等の異なる優先度レベルを有してもよい。あるタイプの警告は、デフォルト優先度レベルを有してもよい。例えば、低バッテリアラートは、最初に「中」優先度に設定されてもよいが、複数の下流閉塞警告を伴う、点滴ポンプの棚は、「高」優先度レベルに設定され得る。優先度レベルはまた、警告が、同一タイプの別の警告と同期化される迅速度の決定因子であってもよい。例えば、「低」優先度警告は、同期化される前に、いくつかの警告サイクルを待機してもよい。逆に言えば、「高」優先度警告は、その検出性を改良するために、即座に同期化されてもよい。
【0060】
図2は、本開示の実施例による、医療機器のための可聴および視覚警告同期化のための例示的方法200のフローチャートを図示する。例示的方法200は、
図2に図示されるフローチャートを参照して説明されるが、方法200と関連付けられる行為を実施する、多くの他の方法が、使用され得ることを理解されたい。例えば、ブロックのいくつかの順序は、変更されてもよく、あるブロックは、他のブロックと組み合わせられてもよく、ブロックは、繰り返されてもよく、説明されるブロックのいくつかは、随意である。方法200は、ハードウェア(回路網、専用論理等)、ソフトウェア、または両方の組み合わせを備え得る、論理を処理することによって、実施されてもよい。
【0061】
図示された実施例では、方法200は、クロック同期化データを受信すること(ブロック210)を含む。例えば、医療機器110は、サーバ120から、クロック同期化データを受信してもよい。他の実施例では、クロック同期化データは、別の医療機器110等の別のソースから、または別の遠隔ソース(例えば、コンピュータ、GPS、セルラーネットワーク等)から提供されてもよい。方法200はまた、クロック同期化データに基づいて、内部クロックを更新すること(ブロック220)を含む。例えば、医療機器110は、クロック同期化データに基づいて、その内部クロック150を更新してもよい。
【0062】
次いで、方法200は、第1の時間において、第1のタイプの警告信号を提供すること(ブロック230)を含む。警告は、警告優先度(例えば、高優先度警告は、低優先度警告とは異なるタイプである)、警告の理由(例えば、閉塞警告は、低バッテリ警告とは異なるタイプである)、警告を鳴らす機器(例えば、閉塞警告を鳴らす医療機器の2つの異なるモデルが、異なるタイプの警告と見なされ得る)等に基づいて、「タイプ」が異なってもよい。例えば、警告事象が生じ得ると、医療機器110は、即座に、警告音を鳴らす、または「点滅」警告信号を提供してもよい。方法200はまた、第2の時間において、第1のタイプの後続警告信号を提供すること(ブロック240)を含む。最初に警告信号を提供した後、後続警告信号が、第1の時間から所定の間隔で生じる、第2の時間において、提供されてもよい。例えば、第2の時間は、警告信号を同一タイプの警告(例えば、他の機器からの警告)と同期させる時間であってもよい。別の実施例では、第2の時間は、警告が、他のタイプの警告に悪影響を及ぼすように干渉しないように、警告信号を他の機器からの異なるタイプの警告と同期させない時間であってもよい。
【0063】
図3は、本開示の例示的実施形態による、病院環境の概略図を図示する。ある実施例では、部屋310A内の患者は、種々の医療機器(例えば、MD320、MD322A、およびMD324)に接続されてもよい。アラート/警告が、MD320上で鳴り始め、その後、別のタイプの警告が、MD322A上で鳴り始める場合、個別のアラート/警告は、MD320からのアラート/警告が、MD322Aからのアラート/警告と同期化されないように、意図的に設定されてもよく、これは、異なるタイプの警告のそれぞれを検出する際に有利に役立ち得る。
【0064】
部屋310B内の患者は、3つの医療機器(例えば、MD330A-C)、例えば、点滴ポンプに接続されてもよい。警告が、MD330A上でトリガされると、警告の検出性を改良するために、同一の警告は、MD330Aとともに同期化された様式で、MD330Bおよび/またはMD330C上で鳴らされ得る。加えて、医療機器330A-Cのうちの1つを上回るものの上で、同一タイプの警告がトリガされる場合、警告はまた、それが、より大きな音調および音で、より頻繁に鳴るように、高優先度にアップグレードされてもよい。
【0065】
ほぼ同時に、部屋310E内の別の患者は、同様に、棚の中に配列される1組の点滴ポンプ等の3つの医療機器(例えば、MD330D-F)に接続されてもよい。これらの点滴ポンプ(例えば、MD330D-F)は、部屋310B内にある、同一タイプの点滴ポンプ(例えば、MD330A-C)であってもよい。部屋310B内でトリガされた警告と同一タイプの警告が、部屋310E内の医療機器(例えば、MD330E)のうちの1つの上で、トリガされる場合、それらが、同期せずに鳴らされるように、警告は、相殺されてもよい。例えば、部屋310Bからの警告は、1分間の中で、0秒毎および30秒毎に鳴らされてもよいが、部屋310Eからの警告は、1分間の中で、15秒毎および45秒毎に鳴らされ、これは、医師が、どの部屋から警告が鳴っているかを区別し、迅速に特定することを有利に可能にする。
【0066】
部屋310A-Fからの医療機器320、322A-D、324、330A-F、および340からの異なるタイプのアラート/警告は、異なる警告間の干渉を最小限にしながらも、定期的な警告雑音を減少させること、患者および/または他の訪問者にとってのストレスを低減させること、警告の正確度において、より高い信頼性を示すこと、警告の識別性および検出可能性を改良すること、警告場所の検出可能性を改良すること等によって、病院環境を向上させるために、アラート/警告が、同期する、または同期しないように、同期化されてもよい。
【0067】
本開示の多くの特徴および利点が、文書化された説明から明らかであり、したがって、添付の請求項は、本開示の全てのそのような特徴および利点を網羅することが意図される。さらに、多数の修正および変更が、当業者にとって容易に想起されるであろうため、本開示は、図示および説明されるような正確な構築および動作に限定されない。したがって、説明される実施形態は、例示的かつ非制限的なものとして捉えられるべきであり、本開示は、本明細書内に与えられる詳細に限定されるべきではなく、以下の請求項およびその同等物の全範囲によって、現在または将来において、予測可能であるかまたは予測不可能であるかにかかわらず、定義されるべきである。
(項目1)
システムであって、
クロックを含むサーバと、
上記サーバとネットワーク通信する複数の医療機器であって、各医療機器は、少なくとも1つの警告機構と、内部クロックとを含み、第1の医療機器は、
上記サーバから、クロック同期化データを受信することと、
上記クロック同期化データに基づいて、上記第1の医療機器の内部クロックを更新することと、
第1の時間において、第1のタイプの警告信号を提供することと、
第2の時間において、上記第1のタイプの後続警告信号を提供することと
を行うように構成される、複数の医療機器と
を備え、
上記第2の時間は、上記第1の時間から所定の間隔で生じ、上記第2の時間は、上記第1のタイプの警告信号が、上記複数の医療機器のうちの第2の医療機器によって提供される時と同一の時間である、システム。
(項目2)
上記医療機器は、点滴ポンプである、項目1に記載のシステム。
(項目3)
上記複数の医療機器のうちの第3の医療機器は、
上記サーバから、上記クロック同期化データを受信することと、
上記クロック同期化データに基づいて、上記第3の医療機器の上記内部クロックを更新することと、
第3の時間において、第2のタイプの警告信号を提供することと、
第4の時間において、上記第2のタイプの後続警告信号を提供することと
を行うように構成され、
上記第4の時間は、上記第2のタイプの後続警告信号が、上記第1の医療機器および上記第2の医療機器からの上記第1のタイプの警告信号と同期しないように、所定の間隔で生じる、項目1に記載のシステム。
(項目4)
クロック同期化データは、上記ネットワークタイムプロトコル(NTP)を通して提供される、項目1に記載のシステム。
(項目5)
上記警告信号は、可聴警告、視覚警告、および触覚警告のうちの1つである、項目1に記載のシステム。
(項目6)
上記可聴警告は、スピーカによって提供される、項目5に記載のシステム。
(項目7)
上記視覚警告は、LCDディスプレイによって提供される、項目5に記載のシステム。
(項目8)
上記視覚警告は、LEDによって提供される、項目5に記載のシステム。
(項目9)
点滴ポンプであって、
内部クロックと、
視覚コンテンツを提供するように構成されるディスプレイデバイスと、
可聴コンテンツを提供するように構成されるスピーカと、
上記ディスプレイおよび上記スピーカと通信するプロセッサであって、上記プロセッサは、
サーバおよび別の医療機器のうち1つから、クロック同期化データを受信することと、
上記クロック同期化データに基づいて、上記内部クロックを更新することと、
上記ディスプレイデバイスおよび上記スピーカのうち少なくとも1つから、第1の時間において、警告信号を提供することと、
第2の時間において、後続警告信号を提供することと
を行うように構成される、プロセッサと
を備え、
上記第2の時間は、上記第1の時間から所定の間隔で生じ、上記第2の時間は、上記警告信号が、別の点滴ポンプによって提供される時と同一の時間である、点滴ポンプ。
(項目10)
クロック同期化データは、上記ネットワークタイムプロトコル(NTP)を通して提供される、項目9に記載の点滴ポンプ。
(項目11)
上記プロセッサは、上記ディスプレイデバイスを介して、上記警告信号を提供する、項目9に記載の点滴ポンプ。
(項目12)
上記プロセッサは、上記スピーカを介して、上記警告信号を提供する、項目9に記載の点滴ポンプ。
(項目13)
上記プロセッサはさらに、
第3の時間において、第2のタイプの警告信号を提供することと、
第4の時間において、上記第2のタイプの後続警告信号を提供することと
を行うように構成され、
上記第4の時間は、上記第2のタイプの後続警告信号が、上記第1のタイプの警告信号と同期しないように、所定の間隔で生じる、項目9に記載の点滴ポンプ。
(項目14)
方法であって、
医療機器によって、参照元から、クロック同期化データを受信することと、
上記医療機器によって、上記クロック同期化データに基づいて、内部クロックを更新することと、
上記医療機器によって、第1の時間において、第1のタイプの警告信号を提供することと、
上記医療機器によって、第2の時間において、上記第1のタイプの後続警告信号を提供することと
を含み、
上記第2の時間は、上記第1の時間から所定の間隔で生じ、上記第2の時間は、上記警告信号が、上記複数の医療機器のうちの別の医療機器によって提供される時と同一の時間である、方法。
(項目15)
第2の医療機器によって、サーバから、上記クロック同期化データを受信することと、
上記第2の医療機器によって、上記クロック同期化データに基づいて、上記第2の医療機器の内部クロックを更新することと、
上記第2の医療機器によって、第3の時間において、第2のタイプの警告信号を提供することと、
上記第2の医療機器によって、第4の時間において、上記第2のタイプの後続警告信号を提供することと
をさらに含み、
上記第4の時間は、上記第2のタイプの後続警告信号が、上記第1のタイプの警告信号と同期しないように、所定の間隔で生じる、項目14に記載の方法。
(項目16)
クロック同期化データは、上記ネットワークタイムプロトコル(NTP)を通して提供される、項目14に記載の方法。
(項目17)
上記警告信号は、可聴警告、視覚警告、および触覚警告のうちの1つである、項目14に記載の方法。
(項目18)
上記可聴警告は、スピーカによって提供される、項目17に記載の方法。
(項目19)
上記視覚警告は、LCDディスプレイによって提供される、項目17に記載の方法。
(項目20)
上記視覚警告は、LEDによって提供される、項目17に記載の方法。
【国際調査報告】