(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-31
(54)【発明の名称】がんの治療のためのクロストリジウム・ブチリカムを含む組成物および方法
(51)【国際特許分類】
A61K 35/742 20150101AFI20230524BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230524BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20230524BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20230524BHJP
A61P 35/04 20060101ALI20230524BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230524BHJP
A61K 45/06 20060101ALI20230524BHJP
C12N 1/20 20060101ALN20230524BHJP
C12N 15/09 20060101ALN20230524BHJP
【FI】
A61K35/742
A61P35/00
A61K45/00
A61K39/395 T
A61P35/04
A61P43/00 121
A61K45/06
C12N1/20 E ZNA
C12N15/09 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022563944
(86)(22)【出願日】2021-04-20
(85)【翻訳文提出日】2022-12-05
(86)【国際出願番号】 US2021028251
(87)【国際公開番号】W WO2021216618
(87)【国際公開日】2021-10-28
(32)【優先日】2020-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598004424
【氏名又は名称】シティ・オブ・ホープ
【氏名又は名称原語表記】City of Hope
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー,ピーター・ピー
(72)【発明者】
【氏名】パル,スマンタ・クマール
【テーマコード(参考)】
4B065
4C084
4C085
4C087
【Fターム(参考)】
4B065AA23X
4C084AA02
4C084AA03
4C084AA19
4C084AA23
4C084NA05
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZC751
4C085AA14
4C085BB11
4C085EE03
4C085GG02
4C085GG03
4C085GG04
4C085GG05
4C087AA01
4C087AA02
4C087BC69
4C087CA09
4C087MA52
4C087MA55
4C087MA66
4C087NA05
(57)【要約】
本明細書では、とりわけ、がんを治療するための方法および組成物が提供される。組成物は、1つ以上の抗がん剤およびクロストリジウム・ブチリカムを含む。クロストリジウム・ブチリカムの投与は、抗がん剤の治療効果を高めることができ、それにより、がん治療のための前記薬剤の有効性を高める。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
必要とする対象においてがんを治療する方法であって、前記方法が、前記対象に治療有効量の抗がん剤およびクロストリジウム・ブチリカムを投与することを含む、方法。
【請求項2】
前記クロストリジウム・ブチリカムが生きた生物学的製剤である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記クロストリジウム・ブチリカムの生きた生物学的製剤が、クロストリジウム・ブチリカムMIYAIRI 588の生きた生物学的製剤(CBM588 LBP)である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記抗がん剤がチェックポイント阻害剤である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記チェックポイント阻害剤がPD-1、PD-L1、またはCTLA-4阻害剤である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記チェックポイント阻害剤が、ニボルマブ、イピリムマブ、ペンブロリズマブ、セミプリマブ、デュルバルマブ、ダクリズマブ、アベルマブ、またはアテゾリズマブである、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記チェックポイント阻害剤がニボルマブである、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記チェックポイント阻害剤がイピリムマブである、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
第2の抗がん剤を投与することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の抗がん剤が第2のチェックポイント阻害剤である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第2のチェックポイント阻害剤が、ニボルマブ、イピリムマブ、ペンブロリズマブ、セミプリマブ、デュルバルマブ、ダクリズマブ、アベルマブ、またはアテゾリズマブである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第2のチェックポイント阻害剤がニボルマブである、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記第2のチェックポイント阻害剤がイピリムマブである、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記がんが、マイクロサテライト不安定性高(MSI-H)がんである、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記がんが、転移性腎細胞癌(mRCC)、非小細胞肺がん、黒色腫、肉腫、リンパ腫、乳がん、膀胱がん、子宮頸がん、結腸がん、頭頸部がん、肝臓がん、胃がん、または直腸がんである、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記がんがmRCCである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記がんが、がんの再発である、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記がんが化学療法耐性がんである、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記がんが転移性がんである、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
第1の剤形の抗がん剤と、第2の剤形のクロストリジウム・ブチリカムとを含む医薬組成物。
【請求項21】
前記クロストリジウム・ブチリカムが生きた生物学的製剤である、請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項22】
前記クロストリジウム・ブチリカムの生きた生物学的製剤が、クロストリジウム・ブチリカムMIYAIRI 588の生きた生物学的製剤(CBM588 LBP)である、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項23】
前記抗がん剤が、がんを治療するためにCBM588 LBPの非存在下で使用されるとき、その治療有効量を下回る投与量である、請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項24】
前記抗がん剤がチェックポイント阻害剤である、請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項25】
前記チェックポイント阻害剤がPD-1、PD-L1、またはCTLA-4阻害剤である、請求項24に記載の医薬組成物。
【請求項26】
前記チェックポイント阻害剤が、ニボルマブ、イピリムマブ、ペンブロリズマブ、セミプリマブ、デュルバルマブ、ダクリズマブ、アベルマブ、またはアテゾリズマブである、請求項24に記載の医薬組成物。
【請求項27】
前記チェックポイント阻害剤がニボルマブである、請求項24に記載の医薬組成物。
【請求項28】
前記チェックポイント阻害剤がイピリムマブである、請求項24に記載の医薬組成物。
【請求項29】
第2の抗がん剤をさらに含む、請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項30】
前記第2の抗がん剤が第2のチェックポイント阻害剤である、請求項29に記載の医薬組成物。
【請求項31】
前記第2のチェックポイント阻害剤が、ニボルマブ、イピリムマブ、ペンブロリズマブ、セミプリマブ、デュルバルマブ、ダクリズマブ、アベルマブ、またはアテゾリズマブである、請求項30に記載の医薬組成物。
【請求項32】
前記第2のチェックポイント阻害剤がニボルマブである、請求項30に記載の医薬組成物。
【請求項33】
前記第2のチェックポイント阻害剤がイピリムマブである、請求項30に記載の医薬組成物。
【請求項34】
(a)適切な容器内または適切な包装で、第1の剤形の抗がん剤と、薬学的に許容される賦形剤とを含む第1の医薬組成物、および(b)適切な容器内または適切な包装で、第2の剤形のクロストリジウム・ブチリカムを含む第2の医薬組成物を含む、キット。
【請求項35】
前記クロストリジウム・ブチリカムが生きた生物学的製剤である、請求項34に記載のキット。
【請求項36】
前記クロストリジウム・ブチリカムの生きた生物学的製剤が、クロストリジウム・ブチリカムMIYAIRI 588の生きた生物学的製剤(CBM588 LBP)である、請求項35に記載のキット。
【請求項37】
前記抗がん剤がチェックポイント阻害剤である、請求項34に記載のキット。
【請求項38】
前記チェックポイント阻害剤がPD-1、PD-L1、またはCTLA-4阻害剤である、請求項37に記載のキット。
【請求項39】
前記チェックポイント阻害剤が、ニボルマブ、イピリムマブ、ペンブロリズマブ、セミプリマブ、デュルバルマブ、ダクリズマブ、アベルマブ、またはアテゾリズマブである、請求項37に記載のキット。
【請求項40】
前記チェックポイント阻害剤がニボルマブである、請求項37に記載のキット。
【請求項41】
前記チェックポイント阻害剤がイピリムマブである、請求項37に記載のキット。
【請求項42】
(c)適切な容器内または適切な包装で、第2の抗がん剤および薬学的に許容される賦形剤を含む第3の医薬組成物をさらに含む、請求項34に記載のキット。
【請求項43】
前記第2の抗がん剤が第2のチェックポイント阻害剤である、請求項42に記載のキット。
【請求項44】
前記第2のチェックポイント阻害剤が、ニボルマブ、イピリムマブ、ペンブロリズマブ、セミプリマブ、デュルバルマブ、ダクリズマブ、アベルマブ、またはアテゾリズマブである、請求項43に記載のキット。
【請求項45】
前記第2のチェックポイント阻害剤がニボルマブである、請求項43に記載のキット。
【請求項46】
前記第2のチェックポイント阻害剤がイピリムマブである、請求項43に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2020年4月21日に出願された米国仮出願第63/013,141号の利益を主張するものであり、その全体が、あらゆる目的のために、参照により本明細書に組み込まれる。
「配列表」、表、またはASCIIファイルとして提出されたコンピュータプログラムを列挙した付録の参照
【0002】
2021年4月20日に4,096バイトで作成された、機械フォーマットIBM-PC、MS Windowsオペレーティングシステムのファイル048440-758001 WO_SequenceListing_ST 25.txtに記載された配列表は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
米国では、2018年に65,000人を超える患者が腎細胞癌と診断されている。1最初に提示される時に、症例の1/3が転移性であり、残りは転移性疾患に至る様々な進行速度である。現在の治療アルゴリズムは、外科手術とそれに続く一連のFDA承認薬剤を含む。過去10年間に、標的療法(スニチニブ、ソラフェニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、エベロリムス、アキシチニブ、カボザンチニブ)、またはニボルマブ単独療法、もしくはニボルマブとイピリムマブとの組み合わせのいずれかによる免疫療法を含む複数の薬剤が、転移性腎細胞癌(mRCC)の治療に承認されている。2ニボルマブおよびイピリムマブは、それぞれプログラム細胞死タンパク質1(PD-1)および細胞傷害性Tリンパ球抗原4(CTLA-4)の経路を標的とする完全ヒトモノクローナル抗体である。PD-1およびCTLA-4免疫チェックポイント経路を阻害することは、腫瘍細胞の免疫回避機構を克服し、抗腫瘍活性の増強を可能にする。
【0004】
CheckMate 214試験3では、ニボルマブとイピリムマブとの併用がスニチニブと比較されており、スニチニブはmRCC患者の標準治療と考えられていた4。全生存率および客観的奏効率が、スニチニブと比較して免疫療法併用で有意に改善された(それぞれ、18ヶ月の全生存75%対60%、客観的奏効率42%対27%)。これらの奏効率は印象的であるが、mRCC患者の少数を反映していることに留意することが重要である。さらに、第一線の状況でニボルマブ/イピリムマブの組み合わせを投与された患者の約20%が進行性疾患を発症する。したがって、現在、このレジメンに基づいて構築し、ニボルマブ/イピリムマブの組み合わせの臨床的有効性を改善する新規のアプローチを特定するため、重要な努力がなされている。3本明細書では、とりわけ、当技術分野におけるこれらおよび他の問題に対する解決策が提供される。
【発明の概要】
【0005】
態様では、必要とする対象においてがんの治療をする方法であって、治療有効量の抗がん剤およびクロストリジウム・ブチリカムを対象に投与することを含む方法が提供される。
【0006】
態様では、必要とする対象のがんを治療する方法であって、有効量の抗がん剤およびクロストリジウム・ブチリカムMIYAIRI 588の生きた生物学的製剤(CBM588 LBP)を対象に投与することを含む方法が提供される。
【0007】
別の態様では、第1の剤形の抗がん剤と、第2の剤形のクロストリジウム・ブチリカムとを含む医薬組成物が提供される。
【0008】
別の態様では、抗がん剤およびクロストリジウム・ブチリカムMIYAIRI 588(CBM588 LBP)を含む医薬組成物が提供される。
【0009】
別の態様では、(a)適切な容器内または適切な包装で第1の剤形の抗がん剤および薬学的に許容される賦形剤を含む第1の医薬組成物、ならびに(b)適切な容器内または適切な包装で第2の剤形のクロストリジウム・ブチリカムを含む第2の医薬組成物、を含むキットが提供される。
【0010】
態様では、(a)適切な容器内または適切な包装で第1の剤形の抗がん剤および薬学的に許容される賦形剤を含む第1の医薬組成物、ならびに(b)適切な容器内または適切な包装で第2の剤形のクロストリジウム・ブチリカムMIYAIRI 588(CBM588 LBP)調製物を含む第2の医薬組成物、を含むキットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】
図1Aおよび
図1Bは、スニチニブ(
図1A)およびニボルマブ(
図1B)に応答する患者の微生物群を示す主座標分析(PCoA)のプロットである。「P」は腫瘍の進行を示し、「R」は治療に応答することを示す。
【
図1B】
図1Aおよび
図1Bは、スニチニブ(
図1A)およびニボルマブ(
図1B)に応答する患者の微生物群を示す主座標分析(PCoA)のプロットである。「P」は腫瘍の進行を示し、「R」は治療に応答することを示す。
【
図2】ニボルマブ/イピリムマブの治療、ニボルマブ/イピリムマブ+CBM588 LBPの治療を受けているか、または治療を受けていない患者(対照群)の応答を示す。ニボルマブ/イピリムマブ+CBM588 LBP治療群は点線の矢印で印をつけ、ニボルマブ/イピリムマブ治療群は実線の矢印で印をつけ、無治療群は矢印で印をつけていない。
【
図3】ニボルマブ/イピリムマブの治療(群2)またはニボルマブ/イピリムマブ+CBM588 LBPの治療(群1)を受けている患者の奏功を示す棒グラフである。患者の奏功をRECISTに基づいて測定し、ベースラインからの標的病変の割合の変化を下のパネルに示す。
【
図4】ニボルマブ/イピリムマブの治療(群2)またはニボルマブ/イピリムマブ+CBM588 LBPの治療(群1)を受けている患者についてRECISTによって測定されたときの腫瘍の応答を示すグラフである。
【
図5】週ごとの、無増悪生存期間を有した患者の割合を示すグラフである。患者は、ニボルマブ/イピリムマブの治療またはニボルマブ/イピリムマブ+CBM588 LBPの治療を受けた。
【
図6】ニボルマブ/イピリムマブの治療またはニボルマブ/イピリムマブ+CBM588 LBPの治療を受けた患者の全生存を示すグラフである。全生存期間を週単位で測定した。
【
図7】ニボルマブ/イピリムマブの治療またはニボルマブ/イピリムマブ+CBM588 LBPの治療を受けた患者の標的病変の変化を示すグラフである。
【
図8】ニボルマブ/イピリムマブまたはニボルマブ/イピリムマブ+CBM588 LBPの治療を受けている患者の応答性および疾患の進行を示す。
【
図9A】
図9Aおよび
図9Bは、時間1および時間2において、CBM588治療に対して非応答性(NR)であった患者と比較して、CBM588治療に対して応答性(R)であった患者における細菌種バチルス・プミルス(
図9A)およびバチルス・ベレゼンシス(
図9B)の相対的存在量を示すグラフである。
【
図9B】
図9Aおよび
図9Bは、時間1および時間2において、CBM588治療に対して非応答性(NR)であった患者と比較して、CBM588治療に対して応答性(R)であった患者における細菌種バチルス・プミルス(
図9A)およびバチルス・ベレゼンシス(
図9B)の相対的存在量を示すグラフである。
【
図10A】
図10A~
図10Fは、時間1および時間2の治療でCBM588に対して非応答性(NR)であった患者と比較して、CBM588の治療に対して応答性(R)であった患者における、ブチリシモナス・フェカリス(
図10A)、フィネゴルディア・マグナ(
図10B)、クロストリジオイデス・ディフィシル(
図10C)、ルミノコッカス・アルバス(
図10D)、トレポネマ種RCC2812(
図10E)、およびThermoanaerobacter kivui(
図10F)の相対的な存在量を示すグラフである。
【
図10B】
図10A~
図10Fは、時間1および時間2の治療でCBM588に対して非応答性(NR)であった患者と比較して、CBM588の治療に対して応答性(R)であった患者における、ブチリシモナス・フェカリス(
図10A)、フィネゴルディア・マグナ(
図10B)、クロストリジオイデス・ディフィシル(
図10C)、ルミノコッカス・アルバス(
図10D)、トレポネマ種RCC2812(
図10E)、およびThermoanaerobacter kivui(
図10F)の相対的な存在量を示すグラフである。
【
図10C】
図10A~
図10Fは、時間1および時間2の治療でCBM588に対して非応答性(NR)であった患者と比較して、CBM588の治療に対して応答性(R)であった患者における、ブチリシモナス・フェカリス(
図10A)、フィネゴルディア・マグナ(
図10B)、クロストリジオイデス・ディフィシル(
図10C)、ルミノコッカス・アルバス(
図10D)、トレポネマ種RCC2812(
図10E)、およびThermoanaerobacter kivui(
図10F)の相対的な存在量を示すグラフである。
【
図10D】
図10A~
図10Fは、時間1および時間2の治療でCBM588に対して非応答性(NR)であった患者と比較して、CBM588の治療に対して応答性(R)であった患者における、ブチリシモナス・フェカリス(
図10A)、フィネゴルディア・マグナ(
図10B)、クロストリジオイデス・ディフィシル(
図10C)、ルミノコッカス・アルバス(
図10D)、トレポネマ種RCC2812(
図10E)、およびThermoanaerobacter kivui(
図10F)の相対的な存在量を示すグラフである。
【
図10E】
図10A~
図10Fは、時間1および時間2の治療でCBM588に対して非応答性(NR)であった患者と比較して、CBM588の治療に対して応答性(R)であった患者における、ブチリシモナス・フェカリス(
図10A)、フィネゴルディア・マグナ(
図10B)、クロストリジオイデス・ディフィシル(
図10C)、ルミノコッカス・アルバス(
図10D)、トレポネマ種RCC2812(
図10E)、およびThermoanaerobacter kivui(
図10F)の相対的な存在量を示すグラフである。
【
図10F】
図10A~
図10Fは、時間1および時間2の治療でCBM588に対して非応答性(NR)であった患者と比較して、CBM588の治療に対して応答性(R)であった患者における、ブチリシモナス・フェカリス(
図10A)、フィネゴルディア・マグナ(
図10B)、クロストリジオイデス・ディフィシル(
図10C)、ルミノコッカス・アルバス(
図10D)、トレポネマ種RCC2812(
図10E)、およびThermoanaerobacter kivui(
図10F)の相対的な存在量を示すグラフである。
【
図11A】
図11A~
図11Cは、時間1および時間2でCBM588治療に対して非応答の患者(NR)と比較して、CBM588治療に応答した患者(R)における、クロストリジウム・クルイベリ(
図11A)、クロストリジウム・パステウリアナム(
図11B)、およびクロストリジウム種BNL1100(
図11C)を含むクロストリジウム科の種の相対的存在量の比較の分析を示すグラフである。
【
図11B】
図11A~
図11Cは、時間1および時間2でCBM588治療に対して非応答の患者(NR)と比較して、CBM588治療に応答した患者(R)における、クロストリジウム・クルイベリ(
図11A)、クロストリジウム・パステウリアナム(
図11B)、およびクロストリジウム種BNL1100(
図11C)を含むクロストリジウム科の種の相対的存在量の比較の分析を示すグラフである。
【
図11C】
図11A~
図11Cは、時間1および時間2でCBM588治療に対して非応答の患者(NR)と比較して、CBM588治療に応答した患者(R)における、クロストリジウム・クルイベリ(
図11A)、クロストリジウム・パステウリアナム(
図11B)、およびクロストリジウム種BNL1100(
図11C)を含むクロストリジウム科の種の相対的存在量の比較の分析を示すグラフである。
【
図12A】
図12A~12Cは、時間1および時間2においてCBM588の治療に対して非応答性(NR)であった患者と比較して、CBM588の治療に対して応答性(R)であった患者における、Aminipila種CBA3637(
図12A)、バクテロイデス・テタイオタオミクロン(
図12B)、およびビフィドバクテリウム・ブレーベ(
図12C)を含む細菌の種の相対的な存在量を示すグラフである。
【
図12B】
図12A~12Cは、時間1および時間2においてCBM588の治療に対して非応答性(NR)であった患者と比較して、CBM588の治療に対して応答性(R)であった患者における、Aminipila種CBA3637(
図12A)、バクテロイデス・テタイオタオミクロン(
図12B)、およびビフィドバクテリウム・ブレーベ(
図12C)を含む細菌の種の相対的な存在量を示すグラフである。
【
図12C】
図12A~12Cは、時間1および時間2においてCBM588の治療に対して非応答性(NR)であった患者と比較して、CBM588の治療に対して応答性(R)であった患者における、Aminipila種CBA3637(
図12A)、バクテロイデス・テタイオタオミクロン(
図12B)、およびビフィドバクテリウム・ブレーベ(
図12C)を含む細菌の種の相対的な存在量を示すグラフである。
【
図13A】
図13A~
図13Eは、時間1および時間2においてCBM588の治療に対して非応答性(NR)であった患者と比較して、CBM588の治療に対して応答性(R)であった患者におけるアクチノバクテリア門(
図13E)、アクチノミセチア綱(
図13D)、ビフィドバクテリウム目(
図13C)、ビフィドバクテリウム科(
図13B)、およびビフィドバクテリウム属(
図13A)の相対的存在量の分析を示すグラフである。
【
図13B】
図13A~
図13Eは、時間1および時間2においてCBM588の治療に対して非応答性(NR)であった患者と比較して、CBM588の治療に対して応答性(R)であった患者におけるアクチノバクテリア門(
図13E)、アクチノミセチア綱(
図13D)、ビフィドバクテリウム目(
図13C)、ビフィドバクテリウム科(
図13B)、およびビフィドバクテリウム属(
図13A)の相対的存在量の分析を示すグラフである。
【
図13C】
図13A~
図13Eは、時間1および時間2においてCBM588の治療に対して非応答性(NR)であった患者と比較して、CBM588の治療に対して応答性(R)であった患者におけるアクチノバクテリア門(
図13E)、アクチノミセチア綱(
図13D)、ビフィドバクテリウム目(
図13C)、ビフィドバクテリウム科(
図13B)、およびビフィドバクテリウム属(
図13A)の相対的存在量の分析を示すグラフである。
【
図13D】
図13A~
図13Eは、時間1および時間2においてCBM588の治療に対して非応答性(NR)であった患者と比較して、CBM588の治療に対して応答性(R)であった患者におけるアクチノバクテリア門(
図13E)、アクチノミセチア綱(
図13D)、ビフィドバクテリウム目(
図13C)、ビフィドバクテリウム科(
図13B)、およびビフィドバクテリウム属(
図13A)の相対的存在量の分析を示すグラフである。
【
図13E】
図13A~
図13Eは、時間1および時間2においてCBM588の治療に対して非応答性(NR)であった患者と比較して、CBM588の治療に対して応答性(R)であった患者におけるアクチノバクテリア門(
図13E)、アクチノミセチア綱(
図13D)、ビフィドバクテリウム目(
図13C)、ビフィドバクテリウム科(
図13B)、およびビフィドバクテリウム属(
図13A)の相対的存在量の分析を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書に記載される研究は、がん(例えば、転移性がん、マイクロサテライト不安定性高がんなど)の治療のために免疫療法(例えば、チェックポイント阻害剤)を受けている患者において数種類の腸内細菌(例えば、ビフィドバクテリウム属)が存在することが、免疫療法に対する応答性の素因を示し得ることを説明している。例えば、酪酸細菌(例えば、クロストリジウム・ブチリカムMIYAIRI 588)は、腸の上皮に対する免疫調節および抗炎症効果があり、腸内でビフィドバクテリウム属種およびラクトバチルス属種を含む細菌の種を回復させることができる。併用での治療(例えば、抗がん治療薬およびクロストリジウム・ブチリカム)を、必要とする対象に投与することを含む、組成物および方法を、本明細書に記載する。出願人らは、抗がん剤(例えば、チェックポイント阻害剤(ニボルマブ、イピリムマブなど))と併用するクロストリジウム・ブチリカムの生物学的効果を特定し、がん治療での併用治療の有効性を示した。
【0013】
本発明の様々な実施形態および態様が本明細書に示され説明されているが、そのような実施形態および態様が単なる例として提供されていることは、当業者にとって明らかであろう。ここで、当業者は、本発明から逸脱することなく、多数の変形、変更、および置換が思い浮かぶであろう。本明細書に記載の本発明の実施形態に対する様々な代替形態が、本発明を実施する際に使用され得ることを理解されたい。
【0014】
本明細書で使用されるセクションの見出しは、構成上の目的のためだけのものであり、記載された主題を限定するものと解釈されるべきではない。限定するものではないが、特許、特許出願、記事、書籍、マニュアル、および論文を含む、本願で引用されたすべての文書または文書の一部は、任意の目的のためにその全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0015】
他に定義されない限り、本明細書で使用される専門用語および科学的な用語は、当業者によって共通に理解されるのと同じ意味を有する。例えば、Singleton et al.,DICTIONARY OF MICROBIOLOGY AND MOLECULAR BIOLOGY 2nd ed.,J.Wiley&Sons(New York,NY 1994);Sambrook et al.,MOLECULAR CLONING,A LABORATORY MANUAL,Cold Springs Harbor Press(Cold Springs Harbor,NY 1989)を参照されたい。本明細書に記載のものと類似または同等の任意の方法、装置、および材料を、本発明の実施の際に使用することができる。以下の定義は、本明細書で頻繁に使用される特定の用語の理解を容易にするために提示され、本開示の範囲を限定することを意図していない。
定義
【0016】
タンパク質のアミノ酸残基は、所与の残基と同じ、タンパク質内の本質的な構造の位置を占めている場合、所与の残基に「対応している」。
【0017】
「アミノ酸」という用語は、天然に存在するアミノ酸および合成アミノ酸、ならびに天然に存在するアミノ酸と同様の方法で機能するアミノ酸類似体およびアミノ酸模倣物を指す。天然に存在するアミノ酸は、遺伝コードによってコードされたもの、ならびに後に修飾されるアミノ酸、例えば、ヒドロキシプロリン、γ-カルボキシグルタメート、およびO-ホスホセリンである。アミノ酸類似体は、天然に存在するアミノ酸と同じ基本的な化学構造(すなわち、水素、カルボキシル基、アミノ基、およびR基に結合したα炭素、例えば、ホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルホキシド、メチオニンメチルスルホニウム)を有する化合物を指す。そのような類似体は、修飾されたR基(例えば、ノルロイシン)または修飾されたペプチド骨格を有するが、天然に存在するアミノ酸と同じ基本化学構造を保持する。アミノ酸模倣物は、アミノ酸の一般的な化学構造とは異なる構造を有するが、天然に存在するアミノ酸と同様の方法で機能する化学化合物を指す。「天然に存在しないアミノ酸(non-naturally occurring amino acidおよびunnatural amino acid)」という用語は、天然には見られないアミノ酸類似体、合成アミノ酸、およびアミノ酸模倣物を指す。
【0018】
アミノ酸は、一般に知られている3文字の記号またはIUPAC-IUB Biochemical Nomenclature Commissionによって推奨される1文字の記号のいずれかによって、本明細書で言及され得る。ヌクレオチドは、同様に、それらの一般に受け入れられている一文字のコードによって言及されてもよい。
【0019】
「ポリペプチド」、「ペプチド」および「タンパク質」という用語は、アミノ酸残基のポリマーを指すために本明細書において互換的に使用され、ポリマーは、実施形態では、アミノ酸からなるものではない部分にコンジュゲートされ得る。この用語は、1つ以上のアミノ酸残基が、対応する天然に存在するアミノ酸の人工的な化学的模倣物であるアミノ酸ポリマー、ならびに天然に存在するアミノ酸ポリマー、および天然に存在しないアミノ酸ポリマーに適用される。「融合タンパク質」は、単一の部分として組換え発現される2つ以上の別個のタンパク質配列をコードするキメラタンパク質を指す。
【0020】
アミノ酸配列に関して、当業者は、コードされた配列の単一のアミノ酸またはわずかな割合のアミノ酸を変更、付加または欠失する核酸、ペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質配列への個々の置換、欠失、または付加が、変化が化学的に類似したアミノ酸によるアミノ酸の置換をもたらす「保存的に修飾させた変異体」であることを、認識するであろう。機能的に類似するアミノ酸をもたらす同類置換表は、当技術分野で周知である。そのような保存的に修飾させた変異体は、本開示の多型変異体、種間ホモログ、および対立遺伝子に加えられ、それらを排除しない。
【0021】
「配列同一性の割合」は、比較の枠にわたって2つの最適に整列された配列を比較することによって決定され、比較の枠のポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列の部分は、2つの配列の最適なアラインメントのための参照配列(付加または欠失を含まない)と比較して、付加または欠失(すなわち、ギャップ)を含み得る。割合は、同一の核酸塩基またはアミノ酸残基が両方の配列で生じる位置の数を判定して、一致した位置の数を得、一致した位置の数を、比較の枠の位置の総数で割り、結果に100を乗じて、配列同一性の割合を得ることによって計算される。
【0022】
「同一」または「同一性の割合」という用語は、2つ以上の核酸またはポリペプチド配列の文脈で、以下に記載されるデフォルトのパラメータでのBLASTまたはBLAST 2.0配列比較アルゴリズムを使用して測定される場合、または手動でのアラインメントおよび目視検査(例えば、NCBIウェブサイトhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/などを参照されたい)によって測定される場合、同じであるか、または同じであるアミノ酸残基もしくはヌクレオチドを特定の割合(すなわち、比較の枠もしくは指定領域にわたって最も対応しているものについて比較され、アラインメントされた場合、特定の領域にわたって、約60%の同一性、好ましくは、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはいっそう高い同一性)で含む、2つ以上の配列またはサブ配列を指す。その場合、そのような配列は「実質的に同一」であると言われる。この定義はまた、試験配列の相補体を指すか、またはそれに適用され得る。この定義には、欠失および/または付加を有する配列、ならびに置換を有する配列も含まれる。以下に説明するように、好ましいアルゴリズムは、ギャップなどを考慮することができる。好ましくは、同一性は、少なくとも約25アミノ酸またはヌクレオチドの長さである領域にわたって、またはより好ましくは、50~100アミノ酸またはヌクレオチドの長さである領域にわたって存在する。
【0023】
アミノ酸またはヌクレオチド塩基の「位置」は、N末端(または5’末端)に対するその位置に基づいて、参照配列の各アミノ酸(またはヌクレオチド塩基)を順次特定する番号によって示される。最適なアラインメントを判定するときに考慮しなければならない欠失、挿入、切断、融合などのために、一般に、N末端から単純に数えることによって判定される試験配列のアミノ酸残基の数は、参照配列のその対応する位置の数と必ずしも同じではない。例えば、アラインメントされた参照配列に対して変異体が欠失を有する場合、欠失部位の参照配列の位置に対応する変異体アミノ酸は存在しない。アラインメントされた参照配列に挿入が存在する場合、その挿入は、参照配列の番号付けされたアミノ酸の位置に対応していない。切断または融合の場合、対応する配列のいずれのアミノ酸にも対応しない参照またはアラインメントされた配列のアミノ酸のストレッチが存在し得る。
【0024】
「~を参照して番号付けされる」または「~に対応する」という用語は、所与のアミノ酸またはポリヌクレオチド配列の番号付けとの関連で使用される場合、所与のアミノ酸またはポリヌクレオチド配列を参照配列と比較した場合の特定の参照配列の残基の番号付けを指す。
【0025】
「アミノ酸側鎖」という用語は、アミノ酸に含まれる機能的置換基を指す。例えば、アミノ酸側鎖は、天然に存在するアミノ酸の側鎖であり得る。天然に存在するアミノ酸は、遺伝コード(例えば、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、またはバリン)によってコードされるアミノ酸、ならびに後に修飾されるアミノ酸、例えばヒドロキシプロリン、γ-カルボキシグルタメート、およびO-ホスホセリンである。実施形態では、アミノ酸側鎖は、非天然アミノ酸側鎖であり得る。複数の実施形態では、アミノ酸側鎖は、H、
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
または
【化19】
である。
【0026】
「抗体」という用語は、抗原に特異的に結合して認識する免疫グロブリン遺伝子またはその機能的断片によってコードされるポリペプチドを指す。認識される免疫グロブリン遺伝子は、カッパ、ラムダ、アルファ、ガンマ、デルタ、イプシロン、およびミュー定常領域遺伝子、ならびに無数の免疫グロブリン可変領域遺伝子を含む。軽鎖は、カッパまたはラムダのいずれかに分類され得る。重鎖は、ガンマ、ミュー、アルファ、デルタ、またはイプシロンに分類されてもよく、これらは、次いで、免疫グロブリンのクラスであるIgG、IgM、IgA、IgD、およびIgEをそれぞれ定める。
【0027】
タンパク質またはペプチドに言及する場合、抗体に「特異的に(または選択的に)結合する」または「特異的に(または選択的に)免疫反応性である」という語句は、頻繁に、タンパク質および他の生物製剤の不均一な集団におけるタンパク質の存在を決定させる結合反応を指す。したがって、指定されたイムノアッセイ条件下で、指定された抗体は、バックグラウンドの少なくとも2倍、より典型的にはバックグラウンドの10倍超~100倍超の特定のタンパク質に結合する。そのような条件下での抗体への特異的結合は、特定のタンパク質に対するその特異性について選択される抗体を必要とする。例えば、ポリクローナル抗体は、選択された抗原と特異的に免疫反応性であり、他のタンパク質とは免疫反応性でない抗体のサブセットのみを得るように選択することができる。この選択は、他の分子と交差反応する抗体を差し引くことによって達成され得る。様々なイムノアッセイ形式を使用して、特定のタンパク質と特異的に免疫反応性の抗体を選択することができる。例えば、固相ELISAイムノアッセイは、タンパク質と特異的に免疫反応性の抗体を選択するために日常的に使用されている(特異的免疫反応性を決定するために使用することができる免疫アッセイ形式および条件の説明については、例えば、Harlow&Lane,Using Antibodies,A Laboratory Manual(1998)を参照のこと)。
【0028】
例示的な免疫グロブリン(抗体)構造単位は四量体を含む。各四量体は、ポリペプチド鎖の2つの同一の対から構成され、各対は、1つの「軽」鎖(約25kDa)および1つの「重」鎖(約50~70kDa)を有する。各鎖のN末端は、抗原認識に主に関与する約100~110個またはそれ以上のアミノ酸の可変領域を定める。「可変重鎖」、「VH」または「VH」という用語は、Fv、scFv、dsFv、またはFabを含む免疫グロブリン重鎖の可変領域を指す。一方で、「可変軽鎖」、「VL」または「VL」という用語は、Fv、scFv、dsFvまたはFabを含む免疫グロブリン軽鎖の可変領域を指す。
【0029】
機能的な抗体断片の例としては、完全な抗体分子、抗体断片、例えば、Fv、一本鎖Fv(scFv)、相補性決定領域(CDR)、VL(軽鎖可変領域)、VH(重鎖可変領域)、Fab、F(ab)2’およびそれらの任意の組み合わせ、または標的抗原に結合することができる免疫グロブリンペプチドの任意の他の機能的な部分が挙げられるが、これらに限定されない(例えばFundamental Immunology(Paul ed.,4th ed.2001)を参照されたい)。当業者に認識されるように、様々な抗体断片は、様々な方法、例えば、ペプシンなどの酵素によるインタクトな抗体の消化、またはデノボの合成によって得ることができる。抗体断片は、多くの場合、化学的に、または組換えDNA法を使用することによって、デノボで合成される。したがって、抗体という用語は、本明細書で使用される場合、全抗体の修飾によって産生された抗体断片、または組換えDNA法を使用してデノボで合成された抗体断片(例えば、一本鎖Fv)、またはファージ・ディスプレイ・ライブラリーを使用して特定された抗体断片のいずれかを含む(例えば、McCafferty et al.,(1990)Nature 348:552を参照のこと)。「抗体」という用語には、二価または二重特異性分子、ダイアボディ、トリアボディ、およびテトラボディも含まれる。二価および二重特異性分子は、例えばKostelny et al.(1992)J.Immunol.148:1547,Pack and Pluckthun(1992)Biochemistry 31:1579,Hollinger et al.(1993),PNAS.USA 90:6444,Gruber et al.(1994)J Immunol.152:5368,Zhu et al.(1997)Protein Sci.6:781,Hu et al.(1996)Cancer Res.56:3055,Adams et al.(1993)Cancer Res.53:4026、およびMcCartney,et al.(1995)Protein Eng.8:301において記載されている。
【0030】
「キメラ抗体」は、(a)定常領域もしくはその一部が、抗原結合部位(可変領域)が異なるもしくは変化したクラス、エフェクター機能、および/もしくは種の定常領域、もしくはキメラ抗体に新しい特性を付与する完全に異なる分子、例えば酵素、毒素、ホルモン、成長因子、薬物などに連結されるように、変化、置換もしくは交換された抗体分子、または(b)可変領域もしくはその一部が、異なるもしくは変化した抗原特異性を有する可変領域で変化、置換、もしくは交換された抗体分子である。本発明の好ましい抗体および本発明に従って使用するための好ましい抗体には、ヒト化および/またはキメラモノクローナル抗体が含まれる。
【0031】
「単離」という用語は、核酸またはタンパク質に適用される場合、核酸またはタンパク質が、それが自然の状態で会合している他の細胞構成要素を本質的に含まないことを示す。これは、例えば、均質な状態であり得、乾式溶液または水溶液のいずれかであり得る。純度および均一性は、典型的には、ポリアクリルアミドゲル電気泳動または高速液体クロマトグラフィーなどの分析化学技術を使用して判定される。調製物に存在する優勢な種であるタンパク質が、実質的に精製される。
【0032】
「配列同一性の割合」は、比較の枠にわたって2つの最適に整列された配列を比較することによって判定され、比較の枠のポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列の部分は、2つの配列の最適なアラインメントのための参照配列(付加または欠失を含まない)と比較して、付加または欠失(すなわち、ギャップ)を含み得る。割合は、同一の核酸塩基またはアミノ酸残基が両方の配列で生じる位置の数を判定して、一致した位置の数を得、一致した位置の数を、比較の枠内の位置の総数で割り、結果に100を乗じて、配列同一性の割合を得ることによって計算される。
【0033】
「同一」または「同一性の割合」という用語は、2つ以上の核酸またはポリペプチド配列の文脈で、以下に記載されるデフォルトのパラメータでのBLASTまたはBLAST 2.0配列比較アルゴリズムを使用して測定される場合、または手動でのアラインメントおよび目視検査(例えば、NCBIウェブサイトhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/などを参照されたい)によって測定される場合、同じであるか、または同じであるアミノ酸残基もしくはヌクレオチドを特定の割合(すなわち、比較の枠もしくは指定領域にわたって最も対応しているものについて比較され、アラインメントされた場合、特定の領域にわたって、約60%の同一性、好ましくは、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはいっそう高い同一性)で含む、2つ以上の配列またはサブ配列を指す。その場合、そのような配列は「実質的に同一」であると言われる。この定義はまた、試験配列の相補体を指すか、またはそれに適用され得る。この定義には、欠失および/または付加を有する配列、ならびに置換を有する配列も含まれる。以下に説明するように、好ましいアルゴリズムは、ギャップなどを考慮することができる。好ましくは、同一性は、少なくとも約25アミノ酸またはヌクレオチドの長さである領域にわたって、またはより好ましくは、50~100アミノ酸またはヌクレオチドの長さである領域にわたって存在する。
【0034】
本明細書に記載される特定のタンパク質について、命名されているタンパク質は、タンパク質転写因子活性を維持する、タンパク質の天然に存在する形態、変異体またはホモログのいずれかを含む(例えば、天然のタンパク質と比較して、少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の活性の範囲内)。いくつかの実施形態では、変異体またはホモログは、天然に存在する形態と比較して、配列全体または配列の一部(例えば、50、100、150または200の連続したアミノ酸の部分)にわたって、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%のアミノ酸配列同一性を有する。他の実施形態では、タンパク質は、そのNCBI配列参照により特定されるタンパク質である。他の実施形態では、タンパク質は、そのNCBI配列参照によって特定されるタンパク質、そのホモログまたは機能的な断片である。
【0035】
本明細書で提供される「CTLA-4」または「CTLA-4タンパク質」という用語は、CTLA-4タンパク質の活性を維持する細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA-4)またはその変異体もしくはホモログ(例えば、CTLA-4と比較して、少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%に含まれる活性)の組換え型または天然に存在する形態のいずれかを含む。いくつかの態様では、変異体またはホモログは、天然に存在するCTLA-4ポリペプチドと比較して、配列全体または配列の一部(例えば、50、100、150または200の連続したアミノ酸の部分)にわたって、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%のアミノ酸配列同一性を有する。実施形態では、CTLA-4は、UniProt参照番号P16410によって特定されるタンパク質、そのホモログまたは機能的な断片である。
【0036】
本明細書で言及される「PD-1タンパク質」または「PD-1」は、分化クラスター279(CD279)としても知られるプログラム細胞死タンパク質1(PD-1)、またはPD-1タンパク質の活性を維持するその変異体またはホモログの組換え型または天然に存在する形態のいずれかを含む(例えば、PD-1タンパク質と比較して、少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%までの範囲内)。いくつかの態様では、変異体またはホモログは、天然に存在するPD-1タンパク質の形態と比較して、配列全体または配列の一部(例えば、50、100、150または200の連続したアミノ酸の部分)にわたって、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%のアミノ酸配列同一性を有する。実施形態において、PD-1タンパク質は、UniProt参照番号Q15116によって特定されるタンパク質またはそれと実質的な同一性を有する変異体またはホモログと実質的に同一である。実施形態において、PD-1タンパク質は、UniProt参照番号Q02242によって特定されるタンパク質またはそれと実質的な同一性を有する変異体またはホモログと実質的に同一である。
【0037】
本明細書で言及される「PD-L1」または「PD-L1タンパク質」は、分化クラスター274(CD274)としても知られるプログラム死リガンド1(PD-L1)またはPD-L1活性を維持するその変異体もしくはホモログ(例えば、PD-L1と比較して少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%以内の活性)の組換え型または天然に存在する形態のいずれかを含む。いくつかの態様では、変異体またはホモログは、天然に存在するPD-L1タンパク質の形態と比較して、配列全体または配列の一部(例えば、50、100、150または200の連続したアミノ酸の部分)にわたって、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%のアミノ酸配列同一性を有する。実施形態において、PD-L1タンパク質は、UniProt参照番号Q9NZQ7によって特定されるタンパク質またはそれと実質的な同一性を有する変異体またはホモログと実質的に同一である。
【0038】
「疾患」または「状態」という用語は、本明細書で提供される化合物または方法で治療することができる患者または対象の状態または健康状態を指す。疾患はがんであり得る。疾患は自己免疫疾患であり得る。疾患は炎症性疾患であり得る。疾患は、感染性疾患であり得る。いくつかのさらなる例では、「がん」は、ヒトのがんおよび癌腫、肉腫、腺癌、リンパ腫、白血病などを指し、固形およびリンパがん、腎臓、乳房、肺、膀胱、結腸、卵巣、前立腺、膵臓、胃、脳、頭頸部、皮膚、子宮、精巣、神経膠腫、食道、および肝臓のがん、例えば肝細胞癌、リンパ腫、例えばB急性リンパ芽球性リンパ腫、非ホジキンリンパ腫(例えば、バーキット小細胞リンパ腫および大細胞リンパ腫)、ホジキンリンパ腫、白血病(AML、ALL、およびCMLを含む)、または多発性骨髄腫を含む。
【0039】
本明細書で使用される場合、「がん」という用語は、白血病、リンパ腫、癌腫および肉腫を含む、哺乳動物(例えばヒト)に見られるすべての種類のがん、新生物または悪性腫瘍を指す。本明細書で提供される組成物、化合物または方法で治療することができる例示的ながんには、転移性腎細胞癌(mRCC)、非小細胞肺がん、黒色腫、肉腫、リンパ腫、乳がん、膀胱がん、子宮頸がん、結腸がん、頭頸部がん、肝臓がん、胃がん、または直腸がんが含まれる。がんは、マイクロサテライト不安定性高がんであり得る。さらなる例は、子宮頸部、子宮、胃、甲状腺癌、胆管の癌腫、膵臓腺癌、皮膚黒色腫、結腸腺癌、直腸腺癌、胃腺癌、食道癌、頭頸部扁平上皮癌、乳浸潤癌、肺腺癌、肺扁平上皮癌、非小細胞肺癌、中皮腫、多発性骨髄腫、髄芽腫、神経芽細胞腫、神経膠腫、多形性膠芽腫、卵巣がん、横紋筋肉腫、原発性血小板増加症、原発性マクログロブリン血症、原発性脳腫瘍、神経芽細胞腫、悪性膵臓インスラノーマ(insulanoma)、悪性カルチノイド、膀胱がん、前悪性皮膚病変、精巣がん、甲状腺癌、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、食道がん、尿生殖路がん、悪性高カルシウム血症、子宮内膜がん、副腎皮質がん、内分泌がんまたは外分泌での膵臓の悪性新生物、髄様甲状腺がん、髄様甲状腺癌、黒色腫、結腸直腸がん、甲状腺乳頭がん、肝細胞癌、または前立腺がんを含む。
【0040】
本明細書で使用される場合、「転移」および「転移性」という用語は互換的に使用することができ、1つの器官または別の隣接していない器官または身体の部分からの増殖性疾患または障害、例えばがんの転移を指す。「転移性がん」は「ステージIVのがん」と呼ばれることもある。がんは、原発部位、例えば腎臓で発生し、この部位は原発腫瘍、例えば原発性腎臓がんと呼ばれる。原発腫瘍または起源の部位のいくつかのがん細胞は、局所領域の周囲の正常組織に浸透して浸潤する能力、および/またはリンパ系もしくは血管系の壁を貫通して系を経て体内の他の部位および組織に循環する能力を獲得する。原発腫瘍のがん細胞から形成される第2の臨床的に検出可能な腫瘍は、転移性または二次性腫瘍と呼ばれる。がん細胞が転移すると、転移性腫瘍およびその細胞は元の腫瘍のものと同様であると推定される。したがって、転移性がんという語句は、対象が原発腫瘍を有しているかまたは有していた疾患、1つ以上の続発性腫瘍を有する疾患を指し得る。非転移性がんまたは転移性でないがんを有する対象という語句は、対象が原発腫瘍を有するが1つ以上の続発性腫瘍を有さない疾患を指し得る。
【0041】
本明細書で使用される場合、「化学療法耐性がん」または「化学療法耐性」という用語は、化学療法に対してがんの意図した応答がないことを指す。化学療法耐性は、化学療法に対する先行の感受性と比較して、化学療法に対するがんの感受性が低下したことを指し得る。したがって、がんが化学療法に以前は応答していたにもかかわらず、化学療法耐性が生じることがある。化学療法耐性は、化学療法の治療にもかかわらず、がん細胞が生存し増殖できることを指し得る。
【0042】
「治療する」または「治療」という用語は、軽減、寛解、症状を減少させること、または傷害、病理もしくは状態を患者にとってより許容できるものにすること、変性するまたは衰える速度の減速、変性の最終点をより衰弱のないものにすること、患者の身体的または精神的な健康を改善することなどの任意の客観的または主観的パラメータを含む、傷害、疾患、病理、または状態の治療または改善における成功の任意の兆候を指す。症状の治療または改善は、客観的または主観的パラメータに基づくことができ、身体検査、精神神経学的検査、および/または精神医学的評価の結果を含む。「治療」という用語およびその活用形は、傷害、病状、状態または疾患の予防を含み得る。実施形態では、治療することは、予防することである。実施形態において、治療することは、予防することを含まない。
【0043】
本明細書で使用される(当技術分野でよく理解されている)「治療すること」または「治療」はまた、臨床的な結果を含む、対象の状態において有益なまたは所望の結果を得るための任意のアプローチを広く含む。有益なまたは所望の臨床的な結果には、限定するものではないが、1つ以上の症状または状態の緩和または改善、疾患の程度の縮小、疾患の状態の安定化(すなわち、悪化しない)、疾患の伝播または転移の予防、疾患の進行の遅延または減速、疾患の状態の改善または緩和、疾患の再発の減少、および部分的または全体的、かつ検出可能または検出不能な寛解が含まれ得る。換言すれば、本明細書で使用される「治療」は、疾患の任意の治癒、改善、または予防を含む。治療は、疾患の発生を防止する、疾患の転移を抑制する、疾患の症状を軽減する、疾患の根本原因を完全にもしくは部分的に除去する、疾患の持続期間を短縮する、またはこれらの組み合わせを成すことができる。
【0044】
本明細書で使用される「治療すること」および「治療」は、予防的治療を含む。治療方法は、治療有効量の活性薬剤を対象に投与することを含む。投与工程は、単回投与からなってもよく、または一連の投与を含んでもよい。治療期間の長さは、状態の重症度、患者の年齢、活性薬剤の濃度、治療に使用される組成物の活性、またはそれらの組み合わせなどの様々な要因に依存する。治療または予防に使用される薬剤の有効投与量は、特定の治療または予防計画の経過にわたって増加または減少し得ることも理解されよう。投与量の変化は、当技術分野で公知の標準的な診断アッセイによって生じ、明らかになり得る。場合によっては、長期的な投与が必要とされ得る。例えば、組成物は、患者を治療するのに十分な量および期間で対象に投与される。実施形態において、治療することまたは治療は、予防的治療ではない。
【0045】
「予防する」という用語は、患者における疾患症状の発生の減少を指す。上記のように、予防は完全(検出可能な症状なし)であっても部分的であってもよく、その結果、治療がない場合に起こり得るよりも少ない症状が観察される。
【0046】
「患者」または「それを必要とする対象」は、本明細書で提供される医薬組成物の投与によって治療することができる疾患(例えば、がん)または状態に罹患しているかまたはその傾向がある生物を指す。非限定的な例としては、ヒト、他の哺乳動物、ウシ属、ラット、マウス、イヌ、サル、ヤギ、ヒツジ、雌牛、シカ、および他の哺乳動物ではない動物が挙げられる。いくつかの実施形態では、患者はヒトである。
【0047】
「有効量」は、化合物が存在しないことに対して、化合物が述べられた目的を達成するのに十分な量である(例えば、それが投与される効果を達成するか、疾患を治療するか、酵素活性を低下させるか、酵素活性を増加させるか、シグナル伝達経路を減少させるか、または疾患もしくは状態の1つ以上の症状を減少させる)。「有効量」の例は、疾患(例えば、がん)の1つまたは複数の症状の治療、予防、または軽減に寄与するのに十分な量であり、これは「治療有効量」とも呼ばれ得る。1つまたは複数の症状(およびこの句と文法的の等価なもの)の「減少」は、1つまたは複数の症状の重症度または頻度の減少、または1つまたは複数の症状の排除を意味する。薬物の「予防有効量」は、対象に投与された場合に、意図された予防効果、例えば、傷害、疾患、病態もしくは状態の発症(または再発)を予防もしくは遅延させる、または傷害、疾患、病態もしくは状態、もしくはそれらの症状の発症(または再発)の可能性を低下させる薬物の量である。完全な予防効果は、必ずしも1回の用量の投与によって生じるわけではなく、一連の用量の投与後にのみ生じることもある。よって、予防有効量を、1回以上の投与で投与し得る。本明細書で使用される「活性低下量」は、アンタゴニストの非存在下と比較して、酵素の活性を低下させるのに必要なアンタゴニストの量を指す。本明細書で使用される「機能破壊量」は、アンタゴニストの非存在下に対する、酵素またはタンパク質の機能を破壊するのに必要なアンタゴニストの量を指す。正確な量は、治療の目的に依存し、公知の技術(例えば、Lieberman,Pharmaceutical Dosage Forms(vols.1-3,1992);Lloyd,The Art,Science and Technology of Pharmaceutical Compounding(1999);Pickar,Dosage Calculations(1999);およびRemington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Edition,2003,Gennaro,Ed.,Lippincott,Williams&Wilkins)を用いて、当業者によって確認可能であろう。
【0048】
本明細書で使用される「治療有効用量または量」とは、それが投与される目的の効果(例えば、疾患の治療または予防)を生じる用量を意味する。正確な用量および製剤は、治療の目的次第であり、公知の技術を使用して当業者によって確認され得る(例えばLieberman,Pharmaceutical Dosage Forms(vols.1-3,1992);Lloyd,The Art,Science and Technology of Pharmaceutical Compounding(1999);Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Edition,Gennaro,Editor(2003),and Pickar,Dosage Calculations(1999)を参照されたい)。例えば、所与のパラメータについて、治療有効量は、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、40%、50%、60%、75%、80%、90%、または少なくとも100%の増加または減少を示す。治療の有効性は、「-倍」の増加または減少として表すこともできる。例えば、治療有効量は、標準の対照よりも少なくとも1.2倍、1.5倍、2倍、5倍またはそれ以上の効果を有することができる。治療有効用量または量は、疾患の1つ以上の症状を改善し得る。治療有効用量または量は、それが投与されている効果が、疾患を発症するリスクがある人物を治療することである場合、疾患、または疾患の1つ以上の症状の発症を、予防または遅延させることができる。
【0049】
本明細書に記載の任意の化合物について、治療有効量は、細胞培養アッセイから最初に判定することができる。目標濃度は、本明細書に記載の方法を使用して測定された、または当技術分野で公知の、本明細書に記載の方法を達成することができる活性化合物の濃度である。
【0050】
当技術分野で周知のように、ヒトで使用するための治療有効量は、動物モデルから判定することもできる。例えば、ヒトのための用量は、動物において有効であることが見出された、濃度を達成するように、製剤化され得る。ヒトにおける投与量は、上記のように、化合物の有効性をモニタリングし、投与量を上方または下方に調整することによって調整することができる。上記の方法および他の方法に基づいてヒトにおいて最大の有効性を達成するために用量を調整することは、十分に当業者の能力の範囲内である。
【0051】
投与量は、患者および使用される化合物の要件に応じて変えることができる。本開示の状況において患者に投与される用量は、患者における有益な治療応答に経時的に影響を及ぼすのに十分な用量であるべきである。用量の規模はまた、いずれかの有害な副作用の存在、性質および程度によって判定される。特定の状況に対する適切な投与量の判定は、施術者の技能の範囲内である。一般に、治療は、化合物の最適用量より少ない、低用量で開始される。その後、状況下で最適な効果に達するまで、投与量を少しずつ増加させる。投与量および投与間隔は、治療される特定の臨床適応症に有効な投与化合物のレベルを提供するために個別に調整することができる。これにより、個体の疾患の状態の重症度に見合った治療レジメンが施される。
【0052】
本明細書で使用される場合、「投与」という用語は、対象への経口投与、坐剤としての投与、局所的接触、静脈内、非経口、腹腔内、筋肉内、病巣内、髄腔内、鼻腔内または皮下の投与、または徐放装置、例えばミニ浸透圧ポンプの植込みを意味する。投与は、非経口および経粘膜(例えば、頬側、舌下、口蓋、歯肉、鼻、膣、直腸、または経皮)を含む任意の経路によるものである。非経口投与には、例えば、静脈内、筋肉内、細動脈内、皮内、皮下、腹腔内、脳室内および頭蓋内が含まれる。他の送達様式には、リポソーム製剤、静脈内注入、経皮パッチなどの使用が含まれるが、これらに限定されない。実施形態において、投与することは、列挙した活性薬剤以外のいずれかの活性薬剤の投与を含まない。
【0053】
「同時投与」は、本明細書に記載される組成物が、1つ以上のさらなる治療の投与と同時に、直前に、または直後に投与されることを意味する。本明細書で提供される化合物は、単独で投与することができ、または患者に同時投与することができる。同時投与は、化合物を個別にまたは組み合わせて(1つを超える化合物)、併発または逐次投与することを含むことを意味する。したがって、調製物は、必要に応じて、他の活性物質(例えば、代謝分解を低下させるために)と組み合わせることもできる。本開示の組成物は、経皮的に、局所経路によって送達され得るか、またはアプリケータースティック、溶液、懸濁液、エマルジョン、ゲル、クリーム、軟膏、ペースト、ゼリー、塗料、粉末、およびエアロゾルとして製剤化され得る。
【0054】
本明細書で使用される場合、「逐次投与」は、2つの薬剤(例えば、本明細書に記載の化合物または組成物)の投与が同日に別々に行われるか、または同日に行われない(例えば、連続した日に発生する)ことを含む。
【0055】
本明細書で使用される場合、「同時発生投与」は、少なくとも部分的に持続時間が重複することを含む。例えば、2つの薬剤(例えば、生物活性を有する本明細書に記載の任意の薬剤または薬剤のクラス)を同時発生的に投与する場合、それらの投与は特定の所望の時間内に行われる。薬剤の投与は、同日に開始および終了し得る。両方の薬剤が少なくとも1回同じ日に摂取される限り、1つの薬剤の投与は、第2の薬剤の投与よりも1日以上前に行うこともできる。同様に、一方の薬剤の投与は、両方の薬剤が同じ日に少なくとも1回摂取される限り、第2の薬剤の投与を超えて拡張することができる。生物活性薬剤/薬剤は、同時発生投与を含むようにすべく、毎日同じ時間に摂取する必要はない。
【0056】
本明細書で使用される場合、「間欠的投与」は、ある期間(「第1の投与期間」と考えることができる)にわたる薬剤の投与と、それに続く、薬剤が摂取されないか、またはより低い維持用量で摂取される期間(「休薬期間」と考えることができる)と、それに続く、薬剤が再び投与される期間(「第2の投与期間」と考えることができる)とを含む。一般に、第2の投与期間の間、薬剤の投与量のレベルは、第1の投与期間の間に投与されたものと一致するが、医学的必要性に応じて、増減することができる。
【0057】
「対照」または「対照実験」は、その単純な通常の意味に従って使用され、実験の手順、試薬、または変数の省略を除いて、実験の対象または試薬が並行実験のように扱われる実験を指す。場合によっては、対照は、実験の効果を評価する際の比較の基準として使用される。いくつかの実施形態では、対照は、(実施形態および例を含む)本明細書に記載の化合物の非存在下でタンパク質の活性を測定したものである。
【0058】
本明細書で使用される場合、がんのモデルの生物は、生物内のがん、またはがんを引き起こす要素の活性を示す表現型を示す生物である。がんという用語は上で定義されている。多種多様な生物が、がんのモデルの生物として機能し得る、例えば、がん細胞ならびにげっ歯類(例えば、マウスまたはラット)および霊長類(ヒトなど)などの哺乳動物生物が挙げられる。がん細胞株は、インビボのがんに類似する表現型または遺伝子型を示す細胞として、当業者によって広く理解されている。本明細書で使用されているがん細胞株は、動物(例えば、マウス)およびヒト由来の細胞株を含む。
【0059】
本明細書で使用される「抗がん剤」は、がん細胞または組織の破壊または阻害によってがんを治療するために使用される分子(例えば、化合物、ペプチド、タンパク質、核酸)を指す。抗がん剤は、特定のがんまたは特定の組織に対して選択的であり得る。実施形態では、抗がん剤は、チェックポイント阻害剤である。例えば、抗がん剤は、PD-1阻害剤であり得る。
【0060】
「抗がん剤」は、それらの簡素な通常の意味に従って使用され、抗新生物特性、または細胞の成長もしくは増殖を阻害する能力を有する組成物(例えば、化合物、薬物、アンタゴニスト、阻害剤、モジュレーター)を指す。実施形態において、抗がん剤は、化学療法剤である。実施形態において、抗がん剤は、がんを治療する方法において有用性を有する、本明細書において特定される薬剤である。実施形態において、抗がん剤は、がんを治療するために、FDAまたは米国以外の国の同様の規制当局によって承認された薬剤である。
【0061】
化合物の「選択的」または「選択性」などは、分子標的を区別する化合物の能力を指す。
【0062】
化合物についての「特異的な」、「特異的に」、「特異性」などは、細胞の他のタンパク質に対する作用が最小限であるかまたはまったくない特定の分子標的に対する阻害などの特定の作用を引き起こす化合物の能力を指す。
【0063】
本明細書で使用される「細胞」は、そのゲノムDNAを保存または複製するのに十分な代謝または他の機能を実行する細胞を指す。細胞は、例えば、インタクトな膜の存在、特定の色素による染色、子孫を産生する能力、または配偶子の場合、第2の配偶子と組み合わせて生存可能な子孫を産生する能力を含む、当技術分野で周知の方法によって特定することができる。細胞は、原核細胞および真核細胞を含み得る。原核細胞には、細菌が含まれるが、これに限定されない。真核細胞には、酵母細胞ならびに植物および動物由来の細胞、例えば哺乳動物、昆虫(例えばスポドプテラ)およびヒトの細胞が含まれるが、これらに限定されない。細胞は、天然に非接着性であるか、または例えばトリプシン処理によって表面に接着しないように治療されている場合に有用であり得る。
【0064】
「生物学的試料」または「試料」は、対象または患者から得られる、または対象または患者に由来する材料を指す。生体試料はまた、生検試料および検死試料などの組織の切片、ならびに組織学的目的のために採取した凍結切片を含み得る。そのような試料としては、体液、例えば血液および血液の画分または生成物(例えば、血清、血漿、血小板、赤血球など)、痰、組織、培養細胞(例えば、初代培養物、外植片、および形質転換細胞)便、尿、滑液、関節組織、滑膜組織、滑膜細胞、線維芽細胞様滑膜細胞、マクロファージ様滑膜細胞、免疫細胞、造血細胞、線維芽細胞、マクロファージ、T細胞などが挙げられる。生物学的試料は、典型的には、真核生物、例えば哺乳動物、例えば霊長類、例えばチンパンジーまたはヒト、牛、犬、ネコ、げっ歯類、例えば、モルモット、ラット、マウス、ウサギ、または鳥、爬虫類、もしくは魚などから得られる。
【0065】
「免疫応答」などの用語は、通常および通例の意味で、疾患から保護する生物による応答を指す。応答は、当技術分野で周知のように、自然免疫系または適応免疫系によって開始され得る。
【0066】
「免疫応答を調節する」などの用語は、薬剤、例えば、その実施形態を含む本明細書に開示される化合物または組成物の投与の結果としての対象の免疫応答の変化を指す。したがって、免疫応答は、薬剤、例えば、その実施形態を含む本明細書に開示される化合物または組成物の投与の結果として活性化または不活性化され得る。
【0067】
「B細胞」または「Bリンパ球」は、当技術分野におけるそれらの標準的な使用を指す。B細胞は、抗体を産生する形質細胞(「成熟したB細胞」)に発達する白血球(leukocyte)の一種であるリンパ球である。「未成熟のB細胞」は、成熟したB細胞に発達し得る細胞である。一般に、プロB細胞は、免疫グロブリン重鎖再編成を受けてプロBプレB細胞になり、さらに免疫グロブリン軽鎖再編成を受けて未成熟のB細胞になる。未成熟のB細胞には、T1およびT2のB細胞が含まれる。
【0068】
本明細書で使用される「T細胞」または「Tリンパ球」は、細胞性免疫において中心的な役割を果たすリンパ球(白血球のサブタイプ)の一種である。それらは、細胞表面にT細胞受容体が存在することによって、B細胞およびナチュラルキラー細胞などの他のリンパ球と区別することができる。T細胞には、例えば、ナチュラルキラーT(NKT)細胞、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)、制御性T(Treg)細胞、およびTヘルパー細胞が含まれる。異なるタイプのT細胞は、T細胞検出剤の使用によって区別することができる。
【0069】
「メモリーT細胞」は、その同族抗原に以前に遭遇し、以前の感染、がんとの遭遇、または以前のワクチン接種の間にそれに応答したT細胞である。その同族抗原記憶との第2の遭遇時に、T細胞は、免疫系が病原体に最初に応答したときよりも速くて強い免疫応答を開始するように再生(分裂)することができる。
【0070】
「制御性T細胞」または「サプレッサーT細胞」は、免疫系を調節し、自己抗原に対する寛容を維持し、自己免疫疾患を予防するリンパ球である。
【0071】
本明細書で使用される場合、「免疫チェックポイント分子」、「免疫チェックポイントタンパク質」または「チェックポイントタンパク質」という用語は互換的に使用され得、生理学的免疫応答の持続時間および振幅を調節することができる分子を指す。免疫チェックポイント分子は、免疫応答を阻害(減少)し得る。阻害性チェックポイント分子の例としては、PD-1、PD-L1、CTLA-4、アデノシンA2A受容体(A2AR)、B7-H3、B7-H4、BTLA、インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)、キラー免疫グロブリン様受容体(KIR)、LAG3、PD-1、TIM-3、およびT細胞活性化のVドメイン免疫グロブリンサプレッサー(VISTA)タンパク質が挙げられるが、これらに限定されない。あるいは、免疫チェックポイント分子は免疫応答を刺激(増加)し得る。刺激性チェックポイント分子の例には、腫瘍壊死因子(TNF)受容体スーパーファミリーのメンバー(例えば、CD27、CD40、OX40、糖質コルチコイド誘導性TNFRファミリー関連遺伝子(GITR)、およびCD137)、B7-CD28スーパーファミリーのメンバー(例えば、CD28自体および誘導性T細胞共刺激因子(ICOS))が含まれるが、これらに限定されない。
【0072】
同様に、本明細書で提供される「免疫チェックポイント阻害剤」または「チェックポイント阻害剤」は、阻害剤の非存在下でのチェックポイントタンパク質の活性または機能と比較して、チェックポイントタンパク質の活性または機能を阻害すること、または悪影響を及ぼす(例えば、減少する)こと(例えば、チェックポイントタンパク質の発現を低下させる、または活性を低下させること)ができる物質(例えば、抗体またはその断片、小分子)を指す。チェックポイント阻害剤は、少なくとも部分的に、部分的に、または完全に、刺激を遮断し、活性化を減少させ、防止し、もしくは遅らせ、またはシグナル伝達もしくは酵素活性、もしくはチェックポイントタンパク質の量を不活性化し、脱感作し、もしくはダウンレギュレートし得る。「チェックポイント阻害剤」は、例えば、チェックポイントタンパク質の活性を結合、部分的または全体的に遮断、減少、防止、遅延、不活性化、脱感作、またはダウンレギュレーションすることによって、チェックポイントタンパク質を阻害し得る。実施形態では、チェックポイント阻害剤が小分子である。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、抗体である。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、抗体断片である。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、抗体変異体である。したがって、PD-1阻害剤は、PD-1の活性または機能に悪影響を及ぼす(例えば、減少させる)分子である。実施形態では、PD-1阻害剤は、ペンブロリズマブ、ニボルマブ、またはセミプリマブである。PD-L1阻害剤は、PD-L1の活性または機能に悪影響を及ぼす(例えば、減少させる)分子である。実施形態では、PD-L1阻害剤は、アテゾリズマブ、アベルマブ、またはデュルバルマブである。CTLA-4阻害剤は、CTLA-4の活性または機能に悪影響を及ぼす(例えば、減少させる)分子である。実施形態では、CTLA-4阻害剤は、イピリムマブまたはトレメリムマブである。
【0073】
「薬学的に許容される塩」という用語は、本明細書に記載される化合物に見られる特定の置換基に応じて、比較的非毒性の酸または塩基で調製される活性化合物の塩を含むことを意味する。本開示の化合物が比較的酸性の官能基を含有する場合、塩基付加塩は、このような化合物の中性の形態を、ニートまたは適切な不活性溶媒のいずれかで、十分な量の所望の塩基と接触させることによって得ることができる。薬学的に許容される塩基付加塩の例としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミノ、もしくはマグネシウム塩、または同様の塩が挙げられる。本開示の化合物が比較的塩基性の官能基を含有する場合、酸付加塩は、このような化合物の中性の形態を、ニートまたは適切な不活性溶媒のいずれかで、十分な量の所望の酸と接触させることによって得ることができる。薬学的に許容される酸付加塩の例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、一水素炭酸、リン酸、一水素リン酸、二水素リン酸、硫酸、一水素硫酸、ヨウ化水素酸または亜リン酸などの無機酸から誘導されるもの、ならびに酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p-トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、シュウ酸、メタンスルホン酸などの比較的非毒性の有機酸から誘導される塩が挙げられる。アルギネートなどのアミノ酸の塩、およびグルクロン酸またはガラクツロン酸などの有機酸の塩も含まれる(例えば、Berge et al.,’’Pharmaceutical Salts’’,Journal of Pharmaceutical Science,1977,66,1-19を参照されたい)。本開示のある特定の化合物は、化合物を塩基付加塩または酸付加塩のいずれかに変換することを可能にする塩基性官能基および酸性官能基の両方を含有する。
【0074】
塩の形態に加えて、本開示は、プロドラッグの形態である化合物を提供する。本明細書に記載される化合物のプロドラッグは、本開示の化合物を提供するために生理学的条件下で容易に化学変化を受ける化合物である。本明細書に記載される化合物のプロドラッグは、投与後にインビボで変換され得る。さらに、プロドラッグは、例えば、適切な酵素または化学試薬と接触させた場合など、エクスビボの環境における化学的または生化学的な方法によって、本開示の化合物に変換することができる。
【0075】
本開示の特定の化合物は、非溶媒和の形態ならびに水和形態を含む溶媒和の形態で、存在することができる。一般に、溶媒和の形態は、非溶媒和の形態と等価であり、本開示の範囲内に包含される。本開示の特定の化合物は、複数の結晶形態または非晶質形態で存在し得る。一般に、すべての物理的形態は、本開示によって企図される使用と同等であり、本開示の範囲内にあることが意図される。
【0076】
「薬学的に許容される賦形剤」および「薬学的に許容される担体」は、対象への活性薬剤の投与および対象による吸収を補助し、患者に重大な有害毒性作用を引き起こさずに本開示の組成物に含めることができる物質を指す。薬学的に許容される賦形剤の非限定的な例としては、水、NaCl、通常の生理食塩水、乳酸加リンガー液、通常のスクロース、通常のグルコース、結合剤、充填剤、崩壊剤、潤滑剤、コーティング、甘味料、香味剤、塩溶液(リンガー液など)、アルコール、油、ゼラチン、ラクトース、アミロースまたはデンプンなどの炭水化物、脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリジン、および着色剤などが挙げられる。そのような調製物は、滅菌し、必要に応じて、本開示の化合物と有害に反応しない潤滑剤、保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を及ぼすための塩、緩衝剤、着色剤、および/または芳香族物質などの補助剤と混合することができる。当業者は、本開示において他の医薬賦形剤が有用であることを認識するであろう。
【0077】
「調製」という用語は、担体を含むまたは含まない活性化合物の製剤を含むことを意図している。
【0078】
「用量」および「投与量(dosage)」という用語は、本明細書では互換的に使用される。用量は、各投与時に個体に与えられる有効成分の量を指す。用量は、所与の治療のための通常の用量の範囲、投与頻度、個体のサイズおよび耐性、状態の重症度、副作用のリスク、および投与経路を含むいくつかの要因に応じて変化する。当業者は、用量が上記の因子に応じて、または治療の進行に基づいて変更され得ることを認識するであろう。「剤形(dosage form)」という用語は、薬または医薬組成物の特定の形式を指し、投与経路に依存する。例えば、剤形は、噴霧用の液体の形態、例えば錠剤もしくは液体の吸入剤用、例えば経口送達用、または生理食塩水、例えば注射用であり得る。剤形には、小袋、カプセル、チュアブル(chewable)ゲル、顆粒、粉末、錠剤、ウエハーなどが含まれ得る。
【0079】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、指定された値を含む値の範囲を意味し、当業者は指定された値と合理的に同様であると考えるであろう。実施形態では、約は、当技術分野で一般的に許容される測定値を使用して標準偏差内にあることを意味する。実施形態では、約は、指定された値の+/-10%に及ぶ範囲を意味する。実施形態では、約は指定された値を含む。
【0080】
クロストリジウム・ブチリカムは、嫌気性の内生胞子形成グラム陽性酪酸産生菌である。クロストリジウム・ブチリカムは、ヒトおよび動物の消化管に見られ得る。CBMまたはCBM588としても知られているクロストリジウム・ブチリカムMIYAIRI 588は、細菌クロストリジウム・ブチリカムの株である。クロストリジウム・ブチリカムMIYAIRI 588は、免疫調節特性、抗炎症特性、および抗新生物特性を有し得る。クロストリジウム・ブチリカムMIYAIRI 588は腸内微生物叢を回復させることができ、したがって腸内免疫応答を正常化することができる。
【0081】
ビフィドバクテリウム属は、グラム陽性嫌気性細菌の属である。ビフィドバクテリウム属は、ヒトを含む哺乳動物の消化管、膣、および口(B.デンティウム)に存在し得る。ビフィズス菌は、哺乳動物の消化管微生物叢を構成する細菌の主要な属の1つである。実施形態では、ビフィドバクテリウム属の株は、生きた生物学的製剤に含まれ得る。実施形態では、ビフィドバクテリウム属は、単独で、または生きた生物学的製剤として他の細菌と組み合わせて使用される場合、腸の免疫応答を正常化し得る。
【0082】
ドレアは、ラクノスピラ科由来のグラム陽性および非胞子形成細菌属であり、哺乳動物の腸に見出され得て、ヒトの糞便に存在し得る。高レベルのドレアは、自己免疫状態を有する個体において見出され得る。ドレアは、単独で、または生きた生物学的製剤として他の細菌と組み合わせて使用される場合、腸免疫応答を正常化し得る。
【0083】
ブラウティアは、哺乳動物の腸に一般的に見られる腸内微生物属である。ブラウティアは酪酸を産生し、これは身体全体の細胞のプロセスに使用される。酪酸は、過敏性腸症候群(IBS)の治療法として使用することができる。したがって、ブラウティアは、IBSを治療するための標的であり得る。ブラウティアは、抗炎症特性を有し得、病原性細菌に対する腸の環境の忍容性を低下させ得る。実施形態では、ブラウティアは、単独で、または生きた生物学的製剤として他の細菌と組み合わせて使用される場合、腸免疫応答を正常化し得る。
【0084】
アッカーマンシア・ムシニフィラは、ヒト腸ムチン分解細菌の一種である。アッカーマンシア・ムシニフィラは、肥満、糖尿病、および炎症の治療のための標的であり得る。実施形態では、アッカーマンシア・ムシニフィラは、生きた生物学的製剤として、単独で、または他の細菌と組み合わせて使用され得る。
【0085】
本明細書で使用される「生きた生物学的製剤」または「LBP」は、生きている生物を含有し、疾患の予防、治療、または治癒のために使用され得る生物学的製剤を指す。例えば、生きた生物学的製剤は、生きている細菌または酵母を含む微生物を含有し得る。微生物は、天然に存在していても、組換え体であっても、クローン的に選択されてもよい。生きた生物学的製剤を乾燥させ、長期間(例えば1~2年)生存したままにすることができる。実施形態では、生きた生物学的製剤は細菌である。実施形態では、生きた生物学的製剤は、クロストリジウム・ブチリカムMiyairi 588(CBM588)である。実施形態では、生きた生物学的製剤は、クロストリジウム・ブチリカムの別の株、ビフィドバクテリウム属の株、ドレア属の株、ブラウティア属の株、またはアッカーマンシア・ムシニフィラを含むがこれらに限定されない、別の細菌種と組み合わせたCBM588である。実施形態では、生きた生物学的製剤は、クロストリジウム・ブチリカムの1つ以上の他の株、ビフィドバクテリウム属の1つ以上の株、ドレア属の1つ以上の株、ブラウティア属の1つ以上の株、またはアッカーマンシア・ムシニフィラを含むがこれらに限定されない複数の他の細菌種と組み合わせたCBM588である。
【0086】
本明細書で使用される場合、「組換えの生きた生物学的製剤」または「組換えLBP」は、遺伝物質の意図的な追加、削除、または修飾によって遺伝子修飾された微生物を含む生きた生物学的製剤を指す。
【0087】
本明細書で使用される「クロストリジウム・ブチリカムMIYAIRI 588の生きた生物学的製剤」または「CBM588 LBP」という用語は、疾患の予防、治療、または治癒に使用される場合、クロストリジウム・ブチリカムMIYAIRI 588を指す。CBM588は、特請第1142081号明細書(Production of Clostridium butyricum’’,published February 16,1999)にさらに詳細に記載されており、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。CBM588は、受託番号FERM BP-2789(FERM BP-2789)として、産業科学研究所の通産工業局に寄託されていた。実施形態では、CBM588 LBPは、他の抗がん剤(例えば、免疫チェックポイント阻害剤)と共に投与される場合、抗がん剤であり得る。実施形態では、CBM388 LBPは、クロストリジウム・ブチリカムの別の株、ビフィドバクテリウム属の株、ドレア属の株、ブラウティア属の株、またはアッカーマンシア・ムシニフィラを含むがこれらに限定されない別の細菌種と組み合わせて投与される。実施形態では、CBM388 LBPは、クロストリジウム・ブチリカムの1つ以上の他の株、ビフィドバクテリウム属の1つ以上の株、ドレア属の1つ以上の株、ブラウティア属の1つ以上の株、および/またはアッカーマンシア・ムシニフィラを含むがこれらに限定されない複数の他の細菌種と組み合わせて投与される。
方法
【0088】
がんを治療する方法であって、必要とする対象にクロストリジウム・ブチリカムおよび抗がん剤を投与することを含む方法が、本明細書に記載される。科学的理論に束縛されることを望むものではないが、クロストリジウム・ブチリカム(例えば、クロストリジウム・ブチリカムMIYAIRI 588の生きた生物学的製剤(CBM588 LBP))は、消化管の微生物叢の特定の種類の細菌(例えば、ビフィドバクテリウム属)のレベルを調節すると考えられる。実施形態では、特定の種類の細菌のレベルの増加または減少は、抗がん剤(例えば、免疫チェックポイント阻害剤)の治療効果を増強する。したがって、その実施形態を含む本明細書で提供されるクロストリジウム・ブチリカム(例えば、CBM588 LBP)は、抗がん剤の治療効果を高めることが企図される。
【0089】
したがって、態様では、必要とする対象においてがんの治療をする方法であって、治療有効量の抗がん剤およびクロストリジウム・ブチリカムを対象に投与することを含む方法が提供される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、生きた生物学的製剤である。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムの生きた生物学的製剤は、クロストリジウム・ブチリカムMIYAIRI 588の生きた生物学的製剤(CBM588 LBP)である。
【0090】
本明細書で提供される方法では、実施形態において、抗がん剤はチェックポイント阻害剤である。実施形態では、チェックポイント阻害剤がPD-1、PD-L1、またはCTLA-4阻害剤である。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、PD-1阻害剤である。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、PD-L1阻害剤である。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、CTLA-4阻害剤である。実施形態では、チェックポイント阻害剤は、ニボルマブ、イピリムマブ、ペンブロリズマブ、セミプリマブ、デュルバルマブ、ダクリズマブ、アベルマブ、またはアテゾリズマブである。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、ペンブロリズマブである。実施形態では、チェックポイント阻害剤がセミプリマブである。実施形態では、チェックポイント阻害剤は、デュルバルマブである。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、ダクリズマブである。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、アベルマブである。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、アテゾリズマブである。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、ニボルマブである。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、イピリムマブである。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、ニボルマブまたはイピリムマブである。
【0091】
本明細書で提供される方法のため、実施形態において本方法は、第2の抗がん剤を投与することをさらに含む。実施形態において、第2の抗がん剤は、第1の抗がん剤とは異なる。実施形態において、第2の抗がん剤は、第2のチェックポイント阻害剤である。実施形態では、第2のチェックポイント阻害剤がPD-1、PD-L1、またはCTLA-4阻害剤である。実施形態において、第2のチェックポイント阻害剤は、PD-1阻害剤である。実施形態において、第2のチェックポイント阻害剤は、PD-L1阻害剤である。実施形態において、第2のチェックポイント阻害剤は、CTLA-4阻害剤である。実施形態では、第2のチェックポイント阻害剤は、ニボルマブ、イピリムマブ、ペンブロリズマブ、セミプリマブ、デュルバルマブ、ダクリズマブ、アベルマブ、またはアテゾリズマブである。実施形態において、第2のチェックポイント阻害剤は、ペンブロリズマブである。実施形態では、第2のチェックポイント阻害剤がセミプリマブである。実施形態において、第2のチェックポイント阻害剤は、デュルバルマブである。実施形態において、第2のチェックポイント阻害剤は、ダクリズマブである。実施形態において、第2のチェックポイント阻害剤は、アベルマブである。実施形態において、第2のチェックポイント阻害剤は、アテゾリズマブである。実施形態において、第2のチェックポイント阻害剤は、ニボルマブである。実施形態において、第2のチェックポイント阻害剤は、イピリムマブである。実施形態において、第2のチェックポイント阻害剤は、ニボルマブまたはイピリムマブである。
【0092】
実施形態では、本方法は、抗がん剤(例えば、チェックポイント阻害剤)とクロストリジウム・ブチリカムとの併発投与を含み、投与は、別個の剤形または単一の剤形を含む。実施形態では、本方法は、別個の剤形を使用した併発投与を含む。実施形態では、本方法は、単一剤形を使用した併発投与を含む。実施形態では、本方法は、治療有効量の抗がん剤(例えば、チェックポイント阻害剤)およびクロストリジウム・ブチリカムをいずれかの順序で連続投与することを含み、両方の(またはすべての)活性薬剤が同時にそれらの生物学的活性を発揮する期間が存在し得る。このような抗がん剤のための調製物および投薬スケジュールは、製造業者の使用説明書に従って使用され得るか、または長けた実践者によって経験的に決定され得る。したがって、本明細書で提供される方法では、実施形態では、抗がん剤(例えば、チェックポイント阻害剤)およびクロストリジウム・ブチリカムを連続的に投与する。実施形態において、抗がん剤(例えば、チェックポイント阻害剤)およびクロストリジウム・ブチリカムは、同時に投与される。
【0093】
実施形態において、本明細書で提供される方法は、抗がん剤(例えば、チェックポイント阻害剤)およびクロストリジウム・ブチリカムの投与を含み、別の活性薬剤(例えば、別の抗がん剤、生きた生物学的製剤、微生物など)の投与を含まない。実施形態では、本明細書に提供される方法は、第1の抗がん剤(例えば、第1のチェックポイント阻害剤)、第2の抗がん剤(例えば、第2のチェックポイント阻害剤)、およびクロストリジウム・ブチリカムの投与を含み、別の活性薬剤(例えば、別の抗がん剤、生きた生物学的製剤、微生物など)の投与を含まない。
【0094】
別の態様では、必要とする対象のがんを治療する方法であって、有効量の抗がん剤およびクロストリジウム・ブチリカムMIYAIRI 588の生きた生物学的製剤(CBM588 LBP)を対象に投与することを含む方法が提供される。実施形態では、CBM588 LBPは、クロストリジウム・ブチリカムの別の株、ビフィドバクテリウム属の株、ドレア属の株、ブラウティア属の株、またはアッカーマンシア・ムシニフィラの株と組み合わせて投与される。実施形態では、CBM588 LBPは、クロストリジウム・ブチリカムの別の株と共に投与される。実施形態では、CBM588 LBPは、ビフィドバクテリウム属由来の株と共に投与される。実施形態では、CBM588 LBPは、ドレア属由来の株と共に投与される。実施形態では、CBM588 LBPは、ブラウティア属由来の株と共に投与される。実施形態では、CBM588 LBPは、アッカーマンシア・ムシニフィラと共に投与される。実施形態では、CBM388 LBPは、クロストリジウム・ブチリカムの1つ以上の他の株、ビフィドバクテリウム属の1つ以上の株、ドレア属の1つ以上の株、ブラウティア属の1つ以上の株、および/またはアッカーマンシア・ムシニフィラを含むがこれらに限定されない1つ以上の他の細菌種と組み合わせて投与される。
【0095】
その実施形態を含む本明細書で提供される方法は、必要とする対象のがんを治療するのに有効であると考えられる。実施形態において、がんは、転移性腎細胞癌(mRCC)、非小細胞肺がん、黒色腫、肉腫、リンパ腫、乳がん、膀胱がん、子宮頸がん、結腸がん、頭頸部がん、肝臓がん、胃がん、または直腸がんである。実施形態において、がんは、転移性腎細胞癌である。実施形態において、がんは、非小細胞肺がんである。実施形態では、がんは、黒色腫である。実施形態において、がんは、肉腫である。実施形態において、がんは、リンパ腫である。実施形態では、がんは、乳がんである。実施形態では、がんは膀胱がんである。実施形態では、がんは子宮頸がんである。実施形態では、がんは結腸がんである。実施形態において、がんは、頭頸部がんである。実施形態では、がんは、肝臓がんである。実施形態では、がんは胃がんである。実施形態では、がんは直腸がんである。実施形態において、がんは、転移性がんである。実施形態において、がんは、化学療法耐性がんである。
【0096】
本明細書で使用される場合、「耐性」または「耐性がある」という用語は、治療剤、例えば抗がん剤に対するがん細胞またはがんの感受性または意図された応答の欠如を指す。例えば、抗がん剤に対する耐性は、薬剤の抗がん効果(例えば、腫瘍の体積または腫瘍の体積の増加の減少)の喪失を指し得る。実施形態において、耐性は、化学療法剤に対する耐性である。したがって、「化学療法耐性がん」は、化学療法剤に対する感受性または意図された応答を欠くがんである。
【0097】
実施形態において、がんは、がんの再発である。実施形態において、がんの再発は、治療後およびがんが検出されなかった期間の後に検出されるがんを指す。実施形態において、再発がんは、それが始まったのと同じ領域に見出される(例えば、局所再発)。実施形態において、再発がんは、それが始まった身体の異なる領域に見出される(例えば、遠隔再発)。実施形態において、がんは、それが開始した付近のリンパ節(例えば、局部的な再発)に見られる。
【0098】
実施形態において、がんには、DNA複製中に生じるDNAのエラーを修復することができないか、または修復を欠くいずれかの固形腫瘍が含まれる。実施形態において、がんは、ミスマッチ修復不全(MMR)遺伝子を含む。実施形態では、がんがマイクロサテライト不安定性高(MSI-H)がんである。本明細書で使用される場合、「マイクロサテライト不安定性高がん」または「MSI-Hがん」という用語は、マイクロサテライトと呼ばれるDNAの短い反復配列に突然変異を伴うがんを指す。実施形態において、MSI-Hがんは、ミスマッチ修復タンパク質をコードする遺伝子の変異によるミスマッチ修復遺伝子の機能不全に起因する。DNAマイクロサテライトにおける蓄積のために、MSI-H腫瘍は多数のネオアンチゲンを発現し得る。したがって、MSI-H腫瘍は免疫療法に感受性があり得る。MSI-Hがんには、結腸がん、胃がん、子宮内膜がん、卵巣がん、肝胆道がん、尿路がん、脳がん、および皮膚がんが含まれる。実施形態において、MSI-Hがんは子宮内膜がんである。実施形態において、MSI-Hがんは結腸がんである。実施形態において、MSI-Hがんは胃がんである。実施形態において、MSI-Hがんは食道がんである。実施形態において、MSI-Hがんは胃食道接合のがんである。実施形態において、MSI-Hがんは卵巣がんである。実施形態において、MSI-Hがんは尿路がんである。実施形態において、MSI-Hがんは膀胱がんである。実施形態において、MSI-Hがんは腎がんである。実施形態において、MSI-Hがんは肝胆道がんである。実施形態において、MSI-Hがんは脳がんである。実施形態において、MSI-Hがんは皮膚がんである。実施形態において、MSI-Hがんは乳がんである。実施形態において、MSI-Hがんは膵臓がんである。実施形態において、MSI-Hがんは前立腺がんである。実施形態において、MSI-Hがんは後腹膜腺癌である。実施形態において、MSI-Hがんは肉腫である。実施形態において、MSI-Hがんは小細胞肺がんである。実施形態において、MSI-Hがんは小腸がんである。実施形態において、MSI-Hがんは甲状腺がんである。
【0099】
その実施形態を含む本明細書で提供される方法は、腫瘍の体積もしくは腫瘍の体積の増加の減少、またはがんの増殖の阻害もしくは低下の他の徴候を引き起こし得る。実施形態では、本方法は、前記方法の非存在下の対照と比較して、腫瘍の体積もしくは腫瘍の体積の増加またはがん活性の他の徴候を10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%またはそれ以上低下させ得る。実施形態では、本方法は、前記方法の非存在下の対照と比較して、腫瘍の体積もしくは腫瘍の体積の増加またはがん活性の他の徴候を1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍またはそれ未満低下させ得る。実施形態では、本方法は、免疫チェックポイント阻害剤またはクロストリジウム・ブチリカム(例えば、CBM588 LBP)による治療と比較して、腫瘍の体積または腫瘍の体積の増加、またはがん活性の他の徴候を10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%またはそれ以上減少させ得る。実施形態では、本方法は、抗がん剤(例えば、チェックポイント阻害剤)またはクロストリジウム・ブチリカム(例えば、CBM588 LBP)による治療と比較して、腫瘍の体積もしくは腫瘍の体積の増加または他のがん活性の徴候を1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍またはそれ以下減少させることができる。
【0100】
クロストリジウム・ブチリカムは、抗がん剤(例えば、チェックポイント阻害剤)の抗がん効果を増強すると考えられる。例では、抗がん効果は、対象の生存期間の延長、腫瘍の体積の減少、がん細胞の数の減少、またはがん成長の阻害もしくは減少の他の徴候である。例えば、抗がん剤は、抗がん剤を個別に、またクロストリジウム・ブチリカムと別個に使用する場合と比較して、腫瘍の体積またはがん細胞の数の約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%以上の減少をもたらし得る。例えば、抗がん剤は、抗癌剤を個別に、またクロストリジウム・ブチリカムと別個に使用する場合と比較して、対象の生存期間の延長を約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%もたらし得る。
【0101】
実施形態において、抗がん剤は、がんを治療するためにクロストリジウム・ブチリカムの非存在下で使用される場合、治療有効量を下回る投与量で治療が有効である。いくつかの実施形態において、抗がん剤の治療効果量は、クロストリジウム・ブチリカムと別個に使用する場合の抗癌剤の治療有効量の約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99%であり得る。
【0102】
実施形態において、本明細書で提供される方法は、上に記載されているように、治療有効量の抗がん剤(例えば、チェックポイント阻害剤)およびクロストリジウム・ブチリカム(例えば、CBM588 LBP)を対象に投与することを含み、組み合わせは相乗効果を有する。実施形態では、本明細書で提供される方法は、治療有効量の上記の第1の抗がん剤(例えば、第1のチェックポイント阻害剤)、第2の抗がん剤(例えば、第2のチェックポイント阻害剤)およびクロストリジウム・ブチリカムを対象に投与することを含み、組み合わせは相乗効果を有する。実施形態において、相乗効果は、抗がん剤またはクロストリジウム・ブチリカムの個々の投与からの効果を合わせたものを超える。
【0103】
例では、相乗効果はがん細胞死である。がん細胞死は、例えば、腫瘍の体積の減少またはがん細胞の数の減少によって定量化することができる。実施形態では、抗がん剤(例えば、チェックポイント阻害剤)とクロストリジウム・ブチリカムとの相乗効果により、抗がん剤(例えば、チェックポイント阻害剤)とクロストリジウム・ブチリカム(例えば、CBM588 LBP)を個別におよび分離して使用した場合の減少の合計よりも、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%以上の腫瘍の体積またはがん細胞の数の減少をもたらし得る。
【0104】
実施形態において、抗がん剤(例えば、チェックポイント阻害剤)とクロストリジウム・ブチリカムとの相乗効果により、抗がん剤(例えば、チェックポイント阻害剤)とクロストリジウム・ブチリカム(例えば、CBM588 LBP)を個別におよび分離して使用した場合の阻害の合計よりも、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%多大な、免疫チェックポイント分子(例えば、CTLA-4、PD-1、PD-L1など)の1つ以上の活性の阻害がもたらされ得る。
【0105】
場合により、相乗効果は、対象におけるがんの転移の阻害である。実施形態において、抗がん剤(例えば、チェックポイント阻害剤)とクロストリジウム・ブチリカム(例えば、CBM588 LBP)との相乗効果により、抗がん剤(例えば、チェックポイント阻害剤)およびクロストリジウム・ブチリカム(例えば、CBM588 LBP)を個別および別々に使用した場合の阻害の合計よりも、対象におけるがんの転移の0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%多大な阻害をもたらし得る。
【0106】
場合により、相乗効果は、がんを有する対象の生存期間の延長である。実施形態において、抗がん剤(例えば、チェックポイント阻害剤)とクロストリジウム・ブチリカム(例えば、CBM588 LBP)との相乗効果により、抗がん剤(例えば、チェックポイント阻害剤)およびクロストリジウム・ブチリカム(例えば、CBM588 LBP)を個別および別々に使用した場合と比較して、対象における0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%多大な生存期間の延長をもたらし得る。
【0107】
本明細書で使用される「相乗的な量」は、相乗効果(すなわち、相加効果よりも大きな効果)をもたらす第1の量(例えば、抗がん剤の量)と第2の量(例えば、クロストリジウム・ブチリカムの量)との合計を指す。したがって、本明細書で互換的に使用される「synergy(相乗効果)」、「synergism(相乗効果)」、「相乗的(synergistic)」、「組み合わせた相乗的な量」、および「相乗的治療効果」という用語は、組み合わせて投与される化合物の測定された効果を指し、測定された効果は、本明細書で提供される化合物のそれぞれの個々の効果の合計よりも大きく、単剤として単独で投与される。より具体的には、「組み合わせた相乗的な量」は、相乗的な効果(例えば、本明細書に記載される実施形態を含む、がんを治療するためのもの)をもたらすのに有効な第1の薬剤(例えば、抗がん剤(例えば、チェックポイント阻害剤))および第2の薬剤(例えば、クロストリジウム・ブチリカム)を組み合わせた量である。実施形態では、抗がん剤(例えば、チェックポイント阻害剤)およびクロストリジウム・ブチリカムを投与することを含む本明細書の方法は、組み合わせた相乗的な量の抗がん剤(例えば、チェックポイント阻害剤)およびクロストリジウム・ブチリカムを投与することを含む。実施形態では、抗がん剤(例えば、チェックポイント阻害剤)およびクロストリジウム・ブチリカムを含む本明細書の医薬組成物は、組み合わせた相乗的な量の抗がん剤(例えば、チェックポイント阻害剤)およびクロストリジウム・ブチリカム(例えば、CBM588 LBP)を含む。
【0108】
実施形態において、相乗的な量は、クロストリジウム・ブチリカム(例えば、CBM588 LBP)とは別に使用する場合、本明細書において提供する抗がん剤(例えば、第1のチェックポイント阻害剤、第2のチェックポイント阻害剤)の量の約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99%であってよい。
医薬組成物
【0109】
出願人らは、その実施形態を含む本明細書に記載の組成物が、驚くべきことにがんの治療に有用であることを発見した。本明細書に記載されるクロストリジウム・ブチリカムは、抗がん剤(例えば、第1のチェックポイント阻害剤、第2のチェックポイント阻害剤)の治療効果を、抗がん剤と組み合わせて投与された場合、または同時投与された場合に、高めることができる。
【0110】
したがって、態様では、第1の剤形の抗がん剤と、第2の剤形のクロストリジウム・ブチリカムとを含む医薬組成物が提供される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、生きた生物学的製剤である。実施形態で、クロストリジウム・ブチリカムの生きた生物学的製剤は、クロストリジウム・ブチリカムMIYAIRI 588の生きた生物学的製剤(CBM588 LBP)である。
【0111】
本明細書で提供される医薬組成物について、実施形態では、抗がん剤が免疫チェックポイント阻害剤である。免疫チェックポイントタンパク質は免疫応答を阻害または減少させることができ、チェックポイント阻害剤はチェックポイントタンパク質の効果を下方制御または阻害することができる。実施形態では、チェックポイント阻害剤がPD-1、PD-L1、またはCTLA-4阻害剤である。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、PD-1阻害剤である。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、PD-L1阻害剤である。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、CTLA-4阻害剤である。実施形態では、チェックポイント阻害剤は、ニボルマブ、イピリムマブ、ペンブロリズマブ、セミプリマブ、デュルバルマブ、ダクリズマブ、アベルマブ、またはアテゾリズマブである。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、ペンブロリズマブである。実施形態では、チェックポイント阻害剤がセミプリマブである。実施形態では、チェックポイント阻害剤は、デュルバルマブである。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、ダクリズマブである。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、アベルマブである。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、アテゾリズマブである。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、ニボルマブまたはイピリムマブである。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、ニボルマブである。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、イピリムマブである。
【0112】
実施形態では、医薬組成物は、第2の抗がん剤をさらに含む。実施形態において、第2の抗がん剤は、第1の抗がん剤とは異なる。実施形態において、第2の抗がん剤は、第2のチェックポイント阻害剤である。実施形態では、第2のチェックポイント阻害剤がPD-1、PD-L1、またはCTLA-4阻害剤である。実施形態において、第2のチェックポイント阻害剤は、PD-1阻害剤である。実施形態において、第2のチェックポイント阻害剤は、PD-L1阻害剤である。実施形態において、第2のチェックポイント阻害剤は、CTLA-4阻害剤である。実施形態では、第2のチェックポイント阻害剤は、ニボルマブ、イピリムマブ、ペンブロリズマブ、セミプリマブ、デュルバルマブ、ダクリズマブ、アベルマブ、またはアテゾリズマブである。実施形態において、第2のチェックポイント阻害剤は、ペンブロリズマブである。実施形態では、第2のチェックポイント阻害剤がセミプリマブである。実施形態において、第2のチェックポイント阻害剤は、デュルバルマブである。実施形態において、第2のチェックポイント阻害剤は、ダクリズマブである。実施形態において、第2のチェックポイント阻害剤は、アベルマブである。実施形態において、第2のチェックポイント阻害剤は、アテゾリズマブである。実施形態において、第2のチェックポイント阻害剤は、ニボルマブまたはイピリムマブである。実施形態において、第2のチェックポイント阻害剤は、ニボルマブである。実施形態において、第2のチェックポイント阻害剤は、イピリムマブである。
【0113】
実施形態において、本明細書で提供される医薬組成物は、抗がん剤(例えば、チェックポイント阻害剤)およびクロストリジウム・ブチリカムを含み、別の活性薬剤(例えば、別の抗がん剤、生きた生物学的製剤、微生物など)を含まない。実施形態では、本明細書に提供される医薬組成物は、第1の抗がん剤(例えば、第1のチェックポイント阻害剤)、第2の抗がん剤(例えば、第2のチェックポイント阻害剤)、およびクロストリジウム・ブチリカムを含み、別の活性薬剤(例えば、別の抗がん剤、生きた生物学的製剤、微生物など)を含まない。
【0114】
別の態様では、第1の剤形の抗がん剤と、第2の剤形のクロストリジウム・ブチリカムMIYAIRI 588の生きた生物学的製剤(CBM588 LBP)とを含む医薬組成物が提供される。実施形態では、医薬組成物は、クロストリジウム・ブチリカムの別の株、ビフィドバクテリウム属の株、ドレア属の株、ブラウティア属の株、またはアッカーマンシア・ムシニフィラを含む。実施形態では、医薬組成物は、クロストリジウム・ブチリカムの別の株を含む。実施形態では、医薬組成物は、ビフィドバクテリウム属の株を含む。実施形態では、医薬組成物は、ドレア属由来の株を含む。実施形態では、医薬組成物は、ブラウティア属由来の株を含む。実施形態では、医薬組成物は、アッカーマンシア・ムシニフィラを含む。実施形態では、医薬組成物は、クロストリジウム・ブチリカムの1つ以上の他の株、ビフィドバクテリウム属の1つ以上の株、ドレア属の1つ以上の株、ブラウティア属の1つ以上の株、および/またはアッカーマンシア・ムシニフィラを含むがこれらに限定されない別の細菌種の1つ以上のCBM388を含む。
【0115】
実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109コロニー形成単位(CFU)/用量~10×109CFU/用量の効力で投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.5×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約1.0×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約1.5×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約2.0×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約2.5×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約3.0×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約3.5×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約4.0×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約4.5×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約5.0×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約5.5×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約6.0×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約6.5×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約7.0×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約7.5×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約8.0×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約8.5×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約9.0×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約9.5×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で投与される。
【0116】
実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約9.5×109CFU/用量の効力で投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約9.0×109CFU/用量の効力で投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約8.5×109CFU/用量の効力で投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約8.0×109CFU/用量の効力で投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約7.5×109CFU/用量の効力で投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約7.0×109CFU/用量の効力で投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約6.5×109CFU/用量の効力で投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約6.0×109CFU/用量の効力で投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約5.5×109CFU/用量の効力で投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約5.0×109CFU/用量の効力で投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約4.5×109CFU/用量の効力で投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約4.0×109CFU/用量の効力で投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約3.5×109CFU/用量の効力で投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約3.0×109CFU/用量の効力で投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約2.5×109CFU/用量の効力で投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約2.0×109CFU/用量の効力で投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約1.5×109CFU/用量の効力で投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約1.0×109CFU/用量の効力で投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約0.5×109CFU/用量の効力で投与される。
【0117】
実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量、0.5×109CFU/用量、1.5×109CFU/用量、2.0×109CFU/用量、約2.5×109CFU/用量、3.0×109CFU/用量、3.5×109CFU/用量、4.0×109CFU/用量、4.5×109CFU/用量、5.0×109CFU/用量、5.5×109CFU/用量、約6.0×109CFU/用量、6.5×109CFU/用量、7.0×109CFU/用量、7.5×109CFU/用量、8.0×109CFU/用量、8.5×109CFU/用量、9.0×109CFU/用量、9.5×109CFU/用量、または10×109CFU/用量の効力で投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約2.5×109CFU/用量の効力で投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、2.5×109CFU/用量の効力で投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約5.0×109CFU/用量の効力で投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、5.0×109CFU/用量の効力で投与される。クロストリジウム・ブチリカムの効力は、評価項目を含む列挙された範囲の任意の値もしくは部分的範囲、または列挙された値のいずれかの間の任意の範囲内であり得る。
【0118】
本明細書で提供されるクロストリジウム・ブチリカムの投与量について、実施形態では、投与量が投与に対して分割され得る。実施形態では、投与量は、投与のために約1/2、約1/3、約1/4、約1/5、または約1/6で分割され得る。実施形態において、投与量は、約1/2で分割され得る。実施形態において、投与量は、約1/3で分割され得る。実施形態において、投与量は、約1/4で分割され得る。実施形態において、投与量は、約1/5で分割され得る。実施形態において、投与量は、約1/6で分割され得る。
【0119】
実施形態では、各投与量は、約20mg~約1020mgの活性医薬成分(API)を含む。実施形態では、各投与量は約120mg~約1020mgのAPIを含む。実施形態では、各投与量は約220mg~約1020mgのAPIを含む。実施形態では、各投与量は約320mg~約1020mgのAPIを含む。実施形態では、各投与量は約420mg~約1020mgのAPIを含む。実施形態では、各投与量は約520mg~約1020mgのAPIを含む。実施形態では、各投与量は約620mg~約1020mgのAPIを含む。実施形態では、各投与量は約720mg~約1020mgのAPIを含む。実施形態では、各投与量は約820mg~約1020mgのAPIを含む。実施形態では、各投与量は約920mg~約1020mgのAPIを含む。
【0120】
実施形態では、各投与量は、約20mg~約920mgの活性医薬成分(API)を含む。実施形態では、各投与量は約20mg~約820mgのAPIを含む。実施形態では、各投与量は約20mg~約720mgのAPIを含む。実施形態では、各投与量は約20mg~約620mgのAPIを含む。実施形態では、各投与量は約20mg~約520mgのAPIを含む。実施形態では、各投与量は約20mg~約420mgのAPIを含む。実施形態では、各投与量は約20mg~約320mgのAPIを含む。実施形態では、各投与量は約20mg~約220mgのAPIを含む。実施形態では、各投与量は約20mg~約120mgのAPIを含む。
【0121】
実施形態では、各投与量は、約20mgのAPI、120mgのAPI、220mgのAPI、320mgのAPI、420mgのAPI、520mgのAPI、620mgのAPI、720mgのAPI、820mgのAPI、920mgのAPI、または1020mgのAPIを含む。実施形態では、各投与量は約320mgのAPIを含む。実施形態では、各投与量は320mgのAPIを含む。APIは、評価項目を含む列挙された範囲の任意の値もしくは部分的範囲、または列挙された値のいずれかの間の任意の範囲内であり得る。
【0122】
本明細書で提供されるクロストリジウム・ブチリカムの投与量について、実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約1週間~約100週間投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約10週間~約100週間投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約20週間~約100週間投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約30週間~約100週間投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約40週間~約100週間投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約50週間~約100週間投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約60週間~約100週間投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約70週間~約100週間投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約80週間~約100週間投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約90週間~約100週間投与され得る。
【0123】
実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約1週間~約90週間投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約1週間~約80週間投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約1週間~約70週間投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約1週間~約60週間投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約1週間~約50週間投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約1週間~約40週間投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約1週間~約30週間投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約1週間~約20週間投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約1週間~約10週間投与され得る。
【0124】
実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約1週間、10週間、20週間、30週間、40週間、50週間、60週間、70週間、80週間、90週間、または100週間投与され得る。クロストリジウム・ブチリカムの投与の時間の範囲は、評価項目を含む列挙された範囲の任意の値もしくは部分的範囲、または列挙された値のいずれかの間の任意の範囲内であり得る。
【0125】
本明細書で提供されるクロストリジウム・ブチリカムの投与量について、実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約1週間~約100週間に1日1回投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約10週間~約100週間に1日1回投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約20週間~約100週間に1日1回投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約30週間~約100週間に1日1回投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約40週間~約100週間に1日1回投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約50週間~約100週間に1日1回投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約60週間~約100週間に1日1回投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約70週間~約100週間に1日1回投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約80週間~約100週間に1日1回投与され得る。
【0126】
実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約1週間~約90週間に1日1回投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約1週間~約80週間に1日1回投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約1週間~約70週間に1日1回投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約1週間~約60週間に1日1回投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約1週間~約50週間に1日1回投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約1週間~約40週間にわたって1日1回投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約1週間~約30週間にわたって1日1回投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約1週間~約20週間にわたって1日1回投与され得る。
【0127】
実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約1週間、約10週間、約20週間、約30週間、約40週間、約50週間、約60週間、約70週間、約80週間、約90週間、または約100週間に1日1回投与され得る。クロストリジウム・ブチリカムの投与の時点は、評価項目を含む列挙された範囲の任意の値もしくは部分的範囲、または列挙された値のいずれかの間の任意の範囲内であり得る。
【0128】
本明細書で提供されるクロストリジウム・ブチリカムの投与量について、実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約1週間~約100週間に1日2回投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約10週間~約100週間に1日2回投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約20週間~約100週間に1日2回投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約30週間~約100週間に1日2回投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約40週間~約100週間に1日2回投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約50週間~約100週間に1日2回投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約60週間~約100週間に1日2回投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約70週間~約100週間に1日2回投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約80週間~約100週間に1日2回投与され得る。
【0129】
実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約1週間~約90週間に1日2回投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約1週間~約80週間に1日2回投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約1週間~約70週間に1日2回投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約1週間~約60週間に1日2回投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約1週間~約50週間に1日2回投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約1週間~約40週間に1日2回投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約1週間~約30週間に1日2回投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約1週間~約20週間に1日2回投与され得る。
【0130】
実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約1週間、約10週間、約20週間、約30週間、約40週間、約50週間、約60週間、約70週間、約80週間、約90週間、または約100週間に1日2回投与され得る。クロストリジウム・ブチリカムの投与の時点は、評価項目を含んだ列挙された範囲の任意の値もしくは部分的範囲、または列挙された値のいずれかの間の任意の範囲内であり得る。
【0131】
本明細書で提供されるクロストリジウム・ブチリカムの投与量について、実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約1週間~約100週間に1日3回投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約10週間~約100週間に1日3回投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約20週間~約100週間に1日3回投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約30週間~約100週間に1日3回投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約40週間~約100週間に1日3回投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約50週間~約100週間に1日3回投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約60週間~約100週間に1日3回投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約70週間~約100週間に1日3回投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約80週間~約100週間に1日3回投与され得る。
【0132】
実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約1週間~約90週間に1日3回投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約1週間~約80週間に1日3回投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約1週間~約70週間に1日3回投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約1週間~約60週間に1日3回投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約1週間~約50週間に1日3回投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約1週間~約40週間に1日3回投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約1週間~約30週間に1日3回投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約1週間~約20週間に1日3回投与され得る。
【0133】
実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約1週間、約10週間、約20週間、約30週間、約40週間、約50週間、約60週間、約70週間、約80週間、約90週間、または約100週間に1日3回投与され得る。クロストリジウム・ブチリカムの投与の時点は、評価項目を含んだ列挙された範囲の任意の値もしくは部分的範囲、または列挙された値のいずれかの間の任意の範囲内であり得る。
【0134】
実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日1回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.5×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日1回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約1.0×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日1回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約1.5×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日1回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約2.0×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日1回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約2.5×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日1回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約3.0×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日1回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約3.5×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日1回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約4.0×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日1回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約4.5×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日1回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約5.0×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日1回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約5.5×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日1回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約6.0×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日1回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約6.5×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日1回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約7.0×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日1回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約7.5×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日1回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約8.0×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日1回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約8.5×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日1回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約9.0×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日1回投与される。
【0135】
実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約9.5×109CFU/用量の効力で1日1回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約9.0×109CFU/用量の効力で1日1回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約8.5×109CFU/用量の効力で1日1回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約8.0×109CFU/用量の効力で1日1回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約7.5×109CFU/用量の効力で1日1回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約7.0×109CFU/用量の効力で1日1回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約6.5×109CFU/用量の効力で1日1回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約6.0×109CFU/用量の効力で1日1回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約5.5×109CFU/用量の効力で1日1回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約5.0×109CFU/用量の効力で1日1回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約4.5×109CFU/用量の効力で1日1回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約4.0×109CFU/用量の効力で1日1回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約3.5×109CFU/用量の効力で1日1回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約3.0×109CFU/用量の効力で1日1回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約2.5×109CFU/用量の効力で1日1回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約2.0×109CFU/用量の効力で1日1回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約1.5×109CFU/用量の効力で1日1回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約1.0×109CFU/用量の効力で1日1回投与される。
【0136】
実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量、0.5×109CFU/用量、1.5×109CFU/用量、2.0×109CFU/用量、2.5×109CFU/用量、3.0×109CFU/用量、3.5×109CFU/用量、4.0×109CFU/用量、4.5×109CFU/用量、5.0×109CFU/用量、5.5×109CFU/用量、6.0×109CFU/用量、6.5×109CFU/用量、7.0×109CFU/用量、7.5×109CFU/用量、8.0×109CFU/用量、8.5×109CFU/用量、9.0×109CFU/用量、9.5×109CFU/用量、または10×109CFU/用量の効力で1日1回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約2.5×109CFU/用量の効力で1日1回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、2.5×109CFU/用量の効力で1日1回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約5.0×109CFU/用量の効力で1日1回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、5.0×109CFU/用量の効力で1日1回投与される。CBM588 LBPの効力は、評価項目を含む列挙された範囲の任意の値もしくは部分的範囲、または列挙された値のいずれかの間の任意の範囲内であり得る。
【0137】
実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日2回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.5×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日2回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約1.0×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日2回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約1.5×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日2回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約2.0×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日2回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約2.5×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日2回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約3.0×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日2回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約3.5×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日2回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約4.0×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日2回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約4.5×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日2回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約5.0×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日2回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約5.5×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日2回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約6.0×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日2回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約6.5×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日2回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約7.0×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日2回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約7.5×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日2回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約8.0×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日2回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約8.5×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日2回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約9.0×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日2回投与される。
【0138】
実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約9.5×109CFU/用量の効力で1日2回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約9.0×109CFU/用量の効力で1日2回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約8.5×109CFU/用量の効力で1日2回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約8.0×109CFU/用量の効力で1日2回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約7.5×109CFU/用量の効力で1日2回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約7.0×109CFU/用量の効力で1日2回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約6.5×109CFU/用量の効力で1日2回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約6.0×109CFU/用量の効力で1日2回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約5.5×109CFU/用量の効力で1日2回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約5.0×109CFU/用量の効力で1日2回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約4.5×109CFU/用量の効力で1日2回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約4.0×109CFU/用量の効力で1日2回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約3.5×109CFU/用量の効力で1日2回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約3.0×109CFU/用量の効力で1日2回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約2.5×109CFU/用量の効力で1日2回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約2.0×109CFU/用量の効力で1日2回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約1.5×109CFU/用量の効力で1日2回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約1.0×109CFU/用量の効力で1日2回投与される。
【0139】
実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量、0.5×109CFU/用量、1.5×109CFU/用量、2.0×109CFU/用量、2.5×109CFU/用量、3.0×109CFU/用量、3.5×109CFU/用量、4.0×109CFU/用量、4.5×109CFU/用量、5.0×109CFU/用量、5.5×109CFU/用量、6.0×109CFU/用量、6.5×109CFU/用量、7.0×109CFU/用量、7.5×109CFU/用量、8.0×109CFU/用量、8.5×109CFU/用量、9.0×109CFU/用量、9.5×109CFU/用量、または約10×109CFU/用量の効力で1日2回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約2.5×109CFU/用量の効力で1日2回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、2.5×109CFU/用量の効力で1日2回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約5.0×109CFU/用量の効力で1日2回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、5.0×109CFU/用量の効力で1日2回投与される。クロストリジウム・ブチリカムの効力は、評価項目を含む列挙された範囲の任意の値もしくは部分的範囲、または列挙された値のいずれかの間の任意の範囲内であり得る。
【0140】
実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日3回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.5×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日3回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約1.0×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日3回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約1.5×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日3回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約2.0×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日3回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約2.5×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日3回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約3.0×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日3回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約3.5×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日3回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約4.0×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日3回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約4.5×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日3回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約5.0×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日3回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約5.5×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日3回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約6.0×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日3回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約6.5×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日3回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約7.0×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日3回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約7.5×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日3回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約8.0×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日3回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約8.5×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日3回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約9.0×109CFU/用量~約10×109CFU/用量の効力で1日3回投与される。
【0141】
実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約9.5×109CFU/用量の効力で1日3回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約9.0×109CFU/用量の効力で1日3回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約8.5×109CFU/用量の効力で1日3回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約8.0×109CFU/用量の効力で1日3回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約7.5×109CFU/用量の効力で1日3回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約7.0×109CFU/用量の効力で1日3回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約6.5×109CFU/用量の効力で1日3回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約6.0×109CFU/用量の効力で1日3回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約5.5×109CFU/用量の効力で1日3回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約5.0×109CFU/用量の効力で1日3回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約4.5×109CFU/用量の効力で1日3回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約4.0×109CFU/用量の効力で1日3回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約3.5×109CFU/用量の効力で1日3回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約3.0×109CFU/用量の効力で1日3回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約2.5×109CFU/用量の効力で1日3回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約2.0×109CFU/用量の効力で1日3回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約1.5×109CFU/用量の効力で1日3回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量~約1.0×109CFU/用量の効力で1日3回投与される。
【0142】
実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約0.1×109CFU/用量、0.5×109CFU/用量、1.5×109CFU/用量、2.0×109CFU/用量、2.5×109CFU/用量、3.0×109CFU/用量、3.5×109CFU/用量、4.0×109CFU/用量、4.5×109CFU/用量、5.0×109CFU/用量、5.5×109CFU/用量、6.0×109CFU/用量、6.5×109CFU/用量、7.0×109CFU/用量、7.5×109CFU/用量、8.0×109CFU/用量、8.5×109CFU/用量、9.0×109CFU/用量、9.5×109CFU/用量、または約10×109CFU/用量の効力で1日3回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約2.5×109CFU/用量の効力で1日3回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、2.5×109CFU/用量の効力で1日3回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約5.0×109CFU/用量の効力で1日3回投与される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、5.0×109CFU/用量の効力で1日3回投与される。CBM588 LBPの効力は、評価項目を含む列挙された範囲の任意の値もしくは部分的範囲、または列挙された値のいずれかの間の任意の範囲内であり得る。
【0143】
実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、約5×109CFU/用量で投与され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、5×109CFU/用量で投与され得る。実施形態では、5×109CFU/用量のCBM588 LBPを1日2回投与することができる。
【0144】
実施形態では、イピリムマブは、約0.25mg/kg~約5mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、イピリムマブは、約0.5mg/kg~約5mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、イピリムマブは、約0.75mg/kg~約5mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、イピリムマブは、約1mg/kg~約5mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、イピリムマブは、約1.25mg/kg~約5mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、イピリムマブは、約1.5mg/kg~約5mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、イピリムマブは、約1.75mg/kg~約5mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、イピリムマブは、約2mg/kg~約5mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、イピリムマブは、約2.25mg/kg~約5mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、イピリムマブは、約2.5mg/kg~約5mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、イピリムマブは、約2.75mg/kg~約5mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、イピリムマブは、約3.0mg/kg~約5mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、イピリムマブは、約3.25mg/kg~約5mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、イピリムマブは、約3.75mg/kg~約5mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、イピリムマブは、約4mg/kg~約5mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、イピリムマブは、約4.25mg/kg~約5mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、イピリムマブは、約4.5mg/kg~約5mg/kgの用量で投与され得る。
【0145】
実施形態では、イピリムマブは、約0.25mg/kg~約4.5mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、イピリムマブは、約0.25mg/kg~約4.25mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、イピリムマブは、約0.25mg/kg~約4mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、イピリムマブは、約0.25mg/kg~約3.75mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、イピリムマブは、約0.25mg/kg~約3.25mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、イピリムマブは、約0.25mg/kg~約3mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、イピリムマブは、約0.25mg/kg~約2.75mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、イピリムマブは、約0.25mg/kg~約2.5mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、イピリムマブは、約0.25mg/kg~約2.25mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、イピリムマブは、約0.25mg/kg~約2mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、イピリムマブは、約0.25mg/kg~約1.75mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、イピリムマブは、約0.25mg/kg~約1.5mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、イピリムマブは、約0.25mg/kg~約1.25mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、イピリムマブは、約0.25mg/kg~約1mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、イピリムマブは、約0.25mg/kg~約0.75mg/kgの用量で投与され得る。
【0146】
実施形態では、イピリムマブは、0.25mg/kg、0.5mg/kg、0.75mg/kg、1mg/kg、1.25mg/kg、1.5mg/kg、1.75mg/kg、2mg/kg、2.25mg/kg、2.5mg/kg、2.75mg/kg、3mg/kg、4.25mg/kg、4.5mg/kg、4.75mg/kg、または5mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、イピリムマブは、約1mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、イピリムマブは、1mg/kgの用量で投与され得る。イピリムマブの投与量は、評価項目を含む列挙された範囲の任意の値もしくは部分的範囲、または列挙された値のいずれかの間の任意の範囲内であり得る。
【0147】
実施形態では、ニボルマブは、約0.5mg/kg~約6mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、ニボルマブは、約1mg/kg~約6mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、ニボルマブは、約1.5mg/kg~約6mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、ニボルマブは、約2mg/kg~約6mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、ニボルマブは、約2.5mg/kg~約6mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、ニボルマブは、約3mg/kg~約6mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、ニボルマブは、約3.5mg/kg~約6mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、ニボルマブは、約4mg/kg~約6mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、ニボルマブは、約4.5mg/kg~約6mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、ニボルマブは、約5mg/kg~約6mg/kgの用量で投与され得る。
【0148】
実施形態では、ニボルマブは、約0.5mg/kg~約5.5mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、ニボルマブは、約0.5mg/kg~約4.5mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、ニボルマブは、約0.5mg/kg~約4mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、ニボルマブは、約0.5mg/kg~約3.5mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、ニボルマブは、約0.5mg/kg~約3mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、ニボルマブは、約0.5mg/kg~約2.5mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、ニボルマブは、約0.5mg/kg~約2mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、ニボルマブは、約0.5mg/kg~約1.5mg/kgの用量で投与され得る。
【0149】
実施形態では、ニボルマブは、約0.5mg/kg、約1mg/kg、約1.5mg/kg、約2mg/kg、約2.5mg/kg、約3mg/kg、約3.5mg/kg、約4mg/kg、約4.5mg/kg、約5mg/kg、約5.5mg/kg、または約6mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、ニボルマブは、約3mg/kgの用量で投与され得る。ニボルマブの投与量は、評価項目を含む列挙された範囲の任意の値もしくは部分的範囲、または列挙された値のいずれかの間の任意の範囲内であり得る。
【0150】
実施形態では、ニボルマブは、3週間に1回投与されてもよく、3週間は「サイクル」と呼ばれる。ニボルマブは、約1サイクル~約10サイクル投与され得る。ニボルマブは、約1サイクル、約2サイクル、約3サイクル、約4サイクル、約5サイクル、約6サイクル、約7サイクル、約8サイクル、約9サイクル、または約10サイクル投与され得る。
【0151】
実施形態では、イピリムマブは、3週間に1回投与されてもよく、3週間は「サイクル」と呼ばれる。イピリムマブは、約1サイクル~約10サイクル投与され得る。イピリムマブは、約1サイクル、約2サイクル、約3サイクル、約4サイクル、約5サイクル、約6サイクル、約7サイクル、約8サイクル、約9サイクル、または約10サイクル投与され得る。
【0152】
その実施形態を含む本明細書で提供される医薬組成物について、抗がん剤は、通常は治療量以下と考えられるが、クロストリジウム・ブチリカムと組み合わせて使用されると治療有効量である量で使用され得る。実施形態において、抗がん剤は、1つ以上のチェックポイント阻害剤である。したがって、実施形態では、チェックポイント阻害剤は、通常は治療量以下と考えられるが、クロストリジウム・ブチリカムと組み合わせて使用される治療有効量である量で使用され得る。実施形態では、チェックポイント阻害剤は、ニボルマブ、イピリムマブ、ペンブロリズマブ、セミプリマブ、デュルバルマブ、ダクリズマブ、アベルマブ、またはアテゾリズマブである。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、ペンブロリズマブである。実施形態では、チェックポイント阻害剤がセミプリマブである。実施形態では、チェックポイント阻害剤は、デュルバルマブである。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、ダクリズマブである。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、アベルマブである。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、アテゾリズマブである。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、ニボルマブまたはイピリムマブである。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、ニボルマブである。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、イピリムマブである。実施形態では、チェックポイント阻害剤は、ニボルマブ、イピリムマブ、ペンブロリズマブ、タリモジェン・ラヘルパレプベク、デュルバルマブ、ダクリズマブ、アベルマブ、またはアテゾリズマブの1つ以上の組み合わせである。
【0153】
実施形態では、イピリムマブは、通常は治療量以下と考えられるが、クロストリジウム・ブチリカムと組み合わせて使用される治療有効量である量で使用され得る。実施形態では、ニボルマブは、通常は治療量以下と考えられるが、クロストリジウム・ブチリカムと組み合わせて使用される治療有効量である量で使用され得る。実施形態では、ニボルマブおよびイピリムマブは、通常は治療量以下と考えられるが、CBM588 LBPと組み合わせて使用される治療有効量である量で使用され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムと組み合わせて使用される場合、ニボルマブは、典型的には治療量以下であると考えられる量で治療上有効である。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムと組み合わせて使用される場合、イピリムマブは、典型的には治療量以下であると考えられる量で治療上有効である。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムと組み合わせて使用される場合、ニボルマブとイピリムマブは、典型的には治療量以下であると考えられる量で治療上有効である。
【0154】
実施形態では、ペンブロリズマブは、通常は治療量以下と考えられるが、クロストリジウム・ブチリカムと組み合わせて使用される治療有効量である量で使用され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムと組み合わせて使用される場合、ペンブロリズマブは、典型的には治療量以下であると考えられる量で治療上有効である。実施形態では、セミプリマブは、通常は治療量以下と考えられるが、クロストリジウム・ブチリカムと組み合わせて使用される治療有効量である量で使用され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムと組み合わせて使用される場合、セミプリマブは、典型的には治療量以下であると考えられる量で治療上有効である。実施形態では、デュルバルマブは、通常は治療量以下と考えられるが、クロストリジウム・ブチリカムと組み合わせて使用される治療有効量である量で使用され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムと組み合わせて使用される場合、デュルバルマブは、典型的には治療量以下であると考えられる量で治療上有効である。実施形態では、ダクリズマブは、通常は治療量以下と考えられるが、クロストリジウム・ブチリカムと組み合わせて使用される治療有効量である量で使用され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムと組み合わせて使用される場合、ダクリズマブは、典型的には治療量以下であると考えられる量で治療上有効である。実施形態では、アベルマブは、通常は治療量以下と考えられるが、クロストリジウム・ブチリカムと組み合わせて使用される治療有効量である量で使用され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムと組み合わせて使用される場合、アベルマブは、典型的には治療量以下であると考えられる量で治療上有効である。実施形態では、アテゾリズマブは、通常は治療量以下と考えられるが、クロストリジウム・ブチリカムと組み合わせて使用される治療有効量である量で使用され得る。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムと組み合わせて使用される場合、アテゾリズマブは、典型的には治療量以下であると考えられる量で治療上有効である。
【0155】
実施形態では、イピリムマブは、通常は治療量以下と考えられるが、クロストリジウム・ブチリカムと組み合わせて使用される治療有効量である量で使用され得る。実施形態において、クロストリジウム・ブチリカムとは別に使用する場合、量は、イピリムマブの約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99%の量であってもよい。実施形態では、イピリムマブの治療有効量は、約0.1mg/kg~約2.2mg/kgであり得る。
【0156】
したがって、実施形態において、イピリムマブは、約0.1mg/kg~約2.2mg/kgの用量で投与されてもよい。実施形態では、イピリムマブは、約0.4mg/kg~約2.2mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、イピリムマブは、約0.7mg/kg~約2.2mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、イピリムマブは、約1mg/kg~約2.2mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、イピリムマブは、約1.3mg/kg~約2.2mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、イピリムマブは、約1.6mg/kg~約2.2mg/kgの用量で投与され得る。
【0157】
実施形態では、イピリムマブは、約0.1mg/kg~約1.9mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、イピリムマブは、約0.1mg/kg~約1.6mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、イピリムマブは、約0.1mg/kg~約1.3mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、イピリムマブは、約0.1mg/kg~約1mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、イピリムマブは、約0.1mg/kg~約0.7mg/kgの用量で投与され得る。
【0158】
実施形態では、イピリムマブは、約0.1mg/kg、0.4mg/kg、0.7mg/kg、1mg/kg、1.3mg/kg、1.6mg/kg、1.9mg/kg、または2.2mg/kgの用量で投与され得る。イピリムマブの投与量は、評価項目を含む列挙された範囲の任意の値もしくは部分的範囲、または列挙された値のいずれかの間の任意の範囲内であり得る。
【0159】
実施形態では、ニボルマブは、通常は治療量以下と考えられるが、クロストリジウム・ブチリカムと組み合わせて使用される治療有効量である量で使用され得る。実施形態において、クロストリジウム・ブチリカムとは別に使用する場合、量は、ニボルマブの約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99%の量であってもよい。したがって、ニボルマブの治療有効量は、約0.2mg/kg~約2mg/kgであり得る。
【0160】
したがって、実施形態において、ニボルマブは、約0.2mg/kg~約2mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、ニボルマブは、約0.4mg/kg~約2mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、ニボルマブは、約0.6mg/kg~約2mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、ニボルマブは、約0.8mg/kg~約2mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、ニボルマブは、約1mg/kg~約2mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、ニボルマブは、約1.2mg/kg~約2mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、ニボルマブは、約1.4mg/kg~約2mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、ニボルマブは、約1.6mg/kg~約2mg/kgの用量で投与され得る。
【0161】
実施形態では、ニボルマブは、約0.2mg/kg~約1.8mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、ニボルマブは、約0.2mg/kg~約1.6mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、ニボルマブは、約0.2mg/kg~約1.4mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、ニボルマブは、約0.2mg/kg~約1.2mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、ニボルマブは、約0.2mg/kg~約1mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、ニボルマブは、約0.2mg/kg~約0.8mg/kgの用量で投与され得る。実施形態では、ニボルマブは、約0.2mg/kg~約0.6mg/kgの用量で投与され得る。
【0162】
実施形態では、ニボルマブは、約0.2mg/kg、0.4mg/kg、0.8mg/kg、1mg/kg、1.2mg/kg、1.4mg/kg、1.6mg/kg、1.8mg/kg、または2mg/kgの用量で投与され得る。ニボルマブの投与量は、評価項目を含む列挙された範囲の任意の値もしくは部分的範囲、または列挙された値のいずれかの間の任意の範囲内であり得る。
キット
【0163】
その実施形態を含む本明細書で提供される医薬組成物は、がんを治療するためのキットに包装されてもよい。したがって、態様では、(a)適切な容器内または適切な包装で第1の剤形の抗がん剤および薬学的に許容される賦形剤を含む第1の医薬組成物、ならびに(b)適切な容器内または適切な包装で第2の剤形のクロストリジウム・ブチリカムを含む第2の医薬組成物、を含むキットが提供される。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムは、生きた生物学的製剤である。実施形態では、クロストリジウム・ブチリカムの生きた生物学的製剤は、クロストリジウム・ブチリカムMIYAIRI 588の生きた生物学的製剤(CBM588 LBP)である。本明細書で使用される場合、「剤形」という用語は、所定の用量の薬剤(例えば、抗がん剤、クロストリジウム・ブチリカム)を含む製剤を指す。剤形の薬剤(例えば、抗がん剤、クロストリジウム・ブチリカム)は、それが処方される疾患を治療するのに有効な量で存在する。実施形態では、キットは使用説明書を含む。実施形態では、キットは、(a)第1の剤形と第2の剤形、および(b)がんの治療、予防、進行の減速、または発生および/もしくは発症の遅延、またはがんの再発において使用するための説明書を含む。
【0164】
実施形態において、抗がん剤は、チェックポイント阻害剤である。実施形態では、チェックポイント阻害剤がPD-1、PD-L1、またはCTLA-4阻害剤である。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、PD-1阻害剤である。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、PD-L1阻害剤である。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、CTLA-4阻害剤である。実施形態では、チェックポイント阻害剤は、ニボルマブ、イピリムマブ、ペンブロリズマブ、セミプリマブ、デュルバルマブ、ダクリズマブ、アベルマブ、またはアテゾリズマブである。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、ペンブロリズマブである。実施形態では、チェックポイント阻害剤がセミプリマブである。実施形態では、チェックポイント阻害剤は、デュルバルマブである。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、ダクリズマブである。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、アベルマブである。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、アテゾリズマブである。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、ニボルマブである。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、イピリムマブである。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、ニボルマブまたはイピリムマブである。
【0165】
実施形態では、キットは、(c)適切な容器内または適切な包装で、第2の抗がん剤および薬学的に許容される賦形剤を含む第3の医薬組成物をさらに含む。実施形態において、第2の抗がん剤は、第2のチェックポイント阻害剤である。実施形態では、第2のチェックポイント阻害剤がPD-1、PD-L1、またはCTLA-4阻害剤である。実施形態において、第2のチェックポイント阻害剤は、PD-1阻害剤である。実施形態において、第2のチェックポイント阻害剤は、PD-L1阻害剤である。実施形態において、第2のチェックポイント阻害剤は、CTLA-4阻害剤である。実施形態では、第2のチェックポイント阻害剤は、ニボルマブ、イピリムマブ、ペンブロリズマブ、セミプリマブ、デュルバルマブ、ダクリズマブ、アベルマブ、またはアテゾリズマブである。実施形態において、第2のチェックポイント阻害剤は、ペンブロリズマブである。実施形態では、第2のチェックポイント阻害剤がセミプリマブである。実施形態において、第2のチェックポイント阻害剤は、デュルバルマブである。実施形態において、第2のチェックポイント阻害剤は、ダクリズマブである。実施形態において、第2のチェックポイント阻害剤は、アベルマブである。実施形態において、第2のチェックポイント阻害剤は、アテゾリズマブである。実施形態において、第2のチェックポイント阻害剤は、ニボルマブまたはイピリムマブである。実施形態において、第2のチェックポイント阻害剤は、ニボルマブである。実施形態において、第2のチェックポイント阻害剤は、イピリムマブである。
【0166】
したがって、態様では、(a)適切な容器内または適切な包装で第1の剤形の抗がん剤および薬学的に許容される賦形剤を含む第1の医薬組成物、ならびに(b)適切な容器内または適切な包装で第2の剤形のクロストリジウム・ブチリカムMIYAIRI 588の生きた生物学的製剤(CBM588 LBP)調製物を含む第2の医薬組成物、を含むキットが提供される。実施形態では、CBM588 LBPは、クロストリジウム・ブチリカムの別の株、ビフィドバクテリウム属の株、ドレア属の株、ブラウティア属の株、またはアッカーマンシア・ムシニフィラの株と組み合わせたCBM588である。実施形態では、CBM588 LBPは、クロストリジウム・ブチリカム)の別の株を含むCBM588である。実施形態では、CBM588 LBPは、ビフィドバクテリウム属の株を含むCBM588である。実施形態では、CBM588 LBPは、ドレア属の株を含むCBM588である。実施形態では、CBM588 LBPは、ブラウティア属の株を含むCBM588である。実施形態では、CBM588 LBPは、アッカーマンシア・ムシニフィラを含むCBM588である。実施形態では、CBM388 LBPは、クロストリジウム・ブチリカムの1つ以上の他の株、ビフィドバクテリウム属の1つ以上の株、ドレア属の1つ以上の株、ブラウティア属の1つ以上の株、および/またはアッカーマンシア・ムシニフィラを含むがこれらに限定されない1つ以上の他の細菌種と、CBM388との組み合わせである。
P実施形態
【0167】
P実施形態1.必要とする対象のがんを治療する方法であって、有効量の抗がん剤およびクロストリジウム・ブチリカムMIYAIRI 588の生きた生物学的製剤(CBM588 LBP)を対象に投与することを含む、方法。
【0168】
P実施形態2.抗がん剤がチェックポイント阻害剤である、P実施形態1に記載の方法。
【0169】
P実施形態3.チェックポイント阻害剤がPD-1、PDL-1またはCTLA-4阻害剤である、P実施形態2に記載の方法。
【0170】
P実施形態4.前記チェックポイント阻害剤が、ニボルマブ、イピリムマブ、ペンブロリズマブ、セミプリマブ、デュルバルマブ、ダクリズマブ、アベルマブ、またはアテゾリズマブである、P実施形態2または3に記載の方法。
【0171】
P実施形態5.前記チェックポイント阻害剤がニボルマブである、P実施形態2~4のいずれか1つに記載の方法。
【0172】
P実施形態6.前記チェックポイント阻害剤がイピリムマブである、P実施形態2~4のいずれか1つに記載の方法。
【0173】
P実施形態7.第2の抗がん剤をさらに含む、P実施形態1~6のいずれか1つに記載の方法。
【0174】
P実施形態8.第2の抗がん剤が第2のチェックポイント阻害剤である、P実施形態7に記載の方法。
【0175】
P実施形態9.第2のチェックポイント阻害剤が、ニボルマブ、イピリムマブ、ペンブロリズマブ、セミプリマブ、デュルバルマブ、ダクリズマブ、アベルマブ、またはアテゾリズマブである、P実施形態8に記載の方法。
【0176】
P実施形態10.第2のチェックポイント阻害剤がニボルマブである、P実施形態8または9に記載の方法。
【0177】
P実施形態11.第2のチェックポイント阻害剤がイピリムマブである、P実施形態8または9に記載の方法。
【0178】
P実施形態12.前記がんが、マイクロサテライト不安定性高(MSI-H)がんである、Pの実施形態1~11のいずれか1つに記載の方法。
【0179】
P実施形態13.前記がんが、転移性腎細胞癌(mRCC)、非小細胞肺がん、黒色腫、肉腫、リンパ腫、乳がん、膀胱がん、子宮頸がん、結腸がん、頭頸部がん、肝臓がん、胃がん、または直腸がんである、P実施形態1~12のいずれか1つに記載の方法。
【0180】
P実施形態14.前記がんがmRCCである、P実施形態13に記載の方法。
【0181】
P実施形態15.前記がんが、がんの再発である、P個の実施形態1~14のいずれか1つに記載の方法。
【0182】
P実施形態16.前記がんが化学療法耐性がんである、P実施形態1~15のいずれか1つに記載の方法。
【0183】
P実施形態17.前記がんが転移性がんである、P実施形態1~16のいずれか1つに記載の方法。
【0184】
P実施形態18.第1の剤形の抗がん剤と、第2の剤形のCBM588 LBPとを含む医薬組成物。
【0185】
P実施形態19.抗がん剤が、がんの治療のためにCBM588 LBPの非存在下で使用される場合、その治療有効量を下回る投与量である、P実施形態18に記載の医薬組成物。
【0186】
P実施形態20.抗がん剤がチェックポイント阻害剤である、P実施形態18または19に記載の医薬組成物。
【0187】
P実施形態21.チェックポイント阻害剤が、PD-1、PDL-1またはCTLA-4阻害剤である、P実施形態20に記載の医薬組成物。
【0188】
P実施形態22.チェックポイント阻害剤が、ニボルマブ、イピリムマブ、ペンブロリズマブ、セミプリマブ、デュルバルマブ、ダクリズマブ、アベルマブ、またはアテゾリズマブである、P実施形態20または21に記載の医薬組成物。
【0189】
P実施形態23.前記チェックポイント阻害剤がニボルマブである、P実施形態20~22のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0190】
P実施形態24.前記チェックポイント阻害剤がイピリムマブである、P実施形態20~22のいずれか1つの医薬組成物。
【0191】
P実施形態25.第2の抗がん剤をさらに含む、P実施形態18~24のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0192】
P実施形態26.第2の抗がん剤が第2のチェックポイント阻害剤である、P実施形態25に記載の医薬組成物。
【0193】
P実施形態27.第2のチェックポイント阻害剤が、ニボルマブ、イピリムマブ、ペンブロリズマブ、セミプリマブ、デュルバルマブ、ダクリズマブ、アベルマブ、またはアテゾリズマブである、P実施形態26に記載の医薬組成物。
【0194】
P実施形態28.第2のチェックポイント阻害剤がニボルマブである、P実施形態26または27に記載の医薬組成物。
【0195】
P実施形態29.第2のチェックポイント阻害剤がイピリムマブである、P実施形態26または27に記載の医薬組成物。
【0196】
P実施形態30.(a)適切な容器内または適切な包装で、第1の剤形の抗がん剤と、薬学的に許容される賦形剤とを含む第1の医薬組成物、および(b)適切な容器内または適切な包装で、第2の剤形のCBM588 LBP調製物を含む第2の医薬組成物を含む、キット。
【0197】
P実施形態31.抗がん剤がチェックポイント阻害剤である、P実施形態30に記載のキット。
【0198】
P実施形態32.チェックポイント阻害剤が、PD-1阻害剤、PDL-1阻害剤、またはCTLA-4阻害剤である、P実施形態31に記載のキット。
【0199】
P実施形態33.チェックポイント阻害剤が、ニボルマブ、イピリムマブ、ペンブロリズマブ、セミプリマブ、デュルバルマブ、ダクリズマブ、アベルマブ、またはアテゾリズマブである、P実施形態31または32に記載のキット。
【0200】
P実施形態34.前記チェックポイント阻害剤がニボルマブである、P実施形態31~33のいずれか1つに記載のキット。
【0201】
P実施形態35.前記チェックポイント阻害剤がイピリムマブである、P実施形態31~33のキット。
【0202】
P実施形態36.(c)適切な容器内または適切な包装で、第2の抗がん剤および薬学的に許容される賦形剤を含む第3の医薬組成物をさらに含む、P実施形態30~35のいずれか1つに記載のキット。
【0203】
P実施形態37.第2の抗がん剤が第2のチェックポイント阻害剤である、P実施形態36に記載のキット。
【0204】
P実施形態38.第2のチェックポイント阻害剤が、ニボルマブ、イピリムマブ、ペンブロリズマブ、セミプリマブ、デュルバルマブ、ダクリズマブ、アベルマブ、またはアテゾリズマブである、P実施形態37に記載のキット。
【0205】
P実施形態39.第2のチェックポイント阻害剤がニボルマブである、P実施形態37または38記載のキット。
【0206】
P実施形態40.第2のチェックポイント阻害剤がイピリムマブである、P実施形態37または38に記載のキット。
実施形態
【0207】
実施形態1.必要とする対象においてがんを治療する方法であって、前記方法が、前記対象に治療有効量の抗がん剤およびクロストリジウム・ブチリカムを投与することを含む、方法。
【0208】
実施形態2.前記クロストリジウム・ブチリカムが生きた生物学的製剤である、実施形態1に記載の方法。
【0209】
実施形態3.前記クロストリジウム・ブチリカムの生きた生物学的製剤が、クロストリジウム・ブチリカムMIYAIRI 588の生きた生物学的製剤(CBM588 LBP)である、実施形態2に記載の方法。
【0210】
実施形態4.抗がん剤がチェックポイント阻害剤である、実施形態1~3のいずれか1つに記載の方法。
【0211】
実施形態5.チェックポイント阻害剤がPD-1、PD-L1またはCTLA-4阻害剤である、実施形態4に記載の方法。
【0212】
実施形態6.前記チェックポイント阻害剤が、ニボルマブ、イピリムマブ、ペンブロリズマブ、セミプリマブ、デュルバルマブ、ダクリズマブ、アベルマブ、またはアテゾリズマブである、実施形態4または5に記載の方法。
【0213】
実施形態7.前記チェックポイント阻害剤がニボルマブである、実施形態4~6のいずれか1つに記載の方法。
【0214】
実施形態8.前記チェックポイント阻害剤がイピリムマブである、実施形態4~6のいずれか1つに記載の方法。
【0215】
実施形態9.第2の抗がん剤を投与することをさらに含む、実施形態1~8のいずれか1つに記載の方法。
【0216】
実施形態10.前記第2の抗がん剤が第2のチェックポイント阻害剤である、実施形態9に記載の方法。
【0217】
実施形態11.前記第2のチェックポイント阻害剤が、ニボルマブ、イピリムマブ、ペンブロリズマブ、セミプリマブ、デュルバルマブ、ダクリズマブ、アベルマブ、またはアテゾリズマブである、実施形態10に記載の方法。
【0218】
実施形態12.第2のチェックポイント阻害剤がニボルマブである、実施形態10または11に記載の方法。
【0219】
実施形態13.第2のチェックポイント阻害剤がイピリムマブである、実施形態10または11に記載の方法。
【0220】
実施形態14.前記がんが、マイクロサテライト不安定性高(MSI-H)がんである、実施形態1~13のいずれか1つに記載の方法。
【0221】
実施形態15.前記がんが、転移性腎細胞癌(mRCC)、非小細胞肺がん、黒色腫、肉腫、リンパ腫、乳がん、膀胱がん、子宮頸がん、結腸がん、頭頸部がん、肝臓がん、胃がん、または直腸がんである、実施形態1~14のいずれか1つに記載の方法。
【0222】
実施形態16.前記がんがmRCCである、実施形態15に記載の方法。
【0223】
実施形態17.前記がんが、がんの再発である、実施形態1~16のいずれか1つに記載の方法。
【0224】
実施形態18.前記がんが化学療法耐性がんである、実施形態1~17のいずれか1つに記載の方法。
【0225】
実施形態19.前記がんが転移性がんである、実施形態1~18のいずれか1つに記載の方法。
【0226】
実施形態20.第1の剤形の抗がん剤と、第2の剤形のクロストリジウム・ブチリカムとを含む医薬組成物。
【0227】
実施形態21.前記クロストリジウム・ブチリカムが生きた生物学的製剤である、実施形態20に記載の医薬組成物。
【0228】
実施形態22.前記クロストリジウム・ブチリカムの生きた生物学的製剤が、クロストリジウム・ブチリカムMIYAIRI 588の生きた生物学的製剤(CBM588 LBP)である、実施形態21に記載の医薬組成物。
【0229】
実施形態23.前記抗がん剤が、がんを治療するためにCBM588 LBPの非存在下で使用されるとき、その治療有効量を下回る投与量である、実施形態20~22のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0230】
実施形態24.前記抗がん剤がチェックポイント阻害剤である、実施形態20~23のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0231】
実施形態25.前記チェックポイント阻害剤がPD-1、PD-L1またはCTLA-4阻害剤である、実施形態24に記載の医薬組成物。
【0232】
実施形態26.前記チェックポイント阻害剤が、ニボルマブ、イピリムマブ、ペンブロリズマブ、セミプリマブ、デュルバルマブ、ダクリズマブ、アベルマブ、またはアテゾリズマブである、実施形態24または23に記載の医薬組成物。
【0233】
実施形態27.前記チェックポイント阻害剤がニボルマブである、実施形態24~26のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0234】
実施形態28.前記チェックポイント阻害剤がイピリムマブである、実施形態24~26のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0235】
実施形態29.第2の抗がん剤をさらに含む、実施形態20~28のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0236】
実施形態30.第2の抗がん剤が第2のチェックポイント阻害剤である、実施形態29に記載の医薬組成物。
【0237】
実施形態31.第2のチェックポイント阻害剤が、ニボルマブ、イピリムマブ、ペンブロリズマブ、セミプリマブ、デュルバルマブ、ダクリズマブ、アベルマブ、またはアテゾリズマブである、実施形態30に記載の医薬組成物。
【0238】
実施形態32.第2のチェックポイント阻害剤がニボルマブである、実施形態30または31に記載の医薬組成物。
【0239】
実施形態33.第2のチェックポイント阻害剤がイピリムマブである、実施形態30または31に記載の医薬組成物。
【0240】
実施形態34.(a)適切な容器内または適切な包装で、第1の剤形の抗がん剤と、薬学的に許容される賦形剤とを含む第1の医薬組成物、および(b)適切な容器内または適切な包装で、第2の剤形のクロストリジウム・ブチリカムを含む第2の医薬組成物を含む、キット。
【0241】
実施形態35.前記クロストリジウム・ブチリカムが生きた生物学的製剤である、実施形態34に記載のキット。
【0242】
実施形態36.前記クロストリジウム・ブチリカムの生きた生物学的製剤が、クロストリジウム・ブチリカムMIYAIRI 588の生きた生物学的製剤(CBM588 LBP)である、実施形態35に記載のキット。
【0243】
実施形態37.前記抗がん剤がチェックポイント阻害剤である、実施形態34~36のいずれか1つに記載のキット。
【0244】
実施形態38.前記チェックポイント阻害剤がPD-1、PD-L1またはCTLA-4阻害剤である、実施形態37に記載のキット。
【0245】
実施形態39.チェックポイント阻害剤が、ニボルマブ、イピリムマブ、ペンブロリズマブ、セミプリマブ、デュルバルマブ、ダクリズマブ、アベルマブ、またはアテゾリズマブである、実施形態37または38に記載のキット。
【0246】
実施形態40.前記チェックポイント阻害剤がニボルマブである、実施形態37~39のいずれか1つに記載のキット。
【0247】
実施形態41.前記チェックポイント阻害剤がイピリムマブである、実施形態37~39のいずれか1つに記載のキット。
【0248】
実施形態42.(c)適切な容器内または適切な包装で、第2の抗がん剤および薬学的に許容される賦形剤を含む第3の医薬組成物をさらに含む、実施形態34~41のいずれか1つに記載のキット。
【0249】
実施形態43.第2の抗がん剤が第2のチェックポイント阻害剤である、実施形態42に記載のキット。
【0250】
実施形態44.第2のチェックポイント阻害剤が、ニボルマブ、イピリムマブ、ペンブロリズマブ、セミプリマブ、デュルバルマブ、ダクリズマブ、アベルマブ、またはアテゾリズマブである、実施形態43に記載のキット。
【0251】
実施形態45.第2のチェックポイント阻害剤がニボルマブである、実施形態43または44に記載のキット。
【実施例】
【0252】
実施例1:転移性腎細胞癌(mRCC)の患者に対するニボルマブ/イピリムマブと組み合わせたクロストリジウム・ブチリカムMIYAIRI 588の生きた生物学的製剤(CBM588 LBP)の生物学的効果の評価
本明細書に記載の試験の背景
【0253】
mRCCの治療の状況は、過去10年間で劇的に変化した。ごく最近では、ニボルマブ/イピリムマブが、CheckMate 214試験からのデータに基づいて第一線の状況で導入されており、これは、スニチニブと比較して、全生存のベネフィットを示している。データは二重チェックポイント阻害のこの戦略を奨励するものであるが、患者の大部分はその疾患が治癒していない。免疫療法に応答する患者は少数派(46%)にすぎず、患者の約20%が治療を介して進行する。
【0254】
最近の試験は、腸内微生物叢が免疫療法に対する応答の調節において重要な役割を果たし得ることを示唆している。マウスモデルにおいて、Vetizouらは、細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA4)遮断療法の活性がバクテロイデス属種の存在に依存することを報告した。5PD-1との関連において、Sivanらは、抗PD-1剤の臨床活性がビフィドバクテリウム属種に関連することを示した。6Gopalakrishnanらは、転移性黒色腫の43名の患者において、微生物叢の組成と抗PD1剤に対する応答との間の相関関係を報告した。7Routyらは、アッカーマンシア・ムシニフィラの相対的な存在量が応答と密接に関連していることを示した。8
【0255】
したがって、出願人らは、抗がんの効果を判定するために、チェックポイント阻害剤ニボルマブ/イピリムマブと組み合わせてクロストリジウム・ブチリカムMIYAIRI 588の生きた生物学的製剤(CBM588 LBP)を評価することを提案した。
mRCCにおける微生物叢
【0256】
出願人らは、最初に、ニボルマブおよびTKIを投与されているmRCC患者における微生物叢の役割について調査した。スニチニブまたはニボルマブを投与されている患者を、2つの別々のIRB承認プロトコル(それぞれCOH IRB 16088およびCOH IRB 16323)を経て登録した。これらの試験では、出願人らはDNAの抽出および分析のために糞便の試料を利用した。
【0257】
第1のプロトコルは、スニチニブを投与されている患者を、ヨーグルトまたは任意の細菌強化食品を除く食事に無作為化し、または患者が標準的な4オンスの標準的なヨーグルトサプリメント(Activia(商標))を12週間の試験期間にわたって1日2回摂取することを義務付けた。第2のプロトコルは、12週間の試験期間中、ヨーグルトまたは細菌強化食品の排除を義務付けた。
【0258】
12週間の試験期間の終わりに、RECIST1.1の基準を用いて奏功を特徴付けた。その試験の目的のために、奏効者は、3ヶ月の治療によって、完全奏効(CR)、部分奏効(PR)、または安定疾患(SD)を達成する患者として定義され、非奏効者は、最良の奏功として進行性疾患(PD)である患者として定義された。
【0259】
糞便の試料を、アース・マイクロバイオーム・プロジェクト(EMP)によって確立されたプロトコルを使用して処理した。簡潔には、DNeasy PowerSoilキット(カリフォルニア州カールスバッドのQiagen CompanyのMoBio Laboratories)を使用して、各試料について250mgの糞便物質からDNAを抽出した。EMPのプロトコルに従って溶液C1を添加した後、65Cでの10分間のインキュベーションを除いて、製造業者のプロトコルに従った。Illuminaの化学に対応するバーコード化アダプターを伴う16Sアンプリコンライブラリーを、前述の方法を用いて抽出したDNAから調製した。各ライブラリーをqPCR(Kapa Biosystems;ウィルミントン、マサチューセッツ州)で定量した。定量したライブラリーを等モル濃度でプールした。プールを定量化し、バージョン3の化学反応(Illumina Inc.、サンディエゴ、カリフォルニア州)を使用してIllumina MiSeqで実行した。
【0260】
MiSeq SOPに記載されているように、配列のリードをMothurソフトウェアによって処理し、OUTにアセンブルし、属のレベルに分類学的に注釈付けし、Bray-Curtis非類似性行列を構築するために使用した。試料の類似性をPCoAによって可視化し、さらにANOSIM試験によって確認し、差次的に豊富なタクソンを、METASTATSソフトウェアによって判定した。
【0261】
処理した糞便のDNAをユニバーサルプライマーを使用してPCRに供した。PCRアンプリコンを配列決定し、10,000配列/試料に希薄化し、質の不良な配列をトリミングした。キメラ配列を除去し、7,097の操作分類単位(OTU)でアセンブルし、属のレベルで分類学的にアノテーションした。OTUサイズは、中央値および最小サイズについては1シーケンス、平均サイズについては37、最大のサイズについては30,878の範囲であった。OTUを使用して、腸内微生物群の構造、メンバーシップ、および動態を評価した。OTU存在量を標準化し、Bray-Curtis相違度を用いて試料間の距離を計算するために使用し、PCoAプロットによって可視化した。試料の分布により、腸内微生物叢の構造が患者特異的であり(ANOSIM、p=0.001)、治療応答が試料の分離に影響を及ぼす有意な因子の1つであることが確認された(ANOSIM、p=0.01)。
【0262】
図1Aおよび1Bに示すように、ニボルマブおよびスニチニブの治療に応答する患者と、腫瘍が進行している患者との間の微生物群の構造を、治療開始前(時点1[T1])に収集した8つの試料を用いて、比較した。Gini-Simpson指数は、腸内微生物叢の複雑さが応答群間で有意に異なってはいないことを示唆した(ウィルコクソン順位和検定p=0.25)。同時に、認められた傾向は、治療に応答する患者の微生物叢がより高い複雑性を有することを示唆した。腸内微生物叢の構造を門および属のレベルに分解した。METASTATSにより、バクテロイデス門、バルネシエラ属およびバクテロイデス属が奏功者の間で上昇していることが特定された(各p<0.05)。プロテオバクテリア門は非奏功者において上昇したが、METASTATS分析は、この差が有意ではないことを示唆した(p=0.29)。
【0263】
まとめると、データは、特定の細菌種(例えば、ビフィドバクテリウム属、クロストリジウム属など)がmRCCにおける免疫療法に関連する臨床的有効性に関連することを示唆した。したがって、出願人らは、ビフィドバクテリウム属などの細菌の亜集団を増強する新規アプローチとして、mRCC患者におけるニボルマブ/イピリムマブとCBM588 LBPとの組み合わせを提案した。
CBM588 LBP
【0264】
CBM588は、ヒトの生きた生物学的製剤および動物の飼料添加物として日本で商業的に利用されているクロストリジウム・ブチリカムの株である。CBM588は、2014年に欧州連合によって新規な食品成分として、ならびにシチメンチョウ、ニワトリおよび関連する少数鳥類種の飼料添加物として認可された。9上気道感染症または胃腸炎を有する110人の小児を含む小児試験では、LBPとして投与されたCBM588は安全で忍容性が高かった。さらに、抗生物質関連の下痢の発生率は、CBM588 LBPを受けた患者では著しく低下した(59%対5%)。10潰瘍性大腸炎の試験では、CBM588 LBPを経口で60mgの用量で、1日3回投与した。11、12
【0265】
進行がん患者におけるCBM588 LBPと免疫療法との組み合わせの安全性、忍容性および有効性を実証するデータはない。したがって、本出願人らは、第I相のプロトコルでmRCC患者のニボルマブ/イピリムマブの補助としてCBM588 LBPを評価した。OBEDは、治療のベースラインから6週目までのビフィドバクテリウム属の最大の増加をもたらす用量を表す。ビフィドバクテリウム属は、CBM588 LBPがこの属のレベルを特異的に増加させ得るので、免疫療法に対する応答に関連する他の推定される細菌の中から選択された。
適格基準
【0266】
組み入れ基準:
【0267】
参加者は、試験に参加するのに適格であるためには、スクリーニング検査で以下の基準のすべてを満たさなければならない:明細胞成分を有するRCCの組織学的確認、進行性(治癒的手術または放射線療法に不適)または転移性(AJCCステージIV)のRCC、事前のRCCに対する全身療法がないこと、ただし以下の例外がある:療法がPD-1またはPD-L1を標的とする薬剤を含まなかった場合、およびアジュバント療法またはネオアジュバント療法の最後の投与の少なくとも6ヶ月後に再発が生じた場合の、完全に切除可能なRCCに対する1回の事前のアジュバント療法またはネオアジュバント療法、ECOGパフォーマンスステータスが2未満、RECIST1.1による測定可能な疾患。
【0268】
主要な除外基準:
【0269】
未治療の脳転移の存在。治療された脳転移を有する患者は、治療完了後4週間安定的でなければならず、プレ試験の画像化で安定性が実証されていなければならない。患者は、脳転移からの臨床症状を有さなければならず、試験薬の最初の投与の少なくとも2週間前に、10mg/日超のプレドニゾンまたはその等価物に相当する全身性コルチコステロイドが必須ではない。既知の軟膜転移を有する患者は、治療されたとしても除外される。
【0270】
抗PD-1、抗PD-L1、抗PD-L2、抗CD137、もしくは抗CTLA-4抗体、またはT細胞共刺激もしくはチェックポイント経路を特異的に標的とする任意の他の抗体もしくは薬物による事前の治療。
【0271】
既知のもしくは疑われる自己免疫疾患の現在もしくは最近の病歴、または外部トリガーの非存在下で再発すると予想されない症候群を除く全身性コルチコステロイド(毎日>10mgのプレドニゾン等量)もしくは免疫抑制薬を必要とした症候の最近の病歴。ホルモン補充のみを必要とする白斑もしくはI型糖尿病または自己免疫性甲状腺炎に起因する残存甲状腺機能低下症を有する対象は、登録することが許可される。
【0272】
プロバイオティクス、ヨーグルトまたは細菌強化食品の現在の使用または治療期間中の使用意図。
【0273】
試験薬の初回投与前14日以内にコルチコステロイド(毎日>10mgのプレドニゾン等量)または他の免疫抑制薬による全身の治療を必要とするいずれかの状態。10mg/日を超えるプレドニゾン当量の吸入ステロイドおよび副腎補充ステロイド用量は、活動性自己免疫疾患の非存在下で許容される。
【0274】
制御されない副腎機能不全。
【0275】
責任医師の意見では、試験の参加または試験薬の投与に関連するリスクを増加させるか、安全性結果の解釈を妨げる既知の病状(例えば、下痢または急性憩室炎に関連する状態)。
【0276】
試験薬の投与前のグレード1(NCI CTCAE v4)またはベースライン。
【0277】
以下の臨床検査所見のいずれか:WBC<2,000/mm3、好中球<1,500/mm3、血小板<100,000/mm3、ASTまたはALT>3×ULN(>、肝転移が存在する場合は5×ULN)、総ビリルビン>1.5×ULN(総ビリルビン3.0mg/dLを有し得るジルベール症候群を患う対象を除く)、血清クレアチニン>1.5×正常値上限(ULN)。
治療プログラムの概要
【0278】
表1.治療群を、CBM588 LBPを含むニボルマブ/イピリムマブまたはニボルマブ/イピリムマブ単独に無作為化(2:1)した。
【表1】
【0279】
この試験の主な目的は、(1)mRCC患者の腸内微生物叢の調節におけるCBM588 LBP(ニボルマブ/イピリムマブと組み合わせたもの)の効果を判定することであった。副次的目的は、(1)ニボルマブ/イピリムマブの組み合わせが臨床的有効性に与えるCBM588 LBPの効果を評価すること、および(2)mRCC患者におけるニボルマブ/イピリムマブの組み合わせの全身免疫調節に対してCBM588 LBPが与える効果を判定することであった。
【0280】
評価基準および評価項目は以下の通りであり、表2および表3に示した。主要評価項目は、(1)CBM588 LBP+ニボルマブ/イピリムマブ対ニボルマブ/イピリムマブ単独に対する治療のベースラインから12週目までのビフィドバクテリウム属の糞便の組成の変化であった。副次評価項目は、(1)CBM588 LBP+ニボルマブ/イピリムマブ対ニボルマブ/イピリムマブ単独に与えるベースラインから治療12週目までのシャノン指数(微生物多様性の尺度)の比較、(2a)ニボルマブ/イピリムマブ単独対ニボルマブ/イピリムマブとCBM588 LBPでの、RECIST基準による最良の総合的な奏功、(2b)ニボルマブ/イピリムマブ単独対CBM588 LBP併用のニボルマブ/イピリムマブでの、登録から進行までの期間として評価した、無増悪生存期間(PFS)、(3a)ニボルマブ/イピリムマブ単独対CBM588 LBP併用のニボルマブ/イピリムマブでの、循環Tregのレベルに対するベースラインでの循環Tregの割合の比較、(3b)ニボルマブ/イピリムマブ単独対CBM588 LBP併用のニボルマブ/イピリムマブでの、循環MDSCの割合の比較、ならびに(3c)ニボルマブ/イピリムマブ単独対CBM588 LBP併用のニボルマブ/イピリムマブでの、IL-6、IL-8および他のサイトカイン/ケモカインの比較であった。
表2.主要目的
【表2】
表3.副次目的
【表3】
【0281】
治療の1サイクルは、最初の12週間のニボルマブとイピリムマブとの3週間ごとのレジメンを構成した。その後、ニボルマブを毎月のスケジュールで投与したため、サイクルを4週間とみなした。治療サイクルを表4に示す。
【0282】
CBM588 LBP:CBM588 LBPは、100mlの水(2つの小袋の内容物)中、80mgの用量で1日2回、毎日経口投与され、プロトコルに従っている間は無期限に与えられるべきである。
【0283】
ニボルマブ:ニボルマブを3mg/kgの用量で静脈内投与した後、イピリムマブを最初の4サイクル投与し、引き続いて3mg/kgで毎月投与した。
【0284】
イピリムマブ:ニボルマブ投与後、イピリムマブを1mg/kgの用量で最初の4サイクルのみ静脈内投与し、その後、投与を中止した。
薬剤投与
【0285】
CBM588:
【0286】
CBM588細粒は、クロストリジウム・ブチリカムからなり、1gの小袋に包装された経口的に利用可能な生きた生物学的治療薬として製造することができる。各小袋は40mgのCBM588を含有する。CBM588は、100mlの水(2つの小袋の内容物)中、80mgの用量で1日2回経口投与され、プロトコルに従っている間は無期限に与えられるべきである。対象は、食物の有無にかかわらず、CBM588を摂取することができる。CBM588は診療所ではなく自宅で摂取すべきである。定義された投与のサイクルは21日間である。
【0287】
ニボルマブ:
【0288】
ニボルマブ注射液は、クエン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、マンニトール、ジエチレントリアミン五酢酸(ペンテト酸)およびポリソルベート80(Tween(登録商標)80)、pH6.0に製剤化された透明で乳白、無色から淡黄色、滅菌、非発熱原性、単回使用の等張水溶液である。各バイアルは、100mg(10mg/mL)であり、10mLのI型フリントガラスバイアルに0.7mLの過充填物が入っており、ブチルゴム製ストッパーおよびアルミニウム製シールを備えている。ニボルマブ注射液のバイアルは、2°~8℃(36°F~46°F)で保存し、光、凍結および振とうから保護しなければならない。保存温度の変動が確認された場合は、直ちにニボルマブを2℃~8℃に戻し、供給物を隔離する。
【0289】
ニボルマブは、希釈せずに(10mg/mL)注入するか、または0.9%塩化ナトリウム注射液、USP、もしくは5%デキストロース、USPで、0.35mg/mL以上の薬物濃度に、希釈することができる。ニボルマブ注射液は、0.2ミクロン~1.2ミクロンの孔径の低タンパク質結合ポリエーテルスルホン膜インラインフィルターを介した60分間のIV注入として投与される。ニボルマブとポリ塩化ビニル(PVC)、非PVC DHEP(ジ(2-エチルヘキシル)フタレート)IV成分、またはガラス瓶との間の相溶性は観察されていない。
【0290】
ニボルマブの希釈されていない溶液および希釈された溶液の投与は、調製24時間以内に完了しなければならない。すぐに使用しない場合、注入溶液は、2℃~8℃(36°F~46°F)の冷蔵庫で最大24時間保存することができ、合計24時間のうち最大4時間は、室温(20℃~25℃(68°F~77°F))および部屋の明かりであり得る。最大4時間の室温および部屋の明かりの条件下は、産生物の投与期間を含む。単回使用剤形は、抗菌性防腐剤または静菌剤を含有しない。したがって、産生物は最初の投入から8時間後に廃棄することが推奨される。
【0291】
イピリムマブ:
【0292】
イピリムマブ注射は、200mg/40mL(5mg/mL)として供給される。それは、粒子を含有し得る、透明からわずかに乳白、無色から淡黄色、滅菌、非発熱原性、単回使用、等張水溶液として製剤化される。イピリムマブ注射液のバイアルは、2℃~8℃(36°F~46°F)で保存し、凍結させて光から保護しなければならない。保存温度の変動が確認されたら、イピリムマブを直ちに2℃~8℃に戻し、供給物を隔離する。
【0293】
イピリムマブは、希釈せずに(10mg/mL)投与されるか、または1mg/mL~4mg/mLの濃度の0.9%塩化ナトリウム注射液、USPもしくは5%デキストロース、USPでさらに希釈される。イピリムマブは、ポリ塩化ビニル(PVC)、非PVC DHEP(ジ(2-エチルヘキシル)フタレート)IVバッグまたはガラス容器中で、2℃~8℃(36°F~46°F)または室温/部屋の明かりで最大24時間冷蔵すると安定的である。産生物は、プロトコル特異的用量(複数可)の非発熱原性低タンパク質結合フィルタ(0.2マイクロメートルまたは1.2マイクロメートルの孔径)で体積測定ポンプを使用して注入され得る。調製したIVイピリムマブ溶液は、2°~8℃(36°F~46°F)または室温/部屋の明かりで冷蔵して24時間まで安定である。各バイアルは、グレーブチルストッパを備え、アルミニウムシールで封止されたタイプIのフリントガラスバイアルである。イピリムマブ注射の部分的に使用されたバイアルまたは空のバイアルは、適切な薬物廃棄手順に従って現場で廃棄されるべきである。
【0294】
【0295】
参加者は、以下の基準の1つが満たされるまでプロトコル療法を受けた:疾患の進行、プロトコルの療法の完了、参加者は、用量を変更/遅らせたにもかかわらず毒性(1つの薬剤が毒性のために中止された場合、参加者は他の試験薬剤の投与を継続することができる)、責任医師の判断で患者をさらなる治療に受け入れられないようにする患者の状態の全般的または特異的な変化、またはさらなるプロトコルの療法に対する同意の撤回のために、プロトコルの療法に対して不耐性であるとみなされる。
【0296】
試験の参加は、以下のいずれかが発生した場合に終了した:試験の活動の完了、同意の撤回、参加者が、安全上、行動上、試験終了または管理上の理由から治験責任医師の裁量によりフォローアップを喪失する。各治療群についての患者の応答および試験の継続を
図2に示す。
相関/特別な試験および実験室での処理と分析
【0297】
糞便の微生物叢の評価
【0298】
試料を所定の時点で収集した。糞便物質を、治療開始前(ベースライン)および13週目の開始の2つの時点で、患者によって100mLの回収容器に回収した。
【0299】
PowerSoil DNA単離キット(Mo Bio、米国)を使用して、0.25gの糞便から全ゲノムDNAを単離した。精製したDNAを1%アガロースゲルで分離し、デンシトメトリーおよび分光光度法(NanoDrop 1000;Thermo Scientific、米国)によって定量する。Stearnsらによって記載されているように、PCRプロトコルを使用して、すべての試料から細菌16S rRNA遺伝子を増幅する。12アダプター配列のIllumina部分を含む以下のPCRプライマーを使用して、V4およびV5領域を増幅した。以下の配列において、MはAまたはCであり得る。
【0300】
配列番号1 V4-F:ACACTCTTTCCCTACACGACGCTCTTCCGATCTGTGCCAGCMGCCGCGGTAA.
【0301】
配列番号2 V4-R:ACACTCTTTCCCTACACGACGCTCTTCCGATCTGTGCCAGCMGCCGCGGTAA.
【0302】
配列番号3 V5-F:ACACTCTTTCCCTACACGACGCTCTTCCGATCTGATTAGATACCCTGGTAG.
【0303】
配列番号4 V5-R:GTGACTGGAGTTCAGACGTGTGCTCTTCCGATCTCCGTCAATTCMTTTGAGTTT.
【0304】
完全なIlluminaアダプターおよびバーコードをさらに5サイクルのPCRによって付加して、Illuminaライブラリーを作製した。バイオアナライザおよびqPCRの後、QCをチェックする。複数のライブラリーを等しく混合した。2×100bpのペアードエンドのシーケンシングをIllumina HiSeq 2000によって行う。配列を、クローズド=参照に対してUSEARCHalgorithmを使用して様々な同一性の割合でクラスター化した。13次いで、Smithらに記載されているようにRDP2.4分類器を使用して分類を割り当てた。
【0305】
16S rRNA遺伝子を配列決定するために、Illumina/Solexaハイスループットシーケンシングを使用した。ライブラリーを、細菌16S rRNAのV3領域の増幅によってすべての試料について構築した。ペアードエンドのリードでのマルチプレックスIlluminaシーケンシングのために、各試料を一意にインデックスし、標識するために、バーコードが作成された。最初に、糞便試料からの16S rRNAの抽出および増幅における有効性を確実にするために複数の試験の実行を生じ、標準的なQCを実施してマルチプレックスIlluminaシーケンスの質を調べた。質の不良なリードを除去し、アセンブリと完全に一致するリードのみをさらなる下流分析のために保持した。
【0306】
血清サイトカインの評価
【0307】
7週目、13週目、17週目、および25週目(+/-1週間)に、ニボルマブおよびイピリムマブの開始前7日以内に、10mLのCPTチューブを1本採取した。治療前試料は、試料がイピリムマブ/ニボルマブの投与に先行する限り、治療開始の朝に収集され得る。通常の血液試料の採取時に試料を採取するように努力した。血液を10mLのCPT真空チューブに収集し、約8~10回ゆっくり反転させ、室温に維持した。
【0308】
10mLのCPTチューブの試料を、理想的には4~6時間の範囲内で、迅速に処理した。CPTチューブを1800×g(Sorvall RT6000遠心分離機で約2800rpm)で室温にて20分間遠心分離した。遠心分離後、CPTチューブの血漿をゲルプラグに対して穏やかにピペットで移して、ゲルの上部に付着した細胞を除去した。細胞懸濁液を50mLのコニカルポリプロピレンチューブに移した。cRPMIを合計40mLに添加した。計数のための細胞懸濁液の10mLアリコートを取り出した。次いで、50mLのチューブを250×gで7分間室温で遠心分離した。遠心分離が完了すると、上清を吸引した。PMBCを凍結保存するか、または新鮮な状態で使用した。
【0309】
関連するWBCサブセットの単離を、先に報告した技術によって行った。PBMCを、PBS、2%FCSおよび0.1%(wt/vol)アジ化ナトリウムとFcIII/IIR特異的抗体との混合物に浸漬して、非特異的結合を遮断し、CD11c、I-Ab(MHCクラスII)、CD86、CD11b、Gr1、CD49b、CD3、CD25もしくはLag-3に対する蛍光色素結合抗体の異なる組み合わせ、またはアネキシンV(BD Biosciences)で細胞を染色した。FACSCalibur(Beckton Dickinson)の蛍光データを収集し、FlowJoソフトウェア(Tree Star)を使用して分析した。この方法は、Chalminらによって以前公開された。
効果の評価項目測定
【0310】
ベースラインから治療の13週目までのビフィドバクテリウム属の糞便の組成の変化
【0311】
出願人らは、ベースラインでのビフィドバクテリウム属種の割合(微生物種の累積評価に対する)を評価し、これを12週間の治療完了後に観察された割合と比較した。
【0312】
RECIST基準による最良の総合的な奏功
【0313】
この試験では、奏功が副次評価項目であった。この試験のこの目的のために、12週間ごとに患者を奏功について再評価した。
図3および
図4に示すように、この試験では、Response Evaluation Criteria in Solid Tumors(RECIST)ガイドライン改訂版(バージョン1.1)によって提案された新しい国際基準を用いて奏功および進行を評価した。
14結果は、ニボルマブ/イピリムマブの治療を受けている患者の大部分が進行性疾患を示したが、ニボルマブ/イピリムマブ+CBM588 LBPの治療を受けている患者は、疾患の安定または治療に対する部分奏効のいずれかの特徴を有していたことを示している。公開されているRECISTの文書は、http://www.eortc.be/RECISTで入手可能である。腫瘍の病変の最大直径(一次元測定)および悪性リンパ節の場合の最短直径の変化をRECIST基準に使用した。
【0314】
毒性に対する評価。すべての患者は、VV2003単独またはニボルマブおよびイピリムマブとの併用での最初の治療時から毒性について評価可能であった。
【0315】
客観的な奏功に対する評価。ベースラインに存在する測定可能な疾患を有し、少なくとも1サイクルの治療を受け、疾患を再評価された患者のみが、奏功について評価可能であるとみなされた。これらの患者は、以下に述べる定義に従って分類された奏功を有していた。(注:サイクル1の終了前に客観的な疾患の進行を示す患者を評価可能とみなした)
【0316】
評価可能な非標的疾患の応答。評価可能であるが、測定可能な疾患の定義を満たさないベースラインに存在する病変を有し、少なくとも1サイクルの治療を受け、疾患を再評価された患者は、非標的疾患について評価可能とみなされる。奏功の評価は、病変の存在、非存在、または明確な進行に基づいた。
【0317】
測定可能な疾患。測定可能な病変は、胸部X線によって20mm以上、または診察によってCTスキャン、MRI、またはノギスによって10mm以上、少なくとも一次元(記録される最長の直径)で正確に測定できるものとして定義される。すべての腫瘍の測定値をミリメートル(またはセンチメートルの小数)で記録した。
【0318】
以前に照射された領域に位置する腫瘍の病変は、測定可能とみなした。
【0319】
悪性リンパ節。病理学的に拡大して測定可能であるとみなされるためには、CTスキャンによって評価した場合にリンパ節は短軸が15mm以上でなければならない(CTスキャンのスライスの厚さは5mm以下であることが推奨される)。ベースラインおよび追跡において、短軸のみを測定および追跡した。
【0320】
測定不可能な疾患。小さな病変(10mm未満の最長直径または10mm以上15mm未満の短軸を有する病理学的リンパ節)を含む他のすべての病変(または疾患の部位)は、測定不可能な疾患とみなされた。骨の病変、軟膜の疾患、腹水、胸水/心膜浸出液、皮膚リンパ管炎/肺炎、炎症性乳房疾患、および腹部腫瘤(CTまたはMRIが後に続かない)を測定不能とみなした。
【0321】
標的病変。すべての測定可能な病変は、器官あたり最大2つの病変、およびすべての関与器官を代表する合計5つの病変までが標的病変として特定され、ベースラインで記録および測定された。標的病変は、それらのサイズ(最も長い直径を有する病変)に基づいて選択され、すべての関与する器官の代表となるが、さらに、再現性のある反復測定に役立つものであるべきである。場合によっては、最大の病変が再現可能な測定に適していない場合があり、その状況では、再現可能に測定され得る次の最大の病変を選択するべきである。すべての標的病変の直径の合計(非結節性病変については最長、結節性病変については短軸)を計算し、ベースラインの合計直径として報告する。リンパ節が合計に含まれる場合、短軸のみが合計に加算される。ベースラインの合計直径は、疾患の測定可能な次元における任意の客観的な腫瘍の退縮をさらに特徴付けるための参照として使用される。
【0322】
非標的病変。5つの標的病変の上および上方の任意の測定可能な病変を含む他のすべての病変(または疾患の部位)は、非標的病変として特定されるべきであり、またベースラインで記録されるべきである。これらの病変の測定は必要ではないが、追跡調査全体を通して、それぞれの存在、非存在、またはまれな場合には明確な進行に、留意すべきである。
【0323】
測定可能な疾患の評価方法
【0324】
すべての測定値は、ルーラまたはノギスを使用してメトリック表記で取得および記録されるべきである。すべてのベースライン評価は、治療の開始に可能な限り近く、治療開始の4週間を超えないように、実施されるべきである。
【0325】
同じ評価方法および同じ技術を使用して、ベースラインおよびフォローアップ中に特定および報告された各病変を、特徴付けるべきである。追跡されている病変が画像化できないが、臨床検査によって評価可能でない限り、画像に基づく評価が臨床検査による評価よりも好ましい。
【0326】
臨床病変:臨床病変は、ノギス(例えば、皮膚の結節)を使用して評価されるように、表面(例えば、皮膚の結節および触知可能なリンパ節)および10mm以上の直径である場合にのみ、測定可能であるとみなされる。皮膚の病変の場合、病変のサイズを推定するためのルーラを含むカラー写真による文書化が推奨される。
【0327】
胸部X線:胸部X線における病変は、それらが明確に定義され、曝気された肺に囲まれている場合、測定可能な病変として許容される。ただし、CTが好ましい。
【0328】
従来のCTとMRI:このガイドラインは、CTスライスの厚さが5mm以下であるという仮定に基づいて、CTスキャンにおける病変の測定可能性を定義している。CTスキャンが5mmを超えるスライスの厚さを有する場合、測定可能な病変にとっての最小サイズは、スライスの厚さの2倍であるべきである。MRIはまた、特定の状況(例えば、体のスキャンの場合)において許容される。
【0329】
MRIの使用は依然として複雑な問題である。MRIは、優れたコントラスト、空間、および時間分解能を有する。しかし、MRIには多くの画像取得変数が含まれており、これらは画質、病変の顕著性、および測定に大きく影響する。さらに、MRIの利用可能性は全体的に可変である。CTと同様に、MRIを実施する場合、使用される走査シーケンスの技術仕様は、疾患の種類および部位の評価のために最適化されるべきである。さらに、CTと同様に、フォローアップ時に使用されるモダリティは、ベースライン時に使用されたものと同じであるべきであり、病変は同じパルスシーケンスで測定/評価されるべきである。すべてのスキャナ、身体の部分、および疾患について特定のMRIパルスシーケンスパラメータを規定することは、RECISTガイドラインの範囲外である。理想的には、同じタイプのスキャナが使用されるべきであり、画像取得プロトコルは、以前のスキャンに可能な限り厳密に従うべきである。体のスキャンは、可能であれば、呼吸停止スキャン技術を用いて実施されるべきである。
【0330】
PET-CT:現在、組み合わせたPET-CTの低線量または減衰補正のCT部分は、RECISTによる測定で使用するのに最適な診断用CTの質であるとは限らない。しかし、PET-CTの一部として実施されたCTが診断用CT(IVおよび経口造影剤を含む)と同一の診断の質であることを部位が実証できる場合、PET-CTのCT部分は、RECISTによる測定に使用することができ、経時的にがんの病変を正確に測定する際に、従来のCTと互換的に使用することができる。しかし、CTのPET部分は、日常的または連続的に行われるのではない場合に、担当医師にバイアスを与える可能性がある追加のデータを導入するということに留意されたい。
【0331】
超音波:超音波は、病変のサイズの評価には有用ではなく、測定方法として使用すべきではない。超音波検査は、後日独立した概観をするためにその全体を再現することができず、操作者に依存するため、同じ技術および測定が、1回の評価から次の評価まで行われることを保証することはできない。試験の過程で新しい病変が超音波によって特定された場合、CTまたはMRIによる確認が推奨される。CTでの放射線被曝に関する懸念がある場合、選択された例でCTの代わりにMRIを使用することができる。
【0332】
標的病変の評価
【0333】
完全奏効(CR):すべての標的病変の消失。病理学的リンパ節はいずれも(標的であろうと非標的であろうと)、短軸が10mm未満に減少していなければならない。部分奏効(PR):ベースラインの合計直径を基準として、標的病変の直径の合計の少なくとも30%の減少。進行性疾患(PD):試験での最小和を参照として採用して、標的病変の直径の和の少なくとも20%の増加(これは、試験で最小である場合のベースラインの和を含む)。20%の相対的増加に加えて、合計はまた、少なくとも5mmの絶対的増加を示さなければならない。(注:1つ以上の新しい病変の出現も進行とみなされる)。安定疾患(SD):試験での最小和直径を参照として採用して、PRに適格となるのに十分な収縮も、PDに適格となるのに十分な増加もない。
【0334】
非標的病変の評価
【0335】
完全奏効(CR):すべての非標的病変の消失。すべてのリンパ節は大きさが非病理学的でなければならない(短軸<10mm)。非CR/非PD:1つ以上の非標的病変の持続および/または腫瘍マーカーレベルの正常限界を超える維持。進行性疾患(PD):1つ以上の新しい病変の出現および/または既存の非標的病変の明確な進行。不明確な進行は、通常、標的の病変の状態を超えるべきではない。それは、単一の病変の増加ではなく、全体的な疾患の状態の変化を表すものでなければならない。「非標的」病変のみの明確な進行は例外的であるが、そのような状況では治療する医師の意見が優先されるべきであり、進行状態は後でレビューパネル(または責任医師)によって確認されるべきである。
【0336】
最良の総合的な奏功の評価
【0337】
最良の総合的な奏功は、治療開始から疾患の進行/再発まで記録された最良効果である(進行性疾患については、治療開始後に記録された最小測定値を基準とする)。患者の最良の奏功の割り当ては、測定基準および確認基準の両方の達成に依存する。
【0338】
登録から進行までの期間
【0339】
PFSは、治療の開始から進行または死亡のいずれかが先に起こるまでの期間として定義される。
【0340】
ベースラインから治療の第13週までのシャノン指数(微生物多様性の尺度)の比較
【0341】
セクション9.1に記載されている並進的な方法を使用して、これらの2つの時点での微生物の多様性の比較のために、ベースラインおよび12週目に、シャノン指数を計算する。
【0342】
治療時の循環Tregのレベルに対するベースラインでの循環Tregの割合の比較
【0343】
セクション9.2に記載されている並進的な方法を使用して、血液中のTregの割合を推定する。これは、任意の傾向を確認するために採血の連続的な時点にわたってグラフで評価される(試験カレンダを参照)。
【0344】
治療時の循環MDSCのレベルに対するベースラインでの循環MDSCの割合の比較
【0345】
セクション9.2に記載されている並進的な方法を使用して、血液中のMDSCの割合を推定する。これは、任意の傾向を確認するために採血の連続的な時点にわたってグラフで評価される(試験カレンダを参照)。
【0346】
治療時の同じサイトカインのレベルに対するベースラインでのIL-6、IL-8、および他のサイトカインの比較
【0347】
並進的な方法を使用して、出願人は、血液中の血清サイトカインの割合を推定する。これは、任意の傾向を確認するために採血の連続的な時点にわたってグラフで評価される(試験カレンダを参照)。
【0348】
試験の設計
【0349】
ニボルマブ/イピリムマブ単独またはCBM588と組み合わせた無作為化試験を記載する。目的は、ニボルマブ/イピリムマブと組み合わせて使用した場合のCBM588の生物学的効果を定義することである。出願人の前臨床データは、ビフィドバクテリウム属の種が免疫療法に対する応答に関連し、したがって、CBM588はビフィドバクテリウム属の種のレベルを増加させると考えられるということを示している。出願人らは、ビフィドバクテリウム属の種の比例的増加をCBM588のCBM588への添加と比較し、ニボルマブ/イピリムマブを単独で受けている患者と比較して、最大のこのような増加を達成したコホートを特定した。
【0350】
試料のサイズおよび自然増加率
【0351】
30人の患者を1:2の様式で無作為化して、ニボルマブ/イピリムマブを単独[群1]で、またはCBM588と併用[群2]で投与する。2年間にわたって30人の患者が自然増加し(患者約1.5人/月)、平均して約12ヶ月の追跡調査が行われると予想される(ニボルマブ/イピリムマブに対するPFSの推定値に基づく)。新たに診断されたmRCCの患者における既存の試験に基づく、本試験に対する予想される80%の同意率を考えると、本発明者らは1ヶ月当たり約2人の患者にアプローチしなければならないであろう。これは、本発明者らの施設における新たな患者の体積の現在の割合で実現可能である。
【0352】
統計解析計画
【0353】
主要評価項目:ベースラインから治療の12週目までのビフィドバクテリウム属の糞便の組成の変化。ベースラインから治療の第12週までのシャノン指数(微生物多様性の尺度)の比較。分析計画:ベースラインから12週目までのビフィドバクテリウム属の変化を、両群の患者について評価する。CBM588含有群に20、非CBM588含有群に10で、出願人らは、片側でタイプIの誤差0.05にて2群のt検定を使用して、2群で検出された平均の変化の間の1つの標準偏差(ビフィドバクテリウム属の変化の共通標準偏差)の差を検出するため、80%の件出力を有する。
【0354】
ベースラインから治療の12週目までのシャノン指数(微生物多様性の尺度)の比較を同様の様式で行う。これが二次的な手段であるため、いかなる結論も、この第2の分析に固有の多重比較の問題について考察する。
【0355】
副次評価項目:(1a)ニボルマブ/イピリムマブ単独対CBM588を伴うニボルマブ/イピリムマブのRECIST基準による最良の総合的な奏功。RECISTの基準による治療群と全奏効(奏効が認められたか、認められなかったか)との関連性を、フィッシャーの正確確率検定を用いて調べる。(1b)登録から進行までの期間として、ニボルマブ/イピリムマブ単独対CBM 588を伴うニボルマブ/イピリムマブで評価した無増悪生存期間(PFS)。分析計画:2つの群にわたる無増悪生存の差を、Kaplan-Meierの生存プロットを用いてグラフで調べる。2つの群のそれぞれについての無増悪生存期間の中央値が報告され、ハザード比およびその信頼区間を推定するためにCox比例ハザードモデルが使用される。
【0356】
多重比較の問題を調整せずに、以下の探索的分析を行うが、いずれの結論も多重比較の懸念に起因して導き出されるいずれかの結論の限界の考察を含む。(2a)ニボルマブ/イピリムマブ単独対CBM588を伴うニボルマブ/イピリムマブの、ベースラインでの循環Tregの循環Tregのレベルに対する割合の比較。(2b)ニボルマブ/イピリムマブ単独と、CBM588とニボルマブ/イピリムマブとの、循環骨髄由来サプレッサー細胞(MDSC)の割合の比較。(2c)IL-6、IL-8および他のサイトカイン/ケモカインと、ニボルマブ/イピリムマブ単独との、CBM588を伴うニボルマブ/イピリムマブとの比較。
【0357】
実施例2:転移性腎細胞癌(mRCC)を有する患者に対するニボルマブ/イピリムマブと組み合わせたCBM588 LBPの抗がん効果の分析
【0358】
出願人らは、実施例1に記載のニボルマブ/イピリムマブおよびCBM588 LBPを含む併用治療の抗がん効果をさらに評価した。治療の試験を受けている患者の追跡期間の中央値は89週間であった。試験に登録した患者の特徴は、表5に示す通りである。
【0359】
【0360】
試験に登録した患者では、CBM588と組み合わせてニボルマブ/イピリムマブを投与した患者の有意な数が、CBM588なしでニボルマブ/イピリムマブを投与した患者と比較して、無増悪生存期間が進行した(
図5)。同様に、全生存は、CBM588なしでチェックポイント阻害剤を摂取した患者と比較して、CBM588とのチェックポイント阻害剤の併用療法を投与された患者において増加した(
図6)。
【0361】
【0362】
表7.無増悪生存期間:異なるレベルのNI1NIC2についての生存分布の同等性の試験。
【表7】
【0363】
【0364】
表9.全生存:異なるレベルのNI1NIC2についての生存分布の同等性の試験。
【表9】
【0365】
さらに、ニボルマブ/イピリムマブ/CBM588併用療法を受けているより多くの患者が、がん性病変の変化によって測定されるように、治療に対する応答性を示した(
図7および表10)。同様に、全奏効が、チェックポイント阻害剤を単独で受けている患者と比較して、CBM588を含む併用療法を受けている患者においてより高かった(表11)。
【0366】
表10.Nivo/IpiまたはNivo/Ipi/CBMを受けている患者における標的病変の応答性。
【表10】
【0367】
表11.Nivo/IpiまたはNivo/Ipi/CBMを受けている患者の全奏効
【表11】
【0368】
試験の結果は、チェックポイント阻害剤での治療のみを受けた患者と比較して、より多くの患者が、CBM588を含む併用療法を投与された場合に治療を継続することができるということをさらに示す。さらに、併用療法を受けたより多くの患者が、治療に対して安定疾患または部分奏効のいずれかを示した(
図8)。
【0369】
実施例3:CBM588による胃腸管の調節の分析
【0370】
科学的理論に束縛されることを望むものではないが、本明細書に記載される臨床試験に対する出願人の理論的根拠は、CBM588がGI微生物叢を改変してがんに対する宿主の免疫機能を増強することができるということであった。宿主免疫機能を増強または減衰させることができるGI管内の正確な細菌の集団は、十分に理解されていない。したがって、ウィルコクソンの符号順位検定を行って、CBM588奏功者群の時間1のデータと時間2のデータとの間でのみ、種のレベルでの相対的な存在量を比較した。44種の相対的な存在量の有意差が検出され、各群におけるそれらの相対的な存在量を箱ひげ図として示した(多重度調整は考慮せず)(
図9A~
図9B、
図10A~
図10F、
図11A~
図11C、
図12A~
図12C、および
図13A)。
【0371】
がんに対する免疫チェックポイント療法に対する改善された応答に関連するGI管内の細菌の1つの可能な群は、ビフィドバクテリウム属である。微生物叢データは、実際に、CBM588治療前(T1)からCBM588治療後(T2)までのGI管内のビフィドバクテリウム属の増加傾向を示す。この効果はプラセボの対象では認められなかった。さらに、がんに対する免疫利益の根底にあり得る他の細菌集団、特にCBM588治療対象において増加および減少がある(
図9A~
図9B、
図10A~
図10F、
図11A~
図11C、
図12A~
図12Cおよび
図13A)。
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