(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-31
(54)【発明の名称】医療装置のためのシングルコアファイバ構成とマルチコアファイバ構成
(51)【国際特許分類】
A61M 25/00 20060101AFI20230524BHJP
A61B 34/20 20160101ALI20230524BHJP
【FI】
A61M25/00 530
A61B34/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022564035
(86)(22)【出願日】2021-04-22
(85)【翻訳文提出日】2022-12-06
(86)【国際出願番号】 IB2021053313
(87)【国際公開番号】W WO2021214698
(87)【国際公開日】2021-10-28
(32)【優先日】2020-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516134383
【氏名又は名称】セント・ジュード・メディカル・インターナショナル・ホールディング・エスエーアールエル
【氏名又は名称原語表記】St. Jude Medical International Holding S.a,r.l.
【住所又は居所原語表記】Regus Center, 26, boulevard Royal,L-2449 Luxembourg,Luxembourg
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トロイ テッグ
(72)【発明者】
【氏名】グレグ オルソン
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA01
4C267BB02
4C267BB10
4C267BB47
4C267BB48
4C267BB62
4C267CC07
4C267HH22
(57)【要約】
医療装置は中心長手方向軸及びルーメンを画定する管状本体を含んでもよく、管状本体は、内周面及び外周面を有する環状壁を含む。医療装置は管状本体の長さの少なくとも一部に沿って延在し、その環状壁内に少なくとも部分的に配置されたマルチコアファイバを含んでもよい。医療装置は管状本体の長さの少なくとも一部に沿って延在し、管状本体の中心長手方向軸に非平行である中心長手方向軸を画定する、複数のシングルコアファイバを含んでもよい。医療装置は、第1の層の上面に配置され、第1の層の長さの少なくとも一部に沿って延在するマルチコアファイバと、第1の層上に堆積又は印刷された第2の層とを含んでもよい。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心長手方向軸及びルーメンを画定する管状本体であって、内周面及び外周面を有する環状壁を含む前記管状本体と、
前記管状本体の長さの少なくとも一部に沿って延在するマルチコアファイバであって、前記管状本体の前記環状壁内に少なくとも部分的に配置される、前記マルチコアファイバと、
を備える医療装置。
【請求項2】
前記マルチコアファイバは、前記内周面と前記外周面との間の前記管状本体の前記環状壁内に全体的に配置されている、請求項1に記載の医療装置。
【請求項3】
前記マルチコアファイバは、前記管状本体の前記中心長手方向軸に対して非平行である中心長手方向軸を画定する、請求項1又は2に記載の医療装置。
【請求項4】
前記マルチコアファイバは、前記管状本体の前記中心長手方向軸の周りに螺旋状に巻かれている、請求項1から3のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項5】
前記マルチコアファイバは、蛇行構成で配置される、請求項1から3のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項6】
前記マルチコアファイバは、複数のファイバコアを含み、
前記ファイバコアの各々は、前記ファイバコアの長さに沿って分布された一つ又は複数のファイバブラッググレーティングを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項7】
前記マルチコアファイバの一つ又は複数のファイバコアは、力感知、形状感知、及び温度感知のうちの少なくとも一つのために使用される、請求項6に記載の医療装置。
【請求項8】
前記管状本体は、アブレーションカテーテル、マッピングカテーテル、シース、ガイドワイヤ、又はイントロデューサに含まれる、請求項1から7のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項9】
前記マルチコアファイバは、少なくとも部分的に、フープ、バスケット先端部のスプライン、アレイ先端部のスプライン、又はカテーテルのアブレーション先端部内に延在する、請求項1から8のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項10】
中心長手方向軸及びルーメンを画定する管状本体であって、内周面及び外周面を有する環状壁を含む前記管状本体と、
複数のシングルコアファイバであって、各シングルコアファイバが前記管状本体の長さの少なくとも一部に沿って延在するとともに、前記管状本体の前記中心長手方向軸に対して非平行である中心長手方向軸を画定する、前記複数のシングルコアファイバと、
を備える、医療装置。
【請求項11】
前記複数のシングルコアファイバの各々は、前記管状本体の前記中心長手方向軸の周りに螺旋状に巻かれている、請求項10に記載の医療装置。
【請求項12】
前記複数のシングルコアファイバの各々は、蛇行構成で配置される、請求項10に記載の医療装置。
【請求項13】
前記複数のシングルコアファイバは、まとめて螺旋状に撚られている、請求項10に記載の医療装置。
【請求項14】
前記複数のシングルコアファイバは、前記管状本体の前記ルーメン内に配置される、請求項13に記載の医療装置。
【請求項15】
前記複数のシングルコアファイバは、前記内周面と前記外周面との間の前記管状本体の前記環状壁内に全体的に配置される、請求項10から13のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項16】
前記複数のシングルコアファイバは、120度離間された三つのシングルコアファイバを含む、請求項10から15のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項17】
前記複数のシングルコアファイバの各々は、ファイバコアを含み、
各ファイバコアは、前記ファイバコアの長さに沿って分布された一つ又は複数のファイバブラッググレーティングを含む、請求項10から16のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項18】
第1の層の上面に配置され、前記第1の層の長さの少なくとも一部に沿って延在するマルチコアファイバであって、
前記マルチコアファイバは、複数のファイバコアを含み、
各ファイバコアは、前記ファイバコアの長さに沿って分布された一つ又は複数のファイバブラッググレーティングを含む、前記マルチコアファイバと、
前記第1の層上に堆積又は印刷された第2の層と、
を備える医療装置。
【請求項19】
前記第1の層にチャネルが形成され、前記マルチコアファイバが前記チャネルに配置される、請求項18に記載の医療装置。
【請求項20】
前記第1の層は、アブレーションカテーテル又はマッピングカテーテルの拡張可能部分のアーム、ストラット、又はスプラインを形成するフレキシブル基板であり、
前記第2の層は、導体、誘電体、絶縁体、及び電極のうちの少なくとも一つを備える、請求項18又は19に記載の医療装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
医療装置の位置及び向きを決定するための様々なシステムが知られている。
【0002】
そのようなシステムは、医療装置が患者の身体を通って意図された部位まで前進させられるときに、視覚化及びナビゲーション目的のために施術者によって使用される。あるそのようなシステムは、針の先端に結合された蛍光不透過性マーカ(例えば、金属コイル、能動インピーダンス感知電極など)と、針を通して挿入されるとともに患者の体内の所望の位置に心調律デバイス、置換心臓弁などを送達するために使用されるガイドワイヤの先端の周りに巻き付けられた別のセンサと、を利用する。センサは電離放射線(例えば、蛍光透視法で使用されるX線)の場に曝露されたとき可視となる。ディスプレイが、放射線下のセンサの位置に基づいて、患者の体内の針及びガイドワイヤの視覚的表現を出力する。しかしながら、これらの方法は、処置中続けて針及びガイドワイヤの位置を示す出力をセンサが生成できるように、処置の間ずっと放射線が使用されることを必要とする。従って、医師の手も、処置の間中ずっと、放射線に曝されなければならない。針が配置された後も、施術者の手は、針を通してガイドワイヤを挿入し、ガイドワイヤを心臓に向かってナビゲートする間も、依然として放射線に曝されつづける。
【0003】
カテーテルの位置及び/又は向きを決定するためのさらなる技術は、磁気、電気、及び/又は超音波技術を含む。例えば、一つのタイプの位置特定システムは、電気インピーダンスベースのシステムである。電気インピーダンスベースのシステムは一般に、患者の体外に設けられた一つ又は複数の体表面電極(例えば、パッチ)対と、患者の体に取り付けられた基準センサ(例えば、別のパッチ)と、医療装置に取り付けられた一つ又は複数のセンサ(例えば、電極)とを含む。その対は、そのような位置決めシステムのための座標系のそれぞれの軸に隣接するか、直線的に配置されるか、又は軸と関連させることができる。システムは電極対に電流を印加し、デバイス電極で(すなわち、基準センサに対して)誘起されたそれぞれの電圧を測定し、次いで、測定された電圧を処理することによって、医療装置の位置及び向きを決定することができる。
【0004】
別のシステムは、磁場ベースの位置決めシステムとして知られている。このタイプのシステムは一般に、患者用ベッド又は手術環境の他のコンポーネントに取り付けられた、又はその近くに配置された一つ又は複数の磁場発生器と、医療装置に結合された一つ又は複数の磁場検出コイルと、を含む。あるいは磁場発生器が医療装置と結合されてもよく、検出コイルは手術環境のコンポーネントに取り付けられてもよく、又はその近くに配置されてもよい。発生器は対象の領域(すなわち、解剖学的領域)内に制御された低強度AC磁場を提供する。検出コイルは、感知された場の一つ又は複数の特性を示すそれぞれの信号を生成する。次いで、システムは、これらの信号を処理して、コイル(従って、医療装置)に関連する一つ又は複数の位置及び向きの読み取り値を生成する。位置及び方向の読み取り値は典型的には磁場発生器に関して取得され、従って、磁場発生器は磁場ベースの位置決めシステムの座標系の事実上の「原点」として働く。座標系は身体表面電極が貼付けされる患者に対して、である電気インピーダンスベースのシステムとは異なり、磁場ベースのシステムは、患者から独立した座標系を有する。
【0005】
電気インピーダンスベースの位置決めシステム及び磁場ベースの位置決めシステム両方とも利点を提供する。例えば、電気インピーダンスベースのシステムは複数の医療装置上の比較的多数のセンサを同時に位置特定する(すなわち、それの位置及び向きの読み取り値を提供する)能力を提供する。しかしながら、電気インピーダンスベースのシステムは人体における電流の流れを利用するので、座標系は非均質で、異方性であり、正規直交ではないことがある(すなわち、座標系の基本ベクトルが、互いに直角であるか、又は適切な単位長を有することが保証されない)。さらに、電気インピーダンスベースのシステムは、電気的干渉を受ける可能性がある。結果として、位置測定に基づいてレンダリングされる幾何学的形状及び表現は、対象の関心領域の実際の画像に対して歪んで見えることがある。一方、磁場ベースの座標系は、患者の解剖学的構造の特性に依存せず、概して正規直交座標系を提供する。しかしながら、磁場ベースの位置決めシステムは一般に、比較的少ないセンサを追跡することに限定される。
【0006】
加えて、当技術分野における技術的進歩は、医療装置において利用可能な空間の効率的な使用をますます要求する。例えば、マッピング及びアブレーションに使用されるカテーテルは、直径が非常に小さいことがある。いくつかの例ではカテーテルが2~6フレンチ(1フレンチ=0.3mm)ほど小さく、他の例ではカテーテルがさらに小さいことがある。このように、カテーテルの組立て、例えば、ワイヤを電極に接続し、これらのワイヤをカテーテルを通して一続きに接続することは、困難であり得る。いくつかの例では、ワイヤを電極に接着することが困難であるため、欠陥のあるカテーテルが生成され得、その結果、信号が不十分になり、無駄になり、製造効率が低下し得る。加えて、医療装置の位置及び向きを決定するために使用されるコンポーネントを組み込むことは、(組み込まなければ)他の有益なコンポーネントによって使用されるであろう空間を占めてしまう可能性があり、コストのかかるトレードオフを強いる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、最小限の空間を占めるコンポーネントを使用して、位置及び向きの読み取りを提供する、改良された医療装置が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様によれば、医療装置又はその一部は、中心長手方向軸及びルーメンを画定する管状本体であって、内周面及び外周面を有する環状壁を含む管状本体と、管状本体の長さの少なくとも一部に沿って延在するマルチコアファイバであって、マルチコアファイバは、管状本体の環状壁内に少なくとも部分的に配置される、マルチコアファイバと、を含んでもよい。
【0009】
別の態様によれば、医療装置又はその一部は、中心長手方向軸及びルーメンを画定する管状本体であって、内周面及び外周面を有する環状壁を含む管状本体と、複数のシングルコアファイバであって、各シングルコアファイバは管状本体の長さの少なくとも一部に沿って延在し、管状本体の中心長手方向軸に対して非平行である中心長手方向軸を画定する、複数のシングルコアファイバと、を含んでもよい。
【0010】
さらなる態様によれば、医療装置又はその一部は、第1の層の上面に配置され、第1の層の長さの少なくとも一部に沿って延在するマルチコアファイバであって、マルチコアファイバは複数のファイバコアを含み、各ファイバコアはファイバコアの長さに沿って分布された一つ又は複数のファイバブラッググレーティングを含む、マルチコアファイバと、第1の層上に堆積又は印刷された第2の層と、を含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】本発明の一つ又は複数の実施形態による、管状本体の等角図及びマルチコアファイバの端面図である。
【0012】
【
図1B】本発明の一つ又は複数の実施形態による、異なる断面形状を有する医療装置の本体の端面図を示す。
【
図1C】本発明の一つ又は複数の実施形態による、異なる断面形状を有する医療装置の本体の端面図を示す。
【
図1D】本発明の一つ又は複数の実施形態による、異なる断面形状を有する医療装置の本体の端面図を示す。
【
図1E】本発明の一つ又は複数の実施形態による、異なる断面形状を有する医療装置の本体の端面図を示す。
【
図1F】本発明の一つ又は複数の実施形態による、異なる断面形状を有する医療装置の本体の端面図を示す。
【
図1G】本発明の一つ又は複数の実施形態による、異なる断面形状を有する医療装置の本体の端面図を示す。
【0013】
【
図2A】本発明の一つ又は複数の実施形態による、マルチコアファイバの端面図である。
【0014】
【
図2B】本発明の一つ又は複数の実施形態による、
図2Aに示されるマルチコアファイバの等角図である。
【0015】
【
図3A】本発明の一つ又は複数の実施形態による、管状本体の壁に部分的に埋め込まれたマルチコアファイバを有する管状本体の端面図である。
【0016】
【
図3B】本発明の一つ又は複数の実施形態による、平行構成のマルチコアファイバを示す、
図3Aに示される管状本体の等角図である。
【0017】
【
図3C】本発明の一つ又は複数の実施形態による、様々な非平行構成のマルチコアファイバを示す、
図3Aに示される管状本体の等角図である。
【
図3D】本発明の一つ又は複数の実施形態による、様々な非平行構成のマルチコアファイバを示す、
図3Aに示される管状本体の等角図である。
【0018】
【
図4A】本発明の一つ又は複数の実施形態による、管状本体の壁に全体が埋め込まれたマルチコアファイバを有する管状本体の端面図である。
【0019】
【
図4B】本発明の一つ又は複数の実施形態による、平行構成のマルチコアファイバを示す、
図4Aに示される管状本体の等角図である。
【0020】
【
図4C】本発明の一つ又は複数の実施形態による、様々な非平行構成のマルチコアファイバを示す、
図4Aに示される管状本体の等角図である。
【
図4D】本発明の一つ又は複数の実施形態による、様々な非平行構成のマルチコアファイバを示す、
図4Aに示される管状本体の等角図である。
【0021】
【
図5A】、本発明の一つ又は複数の実施形態による、管状本体の壁に全体が埋め込まれた複数のシングルコアファイバを有する管状本体の端面図である。
【0022】
【
図5B】本発明の一つ又は複数の実施形態による、平行構成の複数のシングルコアファイバを示す、
図5Aに示される管状本体の等角図である。
【0023】
【
図5C】本発明の一つ又は複数の実施形態による、様々な非平行構成の複数のシングルコアファイバを示す、
図5Aに示される管状本体の等角図である。
【
図5D】本発明の一つ又は複数の実施形態による、様々な非平行構成の複数のシングルコアファイバを示す、
図5Aに示される管状本体の等角図である。
【0024】
【
図6A】本発明の一つ又は複数の実施形態による、撚られた構成における複数のシングルコアファイバの側面図である。
【0025】
【
図6B】本発明の一つ又は複数の実施形態による、管状本体の壁に埋め込まれた、
図6Aに描写される複数のシングルコアファイバを示す、管状本体の等角図である。
【0026】
【
図6C】本発明の一つ又は複数の実施形態による、管状本体のルーメン内に配置された、
図6Aに示される複数のシングルコアファイバを示す、管状本体の等角図である。
【0027】
【
図7A】本発明の一つ又は複数の実施形態による、多層医療装置の一部の等角図である。
【0028】
【
図7B】本発明の一つ又は複数の実施形態による、線7-7に沿って切り取られた、
図7Aに示される多層医療装置の一部の断面図である。
【0029】
【
図8】本発明の一つ又は複数の実施形態による、チャネルとともに示される、7-7線に沿って取られた、
図7Aに描写される多層医療装置の一部の断面図である。
【0030】
【
図9A】本発明の一つ又は複数の実施形態による、医療装置の一部のひとつの層に形成された様々なチャネルの等角図である。
【
図9B】本発明の一つ又は複数の実施形態による、医療装置の一部のひとつの層に形成された様々なチャネルの等角図である。
【
図9C】本発明の一つ又は複数の実施形態による、医療装置の一部のひとつの層に形成された様々なチャネルの等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明は、医療装置又は医療装置の一部に光ファイバを組み込むための様々な構成を提供する。本明細書に開示される構成は、内部コンポーネントの周りに、及び医療装置又はその一部の限定された内部空間を通って光ファイバをルーティングすることなど、当技術分野で知られている多数の課題を克服するために使用できる。例えば、いくつかの実施形態は、光ファイバが医療装置の内部空間のいずれも占有せずに、医療装置又は医療装置の一部に組み込まれ、他のコンポーネントのための空間を解放することができる構成を提供する。他の実施形態は、光ファイバによって占有される内部空間の量を最小限に抑える方法で、光ファイバを医療装置又は医療装置の一部に組み込むことができる構成を提供する。さらなる実施形態は、光ファイバを、その構造及び製造を単純化する付加的なプロセスを使用して、医療装置又は医療装置の一部と一体化できる構成を提供する。
【0032】
光ファイバを組み込むことができる医療装置又はその一部分は、任意の介入的デバイスもしくは外科用デバイス、又はその任意の一部を含むことができる。医療装置及び医療装置の一部の例としてはカテーテル、シース、ガイドワイヤ、イントロデューサ、及びそれらの任意の一部が挙げられるが、これらに限定されない。カテーテルの例としてはアブレーションカテーテル、マッピングカテーテルなどが挙げられるが、これらに限定されない。カテーテルの一部の例はアブレーションカテーテル及び/又はマッピングカテーテルの拡張可能部分(例えば、バスケット、アレイ、平面端部など)のシャフト(例えば、細長シャフト)、ループ(例えば、円形マッピングカテーテルのループ部分)、又はストラット(複数可)、アーム(複数可)、又はスプライン(複数可)を含むが、これらに限定されない。医療装置又はその一部のより具体的な実例としては限定するものではないが、Agilis(商標) NxTステアラブルイントロデューサ(Abbott Laboratories)などの操縦可能なシース;FlexAbility(商標)アブレーションカテーテル及びFlexAbility(商標)アブレーションカテーテル、センサEnabled(商標)(Abbott Laboratories)などの高周波(RF)アブレーションカテーテル;及び/又はAdvisor(商標) HDグリッドマッピングカテーテル、センサEnabledTM、Advisor(商標) FL円形マッピングカテーテル、センサEnabledTM、及びAdvisor(商標) VLマッピングカテーテル、センサEnabledTM(Abbott Laboratories)などのマッピングカテーテルが挙げられる。これらは、限定的なものでなく、本発明の範囲から逸脱することなく、他の医療装置及び医療装置の一部を本明細書で利用することができる。
【0033】
医療装置及び医療装置の一部はファイバブラッググレーティング(FBG)センサ及び/又は干渉計センサなどの光学感知技術を備えることができ、これらは、光学センサを含む医療装置又は光学センサを含む医療装置の少なくとも一部の力、形状(例えば、位置及び/又は向き)、及び/又は温度を検出するために利用することができる。医療装置又は医療装置の一部上に位置する光センサは光ファイバを介して(例えば、マルチコアファイバ又は複数のシングルコアファイバを介して)光入力を受信するように構成することができ、力、形状、及び/又は温度に関する情報は、センサによって反射された光から決定される。一般に、光ファイバは一つ又は複数のファイバコアを含むことができ、ファイバコアの各々は、ファイバコアの一部に沿って長手方向に配置された一つ又は複数の光センサを含むことができる。上述のように、光学センサの一例はFBGセンサであり、これは、温度感知(例えば、温度の変化を検出すること)、力感知(例えば、体組織からの接触圧力に応答して遠位端でカテーテル先端に衝突する力を検出すること)、及び形状感知(例えば、医療処置中の細長シャフトの遠位端、カテーテル先端などの医療装置の全部又は一部の位置及び/又は向きを決定すること)のうちの一つ又は複数のために利用できる。
【0034】
従って、実施形態は、構造部材に組み込まれた一つ又は複数の光ファイバを含む医療装置又は医療装置の一部を提供する。一般に、光ファイバは一つ又は複数のファイバコアを含み、各ファイバコアは、ファイバコアの長さに沿って分布された一つ又は複数の光センサを含むことができる。実施形態は複数のファイバコア、又は複数のシングルコアファイバ(例えば、二つ以上のシングルコアファイバ)を含むマルチコアファイバを含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、マルチコアファイバが医療装置又は医療装置の一部の構造部材に組み込まれる。いくつかの実施形態では、複数のシングルコアファイバ(例えば、二つ以上のシングルコアファイバ)が医療装置又は医療装置の一部の構造部材に組み込まれる。構造部材は特に限定されず、任意の断面形状を有することができる。例えば、いくつかの実施形態では、構造部材は管状本体である。いくつかの実施形態では、構造部材は基板である。さらに、構造部材は、様々な長さ及び/又は可撓性の程度を有することができる。例えば、いくつかの実施形態では、構造部材は細長い。いくつかの実施形態では、構造部材は変形可能である。
【0035】
一つ又は複数の実施形態によれば、一つ又は複数の光ファイバは、様々な構成のうちの任意の構成で配置することができる。例えば、いくつかの実施形態では、一つ又は複数の光ファイバは構造部材の長さに沿って部分的に又は全体的に延在することができる。いくつかの実施形態では、一つ又は複数の光ファイバは構造部材(例えば、管状本体の壁)内に部分的に配置できる。いくつかの実施形態では、一つ又は複数の光ファイバは構造部材(例えば、管状本体の壁)内に全体的に配置できる。いくつかの実施形態では、一つ又は複数の光ファイバは構造部材の内部空間(例えば、管状本体のルーメン)内に部分的に配置できる。いくつかの実施形態では、一つ又は複数の光ファイバは構造部材の内部空間(例えば、管状本体のルーメン)内に全体的に配置できる。いくつかの実施形態では、一つ又は複数の光ファイバを一つ又は複数の層の間(例えば、基板と第1の層との間)に配置できる。
【0036】
一つ又は複数の実施形態によれば、一つ又は複数の光ファイバは、平行構成又は非平行構成で配列できる。平行構成は一般に、光ファイバの中心長手方向軸が構造部材の軸に平行である構成である。例えば、いくつかの実施形態では、光ファイバの中心長手方向軸が管状本体の中心長手方向軸と平行である。いくつかの実施形態では、光ファイバの中心長手方向軸が基板の長手方向軸に平行である。非平行構成は一般に、光ファイバの中心長手方向軸が構造部材の軸に対して非平行である構成である。例えば、いくつかの実施形態では、光ファイバが管状本体の中心長手方向軸に対して非平行である中心長手方向軸を画定する。いくつかの実施形態では、光ファイバの中心長手方向軸が基板の長手方向軸に対して非平行である。一実施形態では、少なくとも一つの光ファイバが管状本体の中心長手方向軸の周りに螺旋状に巻かれる。別の実施形態では、少なくとも一つの光ファイバが管状本体又は基板内に蛇行構成で配置される。さらなる実施形態では、複数の光ファイバが撚られた構成で螺旋状にまとめて撚り合わせることができる。
【0037】
一つ又は複数の実施形態によれば、医療装置及びその一部は例えば、プルワイヤ、平坦ワイヤ、流体潅注又は排液ルーメン、切除要素のためのリードワイヤ、回転ワイヤ、導電トレース、誘電材料、電極などを含むが、これらに限定されない追加のコンポーネントを備えることができる。
【0038】
ここで、医療装置及びその一部分について一般的に説明したところで、特定の実施形態について説明するが、上記及び下記で説明する代替形態及び/又は変形例の任意の組合せを、本開示のすべての実施形態に適用することができる。
【0039】
図1Aは、本発明の実施形態による、医療装置100の代表的な一部の等角図である。
図1Aに示すように、一実施形態では、医療装置100の一部が管状本体104と、管状本体104の長さの少なくとも一部に沿って延びるマルチコアファイバ120とを含むことができる。管状本体104は、中心長手方向軸106及びルーメン110を画定することができる。管状本体104は、内周面114及び外周面116を有する環状壁112を含むことができる。マルチコアファイバ120は、内周面114と外周面116との間の管状本体104の環状壁112内に配置することができる。
図1Aに示す実施形態では、マルチコアファイバ120は複数のファイバコア122、124、126、及び128を含む。複数のファイバコア122、124、126、及び128の各々は、一つ又は複数の光センサ130a、130b、及び130cを含むことができる。一部の実施形態では一つ又は複数の光センサ130a、130b及び130cは特定のファイバコアに沿って互いに隣接するように配置することができる。例えば、ファイバコア126はファイバコア126の長さに沿って分布する複数の光センサ130a、130b、130cを含むことができる(例えば、光センサ130a、130b、130cは複数のファイバコアのうち一つに沿って互いに隣接して配置することができる)。同様に、他のファイバコア(例えば、122、124、及び128)の各々は、それぞれのファイバコアの長さに沿って分布された一つ又は複数の光センサを含むことができる。一部の実施形態において、複数の光センサ130a、130b、130cは、ファイバブラッググレーティング(FBG)センサである。複数の光センサ(例えば、FBG)が特定の一つのファイバコアに沿って分布された実施形態では、各FBGが各FBGによって提供されるフィードバックが隣接するFBGから区別されることを可能にするために、固有の格子周期によって定義されてもよい。以上のように、複数の光センサ130a、130b、130cを異なる機能に使用することができる。例えば、光センサ130a、130b、130cのうちの一つ又は複数を、力感知、形状感知、温度感知のうち少なくとも一つに使用することができる。
【0040】
本体は
図1Aに示されるように、細長シャフト又はその一部などの管状本体とすることができるが、本体は任意の他の幾何学的形状及び/又は断面形状を有することができる。例えば、
図1Bから
図1Gは、他の幾何学的形状及び/又は断面形状の非限定的な例を提供する。特に、正方形の断面形状を有する本体を
図1Bに示し、長方形の断面形状を有する本体を
図1Cに示し、多角形の断面形状を有する本体を
図1Dに示し、三角形の断面形状を有する本体を
図1Eに示し、楕円形の断面形状を有する本体を
図1Fに示し、(角に丸みを有する)長方形(oblong)の断面形状を有する本体を
図1Gに示す。
図1Aから
図1Gに示される本体の各々は、細長くかつ/又は可撓性であり得る。
図1Aから
図1Gに示される本体を形成するために使用される材料は、特に限定されず、様々な材料のうち任意のものを含むことができる。いくつかの実施形態では、本体がハイポチューブ、ポリマー本体、又はコイル本体を含むことができる。例えば、本体はPEBAX(登録商標)、ナイロン、及びポリウレタンなどの材料を含むことができ、あるいは本体は、金属ワイヤ編組から構築されるか、あるいは金属ワイヤ編組を組み込むことができる。
【0041】
図2Aは本発明の様々な実施形態による、
図1Aに示されるマルチコアファイバ120などのマルチコアファイバ200の端面図であり、
図2Bは等角図である。マルチコアファイバ200はマルチコアファイバ本体210と、マルチコアファイバ200の一部に沿って延在する複数(例えば、4つ)の個々のファイバコア202、204、206、及び208とを含むことができる。ファイバコア204、206、及び208はマルチコアファイバ200の外周に沿って配置され、互いに等距離に(例えば、120°離れて)離間することができる。ファイバコア202は、中心ファイバコアとすることができる。ファイバコア202、204、206、及び208のうちの一つ又は複数は、一つ又は複数の光センサを含むことができる。例えば、
図2Bに示される実施形態ではファイバコア204が複数のFBG220-1、220-2、及び220-3を含み、複数のFBG220-1、220-2、及び220-3はファイバコア204の一部に沿って互いに隣接又はほぼ隣接して配置することができる。複数のFBG220-1、220-2、及び220-3が互いに隣接している実施形態では、複数のFBG220-1、220-2、及び220-3は隣接するFBG220-1、220-2、及び220-3の間にほとんど又は全くギャップなしに、端から端まで積層することができる。他のファイバコア202、206、及び/又は208は同様に、一つ又は複数の光センサを含んでもよい。例えば、複数のFBG(
図2Aから
図2Bには図示せず)は、ファイバコア202、206、及び208のうちの一つ又は複数の長さに沿って分布させることができる。4つの個々のファイバコア202、204、206、及び208が
図2Aから2Bに示されているが、他の実施形態ではより少ない数の個々のファイバコアを使用することができ、又はより多くの数の個々のファイバコアを使用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、三つのファイバコア204、206、及び208のみが使用される。他の実施形態では追加のファイバコア(例えば、合計6つ)を任意の中心ファイバコアを有するマルチコアファイバ200の外周の周りに離間して配置することができる。さらなる実施形態では、追加のファイバコアが企図される。
【0042】
ここで
図3Aを参照すると、本発明の一つ又は複数の実施形態による、管状本体の壁に部分的に埋め込まれたマルチコアファイバを有する医療装置の一部300の端面図が示されている。
図3Aに示されるように、医療装置の一部300は、管状本体304と、管状本体304の長さの少なくとも一部に沿って延びるマルチコアファイバ320とを含む。管状本体304は、中心長手方向軸306(
図3Aには図示せず)及びルーメン310を画定する。さらに、管状本体304は、内周面314及び外周面316を有する環状壁312を含む。管状本体304は、任意の医療装置又は医療装置の一部300に含まれることができる。例えば、管状本体304は、アブレーションカテーテル、マッピングカテーテル、シース、ガイドワイヤ、又はイントロデューサに含まれることができる。
【0043】
図3Aに示される図示の実施形態では、マルチコアファイバ320が管状本体304の環状壁312内に少なくとも部分的に配置され、及び/又は管状本体304のルーメン310内に少なくとも部分的に配置される。この構成のマルチコアファイバ320は、医療装置の様々な部分のいずれかの中に少なくとも部分的に延在することができる。例えば、マルチコアファイバ320は少なくとも部分的に、フープ、バスケット先端のスプライン、アレイ先端のスプライン、又はカテーテルのアブレーション先端の中に延在することができる。
図3Aには示されていないが、マルチコアファイバ320は複数のファイバコアを含むことができ、複数のファイバコアのうちの一つ又は複数は一つ又は複数の光センサを含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、マルチコアファイバ320は上述の
図2Aから
図2Bのマルチコアファイバ200を含む。一つ又は複数の光センサは各ファイバコアの長さに沿った一つ又は複数の位置に配置することができ、FBGを含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、複数のFBGを、一つ又は複数のファイバコアの長さに沿って分布させることができる。いくつかの実施形態では、複数のファイバコアのうちの一つ又は複数(一つ又は複数の光センサを含む)を異なる機能のために使用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、マルチコアファイバ320の複数のファイバコアのうちの一つ又は複数が力感知、形状感知、及び温度感知のうちの少なくとも一つのために使用される。
【0044】
ここで
図3Bから
図3Dを参照すると、本発明の一つ又は複数の実施形態による、医療装置の一部300の等角図が、平行構成(
図3B)及び様々な非平行構成(
図3Cから
図3D)のマルチコアファイバ320とともに示されている。
図3Bから
図3Dに示される図示される実施形態の各々において、マルチコアファイバ320の全長は、管状本体304の環状壁312内に少なくとも部分的に配置される。
図3Bでは、本発明のいくつかの実施形態による、マルチコアファイバ320がマルチコアファイバ320の中心長手方向軸が管状本体304の中心長手方向軸306に平行又は実質的に平行である平行構成で示される。
図3Cでは、本発明のいくつかの実施形態による、マルチコアファイバ320が、管状本体304の中心長手方向軸306の周りに螺旋状に巻かれる非平行構成で示される。
図3Dでは、本発明のいくつかの実施形態による、マルチコアファイバ320が蛇行構成で配置される別の非平行構成で示される。
【0045】
ここで
図4Aを参照すると、本発明の一つ又は複数の実施形態による、管状本体の壁に全体が埋め込まれたマルチコアファイバを有する医療装置の一部400の端面図が示されている。
図4Aに示されるように、医療装置の一部400は、管状本体404と、管状本体404の長さの少なくとも一部に沿って延びるマルチコアファイバ420とを含む。管状本体404は、中心長手方向軸406(
図4Aには図示せず)及びルーメン410を画定する。さらに、管状本体404は、内周面414及び外周面416を有する環状壁412を含む。管状本体404は、任意の医療装置又は医療装置の一部400に含まれることができる。例えば、管状本体404は、アブレーションカテーテル、マッピングカテーテル、シース、ガイドワイヤ、又はイントロデューサに含まれることができる。
【0046】
図4Aに示される図示の実施形態では、マルチコアファイバ420は内周面414と外周面416との間の管状本体の環状壁412内に全体的に配置され、従って、ルーメン410及び/又は外部環境のいずれにも露出していない。この構成のマルチコアファイバ420は、医療装置の様々な部分のいずれかの中に少なくとも部分的に延在することができる。例えば、マルチコアファイバ420は少なくとも部分的に、フープ、バスケット先端のスプライン、アレイ先端のスプライン、又はカテーテルのアブレーション先端の中に延在することができる。
図4Aには示されていないが、マルチコアファイバ420は複数のファイバコアを含むことができ、複数のファイバコアのうちの一つ又は複数は、一つ又は複数の光センサを含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、マルチコアファイバ420が上述の
図2Aから
図2Bのマルチコアファイバ200を含む。一つ又は複数の光センサは各ファイバコアの長さに沿った一つ又は複数の位置に配置することができ、FBGを含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、複数のFBGを、一つ又は複数のファイバコアの長さに沿って分布させることができる。いくつかの実施形態では、複数のファイバコアのうちの一つ又は複数(一つ又は複数の光センサを含む)を異なる機能のために使用できる。例えば、いくつかの実施形態では、マルチコアファイバ420の複数のファイバコアのうちの一つ又は複数が、力感知、形状感知、及び温度感知のうちの少なくとも一つのために使用される。
【0047】
ここで
図4Bから
図4Dを参照すると、本発明の一つ又は複数の実施形態による、医療装置の一部400の等角図が、平行構成(
図4B)及び様々な非平行構成(
図4Cから
図4D)のマルチコアファイバ420とともに示されている。
図4Bから
図4Dに示される図示される実施形態の各々において、マルチコアファイバ420の全長は、内周面414と外周面416との間の管状本体404の環状壁412内に全体的に配置される。
図4Bでは、マルチコアファイバ420は本発明のいくつかの実施形態によって、マルチコアファイバ420の中心長手方向軸が管状本体404の中心長手方向軸406に平行又は実質的に平行である平行構成で示される。
図4Cでは、マルチコアファイバ420が本発明のいくつかの実施形態による、マルチコアファイバ420が管状本体404の中心長手方向軸406の周りに螺旋状に巻かれる非平行構成で示される。
図4Dでは、本発明のいくつかの実施形態による、マルチコアファイバ420が蛇行構成で配置される別の非平行構成で示される。
【0048】
ここで
図5Aを参照すると、本発明の一つ又は複数の実施形態による、管状本体の壁に全体的に埋め込まれた複数のシングルコアファイバを有する医療装置の一部500の端面図が示されている。
図5Aに示されるように、医療機器の一部500は管状本体504と、少なくとも管状本体504の長さの一部に沿って伸びる複数(例えば、3本)のシングルコアファイバ520A、520B、520Cを含む。管状本体504は、中心長手方向軸506(
図5Aには図示せず)及びルーメン510を画定する。さらに、管状本体504は、内周面514及び外周面516を有する環状壁512を含む。管状本体504は、任意の医療装置又は医療装置の一部500に含むことができる。例えば、管状本体504は、アブレーションカテーテル、マッピングカテーテル、シース、ガイドワイヤ、又はイントロデューサに含むことができる。
【0049】
図5Aに示される図示された実施形態では、複数のシングルコアファイバ520A、520B、520Cは、それぞれ全体的に内周面514と外周面516との間の管状本体504の環状壁512に配置され、その結果、ルーメン510及び/又は外周環境のいずれにも露出していない。この構成における複数のシングルコアファイバ520A、520B及び520Cは、少なくとも部分的に医療機器の様々な部分のいずれかに延在することができる。例えば、シングルコアファイバ520A、520B、及び520Cは少なくとも部分的に、フープ、バスケット先端のスプライン、アレイ先端のスプライン、又はカテーテルのアブレーション先端に延在することができる。
図5Aに示されるように、いくつかの実施形態では、複数のシングルコアファイバ520A、520B、520Cは互いに等距離に離間することができる(例えば、約120度離れる)。
【0050】
図5Aには示されていないが、複数のシングルコアファイバ520A、520B及び520Cの各々はシングルコアファイバを含み、各ファイバコアは一つ又は複数の光センサを含むことができる。一つ又は複数の光センサはシングルコアファイバ520A、520B及び520Cの長さに沿って一つ又は複数の場所に設置することができ、FBGを含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、複数のFBGをシングルコアファイバ520A、520B、及び520Cの一つ又は複数の長さに沿って分布させることができる。一つ又は複数の光学センサによって提供される情報を利用して、力、形状、及び/又は温度を含むいくつかのパラメータを検出することができる。いくつかの実施形態では、複数の異なるシングルコアファイバ520A、520B及び520C上に位置する光センサからの情報は一つ又は複数のパラメータを検出するために必要である。例えば、いくつかの実施形態では、形状情報が複数の異なるシングルコアファイバに配置された光センサからの入力を必要とする。このように、複数のシングルコアファイバ520A、520B、520Cは、マルチコアファイバと同等の機能を提供することができる。
図5Aには3本のシングルコアファイバが示されているが、この3本のシングルコアファイバは例として示されている。他の実施形態では、マルチコアファイバの機能を提供するために、二つ以上のシングルコアファイバをまとめて使用することができる。
【0051】
次に、
図5Bから
図5Dを参照すると、本発明の一つ又は複数の実施形態による、医療デバイスの一部500の等角図が、平行構成(
図5B)及び様々な非平行構成(
図5Cから
図5D)で、複数のシングルコアファイバ520A、520B、及び520Cで示されている。
図5Bから5Dに示される図示の各実施形態では、複数のシングルコアファイバ520A、520B、520Cの各々の全長は、内周面514と外周面516との間の管状本体504の環状壁512に全体的に配置される。
図5Bでは、本発明のいくつかの実施形態による、3本のシングルコアファイバ520A、520B、及び520Cのそれぞれが、各シングルコアファイバ520A、520B、及び520Cの中心長手方向軸が管状本体504の中心長手方向軸506に平行又は実質的に平行である平行構成で示されている。
図5Cでは、本発明のいくつかの実施形態による、3本のシングルコアファイバ520A、520B、520Cの各々が、3本のシングルコアファイバ520A、520B、520Cの各々が管状本体504の中心長手方向軸506周りに螺旋状に巻かれる非平行構成で示されている。
図5Dでは本発明のいくつかの実施形態による、3本のシングルコアファイバ520A、520B、及び520Cの各々が、3本のシングルコアファイバ520A、520B、及び520Cの各々が蛇行構成に配置された別の非平行構成で示されている。
【0052】
ここで
図6Aを参照すると、本発明の一つ又は複数の実施形態による、複数のシングルコアファイバ620の側面図が、撚られた構成で示されている。
図6Aに示されるように、撚られた構成は、まとめて螺旋状に撚られた複数のシングルコアファイバ620A、620B、及び620Cを含む。
図6Aには示されていないが、複数のシングルコアファイバ620A、620B及び620Cの各々はファイバコアを含み、それぞれのファイバコアは一つ又は複数の光センサを含むことができる。一つ又は複数の光センサはシングルコアファイバ620A、620B及び620Cの長さに沿って一つ又は複数の場所に設置することができ、FBGを含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、複数のFBGをシングルコアファイバ620A、620B、620Cのうち一つ又は複数の長さに沿って分布させることができる。複数のシングルコアファイバ620A、620B及び620Cは、力感知、形状感知及び/又は温度感知のうち一つ又は複数に使用することができる。このようにして、複数のシングルコアファイバ620A、620B及び620Cは、上記のようなマルチコアファイバの機能性を提供することができる。
図6Aでは三つのシングルコアファイバが撚られた構成で示されているが、他の実施形態では二つ以上のシングルコアファイバを螺旋状に撚り合わせ、マルチコアファイバの機能を提供するために使用することができる。
【0053】
図6B-6Cを参照すると、本発明の一つ又は複数の実施形態による、
図6Aからの複数のシングルコアファイバ620A、620B、620Cとともに医療デバイスの一部600の等角図が示される。
図6B-6Cに示されるように、医療デバイスの一部600は管状本体604を含むことができ、複数(例えば、3)のシングルコアファイバ620A、620B、及び620Cは、少なくとも管状本体604の長さの一部に沿って撚られた構成で延在することができる。管状本体604は、中心長手方向軸606及びルーメン610を画定する。さらに、管状本体604は、内周面614及び外周面616を有する環状壁612を含む。
図6Bでは、複数のシングルコアファイバ620A、620B、620Cが撚られた構成で示されており、内周面614と外周面616との間にある管状本体604の環状壁612内に全体的に配置されており、ルーメン610及び/又は外周環境のいずれにも露出していない。
図6Cでは、複数のシングルコアファイバ620A、620B、620Cが撚られた構成で配置され、管状本体604のルーメン内に配置される。
【0054】
図7Aから7Bは、本発明の一つ又は複数の実施形態による、多層医療装置の一部の等角図及び断面図である。医療装置の一部700は医療装置の任意の一部を形成することができ、従って、医療装置及びその一部は、特に限定されない。いくつかの実施形態では、医療装置の一部700はマッピングカテーテル及び/又はアブレーションカテーテルなどの、医療装置の平面又は非平面、可撓性又は非可撓性部分を含むことができる。例えば、一実施形態では、医療装置の一部700はグリッドのアーム又はストラットの一部分、又はマッピング及び/もしくはアブレーションカテーテル(例えば、平面アレイカテーテル)の平面端部を含むことができる。別の実施形態では、医療装置の一部700はマッピング及び/又はアブレーションカテーテル(例えば、バスケットカテーテル)のバスケット電極アセンブリのスプラインの一部分を含むことができる。
【0055】
医療装置の一部700は、概して、一つ又は複数の層と、マルチコアファイバとを備えることができる。
図7Aから
図7Bに示すように、一実施形態では、医療装置の一部700は、第1の層701と、第2の層702と、第3の層703と、第1の層701の表面上に堆積され、及び/又は第1の層701と第2の層702との間に配置されたマルチコアファイバ710とを備えることができる。別の実施形態では医療装置の一部700は、第1の層701のみ、第1の層701及び第2の層702のみ、又は一つ又は複数の追加の層(
図7Aから7Bには図示せず)を備えることができ、これら追加の層は第1の層701の上面側又は底面側に提供することができる。別の実施形態では、医療装置の一部700は複数のマルチコアファイバ(
図7Aから
図7Bには図示せず)を備えることができる。別の実施形態では、マルチコアファイバ710は第1の層701以外の層、例えば、第2の層702、第3の層703、及び存在する場合には一つ又は複数の追加の層のいずれかの表面上に堆積させることができる。マルチコアファイバ710は、それが堆積される層の長さに沿って部分的に又は全体的に延在することができる。
図7Aから
図7Bには示されていないが、マルチコアファイバ710は複数のファイバコアを含むことができ、各ファイバコアは一つ又は複数の光センサ(たとえば、FBG)を含む。
【0056】
第1の層701、第2の層702、及び第3の層703を形成する材料、及び存在する場合、追加の層のいずれかを形成する材料は、特に限定されない。いくつかの実施形態では、第1の層701、第2の層702、及び第3の層703はそれぞれ独立して、以下の層のうちの少なくとも一つを含む:支持層(例えば、基板、フレキシブル基板、又はフレックスプリント基板、例えば、フレキシブルプリント回路基板、又はガラスファイバ、非導電性材料、ポリマー、又はニチノールで形成された基板)、導電性層(例えば、導電性トレース)、誘電体層、絶縁層、電極(例えば、微小電極)、コンタクトパッド、シード層、又はマスク、である。例えば、一実施形態では第1の層701が基板とすることができ、基板表面上に堆積されたマルチコアファイバ710を含むことができ、第2の層702は第1の層上に堆積することができ、誘電体層を形成することができ、第3の層703は第2の層上に堆積することができ、一つ又は複数の電極(例えば、微小電極)を形成することができ、一つ又は複数の電極は選択的に、一つ又は複数の導電性トレース(
図7Aから7Bに図示せず)に電気的に結合される。
【0057】
第1の層701、第2の層702、及び/又は第3の層703は、アブレーションカテーテル又はマッピングカテーテルの拡張可能部分のストラット、アーム、又はスプラインを形成するフレキブル基板にできる。例えば、いくつかの実施形態では医療装置の一部700が医療装置の遠位端部分であり、マルチコアファイバ710はハンドルアセンブリ(図示せず)及び/又は可撓性細長シャフト(図示せず)を通って遠位端部分まで延在する。遠位端部分は、アブレーションカテーテル又はマッピングカテーテルの拡張可能部分を含むことができる。拡張可能部分はストラット、アーム、又はスプラインの少なくとも一部を形成するフレキシブル基板701(例えば、第1の層として)を含むことができる。マルチコアファイバ710はストラット、アーム、又はスプライン上又はその中に配置することができ、第2の層702及び第3の層703の下で、その長さに沿って部分的又は全体が延在することができる。いくつかの実施形態では、マルチコアファイバ710が第2の層702及び/又は第3の層703を形成することができる一つ又は複数の電極を越えて延在する。他の実施形態ではマルチコアファイバ710は、第2の層702及び/又は第3の層703を形成することができる一つ又は複数の電極の近くに延在するが、それを超えて延在しない。
【0058】
医療装置の一部700の層は、それぞれ独立して、同じ又は異なる付加的及び/又は減法的製造プロセスを通して形成することができる。例えば、いくつかの実施形態では第1の層701、第2の層702、及び第3の層703のすべての層又は少なくとも一つは印刷層又は印刷塗布層(printed overlayer)である。印刷プロセスはエアロゾルジェット、マイクロディスペンシング(マイクロペン)、及びインクジェット印刷、ならびにスクリーン印刷及びめっきを含むエレクトロニクスの直接書き込み印刷を含むことができるが、これらに限定されない。他の付加的なプロセスは、化学蒸着、及び付加的なプロセスを介してモールド上に材料を堆積させることを含む。材料が堆積されると、材料を硬化させることができ、モールドを材料から取り外すことができる。他の実施形態では、第1の層701、第2の層702、及び第3の層703のうちの一つ又は複数は減法プロセス(たとえば、レーザエッチング、化学エッチング、マシニングなど)によって形成されることができる。
【0059】
図8は本発明の別の実施形態を示すために、線7-7に沿って取られた医療装置の一部800の断面図である。
図8に示されるように、医療装置の一部800は、医療装置の一部800がチャネル820をさらに含むことを除いて、
図7A及び
図7Bに示される医療装置の一部700と同様である。図示の実施形態では、チャネル820は第1の層701内に形成することができる。他の実施形態では、チャネル820は、第1の層701、第2の層702、第3の層703、及び存在する場合、一つ又は複数の追加の層、のうち一つ又は複数の中に形成することができる。
【0060】
チャネル820は選択的に、医療装置又はその一部の製造を簡略化するために、マルチコアファイバを所定の位置に固定又は保持するために使用することができる。いくつかの実施形態では、チャネル820を、チャネル820内のマルチコアファイバ710のいくらかの移動を可能にするように成形することができる。例えば、一実施形態ではチャネル820は、マルチコアファイバ710をチャネル内に保持するのに十分な大きさであることができ、そうでなければ、一般に、いくらかの移動(例えば、回転)を可能にする。これらの実施形態ではマルチコアファイバ710がチャネル820内に配置されると、チャネル層820内の占有されていない空間を充填するために、次の層をその上に堆積させることができ、又はチャネル層820内の占有されていない空間を充填するために、次の層を堆積させる前に、充填材料、添加材料、又は中間層を、チャネル層820内、その近傍、及び/又はその周囲に局所的に堆積させることができ、マルチコアファイバ710を部分的に又は全体的に被覆することができる。他の実施形態では、チャネル820がマルチコアファイバ710の移動を許容しないように成形することができる。例えば、一実施形態では、チャネル820はマルチコアファイバ710を所定の位置にスナップ留め又はロックすることができる。
【0061】
チャネル820は、他の方法の中でもとりわけ、前駆体材料を鋳造することによって、又は初期平面材料をプレスすることによって形成することができる。いくつかの実施形態では、チャネル820は変形可能な材料で形成することができる。例えば、チャネル820は金属、ポリマー、又は他の種類の材料で形成することができ、材料に熱及び/又は圧力を加えることによって変形させることができる。一実施形態では、チャネル820が金属を備える層に形成される場合、チャネル820は金属を鋳造すること、及び/又は金属を(例えば、ツール及びダイを介して)プレスして、その層にチャネル820を形成することによって形成することができる。チャネル820がポリマーを備える層に形成されるいくつかの実施形態では、チャネル820がその層に形成されるようにポリマーを形成することができる。例えば、ポリマーは層がチャネル820を含むように鋳造することができ、及び/又は、チャネル820を形成するために、ポリマーを加熱することができ、及び/又は圧力をポリマーに加えることができる。
【0062】
図9A、9B、及び9Cは、各チャネル900A、900B、及び900Cの他の構成を示す等角図である。
図9Aは、層901内に形成されたチャネル920を示し、これは、上述の層のいずれかとすることができる。チャネル920はチャネル920内のマルチコアファイバ(
図9Aには図示せず)のいくらかの移動又は回転を可能にするが、そうでなければ、マルチコアファイバをチャネル920内に保持する(例えば、転がり落ちるのを防止するために)丸みを帯びた基部を有する。この実施形態は、正確な測定又は製造技術を必要としないので、製造が簡単であり得る。
【0063】
図9Bは、層901内に形成されたチャネル930を示し、これは、同様に、上述の層のいずれかとすることができる。チャネル930はチャネル920内のマルチコアファイバ(
図9Bには図示せず)のいくらかの移動又は回転を可能にするが、そうでなければ、マルチコアファイバをチャネル920内に保持する(例えば、転がり落ちるのを防止するために)正方形又は長方形の基部を有する。この実施形態は、正確な測定又は製造技術を必要としないので、製造が簡単であり得る。
【0064】
図9Cは層901内に形成されたチャネル940を示し、これは、同様に、上述の層のいずれかとすることができる。チャネル940は所定の位置にマルチコアファイバ(
図9Cには図示せず)をスナップ留め又はロックすることができる形状嵌合の丸い基部を有し、チャネル940内での移動を最小限にするか、又は全く移動無しを可能にする。この実施形態は、マルチコアファイバを正確に配置することを必要とする複雑な医療装置又は複数の医療装置に使用することができる。
(可能な実施形態の考察)
【0065】
以下は、本発明の可能な実施形態の非包括的な説明を含む。
【0066】
いくつかの態様によれば、医療装置は、中心長手方向軸及びルーメンを画定する管状本体であって、内周面及び外周面を有する環状壁を含む管状本体と、管状本体の長さの少なくとも一部に沿って延在するマルチコアファイバであって、マルチコアファイバは、管状本体の環状壁内に少なくとも部分的に配置される、マルチコアファイバと、を備えてもよい。
【0067】
前段落の医療装置は選択的に、追加的及び/又は代替的に、以下の特徴、構成、及び/又は追加のコンポーネントのうちの任意の一つ又は複数を含んでもよい。
【0068】
例えば、特定の態様では、マルチコアファイバは、内周面と外周面との間の管状本体の環状壁に全体的に配置されてもよい。
【0069】
特定の態様では、マルチコアファイバは、管状本体の中心長手方向軸に非平行である中心長手方向軸を画定する。
【0070】
特定の態様では、マルチコアファイバが、管状本体の中心長手方向軸の周りに螺旋状に巻かれている。
【0071】
特定の態様では、マルチコアファイバが蛇行構成で配置される。
【0072】
特定の態様では、マルチコアファイバは複数のファイバコアを含み、ファイバコアの各々は、ファイバコアの長さに沿って分布された一つ又は複数のファイバブラッググレーティングを含む。
【0073】
特定の態様では、マルチコアファイバの一つ又は複数のファイバコアが、力感知、形状感知、及び温度感知のうちの少なくとも一つのために使用される。
【0074】
特定の態様では、管状本体は、アブレーションカテーテル、マッピングカテーテル、シース、ガイドワイヤ、又はイントロデューサに含まれる。
【0075】
特定の態様では、マルチコアファイバは少なくとも部分的に、フープ、バスケット先端部のスプライン、アレイ先端部のスプライン、又はカテーテルのアブレーション先端部内に延在する。
【0076】
さらなる態様によれば、医療装置は、中心長手方向軸及びルーメンを画定する管状本体であって、内周面及び外周面を有する環状壁を含む管状本体と、
複数のシングルコアファイバであって、各シングルコアファイバは管状本体の長さの少なくとも一部に沿って延在し、管状本体の中心長手方向軸に対して非平行である中心長手方向軸を画定する、複数のシングルコアファイバと、を備えてもよい。
【0077】
前段落の医療装置は選択的に、追加的及び/又は代替的に、以下の特徴、構成、及び/又は追加のコンポーネントのうちの任意の一つ又は複数を含んでもよい。
【0078】
例えば、特定の態様では、複数のシングルコアファイバの各々は、管状本体の中心長手方向軸の周りに螺旋状に巻かれている。
【0079】
特定の態様では、複数のシングルコアファイバの各々が蛇行構成で配置される。
【0080】
特定の態様では、複数のシングルコアファイバの各々がまとめて螺旋状に撚られている。
【0081】
特定の態様では、複数のシングルコアファイバが管状本体のルーメン内に配置される。
【0082】
いくつかの態様では、複数のシングルコアファイバが内周面と外周面との間の管状本体の環状壁内に全体的に配置される。
【0083】
特定の態様では、複数のシングルコアファイバは、120度離間された三つのシングルコアファイバを含む。
【0084】
特定の態様では、複数のシングルコアファイバの各々がファイバコアを含み、各ファイバコアはファイバコアの長さに沿って分布された一つ又は複数のファイバブラッググレーティングを含む。
【0085】
さらなる態様によれば、医療装置は、第1の層の上面に配置され、第1の層の長さの少なくとも一部に沿って延在するマルチコアファイバであって、マルチコアファイバは複数のファイバコアを含み、各ファイバコアはファイバコアの長さに沿って分布された一つ又は複数のファイバブラッググレーティングを含むマルチコアファイバと、第1の層上に堆積又は印刷された第2の層と、を備えてもよい。
【0086】
前段落の医療装置は選択的に、追加的及び/又は代替的に、以下の特徴、構成、及び/又は追加のコンポーネントのうちの任意の一つ又は複数を含んでもよい。
【0087】
例えば、特定の態様では、第1の層にチャネルが形成され、マルチコアファイバがチャネルに配置される。
【0088】
特定の態様では、第1の層はアブレーションカテーテル又はマッピングカテーテルの拡張可能部分のアーム、ストラット、又はスプラインを形成するフレキシブル基板であり、第2の層は、導体、誘電体、絶縁体、及び電極のうちの少なくとも一つを備える。
【0089】
本明細書では、様々な装置、システム、及び/又は方法の実施形態について説明する。本明細書に記載され、添付の図面に示される実施形態の全体的な構造、機能、製造、及び使用を全体が理解するために、多数の具体的な詳細が記載される。しかしながら、実施形態はそのような特定の詳細なしに実施されてもよいことが、当業者によって理解されるのであろう。他の例では、周知の動作、コンポーネント、及び要素は本明細書で説明される実施形態を不明瞭にしないように、詳細には説明されていない。当業者は本明細書に記載及び図示された実施形態が非限定的な例であり、従って、本明細書に開示された特定の構造的及び機能的詳細が代表的であってよく、実施形態の範囲を必ずしも限定するものではなく、その範囲が添付の特許請求の範囲によってのみ規定されることを理解するのであろう。
【0090】
本明細書を通して、「様々な実施形態」、「いくつかの実施形態」、「一実施形態」、又は「ある実施形態」などへの言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構成、又は特性が少なくとも一つの実施形態に含まれることを意味する。従って、「様々な実施形態では」、「いくつかの実施形態では」、「一実施形態では」、又は「ある実施形態では」などの語句の出現は、本明細書全体を通して、必ずしもすべてが同じ実施形態を指すわけではない。さらに、特別な特徴、構造又は特性は一つ又は複数の実施形態において任意の適当な方法で組み合わせられてもよい。従って、一つの実施形態に関連して図示又は説明される特定の特徴、構造、又は特性は、そのような組合せが非論理的又は非機能的ではないことを考慮すると、限定されることなく、一つ又は複数の他の実施形態の特徴、構造、又は特性と全体的又は部分的に組み合わせられてもよい。
【国際調査報告】