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特表2023-522738無線通信システムおよびユーザのための装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-31
(54)【発明の名称】無線通信システムおよびユーザのための装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/10 20090101AFI20230524BHJP
   H04W 24/08 20090101ALI20230524BHJP
【FI】
H04W48/10
H04W24/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022564139
(86)(22)【出願日】2020-04-23
(85)【翻訳文提出日】2022-12-19
(86)【国際出願番号】 CN2020086500
(87)【国際公開番号】W WO2021212437
(87)【国際公開日】2021-10-28
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515076873
【氏名又は名称】ノキア テクノロジーズ オサケユイチア
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100209808
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 高志
(72)【発明者】
【氏名】ジ,リアンハイ
(72)【発明者】
【氏名】ラセルヴァ,ダニエラ
(72)【発明者】
【氏名】ウ,チュンリ
(72)【発明者】
【氏名】セビール,ブノワ
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067EE02
5K067EE10
5K067HH22
5K067LL13
(57)【要約】
無線通信システム用の装置で、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサによって実行されたときに、ユーザ装置に、ユーザ装置に関連する第1論理チャネルのRLC障害にユーザ装置がどのように対応すべきかを定義する無線リンク制御(RLC)障害構成を少なくとも設定させる命令を格納するメモリから構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システム(10)用の装置(100)であって、少なくとも1つのプロセッサ(102)と、
前記少なくとも1つのプロセッサ(102)によって実行されたときに、装置(100)に、ユーザ機器が、前記ユーザ機器に関連する第1の論理チャネルのRLC障害にどのように対応すべきかを定義する無線リンク制御(RLC)障害構成(RLC-FCFG)で前記ユーザ機器(200)を少なくとも構成させる命令を格納するメモリ(104)と
を備える装置。
【請求項2】
前記RLC障害構成(RLC-FCFG)は、前記ユーザ機器(200)が前記第1の論理チャネルの前記RLC障害をネットワーク(10)に通知すべきかどうかを定義する、請求項1に記載の装置(100)。
【請求項3】
前記RLC障害構成(RLC-FCFG)は、前記ユーザ機器(200)に関連する少なくとも第2の論理チャネルが正常に動作したときに、前記ユーザ機器(200)が前記第1の論理チャネルの前記RLC障害をネットワーク(10)に通知すべきかどうかを定義する、請求項1または2に記載の装置(100)。
【請求項4】
前記命令は、少なくとも1つの前記プロセッサ(102)によって実行されると、前記装置(100)にさらに、ユーザ機器(200)をRLC障害構成(RLC-FCFG)で明示的に構成させる、請求項1~3のいずれか1項に記載の装置(100)。
【請求項5】
前記RLC障害構成(RLC-FCFG)が第1のしきい値(T1)を含み、前記ユーザ機器(200)は、第1のしきい値(T1)に基づいて、RLC障害をネットワークまたは前記ネットワークに送信するかどうかを決定することができる、請求項1~4のいずれか1項に記載の装置(100)。
【請求項6】
前記RLC障害構成(RLC-FCFG)が、少なくとも1つのマッピング制限を無効にするかどうかを前記ユーザ機器(200)に示す第1の制御情報(CI1)を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の装置(100)。
【請求項7】
前記第1制御情報(CI1)が、複数のマッピング制限のうちどれを無効にするかを示す、請求項6に記載の装置(100)。
【請求項8】
前記RLC障害構成(RLC-FCFG)が、少なくとも1つの優先度しきい値(P1、P2)を含み、前記ユーザ機器(200)は、少なくとも1つの前記優先度しきい値(P1、P2)と、(a)前記ユーザ機器に関連する論理チャネルの最低優先度、および(b)前記第1の論理チャネルの優先度のうちの少なくとも1つに基づいて、前記RLC障害をネットワークまたは前記ネットワークに送信するかどうかを決定することができる、請求項1~7のいずれか1項に記載の装置(100)。
【請求項9】
少なくとも1つの前記プロセッサ(102)によって実行されると、前記命令は、前記装置(100)にさらに、
(a)前記ユーザ機器は、前記第1の論理チャネルの前記RLC障害の検出時に無線リンク障害を宣言すべきである、
(b)前記ユーザ機器は、前記第1の論理チャネルの前記RLC障害を前記ネットワークに送信すべきである、
(c)前記ユーザ機器は、前記第1の論理チャネル以外の少なくとも1つの論理チャネルのRLC障害の検出時に無線リンク障害を宣言すべきである、および
(d)前記ユーザ機器は、少なくとも1つの他の前記論理チャネルの前記RLC障害を前記ネットワークに送信すべきである、
の内の少なくとも1つを示す第2の制御情報(CI2)で前記ユーザ機器を設定させる、請求項1~8のいずれか1項に記載の装置(100)。
【請求項10】
前記命令は、少なくとも1つの前記プロセッサ(102)によって実行されると、前記装置(100)に、さらに、少なくとも1つのユーザ機器固有の条件に基づいて、前記RLC障害構成(RLC-FCFG)の少なくとも一部を設定させる、請求項1~9のいずれか1項に記載の装置(100)。
【請求項11】
前記命令は、少なくとも1つの前記プロセッサ(102)によって命令が実行されると、前記装置(100)に、さらに、前記RLC障害構成(RLC-FCFG)の少なくとも一部をブロードキャストさせる、請求項1~10のいずれか1項に記載の装置(100)。
【請求項12】
少なくとも1つのプロセッサ(202)と、命令(206)を格納するメモリ(204)とを含むユーザ機器(200)であって、前記命令は、少なくとも1つの前記プロセッサ(202)によって実行されたときに、ユーザ機器(200)に、前記ユーザ機器(200)に関連付けられた第1の論理チャネルのRLC障害に対して前記ユーザ機器(200)がどのように対処すべきかを定義する無線リンク制御(RLC)障害構成(RLC-FCFG)を少なくとも決定(350)させる、ユーザ機器(200)。
【請求項13】
前記命令は、少なくとも1つの前記プロセッサ(202)によって実行されると、前記ユーザ機器(200)に、さらに、前記RLC障害構成(RLC-FCFG)に基づいて、前記ユーザ機器(200)がネットワーク(10)に前記第1の論理チャネルの前記RLC障害を通知すべきかどうかを決定(352)させる、請求項12に記載のユーザ機器(200)。
【請求項14】
前記命令は、少なくとも1つの前記プロセッサ(202)によって実行されると、前記ユーザ機器(200)に、さらに、前記ユーザ機器(200)に関連する少なくとも第2の論理チャネルが正常に動作したときに、前記ユーザ機器(200)がネットワーク(10)に前記第1の論理チャネルの前記RLC障害を通知すべきかどうかを、前記RLC障害構成(RLC-FCFG)に基づいて決定(352)させる、請求項12または13に記載のユーザ機器(200)。
【請求項15】
前記命令は、少なくとも1つの前記プロセッサ(202)によって実行されると、前記ユーザ機器(200)に、さらに、少なくとも1つの論理チャネルに対して許可されたセルの構成に基づいて、無線リンク制御(RLC)障害構成(RLC-FCFG)を決定(360)させる、請求項12~14のいずれか1項に記載のユーザ機器(200)。
【請求項16】
前記RLC障害構成(RLC-FCFG)は、第1のしきい値(T1)を含み、前記命令は、少なくとも1つの前記プロセッサ(202)によって実行されると、前記ユーザ機器(200)に、さらに、前記第1のしきい値(T1)に基づいて、前記RLC障害をネットワークまたは前記ネットワークに送信するかどうかを決定(362)させる、請求項12~15のいずれか1項に記載のユーザ機器(200)。
【請求項17】
前記RLC障害構成(RLC-FCFG)は、少なくとも1つのマッピング制限を無効にするかどうかを前記ユーザ機器(200)に示す第1の制御情報(CI1)を含み、
前記命令は、少なくとも1つの前記プロセッサ(202)によって実行されると、前記ユーザ機器(200)に、さらに、前記第1の制御情報(CI1)に基づいて、少なくとも1つの前記マッピング制限を無効(364)にさせる、請求項12~16のいずれか1項に記載のユーザ機器(200)。
【請求項18】
前記RLC障害構成(RLC-FCFG)が、少なくとも1つの優先度しきい値(P1、P2)を含み、前記命令が、少なくとも1つの前記プロセッサ(202)によって実行されると、前記ユーザ機器(200)に、さらに、少なくとも1つの前記優先度しきい値(P1、P2)と、
(a)前記ユーザ機器に関連する論理チャネルの最低優先度、および
(b)前記第1の論理チャネルの優先度
のうちの少なくとも1つに基づいて、前記RLC障害をネットワークまたは前記ネットワークに送信するかどうかを決定させる、請求項12~17のいずれか1項に記載のユーザ機器(200)。
【請求項19】
前記命令は、少なくとも1つの前記プロセッサ(202)によって実行されると、前記ユーザ機器(200)に、さらに、
論理チャネルについて所定の数のRLC再送に達した場合に、第1のセルによって提供される前記論理チャネルについて前記所定の数のRLC再送に達したかどうかを判定させ、
前記第1のセルによって提供される少なくとも1つのさらなる論理チャネルが所定の数のRLC再送に達していない場合に、前記論理チャネルについての前記RLC障害を前記ネットワークに送信させる、請求項12~18のいずれか1項に記載のユーザ機器(200)。
【請求項20】
前記命令は、少なくとも1つの前記プロセッサ(202)によって実行されると、前記ユーザ機器(200)に、さらに、第1品質しきい値よりも良好な無線チャネル品質を持つ別のセルを再選択できるかどうかを決定させ、
前記第1品質しきい値よりも良好な無線チャネル品質を持つ別のセルを再選択できる場合は、前記他のセルとの無線リソース制御(RRC)接続を再確立させ、
前記第1品質しきい値よりも良好な無線チャネル品質を持つ別のセルを再選択できない場合は、前記RLC障害構成(RLC-FCFG)に基づいて、RLC障害レポートを現在のサービングセルに送信するかどうかを決定させる、請求項12~19のいずれか1項に記載のユーザ機器(200)。
【請求項21】
ユーザ機器(200)が前記ユーザ機器(200)に関連する第1の論理チャネルのRLC障害にどのように対応すべきかを定義する無線リンク制御(RLC)障害構成(RLC-FCFG)を用いて前記ユーザ装置(200)を設定(300)することを含む、無線通信システム(10)用の装置(100)を操作する方法。
【請求項22】
ユーザ機器(200)が、前記ユーザ機器(200)に関連する第1の論理チャネルのRLC障害にどのように対応すべきかを定義する無線リンク制御(RLC)障害構成(RLC-FCFG)を決定(350)することを含む、ユーザ機器(200)を操作する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線通信システム用の装置に関する。この開示は、さらにユーザ機器(UE)に関するものである。本開示はさらに、無線通信システムのための装置の操作方法に関する。開示はさらに、ユーザ機器の操作方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムは、例えば、2つ以上のエンティティ間の情報の無線交換に使用されることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
開示の様々な実施形態に対して求められる保護の範囲は、独立したクレームによって規定されている。本明細書に記載されている、独立したクレームの範囲に該当しない例示的な実施形態及び特徴があれば、それは、開示の様々な例示的な実施形態を理解するのに有用な例として解釈される。
【0004】
いくつかの実施例は、少なくとも1つのプロセッサを含む無線通信システム用の装置と、少なくとも1つのプロセッサによって実行されたときに、装置が無線リンク制御(RLC)ユーザ機器に関連付けられた第1論理チャネルのRLC障害にユーザ機器がどのように対応すべきかを定義する障害構成を少なくともユーザ機器に設定させる命令を格納するメモリに関連する。
【0005】
いくつかの実施例では、装置またはその機能は、それぞれ通信システムのネットワーク要素、例えば、基地局、より具体的にはgNodeB(gNB)で提供されることがある。
【0006】
いくつかの実施例では、それぞれの実施例またはその機能に従った装置は、第3世代パートナーシッププロジェクト、3PP、4G E-UTRANまたは5G NR(第5世代新無線)などの無線規格に基づくか、少なくとも部分的に準拠した無線通信システムのために、またはその中で使用することができる。いくつかの実施例では、5G NRベースの通信システムの手順である無線リンク障害(RLF)に対して、それぞれの実施例またはその機能に従った装置を使用することができる。
【0007】
例として、たとえば5G NRなどで現在定義されているUuインターフェイスのRLFに対する1つのトリガ条件は、RLC確認応答モード(AM)を使用しているときに、RLC再送信の最大数に達したことを無線リンク制御(RLC)層から通知されたときに、次のように特徴付けられる。このトリガ条件に従って、RLCの最大再送信回数は、3GPP TS38.331(参照例:3GPP TS38.331V15.8.0(2019-12))に従って情報要素(IE)“RLC-Config”で設定されるパラメータ“maxRetxThreshold”を使用して設定され、AM RLCエンティティの送信側がRLCパケットデータユニット(PDU)の合計再送信回数を制限するために使用される。この場合、RLFが検出されると、UEがRRC_IDLE状態に遷移するか、Radio Resource Control(RRC)接続再確立手順を開始する可能性がある。
【0008】
5G NRなどで現在定義されている最大再送信回数パラメータ(つまり、RLC-Configで設定されたmaxRetxThreshold)は、3GPP TS38.331で定義されているRLC AMに適用され、値t1は1回の再送信、値t2は2回の再送信などに対応する。例示的な単一セルのシナリオで、RLCエンティティの再送信の最大回数に達すると、RLFが宣言され、前述のようにUEがNWとのRRC接続を再確立するようにトリガされる。具体的には、SRB0を除くすべての無線ベアラ(RB)は、RLFが宣言された時点で中断される。これらの中断されたRB(すなわち、SRB2とDRB)は、RRC接続再確立手順が正常に完了した後、第1のRRC再構成メッセージを受信すると最初に再開できる。したがって、DRBが再開されている間はユーザープレーンデータを送信できないため、実行中のアプリケーションに望ましくない中断が発生する。
【0009】
TS38.331に従って、RLC-ConfigはIE RLC-BearerConfig内に含まれる。これは、(PDCPエンティティへのリンクに加えて)RLCエンティティと、アップリンクについてのMACの対応する論理チャネル(LCH)を設定するために使用される。このように、個別のRLCエンティティをUEについて(例えば、異なる論理チャネルについて)設定でき、これらは異なる方法で設定できる。たとえば、最大再送信回数に異なる値を設定できる。
【0010】
現在のRLFの定義では、例えば5G NRに対して現在定義されているように、1つの論理チャネル/RLCエンティティに対するRLC障害(例えば、maxRetxThresholdに到達した場合)は、RLFの宣言を意味し、次にすべてのDRBを中断し、任意の他のDRB上のデータ伝送を中断する。
【0011】
例として、第1に、RLC障害が発生した場合、無線の状態やプロトコルの問題が原因である可能性がある。無線の問題である場合、RLCの再送信であっても、無線損失からの回復を助けることができないことを意味する。通常、無線リンク監視(RLM)手順は、RLC障害が発生する前に無線の問題を検出できることが期待され、現在定義されている(例えば5G NRについての)RLM手順は、プライマリセル(PCell)に制限されている。したがって、RLC障害は、PCellだけの無線の問題ではなく、セカンダリセル(SCell)の無線の問題またはプロトコルの障害(設定の問題を含む)が原因で発生する可能性がある。
【0012】
さらに、5G NRでは、LCHで使用できる許可されたセル」の制限も導入された。これは、LCHのRLC障害がそのLCHの許可されたセル(例えば、ライセンスされていないセル、高周波セルなど)のみの問題になる可能性があるが、信頼性が高くチャネル品質が優れた異なるセルを使用している場合は、他のLCHに影響を与えないという点で、従来のLTEとは異なる。
【0013】
これは、いくつかの実施例によると、あるRLCエンティティのRLC障害は、別の論理チャネルを適切にサポートできないことを意味しない場合があることを意味する。これは、異なるQuality of Service(QoS)要件を持つ異なるサービスタイプがデバイス内に共存している場合に特に関連する側面である。
たとえば、超信頼性と低遅延の通信(URLLC)サービスに対して使用される論理チャネルからmaxRetxThreshold値を達成することが、必ずしもより緩和されたQoS要件を持つ論理チャネル(大規模なマシンタイプ通信(mMTC)や拡張モバイルブロードバンド(eMBB)サービスをサポートするために使用される論理チャネルなど)の中断をトリガする必要はない。
【0014】
さらなる例として、第2に、RLC障害によってトリガされる再確立は、(古いまたは新しいセルの)セル選択、選択されたセルへのランダムアクセス手順、および交換されるいくつかのRRCメッセージを含むことがあるので、比較的遅い手順である可能性がある。プロトコル/設定の問題が原因でRLC障害が発生した場合、同じセル(例:影響を受けるRLCエンティティの再設定)による回復試行が成功する可能性がある。
しかし、それは再設立による不必要な遅延の後にのみ開始される。
【0015】
いくつかの実施例では、影響を受けたRLCエンティティ(つまり、RLC障害を検出したRLCエンティティ。)のより迅速な回復を目的とするRLC障害を処理する方法などの側面に対処すると同時に、影響を受けていないRLCエンティティがサービスを継続できるようにする場合がある。
【0016】
いくつかの実施例によれば、既に述べたように、ユーザ機器は、例えばいくつかの実施例による装置を介した構成によって提供されるRLC障害構成を使用して、そのようなRLC障害にどのように対応するかを決定することができる。
【0017】
いくつかの実施例によれば、RLC障害構成は、ユーザ機器がネットワークへの第1の論理チャネルのRLC障害を通知すべきかどうかを定義する。
【0018】
いくつかの実施形態によれば、RLC障害構成は、ユーザ機器に関連する少なくとも第2の論理チャネルが正常に動作した場合、すなわちRLC障害が発生しなかった場合に、ユーザ機器が第1の論理チャネルのRLC障害をネットワークに通知すべきかどうかを定義する。いくつかの実施形態によれば、これは、例えば、RLFを宣言して再確立を開始するのではなく、少なくともそれに関連する第2のLCHおよび/またはRBに対して、通常の、すなわち中断されない動作を維持することを可能にする。
【0019】
例として、ユーザ機器に関連付けられた第2の論理チャネルは、例えば第2の論理チャネルがRLC再送の所定回数(例:第1のしきい値または最大RLC再送信回数)に達していない場合に、正常に動作する。
【0020】
いくつかの実施例によると、UEは複数のLCHおよび/またはRLCエンティティで構成される場合がある。
【0021】
いくつかの実施例によると、UEはLCHごとに個別のRLC障害構成で設定することができ、これにより異なるRLC障害構成を持つ異なるLCHを提供することができる。
【0022】
いくつかの実施形態によれば、命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、装置にさらに、RLC障害構成でユーザ機器を明示的に設定させる。
【0023】
いくつかの実施例によると、ユーザ機器はRLC障害構成で暗黙的に設定されることもある。
【0024】
たとえば、マルチセルキャリア集約(CA)/デュアル接続(DC)シナリオに基づく可能性のあるいくつかの実施形態によると、LCHのRLC障害が再確立ではなくRLC障害レポートをトリガするべきかどうかをLCHごとに設定することは、たとえば、LCHの許可されたセル設定に基づいて暗黙的に行われる可能性がある。
【0025】
いくつかの実施例によると、暗黙的な設定は許可されたセル設定の一部であり、UEごとに有効/無効にすることができる。たとえば、障害下のLCHに対して許可されている設定済みセル、つまり第1のLCHは、障害がおきていると見なされ、したがって、中断/非アクティブ化される可能性がある。少なくとも別のセルが失敗しておらず、少なくとも別のLCHにマップされている限り、これらの条件下では、いくつかの実施形態に従って、RLC障害レポートが(RRC)再確立なしでトリガされる可能性がある。いくつかの実施形態によれば、そうでない場合、例えば、他のセルも障害が発生しており、障害が発生していない他のLCHがセルにマップされていない場合、RRCの再確立が開始される。
【0026】
いくつかの実施形態では、許可されたセルは、無線エラーが発生しやすい可能性があるため、無許可セルおよび/または高周波セル(例えば、3GPP38.101-1で定義されている周波数範囲FR2を使用する場合、参照:3GPP TS38.101-1V16.2.0(2019-12)、表5.1-1等)である。これにより、信頼性が高くチャネル品質が高い異なるセルを使用している場合に、これらのセルの問題が他のLCHに影響を与えないようにする。
【0027】
いくつかの実施例では、RLC障害構成は第1のしきい値を含み、ユーザ機器は第1のしきい値に基づいて、RLC障害を同じまたは別のネットワークに送信するかどうかを決定することができる。
【0028】
いくつかの実施例では、第1のしきい値はRLC再送信の所定回数である。
【0029】
例えば、シングルセルのシナリオやマルチセルのCA/DCシナリオに基づくいくつかの実施形態によれば、第1のしきい値は、3GPP TS38.331(例えば、3GPP TS38.331 V15.8.0(2019-12)を参照)に従って情報要素(IE)“RLC-Config”で設定される既存のしきい値パラメータ“maxRetxThreshold”を考慮した新しい(追加の)しきい値と見なすことができる。
【0030】
いくつかの実施形態によれば、第1の(すなわち、新しい)しきい値は、例えば、“maxRetxThreshold_RLCReport”として示され、以下の(a)および/または(b)を決定するようにUEに設定される場合がある。
(a)例えば、現在のRLC AM再送信回数が第1のしきい値に達した場合に、第1のLCHのRLC障害を報告するときである(および/または、報告するかどうか)
(b)(例えば、現在のRLC AMの再送信回数が、RLF検出用に定義された既存のしきい値パラメータ“maxRetxThreshold”に達した場合に)RLFを宣言するときである(および/または、宣言するかどうか)
【0031】
いくつかの実施形態によれば、第1のしきい値“maxRetxThreshold_RLCReport”の値は、例えば最初にレポートをトリガするために、既存の“maxRetxThreshold”よりも低く設定することができる。
いくつかの実施例によると、これにより、RLFを宣言してすべてのDRBを中断する前に、例えば、影響を受けた(第1の)LCHに対するプロトコルパラメータを再設定したり、許可されたセルや他のLCP制限を変更したりすることによって、最初にRLC障害の問題を回復/解決する試みが可能になる。
【0032】
いくつかの実施形態によれば、RLC障害構成は、少なくとも1つのマッピング制限を無効にするかどうかをユーザ機器に示す第1の制御情報を含む。
【0033】
例えば、シングルセルのシナリオまたはマルチセルのCA/DCシナリオに基づくことが可能ないくつかの実施例によると、(例えば、RLF検出(例:既存の“maxRetxThreshold”)のために定義された最大数や、より低い設定された数、例えば、上で説明したいくつかの実施形態による第1のしきい値に対応する)RLCエンティティ/LCHに対して所定の回数のRLC AM再送信に達したことを検出すると、LCHにLCP(論理チャネルの優先順位付け)マッピング制限(例:allowedCG_list、allowedPriorityLevels、allowedServingCellsによる(例:3GPP TS 38.300 V 15.8.0(2019-12)、例:chapter16.1.2))が設定されている場合、UEは、(例えば、RLFをトリガする代わりに)これらのマッピング制限の少なくとも1つを無効にすることができ、これは、できるだけ早く送信されるデータを取得するために有益である可能性があり、いくつかの実施形態に従った「回復動作(recovery behavior)」のいくつかのアクションとして例示的に参照される可能性がある。
【0034】
いくつかの実施形態によれば、これらのマッピング制限のうち少なくとも1つの無効化は、自動的に、すなわち、UEによって受信される明示的な指示なしに実行され得る。
【0035】
いくつかの実施例によると、この「回復動作」を有効にするかどうかは、ネットワーク構成に依存する場合がある。(例えば、上記で説明したいくつかの実施形態による可能な第1のしきい値に加えて)設定は、(例えば、情報要素(IE)“RestrictionsDisableList”を介して)無効にするLCPマッピング制限を示す場合がある。例えば、いくつかの実施形態によれば、“allowedServingCells”に従って制限を無効にした後、UEは、影響を受けた(例:第1の)LCHに対して以前に制限されたセルに適用されるUL許可を、そのLCHからのデータで満たすことができる。いくつかの実施例によれば、同様に、その許可に対応する送信にそのLCHのデータが存在することは、UEが(LCPマッピング)制限を無効にしたことをネットワークに対して暗黙的に示す可能性があり、同様に、上記で説明したいくつかの実施例に従って、UEがRLC障害を経験したか、またはUEが第1のしきい値に達したことを示す。
【0036】
いくつかの実施形態によれば、第1の制御情報は、複数のマッピング制限のうちどれを無効にするかを示す。
【0037】
いくつかの実施形態によれば、RLC障害構成は、少なくとも1つの優先度しきい値を含み、ユーザ機器は、少なくとも1つの優先度しきい値に基づいて、RLC障害をあるネットワークまたは前記ネットワークに送信するかどうかを決定することができる。
【0038】
いくつかの実施例によると、ユーザ機器は、少なくとも1つの優先度しきい値に基づいて、a)ユーザ機器に関連付けられた論理チャネルの最低優先度、b)第1の論理チャネルの優先度のうちの少なくとも1つに基づいて、RLC障害をあるネットワークまたは前記ネットワークに送信するかどうかを決定する場合がある。
【0039】
いくつかの実施形態によれば、第1の優先度しきい値と第2の優先度しきい値を提供することができる。
【0040】
例えば、シングルセルのシナリオやマルチセルのCA/DCシナリオに基づいたいくつかの実施形態によれば、既存の論理チャネルの最低優先度が第1の設定しきい値P1より低く、RLC障害を検出するLCHの優先度が第2のしきい値P2より高い場合、UEはRLC障害レポートをNWに送信することができる。
いくつかの実施形態によると、RLC障害を検出するLCHと比較して、特定の(すなわち、消失しない)QoSの違いおよび/または設定の違いを持つ別のLCHが設定されている場合、影響を受ける(すなわち、RLC障害を検出する)LCHからのRLC障害は、他のLCHの障害を意味する必要はなく、したがって、他のLCHに影響を与えるべきではない。あるいは、いくつかの実施形態によると、設定されたしきい値よりも優先度が高いまたは低いLCHに障害が発生した場合にLCHまたは優先度しきい値ごとに設定され、RLC障害レポートがトリガされる。
【0041】
いくつかの実施形態によれば、命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、さらに、装置に、例えばLCH/RLCエンティティのようなユーザ機器を、以下の(a)~(d)の内の少なくとも1つを示す第2の制御情報、例えばフラグを設定させる。
(a)ユーザ機器は、第1の論理チャネルのRLC障害の検出時に無線リンク障害を宣言すべきである、
(b)ユーザ機器は、例えばRLC障害レポートの形式で、第1の論理チャネルのRLC障害をネットワークに送信すべきである、
(c)ユーザ機器は、第1の論理チャネル以外の少なくとも1つの論理チャネルのRLC障害の検出時に無線リンク障害を宣言すべきである、
(d)ユーザ機器は、第1の論理チャネル以外の少なくとも1つの論理チャネルのRLC障害の検出時にRLC障害レポートを送信すべきである。
【0042】
いくつかの実施形態によれば、第2の制御情報、例えばフラグは、LCH/RLCエンティティおよび/または設定されたLCH/RLCエンティティのセットのQoS要件を考慮して設定することができる。
【0043】
いくつかの実施形態によれば、命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、さらに、少なくとも1つのユーザ機器固有の条件に基づいて、装置にRLC障害構成の少なくとも一部を設定させる。
【0044】
いくつかの実施例によれば、第1のしきい値の値、および/または、無線リンク障害を宣言しおよび/またはRLF障害レポートを送信する条件は、UE固有の条件、例えば、UE内の既存のサービスや、オプションでQoS要件を考慮して設定され得る。例えば、いくつかの実施例では、eMBBサービスとURLLCサービスの両方が共存している場合、URLLCサービスからのみのRLC障害はRLFを宣言しない。
【0045】
いくつかの実施形態によれば、1つのしきい値、または第1および第2のしきい値が設定される場合があり、例えば既存の論理チャネルに対する5G NRによって現在定義されている最大再送信回数パラメータ(つまり、RLC-Configで設定された“maxRetxThreshold”)の最大値が第1の設定しきい値よりも高く、RLC障害を検出するLCHの“maxRetxThreshold”の値が第2の設定しきい値よりも低い場合、UEはRLC障害レポートをNWに送信することがある。このオプションでは、UEは宣言するLCH(RLFを宣言するLCH)と他のLCHとの間で、maxRetxThresholdに関して大きな違いを保証できる。したがって、影響RLCエンティティのRLC障害が別のLCHの動作に影響を与えることはない。
【0046】
いくつかの実施形態によれば、命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、装置にRLC障害構成の少なくとも一部、例えば、第1のしきい値、第2のしきい値の少なくとも1つをブロードキャストさせる。
【0047】
いくつかの実施形態によれば、装置またはネットワークは、RLC障害構成の少なくとも一部、例えば、システム情報ブロック(SIB)内の第1のしきい値、第2のしきい値の少なくとも1つをブロードキャストすることができる。
【0048】
さらなる実施例は、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサによって実行されたときに、ユーザ機器に、ユーザ機器に関連付けられた第1論理チャネルのRLC障害にどのように対処すべきかを定義する無線リンク制御(RLC)障害構成を少なくとも決定させる命令を格納するメモリとを含むユーザ機器に関する。
【0049】
いくつかの実施形態によれば、RLC障害構成の決定は、装置、例えば、実施形態による装置、および/またはgNBからのRLC障害構成の受信(例えば、明示的な構成を持つ実施形態の場合)、他のデータおよび/または構成からのRLC障害構成の決定(例えば、暗黙的な構成を持つ実施形態の場合)の少なくとも1つを含むことができる。
【0050】
いくつかの実施例によれば、ユーザ機器におけるRLC障害構成の少なくとも一部は、例えば3GPP技術仕様のように標準でも規定されている場合があり、および/またはUE実装によって準備されている場合がある。いくつかの実施形態によれば、この命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、ユーザ機器にさらに、例えばユーザ機器に関連する少なくとも第2の論理チャネルが正常に動作する場合など、ユーザ機器がネットワークへの第1の論理チャネルのRLC障害を通知すべきかどうかを、RLC障害構成に基づいて判断させる。
【0051】
いくつかの実施形態によれば、命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、さらに、少なくとも1つの論理チャネルに対して許可されたセルの構成に基づいて、ユーザ機器に無線リンク制御(RLC)障害構成を決定させる。
【0052】
いくつかの実施形態によれば、RLC障害構成は第1のしきい値で構成され、命令が少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、ユーザ機器はさらに第1のしきい値に基づいて、RLC障害をあるネットワークまたは前記ネットワークに送信するかどうかを決定する。
【0053】
いくつかの実施例では、第1のしきい値はRLC再送信の所定回数である。
【0054】
いくつかの実施形態によれば、RLC障害構成は、少なくとも1つのマッピング制限を無効にするかどうかをユーザ機器に示す第1の制御情報を含み、その命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、さらに、ユーザ機器に第1の制御情報に基づいて少なくとも1つのマッピング制限を無効にさせる。
【0055】
いくつかの実施形態によれば、RLC障害構成は、少なくとも1つの優先度しきい値を含み、命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、ユーザ機器にさらに、少なくとも1つの優先度しきい値、およびオプションで、a)ユーザ機器に関連付けられた論理チャネルの最低優先度、b)第1の論理チャネルの優先度のうちの少なくとも1つに基づいて、RLC障害をあるネットワークまたは前記ネットワークに送信するかどうかを決定させる。
【0056】
いくつかの実施形態によれば、この命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、ユーザ機器にさらに、第1のセルによって提供される論理チャネルについて所定の数のRLC再送信に達したかどうかを判断させ、論理チャネルについて所定の数のRLC再送信に達した場合には、第1のセルによって提供される少なくとも1つのさらなる論理チャネルが所定の数のRLC再送信に達しなかった場合に、論理チャネルについてRLC障害をネットワークに送信させる。
【0057】
いくつかの実施形態によれば、RLC再送信の所定の回数は、設定された第1のしきい値または最大RLC再送信回数とすることができる。
【0058】
いくつかの実施形態によれば、この命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、ユーザ機器にさらに、第1の品質しきい値よりも優れた無線チャネル品質を持つ別のセルを再選択できるかどうかを判断させ、第1品質しきい値よりも優れた無線チャネル品質を持つ別のセルを再選択できる場合は、他のセルとの無線リソース制御(RRC)接続をRLC障害構成に基づいて再確立し、第1の品質しきい値よりも優れた無線チャネル品質を持つ別のセルを再選択できない場合は、RLC障害構成に基づいて現在のサービングセルにRLC障害レポートを送信するかどうかを判断させる。
【0059】
いくつかの実施例によれば、UEの上位層は、例えば装置やネットワークによって、RLCエンティティからRLC障害の報告を受けたときに異なる動作をするように設定されるかもしれない。いくつかの実施例によれば、上位層はRLC障害によって影響を受けたサービスを分析するかもしれない(つまり、RLC障害を検出した論理チャネルで送信されるデータを持つサービス)。
【0060】
いくつかの実施例によると、UEの上位層は、例えば第1のLCHのRLC障害のために、特定のサービス/アプリケーションがこれ以上サポートできないかどうかをチェックする場合がある。いくつかの実施例によると、サービスが厳格なQoS要件を有する場合、LCHがRLC障害を検出できないため、サービスを停止する必要があると考えられる。この場合、いくつかの実施例によると、このサービスが複数のLCHを使用し、これらのLCHの一部がこのサービスによってのみ使用される場合、RLC障害メッセージには、影響を受けるサービスによってのみ使用されるLCH/RBを中断するための情報/推奨事項も含まれる場合がある。これにより、影響を受けるサービスのみを提供するLCHが中断される可能性がある。いくつかの実施形態によれば、中断後、LCHは再開および/または再構成されるまで、次の伝送では使用されない。
【0061】
いくつかの実施形態によれば、影響を受けるサービスがパフォーマンスの低下に耐えるように自身を調整できる場合、UEはRLC障害レポートに対応する表示を含めることなどにより、RLC障害レポートでこれを示すことができる。いくつかの実施形態によると、この表示は、影響を受けたLCH/DRBを再設定するか、または中断するかを決定する柔軟性をNWに提供する可能性がある。いくつかの実施例によると、やはり、影響を受けたサービスのみを提供するLCHの表示をRLC障害レポートに含めることができるため、NWはより良い知識で決定を下すことができる。
【0062】
いくつかの実施例は、ユーザ機器に関連付けられた第1の論理チャネルのRLC障害にユーザ機器がどのように対応すべきかを定義する無線リンク制御(RLC)障害構成を用いてユーザ機器を設定するステップを含む、無線通信システムのための装置を操作する方法に関する。
【0063】
いくつかの実施例は、ユーザ機器に関連する第1の論理チャネルのRLC障害にユーザ機器がどのように対応すべきかを定義する無線リンク制御(RLC)障害構成を決定するステップを含む、ユーザ機器を操作する方法に関する。
【0064】
いくつかの詳細および実施例は、いくつかの実施例によると、UEとネットワークの間の無線インターフェイス、例えばgNBを使用するが、基本的な原則は、例えばPC5-RRC接続の下で、2つのユーザデバイス、例えばUE間のサイドリンク通信に使用される可能性のあるサイドリンク(SL)RLCエンティティのRLC障害を処理するために、他の通信および/または無線インターフェイスにも適用される場合がある。
【0065】
例えば、いくつかの実施例によれば、2つのSL UE間のSL LCHの伝送は、複数のSLキャリアまたは2つのリソースプールを介して行われる可能性があり、したがって、いくつかの実施例に従ったマルチセルシナリオのための提案された解決策は、複数のSLキャリアまたは複数のSLリソースプールを介したSL伝送を考慮することによって適用され得る。
【0066】
他の実施例では、単一セルシナリオについて示されたいくつかの実施例のアプローチは、単一のSLキャリアまたは単一のSLリソースプールを介して2つのSL UE間でSL LCHを送信するために適用され得る。いくつかの実施例に従って提案された方式をSL通信に適用することは、例えばPC5-RLC宣言を回避し、SL RLC障害が1つのSL RLCエンティティ/LCHに影響を与えているにもかかわらず、他のSL RLCエンティティ/LCHに対してサービスを継続できるようにするなど、UEとネットワーク間の通信についていくつかの実施例を参照して説明したのと同様の利点を持ち得る。
【0067】
なお、サイドリンク通信の場合、SLの伝送モードおよび/またはUEのRRC状態に応じて、UEのSL RB/RLCエンティティ/LCHの(再)設定は、SL UE自身でなされる場合とネットワークでなされる場合がある。
【0068】
ここで、いくつかの例示的な実施形態について、以下に示す添付図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0069】
図1】いくつかの実施形態による装置を模式的に描く簡略化されたブロック図である。
図2】いくつかの実施形態によるユーザ機器を模式的に描く簡略化されたブロック図である。
図3】いくつかの実施形態による通信システムを模式的に描く簡略化されたブロック図である。
図4】いくつかの実施例に従った方法の簡略化されたフローチャートである。
図5】いくつかの実施例に従ったRLC障害構成の簡略化されたブロック図である。
図6】いくつかの実施例に従った方法の簡略化されたフローチャートである。
図7】いくつかの実施例に従った方法の簡略化されたフローチャートである。
図8】いくつかの実施例に従った方法の簡略化されたフローチャートである。
図9】いくつかの実施例に従った方法の簡略化されたフローチャートである。
図10】いくつかの実施例に従った方法の簡略化されたフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0070】
いくつかの実施例は、無線通信システム用の装置に関するものである。図1は、いくつかの実施例による装置100の簡略化されたブロック図を模式的に示し、図4は、いくつかの実施例による装置の操作方法の簡略化されたフローチャートを模式的に示している。装置100(図1)は、少なくとも1つのプロセッサ102と、少なくとも1つのプロセッサ102によって実行されたときに、装置100に、無線リンク制御(RLC)障害構成RLC-FCFGを備えたユーザ機器を少なくとも構成300(図4を参照)させる命令106を格納するメモリ104から構成される。無線リンク制御(RLC)障害構成RLC-FCFGはユーザ機器に関連付けられた第1の論理チャネルのRLC障害にユーザ機器がどのように対応すべきかを定義する。
【0071】
いくつかの実施例によれば、ユーザ機器におけるRLC障害構成の一部は、例えば3GPP技術仕様などにおける規格で規定され、および/またはUE実装によって準備される。
【0072】
いくつかの実施例では、RLC障害構成RLC-FCFGでユーザ機器を構成300した後、装置100は、図4のステップ302を参照して、ユーザ機器から、たとえば、少なくとも1つのRLC障害レポートRLC-FRの形で、RLC障害をうけとる。
【0073】
いくつかの実施形態では、装置100(図1)は、例えばユーザ機器(UE)200(例えば図2参照)および/または更なる装置(図には示されていない)のような他のコンポーネントと無線周波数(RF)信号を交換、すなわち送信および/または受信するためのトランシーバ108を含むことができる。
【0074】
図3は、いくつかの実施例による通信システム10の簡略化されたブロック図を示す。通信システム10は、例えば装置100を構成することができる。通信システム10はさらに少なくとも1つのユーザ機器UE200を含むことができる。「200’」はオプションの追加UEを示す。
【0075】
いくつかの実施例では、装置100またはその機能は、それぞれ通信システム10のネットワーク要素、例えば、基地局110、例えば、gNodeB(gNB)110で提供されてもよい。
【0076】
いくつかの実施例では、それぞれの実施例またはその機能に従った装置100は、第3世代パートナーシッププロジェクト、3GPP、4G E-UTRANまたは5G NR(第5世代新無線)などの無線規格に基づくか、少なくとも部分的に準拠した無線通信システム10のために、またはその中で使用することができる。いくつかの実施例では、実施例またはその機能に応じた装置100は、それぞれ、無線リンク障害(RLF)、5G NRベースの通信システム10の手順に使用することができる。
【0077】
いくつかの実施例では、図2を参照すると、UE200は、少なくとも1つのプロセッサ202と、例えばコンピュータプログラムコード206の形で命令を格納するメモリ204を含むことができる。
【0078】
オプションとして、さらなる例示的な実施形態によれば、UE200は、無線周波数(RF)信号を、例えば装置100またはgNB110(図3)、および/またはさらなるデバイス(図示せず)などの、他のコンポーネントと交換、すなわち送信および/または受信するステップを含む。
【0079】
例として、たとえば5G NRに対して現在定義されているUuインターフェイスのRLFに対する1つのトリガ条件は、RLC確認応答モード(AM)を使用しているときに、RLC再送信の最大数に達したことを無線リンク制御(RLC)層から示されたときに特徴付けられる。このトリガ条件に従って、RLCの最大再送信回数は、3GPP TS38.331(例えば、3GPP TS38.331V15.8.0(2019-12)を参照)に従って情報要素(IE)“RLC-Config”で設定されるパラメータ“maxRetxThreshold”を使用して設定され、AM RLCエンティティの送信側がRLCパケットデータユニット(PDU)の合計再送信回数を制限するために使用される。
【0080】
5G NRなどで現在定義されている最大再送信回数パラメータ(つまり、RLC-Configで設定されたmaxRetxThreshold)は、3GPP TS38.331で定義されているRLC AMに適用される。ここで、値t1は1回の再送信、値t2は2回の再送信などに対応する。例示的な単一セルのシナリオにおいて、RLCエンティティの再送信の最大回数に達すると、前述のようにUEの、NWとのRRC接続の再確立をトリガするRLFが宣言される。具体的には、SRB0を除くすべての無線ベアラ(RB)は、RLFが宣言された時点で中断される。これらの中断されたRB(すなわち、SRB2とDRB)は、RRC接続再確立手順が正常に完了した後、第1のRRC再構成メッセージを受信すると最初に再開できる。したがって、DRBが再開されている間はユーザープレーンデータを送信できないため、実行中のアプリケーションに望ましくない中断が発生する。
【0081】
TS38.331に従って、RLC-ConfigはIE RLC-BearerConfig内に含まれる。RLC-BearerConfigは、RLCエンティティと、(PDCPエンティティへのリンク以外にも)アップリンクについてのMACにおける対応する論理チャネル(LCH)を設定するために使用される。このように、UE200(例えば、異なる論理チャネル)に対して異なるRLCエンティティを設定でき、異なるRLCエンティティは異なる設定、たとえば最大再送信回数に異なる値を設定することが可能である。
【0082】
RLFの現在の定義では、例えば5G NRに対して現在定義されているように、1つの論理チャネル/RLCエンティティに対するRLC障害(例:maxRetxThresholdに到達した場合)は、RLFの宣言を意味し、次にすべてのDRBの中断を意味し、これは他のDRB上のデータ伝送を中断する。
【0083】
例として、まず、RLC障害が発生した場合、無線の状態および/またはプロトコルの問題が原因である可能性がある。無線障害が発生した場合は、RLCの再送信であっても、無線損失からの回復を助けることができないことを意味する。通常、無線リンク監視(RLM)手順は、RLC障害が発生する前に無線の問題を検出できることが期待できるが、(例えば、5G NRに対して)現在定義されているRLM手順は、プライマリセル(PCell)に制限されている。したがって、RLC障害は、PCellだけの無線の問題ではなく、セカンダリセル(SCell)の無線の問題またはプロトコルの障害(設定の問題を含む)が原因で発生する可能性がある。
【0084】
さらに、5G NRでは「許可されたセル」の制限も導入され、LCHが使用できるのは、LCHのRLC障害がそのLCHで許可されたセル(例えば、ライセンスされていないセル、高周波セルなどである)だけの問題になる可能性があるという点で、従来のLTEとは異なる。信頼性が高く、チャネル品質が優れた異なるセルを使用している場合、LCHは他のLCHに影響を与えないようにする必要がある。
【0085】
これは、いくつかの実施例によると、あるRLCエンティティのRLC障害は、別の論理チャネルを適切にサポートできないことを意味しない場合があることを意味する。これは、異なるQuality of Service(QoS)要件を持つ異なるサービスタイプがデバイス内に共存している場合に特に関連する側面である。たとえば、超信頼性と低遅延の通信(URLLC)サービスに使用される論理チャネルからmaxRetxThreshold値を達成することは、必ずしもより緩和されたQoS要件を持つ論理チャネル(大規模なマシンタイプ通信(mMTC)や拡張モバイルブロードバンド(eMBB)サービスをサポートするために使用される論理チャネルなど)の中断をトリガする必要はない。
【0086】
さらなる例として、第2に、RLC障害によってトリガされる再確立は、(古いまたは新しいセルの)セル選択、選択されたセルへのランダムアクセス手順、および交換されるいくつかのRRCメッセージを含むことがあるため、比較的遅い手順である可能性がある。プロトコル/設定の問題が原因でRLC障害が発生した場合、同じセル(例:影響を受けるRLCエンティティの再設定)による回復試行が成功する可能性がある。しかし、それは再設立による不必要な遅延の後にのみ開始される。
【0087】
これを考慮して、いくつかの実施形態は、影響を受けたRLCエンティティ(つまり、RLC障害を検出したRLCエンティティ)のより迅速な回復を目的とするRLC障害を処理する方法などの側面に対処すると同時に、影響を受けていないRLCエンティティがサービスを継続できるようにする場合がある。
【0088】
いくつかの実施例によると、前述したように、ユーザ機器200(図3)は、いくつかの実施例に従って、例えば装置100を介した構成によって提供されるRLC障害構成RLC_FCFG(図4)を使用して、このようなRLC障害への対応方法を決定することができる。
【0089】
いくつかの実施例によれば、RLC障害構成RLC_FCFGは、ユーザ機器200が第1の論理チャネルのRLC障害をネットワーク、例えば装置100またはgNB110に通知すべきかどうかを定義する。
【0090】
いくつかの実施例によれば、RLC障害構成は、ユーザ機器200に関連付けられた少なくとも第2の論理チャネルが正常に動作したとき、すなわちRLC障害が発生しなかったときに、ユーザ機器200が第1の論理チャネルのRLC障害をネットワークに通知すべきかどうかを定義する。いくつかの実施形態によれば、これは、例えば、RLFを宣言して再確立を開始するのではなく、少なくとも第2のLCHおよび/またはそれに関連付けられたRBに対して、通常の、すなわち中断されない動作を維持することを可能にする。
【0091】
例として、ユーザ機器に関連付けられた第2の論理チャネルは、例えば第2の論理チャネルがRLC再送の所定回数(例:第1のしきい値または最大RLC再送信回数)に達していない場合に、正常に動作する。
【0092】
いくつかの実施例によれば、UE200は複数のLCHおよび/またはRLCエンティティで構成することができる。
【0093】
いくつかの実施例によると、UE200は、UEごとまたはLCHごとに個別のRLC障害構成RLC_FCFGを使用して設定することができる。LCHごとのRLC障害構成RLC_FCFGの場合、異なるRLC障害構成の異なるLCHを提供できる。
【0094】
いくつかの実施例によると、命令106(図1)は、少なくとも1つのプロセッサ102によって実行されると、さらに装置100にユーザ機器200をRLC障害構成RLC_FCFGで明示的に構成させる。いくつかの実施例によれば、RLC障害構成RLC_FCFGは、例えばUE200のRLCエンティティの構成のような、装置100からUE200に送信される更なる情報と共に、明示的にUE200に提供され得る。
【0095】
いくつかの実施例によれば、ユーザ機器200は、RLC障害構成RLC-FCFGで暗黙的に構成することもできる。
【0096】
たとえば、マルチセルキャリア集約(CA)/デュアル接続(DC)シナリオに基づく可能性のあるいくつかの実施形態によると、LCHのRLC障害が再確立ではなくRLC障害レポートをトリガするかどうかをLCHごとに設定することは、たとえば、LCHの許可されたセル設定に基づいて暗黙的に行われる可能性がある。
【0097】
いくつかの実施形態によれば、暗黙の設定は許容されるセル設定の一部であり、UE200,200’ごとに有効/無効にすることができる(図3)。たとえば、失敗したLCHに対して許可されている設定済みセル、つまり第1のLCHは、失敗したと見なすことができるため、少なくとも別のセルが失敗しておらず、少なくとも別のLCHにマップされている限り、中断/非アクティブ化される可能性がある。これらの条件下では、いくつかの実施形態に従って、RLC障害レポートが(RRC)再確立なしでトリガされる可能性がある。いくつかの実施形態によれば、そうでない場合、例えば、他のセルも故障していたり、故障していない他のLCHがセルにマップされていない場合、RRCの再確立が開始される。
【0098】
いくつかの実施形態では、許可されたセルは、無線エラーが発生しやすい可能性があるため、無許可セルおよび/または高周波セル(例えば、例えば3GPP38.101-1で定義されている周波数範囲FR を使用する場合、例えば3GPP TS38.101-1V16.2.0(2019-12)、表5.1-1)である。これにより、信頼性が高くチャネル品質が高い異なるセルを使用している場合に、これらのセルの問題が他のLCHに影響を与えないようにする。
【0099】
いくつかの実施形態では、図5を参照すると、RLC障害構成RLC_FCFGは第1のしきい値T1で構成されており、ユーザ機器200は第1のしきい値に基づいて、RLC障害をネットワーク、例えばgNB110に送信するかどうかを決定することができる。
【0100】
いくつかの実施例では、第1のしきい値T1は所定の数のRLC再送信であってもよい。
【0101】
例えば、シングルセルのシナリオやマルチセルのCA/DCシナリオに基づいているかもしれないいくつかの実施形態によれば、第1のしきい値T1は、3GPP TS38.331(cf.例:3GPP TS38.331V15.8.0(2019-12))に従って、情報要素(IE)“RLC-Config”で設定される既存のしきい値パラメータ“maxRetxThreshold”を考慮した新しい(追加の)しきい値と見なすことができる。
【0102】
いくつかの実施形態によれば、第1の(すなわち、新しい)しきい値T1は、例えば、“maxRetxThreshold_RLCReport”と示され、例えば、現在のRLC AM再送信数が第1のしきい値に達した場合など、第1のLCHのRLC障害を報告する(および/または)かどうか、および/またはRLF(例えば、現在のRLC AMの再送信回数が、RLF検出用に定義された既存のしきい値パラメータ“maxRetxThreshold”に達した場合)を宣言する(または、宣言するかどうかを決定する)ために、UE200に設定されることがある。
【0103】
いくつかの実施形態によれば、第1のしきい値T1“maxRetxThreshold_RLCReport”の値は、例えば最初にレポートをトリガするために、既存の“maxRetxThreshold”よりも低く設定することができる。いくつかの実施例によると、これにより、RLFを宣言してすべてのDRBを中断する前に、影響を受けた(第1の)LCHのプロトコルパラメータを再設定したり、許可されたセルやその他のLCP制限を変更したりすることによって、最初にRLC障害の問題を回復/解決する試みが可能になる。
【0104】
いくつかの実施形態によれば、RLC障害構成RLC-FCFG(図5)は、少なくとも1つのマッピング制限を無効にするかどうかをユーザ機器200に示す第1の制御情報CI1を含む。
【0105】
例えば、シングルセルのシナリオやマルチセルのCA/DCシナリオに基づいているかもしれないいくつかの実施例によると、RLCエンティティ/LCH(例えば、RLF検出のために定義された最大数(例:既存の“maxRetxThreshold”)や、より低い設定された数、例えば、上記で説明したいくつかの実施形態による第1のしきい値に対応する)に対して所定の数のRLC AM再送信に達したことを検出した時点で、LCHがLCP(論理チャネル優先順位付け)マッピング制限(例:allowedCG_list、allowedPriorityLevels、allowedServingCellsによる(例:3GPP TS38.300V15.8.0(2019-12)、例:chapter16.1.2))で設定されている場合、UE200(図3)はそれらのマッピング制限(例えば、RLFをトリガーする代わりに)の少なくとも1つを無効にするかもしれず、これはできるだけ早く送信されるデータを取得するために有益であるかもしれず、いくつかの実施例によると「回復動作」のいくつかのアクションと例示的に呼ばれるかもしれない。
【0106】
いくつかの実施形態によれば、これらのマッピング制限のうち少なくとも1つの無効化は自動的に、すなわちUE200が明示的な指示を受信することなく実行される。
【0107】
いくつかの実施例によると、この「回復動作」を有効にするかどうかは、ネットワーク構成に依存する場合がある。設定(例えば、上記で説明したいくつかの実施例による第1のしきい値T1の可能性に加えて)は、無効にするLCPマッピング制限(例えば、情報要素(IE)“RestrictionsDisableList”を介して)を示す場合がある。例えば、いくつかの実施形態によれば、“allowedServingCells”に従って制限を無効にした後、UE200は、影響を受けた(例:第1の)LCHに対して以前に制限されたセルに適用されるUL許可を、そのLCHからのデータで満たすことができる。いくつかの実施例によれば、同様に、その許可に対応する送信にそのLCHのデータが存在することは、UE200が(LCPマッピング)制限を無効にしたことをネットワークに対して暗黙的に示す可能性があり、さらに、上で説明したいくつかの実施例に従って、UE200でRLC障害が発生したか、またはUEが第1のしきい値に達したことを示す可能性がある。
【0108】
いくつかの実施形態では、第1の制御情報CI1は、複数のマッピング制限のうちどれを無効にするかを示す。
【0109】
いくつかの実施形態によれば、RLC障害構成RLC-FCFG(図5)は、少なくとも1つの優先度しきい値P1、P2を含み、ここでユーザ機器200は、少なくとも1つの優先度しきい値P1、P2に基づいて、RLC障害をネットワークに送信するかどうかを決定することができる。
【0110】
いくつかの実施形態によれば、ユーザ機器200は、少なくとも1つの優先度しきい値P1、P2と、(a)ユーザ機器200に関連する論理チャネルの最低優先度、および(b)第1の論理チャネルの優先度、のうちの少なくとも1つに基づいて、RLC障害をネットワークに送信するかどうかを決定することができる。
【0111】
いくつかの実施例によれば、第1の優先度しきい値P1および第2の優先度しきい値P2は、例えばネットワークまたは事前設定によって提供される。
【0112】
例えば、シングルセルのシナリオやマルチセルのCA/DCシナリオに基づくいくつかの実施例によると、既存のすべての論理チャネルの最低優先度が第1の設定しきい値P1より低く、LCHがRLC障害を検出する優先度が第2のしきい値P2より高い場合、UE200はRLC障害レポートRLC-FR(図4)をNW10または装置100に送信する場合がある。いくつかの実施形態によると、RLC障害を検出するLCHと比較して、特定の(すなわち、消失しない)QoSの違いおよび/または設定の違いを持つ別のLCHが設定されている場合、影響を受けるLCH(すなわち、RLC障害を検出するLCH)からのRLC障害は、他のLCHの障害を意味する必要はなく、したがって、他のLCHに影響を与えるべきではない。あるいは、いくつかの実施形態によると、LCHまたは優先度しきい値ごとに設定され、設定されたしきい値よりも優先度が高いまたは低いLCHに障害が発生した場合、RLC障害レポートRLC-FRがトリガされる。
【0113】
いくつかの実施形態によれば、命令106(図1)は、少なくとも1つのプロセッサ102によって実行されると、装置100にさらに、例えばLCH/RLCエンティティのようなユーザ機器200を、以下の(a)~(d)うちの少なくとも1つを示す第2の制御情報CI2(図5)、例えばフラグ、で構成300させる。
(a)ユーザ機器200は、第1の論理チャネルのRLC障害を検出したときに無線リンク障害を宣言すべきである、
(b)ユーザ機器200は、例えばRLC障害レポートRLC-FRの形で、第1の論理チャネルのRLC障害をネットワークに送信すべきである、
(c)ユーザ機器200は、第1の論理チャネル以外の少なくとも1つの論理チャネルのRLC障害を検出したときに無線リンク障害(RLF)を宣言すべきである、
(d)ユーザ機器200は、第1の論理チャネル以外の少なくとも1つの論理チャネルのRLC障害を検出したときにRLC障害レポートを送信すべきである。
【0114】
いくつかの実施形態によれば、第2の制御情報CI2、例えばフラグは、LCH/RLCエンティティおよび/または構成されたLCH/RLCエンティティのセットのQoS要件を考慮して設定することができる。
【0115】
いくつかの実施形態によれば、命令106は、少なくとも1つのプロセッサ102によって実行されると、装置100に、さらに、少なくとも1つのユーザ機器固有の条件に基づいて、RLC障害構成RLC-FCFGの少なくとも一部を設定させる。
【0116】
いくつかの実施例によれば、第1のしきい値T1の値、および/または無線リンク障害を宣言するおよび/またはRLF障害レポートを送信する条件は、UE固有の条件、たとえばUE200内の既存のサービス、およびオプションでそのQoS要件を考慮して設定することができる。例えば、いくつかの実施例では、eMBBサービスとURLLCサービスの両方が共存している場合、URLLCサービスからのRLC障害だけではRLFを宣言できないことがある。
【0117】
いくつかの実施例によれば、1つのしきい値、または第1および第2のしきい値が設定されている場合があり、例えば既存の論理チャネルに対する5G NRによって現在定義されている最大再送信回数パラメータ(つまり、RLC-Configで設定された“maxRetxThreshold”)の最大値が第1の設定しきい値よりも高く、RLC障害を検出するLCHの“maxRetxThreshold”の値が第2の設定しきい値よりも低い場合、UE200はRLC障害レポートをNWに送信することがある。このオプションでは、UE200は宣言するLCH(RLFを宣言するLCH)と他のLCHとの間でmaxRetxThresholdに関して大きな違いを保証できる。したがって、影響を受けるRLCエンティティのRLC障害が別のLCHの動作に影響を与えることはない。
【0118】
いくつかの実施形態によれば、命令106は、少なくとも1つのプロセッサ102によって実行されると、装置100にRLC障害構成RLC-FCFG(図3)の少なくとも一部、例えば第1のしきい値、第2のしきい値の少なくとも1つをブロードキャストさせる。
【0119】
いくつかの実施形態によれば、装置100またはネットワークは、RLC障害構成の少なくとも1部、例えば、システム情報ブロック(SIB)内の第1のしきい値、第2のしきい値の少なくとも1つをブロードキャストすることができる。
【0120】
さらなる実施例は、プロセッサ202と命令206を格納するメモリ204を含むUE200(図2)と関連し、ここで、命令206は少なくとも1つのプロセッサ202によって実行されたときに、ユーザ機器200に、図6のフローチャートを参照して、少なくとも無線リンク制御(RLC)障害構成RLC-FCFGを決定させる。無線リンク制御(RLC)障害構成RLC-FCFGは、ーザ機器200に関連する第1の論理チャネルのRLC障害にユーザ機器200がどのように対応すべきかを定義している。
【0121】
いくつかの実施例によれば、RLC障害構成RLF-FCFGを決定すること350は、装置、例えば実施例に関連する装置100からRLC障害構成RLC-FCFGを受け取る(例えば、明示的な構成を持つ実施形態の場合)こと、および/または他のデータおよび/または構成(例えば、暗黙的な構成を持つ実施形態の場合)からRLC障害構成RLC-FCFGを決定するgNB110の少なくとも1つを含むことができる。
【0122】
いくつかの実施例によれば、ユーザ機器におけるRLC障害構成の少なくとも一部は、例えば3GPP技術仕様のように規格において規定されている場合があり、および/またはUE実装によって準備されている場合がある。
【0123】
いくつかの実施例によれば、命令206は、少なくとも1つのプロセッサ202によって実行されると、ユーザ機器200にさらに、RLC障害構成RLC-FCFGに基づいて、ユーザ機器200がネットワークへの第1の論理チャネルのRLC障害を通知すべきかどうか(例えば、ユーザ機器200に関連する少なくとも第2の論理チャネルが正常に動作している場合)を判断(352)させる。
【0124】
いくつかの実施形態によれば、命令206は、少なくとも1つのプロセッサ202によって実行されると、さらにユーザ機器200に、少なくとも1つの論理チャネルに対して許可されたセルの構成に基づいて、RLC障害構成RLC-FCFGを決定(360)させる(図7)。
【0125】
いくつかの実施形態によれば、RLC障害構成は、第1のしきい値T1を含み、命令206は、少なくとも1つのプロセッサ202によって実行されると、さらにユーザ機器200に、第1のしきい値T1に基づいて、RLC障害をネットワークに送信するかどうかを決定(362)させる(図7)。
【0126】
いくつかの実施形態によれば、RLC障害構成は、少なくとも1つのマッピング制限を無効にするかどうかをユーザ機器200に示す第1の制御情報CI1を含み、ここで、命令206は、少なくとも1つのプロセッサ202によって実行されると、さらに、ユーザ機器200に、第1の制御情報に基づいて、少なくとも1つのマッピング制限を無効にさせる(364)(図7)。
【0127】
いくつかの実施形態によれば、RLC障害構成RLC-FCFGは、少なくとも1つの優先度しきい値P1、P2を含み、ここで、命令206は、少なくとも1つのプロセッサ202によって実行されると、さらに、少なくとも1つの優先度しきい値に基づいて、そして任意で、
(a)ユーザ機器に関連する論理チャネルの最低優先度、
(b)第1の論理チャネルの優先度、
のうちの少なくとも1つに基づいて、ユーザ機器200に、RLC障害をネットワークに送信するかどうかを決定させる。
【0128】
いくつかの実施形態によれば、命令206は、少なくとも1つのプロセッサ202によって実行されると、さらにユーザ機器200に、第1のセルによって提供される論理チャネルについて所定の数のRLC再送信に達したかどうかを判断させ、論理チャネルについて所定の数のRLC再送信に達した場合には、第1のセルによって提供されるさらに少なくとも1つの論理チャネルが所定の数のRLC再送信に達していない場合に、論理チャネルについてRLC障害をネットワークに送信させる。
【0129】
いくつかの実施形態によれば、命令206は、少なくとも1つのプロセッサ202によって実行されると、ユーザ機器200にさらに、第1品質しきい値よりも良好な無線チャネル品質を持つ別のセルを再選択できるかどうかを決定し、第1品質しきい値よりも良好な無線チャネル品質を持つ別のセルを再選択できる場合は、RLC障害構成に基づいて他のセルとの無線リソース制御(RRC)接続を再確立し、第1品質しきい値よりも良好な無線チャネル品質を持つ別のセルを再選択できない場合は、RLC障害構成に基づいて現在のサービングセルにRLC障害レポートを送信するかどうかを決定させる。
【0130】
いくつかの実施例によれば、UEの上位層は、例えば装置100および/またはネットワークまたはgNB110によって、RLCエンティティからのRLC障害の報告を受けたときに異なる動作をするように設定されている場合がある。いくつかの実施例によれば、上位層はRLC障害によって影響を受けたサービスを分析する場合がある(つまり、RLC障害を検出した論理チャネルで送信されるデータを持つサービス)。
【0131】
いくつかの実施例によると、UE200の上位層は、例えば第1のLCHのRLC障害のために、特定のサービス/アプリケーションがこれ以上サポートできないかどうかをチェックする場合がある。いくつかの実施例によると、サービスが厳格なQoS要件を持つ場合、LCHがRLC障害を検出できないため、サービスを停止する必要があると考えられる。この場合、いくつかの実施例によると、このサービスが複数のLCHを使用し、これらのLCHの一部がこのサービスによってのみ使用される場合、RLC障害メッセージには、影響を受けるサービスによってのみ使用されるLCH/RBを中断するための情報/推奨事項も含まれる場合がある。これにより、影響を受けるサービスのみを提供するLCHが中断される可能性がある。いくつかの実施形態によれば、中断後、LCHは再開および/または再構成されるまで、続く伝送では使用されない。
【0132】
いくつかの実施例によれば、影響を受けたサービスがパフォーマンスの低下に耐えるように自身を調整できる場合、UE200は、RLC障害レポートRLC-FRに対応する表示を含めるなどして、RLC障害レポートRLC-FR(図3)でこれを示すことができる。いくつかの実施形態によると、この表示は、影響を受けたLCH/DRBを再設定するか、または中断するかを決定する柔軟性をNWに提供する可能性がある。いくつかの実施例によると、やはり、影響を受けたサービスのみを提供するLCHの表示をRLC障害レポートに含めることができるため、NWはより良い知識で決定を下すことができる。
【0133】
図8は、いくつかの実施例による方法の単純化されたフローチャートを概略的に示している。ステップ400では、UE200(図3)に複数のLCH/RLCエンティティを設定し、RLC障害構成RLC-FCFG、たとえばLCHごとのRLC障害構成RLC-FCFGを設定できる。ステップ401で、UE200はLCH(つまり、ステップ400で設定された複数のLCHの内の1つ)に対してRLC障害が検出されたかどうかを判断する。検出されていない場合は、ステップ401に戻る。LCH、すなわち第1のLCHに対してRLC障害が検出された場合、方法はステップ402に進み、RLC障害の影響を受けたRLCエンティティがUEのRRC層に指示を送信する。ステップ403では、RLC障害構成RLC-FCFGに基づいて、RLC障害レポートをトリガするかどうかがUE200によって決定される。ステップ403でRLC障害レポートをトリガすることが決定された場合、方法はステップ404に進み、UE200はRLC障害レポートRLC-FR(図4)をネットワーク(例えば、装置100および/またはgNB110)に送信し、および/または、いくつかの実施形態によると、設定されている場合は、マッピング制限の少なくとも1つを無効にする。たとえば、影響を受けるLCHに対して許可されているセル制限を無効にする。
【0134】
ステップ403でRLC障害レポートをトリガしないと判断された場合、メソッドはステップ405に進み、RLF宣言がトリガされたかどうかが判断される。RLF宣言がトリガされた場合、方法はステップ406に進み、UE200はRRC再確立手順を開始する。RLF宣言がトリガされていない場合、メソッドはステップ401に進む。いくつかの実施形態では、有利には、RRC再確立手順(図8のステップ406参照)は避けてもよい。代わりに、ステップ404を実行してもよい。
【0135】
図9は、いくつかの実施例による方法の単純化されたフローチャートを概略的に示している。なお、わかりやすくするためにユーザープレーンの伝送は記載していない。参照符号410は、UE200の1つ以上のRLCエンティティに対する設定RLC-Configをシンボル化している。いくつかの実施例によれば、構成410は、例えば第1のしきい値T1(図5参照)および/または、例えばUL-AM-RLCについての上述の“RestrictionsDisableList”IEを含むいくつかの実施例に従うRLC障害構成RLC-FCFG(図3も参照)を含むこともできる。参照符号411は、例えば、allowedCG_list、allowedPriorityLevels、allowedServingCells(例えば、3GPP TS38.300V15.8.0(2019-12)、例えば第16.1.2章参照)に従ってLCPマッピング制限を特徴付けるLCP制限設定をシンボル化する。ブロック412は、UE200によって実行される無線リンク監視(RLM)のステップを示し、ブロック413は、RLC障害レポートの設定されたトリガの検出を示し、いくつかの実施形態によると、以前に設定されたようにLCP制限を無効にする(参照記号411を参照)。矢印414は、RLC障害情報のgNB110への送信を示し、ブロック415は、例えば、RLC障害情報に基づき、RLC障害情報の受信時などに実行されるネットワークアクションを特徴付ける。いくつかの実施例によれば、ネットワークアクション415は再構成を含むことができる。したがって、矢印416は、例えば(新しい)RLC構成を含むRRCReconfigurationのような、UE200への再設定メッセージを表すことができる。ブロック417は、UEがRLC障害の影響を受けたLCHを再構成することを示しており、いくつかの実施形態によると、以前に無効にされた(ブロック413参照)LCP制限を有効にすることも含む場合がある。または、416で受信した再構成メッセージに基づいて、UEがブロック417でLCP制限を有効にすることもできる。
【0136】
図10は、いくつかの実施例による方法の単純化されたフローチャートを概略的に示している。なお、図9と同様に、わかりやすくするためにユーザープレーンの伝送は示していない。図9の矢印410と同様に、図10の参照符号420は、UE200の1つ以上のRLCエンティティの構成RLC-Configをシンボル化している。いくつかの実施例によれば、構成420は、第1のしきい値T1(図5を参照)および/または例えばUL-AM-RLCについての上で説明した“RestrictionsDisableList”IEを例えば含むいくつかの実施例に従うRLC障害構成RLC-FCFG(図3も参照)を含むこともできる。参照符号421はLCP制限構成をシンボル化しており、例えば前述のように、allowedCG_list、allowedPriorityLevels、allowedServingCellsに従うLCPマッピング制限を特徴付ける。図9のブロック412、413と同様に、図10のブロック422、423は、UE200(ブロック422)によって実行される無線リンク監視(RLM)のステップと、RLC障害レポート用に設定されたトリガの検出を示し、いくつかの実施形態によれば、以前に構成されたようにLCP制限を無効にする(参照符号421(ブロック423)を参照)。
【0137】
いくつかの実施例によれば、UE200がLCP制限を無効にしたことをネットワークがアップリンク受信から検出すると、RLC障害情報がネットワークに暗黙的に示されることもある。
【0138】
いくつかの実施形態によれば、例えば、レガシーネットワークアクションのように、以下のネットワークアクションの1つ以上が実行されることがあり、これはRLC障害表示(例えば図9の矢印414参照)を受信することによってトリガされる。いくつかの実施例によると、ネットワークアクションは、RLC障害の影響を受けたLCH/RBのサービスの回復を試みるために行われる場合がある。-NWは、UE200の他のサービスを継続しながら、影響を受けるDRBを中断することを決定する場合がある。
- NWは、影響を受けるLCHエンティティを中断し、影響を受けるDRB/LCHのトラフィックを、影響を受けないLCHエンティティにマッピングすることによって、影響を受けるRB/LCHのサービスを継続することを決定する場合がある。
- NWは、影響を受けるサービスを継続的に提供できるように、影響を受けるDRB/LCHを再設定する場合がある。
- NWは、RLC障害を宣言するDRB/LCHと同様またはより厳密なQoS要件を持つ他のDRB/LCHを事前に再設定できる。いくつかの実施例によれば、例えばパラメータ“maxRetxThreshold”を増加させることによる積極的な再構成は、将来他のRBに影響を与えるRLC障害を潜在的に回避することにより、検討されているDRB/LCHのより良いサービス継続性を達成するのに役立つ。
- NWは、例えば、代替的に、サービングセルまたはサービングバンド幅の変更をトリガするように決定することもできる。たとえば、NWが同じまたは異なるRLCエンティティから複数のRLC障害レポートを受信した場合、NWはサービングセルの非アクティブ化、サービングビームの再設定、BWP(帯域幅部分)のスイッチングまたはハンドオーバーなどをトリガすることを決定できる。
【0139】
いくつかの実施形態によれば、RLC障害の影響を受けるRB/LCHは、複製で設定されない(「非複製シナリオ」)。
【0140】
いくつかの実施形態によれば、セルで動作するLCH/RBの障害は、セル全体の動作を中断するのではなく、影響を受けたLCHのみを中断することにつながる可能性がある。
【0141】
いくつかの実施形態によれば、RLC障害が1つのRBに影響を及ぼしているにもかかわらず、1つ以上のサービスを他のRBに対して継続することができ、その間、ネットワークは、影響を受けたRBのRLC障害に関連する問題を、例えば可能な限り迅速に治療し、その結果、回復時間を短縮することができる。いくつかの実施形態によれば、回復が試みられている間、影響を受けた(失敗した)RLC/LCHは、元々そのセルが許可されていなかった(すなわち、いくつかの実施例に従ったRLC障害時のLCPマッピング制限の無効化)としても、中断されていない任意のセルを使用してサービスすることができる。
【0142】
つまり、ほとんどのシナリオでは、RLC障害レポートはRLFレポートと同時に、またはRLFレポートよりも早くネットワークで受信される必要があるため、一部の実施形態では、従来のアプローチ(例:RLFおよびRRCの再確立のトリガ)と比較して、RBに影響を与えるRLC障害の解決に追加の遅延を導入しない。
【0143】
いくつかの詳細および実施例は、いくつかの実施例に従うUEとネットワークの間の無線インターフェイス、例えばgNBを使用するが、基本的な原則は、例えばPC5-RRC接続の下で、2つのユーザデバイス、例えばUE間のサイドリンク通信に使用される可能性のあるサイドリンク(SL)RLCエンティティのRLC障害を処理するために、他の通信および/または無線インターフェイスにも適用される場合がある。
【0144】
例えば、いくつかの実施例によれば、2つのSL UE間のSL LCHの送信は、複数のSLキャリアまたは2つのリソースプールを介して行われる可能性があり、したがって、いくつかの実施例に従ったマルチセルシナリオのための提案された解決策は、複数のSLキャリアまたは複数のSLリソースプールを介したSL送信を考慮することによって適用することができる。
【0145】
他の実施例では、単一セルシナリオに対して示されたいくつかの実施例のアプローチを、単一のSLキャリアまたは単一のSLリソースプールを介して2つのSL UE間でSL LCHを送信するために適用することができる。いくつかの実施例に従って提案された方式をSL通信に適用することは、例えばPC5-RLC宣言を回避し、SL RLC障害が1つのSL RLCエンティティ/LCHに影響を与えているにもかかわらず、他のSL RLCエンティティ/LCHに対してサービスを継続できるようにするなど、UEとネットワーク間の通信についていくつかの実施例を参照して説明したのと同様の利点を持つことができる。
【0146】
なお、サイドリンク通信の場合、SLの伝送モードやUEのRRC状態に応じて、UEのSL RB/RLCエンティティ/LCHの(再)設定をSL UE自身で行う場合とネットワークで行う場合がある。
【0147】
添付図面の例を参照して上記のいくつかの実施形態を説明したが、実施形態はそれに限定されるものではなく、添付の請求項の範囲内でいくつかの方法で修正することができることは明らかである。したがって、すべての単語と表現は広く解釈されるべきであり、それらは実施形態を制限するものではなく、例示することを意図している。技術の進歩に伴い、実施形態に従った概念が様々な方法で実装できることは、当業者には明らかであろう。さらに、記載された実施形態は、様々な方法で他の実施形態と組み合わせることができるが、そうする必要はないことは、当業者には明らかである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】