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特表2023-522794動脈瘤を治療するための方法及びシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-31
(54)【発明の名称】動脈瘤を治療するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/966 20130101AFI20230524BHJP
【FI】
A61F2/966
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023507358
(86)(22)【出願日】2021-04-02
(85)【翻訳文提出日】2022-12-12
(86)【国際出願番号】 US2021025561
(87)【国際公開番号】W WO2021216268
(87)【国際公開日】2021-10-28
(31)【優先権主張番号】16/853,205
(32)【優先日】2020-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522409909
【氏名又は名称】エクソビトラ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】EXOVITRA LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100207837
【弁理士】
【氏名又は名称】小松原 寿美
(72)【発明者】
【氏名】オーグル、マシュー エフ.
(72)【発明者】
【氏名】ウォルシュ、ブランドン グレゴリー
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA05
4C267AA56
4C267BB06
4C267BB40
4C267CC10
4C267DD08
4C267GG16
(57)【要約】
方法及び装置は、スリーブの係留部分をカテーテルの遠位端部に取り付けることと、カテーテルの遠位端部を脈管内の選択された位置に配置することと、カテーテルの管腔を通じてステントを移動させることと、ステントの第1の端部をスリーブの遠位端部と保持可能に係合させることと、スリーブが脈管内の選択された位置でステントの少なくとも一部を覆うように、スリーブを係留部分のまわりで分離させることとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
変形可能なスリーブが先端部に付いたカテーテルを血管内の動脈瘤に近接して配置することと、
前記カテーテルを通じてステントを前記動脈瘤と隣り合うように配置することと、
前記スリーブが前記ステントによって捕捉され、前記ステントの一部を覆って前記動脈瘤を閉塞するように、前記カテーテルを引き抜くことと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記変形可能なスリーブを捕捉することは、前記ステントの突出部を前記スリーブ内の孔と係合させることを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記スリーブは、前記カテーテルの先端部から離れるようにテーパ状に延在する、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
係合する前記突出部は、1つ以上のストラットを含み、前記孔は1つ以上の孔を含み、複数の前記ストラットが複数の前記孔と係合される、
請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記ステントを拡張させて前記動脈瘤のまわりの血管と保持可能に接触させることをさらに含む、
請求項1~4のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ステントを拡張させて、前記スリーブが前記ステントの外面に絡まるようにスリーブを広げることをさらに含む、
請求項1~4のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記スリーブはポリマースリーブを備える、
請求項1~4のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記ポリマースリーブは薬物で被覆されている、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ポリマースリーブは細胞治療薬で被覆されている、
請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記カテーテルはマイクロカテーテルを備え、前記ステントは0.762mm未満の直径を有する、
請求項1~4のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記カテーテルに取り付けられた前記スリーブの係留部分から前記スリーブのカバー部分を分離させて前記ステントを覆うことをさらに含む、
請求項1~4のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記スリーブの係留部分は、前記スリーブの規定の軸線方向位置において前記スリーブの周囲に形成された複数のミシン目を備える、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記スリーブは1mm~100mmの軸線方向長さ及び長さを有する、
請求項1~4のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記スリーブの異なる部分は異なる薬物で被覆されている、
請求項1~4のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記動脈瘤に接近することは、前記スリーブが先端に付いたカテーテルを動脈に挿入し、前記先端部を前記動脈瘤に近接するように移動させることを含む、
請求項1~4のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
捕捉された前記スリーブは、前記ステントの構造的完全性を高めるように作用する、
請求項1~4のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
スリーブの係留部分をカテーテルの遠位端部に取り付けることと、
前記スリーブを有した前記カテーテルの遠位端部を血管内の動脈瘤に近接して配置することと、
前記カテーテルの管腔を通じてステントを移動させることと、
前記ステントの第1の端部を前記スリーブの遠位端部と保持可能に係合させることと、
前記スリーブが前記ステントの少なくとも一部を覆って、前記動脈瘤への血流を塞ぐように、前記スリーブの係留部分を分離することと、
を含む方法。
【請求項18】
スリーブの係留部分をカテーテルの遠位端部に取り付けることと、
前記カテーテルの遠位端部を脈管内の選択された位置に配置することと、
前記カテーテルの管腔を通じてステントを移動させることと、
前記ステントの第1の端部を前記スリーブの遠位端部と保持可能に係合させることと、
前記スリーブが前記脈管内の選択された位置で前記ステントの少なくとも一部を覆うように、前記スリーブを前記係留部分のまわりで分離させることと、
を含む方法。
【請求項19】
前記ステントの第1の端部を前記スリーブの遠位端部と保持可能に係合させることは、前記ステントの突出部を前記スリーブ内の孔と係合させることを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ステントを拡張させて、前記スリーブが前記ステントの外面に絡まるように前記スリーブを広げることをさらに含む、
請求項18又は19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動脈瘤を治療するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
クモ膜下出血(Subarachnoid Hemorrhage:SAH)は、死亡率が30~60%であり、生存者の1/3しか自立した生活に戻れない、最も致命的なタイプの脳卒中である。SAHは、脳血管の膨張又は風船様拡大(ballooning)である頭蓋内動脈瘤が破裂して出血した場合に起こる。未破裂頭蓋内動脈瘤(unruptured intracranial aneurysm:UIA)の現在の治療法は、動脈瘤を塞ぐことからなる。これは、外科的に(開頭することにより)又は血管内経路を通じて(血管内から)行われる。アプローチにかかわらず、治療は依然として双方の処置に対して高い院内合併症率及び長期再発率を伴う危険なものである。
【0003】
フローダイバーティングステントは、例えば、ワイドネック瘤(wide necked aneurysm)に足場を提供するための血管内経路中の送達のために提案された。動脈瘤の首部を横切る血管内に導入されると、ステントのメッシュは動脈瘤への血流を遅くし得る。例えば、メッシュは、動脈瘤への流れを遅くするがステントが移植される血管から延びる側枝及び/又は貫通動脈の開存性を保つように意図された空隙率を有し得る。いくつかの血管疾患病態では、これらの付随する動脈、例えば、過度の圧力が依然として膨張又は破裂を引き起こすであろう海綿静脈洞部動脈瘤(Cavernous aneurysm)、を灌流することは危険であるか、又は勧められない。これらの場合には、ステントの一部又は全体を覆う方がよいであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような用途のためにステントが提案されてきたが、必要とされるステント空隙率はステントの外形を増大させる可能性があり、これにより、ステントの剛性が増大するため、及び/又はそのようなステントを送達するのにより大きなカテーテルが必要になるため、送達がより困難となる場合がある。
【0005】
ステントを覆うことに基づいて所望の空隙率を得られるように、動脈瘤を横切る脈管内にカバー付きステントを送達することも提案されている。しかしながら、これは、変更されたステントサイズの増大に対応するために非常に大きなカテーテルを通じて送達することを必要とし、処置を延長させたり、そうでなければ処置を複雑にしたりする可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
方法及び装置は、スリーブの係留部分をカテーテルの遠位端部に取り付けることと、カテーテルの遠位端部を脈管内の選択された位置に配置することと、カテーテルの管腔を通じてステントを移動させることと、ステントの第1の端部をスリーブの遠位端部と保持可能に(retentively)係合させることと、スリーブが脈管内の選択された位置でステントの少なくとも一部を覆うように、スリーブを係留部分のまわりで分離させることとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】例示的実施形態による、動脈瘤を有した脈管の断面図。
図2】例示的実施形態による、スリーブが先端部に付いたカテーテルを備える装置の断面図。
図3】例示的実施形態による、スリーブを捕捉するように適合されたステントの断面図。
図4】例示的実施形態による、ステントの遠位端部の一部のブロック図。
図5】例示的実施形態による、動脈瘤を有した脈管へのステント及びスリーブの組み合わせの設置のブロック表現を示す図。
図6】例示的実施形態による、不連続部を塞ぐ役目を果たす設置されたステント及びスリーブカバー部分のブロック表現を示す図。
図7】例示的実施形態による、ステントの遠位端部に取り付けるための係留部分を示すスリーブのブロック断面図。
図8】例示的実施形態による、脈管内に設置されたステント及びスリーブカバー部分のブロック表現を示す図。
図9】例示的実施形態による、ステントを送達しステントをスリーブで覆うためのカテーテルの使用を示すブロック図。
図10】例示的実施形態による、ステントと係合するためのスリーブの遠位端部の斜視図。
図11】例示的実施形態による、折り重ねられたスリーブを有したカテーテルの遠位端部の表現の半径方向断面図。
図12A】例示的実施形態による、脈管内の所望位置にスリーブで覆われたステントを配置するための別の装置の側断面図。
図12B】例示的実施形態による、脈管内の所望位置にスリーブで覆われたステントを配置するための別の装置の側断面図。
図13】例示的実施形態による、例示的な拡張されたステントの側面図。
図14】例示的実施形態による、スリーブによって覆われたステントを示す側面図。
図15】例示的実施形態による、引き裂かれた特徴部を有するスリーブの端部を示す図。
図16】例示的実施形態による、縮径した先端部を有するスリーブの線図。
図17】例示的実施形態による、メッシュ状端部を備えるスリーブの線図。
図18】例示的実施形態による、ステントのまわりに配置されたスリーブを有したステントの側面図。
図19】例示的実施形態による、スリーブで覆われたステントを配置するための別の装置の横断立面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の説明では、本明細書の一部をなし、実施され得る特定の実施形態が例示として示されている添付図面を参照する。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施できるようにするために十分に詳細に記載されており、また他の実施形態が利用されてもよく、構造的変更、論理的変更、及び電気的変更が本発明の範囲から逸脱することなく行われてもよいことが理解されるべきである。したがって、以下の例示的な実施形態の説明は限定的な意味で解釈されるべきではなく、本発明の範囲は添付される特許請求の範囲によって規定される。
【0009】
本開示は、概して、神経血管動脈瘤(neurovascular aneurysm)を治療するための医療方法及び医療装置に関する。動脈瘤は、動脈壁の脆弱化に起因する動脈の過度な局所的拡大である。ステントの外形寸法をスリーブで覆って、脳動脈血管系の血管動脈瘤を閉塞することによって血液の伝達を防止するための方法及びシステムが説明される。
【0010】
ステントは、典型的には静脈、動脈、又は他の管状体器官に経皮的に送達され、留置される移植可能な足場である。ステント(sent)は、インサイチュで半径方向に拡張されることによって、脈管壁又は体器官壁を拡張及び/又は支持することができる。とりわけ、ステントは、冠状血管、心臓血管、肺血管、神経血管、及び末梢血管にごく一般的に移植される。従来のステント技術は、比較的十分に開発されている。従来のステントデザインは、典型的には、直管状の、長手軸線に沿った平行移動によって繰り返されるシングルタイプのセル状の構造、形態、又はパターンを特徴とする。
【0011】
多くのステントは、局所送達を提供するために薬物などの生物活性表面コーティングで被覆され得る。薬物の全身送達は、罹患領域に対して持続的な薬物送達を行うことが困難であるため、また全身投与された薬物がしばしば濃度の山及び谷によって周期をなして毒性の期間及び効果のない期間を生じるため、本質的に制限される。したがって、効果を発揮するには、多くの薬物は局所的な手法で送達されなければならない。局所薬物送達のための1つのアプローチでは、送達担体としてステントが利用される。脳動脈瘤で使用されるものなどのより小型のステントは、有効量の薬物又は細胞で効果的に被覆することが困難な場合がある。
【0012】
本明細書に記載するようにステントを覆うためにスリーブを使用することにより、スリーブに添加されるべき薬物及び/又は細胞をより良好に制御し、その投与量をより高くすることも可能となる。一実施形態において、間葉系幹細胞(mesenchymal stem cell:MSC)をスリーブ上に被覆することによって、MSCを頭蓋内動脈瘤の部位に送達することができる。このようなスリーブの被覆は、破裂前の動脈瘤を安定させるため又はその修復をも行うための侵襲性の低い手段を提示し得る。送達システムとしてスリーブの外側にMSCを関連付けると、スリーブに覆われたステントを使用することにより、カテーテルに基づく装置が動脈瘤の部位に細胞治療薬(cellular therapeutics)を送達することが可能となる。
【0013】
図1は、動脈血管などの脈管100の断面図の表現である。脈管は頭蓋内血管である場合がある。脈管100は、略管状形を形成する壁110を備える。壁110は、内側112及び外側113を備える。いくつかの脈管において、壁110の一部が他の部分より脆弱である場合がある。脈管100内の流体からの圧力によって、脆弱部分が参照番号115で示すように膨隆して、脈管100の拡大した内側部分120を形成する。脆弱部分は、参照番号125で示す脈管の不連続部を生じる。不連続部の長さは、図1では「L」として示されている。膨隆115は一般に動脈瘤と称され、不連続部は動脈瘤のフェイス(face)と称される。頭蓋内動脈瘤は、動脈血圧による破裂の可能性があるため、非常に危険であり得る。
【0014】
図2は、スリーブ210が先端部に付いたカテーテル215を備える装置200の断面図の表現である。カテーテル215は、管腔220と称される中空内部を有する長いチューブである。カテーテル215は、従来のものであってもよく、概ね130~150cmの長さを有し得る。図の便宜上、カテーテル215の遠位部分のみが示されている。器具及び装置が挿入され得る近位端部は示されていない。カテーテル215の遠位端部又は先端部225は、付着点235において示したように取り付けられたスリーブ近位端部230を有する。スリーブ210は、カテーテルの先端部が脈管内に所望の距離だけ挿入される間にスリーブを保持するように、接着剤、熱、又は他の手段によってカテーテル215の外壁237において先端部225に取り付けられ得る。
【0015】
スリーブの近位端部230は係留部分230と称され得る。係留部分230は、後述するように所望の時にスリーブを解放するミシン目を備え得る。係留部分230のまわりでスリーブを解放又は分離する他の手段としては、係留部分を融解させてスリーブを解放する電流、係留部分を溶解してスリーブを解放する化学物質、又は係留部分を融解させてスリーブを解放する熱が挙げられ得る。スリーブ210は、1つ以上の孔255を含む遠位端部250を備え得る。遠位端部250と係留部分230との間のスリーブ210の部分は、カバー部分260と称され得る。さらなる実施形態において、参照番号255は、スリーブ210の内側に形成され得るループを表す。
【0016】
様々な態様において、スリーブ210は、変形可能な、円筒構造又はテーパ状円筒構造とすることができる。スリーブ210は、例えば単一ポリマー、層状になった複数のポリマー、又はポリマーのブレンドを含む、例えば1種以上のポリマーから形成され得る。例示的なポリマーとしては、ポリテトラフルオロエチレン及びポリウレタンが挙げられる。さらなる例では、他の変形可能な材料が使用されてもよい。スリーブの異なる長さ部分は、異なる特性を有し得る。係留部分は、一実施形態では、より薄くなっていてもよい。一実施形態において、スリーブは、1mm~100mmの軸線方向長さ及び長さと、0.00635mm~0.127mmの壁厚とを有する。
【0017】
図3は、スリーブ210を捕捉し、最終的にスリーブ210によって被覆されるように適合されたステント300の断面図の表現である。ステント300は、直管状の、長手軸線に沿った平行移動によって繰り返されるシングルタイプのセル状の構造、形態、又はパターンとして形成され得る。ステント300は、ステントを拡張するために一般に用いられる細長いバルーン又は他の機構などのダイレータの使用などによって拡張可能であり得る。一実施形態において、ステント300は、遠位端部315において1つ以上のストラット310を備える。一例において、カテーテルはマイクロカテーテルを備え、ステントは0.0762mm未満の直径を有する。これらの寸法又はそれより小さい寸法は、脈管が極めて小さい場合がある脳血管動脈瘤を治療するために有用である。腎血管又はさらには管状器官などの、動脈瘤を有するか又は動脈瘤を有さない他の管を治療するために、より大きな寸法が用いられてもよい。
【0018】
図4は、ステント300の遠位端部315の一部のブロック図の表現である。例示的なストラット400は、ステントの端部から半径方向に延び、ステントの軸線に向かって円弧を形成するように示されている。したがって、ストラットは、ステント300がスリーブに対して移動されるとき、スリーブ210の1つ以上の孔255とかみ合うように作用する湾曲構造を形成する。ストラットの湾曲は、脈管に対する損傷を最小限にし、さらにスリーブ210の孔に遭遇するとストラット400がスリーブ210を捕捉することを確実にするのに役立つ。さらなる実施形態において、ステントは物質が充満した空間(plenum)内でその最終設置位置に配置される場合があるため、ストラット310は湾曲していなくてもよい。カテーテルを引くことにより、スリーブは一定位置のステントに対して移動する。脈管壁に隣接したストラット310の移動を伴わないので、脈管に対する損傷は最小限になるか、生じない可能性が高い。ストラットは、また参照番号255として表され参照されるループと係合するためにも用いられ得る。
【0019】
図5は、動脈瘤115を有した脈管110へのステント300及びスリーブ210の組み合わせの設置のブロック表現500である。類似の構成要素に対する参照番号は、前の図で用いられた参照番号と一致する。ステント300は、カテーテル215の管腔220を通って脈管の不連続部125を覆う位置に移動されている。ステント300は、ロッド510によって所望位置に移動され得る。位置は、蛍光透視鏡又は他の一般に用いられる機構を使用することよって確認され得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の位置マーカをステント300に取り付けて、ステントを既知の手法で脈管内に配置するのを容易にしてもよい。
【0020】
一実施形態において、変形可能なスリーブが先端部に付いたカテーテル215は、脈管110内の動脈瘤115に近接し得る。動脈瘤に近接して配置されることは、動脈瘤の治療の所望の目的を達成する位置に配置されることを含む。1つのこのような配置は、カテーテル215を引き抜くことによってステントが動脈瘤の長さLを完全に塞ぐようになるように、ステント300が動脈瘤の両側において所望量だけ延在する位置に存在することを確実にすることを含む。
【0021】
ステント300の1つ以上のストラット310は、孔255を通じてスリーブ210に係合しているように示されている。加えて、スリーブが示したようにステントを覆うように、ステントがスリーブ内に押し込まれているか、又はロッド510がステント300を適所に維持した状態でカテーテルが引かれている。示したステント300は緊縮状態にある。
【0022】
図6は、不連続部125を塞ぐ役目を果たす設置されたステント300及びスリーブカバー部分260のブロック表現600である。ステント300は、半径方向に拡張されて、スリーブカバー部分260を介して脈管110の内壁112と接触し、内壁112を圧迫し得る。ステント300は、引き抜かれているように示された膨張可能なバルーン610などの従来の手段によって拡張され得る。
【0023】
スリーブカバー部分260は、スリーブがステントの外面に絡まるように、ステント300の拡張によって広げられ得る。スリーブカバー部分260はまた、薬物若しくは細胞治療薬、又はこれらの双方などの、治療薬と称される生物活性表面コーティングで被覆され得る。スリーブの外側部分が、そのように覆われていてもよい。カバー部分260の異なる部分が、異なる治療薬で被覆されていてもよいし、又は異なる治療薬を埋め込まれていてもよい。ステントが拡張しスリーブが広がることによって脈管壁の細胞がわずかに拡張され、これにより細胞内への治療用コーティングの受容が増進され得る。広がったスリーブは、ステントの構造的完全性を増大させることもでき、ステントのサイズの縮小を可能にし、またステントの形成に使用される金属を少なくできるようにステントの構造を減らすことも可能にする。
【0024】
図6はまた、スリーブカバー部分260が、カテーテルに取り付けられたスリーブの係留部分から分離されることを示している。図6において、ストラット255は、ステントの遠位端部から所望の距離だけ離れたステント上に位置する。これにより、スリーブカバー部分はステントの遠位端部から少し後退することになる。示したように、ステントの中間部分のみがスリーブカバー部分によって覆われるように、カバーはステントの近位端部までずっとは延在していない。カバー部分の長さ及びストラットの配置を変更することによって、ステントの選択した部分を覆うことができる。さらなる実施形態では、カバーは、少なくともステントの一端又は両端まで延在してもよい。
【0025】
図7は、ステントの遠位端部に取り付けるための係留部分230を示すスリーブのブロック断面図である。係留部分230は、ミシン目700の環状リングを備える。スリーブの周囲に形成された複数のミシン目は、スリーブの規定の軸線方向位置に存在する。これらのミシン目は、一実施形態において、レーザーを使用することによって形成され得る。ミシン目は、係留部分をカバー部分から引き離すだけで、係留部分をカバー部分から切り離すことができる弱い連結を形成する。カバー部分は、ステントが孔255と係合されることによって適所に維持される。ステントを適所に維持しながらカテーテルを引き戻すことによって、切り離しが行われる。カバー部分が切り離されると、ステントが覆われる。ステント及びカバーは、半径方向に拡張されると、脈管内の適所に保持される。
【0026】
図8は、脈管810に設置されたステント300及びスリーブカバー部分260のブロック表現800である。ステントは、標的化送達のための治療薬を含むスリーブとともに、脈管の狭窄部分を拡大するために用いられ得る。スリーブの内側が治療薬で被覆されていてもよいことに留意されたい。さらなる実施形態では、両側が同一の又は異なる治療薬でそのように被覆されていてもよい。さらなる実施形態では、ステントも被覆されていてもよい。
【0027】
図9は、例示的実施形態による、ステントを送達し、ステントをスリーブで覆うためのカテーテルの使用を示すブロック図900である。カテーテル910は人体920に挿入されているように示されている。カテーテル910は、人体920の鼠径部領域のあたりに位置する大腿動脈などの動脈に挿入され得る。挿入されると、プッシャー930を用いて、カテーテルを通じてステントを所望の位置まで押すことができる。プッシャーは、カテーテルを部分的に引き抜いてカバー部分を係留部分から分離させるときにステントに対する力を保ち、結果的にステントはスリーブのカバー部分によって少なくとも部分的に覆われるようになる。次に、ステントは、カテーテルに通されステントの内側と接触する細長いバルーンを使用することによって適所に拡張され得る。バルーンの拡張により、ステントが拡張され、スリーブのカバー部分が広げられる。次に、ステントを適所に残して、バルーン及びカテーテルが引き抜かれ得る。
【0028】
図10は、例示的実施形態による、スリーブをステントと係合させる別の手段を示すスリーブ210の遠位端部の斜視図である。開口の代わりに、スリーブ210の遠位端部は、ステントを覆うためにステントとスリーブとを相対的に移動させる間にステントの遠位端部と係合してスリーブを維持する1つ以上のひも1000を備え得る。ひもは、示したようなクロスハッチを形成してもよいし、又は設置中にステントと係合し、スリーブを適所に維持することができるクモの巣状(web)又は他の構造であってもよい。ひもは、脈管内で不活性に腐食する材料で形成されてもよいし、又は脈管及びステントを通る血流を妨げることなく、その場に残ってもよい。
【0029】
図11は、カテーテル215の遠位端部225の表現の半径方向断面図である。この例では、スリーブ210は、スリーブ210の一部が参照番号1110で示すように上に折り重ねられた状態でカテーテル遠位端部225に取り付けられて示されている。折り重ね部1110によって、より大きな直径のスリーブを用いることが可能となる。折り重ね部1110により、スリーブが重複の量によって決まる所望量を超えて伸びることなく、ステントの半径方向の拡張に応答してスリーブが広がることができる。スリーブの重複部分の端部は、参照番号1115で示す熱シールによって適所に軽く維持され得る。シール、又は接着剤若しくは機械的手段などの他の取付手段は、ステントの半径方向の拡張によって、又はカバー部分からスリーブの係留部分230を切り離すことによって容易に破壊されるであろう。
【0030】
図12A及び図12Bは、マイクロカテーテル1210を備えた装置1200の側断面図の表現であり、マイクロカテーテル1210は、マイクロカテーテル1210の遠位端部1220から選択された位置1217においてマイクロカテーテル1210に保持可能に結合された外側シース1215を有する。外側シース1215は、位置1217からマイクロカテーテルの遠位端部1220に向かってわずかに拡張して、外側シース1215とマイクロカテーテル1210との間にグラフト又はスリーブ1225のための空間を提供する。スリーブ1225は、設置中に外側シース1215によって適所に維持され得る。
【0031】
外側シース1215は、参照番号1230で示すように、一実施形態では、位置1217からマイクロカテーテル1210のほとんど遠位端部1220まで延在する。外側シース1215は、端部1230において、装置1200を脈管内に所望位置まで挿入する間にシース1225を保護する役目を果たし、そのような挿入に起因する摩擦がシース1225を不必要に移動させる可能性を低減する。端部1230は、異なる実施形態では、マイクロカテーテルの端部1220から後方に離間された位置から、マイクロカテーテル1210の端部1220と同じ位置又はさらには端部1220をわずかに越えて延在する位置まで、位置が異なっていてもよい。
【0032】
スリーブ1225は、ステント1230を脈管内の所望位置に設置する間にステント1230との保持可能な係合を容易にするために、マイクロカテーテル1210の遠位端部1220を越えた参照番号1227において直径が狭くなっている。シース1215の典型的な長さは、1mm又~150mm以上に及び得る。図12A及び図12Bに示すように、ステント1230はスリーブ1225の狭くなった端部と接触しており、マイクロカテーテル1210の端部からわずかに延び出ている。ロッド1240は、マイクロカテーテル1210が引き抜かれているときに、ステントを適所に維持するために用いられ得る。ロッド1240はまた、ステント1230を押すこと及び維持することができ、次いでさらに広げるために内径に対して係合することができるバルーンも表している。同時に、スリーブ1225もまた、マイクロカテーテルに沿って引き抜かれるか、又は引っ張り出されて、図12Bに示すようにステント1230を覆う。図12Bでは、ステント1230はまだ拡張されていないことに留意されたい。
【0033】
図13は、例示的な拡張されたステント1300の側面図である。ステント1300は、ループ状のメッシュとして構成することができ、メッシュのループから形成され得る複数のストラット1310を有する。ストラット1310は、マイクロカテーテル1210が引き抜かれるときにスリーブ1225の狭くなった端部に係合するのに役立つ。ステント1300の一端又は両端がこのようなストラット1310を備えてもよい。
【0034】
図14は、マイクロカテーテル1210が引き抜かれた後にスリーブ1225によって覆われたステント1300を示す側面図である。この例示的実施形態におけるスリーブ1225は、ステント1300の実質的な長さに沿って延在して示されている。
【0035】
図15は、スリーブの狭くなった端部が、該端部が設置された脈管内の流れを妨げないように、バルーンの膨張などによって引き裂かれた特徴部1510を有するスリーブ1225の端部を示している。特徴部1510は、孔1515で終了するスロットを備えることができ、孔1515は、スリーブ1225が孔を越えてさらに裂けるのを防止するために、スロットの幅より大きな直径を有する。
【0036】
図16は、縮径した又は圧縮された先端部1610を有するスリーブ1600の線図の表現である。先端部1610は、一実施形態において孔1615と、裂ける前の特徴部1620とを有する。特徴部1620は、以前に示したように孔(hold)1615をより広く開口させるように裂けるのを容易にするために、様々な実施形態でスロット、又は一連の小孔若しくは鋸歯状の切れ込み(serration)を備え得る。先端部はまた、ステントがマイクロカテーテルから押し出されるときに、ステントと係合するように設計された一連の小孔を含むメッシュを備えてもよい。1つ以上のマーカ1625は、スリーブ1600の各端部に配置されて、設置中にスリーブ及びステントの正確な配置を可能にし得る。
【0037】
図17は、圧縮されたステント端部が押し出されるときに該ステント端部を捕捉するように設計されたメッシュ状端部1710を備えるスリーブ1700の線図である。そのような捕捉を容易にするためにストラットが用いられてもよいし、又はステント自体の端部がメッシュ状端部を捕捉してもよい。スロットなどの特徴部1715もまた、メッシュ状端部の開口1725からスリーブの本体に向かって延在し得る。スロットは、ステント上にスリーブを設置する間に裂けて、脈管を通る流体の流れが妨げられないことを確実にする。
【0038】
図18は、ステント1300のまわりに配置されたスリーブ1700を有したステント1300の側面図の表現である。この表現は、スリーブ1700が示したように配置されるように、マイクロカテーテルが引き抜かれている間に、ロッドによってマイクロカテーテルから押し出されたか、又は適所に維持されたステントに一致する。少なくとも1つのストラット1310が、参照番号1810で示したように、スリーブのメッシュ状端部1710を捕捉していることに留意されたい。
【0039】
図19は、別の装置1900の横断立面図の表現である。図19の参照番号は、図12の参照番号と同一である。しかしながら、図19では、スリーブ1225は外側シースによって保護されていない。設置は前述したように進行し、ステントの押出しにより、スリーブが捕捉され、スリーブがマイクロカテーテルの外面に沿って引っ張り出される。
【0040】
例:
1.変形可能なスリーブが先端部に付いたカテーテルを血管内の動脈瘤に近接して配置することと、カテーテルを通じてステントを動脈瘤と隣り合うように配置することと、スリーブがステントによって捕捉され、ステントの一部を覆って動脈瘤を閉塞するように、カテーテルを引き抜くこととを含む方法。
【0041】
2.変形可能なスリーブを捕捉することは、ステントの突出部をスリーブ内の孔と係合させることを含む、例1に記載の方法。
3.スリーブは、カテーテルの先端部から離れるようにテーパ状に延在する、例1又は例2に記載の方法。
【0042】
4.係合する突出部は1つ以上のストラットを含み、孔は1つ以上の孔を含み、複数のストラットが複数の孔と係合される、例2又は例3に記載の方法。
5.ステントを拡張させて動脈瘤のまわりの血管と保持可能に接触させることをさらに含む、例1~4のうちいずれかに記載の方法。
【0043】
6.ステントを拡張させて、スリーブがステントの外面に絡まるようにスリーブを広げることをさらに含む、例1~5のうちいずれかに記載の方法。
7.スリーブはポリマースリーブを備える、例1~6のうちいずれかに記載の方法。
【0044】
8.ポリマースリーブは薬物で被覆されている、例7に記載の方法。
9.ポリマースリーブは細胞治療薬で被覆されている、例7に記載の方法。
10.カテーテルはマイクロカテーテルを備え、ステントは0.0762mm未満の直径を有する、例1~9のうちいずれかに記載の方法。
【0045】
11.カテーテルに取り付けられたスリーブの係留部分からスリーブのカバー部分を分離させてステントを覆うことをさらに含む、例1に記載の方法。
12.スリーブの係留部分は、スリーブの規定の軸線方向位置においてスリーブの周囲に形成された複数のミシン目を備える、例11に記載の方法。
【0046】
13.スリーブは1mm~100mmの軸線方向長さ及び長さを有する、例1~12のうちいずれかに記載の方法。
14.スリーブの異なる部分は異なる薬物で被覆されている、例1~13のうちいずれかに記載の方法。
【0047】
15.動脈瘤に接近することは、スリーブが先端部に付いたカテーテルを動脈に挿入し、先端部を動脈瘤に近接するように移動させることを含む、例1~14のうちいずれかに記載の方法。
【0048】
16.捕捉されたスリーブは、ステントの構造的完全性を高めるように作用する、例1~16のうちいずれかに記載の方法。
17.スリーブの係留部分をカテーテルの遠位端部に取り付けることと、スリーブを有したカテーテルの遠位端部を血管内の動脈瘤に近接して配置することと、カテーテルの管腔を通じてステントを移動させることと、ステントの第1の端部をスリーブの遠位端部と保持可能に係合させることと、スリーブがステントの少なくとも一部を覆って、動脈瘤への血流を塞ぐように、スリーブの係留部分を分離することとを含む方法。
【0049】
18.スリーブの係留部分をカテーテルの遠位端部に取り付けることと、カテーテルの遠位端部を脈管内の選択された位置に配置することと、カテーテルの管腔を通じてステントを移動させることと、ステントの第1の端部をスリーブの遠位端部と保持可能に係合させることと、スリーブが脈管内の選択された位置でステントの少なくとも一部を覆うように、スリーブを係留部分のまわりで分離させることとを含む方法。
【0050】
19.ステントの第1の端部をスリーブの遠位端部と保持可能に係合させることは、ステントの突出部をスリーブ内の孔と係合させることを含む、例18に記載の方法。
20.ステントを拡張させて、スリーブがステントの外面に絡まるようにスリーブを広げることをさらに含む、例18又は19に記載の方法。
【0051】
21.管腔及び遠位端部を有するカテーテルと、カテーテルの遠位端部に結合された近位端部を有する変形可能なスリーブとを備え、スリーブは、スリーブの遠位端部に配置された孔であって、カテーテル管腔を通じて進められるステントのストラットに係合するように適合された孔を有し、スリーブは、スリーブの近位端部とスリーブの遠位端部との間に配置された環状の一連のミシン目を有する、装置。
【0052】
22.スリーブの少なくとも一部の上に配置されたシースをさらに備える、例21に記載の装置。
23.カテーテルの遠位端部に結合するための近位端部を有する変形可能なスリーブであって、スリーブは、スリーブの遠位端部に配置された孔であって、カテーテルの管腔を通じて進められるステントのストラットに係合するように適合された孔と、スリーブの近位端部とスリーブの遠位端部との間に配置された環状の一連のミシン目とを有する、変形可能なスリーブ。
【0053】
24.スリーブの外側に治療用コーティングをさらに備える、例23に記載のスリーブ。
25.治療用コーティングは薬物を含む、例24に記載のスリーブ。
【0054】
26.治療用コーティングは、スリーブの外側の異なる部分を被覆する複数の薬物を含む、例25に記載のスリーブ。
27.治療用コーティングは細胞を含む、例25に記載のスリーブ。
【0055】
28.スリーブはポリマーを含む、請求項27に記載のスリーブ。
29.ポリマーは、異なる特性を有した2種以上のポリマーを含む、例28に記載のスリーブ。
【0056】
30.ポリマーは、コポリマーブレンド又は複数のポリマーの層を含む、例23~29のうちいずれかに記載のスリーブ。
31.スリーブは、0.00635mm~0.127mmの壁厚を有する、例23~30のうちいずれかに記載のスリーブ。
【0057】
32.スリーブは、1mm~100mmの、ミシン目と遠位端部との間の長さを有する、例23~30のうちいずれかに記載のスリーブ。
33.スリーブは近位端部から遠位端部に向かってテーパ状となっている、例23~32のうちいずれかに記載のスリーブ。
【0058】
いくつかの実施形態について上記で詳細に説明してきたが、他の変更が可能である。例えば、図に示した論理の流れは、望ましい結果を達成するために、示した特定の順番、又は順序を必要としない。説明した流れから、他の工程が提供されてもよいし、又は工程が削除されてもよく、説明したシステムに対して他の構成要素が追加又は削除されてもよい。他の実施形態は以下の特許請求の範囲の範囲内にあり得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【手続補正書】
【提出日】2022-12-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルの遠位端部に結合するための近位端部を有する変形可能なスリーブであって、前記スリーブは、
前記スリーブの遠位端部に配置された孔であって、前記カテーテルの管腔を通じて進められるステントのストラットに係合するように適合された孔と、
前記スリーブの前記近位端部と前記スリーブの前記遠位端部との間に配置された環状の一連のミシン目とを有する、
変形可能なスリーブ。
【請求項2】
前記スリーブの外側に治療用コーティングをさらに備える、
請求項1に記載のスリーブ。
【請求項3】
前記治療用コーティングは薬物を含む、
請求項2に記載のスリーブ。
【請求項4】
前記治療用コーティングは、前記スリーブの外側の異なる部分を被覆する複数の薬物を含む、
請求項3に記載のスリーブ。
【請求項5】
前記治療用コーティングは細胞を含む、
請求項4に記載のスリーブ。
【請求項6】
前記スリーブはポリマーを含む、
請求項5に記載のスリーブ。
【請求項7】
前記ポリマーは、異なる特性を有した2種以上のポリマーを含む、
請求項6に記載のスリーブ。
【請求項8】
前記ポリマーは、ポリマーブレンド又は複数のポリマーの層を含む、
請求項6に記載のスリーブ。
【請求項9】
前記スリーブは、0.00635mm~0.127mmの壁厚を有する、
請求項1~8のうちいずれか一項に記載のスリーブ。
【請求項10】
前記スリーブは、1mm~100mmの、前記ミシン目と前記遠位端部との間の長さを有する、
請求項1~9のうちいずれか一項に記載のスリーブ。
【請求項11】
前記スリーブは前記近位端部から前記遠位端部に向かってテーパ状となっている、
請求項1~10のうちいずれか一項に記載のスリーブ。
【請求項12】
管腔及び遠位端部を有するカテーテルと、
前記カテーテルの前記遠位端部に結合された近位端部を有する変形可能なスリーブと、
を備え、
前記スリーブは、
前記スリーブの遠位端部に配置された孔であって、前記カテーテルの管腔を通じて進められるステントのストラットに係合するように適合された、孔と、
前記スリーブの前記近位端部と前記スリーブの前記遠位端部との間に配置された環状の一連のミシン目と、を有する、
装置。
【請求項13】
前記スリーブの少なくとも一部の上に配置されたシースをさらに備える、
請求項12に記載の装置。
【国際調査報告】